くにさくロゴ
1970/02/16 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第3号
姉妹サイト
 
1970/02/16 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第3号

#1
第065回国会 建設委員会 第3号
昭和四十六年二月十六日(火曜日)
   午後一時十分開会
   委員の異動
 二月十日
    辞任         補欠選任
     上田  稔君     田中 茂穂君
 二月十二日
    辞任         補欠選任
     田中 茂穂君     上田  稔君
 二月十六日
    辞任         補欠選任
     佐田 一郎君     小林 国司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                上田  稔君
                斎藤  昇君
                松本 英一君
    委 員
                大森 久司君
                小林 国司君
                小山邦太郎君
                米田 正文君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省都市局長  吉兼 三郎君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
       建設省住宅局長  多治見高雄君
       消防庁長官    降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       建設省住宅局建
       築指導課長    前川 喜寛君
   参考人
       首都高速道路公
       団副理事長    御子柴博見君
       首都高速道路公
       団理事      有江 義晴君
       本州四国連絡橋
       公団総裁     富樫 凱一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○建設事業並びに建設諸計画に関する調査
 (昭和四十六年度の建設省、北海道開発庁、首
 都圏整備委員会、近畿圏整備本部及び中部圏開
 発整備本部の施策並びに予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 本日、佐田一郎君が委員を辞任され、その補欠として小林国司君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田中一君) 次に、理事の補欠選任を行ないます。
 委員の異動に伴い、現在本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、この際、その補欠選任を行ないたいと思います。理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に上田稔君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(田中一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 建設事業並びに建設諸計画に関する調査のため、本日の委員会に首都高速道路公団及び本州四国連絡橋公団の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(田中一君) それでは、建設事業並びに建設諸計画に関する調査を議題とし、昭和四十六年度の建設省、北海道開発庁、首都圏整備委員会、近畿圏整備本部及び中部圏開発整備本部の基本施策並びに予算に関する件について質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#8
○松本賢一君 それでは建設大臣その他の方に御質問申し上げたいと思いますが、まず最初に、最近ロスアンゼルスでたいへん大きな地震があって、いまそのために地震の問題がちょっとクローズアップされているようなかっこうになっておりますが、そのことについて御質問申し上げたいと思うんですが、ロスアンゼルスの地震はマグニチュード六・五と聞いております。それから関東大震災は七・九――これちょっとマグニチュードというものによる地震の大きさの比較というものは、われわれにはよくわからないんですけれども、マグニチュード六・五とマグニチュード七・九とどの程度の違いがあるのか、もしおわかりになる方があったら、ちょっと説明していただきたいんですが。
#9
○委員長(田中一君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(田中一君) 速記始めて。
#11
○説明員(前川喜寛君) 多少不正確なところがあるかと思いますけれども、マグニチュード云々は地震そのものの大きさでございまして、そして、それが大体大数で、計算で出てくるものでございます。したがいまして、正確にはちょっと覚えておりませんけれども、マグニチュード六とか七とかいうような順序でいきますと、算術的には一つのオーダーの違いでございますが、その規模は幾何級数的にふえていくものでございます。したがって、たとえばマグニチュード六と七との差というのは――この辺が正確に覚えておりませんが――十倍とか十五倍とかというオーダーで違っていくということでございます。いずれにしましても地震の規模でございまして、地震そのものの大きさでございますが、今度現実に建物なりいろいろな構築物に加わる力というものにつきましては、今度、遠いとか近いとか地盤の性状とかいろいろなことによってまた違ってくると、こういうふうな性格を持って、こちらのほうは大体、どちらかといえば震度とかそういうふうの表現を使っております。
#12
○松本賢一君 私の聞いているところでは、マグニチュードが六・五とか七・幾らとかというそれが二違うと、マグニチュードの違い、たとえば六と四というような違いがあると、地震の規模は千倍ぐらい違うというんですね。だから東京の関東の大震災の七・九というものとそれから今度の六・五というものとを比べてみるともちろん千倍の違いはないかもしらぬけれども、地震の規模としてはおそらく百倍くらいの違いがあるのじゃないかという気がするのです。それといまお話しあったように、その震度というものとはこれは違うわけなんで、距離によっていろいろ違うわけなんで、建設省のほうではおそらくマグニチュードよりもその場所その場所における震度のほうが問題になるのだろうと思うわけなんですがね。そこで震度、これもひとつ予備知識として私どももあらまし知っておかなきゃならぬと思うのですけれども、震度四とか五とか六とかいいますが、これあらましちょっと説明していただけませんですか。
#13
○政府委員(降矢敬義君) 私の知る限りのことをちょっと申し上げますと、たとえば震度五というとまあ一般に強震といわれているわけですが、それは壁に割れ目が入り、あるいは墓石とか石どうろうが倒れたり、石がきや煙突が破損する程度というふうにいわれております。それから震度六は一般に烈震といわれているようでありまして、これは家屋が倒壊し山くずれが起き、地割れを生じ、多くの人が立っていることができない程度というのが一般にいわれている規模でございます。
#14
○松本賢一君 そうすると、東京の関東の大震災のいわゆる烈震区域はどの程度であったか。これは今度のロスアンゼルスの地震の烈震区域というものは――おそらく烈震というのがほんとうのこわい地震なんで、強震まではそんなにこわくないと思うんですがね。どの程度の差があるのか、どうですか、あらましわかっていませんか。
#15
○政府委員(降矢敬義君) 現在関東の地震につきましては、火災の当時の規模とか死者の程度はわかっておりますが、いま先生の御質問のような点については、詳細の資料を持ち合わせておりませんので、いずれかの機会に述べさしていただきたいと思います。
#16
○松本賢一君 ひとつそれでは済みませんけれども一応調べておいていただきたいと思います。
#17
○政府委員(降矢敬義君) 承知しました。
#18
○松本賢一君 それでまあ、日本の大都会における地震の場合というのが非常に私は心配なんで、それできょう質問をしておるわけなんですが、これ大都会といっても一応東京ということに話題も集中をしておりますし、考え方をもう東京ということに一応しぼってみたほうがわかりやすいと思うので、東京のことについてお伺いしてみたいと思いますけれども、新聞なんかで見ますとこういうことになっているようですね。東京の大地震というものは、まあ安政二年かにあって大正十二年にあったわけですが、歴史をたどってみると大体六十九年というものが周期になっておる、その前後十三年くらいですか、それを危険の範囲といわれているというようなことからやってみると、関東大震災からいまちょうど四十八年たっているわけですね、そうするとあと七、八年すると危険時期に入っていくと、こういうことにになるわけなんです。こういう点はもうもちろん皆さんそういうふうにお考えになっておると思うのですが、いかがですか。
#19
○政府委員(降矢敬義君) いまの御質問は東大の名誉教授の河角先生が鎌倉地方の地震のことを調べているときに、いろんな資料を収集いたしまして、それから統計学的な手法でいろいろ研究した結果、いま言われましたような六十九年周期説というものをお出しになったと私は承知しております。
#20
○松本賢一君 それ定説になってるわけですね、大体。
#21
○政府委員(降矢敬義君) 定説かどうかは私存じませんけれども、地震の専門家でありますので、一応の目安として、そういうことで今後対策を進めるということになっております。
#22
○松本賢一君 それで、いまの河角さんという方がおられますね。東京都防災協会の地震部会の副会長をしておられる東大の名誉教授の河角さんという、この方のいまのお説だろうと思うんですが、この方のおっしゃった中にですね、もし現在の東京で関東大震災程度、つまりマグニチュード七・九程度の地震が起こって、そのときがちょうど冬の夕方で、風速が十二メートルということを一応想定すると、都内で三万ヵ所から火災が起こって、その九九%は消火が不能だと、百万人ぐらいが死ぬんじゃないかというようなことを、私新聞で読んだり聞いたりしておるわけなんですが、そういう点、消防庁とされては一応どう考えておるわけですか。
#23
○政府委員(降矢敬義君) 河角先生のおっしゃっていることは、風速十二メートルで、冬季かなり現在石油ストーブ類を使っておるわけでございます。それで石油ストーブ類、大体三百万世帯が使っておるという状況でありまして、そこでこれを前提にして四十三年の十勝沖地震のときに石油ストーブ、それから発火した割合を考えますと、やはり約三万件くらい発火するんじゃないか。それは十勝沖地震の結果をそのまま用いればそのくらいになるであろう。そういたしますと、それを前提にして火災の消火を民間及び消防力をもってやっていましても、なおいま御指摘のような相当の火災が残る。そうすれば、避難がなかなか困難な人口というものも河角先生は五十六万とか六十万とかいうようにおっしゃっておりますが、そのくらいなるだろう。そうしますと、やはり数時間後にはかなりの火災による焼損地帯が生じまして、やはりこの前も衆議院の災害で申されましたが、相当数の死者、負傷者を見るであろう、こういうことをおっしゃっておられます。
#24
○松本賢一君 そういうことを大体お互いに頭の中に入れながらこれからお話を承りたいと思うんですが、実は私非常にいろんな災害がこわいほうのたちなんで、地震もいつも心配になるものですから、四年前に私は本会議で代表質問やったときに、幾つかの項目の中に地震の問題を取り上げて質問をしたんですが、大都市の地震に対する対策はどうなっておるかという質問をしたとき、総理の答弁はたいへんどうもおざなりで、まあここで申し上げるほどのこともないんですが、そのときに建設大臣西村さんだったと思うのですが、建設大臣が答弁なさったのに、ちょっと読んでみますと、「第一に、やはり大地震に対する都市防災上の対策でございます。建築物その他構築物が破壊されないようにするということ」、「そのためには、市街地の枢要な部分には従来とも防火地域、準防火地域等の指定を行なっておるわけでございます。また、木造建築物を禁止するとか、建築物の不燃化等をいろいろ考えてやっておるのでございます。」こういうふうな答弁なんですが、これはちょっと私よくわからないのですが、建築物その他構築物が破壊されないようにするために、防火地域とか、準防火地域をつくるといったような、答弁の文章からいうと、そういうことになっちゃっているのですが、それと次に答弁の中に、「大地震によって大規模な火災等が起こりました場合には、もちろん、避難壕であるとか、あるいは避難場所等というようなものを確保するのは当然でございます。しかしながら、まだ都市においては広場等が少ないのでございますから、大都市における公園等の拡大につきましては、今後も考えなければならぬと思っております。」こういう答弁をなさったわけです。そこで、建設省――建設大臣は、その後だいぶんたってから御就任なさったので、どういう御連絡を受けておられるかわかりませんけれども、避難壕とか、避難場所とかといったようなものを、その後具体的に何か施策の上に出てきているか。それから、その一つのあれとして、公園等の拡大というふうなことをおっしゃっておるわけなんですけれども、それが大都市においてどういうような形でいっておるか、ことに最も危険な区域とされている東京の江東地区において、公園とか避難場所とかといったようなものの拡大、あるいは新設等がどういうふうに行なわれているか、あらましお聞かせを願いたいと思います。
#25
○国務大臣(根本龍太郎君) 総合的なことをまず申し上げまして、具体的にやった、実施している問題については、事務当局から説明いたします。
 松本さん御指摘のとおり、大都市における震災しかも、強度の震災が起きた場合における対策は、非常にこれは重大でございまして、かつ、これは非常に困難な問題であります。がしかし、これをでき得るだけ徹底してやらなければ、これは国民が安心ができないし、また、特に首都の危険性がかなりあるという一つの蓋然性と申しますか、あるいは、必然性と申しますか、考えられている今日でありますので、鋭意この問題について注意を払ってきているのであります。しかし、一面におきまして、いつごろ震災がくるかもしれぬ、それにはこうだというと、これは人心が動揺しまして、そのために起こるマイナスの面も考えなければなりませんので、総合的な施策をしつつも、訓練とか、いろいろの施策はやはり地方自治体が主体でありますので、東京都でも、各区あたりを単位に避難訓練とか、何かやらなければならぬということは事実だと思います。だから、そこでいま一番われわれのほうとして数年来から特に考慮しておりますのは、高層建築物の問題です。これは震災については、非常に強く設計さしております。がしかし、幾ら安全だと思いましても、人間がショックを受けた場合に、非常にたくさんの人間がそこから避難するために、非常な殺到が起こるのじゃないないか、それに対する対策、これがひとつ大きな問題であります。それから最近では地下街の問題がございます。この地下街で震災が起こった場合には、火災と混雑と双方からくる問題、これに対する建築法上の指導のほか、消防庁においてもいろいろ排煙その他の措置も講じておられるわけであります。その次に出てくる問題は、高速自動車道路が、これは人のいないときには別ですけれども、そうした問題が出た場合における誘導等の問題、これがございます。それからいま特に御指摘になりました江東につきましてはこれはデルタ地帯でありまして、複合した震災と火災と水害の問題がございます。そういうことを踏まえまして、数年前から実はあすこに総合的な具体的な施策を講じておりまするが、これについては都市局長から具体的な説明をいたさせたいと思います。
#26
○松本賢一君 いま大臣いろいろと抱負的なことを述べられましたけれども、ちょっと私の質問に答えていただきたい。大臣じゃなくてもいいんですけれども、さっきの私が質問したときの答弁が避難場所、公園の拡大といったようなことを答弁しておられたわけなんですが、その後、危険区域において避難場所とか公園というものが具体的にどういうふうに拡大されておるか、あるいは新設されておるかということをお聞かせいただきたい。
#27
○政府委員(吉兼三郎君) 先生御指摘の東京の場合、しかも江東地区とかそういう地域について具体的にそういう見地からどういうふうに避難場所とか避難広場とかそういうふうなものが確保されてきたか、というお尋ねかと思いますけれども、私どものほうの担当では公園、緑地というものの整備を促進をいたしておる立場でございますが、公園、緑地といいますものは、防災の見地のみならずいまの日本の都市では非常に不足しておりますので、乏しいながら国の予算をもちまして、それの整備の促進をはかっておるわけでございますが、現実にこういう防災上の見地から幾ら、どこに、どの程度そういうものが確保されたかということにつきましては、ちょっといま私どものほうには手元にそういう資料は持ち合わしておりませんが、当面はやはり現在あるそういうものをいかに有効に活用して緊急の場合に機能を発揮させるかというふうな問題も、一つ大きな問題だろうと思っております。これにつきましては、私どものほうの直接関係ではございません。消防庁あたりからお話、お答えがあろうかと思いますけれども、現にお尋ねの点につきまして、どの程度こういうことで緑地なり広場を確保されたかということにつきましては、ちょっといま手元に数字を持ち合わしてございませんので、後ほどまた。
