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1970/05/13 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第13号
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1970/05/13 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第13号

#1
第065回国会 建設委員会 第13号
昭和四十六年五月十三日(木曜日)
   午前十時二十三分開会
    ―――――――――――――
  委員の異動
 三月二十六日
    辞任         補欠選任
     向井 長年君     高山 恒雄君
 四月二十日
    辞任         補欠選任
     武内 五郎君     小野  明君
 四月二十一日
    辞任         補欠選任
     小野  明君     武内 五郎君
 四月二十七日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     寺尾  豊君
     上田  稔君     矢野  登君
 四月二十八日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     鍋島 直紹君
     寺尾  豊君     林田悠紀夫君
 五月六日
    辞任         補欠選任
     林田悠紀夫君     迫水 久常君
 五月七日
    辞任         補欠選任
     鍋島 直紹君     上田  稔君
     迫水 久常君     林田悠紀夫君
     大森 久司君     赤間 文三君
 五月八日
    辞任         補欠選任
     赤間 文三君     大森 久司君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                上田  稔君
                斎藤  昇君
                中津井 真君
    委 員
                小山邦太郎君
                佐田 一郎君
                林田悠紀夫君
                米田 正文君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       建設政務次官   田村 良平君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省計画局宅
       地部長      朝日 邦夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   説明員
       公正取引委員会
       事務局取引部長  坂本 史郎君
       大蔵省銀行局総
       務課長      磯辺 律男君
       建設省住宅局調
       査官       沢田 光英君
   参考人
       全国宅地建物取
       引業協会連合会
       会長       松田  清君
       住宅建築協会理
       事長       東郷 民安君
       日本保証マンシ
       ョン株式会社専
       務取締役     藤巻 敬三君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○参考人の出席要求に関する件
○宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○積立式宅地建物販売業法案(内閣提出、衆議院
 送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 この際、理事の補欠選挙を行ないます。委員の異動に伴い、現在本委員会の理事が二名欠員となっております。これよりその補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田中一君) それでは理事に上田稔君及び中津井真君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(田中一君) 次に、参考人の出席要求に関する件についておはかりいたします。
 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案及び積立式宅地建物販売業法案の審査のため、本日の委員会に、全国宅地建物取引業協会連合会会長松田清君及び住宅建築協会理事長東郷民安君、日本保証マンション株式会社専務取締役藤巻敬三君の三君を参考人として出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(田中一君) 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案、積立式宅地建物販売業法案、いずれも衆議院送付、の両案を便宜一括して議題といたします。
 これより順次両案について提案理由の説明を聴取いたします。根本建設大臣。
#7
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 最近における不動産に対する需要の急激な増大と多様化に伴って、宅地建物取引業者の数は年々著しく増加しており、取引の態様も複雑多岐にわたりつつある現状にありますが、このような情勢を反映して、不動産取引に関する紛争事例も多発する傾向にあり、宅地、建物の購入者等が損害をこうむる場合も多くなっております。ことに、最近著しく増大しているマンション分譲、宅地分譲等の大量取引においては、損害賠償額、瑕疵担保責任等について購入者に不利な契約内容が多く、また、いわゆる青田売りに伴う前金の保全について十分な措置が講ぜられていない等、宅地建物取引業制度の全般について改善を要する面が多々見受けられる状況にあります。
 このような状況にかんがみ、政府といたしましては、宅地建物取引業者の業務の適正な運営と宅地建物の取引の公正とを確保して、購入者等の利益の保護と宅地建物の流通の円滑化とをはかるため、宅地建物取引業者の免許の基準の整備、契約内容の適正化、前金の保全等の措置を講ずるものとし、ここに宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、免許の基準について、宅地建物取引業者が免許の取り消し等を受けた場合において新たな免許を受けることができない期間を、二年から三年に延長する等、人的構成の面で要件の強化をはかることといたしております。
 第二に、宅地建物取引業者の名義貸しを禁止することといたしております。
 第三に、取引主任者制度の十分な活用をはかるため、取引主任者について新たに都道府県知事の登録の制度を設けるとともに、重要事項の説明及び宅地建物取引業者が交付する書面への記名押印を取引主任者に行なわせることとして、その職務責任を明確にいたしております。
 第四に、宅地造成または建築に関する工事の完了前に行なう宅地または建物の売買、いわゆる青田売りについては、開発許可、建築確認等があった後でなければ、広告及び売買あるいはその媒介をしてはならないものといたしております。
 第五に、宅地または建物の取引に関する契約の内容について、その適正化をはかることといたしております。その第一点は、損害賠償額の予定または違約金の定めをするときは代金の額の二割以内としなければならず、また、手付の額も二割以内に制限するとともに、買主は手つけを放棄することによって契約を解除することができるものとしているのであります。第二点は、宅地建物取引業者は、その販売した物件の瑕疵担保責任について、買主に不利な特約をしてはならないものとしております。第三点として、宅地または建物を割賦で販売した場合に、買主が賦払金の支払いを怠ったときでも、三十日以上の猶予期間を置いてからでなければ、契約の解除等ができないものとしており、さらに、宅地建物取引業者は、代金の額の三割をこえる額を受領している場合には、残りの代金債権の保全のために所有権を留保し、あるいは譲渡担保を行なってはならないものとしているのであります。
 第六に、宅地または建物のいわゆる青田売りの場合においては、宅地建物取引業者は、銀行、信託会社その他の金融機関もしくは指定保証機関による保証を受けるか、または保険会社による保証保険に加入するかのいずれかの前金保全措置を講じた後でなければ、買主から前金を受領してはならないものといたしております。
 第七に、前金保全措置に関連して、指定保証機関について必要な規定を設けることといたしました。まず、指定保証機関の指定は、前金保証事業を営もうとする者の申請に基づき建設大臣が行なうこととしており、資本金等について一定の要件を備えた者に対してこの指定をすることといたしております。また、建設大臣は、指定保証機関に対し、改善命令、指定の取り消し等の必要な処分ができるものといたしております。
 第八に、宅地建物取引業者は、事務所以外の案内所等についても、所在地、業務内容等を免許を受けた建設大臣または都道府県知事及び所在地の都道府県知事に届け出なければならないものといたしております。
 第九に、以上の改正に関連して、監督処分及び罰則等の規定について所要の改正を行なうことといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
 次に、積立式宅地建物販売業法案の提案の理由を御説明申し上げます。
 ただいま議題となりました積立式宅地建物販売業法案につきまして、提案の理由及びその要旨を御説明申し上げます。
 積立式宅地建物販売は、取引の対象となる宅地または建物の確定前に、相手方からその対価に充てるための積み立て金を受け入れる方式の宅地または建物の販売でありますが、この方式におきましては、通常住宅等の引き渡し後に相当長期にわたり業者から信用が供与されるため、購入者等が住宅等を比較的容易に取得することができる等の特徴があり、従来民間住宅建設において重要な役割りを果たしてまいっております。
 しかしながら、この積み立て金は、その積み立て期間が相当長期にわたるものでありますため、その保全のための措置を講ずる必要があります。これとともに、この方式の宅地建物販売におきましては、契約の解除に際しましての損害賠償額の予定等につきまして購入者等に不利な契約が結ばれている例も多く見られるのであります。
 政府におきましては、このような積立式宅地建物販売の現況にかんがみ、購入者等の利益の保護をはかるとともに、積立式宅地建物販売業の健全な発達を促進するためとるべき措置について、かねてから種々検討を重ねてまいったのでありますが、ここに成案を得るに至りましたので、この法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一に、本法にいう積立式宅地建物販売業とは、宅地または建物の販売で、目的物等の確定前に積み立て金を二回以上にわたり受け入れるものを業として行なうことをいうものとしておりますが、積み立て金を受け入れ、請負等の名義で建物を建築し相手方に給付するものも、本法の積立式宅地建物販売に含めて規制することといたしております。
 第二に、積立式宅地建物販売業を営もうとする者は、建設大臣または都道府県知事の許可を受けなければならないものとし、この許可は、資本または出資の額が一定額以上であること等、その業務を健全に遂行するに足りる一定の人的及び財産的な要件を備えている法人に限り、受けることができるものといたしております。
 第三に、積み立て金等の保全のための措置といたしましては、積立式宅地建物販売業者は、毎年三月三十一日及び九月三十日を基準日とし、基準日において積立式宅地建物販売の契約に基づいて受領している積立金等の三分の一に相当する額につきまして、営業保証金の供託または一定の金融機関との間の営業保証金供託委託契約の締結のいずれかの措置を講じなければならないものといたしております。
 第四に、積み立て金等保全措置についての購入者等の権利の実行につきましては、積立式宅地建物販売業者が支払いを停止した場合等においてその業者に対し積み立て金等の返還債権を有する者は、業者または営業保証金供託委託契約に基づいて金融機関が供託した営業保証金から積み立て金等の返還を受けることができることといたしております。その具体的手続といたしまして、建設大臣または都道府県知事は債権者の請求に基づき債権の申し出等について公告し、申し出のあった権利の調査を行ない、その結果に基づいて営業保証金の配当等を実施するものといたしております。
 第五に、積立式宅地建物販売業者の業務に関する規制といたしまして、契約の締結前における積み立て条件等の説明義務、契約の解除に伴う損害賠償等の額の制限等についての規定を設けることといたしております。
 第六に、積立式宅地建物販売業者に対する監督につきましては、その経営が健全に行なわれることを確保するため、建設大臣または都道府県知事は、必要があると認めるときは、積立式宅地建物販売業者に対し、財産の状況等について改善命令をすることができることといたしておりますほか、業者の経営が悪化したときにおきます新たな積立式宅地建物販売の契約の締結の禁止等、業者に対する監督処分について所要の規定を設けることといたしております。
 その他、積立式宅地建物販売業者名簿、名義貸しの禁止等について規定を設けることとし、また、この法律またはこの法律に基づく命令に違反する行為に関し、所要の罰則規定を設けることといたしております。
 なお、この法律は、公布の日から六ヵ月以内に施行するものといたしておりますが、この法律施行の際現に積立式宅地建物販売業を営んでいる法人は、この法律の施行後一年間は許可を受けた積立式宅地建物販売業者とみなすものとし、また、積み立て金等保全措置を講ずべき額についても所要の経過規定を設けることといたしております。
 以上が、この法律案の提案の理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださるようお願い申し上げます。
#8
○委員長(田中一君) 引き続き、両案の補足説明を聴取いたします。計画局長。
#9
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま議題となりました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案の内容につきましては、資料をお手元に配布いたしておりますが、その要点のみを重点的に御説明申し上げたいと思います。
 第一条の改正は、今回の改正によりまして消費者の保護を一そう強化することとした趣旨を明確にいたしたのでございます。
 第三条の改正は、宅地建物取引業法上、事務所として取り扱うものの範囲を政令で明確化することといたしたのでございます。
 第五条は、従前の第四条を改正して免許基準を整備したものでございますが、改正の要点は、宅地建物取引業者の人的構成にかかる要件の強化でございます。まず、不正行為等によりまして免許を取り消されたとき等におきまして、新たな免許を受けることができない期間を従来の二年から三年に延長いたしたのでございます。次に、法人の役員としての範囲を改めて、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対して取締役等と同等以上の支配力を有するものと認められる者、すなわちいわゆる黒幕をも含めることといたしたのでございます。さらに、免許を申請した者の使用人で政令で定めるもののうちに不適格者がある場合も免許をしてはならないこととしたものでございます。最後に、宅地建物取引業に関して不正または不誠実な行為をするおそれが明らかな者に対しても免許を与えてはならないこととしたものでございます。
 第十三条は、宅地建物取引業者が自己の名義をもって他人に宅地建物取引業を営ませる、いわゆる名義貸しを明文をもって禁止することとしたものでございます。
 第三章は、宅地建物取引主任者に関する規定でございますが、このたび宅地建物取引主任者制度について、登録制をとる等その整備をはかることとしたことに伴い、新たに一章を設けることとしたものでございます。
 まず、第十五条及び第十六条は、取引主任者の設置及び宅地建物取引主任者資格試験について定めたものでございまして、従前の第十一条の二及び第十一条の三の規定と同じ趣旨のものでございます。
 第十七条は、不正受験者に対する処分として、合格の取消しまたは受験の禁止ができるほか、情状によりましては、三年以内の受験の禁止もできることとしたものでございます。
 第十八条は、取引主任者の登録制度について規定したものでございます。すなわち、取引主任者資格試験に合格した者で一定の欠格要件に該当しない者は、当該試験を行なった都道府県知事の登録を受けることができることとしたものでございます。
 第十九条から第二十四条までは第十八条第一項の登録の手続、登録を受けた事項に変更があった場合の変更の登録等について定めたものでございます。
 第五章は、従前、第三章として規定されておりました宅地建物取引業者の業務に関するものでございます。
 第三十三条は、宅地建物取引業者が行なう広告の開始時期の制限について定めたものでございます。すなわち、宅地の造成または建物の建築に関する工事の完了前にそれらの売買等を行なう、いわゆる青田売りについては、都市計画法第二十九条による開発許可、建築基準法第六条第一項による建築確認等の処分があった後でなければ広告をしてはならないこととしたものでございます。
 第三十五条は、従前の第十四条の三を改正して、業者に対して媒介の依頼を行なわない契約の当事者に対しても重要事項の説明を行なわなければならないこととするとともに、重要事項として説明すべき事項を充実したものでございます。また、割賦販売の場合におきましては、その相手方に対しまして、通常の説明事項のほか、割賦販売条件等についても説明をしなければならないこととしたものでございます。さらに、従来、業者の義務とされておりました重要事項の説明を取引主任者に行なわせなければならないこととし、あわせて取引主任者に交付書面への記名押印義務を課すこととして、取引主任者の職務責任を明確化することとしたものでございます。
 第三十六条は、第三十三条と同様に宅地建物取引業者が行なう取引等における契約の締結等の時期の制限について定めたものでございます。
 第三十七条は、従前の第十四条の四を改正したものでございますが、さらに、宅地建物取引業者は取引主任者をして交付する書面に記名押印をさせなければならないこととして、重要事項の説明とあわせて、取引主任者の職務責任の明確化をはかったものでございます。
 第三十八条から第四十三条までは、宅地建物取引業者がみずから売り主となる売買契約に関し、消費者に不利な契約内容の適正化、前金保全措置等必要な規制を行なうこととしたものでございます。
 第三十八条は、業者が、宅地または建物の売買の契約におきまして、損害賠償の額を予定し、または違約金を定めるときは、代金の額の十分の二をこえることとなる定めをしてはならないこととしたものでございます。
 第三十九条は、業者が宅地建物の売買契約を締結するに際しまして手付として受領することができる金銭の額を代金の額の十分の二以内とするとともに、手付の授受があった場合におきましては、買主の側はその手付を放棄すれば契約を解除することができることとしたものでございます。
 第四十条は、宅地または建物の売買契約を締結するにあたりまして売り主の瑕疵担保責任を民法に規定するものより軽減し、その結果買主に不利となる特約をしてはならないこととしたものでございます。
 第四十一条は、いわゆる青田売りの場合におきましては、銀行、信託会社その他政令で定める金融機関または建設大臣が指定する機関の保証を受けるかまたは保険会社との間におきまして、保証保険契約を締結しなければ前金を受領してはならないこととしたものでございます。
 第四十二条は、宅地建物取引業者は、宅地または建物の割賦販売について賦払金の支払いの義務が履行されない場合におきましても、三十日以上の相当の猶予期間をおいて催告したあとでなければ、契約の解除または残金の一括払いの請求をすることができないこととしたものでございます。
 第四十三条は、割賦販売等の場合におきまする所有権留保等の禁止について規定したものでございます。代金の額の十分の三をこえる額の支払を受けた場合には所有権を留保してはならないこととしたものであります。
 第四十八条は、従前の第十八条の二に第二項及び第三項を追加いたしまして、業者は取引主任者に取引主任者であることを証する証明書を携帯させなければならないということにしたのでございます。
 第五十条は、従前の第十九条に第二項を追加いたしまして、事務所以外の建設省令で定めるその業務を行なう場所につきまして、あらかじめ、その所在地、業務内容等を免許権者及びその所在地を管轄する都道府県知事に届け出なければならないこととしたものでございます。
 第五章第二節、第五十一条から第六十四条までは、指定保証機関について規定したものでございます。
 第五十一条は、指定保証機関としての指定は、前金保証事業を営もうとする者の申請により行なうこととしたものでございます。
