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1970/03/24 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 予算委員会第一分科会 第2号
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1970/03/24 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 予算委員会第一分科会 第2号

#1
第065回国会 予算委員会第一分科会 第2号
昭和四十六年三月二十四日(水曜日)
   午後二時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     西村 関一君     鈴木  強君
     沢田  実君     峯山 昭範君
     向井 長年君     片山 武夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    主 査         平島 敏夫君
    副主査         松本 賢一君
    委 員
                白井  勇君
                林田悠紀夫君
                三木與吉郎君
                森 八三一君
                山本茂一郎君
                鈴木  強君
                峯山 昭範君
                片山 武夫君
   国務大臣
       国 務 大 臣  山中 貞則君
   政府委員
       内閣参事官兼内
       閣総理大臣官房
       会計課長     川田 陽吉君
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       管理局長     茨木  広君
       人事院事務総局
       職員局長     島 四男雄君
       内閣総理大臣官
       房交通安全対策
       室長       須藤 博忠君
       内閣総理大臣官
       房広報室長    松本 芳晴君
       総理府恩給局長  平川 幸藏君
       公正取引委員会
       委員長      谷村  裕君
       警察庁長官官房
       会計課長     丸山  昂君
       警察庁交通局長  片岡  誠君
       行政管理政務次
       官        黒木 利克君
       行政管理庁長官
       官房会計課長   増淵 亮夫君
       行政管理庁行政
       管理局長     河合 三良君
       北海道開発庁主
       幹        村山  進君
       沖繩・北方対策
       庁長官      岡部 秀一君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
   説明員
       文部省体育局学
       校保健課長    橋本  眞君
       建設省都市局街
       路課長      今野  博君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○主査(平島敏夫君) ただいまから予算委員会第一分科会を開会いたします。
 分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、西村関一君が委員を辞任され、その補欠として鈴木強君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○主査(平島敏夫君) 昭和四十六年度総予算中、本日は、総理府の所管となっておりましたが、議事の都合上、便宜内閣の所管もあわせて議題といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○主査(平島敏夫君) 御異議ないと認め、内閣及び総理府所管を一括議題といたします。
 政府側からの説明は、これを省略し、本日の会議録の末尾に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○主査(平島敏夫君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 それでは、これより質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#6
○鈴木強君 総理府総務長官に、最初に沖縄返還の大体のスケジュールがおわかりになっておりましたらお聞かせいただきたいと思います。たいへん御苦労いただいて、いよいよ交渉も大詰めにきているように思います。
 そこで、閣議の決定、さらに調印、そうして臨時国会、それから実際に移管される時期と、こういうふうに段階を経ていくと思いますが、まだいろいろ問題が残っているようですが、一番中心になってやっていただく長官として、大体のスケジュールというものはお持ちになっておると思いますから、おわかりになっておりましたら教えていただきたいと思います。
#7
○国務大臣(山中貞則君) 返還交渉そのものは外務大臣にお聞き願いたいと思いますが、それも大体において順調であるように承っております。一方、受け取る本土側の国内措置としての責任は私にございますが、私のほうの分野において作業をいたしておりますのは、昨年十一月の復帰対策第一次要綱並びに昨日の閣議における第二次対策要綱の決定、さらに積み残しとなりました出先総合機関を国の機関として設置すべきや、あるいはそれの一番の中央の窓口である専任官庁を置くべきかどうか等の機構の問題、あるいは国税、県税、地方税、なかんずく関税、間接税等の県民生活に密接な影響のあります問題等についての見解がなお統一されておりませんために残りました問題等等の重要問題を、第三次に持ち越しておりますものの、これも合意を得るために努力をいたしておりますので、おおむね一、二ヵ月の作業をもって最終的に復帰対策要綱の全貌が明らかにできるものと考えます。しかし、あくまでもこれは合意を得るための時間を言っておるのでありますから、合意をもっと早く得ることができれば早くなりますし、私の希望としては沖縄県民のそれぞれの人たちの一人々々の生活の問題、家庭、職場、あるいはまた職業、それぞれの環境において、復帰後はどうなるかという不安が少なくとも大綱で明らかにされることがすみやかになればなるほどよろしいと言っておりますので、気持ちの上では急いでおりますが、合意を得るために詰めそこなって誤った結論を出すようなことがあってはならないし、また、積み落とすようなものを持ってはならないと考えて、その意味では非常に慎重に作業をしておるわけでございます。
 それらの対策要綱が閣議決定を終わりますと、その要綱に従いましておおむね廃止等の手続法を含めた約六百一本と現在推定いたされまする特別措置、その他の立法措置の具体的な作業にかかるわけであります。もちろん、これは最終的に内閣法制局の作業を含めての期間でございますが、いまの予定では八月一ぱいにそれを終わりたいというつもりでおるわけでありますが、残された問題が大きな問題でありますだけに、意見の調整が手間どりますれば、あるいは八月一ぱいという予定をズレ込むことがあるかもしれないと考えております。しかし、予定しておりませんでした天皇、皇后両陛下の御外遊というものが決定をいたしましたために、物理的にも沖縄返還に関する臨時国会は十一月の十五日以降ということになりますとすれば、私どもにとりまして作業の時間はやや余裕が出てきたような感じがいたすわけであります。しかし、それでも人手が足りませんので閣議でお願いをいたしまして、関係各省――原則的には各省より一人ずつ課長補佐クラスを六カ月間応援に頼むということをお願いいたしまして、了承を得ておりますので、作業についてはピッチを上げることが可能であると考えております。そこで、あとは外務大臣との問題にからんでまいりますから、明確には申し上げられませんが、私どもとしては、日本側の会計年度である四月一日の沖縄復帰ということを期待し、折衝をしております。しかし、米会計年度並びに米国の施政権下にある沖縄の会計年度は七月一日開始でございますので、このいずれに落ち着くかについてはいまのところ断定的な言い方はできませんが、そのいずれの日以外の日であるということは、いまの段階ではあり得ないと考えておる次第でございます。
#8
○鈴木強君 たいへん御苦労をいただいておりますが、おっしゃるように、慎重の上にも慎重を期していただくということは当然でありますが、特に重要な問題についてまだ第三次に残されておりますから、これらについては沖縄の人たちが、ほんとうによかったという気持ちを表明できるような結末を得るように、今後御検討をいただきたいと思います。
 そこで、第二次で昨日決定いたしました中に、沖縄放送協会を日本のNHKが引き継ぐと、こういう方針がきまったと思うのですが、御承知のように沖縄放送協会――OHKは受信料を一カ月二百八十円とっておりますが、民放よりあとでできた関係でなかなか受信料を払わない人が半分近くいるようですね。したがって、その分は政府の補助金でまかなっておるようですが、もし累積赤字がどのぐらいあるかわかっておりましたら、その額と、それからこれは引き継ぐ場合に、おそらく一たん沖縄放送協会というのは、放送法に基づいて、沖縄放送法に基づいて解散すると思います。その解散処分のときこの累積赤字が問題になると思いますが、できればこれは日本政府が全額みるならば一あるいは琉球政府と御相談の上でどうするか、いずれにしても日本政府がめんどうをみることになると思いますが、そういうかっこうでNHKにその赤字がしわ寄せされないようにしてほしいと私は思うのですが、その点いかがですか。
#9
○国務大臣(山中貞則君) 現在、一九七〇年六月三十日までの時限において繰り越し欠損金が邦貨にして五億二千四百七万一千円、ドルで百四十五万五千七百五十四ドルになっております。金額としてはそうたいした金額ではありませんので、まあNHKさんの最近の受信料の伸び等から見ますれば、のみ込むのにたいしてのどにつかえるほどの金額でもないとは思ってはおります。しかし、これは本土のNHKというものの責任において生じた赤字ではございませんので、前田会長とも直接お会いして御相談もいたしておりますし、今後これをどのような形で引き継ぐかについては――繰り越し赤字、累積赤字の問題については、いま少しく検討をさしていただきたいと思います。
#10
○鈴木強君 わかりました。私の意見は申し上げたとおりでありますから、それもひとつ参考にしていただいて、最終的に結論を出していただくようにお願いをいたしておきます。
 それから、総理府関係で広報費として四十六年度に計上しております総額は幾らになりますか。
#11
○国務大臣(山中貞則君) 広報室長から……。
#12
○政府委員(松本芳晴君) 総額は十八億二千九百八十万九千円でございます。
#13
○鈴木強君 これの事項別金額はどういうふうになっておりますか。
#14
○政府委員(松本芳晴君) 六項目に分かれておりまして、企画諸費というのが六千百八十九万九千円、それから放送諸費六億七千二百九十七万三千円、出版諸費八億六千四百六万三千円、事業諸費一億六千五十七万二千円、それから公聴諸費九百四十四万九千円、それから世論調査諸費六千八十五万三千円、以上でございます。
#15
○鈴木強君 そのうち放送諸費はラジオ、テレビ等でどういうふうに使うことになりますか。
 それからもう一つ、ついでに、出版諸費の内訳を聞かしてほしいんですが、金額と。
#16
○政府委員(松本芳晴君) 放送関係は、中波、短波及びテレビ各社に番組を提供いたしまして全国にネットしておりますが、これは総理府が直接企画して出している番組と、それから団体に番組制作だけを委託しているやり方と、二つございます。広報室がやっているほうの総額は、ラジオの総額が二千六百七十一万一千円、それから短波放送が三百九十八万八千円、それからテレビが三億九千九百二十一万三千円でございます。それから団体に、番組の制作だけを委託しているのは、これは広報センターでございます、これが二億二百万円。それからもう一つございまして、経済教育センター、これが七千四百五十万円。それから出版関係の諸費はこれは資料買い上げ費と、それから広告費に大きく分かれます。出版関係の諸費の総額は四十六年度八億六千四百六万三千円、それから広報関係資料費が二億八千五百四十一万五千円、それから広告料が五億六百十七万三千円、そういうことでございます。あとは雑誌の編集委託費が若干ついております。
#17
○鈴木強君 ラジオのほうは、短波放送と中波のどこですか。
#18
○政府委員(松本芳晴君) 局名でございますか。――中波は実は東京のキー局を輪番に使っておりまして、今度はニッポン放送が担当するようになっております――四十六年度。これは半年分でございまして、今年度はTBSが担当いたしております。短波放送は日本短波放送です。
#19
○鈴木強君 テレビは。
#20
○政府委員(松本芳晴君) テレビは東京の四社を使っておりまして、TBSと、それから日本テレビと、それからフジテレビ、NET、そのようになっております。
#21
○鈴木強君 それは、あとでひとつ詳しく資料を出してくれませんか。
 それから、出版諸費のうちで問題になった例のフォトね、これはどのくらい買い上げるんですか。
#22
○政府委員(松本芳晴君) フォトは昭和四十六年度買い上げ一億二千七百二十九万二千円でございます。約七万部相当でございますが、郵便料の途中値上げがございますので、年間を通して……。
#23
○鈴木強君 一億七千じゃないの、一億二千かね、あなたの言うのは違うんじゃないかな。
#24
○政府委員(松本芳晴君) 失礼いたしました。億七千七百二十九万二千円でございます。
#25
○鈴木強君 ここでひとつ長官に伺いたいんですけれども、時事画報社から一億七千七百二十九万二千円、フォトを買い上げているわけですね。こういう場合に編集の責任というのは時事画報社にあるわけですね。しかし、政府がそれを買うわけですから、半年から一年それを契約する際に、政府は憲法に基づいて一番重要視しなければならない立場にあるわけですから、内容については十分吟味していただかなければならないわけです。ですから、それは強く言いますと言論の自由の、表現の自由の問題になります。政府が買うわけですから、契約はたとえ一年間にしておりましても内容をそのつど見て、これはどうも憲法から見て政府としてまずいというときには、これは中止しますということを契約条項に入れておけば契約違反にならないわけですから、もし編集の段階でタッチできないとすれば、そういう方法でもとっていただいて――今後は必ず金を支払うわけですから、そのときに内容を厳重に精査して、どうもまずいと思うやつには、そういうのを遠慮するというような方法を取るしかないと思います。これはやはり編集委員会か何かに入っていってやるということになりましても非常に問題があると思いますが、私はそういうようにしてやったらどうか、こう思うのですが、いかがですか。
#26
○国務大臣(山中貞則君) 確かに私も、総理府の仕事の中で広報関係を細かく洗う仕事に手抜かりがあったような気が省みてするわけであります。そこで予算等においても、いろいろといままで買い上げていたものを広告費に移すとか、これは「今週の日本」でございますけれども、そういう措置をとり、あるいはフォトについても相当な金額をもって買い上げをするわけでございますから、やはり国民の税金がむだにならないことはもちろん、憲法上の疑義を生ずるような内容が掲載されたことをあとで私たち自身が知るということはおかしいということで、現在は二カ月前に、おおよその編集をこういう形でやりたいという打ち合わせだけで、あとはそのまま本になってしまって、室長以下私ども関係者があとで知るという状態だそうでありますので、差しあたり――恒久的な手段はなお考えるとしまして――どうしても直さない場合にはほかに委託する社もありますから、変えるということもでき得ますが、差しあたりはゲラの段階で広報室の責任において一応目を通さしていただき、そうして国、政府として不穏当な個所のあるものは直していただくし、そうでない場合には、それを買い上げる措置をとらない等の手段をとるようなチェックの手段を一応合意させているわけでございます。
#27
○鈴木強君 それが、フォトは政府が全部買い上げるのではないようですね、市販される場合があるようです。長谷川才次さんが何を言おうと、これは言論の自由ですから、私は憲法がどうとかいうことを言っても、これは問題にならないですよ。ただし政府が責任をもって買い上げてやる場合には、これは問題になるのです。ですから政府が注文して全部が全部買う場合には私はそういうこともできると思います。実際問題として何万部発行しているかわかりませんが、その中の何千部を買うということになると、全体の編集責任の問題についてはやはりいろいろと問題が起こりますよ、介入するとか介入しないとか。ですからゲラで、向こうがようございます、全部裸にしまして直します。気に入らないところは直します。こういうことならけっこうですけれども、そういうことは、またいろいろ政府が憲法上の表現の自由、言論の自由に介入するというようなことになりかねないでしょう。だから私は、契約のときに、そういうことを留保条件に置いて、気にくわぬときは買わぬ、そういうことをはっきりしておけば契約違反にならない。そういうことを条件にしてやればどうかということを言っているので、ゲラの段階ならば――相当市中に出ているので問題があるのじゃないですか。
#28
○国務大臣(山中貞則君) そういう考え方もありましょうが、それについては先方よりそういう条件というものを提示されて、それならば間違いはないだろうということで、よかろうと申し上げたわけでございます。したがって、今後好ましくない場合においては委託をする先を変える。他にそういうものを発行する能力のあるところは幾らでもあるわけでありますから、そういうこと等もきびしく申し渡しをしてあるわけであります。
#29
○鈴木強君 まあ、むずかしい面もありますけれども、すっきりした形でやっていただきたいと思います。それでいまの出版諸費の内訳も金額的にもちょっと私が調べているのと違うように思いますから、あとで詳細にテレビ放送の場合も、四、六、八、十、チャンネル別にひとつ説明してください。
 それからもう一つ、広報センターが四十二年にできているようです。この活動状況も私よく最近はわかりませんので、その経営の状況ですね、そういう点もひとつあとで資料で出していただきたいと思います。この問題はこれで終わります。
 次に、人事院総裁に――この営利企業への就職の承認に関する年次報告書、これを拝見いたしました。私がこの報告を見て非常に疑問に思うのは、この高級公務員の諸君が営利企業に就職する場合に、人事院としてそれを承認するしないは、あなたのところにあるわけですね、権限が。その際に一体何を基準にしてやっておられるかということについてちょっと疑問があるわけですから、後ほど具体的にお伺いしますけれども、大体どういう基準でやっておられますか。
#30
○政府委員(佐藤達夫君) 御承知のとおり、この規制の趣旨は公務員が在職中公正に職務を執行するようにということに尽きるわけでございまして、すなわち公務員が在職中不当に権限を悪用いたしまして特定の私企業と情実関係を結ぶ、あるいは癒着を持つ、そうして公務員をやめたあとで、それをたどってその会社へ入っていくというようなことを、ここで規制しようということは、結局癒着なりあるいは情実関係――コネをつけたところで、この規制があるから結局効果はないぞと、それではそういうことをやめざるを得ないだろう。まあ、おかしなたとえでありますけれども、いわばからめ手から公務員の規律を保持しようという趣旨だと思います。したがいまして、その観点に立ちまして私どもが立てております基準は、その人が過去五年間に在職しておったポスト、これをずっとさかのぼって洗いまして、そのポストが当該私企業に関して不当な影響力、不当な癒着関係を生ずるような権限を持つポストであったかどうかということを調べまして、そういうポストがその中にちょっとでも入っておれば、これはもう承認まかりならぬと、非常に大ざっぱに言うと、そういうたてまえでやっておるわけであります。そのポストの関係では、もちろん許可認可等の権限問題もございますし、あるいは当該営利企業と補助金の交付の関係もございます。あるいはまた請負契約等の関係もございます。そういう地位からくる影響力がある。それをつかまえて規制をしていこう。きわめて大ざっぱに言えば、趣旨はそういう趣旨でやっておるわけであります。
#31
○鈴木強君 四十五年度中に人事院が承認したのは百九十三人ですね。このうち各省別に見て多いのは、大蔵省の四十二件、通産省の三十件、運輸省の二十一件、農林省二十件、建設省十七件、いずれもこれは非常に因果関係のあるところだと思います。それで、この中で事務系統と技術系統に分けると、事務系統が百人、技術系統が九十三人。それから承認件数を就職先の地位別に見ると、役員になったのが七十二人、それから非役員が百二十一人、こうなっていますね。しかも退職された人の年齢は、五十歳未満が五十三人、それから五十歳代が百三十二人、六十歳以上が八人、平均年齢が五十二・五歳、それから承認された者のうち、いわゆる肩たたきと言いますか、勧奨によってやめたのが何と百九十一名あるんですね。これはおそらく、どうだ向こうの会社に行かないかと、こういうことですすめがあるんだと思う。それで五十か五十未満の人がやめていかなければならぬということですね。これは定年制の問題、その他の問題と関連して問題がありますけれども、いま総裁がおっしゃったようにポストを五年間先まで洗うのは、不当な影響力があったかどうかということを調べるということですね。しかし、これはただそれだけじゃないんですよ。たとえば通産省なら通産省、それから大蔵省なら大蔵省から人を採ることによって、その企業と大蔵省の関係というものは、課がどうであろうと、局がどうであろうと、影響力があるんですよ、これは。そうして役所からできるだけ人を採っておけば、その会社は仕事がやりいい、大蔵省へ行ったときも非常にやりいい、こういう点があるんですよ。だから、けさ私は、たしか十チャンネルだと思いますけれども、見ておりましたら、ある経済企画庁をやめた高級公務員の人がその実態を話しておりましたね。自分の在職中に、業者のほうと自分が何かやると、上役のほうへ話がくる。上役が呼んで、そうして圧力を加えるということで、まあ正直者にはつとまらぬ、役人というものは。適当にやっていればいいんだというような趣旨の発言をされておりました。全く私は、それが当たっていると思うんですよ。ですから、ただ単に不当な影響力があったかどうかなんという、在職中のそれだけを洗って承認したとするなら、たいへん問題が残ると思うんですよ。もう少しこの点はきびしく考える必要があるんじゃないでしょうか。私も、憲法上からも就職ということは当然考えられるし、現に五十歳か五十二歳でせっかく次官になった人がやめていく、もったいないですよ。私に言わせると、なぜ五十五歳、五十八歳まで使わないんですか、長い間役人としてそれぞれの地位において勉強されてきた、余人にはできない能力を持っております。そういう人たちが、同級生が次官になったから、次官がやめるときにはもう全部やめてしまうという、こういう慣行がある。だからもっと私は、こういう人たちを役所の中で使うべきだと思う。それが五十二歳でやめるとは――まだまだいま、あなた働き盛りですよ。だから遊んではいられません。結局どこかに就職しなければならないから、そういうことになっていくんですよ。いろいろな特殊法人が出てくる。そこで、それ天下りだと世間に言われる、これはそういう当事者には気の毒だと思う。だけれども、もっとそういうことも考えて、政府全体として五十五歳なり五十八歳まで働いてもらったらいいじゃないですか。なんで五十二歳でやめさせるんですか。五十二歳にならない人――五十歳未満が五十三人もいる。五十歳代が百三十二人、百九十三人のうちですよ。こんなべらぼうなことはないですよ。もう少し、これは総理大臣か行政管理庁長官に言うべき話かもしれませんが、特にあなたが承認の立場にいらっしゃいますから、そういうことも十分考えてほしいと思うんですよ。いかがですか。
