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1970/05/14 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 交通安全対策特別委員会 第5号
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1970/05/14 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 交通安全対策特別委員会 第5号

#1
第065回国会 交通安全対策特別委員会 第5号
昭和四十六年五月十四日(金曜日)
   午前十時十九分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鈴木  強君
    理 事
                二木 謙吾君
                渡辺一太郎君
                峯山 昭範君
    委 員
                鬼丸 勝之君
                松平 勇雄君
                吉武 恵市君
                米田 正文君
                瀬谷 英行君
                永岡 光治君
                沢田  実君
   国務大臣
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        湊  徹郎君
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       須藤 博忠君
       警察庁交通局長  片岡  誠君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
   説明員
       法務省刑事局刑
       事課長      前田  宏君
       運輸省自動車局
       整備部長     隅田  豊君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○交通安全対策樹立に関する調査
 (交通事故防止に関する件)
 (自動車の構造上の欠陥に関する件)
 (交通安全教育等に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鈴木強君) ただいまから交通安全対策特別委員会を開会いたします。
 交通安全対策樹立に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○峯山昭範君 きょうは、大臣の時間もございますので、大臣に初め質問したいと思います。
 交通問題につきましては、非常に私は最近憂慮しているような次第でありますが、最近は公害の問題とか、いろいろ重要な問題もずいぶん出てきてはおりますけれども、こういうふうな公害の問題にまさるとも劣らないような重要な問題がこの交通の安全対策の問題であると思います。最近におけるわが国のモータリゼーションといいますか、こういうふうな進展が経済の発展といいますか、また国民生活に相当なプラスの面は確かにあると思うのです。しかしながらその反面、自動車の密度といいますか、こういうものがアメリカの五倍にもなっている。またしかも、交通事故の状態にしましても相当これはたいへんな実情であります。ことしもすでに事故死者が五千人をオーバーしたとかいうような話も最近の新聞等でも報道されております。
 そこで、私は交通対策という問題につきまして、これはもう抜本的に考え直さなくちゃいけないときがきているのじゃないか。実は私は先日あるところの――これは地方の場合でありますが、交通安全対策室というのが現実にあるわけです。そこに参りまして、交通安全対策室というのは一体何をするところだといろいろ聞いてみますと、究極的には、交通安全対策というのはやることが非常にたくさんあるようで、具体的にそれじゃ何をやったらいいかということになると非常にやりにくい、要するに、かちっとこうきまってないわけですね。そこで私は、実はこの行政管理庁から出ました組織図を見まして、総理府のところに交通安全対策室というのが小さな字で現実にあるわけでありますが、これは確かにこれでいいのかもしれませんけれども、現在の日本におけるこの交通事故の死者とかあるいは交通事故の被害者とか、そういうふうな面から考えてみますと、これは公害対策本部というのがありまして、今度環境庁ができるわけでありますが、そういうふうな面から考えましても、もっともっと交通事故対策といいますか、交通安全対策といいますか、こういう面に積極的に取り組む姿勢というものをつくらなければならないと私は思うのですが、初めにこういうふうな問題について大臣はどういうふうにお考えか、お伺いしたいと思います。
#4
○国務大臣(山中貞則君) この交通事故の死傷者というものを見ますと、近代兵器が発達する前の明治のころの大規模な戦争の始まりから終わりぐらいまでの死者に匹敵するようなものが毎年毎年平和な中で死んでいく。こういうような死傷していくことを見ますと、やはりいつも私言っておりますように、戦争ということばは日本の国内では現実に使う対象はないわけですけれども、交通戦争ということばがどうもぴったりすると、私としてはそういう気持ちがありまして、この問題は死傷者を減少させ、事故を起こす件数を減らすということに全力を傾けなければならぬと思っておるわけでありますが、まあ機構の上から見ますと、確かに総理府に交通安全対策室がある。それでまた交通安全対策本部も設けられておりますが、いままでの過去を反省してみますと、まあ交通安全対策基本法がようやく昨年できたようないきさつがありますし、また地方もこれからは地方の交通安全計画をつくらなければなりませんから、そういうことで何をやっていいかわからないということがようやく方向づけられてくると思いますし、いま事で道路は道路だけつくっていて、安全施設は計画的に立てられていなかったものも、道路五カ年計画に一年おくれでありますけれども、今年の予算で道路交通安全の施設に対する五カ年計画というものができましたし、また一方警察のほうでは特定財源がなかったため等もありまして、金額で満足すべきものと私も思っておりませんが、警察としてもこれをやはり五カ年計画で交通安全取り締まり対策、そういう面からの全国的な近代化をはかっていこうという予算が一応つきましたし、さらにそれを来年度予算からは道路と警察との間で一体となった予算の組み方をしようという話も大体大蔵省とつけておりますので、そういう方向でドッキングをすることになるでありましょうし、他面また、件数はわりとありませんが、悲惨な事故につながる踏切事故、こういうものは運輸省のほうで全く建設とも警察とも関係なくやっておりましたものも、これもやはり基本計画の中に盛り込むことはもちろんのこと、そういう計画として有機性を持ってやるということにしておりますので、これからは逐次そういう体制がおくればせながら整っていくと思うわけであります。しかしアメリカやその他の国に交通省というものがあります。こういう機構が日本の場合においては御指摘を待つまでもなく、人口の居住可能範囲内の中において走り回る自動車の密度というものがおそるべきものである。この現状を見ると、日本においてもやはり場合によっては交通省、いわゆる交通大臣的なものが必要になるのかもしれない、あるいはまたそういう機構をつくらなければ解決できないという事態に逢着するかもしれないという可能性もありますので、その問題等については私もよそ事でない気持ちで、実際しかし現在は日本にはそういうものはありませんから、事実上の総合的な担当を私がやっておるということで、総理にかわって交通政策の各省の調整というものをやっておるわけでありますが、次々といろんなアイデアを打ち出してまいりましても、具体的に実行にかかるまでにやはり三カ月とか半年とか、いろいろな経過を経て実施されていくというような現状でございまして、若干私も隔靴掻痒の感を抱いております。今後そういう問題は基本的な国の姿勢として無視できない。毎日毎日事故がふえていくわけでありますから、考えなければならない基本的な問題だと思います。ことにことしの春の安全週間で、昨年やりまして非常に昨年は成績をあげました新入学児、新入園児の家庭から初めて外に出る、危険な地帯に踏み出す子供たちを対象に安全週間をことしもやってみた。ところが、その結果はちょうど地方選挙とぶつかりまして、最初危惧はいたしたのでありますけれども、連呼その他警察の取り締まり、そういう面等でどうしても地方選挙のほうにさかれた関係等もありましたためか、どうも成績は安全週間というのにははなはだ残念な成績に終わりましたし、後期に考えましたゴールデンウイークの取り締まりだけは成果をあげたいということで、相当前から準備をしたのでありますけれども、それでもやはり最近の走る棺おけ型の事故というものの増加は、ちょうどまた運悪く雨もたいへん降りまして、そういうこと等について慎重な運転等の配慮が足らなかったせいもありましょうが、やはり思わしい成果をあげ得なかった。この点は私どもにとっても非常にショックであります。したがって警察庁はもとよりのことでありますが、今回のこの安全週間の結果を反省をして、いま言われたような基本的なわが国のとるべき交通安全への姿勢というものは、まさに一刻を争うものであるという感触でいま検討しておるところであります。
#5
○峯山昭範君 私は、確かに大臣のおっしゃるとおりに、いろいろと交通安全の問題についてあらゆる角度から研究をしていらっしゃるとは思うのですけれども、たとえば先般の五カ年計画にしましても、現実に大蔵省のその担当者は、ああいうふうな五カ年計画は予算を獲得するための計画だなんて言う人もいるわけです。というのは、がたがたとすぐくずれてしまう。そういうようなためにもやはり総合的ながっちりしたものが基本にないといけないのではないか。それで、たとえば道路整備五カ年計画でいま大臣の話もありましたけれども、この問題についても確かに現在の交通安全という面から言いますと、道路工学といいますか、安全工学といいますか、そういうふうな方面の専門家も非常に少ない。ですから、そういうふうな方面の専門家の育成というのがまず一つどうしてもこれは早急にやらなけりゃいけない問題じゃないかというのが、まず第一点。
 それからもう一つは、今度の環境庁ができるにあたって公害研究所ができるわけでありますけれども、現実の問題として、非常にまあ端的に言うと間に合わないというような感じなんですね。ほんとうはもうきょうからでも、あしたからでもほしいという状況だろうと私は思うんです。しかしながら現実にそういう研究所をつくるとなると、たいへんな労力と期間がかかると思うんです。私はそういうふうな面から考えまして、この交通問題についての総合的な、それこそ国立の研究機関というものがどうしても必要じゃないか、こういうふうな考え方を持っておりますが、確かに年々事故もある程度減っているとこもあるし、またふえているところもある。新聞の報道によりますと、たとえば大阪では最近ちょっと事故は減ったと、去年より減っておるなんて新聞に出ておりましたけれども、しかしながら、私大阪ですけれども、大阪を比較してやったんじゃちょっとやっぱりいかぬと思うんですね。大阪は去年万博がありましたし、いろいろなものがありまして、減るのがほんとうはあたりまえという感じもするわけです。しかし大阪の場合を見ますと、去年は万博で相当交通問題があれだけ車も押し寄せ、たいへんな人がやってきて、そして道の悪いところ、交通事故の起こるところ等が明確になってきた。したがって、ことし予算がばっちりつけば、そういうところへがっちり手が打てる。しかしながら予算がつかないためにそれができないということになっているわけでございます。そして、それがだんだん年がたつに従ってそういう点もぼやけてくる、こういうふうな話もいろいろ聞いております。ですから、私は確かに予算によって交通政策そのものが左右されざるを得ないところもあろうとは思うんですけれども、やはり長期的に交通問題についての研究機関というものをつくるべきだと思うんですが、こういう点についてはどういうぐあいにお考えでしょうか。
#6
○国務大臣(山中貞則君) 交通安全に関する国立の総合研究機関というものになりますと、交通安全の分野というものがなかなか切り離して考えられない分野等もございますし、非常にむずかしい問題を含んでいるかと思います。しかし、現状は交通反則全制度というものをつくりますときの議論の過程で私も体験があるんですが、運輸省と建設省と通産省との自動車の――いわゆる反則金の場合には税収の見通しを立てなければなりませんから、自動車増加台数というものの見通しをとってみたんです。三省とも全部違うんですね。ということは、生産台数というもののとらえ方の問題、あるところは車検の実績から推計をしている。ある役所はいわゆる政策として自動車産業の発展というようなことから、各社の計画というものを強気な生産計画というものの趨勢値を伸ばしてみた計画を出してみたりで、そのときにもやはりこういう現状認識、確認の基礎数字すらばらばらでは非常に困るのではないかという注意を促したこともあるわけでありますけれども、そういうようなことでありますから、念のために、交通安全の研究をやっているのがどういう分野にまたがっておるかということで、少し調べてみたんですけれども、警察庁の科学警察研究所では、これは一番中心でありますが、道路交通の安全に関する研究というものをやっております。ここらがやはり一番の中心になるべきものと思いますけれども、その他にも航空とか船舶とか、そういうものの特別な部門をやっているところもありますが、さしあたりいまは陸上の自動車の事故ということにしぼってみますと、厚生省では国立精神衛生研究所で運転者の適性に関する研究というものをやっております。運輸省では交通安全公害研究所というので交通安全だけではありませんが、自動車、鉄道及び航空についての交通の問題をテーマとしてやっております。さらに気象庁はどういうことをやっているか私もよくわかりませんが、気象研究所で交通の安全に関する気象の研究というものをやってはいるようであります。建設省は土木研究所で道路の構造、安全施設に関する研究、こういうものをやっております。あと国鉄とか科学技術庁とか、いろいろなところでやってはおりますが、それは海とか空とかいうものでございます。
 こういうことを考えますと、やはりこれらのまず研究テーマの設定のしかた、あるいはその研究テーマによって得られたデータというものが政府の中で、たとえば究極的には警察庁の科学警察研究所というところにでもさしあたり統合して、それをさらに集積、解明をして各研究所に戻していくという作業をするか、あるいはデータバンク的に総理府のほうにおいて各省のデータを集めて、能力がちょっとそれでは現在はありませんが、分析、解析等をしたあと政策への発展というものをさらに提言をして、それを関係各省庁の研究機関に返すか、少なくともそういうようなことは少し検討してみなければならぬのではなかろうかと考えております。
