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1970/03/24 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
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1970/03/24 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 交通安全対策特別委員会 第4号

#1
第065回国会 交通安全対策特別委員会 第4号
昭和四十六年三月二十四日(水曜日)
   午後三時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十日
    辞任         補欠選任
     山崎 竜男君     奥村 悦造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木  強君
    理 事
                二木 謙吾君
                渡辺一太郎君
                峯山 昭範君
    委 員
                木村 睦男君
                松平 勇雄君
                吉武 恵市君
                瀬谷 英行君
                永岡 光治君
                沢田  実君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       須藤 博忠君
       警察庁交通局長  片岡  誠君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の
 一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木強君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る二十日、山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として奥村悦造君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(鈴木強君) 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○峯山昭範君 私は交通安全の問題につきまして、この委員会で発言するのはきょう初めてなんです。しかし、非常に交通安全の問題が重要な問題であるということはよくわかっております。今回の法案につきましても、先日からいろいろと勉強させていただいておりますが、初めに、今回の法案の概略につきまして私も建設省から出ました要綱等については勉強いたしました。いろいろと四項目に分かれて書いてありますが、今回の法律の一番のポイントとなる点ですね、この点について、この点が一番のポイントであるとしろうとでもわかるように、今度のこの改正のポイントはこれだ、その次にこれだ、その次にこれ、こういうぐあいにちょっとわかりやすく初めに御説明いただきたいと思います。
#5
○国務大臣(根本龍太郎君) 法律を見ていただければおのずからわかるのですが、せっかくの御指名でございますから申し上げますと、何と申しましても日本の道路は従来非常におくれておるんです。これば欧米に比べますれば、普通よく四、五十年といいますけれども、ぼくは数百年おくれておったと見るのです。というのは、先般も私は予算委員会で申し上げましたように、日本で道路政策らしい道路政策をやったのは王朝時代にほんのちょっとと、それから秀吉、信長時代、これは軍事的な国内制覇のためにやりました。ところが、徳川になりますと逆行しまして、むしろ道路整備を意識的にこれはやらずに、橋なんかもできるだけつくらずに渡しでやっておる。それからところどころに、要所要所に親藩と外様と置いて、そして交通を不便にしたということは、結局江戸に対する進攻を防止すると、ところが、欧米ではそのときにはすでに国家の対立が激しくなって、軍事上の目的からずうっと進んでいった。明治維新になっていわゆる国道の制度、その他の制度をやりましたが、日清、日露以降今度は外地に、国防に重点がいっちゃって、逆に日本の国内の交通関係は鉄道という新しい魅力ある交通機関に移動した。当時はまだ日本はモータリゼーションがなかったものだから、結局道路というものは馬と人間が通ればよろしいと、こういう状況になって、それが今度は戦後の急激な経済成長ということとあわせましてモータリゼーションが急激に進んできたために、道路がいわゆる近代的な整備をされていない、そこに車がどこにでも今度出てきたために、本来人馬を中心としてつくった道路が車によって全部排除されてしまった。そこにもう一つはいわゆるオーナードライバー、それからまた一般の運転者がドライバーマナーというものを全然持っていない。こういうことが重なり合いまして、交通戦争といわれるように、一年に二万人近くの人間が死んでしまう、百万人以上が交通事故で傷害を受けるという、世界でもまれに見るいわゆる交通戦争なるものが出てきた。これに対応するためにいまの単に道路をつくるというだけでなく、いままでややもすれば道路延長だけに重点を入れたわけじゃないけれども、そういう結果になっているのを反省いたしまして、とにかく道路についてはまず歩行者はもとよりのこと、自動車を運転する人たち同士も安全でなければならない、こういうことから今度の交通安全対策の計画をつくり上げました。これは道路管理者である建設省、それから交通規制等をやっている警察、それから自治体、こういうものが全部一致して道路の条件をよくすると同時に、いまの歩行者、それからいまのドライバーも安全に運転できるような条件をつくる、こう申し上げるわけでございまして、したがってどこに重点を置くかというと、まずやはり近代的な道路にして、第一に人間の人命尊重、それからドライバー同士の安全確認ができ、善良なるドライバーであるならば、交通事故による交通傷害がなくなるようにするということが、この法律案の目的でございますと申し上げていいのではないかと存じます。
