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1947/09/19 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第15号
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1947/09/19 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第15号

#1
第001回国会 厚生委員会 第15号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價額撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖靈生命眞理療法保護法規の制定及
 び名誉恢復に関する陳情(第四号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 正に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○災害救助法案(内閣送付)
○兒童福祉法案(内閣送付)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十三号)
○恩給法の改正に関する陳情(第百五
 十三号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る陳情(第百五十五号)
○國民健康保險制度の更正に関する請
 願(第八十二号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第八十七号)
○恩給増額に関する陳情(第百九十三
 号)
○最低生活の保証に関する陳情(第二
 百十八号)
○國際電氣通信株式会社等の社員で公
 務員となつた者の在職年の計算に関
 する恩給法の特例等に関する法律案
 (内閣送付)
○医師会、歯科医師会及び日本医療團
 の解散等に関する法律案(内閣提
 出)
○恩給増額に関する請願(第百十一
 号)
○戰死者遺族の更生対策に関する請願
 (第百十六号)
○生活協同組合法の制定に関する請願
 (第百四十三号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百四十六号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百五十一号)
○住宅営團経営の住宅を國営とするこ
 とに関する請願(第百六十九号)
○東京帝國大学演習林拂下げに関する
 請願(第百七十二号)
○教員恩給増額に関する請願(第百七
 十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第百七十九号)
○生活協同組合法の制定に関する陳情
 (第二百七十五号)
○教員恩給増額に関する陳情(第二百
 九十八号)
○社会事業振興に関する調査承認要求
 に関する件
○住宅問題調査承認要求に関する件
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月十九日(金曜日)
   午前十時二十六分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○社会事業振興に関する調査承認要求
 に関する件
○住宅問題調査承認要求に関する件
○兒童福祉法案
○医師会、歯科医師会及び日本医療團
 の解散等に関する法律案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。昨日の続き、医師会、歯科医師会及び日本医療團等の解散に関する法律案の質疑を続行したいと思いましたが、大臣並びに局長は水害視察に出ておられます。それから課長は連合軍の方の連絡においでになつておりますので、その間兒童福祉法についての質疑を続行したいと思います。
#3
○草葉隆圓君 その前に今の委員のことを……。
#4
○委員長(塚本重藏君) 草葉委員から小委員設置の動議が出ております。
#5
○草葉隆圓君 社会事業振興に関する小委員会の設置につきまして皆さんにお諮りをして御賛成を得たいと思いますが、現下の我が國の情勢は、いわゆる片山首相の言を借りて申しますと、経済的の最後の段階に入つておつて、最も重要な時期に相成つておるというのでありますが、それと同時にその状態における國民の苦労というものは我我の想像以上でありまして、殊に戰争被害を受けました國民におきましては尚更であります。このときに社会政策を確立して、速かにこれが対策を実施しなければ又いずれの時にかこれを爲す、という重要な時期であろうと存じます。
 いわゆる一方におきましては、経済的な意味からの最後の段階に立到つておる現状であると同時に、社会政策的な社会事業の面から申しますと、最も振興を急務とする時期と相成つておると存じます。大正七年の僅かな問題から惹起しました米騒動の問題を想起いたしましても、我々はこの際慎重に且つ眞劍にこの現下の國民実相を把握しながら、社会事業の振興に最も全力を注ぐベき重要なる時期であると存ずるのであります。殊に新憲法の下におきます國会並びに國会議員の責務は、誠に重大なものがあるのでありまして、いわゆる最高立法の機関として行政の完全なる実施の監督をなし、且つ國会の意思が完全に行政の面へ反映しておるかというこを十分監督しながら、その推進を図つて行つて行かねばならんのでありまして、かように考えますると、國会並びに國会議員の責任において、殊に厚生常任委員の責任は誠に重要なる時期に到達いたしておると存ずるのであります。
 從つて、言葉を端的に申上げましたら、今や一刻の逡巡も許さない時である、このときに当りまして、戰後のかような緊迫したる社会情勢に対するいわゆる戰後緊急対策と、又新興日本、民主日本の將來の建設のための恒久対策と両々相俟つたる対策を考えながら、この國会における厚生常任委員会が眞劍にこの問題を取上げて檢討し、且つこれが実施を期して行くことは第一囘國会の我々の責任における重大なる課題であると存ずるのであります。
 然るに最近の情勢を考えますと戰後、戰前の社会事業施設は殆どその数半減をいたした状態であるし、又いろいろの社会立法を考えましても、これを改訂し、且つ又相当の檢討を加えベきものが沢山あると存じます。いわゆる社会事業は相当低調になつておつて輿論に副わないような状態がまま見受けられるのではないか、場合によりましては、單なるセクシヨナリズムに墮しておるというよゆうな状態すら我我は感じられるという状態であります。
 こういう状態でありますから、この際厚生常任委員会といたしましては、十分これらの実相を把握しながら、十分國民の輿望に副うような方策を立てる緊要なる時期に迫つておるのでありまして、従つて一方におきましては、或いは社会事業團体の整理統合という問題もありましようし、或いは又一方におきましては、地方における実際の社会事業の実施面における強い調査と指導という面もありましようし、かれこれと考え及びますときに、これらの点を取上げながら、本委員会において小委員会を設置されまして、十分今後の國策的社会事業の確立を期して行くことが刻下の急務である、現下の急務であると信ずるのであります。
 そういう意味におきまして、本厚生常任委員の中に社会事業振興に関する小委員会を設置されまして、これが委員の数及びその他の要件につきましては挙げて委員長に御一任をするという動議を提出いたしまして、皆様の御賛成を煩わしたいと存ずるのであります。