#32
○政府委員(佐藤達夫君) 御指摘の点もその一つでありますが、とにかくこの問題は周辺に非常に重大な基本的な問題を控えているということは、私どもも痛感いたします。ただ、いまたまたま最初に例にお出しになりました、その役所全体としての関係、ことに私企業に行ったあとでのその役所とのつながり、本人のいたポストいかんにかかわらず、そういうことがあるんじゃないかという点も、それは想像できないことはもちろんありませんが、ただ私どものお預りしております国家公務員法は、一人一人の公務員そのものの綱紀の粛正、規律の保持ということを主眼に置いておりますために、先ほど申しましたように、その本人がどういう経歴をたどったかということに重点を置かざるを得ない。これは役所全体の、たとえば官房長なり事務次官が人をさばくためにいろいろ努力されるということはあり得るわけです。これは大蔵省あるいは通産省というような役所全体の一つのあり方の問題でございまして、これは国家公務員法とは別の領域の問題である。これは一人一人の公務員が公正な仕事をやるようにということで、公務員法のねらいもそうでありますし、われわれもそういうねらいでいかざるを得ない。問題は、いまのように若くて、もったいないじゃないかという話もございます。いろいろな面でその周辺に控えておることは十分わかりますが、このねらいはこういうことでやっておるわけであります。
#33
○鈴木強君 これは総理府総務長官、あなたは国務大臣ですからひとつ、きょう関係の担当大臣はいらっしゃっていないんですが、たまたま総理府、内閣関係はこの委員会になっておりますので、いま関連して議事が進んでいるわけですが、いま私が申し上げたようなことについて、あなたは全く否定をされないと思うんですね。したがって何らかの、もう少し具体的な措置をやってほしい。私は、ただ単に行くのがけしからんということではありません。ですからこの定年制といいますか1定年制というとおかしいんですけれども、もう少し五十五、六から八くらいまで公務員として働くようなことも考えながら、この問題については国民から疑惑を持たれないようにしてほしいんです。ですから、たとえば、ことしは次官が二人おりますよ。それから承認番号一七八で、かって通商産業省の官房参事官をやり、特許庁長官をやった方の例を見ますと、凸版印刷株式会社に行って常務取締役になられるわけです。これは今後凸版と特許庁との間には、特許法等に基づく特許権の可否の査定等の関係が出てくる。それから、前につとめておった通商産業省との間には外資に関する法律に基づく外国技術の導入について認可等の関係がある。こういうふうにおたくのほうで指摘しておりますね。ですからそういうふうに省全体とその会社との関係というものがやっぱり出てくると、そこにやはり国民が疑惑を持つ大きな原因があるんですから、ただ単に、つとめるところと関係のないポストにおったからいいという、ただそれだけの単純な考え方では納得しないわけです。ですからそこらに、もう少し他の要素をつけ加えてお考えいただくことが妥当だと思います。そういうことを含めて長官の御意見を伺い、閣議においても、その趣旨がよかったら、ひとつ御考慮いただきたいと思います。
#34
○国務大臣(山中貞則君) これは問題点が三つほどあると思うんです。一つは鈴木委員も言われましたように、自分と同期の者が事務次官になるときには、大体同期のほかの諸君は局長その他にとどまることなく、一斉にやめていく。まあ仲間の者が事務次官として全部が後輩としての官僚を統率できるようにという配慮からだろうと思うんですけれども、これなども私には非常に異なことに見えるわけです。それに大体、五十一、二歳で、ただいま言われたように最も円熟して、人間的にも人生経験的にも、あるいはまた職場の知識においても、最も国家のお役に立つ諸君が、最高の事務当局のポストである次官の地位について、おおむね一年半か二年くらいで何だか自分は白い目で見られやしないかという気持ちで去る時期を考えているというようなことでは、国家のために私はプラスでない。国民のための行政のあり方としてやはりそこに問題があるというふうに考えます。その点がいま一つあります。
 それからさらに、人事院のチェックでございますから、これは人事院の自主性、独立性というものから干渉すべきことではありませんが、このワクの外の現象として、同じような形でも特別職たる防衛庁職員というものは網がかぶっておりません。そこで、昨年の国会の議論のあと、中曽根大臣と相談をしまして、人事院で特別職を扱うわけにはいきませんが――自衛隊を扱うわけにはいきませんけれども、防衛庁自体で、自分で長官が審査をやるのではなくて、総理府の人事局、それから人事委員会並びに防衛庁本来の人事局、この三者構成の審査機関をつくることにしてもらったわけでございます。この点は一つだけ解決したわけですが、そこで今度は実態の問題になるわけですけれども、許認可業務の非常に多い官庁とか、あるいはそれぞれの業種と非常に関連の多い役所と、文部省みたいに、せいぜい国立競技場の場長というんですか、あるいは国立近代美術館の館長ぐらいしか行きどころのないような役所と、また役所もいろいろございます。これらの問題は、やはりこれは将来人事院の問題でもありましょうが、全部ひっくるめてどこの役所につとめておったから、その人は請われるままにチェックさえ受ければ、関係が間接たると直接たるとを問わず、要するに通産は通産行政の分野の中で身分が定まって民間に天上がりしていく。月給上天上がりでしょう。というようなこと等は、これは人事院の能率的な管理でみんな履歴書やその能力等がわかっておるわけでありますから、それをプールして、そしでなるべくそのようなチェックをして、関係のなかった分野のほうに振り向けるような措置等が、もし可能ならば、これは一つの手段ではなかろうかと思いますが、さて今度は、お婿さんのもらい手といいますか、お嫁さんの受け取り手といいますか、そっちのほうで私のほうでは欲しないというようなことになりましたら、これはまたお気の毒なことになりますし、そこらのところは非常にむずかしい問題で、やはりそこらは大企業と行政との癒着というような面で、ある意味において国民から向けられるすきが生まれてくるおそれがある。これはやはり非常に大きな問題だと思います。
 それから第三点は、はなばなしく議論をされて、元次官、元局長と言ってあげられる人たちはまだよろしいほうで、学歴その他によって下積みの段階で、大体もう行きどまりである。しかも、その人は、その場所にだけ、顧みられることなく、一つの権限をずっと与えられっぱなしであるというようなことが、通産省の例の何とかさん事件みたいな人を生むことになる。こういうようなことは、やっぱり四日市の問題なんかも、その当時の人たちはやはり同じ通産局になおいまでもいるわけです。そうして、それが他の地方へ栄転しても、そう出世したとも思われない。こういうこと等を考えてみますときに、やはりそれは、公務員の長たるべきもの、あるいは人を率いる立場になるべきものについては、おのずからものさしがありましょう。ありましょうが、能力ある者、才ある者は、そのようなものさしからはずして、やっぱり優秀なものは優秀なように抜てきしていくという制度が打ち立てられないと、やはりそこらは人間でございますから、ジェトロの放火した青年のような者がないとは限りません。そういううっせきしたものを役所の中に持っていては、やはり私たちの議会がいかに行政のあり方を議論してみても、行政の、目に見えない末端において、これは国民との接触の場において、われわれの予想もしない事態に発展していくということを問題点として考えております。これはまあ、私は給与担当大臣でございますから、行政管理庁の分野にわたることもありますし、あるいはまた身分その他の問題で、直接間接関係のあることもありますが、給与担当大臣として、そういうふうな感想を持っております。したがって、これらのことが、先ほどの防衛庁との相談で一つ実現いたしましたように、要らざる差し出口かもしれませんけれども、やはり国務大臣として国家公務員の給与のあり方に思いをいたすならば、そういう所遇のあり方、あるいはまた、国家公務員のあとの進み方についても御意見を申し入れても、一向に差しつかえはないと考えておりますので、そういう考えで今後も進みたいと思います。
#35
○鈴木強君 非常に勉強され、問題点を明確に指摘してくださいました。どうぞ閣議の中でも、この問題についてもう一度深く検討を加えて、国民の疑惑が起こらないよう、ひとつ考慮をしてもらいたいと思います。
 それから、それでは時間の関係で、これで人事院総裁のほうは終わりますが、次には公取の委員長にお尋ねをします。
 その前に、非常に公取が最近あらゆる角度から国民の保護のために御苦労いただいておりまして、私ども国民の一人として感謝したいと思います。
 それで、きょうは二つだけ伺いますが、まず最初に、三月の十二日に出光興産など大手石油、元売り石油会社――石油会社の各社ですね、これら石油連盟への立ち入り検査を公取が実施されたようであります。まずその検査の経過と、検査をいたしました結果、どういう状態になっておるか、それをお伺いしたいと思います。
#36
○政府委員(谷村裕君) これは三月一日ごろからどうも一キロリットル当たり二千円引き上げるような動きが精製各社に見られましたが、それがはたして何らかの意味で独禁法に規定している不当な取引制限に当たっているかどうかということで、しばらく注目しておったのでございますが、若干の端緒をつかんだように思いますので、それを証拠づける意味において、現実に立ち入り検査し、必要な物件の、いわば収集にあたってみたわけでございます。ただし、これはそういう意味での事件でございますから、ただいまその立ち入り検査によって収集いたしましたものから、どういうふうに問題を見ていくかという内容につきましては、まだ私としてはこの席で申し上げる時期でないと、こういうふうに思いますので、お許しいただきたいと思います。
#37
○鈴木強君 それでは、まあ新聞にもすでに報道されていることですから、あなたが公式の場でいま時期でないとおっしゃることは、ちょっと私わからないのですね。まあ、非常に影響は大きいですから、そういう点を考慮したものと思いますけれども、すでに立ち入り検査を実施した理由の中に、二月二十二日ごろに石油連盟が営業委員会を開いて、卸売り物価でガソリン、灯油を一キロリットル当たり約二千円、軽油を約千五百円ないし二千円引き上げる、実施は三月一日と、これを目標にして各社間でおおむね合意に達したと、こういう事実を公取はつかんでいるわけです。その直後に、各社が傘下の特約店に対して三月一日をめどに値上げをそれぞれ指示したという事実もつかんでおる。これだけの事実があるならば、その事実はつかめたのですか、検査の結果。
#38
○政府委員(谷村裕君) まさに、いま御指摘になったようなことが端緒となりまして、それがはたして、そのとおりであるかどうかという事実をつかむために立ち入り検査をしたわけでございます。したがって、そこに述べられておりますような、たとえば営業委員会というようなところで、何らかの話し合いが行なわれたと、それが独禁法の規定に違反するという疑いを持ってやったわけでございますが、それを証するに足るだけのものを、いまつかんだというふうにはまだ申し上げ切れない段階でございまして、そこを、いま整理しておるという段階だというふうに申し上げたわけでございます。
#39
○鈴木強君 その点はわかりました。そこで、それではなお事実かどうかという御調査を進めていくわけですね。そしてその調査の結果、そういう事実があるとすれば、協定破棄ということを当然やらせると、こういうことになるわけですね。これはなるべく早くやってほしいと思うんですが、どんな段取りでおやりになりますか。
#40
○政府委員(谷村裕君) 私どもの仕事といたしましては、おっしゃるとおりの段階で進めてまいります。収集いたしました物件等について、必要な方々に来ていただきまして、説明を聞き、まあことばは悪いのですが、供述ということばを使っておりますけれども、そういうのをとって、そして、どういう心証を得るかというのがあれでございますが、それは私は事柄の性質上できるだけ早いほうがいいと思って、そういうふうにしてやらせるつもりでおります。
#41
○鈴木強君 そして、その結果は、破棄する……。
#42
○政府委員(谷村裕君) それは、おっしゃるとおり、もしはっきりとした証拠があり、かつ、その証拠をもって私どもが主張できるというだけの確信を持ちますならば、当然そのように処理いたします。しかし、これは御承知のとおり、私どもの法律の執行というものは、最終的には裁判で争われるくらいの性格のものでございますだけに、ひとつ十分の用意をしなければならないという意味において、あるいは若干のそこに時間のかかることを予想しなければならないとも存じます。
#43
○鈴木強君 それから、これは、私要望をして、委員長の御見解を承りたいのですが、もう少し時間が――三時までしかないのですが、例のメジャーとわが国の石油会社との間に結ばれた、原油の一定量をメジャーから買うようにきめられた契約、いわゆるひもつき購入契約と呼んでおりますが、これが独禁法第六条に違反するかどうかという問題があるわけですね。長い歴史があるようであります、戦前から。したがって、ある程度需給の点も考慮されて、いままでは黙認という形をとってこられたかもしれません。しかし、今日の段階になって、こういう古いしきたりを残しておくことは、私は悪いと思います。ですから、勇断をもって、これはひとつぜひ公取も徹底的にメスを入れていただいて、全然なくするか、あるいは資本の出資率と同率の五〇%ぐらいまでおろすか、それは今後の問題でありますけれども、いずれにしても徹底的にひとつメスを入れていただきたいと思いますが、御所見いかがですか。
#44
○政府委員(谷村裕君) 御意見として私ども十分に承らせていただきます。
#45
○鈴木強君 では、最後に、オープン懸賞の問題で、行き過ぎ是正のための規制案というものを公取が考えておられるようですが、これは最近のテレビのクイズ番組で正解者に多額の資金を出したり、あるいはヨーロッパ旅行に招待するなど、非常にエスカレートするような面が一部にございます。そこで、こういうことをお考えになったと思うんでございます。
 それと、もう一つは、自動車の広告の中に、他の会社を誹謗するようなものがございまして、これはちょっとわれわれも他の委員会でも異議を申し上げたわけでございますが、異議というか、そういうことはけしからぬと申し上げたんですが、いわゆる誇大広告になるおそれがある、こういったものを含めて、規制案をすでにおつくりになったんでございますか。おつくりになったとすると、それはいつごろから実施をされようとするのか。これに対して、新聞協会のほうからは、はがき懸賞規制については、広告の自由を侵害するおそれがある、こういうまあ抗議があなたのほうにいっていると思いますね。この点についても、どういうふうなお考えを持っておられるか、それを伺います。
#46
○政府委員(谷村裕君) 自動車の点に触れられましたが、先にそのほうだけ、別の話でございますから、申し上げます。
 自動車につきましては、別途、自動車の業界のほうで、どういう表示のしかたをするか、相手の車が小さく見えますというような、そういうようなことはやめようという公正競争規約というものの案をつくっております。自主的につくってまいりまして、それを公正取引委員会が不当景品類及び不当表示防止法の十条の規定に基づいて認定するわけでございます。そうすると、それは業界で自分で守る規約になり、それを犯せば、同時に、私どものほうの手も発動する、そういうことになるわけでございますが、これはそういうことで、別途、その中に、いま御指摘になったような広告方法は用いないというふうな案が入っております。近く公聴会を開く予定で進めております。
 それから、御質問になりました、いわゆるオープン懸賞でございますが、これにつきましては、私どものほうで、一般的にいろいろな消費者の関係の多いような品物を売っている場合、あるいはサービスを提供しているような、そういう事業について、特殊指定という形で、こういうことを――たとえばクイズ番組に答えて返事をしたり、世界一周に何人か御招待しますと、そのときに一生懸命自分の会社を宣伝しておくというようなやり方は、まあまあこの限度にしましょうというような、一種の自主規制なんでございますが、これはできるだけ積極的に、特殊指定と申しますけれども、そういう形でもってきめようかと思っております。これも近いうちに、大体、案ができましたので、公聴会を大阪でたしか今月末、四月のなかばに東京でということを考えておりますが、開くつもりでおります。そして、その際には、できるだけ各方面の御意見も承り、また、新聞協会あたりから心配しておられるような点についての御疑念についても十分御説明を、いまもしておりますが、公の席でも申し上げるようにしたいと思っております。で、これは、実は、もうよく御承知のように、衆参両方の物特委でも、例の消費者保護基本法ができました際にも、附帯決議としていわれておることでもございますし、そうかといって、いわゆる自由な広告活動をあまりにも押え過ぎるということであってもいけませんので、いわば常識的なやり方になるかと思いますが、業界によっては、自分たちの手で、たとえばチョコレートならチョコレートの業界では、公正競争規約の中で、自分のところはオープン懸賞はこの程度にしたいというふうに考えている、そういう業界もございます。二つのやり方があるわけでございます。
#47
○鈴木強君 新聞協会のほうから出ている中に三つございますね。「広告宣伝の規制は表現の自由を規制し、懸賞金額の規制は広告宣伝費の規制、広告の量的制限につながり、独禁行政が広告宣伝のあり方にまで規制を加えてくることになる」そして二つに、「新聞社の行なう妥当な懸賞に不当な規制が加えられる恐れがある」三つに、「新聞広告の実務の慣習についての公取委の理解が不足し、新聞社がこれまでやってきた懸賞企画にも不都合が生じる可能性がある」、四つ目に「公正さを保証するなら、あくまで各業界の自主規制にゆだねるべきである。」こうありますね。私の聞きたいのは、この中で二つ目の、「新聞社の行なう妥当な懸賞に不当な規制が加えられる恐れがある」、たとえば懸賞で小説なんか募集される場合がありますね。これは一般的にいわれるものとは、ちょっと私は意味合いが違うと思うんですね。ですからあなたが、百万円ということが新聞に出ていますが、百万円に最高限度押えたということはどういうことか。この四つの中で――いろいろとよく話し合いをされるそうですけれどもね、それはそれとして、公聴会の席上で大いに意見を主張していただいてけっこうなんですけれども――いま申し上げた二つ目の問題と、百万円という限度は一体何を根拠にしたんですか。
#48
○政府委員(谷村裕君) 新聞協会のほうで言っておりますのが、たとえばある新聞で懸賞論文を募集したというふうな場合でございますと、これはたとえばある商品名を広告するためとか、ある会社のイメージを一生懸命植えつけるためのものでは決してございませんので、私どもはオープン懸賞と言っておりますけれども、それはことばが悪いのでございまして、懸賞によって、まあ射幸心によって人の目を引きつけて、自分の会社なり商品名なりを覚えさせようという、それを規制しようというわけでございますから、いまの新聞協会の言っておりますようなものは、当然これは当てはまらないというふうに御理解いただきたいと思うのでございます。
 それから第二に、百万円というのがどうかというお話でございますが、これは少ないところは、自分のところは三十万円ぐらいにしたいとか、五十万円ぐらいにしたいとかという業界もございますけれども、百万円までにしてよろしいというつもりじゃございませんので、いままでときどき行政指導として、一千万円のマンションが当たるというふうなものをやったときに、まあそれはあまりにひどいじゃないか、自粛してくださいといった線が大体百万だと。この辺がなぜだと聞かれると、はなはだむずかしいのでございますが、百万円たいしたことないじゃないかとおっしゃる方もあれば、たいへんな額じゃないかとおっしゃる方もいらっしゃいますが、なぜと言われますと、ちょっとむずかしいんですが、まあその辺じゃないか、そういうはなはだ妙な言い方でございますが、そんな感じでございます。
#49
○鈴木強君 たいへん明敏な谷村さん、あなたは非常に明敏な方なんだけど、これについてはちょっとあれですな、お答えが鈍いですな。たとえばヨーロッパ旅行に招待するのは、エスカレートしていると言うけれども、百万円あったら、平均的に言って行ってこられますよ。いいですか、そうなってくると、言うことと実際の額との間に理論的なつじつまが合わないですよ。もう少し、聞かれてもなるほどというように、わかるような額をもうちょっと検討したらどうですか。まだこれからでしょう。おおよそ百万円ということで、何かちょっとあなたがすわりぎわに、わからぬようなことを言ってすわったんですけれども、わからないんだ、ぼくには。もう少し検討する必要があるんじゃないですか。
#50
