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1970/02/17 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 災害対策特別委員会 第3号
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1970/02/17 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 災害対策特別委員会 第3号

#1
第065回国会 災害対策特別委員会 第3号
昭和四十六年二月十七日(水曜日)
   午前十時七分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月二十七日
    辞任         補欠選任
     佐田 一郎君     鈴木 省吾君
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     大谷藤之助君     江藤  智君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         北村  暢君
    理 事
                上田  稔君
                増田  盛君
                塩出 啓典君
    委 員
                江藤  智君
                小林 国司君
                佐藤  隆君
                鈴木 省吾君
                田口長治郎君
                森 八三一君
                松本 英一君
                藤原 房雄君
                河田 賢治君
   政府委員
       総理府総務副長
       官        湊  徹郎君
       消防庁長官    降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       内閣総理大臣官
       房参事官     高橋 寿夫君
       経済企画庁総合
       開発局山村豪雪
       地帯振興課長   足利 知己君
       厚生省公衆衛生
       局精神衛生課長  百井 一郎君
       厚生省医務局総
       務課長      木暮 保成君
       厚生省社会局施
       設課長      新津 博典君
       厚生省児童家庭
       局障害福祉課長  今泉 昭雄君
       農林大臣官房参
       事官      大河原太一郎君
       農林省農政局農
       産課長      川田 則雄君
       通商産業省公益
       事業局技術長   和田 文夫君
       通商産業省工業
       技術院標準部長  久良知章悟君
       建設省道路局企
       画課長      井上  孝君
       建設省住宅局建
       築指導課長    前川 喜寛君
       自治省財政局地
       方債課長     石見 隆三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○災害対策樹立に関する調査
 (二月上旬の島根県等における雪害の対策に関
 する件)
 (火災予防対策に関する件)
○委員派遣承認要求に関する件
    ―――――――――――――
#2
○委員長(北村暢君) ただいまから災害対策特別委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る一月二十一日、中村英男君が委員を辞任され、その補欠として足鹿覺君が選任されました。また、去る一月二十七日、佐田一郎君が委員を辞任され、その補欠として鈴木省吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(北村暢君) これより理事の補欠選任についておはかりいたします。
 委員の異動に伴い、理事に一名欠員を生じておりまするので、この際、理事の補欠選任を行ないたいと存じます。理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上田稔君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(北村暢君) 災害対策樹立に関する調査を議題といたします。
 まず、二月上旬の島根県等における雪害の対策に関する件について質疑を行ないます。塩出君。
#6
○塩出啓典君 それでは、去る二月四日、五日に島根県で豪雪がありまして、島根県にとっては、一月の豆台風、季節風による漁船等を中心とする被害、それに引き続いて今回、ダブルパンチの被害を受けたわけでありますが、私も現地に参りまして非常に感じましたことは松江市内では雪の積もった深さ一メーター。一メーターといえば、東北や北海道から見ればたいした雪ではない、そういう感じもすると思うんですが、ところが、交通網というものがずたずたに遮断をされて、非常にやはり都市というものが雪に弱い、そういうことを非常に感じてわれわれも驚いたわけでございますが、そういう観点から特に交通の確保ということそういう問題についていろいろ政府の考え方、そういうものをお聞きしたいと思います。
 それでまず最初に、島根県の今回の雪害で大体どの程度のどういう被害が出たのか、その点総理府当局において掌握している点の報告を願いたいと思います。
#7
○政府委員(湊徹郎君) ただいまお話がございました二月四日、五日の豪雪被害でございますが、御承知のように、雪による被害というやつは、通常の場合、融雪時期に現実に被害としてあらわれるというふうなケースが多うございますので、厳密な意味では、たとえば農作物被害等については、今日はっきりした額を申し上げかねるわけでありますが、大体この程度であろうということをこの際申し上げますと、重軽傷の方が十五名いらっししゃいますし、それから家が全壊したのが十四戸半壊が四十六戸、破損したのが四百六十三戸、床下浸水が三戸、非住家で全壊が二百六十三戸、半壊が九十六戸、破損が二百十一戸というふうな人命及び住家に関する被害でございます。
 そのほかのおもなものを申しますと、過般の暴風浪のときは漁港及び漁業が中心でございましたが、今回の場合は農業関係の被害が一番多うございます。山林関係で大体一億八千八百万、それから農業施設の関係で一億五千六百万、農作物の推定被害額が大体九千万程度、こういうことでございまして、そのほか市街地においては商業、工業、これがおおよそ三千万程度、こういうことで合計いたしまして概略約五億というふうな被害が、現在時点で私ども調査したものでございます。
#8
○塩出啓典君 国鉄とか、そういう道路のストップ状況というのはまだ掌握していませんか。
#9
○説明員(高橋寿夫君) 豪雪が起こりました二月四日、五日にかけまして非常な交通の途絶、間引き運転等生じたわけでございますけれども、現在のところ道路は全部回復しているというふうに報告を受けております。
#10
○塩出啓典君 一メートルの雪が松江に降ったわけでございますけれども、大体昭和三十八年の三八豪雪のときには最高八十八センチ、これはまたものすごい長期にわたって降ったわけで、今回一晩で積もって、あとはだんだん急速に雪も減っているわけですけれども、しかしその雪のために、バスも二日間ほとんど不通でありまして、また国鉄も非常に大混乱をして、もう八十時間不通、支線でございますけれども、そういうところは運行が停止したわけでありますが、私はそういうものを感じて非常に雪に対してあまりにももろいんじじゃないか、そういうことを私感じたわけなんですけれども、私はあまり雪の北海道とか、そういう東北方面の雪の状況というものを知らないためにそう感じたかもしれませんけれども、そういう点、災害担当の総理府副長官として非常に雪に対して意外にもろいものだな、準備が不十分であったなと、そういうことを私は感ずるわけですけれどもね、湊総理府副長官のそういう考えを聞きたいと思います。この点はどうでしょうか。
#11
○政府委員(湊徹郎君) まあ私自身は雪の地帯の出身でございますから二メーター、三メーターの雪というのにはだいぶんなれております。その反面、実は九州あるいは四国等でほとんど雪のない地帯に降った場合の混雑、これはおそらく二十センチから三十センチくらいでも、いままで大混乱になった経験もございますし、島根のほうはどちらかというと雪の多い地帯であろうと思っておりますが、そういう点でこの雪に対する対策というのは非常にその災害という点から見ましても、ちょっといわば接点にあるような感じが従来からいたしております。したがって雪の対策は主として経済企画庁が御担当になっておるわけでありますが、非常に雪の深い地帯、それから間々降る、そのために経験不足等からいろいろな混乱を起こすような地帯、それぞれ地帯ごとにある程度分けながら対策等についてももう少しきめこまかく考える必要があるかな、というような感じはいたしております。
#12
○塩出啓典君 それで非常に昔と今とでは時代が変わってきていると思うのですね。たとえば生活のテンポが非常に早くなっている。だんだんだんだんマイカーを持っている、車が非常にふえている、島根県でも非常に車がふえているわけです。また今回も四万二千戸の家が停電をしたわけですけれども、そういうやはり電化製品を使う家庭も非常にふえてきている。そういうわけで、私もこれからの雪害対策というものはそういう新しい時代の変化に対応できるそういうものでなければならない。そういうわけで、現在この豪雪地帯特別措置法に基づいて基本計画ですね、豪雪地帯対策基本計画、そういうものがこれは三十九年に出ておるわけでありますが、私もこの内容をいろいろ読ましていただいたわけですけれども、こういうものもそういう時代に即応して、三十九年といまは四十六年ですから、七年たっているわけですからね、当然これは再検討すべきじゃないか、私はそう思うのですけれども、これは経済企画庁か総理府かどちらかわかりませんけれども、担当のほうでお願いいたします。
#13
○説明員(足利知己君) 御指摘のように豪雪地帯対策特別措置法に基づきます基本計画は昭和三十九年に決定されておりますけれども、これは交通通信の確保をはじめといたしまして、雪害の防除のみならず、産業等の基盤の整備等、総合的な対策の基本となるべき事項を盛っておるわけでございます。現在から見ますと確かになお再検討が必要な点があることは、私どもも承知しておるわけでございます。この点につきましては、昨年臨時国会で豪雪地帯対策特別措置法の一部改正法が成立いたしまして、それによりまして特別豪雪地帯が設定されることになりました。特別豪雪地帯につきましては、基本計画を決定する際に、生活水準の確保等に関して特別な配慮をしなければならないということになっておりますので、当然これと関連いたしまして基本計画の改定をいたさなければならないことになってまいります。私どもといたしましては、まず特別豪雪地帯の設定をできるだけ早く設定を進めると同時に、引き続きましてこの基本計画の改定をやるつもりでおります。できるだけ早くするように、進めてまいるように考えております。
#14
○塩出啓典君 ただいまこの豪雪地帯対策基本計画を、昨年の特別豪雪地帯が加わったに伴って再検討すると、そういうお話ですが、これは大体いつごろできるのか。法案も去年通ったわけでありますし、もう雪は、いま冬なんですから、春になってできたんではこれは一年おくれちゃうと思うのですけれどもね。そういう点いつごろまでをめどに、まず特別豪雪地帯の決定はいつごろまでにするのか。あるいは豪雪地帯対策基本計画の改定は大体いつごろをめどにやっておるのですか。