#6
○姫井伊介君 今社会事業をお話になりましたその範囲は、いわゆる社会事業法に規定される範囲ですか、或いはもう少し廣い厚生事業、若しくは常任委員が持つている程度のことを意味されますか、そのことを聞きまして、それによりまして、委員の数において余程考慮しなければならないと思うのであります。御答弁をお願いいたします。
#7
○草葉隆圓君 姫井委員からのお尋ねの社会事業は、廣い意味の社会事業でありますが、ただ本委員会で他の小委員会が設置される機運になつております。例えば住宅問題、或いは曾てすでに設置いたしました医療問題というようなものは除いて、それ以外における一般の廣い意味の社会事業、こういう意味で考えております。
#8
○姫井伊介君 そうしますと、現在社会事業法にも時勢に應じまして相当改正をしなければならん点もありますが、その辺の立法操作にも調査に当ることなんですか、それをちよつと……。
#9
○草葉隆圓君 そういうつもりでおります。
#10
○三木治朗君 只今草葉委員からの御提案至極賛成でございます。今日労働階級がいわゆる千八百円の枠の中でその生活をやり逐げなければならない状態に置かれておりまして而も労働者の生活を守つて行くために賃金を幾ら上げても容易にその生活は安定し得ないのであります。賃金のみに頼ることなくして、いわゆる國家としてはあらゆる社会事業、社会施設を実施いたしまして、そうしていわゆろ勤労階級の生活の安定を図ることなくしては、日本の再建は非常に困難であるということが想像されるのであります。そういう観点からいたしまして、我々厚生委員はこの労働階級の生活確保の点から、又日本再建の面からいたしまして、できろ限りの努力をいたしまして、社会施設或いは社会立法を廣範に、只今お話のごとくにあらゆる角度から檢討いたしまして、幾らかでも貢献いたさなければ相成らん、かように考えるのであります。こういう意味におきまして只今の御提案に賛成いたします。
#11
○小杉イ子君 大阪の弁護士会長をなさつておられました故林龍太郎先生は、時間と金にあり余つて、その時間とすべての本を読むということに決心なさつて、あらゆる本、読まない本はないほど読んだ、そうして最後には社会事業ということに突き当つた、そうしてその社会事業の根源を突き止めた、それは即ち酒害問題である、これを解決するにあらざれば社会事業というものはないということを申されたのであります。そうして、この問題に関して私財を投げ出して大いにこれを研究なされましたが、豈図らんや、社会に行くというと、社会ではこの問題を冷淡に取扱つている、この大きな問題を社会事業家に至つても取扱わないということを非常に嘆かれて亡くなられたのであります。それは私も一大問題であると思います。社会大会などにこれは最も提案すべき問題と思いますが、これも是非取扱つて頂きたいと思うのであります。
#12
○委員長(塚本重藏君) 草葉委員の提案に対する反対の御意見はありませんね。草葉委員の提案通り可決することに御異議ありませんか
#13
○委員長(塚本重藏君) それではそのように決定いたします。
#14
○草葉隆圓君 それでは委員の全員の御賛成を得ましたので、調査書の要求、定員その他の案件は一切委員長に御一任を願つて委員長において取計われることに御了承願い、御賛成を願いたい。
#15
○委員長(塚本重藏君) 御異議ございませんか。
#16
○委員長(塚本重藏君) さように決定いたします。それでは兒童福祉法案の……。
#17
○穗積眞六郎君 ちよつとその前に例の住宅の委員会の問題でございますが、これについては委員長も御承知の通り小委員を作るか、特別委員会を作るか、何とかの形で衆議院参議院両方共進もうじやないかというような話でございましたが、その後どんなふうに進んでおりますか、あれも早く何とかいう形で纒め上げなくてはいけないものと思つております。
#18
○委員長(塚本重藏君) 実はその問題は昨日委員会結了後におきまして、その席におられました全員の方で協議いたしまして、その委員会といたしましては、本國会会期中におきましてはすでに設けられたる医療制度の小委員会、今草葉委員の御提案になりました小委員会、それから今穗積委員からお話の住宅問題を取扱います小委員会、この三つの小委員会だけを設けようということの話合いをいたしまして、住宅問題に関する委員会設置の件は小林委員から御提案になるべく手筈を決めておつたのですが、未だに御出席がありませんので、小林委員の御出席を待つことに実は考えております。
#19
○山下義信君 只今委員長のお話になりました住宅問題に関しまする小委員会設置の動議を山本から提案することにいたしたいと存じます。本日小林君は公務のため多分御出席がむずかしいと存じまして、昨日私にまで御依頼がございましたので、皆様御了承と存じまするが、右申しますように小委員会の設置方の動議を提出いたします。その委員竝に指名、小委員会の調査いたしまする範囲、竝に國勢調査に関しまするすべての事項、手続等挙げまして委員長に御一任いたしたいと存じます。
#20
○委員長(塚本重藏君) 山本委員の御提案に御異議ありませんか。
#21
○委員長(塚本重藏君) 全員御賛成と認めます。さよう取計らいます。
 では兒童福祉法の質疑に移ります。通告がありますので……。
#22
○藤森眞治君 この法案の第一條におきまして「すべて國民は、兒童が心身ともに健やかに生まれ、且つ、育成されるように努めなければならいない。」ということになつております。この法案全体を見まして、成る程この心身の心の方面に向つては相当準備が拂われておると存じますが、体の方、身の方についてはその注意が心の方に及ばないのぢやないかというような感じを受けますのでそれについて一二お尋ねを申したいと思います。
 第十九條におきまして「都道府縣知事は、妊産婦又は乳兒若しくは幼兒の保護者の対して、保健指導を受けることを勧獎しなければならない。」ということになつておりますが、なぜこの幼兒までと限定されまして、少年の保健指導は受けなくてもいいということになつておりまするのか、その理由を承りたい。殊にこの少年の時代におきましては、御承知の通り、結核の初期感染の一番多いときであります。最も我我がこの時期においとは周到なる用意を以て保健指導をしなければならないときと考えておりますが、ここに省いてあります理由を承りたい。
 それから四十一條の療育施設、これにつきまして虚弱兒童の療育施設というものには、これは相当大きな問題でございまするが、具体的にどういうふうな施設、或いはどういう方面に向つて進まれるというお考えでありますか、この二点を承りたいと思います。
#23
○政府委員(米澤常道君) 只今の十九條に関する御質問でございますが、この少年を外してありますのは、御指摘の通り、結核その他の点から考えましても一番大事な時期であろうかと考えるのでありますけれども、これは大体学童に相当いたしまして、学校衞生その他の方面においても相当手段は拂われる、そういうふうに考えまして、この條項が御承知のように勧獎ということになつておりますので、重点を入れるより、学校の方は学校衞生その他いろいろ機構もありますので、できるだけその方でいたしたいというふうに考えておるのであります。
 それから四十一條の虚弱兒童の施設のことでございますが、この施設はいろいろ專門家の御意見等から研究いたしましても、虚弱兒童の範囲等につきましては、非常にむずかしい点もあるようでございます。併し実際の問題といたしまして相当以前からやつておりまして、一二の施設も私も見ておりまするが、これはできるだけ地方の公立の施設といたしまして相当多数のものを作つて行きたいという希望を持つております。併し差当り今日のいろいろな情勢から考えまして、それにはどうかと思われますが、併し施設といたしまして割合に簡單な施設でございますので、できるだけこれは各地方に公立のもので相当多石のものを作つて行きたい、こういうふうに考えておるのであります。
