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1970/05/21 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第11号
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1970/05/21 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第11号

#1
第065回国会 沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第11号
昭和四十六年五月二十一日(金曜日)
   午後二時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     片山 武夫君     田渕 哲也君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     田渕 哲也君     松下 正寿君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         米田 正文君
    理 事
                源田  実君
                長谷川 仁君
                松井  誠君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                塚田十一郎君
                増田  盛君
                山本 利壽君
                山本茂一郎君
                川村 清一君
                春日 正一君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       国 務 大 臣  中曽根康弘君
   政府委員
       防衛庁防衛局長  久保 卓也君
       防衛施設庁長官  島田  豊君
       防衛施設庁総務
       部長       長坂  強君
       防衛施設庁総務
       部調停官     銅崎 富司君
       沖繩・北方対策
       庁長官      岡部 秀一君
       沖繩・北方対策
       庁総務部長    岡田 純夫君
       沖繩・北方対策
       庁調整部長    田辺 博通君
   事務局側
       常務委員会専門
       員        小倉  満君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する
 調査(当面の沖繩問題に関する件)
○沖繩復帰後の右側通行区分維持に関する請願
 (第一六四号)
○沖繩の毒ガス等撤去に関する請願(第三一八
 号)(第一八八四号)(第一九一五号)(第
 二〇六九号)(第二一四八号)(第二二九一
 号)
○北方領土復帰の早期実現に関する請願(第一〇
 八一号)
○沖繩の無条件全面返還等に関する請願(第一三
 八四号)(第一四二七号)(第一五五五号)
 (第一六〇一号)(第一六三九号)(第一六九
 九号)(第一七三二号)(第一七六四号)(第
 一八〇六号)(第一八二七号)(第一八五四
 号)(第一八八五号)(第一九一六号)(第一
 九四〇号)(第一九九五号)(第二〇七〇号)
 (第二一四九号)(第二一五〇号)(第二二四
 六号)(第二二四七号)(第二二九二号)(第
 二三三一号)(第二三三二号)(第二四〇四
 号)(第二四五五号)(第二四八六号)(第二
 五三一号)(第二六八〇号)(第二七三九号)
 (第二七七五号)(第二八一六号)(第二八八
 七号)(第二九二一号)(第二九四六号)(第
 二九四九号)(第二九六三号)(第二九八四
 号)(第二九九〇号)(第二九九八号)(第三
 〇一三号)(第三〇三四号)(第三〇五三号)
 (第三一二〇号)(第三一二一号) (第三一
二九号)(第三一三六号)(第三一三八号)(第
 三一四八号)(第三一五七号)(第三一八二
 号)(第三二一七号)(第三二四三号)(第三
 二四八号)(第三二七〇号)(第三二九七号)
 (第三三一四号)(第三三三六号)(第三三三
 七号)(第三四六三号)(第三五〇四号)(第
 三五三六号)(第三七〇〇号)(第三八五六
 号)(第三九六三号)(第三九六四号)
○沖繩渡航に関する身分証明書の発給申請及び交
 付の際の手数料外諸経費の還付等に関する請願
 (第一六〇二号)(第一六一四号)(第一六四
 〇号)(第一六四一号)(第一六六四号)(第
 一六六五号)(第一六六六号)(第一六八一
 号)(第一六九五号)(第一七三三号)(第一
 七三七号)(第一七四三号)
○沖繩の復帰に伴う教育財政の特別措置に関する
 請願(第二四八七号)
○沖繩精和病院の国立移管に関する請願(第三〇
 二八号)(第三〇四八号)
○継続調査要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(米田正文君) ただいまから沖繩及び北方問題に関する特別委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る五月十七日片山武夫君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(米田正文君) 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○川村清一君 まず防衛庁長官にお尋ねいたしますが、沖繩返還に伴いまして自衛隊を配置する計画がきまったように新聞に報道されております。しかも、それは相当具体的に報道されておるわけでございますが、この際、防衛庁長官からその沖繩の自衛隊の配備計画につきまして詳細御説明を願いたいと思います。
#5
○国務大臣(中曽根康弘君) 返還当初における配備状況といたしまして計画されておりますものは、陸上自衛隊、これは陸上警備と民生協力のめ普通科及び施設科からなる部隊、局地の航空輸送のための小規模のヘリコプター部隊、並びに、募集及び広報に当たる地方連絡部等約千百名。
 海上自衛隊は、沿岸哨戒のための対潜哨戒機部隊(P2J六機)、港湾防備及び離島輸送のための小型艦艇部隊並びにこれらの支援に当たる基地部隊等約七百名。
 航空自衛隊は、領空侵犯対処のための要撃戦闘機部隊(F104J二十五機)及びレーダーサイト連絡員等約千四百名。
 以上合計約三千二百名であります。
 次の新防衛力整備計画末における配備状況は、陸上自衛隊といたしまして、普通科二個中隊、施設科一個中隊、飛行隊二個隊(輸送用ヘリコプター十機)及びホーク群一個隊等、人員約千八百名。
 海上自衛隊は、基地隊(掃海艇二隻等)及び航空群(P2J十二機)等人員約千百名。そのほかに護衛艦要員が約四百名でございます。
 航空自衛隊は、航空隊(F104J二十五機、T33十機等)、警戒管制隊(サイト四つ)及びナイキ群一個隊等人員約三千九百名。
 以上で合計人員六千八百人、そのうち事務官等が九百人であります。
 なお、このほか海上自衛隊につきましては、沖繩海域の防衛のために佐世保等から護衛艦二隻の配備を予定しております。
 以上でございます。
#6
○川村清一君 大体新聞に報道されておることと同じ程度の御報告があったわけでございますが、総員約六千八百人。第一段階において三千二百名第二段階で六千八百人との差ですね、それだけふやす。しかも、総経費でございますが、四次防中は一千百億円ということで、第二段階の配備は、人員は当初計画より八百人ふえるといったようなことも報道されておるわけでございますが、私のお聞きいたしたいことは、こういう計画がきまることになりましたその背景についてお聞きしたいのです。つまり、この数字が出てきた基礎は何かということにつきまして御説明を願いたい、こう思います。
#7
○政府委員(久保卓也君) 全般的には、沖繩が復帰するに伴いまして本土の防衛と同じように最小限の自衛力を沖繩に置きたい、かたがた、主権回復の象徴ということもありましょうが、そういう意味で、一応当初は最小限の自衛隊を配備するということでありますが、考え方といたしましては、陸上自衛隊については、おおよそ沖繩諸島の面積と本土の面積とのほぼ対比をとっております。これが必ずしもいいとは限りませんが、そういたしますと、大体千名くらいになるわけであります。もちろん、所要の機能というものを基準にいたします。そういたしますると、民生協力に最も関係のありまするのが施設科の部隊でありますし、その最小単位が約百名くらい、それから普通科の中隊につきましては一個中隊ではあまりにも小さ過ぎますので、二つか三つかというところでありますが、一応最小限ということで二つの中隊というものを設定をしたわけであります。それから同じ民生協力の中で災害、救難関係、これが特に離島が多い関係上、本土にありまする各基地からヘリコプターあるいは対潜哨戒機を集めて一つの航空隊、これも最小単位というものを置きたいということで、陸上自衛隊の場合に将来の数字で約千八百人ですか、ということになったわけであります。基幹部隊は、先ほど申し上げましたように、一応はこの面積を基礎にしつつ必要な所要機能をそこに付加した。これは特に沖繩が本土から非常に離れているということと、沖繩が多くの島からなっているというような事情を加味したものであります。
