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1970/03/24 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 予算委員会第四分科会 第2号
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1970/03/24 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 予算委員会第四分科会 第2号

#1
第065回国会 予算委員会第四分科会 第2号
昭和四十六年三月二十四日(水曜日)
   午後二時十一分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     岩動 道行君     小林 国司君
     和田 静夫君     大橋 和孝君
     内田 善利君     塩出 啓典君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     小林 国司君     小山邦太郎君
  出席者は左のとおり。
    主 査         吉田忠三郎君
    副主査         玉置 猛夫君
    委 員
                江藤  智君
                小山邦太郎君
                二木 謙吾君
                星野 重次君
                大橋 和孝君
                小柳  勇君
                塩出 啓典君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
   政府委員
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生大臣官房会
       計課長      上村  一君
       厚生省公衆衛生
       局長       滝沢  正君
       厚生省環境衛生
       局長       浦田 純一君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省薬務局長  武藤g一郎君
       厚生省社会局長  加藤 威二君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
       厚生省保険局長  戸澤 政方君
       厚生省援護局長  中村 一成君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       相原 三郎君
       労働省労政局労
       働法規課長    岸  良明君
       労働省婦人少年
       局婦人労働課長  藤井 敏子君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(吉田忠三郎君) ただいまから予算委員会第四分科会を開会いたします。
 まず、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として小山邦太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(吉田忠三郎君) 昭和四十六年度総予算中、厚生省所管を議題といたします。
 政府側からの説明はこれを省略をし、説明資料を本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○主査(吉田忠三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#5
○大橋和孝君 それでは、私は、昨年の暮れの第六十四国会で、いわゆる公害国会におきまして、連合審査会の中で、原因不明の疾患とか治療法の未確立の疾患に対しまして国で強力な対策を打ち立ててもらうように厚生大臣に質問をしたところでございますが、きょうは、再度この点につきまして質問すると同時に、あわせて公費負担による医療につきましても若干御質問したいと思います。
 昨年十月三十一日に、医療保険の前提問題について審議していたところの社会保険審議会が「医療保険の関連諸制度についての意見書」というものをまとめて厚生大臣に建議いたしました。この第四項目として公費負担医療があげられておりますが、この公費負担医療というものの考え方について、厚生大臣はどうお考えになっておられるか、第一番目にお伺いしたいと思うのであります。
 それから第二番目には、この意見書の中でも述べられているように、現行の公費負担医療は、戦傷病者、結核あるいは精神病、公害病、身体障害、老人福祉、母子保健等、従来から個々の分野においてそのときどきの必要に応じて実施されてきましたが、その理念、範囲、方法等について統一した基準がなかったと思うのであります。そこでこれを再編成する必要があると思います。範囲も拡大すべきだと、こう思います。現行の公費負担制度は、予算の不足によって十分実施されていない。財源措置に国の義務を明確にすべきである、こういうふうにも思うのであります。また、このようにも指摘されているところであります。健保、国保の財政難を緩和する上から申しましても、公費負担医療をもっと真剣に考えるべきだと私は思うのでありますが、厚生大臣は、これらの指摘について具体的にどうお考えになるか、あわせてこの二点について御答弁願いたいと思います。
#6
○国務大臣(内田常雄君) 大橋さんからお話がございましたように、昨年十月三十一日に、社会保険審議会から、公費医療のあり方について総合的、統一的なレビューを行なうべきだ、かつまた、その対象になる事項も拡張をすべきではないかと、こういうことを含めました意見書をちょうだいいたしまして、私どももよくそれを拝見をいたしております。政府といたしましては、この審議会の意見につきましては、さらに今後とも十分配慮を加えまして、場合によりましては個々の事項につきまして、それぞれ審議会を持っておるものもございますので、そういう審議会の専門的な御検討をいただく場合もございますけれども、社会保険審議会の御意見を現状の公費負担の状況に即して検討をこの線で私はやっていきたいと、かように存じております。現に、言うまでもなく、いろいろの公費負担がございますけれども、私が感じますときには、この公費負担があたかもちょうど年金制度における幾つかの種類のように、そのときそのときのそれぞれの必要に応じ、また沿革をもってできておりますために、社会保険審議会からの御意見のように、これを統一的、総合的な見地からつくられたものじゃない点がありますことは、これは大橋先生御存じのとおりでございます。公費負担を広げることにつきましてはいろいろと考えておりますが、この点は、私どもは必ずしも健康保険における健康保険負担を緩和するという趣旨ばかりではなしに、と申しますのは、健康保険の自己負担を公費負担としていくというような、そういう行き方もあり得るわけでございます。そういう場合には健康保険の負担のほうは必ずしも減るものではございませんので、一応別個の見地からその病気の性質なり、その病気の持つ社会的な意味というようなものの見地からすなおに検討してまいりたいと、かように考えております。
#7
○大橋和孝君 もっとも、大臣のお考えのとおりでございまして、これはもう少しこの公費負担というものをほんとうに前向きに考えてもらうことが、やはりここらに公費負担に入る範囲も拡大して考えてもらうことが、非常に今後医療のあり方に対しても大事なことだと思うのでありますけれども、特にこの点についてはひとつ前向きに積極的にやっていただきたいということを要望したいと思います。なかなかいままでもそういうことは申しておりましても、なかなかうまくいっていないのが現状でございますので、これは大臣が相当政治性を発揮して相当前向きにやっていただかないとうまく進まないのではないかというふうに考えておるわけであります。
 そこで、きょうは特に難病といわれておる疾患のほうにもう少し焦点をしぼって質問してみたいと思うのであります。
 まず、衆議院の第三分科会におきまして、わが党の堀委員も、この問題について取り上げたのでございますが、私も先ほど述べましたように、第六十四国会でもこの問題を取り上げたわけであります。まず厚生省は、この原因不明、あるいはまた治療法が確立していない疾患についてどのように把握しておられるのか、調査を行なっておられるのか。また、こうした悲惨な疾病を持つところの患者に対しまして対策をどう考えておられるのか。疾病の名前だとか数だとか研究費なんかもあわせて聞かしてもらいたいと思います。
 第二点は、この難病といわれるこうした悲惨な疾病も数も明らかにならない。したがって、この研究も一部を除けば行なわれていない。たとえ研究はされていても、細々と続けられるだけで、ほんとうに国が力を入れておるという状態ではないと思われる。こういう状態では、国民の生命と健康を守る厚生省の責任はむしろ私は果たされていないのじゃないかと思うのでありますが、こういう点について大臣はもう一つその積極的なあれを示していただかなければならぬと思うのでありますが、この二点についてちょっとお答えを願いたい。
#8
○国務大臣(内田常雄君) 私も厚生省におりますと、これは門前の小僧ということばもありますように、いろいろのことを聞かされました。たとえば、スモンにいたしましても、ぺーチェット、カシンベックというような名前もこのとおり私もそらで覚えるようになっておりますので、これらの病気については発生の原因も治療も不明である。したがって、治療法も確立されていないというようなことでありますし、また、進行性筋ジストロフィーといったような子供にとっていろいろな病気もこれらとやや似たところもあるものだと思います。こういうものに対するとらえ方なりその事情につきましては政府委員からお答えさせたいと思います。
#9
○政府委員(滝沢正君) お尋ねの難病につきましては、一般的にきわめて診断が困難な場合が非常に多いということと、診断基準等が確立いたしませんと類似疾患との鑑別ということが非常に困難でございます。またそのような点に専門的な知識を持つ医師が全国に適切に配置した状態であるかどうかということをも、この難病のほうの側から見ますとそういうような問題が考えられるわけでございます。したがいまして、従来、厚生省といたしましては、スモンなどその一つの例でございますが、まず事態が重大であるということにかんがみまして、特別研究促進調整費、これは科学技術庁の予算でございますが、これをスモンの場合は四十四年度に三千五百万――三千万導入いたしまして、厚生省の五百万と合わせて三千五百万円、それから特別研究補助金というのが厚生省にございまして、これをそれぞれの特殊な疾患に配分いたすようにいたしております。
 そのほかに医療研究助成金、これも厚生省の予算でございまして、これらのものを使いまして、これらの難病ないしは奇病といわれるような問題に対処しているわけでございますが、その数字、研究費の金額を申し上げますと、科学技術庁の四十六年度の促進調整費は八億でございます。これは二省庁にまたがる研究等について原則として出すようになっております。スモンの場合は緊急を要しましたので、特例的に御協力を科学技術庁にいただいた例でございます。
 それから文部省の科学研究費、これは八十六億でございますが、これは万般の医学研究の問題でございますので、この中から特殊な疾患にも何がしかいくわけでございますが、この数字はただいまの点の資料では明らかにすることができません。
 厚生省の関係のいま申し上げました特別研究費一億六千万、四十六年度ございますが、これはスモン、それから筋ジス、米ぬか油の中毒症、べーチェット病、脳性小児麻痺、小児自閉症、蒙古症、それからカシンベックというような疾患に配賦いたします。
 そのほかに医療研究助成補助金を五千万用意してございますが、これはやや一課題当たりの金額は少額になりますけれども、なるべく課題を多く当面の必要な研究費に充てることにいたしております。
 そのほか研究費補助金として、心身障害の研究費というのが一億ございます。
 それから四十六年度の小児ガン治療のための研究費、これは小児ガンの子供の治療のためにやや公費負担に近い性格のものではございますが、経費を軽減することを考えまして、しかしあくまで治療研究という名目の予算として二億用意いたしてございます。
 これが研究費の概要でございますが、現在把握しております患者数でございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、非常にこのような病気の把握はむずかしいのでございますが、たとえば筋ジストロフィーにつきましては、名古屋大学の村上教授の調査を参考にいたしますと約五千人、スモンにつきましては、四十二年以来スモン調査研究協議会がございまして、これの四十四年と五年の全国調査の結果によりますと、今回新たにわかりました数字は、疑い患者を含めまして七千八百五十六でございます。
 べーチェット病については、ただいま研究費を導入して実態の把握につとめておりますが、先生御存じのように、この病気は二、三年の慢性的な経過の後に目に病気がきたときにかなりべーチェットであるというような断定を下すという、非常に把握しにくい病気であるために、いま東大の鹿野教授を中心に研究していただいておりますが、実態の把握はただいままだできておりません。
 小児ガンにつきましては、年間の治療を要する者が三千五百ぐらいあるだろう、こういう考え方でございます。
 それからサルコイドージス、これは研究協議会がございまして、最近日本にもふえてまいった病気でございますが、千七百五十二名、これはこまかく研究協議会でつかんでおります。
 自閉症、これは明大の堀教授の推計数でございますが、三千ないし五千くらい子供の自閉症があるだろう、こういうように推計をいたしております。
 それから脳性麻痺については、四十年の実態調査から約七万くらいあるだろうという推計をいたしております。以上でございます。
#10
○大橋和孝君 いま研究費なんかもちょっと聞きましたですが、おそらく厚生省のほうでもそう思っておられるだろうと思いますが、このような研究費を、ばらばらに出していただいたんでは、おそらくこの仕事が実っていないのは、その助成の出し方ではないかと私は思うのです。ですから、この研究を続けてうまくいけるように、ある程度研究の、何と申しますか、継続していかれやすいような方法で、もっと少し金を出してもらわなければ、この問題はまだまだとても解決しないのではないか、非常に大きな問題だと思いますので、特に配慮していただきたいと思います。
 次に、厚生省は老人問題について総合的にプロジェクトチームをつくって施策を進めることを明らかにされましたが、難病といわれるもの、私の知っているだけでも、いまお話しになりましたが、いろいろあるわけであります。これらに対しまして実態調査もなく、学界の一部でわずかに取り上げられているにすぎないものが多いわけでありますから、あすはわが身の難病に対しましては、厚生省はもっとこの難病に対しましても、老人病と同じようなぐあいにプロジェクトチームでも組んで、すぐ取り組んでもらったらいいのではないかと思いますが、この点大臣いかがでございましょう。
