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1970/02/18 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第4号
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1970/02/18 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第4号

#1
第065回国会 建設委員会 第4号
 昭和四十六年二月十八日(木曜日)
   午後一時二十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十七日
    辞任         補欠選任
     小林 国司君     佐田 一郎君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                上田  稔君
                斎藤  昇君
                松本 英一君
    委 員
                大森 久司君
                小山邦太郎君
                佐田 一郎君
                山内 一郎君
                米田 正文君
                二宮 文造君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
       自治大臣官房参
       事官      佐々木喜久治君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       大蔵省主計局司
       計課長      乗富 光義君
   参考人
       日本住宅公団総
       裁        林  敬三君
       日本住宅公団理
       事        東  貞三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設業法の一部を改正する法律案(第六十三回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について報告いたします。
 昨十七日、小林国司君が委員を辞任され、その補欠として佐田一郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(田中一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 建設業法の一部を改正する法律案の審査中、日本住宅公団の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議こざいませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(田中一君) また本案審査のため、来たる二十三日の委員会に建設業関係五団体の関係者及び学識経験者を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議、こざいませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。
 なお、この人選につきましてはただいま御報告申し上げましたとおりでありますが、変更等がございましたならば、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めさよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(田中一君) 建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案は、第六十三国会において提出され、同国会で提案理由、補足説明及び衆議院の修正点の説明を聴取しており、その後継続審査となっておりますので、これより直ちに質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#9
○松本英一君 私は建設業法の一部を改正する法律案の質疑に先立ち、昨年の八月十八日、本委員会における審議の中で、建設工事入札参加資格申請書、通称指名願い一の様式の統一、並びに簡素化についてその早急な実施方についてお尋ねをいたしました。これに対し、建設省においては行政管理庁の改善所見と相まって、三カ月の短い期間にその作業を進められ、十一月二十七日付建設事務次官より主要公共工事発注者に対する通達が発せられました措置に対し、大臣のすみやかな決断と関係局及び課の方々の御努力に敬意を表するものであります。様式の統一並びに簡素化の施策として、十六様式中、八様式が廃止され、残りの八様式についてもその改正の内容において不要な事項の削除、並びに写しによる提出方法を採用されました。このために廃止をされた八項目のうち、登記簿謄本四百三十円、印鑑証明書二百六十円、建設業退職金共済組合加入証明書――府県によって異なりますけれども、大体百円、合わせて七百九十円になります。これを二十の発注機関に提出すると一万五千八百円であります。十月三十一日現在で十七万四千六百五十二名の登録業者であります。十七万としてこの数字を掛けますと二十六億八千六百万円の削減になるわけであります。一方廃止をしない八様式については、証明手数料は登録証明書百円、代表者身元証明書五十円、納税証明書百円であります。この原本料総額は二百五十円になります。これを二十の発注機関に出すと五千円であります。写しの場合、コピー料金一枚七十八銭。一円として計算し、三証明書類を十九の発注機関に出すと五十七円。六十円と計算して原本料コピー料金の小計は三百十円であります。したがって、写しにより削減される金額は、原本二十提出の五千円から原本一通り、コピー十九提出の三百十円を引いた四千六百九十円であります十七万人の全国の業者に掛けますと七億九千七百三十万円であり、廃止と写しの簡素化によって合計三十四億八千三百九十万円の削減になります。平均六十発注機関に提出した場合、これは百億円をこえる金額であります。中央建設業審議会が答申をして十年、建設業法の制定以来、実に二十有余年、思えば長い年月、建設業界はむだな冗費の支出を迫られておったというこれは証明でもあります。建設省として今日反省をされて、建設業界は気の毒であったというお考えがあるかどうか、まず御質問を申し上げます。
#10
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま松本さんから御指摘がありました昨年の国会で、私は直ちに善処して解決をしたのでありまするが、実は私、いまから十三年前にもやっておったときに、その問題を実は私は知らなかった。純然たるこれは事務的な手続上の経費であったと思っておりましたが、いま考えれば、たいへんこういうところにこまかい配慮がなければ、ちりもつもって相当の経費を業界に負担さしておったことは、これは非常に配慮が足らなかった。しかしながら、昨年御指摘がありまして改善したことは、せめてもの私はこれは措置であったと思っている次第でございます。
#11
○松本英一君 昭和二十四年、アメリカのドッジ公使の指示で吉田内閣の池田蔵相が行なったドッジライン政策は、戦後のインフレを収束して経済を正常化するために、政府の補助金や助成によって竹馬の足みたいなものを切り取って、みずからの足で自立することを目的としたディスインフレ政策でありました。そのため日本経済はたいへんな不況に見舞われ、各企業は操業度の引き下げ、支払いの遅延、賃金の切り下げ、首切りなど不合理な経営におちいらざるを得なかったのであります。このような情勢を背景として建設業法が制定をされました。そうしてそれ以来、建設省から出されておる次官通達は賃金の不払い事件についての防止、中小建設業の受注機会の確保、建設労務者宿舎の改善、あるいは協業組合の取り扱い、工事規模、工期等の適正化、中小建設業の振興等、数知れない次官通達が出されております。
 その中に、昭和三十七年一月二十七日付、「中小建設業の振興について」というまことにけっこうな次官通達が出されております。「最近における建設工事量の増大に対処し、その円滑な施工を確保するためには、さきに通達したように、発注に当たって工事規模、工期及び発注の時期を適正にする等の配慮が必要であるが、他方建設業者なかんずく中小建設業者の施工能力の増大を図る必要かある。そのため、中小建設業者による共同請負の実施を推進して、その施工能力の増大を図り、増大した施工能力に適する工事を受注する機会を与えるよう別紙要領に基づき所要の措置を講ぜられたい。なお、中小建設業者については、今後は、単なる共同請負から協同組合化へ、さらに進んで企業合同の方向へと〇〇するよう配慮されたい。」との要旨であります。〇〇というのは読みにくい、私が読みにくい字であります。大臣はこれは御承知でございましょうからお読みにならなくてけっこうですが、自治省の方は各地方自治体に対する通達がたくさんあるでしょうから、馬へんに川を書き、下の字は「致す」の字であります。この字を自治省の方はお読みできますかどうか。
#12
○政府委員(佐々木喜久治君) 「ジュンチ」といり字でございます。
#13
○松本英一君 それでは、どなたからでもけっこうです、馴致という文字の説明を願いたい。
#14
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの次官通達につきまして、「さらに進んで企業合同の方向へと馴致するよう配慮されたい。」ということでございますが、これは、だんだんとならしていくということであろうかと存じます。
#15
○松本英一君 「あろうか」という御答弁であります。文字にはそれぞれ意味があります。すなわち、二個以上の字を集めて一個の字形をなし、かつその意味を合成するものを会意文字と申します。物の形をかたどるのを象形文字。カメの甲やけものの骨に彫りつけたものを甲骨文字。形のないものをある約束で差し示すようにつくったものが指事文字。意味をあらわす部分と音をあらわす部分を組み合わせる形象文字。たくさん文字の解し方があります。その中で、この馴致の「馴」という字は馬へんであります。馬というのは馬獣のことであり、その象形文字であります。川は流れをあらわす象形文字であります。広辞林によれば馴致とはならしてなつかせることと書いてあります。「馴」の字は馬の従いであります。馬と川の会意文字でありますから、水の流れに従うように馬は従いなれることであります。このような文字が通達の中でどうして使用されるのか。建設業界をそのような考えで今日まで見ておられたのかどうか。明確な御答弁を願います。
#16
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま先生からいろいろお話ございましたけれども、当時「馴致」ということばを使ったわけで、当時の原案者はどういうことばでどういう意味で書いたかよくわかりませんですけれども、私どもの解釈では、そういう先生のおっしゃったことは全くございませんで、次第に中小企業者を指導いたしまして、共同請負制度から企業合同へ、さらに進んで、そうして中小企業者も建設業を受注する機会を十分受け得るように、そういうことで次第にそういうことにしていきたい、そういうふうに指導すべきであるということであります。
#17
○松本英一君 人べんに犬を書いて伏するといいます。これは人と犬の会意文字であり、飼い犬がぴったりと主人に寄り添って離れないさまを示しております。「馴致」というそのような字句が今後は絶対に建設省から出ないことをお願いをしたいと思いますが、いかがでございましょう。
#18
○政府委員(高橋弘篤君) 仰せのとおり、ことばは十分注意しながら書かなければいけないわけでございますので、今後こういう通達にあたりましては、十分注意しながら表現をいたしてまいりたいと思います。
#19
○松本英一君 建設業法の制定以来、建設省は真剣に建設業界の指導育成に取り組んでこられたのか、はなはだ理解するに苦しむところであります。形式的な監督行政で今日までこられたのではないか。総合的な指導、行政の欠除が今日の建設業界の混乱を持たらしたのではないかと考えるのであります。歴代の建設大臣がほんとうに建設業界の側に立ってその育成、指導に当たられた方がおられたか疑問であります。建設大臣は、最大の工事発注者として業界に臨んでおられますけれども、業界の健全な発達にどのように今後指導、行政をなされる御所見であるか、まずそれをお伺いいたします。
#20