 それから海上自衛隊につきましては、これも本土に三つの基地がありまするけれども、哨戒機については九州でありますと鹿屋がありますが、約七百キロばかり離れております。そういたしまするると効率的な運用ができないということで、やはり沖繩周辺の海域の哨戒というのは相当広範な面積にもなりますので、沖繩を基地にして最小一つの一番小さな単位を置きたい。そうしますと、小さな単位と申しますと十二機、運用の最小単位が十二機である。諸般の準備の関係上、第一段階ではその半分を特っていくということになっております。
 それから艦艇につきましても、これは佐世保の総監部から派遣する形をしばらくとるだろうと思いますけれども、二隻で一応配置をする。そうしますと、一隻運用できる場合と二隻常時運用できる場合と両方出てまいりますけれども、最小限一隻は確保できる。つまり、修理で他の一隻が動かなかった場合でも別の一隻は動いてこれまた災害、救難その他哨戒に使えるということであります。
 それから航空自衛隊につきましては、現在F104Jの戦闘機が可動でありますが、一番沖繩に近いのは新田原であります。しかし、七百キロ以上離れておりますが、F104Jの航続距離が、行動半径が約二百二十キロ、これは要撃機であります。そうしますと新田原を基地にするわけにはいかない。沖繩はやはり独立した一つの地域を構成しておりますし、その防空ということが非常に重要である。本土でありますとお互いにナイキとかホークとか、そういったものの支援関係があります。また、航空自衛隊のお互いの部隊を転用することも非常に容易でありまするけれども、沖繩の場合にはその点が相当に制約をされます。飛行機の足の関係で制約をされます。したがいまして、どうしても一つの単位部隊を置きたい。しかも、航空、防空を考えまする場合には、九州一円と比べましてもむしろ行動範囲は広いくらいになります。そういう意味で、西部航空方面隊、つまり九州地方方面隊ではF104Jが二個隊ありまするけれども、沖繩の場合には若干減らして一個隊を置くということであります。ナイキ、ホークがそれぞれ一隊おかれるのも同じような理由からであります。
#8
○川村清一君 ただいま御説明になられましたそれらの問題、特に配置されました陸上、海上あるいは航空自衛隊のいわゆる機能の問題、そしてそれの意図する問題等につきましては、時間がございませんので、本日のところは突っ込んでお尋ねをいたしませんが、いずれこれらの問題についてまたお尋ねすることがあろうと存じます。
 そこで、きょうお聞きしたいことは、この配置計画というものは沖繩の返還交渉の中から生まれてきた計画でございます。したがって、現在日米の返還交渉が続けられておるわけでありますが、ただいま防衛庁長官から御説明のあったこの防衛庁の計画というものは、当然日米の返還交渉の中で話し合いが進められ、アメリカもこれに対して合意をしておると、かように私は判断するわけでございますが、かように考えて差しつかえないかどうか、長官から御説明伺いたいと思います。
#9
○国務大臣(中曽根康弘君) 当方の計画は米軍のほうにも順次話しておりまして、米軍のほうはわがほうの内案として目下了解しているという程度であります。
#10
○川村清一君 日米両国の話し合いの中から生まれた計画であり、これは米軍のほうも了解しておるという御説明でございます。そこで私は、この自衛隊の沖繩における配備計画というものと返還に伴うアメリカ軍の撤去というものは相関関係にあると、かように判断しておるわけであります。したがって六千八百人に及ぶ陸上・海上・航空自衛隊の配備というもの、これに関連して、沖繩が返還された場合においてアメリカ軍はどれだけ撤去されるのか、それをこの際明らかにしていただきたい、かように思うわけであります。
#11
○国務大臣(中曽根康弘君) 返還後どの程度米軍が撤退するかまだ詳細はよくわかっておりません。しかし、いずれにせよ、返還が完了したあとにおいて、やはり米軍基地の整理統合という問題はその後また出てくるだろうと思います。われわれとしては、不要不急のものがあったらできるだけ整理統合して沖繩県民の皆さんにお渡しするとか、県民の生活改善のために活用したらいいと思っております。
#12
○川村清一君 その説明では私は納得できないわけであります。ただいまの長官の御説明でありますというと、わがほうの計画はできておると、しかも、これに対しては米軍も了解しておると。それから、現在日米交渉の中において大きな問題点になっておりますのは、やはり米軍をどれだけ撤退させるか。われわれは全部撤退さしてほしいわけであります。米軍が完全にいなくなる、アメリカ軍事基地というものは全部これを返還してほしいというのがわれわれの主張であり要求であるわけであります。しかし、それはなかなか日米の政府間の折衝においてはむずかしいことだろうと思うわけでありますが、また、いまの政府ではそれを突っ込んでやる意思もないと思うのであります。しかし、わがほうの配置計画がかように具体的に明確にきまったということになれば、これとアメリカ軍の撤退の数字とが関係が絶対ないということはないわけであります。アメリカのいわゆる戦略的な立場から考えてみても、アメリカの肩がわりを自衛隊がやれとこういうことなんでありますから、自衛隊が沖繩にこれだけ出るということになれば、アメリカはそれに比例してどれだけ一体いなくなるのか。われわれは全部いなくしてほしいと、こう言っておる。しかし、全部いなくなるのではないと。しからば、どれだけいなくなるのかということは、当然明らかにしていただきたいわけであります。国民全体がそれを望んでおるわけであります。でありますから、ただいまのように、わがほうはこうきめたと、しかし、今後返還がきまった時点においてアメリカがどう出てくるかまだいまのところわからないという、こういう御答弁では、なかなか納得いかないわけでありますが、もっと突っ込んでひとつ長官ここで説明していただかなければわれわれはなかなか納得できない、かように思うわけですので、再度御質問いたします。
#13
○国務大臣(中曽根康弘君) 去年の十二月二十一日の日米安保協議委員会におきまして本土における米軍基地の整理統合を行ないましたが、それと前後いたしまして沖繩におきましても部隊の解隊あるいは撤去、撤退等のことが行なわれまして、すでにある部分については撤退も完了しておるところであります。それで、わがほうが沖繩に進出いたしまして担当する防衛は沖繩県の列島防衛というところでありまして、それ以上の、安保条約の極東の安全及び平和維持に寄与するとか、そういう部面はわがほうの自衛隊のワクをはみ出る要素もあります。そういう部分はアメリカが引き続いてこれを機能していくということでありますので、それはそれとして残っていくだろうと思うわけです。それで、沖繩列島の防衛という面については自衛隊がある程度引き受けてやらなくちゃならぬところでありますから、そういう意味で、いま申し上げた二段階に分かった自衛隊の配備計画を進めているのであります。それは大体肩がわりという意味ではなくて、米軍がやらないことを日本自体がやる、そういう意味であります。つまり、固有のわれわれの仕事としてわれわれがやる。そういうことなのであります。詳細は防衛局長から答弁させます。
#14
