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1970/02/24 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 物価等対策特別委員会 第3号
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1970/02/24 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 物価等対策特別委員会 第3号

#1
第065回国会 物価等対策特別委員会 第3号
昭和四十六年二月二十四日(水曜日)
   午後一時二十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     大森 久司君     山下 春江君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         佐田 一郎君
    理 事
                山下 春江君
                佐野 芳雄君
                田代富士男君
    委 員
                上原 正吉君
                鈴木 省吾君
                高田 浩運君
                林田悠紀夫君
                阿部 憲一君
                渡辺  武君
   国務大臣
       国 務 大 臣  佐藤 一郎君
   政府委員
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       経済企画庁調整
       局長       新田 庚一君
       経済企画庁国民
       生活局長     宮崎  仁君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の辞任及び補欠選任の件
○当面の物価等対策樹立に関する調査
 (物価対策の基本方針に関する件)
 (公正取引委員会の物価対策関係業務に関する
 件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(佐田一郎君) ただいまから物価等対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 一月二十七日、大森久司君が委員を辞任され、その補欠として山下春江君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(佐田一郎君) 理事の辞任及び補欠選任についておはかりいたします。
 林田悠紀夫君から、文書をもって、都合により理事を辞任したい旨の申し出がございました。これを許可することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 ただいまの理事の辞任に伴う理事の補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(佐田一郎君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に、山下春江君を指名をいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(佐田一郎君) 次に、当面の物価等対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、物価対策の基本方針について政府当局から説明を聴取いたします。
 佐藤経済企画庁長官。
#7
○国務大臣(佐藤一郎君) 委員会の審議に先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 わが国経済の最近の動向を見ますると、景気調整措置の結果、昨年夏ごろから景気は次第に落ち着きの方向に向かい、その後、二度にわたる公定歩合の引き下げが行なわれましたが、景気はこのところ鎮静化の度を強めております。
 物価面におきましても、卸売り物価は、工業製品を中心とする国内需要供給の緩和に、海外市況の軟化も加わって、落ちついた動きをいたしております。
 しかしながら、消費者物価につきましては、景気鎮静下にありながら、最近一段と騰勢を強めております。生鮮食料品の大幅な値上がりに加えて、中小企業製品、サービス料金等の値上がりが著しく、全般的な物価上昇の傾向が顕著となってきており、景気停滞下における物価高という、最も憂慮すべき事態に立ち至ることが危惧されるのであります。
 政府といたしましては、このような物価情勢に対し、最大の政策努力を傾注することによって、現在の根強い物価上昇を、経済見通しで想定した五・五%以内に押えてまいる所存であります。