#6
○峯山昭範君 非常にたくさん御説明いただきまして、結局わかりにくいのです、非常に。もう少し簡単でいいわけです。最後のほうに話がございましたので、最後のほうのことばをおかりしますと、結局は近代的な道をつくる、そしていわゆる人間尊重という点と、それからドライバー同士の安全という面、大体こういうふうな点にしぼられてくるような感じがするのでございますが、そこで私はいま大臣のお話の中でも、今回の法律の改正はいろいろと私はあるとは思うのですが、いまちょうどいみじくも大臣の話の中から車ということと人間ということ、両方出てきているわけです。ドライバーの安全とは言っておりますけれども、そこにはやはり今度の法律の内容をいろいろ勉強してみますというと、歩行者の事故をなくするという面が非常に重要な点であるように思います。そうしますと、私はこの歩行者の安全ということについても相当力を入れていらっしゃる。そうしますと、私は何といっても今回の法律の改正の基本がこの人間本位なのか、車本位なのかということもずいぶん私もいろいろ聞いてみました。これはやはりいずれであるかということをまづ初めに確認しておかなければいけない問題でありますので、ここら辺の問題について大臣の見解を初めにお伺いしておきたいと思います。
#7
○国務大臣(根本龍太郎君) それは申すまでもなく、車というものは結局人間生活を豊かにするために使うところの交通手段です。したがって人間がまず第一である。そのうちこの交通安全から見るならば、歩行者が非常にいま危険な状況にあるから、それをまず安全に保護してやるということが第一点でございます。そうした上、今度は車もその経済目的を達成するために必要なる道路整備をして、車同士自身の衝突とか、いろいろの危険な状況をなくしてやる、この二つを整備しなければいかないと、こう思います。
#8
○峯山昭範君 ということは、結局歩行者優先、そして歩道の整備ということをまあ大臣もおっしゃいますが、そうしますと、やっぱりこれはデータ的に、これは局長さんでけっこうですが、これはやはり人間本位に重点を置いて改正をする。道を歩いている人が安全であるための改正ということになりますと、要するに現在は歩道を歩いている人、または歩行者が非常に危険であるという逆の考え方が出てくるわけであります。そういう点のいわゆる歩行者の事故と逆にいえば車対車の事故というのがありますね。そうしますと、その二つの点を考えた場合に、今回の法改正は歩行者のほうの改正に重点を置いていらっしゃるということは、逆にいえば、それもデータ的にちゃんと証明ができるということでもあると私は思うのです。そこら辺のところはどういうふうに考えていらっしゃるか、一ぺんちょっとお伺いいたしたいと思います。
#9
○政府委員(高橋国一郎君) ただいま大臣がお答えいたしましたように、今度の新しい交通安全対策事業五カ年計画の最重点は、歩行者の死亡を昭和五十年度において半減したいという大きな目標のもとに計画を立てたことであります。したがいまして、道路管理者側といたしましては、道路の構造上歩行者を保護するというたてまえから、歩道の設置に最重点を置きまして、その整備を促進するように計画を進めているわけでございます。なお、公安委員会におきましても、そういったことと同様に計画を立てておるわけでございますが、これは公安委員会のほうからお答えがあると思います。
#10
○政府委員(片岡誠君) 私どもの公安委員会の側としましても、先生御指摘のように、歩行者だとかあるいは自転車に乗っていて死んだり、けがをしたり、自動車にはねられて死傷する場合の型、これを走る凶器型と申しておりますが、それと自動車に乗っている人がひっくり返ったり、あるいは自動車同士が衝突をして中に乗っている人が死んだり、けがをしたりする型を走る棺おけ型というふうに二つに分けて考えております。そして当面走る凶器型の事故を減らすということに優先順位を置いて計画を考えております。具体的には信号機の設置、それから横断歩道の増設、それから主として生活道路と申しますか、裏通り災害、そういう裏通りから通過交通を追い出していくというような形でのいろんな意味の交通規制、それをいたしますについて必要な道路標識であるとか、道路標示の整備をする、そういうところに主として重点を置いて考えております。
#11
○峯山昭範君 私は、おっしゃることはよくわかるんですけれどもね、要するにいま建設省の局長さんがおっしゃいましたように、歩行者の死亡を昭和五十年に半減させる、この意味よくわかります、私もね。これは確かに歩行者の事故は半減するであろうと思うのです。なぜかといいますと、現在の傾向は、そういうぐあいに多少いままでみたいに急カーブを描いて上昇するというんじゃなくて、多少は曲がっているカーブになってきているわけですね。それに反して、車対車の事故というのがかえっていまふえているということを私も聞いているわけです。そうしますと、歩行者の事故は半減したにもかかわらず、かえって、車対車の事故は猛烈にふえるということも考えられるわけですね。ですから、そこら辺のところについてはやっぱり考えていらっしゃるのかどうかということをも含めてお聞きしたいわけです。
