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1970/03/11 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第7号
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1970/03/11 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第7号

#1
第065回国会 建設委員会 第7号
昭和四十六年三月十一日(木曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十六日
    辞任         補欠選任
     奥村 悦造君     西田 信一君
 三月一日
    辞任         補欠選任
     西田 信一君     奥村 悦造君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                上田  稔君
                大森 久司君
                斎藤  昇君
                松本 英一君
    委 員
                小山邦太郎君
                佐田 一郎君
                林田悠紀夫君
                米田 正文君
                武内 五郎君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省都市局長  吉兼 三郎君
       建設省河川局長  川崎 精一君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
       建設省住宅局長  多治見高雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       農林省農政局農
       業協同組合課長  板野 権二君
       自治省税務局固
       定資産税課長   山下  稔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○建設業法の一部を改正する法律案(第六十三回
 国会内閣提出、衆議院送付)(継続案件)
○農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措
 置法案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 まず、理事の補欠選任を行ないます。
 委員の異動に伴い、現在本委員会の理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に大森久司君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(田中一君) 参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 建設業法の一部を改正する法律案審査のため、本日の委員会に水資源開発公団の役職員を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(田中一君) 次に、建設業法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。質疑のある方は、御発言を願います。
#7
○大森久司君 私は、この機会に建設業法に対しまして二、三質問をいたしたいと思います。
 建設業法の改正による許可制の採用は、現行の登録制度があまりにも軽易かつ画一的であるため、施工能力、資力、信用に問題のある業者が輩出し、公衆災害、倒産等多くの社会問題を発生せしめる一方、資本の自由化に対処するための体質の強化、労働力の不足等、早急に解決しなければならない難題をかかえる建設業界の現状を見ますとき、不良業者を排除し、真に資質ある建設業者を育成強化するためぜひとも必要なものであると考え、私もこの改正に賛意を表するものでありまするが、この際見落としてはならないものがあります。それは、許可制の採用に伴って、従前より地域社会に密着して、あるいは市町村等の小規模の公共事業に、またあるいは個人の住宅建設に、まじめにこつこつと仕事を行なってきている中小零細業者が許可の網に漏ればしないかとの問題であります。この点については、前回の公聴会におきましても二、三の公述人が心配しておられたことでもありますが、現在十七万人をこえる登録業者のうち、その大部分が中小零細業者である実態をもあわせ考え、許可制の採用にあたっては、中小零細業者の扱いについて行政当局はあたたかい配慮が必要であると思いますが、この点大臣はいかに考えておられますか。なお、具体的な許可条件について事務当局から説明をお願いいたします。
#8
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま御質問のありましたことは、零細企業を営んでおる建設業界にもそういう不安のあることを私も承知しております。しかし、この法案をよく読んでいただきますればわかりますように、今度の許可基準になるものは、経営の大小には関係なく、まじめに経営し、経験のある人で、しかも技術がしっかりしており、なおかつ信用、資力等、その業務にたえ得るだけの者であるならば、経営規模には全然関係ない。それから一人親方でも十分この許可条件を満たし得るということを前提にして考えておるのであります。
 今回の業法は、いま大森委員が示されたごとくに、従来のように届け出制であるがゆえに、技術も何もない者が、あるいは資力その他の経験もない者でも、ただ届け出さえすればできるというところに問題があるから、一般需要者の皆さんに損害、不安を与えないということが第一の目的であり、それから今後ますます日本の社会資本の充実の一端をになういわゆる建設業の社会的責任の重大性にかんがみてつくったものでございます。十分その点は法の運営にあたりましても配慮いたします。なおまた、これには経過措置も十分ついておるものでございますから、万遺憾なきを期するつもりでございますが、詳細の事務的な問題については、局長から説明いたします。
#9
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの御質問の一般建設業の許可要件でございます。これは第七条にございますけれども、許可要件として四つございますが、一つの許可を受けようとしますところの建設業に関しまして、五年以上の経営業務の管理責任者としての経験を有することが第一でございます。第二が、許可を必要とする建設工事に関しまして十年以上の実務の経験を有する者、またはこれと同等以上の能力を有する者が一人以上いなければならないということが第二でございます。それから第三点は、請負契約に関しまして不正とかまたは不誠実な行為をするおそれが明らかにある者でないこと、第四が、その請負契約を履行するに足りますところの財産的な基礎または金銭的な信用というものを有しているということ、この四点が要件でございます。
 第一点の、五年間の経営経験についてが一番問題になろうかと思いますが、これは従来登録を受けまして建設業を営んでおればもちろんこれはいいわけでありますし、また未登録業者でございましても、現に建設業を営んでおりましたらすでに要件を満たしておるということになるわけでございます。また新しい営業等で五年間に満たないという点がございます。その場合におきましても、この要件を満たさなくても三年間の猶予期間というものがこの法律に経過措置がございますが、その猶予期間中に従来の登録制度によって不足分を補充することができるかと存じます。また許可を必要としない軽微な建設工事につきまして、必要な期間請負を行なうということによっても要件を満たすことができるだろうというふうに考えておる次第でございます。
 二の、実務経験の要件につきましては、これは零細業者、一人親方でありましても、従来建設業を行なってきた者は、問題なく従来と同じ要件でございますから満たすことはできると思います。
 それから三と四の問題につきましては、これは従来登録を受けてまいりまして、建設業を営んでまいりました者につきましては、この法律の附則第七項におきましてその実績を尊重し、配慮するということにいたしております。十分そういう点を考えながらいたしますので、これについては問題はないものと考えるわけでございます。したがいまして、現に誠実かつ適正に建設業を営んでおります者は、零細業者でございましても、一人親方でございましても、これらの要件を満たし得る者というふうに考えておる次第でございます。
#10
○大森久司君 わかりました。
 次に、現在の建設工事の施工は、複雑な下請制度によって成り立っております。建設工事の各作業の多様性、複雑性等からこの下請制度が生じているわけでございまするが、他面においていろいろ弊害も出ているのではないかと考えます。そういった観点において、今回の建設業法の改正案で下請保護規定が細部にわたって定められたことはまことにけっこうなことと考えておりまするが、下請取引関係の適正化については、すでに下請代金支払遅延等防止法が施行され相当の効果をあげていることは周知のとおりであります。建設業における下請取引関係の規制についても、下請代金支払遅延等防止法を適用することが適当ではないかという考え方もあると思いますが、あえて建設業法に独自の下請保護規定を設けられたのはいかなる考え方によるものであるか、所見をお伺いしたいのであります。
#11
○政府委員(高橋弘篤君) 御質問の下請代金支払遅延等防止法が改正されましたときにおきましても、そういう議論がございました。建設業者に対しまして実態に即して同法を適用したら、そういうことを検討したらという附帯決議もなされたのでございますが、いろいろこれから申し上げるような理由によって、建設業の下請取引方法にはいろいろ特殊性があるということから、その独自のいろいろ考え方をして、そして今回の建設業法の改正案を提出したわけでございます。つまり下請代金支払遅延等防止法におきましては、資本金五千万と資本金一千万というところに実は線を引いております。そうして、それをこえる業者がそれ以下の業者を下請に使う場合におきまして、下請の保護規定というものを適用するということにしているわけでございます。しかしながら先生御承知のように、建設業の場合におきましては、資本金五千万以下という登録業者が全体の九九%ということでほかの業界とは非常に違っておる点がございます。また資本金の大小というものにかかわらず下請を使って工事を施行するという場合があるわけでございます。小さい業者におきましても下請を使うということがあるわけでございます。さらに代金の支払いにつきましては、建設業界におきましては工事の着手前に支払う前払い、また工事の進捗に応じまして中間払い、そういうようないろんな慣習があるわけでございます。それから製造業の場合と違いましてあまりそういうものが、元請と下請の関係が固定的じゃない流動的である。そういうようないろんな関係の特殊性がありますので、さっきも申しましたようにそういう特殊性を十分参酌いたしまして、この建設業法の改正案を提出いたした次第でございます。
#12
○米田正文君 私はいまの下請関係で、関連して一つだけ質問をしたいと思いますが、御承知のようにコンクリートのブロック業者というのがありますね。これは昔は現場でコンクリートを打ってブロックをこしらえてそこで仕事をするというのでしたが、最近はあるセンターでこしらえてそこから製品として持ってくるというような形のものがだいぶあるようです。まあ河川なり道路なりのそれぞれの工事現場においては現場でつくるようなケースがまだ多い実態です。このコンクリートの業者は、いま元請から物品として購入されている形式のものが非常に多いと思うのですが、しかし実態は、製造をそこでする、現場でするという場合には、まあ昔の直営でやっておったような時代の現場の一連の作業の中の工事とも考えられるのです。そうすると下請業者とみなすこともできるケースが多いんじゃないかと思うのですが、これを物品業者とみなす、物品の納入業者とみなすか、それを下請業者とみなすかという問題があると思うのですが、それはどう認めていきますか、その点をひとつお伺いしたいと思います。