#28
○松本賢一君 おかしいと思うのですよ。私は文句を言いに来ているのじゃありませんので、相談しながらなるべくいいぐあいにやってもらいたいと思って質問しているのですけれども、大臣が本会議でこういう答弁をしているとすれば、その後において何かこれについて省内において検討されて、そしてこれはこうなったということを聞かしていただかなきゃ何にもならぬのですよ、何にもないということなんですか。
#29
○政府委員(吉兼三郎君) おっしゃいましたのは調べましたらわかると思いますが、ただ手元に持ち合わしておりませんので、後ほど早急に提出させていただきたいと思います。
#30
○松本賢一君 質問の前にどなたか私のところに来られて、どんな質問なさいますかという話があったから、私は前に本会議でこういう質問をしておる、大臣、こんな答弁しております、それについてまず聞きますという話はしてあるのですよ。それならそれを調べてきていただかないと、次の質問、進められませんが。
#31
○委員長(田中一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#32
○委員長(田中一君) 速記を起こして。
#33
○松本賢一君 それじゃ、こうしましょう。質問が進まないのもつまらないから、ひとつ調べて、その後どうなったかということを後ほど伺います、別な機会でけっこうですから。ではそういうことで、結局まあ非常に不満に思いますけれども、一応よく調べていただきたい。
 そこで建設大臣がこの間、所信表明の中で、「国土保全」ということの項目の中だったと思うのですが、「耐震対策等」と一言触れられておるわけですが、これがさっき述べられたようなことじゃないかと思うので、建設大臣の一応考え方、まああらましさっきのお話しのようなものだろうと思うわけですが、次に十二日でしたかの衆議院の災害対策特別委員会でさっきのお話しの出た河角さんが出席されたのですけれども、そのときにいろいろ問題があったと思いますけれども、その中で新建材の問題、それから高速道路の問題とか超高層ビルというようなものがみんな問題になって――問題になっているということは、クエスチョンマークがついているわけですね。そういうことは、どうも日本というのは世界一の地震国なんで、地震に対しては何十年来万全な対策をとられていてもいいわけなんです。いいわけなんだけれども、人間というもの変なものなんで、さっき大臣が言われたようにいつ起こるかわからないものだから、結局はっきりした対策でいままで立たないでいたということになるでしょうけれども、そこでそういうことも考えながら、私は四年前にも本会議で特に質問をしたわけなんですけれども、その後もいまのようにものごとは具体的には出ないということになるわけなんですが、最近、新建材の問題でいろいろたいへんなことがニュースで伝わっておりますが、これもたいへんな、どうもひどい問題じゃないかと思うのですね。新建材があれだけ悪い煙を出すとかガスを出すとかいうことが、とっかえひっかえ新聞にもあらわれておるにもかかわらず、まだ新建材に何かマークがしてあったとかなかったとかいうようなことが問題になっておるとか、そういうことじゃほんとうにもう情けないと思うのですね。そういう点についてひとつまあこの新建材の問題についてどういうふうに腹をきめておられるか、これは大臣にお聞かせいただきたいと思います。
#34
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおり新建材の問題は、燃えやすいということのほかに発煙がございます。この発煙が非常に人間の生命を脅かしておる、また現実に多数の人が死んでおる。これは煙だから安心だというふうなまだ観念があるようでございます。そこでこの問題は通産省とも連絡をして、いままで許可したものの中でも最近の火災に基づく新建材の危険性総点検をして、もう一回これはあらためて許可をするような措置を講ずべきだということで検討を命じております。通産大臣にも申し入れをいたして、具体的な新建材の再検討をいま着手に入ったという段階でございます。
#35
○松本賢一君 そうすると、再検討に入ったというのは、ほんとうに何かたよりない話ですけれども、まあとにかくこういうふうに腹をきめていただいておるわけですね。今後は再検討の結果、悪いものはもう絶対に市場には出回らせない、と同時にもう一つお尋ねしておきたいのは、すでに使ってあるものですね、使ってあるということはその危険をはらんでおるということなんですが、そういうものに対する対策をどういうふうにお考えになっておるか。
#36
○国務大臣(根本龍太郎君) 非常に危険のあるものは改善命令等の措置を講じまするが、住宅局長から私がただいま申し上げましたことについて事務的な答弁をいたさせます。
#37
○政府委員(多治見高雄君) ただいまの技術的な問題につきまして御答弁を申し上げますが、不燃材料の試験方法につきまして、四十四年の八月に試験方法を厳密に改正するということで、その試験方法の内容を改正しました。これにつきましてこの試験方法で不燃材料、それから準不燃材料、難燃材料ということで試験方法によりましてそれぞれの性能をきめる、という告示をいたしました。その適用を四十五年の一月からやっておりますが、その後も建築基準法の改正につきましてこの不燃材料の適用をどこまでやるかということで、今度の法律の改正に伴いまして本年一月一日からその適用範囲を広げまして不燃材料、準不燃材料の適用範囲を非常に広げまして、それで火災の危険のある場所につきましては、少なくとも準不燃材料を使用するということで実施いたすことにいたしましております。ただ先ほど御質問ございました従来からございました可燃材料で有毒ガスを出すおそれがあるものにつきましては、建築基準法の規定によりまして非常に危険な場合は改善の勧告をするということで、これも強力に指導したいということで実施いたしております。
#38
○松本賢一君 それでは今後は検討の結果皆さん方が新しい方針をきめられたら、どっかもうその辺の大工さんにどんなものを使ってもらってもあぶないものはないんだ、ということになるわけですね。
#39
○政府委員(多治見高雄君) 法律、新政令のもとではその危険がないように万全の措置を講じたいということでやっております。
#40
○松本賢一君 一ぺん大臣に確認しておきたいのですが、ほんとうに今後ははっきりしていただけますね。
#41
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま申し上げたように、私は特に厳重に再点検を命じまして、原料の問題についても、これは通産省で所管しておるものも多いのでございまして、そういう意味で通産省にも十分打ち合わせをして宮澤通産大臣もこれには合意をしておりまするので、相当の改善ができると信じております。
#42
○松本賢一君 それじゃ次に、やっぱりこれ河角さんが問題にしておる高速道路の問題ですが、それとまあそれに関連してきょうはおそらくその関係の方はお見えになっておらぬかと思いますが、同じように心配なのは新幹線の問題があるわけです。で、いまの高速道路の問題で、現にロスアンゼルスではどちらかというと、たいして大きな地震ではなかったのに落っこっちゃっているといったようなことが各所にあったわけです。日本の高速道路というものは一応地震にはだいじょうぶにできているんだというような説明も聞いているのですけれども、これに対していかがでございますか、首都高速道路公団の方で御説明いただければ。
#43
○参考人(御子柴博見君) 最初に先生が御指摘ありましたように、日本は世界有数の地震国である、こういう前提に立ちまして首都高速道路の設計と施工にあたりましてはその基準を関東大震災、少なくともそれ以上のものに耐えられる、こういう設計をいたしまして施工いたしておるわけでございます。それでその地震の破壊力の力は水平方向に振動がおもでございまして、これが構造物の重さの〇・二四から〇・三倍の力が水平方向に働くように設計しておるわけでございますが、これはアメリカに比べてみますと、アメリカの基準ではただいま申し上げました日本の〇・二四ないしは〇・三倍、こういうものに対しまして〇・〇二から〇・〇六倍、これに比べますと首都高速道路の場合におきましては、四倍以上の安全度を見ておるわけでございます。そういうわけで、設計施工につきましては、関東大震災に耐えられるものとして設計してございますし、さらに常時構造物の点検なり補修に十分留意いたしておりますので、まずは心配ない、さように考えております。
#44
○松本賢一君 そうすると、再検討しなければならぬといったようなムードが新聞等にあらわれているのですけれども、そういう必要ないということですか。
#45
○参考人(御子柴博見君) この災害というのは、その規模がいつどんな状況でくるか、これは十分われわれといたしましても頭に置かなければならない問題と考えますので、先ほど申し上げましたように、現状におきましてはそのとおりでございますが、さらにこのたびのロスアンゼルスの震災は、先ほど先生もお話ありましたようにマグニチュード六・五、こちらの関東大震災の場合七・九でございますから、相当の開きはございますが、ロスアンゼルスの場合の状況等も十分注意いたしまして、国の視察団の中にも加えていただきまして、そういった検討をいたしますと同時に、今後もいろいろなデータを集めまして、この上とも万全の措置をとってまいりたいと、かように考えております。
#46
○松本賢一君 この上とも万全の措置をいただくということは、これはもちろんけっこうなことだと思いますけれども、いまおっしゃるように、アメリカのようなちゃちなものじゃないのだということであれば、そのことをもっとPRしていただきませんと、これは非常に一般の国民が今度のロスアンゼルスの問題から、日本の高速道路に対して非常に危倶を持っているわけなんです。そういう意味で、私はほんとうにだいじょうぶなものだということなら、そういうふうにPRをやはりすべきじゃないかと思います。
#47
○参考人(有江義晴君) お許しを得まして御説明申し上げます。
 ただいま副理事長が総括的に申し上げたのでございますが、確かに今回のロスアンゼルスの地震の規模と比較いたしますと、われわれは常に念頭に置いております関東震災の規模は、はるかに大きいわけでございます。したがいまして、われわれ構造物を施工、設計いたします場合に、まず地質とかあるいは構造物いかんによりましては、地震の大きさの関係もそれぞれ異なりまして、われわれの想像しない事態にならぬとは言えないのでございます。少なくともわれわれが現在こしらえております構造物は、地震の場合に引っくり返ってしまう、あるいは折れて落ちてしまったり、こういうことがないようにということは、念頭に置いておるわけでございます。災害の場合は若干のひびあるいは局部的な曲がりとか、こういうものは出るものと存じておりますが、復旧が少なくとも簡単にできるようにというような努力はつとめておる次第でございます。初期にこしらえました構造物につきましては、落下に関して若干不備がございまして、その後けたとけたとをつないで相互の連絡関係を密にして、地震の場合も落っこちないようにしているというような一つの例もございます。
#48
○松本賢一君 いまちょっとおことばの中に入っていたのですけれども、落っこちる問題ですが、実は新潟の地震で新しい橋が落ちて、古い橋はそのまま残っているといったような写真に、はっきりあれは国民の一つの笑い話の種になったわけですけれども、そうすると、ああいう心配はその後つくったものには絶対ないということですか。
#49
○参考人(有江義晴君) 御質問の新潟関係につきましては、まことに申しわけないんでございますが、私はあまり勉強いたしておりませんので、ただ報告のたぐいを拝見いたしますと、最近問題になっておりますクイックサンドの問題が非常に影響したのじゃないかと思います。橋ばかりじゃなくてアパートなどのたぐいじゃないかと思っております。これは非常に私どもにとりましていい参考でございまして、実は静的な状態において安全と考えても、ただいま不安定な震動状態におきましては、わりあいに堅い砂でも流動性を帯びるということは、最近新しく唱えられているところでございまして、私どももこの問題につきましては非常に注意を払っております。したがいまして、ただいまひっくり返るという表現を私使いましたが、そのことがないように、地下におきます構造物を広げるとか、あるいはがんじょうなトンネルの本体と一体とするというような努力を続けておる次第でございまして、まあ大体関東震災程度の災害では、私どものこしらえております道路はひっくり返ったり、たいへんな被害ということはないかと、かように信じております。
#50
○松本賢一君 まあ、高速道路の問題、だいぶん私も心配がここへ来てから少し少なくなったんですけれども、今後とも自信のあるものは、自信というのはアースクウェイクじゃなくて、あなた方の気持ちの中で自信のあるものだったらこれはもうあれですな、大いにやっぱりだいじょうぶなんだということを自信を持って言っていただいたほうが、私は国民のためになると思うんです。そういう点はっきりさしていただきたいという気がするんです。
 そこで高速道路の問題はその程度にいたしますが、次にやっぱり問題にしておられる超高層ビルですね、これがまあ設計した人やら施工した人やらは、だいじょうぶなんだと言っておるんだけれども、やっぱり近ごろのムードとしては問題になっておるということなんですが、これは国民感情からいいますと、若い方はごらんにならなかったわけですが、われわれ年寄りは大正大震災のときに、あのころに最も堅牢であった、とてもりっぱな建築物であった丸ビルとか郵船ビルとかいうものは、これはこわれやしなかったけれども、ずっと、ちょうど二階の部分にバツ形の亀裂、大きな亀裂がずっと生じていたわけです。ああいうものをこの目で見た記憶がなまなましくまだ残っておりますので、そうすると丸ビルの高さで、しかもあの鉄骨、鉄筋のりっぱな建物なのがああいう程度であったとすれば、今度の三十階だ、四十階だというのはとてももつものじゃなかろうという、しろうとの感覚ですが、そういう感じがしているわけです。ところがあれが建つときには、高い建物が建つときには東大の丹下さんでしたか、だれかえらい先生が実験の結果だいじょうぶなんだといったようなこともあったり、結局あぶなくないのだと、日本では高い建物はあぶないのだということが頭にしみ込んでいるやさきに、高いほうがむしろ地震がこたえないのだといったようなことを言われて建ったと、しろうとにはそんなことはよくわからないけれども、まあそうなんだろうと、また今度のロスアンゼルスの地震でもって高い建物は問題だと、ロスアンゼルスは耐震で自慢の三十二階建ての何とかビルというのが耐震構造のところが変になったというような、そういったようなニュースもあるし、そういう点についてどうですか、建設当局のほうでどういうふうにお考えでございましょうか。
#51
○政府委員(多治見高雄君) 御質問の趣旨、よくわれわれもわかるつもりでございます。それで非常に高い建物ができますので、地震の場合にこれに対して被害はどうだということを、一般的にも御心配の向きがあることをよく承知しております。ただ耐震構造につきましては、関東大震災以来日本で非常に熱心に研究されまして、いまお話の例の中にございましたが、丸ビルの構造でございますとか、そういった例も十分取り入れまして、丸ビルのときにはまだそういった大震災の経験がなかった時代の話でございます。その後関東大震災の経験を取り入れまして、耐震構造の建築が進歩しているということで、現在の技術の段階で申し上げますと、いまの例で申し上げますと、霞が関のビル、あれにつきましての建築技術としては絶対心配がない、というふうに考えておる次第でございます。
#52
○松本賢一君 絶対に心配のないものなら、あれも問題なんだといったようなムードをただよわさないようにしてもらいたいと思うのですが、どうしてああいうことになるか、どこかにやっぱりあぶないところがあるのじゃないかと、しかも一部かもしれないけれども、専門家からそういうことが往々にして新聞なんかには出てくるということになれば、これはまあいまここでとやかく言ってもしょうがないけれども、十分に検討されて、ほんとうに今度ロスアンゼルスへ視察団も行かれるようですけれども、ロスの耐震構造の建築が変になったと、これはこういうところに欠陥があったのだ、日本にはそういう欠陥はないのだといったようなことを、やっぱり国民にわかるようにPRしていただきませんと、不必要な不安を抱くような場合がありますから、そういう点を今後ははっきりさしていただきたいと思うのです。で、まあロスアンゼルスの視察の結果を待ちたいという気もありますので、超高層ビルの問題についてはこの辺にしておきます。