 このため、生鮮食料品の安定供給の確保、農業、中小企業等の構造改善を強力に推進することといたしております。
 また、輸入政策の活用、競争条件の整備等の諸施策につきましても、これを積極的に進めるとともに、昨年八月の地価対策閣僚協議会で決定された総合対策を着実に実施することによって、地価の安定につとめてまいります。
 さらに、政府は、率先して物価安定のための強い決意を示し、現在の全般的物価上昇ムードを断ち切るため、公共料金についてきびしい抑制方針をとっております。
 以上のような諸施策を強力に推進するために、昭和四十六年度予算においては、一般会計及び特別会計を合わせて、前年度比二五%増の物価対策関係経費を計上しており、また、財政投融資計画においても事業規模の大幅な拡充をはかるなど、物価対策には特に配慮いたしております。
 しかしながら、物価の安定には、政府自身の政策努力に対応する国民各位の理解と協力があって初めて効果を期待し得るものも少なくありません。
 特に最近における物価の上昇と賃金の関係に留意すべきだと考えます。ここ数年間、長期にわたる好況、企業収益の好調、労働需給の逼迫という事情を背景に、賃金は加速度的に上昇してまいりました。しかし、最近のように景気が鎮静化する中で、これまでのような賃金の上昇が継続すれば、賃金コストの上昇とその価格への転嫁という形で、物価情勢はさらに深刻化するおそれが強いのであります。今後の賃金や価格の決定に際しましては、労使とも、国民経済的観点から節度ある行動をとられることが望まれるのであります。また、この際、便乗値上げ等を厳に戒め、高い生産性を実現している分野においては、その成果を適切に消費者に還元するようつとめることが期待されるのであります。
 この意味で、各種の競争制限的要素を排除し、価格が競争機能を通じて適正に形成されることが必要であります。このため、政府といたしましては、独占禁止政策の強化、価格支持政策、事業認可制の再検討等の施策を引き続いて充実させてまいる所存であります。
 なお、物価政策と並んで国民生活において重要な消費者行政につきましては、消費者保護基本法の精神に従い、また、消費者行政に関する本委員会の決議を尊重して施策を進めてまいっており、今日までのところ、次第に成果をあげつつあると考えております。
 しかし、有害食品、虚偽表示等、消費者にとって問題となる事例は依然としてあとを断たず、このため施策をさらに強化する必要が痛感されております。
 その一環といたしまして、政府は、昨年十一月の消費者保護会議において、食品等による危害の防止を中心として、規格及び表示の適正化、不動産取引の適正化等に関し、制度の改善整備等の具体的施策を決定いたしたところであります。
 また、国民の直面する生活上の諸問題について円滑な情報意見の交流をはかるため、昨年十月に国民生活センターを発足させましたが、今後その充実をはかり、国民との対話の場を確保していく考えであります。
 政府は、これらの諸施策の一そう強力な推進をはかってまいる所存でありますが、本委員会におかれましても、以上のような政府の考え方を御理解いただきまして、よろしく御支援を賜わりますよう、お願いいたす次第でございます。
#8
○委員長(佐田一郎君) 次に、公正取引委員会の物価対策関係業務について説明を聴取いたします。谷村公正取引委員会委員長。
#9
○政府委員(谷村裕君) 昭和四十五年中における公正取引委員会の物価対策関係業務について御説明をいたします。
 御承知のとおり、ここ数年来、物価問題が非常に大きな課題として取り上げられてまいりましたが、物価対策の面で公正取引委員会の果たすべき役割りは、独占禁止法等を厳正に運用いたしまして、公正かつ自由な競争を促進することによって、経済の発展を促進し、究極において一般消費者の利益を確保するという本来の任務に尽きるわけであり、具体的には次の四点に重点を置いております。
 第一点は、価格協定等違法なカルテルについて厳重な取り締まりを行なうとともに、独占禁止法の適用除外となっておりますカルテルの許容についての主務大臣等からの協議にあたりまして、きびしい態度をとることでございます。第二点は、再販売価格維持行為の規制についてであります。第三点は、いわゆる管理価格など硬直的な価格の実態を究明いたしまして、その対策を検討することであります。第四点は、商品の不当な表示を排除し、過大な景品つき販売を規制することにより、消費者の商品選択にあたっての価格意識を高めるようにつとめることであります。
 まず、第一点の、違法な価格協定等の取り締まりでございますが、独占禁止法ではこれを不当な取引制限と言っております。すなわち、事業者が協定などによって価格を決定したり、維持したり、引き上げたり、あるいは生産数量、販売数量などを制限したりすることによって、一定の取引分野における競争を実質的に制限することがこれでありまして、第三条において禁止いたしております。
