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1971/05/16 第68回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第068回国会 本会議 第29号
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1971/05/16 第68回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第068回国会 本会議 第29号

#1
第068回国会 本会議 第29号
昭和四十七年五月十六日(火曜日)
    ―――――――――――――
 議事日程 第二十五号
  昭和四十七年五月十六日
    午後一時開議
第一 日本開発銀行法の一部を改正する法律案(
  内閣提出)
第二 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建
  促進特別措置法の一部を改正する法律案(内
  閣提出)
    ―――――――――――――
○本日の会議に付した案件
 赤城農林大臣の林業基本法に基づく昭和四十六
  年度年次報告及び昭和四十七年度林業施策に
  ついての発言及び質疑
 日程第一 日本開発銀行法の一部を改正する法
  律案(内閣提出)
 日程第二 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財
  政再建促進特別措置法の一部を改正する法律
  案(内閣提出)
    午後一時五分開議
#2
○議長(船田中君) これより会議を開きます。
     ――――◇―――――
 赤城農林大臣の林業基本法に基づく昭和四十六年度年次報告及び昭和四十七年度林業施策についての発言
#3
○議長(船田中君) 農林大臣から、林業基本法に基づく昭和四十六年度年次報告及び昭和四十七年度林業施策について発言を求められております。これを許します。農林大臣赤城宗徳君。
  〔国務大臣赤城宗徳君登壇〕
#4
○国務大臣(赤城宗徳君) 昭和四十六年度林業の動向に関する年次報告及び昭和四十七年度において講じようとする林業施策につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 まず、昭和四十六年度林業の動向に関する年次報告について申し上げます。
 わが国林業は、資源的な制約、生産基盤の整備のおくれ等の構造的要因に加え、昭和四十五年秋以降の景気後退の中にあって、木材需要の停滞、木材価格の低迷等きわめてきびしい事態に直面しております。
 木材の需給の動向を見ますと、その需要は、昭和四十五年には一億立方メートルに達しましたが、国産材の供給は前年に引き続き減少し、一方、外材の進出は、わが国林業、林産業に一そう大きな影響を及ぼすに至っております。
 造林等の林業生産活動は、材価の低迷による伐採の停滞、林業労働力の減少等の影響を受け停滞的に推移し、このため、一般的に林業所得も伸び悩んでおります。
 また、自然環境の保全その他森林の持つ公益的機能の維持増進については、保安林制度の充実その他従来から行なってきた森林の公益的機能の発揮の努力に加えて、木材生産機能との調和の上に立った森林の多角的な機能の最高度の発揮をはかることが必要となっております。また、近年、特に国民の自然参入の場としての森林の利用が急増したことに伴い、森林の保護、地域住民の生活及び林業年産活動との調整の問題が生じており、森林管理の強化等の必要性が高まっております。
 なお、このような国内林業のきびしい情勢は国有林野事業にもあらわれており、国有林野事業としては、国有林野の公益的機能の維持増進をはかるための諸施策の充実強化、各種専業の徹底的な改善合理化等、事業全般にわたる改善を行なうことが必要な事態となっております。
 以上が第一部の概要であります。
 次に、第二部におきましては、昭和四十五年度及び四十六年度において林業に関して講じた諸施策を記述しております。
 最後に、昭和四十七年度において講じようとする林業施策について申し上げますと、以上のような林業の動向に対処するため、政府といたしましては、昭和四十七年度におきまして、林道等の生産基盤の整備開発及び森林資源の維持増強、林業構造の改善、林産物需給の安定及び流通加工の合理化、林業従事者の養成確保及び福祉の向上、森林の持つ公益的機能の維持増進等の各般の施策を推進することといたしております。
 以上をもちまして概要の説明を終わります。(拍手)
     ――――◇―――――
 林業基本法に基づく昭和四十六年度年次報告及び昭和四十七年度林業施策についての発言に対する質疑
#5
○議長(船田中君) ただいまの発言に対して質疑の通告があります。これを許します。千葉七郎君。
  〔千葉七郎君登壇〕
#6
○千葉七郎君 私は、日本社会党を代表して、昭和四十六年度林業年次報告及び四十七年度林業施策に関しまして、佐藤総理並びに関係大臣に対しまして若干の質問をいたします。
 わが国は、大企業本位の高度経済成長政策で世界第三位の経済大国に成長したとはいえ、反面、国民空活環境の破壊が進んだことは、きわめて重大であります。それは、物価の上昇、産業、食品、薬品、交通など公害の全国的な広がり、自然破壊、そして国土の六八%を占める森林の荒廃等に代表されているのであります。
 本来、わが国の森林は、国土の保全、水源涵養、大気の浄化、国民の保健休養等重要な役割りを持ち、さらに、森林木材資源は、諸産業の基礎資材として国民生活」不可欠のものであり、山村住民と林業労働者の生活の基礎となっているのであります。しかも、公害の広がりで、一そう森林の公益機能の充実が求められ、緑の保全を中心とする環境資源重要性が認識されるようになってまいりました。
 しかるに、このような重大な役割りを持つ森林、林業は荒廃が進み、国内生産は激減し、山村の過疎化とともに、林業労働者の量、質の低下は深刻となり、民有林、国有林を問わず、最大の危機に直面しております。すなわち、国土の二〇%、全森林の三〇%を占める国有林を中心とした生長量無視の乱伐――大面積皆伐、一斉拡大造林、大型機械及び林業用除草剤などの大量使用、請負化による安上がりの生産方式によって、森林荒廃、森林生産体系と自然破壊が進められました。
 第二に、木材需要量は、昭和四十五年一億万立方メートルに達し、十年前の約二倍にふえたのに、国内の木材生産は、昭和四十二年の五千二百七十四万立方メートルから昭和四十五年には四千六百二十四万立方メートルと、年々低下したために、外材輸入は、昭和三十五年の七百五十四万立方メートルから四十五年には五千六百四十四万立方メートルヘと約八倍にふえ、その比率は一三%から五五%となり、四十六年見込みは六〇%に迫っている。しかも、このような外材依存の政策が、国内林業生産、関係中小企業の経営不振の要因となっており、四十五年度の倒産件数は実に八百件にのぼり、全産業倒産の八%に端的にあらわれているのであります。
 第三に、重化学工業その他大企業への低賃金労働力供給と、安上がり農政の農業近代化政策、国有林事業の合理化による山村の過疎と住民の生活基盤の破壊、出かせぎ、一家ぐるみ、部落ぐるみの離村によって、林業労働力の不足が林業生産や森林経営の隘路になるという悪循環をうんでいることであります。
 以上が示すとおり、今日、森林、林政の危機は深刻であります。
 さらに、国が管理、経営している国有林の荒廃が最も進んでいること。山は一度荒らすとも短年月川では回復ができない。森林経営は国家百年の大計に立たねばならぬゆえんであります。企業性追求第一の林業基本法の改定を含めた林政、国有林経営のあり方を根本的に考え直すべきだと思うのであります。豊かな緑と酸素が失なわれようとしており、森林の破壊、国土の荒廃は、日本民族滅亡の道であります。政府の責任はきわめて重大であります。佐藤総理の責任ある見解を承りたいのであります。
 いまや、環境汚染、森林の乱伐による自然破壊は全世界的な問題となり、世界会議が持たれるほどに国際世論が高まってきているゆえんであります。世界一の公害国となったわが国世論も、かつてない高まりを見せております。国有林の乱、増伐、大面積皆伐、安上がり林道開設など、自然破壊、緑の破壊に対する批判は、国民の怒りとさえなっております。
 しかるに、白書では、こうした情勢と国有林経営の誤り、企業性追求についての反省が十分とは言えないのでありますが、森林行政の基本は、林木の適正な更新であります。ゆえに、適正なる伐木と植林の励行、拡大によって、自然保護の使命と役割りの拡充をはかるべきであります。したがって、農林、環境両当局は、常に連絡を密にして、国有林経営と自然保護の調整をはかるべきであります。
 環境庁長官は、林野庁は自然破壊の元凶だ、業者と結託してむやみに木を切るけしからぬ役所だと非難したと、十四日の新聞が伝えておりますが、この非難は、これまでの林野庁の方針の一面に対しては当たるところなきにしもあらずと思われますが、森林行政の基本に対しては理解の不足を示すものと思われるのであります。自然保護と森林行政の荒木、並びに国有林経営との関連調整に対しまして、大石長官はどのように考えられるか、その真意を承りたいのであります。
 次に、農林大臣にお尋ねいたします。
 森林資源に関する基本計画及び重要林産物の需給の長期見通しは、国及び自治体、そして林業団体、山林所有者等の生産と需要の指標となる重要なものでありますが、四十一年四月の基本計画と長期見通しは一年でくずれまして、いま改定作業を進めておられるようですが、いつ明らかにされるのか。また、改定に当たっては、再び一、二年でくずれるような机上プランや期待、願望で組み立ててはならない。特に外材輸入商社まかせの需要見通しや、実態無視の国内生産量の見通しではならないし、白書でも触れているように、外材の将来も明るくない情勢をよく分析して、今後の林業、森林経営の指標として権威あるものにしていただきたいと考えるのであります。
 最近、国有林の財政悪化、赤字問題がことさらに宣伝をされ、国有林の存在意義がなくなったかのような暴論、あるいは林業労働者の責任であるかのようなことを政府当局者が言っているように聞くのでありますが、事実とすれば全くけしからぬことだと思うのであります。森林経営は、もともと生産期間が長く、資本回収率も悪く、企業的経営には適合しがたいのであります。それだけに、最近の外材時代の到来による材価の低迷は、ドル・ショック、円の大幅切り上げで決定的となっていることは言うまでもありません。森林面積の三分の二を占め、しかも里山中心の民有林経営においても深刻であります。ましてや、わが国の脊梁山脈を中心に展開をし、保安林、自然公園、共用林など法制的、公益的制限を受ける林分を六〇%内外も持ち、なおかつ、地域経済振興と住民福祉向上の名目で数百億円の特売、安売りを行ない、さらに、毎年、支出予算の一〇%内外を保安林整備、治山事業などの公共事業、森林開発公団への出資や一般会計への繰り入れ等をしている国有林に、剰余金を求めるような利益追求の経営は無理な話でありまして、国有林の健全な経営、国有林の本来的な公共的使命の速成ができなくなる。過去の国有林の黒字は、生長量の二倍程度の伐採による資源食い荒らし、造林投資の手抜き、農山村の余剰労働力の臨時雇用制度、そしてコストダウンを追い求めた大面積皆伐、安上がり林道開設等の山荒らし施業で意識的につくり出した剰余金、黒字であったことは、まぎれもない事実であります。