 それからいまのその問題についてはちょっとおいておきまして、歩行者の問題に焦点をしぼってお話をいたしますけれども、歩行者の問題についてひとつ基本的な問題を私は聞きたいのですが、まあ人間優先ということから歩行者が安全に安心して道を通れるということは非常に大事だと私は思うのですが、人が通る道というのがやっぱりこれが基本的な考え方になると思うのです。何をやるにしても、一方通行にするにしても、歩道の幅をきめるにしたって何するにしたって、人が安心して通れる道というのは一体どのくらいの道幅が必要かというこの基準がどうしても必要だと思うのです。基準というものについて大体どういうぐあいにお考えか、伺っておきたいのです。
#12
○政府委員(高橋国一郎君) 歩行者が安全に通行できる歩道の幅は、歩行者の数にもよりますけれども、原則といたしまして一・五メートル以上というふうに考えております。ただし特別の場合には七十五センチでいいというふうに考えておりますが、原則的には一・五メートル以上の歩道というふうに考えております。
#13
○峯山昭範君 一・五メーターというのは、これはどういう計算に基づいて一・五メーターというんですか、科学的なやっぱりちゃんとしたあれがないと。一・五メーターというのは、一・五メーターに車の通る道、そこらの基準はやっぱりはっきりしていただかないといけないと思うのですが、この辺のところはどうなんですか。
#14
○政府委員(高橋国一郎君) 一・五メーターときめておりますのは、人がすれ違える幅員というふうに考えておりますぎりぎりの線でございますが、一・五メーター以上としているのはそういう理由でございます。特殊な場合には七十五センチと申しましたが、これは一人だけ通れる非常に人の交通の少ない場合を想定した基準でございます。
#15
○峯山昭範君 そうすると、今回は人が一人通るところは歩道をつくろうという考えはないと思うのですね。今回の法改正で特に歩道をつくるというのは、人がときたま一人一列かどうかわかりませんが、一人通るところは歩道をつくるという法律じゃないと私は思うのです。今回の歩道つくる基準というのはどのくらいの人が通るということを考えていらっしゃるのか、そこはどうですか。
#16
○政府委員(高橋国一郎君) 今回の特定交通安全施設等整備事業におきましては、歩道の設置基準というものを設けまして、歩道をつくる場合の基準をきめておるわけでございます。その基準によりますというと、十二時間の自動車交通量が二千台以上であって、歩行者が一日百五十人以上の場合、これは普通の道路でございますが、通学道路という指定があった場合は十二時間自動車五百台以上、学童園児の通行者一日四十人以上ある場合には歩道を設置するということになりておりまして、その場合は原則として一・五メートル以上設置することになっておるわけでございますが、ただ非常に道路によりましては、特に大きい都市部におきます小さい道がございますが、そういう場合には公安委員会と協議いたしまして、できれば通学路等につきましては一方通行等の措置をとってもらって、歩道を設置するというふうな方法も考えなければいけないんじゃないかというふうにわれわれ考えております。
#17
○峯山昭範君 ということは、人が安心して通れる道という考え方ですが、これは要するにいまの百五十人以上、十二時間で車が二千台ですか、これだけでは非常にそれぞれ瞬間的にとらえてみるとわかりにくいわけですね。まあ逆に今度は道幅の面からこれをいいますとどうなりますか、道幅の面からいいますと。
#18
○政府委員(高橋国一郎君) 道路の幅から申しますと、その道路がたとえば七メートル以上あった場合と仮定いたしますと、五メートル五十の車道をとるわけでございまして、残りの一メーター五十、両側で一メーター五十、片側七十五センチとなりますが、その場合には主として通行する者が非常に少ない場合、七十五センチの歩道ということになろうかと思いますが、もっと狭いたとえば五メーター程度の道路があった場合には、これは従来は二車線交通がやっとという、小さい車しかすれ違えない道路になると思いますが、その場合にはいま申し上げましたようなことはとてもできませんので、この場合には三メーター五十というのを一つの車道と考えまして一方通行にさして、残りのものを歩道というふうにして歩道をつくって人の道を確保したいというふうに考えておるわけでございます。
#19
○峯山昭範君 いまの初めのほうの局長がおっしゃったことをとらえて言いますと、七メーターの道がある。それで車がすれ違えるのに有効な五・五メーターの車道をとる、残りは一・五メーターだ。そうしますと、もしそこを百五十人以上の人が通ったとしますね。たくさんの人が通ったとします。車は二千台ぎりぎりだったと。そうしますと、その考え方の基本はこれは車優先という考え方ですね。車を先へ通しちゃって、そして人間一人が安心して通る道というのは七十五センチで最低ぎりぎりです。それを両側へとるということになりますと、車の道は最低ぎりぎり五メーター五十であったとしても、場合によってはそういうような道でも一方通行にして両側かっちり通れるような道をつくるとか、そういうような基本的な考えがなければこの問題は解決しない。要するに車優先か人間優先かという基本の問題としてやはりその道の事情によって、私は局長さんのおっしゃるのはわかるのですよ。わかるけれども、その道の事情によってはやはり人間の通る数とかそういうようなものをよく見合わせて、そうしてその歩道のつくり方をきめる、こういうぐあいでなければ、私は端的にただこうだからこうというやり方ではまずいのじゃないかと思うのですが、これはどうですか。
