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1970/05/18 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第14号
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1970/05/18 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 建設委員会 第14号

#1
第065回国会 建設委員会 第14号
昭和四十六年五月十八日(火曜日)
   午前十時二十六分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田中  一君
    理 事
                上田  稔君
                斎藤  昇君
                中津井 真君
                松本 英一君
    委 員
                小山邦太郎君
                佐田 一郎君
                林田悠紀夫君
                米田 正文君
                武内 五郎君
                松本 賢一君
                二宮 文造君
                高山 恒雄君
                春日 正一君
   国務大臣
       建 設 大 臣  根本龍太郎君
   政府委員
       経済企画庁総合
       開発局長     岡部  保君
       建設大臣官房長  大津留 温君
       建設省計画局長  高橋 弘篤君
       建設省計画局宅
       地部長      朝日 邦夫君
       建設省住宅局長  多治見高雄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中島  博君
   法制局側
       法 制 局 長  今枝 常男君
   説明員
       公正取引委員会
       取引部長     坂本 史郎君
       国税庁直税部資
       産税課長     大石 幸一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○宅地建物取引業法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○積立式宅地建物販売法案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を開会いたします。
 宅地建物取引業法の一部を改正する法律案、積立式宅地建物販売業法案(いずれも衆議院送付)の両案を便宜一括して議題といたします。
 前回に引き続き、両案に対する質疑を行ないます。
#3
○松本英一君 このたびの宅地建物取引業法の一部を改正する法律案の提出は、昨年土地建物に非常に関心を持っておる人々が非常なショックを受けました日本住宅総合センター事件並びに日本建設協会グループ事件等の相次ぐマンション詐欺事件、あるいは業者の倒産等により、多額の前払い金が返済不能となり、利用者に多数かつ多大の損害を与え、大きな社会問題となった事件を契機として消費者保護の強化を目的として提案されたものでございますから、その趣旨には賛成をするものであります。しかし、まだまだ不十分な点が多く、今後さらに検討される必要があろうと考えるのであります。
 まず、大臣にお伺いをいたしますが、今回の改正で消費者の保護が十分はかられるとお考えになっておられるのか、もし不十分であると考えておられるならばどの点に問題があり、今後どのような方向で検討をされ、いつごろまでに改正案を用意されるのか、明確にしていただきたいと思います。
 たとえば今回の改正案では営業保証金の引き上げを見送っておられますが、そのかわりに近日中にも、取引によって生じた損害を補てんし、消費者の完全な保護をはかるための保証保険の制度の創設を住宅宅地審議会に諮問し、その答申を得て再び宅建業法の改正案を再度御提案になる予定とお聞きしておりますが、今後のおおよそのスケジュールを明確にしていただきたいと思います。
#4
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘のとおり、今回の法改正で十分かつ完全な消費者保護ができるということは申し上げかねるわけでございます。住宅宅地審議会から答申ざれた中で今回見送りになりましたのは、いわゆる業者の免許の区分を三つに分けて答申してきたが、これは手を触れませんでした。それともう一つ保証金のベースを上げることについてもこれはいたしませんでした。これは決してそのことがいけないということではなくて、答申に出てきておるところの額だけでは、とうてい形式的には強化したことになりましても、本質的な意味における消費者保護にはならないという観点からでございます。そういうような観点から、すみやかに事務当局に対しまして消費者保護の立場から保証並びに保険制度の抜本的改正をしなければならぬから、その一応の構想をまとめて、その上すみやかに宅地審議会のほうに諮問をいたしまして、この答申が得次第、できれば次の通常国会までにでもこの答申ができますれば、それに基づいてあらためて法律改正の手続をいたしたいと考えている次第でございます。
#5
○松本英一君 改正案の個別的事項に入る前に、宅地建物取引業の実情について若干お尋ねをいたします。その一つは、最近の宅建業者の増加の状況、その経営規模、最近の不動産取引件数の動向等についてお答えを願いたいと思います。
#6
○政府委員(高橋弘篤君) 最近のまず宅地建物取引業者の状況を申し上げますと、一月現在で六万一千七百人でございます。これは最近の状況を申し上げますと、四十四年の三月が四万九千二百四十二人、九月になりますと五万三千六十九人、四十五年の三月が五万七千二百四十二人、四十五年の九月が五万九千九百七十四人となっております。これを概括的にもう少し申しますと、三十五年の三月の指数一万九千人、これを一〇〇としますと、四十年で大体倍になっております。それから四十五年で三十五年を一〇〇にしますと約三倍ということになっている状況でございます。
 それから業者の経営規模でございますけれども、この中身の比率を大体申し上げますと、個人業者が相当多うございまして、六四二二%ということに現在なっております。それからこまかい金額、比率を申し上げるのはちょっと差し控えますけれども、個人業者及び二千万未満のものがこれが九三・三%ということになっております。それから二千万から五千万までが一・三%、それから大きいところで申し上げますと、一億以上五億未満が〇・八%、五億から十億の資本金のものが〇・三%、十億以上が〇・三%という状況でございます。
 それから最後にお尋ねの最近の取引件数の状況でございますけれども、業者の扱いました扱い件数というのは、実はなかなかこれは把握しにくいわけでございますけれども、不動産の登記の件数からこれを申し上げますと、土地の売買、建物の売買、所有権の移転の件数、登記の件数というもので申し上げますと、四十四年が合計で約二百九十万件ということに全国でなっております。四十三年が二百六十三万件、四十二年が二百四十六万件ということでございまして、大体一割ぐらいずつふえているという状況でございますが、この中で宅地建物取引業者の取り扱い件数がどのくらいかというのは非常にむずかしいわけでございますけれども、東京で大体仲介のいまの登記件数というものが十万件あるといいますが、その中で東京では仲介物件が約二万あるといわれております。ですから二割の件数でございますけれども、これは御承知の仲介で、両方から委託されますので倍と見れますから大体三割から四割その中で業者が取り扱っている件数ではないかというふうに推定いたしておる次第でございます。
#7
○松本英一君 ただいま増加の状況につきましての御報告がございましたが、いまの数は許可業者の数でありますか、それとも取引主任者の数でありますか。
#8
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたものは宅地建物取引業者の増加の数でございます。
#9
○松本英一君 取引主任者の数は………。
#10
○政府委員(高橋弘篤君) 取引主任者につきましては、四十年ごろから申し上げますと、四十年が約十一万六千人、それから四十一年が――これはまあ試験合格者について申し上げておりますが、四十一年が十二万約五千人、四十二年が十三万約五千人、四十三年が十四万五千人、四十四年が十七万六千五百人、それから四十五年で十九万九千五百人と約二十万ということになっておりまして、これも三十五年を一〇〇の指数にいたしますと大体四十五年が三三七という指数になっております。
#11
○松本英一君 次に、過去五年間における宅建業法違反の件数及び違反の事案について、さらにそれに対し行なった指導、監督、処分の概略を説明願いたいと思います。
#12
○政府委員(高橋弘篤君) この宅地建物取引業者の違反の件数でございますけれども、いろいろ法違反をいたしますのを取り締まりまた告発し、検挙してこれを監督、処分及び指導いたすわけでございますけれども、これにつきましては毎年一、二回警察庁及び公正取引委員会というものと合同でいろんな合同の調査、取り締まりを実施いたしておるわけでございますが、四十二年に違反事件を摘発した件数が二百六十八件、四十三年の前半におきまして六百八十四件、四十三年の後半が三百五十五件、四十四年では七百六件、昨年の十月に実施いたしました合同取り締まりにおきましては九百五十五件ということになっております。一方警察庁の調べによりますと、検挙の件数が四十一年で三百三十二件、四十二年で三百八十九件、四十三年で四百九十二件、四十四年で七百七十三件となっております。
 これに対しましてのいろんな監督、処分の状況でございますけれども、四十一年に免許取り締まり業務停止及び指導、指示をいたしました件数が総計で二千二百六十六件、それから四十二年も二千二百六十七件、四十三年が二千四百六十五件、四十四年が三千九百八十九件でございます。それから四十五年はこれは上半期の統計がここにまとまっているわけでございますが、上半期だけで二千二百七十一件ということになっておりまして、これを平均して言いますと、大体年に取り消し件数が六十件、業務停止が三十三件、それから指導、指示件数が二千約六百件というかっこうのものでございます。内容は大体誇大広告だとか、それから債務の履行遅延だとか、それから業務上の禁止、たとえば重要事項を故意に告げなかったとか、手付の貸与の禁止違反だとか、そういうものが態様として非常に多くあります。
#13
○松本英一君 営業保証金の現在の供託総額と過去五ヵ年における供託金の還付の状況及び供託金の運用状況について御説明を願います。
#14
○政府委員(高橋弘篤君) 営業保証金につきましては、四十六年のこれは一月現在でございますけれども、約六十四億ということになっておるわけでございます。これの還付状況でございますけれども、これはここに手持ちの資料では過去三ヵ年の資料がございますので、三ヵ年について申し上げさしていただきますと、四十三年が二十三件で三百三十二万円、それから四十四年度が十六件で二百六十五万円、それから四十五年度が十二件で百三十九万円ということになってございます。
 それからいまおっしゃいましたこの供託金の運用状況ということでございますけれども、これはどういうもので供託したかということについて申し上げますと、これは現金及びその他の有価証券で供託することができるわけでございますけれども、現金が四六・六%という比率になっておりまして、その他はすべて国債だとか電話債券だとか、地方債だとか、そういう有価証券でもって供託されているという実情でございます。
#15
○松本英一君 宅建業者の監督に当たられております都道府県の職員数及びその機構並びに構成等について御説明を願います。
#16
○政府委員(高橋弘篤君) 宅地建物取引業法の施行に要する人員等についてでございます。このお尋ねにつきましてお答え申し上げますと、都道府県の合計でいま担当職員が三百人従事いたしております。それが大きいところ、東京で四十一人、それから小さいところでは数人というところが多うございます。
 それから、お尋ねの構成の問題でございますけれども、これは東京都では住宅局に指導部というのがございまして、これが宅地建物取引業法の施行に当たっておるわけでございますが、監理課または指導係というものがありまして、さっき申し上げた四十一人がこれを担当いたしております。その他の普通の県は土木部の御承知の、建築課の管理係でこの事務を行なっているという実情でございます。
#17
○松本英一君 今回の改正に関連してまいると思う諸点について順次質問いたします。
 第一点は、法の対象となる不動産の範囲についてであります。現行法では宅建業法の対象となる不動産を用途地域内の不動産に限定しておられますが、法の規制の及ばない別荘地、観光地等の投資物件や用途地域外の買いかえ農地等の取引について事故が発生している実情にかんがみて、用途地域外の農地、山林等もすべて宅建業の対象に加えて規制する必要があると考えられますが、この点について住宅宅地審議会で検討されながら今回の改正には見送られております。その理由及び今後の方針について、近い将来対象となる不動産の範囲を拡大される用意があるかどうか、お尋ねをいたします。
#18
○政府委員(高橋弘篤君) お尋ねの件につきましては、先生のおっしゃいましたように審議会におきましてもいろいろ議論があったわけでございます。結局答申は現行法どおりということになっておる次第でございます。現行法では、御承知のように、建物の敷地に供される土地というもの以外に、用途地域内におきましては、これは単に宅地だけではなくて農地だとか山林というものも含むということに御承知のようになっておる次第でございます。用途地域内におきましては、これは遠からず宅地化されるという状態のものでございますので、そういう改正が三十九年においてなされたのでございますが、用途地域外におきましては、これはこれらの土地がすべて直ちに宅地化されるというものではないわけでございまして、大部分はこれは半永久的に農地は農地、山林は山林ということでそのまま利用が継続するというものでございますので、実際に宅地化されるというような用途地域内の土地と、建物の用に供する土地というふうなものとはこれは違うわけでございまして、それも一緒に含めますといろいろな問題が起こるわけでございます。したがいまして、今回はそういうものにつきましては対象に入ってないわけでございますけれども、さらに用途地域内におきましては、これは都市地域が多いわけでございます。そういうところにおきましては、御承知の宅地建物の取引というものにつきましてもいろいろな問題が生じておるわけでございまして、そういう点、この地域におきまして集中的に強力に消費者保護をはかっていく、そのための十分な指導をはかっていくということのほうが適切であるということから、今回の審議会におきましても答申の範囲からこれを除外した形になっておる次第でございます。先生のおっしゃるようないろいろな問題点、実はあろうかと存じますので、今後とも十分ひとつ検討してまいりたいと存ずる次第でございますけれども、用途地域外におきましても、さっき申し上げましたように、建物の敷地の用に供される土地というものは、これは現在供しておられる土地じゃなくても、そういう周辺の状況からしてそういう宅地化されるという状況がはっきりしたものにつきましては、この対象になるわけでございますので、そういうことで運用してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#19
○松本英一君 いま対象となる不動産の範囲について述べられました。これらの農地、山林、原野は宅建業法の中には入っておりません。だれでも売買できるというわけであります。したがって、この問題が法務省あるいは農林省とのいろいろな関係もございましょうが、この宅建業法を拡大され、そうして法律の名称も広く不動産取引業法というように改めていただいて、不動産取引の一般法としての形態を明確にすべきだと考えておりますが、大臣の御所見はいかがでございましょう。
#20
○国務大臣(根本龍太郎君) 松本さんの発想については、私も同感の面が非常に多いのです。ただ、不動産全般を宅建業法において規定し、宅建業者にこれをやらせるということになりますと、若干これは現実と乖離する面が出てくるのです。と申しますのは、こういうことをやりますというと、農地法との関係もございますし、それから所管問題も農林省所管と一緒になっちゃうからこれは共管にするとかという、実に次元の低いところでございますが、そういうトラブルも出てまいります。ただし、これは別荘あるいはまた将来そうした宅地にすることを目的として売買されるものについては、何らかの形においてやはりこの法に吸収するように考慮は必要であろう。ここが非常にむずかしいところでございますので、そういう方向で宅地審議会において十分に研究していただいて、その答申を得てこの宅建業法の対象の不動産というものに漸次包含するということの方向の研究は必要であると考えておる次第でございます。
#21
○松本英一君 現在、各府県に宅地建物取引業の協会が設立をされております。業者の大部分の人がこれに加入をいたしておりますが、この協会を中心として講習会、研究会などを開いて、そうして業界の資質の向上、信用の確保の努力がなされております。それにもかかわらず、わずかの非加入業者の悪質な違反のために、業界全体の信用が失われているのが実情であります。現在、非会員の違反は八割を占めておるといわれております。そこで、これらの各府県における協会に対する業者の加入の状況について説明をお願いをいたし、また建設省は協会及び、これらの連合会の育成についてどのような施策を行なってこられたか、また今後の方針をお聞かせ願いたいと思います。
#22
○政府委員(高橋弘篤君) 御承知のように、この法律におきましても宅地建物取引業協会というものを各都道府県に置くことができ、またその連合会というものも設置できるようになっておるわけでございます。一番最初に申し上げましたように、約六万一千の業者の中でこの全国宅地建物取引業協会の連合会というものに加入している数は四万一千六百五十四件でございます。先生の御承知のとおり、いろいろこの業者が今後ふえてまいりますと、その業の適正な運営をはかるという意味からいたしまして、業界が自主的にいろんなそういう消費者保護の見地から自粛をし、またいろいろ会員相互にこれを切磋琢磨して、そしてその法の趣旨に沿うような業を行なうということは、これは大事なことでございますし、現在におきましてもたとえば広告の規制につきましては、そういう自主団体が東京、大阪、名古屋地区にもできまして、そうして自主規制を行なって効果をあげているところでございます。したがいまして、私どももその効果というものは高く評価いたしておるわけでございます。また、今後ともこういう業者団体が育成されて、そして正しい業の運営というものをやっていくということは大事なことでございますので、私どもも十分そういうことができるように指導をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
#23
○松本英一君 加入の問題について、一応概括了解をいたしました。これらの各協会に対する加入制を実現されて、すべての業者を協会に加入させる、その自主規制の中に入れることが結局業者の保護にもなり、消費者の保護にもなると考えておりますが、法律上いかなる問題があるのか。憲法上疑義があるとする人の意見も聞くのでありますが、この際法律的に可能かどうか明らかにしていただき、法律的に不可能であっても、強制を伴わない行政指導ということで加入の促進をはかるべきと考えておりますが、御見解をお伺いしたいと思います。
#24
○国務大臣(根本龍太郎君) 事務局から……
#25
○政府委員(高橋弘篤君) まず私からいろいろお答え申し上げたいと存じますけれども、先ほど申し上げましたように、この業者団体を通じましてもいろいろな自主規制、まことに大事なことでございます。ただこれを全部義務加入ということを法律に明記するということにつきまして、確かに一つのこれは問題点でございますけれども、いろいろやはりこれにつきましての疑義も生じておって、いろいろ検討課題があるわけでございます。たとえばまあそうしますと、この団体から除名されますと、もう免許を取り消されるというかっこうのものになるわけでございまして、一種のやはり行政権限が付与されるという形のものになろうかと存じますし、また入らないものがいますと、これを役所から加入命令というものを出すという形も必要なことがあるわけでございます。そうなりますと、いわゆる職業選択の自由の制限というものとどうこれを調整をとるかという問題がまず起こってくるわけでございます。それから同時に業者の宅地建物取引業協会におきまして先ほど申し上げました法律に規定いたしております宅地建物取引業協会連合会、ほかにもいろいろな業者の団体がたくさんございます。そういう業者団体の今後の指導体制の確立、その推移がどうなるかということも十分勘案しながら考えていく必要があるわけでございます。この立法例といたしましては、たとえば弁護士だとか、土地家屋調査士だとか、司法書士だとかいうものにつきましては、先生の御趣旨のような義務加入ということになっておるわけでございますが、これは相当専門的な知識というものをああいうものについては持っておるものでございます。また高度の中立性というものも要求される。たとえば国民の司法上の権利義務につきまして直接影響を与えるとか、公共的な色彩というものも相当強い業種でございまして、同時にまた個人の資格、いま申しました弁護士、土地家屋調査士とか、司法書士とかいうのは個人の資格が職業上非常に重要な意味を持つという職種が多いわけでございます。こういったような立法例も十分参酌いたしながら、先ほど申し上げたようないろいろな問題点を勘案して、今後ともいろいろ検討してまいりたいということで、現在におきましても、そういうものを法律で明示しなかったわけでございますけれども、最初の先生の御質問のように、この点につきましては、法律で規定いたしております業者団体というものもあるわけでございますので、ひとつこれに加入いたしまして、その団体が健全な発達をいたしまして、そうしてりっぱな運営ができるように指導してまいりたい、というふうに考えておる次第でございます。
#26
○松本英一君 各府県には、宅地建物取引業に関する重要事項を調査審議するための宅地建物取引審議会を設置することができることになっておりますが、たとえば九州においては、福岡、熊本の二県しか設置されておりません。そこで全国的なこの審議会の設置状況を御説明願いたい。同時に、この審議会に宅地建物の取引をめぐる紛争の処理を行なう機能を持たして消費者の保護をはかるべきと考えますが、御意見をお伺いし、全国のすべての都道府県に設置されるよう指導していただきたいことを希望し、これに対してお答え願いたいと思います。
#27
○政府委員(高橋弘篤君) 御質問の宅地建物取引業審議会でございます。これは御承知の現行法では二十二条の二でございます。今回の改正法でも七十三条に審議会の設置の規定がございます。先生のおっしゃいましたように、現在全国的に見ますと、設置状況は八県でございます。八県しか審議会は設置されておりません。この設置された県におきましては、たとえば審議内容は宅地建物の取引業者の処分についての意見の陳述をしたり、また、その他いろんな宅地建物取引業の運営についての重要事項について諮問があれば調査審議するということになっておるわけでございます。こういうことにおきまして、現在もすでにそういう宅地建物取引業者の処分につきましても、意見を十分申し述べるということになっておるわけでございます。しかしながら、さっき申し上げましたように、設置状況はこれは多くないわけでございます。私としましても宅地建物取引業の改善とか向上というためにも、こういう審議会が各県にあったほうがいいというふうに考えておる次第でございます。ただ各県によりまして、その紛争の件数だとか、またその他いろいろ差がございます。したがって、各県におきましてはこれが任意設置ということになっておるわけでございますが、今後できる限り都道府県に設置させることが望ましいわけでございますので、そういうふうに私どもも指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#28
○松本英一君 営業保証金の制度は、取引上生じた損害の保証制度としての自主的価値を有していないのは、前回の委員会において松田参考人の意見によっても明白であります。そこで取引により生じた損害の補てんのための保証、または保険の制度化を早急に検討されなければならないと考えますが、その際、今回の改正に関して、損害保険協会が免許保証保険を実施し、営業保証金制度を肩がわりする用意がある旨の意見書を大臣あてに提出されていると聞いておりますが、その内容及びこれが今回の改正から見送られた理由について御説明を願い、さらに将来損害補てんの保険を損害保険協会に行なわせる用意がありますかどうか、お尋ねをいたします。
