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1971/11/16 第67回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第067回国会 地方行政委員会 第4号
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1971/11/16 第67回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第067回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第067回国会 地方行政委員会 第4号
昭和四十六年十一月十六日(火曜日)
    午前十時四十九分開議
 出席委員
   委員長 大野 市郎君
   理事 上村千一郎君 理事 大石 八治君
   理事 塩川正十郎君 理事 中村 弘海君
   理事 豊  永光君 理事 山本弥之助君
   理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君
      菅  太郎君    倉石 忠雄君
      國場 幸昌君    高鳥  修君
      中島 茂喜君    永山 忠則君
     橋本登美三郎君    村田敬次郎君
      綿貫 民輔君    土井たか子君
      山口 鶴男君    桑名 義治君
      門司  亮君    青柳 盛雄君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 渡海元三郎君
 出席政府委員
        自治大臣官房参
        事官      森岡  敞君
        自治省財政局長 謙田 要人君
 委員外の出席者
        警察庁警備局参
        事官      斉藤 一郎君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
十一月十六日
 辞任         補欠選任
  林  百郎君     青柳 盛雄君
同日
 辞任         補欠選任
  青柳 盛雄君     林  百郎君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した案件
 昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関す
 る法律案(内閣提出第一七号)
 警察に関する件
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を議題といたします。
 他に質疑の申し出もありませんので、これにて本案に対する質疑は終局いたしました。
    ―――――――――――――
#3
○大野委員長 これより討論を行ないます。
 討論の申し出がありますので、これを許します。山本弥之助君。
#4
○山本(弥)委員 私は、公明党、民社党及び日本社会党を代表して、内閣提出、昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、反対の意見を申し述べます。
 昨年来の景気停滞に加え、ニクソン米大統領の金・ドル交換の停止、一〇%の輸入課徴金の実施という一連のドル防衛宣言は、わが国においては、実質的な円切り上げである変動相場制への移行となり、中小企業や輸出関連産業ばかりでなく、わが国経済に大きなショックを与えました。このことは、対米依存の輸出拡大政策と、大企業中心の国際競争力強化優先の経済政策の破綻を示すものであります。そして、ドルショック不況に対する政府の公共投資の増加、大型赤字公債の発行、所得税の年内政策減税等の一連の景気対策は、地方財政にも深刻な影響を与えたのであります。すなわち、地方交付税、地方税の減収、給与改定財源の不足、公共事業等の追加による地方負担増の合計は五千億円をこえ、不況年度といわれた昭和四十年度千五百億円余の不足財源の三・三倍に達する、きわめてきびしい状況であります。このことは、政府の誤った本年度の経済見通し、七十年代を迎えて英断的に転換すべき高度経済成長政策に同一基調をとらされてきた結果であり、政府の責任において処置すべきであります。
 政府の昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関する法律案を含めての措置は、一般会計の負担五百二十八億、交付税及び譲与税配付金特別会計の借り入れ金千二百九十五億六千万円、地方債の増額二千六百八十二億円その他であり、八〇%を借り入れ金、地方債に依存するものであります。地方自治体の中小企業、零細企業に対する独自の救済措置、不況要因による出かせぎ対策、不況対策に名をかる企業の合理化による勤労者対策、老人児童福祉施策の先行、公害防止等の環境整備、その他住民生活に直結する種々の行政需要に年度中途において腐心している地方財政の不足財源に対しては、さらに一般会計の負担の増及び地方債に対する元利保証を配慮すべきことを強く要請して、反対討論を終わります。(拍手)
#5
○大野委員長 これにて討論は終局いたしました。
 採決いたします。
 本案に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#6
○大野委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。
    ―――――――――――――
#7
○大野委員長 中村弘海君、山本弥之助君、小濱新次君、吉田之久君、青柳盛雄君から、五派共同をもって、ただいま議決いたしました法律案に対して附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。
 この際、本動議を議題とし、提出者から趣旨の説明を求めます。中村弘海君。
#8
