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1947/09/27 第1回国会 参議院 参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第19号
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1947/09/27 第1回国会 参議院

参議院会議録情報 第001回国会 厚生委員会 第19号

#1
第001回国会 厚生委員会 第19号
  付託事件
○教員の恩給増額に関する請願(第六
 号)
○食肉統制價格撤廃に関する陳情(第
 二号)
○聖靈生命、眞理療法保護法規の制定
 及び名誉恢復に関する陳情(第四
 号)
○兒童の福祉増進に関する法令制定の
 陳情(第七号)
○恩給法の改正に関する陳情(第十二
 号)
○都市官公廳職員の生活安定に関する
 陳情(第三十八号)
○戰死、戰災遺家族並びに傷病者の更
 に関する陳情(第五十号)
○恩給法の改正に関する陳情(第六十
 四号)
○國民健康保險組合制度を改革するこ
 とに関する陳情(第六十六号)
○國民健康保險金に対する國庫補助金
 の増額等に関する陳情(第九十八
 号)
○青少年禁酒法案(小杉イ子君発議)
○恩給増額に関する請願(第三十九
 号)
○災害救助法案(内閣送付)
○兒童福祉法案(内閣送付)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第五十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十一号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第七十三号)
○恩給法の改正に関する陳情(第百五
 十三号)
○國民健康保險組合の振作促進に関す
 る陳情(第百五十五号)
○國民健康保險制度の更生に関する請
 願(第八十二号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第八十七号)
○恩給増額に関する陳情(第百九十三
 号)
○最低生活の保証に関する陳情(第二
 百十八号)
○國際電氣通信株式会社等の社員で公
 務員となつた者の在職年の計算に関
 する恩給法の特例等に関する法律案
 (内閣送付)
○医師会、歯科医師会及び日本医療團
 の解散等に関する法律案(内閣提
 出)
○恩給増額に関する請願(第百十一
 号)
○戰死者遺族の更生対策に関する請願
 (第百十六号)
○生活協同組合法の制定に関する請願
 (第百四十三号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百四十六号)
○青少年禁酒法制定に関する請願(第
 百五十一号)
○住宅営團経営の住宅を國営とするこ
 とに関する請願(第百六十九号)
○東京帝國大学演習林拂下げに関する
 請願(第百七十二号)
○教員恩給増額に関する請願(第百七
 十八号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第百七十九号)
○生活協同組合法の制定に関する陳情
 (第二百七十五号)
○教員恩給増額に関する陳情(第二百
 九十八号)
○傷痍者更生援護に関する請願(第百
 九十九号)
○青少年禁酒法制定反対に関する請願
 (第二百一号)
○拂下げミシンに関する請願(第二百
 十号)
○結婚問題に関する請願(第二百二十
 号)
○恩給増額に関する請願(第二百二十
 三号)
○社会保險制度の一元化に関する陳情
 (第三百三号)
○教員恩給増額に関する陳情(第三百
 十二号)
○結核医療施設を市営に復元すること
 に関する陳情(第三百二十一号)
  ―――――――――――――
昭和二十二年九月二十七日(土曜日)
   午前十時二十七分開会
  ―――――――――――――
  本日の会議に付した事件
○水害状況に関する件
○災害救助法案
  ―――――――――――――
#2
○委員長(塚本重藏君) それではこれより委員会を開会いたします。本日は主として災害救助法案につき審議を続けて頂きたいのでありますが、順序といたしまして、今度の水害のその後齎された情報による水害の実情も、この機会に当局から御説明を願い、更にそれに対して当局の執られました措置等につきましても御報告を承りたいと存じます。尚併せて政府の方でこういう処置を執りたいのであるけれども、或いは物資の不足とか、その他の事情によつて思わしく行つていないというような点がありまするならば、そういう点も併せて御報告を願えれば非常に幸いだと思います。
#3
○政府委員(葛西嘉資君) 只今委員長から今次の災害についてその後の執つた措置、或いは困つているような問題があれば、率直に申すようにというお話でございましたので、一應申さして頂きたいと思います。災害のことはすでに委員各位におかれましても御承知でございますので、私が申し上げますことと重複する点はお許しを頂きたいと思います。お手許に配布いたしました資料にございましたように今次の水害の昨日までの情報を集めまするというと、死傷のごときも死者約千名、行方不明八百五十数名、傷者が千七百幾ら、倒壞の家屋に至りましても、倒壞流失がやはり九千戸ばかりもあるというようなことでございます。その他田畑、或いは道路、橋梁、提防の決壞というようなものは、お手許の資料にございまするように、莫大なことに互つておる非常な大きな災害でございまして、ここにあります表は昨日までのものでございますが、まだここにも附記にも書いてございますように、若干正確な報告でないところがございますので、若干違うかも知れませんが、今日まで先ず大体ここらのところが災害の大体の規模じやないか、私共災害の起きました直後は、殊に遠い方面、東北の方面のごときは殆んど情報を得ることができませんので、非常に困難をいたしましたのでございます。併し東北方面からもこういうふうな情報が入つておりまして、相当な大きな災害でございます。災害につきましては御承知のようにこの法案でもそうでございますが、現在のところにおきましても、中央からのいろいろな指図をするというようなことでは間に合いませんので、第一線の都道府縣知事が責任を持つてやるという態勢になつております。縣がいろいろやりまして、縣だけでいろいろな措置のできないもの、例えば物資がないとか、或いは又財政におきましての点から中央の援助が要るというふうな場合には中央に援助を求めて來る、或いは医療班が不足しておるというようなことであれば、それの点を隣の府縣、或いは又中央に派遣を願うというような建前になつておるわけでございます。今度の災害の起きましたときには、まだ御承知のように法案は國会において御審議中でありまするので、これを適用するということは勿論できませんのでありますが、大体この法案に準じまして、法律でなければならない、例えば権力を利用いたしますとか何とかいうふうなことはこれは勿論できませんのでございますが、その外政府の行政措置としてやり得ます方面は、この法案に準じて措置をして行こうじやないかというふうなことに大体すでに部内で意見を纏めまして、そういうふうにやつて参つておる次第でございます。順序を逐うて申し上げてみたいと思いますが、一番中央として……、縣ではいろいろ措置をとつて頂いておりますが、中央として縣からの要請があり、一番困つており、而も緊急の問題は、その水を冠りまして水がまだ停滯しております滯水地滯と申しますか、ここらに人命の救助或いは物資の輸送というような点から、船が非常になくて困つたという点でごザいます。これはいろいろ隣縣からも御援助を願い、或いは連合軍の司令部からも御援助を願いまして、埼玉縣におきましては約百七十くらいの船が動いておるのであります。東京都下におきましては約五百隻くらいの船が動いておるようでございます。この船は御覧になつた方もございましようと思いますが、必要といえばもう必要でございます。併し何としてもそう沢山集めることも実際できません。ここらの点もこの前の本委員会において御審議頂きました強権というふうな問題と関聯するのでございますが、船が集まつておつてもなかなか相談が纒まらないという点が困つておる実情でございます。