 そういうことでいろいろ問題はあると思うのですけれども、一番日本の特性として、もう一つ新しい問題として地下道とか、地下街とか、あるいは地下鉄とかいう問題があるわけですけれども、これが何か非常に構造的に悪い面もあったり何かするようなことが問題になっておる。それから川の下をくぐっているような場合には、水が漏れてきて、それに対して地下鉄なんかは乗客が危険じゃないかといったような、そういったような問題についてあらましお聞かせいただけますか。
#53
○政府委員(多治見高雄君) ただいまお話しのように、地下街の問題につきましては、お話しのような心配が非常にあるということは、われわれも十分心得ております。それで地震あるいは火災等によります被害につきましては、特に地震につきましては地下街についてはあまり震動が大きくないのでそう心配はない、構造的にしっかりしておればよろしいということで、高層ビルに比較いたしますと、地震に対する防備というのはわりあいに簡単にできるというふうに考えております。ただ、地震が起きました際に、その地震のショックによりまして、中におります人々の混乱といいますか、パニックといいますか、これが一番心配である。この場合の火の防ぎ方、それから煙の防ぎ方、それからその煙をどうやって出すか、火をどうやって消すか、その場合の内装の材料によります火事がどう延びていくかという点が、一番大事な防災計画としてのポイントであろうというふうに考えまして、建築基準法の改正につきましては、地下街の火災問題につきましてはそういった点に十分配慮いたしまして、特に地下街につきましてはその点厳重に規制をいたしております。それで地下街で地震が起きました場合、火災が起きました場合、いろいろの不安があることは事実でございますが、これにつきましての行政的な措置としては、今度の改正で十全とは申しませんけれども、できる限りの措置をしたいというふうに考えております。
#54
○松本賢一君 できる限りの措置ということに何もかも含まれているから、もうしろうとが何もこれ以上聞くことはないかもしれませんけれども、停電なんかにすぐなると思うのですね、地震なんかあると。まっ暗になったらこれはたいへんなことになると思うので、そういう点も特に配慮ができていると思いますが、いかがですか。
#55
○政府委員(多治見高雄君) 最近の特殊建築物の火事等の場合の恐怖に対しまして、そういった非常の場合の照明設備、これは非常にわれわれは気を配っております。特に地下街につきましては非常用照明設備を強制いたしております。その場合、地震、火事の非常用の場合には、当然電源が切れた場合にも、その地下街にございます予備電源で照明設備が動くようにということを法律で強制いたしておりますので、できるだけの措置はしているつもりでございます。
#56
○松本賢一君 えらいこまかいことですが、そういう予備電源といったようなものはそれはどんな大きな地震にもだいじょうぶなようなものなのですか。
#57
○政府委員(多治見高雄君) 予備電源の設備はいろいろ構造によって違いますけれども、地震、火災その他の非常用の場合に作動できるということが第一条件でございますので、それぞれの条件に応じてこういった非常用電源を備えるという規定にしてございます。
#58
○松本賢一君 それからこれは日本における特性だといわれているのですが、木造家屋が非常に多いことですね。それで外国の大都会へ行っも木造家屋はたくさん見るわけですけれども、一体比率はどのくらい違うのですか。たとえば東京とロンドンとか東京とパリとかいったように比較して話を聞いてみると多少わかりいいと思うのですけれども、そういう比較はできませんか。
#59
○政府委員(多治見高雄君) ちょっととその数字持ち合わせておりませんけれども、確かに日本の都会は木造住宅が多いので可燃性の物質が多いということはよくわかっておりますので、今後都市の形態をどういうふうに改造していくかという問題は、大きな問題であると思いますけれども、現在木造の住宅をどう不燃化するかということにつきましての具体的な措置はございませんけれども、ロンドンとかと比べましてどうだといわれますとちょっと数字ございませんので、後ほど調べまして。
#60
○松本賢一君 これあまりごめんどうかけてもいかぬけれども、たとえば外国の大都会で木造家屋がこのくらいのパーセンテージになっておるとか、東京のほうはわかるでしょう、パーセンテージがどのくらいになっているか、東京のほうだけ聞かせてください。わかりませんか。
#61
○政府委員(多治見高雄君) 東京の数字はちょっと手元にございませんが、全国の住宅で申し上げますと、木造、非木造、要するに耐火、耐火でない構造ということで申し上げますと、全国の、これ住宅だけでございますが、九一・五%が木造とうことでございます。可燃性のものということでございます。
#62
○松本賢一君 それで、もしあまりめんどうでなければ、どこか外国の都会の数字をひとつ。
#63
○政府委員(多治見高雄君) 資料を整備しまして後ほど。
#64
○松本賢一君 それでこれを解消していくおつもりなんでしょう。これはひとつ大臣にでもお聞きしてみたいのですけれども、都市改造というような意味で、木造建築をやはり計画的に減らしていくという具体的な方策をお持ちか、あるいはこれからそういうことをやろうとなさっておるか、お聞かせをいただきたいと思います。
#65
○国務大臣(根本龍太郎君) 大都市の商業地区あるいはビジネスセンターが不燃そして耐震ということを趣旨として行政指導また誘導してまいります。ただし、住宅地区につきましては、必ずそれをやれということは、なかなか困難な点があります。なおまた今回は都市の再開発等に開銀資金を融資する方途も開きまして、できるだけいま御指摘になりました点を推進してまいりたいと思っております。
#66
○松本賢一君 そうすると、現在、町の商業地区といわれているようなところでも、往々にして木造というか何というか、とにかく火事があったら一たまりもないような感じの家が相当数ありますわね。そういうものは将来はゼロにしていくというような方針でおられるのですか。
#67
○国務大臣(根本龍太郎君) これは強制できませんので、資金も相当かかることでありますので、できるだけこれは都市改造でやらせたい、それには財投資金も融資していくというふうにして、自治体並びにその地区の商業組合等とできるだけ連係をとりましてそういうふうな誘導をしていく。理想としては全部不燃建築に持っていきたいと思っております。
#68
○松本賢一君 新しく建築するときには不燃建築でなければできないということになっておるのでしょう、そうなんでしょう。そうすると、いままであるものを改築させるということはなかなか強制できないと、こういうわけですね。だけれども指導していこう、こういうことになりますね。
#69
○国務大臣(根本龍太郎君) そういうことです。
#70
○松本賢一君 それではもう一つ。建設省としてもいろいろ対策をどんどん進めていっていただきたいと思うのですが、消防庁のほうに、消防庁長官にちょっとお尋ねしたいのですけれども、石油ストーブ、さっきも話が出ましたが、石油ストーブですね、これがあるために非常に、三万件火災が起こる。これがなければ何百くらいで済むとかいったようなことらしいのですけれども、この石油ストーブというものを、これは消防のほうの専門じゃないかもしらぬけれども、何とか、一定のショックを与えた場合にはひとりでに火が消えるといったような安全装置を石油ストーブには必ずつけると、そういうようなことを指導するなり法制化するなりということはできないものでしょうか。
#71
○政府委員(降矢敬義君) ただいま御指摘の石油ストーブの問題は、震災のときの発火源として非常に心配でありまして、いわゆるJIS規格におきまして三十八年ころからいろいろ検討がありまして、四十二年に転倒した場合に石油が漏れる量をある程度規制するということことをやりましたが、さらに四十五年の、去年の十一月だったと思いますが、対転倒消火法というものをこれに加えて、そしてJIS規格として規定するということをきめたようでありまして、これが四十六年の十月からそういうものをJIS規格として、石油ストーブとして考えるということに通産省のほうできめたようでございます。われわれ消防の側におきましても、消防研究所におきまして、地震の震動に対して転倒するかしないかという研究、並びにいま御指摘のように、対転倒消化法といいましても、まだこれが絶対であるというものは確立されておりませんので、たとえば、倒れれば炭酸ガスがおのずから出て火を消すとか、あるいは震動したとたんに、いわゆるしんの部分が落下して、そして消えるとか、いろんな方法が現在メーカーを中心に開発されておりますので、いまの御指摘のように、JIS規格として、今年の十月から採用されますので、それまでやはり技術的なものが開発されて、それにつけられると、こういうふうに承知しております。
#72
○松本賢一君 そうすると、これは通産省のほうとよく相談いただいて、まあひとつこれも万全な策というものが――万全ということはないかもしらぬけれども、ひとつよくやっていただきたいと思うわけです。
 そこで、もう時間もありませんので、大臣にひとつ伺っておきたいんですけれども、この地震の問題は、これはあらゆることにわたって建設省関係も非常にたいへん関係があるし、消防も関係があるし、警察も関係があるし、運輸省もあろうし、もうとにかくあるんで、これをひとつどうですか、もう関東大震災というものが六十何年かの周期ということは、一応定説になっておるわけですから、そういうことからすれば、もう必ず、戦争や何かと違って、こいつはどうにもしようがない、来るものが来るということになるわけですから、それに対してひとつ万全な策を十年なんと言わないで、五年なら五年ぐらいの間に万全な策を立てて、そしてこれを具体化していくといったようなことが必要じゃないかと思うんです。そのためには大きな政治力というものを発揮していかなきゃならぬ、予算も大きな予算を考えていかなきゃならぬということになると、これは一省一庁が考えたってしょうがないことになるんだということになれば、総合的な地震対策本部というか、あるいは何というか、そういう政府をあげての一つの機関というものをつくって、早急に検討する、そういう考え方、大臣いかがですか。
#73
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点、そのとおりでありまするので、御承知のように、中央防災会議がございまして、これが総理を中心といたしまして、各関係各省がそれぞれ持ち場もあります。るけれども総合的な計画を立てられております。その一端を受けまして、われわれ建設省は建設省としての政策をいま着々進めておるということでございまするので、さらに御指摘の点がございまするので、防災会議のほうにもより一そうの推進方をわれわれのほうからも申し上げておきたいと思います。
#74
○松本賢一君 中央防災会議というのは、台風とか、そういう場合にはよく何しておられるようですけれども、どうもこの地震の問題についていままで何にも――私が寡聞なのかもしれませんけれども、あまり動いておらないような気がする。この際あれを使うのがいいか悪いかということにもなると思うんですけれども、ひとつ大震災というものはもうどうしても起こるのだという前提のもとに、台風もそうだけれども、ひとつまあ万全の策を講じていただきたい、大臣にひとつ要望してこの問題についての質問を終わります。
#75
○政府委員(吉兼三郎君) 先刻お尋ねの公園の整備状況でございますが、特にお尋ねがあった東京の江東地区はどういうふうに公園が整備されているかというものでございますが、四十二年ごろに対比いたしました数字がわかりましたが、江東の三区におきまして四十二年に公園面積六十ヘクタール、それが四十五年末におきまして九十五ヘクタールという状況になっております。約四割増でございまして、全国の公園の整備の伸び率からいきますと、この地域の伸びは非常に高うございます。しかしながら、これだけではこの地域の防災対策が決して十分じゃございませんので、絶えず私どものほうでは防災の拠点、避難広場というものを整備する必要があるということで、四十六年度からその構想の一端としまして白髭地区に避難の拠点広場を確保するための事業に着手いたしたい、こういう事情でございます。
#76
○松本賢一君 江東地区というのは江東区という意味じゃなくて、川の東という意味ですか。
#77
○政府委員(吉兼三郎君) 江東地区と申しますのは隅田川と荒川、江戸川のほうの一部、区で申し上げますと江東墨田区、江戸川、この三地区を通称江東地区と称しております。
#78
○松本賢一君 これについては別の機会にまたもう少し私の意見も言わしてもらったりしたいと思いますが、きょうは時間がございませんので、この問題についてはこれで……。
 ちょっとほかの問題で触れておきたいのでございますが、本州四国の連絡橋というがありますね。三つの橋をかけるということ、現在どういうことになっているのかごくあらまし御説明いただきたいと思います。
#79
○国務大臣(根本龍太郎君) 昨年公団を設立いたしまして、従来の調査研究を進めておりますが、本格的に架橋ができる技術開発と、さらには用地あるいはあすこの瀬戸内海の非常に潮流の速いところで、しかも現在たくさん船が動いている中で工事をするために、それらの障害をなくしつつやるためのあらゆる調査に、いま入っておるわけであります。本年度、四十六年度は四十億の予算をつけてやっておるのでありますが、ちょうど総裁もきておりまするから、今日までの進行状況は、総裁から答弁させていただきたいと思います。
#80
○参考人(富樫凱一君) 大臣からお話がございましたが、瀬戸内海の三ルートにつきまして調査を進めております。四十五年度は建設省並びに鉄道建設公団のやっておりました調査を引き継ぎまして、その方針で調査を継続いたしておりますが、四十六年度にはさらにその調査を進めまして四十七年度中ぐらには、調査をおおよそ終わりたい考えでございます。現在やっております調査は明石−鳴戸の線ですが、この線につきましては鳴戸の沖、それから岡山から坂出に行きます児島−坂出の線につきましては児島の付近、それから尾道から今治に出ます線につきましては大三島の多多羅岬付近でそれぞれ調査を進めております。これらの調査は、それぞれのルートに特有の調査ということではありませんで、この三つのコンバインしましてどれにでも適用できる、それが適当なところにはやるという方針で調査を進めております。ただいま重点的に目標にいたしておりますのは、水深の深いところをどう掘さくするか、掘さくして基礎を固定し得るか、技術的にはそこに重点を置いております。その他、さきに大臣からお話しのありました自然条件の調査、あるいは経済調査、漁業補償の調査でありますとか、航路安全に対します調査でありますとか、万般の調査を進めております。
#81
○松本賢一君 実際に工事にかかられるのは大体いつごろで、完成するのはいつごろの予定といったようなことの目安がおありですか。
#82
○参考人(富樫凱一君) 調査の目標を四十八年度中にはどのルートも着工できるようにということで調査の目標を置いてございます。その結果、いつまでにどこの部分を着工して完成せしめるということは、その調査の結果に基づきますので、ただいまのどころ、具体的な目標は四十八年度に着工できるように調査するということで各路線につきまして力を入れておるような次第でございます。
#83
○松本賢一君 大臣にお聞きしたいのですけれども、これ三つの橋を同時にかけられるおつもりなんですか。
#84
○国務大臣(根本龍太郎君) 昨年いろいろと各方面からも要求もあり、同時着工すべきであるという意見が強いので、それにこたえるためにいま鋭意進めておると、こう言っておるわけであります。しかし、実質的に、もうちょうど競技のときにスタートラインに一緒に並べて用意ドンで一緒に着工するというほどの同時着工になるかどうかは、これは、おそらくその当時における財政上の問題その他の、いつも私のほうで申し上げておるその地域の受け入れ態勢がどう進んでおるかということにも関係があるのでありまするが、現在のところ、われわれとしては四十八年度にいずれもが着工できるように進めいた、こういう気持ちでおります。
#85
○松本賢一君 これですね、もちろん三つの橋みんなかかればこれに越したことはないわけなんですが、どうも二、三年前にはどっかへ一つ先にかけるのだと、そして次をかけ、次をかけるのだといったような話であったのが、いつのまにか三つ一緒にスタートラインに並んだといまおっしゃったけれども、そんなようなかっこうになってしまったようなわけなんで、これはまあ要望が強いとおっしゃるけれども、その要望というのは地元の要望なんだろうと思うので、私も地元なんですが、もちろん地元だから地元は早くかかってくれればいいに越したことはないのですけれども、しかし、それは気持ちなんであって、全国的な建設計画というものからいってどこが一番適当なんだと、ここをかけるのだというこになれば、すわり込みやって妨害するといったようなそういう気持ちがあるわけじゃないので、まあかりにほかにきまった場合でも。そういうことなんですから、これをただどうも何か地元の政治力というか何というか、そういうものに押されて、そしてとうとう三つとも同じように八方美人みたいなことでやっていくようになってしまったというような感じがするわけですよ。そういう点で、ほんとうならおととしの九月でしたか、おととしの九月にははっきりどこをやるのだということをきめるという総理大臣のことばもあったように思うのですけれども、それが九月が十一月になり、年末になり、春になり、秋になりして、結局三つが八方美人みたいなことになってしまったということなんで、こういうことはどうも国民として納得できない気持ちがあるわけなんで、そういう点を、ひとつ大臣は政治力のある方だと思うので、勇断をもって、蛮勇をもってほんとうに国策上これが一番いいんだということをはっきりさしていただきたいと実は思うわけです。これは非常に政治的な問題なんで、建設大臣の政治力と同時に、また総理のあれも、これは近いうちに予算委員会が開かれるので、予算委員会で総理にも聞いてみようと思っているのですけれども、そういった強力な政治力を発揮してもらって、八方美人的な、わけのわからぬようなことでなくやっていただきたいと思います。いま大臣、御答弁がしにくいかもしれませんが、できればしていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#86