○政府委員(久保卓也君) いまのお話のように、沖繩の米軍というものは自衛隊の移駐と一応別建てで、すでに極東の安全と平和について明るい曙光が見えたということでの縮減ということはすでに見られつつあるところでありまして、たとえばF102の一個スコードロンがなくなりましたし、あるいはEB、つまり電子関係の偵察機がなくなりましたり、それからF105の解隊がおそらく近く予想されるであろうと思われます。そういうことで、一般的な安全と平和への見通しが明るくなったということでの削減がある。そこで、自衛隊が行なった場合にそれに見合ってどの程度減るかということになりますると、非常に限られたものになろうかと思います。たとえて申しますると、陸について申せば、これは陸上の主として警備関係、それから民生協力でありますが、その分を自衛隊が行ったからといって米軍が撤退するであろうということはちょっと考えにくいのではないか。たとえば海兵隊がやっている機能というものは自衛隊がやるであろう機能に比べますると、他の分野に大きな任務を持っているわけで、自衛隊のやるであろう任務を現在やっているのは附随的にやっているにすぎない。したがって、陸上自衛隊が行ったからといって、その分に見合って撤退するであろうということはちょっと考えにくいのではなかろうかと思います。その点は海上自衛隊についてもやはり同じでございまして、これは米軍からそういう情報があるわけではありませんが、機能的に見て米軍は米軍としての非常に広範囲な哨戒機能――これは航空機であれ艦艇であれ――そういったものは必要でありましょう。私どもは沖繩周辺に限ってそういうものを持つということでありますから、向こうのほうではある程度の余力が出てまいるということで、その分が要らなくなるということがあるかもしれませんけれども、しかし、それに見合って大きく撤退するということは予想しにくいと思います。航空機については若干事情が違うところでありまして、いま申し上げましたように、防空関係は日本側で担当するということになりますと、従来ナイキ、ホークの部隊はこれは陸軍の砲兵部隊に入っておりますけれども、大体千五百人が担当しております。大体これを自衛隊が行なうことになりますると、米軍は当然要らなくなる。その場合に、その分が撤退するのであるか、あるいは他の任務に転用されるのであるか、その辺はわかりませんが、同じような事情はレーダーサイト四カ所について、われわれの予測では千二百人ぐらいを配置する計画にしておりまするけれども、同数を米側が持っておるとすれば、その分は要らなくなります。しかし、同じような理由で、それが完全に撤退するのか、あるいは他の任務に転用されるのか、そこのところはわかりません。しかしながら、飛行機の関係でいえば、F104が行って防空任務を引き継ぐということになれば、先ほど申し上げましたように、F102の防空任務部隊は要らなくなる。そういうことであります。また関連をいたしまして、本土でも、F104の部隊が沖繩に参りましたから、その機能があれば、従来ありましたF105の部隊の機能は要らなくなる、その分は撤退する、こういう関係になろうかと思います。
#15
○川村清一君 時間が制約されておりますので、突っ込んで議論できないのは残念でございますが、ただいま防衛庁のお話を承りますと、私どもは、千八百人という自衛隊の配備によって当然返還後の米軍というものは、これは算術的に比例するものじゃございませんが、相当数かわって撤退するものと、かように考えております。米軍の持つ機能というものを自衛隊が引き継いで受け持つんだというふうに単純に考えておったのでありますが、ただいまお話を聞くと必ずしもそうではない。航空隊のほうにおいては若干関係があるが、陸上・海上部隊については別段ないんだ、要するに、現在の米軍の機能において足らざるもの、それを自衛隊が受け持つんだというふうに受けとられます。それを逆な立場から考えてみるというと、自衛隊の配備によって現在の米軍の数なりあるいは基地なり、または持つところの軍事的な機能というものについては、必要がなくなったものについては若干は撤退するかもしれないけれども、しかし、大体においてそのまま残るんだと、かようにお二人の御答弁から私は受け取ったのでありますが、これはたいへんな問題だと思うわけで、これらの問題については今後突っ込んで議論をしなければなりませんが、そういうふうに理解して差しつかえないんですか。
#16
○政府委員(久保卓也君) 要するに、最終的に約七千人の者が配置されまするけれども、七千人が配置されるから米軍が七千人撤退するという相関関係にはございません。しかしながら、さっき申し上げましたように、ある程度のものが引くであろう。引くと申しますよりも、その担当任務が解除されるということだけは確かである。しかし、その反面、それでは七千人配置されれば将来最大限七千人しか撤退しないのであるかというと、それはそういうことではなくて、極東の安全と平和に関連をして、あるいはまた米側の事情によってもっと撤退することはあり得る。ですから、一応米軍の基地縮小でありまするとか、統合であるとか、あるいは人員の縮減であるとか、そういうこととは、大ざっぱに申せば、むしろ自衛隊の配置とは関係なく考えていただいたほうが正しい回答ではなかろうか、私はそういうふうに思います。
#17
○川村清一君 これについての議論は後日に譲ります。また他の委員から御質問があるかと思いますが、きわめて重大な御説明だと受け取っておきます。
 そこで、最後に一つお聞きいたしたいことは、これは事実かどうかわからないんですが、新聞報道によりますと、沖繩へ配置する隊員には沖繩出身者を優先させる、こういうふうに報道されておるのでありますが、そういう措置をすることについて何か意図があるんですか。どういう理由でそういうことをするのか、私にはちょっと了解できないんですが、その点を御説明願いたい、事実であれば、これが一点。
 それから、沖繩県民の方々には防衛庁長官のお考えになっているような考えを持っておらないわけであります。米軍基地の全面撤去ということを強く要求しております。あるいは自衛隊が沖繩に来てくれることについては決して歓迎しておりません。反対しております。そうしてまた強力な運動も展開されておるわけであります。こういう沖繩県民の叫びなり運動というものをどう受けとめられてこういう計画を立てられておるのか。とにかく県民がどう言おうと、これは日本という国の立場から考えて絶対必要なんだという、そういう考え方のもとにこれはごり押しにでも実施させようというかまえなのかどうか、この点を明らかにしていただきたいと思います。
#18
○国務大臣(中曽根康弘君) 自衛官の配置方針としましては、できるだけ本人の希望等を採用して、郷土に帰してやるという方針をとっておるわけです。これは住宅事情やあるいはいろいろ社会生活上の便宜のためにそういう希望をとってやっておるわけであります。沖繩県だから特別の措置をとるということでも必ずしもございません。しかし、希望者は、故郷で奉仕したいという場合には、沖繩県に服務させるということも十分あり得るし、そのほうが地元との摩擦も少なくなりますから、適当であるとわれわれは考えます。これは本土一般の例に準じてやりたい、そう考えております。
 その他の諸点につきましては防衛局長から答弁させます。
#19
○政府委員(久保卓也君) 地元の人たちが一がいに反対であるというふうには私ども理解しておりませんで、たとえば琉球新報によりますると、自衛隊の配備賛成が三五%、反対が三一%、わからないというのが三〇%ということであります。これは本土におきましても、自衛隊が理解されない場合にはやはり反対が多かったわけでありますが、漸次自衛隊の実体というもの、あるいはまた、日本の置かれました環境、あるいは安全保障の問題、そういうものの理解が進むにつれて自衛隊に対する支持というものもふえてくるわけでありますから、現在でも大部分が反対だというふうには理解しておりませんし、また、わからないという人たちを自衛隊の支持者に変わらせる、あるいは、反対という人たちの御理解を求めるといったようなことを進める点において自衛隊の増配置ということを進めてまいる、そういうようなことになろうかと思います。しかしながら、全般的な準備からしますると、返還の当初から配備をする計画、その場合に十分の準備をして配置をしたい、かような考え方でおります。
#20
○川村清一君 沖繩の問題につきまして、いまの防衛庁関係の問題につきましては、時間の関係でこれで打ち切りますが、いずれまたいたしたいと思います。
 対策庁長官のほうにお尋ねいたしますが、これも新聞報道によるわけでありますが、沖繩の振興開発のために政府は沖繩開発庁を設置するということをきめたようでございますが、この沖繩開発庁というものの構想をもっと具体的にひとつ説明していただきたいということが一点。
 それから、ちょっと新聞を見ただけでよくわからないのですが、その構想の中で、これは北海道開発庁とは若干違いまして、御案内のように北海道開発庁というのは独立の行政機関であり、独立の国務大臣がおるわけであります。北海道開発庁長官というのがおるわけでありますが、ところが、沖繩開発長官につきましては、これは開発庁というものを自治省に設置する、そうして自治大臣がこれを兼務するというような考え方になっておるようでございますが、それはどういう根拠によってこうしたほうが都合がいいというふうにお考えになったのか、この点をお聞きいたしたいと思います。
 それからもう一つ、現在沖繩・北方対策庁ということになって、長官は両方の対策長官でございますが、沖繩開発庁というものが独立に設置された場合に、今度は北方のほうは置き去りにしていくわけでありますか。北方のほうは一体どういうことになるのか。「沖繩・北方対策庁」の「沖繩」が開発庁になっていってしまう。「北方」は今度なくなるわけですか。「北方」はまたどういうことに、対策庁ということで残るのか。この点は、私も北海道人ですから特にお聞きしておきたいのですが、この点、ひとつこの際御説明願いたいと思います。
#21
