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1949/03/23 第7回国会 衆議院 衆議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第13号
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1949/03/23 第7回国会 衆議院

衆議院会議録情報 第007回国会 運輸委員会 第13号

#1
第007回国会 運輸委員会 第13号
昭和二十五年三月二十三日(木曜日)
    午前十一時五十五分開議
 出席委員
   委員長代理 片岡 伊三郎君
   理事 大澤嘉平治君 理事 關谷 勝利君
   理事 松本 一郎君 理事 林  百郎君
      岡田 五郎君    尾崎 末吉君
      尾関 義一君    黒澤富次郎君
      坪内 八郎君    畠山 鶴吉君
      滿尾 君亮君    渡邊 良夫君
      上村  進君    飯田 義茂君
 出席政府委員
        運輸事務官
        (鉄道監督局
        長)      足羽 則之君
        運輸事務官
        (鉄道監督局国
        有鉄道部長)  石井 昭正君
        運 輸 技 官
        (港湾局長)  後藤 憲一君
 委員外の出席者
        專  門  員 岩村  勝君
        專  門  員 堤  正威君
    ―――――――――――――
本日の会議に付した事件
 倉庫業法の一部を改正する法律案(内閣提出第
 一〇五号)
    ―――――――――――――
#2
○片岡委員長代理 これより運輸委員会を開会いたします。
 倉庫業法の一部を改正する法律案を議題といたし、前会に引続いて質疑を行います。岡田五郎君。
#3
○岡田(五)委員 まず御説明をお願いいたしたいと思うのであります。現存の倉庫業の現状につきまして、説明書として配付されておるこの資料を拝見いたしますと、戰後できました倉庫は、主として非発券倉庫であり、しかも群小倉庫が非常に多いようであります。また倉庫在貨も戰前、戰時中に比べまして、相当回転数が少くなつておるかのようにも考えられるのであります。かような実情をこの資料によつて一応御説明をいただきたいと考えるのであります。御説明を受けた上、この数字につきまして多少質問をいたし、また倉庫業法の一部改正につきましても質問いたしたいと思うのであります。
#4
○後藤政府委員 それでは御説明申し上げます。お手元に差上げました倉庫業の現状説明資料をお目通し願いたいと思います。倉庫業者数は土地によりまして、新、旧及び発券、非発券業者別にとつた数字でありますが、そこにありますように、普通倉庫業約六百、冷蔵倉庫約八百、水面木材倉庫というのが九、総計いたしまして千三百九十六という業者の数になつております。ただいまお話ありましたように、戰後に新たに業を開始いたしたものと、旧来から行つておるものを比較いたしますと、普通倉庫においては新が四七%、旧が五三%、冷蔵倉庫におきましては新が四九%、旧が五一%、こういうような割合になつております。なぜ新がこうたくさん出たかというと、この戰争によりまして倉庫が非常に損害を受けております。戰前普通倉庫は百二十万坪ありました能力が、七十万坪に激減し、また冷蔵倉庫におきましては、戰前十二万立坪ありましたのが、約八万立坪に減少いたしました。なお残つたうちでも、特に素質のいい、しかも重要な地点でありますところが、進駐軍の専用になつておるというようなわけでもつて、日本の経済の実情からいいまして、倉庫が非常に不足を来しておつたときがあるのであります。従つて需給の関係といたしまして、新たに倉庫の業を開始するという欲望が必然に起つたわけであります。ところが旧来の倉庫業者の方には制限会社がありまして、それ自体が新規の業を開始、あるいは倉庫を建設する機会に恵まれなかつた。そのために戰後の新興業者で、何か固定的な事業に手を出したいという趣旨から、倉庫業に転換したものが非常に多かつたのです。それからまた冷蔵庫の方は、戰後漁業方面の景気が非常によかつたということと並んで、冷蔵庫に着目したものが、新興の業者の間に多かつたのであります。しかしながら戰後に建てました建築物は、資材あるいはその建設費の違いということのために、ことごとくがきわめて粗末な建物であります。旧来ありましたような本格的な倉庫の建築は、ごくまれでありまして、バラック建てのものが非常に多いというのが現状なのであります。
 それから次のページの(ニ)に倉庫設備能力というのがあります。それによりますと、二十四年の十二月現在におきまして、普通倉庫が百十一万坪、冷蔵庫が約十三万立坪というように、ほぼ戰前の姿、冷蔵庫において約一割二分ほどの増加を来しております。
