1971/07/17 第66回国会 参議院
参議院会議録情報 第066回国会 本会議 第3号
#1
第066回国会 本会議 第3号昭和四十六年七月十七日(土曜日)
午前零時十三分開議
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#2
○議事日程 第四号昭和四十六年七月十七日
午前零時十分開議
第一 議長辞任の件
第二 常任委員の選任
第三 常任委員長の選挙
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○本日の会議に付した案件
一、日程第一
一、議長の選挙
一、副議長辞任の件
一、副議長の選挙
一、国務大臣の演説に関する件
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#3
○副議長(安井謙君) これより本日の会議を開きます。日程第一、議長辞任の件。
去る十三日、議長重宗雄三君から辞任願が提出されました。
辞表を参事に朗読させます。
〔参事朗読〕
辞 任 願
先般の通常選挙により参議院は議員の半数が改選された。よつて改選後初の国会が召集されたこの機会に参議院議長を辞任いたしたい。
右御願いする。
昭和四十六年七月十三日
参議院議長 重宗 雄三
参議院副議長 安井 謙殿
#4
○副議長(安井謙君) 議長の辞任を許可することに御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。―――――・―――――
#6
○副議長(安井謙君) これより議長の選挙を行ないます。投票は無名投票でございます。議席に配付してございます白色の無名投票用紙に被選挙人の氏名を記入して、白色の木札の名刺とともに、御登壇の上、御投票を願います。
氏名点呼を行ないます。
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕
#7
○副議長(安井謙君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。〔投票箱閉鎖〕
#8
○副議長(安井謙君) これより開票いたします。投票を参事に点検させます。〔参事投票及び名刺を計算、投票を点検〕
#9
○副議長(安井謙君) 投票の結果を報告いたします。投票総数 二百四十六票
名刺の数もこれと符合いたしております。
本投票の過半数は百二十四票でございます。
河野謙三君 百二十八票
〔拍手〕
木内四郎君 百十八票
〔拍手〕
よって、河野謙三君が議長に当選されました。(拍手)
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〔参事 議長河野謙三君を演壇に導く〕
#10
○副議長(安井謙君) ただいま議長に当選されました河野謙三君を御紹介いたします。〔拍手〕
#11
○河野謙三君 はからずも、皆さんの御推挙によりまして、重大なる使命をになっております本院の議長の席に着くことになりました。すでに御承知のように、本院につきましては、ただいまきびしい国民の批判の前に立たされております。私は、この国民の声にこたえて、でき得る限り党派を越えて良識を発揮し、本院の使命を達成せんことを、かたく決意するとともに、皆さんの一そうの御協力、御理解をいただきたい、かように思います。
以上をもちまして私のごあいさつといたします。(拍手)
〔議長河野謙三君議長席に着く〕
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#12
○議長(河野謙三君) ただいま副議長安井謙君から辞任願が提出されました。辞表を参事に朗読させます。
〔参事朗読〕
辞 任 願
先般の通常選挙により参議院は議員の半数が改選された。よつて改選後初の国会が召集されたこの機会に参議院副議長を辞任いたしたい。
右御願いする。
昭和四十六年七月十七日
参議院副議長 安井 謙
参議院議長 河野 謙三殿
#13
○議長(河野謙三君) 副議長の辞任を許可することに御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#14
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めますよって、許可することに決しました。―――――・―――――
#15
○議長(河野謙三君) これより副議長の選挙を行ないます。投票は無名投票でございます。議席に配付してございます白色の無名投票用紙に被選挙人の氏名を記入して、白色の木札の名刺とともに、御登壇の上、御投票を願います。
