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1970/02/05 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
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1970/02/05 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号

#1
第065回国会 公職選挙法改正に関する特別委員会 第3号
昭和四十六年二月五日(金曜日)
   午後零時九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         永野 鎮雄君
    理 事
                後藤 義隆君
                中山 太郎君
                戸田 菊雄君
                多田 省吾君
    委 員
                大竹平八郎君
                高橋文五郎君
                山本敬三郎君
                林  虎雄君
                安永 英雄君
                横川 正市君
                岩間 正男君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省行政局選
       挙部長      中村 啓一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○公職選挙法改正に関する調査
 (選挙制度に関する当面の諸問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を開会いたします。
 理事の辞任につきましておはかりいたします。
 高橋文五郎君及び柳田桃太郎君から文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(永野鎮雄君) この際、理事二名の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(永野鎮雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に後藤義隆君及び中山太郎君を指名いたします。
 暫時休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時二十分開会
#6
○委員長(永野鎮雄君) ただいまから公職選挙法改正に関する特別委員会を再開いたします。
 選挙制度に関する当面の諸問題に関する件を議題といたします。
 自治大臣から発言を求められておりますので、この際これを許します。秋田自治大臣。
#7
○国務大臣(秋田大助君) この機会に、さきに当委員会で御質問のありました参議院地方区の定数是正の問題について、政府としての方針を決定いたしましたので、申し述べたいと存じます。
 参議院地方区の選挙区定数につきましては、第六次選挙制度審議会において当面の暫定措置としての改正案が答申され、政府としては、それに従って鋭意改正の準備を進めてまいったところであります。しかしながら、その後、昭和四十五年国勢調査人口の概数が公表されるという客観情勢の変化があったことは御案内のとおりであります。そのため、定数と人口との間の逆転現象を総定数のワク内で解消するという答申の趣旨に従っていろいろ検討を加えてみたのでありますが、影響するところが十選挙区にも及ぶというかなりの広範囲にわたることともなり、中には一挙に四人増とする必要も考えられる選挙区も出てくること等から、かなりの混乱を招くおそれを生じてきたのであります。政府といたしましては、審議会の意のあるところをくみ、引き続き最終的な検討を行なってきたのでありますが、ただいま申し上げたような状況では、暫定措置として最小限の改定をはかるという答申の趣旨にも必ずしも合致しないと考え、今国会での改正は行なわない方針を去る二日の閣議で明らかにいたしましたので、この際政府の見解を申し述べた次第であります。
 なお、もとより逆転現象に見られるような定数のアンバランスは是正すべきであると考えておりますので、この問題については、衆参両院を通ずる選挙制度の根本的な検討の中で今後も引き続いて検討を加える所存であります。
#8
○委員長(永野鎮雄君) 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#9
○岩間正男君 ただいまこの参議院地方区の定数是正を今国会に出さない、そういう政府の方針について自治大臣から御説明があったわけですけれども、しかし、われわれとしては、これは了承できない問題だと思うのです。で、すでに三年前に佐藤総理大臣は、これは今日の急務だと、さらにまあ歴代の赤澤自治大臣も、秋田自治大臣も、これはどうしても現在開かれております六十五通常国会には出すんだと、そういうことを夏には検討され、さらにまあこの前、公選法の審議の中では、非常にこの問題が問題になりまして、そしてあくまでもこの国会に出すということを前提として検討するというのが自治大臣の御答弁でありました。また、佐藤総理も予算委員会において同様な趣旨のことをこれは述べておられるのであります。そうしますと、われわれはこういう形で、昭和二十二年以来大きな問題になっております、そして全く選挙の、これはもう議会制民主主義の根幹の問題だと思うのでありますが、選挙権の平等の立場から考えても、これは絶対にこの問題について明らかな方針が望まれる、こういうふうに考えてまいったわけであります。ところが、政府は行なわない方針だ、こういうことを決定したということで、ただいま御報告になったわけでありますが、そうしますと、いままでの数々の総理並びに自治大臣の言明からしまして、ここに政治責任が発生すると思うのであります。当時私はこの問題について、秋田自治大臣にお伺いしました。そういう場合にはどのような政治責任をお負いになりますか、こういうふうに私は質問しました。これに対して自治大臣は、その問題はその場合に立って考えます、こういう御答弁でありました。したがいまして、これは出さないということがはっきりしたのだとしますと、これは当然どのような政治責任をお負いになるのか、まず最初にお伺いしたいと思います。
#10
○国務大臣(秋田大助君) 当面改正案は出せなくなった。しかし、引き続き検討はしていく、こう考えております。