#29
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のお尋ねの一番大事な問題でございます消費者保護の立場からいたしますところの取引上に伴いますところの損失の補てん制度というものに関連いたしまして、おっしゃいましたように、損保協会というものが意見書を建設省にも提出いたしております。この内容につきましては、御承知のように、一つにはいわゆる青田売りの際におきますところの前金の保険制度、それからもう一つは先生のおっしゃいました免許保証保険というようなものについて意見が出ているわけでございます。私どももこの法案を作成する場合にあたりまして、こういう制度の必要性というものは十分認めておるわけで、早く実現したいということから、損保協会にも十分意見を聞いたわけでございます。そういたしましたところ、その意見書に基づいて意見を聞きましたところ前金の保証保険措置につきましては、これは前金という、金額がはっきりいたしておりますので、これについての保証保険というものはこれは実現の可能性もあるし、やりたいという意思表示がございましたか、この免許保証保険につきましては、まだいろいろ未解決の問題もある。たとえば事故率がどのくらいであるか、取引上によりますところの損失の範囲というものをどの程度にするか、いろいろ問題点があるわけでございますので、慎重に検討さしてほしいという意見であったわけでございます。この免許保証保険というのは確かにおもしろい趣向でございますので、この点については十分検討いたしてまいりたいわけでございますが、これは営業保証金というものの引き上げを前提にいたしまして、そうしてこの宅地建物の取引に伴いましての損失につきまして損保会社がその営業保証金の相当額というものを支払うというものでございますが、業者はその場合に、引き上げられましたところの保証金全額をこれを供託するんじゃなしに、一定の保険料というものを負担するということからいたしまして、負担が少ないというところにメリットがあるわけでございまして、こういう問題につきましては、ひとつ私どももさっき申し上げました見地から十分検討してまいる必要があろうかと存じますが、先ほど大臣からの御答弁で最初に申し上げましたように、消費者保護の見地からいたしまして、現在の保証金の金額では、いわゆる取引上の損失補てんをまかなうにはあまりにも少額過ぎる、これをどのくらい上げるかという問題。ある程度これを上げても、それだけではいわゆる根本的な、抜本的な補てん制度にはならないのではないかということから、御承知のように、先生方の御指導を得ながら根本的にこういう損失補てん制度というものを考えてまいりたい、直ちに検討してまいりたいわけでございます。その際におきましては、この損保会社の意見というものも十分尊重しながら、いろんな制度なりその方法というものを考えてまいりたいというふうに考えている次第でございます。
#30
○松本英一君 年々増加する宅建業者や、大量化していく不動産取引の実態に即した監督体制が確立されていないところに問題があると考えております。住宅宅地審議会も、その答申の中で、監督体制の強化を要望し、「不動産取引業の社会的責務の重大化と不動産取引業者の急激な増加に比し、国、都道府県における監督体制の整備強化は必ずしも十分に行なわれているとはいい難い現状であり、」「法制の整備が行なわれることとなる場合には、さらに一層の監督体制の整備強化が必要となるので、早急に不動産取引業行政を所掌する機構の整備、要員の確保等について所要の措置を講ずべきである。」と述べられております。そこで、今回の改正を機会に、建設省は監督体制をどの程度強化される予定であるのか、具体的に人員の増加、予算上の裏づけ等について御説明を願いたい。さらに今回の改正で、新たに取引主任者の登録制度が実施されることになりましたが、二十万人にも上る取引主任者の登録を実施することは容易なことではありません。それに伴って都道府県の職員はどの程度増員されるのか、御説明を願いたいと思います。
#31
○政府委員(高橋弘篤君) いわゆる監督体制の問題につきましては、先生のおっしゃいました住宅宅地審議会の答申の中にも十分うたわれておりまして、これを拡充強化するようにという点がございます。その担当職員の数につきましては、先ほど申し上げましたように現在約三百人でございます。これも数年前に比べますと、これは逐次実は増加いたしておりまして、四十二年では百八十余人であったのが、四十五年では三百人ということで、次第にふえてまいっておる次第でございます。しかしながら、先生の御指摘のように、この数ではやはり今後ますます増加してまいります業者に対する監督体制としては十分とは言いがたい点は、私どもも認めるところでございます。したがいまして、私どもも十分ひとつこの人員の増加、予算の増額――予算はついでに申し上げますと、四十五年に全国で四千五百万円という少額のものでございます。したがいまして、こういうものもひとつ十分増額していかなければ業者の指導体制、監督体制というものがとれないということになるわけでございます。先生のおっしゃいましたように、新たに取引主任の登録制度というものも今回設けられたわけでございます。私どもも都道府県を十分指導し、また都道府県の総括監督指導者でございます自治省とも十分連絡をとりまして、この予算及び人員の増加ということについて十分ひとつ努力をいたしてまいりたい、こういうふうに考えておる次第でございます。同時に職員の質の向上、研修ということを通じまして、事務がひとつ完全に誤りなく行なわれるように指導してまいりたい、というふうに考えておる次第でございます。
#32
○松本英一君 それぞれの指導通達が徹底しないために行政の指導が困難になってくるわけであります。二千人をかかえている福岡県で職員の数は三名しかおりません。これでは免許申請の受け付けだけで精一ぱいであって、行政指導の面については不完全になるのは当然のことであります。前向きの姿勢でこの問題についてはお進みを願いたい。
 現在各地で生活協同組合は年金福祉事業団の融資を受けて住宅の分譲事業を実施しておりますが、これら生活協同組合がその組合員を対象にして行なっておる住宅分譲事業が宅建業法の規制の対象になるかどうか。さらに今回の改正で所有権の留保が禁止されておりますが、これら生活協同組合が資金の融資を受けております年金福祉事業団の業務方法書では、生活協同組合が所有権を留保することを貸し付け条件としております。そこで、生活協同組合が行ないます住宅分譲につきましては、所有権留保禁止の規定の適用を除外すべきであると考えておりますが、この問題をどう措置される予定でありますか、御見解を明らかにしていただきたいと思います。
#33
○政府委員(高橋弘篤君) 住宅生活協同組合が現実にできまして、宅地建物の販売というものを行なっておる例が相当多いわけでございます。全国で六十五ばかりあるそうでございますけれども、一般的にはこういう組合というのは組合員を対象にして行なうものでございます。したがいまして、特定の組合員を対象として行なわれる場合におきましてはこれは実はいいわけでございますけれども、ただその組合員の資格というものが一定地域に居住する者だけでいい、そしてまた会費というものも――入会金といいますか、会費といいますか、わずかなものでこれは組合員になれるという場合があるわけでございます。実質的にはこれは一般の不特定の者がいわゆる組合員になれて、しかもその住宅生活協同組合から宅地建物の販売を受けるという形のものがございます。そういうものにおきましては、これは実態は宅地建物取引業に該当するものであると私どもも考えております。そういうものにつきましては、これは実態によりましては、業法によりますところの免許を要するというふうに考えておるわけでございまして、厚生省におきましても先般も三十七年に通達を出しておりまして、そういう場合には宅地建物取引業の免許を受けたものとか、受ける見通しが確実なものについてこれは認可をするという指導通達を出しておるわけでございます。
 それから先生の御指摘の所有権留保の問題でございます。これは御承知のように、今回の法律の四十三条で割賦販売におきますところの所有権留保の禁止の規定があるわけでございます。したがいまして、この住宅生協の行なうものにつきまして割賦販売の方法による場合におきまして、そうして所有権の留保というものがなされるということになりますと、これは法の禁止規定になるわけでございます。したがって、これはひとつ厚生省とも十分打ち合わせますけれども、そういう所有権留保の禁止という条項を守られるように今後そういう内容、仕事のやり方というものについて十分変えてもらうようにいたしたいというふうに考えておる次第でございます。
#34
○松本英一君 情報化時代といわれる今日、不動産についての情報機構が確立されていないために、不動産取引の円滑化が阻害されており、利用者は十分なサービスが受けられない実情にあります。これを解決するため、政府または府県が出資してその府県における不動産取引情報センターを設置するお考えがあるのか、また検討する御用意があるのかどうかお尋ねをいたし、今後の不動産業界における健全な発展が利用者、消費者保護になるということをお考えいただき、前向きで検討されることを希望し、私の質問を終わります。
#35
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御質問の点につきましては、非常に大事なことでございます。不動産の流通の円滑化のためにいろんな不動産に関する情報というものを十分収集いたしまして、これを消費者に適確に迅速にこれを伝えるということは、非常に重要なことであろうと思います。いまは業者がそういう役割りを果たしておるわけでございますが、これは何らかのそういう不動産情報センターというものが必要でございます。これを先生のおっしゃるように、都道府県でという点についてでございますが、現在住宅相談所というものがございます。これは各県に二十三ばかり住宅相談所が設置されておりまして、ここにおきましてそういういろんな相談を受けておるわけでございますが、さらに、これにつきましてもっとこれを十分に指導して、そうして強力なものにするという点についてでございますけれども、なお十分検討させていただきたいわけでございますけれども、これは民間におきましても、現在不動産センターとかあるいは日本不動産取引情報センターというものが東京ではできておるわけでございます。したがいまして、こういう民間のそういう情報センター、情報機構というものとの関連を十分勘案しながら、今後そういう公設のものについても十分検討してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#36
○高山恒雄君 ただいま御質問がありましたので、できるだけダブった質問は省きたいと思いますが、私はこの取引業法の改正にあたって、当然大臣のほうとしても審議会におはかりになってこの法案をおつくりになったと思うんです。そこで審議会においては御承知のように最近における不動産に対する需要が非常に多くなってきておる、なおまた多様化に伴って取引数はますます増加すると同時に、それにちなんで消費者に対する大きな損害を与えるというような場面も生まれておる。したがって、こういう事態における現状から考えてみると、三つに分類したほうがいいんではないかという答申案が出ているわけです。そこで大臣にお聞きする前に私お聞きしたいんですが、一体業者というのはどのくらいの数なのか、そうしてほんとうに零細な主任者一人に女の子一人おって仲介業的なことをやっておる人、二人か三人ですね、あるいはまた五人くらいの程度に分けてもいいんですが、さらに十人以上あるいは五十人、百人という大きなものもあります。こういう実態の中で、法律全体の中で規制をしよう、こういう考え方で今日やっておられるのでありますが、一体その数はそういうふうな分類をするとどのくらいになるのか、わかればひとつお聞かせ願いたいと思います。
#37
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御質問は、宅地建物取引業者のいま現在六万一千人おるわけでございますが、従業員の数がどういう比率で分類されるかというようなことの御質問ということでお答えを申し上げますと、これはなかなか六万一千人の従業員を直ちに正確にとらえることは非常に実はむずかしいわけでございますけれども、相当推定が入っているという前提で申し上げますと、五人以下のものが七九・八%、約八割という推定をいたしておるわけでございます。それから六人以上十人以下が二・五%、それから十一人以上、二十人以下というのが五・三%、二十一人以上というものが一・四%ということでございます。これは数の多いものは何百人ともっと多いものもあるわけでございます。そういう推定をいたしておる次第でございます。
#38
○高山恒雄君 この七九・八%の中には私は五人以下ということでありますから、実態調査を私自身もやったことがないわけです。七九・八%の中には大体主任と女の子一人ぐらいでやっておるのが大多数ではないかということを、私は地方の事態を見てそういうふうに考えるわけです。こういう実態でありますから、この実態の中から私は答申案としても、せめて不動産の仲介業というものは別にすべきだ、私は三つを希望しているわけではございません。私自身も三つがいいとは考えておりません。がしかし、この問題は法の規制が非常に今度はきびしく出ておりますが、資格の点についてもそうでございます。しかしそういう中にあって考えてみますと、前回建設業法の審議をいたしましたそれと私は並行的に考えてみますと、建築業を規制されたというのは、少なくとも今日の情勢では技術の不正をやはり防止する必要があるという大きな観点に立っての法案であったと思うんです。当時も大企業擁護あるいは零細企業営業というものに対する取り扱いが、一本の法案でそれを取り締まるということには無理があるんじゃないか、こういう意見が前の建設業法のときにも出ました。したがって今度もその感をやはりせざるを得ないのであります。そういうふうに考えてまいりますと、建設業法の場合には建設したものに対する不正があるか不正がないか、いわゆる技術面におけるこれは法律の規制であります。今度の法律で規制されている問題は知能的な違反に対する規制であります。一方は技術、今度は知能的な不正を起こす者に対する法律での規制、この二つを考えてまいりますと、技術の面といえども、建築の技術者が、建った家のいわゆる建築が不正があるかないかを調べれば、ある程度これはそこで発見することができます。知能的な今度の違反に対しては起こって、被害者が出てからでないと法に出てこないわけです。そうだと思うんです。いままでの被害の状態というものはほとんど消費者からそういう訴えがあってこれをやっておられた。先ほど監督の問題が出ましたが、これも不十分です。したがって、こう考えてまいりますと、せめて私はこの零細というものの取り扱いというものとそれ以外の二種類ぐらいには分ける必要が政府としてはあったのではないか。そうしてかりに二人ぐらいで、主任責任者と女性一人ぐらいでやっておられる方が、もし他のこの売買免許あるいはまた開発免許というものをお取りになれば次第に発展してやることができる道が開ける。それにもかかわらず私は職業選択の自由というものに段階をつけてはいかぬと言われるけれども、段階とは思わないんですね。それを段階と思うことが間違いであって、むしろ逆に取り締まり上そういう取り締まり方法をやって――免許主任制度というものがあるのでありますから、両方の資格を取るならば堂々と拡大していっても自由なんです。そういう道が開けておるにもかかわらず、答申案に対して政府としては依然として一本の姿でこれを法案を出されたという点については、あまりにも建設業法から見て私は一貫性がないのではないかという感じすら受けるわけであります。これに対して大臣は基本的にどうお考えになるのか。片や技術においての不正を防止しようとお考えになっておる。一方、今回の取引業は知能的な違反を規制しようと考えておられますが、非常にこの取引業こそ消費者にとっては重大な関心事だと私は思うのでありますが、大臣こういう点に対してどうお考えになっておるか、ひとつ所見をお伺いしたい。
#39
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点は非常に重要な問題でございます。そこで審議会でも三つに分けてきたんでありまするが、これを今度一つの概念規定から現実の問題に適用してみると、非常に問題があるわけです。というのは、たとえばこれを三つに分けて保証金を従来に比して若干多くしたといっても、消費者保護の点からするならば非常にこれは不十分です。むしろそれよりも、消費者保護の観点から、ほとんど完全に近いような保証並びに保険制度を樹立すべきだ。これとの関連においていまの免許の区分を考えることが妥当である。そういうことで、まず一応のいま御指摘になりました知能犯的な犯罪行為を防止するための規定は、相当部分これは入れますが、ただ三つに概念的に分けるということは、たとえば仲介業であろうとも非常に大きな機構を持った会社でも仲介業をやっておる。それからまた非常に小規模のものであっても、売買をこれまた現実に長年の経験と信用でやっているものもある。そういう現実の事態から見れば、何人以下の人間を持っているものについては売買業、仲介とかという分け方はなかなかこれはいろいろ問題が出てきます。そこで国会の皆さん方の御意見も徴し、さらに業界その他の識者の方にももう一度あらためてこれは検討してもらって、消費者保護の改善体制とあわせてすみやかにこれはやろう。いまわずか十万円のものを三十万円にした、五十万円にしたということだけで何にもこれは大きなあれにならない。いわば形式的な改善をしたというだけに終わってはかえっていけないじゃないかという考えでこの三つに分けることと、保証保険制度については、引き続いて直ちに検討する。来年の通常国会にはこれに対応するところの制度を考えて改正をいたしたい。むしろそのほうが一般国民に対しても、業界に対しても、誠実であり親切だというように判断をいたしまして、このような措置をとったのでございます。一時はマスコミのほうからも若干批判がございまして、これは業界の圧力だ、あるいはそれと関連のある国会の一部の圧力によって後退したなどという説をなす者があったのですが、そうじゃない、むしろ私はより積極的に消費者保護とそれから宅建業の責任体制を確立するというところに重点を入れて、おざなりの、まあまあこれでやろうというよりもむしろそのほうがいいと考えて、こうした表現にした次第でございます。
#40
○高山恒雄君 私は大臣、三つに分けよと言っているわけじゃないわけなんです。(イ)と(ロ)に分かれておるようですがせめて(イ)と(ロ)ぐらいは一本にしてもよかったではないか。開発業なんというようなものはこれは大きな資本でもなければできぬ。しかし全く零細の場合は、ただしその人が資格ができてくればいわゆる保証金にしても免許にしても、今後確立するでしょうから、できてくるならば、みずからが進んでその資格を取っていくことができる道さえ開いておけば、だれでもやれることなんですから、取り締まりの関係上、私はせめて二つぐらいにやっぱりこれを分けるべきではないかという、前回の建設業法から見ても、もうそういう時代がきておる。
 それで、この監督のほうを見ると、先ほど御質問もございましたけれども、どうしても監督体制というものを確立しなくちゃいかぬという要望が出ておる。先ほどの答弁を聞いてみますと四千五百万ぐらいの予算でどのくらいやられるのか知りませんけれども、現在わずかな人数で一体どういう監督をされるのかということになると、私が先ほど言ったように、結果的にはそういう消費者に対する大きな犠牲が出てから初めて監督者が動く、こういうことにならざるを得ないんですね。それは起こした罪をあとから解消、つまり処分していこうということであって、事前の防止策というものはどこでとるのかというと、それは何ら法的にも出ておりません。したがってやりほうだいです。こういう多様化の問題を私は答申案には詳しくここに盛っておるのだろうということを、読んでみて感ずるわけであります。したがってこの監督に対する一体考え方は、先ほどの松本委員に答弁されましたが、それ以外のことは現在では考えていないのか。これは局長でけっこうですが、そういう点をどうお考えになっておるのか。
#41
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のいろいろ御質問に対しまして大臣がお答え申し上げたとおりでございます。業者の悪質な行為というものが行なわれたあとにおきましては、これはそれこそあとの祭りでございます。事前にこれを防止するということは非常に大事であろうかと思います。そのためにどうしたらいいかという問題いろいろございます。いろいろ論議になっておりますところの問題、紛争のいろいろな事例というものも分析いたしまして、そうして今回の法律改正におきましても免許制度の整備だとか、契約内容の適正化の問題、それから最近問題になっております前金の保全掛金の問題、その他いろいろ規定を設けたのでございますけれども、そういうことで事前に防止するとともに、今後起こった悪質事案につきましては、これは十分ひとつ監督処分を厳重にするように監督処分の強化というものもはかっておるわけでございます。
 監督体制の問題につきまして御質問でございますけれども、先ほどから御答弁申し上げておりますように、現在の都道府県の担当職員が約三百人、予算で四千五百万円ということで、これ必ずしも十分なものとは考えておりませんが、十分ひとつこれにつきましても予算、人員とも拡大強化をはかる努力を私どもはいたすというふうに考えておるわけでございます。また、関係の警察庁、また公正取引委員会というものとも合同調査、取り締まりというものも毎年一、二回大規模に全国的に行なっております。こういうものをもっと活用してまいりたい。と同時に、これも先ほどの松本先生の御質問にもございましたように、業者団体というものを通じまして十分自主規制もできる方途も指導してまいりまして、そういうことをあわせまして今後悪質な事案というものを防止してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#42
○高山恒雄君 どうしても私は納得いかない点なんですよ。しからば、もう一つ具体的に聞きますが、やはり違反者というのは事前に防止する方法がなければならぬと思うのですね。この法案では出てこないのですよ。したがって、これは法案の中ですかな、今後法令で定める者のうち不適格者である場合も免許をしてはならないことにしたと、こう言っておられるのですね。一体不適格者というのは具体的に政令でどういうことをして、あの人は不適格だ、この人はどうも不適格だという、何を基準にして不適格をきめるのか。そういう点をひとつ御答弁願いたいと思うのですね。具体的には何をお考えになっておるのか。人物の不適格というものは以前の歴史――その人の履歴なのか、何なのか。
#43
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、先生のいま御質問のとおり、事前にやはりこれを防止する方策を考える必要があるわけであります。したがいまして、今度の免許基準におきましてもその強化をはかっておるわけでございますが、不適格というのは、ここに免許基準の中にいろいろ書いておるわけでございますけれども、たとえば、いろいろな事案を起こして、そうしてこの業者の免許を取り消されたという者につきましては、三年間はもうこれは再び免許を与えないということであるとか、また、いろいろな法律の違反をいたしまして、禁錮以上の刑に処せられ、また宅地建物取引業法に基づく罰金刑以上の刑に処せられた者だとか、それから、さらに法律違反をしたり、それに準ずるようないろいろな不当な、たとえば契約違反をするというような者につきましても、これは免許からはずすということを考えておるわけでございます。同時に今回特につけ加えまして、この宅地建物取引業に関しまして法律違反だとか、また契約違反をすることのおそれが明らかな者、これは従来のいろいろな過去の本人の経歴等をいろいろ調べまして、そういう行為を今後とも行なうという性向のものがある者につきましては、これをはずすというふうなことも免許基準に入れておるわけでございます。さらに、従来は役員だけをそういう対象に――法人の場合ですが、いたしておったのでございますけれども、今回の法律改正におきまして、役員だけでなしに相談役だとか顧問だとか、また大株主だとかというふうな者とか、いわゆる黒幕というふうな者につきましても、これを免許の審査の免許申請のときにこの名前を出せ、そしてこれを十分審査するということを考えておるわけでございます。つまり役員にはなっていないけれども、本人の家族名義で家族をこれを役員にしておいて、そして自分では顧問だとか、相談役ということで支配力だけを有して、実際にはその人たちが過去においていろんな犯罪を犯し、また法律違反も犯したというような事例があるわけでございますが、そういうものもあわせて今回は免許の際にこれを審査の対象にして、こういう者は排除するということも考えておる次第でございます。さらに免許の取り消しというような悪い行為をした者につきましては、従来謹慎期間――再び業をはじめることができる期間が二年だったのを三年に延長する、そういうようなことにつきまして十分私ども検討いたしまして、法律改正に至っておるわけでございます。こういういろんな制度の整備をいたしましたが、法律の制度だけで私どももちろん十分にいくと考えておるわけではございません。監督体制というものは私どもももっといろんな意味におきまして実態を十分に把握して、都道府県も指導しながら法律の趣旨を十分に生かしていくことが必要であると思いますけれども、そういう点につきましても私ども十分これは勉強し、また都道府県をそういう意味におきまして指導してまいりたいと、そして先生の御趣旨のように、事前に悪質行為というものが予防できるような措置を講じたい、というふうに考えておる次第でございます。