 国立交通安全対策研究所ということになりますと、一体そこはどこまでやるのか、自動車の構造まで入っていかなければならないことになるのかならないのかというような問題等もありますし、たいへんむずかしい問題でありますが、諸外国の例等もこれからいろいろ研究をしてみて、先ほどの機構の問題と研究機関の問題、これはやはり検討されなければならない課題の一つであるというふうに考えるわけでございます。
#7
○峯山昭範君 私は、大臣の公害に対する取り組み方と交通に対する取り組み方と比較しまして、非常に交通に対する取り組み方がなまぬるいんじゃないかと思うんです。確かにいまおっしゃったような厚生省、運輸省、建設省、それぞれわかれたこういうふうな交通安全に関する調査研究をやっているわけですね。公害の場合と全く同じですよね、実際問題。各省庁ばらばらです。これでは私は総合的な交通安全対策というものは望むべくもないと思うんです。そういう点では、これは抜本的にほんとうに大臣のところでまとめていらっしゃるわけですから、これは本格的に取り組んでいただいてやっていただかないといけないんじゃないかと思うんです。ということは、私は逆に言うと、現在の交通事故死者とか、また交通事故に関する被害者とか、そういう人たちが、いま戦争という話もありましたけれども、確かに交通戦争と言われるようなたいへんな状況にあるわけですね。そうしますと、私はそういう認識の上に立って考えれば、相当本気でやらないといけないときにきているんじゃないか、私はこういうぐあいに思うのです。そういう観点に立って、何も名前とか名称とか、そういうものはどうでもいいのです、とにかく総合的なこういうふうなデータバンクといいますか、そういうようなものをがっちりして、そしてそういうようなものからがちっとした交通対策というものが出てこなければいけないんじゃないか、こういうぐあいに思うわけです。まずこの点が第一点。
 それから次に、いま大臣は諸外国の事情もあわせてとおっしゃいましたが、万博のときにもそれぞれ交通関係の人たちが集まって世界交通国際会議みたいなものが、交通に関する国際会議のようなものが万博でも開かれました。あれは全然違うわけでありますけれども、私はアメリカをはじめイギリスとか西ドイツにいたしましても、それぞれ交通問題については相当頭を悩ましている問題だろうと思うんです。日本もそうでありますが、そういうようなあらゆる面から考えると、交通公害に関する、また交通安全に関するこういうふうな問題について、やはり私は国際会議なりというものを開いていいんじゃないか。そしてそういうことも提唱して、それぞれ先進国等ではやはりこういうぐあいにして交通事故はなくなったとか、こういうふうなことをやっているとか、詳細にいろいろな問題が出てくるんじゃないか。また現場の担当者はそれぞれこうしたらいいんじゃないかという意見も持ち合わせていると思うんです。そういうような意味から、私は国際会議のようなものをどんどん提唱して積極的に交通安全というものについて開いていくべきじゃないか、そういうぐあいに考えております。
 また、もう一つは、それぞれこれは国内のことになりますが、都市化した交通事情の非常にきびしいところでは、交通安全に関する課なり室なりがいろいろ設けられていると思うのです。そういうふうなところは、連絡会議等もどんどん現実に開いているとは思うのですが、そういうふうなものも積極的に開いて、そして交通安全対策そのものについて積極的に私は進めていくべきだと思うのですが、三点申し上げましたが、これはいかがでしょう。
#8
○国務大臣(山中貞則君) データバンクについては、そういうものも考える時期にきていることは、先ほど申し上げたとおりでありますから、引き続き検討いたします。
 国際的に国際会議提唱というようなお話でありますが、これもやはり必要なことかもしれませんが、やはり日本の場合は、もう少し日本の国内体制を整備して提唱しませんと、どうも提唱国にはふさわしくないようなまだ国内の状態であると残念ながら認めざるを得ない段階でありますので、なかなかむずかしいと思います。日本が世界にすぐれた交通安全対策なり交通施策をとっておるという確信がつきますならば、率先呼びかけるということは、私はやっていい価値のあることだと思いますし、諸外国においても同じ悩みを持つ国々が賛同することは間違いのないものでございますから、場合によってはそういうことを必要とするかもしれません。たとえばアメリカのマスキー法案によるこれは排気ガスの問題ですけれども、一九七五年までにそれをきちっとしろ、九〇%カットという法律を、これはアメリカの法律だからと思っていては、日本のアメリカ市場への輸出というものは、完全にその時点において失格してしまうということは、もう現実自明の理でありますから、こういうもの等はやはり国際会議の一つの議題になりましょうが、まあこれは私はやはり来月の一日、二日に行ないます日米環境問題の閣僚会議でいずれ議題になると思いますけれども、このほかにもアメリカではエアークッションとか、安全ベルト着用の義務だとか、いろんなそういう車体構造についても、安全の上からのきびしいものを定めておるわけであります。これはやはり日本の交通事故が走る棺おけ型に比率がふえつつある現時点から見て、私としては時間があればそういうものも勉強してきたいと思っておりますが、日本の場合においては、たとえば一例を交通方式というものにとって考えてみると、沖繩の人たちが祖国復帰したら現在の右側通行はどうなるのだということで、これは一定期間三年ないし五年ということで、国際的な約束ごととして、条約上一国内で右左違う交通方式の採用はできないという問題を解決しなければならないということに一応してございますが、しかし沖繩のほうからは、世界の大勢から見て、本土のほうこそ右側交通に切りかえれば問題ないじゃないかという御意見があるわけです。これは暴論だと私は思いませんで、右側通行をとっている国のほうが圧倒的に多いわけです。イタリア、オランダ、オーストリア、ノルウェー、デンマーク、スウェーデン、ドイツ、アメリカ、スペイン、こういう国がとっているわけですし、わが国の主要近隣諸国においても、中華民国、大韓民国、フィリピン、こういうところで全部右側通行であります。さらに逆に左側通行、この方式をとっている国は、日本とイギリスとオーストラリアだけであります。また、それを勇断をもって右側に切りかえた国としては、スウェーデンが一九六七年に、九月三日午前五時という切り方をしているようでありますが、そういうことでもって切りかえをやっております。ここらの点は、ただいまの御提唱の前段の問題として、日本において交通のこういう方式に始まる諸種の安全施策その他について、諸外国の実例を一ぺん確かめる必要があると私も思いますので、ただ調査だけでなくて、責任ある私どもの安全対策室長である須藤君を、近く国会が終わりましてからスウェーデンがどういうふうな方式で切りかえて、実態はどうであったか、あるいは現在右側通行をとっているイギリスは、まあ島国でありますけれども、はたしてどう考えているか、右側通行方式をとっているところは、日本に比べてどういう利点があるか等々の問題を含めて、視察に派遣をしたいと思っております。こういうような視察にやりました報告を受けて、私も国際的な視野における検討をしてみて、場合によってはそういう国際会議を提唱すべきであるといった結論になるかもしれませんが、現在のところでは、提唱すると、おまえさんの国はどういうふうにやっているかということをまず聞かれるわけですから、いまはちょっとどうも私も残念ながら、日本はと胸を張って言えるのには少し足りない、そういう気がいたしますので、まず先ほど来のいろいろの御教導を賜わりました問題点、そういうものを、これはもう毎年議論いたして積み重ねた問題点がはっきりしておりますから、こういうものでもって日本の国内体制というものをきちんと整えていくことが先決だ。しかし、諸外国の検討は至急に進めたい、こういうふうに考えております。
#9
○峯山昭範君 確かに大臣のおっしゃるとおり、国内の体制的には確かにふさわしくないかもしれないと思うのです。いま交通安全に対する研究そのものについてもばらばらでありますし、なかなか長期的なプランができておりませんし、確かに体制的には私はそうじゃないけれども、情勢としては交通事故の件数の多いことや、死亡者の多いことや、車が非常に混雑したそうした情勢的にはこれは世界にも類を見ないような内容があるわけですね。そういう点からいきますと、私は当然早急に体制を整えて、そういうような国際会議もどんどん開けるような体制にやはり持っていかないといけないのじゃないか。そうして、ほんとうに世界的にも誇るような交通安全の施設といいますか、またその体制というものをつくるためにも、先ほどから言っておりますように国内の体制を早急にやるべきじゃないか、こういうぐあいに私は思っております。
 またもう一つは、それこそ大臣は、そういうことは間に合わぬというかもしれませんけれども、ほんとうは私は、たとえば国連の中に現在アジア統計研修所とか、これはもちろん日本が統計的に進んでいるから、東南アジアの人たちを訓練するという意味もあると思うのですが、日本に持ってきて現にやっております。また、国連アジア防犯研修所というのも日本にあります。そのほか国際地震工学研修所というのも日本にありますね。こういうふうな国連の機関ですね、こういうようなものも私は日本に国連の一つの機関として将来、早急にとはいいませんが、そういう体制が整い次第日本に誘致するという提唱も私はいいのじゃないか。なぜかといいますと、何といいましてもアジア諸国にはこれから車がどんどん発展する国も多いわけです、現実の問題としまして。また確かに交通人口と道路の割合からいいましても、日本が一番困っているわけでありますし、日本で抜本的な解決策を見出して、そうして交通何といいますか、共同体社会というようなすばらしいものをどうしても考えなければいけないのじゃないか、そういうぐあいに考えております。その上でたとえば国連のこういうような機関を日本に持ってくるということを提唱するということは、私は何でこんなことを言うかといいますと、一面からいうと、何もならないかもしりませんけれども、やはり日本の国民の人たちに対して、これはどうしても交通道徳というものを相当レベルアップしないと、現在の交通事故というものはなくすことはできないと私は思うのです、なかなか。そうしますと、そのためには住民のモラルというそういうふうなものをよくしないといけない。そのためにはできる限りのいろいろな施策を、またいろいろな機関を日本に誘致するということは、それだけ日本の国民も自覚を新たにすると私は思うのです。そういうふうな意味からもこういうふうな機関をどんどん誘致するだけの決意というものがないと私はいかぬと思うのです。まだ日本は体制が整ってないし、とてもふさわしくない、これは外国からいわれたら、とてもじゃないけれどもお手上げだというようなことでは、これはなかなかだめじゃないかと思うのです。一歩進めて、そういうようなことも考えるときがもう来ているのじゃないか。それで実際に実施する、また提唱するというのは多少先になるにしましても、もう交通問題については一万人以上の人が死ぬというような、たいへんな状況が目の前にたびたび迫っているわけでありますし、こういうことをどんどん考えて、そして、もうできる限りのことは一切手を打って、そして交通安全の対策に資するということが私は大事じゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
#10
○国務大臣(山中貞則君) だんだんエスカレートして話が大きくなってきましたが、国連の機構というものはやはり一応外交ルートの話になりますので、あまり先ばしりますと、さきに、たしかウ・タント事務総長の発言か何かを契機に、日本ではもう各県ごとに誘致運動までやった国連大学、こういうものがどうも国連の正式の機構を開いてみると、全然そんな話に燃焼しているどころか、単なるそういうちょっとした発言だったということで、どうも全然具体的な話ではないということ等もございました。これは日本がそういう誘致というようなものを提唱したから、そうすると諸外国がそういう機構を新しくつくろうという簡単なものではないと思いますので、これは外務省を通じての外交の問題にもなるわけですけれども、しかし、国際会議というものは、まさにそういう共通の悩みを持つ国というものとの相談のことを先ほどの質問でお話しになったところだろうと思うのですが、国連の機構というものも検討はいたしますが、いまここで、じゃさっそく日本に国連の機関の誘致の運動を始めますと言うにはちょっと質問も唐突でございましたから、私のほうでも外務省その他の根回しもいたしておりませんし、しかしながら、こういう御意見が提唱されたという問題がまた一つの何らかの契機になり得るものと思いますから、御意見として、御高説として拝聴いたしたいと、こう思います。
#11
○峯山昭範君 今度はちょっと具体的な問題に入っていきたいと思います。
 先ほどちょっとお話がございましたけれども、最近の交通事故でございますが、この交通事故の中で、いろんな問題が新聞等でも報道されておりますのですが、たとえば一つは、運転中に急死、運転手さんが死んじゃっている、こういうふうな事故の問題等が報道されております。それからもう一つは対向車の光で、光の盲目現象といいますか、そういうふうなことで事故が起きている。それからもう一点は、ハイウェーで乱気流というのですか、こういうふうな原因での交通事故が起きておりますが、こういう点についてはすでに調査を行なっていると思いますが、これはどういうふうな実情でありますか。御報告を願いたいと思います。
#12
○政府委員(片岡誠君) 自動車運転中になくなった、あるいはグレア現象での交通事故、あるいは高速道路上で突風によって走行性を失った事故、私はそういう事故はあると思いますけれども、まだ現在そういう個々の事故、そういう原因に基づいた事故としての統計の集計をやっておりませんので、今後必要があれば、私どもそういう点についても全国的に集計のできるように考えてみたいと思っております。
#13
○峯山昭範君 いま三点にわたって質問したわけでありますが、一つはいま運転中の急死の問題についてちょっと答弁じゃないわけですが、私はこういうふうな事故の場合に、たとえば運転免許証の書きかえのときに、たとえば健康診断ですね、心臓麻痺とかいうのが非常に多いらしいのですが、こういうふうな面に対してはこれから大事故を起こす可能性があるわけですよね、そういうふうな点についてはどういうふうにお考えか。お伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(片岡誠君) 現在まだ成案を得ておりませんけれども、将来の問題としては、こういう考え方があるのではないかと思います。だんだん日本人の平均年齢も高くなっていく、平均寿命が七十歳をこえる。しかも七十歳をこえてハンドルを持って運転する人が多くなってくるというのが今後の傾向としては当然強くなってまいろうと思います。問題は、現在三年ごとに免許の更新をしておりますけれども、高齢者については、あるいは更新の時期を二年にするとか一年にするとか、更新の頻度を多くしていく。そうしてそういう更新の際に医師の診断書を添付さしていくとか、そういうチェックのしかたが行政的には考えられると思います。