 それから第三は発券の問題でありますが、発券をするには、倉庫の構造自身非常に信用を必要とするものでありますから、新規の業者にして発券許可をするだけの構造を持つものは、割合いに少いということのために、発券の量はそう大きく増加いたしておらぬのであります。
 第四に、終戰後に増加いたしました坪数が出ております。戰後においては、普通倉庫におきまして約三十五万坪、冷蔵倉庫におきまして四万四千立坪がふえております。そしてそのふえましたのも、主として六大港に非常に多く増加しておることが、その内訳のところに表われておるわけであります。
 それから第五には、軍施設の転換、これは旧軍港でありました横須賀、呉、佐世保、舞鶴という所に、海軍の軍需用の倉庫がありました。それらが開放になりまして、大蔵省の所管に移り、その後これを民間の業者に、一時使用によつて倉庫営業を許したものが、海軍関係におきまして約五万七千坪、陸軍施設のもので六千坪、その他移設とかあるいは転用ということで一万七千坪、総計約八万坪が、旧軍港の施設の転換によつて倉庫に転用されております。
 第六に、進駐軍に接収された明細が載つておりますが、総計約十四万十千――十五万坪ほどのものが接収されております。
 それから第七、これは主要港湾都市における普通倉庫業の集中状況ですが、去年の十二月末現在におけるいわゆる在庫残高は千二百九十一億で、これは去年の秋の初めごろまでは約千五百億ほどあつたのですが、年末には少し倉庫の在庫品が減つております。これは荷物が動いたのと、物価がやや下つて来たというこの二つの理由によつて、去年の秋ごろの残高と比べて減つておるのであります。昭和十八年には在庫高が二十七億ありましたが、布庫品の絶対量が減つておるのは、今の物価の値上りと、昭和十八年の物価を対比いたしますとおわかりになると存じます。
 次は品目別割合であります。現在の倉庫の寄託貨物の特徴としてきわめて顯著なのは、政府及び公用の貨物が非常に多いことであります。第四に三十四年八月末現在の表があります。数量において二百七十八万トン、金額で千百二十一億円、うち政府関係が数量において五一%、金額において六三%、その残りが民間の寄託物資ということになるわけであります。
 (四)に倉庫証券の流通の表があります。十二月末現在におきまして、在庫貨物の合計が千百七十三億円あります。証券流通高は四十五億円であります。比率にいたしますと三・九%を占めるだけであります。しかしこれは政府及び公団の所有になつております、いわゆる証券流通の方法のない貨物が六百九十八億円ありますから、それを差引きますと、民間貨物は四百二十三億円になります。その四百二十三億円に対しまして、四十五億という証券の流通がありますから、その割合で行きますと一六%強にあたります。これを戰前の実績に比べますと、昭和十五年末におきましては四七%、十九年末におきましては一五%という数字になつております。十五年ごろはまつたくの自由経済時代でありますが、十九年になりますと戰時中であり、統制を非常に強化した時代であります。ただいまの一六%というのは、現在まだ各種物資の統制時代にある点から見まして、やむを得ないと思います。しかしこの点は、統制をゆるめると同時に、物資の流通高がふえて来ることが考えられるのであります。
 大体この表にありますのは、そういう点であります。
#5
○岡田(五)委員 資料の説明を承るのはこの程度にしまして、一言だけお聞きいたしたいと思います。第一條の「倉庫営業者(他人ノ為二政令ヲ以テ定ムル構造ヲ有スル倉庫二物品ヲ保管スルヲ業トスル者)」こういうように今度の改正法案で追加されることになつたのでありますが、この「(政令ヲ以テ定ムル構造ヲ有スル倉庫)」こういうことで、いわゆるこの発券倉庫以外の倉庫も届出制度でキャッチしよう、こういうお心持のようでありますが、この「政令ヲ以テ定ムル構造ヲ有スル倉庫」こういうことについて、どういうように政府としてお考えになつておるのか、概略御説明を願いたいのであります。
#6
○後藤政府委員 商法の第五百九十七條に、倉庫業の定義が入つておるのでありますが、倉庫というものの定義というものは、実は判然といたしておりません。それで倉庫といいますと、物を保管いたします建物、またこれを地面にそのまま預かります野積場、また貯木所のような水面というものがあります。また別に自動車のガレージでありますとか、駅などによく見受けます手荷物の一時預かり所というようなものも、預かるという意味で行きますと同じようなことになるのでありますが、それらの点を区別いたしまして、自動車のガレージや荷物の預かり所などは省くというような点をいろいろ考えまして、お手元に資料として差上げたと思いますが、倉庫業法第一條の規定に基く政令案要綱のような考えのもとで、この政令を進めてみたいと存じております。これは倉庫の定義をはつきりしておきたいという目的でもつてやつたわけであります。