 そこで政治責任の問題でございますが、われわれは答申を尊重いたしまして、これを実行する考えであったわけであります。ところが御承知のとおり、ただいまもごあいさつの中で申し述べましたとおり、昨年十月の国調の結果、人口別の府県の順序に予期せざる変動がございまして、第六次の選挙制度審議会の御答申をそのまま適用いたしましては、直そうと思っておった事態が直らないばかりでなく、あるいはさらに激しくいろいろな不合理の事態が現出するということになったわけでございますので、これが答申の趣旨の実現をどうしたらいいかということにつきましてはなはだ苦慮したわけであります。そこでいろいろの案を考えてみた。答申の趣旨とは一体何だろうということにつきましても深い省察を加えるとともに、一番その答申に近い線というものを考えまして、具体案をかりにつくってみよう、適用してみますると、ただいま申し上げましたとおり、県の数がふえてくる。したがって、プラス、マイナスの県がふえてくる。ある県については一挙に四人をふやさなければならないというような状態も出てくる。この案をとらずしてまたほかの案を考えてみますとまた御答申の趣旨に反してくる、より離れてくる。この間にいろいろの混乱が予想をされる、こういう状態になりました上は、一体どうしたらいいのか、いろいろ苦慮をしたわけであります。その後関係各位の御意向等もいろいろございましたが、そういうところも参酌をいたしました結果、はなはだ遺憾ではあるが、この際は見送っていくほうがベターじゃないか、この状態では答申の趣旨の実現ということ、そのことがほとんど不可能――これでは考え方にもよりますけれども、私どもは答申の趣旨の実現ということは現状においては非常にむずかしくなってくる、こう考えましたので、見送ることにいたしたようなわけでございますので、政治責任という点は、岩間先生何をさして考えられておられるかわかりませんが、事態に即して最善の方法をとったと考えておりますので、形式的に答申の実現はこの際はできませんけれども、必ずしもそれによって何らかの政治上の責任をとらなければならぬというほどのものではないのではなかろうか。もしこの際処置を誤りまして、いろいろの事態を巻き起こすということになれば、むしろ政治責任をこそ問われるのではなかろうかと考えましたので、以上のような処置をとりました。万やむを得ざる処置でございまして、いろいろお考え方によっては意に満たないことも十分おありと想像されますが、事情あしからず御了承願いたいと存ずる次第でございます。
#11
○岩間正男君 私、時間制限されておりますので、端的にお答え願いたいのですが、結局は、総理は三年前衆議院の本会議で、これはすぐやるんだと、今日の急務なんだと、それからあなたたちもこれは出すんだと、出すこともこれは決定され、さらに国勢調査のあとにおける事態では出すことを前提として検討すると、こう言われておったんです。ところが出ないんです。こういうことで結局はもう二十数年にわたってものすごいこんなアンバランスがこのまま残っている。したがいまして、委員会においてのあなたたちのこの食言もさることながら、国民に対する私は責任というものは明確にあるだろうと思う。出すと言っていて出さないのです。しかもこの前も私たち言っていたんです。一体検討すると言っているが出さないために検討するんじゃ話になりませんよ。それで、審議会に戻すというとこれはとても間に合わないんだが、どうです。この点をわれわれは追及した。あなたたちは出したくないと思って、そういう前提に立っているのか、不審があったからこの点を明らかにしようとしたわけです。ところが、実際はいまのような答弁で、検討したが何ともならなかった。最初からそういうことだというと出す気持ちがなかったんだと、こう言われてもしかたがない。私はここでお聞きしたいのは、国民に対して一体どういうふうな責任感を持たれるか、端的にお願いしたいと思うんです、時間がございませんから。
#12
○国務大臣(秋田大助君) こういう改正はやはり選挙が行なわれる時期とも関連が十分あろうかと思います。したがって、われわれは選挙制度審議会の御答申をお願いをし、昨年の五月にいただいたわけでございます。約一年の余裕があったわけでございまして、われわれとしては十分処置を誤らなかったと考えておるのでございます。しかしながら、その後に行なわれました国勢調査、その結果が十二月二日に概数が発表されました。それがいかにも答申の趣旨との、実現という点についてそぐわない点が出てまいりましたので、まことにやむを得ない事態になったわけでありますが、その時点におきましてもさらにいろいろ方法を考えてみたわけであります。プラス、マイナスなるべく範囲を少なくしてと、いろいろの組み合わせが考えられる。われわれは決してやらないつもりじゃない。いろいろ、どこに答申の御趣旨があろうか、どうすれば答申の趣旨が実現されるだろうかという点につきましても十分考慮し、また各方面の意見等も参酌をしましたのでありまして、十分慎重を期した上の措置でございまして、一見まことに遺憾のような結果ではございますが、あれこれ十分考慮いたしまして、国民のためにも万やむを得ない措置である、民主主義の基幹を、根幹をなす選挙法の改正につきましても万やむを得ない処置である。むしろこの際、早計な、軽率な措置をとるようなことがあればかえって問題を惹起するのではなかろうか、こういうふうに考えまして慎重を期したつもりでございまして、私の信念といたしましては、国民のためにはかりまして決して悪い処置ではないと、こう考える次第でございます。
#13
○岩間正男君 そういうふうに言われますけれども、いつでもそういうようないわば逃げことばみたいなことでどんどん延びてきたのがいままでの実態ですよ。国民はこれを知っているわけですね。だから国民に対して三年前にすでにそういう約束をして、そうして、しかもこれが実現できなかったということについて政治責任を感じられないと、これはもう当然の措置だというふうに言われたらこれはだれも納得しないのじゃないでしょうか。全然感じていないというんですか。感じているからいろいろやったと言われているけれども、私はこの前指摘したわけです。公選法などというのはもっと根本的な問題だから、これは審議会にかけてじっくりやるべきです。ところが一年前に改正したばかりのやつをまたもとに戻すなんて、この問題を、技術的な問題、数字の技術的な操作をやれば――むしろやるかやらないかというその意思が問題なんです。だから政府がどうしてもやるのだ、この公約をどうしてもこれは実現するのだということになれば、もともと暫定案で不十分なものでありまして、その範囲内だけでもとにかく国会に出すという政治責任をとるべきであったと思う。ところが、いまのような、この責任を感じていられない、むしろ国民のために賢明なやり方だというようなことはこれは了承できない、この点、もう端的でようございますが、国民に対してそういうあれを感じていられないとおっしゃるのですかどうですか、端的におっしゃっていただきたい。