  〔委員長退席、理事渡辺一太郎君着席〕
#20
○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおりでございまして、人間優先をわれわれとしては前面に、人間優先のほうが主体になるわけでございますので、ただいまの説明は非常にまずかったのですが、一番最小の七メートルという場合を仮定したものですからそう申し上げましたが、いま先生御指摘のように、非常に通行する人が多い場合は、当然これは公安委員会と相談申し上げまして、一方通行の規制をしていただいて歩道を広くとるのが当然でございます。たまたま幅員の七メートルという最小のことでもって御説明したのは非常にまずかったわけでございますが、われわれの考えておりますことも先生と全く同意見でございます。歩行者を優先して、歩行者を中心に道路の幅員を構成するというふうに考えております。
#21
○峯山昭範君 それから次に、今度の法改正では歩道をつくるということが、もう必死になって歩道にしがみついている感じなんですがね。私はそこで初めに公費委員会のほうにお伺いしたいのですが、最近の歩行者の事故の中で一番多い事故というのはどういう事故ですか。
#22
○政府委員(片岡誠君) 歩行者の事故は、車のいわゆる事故原因の分類で直前直後横断と申しておりますけれども、車のすぐ前を通ったりそれから行き違った車のすぐあとを通ったり、それから子供の歩行者の場合には飛び出しによる事故、そういうようなのが原因としては多いと思います。
#23
○峯山昭範君 どうももうちょっと明確に答えてもらいたいのですがね。いま私実はデータを持っておったのですが、データがどこかに行ってないのですが、お宅のデータですよ。お宅のデータによりますと、歩道から飛び出しての事故というのが一番多いとなっている。六十何%になっている。そうでしょう。歩道から飛び出しての事故というのはそうなっているのです。歩行者の事故の中で歩道から飛び出して車にはねられたり、特に小さい子供さん、おとなも含めてそうでしょう。そうなっているのです。そこで私は、この歩道というのは車道からちょっとだけ高いだけですね。そうしますと、歩道をつくっただけではこれは事故の数は減らないと私は思うのです。なぜかというと、小さな子供さんは歩道からすぐ飛び出しやすいわけですね。もうそんな歩道を何ぼつくったって、すっすっと真っ直ぐ歩くだけならいいわけですけれども、実際問題として歩道から飛び出す事故というのは現実に一番多いわけです。そうしますと、歩行者の事故を半減するという意味で歩道をつくるわけでありますけれども、これはそれだけではだめでありまして、やはり私はガードレールなりそういうふうないろいろなものによっての相乗作用によって事故というものはなくなるだろうと私は思うわけです。そこら辺のことについてどういうぐあいにお考えになっていらっしゃるかということもお伺いしたいし、またかえって歩道をつくることによって、車も歩道というのは案外わかりにくいわけですね。車が歩道へ飛び込んでいって事故を起こしたという例もずいぶんあるわけです。したがって歩道がかえってなくて、ガードレールがあったほうが歩道をつくるよりもいいのじゃないかという考えも出てくると思うのです。こういう点についてはどういうぐあいに考えていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#24
○政府委員(高橋国一郎君) 歩道につきましては、われわれの原則といたしまして、車道と完全に分離いたしまして、しかもマウンドアップいたします。同じ路面でないということが一番望ましいわけで、これは車が入れぬわけでございますから、これが交通安全上一番大事なことだと思っておりまして、そういうふうにできるだけ歩道は車道よりも高くつくるというのはまず第一の原則としておりますが、ただ、先生いま御指摘のように、市街地等におきましては、子供さんあたりが歩道から飛び出すというような危険もございますので、さらにその上にガードレールを設置するという例が市街地は多うございます。ガードレールの一つの設置の基準にそういうことを含めまして市街地等においては従来ともそれをやっておるわけでございます。なお、ガードレール等は先ほど申し上げましたように、歩道はできるだけマウンドアップすることにはなっておりますけれども、道路によりましては幅が非常に狭いためにマウンドアップすることが非常に困難であったり、あるいは両側の人家の高さ等によりましてなかなか困難な場合が多うございます。その場合はガードレール等によりまして歩道と車道とを分離するという方法をとっております。主としてこれは狭い道路にはかなり現在でも設置しておるような次第でございます。御指摘のようにガードレール等によりまして歩道と車道とを分離する以外に、飛び出す人たちをなくすようなためのガードレールの効用がございますが、そのような設置基準のもとに主として大都市においてはそういう設置を現在行なっているような次第でございます。
#25
○峯山昭範君 まあ大体わからぬでもないのですけれどもね。いずれにしましても、確かに歩道をつくったから安全だということは私は言えないと思うのです。したがって、これはガードレールとかそういうような点について十分考えてもらいたいし、また今後歩道等を高くと言っておりますけれども、車道と区分するといいましても、普通大体十センチか十五センチくらい高くなるだけで、一メートルも高くすればそれは絶対だいじょうぶでしょうけれども、そんな高い変な道路ないでょしょうしね。ですからそういう点から考えてみますと、どうしてもやはりガードレールとかそういうものが必要になってくるのじゃないかと思っているのです。
