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1970/01/25 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
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1970/01/25 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号

#1
第065回国会 科学技術振興対策特別委員会 第2号
昭和四十六年一月二十五日(月曜日)
   午前十一時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月五日
    辞任         補欠選任
     藤田  進君     秋山 長造君
     森 元治郎君     野上  元君
     大矢  正君     松澤 兼人君
 一月二十五日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     高橋雄之助君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木 一弘君
    理 事
                平泉  渉君
                平島 敏夫君
                久保  等君
                矢追 秀彦君
    委 員
                金丸 冨夫君
                木内 四郎君
                高橋雄之助君
                永野 鎮雄君
                鍋島 直紹君
                秋山 長造君
                向井 長年君
   国務大臣
       国 務 大 臣  西田 信一君
   政府委員
       科学技術庁長官
       官房長      矢島 嗣郎君
       科学技術庁長官
       官房会計課長   野崎 博之君
       科学技術庁計画
       局長       楢林 愛朗君
       科学技術庁研究
       調整局長     石川 晃夫君
       科学技術庁振興
       局長       田中 好雄君
       科学技術庁原子
       力局長      梅澤 邦臣君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○科学技術振興対策樹立に関する調査(昭和四十
 六年度科学技術庁関係の施策及び予算に関する
 件)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木一弘君) ただいまから科学技術振興対策特別委員会を開会いたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、西田科学技術庁長官から、科学技術振興のための基本施策について、その所信を聴取することといたします。西田科学技術庁長官。
#3
○国務大臣(西田信一君) 第六十五回国会にあたり、科学技術庁長官としての所信を述べさせていただきます。
 科学技術の進歩は、経済社会の目ざましい発展の原動力となるばかりでなく、公害等のひずみを是正し、環境を保全するためにも大きな力を発揮し得るものであり、未知の領域を開拓し、人類の夢を実現し、快適で充実した国民生活をもたらすために不可欠の要件であると言えましょう。
 わが国の科学技術の水準は、近年著しく向上しておりますが、資本の自由化等本格的な経済の国際化に対処しつつわが国の繁栄をはかっていくためには、先端技術分野を中心とする独創的な技術の開発がきわめて重要であります。このことは、現代社会が直面している環境保全、公害の防除等、世界各国共通の問題を解決するためにも不可欠の課題であります。
 特に、激動する一九七〇年代において豊かな社会を創造するために、その要請を迅速、適確に把握し、これにこたえ得る科学技術の振興をはかることは、われわれに課された重大な使命であると考えます。
 このような観点から、私は、昭和四十六年度において、次のような諸施策を強力に推進する所存であります。
 第一は、科学技術振興基盤の強化であります。
 わが国の科学技術を総合的、計画的に推進するため、科学技術振興基本計画の策定を進めつつありますが、なお、目下実施中の技術予測の結果を十分参酌する所存であります。
 また、科学技術に関する普及啓発活動についても、特に意を用いてまいりたいと考えております。
 さらに、研究環境の整備充実、優秀な人材の養成確保等、各種の科学技術振興基盤強化のための施策を講ずるとともに、研究学園都市の建設の促進にも意を用いてまいる所存であります。