○政府委員(谷村裕君) おっしゃるとおりでございまして、たとえばヨーロッパ旅行にカップルで御招待というぐらいのところが、一体、自由な営業活動との関係で、常職的に見ていいかいかぬかという問題なんでございます。これは公取が頭から一定の線をきめて、これを守れというようなものでもございませんが、現在一般に行なわれている賞品や旅行招待の程度であれば、特に弊害が生じているとも思われませんので、少なくとも現状ぐらいの線で押えていきたい。それをラウンドナンバーで言うと大体百万円ぐらいというところかと思います。ただ、それより下の線でそれぞれの業界が自粛していただくのは望ましいことでございまして、公取は公正競争規約という形でこれを認定していきたいと考えております。私は、その下のほうでそれぞれの業界が自粛していただくのも一つかと思いますけれども、公取というものは、非常にこまかくきちきちと、おまえのところは三十二万円ぐらいにしろとかいうようなものでもございませんから、われわれはこれが大体のところだというふうな気持ちで申し上げたわけです。
#51
○鈴木強君 理論的にやれと言ったってなかなかむずかしいと思いますけれども、おおよそなるほどなというふうに思われるような話をしてくださいよ。さっきの話じゃちょっとそうはいかぬ。何を根拠としているかさっぱりわからぬから、その点はぜひ御協議いただきたいと思います。
 これで終わります。どうもありがとうございます。
    ―――――――――――――
#52
○主査(平島敏夫君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、予算委員の異動に伴い、欠員の補欠として片山武夫君が本分科担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#53
○山本茂一郎君 時間の関係もございますので、私は要点と考える数点について、端的に、かつ簡単にお尋ねをいたしたいと思います。
 第一の問題は、政府は、旧恩給法すなわち昭和二十一年に廃止になったその前の恩給法というものですが、その趣旨、精神が、現在においても尊重されているのかどうかということについて、長官の御見解を伺いたいと思います。
 それは、長官は昨年の通常国会におきまして、旧恩給法の第一条に基づく恩給を受ける権利を認めていると、こうお答えになりました。また、政府は恩給を支払うところの義務があるというような御見解をもお述べになったわけであります。一方、恩給審議会の答申、これは第三回の答申でございますが、答申では、今日の恩給問題は、戦後における新制度の画期的な変革によって、当然恩給制度にも影響を及ぼすこと、また、戦後の恩給が新たな制度として発達した、こういうように聞かされているわけであります。これらを考えてみますというと、考え方が必ずしも明確でない点があるのでないかと私は感ずるわけであります。すなわち旧恩給法に含まれている精神が依然として尊重されておるのか。それとも旧恩給法の精神もさることながら、主として新たな制度として考えられておるのかどうか。右のうち、いずれの考え方が正しいか。それともいずれのほうに重きを置いているのか、あるいは両方をひとしくお認めになっているか等について、長官のお考えをお示しいただきたいと存じます。私は、戦後の情勢に応ずる恩給制度を採用することの重要性は十分に理解しておるのでありますが、同時に、戦争前に制定されました旧恩給法の内容並びに精神は、依然として尊重さるべきであり、また、そうでなければならぬと確信するものであります。すなわち旧恩給法は、日本国の権威のある手続によって決定せられたものであり、また恩給を受ける権利を持っておる者は、その恩給法に示された受給に必要な諸条件をすでに完全に実行し終わっておる。したがって政府は、この受給権を無視してはならないと、こう考えるからであります。
#54
○国務大臣(山中貞則君) これはもうお説のとおりでございまして、戦後の恩給法の制度というものは、確かに戦前と若干違いますけれども、これは社会情勢その他の変化等によるものでございます。しかし恩給という以上は、あくまでも恩給法第一条にあります国民が国民の中で恩給を受ける権利として発生した過去の自分の立場を持っておる。これについては、国家がそれに恩給を給する義務を負う、このことの基本的な精神はいささかも変わってはいないということも確信いたしておりますし、また、私の確信ばかりではなくて、恩給というものはそういうものでなければ前提として成り立たないというつもりでおるわけでございます。事実、戦後の恩給法においても、その精神をもって運用されているとお受け取りになって間違いではないと確信をいたします。
#55
○山本茂一郎君 次に、加算制度に関してでありますが、加算制度そのものは旧軍人の恩給法においては特に重要な意味を持っておるものと考えるわけであります。そうでありますのに、今日まで実現しました旧軍人恩給では、加算というものは、恩給受給権を得るための一つの要素として取り扱っておりますけれども、恩給の金額を計算される場合にはこれを適用されておりません。政府は加算年を旧法の精神に基づいて今後恩給金額計算の要素として重視されるつもりでありますか。それとも戦後現在までに復活をした範囲にとどめるつもりでございますか。この点について明確を欠くような気がいたしますので、長官のお考えを明らかにしていただきたいと、こう存じます。
#56
○国務大臣(山中貞則君) 加算年はもうほかの恩給には例のないいわゆる割り増し在職年計算方式でございますから、御承知のように、戦後、軍人恩給の復活をいたしました再出発のときにおいては、対象にしない、制度を認めないという立場で出発をいたしましたけれども、しかしながら、その後、やはり戦地加算その他の実情等をかえりみて冷静にこれを考えるときに、国家のために働いてもらった人たちの当然受けるべき加算制度というものは復活さすべきである。ただし、その加算については、恩給の受給資格というものを得られるための根拠としてそれを復活しようということにいたした経緯は御承知のとおりでございます。そこで、それらの問題について今後どのように考えるかということでありますが、現在御承知のような老齢者あるいは遺族、傷病、そういう方々には、これが先生のおっしゃるような金額計算の前提になっております。ここらがやはり先ほど第一問にございました戦前と戦後との制度の中が少し違うというあたりに出てきておるものと考えるわけでございますが、今後これを受給資格要件のみならず金額計算の根拠たるものにするかどうか、これについては目下のところ結論を出しておりませんが、現在においても、先ほど申しましたような老齢とか、そういう人々に対しては一応これを計算上の基礎に入れておるわけでありますので、それらの要件の拡大その他いろいろの手段方法も実情に即してあり得ようかと考えますので、まあそうかたくは考えておりませんが、若干原則論もございますので、実情に合うように検討を引き続き続けてまいりたいと思います。
#57
○山本茂一郎君 ただいまの点、もう一つお伺いしたいのでありますが、その方向は、加算金額計算に入れるという方向で御検討になっておるのですか。それともそうでない、新しい、昔の恩給法とは違うものの考え方において、これをどうするかということについてのやはり金額計算によるかどうかということを御検討になっているのですか。どっちの方向に向いているのですか。
#58
○国務大臣(山中貞則君) これは先ほど私が申しました妻子に給する扶助料、七十歳以上の老齢者の普通恩給並びに傷病者の普通恩給、こういうもの等が、原則は取り入れないことにしてあるけれども、その対象としてある、こういうこと等が戦後の制度の特徴の一つでもあろう、こういうことを申し上げたわけであります。でありますから、軍人恩給出発のときにその制度は取り入れないことにしたが、一応受給権を得るための条件としては取り入れてある。そうすると、実体上においては全部が全部受給権の条件のみではない。すなわち、その中にはそれを前提として支給額そのものの計算にも使われている人たちがおることを申し上げて、それらの措置についてさらに実情に合うような条件の緩和なりあるいは拡大なりというようなこと等が考えられはしないだろうか。しかしながら、これは原則論の問題等もこれあり、ここで私がこうすると明言いたすまでのところまでまだ検討をいたしておりませんので、引き続き懸案事項として検討さしていただきたいという意味でございます。
#59
○山本茂一郎君 もう一度その点についてお願いがあるのでございますが、先ほど申しましたように、旧軍人の恩給、それにおいて加算の問題というものが非常に大きな問題でございまして、旧軍人の恩給の問題から加算年の金をつけるという問題を除きますというと、ほとんど意味をなさない問題になってくるわけであります。その意味において、資格者にとどめるという方向と、どっちにするかというような問題ではなくて、これをいかに復活するかということについて具体問題として御検討をしていただきたい、このことの希望を申し上げまして次の問題をお尋ねしたいと、こう思っております。
 現行の恩給におきまして、文官に対する恩給と旧軍人に対する恩給に大きな差が実際事実上において存在しておる。これは事実であります。すなわち、金額計算の基礎となる仮定俸給の号俸が、いわゆる俸給の格づけが、両方に待遇上に差がございます。また、加算年を恩給金額の計算に入れることについても、ただいまお伺いしましたように、基本的な差異が厳存しておる。これらの事柄は旧恩給法の精神では許すべからざるものであると私は信じているわけであります。文武官の差異に基づいて恩給上の取り扱いにことさら不平等を存置するということは、私はこれは大きな間違いであると確信するものの一人であります。戦争に行って非常に御苦労になった方が、文官の方と恩給に基本的な差をつけるということそのものが私は間違いでないかと、こう考えるわけであります。それで、そのことに関しまして長官のお考えと、それの対策について御見解を承りたいと思います。
 また、これに関連いたしまして、一時恩給におきましても私は兵の階級も入れるべきだと、こう考えるわけであります。これはただいまのところは復活当時において兵の階級を、七年連続というときに兵の階級を入れられたこと以外は、現在ではこれを除外されております。文官においては巡査であるとか、その兵の階級に相当する人にも一時恩給をすでにおやりになっている。こういう問題、また加算をも考えていただく問題、それから金額計算の適用ベース等につきましても、文武官に非常に差がある。こういう事柄は、私は旧軍人であるがゆえに特別待遇をごうも要求しておるつもりはないのでありまして、昔にあった恩給法のその施行に際して、ここに差がついているということについて私は御一考をいただきまして、趣旨の通った恩給法を処置していただきたいと、こう思うわけであります。
 以上につきまして、長官の、今後どういうようにお考えになりますか、ひとつ御見解をいただきたいと、こう思います。
#60
○国務大臣(山中貞則君) これまた御承知のように、ただいまは恩給審議会の答申の二十六項目の完全実施を目ざして最終年度十項目を実現しようとして予算措置をお願いしておるところでございますが、昭和四十四年にこれらの問題点のうち長期在職者について三号俸ないし一号俸の格づけ是正というものをすでに行なっているわけであります。しかしながら、基本的にやはり文官、武官の格差があるという問題については、確かに一つの問題点でございます。さらにこの問題の検討は続けなければならないと思いますし、恩給受給権者の平等なる権利、公平なる資格という意味から見ましても、検討の対象としなければならない問題として残されておると私も思っております。さらに短期在職者の一時恩給にも関係をいたしますが、短期在職者の問題はこれ実は恩給審議会の答申で明確に「下士官以上の者については、戦前においても一時恩給を給されていた経緯および文官の一時恩給との均衡を考慮して、その資格年限を引き続く実在職年三年以上に短縮することが適当である。」、こういうふうに明瞭に、よって立つ計算の基準のとり方が答申にはっきりと書いてあるものでございますから、この点は、兵をやらないということについて問題があることは私も十分承知をいたしておりましたが、しかし、恩給審議会の答申をまず尊重するというたてまえを貫くために、下士官以上というものを対象にしておるわけでございます。この措置が永久不変のものであるということを私も信じておるわけではございませんが、一応恩給審議会の答申を完全に実施をいたしまして、そして残された問題点の中でこの兵の階級の問題についても、みずから好んで下士官になりたくなくてならなかったわけじゃないわけでありますから、苦労はむしろ兵のほうが多かったことも戦野においては常識でございますし、これらの点についてはやはり同じく行なうならば将来の問題として、恩情はひとしきものに与えられるべきであるというふうに私も考えておりますが、今後の検討課題ということにさしていただきたいと思います。
#61
○山本茂一郎君 ただいまの一時恩給の階級の問題でございますが、御答申の中にそういう意味を含んでおるということについても私はよくわかりました。しかし問題は、答申を離れまして、第二段の処置としてお考えをいただくような御意向のように察せられたのでありますが、この点につきましては、大東亜戦争の終末のあの混乱をした状況、ことに軍隊で広い地域に分散をいたしまして通信網が不十分でございましたあのときに、陸海軍大臣から、資格のある者は下士官にしろという命令が出たことになっておりますけれども、現実にそれは伝わっておらぬのです。私も第一線におりましてそれを体験いたしております。そういうような意味でも、本人に関係なくほかの事由において進級できなかった者にも、この答申の精神それだけを守ってやるということについては、これは私は非常な後に害が残ると思いますので、将来の一段の進歩として真剣な御検討をいただきまして、できるだけ兵の階級も入れていただきたい。ましていわんや終戦後の連続七年の場合には兵の階級を入れておるし、文官にはそれを入れておるにかかわらず、軍人だけが身分上の関係で下士官を除いておるという考え方は、間違っておるとは私は言いませんけれども、現在の戦争の終わったときの状況から見てここに無理があるということは、私はどなたも御理解をいただけると思いますので、この点についてさらに御検討をお願いいたしたい、こう思います。
 次の問題に移りますが、恩給の改正のこのスピードといいますか速さでございますが、おかげさまで最近だいぶん速力は上がってまいりましたけれども、今後はさらにこの速力を増していただきたい、こう私は考えるわけであります。戦後は、旧軍人の恩給復活の当初におきましては、旧軍人恩給をやるということについての国民感情というものがいろいろあったと思いますが、私は最近になりましてこれが低下しておると、こう考えておるわけであります。しかし、そういう感覚だけでものを言っておるのではございませんで、私どもは、昨年の秋に全国の府県議会、市議会、町村議会に全部陳情書を出しまして、そうしてこの議会における決議をいただいておるわけであります。まだみんな集まっておりませんが、今日までいただきました決議の大部分は、この旧軍人の恩給に関する誤解といいますか、反感というようなものは非常に少なくなってきているんじゃないか、こう私は確信をいたしておる次第でございますので、こういう意味においても、また日本の経済力というものが非常な急伸展をいたしまして昔と状況が変わっていると、こういうようなときになったと思いますので、その問題に対してのスピードアップをするという問題に対する長官の御見解を承りたいと、こう思います。
#62
○国務大臣(山中貞則君) 私自身の反省でもございますが、戦争に勝った国も負けた国も、やはり戦後の再建という問題の第一歩は、戦争のあと始末ということを済ませてそれから再建にかからなければならないと思うのであります。日本は占領されていたということもありますけれども、しかし日本と同じような立場に置かれていたドイツにしても、あるいは戦勝国であったイギリスにしても、やはり戦争における直接の被害救済の手段その他は完全に講じて、しかる後に国家の再建に取り組んでおる姿を見ますと、やはり勝敗ところをかえて、歴史が積み重ねられてまいりましたヨーロッパの国々と日本と一緒に論ずることもできませんが、日本においては有史以来――元寇の危機はございましたものの、完全なる敗北ということは初めての体験でございましたから、やはりなさなければならないことに対して当然の主張、あるいは当然の政策の展開というものが若干の出足を誤ったというのは、私、政治家として――当時私が大臣をしておったわけでもありませんが、一政治家としての反省を持っております。すなわち敗戦国家の再建は戦後処理をきちんと終えた後でなければ完全に再建されたとは言えないということでございます。これは何も思想上の問題でも何でもなく、勝った国も負けた国も、戦争を終わった国はあと始末から始めるべきであったのである、そうしていま現在なおかつそれらの犠牲者の方々について、その処遇について議論が、四分の一世紀もたっておる今日議論をしなければならない私たちの政治のあり方というものに率直な反省が必要であろうというふうに考えております。これは直接お答えを申し上げた形ではございませんが、そのような反省の上に立って、私としては国民の合意を得られる範囲においては、なるべくすみやかに最終処理をするようにする義務が担当大臣たる私には直接あるんだという気持ちをかねがね抱いておるわけでございます。でございまするので、国会の審議をいただく前提としての予算等の組み方についても、十分にそれらの考え方が反映いたしまするように、私としてはささやかでございますけれども政治家としての立場をかけてその気持ちをあらわしたいと思って努力を重ねておるところでありますが、なお今後一そうただいま申し上げましたような反省の上に立って私自身の責任ある気持ちを展開したいと考えます。
#63
○山本茂一郎君 次は恩給のベースアップすなわちスライド制の確立についてでございますが、政府の御尽力によりまして、恩給法第二条ノ二のいわゆる調整規定の運用が昭和四十六年度においてこのルールに乗ったのじゃないかと、こう私は感じております。深く政府の御尽力に対して感謝をするものでございます。今後におきましても引き続いてこのような運用をされるものと理解してよいかどうかということについて、長官のお示しをいただきたいと思います。
 なお、このことに関連をしまして別の一つの問題がありますので、それについてお尋ねいたしたいと思います。すなわち、国家公務員の俸給が増加し、消費者物価の値上がり等を考慮いたしまして、恩給のベースアップの事務手続をやる関係から、現在では二カ年半もせなければ実現されないような事実もあるように考えるのであります。これは理論でなくて事務的な問題だと私は考えますが、そのことはいわゆるベースアップの精神というものが実際には完全に生かされておらないというようなことになると私は考えます。そこで、この問題について長官が今後の処理方針といいますか、どういうようなことをやろうと思って御検討になっておるか、そういうことがもしお許しをいただけるならばお示しをいただければと、こう希望いたす次第であります。
#64
○国務大臣(山中貞則君) まず第一点の、恩給のまあルールと申しますか、いわゆる金額算定方式について、予算折衝等において押したり引いたりと申しますか、そういう議論をしないと……。きちんとした積算の根拠に立っておるものであれば、これはもう第二点の質問とも関連してまいりますが、そういう前提において予算化をする義務を――大蔵省としては支出する立場においての責任として――果たしていくという立場のことをルールとかりに呼ぶとすれば、そのことは、今後も、かりに人がかわりましても、それは継続されていくもの、したがってその点の御心配を関係者が毎年されることはないものと確信をいたしておる次第でございます。まあことしの予算等の経過において、その点ははっきりと出たと私考えておるわけでございます。さらにそのベースアップの問題でございますが、私もできるだけ最近の公務員給与、物価等の値上がりの幅あるいはそのスピード等から考えて、一番近い最近年次の値というものが直ちに反映するような手段はないものかと考えているわけであります。しかしながら、やっぱり最終的に確定された物価と公務員給与の値上がりの実績の数値をもとにして計算をしなければなりません。そうすると、どうしても実質上実績の出た年次をとるといたしますと、どうしても一年前になります。さらにまた三百万に近い方方に対する全部の証書等の書きかえ事務等が、やはりささたる事務のようでございますが、非常な労力と時間を要する作業でもございます。これは恩給局の諸君のたいへんな重要な仕事の分野でございまして、御苦労願っておるわけでございますが、やはりこれとても四月一日実施がなかなか困難であって、やむを得ず実務上十月実施ということにしておりますから、さらにまたそれから半年おくれるということになりますので、確かに現実には先生のおっしゃるような現実上のおくれというものがあるわけでございます。まあこれらは私も十分気がついておりまして、これをどのような手段で縮めることができるか、すなわちなるべく現状に合わせた、改定すべきものならば正しい改定、すなわちおくれたらおくれるだけそれぞれの恩給の受給権者の方々が受け取る内容がおくれて、待たされるということの不利というものが伴っていくわけでございますから、不幸な方はその間に受給権者でなくなられる方もおられるでありましょうし、年はとっていかれるわけでありますから、それらのことを考えますと、同じ支給するという前提ならば、もっと端的に公務員給与の勧告みたいなものでやっていけないかとも思いますが、なかなかそこらのところが、しからば政府の財政経済見通しの物価指数をそのままとるかというような問題等も、これは非常に狂うのが前提であると――閣僚の一員が申し上げるのに不穏当になりますが、どうもこれが、あるときは自然増収、あるときは物価の見通しの食い違い等によって、当初見通しどおりなかなかうまくまいりません。これらのことを考えますと、いまのこのような手段ならば取れるという新しい取り方というものがなかなか思い浮かびませんので、今後さらに検討をさしていただきたいと考えます。
#65
○山本茂一郎君 それでは最後のお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、政府は最近三カ年間に恩給改正について実行されました概算予算制度を今後においても継続されるかどうかということについてお伺いいたしたいと思うのであります。
 すなわち、第三次恩給審議会の答申事項の実施に際しまして、政府は昭和四十四年度、昭和四十五年度、昭和四十六年度の改正には、毎年八月末における恩給改正のための概算予算制度を実行されました。この点深く私は喜んで感謝をしておる次第でございますが、私は今後においても恩給改正のために、この概算予算制度を引き続き採用されるよう強くお願いをし、希望しておる次第でございます。長官のこれに対してのお考えを承りたいと、こう思います。
#66
