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1971/07/23 第66回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第066回国会 地方行政委員会 第1号
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1971/07/23 第66回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第066回国会 地方行政委員会 第1号

#1
第066回国会 地方行政委員会 第1号
本国会召集日(昭和四十六年七月十四日)(水曜日)
(午前零時現在)における本委員は、次の通りであ
る。
   委員長 菅  太郎君
   理事 塩川正十郎君 理事 古屋  亨君
   理事 山口 鶴男君 理事 小濱 新次君
   理事 吉田 之久君
      大石 八治君    岡崎 英城君
      亀山 孝一君    倉石 忠雄君
      國場 幸昌君    高鳥  修君
      塚原 俊郎君    中島 茂喜君
      中村 弘海君    中山 正暉君
      永山 忠則君    村田敬次郎君
      安田 貴六君    豊  永光君
      綿貫 民輔君    下平 正一君
      土井たか子君    中井徳次郎君
      山本 幸一君    山本弥之助君
      桑名 義治君    和田 一郎君
      門司  亮君    林  百郎君
七月十四日
 菅太郎君委員長辞任につき、その補欠として大
 野市郎君が議院において、委員長に選任され
 た。
―――――――――――――――――――――
昭和四十六年七月二十三日(金曜日)
    午前十時三十七分開議
 出席委員
   委員長 大野 市郎君
   理事 上村千一郎君 理事 大石 八治君
   理事 塩川正十郎君 理事 中村 弘海君
   理事 豊  永光君 理事 山口 鶴男君
   理事 小濱 新次君 理事 吉田 之久君
      菅  太郎君    國場 幸昌君
      中島 茂喜君    永山 忠則君
     橋本登美三郎君    村田敬次郎君
      綿貫 民輔君    土井たか子君
      山本 幸一君    山本弥之助君
      和田 一郎君    門司  亮君
      林  百郎君
 出席国務大臣
        自 治 大 臣 渡海元三郎君
        国 務 大 臣
        (国家公安委員
        会委員長)   中村 寅太君
 出席政府委員
        自治政務次官  小山 省二君
 委員外の出席者
        警察庁長官官房
        長       富田 朝彦君
        警察庁刑事局長 高松 敬治君
        警察庁交通局長 片岡  誠君
        大蔵省主計局主
        計官      加藤 隆司君
        厚生省環境衛生
        局長      浦田 純一君
        自治大臣官房長 岸   昌君
        自治大臣官房参
        事官      首藤  堯君
        自治省行政局長 宮澤  弘君
        自治省行政局公
        務員部長    林  忠雄君
        自治省財政局長 長野 士郎君
        消防庁長官   降矢 敬義君
        地方行政委員会
        調査室長    日原 正雄君
    ―――――――――――――
委員の異動
七月十四日
 辞任         補欠選任
  亀山 孝一君     大野 市郎君
同月十五日
 辞任         補欠選任
  塚原 俊郎君     上村千一郎君
  中山 正暉君    橋本登美三郎君
  古屋  亨君     宮澤 喜一君
  安田 貴六君     坂田 道太君
同月二十一日
 辞任         補欠選任
  林  百郎君     不破 哲三君
同日
 辞任         補欠選任
  不破 哲三君     林  百郎君
同月二十三日
 辞任         補欠選任
  桑名 義治君     正木 良明君
同日
 辞任         補欠選任
  正木 良明君     桑名 義治君
同日
 理事小澤太郎君、大西正男君及び砂田重民君同
 月九日委員辞任につき、その補欠として上村千
 一郎君、大石八治君及び中村弘海君が理事に当
 選した。
同日
 理事古屋亨君同月十五日委員辞任につき、その
 補欠として豊永光君が理事に当選した。
    ―――――――――――――
七月十四日
 地方財政法の一部を改正する法律案(華山親義
 君外六名提出、第六十五回国会衆法第二〇号)
同月二十一日
 過疎地域における農林業生産基盤整備等に関す
 る請願(鈴木善幸君紹介)(第一二〇号)
 自動車税の納税義務者に関する請願(足立篤郎
 君紹介)(第一六六号)
 同外一件(永山忠則君紹介)(第一六七号)
 同(倉成正君紹介)(第一六八号)
 同(地崎宇三郎君紹介)(第一六九号)
 同(吉田之久君紹介)(第一七〇号)
は本委員会に付託された。
    ―――――――――――――
七月二十一日
 林野火災に対する消防力の充実強化に関する陳
情書外一件(中国五県議会正副議長会議代表山
 口県議会議長近間忠一外五名)(第五号)
 地方財政法の改正等に関する陳情書(全国市長
会中国支部長鳥取市長金田裕夫)(第六号)
 消防施設整備に対する補助基準額引上げ等に関
 する陳情書(愛知県市長会長豊橋市長河合陸郎)
 (第七号)
 地方交付税率の改定等に関する陳情書(四国市
 議会議長会長高松市議会議長伏見芳晴)(第五三
 号)
 地方公務員の定年制実施に関する陳情書(関東
 一都九県議会議長会常任幹事東京都議会議長春
 日井秀雄外九名)(第五四号)
 大規模団地の所在市町村に対する財政措置に関
 する陳情書(堺市議会議長木地福直)(第五五号)
 公害防止事業に対する財政援助に関する陳情書
 (四国市議会議長会長高松市議会議長伏見芳晴)
 (第七九号)
 固定資産税の賦課方法改善に関する陳情書(東
 京都北区上中里一の一四太田財政研究所長太田
 政記)(第八七号)
 自治体病院の診療報酬適正化等に関する陳情書
 (大町市議会議長伊藤貞雄)(第八八号)
 山林火災防止対策の強化に関する陳情書(高知
 市帯屋町一〇七の八四国地区町村議会議長会長
 佐藤敬一郎)(第八九号)
 消防体制の強化促進に関する陳情書(高知市帯
 屋町一〇七の八四国地区町村議会議長会長佐藤
 敬一郎)(第九〇号)
は本委員会に参考送付された。
    ―――――――――――――本日の会議に付した案件
 理事の補欠選任
 国政調査承認要求に関する件
 閉会中審査に関する件
 地方自治、地方財政及び消防に関する件
 警察に関する件
 請 願
 一 過疎地域における農林業生産基盤整備等に関
   する請願(鈴木善幸君紹介)(第一二〇号)
 二 自動車税の納税義務者に関する請願(足立篤
   郎君紹介)(第一六六号)
 三 同外一件(永山忠則君紹介)(第一六七号)
 四 同(倉成正君紹介)(第一六八号)
 五 同(地崎宇三郎君紹介)(第一六九号)
 六 同(吉田之久君紹介)(第一七〇号)
     ――――◇―――――
#2
○大野委員長 これより会議を開きます。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 今般はからずも地方行政委員長に就任をいたしました大野市郎でございます。よろしくお願いをいたします。
 申すまでもなく、本委員会は、地方行財政及び警察並びに消防の健全なる運営を旨として、もって公共の安全と秩序の維持をはかり、過疎過密、公害防止対策、広域行政の振興等々、すべて内政充実の年にふさわしい住民の福祉向上に密着したきわめて重要な任務を果たす委員会でございますので、その委員長たる職責はまことに重大なるものを感じておる次第でございます。
 幸いにして地方行政には練達たんのうなる委員の方々ばかりでございますので、皆さまの御指導と御協力を得まして、委員会の運営に公正、万全を期し一大過なきを期してまいりたいと存ずる次第でございます。何とぞよろしくお願いを申し上げます。
 簡単でございますが、ごあいさつといたします。(拍手)
     ――――◇―――――
#3
○大野委員長 理事の補欠選任についておはかりいたします。
 委員の異動に伴い現在理事が四名欠員になっております。この際、その補欠選任を行なうのでありますが、先例によりまして、委員長において指名するに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 それでは、委員長は、理事に
      上村千一郎君    大石 八治君
      中村 弘海君    豊  永光君
を指名いたします。
     ――――◇―――――
#5
○大野委員長 国政調査承認要求に関する件についておはかりいたします。
 すなわち、本会期中、地方自治行政の実情を調査し、その健全なる発展に資するため、小委員会の設置、関係各方面からの説明の聴取及び資料の要求等の方法により、
 地方自治に関する事項
 地方財政に関する事項
 警察に関する事項
 消防に関する事項
以上の各項目について国政に関する調査を行なうため、衆議院規則第九十四条の規定により、議長に対して承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
     ――――◇―――――
#7
○大野委員長 地方自治、地方財政、警察及び消防に関する件について調査を行ないます。
 自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。渡海自治大臣。
#8
○渡海国務大臣 私は、このたびの内閣改造に際し自治大臣を命ぜられました。
 内政を充実することが大きな政策課題となっているこの時期に自治大臣を拝命し、地方自治行政の重要性をあらためて認識するとともに、その責任の重大さを痛感いたしております。
 この機会に所管行政の当面する諸問題について所信の一端を申し上げ、各位の深い御理解と格別の御協力を賜わりたいと存じます。
 御承知のように、一九七〇年代は内政充実の年代といわれ、過密過疎等の地域対策、交通対策、公害対策福祉対策等数多くの内政上の問題に適切に対処し、豊かで住みよい地域社会を建設することが国及び地方を通ずる最大の課題となっております。地方公共団体の行政は、住民生活と直結しているだけに、これらの問題解決の主たるにない手として国民の期待はきわめて大きいものがあります。このため、私は時代の変化と地域の特性に応じた行財政上の措置を適切かつ積極的に講じ、地域社会の総合的な発展と国民福祉の向上に万全を期してまいる所存であります。
 社会経済情勢の著しい変貌と住民の生活圏の拡大に即応し、住民の諸要請にこたえ得る適切な行政体制を整備することの必要性は、今日ますます強くなりつつあると考えられます。
 このような観点から、従来に引き続き広域市町村圏の振興整備をはかるとともに、市町村内の近隣社会の形成に配意してまいりたいと存じます。
 また、大都市制度をはじめ地方制度全般にわたり、引き続き調査研究を進めるとともに、広域的な行政需要に対処するための方策についても考えてまいりたいと存じます。
 また、公務員行政につきましては、かねてより公務員秩序の確立と公務の公正かつ能率的な遂行につとめてまいったところでありますが、今後ともこの方針に基づき公務員制度の合理化とその適正な運用につとめてまいりたいと考えております。
 公害に対処する地方公共団体の責任は、今日ますます重要なものとなっております。さきの国会において公害の規制強化、規制権限の地方委譲等を実現していますので、今後は地方公共団体が行なう公害対策を十分なものとするため、行財政面で所要の措置を講じてまいる所存であります。
 過疎対策につきましては、過疎地域における緊急的な諸措置を講じてまいりましたが、今後これらの諸措置をさらに強力に推進するとともに、根本的な過疎対策として実効ある総合的施策の検討をいたしてまいる所存であります。
 また、僻地病院等に勤務する医師の養成を目的とする自治医科大学は栃木県下に設置することといたし、来年四月開校を目途にその準備を進めているところであります。
 公共事業の施行、地域開発の推進、大規模開発プロジェクトの実施等にとって最も必要なことは先行的な土地の取得であります。このため、所要の財源措置の強化、民間資金の活用等機動的な用地取得を行ない得る道を開くよう検討いたしたいと考えております。
 次に地方財政について申し上げます。
 地方公共団体が現在当面している課題については、さきに申し上げたとおりでありますが、地方公共団体がこれらの問題に積極的に対処し、住民福祉の向上を推進していくためには、長期的な視点のもとに地方税、地方交付税等の充実確保を中心とし、国庫補助負担金、地方債等の拡充を通じて地方財源の増強をはかっていくことが何よりも必要であります。このような見地から、今後の地方財政対策としては、都市税源の増強などによる都市財源の充実強化、市街地の再開発、人口急増地域における公共施設の整備などに対する財政措置を拡充するとともに、過疎地域、広域市町村圏等の地域振興対策に対する財政措置を充実し、また、地方道、下水道などの各種の地方の行政施設の計画的な整備、公害対策、交通安全対策等の充実により住みよい生活環境の整備を推進するほか、都市地域、過疎地域などそれぞれの地域の実態に即した交通確保の措置を講ずることなどにその重点を置いてまいる所存であります。
 また、地方公営企業については、経営の健全化と近代化をさらに前進させるとともに、企業債資金の拡充と改善に一そうの努力を払ってまいりたいと存じます。
 地方税につきましては、ここ数年来あとう限りの減税と税負担の合理化を行ないながらも地方税源の確保に努めてまいっております。
 しかしながら、社会資本の整備、社会福祉の向上等地方公共団体の財政需要は増高の一途をたどっているところであり、これに対処するためには、なお一そう地方自主財源の充実をはかる必要があると考えられます。一方においては住民税を中心とする税負担の軽減合理化につき十分配慮するとともに、他方、市町村特に都市税源の充実についても税制調査会の審議をわずらわしながら、適切な措置を講じてまいる所存であります。
 社会経済の発展に伴い、災害の態様も激しい変化を示し、特に旅館、ホテル等の火災において一度に多数の死傷者を出し、あるいは林野火災により多数の消防吏員が殉職するという事故等が起きております。このような事故に対処するため、人命尊重を第一義とする対策はもちろん、地域住民の火災予防及び防災に関する意識の高揚につとめ、また、消防防災の見地に立脚した町づくりの推進をはかるとともに消防の常備化と広域化を推進し、大震火災対策、林野火災対策及び石油コンビナート地帯対策をも織り込みつつ、さらに消防施設の整備につとめてまいる所存であります。
 そのほか、消防職員及び消防団員の士気高揚をはかるための処遇改善と教育訓練の充実につとめてまいりたいと考えております。