○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように、これはほんとうに着工する場合には、航路安全とか漁業補償、それから取りつけ道路、これは非常にむずかしい問題がございます。したがって、その条件が整わなければ、幾らやりたいと言っても、これはできません。そういう点がありますので、四十七年度までにそうした条件がみな平等に出てこないです。必ずそこに違いが出てくるわけでありますから、そうすれば、おのずからそこで現実に着工する場合においては、時差が出てくるということも、これはあり得ることでございます。
 これからもう一つは、三ヵ所一緒にやるということは、ぜいたくじゃないかという議論は、実は衆議院内でも相当ありました。こちらでもございます。特に現在、東京港がこのように過密になっておるときに、首都圏の問題からするなら、むしろ東京湾岸道路、もしくは東京横断道路とか、こういうものを優先すべきだと、こういう議論も出てきております。あるいはまた、あそこに三本橋をかけるならば、むしろいま非常に問題になっておる北陸と山陰のほうをやって、それによって地域開発と過密化の問題を解決すべきだ、こういう議論もございます。しかしわれわれといたしましては、御承知のように、いま近畿と中国が都市公害に悩まされまして、ほとんどあそこに、水の問題等も含めますと、今後の大きな開発は困難になってきます。ところが、あの三つの橋ができるということになります、その問題を解決すると同時に、四国が完全に中国、近畿圏と一体になり、そこに非常に大きなメリットがある。こういう観点からするならば、これは三つやっても決していわゆる過剰投資にはならない、こういうような観点で、実は昨年ある公団をつくるときに、総理の最終的な決断できまったということでございます。これができるようになりますれば、どんなことをしても十年かかりますから、その時期における日本の経済力、それから国際経済の状況から見れば、いまから見ればちょっと過剰投資に見られるけれども、完成する時期から見れば、むしろこれでよかったというほうが多いのじゃないか、こう見ている次第でございます。
#87
○松本賢一君 これは、三つ橋をかけるということを私も反対しているわけではないのですよ。かけたほうがいいにきまっているのです。いいにきまっているんだけれども、現在の日本の国力の中で、三つ一ぺんにかけるということは、おそらくたいへんなその比重がかかってくると実は思うのです。それで、いまの地震対策等にも金が要ろうし、公害の対策にも金が要ろうし、ありとあらゆるものに金が要るさなかに大体三つの橋に着手する、具体条件が整えばどこからでもやるのだというかまえでおられるようですが、いまのお答えによると。そういうことで同時に三つの橋を十年間にかけるということになると、日本の財政上の負担というものがたいへん大きなウエートがかかってくると思うので、そこらやっぱり二、三年前の計画に戻るほうがいいんじゃないかというような、そういうことも考えられますので、そういう点はいずれにしてもひとつ大きな政治力を発揮していただきまして、日本の国策上最もいい方法をとるようにひとつ要望をいたしまして、たいへん時間が長くなりましたが、質問を終わりたいと思います。
#88
○政府委員(降矢敬義君) ちょっと補足の資料がわかりましたので答弁させていただきたいと思います。
 先ほどの関東南部の地震の震度でありますが、各地の震度でありますが、河角博士の資料によりますと、横浜は七、川崎六、小田原七、鎌倉七、千葉五、浦和六、こういうような結果になっております。また関東南部におきます家屋損壊の総数は五十七万六千でありまして、死者は十四万二千、こういうことに相なります。
#89
○二宮文造君 先日大臣の所信表明を伺いました。この所信表明を伺いまして、その中身はそれぞれのおもだった年次計画というものを頭に置きながら、都市の対策については健全な都市の発展と秩序ある整備、こういうことあるいは住宅対策、住宅難の解消、それからまた土地対策あるいは国土の保全、こういうふうに前向きの青写真といいますか、それにまた着手していくべきいろいろな方向というものを方向ずけられた、こう伺ったわけですが、いまも松本委員からお話ありましたように先日のロスの地震がございました。またあの地震にかんがみまして、私この所信表明をあらためて読み直して、ここ一、二年幸いにして記憶に新しいようないわば台風の被害がなかった。そういうことから防災という面が前面に出ていなかったような気がするわけです。整備それからあるいはその年次計画をやっていくということは明らかになりましたけれども、肝心の歯どめといいますか、そういう面が考慮はされているんでしょうけれども、所信表明の中には出てこなかった、このように印象づけられたのです。そこで、いまもお話ありましたけれども、ロスの地震という教訓を残されたわけです。これでひとつ大臣、防災という面であらためて所信の補足といいます、伺っておきたい、こう思うわけです。
#90
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、最近は国内における台風あるいは震災等もそう大きなものがややなかったということで、そういう感じなきにもあらずだと思います。しかるところ、先般のロスの震災を見まして、私はこれはいままで安心感を持っておるけれども、これはもう、もう一度大都市における震災対策というものを本格的に行政府のみならず、国民全体として考え直さなければならないというような感じを持ちまして、さっそく調査団を編成し、かつ建設省のみならず、東京都、それから消防庁、警察その他各省に私のほうから働きかけまして、そうして慎重にこのロスの教訓を得てきて、それを今度は国においてそれを資料として防災対策を立てるとともに、これは国民に公表して、こういうふうな状況である、日本においてはこれこれのことをやっておったが、こういう点はまだ足らないのだ、それから、また特に日本において問題になるのはいろいろ防災の技術的な対策のほかに、震災の経験から見ると、どうも人心の動揺で、これのほうがむしろ大きいのです。交通障害あるいは火事に対してすっかり興奮してしまって、一つのパニック状況が出てくる。そのほうがむしろ大きいと思いまして、ある意味においては、私はロスの経験を契機として、国民的に大震災に対する国民のお互いがこの問題に取り組み得る資料を提供し、そこから再出発しなけれいかないのじゃないかということで、少し大がかりだったけれども、調査団を派遣することに政府で処置し、この成果を得て国会にも御報告し、いろいろと御指示を得て、いま御指摘のようにおくれがちだと見られる国の防災対策を、これを契機として進めてまいりたいと思っておる次第でございます。
#91
○二宮文造君 私はロスの地震にかんがみまして若干質問したいと思うのですが、主要な部分はいま松本委員から発言がございまして、多少重複をするかもわかりませんけれども、もう少しこまかい面で説明をいただきたいと思うわけです。
 まず建物の問題でございますけれども、たとえばロスでは、新聞によりますと、あそこはサンフランシスコ、サンジエゴそれからロスと、いわゆる世界で有数な地震地帯になっておる、そういうことで、十四階以上の建物はいつのころからか禁止しておる、こういうことになっておるのだという、これは新聞の報道です。けれども現実に三十二階建てのオクシデンタルタワーだとかあるいは四十二階建てのユニオン銀行、こういうところに亀裂を生じたという報道が出ております。それでそういうことを含みながら私心配するわけですが、最近では都内で、たとえば金町駅前の住宅、あるいは大島三、四あるいは六丁目ですか、そういうところで十四階とか十五階建ての住宅が建たれております。それから先ほどお話がありましたけれども、霞が関ビルが三十六階ですか、貿易センタービルが四十階ですか、それから新宿の京王プラザが四十七階、それからまた東京海上が三十階、それからまた品川の駅前が大体三十階程度だと、このように思うわけです。このように超高層ビルがメジロ押しにつくられております。さっき住宅局長のお話では、これらの超高層ビルはもう地震には心配ございませんと、こういうような答弁でございましたけれども、一体どれくらいの震度ないしはマグニチュードを予想して心配ないと、こういうふうに設計されておるのか、その点をお伺いしておきたい。
#92
○政府委員(多治見高雄君) 先ほどお答えいたしましたように、高層ビルが最近非常にたくさん立ち出しておりますけれども、これにつきましては構造的には地震の震度に対しましては十全の措置を考えて調整しております。
#93
○二宮文造君 具体的にはどうなっておりますか。
#94
○政府委員(多治見高雄君) 震度については後ほど申し上げますけれども、建物そのものの構造につきましては、関東大震災と同じ程度の地震についてもだいじょうぶという構造をとっているつもりでございます。
#95
○二宮文造君 私先ほどからこうお話を伺っておって、関東大震災程度の地震ということで答弁が返ってくるわけです。それ以上の地震はないのか。たとえば関東大震災の場合は先ほど伺った七・九マグニチュードです。いまちょっと調べてもらいますと、これは昔こんな記録ができたのか知りませんけれども、中央防災会議ですか、あそこの資料から引っぱってみますと、一三六一年、正平十六年の南海道地震が八・四です。これはマグニチュードです――と聞いております。それから一四九八年の明応年間が八・六、それから一八五四年の安政年間の地震が八・四と、先ほど伺いますと、マグニチュードが上がるのは算術的な差じゃなくて、幾何級数的にこれが、震度がこう大きくなってくる。そういう伺い方をしますと、八・四だとか八・六だとか、これがいままでに日本で記録された地震のマグニチュードと言われておりますが、こういう場合は一体どうなるんだという心配が出てまいるわけですがね。ですから、考えられる最大といいますか、そのものに対して絶対だいじょうぶなのか、構造学的にあるいは関東大震災に比べてだいじょうぶなのか、この点をはっきりしておいていただきたい。
#96
○政府委員(多治見高雄君) 実は私も技術者でございませんので、こまかいデータはわかりませんが、大体の震度に対します構造物の耐震力でございますが、これは関東大震災の三倍程度の地震でも耐えるというのを基準にして新しい規制をしているわけでございます。ただ地震の場合はこの地震に伴いまして、先ほど大臣からお答えがありましたように、中に住んでいる方々のパニック的な状態、それからもう一つは、単体の構造強度と別に、中にあります家具、什器その他の動揺によります混乱等がございますので、それについては別でございますが、単体の構造強度といたしましては、関東大震災の三倍程度の地震に耐えるというふうに技術的に基準がきまっているというふうに聞いております。
#97
○二宮文造君 わかりました。関東大震災の三倍程度のマグニチュードといいますと、数字であらわすと、どれくらいになるんですか。私は具体的に関東大震災は七・九だと、過去に記録をしたのは八・四とか八・六だと、こういうふうに申し上げた。この差が幾何級数的に広がっていくのだという話ですね。三倍という答弁が返ってきても、ちょっとわからぬわけです。
#98
○説明員(前川喜寛君) 御説明が非常に大ざっぱなお答えを申し上げて、おわかりにくかったと思います。具体的にやっておりますのは、いまの超高層にいたしましても、実際に世界的に幾つも起こった地震ですね、こういった大きな地震によって、これは実際に建物に地震動が来るわけでございますが、そういった地震動を建物の構造体に入れてみますと、最近コンピューターが相当発達しております。したがって、どの程度どういう力が加わるかということをチェックしながら、この構造物の安全性をきめております。それが一つの軸でございます。もう一つは、先ほどお話の出ておりました河角先生を中心にいたしまして、日本の全国的に、いわば地震の地図ができております。どの辺にはどういうふうな地震がどのくらい起こりそうかという、一種の発生確率的なものでございます。これでいろいろこの辺はあまり起こらないだろうとかいうことはわかっております。そういったものを組み合わせまして、実際に建物に加わる力というものを出しております。したがいまして、あの地震の震度とか規模とかいうものとちょっと別でございまして、建物に現実に出てくるといいますか、加わる力が関東大震災のいま申し上げた三倍なら三倍程度はだいじょうぶだと、こういうような結果が出ておりますが、これらは大ざっぱに申し上げて、現実にはいまのようないろいろの地震動を建物の構造体というものに入れまして、それでどういう力がどう出てくるかということをチェックいたしまして、それに材料の安全率等を見込みまして、寸法とか、そういった建物の強度というものをきめていく、こういう形でございます。
#99
○二宮文造君 そうしますと、どの程度で心配ないということになるのですか。結論がはっきりしないのです。
#100
○説明員(前川喜寛君) いま考えられます一番大きな地震でございますね、世界的に見まして、こういったものでくる地震についてはだいじょうぶ。それからもっと言いますと、これは理論的でございますが、地震の規模、地震の大きさといいますのは八・幾つでございましたか、これが大体理論的に考えられる最大規模じゃないか、九をちょっと切っていたと思います。これはマグニチュードでございますね。こういったものがいまの最大のものじゃないかと言われておりますが、大体そのくらいの地震を考えましてもだいじょうぶ、ということで考えております。
#101
○二宮文造君 そこで、いま私新聞をちょっとさがしているんですが、超高層ビルをつくった関係の方の発言として、いま日本での超高層ビルはだいじょうぶだ、むしろ十階程度のビルのほうがあぶないんだ、こういうようなことを新聞に報道されている。どこに報道されたのか、ちょっと私いまさがしていて見えないんですが、そういう報道があったと思うんですが、これは非常に不見識な発表のしかただろうと思うんですね。自分のところはだいじょうぶだと、こういうように科学的にやっているから。むしろ十階建てのほうがあぶないんだというような表現は、これは人心に動揺を与えることはなはだ大だと思うんです。これはひとつまた注意をしていただきたいと思うわけです。こういうぐあいで、もう人心に不安を起こさせる発言というのが一番問題になりますので。
 それからもう一つ心配なのは、これは建築基準法の関係にもなりますし、あるいはまた消防庁の関係にもなるかもわかりませんけれども、昨年の五月現在で東京都内に約二万二千の四階以上の高層ビルがあるわけです。そのうち一階当たりの建築面積が二百平方メートル以下、いわゆる何というのですか、通称ペンシルビルと言われているんですが、細長い建物ですね、そういうものが約半数あるといわれております。建築基準法では、階段が二ヵ所以上必要なのは建築面積が一階当たり二百平方メートル以上と規定されているために、こういうビルに――ペンシルビルですね、こういうビルには階段が一ヵ所しかない。非常階段がほとんどついていない。もしここで火災が起こりますと、階段が煙突の割役りを果たしていきます。そこでおっしゃったようなパニック状態というものが考えられるわけですが、これは一体このまま放置してよろしいものでしょうか、どうでしょうか。
#102
○説明員(前川喜寛君) 従来のケースでございまして、やはり火事でそういういわばペンシルビルで階段室、そういったところから火が回って、そうして人が死んだというケースが非常に多かったわけでございます。したがいまして、一昨年でございましたか、政令を改正いたしまして、さらに今回の法律改正もやっていただきまして、今度階段室等のそういった、いわば避難に使う場所、それから逆に言いますと、そこが煙突になるような場所、こういったところについては、それを火事のときにはその火事の熱によって感知いたしまして、シャッターをする、要するにクローズしてしまうというふうな方法を考えております。そういう規制をやっております。さらにいまの法律改正によりまして、先ほど出ましたような室内の仕上げ等、これで煙を出すのが非常に多いということによりまして、いまの室内の仕上げの規制を三階以上から原則的にやる。したがって、そこでは特に廊下、階段なんというのは、ほとんど煙を出さない準不燃材料とか不燃材料でやるというふうな規制を考える。そういったことから、あと付随的でございますが、非常照明とか排煙室その他いろいろなものの手当てをしておりますが、原則的には階段を二つつくれということは、非常に実際問題としてもむずかしい場合が多いわけで、小さなものになりますれば、非常にやりにくいという場合が多いのでございます。それから起こってくるマイナス面というか、危険な面につきましては、特に階段室の区画でございます。それから室内等の仕上げの制限をやるということで安全じゃないかというふうに考えております。