 それから先ほどの対向車の眩惑による事故なんですが、これは現実に捜査をしました場合に、対向車はいない。眩惑して走行性を誤って事故が起こっているのですけれども、その事故の眩惑をさした車は現場にいないというので、あとで事故現場へ捜査に出かけた警察官の場合には、眩惑によって死亡している場合には、眩惑かどうか原因がつかめない。それからけがをして生存している場合には、眩惑を受けてけがをしたのだ、こういう事実があっても、じゃさてどの車かということが確認できないというのが多くの場合の現状だと思います。ただ眩惑による瞬間的な盲目現象のために事故が起こっているのは相当数ございますし、眩惑の防止のための施設、それが植樹でなされる場合もありますけれども、多くの場合金網で眩惑を防止しているのが現在の実情だと思います。建設省のほうも今後の安全施設の計画として、片側二車線以上の道路には必ず中央分離帯を置くということを言っておりますので、そういう場合に中央分離帯を置くだけではなくして、その分離帯の上に金網をつけて眩惑防止もあわせはかっていくという施策がいいのではないか。現に市街地の中の道路につきましても、名古屋ではそれが一番徹底して行なわれております。これは非常にいい施策だと思いますし、私どもも道路管理者のほうにそういうことをやるように要望もしているのが現状でございます。
#15
○峯山昭範君 初めの運転中の事故の問題につきましては、昭和三十年以後、東京だけでも五十七件起きているようですね。こういうようなデータ等についても、やはりがちっと、先ほどから大臣に質問いたしまして、交通問題についてのデータがばらばらでなかなかまとまっていないという点、非常に私は遺憾だと思うのですが、早急にこういう点も研究を進めてもらいたいと考えております。
 それからいまの対向車の問題につきましても、先日の日本医学会の眼科の分科会で、これは和歌山大学の教授がこの問題を研究して発表していらっしゃるわけですね。こういうふうな交通安全という面からいいますと、ライトに当たって一、二分間は盲目運転になるなんというこういうことは、いままでからたびたびいわれておったことではあろうと思うのですが、学問的にもこういうぐあいにいま研究する人も出てきた。だから交通安全に関するこういうふうなあらゆる分野の人たちを、こういう研究というのは非常にばらばらでやっておりますけれども非常に私は大事だと思うのですね。したがって、たとえば警察庁なら警察庁のそういうような担当のところできちっとそれを掌握をする。そうして丁重にそういうふうな意見も聞き、そういうふうなものをすぐに集めて、この次の交通対策の施策の一環としていく、こういう姿勢が私は必要だろうと思うんです、この点いかがでしょう。
#16
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおりだと思います。私どもも実はいままで二回やっておりまして、今回もまたお願いをしたんですけれども、文部省の大学学術局にお願いして、大学学術局のほうからすべての大学、それから研究機関に対して交通安全についてどのようなテーマの研究をしているか、そして、それはだれがやっているか、だれがどのような研究をしているかという調査を依頼しております。いままで二回依頼しましたときには、それを取りまとめまして、そして研究者及び関係の向きに配るという、そういういわばだれがどういう研究をしているかということをお互いに知り合う、そして関係の役所もそれを知るというサービスをいたしておりますし、ことしもそれを文部省のほうにお願いをして、おそらくことしの秋ごろにはまたリストができ上がるものと期待いたしております。せめてそういうことで、少しでもむだな研究がなく、お互いの研究を知り合って協力してやっていくというその仕組みができるように前向きに検討していきたい、こういうふうに考えております。
#17
○峯山昭範君 非常に私は大事な問題だと思うんです。また実はここに先ほどもちょっと質問は逸したんですけれども、ハイウェーの問題もこれも一緒だと私は思うのです。これもやっぱり最近高速道路も相当ふえておりますし、ハイウェーで何キロ以上飛ばすと乱気流が起きて非常にたいへんだとか、こういうふうな道路工学の面からの研究というものも私は夜間のドライバーの問題と同じように、盲目現象というのと同じだと思うのです。こういうふうなあらゆる分野にわたっていると思うんです、交通安全の問題は。ですから、そういうあらゆる分野からこの問題を研究していく、またそういうふうなあらゆるデータを集める。そしてほんとうに将来交通事故者をなくしていくという本格的な取り組みが私はどうしても必要だと思うんです。それがないと、やはり予算獲得のための計画だとか、そんなことを言われると、私たちも交通安全対策の委員として一生懸命やっているわけですけれども、何をっと、こう思うわけですけれども、まさかそのとおりでなんていうことも私は言いませんけれども、ほんとうにお金のぐあいによってぱらぱらぱらぱら変わる、変わらざるを得ないところもあると思うのです。しかしながら、それだけじゃなくて何といいますか、長期的な抜本的な、そういうふうな基本的なプランというものはどうしても必要である。こういうぐあいに思うんですが、いかがでしょう。
#18
○政府委員(須藤博忠君) 先ほどは長官、それから警察庁のほうからも御答弁があったわけですが、私どものほうにおきましても、やはり交通安全についての科学技術の振興といいますか、科学的な対策の推進ということは御指摘のとおりまことに重要なことでございまして、今回私どものほうで作成いたしました交通安全基本計画におきましても、科学技術の振興ということを一つ項目を設けまして、こういった面について力を入れていく、また先ほど御指摘がございました各省庁の持っている研究所といったものもこれから十分横の連絡を緊密にして、交通安全につきましては、十分科学的な研究開発というものを推進してまいるように今後努力したいというふうに考えておる次第でございます。
#19
○峯山昭範君 私はこれできょうの質問を終わりますが、先ほどから私は何回も言っておりますように、交通事故という、事故死者というのは相当ふえております。これはどうしてもまだまだ――、担当の皆さん方はこれは一生懸命やっていらっしゃるかもしれませんが、政府そのものは。実際問題は交通事故死というのは相当ふえているんです。交通戦争ということは口では言いながらまだまだ姿勢が甘いのじゃないか。私はもっと交通事故の問題につきましては、昨年も一万六千人というたくさんの人がなくなっていますね。またいままでの交通事故の関係者というのを調べてみると七百万人にもなるわけですね。そうしますと、私はこういうふうな方々のことを思うと、これはもっともっと腰の入れ方が足りないのじゃないか。もっと熱意を持って、体制が整っていない、国際会議をやるにしても日本が恥をかく、そういう現状では私はほんとうにこれはやりきれぬと思うのです。ですから、予算もいろいろかかることであろうと思いますが、そういう点いろいろな面から考えて、もっと本格的に取り組んでいただきたいということを、きょうは副長官いらっしゃいますから、その決意のほど等をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
#20
○政府委員(湊徹郎君) 山中大臣と一緒に私も担当して以来ほぼ一年半近いいままでの経過の中で、ただいまお話のようなことを率直に私自身も考えております。たまたま公害の問題、一つは災害の問題、もう一つは交通安全対策の問題、いずれも総理府の所管に属しておりまして、一番基本的な資料を収集し、それを分析し、そうして対策につながるような形で過去の統計をひとつしぼり上げて生かしていく。そういうくふうについてはいままで全力をあげてきたつもりでございますが、不十分な点はたくさんでございます。たとえば公害の場合はデータバンクということで二次資料をある程度分析して、それを対策につなげるくふうをしようじゃないか。交通の場合においても全く同じことだと思いますし、防災技術、防災科学、これについても全く御同様であります。したがって、三位一体と申しますか、その三つが足並みをそろえながら、同時にまあ各省庁にまたがる面が非常に多いわけでございますから、いままで以上に足並みをそろえる、そういう意味でいままで各省それぞれ交通安全施設は三カ年計画、道路整備は五カ年計画、ほかのものはその発足の時期も違うという、そういう足並みだけは最小限今年度から整えようというので、基本法制定を機会にして各省庁の将来に向かっての計画の足並みはとりあえずそろえる。それを前提にして今度は具体的な事故を減らしていくための目標といいますか、計画といいますか、これをもう少し具体的にし、同時に目標も、たとえば歩行者をいつまでに半減するというふうな具体的な目標をできるだけ掲げ得るものは掲げて、それに向かって全体の努力をひとつ集中するようにしようというふうにして、やっと今度の基本法制定を機にして緒についたような感じがいたしております。したがって不十分な点は御指摘のとおりたくさんございます。御意見等も十分ひとつ聞かしていただき、同時にそれを具体的にこれから業務計画その他の各省庁の計画の段階に入るわけでございますから、その時点でひとつただいまの御趣旨に沿うて努力をしていきたいというふうに考えております。
  〔委員長退席、理事渡辺一太郎君着席〕
#21
○鈴木強君 湊副長官に最初に基本的なことでお尋ねしたいのですが、ただいまも峯山委員のほうから政府の交通安全対策に対する取り組み方がどうかすると一般的な公害対策と比べた場合に少しなまぬるいのではないだろうか、欠けている点があるのじゃないだろうかという御指摘がありました。率直に言って私もそういう感じがするのでございます。特に最近の交通事情というものを見ておりますと、一そうそういう気がするのでございますね。もちろんなまけておるとか、いいからかげんにしているとかということではございません。総理府を中心にしてたいへんな努力をされていることは私たち率直に認めていいと思いますが、もう少し情勢にきちっとマッチした対策というものが前面に目に見えるように出てこないだろうかという気がするわけですね。いままでですと、主要な放射線から都内に入ってくる車というのは、毎朝交通情報で私たち聞いておりますけれども、だんだんだんだんとふくそうしまして、けさは特別でしょうけれども、何か日野橋まで甲州街道が詰まっちゃっているというふうな情報もありました。これはまあレア・ケースですから別ですけれども、大体聞いておる情報を総合すると、かなりふくそうしてきているわけですね。まあ幸い主要な幹線においてはバスレーンをつくるとかして大衆の足を確保しようという、そういう配慮が出てきておりますし、都市の乗り入れについてもある程度規制をしていくというようなことは出てきていると思うのです。ですから、その点私はいいと思うのですけれども、もう少し全体の大きな規制ですね、たとえば違法駐車の取り締まりの問題にしても非常になまぬるいと思いますね。何か都内に対して、ある程度大都市については思い切って規制をするとか、もっと極端に言ったら、もう道路事情がこういう事情の中では、はたしていまのように免許をどんどんどんどん無差別にあまり与えていっていいかどうかというところまで根本にさかのぼった検討が必要ではないだろうかという気がするわけですね。まあいろいろ総合的な体系についても、より高度な科学的な研究も最近なされるように伺っておりますけれども、それはそれとして大いにやっていただくことにして、当面国民がいまこのふくそうを何とかしてほしいという、そうして交通安全を何とか守ってほしいという、そういう願いにぴったりするような施策というものは出てこないものでしょうか。今度の交通安全週間ですか、前期、後期、われわれも拝見させてもらいましたけれども、やっぱり事故が絶えないですね。こういう点を抜本的に解決する策というものは考えられないものでしょうか。そういう意味において、何か交通公害といっておきながら、一般的な産業公害から比べると施策がなまぬるいではないかと、そういう気がするわけですけれどもね。もうちょっと基本的な態度について国全体が一体になっていくようなものができてこないものですか。ばらばらばらばら行政の中でやっておられたんでは、これはもう前進がないと思いますけれどもね。その点はいかがでございましょうか。
#22
○政府委員(湊徹郎君) ただいまお話がございました点、私もまさに感じとしては同感でございます。そういう点で先ほど一般的なことを申し上げましたが、たとえてみますと、今後の歩行者事故を五十年までに半減をするというふうな一つの目標を掲げる、それを実現するために一体どういうふうな手を打てばいいのかということで、従来以上に実はそれを掘り下げて、たとえば信号機をつくった場合に、特定の時点で全国的に調べてみて、信号機を付設する前と付設したあとの実際の事故件数の発生のぐあいはどうなっているだろうか、あるいは歩道をつくった場合のその歩道による減少効果はどのくらいあらわれておるであろうか、あるいは歩道橋をつくった場合はどうなっておるだろうか、こういうことをかなり具体的に去年から全国的に調査を行ないまして、おおむねこういう安全施設をつくればこの程度それが事故の減少に結びついていくんだという実態を踏まえた上で、ことしの予算やなんかは、全国の市街地を中心にして、たとえば歩道の延長を何キロ、それには幾らくらいの金がかかる、したがってこれは道路整備の五カ年計画の中でぴしっとはっきりさせるとか、あるいは市街地を避けて小型のバイパスという新しい制度をことしからつくりましたが、そういう小型のバイパスをもしつくれば、その市街地の通行量がこのくらい減って、その結果事故はこのくらい減少するであろう、そういうかなり具体的な数字の詰めを前提にして、ことしの予算等を編成したという経過もございまして、単純にデータはデータとして持っているのじゃなくて、それを刻々政策につなげていくようなくふうをしていきたいというので、一種の予算の見積もり調整と申しましょうか、従来の総理府のやり方は、まあざっくばらんに申しますと、各省が予算は予算で大蔵省に要求をする、そうしてそれが締め上がった段階で、つくられた予算を一体どういうふうに使おうかと、まあ平ったく言えばそういう相談をいままではしてきたような感じがしますが、ことしは要求の前に、警察のほうは一体どうなさる、建設省は一体どうなさる、運輸省はどうなさる、この辺はひとつこういう目標に照らしてもうちょい調整の余地があるのではないか、この辺はもう少しふやしたらいかがであろうかというふうなことまで、総理府は首を突っ込んで御相談をいただきながらやってきた。こういう経過もございますので、ただいまおっしゃるように交通規制の問題これにつきましてもあるいは一方通行のところ、あるいは右折禁止をする場所、あるいは駐車の場所、また場所がなくて路上に駐車をする場合も、いろいろなパーキングメーターやなんかのやり方で従来失敗した経緯もございますから、そこら辺も考えながら、こういうふうな措置をとったらいかがか、こういうことをそれぞれ担当の各省と相談しながら、総合的にこの交通規制を含めた交通対策をやっていきたいということで今後も進みたいと思っております。
#23