○中村(弘)委員 私は、この際、自由民主党、日本社会党、公明党、民社党及び日本共産党の五党を代表いたしまして、昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、附帯決議を付したいと思います。
 案文の朗読により、趣旨説明にかえさせていただきます。
   昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、地方財政の窮迫した現状にかんがみ、とくに左記について遺憾なきを期すべきである。
  明年度以降、とりわけ明年度の地方財政については、住民の生活に直結する各般の行政を行なうための財政需要が増嵩する一方、これをまかなうための財源において、地方税、地方交付税等の収入の増加が殆んど期待できないため多額の歳入不足が見込まれ、このままに推移するならば、地方財政は昭和四十年の不況当時をさらに上回る重大な危機に直面することは明らかである。
  よつて政府は、昭和四十一年度の地方財政対策にかんがみ、地方交付税の所要額の確保、地方自主税源の充実、政府資金による地方債の拡充および償還期限の延長等、総合的な地方財政対策を講ずるほか、沖繩の復帰に伴う地方一般財源措置についても万全を期し、地方財政の運営に支障を生ずることがないよう十分に措置すること。
  右決議する。
以上であります。
 何とぞ皆さま方の御賛同をお願いいたします。(拍手)
#9
○大野委員長 本動議について採決いたします。
 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。
  〔賛成者起立〕
#10
○大野委員長 起立総員。よって、中村弘海君外四名提出の動議のごとく、昭和四十六年度分の地方交付税の特例等に関する法律案に対し、附帯決議を付することに決しました。
 この際、自治大臣から発言を求められておりますので、これを許します。渡海自治大臣。
#11
○渡海国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、政府といたしましては、御趣旨を尊重し、最善の努力をもって善処いたしたいと存じます。
 よろしくお願いいたします。
    ―――――――――――――
#12
○大野委員長 おはかりいたします。
 ただいま議決いたしました法律案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任を願いたいと存じますが、これに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#13
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
     ――――◇―――――
#14
○大野委員長 次に、警察に関する件について調査を進めます。
 警察庁当局から発言を求められておりますので、これを許します。警備局斉藤参事官。
#15
○斉藤説明員 十一月十四日に、御承知のように、東京都内の中心において極左暴力集団のゲリラ活動があったわけでございますが、その過程において、東京の渋谷で警察官が一名重傷を負いまして、昨夜死亡したのでございます。その間の事情、死亡に至った背景その他の概括を御報告申し上げたいと思います。
 まず、全国的な概要でございますが、十一月十四日には、社会党、総評系、日共系の集会、デモがありましたが、その間隙において、極左暴力集団が、集会、デモをやろうということで、全国で一万六千人の極左暴力集団の集会、デモがございました。そのうち、東京では一万三千人、したがって、地方では約三千人の集会、デモがあったことになるのであります。地方は、約三十七カ所で三千人の集会がございましたが、比較的平穏に過ぎまして、逮捕者が八名出ておるにすぎません。問題は東京でございますが、東京では、一万三千人の過激暴力集団のゲリラ活動がございまして、警視庁は、当日、社会党や日共系の集会、デモの警備の関係もございまして、全体でもって一万二千人の警察官を動員したわけでございます。ただ、非常に手が足りませんので、一万二千人の警察官のうち、二千人を関東周辺の各県から応援を得て警備に当たっております。
 東京都内で行なわれた暴力集団の集会の状況でございますが、当日、先ほど申しました日共、それから社会党、総評系の集会、デモも入れまして、相当な数があったわけでございますが、極左暴力集団は、東京都内で六カ所、一万二千二百九十人の集会がございました。この中で、渋谷周辺で集会、デモをしようという試みを持っておりました中核派のものについては、かねがね、事前に、「渋谷11・14 渋谷大暴動」というビラを頒布しまして、渋谷周辺の各地に暴動状態の解放地区をつくろうということを試みておるということでございましたので、宮下公園の集会、デモを禁止しておったわけでございます。ところが、当日は、許可がないにもかかわらず、最高時には約六千人に近い過激派の連中が渋谷周辺に集まりまして、ゲリラ状態におとしいれたのでございます。
 攻撃目標は、警察施設、駅、それから代々木のところにございますNHKの施設、それから銀行、ガソリンスタンド、そういったものを襲って、火をつけて混乱さす。当日は歩行者天国を行ないますが、そこに集まってくる市民を一緒に巻き込んで騒擾状態におとしいれるんだということでございましたので、警察としては、日曜日のことでありますし、それから七五三の前日の日曜になりますので、かなり家族連れの人たちが来るということを予想いたしまして、渋谷の商店街に呼びかけて、協力を得て、デパートその他商店は閉鎖をする、それから歩行者天国についても、なるたけ出ていただかない、一般の民衆が巻き込まれてけがをするということでは困るということで、協力を得て、渋谷は、どんな騒擾状態になっても、民衆一般の方の被害がないように、事前に措置しておったのであります。攻撃の目標はもっぱら渋谷駅周辺のようでございましたので、その主要攻撃地点には、機動隊の最も強い、精鋭部隊であるものを充てて、周辺の、NHKだとか、生産性本部だとか、そういったところの警備には応援部隊を充てたのであります。