 第二は、原子力の開発利用の推進であります。
 わが国の原子力の開発利用は、実用化の段階に向かって急速に進展しつつありますが、さらに積極的な施策を推進する所存であります。
 まず、動力炉の開発につきましては、夢の原子炉といわれる高速増殖炉について、その実験炉の建設を進めるとともに、原型炉に関する研究開発を本格化する一方、新型転換炉の原子炉の建設を促進したいと考えております。
 また、核燃料につきましては、ウラン濃縮技術の開発、海外ウラン資源の調査を拡大強化するとともに、使用済み燃料再処理施設の建設を推進いたします。
 さらに、原子力船「むつ」の原子炉艤装等を進めるほか、核融合、食品照射に関する研究の推進、原子力施設の安全対策の強化、保障措置関連施策の充実等につとめる所存であります。これらのほか、原子力損害賠償制度の整備をはかるため、原子力損害賠償関係法の改正を行なうとともに、「むつ」の実験航海等に備え、日本原子力船開発事業団法の期限を延長することとしております。
 第三は、宇宙開発の推進であります。
 宇宙開発につきましては、昨年改定した宇宙開発計画に基づき、宇宙開発事業団を中核としてNロケット及び技術試験衛星の開発を進めるとともに、ロケットの打ち上げ施設、試験施設の整備をはかるほか、将来における宇宙開発の進展に対処するための基礎的、先行的研究を総合的に推進することといたしております。
 第四は、海洋開発の推進であります。
 海洋開発の要請にこたえ、そのための科学技術の開発プロジェクトを強力に推進することとし、このため、海洋科学技術に関する試験研究、大型共用施設の設置及び運用、人材の養成等を行なう機関として、官学民の協力のもとに海洋科学技術センター(仮称)を新設することとしております。
 また、潜水シミュレーターの建造及び潜水調査船「しんかい」の運用を進め、海中作業基地による海中居住実験を開始するほか、海洋の総合的な調査を促進してまいりたいと存じます。
 さらに、海洋科学技術審議会を発展的に解消し、広く海洋開発に関する基本的かつ総合的な事項を調査審議する機関として総理府に海洋開発審議会を設置し、海洋開発の総合的な推進をはかることとしております。
 第五は、情報関連施策の拡充強化であります。
 情報化社会の進展に対処するため、ソフトサイエンスの振興を鋭意進めるとともに、科学技術会議の答申に示された科学技術情報に関する全国的流通システム根想の具体化のための調査検討、日本科学技術情報センターの拡充強化等、科学技術情報の流通の促進をはかる所存であります。
 第六は、重要総合研究の推進であります。
 国民生活の向上をはかるため、防災科学技術、交通事故防止技術、基礎電子技術等の総合的な研究を積極的に推進することがきわめて重要でありますが、特に公害の防止、環境の保全のための環境科学技術の研究開発には力を注ぎたいと考えております。
 第七は、研究開発一般の推進であります。
 以上の措置と並んで、基礎的、共通的な研究を推進するとともに、民間における研究開発の促進をはかるため、新技術開発事業団の拡充強化、技術輸出に関する税制上の措置等を講じてまいる所存であります。
 さらに、科学技術の面における国際交流の重要性にかんがみ、国連、OECD等の国際機関における科学技術活動に積極的に参加するとともに、二国間協力の拡充にもつとめてまいりたいと存じます。
 以上のほか、資源の総合的利用方策の推進につきましては、資源調査所を中心として、将来の資源利用構造の変化に応じた海外資源の長期安定確保に関する調査等を行ない、関係行政機関の施策の推進に資する所存であります。
 これらの諸施策を実施するため、昭和四十六年度政府予算案におきまして、科学技術庁分は、原子力開発利用に約四百七十四億円、宇宙開発に約百十七億円をはじめとして、総額約七百九億円を計上いたしました。
 以上、昭和四十六年度における科学技術振興施策の概要について申し述べましたが、科学技術の振興の衝に当たる私といたしましては、その使命の重大性を十分に認識し、これらの施策の実現については十分努力する決意であります。
 ここに、委員各位の一そうの御支援、御協力を賜わりますようお願い申し上げる次第であります。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(鈴木一弘君) 委員の異動について御報告いたします。
 本日、岩動道行君が委員を辞任され、その補欠として高橋雄之助君が選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鈴木一弘君) 次に、昭和四十六年度科学技術庁関係予算について説明を聴取いたします。矢島科学技術庁長官官房長。
#6