 それからもう一点、いままで厚生省の取り組んできた難病対策に筋ジストロフィー、スモンがあるが、常に対策はあとあとに回っているわけでありまして、世論が高まったらやられるという形が、先ほど申しますように多いわけでありますが、スモン、べーチェット病等の患者に多くの自殺者が出ていることから見ましても、社会問題になっていることは御承知のとおりでございますので、この原因不明、しかも失明率八割といわれるぺーチェット病などは、学者の統計によってもわが国が最も多く発生をしておる。こういうようなところで、名前をつけたのはべーチェット教授でありますけれども、これは地中海沿岸地方であったわけですが、そのところなんかに比べますと、そればかりではなしに、世界じゅうの患者を集めましても日本の患者数のほうが非常に多いというわけであります。こういうことから考えましても、いま申したように、非常に重大問題だと考えられるわけですが、この数なんかも、いまお話を聞いても十分把握ができてない。それは経過は長くかかっているかもしれませんが、少なくとも統計的にいっても、世界全国と比べて、世界じゅう全部加えても日本のほうが多いという報告が出ているわけです。こういうことから考えると、これはなかなかたいへんな問題じゃないか、こういうように考えておりますと、この問題についてはもう少し積極的でなければならぬのではないか、こういうふうに思うわけです。この二点ちょっと。
#11
○国務大臣(内田常雄君) 老人対策におけるがように、難病対策についてもプロジェクトチームをつくって取りかかるという行き方も考えられるわけでございますが、これは先生もお医者さんであり、公衆衛生局長も医師でおられるわけで、御議論をお二人でなさいましておわかりだと思いますが、これらの病気のみな一つ一つ原因なり病態なりが違っておって、こういう病気の対応策をプロジェクトチームで処理するということが必ずしも適当でないと、むしろその一つ一つの病気について研究協議会なり、スモンと同じようにあるいは研究班なり、各方面の専門家、研究家の方にお寄りをいただいて、そして個々についての病因の究明なり、あるいは治療方法なり、診断方法の確立ということをやらないと、ややこれにつきましては老人対策とは違う面もあるということで、一つ一つにつきまして、一種の独立的な、個別的なチームを編成してやっておるということは御承知のとおりでございます。そのほうがいいということに現在はなっております。またこれらに対する研究費につきましては、私はこう思うのでございますが、かつてのような結核とか、らいとかいうものが、たいへん皆さま方の努力によってなくなってきておりまして、単価などが上がってくるのは、これは医療費が上がってくるのですから、単価など上がってくることは別といたしまして、全体の経費というものは、そういうものに使われるものがそれだけ減ってきておるに相違ないと思いますので、それにかえて、いま指摘されましたような新しい病気に取り組むべき、また取り組むことが私たちの使命であると考えますので、財務当局にもこの辺を十分話しまして、継続的なまた十分な研究費を常につけてもらうように努力をいたしてまいりたいと思います。
#12
○大橋和孝君 時間がないんで、もうちょっと詰めたいところですけれども、省きます。
 昨年の五月の東大の眼科学教室が発表いたしましたアンケート調査の回答数が二千二百四十二名だったというふうな報告を聞いております。このアンケートの回答率は二四%弱で、しかも単年度の眼科受診者のみであって、実態はこの数倍くらいあるはずだと、こう言われております。私の調査でもこの十年間の急増ぶりは、国立視力障害センターの入所者の数から見ましても、明らかであると思うんです。障害が固定していないという理由で応募者の半数が落とされている昨年でさえ二百六十三名中四十四名、一六・七%にのぼっておるのであります。三十四年度が六・四%、三十七年度が八・七%、四十二年度が一二・九%、こういうふうにずんずん激増しております。これは東大の発表でございますが、厚生省自体の統計を見ましても、今日青壮年層の後天失明の首位一〇%を占めておると、こう言われております。基礎研究と失明対策に少なくとも五千万円は必要だと、こういうことが言われておりますが、本年度予算、四十六年度予算ではどのくらいに見積もっておられるのか、どのように使うのか、これを明らかにしていただきたい。これが第一点であります。
 第二点は、失明者は両眼、両手足を失ったにひとしく、非常に苦しい状態にあるんでありますが、失明者のこの現職復帰はほとんど不可能であります。それからあんま、はり、きゅう、かなタイプなどその転換職種もきわめて限られておるのが日本の現状であります。西ドイツなどではこれは三百職種もあると、こういうふうに言われておりますが、身体障害者の職業の開発にもっともっと力を入れないといけない状態であろうと思います。これは労働省及び厚生省はこれに対しましてどのように考えておられるか、この二点についてお聞きしたいと思います。
#13
○政府委員(滝沢正君) ただいまのお話はべーチェットのお話と思いますが、先生から二千二百、それが数倍となりますと一万人ということでございまして、この点につきましては、私も、日本にべーチェットが最近非常に大きくなってきておるということについては十分承知しておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように、最終的に目にくることによってべーチェットということの断定を下すというような全体の経過、その他、血管に病理学的な変化がくることに伴いますところのそのほかの皮膚あるいはかいよう等の問題もございまして、それが早期に発見できるような診断基準なりあるいは血清学的な診断方法なりの確立が期待されますならば、この病気の解決の上に非常に大きな役割りを果たすものと考えておるわけでございますが、実は研究費につきましてただいま、研究班の御要望とあわせながら、配分について、新年度の配分についてただいま検討中でございますが、四十五年度は四百万程度で、まずその基礎的な患者の把握ということで、いずれその数字は把握できると思いますが、次の段階に研究者の御要望をいろいろ計画的に考えておりまして、眼科の面からと、皮膚科の面からと、内科学的な立場という、三方面からの御要望羊がございまして、研究者の方々との打ち合わせの結果によりませんと最終的にはきまりませんけれども、当然一千万以上の研究費を投入することになろうというふうに考えておる次第でございます。
#14
○国務大臣(内田常雄君) あとのほうのお尋ねの身体障害になられた方々の対応策でございますが、これは私はこう考えますが、いわゆる更生医療と申しますか、その病気や欠陥をでき得る限りなおしていくこととあわせて、社会復帰ということに重点を置いてまいる。あるいはそれはすなわち職業訓練なり、その職業指導などの面を伴うことでございますので、これは身体障害の態様によりましていろいろ違うことでございますけれども、いまお話しの障害者などにつきましては、ほかの機能は完全でございますので、たとえば電話交換手の技術を指導するとか、あるいは点字図書館というものを充実さしていくとか、そういうような社会復帰のための施策が必要だ、こういうふうに考えてできるだけのことはいたしたいと思います。
#15
○大橋和孝君 いまの答弁で、本年は結局基礎的な数の調査ということですが、これで一番問題になるのは、目が見えなくなってからの処置じゃだめだということですね。早く研究をして、そうして目をやられる前にそれを予防していくということにならなければ救われないわけです。目が見えなくなったらもうなおらないわけです。そういうことから言いますと、こういう問題の対策はもっともっと早く――その次になったら一千万円ぐらい要るでしょうというようなことを言っているうちにどんどんめくらになっていく人があるんですからね。私が申し上げたいのは、金の使い方ももっと積極的に、一方では実態も把握しなければならぬでしょうが、病気そのものの研究にもどれだけ出すというようなことにしていかないと、どんどん先に延びていきます。延びていきますと、失明していく人がどんどん出ていくわけですから、そういう人についての厚生省の取り組み方をもっと積極的にやってもらわなければならぬ。こういう方はみじめじゃありませんか、数年すれば目が見えなくなってしまうわけですからね。そうして、いまおっしゃっているように、なかなか次の職業がたいへんだし、新しい職業を開発していかなければならぬ。あんまをやったり、はりをせんければならぬ。実にみじめである。もっともその職業開発といったって、大臣に私お願いしているわけだけれども、そうすぐにできないわけですね。これもひとつ考えてもらわなければ――たとえばドイツあたりではそれを進んでやっているわけですから、そこらのところも頭に入れて、もちろん調査も大事ですが、それと同じぐらいのバランスでこれをやっていく。こういうぐらいのことを思い切ってやってもらわないと、こういう人たちはいつまでたっても救われない。数は知れているけれども非常に悲惨ですよ。めくらになってしまうんですよ。ですから、そういうことをお願い申し上げておきます。
 で、リハビリテーションを充実すべきだと私は思います。OT、PT、ORTだけにとどまらないで、AT、ST、その他歩行訓練士とか生活行動訓練士などセラピストの養成教育、あるいはこれの拡大が大切だと思うのです。リハビリテーションに対しては、こういう人たちがおらないと実際は何にもできないわけだと思うのであります。特に民間の毛呂病院では、御存じだと思いますが、このようなところでは治療をしながら訓練をしたり体力づくりをする施設があるというふうに聞いておりますけれども、国の責任で、最低都道府県単位でこれくらいのものをつくっていかないといけないのじゃないかというふうに私は思うのです。これは特に中途失明者あるいは障害者への最低の配慮だと思うのですからして、こういう失明者に対しては積極的なやり方をしてもらいたいと思うのですが、そういう点についてひとつお考えを聞いておきたい。
 それから次に、社会党では、こうした原因不明、治療法未確立の疾病に対しまして特別措置法をいま検討しているところであります。また、べーチェットとかそういう患者を救うところの医師の会の方々もこういうことを考えられておるわけでありますし、難病救済基本法を国会に請願しておられます。これに対しては、与野党を問わず、二百数十名の議員が賛成していらっしゃるようであります。この点につきましては、厚生省の滝沢公衆衛生局長も賛意を表しておられると私は聞いておるわけでありますが、政府提案でこうした特別措置法、難病救済基本法というようなものをお考え願ったらどうかと思うのでございますが、この点につきましてはどうでしょうか。
#16
○国務大臣(内田常雄君) 他の困難な病気につきまして、精神衛生法でございますとか、結核予防法とか、そういうものができておることを考えてみまするときに、先ほど来問題になっておりまする難病につきましても、その取り組み方の基礎をなすような法律を考えるということはこれは決して無理のあることではないと私は思います。野党のほうでも御検討の向きのようでございますが、私どものほうにおきましても実は検討させてまいりたいと考えております。
#17
○主査(吉田忠三郎君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#18
○主査(吉田忠三郎君) 速記をつけて。
#19
○政府委員(滝沢正君) 先ほど、難病基本法に対する新聞報道等に私の見解も出ましたけれども、これは当時のべーチェットを守る会のドクター、医師である方が来られたために、私と医学的な議論をだいぶんしたわけです。私は、基本的には、難病対策審議会をつくり、何を難病とするかということをどうおきめになりますか、それから疾患ごとに救済するという対象を――これほど鑑別診断のむずかしい病気をどこで一体区切って救済の対象にする、しないをおきめになるのですか、こういう問題を議論したのが実態でございますけれども、新聞報道としては――こういうものに努力することによってこの対策を充実したいというお気持ちには私は賛成です。しかし、中身を見ますと、これはたいへん問題点がございましたので、これは政府としてはすぐ取り上げるわけにはいきません、ということは報道には出ませんで、内容的に賛成であるという表現でございますけれども、私は、きわめてそういう具体的な点に問題があるというふうに理解しております。
#20
○大橋和孝君 特に、最後に、聞きたいことがたくさんありますけれども、時間もあと十分しか許されませんので、この問題を締めくくってこの話を聞いて、ほかのことを聞きたいと思うのですが、先ほどからのお話で、それはむずかしいこともわかっています。むずかしいからといって、ほうっておけば患者さんはこのとおり困っているのですから、そういう答弁、議論ではなしに、困っている人をどう救済するか、これを厚生省はやらなければならぬ。また、悪い人はだれにたよるかといえば、厚生省にたよらなければならぬわけでありますから、そういう点から考えますと、これはいまえらい議論はしておられますけれども、その議論だけじゃなしに、あすはわが身に降りかかってくるかもしれない難病そのものだということから考えれば、国民ひとしくこういうことに対しては非常に憂慮しているわけでありますから、難病そのものには総合的な研究、治療、リハビリテーション、後保護、こういった一貫したものをつくってもらって、こういう人でも安心ができるというものをつくらなければ、難病でもって治療もできないし診断もはっきりしないし、しまいにはめくらになったり動けなくなるというような苦しい病気ですから、こういうものは普通の病気とは違うわけですから、こういう病気になるかもしれぬという人は非常に苦痛ですから、一貫したものをつくるということは、ほんとうに喫緊事じゃないかと思うのです。また、ほかでやられているガン対策みたいに、あるいはいままで結核だとか、らいなんかをやられまして、実際においてやはり取り組まれたら少なくなっているわけです。ですから、そういう例もはっきりしているわけですから、これに対しては積極的に組んでもらわなければ、こうします、ああしますという答弁をいただいただけではやはりいけないと思うのです。そういう点で、今後難病対策に対してはほんとうに大勇断をもって積極的に進んでもらうことを決意していただきたいと思うのですが、大臣、ちょっと一言その決意を……。
#21
○国務大臣(内田常雄君) 私は検討をいたしてみたい。そういう提案があることはまことに自然な御提案だと考えているということを先ほど申し述べました。ただ、専門的分野がございますので、私が政治的な発言をすればそれで必ず実現できるというものでない面がございますので、その辺も踏まえながら検討さしていただきたいと思います。
#22
○大橋和孝君 ちょっと血液の問題について聞きたいと思うのです。
 この間衆議院の予算委員会においてわが党の堀議員が、輸血用の血液が二月一日から従来の千五百五十円から千八百六十円に、三百十円、二〇%も値上がりになった問題に触れまして、これを質疑されたのであります。このことに関しまして総理大臣は、日赤分の月間二十万本、六億五千万円については国の負担とする、ということを答弁なさったのであります。これはまことに画期的な話でありまして、私どもも非常にけっこうに感じているわけでありますが、この日赤分には地方自治体などでやられておるところの血液事業は含まれておると聞いておりますけれども、民間七事業所でやっておる月間五千本から六千本が含まれていないということになっているわけです。これはどういうふうなお考えか。私どもも血液の問題については非常に日常、病院あたりではそれにぶつかっているわけであります。実は私も一ヵ月ほど前には、AB型がなくて、急に腹膜炎のような形で来たのが子宮外妊娠の破裂でありました。もう瀕死の状態で、脈もないという状態で、手術するときに血液がありません。血液を日赤に頼んだら、手術だったら一週間ほど前から計画してもらわなければ、一ぺんに、少ない血液がそうありますかと言う。それが十本、十五本、二十本くらい要るわけなんですが、そう言われても、計画している手術だったら前からお願いするし、われわれ血液をあっせんするようにしておくが、そういうふうなことで飛び込んで来て、いま死にかかっている者にそういうこともできないというので、やっと届けてもらったことがあります。そういうとき、民間のわずかな一本、二本が助かるわけですから、ですから、民間には問題がありましょうし、将来そういうことはなくなる方向にはあろうと思いますけれども、いま現在、公の血液の事業のようにこういうことがあることによって現実にプラスしておる。そういう状態の中で、いまの民間だからといってこれを省いておられる。あるいは聞きますと、やはり国から民間に金をつけるのには問題があるのだ――それはそうかもしれませんけれども、ほんとうに公事業でやっておるときにそういうふうに価格を上げていいのかどうか、大きな問題があると思うのです。次に、これを考えてみますならば、五千本くらいですから百五十万円くらいのもので、年間でも千八百万円くらいにしか当たらないわけですから、何らかの形で助成してもらっていいと思うのでありますが、このお考えはどうでしょうか。そもそもこの血液の値上げは人件費の中の値上げであって、赤字になっているのにこれを補てんするものである。しかし、考えてみるならば、そんなふうな性格の補てんではなくて、運営費として補てんをすべきだろうと私は思うのでありますが、こういう関係で民間七事業所――広島、京都、金沢なんというのがありますが、地域的ないろいろなものもありまして、やりにくい点もわからぬことはないのですけれども、やはりこういうものを見殺しにしちゃいかぬ、私はこう思うわけでありまして、助成をしなければ、一面から見れば血液に二重価格ができてくることになる。これは非常に大きな問題でありますが、いま、大蔵省、厚生省で交渉しておられると聞いておりますから、どうかひとつ民間に対しても入れてもらってこれはやっていただきたいと思います。これは大蔵省側、厚生省側の見解をちょっと聞いておきたいと思います。