#103
○二宮文造君 消防庁のほう、どうでしょうか。いま私が心配したような問題で、火災を消火活動の上で、あるいは人身事故を防ぐ意味で、いまのような建築基準法上の考え方でよろしいでしょうか。
#104
○政府委員(降矢敬義君) ただいま建築基準法上の関係からの防火、防災の規定でありますが、消防のほうといたしましても、建設省とこの改正問題については、しばしば連絡協議をしているわけございまして、建築基準法上、いまのような防火シャッター――煙を感知して、防火シャッターによって煙道となることを防げますし、これはわれわれとしてもぜひ望んでおるところでございまして、消防として、さらに、御案内のとおり、消火設備あるいは避難器具等の設置はむしろ人命救助という点から、これを指導し、また一定のものについては義務とするということで、建築基準法と相まって、御指摘の人命尊重の方法をぜひ完遂いたしたい。同時に、最近におけるビル火災に対しまして、はしご車というものもまだ都市によっては整備されておりませんので、こういう消防器具の整備につきましても、中小のいまのビルをつくるようなところを重点的に考えていきたいと、こう考えております。
#105
○二宮文造君 これは重要な問題ですので、やはり規制というものを明確にすべきではないかと思います。
 それから、次に、地下街の問題ですけれども、名古屋を出発にしまして、いま都内でももうすぐに十六ヵ所ですか、地下街ができて、さらに上野、浅草、そういう方面でも地下街がつくられると、こういうふうにいわれておりますが、そこで、思い起こすことは、一昨年の七月、国鉄の旭川駅のステーションデパートの地下のほうで火災が起こりました。そのときに、酸素補給器をつけた消防署員が四つの出入り口から地下に入ろうとしたけれども、煙と熱気で消火作業ができない、四十本の酸素ボンベと四、五本のホースで、結局鎮火までに四時間半かかった、こういうふうに聞いております。問題は、どうしてそんなになったかというと、自動火災感知器が一ヵ所にしかなかった。あるいは火災の初期に非常に効果的なスプリンクラーが備えられていなかった、あるいは専用の排煙設備がなかった、こういうことが消火に非常に手間どった原因だと、こう並べられておりますけれども、いま言いました東京の地下街で、そういうふうな設備は完ぺきでしょうか。旭川駅のステーションデパートでも苦い経験を持っているわけです。その後の、そういう経験に照らしての地下街の現況というのは、どうなっているでしょうか。
#106
○政府委員(多治見高雄君) お話しのように、地下街の災害に対します対策、たいへん常識的に考えましても心配な点がございますので、先般の建築基準法の改正、さらに続きまして建築基準法施行令の改正につきましても、特にこの地下街の規制につきましては強化いたしまして、地下街の必要な防災設備その他につきましても、詳細な規定を設けている次第でございまして、これが守られれば、今後は地下街の安全対策については十全の効果があるというふうに考えておるわけでございます。
#107
○二宮文造君 そういうふうに規制された、それが守られれば効果が出る、それは当然ですが、現実に、私聞いたところによりますと、浅草とか、京成とか、三原橋、蔵前、神田、こういう方面は自動火災感知器やスプリンクラーや、専門の排煙設備がない、こう言われている。それから新宿のステーションビル、西銀座のデパート、それから有楽町のフードセンター、有楽町ショッピングセンター、池袋の地下街はスプリンクラーか排煙設備かどっちかがない、こういうふうにいわれておりますけれども、せっかく法を改正しても、すでにでき上がったものに遡及してそれを規制できますか、あるいはいつまでにやれというふうになっていますか。
#108
○政府委員(多治見高雄君) 最近の災害の実情等につきまして、新しく法律の改正その他をやったわけでございますが、お話しのように、すでに法律の施行になります前に実存しておった建物につきましては、この法律は適用にならないというふうになっております。したがいまして、新しい法律ではこういった既存のいわば法律違反、われわれは既存不適格と申しておりますが、こういったものにつきましては、特に保安上、衛生上非常に危険であるという場合には、勧告をしてこれの改造、極端な場合は除却まで命ずることができるという規定を設けておりますので、この規定をできるだけ活用して、そういった既存不適格のものには改善命令を出して改善をさせたい、こういうことで今後励行させるつもりでございます。
#109
○二宮文造君 私、具体例を引いてお伺いをしておるわけです。ここでこういう火災でも起きたらたちまちこういう問題になるわけです。ですから、未然に防止する意味で、具体的に地下街の、あるいは建物の名前をあげて迷惑がるかもわかりませんけれども、名前をあげてお伺いしているわけですが、これらについては、そういう保安上の問題で勧告をしたんですか、する準備があるんですか、あるいはもう勧告をする必要がなかったんですか、この辺のことはどうなんでしょう。
#110
○説明員(前川喜寛君) 地下街の規制につきましては、ことばは多少言い過ぎかもわかりませんが、ある意味では非常に危険だということで、われわれ前々から目のかたき的に従来も一生懸命やっておるところでございます。それで、いまの先生の御指摘の点、いろいろ規定が変わってまいります。どんどん、いわば加重されております。こまかいところにつきましては、多少、たとえば非常用消火器が一部足りないとか、こういったところがございますが、原則的にいま先生の御指摘になった排煙設備、これはちょっとあとからつけにくいというケースが非常にあるわけでございます。これはざっくばらんに申し上げまして、そうでございます。したがいまして、われわれとしても地下街、旅館、ホテル、こういったものとものともからめまして、一斉査察、そういったものをやりまして、きちっとしたい。必要によっては十条でやりたい、いまの局長の御説明しましたこういったことをやりたいというふうに、現在検討しておる最中でございまして、実は非常に申しわけございませんが、いまこうやっているということがすぐ具体的に出てまいりませんので、非常に申しわけございませんが、やりたいという考えでおります。
#111
○二宮文造君 消防庁、いかがでしょうか。消防法の施行令によりますと、昭和三十六年以前にできた地下街については、いまでもスプリンクラーや排煙設備を設置しないでもいい、こういうようにことになっているように聞いたんですが、それでいいのかどうか。あるいはいま建設省の担当の係の方からお話のあったようなやり方で、地下街の火災発生あるいは事故が発生した場合の人身を守れるかどうかということについて、消防庁自体で非常に気にしている問題もあると思うんですが、その辺のことについてお伺いしたい。
#112
○政府委員(降矢敬義君) いま御指摘のように、スプリンクラーの設置は遡及いたしません。ただ簡易消火器とか電気火災警報器とか、あるいは非常警報設備あるいは誘導灯、こういうものについては遡及をするようにしております。
 われわれといたしまして、地下街の火災で一番心配なのは、一たび火災が起きた場合に、消火という面からいいますと、いわば煙とプラス暗黒の戦いということになります。で、先ほどお話しのありましたように、消防士がかりにそこに入ります場合におきましても、空気ボンベその他のことを備えて入らなければいけませんし、また同時に消防活動をやりますためには、ある程度見通しがきかなければいけませんので、煙の排除という意味で、排煙車、その他の機材の問題、あるいは照明器具というようなものも備えておかなければならないわけでありまして、いずれにいたしましても防災並びに救急活動を同時に行なうために、そういうような建物自体が防災的な構造をまずやっていただくということが先決でありまして、それとあわせて、いま申し上げたような消防の体制を整備するということでこの問題に対処する、という考えでございます。
#113
○二宮文造君 大臣ですね、お聞きのとおりなんですが、必要目の前に迫っておるわけです。ところが法の不備やすでにもう事実が先行しているために手出しができない、やるべきことをやってないという感じが私はしてならないわけです。一たん事故があるとたいへんなことになりますが、いまのやりとりを聞かれて大臣の心況をお伺いしたいと思います。
#114
○国務大臣(根本龍太郎君) 最近の建築物の状況、いろいろと従来に比べて複雑になり、材料も変わってきている、それから人の密集の状況も変わってきている、こういうことからすれば、あとから追っかけていってだいぶ改善したといっても、その不安状況は依然として残っているというような感じを受けます。したがって、これは私のほうだけではできませんでしょうが、何よりもこういう火災とか、あるいはまた人命に関することが、まあさかのぼらないのは法律のたてまえですからやむを得ないというような態度ではいけないと思います。改善命令を下すことができるものは改善命令をどしどしやり、また必要とあるならば、さらに立法措置をもう一回検討すべきじゃないかという感じを受けております。いずれ消防庁、あるいはその他関係部局とも相談の上で、そうした過去の許したものによる不安状況を、できるだけ早くなくするように努力したいと、こう思います。
#115
○二宮文造君 重ねての、追っかけるような質問で恐縮なんですが、やっぱり実態調査が一番だろうと思うんですが、早急に実態調査をさせる御意思がありますかどうか。
#116
○国務大臣(根本龍太郎君) 建設省みずからが全部やるということは、なかなかできないと思いまするが、これ、主として各都道府県の特定行政庁がやることですから、それを督励してやらしたいと思います。
#117
○二宮文造君 同じように、地下街とか地下鉄の入り口が非常に狭いわけです。それで一たん事故が起こったときに、地下街から地上に逃げるときに危険があるわけですが、階段の、いわゆる逃げ道といいますかね、そういうこともあわせて改良すべき点は改良させるべきだと思う。たとえば、そこの国会議事堂前の地下鉄の入り口を見ましても、ほんとうに狭いもんですね。あれで、もし中で煙に巻かれたら一体どうなるか、こういう心配をするわけです。この点についても改良が必要だろう。で、私はどうせ実態調査をしても、その設備が改良されるまでには相当に時日を要するわけですね。ですから、やはり総点検、あるいは実態調査をすればこうであったということをありのままに公表をして、そして、そうすればやっぱり施設を持っている者もそれをやらなければお客さんは行きませんから、もう背に腹はかえられなくなって早く設備をする、こういうことを考えるのですが、公表ということについてはどうでしょうか。
#118
○国務大臣(根本龍太郎君) 私も公表したほうがいいと思います。そういうふうに指導いたしたいと思います。
#119
○二宮文造君 明確な答弁で非常に気に入りました。どうかひとつそうやっていただきたい。
 それから道路の問題ですが、先ほども首都高速道路公団の方が、耐震上の問題については十分に配慮をしてある、こういうような答弁で了解をしたいわけでありますけれどもね、ちょっと気になりますことは、やはり前にもあそこの首都高速道路公団の仕事で、たしか平河町あたりで鉄材を抜いたとか抜かないとかいうんで、ある建設会社がちょっとおきゅうをすえられたような事件もありましたし、それから四十二年の十月の五日でございますか、芝浦の出入り口付近でコンクリートの破損事故があった、こういうことを私、記憶をしております。ですから、構造上は完ぺきなんでしょうけれども、やはり事故があって、何だかんだといって意見を蒸し返してみてもしようがございませんし、そういうような問題を含めて、具体的に芝浦の出口のコンクリートの破損事故、この原因と措置、そういう同類のことがほかで考えられないかどうか、ほかの点も点検されたかどうか、首都公団のほうに概略説明をいただきたいと思います。
#120
○参考人(有江義晴君) ただいま二宮先生から古傷にちくりとさわられたような気がするわけでございます。まず第一に、三宅坂の千代田トンネルの鋼材の問題でございますが、これはいまさら弁明を申し上げる気持ちはさらさらございませんが、あの当時は非常にオリンピックを目ざしまして突貫工事を実は施工したわけでございまして、当初に発注した工事そのものに、諸般の事情からいろんな大幅な変更を加えざるを得なかった。したがいまして使用する鋼材も転用を考えざるを得なかった。また当時は、公団が鋼材の支給制度をとっておった次第でございまして、いわば材料を扱うことになれていなかった公団の職員が受け払いをしておって、その設計変更並びに施工のペースについていけないというような事態がありまして、非常に世間の疑惑を招き、非常に御迷惑をかけた次第でございます。その点に勘案いたしまして、私どもも材料の扱い方、工事の施工方法につきまして非常に反省をいたしまして、現在はなれぬ者に無理な材料の扱いをさせない、平たく申しますと支給を全廃して、なれた商社あるいはメーカーの方々にすべてまかしてしまうという方法をとっておる次第でございます。
 それからその第二といたしまして、四十二年の十月の五日に、一号線の百十七工区におきまして供用中のけたの床板に穴があきまして、車両の通行に危険な状態になってしまった。あの当時、非常に都民の方々に御迷惑をかけた次第でございます。その経過をかいつまんで申し上げますと、あの付近のけたは、現在申し上げましたプレストレストコンクリートけた法。この工法は戦後日本に導入されたものでございまして、当時といたしましてはまだ、日本としても数多くの実例はございますが、まだ進歩の道程にあった次第でございます。またこのコンクリートの工事に従事する会社の数も、そう多くはございませんし、また会社の規模それから技術も現在ほどは進歩していなかったと私どもは信じておる次第でございます。運悪くその工事を施工しました会社は、事故の当時倒産をいたしておりまして、さらにそういう倒産をするような会社に仕事をやらしたというわけでおしかりをちょうだいしたわけでございます。大いに私ども反省をしておる次第でございます。
 で、その事故の原因でございますが、これは端的に申しますと、当時所定のプラントで練りました練りコンを現場に運んできまして、現場でけたのコンクリートを打ったという状況でございまして、次々とミキサー車が現場に入っておった次第でございまして、一台一台のミキサー車のレミコンを検査しておりませんでした。何台か抜き打ちにしまして検査をいたしたわけでございますが、たまたま現地を詳細に調べました結果、ミキサー車一台分に相当する量の異質のコンクリートが何らかの原因で誤まって現場に入ってしまった。それを調査の網の目をくぐったまま施工してしまったということでございます。事故が起きた直後、私ども現場に行ってみたんでございますが、肉眼で見ましても、その破壊した部分のコンクリートの色が第一違っております。したがいまして、その付近のコンクリートの試験片を十個ばかりとりまして、物理的及び化学的試験をしたのでございますが、まず第一に考えましたのは、セメント量がどうであるかというようなことを考えましたところ、ほかの良好な部分のコンクリート部分よりも若干少ないセメント量であった。骨材には異常がない、それから、コンクリートにやや空隙が多い、これは、比較的水の多かったやわ練りのコンクリートであったということを裏づけしておるかと思います。したがいまして、強度が所定の強度までなかったわけでございまして、これは確かにコンクリートに主たる原因がありという結論が出たわけでございます。
 その復旧方法でございますが、復旧は、御案内のとおり、プレストレストコンクリートのけたは、一部分を破壊してやりかえるということはとうてい不可能でございまして、この古いけたを撤去して新規にかける、あるいはできるならば、その局部破壊をしたけたをさらに補強して使う二つの方法がございますが、われわれといたしましては、一日も早く、一時間でも早く現場を復旧したいということでいろいろ検討しました結果、このけたの床板の上にさらに別途の鉄筋コンクルートを打ち、さらにこれはキングポストと申しておりますが、ピアノ線を使いましてけた全体を補強するという工法をとった次第でございまして、事故が起きましてから十三日目にやっと復旧いたしまして、供用開始した次第であります。
 お尋ねの二件につきまして以上でございます。
#121
○二宮文造君 まあ盛んに厳重にやっていただいた結果、そういう手落ちが出ているわけでございまして、これは今後の管理の問題で御注意を願いたいと思うんですが、もう一つ三月の二十日に開通します。中央区の箱崎インターチェンジ、あそこのところは重層式とかいう十四、五メートル、建物で言えば四階建て、五階建てぐらいのところに重なって交差しているようでございますが、そういう複雑な構造が――ロスの地震にまた戻るわけでありますが、そういう場合を想定すれば、なるべくああいうことはとらわれないほうが道路そのものの性格上安全ではないかと思うんですが、この点はどうでしょうか。
#122