 現在、国有林経営の今後のあるべき方向について林政審議会に諮問中と聞いていますが、少なくとも赤字問題が中心課題であってはならない。今日の国有林経営の課題は、産業界の要請による生長量無視の増伐などで失われつつある公益機能と緑を取り戻すことであり、多目的機能の発揮をはかることであります。そして、林業の長期性と木材価格決定の機能を持たない国有林野事業の特異な実態に立った長期的な収支計算による財政制度を確立し、その本来の目的である、山から上がった収入は山に返す、公共事業や公益機能の充実の費用は国の一般会計から繰り入れる等、国有林野特別会計の健全な運営をはかられるよう改善する必要があります。
 また、経営のにない手である現場労働者の雇用安定と処遇の改善、前時代的な臨時雇用制度をなくすこと、施業のあり方、特に、原則として直営直用による素材販売、造林の充実、大口業者に対する特売制度の廃止等について、根本的に改善をはかるべきものと考えますが、農林大臣の所見を伺いたいと思います。
 重ねて佐藤総理にお尋ねいたします。
 わが国の森林、林業の現状を憂い、林業の振興と森林の公益的機能の充実を期するために、第六十五国会の衆参、両院において全会一致で林業振興に関する決議を行ない、政府を代表して当時の倉石農林大臣から、政府として決議を尊重し努力する旨の言明があったことは御承知のとおりであり、佐藤総理も、二月二十九日の予算委員会における西宮委員の質問に対し、国会の、満場一致の衆参、両院での決議を尊重することは当然であり、確認しておきたいとの考え方が示されているところであります。
 しかるに、決議されて一年、森林、林業の危機は、昨年八月のドル防衛策、十二月の川の切り上げによって一そう深まってまいりました。こうした情勢の中で、この決議の具体的実施をいよいよ急がなければならないと思うが、危機打開のための林政の展開をいかように実現をするおつもりなのか。
 さらに、外材問題に対する規制と課徴金の問題、国営分収造林制度の早期実施、林道網の整備、林業労働者の定着化等について、山村地帯市町村の要求は熾烈であり、国の根本的な対策樹立の要請を決議しておるのでありますが、この要請を受けて、どのように林業振興決議の実現をはかり、林業と山村の振興をはかろうとされているのか、お伺いをいたしたいのであります。
 最後に、労働大臣にお尋ねいたします。
 林業労働は、山奥が職場であり、生活の根拠もあるという、きわめて恵まれない条件下にあり、劣悪な労働条件と低賃金、そして危険作業、これらが林業から労働者が流れ出る要因となっていることは言うまでもありません。しかも、民有林労働者を中心とした労働基準法の適用除外や、各種社会保険の完全適用がなされていないことなどが拍車をかけているのであります。林業労働者の雇用安定をも含めた林業労働法の制定など、制度的措置を早急にはかるべきものと思うのでありますが、所見を伺いたいと思います。
 また、林業労働における労働災害は、全産業の中で鉱業、土建業などに次ぐもので、一貫して減ってはいないのであります。また、世界の職業病の歴史に例を見ない白ろう病の大量発生は一そう深刻となっており捜す。国有林では、職業病認定者がすでに千二百人をこし、機械使用者十人に一人の割合となっています。しかも、その他に異常を訴えている者が四千人もいるという異常さで断ります。国有林の十倍以上の振動機械、国有林と比較にならない労働時間。労働条件からすれば、民有林では、国有林の数倍の白ろう病患者が隠れているといわなければなりません。そして、白ろう病には有効な治療の方法がないということがより深刻であります。この問題の解決は、林業労働者の命と健康上からはもちろん、林業労働者確保の面からもきわめて重大なのであります。無振動機械と治療方法の研究、開発について、二年前に労働省は、国をあげて取り組み、一、二年の間に解決をはかると約束しましたが、今日依然として解決されていないのは残念であります。今後の見通しについて明らかにしていただきたいと思うのであります。
 豊かな山村の緑と環境資源、森林資源をつくり上げ、豊かな国民生活をつくり上げるため、国をあげて取り組むことを提唱いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
  〔内閣総理大臣佐藤榮作君登壇〕
#7
○内閣総理大臣(佐藤榮作君) 千葉君にお答えをいたします。
 わが国森林、林業は、山村地域社会の中核的な産業として重要な位置を占めるとともに、国土の保全、水源の涵養、その他森林の持つ公益的な役割りを果たしてまいっております。ところが、千葉君も御指摘のように、近年木材需要の増大に対処する外材の進出の中で、木材価格の低迷や林業労働者の減少傾向など、林業経営にとってきびしい情勢を迎える一方、自然環境の保全に対する国民的要請は、一段と強まってきているのであります。
 このようなわが国の森林、林業をめぐる諸情勢の変化に対処して、国内森林、林業政策を今後いかに進めるかにつきましては、治山業等の公益的事業の推進をはかるとともに、造林の推進、林道の整備など、林業生産対策の拡充、林業労働環境の整備、外材輸入の適正化をはかる必要があると考えます。また、国有林につきましては、その使命である公益性を確保しつつ、しかも、その財政収支を健全化して国民の負託にこたえることが肝要であると考えます。政府は、このような民有林、国有林を通ずる森林、林業施策について現在検討を進めており、可能な限りすみやかに実施に移す方針であります。
 次に、千葉君からは、さらに具体的に、第六十五国会の林業振興決議の実施についてお尋ねがありましたが、決議の内容は林政の基本となる重要な問題でありますので、ただいま申し上げました民有林及び国有林を通ずる林政全般にわたる総合的な施策の一環として、現在検討を進めているところであります。
 政府といたしましては、特に造林事業の積極的な拡充や、外材輸入に対する行政指導の強化等につとめるとともに、国有林野事業の改善につきましては、林政審議会における検討の結論を待って、すみやかに実施に移すこととしたいと考えております。
 以上、私から基本的な考え方につきましてお答えをいたしました。不足の点につきましては、それぞれの大臣からさらに補足さしていただくことにいたします。(拍手)
  〔国務大臣塚原俊郎君登壇〕
#8
○国務大臣(塚原俊郎君) 林業労務者は、季節的なものが非常に多いのでありまして、ことに民有林においては零細規模のものがありまするだけに、そこに働く方々のいろいろな問題が出ておることは、御指摘のとおりであります。
 今日まで、労働省といたしましては、事業実施期間の延長、それから、各種事業の細み合わせ、こういうものを考えまして、雇用期間の長期化、それから作業員の常用化、処遇の改善というものにつとめてまいったわけであります。
 しかしながら、いろいろ問題もありまするので、根本的には経営基盤の強化が必要でありまするから、今後とも、関係各省と連係を保ちながら、通年雇用化、また労働保険の適用、労災の防止、労働条件の改善、こういうことに重点を置きながら、林業に働く方々の恵まれない立場をお救いしてまいりたい、このように考えております。御指摘のような、林業労働法でありまするか、この立法措置については、現存のところ考えておりません。いま申し上げましたような施策によりまして、恵まれない林業労務者の方々への処置を講じてまいる考えであります。
 なお、労災の発出率については、確かに憂うべき点があります。ことに、白ろう病のお話が出ましたけれども、これは、やはり職業病として見のがすことのできない大きな問題であります。今回、衆議院を通過いたしまして、参議院で御審議を願っておりまする労働安全衛生法も、こういうものを防止するために御審議を願っておるものでありまするが、この法案の成立により、そういうものへの配慮も十分はかっておるところであります。しかし、当面、白ろう病につきましては、治療対策の徹底と、それから機械の改善、一例をとるならば防振ハンドルというようなものを採用いたしまして、いま極力白ろう病からお救いする処置を講じておりまするが、御指摘のように、この林業に働く林業労務者の職業病、特に白ろう病につきましては、今後ともわれわれは重大関心を持って、その絶滅を期するよう最善の努力をいたす考えであります。(拍手)
  〔国務大臣赤城宗徳君登壇〕
#9
○国務大臣(赤城宗徳君) お答え申し上げます。
 森林の基本計画の改定及び見通し等についてはどうかという問題でございますが、現行の森林資源に関する基本計画と需要の長期見通し、これにつきましては、策定後における森林並びに森林庁めぐる情勢の変化を踏まえまして、国土保全、水資源の涵養、国民の保健、休養、林産物の安定的供給等の、森林の持ちます多面的機能の総合的な発揮を旨といたしまして、四十七年度中に改定を行なうべく、ただいま検討を続けておる次第でございます。
 次に、今後の国有林経常のあり方についてどういうふうに考えておるかということでございますが、いま御指摘のように、また総理大臣からも話がありましたように、現在林政審議会に検討を願っておるところでありますが、赤字問題だけが中心であってはならないと、私も、御意見のとおり思っております。
 それで、その基本的な考え方といたしましては、森林、林業をめぐる最近のきびしい諸情勢の中で、森林の公益的機能に対する国民的要請が、国有林についてもとりわけ高まっておる現状でございます。それにかんがみまして、森林の多角的機能の維持、増進に配意した施業の拡充、治山事業等公益事業の推進と、費用負担の改善等の諸施策の充実強化をはかること。第二に、一方、国内林業生産に占める国有林の地位と地域経済社会に及ぼす国有林の影響から見て、林産物の持続的安定的供給及び地域における産業の振興という国有林の役割りについてもこれを推進いたしたい。第三に、国有林の企業経営的分野につきましては、国民の納得が得られるように、年産、販売等各種事業の改善、合理化をはかること。第四に、林業労働者対策でございますが、これは非常に重労働でもあり、また、非常に恵まれない労務関係にあります。労働大臣からも御答弁がありましたように、労働省とも十分打ち合わせをしたいと思いますが、国有林に直接雇用されておる労働者と森林組合労務班等民間の林業労務者、労働者の相方につきまして、雇用の安定その他、ただいま労働大臣からも御答弁がありましたもろもろのことにつきまして必要な施策を推進したい。こういうことを中心にいたしまして、その抜本的な改善方策を検討いたしておる次第でございます。(拍手)
  〔国務大臣大石武一君登壇〕
#10
○国務大臣(大石武一君) 今日ほど日本の自然を守らなければならないという国民の意識の高まっているときはございません。そのような背景のもとに、私のところには各地から、原始林の伐採が多過ぎるとか、あるいは自然林の破壊が多過ぎるという陳情がたくさん参っております。このようなことで、私も、何とかして日本の自然を守りたいということで、多少神経質になっておりますためですか、つい思い上がって、口がすべって強いことばを吐いたこともございますので、その点はひとつ御容赦を願いたいと思うのでございます。