#24
○藤森眞治君 尚十九條の只今の御説明に対してお伺いしたいのですが、幼兒以後の者においては、学校教育のいわゆる学校衞生方面において取扱われるというお話でございますが、この地方の現在の学童その他に対する保健指導の状況を見ますると、誠に寒心に堪えない状態でありまして、而もこの学童の中から年々夥しい結核の患者が出ております。ただ教育方面にこれがあるからというので、教育方面にお任せになるということにつきましては、幸いこのできました福祉法案によつて、なるべくこの方で指導的にやつて頂きたい。勿論この地方の状況はよく御存じだと存じまするが、各学校におきましても、又委員諸君の皆さんも御承知と思いまするが、学校衞生というものは極めて貧弱な学校医の俸給によつて僅かの時間を使つているだけで、十分に行われておらない状況であります。
 尚最近におきましてはツペルクリンの皮肉反應なんか行われておりまするが、ただこれは陽性陰性を分けて、陰性者に対してはBCGの予防接種ができておりますが、陽性轉化したものにつきましては、殆んど手を空しくして傍観しておるという状態で、甚だ危險な状態に曝されておる。我々の心配しておりますのはこの点でありまして、このことを市町村その他に我々は言を進めましても、いろいろな関係において容易にこれの十分な保健指導ができておらないのが現状でございます。特にこの点をお願いいたしまして、幸いにできました兒童福祉法案によつてこれらが救われるようにお願いいたしたいこういう考えを持つておりまするので尚この点をお伺いしたいと思います。
#25
○政府委員(米澤常道君) 誠に御尤もな御意見であるのでありまして、実は学校衞生の問題につきましては関係方面からもいろいろなお話がありまして、衞生一本でやるべきではないかというふうな意見も相当強くありますし、その方が相当効果が期待できるというふうにも考えておるのでありますが、今のところはその問題に触れないで、こういうような規定に相成つておるのであります。併し御説の趣旨によりまして、できるだけこういう問題につきましては緊密な連絡をとりまして努力して行きたいと考えております。
#26
○米倉龍也君 大体只今までいろいろ質疑應答によりましてこの法案の全貎も了解ができて参りましたが、更に御当局にお尋ねをしたいことが一つあるのであります。それは昨日河崎委員からもお話がありましたが、この法案を通読いたしまして何か特殊な環境にある児童、特殊兒童に対するいろいろ問題が集中されているように感じられます法案とすればこういうものでありましようが、併し一般兒童に対する問題を、もつと熱意が出るようなふうにお取扱をお願いしなければならないかと私は思います。大体この法律の第二條にも「兒童の保護者とともに」云々とございますので、いわゆる兒童の保護者がこの法律を十分に理解し、この法律の期するところを互いに協力して効果を挙げて行くということに相成らなければ、こういう法律ができましても、本当に特殊な場合、特殊な人々にのみ限られてしまいはしないかと思うのであります。今日までの社会施設、社会事業などが、動もすればそういう特殊な又專門の人々のみの仕事のようになりまして、一般の人々がこういう問題に深い関心を持たない、そういうことに余り注意をしないというような形になつておりはしないかと思うのであります。先般決定されました保健所の改正などにつきましても、保健所という施設が非常に大事なものでありながら、地方に参りまするというと、保健所というものが一体あるのか、どういうことをするのかということを知つておる者は極めて少ないのであります。從つてこれを利用するというようなことも極めて少くない、それは厚生省のお仕事が何か特殊なもののようにお取扱いになつておる関係ではないかと思うのでありまするが、こういう法律はやはり十分に趣旨を一般に徹底させる何か方策をお考えになつていらつしやるかどうか、殊にこの兒童福祉法案などは、確かに保護者が十分にこの法律の目的を知つて、これに協力するという態度にならなければ、これはやはり極めて特殊なものになつてしまいはしないかと私は思います。それでこういう点で、今後この法律を施行する場合に十分に一般にこれを知らせる、或いは徹底させるというようなことに対する何か御用意がございましようか。これは相当の予算も考えなければならんことでありまするけれども、この点は非常に大事ではないかと思います。
 それからそれに関聯しまして、この法文の中でも、第三十四條に兒童福祉施設を設置するところに「その他の者は、命令の定めるところにより……設置することができる」とありますが、「その他の者は、」の「者」にもつと廣い、例えば今後できまする協同組合のような、そういう民間の多勢の組織の中にこの兒童福祉施設のできるものはどんどんやらせる、今日まででも協同組合が医療機関を持つて相当の効果を挙げております。或いは託兒所、或いは食改善の共同炊事というようなことを季節的にも盛んにやつておりまするが、そういうような團体組織に今後こういう施設を持たせるということが、私はこういうことの趣旨を一般に知らせる上においても大事なことだと思うのであります。「その他の者」の中にそういう協同組合というようなものをお考えになつておりますか、そういう場合にそれを取上げることができますか、それをお聽きいたしたいと思います。
#27
○政府委員(米澤常道君) 只今の法案の趣旨の徹底という問題でありますが、誠に御尤もな御意見でありまして、我々といたしましては、こういう法案は是非保護者或いは家庭の、特にお母さん方その他に十分呑み込んで頂きたいということを考えておりますので、これの普及徹底に要する費用も追加予算で相当お願いいたしてあります。若しこれが制定されるように相成りますれば、できるだけ努力をいたしまして、各家庭に本当に読んで頂くように、平易なパンフレットを作りますとか、その他によりまして趣旨の徹底を図りたいと考えておるのであります。
 それから三十四條の「その他の者は」にはお尋ねのような組織、組合等は勿論入る考えでおります。
#28
○宮城タマヨ君 先に私共数人がGHQのあのガバーメント・セクシヨンに呼ばれましてお話がございました点で、主に親権の行使に関します点でございましたが、又昨日政府当局の方から、座談の形式でいろいろそのお話を承りましたので一應承知はいたしておりますけれども、このことは大事なことでございますから、今一度念のためにお伺い申上げたいと思つております。
 本法案の二十六條、二十七條、三十條では多くの場合に本人の意思に反し、又或る場合には保護者の意思に反しまして個人の自由拘束をすることになるのでございまするので、新憲法の三十一條に牴触するように考えられる節もあるのでございます。併しながらこの事務の本質が純粹の裁判所、つまりこの当事者の権利義務の存否や、又限度のみを裁判しますところの純粹の裁判とその趣を異にしまして、本法の精神に織込まれておりますところのものは、どこまでも当人の保護であるとか教育を目的とする行政事務であるという性質から、その新憲法の第三十一條の違反ではないということを承知してようございましようか。もう一度お伺いしたいと思います。
#29
○政府委員(米澤常道君) 只今御指摘になりました條文のうち二十七條、三十條につきましては、昨日お話いたしましたように、或る程度の修正をお願いしたいと考えておるのでありますが、これらの規定が憲法の規定に直接違反するということは、今までの折衝におきまして直接違反するということはないと考えております。