#14
○国務大臣(秋田大助君) 当然の措置とは私申しておりません。万やむを得ざる措置であると考えております。したがって、この措置というものは決して不適当な、大衆のために立って妥当を欠く措置であるとは考えておりません。十分それらのことも考慮した上での処置で、万やむを得ざる処置であるので、その点を御了承願いたいと、こう考えております。
#15
○岩間正男君 国勢調査というものは、逆にあなたたちの立場からいうと法案を出さないためのたてになっているんですね。国勢調査はおそらく二十二年以来四回か五回やられておる、そのたんびに何らこれは選挙には反映しない、そうしてものすごいアンバランスが――六十四万で落選をして十二、三万で当選するという、まことに五分の一の、選挙における権利さえ行使できない、そういうところに東京や大阪やそれから神奈川やあるいは宮城やそういうところが追い込まれているのですね。それを見のがしてきたのは、むしろもう今度の場合は国勢調査というものがたてになって、そうして政府はそれに近づく、実現する努力をしなかったということは、これは明らかであります。だから、そういう形でいまのような、もう出さざる弁護を巧みにつくるという形でこの問題が放置されることは許されないと思うのです。私ははっきりここは明確にされるべきじゃないか。そこで私はお聞きしたいのですが、どうするのですか、これ出さないことになったんだが、どうする、これで済む問題じゃないでしょう。具体的にこれはどうされるのか。聞くところによるというと、第七次審議会において、この問題を、衆議院の定数の問題ともあわせて審議するやのことが一方いわれている。これはどういう具体的な措置をとられるのか、これですね。
 それからもう一つお聞きしたいんですが、時間ありませんからもう一つお聞きしたいんですが、こういう中でこの選挙区制の問題ですね、こういうような中で小選挙区制の問題を審議会でこれは論議され、ある委員のごときは、この答申、小選挙区制については報告がこの前あった、しかし、これは報告でなくて答申だと、こういう立場で、もう今後どのような小選挙区制をこれは適用するのか、こういうことを考えるべき段階だというように発言された委員もあるやに聞いておるのでございますが、事実はそうなんですか、この事実はどうだったかという問題とこれに対する自治大臣の見解、つまり二つの問題です。一つは参議院の地方区の定数の是正を今後どのようにしてこれはやろうとするのか、これが一つ、もう一つは、小選挙区制についてのこれは答申だというふうに――報告だとわれわれは考えておりますが、そういうふうな発言もあったと聞いておりますが、この点非常に重大な問題だと思いますので、以上お聞きしたいと思います。
#16
○国務大臣(秋田大助君) 二点お答えを申し上げます。
 先ほど岩間先生は、この問題は純技術的な問題で数字の当てはめの問題というふうに考えられておりますが、そういう性格のものでは私はないと考えております。そこでどうするか、今回は見送りでございますが、決してこれをこのまま捨ててしまう、等閑に付しておくという考えはございません。ただいまもごあいさつの中で申し上げましたとおり、衆参両院を通じたひとつ基本的な制度改正の考えの中において早急にひとつ対策をさらに考えていきたいと、また審議会にも考えていただきたい、こうお願いをいたしておるところでございます。
 第二点の問題につきまして、小選挙区制の答申があってもうそれをとるかどうかの処置になるのだというふうに解していられる向きがあるが、その点どう考えておるかというおことばでございますが、これは小選挙区をとるべしという簡明直截な答申ではなく、いろいろ方法があるというようにこれが述べられておると、これでしろという答申、そういう単純な答申がされておらない。解決されてない。
#17
○岩間正男君 報告なんですね。報告ということは確認されるわけですね。
#18
○国務大臣(秋田大助君) 答申はやはり答申らしゅうございます。私はそのときおらなかった。しかしながら、先生のおっしゃる意味の報告的な意味は多分にあると先生は解されたらそれでいいと思うんですが、要するにこれでいけというものじゃなくて、いろいろの方法があるというような意味における答申であったと伺っております。したがって、今後はさらにそれらの問題を検討をされるものと、こう解釈をいたします。
#19
○岩間正男君 答申というのは実行する、具体的にこうやれということの答申ではないわけでしょう。だから、それは報告と答申との別を明確にしておかないと今後混乱するのですよ。逆にこれは答申だということで、実際はその中身がそういう一つの拘束を持ってなくても、答申ということになったらいいと。だから、そこは明確にしておいてください。報告ですな。
#20
○国務大臣(秋田大助君) 事務当局から説明いたします。
#21
○説明員(中村啓一君) 第五次審議会の答申の中で、一次来論議をして、区制については大体六つの案に集約されたが、いずれも過半数の賛成は得られなかった。ただ、審議会で小選挙区制を柱とし、これにより生ずるひずみを是正するため適切な方法をとることが適当であるという意見が多数であったというのが述べられておるわけでございます。したがいまして、答申なり報告なりのことばの使い方にもよりますけれども、答申の中でそういう趣旨が述べられておるということでございます。
#22
○委員長(永野鎮雄君) 自治省当局から発言を求められておりますので、この際これを許します。中村選挙部長。
#23
○説明員(中村啓一君) この機会に、旧臘十二月二十六日でございますが、昭和四十五年上半期におきます政治資金の収支につきまして、政治資金規正法に基づきまして公表をいたしましたその概要につきまして御報告申し上げたいと存じます。
 今回の収支は、収入総額が百七十三億円、支出総額が百七十七億円ということになっております。全体としての今回の収支の特色的なものを初めにかいつまんで申し上げますと、約三点になるのではないかと存じております。
 一つは、申し上げましたように、四十五年上期におきまして百七十億台の収支ということで、従来から見ますと、倍程度に収支ともに増額をいたしておることでございます。これにつきましては、いろいろのことが重なり合ってのことかとは存じますけれども、一つには政治団体の活動がやはり非常に活発化してまいりまして、情報化時代というようなことを反映しておる面も多いように存ぜられます。各政党、各政治団体とも、いわゆる政策の普及宣伝活動費という点につきまして、従来の届けの倍以上の額を支出をされておるという報告がそれをあらわしているのではないかと存じております。それともう一つは、あとで申し上げたいと思いますが、報告団体数が従来よりもかなりふえてまいったということも、収支の報告額がふえた一つの要因のように存じております。