 さる六月十七日沖繩返還協定が調印され・沖繩が明年度中に本土に復帰することになりましたことはまことに喜びにたえません。
 沖繩は、四半世紀にも及ぶ長い期間にわたり、わが国の施政権の外にあり、そのため、地方行財政上本土復帰に伴って解決しなければならない問題点を数多くかかえているのであります。
 まず、沖繩と本土との間には、なおかなりの行政格差がありますが、この格差を是正し、さらに進んで沖繩の振興開発をはかるためには巨額の公共投資を集中して行なう必要があり、これらの措置を含めて行財政上特別の措置を講ずるよう配意をいたす所存であります。
 また、地方自治制度の面におきましては、本土と沖繩との一体化に関する基本方針により、従来から積極的に一体化をはかってきたところでありますが、復帰後の沖繩県及び沖繩の市町村について、本土と同じ法制を適用するためには必要な暫定特例措置を講ずるとともに、一そうの助言、指導が必要であると考えます。これらにつきましては、遺漏のないように努力してまいりたいと存じます。
 以上、所管行政の当面の諸問題点について所信の一端を申し上げましたが、委員各位の格段の御協力によりましてその実をあげることができますよう、一そうの御鞭撻と御指導をお願い申し上げる次第であります。(拍手)
#9
○大野委員長 小山自治政務次官から発言を求められております。この際、これを許します。小山政務次官。
#10
○小山政府委員 このたびはからずも自治政務次官を拝命いたしました。
 渡海大臣のもと、微力を傾けまして、地方行政の伸展のために努力をいたす決意でございます。どうぞ委員の皆さまの変わらざる御叱正と御鞭撻をお願い申し上げまして、ごあいさつといたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#11
○大野委員長 所管行政の説明に対して質疑の申し出がありますので、順次これを許します。塩川正十郎君。
#12
○塩川委員 まず最初に、渡海新大臣が誕生いたしまして、われわれは非常な期待をいたしております。と申しますことは、歴代自治大臣はそれぞれ地方行政に対して認識の深い方ばかりでございますが、今回の渡海自治大臣は特にその中におきましてもわが地方自治行政につきましては造詣の深い方でございますし、また経験も豊富でございますので、この際自治行政が大幅に進展いたすことを強く期待いたしておるものでございます。
 そこで、ただいま大臣から所信表明がございましたのに相関連いたしまして、私は三つのことを基本問題といたしましてお聞きいたしたいと思うのであります。
 七〇年代は内政の年といわれるのでございますが、この内政の年を実際政治の場で進めていきます場合に、その推進の中心となっていくのは、地方自治団体が非常にその重責をになっておると思うのであります。また事実、現在いわれております七〇年代のいわゆる高度経済成長から来たところのひずみの是正という問題は、相当数を地方自治団体の行政の中で処理していかなければならぬ、こういうふうに思います。つきましては、自治省は、そういう内容をになう地方自治団体を長期展望に立ってどのようにして、いわゆるわれわれの生活環境の整備なり、あるいはそれがひいては今後における安定経済成長下における経済基盤をつくる、そういうものの調和をかねてどうしてそれを整備していくか、こういう一つのビジョンがなければならないのではないかと思うのです。現在までいろいろそういう生活環境改善の整備というものが個々の行政の中で、すなわち各省所管事項としてこなされてまいりましたけれども、それらはおおむね中央の所管省の計画に基づいて、これが逆に地方に押しつけられていったということが多い。現在はそうであってはならないのでありまして、地方と中央との協調のもとにそれが進められていかなければならぬ。そういう場合におけるその調整役といいますか、それをリードして指導していくのは自治省の一番大きい役目であろうと思うのであります。それがためには、自治省自身の本来の中において、今後の地方行政の中におけるそういう生活環境改善の諸施策というもの、これを固有のものとして持っておらなければならぬ。しかもそれが自治省だけのものであってはいけませんし、地方自治団体の意思とその実情をくんだものを持って、そしてそれがそれぞれの中央所管省と共同に働きかけていかなければならぬと思うのであります。
 ついては、そういう自治省として将来にわたる長期ビジョン、これをどのように考えておられるか。一応試案というようなものが、かつて何か自治省の中で考えられておるように聞いておるのでありますが、これらが一応考え方として出ましたときには、われわれは非常な拍手かっさいをしたのであります。ところが、今日、それがまだ具体的なものとなっておらないように思うのでありまして、渡海新大臣にこの際、十年あるいは二十年先を見通した地方自治体のあり方、それと地方自治体がそういう住民の生活を改善していくについて果たすべき実際の方途、しかもそれが具体的にどのような投資と施設を施すことによってやっていくのかということについて、ひとつお考えを承りたいと思うのであります。
#13
○渡海国務大臣 塩川委員より過分のおほめのことばをいただき、恐縮に存じます。私、微力でございますが、皆さま方の御協力によりまして、重要なる現在の地方公共団体の任務が円滑にできますように、これを指導できる立場にあります自治省大臣といたしまして、最大の努力をいたしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 現在、内政の年代ともいわれておりますように、高度経済成長のもとにおいて起きましたいろいろのひずみ、過密過疎の問題あるいは公害の問題、交通の問題、地域社会に深刻な問題となって生起しております生活環境のひずみを除去してまいることが、地方自治体のその主たる役割りを果たさなければならぬ任務であることは、いま塩川委員も御指摘のとおりでございます。そのためには、行政面においても、広域的な見地からこれらを能率的に効率的に行なうように行政面におきます制度の合理化等をはかっていくとともに、また財政面におきましても、現在十分とは申すことができない状態でございますが、おくれておりますわが国の社会資本を充実するためには、いままで国の経済全般の中で考えておりました投資の部面を、少しはこういった公共事業のほうへ振り向けるようなことを考えていただいて、その公共投資の中へ振り向けていただいた分も、国、県、市町村とございますが、特に実施の最前線における基礎的自治体である、また実際実行に移す自治体に財源の充実等をはかっていくことによって、これらの目的を着実に行なうようにしなければならない。そのためには、いま塩川委員が言われましたような本来の地方市町村のあるべき姿というものの理想図を描き、これに向かって着実に前進するような計画を持つことはもとより必要であろうと思います。私、まだ詳細にはその点事務当局と打ち合わせをいたしておりませんが、それらの御指摘のようなビジョンを具体的に描きまして、また一歩ずつ着実にこのビジョンに向かう方途を立てまして、それの具体的な実現について努力してまいりたい、かように思っております。
 なお、素案でございますが、もし事務当局のほうでそのような構想の一端でも持っておりましたら、事務当局から答弁させますので、御了承いただきたいと思います。
#14
○塩川委員 そういう長期展望に立った一つの目標といいますか、これはぜひひとつ新大臣の手でつくっていただきたいわけです。たとえば下水の普及率は十年でこの程度にする、保育所はこの程度必要であってこれだけのものを建設していくのだ、学校施設についてはこの程度改善していくというようなことを地方自治団体と相協議されて、そういうようなものを一つの目標に掲げて、各省庁にこれを逆に押しつけていく。各省庁から案が出てきて、予算がこれだけしかないからこれだけしかできません、それを君らがこなしていけというようなことでは、地方の自治というものはやっていけないように思います。逆に地方自治体が集まって、そういうものをまた自治省が集約して、それを各省庁に配分して、こういうものを達成していけ、こういう姿勢に乗りかえていただきたい。これを期待いたしておるものでございます。どうぞお願いいたします。
 それから二番目の問題でありますけれども、現在地方行政の中で私は三つの大きい分野があると思うのです。それは一つは固有の行政事務と、それから機関委任事務あるいは団体委任事務、いわゆる委任事務と、それから公営企業、その三つの分野が地方行政の中で大きく分けてある。固有事務につきましてはそれぞれ市町村が独自性をもって運営していっておりまして、これにはやはり適当な指導性も必要でありましょうが、これはともかくといたしまして、最近非常に問題を起こしておりますのは機関委任事務、団体委任事務といういわゆる委任事務の問題なのであります。これらは、見ておりますと、どうも委任をしておる中央所管庁と自治体との間に意思疎通が十分にいっていないような感じがするのであります。したがって、そういう委任事務にまつわりましていろいろな問題が最近発生してきております。過般におきましては、外国人登録問題等がございまして、これは法務省と自治体の中で意見の相違があって、訴訟問題にまでいくというようなことが起こってまいりました。これらは相当深刻な問題もございますが、また一方から見まして、国民健康保険等を見ましても、これを一方的に、市町村の委任事務であるから市町村でやってくれということでまかされておって、しかも各市町村におきますところの格差というものが内容において相当出てきておる。こういうようなものをほうっておいていいんだろうか。私はこういうことが、たとえば国保を一例にとりましても、地方財政の中でその委任の超過負担分を消化し切れなくなってぐるというような場合には、これを返還せざるを得ないんじゃないか。そういう問題が起こってきたときに、あわててこれの調整に乗り出すということがあってはならない。特に最近におきまして、保険医の辞退問題等がいつ何どき国保にこれがはね返ってまいりましてたいへんな負担増になるかもわからぬ、こういうようなことで、この国保に関係している地方自治体の人たちなどは非常な不安を持っている。どうしてもこれは国の事務でやるのか、あるいは市町村の事務としてやるのかということをはっきりさせてほしいという気持ち、大ざっぱに言えば、これは国の事務としてやってほしいという気持ちがあるのであります。これは単なる一例でありますが、こういう委任事務で中央所管庁とそれから自治体の間にはさまれて、地方行政の責任者は非常に困っておる。だから、こういうようなものにつきまして調整する役割りを自治省として十分に果たしていただきたい。ついては、こういう委任事務を委任しておる役所、所管庁は、自治省とこういう問題についてすべて共管事項といいますか、共管でなくても、せめて勧告してそれを改善させるだけの権限が自治省にあるのかどうか、そういうことをやっていかれるのかどうかということをひとつお伺いいたしたい。
#15
○渡海国務大臣 委任事務にもいろいろあろうと思います。もちろん共管になっておるものも多数あろうと思います。共管でないものは、法令上はそれぞれの主務大臣が指揮監督の権限を有する部門ですから、これらの主務大臣が適切な指導監督に当たられるのが当然であろうと思いますが、たとえ共管でなくても、私は地方公共団体を総括的に一般的に指導監督する立場にありますところの自治大臣という立場からは、当然これらの委任事務が円滑に行なわれますよう、関係各省に意見を述べ、また地方自治団体にも適当なるアドバイスをする、これは当然のことではなかろうか、かように思っております。
 権限の問題等につきましては、それぞれの委任事務について一言あろうと思いますが、今後そういう一般的な自治省という立場に立ちまして、御趣旨の点、できるだけ努力いたしまして、御趣旨に沿うように、今後ともこれらの事務が円滑に行なわれますように努力をいたしてまいりたい、かように考えます。
#16
○塩川委員 ぜひひとつそういう委任事務につきまして、自治省が積極的に自治体のそれぞれの悩みを聞いてくみ上げて、それをそれぞれ反映していただきたい。
 と言いますことは、最近自治省は、私は国全般の政治の中から見まして、非常な地盤沈下をしてきておると思うのです。私たちはそういうことは絶対思っておらないのでありますが、極端なことを言う人は、自治省は地方財政の、いわゆる財政の配分だけやっているところであるというような極論を言うぐらいな人がいる。そうであってはならないのであって、ほんとうに自治体の指導性を持つと同時に、自治体を育成していくという立場が非常に大事だと思うのです。その育成がはたして自治省の力で現在十分になされておるか。私はなされておらない感じがする。
 それはなぜかと言いましたら、すべて他の省庁が相当に大きい権限を持っている。そういうところで、自治省自身がそれに介入しがたい問題がたくさんあります。たとえば新駅一つつくるというような問題あるいは駅前広場をつくるというような問題が起こりましても、小さい市町村等におきましては、これはどうにもならぬ、やっぱり関係の国鉄であるとか建設省、こういうところへ行ってしまって、自治省は素通り。そうでなく、市町村にしましたら、自分らの親方だと思ってそこに相談に行けば、自治省が何でもやってくれるのだというようなことが私はやはり必要なんではないのかと思うのです。陳情に来ます地方の人たちを見ましたら、自治省に陳情に行くのが一割か一割五分だろう。あとはほとんどそれぞれの関係ある省庁に行かなければならない。行ってみてもなかなか話にならない。そういうような地方自治体の悩みというものを自治省の中でひとつ引き受けて、それを代弁してやるというようなこと、これは育成の上において非常に大事なことだろう。
 そういうことをしようといたします場合には、自治省がそういう地方自治体と密接に関係のある行政事務についてはある程度の関与する姿勢というか、そういうものを積極的に進めていかなければならない。あれは厚生省の係です、あれは建設省のほうに行ってもらわなければならぬというようなことであってはならぬのであって、市町村のそういうものは一応自治省に相談してくれ、自治省から全部そういう筋をつけていくというような姿勢でやっていただきたい、これをお願いいたします。
 それと、最後にもう一つだけお聞きいたしたいのでありますが、自主財源の充実をはかるということ、これがやかましくいわれております。確かに自主財源の充実をはかることが現在の地方行政の中で一番の問題点だろうと思うのであります。ところが、これに伴って一方において住民税であるとか事業税であるとかいうようなものを、ある程度課税最低限というものを引き上げていかなければならない。特に事業税等におきましては非常な矛盾も持っておるわけでありまして、これを根本的に考え直そうというような時期に来ております。そういうものが、逆な面から見ますならば、自然増加を追い越して、逆に減税のほうがあらわれてくるのではないかと思う。片一方において自主財源を充実しなければならない。片一方においては課税最低限の引き上げによって減税が非常に急ピッチに行なわれていく。そういう矛盾を打開していく。
 そこで、根本的に自主財源の充実をはかろうとするならば、受益者負担の考え方に立った新しい税金の――あるいは税金と申さなくても、そういう負担の制度というものを新設していかなければならないだろうと思うのですが、そういうことも踏んまえて、自主財源の充実ということについて具体的にはどんなことを考えておられるのか、それをお聞きいたしたいと思います。