これは昨日衆議院の委員会においても委員の方からお話がございましたが、埼玉縣知事におきましても、船があつて見ておるのですが、なかなか相談が纒まらないためにこつちに急に使うことができなかつた。手間をかけて出たのもありますし、又出なかつたのもございます。そういうふうな実情でございます。それから次に問題になりましたのは物資の問題でございます。以前は軍の放出物資が若干ございまして、これは南海の震災等におきましても相当乾パン、罐詰或いは被服というふうなものが県に手持もございましたし、中央におきまして若干廻せるようなものもあつたのでございますが、あれは大体申しますと、今年の四月末を以てあの物資を全部放出せよという連合軍の指令でございまして、大体放出いたしました。救濟用というふうなものが現在手持がなかつたのであります。從いまして縣におきましてこんな多数の、百数十万というような罹災者を出しました災害については、物資の要求というものが非常に多かつたのでございます災害が起きますと同時に……。これは大臣から或いは申し上げてあると思いますが、厚生省におきましては罹災者に最低どれくらいのものをやつたらいいかというふうなことが、日常のものでございますが、繊維類、毛布その他服なり、或いは靴下、タオルというようなもの、それから日用品でございますが、流されましたものの鍋、釜或いは湯沸し、庖丁、石鹸、マッチ、蝋燭、ちり紙というようなもの、それから杓子というようないろいろな最低の日常生活の必要なものが流れて困つておるというので、一應これらのものを大雑把に組みまして、農林、商工に対しまして、これくらいのものを縣に目安として指示しておくから、計画を立てて送つて頂きたいというふうなことをお願いをいたしたのでございます。これは農林商工におきましても御協力を頂きまして、一遍にはなかなか纒まりせんので、逐次第一次、或いは第二次というふうにいたしまして、東京にありますものは東京から、或いは新潟、関西等にありますものはそれらのところから廻して頂いて、藥等も厚生省が持つておりますものを掻き集めまして現地の方へ送つたというような事例でございます。それから厚生省でできますことといたしましては、引揚援護局の保有いたしておりまする若干の物資、衣料約四万点、食器類その他一万七千余点というものを関東の四縣に配布をいたしました。それから御承知のララの物資、アメリカから参つておりますララの救援物資を中央委員会におきまして今回の災害の非常に大きいということをあれしまして放出をいたしました。食糧約五十万ポンド、それから石鹸二万二千五百ポンド、衣料二十七万九千余点というものを出しております。これが二十二日頃近縣へはもうすでに着きましたし、遠い所は輸送中のものもございます。交通がつきますると送るというふうにいたしましております。それから時間が段々経つて参りまするというと、毛布のごときものが非常に、殊に避難所を沢山作るというふうなことになつて参いますると、毛布のようなものも要るというようなことから、第二復員廳にお願いをいたしまして、毛布約十二万点ばかり出して頂くことになつております。それからその他若干の繊維類も復員廳で手持のものを出して頂くように昨日相談が纒まりまして、縣の要求によりまして配布する準備をいたしております。
 物資の点は以上の通りでございますが、尚この物資の点につきまして、順序が前後いたしまするが、御承知のように政府におきましては十八日の日に関東東北風水害應急救助対策委員会というものを作りまして、西尾官房長官を委員長にいたしまして、関係各省の次官局長を委員とし、それからその下に幹事がありまして、関係各省の課長を幹事といたしまして、社会局長であります私が幹事長というふうなことでやつております。手許に配付いたしました資料の中にも委員会の模樣が書いてございますが、十七日、二十日、二十二日と連日委員会或いは幹事会を開きまして、その場でいろいろ各省連絡を取りまして物資の輸送や、その他應急の対策を協議し、單に協議するだけではございませんで、その場で決めて頂くというふうに迅速に措置をいたしております。例えて申しますれば、丁度委員会を開いておりました二十日の日だと思いまするが、岩手縣の総務部長が参りまして、太平洋沿岸の一部の岩手縣の住民に対する食糧、主食が非常に交通の関係で備蓄がなかつたのに災害で止まつたというようなことで、米の手配、主食の手配ができない。それで非常に緊迫をしておるから送つて呉れというふうな話がございました。それで直ぐ委員会でその問題を取り上げまして、農林省の方からどこに物があるかということを、又運輸省からは直ぐ船の手配をいたしてくれまして、二日くらい後だつたと思いますが、横浜から釜石、大船渡、それからもう一つ鮫港へ二千五百トンの食糧の海上輸送をいたしまして、右申しますのは、委員会における関係各省と連絡をとりまして、輸送をいたしたという一つの例でございます。細かいことは資料にありますように、委員会で或いは塩の問題、或いは蝋燭がないために、燈油の問題とか、或いは通信輸送とか、いろいろ協議をして、その場で解決をいたしております。これは申すまでもないことでございますが、災害救助法案にありまする。中央地方におきまする、中央におきましては災害救助対策協議会が法律ではできておりませんけれども、便宜措置といたしまして、関係各省のものを集めた應急の措置でございます。平時からこういうふうな準備をしておきたいというのがこの法案の、委員会の構想でございます。それから一々縣へ連絡をとつて、例えて申しますと、物をどこで用意したか、縣廳はどういうコースをとつて行くかということは交通が混乱しておりまして非常に面倒でありますから、小さいことでございますが、社会局の中に関係府縣の災害対策の駐在員の事務所を設けて、そういう便利が欲しい府縣におきましては係りを派遣さして來れば各省はそれを利用するということを申しました。これも資料に頂いておりますが、現在多数の府縣の方が現地におきまして、関係省の連絡がありますと、直ぐこちらから現地に手配をしておるというような実情でございます。
 次にこの罹災地で一番困つております問題は飮水の問題でございます。これは主として埼玉、東京の冠水地帶に関する問題であります。群馬或いは茨城というような縣も小さい部分はまだ水を冠つておるところもございます。そこらに対しまする給水、消毒の点でございますが、皆水を冠りましたのでクロール・カルキを入れますとか、或いは濾過機というようなもの、或いは民間から、或いは軍が持つておつたもの、或いは又進駐軍から頂くとかいうふうなことにいたしまして、若干ずつ備えております。これは非常に不足でございますが、段々水が引いて参りますと井戸を消毒いたしますので、飮水段々良い状態になつております。
 次に東京、埼玉における冠水地帶の物資などの補給の問題でございます。御視察を頂きました方は御存じだと思いますが、非常に深い水になつておりまして、農村のことでございまするので、何町、或いは何十町も離れて一軒ぽつりとある農家のごときものが、水の中に孤島のように残つております。これは数が非常に多うございます。これに毎日食糧、これは勿論炊事などできません。炊出しの食糧、或いは水その他の日用物資を運ぶというようなことをやつておつたのであります。これは数が多いので、或いは残されることもありましようし、或いは又非常に非衞生でもあります。防疫の点からいいましても非常に非衞生である。或いは人命救助という点から申しましても非常に困るということで、昨日新聞で御承知のように、これらの危い者だけを避難所に收容するという措置を講じまして東京、埼玉におきましては避難所を用意いたしまして、ここへ容れることにいたしたい。東京は大体二十万人を容れる避難所を用意いたしております。現在では十数万が避難所に入つております。水が引きますれば帰つて参ります。ここらでさつき申しました毛布であるとか、或いはその外の衣料を用意するということを取敢ずやつておるような実情でございます。東京都に対しましても毛布なりを現在東京都の手持のものを含めまして、九万枚弱のものをすでに配給をいたしております。