#13
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの御質問のコンクリートブロックの業者についてでありますが、物品をそういうことで現場で製造しますけれども、これを購入という形でおそらくきている例があるだろうと思います、実態をいまお話しでございますけれども。したがって建設業では全くないのではないかと考えられますけれども、この建設業法の中におきましても御承知のように、製品につきましては下請についていろいろ責任がございますので、下請がそういう物品の製造をして、それを購入したという形の場合に下請が非常に損害を与えたという場合におきましても、特定建設業はその場合におきましては損害についての立てかえ払いをする、これについての勧告をする、こういうことも考えておる次第でございます。そういう場合におきまして、建設業法の範囲外のものでございましても、ひとつ十分今後検討して指導措置をとってやっていきたい考えでございます。
#14
○大森久司君 ただいま局長の御説明によると九〇%が五千万円以下の下請業者であるということなら支払遅延等防止法を適用するほうが適正ではないかと、私はかように思うのですが、きょうは時間の関係でこれはまたあと回しにいたします。
 今回の建設業法の改正におきましては、特に建設労務者等の建設工事関係者が建設工事に関して不当に損害を受けることがないよう建設労働者等を保護するという観点から、建設大臣または都道府県知事は特定建設業者の請け負った建設工事につき下請人が賃金不払い事件を起こした場合、または工事の施工に関して他人に損害を加えた場合において必要と認めるときは、その特定建設業者に対して当該不払い賃金または損害金の立てかえ払いその他の措置を講ずることを勧告することができるものとされております。この規定は建設業界におきまして賃金不払い事件がいまなお多く、また倒産も多いため、第三者に多くの迷惑をかけているであろうことを考えますと、これらを救済するために必要やむを得ざるものとは考えるのでありますが、この規定が現実に動く場合というのは、実際は下請業者が倒産するようなときが非常に多いのではないかと推察する次第であります。したがって、法律において特定業者に対し万一賃金支払い遅延等が起こった場合の労働者などに対する救済の規定を置くとともに、他面においては下請業者が倒産しないように行政上措置すべきものである。今後は建設業行政においても、より中小企業の振興助成をはかるべきではないかと思いますが、大臣の所見をお伺いいたします。また、その立てかえ払いの勧告の規定は、他に立法例を見ない重い義務を特定の建設業者に課しておるように見えますが、特定建設業者がこれに違反したときはどのような制裁を加えられるのでしょうか。事務当局から御説明を願います。
#15
○国務大臣(根本龍太郎君) 今度の業法におきまして、御指摘のように、かなり重い責務を特定業者に与えております。これは、特定業者たり得る者は相当の技術、それから信用と資本の背景を持っておりまして、今日まで相当の業績をあげておるから、それにたえ得る体質を持ってきたということも考えております。なおまた、御承知のように、建設業法においては前払い金制度というちょっとよその国にないこれは保護もしておる。そういう観点から、これはかなり重い責務であるけれども、それはたえ得るということも考えております。これは、一面におきましては建設業法がかなり多種多様の専門職を総括した、いわゆるゼネコンの下請になるということが通常でありまして、そのためにこの専門的な建設業法の保護にも当たるからでございます。そこで、この下請を請けた人たちが、今度は労務者であるとかあるいは取引先に対して不払いしたとか、あるいはいろいろの迷惑をかけたという場合には、これは二つに責任があるわけです。一つは、特定業者、これにも責任をとらせなければならないし、一面においては今度は賃金を払ってもらえない労務者に対する責任と、二つにこれは分かれると思います。そこで、まず第一にわれわれの行政指導としては、そういうふうな不払いをしたり迷惑をかけるような下請業者をなくするということがまず第一です。そのためにいろいろの行政指導をする。しかしながら、そういうことをやったにもかかわらずそういう事態を起こしたならば、今度はその下請業者が自分の力でどうにもならないというときに、すなわち特定業者に対してわれわれが勧告してそれらの人々にちゃんと立てかえ払いをして、あと始末をする勧告をするということです。それから、それに対しまして賃金を受け取ることができなかった下請のいわば労務者とかそれから物品納入者の迷惑をなくする、こういうたてまえによるのでございます。なお、事務的のことについては局長から答弁いたさせます。
#16
○政府委員(高橋弘篤君) いま大臣から御答弁申し上げましたとおり、そういう場合におきまして特定建設業者に対しまして大臣または知事が勧告をすることができますが、これに従わなかったときにどうするかという問題でございます。まあそういう場合、下請人の賃金の不払いとかそういうことにつきまして、その原因について何らか責任があるということ、また立てかえ払いを強制するということについて妥当だと認められるという場合におきましては、建設大臣または都道府県知事が必要な処分をすることができるように二十八条でなっております。
#17
○大森久司君 私は、この機会に水資源の問題についてお伺いしたいと思います。
 全国的な水需給計画は、産業の発展、生活水準の向上の原動力でありますゆえに、それだけに水資源を有効適切に利用しなければならないと思います。その意味におきまして、私は水利権とはいかなるものであるかということをお尋ねしたいのであります。
#18
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、日本の経済の発展とこれに伴う産業構造の変化に従いまして、今後の水需要はますますこれは増大するものと思われます。これは、的確なる数字はまだはじいていないようでございまするが、大体昭和三十九年を基準とするならば、いわゆる都市用水は、今後昭和六十年の時代には三・五倍、農業用水等も一・二倍ぐらいになるのではないか、こういうふうに考えております。で、これに対するところの水資源はあるかといえば、あるのです。年々日本の国土の上に降り注ぐ降水は、これは膨大なものであります。たしか三千億トン以上じゃなかったかと思います。で、そうしてこれは十分にありまするけれども、地勢の関係上、ほとんどこれがどんどん、どんどん流れてしまいまして、これを有効に活用することがまだおくれておる。それからその上、いま最後に御指摘のありました水利権の問題に関するのは、その自然に流れている水をどう利用するかによって、現在あとで事務当局から説明いたさせまするが、水利権として明確に与えられておるのが御承知のように発電等のために水利権がこれははっきりと与えられておる。それから慣行水利権がある。これがある意味においては、法律的に規定しておる権利と、それからいわゆる慣行水利権として民法上の権利として確立されていないけれども、実質上はそれと同様な権利が慣行上与えられておるということになっておると思います。水利権については、事務当局からひとつ法的な解説をさせることにいたします。
#19
○政府委員(川崎精一君) 先生のお話は、いわゆる慣行水利権の問題かと思いますが、これにつきましては、河川法の制定以前から、やはり慣行的に水を使っておりまして、在来からのやはり一つの水に対する秩序として、私どももこの慣行水利権はただ慣行であるからということで、無理に目的転換を強制するというわけにもまいりませんで、やはりこういった秩序は尊重をしていく必要があろうかと思います。しかし大臣からもお話ございますように、やはり地域の発展の状況等を見てまいりますと、相当水を合理的に、効率的に使う上からは、いろいろまあ問題がやはりございまして、特にこの慣行水利権の中に、日本の水資源の相当な量を消費しておるわけでございます。そういった点で、私どもも慣行水利に対してどういうような姿勢で臨むべきかというようなことで、当面まず実態調査を始めておるわけでございますが、全国で見ますると、概数でございますが、水利権の数だけで約十三万件をこす程度の実態でございます。こういったものにつきまして、どの程度の水がどの程度の面積に使われておるかというようなまず実態調査と、それからその水資源を今後さらに合理的に活用するのには、どういうような対策が必要かというような点につきまして、私どものほうと、それから農林省、いろいろ共同をいたしまして、現在調査を進めておるところでございます。
#20
○大森久司君 ただいま承りますと、慣行水利権、許可水利権と二つあると聞いております。私は慣行水利権というのは、明治二十九年河川法制定のときに認定されたものでありまして、江戸時代のかんがい用水あるいはまた井戸水、飲み水等に使用しておるものは、全部認められたと思うのですが、これはどうなっておりますか。
#21
○政府委員(川崎精一君) 私どものほうでも、まあ先ほど申し上げましたように、必ずしも十分実態を把握しておりませんが、河川法制定以前の水利の実態につきましては、これを許可があったものとみなすということで取り扱っておるわけでございます。
#22
○大森久司君 慣行水利権、いわゆる水利権が川によってその権利が異なっておるというようなものをわれわれは見るのでありますが、われわれ奈良県に流れておる吉野川は下流にその権利、いわゆる和歌山県が水利権を持っておる。淀川は上流の滋賀県に水利権、これを考えますとこれは徳川幕府の圧力政治の見本が今日にその尾を引いておるものである、私はかように思っております。大阪は豊臣家の本拠であり、奈良県いわゆる大和は豊臣秀次が大和一国を治めておりました。京都は朝廷のあったところであります。徳川幕府は徳川家の安泰をはかるためには徳川に反逆すると思われるこの三拠点である。最も注意すべきものは京都、大阪、大和であるとして紀州に将軍の弟の紀州大納言、いわゆる徳川大納言を五十五万石で据え、あるいはまた彦根に井伊大老三十六万石を据え、この三地点を見張りするとともに絶えず動静をさぐり圧力を加え、その地点には大きな大名を置かないことにしたのであります。すなわちその圧力の一部が紀州大納言が上流の吉野川を制して、上流で水をとらせないようにする、滋賀では井伊大老が下流の淀川に勢力を及ぼしたのであります。それが今日に及んで水利権となっておる。このような水利権がはたして正しいのであろうかどうか。このような水利権は撤廃し、やり直すべきではないか、かように私は思います。しかも農業用水は五月十五日から九月十五日までの四カ月間でありまして、この権利が全面的な河川を制する権利となっておるところに非常に疑問があります。天から降る雨は森羅万象に与える天の恵みであり、その地方に降った雨はその地方の人が使うのが当然であります。あるいはまた原則であらねばならないと思います。下流の者が上流の水を制することがあってはいけない、こういうような行動をとることは天理に反する行為であると私は思います。私のほうのいなかでは、下流の人は農始めあるいは収穫が済んだとき等に上流の農家の役員等を一年に一回あるいは二回、ごちそうするかあるいは酒を持っていくのが習慣となっております。これはすなわち下流は自分のところに降った雨を自分が使うそれ以外に上流の雨水あるいは環元水をもらうからである。これが自然の水利権であり、納得のいく水利権であると思うんですが、大臣はどうお考えになりますか。
#23