#15
○説明員(足利知己君) 昨年の十二月二十六日に法律が公布されまして、それから本年に入りまして特別豪雪地帯の設定基準の考え方につきまして検討をいたしております。で、せんだっても実は実態調査等も行いまして、いろいろ基準をいかに考えるべきか検討を進めておりますが、近く豪雪地帯対策審議会を開催していただきたいというように考えておりますが、そういたしましてできるだけ早く策定したいと思いますけれども、本日ここでいつまでということはちょっとはっきり申し上げかねますけれども、まあできるだけできれば年度内、あるいはおくれましてもできるだけ早い機会に特別豪雪地帯の設定をしてまいりたいというように考えております。基本計画はそれに引き続きましてできるだけ、おそくとも私どもといたしましては秋ごろまでにはやはり改定をしなければならぬではないかというように考えておりますが、なおはっきりしためどにつきましては、審議会なりあるいは関係各省、さらに基本計画につきましては関係県との協議もありますので、その点もあわせ考えまして、できるだけ早くやりたいと考えております。
#16
○塩出啓典君 その点ひとつすみやかに熱意を示していただきたいと思います。
 そこで、私は総理府にお聞きしたいと思うのでありますが、まあこの豪雪地帯対策基本計画というのは、たとえば交通通信等の確保に関する事項道路の確保、いろいろな項目にわたって書いているわけですね。確かに書いていることは私は間違いないと思うのですよ。けれども私たちの見た感じとしては、ただ項目を並べているだけだ、こうすべきだ、こうすべきだ、こうだと。まあ私の気持ちとしては、たとえば除雪にいたしましても、また道路の確保にしても、国道についてはたとえばこれだけの雪が降っても交通が確保できるだけの体制にしていくんだとか、あるいは電力にしても、これだけの雪が降っても絶対だいじょうぶな確保をしていくんだと、そういう、将来もちろん道路についても五ヵ年計画をもって進めていって、また新しい五ヵ年計画始まるそうですけれどもね。そういう目ざす点においては、こういう豪雪地帯のその冬季における目ざすビジョンはこうなんだ、そういうものがもっと具体的に目標を示して、そしてそれに対してやはり必ず責任をもって推進していく、そういうような強い姿勢というものが、そういうものはやはりあまりにもちょっともの足りない。何となく雪除車も少しずつはふえていく、あるいはまたグレーダーですか、あれも何台か徐徐にはふえているわけですね。だけれどもどこまで、じゃこういうビジョンのもとにこれだけは必要なんだ、これだけあれば、これだけの雪に対しては絶体だいじょうぶなんだというそういうものが、非常に私の言い方もちょっとわかりにくい抽象的な言い方かもわかりませんけれどもね。もっと具体的な目標を設定すべきじゃないか、私はそういう意見なんですけれどもね。だから今回改定する豪雪地帯対策基本計画にももっと都道府県別に、何県においてはこうするのだ、そういうようなものを盛り込んだ基本計画をつくってやっていくべきだと思う。これは結局この基本計画では、それはいままで雪国の道路の五ヵ年計画四十六年度、五年ですか、たっている。はたしてどこまで進展していったのかという、そういう点がはっきりしないと思うのですけれどもね。そういう点についての総理府の考えをお聞きしたいと思います。
#17
○政府委員(湊徹郎君) ただいまの御質問はひとり豪雪に限らず、あらゆる問題について実は言えることだと思っておりますが、たとえば交通安全対策等でも、具体的な目標をやはり明らかにしなければいかぬということで、いろいろいま検討中なのでありますが、たとえば歩行者事故という一つのテーマにしぼって、これが一番比率が高いから何年後には つまり五ヵ年計画で歩行者事故を半減しましょう、こういう意味の目標設定というのは可能だと思いますけれども、そのほかのやはりある程度この問題をしぼりませんと、なかなか具体的な目標の設定というものはむずかしかろうと思うわけであります。特に雪の場合は私ども経験しているわけでありますけれども、ことしの場合ほとんど雪が私どもの地域ではございません。降るときは二メートルから三メートルも降る。それも里雪の場合といわゆる山奥に降った場合と、それからほんとうの町場のほうに降った場合で全然処置も対策も違ってまいりますし、そういう意味ではいまおっしゃられました全国的に目標設定というのは率直な話、これはなかなかむずかしかろうと思います。ただ問題はそれぞれ雪が比較的多い地帯というのは、これはまあ常識的にきまっているわけでございますし、そのために特別豪雪地帯というふうな新しい制度の設定も行なったわけでございますから、そういう計画をもう少しおろして、府県段階でもまだきめは荒いと率直に思います。雪の地帯数ヵ町村等を単位にして、やはりいまおっしゃったような具体的な目安を伴った計画というものは、そういう段階でないと実際問題としてなかなかむずかしかろうと思いますが、いま企画庁のほうお聞きをしますというと、全国的な基本計画はあるけれども、地域ごとには各県がそれぞれ自発的にやっているものはあるけれども、一つの全国ネットでもっとやっているようなものはない、こういうお話でもございますので、そこら辺はひとつ相談しながら、いまのように地域にある程度おろした計画というものは、特に雪の対策上必要であろうと思っております。
 それから、その全般的な計画の中で、たとえば雪寒道路のように単独立法でもって補助率も同時に指定の個所等もきめていく、こういう形に対策が具体化されてまいりますと非常に目標のつかみ方ははっきりしましょうし、そういう点でできるだけこれからそういう具体の目標、学校なら学校、あるいは道路なら道路、融雪施設なら融雪施設、あるいは除雪の機械なら機械というふうにそれぞれの項目に即しながら、いまお話がございましたような方向に私どもとしても促進していきたいというふうに思っております。
#18
○塩出啓典君 わかりました。
 それで、ちょっといまさっき話の出ました雪寒道路交通確保五ヵ年計画というのが四十三年三月に閣議決定をして、これが四十二年度以降の五ヵ年計画で八百十億に相当する事業を行なうと。だから、四十二年から四十三年、四十四年、四十五年、四十六年と、四十六年で五ヵ年計画が終わると思うんですけれどもね。これにはたとえば除雪と防雪、あるいは凍雪害防止とありまして、防雪なんかはおそらく融雪パイプというんですかね、そういう道路もつくるようになってると思うんですね。道のまん中にパイプをしいて、地下水をくみあげるということはいろいろな金もかかるし、地下水の温度とか量の問題もあって非常にむずかしい問題と思うんですけれどもね。建設省として大体どういう目安でこれをやっておられるのか。たとえば幹線道路は絶体確保するためには、そういう幹線道路、あるいはいなかのほうならば雪をかきわけるわけで、都市なら雪をかき分けるところがないわけですから、そういう都市を中心にやるというのか。そのあたり四十三年決定の五ヵ年計画というものは、最終の時点においてどういう道路確保をめざしているのか。そして、それは着着と進んでおるのかどうか。その点をお聞きしたいと思うんですけれども、建設省。
#19
○説明員(井上孝君) お答えいたします。
 いま先生御指摘の雪寒道路五ヵ年計画は、御指摘のとおり、四十二年から四十六年までの五ヵ年計画で八百十億の規模でやっておりますが、御承知のように、昨年三月閣議了解で道路整備五ヵ年計画が十兆三千五百億というように改定になりました。したがいまして、雪寒道路もこの道路整備五ヵ年計画の中でございまして、四十五年度以降四十九年度までの五ヵ年計画に改定をいたしております。ただいまその改定作業中でございましてことしの三月中には第六次道路整備五ヵ年計画が閣議決定になる予定でございます。それと同時に雪寒道路の五ヵ年計画も、三月中に閣議決定をして拡大改定をするということで、現在作業中でございます。したがいまして、八百十億という規模は四十五年度以降相当大幅に拡大をして中身をきめるということになる予定でございます。
 それから、除雪の問題でございますが、御指摘のように、幹線道路、たとえば国道のようなものはもう絶対交通確保ということを目標にいたしておりますし、すでに現在相当その目標に近い実績をあげております。ただ県道以下になりますとそれぞれ道路の重要性、あるいは交通量等で除雪の必要度も変わってまいりますので、私どもとしては除雪区分を第一種から第三種まで三つに区分いたしまして、たとえば第一種でございますと二車線の道路幅を確保する、第三種になりますと一車線を確保するというように、除雪の程度に差をつけまして、実態に応じてやっているという次第でございます。
#20
○塩出啓典君 そうするとですね。いまの新しい五ヵ年計画ができた場合に、大体どのくらい雪が降ってもだいじょうぶだとそういうような具体的に目ざす目標というようなものはこれからつくるわけですか。というのは、たとえば、ちょっと私の言い方が悪いかもしれぬが、今度松江の場合は、一晩に一メートル降っちゃったわけですね。ところが、市内の中を通っている国道は除雪するといっても、なかなかまわりに家がありますから、結局国道ですら交通が通れない、そういう状態になっておりますね。だから、何メートルぐらいの雪、あるいは何年に一度の雪ならばだいじょうぶだとか、そういうような具体的な五ヵ年計画で八百十億の金を使うとか、そんなこと言われてもこれはぴんとこないわけですね。現実私どものところを通っている道路がどうなるのかということを、国民は、知りたいわけなんですが、そういう点がどうなのかということを聞きたいわけですが、それはちょっとわからないのですか。
#21
○説明員(井上孝君) ちょっとお答えしにくい御質問でございますが、私どもとしては、通年の雪でございましたならば、当初予算で組みました除雪費を配分いたしまして、交通の確保をする自信がございますし、また、それをやらなければいかぬと思っておりますが、ただ、異常な降雪がございました場合には、これはやはり災害の扱いになりまして、災害復旧という形から予算等も流れてくると思います。特別に異常な豪雪に備えて年度当初から予算を組むということは、いま申し上げましたように、災害の手がございますので、やっておりません。通常の雪でございますれば、交通を確保するに十文な予算を計上してございます。
#22
○塩出啓典君 それでは、いま言われました除雪区分の問題ですね。この問題ですけれども、たとえば一日千台以上の場合、第一種の国道の場合は二車線を確保する、異常な降雪時以外は常時交通一を確保する、異常な雪が降った場合は五日以内に二車線の確保をはかる、これも、私はまず異常の降雪時とは一体どういうときを異常というのか。それと五日以内に二車線を確保するというのは、ちょっと江戸時代ならいざ知らず、いまのような非常に、アメリカヘも教時間で行けるような、そういう時代に、国道が五日以内に確保するなんていうのは、ちょっとこれはあまりにものんびりムードじゃないか、そういう感じがするのですが、その点どうですかね。五日以内というのはちょっとごあまりにものんびりし過ぎておりませんか。
#23
○説明員(井上孝君) これは全国的な基準でございますので、たとえば山奥で非常に除雪のしにくいような国道もございます、そういうものも入れて、考慮に入れました基準でございますので、御指摘のようにちょっとなまぬるいような五日以内ということになっておりますが、現実にはほとんど一日以内、あるいは二日以内という程度で、普通の場合の国道の交通は確保できる。ただ、備えのない、たとえば松江のような場合は常時あまり雪が降らないところに、どか雪があった、こういうような場合には、やはり準備が不十分な場合には多少ご時間のかかる場合もございます。
#24
