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1970/03/16 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第6号
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1970/03/16 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第6号

#1
第065回国会 運輸委員会 第6号
昭和四十六年三月十六日(火曜日)
   午後一時十三分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十三日
    辞任         補欠選任
     鈴木  強君     藤田  進君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鬼丸 勝之君
    理 事
                金丸 冨夫君
                木村 睦男君
                山崎 竜男君
                大和 与一君
    委 員
                重政 庸徳君
                谷口 慶吉君
                平島 敏夫君
                瀬谷 英行君
                三木 忠雄君
                中村 正雄君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省海運局長  鈴木 珊吉君
       運輸省船舶局長  田坂 鋭一君
       運輸省港湾局長  栗栖 義明君
       運輸省鉄道監督
       局長       山口 真弘君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○踏切道改良促進法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
○外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を
 改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鬼丸勝之君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 踏切道改良促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本運輸大臣。
#3
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま議題となりました踏切道改良促進法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 交通事故の防止及び交通の円滑化をはかるため、政府といたしましては、従来から踏切道の立体交差化あるいは保安設備の整備等その改良につきまして極力努力をいたしてまいったところであります。
 特に、昭和三十六年に制定されました踏切道改良促進法に基づきまして、立体交差化、構造改良あるいは保安設備の整備を行なうべき踏切道を指定いたしまして、鋭意危険な踏切道の解消及び交通の隘路の打開につとめてまいりました結果、踏切事故は年々減少する等相当の成果をあげることができた次第であります。
 しかしながら、最近の自動車交通量の著しい増加等のため、踏切事故は、ここ二、三年若干増加するとともに重大化する傾向にありまして、この点を考慮いたしますとき、踏切道の現状はいまだ必ずしも満足すべき状態にあるとは申すことができません。
 御承知のとおり、踏切道改良促進法は、改良すベき踏切道を指定することができる期限を昭和四十五年度末としておりますが、今後さらに踏切事故の減少をはかるとともに、踏切道における交通の渋滞の解消を促進するためには、同法に基づき行なっております改良促進の措置を継続する必要があると考え、今回の改正案を提案いたした次第であります。
 改正の内容は、踏切道改良促進法により改良すべき踏切道を指定することができる期限をさらに五カ年間延長しようとするものであります。
 これによりまして今後五カ年間に踏切道の整備は一段と促進され、交通事故の防止と交通の円滑化に大いに寄与するものと考えております。
 以上がこの法律案を提案する理由であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#4
○委員長(鬼丸勝之君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(鬼丸勝之君) 港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。橋本運輸大臣。
#6
○国務大臣(橋本登美三郎君) ただいま議題となりました港湾整備緊急措置法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。
 港湾は、経済活動の重要な基盤でありまして、外国貿易を拡大し、生産の増強につとめ、地域格差を是正し、もって、国民経済の健全な発展に寄与するためには、港湾の緊急かつ計画的な整備を推進する必要があることは申すまでもないところであります。このような見地から、政府は、昭和四十三年度を初年度とし昭和四十七年度に至る港湾整備五カ年計画を策定し、これに基づいて港湾整備事業の実施を鋭意推進してまいったのであります。
 しかしながら、港湾取り扱い貨物量は予想外の伸びを示し、当初の想定をはるかに上回っております。さらに、海上コンテナ輸送、フェリー輸送等の新しい海上輸送方式が本格化するとともに、地域開発のための新規港湾の整備、船舶の大型化と航行船舶のふくそうに伴う海難の防止、廃油処理施設の整備をはじめとする海洋汚染の防除等の要請が台頭するなど新たな情勢が生じてまいりました。
 このような事態にかんがみ、新経済社会発展計画に即して港湾の整備を強力かつ計画的に実施する必要があります。
 つきましては、昭和四十三年度を初年度とする港湾整備五カ年計画を策定することとなっております現行の港湾整備緊急措置法を改正し、昭和四十六年度を初年度とする新しい港湾整備五カ年計画を策定し、その実施を促進することといたす必要があります。
 以上が、この法律案を提案する理由であります。
 何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御賛成いただきますようお願い申し上げます。
#7
○委員長(鬼丸勝之君) 本日は、本案に対する趣旨説明の聴取のみにとどめておきます。
    ―――――――――――――
#8
○委員長(鬼丸勝之君) 次に、外航船舶建造融資利子補給臨時措置法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#9
○瀬谷英行君 利子補給の実績ですね、最近の実績は一体どのくらいになっているのか、御報告をお願いしたいと思います。
#10
○政府委員(鈴木珊吉君) お答え申し上げます。
 利子補給の実績でございますが、最近、三十九年度から四十四年度まで一応申し上げたいと思いますけれども、合計いたしまして、四十四年度で申しますと、開発銀行と市中銀行合わせまして、約百三十億でございます。それから四十五年度は百四十一億、これはまだ年度を終わっておりませんけれども、予算ではそうなっております。それから四十三年度が約百八億でございます。それから四十二年度が百億台の前でございまして、約八十四億、四十一年度が六十億、四十年度が三十二億、三十九年度が約十五億というふうなことでございます。
 以上でございます。
#11
○瀬谷英行君 外航船舶の運賃収入というのは、ずいぶんこの十年間にふえているわけなんですけれども、実際の外航海運の会社の収支状況というものは、いままでどういうまあ動きをしてきたか。いままでですね。それから、これからどういう動向をたどろうとしているのか。こういう問題について報告してほしいと思いますが、どうですか。
#12
○政府委員(鈴木珊吉君) 運賃関係の収支でございますけれども、もちろん、船腹が計画造船によりまして毎年増加しておりまするので、その分だけ市況も変わりますけれども、やはり運賃は逐次伸びておる次第でございます。数量で申し上げるのでございましょうか。
#13
○瀬谷英行君 ええ。
#14