 それからこの法案と関連がありますので、申し上げさして頂きたいと思いますが、日本赤十字社その外の民間團体の活動でございますが、災害に対しましては、勿論日本赤十字社或いは同胞援護会、或いはキリスト教團等、社会事業團体或いは宗教團体等の救護班或いは医師会というようなものから非常に御援助を願つておることを申し上げたいと思います。日本赤十字社はこの法案によりますと、こういう民間の團体の連絡統制に当るということになつております。從來は政府が中心になりまして、義捐金募集というようなことをいたしておつたのでございますが、今回の災害から日本赤十字社が関係の人のお集まりを願いまして、義捐金の募集というようなことを呼び掛けて実行をいたしております。
 防疫の点もございますが、私の所管でありませんので余り詳しくは申し上げられませんが、現在までのところでは、聞きますところによりますると、まだそう大した害を及ぼすという情勢は起つておらんようでございます。衞生上関係当局におきましても或いは薬を送りますとか、或いは診療班を送りますとかいうようなことで、大体医療班、防疫対策班というようなものを配置をいたしまして、万全を期しておるように伺つております。
 次に問題になりますのは府縣がどんどん災害の救助をいたしております。殊に大きい災害がありました所は縣廳に手持の金がないということが、今困つておる問題の一つでございます。災害救助法案の第三十六條によりまして、或一定額以上、縣々でこれは別でございますが、に達しましたものについては、法案に決まつておりまする補助金を出すということになつておりまするが、この点も大体法律は決まりませんけれども、政府の行政措置としてこの法律の線に沿うて決めようということに話を決めておりまして、今大体應急救助の國庫補助基本額というものを決めております。昨夜は大藏省も私の方も徹夜して折衝をいたしまして、大体の数字が出ましたので、恐らく本日中には各府縣に対しまする補助の基本額、言葉を換えて申しますれば、救助を要する程度或いは種類を一應こちらで決めまして、概算的に地方にこれくらいの金額が行くであろうことをお示しする積りでございます。これは至急にお示しいたします。そういたしますると縣におきましては、この法律に準じまして計算をいたします。自分の縣はどれくらい補助金が貰えるか、縣自体でどれくらいの金を調達すればいいかということが分るわけであります。そうなりますると縣ではこれを日本銀行を通じまして、大藏省の措置で貸出して頂くことになつております。そうなりまするとその金額を借りることができまして、そうして活動をして参ります。國庫補助が行きますれば國庫補助によつてその金を返す。縣で持つものは縣で返すという措置ができることになつております。大体以上の通りでございます。
 昨日衆議院でも或委員の方からお話になりましたが、委員長から特に困つているような問題を申せというようなことがございましたが、西村埼玉縣知事はトラックを調達するのに、非常に苦労したようでございます。若し強権があれば大変よかつたというふうなことを、朝日新聞の座談会にも見たようでございましたが、私もお伴して参りまして、その話を聞いたのでございますが、申しておられたことでございます。話ずくで行くべきことは勿論のことでありまして、やたらにこの権限を濫用すべきではありませんが、話をいたしましても話がつかない、こういうときにはやはり緊急止むを得ん差迫つたときにおきましては、こういうふうな法規の根拠が要るんぢやないかと手前味噌のようでありますが、そんなふうに感じておる次第であります。一應申し上げまして、尚足りません点は御質問によつてお答えを申し上げさして頂きたいと思います。
#4
○委員長(塚本重藏君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#5
○委員長(塚本重藏君) 速記を始めて下さい。私ちよつと委員長席を代つて頂きますが、どうぞ十二分に御審議を進めて頂きたいと思います。
   〔委員長退席、理事谷口弥三郎君着席〕
#6
○政府委員(葛西嘉資君) 千田委員から東北を抛つておくというような意味のお話がありましたが、これは実はそういう意思は毛頭ございませんのです。ただ遺憾なことは交通が非常に不便であり、それから情報が分らなかつたということと、物資を送るにしましても非常に送ることが面倒であるために用意しながら送れないでおる物資のあることを一つ御了承願いたいと思います。例えて申しますとララ物資のごときはすでに現品は二十二日に着いておるのですけれども、送る方に非常に苦慮いたしておる点を御了承頂きたいと思います。その他政府でできますことは、今回も関東東北風水害対策委員会というふうにもなつておるのでありまして、東北を決してないがしろにしておるのではない。むしろ私共といたしましては、東北の状態はどんなであろうかと非常に心配しまして情報が分る都度、これは私共だけではありません、農林、商工等の産業省におきましてもその通りでありまして、これは併し離れておるものはとかくあれでありますので、是非やらなければならんと思つておることを申し上げさして頂きます。
#7
○安達良助君 只今千田君から東北の水害に対しまして、関東に比較すれば非常に生温いような感じがすると同時に、これに対しまして緊急な対策が講ぜられなかつたという声が住民から強かつたということは、私山形縣の選出議員といたしましても、これに対しまして非常に共鳴するものであります。私が山形から帰りまして、この議会に出ましたところが、実に関東地区に対しましては、非常なるところの努力を拂つておりましたが、東北に対しましては、非常に閑散であるということは事実私もその空氣に接しましたので、是非只今千田君が申されました東北に対しましては、是非應急に絶大なる施設を一つ講ぜられんことをこの機会にお願いしておく次第であります。
#8
○藤森眞治君 この二十三條の救助の種類の点についてお伺いしたいのですが、この中で金に関係のあるのが第五の項目、「生業に必要なる資金」こうなつておりますが、この非常災害の際におきましては、罹災民の預貯金というものが非常に重大な関係を持つのでありまして、勿論食品或いは衣類その他の物資の必要は申すまでもありませんが、その次にすぐ起つて來ることは、自分の持金のこと或いは預貯金のことでありまするが、罹災いたしまして、貯金通帳の紛失或いは流失或いは燒失、こういうようなことがありますので、これに対しては罹災民の預貯金に対してはどういうふうな御処置を取られますのか、それを伺いたいと存じます。
 それから第二に二十四條等に三十二條を関連して考えて見ますると、救助の主体、殊に医療救助の主体は赤十字社がやる、こういうことになつておりますが、果してこの赤十字社ですべての救療の責任が持てるかということに私共は少々危惧の念を抱くのであります。これまでの各種の災害を見ましても、先ず一番先に救療をいたしましたのは、これは医師会員が活動しております。この医師会員が活動いたしますると同時に、赤十字社も活動しておる。各種の災害を見ましても亦各種の報告を見ましても、一番先に一番適切な救療を行つたのは医師会の会員であります。殊に地元の医師会の会員がやつております。これについて医師会或いは地方の医療関係團体というものを、これを全部赤十字社の下に置かれるということについては、少し考えさせられる点がございますので、これによつて赤十字社に主体を置いて、そうして万全が期せるかということにつきましての御所信を承りたい。この二点を御質問いたします。
#9
○政府委員(葛西嘉資君) お答え申し上げます。第一にお述べになりました点、法律上の点をちよつと申し上げますが、仰せのようにこの預貯金を出す或いはなくしたものをどうするかという点が非常に大事なことは、殊に今回の災害のごとき場合においては申すまでもないことでありまして、これは今回の委員会におきましても相談をしたのでございますが、当然中央におきまする中央災害救助対策協議会で相談をしまして、直ぐ決めることになるわけでございます。今回の実際の災害の場合におきましては、これは大藏省なり、それから逓信省の関係、郵便貯金、あれは逓信省ですが、特例を執つたようであります。自由支拂の特例でございます。今具体的にどうこうということはちよつと資料を持つておりませんので、具体的にどうしたかということは、御必要でございますれば、すぐ聽き合せましてお答え申し上げたいと思いますが、そういうふうな措置を執つておるはずでございます。法律的には即座にこの委員会で決めて直ぐやる。これは十八日の日にそういうことをすでに処置したということを逓信次官から報告のあつたことを私記憶しております。それから第二の点でございますが、医療救助と日本赤十字社との関係でございますが、医療救助は勿論この法律によりまして、都道府縣知事が責任を持つてやるのでございます。医療救助は知事がやるわけでございます。ただこの條文にもございますように、第三十二條でございますが、知事が日本赤十字社に委託できることになつております。現在では日本赤十字社は相当な医療組織を持つておりますから、医療をするその行爲を知事の監督の下に医療するという、その仕事を委託するということをするわけでございます。委託によつて実際の医療行爲を日本赤十字社がする。それで医療救助というものは知事がやるということになるわけであります。
