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1970/03/26 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 予算委員会 第21号
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1970/03/26 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 予算委員会 第21号

#1
第065回国会 予算委員会 第21号
昭和四十六年三月二十六日(金曜日)
   午後零時五十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任         補欠選任
     羽生 三七君     和田 静夫君
     塩出 啓典君     矢追 秀彦君
     山高しげり君     喜屋武眞榮君
 三月二十三日
    辞任         補欠選任
     植木 光教君     山本茂一郎君
     和田 静夫君     大橋 和孝君
     前川  旦君     松井  誠君
     鈴木 一弘君     沢田  実君
     内田 善利君     塩出 啓典君
     渡辺  武君     岩間 正男君
 三月二十四日
    辞任         補欠選任
     松井  誠君     矢山 有作君
     木村禧八郎君     戸田 菊雄君
     沢田  実君     峯山 昭範君
     向井 長年君     片山 武夫君
     喜屋武眞榮君     市川 房枝君
 三月二十五日
    辞任         補欠選任
     山本茂一郎君     植木 光教君
     西村 関一君     和田 静夫君
     永岡 光治君     前川  旦君
     上田  哲君     小林  武君
     矢山 有作君     羽生 三七君
     戸田 菊雄君     大矢  正君
     片山 武夫君     松下 正寿君
     岩間 正男君     渡辺  武君
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     大橋 和孝君     木村禧八郎君
     前川  旦君     永岡 光治君
     和田 静夫君     西村 関一君
     小林  武君     上田  哲君
     松下 正寿君     向井 長年君
     渡辺  武君     須藤 五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         古池 信三君
    理 事
                岩動 道行君
                小林 国司君
                白井  勇君
                林田悠紀夫君
                森 八三一君
                山崎 五郎君
                竹田 四郎君
                吉田忠三郎君
                三木 忠雄君
    委 員
                金丸 冨夫君
                小山邦太郎君
                郡  祐一君
                斎藤  昇君
                星野 重次君
                平島 敏夫君
                玉置 猛夫君
                堀本 宜実君
                三木與吉郎君
                安田 隆明君
                山本 利壽君
                小柳  勇君
                羽生 三七君
                松本 賢一君
                塩出 啓典君
                萩原幽香子君
                向井 長年君