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど「馴致」ということばについてたいへんお怒りのようですけれども、これは私はここで文字のいろいろ説明する必要はないと思いますけれども、けものへんがついたから動物扱いにしたということは、私はないと思います。ただいろいろ馴致ということばというものを他にも使っておったのが、そういうふうに堀り下げていけばかなりこれは感情を害するようなこともあるから今後使わないようにしますけれども、あのことばを使ったがゆえに業界を動物扱いしたというふうに解釈されるのは、どうも私はぴんとこない。なお、歴代の建設大臣が業界を一つもめんどう見ないということは、私はこれは言い過ぎじゃないかと思うのです。いやしくも国民に奉仕、しかもそのうちで特に戦後の日本の国土の荒廃した中で、あるいは道路をつくり、河川を改修し、さらに住宅、あらゆる方面に国民の心を心としてやってきたのが、歴代内閣の私は建設大臣だと思うのであります。私もかつてそれやりましたが、そのときもそのつもりでやったつもりでございます。いろいろそれをどんなことをしたかということを言われますけれども、一々ここで私は実例を示してこうだこうだということを言うことも少しおとなげないような気がしますけれども、御承知のように、入札の合理化のための措置やあるいは工事施行の際における中小企業の受注機会の確保に関する規定を設ける等、あるいはまた他の業界に率先して建設省は前渡金制度をやっております。これはいまから十五、六年前ですが、やっておりまするが、この際も当時は御承知のように、台風手形というようなたいへん長期の手形が行なわれておるときに、建設省は発注した上に資金まで前渡するということで当時ずいぶん大蔵当局と対立したものです。それをもあえてやり、さらにかっこれが国の税金でやっておりますことでありますから、途中で業界が、これが事業遂行ができなくなってきた場合に、たいへん大きな国益に損失を来たすということで、保証会社もつくっておるというような配慮もしたり、あるいは機械貸与によって、中小企業の業界が大企業の合理化についていけないのを政府資金でめんどう見るというようなこともやったのが建設省が初めてです。農林省はあとから出てきた、運輸省もそうです。あるいはまた先ほど御指摘のありました中小企業に対するジョイントベンチャー、この制度も建設省が他の官庁よりは早くやっておるというような、かなり配慮をしてやったつもりでございます。しかしながら、一面において日本の建設業はこれは届け出制度でありまして、しかも、各発注者が、民間もあれば地方公共団体もあるということで、非常にたくさんの、資力、技術、そうしたもののない方でも届け出さえすればできるということで、非常に乱立し、そうした結果非常な過当競争になる、あるいは無責任なものが出てくる等のために、あるいは倒産、あるいは不正行為といろいろ摘発されてきたのであります。そのたびごとにいろいろと行政指導もいたしたのでありますが、最近におきましては倒産ということで出てくることもありますけれども、これは監督指導が悪いから倒産したということに結論づけることは、私は適当じゃないと思います。むしろこれは現在体質改善をしなくともどんどん発注が出てくるというところにまた問題があるような気がするのでありまして、そういう意味で、今後日本の公共事業が相当大きくなります、現在でも昭和四十五年度中における建設業の総投資額は十七兆四千億ほどになっております。すなわち国民総生産の二〇%を占めています。しかも、これがもっともっと伸びていくということになりますれば、これは相当業界自身の近代化、合理化、これをはからなければならないと思います。すでに資本の自由化も行なわれておりまして、海外の企業も入ってくる、こういう段階で、しかも最近のように労働力不足のときにあたって、いわゆる出かせぎ等一時的な建設労務にゆだねるということも、これも非常に困難です。コストダウンするという意味においても、あるいはまた労働の省力化という問題からしても、これは業界と行政機関が一体となりまして近代化、合理化、これをはかるとともに、やはり国民の生命財産に密着する事業でございまするから、業界も責任を持ってその仕事をやり得るという体制をつくる必要がある、こういう観点からして、広く国会の皆さん方の御意見も十分に拝聴し、かつまた業界の意見にも耳を傾け、あるいは各界の意見を十分にそんたくして、今回、御承知のように建設業法の一部改正案を出した、こういうことによって、さらに一段と建設業界の健全にしてかつ今後国民から信頼される土木建設業界を確立していくとともに、国民の期待に沿うような建設事業の推進にあたりたい、こう考えている次第であります。いろいろと御批判、御意見をお聞きして建設業界の健全な発達に努力してまいりたいと考えている次第であります。
#21
○松本英一君 私は、何も馴致という文字じりをとらえてお尋ねしたのではありません。自治省の方に聞いたのはよく通達を出されるので、ならすとか、ならされるのが多いからお読みできたと思うのです。日本を愛し、私たちの日本語を守りたいからこそ質問をしたのです。そうして今後こういう文字を使用しないようにという意味を含めての質問なんです。何もいま大臣から答弁のあったような、文字じりをとらえてではないのです。なぜならばうそは方便と申します。方便はうその代名詞のようになってしまいました。方便というのは菩薩の位から如来の位に達するための修業をする過程を言うのであって、方便本という経本の中にはっきり書いてあるのです。したがって、私は昨年八月の質問でも不要なこと、むだなことを屋下屋を架すると言いました。屋上屋を架するとよく言いますけれども、屋根の上に屋根をつくるのは必要であり、屋根の下に屋根をつくるのが不要でありむだだから、屋下屋ということばを使ったのです。日本語を守っていきたいという気持ちで質問いたしたのですから、その点について大臣の御答弁を求めます。
#22
○国務大臣(根本龍太郎君) それでけっこうでございまして、私もそう思っております。ことばの問題でここで議論しようとは思いませんけれども、松本さんのように国士的な存在が日本にいま非常に少なくなっておるわけで、正しい日本語をこれから奨励しなくちゃならない。その意味において官庁が正しい気品のあることばを使うことは、私も全く賛成でございます。
#23
○松本英一君 五十八カ月間続いた高原景気も一昨年秋から停滞を始めてまいりました。政府は、景気調整の重要施策の一環として、公共事業費をもって安全弁的役割りとして利用されたことは、周知の事実であります。景気が過熱すれば、この公共工事の発注をおくらせ、また反面、不況感が漂えば、早期に発注して景気をあおるなど、このように景気の好不況によって公共工事で調整するがごときは、わが国の基幹産業である建設業の発展はおろか、根底から弱体化への道を進まざるを得ないわけであります。
 このような経済情勢の中で、業法改正によって特定業者と一般建設業者が誕生するのでありますが、許可制実施の理由の一つには、建設業者の基盤の安定確保をはかることがあげられております。わが国建設業界の九九%を占める中小業者を、許可業者としての信頼を高め、経営基盤を固め、将来への発展、育成への指導理念をお尋ねいたします。
#24
○国務大臣(根本龍太郎君) これは松本さんが最もよく御存じと思いまするが、従来この下請事業がかなり出ております。ところが、これは片務契約的なものでありまして、表面上から見れば資産もあり、それからシェアも十分持っている、技術者も持っている、資本能力もあるという者にえてして入札の結果がそこに集中する。その親請けから今度は下請、孫請までいっているのが現状だと言っていいでしょう。しかも、この中小企業の人たちが、大部分が下請、孫請でやっておる。しかもこれが前渡金をもらってもそこまで十分に流れていっていない、あるいはまた初めから利ざやをピンはねされて、それでやらざるを得ない。そういうところに、日本の建設業がいわゆる近代的企業と言えないというところに問題があるのです。ところが、現在の業法では、 そうしたものをチェックする何らの方法もない。そのためにやはり特定建設業者という制度を設けまして、これらの者が一定の条件のもとに下請させることはできるけれども、その場合には十分なる下請に対する保証措置を講じなければならないということに規定することによって、中小企業の保護ということがはっきりと浮かび上がってくるということになるわけであります。それからジョイントベンチャーについても明定いたしまして、ジョイントベンチャーというのは今までやっておりまするけれども、実はこれが、中小企業の近代化育成のためにやったことが、逆に大手が競争をできるだけ回避しておるたそちらのほうのジョイントベンチャーがむしろ多いというような形で、これまた最初のわれわれが構想したことと必ずしも一致していないというようなことから、この業法が国会で制定されますれば、一段と私は建設業界が健全化する。そうして従来でありますれば、若干の金を持っておる者が、地方ではよく若干の地方政治家と話し合いをして、そうしてその業界に届ければすぐに今度は県の指定工事をもらう、入札の指定をもらう、あるいは町村でもらう、これが非常に乱雑な競争になり、これが倒産のもとになるというところでありまするから、やはりこれは大事な公共事業をやり、しかも人間の生命、財産に関する大きな仕事をやることでありまするから、許可制度を前提として業界の再編成を考えることが必要である。
 それから冒頭にお話しありました従来この建設事業の発注が景気の調整の具に供せられた――これは若干あったと思います、正直にいって。しかしそのためにこの建設公共事業をやっているのではございませんで、十分にこれは国家的な必要、日本国土開発のために必要だということが前提条件であります。ただし副作用的に若干これは公共事業のみならず政府の財政政策、これは景気対策が若干含まれることは当然でございます。本年については、これは私が意識的に、これは大蔵省の意図でなく私の意思として、四十六年度予算が終わったならば、成立しますれば、直ちにこれは地方並びに建設省管下の各公団に早期発注することをすでに指令しておきました。さらにその場合においてでき得るだけ地方――地元の業者に発注するように、これは公団長会議あるいは地建の局長会議、あるいは土木関係の土木部長会議にこれは明確に指示いたしました。これによって本年度の景気停滞を緩和するほかに、どうしても従来この発注がおくれがちです。これで一番大きな弊害を受けているのは雪積地帯の東北、北海道、それから山陰、北陸です。そのために今度はおくれてしまいまして、年度末になって突貫工事をやってたいへんな被害と……。それで私はことしを一つの転機として予算が成立したならば、もう年度初めに各県、各事業所に事業を早くおろすという一つの前例を確立しておきたいという意図でやっておることは事実でございます。
#25
○松本英一君 土木工事と建築工事とは同じように公共投資で行なわれております。土木工事に関しましては、公共土木施設災害復旧事業の設計要領、通称赤本によって積算基準が非常に確定をいたしております。したがって、非常に精密な数最とか積算の基準が明確であります。また、後日実際に工事に着手し、設計変更を余儀なくする場合、内訳明細書よりもよけいかかればよけいもらえるし、少なくかかれば少なくもらえる、いわゆる実費精算方式が採用されております。だから土木工事に関しては施工業者の利益も損害も保証されておる反面、不当な利益に対しては強く制限をされておるわけであります。これに対し建築工事に関しては、工事金の総額をいわゆる一本で出すのが現状であります。それから先、内訳明細書の数量に誤差があることがわかっても、あるいは堀り方の際、砂のところに岩が出たり、あるいは土だと思って堀り方をするとヘドロ状態のどろが出たりした場合、それはほとんど事実上の変更がなされていないのであります。ということは、利益もあるが、そのかわり損害と危険が伴うことが非常に多いという問題であります。たとえば集団住宅建築を主体とする日本住宅公団の建築工事においては、四、五年前よく言われておりましたが、四千万円の工事を施工すれば五百万円の赤字が出ることが当然とされ、そのことは今日においても赤字額の多少の変動はあっても変わっておりません。本法の改正にあたり、倒産倒産といわれますけれども、ほんとうに倒産した業者は建築業者であり、しかもそれは零細業者に多いのであります。一方、土木工事を施工する人々は、みずからの土地あるいは河川あるいは道路に生き続けておる関係から、実費精算方式によってささやかな経営が行なわれておるのであります。建築工事に関しては、結局実費プラス経費の算定方式に移行しなければ、いつまでたってもこの状態は続くものと考えられますけれども、政府の御見解を求めます。
#26
○国務大臣(根本龍太郎君) これはたいへん大事なことであり、しかも実務的なことですから、事務当局から説明いたさせます。
#27
○政府委員(大津留温君) 建築工事についても土木工事と同様の積算基準、共通の積算基準をつくって積算をさせ、また実費精算方式をとったらどうかと、こういうお尋ねでございますが、まあ建築工事は土木工事と若干工事の内容が違うという面もございますし、建設省所管の官庁営繕工事につきましては実態をよく調査いたしまして、その調査に基づいて積算基準というのをつくりまして、これは全国統一的に行なっております。しかし先生の御指摘は、公共団体が行ないます補助事業あるいは単独事業につきましては、あるいはほかの省が行ないます建築工事におきましては、積算の基準がばらばらになっておるという御指摘であろうかと思いますが、建設省といたしましては最も大きな工事の発注者といたしまして、他の省にも呼びかけまして、その積算基準を共通のものとして使うように慫慂しておるわけであります。必ずしもこれは同じものが使われていないという実態でございます。また地方公共団体といたしましても、それぞれその地方の実態に応じたやり方をやっている面がございまして、必ずしも統一されておりませんけれども、しかし御指摘のように、いずれにいたしましても積算が実態に沿わなくて、請負業者に不当の損害をしいるというようなことは、これはきわめて好ましくない事態でございますから、建設省といたしましては、ほかの省にも呼びかけまして、あるいは地方公共団体にも指導いたしまして、できるだけ適正な積算方式をとるように指導いたしたいと思います。
#28