#17
○渡海国務大臣 地方公共団体の膨大なる現在の財政需要をまかなうのに自主財源が非常に少ないという点は、御指摘のとおりでございまして、これらの問題解決をしていくために自主財源を強化充実していかなければならないということは、御指摘のとおりでございます。ところが一方、地方税の中にはなお過重なものがあり、これらの軽減合理化をはからなければならない。矛盾するような事態が起きている、いま御指摘のとおりでございます。そのためには、いまも申されましたように、ひとつ地方税制に合ったような新しい税も考え、特に財政需要の増大しておりますところの大都市を中心とする都市税制の税源というものが数年来叫ばれてきておるところでございまして、これらの問題については努力しなければならぬと思っておりますが、その一環として、いま塩川さんが言われました新税、また国、県、市町村等の税源の配分ということをあわせて考えて、これらの自主財源の充実を特に市町村に期していきたい、このようにいま考えておる次第でございます。
 なお、具体的なものがあったら示せということがございましたが、このいまの税配分の面におきましては、法人税の法人所得割りの、現在国が六五%、府県が二八%、地方が七%になっておりますが、それらの配分のあり方についても何とか考えていただいて、市町村に対する充実を期していきたい、このように考えておりますし、また事業所とか事務所とか等に新税をかけてはどうかとか、あるいは都市計画法が変わりました関係もございまして、いままでのような広範囲の都市計画でございましたら、なかなか都市計画事業も行なえない地域にまでこの際都市計画税がかかるというふうな姿で、非常に事業に見合わぬような姿でありましたが、これの増徴を考えてはどうか、あるいは昼間流入するところの消費者に対する消費税的なものを考えてはどうか、というふうなことがいま考慮されておる、税制調査会等において議論の対象になっておるということを聞いておりますが、なお詳細なことにつきましては、事務当局から答弁させます。
#18
○塩川委員 それでは、私の質問をこれで終わりまして、次に譲ります。
#19
○大野委員長 山口鶴男君。
#20
○山口(鶴)委員 まずもって渡海さんの自治大臣就任それから小山さんの政務次官就任に心からお祝いを申し上げたいと思います。
 限られた時間でありますから、きわめて簡単に幾つかの問題をお尋ねいたしたいと思います。
 塩川さんも言われましたが、七〇年代は内政の年だ。内政を担当するのは一体だれか。これはもう自治体であることは言うまでもありません。自治体が社会資本の充実あるいは社会福祉の充実といった問題に取り組むためには、当然地方自治体の財政というものが充実されなければならぬ。また自治大臣も所信表明で言われておりますように、地方税の充実と申しますか地方の自主財源の充実と申しますか、そういうものがはかられなければならぬことはもう当然のことだと思います。ところが、最近の政府の施策をずっと見ますと、毎年の予算編成にあたっては、交付税率三二%を一体どうするのか、これを下げろ、いや自治省は下げるのは反対だ、それならば貸し借りでもって少し地方から国のほうに貸してくれないか、あるいは補助金の整理をやってくれぬかというような形で、絶えず地方財政が国の施策の面からは圧迫されてきたというのが現実の姿だと思います。もちろん渡海さんがその中にありまして、そういった大蔵省の横やりに対して大いに対抗して奮闘されたということは私どもも十分承っておるわけでありまして、その点の努力は多とするわけでありますが、その渡海さんが今度自治大臣におなりになられた。この上はいままでのように交付税率を下げろとか、特に沖繩返還に際しましては、交付税率を下げるどころか、これは上げなければならぬという事態だと私は思います。しかも都市問題あるいはその他万般の問題に対処するために地方税というものがより充実しなければならぬ。
 こういうときに、最近私が特に遺憾だと思いますのは、税制調査会の中で、国税、地方税を一体化したらどうだ、地方税を付加税化したらどうだ、こういうような意見が大勢を占めている。特に自治省が言っている議論というものは博物館入りの議論であって古めかしいのだというような議論まで税制調査会であるということについては、私はきわめて遺憾だと思うのです。
 したがって、この際、渡海自治大臣としまして、毎年毎年予算編成の際において繰り返されました地方財政はよくなったじゃないか、地方財政は出世したではないか、この際交付税率を下げるとか補助金を整理するとかあるいは貸し借りがどうということは一切やらぬ、さらに税制調査会が議論しているような国税、地方税の一体化については断固拒否する、こういった姿勢が必要だと思うのでありますが、ひとつ大臣の御所信のほどを承っておきたいと思います。
#21
○渡海国務大臣 地方財政の問題につきまして御認識深い激励のことばをいただきまして心強くお礼を申し上げます。
 いままで交付税率の引き下げあるいは国の補助率の引き下げ、それらの問題は絶えず予算編成当時に出てまいりました。貸し借りの問題も解決されていない、御指摘のとおりでございます。しかし、私、大臣に就任いたしまして率直に感じたのは、昭和四十年、四十一年、交付税率を三二%に上げました当時、三二%を持ってくる地方財政計画でもなお千二百五十億でございましたか、歳入不足を生じるというふうな姿で、交付税率としては上げることはできないが、財源不足を生んだために特別地方債を発行して、後年度の国のこれに対する元利償還によってまかなっていったという時代がございました。その後景気の上昇とともに交付税率三二%の引き上げが相当多額にのぼりましたために、いま御指摘になったような問題を昨年まで繰り返してきたのでございますが、私は今年度の地方税の増徴というものは昭和四十六年度でも期待できないのじゃないか。ベースアップの財源がはたして地方税の増収というもので期待できるかどうか。また国のほうもベースアップの勧告が行なわれた場合、はたして税収増、自然増といったもので組まれるかどうかということに対して、たいへん危惧いたしております。四十六年度においてもそんな状態にあって、これを地方において完全実施するためには相当思い切った財政措置を講じていかなければならないのではないか。したがいまして、四十七年度におきましては私はより一そうの累積が、あの四十年、四十一年当時と同じような姿であらわれてくるのじゃないだろうかというふうに危惧しておるものでございます。そのためには、私たちは従来のような三二%を引き下げろあるいは国のほうで交付税の中から貸せというふうなことは通り越して、何か地方財源を見出すところの措置を考えなければならないような時期に来ておるのじゃないか、こう思いますので、いま言われましたようなことに対しましては、断固地方財政を守る上において戦い抜くとともに、それ以上にむしろ景気の下降とともにあらわれます地方財源不足というもののカバーを、積極的に埋め合わせるような措置を四十七年度ではぜひともいまから考えておかなくちゃならないのじゃないかと思っております。
 いま御指摘になりました沖繩の返還に伴うところの地方財源の必要性、これは相当膨大なものにのぼるのじゃないかと思っております。これをいままでの制度の三二%の交付税率の中でまかなっていくか、一体化の実をあげるために、沖繩の行政水準を上げるために別途の措置によりまして財源措置を講じていくか、これはどちらのほうが沖繩にとって、しかも地方財政全般にとっていいであろうかということにつきまして十分検討さしていただいて、万遺漏なきを期していきたいと思いますので、この部面に対しましても格段の御協力をお願い申し上げたいと思っております。
 なお、いま御指摘になりました国と地方税の一体化の問題について、税制調査会で徴税の簡素化という意味におきましてそういうふうな議論のあることは私も聞いております。そのために住民税を所得税の付加税にしろ、まあ、かけます対象が所得という対象でございますから、簡素化という面から見たら非常にしやすいから、そういうふうな議論が出てくるのじゃないかと思いますが、大体住民税というものは、国の所得税と違いまして、地域社会の費用を能力に応じて広くこれを負担していただくという趣旨から生まれた税金であります。またこれが地方税制の中の骨幹をなす重要な地位を占めておるものでございまして、このような地方税の中の中心である住民税を付加税化することによって、その独立性を失わすというふうなことは、地方自治の本旨にも反する問題ではないか。もちろん徴税の簡素化ということは当然われわれとして考えなければならない問題でございますが、そのような方途は地方自治の本旨に反しないような方途で考えるべきである、このように考えておりますので、私どもは、いま税制調査会においてそのような議論もございますけれども、反対の立場をとって、そのようなことの起こらないようにつとめてまいりたい、このように考えておりますので、御了承を賜わりたいと思います。
#22
○山口(鶴)委員 大蔵省代表の加藤さんにも来ていただいておりますが、時間がないから聞きません。とにかく税調で議論されておるような付加税化の方向は地方自治の本旨にもとるものである、大臣の御意見、まさにそのとおりでございまして、われわれもそう思います。そういったことであるということをひとつ加藤さんもよく聞いていただきたいということで、この問題をとめておきましょう。
 ただ問題は、景気の見通しの問題でございますけれども、昭和四十六年度、公債を一兆円発行したらどうだというようなことがいま政府部内でもいろいろ議論をされておるようです。そうなってまいりますと、ちょうど昭和四十一年不況と同じような段階に、本年度地方財政が当面をするということも考えなければならぬと思うのです。ですから、大臣の言われたように、昭和四十六年度、昭和四十七年度は、ここ二、三年来議論されたようなことは全くこれは考えられぬ、むしろ昭和四十一年不況の際に国がとったような措置、あるいは四十二年にとったような措置を考えなければならぬような事態も起きるかもしれぬ。当然交付税率は沖繩の問題を度外視しても引き上げなければならぬ事態が起きるかもしれないし、さらにまた、景気対策として公債を一兆円発行するというような場合に、しかも地方税は思ったように増徴されないとした場合に、四十六年度地方財政を一体どうするのか。特別措置を一体どうするかというようなことも当然考えなければならぬ事態があり得ると私は思います。そういう意味で、所信表明にも内政の年、地方財政の充実ということをうたっておられるわけでありますから、この点は、大臣、十分お考えいただいておるとは思うのでありますが、ひとついまのうちから真剣に対処をいただきたい、そのことをひとつ重ねてお聞かせをいただきたいと思う。
#23
○渡海国務大臣 私はいま山口委員御発言のとおりであります。四十一年のときにいろいろな措置をやりましたが、これらの措置をやりましたときの経験等も十分参考の資料といたしまして、景気下降期におけるところの地方財政に遺憾なきを期するよう、いまからその措置、方策について万全の対策を講じてまいりたい、このように考えておりますので、よろしくひとつ御協力のほどをお願い申し上げます。
    ―――――――――――――
#24
○大野委員長 国家公安委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。中村国務大臣。
#25
○中村国務大臣 私は、先般の内閣改造に伴いまして国家公安委員会の委員長を命ぜられました中村であります。時局きびしいおりから、その責務の重大さを痛感いたしております。
 委員長はじめ委員各位には、平素から警察行政につきまして多大の御尽力をいただいており、感謝にたえないところでありますが、今後とも格別の御指導と御協力を賜わりますよう、お願い申し上げる次第でございます。
 この機会に、警察行政をめぐる当面の諸問題につきまして、所信の一端を申し述べたいと存じます。
 私は、警察行政の目的は、国民全体が安んじて、日々の生活を送り得る状態を確保することにあると信ずるものであります。複雑多様化しつつある社会情勢に対応してこのことを達成するためには、警察が国民に心から親しまれ、信頼されるということが不可欠の基盤であると考えるのであります。
 このような見地から、私は、警察行政の各分野にわたり、およそ一般国民の日常生活に影響を与える事犯については、その規模の大小を問わず、国民の立場に立って、きめこまかな対策を講じてまいる所存であります。
 最近の犯罪情勢を見ますと、凶悪犯罪は、ここ数年、件数こそ減少の傾向を示しておりますものの、内容的には、航空機や船舶の乗っ取り事件あるいは銃器、爆発物等を使用した凶悪事件の多発等の新しい傾向が生じていることにかんがみまして、科学的、合理的な捜査活動を推進し、犯罪の検挙及び抑止に努力してまいる所存であります。
 また、暴力団犯罪につきましては、最近、組織の大規模化、広域化の傾向が顕著になっておりますので、地区を指定した総合的な取り締まりを実施する等の努力を積み重ね、この種犯罪を一掃して、国民の期待にこたえる所存であります。
 さらに国民生活に重大な影響を与えつつある公害問題につきましては、地域住民に密着した組織を有し、常時勤務体制にあるという警察の特性を活かしまして、市民からの苦情の処理や公害関係法令の適用について、積極的に対処してまいりたいと考えております。
 次に、全国民の悲願ともいうべき交通事故の防止についてでありますが、関係者の努力にもかかわらず、年間約百万人に近い死傷者の発生を見ておりますことは、憂慮にたえないところであります。
 本年に入りまして、やや横ばいの傾向を見せてはおりますが、依然として自動車は増加の一途をたどっており、道路環境の不備や交通モラルの未確立等と相まって、今後の成り行きは全く予断を許さないものがあります。
 このような状況に対し、警察といたしましては、関係省庁との緊密な連絡のもとに、歩行者保護を重点とした積極的な交通安全対策を強力に推進してまいる所存であります。特に道路整備の進展、交通量の増大に比べて立ちおくれている交通安全施設の整備につきましては、さきに本年度を初年度として策定いたしました交通安全施設等整備事業五カ年計画に基づき、大幅な整備を進めてまいる考えであります。
 次に、最近の治安情勢において憂慮にたえないのは、爆発物の使用といった非人道的行為までも敢行し、多くの市民に不安を抱かせ迷惑をかけている極左暴力集団の動向であります。これらの最近における動きなどから見まして、状況によっては、さらに過激な行動に出るおそれも多分にあり、今後とも、厳重な警戒と万全の備えが必要と存ずるのでありますが、警備体制の確立その他所要の措置を講じ、市民生活の平穏の確保に万全を期してまいる所存であります。
 以上、警察当面の二、三の問題について申し述べたのでありますが、激動するこの時期において、治安の万全を期し得るかいなかは、現実にこの重責をになう警察職員の資質と士気のいかんにかかるのであります。このような観点から、私は、警察職員の採用、教養にあたり、格段の配慮をいたすとともに、その処遇の改善についても、最大限の努力をいたしてまいりたいと考えております。
 最後に、委員長はじめ委員各位の御支援、御鞭撻を心からお願いいたしまして、私のごあいさつといたします。(拍手)
    ―――――――――――――
#26
