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1949/04/01 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 議院運営委員会 第40号
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1949/04/01 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 議院運営委員会 第40号

#1
第007回国会 議院運営委員会 第40号
昭和二十五年四月一日(土曜日)
    午後二時五十分開議
 出席委員
   委員長 大村 清一君
   理事 菅家 喜六君 理事 倉石 忠雄君
   理事 佐々木秀世君 理事 寺本  齋君
   理事 福永 健司君 理事 土井 直作君
   理事 椎熊 三郎君 理事 林  百郎君
   理事 石田 一松君
      麻生太賀吉君    飯塚 定輔君
      岡延右エ門君    岡西 明貞君
      篠田 弘作君    島田 末信君
      田中  元君    田渕 光一君
      多武良哲三君    塚原 俊郎君
      福田 喜東君    山本 猛夫君
      淺沼稻次郎君    田中織之進君
      松井 政吉君    園田  直君
      長谷川四郎君    竹村奈良一君
      石野 久男君
 委員外の出席者
        副  議  長 岩本 信行君
        考査特別委員長 鍛冶 良作君
        議     員 玉置 信一君
        議     員 藤枝 泉介君
        議     員 竹山祐太郎君
        議     員 小平  忠君
        議     員 佐竹 晴記君
        議     員 金子與重郎君
        議     員 浦口 鉄男君
        事 務 総 長 大池  眞君
    ―――――――――――――
四月一日
 委員石田博英君、中川俊思君、福田篤泰君、松
 野頼三君、松井政吉君及び梨木作次郎君辞任に
 つき、その補欠として多武良哲三君、飯塚定輔
 君、福田喜東君、麻生太賀吉君、淺沼稻次郎君
 及び竹村奈良一君が議長の指名で委員に選任さ
 れた。
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 一般職の職員の給與に関する法律案の取扱いに
 関する件
 緊急質問の取扱いに関する件
 全国選挙管理委員会委員の補欠に関する件
 証券取引委員会委員の任命につき同意を求める
 の件
 彈劾裁判所事務局の人事承認に関する件
 院内における検査官の捜査に関する件
 本日の本会議の議事に関する件
 院内における募金行為に関する件
    ―――――――――――――
#2
○大村委員長 これより開会いたします。
 まず全国選挙管理委員会委員の補欠指名の件を議題といたします。
#3
○大池事務総長 私から御説明申し上げます。全国選挙管理委員会の小会派を代表して出ておられた今井登志喜さんが先月二十一日に死亡されました。その補充指名を衆議院の方でいたさなければなりません。これは小会派を代表して出ておられた方でありますので、その補充の意味で、従来の小会派の方々の方でお打合せの上、適当な方を御推薦願いまして、それに従つて、当委員会等で御協定の上、御指名方を願いたいと思います。
#4
○大村委員長 本件は推薦母体で御協議の上、追つて御推薦願うことに御異議ありませんか。
#5
○大村委員長 それではそのようにいたします。
    ―――――――――――――
#6
○大村委員長 証券取引委員長と委員任命について同意を求めるの件を議題といたします。
#7
○大池事務総長 証券取引法の一部が改正されましたので、その委員長と委員を二名選ばなければならないことになつたのであります。これは先日通りました証券取引法の改正によりまして、証券取引委員会というものを大藏大臣の所轄のもとに置くことになりまして、その委員会は委員長と委員二名をもつてこれを組織する、その委員長及び委員は学識経験のある者の中から、両議院の同意を得て内閣総理大臣がこれを任命する、こういう規定の法律案が通つておるのであります。委員の任期は五年とすることになつておりますが、経過的に、内閣総理大臣の定めるところによりまして、その一人は三年、一人は四年、一人は五年とするように附則ができ上つております。従いまして、とりあえず徳田昂平さんの委員長、島居庄藏さんの委員、藤田國之助さんの委員として承認を得たいという申出がありますので、前例によりまして、ただちに各党の御態度を御決定することも困難と思いますから、お持ち帰りの上、なるべく早く願いたいと思います。
#8
○大村委員長 本件につきましては、追つて御協議申し上げることに御異議ありませんか。
#9
○大村委員長 それではそのように決しました。
    ―――――――――――――
#10
○大村委員長 次に人事承認の件を議題といたします。
#11
○大池事務総長 ただいまお手元へ配付されておりますが、彈劾裁判所の裁判長古島さんから、議院運営委員あてに、裁判所で参事一名が欠員になつておるので、その欠員の参事に、現在そこにお勤めの、主事をやつておる池田秀雄君、その方を承認願いたいという御申出であります。その履歴はお手元に差上げた通りでありまして、この方が参事になる資格の点については、すでに人事院等の承認が済んでおるそうでありますので、できるならばこの方を昇格願いたい、こういう申出であります。従つて、これも次会まで御研究の上でけつこうでありますから、お願いいたしたいと思います。
#12
○大村委員長 それではそのように決しました。
    ―――――――――――――
#13
○大村委員長 次には衆議院の本会議議場使用の件について御協議申し上げます。
#14
○大池事務総長 私から御説明申し上げます。衆議院の全議員並びに参議院の全議員七百十六名からなる同胞救援議員連盟というものができておるそうであります。その事務局長の北條参議院議員からの申出でありますが、この救援議員連盟は、昭和二十一年の九月以降、各議員から三百円ずつの寄附を求めまして、事務を今日まで五箇年やつておるそうであります。その事務に、一応この際整理といいますか、ポイントを打ちまして、将来は海外在留同胞の救出国民運動というものを全国的に展開いたしたい、こういうことになりまして、その海外在留同胞の救出国民運動の総本部というものを設けまして、それに役員等を置いて、今後の活動方針を決定して進めたい、そのために従来の同胞救援議員連盟の諸君が総会を開いて今までのすべての報告をなし、今後の運動方針等に対する大綱等を決定いたしたい、そのためにはぜひ衆議院の本議場の使用の許可を願いたいというのであります。かつての先例では、二十二年の七月に、民主政治連盟の発会式を、ちようどこれも開会中でありましたが、衆議院の議場を拝借してやつた例もあるので、衆参全議員が参加しておることでもあるからぜひお願いしたい、こういう申出でありますので、一応議題といたしまして、御意見によりまして検討いたしたいと考えておるのであります。
#15
○椎熊委員 参議院の方へは……。
#16
○大池事務総長 参議院の方へは申出がないのでありまして、この前衆議院で民主政治連盟もやつておることから、衆議院の方へ申出をして来ておるのであります。それと、もう一点の申出は、ここの議題にはなりませんが、議場を拝借いたしたいということと、衆議院の議長に今後の救出運動の会長を願いたい、こういう申出が衆議院議長に対してあつた次第でありますが、衆議院議長は、これに対しては十分考慮の上返答いたしたいということで、今日までまだ会長を引受けるという点についてのお約束をいたしておりません。この点を念のためつけ加えて御報告申し上げます。
#17
○林(百)委員 これは議員のほかにだれが来るのですか。議員だけですか。
#18
○大池事務総長 議場を使うのは議員だけでありまして、この前の民主政治連盟の発会式のときにも、議員以外の者も数種おつたのでありますが、議場の中には入れておりません。議場を使う場合は、議場の中へ入るのは議員だけ、こういうことになつております。
#19
○椎熊委員 共産党は入つていないでしよう。
#20
○大池事務総長 全議員入つております。使います時日は、四月七日の午前十一時から十二時までであります。
#21
○土井委員 社会党は異議ございません。
#22
○倉石委員 私の方は、この問題についていろいろ実情を伺いまして、党の方でも愼重に検討いたしたのでありますが、遺憾ながら賛意を表しかねます。
#23
○大村委員長 本件はこれを承認せざることに取扱いまして御異議ありませんか。
#24
○大村委員長 そのように決しました。