○政府委員(鈴木珊吉君) 再建整備が終わりましたのが四十三年でございますけれども、始まりましたのが三十九年度からでございます。三十九年度から申し上げますと、要するに運賃収入が主でございますけれども、主として中核六社を例にとりますると、三十九年度が約二千四百五十億円という営業収入になっております。それが四十年度が二千八百四十億、それから四十一年度が約三千三百六十億、四十二年度が約三千八百億、それから最終の四十三年度が四千三百億でございまして、再建整備が終わりました四十四年度に入りますと、さらに船腹がふえましたので、収入は約五千億にのぼっております。なお、四十五年度の上期では約三千億でございます。上期だけで三千億、かようなふうに上がっております。
 なお、これに対しまして、費用でございますけれども、費用のほうは、やはり船腹がふえるだけ運航費、船費がかかりまして、これを申し上げますると、三十九年度が営業費用支出は約二千二百億、それから四十年度が約二千五百億、それから四十一年度が約三千億、四十二年度が約三千四百億、それから四十三年度が三千九百億、四十四年度に入りまして約四千七百億、それから四十五年度の上期は二千七百二十億ということでございまして、これはまあ累次増加しております。したがいまして、営業収入と差し引きいたしますると、三十九年度が二百六十九億、それから四十年度が二百七十五億、四十一年度が約四百億、四十二年度が四百二十億、四十三年度が約四百億、四十四年度が三百五十億、それから四十五年度も上期が約二百九十七億というふうに、営業利益のほうもそれに応じまして上がっておるのが実情でございます。
 以上でございます。
#15
○瀬谷英行君 俗なことばで言えば、赤字か黒字かということになれば、黒字だということになるのでしょう。
#16
○政府委員(鈴木珊吉君) さようでございます。
#17
○瀬谷英行君 これからの動向ですけれども、たとえば、まだ上期しかわからないということですが、大体五百億ぐらいの営業利益を見込むことができるということになるだろうし、今後もその利益というものは逐次増加をしていくというふうに見込まれると考えてよろしいのですか。
#18
○政府委員(鈴木珊吉君) いままでの運賃市況のままでいきますと、特に四十五年度は、いま先生おっしゃったように、約五百億ぐらい見込まれると思います。四十四年度に比べますと、いま非常に上がっておりますですね。これは御承知のように、昨年来の例のタンカー、それに並びまして貨物船関係の運賃が非常に上がったのでございまして、その結果非常に成績があがった。船腹がふえたことももちろんございますけれども、むしろ、そういった市況が上がったことが大きな原因だと思います。したがいまして、それが続けば、ずっとまたこのまま伸ばしたカーブで上がると思いますけれども、一応タンカー市況は昨年の秋ごろをピークにいたしましてやや下がってまいりました。しかしながら、貨物船ほどではございませんので、最近何か例のタップラインですか、タップラインが開通いたしましたので、あるいはOPECと国際資本石油会社の取引が中座しておるときのことで、ペルシャ湾積みがだいぶ減っているようでありまして、そんなことからちょっとタンカー市況もゆるみましたのでございますけれども、まあひどいのは貨物船でございまして、昨年の秋以来ずっと下がり始めております。したがいまして、どの程度下がるかわかりませんけれども、まあそう極端に下がらぬであろう、したがいまして、ある程度横ばいぐらいで成績も続くのではないかというふうに見ております。これは市況のことでございますから、いつ下がるかわかりませんが、ひどい下がり方はせぬと思いますけれども、まあ四十四年度から四十五年度にいくような、そんな急激な上がり方はないのではないかというふうにわれわれ見ておるのでございます。いずれにいたしましても赤字はないだろうというふうに見ておりますです。
#19
○瀬谷英行君 石油価格の影響なんというものはどういうことですか。
#20
○政府委員(鈴木珊吉君) 石油は要するにバンカー代でございますけれども、大体現在、営業費の中のおそらく七%ぐらいじゃないかと思います。それほどまあひどくは響かぬ。もちろん運航費の大きな要素でございますけれども、全般からいえばそれほどではないかと思いますけれども、しかし、上がり方がひどければかなり運航費にも響いてくると存じておりまして、このたびのOPECの関係の値上がりがどうなりますか、われわれとして心配しているところでございます。
#21
○瀬谷英行君 これは世の中どういうことが始まるかわからないから、まあ思いがけない事態が起きるということは、これは心の外に置いて、現状でいえば、要するにさほど心配することはないというふうに受け取れるわけです。
 で、外国の船舶と日本の船舶の競争でありますけれども、それが一体これからどうなるのか。それから外国の船舶等も、それぞれ政府のほうで利子補給というような形で経済的な支援をやっているのかどうかですね。これは海運国、おもな海運国の例だけでよろしいのですが、あわせてお聞かせ願いたいと思います。
#22
○政府委員(鈴木珊吉君) 初めに、計画造船が主でございまして、計画造船と外国船との比較でございますけれども、一番わかりやすいのは、日本で輸出している船でございますね、それと比べますと一番わかりいいのではないかと存じます。それを見ますと、実は昨年の十月にOECDの場で、造船作業部会の場におきまして、世界のおもな輸出国が集まりまして輸出造船の条件につきまして議論いたしました際に、結局船主の負担金利を、いままで六分でございましたのを七分五厘にするというふうにきまったわけでございます。まあそういったような条件を交えまして計画造船と比べて見ますると、まず金利の面で申し上げますると、いま申しましたように、輸出船は一応七分五厘船主負担金利七分五厘、これに対しまして計画造船は、実はまだ実施しておりませんけれども、この四十六年度から新たに現在の政策を改定いたしまして、現在やっておりまする計画造船の金利を多少動かすことにしておりますのでございますが、かりに、それを例にとりまして比べて見ますると、このたびの新しい政策によりまする船主負担金利は、平均いたしまして六分五厘というふうにわれわれ計算しております。これは市中も開銀も合わせまして。したがいまして、輸出船は七分五厘、国内建造船は、計画造船は六分五厘ということで一分の開きがある。この点はかなり国内造船が有利になっております。それからそれ以外に、たとえば輸出船の融資期間でございますか、要するに延べ払いの期間でございますが、輸出船は一応OECDの会議で八年以下というふうにきまっておりますが、国内造船の計画造船も合わせますと、一般造船としましては三年据え置き後八年ということで、この点もやはり国内造船が多少有利であるということでございまして、こういうようなことで、国内船のほうが輸出船に比べまして国際競争力が多少すぐれておるというふうに見ていいんじゃないかと存じます。また、そういうふうに政策を持っていくべきではないかというふうに存じておる次第でございます。
 それからほかの国の助成関係でございますけれども、これはおもな海運国が大体海運助成はやっております。ただしノルウェーは、これは日本に次ぎまして船腹を多く、たくさん持っている国でございますけれども、この国は助成というものを、これはたとえば間接的にはどうか知りませんけれども、直接助成はやっておりません。けれども、この国を除きましてほかの国はほとんどやっております。まあノルウェーでもおそらく間接助成があるいは税制関係でもってあるかと思いますが、いわゆる直接助成だけ見ますると、イギリスにおきましてはやはり計画造船ということで、政府保証によりまする融資というのを現在金利五分五厘というようなことで、また融資期間八年、融資比率八割ということで政府が保証しました市中融資という制度をやっております。これはいわゆる利子補給というのはやっておりません。
 それからアメリカは、御承知のように、建造する場合に、国内船の建造に対しまして船価の四五%を補助しておる。それから、それ以外に政府保証によりまする市中融資という制度もやっております。これはやはり金利も六分以下、融資期間は二十五年という非常に長い期間でございます。非常にこれは保護が厚くなっております。なお、運航補助もアメリカはやっておりまして、これは運航の差額補助ということで、特定の航路につきまして運航の赤字の補助をやっております。それからまた、別に優先積み取りといいますか、運航の面で、対外援助物資とか余剰農産物の輸送につきましては、アメリカ船を先に優先的に積ませるんだという政策もとっております。アメリカが一番海運に対する保護が厚いのではないかと思っております。
 それからなお、西ドイツでございますけれども、西ドイツは、やはり融資といたしまして、復興金融公庫等がございまして、そこで金利が六分、それから融資期間が十二年、融資比率七割というような建造融資制度をとっております。これは利子補給ということはいまやっておりません。そういう低利の融資をやっておるということでございます。それからなお、船主に対しまして船をつくる場合の建造補助、船価の一割を船主に対して直接補助をしているという政策をドイツはとっております。