 御承知のように、日本の森林のうち、国有林が六〇%を占めております。しかも、この国有林は林野庁が所管しております。したがいまして、この森林資源、ことに自然資源を十分に守ってまいりますためには、どんなことがあっても、やはり林野庁とわれわれが意見を調整して、緊密な連絡を行なわなければならないことは当然でございます。
 そういうことで、私どもも、十分に林野庁とは意見の調整あるいは理解を求める努力をいたしておりまして、その証拠として、御承知のように自然環境保全法案も、ようやく両者の合意を見まして、近く国会に提案することができる段階に来ておりますので、その点をひとつ十分にお認め願いたいと思う次第でございます。
 われわれは、日本の自然を豊かに保存するためには全力をあげてまいりたいと考えております。しかし、これは非常に困難なことでございます。現在では、自然公園法と鳥獣保護法あるいは文化財保護法というようなわずかな法律によって、日本の自然のごく一部が、しかもわずかな規制だけをもって保護されておる現状でございます。どのようなことがあっても、これをもう少し広げまして、もう少し日本の豊かな自然を守るような方向に進めてまいりたいと考えております。そのために自然環境保全法をいまつくっているわけでございますが、これをぜひとも皆さまに十分に御理解をいただきまして、この国会で通過できますように御協力をお願いしたいのでございます。
 近ごろは、国民の要望によりまして、日本の森林、ことに国有林に対しては強い公益性が要望されております。考えようによっては、日本の林野庁も、よくこれまでの自然を残してくれたといえないこともないと私は思うのでございます。そういうことで、なお今後、このようないわゆる林業経営の困難な時代に公益性を強く持ってまいるということは、なかなか苦しいことだと思います。しかし、これはどうしてもやってもらわなければなりません。でありますから、これを林野庁が林業の指導とその企業性を一部発揮しながら公益性を十分に高く守ってもらうためには、やはりいままでのような、ただ単に独立採算性のような考え方では、なかなかうまくいかないのじゃないかと思いますので、この点も十分に皆さまから御理解をいただきまして、りっぱな林野行政が行なわれるように、われわれも心から祈っておる次第でございます。(拍手)
#11
○議長(船田中君) これにて質疑は終了いたしました。
     ――――◇―――――
 日程第一 日本開発銀行法の一部を改正する
  法律案(内閣提出)
#12
○議長(船田中君) 日程第一、日本開発銀行法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#13
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。大蔵委員長齋藤邦吉君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔齋藤邦吉君登壇〕
#14
○齋藤邦吉君 ただいま議題となりました日本開発銀行法の一部を改正する法律案につきまして、大蔵委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 日本開発銀行行の融資は、設立当初においては、経済の再建を目的とした基幹産業中心に行なわれておりましたが、最近では、都市再開発、流通近代化、公害防止等いわゆる社会開発に資するものの比重が高まっております。この法律案は、このような状況に即応して、さらに、最近における既成市街地の整備改善、大規模工業基地の建設等についての新しい要請にこたえるため、日本開発銀行の機能の一そうの充実をはかろうとするものでありまして、その改正のおもなる点は次のとおりでありのす。第一に、日本開発銀行の目的のうち、「経済の再建及び産業の開発」を「産業の開発及び経済社会の発展」に改めることといたしております。
 第二に、日本開発銀行の業務の範囲を拡充することといたしております。
 まず現行法のもとでの開銀の貸付け業務は設備の取得等及び土地造成資金の貸付けに限られておりますが、都市再開発事業等の円滑な遂行をはかるため、既成市街地の整備改善事業によって建設される施設については、分譲部分の建設資金も貸し付けることができることとし、なお、住宅の建設を主とする事業については、住宅金融公庫の貸付けの対象とし、両機関一の業務分野の調整をはかることといたしております。次に、開銀の業務の範囲に新たに出資を加え、産業の開発の程度が低く、その振興を促進する必要がある地域において、大規模な工業基地の建設を行なう者に対し、大蔵大臣の認可を受けて、所要資金の出資をすることができることといたしております。
 第三に、日本開発銀行の借入金等の限度額を引き上げることといたしております。開銀の借入れ及び債券発行の限度額は、現行法では、自己資本の額の六倍とされ、また、貸付け及び債務保証の限度額は、自己資本の額と借入れ等の限度額の合計額とされております。しかるに、開銀の昭和四十七年度の貸付けは、同年度末には現行法の限度額を越えることになりますので、同行の業務の円滑運営をはかるため、借入金等の限度を、この際、自己資本の額の二十倍に引き上げることといたしております。
 以上がこの法案の概要でありますが、本案につきましては、審査の結果、去る十二日質疑を終了いたしましたところ、自由民主党を代表して山下元利君より修正案が提出されました。
 修正案の要旨は、「昭和四十七年四月一日」となっている施行期日を「公布の日」に改めようとするものであります。
 次いで、原案並びに修正案について討論を行ないましたところ、日本社会党、公明党、日本共産党の三党を代表して広瀬秀吉君より反対の意見が述べられました。続いて採決いたしましたところ、修正案並びに修正部分を除く原案はいずれも多数をもって可決され、よって、本案は修正議決すべきものと決しました。
 なお、本案に対しましては、日本開発銀行の融資等にあたっては、生活環境の保全と福祉の向上をはかるため、国民生活優先の分野に重点を置くよう運営すること、開銀の借入金等の限度額の大幅な引き上げに伴い、融資に際し、資金の公益的かつ効率的な運用を欠くことにならないよう特段の配慮をすること、開銀の役職員の民間企業への転出については、融資先企業への押しつけを排し、出向制を活用しつつやむを得ざる最小限度に限ることとなるよう慎重厳正を期すること、の三項目にわたる附帯決議を付することと決しました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#15
○議長(船田中君) 討論の通告があります。これを許します。佐藤観樹君。
  〔佐藤観樹君登壇〕
#16
○佐藤観樹君 私は、日本社会党を代表して、ただいま議題となりました日本開発銀行法の一部を改正する法律案に対しまして、反対の討論を行ないます。
 開銀は、昭和二十六年設立以来、民間金融機関が行なう金融を補充をして、経済の再建及び産業の開発を促進するため、鉄鋼、石炭、電力、海運など基幹産業への融資を積極的かつ果敢に行ない、大資本を側面から援護してきたわけであります。この高度経済成長を優先する政策金融が、一体日本経済に何をもたらしたのか。産業分野における大企業の寡占内傾向と市場独占による経済支配をもたらすに至ったことは論をまちません。
 このことは、逆に言えば、中小企業、農林水産業に大きな圧迫を加え、わが国経済の二重構造を解消するどころか、かえって強固なものにし、所得格差の是正どころか、一そうの拡大をもたらしたのであります。
 いま大きな問題となり、何ら抜本的な対策の打たれていない過密過疎の問題から始まり、公害、大都市の抜き差しならぬ混雑、交遊事故、住宅不足等々は、このような大企業優先の融資に加えて、長年の高度経済成一長政策とが相まって引き起こされていることを思い起こせば、開発銀行の今日までの融資の方向が一目瞭然とわかるわけであります。このことは、政策金融の持つ二面性の矛盾を暴露し、政府・自民党の自由主義経済の限界を知らざれ、経済政策の基本的な行き詰まりを来たした事実を今日の現状がはっきりと物語っているのであります。
 特に開銀の融資状況は、昭和四十年ごろより大都市再開発、地方開発などに融資が振り向けられるようになりましたけれども、額の面においては、基本的には経済の再建及び産業の開発のほうにウエートが置かれ、その結果は、いまだに電力、海運といった特定企業のみを優遇した融資が続けられているのであります。国民の財政投融資を主たる原資とする政府関係融資機関としてきわめて遺憾なことであります。
 今度の改正により、第一条の目的の項の「経済の再建及び産業の開発」が、GNP世界第三位の日本としてすでに時代おくれであるとして、「産業の開発及び経済社会の発展」というように改められましたものの、何といってもその主眼目は産業の高度成長であり、いま必要な都市の再開発や地方開発における公共投資、不足に対して、きわめてわずかしか考慮を払われておりません。
 たとえば過去において、旧全総によるところの新産都市、工業整備特別地域、低開発地域、工業開発地区等により企業が誘致されましたが、すべてその結果は失敗に終わっているといっても過言ではないと思います。それは、開銀の融資がもうかる企業のみへの融資であり、関連道路とか下水道など公共投資が行なわれなかったので、その結果は、公害により、あるいは環境整備の足りない、地域住民に住みにくい、いやむしろ有害な地域開発でしかなかったのであります。
 今日、さらに考慮すべきことは、このような二の舞いをしないことであります。産業開発、地域開発に併発する公害の要因をつくり出す開発ではなく、国民生活の福祉、環境保全に関してきわめて積極的に取り組む融資態度、政策が必要であります。
 現在、わが国を問わず、世界的な課題として国民生活の環境保全が大きな問題であり、国民ひとしくその対策を持ち望んでいるにもかかわらず、あえてその実現に向かおうとしないのは、無策の佐藤内閣の圧巻といえましょう。(拍手)
 このような大企業のための経済成長優先の融資という開銀の体質は、その運営にもあらわれております。
 昭和四十年から四十六年まで、開銀を退職した者は合計九十名、このらち企業へ就職した者が六十二名ですが、その何と七四%に当たる四十六名は開銀からの融資残がある企業という、驚くべき実態が明らかにされているのであります。しかも四十六名中三十七名は、開銀からの融資が始まると同時に開銀を退職し、融資企業に就職しているのであります。開銀がいかに企業べったりな政府金融機関かということがおわかりいただけるかと思います。
 私は、憲法にきめられた職業の自由、就職の自由を侵そうとは思っておりません。しかし、いかに公務員でないから人事院の検査がないにしろ、国民の財政投融資を原資とする政府関係金融機関の職員が、融資先の経営を軌道に乗せ融資の償環を確実にするという名目で、職員の地位を利用することは、断じて見過ごすわけにはまいりません。今後二度とこのようなことのないよう、厳重に開銀を監視し、政府、大蔵省、開銀もえりを正して事に対処することを強く、要望しておきます。
