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1970/02/25 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第6号
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1970/02/25 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第6号

#1
第065回国会 建設委員会 第6号
昭和四十六年二月二十五日(木曜日)
   午前十時二十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                上田  稔君
                斎藤  昇君
                松本 英一君
    委 員
                大森 久司君
                小山邦太郎君
                佐田 一郎君
                林田悠紀夫君
                米田 正文君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       労働省職業安定
       局審議官     中原  晁君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省住宅局長  多治見高雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       大蔵省主計局司
       計課長      乗富 光義君
       建設省計画局建
       設業課長     檜垣 五郎君
       会計検査院事務
       総局第三局長   桜木 拳一君
   参考人
       日本住宅公団理
       事        東  貞三君
       水資源開発公団
       総裁       柴田 達夫君
    ―――――――――――――
 本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○建設業法の一部を改正する法律案(第六十三回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 建設業法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に日本道路公団及び水資源開発公団の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(田中一君) 建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、本法律案に対する質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#5
○佐田一郎君 前の委員会で松本、米田両先生から政治的なきわめて高度な御質問をされておりますので、極力重複を避けまして、直ちに法案の内容をお尋ねをいたしたいと思います。
 最初に高橋局長もしくは建設業課長さんでもけっこうでございます。法案の第二条第二項の「「建設業」とは、」「元請、下請その他いかなる名義をもつてするかを問わず、建設工事の完成を請け負う営業をいう。」また法律第二十四条「委託その他何らの名義をもつてするを問わず、」「建設工事の請負契約とみなして、この法律の規定を適用する。」、こういう二つの内容があるわけですが、これについて「いかなる名義」という類似的な営業行為というのはどんなことをさすのか、具体的に一つ例をあげていただきたい。
#6
○政府委員(高橋弘篤君) 第二条の第二項は、先生おっしゃいましたように、本法の対象でございますところの建設業というのは、建設工事の完成を請け負ってかつそれを営業するものであることを明確にしたものでございます。そのような建設業であるならば、第二条にございまするように、「元請」とか「下請」あるいは「総会」 「専門」とか、そういう「その他いかなる名義を」、どんな名称を用いているかを問わないということをはっきりさせているものでございまして、お尋ねのよらな類似営業ということについては、特に触れているわけじゃございませんで、現行法でも全く同じ規定になっておる次第でございます。
#7
○佐田一郎君 次に、法の第三条一項のただし書きの「政令で定める軽微な建設工事」とはどの程度の規模あるいは金額をいうのか、お尋ねいたします。
#8
○政府委員(高橋弘篤君) 第三条第一項のただし書きの政令でございますけれども、「軽微な建設工事」というのは、さきの第六十三通常国会で本改正案につきまして御審議を願った際、衆議院の建設委員会が可決いたしました。その際、建築一式工事にあっては三百万円未満の工事もしくは延べ面積が百平方メートル未満の木造住宅工事、それからその他の建設工事にあっては百万円に満たない工事とするという旨の附帯決議を出しておられます。当省といたしましては、その決議を尊重して定めるということにいたしておるのでございます。
#9
○佐田一郎君 そうしますると、建築一式工事以外は二十七業種全部が百万円ということになりますか。そう解してよろしいですか。
#10
○政府委員(高橋弘篤君) お仰せのとおりでございまして、建築一式工事以外の業種につきましては、すべて百万円という趣旨と解しております。
#11
○佐田一郎君 許可について、一般建設業と特定建設業に分かれるようであるが、それらは第三条第一項第二号の「政令で定める金額」とは何ほどでありますか。これをお尋ねいたします。
#12
○政府委員(高橋弘篤君) これは特定建設業の許可の対象となる下請代金の額でございます。したがってこの第三条第一項第二号の「政令で定める金額」は一千万円とする考えでございます。
#13
○佐田一郎君 そうしますると、その金額以上の下請の仕事を出そらとする場合は、特定建設業の許可を受け、それ以外は一般建設業の許可を受けなければならないと、かように解してよろしいですか。
#14
○政府委員(高橋弘篤君) お説のとおりでございます。
#15
○佐田一郎君 法第四条の「建設業者は、許可を受けた建設業に係る建設工事を請け負う場合においては、当該建設工事に附帯する他の建設業に係る建設工事を請け負うことができる。」こうありますが、この点は第一に第二十六条二項の土木一式工事及び建築一式工事の二業種に限定されるのですか。その他の業種にもこれは考えられることですか。
#16
○政府委員(高橋弘篤君) 第四条の「附帯工事」というのは、たとえば管工事業者が、その請け負いました管工事につきまして熱絶縁処理をするために施工いたします熱絶縁工事のようなものがこれに該当するものでございまして、主たる専門工事を請け負う場合に付帯する、従たる工事という考えでございまして、したがいまして第四条は専門工事業に適用ざれる規定でございます。つまり土木一式工事だとか建築一式工事についてよく一般にいわれておりますところの付帯工事という概念とは違う概念でございます。
#17
○佐田一郎君 大工工事業者と建築一式工事業者とはどう違うのか、その限界ですな。非常にこれは、まあただいま伺いまするというと、そこらの業種の限界というものが非常にむずかしくなると思うんですが、この点どう区別をつけるのかお尋ねいたします。
#18
○政府委員(高橋弘篤君) 建設業法にいいます大工工事といいますのは、木材の加工だとか取りつけによります工作物の建設補修工事等というものでございます。また建築一式工事というのは、おおむね建築基準法の建築物を建設する工事をいうものでございまして、したがいまして木造住宅を建てる工事は、建築工事業の許可を受けた者が請け負うことができる工事でございます。また型ワク大工工事は大工工事業の許可を受けた者が請け負うことのできる工事といろことでございまして、大工工事業者が木造建築物の建設工事を請け負うということはできないというふうに解しておるのでございます。
#19
○佐田一郎君 非常にまあそこで付帯工事との関連性もございまするけれども、大工工事業者というのはしたがって労務、いわゆる役務だけの請け負いをするんだと、こういうふうに解すべきですか、この点いかがですか。
#20
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、大工工事というのは木材の加工、取りつけ等によりますところの工作物の建設補修工事と、こういうものでございまして、役務だけではございません。単なる役務の場合だけもございますけれども、それ以外のいま申し上げました工作物の建設補修工事というものもできるわけでございます。
#21
○佐田一郎君 そうしますと、大工工事業者というのは資材の購入あるいは若干の関連をいたしております付帯工事も請け負って差しつかえないと、こういうふうに解釈したほうがよろしいんですか。
#22
○政府委員(高橋弘篤君) お説のとおりに解しております。
#23
○佐田一郎君 やはりこの付帯工事にも関連がございますが、水道施設工事あるいは消防施設工事は、土木及び建設の一式工事と非常に似通っておる。非常に限界がむずかしいですが、この限界はどういうふうにつけるか、この点ひとつお尋ねをいたします。
#24
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの水道施設工事につきましては、上水道、工業用水道のための取水、浄水、排水等の設備とか、または公共下水道、それから都市下水道、そういう下水処理設備を設置する工事をいうのでございまして、仰せのとおりに土木一式工事と重複する場合があると考えておるのでございます。
#25
○佐田一郎君 次に法の第七条の一号のイ及びロの「許可を受けようとする建設業に関し五年以上経営業務の管理責任者としての経験を有する者」とありますが、具体的にはですね、「管理責任者としての経験」とはどういうことをさすのか、具体的にひとつ御説明を願いたいと思います。
#26
○政府委員(高橋弘篤君) 第七条第一号の「経営業務の管理責任者としての経験」と申しますのは、対外的に責任を有する地位にありまして、建設業の経営業務について総合的に経験をしたことをいろのでございます。たとえて申しますと法人の役員だとか個人企業の場合の事業主、支配人といものがこれに当たりますけれども、なお支店長だとかそれから営業所長、そういう地位にあって、経営業務を執行した経験がある者につきましても、これに該当すると解している次第でございます。
#27
○佐田一郎君 そこでまた「同等以上の能力を有する者」はどういうことか。これは具体的に御説明をお願いをしたいんですが、建設大臣の認定ということになっておりますが、この点何か特別政令で定めるということがございますか。
#28
○政府委員(高橋弘篤君) 第七条一号口の建設大臣が「同等以上の能力を有するものと認定した者」ということにつきましては、これはその基準を告示で公示したいというふうに考えている次第でございます。その具体的にどういうものであるかというお尋ねでございますけれども、これはまあたとえて申しますと、まず許可を受けようとする建設業と類似する建設業、たとえば左官工事業というものとタイル、れんが、ブロック工事業というものが今度ございますが、そういうものにつきまして一定期間経営業務の管理責任者としての経験を有する者がまず考えられます。またこのほかに建設工事の施工の実態からいたしまして、建設工事の設計だとかまたは施工の全般につきまして、工事の技術面を総合的に指導したり指揮したり、または監督をした経験というもの、すなわちこれは工事現場主任者というようなものがこれに当たるかと存じますけれども、そういう工事現場主任者等の経験を有する者につきましても、これは五年という経験を多少加重してたとえば七年にするとか、そういう要件を満たすものとして取り扱う、そして建設大臣が認定する考えでございます。
#29
○佐田一郎君 法律の第七条の二号のイ、ロ、ハの専任技術者についてお尋ねいたします。たとえば大工、左官、とび、土工、石工、タイル、れんが、ブロック、鉄筋、板金、ガラス、塗装、防水、及び建具といったよらな、いままでの職種別を、いわゆる専門業種ですね、その業種に対しても同じよらな適用をするわけでありますか。これはいままで登録しておりますので、おそらく適当な専任技術者があろうと思いますけれども、考えてみますると、これらの業種については若干条件を緩和するというようなことはお考えにならないのですか、その点をひとつお尋ねいたします。
#30
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの第七条の第二号の実務経験者の要件でございますけれども、これは建設業者の施工能力の確保という観点からいたしまして、建築一式工事、土木一式工事というものは、いうまでもなく大工、左官等の各専門工事業につきましても必要というふうに考えておるわけでございまして、これは現行法の第五条の登録要件も大体ほぼ同じでございます。したがいまして、専門工事業につきましては特に要件を緩和するということは考えていない次第でございます。
#31
○佐田一郎君 次に、第七条の四号の「請負契約(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用を有しないことが明らかな者でないこと。」、こういうむずかしい説明があるわけですが、これは具体的にはどういうことですか。
#32
○政府委員(高橋弘篤君) 第七条四号についてのお尋ねでございますが、これは一般建設業の許可を申請いたしましたものにつきましての要件の中の一つでございまして、これにつきましては次のように取り扱ってまいりたいというふうに考えておりまして、これは中央建設業審議会におきましても大体了承を得ている線でございまして、まず許可を受けることが必要でございます。最小限度の工事金額というもの、これをまあかりに最小調達資金というふろに申しますと、自己資本の額がこの必要の最小調達資金以上であることがまず必要でございまして、この要件か、または次に第二に、必要最小調達資金以上の自己資本がないという場合も企業によっては考えられますが、そういう場合には必要最小調達資金を調達する能力があると認められるという要件でよかろうかと思います。この必要最小調達資金を調達する能力があるかどうかということにつきましては、これはすぐ倒産することが明白と認められる場合は別でございますけれども、それ以外は次に申し上げるいずれかに該当するかうろかということで判断をいたすことにいたしております。その一つは過去三年間登録または許可を受けまして継続して営業をした実績を有するということ、それからまたは担保とすべき不動産等を有していること等によりまして必要最小の調達資金というものについて金融機関から融資を受けられる見込みがあるということ、そういうもののいままでの要件を備えておれば、第七条第四号の財産的基礎または金銭的信用を有しないことが明らかでないというふうに考えておる次第でございます。
#33
○佐田一郎君 局長、だいぶ苦しいむずかしい御説明をしたようでありますが、なかなか、これは具体的には中建審にもいろいろ御検討いただいて、政令でいずれ適当な方法を考えられると思うのでありますが、いま一つ関連いたしまして、特に一般建設業に対する、資本金その他財産的背景というものがやはり必要だということは、具体的にはどの程度を指しますか。これは政令でいろいろきまることと思いますけれども、この点ひとつ、もし決定がまだございませんければ、幅を持たしていただいてもけっこうでございますが、大体こんなことでいま考えているということがありましたら、ひとつお尋ねいたしたいのですが。
#34
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの件につきましては、第七条第四号にございますように、「請負契約を履行するに足りる財産的基礎」ということになっておりまして、これをカッコにございますように、この請負契約は「(第三条第一項ただし書の政令で定める軽微な建設工事に係るものを除く。)」ということになっておりまして、この政令事項は先ほどお尋ねの際にお答え申し上げましたとおりでございまして、第六十三通常国会におきまして衆議院での附帯決議の線を尊重いたしまして定めることになっておりますので、したがいましてその金額を申し上げますと、建築一式工事に対しましては三百万円、それからその他の建設工事に対しましては百万円に満たない工事ということになるわけでございまして、したがって、大体そういうもの以上の「請負契約を履行するに足りる財産的基礎又は金銭的信用」になると解しておる次第でございます。
#35
○佐田一郎君 それでは次に移ります。
 特定建設業の許可基準として「第七条第一号及び第三号に該当する者であること。」、「その営業所ごとに第七条第二号イ、ロ又はハに該当する者で」−技術者、「許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに関し二年以上指導監督的な実務の経験を有する者」を置くと、こういうことをいっておりますが、これをひとつ具体的にお尋ねをいたします。
#36
○政府委員(高橋弘篤君) 第十五条特定建設業の許可基準の中にいまお尋ねの点について規定いたしておるわけでございます。この点につきましては、特定建設業者というものはある程度以上の規模の工事というものを下請に出しまして施工する、そういう営業を営む者でございます。したがいまして、その営業所ごとに置かれますところの技術者も、ある程度規模以上の工事につきまして二年以上その工事の設計または施工の全般につきまして総合的な指導とか指揮だとかまたは監督をした経験というものを有する者であることが適当であるというふうに考えられるのでございます。これは一般の建設業の技術者よりも要件をそれだけ高くした、というふうに考えておる次第でございます。
#37
○佐田一郎君 そうしまするというと、責任技術者はいままで登録制度の時代もそうでしたけれども、大学を出て三年あるいは高校を出て五年、一般で十年、こういう経験を持って、それ以上さらに二カ年間の指導監督的な位置にあった者が必要である、こういうふうに解していいのですか。
#38
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま御質問になりました一般建設業におきましては、三年、五年、十年というような経験が必要なわけでございますけれども、いまの要件は加重でございますけれども、そういう経験が二年以上その中に含まれておればいいというふうに解しております。必ずしもプラスでなくてもその中に含まれていればいい、というふうに解しておる次第でございます。
#39
○佐田一郎君 法第十五条の三号の一「発注者との間の請負契約で、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものを履行するに足りる財産的基礎を有すること。」と、こうありますが、その金額は具体的にはどういうことになりますか。
#40
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの十五条三号の「政令で定める金額」につきましては、二千万円というふうにする考えでございます。
#41
○佐田一郎君 許可の欠格条項の中で第八条五号中「建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものにより罰金以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は刑の執行を受けることがなくなった日から二年を経過しない者」とあるが、具体的にはどういう法律を適用するつもりであるか、その点ひとつお尋ねをいたします。
#42
○政府委員(高橋弘篤君) 第八条第五号の「労働者の使用に関する法令」につきましては、たとえば労働基準法、職業安定法というものを予定いたしておりまして、政令にはこれらの法令の規定の中で特に建設業の営業と密接な関連を有するものでございまして、その違反が重大なものであるものについて定めるということについて、検討いたしておる次第でございます。
#43
○佐田一郎君 そこで、二十六条の三項に「公共性のある工作物に関する重要な工事で、政令で定めるもの」とありますが、どういう程度の工事をこれは政令できめますか。
#44
○政府委員(高橋弘篤君) 二十六条第二項の「公共性のある工作物に関する重要な工事で政令で定める」ということについてのお尋ねでございますが、これにつきましては、現在も建設業法の規定にございまして、現在の施行令の第二十七条に規定されておるのでございますが、これを読み上げますと、国、公共団体が発注する工事、鉄道、道路、ダム、河川、上下水道等に関する工事、電気、ガス事業用の施設に関する工事、学校、図書館、工場、病院、百貨店、ホテル等に関する工事などが請負金額の代金の額が三百万以上、ただし、電気工事及び管工につきましては八十万以上というふうになっておりますが、そういったようなものとなっている次第でございまして、大体従来どおりとしておきたいというふうに考えておる次第でございます。
#45
○佐田一郎君 第二十六条の第二項の監理技術者、「施工の技術上の管理をつかさどるもの」と、建築工事の場合に、建築士法の「工事監理」を行なうものとは業務内容がどう違いますかな、これは。両者の関係についてひとつお尋ねをいたします。
#46