#7
○岡田(五)委員 この政令案によりますと、提案理由の説明にありましたような、いわゆる戰後発生いたしました群小倉庫で、しかも設備があまりよくない。しかも保管貨物に相当盗難、あるいは鼠害、あるいは火災というような危険を防止するほどの倉庫を、全部キャッチできるのか。またこの政令からさらに漏れた、いわゆる健全な倉庫も残る見込みであるのかどうか。この辺のところをちよつと御説明願いたいと思います。
#8
○後藤政府委員 その点につきましては、届出によりまして、この定義によります倉庫をもとといたします倉庫業につきましては、全部キャッチできる。こういう考えを持つておるわけであります。
#9
○岡田(五)委員 次に昨日關谷委員からも御質問がありましたが、私は倉庫営業というものは、生産と消費の間にあつてのいわゆる価格調整、あるいは消費調整という一つの重要な使命を果し、また輸送機関の中間にあつて、海上輸送と陸上運送、あるいは道路運送と鉄道輸送、この中間にあつてのいわゆる交通の交叉といいますかの作用――調整作用をする、重要な公共的性質を持つておる事業であると考えるのであります。かようなゆえをもつて、昭和十八年でございましたか、当時商工省所管であつた倉庫営業を、運輸通信省に所管がえされたと私は考えるのでありまして、実に公共性を持つた輸送機関の関連重要産業といたしまして、当然これが管理行政につきましては、強力にこれを把握し、これを監督して行かなければならない、かように私は考えておるのであります。特に運輸省の所管行政につきまして、事運輸に関連する行政につきましては、ほとんど免許可制をとつておるのであります。にもかかわらず倉庫につきましては、今まで発券倉庫のみにつきまして許可制をとり、今度幸いにして届出制度ではありますが、一応把握するな形をとられたのでありますが、私は輸送機関の一連産業として、しかも公益性の非常に強い倉庫業につきまして、いまだに自由経済事業体形を整えておく、放任しておくということについては、はなはだ不満足に考えるのでありますが、きのうも關谷委員の許可制にする意思がありやいなやという質問に対しまして、一応は届出制にして、経過を見て許可制にしたい。かような御答弁でありましたが、相かわらずさような意思であるかどうか。再確認する意味において御質問を申し上げます。
#10
○後藤政府委員 ただいまのお話は、われわれとしても非常に共感いたすところでありますが、現在の状況におきまして、届出制によつて倉庫業総体に対する把握ができるという点が成功いたしますれば、しいて強権を発動し得る免許制をとらなくても、逐次設備の改善または経営の改善ということについての行政指導によつて、指導し得るという点も考えますから、免許制をあえてとらなくてもいいのじやなかろうかという考えを持つております。
#11
○岡田(五)委員 私は政府委員と多少感じを異にいたしているのであります。この法案を見ますと、いわゆる発券倉庫以外の倉庫業は、届出制においていろいろと義務を與えられているのであります。これは倉庫営業の公益性からいたしましてやむを得ない、当然であると考えるのでありますが、一面においてはやはり免許制あるいは許可制によりまして、いわゆる不当競争というか、不正競争を防止し、反面においては業者の保護育成という面もなくてはならない。かように私は考えるのであります。かような意味におきまして、私は当然免許制、許可制をとるべきではないか。ことに昨日關谷委員からも御質問がありましたが、第九條によりまして、発券倉庫以外の倉庫営業者も、第九條の條件にそぐわない場合には、あるいは事業の休止または廃止を命ずるというような強権的作用をされるにかかわらず、最初の生れば、届出、自由営業的な形で生れ出る。この間に私ははなはだ矛盾しているような感じを持つのでありますが、この辺の政府委員の考え方をお聞きいたしたい。
#12
○後藤政府委員 今のお話は、理論的にそういう感じもいたすのでありますが、たとえば許可制という表から強い力を與えるまでもなく、九條の発動によりまして、設備あるいは経営に対する是正をごく民主的に行い得るという点において、行政的にも措置し得る道が開けているのでありますから、一応われわれとしてはこの程度でもつて、従来の完全な自由という点から考えますれば、公益性の確保、公信力を確保するという観点からは、数歩進んでいるのではなかろうか。こうも思つているのであります。
#13