○参考人(有江義晴君) お説のとおりでございます。私ども好んで高いところに道路をつくる意思は毛頭ございません。ただ箱崎地区は、御案内のとおり六号線でございまして、隅田川を渡りますと、竪川に分岐しまして、七号線が東側に走りまして京葉につながる、現在工事並びにその他の関係が促進されております成田空港と関係の深い道路と心得ておる次第です。また、箱崎から九号線と称しまして、湾岸の道路と将来つながる路線が一つ決定されております。道路の決定と相前後いたしまして、あそこに成田空港のチェックインのために東京シティエアーターミナルの施設をこしらえようというような計画が決定されたわけであります。その計画を埋め立て地の中に収容しようと、それを収容し、その上を道路が走るというかっこうでございまして、非常に高くはなりましたが、まあまあやむを得なかったかと、かように考えておる次第でございます。
#123
○二宮文造君 何か話を聞いておりますと、好ましくないのだけれども、地形上どうしてもああせざるを得なかったと、何だかもっと考慮をすればああいうふうに重ならなくてもよかったんですが、というような答弁が返ってくるんですがね、感じがするんですが、まあできたものをどうこう言ってもしようがありませんし、少々の金の出し惜しみ、あるいは用地買収の難関さということもありましょうけれども、やっぱり万全の策を今後もとっていただくようにひとつ設計もやっていただければどうだろう、こう思います。
 それから問題は、都に鉄筋コンクリートの永久橋が六千八百二十九ですか、それから木橋が八百四十ある。これは木の橋はがたがたとくれば一ぺんにだめになってしまうのもわかっておりますし、また鉄筋コンクリートの永久橋といういわれておりますけれども、その構造についても一たん事があればたいへんなことになるのではないか。これは避難をするにしても交通が杜絶してしまいますとどうしようもないんですが、どうでしょうか、橋の総点検ということは、そういう一たん緩急ある場合のことも想定し、あるいは消防、消火活動というようなものからも考えて当面話題にのぼっておりますかどうか、この点をお伺いしたいんですが。
#124
○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおり、東京都内におきましては、現在まだ若干の木橋も残っております。なお御指摘のとおりかなり老朽化した橋梁もあるようでございます。ただいまのところ老朽橋につきましては、別の面からチェックはさせておりますが、いまおっしゃいました防災の見地からのチェックということは実は考えておりません。腐蝕等によりまして老朽化して耐荷力が不足しているのではないかというチェックは、しばしばやらしておりますが、その点に、今回は大地震の際のことも考慮してチェックさせるようにいたしたい、というふうに考えております。
#125
○二宮文造君 この橋には電気、電話のケーブル、水道管、ガス管、そういうものが添架されておりまして、非常に重要な問題になってくると思いますので留意を願いたいと思うんです。
 それからもう一つ、地下埋設物の問題でございますが、これは聞いた話ですが、具体的にこういうふうになっているそうですね。新橋駅の東駅口前を通る国道十五号線のところを例にとりますと、地下の地表から三メートルの間に浅い所から百五十ミリのガス管、電話線、百五十ミリの上水管、二百ミリのガス管、六百ミリの下水管、百五十ミリの上水管、二百二十ミリの下水管、電話線、送電線、八百ミリの上水管、千ミリの上水管、九百ミリの上水管、そしてその下に地下道、こういうふうに十三本の埋設物が詰まっておる。その埋設物がどういうふうに詰まっているかという地下地図ですね、これはまだ完備していないそうでございますが、どうでしょうか。
#126
○政府委員(高橋国一郎君) ただいま御指摘の新橋のことについては、私ただいま存じておりません。あとで詳細に調べてみたいと思いますが、地下埋設物の状況を完全に把握しているかどうかということでございますが、建設省といたしましては、近年のガス爆発事故等に対処いたしまして、地下の埋設物については完全に把握するように各道路管理者に強く指示いたしておるわけでございますが、それによりまして、たとえば東京都内におきましては指定区間内つまり、大臣が直轄で行なわれております指定区間内におきましては、五百分の一の平面図、横断面図で、九〇%の整備済みでございますが、なお都道につきましては、まだ完全ではございませんで、昭和四十五年度末までに約六〇%整備される見込みでございます。これも五百分の一の平面図と百分の一の断面図になっております。区道については、四十六年度末までに中央区では一〇〇%、文京区一〇〇%、港区八四%等、大部分整備が進んでおりまして、間もなく一両年中には完全に整備が終わるというふうに考えております。
#127
○二宮文造君 そこで、一とき悪口がありました。東京炭坑といわれて、掘って掘ってまた掘ってというので、年がら年じゅう掘り返している、という悪口がありましたけれども、共同溝整備特別措置法というものを制定されて、なるべくそういう共同溝に地下埋設物を整備する、こういう方針で進んでこられたのですが、そういう実際にどの程度に共同溝が完成というか、延長キロができたのか、整備されつつあるのか、その実績はどうでしょうか。これはもう伺うまでもなく、東京あるいは兵庫県の尼崎ですか、その辺でわずかに二・五キロしかこういう措置法による共同溝の整備ができていない、こういわれておりますが、この点どうでしょうか。
#128
○政府委員(高橋国一郎君) 共同溝の建設につきましては、昭和三十八年の四月に共同溝の整備等に関する特別措置法が制定されて以来、建設省ではずいぶん推進してきたわけでございまして、昭和四十五年三月までには東京都内の主要なる幹線につきまして二十六キロメートル完了しております。なお昭和四十五年度現在におきまして、約五十キロが工事中でございます。まあ、たとえて申しますというと、二四六号線、つまり玉川通りには現在地下に玉電を入れておりますし、地上に高速道路三号線の延伸が建設中でございますが、そこにも入る予定になっておりますし、卑近の例ですと、この半蔵門から新宿の方面にかけまして、国道二〇号線と申しておりますが、これも拡幅と同時に入れております。国道四号線、これは上野からずっと千住を通りまして、日光街道でございますが、これも拡幅と同時に入れております。つまり工事中、東京都内におきまして、拡幅事業を行なう場合には、あるいは地下鉄等によって掘り起こしを行なう場合には、同時に共同溝を設置するような指導方針でもって、これは現実に強力に推進しているのが実情でございます。なお、名古屋市につきましても、今年度から新たに着工することになっております。大阪市につきましては、残念ながらまだ着工しておりません。以上でございます。
#129
○二宮文造君 その中で、ガス会社があんまり参加をしたがらないというふうな話も聞くのですが、やはり火災とか何とかということになりますと、大阪のガスの爆発事故などを考えてみても、やはりその後の処理というのは、共同溝に設備されておりますと非常にしやすいのじゃないかと思いますが、ガス会社が参加しない、参加を渋っている、こういうところはどこにあるのですか。
#130
○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおり、ガス事業者は必ずしも共同溝に積極的に入ろうという意思が非常に乏しゅうございまして、われわれ道路管理者といたしましては、共同溝をつくる場合には常にガス会社に強力に働きかけております。たとえば板橋の一昨年の事故は、共同溝があったにもかかわらず、ガスが入ってなかったために起きたといわれておりますし、そういうような事情で、なかなか入りたがらないのでございますけれども、その板橋の事故を契機といたしまして、東京につきましては、東京ガスがかなり今回は積極的に入るような姿勢を示しております。
 従来、ガス事業者が入りたがらない最大の理由と申しますのは、多額の先行投資を伴うからだというふうに考えられております。これは建設大臣の御配慮によりまして、今度は融資をいたすことにきまりましたので、その点が解決されたようであります。なお第二点として、ガス会社が従来申しておりますのは、一緒に共同溝に収容した場合に、ガスが漏れまして、もし万一、そこにたばこ等の火気がありました場合に、爆発を起こして非常に危険を及ぼすということを一つの大きな理由にしておったようでありますけれども、それにつきましては探知機等の完全なものもできますし、そういう危険はないのではないかということで、盛んに慫慂しております。以上のような事情で、主たる原因は、やはり多額な先行投資であったわけでございますが、融資という道が開かれましたので、今後は積極的に参加するようになろうかと思っております。
#131
○二宮文造君 最後に大臣、例の国有農地の問題についてちょっとお伺いしたいのですが、国有農地の問題で、四十二年の六月二十三日の閣議で、佐藤総理が、その国有農地として使えない都市近郊の土地を子供たちの遊び場に開放せよ、こういうふうな発言をなさった。それで事務当局でも一生懸命考えて、建設省でもその指示に基づいて調査をして、それに該当する土地が全国で千八百七十ヵ所、約二百十ヘクタールの土地があった。したがってこれを、緩衝緑地にもなりますし、公園にもなりますし、一たん事故があればここが避難所にもなり、また子供の遊び場にもなるということで、建設省としてはそういうふうに振り向けたいというので、農林省とも交渉をして、公的に整備ができないものかどうかというふうなやりとりがあったと、こう聞いております。ところが最近、非常に不評を買っております最高裁の判例を契機にしましてそれを旧地主に返す、こういうことが閣議で言われたようですが、その際の建設大臣の発言なり考え方なりは、いかがでございましたか。
#132
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおり、昭和四十二年に、当時の農林省で、農地法の条章からいたしますれば、御承知のようにあれは自作農創設のために買い上げたのですが、現実に自作農創設は不可能です。また引き受け手がないというのを、二十数年も持っていることはいけないというので、そのまま旧地主に返そうということを始めたわけでございます。そのときに閣議で、これは少し行き過ぎじゃないか、幾ら農地法の条章からそうであるにしてもどうか、国民感情としてどうもというので、あれは実は押えたようなわけです。そのときに総理から、そういうのは御指摘のように子供の遊び場とかあるいは公園緑地とかにしたらいいだろうということで、検討を進めておったけれども、なかなか、訴訟が出ておって、裁判所あたりの考え方も、必ずしも公共用地にばかり取ってしまうということは困難だ。すでに国で買い上げて、自作農創設のできないところで相当の面績を、その買い上げた値段で数千ヘクタールも払い下げているというようなことであったわけですが、それが本年の一月二十日ですか、最高裁、しかもこれは全員一致の意見で、現在の政令が公共用地に振り当るということは、どうも憲法違反の疑いがあるというような意味の判定がきたので、そこでやむを得ず農林省としては、これはどうもわれわれの感じに合わないけれども、三権分立のたてまえ、しかも最高裁全員一致の意見であるからこれはやむを得ないということで政令の改正になったと、こういう説明が出てきたわけです。そのときにあたって、何とかこれは使えないものかと、運用上、法律上はいろいろあるかもわからないが。それが農林大臣からは、国で使うからということで地主に払い下げしないというわけにいかない、そこで、一つのこれは政治的な行政指導なんだが、返さるべき権利を持っておる地主に対して、こういうふうに使いたいからぜひひとつそっちのほうに売ってくれないかというあっせんをしようということで、しからばそういうふうにお互いに活用の道があるなら考えようじゃないかというのが、現在の段階でございます。で、まだ詳しいことは調べておりませんけれども、大体が平均しますれば東京都内のほうは大きいので三・三アール程度らしいんでございます。こうなりますと、われわれが一番ほしい公団等の住宅地にはとても狭くてこれはだめでございます。そこで私は、事務当局に対しは、いま東京都が公営住宅が非常におくれております。これは土地問題がほとんど大部分です。だからむしろこれは東京都が地主と折衝して公園緑地なり、あるいは地方公社ですね、住宅公社、そういうところで引き受けて住宅政策に使ったほうがいいじゃないかと、そういうふうにひとつ連絡してみたらどうかということを指示しておるわけでございまして、そういうふうな活用の方法が、現在、いま私が考えておる段階でございます。
#133
○二宮文造君 私が新聞紙上で拝見している印象はそうではないんですね。公共用地に取り上げると、買い上げるということの義務化することが非常に不可能だ、したがって、もう最高裁の判例のとおり旧地に返すよりほかにないと、それでその坪当たりの単価が安過ぎるとかあるいはきょうの話によりますと、それを売り渡した場合、またほかに地主が売り渡した場合に、土地税制の上で五〇%を吸い上げて、不労所得といいますか、そういう世間の批判をのがれようということが主体になってまして、公共用地に交渉をして買い上げるという話は前面には出ていないように思うんですが、いまの大臣のお話のようですと、若干旧地主に返しても世間の批判をまぬがれるような方法が印象づけられるわけですがね、そこまでいってないんじゃないですか。
#134
○国務大臣(根本龍太郎君) いや、それは私はそういうふうに提案もし、農林大臣はあっせんしようというところまでいっているんですよ。
#135
○二宮文造君 ああそうですか。
#136
○国務大臣(根本龍太郎君) ええ。ただそれが、これは建設省自体はその用地を取得してどうするということはいま計画にありません。というのは、あまりにも狭いので、われわれがほしいのは少なくとも十ヘクタール単位じゃないと、公団用地にはこれは適当じゃないんです。そうすればいま程度の、まあ二百坪とか三百坪あるいはせいぜい千坪ぐらいだとするならば、公園緑地とかあるいはまた子供の遊び場とか、あるいは東京都の公営住宅の一種なり二種なりのそれなら使えるじゃないか、そのあっせんはしたほうがいいと、こう思いまして、事務当局にも命じ、それから農林大臣にあっせをひとつやってくれと、やりましょうと、こういうふうな実は話はしていることは事実でございます。ただそれが表面にあまり出ていないのは、こちらのほうのあるいはPRが足らないかもしれませんけれども、そういうふうな意思表示はいたしております。
#137
○二宮文造君 最後に参考までに申し上げておきますが、地名をちょっと私失念しました、実はそこまで申し上げるつもりなかったものですから。過去に――記録を調べれば地名がはっきりしますが、東京のたしか千葉県寄りです、で国有農地――国が買い上げて国有農地になって東京都に管理をゆだねて、それでその東京都が小作に貸しているわけです。そうしてその面積は三アールや四アールというようなそんな狭い面積じゃなかったと思うんです。もっと相当数の面積です。すでにもう潮が押し上げてきまして農地としても使えない、農地として使えないものを国有農地として買い上げるのはおかしいということで、小作人の方々に払い下げる、貸している人に払い下げと、それが例の農地法の関係でだめだということになったわけですがね。しかし借りている人、借地人――東京都からの借地人と某土地会社との間に数年前に売買の契約ができてしまっているわけです。都からの売り渡しがあればすぐそっちへ売りましょうというふうな話し合いがあって、私これはちょっととけしからぬ問題だというので、決算委員会で問題にして今日までペンディングになっています。しかし借地人と土地会社との間には契約がもう数年前にかわされております。ですから、これは例の今度の問題で返されるとすぐ転売されてしまうということにつながるのではないかと思うのです。そういうふうなこともありまして、普通国道がついたり、あるいは今度の成田空港のように公共用地として必要であれば土地収用もかけるわけですよね。ですから世間でもこれだけの非難を受けている問題ですから、これはひとつ何といいますか、ケースバイケースでしょうけれども、明確にこの問題は世間の疑問をかもし出さないような処置をまあ大臣のほうからも提案されて、いま言ったようなお話なら私非常にけっこうなことだと、こう思いますので、参考のために概略申し上げておきたいと思います。いずれにしましても、ロスの問題がございまして、防災ということが非常に大事になってまいりましたので、早急に企画立案をされてこの問題の処理に当たっていただきたい、こう申し上げて、この点答弁けっこうでございます。終わります。
#138
○高山恒雄君 私は予算関係から大臣にちょっとお聞きしたいのですが、政府としてはこの過疎対策の道路、山村振興道路、こういうことで二七%あるいはまた一七%の増額をはかっておられるわけです。しかし、基本的な考え方がお聞きしたいのですが、一体この僻地市町村道ですね、こういう道路に対する考え方としてほとんど市町村の財政力に依存しておって、建設省としてはあまりにもこれには力が入れてないのではないか、したがってこの予算のほうも十分でない。そのために非常なまあこの市町村においては舗装もおくれておりますし、なおまた改修もおくれております。そのために公害に悩まされておるというのが今日の現状じゃないかと思うのです。冬時分はまだしも、夏は戸を締め切ってそうしてあけることもできないというのが各地方の現状であります。こういう問題を建設大臣は、むろん国道あるいは県道等については補助金もあり、いろいろやっておられますけれども、こういう市町村道というものを基本的にどうお考えになっておるかですね、この点をひとつ考え方をお聞きしたいのです。