 二番目に、いわゆる収入の中に占めます寄付の率でございますが、今回はいわゆる収入総額の中で寄付が四四%という率になっております。これは前年の四十四年度の二八%、あるいはその前の四十三年の三九%なんかと比べますと、かなり数字として向上をしてきておるように存ぜられます。もとよりいろいろ分析のしかたによって寄付率が直ちに向上して、いわゆる政治資金の透明度が非常によくなったと分析するかどうかについては、御論議はあろうかと存じますが、少なくとも数字の上では寄付率は上がっておるわけであります。
 第三点は、収支報告の届け出団体の数でございますが、今回の届け出団体は七百四十五団体でございます。現在私どもが登録して受け付けております、全国的に活動をしております政治団体の総数は千四百九十五ということでございますので、形の上での励行率は五割弱というところであります。それにしましても、四十四年の届け出団体数が六百を切っており、四十三年は五百二、三十ということでありましたので、七百四十五というのは、かなり届け出を励行をしようということの雰囲気が高まってきたのではないかと存じております。なお、それにしても五割ではないかということでございますが、私どもとしては、何とかこの届け出の励行については、行政的にできるだけのことをやらなければいけないという大臣の指示に基づきまして、何度も各政治団体と打ち合わせをいたしたわけでございまして、結局私どもが現段階で把握をしております政治団体は、形の上では千四百九十何団体でありますが、中には事実上活動をやめておる団体がかなりあります。極端にいえば雲散霧消しておるようなものもございますが、いまの法律手続ではそれを抹消できないというところにも、形だけの団体がそのまま残っておるということになっておるわけであります。私どもがいま把握しておりますのは、実際活動しておる団体というのは八百七、八十ではないかと思っております。そういう意味では励行率は八割から九割の届け出励行率になっておるのではないかなというふうに思っております。いずれにしましても、ある程度寄付、あるいは収支の届け出というものは、励行される方向に進んでおるというふうに考えておる次第であります。
 次に、ごくあらまし、今回届け出のありました内容のおもだった点について申し上げます。
 一つは五大政党の動きでございますが、今回報告のありました五大政党は、収支の大きい順番から言いますと、自民党が一位で五十三億円、共産党が二位で二十億円、公明党が三位で十五億円、社会党が四位で三億円、民社党が五位で八千万円、こういうことで、民社党のみは従来よりも額が減っております。ほかの政党はいずれも従来よりは収支の額はふえております。そうして、百七十億という全体の中で、五大政党が収支される率が次第に高まってきておりまして、今回の報告では、大体収入の中の五割五分程度――五五%程度が五大政党によって占められておるような形であります。それから五大政党を含めまして上位の三十団体、これが一般的にはかなり有効に大きく手広く政治活動をやっておられるものと見ていいかと思いますので、この上位の三十団体で大体全体の九割近い収支が行なわれておるという形になっておるわけでございます。
 それから各政党の支出の面の特色につきましては、先ほど申し上げましたように、各政党を通じまして宣伝広報費あるいは印刷製本費等の割合が非常にウエート高く増額しておるということになっておるわけであります。
 なお、寄付の実態につきましては、五百万円以上の寄付をされましたものは全体で七十四の団体、個人がございます。
 今回報告されました政府資金の概要は申し上げたようなところでございますが、先ほど申し上げましたように、私どもとしては、ぜひ現行法の励行という点につきまして、関係団体の御理解と御協力を得たいということで、懸命の努力をなお続けたいと思っております。少なくとも収支の報告は一〇〇%出していただくということに持っていかなければいけないと存じております。
 それにつきましても、活動を停止されておる団体、これを徹底的に把握をいたしまして、そういう団体は解散の届け出ができるように、全国の都道府県選管と連携をいたしまして、対処をいたしてまいりたいと存じておる次第でございます。
 以上、御報告申し上げます。
#24
○委員長(永野鎮雄君) それでは、引き続き質疑を行ないます。
 御発言を願います。
#25
○多田省吾君 いま選挙部長から、政治資金規正法の指定による政治資金の届け出の概要について発表があった次第でございますけれども、私は、もっと早く自治省から発表できないものか。もう昭和四十五年度の上半期といえば、当然六月三十日までの現在のを、一週間以内でしたか、もう届け出しなければならないと規定されているのですから、それから半年以上、六カ月以上たって初めて発表されるというようなことでは、これはもう自治省の態度としても非常に消極的だと、このように思います。
 で、私はまず第一に、もっと発表を早くしていただきたいということですね。
 それから第二番目に、いま審議会で政党法の問題なんかも論じられているようですが、結局全国に三千くらい政治団体がある、また、二県以上にまたがるのも千四百九十五あると、こういうことですが、幽霊が非常に多いわけです。ですから、この政治資金規正法による届け出をもっともっと厳格にはっきりさせれば、こういった政治団体ももう少し淘汰できるわけです。そういう意味で、私、はまあこの前も四十四年の上半期と下半期の千四百九十五団体についてのいわゆる報告したかしないかの資料要求をしまして、まあいただいたわけでございますけれども、非常に感ずることは、相当有名な団体、有名な人が、まあ故意かあるいはうかつに忘れたのか知りませんけれども、届け出してないのが非常に多いということですね。ところが、まあ参議院の決算委員会でもこの問題は論ぜられましたけれども、そのあとでまた届け出したと。なんだか届け出が非常に半年も一年もおくれて、はっきりしないわけです。こういう点から、私はこの四十四年の上半期、四十四年の下半期、それから四十五年の上半期と、この三期まとめた千四百九十五団体についての、届け出をしたかどうかの現在の資料をひとつ出していただきたい、このように要望するわけでございます。まあ選挙部長から報告がありましたので、まずその点について、二点お伺いしますけれども、いかがですか。
#26