    ―――――――――――――
#25
○土井委員 新たにこの議運でちよつと御考慮を願いたいことがあるのであります。実は、ここにも議員の方々で胸に緑の羽根をつけておられる方がおりますが、あの緑化運動について、きよう院内で、箱を持つて、緑化運動に参加してもらいたい、よいことであるからといつて金を集めて歩いておるわけです。そのことの趣旨はだれも反対すべき筋合いのものでないけれども、院内で箱を持つて、それに代議士の諸君がついたり職員の人がついたり、あるいは祕書のような方がついて歩きまわるということは、将来に惡例を残すのではないかと思う。それで、この問題について将来こういうことをするかどうか。たとえば、この前赤い羽根のことをやりましたが、あれは議運で、大体代議士一人あたり幾らという寄付の承認を得て、事務局でそれぞれ歳費から引いておるのであつて、箱を持ちまわつてはいないわけである。将来、よいことであるからといつて、ああいうことをやるなら、私なら私が、傷病士の人を議院内に連れて来て、箱をまわして頼み歩くということになつたら、だれも反対しないことになる。こういうことがしばしば行われて、院内の各派の控室に寄付を求めてまわつて歩くということはどうかと思う。そういう点、議運ではつきり、そのことがよいかどうか御決定願いたい。それを提案いたします。
#26
○佐々木(秀)委員 土井さんの意見に賛成です。同時に、この種の問題を一様に一緒にきめていただくことがよいと思います。
#27
○林(百)委員 今問題が出ましたが、佐々木君の言われるように、類似したいろいろな問題がある。考査委員会で、考査委員会の証人の偽証の問題で検事が捜査したいということを、衆議院の考査特別委員会の事務局に言つて来た。最初は議員会館へやつて来た。それを鍛冶委員長が、おれの方の部屋に来てよいからと言うて、衆議院の特別委員会の事務局にわざわざ検事を呼んで、関係議員も呼んで捜査をやつておる。外部の者が国会に入つて来ていろいろやることについて、一括して衆議院としてどういう方針をとるべきかということをきめてもらいたい。
#28
○山本(猛)委員 院内で、いかなる理由にしろ集金するということとは、関係が違うじやないか。
#29
○田中(織)委員 緑化運動などのように、各党これに賛成せられるという場合には、前の赤い羽根のときのようなことに準じて、議院運営に申し込んで取扱うということにいたしまして、同時に、こういう各党にまたがるような場合は、議運の懇談会にでも諮るということがよいと思いますが、個別に特定の寄附とかということでまわることのないようにしていただいたがよいと思います。
#30
○大村委員長 いかがでございましよう。ただいま土井君、佐々木君、田中君から御発言がありましたが、この青い羽根の運動、その他院内におきまして募金をするような必要の場合には運営委員会に相談をする、それ以外のものは、議長において、そのようなことをなさせないようにおとりはからいを願うということに申合せして異議ありませんか。
#31
○大村委員長 そのように決します。
    ―――――――――――――
#32
○椎熊委員 ただいまの問題に関連して重大な発言が林君からありました。検察官が議会内へ来て職務を執行するということを議長がお認めになつたのですか。これは非常に重大なことだと思います。議長は知らなかつたか。
#33
○岩本副議長 議長は聞いておりません。
#34
○椎熊委員 これは鍛冶君がどういうことでそういうことをやつたか、よく真相を調べる必要がある。国会へ巡査が一人来ただけで大問題になつたことがある。検察当局が取調べの場所に院内を利用したということになると非常な問題です。
#35
○佐竹晴記君 林君と椎熊君のおつしやつておる通り、検察官が院内へやつて来て捜査をする、関係人を呼んで委員長室で取調べをするということは、もつてのほかだと思う。これは立法府に司法官憲がやつて来て、ここを使用して捜査をしたということで、重大な問題である。この問題は、その事実をお取調べを願いたい。私よりも申し上げます。
#36
○石田(一)委員 これは考査特別委員会の問題でありまして、ある証人に偽証があつたかどうかということを、その考査委員会に出席していた委員を参考に捜査するのだそうであります。それで、その当日私もこのことに一応気がつきまして、委員長室にいました検事に会つて、私は一応捜査を受けないで注意をしました。こういうことは、だれに許されておやりになつたか知らぬが、大きな問題である、あなたがここでおやりになつたことは、事務当局としてこれを知らなかつたというようなことがあつたら今後困るから、事務総長のところまで一緒に行つてもらいたい、そう言つて事務総長にお会いして、こうこうこういう事情だと言いましたところ、事務総長は、それはおかしい、そのことについては、院内ではぐあいが惡いので、議員会館に一室を設けておるはずだ、それが中でなされておるということについては、事務当局としてはちつとも知らないところであつて、この問題について後日何か問題があれば一応説明をする、こういう話でありましたので、ただちにその日はやめていただきまして、そうして一応議員会館に行つてもらつたという事実があるのであります。
#37
○林(百)委員 私の方では写真もとつております。私の方の議員が抗議をして退場しましたが、とにかく検事が議院の中に入り込んで来て、しかも委員長がどうぞこつちにいらつしやいと呼び入れて、関係議員を呼んで調べさせる、そういう不見識な話はないと思う。実情をよく調査いたしまして、はつきりしてもらいたい。堂々とやつておる。
#38
○佐々木(秀)委員 石田君その他の方方からいろいろ発言がありましたが、そういうことがわれわれはあつてはならないと考えております。今初めて聞きましたので、その点は調査して研究するということで、今後の対策をやつて行きたいと思います。
#39
○椎熊委員 次会に鍛冶君にここへ来てもらつて――今でもよい。さつそく鍛冶君を呼んで、実情を聞いてみたらどうです。
#40
○田中(織)委員 私の方といたしましても、この問題はきわめて重大な問題だと考えておる。なお今、議員会館に一室を設けたというようなことについて、考査委員会の委員長が了解を與えたのか、だれが了解を與えたのか、そにいうことについても私はこれは問題だと思う。検事が参考意見を徴するために、議員会館に特定の人を来訪して、その来訪を受けた者が、会館の部屋に通して話をさせるということは、普通の面会者と同様の取扱いでありますが、今度の場合のように、考査委員の全員にわたつて捜査をするために検事が出張つて来る場合に、たとい直接議場に関係のない外の建物であるとはいえ、議員会館といえどもこれを使うということは、これは私問題だと思う。従つて、この点は、特に手続の点からいうと、検事から考査委員会の事務局あてに申し込んで来たものに対して、委員長はただちにこれを取上げて、いかなる権限において――各議員の、ことに開会中の議員の身分の保障があるにもかかわらず、そういう申出があつたからというような委員長からの通告で、検事の捜査に何か協力を與えるという形は適当でないと思う。ことに問題は、ある証人の偽証の問題でありますが、これは與党、野党を問わず、考査委員全員の参考意見を聞かなければならぬかどうかということも私は問題だと思う。従つて、この問題は、きようただいまからでも、考査委員長に本委員会に出席を求めて、事情を聽取した上で、われわれは今後の問題もありますから、この問題に対する態度を決定しなければいかぬ、かように主張するものであります。
#41
○倉石委員 ただいま田中君のお話のありました事柄は非常に重大な問題だと思いますので、鍛冶委員長に来ていただくことにわれわれは賛成でありますが、そういうことにきめていただいて、ほかのこまかいことを片づける、その間に呼びにやることにいたしましよう。
#42
○石田(一)委員 私は、院内でこれがなされたことについては相当重視しておるのでありますが、その前に、一応私は事務総長のところで検事の言つたことを――検事を私擁護しようというのではありませんが、この際言わなければならぬことがある。それは、要するに横浜の検事局が、国会開会中に議員に参考人としておいで願つても公務に迷惑するであろう、それでできれば東京に出張して、東京の地検か何かでやりたかつた、しかし、それより議院の近くでやれば、参考人として証言に出られる議員も公務の上で便利であろうという事情から来たのだ、こういうことであつた。それで私は、その点議院外ならばよいのではないかと言つた。その事情だけを申し上げておきます。
#43
○大村委員長 それでは鍛冶君の御出席のありますまで、ほかの問題を御協議願います。
    ―――――――――――――
#44
○大村委員長 緊急質問の取扱いの件を議題といたします。
#45