○政府委員(高橋弘篤君) 第二十六条の第二項に規定いたしますところの「建設工事の施工の技術上の管理」と申しますのは、建設業者の立場に立ちましてその請け負いました建設工事について、工程管理であるとか品質管理だとか安全管理、そういう等の工事の施工の管理を行なっていく者をいうのでございます。一方建築士法の第二条第五項にございます「工事監理」というものは、これは立場が注文者としての立場から工事を設計書と照合いたしましてそれがそれどおりに実施されているかどうかということを確認するものでございまして、その立場も業務内容も異なっているというふうに解しておる次第でございます。
#47
○佐田一郎君 法第四十一条の三項に、「特定建設業者が発注者から直接請け負った建設工事の」「施行に関し他人に損害を加えた場合において、必要があると認めるときは、」「当該特定建設業者に対して、当該他人が受けた損害につき、適正と認められる金額を立替払をすることその他の適切な措置を講ずることを勧告することができる。」とありますが、この一体「他人」とはどういう程度の人格を持っているか。たとえば下請の一次業者あるいはまたセメント、砂利、木材その他運搬等の関係の下請業者が倒産をしたような場合に、その下で使われておりまする労務者あるいは納入した業者等の責任までもこれは負うということになりますかな。これは非常にむずかしくなりますが、いま一度申し上げましょうかな。他人に迷惑をかけたということについて、一次業者、一次下請業者あるいは材料の納入業者の人たちがつぶれたために、その下に使われておる労務者もしくは資材納入業者があった場合に、これは元請が責任を負う、立てかえ払いをするということも勧告をするということになりますか。その点ひとつお尋ねをいたします。
#48
○政府委員(高橋弘篤君) 第四十一条の第三項についてのお尋ねでございますが、これは下請が第三者に損害を与えた、他人に損害を与えた場合に対しまして、建設大臣または知事から特定建設業者に立てかえ払いの勧告をするということでございますが、これも必要があると認める場合におきましては勧告することができるということになっておりまして、ただいまお尋ねの件、非常に具体的な問題でございまして、いろいろな諸条件だとかあるいは特定建設業者の責任の度合いはどうであるかというものを考えないと、なかなか判定しにくい点でございますが、一般的にはそういうものも勧告できるというふうに解しておる次第でございます。
#49
○佐田一郎君 そこで、いろいろお尋ねいたしました中の一次下請あるいは二次下請、三次下請というのがございますが、そこで一次下請か二次下請にわたるような場合には、一次下請が建設業者としての人格を持っているわけですね。つまり、一次、二次と重層下請がある場合もあるわけです。そこで、一次下請の諸君が二次下請に対してそういう迷惑をかけたというような場合です。一次下請はすなわち建設業者としての人格を持っているわけですから、これに対しては一次下請の諸君が責任を負うのであって、元請は責任を負わなくてもいいんだと、こういう解釈になりますか。それとも二次、三次、四次があっても、結局はその元請が全部責任を負うのだと、こういうことになりますか。ひとつこの点、ややこしい問題でありますが……。
#50
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほども申し上げましたとおりに、この勧告権につきましても、「必要があると認めるとき」ということでございまして、やはり具体的に、いろいろな重層下請の場合に元請、この場合はまあ特定建設業者でございます。特定建設業者がどの程度その内容にタッチし、どの程度の責任があるかということによって具体的に違ってこようかと思うわけでございまして、一がいに言えないと思いますが、必要がある場合におきましては勧告する、というふうに解しておる次第でございます。
#51
○佐田一郎君 次に、第十九条の三及び四の「注文者は、自己の取引上の地位を不当に利用して、その注文した建設工事を施工するために通常必要と認められる原価に満たない金額を請負代金の額とする請負契約を締結してはならない。」、こういうふうにありますが、あれは非常にむずかしい問題でございますが、一体下請と元請とが合意できめた契約に対して、何を基準として原価であるか、しからずかということを判定をいたしますか。この点について。
#52
○政府委員(高橋弘篤君) まあ十九条の三の「不当に低い請負代金の禁止」の点についてのお尋ねでございますが、この原価と申しますのは、直接工事費ほか間接工事費に現場経費及び一般管理費が含まれておりまして、利益は含まれてないと解している次第でございますけれども、通常必要と認められる原価と申しますのは、注文した建設工事の具体的な内容からいたしまして、通常の取引におきます計算に従いまして算出されるものでございます。この計算におきます単価とか歩掛かり、諸経費率というもの等につきましては、社会通念上標準的なものが用いられるというふうに考えておりまして、そういうものを基準として算定するというふうに考えている次第でございます。
#53
○佐田一郎君 それでは、この判定の資料はまだできておらぬと、これはいずれまた研究するということですか。それはそれでひとつ研究願いたいと思いますが、そこで先ほどのお話の中にもありましたけれども、まあ官公庁の工事の場合ですが、実際、入札によって落札された価格についてはこういう条文は考えられないんだと、こういうことを衆議院段階においても御説明があったように承っておりますが、この点についてはどうですか。
#54
○政府委員(高橋弘篤君) これは官公庁工事におきましてももちろん適用されるものでございまして、十九条の五には、そういう発注者に対する勧告も、大臣または都道府県知事が必要な勧告をすることができるようになっておりまして、官公庁工事だからといって勧告しないということはございません。そういう事実がございましたならば、積極的にひとつ勧告を行なってまいりたいというふうに考えております。
#55
○佐田一郎君 関連いたしまして、大臣にひとつお尋ねをいたしますが、いままでやはり官公庁の工事で入札をいたした場合に、ダンピング入札をいたしております場合があります。また同時に、いまの会計法では二十九条の六にございますとおり、普通の場合では安いほうに落札させる、こういう法律があるわけですが、しかしただし書きで、特別の場合はこれを許さぬということになっておりますが、大体まあ国の入札については下限がないわけです。そこで前にも、御承知のとおり、宮内庁の工事で例の五万円事件というのがあって契約しなかった例がございますが、今後会計法の改正を全面的にただし書きのようなことに改正をして、やはり一定の落札価格の最低限というものを設げる必要があるんではなかろうか。そしてやはり公にこの制限額を設けていただくということになれば、安い価格で、原価を割るような価格で無理をして落札をして、そうして下請に迷惑をかけるということはないわけですから、こういう点大臣にひとつ御研究を願いたいと思うのですが、いかがですか。
#56
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりでございますが、実際は非常に大きな弊害が起こっておるという現状ではございません。業界の方々も採算割れで営業ができないようなことを常時やるということは現実にありません。ただ特殊なものについて、ある種のそうしたいわば適当競争的な入札があることがありますが、これは行政指導でそういうことのないようにしておるのでありまするが、会計法上、最低値段でないように一定の幅で、いわば標準価格帯をきめるというようなことは、いまはなかなかこれはむずかしいようです。研究はいたしますが、いま佐田さんから言われた問題については、引き続き検討はさせますけれども、いまそれをしなければ非常に業界が混乱するとか、あるいはまた弊害が続出しておるということでもありませんので、大部分はこれは行政指導でできるんじゃないか、こう考えております。
#57
○佐田一郎君 実際問題として、官公庁の仕事をいただく場合に、業者としてはなかなかただいまのような、最低原価を割るような価格で仕事を請け負っても、これに対して不満は申し上げられないというような場合が非常に多いと思う。したがって、今度の法案の全般から見て、非常に下請に対する元請の違反だけが特に指摘されるような印象を受けるわけですが、この点大臣いかがですかね。大部分、下請だけ保護するという印象が非常に強いわけですが。
#58
○国務大臣(根本龍太郎君) 下請の保護は十分にやるつもりでございまして、この法案で下請が従前に比べるならば格段の保護ができる、かようにわれわれは考えておる次第でございます。
#59
○佐田一郎君 この法律は公布の日から大体三年間猶予期間があるわけですが、許可の条件に適応しないような業者も相当あると思うのですが、これに対する救済的な措置と申しましょうか、指導というものは、これは局長でけっこうですが、今後どうしてやりますか、ひとつ御答弁を願いたいと思います。
#60
○政府委員(高橋弘篤君) 一般建設業の許可の要件は、まず一つは経営業務の管理責任者としての経験、それから実務経験者としての経験、それから誠実性、それから財務面の問題ということがうたわれている次第でございますけれども、大体、二についての実務経験につきましては、従来も建設業を行なってきた者につきましては、これは問題なく、従来どおりでございますので、要件を満たすことができると考えております。それから誠実性と財務面につきましても、先ほど申し上げましたとおりに、従来登録を受けて建設業を営んできた者につきまして、附則第七項におきましても、その実績を尊重するということにいたしておりますので、さつき申し上げたようないろいろな基準はございますが、誠実に適正な建設業を営んできました者につきましては、問題はないと考えているのでございます。新しく設けられました五年以上の経営業務の管理責任者としての経験ということにつきましても、この五年以上の経験というものが従来建設業を営んできておりますならば、未登録の期間でもこれは通算するというふうに考えているのでございまして、そういうことになれば、すでに要件を満たすものが大部分であろうかと思います。また比較的新しく、最近建設業を始めた未登録でございましても、最近新しく建設業を始めたというものにつきまして、五年間の要件がないものにつきましても、御質問のとおり三年間の猶予期間がございますので、その猶予期間中に建設業を営んでおりましたら、その不足分も補充することができるわけでございます。したがいまして、従来から誠実に請負をやってきておられる方につきましては、新法によりましても大体建設業の許可を受けることができるというふうに考える次第でございます。
#61
○佐田一郎君 次に、やはり局長でけっこうですが、第十九条の五ですね。「建設業者と請負契約を締結した発注者(私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律第二条第一項に規定する事業者に該当するものを除く。)が前二条の規定に違反した場合において、特に必要があると認めるときは、当該建設業者の許可をした建設大臣又は都道府県知事は、当該発注者に対して必要な勧告をすることができる。」こういうことを言っておりまするけれども一大臣及び都道府県知事は、発注者に対してどのような勧告をするのか、またそれに対して実際、実効性があるのかどうか、実効性が期待できるのかどうか、この点をひとつ。
#62
○政府委員(高橋弘篤君) 第十九条の五の、勧告の対象になりますものは、国とか地方公共団体でございますけれども、こういうものに対して大臣または都道府県知事が勧告をいたすわけでございますが、こういう発注機関は大体継続して工事を発注するものと考えられます。したがいまして、工事発注にあたりましては、その積算方法だとか請負契約の方式につきましても、ある程度定型化され、基準化されているというように考えているわけでございます。したがいまして、十九条の三だとか四というふうな規定に違反するという事実がありました場合におきましては、そういう基準等の改正につきまして必要な勧告をまず行なうということも考えられます。また、基準等で問題がない個々別々の事例について、そういう違反の事実があるという場合におきましては、そういう当該個々別々の事例につきまして、たとえば請負代金額の補正をするとか、また使用資材の購入強制の禁止をするとか、そういうような必要な勧告を行なうというふうに考えておりまして、対象が役所でございますので、監督官庁もございますし、十分その実効をあげていきたいというふうに考えている次第でございます。
#63
○佐田一郎君 次にお尋ねをいたしますが、この法案の内容は、全般的に下請け業者の保護を中心に、一般業者の質の向上と育成指導ということになるわけでありまして、われわれも非常にこの成立を大いに期待をいたしておるわけであります。しかし、心配されますことは、許可制になるだけに、国や都道府県知事の指導監督がきわめて一方的に強くなるのじゃなかろうかというふうな心配があるわけですが、これは大臣、どうお考えになりますか。
#64
○国務大臣(根本龍太郎君) この建設業法を策定するゆえんのものは、一番大事なことは、最近のように高度成長下において公共事業が非常に大きくなっております。官庁のみならず民間を合わせますと、本年度で約十七兆四千億、国民総生産の二割を占めております。しかも、これによってできたところの営造物は、人間の財産、生命に直接関係する問題であります。国土の保全の上からも非常に重大なものである。ところが、従来でありますと、ただ届け出をして一定の金額を納めさえずれば、だれでも建設業者になれて、しかも何でもやれる。こういうことはいかに職業自由の保障があったにしてもこれは適切ではない。一方において今度このために非常に過当競争のために年々建設の中小企業の倒産が非常に多い。こういう両面から見て、それからまた、いま御指摘になりましたように、下請業者が非常に元請から一方的な契約のもとに不払いあるいはまた過当な条件のもとに下請けさせられる、こういう混乱がある。現在あらゆる資本自由化の問題が出てきたときに現状のままで、もし自由化がさらに進めてまいりますというと、業界の非常な混乱と、苦しい状況が出てくる。そこで、これは一般需要者としての国民の利益を保護すると同時に、業界の保護ということで、これはやっているのでありますので、御心配になるような官僚統制をやるためのことをやっているのではございません。ただいままで事務当局が御説明いたしましたように、十分に配慮いたしまして運営するつもりでございまして、絶対に一方的に監督官庁の者の私意によって――私の心によって許可するとか、許可しないとかいうことではなく、十分に政令、省令等に基づいて、しかも、十分に業界の皆さんの利益を考えながらやることでございまするから、そういう心配のないように指導させるつもりでございます。
#65
○佐田一郎君 非常に大臣のあたたかいことばを拝聴いたしまして安心をいたしたわけでありますが、今度の法案の成立後におきまする中小企業の人たちの内容は、まあ充実するわけでありますが、それだけに、負担も相当大きくなると思うのです。したがって、今後いろいろ御指導を願う中に、特にこの地方業者あるいは中小企業の育成の第一はやはり力に応じてひとつ受注の機会を与えてもらいたい。こういうことを私はお願いをするわけですけれども、まあこれについて過日大臣は、前の松本委員あるいは衆議院におきまする御質問の中にもお答えになっておられますが、ことしも不況対策として、予算の成立後には早期発注をする、中小企業、地方業者を優先すると、こういうあたたかいお話がございまして、非常に私は大臣の、この私どもの業界に対する期待にこたえていただいて、非常に私どもは喜んでおるわけでございますが、しかし、大臣がさような御熱意がありましてもなかなか実際に建設省のいろいろ指導監督下にあります公団、公社というものが、実際には大臣の気持ちが徹底していない場合が非常に多いわけであります。私は、この際に、特にきょうは水資源公団の総裁に来てもらっておりまするけれども、地方業者の実力というものが理解してもらえないという例を、きょうはひとつ御披露申し上げます。大臣と総裁立ち会いの上で御披露申し上げますけれども、これは、私の選挙区でありますが、群馬県のダム工事というものはこれは昔から有名であります。大臣が御在職中にもあったのでございますが、赤裸々に申し上げまするというと、藤原ダムの上に矢木沢ダムというものがございます。ここの仕事は三十五年、六年に始まったんですが、このとき、この群馬県の中堅業者はこぞって協力をいたしました。そして、いま申し上げる池下工業、北部土建工業、山内工業、万屋建設、こういう中堅業者が、その当時建設省から御下命になった仕事は、いま具体的に申し上げまするというと、池下工業が最初にちょうだいした仕事が三千四百八十万円、これは設計変更で六千九百六万円、それから北部土建工業が六千六百八十八万円、これが最終的の設計変更で七千三百七十七万円、山内工業が七千五百五十万円、これが最終的には八千三百八十万円、万屋建設八千百八十六万円、これが最終的の変更で一億八百五十三万円、あとはお手元に差し上げてございますが、こういうふうなぐあいに三十五年の、現在から十年前において、すでにこれだけの工事を――しかも御承知のとおり矢木沢ダムというのは、サルあるいはイノシシ以外は通らなかったようなところを、馬の背中で食糧、資材を運んで取り付け工事に協力した。大業者はやり手がなかったので、地元業者が全部やって完成した。こういう実績がありますのに、その後、水資源に三十七年から移るわけでありますが、水資源に移ってからは、残念ながら、なかなかかような仕事が御指名いただけない。その後、池下工業は資本金において七倍になり、北部土建工業も七倍、山内工業が十倍、万屋建設が七倍という資本金にふえております。そして、年間の工事量におきましても、池下工業が六倍半、北部土建工業が四倍、山内工業が七倍、万屋建設が七・七倍、こういうふうに現在は実績がふえておる。しかるに、最近におきます水資源公団の指名のランクというものはきわめて低いのであって、三千万円以下の、あるいは四千万円以下の仕事以外は指名にならない。しかし、十年前にこれだけの工事をして建設省に協力した地元の中堅業者が、最近、十年後において、資本金も七倍、十倍になり、工事実績もすでに六倍あるいは四倍、七倍、七倍と、こういうふうになっておる今日において、現在やっております、渡良瀬にできます草木ダムの指名入札等には、残念ながら、四千万円以上の仕事には指名にならない。こういうことは、私どもは地方業者がこんなに十年前に協力もし実力もある、現在の価格にしまするというと、二億、三億の仕事であるかもしれない、そういう業者がおるにもかかわらず、今度の草木ダムについては指名にならない。こういうことは、大臣は非常にあたたかい気持ちを持っておられても、下部の公団、公社が、これは実際はそれがいまのランクであるかもしれませんけれども、地方業者を利用していただけないところに、私どもは非常に残念に思うわけであります。
 そこで、これから、いろいろと公団総裁あるいは当局に対して入札制度の最近の業者の指名選考要領等についてお尋ねをいたしたいと思っております。そこで、建設業課長でも、高橋局長からでもけっこうですが、入札制度の合理化対策として、これは二十五年以降に二回か改正になったと思うんですが、何年と何年に改正が行なわれて、現在は、最後は四十年だと思うんですが、ABCDEのランク――業者にランクをつけておると思うんでありますが、それについてひとつ、簡単でけっこうですから、御説明を願いたいと思います。
#66
○政府委員(高橋弘篤君) 中央建設業審議会の勧告が、お説のとおりに、何度も改正になりました。現在採用されておりまする発注標準金額につきましては、昭和四十年十二月に改正になっておる次第であります。その前は昭和三十六年、当初は昭和二十五年でございます。現在のランクについて申し上げますと、A級が一億五千万円以上、それからB級は五千万円以上一億五千万円未満、C級千五百万円以上五千万円未満、D級が三百万円以上千五百万円未満、E級が三百万円未満。これは総合建設業者のものでございます。
#67
○佐田一郎君 これはもうすでに六年たっていますが、A級が一億五千万円以上、あるいはB級が五千万円から一億五千万円未満、C級が一千五百万円以上五千万円未満、こういうことで御説明があったわけでありますが、これについて、まあ上下と申しましょうか、いわゆる地域性、特に地域的に有利な業者あるいは優秀な業者については一ランク上へ上げるとかというようなことを聞いておりますが、この点いかがですか。
#68
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまのランクにつきましては、それぞれ相応する業者をランクづけをいたしまして発注をし、また、その直近上位、直近下位というものはある一定の条件でそれぞれ指名することができるというかっこうになっておりますけれども、御承知のように、昭和四十一年の次官通達で、「中小建設業の受注機会の確保について」の通達の中におきましては、中小建設業者の施工能力の向上の機会を考慮するという項目のもとに、優秀な工事成績をあげた中小建設業者につきましては、二階級上位の工事をも指名し、積極的に受注機会の増大をはかる、そうしてその育成に意を用いるという通達になっておりまして、そういうように運用されている次第でございます。
#69
○佐田一郎君 そこで、柴田総裁お見えになっておりますので、いろいろ水資源関係の業者の選定の方針ですね。あるいはランク等については建設省の指導、あるいは建設省のやはり同じような指導要領によって選定しておるのかどうか、またその内容等について御説明をいただければひとつお願いをしたいと思います。
#70
○参考人(柴田達夫君) 冒頭にお尋ねがありましたまた御指摘がありました考え方の問題につきましては、後刻またあらためてお答えを申し上げたいと思います。段階を追ってお話がちょっとございますようですから、いまのお尋ねに対しましてお答えをいたします。