○關谷委員 昨日御質問申し上げましたので、ニ、三点だけお伺いいたします。最初には希望を申し上げたいと思います。昨日行政制度の審議会におきまして、業者の代表が出て参りまして、その声といたしまして、この一貫輸送をやる意味におきまして、どうしても倉庫業というものの所管が、通産省へ移されたのでは困るのだ。運輸省でなければならないということを、倉庫業会の会長がしきりに強調をしておつたのであります。また行政制度審議会の委員の中には、倉庫業の実体を知つておる者がほとんどないということを、私たちもいろいろ説明もしたのでありますが、時間の関係上あまり十分でもなかつたのであります。でありますから、この倉庫業の実体がどのようなものであるかということを、行政制度審議会の委員あたりにもよく徹底するような、何らかの方法を講じていただきたい。なおまた商工省から運輸省へ移管されるということは、こういうふうな意味合いが業界から強く要望せられて、こういうふうなことになつたのでありますので、その移管せられた当時の理由等を明示いたしましたならば、これらの人々もわかつて来ると思いますので、この点十分徹底するような措置を早急にお願いしたいと思います。これは希望でありますので、そういうことをやつていただくことを希望しておきまして、答弁は求めません。
 次に、簡單なことでありますが、ただいま配付になりました倉庫業法第一條の規定に基く政令案要綱の中の三、四に、「運航の用途を休止若しくは廃止した船舶その他水面に浮上する施設であつて物品の保管の目的に供せられるもの」同じく「運転の用途を休止若しくは廃止した車輌であつて物品の保管の目的に供せられるもの」となつておるのでありますが、こういうふうなもので、従来発券倉庫として免許をしておるものがあるのかないのかという点を御説明願いたい。
 次に同じく四枚目にある法第十一條に関する省令案要綱でありますが、その第四に「当該倉庫営業の相続に対する届出人以外の相続人の同意書」ということがありますが、一人でも同意しない場合には、これが相続が認可にならないのかどうか。かりに同じ権利を持つておる者が四人あつて、相続人が一人、あとの三人のうち二人が同意した場合に、一人の同意があつてもなくてもやり得るのかどうか。この二点だけをお尋ねいたしたい。
#14
○後藤政府委員 第一條の政令案要綱の三、四の点の、設備についての発券というのは、過去において例がございません。これは倉庫という規定をこれに掲げたにすぎないのでありまして、今までにこういう形の施設はございません。それから十一條の相続の点は、われわれとしてはまだ研究が十分でございませんので、さらにこの点については研究いたしたいと存じております。
#15
○關谷委員 それでは私はこれで一応委員各位と、免許制に修正するかどうかの協議をいたすことにいたしまして、それを除いた部分に関しては私の質問を打切ります。
#16
○滿尾委員 倉庫業を、公益性にかんがみて免許制にするかどうかが一つの山になつておりますが、これについて政府委員のお考えをお伺いしたい。またこれを免許制にするという場合の理由を、政府側として列挙したものをお出し願いたい。どういうわけでこれは免許制になるべき事情なのか、ただ端的に公益件と言えば非常にりつぱでありますけれども、その公益性とは何であるか。具体的な公益性の内容は何であるかということを、政府側において考えていただきたい。私の考えはなるべく免許制の事業をたくさんつくるということは、経済自立の根本観念から申しますと、望ましくない。どうしてもやむを得ざるものだけ許可制にしたい。つまりこれは例外措置である。従つて例外措置であるというためには、その根拠がはつきりしなければならない。過去に実績として免許制でなかつたために、こういう弊害があつた。倉庫業の運営上において、他人の物を保管して置きながら、あるいは不慮の損害を使用者なり、公衆なりに與えたといつたような、実証的な研究に裏づけられたところの根拠を、政府側において御提出願いたい。そのことが私どもがこの問題を考えますのに、非常にはつきりとした結論を出す上に必要であろうと思いますから、本日御答弁は求めません。この次のチャンスまでにその根拠を出していただきたい。
#17
○後藤政府委員 政府側といたしましては、免許制を主張しておりませんので、免許になるべき理由、今おつしやつたようなものの調査をいたしておらないのであります。私どもは届出制を必要とするということをお願い申し上げておるわけであります。
#18
○滿尾委員 ちよつとその御答弁は見当がはずれております。なるほど政府の原案はそうではありますけれども、これは免許制にすることも可能であるという一つの考え方の範囲いかんです。従つてその線に沿うて御研究を願つて、その資料を御提出願いたい。
#19
○後藤政府委員 それではそういう資料をひとつ考えてみましよう。
#20
○片岡委員長代理 それでは他の質問は次会に続行することといたしまして、本日はこれをもつて散会いたしたいと思いますが、御異議ございませんか。
  (「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#21
○片岡委員長代理 御異議なしと認めます。
 それでは本日はこれをもつて散会いたします。
    午後零時三十分散会
ソース: 国立国会図書館
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