○大池事務総長 緊急質問がただいま出ておりますのを御報告申し上げます。緊急質問の一、二は前会より出ておりまして、第一は一応留保され、第二は、これに関連した決議案が上程される予定になつておりましたので、その際にあわせてどういう処置方法をとるかということが未確定になつておる案件であります。緊急質問の三、四、五、これは新給與法一部改正の廃案に関する緊急質問でありまして、まつたく同一のものでありますが、そのあとに中曽根さんから出ておる緊急質問、これもまつたく同じようなものだと思いますが、政府職員の新給與実施に関する法律の一部を改正する法律案が廃案になつたための緊急質問として、成田知巳さん、林百郎さん、中曽根康弘さん、石野久男さん、この四人から出ておる次第であります。一応御報告申し上げます。
#46
○土井委員 ただいまの緊急質問の関係ですが、一、二の問題はしばらくこれは別といたしまして、三、四、五、六の問題は、御承知の通り、昨日、本会議で、政府職員の給與の法案が廃案になつて参りましたので、これに対する緊急処置をどうするかということは、これに関連を持つのみでなくして、非常に重要な関係を持つておるのであります。従つて、政府がどういう処置をとられるかということを、ぜひこの際聞いておくべきである。また政府も、これに対してやはり確信のあるところを表明して、それによつて直接給與を受くべき多くの人々に対して安心を與える必要もあろうかと思いますので、この緊急質問はひとつ早急に取上げて、本日の会議でやつていただきたい。こう思つております。
#47
○倉石委員 練達堪能なる土井さんは、どういうようにこれが扱われて来るかということについては、すでに結論まで見通しておいでになることであろうと思うのでありますが、一日も政府職員に対する給與の法律がないというわけに行きませんので、私どもといたしましては、議院提出の法律案を本日上程して、すみやかに御審議、御決定を願いたいと思つて、今それぞれに手配中でありますから、もう数分の後には皆様に申し上げて御了解を得られる段取りになると思います。それが出て参りますれば、政府は私どもの態度に同調するであろうと思います。そこで正式に手続が進行中でございますので、申し上げることを遠慮しておつたのでありますが、ただいま土井君のお話がございましたので、もし諸君がおさしつかえございませんでしたら、私どもが議員提出でその法律案を出すということを御了解願つて、それはどういうものであるということをここで御審議してくだされば、なおけつこうだと思います。従つて、この緊急質問の問題は、その法律を審議されることによつて自然に解決する問題だと思います。
#48
○椎熊委員 当然そういうことはあり得るだろうし、議員提出で何か法案が出て来るという傾向は非常によいことだと思う。今後ほかの問題もそうしてもらいたいが、今われわれが聞きたいのは、議員提出の問題でなくして、今までこの法律によつて給與をもらつていたのを、たとい半月でも一日でも廃案になつておるのだから、それに対して政府は相当の責任もある、その所信を聞いておかぬといかぬ。次の段陷で諸君の出して来る法律案についての審議のためには、政府の所信をただす必要があるので、それはあなた方手続中であるか、すでに手続が完了しておるかという問題とは別で、この緊急質問は当然許さるべきものだと思う。ただ時間的に、あるいは同一内容だからどうせいということは、紳士的に協約をしてもよい。
#49
○田中(織)委員 ただいま倉石委員から、給與に関する議員提出の法案の手続を進めておられるということであります。それはそれとして承りおく次第でありますが、この問題に対する政府の処置の問題は、一刻もすみやかに明らかにされなければならない問題だと思うのであります。ことに、国家公務員また公団等の職員に対して、事実上きよう働いておるけれども、実際は月給がもらえるのか、もらえぬのかわからない状態に追い込んでおる。事実上そうなんです。従つて、その問題を、公務員の諸君が、自分たちの労働に対する裏づけがあるのかどうかということを上長に聞くというような形で、事実上一種のサボタージユなり、あるいは執務が完全に滞るという事態を起したといたしましても、これを罷業だとか、共同サボタージユという形において処罰することができないような事態に、政府みずからが追い込んでおる。従つて、この問題に対する政府の態度を明らかにするということが、私はわれわれ国会議員の立場からも先決問題だと思う。われわれは、ただちに本会議を開会いたしまして、この緊急質問を政府当局に対して行うことをぜひ運んでいただきたいということを、ここに要求する次第であります。
#50
○倉石委員 申し上げるまでもないと思いますが、現在の段階においては、法案提出あるいは法律案の修正等の場合にはオーケーを必要とするのであります。昨日のお話によれば、ミステークのオーケーであつたということで懇談を持ち込まれたことも諸君よく御承知の通りであります。私どもといたしましては、やむを得ざる今日の客観的情勢のもとに、ああいうことになつたのでありますから、本院の院議としては、たといその当時は反対された方があつても、院議で一旦きめられたことであるから、おそらく私どもの意見に皆さん同調してくださるだろうと思つておりましたのが、不幸にして昨日のような結果になつたのであります。そこで、田中君のお話のように、一日もこの法律がないわけに行きませんので、すみやかにわれわれは議員提出として出すわけであります。政府の態度というお話でありますけれども、今日は政党内閣でありまして、與党の意思を尊重して政府はやつておる。あなた方の内閣でもその通りであつたはずでありまして、われわれは、政府がどういう態度をとるというよりも、まず党としてすみやかに法律案を提案して、それを御決定願つて、空白のないようにしたい、こういう考えなのでありますから、私ども、政府とはまつたくそういう点において所見が一致しておるわけであります。
#51
○田中(織)委員 こういう事態に追い込んだ責任は、これはあげて政府側にあることは、明々白々なる事実であります。ことに自由党の單独内閣でありますから、表裏一体の関係にある意味において政府と連絡をとつておられるということは、これは理解するにやぶさかではないのであります。しかしながら、この問題に対する與党側の態度はわかりますけれども、われわれ立法府といたしましては、やはり行政機関の責任者としての立場において、政府がことに空白状態を生じたということについては、人事院総裁は国家公務員のために当然処置をとらなければならぬ事態に立つておる意味において、どうしてもこの点を明らかにしなければならない。本会議をただちに開くということが、今申されるような事情で多少時間的にずれるということになりますならば、本委員会に政府を代表する総理大臣、官房長官また人事院総裁の出席を要求して、今議題になつておるこの問題に対する政府の態度をわれわれに明らかにするように、委員長においてとり運んでいただきたいと思う。
#52
○林(百)委員 先ほど倉石さんからいろいろお話があつたのですが、あなたは昨日の関係方面との交渉のことも言われたが、あのことも、その後の経過からいうと少し違つておると思う。あのときは、向うの方では命令を出すとまで言つた。決してこういう形になるということをわれわれ聞いておらない。その辺も非常な事情の相違がある。これがもし思うように行かなければ命令が出る、命令が出れば事態が重大だということを言われた。われわれにとつて重大な問題だつた。ところが、きようお聞きするところによると、出るか出ないかわからないが、民自党の諸君が議員提出の形で出す。この法案については、提出者におのずからわれわれただすことはただしたいと思いますが、問題は、政府が給與を拂えないということ、あるいはこういう廃案になつた一切の処置について政府に聞きたいのだ。あなたは、政党内閣政治だから、自由党の考えは政府も同じだと言われるが、それは政府が言われるならよいが、倉石君から言われても、われわれ政府の考え方だと承知はできない。われわれは、この際政府の所信を聞きたいのである。
#53
○佐々木(秀)委員 政府の出した一年間延長という法案は、院の議決によつて廃案になつたのですから、その廃案になつたものに対して今政府の責任を問うというが、わが党において、議員提出で、いわゆる給與ベースに対する対策を今やつておる。今時間的に準備が着々進んでおるのだ。その段階において、廃案になつたものに対して政府がどう考えておるかということを何ら聞く必要もないと考える。
#54