○参考人(林敬三君) 先ほど来いろいろと積算の単価、これらにつきまして御体験からするところのお話を承ってたいへん意義深く拝聴したのでございますが、日本住宅公団といたしましては、やはり御承知のように従来の実績を基とした積算要領というものをきめておりまして、それに単価については時価を入れてまいりまして毎月物価版でもって訂正していくということをいたしまして、実情にできるだけ沿ったもので発注をしてきめていただく、こういうことをいたしておるわけでございます。そこで確かに私ども就任して以来ずいぶんたちますのですが、よく聞きますことが、公団の仕事というものにうまみがないとかあるいはへたをすると損をしてしまう。へたをするというのはやりくりといいますか、いろいろな砂利や、いろいろなことでのほかの工事とのコンビネーションというものをうまくやっていかないときに損をするくらいだというようなことも聞きまして、私どももその積算については気をつけまして、お話しのように実費プラス経費と、こういう仕事でございますから、大きくもうけていただくというわけにはとうてい至らないものではありますけれども、実費プラス経費でいいものをつくっていただくという単価には、もちろんいたさなければならないと存じております。したがって、たとえばさっきも大臣からお話ありました前渡金の制度でありますとか、あるいは現金払いの制度であるとか、あるいは労務費についてしばしば改定を行なっていくとか、そういうようなことによりまして、いやしくも業者の方に、普通に一生懸命やっていらっしゃって、かつマイナスになるというようなことにはならないように私どもも気をつけて今後ともまいりたいと存じます。物価上昇のおりからでございますから、今後も実態調査を十分に行なって、単価の適正化ということには努力してまいりたいと存じます。ただひとつ御指摘のありました、岩が出たというような場合、これは小さい岩のときにはお約束した範囲内でやっていただけるものはやっていただくようにしますが、著しく大きな支障が出てくる、岩ばかりでなくて、そういう場合には設計変更いたしまして、協議をいたして適正化につとめるということをやって努力をしておるのでございます。今後とも一そうこの点留意してまいりたいと存じます。
#29
○松本英一君 先ほど大臣からお答えがありました前払い金の話がいまも出ましたけれども、住宅公団の工事で赤字を承知してもそれを受けるのは前払い金があるからであります。したがってこれはそのような無理な仕事、うまみがないという総裁のお話ですが、うまみがないというのは何に原因しているのかどうか、これはもちろん積算と監督であります。監督はどのような方法でなされておるか、住宅公団のほうから御説明を願います。
#30
○参考人(東貞三君) 住宅公団の監督は現在この図面、仕様書に書いてあることを厳重に現場で守るようにということで監督をつけておるわけでございますが、これも人員の都合がございまして、全部が住宅公団の人間だけではとても監督が行き届かないということで、一部を地方公共団体その他の事務所に監督のみを委託しております。こういうことで、なるべく住宅公団の人間で監督したいということは念願にしておりますけれども、とても人員が足りないということで委託業務でも監督をいたしておるような状態でございます。
#31
○松本英一君 住宅公団の監督はいま言われた地方公共団体、それから住宅公団、団地サービス等の、大体三つくらいの監督でなされておるのは御承知ですかどうか。
#32
○参考人(東貞三君) 十分承知しております。サービス会社ばかりではございません、一般の監督する事務所にも委託しております。
#33
○松本英一君 私は土木と建築と比較して土木の赤本の要領というものを、建築にも採用してもらいたいという希望を申し上げたんです。建設省は建設行政の主務官庁でございます。地方公共団体、ひいては民間まで建設省にならうのであります。建設省は土木関係は陣容が農富であり、人員も多数であります。しかも、その歴史が古いということは、進歩への道をたどっているとも言えるのです。これに対して建築関係は単に建設行政の面にあまりにも重点を置き過ぎて建築生産といいますか、建築の発注業務に対して非常に配慮が足りないと思われます。このような建設省のあり方から、これに関連する国庫補助工事などで地方自治体の行政にも必然的に波及している現状と建築の公共投資が非常にその比重を占めつつある今日、建設省の行政指導の必要は焦眉の急務であると考えます。これに関して御答弁を求めます。
#34
○政府委員(大津留温君) 先生御指摘のとおりでございまして、私ども今後一そう検討し、整備しなければならない部門だと思います。御承知のようにわが国の土木事業のうち公共事業が占める割合は半分以上でございます。しかし、これに反して建築工事につきましては、官公庁の建築工事というものは全体の二割にも満たないというようなことで、どちらかというと民間のほうが相当建築は進んでいるような状況と言えると思います。そういうようなわけで建設省の行ないます建築工事が民間の工事に対する指導力といいますか、影響力というのは土木に比較しますと小さいわけでございますが、しかしながら、御指摘のように少なくとも各官庁が発注いたします建築工事また地方公共団体が行ないますものにつきましては、私どものほうでできるだけ基準、準則というようなものを設けまして統一ある積算、発注、こういうものをやりたいと考えております。
#35
○松本英一君 公団総裁にお尋ねしますが、先ほど物価版によって積算されておるとおっしゃいましたが、それはどれとどれでしょうか。
#36
○参考人(東貞三君) 物価版と申しますのは、建設資料及び建設物価、こういう二種類の財団法人から出しております非常に権威のある物価の収集をした一つの資料でございます。これは毎月出しておりましてこれによっております。
#37
○松本英一君 どこで出しているんですか。
#38
○参考人(東貞三君) 建設資料のほうは建設経済調査会というところでございますし、建設物価のほうは、これは建設物価調査会というところから出しております。
#39
○松本英一君 そうした物価版によって設計し積算し基準単価として活用をされておられるわけですね。しかし、これが実情に即し、かつ利用上容易にできる状態でないと、発注者にとっては不当に過小積算して、建設業者に、施工者に重大な影響を及ぼすのでありますが、その点についてはどのようにお考えですか。
#40
○参考人(東貞三君) この点につきましては、お説のとおり幾ぶんこの資料は古い資料をとっておる場合もございます。そういうものは非常に物価の値上がりのどんどんしておるようなものは、ちょっとこの資料もそれについていけないというような事態もございますので、それにつきましてはわれわれのほうから特別にいろいろのところにお聞きしまして、そのときの単価をつかむように注意しております。
#41
○松本英一君 おくれる場合があるとおっしゃいましたが、これは出版物でしょう。おくれる場合ではなくでおくれるのがあたりまえでしょう。それならば建設物価調査会の委員の構成、人員は。業者代表は何名ですか。
#42
○参考人(東貞三君) 不明にして、ただいまその代表その他を覚えておりませんので、よく調査して、その人員を調べることにいたします。
#43
○松本英一君 一般的な考え方からすれば土木工事は偶発的な原因によって影響されるがゆえに、危険も損害も多いと思われがちです。実質はしかし、これら公共投資による工事において、土木工事の積算は赤本によって非常に弾力性を持っておるのですが、建築工事に関しては一律的な考えのみに終始して今日に至っており、弾力性ある積算がなされていないのです。たとえば三階建ての家を四階に建て増すときには、これは設計変更があります。四階建てを三階に減らすときも設計の変更があるのは当然であります。しかし、先ほど申し上げましたように、設計変更があるかといえば、建築工事の場合はないのが通例であります。これから言えることは、土木工事においては設計変更がなされるのが通常であり、設計変更がないのがむしろまれであり、建築工事の場合は全く逆で、設計変更がなされないのがまれであるといわれております。このことは、建築行政が土木行政に比して大いにおくれておるというふうに考えておりますが、右へならえの総本山である建設省では、この問題についてどのような理解をなさっておるのか。
#44
○政府委員(大津留温君) 実情に沿って変更するという弾力性を持つべきだという御指摘、まさにそのとおりだと思います。土木に比べまして建築関係がおくれているとは必ずしも考えませんが、これは工事の性格上、土木工事は、やはり実際の工事を実施してみて地盤その他が違っていたということで変更するケースが多かろうと思います。建築工事は綿密な設計をいたしまして工事にかかりますから、変更するケースが土木に比較しては少ない性格を持っておるかと思います。しかしながら、いずれにいたしましても、実情に沿わない工事を請負業者にやらせるということは、全くこれは好ましくないことでございますから、必要に応じて設計変更もいとわないというふうに指導いたしたいと思います。
#45
○松本英一君 建設業法三章の建設工事の請負契約に関する諸規定の精神を、現実の建設工事の請負契約において実現させるための一助として、同法三十四条二項によりますと、中央建設業審議会は、建設工事の標準請負契約約款を作成して、その実施を勧告することができることになっております。この規定に基づいて、中央建設業審議会が作成した標準請負契約約款には、公共工事用の建設工事標準請負契約約款、民間工事用の契約約款及び下請契約約款などがございます。通常、単に標準請負契約約款といわれておりますのは、公共工事用の建設工事標準請負契約約款であります。現在公共工事用に広く採用されておりますが、その約款の特徴の一つは、請負代金の一部を発注者が前払い金及び出来高払い金として建設工事の完成に先立って支払うことであり、民法の請負契約の工事完成後の事後払いの原則を修正しておるのであります。今次の業法の改正に伴い、建設工事標準請負契約の改正は当然必要となるでありましょうが、現行約款においては、各条項中にも不明確あるいは片務性の点が多く見られます。建設業者の不利は免れないことは明らかでございます。すみやかにこれの是正をはかるべきだと考えますが、政府の御見解をお伺いしたいのであります。
#46
○政府委員(高橋弘篤君) 現在の発注者と請負者の間の契約関係につきましては、元来これは双務的なものでございます。しかしながら、建設業の特殊性からしまして注文生産でございまして、実情は、いわゆる片務的な契約というものが相当おっしゃるとおりに多かろうと思います。したがいまして、今度の建設業法の改正案におきましても、請負契約関係の適正化というものをはかるための改正の御審議を願っておるのであります。さらに、ただいま御質問のございましたように、中建審の建議いたしました建設工事標準請負約款につきましても検討を進めてまいりまして、その中におきましても、当時と相当事情が変わりまして実情と合わないところがございます。そういう点につきまして、いわゆる片務性を是正するためのいろんな検討をいたしたいというふうに考えておるわけでございまして、中建審におきましても、たとえば天災その他の不可抗力による損害の負担の問題とか、物価上昇に伴う工事費の負担の問題、そういうものを中心に十分審議を願うことにいたしたいと考えておる次第でございます。
#47
○松本英一君 契約約款の特徴の二つ目は、賃金等の値上がりによる請負代金額の変更及び天災、不可抗力による損害の一部を建設工事の注文者の負担とすることを認めていることであります。建設工事の契約が済まされ、以後物価が上昇し、労賃が高騰し、材料費が急騰した場合、そのとき訴える方法はあっても、どういうふうにすればいいのか、またどうなってどうなるのか、そのすべを知りません。契約以後についてのその差額のはなはだしいものにはスライド制を適用されるならば、発注者みずから法を守るという精神が生かされ、範を示していただけると思うのですが、御見解はいかがでございますか。
#48
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま御質問ございました問題点についてまず最初に申し上げます。あとまた必要がありましたら発注者の官房長から答弁をさしていただきます。
 先ほどもちょっと申し上げましたように、物価スライドの条項につきましては種々問題があるわけでございまして、検討を今後いたしてまいるわけでございますけれども、そういう相当物価変動があったときにおきまして、契約後もう一度材料費だとか、労務費だとかいうものを年に一度は洗い直してみる。そして場合におきまして、いわゆる現在見ているのは四%、これは中建審の建議では四%と書いてございませんが、建設省では四%で見まして、いわゆる足切りというものがございます。そういう問題をどうするかという問題、その他また天災、不可抗力の場合におきましても、その天災というものがどういう定義であるかとか、またその負担の方法をどうすればいいかというような点問題がございます。そういう点につきまして十分中建審において審議をしてもらいたいと考えておる次第でございます。
#49
○松本英一君 契約関係の適正化については中央建設業審議会の答申にもありますように公共工事の契約関係を一そう適正化するための立法措置が必要と認められると述べてあります。会計法、その他官庁の契約関係法規の整備が必要と考えますが、建設大臣は大蔵大臣等にこれらの具体的な相談がなされておるのか、官庁関係の契約関係の適正化について閣議において決定をされるような具体的に御努力を願えるのかどうか、お尋ねをいたしたいのであります。なお、予算を理由に不当に安い金額での請負契約を強制していないかどうか、その問題についてもあわせて御答弁を願いたいと思います。
#50
○政府委員(大津留温君) 中建審の御答申によりまして、請負契約の片務性の是正ということでいろいろ御意見が出ております。それらのものを現実に実現いたしますためには、御指摘のように会計法等を改正する必要も出てくる面がございます。したがいまして従来から大蔵省あるいは会計検査院等に問題が出ましたつど、事務的に連絡していろいろ研究をお願いしておるようなわけでございますが、今後もそういう面で官庁が率先して近代化をはかるという立場から、そういうことは一そう積極的に進めたいと考えております。
#51
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま官房長から申し上げましたとおり、これを閣議事項できめるほどのことではございません。具体的に事務折衝でやってそれでどうしても聞かなければ私は関係の閣僚なりその責任者にこういうふうにすべきだという意見を出して、そうしてこれを円満に解決するようにいたしたいと思っております。
#52