 ただ宮城委員のおつしやいましたように、人権を尊重するというふうな意味におきまして、できるだけの手続を詳細にするというふうな意味で修正を見るということになるのではないかと考えておるのであります。
#30
○山下義信君 簡單に二つ程伺いたいと思うことがあります。
 里親の規定でありますが、これが第二十六條の三項に簡單に規定してあるのでございますが、この規定ではこれだけでは不十分なような氣がいたします。当局はどうお考えになりまするか。例えば里親の義務などというものも規定して置く必要があるのではないか。言い換えますというと、里親が面白くないことをいたしましたなどの時に、或いは罰則などが必要なことが起きるのではないかということも思はれるのでありますが、若し罰則を設けることになりますと、法律の規定をいたして置きませんとできない。後の罰則の所にちよつとそういうことがないので、良い里親ばかりならよろしうございますが、万一面白くないことが起きました時にはどうするかということについて伺いたいと思います。
 もう一つは、各種の施設でございまするが、これがこの法文によりますとみな單一の施設になつておる。併合施設というものが謳うてありません。それで或いは産院と乳兒院、或いは保育所と養護院というごとき二個以上の綜合施設をお認めになりますか。それはお認めにならんか。若し綜合施設をお認めになるということでありますれば、これ又條文になくちやなりませんし、そういうときには名称はどういうふうにするか、ここに掲げてあるだけの名称で、実は内容は二個以上の施設を併設してもいいのであるかどうか、それだけ伺いたいと思います。
 それから最後に、兒童相談所のことでございます。これは先般來同僚の委員から、特殊兒童だけが主になつておるような法案に見えてどうも不満足であるという意見、これは殆ど全員の意見のようでございます。それに関聯しまして、兒童相談所の性格をどうするか。これは詳しいことは命令で御規定になるようでございますから、その命令をお作りになりますときに、兒童相談所の性格について余程お考えにならなければならんと思う。つまり言い換えますと、折角兒童相談所というものができても、其処に相談に行かなかつたら駄目なんで、それでつまり子供がのこのこ行くということはございませんから、必ず母親かその他の親権者、つまり保護者が行くわけでございますが、その兒童相談所の扱います対象がいつも不良兒であり、故障兒である。あの兒童相談所の門をくぐる者は何か曰くのある子供ばかり、それを連れて行く家庭ばかりということになりますと、これは行かなくなります。この兒童相談所は正常兒、正常兒どころでない、珍らしい優秀兒の相談にも應ずるということになつておれば、つまり不良兒を抱えた或いはその他のこういう異常兒を抱えたお母さんたちも、肩身を狭くしないで相談に入れるじやないかというような意見が有識者の間にございます。これは誠に傾聽すべき意見のように私共考えますので、これらに関しまして当局はどういうふうに考えておいでになりますか伺いたいと思います。
#31
○政府委員(米澤常道君) 里親についてのお尋ねでありますが、実は御承知のように、里親の制度というものは今まで法制的に採上げられたこともありませんし、又日本におきましては或る特定の地域に割合に行われておるようでありますけれども、割合この里親の問題というものは、子供の関係の仕事といたしまして余り開拓されておらない実情であるのであります。できるだけこの制度を今後開拓して行きまして、一つの兒童関係の有力な施設と申しますか、一つの方法というふうに育てて行きたいと考えておるのであります。つきまして、お尋ねのようないろいろな里親の取締という問題もいろいろ考えて見たのでありますが、余りここに取締的なことをいたすよりも、むしろこれはできるだけ行政的に、指導その他によりまして開拓して行きたいというふうな意味で、罰則その他につきましては別に規定をいたさなかつたのでありますが、お尋ねのようにいろいろな里親自体が、例えば里親が兒童を虐待するとかその他のような場合におきましては、一般人といたしまして或いは三十三條、二十七條というふうなものに該当する場合もあるかと思います。その他の場合におきましてはできるだけ指導をいたしまして、この制度を盛り立てて行きたい、こういうふうに考えておるのであります。
 それから各施設の綜合の問題でありますが、これは綜合された施設というものを勿論導いて行きたいと考えております。その施設全体に対する名前は、それは各施設の経営者の方におかれまして適当な名前を付けて頂くわけでありますが、法律的には勿論それぞれの乳兒院、産院というものが重り合つて一つの綜合施設ということにして扱つて行いきたいと考えておるのであります。相談所の性格につきましては、お尋ねのようにこの相談所がそういう特定な子供だけを扱こうというふうになりますことは極力避けたいと考えております。この施設が運営されて参ります上におきまして、この條文にも書きましたように、我々といたしましてはともかく兒童の福祉増進について一般的に相談に與かるのだ、そうして若し必要があるような場合には資質の鑑別も行う、こういうふうな氣持で規定をいたしておりますので、相談所といたしましては只今山下さんの御指摘のように一般の正常兒の相談につきましても十分に受ける、積極的な方面でも働いて行くというふうに指導して行きたいと考えております。
#32
○姫井伊介君 二十四條の二行目でありますが、「これを兒童相談所又はその職員に通告しなければならない。」とありますが、この上に兒童委員をなぜ加えられないか。兒童相談所は非常に設置個所が少いのでありますが、こういう事態のあつたときに、一々兒童相談所というよりもむしろ兒童委員というものを通じて行く方が早道じやないかと考えるのであります。
 次は三十八條でありまして、先程も皆さんのお話がありましたように一般の正常兒に対する施設が頗る乏しいこの第三十八條が漸く兒童遊園並びに兒童館といたしまして、その点の足らざるところを補う施設であるかのように考えられるのであります。この兒童遊園、兒童館……兒重館は後におきまして兒童遊園を中心にしてお尋ねいたしたいと思いますが三十四條の施設としての中にやはりこの兒童園はおかれますかどうか。尚四十三條におきましては最低基準を定めるということになつておりますが、この兒童遊園は、多くの場合は特にその目的を以て特設せられたもの以外に、或いは学校の一部の開放、或いは保育所の保育時以外におけるところの開放、或いは公園の一部といつたようなものも活用されなければならないと思いますが、そういう場合にこれの基準をどういうふうにお定めになりますか。又一般少年に対しましては学校教育によつて兒童福祉の問題を処理するといわれるような方もありましたが、学校以外の校外指導におきましては、やはりこういうものを通じてやらなければならないのであります。そういう場合におきまする三十八條の目的の健全な遊びを與えて、健康を増進し、情操を豊かにする、これにつきましては相当の指導者を置かなければならない、設備も無論でありますが、指導者、監督者を置かなければならない、それをどういうふうにお考えになりますか。保育所を活用する場合におきましては適当な保姆があればそれに委託する、或いは学校の一部を開放されるならば学校の先生に管理をさせるとか或いはその外の者を以て管理させる。何とか管理者がいなければ、やはり放りぱなしでは随分惡い遊びをして、この目的を達することができない場合があると思うのであります。從いましてこの問題につきましてお尋ねいたしますことは、こういう施設に対する基準並にそれの経営方法、尚それに対しての補助、基準が決まりそれに対しての補助が行われなければなりませんが、非常に漠然としたる施設でありまして、この補助の対象といたしましてもどの限度においておやりになりますか。いずれ命令などは出るでありましようが、予めお尋ねをいたしたいと思います。