○塩出啓典君 これは第一種、第二種、第三種とあって、一種というのは一番緊急を要するのが五日以内ですよ。第二種というのは一日五百台から千台、これは十日以内だとだからやはり一日千台以上、いまの山奥の道路も入れているんだというけれども、山奥の道路なんかは二種、三種に入るわけであって、第一種の一日千台以上というのは一番幹線道路じゃないかと思うんです。今回もまあ島根県の場合にはもちろん準備も足りなかったというかもしれませんけれども、まあ交通が遮断したために野菜なんかは十倍くらい値上がりをする、そういうような非常にやはり仕事も行けなければそれだけ生活の収入も減になる。かなりそういう被害が大きいわけで、交通の確保というのはこの基本計画でいっているように、より大事なわけですね。だからこの五日以内という目標を、五日以内に置いたのじゃこれはやっぱりいけないんであって、もう少しやっぱり一日なら一日、二日なら二日、この程度の雪なら絶対交通を閉ざしちゃいけないという、やっぱり降雪といっても場所によっていろいろ違いがあると思うんですけれども、その点やっぱりきめのこまかい方針を出して、そしてある一つの地点に雪が降った、この雪ならば絶対交通を閉ざしちゃいけないんだとそういう目標がきまってこそ、そこに県としても、じゃあスノーグレーダー何台つくろう、あるいは借り上げてひとつブルドーザーでやろう、そういう一つの目標もきまってくるのじゃないかと思うんですけれども、そういう点で水かけ論になってもいけませんけれども、私の意見としては、やっぱりもう少しそういう具体的な目標をきめてやってもらいたい。しかも五日なんという、そういうのんびりしたものじゃだめだ、時代は変ってきているんですから、昔といまは違うんですから、いまはどんどん通勤しているんだし、そういうときに五日間、車も多いのに二車線も確保できない、これは話にならないと思いますね。そういう点も今度の基本計画の改定の中で検討していただきたい。そういう私の意見ですが、総理府総務副長官災害担当の責任者としてそういう点を検討する決意があるのかどうか、それをお聞きしたい。
#25
○政府委員(湊徹郎君) ただいま仰せのとおり、これは一刻も早ければ早いに越したことはないわけでございますから、先ほど来話がありますように、全国一本というのじゃなくて、実際の計画そのものの中にこまかい段階まで分けたものを盛り込めるかどうかということは技術的に問題がございましょうが、実質的にそれぞれの府県や何か、それぞれに道路計画をお持ちなわけでございますから、路線別にきめこまかく、ただいまおっしゃるように、具体的な対応策が現地のほうにつながるような形で指導を強化するように建設省のほうも督励していきたいと思います。
#26
○塩出啓典君 それでは次に、停電問題ですけれども、先般、高知の昨年の台風のときにも非常に広範囲の停電があり、去る一月の島根県の季節風台風のときも九万戸、今回の場合も四万二千戸が停電しているわけですね。冒頭にも申しましたように、電気製品の非常に使われている今日においては停電ということは非常に庶民にとっては偉大な、大きな影響だと思うんですね。昔といまは違ってきていると思うんですね。そういう点で今後の、やはりこれは全国一律にはいきませんけれども、通産省としても電力会社に指導して――これは通産省にお聞きするんですが、当然停電を防ぐためには抜本的な対策を講ずべきだとそのように思うわけですが、通産省としては一体どういうような指導をしているのか、また、今後これからどんどん補修したり、新しくできるものについては前よりはこういうぐあいに変えているんだとそれはこういうようにしているのだ、そういう点があるのかどうか、その点お伺いしたいと思います。
#27
○説明員(和田文夫君) 先生がおっしゃいましたとおり、電気は今日国民の生活必需物資でございますので、できるだけ停電のないように、しかも停電があったときには早く復旧するように、いろいろくふうをしてまいっております。具体的に申し上げまして雪害対策に対しましては、三年ばかり前に九州、四国地方の豪雪を機会といたしまして通産省の中に停電対策委員会というものを設置しまして、業界あるいは学識経験者等の参加も得ましていろいろ検討してまいったわけでございます。で、それに基づきましてたとえば具体的な対策といたしましては、おもに送電線あるいは配電線がおもでございますが、電線の太さを太くする、いわゆる電線の太さのサイズアップでございます。それから送電線、配電線等のいわゆる柱と柱の間隔の長いところで雪害を受けた事例も多々ありますので、そういう場所を短縮する、あるいは電線の間、二本の線の間の間隔を広げるとか、あるいは電線間隔を広げるようにスペーサーを取りつけるとか、あるいは碍子装置の変更でございますとか、支持物の強化等の対策を考えまして、一ぺんにまいりませんので、逐年われわれのほうで電気事業法に基づきまして各電力会社からその敷設計画というのを出させております。その中に織り込んで要改修個所を計画的に改修するように指導してまいっております。それからなお、雪の比較的つきにくい電線、いわゆる難着電線と申します、そういうものの研究も電力会社あるいは電線メーカー共同でやっておりますが、まだ的確な郊果のあるもの、実用段階になるようなものを開発してない状況でございます。
#28
○塩出啓典君 それでは最後に、これは今回の雪害について地元からの要望として、一つは天災融資法を適用してもらいたい、そういう点について総理府の考えをお聞きしたい。
 第二点には、非常に各市町村とも除雪に多大の金がかかる。まあブルドーザーなんかを民間から借り上げますと大体一時間三千五百円とか、それぐらいかかって各市町村ともやはり何百万円の除雪費が要っているわけですけれども、それで特別交付税の、現在、作業を自治省で進めているそうですが、その除雪費も特別交付税の四十五年度の分に追加して配分をしてもらいたい。これは自治省にお願いいたします。
 それから三番目には、これは県からの要望として道路除雪費の国庫補助金、これをやはり四十五年度に追加として支給してもらいたい、そういう要望があるわけですが、これについて各省の、最後には建設省になると思いますが、それの見通しをお聞きします。
#29
○説明員(大河原太一郎君) ただいま御質問がございました農作物災害等につきます大災融資法の発動の問題でございますが、先ほど総理府副長官のお答えにもございましたとおり、暫定的な災害の数字等については入手しておりますけれども、今後の融雪その他のあとの被害状況を確定いたしませんとその発動の必要かどうかという点については判断いたしかねるわけでございますが、現在の被害の報告から推定いたしますと、天災融資法の発動は非常に困難ではないかというふうに考えております。
#30
○説明員(石見隆三君) 通常の除雪経費につきましては、御案内のとおり普通交付税でもって措置をいたしておるわけでございますけれども、特別な豪雪によります特別の財政需要に対しましては、毎年特別交付税でもって措置してまいっておるわけであります。いま御指摘のございました二月上旬の島根県を中心といたしまする豪雪に対しましての必要な除雪経費につきましては、四十五年度の特別交付税で措置する予定でございまして、現在、県、市町村から資料を求めまして作業中でございます。今月中には決定したいということで作業をいたしております。なお、御指摘のございました除雪経費としまして除雪の人夫賃、あるいはブルドーザー、あるいはトラック等の除雪機材の借り上げ料というようなものも、すべて特別交付税の対象にして算定をしたいということで作業をいたしておるわけでございます。
#31
○説明員(井上孝君) 除雪の国庫補助額の追加につきましては、当初除雪費につきましては七割を配分いたしまして三割を保留いたしております。御指摘のように島根県からも要望が出ております。もうおそらく数日中に追加配分が実施できると思っておりますが、資料等は全部整っております。
#32
○佐藤隆君 豪雪対策については豪雪法の改正を去年の臨時国会でやり、そしてそれを受けていま政令をどうするか、あるいは基本計画を審議会等にはかってどうするかということについて作業中であろうと思いますが、いずれにしてもそうした豪雪法の改正を機会に四十六年度の予算編成時の政府案を見ますと 一応大規模共同育苗施設という新規の事業を設けるとかあるいは民間社会福祉施設の除雪費を設けるとか、あるいは企画庁、建設省においてもそれぞれ一歩前進という配慮をされておるということは、私も卒直に認めて一応感謝をしておきたいと思います。
 そこで、ただその中でまだ残されている問題はいろいろあります。だけれども、それはきょうここでは議論せずに、具体的に農林省所管になりますが大規模共同育苗施設について、私どもが考えておった趣旨と多少違った結果が出るようなことがあっては困る、こういう配慮から一応この機会にはっきりひとつさしておきたい、こういうわけであります。ですからまあ豪雪対策そのものについてはこうこう考えております。大規模共同育苗施設はそのものずばりであります、という答えが出てくればこれはもうそれでけっこうなわけであります。当初要求、農林省ではこの新規事業の大規模共同育苗施設についてどのように要求をされて、そして閣議決定に至るまでの経過はどうであったかということを、その趣旨とあわせてひとつ説明を先にしていただきたいと思います。
#33
○説明員(川田則雄君) 大規模共同育苗施設につきましては、現在稲作が収穫期の段階は非常に機械化できたけれども田植え期の田植えの段階は機械化できないということで、稲作の合理化をはかりたい。こういうことから、要素としては三つ考えました。一つは全国の稲作の合理化に資する、それから一つは豪雪地帯の恒久対策に資する、それからもう一つは米生産改善総合パイロット事業というのが四十五年度まで十五地区つくっております。それから四十六年度五地区設定いたす予定になっておりますが、それで計二十地区でございますが、そこの生産の合理化をはかる、そういう三つの要素で予算を編成いたしまして、それで現在のところは地方農政局にその趣旨の説明をいたしまして、地方農政局が県と具体的な打ち合わせを行なっておる状況でございます。その結果によりまして、地方農政局から計画を聞きます。そうしてそのときには地方農政局及び県の意向が十分反映するように設置場所をきめていく、そういうふうに考えております。
#34
○佐藤隆君 私の聞いている中で半分答えていただいたけれども、当初要求、それから閣議決定に至るまでの経過。
#35
○説明員(川田則雄君) 当初要求は、そういうようなことで個所数としては約六百ヵ所要求いたしましたけれども、最終的には初年度百ヵ所、三ヵ年で三百ヵ所というようなことで予算化がはかられたわけでありますが、その際には恒久対策として豪雪地帯のことを考慮するようにというようなことで予算の経過は過ぎたというように私たちは理解いたしております。
#36
○佐藤隆君 それで安心をいたしました。結局、この大規模共同育苗施設設置事業というこの新規の要求は、一応さっきおっしゃったように三つの目的を持って当初要求された。ところがこの三つの趣旨に基づいての要求はゼロ査定になった。そこで復活の過程において、ひとつ豪雪地帯ということでこれが取り上げられる結果に相なった。この経過だけは、ひとつはっきりさしておきたいわけです。と申しますのは、たとえば去年の四十五年の三月、四月、この時期における異常残雪、これも災害といっても差しつかえない異常残雪、このことについてたとえば苗代設置がおくれる、それでカーボンブラックでどうするか、サウンド消雪でどうするか、それじゃ困る、何か手を考えてくれ、前にもそういうことで異常残雪のときには手を加えてもらったことがあるけれどもそのときそのときでは困るではないか、こんな議論を災害対策委員会で私もしたことを記憶しております。そうした幾つかの積み重ねによって、三つの中の一つの中に豪雪対策としてもこれを取り上げよう、こうなった。ところがこれがすっぱり切られた。ところが復活に際しては、私どもは豪雪対策としてどうしてもこれはつくってもらわなければこの新規の事業を認めてもらわなければ困るのだという積寒地帯、特に豪雪地帯の強い要望と――もちろん農林省何もしなかったという意味じゃございません、農林省の要求と相まってこの百ヵ所というものが認められた。当初六百ヵ所の要求が、結局は百ヵ所三ヵ年計画という閣議決定、一応予算案になった、こういうことでありますから、これは全国のという当初要求時の第一の目的もありますが、このつけられた百ヵ所は豪雪地帯を主体としてひとつこれをつけるべきだ、措置すべきだ、取り上げるべきだと私は思いますけれども、その辺はどう考えておりますか。