○松本英一君 今日、建設技能労務者の不足、これに伴い賃金のはなはだしい上昇、また主要建設資材の高騰等を見るなど、建設業界にとってはまことに深刻なときであります。ことに政府における公共建設工事に依存する中小建設業者にとりましては深刻な問題であります。発注予算と実行予算とのはなはだしい懸隔は、施工技術の革新一建設業者の使命感のみをもってしては、とうてい調整、打開し得るものではございません。このことは公共建設工事の施行を主体とする中小建設業者の倒産が明らかにその事実を示しております。このことにより昭和三十六年九月六日全国より三千名の建設業者が東京に集合し、適正単価確保全国大会を催し、政府においてすみやかに有効適切な対策の樹立を要望、陳情いたしたのであります。適正な単価とは公正な価格であることであります。公正なる価格、これは発注に際しての予算価格でなければなりません。すなわち発注予算価格は公正なる価格でなければならないはずであります。十年一日のごとく政府の発注機関関係者の方々は、「競争入札をさせて安いところに頼むということが、一番公共事業費を節約するゆえんのものである」と異口同音に言われております。予算が安いから、ないから節約するんだなどの理由をもって、公正な価格を害する発注価格の積算が許されていいものであるかどうか。発注予算が少ないときは、その少ない単価のもとに設計し目的物をりっぱに完成することが発注官庁における技術者としての最善のつとめであり誇りではないかと考えます。それを、予算がないからといって業者の犠牲において目的物の完成を強いるがごとき行為は、厚生省において最も如実にそれを示しております。岡山県、愛知県において厚生省発注になる病院建築で、入札に参加し、予定価格に達しないために指名停止のおどしによって、泣く泣くそこの支部の責任者がその安い工事を引き受けなければならないという事実があるのであります。このようなことは行政官として最も慎むべきことでございますが、主務官庁としての建設省のこの問題に対する御見解をお伺いいたします。
#53
○政府委員(高橋国一郎君) ただいま御質問になりましたいろんな事例、詳しく私どもわかりませんですが、おっしゃいますとおり、請負代金が原価を割るような不当に安いものであって、それを発注者側の優越的な地位を利用して強制されたというようなことがありますれば、そういう場合におきましては、御審議願っております今度の改正案におきまして、十九条の三におきまして、自己の取引上の地位を不当に利用して、不当に低い数字を必要と認められます原価に満たない金額を請負代金として結ぶということについては禁止されておるわけでございます。これにつきましては、違反した場合におきましてはやはりこの改正案の中にも国だとか地方公共団体の場合におきましては大臣もしくは知事がこれを勧告する。また国及び地方公共団体以外の事業者の場合におきましては、いわゆるこれは独占禁止法の十九条の違反にもなるわけでございますので、公正取引委員会に大臣なり知事がいろんな措置をとることを請求できる規定も今回四十二条で設けておるわけでございます。そうなりますと、そういうことによって、独占禁止法によりましていろんな措置がとられることになるわけでございます。
#54
○松本英一君 建設業者の競争心をあおり業者の体質を脆弱にし、一時的に国家の支出が削減されても、政府の重要施策の一つとして推進せられる国土の保全開発を中軸とする公共建設事業のほんとうの意味での建設生産力はあがるとは言えないのであります。業者を育成しながら、そうして施工を監督しながら業者の内容を健全にしていかなければ、わが国の建設生産力をあげることは不可能であります。いま御答弁で、今改正を期にそのような方針でいかれるとのお答えを聞きました。ぜひ実行していただきたいと思います。
 今後の労働力は、過去の出生率の低下、進学率の上昇、高年齢化などの影響により、労働力増加率の鈍化が予想されております。新経済社会発展計画の年率実質一〇・六%の経済成長に伴い、社会開発には産業の近化代による技術革新が必要になり、特に建設産業の技能労務者は、労働省の四十四年六月調査でも二十四万人不足し、率にして二三・七%となっており、今日においてはその傾向はさらに深刻化しておる現状であります。建設業の将来に最も問題となる建設労務者の不足、高度化する建設工事に対処する機械化の問題、協業化の育成の方策、金融・税制面での配慮、すなわち各種中小企業近化代、合理施策の面ですべてきめのこまかい政府の施策の配慮が必要と考えられておりますが、具体的な対策はどのようなものでありますか、御答弁を願います。
#55
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点は非常に実務的なことでありまするので、先に事務当局から御説明いたします。
#56
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの御質問でございますけれども、結局建設業の大半を占めます、大半といいますか、もう九割九分を占めます中小建設業につきまして、何らかのいろんな対策を講じて、資質の向上をはかっていく。そういうための振興策はどうしているかというお尋ねかと解しまして御答弁を申し上げたいのでございます。
 一番冒頭にも先生から御指摘ございましたように、いろんな建設省は通達を出しまして、業法改正以来、中小建設業に受注の機会を与えるとか、その他いろんな施策を講じてまいっておるわけでございますが、具体的には中建審の建議に基づきまして、公共工事のいわゆる発注標準というものを設けまして、工事金額に応じて資金区分をいたしてその調整をいたして、そうして中小建設業に対しましても十分受注の機会が与えられるように、大手業者がその区分を乱すことのないようにという指導を十分いたしておる次第でございます。
 また次に、結局はその企業が、そういう建設業、今後増大いたしますところの建設工事に対応いたしますところの体質があるかどうかということにも関連ございますので、中小企業につきましては、今後組織化、共同化というものを十分に推進をいたしておるわけでございまして、中小企業のいわゆる先ほどから話題になりましたジョイントベンチャーの制度もいち早く建設省としては推進いたしております。また、各種協同組合法また中小企業団体の組織に関する法律というものに基づきますところの協同組合、また協業組合というものも、組織を組織化されるようにいろいろ指導をいたしておりまして、相当数がそういうことによって組織化する。そういうことによってその組織化された場合に、十分公共工事が受注できるようなそういう資格審査の方法も考えておる次第でございます。
 またその他中小企業近代化促進法というのもございます。その中にも土木工事業、建設工事業、さく井工事業を入れまして、いわゆる近代化計画のもとに適正な企業規模にする、機械の保有量を適正なものにするとか、その他いろいろなその指定に伴っての税制、金融的な措置というものも講じておるわけでございます。
 そういうことのほかにも中小企業近代化推進のためのいろいろ金融措置があります。そういう措置につきましても、関係省と十分打ち合わせながら、そういう優遇措置がとられるようにいままで措置をとってまいっておる次第でございます。今後そういうことに十分留意しながら中小企業の振興策につきまして努力いたしたいと考えておる次第でございます。
#57
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま具体的な措置について申し上げましたが、御指摘のように、今後私が一番心配しているのは、一般に若い人たちは金が入るというだけでいかないのですよ。カッコいい事業でなければいかない。これは非常に非合理的なようで実は大事なことであります。そこで、建設工事が他の製造工業ほどにはいかなくても、環境がよくなって安全で、かつ一つの合理化のあれとしていま多年問題になっておるところの半製品化して組み立てれば相当の工事ができる、特に建設工事のごときはこれがやれるというようなことで開発をしなければならぬと思います。いわゆる工事の。プレハブ化を相当進めていかなければならない。
 それからもう一つは、従来建築関係は規格が非常にまちまちでありました。畳でも、建具でも、間取りの寸法もみんなまちまちであった。そのためにこれが非常に非能率であり、かつ大量生産ができない。そこで先般通産省と精力的な協議をした結果、一応規格の、寸法の標準化ということもできましたので、これが進んでまいりますれば事前に相当製品化ができる。そうしますれば、今度は建築物は相当程度これは組み立て式になっていける、省力もできるし、かついわゆるとんちんかん、とんちんかんというようなことじゃなくて、何かこう一つの器具を組み立てればできるというような、そういうようなことが、私は若い今後の建築労務者を吸収することにもなるのだろうと思いまして、そうした開発をすべきだということで、実は先ほど御説明申し上げましたように、建設省の技官を中心として、学会、技術者、協会等の技術懇談会を設けまして、そうしてそうした開発をやらせておる。その上に、ただいま計画局長が御説明申し上げました諸般の建設業の合理化、さらに企業としての安定を持たせる、税制上あるいは金融上の措置をも進めてまいりたいと考えておる次第でございます。
#58
○松本英一君 大蔵省、自治省にお尋ねいたします。――地方公共団体における公共施設工事に対する財政の支出は、その金額の総予算中に占める比率が多大であります。その支出が国または地方公共団体等の公的機関が公益的目的または社会的目的を満たす、必要を満たすための施設を建設する事業でありますから、その地域社会に経済的、社会的に影響することは甚大であります。しかも、その原資は国民の貴重な税金に由来することを考えますと、その発注業務は特に慎重、公正妥当に行なわなければなりません。建設業者に対する発注業務の基本である予算決算及び会計令の趣旨は、発注に際し最低価格入札者に落札することをたてまえとし、特別例外的安価な入札者を排除するための方法として最低制限価格を設定するものであって、その最低基準は富くじ的僥幸を得させるためのものではないのですから、通常、予定価格は、上限下限常識的にどのくらいが適当とお考えですか。
#59
○委員長(田中一君) 乗富君と佐々木君から御答弁願います。
#60
○政府委員(佐々木喜久治君) 工事の入札の際の上限下限の限度額の幅というものにつきましてはそれぞれの工事の内容によって異なるというふうに考えております。特に私どもは幅がどれほど必要かということについては考えておらないわけでございます。
#61
○説明員(乗富光義君) 工事の入札価格の幅につきましては、ただいま自治省から御答弁のあったとおり、私どもも特別の幅があるとは思っておりません。ただ、特に公共事業の災害復旧等含めまして、設計単価というのがございますけれども、その設計単価をきめますにあたりまして、実際の実行上の実施単価については、その設計単価から二〇%とか、場合によりましては、従来二五%という弾力がございましたけれども、それは工事の発注時期あるいは工事の施工地域、そういったものによりまして、実態に即応するように、そういいった弾力といいますか、アローアンスが一応考えられております。
#62
○松本英一君 自治省のほうはその幅は御承知ないようです。自治省は各府県における発注業務の中で、この予決令に基づく趣旨による最低制限価格の設定にあたっての上限下限は、各地方自治体でどのようになっているか、調査をなさったことがありますか。
#63
○政府委員(佐々木喜久治君) 地方自治法の規定によりまして、各地方団体がそれぞれの独自の立場で財務規定を定めまして、それによりまして、工事の契約関係につきましてはその財務規定に従いまして処理されておるわけでございます。したがいまして、この上限下限を設けるかどうか、あるいはまたその上限下限を設けた場合にどれほどの幅でやるかということにつきましては、私どもは特に指導もいたしておりません。したがいまして、現在それについて調査した事例がないように考えております。
#64
○松本英一君 先ほど私の質問の中で、自治省はおわかりにならないと言いました。自治省はわからずに大蔵省のほうでは二〇%から二五%の上限下限の幅があるということをおっしゃいましたが、それはそのように理解してよろしいのですか。
#65
○説明員(乗富光義君) 私が申し上げました幅につきましては、公共事業関係につきまして年度当初に設計単価をきめるわけでございますが、その設計単価をもとにしまして、実際に具体的に発注する場合におきましては、その施工の時期やあるいは施工地域等によりまして実態に応じて設計単価に対しまして一定の幅で施工ができる、こういう趣旨でございます。
#66
○松本英一君 自治省にお尋ねしますけれども、地方自治体の分は調査ができてない。そうして、その上限下限のパーセントはどのくらいが適、不適であるか、それも答弁がない。それでは、国からの補助金による地方の建設工事で、その支払い方法について、たとえば二億の工事で竣工したときに中間払いと称して半額の一億円を施工者に渡します。残りの一億は七カ月後に利息なしで払うという方法が地方においてはとられておりますが、これは昭和三十一年の下請代金支払遅延等防止法の制定の趣旨から見て、大きな後退をいたしております。力のない弱い中小企業を保護するために下請代金の支払い期日や注文会社に取引内容明記の書類作成を義務づけた法律であると同時に、私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律、――独占禁止法、不当景品類及び不当表示防止法いわゆる景品表示法と並んで公正かつ自由な競争秩序を確立することを原則といたしております。このような場合、このような支払い方法が適当であるか、自治省は地方公共団体に対してどのような行政指導をなさっておるのか、御答弁を求めます。
#67