#139
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおり、従来市町村道の改良、舗装、これは非常におくれています。これはある意味につきましては、日本の市町村道はほとんど、これは牛馬、人間が歩くところは至るところ全部やってしまいますと、非常に延長が大きゅうございます。これを全部やるということになると、たいへんなことになるということと、それから市町村に固有のそうした財源がない。また、建設省が地方道を整備する場合に、やはりどうしても幹線の府県道あるいは産業道路、あるいはまた御指摘になりました山村とかあるいはまた離島とかそういうふうに孤立をしているところの分は、何としてもやらなければならぬということで、まあそちらに自然重点が入れられた。したがって、市町村道がかなりアンバランスになって、財政の豊かなところはわりあいによくやっているけれども、財政の豊かでないところはほとんど放置されておる、こういう現状であります。そこで、今回、自動車新税が出たときにあたりまして、これはもう特定して、はっきりと市町村道に特定財源をやるべきだということを考えて、御承知のように本年の四十六年度予算には百億やる、これは漸次ふえていくということになると思います。それと同時に、一挙にこの市町村道を全部舗装、改良に着工することはなかなかこれは予算上もむずかしいことでございまするので、われわれのほうといたしましては、この市町村道のうち、特にそれぞれの地区において産業並びに社会生活関係から見て、どうしてもこれは整備したほうがいいというネットワークをつくって、そこに重点的に整備、舗装をやらせる。それについては予算もつけましょう、あるいはまた場合によってはそういうところを市町村道から府県道に昇格しよう、そういうふうにして、これはある意味においてはセレクトして、選択してやってこれから進めていかなければならない。そのときにあたりまして特に考えておるのは、過疎地帯になければなるほどこれが問題になりまするので、今後予算の個所づけをする場合においても、そういう地域的な後進性を救済するというような配慮も進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#140
○高山恒雄君 大臣の答弁を聞いておりますと、一挙にやるということはどうにもならぬと、こういう御答弁ですがね。ところが、政府はあまりにも最近の市町村の現状というものを認識していないんではないか。と申しますのは、特に最近は、御承知のように労働力の不足から産業がどんどん移動しておるというこの事実ですね。これはある程度つかんでおられるかもしれませんけれども、大体この人手不足からくる移動ですね、最近従来にない移動をしておるというのが現実であります。そういう事態から考えてみると、これまた御承知のように、農林省が農村工業化促進法というようなものを考えて、農林省がやろうとしている。それは農林省がやってもいいでしょうけれども、産業構造的に地域が変わってくれば、必ずそれに伴う下水がまた必要になりますね。そういうものこそ、建設省がもっと早く手をつけるべきではないか。道路もしかりでありますけれども、建設省としてはすべて後手になるのではないか。特に今日のような公害が問題になる場合は、やっぱりそういうものを建設省が早く取り上げて、そして完備したこの工業化促進をはかるならば、そういう方向へ進む、あるいはまた、その地域環境の立場からいえば、それは自治体のほうでやるということになりましょうけれども、どうしてもこんな問題を農林省にまかせて建設省がこれに関与してないということは、建設省としてはそれでいいのかどうかですね。こういう点を考えるのですが、どうお考えになりますか。
#141
○国務大臣(根本龍太郎君) この問題は、私は実はどこの省がどうこうというよりも、むしろ私は地方自治体、特に府県が中心になって考えるべきだということを提案しているのです。
 まず第一に御指摘になりました労働人口の移動、それから農村がいまの大きな転換期のために非常に混迷しておる。それで結局どんどんどんどん過疎化されていくということに対する不安感、これを解消するために、私はむしろ現在では都市再開発に投資するメリットと、むしろそうした農山村に投資した場合における比較検討をもっと冷静に国として考えてみるべきである。たとえばいま東京都で大量輸送機関としての地下鉄を考えますと、いま一キロで六十数億かかるのです。日本の里数で一里つくるのに二百五十億もかかる。しかもそれはわずか四キロです。それだけの金をかけるならば、二百数十億かけましたならば、相当の国道なりあるいは鉄道さえこれはできるんじゃないか。しかもそちらには土地もある、労働力もある、公害にわずらわされないものもある、水もある。こういう観点から、私は高山先生も御承知のように、昨年から北関東の三つの都市機能と、それから環境に恵まれておる百万都市を三つつくるべきだ。それには私は思い切って横断道路をつくりましょう。そうして東京湾にあらゆるものが集中して、いまもう東京港の浦賀水道は全く麻痺状態。それをむしろ水戸の射爆場あたりを外港にして、そこに持っていきなさいということで、いま三県の知事並びに国会議員の諸先生と話をしているのです。そういうふうにして持っていくことが私はいま必要な時期であって、その場合においても私は土地問題を、一々今度はこれを買うとなるとたいへんな金で、地価を暴騰さして何にもならぬ。そこでこれは賃貸でいこうじゃないか。農民もそのほうが楽だし、財産を持って、はっきりした定収入があるのだから、五十年、六十年の長期契約で、ただし地代は現在農業をやっているだけの粗収入は完全に補償するということでできるのじゃないかということで、だいぶんこれは伸びてきているのです。私はそういうような意味で、これは何も北関東のみならず、日本全国においてやっていいんじゃないか。その場合には、去年から実は私が相当、保留してあったけれども、あまりこれが活用されなかったのですが、私は道路政策としてはいままでは国道何号線にはどれだけの予算、あるいは地方道には何と、みんな長くすることだけに予算を使っている、固定してしまっている。そうじゃなくて、社会的には社会構造の変化に伴うところの道路政策もやっていいはずだ。だから、たとえばあるところの農村に五十ヘクタール単位の工場団地をつくるのだ、そうして農業と工業とをバランスのとれたものをつくるとなれば、たとえそれが市町村であろうとも公共事業で道路つけましょうということも申し出て、通産、農林でとにかく農工一体のプロジェクトをつくりなさい、こうすすめておるのだけれども、まだあまり効果がないのですがね。それと私は道路政策でそういうふうな誘導までしようと思っておる。ただしかし、私のほうが全部それを指導権を握ってやるようなことになると、なかなか役所のほうはそうはいきませんので、まあこれこそ国会でそうしたようなふうな十分なひとつ誘導してもらいますれば非常におもしろいじゃないか。
 それからもう一つ申し上げたいことは、ややもすれば従来先行投資先行投資というのです。ところが先行投資をすると実は地価を上げて、それからいまのいわゆる民間の不動産屋が買い占めて何にもならない。新産都市がその失敗の端的な例なんですね。だから何よりもまず一つプロジェクトを地方自治体が土地を持ってしまうことです。そうすればやってもいいけれども、そうでないうちに下水道をつくり、道路をつくり、公園をつくったらべらぼうに上がっちゃって、そうしてみんなそのプロジェクトが着手する前にもうお手上げになっちまうというので、その点はよほど考えなきゃいけないというので、自戒している次第でございます。
#142
○高山恒雄君 まあ大臣の考え方は、相当な計画をもって各所に対してもそういう御心配をされる気持ちはわかるのです。これは局長にひとつお聞いしたいのだが、一体地方自治体がほんとうに道路に使える金ですね、ほんとうに道路に使える金は自動車取得税だと思うのです。どのくらいになっておるんですか。これ自動車取得税というのは、これが地方で道路に使える金だと思うのですね、そのほかに何があるのか。いま大臣がおっしゃったように今度の自動車新税を四分の一ほど、それに振り向けるというお話ですが、そのほかにまだ市町村道で一体どのくらいの予算がほかにあるのか。
#143
○政府委員(高橋国一郎君) 市町村の道路の財源といたしましては、いま実は一番多いものは地方交付税というかっこうで自治省から交付される税が多いわけであります。それをもとにしまして、道路を大体整備しているのが実情でございます。ただ特定財源といたしましてはいま先生御指摘のように自動車取得税というものがございまして、この七割が市町村に移譲されることになっております。これは現在自動車取得税は四十五年度で七百五十一億円が予定されております。これは決算は二年先にならないとはっきりした数字になりませんが、そういう予定でございます。それから先ほど大臣からも御説明がございましたように、自動車重量税というものが昭和四十六年度から新設される予定になっておりまして、これが四分の一が市町村に譲与されることになっています。それで昭和四十六年度は十二月から徴収するという計画も一応立てておりますので、四ヵ月分になりますのでその三分の一と申しますと、大体四百億ということが予想されております。この二つが市町村に対する道路の特定財源になるわけでございます。
#144
○高山恒雄君 そこで大体あなたのおっしゃるとおりだろうと思いますが、この交付税の中に一般の含めての大体補助金を出しておられると思うのですね、交付税のところが財源が足らない市町村があるのです、こういうその交付税の中に含めたものですね、道路の改修をやろうと思ってもこれは無理だと思うですね。御承知のように四十四年度の実態調査をしてみても、東北六県は地方道にしては大体この改良、舗装というような問題をとらえてみますと三%以下ですよ、これではあまりにもひどいではないかということが言えると思うのですね。ところが私が先ほど申しましたように、こういう地域にいま産業が移動しておる。九州を取り上げてみましても九州の七県はほとんどそういう状態ですね、大体九州のほうが多少はましです。多少はましですが、これにしてもやっぱり七%以下です。長崎県を抜いては全部それ以下ですね。こういうところにいま産業が移動しているのですよ。こういう実態をとらえてみますならば、一体先ほどの予算の報告を自動車取得税という問題で大体六百億ぐらいですよ。調べてみますと新税で、自動車新税ということでまあ四百億と見積もってこれの四分の一というと百億ですよ、これを合計しますと大体七百億でしょう。それを三千二百八十四市町村で割りますと三千万円ですよ、たった。一体道路を、大臣が構想されるような現実を解消する方向に進みますか、これで。それは言うはやすし、これではあまりにも今日の現状の開発にならない。この点をどう大臣お考えになっておるのか。予算を見れば一番わかるのです。三千万円やそこら地方に税金やっても、市町村は何といっても補助金事業に力を入れますよ。補助金をもらえる事業に力を入れて、肝心の道路というものには力が入らないですね。補助金を受ける事業がどんどん進んで、予算でほんとうに削られたその道路面における改革というのは、全然なされていない。したがって、建設省がこの管轄に入れるということは困難だと思うとおっしゃるけれども、そんな地方自治体にまかせておけば、ますます将来困難ではないか、そこに持ってきて産業が移動するということになれば、少なくとも今度は下水道という問題がまた起こる。いま公害で社会問題になっておりますが、さらに今度はそれが町村にいく。こういう点を一体大臣はどうお考えになるか。
#145
○国務大臣(根本龍太郎君) 最近労働集約的な産業、しかも公害を伴わないものをできるだけ農村に持っていこうという、これはいろいろ家電等に出てきている動きがあります。そういうような動きは、たとえ市町村道であろうと、必要に応じてそれを昇格せしめるというようなことも考えております。それからさらにそうしたもののために、先ほど私申し上げた特定のそうした社会構造、産業構造の変化に伴うところの特別な助成は考えてまいりたいと、こう思っております。しかし全体の市町村道全部一挙にやるということは、これはなかなか困難なのでございますので、昨年以来御説明申し上げているように国道、主要地方道とそういう山間部との一つの生活圏構想に基づく道路のネットワークをつくっていく、そうしてだんだんと下のほうに及ぼしていくような実質的な措置よりないじゃないか、こう思っております。
 高山さんからいま地方では特定財源はわずか七百億程度であって、これじゃ一町村三千万円と言えば、その計算はそうなります。しかし私も地方に出ているから見ておりますと、実は道路をやらないと市町村の議員も当選しないし、市町村長もその他位ができないというので、交付金の相当部分をこのごろは道路につぎ込んできているようでございます。これはいいことか悪いことか、いろいろ問題がありますけれども、それだけある意味においては、地方のモータリゼーションが道路を促進せざるを得ないというところまできていると思うのでございます。本格的に言えば、われわれは先生が御指摘になりましたように、市町村の道路事業も、国の道路計画に全部入れちゃって、そうして公共事業として大幅にやれるということになりますればけっこうですけれども、まだまだそこまで特定財源の裏づけが出てきておりません。これは閣議でなかなかそこまで歩調が合ってまいりません。私は相当道路政策は、十三年前に道路特別会計を設けてから相当がんばっておるけれどもが、まあできるだけ国会の諸先生の御協力を得て、さらに地方道の充実、整備にもこれから努力してまいりたいと思っている次第です。
#146
○高山恒雄君 局長にお聞きしたいんだが、大体県道を国道に昇格したという件数ですね。それから市町村道を県道に昇格さしたという計はどのくらいあるんですか、昨年一年で。
#147
○政府委員(高橋国一郎君) 昨年一年間の実績の詳しい資料、いま手持ちございませんけれども……。
#148
○高山恒雄君 あるならあるものでよろしい。
#149
○政府委員(高橋国一郎君) 国道につきましては、約一年ほど前の一昨年の十一月に――正式には昨年の四月一日からになりますが、五千八百キロ国道に昇格しております。これは県道から国道に昇格しております。それから従来の例ですというと、市町村道から今度県道に上がるものが、従来平均しますと大体七、八百キロくらいあるかと思います。これは自動的に大体そういうものになっているように記憶しておりますが、大体その程度ですが。
#150
○高山恒雄君 大臣、お聞きのように、いままで五千八百キロに七、八百キロということですがね。こんなことでは、それはもうどうにもならないですよ。だから、私は、建設省の管轄外で、市町村の道路の改革ができないというなら、もっと補助金を考えていくか、それとも予算を、たとえば自動車の新税等においては四分の一なんて考えないで、これを半分出すとか、早急にそういう施策を講じなければ、先ほど私が申しましたように東北六県、九州それから四国ですね。香川をのけたほかは、やはり四国も同じです。こういういわゆる後進県の市町村というものは全く困った状態だと私は思うんですよ。これは建設省が力を入れなければ、地方自治体が環境整備のためから地方道路を改革するんだといっても、これはやっぱりしようがないではございませんかね。建設省もそういうふうにして逃げている。たいへんだといって逃げている。地方自治体は、環境衛生にそれだけの予算は一ぺんに取れない。道路整備の何では取れないと言う。それが地方自治体にまかせたいわゆる中央行政の私は不備だと思うんです。この点はやっぱり建設省が責任を持って、予算その他の措置には十分力を入れるべきだと私は思うんですが、大臣この点どうですかね。
#151
○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように地方、特に市町村道も大切ですが、実は現在の国道、それから府県道、これがもうほとんど麻痺状況になってしまいまして、そのために現在の社会生活、産業活動が停滞ぎみになっておる。これがもう焦眉の緊急事になっているために、残念ながらいま御指摘されたところまでいっておりません。けれども、まあようやく今度一歩を進めたという段階でございまして、これからも努力いたしたいと思いますけれども、高山さんの言われるように、市町村道に重点を入れることによって、こっちのほうをスローダウンするわけにもいかないというところに苦しさがあるのでございます。そういう観点から私のほうでは、昨年国会の皆さんの御賛同を得て地方道路公社等というような手法まで講じて、できるだけ道路財源を有料道路制をも活用しながら、その需要を満たしていって、そして御指摘のような地方道について補助、助成ができる原資を幾らかずつでもひねり出して地方道の整備に充てたいと考えているものでございます。今後ともひとつよろしく御指導のほどをお願いいたしたいと思います。
#152