○石野委員 倉石君から、きのうの事情について話があつた。そのときには、やはり林君から言われたように、ずいぶんその筋からきつい発言をもらつたわけです。われわれとしても、事の重大性を考えておつたが、実は結局きのうのような形になつて、現在どのようなことをいうても、政府職員に対する給與法案というものは空白になつておるのが事実である。その法案を、今自由党の諸君は、議員提出でやるのだと言つておる。また倉石君からは、政府と自由党とは表裏一体だと言つておられますが、かつて吉田総理が、議会が非協力であるということを総裁談話で発表したとき、総理大臣と総裁との問題が論議の的となりまして、そのとき、やはり巧みに使いわけをされておつた。今日では、倉石君から一体だという。これはげせない。われわれとしては、自由党がどういう形をとりましようとも、やはり政府にこの問題をどういうように取扱うかということをはつきり聞く必要がある。今議員から提出されるという法案については、あらためて論議することができる。政府が空白にしておるものをどういうように処置するかということについての質疑は、われわれとして重大な問題であるし、特に政府職員約六十万に対しての給與対策が、全然法律的裏づけがないということは、重大なる政府の責任だと思う。この責任論をわれわれは追求する。その点の緊急質問は重大なる意味を持つておるということを主張するのである。
#55
○椎熊委員 あなた方が法律案を出してくるということは非常によい傾向だし、それはわかる。出てくれば、その法律案に対してわれわれは質疑等もやります。その議会独自でやることと政府とは別個です。政府は、ああいう状態になつて、何らかの処置を講じておるのか、おらないのかわからない。そういうことも明白にしたい。総理大臣が與党と連絡をとつて、與党から出す形にさせておるのかもしれぬし、そういうことも明らかにしたい。これはまつたく議会と政府と別個の立場から明らかにした方がよいのです。あなた方が出して来るということは非常によい傾向だから、われわれはそれには愼重なる態度をとつて審議する。やがて議員提出で法律案が出て来るということを前提としても、この緊急質問は許すべきだ。
#56
○倉石委員 私どもの方は、政府から言われて出すとか何とかいうのでなくて、われわれが自発的に出すわけですが、皆さんそんなに官房長官の顏を見たければ……。
#57
○土井委員 今、倉石君は感違いしておる。問題はこういうところにある。実際上、きのうで給與法は廃案になつておるのであつて、当然政府としては、これに対して何らかの処置方法を講じなければならない立場におかれておるわけだ。ところが、一日も空白にしておくわけにゆかぬという立場から、議員提出の形で法律案は出るけれども、それは諸君が自発的に出されるのであつて、政府とは直接関係がないわけである、従つて、半日であろうと一日であろうと空白になつたのです。この事実に対して、やはり議員の立場から行政府の責任を一応聞いてみる。どういう態度をとるのかということを質問することは、これは当然の処置だと思う。議案が出るから質問する必要はないのだというが、議案が出れば、その議案の出たときにまたあらためて質問をこちらはしなければならぬ。しかし、この議案審議に入る前に別個に政府に対して質問するということは、これはさしつかえないことであつて、またぜひなさなければならない問題である。というのは、行政府と立法府とは性格が全然違つておるという立場において議論されるわけだ。
#58
○佐々木(秀)委員 それは政府としても、一応廃案になつた重要案件についてはいろいろな対策を考えておられるだろうと思う。しかし政府が考えると同時に、こちらもいち早くやはり公務員諸君の給與ベースをきめなければならぬからわが党として議員提出案としてこれを今折衝しておる。これは時間の問題で、あなた方は空白期間を御心配とおつしやるが、それが法律案となつて出た場合は、その御心配は解消されるということをわれわれは主張する。そこにおいて緊急質問の必要はないの思う。
#59
○林(百)委員 通ることを前提にしておるが、通るか通らぬかはわからぬ。
#60
○佐々木(秀)委員 御協力を願つて、満場一致通るものと考えておる。
#61
○大村委員長 懇談にいたします。
#62
○大村委員長 鍛冶委員長が見えましたから、懇談会をとじて速記を願います。
#63
○林(百)委員 私から出た問題ですから、私から説明して、あと同僚諸君に研究していただきたいと思いますが、実は三月二十五日に、横浜地方検察庁検事岸川敬喜から、衆議院考査特別委員会事務局あてに、「田中政司に対する議院に於ける証人の宣誓及証言等に関する法律違反被疑事件に付て参考人捜査の為の御手配方の件」とあつて、「首題の件に付左記の如く貴庁に出張の上捜査を行ひますから然る可く御手配相成度依頼に及びます」として、「記」とあつて、「本年三月三十日及四月三日の両日午前十時より次の各議員に付当時の委員会の事情聽取致し度く尚一人に付約三十分以内の時間と思料致しますから適宜時間の繰合せの御手配も御願ひ致します」、こういうように、考査委員会の各委員あてに、検事局から捜査の手配方に協力せられることを事務局に求めて来ておる。そこで、御承知の通りわれわれ議員としては、国会開会中は身分の保障もあります。行政府と立法府との区別は峻別されてあるわけである。最初われわれの聞いておるところによると、岸川という検事は議員会館の方でやつていたらしい。議員の中には、議員会館に検事が乗り込んで来て捜査をする以上、国会の権威を傷つけると問題にした者さえあつた。それを鍛冶委員長はそこでなくてこちらにいらつしやいと言つて、この衆議院の中の特別委員会の事務局を提供して、そこに検事を入れて捜査の協力をした。これはわれわれ国会議員の身分の保障、国会の尊嚴を保つこと、行政府と立法府の区別の点からいいますと、ゆゆしい問題だと思う。将来こういうことを許されるとすれば、われわれの身分の保障も何もないことである。われわれは、横浜地検が遠いなら、東京の地検に任意に出張を求めてやればよいのを、わざわざ検事を議院に入れて、この中で捜査権を行使するということは、絶対許すことはできぬと思う。その意味において、議院運営の多くの委員の中にも非常な不満がありまして、その間の事情について鍛冶委員長みずからの説明を求めたいということで、あなたに来てもらつたのでありますが、その間の事情の説明を願いたいと思う。
#64
○鍛冶考査特別委員長 事実はその手紙が来ました。そこで、どういうわけでしたか、委員部の方から相談を受けたが、議会中で向うに来いと言つても行かれぬから、向うから出て来て参考のために聞きたいのだというから、さしつかえない者は出て話してやつたらよい、それでその通り知らせておいたらよかろう、こういうことでした。検事は、自分の持つておる事件に対して仕事をするのですから、捜査という言葉は使います。使いますが、林君が言われるように、いわゆる捜査権を行使するということは、人の自由を奪うこと、強制することだ、さようなことならば、これはもちろんわれわれ許しはしませんが、ただおさしつかえなかつたら聞きたい、こういうのですから、さしつかえある人は出なければよいので、何も私はむりに出てくれなければいかぬとも言わぬ。こういつて来ておりますということを申し上げただけであります。皆さんにこういうことを言つて来ておるから、さしつかえなかつたなら出てやつてくださいと言つた人もあり、ただそう言わぬで、向うの手紙を渡した人もあります。それから議員会館でよかろうという話はあつたようです。あつたようですが、私に会いたいというから、こつちに来たまえ、来たから、外に出て行くということは、みな忙しいのだから、ここでやつてさしつかえなかつたらやろう。單にそれだけの問題です。何らそこに特別な考えもなければ、捜査権といつたような強制をやつたものとも心得ておりません。さしつかえのない人はおやりになつて、いやな方はやめなさいと言つておるのであります。そういうことであります。
#65
○佐竹晴記君 今のお話でございますけれども、これは林君が読上げた通り、被疑事件に関する捜査のために御手配方を頼むという依頼状である。こういう文書で、何年の三月二十五日、衆議院考査特別委員会委員長鍛冶良作として、りつぱな判をつかれて、出頭すべき人の名前あてに、田中政司に対する証人被疑事件に関する件として、これに対して別紙の写しの通り手配方の通知があつたから、あなたに通知するのだと、検事の補助をあなたがしておるのだ。つまり、あなたが検事の事務を分担なさつておる。これは明白だ。被疑事件捜査の件、そうしてあなたがこれを承つて、立法府の委員長が検事のお手伝いをなさつておる。こういつたことは、刑事訴証法の上からいつても認めらるべきことでないのみならず、こういつた、院内において捜査権が行使されるということになれば、もし院内において何かまたなぐり合いでも始まるならば警察官が飛込んで来るであろうし、検事が入つて来て捜査するでありましよう。旧来、そういうことは絶対させなかつた。それをさせないところに、われわれ議員としての名誉が保たれておつた。体面が保たれておつた。しからばこそ、ここには警察権を入れない。警察官を入れないように、衞視というものがあつて、われわれもちやんと身分が保障され、われわれを守つておる。こういつたように、立法府は立法府といたしまして特別の地位にありますのにかかわらず、もしこういうように検事が入つて来て捜査を行い、委員長がその事務を補助するといつたことになりますと、これはまさに司法権が立法府に入つて来て、院内において捜査権を行使するのでありますから、かくのごときことは絶対に認められるわけのものではないと思う。あなたの言うような軽々しいものにあらずして、りつぱな文書をもつてせられたものでありますから、これに対しては、はつきりしたあなたの御答弁をお願いしておきたい。