 それから、いまちょっと話がございました車道と歩道の区分の問題で、一がいに私は歩道をつくったから安全だというよりも、もっと積極的といいますか前向きにいろいろ考えてもらう。たとえば朝夕のラッシュ時には人がものすごく多く通る。また買い物時間にはものすごく人が通る。そういう場合はガードレールみたいなものを、道に穴をあけて移動式のガードレールみたいなものをつくって、道の幅を時間帯によって考える、いまそういうのも多少どこかにあると思うんですが、かえってそういうふうなことをしたほうが、ただ単に歩道をつくるよりもいいというような場合も私はあるんじゃないかと思うんです。やっぱりそういうふうないろんな点を考えて計画を進めてもらいたいと思いますし、そうでなければ何というか、ただ単にこの法律を進めてそれでやっていくだけでは、かえってマイナスになる点も考えられるんじゃないか、そういう点も考えられるんですが、そういうような点の総合的な検討といいますか、そういう点については考えていらっしゃるのかどうか、この点はどうですか。
#26
○政府委員(片岡誠君) 先生御指摘のような道路の通常の場合の交通、人の交通量、車の交通量の場合と、それからラッシュ時、通勤通学のような場合、あるいは買いものの時間帯によって人あるいは車の交通量に相当の変化のあるようなところでは、
  〔理事渡辺一太郎君退席、委員長着席〕
 御指摘のような移動式の車道と歩道の区分の方法というものも現に若干やっておりますし、そういうものも有効だと私は思っております。それと同時に、非常に通勤通学の人が多くて、あるいは買いものの時間帯に買いものに行く主婦が多いというようなところは時間的に交通の禁止制限をやります。車を通さないでもっぱら人間が歩くというような交通規制の方法も現在全国的に指導さしてやっております。そういう点は場所場所の実情に合ったような交通の方法を考えていくということを今後とも続けてやってまいりたいと思っております。
#27
○峯山昭範君 そういう問題についてはできるだけ実情に沿って御検討いただきたいと、そういうふうに考えております。
 それからこの法案の作成ですが、この法案を読みまして、五カ年計画で現在出ておるわけですが、各市町村では六月三十日までに調査をされて提出をされるということになっておりますが、まあ一般的に考えて、これはほんとうは逆のやり方になっているわけですね。それで実際整備事業の五カ年計画を作成される時点というのは、これはやっぱりいろんな資料を全国から集めてつくられたと思うんですが、これはいつごろ調査された資料なのか、これはどうですか。
#28
○政府委員(片岡誠君) 私どもといたしましては一昨年、昭和四十四年ころから第一線のほうに指示をいたしまして、計画を積み上げてまいって、大体それで一定の方針のもとにそういう計画を積み上げてまいりまして、それを集計して予算要求をいたした、そういうことでございます。
#29
○政府委員(高橋国一郎君) 道路管理者分につきましては、昨年の夏、八月ころに聴取いたしました資料をもとにしまして計画を立てたわけでございますけれども、いま先生御指摘のように、実際の五カ年計画はさらに下の市町村、府県の現場からあがってきた資料をもとにして最終的に決定するわけでございます。したがいまして、若干の相違は出てきますが、大綱においてはそう隔たりはなかろうかと考えます。
#30
○峯山昭範君 そうしますと、この五カ年計画はそういうぐあいにして事前に警察のほうと、それから建設省のほうと両方で四十四年と四十五年、ちょっと年は違いますが、調査されて、それで基本的な計画をつくって予算要求をされた、そして正確にはこの法律が通った後、ことしの六月三十日までにそれぞれの市町村から具体的な計画を出させる、こういうことでありますが、それじゃもう一つ逆にお伺いしたいんですが、すでに四十一年からこの三カ年計画は二回にわたって実施されておりますね。この場合はどういう形態をとったんですか。これもやっぱり事前に調査されて、法律が通ってからやったというわけじゃないと思うんですね。そこら辺のところはどうですか。
#31
○政府委員(高橋国一郎君) 第一次の三カ年計画は四十一年から四十三年でございますが、これは建設省においてきめまして、下部に流して実施させたという実情でございますが、第二次からはただいまと同じシステムで一応予備調査をして総額をきめて、それから三カ年計画、第二次の三カ年計画の場合は法案が通ったあと市町村から積み上げて正式な三カ年計画を作成したということになっております。
#32
○峯山昭範君 そうしますと、いずれにしてもこの法案が通った後、ことしの六月に各市町村から計画を出さして、そうしてこの五カ年計画を実施するというわけでありますが、過去二回にわたってやった道路整備計画ですね。これは計画どおりきちっと実施されたのですか。
#33
○政府委員(高橋国一郎君) 第二次三カ年計画は四十四年、四十五年、四十六年の三カ年計画になっておりまして、ことしが二年度目に当たるわけでございますが、二年度目までの実施は順調に進んでおりまして、実はむしろ計画を予定より上回って実施しているような状態でございます。したがいまして、第二次三カ年計画の最終年度は来年度四十六年度になるわけでございますが、それの残事業は非常に少くなりまして、このままでいきますというと、交通事故がますます激発するというふうに考えられましたので、新たに五カ年計画をつくって、四十六年度を初年度としたわけでございますが、その四十六年度の初年度を三カ年計画の最終年度として積算いたしますというと、三カ年計画の事業を一一%上回る結果になるわけでございます。