氏名点呼を行ないます。
〔参事氏名を点呼〕
〔投票執行〕
#16
○議長(河野謙三君) 投票漏れはございませんか。――投票漏れないと認めます。投票箱閉鎖。〔投票箱閉鎖〕
#17
○議長(河野謙三君) これより開票いたします。投票を参事に点検させます。〔参事投票及び名刺を計算、投票を点検〕
#18
○議長(河野謙三君) 投票の結果を報告いたします。投票総数 二百四十六票
名刺の数もこれと符合いたしております。
本投票の過半数は百二十四票でございます。
森八三一君 百三十票
〔拍手〕
羽生三七君 百十六票
〔拍手〕
よって、森八三一君が副議長に当選せられました。(拍手)
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〔参事 副議長森八三一君を演壇に導く〕
#19
○議長(河野謙三君) ただいま副議長に当選せられました森八三一君を御紹介いたします。〔拍手〕
#20
○森八三一君 はからずも皆さまの御推挙によりまして、本院副議長の重責を負うことになりました。議長のよき補佐役といたしまして、誠心誠意全力を尽くして職責を全ういたしたいと念じておるところであります。何とぞ、皆さま方の一そうの御鞭撻と御援助を心からお願い申し上げまして、簡単でありまするが、ごあいさつといたします。(拍手)
#21
○議長(河野謙三君) 平島敏夫君から発言を求められました。この際、発言を許します。平島敏夫君。〔平島敏夫君登壇、拍手〕
#22
○平島敏夫君 私は議員一同を代表いたしまして、ただいま就任されました新議長並びに新副議長に対しまして、お祝いのことばを申し上げ、あわせて、退任されました前議長並びに前副議長に対しまして、お礼のことばを申し上げたいと存じます。河野謙三君は議長に当選せられ、森八三一君は副議長に当選せられました。われわれ一同衷心より祝意を表する次第でございます。
御両君は、皆さま御承知のとおり、本院議員として豊富な御経験を有せられますとともに、その御人格といい、その御識見といい、きわめてすぐれた方でありまして、かかる御両君が、本院を代表する議長並びに副議長の重職に御就任せられましたことは、わが参議院のためにまことに御同慶にたえない次第であります。(拍手)
どうか御両君におかれましては、健康に御留意の上、中立公正かつ民主的な議会運営に当たられ、もって、本院の権威高揚のために御尽力くだされますようお願い申し上げまして、お祝いのことばといたします。(拍手)
次に、前議長重宗雄三君並びに前副議長安井謙君に対しましてお礼を申し上げます。
重宗雄三君は、昭和三十七年以来三たび議長に当選せられ、今日に至るまで九年の長きにわたり、その重責を全うしてこられました。この間、終始公正無私、困難な事態にもきわめて忍耐強くその解決に当たられ、その高邁なる御識見と濶達なるお人柄により、議会制民主主義のため、また、本院の使命達成のために多大の功績を残されましたことは、皆さま方御承知のとおりでございます。(拍手)
また、安井謙君は、昭和四十三年副議長に当選せられ、以来三年間、その円満なるお人柄と豊富なる御識見をもって、議長とともに本院の正常なる運営に尽力され、幾多の功績をあげられました。
ここに、御両君の在職中の御心労、御努力に対しまして深甚なる謝意を表しますとともに、御両君におかれましては、今後とも、議会政治発展のため、一そう御健闘、御自愛くだされますようにお願い申し上げまして、お礼のことばといたします。(拍手)
#23
○議長(河野謙三君) 重宗雄三君から発言を求められました。この際、発言を許します。重宗雄三君。〔重宗雄三君登壇、拍手〕
#24
○重宗雄三君 このたび私が議長の職を退くにあたりまして、ただいま平島君から身に余る過分なおことばをちょうだいいたし感謝にたえません。私は、第六回通常選挙後の第四十一回国会、昭和三十七年八月六日、いまはなき松野議長のあとを受けて、皆さま方の御推挙によりまして議長に選任されました。自来九年、三たび議員諸君の御推挙を賜わり、本院議長に就任いたし、今日に至るを得ましたことは、ひとえに皆さま方の御支援、御鞭撻のたまものでありまして、深く謝意を表する次第であります。
私は、この九年間、浅学非才の身ながら、参議院の良識と権威を守るために、全力を尽くしてまいったつもりでありまするが、皆さま方の御期待に沿えなかったことが多かったのではないかと、省みてじくじたるものがあります。議長の職を退きますこの機会に、あらためて皆さま方にお礼とおわびを申し上げる次第でございます。