#44
○高山恒雄君 いま法律に盛られておる点は、私も読ませていただきましたから大体はわかっておるんですが、今度の法律ではかりに使用人の免許を持たない者が不正をやった、その場合の責任は全部主任が持つということになっておりますね。それで主任の責任において処理することになりましょう。それがそこの会社は解雇になった、解雇になってそうして今度は自分が免許を取り自分が開業することはできるわけですよ。そういう不正は防ぎようがないんじゃないですか、この法律では。したがって私は不適格というその考え方の、法律に盛られた範囲内の不適格はこれは法律に基づいてやることでありますからいいですが、その主任が責任を持って――そこの使用人が不正をやったために主任は責任をとらざるを得ない。その義務づけは法的にきちっとしてあるわけです。やった本人は免許も何も持たなかった、ところが自分が今度は免許を取ってやろうと思えばできる道は何ぼでも開けておる。そういう者がわかった場合でも不適格と考えておるのかどうかということを私は聞きたかったわけですが、もっともっと、これは一つの例で、私が申し上げるのはそういう人、主任にも迷惑をかけ消費者にも迷惑をかけるいわゆる使用人ですね。そういう者をやっぱり撲滅するところにこそ事前の策というものが必要だろうと思うのですね。だから地方の監督、いわゆる行政におけるところの監督というものはそこらが一番大事な点で、これはいかぬとかいいとかという点が出てくるだろうと思うのです。こういう点は一つもお考えになっていないのか、いまの答弁では法的に盛られた範囲内の点は私も十分了承いたしますが、それ以外の点は不適格の要素の中に入らないのか、今後は政令で定めるときにそういう点も考慮したいとおっしゃるのか、ひとつ御答弁願いたい。
#45
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘の点はごもっともな点でございまして、会社の使用人がそういう悪質行為を行なった、そして自分は今度は業を始めるとか、またその法人の役員になっているという場合でございます。これは今回の法律におきましても、先ほど申し上げるのを落としましたけれども、役員だけじゃなしに、政令で定める使用人というものにつきましても、そういう適格性というものを審査するということになっております。その政令で定める使用人は、支店長、営業所長というような対外的な責任を持つ者につきましては、そういう審査の対象にいたすように今回の法律でもいたしておるわけでございます。さらにまた取引主任者とかその他の従業員におきましてもそういう悪質行為があった場合におきましては、今回の法律で、先ほど申し上げました業に関しまして不正または下誠実な行為を過去にして、さらにそのおそれがある者につきましては、十分審査の上これを除外することができるかっこうのものになっておる次第でございます。
#46
○高山恒雄君 この免許手数料というのがいままで五百円であったのですね。今度は登録ということで、結局政令で今度定めると言っておられますが、五百円を五千円にするとかそういう考えまであるのか。大体そういう手数料というものはきまっておるのですが、千円ぐらいにしようという考えなのか、政令で定めるとありますが、その点はどうなんですか。
#47
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま五百円という点は、取引主任者の受験の手数料が五百円であったわけでございます。今後もこの取引主任者の試験というものはあるわけでございますので、今回あらためてきめる場合におきましては、現行どおり五百円とする予定でございます。ただし、先生の御質問のように登録制度というものができましたので、登録手数料というものはあらためてこれはきめる必要があるわけでございます。その点につきましては、ほかの立法例その他も参酌してきめることになりますけれども、建設業それから不動産鑑定業の場合におきましても五千円ということになっております。したがって今回も五千円ということできめたいというふうにいろいろ考えておりまして、これは地方公共団体の手数料条例というものできめますので、自治省との関係でございますので、十分関係のところとも相談しながら、ただいま申し上げましたような方向で具体的に考えていきたいと思っております。
#48
○高山恒雄君 大体私の質問は終わったんですが、問題はこれだけ微に入り細に入りの法案をつくっても、なかなか達成することは困難だろうという考えを持たざるを得ないのです。しかし政府としても大臣の答弁のように、今後さらにもつと近代的な多様化する時代に即応した考え方もやっていきたい、こういう御答弁もございましたので、どうかひとつ、私は先ほど申しましたように、何といっても消費者の届け出によって初めて違反であったか違反でないかどうかがわかるのでありますから、事前にやはり防止という立場からこの監督をもっと予算的にもひとつ大臣考慮願って、いわゆる監督というよりも指導、指導の強化その上に立っての監督をぜひやってもらいたいことを強調いたしまして、質疑を終わりたいと思います。
#49
○国務大臣(根本龍太郎君) ただいま御指摘になりました点は、十分に考慮いたしまして、なるべくすみやかに次の通常国会まで間に合うように立法上の改善を努力をし、あるいは行政上の指導監督というものを強化して、御趣旨に沿うように努力いたしたいと存じます。
#50
○委員長(田中一君) 午前中の審査はこの程度にし、午後一時まで休憩いたします。
   午前十一時四十九分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#51
○委員長(田中一君) ただいまから建設委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案、積立式宅地建物販売業法案を便宜一括して議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
#52
○春日正一君 最初に青田売りの問題ですけれどもね、広告や契約の開始時期について、まあいままででも開発許可、建設確認のときにするか、あるいは基礎工事の完了したとき、あるいは本体工事が完了したとき、保存登記の可能な時期というようないろいろな段階でやるべきだというような議論があったわけですけれども、この改正案で開発許可、建設確認時ということにした理由を聞かしていただきたいんですが。
#53
○政府委員(高橋弘篤君) いわゆる青田売りの時期につきまして、いろいろ先生のおっしゃったような議論があったわけでございます。先生のおっしゃるように、建築確認及び開発許可のあとということにいたしておるわけでございますが、現在青田売りというのは大体慣行的になっておるわけでございまして、これは買い主にとりましても、やはり相当の便宜というものがあるわけでございます。まあ権利の確保は早くできる、それからそれに伴いまして、自分のきまりました居室に対しましていろんな設計に対しまして個別の注文ができるというような、そういう便宜、利点というものも買い主側にもあるわけでございます。また一般的にそういうものが慣行化されておるわけでございます。さらにまあそういうことによりましていろいろ問題が起こるということは、いわゆる青田売りの場合におきましては前金を出して、未完成の分について前金を先に出して、そのために、工事ができないで会社が倒産する、それによって前金が返ってこないということが一番問題であったわけでございます。したがいまして、そういうものにつきましては、御承知のように四十一条で前金の保全措置というものを十分講じなければ契約ができないようになっております。同時に未完成の工事につきましては、完成時におきますところのいろんな形がどうなっているか、形状がどうなっているか、道路の状況がどうなっているか、使用の材質がどういうものであるかということを十分に説明するように重要事項の説明事項ということで、三十五条でそういう説明をさせる必要があれば図面をもって、これは特に説明をさせるということにいたしております。そういうことによって消費者保護がはかられるんじゃないかというふうに考えておるわけでございまして、そういうような点から、こういう建築確認及び開発許可のあとにおきましては契約はできるということで、時期を押えた次第でございます。
#54
○春日正一君 現在でも宅地建物公正取引協議会に加盟しておる団体では、開発許可、建築確認後に広告販売あっせんをするようにということにしておると思いますけれども、そうすると、この改正では現状からあんまり大きく前進しないということになるような印象を受けるのですけれども、その点どうでしょう。どの程度期待できますか。
#55
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘のとおり、現在におきましても、広告の開始時期におきましては、協議会で自主的にそういうことをきめております。したがいまして、大体それが守られておるわけでございますけれども、まあ契約の時期につきましては、なお建築確認とか開発許可を受ける前にやはり契約をしているという事例もありますので、そういう点はこれによって相当規制できるというふうに考えておるわけでございます。
#56
○春日正一君 そこで、今度は別のほうからお聞きしますけれども、いままでに建築確認や開発許可をとりながらなお問題を起こしたものがどれくらいあるのか調べたことがありますか。
#57
○政府委員(高橋弘篤君) 建築確認及び開発許可をとって、それから契約した場合の事例でございますが、件数としてはいま手元にそういうことを把握いたしておりませんけれども、いろいろな事例といたしましては、たとえば昨年の八月ごろ問題になりましたいわゆるマンション事件ございました日建グループだとか、日本住宅総合センター、その他におきましては大体建築確認とかを得ました後にそういう契約をいたしておりましたけれども、あとの経営難その他からこれは倒産いたし、そのときにおきましては、御承知のように前金の保全措置がございませんので、相当利用者に被害が及んだということがあった次第であります。
#58
○春日正一君 個々の事例は新聞にも出ておりますし、私ども知っておりますけれども、やはりこういう法改正やろうということなら一応どのくらいそういうものがあるのか。そうしてこれだけここを押えたらどれくらい防げるかというようなめどをつけるためにはお調べになる必要があったのではないか。その意味で私ども判断の材料がちょっと足りないというような感じがします。
 そこで次に移りますけれども、いま話のあった去年の夏大きな問題を起こした日本建設協会、これも建築確認はとっておって、そのあとで着工しないままに消費者を勧誘して、建設予定地を第二者に売っておったということになっておるわけですね。これでは建築確認後でも、確認とったのだけれども、実際には仕事をしないで詐欺みたいたことをやっておるわけですけれども、確認後ということにしてもそれだけでは十分こういうものが取り締まれないのじゃないだろうか。また施主の丸紅飯田、売り主が丸紅不動産、建築施工清水建設と大手がやって売り出された文京区の小石川のマンション、ドミ小石川。これは建築許可とっていたけれども、建築基準法二十八条違反の密室を売り出しておったというような事件があるんですね。これは私持っていますけれども、この場合は丸紅飯田の広告、施工の図面が建築確認の図面と別なものになっておった。建築確認では当然密室というようなものは許可になりませんから確認されないのですけれども、それを確認をちゃんととりながらそれと別な図面を広告して契約を結んだ。それで買い主のほうがこれでは困るということを指摘されて初めてそういうことがわかったという例ですけれども、この二つの例のように建築確認後というふうに法律できめても、なお問題がいろいろ残るわけですね。こういうことをどこでチェックするのか、その辺の考えを聞かしてほしいのです。
#59
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃいますように建築確認を受けまして、あとで会社が倒産するという事例もあろうかと存じます。先ほども御答弁申し上げましたように、その際に問題になりますのは、やはり前金を取っている場合の前金が返ってこないことが一番大事でございますから、その点は先ほど申し上げましたように、四十一条で前金の保全措置という措置を考えたわけでございます。もちろん理想といたしましては、これは竣工いたしましてから売るのが一番理想でございますけれども、先ほど申し上げましたような買い主からの利便ということもいろいろ考えられるわけでございます。したがいまして、こういう契約締結の時期というものを建築確認後にいたしておるわけでございますけれども、丸紅飯田の場合におきましては、先生御指摘のように、建築確認を受けたときには密室ということになっていなかったわけでございますけれども、建築時の設計ミスのために、そういう書面が一般消費者に見せられてそうして一般の購入者がこれに気がついて、そしてこれにつきましては違反ではないかということになって、会社といたしましてはこれを十分事後措置として是正をいたしておるわけでございます。購入者と十分これは協議いたしまして、その是正するところは是正して、そうしてまだ完成してない青田売りの場合でございますから、全部建築基準法に合致するようなことに是正をいたしまして、そうして購入者にこれを引き渡したということになるわけでございます。御承知のように建築基準法におきましてもあとで検査というのがございまして、検査をしなければこれは入居できないということになるわけでございますので、その点はそういう建築基準法の運用とも十分考えあわせながら措置してまいれば、そういうことは防げるのじゃないかと思うわけでございます。
#60
○春日正一君 いまの説明では、まあ一つはそういうまかり間違ったときのいわゆる損害の補償措置というものが今度新しく規定されたからということの説明ですね。それからまあ丸紅なんかの場合にはこれは間違いだという。まあこれほど大きな会社ですから――清水建設と言えば相当なもんだから、当然それはいろいろな資格を持った責任者がおるはずなんだし、間違うこと自体問題なんだけれども、まあそういうことで説明されたんだけれども、問題はここに出ているようなこういう問題がたくさん起こるわけですね。つまり建築確認得たんだということで契約して払い込みを受けながら、実際に着工しないとか、第三者に売ってしまったというような詐欺みたいなことも起こるし、それを防ごうというのが、この取引法改正の目的でしょう。そうなると私はオールオアナッシングじゃなくて――それを全然絶滅するためには完成してから売ればそれにこしたことはないんだけれども、それではまあ青田売りということの意味がなくなるわけだと。どっちにするかということじゃなくて青田売りということが行なわれる、そういうことが買う人にとっても売るほうにとっても必要なんだということでそういうことがあるとすれば、その中でそういうことが全部なくならないまでも、何とかこういうものをチェックできる方法ってないもんだろうか、そこを私聞いているんですけれどもどうですか。その辺どうにもならぬということですか。
#61
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、建築基準法の建築確認どおりに行なわれていないということになりますと、監督、検査の場合にこれはひっかかるわけです。是正しなければならないわけでございます。また都市計画法による宅地造成開発許可の場合におきましてもやはり同じような規定がございます。したがって、購入者にこれが引き渡される場合におきましては、是正されてこれが引き渡されるということになるわけでございますが、まあそういうことで防止できるとわれわれも考えておりますけれども、また事後の措置といたしましてそういう法令違反の品物、いわゆる欠格商品みたいな――商品と申しますか、欠格の不動産というものを購入者にこれを与えるということになりますれば、監督処分の規定によってその業者というものを十分に処分するということもできるわけでございますので、そういうものもあわせましてそういうことのないように今後ともいたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#62
○春日正一君 まあこの問題はできないものをとにかく取引するということですから、いろいろそういう問題を防ぐのにはなかなか万全な防ぎようというものはないと思いますけれども、少しでも改善できるようなそういう努力というものをやはり続けていく必要があるだろうというふうに思います。
 そこで問題になるのは、そういうふうに消費者の保護ということでいろいろな規則やそういうものを強めていくということは、まあある程度これやむを得ないことだと思いますけれども、そのことによってごく一部のそういう不正なことをやる、そういうものをやらせないということのために、まあ大多数のまじめな業者の経営が困難になるというようなことにしたんでは、これはぐあいが悪いわけですから、そうさせないためには、まじめな業者が資金が不足したとかどうとかということで、そのためにつくりかけたものができなんだというような心ならずも問題を起こすことのないように、税制の面とか金融の面で何か優遇措置をする必要があるのじゃないだろうか、そんな気がするわけです。特に六十億円たまっているそうですけれども、例の営業保証金ですね。こういうものが中小業者のそういう事業をやっていく上の金融とかというものに活用されるというようなことは考えられないかどうか。この点、大臣から考えをお聞きしたいのですが。
#63
○国務大臣(根本龍太郎君) 先般来、委員の各位からそれに関連したいろいろ御質問がございました。すなわち消費者保護のために現在は保証金をわずか出しているけれども、これをさらに倍とか三倍にしたところが大したものはできない。そこで抜本的に消費者の損害を絶無にするための保証保険制度をすみやかにこれは事務当局が一応検討した上、審議会にはかって次の国会には、ぜひ出したいという私はもう気持ちでいま勉強さしています。そういうことになりますれば、いまあなたが言われたことと関連して非常に大きく前進すると思います。今後とも積極的にこの問題を進めてまいりたいと思っております。
#64
○春日正一君 この問題でどうしたら損害がなくなるか、不正がなくなるかということで私どもいろいろ議論を進めてみたのですが、ここをふさげここをふさげということで徹底的に取り締まりを強めていくということになりますと、生き残るのは大手だけ、小さいところはどうにもならぬということになりそうだ。そうなってはいけない。その意味で私は、消費者に損害を与えないことを考えると同時に、まじめな業者が十分やっていけるような配慮ということがあわせて考えられる必要があるだろうということから御質問したわけですけれども、この点は私どものほうでも今後勉強しますけれども、政府としてもやっていただきたいと思います。
 それから二番目に、契約内容の改善についてですね。現行法十四条の四というところで、売買等の契約時に交付する書面に記載すべき事項というものがいろいろこうきめてありますね、ここに。しかしそれが物件の引き渡しについてはどうなっておりますか。
#65
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃいましたように、現行法では第十四条の四、今回の改正では三十七条におきまして、書面の交付というものをいたしまして、その中に必要記載事項というものをちゃんと最小限のものを書いてございます。御承知のようにその中に先生の御質問の第四号「宅地又は建物の引渡しの時期」というものも書面を交付して明記するということになっておるわけでございます。各社の契約内容によりましていろいろの書き方があろうかと思いますけれども、引き渡し時期をはっきり書くところ、竣工時期を書いて竣工時期から代金を完済したときには所有権を移転する、所有権を移転すると同時に引き渡すというようなことも書いたり、いろいろあろうかと存じますけれども、そういうことにして、いずれにしろ引き渡し時期というものは明確にする必要があるわけでございます。
#66
○春日正一君 そのいずれにせよですけれども、ここでまあ法律の中では、はっきりと第四号「宅地又は建物の引渡しの時期」と、これを書面にして相手に交付しなければならぬということになっておるわけです。ところが、それがこの契約書に記載すると、法律の規定はそういうことを意味するものかどうなのかですね。
#67
○政府委員(高橋弘篤君) これは契約にあたりまして書面を交付する、遅滞なく契約が成立したときにおきましては、次に掲げる事項を記載した書面を交付しなければならないということでございまして、契約書に書く場合と契約書に添付した別の書面ということもあり得ますが、原則としては大体契約書に書くことが多かろうと存じます。
#68
○春日正一君 添付した別の書面ということになると、どういうことになるか知りませんけれども、私、契約書を幾つか取ってみたんですけれども、三井不動産の場合、これは支払い完了後すみやかに引き渡しを行なう、こう書いてある。金を払った後にすみやかに引き渡しを行なう。それから代金の支払い期日は、売り主の通知に従うということになっている。だからいつ引き渡すというのじゃなくて、売り主のほうがいつまでに金を払えと言ってきたらその金を払う。払ったらすみやかに渡すということですから、これは期日がないわけですよ。売り主はいつ通知するということをきめておるわけでないですから、この契約書には。そうしますと、ほんとうに売り主の一方的な都合でそれがやられるようになっている。これは三井不動産ですね。それから住友不動産株式会社、これのほうを見ますと、これは竣工の年月日は書いてあります、いつまでに竣工するという。ただし一ヵ月の猶予期間を設けてくれと、幅を。それから同時に手付、中間金、残金の支払い義務をきめてある。だから住友のほうがやや完全だろうと思うんですけれども、三井不動産ともあろうものが、とにかくこっちの言ったときに金を持ってくれば、受け取ったあとすみやかに引き渡すというような、全く売り主の一方的な契約という形になっているわけです。それから丸紅不動産の場合、例の問題になったドミ小石川の場合ですね。これには所有権移転後すみやかに引き渡しを行なう。所有権移転は代金全額支払いのときに行なう。代金支払い時は本物件完成通知後七日以内、こうなっているんですね。だからいつ完成するかわからぬ。とにかく完成したから金を払いなさいと言ってきて、それから七日以内ということになっているんですね。だからこの契約書というのは広告なんかとは違うわけですから、だからきちんとやはりいつ引き渡すというような期日を明記する必要があるんじゃないか、そう思うんですけれども、この点どうですか。
#69
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘のとおり、私ども全部の会社の契約内容を把握しているわけじゃございませんけれども、やはりはっきり引き渡し時期というものは、明確になるような形できめられてなければいけないと存ずるわけでございます。それが引き渡し時期が何月何日ということじゃなくても、竣工の日から何ヵ月以内とか、それからお金を払ったあとですぐ引き渡すということでもいいんですけれども、これは売り主がかってにできるような時期では困るわけでございまして、まあ消費者の側から見てはっきりした時期でなければいけないということは、御指摘のとおりでございます。三井不動産の場合、先生の御指摘ございましたのでいろいろ聞きますと、契約書にはございませんけれども、別の書面で主要事項の説明ということで書面を交付いたしておるようでございます。それから丸紅不動産につきましては、これは実は確かめておりませんけれども、やはりそういうようなことで、三十七条、現行法では十四条の四に照らしまして疑義のある点につきましては、これを早急に直させるというふうに私どもも指導してまいりたいと思う次第でございます。
#70