 第三のお尋ねは保育と生活保護に関する問題であります。先頃都下の或る区において経営されておりまする保育所を視察いたしましたときに、生活保護法やその施行令には見当らないのでありますが、そこのお話では、三十人位の要保護者の兒童を預かつた場合に補助が頂ける、それによつて子供を預かつておりますと、家庭に対するお手傳となつて、家庭における労働、勤労の能率が上つて行きまするし、生活保護を受けないで済むような生活状態になつて來る、そうすると、その保護の適用から無論除外されて行くわけであります。これは望むところでありまして、保育事業によつて生活保護を受けないでもよいような多くの人々を作り出すことは大変大切でありますが、その半面におきまして、独立生計者ができまして、さつき申しました例えば三十人なら三十人という限度が減つて参りますと、今度は補助対象となることができない、あとに二十人が残つておりましても、それに対しては補助を受けられない、そこに非常に悩みがあり矛盾があるということでありまして、この点から考えますならば、保育と生活保護に関しましては、要保護者の子供を預かりました場合には、その人数の制限など要らないのじやないか。たとえ一人であつても二人であつてもその要保護者の子供を預かつた場合には、それに対して適当な補助が出さるべきものじやないかと考えるのでありますが、その点をお尋ねいたします。
#33
○政府委員(米澤常道君) 二十四條の「職員」、これに兒童委員を入れてはどうかという御質問でありまして、実はこの條文に関係して兒童委員に全面的に働いて頂きますことは勿論であるのであります。ただこの條文には特別には書いてはありませんけれども、実際問題といたしましては、兒童委員が子供を見付けられまして相談所へ持つておいでになる、或い又家庭から兒童委員にお話があつて、兒童委員から相談所にお話があるものと期待しておりますので、ここには別に書かなかつたのでありますが、実際問題といたしましては、兒童委員の方が一番相談所と兒童との間の連絡に当つて頂くものと期待しておるのであります。
 それから三十八條の兒童遊園の問題でありますが、これは勿論三十四條の施設の中に含めております。從いまして最低基準を作る考えでありますが、最低基準といたしましては、御指摘のように、こういう施設におきましてはやはり指導者という問題が一番大きな問題であろうと考えておるのであります。それらの指導者につきましては、相当効率のあるものにつきましては、相当の施設を兼任して持つということは考えられるのでありますが、指導者につきましては少くとも兒童遊園に関する限り、最低基準の中で決めて頂きたいと考えておるのであります。
 それから保育と生活保護法との関係でありますが、現在は御指摘のようなやり方をやつておりますので、多少無理もあるかと考えておるのでありますが、この法律におきましては二十三條の規定によりまして保育所の使命趣旨を書いておりますので、これに該当する兒童でありますならば、一人でも二人でも全部補助、委託費用を出すというようにいたしております。
#34
○小杉イ子君 先程米倉委員の申されました第二條でありますが、「國及び地方公共團体は、兒童の保護者とともに、兒童を心身ともに健やかに育成する責任を負う。」という條でありますが、この條はこれはこのままで結構であると思つております、それは一方生んだ親又は保護者でございます。生んだ親などになりますと、人に何かと注意を受けずとも、全く盲愛する程至れり盡せり子供を育てるのであります。私の知つておる強盗でも泥棒でも誠に子供だけは可愛がつておるのであります。それを「心身ともに健やかに育成する責任を負う」ということがなぜいいかと申しますと、ただここで比較しますると、慈愛満ちて至れり盡せりの愛を注ぐということは無理である、國にそういう方法を取れということは無理である、一方は有給でそうして事務的であるべきである、そこに生みの親のように抱いてキッスをしたり、あれ程の愛を現わすことは到底できないのである常職的に考えてみてもそれはできないことである。「育成する責任を負う」という程度、この文句はこのままでいいと私は思つておるのであります。
#35
○草葉隆圓君 大分いろいろな方面からの御質疑がありましたが、私も先般來お尋ねいたしておりました外に二三の点がありますので、ちよつとお伺いいたしたいのであります。
 第十五條の兒童相談所は都道府縣だけでなく、特別の大きい都市には設置を命令する方がよいじやないかと存じまするが、これは都道府縣だけが兒童相談所を設置することになつておりまするが、この点について伺いたいと存じます。第三十四條の「國及び都道府縣は、命令の定めるところにより、兒童福祉施設を設置しなければならない。」となつておりますが、これは強制命令でありますので、むしろ法律によるべきものではないか、かように考えます。從つてその命令の内容を承つて、その内容によつては本法にこれは載すべきものではないか、更にその次の三十四條の第二行にある行政廳の認可を得て市町村その他の者は兒童福祉施設を設置することができるという、この行政廳というものは何を指して言つているのであるか、その行政廳の意義を承りたい。
 次には三十七條の、保育者は日々保護者から委託を受けた乳幼兒を預るだけになつておりますが、連続的な保育ということは考えられておらないのか、又かような場合にはどういうところでお世話するか、從來かようで施設が十分あつたわけではありませんが、從來の保育所での欠陥は、ただ晝の保育だけであつて、夜間を通じてのものが不十分で、無い場合においての大変な困難さがありまするので、この点をお伺いするのであります。
 次に第四十五條の「兒童福祉施設の長は、必要があると認めるときは――親権を行う」ということはこれは、最も憲法精神に違反するものではないか。勿論二三の施設におきましては必要なものがあろうと存じます。併し兒童福祉施設の長のすべての長が親権を行うということは、これは大変な問題になりはしないか。特定のものは親権を施行してもよいと思いまするが、すべての兒童福祉施設の長が全部親権を行うということについては將來相当の弊害を醸す虞れがあるのではないか。この点を伺います。
#36
○政府委員(米澤常道君) 十五條の兒童相談所は、これは一應都道府縣立ということを考えております、この設置は今後相当の年次計画をもちましてやつて行きたいと考えておるのでありますが、相当の都市には是非置きたいと考えております。併しこれは御指摘のように都道府縣の施設として考えておるのであります。三十四條の第一項の「命令の定めるところにより、」の規定は、今のところこれは御承知のように少年教護法との関係も予想いたしまして、教護院について是非必要がありますので、こういう規定をいたしたのであります。その他の施設について、若し國が必要を認めますならば、福祉委員会の意見を聞いてやるというふうに考えておるのでありますが、教護院につきましては、御承知のように現行法令において、各府縣に強制実施を命じておりますので、そのことを規定しようと考えております。