 先ほども先生のお尋ねに計画局長がお答えになりました建設業法に基づきます中央建設業審議会で決定しておりまする発注の基準あるいは各資格審査に基づきます等級の基準、こういうことにつきましては、私どもの公団はもちろん一切その方針に順応いたしましてやっております。先ほど建設省のやり方のお話がございましたので、当公団のやり方を申しますと、先ほど計画局長からお答えがありましたような発注の区分と申しますか、Aクラスが一億五千万以上、Bクラスが五千万以上、Cクラスが一千五百万以上、Dクラスが一二百万以上という基準は、私のほうは建設省と全く同じ発注基準でやっております。ただ、等級の区分につきましても同じ考え方でございますが、等級区分の点数を計算いたします際におきましていささか違いがございますのは、これも実質上の違いはあまりないんでありますが、建設省の場合は主観的要素というものを加えてやっておりますのを、私どものほうは客観的要素だけにいたしまして、主観的要素というものは指名のつど検討して考慮する、これは長い実績がまだございませんので、客観的要素を中心にして主観的要素は指名のつど検討するということでやっておりますので、点数の計算が少々違ってまいりますが、そのやり方につきましては全く同じ考えでやっております。とりあえずこれだけお答えをいたします。
#71
○佐田一郎君 ただいま総裁から客観的な要素だけでランクをきめるんだと、こういうお話があったわけでありますが、これは公団の方針であるからやむを得ないでしょうが、建設省でも主観と客観的な条件を加味したランクづけをいたしておるわけですけれども、主観というものは非常に大事な点だと思うんです。先ほども私が申し上げましたとおり、目に見えない信用、地域的な非常に有利な条件、こういうようなことをなかなか加えられないということは、これは公の官庁ではやむを得ないと思いまするけれども、そこは大臣の言われるようにあたたかい気持ちで、しかも地方業者を優先する、中小業者を先行さぜる、こういう御理解をいただいて、そういう有利性な点も十分ひとつ勘案を願いたいと思うんです。きょうは時間もございませんので、あまり深くは追及いたしませんし、また内容等も追及いたしませんけれども、これはもう群馬県の業者が東京や四国あるいは九州まで仕事さしてくれということではない。いずれもその県におきましてダムができます場合は相当な協力をしておる。ダムができますると、これはどの県でも、群馬県ばかりでない、全国全部そうでありますけれども、これはダムばかりでない、大工事が始まりますと、必ず労働賃金が上がる、資材が上がる、一番迷惑かかるのは地方業者です。中小企業です。現在でも全国の縦貫道路が始まっていますけれども、大工事の始まる地域こそ、非常に地方業者というものは資材が上がり労務賃が上がり労務者の引き抜きがある、こういうことで非常に迷惑をいたしております。一面においてはそういう大きな仕事が始まりますから、幾らでもその落ちこぼれがちょうだいできるのだという期待もあるわけです。これは県で始まるのだからちょっとは仕事ができるのだ、こういう期待を持っておる業者がたくさんあるわけです。それをどうもいま申し上げたような事例から申しますというと、残念ながら十年前に一億ばかりの仕事をやった業者が、現在では三千万円か四千万円以下の仕事以外には指名にならぬ、たまたまもらった仕事が一千万あるいは二千万の仕事だ。いまの一千万二千万の仕事がどのくらいの大ききかということは、これはよくおわかりだと思う。そういうことで非常に大きな期待を持っておるわけですから、それをわずか少しぐらいのにおいをかがしただけで実際の仕事に関係できないということは、非常に地方業者としては残念です。これは全国の業者がそれを考えておるわけです。したがってひとつ十分この主観的な要素もお考えいただいて、建設省ですらも十年前にそういうふうなことで地方業者をじょうずに使っていただいておる。だれもやり手のない仕事をあの山奥まで入ってやっておる。ですからじょうずに使っていただければ、地方業者というものは大業者よりは安くできる、また工期的にも早くできる。それはそうなんです、地の利を得ておりまするから。ですからじょうずに公団公社が地元業者を使っていただければ、非常にこれは国益にもなる、予算の面からも必ず安くできる、こういう点を私は特に公団側には要請をいたしたいと思います。そこで大臣、この問題についてどうお考えになりますか、ひとつざっくばらんにお考えを伺いたい。
#72
○国務大臣(根本龍太郎君) 私の方針は、すでにだいぶ前に各管下の公団長あるいは地建の局長、各県の土木部長に示達しております。これを徹底してやらせます。ただ、いまの問題は、これは実務のことですから私はどうかわからないけれども、技術上やはり大手でなければできないものがこの場合もあるんではないかと思います。しかしながらでき得るだけ、その地方の業者が十分にやり得ることであるし、そのほうがまたより実際的に処理できるというものについては、今後も十分に発注者としての公団公社等があたたかい気持ちで指導するように、私のほうからも配慮するように言います。
#73
○佐田一郎君 大臣の御誠意を私は非常に信じております。ただ一言大臣から、特別むずかしい仕事かどうかというお話がありましたけれども、これはもう見ていただけばわかりますけれども、ほとんど取りつけ道路でございますから、技術的なものは何も要りません。特に草木ダムの――戦後の県営の、県で発注する工事はほとんど地元業者が、まあ県外業者もおりまするけれども、地元業者が七千万、八千万の工事を、お手元の資料にありますとおりにやっております、同じ業者が。ですから、地元業者も十分それは信頼できると思う。こういうことでございますので、ひとつこれから先は、私どもは願わくば、ここで公団を否定するわけじゃございませんけれども、取りつけ道路なんていうものは、むしろ公団が直接やらないで府県にまかしたほうが安くでき、早くできるのじゃないか、こういう考え方もありますし、また同時に、用地の買収等もそれによって地域の関係住民の理解力が非常に深くなると思うのです。むしろこういうふうな方法をやるということは、この住民感情としてやはりおもしろくない。ですから、こういう取りつけ道路なんていうものは、再び申し上げますけれども、むしろ府県に委譲してしまって、府県がやるほうがむしろ早くでき、よくでき、安くできる。そして用地交渉もうまくいくのです。こういう点を大臣、ひとつあわせて御研究をいただきたいと思います。
#74
○国務大臣(根本龍太郎君) 一つの提案だと思います。これは十分検討しましょう。ただ、経理関係あるいは事業会計が全部違うものでございますから、これはやらせるとすれば、府県に委託してやらせるというようなことになるかもしれないし、そういうことがはたして会計法上いいかどうか、私もよくその点はしろうとだからわからぬので、十分に事務当局に検討さして、最も、効率的で合理的で地元に歓迎される方法があるならば、そういうことを前向きに検討させるようにいたします。
#75
○佐田一郎君 そこで官房長もしくは計画局長でもけっこうですが、例の入札制度のいわゆるランク制の問題について、四十年に改正をしてありますので、もうあの当時から相当をその工事量もふえてきたし、また資材、労賃も上がっております。したがってここらでひとつ改正を行なら必要があるのではなかろうか、こういうふうに考えておりますが、この点いかがですか。
#76
○政府委員(高橋弘篤君) 現行のランク制につきましては、先ほどから御説明申し上げましたように、昭和四十年にきめられておりまして、その後相当の年月がたっておりますし、いろんな情勢も変わっておりますので、これにつきましては、御意見まことにごもっともでございますので、さっそく検討いたしまして改正をするように準備をいたしたい、というふうに考える次第でございます。
#77
○委員長(田中一君) この際、柴田君から発言を求められております。
#78
○参考人(柴田達夫君) 先ほど、まだお尋ねが重ねてあるものと思いまして、どういう制度でやっておるかという部分だけお答えを申し上げました。公団としての考え方を申し上げてありませんので、はなはだ意が足りませんので、私から発言を求めまして、佐田先生にお答えを申し上げたいと思います。
 公団が仕事をやってまいります場合に、中小業者ないしは地元業者の力をできるだけ借りてやる、その施工能力に応じてできるだけその力を借りてやってまいるということは、私ども実は全くその心がまえでやっておるつもりでおります。建設省時代の矢木沢ダムの工事用道路につきまして、何ぶん山深いところで、たいへんな地元業者の御協力をいただいたためにできたということも伺っております。その後、お話のございます群馬県方面では下久保ダム、また群馬用水事業、今回は草木ダムというふうに、非常に多数の事業につきまして地元の御協力を仰いでいるわけでありまして、下久保ダム、群馬用水等につきましては、公団としましてはできるだけいまの御趣旨に沿ってやってまいったつもりでありまして、なお、今後、残っております草木ダムにつきましては、これはまだ補償が最終的に片づいておりませんので、わずかに工事用道路、若干のつけかえ道路等を発注しておる程度でございます、今後に残っております。いま御指摘の御趣旨で、でき得る限り施工能力に応じて地元業者を尊重してまいりたいと思います。この方針といたしましては、大臣からお答えがございましたり、またかねがね建設省がおっしゃっておられる方針につきまして、公団なり私の考えというものは全く一致いたしておりますので、さような考えでやってまいるつもりでおります。工事の一々の金額につきましては、何ぶんにもその工事の場所、所によりまして、いろいろ態様が多少異なりますので、工区の大きさによって国道のつけかえもあり、県道のつけかえもあり、村道のつけかえもありますので、どこもかも同じように一律にいくかどうかはわかりませんけれども、要は、あとう限りにおきまして地元業者を育成するという考えで、今後も私自身もきめこまかに配慮してやってまいる所存でありますので、これだけお答え申し上げておきたいと思います。
#79
○佐田一郎君 いま非常に総裁から力強いお話を拝聴いたしましたので、安心いたしましたが、これは群馬県ばかりではなしに、全国の府県にわたって、公団関係についてよろしく頼みます。
 それから引き続いて局長にお尋ねいたしますが、ランク制の問題について、ABCDEに格づけをされた場合に、これは業者に対してその格づけを通知をしていますかどうか。これは国鉄その他では一々その格づけに対して通知をしております。建設省でもまあその内容を私は見ておりますが、万が一不服の場合には苦情を申し立てることができると、こういう条文があるわけです。ですからこのランクを利用するしない、あるいはまた主観的な要素を加えての指名という問題は別にしても、一応数字が出てまいりました段階において、ABCDEのランクづけを各業者に通知をしておるかどうか、また、今後通知をするかどうか、この点をひとつお尋ねをしておきます。
#80
○政府委員(大津留温君) 建設省におきましては、各業者にそのランクを通知をしております。
#81
○佐田一郎君 次に、これは運輸省にも関係がございまするけれども、特に大臣にお願いを最後にしたいのでありますが、いま一番大きな建設業者の悩みは、御承知のとおりこのいわゆるもぐり、一般ではもぐりトラック業者、白トラと申しておりますけれども、これを私は運輸委員会においても後日正式に質問をし、お願いをするつもりですけれども、いまの道路運送法を一部を改正をして、――ほとんど建設事業の資材の、これはまあ統計はとっておりませんけれども、非常に大きなウエートを占めておる、輸送量を占めておる業者というものは、残念ながら自家用のまあ白トラと申す業者。で、ここでまあ一々例を申し上げませんけれども、非常に各地に鉄道との衝突、あるいはまた一般自動車との衝突等で被害を非常にこうむっておりますことは御承知のとおりです。そこで私どもはこれを、建設省はできることならば府県単位、あるいは地域単位にこれらの業者の統合をさせて、そして運送免許を取らせるか、また私は理想といたしましては、やはり一人一人に自動車の運転管理の責任を持たせるために、タクシーが個人タクシーを認めておるように、トラックの個人営業というものを私は認めてやって、そうして独立の人格を持たしてやる、そしてその責任を持たせるということになるならば、私は事故が必ず絶滅とまでは申しませんけれども、相当減るのではなかろうか、こういう考え方を持っておるわけですが、これは運輸省にも関係ございますが、特に建設業者に一番大きな関係があります白トラの問題でございます。しかし、そうかといっていま直ちに窮屈にいたしまして、あまり警察権力でこれを取り締まりますというとこれは仕事に影響をいたします。ほとんど警察庁でも、地方警察におきましても米のやみ以上に黙認をしておるというのが現実の姿です。そこで大臣、これは直訴いたしますが、ぜひひとつ自動車行政について運輸省とも話し合って、何らか指導体系を整えていただきたい、こういうことを最後にお願いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。大臣の御見解をひとつお述べ願います。
#82
○国務大臣(根本龍太郎君) これも理由のある提言でございますし、これは現実に即して考えていいと思いますので、建設省の事務当局から運輸省に申し出させるとともに、運輸大臣にも私から申し上げておきます。検討させます。
#83
○委員長(田中一君) ちょっと私から大臣に伺っておきますが、いま佐田委員の質問のうちでランク制に対する実態に即した検討をしようということを計画局長答弁しておりましたが、計画局長の主管でありますか、ランク制をきめるのは。もしそうでなければ、大臣から意思表示をはっきりしていただきたい。
#84
○国務大臣(根本龍太郎君) これは本年中に成案を得てやるように指導したいと、こう思っております。
#85
○委員長(田中一君) 午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時四分開会
#86
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、建設業法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#87
○二宮文造君 建設業法の法改正の法案審議にあたりまして若干質問を述べてみたいと思うわけでありますが、前回の当委員会でも参考人の意見を徴しました。まあ大手業者、あるいは中小業者の団体の方、あるいは各社の御意見まちまちでございました。まあ大体業界としてはこの改正案については前向きに検討をしていくようなニュアンスでありました。ですが、また一部零細業者、特に一人親方といわれる部面におきましてはやはり相当の抵抗といいますか、反対意見が述べられておったかのように私伺いました。ただ私は業界の方がいろいろな意見を述べられるにあたってもそれぞれの立場でやっぱり御意見が非常に幅広く展開されているように感じました。まあ大体が業界が自然に発展をしてきて、そしてまあいろいろな弊害が出てきて、それに法律の網をかぶせようと、こういうわけでございますから、いろいろな意見が出てくるのは、私は当然だと思いますが、ただ非常に印象に強く残りましたのは、建設業法そのものの改正よりももっと建築行政として、建設行政としてやるべきことがまだたくさんあるのじゃないか、こういうふうな印象を私非常に強く持ったわけでございます。
 まあ、そういう趣旨から法案の中身について若干の質問を展開してまいりたい、こう思うわけでございます。で、中央建設業審議会、それから今度の大臣の提案理由、そういうものを拝見いたしますとまあいろいろなこの業法改正の背景となるべきものを述べられております。特にまあその一つ一つについて御意見を伺ってみたいわけですが、まず業者が多い、こういう点についてでありますけれども、確かに言われるとおり業者が非常に多い。しかし、それだからといって直ちに今回のように業法の改正をしなきゃならぬとすぐに結びつかないのじゃないか。たとえば業者が多い結果としてダンピングがある。あるいはまたせっかく受けたけれども工事を途中で投げ出してしまう。またしばしば問題になりますように手抜き工事、こういうことになって発注者に迷惑をかけるということは、巷間確かに伝えられております。しかしそういういわば悪質といいますか不良業者といいますか、そういうようなのは建設業法が悪いからそういう業者がいるんではなくて、それらの業者に対してはその他の法律で、たとえば刑法の詐欺だとか業務上の過失致死傷として告発もできますし、また登録を取り消す、あるいは罰金刑を科す、こういうふうなこともできることになっているわけですね。したがって、不良業者が出るのは、業者の数が多いから不良業者が出るのじゃなくて、不良業者は初めから不良業者だ、こういうふうな考え方に立ちますと、むしろそういうそれに対する対策を十分にとってこなかった、野放しであったというところに私は問題があると思う。だからここでいきなり許可制にしてそうしてそれをしぼり出すということの前に、もっと考えなければならぬ問題があるのじゃないか、こう思うのですが、その点についてはいかがでございましょうか。
#88
○国務大臣(根本龍太郎君) そういう考え方もあり得ると思います。しかし現実に私も実は十三年前にこの許可制を考えたことがあるのです。それはいま言われたように刑法、いろいろの問題でその措置ができるということでありますけれども、そういうことも現実に警察の告発がなければ、そうしてまた被害を受けた人間を犯罪として片一方で押さえたただけで救済はできないわけなんです。特に最近の情勢から見ますれば、午前中にも申し上げましたように、現在の建設産業が非常に量的にも拡大いたしまして、国民総生産の二〇%占めている、これは全産業の最も大きな私は業界のシェアであると思います。しかもそれが非常に高度のものからいわば小さな修繕まで同じ業界でこれをやっていくということにおくということは、一般国民の立場から見て、これは是正すべきである。しかも先ほどお示しがありましたけれども、最近における中小企業の倒産の一番数の多いのがやはりこの建設業でございます。そして、これによって受けるところの被害者は国家や地方自治体よりもむしろ個人的な財産上の損害を受けるものが非常に多い。それからもう一つは、一体なぜそんなにふえるかというと、ほんのわずかの届け出のための1五千円納めればだれでもやれると、こういうことです。
 そこで、私も地方の状況を見ておると、県会議員や、市会議員が新たに当選するとみんなこの地方議員と関連した業者がにわかにふえて、それがみんな市町村あるいは県の指名業者にしろということで、わんさと出てきて、これがまた過当競争になり、そのためにまあいろいろの不祥率が起こっておる、こういうようなことから私は憲法上の職業自由ということが原則としてありまするけれども、やはりこれは一般国民のためにこれは必要であるということ、第二は業界自身において下請以下非常に圧迫されているとか、あるいは下請業に不払いのままに逃げてしまう、いろいろの問題があるわけです。そのために業界の各段階における意見を十分に聞き、それから一般の世論にも耳を傾けて、相当慎重一に考えて大勢のおもむくとこう、この程度のとこうやらなければ、これは一般の国民のためにも業界のためにもこれは必要であろう、特に最近建設労務者が非常に減ってまいります。そうしてこの業界が近代化されない限りこの建設労務者もおそらく把握できなくなるんじゃないか。それからさらに今後は非常に智力的な工法をやらなければならぬということになれば、相当程度のこれは技術的な要件も持たせなきゃならない、そうした場合にいわば無制限にその届け出さえすれば、そのまま営業させるようなたてまえにおいてこれを行政指導し、保護するということは言うべくして行なわれない、こういう結果かうすれば私は国民の生命、財産並びに最近においては国土保全、こういう立場から重要な役目を持っているところの建設業界に秩序と責任体制を確立せしめ、そして保護するということが適当と考えて、この法律案を提案し、ぜひ皆さんの御賛同を得てこれを成立させたいと考えておる次第でございます。
#89
○二宮文造君 いみじくもいま大臣がおっしゃったその小さいのは修繕かう大きいのは資本金十何億円、十億円以上という、そういう業界を一本にしぼっていく、そういうところに業法のむずかしさがあるということは、私もよく承知をしております。たとえばそれがもう数字が一番明確にあうわしているわけですけれども、四十五年十月、昨年十月現在の登録業者の数は十七万四千六百五十二件となっております。その中で、大臣登録が五千九、それから都道府県知事の登録が十六万九千六百四十三、この数字の比較を見ただけで、非常に業界の複雑なる構成といいますか、そういうことがはっきりわかりますし、さらに今度は資本金階層別にそれを見ますと、四十五年で全体を一〇〇にしますと、個人が五三・三%なんですね。それから資本金二百万円未満が二一・九%、この二つを合わしただけでもすでに七四%をこえるわけです。そうしてその大手は、大きいといいますか、十億円以上の会社は〇・二、こういうパーセンテージを占めている。これらを全部ひっくるめるわけですが、そこで参考人の方の御意見を伺ってみても、こういう小規模ないしは一人親方、こういう方々に実は反対の意見が非常に強いわけですね。こういう業界の内容になっている、しかも業者が数が多い、そしてまた倒産も伴うというような業法改正の背景が述べられておるわけでありますけれども、こういう中小業者に政府としては何かいままで助成策がとられてこなかったのじゃないか、こういう点を感ずるのですが、これは業法の法案の改正と離れて、これまでの施策として中小あるいは零細業者の助成策というものがある程度弱かったのじゃないか、こういう感じがしてならないのですが、どうでしょう。
#90