                須藤 五郎君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵省主計局長  鳩山威一郎君
       大蔵省理財局長  相澤 英之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        首藤 俊彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○昭和四十六年度一般会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十六年度特別会計予算(内閣提出、衆議
 院送付)
○昭和四十六年度政府関係機関予算(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(古池信三君) ただいまから予算委員会を開会いたします。
 昭和四十六年度一般会計予算、昭和四十六年度特別会計予算、昭和四十六年度政府関係機関予算、
 以上三案を一括議題いたします。
 本日は、各分科会における審査の経過について、主査の方から御報告を承ることになっております。
 それではこれより順次報告をお願いいたします。まず第一分科会主査平島敏夫君。
#3
○平島敏夫君 第一分科会における審査の経過について、御報告申し上げます。
 当分科会の担当は、昭和四十六年度予算三案中、皇室費、国会、裁判所、会計検査院、内閣、総理府(防衛庁、経済企画庁、科学技術庁を除く)及び法務省所管並びに他の分科会の所管外事項であります。
 以下、日程の順序に従いまして、質疑のおもなるものを、若干その要旨を御報告申し上げます。
 まず、国会関係につきまして、国会関係職員の行(二)表適用の適否につき、国会関係用務員の給与と生活保護基準額と比べ、同等もしくは若干下回るようであるが、昭和三十九年以来事務当局は、行。表の適用を撤廃したい旨を分科会で述べられているが、その解消措置等についてどのように考えているか、等の質疑に対し、事務当局から、国会職員の特殊な事情から、行(二)表の適用を廃していくことは望ましいが、用務員等の採用に際しては、民間とも比較して、初任給の関係から行日表を適用するのが有利であることも考慮し、人員確保上若干残しておきたい旨の答弁がありました。また、国会関係機関の法制局、速記者養成所、並びに常任委員会調査室と国会図書館の立法考査局を統合し、強化、合理化するという質疑に対しては、二院制のたてまえから衆・参両院に個別に存置するのが妥当であり、特に調査室等においては、国会図書館の立法考査局との職務内容の違いから、一体化は困難である旨の答弁がありました。その他、速記職、議院警察職等の給与、さらに定員問題等について、事務当局及び政府説明員に対し、具体的な質疑がありました。
 皇室関係につきましては、皇居前広場の美観の保全に対する質疑、さらに宮様御邸宅の改築に関する計画等についての質疑があり、また、今秋予定されている天皇・皇后両陛下の御外遊に関して質疑が行なわれました。
 次に、会計検査院に対しまして、検査院は、内閣に対し独立した権限を持つものであり、また、最近の急増する検査対象に対し、その人員対策はどのようになっているのか、等の質疑に対し、憲法の要請にこたえるべく最善の努力を行なっている。定員問題に対しては、財政当局も検査院の重要性は十分認識しており、調査官の増員には、欠員を減員とせずして、十九名の増員をはかっているとの答弁がありました。
 その他、国有財産検査報告、実地検査旅費等についての質疑がありました。
 次に、内閣及び総理府に関しまして、まず、沖縄返還日程についての質疑に対し、国の出先機関及び税制等の要綱を鋭意作成中であり、返還の日時は、日本の会計年度の始まる四月一日、もしくはアメリカ会計年度の七月一日以外にはあり得ない旨の答弁がありました。また、定員削減方法の具体的な計画の質疑に対し、年間五%の削減計画は変わりなく、ただ新規増員要求に対しては、その削減ワク内において運用していきたい旨の答弁がありました。
 その他、高級公務員の私企業への再就職問題、石油等の管理価格問題、恩給における旧軍人の加算年の取り扱い、政府における広報・情報調査費の使途上の問題、交通安全対策等について質疑が行なわれました。
 次に、裁判所に関しましては、裁判の遅延と裁判官の人員不足の関係、最高裁判所新営費、少年補導委託費に関連した質疑がありました。