○大野委員長 引き続き質疑を続行いたします。山口鶴男君。
#27
○山口(鶴)委員 中村国家公家委員長の就任、心からお祝い申し上げます。
 引き続きましてお尋ねをいたしたいと思いますが、公害の問題です。昨年の公害国会におきまして十四本の法律が制定され、また過般一本の法律が制定されまして、公害関係法規十五本が整備をされました。この場合自治大臣も述べておられますが、公害問題につきましては、地方自治体への権限委譲、地方公共団体の公害対策の充実ということが緊要であることは言うまでもありません。そこで、具体的にお尋ねしたいと思うのですが、最近長野県におきまして自然保護条例を制定いたしました。厳正保護地区というものを設定いたしまして、この区域内におきまして樹木等を伐採する場合は長野県知事の許可を受けなければいかぬというような規定も含まれておりまして、厳正保護地区の保護につきましては非常に規制を強化いたしました。私はすぐれた条例であると思います。ところが、たまたま林野庁等が、この厳正保護地区内に国有林がある、その樹木を伐採する場合に林野庁長官かあるいは営林署長が当該都道府県知事の許可を受けなければいかぬというようなことはけしからぬ話だというので、クレームをつけたというようなことが新聞に報道されておりました。現在国が自然保護法を野党が提唱いたしましたように制定しておれば問題ないのでありまして、そういうことを政府のほうがむしろなまけておると言ってはあれですが、現実はそうだと思うのです。そういう中で、自然保護のために各自治体が非常に苦労して条例を制定し、そのための措置を講じようとしているときに、林野庁がこれにクレームをつけるというようなことは、私は間違いだと思うのです。したがって、少なくとも自治省といたしましては、こういった長野県のような自然保護条例等の趣旨はあくまでも尊重さるべきものだ、こういった趣旨のものを各県がつくるように大いに奨励することがむしろ至当ではないかと私は思うのです。この点に対する大臣の御所見を承りたい。
#28
○渡海国務大臣 長野県の条例につきまして、ただいま御指摘のような点で議論があることは私も承知いたしております。しかし、いま国も取り組んでおりますように、自然保護ということは、私たちが心を新たにして考えなければならない問題の一つである。環境庁におきましても、自然保護のための法案を近く出したいというふうな意向であることを聞いておるようなところでございます。
 今回の長野県の条例が、現在の法令のもとにおいて、土地利用の点についてどうであるかということは議論があり得るということもよく承知いたすものでございますけれども、現在そのような法が不備なために、地方自治体が自分の力で自主的にこれを守るために行なうというその行動に対しては、私たち自治省という立場においては、これをむしろ大いに推進していかなければならないと申しますか、よくやってくれたというほうの立場で迎えなければならぬ事柄であると考えます。そういう意味から、法令の解釈等につきまして、私たちはそういうふうな立場で関係の省庁と協議を重ねてまいりたい、このように思っております。最後におきましては、法令の解釈等法的な問題は、根本的には、いま申しましたような、環境庁が考えておられるような立法措置の上で解決していただかなければならない問題であろう、このように考えておりますけれども、自治省の立場といたしましては、いま申しましたような立場で関係省庁と、地方自治体のつくりました条例が国の法律のない現段階におきまして円滑に行なわれますように協議をしてまいりたい、このように考えておる次第でございます。
#29
○山口(鶴)委員 実は亜硫酸ガスの規制につきましては、東京都と通産省あるいは東電その他との間で絶えず同趣旨の議論が繰り返された問題です。われわれとしましては、できる限り自治体が住民の立場に立って規制を強化していくということについて、これは至当なことではないかという立場で当委員会でも議論をいたしたわけであります。そういう中で、東京におきましても横浜におきましてもその他の自治体におきましても、いろいろくふう、苦労いたしまして、時間がありませんからこまかい点は申し上げませんが、住民の側に立った規制の強化をやってまいりました。昨年の公害国会におきましては、亜硫酸ガスを除くばい煙に対する上乗せ基準が自治体でできる、また水質汚濁防止法におきましてこの水質基準の強化が自治体において上乗せができるというりっぱな法律の整備が行なわれたわけであります。今度の長野県の自然保護条例につきましても、同様な趣旨から、いまの答弁を了解いたしますが、できるだけ自治体の立場に立って関係省庁との折衝をやっていただきまして、自治体の善意が生かされるように努力をいただくことを強く要請しておきたいと思うのです。
 厚生省の環境衛生局長がおいででありますから、お尋ねしたいと思うのです。
 これも当委員会で議論したことですが、例のポリ容器の問題であります。これにつきましては、こまかいことは申し上げませんが、当委員会でも議論がありあるいは昨年の公害国会でも議論がございましたが、現在清掃業務をいたしておりますのは自治体であります。この清掃業務に非常に支障を与えるということから、ポリ容器の許可については慎重であるべきだということで、昨年の公害国会で内田厚生大臣が、私の任期中はこの許可はいたしませんと言い切ったわけです。ところが、どういうわけですか、内田厚生大臣在任中、ちょうど食い逃げをするかのように、二十社にわたるポリ容器の許可を行なったわけです。きょう大臣ないしは政務次官に来ていただこうと思ったのですが、これは前任者のことだからということでお話があると困ると思いましたから、幸い浦田さんだけは、当時私の質問に対して内田さんが任期中は許可いたしませんという答弁をいたしましたときに隣にすわっておったわけですし、現在も引き続いて局長さんとして在任しておられるわけですから、浦田さんに聞くのが一番いいと思って浦田さんをお呼びしたわけなんですが、結局、大臣が認可する場合には浦田さんに御相談があったということは当然だろうと思うのでありますが、任期中許可せぬということを国会において大臣が言明したのに、任期中に許可したということはまさにこれは私は国会軽視だと思うのです。浦田さん、いかなる御感想でございますか。
#30
○浦田説明員 昨年十二月七日の衆議院社労委員会におきまして、確かに内田厚生大臣は、ポリエチレンの容器を牛乳等に用いることについては、その承認はできるだけしないようなつもりだ、これで部下を督励するという旨の発言をしておられたところでございます。私はその後、大臣からの御指示もありまして、十二月十日に御指摘のように廃プラスチック類の処理が都市の清掃上困難になってきておるということをとらえまして、牛乳等の合成樹脂製容器は、その処理方法等を考慮して、差しつかえないと認められる場合のほかは原則として認めないということで、大臣の御趣旨を通牒にいたしまして、各都道府県関係団体に連絡したところでございます。すなわち、趣旨は、食品衛生法上の見地から申しますと、プラスチック、ポリエチレンの容器は支障はございませんが、都市清掃上の観点からこれを原則としては承認しない、ただし、企業者の側の責任において回収し、あるいは処理する、都市清掃側のほうには御迷惑をかけないという場合には、それまでやるなというのは酷ではないかということで、通牒の中には、なお自治体の清掃局とも十分意見を調整して申請書を申達するという旨を添えたわけでございます。したがいまして、大臣の御趣旨はいまでもやはりプラスチック類を――いままでほかのものは全部野放しになっておりますが、これらについて何らかの規制をしていきたいという御趣旨であったのでございました、むげに全部ポリエチレンの容器類を禁止するという御趣旨であったとは私は考えていないのでございます。
#31
○山口(鶴)委員 十二月七日、私の質問に対しまして内田厚生大臣は、いまのプラスチックびん等で牛乳その他の食品容器をつくります場合には、それの処理についての基準、方法論が確立されていない限り許可しないと述べ、さらに行政指導の問題だから、私が厚生大臣をしている間は容易に許可しないと答弁をいたしておるわけであります。現に廃棄物の処理及び清掃に関する法律の政令等は、この二十社を許可いたしました五月三十日の段階ではまだ施行になっておりません。そういう段階で許可をした。しかも二日前の五月二十八日、全国都市清掃会議の代表者が、現段階での合成樹脂製容器の承認は反対であるという旨の申し入れを厚生省にいたしておるという経過があるわけです。
 そこで、私は大臣にお尋ねしたいと思うのですが、国務大臣一般としてひとつお答えいただきたいと思うのですが、国会において大臣が任期中は許可せぬというような、いわば明確な公約だと思うのです。過般の予算委員会におきましてわが党の細谷議員がグレープフルーツの問題を取り上げまして、農林大臣の責任を追及をいたしておりましたが、あれと全く同じだと思うのです。特にこの問題は大臣が任期中許可しないと言ったにもかかわらず、任期中許可したということはさらにグレープフルーツよりは私は問題があると思うのでありますが、そういうことは国会軽視である、私は、国務大臣としてはそういった国会軽視はすべきでない、かように思うわけでありますが、一般論としてどうお考えであるか、お答えいただきたいのが第一であります。
 第二は、現実に清掃業務というのは自治体が担当しておるわけなんです。自治体が担当いたしておりまして、現在東京都等におきましては、プラスチックがごみの中に一〇%も含まれている。これがどんどんふえていくわけです。そういう中で、自治体が清掃業務に非常に障害があるということで、都市清掃会議が反対している気持ちは私はよくわかると思うのです。清掃事業を担当しているのは自治体である。その自治体に対していろいろ援助をし、助言をするのは自治省であるという観点から、今後これらの問題につきましては――食品衛生上所管はそれは厚生大臣でしょう。しかし、これに対して自治省が知らぬ顔をしておるということは私はおかしいと思うのです。現にこの問題を議論いたしましたときに、山中当事の公害担当大臣が、厚生省、農林省、自治省等ともよく相談をしてこの問題については処理に当たりたいとも言っておったわけです。この許可の段階で一体自治省は相談があったかなかったか、これが第二のお尋ねであります。
 第三は、そういう上に立ちまして、今後自治省としては、この自治体の当面する清掃業務の困難を除去するために、どういう措置をおとりになるつもりか、ひとつお尋ねいたしておきたいと思います。
#32
○渡海国務大臣 まず第一点の国会軽視じゃないかという御発言でありましたが、山口委員御指摘のとおりであれば、まさにそうでありまして、私たち国務大臣としても厳にそういうことのないように慎まなければならないと思います。いま浦田局長の答弁の中で承ったのでございますが、あのときに山口委員の質問に対して大臣がお答えになった点も十分頭に入れて、その趣旨に沿って処置したというふうな答弁もございましたので、今後ともにそういうようなことのないように私たちはしなければならない、このように考えます。
 第二点の、何か通知があったかどうかということにつきましては、事務当局から答弁をさせます。
 今後の問題につきましては、法令的には、あれは確かに保健所を経てそれから都道府県を経てやってくる、自治体の意向を十分聞いたという姿になっておりますけれども、いま山口委員御指摘のとおり、そういった過程で許可を必要としたことの本来が、衛生的な見地だけからながめられておって、清掃的な見地から検討されておらなかったというところに問題があったのじゃないかと思います。清掃事務そのものも厚生省の所管でございますので、今後ともそういった部面を話して、自治体もその観点の中で書類の上申を考え、また厚生省自身の許可のときもそういった面もあわせて許可を考えていただくというふうに法の運営をしていただいたらいかがか、こう考えておる次第でございます。
 なお、この問題につきましては、先般全国市長会から私たちのほうへ陳情も参っておりますので、その陳情の趣旨をよくわきまえて関係の厚生省とも協議さしていただきたい、このように考え、現在すでに事務当局で協議をしておるような状態でございますので、御了承賜わりたいと思います。
#33
○岸説明員 ただいまお尋ねのポリ容器の使用許可につきまして、自治省には何ら協議がございませんでした。
#34
○山口(鶴)委員 これで終わりますけれども、どうもいまの岸さんの御答弁のようでありますと、当地方行政委員会で山中公害担当大臣が、この問題については単に厚生省にまかせぬ、公害の問題もこれあることだから、公害対策本部において、当時はそうだったのですから、そこで十分検討することにして、その際は厚生省のみならず、農林省あるいは自治省等の意見も十分聞く、こう言ったわけでありますから、そういったこれまた当委員会におけるお約束がほごにされたのでは、私ども委員としてはきわめて遺憾であるということを申し上げておきたいと思います。
 それから、自治大臣お答えでありましたが、私としては、どうも内田厚生大臣が私どもに約束したことを守らなかったということにつきましては遺憾でございまして、この点は納得いたしません。
 それから最後に、国家公安委員長に一つだけお尋ねして終わりたいと思うのです。
 それは、光化学スモッグの時期になってまいりました。昨年も光化学スモッグがたいへん発生をいたしました。昨年道交法の改正あるいは大気汚染防止法の改正におきまして、都道府県知事が一定のオキシダント濃度に達した場合は交通規制等の措置を公安委員会に要請できるということに実はなったわけであります。ところが、その後どのような政令がきまるか見ておりましたら、オキシダント濃度〇・五PPM、この場合に要請できる、こういうことになったようであります。昨年幾つかの学校の生徒が呼吸器障害を訴えて倒れたというときの濃度は〇・二七ないしは〇・二九PPMと聞いておるわけであります。そうなりますと、今度の措置では、昨年起きたような事態はほっておけ、幾ら苦しんでもかまわぬ、こういうような法の運用だと言われてもしかたがないと思うのです。問題は、この基準については今度は環境庁の問題になるだろうと思うのですが、この基準を再検討しなければ当然国民の側から見て不満であります。しかし、警察といたしましては、〇・五になると交通規制を全般的にやる、なかなかたいへんだ、したがって東京都が注意報を出す〇・一五PPMあるいは警戒警報を出します〇・三PPM、こういう事態でできるだけ自動車の通行量を規制する、あるいは迂回させるという次善の措置を十分とる必要があるのじゃないか、私はこう思うのです。そうでなければ、現在の法律、政令の運用では光化学スモッグが幾ら発生してもかまわぬ、国民は苦しむだけ苦しめ、こういうことにならざるを得ないと思うのです。光化学スモッグに対してとるべき措置に対する警察としての考え方を承りまして、時間の関係もありますので、質問を終わっておきたいと思います。
#35
○中村国務大臣 光化学スモッグにつきましては、要請基準が山口委員おっしゃられましたように〇・五PPMが定められておりますが、当該光化学スモッグを防止するため交通規制を行なう地域の範囲が明確にされ、かつ光化学スモッグの被害状況が気象条件等から見て継続して、交通規制が光化学スモッグの減少に寄与すると認められることが明らかになりました場合におきましては、交通規制によって都市機能が完全に麻痺することのないように、そういう点を十分配慮いたしまして、そういう措置をとってまいりたいと思います。