 さらに、今回の改正では、ある一定範囲、大規模工業基地の建設にあたっては、開銀が融資にとどまらず、出資をできるようにしております。すなわち、新全国総合発展計艇に基づき、東北のむつ小川原湖とか、西南地域では周防灘、志布志湾など大規模工業基地が建設されようとしております。しかし、旧全総で鹿島灘が開発されたときに結果はどうだったでしょうか。「緑と太陽の鹿島灘づくり」「公害のない地域開発」の茨城県知事のことばとうらはらに、現実に起こったのは、林立する工場群から吐き出される大量のばい煙、排液による公害、さらには、開発のために住民の間に起こった銭ゲバといわれる心の荒廃以外の何ものでもなかったのであります。もうけたのは土地のブローカーとお医者さんだけだったという実態をもう一度考えてみなければいけないと思います。
 このため、新全総に基づき、開発を目ざしているむつ小川原湖、周防灘、志布志湾地域の住民からは、再び鹿島灘の轍を踏むまいという根強い反対闘争が起こっているのであります。
 周防灘は瀬戸内海の西端であり、ただでさえ瀬戸内海の汚染が問題となり、昨年は予算委員会がわざわざ実情を視察し、地域開発、新全総に疑問を持つ報告がされ、政府も閣僚会議を設け、瀬戸内海の汚染を食いとめるのに努力しているというときに、一方では、汚染の原因となる大規模工業基地を瀬戸内海の西につくるというのは、政府の施策が産業優先から一歩も離脱をしてないということであります。また、志布志湾についても、計画の大規模工業基地内には日嗣海津の国定公園が存在しており、計画を実行に移すためには、この国定公園の推定を解除しなければならないのであります。先ほどの環境庁長官のことばにもありましたように、環境保全が最優先されなければならないという時代に逆行している地域開発であります。
 特定地域における産業開発のために、附録が膨大な資金量を背景に計画に参画することは、地方自治に対する大きな圧迫であるとともに、結果においては、民間デベロッパーの無秩序な開発をあと押しする結果になることは、過去の例から明らかであります。
 また、今回の改正点は、開銀の貸し付け限度額を資本金と法定準備金の六倍から一挙に二十倍に引き上げることにあります。四十六年度の融資規模は三千七百五十、五億円ですが、四十七年度には一千億増の四千七百三十億円と、三〇%増であります。これを一挙に二十倍にいたしますと、何と驚くなかれ、貸し付け限度額は七兆六千百六十一億円という膨大な額になります。本年度予算額は十一兆四千六面七十六億円であり、財政投融資が五兆六千三百五十億円、開銀を除く政府関係金融機関の融資合計は二兆九千五百五十八億円でありますから、この二十倍にしたときの七兆六、千街六十一億円というのがいかにむちゃくちゃな数字であるかがおわかりになると思います。
 従来、開銀法の一部改正を国会審議に出されるときには、この貸し付け限度額の増大の件が問題になったのでありますが、これを一挙に二十倍にいたしますと、貸し付け額が年々一五%増としましても、十三年先の昭和六十年まで資金の不足がなくならない、したがって、開銀法は国会の審議の場にのらないということになります。これは著しく国会の審議権への介入であります。断じて許すことはできません。(拍手)
 同時に、政府も委員会で答弁しているように、この二十倍という数字は何ら根拠のあるものではありません。日本経済が慢性的インフレ状況にあるとき、せめて、過去の経緯からいって十倍程度に改める必要があります。
 以上、日本経済のかじとりを誤らせる開銀法の一部改正に反対するおもな理由を申し述べ、反対討論を終わります。(拍手)
#17
○議長(船田中君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報骨のとおり決するに賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#18
○議長(船田中君) 起立多数。よって、本案は委員長報告のとおり決しました。
     ――――◇―――――
  日程第二 国有鉄通運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案(内閣提出)
#19
○議長(船田中君) 日程第二、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
    ―――――――――――――
#20
○議長(船田中君) 委員長の報告を求めます。輸委員長小峯柳多君。
    ―――――――――――――
  〔報告書は本号末尾に掲載〕
    ―――――――――――――
  〔小峯柳多君登壇〕
#21
○小峯柳多君 ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、運輸委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。
 本案は、日本国有鉄道の財政の実情にかんがみ、その再建を強力に推進するため、運賃を改定するとともに、昭和四十七年度以降十年間を新たな再建期間とし、あらためて財政の再建に関する基本方針及びこれに基づく再建計画を策定し、国のとるべき援助の措置を強化しようとするもので、そのおもな内容は次のとおりであります。
 まず、国有鉄道運賃法の一部改正について申し上げますと、
 第一に、鉄道の普通旅客運賃について、その基本賃率を約二二%改定して、営業キロ一キロメートルごとに六百キロメートルまでの部分については五円十銭、六百キロメートルをこえる部分については二円五十銭とする。
 第二に、航路の普通旅客運賃について、鉄道の普通旅客運賃とほぼ同程度の改定を行なう。
 第三に、準急行列車の廃止に伴い、準急行料金を廃止する。
 第四に、単扱い貨物運賃について、その等級を三等級に圧縮するとともに、その賃率をおおむね二五%引き上げる。
 第五に、コンテナ貨物を除き、小口扱い貨物を小荷物に統合することに伴い、小口扱い貨物運賃を廃止する。
 第六に、新たにコンテナ貨物運賃を設け、その運賃は、車扱い貨物運賃をしんしゃくし、運輸大臣の認可を受けて、日本国有鉄道が定める賃率によるものとするものであります。
 次に、日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部改正について申し上げますと、
 第一に、昭和四十七年度以降十年間を新たな呼建期間とし、あらためて国鉄財政の再建に関する基本方針及びこれに基づく再建計画を策定することといたします。
 第二に、政府は、再建期間中の毎年度、国鉄に対し、工事資金の一部に相出する全額を出資するものといたします。
 第三に、財政再建債及び同利子補給金の対象を、現在の昭和四十三年度末政府管掌債務から昭和四十六年度末政府管掌債務及び政府が保証した鉄道債券に係る債務に拡大いたします。
 第四に、工事費補助金の対象工事年度を昭和四十年度から昭和五十六年度までとし、その交付年度を昭和四十七年度から昭和六十三年度までとするものであります。
 本案は、二月十八日本院に提出され、三月二十一日本会議において趣旨の説明が行なわれ、同日本委員会に付託され、四月十八日丹羽運輸大臣から提案理由の説明を聴取し、四月十九日質疑に入りました。四月二十三日、二十四日の両日には、二班に分けて福岡県及び北海道に委員派遣を行ない、両班とも現地において実地調査を行ない、かつ福岡市及び札幌市において、それぞれ六名ずつの意見陳述者から意見を聴取いたしました。四月二十六日には、地方行政、大蔵、社会労働、農林水産、物価問題の五委員会との連合審査会を開会し、十六名の各委員会の委員が質疑を行ないました。また四月二十七日には、公聴会を開会して、八名の公述人から意見を聴取いたしますとともに、八名の委員が公述人に対し質疑を行ない、五月八日には、さらに二名の参考人を招致いたしまして意見を聞いた後、六名の委員が参考人に対し質疑を行ないました。
 以上のとおり慎重に審査を進め、さらに十四名に及ぶ委員がきわめて熱心に真撃、活発な質疑を行ない、五月十二日には、佐藤内閣総理大臣をはじめ、水田大蔵大臣、丹羽運輸大臣、渡海自治大臣、木村経済企画庁長官、磯崎国鉄総裁等に対し、社会、公明、民社、共産の四党の委員がそれぞれ最終的な質疑を行ない、同日をもって本案に対する質疑を終了いたしました。
 この間において行なわれました質疑応答のおもな点を申し上げますと、まず、「昭和四十四年度から始まった国鉄財政再建計画が早くも破綻した原因は一体どこにあるのか。また、新たに財政再建対策を策定する必要を認めるに至った理由は何か」との質疑に対し、「破綻の原因は、第一に、引き続く自動車輸送の発達等により、当初の輸送の伸び見込みを大幅に下回り、三年間で運輸収入において四百五十二億円の減少を来たし、第二に、ベースアップについて年率九%を見込んでいたものが、大幅な上昇があったため、三年間で人件費九百九十四億円の誤差を生じたためである。また、この収支の不均衡により、昭和四十六年度末において純損失約二千四百億円、累積赤字八千億円をこえるという事態に立ち至ったので、国民の輸送需要に適合した、良質な輸送サービスを提供するため、国鉄の企業努力とともに、政府の思い切った財政援助及び国民の御協力により、新たに国鉄財政再建対策を樹立し、国民の期待に沿いたいと思った次第である」旨の答弁がありました。
 次に、「今回の新財政再建対策による見通し及び今後の施策についてはどのように考えているか」との質疑に対し、「政府は、昭和四十七年度以降十カ年間において、国の出資金約一兆円、利子補給金、工事費補助金等約一兆円、計二兆円の助成措置を講じるとともに、国鉄の合理化等により約二兆四千億円、運賃改定等により六兆七千億再程度を見込んでいる。設備投資としては、新幹線二兆円、市来線に対し通勤及び幹線輸送強化、貨物輸送の近代化等約五兆円、合計七兆円の投資を行なうことによって、国鉄の近代化をはかり、最終年度の昭和五十六年度には、償却後の黒字を見込んでいる」旨の答弁がありました。
 次に、「政府は国鉄職員十一万人の削減を予定しているが、その内容、年次計画及びその実現の可能性についてどのように考えているか」との質疑に対し、「十一万人の削減の中には、すでに昭和四十四年度から現在までに約二万人減少したのを含んでいるので、今後九万人の消滅ということになる。四十四年度から十年間で約十五万人の自然減耗があるが、四万人程度は技術及び現場関係で補てんを必要とする。結局十一万人程度減少することになるが、減耗を補充しないという原則に固執するととなく、極力近代化、自動化等を進めて行なうつもりである。年次計画については、四十七年度以降三年間で一万三千人ないし一万四千人、五十年度から大体一万人から一万二千人ということで、五十四年度までに終了いたしたい」旨の答弁がありました。
 次に、地方閑散線の整理の問題に関し、「地方閑散線の認定の基準、三千四百キロ積算の根拠、具体的路線は何か。また、廃止について地方公共団体の同意を得られない場合の措置はどうするか」との質疑に対し、「地方閑散線は、赤字であることを唯一の理由として廃止するものではない。鉄道としての特性を喪失してしまっていることが基本である。たとえば輸送人員、道路との経済上の比較、国土計画、代替輸送との関係、豪雪地帯というような各般の事情を勘案し、国民経済上不適当、不経済と見られるもの三千四百キロを地方閑散線とするもので、該当路線はまだ具体的には決定していない。今後慎重に検討の上、地方の同意を得るよう努力し、必ず了解が得られるものと考えている」旨の答弁がありました。