 次に、法務省に関しまして、公害の現状は深刻かつ多発的な傾向にあるが、現状における公害病認定患者の数、訴訟事案の件数はどのくらいになっているのか、また、訴訟が長引けば、結審を待たずして死亡する患者もあり、訴訟の進行状況はどうなっているのか、との質疑に対し、今年二月末で、公害病認定患者三千二百三十二名に対し医療、介護手当を支給しており、富山、熊木、新潟、その他の各地域で審理中の訴訟は二百十二件である。訴訟の促進については、常に裁判所としても努力しており、冨山地裁のイタイイタイ病訴訟は、本年六月中には結審の予定であり、提訴から三年の経過である。しかし、公害訴訟は当事者が多数であり、事案は複雑で、また、請求金額も多額である点を考慮すれば、むしろ異例に早いと言えるのではないか、との答弁がありました。その他、刑務所勤務職員の給与並びに職場環境の改善、教戒師に対する政府当局の認識等について、質疑が行なわれました。
 このほか、各所管事項にわたり熱心に質疑が行なわれましたが、その詳細については会議録によって御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告を終わります。
#4
○委員長(古池信三君) 次に、第二分科会主査金丸冨夫君。
#5
○金丸冨夫君 第二分科会における審査の経過並びに結果について御報告申し上げます。
 本分科会の担当は、昭和四十六年度総予算中、防衛庁、外務省、大蔵省、経済企画庁及び通商産業省所管のものでありまして、去る二十三日から審査に入り、まず各関係大臣より予算の説明を聴取した後、質疑を行ないました。質疑の内容は、きわめて広範多岐にわたりますので、その詳細は会議録でごらん願うこととし、ここでは簡単におもな事項について御報告申し上げます。
 まず、防衛庁関係につきましては、国防の基本方針を大幅に改定する考えはないか、非核中級国家を非核専守防衛国家に表現を変えた意図は何か、四次防の原案作成がおくれて国会審議ができないのは遺憾である。おくれた理由及び公表の時期はいつか、などについて質疑がありました。
 これに対し中曾根防衛庁長官より、国防の基本方針は日本が軍国主義におちいらない歯どめを打ち出し、内外の誤解を解きさらに安心してもらうことが政治的に必要であると考えるので、各方面の意見を聞いた上、部分的補足修正したい熱意を持っている。まだ最終的な結論を得ていないが、四次防が確定する前後に公表したい。非核専守防衛国家としたのは、日本の防衛政策の基本が、憲法を守り、攻撃兵器を持たず、他国に脅威を与えないという世界に例のないものであり、中級とか上級とかいう範疇に属さない質的相違のあることを明確にしたいためであって、このほうが表現がよくなったと考えている。四次防の原案作成がおくれたのは、各種の積算基礎を再検討する必要が生じたためであって、現在は防衛庁原案の詰めの段階にある。諸般の手続を経てなるべく早く公表したい、との答弁がありました。このほか質疑は、沖縄返還に際しVOA放送その他特殊部隊の取り扱い、北富士演習場の米軍使用期間及び実弾射撃演習の回数制限申し入れ、港湾施設の米軍優先使用、縮小される米軍基地のあと地利用その他広範にわたり行なわれました。
 次に、外務省関係につきましては、沖縄には本土にもなく、また安保条約のワク外のものと思われる特殊な機能を持つ部隊や機関が多数あると聞くが、これらは復帰時点で撤去させるべきではないか、との質疑がありました。
 これに対し愛知外務大臣より、沖縄にある特殊な部隊や機関については、目下実態の正確な把握に努力している段階であるが、核や毒ガスなどは問題外としても、本土にあるものとは違う異質のものとか、安保条約の趣旨に反するものが存続することは好ましくない。しかし、軍隊の性格から見て安保ワク内の活動である限りその潜在能力まで否定することはいかがかと思う、との答弁がありました。
 なお、沖縄返還関係につきましては、条約と協定の違い、核抜き返還の確認方法、VOA放送と電波法との関係、毒ガス撤去と安全対策、尖閣諸島について中国、国府の主権主張とわが国の立場などについて質疑がありました。
 このほか、日ソの外交交渉に首尾一貫しない点があるのではないか、北洋水域漁業の安全操業をめぐる交渉の見通し、日中貿易における輸銀資金の利用、中国からの食肉輸入ができない理由、アジア諸国に対する文化外交の推進などについても熱心な質疑が行なわれました。