 第五十二条は、指定を申請した者が、資本の額が五千万円以上の株式会社でないとき等においては、建設大臣は指定をしてはならないこととしたものでございます。
 第五十六条は、指定保証機関は、建設大臣の承認を受けたとき以外は、兼業をしてはならないことを定めたものでございます。
 第五十七条から第五十九条までは、責任準備金、支払備金及び保証基金について規定したものであります。
 第六十一条は、指定保証機関に対する建設大臣の改善命令について規定したものでございます。
 第六章の第六十五条から第七十条までは、宅地建物取引業者に対する監督処分及び取引主任者等に対する懲戒処分に関する規定でございます。
 まず、第六十五条においては、指示ができる場合としまして、この法律の規定に違反したとき、業務に関し他の法令に違反し、宅地建物取引業者として不適当であると認められるとき及び取引主任者が懲戒処分を受けた場合におきまして宅地建物取引業者の責めに帰すべき事由があるとき、を新たに追加することとしいまた、業務の停止を命ずることができる期間を六月以内から一年以内に延長するとともに、業務の停止を命ずることができる場合を拡大したものでございます。免許の取り消しにつきましては、第六十六条に規定いたしております。
 第六十七条は、宅地建物取引業者の事務所の所在地または宅地建物取引業者の所在を確知できないときにおきましては、免許をした建設大臣または都道府県知事は、その事実を公告し、三十日を経過しても当該業者から申し出がないときは、その免許を取り消すことができるという規定でございます。
 第六十八条は、取引主任者もしくは登録を受けたが宅地建物取引業者の業務に従事していない取引主任者資格者が名義貸しを行なった場合等についての懲戒処分について規定いたしておるわけでございます。
 第七十条は、業務の停止または免許の取り消しの処分をしたときはその旨を公告しなければならないこととしたものでございます。
 第八章第七十九条から第八十五条までは、罰則に関する規定でございます。
 これらについては従前の第二十四条から第二十九条について必要な条文の整理を行なうとともに、新設規定の違反措置に対する罰則を追加いたしまして、さらに、誇大広告の禁止違反等に対する罰則を強化することとしたものでございます。
 最後に附則でございますが、これはこの法律の施行の日等について定めることといたしたのでございます。
 以上、本法律案につきまして重点的に御説明申し上げた次第でございます。どうぞよろしくお願い申し上げます。
 次に積立式宅地建物販売業法案につきまして、資料をやはりお手元に配付いたしておりますが、その要点のみを重点的に御説明申し上げます。
 第一条は、この法律の目的を定めたものでございます。この法律は、積立式宅地建物販売業を営む者につきまして許可制度を実施し、その事業に対して必要な規制を行なうことによりまして、その業務の適正な運営と宅地及び建物の取引の公正とを確保し、もって購入者等の利益の保護をはかるとともに、積立式宅地建物販売業の健全な発達に寄与することを目的とすることとしたものでございます。
 第二条につきましては、この法律において使用いたしております特別の用語の定義を定めたものでございます。
 第二章の許可のところは、積立式宅地建物販売業の許可に関する事項を規定したものでございます。
 第三条は、積立式宅地建物販売業を営もうとする者は、二以上の都道府県の区域内に事務所を設置する場合にあっては建設大臣の、その他のものにありましてはその事務所の所在地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならないことを定めたものでございます。
 第五条は、積立式宅地建物販売業の許可の基準として資本または出資の額が政令で定める額を満たすものであること、積立式宅地建物販売業を健全に遂行するに足りる財産的基礎を有するものであること、この積立式宅地建物販売契約約款の内容が政令で定める基準に適合すること等を定めたものでございます。
 第六条は、建設大臣または都道府県知事が積立式宅地建物販売業の許可を拒否すべき場合を定めたものでございます。法人でない者、宅地建物取引業法の免許もしくは建設業法の許可を受けていない法人、または許可の申請前三年以内に積立式宅地建物販売業の許可を取り消された法人等には許可を与えないこととしたものでございます。
 第七条から第十条までは、許可についてのいろいろ手続について規定したものでございます。
 第十四条は無許可事業等の禁止について定めたものでございます。
 第十五条は、名義貸しの禁止について定めたものでございます。
 第十六条は、積立式宅地建物販売業の許可の申請等に関しまして必要な事項は省令で定めることとしたものでございます。
 第三章は積立金等の保全措置についてその内容、権利の実行等に関する事項を規定したものでございます。
 第十七条は、積立金等の保全措置を講ずべき義務について定めたものでございまして、この業者は、基準日、すなわち毎年三月三十一日及び九月三十日において、積立式宅地建物販売の契約を締結した者で宅地または建物の引き渡しを受けていないもののために積立金等の保全措置を講じ、その旨をその許可を受けた建設大臣または都道府県知事に届け出なければならないこととしたものでございます。
 第十八条は、積立金等の保全措置は、営業保証金の供託または営業保証金供託委託契約の締結であって、その措置によりまして積立式宅地建物販売業者が基準日において受領している金銭の合計額の三分の一に相当する額を積立金等の返還債務の弁済に充てることができるものとしたものでございます。
 第十九条は、営業保証金の供託について定め、第二十条は、営業保証金供託委託契約は、委託者たる業者が第三十六条第一項各号の一に該当することとなった場合におきまして、受託者が委託者のために営業保証金の供託をすることを約する契約としたものでございます。
 第二十五条は、積立式宅地建物販売業者と積立式宅地建物販売の契約を締結した者で宅地または建物の引き渡しを受けていないものは、供託をされた営業保証金について、当該契約の返還債権の弁済を受ける権利を有することとし、その権利の実行については、第二節で定めたものでございます。
 第二節につきましては保全措置についての権利の実行ということについて定めております。
 第二十八条は、積立式宅地建物販売業者が第三十六条第一項各号に該当するときは、積立金等の返還債権を有する者等は、その許可をした建設大臣または都道府県知事に対しまして、公告をすべきことを請求することができることとしたものでございます。
 第三十条は、営業保証金供託委託契約の受託者は、第二十九条の規定による通知を受けた場合におきまして、当該委託契約に基づきまして営業保証金の供託をしなければならないこととしたものでございます。
 第三十一条は、建設大臣または都道府県知事が行なう権利の調査、確認書の交付、配当表の作成等について定めたものでございます。
 第三十二条は、営業保証金の配当について定めたものでございます。
 第四章はこの積立式宅地建物販売業の業務規制に関する事項を定めてございます。
 第三十四条は、積立式宅地建物販売業者は、この契約を締結するまでに、毎回ごとの積立金の支払い額及び支払い方法等の契約にかかりますところの重要な事項を相手方に説明をしなければならないこととし、また、これらの事項等を記載した書面を交付しなければならないこととしたものでございます。
 第三十五条は、積立式宅地建物販売業者が目的物等の確定前に契約が解除された場合におきまして契約の締結及び履行のために通常要する費用の額とこれに対する遅延損害金の額の合計額をこえる額の金銭の支払いを相手方に対して請求することができないこととしたものでございます。
 第四十一条は、宅地建物取引業法第四十一条の規定等の不適用の規定について定めたものでございます。
 第五章は、監督処分等に関する事項を規定いたしておるものでございます。
 第六章雑則は許可の取り消し等に伴う取引の結了等に関する事項を規定いたしておるものでございます。
 第七章は罰則に関する事項を規定いたしております。
 最後に附則でございますが、この附則におきましては、法律の施行日を定めるほか、この法律の施行に伴い必要となります経過措置等について定めたものでございます。
 以上、重点的に説明を申し上げましたのでございますが、どうぞよろしくお願い申し上げます。
#10
○委員長(田中一君) それでは、これより両案に対する質疑に入ります。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#11
○上田稔君 宅建業法の改正並びに積立式宅地建物販売法につきまして御質問を申し上げたいと思います。
 宅建業法は、昭和二十七年に制定をされましてから数度にわたりまして改正をしていただきましたので、おかげでまた今回の改正によりまして、宅地をあるいはまた建物を得ようという方に対しまして非常にきめこまかくおきめをいただきつつあることはほんとうに御同慶にたえないところでございます。
 しかしながら、現在のわが国の事情によりますと、自分の宅地を求めたい、また自分の家を求めたいという人は非常に多くなってきております。またそれとともに日本の国全体の経済というものが伸びた、まあそういうことによってなかなか自分の家あるいは宅地を求めたいと思っても、忙しくなってきて自分でそれを見つけてくるというようなことはなかなかできなくなってきております。したがいまして、宅建業者のお世話になるということが非常にふえてきつつある。それもまた男の人が、宅建業者のところへ行ってお願いをするということができなくて、奥さんに行ってもらってそうして見てもらう、こういうようなことがふえつつある。こういうことになりますと、どうしてもそういう業法あるいはまたいろんな事情、そういうものに暗い人が、明るくない人が当たりに行くということになるものでございますから、非常に不安心であるということが出てくるのではなかろうか。したがいまして、さらにきめこまかくいろいろおきめを実はいただきたいと思うのでございます。
 まず、土地を求めよう、また宅地を求めようという人が何によって――そういうことをどこに行ったらいいんだろうかというようなことをきめる、その基準といたしまして、まず広告を見る、新聞広告を見る、またちらしを見る、そういうようなことで、まず広告を見るんじゃないか。そうすると、そのときに、最近もまだ誇大広告ということがいわれておりますが、この広告が正しいものでない、そこに大きな誤りが出てくる。したがいまして第三十二条で誇大広告についてのいろいろなお取りきめが今度の改正でやっていただいておりますが、その項目については所在地であるとか規模であるとか、あるいはそのほかのものが著しく事実に相違する表示をしたり、また実際のものよりも著しく優良であるとか有利であるとかというようなことを誤解せしめるような表示をしてはいけないということが書いてございますけれども、著しくというのはどの程度であるのか、まずその点についてお伺いをいたしたい。局長にお願いをいたします。
#12
○政府委員(高橋弘篤君) 先生御質問のとおりに、まず一般の宅地を求めるものは新聞広告によりましてどういうものを買おうかということをきめるわけでございます。したがいまして、従来から誇大広告の禁止という規定があるわけでございまして、今回の法律におきましても、そのままこれを踏襲いたしております。御承知のように、この条文におきましては、先生がいま申されましたように、いろいろな項目をあげまして、それが著しく事実に相違する表示をするというような場合におきまして、これを誇大広告といたしておるわけでございます。その著しいというのはどういうものであるかということにつきまして、その限度が広告として一般に許されないという誇張の限度というものは、非常にむずかしいわけでございます。実際の法律の適用にあたりましては、これは具体的な事例それぞれにおきまして、個々に判断するということが必要になってくるわけでございます。したがいまして、この基準につきましては個々別々にきめられることになるわけでございますけれども、先生がおっしゃるとおりに、その基準はなかなかむずかしいものでございますので、適正広告の基準をきめまして、そしてこれを昭和四十二年に通達をいたしておるわけでございます。そうしてその通達して都道府県にこれをよく――大体この基準によりまして規制をいたすということとともに、業者に対しましてもこれを十分適正に行なうように指導するということにいたしております。したがって、これがやはり業者の順守事項というようなことにもなろうかと存ずるのでございます。
 そういう基準を設けて、それの基準以上のものがこれは著しいという判断をいたしておるわけでございまするが、結局実際のものよりもどういうふうに著しく誇張されているかどうかということは、最後は一般人にとっての便宜性とか利用価値だとか、そういうようないろいろな社会常識によるものと考えられるわけでございます。一応私どものきめた基準は、ただいま申し上げた四十二年の通達がございます。
#13
○上田稔君 その通達はこれはその内容がはっきりわかりませんが、資料としていただけますでしょうか。
#14
○政府委員(高橋弘篤君) 資料として提出いたします。
#15
○上田稔君 その内容を実は見ずに御質問を申し上げるのはまことに申しわけないのですが、どうも現地にいろいろ家あるいは宅地を求めて参りますと、おとりの何といいますか、建物というか、おとりの宅地というか、そういったようなものが、たとえば駅の近くにあって、それから離れたところに大部分のものがある、あるいはそのおとりのものが一軒であるとか、あるいはそういうことならおとりだとはっきりするのだけれども、たとえば、それが三分の一ぐらいあるとか。そういうようなことについてもきめこまかくおきめをいただいておるのでしょうか。
#16
○政府委員(高橋弘篤君) よく問題になりますのは、その場所が駅からどのくらいかかるかとか、利用する交通機関がどういうものであるかとか、そういうようなものが問題になりますけれども、利用交通機関につきましては、現在も利用できるものであるということとか、また所要の時間というものにつきましてもちゃんと駅名を明示するとか、それから徒歩で何分というときには、これは八十メーターにつき約一分間を要するものとか、そういうような基準をこまかく設けておるわけでございますけれども、先生のおっしゃいましたおとりを広告に出すということにつきましては、おそらく具体的なものでないとわかりませんが、具体的なものは、それが実際にいまの交通機関なり、徒歩で何分ということに間違いなければ、それはそのものは正しいわけでございますけれども、その他のたくさんの物件がそれ以上に徒歩で距離があるというようなことをおっしゃっていると思います。そういうものにつきましては、これは具体的に基準は設けてないわけでございまして、具体的にやはりその事例によりまして判断する以外にはないと考えるわけでございます。
#17
○上田稔君 実は先ほど申しましたように、女の方なんかが行かれますと、おとりのところで、これは見に行って値段が高いと、だから、したがって本物のところに行くと、そうすると案内している人が口うまく言われるものですからつい手付金くらい出しておくかということで出すというと、それがとんでもないことになってくる。あるいはそれを取られてしまうと、こういうような事例が多いのではなかろうかと思うのであります。したがいまして、おとりはおとり、おとりと言うたらいけませんけれども、実際にあるものはこうだと、そのほかに大きいものはこの別にありますということを具体的にやはり書くような指導をしていただくと非常にいいのではなかろうかと思うのでございます。したがいまして、そういう通達の中にもそういったようなこともきめていただきたいと思うのでございます。
 それから次に、今度案内を受けに行くということになるわけでございますが、案内を受けに行きますと、そのときになるほど重要な事項についてはこれを表示しなければいけないということになっております。したがいまして、そういうものもいただくのでございましょう。しかし、なかなかやはりお商売ですから、これは案内に行く人がなかなか口がうまい、事実に合わないようなこともあるいは言われるかもしれない、言われるのが多いんじゃなかろうか。そういうような口頭で言ったもの、それがもう著しく事実と合わない、こういったようなときには何かそういう罰則がございますですか。
#18
○政府委員(高橋弘篤君) いまの問題は、いわゆる広告、新聞、その他による広告の問題ではございませんで、いわゆるセールスマンと称する者がいろいろ口頭で有利なことを言うという場合でございます。したがいまして、実際に契約をする場合には、この法律に基づきまして、先生のおっしゃいましたように重要事項の説明をしたり、きちんと所在、その他を書いた書面を交付するということになっておりまして間違いないわけでございます。したがって、その契約をする前の段階におきまして、そういうセールスマン等がいろいろ口うまくいろいろなことを説明をするという場合でございますけれども、これについては特段の法律上の規制はないわけでございますけれども、そういうセールスマン等につきましてのいろいろな会社側が監督だとか、また研修をするとか、その他につきましては十分意を用いなければならないと思いますし、今後も私どももそれについて指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#19
○上田稔君 そうしますと、そのセールスマンが口頭で言ったことについては会社としては責任を持たない、こういうことになるわけでありますか。
#20
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほどから申し上げましたように、実際にそういう話を聞きながら、今度は契約を締結する際には重要事項の説明と書面の交付とを、しかもこれは今回の法律改正によって責任のある取引主任者というものがこれを実際に行なうということを明確にいたしておるわけでございます。その際に先ほどのセールスマンがいろいろ説明したことと非常に違うという場合におきましても、これは契約をしないということもあろうかと思いますけれども、その点につきましては法律の規制は、セールスマンにつきましての規制はないわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、会社としてはやはりセールスマンというものは会社の従業員でございます。したがいまして従業員が事実と違うようなことをいろいろ言動するということは、やはり問題があろうかと思いますので、十分にこれについての研修なり指導をするということを会社側が考えなければいけないと思いますし、私どももそういう点についていろいろ指導いたしたいというふうに申し上げた次第でございます。
#21
○上田稔君 そうしますと、そのセールスマンが口頭で言ったこと、これが契約の際にどうも違う、著しく違う、したがって契約はやらない。こういう場合に手付金を納めておりました場合は、やっぱり手付金は取られるわけですか。
#22
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃいます手付金についてでございますけれども、手付金は契約を締結する際に手付としてこれは出すわけでございます。したがいまして、その段階におきましておそらく契約締結でございませんから、手付というものはないのではないかと思います。したがいまして、そういうセールスマンがいろんな口頭で話したときに契約を直ちに締結するわけではございませんので、手付を出すということはないというふうに考えておるわけでございます。
#23
○上田稔君 たとえば現地に案内をされて、その場合に、この土地はこういう土地ですからいいんですよというようなことを言って、いろいろ土地に対しての宣伝をされる。あなたたちは家を建てられるときにこんな緑の中のいいところにお建てになったらいいということを言って、家はすぐに建てられるような話になっておる。ところが実際によくあとで書類のときに調べてみたらそれは都市計画上のいろいろな制約があって、それはそのときに見られないかもしれませんけれども、ちょっと気がつかない、気がつかないではない、案内を受けているわけですからそのときに口頭でバーッと言われた。そうしたらそれは制約があってそう簡単に建てられない。しかし、まあ手付金はちょっと納めておきなさいと言って十万なら十万を入れた。そうしたら契約を見てみたらこれは都市計画上のはっきりした制限があってだめだ、あるいは道路の予定地制限の中に入っておった、あるいは河川の付近地の土地であったりしていて地下室をつくろうと思ったやつができない、そういうような事態に突き当たった、だからこれはやっぱりやめます、こういうようなことを言ったときに、手付金はやはり取られてしまうのですか。
#24