○春日正一君 まあ法律にもちゃんとあることですし、売り主と買い主が対等で契約するということにならぬと、これはぐあい悪いと思うんですよ。そこで、こういうふうな形で竣工または引き渡しの時期をきめたことにならぬような契約がされておる。一方で違約金のほうは、三井不動産は三割取る、それから住友不動産は二割取る、丸紅不動産が三割取るというようにきめておって、引き渡しの遅延については、違約金はいまみたいに期日をきめてないから、引き渡しの遅延については売り主のほうはちっとも責任を持たぬでいいんですよ。しかしこの支払いの遅延については、一方的に違約金を取られるという形になっているわけです。ここらの実情はやはり是正する必要があると思う。売り手側は、しかも大きな会社が一方的に売ってあげますというような態度で商売しているということが、非常にはっきりこれは出ていると思うんです。それからもう一つの問題は、ローンで取引する場合があるんですけれども、このローンが不成立の場合ですね、このときの処置を明記しろということがこの法律の十四条の四の九号ですね、「代金又は交換差金についての金銭の貸借のあっせんに関する定めがある場合においては、当該あっせんに係る金銭の貸借が成立しないときの措置」をはっきり書いておけということがきめてあるわけですけれども、しかし東京都のほうの実情を聞いてみますと、東京都では大手の場合にはこれは記載もされておるし、それから大体提携ローンでやっているものですから問題は少ない。しかし紹介ローンの場合ですね、これが不成立の場合の苦情が一番多いということになっておるんですけれども、建設省のほうとしてつかんでおいでになる実情はどうですか、このローンの不成立の場合のいろいろな問題について。
#71
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘の第一点の損害賠償の点についてでございます。これは御承知のように今回の法律におきましてはこれは二割以内ということに押えてございます。実情としましては、これはいろいろございまして、いま御指摘のように契約金額の三割を違約金とするという例もございますし、こういうものが相当多いわけでございます。それから二割以内というものもございます。したがって、今回の法律が成立いたしますと、二割以内ということに押えられるわけでございまして、それ以外の契約はこれは法律違反ということになるわけでございます。当然業者としてはこの契約は変えなければいけないということになります。
 それから第二点のローンの場合でございますが、先生の御指摘のとおり新しい法律の三十七条九号におきまして、そういうあっせんに関する定めがある場合におきまして、あっせんが成立したい場合の措置をはっきり書くことになっております。これにつきまして、数字で私ども把握いたしておりませんけれども、御指摘のとおり、そういう中小の業者で紹介ローンという程度のもののときには、この措置を書いてないという場合が多いようでございます。が、これを書くとしますと、成立しない場合におきましては、これは買い主のほうで契約が解除できるというふうなことを書くのが通常でございますが、例としましてはそういうふうに書いてない例が多い、相当あるようでございます。
#72
○春日正一君 まあ紹介ローンの場合ですね、業者が取引銀行を紹介して、買い主はそれを信用して当然そこから融資を受けられるものと思って売買の契約をする。ところが銀行の融資はワクが限られているものですから、ローンが成立しないという場合が多いようです。そうすると業者は、この銀行と買い手とのローンの交渉には、ただ紹介しただけでタッチせずにおいて、そうしてローンか成立しないから契約が履行できないということになると、それは買い主に責任があるということで、違約金を取るというような問題が出てきておる。そうして法律ではそのときにどうするかということをうたうことになっているけれども、その場合、業者が代替物件を用意するというようなことで、今度は非常に最初に契約したところと違った遠いところにこれがあるからそのかわりにというようなことでもってきて、そういうところではそれは困るからだめだということになると、それじゃ違約金を出せというようなことで、違約金を取られるというようなこともあるようです。だから、こういう例から見ますと、いまの規定だけでは不十分じゃないかというふうに思うのですけれども、この点どういうふうに建設省として考えていますか。
#73
○政府委員(高橋弘篤君) ただいまいろいろ御指摘のございました契約内容についてでございますが、先ほど申し上げておりますように、この法律の三十七条におきまして最小限度の必要な事項は記載するということになっております。もちろん契約内容はそれだけではございませんで、いろいろなことがございます。また、そういう必要記載事項につきましては、当然これは記載してなければ法律違反になりますから、十分是正の指導措置をとりたいと思います。同時に、この契約の内容事項の中で、御承知のように、いまの違約金の問題だとか担保責任の問題だとかいうこと、必要な事項、紛争の事例が起こる事例につきましては、こういうきめ方をしなさいということまで今回の法律で書きまして、契約内容の適正化をはかっておるわけでございます。が、御指摘のように、これだけではいろいろまだ足りない部分があろうかと思いますので、先生のおそらく御指摘の点は、もっと全般的にこういう契約内容の全般についていろいろ指導するなら標準的な約款をきめたらという御指摘ではないかと想像いたすわけでございますけれども、御承知のように、宅地建物の取引の内容は非常に複雑多様でございます。非常に簡単なものから、実際に大きな物件まで現実につくって前金を取って、それを売り渡すというものもございます。単に仲介業務というものもございます。いろいろございまして、これをなかなか一本のそういう標準的な約款というものをつくるのが、実際には困難な場合が多うございます。しかしながら、先生のただいまの御指摘のように、内容が非常にはっきりしないもの、また非常に的確な規定でないもの、消費者保護になっていないものというようなものがあるわけでございますので、ひとつこの点はそういうものにつきまして今後十分検討いたしまして、そういう種類別その他につくるという手もないわけじゃございませんだろうと思いますから、そういう点を研究させていただきまして、業者が模範とするような標準的な約款というものを、ひとつ私どもも十分考えまして、行政指導の指針とするというふうにしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
#74
○春日正一君 取引全般を抽象的に言っているのじゃなしに、いま言ったように、ローンがあっせんしたけれども成立しなかった場合と、そのときにそういうトラブルが起こっておるというような問題は、具体的にこういろいろ出ているわけですから、その場合にどうだ、こういう場合には買い主のほうに責任があるとか、こういう場合には責任がないとかいうようなことは、実際起こってきた例を調べてみれば出てくることだし、そういう点でそういうトラブルが起こらぬように、あるいは買い主のほうとしても事前に注意できるように周知させるということが親切なやり方じゃないかというように思うのです。
 そこでもう一つ、物件の特定の問題ですけれども、十四条の四の二号では土地建物を特定するための必要な表示をするということになっているわけでね。十四条の四の二号「当該宅地の所在、地番その他当該宅地を特定するために必要な表示又は当該建物の所在、種類、構造その他当該建物を特定するために必要な表示」、こうなっているわけですね。ところが青田売りの場合特定できないものがあるんじゃないか。はたしてそれが特定できるのかという問題があるんですけれども、その点どうですか。
#75
○政府委員(高橋弘篤君) 御承知のように、御指摘の条項につきましては、宅地の所在とか地番その他必要なものにつきましては、この表示をすることになっております。したがいまして、青田売りの場合におきましてはこれは特定する、そうして必要な表示をするということが必要でございます。
#76
○春日正一君 必要だけれども、法律上は分筆登記あるいは保存登記ということでなければ特定してこない。だから実際には青写真でも、ほかと区別ができれば特定されるということになると思うんだけれども、たとえば、こういう問題があるんですね。最近の問題としては、例の日建グループ、中央高層レジデンス、この場合には一部屋に三十六人も契約しておる。私も初めにどういうことなんだろうと思ったんですよ。一つの部屋に契約を三十六人もしたということですね。そうして一室五百三万円の値打ちのものを、三十六人で二千九百八十五万円の金がそこに出されておったというようなことで、これはだいぶ問題になって、新聞でも報道された問題ですけれども、ところが契約書では、そのマンションの何号室というところまでは入っていたというんですけれども、それが何分の一の権利になるかということは、はっきりしないままで払い込み金相当額とあるだけで、特定しなかったというんですね。しかも、こういうやり方も私ども考えればずいぶんひどいことをしたものだと思うのですけれども、それにもかかわらず、契約上の重大な違反はないというふうにされておるというんですけれども、これは契約の不備を示しておるんじゃないかと思うんですけれども、この問題についての建設省の見解を示してほしいと思います。
#77
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘の、いわゆる昨年の投資マンションの問題でございます。投資マンションにつきましては、いわゆる一口に三十万、五十万というようなものを出資いたしまして、そしてその共有持ち分というものを購入して、そうしてそれをまた再び業者が借りて、そうして賃貸料という名目で、これでお金を一割四分四厘くらいを払っていたという商法でございます。したがって、消費者といいますか、購入者の立場から見ても、これは物を買うというよりもむしろ投資をしておる、株を買っておるような投資をしておるというような感じのものであったわけでございます。したがいまして、むしろ宅建業法の意識というものが非常に少なかったということもあるわけでございますけれども、同時にいわゆる宅地建物取引業者の立場からいいましても、先生のおっしゃいましたように、マンションのその共有持ち分というものをはっきり購入者が取得する、その持ち分を契約書、書面で特定をしなかったということ及びその共有持ち分というものの所有権をちゃんと登記をしなかった、また重要事項の説明であなたの持ち分はこれですよ、この部分とこの部分だけですよということをはっきり示さなかったというところに、業者としての手落ちがあったわけでございまして、これはそれぞれの、現行法でいいますと第十四条の四だとか十四条の三だとか第十五条、第十八条というような条項にこれは該当するわけでございまして、そういう見地から、すでに御承知のように、投資マンションの商法を行なった業者につきましては、免許の取り消しを行なっているわけでございます。
#78
○春日正一君 いまのような商売ですね。私ども考えれば取引でもないわけですね。つまり部屋を買う。それを不当に高く売ったとか、安く売ったとかいう問題でもない。それから金融といっても、一般的にその会社に金を預けて、一定の利息をもらうということでもないわけですね。ある特定の部屋を、五百三万円のものを、三十六人の者が二千何百万円出して権利を持ったというような話ですから、これはほんとうに中身を知れば、だれもそんなことするわけもないと思うんですけれども、これはまともな商売、営業というもんじゃないでしょう、これ。それでもこういうものは、こういうふうに破綻して、間違いが起こらなければ、いわゆる投資マンションというような形のものは許されるんですか。
#79
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど御答弁申し上げましたように、業者といたしまして、そういう法律違反を犯しておるわけでございます。したがいまして、はっきりこの法律どうりにいろいろ規定を実行いたしますと、おそらくこういう商売は成り立たないんじゃないかと私ども考えるわけでございます。それから同時に消費者の立場から言いましても、どうも、ものを買って、自分が住むというよりも、お金を投資して、そしてその利子を得るというような感じの出資の受入、預かり金の法律に違反するような行為であったわけでございます。したがいまして、私どもはこの商法がどうということではなしに、この法律を十分守っておれば、これだけの数の者を購入者として集めることはできなかった。数が少ないならば、それは共有持ち分というものはできなかったわけではもちろんないわけでございますが、しかしながら、そういう商法はこういう場合に成り立たないのではないかと、こういうふうに考えているわけでございます。
#80
○春日正一君 不動産を買うという問題は、非常に金額も大きいし、また長期にわたって利害がある問題ですから、その場合土地につきましては、所在とか地盤、面積というだけではなくて、形質に加えて道路とか、近接宅地の利用状況というようなもの、つまりその土地の値打ちを規定する条件をやはり問題にすることが必要だし、建物の場合には美観、日照、通風、採光、公害など、建物としての効用の良否ということが周辺の環境のいかんということからも規定されてくるわけですから、こういうものも非常に重要な事項になると思うんですけれども、こういう点をやはり取引の上ではっきりさしていくというようなことが、一つ大事になってくるんではないかと思うんですが、建設省の考え方、どうですか。
#81
○政府委員(高橋弘篤君) すでに完成されました建築物、マンションならマンションを購入する場合におきましては、おそらく購入者はこれをよく現場を見まして、そして環境なり、交通の利便というものを考慮しながら契約を結んでいると思いますけれども、問題になりますのは、やはり未完成の工事の場合に、これはでき上がったときにどんな形のものであり、その周辺の街路、その他がどうなるかということがはっきりわからないわけでございます。したがいまして、そういう場合におきましては、十分完成されたあとの形状だとか、使用の材料はどんなものを使うか、また周辺の状況はどうなっているか、街路の状況はどうであるかということを詳細に、やはり説明をし、そしてそれを納得して契約を結ぶ必要があるわけでございます。したがいまして、三十五条の重要事項の説明の中におきましては、特にそういう項目を今回追加いたしまして、必要があれば図面をもってそういうことを十分に説明するということにいたしたわけでございます。そういうことによりまして、消費者保護の徹底を期しておる次第でございます。
#82
○春日正一君 青田買いの場合、買い主の契約したときの期待と、実際でき上がって受け取るときの物件との間に違いが生じて、いろいろ苦情が起こるということがあります。ところがいま私、ここにある契約書を見ますと、どれも工事の概要、物件の実態、こういうものがわかるようなものというのはないわけですね。これでは苦情があっても、買い主は結局それで契約してしまったんだということで泣き寝入りになってしまう。だから、こういう問題を避けるために、東京都でも意見を出しておりますし、全宅連なんかも、基本的な契約事項のひな形をきちっとつくるとか、標準契約約款というものをつくるということを要望しておるわけです。そしてまた青田売りについては、実際上は請負契約の性格を持っておるものですから、建設請負契約に準じて設計書とか仕様書、仕様明細というようなものを添えるようにする必要があるというふうにも言われておるんですけれども、この点についてはどういうふうに考えておりますか。
#83
○政府委員(高橋弘篤君) 購入者が青田売りの場合におきまして、業者といろいろ物件について契約をする場合におきまして、当初に、いま御説明申し上げましたように、完成時におけるいろんな形状その他を説明いたします。ところが、実際にはでき上がったものがそれと違うというものもままあろうかと存じます。そういうことにおきましては、受け取る場合におきまして、やはり十分チェックしまして、そうして違ったところがございましたら、契約不履行ということでこれを追及して、そうして損害が生じれば損害賠償を請求していくということになろうかと思います。おっしゃるとおりに、このいわゆる宅地建物取引業者の中でも、みずから不動産をつくってそうしてこれを売買するという業種につきましては、普通の取引業者と違いまして、それだけの社会的責任がやっぱりあろうかと存じます。しかしながら、そのものをつくり、そしてそれを質のいいものをつくり上げるということは、この宅地建物取引業法だけじゃなしに、建築基準法なり都市計画法なり、それぞれの法律によっていろいろ規制されておるわけでございまして、そういうものを十分にひとつ守らせるように指導してまいるということを、今後考えてまいりたいと思うわけでございます。同時に、先生の御指摘のような、詳細に、でき上がったときにはどういうものであるかという仕様書その他の詳細につきましては、できる限り先ほど申し上げました重要事項の説明の中でこれはつけ加えて説明させるというふうに指導してまいりたいと考えているわけでございます。
#84
○春日正一君 私の言っているのは、一つはそういう標準の、契約の標準の約款みたいなものをつくって、それで取引業者がやる場合、そういうものを基準にして契約書をつくり、そしてあとで問題が起こらぬようにするという意見が、業界のほうからも出ているし、東京都あたりからもそうしてほしいものだということが出ておるけれども、政府としてはそういうものを必要とするかどうかということをお聞きしているのが一つと、もう一つは、ついでですから言いますけれども、これ説明するときに、よく説明しろと言われても、説明は説明であって、問題起こったときには、この判こ押した契約書がものを言うわけですわ。だから自分の家を、マンションの一室にしろ、生涯の住みかをこしらえようという人が契約するわけですから、せめてこの設計書とか仕様書、そういう仕様の明細というようなものをつけて、受け取るときにそのとおり、約束どおりできているのかどうかということがわかるようにしておかなければ、大体買い手というものはしろうとですからね、だからこの家にしても、材料はこういうものを使って、ああしてこうしてこうやりますと言われたって、しろうとが聞いていれば、ばかにいいように思うんだけど、さて入ってみると、あの言ったのはこんなものだったのかということになってしまう。だからそういう意味で、ちゃんとこの設計書なり仕様書なりに、どういう材料を使ってどうするかということもちゃんと契約の中に、契約書に添付して、こういうものを取引するんだということをしたらどうだと、この二つのことを聞いてるんですよ。その点についての考えですね。
#85
○政府委員(高橋弘篤君) この点につきまして、先ほど御説明申し上げましたように、この法律におきましても、いろいろ、一応契約書の必要記載事項とか重要事項の説明事項できめておりますけれども、それだけでは確かに御指摘のとおりまだまだいろいろなものがございますので、そういう点について十分標準的な約款をつくる必要があるわけでございます。それは御指摘のとおりでございます。まあこの全般にわたりまして、先ほど申し上げましたように、多種多様なこの取引の約款を一本にまとめ上げるというのは、なかなかむずかしい問題であろうかと存じます。たとえばマンションならマンションだけでございましたなら、そういう定型的なものができるかと思いますけれども、すべてのことについてはなかなかむずかしいものでございますから、その点は十分ひとつ検討さしていただきまして、私どもも標準約款的なもの、業者が模範とすべきものをひとつ作成いたしまして、そしてその中には先生御指摘のような設計書の内容を十分に説明するとかというようなことも、ひとつ取り入れるようなことも検討いたしまして、そうしてそれを行政指導の指針といたしたいというふうに考えている次第でございます。
#86
○春日正一君 そこでまあ最後に政府のこの基本姿勢についてお聞きするのですけれども一、その前に、これはまあこの法律と直接関係するものではありませんけれども、例の西武鉄道が鎌倉で無許可の宅造をやって問題になったということがあるのですけれども、これはまあずいぶんひどいことをやったものだということで黙過できないような内容があるので、建設省としてその内容を御存じだったら概要説明していただきたいのですが。
#87
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御指摘の西武鉄道が鎌倉市及び逗子市におきまして宅造工事をやっているのでございますが、これがたまたま宅地造成等規制法の規制区域にかかっておりまして、その許可を受けてやることになっております。これはまあ許可をもちろん受けて行なっておるわけでございますけれども、この許可は四十一年五月二十六日に許可を受けておりますが、実際に工事をやる際に、その許可区域の隣接の許可をされていない区域にも六ヘクタールばかりこれが及んだという点でございます。許可を受けておる区域は六十二ヘクタールでございますけれども、その隣接の許可を受けてないところまで六ヘクタール宅造した。これは明らかに無許可のものでございます。この原因は、工事の許可を受けた区域内の宅造工事の土量不足のために、これをカバーするためにいろいろ土取りをしたのでございますが、その結果まあ結局宅造、宅地造成になったということでございます。これはもちろん無許可の宅造でございます。したがいまして、これを発見しましたので、直ちに法律に基づきまして昨年の十二月二十八日に工事停止を命じたのでございます。そうしまして、この西武鉄道に対しまして、この違反の是正について、これの万全を期するように指示をいたしたのでございます。その内容は、違法の宅造地域六ヘクタールは、これは隣接の地域でございますけれども、これはまあいわゆる家を建てる宅造の区域でなしに人工緑地ということにこれはする。それから同時に、この六ヘクタールの中には風致地区が四ヘクタールあったわけでございます。この四ヘクタールと同面積を、許可区域の中におきましても、これはペナルティーといたしまして四ヘクタール必ず緑地を確保するということについて指示をいたし、そういうことで西武鉄道もその点で変更をするということで行なっておるわけでございます。
#88
○春日正一君 西武といえばまあ宅造事業では大手で、ベテランです。何もかもみな知っているし、またそういう関係の専門家もみんな雇っているところです。そこで何でこういうことになりますか。善意でやったとは思われないのですね。その辺はどういうふうに考えていますか、建設省としては。
#89
○政府委員(高橋弘篤君) この西武鉄道につきましては、いま言われたような違反事実がございまして、具体的には土量不足のために隣接地から土取りをしてそうなったということでございますが、一般論で申し上げますと、大手業者がいろいろ違反を起こしている事実は、先ほど先生の御指摘のとおりいろいろございます。この点につきましては、原因もいろいろそれぞれの個別的な理由によって違うかと思いますけれども、やはりいわゆる宅地建物取引業者というものを、これを子会社にやらせるとか、また会社の一部分でこれをやるというものが多うございまして、したがって、担当の職員がなれていない、また法令上の知識も薄い、研修もまだされていないというようなことが相当多かろうと存じます。したがって、そういうことで違反が相当起こってくるというふうになるのじゃないか、というふうに想像いたしておる次第でございます。
#90
○春日正一君 いまの説明はちょっといただけないですよ。西武といえば特に鎌倉の宅造では最大の宅造ですね。私なんかも行って見ましたけれども、そうしてこの前もこの委員会で問題にしたのですが、六条地域の隣ですね、四条地区を馬淵組がやったみたいな形で、もう傍若無人に宅造と自然破壊というようなことをやっているのですね。これはいまの西武のそういう問題だけでなくて、先ほど言いました丸紅飯田の場合もそうですし、ほかにも千葉県船橋の分譲地の誇大広告で聴聞中の小松伊藤忠地所なんという大手の不祥事件というものが相当出ているわけですね。私はなぜこれを言うかというと、何か悪いことをするのは中小の業者だ、大手なら心配ないというように言われて、何か小さいものを取り締まれば悪いことはなくなるみたいに言われているけれども、そうではなくて、大きいものはもっとでかい規模で悪いことをしているのだということですね。だから、そういう意味ではやはり小さな業者だから悪いとか大きいからいいというものではないのだ。その点をはっきりさせてもらいたいと思ってこの例をあげたのですけれども、そこで、こういうことをなくすために法改正もやられるわけですし、私も先ほど来いろいろ問題を出したのですけれども、しかし、こういう問題が起こってくる根本には、やはり政府の住宅政策、これがやはり十分いっていない。たとえば自前建設で持ち家政策というようなことになれば、無理して借金しても家をつくらなければならぬということでそういう人が多くなるし、また、そういう人をつって、さっき言ったような、一部屋へ三十六人も人を集めるというようなことをしてみたり、あるいは金を先に青田売りで集めておいて、実際のものができないで被害が出ているというような事件も起こってくる。そういうことが起こるわけですけれども、それから土地投機なんかも非常に盛んに行なわれているけれども、適正な土地対策、そういうものがやられていないというようなところに、やはりこういう取引上のいろいろな不祥事の起こる根本の土台があるのじゃないだろうか。だから私ども、こうやって法律そのものを改正して、出てくるいろいろ問題を一つ一つ解決していくということも大事なことだと思うし、その意味は認めるのですけれども、やはり根本にある政府の住宅対策なり土地政策というようなものをもっともっと改善していく、そこに抜本的な問題があるのじゃないかという気がするのですけれども、その点についての大臣の考え方をお伺いして、私の質問をこれで終わります。