○政府委員(矢島嗣郎君) 昭和四十六年度政府予算案におきまして科学技術庁の予算案は、歳出予算額といたしまして七百九億円、国庫債務負担行為額三百三十七億二千二百万円を計上いたしております。これを前年度予算額に比較いたしますと、それぞれ、歳出予算額では百七億六千四百万円、国庫債務負担行為額では七十一億六千六百万円の増額となっており、その比率において約一八%の増ということになっております。
 次に、おもな事項につきまして、大略を御説明いたします。
 第一に、科学技術振興基盤の強化といたしまして、歳出予算額九億四千九百万円、国庫債務負担行為額二億二千百万円を計上いたしております。
 これには、まず、わが国における科学技術を、長期的な観点に立って、計画的かつ総合的に推進するための国の基本計画を策定するため必要な経費並びに科学技術会議の運営をはかる経費など四千二百万円を計上いたしております。
 次に、科学技術の普及啓発活動の推進につきましては、科学技術映画の製作、科学技術功労者の表彰、原子力の平和利用及び宇宙開発に関する国民の理解を深めるための広報活動を行なうほか、新たに科学技術に関する広報啓発誌の発行を行なうなど、これらに必要な経費として六千二百万円を計上いたしております。
 また、研究・学園都市の建設の促進につきましては、無機材質研究所の研究本館の建設及び国立防災科学技術センターの大型降雨実験施設の整備などに必要な経費といたしまして、歳出予算額六億百万円、国庫債務負担行為額二億二千二百万円を計上いたしました。
 さらに、優秀な人材の養成確保をはかるため、国内及び海外への留学、研修及び国際研究集会への派遣などに必要な経費といたしまして、二億四千四百万円を計上いたしております。
 第二に、原子力開発利用の推進といたしまして、歳出予算額四百七十二億七千五百万円、国庫債務負担行為額二百四十八億一千四百万円を計上いたしております。
 まず、動力炉の開発につきましては、高速増殖炉の実験炉の建設を進めるとともに、原子炉のための研究開発を本格化するほか、前年度に引き続き新型転換炉の原型炉の建設を進めるため、動力炉開発推進の中核であります動力炉・核燃料開発事業団の動力炉開発分といたしまして二百七十三億七百万円と、国庫債務負担行為額二百十七億九千六百万円を計上いたしました。また、同事業団の核燃料開発関係の業務といたしましては、ウラン濃縮の研究開発、海外ウラン資源の調査等を拡大強化するとともに、使用済み核燃料処理工場の建設の促進をはかってまいります。
 以上のため、動力炉・核燃料開発事業団に対し、政府出資金及び補助金を合わせ総額三百十七億円と国庫債務負担行為額二百二十四億一千三百万円を計上いたしました。
 次に、原子力第一船「むつ」の建造につきましては、定係港むつ市において原子炉の艤装を進めるとともに、原子力船付帯陸上施設の整備及び乗組員の養成訓練を行なうため、日本原子力船開発事業団に対し、政府出資金及び補助金を合わせ十五億百万円と、国庫債務負担行為額二億四千二百万円を計上いたしました。
 また、日本原子力研究所につきましては、材料試験炉等各種原子炉の運転及び整備を行なうほか、ウラン濃縮、核融合、食品照射の研究開発等に必要な経費として、政府出資金及び補助金を合わせ百十億六千四百万円と国庫債務負担行為額十五億四千三百万円を計上いたしました。
 さらに、放射線医学総合研究所におきまして医療用サイクロトロンの建設を進めるほか、国立試験研究機関における原子力試験研究及び民間に対する原子力平和利用研究の委託など合わせて二十五億七千二百万円と国庫債務負担行為額五億五千万円を計上いたしました。
 このほか、安全対策の一環といたしまして放射能測定調査研究に必要な経費二億三千六百万円を、また、核燃料物質の借り入れ、保障措置関連施策の強化等の行政費として二億二百万円と国庫債務負担行為額六千六百万円を計上いたしております。
 第三に、宇宙開発の推進につきましては、昨年改定いたしました宇宙開発計画に基づき、ロケット及び人工衛星の開発を進めることとし、これに必要な経費として歳出予算額百十六億四千三百万円、国庫債務負担行為額八十一億八千二百万円を計上いたしました。
 まず、宇宙開発事業団につきましては、宇宙開発計画の改定に伴うNロケット及び、試験用ロケット並びに技術試験衛星I型の開発を進めるとともに、種子島宇宙センターのロケット打ち上げ関連施設の整備のほか、研究・学園都市に建設を予定いたしておりますロケット及び人工衛星の試験管制センターの整備などを行なうため必要な経費として、政府出資金、補助金を合わせ百四億七千四百万円と国庫債務負担行為額七十七億八千六百万円を計上いたしております。
 次に、航空宇宙技術研究所における宇宙開発関連研究といたしまして、基礎的、先行的研究等に必要な経費として、ロケットエンジン高空性能試験施設の整備費など九億四千二百万円と国庫債務負担行為額三億九千六百万円を計上いたしております。