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほどから申し上げておりますように、重要事項の説明の中にいまの都市計画法に基づく制限等も入っておるわけでございます。契約を成立させる前に取引主任者をしてこれは説明させなければならないということになっておるわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃる手付は契約締結の際に手付を出すわけでございますけれども、おそらくよく慣例で行なわれております申し込み証拠金というようなものではないかと存じますけれども、その申し込み証拠金というものにつきましてもいろいろ慣例があるわけでございまして、これはまあ本契約の締結にはならないわけでございます。したがいまして、いまの話のその実際に本契約を締結する前にそういう申し込みの証拠金というようなものを出して――五万円か十万円というのが慣例のようでありますけれども、そしてあとで契約を結ぶ。本契約のときにこれは代金の一部なり手付の一部になるという事例だろうと存ずるわけでございます。そういう場合におきましては、これは普通本契約の締結でなければ、慣例によりますと、いろいろ場合がございますけれども、そのときの約束で、それは本契約を結ばなければ返さないという場合とそれから返すという場合と両方あるようでございます。したがいましてそれについて本契約の締結をしないから返さないということもあろうかと存じますけれども、これは額が小額であるわけでございますが、問題にされるのはそういう申し込み証拠金みたいな五万か十万を出して、そして先生のおっしゃるようにこれは実際の手付だというようなことで本契約を結んでしまうということが、実は問題になるわけでございます。手付は五万、十万という額ではないし、額が大きいわけでございます。そういう場合におきましてはこれは本契約を結んでしまうわけでございます。そうすると手付の額がもっと大きいわけでございますから、それを手付と考えますとその差が相当あります。したがってそういう場合には、あとは私のほうで立てかえておきますよというふうなことを業者が言って、そしてそういう契約を誘引する、手付の貸与をしてそして契約を誘引するという行為がございます。これは現在でも法律で禁止されておるわけでございます。したがって、そういうことは法律上罰則もございます。また今回罰則の強化をはかっております。さらに行政処分をできるということになっておりますので、そういう点の予防はできるわけでございます。そういうようなことを考えておるわけでございます。
#25
○上田稔君 大臣にお願いをしたいのですが、どうもそういう申し込み金というか、手付金というか、非常に零細な方々からそういうものをだまし取るというか、女の人にこういうものをお出しになっておるといいですよということで、とにかくお出しになっておってくださいと、こういうようなことでうまいことごまかして取っておくと、こういうことが現に多いわけでございます。そういう悪徳の周旋屋というか、宅建業者の下で働いておる人にこういう人が多いというのは、これは今後家を求める人にとって非常に問題になるんじゃないかと思いますので、そういう者がおる会社、業者というものに対して厳罰でひとつ臨んでいただくようにお願いをいたしたいと思います。
#26
○国務大臣(根本龍太郎君) そういうような悪徳の者が出た場合には行政処分をいたします。いわゆる許可の取り消しをする、そういうような措置をもちましてやっていきます。そういうものは一般の善良なる国民を食いものにしている、正常なる業者ではありませんので、そういうものは処罰いたします。
#27
○上田稔君 次に、建物の手抜きでございますが、建物を手に入れた場合におきまして手抜きがある場合、これがなかなかしろうとにはわからないのでございます。第四十条でございますか、これによって民法での一年というものを少し延ばしてよろしいと、こういうことになっておるわけでございますが、実際は鉄筋コンクリートの建物あるいは鉄骨コンクリートの建物になりますと、なかなか表から見てもわからない。内部の鉄筋の配置であるとかあるいは手抜きして、鉄筋が極端に言ったらまとめて棒にして入れてあって、外側だけコンクリートが入っているというようなものがあるのではないかと思うのでありますが、これがわからない。ところがこれが地震があったりするとわかってくるので、一年や二年あるいは三年くらいでまだひびが入ってくる程度でどうもはっきりわからないというのが多いのではなかろうかと思うのです。こういう鉄筋の配置の本数がちょっと一本足らなかった、こういうようなことはおそらくわかりませんでしょうが、ギュッとほんとうは配筋をしなければいけないのが、まとめて束にしてあったり、あるいは著しく少なくしてあったりすることによって、あとになってわかってきた、こういうときにはどういうふうになるのでございましょうか。局長に質問します。
#28
○政府委員(高橋弘篤君) 先生御質問の、いわゆる瑕疵担保責任の問題でございますが、先生のおっしゃいましたように、民法におきましては知ったときから一年ということになっておるわけでございますが、実際の業界の慣例といたしましては、引き渡したときから一年ということで、縮減いたしておるわけでございまして、消費者にとりましてこれは不利な場合が多いわけでございます。したがいまして、今回の法律改正におきまして、先生のおっしゃいました第四十条におきまして、そういう場合におきましては、引き渡しの日から二年以上となる特約をする場合を除きまして、民法よりも買い主に不利な特約をしてはならないということになっております。これは二年以上ということでございまして、二年以上は少なくとも瑕疵担保の責任があるという特約があるわけでございます。したがいまして、この二年というものにつきましていろいろ何年にするかという問題がございますけれども、現在の実際行なわれております慣行を考え、また住宅公団におきましては大体二年ということになっておるわけでございます。さらにまた春夏秋冬二回というものを繰り返せば大体そういうものがわかるのではないかということで二年といたしたのでございますけれども、先生のおっしゃいました、そういうなかなか消費者にとってわからないものもあるわけでございますけれども、瑕疵担保責任は特約を二年とすればそれ以上は責任はないわけでございますから、その建築物をつくる際におきましてやはり建築基準法なり、宅地造成におきましては開発許可という面から、質の向上その他におきまして十分検討して、そして質の悪いものができないように規制するということが必要であろうかと存ずるわけでございます。本法におきましては、そういう取引についてのいろいろな消費者の保護という形をとっておるわけでございますので、瑕疵担保責任を先ほど申し上げましたように、いろいろな事情から特約を結ぶ場合には二年以上というふうにきめておる次第でございます。
#29
○上田稔君 補償につきましては、あまり長く、たとえば十年たった後にわかったからこれを補償しろと言ってもなかなか無理なんじゃなかろうかと思うのでございますが、そういう会社は結局悪徳の業者であるということになるのじゃないか。建設省がいろいろな橋であるとかあるいはそのほかの工事をお出しになる。これがやはりコンクリートのものであって、その瑕疵が十年くらい五年くらいたってわかった、こういった場合にはその会社に対して、この業者に対しては罰則は与えられる。あの業者どうも手抜きをしておったことがわかったから当分は指名停止だ、こういうことをお与えになれる。ところが、一般の国民のほうにおきまして非常な少ない資金の中から出したお金で買った建物、それがなるほど金額的には国の被害のような大きなものでないかもしれないけれども、個人にとっては非常に大きなものであるということでございますので、どうもそんな悪徳業者をはびこらしていただくと、どうもやっぱり国民にとっては納得がいかない。したがって少なくともあとになって大きな瑕疵というものがあった場合においては、その業者に対して処罰を与えていただきたい。こういうふうに思うのでございますが、そういう点はどうなっておりましょうか。
#30
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げました瑕疵担保責任の問題につきましては、善意な場合でございまして、業者も大体十分配慮してつくって間違いないという場合におきましても、やはりあとで瑕疵が起こった場合の点でございます。最初から手抜き工事であって、悪意でそういうものをつくってそれを売ったという場合におきましては、これは二年ということでなしに、やはり悪意に基づいておることでございますから、損害賠償が請求できるというふうに解釈をするわけでございます。同時に、売り主が建築基準法違反のもの、その他法令違反のものをつくったりして、知っていながらそれを売るというような場合におきましては、これはその宅建業者というものは不正または著しく不当な行為ということに該当いたしますので、行政処分はできるというふうに考えておる次第でございます。
#31
○上田稔君 その点は第何条で見ればよろしゅうございますか。
#32
○政府委員(高橋弘篤君) 最初に申し上げました点は、民法の原則でございます。それからあとの監督につきましては第六十五条でございます。
#33
○上田稔君 そういたしますと、コンクリートの建物でございますと、そういう瑕疵というものがあって、手抜き工事があって不良工事といいますか、そういうものがあってもなかなか出てこない。地震があったり、あるいはまた何かの特別なことが起こらない限りなかなかそれがわからない。そういうときには通常はそういうものについてはいままでおやりになっておらないのじゃないかと思うんですが、そういう事例がありますでしょうか。
#34
○政府委員(高橋弘篤君) 地震その他の場合にいろいろなことが発見される、これにつきましては、いろいろなまたほかにも因果関係とかその他 耐震のいろんな基準だとかいうようなものもあろうかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように悪意でいろんな建築物を建築するという場合においては、先ほど申し上げましたようにあくまで原則に基づきまして損害賠償が請求できるわけでございます。従来の宅地建物の取引におきましては、先ほど申し上げましたように大体一年という特約をいたしておるわけでございますけれども、具体的にそういうことについての事例は聞いておりません。
#35
○上田稔君 いままでの建物の場合におきましては、木造建築物が非常に多かったんじゃないか。木造建築物ですとある程度そういう瑕疵というものがわかるというのが通常じゃなかろうか。しろうとが見てもわかる、こういうのが通常じゃなかろうか。またその瑕疵が一年か二年たってあらわれてくるというのが通常じゃなかろうかと思うんです。ところが現在では鉄筋コンクリート、コンクリートで被覆してある建物が非常に多くなっておる。こういうことに応じてやはりそういう隠れた瑕疵というものを発見するのは非常に困難になってくる。だからこれがほかの原因――地震の場合もあるし、それからまた火事からの延焼というか、そういうようなことから焼けてしまってからわかった。こういうのはしようがないかもしれないけれども、金を返してくれというのは無理かもしれないけれども、とにかくそういう悪徳なことがわかった、こういうことがこれから出てくるんじゃなかろうか。こういう業者に対してはやはり私は厳罰で臨んでいただきたい。そうして、非常にわかりにくい瑕疵、わかりにくい悪徳というものをやはり処罰していただくように考えていただいたほうがいいんじゃなかろうかと思うわけでございます。この点ひとつ御研究をいただきたいと思います。
#36
○政府委員(高橋弘篤君) そういう物件について、これを質のいいものにつくり上げていくということにつきましては、宅建業法以外のほかのいろんな建築基準法なり、それから都市計画法なりその他の法令でも確保さるべくいろいろな検討がされる必要があろうと存じます。またそういうものにつきまして、質のいいものをつくるためのいろいろな努力というものは、技術的にも検討される必要があろうかと存じます。そういう点につきましては、十分ひとつ今後とも検討さしていただきたいと思います。また、先ほど申し上げましたように、そういう基準があるのに無視して悪意でやった、つくってそれを売った業者というものにつきましては、先ほど申し上げましたように厳重にこれは行政処分をいたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#37
○上田稔君 もう一つ最後に、こういう鉄筋コンクリートのような外から見てもわからないような建物がこれからふえてくる、そういうものを購入する人がふえてくる、マンションみたいな。そういうことになりますと、もう買うときには建ってしまっておるわけですから見えない。だから、やはりその建築中にある程度見ておかないといかぬと、こういうことになるわけでございます。したがいまして、こういうことについては、何かそういうものを監視していただくような団体をつくってもらえないか。たとえば協会をつくって、その協会で建築中にそういう配筋であるとか、あるいは非常に危険なものについて、地下工事であるとか、そういうものについて、そういうものをちょっと見に行くというか、監督をするというか、そういうようなことを考えていく、そういうような協会でおやりになっていただくとか、そういうようなことができないのかどうか。またそういうことについて御研究をいただいておるのかどうか、御質問をしたいと思います。
#38
○説明員(沢田光英君) 建築工事で、鉄筋コンクリートの場合鉄筋その他が中へ入ってなかなかあとで検査ができない。こういうものにつきましては、従来の基準法におきましても、もちろん確認の際に図面をチェックするほかに、鉄筋コンクリートに関しましては現場で配筋検査をやる、かようなかっこうになっております。主事が配筋検査をやる。ただ、なかなか手が回らない。特にそういうものが住宅にまで及びますと、手が回らないというふうなことがあろうかと思います。そこで、そういうものまで含めまして、たとえば日本分譲住宅協会とか、そういうような建て売り業界におきましては、自主的にそういうふうな基準をつくりまして、それを守ろうじゃないかというふうなことをすでにやっております。私どももそういうものについての指導を行なっております。さらにそれの基準になりますものは、実は公庫の資金で、そういう建て売りのものが公庫の資金に関するものがございますが、こういうものは住宅金融公庫の基準に従ってやられるようなかっこうでございますので、こういうものがもとになって業界ではそういう自主的な基準がきめられておる、かような状態でございます。ただ、いろいろなケースが出てまいりますもので、今後ともさような制度は十分に充実していきたいと、かように考えております。
#39
○上田稔君 私は、こういう協会でおやりになっていただくのは非常にけっこうだと思うのです。したがいまして、そういう協会でおやりになっていただくのはいいんだけれども、国としてもそういう協会に対してひとつ助成を考えていただきたい。というのは、今後、こういう建物がふえてくることと、それからもう一つは、それをお買いになる国民の皆さんは、そういう――鉄筋コンクリートに関する知識というものがそうおありになる方は少ない。こういうことから、ぜひとも協会で保証をしていただく、JISのようなものでぽんと判を押していただくと、そうすれば安心して買える、こういうことになりますので、これは国としてもぜひともお考えをいただきたいと思うわけでございます。ひとつお願いをいたします。
#40
○説明員(沢田光英君) ただいま先生JISのお話が出ましたけれども、JISそのものは工業規格といいまして、まあ工場でつくるもののようなかっこうでございます。ただいま住宅に関しましては、プレハブのようなものはだいぶ工場の中に入ってまいりました。したがいまして、部品とかあるいはプレハブ住宅のようなものはこのJISの線に今後乗せようとしております。ただそういう工業化できないものがいろいろできております。こういうものにつきましては、先ほど来申しておりますような公庫の基準あたりが浸透してまいりまして自主的にやっておりますので、さらにそういうものを一そう充実をして何らかの向上をはかりたい、かように考えておる次第でございます。
#41
○委員長(田中一君) ちょっと速記をやめて。
  〔速記中止〕
#42
○委員長(田中一君) 速記を起こして。
#43
○二宮文造君 思わぬ時間が早く回ってまいりました。私、引き続きまして現在の提案になっております二法案につきまして若干の質疑をいたしたいわけであります。
 まず、昨年、大臣も御承知のように一連のマンション事件というのが起こりまして、大臣も非常に心を痛められ、またそれが従来問題になってきた宅建業法を早急に改正をしようというひとつの気運にもなったかと思うのですが、まず最初にお伺いしたいのですが、あのマンション事件で相当の被害者が出たわけであります。まあ業者に対しては免許の取り消しとかあるいはまたその告発とか、いま裁判の状態が係属されているわけでありますけれども、被害者、あるいはまた業者に対する業務改善命令、それからまた今回の宅建業法の改正と三つの点にわたると思うのですが、このマンション事件にかんがみまして建設省はどのように具体的な措置をとってこられたか、計画局長でけっこうですが、答弁してください。
#44
○政府委員(高橋弘篤君) 昨年の、いわゆるマンション事件が起こりました。その対策といたしましていろいろな措置を講じられてきたわけでございます。先生御承知のように、昨年のマンション事件に関係いたしました業者は九社あったわけでございます。いろいろ個々には申し上げませんが、その中の五社は免許取り消し処分になっておるわけでございます。また、二社につきましては、廃業の届けが出されておるわけでございます。残りの三社は現在営業をいたしておりますけれども、いわゆるこれは監督官庁でございます東京都の指示に従いましてマンション投資というものはこれはやめまして、そうして現在一般の分譲についてのあっせん業または一般のマンションの分譲という業務に携わっておるわけでございます。
 それからこの事件につきましてどういう対策をとったかということでございます。まあ具体的な対策としまして東京都のとりましたものを概略申し上げますと、まず、法的には、いわゆる法に基づく指示をいたしまして消費者保護のための改善措置というものを命じておるわけでございます。御承知のように、昨年のマンション事件につきましてまあ二つあるわけでございまして、一つはいわゆる投資マンションというものでございまして、購入者から一口三十万なり五十万なりの出資を募って、そして出資に応じましてその会社所有のマンションの分譲を行なう、そうして消費者がすでに購入しましたマンションを購入者からまた会社が賃貸しまして、その賃貸料に当たるものとして一年につき分譲価格の一割四分四厘というようなものを支払う、まあそういうような商法をとったものでございます。いわゆる投資マンション商法でございます。これにつきましてはいろんな意味において宅地建物取引業法の違反というものが考えられるわけでございます。つまりマンション等の共有持ち分というものを、これは分譲した場合にはちゃんと契約書の書面ではっきりこれを特定するということがまず必要になってくるわけでございまして、それを怠りますと現行法の十四条四の一項違反に該当するわけでございます。また、共有持ち分の登記というもの、これは実際に行なわれてないわけでございますが、共有持ち分の所有権の保存登記というものをする必要がありますが、これをしないと第十五条の登記を不当に遅延する行為というものにひっかかるわけでございます。また、さらにその共有持ち分ということについての重要な事項を故意に説明しなかったということになりますと、これは十四条の三だとか、また十八条の違反ということになるわけでございます。そういう疑いがあるわけでございますので、そういうものに基づきましてまず東京都といたしましてはその投資マンションの持ち分を契約書にはっきり明記しなさいというようなことをまず指示し、次に所有権の保存登記を直ちに行なうことという点、第三点としまして昨年の投資マンション商法によりますと、実際にそのマンションの実質の価格以上の購入者というものを募っておるわけでございます。したがって、投資額がマンション価格を上回っておるものにつきましてはそれはそのマンション価格に当てはまるだけの共有持ち分のそういう購入者というものをきめて、それを上回ったものにつきましては他のマンションへこれを振りかえる、またそれができないときには解約するというようなことの指示をいたし、そういう点が法に基づいての指示でございます。改善措置についての指示でございます。それからさらに具体的な指導といたしまして、これはいわゆる分譲マンションというものも相当この会社が行なっておりまして、そのため会社が倒産その他をいたしまして、いわゆる前金を払っておるものについて、前金が返ってこないということになるわけでございまして、そういうような分譲マンションの購入者も含めましてそういう購入者、被害者というものにつきましてその被害者が組織化され、結束して、そうしていろいろ民事的な手続というものをとるために弁護士の選任というものに十分に協力するという指導をいたしております。また、購入者がマンション建設というものを実際に業者に請負わしてやっておるその建設業者と直接いろいろ交渉して、そうしてそのマンションが予定どおり建設されるというふうに、いろいろそういう連絡、あっせんにつとめたというようなこと、その他これをいろいろまとめて民事的に購入者が救済できるような措置を講じたのでございます。その結果、いろいろ購入者の中には相当部分救済されたものがあったわけでございますけれども、もちろんその他にまだ未解決の事件というものが相当多いわけでございます。先ほど申し上げましたように、このマンション業者というものがすでに免許を取り消されたり、また廃業の届けをいたしておるものにつきまして、その経過はまだこれはわからないわけでございますけれども、相当部分救済されましたけれども、相当部分のものがまだ救済されないで、民事の手続でいろいろ交渉中であるというふうに聞いておる次第でございます。こういうような観点からいたしまして、今回の宅地建物取引業法の一部改正にあたりまして、どういうふうにこれを盛り込んだかという点についてでございます。全般的には、先ほど申し上げましたように、消費者保護の見地からいたしましていろんな契約条項の適正化その他の項目を設けておりますけれども、特に昨年大騒ぎになりましたのは、業者が倒産をいたしまして、途中で前金を払っているものですからその前金が返ってこないということで相当大騒ぎになったわけでございます。したがいまして、今回は一つの大きな改正の主眼点として、そういう未完成のものについて契約した場合におきましての前金の保全措置というものをきめまして、そういう保全措置を講じなければ契約ができないということにいたしたのでございます。そういうことによりまして、その前金の保全が十分に指導されるというふうに私ども考えておるわけでございます。さらに、いわゆる投資マンション、投資商法ということにつきましては、これは先ほど申し上げましたようにいろんな宅建業法上の違反の疑いがあるわけでございます。したがいまして、この問題につきましては、本来はこれはいわゆるそういう三十万とか五十万という少額の出資金を集めて、それを元にしていろんな商法を営んでいる場合、出資法違反の疑いの問題があるわけでございます。したがいまして、なかなか実際問題としましていわゆる宅地建物の取引の契約上の問題としては関心が一般の投資者に非常に少ないということからいたしまして、宅地建物取引業法違反が生じやすい状況にあるわけでございます。したがいまして、今回の改正におきましては、特に取引主任者というものの職務権限をはっきりいたしまして、重要事項の説明または書面の交付というものを取引主任者が行ない、また書面の交付にあたりましては、取引主任者が責任を持って署名押印するということ等によりまして、そういうような違反がないように規定を設けたのでございます。こういうような宅建業法を忠実に順守しておれば、これはこの商法が成り立つかどうか別といたしましても、昨年のようなああいうふうなことは起こらなかったというふうに私ども考えておるわけでございますので、今後ともこの改正を機にして十分違反がないように指導監督してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#45