#91
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘になりました宅建業者のうちで規模の大小にかかわらず不当性は、厳重にこれは処分いたしま夢。ややもすれば、あなたの御指摘のように、中小が資本がないから悪いことをするのだという観念は相当広くありますけれども、必ずしもそうじゃない、こう考えております。
 それからこういうような事態が起こるのも、要するに政府の施策がなっておらないからだということは、私はいただけません。これは政府の責任もありますけれども、これは根本的には、もう春日さん十分御承知のように、土地問題に対する基本的な、抜本的な対策が今日まで政府がとろうとしてもとれなかったというところに問題があります。したがいまして、東京都において一番住宅問題が深刻でありますから、毎年のように全国の比率からしても一番多くの都の公営住宅の割り当てをいたしております。しかし、昭和四十三年は八八%繰り越している。だからもう一〇%よりやってない。それから四十四年は九〇%やってないです。さらに四十五年になりますともうほとんど、四%ぐらいより実行していない。これは美濃部君が結局シビルミニマムなどと言いながら住宅について何もやってない。しかし、ぼくは美濃部君だけを追及できない。なぜならば、それだけの土地を入手することができないからやれないということです。しかも、これは美濃部君本気にやるとすれば、住宅地に対する収用権発動ということも考えていいはずだけれども、それやると選挙に響くということでこれやらないということでますますやれない。そこで私は、御承知のようにいわゆるマスコミで根本構想なるものを出したのはそこなんです。あるいは政府等がこの土地問題を解決しなければ、住宅問題も都市の再開発も、それから人間的な生活が保障される都市生活ができなくなってくる。こういう事態において一つ一つの法律を現行の法体制のもとにあってやろうとしてもできないです、現実に。予算的にもできなければ行政的にも不可能なことをお互いにやって、これは政府が無策だとかあるいはどうだこうだと言うのは、これは愚かなことだ。そこで私は、憲法上国会が国権の最高機関である。しからば各政党とも、ここに抜本的な土地対策をやろうとするならば、先般の国有農地の払い下げの問題において例を示したごとくに、私は与党、野党を問わず合意する基本目的に立って協議をして、そうしてこれは議員立法で先買い権を三大都市圏について、いわゆる首都圏、中部圏、近畿圏については国もしくは地方自治体の知事に先買い権の特権を与えるべきだと、そうしてその場合においては、現金で都道府県で出すこともなかなかできないから交付公債を出す権限を与えて、それについて今度は利子補給等適当なる財政金融上の援助をお願いすると、こういう立法をすればこれは一気に解決できるということで提案している次第でございまして、幸いに衆議院の建設委員会でも各党ともこれは積極的にやろうではないかというような状態にもなり、また先般の衆議院における例の自動車新税に関連して連合審査のあったときに、基本的にはこれについては大蔵大臣も賛成であって、前向きに検討しようということになりましたので、むしろ今度ここに私は皆さんとともに十分に事前に話をしてやっていきたい。一部では、そこまでいったらもう政府立法してもいいんじゃないかという議論もありますけれども、私はあえてこれをなるべくは避けたいというのは、どうしても今日までの状況から見ると、野党の方々は政府が出す提案についてどうしても議会で抵抗しなければ議会政治じゃないと、政党政治じゃないというような動きになりがちでもあるし、また政府もまた一たん出した以上は是が非でも通すなどということになるから、そこに要ら、ざる摩擦を起こすよりも、むしろ提案するよりも、前に与野党が話をして最大公約数でこれは持っていくということが、私は国民の期待するゆえんじゃないか、こう思ってその点をいま一生懸命に勉強しておるところでありまするから、何とぞこれらの点をも御勘案の上、共産党においてもこの方針に御協力賜われば、非常に幸いだと考えておる次第でございます。
#92
○春日正一君 もう一つ。それ突っぱねられたのじゃ美濃部君がかわいそうだ。その大臣の言った数字で選挙やりまして、自民党がそういうビラを出しまして一〇%しか建てなかったと、五百何十戸だと、六百月しか建てなかったというビラを出した。ところが実際東京都がやっているのは前年からの繰り越しも建っていますから実際にはたくさん建っておるんですよ。それで信用を失って泰野さんの票も相当減ったんだろうと思うんですよ。だからその点では確かに土地の入手が困難だし、東京の場合、建設省がまあ配分しただけの戸数をスムーズにこなしていけなかったという事情もありますけれども、まあそれほど八〇%、九〇%ずつ毎年もうできなくて、まるきりできなかったんじゃないということを、そこをはっきりしておかぬと、誤解が生まれて言うほうも信用をなくしますから、だからそこをはっきりさしておいたほうがいいと思います。それからやはりいま大臣の言ったように、土地問題に関するこの間の提言ですか、あれは検討すべきいろいろ問題あると思うけれども、私どもも検討に値する考えだというふうには思っております。そこで、そういう点はいま言われたような形でこれからも詰めていく必要があると思いますけれども、やはり同時に、いままで私どもがここで議論してきたけれども、住宅政策というようなものの中で持ち家偏重というものがあるんじゃないかということは、これ野党全体が批判している問題ですね。いままでの住宅計画の比重六対四を四対六に変えたらどうだというようなことは、最低限の問題としても出されておるし、だからそういう意味で、やはり住宅をもっと大量に政府、公共団体で提供する問題とか、あるいは土地の問題にしても、まあいま言ったような根本的な解決の方法も講じなければなりませんけれども、それではいまはできるだけのことがやられておるのかといえば、やはりそう言い切っちまうわけにもいかぬだろうと思うし、そういう点ではやはり政府としてもこういう問題を出してこの法律改正する、政府が出すととかく反対すると言うけれども、これは賛成しているでしょうし、各党全部、共産党まで賛成しているのだから、だからそういう点では土地の問題を政府案としてすぐ出せというような私たちの言い方じゃないが、各党もっと検討する必要あると思うけれども、だからそういう意味で、政府としてもやはりこの問題の根本の問題について考えてほしいと私言っているんだから、そう戦闘的にばあんと突っぱねるような返事じゃ困るんですね。ここで返事は要りませんけれども。
#93
○二宮文造君 前回あるいは今朝来各委員から提案の二法案についてあらゆる角度から質疑がございました。私も重複をなるべく避けながら問題点をお伺いをしてまいりたい、このように思うわけです。
 最初にお伺いをしたいのは、けさほど松本委員からも若干質疑があったわけですが、宅地建物取引業法、要するに現行法の第二条に宅地の用語の定義がきめられております。「建物の敷地に供せられる土地をいい、都市計画法第八条第一項第一号の用途地域内のその他の土地で、道路、公園、河川その他政令で定める公共の用に供する施設の用に供せられているもの以外のものを含むものとする。」と、こういうようにはっきりといわゆる宅地建物取引業法における宅地というのはこうだと、こういうふうに定義がされております。しかしけさほど松本委員から質問がありましたときに、要するにこの取引の範囲というのは不動産というふうにしたほうがいいじゃないか、このように宅地を限定すると要するに用途地域内に限定をされると、それ以外の土地というものに網がかぶせられなくなってしまうじゃないかというふうな趣旨の質問がありまして、そのときに局長のほうから、要するに宅地というのは建物の用に供されるものだと、それは主として用途地域内にあって、この用途地域内のものは遠からず宅地化されるのだと、だから網をかぶせたと、用途地域外は直ちに宅地化されるものではない。大部分が山林、原野として残る。そういうことで宅地というものはこのように限定をしたと、こういう趣旨の答弁があったわけです。しかし、いまの不動産の取引、開発地域なんかを見てみますと、あながち局長が答弁されたように、大部分が山林、原野として残るという答弁の裏返しになるわけですが、特定の地域が、特定の山林とか、原野が開発地域として何といいますか、開発をされていく。そこにまか不動産取引の上でのいろいろなトラブルが出てぐる。こういうことも逆に私どもは考えるわけです。むしろそういう山林とか、原野とかいうものを野放しにしておかないほうが法の趣旨からはいいんじゃないか、こう考えるんですが、この点はどうでしょう。
#94
○政府委員(高橋弘篤君) 宅地建物取引業法にいいますところの宅地建物の定義につきましては、先生の御指摘のとおりでございます。また、先ほどの私から御答弁申し上げたとおりでございますけれども、用途地域内におきましては、もう一度申し上げますけれども、宅地化されるということは予定されておる地域でございますので、これは三十九年の改正で入ったわけでございますけれども、用途地域外におきましては、もう一度申し上げますと、これもすべて近い将来に宅地化されるものではないわけでございますので、入れてないわけでございます。しかし、先生のおっしゃいましたとおりに、用途地域外の農地とか山林でございましても、宅地と建物の敷地に供する目的を持ってこれが取引されるというものは、これは本法でいいます宅地に入るわけでございます。したがいまして、そういう場所におきまして農地だとか山林の売買が行なわれますときに、周辺の状況、周囲のいろいろの整備の状況からいたしまして、これが宅地化されるというようなことが認められるものにおきましては、これは宅地として取り扱うということになるわけでございます。つまり建物の用に供するというのは、現に供されているだけではなしに、供される予定の土地というものもこれは対象となるわけでございます。したがいまして、そういうものも周辺の状況、これは個別的、具体的にきまるわけでございますけれども、そういうものが客観的に認められるものにつきましては対象となるわけでございます。そういうもの及び用途地域内というような非常に宅地建物の取引がりっぱに行なわれる、それの多い地域というものに限定をしまして、その場所におきまして十分にひとつ集中的に、強力に規制を加え、また指導したほうがいいんではないかということで、現行どおりに不動産の範囲をいたしておる次第でございます。
#95
○二宮文造君 ちょっと私、法律用語というのは詳しくないんで、何かペテンにかけられた感じがするんですが、いまの局長の答弁によりますと、建物の敷地に供される土地、これできめるのですか。それはすなわちこうですよ、用途地域内ですよという用語の定義じゃないんですか。いまの答弁を聞いておりますと、用途地域外にあってもそれが建物の用に供される場合には、この業法のあれを受ける、こういうことなんですか。
#96
○政府委員(高橋弘篤君) 結論から申し上げますと、先生のいまの言われたとおりでございまして、これは建物の敷地に供される土地をいうということは、これは用途地域内外を問わずというわけでございます。そして後段におきましてこの用途地域内の土地でこういうものも含むというふうに法律は書いているわけでございます。
#97
○二宮文造君 そうしますと、けさほどの用途地域外についての松本委員の質問に対する局長の答弁はちょっと舌足らずでしたね。ということは、用途地域内としているのは、これは遠からず宅地化されるからそうしてありますと、用途地域外は直ちに宅地化されるものではないし、大部分は山林、原野として残る。だから、やっぱりそういう局長の答弁から判断すると、宅地というのは用途地域内なんだと、こういうふうに私ども受け取ったわけです。ところが、いまの御答弁によりますと、宅地化されるものは用途地域以内であると以外であろうと一切含むんだ、こういうように理解していいわけですね。これは確認です。
#98
○政府委員(高橋弘篤君) 午前中にも申し上げましたのは、御質問がそういう用途地域外についてすべてというお話でございましたので、大部分はそのまま残るということで申し上げたわけでございまして、あのとき申し上げましたように、用途地域外におきましては、建物の敷地の用に供される目的を持って、また、周囲の状況からそういう判断をされるものは対象になるというふうに申し上げたわけでございます。
#99
○二宮文造君 そうしますと、具体的に、確かに用途地域外だったと思うのですが、鹿島の臨海工業地帯あるいはいま大きく開発が予定されておりますむつ小川原地域大規模工業開発区域、こういうところはいわゆる宅地あるいは工業用地、こういうものにいわゆる用途地域的なそういう性格を帯びた開発になってくるわけですが、そういうところの取引というのは、すべてこの業法に縛られていくと、こう考えてよろしいんですか。
#100
○政府委員(高橋弘篤君) これは具体的な対象の場所によって、その周囲の状況によって違うわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、そういう周囲の状況、周辺のいろんな状況からいたしまして、たとえば区画街路がすでにできているとか、宅地の区画割りができているとか、その他そういうような状況がありまして、その中の農地だとか山林というものにつきまして、たとえば一番いい例は介在農地みたいなものでございますけれども、そういうのはもう宅地化される意図というものははっきりいたしておりますから、そういうものの売買については対象になる、というふうに解釈いたしておるわけでございます。
#101
○二宮文造君 私ども、やっぱり宅地建物取引業法というそういう名称よりも、不動産売買業とか不動産取引業とか、そういうふうに変えたほうがいまの場合も適切ではないだろうか、こういう意見を持っておりますが、これはまあ意見にしておきます。
 それで問題の新しい売買の方式というので世間をにぎわしました、たしか三月の予算委員会でもわが党の黒柳委員から質問が展開されておったんですが、鹿島の臨海工業地帯、ここでいわゆる念書売買という新たな取引が行なわれている、形態が行なわれている。全般的な問題としまして、開発用の土地の取得について鹿島方式といわれるやり方がある、こういうふうにいわれておりますけれども、この鹿島方式というのはどういうやり方なのか、経企庁のほうから説明を願いたいと思う。
#102
○政府委員(岡部保君) お答え申し上げます。
 ただいま鹿島におきましての臨海工業地帯を開発するための用地取得の方式を鹿島方式とおっしゃったと存じますけれども、開発計画の区域内の地主さんから用地の提供を受けまして、その用地の面積の四割の土地については、これは買収をいたします。残りの六割の土地については別途造成いたしました農業用のかえ地、代替地などによって地主さんに還元いたします。それで先ほど申しましたその四割の土地につきましての買収、それから六割の土地のは他の代替地で提供するということによりまして、入手いたしました土地につきまして公共用地でありますとか、あるいは港湾とか、道路とかの公共施設の用地に充てていくという考え方が、この鹿島方式と呼ばれているものでございます。
#103
○二宮文造君 いわゆる代林地の総面積というものはどのくらいですか。
#104
○政府委員(岡部保君) 農業用に代替用地として考えておりますこれは、計画といたしまして約千七百ヘクタール程度でございます。現実に四十五年度末の造成見込みが約千百ヘクタール程度であるということを伺っております。
#105
○二宮文造君 その配分方法というのはどういう考えですか、具体的な配分の手続ですが。
#106
○政府委員(岡部保君) まことに申しわけございませんが、具体的なその配分方法というのは、私具体的にどういうふうにしておるということを存じておりません。これは県当局で一切やっておりますので、まことに申しわけありませんが、承知しておりません。
#107
○二宮文造君 いえいえ、ここには鹿島臨海工業開発組合というのが設置されているわけでしょう。その開発組合が主体的に代替地の配分をすることになっていると思うのです。そのいわゆる配分の機構、どういうように配分されているかという、その機構を説明願いたいわけです。
#108
○政府委員(岡部保君) ただいま御指摘ございましたように、茨城県とそれから地元三町村からなります鹿島臨海工業地帯開発組合という一部事務組合が設立されておりまして、ここで用地の取得管理及び処分に当たっておるわけでございます。この機構といたしましては、先ほど申しましたまず買収の問題でございますが、買収につきましては契約金額の約一割と、それから端数の代金などを現金で支払いまして、残額は交付公債で支払うというたてまえと伺っております。それから組合の事務経費の負担でございますが、これは県が九割、町村が約一割を負担いたしまして、この事務組合が成立しておるということを伺っております。なお、大体この組合として用地買収あるいは補償等のその他いろいろの金利、事務費等ございますが、大体この計画としては八百億余りの事業をもってこれを実施するという考えであると聞いております。
#109
○二宮文造君 要するに現在の農地あるいは土地の所有者と県との間に念書がかわされるのですか、開発組合との間に念書がかわされるのですか。それから、今度は配分通知書はどこが発行するのですか。その辺のところが聞きたい。
#110
○政府委員(高橋弘篤君) 企画庁のほうの御専門でございますけれども、私の承知しておるところを簡単に申し上げますと、先生の御質問のところは、いま企画庁からも御説明ございましたように、この鹿島方式の特色としまして、県とそれから地元の三町が一緒になって先生のおっしゃった組合ができております。したがいましてその組合から念書とか、配分通知書が発行されておるようであります。
#111
○二宮文造君 これはまあ一種の権利証ですね。いわゆる登記されてない権利証みたいなものだと私は承知をするわけですが、問題はこの念書や配分通知書が二転三転人手に渡って売買を構成する要件になっているわけですね。こういう売買がなされた場合に、いわゆる念書で売買されていくということになりますと、いわゆる登記は全然ありません。そうすると、まん中で二転三転四転としているうちに譲渡所得というものはどういうふうに把握をされるのか。譲渡所得はこの場合どういうように把握されていますか。
#112
○説明員(大石幸一君) 念書が売買されますと、
 これはいま先生おっしゃいましたように譲渡所得、あるいはこれが個人の不動産屋さんから売買されていきます場合には、事業所得という課税の問題が生じてまいります。いま先生おっしゃいましたように、転々いたします場合になかなかむずかしいものがございますけれども、実際に代替地を念書をもってもらう。その場合に、その方から漸次遡及してまいりましてその関係者を調査をするということで、それぞれの段階において生じた所得に対して課税漏れのないように現在やっておるわけでございます。
#113
○二宮文造君 ちょっと具体的な質問になりますけれども、地元の税務署で申告にあたって不動産業者の中でこの申告漏れがあったと、大体二十三ぐらい該当者がいたというふうな見込みで重点的な調査を行なったように聞いておりますけれども、調査の実績というのはどうなんですか。掌握できましたか。
#114
○説明員(大石幸一君) 現在、これは関東信越国税局管内の税務署でございますけれども、いま先生おっしゃいましたように、管内の二十三のものについて調査いたしました。その結果によりますと、これらのものが申告いたしておりましたのが所得で一億千六百万円でございましたけれども、これを調査いたしましたところ、実際は三億三千二百万円、約二億一千六百万円が申告が漏れておった、かような結果になっております。
#115
○二宮文造君 そこで計画局長、こういう念書売買ですね。さっきの不動産取引の範囲とまた関連してくるわけですが、要するに、これは地元の不動産業者の事業所得としてやっていったわけですね。税務署としてはそれを申告漏れで取っていったわけです。ですから、こういう念書売買について、改正される宅建業法上はどういう取り扱いをされるわけですか。
#116
○政府委員(高橋弘篤君) 念書につきましては、御承知のように、県の承認がありますと、認められますとこれは売買できるということでございまして、仰せのとおり、念書につきましても不動産業者が一部これを買った、名義を書きかえたというものがあるようでございます。しかしながら、この問題となっております念書というのは、一定の面積の土地を売り渡す旨の記載があるわけでございます。しかし、その売り渡す土地がどこであるか、またその価格が幾らであるか、そういうことを特定する記載は何もないわけでございます。したがいまして、土地の売買契約というものの要件というものをこれは欠いておると見ざるを得ないわけでございます。したがいまして、この念書というものの売買は、後日売り渡す土地だ、その際にまた売り渡し価格というものもきめて、一定の面積の土地の売買契約の締結を相手が認める、つまり売買契約の当事者にそのときなり得るという内容の地位の有償譲渡である、地位を有償譲渡したというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、宅地建物取引業法でいいますところの宅地、その宅地の売買というものにはこれは該当しないというふうに私ども考えておる次第でございます。
#117
○二宮文造君 そうすると、やはりこの念書売買というのは、何といいますか、非常に不安定な売買になるわけですがね。しかしこれが便利だということになりますと、今後こういうケースを使っていく心配も私ども出るわけです。新たにまたトラブルの原因になってくるんじゃないか、こうも考えるわけです。そこで、やっぱり何か網をかける必要があるんではないかと、このようにも考えるわけですが、次に免許制度の問題についてお伺いをしたいわけですが、これも高山委員のほうから先ほど指摘がございました。要するに、不動産取引業務の免許の種類を三つぐらいに分類したほうがよろしいんではないか。不動産仲介業あるいは不動産売買業ないしは不動産開発業、こういうふうに三種類に分類したほうが適当であるという答申もあるんだから、この点は考えたらどうだろうかという議論が先ほどございました。それで、若干その点のやりとりもございまして、私もほぼ了解をしたわけですが、問題は不動産開発業という、まあ何といいますか、ことばが適当かどうかわかりませんけれども、今後開発というのが非常に大きなウエートを占めてくるわけです。この不動産開発について現在の宅建業法では何ら触れてないとしますと、今後の規制の方針とか、あるいは行政指導のあり方とかいうものが問題になってくるんじゃないかと思うんですが、その辺の方向はどうなさるのか、まずお伺いしたい。
#118
○政府委員(高橋弘篤君) 御質問のいわゆる不動産開発業につきましては、これは私ども先ほど申し上げましたように、新たにみずから不動産というものをつくり上げて、そしてこれを消費者に売るという意味におきまして、普通のいわゆる宅地建物取引業者と違う社会的責任もあるということから、開発業というものが一つ成り立つんではないかというふうに考えておりまして、また、答申でもそういう考え方の答申が出ておったのでございます。この場合に、消費者保護の立場から問題になりますのは二点ございまして、一点はやはり良質の建物とか宅地をつくり上げる、そして消費者にいいものを売るという質の問題、それからもう一つは、やはり普通の仲介業、売買業よりも相当多額の大きな建物なり土地を自分でつくり上げて売るという意味で、多額の物件を取り扱うということで、取引上のいろいろ損失のあった場合に、これを消費者保護の見地からどうするかという問題、この二点があろうかと存じます。
 第一点の質の点につきましては、御承知の本法は、これはいわゆる宅地建物取引についてのいろんな規制、物理的な取引ということを規制している法律でございまして、質の問題につきましては、御承知のように、建築基準法なり都市計画法なり、その他の質の基準を守り、よくするという法律がございますので、その法律で今後基準を守って良質のものをつくり上げて、そして消費者にこれを売り渡すということを考えるべきでございますし、また第二点の相当多額なものを取り扱うと、したがってこの消費者保護の立場からそういうものについて損失があった場合にどうするかという問題につきましては、一つには本法の今回の改正におきましても、御承知の、みずからマンションをつくってこれを売り渡すという場合には前金を取る慣例が多うございます。また、青田売りという慣例もあるわけでございます。したがいましてこの点につきましては、前金の保全措置というものを講じて、もしもの場合には前金を保全できる措置を講ずる。また契約時期につきましても、開発許可も建築確認も何も受けないうちにこれを売るということでなしに、契約の時期を制限する、広告の時期を制限するということにいたしまして、消費者保護をはかったわけでございます。が、根本問題としては先ほどから申し上げております、また大臣からもたびたび答弁がございましたように、取引上の損失補てんという場合に、多額な不動産を取り扱う開発業というものの責任は相当重要でございます。これはやはり営業保証金を含めまして抜本的に取引に伴うところの損失補てん制度というものを考える必要があろうかと存じまして、これはひとつ十分私どもに勉強さしていただきまして、また先生方の御指導を得ましていいものをつくり上げて、真の消費者保護の徹底をはかりたいと考えておる次第でございます。