 昭和四十五年中における審査件数二百十六件のうち、価格カルテルに関するものが百五十一件を占めており、また、審査いたしました事件のうち法的措置をとりましたものは四十件でありますが、価格に関するものは三十七件にのぼっております。
 次に、独占禁止法では、原則としてカルテルを禁止いたしておりますものの、例外としまして、中小企業関係として中小企業団体の組織に関する法律、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律、貿易対策の見地から輸出入取引法など、四十の法律によってカルテルを認めておりますが、その数は、昭和四十五年十二月末現在、八百四十七件にのぼっております。これらのうち、中小企業団体の組織に関する法律に基づくカルテルが一番多く、四百四十四件、次いで、輸出入取引法に基づくカルテルが百九十九件、環境衛生関係営業の運営の適正化に関する法律に基づくものが百二十三件となっており、これらが大部分を占めております。
 公正取引委員会といたしましては、これらの認可にあたって主務大臣から同意あるいは協議を求められました場合には、それが必要最小限度のものであるかどうか、あるいはそれが関連事業者や一般消費者の利益を不当に害するおそれがないかどうか等を厳重に審査して、同意または協議に応じております。
 なお、独占禁止法におきましても不況カルテルの制度が認められておりますが、現在では不況カルテルを実施しているものはございません。
 第二点は、再販売価格維持行為の規制の問題でございます。
 再販売価格維持行為は、製造業者が卸売り業者、小売り業者の販売価格を指定し、これらを守らせる等の行為でありまして、これは、原則として独占禁止法の不公正な取引方法の態様の一つとして禁止されているところでありますが、特定の商品につきましては、製造業者と卸売り業者間、あるいは卸売り業者と小売り業者間の再販売価格維持契約を独占禁止法の適用除外といたしております。しかしながら、この再販売価格維持契約制度が安易に用いられる傾向がありますので、物価対策の見地から、昭和四十五年において、その弊害の規制について検討を進めてまいりましたが、今後も引き続き、個々の契約につきまして、それが正当な行為の範囲を逸脱したり、また、一般消費者の利益を不当に害することのないよう、厳重に規制を加えていく所存であります。
 なお、昭和四十五年中における再販売価格維持契約の成立届け出は十五社、十八件でありまして、これを累計いたしますと、昭和四十五年十二月末現在、九十九社、百三十六件となっております。
 他方、違法な再販売価格維持行為については、昭和四十五年には九件の審査を行ない、そのうち一件について法的措置をとりました。
 第三点は、いわゆる管理価格の調査であります。
 これは、比較的少数の大企業が支配的な地位を占めているような業界におきまして、あと程度価格が硬直しているような商品につき、その原因がどこにあるかということを調査することであります。最近、物価対策の見地から、大企業における生産性向上の成果の一部を消費者にも還元すべきであるというようなことがいわれておりますが、いわゆる管理価格についての調査は、このような要請にも寄与するものと存じます。公正取引委員会といたしましては、調査の結果、たとえば価格協定などの事実がある場合、あるいは新規企業の進出を不当にはばむ等の行為が行なわれているような場合には、いずれも独占禁止法違反の行為として排除措置をとるほか、独占禁止政策の観点から広く競争条件の整備等の諸施策を検討いたすこととしております。
 公正取引委員会は、管理価格調査として、昭和四十五年中に、写真用フィルム、アルミ地金、家庭用合成洗剤について結果を発表いたしましたが、引き続き、ビール、化学調味料、ピアノ及び板ガラスにつきまして調査を実施いたしております。なお、管理価格問題につきましては、この問題の重要性にかんがみ、広く各界の意見を聞くことが肝要であるので、これまでに独占禁止懇話会で十回にわたり討議をお願いいたしましたが、その討議結果については、昭和四十五年七月に「管理価格問題についての中間的とりまとめ」を得ております。
 第四点は、過大な景品つき販売及び不当表示の規制であります。
 過大な景品つき販売、虚偽誇大な表示は、消費者の正しい商品選択を妨げるばかりでなく、これが行なわれるときは、品質や価格による本来の競争が回避されがちになるため、公正取引委員会といたしましては、不当景品類及び不当表示防止法を厳正に運用することにより、これらの規制につとめております。中でも、昭和四十五年には、家庭用電気製品において、メーカーのつけている現金正価と実際に売買されている価格との間に大きな隔たりがあることが消費者の正しい商品選択を妨げるものであるとして、これらの不当な価格表示の是正につとめてまいりました。昭和四十五年中には、過大な景品の提供十五件、不当表示三十五件につきまして排除命令を行ない、また、景品関係一件、表示関係三件の公正競争規約の認定を行ないました。