○二宮文造君 大体業者に対する指導の措置それからまた今回の改正にあたってどういうふうに盛り込んだかということは、概略了解できました。ただ、局長の答弁の中で被害者の問題ですが、相当部分は解決したけれども、相当部分は未解決だという、一体どのくらいの被害金額の中でどの程度はその話し合いあるいは和解とか、物件の引き渡しとか、そういうような措置によって解決をし、またどのくらいの金額が未解決になり、そうしてその被害者は未解決の部分についてはどういうような目安をもっておるかというようなことはどうですか、概略わかりませんか。
#46
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま私の手持ちの資料で申し上げますが、たとえば日建グループというものがございます。これが一番大きな、昨年問題になったわけでございます。その日建グループにつきまして申し上げますと、当時日建グループにつきましての、そういう被害者というものが当初は八百四十一人、約二十億七千万円ということであったわけでございますけれども、これがいろんなそういう東京都の指示その他指導によりましてある程度救済されまして五百八十九人、約十二億一千万円というものが現在まだ未解決のまま残っておるというように、私ども東京都から聞いておる次第でございます。
#47
○二宮文造君 その十二億何がしという金額ですね、これはどうなんですか、裏づけになる物件がいろいろな形で残されていて、またその大半が日にちは別として解決の方向にいくきざしはあるんですか、どうですか。
#48
○政府委員(高橋弘篤君) 相当部分まだ残っておるわけでございます。先ほど申し上げましたように、宅地建物取引業法に基づきますいろんな業者に対する行政処分その他につきましては、できるだけの万全の措置を講じておるわけでございますけれども、現在こういうものにつきましてはいわゆる民事の手続でいろいろ行なわれている次第でございまして、先ほど申し上げました民事の手続につきましても東京都が間に入りまして弁護士の選任だとか、また被害者の組織をつくるとか、それから請負業者との間をあっせんするとかそういうようなことでやっておるのでございますけれども、どうしてもそういう行政権限としての限度があるわけでございます。それがどういうふうになっていくかということにつきましては、なおはっきりしない点が多いわけでございますが、今後も東京都を督励いたしまして、十分事実上の指導をいたしまして何とか被害者が極力少なくなるように指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#49
○二宮文造君 せっかく御努力願いたいと思います。
 それから大臣後日改正案の内容についてまたお伺いをしたいと思うんですが、非常にラフな質問で恐縮なんですが、大臣の提案理由の中にも「最近における不動産に対する需要の急激な増大と多様化に伴って」、「取引の態様も複雑多岐にわたりつつある現状」でありと現状をこのように分析をされて、「不動産取引に関する紛争事例も多発する傾向にあり、宅地、建物の購入者等が損害をこうむる場合も多くなっております」と、率直に現状をこのように提案理由の中に述べておられる。さてそれで今回の改正になった。どうでしょう、これで事故があるいは紛争が回避される、こういうような確信は大臣ありますか。後日中身についてまたお伺いしたいと思いますが、概括的に。
#50
○国務大臣(根本龍太郎君) 概括的に言いましてこれでもう完全に防止できるということは言えないと思います。なぜならば善良な宅建業者もありますけれども、初めからインチキ業法をやろうとする者も現在では絶無とは言えない、そういう状況でありますから、これは完全とは言えません。ただしこれによって従来の消費者が非常に不測の損害を受けたことが相当程度これはカバーできる、こういうふうに感じています。
 なおいずれ具体的な問題で御質問が出てくると思いますが、答申ではいまの三つに分類してやれ、こういうことがありましたけれども、これを実施しないまま今日に至った理由についてはいろいろ批判、憶測もありますけれども、これはわずかの金額を保証金をいままでの十万円が五十万円だとか、あるいはデベロッパーに二百五十万円保証金を出させたという、それだけでこれはできるものではないと思います。そのことがこれでいいというふうにとられることがかえってあぶない。むしろ消費者保護の立場からするならば、皆さんからもずいぶん言われたように私はこの保証保険制度を完全にしてやるということが一番大事だというような感じを持っています。
 それから業界の分類、これの免許のやり方ももっとやはり業界も自主的に自主監督ができるというようなことまでこれはやらなければいけない点もあると思いまして、そういう点がまだ十分にいっておりませんから、いま二宮さんから言われたことが完全にこれが確保できるとは言いかねると思いますが、その点は今後もさらに順を追うて、すみやかに補完的な立法並びに行政措置で漸次解決していきたいと考えておる次第であります。
#51
○委員長(田中一君) 午前中の質疑はこの程度とし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時五十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時八分開会
#52
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案、積立式宅地建物販売業法案、両法案を便宜一括して議題とし質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#53
○二宮文造君 午前中に引き続いて質疑をしていきたいと思います。宅地建物取引業法いわゆる宅建業法の第二条の「用語の定義」のところで、「宅地建物取引業、宅地若しくは建物(建物の一部を含む。以下同じ。)の売買若しくは交換又は宅地若しくは建物の売買、交換若しくは貸借の代理若しくは媒介をする行為で業として行なうものをいう。」と、こういうふうに宅地建物取引業というものを定義をされておりますけれども、ここでいいます「貸借の代理若しくは媒介をする行為」を業とするということを具体的に御説明願いたいのですが。
#54
○政府委員(高橋弘篤君) 宅建業法におきまして定義がございまして、先生のおっしゃいましたように、宅地建物の売買、交換、それからそのあとに賃貸の代理若しくは媒介をする行為で業としておるものという点でございます。これは、「賃貸の代理」と申しますのは、代理人が自分の名前で本人にかわって意思表示をいろいろする行為でございます。そしてその法律上の効果というものは、これは本人に帰属するということになるわけでございまして、御承知のとおりでございます。したがって、建物の売却とか賃貸をする場合に、乙が甲の委任を受けて代理をするというようなかっこうになりますと、甲の建物につきまして、実際にこれを借りたり買ったりする丙との間でそういう契約が結ばれるわけでございますが、すべての権利義務は甲に帰属する、したがって代理人乙が丙に対して行なういろいろなものはすべて甲が申し込んだのと同じようなかっこうになる、そういうようなことになるわけでございます。媒介というのは、これは第三者が当事者の依頼によりまして当事者双方の間に立って法律行為を成立させるということでございます。したがいまして、あっせんとか仲介というようなことがこれに当たるわけでございます。したがいまして他人の代理人として行為するものではないわけでございます。普通業界では立ち会い人とか仲介人とかという名前で呼ばれているわけでございます。そういうような代理、媒介ということでございます。
#55
○二宮文造君 まことに初歩的な質問で恐縮なんですが、わかりました。その「貸借の代理若しくは媒介」という意味はわかりましたけれども、その場合にはいわゆる権利義務というものが本人に帰属する、それはよくわかりました。
 そこで今度は、建物を借りてこれを他に転貸をする、しかもそれを業としている、そしてその場合にその権利義務が、いわゆる賃借り人と所有者と同じようなウェートで権利義務を転貸人に負うという場合、それを業としている場合と区別が非常にしにくいと思うのですがね。だから業としているところは一緒です。それからまた権利義務が本人に帰るというところも一緒です。ただ本人と賃借り人との間に何がしかの契約があって、賃貸契約じゃない、利用契約という形をとってやっていくことを業としている、こういう場合には単純に私は借家契約とは言えない、こう思うのですがね。これの区別はどう整理されますか、宅建業法で。
#56
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま申されました点につきましては、建物の所有者がある業者にこれを貸して、そしてまたその業者がそれを借りて今度また転貸して一般の入居者にこれを貸すという場合でございまして、こういう場合は賃貸でございます。これは他人の建物を借りてそれを今度家主になって一般の入居者に貸すわけでございます。そういうのは賃貸でございまして、仲介とか代理とか媒介とかというものではございませんから、この宅建業法の対象にこの法律ではなっていないわけでございます。
#57
○二宮文造君 賃貸の場合ははっきりしているのです。賃貸ではないのです、賃貸契約じゃない、利用契約をする。いわゆる何というか敷金みたいなものを置いて賃貸料は払わない、しかもその建物は管理いたしますと。そしてそれをさらに利用者という名前をつけておりますけれども、これも賃貸じゃない、敷金を取る、こういうかっこうでやっていくことを業としている場合、これはやはりあっせんとか媒介とかあるいは代理とかというケースに半分突っ込んでいるような気がするのですがね。明確な整理はできないのではないかと思うのですが、さらにくどいようですがこの点の見解を伺いたい。
#58
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまの場合、名前が利用契約とか利用権設定とかいろいろな名前があろうかと存じますけれども、やはりそれは賃貸借ということで考えられるわけでございます。先生のおっしゃいました敷金とか保証金みたいなものを出していて、そしてそれを利用権設定して利用を専用しているという場合をおっしゃったわけでございますけれども、その場合におきましても、形式的には、これは名前が利用権設定といいますけれども、やはりこれは賃貸借ではないかというように私ども考えるわけでございます。たとえばいま先生おっしゃいませんでしたけれども、敷金だけで家賃は払わない、したがって有償ではないではないかとおっしゃる御趣旨と解しましてお答えいたしますと、そういう場合でも形式的には無償に見えましても、実質的経済的にはこれは家賃を提供しているという形になるわけでございまして、そういう場合にはこれは賃貸借であり、借家法の適用を受ける、借家権を持っているというようなことになるわけでございます。つまり保証金を一度に提供いたしまして家主としてはこれをさらに資金運用しまして、それから生じますところの利益というものを、実際に実質的に家賃額にこれを充てると、そういう見込みをしているわけでございます。したがって家賃を免除しているという形になるわけでございまして、確かに先生のおっしゃるような新しい賃し家方式でございますけれども、やはりこれは賃貸借ではないかというふうに考えているわけでございます。
#59
○二宮文造君 大体その区別はわかりました。
 そこで、今度現状から私問題点を指摘してみたいと思うのです。たとえば賃貸借の場合に、一軒自分が借りて、それが部屋が多いから下宿をやってそして転貸をする、こういう場合もありましょう。あるいは一つの貸しビルを、自分が借家契約をして、そうして入居者を求めてさらに転貸をしていくという方式もありましょう。ところが最近はマンションブーム、非常に賃しビル形式が多くなりまして、不特定多数の人から建物の提供を受けて、そうして不特定多数の利用者にそれを転貸をしていく、こういう場合には単なる賃貸借ということじゃなくて、それを業としている場合には、やはりそこに転貸人と所有者あるいは転貸人とその賃借り人、この間にトラブルが起きるということはもう予想されます。しかもこれからどんどん広がっていきますと、千世帯も二千世帯もの利用者を対象にする場合も出てきます。その場合には、やはり消費者の保護といいますか、利用者の保護といいますか、いまのようにいわゆる賃貸契約だ、それはもう借家法に準拠するのだと、こういうふうな見解のようでありますけれども、御承知のように借家法というのは大正十年です。その後昭和に入りまして、戦前に一回と四十一年でしたか、手直しをしただけで、借家とは何かという定義すらも法律には明記されていないような、いわば現在の状況から振り返りますと非常に整っていない法律ですね。それに準拠してやっていくには、こういう形式はどんどんこれからふえるとすれば、そういうトラブルをどう解決をしていくかというようなことは、これはまたいまの時勢に合わした新たな問題だと思うのですね。必ずこの方式がずっと広がっていきます、広がっていくと問題が出てくる、やはり事前に手を打つという考え方も必要ではないか。借家法の改正なりあるいは新たにその不等定多数の者から借りて不特定多数の者に貸す、こういう場合、その時点をとらえて法律で網をかぶせるような特別立法、そういうものも必要になってきたのじゃないか、こう思うのですが、局長どうでしょう。
#60
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃいましたいろいろな例でございますけれども、ある建物を借りてそしてそれをまた転貸する、またマンションの部屋ごとに借りてこれをまた転貸する、相手方が不特定多数であるという場合、やはり先ほどから申しますように、法律上からは利用権設定というけれども、賃貸借であるということになりますので、本法の対象にはしてないわけであります。つまり本法、宅地建物取引業法というものは売買とかまたは仲介というような一時的に完結するような、そういう取引行為ということを対象にいたしておるわけでございます。賃貸というような継続的な行為というものは対象にいたしていないわけでございます。したがいまして業法の対象にならないわけでございますが、業ということはこれは商売でございますから、業ということにはもちろんなるわけでございますが、本法の対象にならぬということを申し上げておるわけでございます。ただそこの場合に、先生のおっしゃるように、いろんな法律関係が複雑で、特に入居者が不特定多数であるためにいろんな紛争その他が起こる、つまり借家条件その他があっていろんな紛争が起こるということは、もちろん考えられます。まあ地代とか、家賃、権利金、敷金というような借家条件その他についていろいろやはりそういう問題があろうかと存じます。そういう場合には、そういう継続的な借家条件その他についてのいろんな規制なり紛争なり、消費者を保護するというたてまえの規制というものは、確かに先生おっしゃるように検討すべき点があろうかと存じますが、それは業者としての規制というより、むしろそういう条件のいろんな規制とかいうようなことについて十分今後検討する必要があろうかと存じます。借家法のお話がございましたけれども、これは法務省の所管でございます。しかしながら建設省も住宅局その他ございまして、住宅問題その他についてのいろんな御質問だろうと存じますけれども、ひとつ関係方面とも十分連絡しながら、そういう借家条件についてのいろんな取りきめについての紛争がなくなるように、また消費者保護の立場から何らかいろいろの措置を講ずる必要があるんじゃないかという貴重な御意見に対しまして、十分検討してみたいというふうに考えておる次第でございます。
#61
○二宮文造君 私も実態はよくわかりませんけれども、現在の宅建業者の中で、いわゆる建物の所有者から依頼を受けてアパートの管理をまかされておる、家賃の取り立てをする。いわゆるその入室から退居のときの交渉から、そういうものをもうアパートならアパート一戸を全部自分が委任、委託を受けて、まさに賃貸借を受けたような内容でもって管理をしている業者もいるわけです。まさしくもう賃貸契約はない、契約はないけれども自分がそれを持っているわけですから、内容は賃貸借だというふうなことで、業務をやっている宅建業者もいるわけですね。そうしますと、あっせんの場合は宅建業者として規制を受ける、それからそういうふうにまさに内容が賃貸になっていますと、その部分については宅建業者としての規制は受けない。同じように登録免許を受けておりながら仕事の内容において、これは宅建業だ、これは賃借りだ、こういうややこしい、――それがまた結局消費者に迷惑を転嫁するようなことも私は想定できると思うんです。ですから借家法だ、法務省の関係だということじゃなくて、しかも、いま言いましたように、入ってくる人が不特定多数だけじゃない、今度は所有者のほうも不特定多数になってくる。それから一括契約をして、一つの会社が不特定多数の所有者と一括契約をして、そして不特定多数の人に賃貸しをしていく、こういう方式がよろしいとか、かつまたこういう方式がどんどん広がっていくということになりますと、いまの時点で何らか消費者を保護する、そういう考え方を早急に急いでもらわなければならない。まあ前向きに検討するという趣旨の御答弁ですからあえて言いませんけれども、事態はそこまで迫っているという認識の上に立ってこの問題をとらえていただきたい。これは要望しておきます。必ずこれはもう新しいケースのトラブルが起きてまいります。
 それから次に具体的な問題としてお伺いをしたいわけでありますけれども、昨年の八月でした、当委員会におきましていわゆる保証システムについて当局の見解をただしたわけであります。で、建設省のほうで今回の宅建業法の一部改正にありましても、それぞれ業界に対して問題点というものを提示してその意見を求められております。建設省のほうから出された問題点はこういうふうにこれは四十五年九月二十一日、「宅地建物取引業法の改正に関する問題点」こういうもので整理をされまして、そうして「6その他の問題点」というところで「(1)マンションに関する問題(イ)マンション経営に関する問題」その(イ)の中の(b)「いわゆる保証方式」について建設省で整理された問題点を読んでみますと、「入居者から家賃を取らないで分譲価額相当の保証金を受領して、建物の利用権を与え、自己の持家と同様に居住のため占用使用させ、契約期間満了後、当該保証金を無利息で返還するもの」こういうマンション経営について意見はどうか、こういう問題点の整理のしかたのようになっております。それに対しましていま申し上げたような不動産協会それから日本局層住宅協会は連名で保証金の安全が確保できる措置を講ずべきである、こういう回答意見が出ております。また、全国宅地建物取引業協会連合会あるいは住宅産業開発協会、日本分譲住宅協会、全国宅地造成連合会、これらの協会はそれぞれ別個に、いずれも好ましくない、こういうふうな意見を述べられておりますけれども、問題点として提起された建設省の見解、また意見書を受けて今回の宅建業法の改正にあたってこれは触れておりませんけれども、どういう趣旨で触れておられないのか。先ほどの局長の答弁によりますと、これは借家契約だ、宅建業法とは全然関係がない、こういうふうにおっしゃっておられながら業界に意見を聞かれたその趣旨はどこにあるんですか。