 次に、大蔵省関係につきましては、昭和四十六年度予算は結果的には巨大化したインフレ予算となったが、何をもって中立機動型というか、財政を弾力的、機動的に運営するというが、いかなる具体策を持っているか、四十六年度の実質減税は少な過ぎる、景気対策を重く見るなら、もっと大幅減税すべきではなかったか、などの質疑がありました。
 これに対し福田大蔵大臣より、経済の実務は昨年秋以来鎮静化し、放置しておけばさらに深刻化するおそれがあり、さればといってこれを刺激して景気を過熱させることも避けねばならないので、財政による適度の景気浮揚をはかるためにふさわしい規模の予算を編成したものである。また、財政の弾力的運営には二つの面があって、一つは、一般会計、特別会計及び財政投融資の中で公共事業費関係の支出を景気動向に合わせて調整することであり、いま一つは、予算総則にある弾力条項や国庫債務負担行為及び予備費などを必要に応じ機動的に発動することによって景気調整に役立たせることである。
 減税の景気対策上の効果としては、法人税の減税と、所得税の思い切った大幅減税が考えられるが、いずれも現実にそぐわない、山積している財政需要を満たす必要からいっても、この程度の所得税減税は妥当なものと思う、との答弁がありました。
 このほか、いわゆる三K赤字対策、公債政策、外貨急増対策、円切り上げなどについても質疑がありました。
 次に、経済企画庁関係につきましては、物価問題を中心として多くの質疑が行なわれました。経済成長政策と物価との関係、総需要抑制、構造改善及び輸入政策と物価との関係などをはじめとして、物価騰貴のメカニズム行政のあり方などについて質疑が行なわれました。
 また、物価対策予算の内容、管理価格と公正取引委員会の立場、ひんぱんな新聞代値上げ、石油製品価格の引き上げなど広範にわたり活発な質疑が行なわれ、佐藤経済企画庁長官及び谷村公正取引委員長よりそれぞれ詳細な答弁がありましたが、ここでは省略させていただきます。
 このほか、工業地方分散化の具体策、新全国総合開発計画及び経済社会発展計画の改定問題、GNPにかわる新しい指標採用の考えなどについても質疑応答がありました。
 最後に、通商産業省関係につきましては、通産行政全般にわたり詳細かつ具体的な質疑が行なわれました。石油政策にかかわるものとしまして石油資源開発をめぐる諸問題、石油資源開発公団の機能と投融資態度、石油製品値上げに対する当局の方針、また、公害対策にかかわるものとしましては、公害防止事業団の運営内容、工業団地における公害対策、製紙工場の排水による海水汚染に対する緊急対策と長期対策などについて質疑がありました。
 このほか、原子力発電所建設に際しての行政のあり方、特に公害対策の内容、政府間ベースによる日米繊維交渉の将来などについて質疑があり、宮澤通商産業大臣及び関係当局よりそれぞれ詳しい答弁がありましたが、ここでは省略させていただきます。
 以上をもちまして、第二分科会が担当いたしました予算の審査を、木二十六口全部終了した次第でございます。
 以上御報告申し上げます。
#6
○委員長(古池信三君) 次に、第三分科会主査三木忠雄君。
#7
○三木忠雄君 第三分科会における審査の経過を御報告申し上げます。
 第三分科会の担当は、昭和四十六年度予算三案中、郵政、農林、運輸及び建設の四省所管に属するものでございます。
 分科会におきましては、去る二十三日から本二十六日まで、これら四省の所管予算につきまして質疑を行なってまいりました。
 以下質疑の概要につきまして、簡単に御報告申し上げます。
 まず、建設省所管におきましては、郵便料金の改定を中心とした郵政事業特別会計の財政問題、沖縄返還に伴う電電、放送関係機関の取り扱いの問題、放送用衛星の打ち上げ問題、電信電話拡充七カ年計画をめぐる諸問題、一人暮らし老人の電話架設問題、電電公社工事の中小企業への発注の問題などについての質疑が行なわれました。これらの質疑のうち、郵政事業特別会計の収支の問題につきましては、郵政事業特別会計の収支は、今回の料金改定を行なっても、物価や賃金の上昇を考えると、今後三年間持ちこたえることは困難ではないか、との質疑に対し、郵政省当局から、今回の料金改定は、歳出面においては人件費、物件費等は新経済社会発展計画によって所要額を算出し、歳入面においても利用減等を見込んでおり、年次別に見ると、四十七年度は百億円の黒字、四十八年度は二百億円の赤字で、差し引き百億円の赤字超過となるが、いろいろな企業努力などを考えれば、おおむね三年間はだいじょうぶと思う、との答弁がございました。