○政府委員(佐々木喜久治君) 地方公共団体におきます工事代金の支払いにつきましては、別段法令に規定がございませんで、地方公共団体がそれぞれ独自に財務規定を定めまして、これによりまして支払い方法がきめられておるわけであります。一般的に地方団体が財務規定を設けまして工事代金の支払いを規定しております内容は、大体は大きい工事につきましては前渡金払いの割合を定め、それから出来高に応じまして、どういうどれだけの範囲で出来高払いをするかといったような内容が規定されているのが通例でございます。ただ、この財務規則につきましてどういう内容を盛って規定すべきかということにつきましては、これは地方公共団体のそれぞれの判断に基づくものでありますので、自治省のほうとしましても別に指導はいたしており決せん。ただ、いま御指摘のような事例があったとするならば、その支払い方法は非常に適切を欠くであろうというふうに私のほうは考えております。地方団体におきましても、いわゆる政府契約の支払い遅延防止等に関する法律の規定の適用もあるわけでございますので、やはりその支払いにつきましては、これらの法律の規定の趣旨に従って支払いが行なわれるべきものというふうに考えております。したがいまして、御指摘のような事例は財政運営の立場から見ましても、計画的な財政運営のあり方であるというふうには考えられない、というふうに思っております。
#68
○松本英一君 ビルやダムを建設するには、施主、設計者、施工者、それによる元請業者及び下請業者、さらに関連する電気工事、室内装飾、水道工事、塗装工事等の業者によって実際の建設工事が完成へと向かうのは、御承知のとおりです。時代の先端をいく花形的設計といえども、危険を背負って空中に足場をつくり鉄骨を組む、いわゆるとび職の人々がいなければ、どんなにすばらしい設計も生かされないのであります。このように、典型的な下請関係に見られる建設工事に、ふしぎにも下請法は適用されていないのであります。法律の制定にあたって国会は附帯決議として、建設業にもすみやかに適用するよう検討すべし、との決議をなされておるにかかわらず、今日まですみやかな検討がなされることなく、今回の建設業法によって下請保護の目的のゆえに日の目を見ようとしておるのであります。したがって、施工者が一億の金を中間払いと称され竣工のときにもらい、半金は七カ月後に払うというようなことがなされるならば、いわゆる下職の人たちに対して七カ月後に払うようなことになるのですが、これからどのような行政指導の方針を立てられるのか。地方公共団体に対する自治省の見解、措置をお答え願います。
#69
○政府委員(佐々木喜久治君) ただいま御指摘のような事例は、その地方公共団体の財政規模に比べまして、その実施する事業規模が非常に大きい場合、特にそうした支払いのおくれというものが見られたのではないだろうか、というような感じがいたします。やはり、こうした大きい事業を実施いたします場合には、その事業の実施計画とそれに対応する資金の支払い計画というものの整合ということを当然に考えて実施しなければならないわけでありまして、私どももそうした財政運営のあり方を通じまして、そういういわば変則的な支払いになるような事態にならないように、常日ごろ指導しておるつもりでございますけれども、中にはやはりそうした事例があるようでございますので、さらにこの財政運営の指導を通じまして、現在の法令の規定並びにそれぞれの地方団体における財務規定の規定に従った支払い方法がとられるように、十分慎重な取り扱いをいたすように注意を促してまいりたい、かように考えます。
#70
○松本英一君 国の工事の早期発注だけではなくて、いわゆる補助金がつく市町村の工事については、市町村は補助金によって自分の公共工事をやるわけでありますから、その市町村の地元の金ではできないわけであります。だから小さい零細業者が市町村の工事をもらっても、前払い金をもらうどころか、出来高払いもおそい、完成払いもおそいという状況になるわけです。したがって、補助金があればなるたけ早く、補助がきまったならば町村にまで補助金がいくように、そうして市町村の財政を助けてやって前払い金をも払えるようにしていただかなければ、建設業の合理化にプラスにならないのであります。この点一大蔵省の地方自治体に対する補助金の問題について御答弁を求めます。
#71
○説明員(乗富光義君) 地方団体に対します補助金につきましては、その補助金が適正に執行されますようにいろいろ配慮いたしておるところでございますが、たとえば超過負担の問題が起こらないようにするとか、適正な単価を予算上も計上する、また実施上もそういった配慮をする、こういうことをいたしております。
#72
○松本英一君 公共工事積算労務単価等二五%スライドの問題についてお尋ねをいたします。大蔵省はこの運用の状況について御調査なさっていますか。
#73
○説明員(乗富光義君) 大蔵省としましては、特別の調査をいたしておりません。ただ、公共事業関係の各省におかれまして、そういった一部の調査をしておられる、こういうふうに考えます。
#74
○松本英一君 この労務単価の二五%の上限、下限の問題については、全国平均で大工職は六・九%、左官職で五・一%、各下職平均は大体五%、六%が普通になっておりますが、この運用についてどのようにお考えですか。大蔵省。
#75
○説明員(乗富光義君) 単価の運用幅につきましては、従来から地域的な差もございますし、それから年間におきまして時期的な差もあるというようなことから、公共事業関係の各省と大蔵省で、その単価及び単価の運用幅につきましては協議をいたしておりますが、労務単価につきましては従来二五%の上下、それから建築資材につきましては二〇%の上下、こういった範囲内で運用していただくようになっております。
#76
○松本英一君 大蔵省は、今後この労務単価の問題についてどのようになさるんですか。
#77
○説明員(乗富光義君) 実は四十六年度の労務単価につきましては、従来五省協定というのがございまして、これは建設、農林、運輸それに労働省に大蔵省が入りまして、公共事業関係の労務単価の基準をきめるということをやっておりました。四十六年度からこれを改めまして、従来は公共事業関係の労務単価の基準額をきめます場合に、五省間で労働省でやっております屋外労務者の賃金の実態調査というのがございますが、これが八月の時点で行なわれておりまして、これをもとにしましてその二五%の上下の範囲内で実際の実施をす・るということになっていたわけでございますが、四十六年度からその方式を改めまして公共事業関係の建設省、農林省、運輸省三省でこの労務単価の適用対象になりますところの公共事業そのものに従事しております建設労働者につきまして実態調査を行なう。これは四十五年の九月から十月にかけて調査が行なわれておりますが、しかもその賃金の中身につきましては、従来の屋外労働者の賃金の実態調査の場合には、きまって支給する現金給与額と、こういうことになっておりますが、今回は現金給与のみならず現物給与も含む、また臨時給与も含むと、こういうことで給与の総額を調査いたしまして、しかもこれを一定の基準にしまして、調査後の時差修正をする、こういう方式に改めたわけでございます。その結果、従来に比べまして、実態調査の結果出ました基準額というものが著しく改善された。こういうことによりまして、運用幅については従来二五%ということであったものを二〇%にするということで、公共事業関係の三省と大蔵省の間で意見の一致を見ております。したがいまして、大蔵省としましてはこの改定された基準額をもとにしました場合に、二〇%の運用幅がございましたならば実際の施工時期、施工地域に即応しました、そうした実態に即応しました運用が十分確保できるんじゃないかと、こういうぐあいに考えております。
#78
○松本英一君 公共工事の積算労務単価は大蔵省でお調べがない、資料がないというのはおかしいと思うのです。全国建設業協会ではちゃんと資料を全国的に出しておるんです。二五%をいまの話によると今度は二〇%にするとおっしゃったが、実はあなたのほうではいわゆる二五%の三分の一減、――一六%ないし一七%をお考えになったのではないのか。それが、いまの御答弁で二〇%ということになりました。二〇%でもいいんです。一八%でもいいんです、これが実施されるならば。そういう問題について大蔵省はどのように考えておられるのか、実行できるものを出されてはいかがですか。二五%は全然ないでしょう、ここにある資料の中に。できることをやっていただきたい、そのように考えております。御答弁願います。
#79
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま松本先生からいろいろ大蔵省に御質問ございましたが、この点につきましては、先ほど大蔵省から説明されましたように、従来の五省協定に基づくものは労働省の屋賃調査をもとにしたものでございまして、やはりいろいろ問題があって、実態と合わない点も相当ございましたので、四十六年度からは農林省、運輸省、建設省三省が建設業につきましての実態を十分調査しまして、それに基づきましてその単価をきめるということで、関係各省と協議をいたした次第でございます。その点につきまして、ただいま上下の運用幅の点につきまして、四十五年度は二五%でございましたが、四十六年度は大体いまのところ二〇%という考えでございますけれども、これはただいま申し上げましたように、従来はどうも労働省の屋外賃金調査でございまして、建設業だけの実態調査でなかったので、実態と違っておったわけであります。今回はその点を三省が共同して調査して実態にも即したものになっておるわけでございます。また、去年なかったいわゆる時差修正というものも認めてもらうようになっておりますので、そういうことを合わせまして二〇%ということで、大体私どももそれではそういう範囲内で運用をさしていただこうかというふうに考えておる次第でございまして、この二〇%の運用幅を十分に活用いたしまして、今後発注機関が適切にこれを運用できるように私どもも指導してまいる所存でございます。
#80
○説明員(乗富光義君) 先ほど先生のほうから大蔵省は一五、六%というものを考えたんじゃないかというようなお話でざいましたが、公共事業関係の三省と私どもと折衝いたします段階で、いろいろな問題点という形で――と申しますのは、従来五省協定で労働省の賃金調査をもとにしておりましたものを、公共事業の三省が建設業の実際の実態を調査される、その調査をもとにしてきめると、こういうことになりまして、仕組みが大幅に改善されたわけでございますが、そういった関係もございまして、折衝の過程で、あるいは三省等からいただいております資料から見まして、平均的には二五%というようなアローアンスは必要ないだろう、最高一五%程度あれはまかなえるんじゃないか。またかりにそれでもある地域の特殊事情等によりまして、どうしても一五%程度でやれないというときには、各地域の実態に即してまた具体的に協議をいたしましょう、こういったことを折衝の過程の議論といたしましてしたことはございます。しかし、最終的には、先ほど申し上げましたように、三省と二〇%ということで意見の一致を見ておるわけでございます。
#81
○松本英一君 先ほどから大臣の御答弁の中で、中小建設業者の施工能力を増大させるために合併あるいは共同企業の指導をしようとしておるということでありますが、しかし、今日までの段階で、共同企業体による請負いわゆるジョイントベンチャーは中小建設業者の育成のために出されたものと、昭和二十六年の九月五日あるいは昭和二十八年三月十日の通達によって理解をいたしておりますが、実績はどのような状況でありますか。
#82
○政府委員(高橋弘篤君) 御質問にお答え申し上げます。ジョイントベンチャーの関係の結成状況について申し上げますと、四十三年度の結成状況につきましては、これは地方建設局と公団と都道府県についての合計で千三十七という結成状況でございます。
  〔委員長退席、理事上田稔君着席〕
#83
○松本英一君 五千万円以下の資本金による会社の共同請負の実態について御説明を願います。
#84
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま申し上げましたこの調査結果につきましては、そういう資本別の調査内容は、実は残念ながら従来からございませんで、その点について確たるお答えができないのは申しわけない次第でございますが、この報告をとっている基礎は、中小企業は必ずこの中に人入っているものについて報告を受けているわけでございます。つまりジョイントベンチャーにはいろいろな組み合わせがあるわけでございますけれども、たとえば中小と中小というのは、いわゆる先ほどからの話の中小建設業の受注機会を増大するという目的に沿うものでございますが、それ以外の、中小企業が大企業と一緒に組んでも差しつかえないというものもあるわけでございますが、大体地方建設局及び都道府県につきましては、相当部分がこれは中小企業と中小企業のものであろうかと思いますが、後段につきましてはそうでないものがたくさんあるというふうに、私ども認識いたしておる次第でございます。
#85
○松本英一君 五千万以下の資本金による共同請負についての資料の要求をいたします。
#86
○理事(上田稔君) 建設省よろしいですか。
#87
○政府委員(高橋弘篤君) ただいままでの調査の項目の中には入っていなかったそうでございますけれども、これからの調査につきましては、その点について調査をいたしたいと考えておりますので、その結果まとまりましたときには御説明申し上げたいと思いますので、御了承いただきたいと思います。
#88
○理事(上田稔君) じゃ、いまの資料まとまりましたら御提出願います。
#89
○松本英一君 四十五年版の建設白書によれば、建設工事受注額の推移として、四十四年度で前年度比が一一二・三%になっております。この受注額の推移について四十年を一〇〇としてどのような変化になっておるのか、御説明を願います。
#90
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの御質問、四十年を一〇〇としてでございましたけれども、私のところの手持ちの資料によりますと、三十五年度を一〇〇としたときの指数がございますので、これについて申し上げたいと思います。三十五年を一〇〇としますと、三十六年が一三二、三十七年が一五一、三十八年度が一七九でございました。そういうふうに推移いたしまして、、四十三年が四〇六、四十四年が四九五、四十五年が五八六ということになっておる次第でございます。
#91