#37
○説明員(川田則雄君) 先生からお話がございましたけれども豪雪地帯のウエートというのは、稲作がやはりそういうところが主産地になっておる関係がありますから、ウエートは高まると思いますけれども、一つはやはり全国的な稲作の合理化というものも一つ重要でございますし、それから私たちが将来主産地として投資をしたい、そうしてほんとうにいい姿の稲作を再現したいということで米生産総合開発事業をやっておりますけれども、そこの合理化もまた私たちとしては希望したいことでございます。ですから、豪雪地帯ということは念頭に置いて考慮はいたしますけれども、そういう要素も含まれて配分がなされるということについては御了解いただければありがたいと思います。
#38
○佐藤隆君 そう簡単にまた了解するわけにもいかぬのですよ。これは非常に豪雪地帯では期待をしておりますので、そういう大きな期待をになってやっとついた新規事業でありますから、そうしたところがこう薄められたのじゃ、六百が百になったということで薄められたのでは困るのです。といいながらも、私は別に百全部を豪雪地帯と言っているわけではないのです。主体は豪雪地帯に置くべきだとこう言っているのです。だから、それでは主体というのは数でいえばどこまでだという議論はここでしようとは思いませんけれども、少なくとも七割や九割は豪雪地帯の要望を満たしてやらなければまた米の主産地という例の地域分担のなにからいっても、三地域十四ブロックのガイドポストからいっても当然豪雪地帯とダブるところがありますから、そういう意味でできるわけですよ。だから、豪雪地帯を主体にしてこの百ヵ所を措置いたします、こういうことでないと何のために豪雪地帯の要望を実らせているのか。大事なところへきて、せっかくお役所側の今度運用の時期に入ってきて、いま個所づけの時期にきてこれがうやむやにされる結果になっては困ると思うわけで言っているわけです。
#39
○説明員(川田則雄君) 現在地方農政局と県と具体的な話をいたしておりますから、それに基づいて私たちのほうも実際の具体的な相談を、今月末か来月の初めにやることにいたしておりますから具体的な内容について検討いたしたいと思います
#40
○佐藤隆君 これ以上申し上げませんけれども、たとえば新潟県では十二施設もうすでに要求している。これが全国云々というなにでいきますと薄められてしまう。新潟県だけではなくてこれに類する豪雪県もいろいろ要求を出していると思います。それが、そういう県は全部この交渉の経過を知っておりますから、これが無にならないように、ひとつ特別の御配慮をいただいておきたいと思います。
 なお、それに加えて、私はどうしても全国の云云ということで第一の目的もそれもあるということであるならば、二つの目的の中の一つに全国云云があるならば、したがって百のうち幾つかはそういう観点からつけなければいかぬというなら、これは三分の一補助ということで決定になっているわけです、補助率三分の一、おのずからそこに特別豪雪地帯の線引きも豪雪法改正によってやった今日でありますから、補助率を別にするということも当然考えていいと思うのです。新規要求するときにはなかなかむずかしいいろいろな壁があると思います。だから、いろいろな理屈や目的をつけてやる。しかしほんとうはここは一番先に取り上げてやらなければいかぬのだ。しかしそれだけではなかなか通りそうもないということでいろいろな目的もついてくるわけです。しかしやはり全般的なことも考えなければいかぬ。そうなるとてこにおのずから補助率の問題もまた出てくると思います。私どもはこれは特別豪雪地帯には少なくとも二分の一補助、大規模共同育苗施設設置事業については二分の一補助、これは四十六年度予算に間に合うことではございませんけれども、四十七年度予算要求のときは、せっかく新規のやつが四十六年度できるわけですから、これをもう一歩前進して特別豪雪地帯には二分の一補助あるいはいま政令や何かで基本計画や何かこれから政定するわけですから、その中で特別豪雪地帯はということで織り込んでもいいです、織り込められるなら。それ一つ提案しておきますから、そのことについていま具体的な返事、やりますということははっきり言えないかもしれませんけれども、できるならばかくあるべきだということぐらいのお答えはあってしかるべきだと思います。
#41
○説明員(川田則雄君) 補助率の問題は、非常に大きな問題でございまして、私たちも当初は先生のお話しのような要求もいたしておりましたのですけれども、一つは共同育苗施設はああいうぐあいに大規模にやられることによって出るメリットの問題がありまして、それで御承知のような補助率になったというような経緯がございます。補助事業は一般になかなかむずかしい事情がございまして、一度きめた補助率を上げるということは非常にむずかしい問題もありますけれども、そのことについては今後の問題でございますから、私たちもよく勉強してみたいと思います。
#42
○佐藤隆君 もうちょっとだけ、一つだけ申し上げますが、この大規模共同育苗施設について特に豪雪地帯云々という主張でもって補助率の点について大蔵省に農林省として当たった、その辺についてどこまでおやりになったか。私はそれについてはやはり三つの目的があったわけだから、豪雪地帯についてという一つの命題を掲げての補助率の詰め方は、それほど大蔵省との間にはされていないと私は思うのです。ですから申し上げておるわけですから、それもひとつ含んでおいていただきたい。お願いします。いいです。
#43
○委員長(北村暢君) ほかに御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます。
    ―――――――――――――
#44
○委員長(北村暢君) 次に、火災予防対策に関する件について質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#45
○佐藤隆君 通産省工業技術院来ていますか。――だいぶ古い話になりますが、四十四年の二月の二十六日、当委員会において、福島の磐光ホテルの火災事故の直後でありました。そこでいろいろ議論をいたしまして、煙による死亡が、最近の火災で煙による死亡が非常に多いのだ、焼死よりも煙死というか、そういうものが非常に多いのだ、こういうことでいろいろ議論をいたしました。消防庁に聞くまでもなく最近の火災の死亡事故はそういう傾向にあろうかと思います。そこで、あの当時議論したことは、工業技術院において三ヵ年計画で煙の問題の調査研究をやられたわけであります。この研究の結果を四十三年度予算から、四十三、四十四、四十五年度の三ヵ年でこれをやります、こういうことだったわけです。ところが、あの当時は煙の問題について非常にいろいろな角度からの検討が初めて議論されたというような時期でもあったわけです。そういうことで、たとえばJASマークにしてもJISマークにしても、農林省なんかもあるわけですね、木材の関係、ベニヤの関係。これが燃えた場合の煙はどうだとか、あるいは建設省は建築指導課のほうでまたいろいろやっておる。それで建築基準の問題についていろいろ検討をこれから特にやらなければならぬという時期だったわけです。そういう時期にあるいは木材の関係では農林省あるいは通産省、そしてまた建設省、それがばらばらに煙の問題を研究したのではいろいろ不安を与えておる今日、新建材等について不安を与えておる今日であるから一緒にひとつ効率的に研究を進めるべきである、こういうところから議論が出発しましてあの国会が、四十四年の国会が終わるころにはもう一度横の連絡をとりながらどういう効果的な研究が進められているかひとつ伺うからよくよく注意をして進められたい、こういうことでこの席でお願いを申し上げた。その後実は機会がございませんで、私もこの問題の報告を聞く時期がなかったわけですが、私が言わなければ、そちらからもまた何も積極的に私にこうなっておりますという報告もない。しかし、それはそれでいいでしょう。言わなければ報告もないということでもいいですけれども、一体、最近のこの三ヵ年間の進みぐあいはどうなっておるか。もうこの三月末でこの三ヵ年計画の煙に対する研究は終わりになるわけです。いままでの経過、具体的な結論、少なくともある程度の結論はもう出ているはずでありますから、それをひとつ承りたい。
#46
○説明員(久良知章悟君) 先生御指摘のように、火災時に出ます有毒ガスや煙による被害が非常に多くなってきておりますし、四十四年に御指摘のような大きな災害があったわけでございます。その前四十三年から、御指摘のように工業技術院で火災及び焼却時における建築材料の燃焼性試験方法確立のための調査研究というものを、社団法人の日本科学防火協会に委託をいたしまして研究を進めてまいったわけでございます。この研究は四十三年度におきましては建築材料の燃焼性を把握するための試験の実施をいたしました。それから四十四年度には、燃焼時のガスの有害性についての試験方法の確立と、発生する煙の性情の把握についての研究を実施いたしました。それから本年度最終年度四十五年度でございますが、煙についての有害性の測定方法及び判定基準の設定、有害ガス成分の分析方法の確立についての研究を行なっておるところでございます。
 この研究は大きく分けますと、煙の有害性の問題と、それからもう一つは、燃焼の結果出ますガスの有毒性の問題の二つに分かれるわけでございまして、ただいま先生からは、煙についての有害性についてどうなっておるかという御質問があったわけでございますが、この中で煙についての有害性の問題が先行して研究検討されておりまして有害ガスについてはまだ今年度研究を続行いたしております。煙につきましては、現在までの結論に基づきまして、四十五年の一月一日に、日本標準規格の中でAの一三二一号という規格でございますが、建築物の内装材料及び工法の難燃性試験の方法という規格がございます。これはいろいろな建築材料につきましての燃焼性の程度を試験する方法でございますが、この規格の中に新しく発煙――煙の出ぐあいについての試験項目を追加いたしました。この試験方法のJISに基づきまして、四十五年度中ただいままでに十四の品目についてのJIS、すなわち木毛セメント板、パルプセメント板、ガラス繊維強化ポリエステル波板、硬質塩化ビニール波板、内装用プラスティック化粧ボード、軟質繊維板、半硬質繊維板、硬質繊維板、パーティクルボード、パーティクルボード化粧板、石こうボード、建築用防火塗料、吸音用穴あき石こうボード、吸音用軟質繊維板、こういう品目につきましてのJISにつきましては、この発煙性の試験に基づきましてグレードを定める内容のJIS改正を行なっております。
 それから、三ヵ年にわたります調査研究は本年度で終わるわけでございますので、その研究成果を踏まえまして、四十六年度につきましては、燃焼性ガスの有毒性の測定方法、それから煙の有害性の測定方法、材料の燃焼性試験方法というふうな点につきましてのJISを建設省、自治省、農林省等関係各省庁と協議いたしましてJISの原案をつくり、JIS化に努力をしていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#47
○佐藤隆君 そうすると、当初三ヵ年計画を立てたときのなにとはちょっと結果的には違ってきたわけでありますね。たとえは私は、煙の問題煙の問題ということで提起をいたしておりますのは、もちろん煙そのものとその煙が出るときに出る有毒性のガスとか、そういうものも含まれての広義の意味で言っておりますから、それを誤解のないようにしていただきたいと思いますが、四十四年度予算では、四百二十万円でひとつ燃焼時のガスの有毒性について、その試験方法、そうしたことについて研究を進めようということになったはずです。それは結局いまの話だと四十六年度以降に持ち越される、こういうことでありますか。