○国務大臣(根本龍太郎君) これは原因と結果が交互に作用している思います。これがもう一年前の登録したものがつぶれるというと、すぐに雨後の竹の子のように出てくるということで、一つの安定したあれがないために地方庁においても補助、助成するささえがなかったということが私は非常に大きいと思います。そういうことであるために、ある一定の安定した一つのものであるならば、これに逐次力を入れて養成しあるいは補強していくことができますけれども、もう昔からよく言われるけれども、シャベルも何もなくても登録やって、ひどいのになると登録してしまえばあとは口先で商売しよう、そういうところで、小さい業者のところで非常に談合とかそういうものが出てくる。そういうふうな非常に不健全なことも私はやはり否定できない事実だと思う。したがって、われわれこの業法におきましては、現在現実にやっており経験のある者はこの業法によって相当の経過措置も置いておりまして、できるだけこれは業者として育成をし、また認めていこうという態勢なわけでありまして、決してふるい落そうということが目的ではなくして、これから助成するために安定した基盤を出してやるのだ、こういうことでございますから、私はやはり許可制度なくしてそれをやるといっても、不確定多数のものを全面的に政府あるいは都道府県が養成しようとしても、これは観念的にはことばとして成り立つけれども、現実の施策としては実が乗らない、こういうような意味で、むしろこのほうが私はいわゆる零細業者をも保護育成するということになると考えておる次第であります。
#91
○二宮文造君 いま倒産のお話が出ましたけれども、また提案理由の説明の中にも大臣は業者の倒産の著しい増加と現状、非常に心配していらっしゃる理由の説明になっておる。確かに建設業者の倒産というものは年々にふえております。特にこの資料によりますと、オリンピックのありました三十九年、これからぐんぐんと、それこそたいへんな倒産件数を示しております。昭和三十八年には一年間で二百七件の倒産件数であったものが三十九年では六百四十三件で約三倍、それから昨年四十五年では二千二百四十七件、その負債金額もたいへんな金額になっておりますね。これで千三百五十億、こういう負債金額を数えております。全産業の倒産実績の、件数にしますと二三%を建設業が占めている。これは確かに大臣のおっしゃるように心配な状況になっております。しかしいういうな原因がありましょうけれども、よく巷間言われておりますのは、どんな小さな町にも大手業者が進出をしまして、そして地元の業者とか、それからまた中小の業者は公共工事についてはもうほとんど大手に食われてしまって進出の余地がない。その大手の手からこぼれた、言っちゃ悪いけれども、かすみたいな工事あるいはまた自転車操業のような関係で、どうしても出血受注をしなきゃならぬ、こういうことが特に中小の場合の倒産の大きな原因になっている。したがって、業法改正したかう倒産がすぐ免れるということでもないし、何かこの業者の営業というものを守っていくといいますか、その倒産を防止するという何か特別な考え方がなきゃいけないんじゃないか、こう思うのですが。
#92
○国務大臣(根本龍太郎君) そのためにこの業法が成立いたしますれば、私は相当改善できると思う。なぜ一体零細企業が大手にこぼれをもういにいくかというと、結局、仕事があまりないということ、資金力がない。しかし一たん看板を掲げた以上は何とかしてやらなきゃなうぬと思いまするから、これダンピングして、あるいはまた不当なる下請負、孫請負でもこれを引き受けてしまうというところに私は問題があると思います。しかもこれらの下請、孫請負と親業者との間には何らいまのところでは保護規定も何にもない、民法上の契約だからということなんです。そこで、今度の業法が成立いたしますれば、いままでのようにかってに下請、孫請負をさせることができない。そういう下請させる、一括下請させるようなものははっきりと特定業者として許可を受けたものでなきゃならない。そうして親業者は一方的に片務的な押しつけはできない。それかう下請負が不払いになった場合には、これに対して勧告を受ければ立てかえの支払いをしなきゃならないというふうに、むしろ大手と中小との関係においては中小を保護して大手の責任を重加さしております。こういうことになりますれば、今度は下請負のほうもいままでのように破産することもなくなるし、また同時に地方庁においてもこれうのものを育成することができる、こういうような意味においで私はむしろ本法は大手よりも中小、零細を保護するというとこうに重点を置き、その観点に立って、今後中小を育成する、合理化する、こういうふうに考えておる次第でございます。
#93
○二宮文造君 大臣の説明を聞いておりますと、どうも、これは私の受け取り方が悪いかもわかりませんですよ。私は業法改正の前にこういうことが建設行政としてなされなきやならなかったのじゃないかなという気持ちで話を進めているわけです。ところが、まあ大臣は当面法案を通す、成立させるということに力が入っていますから、この法案が通れば許可制になる、数が減る、それでまた下請との関係もはっきりしてくる、だからうまくいくと、こういう法案成立後のお話で進んでおりますけれども、私は法案以前の、改正以前の問題として論法を進めているわけです。その点ひとつちょっとこう食い違っているようですから、気にとめていただきたいと思うのです。
 そこで、いま確かにまあ大臣の答弁そのまま許可制になる、そうしてまたいま建設省が描いているようなスケジュールで業界が進んでいきますと、大臣の答弁のような青写真もあるいは出てくるかもわかりません。しかし、その前にたいへん心配なことがある。現実の問題として、またこの提案理由の説明の中に、建設技能労働者、この不足をあげていらっしゃる。またデータによりますと、二十四万人ほど労務者が不足している。こういうデータも出ているようでありますが、地方へ行って私よく聞くのですが、たとえば四国の場合、いま大がかりなダム工事が進められております。そうすると、大手がすごい賃金で集めるわけですね。そうすると、地元の建設業者は全然、その地方の仕事をやっても県の仕事をやっても採算が取れませんから、指をくわえたまま自分の子飼いの労務者が引っぱられてしまう、これはもうあきらめなきゃならない、こういうふうな状態になっております。まあこれは現実です。しかし、まあこのように建設労務者の不足、労働力不足、これに対して労働省なりあるいは建設省なりが今日確保のためにどういう手を打ってきただろうか。これはひとつ局長さんでもけっこうですし、また労働省のほうも御意見があればあわせて伺いたい。
#94
○政府委員(高橋弘篤君) 仰せのとおり、建設投資が増大してまいりまして、これを消化していくために一番問題は、建設労働者の、特に技能労働者の不足にあろうかと存じます。したがいまして、これについていろいろな対策を進めないと労務者の不足ということになりまして、せっかくの建設投資の増大を消化できないということになるわけでございます。また現在三百七十万ぐらいの労働者がいますけれども、過去の平均の伸びが大体三%くらいでございますので、昭和五十年は大体四百二十万人くらいになるわけでございます。実際五十年くらいの建設投資をながめますと、あと六彩くらいの労働生産力を向上させていかないと間に合わないということになるわけでございます。そういう観点からいたしましていろいろな施策を強力に進めていかざるを得ないわけでございます。まず労働力を確保するためには、どうしても建設業というものを、魅力ある建設業に労働者が集まってくるということでなければならないわけでございまして、賃金はすでに製造業の平均と大体同水準にあるわけでございますが、今後は雇用の安定だとかあるいは雇用関係が明確でないものもありますので、これを明確にするとか、また労働者の宿舎その他の福祉施設を十分に整備する対策を講ずる、退職金の共済制度の拡充をはかる、賃金不払いの防止をはかる、そういうことによりまして労働環境というものを十分によくいたしまして、そういうことから魅力ある建設産業というふうにしていくということがまず必要であろうかと思います。
 次に、技能労働者が特にこれは不足でございますので、そういう技能労働者の養成のために現在労働省でも職業訓練制度というのがございます。建設省におきましても産業開発青年隊というものがございまして、そういうものをもっと今後も充実させていく必要があろうかと思います。さらに今後の増大する建設工事というものを消化していくためには、どうしても建設工事の省力化ということをはかる必要があろうかと思います。このためには、工事の設計の合理化だとか、設計段階におきまして機械化とか、また工場生産化をはかるという、そういう設計の合理化とか実際の施工の段階におきますところの機械化とか、建築物につきましてはこれを工場生産化していく、そういう対策もまた強力に推進していく必要があろうかと存じます。ざらに公共工事というものを年間を通じましてある程度均等にこれを配分していく、そして労働力の需要の均衡を保つということも必要であろうかと思いまして、従来からそういう点について関係の各省と十分協議をしながら策を進めておるのでございますが、今後も強力にそういうような問題について進めてまいりまして、労働力の確保対策を講じたいというふうに考えておる次第でございます。
#95
○政府委員(中原晃君) いま建設省から御説明したとおりでございますが、特に先生の御指摘の中小企業につきましては、この点手厚い保護を講じなければならないわけでございまして、これは建設業に限らず一般的に中小企業につきましては労働力不足が著しいということで、特に建設業につきましては、中小企業につきまして特に不足が多いということでございますので、いま建設省から御説明ありましたような施策を講ずるにあたりましても、中小企業につきましては、たとえば融資の金利の問題で有利にするとか、あるいは貸し付けの補助の率を上げるとかというようなことによりまして、特に手厚い保護を講じているわけでございます。
#96
○二宮文造君 いま中小企業の場合のお話がありましたけれども、確かに中小企業の場合、全部が全部とは言いません、言いませんけれども、相対的に考えて雇用関係が不安定だとか、それからまた社会保障も十分ではない、また賃金も低い、それからまた労働時間は長いし、災害が多くて危険だと、こういうふうなことがいわれて、中小企業はそうでなくても不足しているのに、さらに労働者の何といいますか、必要な労働力を中小企業は吸収することはむずかしい。で、職業訓練とかあるいは技能検定、そういうものもいままでやってこられたわけですけれども、それ自体あまり魅力がない、また褒賞制度をやってみても、現代の若い人たちのドライな気持ちにはマッチしない、こういういろいろな悪条件が重なって今日きていると思うんです。この間、参考人の方の御意見を伺っておりますと、一般的な風潮として、もういわゆる新制中学卒、そして技術訓練を受ける、職業訓練を受けるというケースは非常に少なくなってきている。大半が高校進学だ、高校進学の率が非常に高くなってきたのは御承知のとおりです。そこで、その上級学校に進学したいという、そういう若い人たちの希望をそのまま生かして、それを技能訓練と結びつけるようないわば技能高等学校、こういうものをつくって、そして国費でいわゆる食糧だとか衣服だとか、そういうものも与え、そして技能に誇りを持たせると、こういう教育課程が必要になってきたんじゃないか、こういう御意見もございました。私伺っていて、なるほどなと、こういうことを強く感じたわけでございますが、大臣、この点についてはいかがでしょう。
#97
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりだと思います。このごろの青年は単に収入がいいというだけでは動きません。やっぱりかっこいいという仕事でないといかないということでございます。そうすると、建設業のごときはどろにまみれて、そうして非常にかっこ悪いという印象があるとなかなか出てこないと思うんです。そのためにも業界が合理化され、近代化され、いわゆる世間ていから見てもかっこいいというところまで将来は持っていかなきゃならぬと思うんです。いまのところはまだ農村からかなりの中高年齢層の人も出てきているし、またその人方も十分にやり得るあれがありますけれども、今後なかなかそうはいかない。そうしますというと、これは国もきることながら、業界自体で、この技能労務者並びにそうした建設労務者を安定的に確保する施策をとらなきゃならぬ、こう思います。そういうことになりますれば、私はある意味における、業界全体で社団法人などをつくってそうしたものを養成し、お互いにこれを励まし合い、かつ融通するというようなことまでも必要だ。もとより、国において技能労務者を確立するために教育機関あるいは労働省の職業訓練所あるいは建設省の建設学校あるいは大学というものを拡充して、これに対応するように努力したいと考えておる次第でございます。
#98
○二宮文造君 またそのほかに、業法改正の背景として資本の自由化の問題も言われておりますが、参考人の御意見を伺ってみますというと、業界では大手の業者あるいは中小業者――まあこの間の参考人の御意見がそのまま業界を代表するとは思いませんけれども、資本の自由化に対する取っ組み方が業界内部でも非常にまちまちだ、このように私は印象を受けました。これはまあ後日に譲りまして、最後に、しばしば言われます建設業界の体質改善の問題、これもやはり今度の改正の大きなよって来たる原因、大きな理由としてあげられておりますけれども、これは確かに体質改善はしなきゃならない、私もそう思います。たとえば中間搾取、こういうことばがいいかどうか私わかりませんが、ややそれが合法化されているような労働下請ですか、そういうものの存在や、それからまた、そんなことはないと、こう言われることはもう間違いないと思うんですげれども、どうもあの入札過程を見ると、談合というものが暗黙のうちに認められている。何か入札の機会が不均等じゃないか、不公平じゃないか、こういうようなことを思わせるような指名競争入札制度ですか、こういうことについても、−あるいはまた労務管理についても、先ほどお話のあった労務者の宿舎の問題にしましても非常に非衛生な宿舎もあるようです。そういうふうなことをひっくるめていわゆる体質改善ということが言われているわけでありますけれども、今度は下請についてある程度手を加えられる、こういうことは業法の改正で承知しておりますが、いわゆるこういう体質改善、これはこの業法に関係なく進められなきゃならぬと、こう思うわけでありますが、御答弁をお伺いしたい。
#99
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおりでございます。これは私が十三年前に建設大臣になったときには、これは現在と比べればまことに隔世の感があるほど談合がひどかったのです。そうしてその談合ができないと、実力行使と称して飯場を襲ったり、いろいろな事件がありました。もう最近ではそれがなくなった。そのときに私は特に厳重な1若干抵抗はありましたけれども――ランクをつくって、そうして大手が下のほうの何でもやるということはやめたほうがいい、それで大体どれくらいの仕事はもうA級には発注するな、受注させないというふうにランクづけをやったわけですが、その間においていわゆる談合らしいものをやった、全然ないとは言えない、あるいはあったかもしれませんけれども、少なくともある意味において大手、中手、それから零細と、ある程度まで安定受注ができたことは事実であります。これがもう完全な自由入札ということになりますと、これは全部零細がやられちゃいます、大手に全部食われちゃいます。だから、そこの点はなかなかこれはむずかしいことであって、あまりにも理論的に割り切って公平の原理をやると、実はそのために中小、零細がもう全面的に食われちゃうというようなこともありまして、その点を勘案して今度はかなり現実に即してやったつもりなんでございます。しかし、これは業法だけでやることはできません。御指摘のとおりこれは常に行政官庁が指導監督あるいは育成していくということを積み重ねていかなきゃならないと思います。この産業は他の産業と違いまして受注産業ですから、仕事をもらわなければどうにもならないのです。そのためにはどうしても受注者のほうに力がつくことになる、民間でもそのとおりなんです。ところが民間は特に官庁より以上に経済的なメリットをとうとんでいきますから、そうするとどうしても一番安全な大手ということになりやすいのです。それじゃそれを大手に仕事をさしちゃいかぬということを民間企業について押えるわけにはいかない。そうすればどうなるかというと、中小企業も安心して仕事ができるんだという体質を改善して、技術能力と経営能力を持たせるということになりますれば、今度できるだけ民間も中小企業を育成せいという指導はできるわけでございまして、そういう意味においてこの業法はいろいろと御批判はありまするけれども、私は一つの日本の建設業界の安定的発展に寄与すると、こう考えている次第でございます。
#100
○二宮文造君 まあ大臣の御答弁でランクの問題、これはけさほども指摘がありましたし、それからまた前々回ですか、松本委員からも指摘がございました。その内容はすでに政府のほうでも御存じだと思いますから、あえて触れませんが、その額が現状に即してないということは、私も非常に印象を深くいたしました。これはぜひ是正をお願いしたい。それでただあの指名競争入札制度というものが厳然とあるわけですが、そして談合はないでしょう、もうないと言います。ないでしょうが納得できない。といいますのは、ずっと入札経過を表にして見せてもらいますと、五社、六社が五回、六回にわたって入札をしても、落札業者は毎回最低値段ですよね。あとの残った四社、五社の人はある一回目の入札の場合には三番目にランクされておった、二回目には六番目にいっている、三回目には四番目にいっている、落札業者以外の入札した業者は絶えず順番が狂っているのに、落札業者だけは何回入札をやり直してみても常に最低値ということは、私どもしろうとがそれを見ますと、もう指名がきまって、どうも指名がきまった段階で入札する前に落札業者はもうA社にきまっているんじゃないか、それがもうどの工事を見ても全部そうなっているわけです。つい一年くらい前に私何件か、もう数十件それを比べてみたのですが、ほんとうに判で押したように落札業者が毎回最低値を入れている。こういう事実はまだおそらく改められてないと思うのです、最近私そういう入札経過の資料いただいておりませんが、まあそういうことがありますので、やっぱりこれはそういういまの業界のいわゆる過当競争あるいは出血受注、仕事がほしいから業者が無理をする、そしてそれが粗悪工事につながるということは、遺憾ながら、そういうことをさせないようにということでいまの制度が残っているとすれば、このいまのやり方、指名競争入札制度というものが私はもう問題になってくるのじゃないか。まあ共同請負方式というものが最近また加味されてきて、ややそういう過当競争というものをなくなそうというような配慮もあることも承知しておりますが、もうそろそろ公共工事なんかでこういう法令に準拠して画一的な指名競争入札制度というものは手を加える時期がきたのではないか。こう思うのですがね。官房長どうでしょう。私の説明が足りなかったら、理解したことで話してください。
#101
○政府委員(大津留温君) 入札をいたしました場合に十名なら十名、十社の指名業者が札を入れます。それが予定価格を十人とも上回っておれば、また次に二回目、三回目とこの予定価格を下回るまで何回もやります。先生のおっしゃるのは、その一回、二回、三回とやっている各段階で、本命といいますか、一番下のやつが毎回とも下でそれをとったと、こういうことをさして言っておられると思うのですね。実際やってみますと、そういうような現象が見られます。たいていの場合そういうことでございますが、おそらくその本命と見られる業者が、どうしてもその工事は場所からいいあるいは工事の性格からいってこの際ぜひとりたいというので、他の社に比べて非常に熱意があり研究もし、したがって、積算も勉強して低い札をずっと入れていくということだろうと私は思います。その間にどういう話し合いがあったのかどうか、われわれとしてはちょっと知る由もございませんけれども、そういう一般的な形でございますが、先生のおっしゃる最後の点はそういったやり方を何か改善する時期に来たのじゃないかというお話でございますが、従来ともいろいろこの入札のやり方につきましてはいろいろな改善意見が出ております。またいろいろなことも試みられましたけれども、結局やはり現在やっているような形が最も実際的じゃないかということで現状の形に落ちついておりますが、たとえばこの指名競争をやめて一般競争にしろという御主張もございます。またそういうことを試みたところもございましたけれども、どうもうまくいかない。ということでやはり十社程度の指名をいたしまして競争させるというのがいいのじゃないか。これがあまり少ないとまた弊害が出る、多過ぎてもぐあいが悪いということで十社程度ということでやっているわけでございます。
#102
○二宮文造君 非常にあり方の問題については常に問題になっておりまして、政府としてもいろいろ苦慮されていることはわかります。ですけれども、どう見ても公平に入札されている……、いわゆる競争ですからね。競争の原理が、あの入札経過の調書ですね、あれを見る限りにおいては、競争の原理が働いていないような気がする。そしてもしこれを野放しにしますと、おっしゃるとおりたいへんなことになる、これはもうわかります。これはもう業界としたら仕事がなければたいへんなんですから、無理してでもとる。それがまた全体の風潮に影響してくるということはわかりますけれども、ああいうやり方はもう何か改善しなければならないのじゃないか、こう私は別心いしますが、これは深く申しません。議論されている問題ですし、御検討願いたい。