 以上が、昭和四十五年中における物価対策関係業務の概要でありますが、今後、公正取引委員会の業務は一そう重要性を増すものと考えられますので、何とぞよろしく御指導、御鞭撻のほどをお願い申し上げる次第でございます。
#10
○委員長(佐田一郎君) 先ほどの佐藤経済企画庁長官の発言を補足して、昭和四十六年度経済見通しと経済運営の基本的態度について説明を聴取いたします。新田調整局長。
#11
○政府委員(新田庚一君) お手元にお配りしてあります「昭和四十六年度の経済見通しと経済運営の基本的態度」につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、四十六年度の出発点となります四十五年度の経済情勢について申し上げますと、景気は昨年夏ごろから次第に落ちつきの方向に向かい、下期に入ってかなり鎮静の度を強めてきております。この間、日本銀行は、四十五年十月及び四十六年一月の二回にわたり公定歩合を引き下げましたが、投資需要の伸びの鈍化等により、年度全体の総需要の伸びは前年度を下回ることとなると思われます。
 この結果、四十五年度の国民総生産は、ほぼ七十三兆二千四百億円程度の規模となり、経済成長率は実質一〇・八%程度になるものと見込まれます。また、国際収支は、総合収支で九億一千万ドル程度の黒字と、前年度を下回るものと予想されます。
 他方、物価について見ますと、卸売り物価は、工業製品を中心とする国内需給の緩和に海外市況の軟化も加わって、年度当初ごろから落ちついた推移を見せている反面、消費者物価は、生鮮食料品、中小企業製品、サービス料金を中心に、依然根強い騰勢を続けており、前年度比七・三%程度の高い上昇となることが懸念されます。
 次に、四十六年度のわが国経済の見通しについて申し述べます。
 四十五年度後半からの景気鎮静のあとを受け、四十六年度のわが国経済の動向には、なお注目すべきものがあり、また、消費者物価の騰勢は引き続き根強いものと思われます。さらに、海外におきましても、世界貿易の伸びの鈍化等、注視すべき要因も少なくありません。
 このような内外の諸情勢のもとで、後に申し述べる政府の適切な経済運営を前提として四十六年度経済の姿を想定いたしますと、国民総生産の規模は八十四兆三千二百億円程度、経済成長率は前年度を若干下回る実質一〇・一%程度となる見込みであります。
 この場合における経済の主要項目につきまして簡単に御説明申し上げます。
 まず、国内需要について見ますと、個人消費支出及び民間住宅建設は引き続き堅調に推移するものと見込まれるのに対し、民間設備投資は、製造業における伸びがかなり鈍化するため、伸び率は前年度をかなり下回る一二・六%程度になり、また、在庫投資は、前年度をわずかに上回る規模になるものと見込まれます。
 財政面では、このような経済の動向に弾力的に対処しつつ所要の施策を進めることとしており、政府の財貨サービス購入は、前年度に比べ一五・四%増の十三兆七千九百億円程度となる見込みであります。
 このような国内需要と輸出の動向に応じて、鉱工業生産は、前年度をやや下回る一一・八%程度の伸びになるものと見込まれます。
 また、国際収支につきましては、輸出は、世界貿易の伸びの低下等に伴ない二百二十八億ドル程度、輸入は、国内経済活動の動向等を反映して百八十一億五千万ドル程度が見込まれ、経常収支では二十一億五千万ドル程度の黒字が予想されますが、長期資本収支の動向を考慮いたしますと、基礎的収支は四億五千万ドル程度の黒字となる見通しであります。
 次に、物価につきましては、卸売り物価は引き続き落ちついた推移を示すものと見込まれますが、消費者物価は依然根強い上昇基調にあり、ただいまの長官のごあいさつにありましたように各般の物価対策を強力に実施することにより、前年度比五・五%程度の上昇にとどめるよう努力をいたすこととしております。
 四十六年度のわが国経済の見通しは以上のとおりでありますが、四十六年度の経済運営にあたりましては、景気の動向を注視しつつ、財政金融政策をはじめとする経済政策の適切かつ機動的な運用により、総需要を適正に保ち、わが国経済を安定成長路線に定着させることを基本とし、物価の安定を最重点課題として取り組むとともに、社会開発の積極的な推進、対外経済政策の積極的な展開、経済体質の改善と経済発展の基盤の強化等に重点を置いて政策運営を行なってまいることといたしております。
 以上、昭和四十六年度の経済見通しと経済運営の基本的態度につきまして御説明申し上げた次第でございます。
#12
○委員長(佐田一郎君) 次に、物価と消費者行政について国民生活局長から説明を聴取いたします。
#13
○政府委員(宮崎仁君) お手元にお配りしてあります「最近の物価動向について」及び「消費者行政の現状」につきまして、その概要を御説明申し上げます。
 初めに、最近の物価動向につきまして御説明を申し上げます。この長い資料の一ページでございます。
 昭和四十四年度において六・四%という上昇率を示した消費者物価は、四十五年度におきましても、さらに上昇基調を強め、四月−十二月平均の前年同期比上昇率は七・五%に達しております。このため、本年一月−三月の傾向も加味いたしますと、年度全体といたしましては、当初見通しの四・八%を上回って、七・三%程度になるものと見込まれます。