#10
○藤森眞治君 第一に質問いたしました預貯金のことでありまするが、成る程これは非常処置が執られるのが当然でございまして、執られなかつたら間違つておるのでありまするが、なぜこれが災害救助法案というものに、表面に出してはつきりとこの條文の中に表すことができないかということ、それからその次の問題になりまするが、私は先程二十四條と三十二條の関連性ということを申しましたが、勿論都道府縣知事が行うことになつておりますが、これが三十二條で「実施に関して必要な事項を日本赤十字社に委託することができる。」、知事が委託した場合にはこれは全部が赤十字社の手に入るこういうことになります。その場合に只今申しました医師会初めその他の大きな医療機関との関係が、果して円滑に行くかこういうことであります。
#11
○政府委員(葛西嘉資君) 重ねてのお尋ねでございますが、預貯金の方は、多分これは聽き誤りがあれば訂正さして頂きますが、郵便貯金の場合は、二百円以下の郵便貯金の拂出しについては、取敢ず通帳は不要ということに……、一世帶五千円以下の自由支拂というものを、大藏省関係では罹災者については認めるというふうな措置を執つておるというふうに、これは今係員が記憶しておる点を申し上げます。それから、そういうふうな預貯金の拂出しというふうな問題を救助の種類に入れるかどうかというふうな御質問であつたように思うのでございますが、これはそういうふうに申しますといろいろなものがあるわけでございます。これはやはり緊急措置としまして、協議会で決める救助の実体の預貯金の拂出しとは少しく違うように思いまして、救助の種類からは、この拂出しということを除いたわけであります。ただ併し先程申しましたように、中央でありますれば、第四條にありまするような、委員会で直ぐそういうものを決める。或いは決まつておりますものでありますれば、例えば運輸省関係の罹災地に対しまする運賃の減免というふうな問題は、もう例になつておりますので、委員会を待つまでもなく、災害が起きたら直ぐそういう措置を執るということもあろうかと思います。当然そういうふうになるべきものと思います。それから医療救助の第二の点でございますが、これは医療救助の実体は都道府縣知事が全部責任を持つてやることになつております。ただ日本赤十字社というものが、これは各國の赤十字社の例とでも申しましようか、万國の赤十字社の申合せでも、各國の赤十字社はこういうことをやることを目的としてやるのだ、こういう申合せがございます。その中にも災害救助というような点に非常にやるということが書いてございます。戰爭がなくなりました後の日本赤十字社としては、当然罹災救助というふうなことをやるべきでありまして、すでに本年の初に日本赤十字社は、御承知のように定款を改正いたしまして、みずから災害の救助をやつて参るというふうなことを謳つてあるのでございます。今回この法案におきまして、日本赤十字社は各方面で災害救助で民間の團体として取り上げました所以のものは、そういうふうな國際的な点を考えまして、或いは又救助というふうなものを迅速にやつて参ることになりますれば、万國的な、世界的な、特にアメリカの赤十字社というふうなものからも、人的或いは物的の援助というふうなものも得られることが期待できるというふうに思うわけでございます。そんなふうなことから、現在の日本赤十字社は、御承知のようにまだ非常に弱体でございまして、とても大きなことは期待できないと思います。併し赤十字社自体が、殊に戰爭がない日本におきまする赤十字社の行く道、或いはこれを活用するというようなことから申しますれば、相当な責任を負わせまして、そういうふうな線に沿うて、向うの方でも努力して貰うということがまあ適当じやないかというふうなことで、各條文に現れておりますように、或いは事業の委託をするとか、或いは直接なこの救護の民間活動に対する連絡統制の責任を負わすとかいうふうなことをやつた……、責任を負わしたわけであります。殊にこの委託の事業というようなものにつきましては、赤十字の組織が相当完備されることを待つて委託をするというふうなことでなければならんと思います。取敢ず法律が御決定になりましたあとにおきまして、委託をいたしたいと思つておりますものは、医療救護の仕事を府縣知事が全部やります。府縣知事みずからやるものもございます。或いは民間の只今仰せになりましたように医師会の援助でやるのもありますし、それと絡んで日本赤十字社にも仕事を委託してやらせる。知事の監督の下にやらすというのが三十二條の趣旨でございます。漸を逐いまして、いろいろな事業も委託して参りたいというふうに思つておりますが、これは組織が整備されることを待つてでございます。御承知のようにアメリカ等の赤十字におきましては、災害が起きましたときに、第一線で一番すぐ働きますものはアメリカ赤十字社というように、すぐ働くような機構になつておるそうでございます。お互い罹災民を助けて行こうというふうなことの、博愛の精神を持つた赤十字社が行つて参るというような方向については、是非そういうふうにして行きたいものだというふうに考えております。これは今すぐとてもあの赤十字じや賄いかねることはよく承知でございますが、そんなふうに政府でも援助いたしまするし、或いは國会の方々、或いは民間の方々あたりからも御援助を願つて、その方向に参りまして、やがては國際赤十字社の列に加わつて、相当幅をきかして行く赤十字にして参りたいというふうに考えております。
#12
○千田正君 政府御当局にお願いしたいと思いますのは、今度の災害救助法案の中に勿論盛られてあると思いますが、直接この度身に沁みて感じたことは、主要食糧の問題について、隣縣に救援方を申請した場合に、隣縣には農林省当局から、それを災害地に向けてよろしいという指示がないから出せない。殊に今度問題になりましたのは、塩干魚その他の水産加工品を至急に災害地に廻して貰いたいという懇請があつて、隣縣は手持品をそれなら廻してやりたいけれども、政府当局からの指示がないから廻せない。こういう誠に政府の理想とするところと現実は矛盾しておるという点が多々ありますので、この際災害救助法案にそうした緊急措置を講ずる方法を執つて貰うような案を一つ入れて頂きたい。この点を特にお願いしたいと思います。
#13
○政府委員(葛西嘉資君) お答え申し上げます。急な場合に隣から、すぐそこにあることが分つておつて、欲しいということはこれは申すまでもないことでございます。物が統制になつておりますると、なかなか今のような、又出す方の縣からも心配があるわけでございまするので、法律といたしましては、この点は、主務大臣が府縣知事に対して、そういうふうな命令をするという根拠が三十一條であります。これは縣の方から電報なりなんなりで一つ指示を仰ぎますれば、中央の協議会におきまして即座に隣縣にそういうふうな應援を命ずるというような措置を執ることに決めております。
#14
○千田正君 併しこの度のように通信も連絡もできない。今日に至つても政府当局から調査團も出ないという状況において、現実明日の食糧に窮しておる者に対して、隣縣が出そうという意思があるけれども、政府の指示がないから出せない。こういうようなことがあつてはいかんから、この救助法においては、各府縣知事にそうしたあれを持たしてやつてはいかがかということを特にお願いしたいと思うのです。
#15