#34
○峯山昭範君 そこで大臣にもちょっと聞いておきたいのですが、緊急措置法というその緊急という名前のわりにはあれが五カ年とのんびりしている感じなんですが、これはどうですか。
#35
○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように交通事故が非常に激発し、国民的に非常な不安になっておりますから、従来の手法にさらにくふうを加えて、これから先ほど申し上げましたようにこの計画中で、五年中に半減するという目的を立てていただき、したがって緊急ということは、五年間かかってやっても緊急にこれに取り組むのだ、こういう意味合いでございますので、これを二年間でやれと言ったってこれはとてもできない。非常にこれは重大な問題ですから、それですべて五年間ということで現実性を持たせるために緊急かつ半中期的ということになると思いますが、そういう意味でございます。
#36
○峯山昭範君 私はどうもいまの答弁ではあまり――わかるような気持ちもするのですが、あまりわからないのです。やはり五年というのは長いと思うのです。この五カ年計画は賛成です、この法律。
  〔委員長退席、理事渡辺一太郎君着席〕
 この歩道をつくり、交通事故を少くしていこうという考えは賛成ですが、五年というのはちょっと長いと思うのです。大臣はいま二年ではちょっと無理じゃないかと言いましたが、三年ならいいじゃないかと思います。五年間もかかってずるずるずるずるとやっていると、また三年目、四年目になると、いまは歩行者でこれは歩道橋とか歩道とかさんざん言っておりますけれども、そのほうはだんだん減ってきて、今度はそのほかの高速道路とか、これからやりたいと思っておりますけれども、そういうところにいろんな問題がまた出てきますよ。またこの法律を改正して緊急措置法――五カ年計画がまた出てきます、そういうことになりかねないと私は思うのですね。ですから、実はこういうような問題についても、特に荒木長官もせっかくきょうはお見えになっておりますので、一言伺いたいのですが、実際問題として長期間にわたってこういうことをやるより、私は短期にやったほうがいいと思うのです。たとえば大阪の例なんか、万博であれだけ車が押し寄せてまいりまして、現実にことしぐらいばっちり手を打てば、事故の起きるところはどこどこ、どこら辺の道が一番悪いと、一番よくわかるのじゃないかと思うのですよ。大臣そうじゃないですか。そこら辺はどうですか、大臣。
#37
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算を思う存分取りますれば、できれば一カ年でやるという、極端に申せばそういうことになろうかと思います。ただ現実問題としてはなかなかそうは問屋がおろしませんので、大体五カ年見当でやったほうが実情に合うという妥協に基づくものと思います。
#38
○峯山昭範君 あの大臣、ことしはちょうど万博を終わって交通状態が一番よくわかっている。だからこの一、二年のうちに手を打てばよく焦点もしぼれるし、また事故も半減させることもできる。しかしながらそれも予算の面も一ぱいあると思うのですけれども、実際問題これは五年もたつと、今度は完ぺきにぼけてしまう、焦点が。そうしてほんとうにどういう点が、どういうところで事故が起きるかというのを調査するのは私はたいへんだと思うのですよ。そういう点から考えて、やはり大臣、しっかりがんばって予算を何とかして、前の分科会のときには相当張り切っておられましたですけれども、きょうはちょっとどうも妥協されたのかどうか知りませんけれども、だいぶ元気なさそうでありますけれども、もうちょっと張り切ってやってもらわぬと、何といいますか、それぞれ都道府県の交通を担当していらっしゃる方々もがっかりするんじゃないかと思うのですよ。ほんとうに現実にがっかりしているという話も私は何人も聞いたわけです。
  〔理事渡辺一太郎君退席、委員長着席〕
実際のところそういう点ではやっぱり何とかそこら辺のところも張り切ってやっていただきたい、まあこういう気持ちです。
 それから、いろいろとお伺いしたいことがあるんですが、次に高速道路の問題をちょっとお伺いしたいんですが、これは今度の法律の中にはそういうふうなことについてはうたってないんでありますけれども、現実には高速道路の事故率といいますか、死亡率というのが私は上昇してきているように聞いているんですが、ここら辺のところはどうですか。
#39
○政府委員(片岡誠君) 高速道路の事故の取り方でございますけれども、一番高速道路と比較の対象になるのは国道、旧一級、二級の国道と比較するのがいいんじゃないかと思いますが、これが一キロ当たりの事故率で見ますと、昭和四十四年の場合には、高速道路が一キロ当たり五・四、それが四十五年には四・三となっております。しかし一般道路のほうは一キロ当たり九・四、これが四十五年には九・三、こういう数字でございますけれども、問題は一キロ当たりの取り方がいいのか、むしろ走行距離、一億台キロ当たりの事故率を見たほうがより正確なのかもしれません。しかしながら一億台キロ当たりの事故率につきましては、建設省のほうでやっておられる統計が三年ごとに統計をとっておられるようでございますので、その分母に使う一億台キロの走行キロが現在固定された形でございますので問題はあろうかと思いますけれども、一応そういう前提のもとに見ますと、高速自動車国道におきましては、昭和四十四年に一億台キロ当たりの事故率として一一二・二であったのが、昭和四十五年には一五七・一というふうに多くなってきております。昭和四十四年には一般の国道の約三分の一ぐらいでございましたのが、それが二分の一にはまいりませんけれども、次第にふえておる傾向だと思います。しかしながら実際はもっとたくさんの車が走るようになっておりますので、これほどまでひどく事故がふえておるとも思えないと思いますが、増加傾向にはある、このようには考えております。