 ところで、問題になった新潟県の警察官が殉職しました場所は、御承知だと思いますが、NHKの少し西北になります神山交番というところがございまして、そこで殉職したわけでございますが、その間の事情を少し詳しく申し述べますと、NHKを襲って、これを占拠して、放送を開始するんだという前ぶれがございましたので、NHK周辺には、かなりの部隊を張りつけて、その襲撃を阻止する。ただ、これは守る警備でございますので、渋谷駅周辺でもって走り回って戦闘を開始する警備ではないという前提のもとに、ここには応援部隊を充てて守るんだという考えで、管区機動隊と申しまして、関東各県の若い者を集めて管区学校で教育した機動隊がございますが、この大隊を二個大隊警備に充てておったのでございます。そのうちの一つの川島大隊という大隊の中の富沢小隊というのは、これは新潟県から来た警察官でございますが、富沢小隊長以下二十八名が、NHKの少し西側になります神山交番というのを守っておったのであります。ところが、当日三時ごろになりまして、急に、約三百人近い白ヘルメットをかぶった暴力集団が神山交番の約数百メートル北のほうへあらわれまして、先ほど申しました富沢小隊に襲いかかる様子が出てまいりました。そこで、小隊は、わずか二十八人でございますけれども、その三百人近いものを相手にして、これを規制するつもりで、道路上に横隊に並びまして、そしてガス銃を発射するかまえをした。ところが、その規制に押された暴徒は一たん停止したのでございますが、数が少ないと見てとって、すぐに襲いかかって、そして一挙に火炎びんを投げて、その連中を攻撃、せん滅しようとしてかかったわけであります。そこで、富沢小隊は、ガス銃を発射しながらこれに応戦したけれども、ついに、衆寡敵せず、押し切られて退却したわけでございます。NHKの本館のそばに本隊がおるものですから、そっちのほうへ退却した。その際に、殉職した者をまぜて八人の者が小隊からはずれまして、地図がないのでちょっと御説明しにくいのですが、本隊から離れた方向へ八人が逃げた。それをさらに襲いかかって、ガス銃の射手であった死亡した中村巡査というのは、ガスを撃ちながら退却したために、足元が狂ってひっくり返ったのに対して、鉄パイプでもってこれを殴打して、意識を不明にして、そして手に持っておった火炎びんを四、五本投げつけたのであります。これでたちまちやけどをして、火だるまになったところに、さらに四、五本投げつけた。そして、本人がもう意識不明の状態になったのを見捨てて、応援の部隊が来たときには、さらに南のほうへ逃げ去ったということでございます。
 これはわずか一瞬のことで、長くて五分ぐらいじゃないかと思うのでありますが、その間に、死んだ中村巡査、それからあと三人の新潟県出身の警察官がそれぞれやけどをして、警察病院に収容されたわけであります。中村巡査は、私、警察病院に収容された一昨日の夜見舞いに参りましたが、もうやけどというものじゃなくて、何といいますか、黒こげでございまして、顔が全部炭のようになって、くちびるがザクロのように、こんなになっておりまして、手が炭化して、ここはもう指はありません。ちょうど火ばちの炭のようになって、ひざのこの辺は全部やられておりまして、医者の言によりますと、六割やけどをしたということですが、やけどというよりは、もうバーベキューの黒こげみたいな感じで、まことにむごい悲惨な状態で、わずか二十一歳の、一昨年警察官になったおまわりさんですが、もう、かわいそうで見ておられない状況でございました。昨夜、おそくに死亡したのでございます。
 そういうことで、私どもとしてはまことに申しわけないことだと思っておるのでありますが、最近のゲリラのやり方というのは、無差別で、どこでも少数でもって襲ってくる。しかも、襲う瞬間までは一般の通行人と何ら変わらない。十四日の連中のいろいろな連絡を情報でとりますと、なるたけ一般市民と同じように、せびろ姿で行け、そして、火炎びんはまぎわにドッキングして手に入れて襲え、女性はミニスカートで行け、というものでございまして、この間いろいろなことがございますが、長くなりますが、一例だけ申し上げますと、高井戸でもって、男三人、ミニスカートの女一人が、タクシーに乗ろうと思って段ボールを持っていったところが、中に火炎びんが入っておって、ばっとひっくり返って火を発した。それで、近所の人が連絡してくれましたので、警察が行ってそれをつかまえたのでありますが、その連中は、アパートの中でひそかに百数十本の火炎びんをこしらえて、渋谷へ運ぼうとしておった。それを運びそこなって火を発したということでございます。
 あるいはまた、新聞に報道されておりましたが、池袋の電車の中で火が吹いたのも、これも火炎びんをひそかに運んでおったのを機動隊に見つかったので、あわてて電車の中に入った。まだ火炎びんを投げるつもりはなかったが、引っくり返って、火が出た。持っておった女も、自分がやけどをして負傷をしておるようでございます。
 そういったことで、一般の市民との見さかいがよくつきません。そういう状態で、どこからともなく、砂地に水がしみ通るように渋谷周辺に集まってきて、そして火炎びんを投げる。したがって、いま申し上げた数百人が突如としてあらわれたのも、まぎわまではせびろでもって来たようであります。それで、小田急線で代々木八幡まで乗ってくる間に、電車の中で全部脱ぎ捨てて、ヘルメット姿、ゲバ姿になって、代々木八幡から急遽現場に押しかけたということで、思わない殉職者を出したのであります。今後の警備のあり方についてもいろいろ考えてまいりたい。たいへん大きな犠牲を出して皆さんに申しわけない、こういうふうに考えておるのでございます。
 以上申し述べて、御報告といたします。
#16
○大野委員長 なまなましいできごとでありますので、質疑はいろいろあろうと思いますが、質疑はまた他日に譲りまして、この際暫時休憩をいたします。
   午前十一時十二分休憩
     ――――◇―――――
  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕
ソース: 国立国会図書館
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