#48
○説明員(久良知章悟君) 研究結果は四十四年度でございますが、それの成果を踏まえましてJISの原案に仕上げるのは四十六年度になるということでございます。
#49
○佐藤隆君 そうすると、新建材や何かを含めて、JISの関係で一般大衆が燃焼時にはこれはこうなるんだな、ああなるんだなということがはっきり理解できる成果はいつ出るわけですか。
#50
○説明員(久良知章悟君) 四十六年早々にJlSの原案の作成にかかるわけでございますので、四十六年の後半ないしは四十七年度にJISを仕上げるという予定でまいっておるわけでございます。
#51
○佐藤隆君 そのことについての予算措置はどうなりますか。
#52
○説明員(久良知章悟君) JIS作成についての予算は、これは一般の標準化事業の予算として現在御審議いただいております予算の中に含まれておるわけでございます。
#53
○佐藤隆君 いまの工業技術院のそうした計画に基づいて建設省では建築基準法施行の改正とか、そういうことについてはどう考えておられますか。
#54
○説明員(前川喜寛君) お答えいたします。
 まず発煙性の試験方法でございますが、そういう研究結果を踏まえまして、建築基準法の中に同様の内容の試験方法を入れまして、それによって法定規制を行なっていく、こういう考え方でございます。さらに有毒性その他試験方法、その他をどういうふうにはかるかとか、分析方法がわかってきまして、さらにそれを今度具体的に建物の工法上どうアプライするかというふうなこと、こういうこともいろいろ検討して、必要によっては法規に入れるということが出てくるかと思います。ただ、われわれの現在の段階では、法律的に強制する、いわば最低限の基準といたしましては、発煙量とかこういったものが非常に大きなファクターでございまして、人命事故の大部分がその問題のほうが大きいというふうに見ております。とりあえずは、そういった有毒性云々のことで材料規制その他を法律でやる必要はないんじゃないだろうかという感じを持っております。これはあくまで感じでございますが。そういったことで、あとは一般の設計者、使用者等に対しましてそういうふうなことを極力指導していく、こういうようなことの対策になろうかとも存じております。この辺はさらに研究結果いかん、検討のいかんによって措置していきたい、こういうように考えております。
#55
○佐藤隆君 それはいつごろまであれですか。というのは、やはりいまあなたおっしゃるように法で規制するほどのものではない感じだと。あなたの感じですからこれは自由でありますけれども、いま公害問題でも非常にうるさいし、またうるさいのが当然だと思います。うるさくなって当然だと思います。そういうときに、やはり世論だとか、世論の一部には、たとえば建築資材というものの業界のいろいろな主張もあるでしょう。そういうものにあまり遠慮せずにやはりぴしゃっと規制をするようなことは当然だというふうに私ども理解しておりますけれども、どうなんですか。ちょっといまのをもう一度答えてください。
#56
○説明員(前川喜寛君) 非常にあいまいな表現を使いまして申しわけございません。感じと申し上げましたのは、実は各方面のいろんな御意見も聞いて、それなりの結論としてわれわれの持っている意見でございます。ただ何しろ新しい問題でございますので、建築研究所その他でも鋭意今後煙の問題、これは従来もそうでございますが、どんどん研究を進めております。そういった問題でまた新しい結果が出てまいったときに、そういったものに当然対処しなくちゃならぬ、こういうふうに考えております。ただ、御存じのように、われわれいま先生のおっしゃったことで特に申し上げたいのは、基本的にやはり人命尊重という立場で考えておりまして、これが業界の圧力とか、そういったことではわれわれとしては筋を曲げないという考え方でおります。今回の基準法改正もある意味では業界でもあるいは建築界でも相当どきっとしているといいますか、表現が悪うございますけれども、そういったぐらいにひとつ強く人命尊重の点の改正を行なっているわけでございます。そういった意味でございます。御了承いただきたいと思います。
#57
○佐藤隆君 いま工業技術院のほうで答えられたいままで過去三ヵ年間の成果、そうした中に建設省も農林省も当然加わって議論してきたんだろうと思いますが、そういう横の連絡、四十四年の二月現在においてはとにかく横の連絡はとれてなかったんですよ。これははっきりしているんです。だから、はっきりしておるからあまり詰めませんよということまで委員会の席上で申し上げたぐらいですから、それも記録に残っております。その辺はいまうまくいっておりますか、その後。
#58
○説明員(久良知章悟君) 通産省で実施いたしております先ほど御説明申し上げましたこの研究を実施するにあたりましては建設省、消防庁、農林省という火災予防に関連のある各関係機関の方を網羅いたしまして運営委員会をつくりまして、その御意見を聞きながら進めておるわけでございます。
#59
○佐藤隆君 じゃ最後に一つだけ。そういうことで先ほどから申し上げておるように煙の問題、これはたいへんな問題でありますから、しかも非常にむずかしいんですよ。われわれしろうとにはわかりにくい学術的なものがありますし、あるいは建築構造上の問題がこれまた別にあるわけですしそういうことで非常にむずかしいですが、この成果を――しかし、一部はこれは四十六年度以降に多少繰り越される面がございますけれども、この成果を煙、有毒ガスについてはこうなんだというような結果報告を、やはりこれは消防庁からでも公表するのが適当なのか、その辺ひとつ検討していただいて、あるいは建築物の問題だから建設省が公表するのがいいのか、工業技術院が主体とななってこうした問題について研究した成果というものを、国民を安心させるためにこうなんだということをひとつ発表したらどうですか。建設省が適当なのか、あるいは工業技術院が発表するのか、あるいはそれらを含めて火災予防という見地から消防庁が取りまとめてこれを発表するのがいいのか、ちょっと私もわかりませんけれども、その辺のことについて、取りまとめをやってきた工業技術院はどう考えておりますか。
#60
○説明員(久良知章悟君) 四十五年度の研究が問もなく終了する予定でございますので、それが終わりますとこの三ヵ年分の研究成果を網羅いたしまして報告書をつくるわけでございますので、そのときに御趣旨の線で善処いたしたいと思っております。それから、これは関係各省で相談をいたしましてどこが一番適当かということをきめていきたいと思います。
#61
○佐藤隆君 関係各省庁と相談をしてよく詰めていただきたい。公表のしかた、これは国民にいろいろの受け取り方が出てきますから、非常に慎重を要する報告になろうかと思いますけれども、できれば国民に公表するのに、学術的な面にそうウェートをかけますと非常にわかりにくくなりますから、消防庁のほうで非常に国民にわかりやすく煙の問題有毒性ガスを含めて、それをひとつ消防庁の公表は国民にわかりやすく説明をして国民の理解を仰ぎ、火災予防の見地から建てるときはこうですよとか、焼けた場合はこうですよとか、わかりやすく早急にひとつ公表されるべきだ、こう思いますが、御意見をお聞きして私は終わります。
#62
○政府委員(降矢敬義君) いまの先生の御趣旨ごもっともでございまして、要するにいまの新建材、いまの状態であれば、煙及びガスによるいわゆる煙死という状況が非常に多うございますので、この月末から始まります春の火災予防運動におきまして、煙というものを中心にぜひPRをしていただきたいということを、私どもことし一月末の課長会議で決定いたしましたし、また通達も出しております。県、市町村特に県は御案内のとおり広報テレビ番組を持っておりますから、それを通じて注意を喚起してもらいたい。先生のおっしゃるこの材料がどうとかということになりますと、かなり専門的なものになりますので、むしろ私たちとしては現在の煙、火災の状況とそれに対するかまえというものについて早く徹底したほうがよかろう、こう思っておりますが、さらに詳しい点の公表につきましては、関係各省庁と相談をいたしましてどの程度やったらいいか、わかりやすくということで、専門的になったら困りますので、そういう点を配慮していきたいと思っております。
#63
○藤原房雄君 火災関係のことにつきまして二、三の問題をお聞きしたいと思いますが、最近の社会情勢の非常な変化というものはほんとうに目をみはるものがございます。いまお話がございました建築材料にいたしましても、また先ほどの都市の過密化またビルの高層化、こういうものがもたらす影響というものは、特に火災面につきましてはいままで考えられないようないろいろな問題を巻き起こしております。こういう観点から消防庁関係としまして、また細部にわたりましてはいろいろ消防庁に地行委員会等で御質問したいと思いますが、きょうはこの中で特に何点かにしぼりまして、基本的な考え方また今後の対策についてお聞きしたいと思います。
 まず、最近精神病院において火災が相次いでおります。一昨年、昨年ございまして、これは精神病院に対する火災対策というものについては、委員会におきましても何度か問題になったところだと思うのでありますが、本年に入りましてもまた火災がございました。去年の暮れからことしにかけて二、三の精神病院、これはまことに痛ましい死者を出す、痛ましい姿を呈するので、非常に私どもとしては真剣に取り組まなければならないことだと思いますので、最近の二、三の精神病院の火災状況、おわかりになりましたらお聞かせ願いたいと思います。
#64
○説明員(百井一郎君) ただいま御指摘のように、精神病院において火災が発生いたしますと、その病院の構造からいたしまして死亡事故というまことに悲惨な事故が発生するわけでございます。たいへん残念に思っておる次第でございます。最近の一昨年からの火災の事故を見てみますと、四十四年十一月十九日に徳島におきます藤井病院において火災が発生いたしまして、死亡が六人、負傷が五人でございます。それから、四十五年の六月二十九日に栃木県の佐野市にあります両毛病院に火災が発生いたしまして、このときは死亡者もたくさん出まして、十七人の死亡者、負傷者が一名、それから、引き続きまして四十五年の八月六日に札幌の手稲病院が焼けまして、この場合は死亡者が六人出ました。また最近におきましては、四十六年の二月二日に、宮城県の岩沼町にあります小島病院に火災が発生いたしまして、死亡者六名というまことに悲惨な事件が発生したわけでございます。
#65
○藤原房雄君 その死亡または負傷者の状況はいまわかりましたが、この火災原因については、消防庁どうですか。
#66
○政府委員(降矢敬義君) ただいまお話しのありました病院で、たとえば佐野市の両毛病院、これは患者がマッチを所持しておって、それがどうも放火をしたということでございます。それから、最近ございました小島病院につきましては、まだはっきりいたしていないようでございますが、推定では放火ではなかろうかというようなことでございます。
#67
○藤原房雄君 いつも火災というのは、はっきり原因がつかめないということが多いわけでありますが、それはまあいろんな事情があると思います。いずれにしましても、火災原因、または非常に火の回りが早いとか、建物の構造、またはその中に収容されておる方々が精神病患者である、こういうことからしまして、非常に問題が多いわけです。そういうことで、こういう火災のあるたびに有効な対策を講ずべきである、こういうことで二度と同じ轍を踏んではならない。こういうことから、一度あった火災から何らかの教訓を得ましてそれを生かしていく、こういうことを委員会等でも何度か議論してきたわけでありますが、現実同じようなことが繰り返されている。これは非常に遺憾なことだと思うのでありますが、今日まで、いままでのこういう傾向といいますか、火災の現況からしまして、また、とうとい人命を失うという最も痛ましい姿の中から、今日まで、厚生省として、また消防庁として講じてきた対策、それがどういう成果を生んだか、こういう点を私はほんとうに検討しなきゃならないと思うのですが、今日まで立ててきた対策等につきまして、お伺いしたいと思います。