#66
○椎熊委員 私は、事態はまことに明確になつたと思う。鍛冶君は非常に軽い言葉をお使いのようだが、鍛冶君の言つた通り私は信じます。それで事態が一層重大だと思う。その上、こうした文書の証拠まで上つておる以上は、これは運営委員会等で処置を決するという小さい問題ではありません。これは政党政派等ということでなしに、わが国の憲法を擁護する意味の重大問題ですから、われわれはこれだけで調査は十分です。党に帰つて、党の態度を決定して、各党重大なる決意をもつてこの処置に当らなければならぬ、こういう考え方です。
#67
○林(百)委員 ちよつと補充しますが、ぼくは、あなたがもう少し真剣な気持でわれわれのところに来てくれたらと思う。私の質問に対するあなたの態度自体によつて、あなたがいかに不見識かということに驚いた。憲法五十條によつて、あなたも御承知でしようが、「両議院の議員は、法律の定める場合を除いては、国会の会期中逮捕されず、会期前に逮捕された議員は、その議院の要求があれば、会期中これを釈放しなければならない。」とあつて、われわれの身柄については、国会の開会中は十分保障されておるのだ。この憲法に保障されておる議員の権利を議員みずからが蹂躙して、検事をこの中に入れて、三十分にしても四十分にしても、その捜査の手先をしたということは、ゆゆしい問題だと思う。これは一鍛冶君個人の問題でなく、憲法を守るために、国会の権威を守るために真剣に考えてもらわなければ困ると思う。まことに不見識もはなはだしい。のものだと見ておる。かりにこれが司法権の一部分であるという見解をとるにしても、私は、これは憲法における司法権、立法権の嚴然たる分立の建前からみて、きわめて重要な問題だと思う。しかしてこの問題は、向うからの依頼状に現れておりますように、どういう事件の偽証罪で、これがどれだけ寸刻を争わなければならない問題であるかというようなことも、おのずから考査委員長の立場においてこれは判断せられることだと思う。ことに與党、野党を問わず、当日出席したであろうと見られるところの委員全員に対して事情を聽取しなければ偽証の容疑に対する捜査ができないものかどうかというようなことも、これは鍛冶委員長の立場においても十分判断できる問題だと思う。委員長として、向うからそういう依頼状があつたから、きわめて事務的、機械的に、軽い気持でやられたと言われるあなたの率直な態度は、われわれこれを認むるものでありますけれども、おのずからこうした問題については、考査委員長の個人の立場においても、私は当然その点について考慮を拂われたことだと思う。その点、はたして考慮を拂われた上で御処置なさつたものかどうかということも、あわせて所信を表明願いたいと思います。
#68
○石田(一)委員 これは現実に私の聞いたところによると、事務局において、議員八人以上がもうすでに捜査を受け、要するに意見を徴され、聞取書を徴されておるということである。八人の議員の不見識に至つては言語同断である。
#69
○椎熊委員 一議員を検事局に喚問するということのために、どれだけここで争つたか。その当時の議員は、われわれと同じように奮鬪してくれたのですよ。まことに重大な問題です。
#70
○鍛冶考査特別委員長 お答えします。たいへんどうもいろいろな御議論が出るものだと思う。私は、なるほど別にこれを見たわけでもありませんが、これだけの人にこう言うて来ておるのだから、この人たちにはお知らせしておかなければならぬ、その意味でお知らせした。それから議院内において捜査をすることができぬと言われるが、この問題を、いわゆる強制権を発動する捜査というものと同一に見られるということは、はなはだ理論上むりな議論だと考えております。ここで強制権を発動するかもしれぬというような疑いがあるならば、それはもう絶対われわれは許さぬ。検事の仕事の上で、ただ参考人として聞きたいと言つており、それに限つておるのです。その間、いやならやめなさい、むりに出なくてもよい、いやならやめなさい、そう思つておる、こういうふうに来ておるのだから、どうあつても出てくれと言つたなら別だが、單にこういうて来ておりますから、おさしつかえないならやつてくださいと言つたので、捜査捜査と言われるが、捜査という文字は使つてありますが、いわゆる捜査とこれとは違うのです。検事が仕事をすることは捜査の一つであるかもしれぬが、参考人として承りたいという、それだけです。何も議院内で強制権を発動するというような、さようなことは絶対ないと確信しております。
#71
○篠田委員 この問題は、ただいま椎熊君が言われました通り、椎熊君の方は党内に帰つて御相談されるそうであります。われわれの方といたしましても、これは党に帰つて一応相談すべき問題だと思います。党に帰つて相談し合つた上で問題を進めたいと思います。
#72
○土井委員 ただいま篠田君からの意見がありましたが、もとより各党がそれぞれ相談しなければなりませんけれども、言いかえれば、司法官をこの中に招致して、そうしてその執行をした、そういうやり方を認めるということは、立法府の失権ということになる。だから、この問題は軽々しく取扱う筋合いのものでないことは全面的に認めなければならぬ。だから、これは各党が真劍に考えて、超党派的の立場で、議会の尊嚴を傷つけないような措置をこの際とるように考えていただきたいと思います。
#73
○佐々木(秀)委員 それでは、ただいま土井さんの御発言もあり、篠田さんの御発言もありましたので、この辺で暫時休憩をしていただきたいと思います。
#74
○大村委員長 五分間休憩いたします。
    午後四時三十二分休憩
     ――――◇―――――
    午後五時三十六分開議
#75
○大村委員長 休憩前に引続き会議を開きます。
#76
○倉石委員 休憩前の当委員会に私があらかじめ申し上げました政府職員の給與に関する法律につきまして、私の方から正式に提案を申し上げます。お聞きとりを願います。
#77
○椎熊委員 休憩したのは重大な事情があつて休憩したことは申し上げるまでもないのでありますが、われわれは、先ほどの運営委員会を継続して、順次能率的にこの会議を運用して行きたいと思います。従つて、先刻の続きを即刻やつていただきたい。今新たなる提案の問題は、最後の問題にしたい。
 そこで、お許しくだされば発言いたします。きのうの国会の結果によつて、給與法が廃案になつておる。従つて、これに対する政府の所信を、本議場において緊急に質問したいということで、ここに緊急質問を提出しておるのであります。これはぜひとも御賛成を願いまして、政府の所信を十分議会を通じて国民の前に明らかにしてもらいたい。同時に、同一趣旨の質問が四件出ておりまするから、これらについては、時間もたいへん遅くなつておること等も考慮して、私ども御相談に応ずる用意を持つております。これを一切お許しにならないというようなことでは、国会の運営上惡例を残します。それから、今あなた方が出しておる独自の議員提出法律案を出さねばならぬほど国会の権威を維持しなければならない状態にある以上、なお政府に対して国会は当然質問すべきことを質問しなければならぬ。この質問を否決するということは、運営上避けなければならぬ。どうか御賛成を願います。
#78
○倉石委員 先ほど来この問題について御相談を願つておつたのでありますが、時間その他を尊重する意味において、私どもの方といたしましては、田中織之進君も先ほどお話になりましたように、この席に政府側の出席を求めて、ただいま椎熊君のお話のような、政府のこれに対する所信を聞く、こういうことで御了解を願いたいと思います。
#79
○椎熊委員 運営委員たるわれわれは、われわれ自身の用意のために政府の所信を聞くというのではないのであつて、国会自体が聞くということなんですから、政府の所信をわれわれが聞いても意義をなさない。聞く機会があるとすれば、それもけつこうですが、さらに本会議において明らかにするということを、さらに私どもは強く要求せざるを得ない。従つて、政府としては二重の手数ですから、われわれ運営委員に聞かせるということでなしに、成規の手続をもつてここに緊急質問を提出している以上、その質問に答えて堂々たる御発言を願いたい。
#80
○田中(織)委員 倉石君から私の名前が出ましたが、先ほどまでの状態においても、この案件については、これは政府側からむしろ積極的に議会の方に対して何らかの意思表示があつてしかるべき問題だ。われわれから要求があつて初めて出て来るというような筋合いとの問題ではないと思う。この一般職の職員の給與に関する法律、議員提出の案件の取扱いに関連して、本会議において、われわれはただすべきものはただしたいと思いますけれども、椎熊委員より申の述べましたように、この問題については成規の手続で緊急質問を提出しておるのであります。従つて、まず本会議においてこの緊急質問を取上げるということを御決定願つて、その上で、次に提出されております一般職の職員の給與に関する法律案についてその取扱いを協議するという順序でお進め願いたいと思います。