 フランスも同じように復興金融の融資をやっておりまして、この金利六分五厘、これはフランスは利子補給制度となっておりまして、利子補給制度をやった結果六分五厘の金利と、融資期間も七年ということで公的な低利融資をやっております。それからなお建造補助、これは造船所に対して補助するのでございますが、これは船主じゃなしに造船所に対しまして船価の一割を補助しているのがフランスでございます。それからなお、要するに運航補助といたしましては、まあ半官半民会社が、要するに半公共会社が二社ございますのですが、それに対しまして運航コストの補助、これは郵便物等の輸送についてこういう補助をやっております。優先積み取りといたしましては、石油の優先積み取り権というものをフランス国籍船に対しまして確保しているというような一連の助成政策をやっております。
 なお、イタリーも同じように公的融資といたしまして金利が、利子補給をいたしましたあと、三分五厘という程度で十年の融資期間の動産銀行融資というのをやっております。あと、建造補助といたしましては、船価の一%を、これは造船所に対しまして船価の補助をやっている。それからあと、運航関係といたしましては、国営の海運会社が四社ございますけれども、これに対して毎年運航差額補助を出しているということでございます。あとギリシアも同じような低利融資の制度をやっております。こうやってみますると、大体おもな海運諸国、ノルウェーを除きまして、ほとんどこういった直接補助をやっているのが現状でございます。
 以上でございます。
#23
○瀬谷英行君 それはわかりましたが、それじゃ外国で船舶の建造に対するそういう融資という形で何らかの財政援助が行なわれているとしても、かりに今度立場を変えて、日本の造船所で外国の船を建造するという場合に、日本の造船業にプラスになるような形で政府のほうの融資が行なわれますか、つまり、この、いまの法案で出ているのは、外国の造船業にも計画造船の門戸を開放するというのが趣旨のようだけれども、それとは逆の例があるのかどうか。日本の造船業に対して外国の政府なりあるいは船舶会社等からいろいろな形で、それが自国だけじゃなくて、日本の造船所で建造する場合にも、まあ何らかの形でもってこの財政的な援助が行なわれているというような事実がいままであるのかどうかということです。
#24
○政府委員(田坂鋭一君) イギリスの助成といたしまして、英国の船主が外国の造船所に建造を依頼いたしましたときに、キャッシュグラントといたしまして船価の二〇%が政府から補助されるという実例がございます。
#25
○瀬谷英行君 イギリス以外はどうですか。
#26
○政府委員(田坂鋭一君) キャッシュグラントにつきましてはイギリス以外ございませんですけれども、イギリスとスぺインとアメリカ、こういう国はやはり日本と同じような助成をやっております。以上であります。
#27
○瀬谷英行君 日本と同じような助成をやっていると言うのですけれども、日本はこの法律案ができなければやらないわけでしょう。いままでのところ日本は、外国の造船業界に対する間接的な援助というようなことは、いままではやってなかったわけですね。日本より先がけてそれじゃイギリスなりスぺインなりアメリカなどはやっていた、こういう意味なのかどうか、その点はどうですか。
#28
○政府委員(田坂鋭一君) さような意味でございます。
#29
○瀬谷英行君 そうすると、OECDで問題になったのは、結局イギリスなりアメリカ、スぺイン等がやっていた、いままでやっていた措置を、それらの国以外の国にも広げるべきであるという話がよりどころになったということなんですかね。
#30
○政府委員(田坂鋭一君) そういうことでございます。
#31
○瀬谷英行君 じゃ、OECDでそういう申し合わせが行なわれたということは、いままでのイギリスアメリカ以外の国々が、それぞれの国内において必要な立法措置あるいは財政措置を講じて歩調を合わせるということになるんですか。
#32
○政府委員(田坂鋭一君) 法律措置でやられておりますのはわが国でございまして、わが国は本国会の御承認が得られれば、そういう措置をいたしますという約束をいたしました。諸外国におきましては、ほとんどが立法措置でございませんで、行政措置でやっておりますので、大体前回のOECDの理事会の合意によりまして、その措置がなされるわけでございます。
#33
○瀬谷英行君 立法措置でなく、行政措置ということになると、イギリス、アメリカ、スペイン等は行政措置でやっておったということですか。
#34
○政府委員(田坂鋭一君) そういうことでございます。
#35
○瀬谷英行君 とすると、立法措置では日本がトップだということになるわけですか。
#36
○政府委員(田坂鋭一君) トップと申しますのはどういう意味か……。
#37
○瀬谷英行君 いままで日本の国以外にはなかった、初めてだ、日本が初めてだと、こういう意味ですか。
#38
○政府委員(田坂鋭一君) 日本が唯一の国でございまして、日本が今回やれば、立法措置の改正は日本がトップと、また唯一であるということでございます。
#39
○瀬谷英行君 日本が、立法措置をとるという国では先べんをつけるというふうに受け取れるわけなんですがね。じゃ、こういう形態で利子補給ということはわかるんですけれども、船会社の経理状況その他から考えてみて、利子補給という形態でもってやっていく必要があるのかどうかという問題は、また別個の問題になりますね。必要性の問題についてはどうでしょう。これはいままでの慣例だから、既得権としてこれはやっていくということなのか、それとも、現在の日本の海運界の現状にかんがみて、その必要があるかどうかということになるとどうでしょう。
#40
○政府委員(鈴木珊吉君) いま先生のおっしゃったように、いろいろな方法があると思うのでございます。たとえば、先ほど申しましたように、直接運航補助ですね、そういう方法もありましょうし、造船所に対する要するに建造補助もございましょうけれども、私どもといたしましては、いままでやってきたという意味じゃありませんけれども、結局、大量の輸出入物資を運ぶために大量の船が要る、それには船会社たる私企業が大量の船ができるように、安いコストのお金で、しかもまた、政府の開銀という財政資金を主にいたしまして、そういうものを使って船をつくったほうが私企業としてはつくりやすい。それからいま一つは、それによって船はつくれますし、また運航コストが――金利負担ということから見まして、安い金利の利子補給をしていただけると、安い金利で、あるいは運航コストといいますか、運航コストもそうですし、要するに運賃のコストが安いコストで物を運べるというようなこと。したがいまして、直接補助よりも、金融機関に対しまして低利の融資をやっていただいたほうが、むしろ直接補助よりも効果といいますか、要するに船主が企業意欲を保ちながら船をつくっていく、両方のねらいができまして、こういった間接補助のほうがむしろ適当ではないだろうか。要するに、たくさん船をつくって、安くできて、安定した輸送ができるというためには、金利を安くし、安い金利の融資をするというほうがいいんであって、それ以上、昔よくやりました運航の差額補助をするとかいうことまでは、やはり必要はないのじゃないか。むしろそういった方面は、自主的な自立態勢でもって船主さんが努力してやるべきであるというふうに私どもは考えておる次第でございます。したがって、現状では、間接でございますが、こういった方式が一番日本造船全体を整備する上につきまして、最もいい方法ではないかというふうに私ども考えておる次第でございます。
#41
○瀬谷英行君 この海運の公共的性格から考えると、それは御答弁になったようなことはもっともなことだとわれわれは理解できる。しかし、これを政治的に考えてみた場合に、他とのつり合い一たとえば車両の問題ですね。車両メーカーがどうもここのところ左前になってしまったというような問題、それから過疎地帯における交通機関の問題がありますが、高知県交通なんかがつぶれそうになったというような問題ですね。こういう面から考えると、交通政策としては海のほうだけが過保護になっているのじゃないか、あるいは海のほうが過保護じゃなくて陸のほうが保護がなさ過ぎるということなのかもしれないが、交通政策全般からいうと、つり合いがとれないような気がするのです。いまの問題についての質問は、船舶あるいは海運関係の局長にしても、しようがないと思いますが、ほんとうは大臣にしなければならないことかもしれませんが、そういう点ではちょっとつり合いがとれないような気がする。また長い目で見た場合に、日本の輸出ということを考えれば、このくらいの措置は必要だという理屈はわからないでもないけれども、同じ運輸省が所管をしている他の企業――国鉄あるいは私鉄等々の車両関係あるいは過疎地帯のバスといったようなもの、これだってやはり公共的な性格を持っていることには変わりがない。そういう点で考えると、ちょっと釈然としないような問題があるわけです。したがって、もし今回のようなこういう立法措置を必要とするならば、日本の海運の現状というものが多少どうも先行き心細くなってきたとか、あるいは不測の事態に対応するためには財政的なてこ入れを必要とするのだという何らかの理由がなければならないという気がするのですが、いままでの外航船舶の収支状況あるいは外航船舶の運賃収入の今日までの趨勢といったようなことを考えてみると、そこまでの必要はないのじゃないかという感じが出てくるのですが、その点はどうですか。