#23
○政府委員(武藤g一郎君) 血液価格について、経緯につきましては先生が御説明になりましたとおりでございます。したがって、四月一日から千五百五十円に戻るわけであります。ただいま先生は国会の議論を通じての話だと、民間のほうへは国の援助は無理じゃないかという御趣旨のお話もございましたが、この点私どもも国会の議論を通じての話ではなかなかむずかしいと考えております。しかしながら、いま先生御指摘のように、いままで民間の血液銀行が果たしてきた役割り等をいろいろ考えまして、今度の問題につきましては血液製剤協会とも十分協議、相談をいたしたい。よく向こうの意向あるいは実態等も考えながら善後措置を講じたい、こう考えております。
#24
○説明員(相原三郎君) 今回の問題の発端が、堀委員の御質問にお答えいたしましたように、無償の献血者の例を引いたということでございまして、私どもそういう観点から検討したわけでございます。これについてはまだ若干時間がかかりますので、そういう問題の発端の趣旨を考えながら十分交渉さしていただきたいというふうに考えます。
#25
○大橋和孝君 それでおわかり願っているだろうと思うのですが、特に二重価格になったり、いろいろな問題をあとに残しますので、十分この問題を研究していただきまして、わずかな事業所ではありますけれども、やはりそれが果たしている役割りは、私ども末端ではその恩恵を受けていることは非常にはっきりといたしているわけであります。そういうことに対しておっこちのないように、しかもこの血液事業所の中に二重価格ができるということはもってのほかだと思いますので、十分配慮していただきたいと思います。
 もう時間もだいぶ迫ってまいりましたから、もう一問だけ質問させていただきたいと思いますが、この間うちから医療費問題についていろいろ議論なされているのを聞いておりますと、もう一点ひとつ私は聞いておかないと本末転倒するのではないかというきらいさえ感じますので、一言だけお尋ねしておきたいと思うのでありますが、この医療というものを考えてみますと、私は医者と患者というものがほんとうに信頼関係の上に立って行なわれなかったならば、非常に医療はたいへんなことになると思うんです。ところが最近では、それは悪い医者も確かにおりますけれども、悪い医者を攻撃すれば全部がいいようなふうな形になって、医者が全部悪いような形に議論が進められ、またそうとられやすいという傾向にあることが、実際受け取る側ではそうなっているんじゃないかと思うのであります。特に私はここでほんとうに医者が良心的にやって、そしてそれをほんとうに患者も受けてもらうという、両方の信頼関係をよくするような私は医療制度にしていかなければならぬ。いまでは医療の中でやはり医者の技術料を低く評価して低医療費に持っていこうという形で行なわれておるために、やはりそこのところに大きないろんなはみ出してきた悪いものが出てくるわけでありますから、私はそういう根本的に考えて医療の制度に矛盾もないように、あるいはまたむだもないように、そしてしかもほんとうにこの医療というものが良心的に進められて、進みやすいような制度に持っていって、そうなっていくということが私は前提じゃないかと思うんです。最近の話で、あるいは監査をする、あるいはまた悪いのはどしどしと処分しなければならぬ1私はもちろん悪い人は処分するのは当然だと思います。それはやるべきでありますけれども、そういうことが一体医療の中にどう反映をしていくか。そうなれば、善良にやっている人は、また監査されるのではないかということになれば、萎縮診療ということになってくる。萎縮診療になるとどういうことになるかというと、病気になった患者さんがひどい目にあうということになるわけであります。そういうことの循環を考えてみると、こうした議論を先行してやっていくということは非常にナンセンスだと私は思うのであります。たとえばいまどろぼうがおっていろいろなことをやるから世の中の経済が悪くなっていくとか、経済に影響するところが大きいとか云々ばかりではなくて、そういう者はもちろん取り締まっていかなければならぬけれども、一方そういう者が出ないようなやはり制度を整備をしていく必要があるんじゃないかというふうなことを考えますと、私は最近叫ばれておるような状態、あるいはまたマスコミに載っておるような状態を見ますと、むしろこれはまじめな医者がもっと萎縮していかなければいかぬのではないか、医療費が高くつかないようにやめなくてはいかぬのではないか。やめなくてはいかぬのじゃないかということになりますと、あるいはせっかくできたものがもっと後退するのではないかと思うのであります。そういうことの考え方を一ぺん大臣からも保険局長からも聞いておきたいと思います。
#26
○国務大臣(内田常雄君) 医療費請求の監査の問題につきましては、ただいま大橋さんの御所論のことも私に十分理解できますので、大多数の良心的の医師の方々のむしろ信用を確保してまいる、こういうことに主眼を置きまして不正を処理する、こういう考え方で私は進みたいと思います。このことにつきましては、御承知のとおり、日本医師会のほうからもおおむね同じ趣旨をもちまして地方の医師会にも通達がまいった次第でございまして、私どもの考え、医師会の考え、同じであろうと考えます。これに関連いたしまして、診療報酬における医術、医療技術の評価と申しますか、正当なる評価というようなこと、これも私は同感でございまして、そういうようなことも含めまして中医協等を中心として診療報酬の合理化の問題を真剣に検討をいたして、そして医療保険を動かすための仕組みがすべて円滑にいくようにいたしたい、こういう考え方をとりたいと思います。
#27
○政府委員(戸澤政方君) 保険医療機関の指導、監査に対する姿勢、考え方というのは、もちろん大部分の良心的な医療機関の信用を守ることによって、医者と患者の人間関係、適正な医療を確保するということにあろうと思います。一部の保険医療機関に不正な請求があることは事実でありまして、そういうものに対しましては、厳格な監督をするということによって、大部分の正しい医師を守ることができるかと思います。それで今月の初めに、特に医療技官の会議等も招集いたしまして、この今回の指導監査の強化ということをあやまって乱用あるいは行き過ぎのないように十分に注意をしておるような次第であります。
#28
○小柳勇君 いまのこの監査の厚生事務官が配置されていない県ですね、どこどこあるかということと、それからその監査が、まあなければしあわせですけれども、健康保険医の皆さんなどから聞きますと、どうもやっぱり医師会のほうで、医師会の意向に沿わないようなものについては、特に監査をきびしくするというようなこと、われわれしろうとですからわかりませんが、そんなことがあってはなりませんし、問題になったことがあるのではないかと思いますが、その監査の問題で、厚生事務官がおらぬ県は幾つか、どういう県かということ、それから監査で医師会にたてつくといっちゃおかしいけれども、主流でないような医師はよけい監査がやられる、きびしくやられることはございませんかと、この二点、特にここで問題になったということを言ってもらいたいわけですが……。
#29
○政府委員(戸澤政方君) 監査を行ないます医療技官は、定員が百二十名ですが、現員は七十八名ほどでございまして、一人も配置されておらぬという県もございますが、配置されておらぬ県は八県ぐらいだったと思いますが、いまちょっとその県名につきましては資料がございませんので、この審議中に調べます。
 それから第二の御質問のそういう監査につきましては、特に特定の医療機関とか、何か一部の片寄った医療機関に対して片寄った監査をするというようなことは絶対にございません。あくまで不正診療請求があった場合、若干、事実に基づいて公正な監査をしております。
#30
○小柳勇君 四十二名の不足ですね、これはいつ補充されるのですか。百二十名必要なのに七十八名しかいないということです、厚生省は少し……。
#31
○政府委員(戸澤政方君) 失礼いたしました。定員は百二十名でなく百五名でございます。この補充はもういつということでなく、欠員のできたつど補充するようにいろいろ努力しているのでございますけれども、一つは待遇等の問題から、こういうあまり恵まれない職務を希望する者が少ないということもございますので、これは大臣みずからも人事院総裁にも交渉していただきまして、待遇改善にも努力しているわけでございますが、もういつということなく、一日も早くできるところから補充してまいりたいというふうに考えます。
#32
○大橋和孝君 この間厚生大臣は、二月の十八日の衆議院の社労で、治療指針に違反する不当な請求であるその請求報酬を多額に受け取ったものと、それからまた、刑法上詐欺罪に該当するような違法性のあるものと、こういうふうに分界を必ずしもはっきりしないのでむずかしい点があろうと、こう答えていらっしゃるのですが、こういうことに対する違法だ、違法でないということが、非常に判断もされていないのに、これをどういうふうに承知されているのかということを一点お伺いしたいし、それから二十二日の衆議院で、厚生大臣は、一つの方向として社会保険の診療報酬が不正に請求されているという前提に立って、大いに監査を厳重にしていく方向でやるのだという、一つの方向へやはり指導して事前にそういうことの起こらないようにするのだと、この二つがあるのだということをお話しになっていたようでありますが、こういうことについて、私はやっぱり厚生大臣が腹を固めて医療費の問題を正していこうという形であれば、どっちであるかということも問題になるのですが、ひとつそういう意味ではそういうことの起こらないような方向にほんとうに医療の仕組みを一ぺん考えてもらう、こういうことに重点を置いていただきたいと私どもは思うのですが、その点についてお答え願って私の質問はあと保留さしていただきます。
#33
○国務大臣(内田常雄君) 大橋先生が最後に言われたそういう事態が起きないような医療費の組み立て方が肝要だとおっしゃることは、私も肝要だと存じますので、そういう方向でこの問題は処理してまいりたいと思います。
#34
○主査(吉田忠三郎君) 速記とめて。
  〔速記中止〕
#35
○主査(吉田忠三郎君) 速記をつけて。
#36
○小柳勇君 日本医師会及び歯科医師会などが審議用メモに反対をいたしまして、特に日本医師会はきびしい態度で、審議会からも退場しておりますが、その後、医師会との話し合いはどのように進んでおりますか、お聞きいたします。
#37
○国務大臣(内田常雄君) ただいま小柳さんからおことばがありましたように、問題の発端は、中医協におけるたたき台としての診療報酬合理化のための審議用のメモの取り扱いから起こった問題でございます。この中医協は、御承知のように、法律の規定によりまして公益委員の方が会長になられる仕組みでございまして、したがって、中医協の場における問題として、中医協を中心として会長先生も御苦労をなさってこの処理に当たられておりますので、常識的に申しますと、私からこれまでの段階では、特に医師会方面と特別の折衝はいたすことを差し控えまして、中医協の会長さんを中心に御処理をいただいておる、こういう状況でございます。
#38
○小柳勇君 中医協の会長とそれから医師会との話についてはどのように進んでおりましょうか。
#39
○国務大臣(内田常雄君) これは私がいろいろのことを憶測して申し上げることが、正直に申しましてかえって紛糾させるようなことになることを私は心配をいたしております。ごく最近にも、漏れ承るところによりますと、中医協の会長と医師会長でございますか、あるいはその方面の関係の方とが話し合われる機会を持たれると、こういうことを承っております。
#40
○小柳勇君 三月四日の日本医師会の書面は、まだそのまま各県の医師会のほうの行動の中心になっておると思います。その中で、四月十日までに都道府県単位の医師大会と一斉休診を行なうこと、その間に保険医総論選の態勢を整備する、こういう書面が都道府県医師会長あてに日本医師会長から出ておるわけですけれども、この書面による各都道府県の地域の医師会の動向なり各医師の動向についてはどのように把握されておりますか。
#41
○政府委員(松尾正雄君) ただいままで私どもが県等を通じまして調べておる状況では、全体を通じまして特に激しい動きというのはきわ立って見られないという状態でございます。ただし、一部にすでに抗議集会を開くというスケジュールをきめておるところが二、三の県にございます。しかし、それは、大体土曜日または日曜日というときにその集会を開くというようなことが決定しておるようでございます。その他のところはほとんどまだ情勢待ち、見送りと、こういうようなところでございます。
#42
○小柳勇君 一斉休診の場合の厚生省の対策についてはどのようにお考えですか。
#43
○政府委員(松尾正雄君) 医師会のほうからの指令の中にも、実はそういう抗議集会を開きますときも救急体制というようなものはみずからの手で用意をするということが指令されておるはずでございます。しかし、私どもといたしましては、こういう問題が起こること自体が非常に国民に大きな不安を与えることでございますので、私ども自体もこの問題について慎重にはかるべき方針でまいったのでございますけれども、しかし、一応出た以上は、こういう問題に対処する手を打っておかなければなりません。したがいまして、私の名前をもちまして三月六日に、都道府県知事あるいは救急関係等並びに消防庁の長官あるいは公的な病院の開設者というところにあまねく全部出しておきました。そういうような場合に、当然そういう国並びに公的な機関が十分その態勢に対して応じ得るように措置をとるように指示をいたしておるところでございます。なお、そういう場合でもなお一部の地区で十分な態勢がとれない場合には、たとえば特別の診療班を編成するというようなことも考慮いたしまして、そういう地区に対応するようにということも指示したところでございます。
#44
○小柳勇君 国立あるいは公立の病院に対しましては、特に厚生省から事務次官名の通達が出ておりますが、公立病院などの動向についてはいかがなっておりますか。
#45
○政府委員(松尾正雄君) ただいまのところは、先ほど来申し上げましたように、それが非常に大きな対応策をしなければならぬような事態がございませんけれども、それぞれの病院というものは、そういう事態になればその地域地域において十分に私どもの指示に従いまして救急体制をとってくれると、こう信じております。