○説明員(中村啓一君) 多田先生からお話しのように、政治資金規正法によりますと、前期と後期に分けて収支の報告をしなければならぬ。前期につきましては、一月一日から六月三十日までのものを十日以内に、七月十日までにとなっておるわけであります。しかし、現実には各政党、それほど早い機会に上期の経理を締め切るというのは困難なようでございまして、お話しのように、かなり経理がまとまるのがおくれる。したがって、届け出もおくれるというのが事実でございます。と同時に、私どもはぜひできるだけお届けをいただいて、まとめて公表したいということで、督促に時間をかけておるというのも御指摘のように事実でございます。いろいろなことが重なりまして、それぞれ公表の時期がおくれておる、もっと早めなければいけないというおしかりにつきましては、まあたいへん恐縮をいたしますし、私どもとしてはやはりできるだけ早く公表をするということは、基本的に考えていかなきゃいけないと思っております。いまのところ私どもが精一ぱいなのは、何とかしていまの法律に従って届け出をしていただく、その督促に追われておるというのが正直に申しまして現状でございましたが、次第に収支の報告はしなきゃいけないという雰囲気も出てきておりますので、今後公表時期を早めるという点については事務的にも十分努力をし、現に早める方向で対応してまいりたいと思っておる次第であります。
 それから多田委員の第二点のお話は、届け出をしないような団体の中には、さきにも申し上げましたが、幽霊団体のようなものもあるはずなんで、そういう点をはっきりすることによって政治団体全体のあり方も一歩を進めることができるのではないか。そういう意味で、そういう点の把握を精密にした資料を提出をするようにという御趣旨でございますが、私どもも全くその点は同感に考え、去年からことしにかけてそういう追跡をやっておる最中でありますので、資料を取りまとめ次第提出をいたしたいと存じます。
#27
○多田省吾君 次に私は、第六次選挙制度審議会のせっかく答申のあった参議院地方区の定数是正の問題について、自治大臣から本日も、是正できないと、こういう報告があったわけでございますけれども、私たちは非常に憤激にたえないわけでございます。何のためにそれでは第六次選挙制度審議会が一年がかりで貴重な日時を費やして答申をしたのか、まあこういうことになりますし、またその間の経過についても非常に不明朗な点がたくさんあるわけです。
 で、まあ時間も限られておりますので、簡単に申し上げますけれども、今度の答申は逆転現象の起こっている六県を対象にしているわけでございますが、それが今度の国勢調査の概数発表によって十県くらいに広がるということでありますが、答申の趣旨を尊重すれば、六県が十県に広がったとしても、これは当然実施すべきであるし、また世論もその方向を示しております。また、各新聞等の世論も全部そういう答申尊重、また、この際逆転現象は是正すべきである。こういう方向で一致しているわけです。どうしてもそれにさおさして定数是正をやるまいとしているのが与党であり、政府だけではありませんか。そしてこの逆転現象を二百五十名という線を変えないで是正するという方向に審議会におきましても、与党の特別委員は全部そういう方向で賛成したのです。与党の特別委員が賛成していながらそれができないというのはおかしい。むしろ野党のほうがその原形が出るのでは実際法制化がむずかしい。国会を通るのがむずかしいのじゃないか。与党の反対によってつぶされるのじゃないかという考えもございまして、実現可能な案として三県を二人ずつふやすというあの調整案の第三案を野党は大体支持したわけです。ところが、与党はこぞってそういう実現可能な案に反対しまして、そしてこの三県増、三日減という案に賛成したのです。ところがそれが一票差で可決されたときに、ある与党の特別委員は、ああこれで定数是正はしないで済んだとはっきり私の目の前で言ったのですよ。ですから初めからこの三県増、三県減という答申案が出たならば、まあこれはどうせ反対にあってつぶされるのだからという予定の行動みたいな姿がはっきり私には見られたわけです。案の定まあ国勢調査の概数というものがあとで発表されましたけれども、しかし、この委員会におきましても八月には私は三月三十一日の住民基本調査の結果、もう岡山県と熊本県は逆転しているということで、その点をどうするのかということをはっきり前から、半年前から申し上げていたはずなんです。検討する余地はずいぶん時間もあったわけです。そして今回ですね、この過程におきましても、第七次選挙制度審議会が始まる。その始まるときにおいては、あるいは第一回総会、第二回総会が行なわれたその時点においては、やはり言を左右にしてこの通常国会の当初に出したい意向で慎重に検討しているということであって、そういうやはり言いのがれを言いながら、第七次選挙制度審議会を発足させたようなきらいもあったわけでございます。また最近におきましても、自民党の選挙制度調査会長が直接総理大臣に、どうも定数是正はできないようだということを一ぺん具申をした。総理大臣も了承をしたということで、自治大臣がどうも介在していないような姿にもとられます。ですから私たちは、やはり担当大臣としてもう少し積極的にそれを進められるのが当然ではないか。しかも第六次選挙制度審議会の答申がはっきり昨年の五月にあり、また各野党の特別委員もいるわけですから、これは国会事項なのですから、閣議決定される前においてもやはり当然各党に相談くらいあってもいいんじゃないか、このように思うわけでございますけれども、そういうこともしなくて、もういきなりばっさりと定数是正はできない、こういうあり方というものは非常に私たちは納得できない。今度の第七次選挙制度審議会の第一回から第四回まで行なわれた総会におきましても、やはり委員の間からはいままで調査会あるいは審議会等を何回もやったけれども、どうも政府はその答申を尊重しないということで、非常に不満が強かった、第五次選挙制度審議会の緊急に措置すべき事項として出された政治資金規正法案がまだ成立しておりませんし、また今回も出そうとしていない、また、第六次選挙制度審議会においてはっきり答申の出た参議院地方区の定数是正においてもやはりこれは法制化を政府はしなかったのです。先ほど政治責任ということが論ぜられましたけれども、私はやはり佐藤総理をはじめ、自治大臣のこれは大きな政治責任である、政治資金規正法も含めてですね。それでもなお自治大臣は先ほどの答弁のように、悪い措置ではなかったとか、最善の措置をとったといえるかどうか、当然の処置であったかどうか、これをお尋ねしたい。
#28
○国務大臣(秋田大助君) 私は、当然の措置といいますと、表現が私の気持ちをあらわしておるものとは思いません。万やむを得ない処置であった。で、与えられたこの条件の中では、したがってまあやむを得ずとられた処置であり、妥当な処置ではなかろうか、こういう意味で当然といえば当然かもしれません。初めから簡単に当然の処置と、こういうふうには考えておりません。