○政府委員(岡部秀一君) 沖繩の復帰にあたりまして、いろいろの暫定特例の諸措置をいたしまして、そして県民の生活及び経済等を本土復帰にあたってスムースに移行させようという仕事、それからもう一つ、復帰後において、特例的なことも、いままでの対策要綱で、二年あるいは三年の間の特別措置とか、あるいは五年の特例措置とかいうことがありますから、これがスムースに、円滑にいくようないろいろの連絡調査等をやっていかなければならぬということが、一つ、復帰後でも大きな仕事に残ると思います。そのほかに沖繩の開発の問題、これが、北海道開発庁の場合は主として公共事業を中心とする開発ということに限っておるようでありますが、沖繩の復帰後には、沖繩の二十五年間の格差是正と、さらに沖繩の振興策ということを考え、あるいはまた、そういう沖繩の格差是正という消極的な観点だけでなくて、さらに大きく、沖繩が本土に復帰になったということで――沖繩をそのままにしておけば何らの価値ないもの、あるいは格差是正だけをやらなければならぬということになりますが、沖繩が本土に帰ってきたということで本土の価値がそれだけ増すという考え方をすべきだと私は思います。そうすると、本土のほうでも、そういう格差是正、マイナスの面をようやく水準まで持っていくというんじゃなくて、沖繩が復帰した、その沖繩の価値というものに振興開発という力を注ぐならば本土の価値がぐっと上がる。すなわち、日本の価値がぐっと上がると言うことができると思いますし、そういう観点で沖繩の振興開発というものをすべきだと私は思います。たとえば農業におきましても、現在では本土では温帯の農業、これが、亜熱帯という地域が返ってきて亜熱帯農業というものが日本にプラスになってくると、こういう考え方ができると思いますし、また、沖繩のあの離れている島、これを僻遠の地だという考え方じゃなくて、今後日本が発展していく東南アジアの前進基地だと、中継基地だという考え方をもって開発をしていくならば、沖繩の開発、それは沖繩だけでなくて日本全般の価値を大きく伸展させると、そういうことになると思います。そういう面で沖繩の振興開発ということを考えていくならば、単に北海道開発庁のような開発関係でなくて、いろんな面に力を注いでいかなくてはなりませんし、また、特に格差是正の問題もありまするから、開発のほかに、経済面において、あるいは教育文化面、あるいはまた社会福祉の面、観光の面と、そういう面で、開発だけでなくて、広く全般の開発振興というふうなものをやっていくということが必要だろうと思います。その面で大きな力を今後沖繩の開発に注いでいかなくてはならない、こういうことを考えますならば、今後、秋の沖繩に関する臨時国会のときに、従来の暫定特例措置の法律のほかに、沖繩振興開発法というふうな法律を制定するということが大事だと思うのであります。そうして沖繩の開発をやっていくということがけっこうだと思うのですが、その沖繩の振興開発をやるのについては、やはり強力な機関というものが必要であろうということで、沖繩開発庁というものをぜひとも置くことが沖繩のためだし、日本全般の振興に役立つというふうに考えます次第でございます。
 それにつきまして、その振興策をするのについて、沖繩振興開発法という法律の中に、国の負担金を手厚くするとか、あるいは補助金を手厚くするとか、そういう特別に手厚い、いろいろな諸施策、補助等を盛り込んでいくということによりまて、法律できまっておるということで相当の振興をすることができますけれども、しかし、今後毎年毎年の予算及びその振興計画の調整、統合、進展というふうなことを考えますると、開発庁を置いてそうして所管大臣を置く、大臣を長とする開発庁を置くということが最も沖繩のためにもなるというふうに考えております次第でございます。
 その所属をどこに置くかということについては、全然まだ検討をいたしておりません。いろいろと利害得失を考えていったらいいと思うのですけれども、いずれにしても、各省庁でやる諸事業を連絡、調整し、推進していくというふうな高い観点から、各省よりは高いというか、そういうふうな観点でやっていく必要があろうと思いますし、先ほどの立法院の方々の要望は、総理大臣直属の総理府外局としてという意向が非常に強いということを、先ほど立法院の人たちも言っておりましたような状況でございます。それをどこの所属にするか、どういう機構でするか、これはひとつ十分に研究をしていくべき問題だと思いますし、要は、沖繩の振興開発、豊かな県民生活ができるようなということを頭に置きまして今後いろいろと研究をしてまいりたいと思っております。
 それからその次にお尋ねの、北方の問題をどうするかということにつきまして、これは開発庁の中に入れるかどうか、あるいはまた、別に置くかどうかということにつきましても、まだ具体的になっておりませんので、今後研究をしていかなくてはならないと思います。
 ただ、こういうことは言えると思います。沖繩が返還をいたしましたあとは、北方領土問題が唯一の未解決な重要な領土問題として残るということでございます。そういたしますると、この北方領土問題に関するところの啓蒙宣伝、調査研究、北方領土の元居住者の援護というものにはさらに拍車をかけて、行政面においても事務を進めていかなくてはならないということになりますと、根本的な考え方としては、いま、沖繩と北方と両方の対策をやっております沖繩・北方対策庁よりも、少なくともそれ以上の、少なくともそれよりはレベルを落とさないところの機構、やり方というふうなやり方をやっていく必要があると思います。分離するにしてもしないにしても、そういうやり方、今後、いまよりももっと力を入れた機構ややり方をやっていくべきであろうということについてはだれも異論がないと思いますが、その点の、具体的にそれをどうするかということは、今後さらに皆さん方のお知恵を拝借しながら考えてまいらなければならないと思います。
#22
○渋谷邦彦君 先日行なわれました連合審査会の際にもお尋ねをし、そして長官の御答弁をいただいた自衛隊移駐の段取りについて、県民の合意を得た上で行ないたい、こう申されたように記憶をいたしております。ならば、どういう方法で、いつ、そうした合意を得られるためのこれからスケジュールを組まれるのか。まず、その点からお伺いしてまいりたいと思います。
#23
○政府委員(久保卓也君) 現在沖繩には陸・海・空制服の連絡官を三名配置いたしておりますが、この秋には施設庁の支分部局も設置されるはずであります。そういうことで、来年の何月になりますか、その返還以前におきまして、防衛庁の部局におきまして、球琉政府はもちろんといたしまして、関係方面に対するそれぞれの連絡あるいは折衝、あるいはPRといったようなことを進めていかねばなるまいと思いますし、また返還後、当初配置されました自衛官自身がPRマンとなって県民の中に溶け込んでいかねばならない。しかし、一番県民に受け入れられまするのは、やはりそういった関係筋への連絡でありますとか、あるいは広報関係でありますとか、ということよりも、自衛隊員の活動そのものがPRになるようであります。そういうことからいたしまして、やはり事前のそれぞれの活動も重要でありますけれども、自衛隊が配置された後に自衛隊自身が何をやるか。民生の分野で相当寄与し得るつもりでありますが、また救難その他、米側から聞いてみますと、相当あるようであります。そういったものがすべて海上保安庁なり警察機関なりあるいは自衛隊にかかってくるわけでありますから、そういうような活動を通じて沖繩県民の支持を得るということを最大の念願にすべきだろうと思っております。
#24
○渋谷邦彦君 そうしますと、合意を得られる前に、自衛隊が移駐して具体的な活動、またいろんな災害救助訓練ということを行なうと理解してよろしいですか。
#25
○政府委員(久保卓也君) 合意ということがなかなかむずかしいといいますか、何が合意であるかということが問題であろうと思いますけれども、今日におきましても、先ほどもちょっと申し上げましたように、少なくともアンケートの数字から申せば、自衛隊の配備に賛成をしていられる方がおられるわけで、何十万――百万人に近い方々の全部が同意しなければならないということはなかなか困難な問題でもあろうかと思いますから、やはり大勢を察知し、かつ、琉球政府その他の関係者の同意を得つつそういうことをやるのが至当であろう、また、そういうことは当然日本政府の機関として得られるものであろうというふうに思っております。
#26
○渋谷邦彦君 ちょっとすりかえられてしまったような感がするんですが、その関係先の方々のいろんな意見を聴取しながら合意を得る。同時に、琉球新報の例を出されてアンケートの結果等を一つの例証とされました。しかし、それがどういう範囲でどういう階層でアンケートをとられたのか、私にはわかりません。自衛隊自身としてはもっとその辺の具体的な合意の求め方――いま局長は何が合意で、どういう形のものがそういうふうになるのかそれはさだかでないと、ならば、長官のおっしゃった県民の合意というものと一体どうなるんだという矛盾がここに出てきはしないか。長官、その点どうですか。
#27