○高山恒雄君 私、最後に希望意見だけ申し上げておきますが、答弁は必要ありませんが、実は私はですね、このむろん国道の縦貫道路も必要だとは考えておりますよ。しかし運輸関係から考えてみますならば、県単位から考えてみますならば、九州を一つの例にとりましても、いわゆる鉄道の複線はできない、道路もいまだにまだできない、それがためにフェリーができた。そうして九州から直ちに横浜まで二十三時間で輸送することができる。私は運輸関係からいけばいろいろな問題があると思うのですよ。ただ問題はこのおくれた市町村の過疎地帯を将来どうするかという問題は、どうしても日本の場合はですよ、いま農林省が考えておるような専業農家、しかもそれがこの四ヘクタールあるいは五ヘクタールという近代化しなくちゃいかぬと、こういうようなことを言っておっただけでは、三年や五年で片づく問題とは違うのです。これは二十年なり三十年なりかかるのです。ところが現実の農村は全くの過疎地帯にいまなりつつあるのです。ところがいまの産業界からいえば、非常に都市においては人手から考えてみて付加価値が生まれない。いまこそ過疎地帯に移動すべきだし、時期がきているわけです。こういう時期をとらえて私はそういう地域の道路開発が必要だ、それを政治がやるべきだ。この点を私は強く主張申し上げて、ぜひ来年の予算にはそういう問題を含めた総合的な対策を、各省の総合的な対策を立てて、産業の開発とともに農業改善をどうするかという、これを含めてひとつ大臣努力してもらいたい、私の希望意見です。以上です。
#153
○委員長(田中一君) では私から二つばかりちょっと伺っておきたいのですが、一つは二宮委員、松本委員等から質問がありました災害の問題についてですね。まあ一体最近、これは住宅局長に聞きますが、最近戦後の現象として非常に民間の木造、いわゆる新建材を中心に使用したあるいは十戸とか八戸とか四戸とかいうアパートがたくさんあります。これはむろん政府の低階層住宅の供給が足りないから、必然的にこれが生まれたのである。まあしいて言えば、政府の住宅政策の一環をになっている姿であろう。それから工場がすべていま申し上げたように古材を使った時期があったり、あるいは新建材で一夜にしてできるようなバラック式のものが多いんです。これはもう数年来、火災を呼んだときには必ず焼死者を発見されておる。これは結局今度農村に住宅をつくる場合には、開銀等の補助をしよう、融資もしようということを言っている仲間に入れるべきではないかと思う。たとえば本所の花町あるいは浅草の田中町辺の日雇い労働者の住み家にしても、それから住宅地区におけるいま申し上げたようなアパートを経営している人たち、これらを何とかですね、これは一つの都会の恥部です、住宅政策の恥部なんです。何とかしてこれに対する手を差し伸べて、その地域が環境上住宅であり、かつまたそうした民間のアパートがつくっていいものならば融資なりあるいはもう補助なり、何かの形でもってこれを改造しなければならぬと思うんです。その点はどうですか。
#154
○政府委員(多治見高雄君) いまのお話、非常に内容多岐でございます。委員長御承知のとおりでございますが、新建材の使用と、それから既存のアパートその他の法上不適格なもの、これにつきましての改造、これは御承知のようにこの前の法律の改正によりまして、強力にこの指導をするということで現在努力しておりますが、なかなか思うような効果はあがっておりませんけれども、新法を活用いたしまして既存の、違反ではございませんけれども、現在の法律には適合していないという建物につきましては、強力に今後行政上の指導をやりたい、ということで努力いたしておる次第でございます。
#155
○委員長(田中一君) 不良住宅地区改良法か、この適用をしたらば改造できるんじゃないかと思うんですよ。これは相当一定規模のものは望ましいのであろうけれども、小さいからといってこれは放置するわけにはいかないと思うんです。人命に非常に影響があるから何とかこれは方法はないものですか。
#156
○政府委員(多治見高雄君) 御承知のように、不良住宅地区改良法、これを適用いたしまして、そういった地区の改良をするということがわれわれの理想でございまして、できるだけそういった地区につきましてはこの法律を適用してやっていきたいということで従来も努力しているつもりでございますし、今後とも努力をして続けるつもりでございます。ただ、お話の中で、御承知のように、民間の狭小アパートといいますか、木造アパートでございますが、これは委員長御承知のように、現在の住宅難世帯が大部分を占めているわけでございまして、家賃と地価、建築費というものの関係から、大都会につきましては狭小なアパートが相当最近ふえておりまして、これが住宅難世帯の大部分を占めているのが現実でございますので、これについての抜本的な対策というものを考えなければいかぬということで努力しておりますが、ただいまのところ、これをどう改善していくかということにつきましては、具体的には不良住宅地区改良法の実施とは別といたしまして、なかなかいい案はないというのが現状でございます。
#157
○委員長(田中一君) これは結局、そうした危険なアパートは木造で建てる場合には禁止すべきだと思うんです。しいて言えば禁止するだけじゃこれは困りますし、ことに貸し家業という営業なんだから、これは職業選択の自由という面において抵触される。建築の面で、構造の面で禁止するということは、現時点では容認されるんじゃないかと思うわけだ。家賃が少なくとも公営住宅よりも高いです。まあ一畳二千円程度のものになっておる。住宅公団のやつは九百円ぐらいの計算になっておる、家賃。これは二千円ぐらいになっているんです。したがってそこにこれは住宅局長、どのくらい東京あるいは大都市周辺のそした建物の世帯数があるか、一ぺん調査していただきたいと思います、全国的に大都市を中心にして。そうしてこれに対する対策を立てるべきだと、こう思うわけですが。
#158
○政府委員(多治見高雄君) ただいまの委員長のお話、住宅政策の基本に触れる問題だと存じます。そこで現在の大都市にございますいわゆる木造アパートといわれている狭小なアパートに多人数の世帯が入っている、しかも家賃は高い、それが一番住宅政策の根本問題でございます。これをいま委員長のお話のように禁止するというところまでいくかどうかという問題でございますが、これは実は理想案といたしましては住宅の基本法といいますか、全国民の住宅水準を、最低水準でこれ以下の水準の住宅を供給してはいかぬというような理想のスタンダードを設けまして、これを強制するというのが、一つの理想の姿である、というふうにわれわれも考えまして、いろいろ検討いたしておりますが、現在の大都市の状況から見まして、家賃、賃金水準、建築費、地価の動向その他考えまして、なかなかそこまではいかないということで、現在、御承知のように行なっております住宅金融公庫によります融資、それからこれからやります賃貸住宅に対する利子補給、いろいろ方策を講じまして、できるだけ良質で適正な住宅を供給する方向で努力したいということでやっているつもりでございます。
#159
○委員長(田中一君) 大臣、これあなた実態を知らないから答弁のしようがないだろうけれども、住宅金融公庫の融資の利率が高いならば、特別にこれを有利な貸し付け方法にするとか、どっちみち、その人たちは木造アパートは今日住宅金融公庫の融資の対象にならぬわけです。だから、それをなるようにするとか、何とか施策をとらぬと、やはりもうアパートの火事、必ず死んでいます。それからさっき言ったような新建材のガスによって死んでいるのが多いんです。ことにそういうアパートに住んでいる方々は負担も重い、そうして住宅の住まい方の管理などは非常に不徹底である。こういう悪条件が重なっているものですから、私はあえてこれを住宅政策の恥部だと言っておる。これをひとつ何とか手を打つように検討していただきたいと思うのですが、大臣、ちょっと答弁してください。
#160
○国務大臣(根本龍太郎君) 確かに私もこの点はなかなか、むずかしい問題だけれども、取り組まなければいかぬと思っております。利子補給という点もございます。ただ、利子補給する場合、今度は家賃の点で干渉せざるを得ない。そのときにあたって現在の木造賃貸アパート経営者が応じてくれるかどうかということが問題です。そこででき得れば、私はいま今度から実施することにいたしておりまする農住政策ですね。あれのやった結果を見て、これによって相当成功するということになりますれば、これを拡張すれば、農住を既存の市街地の土地を持っておる民間アパート経営者に適用してもいいのじゃないか。ただ、そこにはいろいろ大蔵当局と意見調整もしなきゃならぬこともありましょうし、単にこれが現在の木賃経営者の利益だけになって、住民のほうの低家賃政策がはたして、これだけでできるかどうかということも問題でございますので、よく委員長の御意見もお聞きした上で検討したいと思います。何らかの方法が考えられるのじゃないかというような気もいたしまするので、いま事務当局はそれに着手をしておりませんけれども、検討は命じて前向きに進めてまいりたいと思っております。
#161
○委員長(田中一君) もう一つ伺いたいことがある。それはこの問題はせんだって私から質問主意書を出して政府から答弁をもらった問題です。ここであなた方が四年間、東京海上ビルとどういう話をしたか、それを伺おうとは思いません。少なくとも相当な話し合いをして、今日四年間というものが経過したものと思います。しかし、まあ昨年の九月に一つの結論を出したということは、これはもうおそいけれども、一応けっこうだと思う。そこで私が申し上げたいのは、建築行政の面から見て、将来ああした特定の地区は高さを制限をするのか、こういう質問に対しては、そういうことはいたしませんと、また制限をしたこともございませんと、白々しいうそをつくことは困るんです。これはむろん、おそらく建設大臣としてはそんなことを言いたくないけれども、事務当局がどうにもならないから、白々しいこういううそを言っているので、これは将来の日本の建設行政、建築行政の面から見てたいへんな問題なんです。で、ことに建設大臣が関与するというこの部面は、構造問題なんです。この地区に建っちゃいかぬとかいいとかいうものでなくて、その構造が心配がないかどうかという問題だけにとどまっているわけなんです。たとえば構造なり、その設計したすべての計算がいままで許可したものとちっとも変わっておらなければ、それがむろんちゃんと計算をしてですよ。その面は直ちに許可をせざるを得ない、確認をしなくてはならないわけなんです。よろしいと言えば、すぐ東京都の場合は東京都知事が確認します。そこでもしも特定な地区に特定な政治の関与をするならばしてもよろしいという前提を持って私は質問しているわけなんです。なぜならばたとえば東京海上が出した最初のものはどのくらいになりますか、三十七、八階だと思いますけれども、これに要する経費というものはたいへんなものなんですよ。おそらく数百万円にのぼるでしょう。これは法律上何ら支障がないから確認申請をしたわけだ。ところがそれがいけないというと数百万かの損失をだれかに与えているんです。したがって事前に審査をいたしますということを行なおうとするのか、また構造だけに限っておるけれども、地域環境等を考慮しなければならないという前提で介入しようとするのか、その点を明らかにしなければならぬと思うんですよ。いまでも相当ああした地区で建設をしたいという人がたくさんあるそうです。それはある建築家に聞いたんです。けれども、一ぺんやった設計で法律上手続を踏んで出すと、これはいけないと言われたらどうしようもない、何百万かのあるいは何千万かの損をしなければならぬ、それがこわくて計画は出せられないと言う。しかしまあ幸い根本建設大臣はいわゆる百メートル程度のものはよろしい、こういう認定をした。構造上も認定したことなんですから、じゃそれを標準に考えたら間違いがないんですか。百メートルというものを一応めどにしながら計画すればこれはパスするんですか。
#162
○国務大臣(根本龍太郎君) 御承知のように、建築基準法で高さを何メートルならばいい、何メートルなら悪いということでいかないのでございまして、容積制限でこれはやっているだけでございますから、れそでいいと思うんです。ただ御承知のように、あすこの地帯は本来あれは美観地区として指定されて、その美観条例なるものは、地方自治体でこれは条例できめなければならないという、これは古いことではあるけれども、問題になってきておるわけです。ところが現実にはそれがやれない。ここに二つの立法上の相対峙する点があるわけです。一方では建築基準だけができればもうそれだけでいいという建築基準法のまあ制約というか、あるいは一つの権利が与えられておる。ところが一方においてはあすこは美観地区なんだということもこれはもうすでにきめられているごとく、これは各都市共通の、その他都市行政上もあることは事実だと思うのです。ただしかしながら、その美観条例そのものは国でつくるのではなくて地方自治体でやることなんです。ところが、その地方自治体は立法ができない。だからして、今度は無条件にしからば建築基準法だけで、あとは何でもやってもいいということになると、そこはやっぱりひっかかるところなんです。これはおのずからなる行政指導ということがあって私はしかるべきだと思う。それを何もせずにだめだだめだと言っておるよりは、やはりこれはある程度の行政指導によって合意するということができれば、それによってまたやってもいいのじゃないか。その結果として、私は、いま他の国の例も聞いたり、いろいろ専門家の意見を聞いたりしてみると、あそこの宮城の景観、その広場の景観それからお濠ということと、それからあそこは御承知のようにビジネスセンターでありまして、都市機能をやはり快適に持っていかないとこれはいかないということからすれば、まあ百メートルあたりが好ましいところじゃないかなと私は思っておりましたところ、海上のほうでもその百メートルで申請してきたから、ちょうど意気投合したということになるわけでございます。そういたしますというと、あそこを認めた以上、その隣に同じくらいものが出たら、それは同じことになるということも、これはまあ一つの常識だろうと思います。現実に、正式な手続はしてきておりませんけれども、私のところにも、うちのほうでも、あの程度のものを建てたいということを、申し入れか、意思表示をしたものが三、四社あるようでございます。そういうような現状でございまして、これはやっぱり法律論といえば相当ひっかかるところがあると思いますけれども、まあいつも田中先生からは、何でもしゃくし定木で、法律だけではいけない、もう少し幅の広い、そうして国民合意のできることならやれというようなことでもありますので、その趣旨にも沿ったつもりでありまするが、まあいろいろ御指導を受けまして、今後さらにいい知恵を出していただけますれば、それらも考えて今後、都市における土地の高度利用とそれから美観ということと、それから国民のコンセンサスというものとをあわせて、やはり東京都というものも都市機能と美観というものを調整していきたいもんだと思っている次第でございます。
#163
○委員長(田中一君) そうすると、この二月九日の日にきた答弁、内閣総理大臣の答弁は、これは虚偽を答弁したということになりますから、これはきょうの大臣の発言したのが真相である、また主務大臣である建設大臣の考え方である、したがって、この答弁書の内容は非常に違っておりますと、なるほど根本さんのほうが柔軟な真実を語っているように見えますから、この佐藤榮作君の答弁書に対して再質問をしたいと思いますが、よろしゅうございますね。
#164
○国務大臣(根本龍太郎君) これは再質問するかいなかは、これは田中議員の御自由でございまするが、これを否定しているものではありません。これは政府の見解は、公式に閣議の了承を得て出したことでございます。私が申し上げましたのは、まず第一に、この答弁ではっきりしておるように、いま、これを法的に立法措置で高さの制限をする意思はないということが一点でございます。それからもう一つは、私がいま申し上げたことは、向こうのほうが百メートルで申請してきた。それは私もその程度で確認していいというふうに考えた、意見が一致できたということが要点でございまして、この答弁と決して矛盾しないものでございますから、それにもかかわらず御質問いたしたいならば、何回でも御質問いただきましても、一向私は差しつかえございません。
#165
○委員長(田中一君) そういうあれですと、そうすると、もう一ぺん確認しますが、構造の問題はもう技術的に検討すればいいんだ、そのほかに建設大臣の権限は構造上の審査をする権限がある。しかし、美観地区に指定されておるから、その場合には行政指導をする、こういうわけですね。その行政指導とは、事前に相談をしてくれれば一応の構造、高さなどはこれは話し合いましょう、こういうわけですか。
#166
○国務大臣(根本龍太郎君) さように私の限りにおいてはそう思って、私の在任中はそれでやるつもりでおります。これは法律によって規定していることじゃありませんから、私の言ったことが即法律的な効果があるとは思いません。しかしながら、現実に今後どういう方が建設大臣に来るか知りませんけれども、おそらく私のやったことは尊重されて、これが法的なものではないけれども、これが当分の間、少なくとも自民党内閣が続く限りはこれは尊重されるであろうと私は期待しております。
#167
○委員長(田中一君) じゃ承っておきます。
 以上をもちまして、本件に関する質疑は終了いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時三十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
姉妹サイト