○政府委員(葛西嘉資君) 差迫つた場合には、今千田委員から仰せの通りに思いますが、又物資の点から考えまするとなかなか面倒な点もありまして、一應まあ大臣に指示を仰いでやる。それから隣地におきまして現に今のような問題は、埼玉縣の災害に対して、或いは東京の災害に対して茨城、或いは千葉縣に同じような問題が起きております。これは両縣知事の話合いで相当程度うまく行つておるようにも聞いております。現に茨城縣知事は、昨日私お会いいたしましたので、どんどんと救助をやつておるのだということを茨城縣知事は申しておりました。これらの点も中央におきましては、或いは中央の協議会等で、今のような状態が必要でありますれば、中央協議会におきまして事前に、そういうふうな予想し得べき点について或程度の計画を立てて置いて、これを知事に示して置くというふうなことも、この法案の下において或程度は可能かと、これも相当大になりまするとなかなか面倒でございますが、或程度は可能かというふうにも思つております。これはいずれ中央委員会ではそういうふうな事前計画も立てることになつておりますので、今回の実例と、今千田委員の仰せになつたような点をあれしまして、事前の計画によつて、そういう緊急の場合の、而も交通等ができない場合の緊急措置というものは或いは決めておいて、或程度のことはできるようにして置かなければならんのじやないかとも思います。
#16
○千田正君 特にお願いいたします。それは通信も交通も跡絶えて、何等の方法も付かないというときの緊急処置ということを十分に考慮して頂かないというと、この法案が実際に即さないということになりますから、特にこの点をお願いしたいと思います。
#17
○井上なつゑ君 ちよつとお伺い申し上げたいのでございますが、実はこの間、私群馬縣の水害の方に参りませんでしたが、去る二十四日のお休みに機会がございましたので、東京都の足立から葛飾、中川堤の方を見せて頂きましたが、そのとき承りました話で、大変緊急を要します藥品を送つて頂きますのに、ルートがはつきりしておりませんので、送つたという所で受取つていなかつたり、こちらで受取つたりしておりましたが、こういうようなルートなんかもはつきりお決めになつて頂きたいと思いますが、その点を一つ伺わせて頂きたい。
 それからもう一つ小学校で大分沢山避難民を容れておりましたようですが、あの小学校にいつまでああして避難民を置いておりますか存じませんが、とにかくこの月中学校を休むということでございまして、中には小学校に置いて頂いたので非常に都合がよいので、暫らく学校に置いて貰おうかなどと言つておる家族もあるというようなことでございましたが、それらの人の收容対策をどういうふうになさいますか。
 それからもう一つ、只今藤森委員から出ました赤十字の問題でございますが、私はあれは本当だと存じております。赤十字と申しますものは、手許に救護に出す要員を持つておりません。なにか事がございますと、招集して出して行かなければならないので、本当に第一陣には間に合わないのでございます。今度でも伺いますと、第一陣には保健所と開業医の方が活動しておられます。それから赤十字が要員を作つて出しておるというようなことも承つて参りましたのでございますが、そうした非常時の対策に保健所をどういうようにお使いになりますかということを承りたいと存じます。それから外から救護班が十班も二十班も参りまして、保健所の救護の仕方と一致しなくて齟齬を來しておるというようなことも見られましたのでございますが、それをどういうふうにお考えになつておられますか、そのことも承りたいと存じます。
#18
○政府委員(葛西嘉資君) 東京の災害地においでを頂きまして、実際に御覧になつての御意見有難く拜聽いたしましたのでありますが、藥が届いておらんということでございますが、非常に急な場合でありますので、或いはそのルートを間違えたりなんかしたようなことも実際私共も見て参つておりますが、最近は大分又秩序が回復いたしまして、どさくさがなくなりましたので、大分思う所へ届いているように思います。これらは地方災害対策委員会というものがこの法律によりましてございまして、平素からそういうふうな準備をしておりまして、こういう場合にはどういうルートを通じた物が流れるのだというような準備をしておく、都で持つておりますものは都で流す、いよいよ足りなくなれば中央に要請をして参る、中央が決めたものはすぐ都へやる、都へやりますと予め準備計画を立てておりましてそのルートによつてずつと流して参る。今回は誠にそういうようなことで若干の混乱のあつたことはよく承知しておりまして、申訳ないと存じておりますが、平素から協議会を作りまして準備をいたしておりますれば、そういうふうな混乱もなく行けるのではないかというふうに考えております。
 第二に御質問になりました避難所と避難民とのあとの点でございますが、こういう非常な際に收容する場所と申しますと、或いは公会堂とか、寺院とか学校ということが考えられます。それぞれ本來の使命を持つたものを使うより外、ちよつと急に建てるといつても間に合わんものでございますから、殊に收容します場合には、現在のところでは、先ず学校が一番多数收容できまするし、やれるものでございますから、先程私御報告に申し上げました東京都の二十万人の罹災者の收容というものも、主に学校を狙いにしておるのでございます。学校は申すまでもなく教育をやるべきところではございますけれども、やはりこういう際でございますので、暫くそつちの方の御面倒願つて、こつちの方でも成るべく早く水を引かせまして、避難所に居らねばならんような状態にいたしませんで、利根川の堰止め工事、或いは中川堤、櫻堤というようなものの堰止め工事も御承知のようにやつております。そうして排水ポンプもやつて成るべく一日も早く水を引かす、干水をさせるということにいたしまして罹災民が帰つて行けるようにする、そうすれば順次学校もできて行く。それからこれは埼玉縣の北部の決壊地区の大越村という所がございますが、あそこにも千名、段々減つておりまして一昨日くらいは七百名くらい收容をしておると思いますが、これらも段々親類縁者に行くとかしてはけて参りますれば、或いは二部教授というようなことで教育の方もやつて参らなければならぬのじやないか、併し行く先のない者でございますので、暫くそつちの方も我慢を願わなければならんのじやないかというように思つております。
 それから最後にお述べになりました行く先のない者がここがいいからといつて居坐つたらどうするかという点でございますが、これは実は全般的な住宅拂底の現在の模樣から申しますと、実に困つた問題でございます。今回の災害につきましても資材は非常に不足でございます。併しこの少い中を割きまして戰災復興院におきまして数千戸の住宅を建てる計画、應急の住宅でございます。その計画を今立てております。これで全部賄われるかどうか分りませんけれども、そういう所へ移つて貰うというようなことにいたしまして、できるだけ速やかに避難所におることを解きまして、本來の用途に使うようにしなければならんのじやないかというふうに考えております。戰災復興院の計画は具体的に幾らになりましたか、幹事会では数千戸を建てるのだというような計画でございます。具体的には大藏省と打合せをして数字が決まることと思います。資材等が非常に不足で思うように参りませんが、これは優先的に作るのだということでございます。
 第三の赤十字の点でございますが、赤十字社はやはり本來なかなか活動ができんのじやないか、保健所或いは開業医というようなものが熱心にやつて頂いておるということでございますが、赤十字も活動しておらんのじやございませんで、実際は相当やつております。まだ併しなかなかこの法律が期待しておるような十分な活動ができない状態でありますことは、これは率直に認めなければならんと思います。赤十字の当局におきましてもその点は実に残念だというふうに申しておりますが、御承知のような赤十字も先ず資金を集めなければならんというようなことで苦慮もいたしております。それからそういうふうないろいろこの線に添う計画も今準備をしておるところにこの災害が出たのでございますから、十分なことが行かないのは大変遺憾なことでございます。保健所或いは開業医の方が活動しておられること、御説の通りでございます。私共も見て参りました。保健所或いは開業医というようなものがどういうふうに活動するかと申しますと、これは府縣知事がやはり保健所を管理いたしております。府縣知事が保健所をこういう災害の時に活動させること、これは当然のことでございます。こういうときこそ活動して貰わなければならんのでございます。全面的に保健所というものを活用して医療救護或いは防疫に万全を期さなければならんというふうに思つております。その際に先程申し上げましたように、赤十字が段々と成長して参りますれば、漸を逐うて赤十字の本來の使命が果して行けるのじやないか、將來に期待をして頂きたいというようなつもりでございます。