 そこで経緯をひとつ、申し上げるまでもなく、参議院、この次の参議院の選挙が行なわれる一年前に御答申をいただいたのでございまして、政府としてはこれが法制化を万、心に期しておったわけでございます。しかるに昨年の十二月の二日になりまして、その前に多田先生御指摘のとおり、答申の一部である岡山と熊本との間に逆転現象が起こるようだという御指摘もあったわけでございますが、さらに鹿児島もこれに加わっておるというような変動があったわけでございます。その事態を前にして、答申の案を当てはめてみますというと、これはもうさらに逆転がはなはだしく、そのままは実行できない、しかし、プラ・マイをなるべく少なくして、総定数をいじらない範囲で逆転現象を直すのだという趣旨を一応考えまして、試算をし、試案を立ててみましたところが、三県に反して、鹿児島、熊本を加えて十県、プラスのほうは四県、マイナスのほうは五県、したがってプラスのほうでは一県は四人だと、実際には神奈川でございますけれども、これでプラ・マイおのおの十で合うということが言えるわけでございます。その他いろいろな案が考えられますが、しかしてプラス、マイナスの案を少なくする案も考えられる、そうした場合には、人口の多い比較的多い県の分を、やはり多いのに応じましてふやそうという趣旨がむしろ没却される趣旨において合うというようなことになりますので、これはその答申の趣旨にも反するのじゃないか、合わないところが出てくるのじゃないかというようなことも考えられる、いろいろな点が考慮されますが、どうもただいま言った案が答申の趣旨に一番近い、とにかく近いというようにも思えるわけで、しかし、いまも選挙の実行を半年後に控えまして、一年前に予期しなかった二県をマイナス県に加える。しこうして神奈川県が、四人のところが一挙八人、四人を倍するというような処置、それに予定していなかった愛知がふえてくるというようなことは、単にこれは数の、技術的な算術の問題では私はないのじゃないか。やはり現実の選挙区の状態ということを考慮いたしますと、ここに引き起こされる混乱、現実的に起こるであろう混乱、これを考えずしては、直ちに数字の計算としては、この問題は取り扱えない問題ではなかろうかという点を深く考慮いたしまして、そして関係者の御意見等もいろいろ考慮をいたしておって、時間の許す限り、とつおいつ何べんか考慮を繰り返しまして、慎重を期したわけでございます。その結果、やはり数が多少ふえる点、これが現実に選挙界に及ぼす影響等も考慮いたしますと、責任ある者といたしましては、まことに遺憾であるけれども、現状でいったほうが、混乱その他の点を考慮すると、いいのじゃないか。一年前に処置をとらなかったというようなことがありますれば、これは責任でありますが、その当時は最善と思う処置をとったわけでありまして、ちょうど五年ごとの国調という偶然のこういう時期に、しかも、社会・経済の変動期に、われわれの予期をこえた人口多寡の県別の順序が、県の順序が非常な変化を見たための偶然に支配されて、万やむを得ずこういうことになったのでございまして、この点を、ひとつよく御理解、御了承を願いたいと思うのでございます。
#29
○多田省吾君 いまの自治大臣のお話を聞きますと、まあ死んだ子をいじるようなことで、もうそんなことは言いたくありませんけれども、まあ最善の案としては九県の異動を考えたと、こうおっしゃってます。ですから、まあ答申は六県だった。九県異動すれば答申の趣旨に合うような法制化もできたわけでございます。ですから、それがほんとうに問題を引き起こすかどうかということは、国会にかけたらいいじゃないですか。法制化して、その結果世論にも問うたらいいじゃないですか。そういうこともしないで、ただ、こういう法制化をすると軽率な措置をとることであって、かえって問題を起こすと自治大臣はさっきおっしゃった。これはとんでもない。軽率な措置か、問題を起こすかどうか、これは世論に問うたらいいじゃないですか。国民に問うたらいいじゃないですか。国会にかけたらいいじゃないですか。まあ、いまの自治大臣のお話によりますと、東京は二ふやす、大阪も二ふやす、神奈川は四ふやす、愛知を二ふやす。減るほうは栃木、群馬、それから岡山、熊本、鹿児島と、この五県だ。それでまあこれは二百五十という、沖繩を入れれば二百五十二という線は保たれると、こういう九県の動く案を出されたようですが、これだって、私は答申の精神に合うような案だと私は思います。なぜそれを出さないんですか。それを出してこそほんとうに最善の処置じゃありませんか。
 それからもう一点は、これは事務当局の選挙部長にお願いしたいのですけれども、去年の三月三十一日の住民基本台帳の結果がどうして五月にまだわからなかったのか、そんなに長くかかるのか、住民基本台帳の人口は大体一年に何回くらい調べていつごろ発表されるのか、それを簡単にお答え願いたい。それがもし五月にわかっていれば答申もまた違ったものが出たと思うのです。それを一昨年の十二月三十一日の住民基本台帳の人口を審議会に持ち込んだから、こういう結果になった、このようにも思いますので、まあ終わったことを云々するのはいやですけれども、一応今後のためにお答え願いたい。この二点をお願いいたします。
#30
○説明員(中村啓一君) 多田先生から、昨年の初めにおきまして第六次審議会が答申を取りまとめる過程で、四十年国調以後の人口の推移についてもっと的確に見通しを立てるべきであったのではないか、事務的にその点についてどういう対応をしたのかという御趣旨でございます。当時といたしましても、できるだけ四十年国調は基礎にしておりますけれども、その後におきます人口の推移は把握をしたいということで、主として四十四年の十二月一日で取りまとめております住民基本台帳人口というものを勘案をいたしておるところでありました。ところが、この住民台帳のほうは国勢調査と若干ベースが違いますのと、そういうと語弊がありますが、何とかして住民基本台帳の人口をあまり減らすような形に持っていきたくないという関係団体の意向もありまして、私ども参照をいたしました住民基本台帳の人口の数字からは、必ずしも四十五年国調のような動きが推計できなかったのでございます。数字その他はここに持ち合わせておりますが、そういう次第でたいへん恐縮をいたしますが、当時の時点においてこういうふうな変動を予想できなかった次第であります。
#31
○多田省吾君 ですから三月三十一日の人口が五月にわからなかったのかどうか。
#32
○説明員(中村啓一君) たいへん恐縮ですが、あの当時は、四十四年十二月三十一日の人口を基礎にいろいろ論議をしておりまして、あの時点で三月という集計はできませんでしたのでいたしておらなかったわけであります。
#33
○多田省吾君 九県案をどうして出せないのか。
#34