#42
○政府委員(鈴木珊吉君) ただいまの先生の御質問、非常にごもっともと思いますが、前段階の点につきましては、おっしゃったように、私、海運局の者でございますから、ほかの局のことは申せませんのでございます。海運局限りといたしましては、いま先生のおっしゃいましたような点が確かに問題でありまして、そういう点も織りまぜまして、実は昨年の海運造船合理化審議会に、現行の海運六カ年計画というものの要するに練り直しをお願いしたわけなんでございます。と申しますのは、いま御指摘のように、非常にまあ市況がよくなって、それから収益もあがっておるんじゃないか、それに対して現行どおりの、海運六カ年計画どおりの助成策あるいは建造方式でいいものだろうかという疑問が、これは経済五カ年計画の改正の点ももちろんございますけれども、あわせまして織り込みまして実は諮問したわけでございます。そこで、海造審といたしまして半年かかっていろいろ議論したのでございますが、その結果、現行の六カ年計画を改定いたしまして――海造審の答申が出まして、それによりまして、私どもは来年度からの予算の要求を現在御審議願っておるわけでございますけれども、いまおっしゃったような議論がだいぶ出たのでございます。実は端的に申しまして、企業体力がはたして一いま非常に市況が上がっておるので、利益があがっておるというふうに見えますけれども、企業体力の面から申しまして、とても、これは四十五年度の九月からずっと上がりましたけれども、要するに内部保留と申しますか、そういう点はほとんど伺ってないのです。ですから、これからいろいろな留保金も積んだり、積み立て金も積んだりいたしまして、企業体力をつけていかなければならないんじゃないか。むしろ、その第一歩に入ってきたところでございます。特に、コンテナ船が大西洋、豪州、いまやっておりますけれども、これからニューヨーク航路、欧州航路もコンテナ化されてくるわけでございまして、これに対しても相当大きな投資が要る。これは船ばかりでなく積バンもそうでございますし、それから末端、両端のコンテナバースという専用バースについての出資金も要りますし、非常に大きな先行投資をかかえているということが一点ございます。
 それからいま一つは、運賃市況が、先ほど申しましたように、タンカーも多少下がってきましたし、それ以外の貨物船もずっと下がってきておりますので、それほど楽観を許さないという点、それからまた出費でございますけれども、経費もやはりこれは物価高を反映いたしまするし、あるいは石油のようなああいう問題も起きまして、修繕費もしかり、燃料費もしかり、ベースアップも行なわれます、そういった面での経費もかさんでくるということ等を考えまして、結局この程度の助成をしないと体力として続かないのじゃないか。たとえば、先ほど私申しましたように、四十四年度の営業利益を見ますると、四十四年度が六社で三百四十八億ということになっております。それからあと、それ以外の営業損益というのは、金利ですが、金利を支払いまして、昭和四十四年度でいいますと残りは、経常利益が約二百六億出ておりますが、この二百六億に対しまして、利子補給は、四十四年度は約九十億ぐらいと思いますが、これがなくなりますと、もう半分も減ってしまう。したがいまして、これをあと特別償却いたしますと、税引きあと、前の利益はなくなってしまうということになりまして、さようなふうに見ますると、まだまだこれでは体力化されないのではないかという点が一点でございます。
 それからいま一つは、何と申しましても、大量の物資を安定して運ぶという至上命令と申しますか、一つの役割りをになっております。したがいまして、やはりマーケットどおりの運賃を要求しましてものを運びますと、それは鉄鋼も石油もでございますけれども、たいへんな値上がりが国内に起こってくる。ところが実際いまのところは長期の、要するに積み荷保証の契約で、たとえば十年とか十五年とか、リーズナブルな用船で、長期の用船でおもな鉄鉱石、石油、石炭等を運んでおるわけでございます。それは要するに、こういった低利の融資の金で船がつくれるということからそういうふうになるのでございまして、それがなければマーケットプライスで荷物をちょうだいしなければならない。そうすると、猛烈な――石油でも石炭でも、マーケットプライスを加味しますと、非常な運賃を払わなければならない。これは非常な輸入物資の値上がりになってきて、国内に物価高を及ぼす、物価抑制といいますか、コスト低減の非常な大きなささえを、実はこの利子補給制度ないしこういう造船制度によってやっておるという事実も否定できないことじゃないかと思います。
 それから第三点が、先ほど申しましたように、国際的な競争力の問題もございます。やはり少しでも有利なような条件で日本海運というものを育て上げたほうがいいんじゃないか。いわんや、外国も同じような助成をやっておるということでございますので、私どもといたしましても、少なくともこういう利子補給という制度でささえていきたい、それ以外は船主の自主的努力に大いに待つところだというふうに考えておる次第でございます。
#43
○瀬谷英行君 コストの面で考えてみた場合、外国の造船所と日本の造船所とを比較をした場合に、どういうことになっているかということが一つと、それからこれは今後の船舶の形態に関係することですが、たとえばコンテナ船なんというのは最近かなり多くなってきた、将来じゃこのコンテナ輸送方式というものが大量輸送方式の中心になるということになるのかどうか、日本の国内の輸送、内航海運の場合、じゃコンテナ輸送方式というものは相当考えなければならぬのかどうか、これは輸送の様式の問題でありますが、この機会にひとつ運輸省としての見解を承りたいと思います。
#44
○政府委員(鈴木珊吉君) 御質問第一点の船価の点でございますけれども、日本の場合はやはり外国に比べまして、二割くらいの差が――安いというふうにわれわれ見ております。
 それからコンテナの件でございますけれども、コンテナ、要するに外航船のコンテナ整備というのは、これはいわゆる定期航路でございますね、つまり雑貨を輸出し、雑貨を輸入する定期航路の面でコンテナ化される、それ以外の、たとえば石油は、これはタンカーなんですけれども、鉄鉱石とか石炭とかあるいはニッケル鉱とか、いろいろなものがございますけれども、そういうものはコンテナ化できないのでございまして、大型化の専用船というところにいくのではないか。したがいまして、この定期航路の船をコンテナ船に切りかえていくということがこれから行なわれつつある。現在やっておりますのが、太平洋のサンフランシスコと日本の間であり、シアトルと日本の間、豪州の間、その定期航路をやっておるわけでございます。したがいまして、今後は、たとえば欧州と日本の間の定期航路、それからスエズを通るニューヨーク米国大西洋岸への定期航路、その他まだ南米とかいろいろございますけれども、あるいは東南アジアとか、逐次コンテナ化していくということでございます。それ以外は、いわゆる不定期船あるいは定期航路でも専用船でいくという趣旨でございます。ただし、非常に船価が高うございますので、また、特定のピアを使う必要があるということで、非常にお金がかかるということはコンテナについての特性ではないかということでございます。国内海運につきましても同じようなことなんでありまして、たとえば石油とか石炭とか鉄鉱石とかセメントとか木材とか、そういうものはコンテナ化し得ないものである、これは専用船で運ぶべきじゃないか。したがいまして、カーフェリーのようにいきなり車を積んでしまうというようなものにするわけではありませんで、そういった分野は、そういう方面の新しい輸送技術のシステムを発達させなければならない。したがって、すべてがコンテナ化するわけではありませんので、専用船とコンテナ化と両々相待っていくというふうに考えておる次第でございます。
#45
○瀬谷英行君 二割程度こっちのほうが安いということになれば、外国の造船所ではなるべくつくらせないほうが国益には合致するような気がするわけですね。そうすると、こういう立法措置を講じてまでめんどうを見る必要があるのかどうか、疑問が出てくる、その点はどうですか。
#46
○政府委員(鈴木珊吉君) おっしゃるとおり二割増しでございますので、なかなか対外発注するチャンスはあまりないのではないかと思います。ただ、理論的には、たとえば日本の造船所が注文が一ぱいで船台があかないというようなときにどっかの国があいていればそこへいくということはあると思います。つまり長い間待つよりも、二割高くてもよそへ出したほうが早くできるということもあると思います。