#46
○小柳勇君 県立病院のない県がありますが、この県立病院のない県に対する厚生省の取り組みですね。そのない県に対する県立病院の設立の促進方の要請などいろいろ対策はあると思うのですけれども、まず県立病院のない県、それからこれに対する厚生省の取り組み、こういうものをお聞かせ願いたいと思います。
#47
○政府委員(松尾正雄君) ただいま県立病院のない県というのはおそらくないと私思っておりましたが、もちろん国立病院等もございますし、そのほか日本赤十字社、農協関係、済生会、その他のいわゆる公的機関といわれておるものがございますので、私ども県立がないから直ちにそれに県立病院をつくるべきだと一がいには言えないと存じます。ただし、その中で特殊な医療というものを当然担当するためにそういういわゆる病院をつくらなければならぬという県があれば、これはもう私どもも全面的にいろいろな点で応援をしてまいる、こういうことでございます。
#48
○小柳勇君 私も勉強不足でわかりませんが、この間座談会やりましたときに、一応地域からそういう意見が出まして、県立病院のない県、それからその医師――県立病院を設立したいが医師会の反対などで設置できないのだというような、そういう意見が有力な人から出たものですから、厚生省としても把握しておられると思ったのですけれども、県立病院のない県はないのでしょうかね、あると言ったのですよ。
#49
○政府委員(松尾正雄君) 県立病院のない県、どこでございますか、ただいま手元に資料ございませんが、すぐに調べましてお答え申し上げます。たぶん私はなかったと存じますけれども。
#50
○小柳勇君 これは公式の場の公聴会で出た意見だもんですから、私も調べるまでもないと思っていましたので、調べてください。前もって質問通告しておいたけれども、調べてくださいね。これ意見が出たものですから。
 そこで、問題はこれからですけれども、この審議用メモはいま宙に浮いていると思うのですけれども、これはどういうふうな扱いになっておりますか。
#51
○政府委員(戸澤政方君) 先ほど大臣から御答弁申し上げましたとおり、この問題は中医協の場で解決されるべき問題でございますので、今後中医協会長と関係諸方面との折衝、話し合いの結果、どういう扱いになるか決定されると思いますけれども、厚生省としましては、中医協の公益委員の御指示によってお手伝いをしたものでございますし、すべて中医協の今後の取り扱いにおまかせしているわけでございます。
#52
○小柳勇君 やっぱり厚生省が中心になってそれは表面は中医協でしょうけれども、そのおぜん立てするのは厚生省でなければなりません。私はそう思いますから、したがって、この審議用メモの扱いにつきましても診療報酬体系の適正化の問題を処理するには一つのたたき台でありますと、こういうふうに書いてありますから、もしこれを、審議用メモを宙に浮かしてしまってともかく別の方法を考えなければ診療報酬体系は考えられないわけでしょう。だからまず仮定の話ですけれども、それじゃもしこの審議用メモというのを中医協の努力にもかかわりませず日本医師会が相手にしないという場合に、厚生省としてはどういうふうな方向で抜本改正の問題を処理していこうと考えておられるのか、聞いておきたいと思います。
#53
○政府委員(戸澤政方君) この審議用メモにつきましては二月十八日の中医協におきまして、全員このメモを一つのたたき材料として審議をしていく。それからまた、これについてさらにつけ加えるべきものとか修正するものがあれば各委員から提出してほしいというような了解になっているものでございますから、私どもは、このメモが全然宙に浮いてしまうとかいうようなことはあるまいというふうに考えております。これはもちろん一つの材料にすぎませんから、それ以外にいろいろな問題も今後提起されると思いますけれども、このメモも今後の適正化問題の審議の一材料として活用されるのではないかというふうに期待しておるようなわけでございます。
#54
○小柳勇君 期待をしておられるでしょうが、日本医師会はもうこれはてんで問題にしてない、これが出たが、げすの知恵だといってこれをボイコットされたわけですね。これが引っ込まなければ、この中医協の場に日本医師会帰ってこられないのではないですか。どういうふうに判断しておられますか。
#55
○政府委員(戸澤政方君) その辺は今後この中医協問題の解決のために会長と関係方面との話し合いによるわけでございますので、役所としては何とも言えないわけでございますが、まあ中医協において診療報酬適正化の問題を審議するという方針のもとに全員の了解を得て開かれたものでございますので、私どもは、近いうちに中医協が再び正常化されて委員も復帰されてこの問題の審議が始まるものと、これまた期待をしているわけでございます。
#56
○小柳勇君 いままでの発言によりますと、中医協から医師会は退場して、その後医師会は中央の指令によって書面によって一斉休診などの行動についても準備をされておりますけれども、現状としては、国民の健康を守り病気をなおす体制については何の心配もないと、このように確認しておいてよろしいわけですね。
#57
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申し上げましたように、現在の段階では御指摘のような御心配はないと存じます。
#58
○小柳勇君 一日も早く正常な状態に返りまして、診療報酬体系の適正化など当面する問題の解決がなされるように希望いたします。また、問題が発生するたびに取り上げましてひとつ論議していきたいと思うんですけれども、一番大事なことは、審議用メモの問題点がどういう点にあるかということだろうと思うんですけれども、いま厚生省を相手にこれ論議しましても中医協の問題ですからしようがないでしょうから、一応きょうは問題をこのまま保留しておきたいと思うんです。
 次の第二の問題は、慶応病院の紛争の問題でありますが、きのう大橋委員も社労委員会で取り上げられておりますが、現状についての報告を願います。
#59
○政府委員(松尾正雄君) 現在慶応病院におきましては就業規則を改正したい、こういう動きがあるようでございます。そのうちの生理休暇でございますとか、欠勤でございますとか、早びけでございますとか、こういうものの取り扱い方を従来と違って変えたい、こういう計画があっていまいろいろと話し合いがあった、こういうふうに聞いております。したがいまして、現在のところ、まだいわゆるストライキでございますとか、そういった実力行使によって病院の機能が麻痺するというような事態ではないというふうに承知しております。
#60
○小柳勇君 労働省ではこの紛争をどういうように把握しておられるか聞いておきたいと思います。
#61
○説明員(岸良明君) ただいま厚生省のほうからお話がございました。大体そういう内容でございますけれども、少しく私どもの把握しております内容について申し上げますと、昭和四十年に生理休暇協定というのができまして、それを病院側におきましては昭和四十五年の十一月二十六日に、九十日の予告期間をもってこれを破棄した。そこで病院側としては、破棄の理由といたしまして、生理休暇の乱用が見られる、これは有給でございますが、乱用が見られるという点と、非常に財政負担が多くなる、すなわち大体二日有給にいたしますと、しかもひんぱんにとられるので財政負担が多い、それから男子職員との間の均衡が問題だという理由で破棄をしております。そこで労使間の交渉に移ったわけでございますけれども、昭和四十六年一月二十八日、本年の一月二十八日以降数回にわたって団体交渉が行なわれた。しかしながら、組合側としては、乱用というけれどもその証拠があるのかということが一つの主張でございます。また、こういうような労働協約を一方的に破棄するということは労働基準法第二条の違反ではないか。これは御承知のとおり、対等決定の原則並びに労働協約等については尊重しろということ、これについて違反ではないかということを主張しております。病院のほうにおきましては、二月十七日になりまして就業規則の改正を行ないまして、本年四月一日以降この新しい取り扱いをする。この新しい取り扱いについては届け出があれば生理休暇を認める。これはただし無給である。それからもう一つは、希望があれば二日に限って年休に振りかえる、こういう新しい取り扱いを出したわけでございます。こういうことをめぐりまして、現在労使間においてなおいわゆる意見の相違があって紛争が続いておる。しかしながら、まだ厚生省が申しましたとおり、スト等には入っておらない、こういう状況であるというふうに把握いたしております。
#62
○小柳勇君 労使間の問題でありますから、話し合いによって一日も早く解決してもらいたいと思いますが、特に情勢が悪化いたしまして、一斉ストライキに入りかねないような情勢も予測されるものですから特に注意していただきまして、問題が発生しましたら、直ちに私どもにもお知らせ願いたいと思います。
 それから最後に、これも医務局長にお聞きしましょう。看護婦の不足問題についてはきのうも大橋委員がるる質問されましたが、医師は現在の医大の卒業者、国家試験合格者など年々多数出ておられますが、もちろん無医村もございます。僻地の無医地区などもございますけれども、全般的にいいまして医師はうんと不足しておるのか、あるいは数年しましたら医師というのは大体ベット数に対して医師の数はまあまあでございますというのか、その医師の充足数についてお教え願いたいと思います。
#63
○政府委員(松尾正雄君) 日本の医者の数は、現在人口比にいたしますと、大体英国、フランスとほぼ匹敵する程度でございます。もちろんアメリカとかソ連は例外でございましょうが、非常に多い国もございます。ただ私どもは、単に人口比例でこれを見ていいのかという非常に疑問がございます。と申しますのは、先生も御承知のとおり、日本の国民の受療率、要するに患者さんの数になるわけでございますけれども、これは非常に世界的にも有名なほど多いわけでございます。特に最近厚生省の患者調査をずっと拾ってみましても大体十年間に受療患者が倍増するという傾向でございます。したがいまして、医者一人当たりの平均を受け持ち患者数で申し上げますれば、ちょうど皆保険前、昭和三十五年当時一人平均が三十六人何がしというような受け持ち患者になっておりますが、四十三年にはすでに五十人近い三八%と一人の受け持ち患者がふえたという勘定になるわけでございまして、この問題が御承知のように、患者さんがお医者さんにいろんな相談をしてゆっくり時間をかけて聞きたいんだといっても、なかなかそういった時間がとれませんで、さばかれてしまうという、こういう不満になっていることは御承知のとおりだと思います。そういうことで決してそういうことが国民の医療という観点から見て私どもはその点はいいことではない、したがって、どこに一体標準を求めるのかということになりますと、これは世界的に正直なところ定説はございません。アメリカ等でもいろいろ幾つかの案をつくったようでございますけれども、私どもは少なくとも日本が持っております状況から見れば、三十五年の要するに皆保険以前の状態というものに少なくとも現在の患者数をもとにして戻してみたらどうだろうということを一つの目標にいたしまして試算をしてみましたわけでございます。そういたしますと、大体人口十万対いま百十三という数字でございますけれども、百五十とちょうど現在のアメリカ並みに、あるいは日本の六大都市並みというような数がマクロの形では全国的には必要ではなかろうか、こういうように推算されたわけでございます。もちろん現在の医者の不足の中ではひとつ非常に変わった現象がございまして、これは医者の年齢構成が非常に特異になっております。と申しますのは、戦時中あるいは戦後にかけまして一時非常に大量につくられた医師がございます。この方々が大体現在四十代から五十にかけてのところに集中をいたしております。その後医学部の定員を戦後に非常に縮小した時代がございますので、したがって、医者不足という中で、一番深刻な医者不足は青年の医師が非常に足りない、その青年の医師が大体病院等の勤務医として占めているのが実態でございますので、そういう病院が非常に医師不足という空気を感じておる、こういうふうになっておるわけでございます。したがいまして、あと二十年かりにたったといたしますならば、現在の一番ピークを占めている四十から五十にかけての方々が六十をこえてまいります。あるいはある意味で稼動力も相当失ってくる時期も想定しなければなりません。そういたしますと、これはますますダウンするというのが見通しでございますから、私ども少なくとも最初申しましたような皆保険前くらいの受け持ち患者数に戻すことが必要ではないか、こういうふうに考えておるわけでございます。
#64
○小柳勇君 そうしますと、いまからまだ医科系の大学、学部をふやさなければ医師の充足はできないということですか。
#65
○政府委員(松尾正雄君) ただいま四千三百八十名程度の一学年入学定員まで増加してまいっております。しかし、いま申し上げましたような数字を昭和六十年、長期にかかるものでございますから、昭和六十年という目標において達成するということを考慮いたしますと、現在の四千三百幾らの医学部定員を私どもは約千六百ふやしたい、そうすれば、大体それも比較的近々のうちにそれだけの増設ができれば、昭和六十年に大体百五十という指数、絶対数にいたしますと約十七万五千人程度の医師数というものは差し引き確保できるだろう、こういう試算をいたしておるわけでございます。もちろんこのためには既存の医学部の定員をふやすという方法も十分中に含んで見ていただいてけっこうだと思います。
#66
○小柳勇君 厚生大臣、見解を聞いておきたいのですが、あした文部省に、私立大学の寄付金の制限、頭打ちなどをひとつ文部大臣と一緒にゆっくりやろうと思っておりますけれども、先日から問題になっております医科系学校の入学金及び寄付金のばく大な金額、一千万とか二千万とか言われておりますけれども、個人でそういうふうな金を出せるという人はもうほとんど私どもの周囲から見ましてもわずかしかいないんですね、子供の入学のために一千万も二千万も出すというのは。だから、医師の方などは、自分の子供を何とか医者にならせるためにずいぶん無理をしてでも金をつくられるでしょうけれども、一般にはなかなかできないと思うのです。そこでいま千六百人の入学者の増員を考えておられるのですが、私立大学の医学部に対して厚生省が寄付をして、国の金から寄付をして、個人からは一切取ってはまかりならぬというような規制はできないものであろうか。まあ学校法人ですから寄付行為などというものはオープンですね。ですから頭打ちなんということは考えもできませんが、そして優秀な人材を多数集める、医学部に集める。そうでないと金で選別されてしまいますね。初めから一千万なり二千万なりないと医学部に入れないというようなことでは、優秀な貧乏人の子供は初めから医者になることをあきらめてしまいますね。何とか厚生省は、あれだけ問題が、阪大の問題もあったことですからお考えになったことございませんか。聞いておきたいと思います。
#67
○国務大臣(内田常雄君) 私は厚生大臣でありますと同時に、小柳さんと同じように政治家の一人でありますものですから、政治家としての考え方がしばしば先に出る場合がございます。そういう意味から、私はあなたと同じ考え方を持つわけであります。ところが、行政長官としての立場に返りますと、文部省のことも考えなければならないし、大蔵省のことも考えなければならない。現に医師でなくても一般の大学におきましても、国立大学につきましては授業料その他の寄付金等が私立の同種、同じような種類の教科内容を持つ私立大学に比べると非常に安い。医師についてもまた同様のことが言えるわけでありますが、その文科系統、法科系統あるいは経済学部等についても、国立と私立との状態がいまのまま放置されておる状態のもとにおいて、なかなか医師の養成のための学校だけには手がつけにくいというような問題も行政大臣として考えます場合に出てまいりまして、私どもがもう行政大臣として強力にいまの小柳説、また私が政治家として愚考しますことをこの際この段階において厚生省として予算要求ができるかというと、そのことにつきましては、私もまあ思想を整理いたしておりませんけれども、ややじくじたるものがございます。しかし、これはいまのように一人前の医者の国家試験を取るまでの間の養成過程において、入学から始めてあまりに多くお金がかかり過ぎるということになりますと、でき上がりました医者について、しかもそれが国民皆保険のもとにおける医療担当者としての地位にもいろいろな憂うべき影響を及ぼすというようなことを世間で考えることも私はもっともであると思いますので、いま御指摘あるいは御提案のことにつきましては、さらに私も掘り下げて考えてみたいと思うものでございます。