 四十五年度の消費者物価上昇率がこのように高いものとなった一つの原因は、野菜、くだもの等の季節性商品の大幅な値上がりであります。すなわち、四月−十二月平均で見ますと、季節性商品は二一・八%という上昇率を示しており、これが全体の消費者物価水準を押し上げた最も大きな原因であると考えられます。このように国民生活に密接な関連のあります生鮮食料品の価格が著しく上昇することは、大きな問題であると考える次第であります。
 さらに、最近の消費者物価の動向においては、生鮮食料品に加え、その他の諸物価も一様に上昇傾向を強めていることが特徴であります。
 すなわち、消費者物価の推移を主要類別に見ますと、四月−十二月平均では――これは二ページにございます。食料品価格は、生鮮食料品価格の上昇などによって八・五%の上昇となっておりますが、このほか、住居費は六・八%、光熱費は二・一%、被服費は九・一%、雑費は六・五%と、いずれも昨年度を上回る上昇率となっております。このため、消費者物価の基調を示す除季節商品の上昇率も、同期間に六・一%に達しており、現在の物価上昇は消費財全部門にわたる問題であると考えられるのであります。
 次に、最近の卸売り物価の動向について申し上げます。この資料の四ページでございます。
 わが国の卸売り物価は、一昨年末急速に上昇傾向に転じ、四十五年度当初の四月には、対前年同月比五・一%という高い上昇率を示しました。しかしながら、その後、景気の鎮静化とともに落ちつきを取り戻し、十一月以降は若干ながら低下傾向にありますので、四十五年度平均では二・六%程度の上昇になるものと見込まれます。
 卸売り物価の推移を内容的に見ますと、特に目立ちますことは、大企業製品の上昇率は、四十五年度に入って一貫して低下し、本年一月には対前年同月比マイナス〇・九%となっているのに対し、中小企業製品は本年一月も五・一%という高い上昇率を示していることであります。これは五ページにございます。
 以上、最近の物価動向につきまして御説明申し上げましたが、このような消費者物価の現状にかんがみ、各般の物価対策をさらに強力に推進することにより、その鎮静化に最善の努力を傾注いたしたいと考える次第であります。
 次に、消費者行政の現状について御説明申し上げます。別のこの半分の紙の刷りものでございます。
 政府は、消費者保護基本法の精神に従い、各般の消費者保護施策を鋭意進めているところであります。特に、昨年十一月に開催いたしました消費者保護会議におきましては、消費者行政の現状について点検を行ない、今後の施策の方針を決定いたしたところであります。
 今後、この方針により、消費者行政を一そう強力に推進するつもりでありますが、以下、消費者行政の現状を簡単に御説明いたします。
 食品に関する危害の防止に関しまして、食品添加物の安全性の再検討を行なっており、また、残留農薬の実態調査を進め、これらの結果、逐次基準設定等の措置を講じてきております。また、食品の安全性に関する試験、研究の充実をはかっております。
 規格、表示の適正化については、従来に引き続き、消費者の正しい選択に資するため、諸般の法律制度の適正な運用につとめておりますが、特に食品の表示については、昨年、農林物資の規格化及び表示の適正化に関する法律の改正を見ましたので、この積極的運用をはかることとしております。
 不動産取引における消費者保護をはかるため、宅地建物取引業法の改正及び積立式宅地建物販売業法の制定の準備を進めております。
 消費者啓発、消費者教育についても、引き続き所要の施策を講じておりますが、特に、消費生活を含め、国民生活に関する情報提供、知識の普及等の業務を行なう国民生活センターを昨年十月設立いたしました。今後、この面における同センターの活動を期待しております。
 都道府県が設置する消費生活センターに対する補助も引き続き行なってきており、最近までのところ、二十八の都道府県について四十一のセンターが設置されておりますが、昭和四十六年度中にはほとんどの都道府県に少なくとも一以上のセンターが設置されるものと期待しております。
 その他の消費者行政に関しましても、計量の適正化、消費者組織の育成等、所要の施策を講じてまいっているところであります。
 以上、最近の物価動向及び消費者行政の現状について御説明申し上げた次第であります。
#14
○委員長(佐田一郎君) 以上で政府当局からの説明聴取を終わります。
 本件に対する質疑は、これを後日に譲ります。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午後一時四十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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