 第四に、海洋開発の推進につきましては、まず、海洋科学技術に関する試験研究、大型共用施設の設置及び運用、人材の養成等を行なう機関として海洋科学技術センター(仮称)を新設することとし、これに必要な政府出資金及び補助金を合わせ二億三千万円を計上いたしておりますが、その新設に必要な海洋科学技術センター法案は別途御審議いただくこととなります。
 また、潜水シミュレーターの建造、潜水調査船による大陸だなの調査、海中作業基地の海中実験を行なうほか、海洋科学技術審議会を発展的に解消し、広く海洋開発に関する基本的かつ総合的な事項を調査審議する機関として、総理府に海洋開発審議会を設置するなど、これらに必要な経費として五億五千万円と国庫債務負担行為額八千五百万円を計上いたしております。
 第五に、情報関連施策の拡充強化につきましては、情報化社会といわれます現代の趨勢にこたえるため科学技術会議の答申に示されました科学技術情報の全国的流通システム構想についての調査検討を行なうとともに、情報検索用語関連辞書の編集などに必要な経費として一千二百万円を計上いたしましたほか、日本科学技術情報センターにおきまして科学技術情報入手案内業務及び環境・公害文献集の発行業務並びに情報検索サービスに関する研究開発の促進など機能の拡充を促進いたしますため、政府の出資金及び補助金を合わせ十億三千八百万円を計上いたしております。
 第六に、重要総合研究の推進につきましては、防災科学技術、交通事故防止技術、基礎電子技術、海洋科学技術及び環境保全のための環境科学技術等の総合的研究を実施するほか、不測の事態に対処し緊急に行なうべき研究の円滑な実施をはかりますため、特別研究促進調整費八億円を計上いたしております。
 第七に、研究開発一般の推進といたしまして、新技術開発、国際交流及び資源の総合的利用方策の推進並びにに試験研究機関の整備強化をはかるため七十四億三百万円と国庫債務負担行為額四億二千万円を計上いたしました。
 まず、新技術開発の推進につきましては、新技術開発事業団に対する出資金及び補助金を合わせて七億六千四百万円を計上することにより、研究開発委託契約限度額を十六億円に引き上げるなど、その業務の拡充をはかるとともに、発明実施化試験の補助金として三千四百万円を計上いたしております。
 次に、国際交流の促進につきましては、欧州原子力機関の共同研究等への参加、ジュネーブで開催されます第四回原子力平和利用会議への参加、二国間の科学技術交流の拡充等のため一億三千三百万円を計上いたしております。
 次に、資源の総合的利用方策の推進につきましては、海外資源の長期安定確保に関する調査等、資源調査会を中心とする調査及び微生物利用によるバガスの飼料化等の委託調査を実施するとともに、資源調査所の基礎的調査の充実をはかるため一億四千百万円を計上いたしております。
 さらに、試験研究機関の整備強化につきましては、六十三億三千百万円と国庫債務負担行為額四億二千万円を計上いたしましたが、これは、当庁の附属試験研究機関のうち、金属材料技術研究所の金属材料疲れ試験設備の整備、無機材質研究所の研究グループの増設及び研究用機器の整備、航空宇宙研究所の突風風胴の整備並びに国立防災科学技術センターの地震予知の研究の実施、研究施設の整備等に必要な経費のほか、理化学研究所の研究運営及び図書館の建設などに必要な政府出資金及び補助金であります。
 以上、簡単でございますが、昭和四十六年度科学技術庁予算案のうち重要項目につきまして、その大略を御説明いたしましたが、このほか、一般会計予算総則において、原子力損害賠償補償契約に関する法律第八条の規定による国の契約の限度額を百六十六億円に、また、使用済み核燃料の再処理工場の建設資金のうち、動力炉・核燃料開発事業団が借り入れる資金の一部につきましては、同事業団法第三十四条の規定により、政府の保証する債務の限度額を、「元本金額三十八億円及びその利息に相当する金額」と定めることといたしております。
#7
○委員長(鈴木一弘君) ただいまの説明に対する質疑は、後日に譲ることといたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(鈴木一弘君) 委員派遣承認要求に関する件について、おはかりいたします。
 科学技術振興対策樹立に関する調査のため委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員、派遣地、派遣期間等の決定は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#10
○委員長(鈴木一弘君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたましす。
   午前十一時四十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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