今後は一議員として、微力ではございますが、皆さま方とともに国政審議に力を尽くしたいと存じますので、一そうの御交誼をお願い申し上げます。
はなはだ簡単でございますが、お礼のことばといたします。(拍手)
#25
○議長(河野謙三君) 安井謙君から発言を求められました。この際、発言を許します。安井謙君〔安井謙君登壇、拍手〕
#26
○安井謙君 一言ごあいさつを申し上げます。ただいまは、平島敏夫君から過分なるおことばをちょうだいいたしまして、心からお礼を申し上げます。
私、三年間にわたり、参議院副議長の大任を無事果たさせていただきましたことは、これひとえに、重宗議長をはじめ議員諸君の御鞭撻、御協力のたまものでございまして、ここに心からなる謝意を表する次第でございます。
先般行なわれました通常選挙におきまして、参議院のあり方が広く世に問われましたことは、皆さまがすでに御承知のとおりであります。これは参議院に対する国民の関心の深さを示すものであると存じます。
われわれ参議院議員に負荷された課題は、単一に国政に対する批判にとどまることなく、進んで国民の要望を国政の上に具現することであり、また、良識の上に立っていかにして参議院の自主性を発揮するかにあると存じます。私も、今後は一議員といたしまして、この課題に取り組み、微力をささげてまいる所存でございます。
どうか議員各位の変わらざる御交誼を切にお願い申し上げまして、お礼のごあいさつにかえます。ありがとうございました。(拍手)
#27
○議長(河野謙三君) これにて午後二時まで休憩いたします。午前一時十一分休憩
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午後二時四分開議
#28
○議長(河野謙三君) 休憩前に引き続き、これより会議を開きます。内閣総理大臣から所信について発言を求められております。これより発言を許します。佐藤内閣総理大臣。
〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#29
○国務大臣(佐藤榮作君) 第六十六回国会が開かれるにあたり、所信の一端を申し述べます。この秋、天皇、皇后両陛下には、ベルギー国、英国、ドイツ連邦共和国三国の公式御訪問を中心として、ヨーロッパを御旅行になります。両陛下おそろいでの外国御訪問は、有史以来初めてのことであります。友好各国との親善関係の上に、まことに意義深いことと存じ、喜びにたえません。両陛下には、御平安に御旅行の上、御無事で御帰国あそばされますよう、国民各位とともに心からお祈り申し上げます。(拍手)
本年は、去る四月の統一地方選挙に引き続いて、このほど参議院議員通常選挙が行なわれました。政府は、この二つの選挙を通じて明らかにされた国民世論の動向を的確に把握し、今後の国政の進路にあやまちなきを期したいと思います。特に、一九七〇年代の主要課題である教育の改革、生活環境の改善、物価の安定、総合農政の推進、交通通信網の整備など、内政上の諸問題解決のため、人間尊重の精神に立って、全力をもって取り組む所存であります。また、日米友好関係の維持増進、日中関係の改善、国際的な経済協調の推進など、外交上の諸問題に対しては、長期的な展望のもとに、国際主義を貫きつつ対処してまいります。
さて、政府は、去る六月十七日米国政府との間に沖繩返還協定の調印を行ないました。昭和四十四年十一月の日米共同声明に示されたとおり、沖繩は、昭和四十七年に、核抜き本土並みで祖国に復帰することになりました。沖繩返還は、日米両国にとって、特筆すべき歴史的な事業でありますが、これを可能ならしめたのは、ひとえに日米間の信頼友好関係によるものであり、同時に日米両国民の英知に基づくものと確信いたします。私は、この機会にニクソン米国大統領及び米国民の豊かな人間性、卓越した政治的決断に心から敬意を表するものであります。
私は、沖繩県民の今日までの御労苦を思うとき、一日も早く復帰を実現し、明るく豊かで平和な沖繩県の建設に邁進しなければならないと決意しております。沖繩返還協定は、関係諸法案とともに、次の国会に提出し、御審議をお願いする方針であります。国民各位におかれても、沖繩同胞の心情に思いをいたし、新しい沖繩県の発展と繁栄のために、一段の御協力を切望する次第であります。