○鈴木強君 基本的な政府の御姿勢については、ことしは昨年までとり来たった方針についても再検討されて、各省庁を統合していくといういわゆる本来の姿に若干踏み出したということ、これは成果としてわれわれも認めておるわけですけれども、今後そういう基本線に立って具体的に基本法もでき上がって、これにまあ血肉をつけてスタートするわけですから、一つの方向が国民の前に出てくると思います。われわれはそれを強く期待するわけですけれども、若干それに関連してお尋ねしておきたいのですけれども、たとえば交通安全運動に入るちょっと前に総理府のほうでおやりになった国勢モニターですね、この結果が四日の日に実は発表になっておりまして、私もそれを拝見しました。そうしますと、まず第一番に、どうかすると車優先という考え方から人間優先の考え方に切りかえていくという、そういう意識が交通安全対策の中にはっきり出てきているかどうかということについてはいろいろ問題があるようですけれども、その一つのあらわれとしては、たとえば歩行者天国のようなものをおやりになった。これに対してどうだろうかというような問いかけに対しては、九六%が支持していると、こういうことを伺いました。ですから、いかにまあ部分的であっても、ああいった一部の地域から車を締め出して、ほんとうに車にわずらわされることなく、人間がたとえ何時間でもゆっくりと道路の上を歩行できるということは、どんなに人間に受けているか、国民に受けているかということがよくわかったわけですね。ですから、できる限りああいったものも、道交法も改正されましたし、何の疑義もなくおやりになれると思いますから、できるだけああいうこともふやしていただくことをお願いできないかということですね。これに対しては、これは副長官がお答えになりますか、警察庁でもどちらでもけっこうですが、そういうことに対する御方針はいかがですか。もう少しワクを広げていくというそういうお考え方はあるのでしょうか。
#24
○政府委員(湊徹郎君) 細部の補足は警察のほうからお願いしたいと思いますが、私ども基本的な考え方として全般的な人間性回復といいますか、そういう世論というか、皆さんの意向に従って、同じ道路の中で生活道路というふうな形で、いまおっしゃいましたモニターに出ておった歩行者天国もその一つでございますし、買い物道路、あるいは遊戯道路、あるいは通園通学道路、そういうふうないわば生活に直結した形の道路の活用、利用、こういうことを交通安全対策の大きな眼目の一つに掲げて、それぞれの道路には事情がございますし、個別の問題等は警察のほうでこまかく詰めてもらいながら、逃げ道のないようなかっこうで全部シャットするというようなかっこうになると、かえって混雑を増すという反面もございますし、安全対策のほかに車の流れを円滑にするという一つの役目も交通対策の中にはございますから、そこら辺の事情を含めてできるだけその種の道路の活用というものを広げていく、そして点から面にという考え方で実はそれぞれ内部で検討を願っておるところでございます。
#25
○政府委員(片岡誠君) 私ども歩行者天国については、歩行者天国ということばの対象を二つに分けて考えております。一つは盛り場、まあ新宿であるとかあるいは銀座といった盛り場の相当広い道路において、たとえば日曜日の午後一定時間、数時間車の通行をとめて、そしてそこが歩行者のいこいの場、若い人も年配の人も、そして子供も、そこで排気ガスのないところでいこいの場を持つというようなタイプが一つあると思います。しかし、もう一つ基本的なタイプは何かといいますと、道路の中でも幹線道路、準幹線道路といったような主として通過交通を中心に考えた道路ではなくして、住居に密着するつまり住居への出入りの道路、私どもはそれを生活道路と言っておりますけれども、そういう裏通りなり細街路に対して、そこを歩行者は危険を感じなくて歩けるようにするという歩行者天国、むしろ後者のほうが本来的な歩行者のための天国であろうと私は思います。むしろそこはいままで歩行者が使っておったところへ車が侵入してきたというのが現状だと思います。
 だから、もとの歩行者の道に取り返していくという考え方が正しいのではないか。ただ盛り場における歩行者天国というのは象徴的な意味で、つまり歩行者優先といいますか、歩行者が安心して歩ける道ということを非常に象徴的にあらわしたものとして社会的な意味があると私は思います。生活道路対策につきましては、今回昨日の参議院の地行委員会の御採決を得たわけでございますけれども、道路交通法の改正の中で新たな法的なささえをいたしました。それは何かと申しますと、そういうたとえば三・五メートル未満のような狭い道路は原則として車の通行を禁止する、通さない。しかし、そうはいっても郵便車は入ってくる必要があろうし、清掃車も場合によったら入ってくる必要はあろうし、牛乳配達も必要かもしれない、そういう車に対しては規制の対象から除く、あるいは沿道に車庫を持って車を持っておられる方、その車はやはり通さざるを得ないだろう、そういう車に対しては署長が許可をしてステッカーを掲示してもらう、そういうふうなどうしてもやむを得なくてその裏通りに入ってくる車につきましては、歩行者に特に注意して徐行しなければならないという義務を課して、そういう形で生活道路から車を締め出していく、社会生活上の合理性を持った担保をしながら締め出していくという政策をいたしたいと思いまして、法の手当てをしたわけでございます。この法律が施行になりましたら、全国的に各府県ごとにそういう交通規制のマスタープランをつくらして、それを公安委員会が道路管理者あるいはその他もちろん地域の住民の方々、それからその道路を利用している関係者の方々と十分御意見も拝聴しながら協議をしてマスタープランをつくり、そのマスタープランに従って交通の規制をやっていくということによって、弱い道路利用者である歩行者の事故を半減さしていくという方向に持ってまいりたい。ただ裏通りはそうでございますけれども、もう少し広い道路につきましては、これは道路管理者と協議しながら一方交通にして、片側にだけでも歩道をつくっていただくというような手当てもしていきますし、通過交通量の多い幹線道路なり準幹線道路というものは安全施設を完備していく、歩道は必ずある。そうしておもな交差点には信号機は必ずある。そういう仕組みで人と車の分離を完全にやっていく方向に、それを目標にして仕事をやっていきたい、そのように考えております。
#26
○鈴木強君 御構想はお聞きしまして、まことにそのとおりであるし、そうしてほしいと思うのですが、問題はこれをいつの段階にどういうふうにやっていくかということが問題ですね。ですから具体的な対策をはっきりと出していただくことが必要だと思うのです。それにはいろいろと関係者との協議もあるでしょうし、警察庁内部におけるいろいろな御協議もあると思いますが、そういう御構想を一体どういうふうに、さっきの一般に言うところの歩行者天国、そういうものとあわせて二つの意味における歩行者天国ですね。これをどういうふうに結びつけて、いつの時点からどうやっていくかというその具体的な計画というものはそれはお持ちになっておるのですか。これは法律が正式に通ってからそういう構想を発表しようとするのか、内々御相談なさっておるのですか。
#27
○政府委員(片岡誠君) 現在、各府県の公安委員会にマスタープランの作成を命じております。これは例の安全施設の緊急整備五カ年計画につきましては、それの指定道路については御承知のように六月三十日まで計画を府県レベルでつくりまして国のほうへ、建設省なり国家公安委員会のほうに上げてくるという仕組みになっております。それで上がってまいります。それから指定道路以外につきましては、裏通りの場合には大部分指定道路ではないと思います。裏通りにつきましては、交通規制は標識と表示で御承知のとおりに担保いたしますので、その計画によって地方単独事業の標識、表示の予算を組み、それから道路管理者のほうと十分協議してやらなければこれはできませんので、道路管理者のほうも歩道の設置の予算を組んでいかなくてはならないと思います。あとは裏通り対策は主としていま申したように、地方の各府県の計画に私なろうと思います。それに対する基本的な考え方はもうすでに指示してございますので、各府県レベルでこれからは計画を立て、そしてこれを五カ年なら五カ年計画として組み上げて逐次実施していく、そういうことに相なるかと思います。現にもうすでにたとえば東京都内でやっておりますし、大阪を例にとりますと、城東区の関目地区であるとか、あるいは東のほうの布施地区などでは、大阪府と市と大阪府警とが共同になって裏通り対策を実施いたしております。その結果やはり事故が半減しているというようなデータが出ております。そういうやり方を、一番問題は公共投資の財源なり公共投資の問題で、いかにしてその公共投資の経費を生み出すかというのが最大の問題で、手法は相当確立してきておりますので、問題は公共投資の額をふやしていくということに尽きるのではないか、そのように考えております。
#28
○鈴木強君 その点わかりました。で、私はお願いしておきたいのですが、歩行者天国の支持者が九六%であるということは最初に申し上げたように、車優先から人間優先への意識の転換をぜひはかると同時に、その対策もそういう方向にやってほしいということのあらわれだと思います。
 そこで、具体的な交通規制の実施にあたりましては、場所をどうするかということですね、それから時間をどういう時間をしたらいいかというようなこともあると思います。そういうものに対する、いま局長のお話ありましたが、マスタープラン的なものの作成についてはひとつ十分な時間を置いて御相談いただいて、万全な選択をしていただくということ。それから裏通りの細道とかあるいは商店街の車両通行どめ、車種の制限とか、あるいは市街地の一方通行の実施、これも確かにやらなければならぬと思います。ですからこういう点もひとつ前の問題と同じように十分に御調査をいただいて、その上でできるだけ早く実施に移していただきたい、そういうふうにお願いいたしておきます。
 それから一つ、これは警察のほうになりますか、運輸省のほうになりますか、実は交通災害防止という対策の面からすると、ちょっと矛盾がありますので、伺いたいのですが、実は許可、認可等の整理に関する法律というのが五月十二日に成立をしたのですが、これは行政管理庁の所管だと思います。そこでその中に運輸省関係で道路運送法の一部改正というのがあります。これによって今後は軽自動車の場合ですね、許可制でなくて自由に軽自動車で貨物の運送をすることができると、従来の免許制を廃止したわけですね。従来は軽自動車が道路運送法に違反したときは事業停止命令もできたんだが、これが廃止になったというような問題があるんです。これはただ単に許可認可を簡略にするということからすればわかるのですけれども、どうも私はそういうことによって今後運送というものが軽自動車にぐうっと変わっていくような気がします。その場合に何ら届け出しないで、どんどんどんどんとそういう軽自動車が運送業者として走り回ってくるということになりますと、一そう交通事情がふくそうしてくるように思うわけですね。ですから一面確かにメリットがあるんですけれども、またデメリットも一面ある。それならばそれに対する交通安全対策なりを万全にしておるかというと、その点が欠けておるように思うわけですね。ですからどうも片手落ちのように思うので、ほんとうならこれは法律審議の際に私も意見を出すべきだったと思うんですけれども、この点は法律が通っておりますから、私もいますぐ修正しろとか何とかということはできませんけれども、今後当局として、行政指導なり何なりの面において交通事故防止について一般ときびしく運転者にも、こういう方については格段の何といいますか、注意をするというか、配慮を願うとか、そういうことをやっていただかないと、交通災害を防ぐという面からいうと、どうも矛盾が出てくるように思うんですけれども、これはどういうものでございましょうか。
#29
○説明員(隅田豊君) 先生御指摘のとおり今国会におきまして、許認可整理法の中で改正をさしていただきまして、道路運送法の中から軽自動車にかかわる分は免許を要らないような改正をいたしました。しかし、お説のとおり安全面につきましては、われわれとしてもこれを野放しにしていいと考えているわけじゃございませんで、性格上申しまして、事業用自動車ということの性格そのものがなくなるわけじゃございません。運送法上も三十条におきまして事業用自動車についての一応安全規定がございます。こういうものにつきましては規定が一応かぶるような形で残してございます。
 それからいま先生のお話で、免許をはずすことによって非常に台数がふえるのじゃないかという御指摘がございましたが、われわれ一応経済上の問題を含めながら運送事業を見ておりますと、どちらかと申しますと、最近の人件費の高騰その他を見ておりますと、やはり輸送単位とそれから何と申しましょうか、運転手その他人間一人の人件費というものとのかね合いが非常に微妙になってきておりまして、小さい車でもって運転していくということは、どちらかといえばそれを大きい単位のほうへ事業的には移行する方向にございます。現実いままで事業用の自動車としての軽自動車というものは、これは正確な数字をちょっと持っていないのでございますが、おそらく二、三千台の問題だろうと思う。これが免許がなくなったからといって、いきなりふえるというふうには、われわれいろいろ貨物運送事業の実態を見ておりまして、現在のところでは考えておりません。しかし、もちろん御指摘のとおり安全性については十分考える必要がございますので、運送法の中の事業用自動車に関する安全規定につきましては、一応規定を残して監督ができるようにいたしたいと思います。
#30