 それからいま一つは、これは実行というのは遠いかもしれませんけれども、やはり国際協調といいますか、要するに国内で助成している船を外国でつくれるのだという、国際協調といいますか、そういうたてまえ、体制をつくるということは大事ではなかろうかというふうに考えておる次第でございます。
#47
○金丸冨夫君 ちょっと関連。
 先ほどの説明で、利子補給をなぜやるのかということについて、現状に立脚してのいろいろの説明があったのですけれども、私この前も、その点は理解しておったからお尋ねしなかったのだけれどもね、いわゆる船舶の再建計画というものがあって――まあ率直にいえばわが国の船舶は大戦によってほとんど大部分がなくなった。ということは、陸上のバスとかあるいは客車とか貨車というもののなくなったのとは比較にならない大きい痛手をこうむっておるから、それを国が見てやるべきだ、そうして船腹を増強する必要があるのだ、ということで戦後ずっとやってきたわけですね。その残りが今日やはりまだいわゆる船舶業者の資金的、経済的大きい負担になっておるからということで、これはやっておるわけですね。だから今度の造船関係の平和を維持するという意味からいけば、何も、船舶業者に――この利子補給を外国の造船業者に認めるということは大体意味が違うわけなんです。ただし、均衡を維持するという意味からいけば、わが日本は国内法によって、利子補給を法律によってきめられておる、ところが外国の業者に対する日本からの依頼についてはそれが認められていないということは差別をしておるんじゃないか、自国の造船業者を特別保護するということになるからそれを取り除けという意味が、そもそも今度のOECD――経済協力開発機構での協定になったと私は承知しているのですが、それは間違いないですか。
#48
○政府委員(田坂鋭一君) 先生の御指摘のとおりでございます。
#49
○三木忠雄君 それでは、この法案のいろいろな問題は先ほどから論議されたと思いますが、私は、特にこの法案が通過した場合にたとえばどういう効果があらわれてくるかということですね、この点について。
#50
○政府委員(田坂鋭一君) この法案の御審議をお願いいたしております発端は二つございまして、まず第一には、わが国の造船界が戦後の荒廃から立ち直りまして、昭和三十一年以来世界第一位の造船量を確保するようになりました。特に最近におきましては世界の造船量の五〇%を建造するようになったわけでございます。そこで、世界のリーダーといたしまして世界の造船界と国際的に協調をしていくというふうなことが必要であろうということで諸般の自由化を進めてきたわけでございますが、これが最後に残った自由化であるということが一点。
 それから第二点は、OECDの場におきまして、造船作業部会におきまして、ここ数年来、造船業の正常な競争条件を曲げる要因の漸進的な排除という二とで議論されてきたわけでございますが、一昨年四十四年に、この処置といたしまして、第一点は、輸出信用条件の統一化ということがなされまして、頭金二〇%、あるいは支払い条件、支払い延べ払い期間八カ年、あるいは金利は六%ということが決定になったわけでございますが、この決定と一緒にまた、各種の政府助成を逐次漸減いたしまして、正常な競争条件を曲げるという要因の一つにこれを考えて、逐次に削減していくという旨の勧告が採択されたわけでございます。そこでまた次に、第十三回、昨年の十月のOECDの造船作業部会におきまして、先ほど申し上げました信用条件のうち金利の引き上げを行なったわけでございますが、あわせて先般の、先ほどの勧告、政府の助成の削減ということの勧告の趣旨にかんがみまして、政府助成を受けた国内船の建造を自国造船所に限定するいわゆるタイイングを排除していくことが合意されたわけでございます。そこで、合意によりまして、わが国も一そう国際協調をはかっていく上におきまして利子補給法の関連の規定を改正する必要が生じまして、いま御審議をお願いいたしているわけでございます。
#51
○三木忠雄君 そうしますと、海外から日本に造船依頼があると思うのですね。それの実態で、実際に、日本はいままで極端にいえば閉鎖的であったわけですね。ところが、海外で、そういう補給法で実際に援助しておるそういう実例はどういうふうなぐあいになっておるわけですか。
#52
○政府委員(田坂鋭一君) 海外におきましては、イギリスがキャッシュグラントという形におきまして、海外に発注いたしましたときにその船価の二〇%を補助するという形がございます。
#53
○三木忠雄君 それで、イギリスとかその他各国、日本に、造船の技術を評価して非常に発注も数多くあるわけですけれども、現実に、いまの時点における日本の造船業についてはそういう点は考えられると思うのです。しかしながら、将来、いまどんどん進行しているコンテナ船の問題であるとか、あるいは高速船の問題、あるいは将来考えれば原子力船の問題が出てくると思うのです。こういう問題については、造船技術上からいえば日本よりもすぐれている点が諸外国にあるのじゃないかと思うのですけれども、この点はいかがでございますか。
#54
○政府委員(田坂鋭一君) ただいま例をあげられましたコンテナ船、超高速船あるいは原子力船につきましてでございますが、コンテナ船につきましては、現状は、わが国の今日までに建造いたしましたスピードの最高は速力二十八ノットでございます。現在欧州でつくられておりますのは最高が三十ノットでございますが、この三十ノットにつきましても、わが国も可能性といいますか技術レベルが十分ございまして、この国際入札には参加したような現状でございます。でございますので、スピードの点におきまして、速力の点におきまして諸外国に劣る点はなかろうと考えられます。一方、原子力船でございますが、原子力船につきましては、原子炉の開発におきまして、わが国は、現状におきましては、アメリカあるいはイギリスあるいは西独等に対しましておくれておりますけれども、それ以外の、原子力船をまとめていくという技術におきましては、そう極端な差はないというふうに考えておりますので、現在、原子炉の開発を早急に進めたいということで検討並びに研究を進めておる次第でございます。そこで、特段の例外的な事態がない限り、そういうものにつきましても、外国に発注されるということはなかろうかと考えております。
#55
○三木忠雄君 これは現在の造船技術を船舶局長相当高度に見積もっておられるわけでありましょうけれども、現実にコストの面とかあるいは世界的ないろんな技術の面から考えますと、あるいは将来実用化されるであろう原子力商船の問題、これを考えてきた場合には、どうしても、たとえば船主は、日本の船主組合が海外に発注したいという例は絶対皆無だとは言えないと思うんですね。こうなった場合には、やはり今回の法案と同じような条件が、やはり日本の造船所を飛び越えて、そういう原子力船とかあるいはコンテナ船、高速船等は海外に発注するという例が私は数多く出てくるんじゃないかと、こう考えるわけなんですね。こうなると、今回この改組体制に持っていったこの法案が、どこまで国内の造船技術あるいは造船業界を保護するかという問題とからみ合わしますと、非常にこれは十年先、二十年先の問題になってくると、そこまでの見通しのついた上でこういう問題に取り組んでおられるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
#56
○政府委員(田坂鋭一君) ただいま先生の御質問の、わが国の船舶が外国の船よりも高いような状態が起こる可能性があって、そういうときに相当の数量の船舶が外国の造船所でつくられる心配はなかろうかという御趣旨かと存じますけれども、現在の建造されております原子力船「むつ」におきましては、これは相当高価な船になっておりますが、これにつきましては、わが国の最初の開発の原子力船であるということ、それから、わが国の原子力関係に対します非常な配慮ということから特別な安全性をこの「むつ」には要求して重装備、安全性におきまして重装備になっておるというようなこと、まあ経験不十分というようなことも加味されまして、「むつ」は非常に高い船になっておりますけれども、外国の建造します同様の設計でやりますれば、わが国の現在の造船設備、造船技術、こういう合理化されましたレベルからいいまして、あるいはまた資材、関連工業品、そういうものが非常に安定的に供給されるというような現状からいいまして、まだ当分といいますか、現在の見通しでは外国の船価に負けるということ、あるいは技術的に格段の差が出てくるというような見通しは、私どもは見通しといいますか、心配をする必要はなかろうというふうに考えております。
#57
○三木忠雄君 そこで、非常に高く評価されているわけでありますけれども、それと関連しまして、経済協力の問題とこの造船技術の問題が非常にいま国内でも問題になっておるわけでありますけれども、運輸省で造船の技術援助強化ですね、これが叫ばれている、この問題についてはどういうふうにお考えになっておりますか。