#40
○峯山昭範君 いま事故率という話がありましたけれども、これは要するに事故率は一般の国道と比較してそう違いはないかもしれませんね、しかし増加の傾向にはある、事故率は。しかしながら事故率はそうかもしれませんが、死亡率ということになるとこれはどうですか。それはもう全然私は一般の道とは関係なく、相当死亡率というのは高いんじゃないかと思うんですが、これはどうですか。
#41
○政府委員(片岡誠君) 死亡につきましては、御指摘のとおり高速道路のほうが速度を出しております。したがいまして事故があった場合の致死率は一般道路よりは高いと思います。
#42
○峯山昭範君 ということは、実際問題として死亡率が高いわけですね、死亡率は高い。この高速道路に対していわゆる事故を防止する対策は一体どういうぐあいになっておるのかということが一つ。それからもう一つは、そういうふうなことについて詳細な調査といいますか、それは綿密に行なわれているのかどうか、たとえば事故の起きる場所ということについても、この点はこういうぐあいに事故が多いとか、こうなっているとか、そういう調査の体制というのは現在きちっと整っているのかどうか。ここら辺のところはどうですか。
#43
○政府委員(片岡誠君) これは高速道路だけじゃございませんが、一般的にも各都道府県の警察本部に交通事故の分析官というのがございます。そうして統計的に事故が多発している道路の区間がどこであるかということを図面に落としております。そうしてその事故の多発しておる区間につきましては、道路管理者とも一緒になって、事故原因は何だろうか、どこに問題があるんであろうかという分析を緻密にやっております。そうしてその分析結果に基づいて、道路構造について問題があれば道路構造の改善を道路管理者がやるとか、それから交通の規制によってたとえばスピード制限するとか、あるいは追い越しを禁止するとか、そういう交通規制によって事故が防げるということになれば公安委員会がその規制をやるというようなことで各県ともやっております。さらに高速道路につきましては、御承知のように関係の県に高速道路の交通の警察機動隊がございます。そういう機動隊の人たちが現実に事故を扱っておりますので、その事故の原因の分析もやって、道路公団なりあるいは首都高速道路公団、あるいは阪神高速道路公団の技術者と一緒になってその対策を研究していく、そういうことでございます。
#44
○峯山昭範君 具体的にいまそれぞれ対策をやっていらっしゃるような話でありますけれども、こういうようなことについてはもっと積極的にがっちりやってもらわぬと、ただ地方にやらしている、やっているということだけでは、私はこの問題は解決しないと思うんですね。
 それから今度はその運転者教育といいますか、高速道路を走る場合の運転者教育、それが一つと、もう一つは車のチェックといいますか、そういうようなことについてはどういうようにチェックされておるのか、この点をお伺いしたい。
#45
○政府委員(片岡誠君) この点については、まだ私率直に申して問題は残っておると思います。ただ高速道路の走行方法について指定自動車教習所、いわゆる自動車学校で教えてはおります。しかしながら高速道路で実際に路上で走って訓練をするということは義務化されておりませんので、現実には免許証をもらったあとの事実上の指導として、たとえば東京の場合であれば、東名高速道路を三時間半指導員がついて走るというようなことは指導としてやっております。それから車の性能、特にタイヤの問題であるとか、その他車自身が高速道路を走行するのに問題があるそういう整備不良車両なりあるいは水切れ、ガソリン切れで故障するそういう車については、現在ドライバーの自発性にまかしているのが現状だと思います。将来の問題として私考えておりますのは、道路公団の当局あるいは道路局長ともよく御相談をいたしまして、インターチェンジへ入ってくるところに若干の修理能力を持つようなガソリンスタンドをちゃんと置いて、そこでチェックをしていくというようなことをもう少しやったほうがいいんじゃないか、そのように考えております。
#46
○峯山昭範君 まだまだそういう点については不十分な点があるようでございます。そういう点については十分今後もっと積極的に検討していただきたいと考えております。
 いまちょっと話に出てまいりましたけれども、高速道路を走る場合の訓練といいますか、走り方を教える方法ですね、教え方、そういうことについては教習所なんかにおきましても、これはいまどういうふうになっているのか私わかりませんが、教習所でもそういう高速道路の走り方についての正式な教科として取り入れるといいますか、そういう点については、これは当然私はこれから車の免許を取れば高速を走る人は一〇〇%走ると思います、よほどのいなかでない限り。そういう点から言いますと、そういうふうな科目の中にも正式な教材といいますか、教科といいますか、そういうものを組み入れてもいいのじゃないかと私は思うんですが、こういう点についてはどうですか。
#47
○政府委員(片岡誠君) 御指摘のとおりだと思います。一番高速道路で事故を起こしておりますのは、急にブレーキを踏んだり、急にハンドルを切っている、低速の場合と同じようなハンドリングなりブレーキの踏み方をしているために起こっている事故が一番多いと思います。したがいまして、高速時の運転方法については、特に八十キロから上ぐらいの運転方法は違うということを現在も高速では教えておりますけれども、事実そういう指導員がそばに乗っての走行を義務化していくような方向で今後検討していきたいと思っております。