#19
○米倉龍也君 本日この法案の審議の時に、十二條、十三條を特に中心にしてやりましたので、全体の法文の関聯から更にお聞きをしなければならないところを発見したのですが、十二條にありまするこの措置は、大体二十六條を参照して見ますると、專ら災害の起つておる時でなくて、事前の措置に関することを意味しておると思われるのですが、やはりこれと同じ事柄が二十六條の第一項の後段の方に示してあります。この二十六條は当然今將に災害が起つてそれを救助する、その時のことを書いてあると思いまするが、そういうふうに承知していいのでありましようかということと、そういたしますると第十二條の物資の保管という問題で、これが強権発動によつて、勿論最後に行われるのでありましよう。これは傳家の宝刀で、そう出すべきものでないでしようが、いずれ強権も出るでありましようが、一方保管を命じられる者から申しますと、それはいずれも業とする者でありまして、それが営業であります。それらの物資の販賣、配給、生産というような事業をしている者に保管を命ずる。ところが物資によつては常に長い間保管することのできない物もあります。いつも取替えるというような、そういう実際の品物に取扱の措置というようなことは非常にむずかしいことが起ります。そういう点をどんなふうにお考えになつているか。又業とする者に物を保管させるというので、これはただ保管させるのでありますか。その物資は一應政府なり、或いは府縣なりが買い上げて、そうして管保さしておくのでありましようか。これは非常に重大なる結果になることであります。又若し買い上げてやるということになれば、今度は莫大な経費が必要になるので、そういうものはどこで出すのですか。この救助資金というようなものを一應そういうようなものに充てることができるのか、ただ保管させるということだけでは非常に不安であります。その点をお伺いいたしたいと思います。
 それから第二十四條の第一項に、都道府縣知事は特に必要と認めた場合には、医療、土木建築工事又は輸送関係者を、とありますが、これで輸送関係者を救助に関する業務に從事させるというふうに解釈されるのであります。それから「第三十一條の規定に基く主任大臣の命令を実施するため、必要があると認めるときは、医療又は土木建築工事関係者」と書いて輸送関係者というものを書いていない。その次に第二項に、輸送関係者に対しては鉄道局長又は海運局長が救助に関する業務に命令をもつて從事させるというふうに書いてあるのですが、私の申しました初の、都道府縣知事云々の方では、輸送関係者を從事させることが都道府縣知事にはできて、「三十一條の規定に基く」の方ではそれが鉄道局長又は海運局長でなくてはできないというように見えるのですが、そういう点をお聽きしたい。この文句で「特に必要と認める」という文句と、ただ「必要と認める」というふうに、同一條項に必要という字が二つあつて、而も「特に」ということを加えてあるのとないのとあるが、そういうことは第二十六條にもあります。又第二十四條の今の、輸送関係者を、なんとかこれを「又は」という字でも入れなければ、その次の二十六條に、「特に必要があると認めるとき、又は第三十一條の」と書いてあるように、第二十六條にも「又は」という字句を入れておきますれば、非常に意義が分るのですが、第二十四條の方では三十一條云々のこととの関連が少し不明のように思うのでこれを一つ……。
#20
○政府委員(葛西嘉資君) 第一の御質問の、十二條とそれから地方長官のやる第二十六條との点でございますが、仰せのように第十二條の方は事前の措置が比較的多いのじやないかというふうに思つております。
 それから二十六條の方は災害の起きた場合が主になることは御意見の通りだと思つております、と申しますのは、実際災害が起きてやる場合は地方長官がおやりになります。中央の方は先程來申しておりますように、中央では地方長官の申請を待ち、或いは平時に地方で災害が起きた場合にこれを全國的にいろいろやるという点になりますので、自然そういうことが多いだろうというふうに思われます。十二條はそういうものが非常に多い。併し十二條といえども起きた場合、例えば今回の水害のようなときであつても、八條によつていろいろな計画を実行するというようなことになりますれば、実行しなければならないというようなことがあろうかと思います。中央、地方のそれぞれ受持つておる分野の関係上、今仰せになりましたふうに考えて大体はよいと思つております。
 それから第二にお尋ねの各條分に出ておる保管ということについてでありますが、保管は御指摘のようにこれを買收してやつていくというのではございません。災害が起きたときにはこれを出して頂きたいというようなことを言つたときに、ではそれだけの数量が出るように業者の人に手持を持つていて頂きたいということでございます。從いましてこの運用如何によりましては今御心配になるようないろいろな、或いは腐つてしまうというふうな問題が起きたり、或いは又賣れないというふうな問題が起きる場合が非常に多いのでございます。これは勿論そういうことをいたす意思はございません。災害で必要である最小限度にやつて参りまして、不必要にこの規定を適用すれば仰せのようになりますが、そういうことはございません。現に衆議院の昨日の委員会においてもこの点は殊に下級官吏がこういうことをやつては非常に困るというような嚴重な附帶決議がございまして、戒められておるわけでございます。第一線に対しましても特にそういう点は私共注意をしてやりたいと思つております。要するに無理をしない積りでございます。腐るというようなときに尚保管をさしておくということは、これはあり得べからざることでございまして、そんな点は十分に注意してやりたいというふうに思つております。
 それから第二十四條の点に関連しての御質問でございますが、仰せのように二十一條の第一項の輸送関係者の救助業務に從事させる場合でございますが、第一項と第二項と書き分けてあります。第一項は自分の縣内の土木などの場合をいうのであります。第二項の方は例えば東京に災害が起きたけれども、千葉縣から輸送関係者の協力を求めるというような場合には、東京都知事が千葉縣の輸送関係者に命令をするということは如何かというふうなことで、鉄道局長又は海運局長にお願いをするというわけでございます。ところが東京都知事が東京都におる輸送関係者に命令をいたします場合は、東京都知事は自分で命令する。隣りの縣に援助を求めるような場合には、千葉縣知事の管下にある輸送業者に対して命令するとございますので、鉄道局長又は海運局長にやつて貰うというようなことに考え分けたわけでございます。それから次にお尋ねになりました、必要があるとき或いは特に必要があるときというように書き分けてあるのはどういう意味かというふうなお尋ねでありましたが、第二十六條にあります特にというのは、知事が單独権限でやるときに特に嚴重にする氣持でございます。三十一條のように主務大臣が命令を実施するときは多少この氣持が違つて來るというふうなことで、又そこを書き分けておるわけでございます。勿論こういうふうないろいろな根本措置をいたしますときには、地方におきましても、中央におきましても、それぞれ中央並びに地方の災害救助対策という協議会があります。この構成員はこの法律にもございますように、官吏の人の外に赤十字の関係者或いは民間の学識経驗者というふうなものを加えておりまして、そこで相談をすることにいたしております。中央でやります場合には、多少特にと言わんでも分つておるじやないかというぐらいな心持が現れておるものと御了承を頂いてよろしいと思います。それから又その次に御質問になりました二十四條の第一項で「輸送関係者を、」とやつてありまして、そこに何か言葉がないとちよつとおかしいじやないかというふうな御意見、殊にこの二十六條でも必要があるとき又はというふうに書いてあるが、これは又はがあつた方がよいのじやないかというふうな御意見の御質問であつたように拜聽いたしたのでございますが、これは二つのことを一條に書いてしまつたわけであります。と申しますのは、その前の方の救助を行うため、特に必要があると認めるときは、医療、土木建築工事又は輸送業者を救助に関する業務に從事させることができるというのと、それから又同じ文章を次にずつと又実施するため、必要があるときに関係者を救助の業務に從事させることができるという二つの文章を一つにやつたのであります。そういう場合には、條文の書き方としてこういうふうに又はというか、或いは及びということになるが、その及びを書きますと少しこんがらがつて來ます。むしろここで括弧でもして頂いて二つの條文が重なつておるのだというふうに読んで頂いて、これが法制局といいますか、日本の法律の、大変失礼な申し上げ方でございますが、書き方になつております。要するに二つの文章を一つにしたというふうにお読み頂いて、ここで括弧でもしてお読み頂くと分るように思います。そういうふうな書き方になつておるそうでございます。