 なお、交通規制が要請される以前におきましても、運転者に自主的な協力を求める段階に至った場合には、この場合は〇・一五PPMということになると思いますが、できるだけ山口委員がおっしゃられましたように迂回をするとかあるいはそこを通らないようにするとかいうような、あらゆる自主的に協力するような体制をとるように万全の指導、奨励をやってまいりたい、かように考えております。
#36
○大野委員長 和田一郎君。
#37
○和田(一)委員 今回の委員会の初めに、まず渡海自治大臣とそして中村国家公安委員長、小山政務次官の御就任を心からお祝い申し上げます。
 先に国家公安委員長にお聞きしたいのですが、いまの公安委員長の所信表明にありましたとおり、全国民の悲願ともいうべき交通事故の防止について、このように特にこういうすばらしい字句をもって所信表明をされておられる。年間に約百万人の死傷者が出ているわけであります。さらに車がふえる。いままでこの委員会等でそういう問題を審議中に、車がふえるからそれだけふえるというようなニュアンスの答弁、またはそういう審議が多かった。今後も車がふえるでしょう。さらにまた、都市が過密化してまいりますけれども、とにかく国家公安委員長としてこの問題についてどういうように対処されるのか、ちょっとお答え願いたいと思います。
#38
○中村国務大臣 私は、交通事故ぐらい悲惨な事故はないというぐらいに強く考えております。一年に一万一千人もの日本国民が生命を失っていく。さらに百万人近い負傷者が出ておる。これはその被害に当たった人たちだけでなく、その人の子供あるいは孫まで悲惨な運命に落ち込んでいくということは、私はきわめて重大な要素だと思っております。そういうことを前提といたしまして、できるだけの防止対策を考えなければいかぬ。
 そういうことを考えますときに、いろいろ政府のほうでも交通安全対策を強力に推進するために、対策委員会、対策会議等をつくりまして、具体的にいろいろ計画を立てております。きわめて平凡な案が多いようでありますけれども、その平凡な案を忠実に実行していくところにやはり交通事故を減らしていくという結果が生まれてくる、かように考えております。
 まず、ことしは五カ年計画の初年度でございますが、この交通安全施設等の整備事業の初年度の事業を推進して、信号機をつけるとかあるいは系統的制御を中心とする交通管制システムあるいは道路標識とか、あるいは標識の事業を大幅に進めて、弱い立場にある歩行者等の事故を少なくするということに焦点を合わせていくとか、あるいはこれは言い古されたようなことばでございますが、歩行者保護、人間を優先していくという公共輸送の優先とか、こういうふうに人間の生命を守っていくという基本的立場において、あらゆる施策を進めていく必要がある。交通の一つのくふうとしまして、裏通りに車がなるべく入らないようにするとかあるいは一方通行を拡大するとか、そういう交通規制等のこと、いろいろ方法があると思いますが、そういうものをできるだけ積極的に、しかも期間的にも早期に進めていくような配慮をして、できるだけ交通事故を少なくしていきたい。そういうことを考えますときに、やはり交通事故の状態に対する警察の経験から、監視をするとかあるいは指導するとかいうような、人が車の混雑している中に入って指導していくということが非常に効果があるようでございます。しかし、それには人数の制限等がありますけれども、できるだけそういうことをして交通事故を少なくしていく。
 基本的には車を運転する人の技術を優秀なものにするように、免許をする場合の配慮あるいは免許を持った人を再教育するとか、いろいろくふうがされなければならぬ。今日の交通事故は、三カ月か四カ月か、ちょっと一生懸命で研究すればもう免許がとれる。そうすると、とれた人はあの混雑の中に出るというような実情でございますので、そういうのを出ないようにするというようなことも、なかなか簡単なことではないと思いますから、やはり免許をとった人の技術を優秀なものにする。そういういろいろの方法が考えられなければならぬと思うのであります。さらに基本的に考えますと、これは公安委員長だけのことでできることではございませんけれども、やはり人間の通る道路と車の通る道路の仕分けをする、こういうことが、一気にはできなくとも、漸次進められていくという体制を道路行政の中でとっていくというようなことも、交通事故をなくす一つの道だと私は考えるのであります。
 そういうふうにいろいろのくふうをしまして、できるだけ事故によって悲惨な運命におちいる人がないように、万全の処置と努力を警察官にやらしてまいりたい、かように考えておるわけであります。
#39
○和田(一)委員 いま大臣がるる申されましたことは、確かにいままでもそのとおり警察庁としてもやってきたのですが、私、いままで感じました点は、交通事故については現在の内閣は手の打ち方が非常に弱い、こういうように思うのです。それでもとにかくいままでもその年その年かなりの人数が死傷しておったわけですよ。そのたびにいろんな手を打っておったが、ちっとも減らない。しかもいま交通の巡査さえも、先ほど山口先生から話があったように、排気ガスの一番の犠牲者になっておるわけです。そういう面で、これは対症療法的じゃなくて、根本的にやっていってもらわなければ困る、こう思うわけなんです。確かに建設省もありますし、それからいろんな省庁が関係しておりますから、警察庁だけでは無理だと思いますけれども、交通事故の防止というのはやはり国家公安委員会だと思うのですね。そういう面で、現在医療制度が問題になっていますね。お医者さんが保険医を総辞退したというこの問題は、いままでのいろんな対症療法的な政策が、もう行くところまで行ってしまって、そして抜本改正という声が出てきておるわけです。それがなかなか手がつかないということでああいうふうになったということになっておりますけれども、この交通問題もこの辺で抜本改正をしなければならないのではないかと思うのです。そういう妙案はお考えですかどうですか。
#40
○中村国務大臣 和田委員の仰せられること、私も全く同感でございます。交通事故はばらばらに全国各地で起こっておりますから、われわれの
 ショックといいますか刺激がわりあいに少ないのです。一万六、七千人の死者を一ところに並べ、百万人近いけが人を一ところに並べたら、これはたいへんなことだと思うのです。それを心の中に描きながら抜本対策をやらなければいかぬと私は思う。仰せられるとおり、交通事故対策としては政治の取り組み方が万全ではなかったと正直に私は考えております。私は微力ではございますが、皆さん方の御協力を得ましてできるだけ抜本的な対策と取り組んでまいりたい、かように決意いたすものでございます。
#41
○和田(一)委員 とにかく中村大臣の抜本改正を大いに期待しておりますので、いまこのことを公約として承ってよろしいですか。
#42
○中村国務大臣 公約としてけっこうでございますが、ただ実現できるかできないか、私の力の問題にも触れますし、微力でございますので、皆さん方の期待どおりのことができるかできないかわかりませんが、私は公約したという決意をもって対処してまいりたいと思います。
#43
○和田(一)委員 とにかくその点につきましては、私たちもともども大いにやってまいりたいと思いますので、期待を申し上げます。
 それからもう一つお聞きしますけれども、いま交通でいわゆる強制保険がありますが、あれはいまは死亡者は五百万、けがをした人は五十万ですが、五十万じゃ足らないことは当然しごくなんですね。ちょっとしたけがをして一週間か十日ぐらい入院したら、五十万ぐらい吹っ飛んでしまうというような状態です。このほうはそちらの所管じゃないかもわかりませんけれども、しかし、現場へ踏み込んでやっているのはおまわりさんですから、そういう面で一番親身に感じるのじゃないかと思うのですが、この点についてどうでしょう。
#44
○中村国務大臣 自賠責の法律をつくりましたのは私が前の運輸大臣のときでございました。そのときの経験等から考えまして、交通事故でなくなった人がもらういまの保険金は、この物価の状態等とにらみ合わせますときに、低きに過ぎる。やはりもっと高い保険をつけて、事故をやった場合にはその保険金が被害者の将来の生活の大きなささえになるというようなところまで進めていかなければ、ほんとうの共済的な保険にはならぬのじゃないか、私はかように考えておるものでございます。
#45
○和田(一)委員 とにかく当委員会には元運輸大臣の方が大臣を入れてお二人もいらっしゃるのです。しかも前自治大臣が交通事故にあわれた。自賠責で治療されたかどうか知りませんけれども、いずれにしましても、こういう面ではお願いしたいと思います。
 次に、渡海自治大臣にお伺いいたしますけれども、社会資本の充実が七〇年代の一番大きな課題である。これはとにかく高度経済成長政策のひずみであるとかいろいろ議論はございますけれども、その中の一つ、二つを取り上げてみますと、一番実情に合わないのは道路の問題なんですね。現在で国道の舗装率が八〇%である、県道が約六〇%ぐらいですか、市町村道は一四%ですか。こうなっているんですね。この数字は前々から言われているんです。しかも建設省から出てくるものを読んでもこう書いてある。自治省から出てくるものを読んでもこう書いてある。いろいろな学者の方々もやはりこのことを論証されておる。しかし、これが一向に改善されぬ。現在、戦後二十六年たちまして、そして大きな経済成長を示しておりますけれども、どうしてこうなったのか、いわゆる生活道路がこのように押しつけられてきたのか、こういう点について、いままでのことを顧みてひとつ御感想をお伺いしたいと思います。
#46
○渡海国務大臣 わが国の道路の行政、これは道路だけに限りませんが、社会資本が立ちおくれてきたことは御指摘のとおりでございます。そのために数次にわたる五カ年計画等を建設省においても立てられまして、これを充実してこられたのでございますが、最も基幹的な全国を通ずる国道をまず手がけられたということも必要であり、それに続いて地方の主要幹線であるところの県道、これも進んでいったことは事実ですが、住民の最も関心の深い市町村道に立ちおくれがあるということはいま御指摘のとおりでございます。私たちもこの点に着目いたしまして、数年前から市町村における道路財源の充実ということにつきまして年々努力してまいり、ここ数年来その充実をはかってきたのでございます。また財政計画の中におきましても、投資的経費の中に市町村道の充実ということで繰り込んできた、このように私も考えております。
 なお、本年はこのために特にいわゆる自動車新税の譲与税といたしまして、新たに平年度三百億の財源を得るような制度もつくっていただきましたが、昨年から始まっておりますこのたびの五カ年計画におきましても、地方道路の割合がこれから相当ふえてまいりますので、その財源のためにも今後ともに努力してまいりたい、このように考えておるような次第でございます。
#47
○和田(一)委員 その道路財源ですけれども、いまおっしゃったように、とにかく国道につきましてはその事業費の八〇%以上が道路目的財源でまかなわれているわけですね。それから都道府県道については事業費の七五%が道路目的財源でまかなわれている。たとえばガソリン税であるとか軽油引取税であるとか石油ガス税であるとかですね。市町村道は事業費の一七%程度しか道路目的財源が付与されていない。これは大きな問題だと思うのです。この点についてはどうですかね。今後どのように対処されるか。
#48
○渡海国務大臣 御指摘のとおりでございます。私たちも目的財源としての税を、国ばかり取ってしまわずに、地方にも出すべきじゃないかということでがんばってまいりましたが、これがいま申されました数字のようにとどまっておりますのはまことに遺憾でございます。その中でもおくれておると申しますか、配分の非常に少ないのが市町村の財源でございますので、国の道路の充実、県道の充実ということも大事でございましたが、これからは市町村道に特に重点を置かなければならぬ五カ年計画の時代に入っておる。あの事業量の建設省の計画から見ましても、そのようになっておりますので、市町村道の財源充実のために努力いたしたいと思っております。したがいまして、地方道路に移譲されました分につきましても、今度の分は市町村の財源になるように措置されたのではなかろうかと思っております。そのためにことしはたしか一〇%台にあったいま申されました財源がふえまして、二四%という数字にまで上がってくるんじゃないかと思っております。二四%でもまだ不十分であることは御指摘のとおりでございますが、今後とも地方財源の中の特に市町村の道路財源の充実についてはつとめてまいりたいと考えております。
#49
○和田(一)委員 この問題は国の財政的な問題ですから、たとえば大蔵省との相談であるとか、これは大臣お一人だけの交渉ではないと思いましてね。副大臣の立場である政務次官なども次官会議等で議論されると思います。その点についてひとつ政務次官からも御所信を聞かしてもらいたい。道路財源だけではなくて、公営企業もそうなんです。そういう面でひとつお伺いいたします。
#50
○小山政府委員 大臣が御出席でございますが、特に私にお名ざしでございますので、お答えを申し上げたいと思います。
 私は七〇年代の地方行政のあるべき姿というものをやはり長期的展望から十分に検討いたしまして、将来の地方財源というものに対しては、むしろ地方財源を優先して考えるべきであるというような見地に立って、これから各次官共通の場でひとつ大蔵省にそのような財源獲得のための努力を私は続けてまいりたいというふうに考えております。
#51
○和田(一)委員 時間がございませんのであと二つばかりお聞きしますけれども、電気ガス税の問題ですね。電気ガス税、これはもう悪税だということで、いままでいろいろ議論されておりまして、総理も悪税であるというようなふうに答弁されたことも私覚えております。この電気ガス税、どうでしょうかね。現在では電気七百円、それからガスが千四百円以上の使用については七%の税が課税されておりますけれども、これは考えてみれば、一般家庭の生活必需品ともいうべきものに課税されている。ところが、産業保護という意味で・公害を出しているようなところでも減免されておるということがあるわけですね。そういったことで、これはもうずいぶん長い前から議論されておったわけです、電気ガス税廃止だとか悪税だとかいうことは。どうですか、渡海大臣は大臣の中で新進気鋭の大臣でございますので、私も宿舎ではいつも御高説を拝聴しておる一人でございまして、そういうことでひとつ電気ガス税を大臣の時代に撤廃する、そのぐらいな公約をしていただけませんか。
#52
○渡海国務大臣 電気ガス税は悪税であるということをいまの総理が言われたかどうか。確かに前のなくなられた池田総理は非常にそのような御意見を持っておられた。池田総理は、その税金を自分が創設されたような関係から、そういうような意図を持っておられた。私も道路財源充実のために自動車得取税というものをみずから鉛筆を持って大蔵省と戦うための案をつくった覚えがございますが、事が成就いたしました一瞬、この税金を取ってもよいのだろうかというふうな気持ちがしたことは事実でございます。そのような観点から出てきたんじゃないかと思いますが、私は悪税とは思っておりません。