 次に、改正案の具体的な内容についてお伺いしたいわけですが、今回、画期的な方法として登録制から許可制に切りかえる、これはさっきも大臣が非常に気にしながらおっしゃった、営業の自由というものを侵さない程度にという配慮を非常に使っていらっしゃるようですが、外国の例で許可制をしいているのはどこですか。
#103
○政府委員(高橋弘篤君) 欧米におきますところの建設業で許可制をどの程度、どこの国で採用しているかということは、必ずしも十分な調査資料があるわけでございませんけれども、私ども調べまして聞いているところによりますと、アメリカにおきましては約半分の州が建設業の許可制度を採用しているということと、西ドイツでも建設業の大部分を占めますところの建設手工業というのがございまして、これにつきましては免許制度を採用しているというふうに聞いている次第でございます。
#104
○二宮文造君 アメリカあるいは西ドイツの若干の例、これをいま引用されたわけですげれども、アメリカといえば、それは形だけだと言われる場合もありますけれども、まあ大体民主主義的ないわゆる公平の原則とか人権を非常に高く買っていく――まあ逆の例もありますけれども、そういう国だと言われておりますが、アメリカで約半数の州が許可制をしいている。これには深い配慮を持って、単純に許可制ということに移行したんじゃなくて、そこには非常に深い配慮もあったように私聞いているんですが、アメリカの許可制度というのは、どういう手続で実施されているか、この点をお伺いしたい。
#105
○政府委員(高橋弘篤君) 私どもの手元にございます資料によりまして御説明申し上げますと、アメリカの許可制度は、州内の業者の利益のために、他州から進出してきますところの業者をできるだけ抑制するという意向を持っていると聞いているわけでございます。したがいまして、専門業者とか州内の業者の保護育成というものをねらいとしているというふうに聞いているわけでございます。この手続につきましては、州によってアメリカは必ずしも一様でなく、いろいろ州によって違うようでございますが、よくアメリカの典型的な建設業の許可制度の例としてカリフォルニア州の許可制度のことが言われますので、これについて簡単にその仕組みを申し上げたいと思います。このカリフォルニア州の許可制度は、建設業におきますところのただいま申し上げました専門性というものを確保して、不適格業者を排除するということによって、広く国民の利益、公共の福祉を守るというためにカルフォルニア州では設けられて、この業種は、総合土木業、総合建築業それから管工事業や電気事業だとかその他の大体三十三の専門業に区分されて行なわれていると、こういうふうに聞いているわけでございますが、その許可の手続につきましては、まず建設業を営もうとする者は、建設業許可委員会というものの許可を受けなければならないことになっております。その手続は、まず許可申請者が、許可庁に、申請の業種につきまして一定の経験があるということを証明しまして、そうしてさらに、許可庁の実施します筆記試験に合格をすることによりまして必要な知識があることを示さなければならないことになっております。それから試験に合格した場合におきましては、申請者の名前が二十日間公に掲示されまして、この掲示期間が過ぎて、なお調査するとか追加の試験をするというようなことが必要なければ、これは許可手数料を払って許可が与えられるというふうに、私ども資料によって承知している次第でございます。
#106
○二宮文造君 そこで、わが国の場合には、都道府県知事あるいは建設大臣、これで許可というものが行なわれるわけでして、いま局長から説明をしていただいたような許可すべき業者を公表して、公開をして世間の批判を仰ぐというようなシステム、あるいは何といいますか委員会なんかを設けて、そしてライセンス委員会ですか、委員会を設けてそこで審議をするというふうな配慮は、今回の改正には組まれてないと私は思うんですが、この点は、許可をする仕組みは同じですけれども、そういう一般の認識を高めるとかあるいは不公平に許可が受けられないとかというふうな、いわば歯どめみたいなものが今度のわが国の場合の改正案には盛られてないんじゃないかなあと思うんですが、この点はどうでしょうか。
#107
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねのとおりに、アメリカのただいま御説明申し上げました手続、許可制度とは違っているわけでございます。アメリカにおきましても、先ほど申し上げましたように、州によってそれぞれ違っておりまして、必ずしも委員会があるとか、公表をする、公開をするところばかりではないようでございますけれども、やはりこういう行政組織その他につきまして、やり方につきましては、過去のいろいろな経験からして、また歴史的な沿革からいろいろそういう現在の組織ができ上がっているものと考えるわけでございます。今回の建設業法におきましていわゆるアメリカのカリフォルニア州におけるような申請者の名前の公示というものはございません。また委員会というものも考えておらないことは仰せのとおりでございますけれども、この申請者の公開につきましては、現在いろいろ考えております制度といたしまして、実際にはその業者のいろいろな情報につきまして発注者同士が相互に通報制度を設ける、そういうことによりまして不良業者というものをよくお互いに把握しておくというふうなこととか、また一般からの苦情の申し立てというものがいろいろございますし、そういうことを十分に活用して許可制度の充実をはかりたいわけでございます。また、委員会の許可ということはないわけでございますが、今回の許可制度につきましては、要件がいろいろございますけれども、その要件につきましては、具体的に基準を設けまして、その基準に従って許可をいたしまして、当該の行政庁がその悪意によったり何かによってそれを左右するというようなことのないように、十分その明確な基準を設けて許可をするというふうに指導してまいりたいというふうに考えているわけでございます。
#108
○二宮文造君 どうもその許可制移行がやはり業界の秩序というもの、あるいは業界の実情の中から数を減らすということに力点が置かれているような気がしてならないわけです。それはそれとして、世間にもそういうふうな心配を持っている方が非常に多い。この点はひとつ十分に御認識をいただきたい。
 さて、許可制に移行して、その許可事務をやっていくのに現在の建設省のスタッフで間に合うかどうか、あるいは都道府県の現在のそういうスタッフで一気に許可制に切りかえていって、それは間に合いますか。要するにやっぱり、この間も私、参考人の方に御意見を伺ったんですが、現在営業なさっている方、それはそのまま横すべりに許可されていくんじゃないかな、そしてそのはずれるのが零細ないしは一人親方、もうあきらめて許可の申請を出さないという人たちだけがはずれて、悪質業者というものはやっぱりそのまま横すべりするんじゃないか、こういう心配を持つわけですが、スタッフの点についてはどうでしょう。
#109
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの建設業行政にかかわりますところの執行体制の問題でございます。現在本省におきましては建設業課がございまして、課長以下約二十名でございます。各県におきましては、この建設業行政担当の職員は総計で約三百人ばかりでございます。大きい東京都あたりが二十数名ということで、小さい県になりますともっと少ないのでございます。今回の改正によりまして、登録制度を業種別の許可制度に切りかえまして、この関係で事務量が確かに増加することは事実でございますけれども、先ほども申し上げましたように、許可の基準につきましては、具体的にいろんな事務処理基準というものを示しまして、そうして許可手続の合理化、迅速化というものをはかってまいりますので、非常にたくさん、この今回の改正によって増加するとは考えておらない次第でございます。もちろん十分に執行体制が、これだけの人員が余りあるということじゃございませんが、なお今後も十分その実情を、実態を調査いたしまして、都道府県につきましては自治省の地方財政計画の中に織り込んでもらう、その執行体制の強化をはかってもらう、その他についても十分配慮するように心がけたい、というふうに考えておる次第でございます。
#110
○二宮文造君 わかりました。
 それで衆議院の附帯決議の適用の除外のあれですね、「許可の適用が除外される政令」、これはもうあるいは「建築一式工事にあっては三百万円に満たない工事」云々と、こう述べられておりますが、この衆議院の附帯決議は、政令の中で明確にこのまま適用されると、議論はいろいろありましたですが、この附帯決議はそのまま政令の中に生かされると、こう理解してよろしゅうございますか。
#111
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの御質問につきましては、仰せのとおりに衆議院の附帯決議を尊重しましてきめたい、というふうに考えております。
#112
○二宮文造君 それで問題は、やっぱり一人親方の問題なんです。先日の意見の中にも業種を、専門職種をずっと小さく分けますね。そうしますと、どうしても兼業とか何とかいう問題が出てくると、ああいうふうに専門職種を区切っていくと、やっぱり一人親方の場合はそれにはずれてしまうというふうな心配があるから私ども反対だと、こういう意見を述べている方がいらっしゃった。私も最初に申し上げましたように、また大臣もお話があったように、小さいものから大きなもの、これをひとくるめにしてこの業法の中にくくってしまおうというところに無理があるんじゃないか。したがって、この許可制の網からはずれるもの、そういうものを予定したものは業法からはずして、たとえば小工事業法とか何とかいうふうな立法というものを考えて、そしてそういう人たちにも職業の機会を与える、安心して職業に従事できる、こういう道を私は開くべきじゃないか。あまりにも階層がかけ離れているものを、一本にしてくくっていこうとするところに問題があるんじゃないか、こう思うんですが、これは大きな問題でありますので、ひとつ大臣の御意見を伺ってみたいんですが。
#113
○国務大臣(根本龍太郎君) これはいわゆる一括業にするというところにそういう問題が出てくると思うのです。ただ職人として雇われているということなら何でもありませんけれども、少なくともいい請負を請け負うとか、あるいは工事を一括してやるというところに問題があるから、その意味においては、規模の大小を問わず、やはり建設業者として、一つの体系でこれは業法としてやるべきだ。ただし、それまでいくにはいろいろなあれがあるから経過措置も講じておるし、いろいろの条件つけて、そうした人の従来やっておった経験なり、あるいは善意の人がこの業法なるがゆえに不当な圧迫を受けることのないようにするというところでいいのではないかと考えております。
#114
○二宮文造君 そうすると、いまのところそういう小工事の零細ないしは一人親方のための特別な立法ということは考えない……。
#115
○国務大臣(根本龍太郎君) そういうことはいま考えておりません。
#116
○二宮文造君 それで今度改正案の二十六条によりますと、現場ごとに主任技術者または管理技術者を置くことが義務づけられております。御承知のとおりです。もし主任技術者等を置かないと、改正案の四十七条の規定で「二万円以下の罰金」と、こういうふうに規定をされておりますが、建築一式を請け負うためには建築工事業の許可をとっても、技術者が一人しかいない、こういうときには現場は一カ所しか持てない、こういう状態になって、事実上営業範囲が縮小されてしまう、こういう心配が出てまいりますが、これの緩和策というものは考える必要はないんですか。
#117
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの第二十六条の主任技術者と管理技術者につきましては、これは現行法にもございますけれども、公共性のある工作物に関する重要な工事につきましては専任の技術者を置かなければならないということになっておるわけでございますが、それ以外の通常の工事につきましては、職務を執行することができる範囲内でございましたら、二つ以上の現場を兼ねても差しつかえないということになっているわけでございます。したがいまして、技術者が一人であれば現場は一カ所だけだということじゃございません。数カ所も持てることになっておりまして、お尋ねの専任の点は、公共性のある工作物に関する重要な工事だけが専任を置けということになっておる次第でございます。
#118
○二宮文造君 それから次に、建設省が四十四年の一月に作成をざれたと聞いております中小企業近代化基本計画、これによりますと、資本の額または出資の総額の目標を三百万円以上、こういうふうな構想を持っていらっしゃるようでありますが、したがって、その文だけを読んでみますと、じゃそれ以下の小規模工事を主として施工する業者は切り捨てるのかと、こういうふうな考え方が、この基本計画の文章だけ読んだときには、そういうふうな建設省の方向として読めるわけでありますけれども、その点が一点。それから三百万円以上という数字を導き出したデータといいますか、これはいつのものなのか。調査の時点と現状とでは条件が変わっていると思うんですが、この点について局長から答弁をいただきたい。
#119
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの土木工事の中小企業近代化計画は、昭和四十四年に策定されたものでございまして、仰せのとおりその資本の額または出資の総額の目標は三百万円以上ということになっておりまして、その目標を企業の目標といたしまして、努力目標としてきめたものでございますが、これも近代化計画の中にもございますように、災害復旧工事だとか局部改良工事業というようなもので、その工事の性格上小規模なものを主として施工する企業につきましては、これはいろいろ工事の規模の変化がそれほど大きくない。したがって、そういうものはこの企業の規模の策定の前提条件になじまないから、そういうものは別としてという断わりがございまして、それ以外の点の企業につきましてはおおむね三百万という企業の努力目標をきめまして、そういう努力目標をきめて、いろいろな金融上の、また税制上の恩典というものを付与したものでございまして、決してそれ以下の小規模工事を切り捨てようとか、そういうふうな、先生おっしゃるようなことは決してございません。そういうものもあわせて今後とも育成をはかり、また保護していくというよりは、前々から議論ございますように、強力に進めていく必要があろうかとも存じます。
 次に第二点のお尋ねでございますけれども、この三百万という数字の基礎データは、これは当時、四十年次に策定いたしまして、その時期の資料でございます。そのころの建設省の所管事業をいろいろ調査をいたしたのでございまして、その調査によりまして一建設省所管事業の適正発注工事規模というのはどの程度かということを推定いたしたのでございまして、つまり工事の発注規模とその工期だとか、単位工費当たりの労働力というものがどういう程度になるか。そうしてそれがどの程度であれば経済的であり、また効率的なものになろうかということをいろいろ推定いたしますと、大体そういう適正発注工事規模というのは二千万円ということで推定されたのでございました。したがってその適正規模の工事を適正に、無理なく施工できる企業の規模というのは今度はどのくらいかということをやはり実態調査の結果求めますと、いろいろ数字がございまして、その中で二千万に該当するものが、資本金二百万以上五百万未満の企業が大体適正施工能力を無理なく施工することができる能力、適正施工能力というものを有するということがわかりましたので、その対象の企業の平均の資本金でございます三百万というものを適正企業の最低の目標ということできめたのでございます。これにつきまして、現在の状況はどうかということでございますけれども、これは策定した当時のデータでございますが、確かにその後いろいろ物価指数その他変わっている次第でございますが、先ほど申し上げましたように、この適正発注工事規模に見合う適正施工能力を有する企業というものをとるときに、二百万から五百万の階層できめて、その大体のまん中の三百万というものをとったのでございまして、多少のアローアンスはございますので、ということと同時に、大体これは五カ年計画でございまして、四十五年の目標でございますから、大体ことしで終了することになりますので、一応そういうことで、これをさらに規模を上げるとか改定するということは、現在考えてない次第でございます。
#120
○二宮文造君 次に、請負契約関係についてお伺いをしたいわけですが、十九条の第六号、天災その他不可抗力による工期の変更、または損害の負担及びその額の算定方法に関する定めを請負契約の中に明記しろと、こういう改正になりますが、これは一体商慣習は私はわかりません。商慣習もまだよく存じておりませんが、商慣習の場合、あるいはまた改正するにあたって、政府としては、この負担者は、一体だれが負担をするのか、あるいはその計算方法というのは一体どういうことを予想して、この契約書の中にはっきりと明記しろと、こういうふうに規定をされるのか、この点についてお伺いしたい。
#121
○政府委員(高橋弘篤君) 第十九条は、建設工事の請負契約の内容につきまして、ここにいろいろ列挙いたしております事項を書面に必ず記載し、そうしてお互いに署名捺印をして相互に交付するということでございまして、従来書いてございませんでした点も、いろいろここに書いてあるわけでございまして、お尋ねの天災その他の不可抗力による点につきましても、従来は損害の負担に関する定めということだったわけでございますけれども、これを工期の変更だとか損害の負担というようなこともお互いにそれは協議して、それできめなさいということを規定いたしておるわけでございます。どういうふうにこれを負担して、計算方法はどうかということにつきましては、御承知の中央建設業審議会が勧告をいたしております。建設工事の標準請負約款という中にこれは入っておるわけでございますが、原則といたしましては、これはそういう損害につきましては、これは発注者が負担するということになっております。もちろん請負業者が善良な管理者の注意義務を怠ったときには、これはもちろん別でございますけれども、それ以外め部分は、原則として発注者がこれを負担するということになっております。ただしこの約款によりますと、その損害額は請負外金額の百分の――マルに相当する額に達していないときは、これは発注者がこれを負担しないということでございまして、この百分のマルは、勧告ではマルになっておりますが、建設省の場合をたとえて申し上げますと百分の四ということになっているわけでございます。この計算方法その他につきましては、なおいろいろ問題が非常にあります。また御指摘のような不明確な点がございます。したがいましていろいろ問題点を、審議会におきましても審議を行なうということになっておりますので、御質問の趣旨を十分ひとつ体しまして、審議会におきまして慎重に検討して、そうして合理的なものにきめたい、というふうに考えておる次第であります。
#122
○二宮文造君 やはり同僚の委員の皆さんのいままでの発言あるいは参考人の発言なんかを聞いてみても、請負契約の片務性というものを非常に強く是正をすべきじゃないかという意見が圧倒的ですね。どうしてもやっぱり仕事をとる側、仕事をさしてもらう側は発言力が弱い。したがってこういう肝心な項目については、標準約款みたいなものをやっぱり行政指導の一環としておつくりになって、そしてまたその上で個々の場合にはそれを、どれぐらいの上限下限では譲り合ってもよろしいというふうなある程度のきめのこまかいそういうものを指導されませんと、かえって業界にこういう事件が起きたときに混乱が起こるんじゃないか。特に価格の問題、価格の計算の問題なんか、これは非常に技術的なものを要すると思いますが、特段の配慮をお願いしたいと思うんです。同じようなことが七号にも言えるわけでございますが、趣旨がよく似ておりますので、七号の件については省略をいたします。
 それからよく私が聞くのは官庁、お役所の発注された工事は、非常に積算価格というんですか、予定価格が低い。それでもう大体民間の建物とそれから役所の建物は、あそこにどこの建物があるということがわからなくても、大体建物を見れば、これは役所だな、これは民間だなというのがわかる、そういうふうにも言われるぐらいですね。何といいますか、外装といいますか、それからまた設計ですね、外観といいますかね、そういうものが一目瞭然、官庁営繕と民間のものとは区別されている。もちろんこれは予算の関係もあって、節約すべきところはうんと節約してるんでしょうけれども、節約はけっこうです。ですが、極端に低い価格で工事を無理じいする、無理じいというのはおかしいが、工事を請け負わせる、こういうことが、国とかあるいは間々県とか町の場合にもあると、こういうふうに私ども聞いているのですが、公共のこういう工事に対して積算単価の是正というのは、いつの場合にも非常に強く要望されているのですが、この点についてはどうでしょうか。こうやって請負契約を両方で明確にしろと、ここまで配慮した段階で現在のいわゆる積算――いわゆる役所のですよ、積算価格というものは少し低過ぎるのではないか、業者に犠牲をしいているのではないかというふうなことを感ずるのですが、これの適正化というのが私は必要だろうと思うのですが、この点についてはどうでしょうか。
#123