○国務大臣(山中貞則君) ちょっと概算予算制度というのが、よく意味がつかみかねておりましたが、最後のおことばでわかりました。それはすなわち担当省たる総理府、現在はそうでありますから、総理府が大蔵省に対して概算要求をするときに、恩給予算というものはそれは疑問のある分野のものは別にして、きちんとしたルールにのっとったものであれば、それはそのまま確定したものとなる。すなわちこれがある意味において大臣折衝その他にまで及ばず、私の理想とする一次査定で全額出るということも裏面に持っておっしゃっておるだろうと思うのですが、そういうことであるといたしますならば、私はことしその制度は確立されておる。でありますから、これからはそういう制度を樹立していきたい。ただし来年度予算等の要求あたりにおいて、ただいままで山本先生と一問一答いたしてまいりました過程で検討課題であるというものが、恩給審議会答申二十六項目をこえた問題以外の問題としていろいろと議論してまいりましたので、それを全部取り込んで要求した場合に、それはイコール決定額であるという概算要求になるかと申しますと、そこらは非常に微妙な問題となりますので、現在までの二十六項目というもので打ち立てられた基準というものは、概算要求制度において確定をするように今後も運びたい。その他の今後どういうふうに補完すべきか、あるいはどういうことに手直しをすべきかという分野の問題は、場合によっては分けて予算要求をするということもあり得ましょうから、確定されたものは確定されたものとしてのいいルールを確立して、無用の不安、心配というものをお持ちにならないようにしたいと考えております。
#67
○山本茂一郎君 一言ちょっとお尋ねいたしたいのですが、二十六項目と仰せられましたものは、御答申にありますところの二十六項目という項目の内容が必ずしも全部は実行されておらない。その残りがあるものは将来概算予算に入れるということははっきりしておると、こういうようなお考えのように承ったのですが、どうでございますか。
 それからもう一つ私のお願いは、二十六項目の問題もまだいろいろ穴があいていると思うのでございますが、それであの答申の精神を生かす点については、いままでの、三年と同じような制度でやっていただきたいと思いますが、そのほかに大きく抜けておる問題が答申外にもあると思いますが、そういう問題を、できる限り私としましては、せめて八月の末における担当大臣から大蔵大臣に対する要求事項の中に入れるという方針で進んでいただきたい。内容そのものでなくて、そういう形式をしていただきたいと、これはよけいなことを申し上げるようですが、私どもの長い間の経験によりますというと、国の事業として恩給改正は必ずしもお考えいただけずに、ほかの各省の予算が決定しました後において初めて恩給が議論になってきた、この痛い経験を持っておるものでございますから、その点について、他のことばで言えば、ほかの各省の予算と同じように、恩給問題も同じルールに従ってやっていただきたい、形の形式としてやっていただきたい。こういうことをお願いしておる次第でございます。
#68
○国務大臣(山中貞則君) 審議会答申二十六項目の中で、やや私どもとしては明確にしたものであっても、解釈に幅のある問題、これはやはり検討課題でありますから、解釈が確定をすれば一応概算要求確定という範疇に入ると思います。しかし答申の範囲外あるいは対象外というようなものを取り上げて要求にしていくというようなケースの場合は、先ほど申しましたように、やはりこれは財政当局と八月の末にこれは詰めることは不可能だと思いますので、したがってこの分野は、概算要求時が実質上確定されたものであるという分野の多くの部分と、それからそれに風鈴と申してはおかしいのですが、そういう今後やはり財政当局と制度上も実施の実体上も議論をする余地が残っておるものというものを分けることも、一つの無用の御心配を避ける手段でなかろうかということを申し上げた次第でございます。全部を引っくるめるということになりますと、なかなか見解は財政当局と私どもとの間にも違いますし、また与党と政府との間にも見解の違うこともあり得るわけでございますから、そこらの点まで引っくるめて全部要求したものはそれでもうセットであるというふうには、現在の時点ではたいへん困難な分野がある、したがってその困難な分野は分野としてきちっと分けてやったらば無用の御心配をさせないで済むのではないかと、こう申し上げておるわけでございます。
#69
○山本茂一郎君 ありがとうございました。
    ―――――――――――――
#70
○主査(平島敏夫君) この際、分科担当委員の異動について御報告いたします。
 本日、予算委員の異動に伴い、欠員の補欠として峯山昭範君が本日本分科会の担当委員に選任されました。
    ―――――――――――――
#71
○片山武夫君 私は主として行政管理庁関係についてお尋ねをしたい、かように考えております。
  〔主査退席、副主査着席〕
 本日、荒木長官の出席を実はお願いしたわけでありますが、やむを得ない所用のために出席できない、こういうようなことで、質問の内容も多少変えざるを得なくなったわけでございます。欠席のまま質問に入りたいと思います。
 まず第一に、総定員法と行政管理庁関係のいわゆる行政改革計画と申しますか、それとの関連を数点お伺いしたいと思います。
 まあ総定員法は、これは一応制定されまして、そしてその中でいわれていたことは、これは従来各省庁間の定員、これが支障を来たしておるので総定員法を制定して、そして最高限度を決定した、その目的としては、いわゆる行政需要の増加、変化、そういうものに対応して各省庁間の配置転換、異動、こういうものをすみやかに円滑に行ないたい、こういうことが一つあったわけであります。それからさらに大切なことは、まあ従来いろいろ行政改革等について計画があったわけでありますけれども、それを強力に推進していきたいということがこの総定員法の精神として私は盛られていたと思うのであります。そこでお尋ねをしたいわけでありますけれども、この総定員法を制定しまして、そして各省庁間のいわゆる定員、これはいろいろ四十三年度第一次行政改革計画、いわゆる定員削減計画があります。さらに第二次の計画が出されております。そういうようなことで、そのことは別として、総括するその監督官庁というか、これは行政管理庁ではないかと思いますが、もちろん最高の決定権は総理にあることはこれは相違ないと思うのでありますけれども、責任官庁としては行政管理庁だと思うのですが、この点いかがでございましょうか。
#72
○政府委員(黒木利克君) この総定員法のねらいなりあるいは評価につきまして、ただいま先生がおっしゃいましたが、いままで行政改革がなかなか思うように進まなかったのは、結局行政改革の方法論が確立をしてなかったことが大きな原因ではないかというふうに考えておるわけでありますが、その方法論の一つとして総定員法が制定をされたということが言えると思うのであります。したがいまして行政管理庁としては、この総定員法の所管官庁として行政改革の推進につきまして、権限というか責任があるわけでございますが、この総定員法に関する限りは行管の長官の全責任において企画、立案なり実施ができるということでございます。
#73
○片山武夫君 そうしますと、各省庁で出された年度初めのいわゆる定員といいますか、それについては行政管理庁でこれを点検して、そして定員をきめていくという形をとっておるわけですね。
 そうしますと、まず第一にお伺いしたいのは、たしか四十三年の十月ですか第一次の行政改革計画、これは三年で五%削減、こういう方針に基づいてその計画が推進されてきたわけであります。続いて第二次の行政改革計画、これは四十四年七月ですか計画が出されて、これは三年間に一般職について九%、こういう削減計画が出されておるわけでありますが、この第一次の削減計画というものは、これは四十四年から四十五年、六年、その三年間ですね。だとすると、この第二次は四十七年度から三年間ということになりますか。そのことが一つ。
 続いて、昨年の十一月ですか十月の閣議決定ですか、これは行政改革計画、こういうものを出されておりますね。「行政機構の簡素合理化の推進について」、これは昨年の十一月閣議決定ですか、これが出されておりますが、これはいつから実施していくのかという、この第二次行政改革計画との関連についてちょっとお伺いしたいと思うのです。
#74
○政府委員(黒木利克君) この定員削減計画は、お話しのように四十四年から四十六年三カ年で第一次を実施するわけでございまして、四十六年度末の現状をもとにして四十七年から三年計画で第二次の定員削減計画をやる、お話しのとおりでございます。
 それから「行政機構の簡素合理化の推進について」という四十五年の十一月二十日の閣議決定がございますが、これは直接には定員削減の問題には実は触れていないのでございまして、主として国家行政組織、特に今国会に提案をいたしております国家行政組織法の一部改正を中心にした問題と、それから地方支分局等の整理、再編成の問題、それに特殊法人の整理の問題がその内容でございまして、直接国家公務員の定員の削減問題には触れていないのでありますが、しかしこういう機構改革なりあるいは特殊法人の整理なり、あるいは事務の簡素化というものは、定員の再配分と重要な関係もあり、場合によっては定員削減とも関連が生干るわけでございます。
#75
○片山武夫君 もちろんこの削減計画と機構簡素化の関係は、これは相関関連はあるけれども別のものであるということだと思いますが、そこでお伺いしたいことは、この総定員法のいわゆる最高限度、これがきまったときにはたしか五十万六千五百七十一名、これが定員だったと思いますが、三年たつと大体二万五千名程度の削減になる、さらに三年で四万五千名程度の削減が行なわれる、こういうことになりますね、これはそのまま受け取りますと。そうすると、ここで約七万の定員減、こういうことになろうかと思いますが、総定員法にきめられたその最高限度といいますか、これはそのままにしておいていいのかどうか。これはやはり何名か、ある点で総定員法の定員を変える必要があるのではないかと思うのでありますけれども、それについての定員法の取り扱いは一体どういうことになりますか。
#76
○政府委員(黒木利克君) 確かに御疑問も当然だと思うのでありますが、実は定員を削減するばかりでなしに、新規需要に対しては増員を認めておるわけでございます。したがいまして最高限度はきめてございますけれども、その範囲内で行政需要の消長に応じて再配分をしておるということでございますから、減らすばかりではないわけでございます。現実に四十六年度のこの総定員法の運用におきましては、結果的には数百名減らしたことになっておりますが、四十二年から四十六年度にかけまして三千二百名の減少の結果になっておりますけれども、削減しっぱなしでなしに、新しい需要に対してはそれを認めておる、こういう運営をやっております。
#77
○片山武夫君 これはそこが問題だと思うのです。総定員法で一応最高限度がきまっている、その中で、いわゆる行政改革計画の中で三年間五%、あるいはその後九%、こういう削減を計画している。したがってこれは、増員を含めて九%減になり五%減になる、こういうことではないかと思うのですけれども、これは定員削減ですから、したがって増員を含めたら、あとになったらこれはふえることはできませんからね、削減の意味がないというような御説明のようですけれども、それをもう少し詳しくお聞かせ願いたい、削減計画についてですね。
#78
○政府委員(黒木利克君) 毎年度各省から増員の要求をしてくるわけでございます。その増員も新規需要でどうしても認めなくちゃならぬというもののいわば財源というか人員は、先生おっしゃいましたいままでは五%削減だった。その削減した各省の減員を新規増員の財源としてこれに充当するという運営をやっておるわけでございます。
#79
○片山武夫君 そうしますと、その辺の関係がちょっとどうも明確でないわけなんですけれども、要するに、削減といっても出血削減はしないんだ、こういうたてまえがあるわけですね。それはどこから出てきているかというと自然減がある、こういうことですね。その自然減の数字以下のこれは削減計画なんですよ、この計画というのは大体そうなんです。もっといわゆるやめていく人が多いというのが現実なんであって、したがってその補充を一体どこに線を引いていくのか、いわゆる増員要求をどこに線を引いて認めていくのかということが、やはりこれは総定員法との関係において問題があるわけです。総定員法の精神からいえば、あのときに五十万六千五百七十一名という総ワクがきまっているんだから、それ以上ふえなければこれは足さなくてもいいんだ、こういうことになっておりますけれども、何かこの計画をそのまま正直に受け取ると、この総定員に対して五%、続いて三年間九%を削減していくのだと、こういうことなんですから、この総定員五十万何千に対して一四%これは減っていくわけですね、理屈から言えば。ところが増員の要求があるから、それは一方は削減していくげれども片っ方はふやしていくのだということでは、一体どっちがほんとうなのか、削減計画というのは一体何かということになってくるのですが、その辺のところをもう少しわかりやすく説明していただきたいと思いますがね。
#80
○政府委員(黒木利克君) この総定員法でいわゆる最高限度というものは当分変えるつもりはない、維持はしていく。しかし三年間で五%ずつ減らしていくわけですが、減らしっぱなしでなしに、新しい需要に対してはそれを財源にして充当していく。ただ先ほど申しましたように、結果的には四十二年度から四十六年度の五年間に三千二百名の全体の国家公務員の減少にはなっている。しかし、これは最高限度までは新規需要でもっともなものは認めざるを得ないのですから、年によってはその最高限度ぎりぎりに認めるということもあり得るわけでございます。最高限度というものは当分維持してまいりたい、しかし三年間五%は削減をする。しかしその削減のしっぱなしでなしに、新規需要に対してはそれを財源にしていわば復活させるといいますか、新規需要の財源にこの削減分を充てる、こういう運用を当分続けてまいりたいと考えております。
#81
○片山武夫君 その辺が、御説明ではどうも十分納得できないのですよ。ということは、総定員法で総定員いわゆる最高限度がきまっておりますね。削減計画というのはこれに対して何%、何%減らしていくのだと、こういうことでしょう。だから、もちろんその行政需要によって増員を必要とするところはありますよ。それを配置転換によってやるのだと、こういう説明だったと思うのですよね。そうしますと、この削減計画というやつは自然減の一部をここへ盛り込んだということで、削減じゃないのですよね、これは。補充をいわゆる自然減以上にはしない、こういったようなかっこうになるのですよ、結論的に言うと。その辺のところが、これはごまかしのような気がするわけですが、われわれはこの削減計画を正直に受け取っているわけで、いわゆる総定員に対して三カ年で五%、さらに五カ年で九%を減らした数がいわゆる総定員の限度にならなければならないわけでしょう。しかし一方においては増員していく、減った分以上に増員していく、いわゆる計画以上に増員していくわけでしょう、あなたがおっしゃるようなことになりますと。ということは、自然減は削減計画の。パーセンテージよりも大きい、したがって自然減はやっぱり補充していかなければならぬわけでしょう、ある程度。必要なところにはまたそれ以上ふやしていかなければならぬわけでしょう。そういうものには配置転換、異動等によって補うのだというこの精神が、どこかへ吹っ飛んじゃっているわけですよ、いまの説明ですとね。
#82
○政府委員(黒木利克君) それでは管理局長から具体的に各省の削減計画と実績について御説明をいたさせて、御説明をまた補充させていただきたいと思います。
#83
○片山武夫君 いや、その前にもう一度わかりやすく申し上げますと、結局この削減計画というのは、一体どういう趣旨に基づくものかということになってくるのですよね。定員削減というのだからいままでの定員以下にしようということでしょう。各省庁間で行政需要の変化があるから、そう一律に五%減らすわけにはいかぬわけですから、総体的に五十万何千人かのうち五%減らすと、こういうわけでしょう、この削減計画というものは。
#84
○政府委員(黒木利克君) その最高限度と各省の定員の関係が何かごっちゃになっているような印象を受けるのでございますが、最高限度は当分変えるつもりは行管としてはないわけでございますが、各省の定員は自然減耗する、離職するものもございまするし、そういう各省の定員の再配分をやりながら最高限度は当然維持していくという運営をやっていくということでございますから、最高限度の削減ということではないのでございます。
#85
○片山武夫君 問題はそこなんです。総定員法で最高限度をきめられているわけで、そこで削減というのは何に対して削減なんですか。最高限度というのはあの当時の現在数であったわけです。それに対して何%か減らしていくというのが、これが削減計画でしょう。何を対象にして削減しようとしているのか、いまの御説明だとちょっと理解しにくいのではないですか。
#86
○政府委員(河合三良君) 御説明申し上げます。削減はこれは既存の定員に対して削減をいたしました結果、またさらに別途新規に行政需要に応じて必要のところについては増員するということでございまして、結局は削減分と増員分の差し引きが、これが次の年度の定員になるということでございます。五十万六千五百七十一名に対しまして削減をいたしまして、さらに次の年度の増員をいたしました結果、初年度におきましては千七百名これを減らし、それから総定員を減らし、それから次の年度においては約六百名総定員を減らし、次の年度に三百名、また四十六年度におきましては六百七十名を減らした結果、先ほど約三千二百名ないし三百名ほどが総定員の最高限から減っているということになっております。これが削減、それから新規増員の差がそれだけ積み上がって三千三百名になったということでございます。具体的に申しますと、たとえば四十六年度の削減と増員の関係を見ますと、減りましたほうの代表をとりますと、たとえば農林省、これは四十六年度予算の四十五年度末に削減をいたしましたのがこれが千八十九名削減をいたしておりますが、さらにそのほかに四十四名の新規増員、四十六年度予算の査定に際しまして四十四名さらに減りまして、合計千百三十三名、削減よりも少しよけいに四十六年度においては四十五年度に比較して定員が減っております。また一方、ふえたほうの代表は国立学校、文部省がございますが、削減計画によりますと、千三十五名四十五年度末に削減いたしましたけれども、さらに国立学校の教員その他の需要が非常に大きいために、文部省全体につきましては、千三十五名に対しまして二千百六十五名の増員がございまして、差し引き千百三十名の増になっております。厚生省も同じように、看護婦その他の需要が大きいのでふえている。全体といたしましては昭和四十六年度におきましては、約六百名の減になっているということでございます。また、これは省庁間の定員の異動がございましたものに限ってこれに出ておりますが、これ以外にも同じ省内で一つの部局から他の部局に定員を振りかえております。行政需要の減りましたものからその定員を省内で落としまして、別途同じ省内の行政需要のふえているところに回すということはやっておりますので、この省庁間の定員の異動があらわれております。ただいまの五百七十五名減というものにさらに加えましで相当大きな数が行政需要の減ったところからふえたところに省庁内で異動している。たとえば農林省などは削減計画千八十九名に対しまして四十四名さらに削減を加えておりますが、しかしこれでやはり農林省内にも行政需要のふえておるところがございまして、同じ省内で減っているところからふえているところに定員を回すことによりまして、農林省内の行政需要の増加に応じているというような状況でございますので、ここに定員法上であらわれている数とさらに省内での配置転換を加えていただきませんと、ほんとうの定員の動きが出てこないということがございますが、ただ、省内の振りかえにつきまして的確な数字をはっきり把握いたしておりませんので、そこまで数字をあげて御説明するわけにはまいりません。現実にはそういう点が非常にございます。
#87
○片山武夫君 いまの御説明だと大体わかるのですけれども、そこで結局は現在数、それから五%削減していく、それはいわゆる自然減それから増を差し引くと三年間で五%である、こういう御説明だと思いますが、そうですね。いわゆるこれは削減計画によるかどうか。自然減と新規採用、これをひっくるめても総体の合計はいわゆる三年間で五%、で、一・何%ですか一年間で減っていくのだ、こういうことでしょう、そういうこととは違うのですか。
#88
○政府委員(河合三良君) 削減計画は、これははっきりした数字をただいま準備しておりませんが、大体、たとえば行(1)、行(2)の公務員でございますと、一般行政職の行(1)、行(2)の俸給表を適用される部分でございますと離職率が年に大体四%前後くらいになっております。で、三年間で五%でございますので、これは年に直して平均いたしますと一・何%でございますから、その削減数を引きましてもさらに離職者のポストがあいておるわけでございまして、その範囲内で新規増はまかなってもらう、従来でございますと、そういうことで総定員法の制定前は省庁間の異動は、これはすべて法律によるということでございまして、減るほうは一つも減りませんで、新規増のほうばかりふえております関係で、昭和四十三年まで見ますと、大体総定員法対象で毎年七千人くらいが積み上がる、毎年七千人くらいずつ平均でふえておりますが、総定員法を成立していただきまして、その後の運用によりまして四年間で約三千三百名前後の人間はむしろ減らしたということでございます。その意味で確かに御指摘のように、三年間五%削減というものは結果において五%人間が減るのだということではございませんで、それが実際に減りますのは、五彩削減と今度は別途に新規増を見ましたものとの差が減っていくわけでございますから、純粋に五%の人間が落ちたわけではないわけでございます。従来は減のほうはございませんので、増のほうばかり積み上がってまいりましたので、昭和四十三年度くらいまでは大体年に平均七千人くらいの人間が、ネットでふえておったというような状況でございます。
#89
○片山武夫君 どうも説明がぴんとこないのは頭が悪いのですね。ここに一応削減計画で三年間五%の削減計画が出されておるわけでありますが、実態を見ると離職者ですか、自然減が四%近い減があって、これは三年間で一二%くらいになると思いますね。そうすると五%の削減をしても七%の補充はできるのだと、そうでしょう、離職者の補充は七%できる。また新規需要に対して七%ふやしていける、数字の上からいけばですね。これは定員法の問題ではなくて、実際の数字としてそういうことになるでしょう。だから結果的に言えば、離職者を埋めていくためには結局一二%ふやさないと当時の人員は保持できない、こういう結果になるわけでしょう、七%ふやしていかないと。たとえば年の初めに何名ときめておきますね。そこで年間に四%減っていきます、離職者がいるから。そこに今度五%、三年ですから、一・何%になりますか、これは削減計画の中にある人員です。結局あとのいわゆる二・何%というのですか、それはやはり補充していかないと……、補充していっても五%削減の線には合うわけでしょう、そうでしょう、そういうことをおっしゃりたいんでしょう。ということは、結果的には全体数に対して、総定員に対して一年間一・何%、じゃ、三年間で五%減るということになるのじゃないですか。