 次に、「今回の国鉄運賃料金値上げの理由は何か。また、消費者物価等にどういう影響を与えると考えるか」との質疑に対し、「国鉄が国民の陸上輸送の大動脈としての使命を達成するため、また、新しく近代化するためには、どうしても財政の基礎を強化しなければならない。国も今回は抜本的な助成策をとるが、利用者の方々にもある程度の御負担を願いたい。また、消費者物価指数寄与率は、数中から見ると〇・四%であるが、心理的影響等も大きいと思うので、それらを勘案し、その他の助成策と相まって物価の抑制につとめたい。便乗値上げは絶対に認めない」旨の答弁がありました。
 以上のほか、総合交通体系の形成と国鉄財政新再建計画との斉合性の確立、国の国鉄に対する助成措置の拡大強化並びに一般債務等に対する財政措置、国鉄の公共性と企業性及び独立採算制、国鉄財政新再建対策要綱の性格と閣議決定との関係、貨物輸送分野の改善、AB線の建設と在来線の合理化、新幹線の建設と国鉄負担の関係及び公害対策、私鉄との運賃格差、関連事業範囲の拡大、未利用地の活用、資材購入制度の改葬、労使関係の正常化等、各般にわたり質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。
 質疑終了後、本案に対し、自由民主党の宇田國榮君外四名から修正案が提出されたのでありますが、その要旨は、原案の施行期日本年四月一日はすでに経過しておりますので、これを公布の日に改め、第一条及び附則第四項の規定は公布の日の翌日に改めることとするものであります。
 本修正案について趣旨の説明を聴取したあと、原案及び修正案を一括して討論に付しましたところ、日本社会党を代表して内藤良平君が反対、自由民主党を代表して箕輪賢君が賛成、公明党を代表して田中昭二君が反対、民社党を代表して内海清君が反対、共離党を代表し田代文久君が反対の意見を述べ、採決の結果、本案は多数をもって修正議決すべきものと議決した次第であります。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#22
○議長(船田中君) 討論の通告があります。順次これを許します。斉藤正男君。
  〔斉藤正男君登壇〕
#23
○斉藤正男君 私は、日本社会党を代表し、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について、反対の討論を行なうものであります。(拍手)
 運賃収入が伸び悩み、反面、経費の増大が著しく、国鉄財政は赤字が続き、いまやピンチにおちいりつつある、こういう理由で、大幅運賃値上げと、十六万五千人の合理化、八十三線区二千六百キロの廃止を内容とした再建計画が、多くの国民や全野党の反対を押え、強行採決という政府・自民党の暴挙で成立したのが、わずか三年前の昭和四十四年であります。当時の再建案は、昭和四十四年度を初年度とし、五十三年度には収支の均衡をはかると国民に公約をしたものであります。
 国鉄当局及び政府は、わずか二年にしてその再建計画をほごにし、性こりもなく、今回またまた大幅な運賃値上げと実現不可能な財政再無計画をやろうというのであります。
 去る四月二十七日に開催された中央公聴会において、八人の公述人のうち賛成者の四人も、それぞれ条件づき賛成であり、本案に対しきわめてきびしい態度を示し、積極的賛成者は一人もいなかったことは、本法案がいかにずさんであり、お粗末であるかということを雄弁に物語っております。
 以下、私は、数点にわたって反対の理由を明らかにいたしたいと存じます。
 その旗印一は、いわゆる三方二一両損論であります。
 今回の再建計画案によれば、今後十年間に政府は二兆円の財政支出を行なう。国鉄は、人減らし、合理化を中心として二兆四千億円を自前で捻出をする。運賃価上げは、今回を含め、三年ごとに四回も行ない、六兆七千億円を増収するというのであります。何が三方一両損でありますか。その大部分は、利用者である国民の負担であります。三方一両損とは全く似て非なるものであることは明らかであり、ごまかし論であります。(拍手)
  その第二は、国鉄運賃の値上げが公共料金値上げの元凶であるからであります。
  去る本会議において、佐藤総理は、大都市周辺における国鉄と民鉄との運賃のアンバランスは調整の必要があると答弁されていますが、具体案はその後の質疑の中でも全く明らかにされておりません。
 たとえば藤沢−新宿間の運賃を比較しても、今回の値上げにより、普通運賃で国鉄二百九十円に対し、小田急は百九十円、国鉄は小田急の一・五三倍であります。一カ月の通勤定期は、国鉄が七千二百十十円に対し、小田急はわずか二千七百九十円で、国鉄は小田急の二・五九倍になるのであります。通学定期もまた同じ傾向であります。
 もし民有鉄道が、国鉄運賃との格差を理由に料金値上げを申請したら、政府は一体何と答えるのか。事もあろうに名古屋鉄道は、本法案が衆議院運輸委員会で採決された翌十三日、手ぐすね引いて待っていたかのように、平均二八・五%の値上げを申請したではありませんか。しかもその理由の一つに、基幹の名古屋本線が国鉄東海道線と並行しており、国鉄運賃が値上げされると格差が生ずることをあげているではありませんか。今日の国鉄運賃の値上げは、やがて間もなく、全私鉄の値上げを誘発し、貨物通貨の値上げもまた、コストアップを理由にすべての物価に打撃的影響を与えることは明らかだからであります。
 反対の第三は、国鉄の赤字をつくったのは政府・自民党の責任だからであります。
 国鉄は、昭和三十八年度までは完全な黒字縦横でありました。そればかりか、戦争中はばく大な全額を一般会計に納入し、間違っていたにせよ、国家目標に協力したので、あります。ところが、公共企業体となった国鉄に対し、独立採算制を強要しながら、反面、公共性を要求した矛盾した政府の態度が、明らかに国鉄を奈落の底へ突き落としたのであります。三兆円の借金をかかえた国鉄は、年々三千億円の元利を支払っているのであります。これでは幾らかせいでも追いつくわけはありません。
  去る本会議において、水田大蔵大臣は、公社、公団の赤字は発生したその直後に手当てをしなければ手おくれになると答弁したではありませんか。本年になってようやくわずかな手当てをしても、それはまさに焼け石に水であります。
 統計の示すところによれば、従来の国鉄金利七・一%に対し政府の助成はわずかに〇・六%で、国鉄は六・五%の重い負担をしているのに対し、船舶関係では、市中銀金利八・七%に対し政府負担二・七彩、開発銀行金利六・五%に対し実に二・五%の負担を行ない、政府は、船舶に対しては、国鉄よりも四倍も五倍も高い率で金利助成をしているではありませんか。国鉄からは政治献血がない、造船疑獄に明らかなごとく、造船、船舶には甘い汁があるからとかんぐられてもやむを得ない現実を、政府・自民党は何と弁解するのか、全く弁解の余地はないではありませんか。
 反対の第四は、設備投資のアンバランスであります。
 政府は、総合交通体系なるものを作成し、交通体系の中に国鉄を位置づけました。しかし、総合交通体系の骨格は、一、交通機関の競争原理の導入、二、利用者の選択の自由、三、交通施設運営費用の受益者負担であります。特に、国鉄の占める役割りを重視しながら、その助成は他の交通機関に比べてきわめて低劣であります。すなわち、空港、港湾、道路の建設整備には、それぞれ七割、五割、三割の国庫補助が行なわれ、地下鉄の建設にも、半分は国と地方公共団体の負担が制度化されている中で、なぜ国鉄だけが従来一〇〇%自前で行なわなければならなかったのか、今日わずかな助成が実現いたしましたけれども、あまりにもおそ過ぎたし、額が少な過ぎるのであります。
 反対の第五は、人件費の増加が赤字の主要な原因だとする主張に対する反論であります。
 国鉄の経営を圧迫しているのは、第一は、借金の元利返済であります。国鉄の営業経費の推移を見ても、昭和三十五年と比較したとき、昭和四十五年には、元金返済は八・七六倍、利子の支払いが五・七六倍、人件費は二・九四倍であり、その割合ははるかに低いのであります。
 その第二は、経営費の中に占める人件費が六割をこすという主張に対する反論であります。
 経営費の中に占める人件費の割合は、産業構造によって異なり、国鉄のように人手を多く要する企業では人件費率が高いのは、あたりまえであります。郵政事業でも八七%が人件費であり、諸外国の国鉄でも六〇%をはるかにこしている例が多いのであって、むしろ多過ぎるのは、本社並びに各出先における職制の数であります。十二・七人に一人の割合で管理者がいる職場は他に例が少ないし、現業労働者は決して多くはないのであります。(拍手)
 その第三は、国鉄労働者の賃金が高過ぎるかどうかということであります。
 年々のベースアップを見ても、昭和三十八年を例外として、その引き上げ率は民間労働者よりも低く、労働者の賃金センサスによっても、同じ年齢の平均と比較したとき、その差は四千円も低いのであります。この客観的事実はだれも否定できません。政府が決定し発表した新経済社会発展計画においても、年間一二二%アップを見込んで一いることからも、人件費の増高は当然のことであり、理由にはならないのであります。最近五年間の給与の上昇率も、民間七〇・二、国鉄五八・〇という数字が、明らかにこれを証明しているのであります。
 諸外国においても、モータリゼーション、航空機の発達により、陸上輸送における鉄道のシェアーは漸減の方向にあり、毎年のように営業欠損を出しています。しかし、日本と違う点は、すべての欠損を国威負担や国家援助の形で処理しているということであります。
 西ドイツにおいては、一、公共運賃割引によるる損失補償、通勤通学輸送の赤字補償、二、非採算線区の廃止拒否補償、三、踏切の保守運営補償、四、職員の恩給、年令に対する補償、五、鉄通公債の利子及び発行債などの国庫引き受け……
#24
○議長(船田中君) 斉藤君、申し合わせの時間が過ぎましたから、なるべく簡単に願います。
#25
○斉藤正男君(続) 六、会計正常化の補助、等々手厚い助成を行なっているのであります。
 また、イギリスでは、日本の国鉄の工事経費に当たる資金が、一九六九年の運賃法により下部構造物交付金という形で全額国庫から支出をされているのであります。
 反対の第六は、赤字の原因は、貨物運賃にあることであります。
 昭和三十一年から四十年までの統計を見ましても、初めの四年間は、貨物も黒字でありました。悪名痛い高度経済成長政策が軌道に乗った三十五年ごろから赤字となり、その累積は八千八十八億円にもなったのに対し、旅客運賃による黒字は一兆二千三面四十八億円になっております。この黒字は九〇%が一般旅客運賃であり、庶民の負担によるものであります。国鉄貨物のすべてが独占資本の生産物とは申しませんが、その六〇%は大企業の貨物であることを強く主張せざるを得ません。(拍手)
 赤字閑散線の廃止と政治路線の建設、反国民的貨物取り扱い駅の廃止など、利用者に背を向けた国鉄の再建策についても反対せざるを得ません。
 国鉄は、すでに、利用者である地域住民の反対をねじ伏せて、十八線、二百十二・二キロを廃止しました。ことしも二百キロを予定し、今後も五年間に、財政逼迫の地方自治体に百六十六億円の支出を強要しながら廃止を続けるというのであります。今回の審議で初めてその基準が明らかにされましたが、一日の利用者六千人、貨物千五百トン以上であることが存続の最低条件であり、過疎過密は、さらに拍車をかけられることは明らかであります。