○鈴木強君 それは私も知っているんですけれども、それだけで十分に監督ができるかどうかということですね。実は交通災害の救援措置についてあとから交通災害遺児の救済の問題とか、伺いたいと思っているんですけれども、こういうことが、これはまあ軽自動車だけのことではないけれども、たとえばある輸送会社が事故を起こす、私が自家用車に乗って運送会社の車とぶつかったと、そうしますと、運送会社のほうにはもう事故係みたいなものがありまして、すぐ現場に来て、そして向こうに都合のいいようなことをまくし立てて圧倒してしまうんですね。そしてその人がもちろん被害者、加害者がどっちだかということについても、それは警察へ行く場合もあるだろうし、その場で小事故であれば示談で済んでさよならということもあって、ある程度修理費を払って済む場合も、いろいろケースはあると思うのですけれども、そういうような場合に、たとえば大きな事故を起こしたような場合でも、どうかすると企業側が有利なような立場に追い込まれるような対策がそういう中ででき上がっているように思うのですね。一般の人たちは交通知識もなかなか薄いと、十分持っておらないということですから、理論上太刀打ちができない、法律解釈上。そういうようなことで、どうかすると、被害者の立場にありながら泣き寝入りをしていくようなケースがあると思うのですね。自賠責なんかの適用についてもそうだと思うのですよ。もっと当然たくさんもらわなきゃならぬものが適当にやられてしまったりする例があると思うのですがね。そういう問題との関連も多少私は考えるわけですけれども、それは一般的なものでございますから、軽四輪だけに限るものではありません。で、いま部長がおっしゃるように、認可制からはずしてもふえるかふえないかというそのことですけれども、皆さんは専門家ですから、それぞれのお立場でいろいろなデータを集めて、認可をはずしてもそうふえないだろうと、こういうまあお見通しだと思いますけれども、しかし、なかなかしかくそうでもないと思いますよ。これはまあ一年なり二年あとにその実績を伺えばわかると思いますけれども、そう簡単に見くびってもいられないと思うのです。そういう制度が出てくれば、これがみんなに伝わっていけば必ずもっとふえるような気がするんです。もっとひどいのは、この前の東武線の踏切事故のときに、白ナンバーのもぐりのダンプが輸送しておった。しかもこれが建設省の東北自動車道の建設工事にやみトラックを使っておるというようなことが事実あるわけですね。こういう取り締まりに対してそれじゃどれだけやっているかというと、なかなかこれむずかしいんですね。あまり取り締まりをしてその白ナンバーのダンプを追い出しちゃったら工事ができないということで悲鳴をあげるのだな、そういう実態があるんですよ。だから、この取り締まりの問題との関連、それからそういうものが輸送事業の輸送体系の中の一つの盲点としてどんどんどんどんふえていくというようなことにならぬとも限らぬと思う、私は。あのダンプカーなんというものは八〇%近いものがやみですよ、よく調べてみると実態は。しかし、それを取り締まって違法だとすれば、既定の計画が遂行できないというのですね、現実は。だから違法的なものであってもそれが黙認されていくというこういう実態が出てくるわけですね。ですから、そうその部長さんがおっしゃるように絶対ふえないというような御判断については私はちょっと甘いように思うわけですよ。ですから、さっきちょっとお述べになったのだけれども、もう一回現在軽自動車で荷物を運送する許可を得ている者がどのぐらいあるかですね、そしてこれが今後輸送量の増大に伴って、五カ年なり十カ年後にはどういうふうな姿になるかということは、当然御検討なさってそれはもう並行線をたどっていくというように御推定になっていると思うのですけれどもね。そういう根拠についても若干聞かしていただきたいのですが、まあひとつ取り締まりの面は警察当局にもお願いしなきゃならぬと思いますが、ただ取り締まるだけじゃなくて、いまの基本的になる交通安全のための安全施策なり、道路の拡張なり歩道の設置なり、いろんなことをあわしていかなければならぬと思うのですね。何か軽自動車だけを私が目のかたきにするようにとられては困るわけですが、実態としては手続を簡略にするがゆえに、そういうことが事故がふえることにつながるのじゃないかという御心配はあなたも持っているわけですから、そういう点をひとつ一そう行政指導の面におきましても、残された安全基準を守らせるというそのことも大事なことですけれども、さらにそれだけでなくて、もっと大所高所から、実際にその運転者のマナーといいますか精神といいますか、そういうものにかかってくると思いますから、そういうような御指導を十分にやっていただきたい。こう思ってこれを取り上げたわけですけれども、ぜひひとつ御高配いただきたいと思います。
#31
○説明員(隅田豊君) 一応私たちといたしましては、将来のめどをうけましてこういう改正をいたしたつもりではございますが、御指摘のとおり今後軽自動車がどういうふうに推移していくのか、特にその中で貨物自動車の推移につきましては、世の中の動きに従いましてはいろんな変化も可能性としては存在すると思います。この辺は十分にらみまして、われわれのほうとしては今後の施策は警察庁あるいは関係諸官庁と連絡をとりながら、安全だけは十分確保するように努力していきたいと考えております。
#32
○鈴木強君 あと自動車の欠陥問題について若干お聞きしたいと思いますから、いまの関連のことについては項目だけでお伺いしますから、簡単にお答えいただきたいと思いますが、もう一つは横断歩道橋について、せっかくいい歩道橋をつけてやっても地元で反対をしたりする傾向がありますがね。やはり考えてみると、確かにうば車なんかを持ったおかあさん、お年寄りの場合とか、ちょっと段々をのぼっていくのがたいへんなように思うのですね。しかしこれは絶対的な安全の面からいえば、たいへんでもそれは橋をのぼってもらわなければいけないと思うのです、原則としては。欲を言えば、うば車を引いたおかあさんがうば車のまま歩道橋が通れるようなことにしてもらいたいということもあると思います。国立にせんだってちょっと行って見ましたが、反対をしておりますけれども、行ってみたらなかなかりっぱな歩道橋でした。うば車なんかもそのまま子供を乗して渡れるようなりっぱなもので、どうしてこれは反対しているのかなという私疑義を持ったのですけれども、いずれにしてもああいうようなものに、全国的に歩道橋というものをつくるならば形式を変えたらどうかというような気がするのですけれども、予算の関係その他もあってむずかしいでしょうけれども、そういう方向に努力をしていただけますか。
#33
○政府委員(須藤博忠君) これは建設省の所管でございますが、私かわってお答えいたします。
 建設省のほうにおきましても、従来の横断歩道橋の設置というものは、まあややもすれば数だけふやせばいいというような傾向にあったことは否定できない。しかしながらせっかく横断歩道橋をつくっても、地域住民に利用されないのではせっかくの設置も意味がなくなる。また安全の効果というものもなくなる。したがって今後は市街地等につきましては十分、たとえば自転車を持って階段を上がれるようなスロープをつけるとか、あるいはうば車を押して上がれるようなものにするとか、あるいは単に陸橋式だけでなくして、場所によっては地下道方式というようなものも考えるとか、いずれにしても従来のやり方を改めてもっと利用しやすいものに改めるということを建設省のほうが言っておりますので、御趣旨の点はまたさらに建設当局にも私のほうから伝えたいというふうに考えております。
#34
○鈴木強君 それはぜひひとつ促進をしていただきたいと思います。
 それから酒酔い運転というのがあるのですね、酒気帯び運転か。これはだいぶ罰則を強化して成果があると思いますが、もう一つドライブインで酒を売ることを禁止したらどうかという意見がありますね。今度の国会にもたくさんの陳情が出ておるわけです。これは確かに運転者が飲むことに対してこれを禁止することは法律的にはっきりしておりますし、罰則もあるわけですがね。できるだけしかし酒を飲まないようにするということが、まあ飲む権利はあると思うので、特にドライバーだからそれを法律で禁止するのだと思いますがね。ところが考えてみると、たとえば小田急線で新宿をたって成城学園なら成城学園までの間は禁煙という札が出ておりますね。その間はひとつたばこをのまないでほしいと、こういうことを盛んにアナウンスしておりますね。みんながそれに従っておりますよ。中にはへそ曲がりがおるものですから、吸っておる人もおりますけれども、これはしかしまあ皆に冷たい目で見られるし、異端者的に扱われると思うのです。ですから効果はあると思うのですね。ですからして、健康上吸ってはいけない、飲んではいけないということだけで問題を解決しないで、もう少しドライブインにおける酒類の販売禁止ということについても積極的に考え、それに対する罰則もはっきり整備していくようなことをぜひとってほしいと、こういう意見が強いのですけれども、これに対してはどうでございますかね。
#35
○政府委員(片岡誠君) 御承知のように道交法の六十五条で昨年の改正ですか、「何人も、前項の規定に違反して車両等を運転することとなるおそれがある者に対し、酒類を提供し、又は飲酒をすすめてはならない。」という規定がございます。
#36
○鈴木強君 罰則がない。
#37
○政府委員(片岡誠君) これは御承知のように罰則はございません。現在この規定ができましたので、第一線ではこの規定を根拠にドライブインに対して相当強い行政指導は行なっております。それからたとえば、東名といった道路公団の高速道路にあります食堂、売店では酒類を販売いたしておりません。したがいましてそういう自動車専用道路の場合には私は比較的問題がないと思います、もう現に売らない仕組みをとっておりますから。ただ問題は、そうでない一般道路の場合のドライブインの場合には、運転手だけじゃなくてその地域の人たちもそのドライブインに行って会を開いたり、あるいは食事をしに行っているわけなんで、その店全体としてお酒を売ってはいけないということはこれはやはり実情に即さない面があろうと思います。したがって、やはり車を運転する人にはすすめてはいけない、売ってはいけないというのが現在の限度だと私思います。ただ、その点につきましては、行政指導で強く指導はしている。それからもちろん飲酒運転で事故があった場合に、その運転手にだれか酒をすすめたりあるいは提供した人があれば、これは教唆犯なり幇助犯として業務上過失致死傷の、あるいは酒酔い運転の教唆犯なり幇助犯として責任は追及していくということで現在やっております。まあその辺が限度ではないかと私は考えております。
#38
○鈴木強君 それは交通局長、なかなかむずかしいと私も思いますけれども、ただドライブインとして道路のわきに店をかまえるわけですから、あくまでもドライブインということであれば、近所の人たちがドライブインに来て酒を飲んでいくというようなことについても、それは地域によってはそういうお店がないから付近の人たちが来てそこで飲むかもしれませんけれども、設置の趣旨がドライブインということですから、一般営業が商法上自由にやれるということはこれは憲法上当然保障されていることだと思いますしするので、それを規制することはなかなかむずかしいでしょうけれども、問題は一般道路にいたしましても、たとえば甲州街道のところどころにドライブインがありますけれども、それは車に乗って甲州街道を通っていくドライブをする人たちのための飲食、食事を提供するということが、お茶を飲ませるということがその趣旨ですね。そういうことからいえば、何らかそこに一段と規制を加えることができないものだろうか。非常にむずかしいことですが、私もいろいろ禁止をしてもらいたいような理由を並べるわけですけれども、そんな簡単なものじゃないと思いますけれども、もう一歩その辺検討していただいて飲ましちゃいけないという法律があるわけですから、それは車に乗る人であるから運転者とこう書いてあるんだから、それはそうでしょうけれども、しかしまあもう一つ本体自体もお考えいただくと同時に、もう少しそういう罰則についても罰則をはっきりしてもらうというような御高配をいただくように私はお願いしておきます。
 それから時間がなくなりましたので、最後に自動車の欠陥問題を若干お聞きしておきたいのですが、御承知のように昨年九月十一日この委員会で私はホンダN360の構造上の欠陥問題について取り上げました。その後論議は何回かやりましたが、まだ最終的な結論が出ておりません。そこでまずお尋ねしたい第一点は、ここで私が問題を提起し、警察当局ももう一度ホンダN360の構造上のミスから生じた事故であろうと推定されるものについては再調査をしていただく、こういうことになりまして、数件を再調査することにしていただきました。その後事件は検察のほうに移っているわけですから、皆さんが御相談をいただいて、運輸省とも御相談をいただき、何か鑑定テストを何回かやられているようにも聞いております。そのテストの結果は一体どういう状態になってきているのか、これが私がお伺いしたい第一点です。
 それから第二点は、その後ユーザーユニオン等からもいろいろ具体的な例をあげて告訴をされて、いろいろ調査をされていると思うんですが、この前の委員会で再調査を必要とすると、こういうふうに判定されて再調査をされているもののほかになおそういう同じようなケースのものがその後何件か出ておりますかどうですか。
 この二点をそれぞれの当局から答えていただきたいのです。
#39
○説明員(隅田豊君) 初めのほうの点についてお答え申し上げます。昨年の十二月に警察庁のほうでホンダN360につきましての事故をいろいろ再調査されました結果の中で、七件ほどにつきまして、構造上の問題について疑義があるので検討してほしいという御依頼を受けまして、これは国会でも御返事申し上げたとおりでございます。その後警察庁からいろいろ事故そのものにつきまして渡されましたデータをもとにして担当のいろいろ技術的な検討をしてみたわけでございますが、それだけではなかなか技術的な検討の結果、どうもやはり事故そのもののデータだけでは十分わからない点がありまして、いまのところまだ率直に申しますと、構造上のものかどうかということは不明でございます。ただ、ちょうど同じようなころに検察庁のほうから運輸省の研究所のほうに対してホンダN360についての鑑定依頼が出ております。まあ裁判上の鑑定の問題でございますので、これを行政上の理由にそのまま使えるか使えないかということはこれは別個の問題でございまして、まだ最終的に了解をとったわけでございませんが、たまたま研究所のほうでそういうふうな御依頼を受けて、しかも半ば公開されたような形で試験をやっておりますので、この試験結果を待ちまして、あるいは参考になるデータが出れば、それをもし使わしていただくことができるならば、それをつけて検察庁のほうに御返事をしたいと思いまして、現在まで待っておる状態でございます。で、運輸省の同じ研究所でやっている問題でございますが、一応純研究の立場から、しかも鑑定という立場でやっておりますので、われわれといたしましても、いわば行政上の立場で首を突っ込む問題じゃございませんので、最終結論の出るのを待っているのが現状でございます。この間あまりおそくなりますので、どういうふうになっているのかということを聞きましたところが、実験的な問題は一応全部済んでいま計数的な整理をやっている段階で、もうしばらく待ってほしいというふうにいわれております。
#40
○鈴木強君 じゃ、法務省のほう……。
#41
○説明員(前田宏君) ただいま御答弁になったこととも関連するわけでございますが、東京地検のほうにおきまして、いま問題のホンダN360について告訴事件を取り扱っておりまして、この前の委員会でも若干申し上げたかと思いますが、いろいろ告訴の対象になっている事項の再調査であるとか、あるいは当時の事故例の調査であるとか、それにからみまして関係者あるいは証拠物の検討というようなことをやるかたわら、いまお話のありましたように、運輸省の研究所のほうに鑑定をお願いし、またさらに権威の学者の方にも鑑定をお願いしておるわけでございます。その鑑定は当初予定しておりましたよりも若干おくれておるようでございまして、その鑑定書の提出がまだ検察庁のほうにないというふうに聞いておるわけでございます。その鑑定をお願いしましてからもいろいろ追加的な資料等の御要望などもあって、検察庁のほうでもいろいろと資料をまた追加して出しておるというようなことも聞いておるわけでございまして、その辺いろいろむずかしい問題もあろうかと思いますが、若干予定よりも延びておるというふうに聞いております。
#42
○鈴木強君 具体的にテストはどこでやって、何回おやりになっておるのですか。
#43
○説明員(前田宏君) 非常にこまかいことはちょっとよく承知しておりませんので恐縮でございますが、新聞等にも出ましたように、その鑑定の一環として問題の車種の車、さらに他の類似のメーカーの車のテストと申しますか、そういうことを行なったと聞いておるわけでございます。ただ、鑑定のこの資料ということでございますが、この辺は独立して結論が出たというふうには聞いていないわけでございます。