#119
○二宮文造君 そうすると、いまの御答弁を聞きますと、結局不動産開発というものは、消費者保護の立場から、あるいはまたそれは大規模だということが想像されるところから、別途法の規制と
 いうものを考えていくという趣旨のものでございますね。そうでしょう。
#120
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま御答弁申し上げましたように、質の向上、基準の確保という問題はそれぞれの法律で現在ございます。またそれをもっと徹底させるためには、それぞれの法律でまた検討いたすということと、それからもう一つは、いまの取引上についてもいろんな消費者保護の見地からの対策は十分今後検討さしていただきまして、早急に結論を出したいというふうに考えているわけでございます。
#121
○二宮文造君 それから次に、問題の起こるたびに宅建業者の経営の健全性の確立ということが問題になってまいります。そこで営業保証金の問題が出てまいりますが、この点についてはけさほども質問がございましたので、また先ほども春日委員からその点の質問もございました。ただ問題は、保証制度、それから保険制度の創設について早急に検討する必要があると、こういうふうに答申にも要望されておりますが、この保証制度、保険制度の創設というものが、大体目安はいつごろまでに検討されていくおつもりでしょうか、その点一点だけお伺いしておきたいのです。
#122
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたように、今後の取引上の損失補てん制度の根本的な検討ということを、早急に私どももいたす必要がございます。したがって現在いろんな案というものが出されておりますので、そういうものをたたき台にし、また外国の制度も十分研究いたしまして、早急にひとつこれを住宅宅地審議会に諮問いたしまして結論を早くいただいて、私どもとしてこれを制度化するということにつとめたいと存じている次第でございます。
#123
○二宮文造君 次に、取引主任者制度についてお伺いしたいのですが、現在取引主任者というものはどれくらいいて、その分布状況というものは一体どうなっているんでしょうか。
#124
○政府委員(高橋弘篤君) 現在、四十五年で取引主任者は十九万九千五百七十八人いるわけでございます。分布状況とおっしゃる意味がわかりませんが、各県にどのくらいいるかというお尋ねでございますならば、東京にその中で五万五千六百九十五人、大阪に二万二千五百十三人、その他の県にそれぞれ数千人から少ないところで数百人というものがございます。
#125
○二宮文造君 そこで、この取引主任者というのは、非常に重要な立場を持ってくるわけでございますけれども、従来、不動産取引の専門技術者、こういう要請も非常に高まってまいっておりまして、世間では、現在の試験制度のもとではまだ不本意じゃなかろうか。むしろ内容を高度化して、国家試験にして、その名称を不動産取引上ぐらいに格上げをすべきではないか、そのほうがよろしいんではないかという意見もあるようですけれども、この点はどう考えられますか。
#126
○政府委員(高橋弘篤君) 不動産取引主任制度を、従来からあったのを今回御承知のように消費者保護の見地からこの職務権限というものを明確にして、そうして取引の正確を期するということにいたしたのでございます。したがいまして、この主任制度というものが今後重要になってくるの御質問だろうと存じますけれども、やはり一番の契約の主体なり責任者というのは主たる取引業者でございます。取引主任者は、そういう一定の専門的な知識というものを持って、そして業者を補助する立場の者でございます。いまの試験制度というものについて、国家試験ではどうかという御質問でございましたけれども、ただいまでは都道府県で御承知のように試験をいたしておりますけれども、国のほうでいろんな基準なりその他を指導してこれをやっている次第でございまして、受験者は相当の数にこれはのぼるものでございまして、国で一度にやるということも事実非常にむずかしゅうございます。しかしながら、この国家試験という意味がこういう法律に基づいてやるという意味でございましたら、現在いろいろ国家試験のいろんな要覧みたいなものが書店に出ていますけれども、その中ではいわゆる国家試験ということになっております。しかしながら、先生のおっしゃるのは、国で直接やったらという御質問に関しましては、相当多数のものでございますので、やはり私ども現在のように建設省基準をつくり、また指導して都道府県でやることが妥当であろうかと存じます。
 また、不動産取引士というようなことを考えたらという御質問でございますけれども、これにつきましても先ほど申し上げましたように、業者のこれはまあ補助的な仕事をいたしまして、一定の知識、専門の知識を持って業に当たるものでございまして、弁護士だとか不動産鑑定士というようなものと違いまして、それ自体独立して、そして仕事を遂行するというものでは必ずしもないものでございます。したがいまして、取引主任者という従来どおりの名称になっております。今後も十分ひとつ情勢を考えながら検討させていただきたいと思う次第でございます。
#127
○二宮文造君 改正案で、取引主任者について登録制度というものを設けることにしておりますが、そのメリットはどこにありますか。
#128
○政府委員(高橋弘篤君) 現在におきましては、取引主任者という制度があるだけで、具体的な規定は何も、実は試験制度以外にはなかったわけでございますが、さっき申し上げたように、今回は職務の権限をはっきりさせた。それに伴いまして今回登録制度を設けたわけでございますけれども、この業務に従事するという、つまり一定の人的要件というものがやはり必要になってきます。したがって、この登録制度というものを設けまして、チェックいたしまして、そうして取引主任者としての一定の資質というものを確保し、そしてまた欠格要件に該当しないということを確認する、そういうことによって消費者の保護をはかろうという意味で登録制度を設けた次第でございます。
#129
○二宮文造君 そうしますと、取引主任者という制度がより法の運用に何といいますか、あずかって力があるということになりますと、取引責任者と、それから資格を有しない一般業務に従事する者、この間の比率というのはある程度きめておいていいんじゃないかと思うのですが、現行法では何ら触れていない。また法人の場合にはその役員は一名は取引主任者でなきゃならぬと、こういうような規制もしてよろしいのではないかと、こう思うんです。その辺については全然触れていない。ただ登録をしてやっていくだけなんですが、この点はどうでしょうか。むしろ比率を明確にして、まず取引主任者一名について一般業務に従事する者は五人だ、あるいは法人の場合は役員の一人は取引主任者でなきゃならぬ、こういうふうにしておいたほうがよろしいのじゃないかと思うのですが、この点はどうですか。
#130
○政府委員(高橋弘篤君) 取引主任者は、御承知のように事務所ごとに一名以上専任の者を置くことになっております。そうして、職務、権限というのもはっきり法律で明記されておりますので、主任者がみずから行なう業務というのははっきりいたしておるわけでございます。したがいまして、先生おっしゃるような議論も実はあるわけでございますけれども、むしろ私ども考えるのは、その宅地、建物取引業のその業者の業務量に応じてやはりこの取引主任者の数というものはきまるのではないかというふうに考えておるわけでございます。従業員の数には必ずしも比例しない。むしろ業務がどのくらいあるか。つまり業務というのは取引件数という問題もございますし、また一件ごとの内容の複雑さという内容の質の問題もございます。そういうものも合わせて業務量に応じて取引主任者がこれは設置される。そうしてその業務量に応じて主任者がみずから仕事を行なうということでございまして、これを何人にするかということは、法律できめた以上これは経営者がやはりその業務に応じて仕事の増加とか減少に応じて数をきめるということが適切であろうかと存じます。また、役員の中で取引主任者を設けたらということでございますけれども、役員の中にはもちろん主任者がいてもこれはけっこうでございますけれども、経営の問題と取引主任者の職分の問題とは違うわけでございますので、これが一応役員の中に必ず一人主任者ということにきめたわけではございません。もちろんこれはいてもけっこうでございますけれども、結びつきは必ずしも法律上はないということで、あえて規定いたさなかった次第でございます。
#131
○二宮文造君 そこで、たとえば経営者が免許を取り消されるような事態を引き起こした場合、いわゆる経営者を補助すべき役割りにあった取引主任者の責任というのはどうなりますか。
#132
○政府委員(高橋弘篤君) 業者が免許を取り消されるというようなことがございましたときに、その業者が取り消される理由というものの中に、取引主任者の責任であるという場合には、もちろん取引主任者はやはり処分をされるわけでございます。しかしながら、取引主任者の責任に属しないようなことについて、つまり取引主任者の職務権限というのははっきり明確にされておりますが、それ以外のことで業者が不正行為をして免許を取り消されたという場合におきまして、直ちに取引主任者を同時に罰するということはこれは責任関係、因果関係からいたしまして、必ずしも適当でないというふうに考えておるわけでございます。
#133
○二宮文造君 それから、次に名義貸しの禁止規定の新設についてお伺いしたいのですが、現行におきましても、その名義を借りた者については無免許営業として取り締まりができることになっております。また、貸したほうにつきましても不正不当行為として取り締まれるようになっていると思うのですが、にもかかわらず新たに名義貸しの禁止規定というものを設けた意図はどこにあるのですか。
#134
○政府委員(高橋弘篤君) 仰せのとおり現行法におきましても、名前を借りたほうは、これは免許を受けていないわけでありますから無免許営業ということになります。貸したほうも不正行為ということで処分されるわけでございますけれども、名義貸しというのは、これは免許制度の根本をくつがえす重大な問題でございます。したがいまして、そういうものについて新たに規定を設けたのでございますけれども、これを今回明文で禁止することに伴いまして、罰則がこれは設けられておるわけでございます。これは無免許営業と同じ一番重い罰則、三年以下の懲役または三十万以下の罰金という一番重い罰則がついて、これは無免許営業と同様のものになっておる次第でございます。
#135
○二宮文造君 それから契約内容のことで、この点につきましては、先ほど春日委員から前金の保全措置とか、あるいはその建物の引渡し時期の契約とか、そういうもの、具体的に質問がありましたんですが、そのときに契約内容の問題で、局長は標準約款、そういうもので――われわれもそう思います。標準約款をつくって、そうして違約金の問題だとか、あるいは引き渡し時期の問題だとか、そういうものも明記するようにしていただいたほうがいいんじゃないかと、こう思います。それが消費者保護の立場につながると思いますが、標準約款を義務づけるものは、この現在の宅建業法であるんでしょうか。行政指導としては考えられますが、これを守らなければならぬと義務づける規定はあるんでしょうか、どうでしょうか。
#136
○政府委員(高橋弘篤君) 標準約款につきましては、先ほど御説明いたしましたように、契約内容の全般についてその模範とすべきものを記載するということで、今後検討さしていただきたいわけでございます。が、この法律の中におきましては、特に問題を起こしやすい点について、まず三十七条におきまして、先ほど春日先生にもお答え申し上げました、書面の中で必ず記載しなければいけない事項というものを明記いたしておるということと、そしてもう一つは、その契約内容の中で、いろいろ適正化をはかるという意味の内容の違約金の規定だとか、瑕疵担保の責任の問題だとか、その他を規定いたして、その規定する場合にはこういう範囲でなければならないというものを書いておりますので、そういうものについてはこれは規制できるわけでございますけれども、その他のものにつきましては、これはあくまで行政指導ということにありますけれども、もしも、今後の社会情勢に応じまして、いろいろ紛争事件が起こって、特にまた法律で明記をしなければいけないという事項ができましたときには、これは法律にぜひそういうことで書きたいというふうに考えておる次第でございます。
#137
○二宮文造君 宅地建物の取引にあたってしばしば問題になるのが、いわゆる広告の不当表示の問題です。これはしばしば問題になります。私どもも町を通ってみまして、業者の事務所のところに非常にたくさん物件が表示されております。家をさがしている人なんかに聞くと――これはまあ業者の方からは、非常に何といいますか、無責任な発言じゃないかというおしかりがあるかもわかりませんけれども、いい物件はたいていがもうすでに取引済みであったり、おとりであったりというふうな不満を漏らしている利用者もいるわけですね。そこで、この宅地建物の取引にあたって、広告の問題というのは非常に大事な問題になってくると思うんですが、公取では、不動産の関係のそういう広告とかあるいは不当表示とか、そういう問題についての執行体制というのは一体どうなっているんでしょうか。
#138
○説明員(坂本史郎君) 公正取引委員会といたしましては、不当景品類及び不当表示防止法に基づきまして、不動産の広告につきましても不当表示の取り締まりを行なっているわけでございますが、この不当の摘発、取り締まりといったものは、現在取引部に属しております景品表示課の担当官によってそれを実施しておりまして、いろいろな方面からの情報に基づきまして、どうも不当表示があるのではないかという点の情報がキャッチされました場合にはそれを調べまして、はたして不当表示かどうかという点の検討を行ないまして、不当表示と思われる案件につきましては、排除命令、また軽微なものについては、行政指導で是正させるというふうなこともございますが、そういったような取り締まりを行なっております。一方、不動産の広告につきましては、景品表示法に基づきます公正競争規約というのができております。これは不動産業者が自主的に不当表示をしないように、適正な広告表示を行なって消費者の信頼にこたえるという見地から、公正取引委員会の認定を受けまして、三十八年に公正競争規約というものができまして、宅地建物に関する公正取引協議会というものがかなり努力をいたしまして、表示の適正化ということにつとめておるわけでございます。これはもちろん公取がその状況を十分監視、監督しているわけでございます。大体、そういった公取自身の取り締まりとそれから業者の自主的な規制と、こういう二本立ての方向で取り締まりを行なっている現状でございます。
#139
○二宮文造君 その公取で担当している係員は何人ですか。
#140
○説明員(坂本史郎君) お答え申し上げます。これは景表課、景表課にもいろいろ、規約を扱う者、それから不当表示とかそういった事件を扱う者、その他の管理関係の仕事に携わる者がございます。大体現在二十三名ばかりおります。直接違反事件に当たります者は大体十名ばかり、それに地方事務所がございますので、合わせますと二十数名というような人員で担当しているわけでございます。
#141
○二宮文造君 まあ懸命にやっていられることはわかるんですが、なかなか人員の問題で、問題を絶滅するあるいはまた事前にチェックするということがなかなか困難な事情はわかります。
 そこで、いまおっしゃった公正取引規約、これは宅地建物公正取引協議会に参加したメンバーによる自主規約、こういうものだろうと思うのですが、加盟している業者は全業者のどれぐらいになりますか。
#142
○説明員(坂本史郎君) ただいまちょっと手元に正確な資料がございませんのでお答えいたしかねますので、また後日調査の上御連絡申し上げたいと存じます。
#143
○二宮文造君 アウトサイダーですね、加盟していないアウトサイダーに対しては、どのような規制措置が行なわれるのでしょうか。
#144
○説明員(坂本史郎君) 先ほどお話しに出ましたように、公正取引協議会が規約をつくって自主規制をやっておるわけでございますが、そういった協議会に属しておりますインサイダーは、そこで自主的にお互いに戒め合って不当な表示をなくしていくという体制に立っているわけでございます。しかしながら、これはもちろんアウトサイダーには効果が及びませんので、アウトサイダーに関しましては、いろいろ協議会から情報がくることもございますし、そのほかモニターとか、それから地方公共団体からの情報とかといった情報に基づきまして公正取引委員会自身が調査し、不当表示の案件と思われるものにつきましては、これを排除命令とか、その他の措置をとっているわけでございます。その場合に、公正取引委員会が認定しました公正競争規約の内容に書いてありますいろいろな表示の基準というものは、アウトサイダーの不当表示の事件を判断します場合にも一つの基準としてこれが規制に当たっておる、こういう現状でございます。
#145
○二宮文造君 そういう複雑な機構じゃなくて、せっかくその業者がそういう自主規約をつくって、それをわれわれで守ろうという機運ができて、実際にそれが運営されているのですから、そういう団体に加入を義務、つけたほうがいいと思うのですが、何がネックなんでしょう。どうして義務づけができないのでしょう。
  〔委員長退席、理事上田稔君着席〕
#146
○説明員(坂本史郎君) この協議会に限らず、一般に団体加入を義務づけるかどうかという点は、一般的な問題としてかなりむずかしい問題があろうかというふうに存じております。一応団体に対する加入というのは、任意加入で脱退することもできるというたてまえになっておりまして、公正取引協議会に加入する場合も、ほかにいろいろ考慮要因があって加入するしないというような決意をすることと思いますので、まあこれを義務づけるというところまでいくのが適当かどうか、現在の段階ではそこまではちょっと無理ではないかというふうに考えております。
#147
○二宮文造君 そこで、たとえば公取の場合でも人員の関係があって、中央に事務所があるけれども、そう手を広げて問題の絶滅は期し得ない。あるいはまた協議会があっても、それの加入が義務づけられていないいわゆるアウトサイダーというのがある。そこで問題を何といいますか、事前に解決をするといいますか、そういう措置として誇大広告なんかを絶滅するために、報奨制を伴った通報制度というものも採用したらいいんじゃないかと、こう思うのですが、この点はどうでしょう。
#148
○説明員(坂本史郎君) 先ほども私申し上げましたが、公正取引委員会が得ます情報源としましては、いろいろな新聞記事、それから消費者モニターからの情報、それから地方公共団体から上がってきますいろいろな情報、そういったものに基づきまして調査をし処分をしているわけでございまして、なおこういった情報をできるだけ漏れなくするようにするためにどうしたらいいかという点につきましては、先生御指摘の点も含めまして、なおいろいろの角度から検討してまいりたいというふうに存じます。
#149
○二宮文造君 そこで、誇大広告の問題に関連して若干具体的なことをお伺いしたいのですが、中央区日本橋室町一丁目八番地に三菱産業株式会社というのがございます。この三菱産業が青森県上北郡六戸町大字犬落瀬字下久保二三五の一、地目は原野、こういう物件を所有しているわけですが、三菱産業は新聞などを通じまして、これがあたかも青森県がいま予定しておりますむつ・小川原地域大規模工業開発区域内にあるかのように宣伝をしております。ところがこの町はむつ・小川原地域大規模工業開発地域の対象外になっている。対象外になっている土地をあたかもその区域内にあるかのような広告をして物件の売買に当たっている、こういうふうなことは確かに誇大広告ではないか、その取り締まりの対象になるのではないかと、こう思うのですが、いかがでしょう、公取の見解は。
  〔理事上田稔君退席、委員長着席〕
#150
○説明員(坂本史郎君) お話しの三菱産業の問題につきましては、昨年暮れにおきまして一部の新聞で報道されたりしておりまして、私どものほうも注目しているわけでございます。まあこの問題につきましては三菱のダイヤマークを使ったとか使わないとかということで不正競争防止法上の問題もあるやに聞いておりますが、まあ先生ただいま御指摘のとおり、景品表示法上の不当表示の問題もあるのではないかというふうに私考えられますので、私どものほうもまだ直接調査しておりませんので、今後この問題につきましては調査を行ないたいというふうに考えております。
#151
○二宮文造君 いまも答弁の中にありましたように、三菱産業はスリーダイヤいわゆるその商標も使っているということで、三菱グループの四社から東京地方裁判所に対して商号使用禁止の仮処分、この申請をしていま係属中で、三菱グループとは全然関係がないと、こういうふうな立場に立っているようでありますけれども、問題はこういう商号の問題、まあそういう商号をもう使ってくれては困ると、こういう仮処分の申請が出ているくらいですから、商号を使用したというような問題並びに物件が開発区域の中に入っていないのに入っているかのような宣伝をしていること、これは消費者に対して非常に迷惑な問題になってくるかと思いますので、仰せのとおり早急に調査をしていただきたい、こう思うわけです。
 それから先ほどの契約内容の問題でさらに若干お伺いをしておきたいのですが、これは建設省のほうですが、瑕疵担保の責任、この瑕疵担保の責任で現在不動産取引業者が販売している物件の物的な瑕疵に基づく損害賠償請求権等については、おおむねその行使の期間を物件の引き渡しから一年と、こうされているものが今度は二年というふうになっているかと伺っているのですが、二年にしなければならぬほどこういう問題が多発しているのかどうか、その実情はどうでしょう。
#152
○政府委員(高橋弘篤君) 瑕疵担保の実例につきまして東京都その他にいろいろと問い合わせてみたわけですけれども、この瑕疵担保をめぐる紛争事件というのはあまりないようでございます。しかしながら、紛争が非常に多発しているからということでなしに、先ほどからお話にございますように、契約内容の中におきまして非常に不利な契約内容になっておる関係で、そういうことでないように消費者保護の立場からこの法律を設けたわけでございます。
#153
○二宮文造君 それから先ほど話がありました前金の保全につきまして、改正案の第四十一条第一項第一号及び第二号で、宅建業者が受領した前金の返還債務を負うことになった場合において、保証委託契約ないし保証保険契約を買い主に交付することになっております。この場合、宅建業者と債務を連帯して保証する金融並びに保険に関する予定機関、これはどういうふうなことを考えておられますか、具体的にお伺いしたいのですが。
#154
○政府委員(高橋弘篤君) 四十一条の前金の保全措置につきましては、ここに一項に書いてございますように、「銀行、信託会社その他政令で定める金融機関」と書いてございますが、これは具体的には私ども信用金庫というものを考えているわけでございます。それからもう一つは、建設大臣が指定する指定保証機関でございます。これは御承知の別条文でいろいろ指定基準がございますが、そういう指定基準に従って、その保証のできる、能力のあるものにつきましては建設大臣が指定するということになっておるわけでございまして、具体的には各種いろいろ、業界におきまして、具体的にどういうものをつくろうかという、いま検討がなされておるのでございます。不動産協会、高層住宅協会、さらに全国宅地造成連合会、日本分譲住宅協会、住宅産業開発協会、そういうところで具体的に、こういう信用保証会社というものをつくるという動きがあるやに聞いております。具体的には、内容はまだ私どものところにまいっていないわけでございます。保全が確実に行なわれる限り、また、この指定基準に当事はまって完全なものである限り、指定を積極的に進めてまいる。保全措置の運用ができる限り広げられるように措置いたしたいというふうに考えておるわけでございます。
#155
○二宮文造君 この場合に、保証料は一体だれが払うのですか、いま考えられていることは、どう
 いうことでしょう。
#156
○政府委員(高橋弘篤君) これは、業者が保証料を負担するわけでございます。
#157
○二宮文造君 消費者には転嫁されませんか。業者がそれを負担するとなりますと、結局、自分の受け取る取引手数料の中から出るわけですね。そうしますと、そこにまた今度は手数料の値上げという問題も出てくるんではないかという考えがするんですが、この点はどうでしょう。
#158
○政府委員(高橋弘篤君) これは業者が負担するわけでございまして、その内部関係、どうなるかわかりませんが、この前の参考人の発言にもございましたように、会社の企業努力によりましてこれは消化していくということにするように、私どもは指導してまいりたいというふうに思うわけでございますが、これはもしもこの点が消費者のほうに負担されるということになれば、これは代金の中に入るわけでございますけれども、できる限り企業努力によりまして、これが会社の負担でおさまるように今後指導をいたしたいというふうに考えているわけでございます。