 次に、農林省所管におきましては、基本法農政をめぐる諸問題、生鮮食料品対策、中央競馬会をめぐる問題、資本の自由化と農産物の輸出問題、蚕糸業対策、農家保有米に余剰が生じた場合の対策、国有林の伐採と自然保護の問題、沖縄農業の振興対策などについて質疑が行なわれました。これらの質疑のうち、生鮮食料品対策につきましては、生鮮食料品が物価上昇の一番大きな原因になっているが、四十六年度予算で、どのような措置がとられているか。中でも野菜の値上がり率は特に高いが、その原因を徹底的に追求して対策を立てるという配慮が足りないのではないか。指定産地制度や物価安定制度も実情に合っていないのではないか。米の生産調整を行なっているいまこそ本格的に取り組むべきではないか、との質疑に対し、農林省当局から、生鮮食料品の価格安定対策については、四十六年度は総額百五十九億円の予算を計上し、生産、流通、消費の各面にわたる施策を強化しており、省内にも次官を長とする価格安定対策本部を設け、全組織をあげて取り組んでいる。また、価格補てんについては、対象品目や指定消費地の数をふやすとともに、七億円の予算を組み、野菜生産出荷安定協会の動員できる資金量をふやし、また、米の生産調整による野菜への転作を進めるため新たに都道府県の野菜安定基金の造成についても二億円の補助を行なうこととしている、との答弁がございました。
 次に、運輸省所管におきましては、高松空港の拡張問題、国鉄財政再建をめぐる諸問題、欠陥車問題などについて質疑が行なわれました。これらの質疑のうち、国鉄の財政再建対策につきましては、国鉄の再建対策が四十六年度予算の審議に間に合わなかった理由は何か。職員の一万人合理化計画が発表されているが、抜本策を立てる前に合理化計画を発表するのは本未転倒と思うが、サービスや安全性確保に支障はないのか。割引運賃による公共負担や新線建設にもほんとうに国民のためになっているかどうか、再検討を要するものがあるのではないか、などの質疑に対し、運輸省及び国鉄当局から、国鉄再建の問題点としては、年間千七百億円にのぼる借り入れ金の利払い、地方赤字線の処理、公共負担の政府による肩がわりなどの問題があるが、四十六年度は借り入れ金の利払いに対する補助が二百三十億円一般会計から繰り入れられ、政府出資も二十年ぶりに三十五億円認められたので、再建への道も開かれた。今年度は地方納付金や地方公社の問題で自治省の協力が得られず、つなぎ的な措置にとどまったが、今年の夏ごろまでには、関係審議会の議を経て総合交通体系をつくり、再建を実現したいと考えている。職員の合理化計画の一万人は、既定の計画の一部であり、欠員不補充の方法で行なうもので、この程度の努力をしないと国民に相すまないと考えている。農林物資に対する割引も段階的に解消していきたいと考えており、新線建設の問題も国の政策を頭におきながら、総合交通体系の中で考えていきたい、との答弁がございました。
 最後に、建設省所管におきましては、山梨県の国道改修問題、建設省の四ッ木橋工事事故と今後の事故防止対策、住宅問題等について質疑が行なわれました。
 これらの質疑のうち、住宅問題につきましては、最近は公団等のつくる家賃が非常に高くなっているが、安くする方法はないのか、との質疑に対し、建設省当局から、家賃上昇の最大の原因は、地価上昇と用地の確保難にあるが、最近はさらに質の向上への要求、関連施設の整備の要求も加わっているので、学校用地や公団等の関連施設の整備について自治体への交付税の配分を厚くする等、あらゆる努力を払い、家賃をできるだけ安くするよう努力している、との答弁がございました。
 以上をもちまして、第三分科会の担当予算全部の審査を終了した次第でございます。
 右御報告申し上げます。
#8
○委員長(古池信三君) 次に、第四分科会主査吉田忠三郎君。
#9
○吉田忠三郎君 第四分科会の審査の経過について御報告申し上げます。
 本分科会の審査の対象は、科学技術庁、文部省、厚生省、労働省及び自治省所管に属する昭和四十六年度予算でありまして、去る二十三日より本日までの四日間にわたり、連日慎重に審査を行ないました。以下、その概要について申し上げます。