 大都市周辺の通勤者は定員の二四〇%詰め込みが普通であり、一平方メートルに六・六人乗れというのであります。押し屋と称する職業さえ生まれた悲劇は、古今東西にその例を見ない残酷物語であります。
 貨物取り扱い駅に至っては、昭和三十二年に三千八百四十九駅あったものが、四十五年には千三百二十二駅廃止され、さらに五十年には一千駅に減らすというのであります。
 さらに、鉄道建設公団が建設を進めている新線四十七線は、完成したとたんに廃止線になるであろう路線が大部分であります。すなわち、四十七線のうち二十五線はその前後が廃止予定線になっているではありませんか。これらを放置して何が再建かと聞いたいのであります。
 最後に、私は、新幹線公害に対する当局の無策告発せざるを得ません。
 東海道新幹線は、営業係数四四という抜群の成果をあげております。しかし、その陰で二〇ホン以上の騒音に悩まされ、地震でいう震度三……
#26
○議長(船田中君) 斉藤君、時間ですから結論を急いでください。
#27
○斉藤正男君(続) すなわち弱震程度の振動に苦しんでいる多くの沿線住民に対し、何の補償も救済もしていないことであります。いやしくも国の機関である国鉄が、騒音と振動を出しつ放し、まきっ放しにしている現実を何と心得ているのでありましょうか。このことが理由で、建設中の山陽、成田、東北、上越新幹線の経過地で多くの反対運動が盛り上がり、その建設が暗礁に乗り上げていることは当然であります。延長八十メートルの架道橋に五千万円の巨費を投じて、なお数ホンしか騒音を下げることができない国鉄は、まさに人権無視の巨大な殺人行為を行なっているのであります。しかも北九州市、尼崎市等と協定した補償方式が生きている以上、今後国鉄は、新幹線の騒音、振動対策のために数千億円を必要とすることは明らか、なのに、今回の再建案にはその片りんもあらわれていないのであります。(拍手)
 以上、私は、本法案に反対する理由を数点申し上げました。いまからでもおそくはありません。全党、全議員各位が本法案に反対されんことを強く要望して、討論を終わります。(拍手)
#28
○議長(船田中君) 加藤六月君。
  〔加藤六月君登壇〕
#29
○加藤六月君 私は、自由民主党を代表して、国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案に対し、賛成の討論を行なうものであります。(拍手)
 国鉄は、国内輸送の大動脈として、過去百年にわたり、国民生活の向上と国民経済の発展にきわめて大きな役割りを果たしてきました。今日、その役割りは、都市間旅客輸送、大都市通勤通学輸送、中長距離大量貨物輸送等の各分野において、ますますその重要性を増大し、さらに総合交通体系の上からも、将来にわたってわが国の均衡ある豊かな住みよい国づくりに対し、欠くべからざる任務を持っているのであります。しかるに、昭和四十四年以来、国鉄の再建ということばがなぜ使われているか、なぜ使わなければならないか、われわれは、この際強く反省しなければなりません。
 そこで、国鉄財政の状況は、経済社会の変動と輸送構造の著しい変化に伴い、昭和三十九年度以来、大幅な欠損を続けてきました。このため、第六十一回国会において成立しました日本国有鉄道財政再促進特別措置法に基づき、各種の財政再建対策を鋭意推進してまいりました。しかしながら、その後の推移を見ますと、輸送量は伸び悩み、また、ベースアップ等により人件費が予想以上の大幅な上昇を見たため、遺憾ながら国鉄財政はさらに悪化し、昭和四十六年度末におきまして、二千四百億円、累積赤字八千億円となり、このまま放置した場合には、昭和四十七年度には大幅な償却前欠損を生ずるというきわめて憂慮すべき事態に立ち至りました。
 このような状況に対処するため、国鉄財政の抜本的な再建対策の策定と、その前提ともなる総合交通体系の確立について、政府及び自由民主党内において種々検討が行なわれるとともに、当衆議院運輸委員会においても、日本国有鉄道に関する小委員会を設置し、与野党相協力して、十一回にわたって真剣な検討が続けられ、各党それぞれが抜本策を披露されましたことは、周知のとおりであります。(拍手)
 さて、今回提案されている新しい国鉄財政再建対策は、以上の検討結果を考慮し、現行の財政再建対策が十分にその目的を達成できなかった原因について、強い反省の上に立ったものであります。すなわち、国鉄自身の近代化、合理化についての最大限の努力、国及び地方公共団体の財政措置の大幅な拡充、国民の理解と協力による運賃水準の適正化、これを三本柱として、昭和四十七年度以降十年間で抜本的な国鉄財政再建をはかろうとするものであり、現下諸般の情勢に照らして、きわめて妥当なものであります。
 そこで、第一の柱である国鉄の近代化、合理化についてでありますが、国鉄の財政再建について国民の理解と協力をお願いし、さらに貴重な財政資金の投入をはかる以上、国鉄当局は要員の大幅な縮減、諸経費の節減、機構の縮小、遊休資産の処分の促進等々、経営の合理化、生産性の向上について最大限の努力を行ない、輸送力の増強、輸送の近代化、輸送サービスの向上等、あらゆる面にわたって努力し、わが国経済社会の要請にこたえ得る近代的な輸送機関への脱皮が強く要求せられているのであります。このための経営の合理化、生産性の向上について、政府、国鉄当局は最大限の努力を行なわなければなりません。
 この点に関し、最近国鉄部内において、一部の職員による暴力事件が頻発し、職場規律の乱れが見られるとともに、生産性向上への反対闘争や、貨金引き上げを要求しての違法なる争議行為が発生し、善良な国民に多大の迷惑をかけ、国民の期待にそむいていることは、まことに遺憾であります。(拍手)この際、関係者に対し強い反省を求めるとともに、労使の不信感の除去につとめ、労使が協調して再建に邁進ずることを強く望むものであります。
 第二に、国等の財政措置についてでありますが、昭和四十七年度予算編成に際し、政府は、国鉄が当面の危機を回避しつつ、将来にわたって国民の要請に即応してその体質を改善できるよう、今後十年間にわたり政府出資約一兆円、工事費補助金を増額して約六千六百億円、過去債務についての財政再建債の貸し付け対象を拡大して七千二百十億円、同利子補給金二千四百十一億円、地方閑散線に対する補助の新設等々、総額二兆八千億円に及ぶ財政措置の思い切った拡充を行なうことといたしており、国の財政事情、諸般の情勢を勘案すれば、政府として最大限の努力をしたものと高く評価するものであります。
 第三は、運賃の改定についてでありますが、わが党としてもこれは本質的には望ましいものとは考えておりません。しかし、国鉄が破局を回避し、長期にわたる国鉄財政の健全化をはかり、より良質なサービスを提供して、国民生活の向上と国民経済の発展に貢献するためには、国民各位の深い御理解と御協力によらなければなりません。実収約一五%の運賃改定を行なうことは、必要最小限度のやむを得ないものと考える次第であります。
 ある少数意見は、運賃改定を回避するため、全面的な政府助成を行なうべきであると言われますが、国鉄運賃といえどもサービスの対価である以上、原価を償おうとせず、これを安易に抑制し、国の財政措置にのみ依存することは、国民の最終的な税負担の増大に通ずるものであり、利用者負担の原則から見て妥当性を欠くものであります。
 なお、今回の運賃改定が他の公共料金に及ぼす影響について、政府が適切な施策を実施し、遺憾なきよう措置すること、及び国鉄が輸送サービスの向上について格段の努力をすることを強く望むものであります。
 以上が、わが党の基本的態度でありますが、国鉄財政再建に寄せる国民の期待はきわめて大なるものがあり、また、国鉄は国民の貴重な財産であります。再建への努力は一日もゆるがせにできないのであります。
 今般の新しい再建対策は、与野党を通じて終始熱心に、かつ、慎重に審議が行なわれたところであります。政府及び国鉄労使は、これらの議論の過程で問題となった諸点に十分留意し、不退転の決意でこの新再建策の推進に全力を傾けることを強く要望いたします。
 最後に、この新再建策に対する国民各位の御理解と御協力を心より要請いたしまして、私の賛成討論を終わります。(拍手)
#30
○議長(船田中君) 田中昭二君。
  〔田中昭二君登壇〕
#31
○田中昭二君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案に対して、反対の討論を行なうものであります。(拍手)
 国鉄は、本年創立百年の記念すべき年を迎え、さらに二十一世紀への国鉄として出発する大切なときを迎えております。しかしながら、その反面、国鉄の財政は、昭和四十六年においては、累積赤字八千億をこえ、借り入れ金は三兆八百八十億円、さらにその利子は千七百億円にも達するといわれ、創立以来の最大の危機に瀕しておるのであります。
 このように国鉄財政の悪化した原因がどこにあったかは、周知のとおり、自動車、航空機、内航海運等、国鉄以外の交通機関の急激な発展による国鉄シェアの減少、さらに輸送構造の変化に対応する策を持たない国鉄当局の硬直化した経営姿勢にあったといえましょう。
 しかし、私がそれ以上に指摘したい点は、政府の国鉄政策の欠陥であります。すなわち、政府の産業優先、国民生活無視の高度成長政策のひずみは、都市過密をもたらし、都市における地価の高騰を招き、国鉄の用地買収を困難にして、国鉄の財政を圧迫したのであります。また、都市への急激な人口集中は、輸送需要の増加をもたらし、その結果、膨大な設備投資の必要を生じ、ばく大な借り入れ金政策を国鉄に強要することになったのであります。
 さらに、政府の責任が大であるというゆえんは、国鉄をはじめとする各交通機関のあり方、すなわち、総合的な交通政策を確立することを怠り、また、国鉄経営の根本的な病弊にメスを入れる等抜本的対策を講ずることなく、独立採算をたてにして、いたずらに国鉄財政悪化を助長したことであります。したがって、国鉄経営の悪化はひとえに佐藤内閣の政治の貧困によるものであると断ぜざるを得ないのであります。(拍手)
 一方、政府は、国鉄財政の赤字に対して運賃値上げを強行して、その負担を国民に押しつけてきたのでありますが、さらに国有鉄道運賃法を改悪し、旅客二三・四%、貨物二四・六%にも及ぶ大幅な運賃値上げを強行しようとすることは、断じて容認できないところであります。
 第二に、物価問題は最も重要な政治課題の一つであります。しかるに、国鉄運賃が値上げされると、他の物価上昇にさらに拍車がかかるととは明らかであります。
 政府は、国鉄運賃値上げがもたらす物価上昇率はわずか〇・五%にすぎないと弁明しておりますが、これは数字の魔術であり、国民生活の実情をあまりにも無視したものといわざるを得ないのであります。すなわち、国鉄運賃値上げによる直接の影響と、他の交通料金の便乗値上げが当然予想されます。特に国鉄旅客運賃値上げにより一そう運賃格差が広がる私鉄運賃は、必然的に値上げ申請をしてくることは明白であります。その先がけとして、名鉄は運賃値上げ申請を去る十三日、運輸省に提出しました。このような運賃値上げ申請が続々と提出されることは、火を見るよりも明らかであります。その他地下鉄、バス、トラック、航空運賃等、続々値上げの動きを見せており、今回の国鉄運賃値上げは物価高騰を助長し、国民生活を強く圧迫するものであります。