#159
○二宮文造君 それから今度は申し込み証拠金、この問題でお伺いしたいのですが、現在マンションの分譲だとか宅地の分譲で、申し込み証拠金として一定額の金銭を受領する、こういう例が非常に多いわけです。そこで、たとえばこの申し込み証拠金というのは、業法で禁止されておりますいわゆる手付金を貸して、そして何か取り引きを誘い込む、こういうふうなことを禁止されておりますが、そういう禁止の脱法としては行なわれているものや、あるいは予約契約の対価として行なわれているものや、あるいは売買契約の順位の保全のために申し込み証拠金を出す、いろいろ性格があると思うのですが、この申し込み証拠金の性格というのはどう受け取っていいんでしょうか。説明が足りませんでしたが、たとえば申し込み証拠金は出した。支払って、契約書に判を押したけれども、本契約を締結することはあきらめた。こういう場合に、申し込み証拠金は通常返還してくれませんね。あるいはまた逆に、今度は多額の違約金を取られる。こういうふうな例が従来もあったんですが、改正法案では、申し込み証拠金というものをどういうふうに取り扱い、また、それをどういうふうに規制していこうとするのか、この考えを伺いたい。
#160
○政府委員(高橋弘篤君) 申し込み証拠金の法的な性格というものは、法律でこれは規定いたしているわけではございませんが、大体通常、御存じのように、取引にあたりまして、五万とか十万とかいうような少額のものを、契約締結前にこれを授受するわけでございます。これは大体性格といたしましては、購入者の契約締結の意思の有無を確認するとかいう、また、申し込みの順位を確保するというような性格がある場合が多いわけでございます。したがって、これは本契約の締結に至らないわけでございますけれども、本契約を締結しないときに、返還するかどうかというお尋ねでございますけれども、これは場合によって非常に違うようでございます。返還する場合と、しない場合があるようでございます。これはしない場合におきましても、これはそういうことを承知で消費者というのは大体証拠金を出している場合でございまするし、また非常に少額の場合が多いわけでございます。したがって、これは申し込み証拠金が問題になりますのは、申し込み証拠金を授受することによりまして、本契約が成立させられるというふうなこと、そうしてまた、意思がないということになると、これは多額の違約金を取られるということが問題になるわけでございます。この点につきましては、先生が御指摘のように、この申し込み証拠金が、本契約が成立しますと、名前は証拠金でございましても、法的な性格を持つわけでございます。したがって、手付の性格を持ちますので、少額の申し込み証拠金つまり五万か十万の手付、実際には手付というものはもっと額が大きいわけでございますから、残りのものはあとでけっこうですよということで契約を誘引するという行為になりますので、手付貸与の規定にあてはまって、禁止されることになるわけでございます。そういう規定は、現在もあるわけでございます。それから、申し込み証拠金を手付として本契約が成立させられた。そうして業者が受け取ったという場合に、これを解約するという場合、多額の違約金を取られはしないかということでございますけれども、これも法律によりまして、三十九条で手付を放棄すればこれは契約解除ができるということになっておりますので、五万か十万のものをこれは放棄すれば、契約が解除できるという規定もあります。したがいまして、そういうことから消費者保護もはかられるのじゃないかというふうに私ども考えておるわけでございます。
#161
○二宮文造君 この宅建業法について、最後に大臣にお伺いしたいのですが、いろいろ取引の態様が複雑だということでこの改正をされた。さらにまた一歩前進をはかって次に備える、こういうのが冒頭に大臣から御説明がございました。それは了といたしますが、とりあえず、あるいは依頼者とかそういうものの利益を守るために、あるいはまた今度不動産の流通の円滑化、そういうものをはかるためにも協業化も必要でしょうし、あるいはまた業者の業務執行の体制というものも改善をしなければなりませんが、逆に今度、情報を提供する、こういう措置も必要ではないか。たとえば公営による無料相談所の開設とかあるいは不動産取引所、あるいは不動産情報センター、そういうものを早急に設置して、情報機構というものを整備する。また、あわせてこの不動産取引の円滑化というものもはかってはどうか。このように思うわけでありますが、大臣のひっくるめての見解をお伺いしておきたい。
#162
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点は、十分これは検討してまいりたいと思います。私は、建設委員会が従来から非常に、いわゆる党派を越えて、お互いに積極的意見を取りかわして、それを基礎として、常に行政府が行政指導のみならず、次の立法に参考にしていくべきだということで、そういう態度をとってまいりました。したがいまして、現在問題になって御指摘された問題のほか、まだまだ幾多の問題があるようでありますので、ぜひこれは、あるいは理事懇その他においてそうしたものを取りまとめの上、われわれにお示しいただきましてもけっこうですし、あるいはまた、各党がそれぞれの党の機関において研究されて、宅建業法等の改善のためにこうすべきだという御指示もありますれば、それらのものも含めて、すみやかにわれわれのほうで検討の上、さらに審議会等にも諮問いたした上、でき得れば私は次の通常国会には改正案を出したい。その中にはいまの情報のための情報センターのようなもの、その他いろいろのものがあると思いまするので、それらも含めて検討してまいりたいと考えている次第であります。
#163
○二宮文造君 次に、積立式宅地建物販売業法についてお伺いしたいわけですが、現在積み立て式宅地建物販売業を営んでいるものと判明している業者はどのくらいありますか。
#164
○政府委員(高橋弘篤君) 十九社ございます。
#165
○二宮文造君 その十九社による年間の契約高というのは一体どれくらいあるんでしょう。また、十九社の積立金の累積額、これはどのぐらいになってますか。
#166
○政府委員(高橋弘篤君) 十九社によりますところの年間の契約高は、四十四年度で新規契約高が約十八万九千件、お金にしまして三千二百二十一億でございます。それから、積立金の累計額でございますが、最近の営業年度末によりますと千二百四十七億で、そのうちに積立金が千三十八億ということになってる次第でございます。
#167
○二宮文造君 その積立方法というのはどうなっておりましょうか。いろいろと多様ですが、もし総括的に御説明願えれば。
#168
○政府委員(高橋弘篤君) 積立式の仕組みをごく簡単に最初申し上げますと、御承知のように、これは五年もの、七年半ものとか、十年ものとかそれぞれございますけれども、かりに七年半というものをとりますと、最初の二年半、大体三分の一の期間でございますけれども、この期間に加入契約、積み立て契約を結びまして、毎月積み立てをいたすわけでございます。これは会社によってみな違いますけれども、千円、二千円というようなものを毎月積み立てていくわけでございまして、大体三分の一の期間が過ぎますと、今度は購入者と合意の上で給付契約というものを結びまして、そしてどこのどういう物件をそれじゃ給付するという契約を結ぶということになります。したがいまして、その三分の一の期間は、ものが、目的物、どんな建物か、どこであるかということは、これはきまらないうちに積み立てをするものでございまして、積み立て金を会社が預かっているというものでございます。それで、三分の一の期間が過ぎまして給付契約を結びますときには、これは売買契約の場合とそれから請負契約の場合と両方ございますけれども、そういう契約に基づきまして給付物件をきめて、そしてものを引き渡す、その渡したあとにおきまして、さらに毎月掛け金を払い込むという形のものになっておるのがこの積立方式の仕組みでございます。
#169
○二宮文造君 そこでこの法案の経緯を考えますと、従来はたしか宅地建物割賦販売等規制法案、こういうものも考えられたわけでありますけれども、今回の提案において、宅地建物割賦販売については、宅建業法の一部改正案に、また積立式の建物の割賦販売についてはいま私が質疑をしております独自の立法にと、こういうふうにかわって二本立てで出てきたようなかっこうになったのですが、このような形をとった経緯を簡単に御説明を願いたいと思うのですが。
#170
○政府委員(高橋弘篤君) 御指摘のような、昭和四十四年に宅地建物の割賦販売に関しましての答申が住宅宅地審議会からこれは出されているわけでございます。これに基づきまして政府案をいろいろ検討いたしておりましたところ、御承知の宅地建物取引業法という本法のほうにおきまして、いろいろと問題がマンション事件その他いろいろな問題がございました。したがいまして、本法の大改正をする必要があるということから、その本法の改正に伴いまして、やはり宅地建物の割賦販売法というものもいろいろ関係が深いわけでございます。この答申をいただく場合におきましては、当初そういうことはまだ予想されていなかったわけでございますけれども、その後の情勢で、こういう本法の大改正をする必要があるということになったわけでございます。したがいまして、本法の大改正をいろいろ検討いたしているときにおきまして、この答申をもらいました宅地建物割賦販売法の中身の中で、いわゆる通常割賦販売というのは、これは物件を引き渡したあとで、そうして代金の支払いを割賦で数回に分けてこれを支払うということで、普通の宅地建物の取引と同じである、代金の支払い方法が割賦販売であるというだけの違いであるということで、本法にそういうものを規定し、先ほど御説明申し上げました目的物が確定する前に、どこにどういう建物を給付するかがきまる前に積立金を積み立てる、これを預かるということについての業は、これは宅地建物取引の――あとで出てきますけれども、積み立てそのものにつきましては、いわゆる宅地建物そのものの取引ではございませんので、そういう特異の業があるということから、そういう積立の期間につきましてのいろいろの規制法、つまり積立金の保全措置の問題とか、また積立てについてのいろいろな契約内容の適正化の問題というようなことにつきまして、要するにこの法律を提案することにいたしたのでございまして、そういう理由から四十四年の答申の宅地建物割賦販売法が二つに分かれて法律改正なり、また新法の制定ということに相なった次第でございます。
#171
○二宮文造君 十九社いまそういう仕事をやっている会社があると、そのために仕事の内容から特別に立法を考えられたということでございますけれども、具体的に問題点をお伺いしたいのですが、現在積立式宅地建物販売を行なっている会社、そこでは多数の外務員、社員と申しますか、それを使用して、おっしゃったような大量の契約がいま行なわれているわけです。これらの外務員の中には、消費者に非常に迷惑をかけていると、こういう面もあるわけです。そこで、これらの外務員の行為をめぐりまして、紛争が起きた場合に、裁判などでやったのでは時間だとか、費用だとか、とてつもなくかかりまして、消費者の保護に欠けるという心配が出ています。そこでこれらの外務員について、宅建業法の取引主任者制度と同じような資格、あるいはまた登録制度、そういうものを実施して、外務員あるいは社員の資質の向上につとめるべきであると考えるのですが、この点についてはどうでしょうか。
#172
○政府委員(高橋弘篤君) 積み立て式宅地建物販売業におきまして、相当これは多数の加入者というものを募集するわけでございますので、先生のおっしゃるように外交員、いわゆるセールスマンの活動というものが相当活発でございます。したがいまして、この外交員が会社の代理でいろいろの行為を行なうわけでございまして、そのいわゆる外交員の資質の向上ということは、おっしゃるとおり非常に大事な点でございます。この場合におきましていわゆる外交員が業者の代理でいろいろ加入者を募集して、そこで会社のかわりにいろいろなことを説明するわけでございますが、今回のこの法律におきましても、積立式の宅地建物の取引きというものは特異なものでございますから、この内容を十分に説明するように、いろいろなことを規定いたしているわけでございます。したがいまして、十分その説明をしなかった。また虚偽の説明をするというようなことになりますと、これは業者そのものがやはり罰せられることになるわけでございます。また全般的にそういう外交員というものがいろいろ問題を起こすような状態になりますと、改善命令というような規定もございますので、この業務の適正な運営をはかるための外交員についての資質の向上、研修をはかるように私どもも十分そういう内容の中で考えてまいらなければならないということで改善命令なり、また指導、助言というような規定を十分運営しまして指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございますが、先生の御質問のもう一つの点の取引主任者みたいなものをつくってはどうかということにつきましては、いわゆるこの積立式の宅地建物取引業者も、いわゆるあとの給付契約のときには宅地建物取引業法に基づく免許を受けてやる場合が多いわけでございまして、そういう場合には、この業者には取引主任者がいるわけでございます。いわゆる先生のおっしゃる積立方式の場面として取引主任者をつくるかどうかという面については、なお今後検討さしていただきたいと存ずる次第でございます。
#173
○二宮文造君 それから第十八条で規定しております「積立金その他の積立式宅地建物販売の契約に基づいて受領している金銭」、こういう規定がありますが、この範囲についてですが、これはここで規定する「積立金等」というのは、積立式宅地建物販売契約に基づいて物件の引き渡しまでに業者が受領している金銭と、こう解すべきであると思うんでありますが、前回の委員会で東郷参考人から解釈上疑義を生ずるおそれがあるので、業界の実態に即した解釈を明確にしていただきたい。こういうふうな要望もあったわけでございますが、この「積立金等」という解釈ですね、これをここできちっとやっておいていただきたいと思うわけです。
#174
○政府委員(高橋弘篤君) 十八条のただいま御指摘のございました「積立金その他の積立式宅地建物販売の契約に基づいて受領している金銭」というものは、まずここにございます「積立金」というもの、これは先ほど仕組みのところで簡単に御説明を申し上げましたように、目的物、たとえば建物の確定、どこのどの建物という確定前に受け入れた金銭をさすもので、これは預かり金のものでございますから、これは当然対象になるわけでございます。それから、「その他」のところでさっき仕組みで申し上げましたが、今度は給付契約が三分の一期間を過ぎたあとで結ばれまして、建物その他の目的物が確定したあとに、今度は確定後引き渡し前に業者が受領する金銭というもの、これも積み立式宅地建物販売の契約に基づくものとしてこれは該当するわけでございます。したがいまして、この積立式の宅地建物の販売の契約と別個のもの、別個の契約、また契約は同じものであっても別途の工事だと、追加工事だというようなものにつきましては、これはこの保全措置と無関係のものでございます。
#175
○委員長(田中一君) ちょっと私から関連して、
 その点明確にしてほしいのは、たとえばきまった形の給付を受けるもののほかに、外郭のへいとか門をこういうぐあいにやってくれとか、あるいは登記の費用とか、前に見積もりした以外のものが多いんだそうです、登記費用とかなんとかね。それから設計の製図、それから確認申請、それらを全部代行するのはどうです。そういう場合に定型的な形のもの以外の雑費用というものまでも積立金に入れられると非常に制約を受けるということなんですが、その点もう少し政令か何かでもってかえるというような考えはあるんですか。
#176
○政府委員(高橋弘篤君) 先生のおっしゃいましたように、別個の追加工事だとか別個の工事というものは、これは対象外でございまして、またさっき申されましたいろいろな登記のための費用というものももちろん含まれません。定型的な、いわゆるこの契約に基づくものでございますが、いわゆる中には毎月払ってまいる、千円とか二千円払うというのを一時に払ってしまおうというものもあるわけでございますが、そういうもので定型的な一つの建物を、こういうものを給付するというものについて毎月払う以外に、一時に全部払ってしまおうというものももちろんこれは入るわけでございますけれども、先生がおっしゃったように登記に要する費用とか全くへいを別につくるというものは、こういうものは入らないわけでございます。これは先生のお尋ねの政令内容その他でございませんで、これはすべて第二条の定義だと、十八条の定義から当然そういうふうに解釈できると私ども考えておりますし、これにつきましては十分ひとつ指導、通達その他で徹底させたいというふうに考えております。
#177
○委員長(田中一君) もう一つ聞きます。たとえばへいを十メートルのへいをやってくれということがあとで出れば、追加工事になって別になるでしょうけれども、それも一ぺんに金が払えないから積立金にしてくれという要求が向こうからあった場合ですね。そうするとそういうものに対しては常に新しい契約を、軽微な仕事でも追加工事でも一々契約書をつくらなければだめだと、そういう場合に非常に事務的に困るんだということをせんだって東郷参考人が言っているんです。登記費用、これも一ぺんでは困るから積み立てるからということもありますし、それを一々こういう書類をつくるのではとても事務的にできないというんです。そういう陳述をしておりましたがね。しかしそういうものが原則として入らないのだと、定型したところの家なら家というものだけを積立式でもってやるんだというのならば理解できますけれども、「積立金等」になっておるね。「等」になっておるからそれらのものも入るんでなかろうかという心配をしておりますから、これはいまの答弁のようにそういうものは入らないのだということならば、そのように確認しておいてよろしゅうございますね。
#178
○政府委員(高橋弘篤君) ただいま御質問ございましたように、たとえばへいを別個につくるという場合に、何も契約は別にしなくても同じ契約の中でも別途の工事であると、いわゆる最初の予定した積み立てを、全部積み立てを毎月するという中に入ってないものにつきましては、これは対象外でございます。
#179
○委員長(田中一君) もう一ぺん言いますよ。三分の一までは積み立て金で預って、今度は十分のものを給付するわけです。家を建てて給付してもあとは三分の二を向こうに危険負担するわけです、会社は。そうでしょう、危険負担するわけでしょう、今度は逆に。向こうから払ってもらう、月賦で。それとこれとは同等じゃないかと思うのです。その場合にへいをつくってもへいは一ぺんに払えませんと。払えませんからそれも月賦にしてくださいと、こうなるわけです。へいをつくった場合には。その場合にそれまでも含めて最初からの契約をする場合に、定型化しているところの家なら家というもの以外の仕事の場合には、それは別にしていただきたい、家だけを給付すればいいんだと。払い込みは必ずそれを含んだものを払い込んでくれ、こういうことを言っているんです。しかしいまここでまあそれは一つのテクニック、手法ですから、あなた方すぐに返事ができないならばですね、そういうことのないような形の検討をこの法律が通ったあとでもして、迷惑にならないようにしてほしい。それでいいんでしょう。
#180
○政府委員(高橋弘篤君) はい。
#181
○二宮文造君 最後に一点お伺いしておきたいんですが、住宅宅地審議会で行ないました四十四年七月の答申の中で、積立契約の解除に伴う金銭の返還時期の制限という、こういうことについて必要な措置を求められております。契約の解除に伴いまして積立金の返還時期がおそいということがしばしば紛争の原因になる。そこで相当の期間、すなわち解約の日から一年または給付契約の締結の予定時期までのいずれか一方以内に積立金の返還が行なわれるように措置する必要があると、このように答申では述べているわけでありますけれども、今回の立法でこの点が見送られた理由は何でしょうか、この点御説明願いたい。
#182
○政府委員(高橋弘篤君) 結論から申し上げますと、その点につきましては五条の許可基準の第一項の第五号の「積立式宅地建物販売契約約款の内容が政令で定める基準の適合する者であること。」ということになっております。したがってせんだっての答申に基づいてこれを規定するという考えでおるわけでございます。法律で規定するにはいろいろな場合がございまして、なかなか法律の規定で書くのがむずかしい点もございましたので、政令で定める基準の中で答申の内容を書くということにいたしておるわけでございます。
#183
○二宮文造君 答申の内容、大体そのまま中身に盛り込む予定ですか。
#184
○政府委員(高橋弘篤君) 仰せのとおりの点を記載いたすわけでございます。
#185
○二宮文造君 以上で大体私の問題の指摘が終わったわけでありますが、積立金の保全措置と並行しまして業者の有する割賦債券、これを積極的に活用するために抵当証券法の改正など適切な措置を講じてほしいというふうな意見もあるわけでありますけれども、今後の課題としてこれを検討する用意があるかどうか、大臣の所見を伺って終わりにしたいと思います。
#186
○国務大臣(根本龍太郎君) 御指摘の点は、今後の課題として前向きで検討いたしたいと思います。
#187
○米田正文君 私は二宮委員の質問に関連して一問だけお尋ねをします。二宮委員が質疑をしておった中で損害補償制度の問題に触れたのですが、どうも問題が入り口までのところでとどめてしまったものですから、ちょっと私はもう少し掘り下、げてお聞きをしたいという意味であります。
 今度の法改正が消費者保護――消費者ということばが私は適当かどうか知りませんが、買い主保護の立場からいろいろの面で措置をされておりますが、これもしかし予防措置といいましょうか、買い主側からいえば予防措置のいろいろな措置がとられている、こう言っていいと思うわけであります。それは業者のほうに不正不当な問題があれば刑を科したりあるいは懲役を科したり、あるいは免許を取り消したり、いろいろの措置が今度講じられるようになっているのですが、しかしそういうことをやっても買い主側の損害については何も措置ができない場合が多いいんじゃないか。結局何百万円という金を出しながら現物が手に入らないということがいつも大きな問題として残るのですが、そういう買い主を保護する根本的な対策が行なわれておらない。答申にもそういう趣旨のことがうたってある。その問題を二宮委員が出したときに建設省のお答えは、それらの問題はいろいろ研究をしております。研究しておることをたたき台にして今後検討したい、こういうことは言われましたけれども、そのたたき台がどういう台なのか、こういうテーブルの台なのか、もっとりっぱな台なのか、そこがわからぬものですから、それじゃどういう台を用意されておるか。実は私どもも非常に関心を持ってこの問題をいろいろ検討しておるものですから、そのたたき台はどういう台があるか。構想とまではいかないというなら考え方でもけっこうです、ひとつお述べをいただきたい。
#188
○政府委員(高橋弘篤君) 先ほど申し上げましたたたき台と申しますのは、いろいろ各方面におきましてこういうことについての構想が述べられておるわけでございまして、十分それを検討するという意味で申し上、げた次第でございますが、簡単にその点について申し述べさしていただきますと、まず第一にいろいろ出ております構想の一つは、任意加入の基金というものを設置いたしまして、そうしてその基金に業者が出資いたしまして、そうするとその業者は営業保証金の供託をしなくてもよろしいということになりまして、その基金が今度は加入者との間でいわゆる保険契約を締結する、もちろんこれは保険料を徴収するわけでございますが、保険契約を結ぶというふうなもの。同時に先ほどどなたかの先生の御質問でございましたように、基金の中からこの加入者たる業者に融資もできるというような方法のいわゆる任意加入の基金制度というのが一つございます。
 それからもう一つは、強制加入のいわゆる保証公庫というふうなものを設立するという考えでございます。これは業者が営業保証金相当額というものをこれを拠出する、そうしてこの公庫は各業者にすべてこの営業保証金の数倍程度の損失補てんというものをこれをする、損害を補てんする、てん補するという考え方、やはりこれも公庫の中の資金で一部業者に融資するという考え方、つまりこれは強制加入の保証公庫みたいな考え方でございます。
 それからもう一つございますのは、これはいわゆる公益法人を設立するということで、取引によりまして生じた損害の補てんを目的とする法人を設立する。そうしてそこに業者が営業保証のためのいわゆる分担金をこれを納付するということでございまして、そういうことによりまして保証金の供託にかえる、したがって営業保証金よりも相当この金額は少なくて済むということになるわけでございます。そういう考え方が一つございます。