#81
○佐々木(秀)委員 先ほど田中君、椎熊君から、一刻といえども給與法は空白にしておく時間があつてはならない、こういうお話でありました。そこで、それに対しては、わが党といたしましても極力努力いたしまして、ただいまお手元に差上げておるような法案が、今オーケーをもつてここに来たわけです。そうすると、あなた方の意思も、一刻の空白があつてはならないという趣旨においてこの問題を御審議願いたいということでありますので、でき得るならば緊急質問の時間も、やはり空白の一時間でありますから、それを避けていただいて、政府の所信をお聞きになるならば、この場所において政府から、今までの廃案後の政府の態度をお聞きになつて、そうして一刻も早く空白のないような状態に進めるということが緊急のやり方ではないかと考えておるのであります。
#82
○田中(織)委員 今出ておる案件が、かりにこれは政府提案の法律案であるということであればですが、しかしこれは議員提出の法律案ということでございます。その間、現在までの間、またこの法案の審議の見通しという問題も、これはこれからやつてみなければわからぬのでありますが、現実に空白事態を生じさせ、立法府に対して行政府が廃案になるような案件を出して置きながら、その後の処置について、現在の瞬間まで何ら公務員並びに国民全般に対してその態度を明白にしておらぬということは、これは非常なる政府の責任問題である。従つて、この案件の審議を進めることにはわれわれは積極的に協力いたしたいと思いますが、何時間も緊急質問に時間のかかるわけのものではないし、先ほど椎熊委員から申し述べた通り、四名緊急質問が出ておりますが、大体案件も同じでありますから、これを調整することについては積極的な意思を持つておるので、こういうことで議論を繰返さずに、まず本日本会議の冒頭にこの緊急質問を取上げるということを御決定願いたい、かように思います。
#83
○佐々木(秀)委員 ちよつと田中君にお聞きしたいが、先ほど一刻といえども公務員のために空白の時間をおいてはならないと仰せられたことは、政府の責任をただすことが先決なのか、公務員のために一刻といえども空白があつてはならないということが先決なのか、それを私はお聞きしたい。
#84
○田中(織)委員 今、佐々木君から私に質問されたのでありますが、一刻云々という問題は、結局これはきよう中に上げるか上げないか、こういう問題です。従つて、ここで緊急質問の問題で三十分ないし一時間の時間をとるとらないということは、そういう意味における一刻というようなことには私は当てはまらないと思う。
#85
○石野委員 一刻も争うということでありまするが、ただいままた、われわれここに厖大なものをもらつたわけです。これがもし審議される対象であるといたしますと、相当厖大なものである。当然これはそれぞれの成規の手続によつて委員会等も経なければならない。相当に愼重を期して審議されなくちやならぬ問題であると思う。かような意味において、私どもは、やはりその間におけるところの政府の空白を生じておる給與処置に対する対策というものは、当然ただすべき最高の議決こ関に付するのがわれわれの任務であろうと考えておるのであります。ことに今度の問題は、空白の問題と同時に、この空白をいかに処置するかということや、昨日の国会で廃案の処置にまで至らしめた政府の責任の問題までもわれわれは考えなくてはならないのではないかということさえ思つておるのであります。かような意味において、この法律案の審議に協力するかどうかということはとにかく、われわれは、自由党の議員提出になる法案の出ることに対して審議に協力することはやぶさかでないのでありますが、その審議は、どのような時期に、どのような形で国会を通過するかということに対しての見通しは不安定である。だから、一刻という時間の中に解決することは困難だとも思いますので、その間における処置としても、政府の所信あるいは考え方というものを国会を通じて聞きたいというのが本意でございますから、どうか自由党の皆さんもその点をよくお考えいただいて、われわれの意のあるところに協力していただきたい、こういうように思う。
#86
○淺沼委員 これは佐々木君の言われることもよくわかりますが、問題は一刻も争うけれども、まあきよう中ということに考えられるわけです。もう一つは、やかましく言えば、案はきよう出されましたけれども、公示されておるわけでもない。初めて本日の議題に供されておるが、これが議院の慣習から妥当かどうかということになれば、公示された後に、ある委員会にこれをかけるということをしなければならぬから、問題は残ります。それと同時に、一番問題なのは、昨夜院議は決定されておる。要するに廃案ということになつておる。この院議で決定されたことに対する処置等は政府がしなければならない。院議を決定しておいて、その院議をくつがえすものを出すことになる。従つて、政府はどういう考えであるかという、院議決定に対する政府の考えの表明をわれわれが要求するということは、われわれの審議の過程において当然なことである。なお政府みずから院議の決定に対する答案が出て来なければならぬ。廃案になつたからには自然政府が処置すべきです。議院の意思によつて決定したものだから、意見の相違は出るでしようが、われわれの側から言えば、政府の方に聞くべきだということになるのだ。われわれ仲間で話し合つたのですが、この問題に対する議論をして、その議論をしたことを明確にしてもらえばよいので、質問時間を縮小することには応じようじやないか、しかし議会の運営からいつてなかなか重大な問題だから、重大な問題のコースは、そのコースなりにひとつ立ててもらつて、いろいろ議論した結果、多数でいけないということになれば、これもやむを得ない。しかし、りくつを通すだけは通さしてもらいたい。これがわれわれ側の意見です。たとえば、この質問を許してもらえば整理しよう。もう一つは、あなたの方から案を出して来ても、その案についても、これが一事不再議の原則に反するやいなやということについて大いに議論しなければならぬ。従つて、これを議題に供するかしないかという議論をして、しかしこれもあなたの方で多数でいけないという機とになればやむを得ぬ。しかし筋、道だけは通さないといけない、そういうことを話合つておるのです。
#87
○佐々木(秀)委員 今淺沼委員から、院議が昨夜決定しておるという話ですが、私はこう考えておる。もちろん院議によつて議決せられました。その議決せられたものは否決ということであつて、同時に廃案ということです。そこで、院議できめられたものは、あとあとに残るものであるならば、これに対する何らかの処置があつてもよいのです。議決されたそのものが廃案であつて、もうすでにその法律というものは効力がない、私はそう考えるのです。
#88
○淺沼委員 議論することはいやになるが、こういうことになります。政府は予算を執行するについて、この案が必要なんです。この案がなければ予算執行は不可能である。従つて、それが廃案になつたということについては、政府みずからが法律的処置をしなければならぬ。そのことを本会議で聞いて筋道を立てたい。
#89
○佐々木(秀)委員 それは議院運営委員会自体でそういう問題が起きるでしよう。疑義が生じて来るでしよう。だから、この委員会に官房長官に来てもらつて、政府の考えておる点を聞くということが私は当然だと思う。この委員会自体がそういう疑義を生じて議論をされておるのだから……。
#90
○田渕委員 野党側の緊急質問は、この法律案が出ない空白事態において出たものであつて、ここに法律案が提出された以上は、まずその法律案を審議するのが理論であつて、現実にあなた方は一刻も早くこの空白状態をとりもどそうというのが精神であるならば、この法律案によつて審議されたい。
#91
○田中(織)委員 出て来ておる法律案の審議をやらないとは、われわれ決して申し上げておるのではないのであります。しかしながら、この問題について、今官房長官は見えておりますけれども、これは運営委員会だけの問題でない。議会全体の問題であるから、この問題に対しての質問は限定した形において行い、昨夜決定した院議に関連した問題についての政府の処置について明らかにいたしまして、その上ですみやかにこの法律案をわれわれ審議する態勢に持つて行つていただきたい。
#92
○石野委員 ただいま田淵委員から、議員提出案が出されておるから、これを早く審議してもらいたいと言われたが、これは案であつて、法律となつていない。確かに空白である。現実に俸給の支拂いの必要がある。こういう段階において、緊急質問を自由党の諸君が拒否されるということはわからない。
#93