○国務大臣(中曽根康弘君) 屋良主席や立法院の皆さまや各党の皆さま方とよくお話をいたしまして、そして了解を得るようにつとめて、できるだけその努力を行ないながら、また自衛隊を進出させる諸般の準備を進めたいと思います。最終的にどういうような御返答を得られるかまだ確信はございません。ございませんが、ひたすら努力をして御理解を得るようにつとめてやっていきたいと思います。
#28
○渋谷邦彦君 たいへんにくどいようですけれども、なるほど立法院議員の方々は県民を代表するクラスの方々であります。立法院議員の全会一致は無理といたしましても、その際にどの程度のめどができたならばそれは一応県民の総体的な意思表示であるというふうに御判断をなさるおつもりでございましょうか。
#29
○国務大臣(中曽根康弘君) こういうものは必ずしも数にたよるということは危険なことで、やはり県民の空気というものをよく心眼を開いて洞察して、そしてこの程度の事態であるならば御了解をしていただいたものとして進めるというのも一つのやり方であろうと思います。
#30
○渋谷邦彦君 これ以上やりますと水かけ論になりそうな気配だと私は思いますが、心眼を開く、それには判断の基準というものが長官にはもちろんおありになるだろうと私は思います。いずれにしても、長官の意図の中には、そうした自衛隊移駐という、県民のいままで想像もできなかったような新しいそういう環境というものが生まれてくることになるわけでありますので、細心の注意を払ってやっていただきたい。いろいろ合意の取り方というものはございましょうけれども、できる限りあらゆる手段を尽くしてやっていただきたい。
 それから、局長が先ほどおっしゃった中に、PRの活動と言われた。具体的にいまどういうことをお考えになっていらっしゃいますか。
#31
○政府委員(久保卓也君) これは、いま私のほうでは特に所掌しておりませんので存じておりませんが、いずれにせよ、現在派遣されている自衛官自身が市民の中に溶け込んでいくという課題を持っておりますし、またしかし、三名では実は何ほどのこともできませんわけで、実際にはやはり施設庁が配置されたあと、あるいはまた部隊が配置されたあとということになろうかと思います。内容については、私、了承しておりません。
#32
○渋谷邦彦君 次に、これも若干お尋ねをして御答弁をいただいておりますが、返還後における核の確認ということをぜひやりたい、それは可能性が十分ある、こういうふうな御回答のようであったと思います。私は、核の問題も当然これは大前提にならねばならないことは言うまでもございませんし、そのために衆参両院を通してしばしば議論が展開されてきたことも周知のとおりであります。それに伴いまして、もっとやはり核というものに隠されて、今度はいわゆる通常兵器ではない、いわゆる特殊部隊が持っているであろうところの脅威的な兵器、そうしたものについても先般は毒ガスという問題が指摘されて、そして県民がこぞって世論を形成し、ついに毒ガスの撤去というところまでこぎつけたわけであります。そうしますと、県民の、何かそういう問題がありはしまいかという絶えず不安と疑惑の中に一つ一つ表面に出てまいりますと、まだわれわれの知らないものも存在しているのではあるまいかというようなことになりますと、依然としていわゆる平和な豊かな沖繩県づくりという県民の意思と逆行する行き方になってしまわないかということを非常に心配するわけであります。したがいまして、その他想定されるあらゆる特殊兵器とあるいは申し上げたほうがいいかもしれませんそういったものまで含めて、確認ということをおやりになる用意があるかどうか、いかがでございましょうか。
#33
○国務大臣(中曽根康弘君) 核兵器等につきましは、すでに当委員会でも申し上げたこともございますが、前に申し上げたようなことを努力してみたいと思っております。毒ガスにつきましては、先般来すでに御承知のとおりの処置がとられいるわけであります。いわゆる生物化学兵器といわれるものは存在しないだろうと私たちは確信しております。それ以外のどういう兵器があるか、私ら不肖にして知悉いたしておりませんが、常識的に見て、本土に置くことを適当としない、そういうわけで本土に置かなかったようなものは、当然沖繩においても置かせないように私たちはこれからも努力すべきである。そういうようなものはたぶんないだろうと思いますけれども、これは沖繩の返還前後にこういう点についても配慮していくべきであると思っております。
#34
○渋谷邦彦君 とおっしゃることは、それも合わせて可能な限り確認を進めていきたい、と理解してよろしゅうございましょうか。
#35
○国務大臣(中曽根康弘君) けっこうでございます。
#36
○渋谷邦彦君 次に、ニクソン・ドクトリンの一環として、本土におきましても、三沢基地あるいは横田基地、横須賀等をはじめとして大幅な縮減、また兵員も一万人削減という、そういう方向に決定を見ております。そうした背景というものを考えてみた場合に、今後アジアの戦略体制というものが一体どこへ焦点が合わされていくんだろうと。基地の持つ機能というものから判断して、その価値の重要性というのが、だんだん何か変化というものが遂げられていっているんではないだろうか。また、伝えられるところによりますと、中国における核開発が相当の勢いで進んでいる。おそらく七二年か三年中にはIRBMあるいはMRBMの装備が完了するのではないだろうかと。そうなった場合に、当然沖繩を含む本土というものはその制圧圏に入ってしまうということを想定した場合、これは、いままで本土をはじめとしてあった基地というもののはたしてその機能というものの万全を期することができるであろうか。したがって、その制圧圏外のミクロネシア群島までの撤退を米軍は考えるだろう。そして、すでにもう新しい設備というものをつくりつつあるというようなふうにわれわれは聞いてもおります。はたしてその信憑性というものがどこまであるか私は疑わしいと思いますけれども、しかし、だからといって、はたして、いままで本土から撤退した、あるいは縮小された米軍の兵力というものが沖繩においてはどうだろうかと考えましたときに、沖繩はかえって、新たな最も強力な基地として再確認をされ、そしてさらに強化されるおそれもないだろうかというふうに心配もするわけであります。しかし、一方においては、しばしば米軍側の発表にもありますとおり、沖繩においても、B52等をはじめとして、メースBあるいはその他の部隊の削減についても、これは逐次これからもやっていきたい。しかし、補給あるいは通信基地としての機能というものはこれからも強化していきたい。こういう二面があるわけであります。そしてまた同時に、最近伝えられるところによりますと、国頭村におきましては、海兵隊が永久的にそれを使わしてもらいたい、永久使用というものを琉球政府のほうに申し出があった。こうした点をからみ合わせて考えてみた場合に、依然として米軍というものの戦力的な低下というものは考えられないというふうに判断もしたいのでありますけれども、しかし、いままで米国側がニクソン・ドクトリンという基本的な考え方に立って、これから、アジア地域から、あるいはその兵員の削減、また、いま申し上げたような兵器の撤退というようなことも行なわれるかもしれません。そうした場合に、自衛隊の持つ役割りというものが相当やはり重大視されていくのではあるまいかという観点に立ちまして、若干先ほども御答弁があったようでありますけれども、自衛隊としてもこれから沖繩に集中的に防衛力強化というものを推進していく、そういうようなことが十二分に考えられるだろう。それは、第四次防の規模に見られるごとく、予算のそうした膨大なふくれ上がった状況から見ても十分うなずける。
 少々長々としゃべり過ぎてしまいましたけれども、そうしたことを踏まえて、今後、自衛隊が沖繩に集中的――にそれはなるほど、先ほど、陸上あるいは海上あるいは航空というぐあいに配置の規模について発表がございましたけれども、しかし一方、兵器の点については、むしろその点で米国側から肩がわりするような危険性はないか。前にもこの点をお尋ねしたときには、絶対ないと長官はおっしゃいました。これは、重ねて、確認の意味で、きょうこの機会にお尋ねを申し上げておきたい。
#37
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本国の領域を専守防衛するという意味における防衛は、自衛隊が沖繩進出後も沖繩で担当いたしますが、それを越えるものは自衛隊はいたしません。そのことは、重ねてここで申し上げる考えであります。
#38
○渋谷邦彦君 それから、いまの問題に関連しまして、キー・ストーンからステッピング・ストーンというふうに性格的に変わるであろうというふうに予測されております。長官は、こうした一連の変化というものについてどのように評価をされ、そうして判断をされていらっしゃるか。その見解をお伺いしてみたいと思うのです。
#39