 さらに、貨物運賃の二四・六%という大幅な値上げは、当然生産者の経費負担の増加をもたらし、さらに消費者物価の上昇を招くことは明白であります。中でも、生活必需品である農林水産物資の輸送費の値上げは、消費者物価に多大な影響を与え、九月に予定されている公共政策割引措置の全廃と合わせると、その値上げ幅は五〇%前後の大幅なものとなるのであります。
 したがって、この運賃値上げを黙認するならば、現在以上に国民は高物価、低福祉の生活を余儀なくされ、深刻な生活苦に悩まねばならないのであります。これは国民の容認し得ないところであり、断じて許すことのできない暴挙であると言わざるを得ません。(拍手)
 第三にこの法案に反対する理由は、国鉄の企業努力なくして国鉄の再建はあり得ない。それについて具体的な施策が不明確である点であります。申すまでもなく、国鉄の再建には、国の大幅な援助のもとに国鉄みずからの企業努力を行なうことが必要であります。特に、国鉄自身が財政の建て直しに全力をあげなければ、いかなる財政援助を行なっても赤字解消は絶対に不可能であります。
 わが党は、予算委員会をはじめ各委員会において、国鉄の用地の活用状況、財産管理のずさんさ、赤字路線建設の実態等を取り上げてまいったのであります。
 そこで私が特に指摘したいのは、国鉄の官僚化した経営姿勢であります。国鉄みずからが再建に取り組む姿勢を国民の前に示さない限り、国民の理解と協力を訴えても、それを得られる道理はないのであります。この国鉄当局の姿勢を改め、また、赤字線建設を推進する鉄道敷設法などの矛盾の多い法律の改正を実施しない限り、国鉄の再建をなし得ないのであります。この点を明確にせず政府が値上げを強行しようとすることは、全く遺憾であり、われわれの断じて賛成し得ないところであります。
 次に申し上げたいことは、ずさんな国鉄再建計画を策定し、国民の多大な負担となる運賃値上げを正当化しようとする政府の姿勢であります。
 新国鉄再建十カ年計画は、当初、三回の値上げを十年間に行なおうということでありましたが、国鉄の試算では、四十七年、五十年、五十三年とそれぞれ一五%、さらに五十六年には一〇%の値上げを予定しているのでありますが、このような大幅な値上げが四回も行なわれること自体が、国民に過大な負担を与え、国民生活に重大な影響をもたらすのであります。また、新再建計画の試算によりますと、十年間に長期債務は四兆六千億円増加し、合計七兆六千億円となり、累積赤字は約一兆円もふえ、一兆八千億円近くになります。五十三年及び五十四年は一応黒字となる試算を行なっておりますが、これとても初年度から償却前黒字が危ぶまれるという事実を見れば、これは単なる数字のごまかしにしかすぎません。このままでいけば、十年後は膨大な赤字となることは火を見るよりも明らかであります。
 国民生活を無視し、今後再び運賃値上げを強行すれば、これを幾ぶんなりとも減少させることはできても、その赤字は絶対に解消することは不可能となるでありましょう。この新国鉄再建計画は二、三年を経ずしてまたもや計画の手直しが必要となることはすでに明らかであり、このようなずさんな再建計画を推し進めようとする本法には強く反対するものであります。(拍手)
 第四に、国民がいま最も望んでいるととは、朝夕の通勤通学時の混雑を緩和し、快的なサービスの行き届いた国鉄になってもらいたいということであります。しかるに、今回の新国鉄再建計画は、このような国民の声に対する具体策も明かされない、単なる赤字補てんのための運賃値上げにしかすぎません。
 国鉄は、私企業と異なり、日本国有鉄道法第一条に明らかなように、公共の福祉増進を第一の目的として設立されております。政府の新国鉄再建計画は、このような国鉄の基本的目的を忘れ、ただひたすら赤字対策にのみ目先を奪われ、その犠牲を国民に転嫁しようとしているのであります。すなわち、今回の値上げは、法の精神からも逸脱した暴挙であると言わざるを得ないのであります。(拍手)
 最後に、十年間、四回にわたる運賃価上げを強行し、国民に多大な犠牲をしいるこの悪法は、今後十年間にわたって国民生活を脅かすことになるわけであり、佐藤内閣、特に佐藤総理に対する国民の批判は、長く残されることでありましょう。総理は、国民の犠牲の上に成り立つ国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する案をすみやかに撤回し、国民生活の安定と国鉄再建の抜本的対策を検討すべきであることを強く要求し、私の反対討論を終わる次第でございます。(拍手)
#32
○議長(船田中君) 内海清君。
  〔内海清君登壇〕
#33
○内海清君 私は、民社党を代表して、政府提出の国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部改正案に対して、反対の意向を明らかにいたします。
 本国会の中心的課題でありました沖繩の施政権返還は、昨十五日をもちまして実現を見ましたので、本国会における法案審議の中心は、国鉄運営の値上げと健保改正の二法案にその焦点がしぼられてまいったのであります。
 ところが、この二法案には共通した大きな問題が含まれております。第一に、二法案とも、まさに佐藤内閣の政治力の弱体、政策実施についての政治決断の欠如を端的にあらわしておることであります。第二に、二法案とも、財政赤字に対する間に合わせの応急措置に終始し、国民大衆の負担の増大だけを内容としたものであることであります。このことは、佐藤内閣七年半の長期施政に対し、はたして有終の美を飾るものでありましょうか。まさにその末期的症状を露呈したものと言わざるを得ません。(拍手)
 私が反対討論の劈頭まずこの点を指摘せざるを得ないのは、佐藤内閣総理大臣、あなたみずからが、国民の政治不信を助長するがごとき施策しか選択しておらないという、現在の政治の実態を黙っているわけにはいかないからであります。
 私が国鉄運賃値上げに反対する第一の理由に、佐藤内閣の物価対策の問題があります。
 あなたは、七年半にわたる長期政権の座にありながら、ついに消費者物価の安定については何らなすことなく、いま終止符を打たんとしております。退陣に際してのあなたの国民へのプレゼントが、国鉄運賃の値上げということであります。
 現在わが国の物価は、戦後最悪の不況下にありながら消費者物価は上昇するという、いわゆるスタグフレーションの傾向が濃厚になっております。物価上昇を抑制する施策としては、まず、政府自身が直接操作可能である公共料金の値上げ抑制に勇断をふるうほかありません。そうしてその間に、その他の諸物価に対する強力なる抑制策を講ずることでなければなりません。しかるに、政府は、円切り上げの唯一のメリットである輸入品の値下げなどの物価安定策さえ講ずることなく、医療費とともに国鉄運賃の値上げを最重点施策として推し進めんとしているのであります。
 国鉄の再建対策としては、まず何よりも、抜本的な経営の合理化こそが必須の要件であります。それは、わが党がしばしば指摘してまいりましたとおり、現在の国鉄の累積債務全部をたな上げして再建のスタートとすべきであります。これこそが万人周知の唯一の政策手法なのであります。もしこれに背を向けるならば、物価抑制は不可能であり、国民大衆の失望を招くのみであります。
 わが党は、国民負担の重加を第一義とするがごとき政府の施策に対し、基本的にも、当面の施策としても、全く賛成できないのであります。
 第二の反対理由は、今回の国鉄運賃値上げは、現在の産業政策とも完全に背馳して、国の政策全体としての総合性をみずから破壊していることであります。
 たとえば、政府は、今回の値上げが決定すれば、これに加えて、間もなく、石炭、鉱石など、いわゆる重量貨物の公共割引全廃を実施せんとしております。鉱石類運賃の値上げ幅は約三〇%で、約二十八億円であります。現在非鉄金属鉱石類の国際市況が悪く、かつ、昨年十二月よりの円切り上げにより、輸入鉱石の価格安が続いております。政府は、これは単なる一時的不況ではないとして、四十七年度予算には十七億円余の産業助成費を計上したのでありますが、この十七億円は、二十八億円の運賃値上げに吸収され、産業政策としての効果をゼロにするばかりか、今後の鉱業界の経費節減の努力も水泡に帰せしめんとしているのであります。産業政策としての鉱業政策は、運輸政策としての国鉄の経営方針と完全に矛盾しておるのであります。わが党は、このような明らかな矛盾を容認することは断じてできないのであります。
 反対理由の第三として、私は地方の赤字路線対策がないことを指摘しなければなりません。
 国鉄の財政再建計画は昭和四十四年度から実施されたにもかかわらず、わずか二年にして、四十六年度には償却前赤字が三百四十三億円も見込まれ、累積赤字はまさに八千億にも達し、全くの失敗であったのであります。政府は、その原因として、輸送需要の伸び悩みと人件費の増大をあげておりますが、最大の要因は地方交通線にあることは明白であります。しかるに、政府は、新再建築においても地方交通線に対する抜本的対策を策定しないどころか、依然として政治路線といわれる地方交通線の建設を推し進め、国鉄の独立採算制の確立を阻害しておるのであります。
 政府は、四十三年九月に、国鉄諮問委員会から、八十三線区、二千六百キロの廃止勧告を受け、さらに今回、地方閑散線区三千四百キロ撤去が提起されているにもかかわらず、新たに地方交通線を三十一線区にわたり建設せんとすることは、まことに無謀というほかないのであります。すでにこの矛盾を、国鉄諮問委員会のみならず、会計検査院も指摘していることは、十分承知のはずであります。これらを一切無視する政府の態度を強く糾弾せざるを得ないのであります。
 第四の反対理由は、国鉄当局の惰性的経営が依然として改まっていない点であります。
 国鉄当局は、近代化と合理化を積極的に行ない、生産性の向上と職場秩序の確立を約束しておりますが、国鉄内部には、きわめて遺憾ながら、いまだに生産性の向上に反対する風潮があり、なおかつ、職場の秩序、紀律についても、確立されているとは認められないのであります。このような体制のもとではたして所期の目的を達成することが可能であるか、疑問とせざるを得ません。これに対しては、政府の積極的なる措置と国鉄当局の再建に対する真剣なる体制の整備があってこそ初めて、危機に直面する国鉄の再建をなし得ると考えるのであります。国鉄当局は、国民の期待に沿い得る内部体制の整備を一日も早く断行すべきであります。
 私は、以上の諸点について、政府並びに国鉄当局の重大なる反省を求めつつ、国鉄運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部改正案に断固反対し、強くその撤回を求めて、反対の討論を終わります。(拍手)
#34
○議長(船田中君) これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 この採決は記名投票をもって行ないます。本案の委員長の報告は修正であります。本案を委員長報告のとおり決するに賛成の諸君は白票、反対の諸君は青票を持参せられんことを望みます。――閉鎖。
  〔議場閉鎖〕
#35
○議長(船田中君) 氏名点呼を命じます。
  〔参事氏名を点呼〕
  〔各員投票〕
#36
○議長(船田中君) 投票漏れはありませんか。――投票漏れなしと認めます。投票箱閉鎖。開匣。――開鎖。
  〔議場開鎖〕
#37
○議長(船田中君) 投票を計算いたさせます。