○国務大臣(根本龍太郎君) いまお示しのように、慣行水利権というのは地方によって非常に違うのです。いまの徳川時代にそうした権力支配の体系としてできたものもありますし、それから純粋にその地区地区の農業の態様によっても違うようです。したがいまして、これが明治政府になっていろいろの権利設定するにあたっても、これはあまりにも多種多様であるから、これはいわゆる河川法上いわゆる慣行水利権という非常に不明確な形で従来の慣行はそのまま許可水利権と同じように認めるというような措置をとったものと思われます。それが今日まで及んでおるところに、いろいろ矛盾があるということはそのとおりだと思います。そこで、二、三年前、私が日本の産業構造の変化、社会情勢の変化に応じて、この慣行水利権を洗い直してはどうか、そうして現在の国民生活にあったように調整すべきである、こういう提案をいたしたのであります。ところが農民の側からは、これは自分たちの既得権益を害するものだというような考えを持つ方もありまして、またそれを扇動する者もありまして、根本発言は農民の敵だなどという者もありましたが、いまやそういうことで、私の言った慣行水利権を整備することは、これは客観的に見て必要であるという一般的な国民の合意を得てきたように私は信じています。それで現在、先ほど河川局長が説明申し上げたように、農林省と建設省が相提携しながら慣行水利権の実態をまず調査し、そうして内容のわかったところで、必要のあるところは権利調整をしていく、そうして一般国民の福祉のためにこれを活用するというような体制をとっておる段階でございます。
#24
○大森久司君 次に吉野川筋の吉野町、下市町、大淀町が上水道計画を申請しております。河川局では既得権を認めず大滝ダムの許可水利権にまで入って分担金を出せということでありますが、それはいかなる理由でありますか。
#25
○政府委員(川崎精一君) 実は、まだ本省まで話が上がっておりませんので、私詳細な事情をよく存じませんけれども、紀ノ川水系の水利につきましても、やはりずいぶん古くから総合開発事業が行なわれておりまして、一応現在の水系での水の需給の度合いというものはそれぞれ一ぱいになっておるというように承知しております。ただ、今後のやはり水資源といたしますと重要な水系でございますので大滝ダムをはじめといたしまして、今後大いに流域の水資源はもちろん奈良並びに和歌山地区の今後の都市用水の需要を供給いたしますために水資源開発を進めていきたいということで、現在大滝ダムの着工を進めておるわけでございます。先生のただいまお話の町は、たしか紀ノ川水系の上流の吉野川筋のいわゆる狭谷地帯に発達しておる町の用水であろうかと思います。あの地域につきましては、これは在来からやはり谷水とか伏流水を使って土地の方々がそれぞれ飲用に供しておったわけであります。したがいまして、そういったものが生活水準の向上等に伴いまして、次第に水道化されていくということは非常にけっこうなことでございますし、在来からもかなりの水をやはり個人で消費しておるわけでございますから、そういったものを勘案しますと、特に下流の水の量その他の秩序に影響がなければ、検討の余地が十分あるのじゃないかというふうに思います。なお、詳細につきましてはちょっと資料がまだ手元まできておりませんが、十分地方建設局のほうにも、私どものほうから指導するようにいたしたいと思います。
#26
○大森久司君 ただいま局長さんからいろいろ話を承りました。局長さんは奈良県の事情を非常によく知っておられるので御心配されておることと思いますが、この三町は吉野川に沿っておりまして、そうして井戸水で生活しておる、いわゆる吉野川の水で生活しておるということでありまして、先ほどの明治二十九年の河川法制定のときに既得権が私は認められておるものであると、かように考えるわけであります。しかも下流の五条市は上水道が認められておる。あるいはまた和歌山県も既得権を認められておる。ところが、この三町が既得権を認められないということそれ自体が非常に問題である。そうしてまた、それらの人々が非常に不安を持っております。で、この吉野川筋三町の水道計画は、河川法第四十条の一の「当該水利使用に係る事業が関係河川使用者の当該河川の使用に係る事業に比し公益性が著しく大きい場合」というのに私は該当するものと思います。また還元水も相当ある。だから下流に迷惑をかけない、かようにも思います。また、ことに大台ケ原は、御承知のようにこの上流にある山ですが、日本で有名な多雨地帯であります。この大台ケ原は年間四千五百ミリという多量の雨を降らしております。しかるに、この吉野川が災害も少なく、いつも常水を流しておるということは、この吉野の森林行政がりっぱであるから災害が起こっておらない。降った雨は葉っぱで受けてこれを蒸発せしめ、残った水は根元にとめて徐々に流しておるからであります。この森林行政はほとんどこの三カ町の人々によって行なわれており、この功績も認めてもらう必要があります。この当然なる生活権の要求はぜひ受け入れてもらいたいことを要請いたしておきます。
 時間がないものですから、続いて質問に入ります。許可水利権とはいかなるものか、またこの水利権はいかなる方法で定められておるかということをお尋ねいたします。
#27
○政府委員(川崎精一君) 各河川におきまして、河川の実情を踏まえまして、その水の使用が下流の現在のいろいろな水の利用の形態、あるいは環境の保全、そういったものに支障がない場合には、河川法の所定の手続を踏んだ場合に許可をすることにいたしておるわけでございます。やはり、そのために下流に支障があるとかそういった場合には、新しくダム等をつくりまして水資源を生み出した上で、それに対するもちろん相当な負担も伴うわけでございますが、そういった処置をした上で許可をするというふうにいたしております。
#28
○大森久司君 この問題についてはいろいろお尋ねしたいのですが、時間がございませんので次に移ります。
 河川局の全国水需給展望の広域利水計画報告を拝見しました。その計画構想の一日も早からんことを期待するとともに、将来の水資源計画を立てるためには、この際思い切って、先ほど大臣が言われましたように、古い水利権を洗い直しして、下流に水が不要でいつも海に流しておる、この水を利用するということが必要であります。徳川時代の、農業用水が唯一の利用水であった時代と今日とは、ことに文化が発達した今日とは違うわけでありますから、先ほど大臣が言われましたように、この機会に不必要な川は必要な方面に河川の流域変更をするとか、全面的な水需給計画を立て、公平にして納得のいく資源の配分をやる時期がきたのではないかと私は思います。そういう意味合いにおきまして、大臣は先ほども申されましたが、いま一度その決意のほどをお聞きしたいのであります。
#29
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま御指摘のように、私はすでにこういう発言をいたしました。閣議において発言し、了承を得て、いまこの水利権の全面的な調査、それに基づく調整を総理府でその基礎条件を固めるいま調査をしておるという段階であります。したがいまして、御趣旨の点は今後とも引き続いて、水という大事なこれは国民財産、これを全国民がひとしく享受できるような方策を講じていきたいと思います。
#30
○大森久司君 なるべく早い機会に決意されんことを望みます。
 いま一つお聞きしたいことは、水源の単価統一ということであります。少なくとも流域水源のプール計算による単価統一を考えておられるか、考える必要があると私は思うがいかがでございますか。
#31
○政府委員(川崎精一君) ただいま先生のお話しのように、現在私どものところでかなりたくさんの水資源開発のための多目的ダムを実施いたしております。最近のもちろん物価あるいは用地の高騰等もございますけれども、やはり建設費が相当値上がりをしてまいりますので、したがいまして、次第にダム自身の事業費の高騰による水源費の差というものがだんだん開いてまいります。それからやはり川の流況も開発してまいりますほど、あとほど開発するためのダムの容量というものがやはり大きくなってまいります。そういった点で非常に水源費の単価となりますと、現在はほぼ安いところで一トン当たり三円から五円くらいでございますが、将来はこれが二、三倍になるのじゃないかというような見通しでございます。そういうものを踏まえますと、どうしても安い水を権利的に先取りをしたいというような傾向もございまして、非常に水の配分の上で、いろいろ問題を起こしておるわけでございます。したがいまして、私どもとしましてもある程度長期的な水需給計画が策定されました上で、大体どのくらいの単価をねらって適正な配分をすれば妥当かというようなことを、現在事務的には検討を始めておるわけでございます。ただこれにつきましては、いろいろ制度上の問題が相当ございますし、それともう一つは、水源費の現在水道料金に占めておる割合というものは微々たるものでございます。したがいまして、こういう水道料金との兼ね合いをどういうふうにするかというような問題もございます。そういったものを総合して、今後とも先生のおっしゃるような方向に基づいて是正する方向で、ひとつ検討していきたいというふうに思っております。
#32
○大森久司君 是正するというお話ですから、非常にけっこうですが、実は木津川水系の高山ダムの利水は一トン十億円で、それが大阪に送られ、そして同じ水系の奈良市がやった自然流では一トン三十億円かかっている。そして、室生ダムで計画されておる県営水道は一トン十五億円かかるということになっております。そうすると、工事費の安いところを割り当てられた利水者と、高いところを割り当てられた利水者に公平を欠き、不信を抱かすと思うがゆえに、私はプール制単価統一を強調いたしておきます。
 次に、豊水水利権を政府はどういうぐあいに考えておられるか。最近都市周辺の河川の水質は著しく悪化しております。用水源として問題化している飲料水の水源は、五百メートル以上の山間にダムをつくって水源確保すべきであるという説がありますが、局長はこれをいかに考えておられるか。
#33
○政府委員(川崎精一君) 豊水水利権につきましては、これは必ずしも安定した取水を約束する水利権ではございませんけれども、やはり地域地域によりましてはそれほど安定性がなくとも、あるいは浄化調節の可能なような場合には、できるだけむだに流れておる資源を有効に使うべきじゃないか、特に水の逼迫しておる地域では、多少渇水を覚悟してもとにかく水を飲む必要がある。こういうようなことで、主として生活用水等につきましてやむを得ず私どもも認めておるわけでございますが、やはり長期的な水資源の手当てをいたしまして、安定した流況を確保するのが本筋ではないかというふうに考えております。
 それから、水質汚濁の点につきましては、これは先般の公害国会でいろいろこれに対する法律ができまして、各公共水域についても環境基準等が設定されたわけでございます。したがいまして、下水道の整備あるいは流況の増加と安定、それから物理的にはあるいはしゅんせつとか、浄化用水を流すとか、こういったことをやっておるわけでございます。現在の状況では、水量をふやして水質を浄化するということは非常に困難でございます。と申しますのは、都市用水、いわゆる飲み水自身の不足の充足がまず第一でございますので、環境保全までなかなか及ばないわけでございますが、将来水資源の開発に従って流況もふえてまいりますれば、流域のやはり水質も自然に水量の増加によって希釈されてよくなる方向になるわけでございますので、できるだけその方向で水資源の開発もあわせて努力をやっていきたい、こういうように考えております。
#34
○大森久司君 今後下水道計画が進められた場合、水源の枯渇の危険性が生ずる現在の河川水ではやりきれないときがきている。工業用水の回収率の向上、下水処理水の還元利用、海水の有効利用等を積極的に研究することが緊急の課題であると私は思います。そういう意味合いにおきまして、十分予算を要求して利水研究部とでもいいますか、そういうようなものをつくる御意思は大臣は持っておられるかどうか。
#35
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のように、水需要が非常に飛躍的にふえている。これに対する上流の水の状況が必ずしもそれを充足することができないであろうという危険もあります。そういう意味で、一たん使いました水を浄化して再使用ということは現実には若干やっております。さらにこれを強化して、特に都市用水のうち冷却用水等に使う工業用水の一部、あるいは車を洗う洗車、あるいはもう一つは水洗便所に使うのを、上水道を使うというよりもこれを回収した水でやるべきだという議論もありまするので、これはそれぞれ検討いたさせます。しかし、いま直ちにこのために一つの研究所を設けるという段階にまだ至っておりませんが、これは建設省がやるのが適当であるか、今度新たに設置される環境庁の中でやるか、所管の問題もありまするので、十分その点を配慮の上に今後検討してまいりたいと思います。
#36
○大森久司君 これで私の質問を終わります。
#37
○委員長(田中一君) 本案につきましては、この程度にいたします。