○政府委員(大津留温君) 御指摘のような御意見を業界からも伺っております。再々聞くわけでございますが、発注官庁といたしましては、やはり貴重な国費をもって行ないます工事でございますから、やはり必要最小限度のものである必要があるという要請がございます。しかし、安ければ安いだけいいというものでないことはもちろんでございまして、やはり適正な価格であるべきだというふうに考えます。したがいまして、積算のもとになります労賃、それから資材費並びに歩掛かりというものにつきましては、毎年毎年新しいデータを集めまして、これを適正なものを求めて検討会を開いて改定をしておるような状況でございます。労務費につきましては、その年の九月、十月、十一月ごろの実態調査に基づきまして出た標準労賃というものをもとにして翌年度の発注単価をきめるわけですが、その間に半年なり何ヵ月のズレがありますから、その修正もいたして適正をはかっております。また、材料の価格につきましても、いろいろな権威のある統計資料をもとにいたしております。また、これの歩掛かりにつきましても同様でございます。そういうことで無理にならないような適正価格を絶えず求める努力をしておるわけでございますが、しかし、国のいろいろな機関が発注します、また府県市町村その他公団等の機関がございますが、その全部が全部適正な価格によっているかどうかということになりますと、やはり予算の関係その他で相当低いということを承知しながらやっておるというケースがないわけではないと思いますので、そういう点につきましては、最も代表的な発注官庁である建設省としましては、府県なり市町村あるいは他の官庁に対しましても適正な積算ということをまあ勧奨指導しているような次第でございます。
#124
○二宮文造君 まあ努力はされていることはわかるのですが、それでもなおかつ口を開けばこういうことが質問として出てくるということは、やはりまあ関係者の切実な問題ですから、こういう問題はいつも繰り返されるのだろうと思います。御検討願いたい。
 それから先ほども入札制度のことについて若干触れたのですが、まあ業者の格づけをする、ランクづけをする。これはある程度工事経歴とか資本力とか、そういうものである程度の基準があってやや明確に――それでもまあ相当異論を持っていらっしゃる方もいらっしゃるようですが、やや格づけはある程度の基準で行なわれている。ところが、一つの工事について指名に入る、いわゆる指名競争入札が、大体の場合その制度で行なわれているようですが、その指名に入るのに何か統一的な基準というのはあるのでしょうか。これはもう業者にとってみれば指名に入らなければ入札の機会はないわけですね。ところが、その指名にどうも統一的な基準また外部から見て、発注者の側ではなくて、その受注者あるいは一般の人から見て指名に入るのに、指名をするのに統一的な基準がないのじゃないか、こういう感じがするわけですけれども、この点についてはどうですか。
#125
○政府委員(大津留温君) これは発注官庁によっていろいろ基準を設けておりますので、必ずしもやり方が統一しているとは言えないと思いますが、建設省が直接みずから発注する場合におきましては、先ほどお話しのようにランクづけをして、そのランクに応じた工事につきましては、登録業者にできるだけ公平平等に機会を与えるという考えで選んでいるわけでございますが、しかし一面、これはいわゆる悪平等になるのもこれは決して望ましいことでございません。むしろ、大臣からは、その工事のメリット、実績を十分考慮して、いい成績のものは何回も指名がいくように、成績が悪いものには指名が当分いかないようにという指示をいただいているほどでございますが、やはり工事の性質によりまして業者にそれぞれえてふえてもございますし、また、その地域的な特性もございますから、必ずしもB業者ならB業者が必ず何回に一回回ってくるというものでもございませんけれども、できるだけ機会の均等、平等ということは念頭に置いて指名をしていく、こういうやり方でございます。
#126
○二宮文造君 それはわかります。機会の均等、平等というのはことばとしてはわかるのです。ことばとしてはわかるのですけれども、その機会の均等、平等と判断するのは発注者の側でしょう。そこに発注者の側も受注者の側も、また第三者にも、見てなるほどこの指名というものはこうあるべきだ、今回のこの工事についての指名、これはもう当然だ、こういうふうな何か明文の基準というものはつくれないものか。そこにやはり業界の体質改善とか何か言ってみても  ことばはわかりますよ。公平とか、それから機会の均等とか、ことばはわかるのですけれども、実際にそれを絵にかくときに筆の運びというものがはっきりし、それがだれが見てもなるほどなというものがあってもしかるべきじゃないか。また、いまは建設省の場合のことをおっしゃいましたけれども発注官庁、なるほど建設省もありほかのところもあり、あるいは水資源公団もある。あるけれども、それらにおいても、そしてまあ仕事によって多少の違いはありましょう。ですけれども、考え方として基本線を貫くものは各省によってばらばらになることはない。だから、この際やはりそういう何か疑惑を生まない、あるいはまたそれが業界の体質改善につながると思うのですが、そういうものを考慮される必要があると思うのですが、どうでしょうか。
#127
○政府委員(大津留温君) 私どもも御指摘のような点を最も配慮して、できるだけ公正に指名したいということでございますが、御意見のようななかなか客観的にその指名の基準というものが、こう書きものにしてうまく書けるというものでもないように思います。具体的な実際上のやり方としましては、各発注主体ごとにその指名審査委員会というのを設けまして、担当の部長だけでなく他の部長もみんな、あるいは関係課長も寄りまして、こういう工事についてはこういう観点からこれらのものを選びたいということでみんなで協議してやっている。また大きな大規模な工事につきましてはそれが本省まで上がってきて、本省の各局長が集まってそれを検討しておる、できるだけ多くの人の判断によって、それが片寄らないように、特別な因縁がまじらないようにということで公平を期しておるわけでございます。
#128
○二宮文造君 いやもうそういうシステムについては十分わかっているわけです。ですが、具体的にけさほどの佐田委員の質問のように、かつては営々辛苦として一つの実績を取ったと、しかしその指名にも入れないというように私、聞いたんですがね。そうすると、その業者にとってみれば、何でおれは指名に入れないんだと、自分でどう計算してもランクはここについているし、指名に入れないわけないのになと、それでもなおかつ入らない、納得がいかない、こういうまた泣き寝入りをしている部面が非常に多い。そうすると、やっぱり強食弱肉といいますか、あるいはそこに不正な手段で指名に入ろうというふうなことをかもし出すわけですよね、一方では。ところが、まあむずかしいことはわかります、むずかしいことはわかりますけれども、しかし、可能な方向に絶えず検討していただいて、そして、統一的な見解、基準というもの、だれもが納得できるような線に近づけていこうという努力――内部で一生懸命やっていることはよくわかります。しかし、外から見ればわからない。これはやっぱり、ここまで業界の体質改善とかあるいは何といいますか、業界を育成していこうと、こういうような配慮のもとに業法が改正されるとすれば、やはり発注者の側もその姿勢にマッチして業界が積極的にそれに乗ってくるような受け入れ態勢努力というものは必要だろう、こう私は思うんです。この点についてはもう同じような答弁が返ってきますから答弁は要りませんけれども、こういうことを指摘をしておきたい。ぜひこれは御検討願いたい。
#129
○国務大臣(根本龍太郎君) 客観的にやっているはずですけれどもね、おそらく業界では大体わかっていると思います。私のところにくるものもありますけれども、それは非常に機械的なんです。Aクラスのどれぐらいの工事は何十社なら何十社、そうすると地建でもここにおられる公団でも、これは何回やりました、これは何回やったと一年を通ずるというと、ほとんどおんなじような回数を示しております、私の見るところでは。だからそこは私はむしろ逆に、これはあまり機械的でおかしいじゃないか。あるものは労務管理という問題が指摘された、それが問題に出てくる、あるいはまた工事に、工期がおくれた、あるいはまた故障が起こった、こういうものをただ機械的にやるんじゃいけないんじゃないか。やはりこれは競争の原理を一般的には公平に、機会均等を与えるけれども、その中にむしろメリットシステムを考えたらどうか。ある場合にはBクラスからこれこれの実績があるからAクラスに上げると、二階級進級ぐらい考えてみろというぐらいに実は私が申しておるぐらいでございますが、ずっと零細のことではよくわかりませんけれども、少なくとも私の目に触れるぐらいの工事では、私から言わせればむしろあまりにも機械的じゃないかと思われるくらいですね。これはいつ、いままでに何回指名した、だから今度はこっちからだと、いろいろくふうしているようでありまするが、こういうことが必要とありますれば、私は業界新聞等を通じてどのくらいのランクは何回指名した、入札の指名のあれは公表していいだろうと、私はそのほうがいいと思います。ただし、落札を機会均等にやるということは、これはまた逆に非常に不公平ということになりますから、競争の原理はやらせますけれども、入札の公平にいったという一つの例証、立証するために一年間の何と申しますか指名した回数を、これ業界新聞に発表したらいいんじゃないか、そういうふうに指導いたさせようと思います。
#130
○二宮文造君 大臣から非常に明快な、いつも大臣から明快な答弁がいただけるので非常に私うれしく思うのですが、大臣の目にとまる工事というのはAクラスないし特Aクラスです。けさ佐田委員からの具体的なお話があったのは、やっぱりそれ以下ですよね。ですから目の届かないところでは若干そういうようなこともあるかもしれない、これはあえてインタロゲーションマークをつけておきます。いま大臣がおっしゃったような指名の回数、これは公表していただくと、こうなりますと非常に業界の側にとっては、まあアウトサイダー的といいますか、弱小な絶えずぶつぶつ言っている連中にはいい刺激になる、こう思いますので、ぜひこれは御実行願いたい。
 それから次に中小企業、特にまあ東京なんかでは土地の高度利用ということで、やっぱり一つの工事自体がだんだん大型化してくる、そうするとそのたびに中小企業の出合いが少なくなってくる。これはこの間松本委員からも御指摘がありましたけれども、いわゆるジョイントベンチャー――中小企業の共同企業体、これはまあ目についた文書においては、政府のほうでも非常にこれを期待されているようですけれども、まだ実効のほうはあがってないような印象を、私はこの間松本委員の質問を伺ってて聞いたわけですけれども、こういうジョイントベンチャー、特に中小企業の共同企業体というものについては、どういうふうな指名の選定というものをお考えになるのか、この点を伺っておきます。
#131
○政府委員(大津留温君) 共同企業体も単独の企業も入札におきましては対等でございますが、この共同企業体はそれじゃどれだけの――資格認定をする場合に数社共同してやるわけでございますから、完成工事高とかあるいは経営規模、こういうものは数社を合算したものを等級を、ランクを評価する場合には使います。また営業年数というようなものはこれは平均値をとっておるようでありまして、そういうことで、共同企業の場合が個々の企業の場合であるよりもそういう点では実際上有利に作用する面がございます。そこで建設局におきましても、ジョイントベンチャーを具体的に使いました件数が四十四年度におきましては三十七件、四十五年度の前半におきまして三十六件ございます。中小企業の育成策の一つの方法としてこのジョイント方式を奨励しておるわけでございますが、しかし、なかなかこれがいわれるほど実際に伸びないというのは、一つには共同企業体というものが、御承知のように数社寄りまして、それぞれの施工能力なり技術者なりというものを総合的に能力を発揮する点が、特色があるわけでございますが、ともすれば一つの工事を三つなら三つに分けてそれぞれの会社が三分の一ずつ工事を施工しているというようなケースが実際にはあるのでございます。そうなりますと、これはもう共同企業体ということのメリットが何らそこに発揮されない。ただ工事を受注する機会をそういうことでつかむのだということにすぎないわけでございます。そういう実例がまま見られますので、ただ共同企業体だからといって優遇するわけにもいかない。その実態がどうかというようなこともございますので、まだ十分業界にジョイントベンチャーというやり方が根をおろしているというところまでいかないのじゃないか、という点がございます。したがいまして、今後こういう点をまあお互いに改善をはかりながらその特色を生かしてまいるようにしたい、こういうふうに考えております。
#132
○二宮文造君 そこで先ほどのいわゆる積算価格の問題ですけれども、会計検査院の方いらっしゃいますか。会計検査院の検査ですね、それから大蔵省の予算、執行、検査、こういうところで工事の出来高の不正とかあるいは不当というものはしばしば指摘をされております。しかし先ほどるる私も述べたし、そういう意見が非常に強いわけですけれども、発注者の積算の不当性、それからまたこれについても検査を行なって、不当に安い積算の是正というものにつとめるのがこれ大蔵省であり、また会計検査院の仕事ではないかと思うのですが、そういう事例はありましたか。あったかなかったか、もし将来においてそういうことは検査の対象として考慮されるのかどうか、この点をお伺いしたい。大蔵省の方いらっしゃいますか。
#133
○説明員(桜木拳一君) ただいま先生おっしゃられましたように、会計検査院の工事の指摘につきましては、施工不良とかそういう出来高に関するものが数多く見られるわけでございます。特に地方公共団体が施工しております公共事業については、そういう事例がきわめて多いという実情でございますけれども、会計検査院といたしましては、工事費の積算についても相当力を入れて検査しているところでございまして、工事費の積算に関する問題につきましても、検査報告に掲記されている事例がございますが、これらの問題の処理にあたりましても、まあ積算漏れがあるとかあるいは計上額が少ないのじゃないかというふうなものにつきましては、その間の事情を十分考慮して処理いたしておるわけでございます。ただいま先生おっしゃいましたように、先ほどからおっしゃっておられますように、工事費の積算にあたりましては、その工事を施工するために最も適正な費用を計上しなければいけないということは、当然のことでございまするので、私どもといたしましても、御趣旨の点を十分体しまして今後検査してまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。
#134
○説明員(乗富光義君) お答えいたします。工事の発注者の積算につきましては、工事のその工事を担当いたしておられる各省のいわば責任で指導監督をやっておられるわけでございますが、大蔵省といたしましては発注者の積算が適正であるかどうかということが、予算の積算単価が適正かどうかということに非常に大きく影響されるということにかんがみまして、補助金の単価等につきまして必ずしも実態に合ってない、そういったものにつきましては予算、執行、監査等によりまして、その結果を予算編成に取り入れるということでその改善をはかっておりまして、先生御指摘のような不当に安い単価というものがないようにっとめているところでございます。また公共事業関係の積算単価につきましては、労務単価それから主要な資材単価につきましては、毎年建設省その他の主務省とその基準額につきまして御協議をして決定しておりますし、さらに実際の実行にあたりましては、その基準額に対しまして、実情に応じまして一定の幅で運用ができるようにいたしております。特にいつも問題になります労務単価につきましては、四十六年度から積算の方法を変えまして、建設省、農林省それから運輸省、三省で実施されました公共事業の建設労働者の労務の実態調査をもとにしまして基準額をきめる、こういうことにいたしておりますので、実際の実行にあたりましても十分実情に沿った運営ができる、こういうぐあいに期待をいたしております。なお、先生御指摘のようなことがないように、主務省でいろいろな御指導をしていただくとともに、大蔵省といたしましても、補助金その他の予算積算単価を適正にするように予算、執行、監査等を通じまして改善をしてまいりたい、こういうぐあいに考えております。
#135
○二宮文造君 下請との関係についてでございますが、これはまあ各委員からその指摘がございましたので、一点だけ私、お伺いしたいのです。これは一昨年のこの業法改正の提案の前に開かれた業者あるいは建設省関係の座談会の中に書いているわけですが、こういう御意見が前の局長さんの川島さんから出ているのですがね。こういう質問なんですね、「下請でも一千万円の仕事をとって、それを二百万円で下請させることはあるんですよ。その場合は入らないのか、われわれはそういう小ざい下請をずいぶんしているんだ、それを保護してくれないのか、という意見は出ましたがね。」こういう質問に対して川島さんが、「これはやっぱり発注者から直接請負う者だけを縛っておるわけです。これは理想をいえば……。」こうなっておるのですが、理想をいえば全部支払うことにしたほうがいいのだけれども、いまの考えではこうだ、こう述べております。それに対して同じく質問者が「全部制限してくれるというんでしょう。」いま言った趣旨のことを言っております。そうすると川島さんが、「下請が孫請についてもそういう義務を負わせるということも考えられますけれども、何といっても現在の弱い体質でありますから、そういう小さい業者に孫請業者に対して重い責任を課すということは、この際少し酷じゃないかということで……。」と、「それが一番ひっかかる可能性があるわけですね。」と、こういう皆さんの意見が出ているわけですが、いまの場合ですね、この下請の考え方、これはやっぱり川島さんの御意見のとおりでしょうか。それともその後変わっていればお伺いしたい。
#136
○政府委員(高橋弘篤君) いま先生のおっしゃいました点につきまして、下請保護の規定につきましては、これは発注者からとか、特定建設業とかいうことはございませんで、注文者でございますから、これは下にいってもすべて下請する場合には下請保護の規定が働くわけでございます。それから特定建設業の点につきましては、特定建設業がこの次のこの発注しました下請に対するいろいろな責任ということに規定されているわけでございます。
#137
○二宮文造君 ちょっとその点なんですよ。前は長いですから、私どうしてこういう議論が展開されたかということには触れませんでしたけれども、当然御存じだと思って。で、前段を私省略したのですが、いまの局長さんの答弁で、最後の特定業者の下請という問題、これはちょっと答弁が明確に私通じなかったのですが……。じゃ、こういうような言い方なんです。川島さんがこの問題についてずっとるる述べまして、「また、特定建設業は下請に大きな仕事を出して仕事をするわけですから、施主に対しても下請業者に対しましても、相当大きな責任をもってもらわなきゃいかん。そのためには一般建設業と違って特別の財産的基礎を持ってもらわなきゃいかん。これは「財産的基礎がないことが明らかな者でないこと」というような消極的な要件じゃなくて、はっきりと特定建設業については「財産的基礎を有することが明うかな者であること」というふうにいたしまして、この点は一般建設業よりも加重な要件として厳重に審査をする、こういう仕組みになっているわけです。しと。これに対してですね、地崎さんのほうかう、「全建のある会員から、いまの五百万円、一千万円の下請条件では、それより低い下請を出す場合保護してくれないのか、という意見があったのですが、それはどうなんですか。」と。で、川島さんの発言として「下請保護については、たとえば原価を切って発注しちゃいかんとか、あるいは材料を押しつけちゃいかんとか、そういう一般的な保護規定ももちろん動くわけですけれども、特定建設業になれば特に重い義務を負う。たとえば下請が労務賃金を払わない場合には……。」と、こうなっている。そこで地崎さんは「そういう制限はいいんです。ただ、下請でも一千万円の仕事をとって、」ということでいまのことばがずっとつながってくるわけですが、この辺の私どもの理解はどうしたらいいか。
#138
○委員長(田中一君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#139
○委員長(田中一君) 速記を起こして。
#140
○説明員(檜垣五郎君) 非常に技術的な条文の解釈でございますので、私から御説明申し上げます。
 今回の下請保護の規定は二段階になっております。まず、一般的にすべての元請負人たる者は、これは一般建設業者であると特定建設業者とを問わず、不当にその地位を利用いたしまして不当に低い請負代金を下請に押しつけてはならない、あるいはさらに下請負人から工事が完成した旨の通知を受けたときは二十日以内に検査しなければならない、こういった規定は一般建設業者、特定建設業者双方とも守らなければならない下請保護の義務でございます。さらに、特定建設業者は、そういった義務に加えまして、下請から工事目的物の引き渡しの申し出があった場合には、その日から五十日以内に下請代金を支払わなければならない。また、それを支払わなかった場合には一定の遅滞利息を払わなければならない、こういうことになっておるわけでございます。先生御指摘のこのやりとりは、おそらくこの五十日以内に支払わなければならないという、この規定が元請たる特定建設業者と、直接の下請負であるのみならず、第一次下請と第二次下請との間においても適用があるのか、ないのかと、こういったことではなかろうかと思う次第でございます。この法律におきましては、この特定元請になった場合における特定建設業者と、第一次下請との間の関係だけということになっております。しかしながらこの点につきましては、これは第二十四条の三におきまして、この元請負人、この場合は第一次下請人と孫請人にとりましては元請負人ということになるわけでございます。そういう第一次下請人たる元請負人は、出来高払い、または竣工払いを受けたときには、その日から一月以内に、かつできる限り短い期間内に下請代金を支払わなければならない、こういうふうになっておるわけでございます。したがいまして、特定建設業者についてのみ働くこの規定が、特定建設業者と第一次下請との間に働きますと、あとは二十四条の三の第一項の規定が働きまして、自動的に一月以内に孫請にはさらに支払わなければならないという規定が働くわけでございます。さらに、そのほかにもいま末端のほうにまいりまして、たとえばこういった重層下請というケースはあまり考えたくないわけでありますけれども、ずっと下のほうの孫請がさらにまあ曾孫請に工事の代金を支払わない、そういう事態が起きまして、その曾孫請というふうなものが放置できないと認められるような状態になりました場合には、午前中にも御質問がございましたように、第四十一条の第三項によりまして、建設大臣または都道府県知事は、元請業者たる特定建設業者に立てかえ払いその他必要な措置を勧告することができる。そうしてまたこれは衆議院の修正でございますけれども、その修正によりまして、その不払いの原因といたしまして元請負業者たる特定建設業者が契約どおりに下請代金を支払わなかったというふうなことが原因となっておると、そういった事態が発生したことについて特定建設業者についても責められるべき責任があるというふうな場合には、監督処分を行なえることになっておるわけでございます。