  〔参事投票を計算〕
#38
○議長(船田中君) 投票の結果を事務総長より報告いたさせます。
  〔事務総長報告〕
 投票総数 三百六十九
  可とする者(白票)      二百二十五
  〔拍手〕
  否とする者(青票)       百四十四
  〔拍手〕
#39
○議長(船田中君) 右の結果、本案は委員長報告のとおり決しました。
    ―――――――――――――
  〔参照〕
 国有鉄道運賃法及び日本国有鉄道財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案を委員長報告のとおり可とする議員の氏名
      安倍晋太郎君    足立 篤郎君
      相川 勝六君    愛知 揆一君
      青木 正久君    赤城 宗徳君
      秋田 大助君    天野 公義君
      天野 光晴君    荒木萬壽夫君
      荒舩清十郎君    有田 喜一君
      有馬 元治君    井出一太郎君
      伊東 正義君    伊藤宗一郎君
      伊能繁次郎君    池田 清志君
      池田正之輔君    石井  桂君
      石井  一君    石田 博英君
      稻葉  修君    稻村佐近四郎君
      稲村 利幸君    宇田 國榮君
      宇都宮徳馬君    宇野 宗佑君
      上村千一郎君    植木庚子郎君
      内田 常雄君    内海 英男君
      浦野 幸男君    江崎 真澄君
      江藤 隆美君    小川 半次君
      小此木彦三郎君    小沢 一郎君
      小澤 太郎君    小沢 辰男君
      小渕 恵三君    大石 八治君
      大竹 太郎君    大坪 保雄君
      大西 正男君    大野  明君
      大野 市郎君    大橋 武夫君
      大平 正芳君    大村 襄治君
      奥田 敬和君    奥野 誠亮君
      加藤 六月君    加藤 陽三君
      鹿野 彦吉君    鍛冶 良作君
      海部 俊樹君    笠岡  喬君
      梶山 静六君    金丸  信君
      金子 一平君    金子 岩三君
      亀岡 高夫君    亀山 孝一君
      鴨田 宗一君    唐沢俊二郎君
      仮谷 忠男君    神田  博君
      菅野和太郎君    木野 晴夫君
      木部 佳昭君    木村 武雄君
      木村武千代君    久野 忠治君
      久保田円次君    鯨岡 兵輔君
      熊谷 義雄君    倉石 忠雄君
      倉成  正君    藏内 修治君
      小金 義照君    小坂善太郎君
      小島 徹三君    小平 久雄君
      小峯 柳多君    小宮山重四郎君
      小山 長規君    小山 省二君
      河野 洋平君    左藤  恵君
      佐々木秀世君    佐々木義武君
      佐藤 榮作君    佐藤 守良君
      斉藤滋与史君    齋藤 邦吉君
      坂村 吉正君    坂元 親男君
      坂本三十次君    笹山茂太郎君
      塩川正十郎君    塩崎  潤君
      塩谷 一夫君    篠田 弘作君
      澁谷 直藏君    島村 一郎君
      正示啓次郎君    白浜 仁吉君
      進藤 一馬君    菅波  茂君
      瀬戸山三男君    關谷 勝利君
      園田  直君    田川 誠一君
      田澤 吉郎君    田中 榮一君
      田中 龍夫君    田中 正巳君
      田中 六助君    田村 良平君
      高鳥  修君    高橋 英吉君
      高橋清一郎君    竹内 黎一君
      地崎宇三郎君    中馬 辰猪君
      塚原 俊郎君    辻  寛一君
      坪川 信三君    渡海元三郎君
      登坂重次郎君    徳安 實藏君
      中尾 栄一君    中垣 國男君
      中川 一郎君    中島源太郎君
      中島 茂喜君    中曽根康弘君
      中村 梅吉君    中村 弘海君
      中村 拓道君    中山 利生君
      中山 正暉君    永山 忠則君
      灘尾 弘吉君    二階堂 進君
      丹羽喬四郎君    丹羽 兵助君
      西岡 武夫君    西村 直己君
      野田 卯一君    野中 英二君
      野原 正勝君    野呂 恭一君
      羽田  孜君    羽田野忠文君
      葉梨 信行君    橋口  隆君
      橋本登美三郎君    橋本龍太郎君
      長谷川四郎君    長谷川 峻君
      服部 安司君    浜田 幸一君
      早川  崇君    林  義郎君
      廣瀬 正雄君    福田  一君
      福永 一臣君    福永 健司君
      藤井 勝志君    藤尾 正行君
      藤田 義光君    藤波 孝生君
      藤本 孝雄君    古内 広雄君
      古川 丈吉君    古屋  亨君
      別川悠紀夫君    保利  茂君
      坊  秀男君    本名  武君
      前田 正男君    増岡 博之君
      松浦周太郎君    松澤 雄藏君
      松永  光君    松野 幸泰君
      松野 頼三君    松本 十郎君
      松山千惠子君    三池  信君
      三木 武夫君    三ツ林弥太郎君
      三原 朝雄君    箕輪  登君
      湊  徹郎君    宮澤 喜一君
      武藤 嘉文君    向山 一人君
      村田敬次郎君    村山 達雄君
      毛利 松平君    粟山 ひで君
      森  美秀君    森  喜朗君
      森下 國雄君    森下 元晴君
      森山 欽司君    安田 貴六君
      山口 敏夫君    山崎平八郎君
      山下 元利君    山下 徳夫君
      山田 久就君    山村新治郎君
      山本 幸雄君    豊  永光君
      吉田 重延君    早稻田柳右エ門君
      綿貫 民輔君    渡部 恒三君
      渡辺 栄一君    渡辺  肇君
      渡辺美智雄君
 否とする議員の氏名
      安宅 常彦君    阿部 昭吾君
      阿部 助哉君    阿部未喜男君
      井岡 大治君    井上 普方君
      石川 次夫君    石橋 政嗣君
      卜部 政巳君    江田 三郎君
      大出  俊君    大原  亨君
      岡田 利春君    加藤 清二君
      勝澤 芳雄君    勝間田清一君
      角屋堅次郎君    金丸 徳重君
      川崎 寛治君    川俣健二郎君
      川村 継義君    木島喜兵衞君
      木原  実君    北山 愛郎君
      久保 三郎君    黒田 寿男君
      小林 信一君    小林  進君
      後藤 俊男君    河野  密君
      佐々木更三君    佐藤 観樹君
      佐野 憲治君    斉藤 正男君
      阪上安太郎君    島本 虎三君
      下平 正一君    田中 武夫君
      田中 恒利君    田邊  誠君
      高田 富之君    武部  文君
      楯 兼次郎君    千葉 七郎君
      辻原 弘市君    土井たか子君
      堂森 芳夫君    内藤 良平君
      中嶋 英夫君    中谷 鉄也君
      中村 重光君    楢崎弥之助君
      西宮  弘君    芳賀  貢君
      日野 吉夫君    平林  剛君
      広瀬 秀吉君    古川 喜一君
      細谷 治嘉君    堀  昌雄君
      松浦 利尚君    松本 七郎君
      三宅 正一君    八百板 正君
      八木  昇君    柳田 秀一君
      山口 鶴男君    山中 吾郎君
      山本 政弘君    山本弥之助君
      横路 孝弘君    横山 利秋君
      米田 東吾君    浅井 美幸君
      新井 彬之君    有島 重武君
      伊藤惣助丸君    小川新一郎君
      大野  潔君    大橋 敏雄君
      岡本 富夫君    沖本 泰幸君
      鬼木 勝利君    貝沼 次郎君
      北側 義一君    桑名 義治君
      小濱 新次君    斎藤  実君
      鈴切 康雄君    瀬野栄次郎君
      田中 昭二君    竹入 義勝君
      鳥居 一雄君    中野  明君
      西中  清君    林  孝矩君
      樋上 新一君    広沢 直樹君
      伏木 和雄君    二見 伸明君
      古川 雅司君    正木 良明君
      松尾 正吉君    松本 忠助君
      宮井 泰良君    矢野 絢也君
      山田 太郎君    渡部 一郎君
      合沢  栄君    麻生 良方君
      伊藤卯四郎君    今澄  勇君
      受田 新吉君    内海  清君
      川端 文夫君    河村  勝君
      寒川 喜一君    小平  忠君
      小宮 武喜君    鈴木  一君
      曾禰  益君    田畑 金光君
      竹本 孫一君    塚本 三郎君
      西田 八郎君    門司  亮君
      吉田 泰造君    吉田 之久君
      和田 耕作君    和田 春生君
      渡辺 武三君    青柳 盛雄君
      浦井  洋君    小林 政子君
      田代 文久君    津川 武一君
      寺前  巖君    土橋 一吉君
      林  百郎君    東中 光雄君
      不破 哲三君    松本 善明君
      山原健二郎君    米原  昶君
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#40
○議長(船田中君) 本日は、これにて散会いたします。
   午後三時二十三分散会
     ――――◇―――――
 出席国務大臣
        内閣総理大臣  佐藤 榮作君
        大 蔵 大 臣 水田三喜男君
        農 林 大 臣 赤城 宗徳君
        運 輸 大 臣 丹羽喬四郎君
        労 働 大 臣 塚原 俊郎君
        国 務 大 臣 大石 武一君
     ――――◇―――――
ソース: 国立国会図書館
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