 三十七條に関聯しまして晝夜間の保育その他について御指摘があつたのでありますが、乳兒院は晝夜間を通じてやるのでありますけれども、保育所については晝夜間を通じたそれを考えていないのであります。これはいろいろな実情からむしろ晝夜間を通じて委託を受けるというよりは、できるだけ家庭に止めて置きたいというふうな意味で、保育所につきましてはパート・タイムの形を採つたのでありますが、勿論御指摘のようにそういう必要のある場合があるのであろうと考えるのでありますけれども、養護施設等に該当する場合においては、勿論そこで晝夜間を通ずるということになるのでありますけれども、保育所といたしましては晝間保育所というだけにいたしたのであります。
 四十五條の親権の規定でありますが、ここに「必要があると認めるとき」と書いてありますのは、勿論客観的な意味において、社会的に最も妥当性のある場合に限定せらるべきものと解釈いたしておりますので、從いまして御指摘のような教護院、そういつた普通の施設においてこの規定が働くということは余り考えられませんので、教護院を特殊な施設において御指摘のように働くものと考えておるのであります。
 それから行政廳は都道府縣廳であります。
#37
○草葉隆圓君 兒童相談所は、大都市は大都市に作らせる方が、むしろ府縣の場合よりもよくいくのじやないか。勿論府縣が大都市に設置するという御趣旨のようでありますけれども、大都市の場合は大都市は大都市にやつて、府縣はむしろその他の方面に主力を注ぐというような方針が妥当ではないかと考えて御質問を申げたのであります。
 それから第三十四條の命令は、只今の御答弁のように、從來の少年教護を中心にした意味においての命名で定める。併し今後政府が必要があるからと思つて、この兒童福祉委員会の意見を聽きながら次々に府縣に対しまして命令を以て設置させるという行き方をとることがこの法規でできるわけです。ただ少年教護関係のものだけなら第三十四條は無論要らんじやないか、こう思われますが、その点についても承りたいのであります。
 又第四十四條の親権の場合は、今の御答弁では特殊な少年教護等の場合に限るということであるなら、これもむしろそこに所長が親権を施行し得るという危險を取つてしまつて、はつきりと少年教護施設においては、或いはその他の施設においてはということが妥当ではないか、かように考えます。そういう点について……。
#38
○政府委員(米澤常道君) 兒童相談所の設置でありますが、これは地方自治法の特別市ができますれば、この特別市におきましては勿論特別市において設置いたして貰う予定であるのでありますが、その他の市につきまして御指摘のような場合も多々あるとは考えますが、一應都市におきましても都道府縣立というふうに考えておるのであります。
 それから三十四條の強制設置の規定でありますが、これは勿論國において地方その他の事絵を十分考慮いたしまして、その府縣に是非必要だというふうに認定いたしますれば勿論設置命令を出すことに相成るのであります。併しその補助の予算その他につきましては勿論國会の御承認を得ることになるわけであります。
 四十五條の福祉施設の長の親権の問題でありますが、御指摘のように教護院というふうにいたしますと、教護院に対する感じを非常に暗いものにするというような心配もありますので、御承知のように現行の教護法におきましては教誨所というような規定もあつたのでありますが、これを司法者とも相談いたしまして外したような関係もありましたので、こういう表現をいたしているのであります。
#39
○宮城タマヨ君 私はこの職員養成についてちよつと質問申上げたいのであります、三十四條の一番最後に「兒童福祉施設の職員の養成施設を附置することができる。」ということが明記されておりますけれども、この職員の養成を各地方でいたしますにつきましても、その職員を又指導するものはどういう機構によつてなされるのでありましようか。それでどんなよい法律ができましても、それを本当に最末端で扱つて参ります、ここで申しますと兒童委員というものが本当にいい人で適切なる指導をする人であつてほしいと思ますけれども、それにはいい人を選ぶということでございますが、それは頭ではそれを願い、考えますけれども、実際にしたら丁度民生委員をあんなに厳選しても、出て來たものはあんなものだつたということになつて、本当の仕事ができない。又今度の兒童委員がそういう結果になれば非常に残念だと思いまして、これには例えば不適任者が出て参りましても、それを何とかして指導して行くというその立場に立たなければならんかと思います。それにはどうしても、職員養成ということでございますが、この職員養成の一番根幹をなしますその職員養成の、又その職員養成をする機構というものが必らず立派なものがなくちやならない。それにはどういう考えを以てどういう計画が立てられておりましようかということと、それとちよつと関係がございますかと思いますが、これはすべて予算との関係があるのでございますが、兒童問題全体に関係します調査研究の機関、その設置を何か具体的にお考えになつておりますのでしようか、どうか。それが質問の一点でございます。
 もう一つは、二十一條の一番おしまいのところに「母子手帳に関し必要な事項は、命令でこれを定める。」と書いてございますが、これは母子手帳に関して命令で定められます事項の中に、性病の檢査ということが入つておりましようか、どうでございましようか。お考えになつておるかどうか。昨日も厚生大臣から性病に関係しましたいろいろなお話が出ましたけれども、私は家庭に対しまして性病予防ということは今日非常に大きな問題で、家庭人の健康と純潔を守ります意味で、結婚の時も性病の檢査ということは嚴格に守つて欲しいと思います。いま一つは、妊婦に対して性病の檢査をする。つまり母子手帳に性病の檢査をした結果を陰性とか陽性とか書かなければならんということになる。この手帳はいろいろの意味で使われますから問題でございますけれども、その檢査を受けたか受けないかということを明記するような方法を採られますことが、家庭に対しての性病予防の一つの大きな方法じやないかと考えておりますが、その点をお伺いしたいと思います。
#40
○政府委員(米澤常道君) この職員養成の問題でありますが、最も大事な問題であるのでありまして、できるだけ有能な立派な職員を養成して行きたいと考えておるのであります。地方のそれぞれの施設において職員を養成いたしますし、又中央の國立のこういうような施設におきましても、職員養成をいたして行きたいと考えておるのであります。そういう地方の方の職員養成の更に又職員養成というお話でありますがこれらにつきましては中央で講習会その他によりましてできるだけ指導をして行きたいと考えております。それから兒童問題一般に関する研究所というお話がありましたが、これは兒童研究所、或いは社会事業研究所、こういうようなものにつきましては我々といたしましていろいろ研究はいたしております。併しまだ具体的な案は持つていないのであります。
 それから母子手帳に関聯いたしまして性病のお話があつたのでありますが、これは全く同感であるのであります。特に性病予防の問題は妊産婦、乳兒等につきましては、是非とも徹底しなくちやならんと考えますし、むしろ私はこの母子手帳等を利用して、只今宮城委員のおつしやいましたように、性病の問題を取扱つて行くことが非常に当りが柔らかで、非常な效果を期待し得るのではないかと考えておりますので、その母子手帳に関する詳細を決めます場合には、勿論性病のことを詳しく規定する考えであります。
#41
○姫井伊介君 三十八條の保育所に季節保育所、農繁期保育所、漁業期保育所、そういつたものも含められますか。含められますればそれの最低基準をお決めになつて、やはりこれは補助の対象になり得をものでしようか、お尋ねいたします。
#42
○政府委員(米澤常道君) 季節の臨時的なものは一應含まないと解釈いたしております。ただ補助やその他につきましては十分考えたいと思つておりますが、法律的な補助は考えておりません。