#90
○政府委員(河合三良君) 御指摘の点は、たとえば――たとえばで申し上げますと、年間の離職率が四%といたします。そのうち三年間五%でございますから年約一・七%強の定員をこちらでいただく。そうしますと、残りの三・三%、これはそれぞれの省庁あるいは政府全体として補充は自由である。ですから、三・三%は補充できる。それからこちらにいただきました一・七%の中で、今度は新規需要に応じましていろいろ配るわけです、新規需要をつけるわけです。それで一・七%の中の一・五%新規需要をつけますと、〇・二%は定員として減るという勘定になるわけでございます。
#91
○政府委員(黒木利克君) 実は、減らすものは削減計画で減らすんですけれども、ふやすものがあるわけなんですね。これは行政整理じゃなしに、むしろ新規増員をやっておるわけなんですから、それがいままで毎年一万名近いものを新規増をやっておったのですね。国家公務員の総定員の上に、さらに毎年一万名くらいの増員をやっておったわけですけれども、それが五%削減によってうんと減りますけれども、しかし、新規増員を認めても、結果的には総定員が、いま申しましたように、四十二年から四十六年の間に三千二百名は減っておると、減らすものは減らすんですが、ふやすものはふやしておると、結果的には最高限度はこえないで、いまのところはいわばスクラップ・アンド・ビルドでやっておると、こういうことでございます。
#92
○片山武夫君 大体わかりました。そうすると、これは削減計画じゃないんですよね、はっきり言って。増員もいるんですよ。そうしていわゆる最高限度ですか、これをこさない範囲で運営していこう、こういうのでしょう。だから、削減計画というのはおかしいんですよ。自然減四%年間あって、そうしてそれ以下の削減計画を出して、これは削減計画でございますというのは、ちょっとおかしいのですよ。いわゆる自然減を補充しない、半分しかしないということだけなんですよ。増員は増員でやってるんだと、削減計画というのは、これはどうもちすりとごまかしのような気がするのですがね。もうちょっとわかりやすい計画内容にしてもらいたいと思うのですね、もしそういうことであるならばね。片一方で増員していくんでは、総定員は最高限度はきまっているんだぞ、それを見合いにして五%三年間で削減しますよと天下に言っておいて、人員はちっとも総ワクから変わってない。こんなばかげた削減計画というのは、私はちょっと理解しにくいのですよ。だから、表現の方法をもう少し考えるべきじゃないかと思うのですが、どうでしょう、これ。
#93
○政府委員(黒木利克君) 確かに国家公務員の数を減らすという行政整理の面と、しかし、公害その他時代の激動に伴って新しい需要があるものですから、それがたまたま現在においては削減分に近いものが増員になっておるということで、結果的には削減になっていないわけなんですけれども、しかし、これは行政需要でその増員の必要ないじゃないかということになれば、そういう時期がくれば、これは当然削減しっぱなしということになるわけでございますが、私は行政改革と申しましても、ただ、整理するだけじゃなしに、新しいそういう需要に対しては、公害問題等で当然これは増員すべきなんですから、削減するものはし、増員するものはするということで、行政の需要の消長に対応した体質改善をやっていく、こういう趣旨で行政改革をやっておるということだと思います。
#94
○片山武夫君 御趣旨はわかるんですよ。だから、必要な行政需要に対応する増員、これは当然必要でしょう。私は何も削減しろと言っていないんですけれども、たまたま政府から、行政計画として年間一・七%になりますか、とにかく三年間で五%定員を減らすんですよと言っているんですよ。ところが、一体何をもとにして五%減らすのかという問題が非常に明確でないんですね。いいですか、それでは削減しようがないじゃないですか、離職していくんだから。離職していくのを穴埋めしませんよというだけでは削減ではないんですよ、これはね。だから、無理に削減だといえば削減かもしれませんけれども、離職者の穴埋めはしない、一〇〇%しない。半分か、あるいは七割くらい補充していけば五%削減にちゃんと見合っていくんだよと、こういうことでしょう。だから、当然削減計画なんというような計画書を出さなくても自然にこれは減っていっちゃうんですよ。ただ離職者の補充をいたしませんと、何%くらいしかしないんだよというんですよ、逆に言うとこの計画はね。そうじゃないですか、だから、そういうふうに理解するならば、私はいままでの御説明はわかります。ところが、この計画書をそのまま正直に受け取ると、総定員というものがあって、上限がきまっている一それに対して三カ年で五%減らしていく、あるいは四十七年度からはさらに九%減らしていきますよということは、総定員がそれだけ減っていくんだ、これは非常にいいじゃないか、穴埋めは配置転換でやっていくんだ、これはほんとうにいいじゃないかということで考えておったことなんですけれどもね。ところがそうじゃないんですよね。需要増に対しては新しく雇っていくんだ。そうじゃなくて、配置転換をやっていってその行政需要に応じていくのだというのではなくて、新しく雇っていますよ、事実は。だから、三カ年五%とか言っておるけれども、実質的には二、三%になってしまう。こういうことです、結果的には。だとしたら、この表現方法はちょっとわれわれしろうとにはわかりにくい計画だと思うのですけれども、そうお思いになりませんか。
#95
○政府委員(黒木利克君) 確かに行政整備という観点から言えば、定員削減ということで三カ年五%というものに実質は減らしていないじゃないかという御批判は当たるわけでございますが、ただメリットとしては、先ほど申し上げました国家公務員が毎年何万名という増員要求がございまして、それをようやく一万名程度に増員を押えてきておったのが、この数年来、総定員法ができましてからその一万名という増員を押えまして、しかも現在先ほど申し上げました三千二百名は総体的に減っているんだという運営をやっているわけでございますから、いままでの国家公務員が激増しておった、各省の要求が非常に大幅であったものを現状維持程度にとどめているというメリットはあるわけでございます。確かにそういう表現方法について国民に誤解を与えるようなことは悪いのでございますが、決して羊頭狗肉ではなしに、それほど新しい行政需要が最近ひんぱんである、激しい、こういうことじゃないかと思います。だから、平常の状態になればこれはこの削減のままで増員を一つも認めないということで運営できると思いますが、まだその過渡期にございまして、社会、経済の激動というものが、やはり新しい需要をどうしても認めざるを得ないという結果になっているということで、これはわれわれの査定の努力が足りないと言われればそれまでかもしれませんが、われわれのほうは極力押えまして、スクラップ・アンド・ビルドで少なくともこの総定員をこえるような運営は絶対にしないというメリットはあげているつもりでございます。
#96
○片山武夫君 大体わかりましたが、表現の方法はいろいろあろうかと思いますけれども、国民がどう思うかということは別として、私自身、昨年、内閣委員をやっておりまして、三年間五%削減のあの内容をいろいろ説明をいただいたわけなんだけれども、私自身もいわゆる総定員数というものがきまっているんだ、それを見合いにして三年間で五%減らすという計画でございますと、こういうふうに受け取っていたわけなんですよ、正直にね。ところが、内容を聞いてみれば、総定員法を制定し、頭打ちを押える。いままであんまり人員増加要求が多いので、これは頭打ちを押えるという意味できめたんだということになってくると、総定員法の精神そのものは、私はおかしくなってくると思う、これは。そうでしょう、どうも私、頭が悪いせいか何か知らぬけれども、何かそこらでごまかされちゃったような気がする。削減計画なんておかしくて、むしろ離職者の補充を一〇〇%しないんだということなんですよ。ただ増員のほうはどんどんやっていくわけですから、必要に応じて。ただそこで総定員法を制定してあるから、これ以上にはしないんだと、こういう歯どめがある。これでひとつ目をつぶってくれということだろうと思うんですけれども、それはちょっと言い方としてはどうも私は納得しませんよ、この点は。これは数字をいじくる人に言わせれば、おそらくおかしいと言うに違いないと思いますが、政治的にいろいろ表現のあれはあろうかと思いますけれども、ちょっと理屈に合わぬと思うんですよ。だから、もう少し何とか計画の内容については、もう少し十分な説明をいただかないとわからないんで、私、いまようやくわかったわけなんですけどね。だから、何か三年間で五%減っていく、そしてさらに三年間で九%減っていく。五十万幾らのうちから七万幾ら減っていくわけですね。そうすると、総定員法の頭打ちの、いわゆる六十万なんというのも変えなければいけないのではないか、こういうことになるんですよ。それは逆だと、どんどんもっとふえそう、だから六十万ここでもって一本線を引いて、そこで押えちゃうんだと。その中で、幸い離職者がいるから、これは何名は削減方針の中で何とか削減しつばなしにしておくんだということで、何%しか補充していかない。片方はどんどん増員を認めていく、しかし限度がありますよと、こういうことなんでしょう。何かそういうふうにわかりよく、いまのようなお話ならばわかるんですが、どうもこの計画の内容を見ていくと、私はそういうことに理解しておりましたので、えらい失望しておるわけなんですけれどね、この点どうも納得しないな、私は。ほかの人は納得しても、私はどうも納得し切れないんですよ。
#97
○政府委員(河合三良君) ちょっと政務次官の説明、補足させていただきますと、三点申し上げますが、第一点は、削減計画とはおかしいというお話がございまして、そういう見方も確かにあるかと思いますが、ただ昭和四十三年までの状況を見ますと、これは削減計画がございませんで、増員計画だけでございました。そのために、毎年七千人、あるいは一万人ぐらいふえておった。そういう意味で今度は削減計画をつくる、今度は増員のほうは従来どおりこれはもちろん必要なものはつける、そういう意味での削減計画でございまして、まあ四十三年までそういう計画がなかったということに対比していただきますと、削減計画という意味があるいは御理解いただけるかと思います。
 それから第二点は、これは欠員あるいは離職者の不補充と同じではないかというお話でございましたが、これは実はいささか違うと存じております。これは、欠員不補充ということは、従来も、昭和四十二年までにも何回か行なわれたわけでございます。欠員不補充ということになりますと、欠員あるいは離職自体が、どうしても一般傾向として減っていく傾向がございます。これは、やはり四名離職すれば、その欠員五割不補充でございますれば二名補充になる。二名欠員になれば一名で済むということでございまして、それぞれやはり行政庁のお立場では、なるべく定員の多いほうが仕事がやりやすいということで、一般的傾向として、離職の数が減っていくという傾向がございまして、今回の削減計画はそうではございませんで、これは各省の職種からいろいろ考えまして、それぞれの職種から考えまして、ウエートが違う。総体として五%は落とすんだということをきめております関係上、離職の数がどうなるということはございませんで、離職の数がどうであろうと、五%は落とす。しかしながら、通常それに十分対応するだけの離職はあるので、それは実行可能であるという意味に御理解願いたいと思います。
 第三点は、総定員法の趣旨でございますが、これはもちろん天井を押えまして、それ以下に押えるという意味はございますけれども、と同時に、一つの一番大きな意味は、各省別の定員が法律で定められておりましたものを、これを政令で定めることができるということにしていただいたわけでございまして、その結果、先ほど申しましたように、農林省から千百三十三名減らす。従来でございますと、法律改正をいたしませんと、厚生省にあるいは文部省に人間が集まらなかったわけでございます。総定員法を制定いたしましたおかげで、政府部内で千百三十三名農林省から減らしたものを、厚生省なり文部省に十分政令で移せるということになっておりまして、この辺非常に弾力化、機動化しているわけでございます。そういう点が、総定員法では大きな趣旨だと思っております。
#98
○片山武夫君 御説明の趣旨はよくわかりました。たとえば欠員不補充という意味はこういう意味でございますね。私もそのことばの意味はそのとおりだと思いますけれども、しかし実際問題、いろいろ検討してみると、ことばの使い方は別として、結果的には削減計画どおりこれは人員が減るんではなくして、やはり大ワクをこさないという範囲内においての一つの操作を行なうんだということのように承りましたので、私、そういうふうに理解いたします。
 そこで次にお伺いしたいのは、行政監理委員会あるいは委員の方々から、いろいろと意見が出されておりますね。この前もちょっと行政監理委員会委員のほうから答申になった内容について、質問したことがあるんですけれども、あれは委員の意見だということで一蹴されてしまったわけなんだけれども、行政監理委員会、正規の開催、最近どのくらいやっておられますか。
#99
○政府委員(黒木利克君) 毎週水曜日に一回ずつ、行政監理委員会を開催をいたしております。
#100
○片山武夫君 委員会が開催されていながら、これは新しいんでは、四十五年三月ですか昨年の五月に、監理委員として六名ですか、答申がありましたね。なぜこういうことをする必要があるんでしょうか。委員会で論議されない内容はもちろんあると思いますけれどもね、委員会として政府に出さなくて、この六人なら六人の人が単独で意見を出す、こういうようなことは一体どういうことなんですか。
  〔副主査退席、主査着席〕
#101
○政府委員(黒木利克君) 御承知のように行政監理委員会の委員長は、行政管理庁長官がやっておられまして、長官は内閣の構成員でございますから、行政監理委員会の決定といいますか決議は、政府として大いに尊重しなくちゃならぬということになっております。そうなりますと、行政監理委員会の委員長が参加した行政監理委員会の決議というものを、内閣は尊重しなくちゃならぬということですから、行政監理委員会の委員長は、閣議でこれを実現するように大いに主張しなくちゃならぬということになります。しかしこの内閣各省同士の、各省とのいろんな調整とか、いろいろ時日を要する問題が非常に多わいけでございますが、そうなりますというと、いわゆる時日に間に合わぬというような事態もございまして、そういう場合には、委員長を除いた六人の委員が意見を発表する、こういうような慣例にいままでなっておるわけでございます。したがいまして、行政監理委員会の委員長が内閣を構成する長官であるというところに一つの問題があるんでございますが、いまの状況では、運営上これはやむを得ないことではないか。しかし、委員長が参加しない、これは六人の委員ということなんですが、意見も、民間の学識経験者の意見として大いに尊重するということで、運営はいたしておりますけれども、いまの委員会の制度では、どうもそういうような運営をせざるを得ないという状況でございます。
#102
○片山武夫君 いまお話ありましたように、週に一、二回、ずっとやっておられるんでしょう、委員会を。これには委員長は出ておられないんですか。
#103
○政府委員(黒木利克君) 大体において出席をいたしております。
#104
○片山武夫君 そうすると、昨年の状態ではやはり委員長は出ておられたわけですね。
#105
○政府委員(黒木利克君) そうでございます。
#106
○片山武夫君 そこで意見が、おそらく同じような意見が出されるのだろうと思うのですけれども、それがどうして委員会として出されないで、この六人委員会として出してきたのですか。いまお話しあったわけなのですけれども、内容はそんなに変わっていないのですからね。委員会のでなくて、むしろ昨年の閣議決定ですか、行政改革についての閣議決定がありますね。あの内容とあまり違っていないわけなのだけれども、どうしてそういうふうな差別をつけるのか、私はちょっと理解しにくいのですが、この六人の方の意見を聞いてみないとわかりませんけれども、この前もこの委員会の委員長が荒木管理庁長官であるとこういうことなので、この委員会の決定については長官自身責任を持つのだろうと、したがって、この委員会の決定については委員長として、また長官としての責任があるのだし、その実施については、これはもちろん閣議において決定していくだろうけれども、相当重大な責任を持っているのではないかということを聞いたことがあります。ところが、いま私が聞いてみると、その委員会には委員長が出ておられるわけですね、にもかかわらずこの六人が六人で何か意見をまとめて出すという形はこれは好ましくないのですよね。むしろ正規のルートを通したらいいではないか、こう思うのですけれども、その辺のいきさつはどうなのですか。
#107
○政府委員(黒木利克君) 実は行政監理委員会の意見を政府としては尊重をしなければならないというたてまえですから、尊重するとなると委員会の意見を実現しなくちゃなりません。しかし、この行政監理委員会で特に行政機構の改革とか事務の簡素化とか、あるいは人員の削減とかいうような問題は各省にとっても重大問題でございまして、各省と一応の話し合いがつかないと、それを閣議へ持ち出した場合に、それが否決されたということになりますと、これはまあ長官の権威にもかかわりますし、したがいまして、意見を尊重しなくちゃならぬというたてまえから言うと、各省とやはり話し合いがつくような準備期間も要るわけでございます。単に委員会で決議があったから閣議へそれを持ち出せばすぐきまるというような問題なら別なんでありますが、各省のいろいろな重大な関心の問題も非常に多いものですから、そこで結局各省と調整をするのに時間がかかり、そうしていると時期を失する、こういう問題がございまして、そういう場合には長官である委員長は除きまして、残りの六人でとりあえず意見を出す、こういうようなことをやらざるを得ないという現実でございます。それで行政監理委員会を尊重する、意見を尊重するあまりに、その意見を実現するためにはやはりそういうことをやらないと、委員長として閣議へそれを持ち出した場合に、なかなか実現が容易でない、困難だというときには、もうとにかくとりあえず六人の委員で世間にそういうことを発表しよう、こういうようなことにならざるを得ない、こういうことが真相でございます。
#108
○片山武夫君 そうしますと、この六人委員といわゆる委員会との関係はまあわかったことにしましょう。そういうことだと思いますけれども、この委員会の意見というものは、委員としてまとめたこの意見が委員会として取り上げられない理由として、まだ各省庁間の調整のとりつけができないために延びておると、こういうことになろうかと思いますが、そうすると、この中でいろいろ意見が出されている中で、いま行政委員会で決定した事項というのは幾つございますか。今度の閣議決定でも二、三ありますね。これはいつになりますか。十一月二十日の閣議決定で「行政機構の簡素合理化の推進について」という中に、特に特殊法人について二、三統合整理をするということが言われておりますけれども、これは何種類あるのですか、この閣議決定で決定されたいわゆる特殊法人の整理統合の対象になるもの。
#109
○政府委員(河合三良君) お答えいたします。十一月二十日の閣議決定は、これは二つの部分がございまして、第一は国家行政組織法等の改正、第二は地方支分部局等の整理再編成ということでございまして、この地方支分部局の整理再編成の中で、地方支分部局と特殊法人と二つに分かれて掲げてあるのでございます。で、地方支分部局の点につきましては、先ほど御指摘の行政監理委員会の六人委員の御意見の中で、たとえば地方出先機関、支分部局を再編成するという趣旨に合っている点がかなりあるかと思っております。特殊法人につきましては、これは十一月二十日の閣議決定によってこれを具体化したということは、まだ現在の段階ではなっておりません。特殊法人につきましては、従来閣議口頭了解で九つの法人につきまして処置が決定いたしております。このうち済みましたもの、残りましたものが三つほどございますが、それにつきまして今後この閣議口頭了解のとおり処置するということをきめてありまして、そのほかに、新しく検討をすることにはなっておりますが、まだ閣議決定には至っておりません。そこで、ただいまの地方支分部局等の整理再編成の具体的な事項は、昨年十二月二十二日の閣議報告でなっておる一わけでございます。
#110
○片山武夫君 行政監理委員会の第一次答申が、これは委員会の答申ですか、四十二年にたしかあったわけですけれども、行政監理委員会としてこの行政改革、特に特殊法人に対する改革意見、これ以降に何か委員会としての改革意見というものは出されておりますか。
#111
○政府委員(黒木利克君) 出されておりません。
#112
○片山武夫君 そうすると、これがあまり進行しないで委員の意見として同じようなことが再三再四出されている、こういうことになりますね。そうすると、この第一次のいわゆる委員長が入った委員会ですね、これの意見というものがどこかへ行ってしまって、そうしてこれよりも何か変わった形で委員の意見として出されている。しかし、一方においては委員会はしばしば持たれている。こういうことになってくると、どうもわれわれ理解しにくくなってくるわけなんですが、特に第一次特殊法人に関する意見というのは、これは相当数あるわけですけれども、このうちで処理されたもの、あるいは処理されていないもの等、一応数はあがっておりますけれども、当面やられていない問題について今後の計画等がいわゆるこれは委員会としてではなく、閣議決定によって具体的に推進されていこうとしているものがあるのかどうか、この点ひとつお尋ねしたいと思います。
#113
○政府委員(黒木利克君) 四十五年の三月四日と十一月二十五日にいわゆる六人委員の意見というものが出されておりますが、現在私のほうで検討しておりますのは、現に処置をきめているものが四法人ございます。それから実施中または検討中のもの、それから現状のままでよいと認められるもの、それから直ちに結論を出すことが困難と認められるものというふうに分類をいたしまして検討をいまいたしているところでございます。詳細につきましては、局長からお答えいたします。
#114