○松本英一君 昭和四十年度を一〇〇とした場合と、三十五年を一〇〇とした場合と同じくらい一八〇%になるでありましょう。そうして四十五年度は、過去の実績により推計平均して大体二一一%になります。建設省の地方建設局におけるランクは、いわゆる等級格づけは、土木工事、建築工事でAランクは幾らになっておりますか。
#92
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの御質問は、Aランクの工事額ということでお答え申し上げますと、一億五千万ということになるわけでございます。
#93
○松本英一君 一億五千万が決定されたのは、いつからですか。
#94
○政府委員(高橋弘篤君) 昭和四十年十二月二十日でございます。
#95
○松本英一君 大規模工事あるいは細分化工事、いろいろ建設工事受注については変化はございましょうが、四十五年度を二一〇として推定した場合、一億五千万は倍の三億以上にならなければならないと常識的には思いますが、五年間据え置きの理由を御説明願います。
#96
○政府委員(高橋弘篤君) この等級別の発注標準区分につきましては、ただいま申しましたように四十年度にでき上がったものでございます。その後御指摘のとおりに公共投資もふえてまいったわけで、大型工事ももちろんふえてまいったわけでございますが、先ほど申しました数字は実は総額でございまして、一回一回の工事額の問題ではないのでございます。しかし、おそらく大型工事も相当ふえてまいっていると思います。したがいまして、そういう議論がいろいろあったわけでございます。中建審におきましてもこの問題を目下論議いたしておる次第でございますので、早急にその結論を中建審でも出してもらいまして勧告をしてもらい、また建設省としてもこの際中建審にいろいろ検討してもらうというふうに考えておる次第でございます。
#97
○松本英一君 中央建設業審議会の答申待ちだとおっしゃいますが、五年間もお待ちになっておるんですか。物価は毎年上がるし、労賃も上昇する。これはだれでも承知しておることであります。この等級格づけに、いかに中小建設業者が困っておるかという実情は御存じございませんか。これこそ昭和四十年の一億五千万は毎年毎年スライドして、今日ではいわゆる倍以上になっていなければならないはずであります。各地方の府県においては格づけの決定がなされて一回もその改正が行なわれていない四国の一県もあります。しかしそれぞれに四十年あるいは四十三年にこの等級格づけの標準額は上げられております。したがって、先ほど申しました共同請負の件に関しましても、中小業者がこの等級格づけによって受ける被害、支払い方法いろいろな点で四方八方にふさがれておるわけであります。大企業の会社に工事を請け負わさせれば安心だという安易な考え。中小業者は、Bクラスが二社で共同請負すれば二Bになり、三社でやれば、三Bになるんだ、鉛筆のようにやわらかくなるんだ、というようなものの考え方で共同請負を避けようとするならば、これは非常に危険な考え方です。等級格づけというのは、実績がないからこの工事の指名に参加することができないという、実績とは、入れなければその実績は積むことができないのです。地方における共同請負がどのようなことで成功し、あるいは会計検査院の方が共同企業体による施工は粗漏であると一つ二つの例を示されたとして、各省庁の発注機関は共同請負すなはち中小企業の育成だからと妙な理解があるから、中小業者は幾ら集まってもだめだというふうに解釈し、そのようなことばをはかれるのであります。したがって、この推移による等級の格づけ、共同請負に関する認識と今後の方針について御説明を願います。
#98
○国務大臣(根本龍太郎君) これは実務的なことでもあるが、また政治的判断の要することだと私は思います。それで私からまず申し上げましょう。
 いろいろ問題があろうと思いますけれども、格づけは、私も実は大手についても若干の疑問を持っておった。というのは実績、シェアでいくということだけでいかない。これは必ずまず第一に、メリットシステムをこれは採用すべきである。過去において受注量が多いということのほかに成績がどうか、技術的な改善をしているかどうか、労務管理上の失策がないかどうかということをきめこまかに査定した後、過去一年間の業績に応じてランクを少し建設省で判断して移動させなさい、こういう実は資料を出しております。ということは、同時に中小企業においてもそうするべきなんだ。それだけの能力を持ってきたならば、たとえ中小企業のジョイントベンチャーであっても、ただ単に、二つ、三つのものがジョイントベンチャーを組んだということだけではできないのです。それによって非常に技術陣営が強化される、それから信用度がましたというものであるならば、それは発注者において相当勇断を持って格づけを変更してよろしい、こういうふうにさせようと思います。したがいまして、いままで、ここに現場の諸君との連係も大事だと思いますけれども、従来ややもすれば役人というものは事なきをもって最良とするものだから、実績主義、そういうものでやってきたと思いますけれども、実績のほか、その実績の中にはただ単に受注量だけじゃなしに質の問題、それから今後の可能性の問題、将来に対する可能性の問題も加味してこれは判断していくべきだ、そうしてやったにもかかわらず成績があがらない、あるいは業績が悪かった、これはやむを得ない、ランクを落とすというくらいのことをやらないと、やはり非常に機械的な無責任体制が出てくるから、その点はそういう方針で検討させまして、できるだけすみやかに私の方針にかなうように措置を講じてまいりたいと思います。
#99
○松本英一君 大臣のすみやかな決断と実行力を私は高く評価をいたしております。いまお話がありましたけれども、建設業界においてはこの共同企業体による請負がどのような役目を果たしていくのか御承知のことと存じます。しかし全産業の中で建設業界は倒産件数が多いのであります。これは先ほど建築と土木の問題で申しましたが、日本建設業団体連合会の調査によっても明らかなように、土木と建築ではやはり建築のほうの倒産の件数が多いのであります。それは中小零細の建築業者であります。したがって、中小業者では危険だという考え方、大企業にやらせれば安心だ、しかし、それで失敗があってもしかたがないのだというような、考え方は地方にゆくと若干残っていますから、建設大臣は共同請負に対して早急な施策と、いま申されました等級格づけの変更ではなくて標準額を上げていただくこと、――住宅公団は昨年の十二月二十日に標準額を改定をいたしております。地方建設局はそのままであります。そういうことを御理解いただいて早急な措置をぜひお願いをいたしたいと思います。簡単でいいですから……。
#100
○国務大臣(根本龍太郎君) よく御趣旨わかりましたから、その点も銘じてすみやかに行政措置ができるようにいたさせます。
#101
○松本英一君 一昨年の四月一日、東京都墨田区の荒川放水路新四ツ木橋における橋脚建設工事において、川の中に鋼矢板を打ち込み、これをリングビームでささえる作業を実施中、鋼矢板が拝み倒しに倒れて作業員八名が埋没したという事件は、私たちの記憶になまなましいものであります。昭和四十三年十二月に着工し、四十六年六月を完成のめどとしたこの工事において、プレストレスト・リングビーム工法を使用された理由について御説明願います。
#102
○政府委員(高橋国一郎君) 新四ッ木橋の事故は、たいへん予期せざる大事故でございまして、たいへんわれわれといたしましても心を痛めているわけでございます。
 新四ッ木橋にリングビーム工法を採用いたしました理由は、従来、すでに十年ぐらいの経験を持っておりますリングビーム工法――特許になっておりますが、でございまして、その時点におきまして約三百幾つかの実施した実例がございます、そういう実例をもとにいたしましたということが第一点でございます。それから第二点に、リングビーム工法と申しますのは、従来、川を締め切りますときに用います二重締め切り工法に比較いたしますというと、内側にささえのバリをかまなくても済む関係上、内部の土の掘さくであるとか、あるいはコンクリートの打設であるとかが非常に容易でございまして、この工法が採用されますというと、工事も非常に安く、しかも確実にできるというふうなこともございまして、それが大きな原因で三百数例の日本全国でもって実例があったと思います。そういうことを勘案いたしまして、建設省はすでにその前年度においても実施した経験−関東地方建設局におきましては、その下流のほうの小松川橋におきましてもリングビーム工法を採用いたしております。したがいまして、新四ッ木橋におきましても、同様の工法を業界のほうから仮設備工事として申請があったときに許可したような次第であります。
#103
○松本英一君 現在施工されております工法については潜函工、井筒工――ウエル式といいます。深礎工、矢板工等いろいろ工法があり、その長所、欠点はもちろんあります。しかしこれは地質あるいは深度、工期、構造物の種類、立地条件によって工法が選定されるわけであります。プレストレスト・リングビーム工法は、在来の締め切り工法においては矢板に働く外力を切りばりに負担せしめて、負担させるがゆえに土砂の搬出型ワク、鉄筋の組み立てに支障があるから、このP・RB工法を使用するならば大型機械が持ち込めるし、矢板の水密性も利用できる、工期も早く工費も安上がり、そういうことで使用をされたのでしょうが、ひとつ、確認しておきたいことは、仮設備において業者がこれを選定をしたと、そのように理解をしていいのですか。
#104
○政府委員(高橋国一郎君) 新四ッ木橋の下部工事におきましては、締め切り工事につきましては、これは仮設工事でございますので、業者が任意に選択できるような契約になっております。
#105
○松本英一君 ならば、プレストレスト・リングビーム工法の特許の申請はいつで、特許の登録はいつでありますか。
#106
○政府委員(高橋国一郎君) 申請された日は明らかでございませんが、特許を受けた日は昭和四十年二月五日でございます。
#107
○松本英一君 登録番号。
#108
○政府委員(高橋国一郎君) 特許登録第四三九〇六四号でございます。
#109
○松本英一君 リングビーム工法において、
  〔理事上田稔君退席、委員長着席〕
普通の鋼矢板締め切り工法における長方形の構築をする場合の火打ちの役はどこがするのか、切りばりの役目はどこがするのか。リングビームは円状でございますから、切りばりがない。長方形の締め切りの場合の火打ちの役もない。それはどのようにお考えでありますか。
#110
○政府委員(高橋国一郎君) 先生御承知のようにリングビームそのものは通常の普通のおけと同様のような構造になっております。ただ、おけが、たがが外側にありまして、外に倒れるのをたがでもって巻いておるわけでございますが、リングビームの場合はちょうど逆でございまして、おけの内側にたががありまして、外から来る力をその内側のたがが、つまりリングが見るような役目になっております。したがいまして、二重締め切りの場合、長方形の二重締め切りの場合には、それぞれがこわれ内側に倒れようとするのを、それをはりをとりまして、突っかい棒をとりまして、それがこわれないような構造になっておりますが、そういうものが必要でなくなる、つまりリングのビームアクションによってすべての外力を取り除くというふうな構造になっておるわけでございます。
#111
○松本英一君 鋼矢板すなわちシートパイルは平面ではないのです。かみ合わないと鋼矢板の役目を果たせないのです。それが円形でありますならばかみ合ったときの等価分布荷重と偏心荷重についてはどのように理解をされておるか。
#112
○政府委員(高橋国一郎君) リングビームの設計の問題かと存じますが、リングビームにかかります力といいますのは、外力としては水――水圧がございます。それからさらに地中に埋め込んだ場合には、その地中部分におきます土圧というものがございまして、これが外からリングを締めるようなといいますか、外から内側に向かって力が働きましてこわそうとする作用をするわけでございます。それを先ほど申し上げましたH鋼によります鋼材によりまして、リング状に形成しました鋼材によりましてビームアクションによってその力にたよるような構造になっておるわけでございます。これは力学的にも計算上でもこれについては理論的にも正しく、先ほどの変形等につきましても十分耐え得るようになっておるわけでございます。
#113
○松本英一君 この工法は環状のけただけで支持する工法でありますから、その外力はおもにリングビームの軸力だけで支持させるために、シートパイルとリングビームの間にジャッキングによるプレストレストを与えるものであります。工法の特徴はたくさんありましょうが、いまの御答弁でリングビーム工法の使用の例を申されましたが、その実績はあるにしても、成功したものと事故の発生したものもあるはずであり、事故の発生したものについて御説明を願います。
#114
○政府委員(高橋国一郎君) われわれが聞いております限りにおきましては、青森県の長泥橋という橋の、やはり橋梁の下部工事にリングビームを使いまして倒壊した例がある、というふうに聞いております。
#115
○松本英一君 土木工事共通仕様書によれば、その百四条の三項に「工事用仮設物は、特に設計書および特記仕様書に指定されたものを除き請負者の責任において選択するものとする。この場合特に監督員が必要と認めて指示する仮設物等については、応力計算を行なって設計図書等を提出しなければならない。」と規定してあります。局長の御答弁では、請負者の責任において選択されたとおっしゃいましたが、この項の後段の、プレスト・リング・ビーム工法で応力計算の必要がなかったのかどうか、御答弁を願います。
#116
○政府委員(高橋国一郎君) 御指摘のとおり、百四条には「請負者の責任において選択するものとする。この場合特に監督員が必要と認めて指示する仮設物等については、応力計算を行なって設計図書等を提出しなければならない。」というふうな規定になっておりまして、この場合、必要に応じてと書いてありますけれども、この場合におきましては設計図書並びに計算書を提出させまして、建設省側でもって一応のチェックを行なっております。チェックの結果は、一部修正させまして許可しております。