#21
○米倉龍也君 今の十二條の点で保管についての御説明を承りましたが、まだその点がちよつと了解がつかないのですが、これは事前の準備の保管でありますので、今現に起つておるものの保管などは僅かの期間の間にそれが処置されてしまうのでありますので、これはそのまま保管して置くと言いましてもいいと思いますけれども、相当の計画を以て物資を備蓄しておるというようなときには、これはやはり備蓄の形式が保管であるならば、その保管に対する処置を一体どうするか。当然これは相当の期間……相当の期間どころじやない、常時備蓄でありますから、常時それが続いていなければならない。常時続いておる間に品物によつては取替えるというような実際の取扱処置は当然これは起ります。曾て軍が非常に備蓄したときに、途中で取替えるというようなことを毎年命令をしてやつておつたのです。これは了め計画を立ててやつておることでなければなんにもならない。相当長い期間を保管しなければならない、その点をお聽きしたわけであります。
#22
○政府委員(葛西嘉資君) 説明が不十分でございまして恐入りましたが、これは御承知のように、第四條にありますように中央協議会がございまして、ここで第四條の第二号にございますように、備蓄等に関する計画を審議することになります。これには今言いましたように、役人或いは民間の有識者というようなものが入つて頂きまして、無理のないようにいたしまして備蓄計画を立てます。その計画に基きまして十二條が発動して物資の保管を命ずるというふうなことになつて参るわけでございます。これは勿論先程も申しましたように、大変大切なことでありますから、もう一遍申し上げさして頂きますと、無理をしちやいけません。仮に第十二條第二項第三項にありますように、所定の手続を経、それから通常生ずべき損失を補償すると言いましても迷惑が掛かることでございます。これは十分注意をいたしてやらなければならんことでございます。それから今御指摘になりましたように、物等が相当期間常時要ります場合には相当入替等が必要であるというふうな点、これも全くその通りに考えております。これは要するに、と申しては大変恐れ入りますが、要するに無理のないように保管を命じて行くということをやらなければならん。その計画は八條四條というふうな所で十分練つて頂きまして、無理があるかないかというふうなことを十分練つて頂きまして、無理のない計画に基いて権限を濫用するようなことなく、やつて参るというふうなことにいたしたというふうに御了承を願います。
#23
○姫井伊介君 この救助に要するいろいろな物資でありますが、二十二條には、都道府縣知事は、物資及び資金の整備に努める、これは常に努めると書いてありますが、國といたしましてはさつきお話がありました十二條の関係のみでありまして、單に保管を命ずるといつたようなことですが、國自体としては平生から備蓄をされるお考えはありませんか。これは是非必要だと思うのでありますが、この点はどうなつておりますか。
 次は赤十字社との関係でありますが、第十七條には、「委員は」とありまして、二行目に行きまして、「日本赤十字社支部の長並びに」とあるこの長でありますが、長は今日は組織が変りましたかも知れませんが、今までは大抵都道府縣知事が支部長をしておつたのぢじやないかと思います。若し現在そのままだといたしますならば、これは運営上ちよつと変なことになりはしないかということが考えられるのであります。それと、もう一つは赤十字社の救助でありますが、第二十一條には「救助に協力しなければならない。」その救助は、二十三條で種類が決めてあります。この中赤十字社の使命に鑑みてやるべき救助としては、大体どれだけの範囲のものが考えられるか。若し法文の文字の上から申しますと、現在は十分な準備を持つていないでも、將來は恐らくこの全部をやり得るとまで考えられるのでありますが、その辺の見解がどういうふうになりますか。
 次は三十二條であります。「必要な事項を日本赤十字社に委託することができる」。救助の方はよろしゆうございますが、「應援の実施に関して」とありますその事柄であります。これは、先程井上委員もお尋ねになりましたが、赤十字社は非常時に際してはその救護班などを臨時に組織しなければなかなか間に合わない。この應援実施に関しまするいろいろな仕事は知事が無論やりますが、さつきのお話のように、やはりこの保健所法が出まして、保健所の設置が普及いたしますと、むしろ直接知事が監督いたしまする保健所乃至はその支所をいたしまして、地方公共團体以外の團体、又は個人がなす協力の連絡調整といつたようなものは、むしろそういう機関にさせた方が運営が早く滑らかに行くのではないか。その下において赤十字社は救護の実体機関として活動するといつた方が都合がよいのではないかというようなことを考えるのですが、その辺に対しましてのお考えを承りたいと思います。
#24
○政府委員(葛西嘉資君) 第一にお尋ねになりました占領軍の落下傘を使つておるということでございますが、大変今度の災害につきましては連合軍の方も保護援助をいたしておるのは御承知の通りでございます。只今のところではもう落下傘を用いてやらなければならぬ程急迫しておる所は先ずないように今までの情報では承知をいたしております。ちよつと速記を……
#25
○理事(谷口弥三郎君) ちよつと速記を止めて下さい。
   〔速記中止〕
#26
○理事(谷口弥三郎君) 速記を始めて……。
#27
○政府委員(葛西嘉資君) それから第二に御質問になりました第二十二條の第二項では、いろいろの備蓄の計画がある。國の方にはその計画が書いてないという点を御指摘になりまして、國としては備蓄の用意がないのかという点でございます。この点は特に地方廳に対しましては、そういうふうなことを法律で命じまして義務づけたのでございますが、國みずからがやる場合には書く必要がないというわけで、勿論國としても相当の備蓄をして、應急に部分的に起きた場合には分けて行かなければならぬのではないかというので、國としては備蓄するつもりであります。ただ法律上書いて置かなくても國会の議決を経てやるということが、法律がなくてもできますのでそれは書いてない。やる計画はあるというふうに御承知を頂きたいと思うのでございます。
 それから第三に、日本赤十字社のお尋ねでありますが、その中の第一のお尋ねになりました支部長の点でございますが、これは現在でも或いはまだ知事が支部長になつておる所もあるかと思います。で先般定款を改正いたしまして、選挙というようなことになつておりますので、或いは民間のお方というような者が出て來る場合も了想できます。將來出て來るじやないかというふうに思つております。それから赤十字についての第二の御質問でございますが、二十一條のこの救助に協力するという点でございますか、に関聯して、二十三條の救助にどのくらいの程度入るのかということでございます。これは初めにお断りを申し上げておきたいと思いますのは、日本赤十字社が現在の組織のままではとてもできないのでありまして、現在私どもが日赤に期待をいたすものといたしましては、先刻申し上げましたように医療救助が主でございます。それから第二にはこの義捐金の募集というようなふうなものを日本赤十字社がやる、官が呼びかけるよりも、むしろ民間團体としての博愛の精神を翳しておる日本赤十字社にやらせる方がいいのではないかというふうなことで、御相談をいたしまして、全國的に呼びかけまして、義捐金の問題は日本赤十字社に今回初めてやつて貰うということになりまして、救助に対する協力といたしましては、只今のところではそれくらいしかやつておらないというふうに了解しております。