#68
○小柳勇君 これで最後にいたしますが、学校をつくって、教授の給料を払って医学部の生徒を教育するのですから、学校法人ですから、利潤を出す必要はないわけです。もうける必要ないですからね。だから、私立学校としても、何もうんと金をばんばんもうけようと思って番付行為をやっておられるんじゃないと思うんです。やっぱり、学校をつくって、教授に給料を出して、いろいろ実験道具などをそろえなければならぬ、本をそろえなければならぬから、金がかかるわけでしょう。だから、ある限界はちゃんとあるのですね。だから、もう幾らでも金を持ってこいと、そういう姿勢ではないと思う、どこの学校も。私立学校というものは、そこでこれだけ充足させる、あるいはもういまの現状から千六百人だけよけいになったら、あとは余るかもしれませんね、卒業生が。そうなりますと、医者の値段もずっと下がってくる。あまり医者にしたら、あと競争がひどくなって診療所もできないということになってしまう面もありましょうから、そこで、いま過渡期ですから、もう少し厚生省としても、どのぐらいやったら何人養成できるのだということを試算していただいて、そして私立学校などについてはどの辺までと一つの頭をきめまして、それ以外は何か法律でさばくぞというような体制でも考えてもらいたいというのが、一般のいまの親の気持ちですね。もう、このように野放図にやってもらっちゃ困るというのが一般の気持ちですから、いますぐ回答は求めても無理なようですから、大臣、局長、知恵を出し合って、医学系学校について一ぺん検討していただきたいと思うのです。これは医学部だけじゃないようです。ほかの学校も、技術系の私大もいろいろ入学金が膨大にやっぱり要るようでございまして、その問題は明日文部大臣にしたいと思いますから、ひとつ、医学系については、医者が将来どのくらい要る、看護婦がどのくらい要るから、これくらいは厚生省が出すから入学金の寄付などはよけい取ってはまかりならぬと、そういうような考えを一ぺん考えて、具体的な問題をひとつ検討していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか、大臣。
#69
○国務大臣(内田常雄君) まことにごもっともな御意見であると存じますので、検討させていただきます。
#70
○大橋和孝君 ちょっと、いまの医者不足の問題で、関連して一、二伺いたいと思います。
 いま、外国と比較をして、西欧あたり、イギリスあたりと比べたら、日本は絶対数としてはそんなに少なくない。アメリカに比べれば少ないのでアメリカ並みにしようというお話でございますが、それも一つの考え方だと思いますが、私は、この問題は、なんぼ医者の学校をふやして医者を養成いたしましても、いまのような制度であれば無医村は解消しないと思うんです。何となれば、いまの若い者は何を一体希望しているか、これを厚生省はもう少ししっかりと把握してもらいたいと思う。やはり若い医者は勉強するところを望んでおるのですね。ところが、勉強するところは大学に限られて、狭いところである。だからして、このごろ若い人たちで案外開業医をしたりする人が多いわけでありますが、彼らは必ずしも開業することをそう望んでおらぬかもしれないけれども、やはり、研究をし、また自分の技術をみがいていく上においても、もうじきに頭打ちになってしまうというのは、いまの非常に狭い門が影響しているんじゃないかと思うのです。
 前にも私は何かのときに議論を申し上げたことがあると思いますけれども、もう少し教育病院式なものをしっかりと機関的に配置をして、地理的に配置をして、そこは大学と同じような研究ができるような場所をつくってあげたならば、そしてまた、それがだんだんと腕が上がるにしたがって、あるいはまた勉強が進むにしたがって上のほうに席が設けられていくというふうな形の循環ができるようなシステムをつくったならば、私は、もうひとつ、開業したり、あるいはまたそういうことをしないで、もっと研究をしながら、みっちりといけるという道があるのではないか。それには、勤務医の給与の点だとか、あるいはまた待遇の点も配慮はしなければならぬと思いますけれども、そういうことをすれば、逆に私ども実際医者をやっておるところから考えましても、やはり、もっともっと勤務医というものがたくさんできてくるし、無医村への配置も適切にできる。そういう勉強をしながら一年間ぐらい無料奉仕にそういうところに行ってくるぐらいは、私は言うことを聞くのじゃないかと思います。若い人にはそういうシステムが大事であって、ただ医者をつくるばかりが私は能じゃないということがまず第一点、そう思うのですが、それに対してのお考えを聞いておきたい。
 それから、大学をつくる云々ということがありまして、私学のほうで寄付金をやかましく言われておるのは、私は、やはり大学をつくるために、ものすごい金がかかるから、そうせざるを得ないと思う。その運用費につきましても、めっぽう金がかかる。一人の医者を六年間教育するためには何ぼか、金額は忘れましたが、ものすごい金額を学校が負担しなければならないわけですね。こういう状態であるならば、やはり寄付金でもとらなければならぬことになってきますから、私は、学校制度でも、東大なら東大とか、あるいはどこどこの大学と、門を締めないで、もっともっと研究する場を自由に与える、ほかの医学部でもあるわけでありますが、その単位を勉強しながら、あらゆる専門のところに行っては研究ができるような形で、もっとオープンにするならば、私はそれほどのきついものは要らぬと思うのです。各大学に蔵書は何ぼ要るとか、どのくらいの実験道具が要るとか、それがみんな確保しなかったならば大学にならないということでなしに、もっとオープンでこれをやるシステムが考えられるのじゃないか。私はこの二点を、医者の不足に対しては積極的にもっと考えるべきじゃないかと思いますが、その点はいかがでございましょう。
#71
○政府委員(松尾正雄君) 私どもも大橋先生の御趣旨と同じような気持ちであります。特に第一点のほうで、教育病院というものを整備しろというお話であります。私どもは、批判をいたしますれば、大学における研究といったものは必ずしも臨床の勉強というものと結びついていない。また、ケースから言いましても、必ずしも大学に残っていることが臨床家としてりっぱになる唯一の道ではない、こういうふうに私ども感じます。そういう意味では、やはり一般の病院というものを整備いたしまして、そこで十分な臨床の勉強をし、かつ、それに付随するいろいろな研究等も行なうということがやはり必要ではなかろうか。そういう意味では、私どもも、やはり、研修病院をはじめといたしまして、今後そういう方向に病院の整備ということをはからなければならぬというふうに考えております。もちろん、その際、大学等との連係というものをもっとお互いにすれば、必ずしもああいう大学にだけ残る必要はないと私ども感じておりますので、これはやはり教育サイドからも同じようなことを期待したいと考えております。
 それから、第二点といたしまして、大学の建設に非常な金がかかるという問題でございます。特に付属病院等をつくりますためには、その病院をつくること自体にたいへんな建設費を要します。と同時に、それをまた維持していくために相当多数の医者と看護婦、その他の人間をそこにまた集めてこなければならない、その運営自体が、また病院経営といたしましても採算に乗らないようなことで、そういうシフトを敷くわけでありますが、そういった点については、もっと一般の病院を整備いたしまして、そこが学生のための教育に使い得るという方向にいたしますれば、もっと費用の面からいっても安く、また、人の使い方から申しましても効率的で、しかも、場合によりましては非常にりっぱな臨床の場面というものを提供できる、こういうふうに考えております。私どもも、ただいま先生の御提案のようなことを、やはり大学の関係者その他にも機会あるごとにいろいろお話をいたしまして、次第にそういう空気が濃厚に固まりつつあるというふうに私どもは感じておるわけでございます。
 もう一つ、先ほど小柳先生の御質問の中で、県立病院のことが調べがつきましたので、お答えを申し上げます。
 一般病院のない県は三つでございます。ただし、その県でも、結核病院でございますとか、あるいは特殊なリハビリテーション関係の病院というものは県で持っております。その限りで、いわゆる病院というものがない県ということになると、それは該当はないということになりますけれども、いわゆる一般病院、総合病院のない県は三つでございます。
#72
○小柳勇君 三県ですね。
#73
○政府委員(松尾正雄君) さようでございます。
#74
○小柳勇君 わかりました。
#75
○主査(吉田忠三郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#76
○主査(吉田忠三郎君) 速記を起こして。塩出君。
#77
○塩出啓典君 それでは、先般鳥取県で硫酸銅の事件がございまして、これは先般の予算委員会でも、うちの内田委員が問題にしたわけでございますけれども、厚生省は、その後どういう調査をされたのか、また、今後の対策としてどういうことを検討されたのか、ひとつ答弁も簡単にお願いします。
#78
○政府委員(浦田純一君) 鳥取県の若桜町に所在いたします林材会社に隣接する中村さんのお宅の井戸水が、同会社の硫酸銅排出による汚染によりまして起こったということになっております。この事件でございますが、さっそく県を通じましていろいろと問い合わせたところでございます。それによりますと、若桜地区におきましては、これは御案内だと思いますが、すでに昭和三十四年から町営の簡易水道が布設されているということでございますけれども、この該当の住宅は、事故発生以前の本月三月二日にこの水道から給水を受けておるといったようなことでございましたが、不幸にして、その前にこの水を飲んだと思われるおかあさんの長女の初江ちゃんが、生後九カ月でございましたが、どうも、なくなられたその原因に、その井戸水の硫酸銅イオンによる汚染があるのではないかということで、いろいろと調査の結果につきまして照会しましたところ、まず、被害者でございますが、若桜町の若桜に住んでおられる方で、中村勝男さん宅、これは世帯人員が三人、それから弟さんの源四郎さん宅、同じく世帯人員が三人、ということで、問題は、源四郎さんの長女のほうの初江ちゃんがおなくなりになったということでございます。
 経過を申しますと、若桜林材は昭和二十七年ごろから硫酸銅の防腐剤による電柱の製作を開始いたしております。四十五年の一月二十九日に中村勝男さんが現在地に住居を新築されまして入居されておったというような状況でございまして、その後、今度は四十五年の十一月に中村源四郎さんが現在地に住居を新築して入居された。四十六年の二月の下旬になりまして、中村源四郎さんより若桜林材に対しまして、井戸水が青くなるということについて苦情を申し立てております。
 それから四十六年の三月一日に、さらに中村さん御兄弟より町役場に対しまして、簡易水道布設の申請をいたしました。同時に、若桜林材からも町役場に事情の説明をいたしております。これはいずれも早期に布設することを要望いたしているわけであります。それで、四十六年三月二日には簡易水道が布設されたわけでございますが、先ほど申しましたような、初江ちゃんがおなくなりになるというような、どうも井戸水と関係があるといったような事故が起こったわけでございます。
 それで、三月の十日に保健所から係長が現地視察に行っております。
  〔主査退席、副主査着席〕
 また、三月の十四日に、母乳を捨てるためにしぼったところが、どうも青い色が出るということで検査いたしました結果、銅が検出されております。それから井戸水につきましても、いずれも銅が発見されておる。それから工場の石垣その他にも青色の銅と思われる物質が付着しておるといったような状況も発見されております。
 なお、かかられましたお医者さんの意見でございますが、腹部と胸が青くなっていたということや、母乳の青みについては十七日の「日本海新聞」によって初めて知ったわけでございますけれども、硫酸銅の影響はいかがかというふうに考えておる、もしあるとすれば、急性ではなくて、ゆるやかな影響があると思われる、このために前駆のような症状があらわれたのではなかろうか、としております。それから石谷というお医者さんがやはり関係しておられますが、下痢と硫酸銅との関係はないものと思う、というふうに言っておられますが、三月十七日に、厚生部が現地に調査に参りまして、実際に実情を調べております。
 それから、三月十八日には、厚生部といたしましては、いろいろな対策を決定いたしまして、その対策に沿って、今後このような事故が起こらないようにということでもって、たとえば水質汚染の調査、これは河川水の水質の調査、近所を流れております川の数地点について調べております。それから井戸水の調査でございますが、これは若桜林材周辺の井戸五カ所について調べております。それから健康調査を行ないまして、その対象者といたしましては、中村勝男さん、同じく源四郎さんの家族の方五人、それから薬理調査を実施することにいたしまして、鳥取大学あるいは国立公衆衛生院等で薬理調査をいたしまして、健康調査の資料をつくり、また発生源対策といたしましては、硫酸銅水溶液の貯溜槽その他漏水状況を調査する。また、漏水があるとすればその防止体制をとるといったような対策をとらせる。
 以上が、私どもがこの事故が起こりましたのを承知いたしましてから県のほうを通じましてとりました情報の大要でございます。
#79
○塩出啓典君 非常に長い説明ですけれども、私の聞いておることはあまり……。ただ県が全部やっておることであって、厚生省としてそれに対してどういう判断をしておるのか。今後やはり、鳥取で起きた問題であったにしても、ただその問題だけでなしに、やはり日本全体について検討すべき問題があると思うのですよ。そういう点をどう考えておるのかということを聞いておるのですからね。そういう点をひとつ。そういうことが私の気持ちです。
 それで、具体的に聞きますけれども、厚生省は現地へ行っていないのですね。県を通じてやって
 おるだけなんだ。こういうことが、ぼくは、一つあれば、やはりそういうところからやはりよく調査をして、どういう点に問題があるのか、今後に生かしていかなければいけないと思うのですね。そう点で、現地調査もやっていない、県の報告を聞いて――われわれの感じでは、非常に事務的な処理のしかたであり、そういう点が私は非常に問題ではないかと思うのです。そういう点で、実際に県警と衛生研究所、それから保健所等のデータが非常にいろいろ違うわけですね。保健所あたりが三月二日に測定したら銅が〇・一PPMで、だいじょうぶだった。ところが、こういうような状態になってきたわけですね。これ、ちょっと厚生大臣にも見てもらいたいのですが、これは井戸にじかに浮いておった。パイプなんです。それだけ硫酸銅がついているわけですから、一時期においてはかなりたくさんの硫酸銅が流れたのじゃないか、そういうことが言えると思いますけれども、そういう点で、これだけつくといったら、かなりやっぱりたくさんなければ、こんなにならないと思うのです。そういうことに全然気がつかなかった。厚生省としては、こういう問題が起こるということをどう考えるのか、やむを得ないものか、その点、どうですか。