○政府委員(河合三良君) お答え申し上げます。ただいまの四十二年の八月の行政監理委員会意見に対しまして、四十二年十月十一日及び四十二年十二月十五日、二回にわたりまして閣議口頭了解がございまして、九つの法人の整理を閣議で口頭了解いたしております。これはいずれも第一次のただいま御指摘の四十二年八月の行政監理委員会の指摘に含まれているものでございまして、第一次の指摘につきましては、少なくとも、この九法人につきましては政府として態度を決定いたしまして、そのうち五つにつきましては、これはすでにその整理を完了いたしております。また、四つにつきまして、すでに日限を、年を、たとえば、四十七年度に行なう、あるいは四十八年度に行なうということを決定いたしておりますものと、それから現在その整理が進行中のものと、四つ残っておりまして、ただいま政務次官から申し上げましたように、すでに閣議口頭了解において措置をきめているものの四つというものがそれに当たるわけでございます。でございますから、第一次の監理委員会としての意見につきましての政府の態度は、四十二年十月及び十二月の、九つの法人に関する閣議口頭了解で一応の決定はいたしているということになっております。
 また、四十五年三月及び十一月の行政監理委員会の六人の委員の意見につきましての処理につきましては、ただいま政務次官から御報告申しましたように、四十二年の閣議口頭了解に基づくものがまだ四つ残っておりますのと、それから、そのほかに実施中、または検討中のもの、あるいは現状のままでいいと認められるもの、あるいは将来の課題としては検討するが、当面は現状のままでいいと認められるものというように分類をいたしまして、それぞれについて検討いたしておる次第でございます。
#115
○片山武夫君 現状のままでよろしいのと、現状のままでよろしいが将来検討すると、この分だけちょっと……。
#116
○政府委員(河合三良君) 現状のままでよいと考えられるものといたしましては七法人を考えておりまして、高圧ガス保安協会、それから日本消防検定協会、日本電気計器検定所、漁業共済基金、日本、蚕糸事業団、首都高速道路公団及び阪神高速道路公団の統合、京浜外賓埠頭公団及び阪神外貿埠頭公団の統合ということでございまして、これはいずれも、全く無条件で現状のままでよいということではございませんで、いろいろ内容につきましては検討の上、たとえば、蚕糸事業団でございますと、蚕糸特別会計と統合したというようなこともございますし、あるいは首都高速、阪神高速の問題につきまして、また、京浜外貿埠頭公団、阪神外貿埠頭公団につきましては、建設が終わったあとの管理については、別途の考慮があるのじゃないかということはございますが、そういう条件はございますけれども、大体において、当分の間はいまのままというものでございます。
 それから、当面は現状のままでよいが、将来の課題として検討するというものにつきましては、これは――失礼いたしました。ただいま申しましたものが、現状のままというものと、それから将来の検討ということと両方のものにかかるものでございます。
#117
○片山武夫君 両方の内訳は。
#118
○政府委員(河合三良君) 初めに申しました高圧ガス保安協会、日本消防検定協会、日本電気計器検定所、漁業共済基金、これは大体現状のままでいいのじゃないか。
 それから、蚕糸事業団につきましては、先ほど申しましたように、すでにある種の措置を講じております。それから、道都高速道路公団、阪神高速道路公団の統合、京浜外貿埠頭公団、阪神外貿埠頭公団の統合につきましては、今後の推移によって検討を加えるべきものということになっております。
#119
○片山武夫君 そうすると、この中にある電源開発はどのほうに入っておりますか。
#120
○政府委員(河合三良君) 私、先ほどちょっと一つ言い落としまして、意見について直ちに結論を出すことが困難と認められるものというものをもう一項目考えておりまして、これは、森林開発公団、電源開発株式会社、環境衛生金融公庫、それから医療金融公庫、年金福祉事業団及び社会福祉事業団の統合、それから糖価安定事業団と畜産振興事業団の関係、海外移住事業団、これを現在直ちに意見を出すことが困難と考えられるものというものに含めております。
#121
○片山武夫君 特に電源開発株式会社ですね。これは、委員の意見としては、何か相当大きな融資をつけない限り存続価値はないのだと、こういったような意見が含まれておるわけなんですね。その点についての対策は何かまとまっておりますかどうか。
#122
○政府委員(黒木利克君) 実は、電源開発株式会社は、行政監理委員会の御意見では、株式の民間譲渡ということについて述べられておるのでありまして、先生のおっしゃる国の出資をふやせというのは、日本鉄道建設公団ではないかと思いますが、これにつきましては、国の出資の割合を逐次いま増加をしておるという状況でございます。
#123
○片山武夫君 民間資本をふやすという話を聞いておりますけれども、委員の意見としては、これは政府が低金利の融資について抜本的な施策を行なわない限り当社を存続させる理由はないと、こういうふうに意見が出されておりますね。したがって、それについて何か対策を講じておられるのかどうか。
#124
○政府委員(黒木利克君) 電源開発株式会社につきましては各種の論議が行なわれておりまして、先ほど先生のおっしゃいましたように、国家的見地から低利の融資も行なっているかどうか、そうしない限りは廃止せいというような御意見も出ておるわけでありますが、一応、電力に関する基本政策に関する問題でございますから、関係省において研究もしておるようでございますが、先ほど申しましたように、当面の措置としては、株式の民間移譲というものがいいのではないかというので、四十五年度にこういうような民間移譲の措置を進めてきておるという現状でございます。
#125
○片山武夫君 そのほかにいろいろ問題になる点があろうかと思いますが、ただ、ここにこういうふうにいわゆる特殊法人の改革意見がこう出されておりまして、それぞれ対象になっている法人が面くらっているのじゃないかと実は思うのですよ。だから、こういうものをあんまり長くたなざらししておくと、その法人がやはり意欲を失ってしまう心配があるので、早急に、これはもう意見は出されていても、廃止するとか、あるいは再検討して内容をどうするとかいうような答えは至急に私はすべきだと思うのですね。そうしなければ、やはりやっている御本人たちが非常にこれは意欲をなくしてしまうと思いますので、その意見の取捨選択については、行政管理庁としては、十分慎重に、取り上げる、取り上げないを早急にきめる、あるいは再検討ということに早急に取りきめる必要があるのではないかと、かように考えるのですが、このことはこの前、荒木長官にも申し上げたのですが、なかなかこれは各省庁に関係のあることだし、また、本人自体の問題もあるし、なかなか早急にはきめられぬのだというお答えがありましたけれども、それではやっぱり対象になっているところは困ると思うのです。そういう意味で、これはなるたけ早く結論を出すべきではないかと、かように考えるわけなんですが、これはいかがでしょうか。
#126
○政府委員(黒木利克君) 確かに御意見のとおりでございまして、したがって、昭和四十五年十一月二十日の閣議決定におきましても、特殊法人の再編成の問題に触れておるわけでございまして、御意見の趣旨に沿うて極力この検討を急ぎたい、実施をしていきたいと思っております。
#127
○片山武夫君 ちょっと質問は戻りますけれども、行政管理庁としてこういった整理対象、いわゆる統合対象になっている行政機関ももちろんですけれども、この委員会で審議している法人等の内容等について、いわゆる管理庁として直接にその実態を調べて、そして意見どおりだとか、いや意見は違うんだといったような内容について実地にお調べになっているのかどうか、その点ちょっと……。
#128
○政府委員(黒木利克君) 事業団につきましては一応調査が終わりまして、本年度から公団についての監察を、調査を実施したいという計画でおります。
#129
○片山武夫君 その中で、まあいろいろこういった委員会から意見が出されている。それについての妥当性なり不当性なりいろいろあると思うんですがね。そういうのは、中心的に取り上げて早急に実地を調査して結論を出すというような方法はとれないんですか。
#130
○政府委員(黒木利克君) 先ほど申し上げました十一月二十日の閣議決定が特殊法人について触れておりますが、これは日本学校給食会、漁業協同組合整備基金、日本てん菜振興会について閣議口頭了解のとおり措置せよと、そのほか設立目的を達したと思える法人なり、あるいは社会経済情勢の変化等に伴い存続の必要性の乏しい法人を整理せよと。それから、類似の業務を営む法人を統合せよという決定がございますから、行政管理庁としては、その決定の趣旨に沿いまして検討をいま急いでおるところでございます。
#131
○片山武夫君 これで最後にしますけれども、こういうふうに監理委員会から意見が出されたり、あるいは閣議でいろいろこういう問題を取り上げて決定をするわけですけれども、先ほども言いましたように、管理庁長官が委員会の委員長である。そうすると、この委員の方々も、そうかけ離れた意見を出してきても、長官によって私は調整されていくものと、こう思うのですよ、各省庁の状況をよく知っておられるわけだから。したがって、その取り上げ方も、そういう意味の上において十分調査をやっぱりされたものが結論として、これがいいんだというふうに出されてこなければならないと思うのですけれどもね。何か意見が出されっぱなし、答申はされっぱなし、ちっとも進まないと、何か各省庁ではえらい反発をしていると、こういったようなことでは、これは結局世間を騒がすだけで、何も効果があがらないと思うのですね。出した以上は、これはやっぱりいつまでにやるのだと、こういう実情を把握してやれるのだという実情を把握してもらわないと、先ほど申しましたような対象になったところはてんやわんやだと思うのですよ。そういう意味で、この取り扱いはもっと私は慎重に扱うべきではないかと、かように考えます。
 したがって、せっかくある法人ですから――なくてもいい法人は早くこれはなくして、そしてほんとに真剣にその仕事に従事できるようなことにしないことには、これは政府の指導性というものは全然ゼロになって、逆に何か百家争鳴的な状態を政府自身がつくり出しているようなことでは、これは業績があがっていかないと思うのですよ。そういう意味で、ひとつこの点は慎重にお取り扱いを願いたい、かように希望いたしまして私の質問を終わります。
#132
○峯山昭範君 私は、交通安全という面から質問をしたいと思います。
 初めに、建設省の局長さんに、先ほどお伺いしましたけれども、まず、都市計画における道路の占める割合といいますか、道路の考え方ですね。非常に抽象的でわかりにくいんですが、道というものはどうあるべきかという――これもちょっとまた答えにくいと思います。
 もうちょっと端的に言いますと、要するに、都市計画を立てる場合には、やはり一つは道をちゃんとつくるということだと、私は思うのです。道をちゃんとつくるんですが、確かに地元の住民の人たちがその都市計画を見て、現在、自分たちが非常に不便である。だから今度新しく道ができ、隣のほうにも渡れるようになり、便利にはなります。しかしながら、長い目で見た場合ですね、非常に不便であるという場合があるわけです。非常に抽象的ですから、あとで具体的に言うつもりではいるのですが、抽象的でわかりにくいと思うのですが、道路というのはどうあるべきなのか。もっと端的に言いますと、道路をまっすぐにつくってきた。そうしまして、前に障害物があったとしますね。障害物があって、その先にはまたまっすぐ道があるわけです。こういうふうな場合ですね。都市計画がこの障害物を除くことになっていなかった。道路はここで終りと、向こうから来た道は右側のほうへぐるっと曲がっていく、こう曲がってこっちへ入ってくる。こういうようなことが現実にあるわけなんですね。そうなった場合ですね。これは道という考え方に立った場合、どうあるべきなのか。道というのは、私はできるだけ最短距離をすっと結ぶという考え方がしかるべきじゃないかとも私は思うのですがね。ここら辺の道に対する、都市計画上における道というものの考え方ですね。これはどういうぐあいにあるべきですか、ややこしい質問で申しわけありません。
#133
○政府委員(高橋国一郎君) 都市計画につきましては、建設省の都市局の所管になっておりますので、私、実は詳しく存じませんが、たまたま街路課長が列席しておりますので、お許しをいただいて、街路課長にお答えさしていただきたいと思います。
#134
○説明員(今野博君) ただいまの御質問非常にむずかしい問題でございまして、最後のほうにお話ございましたように、道が途中まで行って何か障害物にぶつかったという場合にどうすべきかというお話でありました。これはやはりいろいろな場合場合で結論は、答えは変わってくると思いますが、まあ常識的に申しまして、先生おっしゃるように、できるだけ短距離で結ぶというのが最も経済的でもございますし、効率的なことであろうと思います。ただ、その障害物がもういかにも撤去しにくい障害物でございましたり、それを越すには相当な高さで越さなければならぬとか、いろいろな具体的な問題が出てくると思います。やはりケース・バイ・ケースで考えていきたいと思っております。
#135
○峯山昭範君 いま課長からおっしゃいましたように、確かに最短距離をぽんと結ぶのがやはり一番いいだろうと私思うのですね。その障害物を越すに当たって、要するに、何といいますか、非常に撤去が困難であるとか、いろいろおっしゃいましたけれども、その障害物が最近ぽんとできたということになると、これまた話は変わってくるわけですね。もとはなかったのですよ。それで道がずっとできてきたわけです。もっと具体的にいいますと、写真をちょっと見せますけれども、見てほしいのですよ。、これ見てくれませんか。ちょっと、こう道ができてきたんですね。道ができるのと同時に大体同じくらいのあれで、その建物も、六階建ての建物ができたのです。私、実はきょうも失敗でした。先ほど大臣に聞こうと思ってたんですが、きょうここへ大臣が出てくるものだと思って失敗したのですがね、先ほど聞けばよかったんですがね。そういうふうな場合ですね、どうですか。
#136
○説明員(今野博君) 具体的にこの写真はわかりかねますが、何か道路改良をやっている先に建物が建ってきたという、そんなふうな写真だと思います。場所は、これは御堂筋でございますか。
#137
○峯山昭範君 いや違います。まあどこかです。
#138
○説明員(今野博君) あるいは首都高速とか阪神高速か、そんなところでございますか、違いますか。
#139
○峯山昭範君 いやいや全部違いますよ。
#140
○説明員(今野博君) これは何かちょっとよくわかりませんが、計画決定の中では、こういうことはあり得ないことでございます。おそらく道路にきまっておらない場所に、こういう建築物ができたものと考えられます。
#141
○峯山昭範君 私は、実はその家が法律に違反しているとは思わないのですよ。やっぱり建築確認も出してちゃんとやっているんでしょうからね。けれども、これは理論的に私たちが考えた場合に、現実に道のまん中に家が建っている感じなんです。たとえば、道路局長さんが道をつくる場合、計画を立てる場合、少なくとも、道をつくるからにはやっぱり長期的な計画を立ててやるんだろうと私は思うんです。そういうような場合、非常に私はそういうふうな建て方をされると、これは交通安全という面から考えてみても非常に不合理であり、もっと端的に言いますと、もっとわかりやすく言いますと、実は写真があるんですけれども、その写真を見せるとちょっとまずいので出さないのですが、あとで見せます。こう行きますと突き当たりまして、この道にその家があるものですから、車もこう来て、そこの道の家の手前をこっち側へ行きまして、向こう側を回って家の向こう側へ出てくるわけです。それでこうまっすぐ来るのです。この家さえなければすっと行けるわけです。こういうのはあまり好ましくないと思うんですが、どうですか、課長さん。
#142
○説明員(今野博君) こういう事例は全国で私もだいぶ見ておりますが、土地区画整理事業で街路をつくる場合には、往々にしてこういう事例は多うございます。といいますのは、区画整理で新しく道路をつくります場合、土地換地で移動いたします。そういう場合には、たまたま工事中には道路にこういう建物がじゃまになっておるかのごとき感を呈する事態がございます。しかし、それは区画整理が終わりますまでには、建物は移動して所期の道路ができ上がるというふうに私ども考えております。
#143
○峯山昭範君 あれね、違うんですね、課長さん。最近できたんです、その家。あなた移動すればへこむなんという考えでしょうけれども、動かぬのですね、これは。いまできたところなんです。要するに、家のほうがあとからできたんですね。そういう例がたびたびあるとおっしゃいますが、ほんとうですか。これは要するに、道のまん中にほんとうに家が建っている感じなんです。私は法律に違反しているとかなんとか、そんなことを言っているんじゃないんですよ。確かにこれは向こうに行ってみてごらんになれば、写真は実は何枚もいろいろあるんですが、その写真を見せると差しさわりがあるので見せないのですが、ほんとうにこれは問題なんですよ。
#144
○説明員(今野博君) 何か場所がわからずにお答えを申し上げるのは非常にお答えしにくいのでございまして、できれば教えていただければ幸いでございます。
#145
○峯山昭範君 じゃもう一枚見せます。もうちゃんと反対側から今度写したやつ見せますから……。これを見たほうがちゃんと入っているんですね、名前が。だからこれはかなわぬわ、ほんとに。
#146
○説明員(今野博君) 大体場所も見当つきましたが、これは別にどこか道路敷になっておるところのものでもございませんし、別に違法な建物であるとも思っておりませんが、おそらく道路の効率上から見ましても、別にかまわないところではないかというように考えます。
#147
○峯山昭範君 あなた、その写真を見て急にそんなことを言い出しましたけれども、あなた、道路効率上何でいまのこれがいいと言うのですか。おかしいね、その建物がなかったらすっと行くのですよ、まっすぐ。確かに私は法律上おかしいなんて一言も言ってない。確かに自分の土地に建てたのでしょう。あなた、そういうふうにおっしゃるからには、確かに、絶対間違いないという資料を全部調べて、その土地の建物が一体だれの建物で、土地はだれの土地で、なぜそういうことになったのか、将来も絶対そのほうがいいのか。私はあなたにそんなことを言うつもり毛頭ないんです。実はきょうほかのことをやろうと思って、実は参考までにそういう場合のことを聞いただけです。あなたにそのことを言って追及しようなんで一つも思っていない。ほかのところでやろうと思っています。写真だけとりあえず見せたいと思って言っているわけです。ですから、そういうふうな場合、私はほんとうにその地元の人たちがそのことに対してそんなに不平不満を言っているなんということはまだ一言も言っていない。それにもかかわらず、そういう事例がいろいろあるとか、また法律に違反してないとか、私は違反しているなんて言ってない、まだ一言も。それを考えた場合に、やはり将来の都市計画なんというものを考えてみると、まずいのじゃないかという話をしている。どうですか。
#148
○説明員(今野博君) これはよく実情を検討いたしましてお答えをいたしたいと思います。
#149
○峯山昭範君 まあいずれにしましても、きょうは総務長官がいらっしゃいますから、総務長官は総理大臣の代理でございますからね。そこで一ぺん見てください。どうですか、これ。現実に……。
#150
○国務大臣(山中貞則君) これは建設大臣……。
#151
○峯山昭範君 まあいずれにしましてもきょうは建設大臣がおりませんので、またあらためてやりますけれども、課長、この土地の持ち主、建物の謄本、それからここの詳細にわたる都市計画、それから将来のここら辺の都市計画の見通し等、全部そろえて出していただけますか。
#152
○説明員(今野博君) そのようにいたします。
#153
○峯山昭範君 この問題はそのくらいで終えておきまして、また後ほどあらためてやりたいと思います。
 それから道路局長さん、先ほど交通の委員会で人間優先ということがずいぶん出てまいりました。車と人間とどちらを優先して今度のいろんな予算等を取っているかという問題が出てまいりまして、全部人間が優先であるという話になりました。ところが実際問題、私がいろいろ調べてみましたところ、ほとんどのものが人間優先になんてなっていないわけです。
 きょうは局長さんはちょっと聞いておいてほしいのですが、初めに文部省の方、来ていますか。――まず、文部省は交通安全ということについてはどういうふうな対策を講じていらっしゃるのですか。特に、学校教育においての交通安全教育といいますか、そこら辺のところ、簡単でけっこうでございますから、教えてください。
#154
○説明員(橋本眞君) 学校における交通安全教育でございますが、一番、根本的には自分並びに他人の生命を尊重するという見地から、児童生徒の発達段階に応じまして交通安全教育を行なっております。
#155
○峯山昭範君 簡単に言うてと私言いましたけれども、ほんとうに簡単ですね。もうちょっと何か実のある答弁がほしいのですがね。
 ここに、私は、何といいますか、「文部省交通安全手びき書準拠」というこれを見たことありますか。「みんなのあんぜん」、こういうようなもの見たことありますか。ちょっと見てほしいのです。これをひとつ見てほしいのですがね。いま歩行者の事故とか、自転車の事故が非常に多い。特に、歩行者の事故を半減さぜるということで、建設省をはじめ交通安全という点では相当力を入れていらっしゃる。この中に自転車の問題も出てきます。ここに、おたく見ればわかると思うんですけれどもね。「ここに ある のりかたは、よいのりかたですか、わるい のりかたですか。」とここにありますね。どうですか、ちょっと見てください。ここに自転車に乗っている絵が幾つも出ております。これはよい乗り方であるか悪い乗り方であるか、そこに「あぶない のりかた」という注釈づきで出ているのですがね。
#156
○説明員(橋本眞君) 悪い乗り方を羅列したような感じのものであろうと思うんです。
#157
○峯山昭範君 これは副教材ですから、採用しているところと、採用していないところとあると思うんです。――それじゃもう少し見てもらいたいのですがね。あっちこっちめくってもらえば全部わかりますが、これは「自転車のまがり方」といってあるのですがね。これは悪い乗り方といまおっしゃいましたね。この悪い乗り方の中に、たとえば子供が片手をはなして乗ってはいかぬという指導をしていらっしゃるわけです、この中では。ところが片方は、道を曲がるときには、右側へ曲がるときには、右の手をこうして乗りなさい、それでこっち側へ曲がるときにはこうしなさい、前のページには、片手で乗ってはいかぬという絵がちゃんと載っておる。その次のところではこうせいと出ている。ちょっとおかしいと思うんですよ。そう思いませんか。まだ、もうそういうところはものすごくよけいあるのですよ。こういうようなことについて、私は、ことしの予算は交通安全指導の緊急推進という面が非常に少ないと思う。こういう点についても、また実際問題、私は交通安全ということについて、特に文部省は消極的じゃないか、こう思ったのですが、ですから、こういう点についてはどういうぐあいにしていらっしゃるのか。これを見た児童のほうはかえって戸惑いますよ。これはどうですか。