#44
○鈴木強君 ですから、何回鑑定テスト、要するに走行上の欠陥があるかないか、構造上のミスであるかどうかを、具体的に車を走らして御調査なすったわけでしょう。それは何回くらいおやりになったのですか。
#45
○説明員(前田宏君) ちょっと回数の点ははっきりいたしませんが、聞いております範囲では、たしか昨年の十二月の十日から二十二日までのうち二日間を除いてあったかと思いますが、それまでかけまして、茨城県のほうのそういうテストに適当な場所でテストをしたという報告を受けております。
#46
○鈴木強君 このテストは非公開で行なわれたわけですか。これは運輸省の管轄している谷田部のサーキットですかね、それはどうなんですか。
#47
○説明員(前田宏君) たしか場所はいま御指摘の谷田部であったと思います。
 なお、そのテストの性質でございますが、公開というのか非公開というのか、非常に微妙だと思いますが、やはり鑑定の内容ということでございますので、普通に言いますような意味での公開ということではないと思いますが、ただ公正を担保する意味でメーカー側の代表者であるとか、逆にユーザーの側の代表者であるとか、こういう人に立ち会っていただいておると聞いております。
#48
○鈴木強君 この鑑定車は一体どういうものを持っていったわけですか。そういう具体的なことは、いま刑事課長の手元にないのですか。
#49
○説明員(前田宏君) ただいま聞いております範囲内では、ちょっと手元の資料ではそれほど御指摘のようなこまかい点まで実は報告を聞いておりませんでしたので、また必要ございましたら、調べまして御報告したいと思います。
#50
○鈴木強君 それでは、自分の手違いもありまして、きょう急に御連絡をとったようですから、できましたら、テストの実施時期、回数、台数、それから車種はホンダN360のほか――私はただ単にホンダN360だけを取り上げたわけじゃないのですから、全般的なクレーム車についての問題の一つとして取り上げたわけですから、他にやった会社のものがありましたら、それもひとつ教えてほしいと思います。
 それで、実はきょう私が伺いたかったのは、昭和四十五年の十二月二十一日に本田技研工業株式会社から、「販売店社長様」というので一つのパンフレットが出ておるのですね。その中に、鑑定テストに対して、実は新聞が報道したことに対してそうでないということを趣旨にした内容になっておると思うのです。それでこれを全部読むわけにいきませんが、こういうあれですが。「十二月十六日、十八日引続いて一部新聞にテストに関する記事が掲載され、まだテストがその過程にあるにもかかわらず、あたかもテスト結果が〃クロ〃を指向しているかの如き印象を広く大衆に与えたことは憤慨に耐えない。」というので、新聞に抗議する形の趣旨になっているのです。その中に、「テストは十二月十五日までにN360七台について完了した。」、二つ目は、「十八日から五日間にわたって残りN360一台と他社の車六台についてのテストが開始されている。」、三つ目は、「これまでのテスト結果はわれわれの立会った限り、事故原因といわれている様な現象は全く再現されなかった。即ち単純な操作で突然横振れがおこるようなことはないというわれわれの主張が裏づけられたと考えている。」、しかもこれについてはユーザーのほうから公開質問状を出して、その答えの中に、このパンフレットについては、「誤解をとくために止むを得ず東京地裁の諒解を得た上、わが社の立会人の報告および見解をありのままに記載したものであって、」と、こうあるのです。少なくもまだ調査が完了し、その結果がない段階において、いま申しましたような三つ目の立場をはっきりとここにうたうということは、私は行き過ぎだと思うのです。もしこれを検察当局が了解したとしたならば、これは重大問題だと思う。この点はいかがですか。
#51
○説明員(前田宏君) ただいまお尋ねの点も実は承知しておりませんので、そういう点がございますかどうか、確かめてみたいと思います。
#52
○鈴木強君 それでは、いま御答弁をいただけないようですから、一応これは保留せざるを得ないのですけれども、少なくもこういうビラが流れているということは、これは非常に検察当局の権威について疑義を持たせると思うのです。これは本田のほうで推測でお書きになったのならそれでまたわかるのですが、少くも回答書の中に、これは昭和四十六年の三月二十六日にホンダ安全運転普及本部本部長の西田という人から、ホンダN360全国被害者同盟の委員長林 善三さんと事務局長の津崎利夫さんにあてた文書でして、これは公開質問状に対する回答です。その中の三ページに「東京地検のご諒解を得た」と、こう書いてあるのですから、もし得たとすればこれは重大問題ですから、私は別途質問を保留して、またやることにいたしますが、実情をぜひすみやかに御調査をされて、私のほうまで報告をしていただきたいと思います。さっきの資料と一緒に報告をお願いしておきます。
  〔理事渡辺一太郎君退席、委員長着席〕
#53
○沢田実君 関係各位の御努力にもかかわらず、交通事故が残念ながら毎年その記録を更新いたしております。われわれは政府の徹底した交通安全対策の確立によって、国民の生活と生命の安全をはかるべきであると思っておりますが、わが党は、昨年の七月から約半年がかりで交通安全に関する幾つかの問題について調査をいたしました。一政党の力でやったものでございますので、その調査には不備の点も多々あることは承知いたしておりますが、本日の質問を通じて、その努力が国の交通安全対策に役立つことができればと念願をいたしております。
 衆参の地方行政委員会その他において、この調査の中から若干の問題が提起されたようでございますけれども、特に当院の交通安全対策特別委員会の記録としてとどめ、施策の検討をしていただきたいと思いますので、重複する分もありますが、御了解いただいて、二十五問について質問をいたしたいと思います。
 この調査は、全国の人口二十万以上の都市及び未満であっても県庁所在地七十八都市を対象に、十六歳以上の男女に対し、千五百世帯に一の比率で無作為抽出九千九百四十六名について調査をしたものでございます。
 その調査の第一問でございますが、「昭和四十三年一月以降、あなた自身、または身のまわりの方で事故により死亡されたり、ケガをされた方がありますか。」という質問、補助質問といたしまして「どの様な関係の方ですか。」という質問をいたしたわけですが、五三・四%の人が「いる」という答えをしております。その内訳を見てみますと、「あなた自身」が一一%、「同居の家族」が一四%、「親類の人」が三一%、「ご近所の人」というのが四四%になっております。したがいまして、自分のうちあるいは親戚等ですと、四人に一人の人が体験をし、自分の近所の方を含めますと、二人に一人の人が死亡したり、けがをしたということの体験をしておるわけです。また、特に注目されることは、その事故の加害者、被害者が回答者本人の七百三人、同居の家族の八百九十六人、合計して千五百九十九人、五・七世帯に一名の割合で交通事故の経験者を出しているということは、交通事故の大きさを物語っているものだろうと思います。
 それで第二問目は、「あなたは、道路上で交通事故の危険を感じたことがありますか。」、補助質問で「その原因は何ですか。」ということなんですが、八九%までの方が「ある」と回答しております。要するに、ひやっとするような交通事故の危険を感じたことがあるかどうかということなんですが、八九%ですから大部分の方々がそういうようなことの経験をしているわけです。その原因の一番大きいのは、四四%の方が「車の無暴な運転のため」だというふうに答えているわけでございますが、このようなことは、先ほども問題が出ておりましたけれども、運転者の交通安全のモラルの低下を裏づけているものだと、こんなふうに第二問では感じております。
 第一問は特に答弁の必要ございませんけれども、第二問の問題についてございましたら答弁をしていただきたいと、こう思います。
#54
○政府委員(片岡誠君) りっぱな調査をされて、私ども非常に参考にいたしております。第一線のほうにも各府県にこれを配りまして、各県でも参考にしていただくように、各県に配付もいたしております。
 いまの具体的な御質問ですけれども、車の無暴な運転によるというのに四四・二%の比率があるようでございますが、それ以外にも歩道と車道の区別がないためというのも相当なウエートを占めているようでございます。あるいは道路が狭いというような問題も入っているようでございます。私ども考えておりますのは、先ほど来申し上げましたように、車の通る道と人の通る道と分離していくという、これが完全に行なわれれば車による凶器、社会的な凶器である車による歩行者の事故はゼロに近うできるのではないか、それが基本だと私思います。しかしながら、それをするには相当多くの公共投資が必要でございますので、それと並行して当然今度は運転者の立場、その運転者の教育、あるいはもうすでにその教育の中で入門教育もございますが、新規にすでに免許証を持っている人に対する再教育、これは運転免許養成の面で十分やっていくべきだが、まだ現在は必ずしも満足な状態ではない、そのように私ども考えております。と同時に、即物的な教育と申しますか、公道上における無謀な運転に対してはできるだけ多くの警察官を配置してパトカー、白バイ、あるいはそこにおる警察官の配置をしてその場で交通違反があれば即物的に指示をし、教育をしていくというようなことを通じて無謀な運転を是正していく、矯正していくということを今後ともやっていく必要が痛切に感じられる次第でございます。
#55
○沢田実君 問の三として、「交通事故を防止する対策として、特に効果があると考えられるものを二つあげて下さい。」という問いに対して、いまお話も出ましたが、「歩車道の分離」ということが二一・二%、「信号機、ガード・レールなどの安全施設をふやす」というのが一七・五%というような数字が出ております。特に関東の地域では信号機やガード・レール等の整備を要望する比率が非常に多くなっているわけですが、そこでお尋ねをいたしたいのは、いまも局長は歩車道の分離が大事だというお話でございますけれども、歩道という問題についての考え方ですが、現在はたとえば車が往復できる、五・五メーターなら五・五メーターという幅をこえる部分について歩道をつけるというような考え方。ですから、車が通って余裕があれば歩道をつけよう、そうではなしに、歩道のほうを先に確保して、車が往復できなければ一方通行にするというような考え方のいわゆる人間さまの道じゃなしに、車の道を人間さまが分けてもらって歩いているような歩道についての考え方のように思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
#56
○政府委員(片岡誠君) 従来そのような、御指摘のような考え方が道路管理者なりあるいは警察のほうにあったと思います。しかしながら、先般来建設省のほうも、われわれのほうもその辺のものの考え方を次第に変えてきております。狭い道路の場合に、たとえば三・五メートル以下の道路についてはもう車を原則的に通さないという姿勢でございますし、それから五・五メートル以下の場合には、たとえ片側に歩道をつくっても一方通行にして、そして車は一方通行にして流し、歩行者は歩道をつくって安全にする、しかもその歩道の幅員も道路構造令による新設の場合の幅員に必ずしもこだわらないで一メートル、場合によったら七十五センチ、これは極端でございますけれども、一メートルあるいは一メートル五十の歩道を片側だけでもつくっていこう、こういうふうに建設省の道路局長も申しております。私どもも協力してそういう方向で第一線のほうを指導してまいりたい、このように考えております。
#57
○沢田実君 重ねて何ですが、そのような方針でおやりになっていらっしゃるのは、いつからおやりになっていらっしゃるのか。これはもう各都道府県等ですでにそれは実施されておるのか、これからおやりになるのか。
#58
○政府委員(片岡誠君) 今回の五カ年計画の実施をする場合、各市町村から府県を積み上げてまいります。そのときにそういう方針で考えろという指示をいたしております。
#59
○沢田実君 そうしますと、各地方の交通安全対策の基本計画ですか、その計画の中で計画をして、そうするとそれが実施されるのは相当先になる予定ですか。
#60
○政府委員(片岡誠君) 五カ年計画でございますから、一番優先度の高いところから四十六年度に取り上げる、その次は四十七年度と、こういう順序に相なっていこうかと思います。
#61
○沢田実君 そうしますと、東京都等においては四十六年度からそういう考えで歩道優先のことは実際に行なわれるというふうに理解してよろしゅうございますね。
#62
○政府委員(片岡誠君) そういう考えで、現在各府県でその案を練っております。これが六月三十日までに建設省と公安委員会のほうへ上がってまいります。そうして政府としてやるのは七月の末までに計画を立てる。しかし、これは御承知のように例の安全島の場合は、指定区間の一番まあ交通事故の多発している区間にういての計画でございますので、それだけでは十分カバーできない。問題はその指定区間でない道路、まあ生活道路の場合にはその部分が多いのではないかと私は思いますけれども、それにつきましても、各府県で生活道路対策と申しますか、裏通り対策と申しますか、あるいは細街路対策、いろいろ言っておりますが、それは各県でいまマスタープランをつくっていくと、問題はもう先ほども申しましたけれども、地方単独事業でやる場合が多いのではないか。そうした場合に、問題は、公共投資の財源をどうするかというのが最大の問題だと思います。手法そのものとしてはいま申しましたように従来と違った発想なり考え方で指導はしてまいりますけれども、問題は具体的にそれを担保できる、歩道をつくったりあるいは信号機を設置したり、交通を規制するときの標識であったり、標示であったり、そういうものをどのようにしてその財源を確保していくかというのが今後の大きな問題だと私は思います。
#63
○沢田実君 その財源の問題については、東海道とか中仙道とか、ああいう昔の国道、それに歩道をつくるということについては、ここでも何べんも議論になっておりますように、バイパスが計画されておるところは歩道をつくらないとか、いろいろな問題がありまして、それが考えられるわけですが、たとえば大都市の東京なら東京の中で、裏通りの狭いところを一方通行にして歩道を確保するというようなことは、そうそのガードレールだけで大した予算を使わないでできることだと思いますので、いま局長のおっしゃった歩道についての考え方を、根本的なこれは変革だと思いますので、そういうふうにお願いをいたしたいと思います。