#80
○政府委員(浦田純一君) 飲料水の中の硫酸銅の許容量と申しますか、水質基準につきましては、一・OPPMということに一応なっておるわけでございます。従来の試験といたしましては、硫酸銅そのものは、非常に毒があるとしても、猛毒ではないというふうなことでおったわけでございますが、いま御指摘のように、長い間かかりましてパイプなどにそういうふうにして付着してくる。それから、ことに赤ちゃんといったような場合、その毒性が弱いというのが逆に災いいたしまして、そして、ものが言えない赤ちゃんでございますし、硫酸銅に含まれておった水を長い間にわたって飲用しておった。それが、普通では考えられないような濃度、あるいは毒性というものを起こしたのではないだろうかといったようなことも推察されるところでございます。一般の場合には考えられなかったようなことも起こり得るということは、私どもとしては十分にこれから気をつけていかなければならない問題だと思っております。これらにつきましては、私は、やはり何と申しましても、飲料水の水質、衛生的な基準の確保ということにたよっていかざるを得ない。すなわち、衛生的な水道を布設する、それを飲用にしていただくという指導、また、皆さま方の御理解ということが一番根本であると思います。
 なお、井戸水のこのような検査につきまして、必ずしも現在保健所が行なっておりますいろいろの検査の水準、これが十分だというふうには申しかねる点も多いわけでございます。御指摘の濃度が、保健所あるいは衛生試験所等によりまして違いがあったということも、まあいろいろと原因は考えられると思いますが、現在の保健所の水質基準の検査項目というものにつきましても、十分に私は拡充して、その技能についても強化していく方向でいかなくちゃならないと思っております。
 井戸水、井戸全般の取り締まりというものをどのようにするかということにつきましては、これは個人の財産ということもございまして、いろいろと検討しなくちゃならない面があると思いますけれども、保健所のいまの技術力の向上あるいは消毒の強化といったことで対処してまいりたいと思っております。
#81
○塩出啓典君 いずれにしても、厚生大臣、こういう一つの事件が起きて、その事件の真相というものはやはり究明していかなければ次の手は打たれないと思うんですよ。それで、いまも局長が言われたように、地方の保健所というものはなかなか技術もないわけですからね。こういう一つの問題、一人のとうとい人命が失われたのですから、もう少しやはり積極的にその原因を究明して、場合によっては現地へ派遣するなり、もっと前向きにこういう一つの問題に真剣に取り組んでもらいたい。そのように大臣に要望したいと思いますが、その点、どうですか。
#82
○国務大臣(内田常雄君) そのようにいたしたいと思います。
#83
○塩出啓典君 一つは、硫酸銅の問題ですけれども、硫酸銅はたくさん使われていると思うんですけれども、いま劇物だけれども、水溶液の場合は劇物の指定がなされていない。われわれしろうとの感覚としては、水溶液というのが全然劇物の指定もないというのは非常におかしいんじゃないか、そういう感じがするわけです。劇物、毒物というのは人体にどれだけ与えたならば致死量になるかという点から計算しているから、それは指定していないにしても、問題は、水溶液を捨てる場合に、これはいろいろ毒物劇物取締法を調べてみましたら、硫酸銅の場合は、廃棄する場合にこのように廃棄しなければならぬという基準が全然ないわけですね、調べてみたら。シアンだけなんですね、政令で定められているんです。だから、ぼくはしろうとでわかりませんけれども、シアンだけではない、そういう危険なものがたくさんあるんですから、シアンと同じように、地下水にしみ込むことのないようにやっていくとか、もう少しそういう廃液の処理についても規制を強化して、野放しではいけない、私はそう思うんですけれども、厚生省として検討する用意があるかどうか。
#84
○政府委員(武藤g一郎君) 硫酸銅につきましては、毒物劇物取締法上の問題は先生が御指摘になったとおりでございます。この法律は急性毒性の観点から主として取り締まりが行なわれておりまして、廃液につきましては、御指摘のように、シアンだけでございます。現在、私どもとしましては、廃酸、つまり硫酸銅の廃液、あるいはアルカリの廃液等につきましても、シアン同様にやるべきじゃないかという意見がありますので、この点につきましてはいま検討しております。
 いま御指摘のように、その他のいろんな重金属がございますし、それから混合薬品が数万といわれておりますが、いろいろ問題が起きております。ただ、公害の観点から、河川の流域等につきましては、さきの公害国会で成立しました法律によっていろいろ取り締まりが行なわれておりますけれども、内陸におきましては、こういう点が、御指摘のように不備でございます。私どもも、従来は急性毒性の問題だけを考えておりましたけれども、今後はやはり保健衛生上の観点から、この法律の今後のいろんな適用範囲、運用というものを考えていかなければならないんじゃないかということで、これは、いろいろ重金属が日常生活等、あるいはいろんな農業、工業等に使われておりますので、そういう点を広く検討しないと、すべて逐一厳密な取り締まり法規をつくるというこはむずかしい問題がありますけれども、少なくとも、おっしゃったように、廃棄とか、あるいは飛散するような場合には、できるものから検討していかなければならないんじゃないか、かように考えております。
 それから、つけ加えますが、先生がいまお示しになりました、あのゴムのあれでございますが、私のほうも昨日県のほうから手に入れましたので、直ちに、中村さん方で使用されておりました台所の石にもやはり青くついておりまして、これと、いまのゴム管二つを衛生試験所に調査手配をいたしまして、分析を依頼をいたしましたので、この点を申し添えておきます。
#85
○塩出啓典君 水の場合は毎日飲むわけですから、そういう点で慢性的になる危険があると思うのですね。ひとつ、そういう線で、硫酸銅を含めて、そういうふうな廃液の規制については前向きに検討すると、そういうことで、これは厚生大臣も了承しているわけですね。大臣、いま局長が言われたのは、大臣の考えでもあるわけですね。
#86
○国務大臣(内田常雄君) 私は、せっかく毒物劇物取締法というものがあります以上は、毒物劇物の本体ばかりでなしに、それが薄められた場合などの廃液につきましても、必要な限界においては、その廃棄基準というものを必要に応じてつくっていかれるように薬務局長にも私は注文をいたしております。ただ、どんなものを飲みましても、その中に毒物劇物取締法の対象としているような物質が何PPMか、何PPBか入ってきておる場合もありますので、したがって、そこの限界といいますか、許容量というものはあるでございましょうけれども、できる限り私は公害的見地をももって、こういう毒物劇物の物質の排出規制というものも、単にシアンばかりでなしに、必要な限度において広げていくようにやってほしいということを注文をいたしておりますが、やや、従来は、その毒劇に対する厚生省の態度が憶病であった。公害対策的なものではないように政治家としての私には思えますので、そういう気持ちから指導いたしてまいりたいと思います。
#87
○塩出啓典君 それで、これは硫酸銅が入っている袋ですけれども、確かにこういうように使用方法は書いてあるのです。しかし、廃液をどうするかというようなことも、これは当然、やはり、政府が一つの基準をきめれば、こういうようなところに捨てる場合はどうするかということも書いて……。これは使用をどうするかということで、廃液はどうするかということは書いてないわけですね。だから、私は、こういう一つの法律をきめても、周知徹底するために、こういうような袋についても、やはり厚生省なり、しかるべき官庁が監督をして、廃棄する場合のこともちゃんと書くと、そういう方向で、ひとつ検討してもらいたいと思うのですけれども、その点、どうですか。
#88
○政府委員(武藤g一郎君) いまお示しの、たぶん農業用のものだろうと思いますけれども、そういうふうに広く使われております。しかしながら、長く使っておりますと、農薬のような問題がほかにも起きてくるのじゃないかということを心配いたしますので、先生の御趣旨に沿って検討する方向で、いま研究中でございますので、もうしばらくこの問題を研究さしていただきたいと思います。
#89
○塩出啓典君 それから、先国会でいろいろ公害法案が通りまして、地方にだいぶ権限が委譲されるわけですね。そうなると、当然、地方の衛生研究所なり、そういう保健所の研究体制、監督体制というのが問題になってくると思うのですけれども、今回の事件を通しても、非常にそういう点が不備である。その近くの保健所も、三人おったけれども二人は県のほうに引っ張られて、係長さん一人しかいないわけです。そういうところで、水を二日の日に出したけれども結果がわかったのは十三日、十日ぐらいかかっておるわけですね。こういう点は、そういう人たちを責めるのも酷じゃないかと思うのですが、国全体として、そういう地方への権限委譲に伴って、厚生省としても、県の衛生研究所の拡充について、はたしてそういうことを考えているのかどうか、その点、どうですか。
#90
○国務大臣(内田常雄君) 当然、私はそうあらなければならないと思います。しかし、最近、逆の場合などもございまして、国直属の国立衛生試験所の人員、機能が十分でない。たとえば、農薬の残留調査等につきまして、むしろ地方の衛生研究所の機能をお借りして御協力を受けなければならないという場合もあるようでございます、正直のところは。ですから、私は、そういうものにつきましては、中央・地方とも、できる限り人員、機能等も拡充をいたしていくべきだと思います。
 もう一つ。せっかくこの町は簡易水道がしかれているところでございまして、したがって、保健所などにおきましても、その井戸水がよごれているいないにかかわらず、せっかく簡易水道というのがしかれている町でございますので、これは事故のあとから、ついこの間、簡易水道を引っぱったようでございますが、できるだけ簡易水道をつけさせるようなこともさせてまいりたい。ただ悪いものを取り締まる基準だけをつくればいいということでございませんで、そういう福祉面も、せっかくやったことを皆さんに利用するようにしていただくことも、これは肝心だと考えます。
#91
○塩出啓典君 大臣が言われたように、何といっても簡易水道を普及していくということが大事じゃないかと思いますので、そういう線でやっていただきたいと思いますが、ただ現実には、やはり国の予算もあって、そう一ぺんにはいかないと思うのですね。現実には、かなり井戸水を使っておるところもあるわけです。中国地方でも、先般、島根県の津和野町では、昔の鉱山が廃鉱になって、そこから亜鉛が流れて、それで人間の髪の毛を調べてみますと、砒素がたくさん見つかったというような事件がありましたし、広島県の黒瀬町におきましても、弗素があるために黒班歯ですか、歯が黒くなったり、そういう風土病が非常にあって、現地の県の衛生試験所あたりが一生懸命調べておるが、なかなか原因がわからない。そういうような問題もあるわけですね。現在、そういう水道以外の井戸の水というようなものについては法律的には何ら規定もないし、それについて、個人の財産だから測定の義務も何もないようになっておるわけですけれども、そういうことで、何らかの、たとえば近くに今回のような、そういう工場があれば当然地下水にそういう心配もあるわけですからね。何らかの形で、そういう井戸水の総点検というか、そういうものをやはり検討していかなければいけないのじゃないか。個人が使うのだからかってじゃないかというわけにはいかないと思うのですがね。そういう点、厚生省としては井戸水の水質についてはどう考えているのか、その点をお伺いしたいと思います。
#92
○政府委員(浦田純一君) 御指摘のとおり、やはりまだ水道の普及率は一〇〇%というわけではございませんので、当然、井戸水その他を飲料水として使っておられる方々もおられるわけであります。これらに対しましては、やはり保健所などから、いろいろ井戸水その他について衛生教育と申しますか、それをやることが肝心だと思いますが、厚生省といたしましては、各県を通じまして、保健所の検査室がおもでございますが、大体年間に二十万件ぐらいの水質検査の依頼を受けております。必ずしもそれで十分と申すわけじゃございませんが、その結果を見ますと、ほとんど四割近くが不適格でございます。なお、この水質検査そのものの内容あるいは項目を検討するということはもちろんでございますけれども、いままでの項目でもこういったようなことでございまして、私どもは、この井戸水の汚染については、近くまた県のほうに、その水脈の状況なども調べさせるように指導してまいりたいと考えております。
#93
○塩出啓典君 この問題は、時間もございませんので、あとはひとつ、厚生省のほうで……。特に水というのは、先ほども申したように、いつも飲むわけですね。だから、一回ぐらい飲んでもだいじょうぶだけれども、長い間には非常にその危険性もあるわけで、そういう点、ひとつ、検査体制を強化し指導するなりして、このようなことのないように万全の措置をやっていただきたい、そのことを要望しておきます。
 それからもう一つ。瀬戸内海等の魚のいわゆる生物調査を厚生省はやっておられるということで、広島県の広島湾におきましても非常に重金属がたくさん出て、非常に地元で心配しておるわけなんですが、それで、厚生省のお話を聞きますと、昨年の暮れぐらいから全国七カ所か八カ所の魚をとって、そうしてその重金属等を、八項目ですか、にわたって調べておる、そういう計画を聞いたわけですけれどもね。私は、やはりそういう問題が起きてからとるのじゃなくて、あってもなくても、定期的に魚をとって、そうしてその中の成分がどういうぐあいに変化していくか、そういうことを常に知っておくということは、やっぱり公害対策の上からも必要じゃないかと思うんですね。そういう点で、現在やっておるそれを強化してもらいたい。まあ、全国八カ所ぐらいでは……。瀬戸内海のほうで淡路島と小豆島の中間にできた一カ所で、それをもっとふやしてもらいたいし、項目におきましても、たとえば先般予算委員会で問題になりました塩化ジフェニールですね、PCB等もはかっていない。外国等の文献を見ますと、そういうものもちゃんとはかっているわけですね。そういう点で、PCBも含めて検査項目等ももう一回検討していただいて、そういう定常的な測定というものを強化してもらいたい。このことを要望したいんですけれども、そういう方向で検討するかどうか。
#94
○政府委員(浦田純一君) 昨年度実施いたしました調査は緊急ということでやったわけでございまして、今後ともその方向でこれを拡充し、強化していきたいというふうに考えております。
#95
○塩出啓典君 大体ことしは、そのための予算というのはだいぶ取っているんですか。ことしはPCBも追加するとかしないとか聞いておるんですが、PCBは加えますか。
#96
○政府委員(浦田純一君) PCBも含めまして、予算額は約一億五、六千万円程度でございますけれども、昨年よりは上回っておりますので、手を広げてやっていきたいと考えております。
#97
○塩出啓典君 現実に県の衛生研究所で原因がなかなかわからなくて、厚生省サンプルをとって協力はしているんですが、そういうような原因の究明にひとつ力を入れていただいて、地元の住民の不安をなくするように努力してもらいたい。そのことを御要望いたします。