○国務大臣(秋田大助君) ただいまも申し上げましたとおり、三県三県が五県ないし四県と、まだいろいろの案が考えられるわけでございますが、いろいろ省察をしてよく考えてみますと、やはり選挙区というものを考慮いたしましたときに、この種の答申において数は合っておるけれども場所が違うということは、これは非常な問題であろうと思うのであります。これはやはり一つそこに問題があります。同時に数がふえていくということは、結局答申の趣旨に合うかどうかということについては私は根本的な疑問があると思います。同時に、混乱がまあ目に見えておるような気がいたしますので、政府の責任においてこれは出し、というよりは万やむを得ない現状でいくほうがよろしいという判断に立ったわけでございます。
#35
○多田省吾君 それは私は非常におかしいと思うのです。去年の八月ないし去年の十二月段階においても、この委員会でそのことを申し上げてあるはずです。しかし自治大臣は、少し県が違っても答申の趣旨に合うような案を通常国会の冒頭に出したいと再三おっしゃっておられたわけです。ですから私はそれは言いのがれにすぎない。こう思うのです。
 私は、次に、きのうの第四回の選挙制度審議会の総会におきましても、ある与党の特別委員の方が、まあ先ほどもお話がありましたが、はっきりとこの第五次選挙制度審議会の答申は出ているんだからこれをもとにしてこの法制化はできる、しかも事務当局にそれはつくらせてあると、前に自治大臣をやった方なんです、はっきりそう言っているのです。ですからそういうこともあろうかと思いまして私は第二回総会のときにも、この第五次選挙制度審議会の答申ないし報告は、先ほど選挙部長が読まれたように、いずれも過半数の賛成が得られなかった、はっきりと出しているのですからこれをもとにして法制化するなんということは、これはとんでもないことだと、このように申し上げまして、あらためてこの第七次選挙制度審議会が二年間かかって答申案は出すべきだ。その上で法制化すべきだと、このようには述べたわけでございますけれども、はたせるかな第四回総会においてそういうお話が出ましたもので、ああ、またかと思ったわけですけれども、これは私は非常におかしな考えだと思うんです。しかし、こういうことを言われましたけれども、これは付帯事項でありまして、しかもこの六つの案の中で二つか三つ合わせれば多数になるなんて、こんなことは、こんな二つも三つも合わせた案なんというのはつくれるわけでありませんから、この六案がいずれも過半数の賛成が得られなかったということで、これで法制化はできないのです、さっきも申し上げましたように。ですから私はここで自治大臣にお尋ねしたいのは、第七次答申がなければ絶対このお尋ねの区制につきましては法制化しないと、こういうお約束をお答えできるかどうか、いまも健保問題で見切り発車ということが行なわれておりますけれども、第七次選挙制度審議会の衆議院の区制に関する答申も出ないうちに、第五次の答申があったと称して法制化するようなことがあってはこれはゆゆしき一大事だと、このように思いますので、はっきりと第七次選挙制度審議会の答申がなければ衆議院の区制については法制化しない、このように約束できるかどうか、ここで明確な御答弁をお願いしたい。
#36
○国務大臣(秋田大助君) その当時の具体的な事情は私つまびらかにはいたしませんけれども、決定的な一つの案が答申をされた、過去において、そうは私どもは解釈をいたしておりません。したがいまして、選挙区の区制に関する、衆議院の区制に関する問題につきましてはあらためて第七次審において御答申を得ますればそれを尊重しなければなりません、それがないのに過去にさかのぼって答申があったとして処置はとらないつもりでございます。
#37
○多田省吾君 次に、審議会におきましても、いわゆる選挙制度審議会の任期一年というのはあまりに短か過ぎるということで、これは二年にしたほうがよろしいということが、会長が各委員にはかってこれはそのように政府にも進言しようと、こういうことになったわけでございますけれども、政務次官からもその後の総会におきましても、政府もそのように前向きに考えている、こういう答弁があったわけです。ここでその任期二年にするいわゆる審議会法の改正案を政府は出すのかどうか、一体どういうものを予定しているのか、またいつごろ出されるのか、こういった現状をひとつお話ししていただきたいと思います。
#38
○国務大臣(秋田大助君) いわゆる審議会の委員の任期二年制ということにつきましては、正確にその数を数えたわけでございませんが、衆参を通じまして関係の公職選挙委員の諸先生の中にその論が多数ございます。また、第七次審議会の委員の各位の中にも多数のように見受けられますので、政府といたしましては、二年制を採用するに反対はないという考え方でございまして、したがって、これをどういう形によって実現するかにつきましては、ひとつ関係の諸先生方の御相談の結果にもよりまして、難のない方法をとりたいと考えておりますので、ひとつよろしくお考えを願いたいと思います。
#39
○多田省吾君 次にお伺いしたいのは、もしそういう大かたの意見を採用した結果、第七次選挙制度審議会の任期が二年になったと仮定いたしますと、じゃ、あらゆる答申は二年後まで待たなければならないかということです。私はそうは思いません。やはり第五次選挙制度審議会におきましても、審議会が自発的に緊急に措置すべき事項といたしまして、当時黒い霧問題で騒がれておりました政治資金規正法はこの際改正しようということで、この答申をしようということで、わずか二、三カ月で答申を出された経緯もございますので、また与党の特別委員の方からも、当面措置すべき委員会はつくったほうがいいのじゃないかということで、私もそれに賛成しましたけれども、その中でやはりテレビの公営問題だとか、またいろいろ緊急に答申をすべきであると思いますが、その中でもやはり私は急がなければならないのは、衆議院の定数是正だと思う。これは何も二年後まで待つ必要は絶対ないと思います。国勢調査の最終的な結果も、この五月末に出るわけでございますし、また概数によってもおおむねその傾向はわかるわけでございます。しかも総理大臣のあいさつの中にも、この選挙区制等についての諮問の条項とは別に、なお衆議院議員の定数配分に不均衡があることが問題とされておりますので、この点についてもあわせて御配慮賜わりたいと存じますと、はっきりまた別個の諮問が出ているわけでございます。しかもこの前自治省から出された概数による計算では、大阪三区、それから兵庫五区の差が、一対四・八六六ですから、一対五になんなんとする差が出ております。私は昭和四十年度の国勢調査でなぜ定数是正をしておかなかったか、これも大きな問題になっております。三十五年の国勢調査の結果として、これは三十七年の審議会によっていわゆる十九名増案ということで是正がなされておりますけれども、三十九年の選挙はそれでやっておりますけれども、四十年の国勢調査が出ております。選挙法にもはっきりと、国勢調査の結果をもってこの定数を更正するのを例とする。法律に出ておりながら、なぜそれを政府がいままでやらなかったのか、それをまずお尋ねしたい。これもやはり政府側の責任があるのじゃないか。