#158
○説明員(橋本眞君) 私、先ほど簡単と申されましたので、きわめて基本的な点だけを申し上げましたのでございますが、交通安全教育につきましては、各教科――学校には教科というものと、生徒指導というのがございまして、教科のほうでは、社会科とかあるいは保健体育科等を中心にしまして、交通問題とか交通事故の原因とかあるいは現状とか、そういうことについての知識を与えますほかに、あるいは特に交通安全教育――これから先は生徒指導という時間になりますのですが、特別教育活動と申しておりますが、その時間では、実地訓練とか、あるいは正しい自転車の乗り方とか、そういうふうなことを教えております。
 それからまた、それのための一応、先生の教える場合の手引き書といたしまして文部省では「交通安全指導の手びき」というものを刊行いたしまして、それによっていたしております。いま先生お出しになりましたのは、それはおそらく副読本であろうかと思いますが、私いままで見たことがございませんでしたが、「交通安全指導の手びき」におきましては、たとえば、曲がり角へ来た場合、一たんとまってそこで安全を確認して曲がる、あるいは交通のあまりひんぱんな危険なところでは自転車は乗るなとか、あるいは押していけとか、そういうふうな教え方をいたしております。そして、それに基づいて大体指導なり何なりがなされておるということを私は考えております。
#159
○峯山昭範君 いまいろいろおっしゃいましたけれども、ほんとうは私は、きょうは局長さんに出ていただきたかったのですが、ところが文部省の中では、あなたが一番こういう関係では優秀な人である、私よりずっとすごいというのできょうは来ていただいたわけですけれども、実際問題「交通安全指導の手びき」、これはおたくから出しているわけでしょう、この本は。こんなものを見たってわからないですよ。特に、小学校の先生というのは女の先生が多いわけですよ。そういう場合、ほんとうに女の先生が実際に交通安全の教育をできるか。私は、やはりこういうふうな副教材に基づいてやるのだと思うのですよ。こういう副教材というのは、非常におかしな点がずいぶんある。たとえば、もうちょっとあげましょうか、幾つもあるのですがね。「おうだんほどうでは、うんてんしゅさんの 目を 見て、じどうしゃがとまるのをたしかめてから わたりましょう。」、要するに、そういう運転手さんの目を見て渡れというのがずいぶんあるのですよ。そのあとで注釈はついてはおりますけれども、子供は非常に単純ですよ。目を見て渡れというと、初めから終わりまで運転手さんの目をずっと見ておる。そういうのがそのほかのところにもあります。これはいまのは低学年の二年生のものですが、これは高学年のほうにも非常に出ている。そういう点、やはりこういうふうなものの監督というか、それはどうなっているのですか、こういう専門の人はどっかにいるのですか。そこら辺のところはどうですか。
#160
○説明員(橋本眞君) 副読本関係につきましては、特に、文部省のほうではいま申しました手引きというふうなことで示しまして、それから先の副読本につきましては、どういうふうにその手引きに基づいてやるということだけは一応指導はいたしております。ただ、その手引きが非常におかしいというふうな場合には、私のほうで指導をするということになろうかと思いますが、大体いま先生がおっしゃいましたように、文部省のほうでつくっております。「交通安全指導の手びき」は非常にわかりにくいということでございまして、現在小学校、中学校合同で一冊ということでつくりましたものでございまして、つくりましてから相当に年数もたっておりますので、実態等に合わせまして現在小学校用の安全指導の手引き、それから中学校用の安全指導の手引きというものの改訂をいたしております。そういった改訂の際に、いま先生のおっしゃいましたことも十分観点に入れまして改訂をいたしたいと思っております。
#161
○峯山昭範君 それから私はもう一点、まあこういうふうな副教材は文部省は監督も何もしてない、しようにもしようがないと思うのです。する人がいないのだろうと思うのです。実際こういう本を読んでみますると、車と人間とどっちが優先するかということになりますと、完全に車優先なんです。全部もう車が完全にどこを見ても優先しているわけです。たとえばいろいろあるのですけれども、「せまい道路で車にであったときは、一れつになって、道路のはしによける。」、これは読んでいると確かにあたりまえみたいなことでありますけれども、車が来たら一列になってよける、道は車が通る道だという、人間はよけいに通っているのだから――まあそんなことはありませんけれども、だから車が来たらよけるのだという、そういう感覚なんですね。ここに書いている感覚というのは全部こうなんです。特に、小学校の低学年に対する指導、これはおたくのほうもそうですよ。ですから、車が優先ということになっている、みんな。車は危険だからよけましょう、そういう感じ。道で遊んではいけない、なぜか、車がくるから。車がこなきゃ遊んだっていいわけです、逆に言えば。全部車が優先という考え方に立ってこれはできているわけです。これはやはり基本的にもっと車というものについての考え方、また、その車優先という考え方ではなくて、もっと一歩前進した考え方に立って指導をやり、ちゃんとやっていかないといけないんじゃないか、こういうぐあいに思っているわけです。
 そこで、もう一つ、私は文部省のほうへお伺いしたいのは、交通安全教育センターの設置ということで二千八百万ですか、予算が出ていますが、こういうふうな交通安全教育センターなんというものは、私はもっとよけいつけなきゃいけないんじゃないか、こう思うんです。これはどうですか。実際問題、非常に数が少ない、つけなきゃいけないところは一体全国で幾つあるんですか、現在。それに対してつける個所も少な過ぎる。それぞれの地方から申請がなかったからだとおっしゃるかもしれませんけれども、もっと積極的にこういうところの予算も取らないといけないんじゃないか。前年度も二千八百万でちょうどだという考え方じゃなくて、もっと啓蒙してちゃんとやらないといけないんじゃないですか。ここらのところはどうですか。
#162
○説明員(橋本眞君) いま御指摘のございました交通安全教育センターでございますが、これは昭和四十三年度からの五カ年計画で一応計画した事業でございます。これにつきましては、いま先生おっしゃいましたように、確かに個所数というのは非常に少ないという御指摘でございますが、私どものほうもこれで十分とは思っておりません。ただ、その当時の積算といたしまして、おおむね人口五万以上の町程度に五カ年間で一カ所ぐらいずつつくっていったらというふうな当初の計画でありましたものでございますので、一応、年間各都道府県に一つずっというふうな計画になっておる次第であります。
#163
○峯山昭範君 各都道府県に一カ所ずつですか、いまのちょっともう一回言ってみてください。
#164
○説明員(橋本眞君) 四十三年度から五カ年計画でございますので、各年に一カ所、計五カ所ぐらいずっというぐあいに考えております。
#165
○峯山昭範君 それが要するに、つけなきゃいけない数ですか、全国で。全国でどうしてもつけなきゃいけない数というのはもっとあるんでしょう。
#166
○説明員(橋本眞君) 全国でどうしても必要な数という御質問でございますが、それにつきまして、私のほうで特に調査はいたしておりませんでございますけれども、これだけで十分であろうということは考えておりません。
#167
○峯山昭範君 私は、そういう調査も何にもしないで全国で幾つ必要であるかもわかんないでやるなんというやり方はもうほんとうに消極的な最もるもんですね。そういうふうな姿勢というのは改めてもっと積極的にこの交通安全という問題について取り組んでいただきたいと、こう思います。
 それで、いろいろありますけれども、もっとたくさんやりたいことがありますので、そのほかの問題にいきますけれども、いずれにしても、もうちょっと積極的に一つ一つ、どの予算見ても、何というか、地元からこれだけ要望あった、要望あったところだけやろう、そういう感じですね、これ全部ね。それでは私いけないと思うのです。もっと文部省が特に歩行者の事故をなくすためにいま全力をあげて取り組んでいるときですから、文部省は、特にそういうふうな面で積極的にやらないと私はまずいんじゃないかと思うんです。
 ほんとうはもうちょっといろいろなことも聞きたいのですけれども、もう一つだけ、ちょっと聞いておこうかな。それは、青信号というのがありますね。信号の青、あれはどういうしるしですか。要するに、青信号というのはどういうことですか。青というのは、交差点において信号が青になりますね、あれはどういう信号ですか。
#168
○説明員(橋本眞君) 常識的には進めということであります。
#169
○峯山昭範君 あれ進めということですか、青信号というのは。あなた文部省の交通安全についての一番すごい方らしいですがね。私は局長さんにぜひともと言うておったんですが、あなたが一番すごいらしい。青信号というのは進めということですか、そういうしるしですか。
#170
○説明員(橋本眞君) そういうふうに常識的に私いま申し上げましたのですが、一応、信号の場合でございますと、赤が出ますと横断禁止になります。青になりますと横断をしてもいいということになろうかと思います。
#171
○峯山昭範君 私はね、そんなことわかってるんですわ、それだけは。それだけはわかっておるのですけれどもね。そういうふうなことでは、私はいかぬと思うのですよね、もう一歩前進したあれがないと。それじゃね、小学校ではどういうぐあいに教えますか、青信号のときは。青信号のときはですね、どうしろと教えますか。
#172
○説明員(橋本眞君) 青信号で進む場合にどういうふうに――たとえば左右をよく確かめて、車が通ってこなければ手をあげて渡れとか、そういうふうに教えております。
#173
○峯山昭範君 ということは、なぜ左右を見ろと言うのですか。
#174
○説明員(橋本眞君) 危険があるかないか、絶対に安全であるかどうかということの確認であろうと思います。
#175
○峯山昭範君 ということは、青信号はどういうことですか。
#176
○説明員(橋本眞君) 青信号というのは、通例的には小学校でそういうふうに教えておりますけれども、一応横断の場合には、一応横断という行為に対しまするところの、要するに、進んで、横断をしてもいいという記号であろうかと思います。
#177
○峯山昭範君 私はね、なぜそういうことを言うかというとね、要するに、文部省で一番すごい人が、交通の安全ということについてどの程度の認識を持って考えていらっしゃるかということを聞きたかったからやったんです。青信号というのは、要するに、渡っていいということだけじゃないでしょう。渡っていいということじゃなくて、要するに、渡ってもいいという優先権を与えられておるわけですよね。とりあえずその人に、青信号だから渡ってもいいという、その人に優先権を与えられておるのです。だから、優先権だけしか与えられていない。ただ進めというだけじゃないのです。その前に安全確認をして渡れというあれがついておるはずです、必ずね。だから、右を見、左を見ろというので、要するに、自分は安全であるかどうかということを確認して渡れということですね。そこまで私はもう一歩踏み込んで交通安全という面からのそのことの答えがほしかったわけです、ほんとうは。ですからほんとうはもう一歩、この交通安全ということについて、あなた一番のすごい人なんですからね、やっぱりもうちょっとよく考えて、この交通安全教育の手引きなり、そういうものを考えてつくってもらわないと、青なら進め、赤ならとまれという、ただ単に、単純にそういうことだけでは、これは交通安全の教育というのはうまくいかないと私は思うのです。そういう点はもっと積極的に取り組んでいただきたい、こういうぐあいに思うわけです。この点はあまりやっておりましても時間が過ぎるだけですから、その次にまいります。
 次に、きょうは道路局長さんに出ていただきましたので、具体的な問題についてもうちょっと取り上げて話をしたいと思うのですが、地方自治体で道路をつくる場合ですね、これは調査といいますか、研究といいますか、これは一体どういうぐあいになっておるのか。そこらのことについてちょっとお伺いしたいと思うのですがね。たとえば、まあ具体的に申し上げますが、いま問題になっております新御堂筋というのがあります。万博に行く道です。これは警察庁のほうでも調査していると思うのですが、おたくのほうでも調べていただいていると思うのですがね。新御堂筋で全部高速道路みたいになっているわけですね。それで、実際問題、その向こうで一カ所だけ平面交差がある。そのために事故が続発して、ついには道路をつくり直さなくちゃならないという事態になっているわけですよ。なぜこういうことになったのかという疑問が、私たち向こうを通るたびにあるわけです。こういう場合、交通安全という点から考えてみると、当然道をつくる場合に地方公共団体においてもちゃんと――アメリカにおいて、何というのですか、交通工学士というのですか、ああいうふうな交通専門の人たちに必ず相談をして、そうしてやるべきだと私は思うのですが、ここら辺のことについてお伺いします。それで、新御堂筋における事故の状況はどういうぐあいになっているか、先にお伺いしたいと思います。
#178
○政府委員(片岡誠君) 御指摘の一点は、大阪市の江坂の交差点の事故の問題だと思いますが、この交差点は、昭和四十五年の三月一日に新設道路として供用を開始されました自動車専用道路の新御堂筋線と、それから一般の道路との交差点でございますが、当初この交差点に信号機を設置しましたほかに、予告信号機として一灯式の黄色の点滅の信号機を設けました。ところが、四十五年の三月一日から四十五年の六月三十日の間、四カ月の間に人身事故が八件、物損事故が二十八件発生したということで、これではだめだということで、事故分析の結果、道路の予告信号機を三灯式にし、青と黄と赤という三灯式に改良してみましたところが、その改良後の七月一日から十月三十一日の四カ月間に人身事故が六件、物損事故十五件がやはりまだ発生している。改良後件数は減りましたけれども、こういうものが発生している。私自身もこの交差点よく知っておりますが、高速道路を入ってきまして急に下におりて、しかも特に千里のほうから来た場合には交差点がなかなか見にくい。黄色点滅予告信号がありますし、信号機あるいは道路標識も相当数ございますし、高速道路の脚柱などいろいろあり、いま垣がしてございますけれども、事故が完全になくなるには至っていないというのが現状でございます。
#179
○峯山昭範君 局長、いまのような場合、現実に予備信号をつけたり、いろいろやったけれども、現実に事故は絶えないわけです。それで、いま四ヵ月、四ヵ月として、八ヵ月分説明ありましたけれども、人身事故だけでも全部で十四件ですね、八カ月の間に。そのほか物損事故を合わせると相当の事故が起きてるわけです。そして、こういうことは、私はしろうとが考えても事前にわかることじゃないかと思うのですが、こういうふうな場合、日本では道をつくる場合、これはどういうぐあいなあれになっているのか。もちろんそれぞれ公団もできて検討はしているとは思うんですが、そういうふうな安全工学の面からどういうところに信号をつけ、どういうところの交差点は立体にすべきであるというような基本的な問題がちょっと欠けているんじゃないか。現実に欠けているから、開通して何ヵ月もあとに高架にしなきゃならない、そういうような事態になるんじゃないかと思うのですが、ここら辺のところはどうですか。
#180
○政府委員(高橋国一郎君) 道路をつくる場合にどういうふうな調査をやるかというふうな御質問でございましたので、それを含めてお答え申し上げますと、国なり公団の場合は、その職員が通常三年程度の調査を行ないまして、いろいろ検討いたしまして、それで道路の構造なり幅員なりをきめて実施するわけですが、先ほどの先生の、地方公共団体はどうしているかということでございますが、地方公共団体の場合になりますと、補助事業と、それから地方が単独でやる場合もございますけれども、一般的に補助事業が大部分でございます。ここではすべて国と同様な方法でこちらの指示に従って調査を行ないます。具体的なこまかい、たとえば信号をどこにつけるかというようなことについての、具体的なそういう信号等についてまでのこまかいものは行なっておりませんが、立体交差であるとか、あるいは首都高速、阪神高速のような、ああいうふうな都市内の道路の取りつけ等につきましては、十分協議して、かつ公安委員会のほうとも協議いたしまして、設置等はきめているのが実情でございます。
 ただいま具体的に新御堂筋のお話でございますが、これにつきましては今野街路課長が来ておりますので、街路課長から御答弁申し上げるというふうにさしていただきたいと思います。
#181
○説明員(今野博君) 御指摘の新御堂筋は、街路事業といたしまして、昭和三十六年から昨年の万博に間に合わせるように四十五年の半ばまでに施行したものでございます。これは道路局長からもお話ししましたように、一般の道路ではございませんで、都市計画できめました街路でございます。街路事業として施行いたしたものでございます。したがいまして、自動車専用道路といった道路ではございませんで、一般の街路でございますが、しかしながら、御存じのように、中央部分は高速車線としましてできるだけ他の街路との交差は立体交差にいたしておるわけであります。したがって、一般の街路でございますので、できるだけ他の街路との連絡ということは常に念頭に置いておりまして、その両側につくっております側道でできるだけ連結するということを主眼にして設計をいたしたわけであります。ところが、いまお話がございました江坂交差点につきましては、神崎川からちょうど名神までの間、実は幹線になる都市計画の街路が三本ございまして、その中の一本になるわけでございます。その三本のうちの一本の市道、小曽根−南泉線というものにつきましては側道でおりるのでございますが、府道の服部−豊中−吹田線というのがございます、これとはどうしても結びつきませんので、もう一本の、いま問題になっております江坂の交差点で平面でおろしまして、そこで結びつける。この江坂の交差点につきましては、実は府道の服部−西庄という線でございますが、わりに交通量の少ない線でございます。昨年の交通量が約十二時間で六千八百台というわりに少ない交通量でありましたために、そこで一般の街路と結びつけたということが、この事故が多発したという結果にもなったのでございまして、したがいまして、万博が終わり次第、こういう事故も反省をいたしまして高架化をはかるべく予算措置もいたしまして、現在着工いたしておるような次第でございます。
#182
○峯山昭範君 いま私は聞いていまして二点ほど問題点があると思うのです。まず一つは、きょうは道路局長さんお見えになっていますけれども、道路と街路と、私はああいうように道を分けて考えること自体やっぱり問題だと思うんですよ。私はほんのいままで、同じ局長さんが担当していらっしゃると思っていた。やっぱりああいうふうな――街路といえばそうかもしれませんけれどもね、あれはもう高速道路とほとんど変わりませんよ。ああいうような場合、やっぱり何というか、一つのセクショナリズムというか、そういうようなものが一つは事故を起こす原因になるんじゃないかと私は思うんですよ。道路局長さんなり、街路課長さんのほうからすれば、ああいうような道は事故を起こすのじゃないかということが前からわかっていたと思うんですね。初めの設計の段階から考えられることですね。そういうことは、もっとやっぱり連携を深くして、一つの局に統一して考えるべきじゃないか、そういうような点がまず第一点としてございます。
 それから、いまいろいろおっしゃいましたけれども、この経過はそういうような経過であったろうと思うんですが、万博があうて忙しかった点もあるとは思うんですが、私はそんな万博なんか関係ないのじゃないかと思うのです。そんなもの初めからやる気あればできないことないと思うのです。高速にちゃんとできて、それで事故起こして死んじゃったとか、道が悪いために事故を起こしたということになりかねないわけです。そういう点はやはりもっときちっと初めから計画なり何なりをすべきじゃないか、そういうぐあいに思います。それで、したがって、そういうような点について今後どういうふうにされるのかということをお伺いしたいのですが、要するに日本には交通工学といいますか、そういうふうな面の専門家というのはどのくらいいるんですか。そしてそういう人たちは、どういうぐあいにどこが管轄していらっしゃるのですか。かねがね日本の高速道路というのは相当発達しておりますが、そういう点の検討といいますか、そういう点のあれはどういうぐあいになっているのか、そこら辺のところもあわせてお伺いしたいと思います。
#183
○政府委員(高橋国一郎君) 交通工学の専門家の実数はどのくらいあるか、いまはっきりしたデータ持ち合わせておりませんが、交通工学研究会という任意団体がございますけれども、それに属している人たちが千人というふうに聞いております。なお、御承知のように、交通工学と申しますのは、日本では戦後発達した学問でございまして、最近東大、京大その他の大学でも交通工学を専門に教えているようでございますけれども、歴史はまだ浅うございます。十年そこそこでございます。したがいまして、それから判断しまして千人程度だろうというふうに考えます。
#184
○峯山昭範君 アメリカの場合、特に地方自治体が道路をつくる場合でもきちっとそういうふうな面の何といいますか、交通工学上の意見をちゃんと聞くことになっているらしいのですね。日本はそういうことになっていないのですか、どうですか。
#185
○政府委員(高橋国一郎君) 交通工学の専門家は建設省並びに府県にも大きな府県には数名おりまして、建設省には相当数多くおりますが、そういう人たちが絶えず計画の段階において参与しておりますし、また府県の計画そのものも建設本省において提起いたしますが、その場合に、交通工学の専門家もおりますので、そういう面でチェックしておるのが実情でございます。
#186
○峯山昭範君 そこら辺のところは私は弱体じゃないかと思うのです。御堂筋はちゃんとそういう専門家に聞いてやったのですか。
#187
○政府委員(高橋国一郎君) 大阪市にも専門家はおりますので、当然計画に参画しているはずでございます。ただ、交通工学といまの、ただいまの事故とが直接結びつくかどうか疑問なんでございますが、工学的な見地から十分検討すれば、おっしゃるような事故の少ない、流れのスムーズな交差点なり道路ができるはずでございますが、その辺はどうも私現在つまびらかにしておりません。
#188