 まず、科学技術庁所管についてでありますが、原子力の開発が進むにつれ、放射性廃棄物の量が増大する傾向にあるが、最近では放同協による廃棄物の海上投棄が、沿岸漁民の生活権を脅かすとして問題化しており、また、大阪の一商社が酸化トリウム等の核原料物質を使った医療器具を密売して摘発される事件などが相次いで起こっている。これらは、いずれも放射性廃棄物の処理に対する研究不足か核原料物質に対する管理体制の不備に起因するものであるが、科学技術庁はすみやかにこれらの問題に対し、もっと真剣に対策を講ずべきではないか、などの質疑がありました。これに対し、西田科学技術庁長官から、御指摘の点は、今後のわが国経済の発展方向から見て重大な問題点だと思う。科学技術庁としては、現在約七十人の専門家をわずらわしこれらの緊急課題について、鋭意検討を急いでおり、遠からずその答申を得た上で、万全の対策を講じる考えである。なお、今般大阪で起こった事件はまことに遺憾であり、同様の事犯は、昨年神戸でも起こっておるので、この機会に全国の精錬事業所を総点検するとともに、通産省とも連絡して、酸化トリウム等、有害物質の入手経路、保管処置等について、厳重な取り締まり方針をもって臨みたい、旨の答弁がありました。一次に、自治省所管におきましては、福岡県庁の課長補佐以下の職員で組織されている「ふくよう会」の性格、活動をめぐって、この団体が、一般の県職員に入会を呼びかけ、また機会あるごとに、県職労に対する悪宣伝をしているのは、不当労働行為あるいは地公法第五十二条の違反にならないか。さらに、その機関紙「ふくほう」の最近号で選挙特集をやり、現職知事の県政を死守せよ、などといった宣伝報道記事を大々的に掲載しているのは、明らかに選挙の事前運動だと思うが、自治省の見解はどうか、などの質疑がありました。
 これに対し、秋田自治大臣並びに政府委員から、この団体は、職員同士のいわば親睦団体で、地公法上の職員団体ではないと聞いているので、その活動が、県職労の団体交渉等に悪影響を及ぼさない限り、これが直ちに不当労働行為であり、あるいは五十二条違反に該当するとは考えられない。しかし、なお若干、問題になる点もあるようだから、さらに調査の上、検討することにしたい。また、機関紙「ふくほう」所載の選挙関係記事は、ただいまお示しの実物によって承知したが、これがはたして選挙の事前運動に該当するかどうかは、配布の態様なり、この件に関し「ふくほう」は明らかに事前運動で、選管は摘発すべきだとの関連質問があり、これについては本分科会の期間中に回答するとの答弁がありました。なお、事実関係をよく調査し、実態を把握した上で後日あらためて申し上げたい、旨の答弁がありました。追って、この件につきましては、第一点といたしまして、中村選挙部長が、なお「ふくほう」につきましては公選法違反の疑いが濃厚であり、したがいまして、所轄選管を通して厳重に注意することが第一点。第二は、摘発の関係でございまするので、所轄の警察庁の調査をさらに厳正に調査をいたす旨の答弁がありました。
 また、厚生省所管につきましては、四十六年度厚生省予算の全般を見た場合、かなりの努力のあとが認められるが、しかし、GNPの伸びに比べると、まだ十分とは言えない。特に老人対策については、老齢者の数が年々増大しているのに、老齢福祉年金は月額二千三百円と、欧米先進国の月二万数千円というのに比べ、はるかに低くなっている。年金受給の対象者がふえても、予算はもっとふやすべきだし、さらに、六十四歳以上の老人で、拠出年金もできず、老齢年金ももらえないという、いわば谷間にある老人たちを救う道はないものだろうか。心身障害児(者)対策についても同様で、そうしたみじめな人たちが、みずからのハンデキャップを忘れて社会活動ができるような福祉行政こそ望ましいのに、現状は、身障児の施設で働くことに意義を感じて入った職員が、待遇の悪いせいか長続きしないという状況であるが、厚生大臣の見解はどうか、との質疑がありました。
 これに対し、内田厚生大臣から、老齢年金は来年度から三百円引き上げ、二千三百円にしたが、もとよりこれで十分だとは思わないし、いわんや、老人人口がふえたから、一人当たりの受給額が少なくてもいいなどとは考えてもいない。現行の老齢年金受給資格は、七十歳以上となっているが、いわゆる谷間にある老人たちのために、六十五歳から年金を受けられるような措置を考えており、身障児施設などに働く職員の待遇改善についても、ただいま前向きに検討している。幸い国民の社会福祉マインドが向上しており、かたがた大蔵省の理解も深まってきたので、この上とも予算獲得の面で努力したい旨の答弁がありました。