#68
○説明員(百井一郎君) 昨年から私たちがとってまいりました対策は四点ございます。
 第一点は、公衆衛生局長または医務局長両局長命による火災防止上の指導強化についての通牒でございます。この中に盛られております重要な点を申し上げますと、まず精神病院の火災防止について点検をするということが、第一点であります。それから第二点は、木造病棟の耐火施設への切りかえ、そういういうことが第二点です。それから第三点といたしましては防火管理体制の強化、それから第四点といたしましては災害時の措置等、第五番目といたしましては、病院職員の訓練、研修、そういうふうな点を通牒として各都道府県に流してございます。
 しかし、一片の通牒だけでは不十分でございますので、昨年の三月の初めには、精神衛生の主管課長会議を開催いたしまして、ここでさらに精神病院の防火上についての一斉点検をさらに強化するように指示してございます。
 それから、第三番目にとった処置といたしましては、昨年相次いで二件火災が発生した関係上、急速これが対策の強化をはかりたいという観点から、昨年の八月から九月にかけましてブロックごとに精神衛生の主管課長会議を開催いたしましてさらにこの強化を指示したわけでございます。
 なお、第四番目といたしましては、消防庁と協力いたしまして、地元の消防署と県の主管課が同時に精神病院に立ち入り検査を行ないまして、一千三百六十四ヵ所の精神病院に参りまして、火災防止につきまして消防庁と共同して作成いたしました点検表によりまして、今後の参考となる事項または現時点において特に注意を喚起すべき事項または改善を要する事項、非常にこまかい資料を作成したわけでございます。
#69
○政府委員(降矢敬義君) ただいま厚生省のほうからお話ありましたほかに、先ほど御指摘ありましたような煙の問題がございまして、したがってこの病院等の性格にかんがみましても、やはり早く発見をして、早く避難をする、また避難をさせるということが大事でございますので、いわゆる煙感知器――自動火災警報器としての煙感知器の設置をするようにということをしておりますし、また特にわれわれといたしまして、こういう病院の特殊性にかんがみまして、大事なのは早期に避難をどうするか、こういうことであります。そのために、現地の消防機関を中心に、やはり避難訓練というものを何回もやるということをさしておりまして、たとえば最近の小島精神病院の場合でも、何回も従来から訓練をやっておりまして、報告によりますと、重症患者は八室に八人が入っておったが、二人だけはとにかく避難をさせ、そのほかの重症患者百四十名の避難をさせたということでありまして、これはその病院としては何回も何回も従来から避難訓練をやっておった一つのたまものだろうと思っております。そういうことでこういう病院の特殊性にかんがみまして、火災を起こさないようにいろんな事前の措置をやることと同時に、起こした場合には早くそれを知り、早く通報をする、同時に早く避難させる、こういうことを重点に今回の火災を契機といたしまして、さらに指導を徹底いたしてまいっております。
#70
○藤原房雄君 まあ、それぞれの立場で通達または協議を重ねられておるようでありますが、現実、去年の暮れからことしにかけても、こういう事故が、再び同じようなケースが起っておる。火事、火災があったわけですね。そこで、まあ宮城県の小島病院では痛ましい死者を出す、先ほど厚生省のお話ですと、千三百六十四ヵ所全部点検したんだと、詳細な部分について点検表を作成したんだということでありますが、しかし同じような死亡者を出したわけですね。そこで、火災のあった小島病院やそのほかのところについて点検表で点検した結果に基づいて何か勧告なりまたは注意した、それがまたどう改善されたかという、こういうさらに突き詰めたものがなければならないと思うんですが、そういう点はどのようになっておったんですか。
#71
○説明員(百井一郎君) たび重なる火災の事故はまあ全部が木造病棟から発生しているという点、しかも閉鎖病棟が大多数であるという点にかんがみまして、まずこの木造病棟の改築を早急に促進するということが第一点ではなかろうかと思います。したがいまして、私たちのほうといたしましても、特に民間病院が多いわけでございますので、医療金融公庫の融資につきまして、特に木造病棟の改築については最優先にしていただくように協議を進めておるわけでございます。
 それから、閉鎖病棟につきましては、やはりかぎがかかる、あるいは金網が張ってあるというような関係からいたしまして、これを何とか看護婦詰め所等において一ヵ所で全部の病棟がドアが開くような装置はなかろうかというようなことで検討してまいりましたところ、オートロックという装置があるそうでございます。これをナース・ステーションに備えつけまして、閉鎖病棟のドアがボタン一つで非常時の場合は開放できるというような装置を、今後さらに各病院に徹底して設置するように努力してまいりたいというふうに考えております。
#72
○藤原房雄君 消防庁長官からは早期発見というような、また煙の感知器をつけるという、これは消防関係としては当然のことですが、実際こういう悲惨な事故をなくするという根本的な問題は、いま厚生省からお話がありました木造病棟の改築ということだろうと思います。ところで、木造病棟を耐火構造に変えるという、ことばは簡単ですが、実際医療金融公庫の融資によって優先的にするんだということですが、これはまあ昨年、一昨年からこういうことは言われているわけだと思うんですが、実際厚生省の指導なりまた通達があってから医療金融公庫の融資によって変えられた病院がございますか。そのほうの実績はどうですか。
#73
○説明員(木暮保成君) 医療金融公庫では、ただいま精神衛生課長から申し上げましたように、精神病院の木造を不燃化するということを優先的に取り上げることといたしまして、具体的に申し上げますと融資の申し込みがございましたときに先順位の申し込みがございましても、これを一番先に審査し、それから一番先に貸し付けるというような措置をとるようにいたしております。それでその結果、医療金融公庫のほうで精神病院の木造建築を不燃化いたしました数でございますが、四十二年度、四十三年度、四十四年度、それから四十五年度は十一月までの集計でございますが、百五十二病院に対しまして八千九百九十ベットを木造のものから不燃化のものへ切りかえをいたしております。それに対しまして、貸し付けをいたしました金額が四十億六千三百万円でございます。
#74
○藤原房雄君 いま、いろいろ数を仰せになったのですが、そうすると病院としては意欲的に木造の病棟から耐火構造に切りかえようということで、申し込みがたくさんあるということですか。
#75
○説明員(木暮保成君) 昨年、全部の施設を一斉に立ち入り検査をいたして、指導いたしておるというようなことがございますので、ただいままでも不燃化計画というものは出てきておりますが、今後さらにふえてくるであろう、こういうふうに考えておるわけでございます。そこで、私どもといたしまして、本年度の医療金融公庫の貸し付けワクが三百五十億でございますが、そういうことも考えまして、来年度の貸し付けワクは四百十億というふうに大幅に伸ばしていただくように、予算を計上いたしておる次第でございます。
#76
○藤原房雄君 これはもちろんまあ私の病院の数だろうと思いますが、二十万ベットからあるわけですね。その数は八千八百九十ですから、実際はまだまだだと思います。まあ私の言いたいのは、そういう木造病棟を耐火構造に切りかえることは何といっても先決問題だと思いますが、また政府としてもそれに相応の予算措置を講じておるといういまの御答弁なんですが、実際は最近は三Kの一つと言われ、この医療行政というのはなかなかたいへんのようでありますし、特にこの精神病院関係につきましても、経営ということは非常にたいへんなようなことが言われております。ある方の話ですと、良心的な治療をすれば赤字になる。赤字を避けようとすれば、どうしても非良心的な治療をせざるを得ないというような、こんなことも言われておるような現況でございます。やはりこの耐火構造に切りかえるといっても、それ相応の自己資金が必要なわけですから、どうしても思うように進まないという、こういうことが一つの大きな隘路だろうと思います。こういうことで、大蔵省に早急な対策を講ずるような予算措置を強力に訴えていかねばならないと思うのですが、それはそれとしまして、こういう現況からしまして、やはり自己資金で改造をできるところはよろしいわけですが、やはり先ほどお話ありましたような点検表、こういうもので最も改善を要するという、やっぱりある程度のランクがあるだろうと思います。そういう点で最優先に、ここはまあ経営者の意思またはその自己資金云々ということもさることながら、やはりどうしてもこういう病院といいますか、こういうものは公共的というか、大きな立場から考えなければならないので、改善にはより強力な措置をとらなければならないと、こう思うわけですが、実際こう個人経営でやっておりますと、なかなかそこは非常にむずかしいところだと思います。こういうことからいたしまして、非常にこの公共性といいますか、こういう点からもこれは考えなければならないという気がするわけです。単にこれは企業なんていうような考え方ではならないのではないかというような考えもするわけでありますが、こういうことからしまして、現在ベット数、指定ベットよりも非常に多いというのは、火災があってからそういうことがわかるという、定員も非常に少ない、携わる方々の、従業員の数が少ないということも、火災があってからわかると、こういうことで病院経営というのが非常に困難ではないかというような、いろんなことが想定されるわけですが、こういうことからしまして、やはりまた公共性ということからも考えまして、国立または公立の病院というものをもっと充実したものを建設しなければならんのじゃないか。こういう気がするわけですが、その点についてのお考えはいかがですか。
#77
○説明員(百井一郎君) ただいま先生が御指摘になりました精神病院のいろいろの問題点は、まことにごもっともでございます。私どもといたしましても、諸種の問題を具体的にどのように解決していったらいいのかというようなことについては中央精神衛生審議会の意見、また各方面の御意見等を拝聴いたしまして、早急に対策を確立してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。後段の、民間の精神病院と国公立の精神病院との比でございますが、わが国におきましては、ベット数から見ますと、民間の占める割合が八五%でございます。国公立の占める割合が非常に低いというのが、大きな特徴になっておるわけでございます。外国の場合は逆になっております。こういうふうな事態を踏んまえまして、民間の、特に知事が強制入院させる指定病院の育成というものについて、今後十分考えてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 それから、特に、たとえば小児精神障害者であるとか、あるいはアルコール中毒であるとか、あるいは老人性の精神障害であるとか、あるいは合併症の精神障害、そういうふうに取り扱い上困難な精神障害者の処遇につきましては、これは民間よりもむしろ国公立で扱うべきではなかろうかというふうな御意見がたくさん出ておりますので、その点につきまして、医務局とも十分協議の上、これらの患者さんたちの処遇をぜひとも国公立のほうに病床をふやしてまいりたいというふうな計画を進めておるような次第でございます。