#58
○政府委員(田坂鋭一君) 先ほど申し上げましたように、世界の五〇%の建造をするような、わが国の造船界は発達いたしましたので、将来、世界の安定的な船舶の供給ということを基本的に考えていく必要があるということが第一点と、それから今後国際的な協調を十分にしていかなければならないということから、造船業につきましての技術協力、そういうものにつきましては、積極的に今後進めていきたい。今日までも政府ベース、コロンボ計画による技術者の研修、専門家の派遣も行なっておりますし、また、民間ベースでは企業間で技術提携並びに経済的な援助も行なってきているわけでございます。また、最近開発途上国から、自国の産業の開発あるいは海運の育成という面から、わが国に技術援助並びに経済協力の要請が非常に高まっておりますので、今後わが国の海外協力、経済協力政策の一環といたしまして、造船技術の援助を一そう総合的に強化していくという方針でおりますが、わが国の中小造船所との関係につきましても十分留意しながらこれを行なっていきたい、そういうふうに思います。
#59
○三木忠雄君 いま、低開発国から具体的に日本の国に援助要請がきているところはありますか。
#60
○政府委員(田坂鋭一君) 具体的に低開発国と申してよろしいかどうかわからない、造船的に発展途上国という国もございますけれども、韓国、インドネシア、タイ、ポルトガル、ユーゴ、セネガル、パキスタン等から、民間ベースあるいは政府ベースとして援助の申し出が参っております。
#61
○三木忠雄君 一つの具体的な問題として、たとえば韓国ですね、韓国からは具体的な援助計画が、プロジェクトがどういうふうになっているか。
#62
○政府委員(田坂鋭一君) この件につきましては、昨年第四回の日韓閣僚会議におきまして韓国から申し出があったわけでございますが、相当大型の造船所を韓国といたしまして重工業の一環として設備いたしたいというふうなお話でございます。
#63
○三木忠雄君 もう一歩具体的に、いつから韓国に造船技術を援助するか、あるいは、その造船所の韓国の設置に対して援助するか、そういう具体的なことはまだ計画されておりませんか。
#64
○政府委員(田坂鋭一君) この韓国の新造船所の設備につきましては、その日韓閣僚会議におきまして一応の合意が得られましたので、引き続きまして昨年の十月から十一月にかけまして重工業調査団を派遣いたしまして、その一環として造船の調査もいたしたわけでございますが、私どもの調査団の基本的な報告は、現在あります造船所の整備をまずやって、その整備をやりながら技術的なまた労務者、造船労務者の育成も教育もやりまして、その整備が終わって続いてやるべきであるという報告を出しておりますけれども、その後韓国からまだ具体的なお話し合いの段階には至っておらないわけでございます。
#65
○三木忠雄君 そうしますと、ここ一、二年、具体的に造船所の設置等に対する援助、あるいはまた韓国の船に対してどれだけのものを、輸出入銀行の延べ払い等を通じての援助等をするという、こういう具体的な計画はまだございませんか。
#66
○政府委員(田坂鋭一君) その後報告書を韓国側にも提示いたしまして、その返答がございませんので、現在は具体的な話は進んでおりません。
#67
○三木忠雄君 それで、具体的に、韓国以外の東南アジア等においても技術援助をやると、こういうふうな運輸省の方針を立てられているんですけれども、これはもう対外協力全体にもなりますけれども、こういう技術援助の問題というのは非常に各省とも重んじているようだけれども、案外なおざりにされやすいんですね。こういう問題に対しては、日本の国が造船技術が非常に進んでいる、こういう特技を生かして、やはり積極的に運輸省なら運輸省としてこの低開発国への援助を進めていく、こういうことが私は非常に大事じゃないか、こう思うんですが、これを具体的にあるいは積極的に進めていくというプランをもう少し明確にしていただきたいと、こう思うんです。
#68
○政府委員(田坂鋭一君) 具体的に進めなければならないという点につきましては先生の御指摘のとおりであると存じますけれども、造船は労働集約産業といわれますとともに、また、相当高度の技術を要します産業でございますので、なかなか発展途上国におきましてこれに取りかかるのに非常な障害が多うございます。それからまた、資金的にも非常に大きな資金が要るということで、話が起こりましても、相手側の国からも具体的に私どもの、わが国の計画をともに進めていく情勢がなかなかうまく――お話だけは起こりましても実態的に進まない、そういうふうな事情もございますが、極力ただいまのようなお話のとおり具体的に進めるよう努力いたしたいと存じます。
#69
○三木忠雄君 その問題はそれにしまして、あと造船所の設備の問題なんですが、たとえば昭和五十年、これをめどにしていろんな計画が立てられているという話を伺っているんですが、造船の需給関係、これについては五十年を起点としてどのように考えていらっしゃいますか。いま設備がだいぶ過剰になってきたと、こういうふうにも私承っておるわけなんですけれども、この点はどうなんですか。
#70
○政府委員(田坂鋭一君) 実は最近非常な新造の需要の増加に伴いまして、中手、大手各造船所がそれぞれ増設計画を持っておりますし、また、具体的に進められているところもございます。これらの計画を全部集約いたすことは、まだすべてのものが船舶局に届いておりませんのでわかりませんけれども、おおむねわかりましたところによりますと、その全部を足し、また、計画にあらわれてない、毎年経常的にふえていくというふうな統計から、今日までの傾向からとりました数字を足しますと、相当の量に達するものであるかと考えられます。これらと、それから一方、昨年、海運造船合理化審議会で立てられましたわが国の外航船の昭和四十九年度までの建造量、あるいはまた、昨年大蔵省等と議論いたしまして、一応輸銀からの輸出船に対します融資めどという形で、四十八年度まで毎年毎年の対象トン数が決定されましたが、これらを足しまして、また、内航船の従来の建造量も足しまして、毎年毎年そういう同じような伸びを昭和五十年度までいたしていくという形で、昭和五十年度の実質的な現状から見ました新造需要量というものとの対比をいたしますと、やはり現在の造船所が考えております設備増加の傾向はやや過剰になるというふうな考えを持っております。
#71
○三木忠雄君 これは「日経」にも発表されておったんですが、造船設備を調整しなきゃならない、設備過剰で調整しなきゃならない、二五%廃棄しなきゃならないと、こういうふうに報道されているわけですけれども、具体的にそこらの調整はどういうふうなぐあいになっているんですか。
#72
○政府委員(田坂鋭一君) ただいま御説明いたしましたような次第でございますので、過当競争ということは望ましくないということで、個々の数字が明らかにどういうふうになりますか、いま五十年度の見通しを私ども立てますと、現状では、設備能力の超過を約二五%ぐらいではなかろうか――設備能力の現在考えております増設の大体二五%ぐらいではなかろうかというふうに考えられますので、また一方、造船法におきまして、船舶建造の円滑なる運営ということの面から、設備増強をいたすときに、大体おおむね二五%に相当するものを休止あるいは廃止していく。これはまた一方、現在の設備の合理化、こういうものにもつながるものでございますし、また、旧式の設備を廃止するということで、また一方、大手から中手に、それぞれの造船所が発展していくときにそのシェアを譲り渡していくというような、そういうふうな政策で、まあ二本ともつながるものではないかというようなことで、日本の造船界の今後の発展の傾向からいいますれば、そう無理なことでもなかろうというふうな感じを持っております。
#73
○三木忠雄君 具体的に二五%廃棄処分にしていくと、そうしますと、新しく造船所を設置したいと、こうなったところから二五%を廃棄していくと、こういうぐあいなやり方でいくんでしょうか。
#74
○政府委員(田坂鋭一君) 大体そういうことでございますが、Aという造船所が新しい造船所をつくるというときに、その造船所の持っております年間建造能力の二五%に相当する古い造船設備を休止または廃止していくというふうな考え方でございます。
#75
○三木忠雄君 そうしますと、たとえば中小の造船所、これが設備改善する、あるいは合理化すると、こういう場合に二五%を削減されますと、だいぶ影響が大きいのじゃないでしょうか。大きな造船業者はよろしいでしょうけれども、中小の造船業者は、そういうふうに二五%数字的に簡単にやっぱり切られていけば、残るものはわずかになってくると、こういうふうな状態も考えられるんですけれども、この点はどういうふうに調整していくか、具体的な、あるいは明確な方針があるのかどうか。
#76