 その次は、「毎年、春秋二回全国交通安全運動が行なわれていますが、この運動について、あなたはどう思いますか。」という質問ですけれども、「交通安全に気をつける」と答えた人は四一・七%で半分以下です。「いつもと変らない」という人は五一・一%というようなことで、先ほども交通安全週間のことが選挙に一緒になってあまり効果が上がらないというようなお話もございましたけれども、この統計でもそんなふうなことが出ております。それで、「交通事故防止に相当の効果がある」と答えている人は一〇・四%というように非常に少ないわけです。効果を認めている者の中でも「一時的効果だ」というように考えている人は五九・六%というようなことになっております。そういう点から考えまして、全国交通安全運動の内容、推進方法等についてもこれは早急な検討が必要であろうというふうに思いますが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
#64
○政府委員(須藤博忠君) 御指摘のように、先ほど山中総務長官がお答え申し上げましたように、ことしの春の全国交通安全運動はなかなか成果が上がらなかったことも事実でございます。それからまた毎年春秋繰り返しております全国交通安全運動自体につきましても、いろいろマンネリではないかというような御批判がかなりあるということも私ども十分に承知いたしておるわけでございます。で、今度の春の交通安全運動につきましては、警察庁その他関係方面ともいろいろ相談申し上げまして、従来は春秋十日間ずつやっておったわけでございますが、今度はやはり十日間というような画一的でなくして、前期、後期に二つの時期に分けまして、しかも前期は新入学、新入園学童、園児というものの保護をはかるということを主眼とする。後期は四月の二十六日から五月一日までの行楽季の前というような、ゴールデンウィークを前にした運動ということで事故防止をはかろうということをやったわけでございます。結果は御承知のとおりでございます。で、いろいろわれわれも十分に今度の春の交通安全運動の結果につきまして反省をいたし、また、今後マンネリにならないように、また、いかにしたら効果があるかという点につきまして十分検討いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#65
○沢田実君 問いの五は、「あなたは「道路交通法」という法律があることを知っていますか。」、補助質問の一が「内容をどの程度知っていますか。」、二つ目が「少ししか知らない理由は何ですか。」というような問いなんでございますけれども、知っている人は九一・三%、知っていることは知っているようです、名前だけは。しかし、その「内容をどの程度知っているか」という質問に対しては、「知っている」と答えた人が四八・九%と過半数に達しておりません。「少ししか知らない」という人が四四・一%、「知らない」と答えた人が六・二%、こんなふうになっておりますが、これはどうも道路交通法が最も国民生活に密着した法律であるにもかかわらず、内容の理解度がきわめて低いということを証明しているわけですけれども、これに対するお考えはいかがでしょうか。
#66
○政府委員(片岡誠君) 道路交通法の存在は多くの人、大部分の人が知っているけれども、その中身を知らないという問題だと思います。自動車を運転している人が知らないのではこれは困ると思いますけれども、問題は自動車を運転していない方が知らないという場合が多いのではないかと思います。ただ道路交通法をわかりやすくするというような問題もあろうかと思いますけれども、今度の道路交通法の改正の中で、国家公安委員会が交通ルールに関する教則をつくる、そしてそれをわかりやすく図解などしたものをつくって、そしてそれを自動車を運転する人には、その試験問題をそこから出す、あるいは更新時講習にはそれを使うというようなことで、ハンドルを持つ人に対しては十分徹底できると思います。ただ、そうでない人に対しては、その教則を一般の書店の店頭でも販売するような仕組を考えていきたいと思いますし、同時に子供に対しては特に歩行者用、あるいは自転車用の問題をわかりやすくつくって、学校その他を通じて、あるいは地域社会を通じて何らかの形でさらに普及徹底できるようにいたしたいと思っております。
#67
○沢田実君 その知らない人たちの理由に、「知る機会がなかった」というのが非常に多くなっております。それでいまおっしゃったように、自動車を運転する人はこれは覚えなければならないことになっているわけですが、自動車を運転する人だけの法律ではなくて、歩行者事故ということが非常に比率も高いわけでごさいますので、そういう一般の人たちもこれは知らなければならないわけです。そういうことに対して、いま答弁にございましたような対策が立てられることは非常にこの問題に合致した、たいへんいいことだと思いますけれども、大いにその道路交通法を認識させるための教育体制の確立ということが要望される一つの問題であろうと、こう思っております。
 それからもう一つは、道路交通法の法律ですけれども、いろいろな問題がその条文に明示されているわけですが、実際に自動車を運転する人も、たとえば自分のうちから朝出発して、細い道から広い道へ出る場合、あるいは十字路へ行く場合等々いろいろの問題があるわけですが、そういうふうに実際自動車を運転するに即したような規則でいけばもう少し理解しやすいのじゃないかというような考えも持つわけですけれども、道路交通法をもっとわかりやすい、実際に生活に即したものにしようというような考えはございませんか。
#68
○政府委員(片岡誠君) 法律の条文の順序といったようなことにこだわりなく、いま御指摘があったように運転者がその自分の生活から考えて、わかりやすく理解できるような形に整理し、しかも図解まで入れたような形で教則を普及するようにいたしたいと思っております。
#69
○沢田実君 問いの六番目は、「あなたは、近所の信号機、道路標識、横断歩道、ガード・レール、道路照明などの安全施設についてどう思いますか。」、「補助質問は、「どんな施設がとくに不足していると思いますか。」という質問ですが、安全施設の不足を指摘しているのが七七・八%、「どういう施設が不足しているか」という質問に対して、「道路照明灯」というのが二九・六%で、非常に高率を示しておりますが、道路照明灯に対してはどんなお考えか。それから信号機については一八・九%というような数字があがっております。信号機の設置等を望んでいるわけですが、これは今度の新しい予算等においてもたくさん確保しているとは思いますが、統計の上にもこんな数字が出ておりますので、お考えをお尋ねしたいと思います。
#70
○政府委員(須藤博忠君) 交通事故の防止に交通安全のための交通環境の整備、これが大事なことは当然のことでございます。特に御指摘のございました道路照明灯はやはり暗いがために事故が起こるという可能性が非常に多いわけでございます。道路照明灯は原則として建設省の所管になっておりますが、建設省におきましてもこの面の充実、道路の照明をすることによって事故の防止ができるということを十分承知をいたして充実に力を入れているというように私承知しておりますので、今後とも御趣旨を建設省当局にも伝えるようにいたして、充実をはかりたいというように考えております。
#71
○沢田実君 その次は「現在使われている信号機についてどう思いますか。」、補助質問は「どのように改良すればよいと思いますか。」ということですが、「改良する必要がある」というのが四〇・二%を占めております。で、「改良するとしたらどういう点か」という質問に対しては、「わかりやすくして欲しい」ということですが、室長も今度スウェーデンにいらっしゃるようなお話が先ほどございましたので、ヨーロッパ各国のいろいろな状況も視察されると思いますけれども、私どもが先日ヨーロッパにまいりましたときに見てまいりました信号機灯は日本のと若干違いまして、非常に低くて、縦に動くので運転者さんによくわかりいい。日本の場合は高いところの遠い十字路の向こう側についておりますけれども、向こうのはこちらについているのが多い。いろいろ違う点があるわけですけれども、要するに統計でも、もっとわかりやすくしてほしいという希望が出ております。道路信号機についてのお考えを承りたいと思います。
#72
○政府委員(片岡誠君) 日本の横にしているやり方は、むしろアメリカ式だと私は思います。アメリカは道路の向こう側に置く。欧州は縦式が多くて、道路の手前に置いております。私は位置の問題もさることながら、わかりやすくするためには信号機の灯器の数を増設するのが一番で、現在も一つだけでなくて、両方に灯器をつけるようにというやり方で指導をしております。ドイツにまいりますと三つも四つもついております、これでもかこれでもかというように。そういう方向に今後は処理していきたい。それから矢じるしをもっと使って、右折、左折の処理もうまくやりたい。
 それから歩行者用の信号機、これがまだ不足しておりますので、これも十分につけてやっていきたい。信号機そのものにつきましても、まだまだ改良の余地があろうと思います。と同時に信号機を系統化したり、面的に整理していくという方向も今後の大きな問題だと私は考えております。
#73
○沢田実君 次は「現在使われている道路標識についてどう思いますか。」、補助質問は「どのように改良すればよいと思いますか。」という問題ですが、道路標識については五八・三%の人が改良したほうがよいというように答えております。改良点については、「夜間でもわかるようにする」というふうに答えているのが三七・二%で最も多いわけです。次に「大きく見やすくする」というのが一九・七%、「デザインをわかりやすくする」というのが一六%というような順になっておりますが、これはいかに見にくい道路標識がはんらんしているかということを示している数字ではなかろうかと思います。道路標識を「もっとふやす」という回答は七・九%、非常に少ないわけです。見にくい道路標識を追放して、わかりやすい道路標識にしてもらいたいというふうにこの数字は示しております。たとえばもっと具体的に申しますと、一方通行の進入路の道路標識は、典形的にわかりにくいと思うわけでありますが、道路標識の改良についてはどういうお考えですか。
#74
○政府委員(片岡誠君) デザインそのものにつきましては、大体国際的な国際道路標識に関する国際条約で、現在は付属議定書でございますけれども、それと大体現在も合わしてございます。問題はもっと大きくしてわかりやすくすること、それからつける位置を路測ではなくして道路の中央にオーバーハング、オーバーヘッドにしていく。それから夜間も明確にわかるように反射式であったり、あるいは灯火式であろうと思いますが、そういうふうににして運転者が遠くからわかりやすくしていくということが一番基本だろうと思います。そういう方向に現在も考えておりますし、今度の五カ年計画では信号機と同時にその標識の改良につきましても、十分財政的な措置ができたと思いますので、よりよくなっていくことを期待いたします。
#75
○沢田実君 次が「あなたは、横断歩道橋を利用していますか、「という質問ですが、「いつも利用する」と回答した人が二八%、「ときどき利用する」という人が三〇・九%、「ほとんど利用しない」という人が一二・五%というようなふうになっております。横断歩道橋については先ほど質問があったようですから省略をいたしますが、利用されている率は非常に少ないということ。
 その次の質問といたしましては、「横断歩道橋の構造についてどう思いますか。」、補助質問で「改良したほうがよい理由はなんですか。」、「どのように改良すればよいと思いますか。」という補助質問をつけております。横断歩道橋の構造について過半数をこえる五八・六%の人が「改良したほうがよい」というふうに答えております。圧倒的に多いのが階段式横断歩道橋に対する不満、こんなふうになっております。これについては予算の関係もございましょうし、いろいろなこともあろうと思いますが、これもヨーロッパ等ではスロープ式がつくられておったり、あるいは階段になっておっても自転車やうば車が使用できるような構造になっておったりしている国がたくさんあるわけでございますので、こういう点についても今後は検討されなきゃならない問題だと思います。それで歩道橋よりも最近は地下道を望む声が非常に多いわけですが、これも予算の関係がありまして、なかなかそう簡単にはまいらない問題だろうとは思いますけれども、その施策基本に私どもはやはり人間優先の考え方を持っていかなきゃならない、こんなふうに思っております。これは先ほども質問があり御答弁がございましたが、何かございましたら伺っておきたいと思います。
#76
○政府委員(須藤博忠君) 先ほど御質問ございまして答弁申し上げたわけでございますが、特にやはり従来はややもすれば歩道橋をつければいいということで、利用者のほうにとりましては、階段が非常に急であって利用しにくいという面があったということは否定できないということは、建設省当局も言っておるところでございます。やはり利用されるような横断歩道橋、また歩道橋に限らず地域の実情によって、たとえば雪の多く降るというようなところ、そういう地域の実情に応じて地下式にするのがいいか、高架橋式にするのがいいかというようなことを十分考えて、建設省は建設を推進していくというように言っておりますので、また御趣旨の点は十分伝えるようにいたしたいと思います。
#77
○沢田実君 次は児童の通学路の問題でございますが、「お子様がいつも小学校に行く時、通る道を知っていますか。」、その次の問題は「お子様が通学する道路は通学路に指定されていますか。」という十一、十二番目の質問でございますが、通学児童のいる家庭では九一・八%の人が子供の通学する道路を知っておるという、そういう関心の高い数字を示しております。その通学路に危険な場所があるか。その十三番目には、「お子様が通学する道路に、危険な場所がありますか。」、補助質問に「その危険な理由はなんですか。」、「安全にするためには、特にどこに力を入れたらよいと思いますか。」、こういう質問をしたわけですが、「通学路に危険な場所があるか」という問いに対して、七〇%の人が危険な場所があるというふうに回答いたしております。その通学路の整備ということが緊急課題であるというふうに思います。その通学路についてもやっぱり「車道と歩道の区別がない」というのが二五・七%で、一番大きな率を占めております。それから「横断する場所に歩道橋がない」というのが一五%、「ガード・レールがない」というのが一一・五%、「信号機がない」というのが一一・四%というようなことになっておりまして、交通安全施設の不備を指摘する率が非常に多くなっております。それを合計すると六三・六%というふうに半数をこえております。通学路の交通安全施設の急務を強く指摘している問題であろうと思いますが、この問題についてはどんなお考えであるか、お尋ねしたいと思います。
#78
○政府委員(須藤博忠君) 御指摘のように、通学通園路の整備ということは非常に重要なことでございます。したがいまして、今度の交通安全施設等整備事業に関する緊急措置法、いわゆる安全法に基づきます五カ年計画におきましても、通学通園路の整備というものを重点的にやることにいたしております。そういう意味で今後もちろん通学路の整備は、道路管理者と信号機その他警察と両方にまたがるわけでございますが、私どものほうとしても関係省庁と十分連絡をとりまして、通学通園路整備には最重点を注いでいくようにしたいと考えております。
#79