 最後に、この人は戦争から帰って、なくなっちゃったわけですね。これについて、軍人恩給ですか、傷病恩給というんですか、それを請求したわけなんですけれども、これは私申し上げますと、厚生大臣、よく聞いておいてもらいたいと思うんですね、昭和二十年の三月二十八日に台湾の基隆方面で砲弾を受けて、その人はけがをしたわけですね、それで、戦争から帰ってずっと入院生活を続けて、昭和二十四年の一月三十一日になくなったんです。そのときの医者の診断が、敗血症という病気なんですよ。それで、家族としては、いま八十に近い一人のおじいさんがおるわけです。自分の一人むすこをなくして、やはり戦争でけがをして、ずっと入院生活、治療してなくなったものですから、これはもう当然戦争のためになくなったに違いない、そういうわけで厚生省のほうに申請したわけでございますが、厚生省の私の聞いている判断では、敗血症という病気は発病してから死ぬまでが短期である、だから敗血症でなくなったのは砲弾の破片とは関係がないということで、そうしてこれは却下になって、何回も何回も、このおとうさんは納得がいかないものですから、最後には私のところへ来たわけなんです。こういう例を私もいろいろ厚生省に聞いてみますと、ある人は、戦時中の訓練のときに落ちて頭を打って、そうしてなくなったときに死因は痴呆性麻痺症だと、ところが、痴呆性麻痺症というのは梅毒が原因だから、これは頭から落ちたのが原因じゃない、そういう判断が、単なる医者の診断書に書かれていること、ばによってなされておる。私は、やはり今後は、そういう点ももちろん大事ですけれども、戦時中の医者の診断書というものだけではなくて、その前後のいきさつというものを考えて、もう少し人間的に判断できないものかどうか。そういう点、ちょっとあまりにも厚生省のやり方は冷たい、そうしてまた、却下になった理由にしても、詳しい説明がなされてない。そういう点、もっと人間性のあるやり方をとってもらいたいというのが私の要望なんですけれども、そういう点、どういう考えであるのか、検討する用意があるのかどうか、それだけお聞きして終わりたいと思います。
  〔副主査退席、主査着席〕
#98
○国務大臣(内田常雄君) 塩出さんのお話、ごもっともと存じます。実は、私なども、塩出さんと同じような苦情を私の選挙区の該当者から受けることが、ことに私が厚生大臣に就任いたしましたものですから、何とかしてくれといって、いままで片がつかないようなものを、正直申しまして、持ち込まれておりますが、やはり厚生省の当局は、国民の税金を支払うのであるからというのでございましょうか、非常に厳格なところがございまして、私の言うこともたいていは聞かれておらないというような状況でございますが、せっかくの戦没者戦傷者遺族等援護法というような戦争犠牲者に恩恵の法律がありますものですから、どっちにも解釈されることは本人に有利なように解釈すべきであるというふうに私は厚生大臣としても考えますので、いまのお話の具体例のことは、なお調べさせますけれども、私は、厚生大臣としては、疑わしきはその戦争犠牲者の利益がはかれるように扱わせるようにつとめてまいります。
#99
○萩原幽香子君 きょうは、非常にきめこまかくいろいろのことをお伺いしょうと思って、たいへん楽しんでおったわけでありますが、いただきました時間がまことにわずかでございますので、簡単にお尋ねしてまいりたいと思います。
 昨年でございましたか、私、東京のあるところに行ったときに、幼児のギャング集団ができておるということでございますね。五歳が親分で、三、四歳が子分である。そうして、いろいろとお店なんかに行って悪いことをしたり、るす宅に入っていたずらをしたりしておる。こういう子供たちをいろいろ調べてみますというと、幼稚園に行くにも幼稚園では受けつけてもらえない。とても入れてもらえない。保育所も近くにはない。だから幼稚園にも保育所にも行けない。その子供たちは、親が働いているから、そういうふうな形で子供同士で生活しながら悪いことを盛んにやっている。こんな子供が大きくなったときに一体どんなふうになるだろうかというふうに私思ったときに、実に身ぶるいするような感じがするわけでございます。ですから、そういうことから考えまして、保育所の問題にしぼって私お尋ねしてみたい、こう考えるわけでございます。
 そこで、こういうおかあさんたちは、非常に家庭婦人が働くようになった、そういうことに伴って、いわゆる保育に欠ける幼児がかなり多くなったということが考えられるわけでございますけれども、大体現在どのくらい保育に欠ける子供がおりますのか、お伺いをいたしたいと思うんです。
#100
○国務大臣(内田常雄君) 詳しい数字は政府委員からお答え申し上げますが、私が厚生大臣としていつも頭に入っておりますことは、現在では保育所の数は一万三千くらいでございまして、それに収容されておる児童の数は百二、三十万人くらいである。ところが、一方におきましては、夫婦共かせぎをするような、そういう社会経済状況の変動がございますために、とてもその保育所の収容力ではカバーすることができない。おそらく、昭和五十年くらいをとってみますならば、百六、七十万人くらいの要保育児童があるだろう。そうなってまいりますと、現在のままの保育所の収容力では、これはもう四、五十万人近くの保育所収容不可能の要保育児童が放置されるというふうに私は大体の数字は記憶をいたしております。したがいまして、社会福祉施設の整備計画の中におきましても、申しわけありませんけれども、まず老人の福祉施設ということを最優先に行ないまして、それとおおむね並行か、少なくとも第二位には保育所の充足というような社会福祉の整備計画の中に重点的に入れる、こういうことで、この四、五年の間にいまのような事態をできるだけ解消するようにつとめますと同時に、現時点におきましては、やはり何とか無認可保育所というようなものにつきましても、放置しないで、小規模保育所なりなんなりとして、これをやはり準保育所として整備をさせてまいる、並びに企業内保育所といいますか、託児所といいますか、そういうものも労働省と協力したり、労働省から応援もしていただきながら、やはりそこにも何か国の指導なり助成なりというものを伸ばしていく、こういうようなことをやるべきであると私自身は思いまして、そういうことで計画を立てさしております。
#101
○萩原幽香子君 それでは、大臣、私が先ほど申しましたような幼児ギャング集団が、まだあちらでもこちらでもあるかもしれないというおそれはお感じになっていらっしゃるわけでございますね。これはゆゆしき問題でございますので、お願い申し上げたいと思うのです。
 次に、大蔵省にちょっとお尋ねをいたします。昭和四十六年度予算で厚生省の五カ年構想が実現しなかったと聞いておるんですけれども、せっかくこの計画をお立てになったのに、大蔵省ではなぜこれをお認めにならなかったのか、承りたいと思います。
#102
○説明員(相原三郎君) 先生おっしゃいましたのは、社会福祉施設計画の長期計画でございますね。これにつきましては、私のほうもその必要性は十分認識しておりまして、厚生省がそういうことをお考えになっていることは十分承知いたしております。したがいまして、予算の査定にあたりましては、そういうことも十分念頭に置きながら厚生省と相談しまして予算を作成したという次第でございます。
#103
○萩原幽香子君 だいぶ頭に置いていただいたようでございますけれども、現状ではいまのとおりで、まだ四、五十万かの子供が放置されているということは、やはりよほど大蔵省として頭に入れておいていただきませんと将来たいへんなことになるということを、どうぞひとつお考えをいただきたいと思います。
 そこで、保育所の設置における単価、補助額についてお伺いするわけでございますが、私も実は、江鮒に団地を開きましたので、本年から社会福祉法人の保育所を開設することになりました。ところが、六十人定員で申請いたしますと、国から百五十万、県から七十五万、計二百二十五万円の補助が出ることになっております。しかし、この補助もまだ、建築が終わった段階でということで、いただいてはおりません。ところで、私の場合は、土地の造成、建物で、ざっと千七百万円ぐらいを使っているわけでございます。こういったようなことで、土地は自分の田を提供したわけですが、それでも時価千五百万円、ざっと三千二、三百万円になるのに、二百二十五万円ということで、十分の一にも満たないということになるわけでございます。そこで、あまりにも実情にそぐわないと思いますので、法人が超過負担にならないように、どのような御配慮がいただけますのか、お伺いをいたしたいと存じます。
#104
○政府委員(坂元貞一郎君) 保育所の建築単価、設備費の補助単価でございますが、いまお述べになりましたように、確かに現実の建築費というのは相当高いということは私どもも十分承知しております。そこで、従来から保育所の国庫補助の単価というのは毎年毎年少しずつ補助率を上げてきておりますが、本年度の場合でございましたら、たとえば、いま仰せのように、百二十人以下の定員の場合は国庫補助の対象の基本額が三百万円ということで、それの二分の一ということになりますので、百五十万円ということになっておるわけであります。確かにそういうような御要望が非常に高いわけでございますので、私どもといたしましても、明年度はこの補助単価というものをやはり相当増額をしていきたい、こういうことで、いま案をつくっております。したがいまして、いまおっしゃいましたように、一千七百万というような場合もおありだろうと思いますが、一挙にはなかなかまいらないかと思いますが、できる限り大幅な増額を今後やっていきたい、かように思っているわけでございます。
#105
○萩原幽香子君 いまの補助というのは、これは建物についてでございますね。そこで、保育所の整備にあたって、土地についても補助、融資というものを考えるべきではないかと思うわけでございますけれども、大蔵省の御見解を承りたいと思います。
#106
○説明員(相原三郎君) まず、その問題に入ります前に、先ほど先生が御指摘になりましたように、単価自体が非常に低いという問題があるわけでございます。これについては私ども相当努力も重ねたわけでございますが、なかなか先生おっしゃいますようには急にいかないわけでございます。四十六年度には五十三億で、予算として大幅に伸ばしたいと思っておりますが、そういう状況にありますものですから、なかなか土地までも手が回らないという状況にありますし、さらに、同種の補助事業とのいろいろ権衡の問題もございますので、この点については相当問題があるというぐあいに考えております。
#107
○萩原幽香子君 先ほど、厚生大臣のほうから、無認可保育所の問題とか事業内保育所の問題についても考えていきたい、こういうお話でございましたが、どういうふうにお考えくださるのでしょうか、ちょっと承りたいと存じます。
#108
○政府委員(坂元貞一郎君) 無認可保育所と言われるものにつきましては、確かに、現実の姿として、そういうようなものが全国に二千数百カ所ございます。したがいまして、私どもとしましては、従来から、できる限り要件等に合致するものにつきましては正規の保育所に切りかえさせるように指導いたしております。そういうような考え方の一環といたしまして、いわゆる、私どもの用語で言いますと、小規模保育所というようなものを、予算措置をして従来から指導いたしております。したがいまして、無認可保育所というものにつきましては、できる限り、そういう小規模保育所的な考え方を今後も強く出して、それで資格要件等に合致するものにつきましては、正規の保育所に切りかえさせていくというのが第一点でございます。
 それから事業所内の保育施設というものが最近非常に数がふえてまいってきておりますが、確かに、この点は、率直に申しまして、従来厚生省としましては事業所内保育施設というものについて積極的な指導をいたしていなかったわけでございます。しかしながら、先ほど大臣もお答えいたしましたように、事業所内保育施設というものの現実の姿というものを見ますると、どうしてもやはり私どもとしましては指導していく問題のある事柄だと、こういうふうに思っておりますので、今後、私どもとしましては、積極的に指導助言をいたしながら、そして融資等の面で設備改善等の指導を申し上げていきたい、こういうことで現在案をつくっております。
 ただ問題は、事業所内保育施設というものの実態が、まだよく私どもほんとうに把握しておりません。したがいまして、四十六年度になりましたら、都道府県を通じまして、この事業所内保育施設というものの実情をよく把握するようにいたしまして、その実態に応じました指導なり助言の方法を具体的に考えてまいりたい、こういうふうに、いまその方法等を検討いたしている段階でございます。
#109
○萩原幽香子君 無認可保育所については、やはり多少予算化されたわけでございますね。本年度、その無認可保育所を無認可から一般保育所にするために組まれました予算がどれくらいございましたでしょうか。
#110
○政府委員(坂元貞一郎君) 四十三年度から、小規模保育所という形でやっているわけでございます。現在までのところ、二百名ぐらいを対象にしておりますが、特に従来は、この小規模保育所と言われるものは、都市地域なり、あるいは都市の周辺地域だけを対象にしておったわけでございますが、明年度から過疎地域等でも、やはり非常に実態が過密地域と同様な実態でございますので、過疎地域の場合におきましても、この小規模保育所というものを今後つくっていきたい、助成をしていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
#111
○萩原幽香子君 先ほど厚生大臣のほうからお答えいただいたわけでございますけれども、昭和四十六年度に、厚生省、労働省両方から予算要求をされたと承っているわけでございますけれども、事業内保育所の問題でございますが、その内容を承りたいと存じます。
#112
○政府委員(坂元貞一郎君) 企業内保育施設につきましては、従来から労働省のほうでも配慮をしていただいております。私ども厚生省のほうとしましては、従来は、先ほど申しましたように、ほとんど積極的な指導をいたしておりませんでした。そこで、明年度からは、先ほども申し上げましたように、労働省と十分御相談をしながら、設備の融資というような点で助成の方法を考えていくようにいたしたい。労働省のほうでございましたら、おそらく雇用促進事業団というようなところから融資の道を開かれておりますので、そういうところから助成をされると思いますが、私どものほうでは、年金福祉事業団というようなものがございますので、そういうところの資金を十分活用いたしまして、労働省と両方十分相談しながらやっていくようにいたしたいと、かように思っているわけでございます。
 それで、今年度予算要求の際のお話が出ましたが、これは両方大体同じような考え方でこの問題について問題意識を持っておりましたので、たまたま重複したようなふうにとられておりまするが、決して労働省の考え方と厚生省の考え方は重複しておりませんので、そういう融資の方法を、できるだけそれぞれのしかるべき事業団等から助成をしていく、こういうことで、いま両省の間で相談している。こういうことでございます。
#113
○萩原幽香子君 労働省のほうにお伺いいたしたいわけでございますが、予算要求されまして、その結果はどうなったのでございますか。
#114
○説明員(藤井敏子君) 予算の結果と申しますと、要求いたしまして、ことしは入らなかったわけでございます。ただ、雇用促進事業団のほうで、かねて融資という形で企業内保育施設の増設をはかっておりますので、来年度もそうした融資のほうで進めていきたいと思います。
#115
○萩原幽香子君 ぜひそういうふうにお願いをいたしたいと思います。
 次いで、保育所運営の問題をお尋をしてまいりたいと思うんですけれども、まず、保母について四点お尋ねをいたします。
 まず第一は、保母の勤務年数は平均何年だろうか、給与はどうなっているのか、勤務時間はどうでございますか。有資格者、無資格者の状態はいかがでございましょうか。それぞれを、公立と私立の別にお示しをいただきとうございます。また、幼稚園とも比較をいたしまして、どうなっておりますのか、承りたいと存じます。
#116