 さらに、文部省所管につきましては、PTAと父兄負担の問題に関連し、PTAの本家はアメリカであるが、アメリカのPTA会費は、月額わずか一ドルで、その活動目的は、もっぱら子供たちの学ぶ学校の環境をよくすることに集中されている。しかるにわが国のPTAは、校舎の増改築その他、当然、国や市町村がやるべき仕事にまで乗り出す反面、おもなる役員には、おおむね町内会の顔役といった人たちが就任している関係から、その活動も、学校教育にはおよそ無関心なのが普通になっている。その結果、いわゆる父兄負担はますます大きくなり、親たちは子供の教育環境をよくするためというより、PTAに寄付しないと子供がかわいそうだという感覚で動いている。文部省には、PTAに対し助言する任務があるはずだが、どのような形で助言するのか。また、全国都道府県のPTAの実情を十分把握しているのか、などの質疑がありました。
 これに対し、坂田文部大臣並びに政府委員から、PTAの運営が、ややもすれば本来の趣旨目的から逸脱し、そのことが父兄負担の大きな原因になっていることは承知しているが、十分その実態をつかんでいるわけではない。もともと自主的に発足した任意団体であるから、文部省で助言するといっても、各都道府県の社会教育主事を中心に、チームワークをとって指導するほかないと考える。しかし、このまま放置できないことは御指摘のとおりだと思うので、さしあたり来年度のPTA関係予算五千四百万の中で、あらためて実態調査もし、啓発指導もいたしたい旨の答弁がありました。
 最後に、労働省所管でありますが、経済社会の発展に伴い、労働災害の件数もまた年々増加しており、特に中高年齢者と未経験者に被害が多いのも事実だが、それには労働者自身の未熟さもさることながら、その底流には、企業経営者の人命軽視という問題もあろうかと思う。同時に、産業公害も多発していることでもあり、この際、労働基準局が認定しないと労災補償の対象にならないという、現行の法改正をするとともに、労働衛生規則を単独立法化するべきだと考えるが、労働省当局の考えはどうか、との質疑がありました。
 これに対し、野原労働大臣並びに政府委員から、労災防止についてはそれぞれ対策を講じているが、機械、設備の近代化、大型化に未熟労働者が応じ切れないうらみがある。作業における安全性の確保が何よりも必要で、安全衛生規則についてはどこが悪いかただいま専門家によって検討を進めている旨の答弁がありました。
 このほか、各省所管事項にわたって熱心な質疑が行なわれたのでありますが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 以上、御報告申し上げます。
#10
○委員長(古池信三君) 以上をもちまして各分科会主査の報告は全部終了いたしました。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(古池信三君) この際、先般の理事会において締めくくり総括質疑の取り扱いにつき協議を行ないましたので、その要旨について御報告いたします。
 審査は二日間とし、その質疑総時間は二百九十六分、各会派への割り当ては、自由民主党及び日本社会党はそれぞれ百八分、公明党四十分、民社党二十分、日本共産党及び第二院クラブはそれぞれ十分といたしました。質疑順位は、お手元に配付いたしました質疑通告表の順といたしました。
 以上御報告申し上げましたとおり取り運ぶことに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#12
○委員長(古池信三君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。
 明日は午前十時開会し、締めくくり総括質疑を行ないます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三十一分散会
ソース: 国立国会図書館
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