○国務大臣(中曽根康弘君) 大勢としては、平和は持続していくだろうと思いますし、それから、極東において、中国、ソ連、アメリカ、あるいは日本も含めまして、緊張緩和の方向に行く可能性もあるだろうと私思います。したがいまして、沖繩における米軍の配備というものは、返還後は、ある程度減少していると申しますか、機能が縮減しているという、やや楽観的な見通しを私は持っております。ただし、国際情勢が急変等すれば別でございますが、そういう可能性はあると思います。それはまた歓迎すべきことでもあります。われわれは、国際情勢をよく注目しながら、沖繩の防衛についての国際環境を刺激したり、あるいは過剰防衛ぎみなことにならぬように、節度ある防衛力として自衛隊を維持していく考え方でございます。
#40
○渋谷邦彦君 先般もちょっと私触れて申し上げたのですが、今後の沖繩防衛ということを考えた場合に、その防衛ということの中に、中国というものを当然考慮の中に入れなければならない。これはむしろ、防衛庁としてそういう判断をされているということから考えてみた場合に、先ほど触れましたように、今後自衛隊というものが、あるいはミサイル、核というものを引き継ぐ、レーダーサイトも引き継ぐという一連の事柄があるわけであります。そうしたことから、将来あるいは全面的にいろいろな点を自衛隊としては引き継ぐ可能性もあるのじゃないかということを通じて、中国に対する刺激を与えるようなおそれはないか。これを再度長官から、いろいろな背景を通しまして述べていただきたい、こう思います。
#41
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は、前から、日本及び極東における国際緊張の緩和の方向に国策を進めていくべきであり、その意味で外交的努力が非常に重要性を持つということを言ってきておる一人でありますが、この考え方は変わりません。したがいまして、たとえば、日本は、中国を取り巻く国際軍事機構に入ってはならない。あるいは、中国との間に軍備拡張の悪循環を起こすようなことをやってはならない、そういうことを明言しておりますが、今後もそういう精神をきちんと確立いたしまして、自衛隊がそういうようなおそれのあることがないように戒心してまいるつもりであります。
#42
○渋谷邦彦君 そこで、たとえば戦闘機に例をとってみた場合に、いままでは防御用の戦闘機、ところが、ただいま現在と申し上げたほうがよろしいと思いますが、攻撃用戦闘爆撃機に切りかえられつつある。しかも、当初百四機というそういう予定であったものが、百五十八機にふえた。これは私の記憶に間違いなければのお話であります。それは、沖繩が返還され、その沖繩の基地に常駐させるために当然それだけの機数は必要となるからである。これが一点。はたしてそうなのかどうなのか。
 それからその攻撃用の戦闘爆撃機については、これは幸いにして日本は海に囲まれている。その航続距離から見ても、それは攻撃用の戦闘爆撃機ではあるけれども、あくまでも防御用のためであると長官はあるところで述べていらっしゃいます。はたしてそれがそうなのかどうなのか。
 それからもう一つは、これはナンセンスな質問かもしれませんけれども、だんだんこうエスカレートしていくうちに、航空母艦なんかも持ちやしまいか。まあ、米国側に、航空母艦とかなんとかいうものを、いざ問題が起こった場合には、当然協力を要請すると、また米国はそれくらいのことはするだろうという見通しのもとに長官はそのようなお話をされている記事を読みました。ところが、米国がはたしていつまでこの経済大国の日本に対して何からかにまで世話をし切っていくだろうか。日本のかってにやれ、そうなった場合に、一体いまの行き方でいいかどうかは別問題としても、だんだんこうエスカレートしていきやしまいか。そして、しまいには原子力潜水艦の問題にも触れておられたようであります。原子力商船というものが事実上でき上がった場合、世論というものも一応鎮静化した場合に、当然それに並行して原子力潜水艦もつくると、こういうふうな言明をされたように記憶しております。こうした一連のことを考えてみた場合に、原子力潜水艦あるいはさらにエスカレートして航空母艦にいきやしまいか。この点、いかがですか。
#43
○国務大臣(中曽根康弘君) 日本防衛の一つの型とワクができておりまして、核抑止力並びに攻撃的兵力、まあ安保条約を通じて米軍に期待する。そういう基本原則を守ることが賢明であると思いますし、アメリカ側もそういう型とワクを承認して、そういう了解のもとに安保条約も運営されておるのであります。私はそういう事態はずっと今後も続くと思いますし、航空母艦とかそういう攻撃的と思われる兵器は将来といえども持たない。そういうことをここで重ねて言明いたしたいと思います。
#44
○渋谷邦彦君 それではF4EJファントムですか、この戦闘機については確かに航続距離は非常に短かい。いま航空母艦の問題については否定なすった。それでは空中給油ということは考えていらっしゃるか。これは演習を含めてです。
#45
○国務大臣(中曽根康弘君) 考えておりません。新防衛力整備計画の中でも空中給油機を手に入れるということは考えておりません。
#46
○渋谷邦彦君 まあ、ついでですからと申し上げてはたいへん恐縮なんでありますが、今後まあ将来ともにわたって、いまの御答弁を伺っておりますと、まあそういう不測の事態はまず起きない。これは想定でありますから何とも言えませんけれども、しかし、絶えず、防衛というものが大前提にされている以上は演習も必要でありましょう。訓練も必要でありましょう。そうした場合に、これもおそらくいままでも何回か衆参を通して議論をされてきた問題ではありますけれども、特に日米共同声明を背景といたしまして、あるいは日米における共同演習というようなものが、積極的とは申しませんけれども、やはりその状況状況に応じて行なわれる可能性がこれからありはしまいか。こういう点はいかがですか。
#47
○国務大臣(中曽根康弘君) 共同演習は安保条約の一つの具体化のものとして起こり得る可能性はもちろんであります。いままでもやってまいりましたが、将来も必要に応じてやるべきであるだろうと思います。
#48
○渋谷邦彦君 そうしますと、それに関連して、あるいはその将来において、日米韓というような三国共同演習と申しますか、そういうものもこれからもあり得ると理解してよろしゅうございますか。
#49
○国務大臣(中曽根康弘君) 韓国との間にはそういう安保条約というようなものはないのでありますから、そういうことは行なわれません。
#50
○渋谷邦彦君 また今後も米国からそういう要請もないとわれわれは理解してよろしゅうございましょうか。
#51
○国務大臣(中曽根康弘君) たとえ要請がありましても、断わります。
#52
○渋谷邦彦君 次に、これは報道の面ですから、私は確認しておりません。その意味で御答弁いただいてけっこうですが、インドネシアにおいて最近日本が軍事協力を申し出たということが伝えられております。この点の内容についてはどうなっておりましょうか。
#53
○国務大臣(中曽根康弘君) インドネシアに対して日本が軍事協力を申し出たという事実は、私は知りません。たぶんそういうことはないと思います。
#54
○渋谷邦彦君 ところが、これは陸上幕僚長ですか、あの回答が出ているのですよ。たしかあのインドネシアの陸軍参謀総長が来日された際に、軍事協力――まあ、軍事協力と一般的な表現で申し上げましたけれども――申し入れがあったときに、十分検討してみるという答弁がここにあるのですよ。そうしますと、何ら長官のほうにこれが報告されていないということで、この記事は実は誤解に基づくものである、こうなりましょうか。
#55
○国務大臣(中曽根康弘君) 「軍事協力」という意味の内容にもよりますけれども、たとえば留学生を派遣する、そういう場合には、わがほうの学校に入れて、留学生として教育してやることはあります。そういうことを、その文章はあるいは意味しておるのかもわかりません。いままでわれわれが言明している以上のそういう両国の軍事関係というものは、われわれは持たない考え方であり、そのことは陸上幕僚長もよく私らの意図を知っておることでありまして、そういう危険はありません。
#56
○渋谷邦彦君 重ねて伺いますが、これは日本から軍事顧問団のようなかっこうで――そういう「軍事顧問団」とは言っておりませんけれども、受ける印象はそういうような形になっております――を、インドネシアに来てもらって、具体的に兵員の訓練をやってもらいたい、非常にインドネシア自体が社会不安の情勢に置かれておる、秩序維持のためにも、現在日本において行なわれておるいろいろな訓練というものは進んでおる、そういう進んでいる面を十分考慮して、その面での協力を願いたい、こういう要請の趣旨であったと思います。そういうこともあり得ないと理解してよろしゅうございましょうか。
#57
○国務大臣(中曽根康弘君) あり得ないと理解してけっこうであります。
#58
○春日正一君 きょうは米軍基地の地先水面の問題、海上演習場の問題などいろいろ質問するつもりでおったのですけれども、時間がないようですから、もう少し単純な問題にしぼってお聞きしたいと思います。
 そこで最初に、沖繩に現在ある米軍基地というのは、一体幾つあるのか、それを教えてほしいのです。
#59