○峯山昭範君 やっぱりぼくはそういう点が国道だけではなくて、地方におけるそういう道についても、人間を大事にするという意味で――やっぱり大阪市にもそういう専門家がいる、確かにいるでしょうけれども、こういうことはわからないような人しかいないわけですよ。検討してないとすれば、いないのだし、もし大阪市におって、こういう点も検討しているとすれば、そういうことがわからなかったわけですし、現実にこういう事故が起きるということは事前にキャッチできなかったわけですし、相談していないとすれば、していないで、また問題だし、当然こういう点についてはもっと積極的に、交通安全という面から、道をつくる場合、道をつくればいいというのじゃなくて、もっと積極的にちゃんとやるべきじゃないかと思うのです。
 現実に、たとえばここにも新聞でも報道された問題でありますけれども、首都高速道路の六号線と七号線の合流点ですか、あれは要するにコの字型のカーブを描いているところでありますけれども、こういうところはどうなんですか、公団側はこれを四十キロで走れとか、警察庁では事故が起きるとたいへんだ、こういう問題が現実に起きているわけです。大阪でももっとこんなところはよけい何ぼでもある。これももうすでに調べがついておると思いますけれども、大阪の天王寺駅の駅横に高架があります。この高架は確かに四十キロくらいで走れば事故が起きないようになっておるけれども、現実には中央の分離帯の金網がもうしょっちゅう破れて事故を起こしておる。しょっちゅうその金網が破れるので、しまいにはコンクリートを打った。コンクリートを打っちゃったら、今度はかえって死んでしまうわけですよ。ということは、そういうような面は、ただ道をつくればいいというのではなくて、やはり交通安全という面から考えて、無理な道路じゃなくて、確かに土地とかいろいろな問題もありましょうけれども、そういう点にもっと重点的に力を注いで道をつくるべきだと思うのですが、こういう点はいかがですか。
#189
○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおり、首都高速道路、阪神高速道路の中には線形が悪くて事故の起きておる個所もあるようでございます。これは土地の制約がございまして、なかなか理想的なルートが得られなかったということが大きな原因になっておるわけでございますけれども、また一方、古い構造令の最初の規格を使ったという欠点がございます。そういうところを反省いたしまして、これからつくるものにつきましては、新構造令に基づきまして、確かに、先ほど申し上げましたように、土地の需要の制約という大きな制約があるのでございますが、今後は、たとえばビルの中を通すとかあるいはビルの上を通すとか、やはり道路法の改正を伴うことでございますが、そういうふうなこともいたしまして、法の改正もいたしまして、線形のいいものを選んで、事故の少なくなるような道路を今後は建設したいというふうに考えております。なお、具体的な大阪の点についきましては街路課長から御説明いたさせます。
#190
○説明員(今野博君) 御指摘の天王寺の事故の問題でございますが、これはもう御承知のように、大阪市内の南北に通っております東野田−河堀口線という都市計画街路と天王寺−吾彦線という街路があります。天王寺の付近から出発をして、北と南に通っておったわけであります。たまたまそこに天王寺駅構内がありまして、そこで道路がつながっておらなかったわけでありますが、天王寺駅付近が非常に交通混雑いたしまして、この二本の線を結ぶことによって交通混雑を解消しようということによりましてつくりました天王寺バイパスと称する高架道路でございます。これはただいま局長からもお話し申し上げましたように、現在の構造令、古い構造令とわれわれは言っておりますが、古い構造令で、一応四十キロで走りました場合に安全なようには設計をいたしております。ただ、たまたま、御承知のように、あそこの高架道路の下には国鉄の関西線と阪和線、環状線、さらに近鉄の南大阪線という四本の線が入っておりまして、非常に長い構造物になっております。延長約八百七十メートルという長い構造物でありましたために、たまたまあそこに乗りましたドライバーが高速道路を走ったような感覚になりまして、スピードを出し過ぎて事故を起こすということになっております。
 それから、もう一つ落としましたが、二本の都市計画街路はかどがずれておったわけであります。それをつなぐためにできた高架道路でありまして、途中に、つなぐために二つのカーブを入れなければならなかったということでございます。その二つのカーブが昔の構造令ぎりぎりのカーブでございまして、八〇と六〇という非常にきついカーブだったために、そこに衝突して事故を起こすというふうなことになっておったわけでございます。先ほどお話がございましたが、こういった事故にかんがみまして、公安委員会のほうとも協議いたしまして、中央部分に、先生先ほどコンクリートとおっしゃいましたが、コンクリートをつくりまして、その側壁にショックアブソーバーと申しますか、ゴム製品でつくりました衝撃を緩和するものがございます、それを張りつけたわけです。それを張りつけた結果、むしろそれに当たって大きな事故になるというようなことはなくなったようでございます。しかしながら、こういった事例あるいは事故等も考えまして、今後の反省材料ともいたしたいと思っておる次第でございます。
#191
○峯山昭範君 だいぶ時間もたってまいりましたので次へ進みたいと思いますが、今度の交通安全関係の予算全体を見ますと、もうすでに先輩のいろんな議員からずいぶんあったと思うんですが、原因者対策といいますか、建設省関係の予算はほとんど通っておるわけでありますが、被原因者対策といいますか、警察庁関係の予算は非常に削られているわけです。そこで私は、交通安全という面から見た場合は、少なくとも警察庁関係の予算というのは非常に重大な問題になってくると思うんです。そういう点から考えまして、それぞれの省庁は皆さんどういうぐあいにお考えなのか。この五カ年計画がありますが、五カ年計画に基づいてこれらの予算を実行した場合、一体どのくらいのいわゆる成果をあげられると思っていらっしゃるのか。私は前の公害国会のときにいろいろと、いわゆる死亡者事故を半減させるというような答弁を何回もいただいたことがございますが、これはちょっと聞いておりますとだいぶ様子が変わってきたように私は思うんです。というのは、最近――事故死亡者を半減させる、それはそのとおりなんですが、要するに歩行者事故を半減させる、事故で死んだ人を半減させるんじゃなくて歩行者の事故を半減させる、したがって、いまからほっておくと全体で二万人近くになるであろう事故の死亡者も、私たちが去年聞いたときには、全体で約一万人以下に押えたいというのが皆さんの意見だったはずです。ところが、最近は警察庁の資料を見ましても変わってきております。これは歩行者だけが半分で、そのほかのほうは半分になっていない。ちょっとやっぱりそれぞれ考え方が変わってきたように思うんですが、これはそれぞれお願いしたいと思います。
#192
○国務大臣(山中貞則君) これは私どもの交通戦争対策の旗じるしとして五十年までに歩行者の死亡を半減させる――死亡事故ですね、歩行者には同じ立場の自転車も含んで議論しておるわけでありますが、そういう目標を立てておることに変わりはございません。ただ予算のつき方が、建設省の五カ年計画というものは、道路五カ年計画の最終年次を一年ずれ込んだ年度を最終年度とした新五カ年計画の設計がわりとすらすらと申しますか、うまくいったのであります。私も対策本部長として、私の手元で関係者、単に警察予算のみならず運輸省の立体交差関係の予算等もひっくるめて総体的に検討をして、大蔵省ともお話をしたわけであります。警察庁関係がつきにくかった理由の大きな一つは、計画そのものも、全体として見れば理想的な計画であり過ぎたのかもしれません。一応予算要求でありますから、それに対応するためには現在の予算でどの程度やれるかという試算を双方突き合わせて、その目的の達成のためのぎりぎりの線として一応セットしたわけでありますが、問題点は、建設省と違って特定財源を警察庁としては持っていない。最終的には現在まだ目的税とはっきりきまっていない、性格が中途はんぱであります自動車の重量税から十億ということが、一応目的税的な性格のものとして予算の最終段階できまりましたけれども、やはり来年度以降については、道路の安全計画と並行して、ドッキングした形で、いま少しく警察庁関係の予算というものに重点を置かなければならぬ、予算の編成への反省として私もさように考えておるわけであります。それに対して、警察庁はどのように予算上対処できるかという説明は後ほどいたさせたいと思います。
 そこで、ただ死亡事故を五十一年には半減させるんだと、歩行者、自転車の死亡事故を半減させるんだというスローガンだけではやっていけないのではないか、それではことばの遊びではないかという御批判もあるかと思いますが、私どもとしては、一応の目標は目標であり、それに対する一応の試算をしてみておるわけでございます。昭和四十五年中の歩行者死亡事故というものを、五カ年計画、すなわち今回の予算の御審議願っておりますものを実行しないで、いまのままそれを野放しでいった場合における事故死亡者数を推定をいたしました。五カ年計画を実施したときにはどうなるかということを見てみたのでありますが、昭和四十五年中の死亡事故数が一応五千九百三十九名、これは歩行者についてでありますが、それが計画を何にもやらないで五年後というものを想定いたしますと、八千二百九十二名に達するであろう。これは一応の趨勢値、車の台数の増加とか、あるいはいろいろのその他の要素をかけ合わせたものの結果でありますが、そこで、この五カ年計画を実施した場合、建設省あるいは警察庁の取り締まり、あるいは運輸省の踏切道立体交差化、そういうもの等を勘案いたしますと、五カ年計画を実施した場合においては三千六百四十一名にとどまるであろう。減少数が四千六百五十一名という予想数になるわけでありますけれども、五カ年計画を実施せざる場合と実施した場合との関係の減少率は五六・一%になる。これは一応の推測でありますが、一応二分の一に達せしめることが可能であるということを最終的に、われわれとしては一応の現時点における推測として打ち立てておるわけであります。
 そこで単に予算の面ばかりでなく、交対本部において各種の対策を閣議決定や交対本部決定で打ち出してまいっております。これはもう説明を省略いたしますが、その結果、最近見られます数字に自動車事故が激増する一方でありますし、死傷者もやはりふえて史上空前を繰り返しておるわけでありますけれども、歩行者、自転車乗車中、これらを合わせた事故の率を過去に振り返って比べてみますと、昭和四十年が総死亡者に対して四七・七%を占めておりまして、四十一年が四七・六、四十二年が四七・二、四十三年が四八・八、四十四年が四八・一、そうして四十五年は四七・〇というところまで下がってまいりました。これは急速に下がりつつあるという感じの下がり方でございまして、いろいろ歩行者を守れという各種の施策というものが逐次こういう構成率にあらわれてきているのではなかろうかというふうなわれわれとしては心一証を得ておりますので、予算の適正な執行と同時に、さらに交通安全対策の先手先手と打てるような各種の施策を打ち出すことによって、交通事故による最も弱い立場の歩行者、自転車のこうした人たちの死亡事故をせめて半減させたいという悲願を達成させたいと念願しております。
 あと具体的な計画について各省から説明させます。
#193
○峯山昭範君 それぞれ省庁が説明したいこともあるでしょうが、あまり時間もありませんから続けてやりますが、いまの問題一つについても、私やはりもうちょっと聞いておきたいことがあるんです。というのは、まず歩行者に焦点をしぼった、いわゆる歩行者を半減させるということになっているわけですね。ほんとうは、前はそうじゃなかったと私は思うんです。死亡者はこのままいくと二万人になる、死亡者を一万人以下にするという約束だったはずなんですね。私は、前の公害国会の合同審査のときに、このことをお伺いしました。そうだったはずですが、それがやっぱり歩行者に焦点をしぼったというのは、特にしぼらざるを得なかったというふうに思う、だろうと思うのですが、私はしぼったについては反対じゃありません。歩行者を大事にしようということは私は賛成であります。けれども、そのほかの点にも、一つは自動車事故もいまふえているという話がございましたが、やっぱりそこにも焦点をしぼらないと、これは将来歩行者の事故は少なくなったけれども、やはり自動車の事故はうんとふえたということになりかねませんよ。今度の予算等見ておりますと、何といいますか、歩道をつくる、歩行者を大事にするという点にがむしゃらにしがみついている。第一次、第二次の計画のときには歩道橋をつくることにしがみついている。それ以外のことは一切いやだという感じになってるわけですね。それじゃ私はいけないと思うのです。そこで、この歩行者の五六・一%減るであろうということを、いま大臣話がございましたが、これは五六・一%の内訳を私聞きたいんですが、いわゆるその建設省の歩道橋をつくったりいろいろする、その建設省がやるあれによって、この五六・一%のうちどのくらい減るのか。警察がやるいろんな、いわゆる何といいますか、信号つけたり、いろいろ警察がコンピューターによって交通管制をやることによって、どの程度減るのか。これ両方お伺いしておきたいと思います。
#194
○国務大臣(山中貞則君) 私の総理府交通安全対策室長より答弁をいたさせますが、その前提として、私が就任以来申しておりますのは、やはり自動車に最も弱い、いわゆる自動車が走る凶器であるという意味からして最も優先して守るべき歩行者及びこれに準じて弱い立場の自転車乗車中の者、これの事故を、死亡者を半減させたいと言っておりますので、その点行き違いがあったとすれば何かの間違いでありまして、私自身の言い間違えかもしれませんが、ずっと一貫してその旗じるしを立てております。ただ一方で、自動車対自動車の、いわゆる走る棺おけ型というようなものについても、最近は無視できない激増ぶりを示しておりますから、これは別途また今回の道交法の改正等についても、これまで警察庁と道路管理者との間においては、必ずしも取り締まり面で要望と実態とが一致いたしておりませんでしたが、私の手元で両者を調整いたしまして、調整した結果、警察庁、道路局ともに了解点に達しまして法律改正も出ておりますが、やはり道路の第一義的な取り締まり権者は、あくまでも行使するものは警察でありますが、しかし、道路管理者としての道路公団その他の持っております救急車、レッカー車等もやはり活用させなければ、緊急の場合に問題がありますし、また、あと、詰め残した救急車の対策もあります。しかし一応は、不当積載、不良積載あるいは落下物等のおそれがあって、それが後続車に致命的な事故を起こすことが明瞭であるというような場合等について、警察権をかわって行使するわけではありませんが、道路局あるいは公団そのものがゲート等において事前にチェックする立場を警察も認めてくれましたので、これらの点に法律の根拠を置くための改正も出ておるわけでございます。あと、こまかな仕分けについて須藤室長より答弁させます。
#195
○政府委員(須藤博忠君) それでは御説明申し上げます。
 人対車両五カ年計画を実施した場合におきましては、死者の減少数は四千六百五十二名になるという計算をいたしたわけでございます。その内訳を申し上げますと、公安委員会の管理にかかります信号機が設置された場合におきましては、死者の減少数が大体千七百七十五名程度になるのではないか、パーセンテージにいたしますと、三八・二%、それから道路管理者――建設省その他道路管理者の行なう事業、歩道等の設置でございますが、これによる効果の問題でございますが、この場合において死者の減少数が二千五百四十五名程度になるのではないか。パーセンテージによりますと、五四・七%ということでございます。それからそのほか踏み切り等での死者の減少数が三百三十一名で、パーセンテージにして七・一%、合計いたしまして一〇〇%になる。これが大体の内訳でございます。この計算につきましては、従来の安全施設の効果、あるいはまた学者の意見等を聞きまして、一応こういう数字をはじき出した次第でございます。
#196
○峯山昭範君 次に、もうすでに多少答弁ございましたけれども、もう一点お伺いしておきたいんですが、今度の予算から高速道路関係の予算がほとんど削られています。これはいま大臣おっしゃいまして、高速道路についてもずっと考えるというお話でございましたけれども、これはやはりいろんなデータを見ましても、相当事故はふえておるようであります。東名を見ましても、四十三年、四十四年と比べて見ますと、七倍以上も事故はふえておりますし、やはりそういうふうな高速道路対策というものも早急に考えなきゃいけない問題だと思うのですが、この辺のところ、どういうふうになっておりましょうか。
#197
○政府委員(片岡誠君) 私どもの努力不足があったかと思いますけれども、当初考えました予算規模よりも縮小されたわけでございます。それで、その規模の中で当面重要な事項に重点的に計画を組み直した。その場合、何と申しましてもやはり歩行者なり自転車に乗っている人が交通事故により死んだり、あるいはなくなったりするということを防ぐほうに重点を置かざるを得なかった。高速道路の場合は、御承知のように、人も歩いておりませんし、自転車も通っておりませんし、原付も通っておりません。したがいまして、車対車の事故が問題でございます。いずれ高速道路自身が、将来そこが延伸された場合には当然大きな問題が起こってまいろうと思いますけれども、現段階におきましては一般道路のほうが重要であろうという判断をして、そちらのほうに重点的に計画を組み入れたというのが現状でございます。したがいまして、高速道路の交通の管理のためのいろいろの施設につきましては、今後、道路管理者とも十分協議しながら、また財政の財源が許す見込みがつきますれば、今後そちらのほうに投資を向けていくということを考えていきたいと、このように考えております。
#198
○峯山昭範君 これで私は終わりたいと思いますが、先ほど警察庁の予算の問題の話がございまして、相当削られたというお話がございました。私も非常に残念に思っておるわけでございますが、大臣は何か、警察庁の予算は理想像を追っておるようなところもあったというようなお話がございましたが、私も実は現場の皆さんにいろいろ聞いてきたのですけれども、特に大阪なんかの場合は、この間から万博がありまして、相当車が押し寄せたわけです。そういうような関係から、いまどういうところに交通の問題点があるというのが非常によくわかっておるというのですね。ですから、いまのうちに手を打てば、ほんとうに交通事故とかそういうものはうんと防げるんじゃないか。したがって、いまのうちに手を打たないと、これは二年たち三年たちしてしまうと、それがまたぼけてしまって、おかしくなってしまう。したがって何とか予算をつけてもらいたいという要望が相当ありました。そういう点から考えてまいりますと、あながち理想だけでなくて、現実に、道路上でどこに問題があるかということをきちっと見分けるということは非常に手間がかかる問題でありますが、ああいうふうな行事のあとでは非常によく地元ではわかっておるわけですね。そういう点からいくと、当然私はそういうことを見込んでやはり予算措置等もやってやらなければいけないじゃないかと思います。この点についてひとつお伺いしておきたいと思います。
 それから道路局長でございます。先ほどいろいろ答弁がございましたけれども、私はただ単に歩道をつくればいいという考え方ではなくて、やはり人間優先といいますか、そういうふうな面に立って――歩道でもかえって事故を起こす場合もある。先ほど交通委員会でも申し上げましたが、歩道をつくるより、かえってガードレールをつけたほうがいいという場合もあると思います。そういう点も慎重に検討していただいて、そして交通安全という面から今回のこの五カ年計画をがっちりやってもらいたい。そうして、がっちりやって、先ほど総務長官がおっしゃいましたように、事故者も減るわけでありますけれども、それでも一万四千人も出るということですから、私はたいへんなことだと思うのです。そういう点、よく御検討していただいて今後対処していただきたいということを私は申し上げて、また先ほどの点について答弁をいただいて、私の質問を終わります。
#199
○国務大臣(山中貞則君) ことしの予算の折衝の間も、大蔵省と少しく、私、警察庁の目的財源がないということからの計画財源がなかなか積み上げにくいという議論をいたしまして、落ちついたのは結局、自動車重量税の十億だけだったということを申しましたが、将来の構想として、ことしは実現しませんでしたけれども、私としては――たとえば現在自動車を持っていなくても、免許証を持っておるという者はたいへんな数であります。しかも、ふえる一方であります。これらの人は自動車を持っていないといっても免許証を取る以上は運転する意思があるわけです。したがって、いつ友人の自動車を借りて運転するかわからない。レンタカーを借りて運転するかわからない。その人もいつ交通事故の加害者になるかもわからないという半面の性格を持っておるわけでありますので、現在の手数料以外に何か、警察庁のそういう安全施設整備のための特定財源としてすべての免許証所持者に税をかけることはできないものだろうか。税理論上なかなか、手数料を取っておるものに対してはむずかしい理論があるようであります。出国税などが、なかなか。パスポートの手数料とあわせて取るのはどうとかいう議論等で実現が困難なのと同じ理論でありますが、これはぜひとも何か考えなければならない問題であると考えております。別段、税を増徴しようということではなくて、結局はそれぞれの人たちのためにもなることだろうと考えますので、これは十分今後検討したいと思います。いまのところは、公式な場所での発言でありますが、私自身の実現しないアイデアだと受け取っていただきたいと思います。
 さらに、警察自体のあり方としても、県境を越えますと、ハイウェーの東名にしても、その他の県境を越えた道路の中でお互いが制限されたキロ数しか乗り入れを相互にしていない。やはりこれからは、アメリカあたりのハイウエー・パトロール、これは犯罪捜査が主でありましょうが、そういう交通事故を守るため、安全を期するため、あるいはまた犯罪等の場合も役に立つわけでありますが、日本の警察も将来ハイウエー・パトロール的なものの構想を持たなければならない時代が近づいておるということも内々では話し合っておるところでございます。今後、そういう方向に向けて努力をして実現するようにつとめてみたいと考えます。
#200
○主査(平島敏夫君) 本日の審査はこの程度にとどめ、明日は午前十時から開会し、本日と同様に、内閣及び総理府所管の審査を行ないます。
 散会いたします。
   午後六時十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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