○佐々木(秀)委員 私の方では、この緊急質問を断ることを固持しておるのでなく、あなた方が政府の対策をお聞きしたいというから、それならば官房長官を呼んでもおわかりになるのではないかと話合いをしておる。これをどうしたらよいかということを相談しておるわけである。
#94
○椎熊委員 われわれは国会として聞きたいというのであつて、運営委員会で説明してもらつても何にもならない。
#95
○林(百)委員 われわれの聞きたいのは政府の政策だ。この空白事態に対する対策として、ポツダム政令で出すのか、あるいは政府みずから出すのか。自由党諸君から出ておるが、こういう経緯について、昨日以来の複雑なる事情から、なぜこういう事態になつたか、国民の代表として聞くのは当然だ。きのう、あれほどわれわれに協力を求めた。協力したしないは別として、ああいう事態になり、きようばつとこれを出して質問もさせない。委員会も省略してすぐやる。これではフアシヨだ。質問すべきことは質問しなければならぬ。
#96
○大村委員長 しばらく懇談に移ります。
#97
○大村委員長 懇談の結果、緊急質問は二人として、おのおの十分ずつ。それから法律案の提案者に対する質疑を二人許し、これも十分ずつ、討論者は四名として、四名で三十分ということにいたしますか。
#98
○椎熊委員 これは重大なる案件で、ことに議員提出として初めて出たものですから、まず委員会にこれを回付して、委員会の審査を経て、委員長の報告をしてからやつてもらいたい。
#99
○倉石委員 ただいまの椎熊君の御意見も一応ごもつともでありますけれども、事の経過は、昨日来よく皆さんおわかりの通りでありまして、ことにこの法案の内容については、これも議員諸君ことごとく御存じのことでありますし、ただいまの客観的情勢は緊急を要しますから、ぜひ委員会の審査を省略して、本会議で決定せられんことを望みます。
#100
○林(百)委員 この扱いについて二つの問題が残つておる。一応委員会に付議して委員会の審査を経るという問題が一つ、もう一つは、政府が提出したものをまた議員が提出する、これによつて一事不再議になるかどうかという問題がある。われわれは、どういう形でもよいから、委員会に付議してから本会議に上程されたいと思う。もう一つは、政府が出して廃案となつたものとこれとの関係はどうなるか。
#101
○田中(織)委員 ただいま林君から二つの問題が提起された。順序としては、これが案件として取上げるべきかどうかということが先なんだ。従つて、それをまずここで明らかにせなければならぬと思う。そこで提案者にお伺いしたいのでありますが、昨日廃案になつた案件と、これは内容的に違うものであるかどうか、もし違うといたしますならば、どの点が違つておるかということについて、お答えを願いたいと思います。
#102
○倉石委員 私の方から提案いたした案につきましては、提案者の一人である藤枝君が来ておりますから、提案者から説明を願います。
#103
○藤枝泉介君 ただいまの御質問の、昨日廃案になつたのは政府職員の新給與実施に関する法律の一部改正であります。それが廃案になりました結果、政府職員の新給與実施に関する法律は昨日で失効いたしました。従つて、現在給與に関する法律は全然ございません。それに対して政府職員の給與に関する法律をつくろうとするものでありまして、従つて、昨日の廃案になりましたものとは全然違うと考えております。
#104
○田中(織)委員 そこで提案者にお伺いしたいのでありますが、もちろん昨日までは政府職員の新給與に関する法律が生きておつたわけであります。これの施行期限を一箇年延ばすということが改正案として出ておつたことは、ただいま御答弁の通りでありますが、その一年間施行を延期するという政府職員の新給與法と、一般職の職員の給與に関する法律とは、大体建前その他において同一でありますか、相違点がありますか。
#105
○藤枝泉介君 たとえば平均給與を六千三百七円ときめておるというような点で、実質的な内容については同様であります。しかし、條文をごらんになりますればおわかりだと思いますが、政府職員の新給與実施に関する法律は三十七條からなつておりますが、今回の法律は二十五條でございます、そういう点において、相当に内容的にも違つております。
#106
○林(百)委員 六千三百七円ベースであるということと、これを昭和二十六年の三月三十一日まで継続されるということ、これが廃案になつた法律の内容ですが、実質的にはこれと同じかどうか、この点をお聞きしたい。
#107
○藤枝泉介君 実質的には六千三百七円べースであり、昭和二十五年会計年度中実行しようという意味においては同じであります。
#108
○田中(織)委員 そこで一応事務総長にお伺いしたいのでありますが、ただいま提案者の藤枝君から御答弁になりましたように、きのう廃案になつたものと違うような形式的な要素が出ておることは認められるのでありますが、実質的には廃案になつたものと同一の内容を持つておるようにわれわれは見受けるのであります。これがいわゆる一事不再議の原則との関係において、従来こういう問題における取扱いの前例等がございまするならば、お聞かせ願いたいと思います。
#109
○大池事務総長 田中議員から私に対しての御質問でございまするが、一応ただいまの民自党から提案されました法案を受理することについて、一事不再議の原則等も十分考慮をいたしたのであります。一事不再議の原則は、前会にも申し上げました通り、従来の議院法時代においては、明らかに規定上これを拒否する文面もあつたのでありますが、今回の国会法は、これは淺沼さんの委員長当時のことで御存じと思いますが、われわれ事務局の側においては、従来の一事不再議の原則を規定した法文を入れておつたのであります。しかしながら、関係方面の御意向等によつて、この文面は削除をいたされて、法文上は一事再議が直接にいかぬという規定はございませんが、会議体という国会運営の大原則からみて、一事不再議の原則そのものは生きておるということは、われわれ当然であろうと考えておる次第であります。ところが、ただいま出されました法案は、昨日不成立になりました法案との比較において、昨日不成立になりました法案は、現在生きておる政府職員の新給與実施に関する法律そのものを一箇年さらにそのままの状態に延長しようという案であつたのでありまして、これが否決になつたのでありますから、今回の案も、そのままの法案というものをそつくり出されたことであるならば、当然きのうときようの状態において、ただ現実の事情の違いというものは、昨日まではその法律が効力を持つておつた、今日はそういう法律がないという事態の非常な大きな変化がありますが、それ以外に、法文そのものの内容においては、まつたく同一のものと考えざるを得ないのであります。今回出ましたものは、すでにお手元にあります通り、政府職員の新給與実施に関する法律という名前とは全然違つて、新たな一般職の職員の給與に関する法律案という表題になつておりまして、しかも第一條を見ましても、すでに不要となつたものはこれを削除いたしております。第一條の中において二行ほど削除されております。それから第二條の中で、すでに不要になつたものを整理をして削除してあります。また六條においても、後段を全部削除しております。つまり、四十九銭未満のものはこれを切捨てて、五十銭以上を一円として計算するという点は削除されております。また第十條は全部削除され、従つて第十一條も削除されております。それに、あとから、それ以外に重要なものといたしましては、現在の二十六條の点も削除、二十七條も削除、さらに三十一條までの法文を整理いたしまして、そういう諸法文の削除に伴う附則が八項目でき上つておりまして、しかもこれに付属されております別表の六までありましたものを、五、六を削除し、四までにいたしております。従つて内容上、従来の法文とは全然違うということのために、全然前のものと同一形態のものとは認められないのでありまして、ただいま田中君から、従来そういう先例があるかという御質問でありますが、従来の法においては、一事不再議の原則が確立しておる次第でありますが、選挙法の別表において、選挙区ごとにを、選挙区別にと、別とごとの字の違いで、これを別案として取扱つた事例もありますので、すでに内容がこれだけ変更したものを同一のものであるというわけには事務的には困難であるということになつておるのであります。
#110
○田中(織)委員 国会の議案の取扱いの問題として、従来の例から、もう一ぺん私はお伺いしたい。会議の議に付する場合には、日程を公示することになつておる。しかるに、これは突然に出されて来たわけです。しかも、御議論になると思いますが、委員会の審査を省略して、いきなり本会議に持つて行くということでありますが、各議員までのこの案件のコースの問題がどういう手続を進められておりますか、その点をお伺いしたいと思います。
#111
○大池事務総長 それは、ただいま提案を受けましたので、これが各議員にわたるように十分配慮いたしておりますが、四百六十六部全部そろつておりませんので、これは従来も政府案においてもございますし、予算案等の審査の場合にもございますので、各派に御迷惑のかからぬよう、できるだけ多く部数を刷つてお渡しするように手続を進めておる次第であります。