#48
○沢田実君 時間をいただきまして、荒木大臣に一問だけお尋ねをしたいと思うんですが、先日この交通安全対策特別委員会で大臣の所信表明に対する質問をいたしました。ちょうど出席されませんでしたので、いろいろ議論をお聞きになったかどうか知りませんけれども、予算の問題等でいろいろお尋ねを申し上げたわけですが、去年の九月に交通安全対策室として政府に要求をいたしました予算の要求の書類がございますが、建設省等においては大体その要求に近い予算が四十六年度予算として組まれているようです。ただ警察庁関係の交通管制システムの整備に関する予算二百八十一億の要求に対して三十億と、約一割ちょっとしか通っていないということで、一番交通安全に大事だと思われるものが大幅に削減をされているわけです。所信表明では相当前向きに今後交通事故をなくしていこうという表明をなさっていらっしゃるわけですが、こういう一番肝心な予算というものが削られているわけですけれども、そういう意味で私どもは非常に何といいますか、政府のほんとうに交通事故に対する姿勢に対してどうなのかと、いろいろ心配をして質問したわけです。この際大臣の所信を承り、大いにこういう問題についても全力を尽くしていくというような決意をお聞きをいたしたいと思います。それが一点です。
#49
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 予算が思うように取れなかったことは御指摘のとおりでございます。まず五カ年計画について申し上げます。
 交通安全対策に関連しまして重要性が高いのでございますから、財政事情の許す範囲内においてできる限り従前の規模の拡大につとめましたところ、その結果は、現行の三カ年計画を五カ年計画に延伸したものに比べてみると、補助事業では九倍に相当する約六百八十億円、地方単独事業を含めた総事業では三・五倍に相当する約千六百億円と、大幅に事業規模を拡大することができました。それとともに、この事業内容においても事故防止に直結する信号機、道路標識、道路表示の設置等について重点的に配意したところでございます。これによりまして、本計画と並行して行なわれる道路管理者側の五カ年計画による歩道等の整備及び交通取り締まり、運転者教育等の施策と相まって、道路交通上最も弱い立場にある歩行者の事故については大体半減することを目標として努力する所存でございます。
 なお五カ年計画の実施にあたりましては、各都道府県からの計画の積み上げを待って事業規模を決定し、今後の経済、財政事情等を勘案しつつ弾力的にその実施をはかる考えであります。初め当初計画三千七百億円という要望をいたしましたが、半分足らずの千六百億円にとどまったことはまことに遺憾でございますけれども、それ以前は道路計画とは無関係に――というのはちょっと適当でありませんけれども、三カ年計画で実施しておりましたが、およそ道路というものは人や車が利用することをもって終結する課題でございますので、単に道路もしくは道路管理者側の安全施設等があるだけで、信号機、道路表示、道路標識等が整備されませんければ道路と言い得ないというのが近代的な道路の性格だと思います。その意味において問題をとらえまして、道路計画と並行して五カ年計画を同じように打ち立てて、そうして安全施設を整備しようという決意のもとに臨んだわけでございますが、できれば三千七百億ごっそりちょうだいに及びたいとは思ったけれども、現実はおのずから予算規模の限度がございまして、半分ぐらいにとどまったことはまことに遺憾でございますが、今後機会あるごとに増額に努力したいと思います。
#50
○沢田実君 もう一問。交通局で、この間私がお尋ねしたこと、さっそくこれをつくってくださったわけですが、これを見ますと、たとえば取り締まりを強化するとか、交通安全教育を効果的に行なったとか、あるいは相当の予算の増額を取った等々、一生懸命努力したことがこういうふうに出ているわけですよ。それから埼玉や千葉は東京の近くで、人口がふえたから、車がふえたからふえたというだけのことですけれども、この辺のことは当然のことなんですから、もう少し何とかなるんじゃないかと思います。したがって、こういう努力をしたらこうなるようなことをやはり全国に指示をなさって、こういう努力を全国がすれば、私は現状でももっともっと減らすことができるんじゃないか、こう思いますが、せっかくのデータですので、全国に活用するようなお考えがあるかどうか、お尋ねをしたいと思います。
#51
○政府委員(片岡誠君) 全国に対しまして努力をするように今後とも指導してまいりたいと思っております。
#52
○委員長(鈴木強君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#53
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ、討論は終局したものと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#54
○委員長(鈴木強君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#55
○委員長(鈴木強君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時十分散会
ソース: 国立国会図書館
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