#141
○二宮文造君 どうもたくさん説明を聞いてわからなくなるんですが、要するにもっとすぱっとわかるようにお話願いたいのですが、元請負人、下請負人、それから元請と、こういうふうなことばがありますけれども、どうなんでしょうか、元請負人、二次、三次になってまいりますと、元請負人、下請負人というのは順番にそういうランクごとに変わっていくのでしょうか。それとも受注業者、特定業者というものが系列的にずっと最後までめんどう見なきゃならない、まあ請負人にすれば、いわゆる特定業者ですね、大臣の許可を受けた特定業者がずっと末端まで見てもらえば一番安心ですが、元請、下請、さらにここで元請、下請と、こういうような段階になってきますと、非常に最末端の請負人のところで事故が起きる心配があるわけです。現にそういうことがあって、賃金の不払いということで結局労務者が泣かされている。法的な手続はあるとしても、現実としてそういう事故が出ているというのを、その辺を明快にするのが今度の業法の大きな一つの意義でもあったと、こう私は思うんですが、いまの説明を聞いておりますとこの場合は、この場合はという説明を聞いているうちに、何か条件によって違っていくというふうに印象づけられたのですが一まあ不勉強で申しわけないのですが、この点明快にし、ろうとわかりがするように御説明願いたい。
#142
○説明員(檜垣五郎君) 元請がございまして下請がある。その下請がさらに下請させますと、これが元請となります。この各段階におきましても下請保護規定が働くようなシステムになっております。さらにまた先ほど申しましたように末端のほうの下請に対して下請代金の支払い不払いというふうな事態が起きまして、そしてそれが放置できないというふうな状態の場合には、この一番最初の特定建設業者に対して立てかえ払いその他を、建設大臣または都道府県知事が勧告することができる、まあそういうふうなシステムになっているわけでございします。
#143
○二宮文造君 よくわかりました。明快にわかりました。そうしますと、やはり四十四年のこの段階からまたよほど肉がついたと、こう理解してよろしいわけですね。
  じゃ、約束の時間がまいりましたので――まだ若干、労務者の問題それからまたこまかい問題でだいぶはしょりながら言ったのですが、まだ多少残りました。そこでまた機会があれば委員長にお許しいただきたいとも思いますし、当初問題にしてきましたのは、やっぱりこの業法の改正が一人親方とかあるいは小規模の業者、零細な業者に何かしわ寄せが出てくるのじゃないか。数を減らすということがいきなりそれに結びつくのじゃないかという心配があります。これはやはりお話を伺っても、この点がまだ払拭しきれません。そこでどうかそういう危惧を抱いている面に対して、今後の施策として十分に御考慮を願うということを希望意見としましてきょうのところ質疑を終わりたいと思います。
#144
○高山恒雄君 午前中、午後の審議で詳しい御質問がありましたので、ダブらないような形で質問したいと思うんですけれども、私も建設のほうはしろうとでありますので、ひとつ詳細にお聞きしたいと、こういうふうに考えるわけです。
 この第一条の目的ですが、この「資質の向上」をはかりたいと、こういうふうに言っておられるのですが、資質の向上をはかるその目的の主眼点は、一人親方のいわゆる零細業者の資質を含むとされるのか、それとも中小企業もそうであるというお考えだろうと思いますけれども、一体どちらにウエートを置いて資質の向上をはかりたいという見解をお持ちなのか、その点をひとつお聞かせ願いたいのですが。
  〔委員長退席、理事松本英一君着席〕
#145
○政府委員(高橋弘篤君) 御承知のように、今度の改正案におきましては登録制度、許可制度にいたしております。先ほどから御説明申し上げているとおり要件が従来の登録制度ではあまりにも軽微で画一的であるために、そのために施工能力とか信用、そういうところに問題がある業者まで入り込んでくる。したがって今回許可制度をとりまして、そうして施工能力、信用それから資力というものを確保しま、して、そうして資質の向上をはかるということでございます。したがいまして、この目標は一人親方だとか中小企業だとか、大企業だとかそういうことを特定の階層のものをつかんで言っているわけじゃなくて、企業全般につきましてそういう問題のあるものにつきまして許可制度によりまして「資質の向上」をはかっていくということでございます。
#146
○高山恒雄君 それでしたら一応お聞きしたいのですが、この建築業にもいろいろあると思うのですね。御承知のように宅地を中心とする殖産、大平工業とか、こういう建設業もあるわけです。なおまた特定業者もあるわけですね。いろいろ建築といってもあるわけですが、たとえば従来の建設の方法でいままでやっておった特定業者の方が、多くの下請を利用しながら系列化しながらあらゆる工事が今日できておると思うのです。そういう人たちの技術をいまさら確認しなければならないような事態なのかどうか。すべてを含むとおっしゃいますが、そういうものを確認しなくちゃならないように、日本の建設業というものは不安定なものであったのかどうか、この点をひとつお聞きしたい。
#147
○政府委員(高橋弘篤君) 再度のお尋ねでございますけれども、特定建設業者につきましては、すでに御承知のとおり一定の規模以上のものに下請を出す、したがって相当規模以上の大きな工事をやるものでございまして、そして下請の保護だとか期日前の支払いの義務だとかそういういろいろな要件を一般の建設業より義務を加重いたしまして下請保護をはかっていこうというものでございます。そのためには、やはりそういう大規模な事業をやり、しかも下請を十分指導しながら支払い期日までに資金をちゃんと支払えるということになりますと、相当の資力が必要でございます。また技術上におきましてもそれをいろいろ、まあ下請が専門業種ごとにございまして、それを総合的に管理し指導をしていき、指揮していくという、そういうやはり経験というものが必要になってくるわけでございます。そういう要件をしたがって今回新たにつくりまして、そういう許可制度にあたりましてそういう要件に当てはまったものについて、指定建設業の許可を行ならというふうに考えた次第でございます。
#148
○高山恒雄君 おとといも参考人の意見が出ましたようですし、過去三万前後の業者であったのが、今日は十七万もふえておる。したがってこういう点を聞きますとね、何だか認可制にして規制をしていきたいというようなふうに聞こえるわけで、いままでの登録制ではだれでもやれるから今度は一つの資格をつけるためにそうした法律をつくって、むしろ規制をして業者をある程度少なくしていこうと、こういうふうにもとれぬでもないわけですね。資質の向上ということですから、まさかそんなことをお考えになっているとは思いませんけれども、法案を見てもそういう感じがするわけです。
 そこで私がお聞きしたいのは、なるほど支払いの問題について遅延――支払いの問題は元請業者が完全に責任を負うのだとこう言っておられますけれども、それならば別の方法があるじゃないかという感じが私はするわけです。したがって、今度のこの法案をおつくりになるのについては相当分析ざれたと思いますが、私もしろうとですからお聞きしたいのですが、一体、日本の建設業も、先ほど私申しましたように住宅を中心とする建設業もあります。あるいはそれ以外のもの、ビルその他を中心とするものもございましょう。あるいは道路、橋、いろいろこうあると思うのです。そのあらゆる建設業を一括してここに規制をするというその考え方自体については、相当の分析をされておると思うのです。したがって、たとえば例をお聞きしたいのですが、殖産なら殖産はどのくらいの下請業者を使っておるのか、あるいはまた世界でも二位を占めておるという鹿島建設は、一つの工事ではないでしょうから、多くの請負をやるでしょうから、契約をとるでしょうから、一体どのくらいの下請系列というものを持っておるのか。その系列が完備しておるならば、大臣の認可を受けて特定建設業としてやっておられるか、相当の指導者を持っておられると思うのですね。そういう過去の歴史から考えてみて、たまたまここにまた一つの認可制にするという考え方の基本は、やはり三万が十七万にふえてそうして非常に不正建設業者が多い、それを防止する、あるいは場合によっては制限するんだ、こういう考え方に結びつくのではないか、という懸念を私たちは持つわけです。その点をどういうふうに、一つの例でもいいですから例があれば、どのくらいの系列を持っておるのか、それを分析されて今度の法案にも取り組んでおられるのか、その姿勢を一つお聞きしたいのです。
#149
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの具体的な例でございますけれども、たとえば殖産住宅はどの程度の下請を持っておるかということにつきましては、手元に資料もございませんし、なかなかむずかしい点でございます。御承知のように、建設業界というのは受注産業でございます。したがいまして、発注があって初めて成り立つものでございまして、個別的に地域ごとに、また規模別に内容も非常にいろいろ多種多様でございまして、そういうような特別の受注産業であり個別産業でございます。したがいまして、各種の工事にわたりましては、各種の専門工事というものを組み合わせてこれを総合的にいたすという意味で、総合生産の産業でもまたあるわけでございます。したがって、そういう意味におきまして、下請が専門的にどうしても出てくるのは必然的なものでございまして、それがまたその下請の実態も種類、内容、規模、地域によって非常に違ってくるわけでございます。したがって、あるいは先ほどから話が出ておりますかなり複雑な多岐にわたる重層下請というものもあるわけでございまして、一がいにどのくらい下請があるかということは非常にむずかしいわけでございますが、大企業の特定建設業と目される中では、自分の系列の下請業者の会がありまして、その会が一つのところでは五百社とか三百社あるとかそういうようなのもございまして、相当多数にのぼっておるというふうに私ども考えておるわけでございます。そういうような下請の実態からいたしまして、特定建設業という制度を設けまして、この特定建設業の制度は、先ほど申し上げましたように、下請の保護につきまして特別に義務だけ課して何ら恩典とか特典というものはこれはないわけでございまして、義務が加重されるということになるわけでございます。したがいまして、そういうような義務を加重いたしまして、そういうかなり複雑な下請制度を何とかして秩序づけていく、そうしてその下請につきましてもいろいろな指導の義務とか、また賃金不払いのときにおける立てかえ払いの義務とか、そういうものが法律によって生ずるわけでございます。したがいまして、特定建設業もそんなに複雑な重層下請というものを使っているわけにいかず相当責任を持たなければいけないということになります。したがいまして、その下請の組織というものも相当整然とせざるを得なくなるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
 またお話しの御質問の中で、今度の改正によって建設業の数を制限するのではないかというお話でございますけれども、これは先ほどから申し上げておりますように、登録制度を許可制度に改めまして、そういう要件を従来よりもいろいろつくりまして、施工能力だとか、また資力だとか、信用に問題のある業者というものをこれはなくしていく。そうして建設業全体の資質の向上をはかっていく。従来からのあります既存の業者につきましても、実態を十分配慮しながらそういう業界の資質の向上をはかっていくというものでございまして、私ども数をきめておくとか、またこれを減らすということは考えていない次第でございます。
#150
○高山恒雄君 ところが、あなたはそういう答弁をしておられますけれども、おとといの業界代表の方は二人ともそろって、七万が十七万にも達して非常に複雑化していわゆる欠陥が出ておるということをおっしゃっておるのですよ。だから、この十七万が十八万になっても認可をするということですか。極端に聞きますが、そういう腹ですか。
#151
○政府委員(高橋弘篤君) 今回の許可制度につきましては、許可基準があるわけでございまして、これを、先ほどから御説明申し上げておりますように、相当具体的に事務の処理基準を設けて処理いたしていくつもりでございますけれども、その要件に当てはまるものにつきましては、これは許可をいたしていくというふうに考えておる次第でございます。
#152
○高山恒雄君 それでは、まあ確たる数字はないという説明でございましたけれども、大体一つの企業で五百軒ぐらいの下請を持っておるということですが、それは確たる調査ではないと思いますけれども、そういうふうにこの下請に対して技術が未熟であるか、あるいは健全技術を持っておるか、資質の向上したものを持っておるかというような点については建設業界が、その元請が当然やるべきだと思うのですね。その元請がそれを、資格のあるものが調査すればいいのであって、下請まで資格を必要としないのではないかというまた一方には問題が、疑問が起こってくるわけです。その点はどうですか。
#153
○政府委員(高橋弘篤君) わが国の建設業界におきましては、業者があるいは元請人になり下請人になる。大きい業者が元請になり下請になる場合もございます。また小さい業者も一個の住宅をつくる場合には下請じゃなしに直接元請というような形で発注をされ建設業を営むという場合もあるわけでございます。したがいまして、この業の大小にかかわらず経営経験だとか、また技術的な実務経験だとか、信用、また財務面につきまして最小限度の基準というものは必要であるわけでございまして、そういうものをこの法律できめまして、その一定の最小限度の基準に合うものにつきましてはこれを許可いたしまして許可業者といたし、それを今度は元請になって営業を行なら場合もございますし、また特定建設業がこれを下請としていろいろ使うという場合もあるかと思います。その最小必要限度の資格要件というものをこの法律できめたというふうに考えておる次第でございまして、ぜひこの点は必要ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#154
○高山恒雄君 いまの御答弁に私はひっかかるわけではございませんけれども、先ほどお話が出ましたように、日本のつまり住宅以外の建設業というのは元請があって今度は下請に出す、下請から孫請に出す、あるいは曾孫まで出す、こういうケースがあるわけですね。したがって、そういう住宅以外の建設業というのは、ほとんどの企業が専業化しておると思うのですよ。専業化しておるのに技術の監督は特定企業がこれをやるべきだと思っておりますが、いまもやっていると思いますが、それ以上に何の規制が必要なのかこれを聞きたい。やっておるのにもかかわらず――それでなきゃやれないはずですよ。その上に認可制度をしなければだれでもやることができないというその締め方は何を目的としてそこで締めなくちゃならないのか、こういうふうに考えるわけですよ、この点はどうですか。
#155
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘のとおり業者の中には元請じゃなしに下請専門業者というのが非常にたくさんあるのでございます。そういう業者につきまして、実態としまして元請業者が十分これを使う場合に技術の内容をよく調べてそして下請させる、これはもう当然のことでございます。そういう実態であろうかと存じます。しかしながら先ほども申し上げましたとおり、そういう元請なり特定建設業者が下請業者を使う場合におきましても、やはり最小必要限度業者としての資格要件というものをやはり持っているということ、これをやはり許可という制度によりまして一般的に業を行なうということをはっきり明示してそれを使うということが、これは元請業者あるいはまた特定建設業者についても当然のことであろうかと思います。また建設業というものは一般に公共性、公共工事を行なうといった意味の公共性もございます。また公共の福祉に非常に影響が深いのでございます。したがいまして、そういう工事はこの法律によって、登録制度の場合も同様でございますけれども、そういう工事を請け負うというそういう営業を一般的にはこれは禁止いたしまして、それを登録または許可という制度でこの建設業法にかわらしめてはじめてこれを認めるというかっこうにいたしておる次第でございまして、そういう意味におきまして法律が関与し、最小必要限度の基準というものを設けて、そしてこれはそういうことで営業してもよろしい業種ですよ、ということを示している。そしてそれを特定建設業なり元請業者がこれを使って、しかももっとより綿密に、より高度の技術を持っているかどうか、自分の下請する業種に合うものであるかどうかということを十分審査するということになろうかと思う次第でございます。
#156
○高山恒雄君 おとといの参考人の話にもありましたように、過当競争が最も激しいという意見が出ておったのですがね。ある程度の過当競争があって、いわゆる住宅等においては私は発注者については少なくとも安く契約することができると思うのですね。これは四十四年の資料ですけれども、これも確たる調査は、日本の建設省では持っていないようです。したがって私は住宅金融公庫のあらかじめの資料をとってみたのですが、四十四年度実績調査ですけれども、木造の建築をした場合ですね、甲地域が平米当たり三万五千十三円、それから乙地区で二万九千九百円、丙地区、いわゆる地方都市ですね、二万八千二百八十五円、これだけ違うわけです。私はこの間参考人にもお尋ねしたように、日本にはこういう建築の大体のあらかじめの基準というものは建設省は持たないわけですね。ところが資材問題について説明すると長くなりますが、建材等においては九州、北海道あるいは東北六県、北陸三県、こういう地域は非常に高いです、建材は。ただし労務費は安いのです。そうして、一つのこれは方向から出ております資料ですけれども、これだけの平米あたりの格差が出ておる。そうして一番心配になりますのは過当競争があるゆえに発注者はある程度いままで何とかこれを防止できたのではないか。ところが認可制にして、ある程度条件がそろえば認可するけれども、そろわなければ認可をしないということですから、現在の十七万から減る場合もあるでしょう、あるいはふえる場合もあるでしょう。この点は操作ですからいろいろな問題がここに起こってくるのじゃないか。先ほど二宮委員も申しておられましたように、いまの一体各自治体において認可制度の調査をするだけの陣営ができておるのかどうかということですよ。これはどの議員もそうお考えになると思うのですね。それに認可制にして一つ一つの認可をしていこうということになったら、これは十七万からのものですからたいへんな仕事ではないか。そういう点からいくと、過当競争がいまあるからこそこれだけの地域格差ぐらいでまだおさまっているけれども、もっとやり方によっては逆の効果が生まれる心配はないのかということを申し上げたい。しからば政府が一つの地域においてモデルケースをつくるというなら別ですよ。九州地域においては建材がどのくらいの相場である、あるいはまた労務費はどのくらいだ、いろいろ問題がありましょうけれども、これはできぬことはないと思うのですね。政府は何の基準もない、業界はどんどん登録制度である程度セーブしていく、過当競争を防止するためだとおっしゃっておる。ところがそれは一つ間違えば、大きな都道府県の自治体において認可するのについて、ある程度しぼったとするならば地域は上がることはきまっております。修理でも同じことなんです。そういう点を私たちは非常に心配をするわけです、この問題については。あるいは政府はそうした一つの基準でも、せめて大臣の参考資料でもつくってみられたことがあるか、あるいはこれからつくる用意があるのか、大事なことですよ、これは。また先ほど申しましたけれども、これは四十四年の住宅金融公庫の調査ですから確実なものではございません。実際にはいま九州では九万円から十万円、東京は十五万円から十六万円、これは普通ですよ。ただしヒノキの材料でも使うというならば二十万円もするでしょう。いろいろ材料は違うでしょうけれども、一応どういう建材を使ってどういうふうにすればどのくらいの基準のものが地方ではこれだ、都市ではこれだというものがあってしかるべきじゃないかと思うのですが、そういう点はどうお考えになっているのか、お聞きしたいのですね。
#157