 ガス税はプロパンガスの関係もございますし、また全都市に行き渡ってないという点から、地方財政の急激なる変動を避けながら順次廃止に持っていく。そのために免税点の引き上げを当委員会において毎年行なっていただいておるのがガス税に対する状態でないかと思っております。しかし、電気税のほうは、まだ相当額にものぼっております。いま公害を出すような工場にもということでございましたが、税はあれは消費税でございまして、本来がそれを物価に転嫁するような意味で、一定の基準を設けて免税にしておるのでございます。私たちは、税はないほうがけっこうなことでございますけれども、行政を行なっていく上においてやはり必要なる財源は負担として税として求めなくてはならぬ。それも納税者に苦痛な負担を与えないように、しかも能力に応じて公平に取れるような税の徴収をするという意味から、しかも市町村に普遍的な恒久的な安定した税源を与えるという意味におきましては、電気税も一つの税の種目として私は、言われるように、悪税といわれるものでないのではなかろうかという考えも持っております。
 ガス税につきましては、いま申しましたような方向で、逐次私は免税点の引き上げその他の措置によって、地方財政の急激なる変化を避けながら、これを廃止の方向に持っていきたいと思っております。
 電気ガス税は、市町村民税の中で非常に安定した財源になっておりますので、これを免税点の引き上げその他におきまして合理的に持っていく方向によりまして措置をいたしていきたい。改善はしますけれども、廃止といろ点につきましては、いまちょっと私申しかねますので、御了承賜わりたいと思います。
#53
○和田(一)委員 これは今後ともいろいろ議論をしていきたいと思います。
 もう一つ、実はこの間自治体病院の会合がありまして、自治省からもどなたか出られたわけです。私も出席しましたけれども、自治体病院が危機に瀕しているということで、たいへんに深刻な御意見を伺いました。とにかく現在では医療問題でたいへんですけれども、ついこの間もある新聞に出ておりましたが、県立病院が一つの県の中に三つあった。それがどうしようもなくて一つに統合するというのですよ。県立病院、総合病院です。とにかく自治体病院としては塗炭の苦しみを受けている。この問題については、いままでのように病院の施設等については国家資金が多少行っておったようでございますけれども、これはひとつ渡海大臣、真剣に自治体病院を救っていかなければどうしようもない事態に来ているのではないかと思うのです。この点についてひとつ大いに考えていただきたい。このことだけお聞きして、質問を終わりたいと思います。
#54
○渡海国務大臣 病院経営の困難さ、それはいま御指摘のとおりでございます。現在の保険制度のもとにおける医療基準の算定のしかた、それが実情に即していないという姿、生活保護法の基準よりもなお低いようなもので三食つきで入院をきめておる。公共団体であるがゆえに、それ以外の追加徴収ということは行ないにくいところから、一般病院におきましては保険外の割り増し料金というようなことによってこれらの措置をやっておるものを、公的な病院であるがために、それを積極的には行ないにくいという点から赤字が生まれている事実、これは御指摘のとおりであろうと思います。これらは自治省だけで解決できる問題ではございませんけれども、厚生当局ともよく連絡をとりながら、なお一そう改善のために努力をしてまいりたいと思います。
 ただ、病院規模によるところの経営のあり方とか、あるいはベッド数が三百以上ないことには一の総合病院としては成り立ちにくいんだとかなんとかいうふうな問題につきましては、事務経費等の節約等もはかっていただくように適切な指導をやっておりますが、根本においての赤字の問題は、いま申しましたような、いかに合理化、改善をやっても行ないにくいという点にあることは事実でございますので、自治省だけではまいりませんけれども、厚生省と合わせながらこれらの改善について努力してまいりたい、このように考えております。
#55
○和田(一)委員 終わります。
#56
○大野委員長 吉田之久君。
#57
○吉田(之)委員 初めに渡海自治大臣、小山自治政務次官の御就任をお喜び申し上げます。なお、中村国家公安委員長、ちょっと席をはずしていらっしゃいますけれども、その御就任をお喜び申し上げる次第でございます。
 そこで自治大臣にお伺いいたしますが、先ほどの所信表明の中に、「広域行政と行政改革」という点で、たいへんみごとな決意を述べておられます。「社会経済情勢の著しい変貌と住民の生活圏の拡大に即応し、住民の諸要請にこたえ得る適切な行政体制を整備することの必要性は、今日ますます強くなりつつあると考えられます。」実はこの点なんですけれども、私はいま日本の自治体をながめてみまして、確かに大きな経済社会諸情勢の変革の中に、いわゆる地方自治体という存在だけはまことに奇妙な形のままで存続しているというふうな感じがしてならないのです。たとえば都道府県の場合です。東京都の場合は人口一千万人、小さい県では百万人、明らかに十対一の差が歴然と生じております。まだこの辺はがまんができるといたしまして、いわゆる市町村の場合、僻地の村にまいりましたら、依然として千人、二千人くらいの人口の非常に小さい村がそのまま残っております。一方、東京都は別としても、大都市は随所に百万、二百万、三百万の都市ができ上がっておる。その差は千対一であります。一体七〇年代の最も近代的、合理的な社会において、同じ地方自治体という資格でこのような大きな格差を生じながら、それが一つの資格を形成しておっていいのだろうかというふうな気がいたします。もちろん過疎と過密、いろいろな地形上のわが国の特徴がありまして、なかなかそう簡単に標準化、平均化はできないと思います。しかし、だからといってこの問題をこのまま放置しておいてわれわれは今後のわが国の地方行政を説くわけにはまいらないと思います。そこで、地方制度調査会等の答申を求め、また大臣みずからこの問題に取り組もうというただならぬ決意を表明されたというふうに実は私は理解したいと思います。
 そこで、実はここにいわゆる「市町村内の近隣社会(コミュニティ)」、コミュニティーを近隣社会と訳すのはいろいろ論議はあると思いますが、何か一つのそういう共同体的な社会というものが新しく形成され、そして住みよい快適な、人情豊かな社会生活が営まれなければならない、こういう意欲に燃えた計画だろうと思います。そこで、このコミュニティーにあわせてこれからの市町村の規模というものを大臣はこの機会に一体どういう指導方針で再編成していこうとなさるのかという点をお伺いいたしたい次第でございます。
 私の考えを先に申し上げますと、やはりあるべき市町村、いわゆる地方自治体というものにはおのずから現代社会がいろいろと要求する一定の条件を備えていなければならないのではないかというふうな気がするのです。たとえば自治体の沿革を見ましても、学校制度を特に例にとってみても、この点は非常に明快であります。たとえば昔の村を想定した場合に、寺子屋単位に一つの共同社会というのがありました。それが一つのいわゆる自治体のようなものを現象的につくっていったんじゃないかというふうに思います。それから戦前はいなかのほうにまいりましたら、村というものは小学校区単位に大体存在しておりました。あるいは逆に村単位に小学校をつくったのかもしれません。大体そういう点で一つのうなずける要素を持っておりました。それで、市町村合併の促進の結果、今日ではいわゆる町村というものは大体新制中学単位ぐらいに存在していると見てさしたる間違いはないと思います。それから市の場合は、大体高等学校を一つくらいは持っております。必ずしも校区制という厳密なワクにはまってはおりませんけれども、大体高等学校一つくらいを備えているのが今日のいなかにおける市の一つの資格要件のようになっております。私は、しかし、ゆりかごから墓場まで、ここにおっしゃっているように、住民の諸要請にこたえ得る最低の一つの単位、そういうものが自治体でなければならないだろう。だから、今日ほとんど高等教育を受けるようになってきた、だとするならば、必ずしもそこの地域の大学に行く行かないは別として、やはり大学ぐらいは持っているくらいの単位、それが新しい市であり、新しいこれからの二十世紀後半の地方自治体であるべきではないだろうか。学校だけの問題ではございません。いろいろと公園も当然備えなければならないし、あるいは住宅地帯というものと、さらにそれをかかえた一つの農村地帯あるいは食糧生産地域というものも必要であります。あるいはその都市人口あるいは農村の人口を養うに足る水資源をかかえている一つの自治体、そういうものが完全には約束されないまでも、ほぼ条件を具備しているというものがこれから想定され、そしてとらえられていかなければならない、それが一つの自治体になるのではないだろうかというふうな気がするのです。そういう観点から、一度日本の可能なる限りの自治体を点検して、再編成を指導していく。そうしてたとえば少なくとも二十万、三十万ぐらいの市に最低限度そろえていく、あるいはどうしても市にならないいわゆる郡部のところ、市と呼ぶか、他の呼称を名づけてもいいと思いますが、いまのような千人、二千人、たかだか五千人前後の村が相まじり合ってそれぞれ独立して、かろうじて息しているというふうな状態ではない状態に持ち込むべきではないだろうかというふうな感じがしてならないわけであります。一体今日の日本の、まことに区々まちまちの、奇形的な市町村の存在というものを、大臣は今後どのように処理していこうとなさるのか、お伺いしたいと思います。
#58
○渡海国務大臣 地方自治体が、自治体としての機能を発揮しないほどの非常に小さいところから、非常に膨大なところまで区々まちまちである、御指摘のとおりではないかと思います。大体私は、地方自治の基盤は市町村になければならない、これは基礎的自治体である。その基礎的自治体である市町村がそれに応ずるような行財政面の力を持つ、能力を持つ自治体であらねばならぬという点は御指摘のとおりでございます。これは時代の変遷によりまして、いま御指摘のように、変わってまいると思いますが、今日において少なくとも自治体といわれるのはこのくらいではないかというふうな御意見もございましたが、地理的条件で自治体というものもある程度規定される、また、しかも共通の住民感情のあるような地域のものでなければいけない、あるいは機能を最も効率的に発揮できるような単位でなければならないというふうな、いろいろな条件が伴い、いま言われたようなもう一つの何になるのではないかと思います。そのような自治体がほんとうに基礎的自治体としての能力の上から考えて、あるべき姿というのは吉田委員御指摘のとおりの理想像が描けるのではなかろうか、このように考えるのでございます。
 私は、前に一万ございました自治体を約三千にあのとき縮めたのでございますが、あの当時においてはこれは画期的な町村合併の事業でなかったかと思います。私もこの事業に携わったものの一人でございますが、現在においてあのような措置をもう一ぺんとって、そういうふうな再編成を考えるかどうかということになりますと、やはり町村合併というものは、住民の自然的な合併に対する機運というものが盛り上がってできることが望ましいというところから、現在あります特例法によりまして進めてまいる、あの当時行なわれたような一律的な、画一的な町村合併に持っていくのはどうかということを考えております。いまその時期でないのでないかと考えております。
 しからば、地方自治体をいまのままでほったらかしておいてもよいかということもございますので、区域の合併と申しますか、市町村そのものの合併という姿ではないけれども、いま申されましたような適正な規模において能力を発揮し、しかも住民に対して地方自治体としての能力を発揮できるような効率的な行政が行なえるような仕組みのために考えたのが、私は広域市町村圏ではないかと思っております。ただ、人口も、いま御指摘になりましたように、平均しまして十七万程度の広域市町村圏、現在指定いたしておりますのが大体二百四十でございます。これが三百余りになろうと思いますが、広域市町村圏の推進によりまして、町村合併ではないが、いま申しましたような実をあげ得るように進めてまいりたい、このような考えで、私は、広域市町村圏の推進というものに格段の力を尽くしてまいりたい、このように考えておるような次第でございます。
 いま御指摘の中に、東京都のように一千万は別にいたしましても、人口百万以上の市、これも自治体である、地方の五、六千しかないところも自治体である、おかしいじゃないかとおっしゃった。確かにそのとおりでございまして、いま法律は政令都市でございますが、この前の当委員会の特例によりましてつくっていただきました三万都市から百万未満の政令都市の間、これは能力その他において一律に法律において律することのできないような非常に格差があるのじゃなかろうかと思います。これらに対してどのような措置をとるかということも、これは当然考えなければならない問題だと考えておりますが、さしあたりは広域市町村圏の制度の問題、一方合併に対しましては、現在つくっていただいております市町村合併の特例法等によりまして、いま言われましたように、最も摩擦なく進み得るように持っていきたい、このように考えております。
#59
○吉田(之)委員 御苦心のほどはわかります。ただ、私は、政府の皆さん方がよくこの問題については一万の市町村の数が三千に減ったのだ、そこまで整理され、前進されているのだ・こうおっしゃいますが、数字だけの問題じゃないと思うのです。どうにもならない奥の地を無理やり入れろということを私は申しません。しかし、ちょっと指導すれば当然合併できるし、またしなければ不自然だというところが、依然としていままでのままで残っている。これも大臣自身が兵庫県でも御承知でしょうし、あるいは私の奈良県や近畿周辺を見たって、至るところにそういうものがあります。ものごとというのはやはりやりかけたらきちんと有終の美を発揮しなければならない。中途はんぱにこれはほってあるのです。
 そこで、これは大臣のお話のとおり、たとえば広域市町村圏の推進、あるいはこの間法案は流れましたけれども、連合という問題、いろいろ現場の市町村長さんはこれにどう乗るべきかということに非常に苦慮しております。ただ、その中でささやかれますことは、あの市町村合併のときにがんこにがんばった村は村でけっこう残っておるし、別に何ら損害もこうむってないし、なかなかうまくやっているじゃないか、結局、地方自治体には破産も何もないのだ、がんばったほうが得なのだろうか、政府の指導のとおり乗っていって正直者がばかをみたりすることはないだろうかという思惑やあるいはいろいろな疑惑というものが今日根底に残っているのです。だから、今度の広域行政の問題にしても、非常にためらいが多いことを私どもは現に知っております。したがって、私は、たとえば市に合併した市だというけれども、その中にははるかに山奥をかかえられた市があります。その山奥の一部分と全く変わらないところが、おれは村だとがんばっておる。しかもそれは全く隣接しておる。これをそのままほっておいて、政府がいかに合理的な地方行政を説いたところで、言うことと実態とは合わないし、また信頼感を与える、住民を納得させる力はどこからも出てこないのじゃないかというような気が私はいたします。したがって、今日は、そういう中途はんぱな町村は、いわゆるその社会的な効果、効用は、手紙のあて先以外には意味がないという状態になってきております。中に入っている電話が、隣接の各市の電話が直接入っている。村はほとんど実態を存続してないわけなんです。