#43
○三木治朗君 これはすでに前々から度々質問に出ておる問題でありますが、いわゆる兒童委員の問題であります。民生委員が兒童委員になるという規定が十二條にあるのでありますが、これは概括的に見て、今の各都市における或いは市町村における機構の上から考えて、民生委員がなることが必ずしも惡いとはいえないと考えるのですが、どうも民生委員だけで安心しておられないという考え方は、各所を歩いて参りまして共通の考え方であります。それでいわゆる乳幼兒に関するような問題については、婦人などのなることが最も適任であるということが考えられますし、そういう点からいつて、婦人会とか何かのような方面から適材を出して頂くというようなことが望ましいことと考えるのであります。それから又少年の方になりますと、これは同じ兒童委員であつても、大分趣が変ると思うのであります。中にはボーイ・スカウトのような方面から出て貰うのもいいのじやないか、或いは学校の先生あたりに出て頂くことが望ましいというような意見もあるわけであつて、概括的に云う民生委員が兒童委員になるというのは、置いて置くとしても、その他に何といいますか、専門委員というか、常置委員というか、何らかそういう適材をこの委員になつて貰うという方法を是非お考え願いたいと思うのであります。この十四條に「その他兒童委員に関し必要な事項は、命令でこれを定める。」ということがありますが、この命令ということはそういうことまでもやれるのか、一つ当局の方のこれに対するお考えを伺いたいのであります。
#44
○政府委員(米澤常道君) これはもう御指摘のように、兒童委員或いは保健関係の方、教育関係の方に適任者が多数おいでになりますので、そういう方面から是非出して頂きたいと考えておるのであります。併しこの兒童委員は、やはり生活保護法その他の関係で十分これを利用するということも必要でありますので、まあこういう形を採つたのでありますが、併し今後はできるだけ兒童委員としての適当な方が多数出られるように考えたいと社会局とも十分相談いたしておるのであります。ただこの十四條の命令の中には、ここには大体「兒童委員の任用敍級その他」と書いてありまして、有給の兒童委員のことを考えておりますので、今のお話になりましたようなことはこの命令の中には出て來ないと思つております。
#45
○三木治朗君 尚ちよつと続いて伺いますが、そうすると十二條のところは馬鹿にはつきりしてしもう。民生委員が兒童委員に充てられたもとする、という工合に書かれておるので、前のは事務吏員又は技術吏員を以て充てるというと、外に何も裕りのないような法文になるのですが、何かこの條項に少しその他のものでも入れるというようにするわけに行かないでしようか、どうでしようか。
#46
○政府委員(米澤常道君) 実は御指摘のように民生委員とそれから有給の事務吏員又は技術吏員、これだけで兒童委員を構成して行くと考えておつたわけであります。その他のものは別に入つておりません。
#47
○三木治朗君 ただそういうものを入れたいという考えはあるのですね。
#48
○政府委員(米澤常道君) 現在の民生委員の中に今おつしやつたような人がどんどん出て來られるように民生委員会の方で十分考へたい、こういうふうに思つております。
#49
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて。
#50
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて……。兒童福祉法案に関しまする質疑を一應この程度で打切つて置きます。尚來週には総理大臣の出席があるわけでありますから、その時に質疑を行いたいと思います。
 次に医師会、歯科医師会及び日本医療團の解散等に関しまする法案についての質疑を続行いたします。
#51
○米倉龍也君 簡單なことですが、第五條に医師会、歯科医師会の清算人の選任について但書がありますが、但書の説明をお願いいたしたいのです。日本医療團の方の清算人の選任の方と、但書があるとないとでちよつと……。但書はどういうことを言つておるか、これをお聴きしたい。
#52
○委員長(塚本重藏君) 尚皆さんにお諮りいたしますが、昨日同様大臣、局長不在でありますが、久下医務局次長が説明に参つておりますから、発言を許しても差支えございませんか。
#53
○委員長(塚本重藏君) 御異議ないと認めます。どうぞ……。
#54
○説明員(久下勝次君) お尋ねのございました清算人に関する第五條と第十二條との間の関係でございます。書き方が違つておりますが、趣旨は医師会、歯科医師会につきましては、清算のやり方を大体民法の一般原則に從うようにいたしたい、こう考えておるのであります。これに対しまして、日本医療團の方は從來の関係もございまするし、厚生大臣が相当強く監督をいたすような建前にいたしておるのでございます。さような関係がこの法文の書き方に現われておるのでございまして、医師会、歯科医師会の清算につきましては、清算人の選任を総会においてやることにいたしましておるのでございます。併し府縣の医師会等に至りますると、いろいろな事故のために清算人となるべき役員が欠けておるような場合もございましようし、或いは又役員の数以上に清算人を殖やしたいという場合にもあろうかと思いまして、念のためにこういう規定を入れて置きましたのでございます。日本医療團の方につきましては、現在すでに厚生大臣の任命しておりまする役員は総裁、副総裁、理事が存在いたしております。解任を致さざる限り現在の役員が存続をいたしまするので、この人々に清算人になつて貰いますればその目的を達し得ると考えまして、かような規定をいたしたのであります。
#55
○米倉龍也君 そうすると補欠の清算人というのは、補欠ということは清算人になる理事が一人もないという時のことでありますか。清算人を増す、理事者でない者の中からもこれは考えられるのでありますが、補欠清算人は、一人や二人の補欠の場合には、他に理事があれば、理事でもよいかと思いますが……。
#56
○説明員(久下勝次君) 補欠の場合で他に役員がございましても、どうも清算の進行上いろいろ法律の問題が起るということも考えられますので、そのためには現在の役員以外の者から清算人を選任することが適当な場合があろうと思いまして、そういうことを考慮して規定をいたしたのでございます。念のために申上げますが、医師会、歯料師会の役員はすべて医師たるの身分を持つていなければならない建前になつておりますので、特にこういう規定を置きました次第でございます。
#57
○委員長(塚本重藏君) 私から一つ質問したい点があるのですが、昨日の質疑應答によりまして、日本医療團の清算をします場合に、その財産を帳薄價額の二倍程度にすれば大体清算がつく、こういう説明があつたのでありますが、日本医療團の財産を処分します場合には、帳薄價額の二倍にこれを見るという説明であつたが、第十六條におきますと、出資者に返す場合にはその出資金額を超えてはならないということがあり、更に又第二項にその設備の建設に当り國庫の補助を受けたものについては、その拂込んだ出資金額から当該國庫補助金額を控除するという規定があるのでありますが、返す場合にはこれまで費つた金を差引く、而も出資した額を超えないということにして、その点に取扱いに甲乙があるのではないか、かように考えられますが、いかがでございましようか。
#58