    ―――――――――――――
#38
○委員長(田中一君) 農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案(衆議院送付)を議題といたします。
 まず、政府から提案理由の説明を聴取いたします。建設大臣。
#39
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま議題となりました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 国民のすべてが健全で明るい住生活を営むことができるようにすることは、政府に課せられました重大な使命であります。政府といたしましては、第一期住宅建設五カ年計画に続き、昭和四十六年度を初年度とする第二期住宅建設五カ年計画を遂行することにより、住宅事情の改善につとめる所存でございますが、その際、特に大都市及びその周辺の都市等における住宅難がいまなお深刻である事態にかんがみこれらの地域における良質な賃貸住宅の大量供給に意を配る必要があると考えられるのであります。
 このため、これらの地域における農地所有者等が土地を手放すことなくみずからの土地に賃貸住宅を建設し、これを経営することを促進することがきわめて有効な方策であると考えられるのであります。なお、このことはあわせて、政府の重要課題の一つである水田の宅地化にも資するものであります。
 土地所有者による賃貸住宅の建設については、すでに住宅金融公庫による融資が行なわれておりまするが、農地所有者等が賃貸住宅を建設する場合には、新たに農業協同組合の資金等民間資金の活用をはかる方策を講ずることが適当であると考えられます。
 これらのことから、農地所有者等に賃貸住宅の建設資金を融通する農業協同組合等の融資機関に対して政府が利子補給金を支給することにより、家賃の適正な賃貸住宅の供給を促進するとともに、水田の宅地化に資する制度を創設し、時代の要請にこたえることとした次第であります。
 以上が、この法律案の提案の理由でありまするが、以下この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、一定の要件を満たす賃貸住宅を建設する者にその建設費を融通する農業協同組合等の融資機関に対して、政府が利子補給金を支給することができることにいたしております。
 この場合、利子補給の対象となる融資の目的とする賃貸住宅は、大都市及びその周辺の都市等の市街化区域内で建設されるものであること、面積または住宅戸数等について定められた基準に適合するとともに、水田の宅地化に資すると認められる一団地の住宅建設の全部または一部として建設されるものであること、規模、構造及び設備が一定の基準に適合するものであること、といたしております。
 第二に、事業主体は、賃貸住宅の敷地となるべき土地の区域内の農地等を所有する個人等といたしております。
 第三に、利子補給の対象となる融資は、利子補給金が支給される間における利率が年五・五%で、償還期間が二十五年以上であることにいたしております。
 第四に、利子補給は、三・五%をこえない範囲内で建設大臣が定める率により、融資の日から十年間、一定期間ごとに融資機関に支給することにいたしております。
 第五に、利子補給にかかわる融資を受けて建設された賃貸住宅の家賃等について、所要の規制を行なうことにいたしております。
 第六に、利子補給契約を結ぶことができるのは、原則として昭和四十六年度以降五年間といたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますよう、お願い申し上げます。
#40
○委員長(田中一君) 引き続き、本案について補足説明を聴取いたします。多治見住宅局長。
#41
○政府委員(多治見高雄君) ただいま大臣から提案理由の御説明がございました農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案、たいへん長い名前の法案でございますが、これにつきまして補足的に御説明申し上げます。
 逐条的に申し上げますと、
 第一条は、この法律の目的を定めたものでございまして、ここにございますように、住宅不足の著しい地域におきまして、農地の所有者がその農地を転用して行なう賃貸住宅の建設等に要する資金の融通につきまして政府が利子補給金を支給することによりまして、その結果として居住環境が良好で家賃が適正な賃貸住宅の供給を促進したい。それとともに、水田の宅地化に資するということを目的といたしまして、第一条にその旨を記載してございます。
 第二条でございますが、
 第二条は、政府が利子補給金を支給する旨の契約を結ぶ場合における所要の事項等について定めたものでございまして、政府といたしましては農地所有者等の申請によりまして、その者が特定賃貸住宅を建設する場合におきまして、農業協同組合その他の融資機関がその資金を融通するときは、その融通された資金のうち一定範囲のものについて利子補給金を支給する旨の契約を当該融資機関と結ぶことができるということにいたしております。
 同条第一項第一号から第三号までは、政府に対しまして利子補給契約を結ぶ旨の申請をすることができる者を定めたものでありますが、特定賃貸住宅の敷地となるべき土地の区域内の農地その他の宅地以外の土地を所有する個人等に限ることにいたしております。
 第二項では、利子補給の対象となる特定賃貸住宅の要件を定めております。その要件といたしまして、第一に、大都市及びその周辺の都市等の都市計画区域内にかかわる市街化区域において建設される賃貸住宅であること、第二に、規模、構造及び設備が一定の基準に適合した賃貸住宅であること、第三に、その賃貸住宅が、面積または住宅の戸数その他の事項に関する基準に適合し、かつ、一定面積以上の水田の宅地化を伴うと認められる一団地の住宅の全部または一部をなすと認められるものであること、ということにいたしております。
 第三項では、利子補給契約の対象となります融資の条件を定めております。第一号では、利子補給金が支給される間の利率が年五・五%であること、第二号では、償還期間が二十五年以上であることを条件といたしております。
 第三条は、利子補給契約によりまして政府が利子補給金を支給することができる年限を当該利子補給契約をした会計年度以降十二年度以内とすることをきめております。
 第四条は、政府が毎年度、利子補給契約を結ぶ場合には、各利子補給契約において支給することとする利子補給金の総額の合計額が、当該年度の予算できめる金額の範囲内でなければならないということを規定いたしてございます。
 第五条は、一の利子補給契約によりまして支給することとなる利子補給金の総額の計算方法をきめたものでございます。
 第一項では、対象融資が最初に行なわれた日から一年間について、それからその後の九年間について、それぞれ所定の方法により計算した融資残高に利子補給率を乗じて得た額の合計額を、支給すべき利子補給金の総額の限度とするということをきめております。
 第二項では、利子補給率は年三・五%をこえない範囲内において建設大臣がきめるということを規定いたしてございます。
 第六条は、利子補給金を支給すべき融資残高は、最初に対象融資が行なわれました日から十年間における融資残高とするということを規定いたしてございます。
 第七条は、利子補給金の支給額及びその支給方法等についてきめたものでございまして、利子補給金は利子補給契約においてきめられました総額の範囲内で支給すること、所定の期間ごとに支給すること、実際の融資残高と所定の方法によりまして計算いたした融資残高のいずれか低い額に従い支給することということを規定いたしてございます。
 第八条は、賃貸条件等について一定の期間、所要の規制を行なうことを規定いたしたものでございます。第一項では、対象融資にかかわります賃貸住宅は、みずから居住するため住宅を必要とする者または従業員に対しまして住宅を貸し付けようとする事業者以外の者には賃貸してはならないということをきめておりまして、第二項では、家賃等に関しまして所定の基準に従って賃貸すべきことを定めております。
 第九条は、対象融資にかかわる賃貸住宅につきまして、一定の期間、承認を受けないで譲渡したり、あるいは住宅以外の用に供することを禁止する旨を規定いたしてございます。
 第十条は、対象融資を受けた者に対しまして建設大臣が所要の報告を求める、あるいは必要の場合は検査をし得る旨をきめたものでございます。
 第十一条は、融資機関または対象融資を受けた者が利子補給契約等に違反した場合の措置について定めたものでございます。
 第十二条は、都道府県知事に対しますこの法律の施行に関します権限の委任について定めてございます。
 第十三条は、所要の事項につきまして政令に委任することができる旨を包括的に規定いたしてございます。
 第十四条から第十六条までは、所要の罰則を規定いたしてございまして、賃貸条件等に違反した者、あるいは承認を受けないで賃貸住宅の譲渡等を行なった者、報告または検査を拒んだ者等につきまして、それぞれ罰金の罰則規定を設けてございます。第十六条は、いわゆる両罰規定でございます。
 以上が本則でございます。
 附則につきましては、附則第一項は、この法律の施行期日を定めております。
 附則第二項は、利子補給契約は昭和五十一年三月三十一日まで結ぶことができる旨をきめてございますが、同日において、特定賃貸住宅を建設するため宅地造成に関する工事が行なわれている場合には昭和五十三年三月三十一日まで二年間延ばしまして利子補給契約を結ぶことができるという特例を設けてございます。
 附則第三項は、建設省設置法につきまして、この法律の制定に伴いまして必要な改正を行なったものでございます。
 以上がこの農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給臨時措置法案の逐条の説明でございます。
 以上でございます。
  〔委員長退席、理事松本英一君着席〕
#42
○理事(松本英一君) それではこれより直ちに本案に対する質疑に入ります。質疑のある方は順次御発言願います。
#43
○田中一君 建設大臣に伺いますが、この発想はこの条文だけで見ると二つあるように思います。あなたには住宅行政の担当をしている方であります。農林大臣が来てくれると一番いいのでありますが、ほかの委員会においでになるからやむを得ませんが、水田の宅地化というのがもう一本の柱になっておるが、どちらを重点として発想されたか、これはまあ根本さんは秋田県に選挙区を持っており、ことに相当優秀な水田地域におるので、いろんな点から発想があろうと思いますけれども、どちらに重点を置いて発想されたか、あなたは建設大臣であり、かつまた住宅担当の大臣であることをひとつお認めの上、御発言を願いたいと思います。
#44
○国務大臣(根本龍太郎君) これは住宅政策として取り上げておりまして、したがいまして、水田を宅地化するというのは端的に申しますと副次的な法の目的であると私は考えております。御承知のように、現在、住宅問題でやっぱり一番むずかしい問題は、大都市における賃貸住宅です。自分で自分の住宅を建てる人もかなりいろいろとむずかしい問題がありますが、これはまだまだいろいろの解決の方法が見出し得る人たちであります。ところが、いつも問題なのは自分で自分の住宅、持ち家を持つことが非常に困難である、そうすると必然的にこれは賃貸住宅にならざるを得ない。ところが民間で普通やっていると非常にどうしても高くなる。そこで政府施策住宅、具体的に申し上げるならば公庫、公団の住宅、それから地方自治体で行なっております公営住宅、こうなるわけでございます。ところがこのうちでいずれにおいても一番大きな問題は、土地の取得です。宅地の取得が非常に問題になってきておる。ところが一方、この経済社会情勢の変化に伴いまして、すでに国会の諸先生によって認められて立法化されておる新しい都市計画法によって、市街化区域とそれから調整区域がはっきりといまきめられまして、ほとんど大部分が線引きが終わっておりますが、この市街化区域に入れられたところの農地は、従来と違いまして、自動的にこれが農地転用が許可なくしてできる。いわば宅地化、都市化するということことができます。そうなりますればこの中に区域の中に入れられた農地、特に水田の宅地化を住宅政策の面から促進することも、これは住宅政策それ自身のためになるのみならず、御指摘のように、農業の農地転換の役にも立つ、こういう発想でございます。しからばどこを一番ねらいとしておるかと申すならば、これはもとより民間資金でやることでございますから、これは公営住宅ではございません。これはやはりどこまでも民間の賃貸になる。すなわちそうなりますれば大体公団住宅に入居することを希望する人たちを一応の標準的な対象と見てやっていこうというのが、この農住政策の立法趣旨であり、一つの目標であると申し上げて差しつかえないと思います。