 いま一つの問題は、たとえば府県にまたがって、京都府と奈良県のまん中に今度平城ニュータウンというのができます。五万、十万の人口をかかえるニュータウンになるはずです。これは現在のままでいけば、同じ一つのコミュニティーですね。完全な近代的ニュータウン・コミュニティーというものができなければならぬのです。しかし、行政的には片方が京都府民であり片方は奈良県民であるという問題が出てまいります。おそらくそれの小さい形が、いまどんどん市街化してきている市町村の間に、その境界線の上に出てきておると思う。こういう状態をとらえて、いまこそ新しい実態に即した地方自治体というものを国が指導していかなければ、やがて日本の地方自治体というものは、何だか地図の上に線が引いてあって、そこに議会があって、隣はあちらに投票し、こちらはこちらに投票するだけだ、あとは手紙のあて名を書くための便宜上のもののみだ、これでは地方自治のほんとうの精神なんかわき上がってくるはずがないと思う。私は民主主義というものは権力を分散させることだと思います。もちろん中央集権でなければならない重要な外交、防衛の面がありますけれども、他の分散でき得る権力というものはできるだけ市町村に移していく。それにこたえ得るりっぱな市町村をつくらなければ、日本の民主主義は確立しないのじゃないかという気がするわけなんです。こういう変貌する現実の社会をとらえて、ただ摩擦なしにやりたい、民意の反映のあるところ、それに即応して指導して新しく合併を進めていきたいというだけでは、私は問題は解決しないと思いますけれども、いかがですか。
#60
○渡海国務大臣 いま御指摘になりましたように、確かに個所的にはいま当然合併しなければいけないところもある。いかなる理由か、がんこに残っておる。それらが機能も発揮し得ないような姿であっても、そのまま残っておるという事実があるのも事実であります。また、私は千里ニュータウンを見てまいりまして、あそこが二つの市に分かれております。これは完全なる一つのコミュニティーであるのに二つに分かれております。これなんかはそのままでよいのであろうかという疑問を持たされたものの一つでありますが、あのように都市近郊におきまして新しくできる――今度御指摘になりましたのは、これが両府県にわたるという姿の町でございます。これをいまのような行政区画の中に置いておいていいのかどうか、これは自治体自身も一つの問題として考えておられるのじゃなかろうかと思っております。千里ニュータウンにおいて、水道料金が、同じ地域にありながら、入る市の線の区画によって違うというふうな問題も聞かされております。こういった問題をこのまま国が手をつけずにながめておいてよいのであろうかどうか、御指摘のとおりであろうと思います。こういった問題は、具体的に解決の方法を見出すべく、私たちも責任をもって努力していかなければならない問題の一つでなかろうか、かように考えております。
 ただ、そういった個々の問題につきましてはそういうふうな措置でまいりたいと思っておりますが、全般的な市町村の合併に対する取り組み方といたしましては、画一的にやりました前の町村合併のような方向でなしに、広域市町村圏によってその中から自然的に現在の特例法によって進めていきたいということを申したのでございます。具体的な問題につきましては、吉田委員の御指摘のとおりの矛盾が新しく起きていることは事実でございますので、これが解決に向かってどのような措置を講ずるか、十分検討させていただき、現在の移りゆく自治体のあり方について対処する方途を私たち自身が責任をもって考えなければならない問題であろうと思いますので、御意見を十分参考にさせていただきまして、今後検討、努力をいたしてまいりたい、このように考えております。
#61
○吉田(之)委員 大臣はその現状を非常によく存じておられまして、多くの疑問を感じておられます。しかし、決断をなさっておりません。私はその姿勢では、この問題はあなたの大臣就任中に一歩も進まない、こういうふうに思います。広域市町村圏だとか連合だとかいいましても、これは当座の一時しのぎのごまかしです。それは一つのプロセスであって、将来はこのようにするのだという決意があれば別ですよ、あるいは法律があれば別ですよ。ともかく現状を何とかひとつごまかして通ろう、いわゆる住民の自覚と盛り上がりなしに抵抗ある方法でやってはいけないというへっぴり腰で、そしてほんとうの自治の精神を忘れ、民主主義の精神を忘れた今日の政府の指導方針に落ち込んでしまっているというふうな気がいたします。現場の市町村には、たとえば、二つに分けられなければ新しい市街地を当然どちらかに譲らなければならない、こういう重大な問題ができるはずはございません。それは強力な、適切な国の指導がなければ私はできないと思うのです。そういうものが全部積み重ねられて、ほぼ整備すべきは合理的に整備されて、その上にそれらの新しい幾つかの市をどのように一つにたばねるかという問題から、私は新しい都道府県のあるべき姿を説いていかなければならない。それをしないで、阪奈合併どうだろう、東海三県どうだろう、大阪と兵庫のほうがいいだろう、そんな答申が出たり入ったりしておるということでは、私は日本の地方自治体の制度そのものが、今後混乱こそすれ、ますます格差が大きくなる。過疎過密の問題でいよいよ格差が大きくなることはあっても、この問題は修正されることはあり得ない。この問題が解決することなしには、われわれは地方自治を説くことができなくなるというふうな気がいたしますが、きょうは時間がございませんので、これ以上申し上げませんけれども、ひとつとくと御決断を促したい次第でございまして、私の質問を終わります。
#62
○大野委員長 林百郎君。
#63
○林(百)委員 いわゆる沖繩の返還の問題が焦眉の急になっておりますので、これについて地方自治体としての沖繩をどういう構想で考えておられるのか。いろいろの問題があると思うのですね。二十数年間異民族に支配されて、そしていわゆる琉球政府なるものもあそこにあるわけです、アメリカの民政府もあるわけなんです。そういう中で沖繩の問題について、地方自治体として、まあ復帰の問題については、われわれは協定については政府とおのずから見解を異にするところがありますけれども、復帰の場合に、地方自治体としての沖繩についてどういう構想を自治大臣は持っておられるのか、まずそれを御説明願いたいと思います。何もお考えになっておらないなら、おらないでけっこうです。
#64
○渡海国務大臣 構想ということでございますが、とにかく沖繩が返ってまいりましたら、いままででも本土との一体化といいますか、この政策を進めてまいりまして、本土の県並びに市町村と格差のない姿の自治体として持っていきたいということで行なってまいってきたのでございますが、まだ格差があると認めなければならぬということは事実でございますので、この格差を早く埋めるように努力し、そのために現在の本土の制度をそのまま当てはめることができないというものに対しましては、暫定措置によりまして適切な措置を講じてまいりたい、このように考え、目下検討を進めているような状態でございます。
#65
○林(百)委員 どういう点にどういう格差があって、それをどういうように埋めようとしておりますか。もう少し具体的に、その格差というのは何をさしておるのか、具体的に御説明願いたいと思います。私のほうも質問を続けていきますけれども、あなたが考えている格差というのは何でしょうか。
#66
○渡海国務大臣 住民の経済生活面で、地方自治体そのものとして考えましても、税収面におきましても、本土の府県そのまま当てはめた場合、地方自治体の財源を本土の市町村並みに持ち得るかどうかというふうな点についてまだ十分でない、このように考えております。
#67
○林(百)委員 だから、それをどういうように埋めていくのですか。
#68
○渡海国務大臣 そのために現在向こうで行なわれております地方税のあり方をそのまま本土の税制に持っていくかどうか、あるいはいまの交付税のあり方をそのまま沖繩に当てはめるかどうかというふうな点につきまして、それでやり得る事態まではまた別途の特別の措置によりまして埋めて、地方自治体がおのおの活動をするのに万遺漏なきを期するような特別な措置を加えて行なわなければならない、このように考えております。
#69
○林(百)委員 そうすると、本土の地方交付税とは異なった制度を設けるのですか。本土の地方交付税のほかに、プラス助成金、補助金、そういう制度を設けて本土との格差を埋める、こういう構想をお持ちになっているわけなんですか。
#70
○渡海国務大臣 いままだ具体的にそこまで考えて、具体的なもので煮詰めてはおりません。これは山口委員の質問にも答えたのでございますけれども、現在、地方交付税制度にあります三二%の制度をそのまま沖繩県並びにその市町村に持っていってやるか、そうすれば交付税率の引き上げということもまた考えなければいけないでしょうし、本土の交付税法とは別に――それだけでは沖繩の格差を縮めるための復興事業そのものはできないですから、そのために必要とするものであったならば、別の制度を特別に考えるほうが沖繩のためにも、また本土の自治体の全般的な財政、財源の確保という面からもよいのであれば、別途の措置を考えなければならぬし、との面は十分これから研究して措置を考えていきたいと思っております。
#71
○林(百)委員 山口委員も質問した点ですから、えらい重複はしたくないのですが、そうすると、三二%というパーセントを沖繩に関する限りは調整する場合もあり得るというように考えていいのですか。
#72
○渡海国務大臣 これは地方財源全般の問題でございますから、沖繩が入らなくても、もし三二%を上げなければならないという時期が来ておりましたとすれば、これは要望もしなければなりませんし、全般の問題の中から私は考えたいと思っております。ただ、三二%を沖繩もこの制度の中に入れて考えるか、あるいはこれは別途に考えるかという点については、まだそこまで決断いたしかねておりますので、今後研究課題として最もよい方法を選びたい、このように考えております。
#73
○林(百)委員 ですから、三二%というのを本土をも含めて全般を引き上げる、これは私も賛成ですけれども、そういうようにするのか、三二%は本土の自治体には残しておくけれども、沖繩に関する限りは三二%というパーセントを上げる、あるいは実質的に上げるような財政的な措置を講ずる、こういうようにお考えになっているのか、そこがはっきりしないのです。
#74
○渡海国務大臣 その方法をどういうふうに持っていくか、どうやるのだ、こう聞かれますから、それらを合わせて考えたいというのが私の考えです。
#75
○林(百)委員 その考えを聞きたいのが私の質問なんです。
#76
○渡海国務大臣 それはそのものの方向だけでございまして、具体的なものにつきましては、私、まだ就任早々でございまして十分研究しておりませんので、林さんの御質問に的確に答えられないかもわかりませんけれども、そういった方向の中で考えていきたい、こう思っております。
#77
○林(百)委員 沖繩の復帰対策の基礎となる沖繩の復帰対策要綱の第一次、第二次分が発表されて、近く第三次分が発表されるということになっているわけです。一昨日の衆議院の予算委員会で山中総務長官は、いわゆる一体化の問題について、沖繩のほうがすぐれている制度はできるだけそのままとして、本土のほうがすぐれている制度は本土と同じようにしていきたい。要するに、沖繩のほうがすぐれている制度はできるだけそのままにして残していきたい、こういうようにも言っているわけですが、これは自治大臣はどうお考えになっていますか。
#78
○渡海国務大臣 総務長官がどのような点を心に描かれて答えられたかわかりませんが、そのままの姿にすなおに受け取りまして、私もそうであってよいのではないかと考えております。
#79
○林(百)委員 具体的にどういう制度は本土よりすぐれた制度であるからこういう点は残してもいいじゃないかと思う、こういう点は本土と一体にする必要があるのじゃないかというような、具体的な制度についての考えはどうなっているのですか。
#80
○渡海国務大臣 いま申しましたように、総務長官が具体的にどのようなものを描かれて言われたか、私にはわかりませんが……。
#81
○林(百)委員 あなたのことを聞いているのです。
#82
○渡海国務大臣 私もまだそこまでは研究いたしておりませんので、いまここでは……。
#83
○林(百)委員 そうすると、基本的には総務長官と同じで、沖繩のほうがすぐれている制度がある場合はそれは残す、必ずしも機械的に本土と一体化するものじゃないのだ、もし沖繩のほうにすぐれた制度があるとすれば、それはそのまま残すという考えをお持ちだ、こう聞いていいですか。
#84
○渡海国務大臣 先ほどお答えいたしましたように、どういう具体的なものを考えられて総務長官が御発言されたか知りませんけれども、そのとおりすなおに受け取ってのことばの意味といたしまして、総務長官が言われたとおり私もあるべきであると考えるものであります。
#85
○林(百)委員 あなたの考えを聞いているので、総務長官のことを……。
#86
○渡海国務大臣 私自身もそうです、こう言っております。
#87
○林(百)委員 昨年の十一月二十日の閣議決定の中の第一次要綱で、最初に教育行政の問題が取り上げられているわけですけれども、教育行政については、復帰の際、本土の関係法令を適用するように措置するのかどうか。私は沖繩の教育委員会法による教育委員の公選というのは非常に民主的な制度だと思うのです。いわゆるすぐれた制度で、これこそ残すべき制度だと考えているわけですが、二十六年間米軍の占領下で日本国民としての教育を行なうために、沖繩の教育関係者が住民と一緒に育ててきた制度なんですから、これを本土並みということで機械的に本土の現行制度を押しつけるということは正しくない。これはやはり沖繩のすぐれた制度として、教育基本法の精神からしても、この点については考慮すべきじゃないかと思いますが、教育制度についてはどういうふうにお考えになっていますか。
#88
○渡海国務大臣 これはむしろ文部大臣の所管であって、私の所管でないと思いますので、答弁は差し控えさせていただくほうがよいのじゃないかと考えますけれども、いま林さんは、これこそすぐれた民主的な制度でないか、こう言われましたが、私はあながち林委員のいまの御意見のままとして受け取りがたい、むしろ見解を異にしておるのじゃないか、かように思います。
#89
○林(百)委員 かりて本土でも教育委員は公選されていた。これは民主的に教育が国民と密接するためには教育委員が公選されるということは、私はすぐれた制度だと思うのです。それが私とあなたが見解が違うということなら、どういう点がすぐれていないのですか。教育委員を公選するということがどういう点ですぐれていなくて、本土と同じように任命制にしなければいけないのですか。
#90
○渡海国務大臣 私は残念ながら見解を異にいたしております。だから、現在の制度の点についてよいか悪いかの議論は避けさせていただきたいと思いますが、教育は本来全国民同じ姿であるべきであると思いますから、私は本土に適用されておる制度をそのまま沖繩にも本土と同じ姿で持っていくというあり方のほうがよいのではないか、こう考えまして、林さんの御意見については賛成しかねるということを申したのであります。