○説明員(久下勝次君) 殘余財産の分配につきまして出資額を超えることはできないというふうに規定をいたしましたのは、この種の法人につきまして同様の考え方がございます次第でありまして、即ち交益営團或は中央食糧営團というようなものの解散に対する殘余財産の分配につきましても、全然同一の規定がすでになされまして、從來この種の團体につきましてはすべてこういう建前で來ておるのでございます。法律的に申しましても、出資いたしました施設は、出資者に対しましては出資証券が交付されておりまして、交付された出資証券の額面の金額というのが出資者の權利であるということになりまする関係上、かような扱いをいたしますることが、残余財産の分配につきましては通常の原則であるという考え方でございます。一方におきまして今御指摘の財産の処分の評價額のことでございまするが、これは別段一般的な原則があるわけではございません。昨日御説明を申上げましたのは、医療團が出資者に対する残余財産の分配までも考慮してやろうとする場合には、極く大まかな見当として、今の財産を二倍くらいに評價すればという極く大体の見通しを申上げただけでございます。医療團がその所有に属しておりまする財産をどの程度に評價するのが適当かというようなことは、昨日も御説明申上げましたように、日本医療團清算管管理委員会に諮問いたしましてそうして適切な評價額を定めて行きたいと思つておるのでございます。その財産の評價、残余財産の分配ということは、法律的に申しますると別の問題である、こういうふうに解釈をいたしておるのでございます。
#59
○委員長(塚本重藏君) 重ねてお尋ねしますが、その出資額を超えてはならないというのは、從來のすべての取扱いがそうであるということであるが、仮にここに現物出資をして一千万円の出資証券を持つておる者がある、その中でその後の設備建設に三百万円なら三百万円使つた、そうするとそれを差引いて七百万円しか返してもらえない、そうして既往の設備は一切國に取上げられてしまう、こういうことになるのでは、元の出資者から見れば非常なこれは打撃であり、苦痛であり、損害であると思うのです。その当時の出資証券を渡されたときの價格というものと、今の時價というものと、何かそこに妥当な方法が講じられるのではないかと考えられるのです。
 それからもう一つは、すでに買取つたものであつて、医療團解散によつて元の所有者にこれを更に買取らせるというような場合にも、やはり帳簿價額を二倍にした額で買取らせるのか、その場合には元の賣渡したときのような價格で拂い下げるのか、そういう点も一つ御説明を願いたいと思います。
#60
○説明員(久下勝次君) 先程も申上げましたように、出資者が現物出資をいたしましたものは、出資者につきましては出資証券という一つの財産権に形が変つておるわけでございまして、從つて出資者は出資証券に記載されました金額これについて医療團に対する権利があるというのが法律上の解釈でございます。仮にこれを今日のように、出資当時よりも一般的に非常に時價が騰貴しておる場合につきましては、お尋ねのような問題も甚だ不合理に考えられるのでございますが、仮にこれが非常に物價が低下した、出資当時よりも物價が低下したという場合でありましても、やはり出資者としては出資証券に形が変つております、出資金額については出資した團体に権利があるという、こういうことがいえると思いまして、一應法律的にはこういう解釈がなされ、又そういう取扱いがなされておるものと承知いたしておるのでございます。
 同時に第二段のお尋ねでございました元の所有者に賣戻すというような場合に、元の値段で返すか、或いは現在の適当な評價額で返すかというような問題でございまするが、これはやはり契約に基いて一旦医療團の所在權に属したものでございまして、医療團としては、その後の物價高に應ずるだけの評價額は当然要求をして差支えないものと考えておる次第でございます。併し実際問題といたしましては、医療團の施設は大部分のものが公共的なところに委讓するというのが根本の建前でございまするが、これを徒らに時價を以て評價するというようなことでなしに、医療團の清算事情の許す限におきましては、できるだけ原價に近いような評價をするようにいたしたいというのが私共の考え方であります。
#61
○委員長(塚本重藏君) 尚昨日草葉委員から、この五大都市方面などからいろいろの要求が出ておる、即ち元の市にこれを復元してくれというような要求も相当強くあるわけでありますが、そういうものについては、あくまでやはり元の出資者と十分の話合いをして決める、強制して國有にする意思はない、而もその話がつくまでは最後処分はしないというこの規定があるわけであつて、その点は安心せられるわけでありますが、どうも一般にはやはりその点に非常な不安があるようでありますが、重ねてその点について政府の方針をここに明らかにして置いて頂きたいと思います。
#62
○説明員(久下勝次君) お話の通り五大都市の出資いたしました結核療護施設を返還をして貰いたいという要望のありますことは、私共も再三のお話合いで承知をいたしておるのでございます。この点につきまして、特に五大都市は法案第十五條の規定で、國で優先的に買取ることができるという規定がありますので、大分御懸念を持つておられるようでございまするが、昨日草葉委員の御質問に対してお答け申上げました通り、私共としては五大都市のような從來から特殊の関係のありまする所、特に財政的にも相当な力のある所、かような所が返して貰つて、結核療養所を自分の所でやつて行きたいという御希望のありますことについて、十分この御意見を尊重して考えておる次第でございます。仮にこういうふうな都市に対しまして、この十五條の規定があるからといつて、これを遮二無二発動いたしまして國の施設といたして見ましても、將來の施設の運営は決してうまく参らないと思つておるのでございます。從いまして、私共の考え方といたしましては、少くとも五大都市に関する限りは、飽く迄も話合いでこの問題を解決して行く、話合いが付かないからといつて、この十五條の規定を五大都市に限つて発動するという氣持は現在持つておりませんことをはつきり申上げて置きたいと思う次第であります。
#63
○委員長(塚本重藏君) 医師会、歯科医師会及び日本医療團の解散等に関する法律案に対する質疑を打切つて御異議ありませんか。
#64
○草葉隆圓君 質疑打切りという形だけは止めて置いて頂いて、大臣が出られたらちよつと伺いたいことがありますが、一應全体としてはこれはこの程度で差支えないと思います。
#65
○委員長(塚本重藏君) それでは本日はこれを以て散会いたします。次囘は明日……実は私青少年禁酒法のことについて明日審議を進めて頂きたいと考えておりますが、いかがでございましようか。
#66
○委員長(塚本重藏君) それでは明日は午前十時から開会いたします。本日はこれを以て散会いたします。
   午後零時十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           宮城タマヨ君
   委員
           河崎 ナツ君
           三木 治朗君
           草葉 隆圓君
           中山 壽彦君
           藤森 眞治君
           小杉 イ子君
           波田野林一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           山下 義信君
           米倉 龍也君
  政府委員
   厚生事務官
   (兒童局長)  米澤 常道君
  説明員
   厚生事務官
   (医務局次長) 久下 勝次君
ソース: 国立国会図書館
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