#45
○田中一君 農林省農政局の板野課長に伺いますが、農林省では水田の宅地化といわゆる減反、休耕というものを強行して、そうして農民に不安のない安定した収入を与えたいという意図からだと思いますけれども相当大規模な農住政策というものを打ち立てようとしております。この構想をひとつ披露していただきたいと思います。
#46
○説明員(板野権二君) 農林省で現在考えております、また実施しております農住構想につきまして簡単に申し上げますと、この構想は、経過的に申し上げますと、全国農協中央会あたりを中心としまして系統から出た構想でございます。農林省といたしましても、この構想をまことにけっこうではないかということで、昨年度、四十五年度から予算措置を講じまして、まずモデル的に各県一地区ずつ、二十三地区につきましてモデル的にマスタープランを作成するための経費を助成することにいたしております。これは計画の内容といたしましては、大体一地区住宅団地おおむね二十ヘクタールという基準で実施しておるわけでございまして、一地区につきまして約百万円の補助金を交付してマスタープランを作成する、こういうことで、四十五年度から実施しておるわけでございまして、四十六年度につきましては、この二十三地区の計画事業に加えまして、新たに十地区新規の地区を選びまして、同様の助成を行なっていきたいと、かように計画しておるわけでございます。
#47
○田中一君 建設大臣はこれはよく御存じですね。そしてこの農林省指導の農協住宅、これは新都市計画法に基づく調整区域のみに限定するというお考えか、あるいは市街化区域の中で適地があればそれを推進していくお考えか、その点をお伺いしたい。これは農林省です。
#48
○説明員(板野権二君) 現在私のほうで実施しております計画では住宅を建設する住区つきましては、原則として市街化区域ということで実施いたしております。
#49
○田中一君 そうすると、いまこの提案の法律、その地域はこの法律の農協の考えておるものも同じ地域に求めているんだということなんですか。それだけ、これはだれでもいいですよ。
#50
○政府委員(多治見高雄君) ただいま農林省のほうから御説明ございましたように、農林省のほうでも農住計画につきまして従来から調査を進め、今後も調査を進めるということでおやりになっておられます。今回、われわれこの法案を提案いたしました際、農林省のほうと十分打ち合わせをいたしまして、現段階ではまだ最終的に煮詰まっておりませんけれども、従来、先ほど御答弁ございました、農林省で調査されております地区のうち、半数ぐらいはこの新しい法案に乗って農住の建設ができるのではないかという見通しを現在持っております。
#51
○田中一君 この法律の該当する住宅というものがむろん市街化区域であることは第一条件、第二には、単なる水田のみならず、水田が五〇%以上含まれたならばいわゆる大体二ヘクタールというふうに聞いておりますけれども、二ヘクタールの水田並びに山林原野、田畑などはよろしいと、こういうように考えられておるそうでありますが、三%の利子補給というものと二十ヘクタールに対する百万円の補助というものの比重はどちらが高いのか、ちょっとぼくにはわからぬから、そういう積算は事務当局でしていると思うから説明をしていただきたいと思います。いわゆる二十ヘクタールに対する百万円の補助、それから二ヘクタールに対する、これは二ヘクタール以上でなければ利子補給をしませんから、このうちの水田が五〇%以上という場合、その場合の三%というものとの比重はどちらが高いか、どういう計算になるか図解していただきたいと思います。
#52
○政府委員(多治見高雄君) 利子補給制度をとりました基本の問題でございますので、われわれのほうもいろいろ計算しておりますが、条件によりまして結果の数字は若干狂いますが、ごく大ざっぱに申し上げまして、今回の提案いたしました法案によります利子補給で行なわれます建設資金に対する援助というのは大体三分の一の補助金に相当する程度の援助になるというふうな計算をいたしております。
#53
○田中一君 何だかさっぱり説明がわからぬので図解してほしいと思います。金利なんていうのは大ざっぱなんていうことばで表現しちゃいけません。一銭一厘一毛でも金利というものはたいへんなものです。大ざっぱ云々という計算を示すことは困るのであります。だから図解していただきたい。
#54
○政府委員(多治見高雄君) 私大ざっぱと申し上げましたのは、通常補助金との比較においてそういうふうな表現で申し上げましたが、補助金の場合はこれはもちろん金利もございませんし、支給の期日も多少前後する。これは計算上に入っておりません。建設費に対しまして補助金を幾らやる、三分の一やる。それを計算いたしますと、大体今回の利子補給額に相当する。利子計算をいたしますとそういうことになるのではないかということで、まあ大ざっぱということばを使いましたけれども、そういう意味ではございませんで、利子補給の場合にはもちろん厳密に計算いたしております。補助金の場合は、利子補給に対する計算と同じような精密な計算は、利子はとにかく毎日つくわけでございますので、そういう精密な計算ができませんので、補助金と比較いたしますと三分の一程度の補助金支給と同じような効果があるのじゃないかということを申し上げたわけであります。
#55
○田中一君 そうすると二十ヘクタールに対する百万円の補助ということだから、二ヘクタールならば十万円ということになりますね。十万円の補助というものが水田オンリーと考えた場合にはこれは半分ですから、一ヘクタールの水田があればいいということになる、二ヘクタールを単位にすれば。そうするとどちらを農民が求めて、それに従っていくかという点について計数をひとつ資料としてお出し願いたいのです。比較して、どちらが得であるか、率直に農民が考えてどちらの政策、二つの政策のうちどちらの政策に従おうとするかという農民の計算をひとつ資料でお出し願いたい。
#56
○政府委員(多治見高雄君) 御要求の資料、いろいろの計算の方法がございますけれども、いろいろの計算の方法で計算した結果をお出しいたします。ただ単純に補助金の場合と利子補給の場合とどちらが農民にとって有利かというお話だと思いますけれども、補助金の場合は国が公的資金で家を建てる。地方公共団体が公的資金で家を建てる場合に、国がそれに対して補助をするという考え方でございますので、先ほど大臣の提案理由の御説明にもございましたように、農民が最後まで自分の土地として農地を保有したまま適正な家賃で供給できる、賃貸住宅を供給するのだという趣旨がございますので、そういった面から計算上有利不利は多少ございますけれども、やはり利子補給でいくのが適当であろう、そういう結論に達した次第でございます。
#57
○田中一君 私は、ここに水田なんという文句を入れたのはだれが入れたか知らぬけれども、おそらく根本建設大臣は不満だろうと思うんです。しかし一面、優秀な米をつくっている地域に選挙区を持っている根本さんとすれば、これはまたそういう気持ちも、初めは全部が水田というような考え方もおそらくあったんじゃないかと思うんです。これは私推測するんです。しかし、農林省は農協を指導してこうした大型な宅地造成をやろうという考えを持っている。これと競合する。まあなわ張り争いでもって、おそらく、だれが仲裁をしたか、まあ大蔵大臣あたりが仲裁してこの辺に落ちついたんじゃないかと思うんですが、私は、こういう分裂した政策というものは、一つの責任政党、政党政治の中において行なわれるということに対しては、非常に嘆くのであります。建設大臣はどこまでも住宅プロパーの立場からこれが発想が出ているんだとおっしゃっている。また農林省も、農協、これは膨大な資金を持っておりますから膨大なマンモス金融機関です。これは農民の金を預かりながら、しいて言うと、もうけた膨大な資金を持って、これによって、建設大臣が担当しなければならぬという住宅政策の一環に食い込んできているということ、これらは私が常々申し上げているように、非常に政策の混乱というよりも、大臣の周囲にいる高級官僚――高級か下級か知らぬけれども、この連中が自分のなわ張りを広げたいという野望から国民不在の住宅政策に発展してきているというのが、最近ことにしみじみ身にしみて感じ取っているわけなんです。私は、加えて、いま住宅局長が言っているように、もう一つは、これに加えての資料がほしいんです。何かと申しますと、この利子補給住宅というものは条件がついております。むろん、家賃も一応住宅金融公庫なり住宅公団、これは積算からくるところの家賃ということにならざるを得ない。どのくらいの数があるかわかりませんが、同一のものとは思いませんが、むろん三%の利子補給をしているんだから、十年間利子補給するんだという前提からくると、その制約は当然であります。国民の税金でやるんですから制約があります。ありますが、これは当然だと思います。思いますが、かりに農林省が農協を指導しているところの全額農協融資の資金の利子は知りませんけれども、まあ八分五厘ぐらいだと思うんです。そうするとこれは何にも家賃、賃貸条件の制約はありません。いま社会通念としてわれわれが考えておる鉄筋コンクリートまたは準防建築というものの家賃というものは、政府施策のものに対しては制約があるけれども、民間のものに対しては何にもないのであります。ないんだから、はたして利子補給によって追っつけるところの家賃、入居条件と、農協がつくり上げるところの農住とは家賃の差があるはずであります。むろん、これは国民大衆は、ことに勤労者を中心に貸そうと言っておるのでありますから、安いものにいきます。しかし、農民はよりよい家賃がほしいのであります。したがって、単一に、たとえば東京都なら東京都という地区を考えてもいい。三多摩の大部分というものは市街化区域です。交通機関をたよっても一時間、一時間半という制約がございます。あるいは、もっと早い時間で自分の勤務地に来れるという家賃とは、こういう制約をしても立地条件によって勤労者の求める家というものは差別があろうと思うんです。したがって、農協のほうでは一体家賃を幾らに押えようとしているのか。あるいは建設省は家賃をどれくらいに……。農協の場合には取れるだけ取ればいいのでしょう。利子補給の場合にはこれは限定される。それが農民にどういうプラス、マイナスになるかということも加えて、さっきの利子補給と百万円の補助金との関係を明らかにしていただきたいと思うのです。これは資料としてよろしゅうございますね。
#58
○政府委員(多治見高雄君) 非常にむずかしい問題でございますが、御趣旨のように、この制度を発足させずに農協の資金が自由に農地所有者に流れまして、農協の高い資金コストそのままが農地所有者に流れて、それをもとに農地所有者が住宅を建てますという場合には、お話しのように現象的に現在あらわれておりますけれども、われわれ俗に庭先木賃と申しておりますけれども、農家が自分の手持ちの土地に高い資金コストで家を建てる。したがって資金コストが高いので家賃も上げざるを得ない。したがって、規模、構想も非常に劣悪な条件の住宅を建てざるを得ないということで、そこにお入りになる方は、高い家賃を払って非常に劣悪な住宅環境の中にがまんして、交通状況その他がございますのでがまんしてお入りになっておる。これは住宅政策として根本的に是正すべきであろう。したがいまして、この法律では、良好な住宅環境ということを一つ大きく目標としておるわけでございます。そのために利子補給をして安い資金コストを農地所有者に回す。ただ、その回すことによって、効果は、適正な家賃で良好な居住環境を確保したいということをねらっておるわけでございます。仰せのように、これを放置して利子補給しなかった場合には、劣悪な居住条件で高い家賃で一般の住宅困窮者は入らざるを得ないという現在の社会的条件がございますので、そういった点を打開するという意味でも、この考え方は非常に現在の条件からいって適正ではなかろうか、というふうにわれわれは考えておるわけでございます。