#117
○松本英一君 建設工事は御承知のように発注者とそして設計と施工者の総合統一によって成り立っております。決して設計だけから工事ができるわけでもありませんし、施工だけから工事ができるわけでもないのです。施工を無視した統一されてない設計は、その不合理な代表的なものであります。そうしてこのような問題をいつでも施工者である業者だけを取り上げて彼我の論議をされますけれども、建設業者の問題は同時に設計者の問題であり、建設業者の不合理、不都合は、同時に設計者の不合理、不都合であることを十分考えていただかなければなりません。したがって、この共通仕様書の中における業者の、責任において選択されたものであるとするならば、これは業者がその責任を負わなければならないのかどうか、御答弁願います。
#118
○政府委員(高橋国一郎君) 契約上は、原則的には業者が責任を負わなければいかぬことになるわけでございます。
#119
○松本英一君 応力計算、設計図書の提出はなされておるのですね。
#120
○政府委員(高橋国一郎君) 応力計算書並びに設計図書は提出されておりまして、これのチェックはいたしております。
#121
○松本英一君 お尋ねをしたいのは、事故が起きなければ応力計算を行なった設計図書の提出でできた、事故が起これば請負者の責任において選択したと、そのように解釈をされるのですが、これはほんとうに発注者のほうは業者の請負者の責任において選択させたのかどうか、明快な御答弁を願います。
#122
○政府委員(高橋国一郎君) リングビームの工法につきましては、請負者の責任において選択したわけであります。ただ、われわれといたしましては、危険を伴います工事であるとか、あるいはたとえば河川にそういう締め切りをつくります場合には、河川の流水を阻害したりあるいは就航する船に不便を与えたりするいろいろな事情がございますので、そういう場合におけるいろいろな図書の提出とか計算の基本的なチェックだけをいたしまして許可することにいたしております。
#123
○松本英一君 これで私の質問は終わりますが、このような重大な事故を引き起す、大工事、難工事は、単に請負者の責任でやれるような仕事ではないのです。百四条三項の、前段でもなければ後段でもない、そのまん中の現説といわれる現場説明であったのか、そういう疑問も残っておりますが、時間の関係上これで質問を終わります。以上の点につき大臣からいろいろ建設業界のあり方についてのこれらの御決断あるいは助成の方法等についてお話がありましたが、大臣在任中、ぜひ一つ一つを積み重ねていただいて、建設業界の発展のために一そうの御指導と御協力をお願い申し上げ、終わります。
#124
○米田正文君 建設業法の改正案が六十一国会に提案をされて以来もう三年近くになってまいりました。その間衆議院の段階ではかなり論議をされて一応結論が出てまいりました。これから参議院でも審議が行なわれるわけでございますが、私は、結論を先に言って、この法案はその内容については私どもにはまだいろいろ欲望があります。もっと内容を充実をさしてもらいたい希望もいろいろな点があります。けれども、現時点では建設省は最大の努力をしたという点を認めて賛成であります。が、私がいま不十分と言いました点は、この法案自体、まあ旧法もそうですが、建設業の規制のほうに重点が向いておって、極端に言えば規制法という性格を持っております。私は次の問題としてはやはりこれは国の重要な産業ですから重要な産業としての立場、重要産業を育成、助長していくという立場から助成をする政策に移っていくべきだと思います。そういう意味で言いますと、内容にまだいろいろ盛り込むべき問題がある。たとえて言いますと、開発研究の問題とか、あるいは海外進出に関連する積極的な助成策とか、あるいは先ほどもお話がありましたが、ジョイントベンチャーの法文化をするとか、あるいは今後問題になります技能者の養成をしていくとかというような前向きの問題を、助成的にこれに法文化していくということが、これからの問題であろうと思います。そういう意味で建設業助成法というような性格のものに、この法案を今後もひとつ研究によって進めていっていただきたいという希望を持っておりますが、建設省としての所信をお願いをいたします。
#125
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の方向については、私も同意でございます。ただ御承知のように、いまの建設業法は非常に何といいますか、実情に沿わなくなってきちゃったんです。憲法に保障されておる営業の自由だから届けさえずれば何でもいいんだというようなことで、まるで有象無象の業界になってしまっておる。ところが、一方においては建設業に対する国民需要と申しますか、それから国家的な投資も膨大なものになってきている。先ほども松本さんにお答えしたように、もう本年は官公、民間と合わせると十七兆円をこしてしまっている。しかも全体国民総生産の二〇%を占める、今後はますますこれが増大してくると思うのでございます。しかも、一方においては国民の生産活動もあるいは住居関係、それから一般の環境の悪化等からすれば、ますますこれの社会的使命、これが大きくなる。したがって、これに対応するためには相当の体質改善、あるいは企業の合理化、技術革新等、こういうものをどんどん入れなければならぬけれども、そうしたものが現在の業法ではこれはどうにもならない、助成のしようにもこれはしようがない。こういうことからそういうふうな形になりまして、ある意味において御指摘のように規制法的な性格が出てきても、これはやむを得ないと思います。これで業界の責任体制と合理化、これができますれば、その次の段階として私は当然これが近代産業としての体制をとるために必要な助成、指導を考えなければいけない。やがてはこれは世界企業の中に日本が進出していくための基礎的条件も整備していく、こういうことになろうかと思います。したがいまして私はすみやかにまずこの業法を国会で成立させていただきまして、その上に業界の体質改善をやって、なるべく早くいまお示しの点の政府としてやり得る基礎条件をつくっていただきますれば、お示しのほうに比較的早くスムーズに転換できるのではないかと思っておる次第でございます。
#126
○米田正文君 若干この法案に関連して質問してみたいと思います。
 第7に、今日建設投資というものが非常な勢いで進んでおるということが、大臣のお話しの中にもございました。四十五年度、今年度の見通しでは建設省も大体十四兆七千億、十五兆に近い総投資を見通しとして持っておるようであります。これを今度の新経済社会発展計画でいいますと、国民生産が昭和五十年には百四十二兆円で、これは名目ではありますが、それの二割、二〇%というと二十八兆何がし、こういう数字になりますし、建設投資の見通しとしても五十年度に二十九兆円といっておりますから、大体二〇%程度見込んでおるようであります。そうなると非常な事業量になってくるということが予想されます。それらの事業はいま政府から発表しておりますものでも、新全国総合開発計画でも大型プロジェクトでどんどん進めていこうとか、各地の産業開発をどんどん進めていこうというように言われておりますから非常に膨大な量になってくる。そうなりますと、昭和五十年度にはいまの倍になる、本年度の倍になるということですが、それを消化していく建設力も倍にならなければならないわけですから、そういう重大な育成強化をしなければならない時期だと思いますので、そういう意味でおそらくこの建設業法の改正も許可制に改正をして、そうして内容を近代化していこうという趣旨だと思います。そこでこの建設力の増強はいま言ったように倍になりますから、量も倍にならなければなりませんが、量が倍になるということでなくて、質を高度化していくことによって量よりも質の問題を私は重視いたしております。倍になるから倍に増加していくということは実際上なかなか困難だと思います。三倍になるからといって三倍の人員を擁していくということも、非常に困難だと思いますから、量より質、質の問題に私は重点を向けるべきだと思います。しかし、両面をやっていかなければならないことは当然でありますが、建設工事のいままでの事故の例、先ほども話がありましたが、事故の例から見ましても、これは原因は設計の不備か施工の不完全か、その辺が論議になるところですから、いま私はそれがどちらにあるということをここで申し上げる意図ではございませんが、設計は設計陣の強化が必要だし、施工は経験を積んだ技術者の養成が必要でありましょう。だから、そういう面から建設業の内容を充実をさしていくことが緊急な問題だと思います。
 そこで、そういう面の中でいろいろ問題がその中にあります。たくさんの問題を包蔵しておるわけですが、最近特にいわれておりますのは、技能労務者、労働者といいますか、技能労働者が非常に不足している。ここにある統計を見ましても、他の産業に比べて建設業というのは非常に技能労務者が不足しているという統計も出ております。そこで、この技能労務者の養成ということは私は緊急な問題だと思います。こういうことが行なわれないと、事業量はどんどんふえてくるのに、それを消化する能力がなくなるおそれが、むしろ数年先を見通すとあると思います。だから、具体的にひとつそういう政策を打ち出してもらいたい。そして、この建設産業の生産性というものを上げていかなければならぬ。まあアメリカに比べると生産性はまだ三分の一くらいだと日本はいわれておりますから、いまの生産性を三倍にすれば、アメリカ並みにすれば三倍の能力ができるわけですから、私はそういう点で大いに努力を要すると思っておりますが、そういう点の中で、先ほど言われました技術労務者の養成、これはいま労働省もやってくれておるようですが、各建設業者自体がいろいろ養成をしてくれているわけです。そういうものをもう少し組織的に養成をする必要があるのではないか、こう思っております。これについての建設省の方針を承りたいと思います。
#127
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりです。そこで昨年来、この問題は、私は単に行政官庁だけではなかなかできないということで、御存じのように技官を中心として建設技術懇談会というものを発足させました。これは学界、業界、それから官庁、それに事業体というもので、個々にいろいろ部門も置きますけれども、特に省力化ということをテーマとして、技術開発と建設労務者の養成ということをさっそくこれは研究していただいて、その結論が出ましたならば、それに基づいて、建設省、労働省あるいはまた学界、その上に業界において総合的な建設労務者の養成あるいは訓練これをやらなければならないと思っております。そういうことをややもすればいままで等閑に付しておった。業界は業界で、何とか出かせぎの人を集めればできるのじゃないかと。学界は、そういうようなことは学界がタッチしなくたって行政官庁がやるべきだ。行政官庁は、まあこれは現場の仕事で何とかなるだろうというような、そこに私はかなりイージーゴーイングな点があったと思います。しかし御指摘のように、建設事業は私は他の事業以上にこれはスピーディに伸びる、しかもこれはある意味においては、何としてもまだ人力に、人の技術に依存する点が多い、これは施設産業でない、移動するということになれば、これは最大のネックは、私は新しい技術開発と技術労務者の養成である。こういう点で、御指摘の点はまことに適切でありまするので、さらに一そう精力的に推進してまいりたいと思っている次第であります。
#128
○米田正文君 たいへんお考えになっておるようですが、これ以上は必要ないかもしれませんが、まあ要するにこれからの機械開発と技能労務者、これはもう表裏一体、不即不離の関係にあるものですから、そういう意味からいっても、今後の機械開発を進めると同時に技能労務者の問題、どうもいままでの建設省のやり方では隔靴掻痒の感があるということを、私は卒直に申し上げたいわけです。したがって、いまおっしゃられるように、ぜひひとつ前向きにこの問題に取り組んでいただきたい。そしていま建設業の中でも中小零細業が育てた技能労務者も、どんどん高給のところに流れていくというような実態もあります。せっかく育てて使いものになるころによそに取られるという悩みも、非常に深刻に持っておるようで、ぜひこれらがそういうことのないように全体の行政としての点からとらえて、この問題を解決をするようにしていただきたい、ぜひお願いを申し上げておきます。
 質問の第二ですが、これは海外への建設業の進出の問題でございますが、御承知のように日本はいまGNPの成長とともに、それに従って海外援助をするという方針でありますし、世界各国からもそう期待をされておるところですから、この問題はどんどん今後進んでいくと思いますが、GNPが進むにつれて一%かりにそこまで達するとすれば、非常に大きな海外援助が行なわれる、現在はまだそこまでいっておらぬようですが、〇・七八%のところでとまっておるようですが、これも一・〇%くらいにいずれ近い機会になると思いますから、そうなると非常な援助が海外に向けられる、それに伴って建設業の海外進出も当然起こってくる。現在でも海外の受注量が四十四年で百三十二件、四百六十一億という金額に達しており、それらの事業はタイやシンガポール、香港というようなところを中心にして各国で行なわれておりますが、こういう事業は累年非常な勢いで伸びている。これはこの海外進出は大手のほうになるでございましょう。しかし、大手が出ていって、大手のいまの受注高の二割か三割を外国でやるようになれば、この国内のほうはあいてきますから、そうするとその分は中小業者に回ってくるわけですから、全体の問題としてこれは考えていい。海外進出だからこれは大手業者の問題だと考えるのは、私は短見だと思います。やはりこの問題も建設業界の受注分野を拡大していく、その対象を拡大していくという政策でありますし、そして商売の間口を広げていくのでありますから、ぜひこの問題に私は前向きに積極的に助成をしていくべきだと思います。そしてもう一面は、逆に言えば今度はこちらも、日本もこの資本の自由化が進んでまいりますから、資本の自由化が進んでくれば、全面自由化という時期がもうそう遠くもない時期にまいります。そういうときに今度は進んだ国の建設業者が日本に入ってくるということも当然考えなければならない。現に入ってきた例もありますが、今後はそういうことがわりに自由に行なわれる時期がまいると、それと競争をしていく競争力を備えるためには、いわゆる建設業の国際性を身につけていかなければならない。そしてその競争に勝つための業者の近代化ということが必要だと思うんですが、そういう対策に対する建設省のいまの姿勢をお伺いをいたしたい。