○沢田実君 次は買物道路、遊び場道路というふうな問題でございますが、「買物道路についてどう思いますか。」、「補助質問として買物道路が必要であると思う理由はなんですか。」、また「遊び場道路についてどう思いますか。」その補助質問として「開放している時間についてどう思いますか。」というような質問をしたわけです。買物道路については、「買物が安心してできる」という人が五八・六%、「交通事故を防止できる」という人が三五・九%になっておりますが、これを見ますと、いわゆる買物も安心してできないと、こういうような実情であることを示しております。また、買物道路子供の遊び場道路というようなことは、日常生活に必要なごく一般的な交通規制として大半の国民の人たちに受け入れられるものだというふうなことが出ております。そういう遊び場道路あるいは買物道路についてどんなふうにお考えになり、今後どういうふうにしていこうと思っていらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
#80
○政府委員(片岡誠君) 主婦が買物をする時間帯について、またその買物客が多いその道路につきましては、御承知のように買物道路として時間的に車両の通行禁止をやっておりますが、これはできるだけそういう場所をふやしていきたいと思っております。
 それから子供の遊び場の道路、これは主としてやはり遊び場のない大都市あるいは中小都市の子供さんの場合だと思いますので、近くに公園とか児童公園とかがないようなところにつきましては、休みの日に車の通行禁止をして子供の遊び場ができるような措置も今後強力にやってまいりたいと考えております。
#81
○沢田実君 この買物道路あるいは遊び道路についての交通規制が行なわれているところは一〇・八%が「行なわれている」と答えております。まだまだ非常に少ないわけです。「開放時間」については、「現在のままでよい」という人が四五%、約半数近いわけですが、延長を望む声は二七・八%ございます。こんなことで意識はまだまだ低いわけですが、いまの御答弁のように、今後ふやすという方針であれば、これはまことにけっこうであると思います。
 その次は歩行者天国の問題でございます。「東京の銀座などで行なわれている「歩行者天国」を、実施する傾向が全国的に高まっていますが、あなたはどう思いますか。」、「歩行者天国は、あなたの近所でも行なった方がよいと思いますか。」、こういう質問でございますけれども、歩行者天国を支持する意見というのは四一・二%というふうに半分以下になっております。これは買物道路や子供の遊び場道路の支持率に比較をいたしますと二〇%以上の違いがございまして、あまり好評でないような数字がでております。道路は歩行者だけのものではない、無制限に行なわれるべきではないような考え方、あるいは、回りの道路が混雑するから効果がないというような考え方、そう考えておる方々もだいぶあるように数字は示しておりますが、この歩行者天国については今後どういうお考えをお持ちになっていらっしゃるか、お尋ねをしたいと思います。
#82
○政府委員(片岡誠君) この歩行者天国がいわゆる盛り場における歩行者天国――盛り場に日曜日とか祭日一定時間車の通行禁止をするというそういう歩行者天国だと理解をいたしますが、それにつきましては、先ほど私御説明いたしましたように、歩行者天国としての歩行者優先とか、車から歩行者が道を取り返すというような象徴的な意味では非常に社会的な意義があったと私は思っております。したがいまして、実際は生活道路の対策のほうが重要であると思いますので、盛り場における歩行者天国は現在以上にさほど場所を広げていくという考え方は持っておりません。ただ、現に定着しているところはあれはあれで社会的にも有意義である。新宿や銀座がうまくいったからといって、地方の中小都市まで同じようなことをやっていく必要がはたしてあるかどうか、その辺については消極的に考えております。
#83
○沢田実君 十九番目の問題ですが、「現在、東京など大都市で、交通混雑緩和、公害防止のため車の都心部乗り入れ規制が検討されていますが、あなたはどう思いますか。」、この問題について五〇・二%の人が「必要である」と答えております。「現在は無理だが将来は必要であると思う」という人が二六・五%、合わせますと七六・七%の人が都心部乗り入れ規制を支持しているわけでございますが、こういう問題についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#84
○政府委員(片岡誠君) 私も、都心部乗り入れ規制はいかなる車を禁止するのかということが一番問題だと思います。ともかく車の絶対量を減らすということについては、おそらく皆支持をしておられるだろうと思いますが、じゃ、ある車はいい、ある車はいけないという区別をどこに置くかということが最大の問題だと思います。一般的に言われておる場合はおそらくマイカーを抑制しろという議論だと思いますが、私も通勤、通学にマイカーを使ってやるということはできるだけ抑制する方法で検討していくべきだと思いますけれども、業務用の車まで抑制することは、これは逆に社会生活上いろいろ問題があろうと思います。この点につきまして、よく大都市の交通の実態あるいは人の動き、ものの動きの実態を十分調査研究した上で考えていきたい。しかし、これはいずれも近い将来の大きな問題であろう、そのように考えております。
#85
○沢田実君 次は、安全運転、事故防止の問題についてでございますが、二十問として、「あなたは、交通安全のための講習を受けたことがありますか。」、補助質問では、「どのような講習を受けましたか。」、「受講された内容についてどう思いますか。」、「教育、講習を受けたことが事故防止に役立ちましたか。」というような問題ですが、これについては、運転者に対する交通安全教育の実情は九一・三%の運転者が何らかの形で講習を受けている数字が出ております。講習の種類については、「免許証交付、更新のときの講習」、これが五九・八%、次いで「春秋の全国交通安全運動期間中の一般講義」が二六・八%こんなことで大体八六・六%を占めております。その内容についてみますと、「教わったことはほとんど知っていた」が四一・九%、それから「講習内容が不十分である」が二〇・九%、こんなことが出ておりますが、この講習制度について内容の不備の問題について御検討の必要があるのじゃなかろうかと思いますが、この点を承りたいことが一点。
 それから「事故防止に役立った」というふうに答えている人が、講習を受けた人の六八・三%答えているわけです。ですから、内容を改善すれば事故防止には役立つわけですので、こういう不平のないような講習の内容にすることか大事じゃないか、こんなふうにこの統計で思うわけでございますが、交通安全講習の問題についてはどんなふうにお考えですか、お尋ねをしたいと思います。
#86
○政府委員(片岡誠君) 講習の必要性は痛感しておりますが、問題は、現在でも二千六百万人の人が免許証を持っている、近く昭和五十年には三千万の人が持つであろうという問題でございます。量も多い。したがいまして、それについては十分講習の内容を吟味すると同時に、教える人、講師陣を十分に確保する施設も必要であるというのが基本的な問題だと思います。今回の道路交通法の改正の中でも、更新時講習につきまして、更新時には「講習を受けるようにつとめなければならない。」という努力目標の規定を設けまして、これをてこにしまして、毎年更新にあらわれてくる運転者の方約九百万人の方々に対して、設備それから講師陣の強化もはかって講習を強化していきたい、また内容も充実してまいりたい、このように考えております。
#87
○沢田実君 次には、「あなたのご家庭では交通安全について話し合うことがありますか。」、補助質問として「その話しの内容はどんなことですか。」という問題ですが、家庭では七七・七%の人たちが話し合っている、話し合わないという人は一七・六%、こんなふうになっておりますので、そういう話はしているようでございますけれども、話し合っている内容については、「自動車や自転車など運転するときに注意される」というようなこと、あるいは「通学、通園のときに注意される」というようなことが多くなっております。「学校における安全教育」などについてはどうかということについては、二・六%の数字しか示しておりません。こういうようなことで、学校と家庭、あるいは家庭と地域社会といった有機的なつながりを持った交通安全教育の確立ということが検討されなければならないんじゃないかと思いますが、この問題についてはいかがでしょうか。
#88
○政府委員(須藤博忠君) 確かに、御指摘のように相当の多くの家庭で交通安全の問題が討議されておるといいますか、話し合われておるということは事実だと思います。しかしながら、その内容自体というものが必ずしも十分ではないのではないかというふうに考える次第でございます。教育の問題は主として文部省の所管ではございますか、やはり、ややもすれば日本におきましては、いわゆる教育という問題は学校まかせといいますか、先生まかせにするというような傾向が一般的に言って強いのではないかということを私ども感じておるわけでございます。しかしながら、交通安全という問題は単に学校の児童生徒だけの問題でない、全国民が直接切実に感じている問題でございまして、そういう意味でやはり全国民的な教育といいますか、そういうものが必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。したがいまして、文部省におきましても交通安全という問題を学校教育でも今後充実していくという方針でおりますし、さらにまた、社会教育といいますか、たとえばPTAとか婦人会、あるいは町内会、あるいは青年学級というような、そういう社会教育の場を通じての交通安全の教育というものを充実してまいるように、私どものほうも文部省等と密接な連絡をとってこの面に力を入れていきたいというふうに考えております。
#89
○沢田実君 その交通安全教育を受けた機関というものを考えてみますと、警察が四三・七%で半数近いわけです。交通安全協会によるものは三一・二%、学校における教育が九・六%などで、いまおっしゃったようなPTAの主催が六・二%になっておりまして非常に少ないわけです。ですからそういうようなことで、いま答弁がございましたので再答弁は必要ございませんけれども、全国民的な交通安全教育体制の確立ということが急務だということが考えられます。交通安全教育を警察にまかせておくというようなことではいけないんじゃないか。また交通安全協会にいたしましても、それにまかしておくようなことではいけないと、こう思います。というのは、局長にお伺いしたいのですけれども、警察と交通安全協会との関係ですけれども、ほんとうは、私は免許証の交付とかいろいろなことについては、当然警察でやるべきじゃないかと思うのですが、各警察署では、交通安全協会の職員が警察に出てきておりまして、それでもう全部そういう関係の事務は一切交通安全協会でやっておる。私どもがいろいろな手続をする場合に所要の経費をとられますが、その経費でまかなっておるというようなことをやっているのですが、これは警察は、駐在所なんか村や町で、うちも自転車もあるいは単車もみんな提供してやってもらうという昔の警察の行き方がそのまままだ残っているような気がするのですが、交通安全関係のああいうものは交通安全協会にまかしてやらしておくというようなことが交通安全対策としての警察本来の行き方なのかどうか、その辺についてはいかがでしょう。
#90
○政府委員(片岡誠君) 仰せのようなことは従来からも伝統的に残っていると思います。しかし、たとえば東京都の場合には全然そういうものが行なわれていないと私思います。だんだん大都市から自然にそういう従来からのしきたりというものはすでに改まってまいっていると思います。ただ問題は、やはり中小府県の場合に、特に小府県の場合に、府県の免許行政に要する職員の増強がなかなか意にまかせないというような問題もあろうかと思いますが、基本的には、役所のやるべきことは役所の職員でやっていくというのが基本的な姿勢だと思いますので、そちらのほうに次第に向けていくということにいたしたいと思っております。
#91
○沢田実君 次は、「あなたは、現在、小・中学校で行なわれている交通安全教育についてどう思いますか。」、補助質問は、「あなたが充実していないと思うのはどんな理由からですか。」、学校で行なわれている交通安全教育が「充実していない」と答えた人が二八・四%、「充実している」と答えた人の二倍になっております。こんなことで、学校における交通安全教育というのがまだ不徹底であるということはもう御承知のとおりでございますので、これは先ほど室長は文部省の所管だとおっしゃいましたが、総合的にまたそちらのほうに対しても大いに推進をするようにお進めをいただきたいと思うわけです。
 二十四番目は、「あなたは、交通安全教育の内容に、なにが最も必要と思いますか。」、二十五問といたしまして、「交通安全教育を、学校の正科目に入れる必要があると思いますか。」、こういうことを質問してみたわけでございますが、これについては「交通道徳について」というのが六八・一%で非常に大きな数字を示しております。しかしその交通安全については道徳的な教育だけでは不十分であることはもう重々承知のことでございますので、それ以上申しませんが、交通安全教育を正科目にする必要があるというように考えているのは六六・一%でございます。交通安全教育のカリキュラムの作成をはじめ教育施設の整備、交通安全教育専門教師の養成などが早急に検討されるべき問題であろうと思いますので、これは文部省の関係かもしれませんが、そういう方面についても総合的な推進をしていただきたいと思います。
 以上申し上げましたように、二十五の問題についてほんの一部分ではございますけれども、わが党として調査をいたしたようなわけでございますので、今後の交通安全対策に活用されることを特に希望いたしまして、質問を終わります。
#92
○政府委員(須藤博忠君) 交通安全教育を学校の正科目に入れる問題でございますが、文部省のほうにおきましては、昭和四十六年度以降小学校、中学校及び高等学校において新教育課程が実施されることになっておりまして、これを機会に小学校についてはたしか本年度から、中学校については来年度からというように承知しておりますが、交通安全教育を正科に取り入れて教育を強化するというふうに承っております。特に、単に機械的に教育をするということでなくて、やはり児童の心身の発育状態に応じた教育をしていくということが何よりも大事なことではないかというふうに考えておるわけでございますが、したがいまして、文部省におきましても、小学校におきましては歩行と横断、それから中学校におきましては自転車の安全な乗り方を中心にする、あるいは高等学校においては、小学校及び中学校における教育の基礎の上に立って、より高度の知識と実践能力を身につけさせることを重点にした教育をやっていくというふうに聞いております。今後ともこういう学校における交通安全教育の充実に一そうの努力をするように緊密に連絡をとってまいりたいと思います。
#93
○委員長(鈴木強君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時五十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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