今後のわが国は、国際社会における有数の先進工業国としての責任を主体的に果たしてまいらなければなりません。わが国の経済力は、いまや、国際社会に大きな影響を及ぼすまでに発展拡大いたしましたが、その結果、国内で公害問題など、国民生活上困難な問題が生じただけでなく、国際的な風当たりもきわめて強くなっております。このことは、日本国民にとって新しい試練であるばかりでなく、勇気をもって乗り越えなければならない重要な課題であります。わが国の経済が急速に発展したために、もし世界の中で日本に対する誤解や非難があるとすれば、われわれは、それにこたえなければなりません。それは、自由を守り、平和に徹する国是を今後とも一そう堅持すること、及び、拡大した経済力を国民福祉の分野に積極的に振り向けることであります。その意味でも、わが国の内政問題は、国際的な広がりを持っていると言うことができるのであります。生活環境の改善、社会開発の推進、国民能力の開発育成など、内政問題に全力をあげるとともに、われわれの進もうとしている方向を、忍耐強く誠意をもって国際社会に訴え続け、理解を求めていかなければなりません。
さきに、中央教育審議会は、四年余に及ぶ審議の結果、教育の抜本的改革を内容とする画期的な答申を行ないました。との答申は、幼児教育から高等教育まで全般にわたり、抜本的な解決を目ざすものであります。教育こそ、国民の資質と能力を高め、民族の将来を切り開く原動力であります。政府は、これらの提案に基づいて、幼児教育、義務教育の充実刷新、教員の資質の向上、私学の助成、生涯教育の普及などを内容とする総合的、長期的な計画を樹立し、これを積極的に推進していく決意であります。
また、わが国は、一九六〇年代の高度成長から生じた多くの問題に当面しており、これが解決のためには、国民的な理解のもとに社会開発を一そう推進しなければなりません。幸い、公害関係諸法令の整備、環境庁の発足など、公害問題に取り組む基本的な体制は、一応整いました。しかしながら、美しい自然を守り、住みよい生活環境を確保するためには、政府、地方自治体、民間企業はもとより、国民も公害問題をよく認識し、経済成長は、国民の幸福追求のための手段であるという基本的な理念をしっかりと踏まえて、互いに協力しながら、この問題と真剣に取り組んでいこうではありませんか。
物価問題は、依然深刻であり、国民の最大の関心事であります。現在の消費者物価の騰貴は、農業、中小企業等の生産性の低さに起因する面が大きいので、総合農政の推進、流通機構の整備など、これら各部門の効率化をはかり、特に生鮮食料品の需給の調整、改善を行なうことが急務であります。さらに、消費者の利益が十分確保されるよう自由競争の環境整備を行なわなければなりません。また、国内の供給体制だけに依存していては、解決の困難なものについては、輸入の増大をはかるなど、総合的な見地から物価の安定につとめる所存であります。
政府は、国民の健康を守る上に重要な医療保険制度について、その抜本改正をはかるべく、かねてから努力を重ねてまいりました。この問題は、利害関係が錯綜しており、まことに複雑でありますが、関係者のそれぞれが、医療を受ける国民の立場に立って、進んでその解決に努力することを強く期待するものであります。このことこそ抜本改正への第一歩であると確信いたします。政府は当面する保険医辞退問題の収拾を含め、国民が安んじて医療を受けることができるよう適切な措置を講じてまいりたいと考えます。
七〇年代においては、日本経済をめぐる環境は、一そうきびしさを加えてくるものと予想されますが、このような中で引き続き安定した成長を遂げていくためには、与えられた環境と人間の知的活動を十分に生かし得るような、いわゆる知識集約型の産業構造の方向に持っていくことが必要であります。さらに、経済の大型化に伴い、わが国の資源、エネルギーの需要はますます増大しておりますが、海外における供給条件は必ずしも楽観を許さぬものがあります。このため政府は、国際協調をはかりつつ、互恵の原則に基づき、海外資源の開発輸入を積極的に推進するとともに、原子力利用の促進などエネルギー源の多様化をはかり、その安定的確保につとめてまいる所存であります。
政府は、景気の回復を促進しながら、国際経済との調和をはかっていくため、総合的経済政策を積極的に推進することとし、すでに弾力条項の発動などによる財政投融資の追加や、対外直接投資の一そうの自由化などの措置を講じてまいりました。今後とも、公共投資の推進、資本、貿易の自由化、関税の引き下げなどを積極的に具体化しつつ、国際協調を推進し、国内経済の安定成長をはかってまいります。