#91
○林(百)委員 機械的に本土と同じようにすべきではないかというのですが、二十六年間米軍の占領下で日本国民としての教育を守るために行なってきた制度なんですから、それがまだ残存される必要があるわけですから、そういう意味で、機械的にこれを本土と同じにするということのほうが、ほんとうに教育をそこの国民、地域住民のものにするという点からいっては逆行するものではないでしょうか。
#92
○渡海国務大臣 機械的にという表現で、なにか何の意図もなしにやったというふうに――しかし、一億国民、教育ということに関しましては、同じ制度のもとに同じ姿で教育を受けるという姿にあるのがあるべき姿であるという考えもまた一つの考え方でなかろうか、私たちはそのほうをとります、このことを申し上げたのであります。
#93
○林(百)委員 これはあなたの言うように、文部大臣の所管ですから、あなたをえらい追及しても成果のある答弁を得られるとは思いませんので……。
 次に、沖繩の市町村の職員には現在労働三法に準じた権利が保障されているし、それから消防職員には自分の生活権を擁護するためのスト権も保障されておるわけですね。政治活動は自由なわけですね。私はこれもすぐれておると思うのです。こういう市町村の職員から労働権を剥奪するということは、これは非常に反動的な制度だと思いますが、この沖繩の市町村の職員に保障されておる政治活動の自由あるいは消防職員等に与えられておるスト権ですね。当然このことについては十分な考慮をしてやるべきだと思いますけれども、これは自治大臣の所管ですからお聞きしますけれども、そうでないと、いわゆる本土と一体化という形の名のもとに、本土の市町村職員が天下りするというようなことやあるいは人員整理が行なわれるのではないかというようなことで、非常に不安にかられておるのが沖繩の実情だと思いますが、この点についてはどういうようにお考えになっておりますか。
#94
○渡海国務大臣 いま申されました首切りが行なわれるのではないかという不安、私、御指摘のようなこともあろうと思いますが、そういった不安を起こさせないように極力善処してまいりたい、このように考えます。
#95
○林(百)委員 極力善処するというのは、具体的にどういう措置をおとりになるつもりですか、地方自治体の職員に対して。
#96
○渡海国務大臣 まだそこまで、具体的な問題を聞かれましても、研究いたしておりませんので、後刻そんな機会もあろうと思いますので、そこで具体的な措置はお答えさせていただきたいと思います。
#97
○林(百)委員 これは昭和四十六年、ことしの三月の衆議院の沖繩派遣議員団の報告書の中にこういうことがあるので、これは大臣もよく心しておいていただきたいと思うのですが、「また、暫定特例措置の立法にあたっては、本土の諸制度との調整一体化を急ぐのあまり、沖繩住民が二十数年にわたり築きあげた自治権を損うことなく、かつ、急激な変革によって住民生活に不安を与えることのないよう慎重に配慮されるべきである。更に、沖繩の経済社会の開発促進策については、本土・沖繩それぞれの機関において諸々の構想・計画が練られているが、いずれにしても沖繩住民の自発的意思によることが必要であって、住民の多数の意思が尊重されるべきものと思われる。」、衆議院の沖繩派遣議員団の報告書にこう書いてあるわけなんで、いずれにしても、住民の多数の意思、ことに沖繩の住民が二十数年にわたって築き上げた自治権をそこなうことがあってはならない、機械的な本土との一体化が必ずしも沖繩県民の幸福と結びつくものでないということは、これは議員団の報告書の中にもあるわけなんですが、これについて自治大臣はどういうようにお考えになりますか。
#98
○渡海国務大臣 私、不敏にいたしまして、それを読ませていただいておりませんが、今後早急に処置せなければならないと思いますので、その報告の趣旨を十分体して今後の措置を考えていきたいと思います。
#99
○林(百)委員 この中にあるように、沖繩の経済社会の開発促進については、本土、沖繩それぞれの機関においてもろもろの構想、計画がそれぞれ練られているわけですね。「いずれにしても沖繩住民の自発的意思によることが必要であって、住民の多数の意思が尊重されるべき」である。それぞれの経済開発についての構想が練られておるということです。そして急激な変革によって住民生活に不安を与えることのないように慎重に配慮されなければならない、こう書いてあるわけですね。
 それで、もう時間もありませんし、山口委員も質問した点で、先ほど、私、最初に質問した点ですけれども、沖繩の復興のために、政府が、ひもつきでない、十分復興の資金として、沖繩県が自主的な計画に基づいて復興を緊急に行なうことのできるような、そういう復興援助資金とか、あるいは復興のために沖繩県民の自主的な考慮に基づいて使途できるような補助金だとか、そういうものを一定の本土の自治体並みの交付税やいろいろのほかに、これは考慮してやらなければならないと思うのですけれども、これは本土の観点でこれを何に使え、かにに使えということでなくて、沖繩県民が要望しているものに十分使うことのできるような自主的な、ひものつかない復興資金を考慮してやるべきだと思いますが、この点については、自治大臣、どうお考えになっていますか。
#100
○渡海国務大臣 どういうふうな財政の仕組みにしますか、今後掘り下げていかなければならないと思いますが、いずれにいたしましても、沖繩住民の意思が十分反映し、その意思を反映して施設ができますように、財源措置を市町村のため県のために講じてやるのが自治省の立場じゃないかと思いますので、御趣旨に沿うてよく検討さしていただきたいと思います。
#101
○林(百)委員 もう時間ですが、非常に抽象的でちっとも答弁にならないのですけれども、(渡海国務大臣「具体的にと言われると」と呼ぶ)だって、もうあなた、協定が結ばれて、調印されているわけでしょう。それで自治省のほうはまだ具体的に考えていないじゃ、これは沖繩県民にとっては非常に不安だと思うのですよ。だから、一定の本土並みの交付税と称するもののほかに特別な復興資金あるいは特別な援助資金、こういうようなものは考慮されてないですか。財政問題でもう少し具体的な配慮があってしかるべきだと思うのですがね。
#102
○渡海国務大臣 もし財政当局で答え得るものがありましたら、事務当局から答えさせたいと思いますけれども、いま私が抽象的な答弁でということでございましたが、事実そうでございますので、この点は何ですが、しかし、これは早急に研究せなければならない問題ではございますので、早急に検討して、いま御質問のありましたような趣旨も十分反映できますように措置をいたしたいということを述べさせていただきます。
#103
○林(百)委員 時間がありませんから、それじゃ、事務当局でなるべく具体的に、どういうことを考えていられるのか、沖繩県民もこの国会を通じて聞いているわけなんですから、ひとつ具体的に御説明願いたいと思うのです。
#104
○長野説明員 現在、沖繩の復帰に伴いまして、ただいまお話がございましたような沖繩の復興なり振興なりというものについてどういうふうな形で措置を整えていくかという問題が中心の問題であろうかと思いますが、それにつきましては、沖繩開発庁を中心にいたしまして、現在関係各省との間でいろいろ検討をいたしておる最中でございます。
 私ども伺っておりますところでは、いまお話のございました復興資金と申しますか、援助資金と申しますか、そういうものといたしましては、公共事業にかかわるものにつきましては、公的なものについては特別の措置をぜひとらなければいけない。どういう項目をどういう程度にやっていくかという問題、そこで、その基礎には、やはり沖繩自身の開発計画と申しますか、振興計画あるいは振興の見通しというようなものに沿うような方向でもちろん考えなければならないと思いますが、そういう部分についての問題の処理をどうするかという問題。それからもう一つは、いわゆる産業基盤と申しますか、あるいは産業それ自体の復興なり振興なりという問題、それについての関係につきましては、いわゆる金融措置を中心にした開発方法、これは、私、いま多少正確でないかもしれませんけれども、何か仮称といたしましては、そういう開発とか振興のための金融公庫的な働きをするようなことができますための資金措置を用意しなければならぬだろうというようなこと。この両方を軸といたしながら整理をし、問題を検討しておる最中でございます。
 そこで、具体的にこうなるということは現在の段階ではまだ申し上げられるところまで至っておりません。自治省といたしましても、もちろんそういう問題の中で、先ほど来お話がございました財政、税制上の措置をどういうようにその中で組み込み、適用を考えていくかという問題もあわせて検討いたしておるところでございます。
#105
○林(百)委員 これで終わりますが、どうも先ほどの大臣の答弁ではっきりしなかったのですが、沖繩の市町村の職員に与えられている政治活動の自由あるいは消防職員の生活のためのスト権の確立等ですね、これは私はもちろん進歩的で、こうあるべきだと思う。もちろん本土の市町村の職員あるいは消防署員にもこういう権限を与えてやるべきだ。また、こういうものを奪っているようなことは、国際的にも例を見ないような反動的な立法だと思いますけれども、これについて責任ある大臣の答弁と、それから、事務当局はどういうように考えているのか。どうも大臣の答弁じゃ抽象的でちっともわかりませんので、事務当局は具体的にどう考えておるのか、それを正直に具体的に説明願っておきたいと思うのです。それで私の質問を終わります。
#106
○渡海国務大臣 これは単に一つの制度だけを取り上げて考えるべきものでなくして、全般の制度の上に成り立っておるのじゃないか、かように考えます。いまこの点は自治大臣の権限ではないか、こう言われましたが、公に奉仕する公務員というもの、これは当然また全般の立場からも考えられなければならない問題であろう、かように考えます。
 具体的に答えろということでございましたが、それらの点も勘案してやらしていただきたいと思いますが、具体的に答えられないのが現在の状況でございますから、御協力を賜わりたいと思います。
#107
○林(百)委員 本土並みにこういう権限はなくす、全般の国民に奉仕する公務員だから、そういうお考えだということですか。もっと遠慮なく言ってくださっていいですよ。
#108
○渡海国務大臣 まだそこまではきめておりませんから答えられないわけでございますが、方向だけを言えといえば、そうあるべきじゃないかと考えております。
#109
○林説明員 現在、この問題につきましては、公務員あるいはその他の労働関係とも関係しておりますので、人事院、人事局、労働省、それに私どもの自治省その他が集まって検討の最中でございますので……。
#110
○林(百)委員 自治省の方針を聞かしてください。
#111
○林説明員 まだ結論を得ておらぬわけでございます。
#112
○林(百)委員 だから、自治省はどういう方針で臨んでおられるのですか。検討中ではない、自治省も参加しているのだから……。
#113
○林説明員 現在検討中でございますので、確定的な結論を申し上げるわけにはまいりませんけれども、本土の市町村との均衡あるいは沖繩の特殊事情というものを勘案して、近々結論を得たいと思っておる次第でございます。
     ――――◇―――――
#114
○大野委員長 請願審査を行ないます。
 請願日程第一から第六までを一括して議題といたします。
 まず、審査の方法についておはかりいたします。
 各請願の内容については、文書表等ですでに御承知のことでありますし、また、理事会で慎重に御検討を願いましたので、この際、各請願について紹介議員の説明等は省略し、直ちに採否の決定に入りたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#115
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 これより採決いたします。
 本日の請願日程中、第一の請願は、採択の上内閣に送付すべきものと決するに御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#116
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、残余の各請願は、いずれも採否の決定を保留いたしたいと存じますので、御了承願います。
 なお、ただいま議決いたしました請願に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#117
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
    ―――――――――――――
  〔報告書は附録に掲載〕
    ―――――――――――――
#118
○大野委員長 今国会におきまして本委員会に参考のため送付されました陳情書は、お手元に配付いたしておりますとおり、林野火災に対する消防力の充実強化に関する陳情書外十件であります。念のため御報告いたします。
     ――――◇―――――
#119
○大野委員長 次に、閉会中審査申し出の件についておはかりいたします。
 地方財政法の一部を改正する法律案(華山親義
 君外六名提出)
 地方自治に関する件
 地方財政に関する件
 警察に関する件
 消防に関する件以上の各件について閉会中審査の申し出を議長にいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、閉会中審査案件が付託になりました場合、消防関係法令の整備及び消防施設の整備強化をはかるため、小委員十一名からなる消防に関する小委員会、地方公営企業の制度全般及び道路交通対策について調査するため、委員十一名からなる地方公営企業等に関する小委員会をそれぞれ設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#121
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 なお、小委員及び小委員長の選任、また、委員の異動に伴う小委員及び小委員長の補欠選任並びに小委員、小委員長の辞任の許可及び補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#122
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 次に、閉会中の委員派遣の件についておはかりいたします。
 閉会中審査にあたり、現地調査の必要が生じました場合には、派遣委員の選定、派遣地、派遣期間等につきましては委員長に御一任願い、議長の承認を求めることにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#123
○大野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後一時十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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