#112
○林(百)委員 一事不再議の問題ですが、昨日以来の経過は諸君御存じの通りである。問題は六千三百七円べースと、これが一箇年給與されるということが、この法案の実質的内容です。これがこのまま同じ形で出るということになれば、これは実質的な一事不再議だ。少くとも来年の三月三十一日まで延ばすということと、六千三百七円べースであるということは一事不再議になると思う。だからわれわれは、実質的において一事不再議の原則に反することであるから、これは本会議に上程せず、委員会にかけるべし、しかして一事不再議の大原則にそむくから撤回すべしという動議を出します。
#113
○倉石委員 ただいまの動議については、本委員会において決定したいと思います。
#114
○石田(一)委員 ただいま事務総長の御答弁によりますと、箇條の整理とか削除等によつて、実質的には一応の疑いがあつても、とにかくかわつておる。そういうこうで、これは一事不再議ということはちよつとどうかというような御意見がありましたが、この調子で行きますと、原案が廃案になる。たとえば政府が一つの案を国会に提出して、これが両院において否決をした場合に、これは法律になりません。そのときに、またあらためて政府が箇條の整理をし、ほとんど内容実質においては同じものを同じ議会に提出しても、これを一応事務局として取上げることになりますか。
#115
○大池事務総長 それはその際に運営委員会等でまず御決定を願わなければならぬことと思いますが、一事不再議の原則を除きました当時の理由は、たとえば衆議院の方へ先に政府案が提出されて、それが衆議院を通つて参議院に行つて、参議院がかりに否決したという場合には、憲法の五十九條に戻つて、三分の二の議決の道があるわけです。ところが、その法案がたまたま参議院に先に提出したという場合に、参議院において否決をされてしまつたという場合は、衆議院の意思、第一院の意思というものは全然考えられずに、なくなつてしまう。そういう場合は、同じ法案をもう一ぺん衆議院に出してよいのだということのためにそれを削られた。これが一つの理由であります。また従来の国会は三箇月で、きわめて短かかつたが、今度は五箇月という常会になつた。従つて、最初と最後の期間において事情の違う場合があるから、場合によつては必要性が起る、そういう関係で、あの條項を削られた経緯もあります。ただいまのような場合に、一事不再議と見て……。
#116
○椎熊委員 事務総長の説明を聞くと、まつたく本案には当てはまらない。そこで、林百郎君の動議に賛成しますから、動議を始末してください。
#117
○淺沼委員 動議を採決することはけつこうですが、問題を明白にしておきたい。規定上受理したことについて、事務総長からいろいろ意見がありますけれども、どういう論議が行われて削除になつても、実際上から行けば、会議体の大原則をどこに置くかということが一番大きな問題です。そうなつて来れば、やはり一ぺんきめたことをあとで修正することが可能であるということになると、会議というものは、しよつちゆう修正から修正が行われて、かりにこの問題は一事不再議の原則に当てはまらないとしても、この前例をもつてすると、たとえば一つの法案を出し、それが否決になつた場合、その内容をちよつとかえて出し、それが否決されるとまた出す、こういうことが何べんでも繰返される前例をつくることになる。これは非常に大きな問題だと思う。ことに事務当局において、こういうことを割合軽く扱うと、事務当局は、将来、この修正から修正また修正ということで、事務に忙殺されて、事務をとることが不可能になることもいろいろ考えなければならぬ。それからもう一つは、何と言つても、林君も言う通り、六千三百七円べースの問題に関する限りは一事不再議の原則に反するわけです。ほかの條文がかりにいろいろの点が違つておるといつても、六千三百七円の問題は、これは明らかに一事不再議の原則に反するものである。ただ條文が違つておる、ないしは題名が違つておるというだけである。この一事不再議の原則を、それだけ拔いて議論するということになれば別だと思う。事務当局は、一事不再議の原則にこれが当てはまらないと考えるのかどうか承つておきたい。
#118
○大池事務総長 私に特に質問をされましたから御答弁を申し上げます。この法文の中にある事項、特に今申されました六千三百円ベースそのものが、一事不再議で議決を不要とするものなりやいなやということでありますが、衆議院といたしましては、六千三百円ベースを可決して参議院に送つたわけであります。それだから、もう衆議院として可決したものとみて採決をするなという御議論になれば別個の問題になろうと思います。主として六千三百円ベースを……。
#119
○淺沼委員 それは答弁しない方がよいのだ。衆議院として確かに六千三百円ベースというものを決定して参議院に送つたけれども、参議院から附帯條件がついて帰つて来て、それを採決して、衆議院の意思をさらに決定して、前の決定がまた新しく決定されておる。しかも、国会の意思として決定をされておる。一事不再議の原則は衆議院の意思によつて決定されておる。これはむりな話です。しかし、これ以上事務当局と議論しても何だろうと思うが、問題は、事務当局はなるべくこういう問題から私は中立でありたいと思います。というのは、答弁を求められても答弁をしない。しかも委員会で決定をするという態度をとつておかなければ、これはあとで事務に忙殺されることになる。
#120
○大村委員長 淺沼君から、本法律案は取上ぐべきでないということについて理路整然たる御議論がございましたが、これに対しては、また反対の意見もあります。そうして、林君から動議が提出されておりますので、この際採決いたします。林君から、本法律案は取上ぐべきでないという動議が出ております。これに賛成の諸君の挙手を願います。
#121
○大村委員長 反対の諸君の挙手を願います。
#122
○大村委員長 多数であります。よつて動議は否決されました。本法律案は取上げることに決します。
#123
○田中(織)委員 次の問題といたしまして、先ほど林君から指摘せられました通り、第一の問題に返るわけでありますが、この案が、ただいま一事不再議の原則に当てはまらないという委員会の決定がなされたのであります。先ほど提案者から御説明いたされましたように、條文も相当整備されており、内容も変更になつておるということでございます。しかもこれはきわめて重大な問題でございまするので、これは当然関係の委員会である人事委員会におきまして十分審議の上、委員長から本会議に報告せらるべきが至当であると考えるのであります。同時にこの案件は、政府提案にいたしましても、すべての場合にそうでありますが、これは正規の手続をとつた上議題にすることが本来の建前であります。そういうことも、唐突の間に出た関係から、きわめて不十分なる形に相なつておることはいなめない事実だと思うのであります。そういう意味において、人事委員会の委員には十分この議案も回付され得ると思いますので、まだ委員会にこの議案を付託せられんことをこの際要求いたします。
#124
○椎熊委員 これは当然委員会付託です。すなわち、委員会の審査を省略するという希望には反対だということであります。
#125
○倉石委員 ただいま御意見を承つたのでありますが、先ほど申し上げました通り非常に急いでおりますので、ぜひとも委員会の審査を省略して、本会議できめていただきたいと思います。
#126
○大村委員長 本件は委員会付託省略の要求がある事案でありますが、これに対しては委員会に付託しろという強い御意見もございます。よつて意見がわかれておりますから、この際これを採決いたします。本法律案の委員会付託を省略することに御賛成の方の挙手を願います。
#127
○大村委員長 多数であります。念のために反対の方の挙手を願います。
#128
○大村委員長 少数であります。よつて本案は委員会付託を省略することに決しました。
#129
○淺沼委員 本件は衆議院で一ぺんきめたことに対する重大なる修正の問題です。今までそういうことがなかつた、初めてやることであつて、この点については、今まで申し上げました通りに、りくつを通しておきたい。われわれも今から議場においての申合せ事項は守りますから、お互いにやじ等をやめて、議事をうまく進めるようにして行きた。
#130
○林(百)委員 與党に御相談しますが、われわれとしては、本件は一事再議であるという見地から動議を提出して討論しますから、その点了解をしてもらいたい。
#131
○大村委員長 それでは本日はこれにて散会いたします。
    午後六時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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