#62
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど先生のおっしゃいました宅建業法改正に伴ないますところの問題点というのは、確かに想定されますいろいろな問題点をすべて提起して、そうして関係方面の意見を聞いてまいったわけであります。そういうことによりまして、私ども十分広く意見を求めてこの改正に当たったのでございます。そのうちの一つにおきまして、先生がおっしゃいましたこういう保証金を積んで家賃を取らずに入居するという方法のマンション方式というものについて、これをどういうふうにしたらいいかという問題点を一つの問題点として出したわけでございました。それにつきましては、そのとき先生のおっしゃいましたようないろんな意見もあったわけでございます。もちろんその意見を十分参酌しながら検討してまいったのでございますけれども、結論は先ほど先生にお答え申し上げましたようなことになったのでございます。もう一度簡単にそれを申し上げますと、そういう不動産の賃貸借というものにつきましては業としての規制という、宅建業者に対してこれを対象として業として規制するよりも、むしろそういう継続的な行為についての規制なり、トラブルの防止ということは、むしろそういう借家条件なりの内容についていま申し上げたような家賃とか地代とか権利金とか敷金とかいう条件について、何らかの条件の内容についていろいろ規制をし、またトラブルの予防をするということが一番大事であろうというふうに考えて今回の業としての規制をこの宅建業法の対象にいたさなかった次第でございます。もちろん、先生のおっしゃいました積みました保証金の保全措置ということにつきましては、もちろん大事なことでございますので、この点につきましては、いろいろ行政指導その他で完全な保全措置ができるようにいろいろ指示をしてまいりましたし、今後とも努力したいというふうに考えておる次第でございます。
#63
○二宮文造君 その当時、昨年の八月いろいろ問題を提起しましたときに、いわゆる保証システムを採用している会社は何社ありましたか。どういう会社がやっておりましたか。
#64
○政府委員(高橋弘篤君) 昨年の八月十八日の先生の御質問の当時、保証システムを採用していることが判明している会社は、日本保証マンション株式会社一社でございましたが、現在も同社のみでございます。
#65
○二宮文造君 日本橋の島田商事も若干そういうふうなやり方をやっておったのですが、私の質問と前後しましてそういうシステムはやめておりますが、この点はどうでしょうか。
#66
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘の島田商事につきましては、東京都に問い合わせましたところ、東京都の調査によりますと、おっしゃるとおり、保証システムによってお客さんを募ったわけでございますけれども、そのお客さんが集まらなかったということによって、結局何もそういうシステムを利用したお客さんを入居させるということなしにこれは終わりまして、このマンションは結局普通の分譲マンションにしたというふうに聞いておる次第でございます。
#67
○二宮文造君 現在は日本保証マンションただ一社。あとに引き続いてそういうシステムでやっていこうという気配はありますかどうか、ほかに。
#68
○政府委員(高橋弘篤君) 現在は日本保証マンション株式会社一社のみでございまして、現在のところ私どもの聞いている範囲内では、あとこういう同じようなシステムで業務を行なおうという会社はないようでございます。
#69
○二宮文造君 ちょっと公取さんいらっしゃいますか。――途中でたいへん恐縮なんですが、公取さんのほうでキャッチされた情報の中に、日本保証マンションと同様と言いませんが、それに類似した保証システムでやっていこうとする、そういう情報をキャッチされたことありますか、まだ事業は開始していないけれども、広告の段階か何かで。
#70
○説明員(坂本史郎君) 私のほうとしてもキャッチしておりません。
#71
○二宮文造君 鎌倉のほうで、そういうふうないわゆる新聞原稿が出てきて、それで公正取引協議会ですか、そちらのほうでチェックをして、これはまずいぞということで、いま業者と話し合いの最中だというふうなことを私仄聞しているわけですが、ですから保証システムを採用しようとする動きが、具体化はしてないけれども、あちこちにこれから出そうだという気配があることだけは、ひとつ局長も御承知いただきたいと思うのです。全然ないことはないのです。ただ、協議会のほうでこれはまずいぞということで、いま業者を指導している段階ですから、このまま野放しにすると続出してくる、そういう傾向にあることを一応御承知いただきたい。
 それでですね、この八月の時点で私が質問いたしましたときに、大臣は、「御指摘の点は十分私も理解できます。その心配のないように事務当局をして万全の対策を講ずるように指示をして善処いたしたい」こういうふうな大臣の答弁をいただいているわけです。そこで局長にお伺いしたいのですが、いわゆる保証システムの検討ですね、その後どういうふうにされたか、今日までの経過というものをお伺いしたいわけです。
#72
○政府委員(高橋弘篤君) 昨年八月に先生の御質問によりまして、いわゆる保証マンション方式についてのいろんな改善方策につきましては、大臣が御答弁申し上げたとおり、大臣からも入居者が不測の損害をこうむることのないように対策を講じなさい、講ずるように研究しろという御指示がございまして、こういうことによりまして私ども直ちにそういうことに取りかかったわけでございます。この日本保証マンション株式会社の実体について調査いたしましたところ、一つは、この会社と建物の所有者、マンションの実際の所有者との法律関係が明確でなかったのでございまして、したがって、入居者はマンションをその日本保証マンション株式会社から借りるのか、建物の所有者から借りるのか、契約上明確でないという点があったわけでございます。先生御承知のように、これは三者で契約を結んでおって、そういう法律上の性格が明確でない面があったのでございます。したがって、これを明確にするようにということの指示を八月の下旬に直ちにいたしたのでございます。それから第二点といたしましては、保証金の保全措置の問題でございます。これにつきましては、抵当権の設定の登記とか、その他いろんな措置、また銀行の保証というものが、契約の文言上は、入居者が希望する場合にのみ行なうということになっておったのでございますので、これは必ずこういう措置を講ずるように、契約上明確にしなさい、ということを指示いたしたのでございます。この二点の指示に対しまして、日本保証マンション株式会社が、第一点につきましては、直ちに八月の下旬からのものにつきましては、建物所有者から建物を同社が一括これを借り受けて、そしてこれを今度は入居者に転貸するということをはっきり契約上明確にいたしたのでございます。それから第二点につきましては、やはりこれは九月上旬からのものにつきましては、入居者が特に銀行保証を希望するというとき以外につきましては、必ず抵当権の設定登記を行なうということを契約上明確にいたしたのでございます。その他今後ともさらにいろんな点について、消費者保護がはかられるように改善策を指導してまいりたいと考えておるわけでございます。
#73
○二宮文造君 そうすると、具体的な項目で、局長さんははたしてそこまで掌握されているかどうか、私もちょっとわからぬのです。日本保証マンションの今日までの契約の実績とか、保証金の総額とかいうものはおわかりでしょうか。
#74
○政府委員(高橋弘篤君) 日本保証マンション株式会社がいままで業務として行ないましたマンションにつきまして申し上げますと、四ヵ所御承知のようにあるわけでございますが、その合計契約済みの戸数が百四十五戸でございます。それから第二点のお尋ねの保証金の受け入れ額については、これは四十六年の三月三十一日現在でございますけれども、十三億七千九百万ということになっておる次第でございます。
#75
○二宮文造君 これは四月二十日の状態でございますけれども、おっしゃるとおり物件は四つです。田園調布ハイツ、池田山ハイツ、プレジデント目黒ハイツ、パレス高輪、これがおっしゃるとおり百四十五戸の契約戸数になっております。それでその受け入れた保証金額はこれをプラスするんでしょうか、約十七億ぐらいになっておりますんですがね。それから保証マンションがそれぞれ建物の所有者に保証すべき金額は約三十億円、こういう計算になっております。それでこれも御承知でしょうか、田園調布ハイツ、それぞれの物件の所有者はだれか、それから所有者とその資本系統はどうなっておるかということは局長さんのお手元でわかりましょうか。
#76
○政府委員(高橋弘篤君) まず最初の受け入れる金額の十七億でございますけれども、この金額につきましては入居者からこれは全部納入してもらったら十七億になるという計算のものでございまして、実際には頭金とか何か一部しか入れていない、あと残金は納入していない、ローンか何か申請中であるということでさっき申し上げましたような十三億七千九百万円ということでございます。
 それから四つの物件につきましての資本の系統についてお尋ねがございましたけれども、資本金とか役員の氏名はわかりますけれども、資本の系統は私ども手元にいまございません。ただ日本保証マンション株式会社のおもな株主につきましては、ここに手元に資料がございますが、申し上げましょうか。
#77
○二宮文造君 けっこうです。
#78
○政府委員(高橋弘篤君) 十二ばかりの会社、株主名がございます。
#79
○二宮文造君 これは私当事者のほうからお伺いをしたことで間違いないことと思いますので、念のために申し上げておきますけれども、田園調布ハイツ、これは当時は株式会社多摩川ハイツというのが施主でございました。ところが現在ではそれが新光土地建物株式会社と称号変更しました。事務所は新橋の五の十六の一と、ここに置いてございます。この新橋の五の十六の一というのは池田山ハイツの所有者株式会社池田山ハイツ、ここと同じ所番地です。ですから同じ系統だろうと思います。それからプレジデント目黒ハイツは目黒の一の三の十六に事務所がございますが、ここの株式会社目黒会館の代表取締役小宮山矩子さんと、こうなっておりますが、おそらくこれは小宮山さんの系統の方だと私聞いております。それから四番目のパレス高輪、このパレス高輪は中央区銀座三の七の十六の所在地になっておりますし、その名前は東日企業株式会社、ここは社長は山田穂重さんですけれども、取締役に小宮山勇さんが名前を連ねておりまして、これはやはり小宮山さんの一族のように伺っております。この東日企業は総武都市開発株式会社の子会社だと、こういうふうにお名前を承っております。それから先ほど御答弁ありませんでしたけれども、五番目の物件、高円寺プラーザはこれは株式会社ニッポサービスというのが施主になっておりますが、これはまるっきり日本保証マンションと同一資本系統、こういうふうに伺っております。そういたしますと物権の所有者はそれぞれ会社が設立されて、違う会社ではありますけれどもその資本は足立産業というものを軸にしましてそうして入りまじっているような感じがいたします。これはあとで私また御検討をお願いする最後の保証の問題にからんでくるわけでございますけれども、そういう実態になっている。でそれらの施主から、同一資本系統の五つの施主から日本保証マンションが保証金を預かって利用者と契約をしている。こういう実態にあることを、まず総括的に御認識をいただきたいわけです。そこで今度は保証マンションの施主と契約者の中身について、保証マンションが保証金を取りますね、それを施主にはどういうふうに保証金を支払っていくような契約になっておりますか、御了解している程度でけっこうです。
#80
○政府委員(高橋弘篤君) パレス高輪の例について申し上げますと、建物の一括利用権設定契約というものをこの日本保証マンション株式会社と建物の所有者の間に締結いたしておるわけでございます。そういたしまして、この日本保証マンション株式会社はこの建物の所有者に対しまして保証金を納入するということになっておりますけれども、簡単に申し上げますと、入居者から納入を受けた保証金の九割相当額の保証金を建物所有者に納入するという形になっておるのでございます。
#81
○二宮文造君 いまパレス高輪だけ伺ったんですが、田園調布ハイツ、それから池田山ハイツ、それからまたプレジデント目黒ハイツ、これはどうでしょう。
#82
○政府委員(高橋弘篤君) 最初の田園調布ハイツにつきましてはこれは同社のじかの所有のものでございますので、これは入居者との利用権設定の契約を結んでおるわけでございます。それから池田山ハイツにつきましては、これは日本保証マンション株式会社と所有者と入居者の間で三者の契約を結んでおりまして、この保証金の納入はこれは全額保証マンション株式会社に納入いたしておるようでございます。それから目黒ハイツにつきましては、これは建物所有者と日本保証マンション株式会社が一括利用権の設定をいたしておるのでございますけれども、この保証金の納入につきましては全額これは建物所有者に納入するという契約になっているようでございます。
#83
○二宮文造君 そこで保証マンションも業務を始めていろんなケースにぶつかって、それぞれ経営内容の改善をしながら進んでいらっしゃる模様がここにはっきりしてまいるわけです。施主との契約がそれぞれ違ってきている。たとえばパレス高輪の場合に、お客さんから一〇〇%預かってそうして施主に九〇%渡す。あと一〇%の差はどういう名目で保証マンションは取るのでしょうか。
#84
○政府委員(高橋弘篤君) この日本保証マンション株式会社が、同社が建物所有者に納入しますのは九割でございますので、その納入者から受け入れますところの保証金の差額は御承知のとおり一〇%であるわけでございます。この一割というものにつきましては、これは貸し付けの条件といたしまして賃借に際しましての敷金の性格を有するというふうに、そういう保証金の納入であると私どもも考えておるわけでございます。同社はこの一〇%の相当額を運用しまして、まあそれで利益を上げておるという形のものでございます。
#85
○二宮文造君 そうしますと賃借り料に相当するのは、運用利益が賃借り料に相当するのですか。
#86
○政府委員(高橋弘篤君) 仰せのとおり、この同社が預かっております一割の保証金は、これは契約が終了しましたら返還すべき性質のものでございます。したがいまして、同社はこの一割を運用して利益を上げるということでございます。一番最初に申し上げましたように、新しい貸し家方式でございまして、家賃は取りませんけれども、この会社がその保証金を一度に納入させることによって、そういうことで実質的、経済的には家賃と同じものを取っていくようにしている、それは家賃とみなされるというふうに解釈されるわけでございます。
#87
○二宮文造君 そこでもうちょっと中身について、局長さん御存じかどうかあれなんですが、池田山ハイツの場合は、四十四年の十一月に販売を開始しました。そのときの戸数が九十八戸です。ところがその四月二十日現在で利用者があって契約をしたのが六十四戸。そうしますと三十四戸まだ入居者がないわけです。そういうまだあいている戸数が三十四戸ある、大体六〇%ぐらいしか満ちてない。しかもその施主との契約はマンションとの契約のときに一〇%入れて、あと十二ヵ月間に残額を全部納入する。しかもお話によりますと全額納める、こういう基本契約になっておりますね。全額になりますと十四億三千四百九十万円ですか、こういう金額になりますが、これがマンションから池田山ハイツに支払われているかどうか。それからまた高輪の場合は、三十四戸の契約で販売開始が四十四年六月、もう二年前です。これは九〇%をいつまでに払うという基本契約になっておりますか。その契約のとおりに払うとすれば五億七千九百八十五万円、保証マンションは施主の東日企業に納入せなきゃならぬわけですから、現在の契約戸数は十八戸、三十四戸に対して十八戸、四月二十日現在です。この金額が施主に支払われているかどうか、この点はどうでしょうか。
#88
○政府委員(高橋弘篤君) まず最初の池田山ハイツについてでございますが、先生のおっしゃるとおりに、九十八戸のうちに契約戸数は六十四戸でございます。これにつきまして、先ほど総体的なことで御説明申し上げました。入居者から受け入れておりますところの保証金の金額は、池田山ハイツについては八億でございます。したがって、まだ入居者から入ってないものが相当あるわけでございます。それからそれを今度は建物の所有者に対して納入している保証金の金額は六億一千三百万ということになっておるわけでございまして、契約時に建物所有者にすべてをこれは払うということにはなってないわけでございます。これは契約上はそういうふうに納入するということになっておりますけれども、実際にはこれはまだ納入してないということでございます。それからパレス高輪についても同様でございまして、契約戸数が十八戸でございまして、これの入居者から受け入れた保証金の金額は一億七千二百万でございます。これを建物所有者に対しまして納入いたしております保証金の金額は一億三千八百万ということでございまして、これもやはり契約時に九割をこれを納入するということには至っていないもようでございます。
#89
○二宮文造君 先ほど私申しましたように、同一資本系統ですから、経営の内容によって基本契約条項どおりにやってなくても、まあまあ内々におさまっておるんだろうと思いますけれども、外から見ますと別個の企業体になっておりますし、その肝心かなめの基本契約のところがまあまあで進められておるということに、一まつの私やはりはっきりしないものを感じてならぬわけです。どうでしょうか。こういう九十八戸の戸数に対して六十四戸――一年以上経過をしまして六十四戸、約六〇%の入居しかない。それからまたパレス高輪の場合は、四十四年六月に販売開始して、そして三十四戸。二年もたたんとしておるのに十八戸しか契約がない。こういう状態でいわゆる保証マンションの経営というものは成り立っていくんでしょうか、この点はいかがでしょう。
#90
○政府委員(高橋弘篤君) 保証マンションの経営の問題につきましては、私ども実は経営内容を詳細に把握いたしておりませんし、経営上のことはわからないのでございますけれども、先生のおっしゃるように、たとえば九十八戸の池田山ハイツの中で六十四戸しか契約されていない、あとはそのままであるというようなことにつきまして、私どもいろいろ会社から聞きますと、非常に高級マンションが多過ぎて一般の人が購入するには高過ぎた――高過ぎたということばはちょっと語弊がございますけれども、保証金を積むには高過ぎたということがございまして、もっと一般向きのものを建設する必要があるというようなことを経営人としていろいろ考えるというふうに聞いておるわけでございますが、そういうふうなことによりまして、この会社が今後十分経営改善をはからるべきものははかられていくんじゃないかというふうに考えておるのでございますが、私ども経営の内容につきましては承知いたしていない次第でございます。
#91
○二宮文造君 そこでまず二つお聞きしたいのですが、パレス高輪の場合に、いわば利用者から預かった保証金の中で一〇%保証マンションで留保して、あと九〇%を施主に渡すと、その保証マンションが預かっている一〇%はあくまでも預かり金ですね。その運用利益によって経営は成り立っていかなければ返還のときに困りますからね、これは手はつけられないわけです。預かり金の性格から言いますといつでも準備をしていなければならない、こういうものですね。それは入居者が退居する場合には現金でお返しをいたしますと、こういう契約になっている以上は、退居するときに保証金を支払う義務者、債務者、これはどうなんでしょうか。だれが払うんでしょうか。
#92
○政府委員(高橋弘篤君) 最初のお尋ねは、この同社が預かっております一割の保証金についてでございますが、これは先生のおっしゃるとおりでございまして、一割を同社が、これは入居者が納入したものを一割を預かっておるわけでございます。したがって契約終了時期または退居するときにはこれは返還するものでございまして、同社はこの一割を運用して、たとえば不動産の売買等に運用して、そしてその運用益というものによって会社が一般的なものに充てているというふうに私ども考えておるわけでございます。