#59
○理事(松本英一君) 速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#60
○理事(松本英一君) 速記を起こして。
#61
○田中一君 どうも農林省と建設省と、おれのほうがいいんだ、おれのほうが安いんだといってけんかしないでくださいよ。じゃ、農林省に伺いますがね、農林省の農協を指導する住宅というものの規模それから構造、家賃その他どういう算定のもとに百万円の国費を補助しているのか。私は、いま住宅局長が言っているように、劣悪な、条件の悪い高い家賃に入るよりもこのほうがいいんですと、こういうことを、この法案の対象の住宅、当面二千戸のうちに対して言っておる。そうすると、農林省の農協を指導するところの住宅というものは、劣悪な、スラム化する、あぶなっかしい、とんでもないうちということにならざるを得ないのですから、ひとつ詳しく説明して、場合によったらこの次までに資料をお見せください。資料、要綱、マスタープランをお出しください。もしも、それが住宅局長が言っておるようなとんでもないものならば、これはとんでもない話ですから、これは別の問題として取り上げて、あなた方農林省を追及しなければならぬ。したがって、これはマスタープランを出していただきたい。
#62
○国務大臣(根本龍太郎君) どうも、少し認識のそごがあるようです。この農住政策については、農林省と建設省は何らの権限争いも意見の相違もないのです。そこで、いま住宅局長が言ったのは、農林省が奨励しておるものが非常に劣悪で建設省がやるのはいいということではなくて、現実に農民の方々が自分の土地に一般のそれぞれの農協からお金を借りてつくったところの賃貸住宅は、従来、農林省が本格的に指導も助成もしていないために必然的にわりあいに安い。そうして木造の普通の木賃アパートをやっておる人と同じようなものをやりがちである。したがいまして、規格も規模も決してよくないのだ、だからして今度は建設省、農林省が一体になりまして、そうして一定の基準を求めて、そうしてせっかくのいい土地を有効適切に住宅政策に活用し、農民にも水田転換の効果をあらしめる、こういうことでありまして、決して農林省の指導しているものが悪いというのではなくて、いままで全然放置しておるのを両省が相提携してやるということでございますからね。その点の認識をまず御了解いただきまして、そうでないと、いかにも事務当局同士がけんかをして、おれのほうがいい、おれのほうがいいと言って何かこう宣伝戦争しているようにおとりになると、これは違うのでございます。そういう意味であるということだけを御理解の上、御質問をお願いいたしたい。
#63
○田中一君 わからないから聞いておるのです。だから、農林省はマスタープランと指導要綱、どういうものをつくっておるか、持ってきてください。いま聞いていると、やっぱり建設大臣は、なに木造の、スラム化するとんでもないアパートをつくって貸しているのだというように、私はそういうふうに思う。いいですか、これは認識不足かどうか、私は知らぬから伺うのであるから、建設大臣も、いままで、従来水田を宅地化してつくったうちというものはとんでもないものだというように言ったはずだと思うのですけれども、そうじゃなくて、優秀なものだとおっしゃったのかどうかその点を。――もういいんです、その問題については聞かなくてもいいんです。ぼくは意地悪やっておるのですから、多少は。こういう点を農林省もしっかりやってください。ことに百万円の国費を補助金として出しておる。これは反当三万円の休耕費を出すというのと同じ思想でもってごきげん伺いしているのかもしらぬけれども、しかしどっちみち宅地化し、二十ヘクタール、たいへんなものです。六万坪という大きなものをやる場合には、そこにぼつぼつと住宅を建てるなんということでなくて、もう少し効率的な、有利なものに持っていくべきじゃないかと思うのです。これはまだ時間がありますから、資料を出していただくことが一つ。
 それからもう一つ伺いたいのは、埋め立てして一応の区画整理をやる。これは御承知のように日本の区画整理法という法律は、農林省の持っておったところの耕地整理法が母法となって終戦後までやっておった。これはちょうど二十六年だか二十七年だか、やかましくいってとうとう区画整理法という法律に変貌してきた、土地区画整理法という法律。母法としてはこれは耕地整理法があるわけです。したがって、いま近代的な水田というものはみんな耕地整理が済んでいるところが多いのです。これは簡単です、区画整理を行うのには。あぜ道を路地にするとか、農道を広げて一般街路にするとかいうことになると、市街地らしい町づくりができるわけです。そうして一体、これは立地条件にもよりますけれども、地価をどれくらいに想定しているか。おそらく農民は自分の水田の地価が野放しな、無政策な土地政策でありますから、農民は地価が上がることを望んでおるんです。地価をどの辺に押えて考えようとしておるのか。さっき言っているように、むろん法律ではかってな家賃の値上げは認めませんと言っておるけれども、農民は高い家賃、収入の多い家賃を望んでいることは、間違いないんであります。高い地価、高い家賃を望んでおる。一体政府は高い土地を造成するような方向に持っていこうという意図なのか、高い家賃でこれを行なう、高い家賃を取れるんだという魅力的な方向にもっていこうとするのか。これは私は現在国民一般社会におけるところの消費者階級には安い地価、安い家賃というものを望んでいる反面、三%の利子補給だから相当安いんだという印象にはならぬと思うんです。そういう点はどういう積算をしているか、これを聞きたいんですよ。でき上がった土地をどのくらいに押えようというのか。これは三多摩にはあるけれども、二十三区の中には二ヘクタールのまとまったものがないんですね。こんなものはうちなんかつくれませんよ。かりに五百坪あっても千坪あっても高い値段で売れますから自由にやります。少なくともこれから三%の利子補給をしてもらって建てようというところは、これから人にいらっしゃい、来てください来てくださいという土地に違いないと思うんです。二十三区の中にもあります。ありますけれども、これはそんなまとまった二ヘクタール、六千坪の土地なんというものは遊んでないですよ。そうなると相当な遠距離の地域にそれを求めなきゃならない。この場合の地価というものを幾らに押えようとしておるか。むろん、これは道路なり交通機関なりがくれば、どんどん地価が上がっていくんです。私が建設大臣に追及したいのは、なぜ水田なんていうものを入れなきゃならぬのかと言うんです。水田の宅地化の問題は、農林省にまかせておきなさい。あなたの守備範囲ではないはずなんです。あなたは純粋な住宅政策一本でいく、農協を指導して住宅政策を農林省がこれをやろうと言えばそれまでです。それをおれの指導下に置けと言っても一向さしつかえないんです。あなたの持つファイトならそれぐらい言うはずです。水田の宅地化の問題は、よろしいおやりなさい、しかしこれがもし市街化地としてものを建てるには、おれが指導しようじゃないかということを言って、なるべくいま分散しているところの住宅政策、住宅事業の執行官庁六つあるんです。一つでも建設省に吸収して一元的な行政をしなきゃならぬということにならなきゃならぬと思うんです。そこで、その点の建設大臣の決意をひとつ伺いたいのと、地価その他をどういうぐあいに見ておるのか伺っておきたいと思います。
#64
○国務大臣(根本龍太郎君) まず第一に地価の問題を議論されましたけれども、これは農家の方々に土地を手放しなさいと言って買おうとすれば、どうしてもこれは手放すにはえらく値段をつり上げるのが当然でございます。これが今日都市周辺での宅地造成並びに入手が困難なゆえんなんです。なぜなれば、自分の所得源がなくなるからですが、そこで自分の土地に住宅をつくって自分で所有しながら賃貸するとすれば、一応の経済的な自分たちの欲求を満たし、かつ所有欲を満たすということになるとすれば、抵抗はそれほどない。だからして農民の意識というものを十分に尊重しながら都市周辺の宅地化を進めていく、これがねらいでございます。したがって、その際には売買するときの値段に比べるならば自分が所有したままその所有地の上に、しかも政府の補助を受けて農協からお金を借りて住宅を持つということでありまするから、それは人間、欲がありますから、高ければ高いほどという欲望はありますけれども、少なくとも農業経営をしており、かなりの収入がふえてくるとすれば私は協力してくださるというふうに想定し、農林省もそう見ておるということです。したがって、農林省との間には権限争いは全然ないんです。しからばなぜ水田を入れたかというと、御承知のように今度の都市計画法によりまして線引きされた中の区域は自動的に農地が宅地化されていきます。してみますると、都市化されたところで水田を持っておるということは、現実に不可能になります。農民としてそうした場合に農民が自分で水田はやっておれない、宅地化せざるを得ない。しかしながらこれを売るには非常に執着がある。いうなればこの水田を宅地化するために、政府の施策をここに講ずることは決して悪いことではない、いいことであるということでございます。特に水田を宅地化する場合には、畑地を宅地化するよりこれはかえって経費がかかる。これは畑地であるならばもう土台はつくってあるけれども、水田では土地を埋めなければならないというようなことが出てくると思います。そういうようなことも配慮して強制的にいまの水田を転換するという政策をとっておる今日でありまするから、水田を宅地化することについてまず優先的に考えてやるということは政治を担当する者としてのひとつの心がまえとしてこれはけっこうなことで悪いことではないと思うんです。そういう意味におきまして、これは建設大臣が拒否すべき何らの理由がない。むしろ、これは歓迎していいことなんだということで私は拒否する気持ちはなかったのであります。そういう意味でございまして、これはすがめで見るといろいろの議論が出ますけれども、住宅政策全体とそれからいまの転換政策の今日、政府の施策というもの、あらゆるものを総合的に生かしていくということも大事なことでありますので、この法律案というのは、私はどっちから見てもけっこうなものだと思って私が引き受けた。ただこれは共管にはしていない。これは住宅政策の一環としてやっておることでございまするから、農林省との共管などはいたしておりません。
#65
○田中一君 これは自治省に。きのうの本会議で趣旨説明があった地方税法ですね。これは農地は宅地と同等の価値あるものと認めるという発想からきた固定資産税なんですね、それをちょっと説明してください。
#66
○説明員(山下稔君) 現在提案いたしております地方税法の中で考えております市街化区域の農地の課税の問題でございますが、その趣旨は、農地が従来評価も低いし、税額も三十八年度以来据え置かれておるというために、宅地等との間に非常にアンバランスがございます。固定資産税としてこのアンバランスを是正すべきだという考え方が前からございました。土地政策の面からもそういう御要望もございました。そこで新都市計画法によりまして、市街化区域として線引きがなされました中の農地につきましては、十年以内に市街化されるという事情にもありますし、また届け出だけで転用ができるということにもなっておりますので、一般の農地についてとっておりました軽減の特例措置をやめまして、近傍の土地と均衡のとれた課税をする、不均衡を是正する。いわゆる固定資産税の本来の趣旨であります適正な時価によって課税するという仕組みに基づきまして、均衡のとれた課税をいたしたいという趣旨でございます。
#67
○田中一君 時間がないからあまり御丁寧な答弁要りません、わかっていますから。
 そこで、休耕減反の農地に対するつかみ取り三万円というその反当三万円というものは、期限をきめていませんからいつまでやるか知らぬ。農林省、ちょっと聞きます。四十六年度でどうなっていますか。これは出さないことになっているのかな。
#68
○説明員(板野権二君) 生産調整の直接の担当でございませんのであれでございますが、われわれ聞いておるところによりますと、四十六年度におきましては、休耕についても休耕奨励金が出るというふうに理解しております。
#69
○田中一君 たしか二百三十万トンでしたね。そんなものでしたね。
#70