○政府委員(島田豊君) この基地の数のとり方がいろいろ基準の違いによりまして違ってまいりますが、まあ概略、百五十ぐらいということでございます。
#60
○春日正一君 百五十ぐらい、では困るのですよ。というのは、沖繩の基地の機能とか沖繩の基地の量が本土の比でないということで、ここで何回も論議されておるわけですけれども、しかし、基地の量とか密度が論議されながら、一体基地の総数が幾つあるかということを政府からはっきり聞いたことがないのですね。それで中間報告によれば、基地については、返還協定の際に提供するもの、暫定的に提供するもの及び返還もしくは縮小するものに分けて明らかにする、こういうことになっているわけですね。そうしたら、もう近いうちに返還協定を結ぼうというその期に及んで、基地の数が「おおよそ」というようなことでは困るのですよ。大体いままで折衝してきた基地の数、勘定してみれば幾つあったときっちり出るはずなんだから、そこをはっきりしてもらいませんと、基地については国民は非常な不信というか、不安を持っておる。だから、おおよそこのくらいでしょうというような、腰だめで領土主権の問題を折衝されておったのでは困ると思うんですよ。はっきり言ってもらいたい。
#61
○政府委員(島田豊君) いまいろいろ外交レベルにおいて提供すべき施設・区域についての検討が行なわれていることは御指摘のとおりでございますが、いままでの施設の数につきましても、それぞれの資料によって若干異なっておりますので、どの資料が一番正鵠を得ているかということについて、いろいろ問題がございます。そこで、われわれは、大体百五十という考えをいたしているわけでございます。
#62
○春日正一君 この間も外務大臣もそう言っておりました。それぞれの陸・海・空の軍隊なり部隊によって基地の勘定のしかたが違うからだ、と。アメリカがどういう勘定をしようと、それはかまわないですよ。日本の政府がどう了解しているか、それがなければ日本の政府としてほんとうに詰めた話はできないじゃないか。そこのところを言っているわけですよ。
#63
○政府委員(島田豊君) まあ、百五十という数とそう遠く隔らないと、そういうことでございます。
#64
○春日正一君 そうすると、この期に及んでもはっきりした数はつかんでないと、漏れたものもあるかもしれぬ。そうすると、返還協定を調印してしまったあとに、何か妙なものが発見されるというようなおそれはないんですか。
#65
○政府委員(島田豊君) そういう心配はございません。たとえば、一つの貯油施設を全体の貯油施設の一環、たとえば貯油タンクを一つの貯油施設として見るか、あるいは全体の貯油施設の中の一つと見るか、それによってもかなり数が違ってまいりますので、その辺のとり方がむずかしいということを申し上げているわけでございまして、隠された基地があるということはございません。
#66
○春日正一君 どうもそこの辺、私はここをはっきりしてもらわにゃ困ると思うのだけれども……。つまり、交渉しているんでしょう、基地について。これは残すとか、これは縮小するとか、あるいはこれは返すとかというような折衝をやっているわけでしょう。どことどこに基地があって、どれについてはという、その全部のものがわかってなければ折衝もできないし、完全なものはできない。だから、私は、あとから出てくることはないかというような不安を持つわけですよ、そういうことになると。だから、そこらは、「およそ百五十くらい」というような答弁を国会でしておるということになると、これは何といいますか、私はこの大事な問題を軽く見ておるというか、あるいは国会を軽く見ておるというか。領土の問題でしょう。一坪といえども、日本の国の領土の問題でしょう。それを、およそこのくらい、というような腰だめで議論をしておる。しかも、返還協定はもう旬日のうちに調印されるかもしれないという報道がされておるというときに。そこの点、もう一度聞いてもそれ以上言えなければ、ぼくはそれ以上聞かないから……。
#67
○政府委員(島田豊君) いま百五十と申しましたが、この中には、民政府の施設あるいは公社の施設、こういうものも含まれておるわけでございます。そこで、そういうものが、はたして今後米側の軍事施設として提供することになるのかどうか、その辺も問題がございます。まあ、民政府の建物などは軍事施設とは言えないじゃないかということも考えられます。そういうものも含めまして約百五十ということでございますので、その辺のやはり数のとり方というのは一つの問題でございます。現在幾つということを正確に申し上げることはちょっとむずかしいということでございます。
#68
○春日正一君 それで昨年一月、アメリカの上院のサイミントン委員会にランパート高等弁務官が提出した施設の一覧、これには百二十というふうになっていますね。その点、間違いないですか。
#69
○政府委員(島田豊君) 私、正確にその数を覚えておりませんけれども、この数のとり方によりましていままでいろいろな数が言われておるということはございます。数年前でございますが、床次総務長官は百五十ちょっとというふうな表現も使われておりますけれども、ただ、百二十という数は出たことはあると思います。
#70
○春日正一君 それで、そのほかにわが党の調査団がこの間沖繩に行きまして手に入れたこういう地図があるんですよ。これはアメリカ太平洋陸軍工兵部隊が公式につくっているやつです。これは政府の現地の沖繩対策庁ですね、あそこの加藤沖繩事務局長の部屋にかけてあるのですが、それで、これには百四十二カ所となっているんです。だからそういう違いは、向こうは都合でやるからいいけれども、日本の政府としてはとにかく何と何が幾つあるかということをしっかりつかんでもらわなければそれは困る。そこでもう一つ問題なのは、この二つの資料ですね。サイミントン委員会の資料で百二十と言っておる中に、鹿児島県の沖永良部島が琉球列島の施設としてここに入っているわけですね。これの中に、第七十九番目に、沖永良部エア・ステーションと、こうなっているんですわ。これが入っているんですね。それからこの地図にも、ここのところに沖永良部エア・ステーションと入っているんですよ。沖永良部島は鹿児島県であることには間違いないんですけれども、それがこのアメリカ軍の側の二つの資料に両方とも沖繩の基地として扱われておる。このことを政府は御存じか。
#71
○政府委員(島田豊君) 米軍の資料では沖永良部は沖繩という範囲に入っておるようでございますが、日本政府としましては、それは除いて計算をしております。
#72
○春日正一君 そうすると、そのことを知ってはおったのですね。
#73
○政府委員(島田豊君) ええ。それは承知しております。
#74
○春日正一君 これは私、非常に問題だと思うのですよ。沖永良部は本土の領土だと、安保条約の適用範囲内だということでしょう。アメリカのほうは、全面占領の沖繩の部類に入れて勘定しておるということは、そういうつもりで使っておるということでしょう。それを日本政府が知りながら黙って見過ごしてきたということは、これはどういうことですか。やはりそれは間違いだと、日本の領土なんだからそれは抜いてくれと、なぜ言わなかったか。
#75
○政府委員(島田豊君) 日本政府としては、当然沖永良部は鹿児島県でございますし、これは本土でございますから、それについてはいささかの疑問もないと思いますが、まあ米軍の地図の中にそういうものがあったということで、まあ、確かに先生御指摘のように、それははずせと、こう言うべきかもしれませんが、そこらについては全然争いのないところでございますので、おそらくいままで特別そのことはそういう指摘をしなかったのではないかと思います。
#76
○春日正一君 そういうものでないですよ。これを加藤局長の部屋で見て、わが方の調査団が、これの複製をもらいたいんだと言ったら、加藤局長は、米軍の許可がなければ複製はやれないと言う。それで米軍に照会したら、それはやってはいけないと言う。つまり、今度の国会議員の調査団に渡してはいかぬような、そういう性質なものとしてアメリカは扱っておる。だから、私がここで言いたいことは、沖永良部の飛行場がどう使われようとたいしたことはないじゃないかと思われるかもしれないけれども、しかし、政府のその姿勢ですよ、さっきの。基地がおよそ百五十ぐらい、というような形で基地の返還交渉をやっておいでになる。沖永良部が明らかに鹿児島県で、安保条約の適用区域だ、アメリカの占領区域、いわゆる沖繩とは違うのだということがわかっておるのに、それが向こうに編入されておるのに、まあ、たいして実害がないと思われたかどうか知らぬけれどもそのまま見過ごしておる。こういういいかげんな態度で沖繩の返還交渉をやられたのではたまったものではない。その基本姿勢を私は問題にしているのですけれども、この点は長官からお聞きしたいのです。基本姿勢としてそんなぐうたらなことでやっておいでになるのか、またやっていいのか、その点をお聞きしたいのです。
#77