 それから実際に退居いたしたときに、保証金を契約どおりに返還するということについてでございます。これはまず返還債務者というのは、第一には日本保証マンション株式会社が負っておるわけでございまして、この会社からもちろん預かったお金及び建物所有者に納入した保証金というものを返してもらう、そうしてこれを全額返還するということになるわけでございますが、もしも保証マンション株式会社が払えないという場合には、返還財源につきましては御承知のように建物所有者も連帯保証となっておりますので、建物所有者も、これに対して返還の債務者になるわけでございます。またそれが連帯保証していてもそれが返せないという場合には――これはかりにあるといたしますと、その際には銀行保証というものがある場合には、銀行が保証して返還するということになります。また銀行の保証にかえまして、入居者を権利者といたしますところの抵当権が設定されております場合におきましては、これは以上申し上げましたようないろいろな債務の履行がされないときにおきましては、入居者がこの抵当権を行使して、そしてこれを返してもらうということになろうかと存じます。
#93
○二宮文造君 それで第一義的には、日本保証マンションが利用者に返還する、それはもちろん施主のほうから返還を求めてする。ところが施主のほうでは、九割ないし全額を受け取っている施主のほうはいつでもその支払いに応じられるような準備金というものの制度は備えているんでしょうか。施主のところで全額ないし九割の返還に応ずるための準備金というものを設置しているかどうか、この点はどうでしょうか。
#94
○政府委員(高橋弘篤君) 建物所有者が大体九割――最近の例では九割保証金を預かっておるわけでございます。もちろん先生のおっしゃるように、いざというときにはこれの返還をまず保証マンション株式会社にこれを返還していくわけでございますが、その建物所有者である会社がどういう経理内容でどういう資金繰りをしているかというのは、その経理内容は私ども把握いたしておらないわけでございますが、当然そういうものについては返還できるようなそういう体制で常にあるべきだというふうに考えておるわけでございます。
#95
○二宮文造君 それでちょっと公取さん、いろいろマンションの表示の問題なんかを通じまして業務の改善というものにも、いろいろ今日まで努力をされてきている。相当に往復があったように伺っておりますが、これまでの経過というのをちょっとお知らせ願えませんか。
#96
○説明員(坂本史郎君) 御存じのように、公正取引委員会として表示の問題として、景品表示法に基づく不当表示の問題、一般消費者に誤認を与えるような表示があるかどうかという点に関しまして、特に一番問題になるのは保証金が全額返還されるという表示があるわけでございますが、これが表示どおり実際に全額返還されるかどうかというその保証の裏づけがはたして十分にあるかどうかという点でございます。もし保証の返還のための裏づけが十分でないのにそれが全額返還されるかのような印象を与えるとすれば、これは一般消費者に誤認される表示ということになるので、問題になるというふうに考えられますわけでございます。そこで、昨年先生からの御指摘もございまして、この表示を裏づけるような契約条項とかその辺をいろいろ検討したわけでございますが、従来の契約条項では、必ずしも保証金の返還のための保証が十分明確ではないのではないか。これは先ほど建設省のほうからも御説明がございましたけれども、そういった点を担当者のほうで指導いたしまして、まあ新しい契約条項については保証金の返還のための保証に関する補完措置としまして、マンションの利用区分所有権について、利用者を権利者とする抵当権の設定、登記をする手続を行なうことが明確にされているわけでございまして、保証金の返還については一応の裏づけはあるのではないか。ただこのような物件担保の確保というだけで十分かどうか。先生先ほどからお話がありますように、保証金がはたしてその場合に完全に返還されるかどうか、その原資が十分確保されているかどうかという点の疑問はなお残っておりますが、現状として、まあこの表示が景品表示法の不当表示の問題になるというふうには必ずしも判断いたしがたい点がございますので、今後十分その動向を監視してまいりたいというふうに存じております。
#97
○二宮文造君 建設省あるいは公取、さらにはまたその当事者である日本保証マンション株式会社、この三者が非常に業務の改善について今日まで努力をし協力をされ、消費者の皆さんに誤解を与えないように善処されてきたこの努力は、私は十分に承知いたしております。健全な運営をますますやっていただきたい、こういうように思っております。枝葉の問題になりますけれども、たとえば大臣ともやりとりしましたが、建物は不動産と考える時代ではない、動産と考えるべきだ、こういうような表示は法律概念を変えるというので遠慮したほうがよかろう。これも最近のいわゆるパンフレットには載っておりません、改善されたと思います。それからまた、たとえばまだちょっと疑問が残るのは、ある特定の金融機関と非常に縁が深い、だから安心ですよという表示がまだ残っておりますし、それからまたパンフレット等見ましても、最近のパンフレットでも大手の建設業者が株主におりますと、いかにもそれが資本的にバックしております――確かに出資をしているんでしょうけれども、株式会社の場合は有限責任ですから、出資金の範囲しか責任がない。ところが名前がずらっと大手業者が並びますと利用者はそれだけやっぱり誇大に認識をする、これらの表示はまだ若干残っているんじゃないか、最近のパンフレットでございますけれども、これも公取さん御存じだろうと思いますが、先ほど局長がおっしゃった大手の建設業者、この名前がずらっと並んでおりますが、こちら側には一流企業が出資して設立した堅実な会社です、これを見ますと飛びつきますね。この辺も多少特定の金融機関と直接的につながりのあるような、そういうような表示のしかた、それから一流企業、大手が出資しております。バックにおります、こういうような錯覚を与えるような表示のしかたについて、問題点として今後も御検討願いたい、こう思うのです。非常に会社も努力されて今日まできて、先ほどの局長の御答弁のように、将来は希望の場合には抵当権も設定いたしましょう、あるいは建物所有権の移転の保全のための仮登記も、これは希望ある場合だけではいかぬじゃないか、全部そうするようにしたらどうか、これも会社ではそうなさったようです。それからまた、それだけでもまだ不十分だ、お金は返ってくる措置がほしい、そういう方には保証料を自分で払いさえずれば銀行保証をつけましょう、こういうふうな契約の内容にもなっておりますが、私思いますのに、表示が退去の際は現金でお返しをします。こういうふうに表示がされている以上は、やはり抵当権を設定した、あるいはその所有権移転の仮登記をやった、これは法律的な債権の補完でありまして、現金が返るという保証にはならぬのですね。この状態が続く限りにおいては、これはやはり退居の際は現金ですぐお返ししますと、こういう表示は事実をそのまま表示していることにはならぬじゃないか。むしろそうするためには、希望があれば自分で保証料払えば銀行保証がとれますよというやり方ではなまぬるいのであって、もし現金で返しますという表示を続ける以上は、当然の裏づけとして銀行保証というものが希望あるなしにかかわらず裏づけられてこそ、現金でお返ししますという表示が生きてくるのじゃないか、こう思うのですが、この点行政指導として局長さんの御見解どうでしょう。
#98
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のいろいろ御指導その他によりまして、この会社もいろいろ入居者の保証金の保全措置につきましていろいろな改善策を講じておるわけでございまして、先生のおっしゃいましたように、現在でもまだ銀行保証は希望する者だけだということになっておる次第でございます。それからその保証料の負担も自己負担ということになっておるわけでございます。抵当権の設定につきましては、これはすべて会社の負担で設定いたしておるわけでございますけれども、抵当権につきましては、先生のおっしゃるようにマンションの価値というものが今後も非常に上昇していくならば、抵当権を実行いたしましても、これは保証金を返還できるわけでございますけれども、これは実際に現金そのままということでなくて、抵当権を実行するという手続その他が必要になってくるわけでございます。やはりおっしゃるとおりに、銀行保証というものが完全に行なわれまするならば、入居者の保証金というものが完全に保全措置が講ぜられるというふうに考えるわけでございます。またその際に、先生のおっしゃいました保証料の負担というものも、入居者が現在負担しております。これは契約自由のたてまえから、あながちいまここで不当であるということは言えないと思いますけれども、やはり入居者とか消費者の保護というたてまえをいろいろ考えますと、入居者の負担する保証料というものは極力これはなくすという方向に進むべきだろうと私どもも考えるわけでございます。したがいまして、先生のおっしゃいましたような趣旨の入居者という消費者の保証金の完全な保証措置、これはやはり銀行保証というのがたてまえであろうかと存じますので、またその保証料の負担につきましても、先生のおっしゃるような趣旨を十分尊重いたしまして、今後も会社を強力に指導してまいりたいというふうに考えるわけでございます。
#99
○二宮文造君 銀行局の方、さっき審議官は時間の都合でお帰りになったが、総務課長さんおいでになりますか――突然のことで具体的な事案については御承知ないと思うのです。ですけれども、ちょっと説明をしますと、いまのようなやりとりで、一番最初の田園調布ハイツの場合は、入居者が希望しますと、利用者が希望しますと東洋信託が五年間の債務保証をやったわけです。それで五年間の銀行保証をやったわけです。ところが信託さんのほうの御意向でどうしても契約は十五年なんです、利用者との契約は。その中で最初の五年間だけ債務保証する、あとの十年は知らぬぞといり印象を利用者に与えてしまう、これじゃ銀行の信用にかかわる、また利用者にしてみると十五年の契約ですから、まさか五年とは思っていないからペテンにかけられたという印象を持ってもらっては困るというので、東洋信託お手あげで引っ込んじゃったというのですね。銀行保証の場合に、十年とか十五年とかそういう契約が長期間にわたる銀行保証というのが、現在の銀行法による業務あるいは相互銀行法による通常の業務として十年十五年という長期間にわたる債務保証というのは可能でしょうかどうでしょう。
#100
○説明員(磯辺律男君) これは契約いたしましたら可能でございますけれども、しかし御承知のように、そういった長期の契約というのは、必ずしも銀行経営として健全でございません。ですからそういったきわめて長期にわたる債務保証というのはやらさないようにしております。
#101
○二宮文造君 現在の銀行法の銀行の通常業務それからまた相互銀行の通常業務の範囲の中に、五年なら五年間の債務保証というのは可能でしょうか。
#102
○説明員(磯辺律男君) それは法律的には不可能ではございません、それはやろうと思ったらできると思います。しかし一般的に申しまして、やはり普通銀行それから相互銀行といったような、主として短期資金を供給している、そういった金融機関がきわめて長期間にわたる債務保証をするということは、やはり金融機関の健全な運営から考えまして、必ずしも好ましいことではないと考えております。
#103
○二宮文造君 局長、いまのような答弁のような模様です。御趣旨はよくわかるのですが、現実に銀行業務、普通銀行それから相互銀行の銀行業務として長期にわたる債務保証、五年でも長期のようです、債務保証というのは慣行として非常にむずかしいという現状のようです。ですからこの点もお含みの上で、できないことを業者に押しつけても、業者のほうはそれはやりたいでしょうけれども、肝心かなめの相手方ができませんから、この点もあわせて善処していただきたい。ですから結局私は現金がすぐ返るという表示ですね、それをまた魅力にした利用者の求め方、ここに無理があるのではないか。だからそれをいっそ消してしまうか、消してしまっていまのままの状態でいわゆる債権の保全はできていますよという、こういう表示にして、そういう利用者の納得にしてやっていただくか、あるいはまた銀行なんかに、取引銀行なんかに善処を願って、五年間は信託銀行でなら可能のようです、五年間についてはこうですと、こういうような表示に変えるか、この点をひとつ明確に指導していただきたい。
 それからまた公取さんのほうにお願いしたいのですが、いま言いました、特定の金融機関をバックにしたような印象を思わせるような表示、それからまた大手の建設業者をバックにしたような錯覚を――悪意はないと思うのです、ありのままなんです、事実出資しているのですから。だけれどもそれからくる反応というものがあるのですから、この点についても消費者なり利用者に誤解を起こさせないように、またこれ関係者と御協議の上で善処をお願いして、健全なまたトラブルのない方向に指導していただきたい、こう思うわけですが、どうですか。
#104
○説明員(坂本史郎君) 御指摘の点は、十分関係方面とも相談して検討したいと思っております。
#105
○二宮文造君 いわゆる宅建業法の網の中にかからないこういう業態、これは一つじゃないと思うのです。もう貸しビル、貸し事務所、これからどんどんそういうものが建ってきます。どうしても所有者は入居者を求める、それからまたそれとの賃貸契約のトラブル、繁雑さ、あるいは賃貸料の納入そういうものの繁雑さというものからのがれたいというので、この保証システムにはよりませんけれども、いわゆる賃貸借の中にいろいろな姿のものが出てきて、もうそれこそ複雑多岐なものが出てきて、またいわゆる業界の秩序というものが混乱してくることが当然私は予想されると思うのです。ですから、これは冒頭の質問に返りますけれども、そういう業とする者、しかも一つだけの物件を対象にするんじゃなくて、不特定多数の物件を対象にする場合は、これはもう網をかけてもごくわずかになってくると思います。そういうものは何らかの方法でトラブルを起こさせないように、たとえば先ほど口をすっぱくして、賃貸借の条件によって規制をしていくと、こうおっしゃっておりますが、借家法には賃貸借の条件というのはないのです。もう行政指導しかない。行政指導しかないとなりますと、よるべき法令がありませんから、解釈によって、これはもう民事訴訟に持ち込まなければ解決ができないような問題にもなってきます。どうかひとつ、冒頭の質問に返りますけれども、こういう現状を踏まえて、そういう特定の賃貸借をやっている場合、これはやはり宅建業とは言いませんけれども、何か準拠する法令というものを考えて、トラブルを起こさせないように早急に検討していただきたい。これは政治的な配慮も要りましょうけれども、局長の答弁できる範囲内、そしてその補足を政務次官にお伺いして、私終わりにしたいと思います。
#106
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の再度の御質問でございます不動産の賃貸を業とする者についてでございますが、これは一番最初に申し上げましたような理由で、宅地建物取引業法の対象としないことにいたしたのでございますけれども、先生のおっしゃるとおりに、こういうものにつきましてのいろいろなトラブルがやはりあるわけでございます。こういう宅地建物の取引というものは、一時的なものじゃなしに継続的な賃貸借の関係というものの条件をどうするかということにつきましては、十分ひとつ関係の行政機関とも連絡をとりながら検討してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。先生のおっしゃるとおり、不特定多数の一般の入居者というものを相手にしての業でございますので、何らかの改善策というものが考えられてしかるべきだと私どもも考えます。十分ひとつその業の規制ということでなしに、むしろ継続的な借家条件というものについての内容について検討させていただきたいと思います。
#107
○政府委員(田村良平君) このたびの業法の改正につきましては、いろいろと御論議をいただいておりますが、従来一番ショックでありましたのは、やはり不良マンションその他一生懸命住宅を求めている人々に対するこういった法律、制度の非常に弱い点、それをどう改正するかということで、審議会その他の御答申を得て今日提案申し上げているわけでございます。ただいま二宮先生から御指摘のありましたような、またいま局長から御答弁申し上げましたような、これですべて十分ではないと思いますが、御指摘の点につきましては、省内におきましても十二分の検討を加えまして、新しい住宅政策の一環としても、重大な不動産取引上の問題でありますから、善処してまいりたいと思います。以上御答弁いたします。
#108
○委員長(田中一君) 建設大臣が衆議院本会議に出席されましたから、これから参考人の方々に御意見を伺うことにいたします。
 速記とめて。
  〔速記中止〕
#109
○委員長(田中一君) 速記開始。
 参考人の方々が御出席されましたので一言ごあいさつ申し上げます。
 本日は御多忙中のところ当委員会に御出席いただきましてまことにありがとうございます。申すまでもなく最近における不動産に対する需要の急激な増大と、多様化を伴う現状でありますが、当委員会におきましても、この機会に両案について深い関係をお持ちになっておられる参考人の方々から、それぞれの立場における忌憚のない御意見をお伺いし、審査の参考にいたしたいと存じます。よろしくお願いいたします。
 これより御意見をお伺いいたしたいと存じますが、議事の都合上御意見をお述べの時間はお一人十五分前後にお願いいたします。
 なお、参考人の方々の御意見開陳のあとで委員から質問がございますのでお答えを願いたいと存じます。御意見をお述べになっていただきます順序は松田参考人、東郷参考人、藤巻参考人の順でお願いいたします。
 それでは松田参考人にお願いいたします。
#110
○参考人(松田清君) 私は、全国宅地建物取引業協会連合会会長の御紹介いただきました松田清でございます。
 今回の法改正に関しては、不動産業界に精通する立場から、真の消費者保護の観点から、一部の不満足な点もありますがおおむね賛成であります。ここに二、三の点に触れさしていただきたいと思います。
 営業保証金制度は原則的に廃止すべきだと思います。撤廃にかわる新たな処置として、住宅宅地審議会会長より去る日に答申されましたごとく、不動産取引によって生ずる消費者の損害の完全な補てんをはかるためには、営業保証金の性格にかんがみ、この制度のみによって処置することは限界があるので、別途損害てん補基金制度等の創設について早急に検討すべきであるとの答申の線に沿って実施方を強く要望するものであります。営業保証金の撤廃を叫ぶ意図は、消費者を守るためには――善意の過失、不測の事故等は複雑多様な不動産取引にあり、事故を防ぐには、消費者がいかなる場合においてもその取引からこうむった損害の補償が保証される機構が確立されなければならないのであります。案といたしましては、現行営業保証金を、供託しております保証金を基金としての団体保証機構について研究し、運用上に法的、技術的研究を検討すべき問題が多いと思われるのでありますが、専門家の協力、指導を要請し、制度等の実施方を強く要望するものでございます。
 さらに自主規制について簡単に触れてみたいと思います。今回の改正で本法に業者の義務加入制を採用されたい旨を請願、要望等いたしましたが、法的に種々の難点があることから、本法に規定してある都道府県宅地建物取引業協会及び同じく全国連合会の自主規制を積極的に活用されるように要望する次第でございます。この規制をどのように強化しても計画的犯罪、無免許営業及び名義貸し、誇大広告などの業務違反は防ぐことはできません。最近における不動産取引業者の急激な増加に対処するには、完全な措置は不可能でありまして、したがって真に取引の公正を確保するためには、不動産取引業法において、先ほど申し上げましたごとく特殊法人としての保険制度を確立することによって、社会的信用が確立されていくものと信ずるものであります。全業者の加入義務づけ、団体の自主規制に法的裏づけを持たすべきでありますが、いろいろな観点から法的にむずかしいとするならば、宅地建物取引業者が都道府県宅地建物取引業協会に全員が加入するように指導していただきたいと思っております。
 この機会に特にお願いしたいのでございますが、全国各都道府県に宅地建物取引業審議会を設置するように義務づけしていただきたいと思っております。現在設置されております県は十一県でございます。今回の法律条項は八十五条でございますが、御承知のごとく現行法は二十九条でございますが、なかなか運営面におきましても、行政指導におきましても、たいへんだろうと推察される次第でございますが、各都道府県に指示等されまして、――このようないろいろな項目等は陳情書をもちまして、建設省当局並びに建設委員の諸先生方に陳情書を提出いたしておりますが、このような要望等が実現でき得ますように御協力方を要請いたしまして、簡単でございますが、概略のお話をさしていただきました。ありがとうございました。
#111
○委員長(田中一君) どうもありがとうございました。
 次に東郷参考人にお願いいたします。
#112
○参考人(東郷民安君) 私はただいま御紹介にあずかりました住宅建築協会の理事長をやっております東郷民安でございます。
 本日、当参議院の建設委員会という場所に、私どもの業界を代表しまして、若干意見を述べよという時と場所を与えていただきましたことに対しましては、深甚なる敬意を表しますとともに、また満腔の感謝をするものでございます。