 それからもう一つ、これもどなたかの先生の御質問でございましたいわゆる損保会社が免許保証保険というふうなものを今後研究いたしたいという考え方の損保会社のいわゆる保険制度でございます。
 こういうふうなものが、私どもいま知り得た範囲内での構想でございます。こういうものも十分私ども今後も内容を検討さしていただきまして、そういうことによりましていいものを先生方の御指導をいただきましてつくり上げていきたいというふうに考えている次第でございます。
#189
○米田正文君 大体考えておるワクを拝聴しましたが、私どももその中身についていろいろ検討しておるのですが、要するにこれが買い主側の損害に対する救済措置としては根本的なものだと思います。で、ぜひこれを早く実施をする運びにしたいという念願を私ども持っておりますが、これには専門的な知識も必要だし、いろいろ事務的な準備も必要でしょう。だからひとつ極力急いでいただきたい。
 その中にちょっとお話が出ましたが、こういう規制をして業者を取り締まっていく、当然のことですが、業者を育成していく面ということも必要であって、これは安いいい不動産を供給するという意味からは、資金の面等で業者を育成してやるということも、当面非常に必要な政策だと思うのです。いまちょっとお話が出ましたからその中において、この基金の中なりあるいは保険の中なりにおいて業界に対する融資というような制度あるいはこれ以外でもいいですが、そういうこともあわせ今後ひとつ考えて、いわゆる買い主側と売り主側と両面の調和のとれた政策というものをひとつお考えおき願いたいということを希望申し上げて私の質問を終わります。
#190
○佐田一郎君 私は二宮先生並びに米田先生の御質問に関連いたしまして確かめておきたい点が二、三ございますけれども、一括してお尋ねをいたします。
 積立式宅地建物販売業法に関連しまして、法律案の提案理由の説明の中で「本法にいう積立式宅地建物販売業とは、宅地または建物の販売で、目的物等の確定前に積立金を二回以上にわたり受け入れるものを業として行なうことをいうものとしておりますが、積立金を受け入れ、請負等の名義で建物を建築し、相手方に給付するものも本法の積立式宅地建物販売に含めて規制することといたしております。」こう説明しておりますが、そこで、ここで問題になりますのは、目的物の確定ということばですが、これは位置あるいは構造、着工の期日、完成の期日あるいは契約金等の具体的の決定を見た段階を意味するものであるかどうかということ、この点そう私は解釈しているわけですが、これが一つ。
 それから、そういうことになりますと、またこれも具体的な問題になりますが、マンション業者が一定の計画を立てて、そしてこれを売り出した場合に、これは一つの構造もそれから位置も完成日もみな決定しているわけですから、マンション業者に対してはこの法律は業者として該当しないのだ、こういうことであると私は解釈しておりますが、これが第二の点。
 それから第三の点は、先ほどこれは局長の説明の中にもありましたが、積立式業者が、たとえば六ヵ年間の積立契約で三分の一の段階で、給付の段階に契約を切りかえたということになると、いわゆる保証積立というものは三分の一の二年間においてやったものだけを、これは具体的に言えば、三分の一の積み立てをするものか、あるいはその後において積み立てするものはこれは給付の確定、いわゆる目的物の確定ができたわけですからこれはその必要がないと、こう私は解釈をいたしておるわけです。
 それからその次は、以上に関連をして建設産業の前渡金あるいは歩取り金というようなものもこれは一つの目的物の確定があるわけですから、これは対象にはならないことは当然であるということを私は解釈しておるわけですが、この点。
 したがって以上の点に関連をして提案説明の二項の段階をこれはどういうふうに解すべきか、これをひとつ、一ぺんで恐縮でありますが、お尋ねいたします。
#191
○政府委員(高橋弘篤君) まず第一点の目的物の確定という点でございます。これは先生おっしゃるとおりのことでございまして、どこにあるどのような宅地建物を販売するか、どこにどのような建物を建築して給付するかというようなことを具体的にこれが合意が成立するというのは、これは確定ということになるわけでございます。したがいまして、この法律の第二条にございますように、目的物並びにその代金の額及び引き渡しの時期の確定前にということに書いてございますので、先生のおっしゃるとおりのことになるわけでございます。
 それから第二点のマンション業者が一定の計画でこれをつくる、その場合にこれは最初から目的物がきまって確定しているわけでございます。しかしながら実際にはこれは前金を受領している場合でございます。これはもちろんそういう場合目的物が確定しているのでございますので、これは積立式の宅地建物販売に該当しないということになります。
 それから第三点は、十八条の先ほど論議になりました点と考えられますが、積立金その他の契約に基づいて受領している金銭は、先ほども申し上げましたように目的物の確定前に受け入れられるいわゆる積立金及び給付契約が結ばれましたあとで引き渡し前に前金をこれはやはり毎月支払うということになるわけでございます。そういうものも引き渡し前の前金でございますから、これももちろん含んでこの基準日に受領をしている金銭という解釈にこれはなるわけでございます。
 それから第四点は、建設産業で前渡金をこれは取って請負契約を結ぶという場合だろうと御趣旨を拝察いたしますけれども、これはもちろんこの法律に該当しないものでございます。
#192
○佐田一郎君 いま一つ、例の説明の第二番目の説明のほうをひとつ御回答願いたいのですが。
#193
○政府委員(高橋弘篤君) 資本金につきましては、これは十以上の事務所を設けている会社につきましては五千万円以上、それからそれ以下のものにつきましては二千万円というふうに資本の額を政令で定める予定でございます。
#194
○佐田一郎君 ちょっと私の趣旨と違うのですよ。提案説明の中に「二回以上にわたり受け入れるものを業として行なうことをいうものとしておりますが、積立金を受け入れ、請負等の名義で建物を建築し相手方に給付するものも本法の積立式宅地建物販売に含めて規制する」、こういうふうに説明しておるわけです。これは前の私の言ったことと関連してどういうことかとお尋ねしたのですが、それといま一つ局長がお話しになった中にちょっとはっきり聞こえなかった点があるのですが、積立業者がたとえば六ヵ年間の積立契約で三分の一の二ヵ年間の積み立てをした、ところが二ヵ年間の段階において目的物がきまった、こういうことになって給付の契約をして、それから工事を始めるわけですが、その後におけるつまり積み立て金というものはこれは保全の必要はないのかどうか。それはもう全然その時点において保証金というつまり三分の一の保証金というものは必要ないのかどうか。いまのその局長の解釈で言えばないというふうに解釈できるわけだが、その点はどうなるのかという、その点をひとつはっきりお願いします。
#195
○政府委員(高橋弘篤君) 第一点につきましては、先ほど仕組みのところで申し上げましたように、この積立式宅地建物の販売業というものは最初の三分の一の期間におきましてはいわゆる目的物がきまる前に積立金を毎月積み立てているその給付契約の場合におきましては、これは大部分のものは販売契約は売買契約でございますけれども、給付契約は請負契約の場合があるわけでございます。これは請負で建設業法においてやるわけでございます。したがいまして、そういう名義であってもこれはやはり積立式宅地建物の販売ということになりますよという意味でここに書いておるわけでございます。したがいまして、この法律はその給付契約後のところにおきましては宅建業法及び建設業法をこれは適用するという形になるわけでございます。その前の積立式の期間のところの規制は何らいままで法律がなかったので、今回こういう法律を設けて規制するということにいたしたのでございます。
 第二点におきましては、三分の一の期間の積立金、これは仰せのとおりでございますけれども、その後も目的物を、確定後のときに確定して直ちに引き渡せばこれはもちろん前金というのはございません。引き渡すまでにやはり半年なりかかりますと、半年前のはこれは前金になりますから、前渡し金になりますから、これは前金の保全措置が必要でございますから、それもこの「積立金等」の中に入ってくる。これはこの保全措置の対象になるという形でございます。
#196
○委員長(田中一君) 私からひとつ……。いま提案された法律案のうち宅建業法のほうは免許という形で許可をしているわけです。それから積立式のほうは許可という形で免許しているわけです。免許と許可というもののウエートというか、効果というか、定義というか、含まれている内容というものが何を言っているのか、ということなんです。宅建業法のほうは免許という形で許可をしている。積立式のほうは許可という形で免許しているのです。法律語としてはどういう内容を持つのか、ひとつ説明していただきたい。
#197
○法制局長(今枝常男君) ただいまのお尋ねの免許と許可の用語につきましては、実は従来から存在します法令の中で使われております場合には、十分その間の整理がついていないのが実情でございます。と申しますのは、むしろ免許ということばについてあるのでございますが、免許ということばの場合には二つの意味があるというふうに、少なくとも学問上は言われているようでございます。二つの意味と申しますのは、一つは、ただいま問題になっております免許のことばの中に許可の意味で使っている。それからもう一つは、これも学問上言っていることのように理解いたしますが、企業特許という意味で使っている免許とこの二つがあるというふうに言われておるようでございます。そういう意味で二つの意味の違いというのは、その場合の意味の許可は、これは一般的にある行為に一応禁止の網をかぶせておいて、その網を個々的にはずしていく、禁止をはずしていくというのが許可であり、それから国の専属的な事業として留保されている事業の経営を特定の者に行なわせる権利を与える、そういう処分がいわゆる企業特許であり、そうしてそういう意味でも免許が使われている。こういうふうに言われているわけでございますが、最初に申しましたように、実際上の法律区分におきましては、そういう意味で十分の整理がついていないと申しますか、そういう意味の使い分けをいたしておりませんので、両方の意味に使っておるように理解いたしております。この場合にそれならば一方には許可となり、一方には免許となっているのはどういうわけかということでございますが、そういう意味から申しますと、この宅建業法のほうも免許と申しておりますけれども、これはその業務の性質から考えてみれば、一般的な、経済的な行為であり、そしてまたここで規制いたしておりますことが、その事業に伴ういわば弊害を予防し、除去するという見地からの規制でございまして、つまりは一応かぶせた禁止を解除していく意味の免許であると理解していいんじゃなかろうか、このように感ずるわけでございまして、そういう見地から申しますと、用語の相違はありますけれども、両方は同じ許可、先ほど申しました意味の許可をさしているものである、このように理解するわけでございます。
#198
○委員長(田中一君) 一体法律というものは政府のものじゃないのです。法律というのは国民のものなんです。われわれのものなんです。それがかつての明治憲法以来の一つの流れ、思想というものを織り込んだ専門語がまかり通っておることは、これはもうはなはだふしぎなわけなんです。で、もっと平易なわかりやすいわれわれ日常使っておる、習慣なり行為なりがそのまま表現されるという文字こそ民主的な法律のはずであります。用語のはずであります。したがって、いま伺ってみると、結論は同じ許可でございますよということを言いながらも、まだそこに割り切れないものも国民は感ずるわけです。これは建設大臣に、あなたの所管している各法律の中にもこのような難解な用語がたくさんあるのです。一体国民をおどかすつもりでやっておるのか、何のためにやっておるのか、そこにいる官僚諸君があるいはそういう威令を行なうためにやっておるのか、はなはだこれは非常に理解に苦しむわけです。いまのこれは参議院の法制局長の考え方で政府はいいというのか。これは建設大臣ひとつその点は答弁を願って統一見解を表明していただいて、そうして閣議で一ぺんあなた問題を起こしてくださいよ。わけのわからぬ用語を使っていばりくさったり何かするのは困るのであって、もっと平易なわれわれが日常使っておる習慣をそのまま、当用漢字だけとは言いませんけれども、その点はひとつこれに対する見解と、あなたのほうも、もうぼつぼつ参議院選挙済んでおやめになるのですから、おやめになる前にこれは閣議でぶちまけてください。これをお願いします。答弁願います。
#199
○国務大臣(根本龍太郎君) 法律は官庁のためにあるのではなく、国民のためにあること、そのとおりでございます。と同時に、法律というものは大事な権利義務関係を規定しているから、これが解釈上疑義のないように明定するということも一つの大きな任務です。そういう観点から、正確を期するためには、やはりどうしても固くなる傾向もあることも、これはいずれの国においても同様だと思います。しかしその中において、でき得るだけ平易なことばで、しかも的確なる二重に解釈することのないような文言を使うということは、これは適当だと思います。ところでいまの許可と免許について法制局長の言われたことは、私もそのとおりだと思います。ただ、私は法学者ではありませんから、この点を何と申しますか、はっきりとどうこうということはできませんけれども、十分にこれは政府も気をつけることであり、国会においては、国権の最高機関は国会でございますから、その意味において政府と国会とがともどもにこの問題は話し合ってきめるべきだと思います。閣議でどうするということについて、これは私は閣議事項ではないと思います。閣議事項ではありません。これは主として法制局の問題です。政府がこういう文言を使えなんということは一つも言ってないのです。ただ従来、これは法制局並びに両院の法制事務当局が従来の慣例あるいは学問上の一つの何といいますか、従来からの立場から用語がきまっておるのでございますから、私はこれは参議院においては、もうすでに、こちらに法制局長がおられますし、衆議院においては私も申し上げ、また、法制局によくお話しをして文言の平易化、統一ということをおすすめするつもりでございます。
#200
○委員長(田中一君) そうすると、建設大臣、いまの用語の解釈はどういう解釈をわれわれはしていいんでしょうか。
#201
○国務大臣(根本龍太郎君) 先ほど申し上げたように、法制局長の言われたことでけっこうだと私は思います。
#202
○委員長(田中一君) それからもう一つ伺いたいと思います。先ほども名義貸しの禁止の問題が出ておりましたけれども、取引主任者が二つも三つも名前を貸してやることがあり得るのじゃないかと思うのです。ここにいよいよ登録制というものが今度の法律によって施行すると言っておりますけれども、この登録制も義務登録じゃないわけですね。おそらく都道府県の知事あたりがこうしてくれと、登録するようにといって登録するのか。これは宅建事業に従事するという段階で登録をすることを義務づけているのか、何も義務づけてないのです、この法律は。登録しようがしまいが関係ないのです。「することができる」となっている。また十九万といいましても、十九万全部が現在宅建業者のところに働いているわけではないんです。これが的確に握っておらぬわけですよ。十九万何千と言ってびっくりしていますが、そうじゃないのです。そこで登録を受けることができるということは、だれが希望して登録しようとするのか、あるいは都道府県知事なり、あるいは建設大臣なりが、おまえは登録しろと、こういう自分の行政区域内でもって義務づけるのか、その点明確でないと同時に、この取引業者が名前を貸して自分で実体がないと、今度は認証したら判を押さなければならぬから、認証者の判を押さなければならぬから、そのために出ていけばいいんだというようなことでほんとうに悪用されても困るので、やはり一店舗には一人ということにして、やはり名義貸しの禁止ということくらいはきめてもいいんじゃないかと思うのですが、計画局長答弁してください。
#203
○政府委員(高橋弘篤君) 試験の合格者が、これは自分で業者のところに使われて主任者としての仕事を行なう場合におきましては、これは登録を受ける。だから、主任者がこれは希望して登録を受けるというかっこうになるものでございます。もちろん、これはその直前でなくたって試験を通ったら直ちに登録を受けておられてもこれはいいわけでございます。それから名義貸しにつきましては六十八条に名義貸しの禁止の規定がすでにございます。したがいまして、これでもしもそういうことがございましたら、これは懲戒処分がで一きることになっておるわけでございます。
#204
○委員長(田中一君) その登録を受けることができるというのはどういう意味ですか。これは登録をさせようという意思があるのか、資格者が自分で登録したいという意思表示からそれをするのか、こんなあいまいなものではだめなんですよ。かりに自分が業に従事しようという場合には必ず登録をしなさいと、これならはっきりして名義貸しも押えられるのです。同じ名前があっちもこっちもあったというのでは困る。ただ、受けることができるというあいまいなことは、何か根拠があってあなた方はやっているに違いないのだ。だから、どういうことをおそれられて義務づけをしなかったのか。
#205
○政府委員(高橋弘篤君) 試験合格者が必ず業者のところに主任者として働くわけじゃございませんので、したがって、業者のところに働きたいという人がこれは登録を受けるという意味で、義務づけをしないで働くというときにおきましては登録を受けるというかっこうのものにいたしたのであります。
#206
○委員長(田中一君) そう書いてないじゃないですか。受けることができるというのは、義務づけられてないんじゃないですか。これはどうなんです。政令でもって何かきちっときめようというのですか。業に従事しようという場合には登録を受けなければならないというふうに読めないのですがね、これは。
#207
○政府委員(高橋弘篤君) 主任者におきましては、主任者を業者が採用する場合には登録を受けた者の中から採用になるわけでございます。したがいまして、登録を受けなければこれは主任者として業者が採用できないことになるわけでございます。したがって、この業者に採用される場合には、主任者としての職務を行なうという意味での主任者として業者に採用される場合には登録を受けることができるというふうにいたしたのでございます。
#208
○委員長(田中一君) たとえば取引主任者としての試験には合格した、これは取引主任者の資格を持っている者ですね。そうすると、これが宅建業者のところに勤務してその業務を営むという場合でもそうでない場合でも取引主任者に違いない。合格者としての資格は登録されているけれども、あらためてなぜ登録をしなければならぬかということになると、ちょっと意味がわからないのですがね。
#209
○政府委員(高橋弘篤君) 取引主任者の説明のところにございますように、業者は事務所ごとに専任の取引主任者であって、これは登録を受けた者で業者の業務に従事する者ということになっておりまして、登録を受けた者から専任の者を設置することになっているわけでございます。したがって、ここの法律に書いてございます取引主任者の職務権限というものをやるには、登録を受けない者が単に会社の従業員としていろいろ仕事をやっただけでは、いわゆる法律上のたとえば重要事項の説明ということにならないわけでございまして、登録を受けた者の中から取引主任者を選任して設置して、そうしてその登録を受けた主任者が重要事項の説明その他の職務権限を行なうということになっているわけでございまして、この登録をする際には、人的ないろいろな欠格要件なんかがございまして、それを確認をして、そういう該当する者につきましてはこれを登録するというかっこうになっているわけでございます。
#210
○委員長(田中一君) そうすると、登録をしない者は使えないんだということなんですか。
#211
○政府委員(高橋弘篤君) この法律にいいますところの取引主任者の職務権限は行なえないと、登録を受けなければ行なえないということになるわけでございます。
#212
○委員長(田中一君) そういう読み方をしていらっしゃるのだったらけっこうですが、ぼくにはそうは読めない。
 もう一つは、保証会社が五千万円以上の資金というのは、どこの基準できめたのですか。
#213
○政府委員(高橋弘篤君) 先生の御質問の点につきましては、おそらく指定保証機関、前金保証のいわゆる指定保証機関の点だろうと思うのでございますが、この五千万円といいますのは、一つには、いわゆる御承知の公共工事の前金の保証会社というものがこれは三千万円になっております。ただ、これができましたのが昭和二十七年でございまして、したがって、その後の情勢を勘案いたしまして五千万円というふうにいたしたことと、それから信用金庫法によりまして、信用金庫の出資総額は五千万以上ということになっております。で、同等のような職務を行なう金融機関でございますので、五千万円というふうにきめた次第でございます。
#214
○委員長(田中一君) 他に御発言もなければ、両案に対する質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#215
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより両案に対する討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようでございますので、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#216
○委員長(田中一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 まず、宅地建物取引業法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#217
○委員長(田中一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
#218
○上田稔君 私は、ただいま可決されました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案に対し、各派共同提案による附帯決議を便宜私から提出いたします。
 まず案文を朗読いたします。
   宅地建物取引業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、宅地建物取引業の適正な運営を確保し、消費者の利益を保護ずるため、本法の施行にあたり、次の諸点に適切な措置を講ずべきである。
 一、各都道府県に宅地建物取引業審議会を設置するよう指導すること。
 二、宅地建物取引業者が都道府県宅地建物取引業協会に全員加入するよう指導するとともに協会の自主的な規制を積極的に活用するよう努めること。
 三、営業保証金制度に代わる宅地建物取引損害てん補制度についてすみやかに検討し、その実現を図るよう努めること。
  右決議する。
 以上でございます。何とぞ御賛成いただきますようお願いいたします。
#219
○委員長(田中一君) ただいま述べられました上田稔君の提案の附帯決議案を議題といたします。
 別に御質疑もないようでありますので、これより本附帯決議案の採決をいたします。
 上田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#220
○委員長(田中一君) 全会一致と認めます。よって、上田稔君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、根本建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。建設大臣。
#221
○国務大臣(根本龍太郎君) 委員各位の御熱誠なる審議に対しまして、まず心から感謝申し上げます。
 ただいま御決議のございました宅地建物取引業法の一部を改正する法律案に対する附帯決議につきましては、政府といたしましても御趣旨を尊重し遺憾のないよう措置してまいりたいと存じます。
 ありがとうございました。
#222
○委員長(田中一君) 次に、積立式宅地建物販売業法案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#223
○委員長(田中一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、ただいま可決されました両案につき、本院規則第七十二条による議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#224
○委員長(田中一君) 御異議ないと認め、決定いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後四時三十三分散会
ソース: 国立国会図書館
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