○国務大臣(中曽根康弘君) そういうぐうたらなことではやっておりません。やはりわが領土である沖繩県あるいは鹿児島県に所属するところはぴちっと言っているはずです。ただ、向こうが地図作成のときに何かの間違いでそういうふうに刷ってしまったのだろうと思います。いま沖繩にありまする諸般の基地につきましても、協定をつくってやるときにちゃんと提供施設として列挙すべきものであって、限定的に列挙すべきものでありますから、一つ一つそれは確認しているわけです。ただ、いままで向こうの施政権下にありましたから、向こうの側にしてみると、映画館も、ボーリング場も基地みたいな向こうの施設になっておったり、あるいはホテルのようなものも、観光施設みたいなものも、米軍人が使っている場合には、向こうの一つの場所になっている。そういうものと、元来の基地というものは区別しなければいけない。あるいは国務省系統で使用すべきものを軍という名前で使っているものもまたあった。そういうものを全部一つ一つ洗い出しまして、これは提供施設、これは返させる、これは提供施設にあらざるものをアメリカが使っているけれどもどう処理するか、そういうふうに一つ一つ洗い出して処理をしておる最中でございます。でありますから、いわゆる軍事基地というものが何個ということは、その両方の話し合いがきまったときに正確にきまるわけでありまして、まだ正確にいつということを申し上げかねるというのが、いま申し上げた事情からおわかりいただければありがたいと思う次第であります。
#78
○春日正一君 サイミントンの報告ですね、あれも七〇年の一月、それからこの地図のできたのも七〇年の一月ですが、同じ時期に沖永良部が両方の資料に入っておるということは、これは一般的にいって、アメリカ側としては沖永良部の飛行場というものは沖繩に属するものとして扱っておったというふうに見ていいんじゃないかと思いますよ。そうすると、いま長官が言われたように、ずぼらな態度で交渉していないというならば、いまからでもおそくないんだから、とにかく沖永良部の飛行場というのは沖繩の中に入れるべきものじゃないんだということをはっきりさして、取り消せと言うくらいなけじめはつけておくべきじゃないのかというように思うのですけれども、そこのところはどうですか。
#79
○国務大臣(中曽根康弘君) それは先方に言ってあるはずです。私も沖永良部が間違って向こうの地図に載っているということは聞いたことがあります。そういうことはこちらも認識しておるわけであります。それは当然言ってあるはずでありますし、私、そういうことを聞いたことがあります。しかし、わざわざそういうお申し渡しでございますから、念のためもう一回確認しまして、厳重に直すように向こうに言いたいと思います。
#80
○春日正一君 もう一つ、この点についてアメリカのほうの考え方を見ますと、こういうことなんですね。アメリカの高官の証言として私の知る限りでは、まだ報道されたことないと思いますけれども、ジョンソン米国務次官が国務次官に任命されるための米上院外交委員会の聴聞会が六九年の一月二十八、九日に開かれた。そこでこの駐日大使をやめたばかりのジョンソン氏がこう言っておるのですね。「日本本土および沖繩における基地体系は、単一の体系であって、この全域の防衛を任務としている。そしてこの全域という中には、朝鮮も含まれているが、このことを、私は極めて重要なことだと考えている」、こういうふうに言っているのですね。だから、アメリカ側では、大体、沖繩の基地も本土の基地もあるいは南朝鮮にある基地も、一つの軍事体系というように見ておるというふうにこれでは見られるわけですけれども、だから、こういう条件のもとで沖繩が安保条約のもとに返ってくる。だから、これは本土並みになったと言っても、逆にそういう一番キー・ストーンである沖繩が安保条約の中に繰り込まれ、しかも、韓国その他と一体の体系の中で機能するということになれば、安保条約が内容的に変わっていくということは当然結論されるのじゃないかと思うのですけれども、その点、どうなんですか。
#81
○国務大臣(中曽根康弘君) 米軍の編成上の区分けは、第五空軍が日本の本土も沖繩も、あるいは朝鮮半島も管理しております。それから、第七艦隊は極東水域を全部カバーしておる。アメリカの軍の編成上のそういうユニティーはありますけれども、また管轄その他について、また、条約の適用については峻別しているところがありまして、在日米軍司令官、在日米海軍司令官、在日米陸軍司令官、そういうものがきちんとあって、それらはそれぞれの職務分担に従ってやっておるわけであります。ですから、安保条約の適用についてはそう混淆することはございません。
#82
○委員長(米田正文君) 本調査に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#83
○委員長(米田正文君) これより請願の審査を行ないます。
 第一六四号沖繩復帰後の右側通行区分維持に関する請願外八十七件を議題といたします。
 まず、専門員から説明を聴取いたします。
#84
○専門員(小倉満君) 御報告申し上げます。
 今会期中この特別委員会に付託されました請願は全部で八十八件ございますが、これを内容別に分類いたしますと、お手元にありますように、七種類ございます。以下簡単に要旨を御説明申し上げます。
 まず、請願番号一三八四号外六十四件は、現在政府が進めております返還協定交渉は、沖繩の「核隠し、核持ち込み、自由出撃」を実現するものであるために直ちにこれを改めて、対日平和条約第三条並びに日米安保条約を廃棄して、沖繩の無条件全面返還と、平和で豊かな経済復興をはかられたいというものでございます。
 次に三一八は、沖繩にある毒ガス及び核兵器を即時撤去するよう米国政府に交渉し、確実な回答を得られたいというものであります。
 次に、一六〇二外十一件は、本土在住の沖繩出身者が沖繩へ渡航する際身分証明書の発給を要すること自体差別的な取り扱いであり、その上経済的損失をもしいられているので、政府に対し、かかる経済的な損失の還付と慰謝料を支払うよう求めるものであります。
 次に、一六四号は、沖繩の現在の右側通行は国際的趨勢にも合い、また、交通事故発生率から見てもはるかに合理的であり、さらに、これを左側通行に改めるには膨大な経費を要するので、復帰後一定期間のみならず、ずっとこれを維持してもらいたいというものであります。
 次に、二四八七号は、沖繩復帰にあたって、教職員の配置や教育施設の整備など、教育条件の改善のため、特段の財政措置を講じてもらいたいというものであります。
 次に、三〇二八外一件は、本土に比べ著しく立ちおくれている沖繩の精神病対策の一環として、現在沖繩精神衛生協会が経営し日本政府や南方同胞援護会等が援助している沖繩精和病院を国立病院に移管し、基幹病院としてスタッフ並びに設備の拡充をはかってもらいたいというものであります。
 最後に、一〇八一号は、日本古来の領土である北方領土の一日もすみやかな復帰実現のために、超党派的姿勢で当たってもらいたいというものであります。
 以上で御説明を終わります。
#85
○委員長(米田正文君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#86
○委員長(米田正文君) 速記をつけて。
 請願第三一八号沖繩の毒ガス等撤去に関する請願外九件は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものとし、第一六四号沖繩復帰後の右側通行区分維持に関する請願外七十七件は、保留と決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#87
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認めます。よってさよう決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#88
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
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#89
○委員長(米田正文君) 次に、継続調査要求に関する件についておはかりいたします。
 沖繩及び北方問題に関しての対策樹立に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#90
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、要求書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(米田正文君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時五十四分散会
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ソース: 国立国会図書館
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