○説明員(板野権二君) さようでございます。
#71
○田中一君 そこで、これは、私に言わせれば、いまの政府は国民に対する一連の挑戦をやっておるんです。固定資産税を上げれば地価が上がるのは当然なんです。固定資産税、税金を上げれば地価が上がるのは当然なんですよ。一生懸命上げよう、上げようとする。そうして、農民、労働組合からは、今度は米価を上げろ、賃金を上げろといって要求される。不平等と挑発をやっている政府、というようにぼくは断定せざるを得ないんですよ。上がる物価はうっちゃりっぱなし。だから私は言うんです。固定資産税を上げるのは地価を上げる政策なんです。そうでしょう。地価は上がるということになりますよ。あるいは、それは確かに国全体の国土計画の面から見るところの産業基盤の検討と、新しい視野に立つところの新全総を持っておりますけれども、あれじゃ足りないんです。実際の新国土計画というものを、高度成長政策によってここまできた日本の経済のひずみが各所に出ているので、これをもう一ぺん検討しよう。先ほど大森委員の水に関する問題なんか、そのとおりなんです。利水の問題はいま根本的に考えるべき時代にきているんです。そういう面から見ると、埋め立てした地価は上がるということです。それから私がいま言った固定資産税の問題、奨励金というか、つかみ金の問題等も含めて、一体この二千戸ですか、利子補給の住宅というものは二十五年間融資を受けるという前提でなきゃいけませんよと書いてある。家賃の算定はどうなるかわかりませんけれども、おおむね――いいですか。住宅金融公庫から借りて建てる住宅というものは、木造建築はたしか十五年だったか十八年だったと思いますけれども、十五年目にはもうだめになるんです、あるいは十八年目には。それ以上の金をかけなければ住むにたえないうちにもうなってしまうんですよ。調べてごらんなさい。今度のようにたとえば二十五年の融資を受けて建てる場合、この準防にしろ、防火建築にしろ、単なる形骸としてコンクリートの建物は残るけれども、二十五年たったときには機能は低下します。そうして、ようやく金を払ったときには、家賃収入で払ったときにはゼロになる。二DK、三DKの新しいいいうちができ上がってくるとそれはあき屋になる率も多いのです。いいですか、そうすると、その農民は借りた金を払うのに二十五年かかる。そのころにはほかに新しい近代的なうちができるから、それに住めなくなってくる。借金返したときにはもうその建物が死滅するということになれば、何の得があるんですか。どうも最近の立法というものは実態というものを見ないで、計算づくや観念的な面からそうしたいろいろな施策をしていると私は思うのであります。それから反当三万円のつかみ金をくれるというのですね、二ヘクタールで百二十万円。休耕奨励金ですか、それが百二十万円……百六十万円ですか、これをもらって損か得かということ、さら地にしておいたほうがよく売れるかどうかということもあると思うのです。その点の計数がぼくにはよくわからない。そうして、つくるうちも八万円か十万円ぐらいでつくるうちだと思います。今度のうちもそんな十五万円、十八万円といううちじゃないと思う、うちの家賃が高くなるからね。家賃決定の積算の方法――二十四戸なら二十四戸のアパート、何階建てでもいいですよ。それがどのくらいの単価になってどういう計算になるという償還の資料をお出し願いたいと思います、あなた方が想定している建物について。これは一番こわいのはスラム化してしまうことですね。二十五年たった暁にはそんなうちはだれも見向きもしませんよ。日本の建築技術は相当進んでおります。ことにいまの若い者たちはもっといいところに行きたがる。そういう点の想定も含めてひとつ資料をお出し願いたい。もう時間がないからやめますが、その点は資料を出していただいて、それによってあらためてまた質疑をいたします。きょうはこの程度にいたします。
#72
○高山恒雄君 ちょっと一つだけ聞きたい。
 私わからないから聞きくのだが、つまり賃貸契約をやる場合、その管理者ですね、これに全部まかすのかどうか、そこまではもう干渉しないのかどうか、その点一つ聞きたいのです。たとえて申し上げますと、でき上がったものに対してある会社が契約をしたい、その地域に会社がある、その会社の従業員を五十人ここに入れるからひとつそれで契約をしたい、こういう場合は政府は何にも干渉はできないと思うのだが、それでいいのかどうか。そういう点はどうなっておるのか。賃貸契約というものはどうなっておるのか。本人にまかすのか、管理者に。その点ちょっと一つだけ。
#73
○政府委員(多治見高雄君) ただいまのお話でございますが、先ほど逐条説明で申し上げましたように、第八条に、「対象融資を受けた者は、当該融資の利率が年五・五パーセントである間は」ということで制限をいたしておりまして、これは十年間という意味でございますが、「当該融資に係る賃貸住宅をみずから居住するため住宅を必要とする者又は事業者でその使用する従業員に対して住宅を貸し付けようとする者」、これに貸しなさい、こういうたてまえになっております。この制度によりまして、農地所有者が一つの団地をつくりまして、賃貸いたします場合に、企業がその全部を借りてその企業の従業員に貸すということは、この法律は当然の前提として考えているわけでございます。ただ、企業が従業員に貸す場合の条件としましては、一応三公庫でやっております土地担保の融資を受けた賃貸住宅と同程度の制限をしたいということで考えているわけでございます。
#74
○大森久司君 ちょっとお伺いしますが、農住建設をやられる場合、いままで私どもがこういうような建設に対して、法案が通り、そしてまた政府が前にも住宅政策をおやりになった。ところが住宅政策をおやりになった一方において、あるいはこれが水資源が足りないとか、あるいはまた道路がこれに完備しておらない。いわゆる建設省の統一を欠いた一つの行動を今日までわれわれはよく見るわけであります。私のほうでも前に、平城ニュータウンが二百万坪、そして広陵、真美が丘が八十万坪、西大和団地が八十万坪、そして橿原が三十万坪、そのほかに百万坪余りの建設がいま行なわれております。そしてまた住宅公団は平城団地で約二百万坪やろうとしたときに、奈良市がその団地をやってもらっては困る、水がないからこういうものをやってもらうと奈良市が困る。そういう問題が起きて、その後建設省ともわれわれが折衝して、いまだにその水の解決ができておらぬ、そういうようなときにまたこういうような団地計画を進められる。あるいはまた、この間までに市街化区域と調整区域がようやく線引きできた。そのときにこういうようなものをやられることは、どういう影響をもたらすかということについてお考えになっておるのかどうか、ひとつお聞きしたい。
#75
○政府委員(多治見高雄君) 御承知のように、大森先生には平城団地で非常に御迷惑をおかけいたしました。ああいう大きな団地で団地計画の場合に、水の需要に対する配慮が足りなかったという過去の事例がございます。それは事実でございますが、その後住宅公団が大規模団地を建設いたします場合に、それに伴います関連公共施設、もちろん水を含み、道路、学校等でございますが、いろいろな問題があって、その問題の解決が現在、住宅建設という面から一番大きな問題になっているということはお話しのとおりでございます。ただ、今回提案いたしましたこの農住構想は、お手元に資料でお配りしてございますけれども、農地の所有者が建てるということがたてまえでございまして、われわれの考えております規模は、一応最低限といたしまして二ヘクタール、二百五十戸ということを考えているわけでございまして、公団の団地建設あるいは公営住宅の団地建設等に比べますと非常に小規模のものを考えているわけでございます。ただ、お話しのように、小規模であるとはいえ、やはり団地建設が行なわれるわけでございますので、それに伴います公共施設の手配ということは、当然やらなければいけない問題でございますので、この事業の執行に際しましては、一応われわれといたしましては、市街化区域内でございますので、土地区画整理に伴ってこの団地をつくるということを一応の大原則にしたいということで事業を進めるつもりでございます。したがいまして、土地区画整理によりましてそういった関連公共施設の整備が十分できるというところでこの事業を執行したいというふうに考えて、まあそのとおりいけば一番理想的にいくわけでございますが、もしそれでいかない場合でも、この団地建設につきましては都市計画の決定をいただきまして、そういった関連公共施設の整備もいたしまして、あわせてこの中で、この土地区画事業の執行をしてまいりたい。そういった意味で万全の配慮をしてやりたいというふうに考えております。
#76
○大森久司君 住宅政策が非常に進行いたしまして、私のほうではいま申しましたように五百万坪あるいは六百万坪、そういう住宅が建設されている。そうすると二十五万から三十万の人口が増加するわけでありますから、前からこういうような問題に対しまして、橿原バイパス、高田バイパスというものに対しまして政府に非常に要望してまいっております。それはとりもなおさず、橿原バイパスは平城宮趾のためにおくれておることだと思います。百六十五号線と二十四号線を交差点とする地点は、――実は百六十五、百六十六、二十四、百六十九の四線が交差点となっております。そういうようなために非常に渋滞し、私のほうの奈良県においてもそういうような問題に対して、そこで四十分以上も交差点で待たされるということで、非常にみんなが困っておる状態であります。あるいはまた高田市の百六十五号線は百六十八、百六十九、二十四、百六十六の五線が一ところに入っております。そうしてこれが大阪市に行くのに二車線である。しかもこの間に近鉄と国鉄が並行して百メートルほどの間に走っている。これを二回横断する、実に危険な状態であります。こういうような問題に対しましても、こういうような人口増加とともに一そうこの渋滞をはなはだしくしておりますので、一日も早くこのバイパスをやっていただきたいということをいままでも要望してまいりましたが、局長さんのほうではこの経過がいまどのように進行しておるか、お聞かせ願いたいと思います。
#77
○政府委員(高橋国一郎君) ただいまの橿原バイパス、大和高田バイパスのこの二つお話しがございましたので、お答え申し上げたいと思います。
 最初の橿原バイパスについてでありますが、一般国道百六十五号線の橿原バイパスは、昭和三十七年に都市計画決定をいたしまして、それに従いまして調査を始めることにしたわけでございますけれども、御案内のように、橿原の町のところには文化財保護法に基づき藤原宮跡が付近にございまして、その近くを通過することになっておりますので、昭和四十一年から四十三年までに道路整備事業費等をもちまして文化庁と相談いたしまして発掘調査を行なってきたわけであります。その結果、文化庁より、史跡をさらに追加して拡大して指定する必要があるというふうな意見が出ましたので、当初都市計画いたしましたルートを変更いたしまして、追加して大きくなりました藤原宮跡と思われます外側を回すように変更したわけであります。ただいまそういうことでもって、その付近はようやくルートが一応確定いたしましたので、地元関係者にその変更しましたルートについて説明を行なっている状態でございますが、醍醐町と申します付近におきまして、新しく変更しましたルートに対する反対等も若干ございまして、現在地元の方々の説得に鋭意努力しておるところでございます。なるべく早く御了解をいただきまして調査に入らせていただきまして、できるだけ早い機会に工事を終わらせまして、
  〔理事松本英一君退席、委員長着席〕
この付近の交通混雑を解消したいというふうに考えておるわけであります。
 なお、先ほど先生から御指摘がございました橿原市の四条町市内の一般国道二十四号線の分岐点から一般国道の百六十九号線の交差点に至る区間の改築につきましては、事業費四億四千万円をもちまして昭和四十一年度に着工いたしておるわけでございますけれども、昭和四十五年度、今年度末には完了することになっております。