わが国と最も関係の深い米国との経済交流は、すでに往復百億ドルを上回る規模に達しておりますが、このため、繊維問題など一部に摩擦が生じていることも、御承知のとおりであります。しかし、このような局部的な摩擦のために、日米両国の大局的な友好協力関係の基調に乱れを生じさせてはならないと思います。今後とも、相互信頼と互恵互助の精神に基づいて、まずみずから行なうべきところはこれを行ない、かかる摩擦の防除につとめ、日米友好関係の強化、ひいては世界経済の安定的拡大に寄与してまいらなければなりません。政府は、あらゆる機会をとらえて米国との対話を進める考えでありますが、さらに、日米各界各層のコミュニケーションのパイプを拡大し、一そう幅広い交流を行なう必要があることを痛感しております。その意味で、近年、民間各方面において接触交流が増大し、意思の疎通がはかられていることは、日米関係全般にとってまことに歓迎すべきことであります。
わが国にとって、韓国、中華民国など近隣諸国との友好、親善関係の維持増進が重要であることは申すまでもありません。特に、中国問題は、七〇年代におけるわが国外交の最も大きな課題であります。政府は、中華人民共和国政府の動向が極東の緊張緩和に大きな影響を及ぼすものであるとの見地から、慎重に日中両国間の関係の改善をはかる所存であります。このため、お互いの立場を尊重し、各方面の話し合いを通じて理解を深めることが肝要であると考えます。このほど、米中間の話し合いが進展し、ニクソン米国大統領が北京を訪問する運びとなったことは、世界、特にアジアの緊張緩和に資するものであり、これを歓迎するものであります。日中間においても、最近各種の交流が活発化の気配を見せておりますが、今後は、これが政府間の話し合いにまで発展することを強く期待しております。
以上、私は、この機会に今後国政に取り組む基本的な方針について、その一端を申し述べました。わが国が国際社会の重要な一員として生きていくためには、国民生活の質的な充実をはかるとともに、国際社会における調和を維持し、いやしくも一国のエゴイズムに堕することのない自制の精神がなければなりません。国際社会とともに繁栄するという考え方のもと、先進工業国としての責任と役割りを果たす決意であります。
国民各位の一そうの御支援、御協力を念願してやめません。(拍手)
#30
○議長(河野謙三君) ただいまの演説に対し、質疑の通告がございますが、これを次会に譲りたいと存じます。御異議ございませんか。〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#31
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。本日はこれにて延会いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#32
○議長(河野謙三君) 御異議ないと認めます。これにて延会いたします。
午後二時二十一分延会
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昭和四十六年七月十七日(土曜日)
○開 会 式
午前十時五十八分 参議院議長、衆議院参議院の副議長、常任委員長及び議員、内閣総理大臣その他の国務大臣及び最高裁判所長官は、式場に入り、所定の位置に着いた。
午前十一時 天皇陛下は衆議院議長の前行で式場に入られ、お席に着かれた。
〔一同敬礼〕
午前十一時一分 衆議院議長船田中君は式場の中央に進み、次の式辞を述べた。
式 辞
天皇陛下の御臨席をいただき、第六十六回国会の開会式をあげるにあたり、衆議院及び参議院を代表して、式辞を申し述べます。
去る六月二十七日参議院議員の通常選挙が行なわれ、七月十四日をもつて臨時国会が召集されたのでありますが、われわれは、新たなる構成のもとに、当面する内外の諸問題の審議につとめなければなりません。
ここに、開会式を行なうにあたり、われわれに負荷された使命達成のために最善をつくし、もつて国民の委託にこたえようとするものであります。
次いで、天皇陛下から次のおことばを賜わった。
おことば
本日、第六十六回国会の開会式に臨み、参議院議員通常選挙による新議員を迎え、全国民を代表する諸君と親しく一堂に会することは、わたくしの深く喜びとするところであります。
国会が、国権の最高機関として、当面する内外の情勢に対処し、国運の隆盛と国民福祉の向上を図るため、その使命を遺憾なく果たし、国民の信託にこたえることを切に望みます。
〔一同敬礼〕
衆議院議長はおことば書をお受けした。
天皇陛下は参議院議長の前行で式場を出られた。
次いで、一同は式場を出た。
午前十一時六分式を終わる