#129
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりでございまして、日本の経済力の上昇に伴いまして、しかも特に最近においては先進国が日本に対する国際協力をもっとやれという要請もあるのみならず、発展途上国からの要請も強いんです。ところがいままでの海外援助は、物で援助するとかあるいは資金で援助するということに重点を置いておったのでありますが、発展途上国の実態からいえば、むしろ永久に残るその地方の公共事業に対する援助のほうが非常に効果があるということがはっきり出てきました。特に最近資源問題として重要な意味を持ってきたアフリカ等においてはぜひ道路、港湾あるいは都市計画、こういうところに協力してもらえば、資源の利権を日本に提供してもよろしいという非常に積極的な傾向も出てきています。そうすれば日本の国益のために非常にこれは稗益すると思いますので、外務大臣に対しても今後の経済協力の場合に物的、資金的な援助のほかに公共事業として援助のほかに公共事業として援助する方式を考えたほうがよろしい、大蔵大臣にもこれを申し入れています。ただそのときに一番問題になるのは、欧米諸国ではコンサルタントの点から援助している。日本はコンサルタントの点についてはこれは結局受け入れ側でやるという変な拘束性があるために、向こうのほうではコンサルティングからやるものだからすっと事業が通っていってしまう。そこで経済援助の中には発展途上国のコンサルティングに必要な経費も含めるべきだということを要求して、これはたぶんうちのほうの事務当局が大蔵省と話しているはずでございます。そういうふうにしていきますれば、これは非常に大きく窓を開いていくことであり、日本の建設業もこれは技術的には十分欧米のところまでいっておるわけでございますから、ぜひそういうふうな方向に持っていく。そのためにはまずコンサルタント業界が国際的に評価される体制をつくらなければならない。そのために場合によよってはコンサルタント業法みたいなものをこれはつくらなければならぬだろうし、その格づけもするというようなところまでこれからやらなければならぬと思いまして、いま事務当局に検討をさしておる次第でございます。
#130
○米田正文君 大臣の話のほうが先に進んでしままったものだからあれですが、コンサルタントの問題を私はぜひひとつ建設省の態度を承りたいと思っていたら、そこまでやっているという話ですから、もう言うことはありませんが、今日コンサルタントというのはかなりの数になってまいりました。たしか四百件をこしておる実情だと思いますが、まだそれの認知をする方法がないようなことですから、まだ非常にコンサルタントの揺籃時代ですから、早くこれを一人前に取り扱って、そうしてこれを助成していくということが必要だと思います。お話しのように事業の前にコンサルタントが先に行って地ならしをしてくるわけですから、そういうコンサルタントが日本の規格品を使うかあるいはイギリスの規格品を使うか、あるいはアメリカの規格品を使うかで勝負がきまってくるような問題が多々ありますから、そういう意味から言っても、コンサルタントの育成というものは私は非常に重要な今日の問題だと思います。それでこれは建設省のみならず、鉄道も敷けば運輸省もスエズ運河を掘りに行くというように、いま各省がやっておりますが、また建設業法を建設省が所管していると同じように、コンサルタント業法をつくるとすれば、私は建設省が主体になるのが当然ではないかと、それが自然の姿ではないかと、こう思います。各省がまとまらぬから企画庁でやるとかというようなことにならないように、私はむしろやっぱり実施官庁というものがそういうものは持っていくのが、認識も深いし取り扱い方も密着をしていくのではないかとこう思っておりますが、もしコンサルタント業法を出すということになれば、大臣ひとつ建設省でやるという御決意をひとつしていただきたいと思います。
#131
○国務大臣(根本龍太郎君) あんまり先ばしって言うとかえってトラブルを起こしてもいけませんけれども、本質的に私はコンサルタントの仕事はどこの国でもやはり建設省的なところが主体になってやっております。ただし運輸省方面からもいろいろあるでしよう。その意見も十分入れて、いわゆる官僚のなわ張り意識が先鋭に対立しないような政治的情勢をかもしつつ、このコンサルタント業法をやっていきたいと思います。現実に日本の建設事業は、大手でも中小でもみんなこれは建設業法でやられるのであって、鉄道建設業者であるとかあるいは港湾建設業者というふうに別に分かれているわけじゃありませんから、私はコンサルタントも当然そうあってしかるべきだと思います。十分に配慮してこれを進めていきたいと思っております。
#132
○米田正文君 前国会は公害国会と言われて十四の立法が行なわれたのは御承知のとおりであります。これが建設業に非常に関係をしてくるのであります。今度たとえば騒音規制法というものを改正されましたが、今度は知事に権限を委任して、知事が各市町村の県内の市町村の地域で規制地域においては騒音を出さないような工法をとらなければならぬようなことになるわけであります。そうすると、いままでやっておった工法を今度は変えていかなければならない。無音装置のようなものをつくっていかなきゃならぬということになるわけで、まあ、東京あたりではだいぶそういう工法も進んでまいりましたが、あるいは大阪あたりも進んでまいりましたが、しかしまだ地方に行くと必ずしもそうでない。地方の都市に行くとまだそこまで進んでおらないようでありますから、そういう面を全国的に考えていかなければなりませんが、このためには、私は業界はかなりな経費の支出を伴うと思うのです。だからいままでと同じような設計で出されると、そういう公害対策の費用というものの出場所がない。手を抜くと今度はおこられるということになりますから、そういう公害対策の経費を設計予算の中に計上して、きちんとひとつこれは騒音防止の経費だぞということがわかるような項目で計上していくことが必要だと思うのですが、これはまあ大臣でなくても、あるいは官房長からでもお願いをいたします。
 それからいまの騒音防止のみならず、廃棄物の処理法というのもできましたし、あるいは水質汚濁防止もある、大気汚染防止もある、そのほかずらっとありますから、これに皆ひっかかるものがあると思うんですよ。だから、それらを含めてお願いをしたい。
#133
○政府委員(大津留温君) ただいまお話しの公害防のいろんな工法とか、新しい機械、またそれと同様に労務者に対する安全管理、または外部の人に対する安全の保持、こういうことは近年ますます強く要請されるようになってまいりましたので、これらに要する経費をやはり適正に諸経費として計上することが必要でございます。それがございませんと、業者のほうでもどうしてもおろそかになります。そういうことで、私どもは絶えず実態調査をいたしまして、これに必要な経費を繊り込むようにつとめてまいっておるわけでございますが、今後におきましても十分注意してやるつもりでございます。
#134
○米田正文君 たいへんけっこうです。そういう前向きでやっていただけばたいへんけっこうですが、それが末端の設計者まで届くにはなかなかなみなみならぬ努力が必要だということをひとつ御認識をいただきたい。最高方針はわりに早く決定をしましても、それが最末端の設計者のところまで届くのはなかなか時間がかかる。周知徹底の方法をひとつ御研究になって、ぜひひとつ早く、決定するようにお願いをいたします。で、お話がありましたように、公害のみならず、その他の安全対策等に対する措置も含めてお願いをしておきます。
 最後の第四の質問ですが、この法案が出されてから衆議院の審議で一番論議が集中したと思われるのは、この法の許可になる対象の最小業者と申しますか、この法案が成立したときに許可対象になる最低のところの業者、これは一人親方というようなことで言われておりますが、そういう業者に対していろいろ御研究になったと思うんですが私は、ここはこの最後のボーダーラインのところですから、非常にむずかしいと思うんです。なかなかむずかしいと思いますが、できるだけ、善自な一人親方も、私は、これの許可対象にすべきであると、こういう観点から申し上げておりますが非常にむずかしいと思いますが、いままで衆議院の段階で建設省で考えられたその対策をひとつ御説明を願いたいと思います。
#135
○政府委員(高橋弘篤君) 今回の御審議になっております法律改正によりまして、登録制度が許可制度に改められますと、それに伴いまして、御質問のように小さい業者、たとえば一人親方と言われる人たちが、この許可制度のために不利益な取り扱いを受けることになるんじゃないかという御質問だろうと思いますけれども、まあ御承知のように、今回許可についての要件が新しくいろいろ付与されておるわけでございます。しかしながら現に誠実かつ適正に事業を営んでいる一人親方につきましては、これは十分要件として満たし得るようにいたしたい。特に不利益なことは考えてないわけでございます。たとえば五年以上経営業務の管理責任者だとか、それから十年以上の実務経験者、それから契約に関して不正または不誠実な行為をするおそれがない者、それかる「財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でない者」、そういう関係があるわけでございますけれども、一人親方につきましても、大体従来からそういう仕事をやっておられる方は、五年以上やっておられれば経営業務の管理者ということにみなされる者でございますし、また十年以上の実務経験につきましても、当然これは入るわけでございます。五年以上の経営業務というのは、いろいろな町場の工事請負をやっておりましても、やはりそういうことが要件に入るわけであります。かりにそういう経験が五年間ないという方につき一ましても、施行期日の期間及び経過措置でその期間を合わせて三年間という期間がございますので.そのうちにそういうことでその不足分の期間が補充でさましたら、それで許可ができることになるとも考えられるわけでございます。
 また、誠実な行為をする点につきましては、これはもちろん従来から誠実に仕事をやっておられる方は、これは当然許可を受けられるということになるわけでございます。また、財産的基礎だとか金銭的信用の点につきましても、その具体的な基準というものを私どもつくる考えでございますけれども、その工事に最小の必要な資金というものを自己の資本額で持てばもちろんいいし、またそれを調達することができればいいわけでございます。その必要最小の調達資金を持つという場合には、例としまして、過去三年間登録とか許可を受けて継続して営業をした実績を持った者、これはこういうことで最高限度の資金調達能力があるというふうに考えておりますし、また担保とするところの不動産等を持っておる場合には、そういうことの証明をされれば、それを元にして銀行から融資を受けられる、金融機関から融資を受けられるということがはっきりいたしますれば、これもそういうことに入ろうかと思います。したがいまして、私どもそういう点につきまして、従来誠実に仕事をやっておられる一人親方の方につきましては、十分許可を受けられるというふうに考えておりますし、同時にこの法律案の附則七項におきましても、そういう方たちにも十分配慮を加えるということになっておりますので、今後この法律が改正されましたならば、十分留意していきたいと考えております。
#136
○米田正文君 この法律案を第一回に出したときの大臣は前の大臣ですが、前の大臣の提案理由の説明のときには十四万業者と、こう言っておる。最近ですが、昨年の暮れになりますと十七万五千ぐらいになっておる。法律案が出てからもう三万もふえておるのですよ。だから、その中にはかけ込み登録もあるのじゃないかと想像もされぬわけでもないのですけれども、非常な勢いでいまふえております。まあこのかけ込みが全部よかったかどうかは別といたしましても、いま十七万五千、あるいは六千になっておるかもしれないが、この建設業法が改正されたとしたら、大体この中でどれくらいのものに許可がおりるかというのが、一番関心事だと思うのです。自分は現に建設業をしておるが、今度改正法ができたら許可になるだろうかという点を非常に心配していると思うのです。その十七万五千のうち十万何人とか正確な数字は言えないかもしれないと思いますが、大体どの程度になる見当ですか。それはまだわかりませんか。
#137
○政府委員(高橋弘篤君) 非常にむずかしい御質問でございまして、数字で申し上げられるような資料その他分析を私ども持っておらないのでございますけれども、先ほどから申し上げましたように、現実に誠実に事業を営んでおられる方につきましては、特に不利益なことはないと考えておるわけでございます。正確な数字につきましては特に把握いたしておりません。
#138
○米田正文君 それで私はいいと思いますが、要するに、誠実にやっておるいまの登録業者は全部許可の対象になるというようにひとつぜひ進めていただきたい。
 これをもって私の質問を終ります。
#139
○委員長(田中一君) 本日の質疑は、この程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後四時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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