 私ども、いままでとにかく建築基準法あるいは建設業法あるいはまた宅地建物取引業法という法律によりまして、営業を営ましていただいておりましたものでございますが、どちらかというならば、一個の私生児として成長してきたかの感があるわけでございます。しかし、本日ここに新たに積立式宅地建物販売業法案というものがこの委員会において審議されておりますことによりまして、私ども業態が私生児としてのものから新たに認知される立場になったことの喜びを非常なる満身において感じているものの一人でございます。したがいまして、幸いにしてその認知されんとするさなかにおいて皆さま方から意見を述べる場所を与えられましたことにつきまして、二、三その考えを披瀝したい、かように思うものでございます。
 まず、宅地建物取引業法の一部改正案と積立式宅地建物販売業法案のこの二つのものを対比してみた場合に、その第一条におきましては、聞けば、宅地建物取引業法から生まれたことにわれわれの業態の特殊性が積立式宅地建物販売業法を生んだと、かように伺っておりますが、第一条におきましては、片一方は「免許」であり、片一方は「許可」とあります。似たようなことばではあると聞いておりますが、法律辞典によりますと、やはり若干の差があるやにも了解するわけでございます。せっかくの認知ならば、りっぱな戸籍の中でわれわれが私生児でなくなって生活できるように、いわゆる免許に近いものがわれわれに与えられることを将来希望するものでございます。
 第二点といたしましては、十八条が主になりますが、積立金等保全措置と申しますか、積立金等の範囲ということでございます。十八条におきましては、「積立金その他の積立式宅地建物販売の契約に基づいて受領している金銭」と、かようなることばでもって表現されているわけでございます。私どもは今回この時期にかかる法律ができることについては、満腔の賛意を表するものではございますけれども、この法律の文面のそのことばの中にわれわれが業とする場合における不安がやや感じられるわけでございます。そういった不安がなくわれわれも業をさせていただきたいという意味合いにおきまして、「積立金その他の積立式宅地建物販売の契約に基づいて受領している金銭」と申しますと、非常なる広範囲の金銭というふうな解釈ができるわけでございます。私どもは、積立式宅地建物販売業法案の第一条にもございますとおり、消費者の保護ということにつきましては、すでに立法府において可決されました消費者保護基本法ができましたその当時から、消費者の保護というよりも、消費者のためにという気持ちでもってこの業を続けてきたつもりであるわけでございます。したがいまして、私どもの企業といたしましては、できるだけ消費者の御便宜のために、あるいは建築代願のお手続も全部代金をお預かりしてして差し上げます、登記のことも全部して差し上げます、また門塀もつくれと言われれば続いてつくらせてもいただいております、造園をやれと言われればそれもやらせていただいております。それを一々別個の契約書でやればよろしいでしょうが、包括契約においてお客の便宜をはかっているわけでございます。したがいまして、どちらかというと、別個の契約になり得るものすら包括契約でいたしておりますために、この文面によりますと、かような金銭まですべて供託、または金融機関の保証保険の対象になり得る可能性があるわけでございます。かといって、これをすべて別途契約ということにおいて契約書を多数つくりますということは、消費者に対する手数あるいはまた煩瑣、また私どもの企業にとりましても書類をあまたつくらなければならないという不便さがあるわけでございます。したがいまして積み立て金というこの意味におきましては、他の法規にも準用さしていただくならば、会計法規等にもございますことばを準用さしていただきますならば、定型的に定められた積立式宅地建物販売契約約款に基づき、賦払いの方法により物件引き渡しまでに受領している金額、かようなる解釈をさしていただきますと、私ども現在顧客本位でやっております、かかる代金の処理方法につきましても、きわめてスムーズに処理できる、かように考えるわけでございます。あるいは政令あるいは省令等におきまして、この辞句の解釈につきまして、現状われわれが顧客、消費者とともに営んでおります仕事に支障のないようにさしていただくならば、幸いこれに過ぐるものはないとかように考えているわけでございます。また積み立て金の保全措置というものにつきましては、先ごろ、午前中大臣よりも力強く御答弁がございました。これは保証保険でなければならない、まさにわれわれがいままでにも非常に大きく希望を持っていたおことばが、今朝親しく大臣のおことばの中にうかがえましたことは、われわれとしてきわめて気強い思いがしているわけでございます。ちなみに私どもの企業、住宅建築協会、この四社、大平住宅、日本電建、三和建物並びに当殖産住宅、この四社でもって従来までお建てした戸数というものは五十五万九千八百七十一戸でございます。政府のおやりになっているお仕事から見れば微々たるものではございますが、住宅五カ年計画等に幾らかでも民間としての一翼をになわしていただいている自負に燃えているものでございますが、積み立て金の残高すなわちわれわれがお預かりしているお金の残高と申しますのは九百五十一億七千六百三十五万二千円、四社でございます。それに対しまして私どもが家をお建てして、割賦で債権を持っておりますその残高は千二百六億六千百六万九千円という数字になっております。すなわち私どもが持っております割賦債権は、優に積み立て金の残高を上回っていると解釈できてよいわけでございます。こういったような一つの実情から判断いたしまして、この代金のお支払われた保証あるいは保険、こういった賦払い金の保証機関というものが将来においてつくられるならばこれにこした幸いはないと思いますし、また一つには抵当証券法というものが現在現存しているわけでございます。この抵当証券法を現在の時代におけるかかるわれわれのごとき企業の持つ抵当権が証券化されることによって、より不動産金融の円滑化がはかられ、そうしてその円滑化のはかられた金融によって、より多くの家が建てられるならば、これこそわれわれの企業が昭和二十五年に設立されて以来なお一そうこの企業が家を建てることによって皆さん方の声にこたえていこうというその姿になお一そう具現性が生まれるものと、かように考えるわけでございます。まず冒頭に申し上げたように、本日ここに参議院において割賦販売法が御審議をされてわれわれにも認知されるというこの法律については、両法ともについて、全幅の賛同を申し上げるものでありますが、なお意見を求むるというこのおことばに際しまして、この光栄に浴した私といたしましては、現在この法律についての考え方、意見というものは、以上かくのごとき次第でございます。今後とも何ぶんともよろしくお願いいたします。
#113
○委員長(田中一君) どうもありがとうございました。
 最後に、藤巻参考人にお願いいたします。藤巻さんには、保証方式のマンションの供給について御発言を願います。
#114
○参考人(藤巻敬三君) 私、日本保証マンション株式会社の藤巻でございます。ただいま御指示の事項につきまして簡単に御説明をさせていただきます。
 先ほど来、二宮先生と建設省との質問応答におきまして十分御了承をいただいておると思いますが、私どもは、保証システムを重ねて申し上げますと、いわゆる分譲代金相当額を保証金、つまりいわば敷金と申しましょうか、こういう形で預かりまして、それを運用させることによりまして、御利用いただく方にいわゆる毎月の家賃がなくて御入居いただけると、こういう方式でございます。また、管理費につきましては通常の観念において別個にちょうだいさせていただく、そうして管理に充当させていただく、こういうたてまえでございまして、もし期間の到来、いな期間の到来以前におきましても御転任、その他の御事情等がございますれば、随時御解約のお申し出に応じながら保証金の全額を御返還申し上げる。なお私たちといたしましては現在時点におきましては抵当権の設定登記、それから何といいますか、代物弁済予約に基づく所有権移転請求権保全の仮登記、賃借権設定請求権保全の仮登記等の保全措置でございますが、これについてはいささか問題があろうかと思いますけれども、とりあえず、かような方法によりまして、住宅を希望される方につきまして幾らかお役に立てばと、かように考えておるのでございます。
 なお、現況に関しまして申し上げますと、五件でございまして、田園調布ハイツ四十七戸、これに対しまして入居いただいている方は四十七戸全部でございます。池田山ハイツ、これは九十八戸でございまして現在六十四戸、かように御入居いただいております。パレス高輪――三番目でございますが、三十四戸に対する十八戸の御契約をちょうだいしております。第四番目がプレジデント目黒ハイツ、これは四十六戸でございまして現在十六戸でございます。これはいささか最近の御契約の出発でございますので、そういうようなことになっておりますが、今後御入居いただけるものと確信しているわけでございます。
 なお、来たる八月完成でございますが、高円寺プラザ、こういうものをただいま建設中でございまして、でき上がりますれば幾らかこれは大衆向きになっておりますので、相当お申し込みいただけるのじゃなかろうかと、かように信じております。
 以上のようなものが現況でございまして、後ほど先生方の御質問によりまして私の至らぬ点につきましてはお答え申し上げさせていただきたいと思っております。以上でございます。
#115
○委員長(田中一君) どうもありがとうございました。
 以上をもちまして、参考人の方々の御意見を拝聴いたしました。それでは質疑のある方は、順次御発言を願います。
#116
○佐田一郎君 東郷さんに一つお願いをいたします。
 最近新都市計画法で市街化区域と調整区域ができたわけですが、そこで市街化区域のいままでの宅地価格と、業法が新しくできた後における値上がりというようなものは何か統計がございますでしょうか。これが一つです。
 それからいま一つは、最近における団地造成等をやる場合に、道路あるいは公園の敷地等が相当やかましく許可官庁から要求されるわけですが、その要求額は大体どのくらい、全開発地の何%ぐらいに達しておるか、この二つをまずお尋ねいたしますが、もし統計等がなければけっこうですが、大体わかりましたらおおよそでけっこうですが。
#117
○参考人(東郷民安君) 第一の御質問に対してお答えさしていただきますならば、市街化区域になりましたところは、それ以前よりも値が強くなっていることは事実でございます。調製区域のほうは、私ども持っておりましてもかなり長い年月において寝かぜなければならない。あるいはまた六万坪以上でなければ申請もなし得ないという状況でございますので、市街化区域のほうが前よりも値が強くなっているということは事実だと思います。
 第二点の問題につきましては、地方地方によってその要請額は違っております。したがいまして一般論としてそれを申し上げることは非常にむずかしいと思いますが、ただ、どんなに少なくとも二割五分、まあ大体三割ぐらいは道路公園その他の施設に供出いたさなければなりませんので、その三割の部分が七割の土地にかかってまいりますので、自然と地価が上がってくるという現象は事実である、かように考えるわけでございます。
#118
○佐田一郎君 その場合、皆さんのほうでこういう供出の宅地について国のほうで負担してくれという要求をしたことがありますか、こういう問題については。これが一つ。それから、ただいまの市街化区域の値上がりの率についてはこれはわかりませんか。大体でもけっこうですがわかりませんか。まあ上がったことは事実でしょうが。それが第二。それから第三には、新都市計画法をつくって、いま考えてみて、私としてはこれはつくって、むしろ宅地造成には支障があるというふうに一部言われておりますが、この点どうですか。この三つの点いま一度。
#119
○参考人(東郷民安君) 第一点、第二点のこまかい資料、私十分知悉しておりませんので、ここではお答えいたしかねますので、後ほど調べましてお届けさしていただきたい、かように思います。また、いままで特に強く国のほうに要望するというようなことは、私どもの協会の範囲におきましてはそういった事実はございません。第三点、ちょっといま失念いたしましたが、どういうことでございましたでしょうか。
#120
○佐田一郎君 三つ申し上げたのですが、どのくらい値上がりがしておるか、あるいはまた、新しい都市計画法というものができたので、むしろそれは廃止すべきだという声が一つあるんですが。
#121
○参考人(東郷民安君) 都市計画法というものそれ自体は、現在の社会的経済的要請から生まれたものであり、これは将来都市というものの形成において必要な法律であるという解釈はいたしておりますが、ただわれわれ業者という立場から見るならば、いままでよりもよけい手数がかかり、よけい期間がかかるというようなことが残っております。したがいまして、多くの業者は他人資本によって経営されている部分が多うございますので、利子分が非常に多くかかってきている。したがって、宅地を買いましてから、いま平均しまして三年ぐらいたちませんと取引商品化しない。したがって三年間の利子負担が優にかかってくる。こういうような現象は法律以前と以後と違う現象である、かように判断しております。
#122
○佐田一郎君 次に、やはり東郷さんですが、今度、積み立て式の販売業者に対しては、基準日の、つまり積み立てに対する三分の一の資金を預金もしくは保証するわけですが、そこで、先ほどのお話の中にもございましたけれども、それによって保証料もしくは現金その他により供託しまするというと相当金利負担があるわけですよ。それに対して皆さんのほうではどう考えているか。そのままずっと三分の一預託するということは相当の負担だと思うのですが、一方においては工事がどんどん進んでいく。その工事のほうにも支出があるわけですから、両面の負担があるわけです。さらに第二には、担保権の留保、いわゆる所有権の移転の留保権が今度はやかましく第四十三条できめられるわけです。所有権の留保権が自由にならぬ、こういうことですが、そういう場合に試算したことがありますか。つまりどのくらいの金利負担がふえてくるか。また、皆さんのほうとしてこれに対してどういうお考えがあるかということです。それから、いまの十分の三以上支払う、つまりもらった場合にはもう相手に権利を譲渡しなくちゃいかぬ、こういう規定が出たわけですが、これに対して、あと皆さんが保証人があれば、あるいはまたほかに担保があればいいんだということを言っておるけれども、一体そういうふうな確実な債権の保証、債務の保証をするような、つまり安心して消費者に取引ができるかどうか。まあ非常にむずかしい問題だと思うんですけれども、今度の法律では、抵当権があれば、あるいはいい保証人があればということだが、一体皆さんのほうで安心してそれに対する裏づけするような保証なり保証人が得られるかどうか。言いかえれば、いわゆる金利負担が相当大きくなるわけですが、そのために、私が心配するのは、最終的には消費者の負担が大きくなるんじゃないかという心配があるのです。
#123
○参考人(東郷民安君) ただいまの御質問は、消費者の保護とともに、われわれの企業が十分間違いなく成長していけるようにという御心配も加味したものとたいへんありがたく承っております。
 まず、三分の一の供託または金融機関等の保証委託契約のことにつきましては、三分の一の供託という現金または債権等をそのまま供託所に供託するのでは、全くもって、いま御指摘のとおり、われわれの企業に対してはそれに見かわる借り入れ金をしなくちゃならないということにおいて非常なる利子負担を感ずるものでございますが、幸いにして金融機関の保証委託契約いずれかでよろしいということでありますので、私ども企業といたしましては、後者の金融機関の保証委託契約ということでやらさせていただけるのじゃないかということを思っております。そういった場合には、金融機関と交渉して保証料をいかにするかという各金融機関と各企業とのネゴシエイトの問題が残されると思います。そういったときに、それでは標準が大体どのくらいなものであろうかと想像するならば、〇・五から一・五ぐらいの保証料ということが考えられるんではなかろうか、かように思うわけでございます。その保証料というものは直ちにこれが消費者に転嫁されるということであるならば、これは法の趣旨に反するものと、かように考えますので、企業の努力によってそれを吸収していこうということを現在考えております。
 次に、所有権移転の問題につきましては、建て売り住宅等におきまして、いまの御心配の点が起きると思いますが、私どもの企業は、前受け金をいただきまして、一定の期間過ぎましたときにお建てをして、三分の二の期間で御返済もお受けするということでございますので、お建てして家となって登記の対象となった場合に、登記とともに抵当権の設定をさしていただいております。そして残りの三分の二の期間において御返済していただいて、完済してから抵当権の解除をさしていただいております。火災保険も質権の設定をさしていただいております。したがいまして、てまえどもの持っている債権というものは、現在それが延滞している状況というのもポイント以下の数字でございます。また取り立て不可能ということも、ほぼ全体からいって皆無という状態でございます。
#124
○佐田一郎君 これはやはり東郷さんにお尋ねいたしますが、東郷さんのところはだいぶ大手業者ですからあまり関係がないと思うのですが、関連がございますのでお尋ねしますが、今度の、いわゆる許可条件の中に財産的な基礎ということで、大手と申しましょうか、事業者別で、つまり一定の数量、一定の個所によって二千万円、四千万円というような資本金を背景にするということを聞いておるのです。これは皆さんのほうには御関係がないと思うのだけれども、しかし積み立ての販売業者であっても、小さな業者があると思うのですよ。こういう点で、私は最低二千万の財産的背景にきめたという点についてはどうお考えになられるか。またこれを法人だけであって個人に権利を与えないのだということを言っておるわけですが、こういう点についてひとつお考えをいま一つお伺いしたいと思うのです。これを最後にしますから。
#125
○参考人(東郷民安君) すでに始めておりました企業で、いわゆる相互金融システムによって、一人は万人のために、万人は一人のためにという金融状態において企業を続けていた会社であるならば二千万でも十分やり得たし、今後もやり得るであろうということが想定されますが、今後、新たに企業として行なう場合には、さような小資本ではとうていできかねる事業である、かように考えております。
#126
○二宮文造君 参考人の方に、たいへんお忙しいところありがとうございました。私、一括して、順次、参考人の方お三方に質問をさしていただき、御意見を伺いたいと、こう思うわけです。
 最初に松田参考人にお伺いしたいわけでありますが、これは四点ございます。その一つは、契約締結の時期、それからまた広告活動開始の時期のあり方について御意見を伺いたいわけです。といいますのは、従来、マンションの分譲とか宅地の分譲などにおきまして、その大半が完成のはるか以前から、ほとんど建築確認申請が官公庁に受理されたときから、このようなマンションができますと、こういう青写真を掲げて、そしてその販売を開始するのが通例となっておりました。この場合に、物件の引き渡し時期の遅延とか、あるいは大幅な設計変更、あるいは会社の経営不振、いろいろな理由によりまして購入者が損害をこうむるという例も間々ございました。今回の改正案におきましては、答申に沿いまして開発許可あるいは建築確認等があった後でなければ広告をしあるいは契約を締結してはならないと、こういうふうになりましたけれども、まあ問題になった業者の例をとってたいへん恐縮なんですが、日本建設協会の例を見ますと、建築基準法による建築確認は一応とっておりました。しかしそれでもなお建築の着手を行なわないまま一般消費者を勧誘し、あるいはまた建設予定地を第三者に売ってしまったと、こういう例もあったわけです。そこで、マンションの広告あるいは契約締結の時点は、開発の許可あるいは建築確認をとった日以降という、こういう改正ではまだ消費者は十分に保護されていないのではないか。そこで広告とかあるいは契約の時点を竣工の日に近づける。これによってデメリットが出ることもわかりますけれども、消費者にとっては所有権あるいは区分所有権の確保の安全性のほうがいろいろ出てまいる、デメリットよりも比重が大きいのではないか、こういう考え方で、たとえば分譲共同住宅については保存登記の可能な時点、あるいは宅地を造成して分譲するものについては、造成が完了した時点をその契約とかあるいは広告開始の時期にしたらいいんではないかと、これはしろうとですから、まあ消費者保護という立場からそう考えるのですが、この点について御意見をお伺いしたいのが一点。
 それから二番目には、改正案の第四十一条によりまして宅地、建て売り住宅、マンション等の分譲業者は買い主に物件を引き渡す前に建設大臣が指定する保証機関の前金保証を得なければ売買価格の五%以上の前金を受け取ることができなくなる、こういうわけでありますけれども、業界としてはどのような形態による保証機関の設立を考えておられるか。同時に、前金保証に伴う保証料です。これにつきましては、当然私どもの理解は業者が負担することになると理解をしておるわけです。しかしまた一説によりますと、そのために業者の支出増が伴いまして、そこで保証料に見合う取引手数料を引き上げようという考え方も出てきていると、このように聞き及んでいるわけでありますけれども、極力この場合消費者への転嫁は避けなければならないのじゃないかと考えますので、業界におけるこの保証料をだれが負担するかということの理解のしかたについてお伺いをしたいわけです。これが第二点であります。