#78
○藤原房雄君 これは、今後の問題としまして、ぜひひとつ検討していただいて、あくまでも古い木造病棟があることがないように、改善を早急にしていただきたいと思いますが、現在ある木造病棟につきましてはどうするかということですが、桐朋学園というのですか、この施設は非常にひどかったということが報じられておりますね。火災があったりいろいろなことがあってから消火施設が何もなかったとか、水がなかったとか、こういうことで、あとになってからこの問題が大きく取り上げられるという、実際、先ほどお話ございましたように、点検なさった結果、早急にその処置すべきところというのは、やっぱりおのずとわかっておったと思うのでありますが、そういうところに対しての指導監督、また今後の検査をどのようにやっていくのか、既存の建物を一ぺんには、先ほどのお話のようにいかないわけでありますから、現在ある建物について、既存のものについて、特に木造病棟につきまして、こういう古いものについて、どのように指示する、または対策を講じられていくかという、その点について。
#79
○説明員(今泉昭雄君) ただいま先生御指摘ございました桐朋学園につきましては、これは知恵おくれの子供たちを収容いたします精神薄弱児の施設でございます。この精神薄弱児等の児童福祉施設におきます防火及び緊急時の避難訓練の徹底につきましては、機会あるごとにいろいろ指示しているところでございますが、桐朋学園の場合も千葉県からの報告によりますと、昨年十月に消防署の立ち入り検査があり、あるいは同年十二月の千葉県におきます施設の監査を受けておりまして、その際には消火器、自動火災警報装置等の設備がございまして、また避難訓練は毎月、それから職員によります夜間の巡回も毎日実施されておることは確認されております。防火及び緊急時の避難対策につきましては、相当の配慮をしていることが認められております。ただ、施設が木造建築である上、火災当日は異常乾燥下にあったため、火の回りが早かった。また、ちょうどそのとき、出火時に昼間の勤務の職員と夜間の勤務の職員が交代を行なっておって、出火の発見がおくれたということがございまして、不幸にして大事を招く結果になったことは、まことに残念でございます。今後このようなことがないように、あらゆる努力を私どもとしては払ってまいりたい、このように思っております。
#80
○政府委員(降矢敬義君) 消防施設の関係では、特に先ほど申し上げました自動火災報知器あるいは誘導灯というようなものにつきましては、既存のものにもさかのぼって設置を義務づけるという措置を講じまして、そういうことによって、少なくとも先ほど申し上げましたような見期発見、早期避難ということを確実に励行し得るような措置並びに予防査察を重点的に、その市町村ごとの消防計画をさらに細分化いたしまして、重点的な査察を行なう。同時に、それを基礎にした避難訓練を消防士とともにやる、こういうことを励行させていく、また今後それを続けてまいりたい、こう思っております。
#81
○藤原房雄君 これから火災シーズンといいますか、非常に危険な時期にも入るわけですから、いま厚生省、消防庁から、このように努力しますというお話があったわけですが、冒頭にも申し上げましたような痛ましい惨事は二度と起こしてはならないと思いますし、起きないように最大の努力を払ってもらいたいと思いますが、現在までも同じことを繰り返してきつつ今日まで来てしまったわけです。そういうことから、やはりいままでの対策では欠けている点があるのではないかと思います。厚生省の方もいろいろなことをおっしゃっておりますけれども、全国社会福祉協議会の調べでは、民間の社会福祉施設の七百二十五ヵ所ですか、危険なところがある、こう言われておるんですね。こんなにもう危険が身近にあるということですといつまたどんなことになるかわからない。こういうことから非常に憂慮するわけですけれども、今後とも厳重な査察、抜き打ち検査とか、あるいはまた危険な点については措置をするとか、こういう点について厳重にひとつ措置を講じていただきたいと思います。
 それから、当初、厚生省としましては、木造病棟を緊急に建て直すということで、いろいろ計画があったように聞いておるんですが、これはどうですか、いま年次計画を立てて改革をしていくという。
#82
○説明員(百井一郎君) たび重なります精神病院の火災事故にかんがみまして、公的医療機関の都道府県立、市町村立、それから日赤、済生会、厚生連等のこういうふうな公的医療機関の改築に際しましては、従来はベッドが足りないというような関係からいたしまして、新増設というのを主眼としてまいったわけでありますが、四十六年度以降は木造病棟の改築というものをまず最優先していきたいというふうに考えております。昨年行ないました一斉点検の結果から、こういうような公的医療機関の木造病棟がどのくらいあるかということがただいま集計してございますので、これによってまず四十六年度以降の年次計画におきまして早急に耐火建築に切りかえるように指導してまいりたい、というふうに考えておる次第であります。
 なお、特に民間におきます改築の計画については、先般の課長会議におきましても、早急にこの年次計画を作成するように指示してございますので、これに沿うて医療金融公庫と協議の上、改築の促進をはかってまいりたいというふうに考えております。
#83
○藤原房雄君 最初に、先ほども申し上げたことですが、現在民間の社会福祉施設の防火施設の状況とか、こういうものについての総点検といいますか、全部の検査した状況というのは、厚生省が把握していらっしゃるわけですね。
#84
○説明員(新津博典君) 直接のお答えの前に、先ほどお話ございました社会福祉施設のうち、ことに民間の木造老朽施設の建てかえを年次計画でやってきておりますので、まずその状況を御報告申し上げます。で、社会福祉施設整備につきましては、重点的にこれを実施しておるわけでございますがその中で、現状で申しますと老人の施設でございますとか、重度の障害者の施設でございますとか、そういうものの整備と並びまして、最重点項目の一つにこの木造老朽施設の建てかえをあげておりまして、過去第一次の老朽民間施設整備五ヵ年計画、これが三十八年から四十二年まででございますが、この間に面積にいたしまして約二十万平米の建てかえを行なっております。国庫補助金で十八・九億円でございますので、国庫補助金が二分の一でございますから、これの二倍、約三十八億円の費用で、この二十万平米の建てかえを行なったわけです。それから第二次の老朽民間施設の建てかえ整備計画でございますが、これが昭和四十三年度から四十五年度までの三ヵ年でございまして、建てかえました面積が約八万平方メートルでございまして、これに要しました国庫補助金が十二億円、総事業費といたしましては二十四億円でございます。で、四十六年度予算から新しく第三次の計画に入るわけでございますが、これは民間の社会福祉施設の木造で老朽しております収容施設を中心にいたしまして調査の結果、十一・七万平米が木造老朽に該当いたしますので、これを三ヵ年計画で、総事業費として約四十億円で実施する計画を四十六年度から発足いたさせるわけでございまして、とりあえず四十六年度の予算案では、これに当たります国庫補助金六・九億円を予定しております。
 それでことに、先ほど来お話が出ておりますように、民間の施設になりますと、国庫補助金が二分の一まいります。それから都道府県の補助金が四分の一まいりまして、残りの四分の一がいわゆる自己負担になるわけでございますが、この自己負担がなかなか困難であるというような事情もございますので、この四分の一の自己負担分につきましては、特殊法人である社会福祉事業振興会から融資をいたしまして、これを無利子で融資して、優遇措置を講じて建かえを急いでいるわけです。その無利子の分の六分五厘の利子補給を一般会計のほうからさせていただいております。まあそういう形で優遇措置をはかっておりますので、現状で非常に民間施設の木造老朽のものにつきましては、今回の三ヵ年計画で一応全部建てかえを終わるという予定で、精力的に今後の第三次の三ヵ年整備計画を進めてまいりたいと思います。
 それから、先ほどの総点検でございますが、これは先ほど来精神病院の関係でお話し申し上げておりますとおりでございまして、社会福祉施設関係につきましても、会議でございますとか通牒でございますとか実地指導でございますとか、やっておりますし、また最近の火災にかんがみまして、ただいま一番新しい時点での防火設備等の総点検を実施中でございまして、最新の資料が遠からずまとまるものと思っておりますが、この点につきましても、消防法で義務づけられておりますようなものは、全部これは防火設備等がそろっているはずでございますけれども、万一まだたとえば自動火災報知器のように、新しい建物には義務づけがあるけれども、既存のものには猶予されているというようなものにつきまして、御要望があれば、これも同じく社会福祉事業振興会の融資で最優先にお貸しするような手は打ってございますので、万一そういう設備がまだ不十分なものがございますれば、早急に整備してまいりたいと思っております。
#85
○藤原房雄君 次は都市火災ということですが、ロスアンゼルスのああいう大きなこともございまして、最近にわかに議論が沸騰しております。しかしこの都市化そしてまた高層化というのは、何も東京、大阪だけではなくて、近郊都市におきましても、最近は地方都市におきましても高層建築というものはどんどん建ちつつあります。それに対する防火体制というものが、こういう非常な急激な都市化現象におくれているということは、過日、地方行政委員会のときにもいろいろ申し上げたと思いますが、その代表的な例として水戸市の火災があげられると思うんです。十八台からの消防車が出動していながら、水戸の、去年の暮れの十二月二十六日ですね、このときはおよそ七時間ほど燃えておったということですからたいへんなことですね、いままで考えられないようなことが、もうこういう高層化になっている、また地方都市においても、こういう大きな建物が建つということで、消防体制が非常に弱体化している。弱体化というよりも、その進歩に追いついていけない、こういうことがあげられると思うんです。ニューヨークで、去年のやはり十二月ですか、五十階のビルが火災になった。こういうことも出ておりまして、どうも近代的なビルですと密閉状態の中にあるために、たいへんな煙がビルの中に立ち込めまして、熱気と黒煙のためにたいへんな問題か起きた、このように報じられておりますが、何もこれはニューヨークの話だけではなくて、いま申し上げましたように、水戸の火災のときにも同じような現象が起きております。この水戸の火事から言えることは、確かに新しい建物であるために、防火シャッターとか消火栓とか消火器、こういうものはあったようですけれども、実際に従業員のごくわずかの人しかそういうもののあるところを知らなかったということで実際にこれ役立っていない、こういうことが言われております。さらに、十八台の消防車が出動しして、七時間も燃え続けておったという、こういうことからしまして、これはもうほんとうに新しいケースの防火体制といいますか、こういうものを考えなければならないときが来たのではないか、このように思うわけでありますが、その水戸の火災等を通じまして、消防庁ではこれをどう認識しておられるか、この点ひとつお聞きしたい。
#86