○政府委員(田坂鋭一君) 先生の御指摘のとおり、中小造船所におきましては非常に苦しい面がありますし、また、大手の造船所におきましても、新設設備の非常に大きいところにおきましては既存の造船所工場全部を廃止しなければならない、あるいは休止しなければならないというような状態に追い込まれなければならないというような事態も、この二五%一律に運用いたしますと起こってくるケースが考えられます。そこで、全体的にこの二五%をめどに設備の調整をいたしたい、あるところは、あるいは二五%をオーバーするところがあり、あるところはまた二五%を下回ると、全体の生産力が問題でございますので、悪平等にならないようにというふうな考えで現在は進めております。
#77
○三木忠雄君 そこらのさじかげんは、私はわからないのですがね、実際に何かはっきりした基準もない。ただ、自主調整、こういうふうにもいわれているわけなんですね。こういうふうな点で、実は、大手はどんどん百万トンの造船の設備をしたとかいろんなことが報道されますけれども、また、具体的にそういうふうに設備は整っていっているでしょうし、あるいは近代化、合理化というものは、大手のほうは非常にやりやすいかもしれないけれども、中小の造船所、これはやはりそこへ全部しわ寄せがきて、極端にいえば中小の造船所はつぶれていいと言わんばかりの運輸省の行政じゃないか。これは勘ぐり過ぎるかもしれませんけれども、そういう隘路が出てきているのじゃないか。この二五%の廃棄処分について確かに問題点を含んでいる、問題があるのじゃないかと思うのですがね、この点はどうでしょうか。
#78
○政府委員(田坂鋭一君) 機械的に二五%の運用をいたしますと、先生の御指摘のような事態も考えられまするので、総合的な、各造船所それぞれの自主的な事情をよく聞きまして、全体的に二五%でありたいというふうな運用を今日考えておるわけでございます。また、あわせまして、先ほどちょっと御説明が不足であったかと考えられますけれども、中手、小手の中小の造船所におきましては、もう一つ問題は、造船所の技術能力あるいは管理能力、こういうものからいいまして、設備、全体の生産力だけでなしに、そういうものをあわせて考えなければなりません点が大手とちょっと違った点でございます。
#79
○三木忠雄君 これはくどいようですけれども、二五%廃棄の問題については、もう少し納得のできるような、やはり二五%ときめること自体も、将来の造船計画の問題に合っているかどうかという問題も、これは論議されなければならない問題だと思うのです。二五%ほんとうに廃棄していいものかどうか、将来の輸送計画と合わせてみて、二五%廃棄してしまって実際にうまくいくのかどうか、こういう問題も論議されなければならないと思うのです。あるいは、どの基準で二五%調整するかどうかというところも、やはりもう少し明確に納得ができるような方式をつくり上げなければいけないのじゃないかと思うのです、国民が納得するような。その点はもう少し努力されたほうが私いいと思うのですが、いかがですか。
#80
○政府委員(田坂鋭一君) 現在確かに先生のおっしゃる点はあろうかと考えられまして、私どもは、大臣の諮問機関としてあります海運造船合理化審議会の先生方にも十分にお知恵を拝借したいというふうな考えでもおりますし、それから、このことにつきましては、造船工業会並びに中型造船工業会の幹部の方々とは、すでに十分な、基本的な方策につきましては合意がなされておるという状態でございます。
#81
○三木忠雄君 それでは次の問題、最近大型船の建造が非常に話題になっている。運輸省は大体何万トンくらいまで大型船を認めるのかどうか、この点について。
#82
○政府委員(田坂鋭一君) 船舶輸送の合理化ということで、昭和四十年度に、巨大船の設計――試設計といいますか、巨大船建造に対します問題点につきまして造船技術審議会から御答申をいただきまして、それに引き続きまして、昭和四十三年度に、五十万デッドウェートトン・タンカーの試設計を運輸省の船舶局を中心にいたしまして完了いたしまして、昨年、実は四十七万トン並びに三十七万トンの大型タンカーの建造許可をいたしたわけでございます。これらにつきましては、技術的あるいは建造上、設備上の問題点は今日十分に解決していると考えられます。引き続きまして、今後の輸送の合理化によりまして大型化が進んでいくであろうということで、運輸技術審議会に昨年七月、百万トンタンカーの建造につきまして、技術並びに設備あるいは港湾施設、そういう点につきましての問題点の解明ということで御諮問をいたしまして、審議が進められている次第でございます。この百万トンのタンカーの問題点を解明いたしまして、そこで何万トンまでの船舶がいま現在望ましいかということのめどを立てまして、それから、そのめどの立ちました大きさのトン数に向かって諸般の施策を進めたい、こういうふうに考えておる次第であります。
#83
○三木忠雄君 それで、大型化になってきますと、非常に私たちも疑問に思うことは、経済性と安全性の問題ですね。これはどういうふうに考えていけばいいのか、いろいろ論議をされておると思いますけれども、やはり大型化になればなるほど、安全性はもちろん考えておると思いますけれども、やはり経済効果というか、経済性というものを非常にねらってくる。その例が、やはり大型鉱石船等の沈没事故等が起こっておるのでありますが、こういう点についての技術的な研究あるいは保安体制、こういう問題は、積極的な研究は進んでおるのかどうか。経済性と安全性の問題についてはどういうふうに考えておるか伺いたい。
#84
○政府委員(田坂鋭一君) 先生の仰せのように、商船でございますので、やはり経済性を無視するわけにはいきませんけれども、技術屋の基本的な態度といたしまして、また、特に船舶のような自然界の猛威にさらされるものといたしまして、こういうものにつきましての安全性あるいは確実性、これは経済に優先するものと、古来からといいますか、本来そういうふうに考えるべきものであると私ども考え、また、昔から私ども教育されてきておるわけでございます。そこで、経済性を優先して、安全性なり確実性を疎外するということは、技術屋には基本的にはないというふうに思っておるわけでございますが、間々、技術は必要にして十分な安全性をとって、その上に十分にまた効率のよい経済性を付与するという点が問題でございますので、先生の御指摘のような御疑問が起こる場合があろうかと考えるわけでございますが、今後とも十分な配慮をその点にはいたしていきたい。
 それから現在、大型船の海難後、私どもは従来から進めてきたわけでございますが、具体的に運航マニュアルあるいは構造の計算方式の精密化あるいは海洋気象の予報体制の確立、あるいはナビゲーションレコーダーによりまして運航状態の記録をとるというような具体的な方法、並びに点検結果から出ましたタンク内の異常な腐食あるいは異常なクラック等につきまして、それぞれ具体的に検討を進め、また、施策を講じておる次第でございます。
#85
○三木忠雄君 それでこの前、総点検をされたと思うのですけれども、その結果について、一応、総点検されてどういう問題があったか、この点をお示し願いたいと思う。
#86
○政府委員(田坂鋭一君) ただいま先生の御指摘の総点検でございますが、これは「かりふおるにあ丸」の海難事故にかんがみまして、昨年二月十六日に次官通達によりまして、類似の大型鉱石運搬船六十九隻の点検を船舶所有者に指示して、これを日本海事協会が行なったわけでございます。その結果は、昨年の十一月にすべて終わりまして、成績の解析といいますか、その結果を出しておりますが、まず点検の結果といたしまして、損傷の数は船によって相当なばらつきが見られますが、一部の船舶においては相当の数の損傷があります。特に船齢別に見ますと、定期検査直前の船舶、こういうものに多くの損傷が見られました。
 次に、接岸損傷を除きまして、これらの損傷は、外板または強力甲板等、重要な構造部材には亀裂あるいは凹損が少なく、ほとんどの損傷がタンク内部の部材に発生しており、損傷は比較的軽度のものが多い。船体強度に重要な影響を与えるものは全くありませんでした。なお、凹損は船首部に多く、また、亀裂は船尾部に多い傾向がありますが、これは船首部は波浪による衝撃、船尾部は機関の振動と関連しておるものと考えられます。
 次に、一部に接岸損傷が発見されまして、この中には外板の凹損が比較的軽微でありましても、内部部材にかなりの大きな損傷が発生している例がございました。
 次に、バラストタンク内の内部部材の衰耗が予想以上に進行している例が見られました。これはタンク上部にその傾向が顕著でございまして、電気防食がタンク上部には効果が少なかったためかと考えられます。
 次に、一部には船舶の小部材におきまして局部的な溶接忘れが発見されております。
 以上でございます。
#87