 で、今度は四十五年度の国勢調査の結果によって今度は審議会で出すわけでございます。これもやはり総理大臣が二日の閣議でこういうことをおっしゃったと新聞に出ているわけです。佐藤首相は、次の総選挙はいつ行なうかはわからないが、それに合わせて衆議院の定数是正問題を検討しておく必要があるのではないかと述べ注目をされた。このように総理がおっしゃったと出ておりますけれども、私はこれは総理の言うことはそのとおりであると思います。やはりこの衆議院議員の定数配分の均衡ということにつきましては、二年後の答申を待つのではなしに、私たちはこれは当然審議会の中においても緊急に措置すべき、委員会等においてこれは早急に定数の不均衡は改めておくべきだと、このように思うわけですね。これは自治大臣はもう審議会におまかせになったことでありますから、まあこの総理大臣の諮問事項等も合わせて考えまして、私はそのようにとっているわけです。まあ、このことについて御意見があったらおっしゃっていただきたいわけでございますが、先ほどの四十年度の国勢調査の結果を、なぜそれをもとにして定数是正をしておかなかったのか、これが一つ。
 それからいま言ったような衆議院の定数是正は二年を待つまでもなく早急にやっておくべき事柄ではないのか、そういう意味でこの諮問が行なわれているんじゃないか。この二つをお伺いしたいと思います。
#40
○国務大臣(秋田大助君) 選挙制度審議会の委員の任期を二年にしたからといって、あらゆるものをそのペースに合わせるというようなことは不合理だと思います。事と次第によりまして急ぐものは必ずしも二年を待つ必要はなく、できるだけ早急に、しかし慎重な審議のもとに御答申を願う、こういうことをわれわれは期待をいたしております。その一つの例として衆議院の選挙の時期がはかり知れないので、したがってこれが是正というものはいつでも変に応じられるように急ぐべき性質のものでなかろうかという御所説、またこれに関する総理のお考え、私はまさにそうだろうと考えております。そういう趣旨によって審議会においても作業を進められることを私は希望をいたします。
 四十年国調の結果をなぜ時期を失せず取り入れて、公職選挙法の定数アンバランス是正の措置をとらなかったのであるかという点につきましては、当時のことはまことに私何でございますが、つまびらかにいたしませんので、事務当局からお答えいたします。
#41
○説明員(中村啓一君) 衆議院のアンバランス是正につきましては、多田先生の仰せのとおり、法律でたてまえは明らかにされておるところであります。したがって、たてまえ論議としては先生の仰せのとおりなわけでありますが、なかなか実際問題としてそれが励行されるに隘路があるということで、戦後二十一年四月二十六日に行なわれました臨時国勢調査人口でそのままずっときておったところでありまして、そこで第二次選挙制度審議会で何とか直そうということで、あの当時是正の案を一年がかりでつくりまして、ようやく三十九年に改正をしたところでありました。
 そういう経緯もありまして、四十年国調が出たから直ちに機械的にそれにバランスさせるということには、実際の政治問題として非常な難色もあって今日に及んでおるところでございますが、しかし、四十五年国調も新たに出た現段階でありますので、すでに基礎人口が十年以上も開いてくるということでありますから、現時点におけるこの問題の認識のしかたにつきましては、かなりの変化が出てまいったことであると私どもも認識をいたしておるわけでありますが、そういう次第で、四十年国調につきましてはこれを直ちにそれにスライドするということは、実際上の見地から行なわれなかったというのが実情であろうと存じております。
#42
○多田省吾君 その問題はまあ三十九年以来続けて総理の座にいた佐藤総理に一番責任があるんじゃないかと思いますけれども、実際ここにおらないわけでございますので、まあこれは時期をあらためて申したいと思います。
 次に二点ばかり質問をいたしまして終わりたいと思います。その第一は、自民党の選挙調査会が、次の参議院選挙から立ち会い演説をやめてテレビを利用したいということで、自治省も検討されていたようですが、どうも無理だということで、いまこれはなくなったようでございますが、このテレビについてどのように自治省は考えておられるのか。これが第一点。
 それから第二点は、せっかく不在者投票がゆるやかにされて、有権者本位という選挙の線が進んだわけでございますけれども、さらにいま問題になっておりますのは、老人人口の増大あるいは身体障害者の方々のための便宜等を強くはかって、在宅投票制度というものも前にあったわけですから、これも前向きに考えたらどうかと、こういう意見が非常に強いわけです。この点に対して自治省はどのようなお考えでおられるのか、この二点を最後にお尋ねいたしまして終わりたいと思います。
#43
○説明員(中村啓一君) テレビにつきまして、いまの方法よりも何か一歩進める方途はないだろうかということが、自民党の選挙調査会等でも大いに議論をされておりますことは御指摘のとおりでございます。私どもも放送事業者が可能であればテレビの効果的な利用ということで一歩を進める。その点については大いに積極的に研究をしておる段階でありますが、現時点では、直ちに次の参議院選挙でいままでの仕組みをうんと変えるということは、技術的にどうもむずかしいというのが実情であります。そういう点で今後の研究課題にさせていただきたいと思っております。
 それから二番目の不在者投票につきまして、在宅投票制度に踏み切ってはどうかという点でございますが、この点は確かに一つの課題であります。過去にたいへんにがい経験を持っておりますので、選挙の管理関係者によりますれば、この点については積極的な意見がなかなか出てきにくいところでありますが、選挙制度審議会にもそういう面でいろいろお考えをお持ちの方もおいでになると思いますので、審議会の御意向も承りながら、私どもとしては前向きに検討をしていきたい一つの課題だと存じておるところでございます。
#44
○委員長(永野鎮雄君) 本件に対する質疑はこの程度にとどめ、本日はこれにて散会いたします。
  午後二時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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