○政府委員(坂元貞一郎君) 公立、私立別に、若干正確にわからない点もございますが、逐次お答えを申し上げますと、平均在職年数というものは、大体私どもがつかんでおります実態から推測いたしますと、公立の場合、一般の保母の場合は六年、それから私立の場合は四年、こういうのが実態でございます。それから給与につきましては、大体これは先生も御存じだろうと思いますが、公立と私立との間に格差がございます。したがいまして、その格差というのは、私どもの調査によりますと、大体三割近くあるようでございます。つまり、私立のほうが公立よりも三割内外低いと、こういうような実態になっております。それから、勤務時間は、これは公立、私立、そう大きな格差はございません。一日の勤務時間というのは、御存じのように、最低基準でもってきまっております。九時間内外ということになっておりますので、公立の場合と私立の場合とにはそう大きな格差はないと、こういうふうに私ども思っております。
 それから幼稚園の先生との格差でございますが、幼稚園の先生は、やはり、御存じのように、保育所の保母さんと比べましたら、給与が若干よくなっております。私どもの推測では、大体三号俸――号俸によって違いがあるようでございます。つまり、幼稚園のほうがそれだけ保育所よりいいと、こういうことになっているようでございます。
#117
○萩原幽香子君 そういう結果がどういうふうな形になってあらわれていくかということについて、御調査をなさったことがございますでしょうか。たとえば勤務年数につきましても、六年と四年と言えば二年の開きがある。そうして、給与にいたしますというと三号俸程度の開きがある、こういうことになりますと、私立の、いわゆる福祉法人の保母さんというのは非常にむずかしいことになってくるんではないだろうか。私の知っているところでも、一年のうちに五人も一ぺんにやめられて、もうどうしようもない福祉法人の保育所がある。こういう実態を私も知っているわけでございますけれども、こういうことに対して、厚生省としては今後どのような手を打とうとしておられますのか、承りたいと存じます。
#118
○政府委員(坂元貞一郎君) 確かに、保育所の保母さんというものの労働条件、勤務条件というものが非常にまだ十分でないということは、私どもも率直に認めております。したがいまして、従来から保母さんの給与なり労働条件の改善には非常に力を入れてまいったわけでございますが、なかなか十分なところまでいっておりませんので、今後私どもとしましては、やはり魅力ある職場にするというために、どうしてもいろいろな、給与なりあるいは労働条件、勤務条件、いわゆる職場環境全体の改善をはかっていくことが当然の急務でございます。したがいまして、明年度、四十六年度におきまして、そこらの実態をよく把握いたしたい、つまり、保母さんなら保母さんの給与なら給与の実態というものを、もう少し私どもも把握いたしまして、そうして、その実態を踏まえまして、明後年度以降に、しかるべき適正な改善策を早急に考えてまいりたい、こういうような、いま考え方を持ちまして作業を進めているわけでございます。
#119
○萩原幽香子君 ぜひ、その御調査の上に立ってやっていただきたいと思います。
 で、勤務時間につきましても、朝九時に送ってきなさい、三時半になったら迎えに来なさいと、こういったような保育所もかなりあるという実態もひとつお考えをいただきたいわけでございます。そういうことになりますと、ほんとうに働くおかあさんたちのために役に立つ保育所になっていない、こういうこともお考えをいただきたいわけでございます。
 そこで、私は考えてみますのには、いま民間の給与を考えますと、十五歳、いわゆる中学を出た子供さんの給与が三万一千円にもなろうとしているときに、いわゆる保育所の保母さんの免許状を持った短大を卒業した人の給与が三万を切るということは、ほんとうにあまりにもひど過ぎるのじゃないかということも考えますので、このあたりをどうぞ十分御勘案の上、来年度あたり、そういう点をぜひ解消をしていただきますような御努力をお願いいたしたいと思います。そこで、私は、特に幼児教育の重要性と教育の機会均等の立場から、幼児教育担当者としての保育所の保母さんと幼稚園の先生とは同資格、同給与にすべきと考えるわけでございますが、その点、厚生省としてはいかがお考えでございましょうか。
#120
○政府委員(坂元貞一郎君) 保育所の保母さんと幼稚園の先生は、確かに両者同じような環境のもとで、同じような職務を持っている面もございます。したがいまして、従来から、いま御指摘のような点はいろいろ各方面からそういう御意見を承っているわけでございます。したがいまして、私どもとしましては、今後保育所の保母さんというものをどのようなあり方にしたらいいのかということにつきまして、いま専門の方々の御意見を聴取しております。私どもとしましては、幼稚園のほうの先生と保育所の保母さんとの間に同資格でいいのかどうか、そこらにつきましてもやはり一つの問題点がございますようでありますので、そういう保育所の保母さんというもののあり方、つまり資格要件等を含めまして検討を進めておる段階でございますので、早急に結論を得まして、そして幼稚園のほうと十分一応説明ができるようなところまで結論を急ぎたい、こういうことで、いませっかく検討を進めている段階でございます。
#121
○萩原幽香子君 私は特にそれを強調いたしますゆえんは、国立教育研究所のほうでお出しになったデータの中で、小学校の五年生の子供の学力調査をなさった。その結果がいろいろな段階で出ているわけでございます。その中で非常に考えさせられましたことは、幼稚園から来た子供、あるいは保育所から来た子供、家庭から直行組と、こういうので、それぞれ学力調査の上に差が出ているということなんでございますね。そういうことを考えますと、幼児教育における教育の機会均等という立場から、やはりその同じような教育を受けさせるということが望ましいのではないか、こういうことを私は考えるわけでございますね。ですから、同資格の先生、そして勤務条件が非常に長くなる保母さんに対しましては、それだけプラスアルファをして差し上げなければいけないのではないか、こういうことも考えるわけでございます。そこで、こういう両者の教育にあずかられる、その教育を担当される方々というのは、私は、その教員養成ということについては、実は文部省が責任をもって保育所の保母さんも幼稚園の先生も、ほんとうはやっていただくことがいいのではないかという感じを持っているわけでございますけれども、そういう点につきまして、文部省の御意見も聞きたいわけでございますけれども、厚生省としてはそういう点についてどのようにお考えになっておりますのか、承りたいと思います。
#122
○政府委員(坂元貞一郎君) 保育所の保母さんの資格要件を含めてのあり方というものが、私どもとしましては、やはり先行する問題でございますので、そういうあり方を早急に検討した上で、いま御指摘のような養成の問題も、当然その中の一環として結論を出さなきゃならぬ問題だろうと思います。現在の段階におきましては、私どもとしましては、保育所の保母さんというものの資質を向上するということが、やはり当面の重要な点でございますので、そういう面で、資質の向上策ということで、各種の研修等もやっておりますが、やはり、現在ございますように、養成施設というものと、それから保母試験という両建てで、新しい保母さんというものの資格を得させるようになっているわけでございます。この養成施設の行き方と、それから保母試験というような行き方と、この両者の現状がほんとうに今後妥当なものであるかどうか、この問題も確かに問題があるわけでございます。したがいまして、冒頭申しましたように、保育所の保母さんというものの職務内容なり、資格要件なり、そういう基本的なあり方を十分検討する過程の中において、その養成の方法等も私どもはできるだけ早くしかるべき結論を得てまいりたいと、こういうふうに考えているわけでございます。
#123
○主査(吉田忠三郎君) 速記を止めて。
  〔速記中止〕
#124
○主査(吉田忠三郎君) 速記をつけて。
#125
○萩原幽香子君 たいへんあたたかい御配慮をいただきまして、まことにありがとうございます。
 私は、それに関連をいたしまして、保育所の保母さんと幼稚園の先生方とが共同で研究会をお持ちになって、たいへんうまくやっていた時代があった、ところが、最近それがどうもうまくいかなくなったということにつきまして、その内情を聞いてみたわけでございます。ところが、幼稚園の先生は何とはなしに保育所の保母さんに対してプライドを持ち過ぎているんじゃないかと、そういったような問題も出てくるわけでございます。私があえて同資格と言い、同給与と、こういうことを強調いたしますゆえんのものは、そういうところにあるわけでございます。だから、同じ五歳児が、片や幼稚園の教育を受け、片や保育所の教育を受けて、そこに格差が出るということは、まことに残念なことと言わなければならないと考えるわけでございます。そこで、保育所の保母さんの資格が非常に高くなった、給与もよくなったということにおいて、そういう点が確保できれば、私はうれしいと考えるわけでございます。
 そこで、関連して、一つ提案をいたしたいわけでございますけれども、現在、小中学校の女の先生たちは三十歳未満という人が非常に多いということなんでございます。たとえば、四十四年の三月現在で、北海道では五百人女の先生がやめられた中で、三十歳未満が三百二十八名で六三%、大阪では四百四十八人中三十歳未満が三百四十二人で七六%、そしてその退職の理由というのが、結婚と核家族化に伴い育児が非常にむずかしくなった、こういうことが理由になっているわけでございます。そこで、再就職を望む者も非常に多いわけなんでございます。こういったことから考えまして、非常に勤務年数の平均が短かいということから考えて、義務教育の経験者を保母さんに採用することはいかがなものでございましょうか。そしてまた、こういう場合に、その資格というものをどのようにお考えになりますのか、その点をひとつ承りたいと思います。
#126
○国務大臣(内田常雄君) 萩原さんのお話を承っておりましたが、私は賛成の部分もございますが、萩原さんのお説に、私、考えなければならないと思う点もございます。と申しますのは、幼稚園はもちろん幼児を対象とする教育でございますが、学校教育法に基づく教育であり、義務教育でない教育でございます。しかし、保育所のほうは、学校教育法に基づく幼児教育ではなしに、両親がおらないとか、おるけれども働きに出ておって保育に欠ける、言いかえれば、家庭でめんどうを見られないという児童たちのめんどうを見るというのが主目的でございますので、学校教育というよりも、しいて申しますと家庭教育の要素が非常に多いと考えるものでございます。しかし、同じ五歳児を対象といたします場合には、これは小学校にもうすぐ進む子供でございますので、小学校における成績が、萩原さんのおっしゃるように、違う場合が出てくるわけでございますが、この幼児教育につきましては、ことしの五月ごろでございましょうか、文部省の機関でございます中央教育審議会で、幼児教育のあり方につきまして御答申があると承っておりまして、その際、五歳児教育、幼児教育ということについて、保育所というものが、私がいま申し上げました家庭教育だけ、保育に欠ける子供のめんどうを見るだけでいいのか、その上、プラスの学校教育として幼稚園と同じようなその教育課程を加えなければならないものか、ということを検討しなければならない時期が当然に来ると考えますので、そのときを契機として、保育所のあり方というもの、また、保育所における子供のめんどうを見る保母さんの資格なりあり方というものを検討すべき時期であると、私はかねがね思っております。
 そこで、いま萩原先生のお尋ねではございますが、私が、迎合と申すと、ことばが悪うございますが、御説ごもっともで、保母の資格なりあるいは保育所における子供の保育のあり方というものを幼稚園と同じ程度にいたしますと、それはよろしゅうございますと申し得ない点がございますことを、しばらくお含みをいただきたいと存じます。
 それから最後に御提案の、小学校の女教師の方が家庭を持ってやめられた方を保育所の保母としての資格を認めていくということについては、私は研究したことがあるかといって、いま小声で児童局長に聞きましたところが、ないのだと、こういうことでございます。ないそうでございますとすれば、私は異存がございません。そういうことができることならば、大は小を兼ねると言ったんじゃいけませんけれども、家庭のおかあさんになられておられる小学校の女教師の方でございますから、当然、保母の資格プラスアルファを持たれておる方々でございますので、給与の問題等を別といたしますれば、私は、これらの方々に保育所の保母としての資格を持っていただく、また、保母という名称につきましても、中教審等の答申によりましては、違う名称に直すことも考えてもいいとさえ思うわけでありまして、そういうように考えるものでございます。
#127
○萩原幽香子君 たいへんありがとうございます。いまのところ、たいへんむずかしい問題も含んでいるという厚生大臣のお話も、私はわからないことはないわけでございますけれども、とにもかくにも、同じ五歳児という形で子供を取り上げてみたときに、子供たちの立場になって考えてみれば、私はやはり考えていただかなければならない分野が非常にあるのじゃないだろうかということを考えるわけでございます。しかし、中教審の答申を待ってその点を検討をしたいということでございますので、まあ、あえて私はこれ以上申しませんけれども、どうぞひとつ、よろしく前向きの、子供の立場になった御検討を願わしいと考えるわけでございます。
 保育所につきましては、以上申しましたように、数の問題、人の問題、経費の問題等々、幾多の困難な問題があるわけでございます。その中を厚生大臣非常に御努力をいただいておりますことは、私は高く評価もし、ありがたいと考えております。しかし、「三つ子の魂百まで」と言われる人間形成上非常に重要な時期であることを肝に銘じていただきまして、その対策について取り組まれる御用意、そういうものを、もう一回その御決意のほどを承って、質問を終わりたいと存じます。
#128
○国務大臣(内田常雄君) 先般来私どもはしばしば、老人対策、老人福祉施設のことにつきまして申し述べる機会がたくさんございましたが、それは、わが国の人口構造におきまして老齢化社会というものが急速に迫りつつあるということに対応をいたしましたり、あるいは核家族化というようなことで、お年寄りのめんどうを見る方々が非常に少なくなった、家庭福祉というようなものが老人から離れていくということに対応するものでございますが、しかし、これと同じように、次の時代を背負ってまいるのは、何と申しましても私は児童であると思います。老人対策で、民族政策と申しますか、福祉対策がすべてではございませんので、片方で老人対策を重視します他方におきましては、私は、必ず児童対策あるいはさらにさかのぼっては、母子保健対策から乳幼児対策というようなものをやらなければならないと思うものでございます。予算など調べてみますると、いろいろ福祉年金などの関係がございますので、老人対策のほうがやや多い。約千億をちょっとこえてまいります。ところが、母子保健対策などを含めましても、児童対策あるいは児童保護費というようなものは老人対策よりも少し少ない。八百億台ぐらい。そのうちの相当の部分が保育所の措置費等でございますが、そういうことで、やや少ないわけでございますが、私は、この問題は、いま申しますように、民族の将来をつちかう上において非常に大きな意味で考えておりますので、老人対策に劣らず、総合的な見地から施策の充実をはかってまいりたいと心から考えておるものでございます。
#129
○主査(吉田忠三郎君) 本日の審査はこの程度にし、明日は午前十時から開会し、厚生省所管の審議を続行いたします。
 これにて散会をいたします。
   午後四時五十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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