 それから第三点は、宅地の供給不足、それから地価、建設費の高騰などでサラリーマンや一般庶民が家を求めることはきわめていま困難となっております。このために買いあせりやあるいは安物に飛びつく傾向が、まあ残念ですけれども、非常に強くなってきている。そこで、言いにくいことですけれども、誇大広告だとかあるいはインチキ広告でお家さんをつって、前金をだまし取るいわゆる悪徳不動産業者というのも業界でも非常に悩んでいらっしゃるように、あとを断たない現状です。しかもこれらの業者はアウトサイダーに非常に多いわけです。そこで、こうした不動産にからまる犯罪を未然に防止して、業界団体による自主規制、これを推進していくためにアウトサイダーの団体への加入を義務づけたらどうだろうか。こうすれば業界自体の悩みも解決するんではないかと思うんですけれども、この点についての御意見を承りたいのが第三点。
 それから最後に名義貸しの禁止の規定を新たに設けられたわけでありますけれども、この名義貸しと並びまして、社名や代表者、所在地などを再三にわたって変更をして巧みに世間の目をごまかすといった事例がよくございます。これらの変更にあたっては厳重な審査の対象とし、安易な変更についてはこれを規制すべきだ、こう考えるんですが、業界の意見はどうでしょう。またこれも悪い例ですが、日本建設協会、あるいは日本住宅総合センター、あるいは中央高層レジデンス、国際不動産等々と、こういう名称だけではその業者の信用状態というものも消費者が理解することは非常に困難でございます、名前だけでは。そういう意味で市民の利益と財産を守るという立場で、業者の信用状態を市民の要望にこたえて提供できるような機構の確立、これはやはり業界全体の信用を高めていくためにもやったほうがいいんではないか、こう考えるんですが、そういう機構をつくろうじゃないかという御意見が業界の中にありますかどうか。またつくるとすれば、どういう形態に仕上げていったほうが適当か、御意見がございましたらこの点をお伺いしたい。以上四点を松田参考人にお伺いしたいわけです。
 それから、その次は東郷参考人にお伺いしたいことが二点ございます。
 一つは、現在積立式宅地建物販売業を営んでいるといわれている業者が十九社あると伺っております。先ほど大手四社のその契約残高とか、あるいは何といいますか消費者、お客さんに対する残高、これは伺いましたけれども、もしおわかりでしたら十九社、いわゆる業界全体の年間の契約高あるいは積み立て金の累積額、それからまたこれはまあ複雑ないろいろな方法があると思いますが、代表的な積み立て方法はどういうものか、これをまずお伺いをしたい。
 それからこれはたいへん失礼な御意見を伺うわけですが、かりに営業不振などによりまして業者が倒産をした、そういう場合に今回の法案では最低限度買い主はすでに支払った合計額の三分の一の返還が受けられることになっているわけでありますけれども、業界発展のためにもできればもっと還付率を引き上げたほうがよろしいんではないか、こういうふうに考えるわけですが、これについての御意見。
 以上二点を東郷参考人からお伺いいたしたい。
 それから最後に藤巻参考人にお伺いいたしたいことは、先ほど建設省あるいは公取等とのやりとりを通じまして、すでに私の意のあるところはお聞き取りいただいたと思います。また、昨年八月に私がわからずながらずいぶん失礼な推量をしまして、またその中で日本保証マンションのほうも鋭意努力をされて、建設省並びに公取なんかとも密接な連絡をとりながら今日まで非常に改善に努力をされてきた、その努力については私は敬意を表します。なおまたこれから会社の発展あるいは健全な経営というものを心から望んでおるわけで、それにつきまして三点お伺いをしたいわけでありますけれども、先ほど実態をお伺いしたところによりますと、契約戸数に対する利用者の――すでに利用しておる入居数ですね、これが案外率が低い。一体保証マンションがこれからずっと健全な経営を続けていくためには、大体何%くらい入居されればできるのか、この点の目安をどこに置いておられるかということが一点。
 それから先ほども問題にしましたけれども、大体分譲マンションでは生活環境がどうかわからない、特に賃貸しマンションではちょっと賃借り料が割高だが、出ていくときにはいつでも保証金は返してくれる、しかも家賃が要らないということが取り柄で、利用者というのは関心を深めていると思うんですが、したがって、いま利用されておる方あるいはこれから将来利用されようとする方は、出るときにお金が返ってくる、保証金が全額現金で返ってくるということが魅力だろうと思います。またそれを宣伝していらっしゃるだろうと思います。そこで施主の場合あるいは保証マンシションの場合、やっぱり退居する人に対する準備金というものは、これは法律にも何にもありませんけれども、そういう契約になっている以上は会社の経理として準備金というものをある程度置かなければならない、こういう感じがするわけですが、そういうことをお考えになっておるかどうか。あるいはまた施主にもそれを望んでおるものか、保証マンション自体それを経理内容に明確にしておるかどうかということをお尋ねしたいのが第二点。
 それから最後に第三点は、やはり何といってもおたくの宣伝が、出るときに全額現金でお返ししますということになっているわけです。抵当権の設定とかあるいは代物弁済とかあるいは所有権移転の仮登記とか、そういうものは全額現金でお返ししますという、そういうのは保証にはならないわけです――補完にはなりますが、保証にはならない。やはりこういうメリットを強調していくためには、銀行保証というものに努力されるべきではないかと私は思うんですが、その点について会社ではどういう考え方を持ち、また今後どういうふうに変えようとなさっておるか、これが第三点。以上三点をお伺いして終わりたいと思います。よろしくお願いいたします。
#127
○参考人(松田清君) ただいま二宮先生から四点にわたる各項目にわたりましてお尋ねございました点につきまして、簡単にお答えを申し上げたいと思います。
 お尋ねの契約締結時は建築確認後かというお話がございましたが、契約締結の時期につきましては、改正法律案にも書いてございますが、私ども業界の商慣習といたしまして建築確認等があったあとでなければ契約いたしておりません。第一点お答えいたします。
 第二点につきまして、保証料をだれが払うかというお尋ねの点でございますが、この点につきましては、法案が通過いたしました暁におきましては、改正案の第六の「前金の保全措置」という項目につきまして協会におきまして検討中でございまして、お答えする段階に至っておりませんので御了承いただきます。
 それから第三点の義務加入制の問題につきましては、私どもは宅建業法が昭和二十七年に制定されまして以後今日に至るまで、改正のたびごとにいわばアウトサイダーを一掃する意味においても、御承知のごとくやさしいことばで申し上げるならば、家をお買いになる人もお売りになる人も一生に一度の問題でございます。このような重要な業務を扱う私どもといたしましては、一つの自主規制、すなわち縦の線によって規制することがよりよき効果があがるのでございますが、これも限度がございます。ですから業を営まんとする者はこの会に入会しなければならない。このようなことを長年にわたりまして主張いたしてまいりましたが、改正のたびごとにいろいろ憲法上の疑義等が生じまして、先ほど私が参考人といたしまして冒頭申し上げましたごとく、どうしてもだめならば宅地建物取引業者が都道府県の宅地建物取引業協会に全員が加入するような措置を講じたいということを要請したのでございます。御参考に申し上げるならば、ことしの一月現在で免許業者は六万二千以上あると思いますが、そのうちの地方におきましては八五%以上私のところの所属会員下に入っておりますが、遺憾ながら六大都市におきましてはいろいろな業種別の関係から七〇%程度に終わっておるような次第でございます。ことに日刊誌等に悪徳業者という問題が大きな活字で見出しが出ておることは、善良なる業者に対して指導者として遺憾にたえないと思っておる次第であります。
 さらに会員各位からこの自主規制の問題とあわせて義務加入がだめだとするならば、これに見合ったような指導をしていただきたいということを強く希望いたしておる次第でございます。
 先生、第四の点はおそれいりますが、もう一度……。
#128
○二宮文造君 第四点は名義貸しで、これは名義貸し禁止規定というのは新たに設けられておりますけれども、名前だけでは業者の信用というものは利用者はわからぬわけですね。そこで業界の自主的な団体といいますか、業者の信用状態といいますか、そういうものを市民に理解させるためのそういう機構、そういうものをおつくりになったほうがよろしいんじゃないか。
#129
○参考人(松田清君) 先ほど当局の局長からお話等もおありになったと記憶しておりますが、またないとするならば今後審議の過程においてあるものと推察されますが、いままで名義貸しの禁止ということにつきましては、非常に業界におきましては一つの大きな問題として善処いたしてまいりました。しかし今回改正案には取引主任者の権威づけ、すなわち十四条の三の説明条項に付随するさらに取引主任者の記名押印という職務権限を持ちましたことにつきましては、これは改正業法の一歩前進だと思っておりますが、ただここに一つ考えていただかなければならないのでございますが、私十二分に参考資料も持参いたしておりませんが、本日先ほどお手元からお借りしました書類等によりますと、名義貸しの禁止ということは現行法にもあるのでございます。ですから貸す人ばかりではなくて借りる人にも罰則を与えるべきものだ、このような考え方を特っております。――そのような程度でよろしゅうございましょうか、先生いかがでございましょうか。
#130
○二宮文造君 けっこうです。
#131
○参考人(東郷民安君) 二宮先生の二点の御質問に対しましてお答えさせていただきます。
 第一点は、十九社の業者があるその全体の年間の契約あるいは積み立て金の累積額あるいは積み立てする方法等についての御質問でございましたが、この御質問の調査内容等については、建設省に十分な資料があると、かように思います。私申し上げられないのはたいへん申しわけないのですが、私ども四社しか知らないことを非常に残念ですが、建設省のほうでお調べだと思います。
 第二点につきまして営業保証金の三分の一ということ、もっとこの還付率を引き上げるという考え方はないかという御質問でございますが、私この三分の一それ自体が妥当とか不妥当とかいう問題ではない、かように考えております。むしろ、けさほど大臣の申されました保険保証ということを将来われわれも当然その線に努力しなければならない問題ではなかろうかと、かようなことを考えております。ただ、先ほども若干触れましたが、私どもの会社として持っている債権、すなわちこれから割賦に御返済願えるものの累積というものと、私どもが積み立て金としてお預かりしている会社ととして見れば債務、この債権と債務の額の差というものが、債権というものがかなり多くある企業というもの、その企業が常に十分なる債権を持って営業できるような行政指導をしていただくことがきわめて今後必要なことではなかろうか。それが営業保証金が幾ら幾らということでよろしいということではなく、むしろ企業が十分潤沢なる債権を持って、より以上多くの事業ができるような御指導をしていただくのが必要なのではなかろうか。そしてともに保険保証という大きな問題からその保証機関をつくるという方向にわれわれを御指導願えることがよろしいのではなかろうかと、かように思うわけであります。このぐらいでよろしゅうございますか。
#132
○二宮文造君 ありがとうございました。
#133
○参考人(藤巻敬三君) 先ほど二宮先生から、当社につきまして改善すべきものがあったとおほめのことばをいただきまして、はなはだありがたく存じ上げております。
 御質問の御趣旨は、一番といたしましてどのくらいの入居率があったらペイするのか、あるいは妥当であるのかというお考えのように承ったのでございます。第二といたしましては、保証金の返還の保証に関しまして、建物所有者である施主及び当日本保証マンションの責任準備金体制いかんという御質問のように拝聴させていただきました。第三点におきまして、今後改善すべき問題の重要事項として保証金返還の保証に関しまして、現在より一歩進め金融機関による保証金の保証、こういう措置が考えられておるかというように了解させていただきます。
 第一の御質問でございますけれども、どの程度の入居率があるならばペイするかという御質問でございまするが、もちろん私どもの目標はやはり一〇〇%入居していただくというのでございまして、その間何といいますか、規格の高級化といいますか、こういうようなこともございまして、目標達成には至りませんが、現在全社員が総力をあげまして目的達成に努力中でございます。
 第二の保証金の返還について、いわゆる保証金返還責任準備金の制度はあるかという御質問でございますが、これはまことに申しわけないんでございますが、現在御入居者からお預かりする保証金は預かり金勘定でございますので、私どもはやはり御指摘のとおり、これは勘定科目におきまして保証金返還責任準備金引き当て金と申しましょうか、こういう勘定科目として列記しましてその保有につとめるべきであるようにしたいと存じております。施主の保証の準備は何かということにつきますと、ただいま申しました預かり保証金の一部と、現段階では建物及び土地というものになりまして、保証マンションの分はどうか、こういうことになりますと、やはり入居者からお預かりして運用さしていただきまする保証金の一部でございます。
 それから、第三に、最も重要な事項でございます保証金返還の措置について金融機関による保証をする考えはないかと、ごもっともなこれは御指摘でございまして、私どもは実は過般から心痛いたしておったのでございまするが、やはり私どもは、品位ある日本保証マンションと申しますのは、御指摘をいただきました広告等を含めましての改善の意味もありまする品位ある保証マンション、これをモットーといたしますれば、当然に保証金の返還につきましては金融機関による保証措置がなくてはならない、こういうふうに責任を感じまして、また監督官庁の御当局からの御指示も十分にございまするけれども、先生の御指摘の線につきましては、私どもは鋭意金融機関によります保証ができまするようただいま折衝中でございまして、まあ遠からず先生の御期待に沿い得る見込みは有しておるわけでございます。以上でございまして、まことに簡単ではございまするが、御答弁にかえさしていただきたいと思います。
#134
○委員長(田中一君) じゃ、私から一、二伺います。
 松田参考人に伺いたいのですが、名義貸しが「業者」ということになっておりますけれども、取引主任者の名義貸しということはこのまま野放しにしたほうが好ましいんじゃないか。
#135
○参考人(松田清君) お答えいたします。
 決して野放しであってはならぬ、こういう名義貸しのようなことが行なわれますと、さらに犯罪行為が続発すると、こういうような考えを持たれます。
#136
○委員長(田中一君) じゃ、取引主任者こそ名義貸しをしちゃならないんだという規制がほしいんだという御意見ですか。
#137
○参考人(松田清君) 今回の改正法律案にも出ておりますが、取引主任者は現在現行法でも貸しではならぬという規定に相なっておりますが、さらに強化された名義貸しの禁止を要望するものでございます。
#138
○委員長(田中一君) 東郷参考人に伺いますが、免許と許可というものが非常に重要な問題のように伺いましたが、これはいずれ十八日に委員会を開きますから、その際に法律的な用語としてどちらがどういう内容を持つかということを究明してみます。そうして同時に、これは提案している政府もどのような考えでもってこれを使い分けるかということを聞きますから、これは一応解明されるものと期待をしていただきたいと思います。これは御答弁要りません。
 それから藤巻さん、あなたのお仕事は企業が何らかの形で法の規制を受けたほうがいいんだという、好ましいんだというお考えか。現存の法律ではらち外にあるいわゆる住宅供給事業を行なっているのでありますから、むろん住宅供給というよりも保証というものが主眼でありましょうが、結論においては住宅供給の一つの変形であるわけであります。野放しでこういうふうにしてあったほうがいいんだというお考えですか。それとも何らか先ほど東郷さんが言っているように、私生児を認知してくれという気持ちのほうがいいのか、それだけ伺っておきます。
#139
○参考人(藤巻敬三君) お答え申し上げます。
 私ども現在かような種類に属する業種は、先ほどから承っておりますと、他にも見受けのないように承っておりますが、私個人の考え方といたしますれば、性質的には賃貸の契約の内容になっておりますので、また私どももそれによりまする貸し得る当事者能力という点も不足しております関係から、私個人の考えといたしましては、特別の御立法をいただくのもおこがましい感じでございまするけれども、現在の段階でお差しつかえないのじゃなかろうか、という感じがいたします。
#140
○参考人(東郷民安君) ただいま免許と許可の私の心配しておりますことにつきまして、あたたかいおことばがいただけましたことは感謝いたします。それとともに「積立金等」という字句の解釈につきまして、「その他」という字句について私ども心配しているわけでございます。したがいまして、私どもの心配が杞憂でありますように、委員長何ぶんにもお取り計らいのほどお願いいたします。
#141
○委員長(田中一君) 承知いたしました。
#142
○高山恒雄君 一言だけ。連合会の松田会長にお聞きしたいんですが、私最初からいなかったので中途はんぱな質問になるかもしれませんが、今回の宅建問題について政府が出す前に答申案が出ております。この答申案には、これだけ多様化してきた時代にはもっと分離業にしたほうがいいと、そういう規制方法が望ましいのではないかという答申が出ているんです。ひとつ三つに分離してはどうか、そうして取り締まり法を強化するべきだ、これに対して連合会としてはどういう結論であったのか。反対であったのか賛成であったのかだけでけっこうです。
#143
○参考人(松田清君) ただいまの先生のお尋ねに対しましてお答え申し上げます。
 建設大臣に審議会の会長より答申しました時点におきましては、私も建設大臣の委嘱を受けまして建設省の宅地審議会の専門委員としまして、逐次開催されました委員会におきまして発言をさしていただきまして、この免許の種類につきましての議題に入りましては、私は終始一貫遺憾ながら反対の意を表明いたしました。反対の理由といたしましては、今日までに至るも私の主張が正しかった、このような結論を持っております。しかし、なぜがためにそのような形になったかという前段をひとつお話さしていただきます。そもそも不動産取引業というものは何であるかという問題につきまして触れてみますと、開発にしましても売買仲介にしても、帰するところは一心同体である。分離して営業しろということ自体がまじめに営業しております中小業者に対する圧迫だと私は痛感いたします。しいて人にたとえるならば、一人の人間をばらばらにすると同じことであります。不動産業の基礎をなすものは仲介業務である。開発も売買も販買につながる。分離計画は全く実情に反した審議会の案と言わざるを得ない。よって、私は終始一貫反対をしてまいったような次第でございます。引き続いて、これに関連いたす問題でございますが、先ほど申し上げたのでございますけれども、現在の、御承知のごとく、営業保証金を百万円、二百万円に引き上げてみても、今日の商取引から見まして、消費者保護とならないと思うております。それで、現行の営業保証金の供託制度は、取引上生じた損害補償の制度としては、実質的な価値を有しません。営業保証金を、ただいま申し上げましたように、百万、二百万に引き上げてみても、何ら消費者保護にならないのであります。業界内部に階級制を導入するものであって、民主主義の原則に反するものと言わなければならないのであります。いわば金銭を信用の尺度にする考えは、根本的な解決を誤らしめるものであります。営業保証金は原則的に廃止すべきでありますということを終始主張し、これにかわる新たな措置といたしましては、先ほど申し上げましたが、住宅宅地審議会会長より答申されたごとく、不動産取引によって生ずる消費者の損害の完全な補てんをはかるためには、営業保証金の性格にかんがみ、この制度のみで措置することは限界があるので、別途、保証制度、保険制度等の創設によって早急に検討すべきであるということが、最終的に審議会の会長より字句を挿入いたしまして建設大臣に答申されたのでございます。少数の反対意見これすなわち私でございます。このような形で反対をいたしたような次第でございまして、御賢察を賜わりたいと思います。
#144
○委員長(田中一君) 以上で、参考人の方々に対する質疑を終わります。
 参考人の方々に一言お礼を申し上げます。本日は、御多忙のところを長時間貴重な御意見をお述べいただきまして、ありがとうございました。厚く御礼申し上げます。
 本日は、これにて散会いたします。
  午後三時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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