○政府委員(降矢敬義君) ただいまお話がありましたように、都市におけるいろんな施設の面を、私たちは全体としての防災という面からぜひ考えなきゃいかぬ、こう思っております。したがって都市計画、それからそれを踏まえた都市づくりの中で、そういう新しい建物というものを道路とか緑地とか、そういうものとかみ合わせながら、都市づくりの中で考えていかなければ、これはかりに消防機関だけで市民の生活を災害から守るということはとうていできまい、こう私は思っております。で、水戸の火災、直接の問題といたしましては、やはりああいうビルにつきましては、二つの点からぜひ防災を考えていかなきゃならぬと思っています。一つは、建築基準法その他の消防法を通じまして、建物自体がそれ自体人命の損傷をなくすという構造をぜひ今後進めていかなきゃいかぬ。したがって、この水戸の火災におきましても御指摘のように自動火災報知器があったり何かしましたけれども、構造とともにその維持管理を今後どうしていくかということを、ぜひ建物の所有者ないしその使用者において相当自覚をしておらなければいけませんが、水戸の場合におきましても、御案内のとおり、複合用途ビルと俗にいわれているところでありますが、防火管理者の設置もなければ、避難訓練もやっていない。消防は、査察は年一回やりまして、いろいろ勧告をしておりますけれども、その実現の追跡も十分じゃない。こういう、こちらの消防のほうにも問題がありますけれども、向こうの建物を管理し、使用している側におきましても、この特殊な大きな建物につきましての管理体制が十分でないと私は思っています。したがいまして、こういう点につきましては、今回消防法の一部を改正しまして、そういう事態に対しては消防機関は防火管理者の専任を義務づけて、そして消防計画をつくらせ、特に私は先ほど申し上げましたように、早期発見と早期避難ということを中心にした管理者の訓練をぜひ消防機関を中心にやらせる。また、いままでの市町村の消防におきまして、特に消防計画といいましても、もう少し私は具体の建物について具体の消防計画というものを突き詰める考え方、そういう考え方が欠けておったと思います。したがいまして、私は今後都市における、中小の都市におけるビル、あるいはその他の地下街というようなものにつきましては当該地下街、当該ビルにおける具体の防災計画というものを市町村、消防、その他の機関も一体となってやはり具体的につくっていくということをぜひ進めていくように、先般も指示いたしましたけれども、そういう姿勢をぜひ考えていきたい。反面、公設消防におきましては、こういう建物がどんどんどんどんできてくる場合に、やはりある程度財政とにらみ合わすことになりますけれども、特殊の消防機関をぜひ備えていただかなければなりません。それにはやはり化学消防車の充実ということを私たちは進めてまいる中心の課題でありまして、これにつきましては消防施設補助金におきましても、四十六年度七十台を用意いたしまして、中小都市並びにこの近辺の都市を中心に化学消防車の充実をはかっていきたい、こういうことでやはりそれに対応し得る科学的な消防施設というものを充実する。
 もう一つは、こういう特殊な火災、特殊な施設に対応して、消火並びに人命救助の技術というものを相当開発していかなければいけません。この点につきましては、最近御案内のとおり各中小都市の大きなところにおきましては、いわゆる消防の中にもレンジャー部隊というものを特設いたしまして、こういうビル火災その他の特殊な火災に対しましては、特殊な訓練を受けた人間が人命救助と、それから早期の消火に当たるような、そういう隊員の訓練もやり始めておりますし、これは私は消防機関の訓練の中でも、わが消防大学校におきましてもこういう訓練体制というものを充実いたしまして、そして都市づくり、町づくりの中で消防がぜひ力を合わせて防災に努力する、こういうことを今後一そう進めていく考えでございます。
#87
○藤原房雄君 当日の様子をいろいろ調べますと、消防車のポンプの水が三階までしか届かなかったということなんですが、それから航空自衛隊の化学消防車が来ましてやりましたけれども、四階までしか届かなかったということがいわれております。この消防車の消防ポンプの機能というものは非常に大事だと思うのですが、水圧が低かったのか、水が実際にどういう状況だったのか、どういう事情か、その辺のところはよくわかりませんけれども、消防車の耐用年数というものは一体どうなっておるのですか。毎年消防車の耐用年数によって変えなければならないということは当然考えられるわけですけれども、年間どのようにこういう問題についてはやっていらっしゃるか、その点ちょっとお伺いしたいと思います。
#88
○政府委員(降矢敬義君) 前段の水の問題につきましては、一時そういう風評もありまして、調べましたところが、やはり事前の消防水利の統制が必ずしもうまくいかず、消火せんをそれぞれ一時に使ったために水位が下がったようでありましてその後調整をやりました結果回復しております。これはやはりふだんの訓練の問題あるいは具体の建物における消火計画、消防計画というものがやはり欠除しておったところだと私は思っておりまして、先ほどのようなことを指示しておるわけでございます。
 それから消防自動車の耐用年数については別に指示はいたしておりません。しかし御案内のとおり、国庫補助の場合におきましては五年間は処分禁止の期間がございますし、それから地方交付税の基準財政需要額に算定するときには一応六年ということを、目標にして算定しております。したがって、消防自動車の耐用年数につきましては特に定めてはありませんが、それぞれの市町村において――というのはこれは活動の状況にもよりますが、普通は大体十年ぐらいというふうに私たちは聞いておるところでございます。
#89
○藤原房雄君 細部の点については、また関係の委員会でいろいろ聞きたいと思います。
 さらに、先ほどお話があったのですが、建材のことについて、これは非常に重要な問題になっております。昔は焼死体と、こういわれたわけですけれども、最近は煙でなくなる方が非常に多い。こういうことで、最近の建築材料の変化から建築基準法も改正になりまして、鋭意こういう面に対しても対策が講じられつつあるわけですが、たとえば建材によりまして非常に有毒なガスを出すものがある。それからまたガスの量も多い。ある人に言わせると、普通の木材だって一酸化炭素は出るのであって、別に新建材だって変わりはないと言う方もいらっしゃるわけですが、ガス量が多いということと、早くガスが発生する。また建材によってはシアンガスとか窒素化合物とか、こういう有毒ガスを出すものがあるということで、ことしの初めですか、美唄で十名の方がなくなった火災では、着たものや何かは何も変わりない、有毒ガスにやられたということをはっきり示しておるような、そういう状況であったということも報じられております。こういうことで、法の改正によってある程度は今後は改善されると思うのですが、また最近、建設大臣から積極的に建築材料についてはきびしく認定基準をきめるのだ、こういうことも言われておりますが、また先ほども煙ということについてのお話がありましたが、現在建設省として考えております建築材料についての再審査それから認定基準をきびしくするという考え方、基本的にどういう点をもとにしていつごろをめどとしてどのように進めていらっしゃるのかという、この点についての概略をお話いただきたいと思います。建設省にお伺いします。
#90
○説明員(前川喜寛君) この新建材にかんがみまして、特に煙を出す材料、こういったものの規制これは昨年度から、一月一日から施行しておりますが、試験方法を切りかえまして、煙を出す出さぬということで、不燃材料、準不燃材料、難燃材料こうした三種類の区分をする、こういうものを総括していわゆる防火材料といっております。それ以外の燃える、あるいは煙をよけい出すという材料があるわけです。こういうことで今回の法律改正で、本年一月から実はこの適用対象を大幅に拡大をやっております。現在のところ、態勢はそういったところでございますが、これをいかに徹底させるか、あるいは材料の製品がそういったふうなきちっとした態勢で出回っているかどうか。たとえば具体的にこれがどういう材料であるかという表示の徹底、これは一般の人がそういったことがわかるという意味では非常に重要なことでございます。専門家でも、場合によってはちょっとわかりにくくなる場合も非常に多いわけでございます。したがいまして、われわれとしては特に一定の定められた性能がいかにきちっとあるかということ、それが一般の使う側にわかるということ、この辺の二つに特に重点を置いてやっていきたいというのが、第一点でございます。
 それから、さらに従来の既存の建物につきまして、やはり旅館、ホテル、その他木造とか、そういったことの中でも、特にそういう煙をよけい出す材料、こういったものがあるわけでございます。こういったものを、やはり特に一般に不特定多数の人が集まるとか、そういったところにつきましては重点的に査察をして、これも従来もやっておりますが、特に強化をして、いまの室内の仕上げ、そういったものをできるだけ防火的にやらせる、こういうふうなたてまえをとっていきたい、こういうふうに考えております。
 それから、さらにこれは法律即ということではございませんが、何といいましても、こういう防火材料が一般の強制されている以外にもどんどん使われるという態勢にすることが望ましいのでございます。こういった点からも、できるだけいまの煙を出す材料とそれ以外の材料というものをよくわかるようにしながら、ぜひ防火材料を使ってください、それがいい、というふうなことを周知徹底させていきたい、こういうふうに考えております。この点は、先ほど佐藤先生からもお話がありました。ただ、防火材料云々ということよりも一般の人もできるだけ、こういった点で非常に危険が多いのだということを含めまして、できるだけわかりやすくして徹底させていきたい、こういうふうに考えております。
#91
○藤原房雄君 もう時間もまいりましたので、これで終わりますが、先ほどからいろいろ申し上げておりますように、社会福祉施設、最近事故が続いておりまして、痛ましい犠牲者を出しております。また都市化現象によりましていままでにない形の状況というもの、また建築材料等によりましていままでに考えられなかったようないろいろな問題が起きております。どうかひとつ、各省庁でこれらのことについて鋭意検討していただいて、一片の通達で済ますなんていうことは、あってはなりません。やはりこういう対策を立てて、こういう効果を生んだという、そういう実績をひとつはっきり残していくような今後の積極的な姿勢でこの消防関係、火災対策といいますか、人命、そうしてとうとい財産を失うこの火災に対しまして取り組んでいただきたい。このように要望いたしまして、私の質問を終わります。
#92
○委員長(北村暢君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は、本日はこの程度にとどめます
 速記とめて。
  〔速記中止〕
#93
○委員長(北村暢君) 速記起こして。
    ―――――――――――――
#94
○委員長(北村暢君) この際、委員派遣承認要求に関する件についておはかりいたします。
 雪害対策に関する調査のため、委員派遣を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#95
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認めます。
 つきましては、派遣委員の人選、派遣地、派遣期間等は、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#96
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、本院規則第百八十条の二により議長に提出する委員派遣承認要求書の作成等も、便宜、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#97
○委員長(北村暢君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後零時二十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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