○政府委員(高橋弘篤君) いろいろ御質問ございましたので、私のほうの関係のことについてます御説明を申し上げたいと思います。
 先ほどから許可制度にしたために、これはいままで過当競争防止を目的にしたことは、これはもちろんそういう目的でございます。そのために、過当競争のために安くできたのが、今度は許可制度によって数が少なくなるので、そうしてそのために逆に今度は値段が高くなるのではないかというようなお話の御質問があったと思いますが、これにつきましては先ほど申し上げましたように、私ども数を減らそうとか、一定の数を押えておこうというふうに考えているわけでは決してございませんで、先ほどから何度も御説明申し上げましたように、建設業として必要な必要最小限度の基準というものをきめまして、そしてその資格要件に合致したものを建設業とすると考えているわけでございます。また先ほど労務費だとか資材費につきまして、これを地域別にいろいろきめるという点についてでございます。これは労務費につきましては御承知のように昨年までは五省協定でございましたが、四十六年度からは、公共事業関係三省によりまして十分に実態調査をいたしまして、これを各県ごとに実態調査に即したところの労務設計単価というものをきめており、またその運用幅を災害その他のいろんな状況による運用幅も二〇%というものを考えて、そして実情に合うように各県ごとにきめておくようにいたしておるわけでございます。また資材につきましても、たとえば鋼材につきましては、神奈川県あたりにおきましては神奈川方式と称しますが、地域別に小型事業に対するいろんな販売組織というものをつくって、そうして地域ごとにそういう安定をはかっていく、そういうような試みもあるわけでございます。今後もそういうことを十分検討いたしまして、先生のおっしゃるような趣旨を、ひとつ慎重にまた前向きの姿勢で検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 木造建築その他の点につきましては、関係のほうからまた御説明いたします。
#158
○政府委員(多治見高雄君) 建築費の地区別の標準指数の問題でございますが、ただいまお話しございましたように、公庫住宅につきましてはお話しのように三地区に分けて標準建築費をきめておるわけでございます。また公営住宅につきましても、同じように地区別に標準建築費をきめておるわけでございます。一般の民間の住宅建築費につきましては、政府としては特に地域別の標準建築費というようなものは、ただいまはきめておりません。それで、御承知のように建築費と申しましても、非常に内容が複雑でございまして、この標準指数をきめる場合に、まあ簡単に申し上げますと、資材費、労務費のウエートのとり方等に非常に複雑な問題がございます。したがいまして、今後地域別のそういった公的な標準指数をつくるということは、なかなかむずかしい問題ではないかというふうに考えておりますが、現在日本で一番そういった建築費の総合的な指数として、最も権威あるというふうに言われておりますのは、建設工業経営研究会というのがございまして、ここが全国の地区別の建築費の指数を毎月出しております。この指数が日本ではいま一番権威があるものというふうに専門家の間では考えられております。したがいまして、民間の建築につきましては、一応公共的な公営住宅、公庫住宅の建築費の地域別の単価、これが一応の目安としての標準ではないか。それからもっと詳細な技術的な問題としては、ただいま申し上げました建設工業経営研究会の標準建築費指数、これが一つのめどになるというふうに思います。
#159
○高山恒雄君 住宅公団総裁にお聞きしたいんですが、住宅公団はそんなことないと思いますけれども、これは次官のほうでも大臣でもいいですが、お答え願えば……。大体特定企業というのは、一つの工事を請負すると二五%のピンはねをやる、その下請が一五%やる、孫請が一〇%、その中から労務費が出るということなんですが、住宅公団で下請をやらせる場合にそういうことはないだろうと思いますが、一体そういうシステムはどうなっているのか。住宅公団がお受けになった場合の下請との関連性はどうなっているのか、これをお聞かせ願いたい。
#160
○参考人(東貞三君) 住宅公団の場合は、総合業者が一括請負をしておりまして、その下請業者につきましては、総合業者がこういうものはどこそこどこそこという届け出を出すようにいたしておりまして、それでそこにそれを公団の監督が認めましたらそれでいいということで、総合業者がその下請業者にやらしておるわけでございまして、これはいろいろ建具工事とか土工事とか、工種別の下請が多いようでございます。
#161
○高山恒雄君 いや、私が聞いておるのは、そういうことを聞いているのじゃないんですよ。つまり公団がやろうとされる場合に、下請をやらせるわけですね。公団としてやる場合に、必ず公団自体が直接ではなくて、やはりある程度下請に頼まれるわけですよ。その下請が孫請を頼むわけでしょう。そういう場合の一体下請というのは、他の特定企業あたりは相当の、先ほど私が申しましたように、世間でいう元請が二五%も取るとか、あるいはまたその下請が一五%取る、もう一つ孫請が一〇%、その次の下請、曾孫の下請で労務賃を安く使ってそうしてやっておるから、日本の建設業という土建作業は非常に劣悪な労働条件の中で働いているということは、世間一般知っていることですよ、これは。公団にはそういう請負の制度はないんでしょうか。あるいはまたあるんですか、これを聞いているんです。
#162
○参考人(東貞三君) 公団の場合、詳しい最後の線までなかなか調べきれないでおりますけれども、まず公団は発注業者、総合請負業者がおりまして、それが下請にある程度出す、その程度までだと、こういうふうに思っております。
#163
○高山恒雄君 それでどのくらい取っておるか、それはわかりませんか。
#164
○参考人(東貞三君) その辺はなかなかつかみにくいところでございまして、はっきりしたデータはなかなかつかんでおりません。
#165
○高山恒雄君 大臣、これはうわさですけれども、私も確と調べたわけじゃありませんけれども、人はそう言っておるわけです。特に道路公団、いまの縦貫道路あたりはそうだと言っておりますが、したがって、この点大臣も御承知だと思いますが、あまりにもひどいではないかという私感じがするんですよ、もしこれが事実だとすればですね。けれども、いまの建設業から考えてみて、建設業に働く出稼ぎ労働者なり一般労働者の劣悪な労働条件というものは、どこかで改善しなければいかぬでしょう、これだけ人手が足らぬようになってくると。私は、この法律ができたからといって、さっきの賃金の支払いの問題が減ると思っておりません。減ったら化けものですよ。それはなぜかならば、労務者自身の自覚がなければこれは減ることはないんです。それを労働省が昭和四十二年ですか、雇用促進事業団として出稼ぎ相談所というのを上野につくったり、至るところにつくっております。それでやはり実績は減っていますよ。いままでの建設業のそうした未払い賃金の実績が減っておるんです。先ほど局長はそういうものも考慮しておると言われますけれども、それは大きな間違いであって、むしろこれは労働省あたりがもっと充実して、ほんとうに市町村にその問題の手配をして、縁故雇用はしちやいかぬと、こういう行き方をするなら、これは一ぺんに防止ができると私は思うんですよ。それがこの認可制度をつくったからといって、私は元請が責任を持つんだとおっしゃるけれども、この法律からいえば先ほどおっしゃったように、完成した場合には二十日以内に検査しなくちゃいかぬ。五十日以内に手形の返済を支払わなければいかぬと、こういうふうに書いてありますけれども、約七十日ですわね。これは春日さんでしたか、参考人にも質問がございましたけれども、手形決済にしても二カ月以上超過した場合はしてはならないという一つ法律があるんですよ。だから、そういうものが認可制にしたからといって、私は減ると思っておりません。だから労働の問題からくれば、人手がこれから足らぬようになるし、そして技術を云々されるというならば、大企業と個人企業の、いわゆる一人親方の企業まで一緒に含めた認可制度なんていうようなものは非常に不当ではないか。これは二宮委員もおっしゃったけれども、日本建築業界の全体の問題を一つの法律で定めるということは非常に不当ではないか、もっと考え方を別にしてもいいじゃないかという考え方を私は持つんですが、これは前質問者みなそれをおっしゃっておりますが、私もその一人です。大臣、この点どうお考えになりますかね。
#166
○国務大臣(根本龍太郎君) まず第一に、大企業が二〇%をピンはねするということですが、私は、過去にはあるいはそういうことはあったかもしらぬが、現在はあり得ないと思う。そういうものを引き受けるような下請業者は、いまほとんどないと思います。できないです、そういうことは。私の聞いているところでは、現在はせいぜい五%が取れればいいほうです。もしそうじゃなければ、ある企業のごときは一年に何千億という受注をしておって、それが二五%もうかったらそれはたいへんなことですよ。それはかちては一時そういうことが一部あったかもしらぬけれども、私はそれはあり得ないと思う。これは話というものはだんだん誇張されてくるのでして、みんなピンはねされた、ピンはねされたということがずいぶんあります。まあここに松本さん委員長席にすわっていますけれども、おそらくあなたも御承知のように、二五%ももうけるなんという、こんな業界はどこにもないです、日本には。それは私は少し誇張に過ぎると思う。
 それからその次に、一体、大企業と小さなものを一緒にするのはおかしいということですけれども、商法は、あれはたいへんなでかい仕事をやるものですが、みな同じですわ、これ。法律というものは、私は、特別立法というのは特別何かの方法で保護するということではあり得るけれども、私は、そういうことのために、何といいますか−大体、業法を考えるのは、その業界の利益のためにのみ、私はこういう立法はすべきじゃないと思う。基本的にやはり国民全体、端的に言えば、公共の利益のために稗益するということと一般国民に稗益するということが第一前提条件であり、その次には、この事業に従事する人々が現在よりもよりよき営業を営み得る、しかも均斉のとれた保護政策がこの法によって保障されるということに私は問題があると思うのです。そういう意味からいたしますれば、私はむしろ、今度の業法は大きい特定業者に対して非常に重大なる責務を重加しています。従来、民法上契約すればどういうことをやってもかまわなかった。そうして結局は、最後の末端の孫請か曾孫請ぐらいが一切の責任を持っておったのを、今度はさかのぼって上にまで責任を追及するのだということは、立法措置として私は前進だと思うのです。
 それからもう一つ、これは小さいのを押えるじゃないか、押えるじゃないかという、これは野党の方々が一つのコンプレックスを感じているのですけれども、これは、たとえばたばこの小売り店、あれも許可制度だげれども、一定の基準がありまして、周辺何メートルのところには競争者は置けないとか、酒なんかもやっている。これはそうじゃないのです。どういう資格、どういう条件をとれば、あと全部が持てるということであって、これは一般国民保護の立場に立っている。だから、これは端的に言えば、一億の人間がこの条件を具備したら、一億全部許可になりますよ。そういう意味で、数を制限するということの目的ではなくして、国民の生命財産に関する重大な建設事業に対して、それに耐え得るだけの素質と、それから向上し得る基礎を持たせると、こういうことでございまして、われわれのほうでは、各県ごとに許可人数をこれくらいにしてそれ以上やってはいけないというような、そういうことは毛頭考えていないのでございまして、これは実は私自身も十三年も前に建設大臣をしておったときから、私のときもずいぶんいろいろといままで一人親方も来ました。私、実は私の県のほうの会長は民社のだれがやっておったか、県会議員かなんかで、私はもう十何年それの顧問をしております。そこで、最初は非常に危惧を感じておったけれども、よく説明すると、なるほどというようなことでありまして、この立法の趣旨、これの実態を、自分だけの想像で被害感を受けている向きもかなりにありましたので、これはよく説明すれば、むしろ乱立して――一人親方のほうはまだ自分が経験があるんですよ、技術を持っているんですよ。ところが、このごろはそうじゃなくて、いままでお百姓をしておった人が、今度はどうも作付転換で、これはなかなかたいしたことで、だめなんだと。それで土地を処分して、二、三百万金を持った。それじゃ土建でもやろうか、こういうのがどんどんどんどん出てきています。そのために、むしろ、一人親方のほうが脅威を受けておるということをずいぶん私は聞いておるのです。だから、ほんとうに建設業に対する経験のある者を排除するということは毛頭考えていない。むしろそうじゃなくて、届け出さえすれば、若干の金さえ持って一おればどんな者でもとれる。そうして、今度そういう人に限って、私のほうで実情をいろいろ聞いてみますと、いままでに経験のない人が今度届け出をして業者になったというと、県会議員だとか市会議員に話をして、今度おれは資格を持ったから、ぜひ指名させい、そういうことでずいぶん自治体に突っ込んでいく、経験のない人がやるから問題起こす、そういう実態がたくさんあるということも、これは高山さん御承知だと思うんですよ。だから、そういうふうに、一つの立法をやる場合に、何といいますか、欠点と思われることを言えばもう限りなく心配がありますが、やはりこれは立法府としてはもう絶対のものはないんです。これはもうあらゆるところから突いても完全無欠ということはないのであって、立場立場から見れば、それぞれに若干の危惧の念はあるかもしれません。総体としてこれが建設業界のために、
 一般国民のために稗益するかどうかということで考えてみると、これは私は相当の前進になる、こう思いまして、ぜひとも皆さん方の高い見識の上に、これを御通過させていただきたいと考えている次第でございます。
#167
○高山恒雄君 大臣のおっしゃることはよくわかりますが、私もそう悲観説ばっかり考えているわけではありません。先ほど局長が申しましたように、なるほどそれは十八万になる場合もございましょう。けれども、いま日本には徒弟制度はございません、これは大臣御承知でしょう。したがって、五年の経験、管理責任者としての経験がなければいかぬということですが、かりに一つの例を申し上げます。父親が一人でいままで専門業やっておった、おとうさんがなくなっちゃった、子供はそのときには高校在学中だった、これは一体五年の経験――どこかに勤めにゃいかぬのですよ、弟子に入るか……、いま徒弟制度はないんですよ。ところが、そこには第三者的な、自分のところに使っておった経験者がおるけれども、これはほんとうに技術だけであって、それだけの資格は無理だというのもあると思うんです。これは認可されないんですよ、大臣。いいことばっかり言わないで、大臣、悪いことのあることを参考にしなければ、法律はつくるものではないのですよ。私はこういうに考えております。したがってこういう実例ですが、これが「専門学校を含む。」「(明治三十六年勅令第六十一号)による専門学校を含む。以下同じ。)を卒業した後三年以上実務の経験を有する者」、こうしてあります。いずれにしても二年ないし五年の経験がなければ認可にならないのです。昔なら徒弟制度があった。一体そんならその経験をどこで得るのかということです。親代々のそういう請負を登録でやっておった者が、一体それはどこでやるのか。そうして五年間奉公に行くか、あるいは見習いに行くかしなければその経験を得ることはできない。だからこの制度に沿うならば何ぼでも許可するといったってそういう人は何人もいないのです、私そうとらざるを得ないのです。だから現在そういう資格を持ってやっておる人の認可というものは当然のことでありますし、これをまたやらないといったらこれは政治がないのと同じことですから、そういう困った状態の場合の認可制度というものがこの第七条の全般の基準――けさも質問ございましたが、私はここではもう時間がございませんので、申し上げません。全般のこの基準の中で、さらに政令で定められると思うのです。それはわれわれはわからないのです。だからそういう面を考えてみますと、いかにも今後セーブはしないとおっしゃっても、認可制度というものがむずかしいかという点を、私は指摘をせざるを得ないのです。そういう点をもっと政令がわかっておるならもう一ぺん、私はきょうは一時間の質問ですから申し上げませんが、次の機会にもう一ぺん御質問申し上げたいと思います。私はそういう点でこの問題についてはむろん第一条の目的に達する皆さん方の資質の向上、あるいは発注者に対する保護処置、これは大賛成です。けれどもそこにいくためにはもっと微に入り細に入った考え方があるべきではないか。第七条だけでは今後政令をどうおきめになるか、非常にむずかしさがある。そうして現在の人でも、あるいはこれを現在三年でも五年でもやっておられる方でも、あるいは資格に該当しない者があるかもしれない。そういう者がオミットされるわけでしょう。だからそういう面を、情勢が変わっておる今日の状態で徒弟制度もないという時代にかんがみて、一体これを認可制にするということについては相当のセーブがあるはずになるのではないか、という懸念を持たざるを得ないのです。目的はよくわかりました、わかりましたけれども、そういう懸念をもっとお聞きしたい。一最後にお聞きしたいのですが、いまこれをやってほんとうに政府はこの下請、あるいは孫請さらに曾孫請というような状態の現状の請負制度の姿から、いわゆる労働問題に対する劣悪な今日の情勢を、ある程度の改革もこれでできるとお考えになっておるのか。この問題は労働省今日呼んでおりますけれども、時間がありませんので、次に回しましょう。そういうことをお考えになっておるのか。それだけ答弁願います。
#168
○政府委員(高橋弘篤君) 今回の建設業法の改正の中におきまして、いろいろ御質問の点につきましてこちらもいろいろ考えておるつもりでございます。
 最後に質問のございました労働関係の点についてでございますけれども、何と申しましても、建設産業が成り立っていくには、建設労働力というものをどうしても確保する必要がありますし、そのためにはこの労働関係のことについて十分な法制がなされなければこの建設労務者というものが確保できないわけでございます。したがいましてこの建設業法の改正案の中におきましては、労働関係法令との関係のことがずいぶんいろいろ規定がございます。たとえば第八条におきましてはこの欠格条項もございますけれども、この欠格条項の中で労働者の使用に関する法令の規定に違反して一年以上の懲役もしくは禁錮の刑に処せられた者、これは欠格条件になっていますし、また勧告処分の二十八条の中におきましても、労働法令についての違反について建設業者として不適当と認められる場合におきましては、これは行政処分ができるということになっておりますし、さらにはすでに御承知のとおりに二十四条の六におきましては、特定建設業というものは、こういう労働関係の法令に違反しないように十分下請を指導するという義務も課しておるわけでございますし、また下請に対する賃金の不払いにつきましては、知事または大臣が特定建設業へ立てかえ払いを勧告する、それに従わない場合にはこれは行政処分にするという規定も設けておるわけでございます。もちろん、この規定だけではそういう建設労働対策ということはできないことは御指摘のとおりでございますので、関係の労働省その他と十分連絡を密にしながら、さらにいろいろな対策を講じてまいれば、そういう面につきましての改善は相当なされるものと考えておる次第でございます。
#169
○高山恒雄君 それでおこうと思いましたけれども、なるほど違反した場合は基準法に基づいて、あるいは公取法を適用してやるということになっておるのですよ。ところが、申し上げたいのは、そこにいく期間を一体どうするかということ、そこまで考えなければ法律じゃないんです。かりに二十日間の検査期間を置く、五十日間の支払い期間を置くと、こういうふうになっていますな。したがってでき上がったならば七十日の間に払えばいいということになるわけです。ところがそれがいろいろ問題が出て労務者には遅払いが出ておる。それは基準法に基づく、それは公取の判定を待つ、一体それが何カ月かかるかわかりませんよ。そういうことで実際の労働者の保護ができるかということが申し上げたい。この点は労働者、先ほど言ったように労働省も来てもらっておるのですけれども、私はそれではできないと思うのです。三カ月も半年もかかる。そういうものに対するもっと具体的なものがこの中に出てこなければ、責任をもってやらなければいかぬ。元請が直ちに立てかえをするとかするならばお話がわかる、基準法に基づいてやるということならいつのことやらわからぬです。むろん六カ月するのもありましょうが二年かかるものもあるかもしれません。それではこれは私は労働者を保護する考慮とは言えませんと、こういうことを申し上げたい。その点は答弁だけいただいて、きょうはこれで終わりたいと思います。
#170
○政府委員(高橋弘篤君) いろいろな御指摘の点につきましては、まことにごもっともな点が多いわけでございます。この建設業法の改正のみで、私どもこれは効果があるというふうには決して考えておりません。おっしゃるとおり建設業界全般の体質の改善、資質の向上というものがなされて、そうしてその全般の体質改造がなされて初めてそういう問題についても十分な対策が講ぜられることと存ずる次第でございまして、一そうそういう点につきまして、今後も関係各省と打ち合わして十分効果のある対策を考えてまいりたいと考えておるわけでございます。
#171
○理事(松本英一君) 本日の質疑はこの程度とし、これにて散会いたします。
  午後四時散会
ソース: 国立国会図書館
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