 次に、大和高田バイパスでございますけれども、この大和高田もたいへんな自動車交通の混雑を来たしているところでございますので、昭和四十三年度に新規の直轄事業といたしまして着手したわけでございます。現在細部にわたりまして調査を実施しておるわけでございますけれども、新庄町とそれから橿原市はどうやら現在立ち入りいたしまして調査はさしてもらっておりますが、その他の区間につきましては、橿原市の一部の残ったところとか、大和高田市、それから当麻市、そういうところにおきましては、現在測量立ち入りができないような状態になっております。それで調査がだいぶおくれておりますが、これらの地区の皆さんに対しましてもこの事業の必要性をお話し申し上げまして、現在鋭意説得中でございます。できるだけ早く調査を完了いたしまして、用地買収にかかり工事にかかりたいというふうに考えておるわけでございます。なお、この大和高田バイパスにつきましては、第六次五カ年計画、これは昭和四十九年度までになっておりますが、までには暫定的な供用、つまり四車線で建設を計画しておりますが、とりあえず二車線でも供用開始ができるように現在進めている次第でございます。
#78
○佐田一郎君 住宅局長にお願いいたしますが、田中委員長の御質問に関連いたしまして、まあ委員長のお話しの先取りになるかと思うのですが、一番問題になりますことは、結論的に申し上げますというと、一体三%ぐらいの補助で賃貸料というものを制限をして農家がやっていけるかどうかということです、第一は。そんな程度のものを助成をして一体、先ほど田中委員長からお話あったように、農家のほうでは自由な家賃のほうがよいわけですから、第一にそういう点の見通しはどうかということが一つです。
 それから、賃貸料の積算の基本というものが、これはまあ先ほどの質問の中にもございましたけれども、相当きつい宅造法の規制もありますから、まあ先ほどのお話では、いま区画整理でもってやったところで、すべてが完備しているようなところへつくるんだからわりあいに宅地造成にはかからないんだというような印象を私は受けたんだけれども、しかしそれにしても、最近の三千坪以上の宅地造成というふうなものについては、相当の私は規制があると思うんです。そういう意味で、そういうふうな造成の費用も賃貸の領域に対しては加算されるのであるかどうかという点が、相当なこれは金額になります。また、その助成についても宅造までも入るのかどうか、こういう点が第二です。
 それから第三としては、いろいろ先ほど委員長からお話があったけれども、利子補給以外にまだ何らかの助成の方法があるのかどうか、また今後やろうとしているのかどうか、この三点です。いま農林省にも聞こうと思ったんですが、もうお帰りになったというから聞かないんですが、先ほどの二十ヘクタールで百万ぐらいのこれは調査費でしょうが、それ以外に何かまとまったものが農林省あるいは建設省から特に助成があるのかどうかというこの三点ですね、これをひとつ関連して質問をいたします。
#79
○政府委員(多治見高雄君) 最初の三%の利子補給ではたして効果があるのかというお話でございますが、この制度を考えました場合に、現在一応住宅金融公庫でこれと同じような目的でやっております融資の土地担保賃貸住宅というのがございます。これを一つの基準といたしまして、これと同じ条件で農地の所有者の方々が農地を持っておられるという特典を利用してやられるということをねらいとしてこの制度を考えたわけでございまして、したがいまして融資の条件、それからでき上がりました家についての家賃の制限等につきましては、現在公庫でやっております王地担保賃貸住宅というのを目安にして大体それと同じような条件で金融を受けられて、建てた家については同じような条件で家賃を規制していくというのが基本でございます。したがいまして三%ときめましたのは、農協の資金コスト、農林省と打ち合わせをいたしまして、それぞれ八%から九%の範囲内で単位農協、県信連等から借りられるということになりましたので、これを平均いたしまして八・五%ということで、三%利子補給をすれば公庫でやっております土地担保賃貸住宅と同じ条件で融資が受けられるという目安がつきましたので、これを提案したわけでございまして、大体われわれの試算といたしましては、これでいいのじゃないかというふうに考えております。
 それから先ほど委員長からもお話ございましたけれども、家賃の試算につきましても、われわれとしてはいろいろな場合を想定いたしまして、いろいろな試算をしてございます。ただこの制度が発足いたしまして、実際に来年度はわずか二千戸の話でございますので、具体的にどこが一番早くスタートして、どこが一番早く完成できるかということになりますと、まだ最終的な詰めはできておりませんので、はっきり申し上げられませんが、大体現在公庫でやっております土地担保賃貸住宅と同じような条件でできる可能性のある事業というのが相当ございますので、そのうちの幾つかが発足するだろうということに期待しているわけでございます。それから関連公共施設の問題でございますが、お話しのように、確かに区画整理で完全に公共的な付帯施設ができて、理想的な宅地の環境ができて、そこにこの事業が実施できれば一番いいわけでございます。なかなかそういった条件で区画整理が実施されるという保障がございませんので、われわれとしては一応そういった面に努力いたしますが、ただ先ほど大森先生のお話でお答えいたしましたように、団地規模といたしましては、これは公団の大団地その他に比べまして、比較的小さい団地ということが想定されますので、関連公共施設にもいろいろございまして、現在公団が一番大きく悩んでおりますのは、学校施設をはじめといたしまして、各団地に直結いたします鉄道の駅の駅前広場とか、非常に大きな問題が、現在の公団の大団地については、関連公共施設の問題としてクローズアップしているわけでございます。今回のこのシステムでつくります団地につきましては、やはりその団地に付属いたします集会所とか、あるいは保育所とか、それからいまの土地造成の話がございましたが、土地造成の費用というのが問題になると思いますので、われわれの現在のねらいといたしましては、土地造成の費用、それから集会所、保育所等までは、この建設費の中に含めて融資の対象にして、利子補給の対象にしたいということで考えているわけでございますが、はたしてそこまでわれわれの希望どおりいくかどうか、今後の詰めもございますけれども、大体そういったことで解決できるのではないかというふうに考えております。
 一つ落としましたが、他の方法ちょっと私いま思い当たりませんけれども、現在農地の所有者に対しまして、住宅の建設を促進する方法としてはこれだけをわれわれとしては考えているわけでございまして、先ほど委員長からもございましたけれども、農林省のほうでやっておりますのは、この農住構想の計画費の補助でございまして、こういった構想で、水田の宅地化を実施する場合に、そこにおける住宅建設はどういう計画でつくればいいか、その計画をつくりなさい、そのつくるにあたってその計画作成について補助金を出すということで、農林省もお出しになっているわけでございまして、農林省の出しました補助金は直接われわれの事業とは関係ございません。その農林省の出した補助金で立てられました計画に基づきまして、事業の実施にあたってこちらの制度が働くという仕組みになっておるわけでございます。
#80
○佐田一郎君 いま一つ、質問の中に、第二の点でいま局長がお話しになったように、事務所をつくるとか児童遊園地をつくるとか、たいへんあるわけですが、なかなか地方ではやかましいのです。宅地造成の規制、さらにいろいろ要望があるわけです。もちろん道路をつくるとか水道を入れるとか、そういう問題は当然ですけれども、そういうふうな全体的な費用を考えての賃貸住宅の、いわゆる賃貸料の基準というものをきめられるのかどうかという大事な点を落としておるのではないか。この点はどうですか。
#81
○政府委員(多治見高雄君) この点、先ほどもお答えいたしましたように、一番ポイントになるわけでございます。現在住宅公団の大団地等で問題になっております、学校、駅前広場、それから道路等につきましては、これは家賃と関係のない問題で、公共的な施設として公共団体が整備すべきものを公共団体の財政の状況ですぐには整備できないので、事業主体である公団がどういうふうにそれに対処するかという問題でございまして、これは家賃に響かない問題でございます。したがって公共団体が負担できるまでの間をどうつなぐかという問題が一つございます。いまお話しの団地内におきます集会所、遊園地、それから保育所といったようなものを、先ほど私が申し上げましたように、もしこれを融資対象に加えまして、宅地造成の経費とあわせて融資対象にして利子補給をするということになりますと、そのまま家賃にはね返ってくるわけでございます。したがいましてどこまでこれを計算に入れるか、その限界というのは、家賃政策の面と公共施設の面とのかね合いで、そのラインを引くのは非常に問題があると思いますけれども、われわれ現在考えておりますのは、そういった団地に直接付帯する集会所等まではこれを融資対象に入れていただいて、この事業の対象経費にして家賃算定の基礎にしたいということで、現在の試算はそれでやっておりますけれども、大体それでいけるのではないかというふうに考えております。
#82
○佐田一郎君 局長、ぼくの聞きたいのはほんとうのところなんだよ。そういう補助対象だけじゃないんだよ。そういう経費というものを一体そういうものまでも家賃の中に入れられるかどうかということです。ざっくばらんに言えばそこが大事なんだ。民間でやるんですから、これは公共でやるんなら、市や県は簡単ですよ。ただ民間の農住で農家がやるんでしょう。その場合に、さっき委員長が言われた一番のポイントはそこだと思うのです。簡単に考えているけれども、その点おそらくまだ建設省の内部でも意思統一ができていないと思うんだが、あとで資料できてからでもけっこうだけれども、そんな簡単なものじゃないんだ。宅地造成から始まって、家を建てて家賃を取るということになると、やれ集会所をつくれ、児童遊園地をつくってくれとか、道路はもちろんですよ、学校までいかなくても非常に施設にかかるんです。そういうたくさんの施設を、農協なり農家なりの団体が、金融機関なりがそれをつくらされるんですよ。そうすると、全体的な採算をとるためにはこれまで家賃に入れなければ合わないということなんですよ。それで一体そういう家賃のつまり基準というものは一体どこに置くのか、ということを私は聞きたかったんだけれども、きょうは時間がないし、これは委員長が突っ込んで聞くから、きょうはこのくらいにしておきますが、これは意思統一をしてもらって――これは大事なところなんですよ。三%ぐらいなもので簡単に農家が引き受けるかどうか、これはむずかしい問題です。いままでの住宅金融公庫は自己資金が相当入っているんです。がまんしてつくっているのです。とてもそろばんなんか合うもんじゃない。自己資金が入っている。こういう点を見のがされると困るんだ。そういうところで、家賃が安いこともけっこうだけれども、これはむずかしい点があるのです。そういう点をほんとうに突っ込んで聞くにはどうしても一時間以上かかるからきょうはやめますけれども、これは次の機会に十分ひとつ検討してもらって、委員長からも十分ひとつ突っ込んで聞いてもらわぬと、せっかくつくって魂を入れなくちゃ困るから、どうぞよろしくお願いいたします。
#83
○委員長(田中一君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#84
○委員長(田中一君) 速記を起こして。
 先ほどもう一つ言っておこうと思ったことがあるのです。それは何かというと、二十五年存続するということにはこれはきまっているわけです、二十五年の分割で払うんだから。先ほど建設大臣も、農民は土地を取られないでやれるじゃないかと言うけれども、二十五年使わないと今度は農地にしようとしたってたいへんなんですよ。いいですか。だからどっちが得か。売ったほうが得だということを考える近代青年もいるわけだ。だから最初の発想がどこにあるのか。どっちなんだ。両方でございますと言ってくれればまた話は違うんだ。そうならもう少し金を出しなさいと言いたい。だけれども住宅政策でございますと、こうくるから、つい住宅政策からくると、これはとんでもないことになるよと言うことだ。しかしこれは次回に譲りますが、これはひとつ大臣に話して、この次に大臣に聞きますから、それをひとつ承知しておいてください。
 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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