併し將來日本赤十字社がその本來の使命に、機構乃至人的物的の整備を終りました暁におきましては、救助が全般にも及ぶということが望ましいことではないかというようなふうに思つております。併し災害が大きくなりますれば、とてもどれだけやつても足りませんので、國なり地方公共團体というようなものが出なければならないことは分り切つておりますが、大体そういうようなふうな氣持でおります。それからこの三十二條の應援の実施を委託するという点に関聯しての問題でございますが、或いはこの点はちよつと見当違いになるかも知れませんが、救助自体は只今委託するというようなことは、今の医療救助以外には考えておりません。日本赤十字社の現状から申しまして、その外いろいろな各方面からの應援を実際いたします。これは都道府縣知事の監督の下にやるわけでございまして、そういうふうな業務を、縣廳なり或いはそういう市町村というふうなものが非常に忙がしくなりますので、そういうふうな事務等も委託をして、手を助けて貰つて、両方を第一條にございますように、國がやる場合も、地方公共團体、日本赤十字社その他の團体及び國民の協力の下に、この救助をやるのだというふうな点で、完備された日本赤十字社におきましては、そこらにおいてもお手傳い願えるようにしておくということを表現したつもりでございます。
#28
○千田正君 簡單に……。ちよつと政府委員にお願いしたいという点と聽きたい点があるのですが、この法案には罰則を設けておりまするが、又二十九條においてはこの業務に從事したものに対して疾病その他の災害を受けた場合は扶助金によつて支給するというような面がありますが、道義地に堕ちた今日において、先般も江戸川、中川における櫻堤の決壊に際しましても、住民のいわゆる激昂を買つたという点は、内務省及びその他の一つのセクシヨナリズムの禍いした、つまり緊急処置に出なければならないにも拘わらず、呆然として見ておつて、警官が行つても何らその処置を講じなかつた。土木出張所も何もやらなかつた。こういうような緊急処置をやらなければならないに拘わらず、やらなかつたという点は、この罰則の面においての條項を適用するかも知れませんが、又そういうときにおいて、いわゆる都道府縣知事その他が命じた以外の人が道義心を振い起して、本当に民衆のために救助をしたというような特殊な場合においては、何等かの方法においてことを褒めてやるべき方法を採るとかいうような方法は、法案以外に政府として考えるべきじやないか、殊に道義地に堕ちた今日においては、殊更にこうした社会愛、人類愛の行動を賞揚すべきであつたと考えるのですが、この点については何かお考がございますか、一應お伺いしておきます。
#29
○政府委員(葛西嘉資君) お答えいたします。誠に御尤もに拜聽いたすのでございます。協力しない、協力命令に違反するという者は、処罰の罰則を適用して参りまするのは、今お述べの通りでございますが、進んで協力をして貰つた者に対しては、感謝をし、これを表彰するような方法について考えておるかという点でございますが、これはこの第一條にもありますように、災害の救助というふうなものは、本当にみんな協力し合つてやるという精神、この法案全体が一つの協力で行く、博愛の精神で行くという今御質問のような精神で以てでき上つておりまして、先刻御質問になりましたこの強制というようなものは、もう一番後の、止むを得んとき、本当に万策盡きたときにやるというふうなことは、先日大臣もお述べになつた通りでございますが、ただ今協力した者をどうして表彰するか、政府が今どういうことを考えておるかというお尋ねに対しましては、これはもう非常に各方面御協力を願つておりまして、感謝の氣持で一杯でございますけれども、今具体的にこれをどう表彰するかという計画は、実は持つておりませんのでございます。その点御了承頂きたいと思います。それから先程私ちよつと申し上げましたときに、協力命令に対して罰則があるように言いましたが、その命令に対する罰則と御了承願いたいと思います。
#30
○千田正君 ちよつと簡單に……。実は今の何か政府が考えて頂きたいということは、先般も私は水害地の現場において、これは度々経驗したのでありますが、警官も、或いは縣廳の役人も或いは消防隊も、手を束ねて、濁流の中に呑み込まれて行くところの少年であるとか少女であるとか、或いは老婆を見て、手の下しようがない、そういう時に二人三人の青年の英雄的な行動によつて、濁流の中を泳ぎ切つて救い出される、而も縣廳その他の人達が当然注視しておるに拘わらず、どうにも手の施しようがない場合、敢然自分の命を顧みず飛び込んで行つて救つて來るというこういう道義的の行爲に対しては、私は一つこれは賞揚してやつていいんじやないか、そういう方面に対しても政府が十分に今後の理想的な政治を行おうとするならば、意を用ゆべきじやないかということを、特にお考え願いたいという点はその点であります。
#31
○政府委員(葛西嘉資君) 只今非常な勇敢な人命救助をするというような、本当に博愛の精神、みずからの身を投げ出してやるというふうな者につきましては、御承知のように褒章條例でしたか、がございまして、ちよつとこれははつきり知りませんが、四つばかり種類がありまして、その中の紅の褒章だつたかと思いますが、これは出ることになつております。そういう表彰がありますが、尚お述べになりましたように、私の方でもそういうふうな博愛の精神に基きます非常な範とすべきものについての表彰の方法については、関係方面とも相談いたしまして、是非今のお話のような人に対しましても何とかするようにして見たいと思います。それから米倉委員の御質問に対して、私先程申し上げた点を若干補足さして頂きたいと思いますが、保管命令についての点を申し上げましたのですが、保管命令は備蓄を保管する場合に強制力が出るというふうな点についての非常な御心配、私ども誠にその通りだと思いますが、大体実際の場合を予想いたしまするというと、保管命令が主として狙つておりますのは、備蓄物資というふうな場合は比較的……比較的じやない、進んで災害の起つた場合に、そこに物がある、それを取敢ず保管を命じておいて、出すために、そのときには、買取つたり、或いは收用したりするというふうな場合に、主として保管命令が出るのだろうと思います。備蓄物資を予め保管を命令しておくというふうな場合は、これはもう殆んど原則として強制でなく、契約でやるべきだというふうに私は思います。これが適用いたしますのは、災害が起きましてあの倉に物がある。これを闇屋などに流される虞れがある。そのときにちよつと待つてくれといつて保管命令を出しておいて、どこかの縣から言つて來れば出して來るというふうに適用するのが普通の場合であつて、備蓄のために保管命令を強制するというのは極く例外な場合であろうというようなことを、ちよつと氣がつきましたので申し上げます。
#32
○理事(谷口弥三郎君) お諮りいたしますが、災害救助法案に対する質疑はもうこのところで打ち切ることにしてよろしうございましようか。
#33
○理事(谷口弥三郎君) それではこれで質疑を打ち切ります。それでは本日はこれで以て閉会いたします。次回は明後日本会議に引続いて厚生委員会を開くことにいたします。
   午後零時十二分散会
 出席者は左の通り。
   委員長     塚本 重藏君
   理事
           今泉 政喜君
           谷口弥三郎君
           宮城タマヨ君
   委員
           三木 治朗君
           中山 壽彦君
           安達 良助君
           木内キヤウ君
           小林 勝馬君
           藤森 眞治君
           井上なつゑ君
           小杉 イ子君
           服部 教一君
           姫井 伊介君
           穗積眞六郎君
           山下 義信君
           米倉 龍也君
           千田  正君
  政府委員
   厚生事務官
   (社会局長)  葛西 嘉資君
ソース: 国立国会図書館
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