○三木忠雄君 それで、まあ一例でありますけれども、先ほどの報告の、たとえば定期検査の直前の損傷が非常に多い、こういう結果も発表されておるわけでありますけれども、この定期検査の期間ですね。これはどの程度になっているか。あるいはまた、これがあまりにも長過ぎるんじゃないかという、こういう乗り組み員たちの声もあるんですね、この点についてはどういうふうにお考えですか。
#88
○政府委員(田坂鋭一君) 船が大型になりますと、通常の船舶で航海中あるいは停泊中に乗り組み員によって行なわれます点検、そういうものが非常に行なわれにくくなってまいりますので、現在の定期検査のみに点検を行なうということは、非常にこういう実例からいいまして不適当ということで、海事協会におきまして毎年部分部分的に定期検査に準ずるタンクの検査を実施するようにその後改めておりますし、また、乗り組み員の点検が容易に行なわれますように、足場等をタンク内に設置するような基準も設けております。
#89
○三木忠雄君 具体的にこの定期検査の期間ですね、これはどの程度になっておるのか。それから今後の大型船等についての定期検査の総点検はいつやるというようなことは、これはきまっていないと思うんですね。だから、今回大型船の沈没事故があったために総点検を行なったわけでありますけれども、実際にこういう大型船についての点検の義務といいますか、そういうものは明確にしておるかどうか。
#90
○政府委員(田坂鋭一君) 定期検査の期間は四年でございまして、その間毎年中間検査一種、二種ございまして、それが比較的タンクの内部等を詳細に見る慣例ではございませんでしたが、この事故以来、海事協会におきまして、タンクの内部の検査を十分にやるというふうに改正してそれを実行いたしておりますが、本来船主側におきましても自分の財産でございますし、常時これを見ておるのでございますので、十分な点検が行なわれるように私どもは期待をし、また、指導もしておる次第でございます。
#91
○三木忠雄君 定期検査は十分やるという、こういう話なんですが、実際に船主として見れば、長く停泊しておればそれだけ経費もかかると、そういう点で、どうしてもやはり定期検査以外の検査というものについては手を抜きがちじゃないかと思うんですね。そういう点が非常に乗り組み員たちにも不安がらしているような問題が数多くあると、こう聞いておるわけですね。あるいはまた一面、今度は、この間のような総点検をやると、船主側としてそれだけの経済的な負担が非常に多くなってくる、こういうものをどこで見るのか。この点についてはもう少し検討を加えなければならぬのじゃないかと思うんですけれども、いかがですか。
#92
○政府委員(田坂鋭一君) 総点検につきましては、必要のつど行なうものでございまして、これは特定の時期に行なうというものではございませんが、これに要します経費、費用、そういうものにつきましては、現在特段の配慮はなされておりません。また、本来船舶の整備ということはその所有者に相当の責任があるということから考えまして、そう大きな負担にならなければ特段の配慮はいかがかと考えられるわけでございます。先ほど申し上げましたように、タンク内部に足場板をといいますか、点検用の設備を設けるというふうなことも十分に基準の中に織り込みまして、常時点検がスムーズに行なわれるようにいたしたいと考えております。
#93
○三木忠雄君 それで、具体的に定期検査を行なう問題、これにからみまして、新造船もどんどん建造されてくる、こうなると、船舶数の増加に伴って検査官と船舶数との間の問題が非常に私は隘路が出てきているのじゃないかと思うんです。検査官の養成の問題、現在の船舶数と検査官の割合から比べまして実際にうまくいっているのかどうか。私はデータ的に見まして非常にきつい状態に置かれているのじゃないかと思うんです。したがって、その検査官も十二分な検査ができない、実際にはやっていないと言わぬばかりの問題が随所に話を聞くわけですね。形だけはまあ書類上押えているような問題があるんでしょうけれども、具体的には相当手が抜かれていると、こういうふうな話も私はちょいちょい耳にしているわけなんですけれども、実際に造船の検査官とこの検査の問題については、船舶局として、将来どんどん新造船がされる中にあって、養成の問題、あるいは検査官の育成の問題をどう考えていくか、この点について伺っておきます。
#94
○政府委員(田坂鋭一君) 船舶の増加あるいは船舶の大型化、新型船舶の出現等によりまして、検査の件数並びにその内容が複雑多様化してきております。これらの検査に対処いたしますために、現在全国に検査官といいますか、国の検査官といたしまして二百四名の検査官を配置し、また、船級船につきましては、日本海事協会が検査員二百十九名をもちまして、両者合計年間四万一千隻程度の業務を処理しておるわけでございますが、年年増加いたします業務を処理いたしますのに、国の検査といたしましては認定事業所あるいは型式承認等、検査の合理化といいますか、検査の効率化をはかりまして、これに対処いたしていきたい。海事協会のほうの検査につきましては、その増勢が非常に多うございますので、まず第一には検査員の増加によりまして強化していくということを、現在計画を立てて逐年実施しておるわけでございます。必ずしも現在十分ではないと、十分過ぎることはないという状態でございますが、これらのことによりまして対処していき、船舶の安全を十分に確保していきたいというふうに考えております。
#95
○三木忠雄君 四万隻――定期検査、いろいろな検査の問題あるいはこれから新造船の問題、これを海事協会を含めて、わずか四百名で検査を進めていくと、しかし合理化あるいはいろいろな問題があるでしょうけれども、具体的に四万隻を四百人程度の人間で実際検査し切れるかどうか、この点、私は非常に疑問だと思うんですね。したがって、大型船の最近の海難事故等も、手抜きの検査の結果、こういう問題が起こってきているのじゃないかと思います。したがって、船舶の検査官については、相当強化をはかっていかなければならない。それの年次計画といいますか、昭和五十年までの造船計画と船舶の検査官とのこの養成のつり合いですね、どういう計画を立てられて現在進められているか。とかくすると、船のほうはつくるけれども、実際に検査官の養成のほうはおくれているという問題が、私は非常に懸念される点じゃないかと思うんです。この点については船舶局長どう考えておりますか。
#96
○政府委員(田坂鋭一君) まず、第一に、非常に増勢が顕著であります日本海事協会におきましては、具体的に申し上げますと、現在の二百十九名を昭和五十年度には、毎年二十人養成いたしまして、大体最終年次六〇%アップということを現在考えております。一方、国の検査官につきましては、この増員が非常にむずかしい点もございますので、増員につきまして十分努力いたしますほかに、検査の合理化をはかる、効率化をはかるという点で、認定事業所制度の拡大並びに型式承認制度を広く行なっていくというようなこと、あるいは計画的な検査の実施というようなことを現在考えておる次第でございます。
#97
○三木忠雄君 それでは、次に沖繩の造船の問題でありますけれども、調査団が運輸省からも派遣されて、いろいろ調査されて帰ってこられたと思うんですが、私は沖繩へ行きまして、非常にまあ沖繩の造船業の発展というものは大事な問題ではないかと思います。この点については、運輸省として、今後どういう方針で沖繩の造船業の育成をはかっていかれるのか。
#98
○政府委員(田坂鋭一君) 先生仰せのように、昨年九月に、沖繩の造船業の現状と将来の施策をいかにするかというような観点から、造船調査団を派遣したわけでございますが、この結果――立地条件においては相当土地造成が容易な場所が多く、さらに土地の造成費用も本土よりは比較的安く入手できる。それから労働供給面におきましても、島内需要に対しましては、十分な余裕を持っておる、今後とも相当期間これの期待ができるということ。さらに船舶用建造資材につきましては、これはほとんど本土からの輸入に期待しなければならない。この面につきましては、相当な割り高になるであろう。関連工業品につきましても、ほとんど資材と同様なことであるということでございます。今後の需要につきましては、島内需要のみに限定いたしましても、今後、十年間にわたりまして、毎年約三千総トンクラスの船舶が、年間六隻程度のことが期待できるということでございます。また、修繕事業につきましては、進出が予定されております石油精製業、原材料精錬業などの需要によりますもの、また、原材料の輸入貨物の航路にも当たりますので、かなりの需要が考えられるということでございます。
 以上のような報告でございますので、沖繩におきまして、適当な規模を持った近代的な造船業の育成を主眼といたしまして、企業の進出、地場企業の拡大、振興をはかっていく考えでございます。これらは、進出企業と、それから現在あります造船業との協力によって進めていきたい、これが考え方でございます。なお、造船業の適地といたしましては、小型造船業につきましては、中南部西海岸、それから中級造船所につきましては、中部東海岸が有望と考えられております。
 以上が、造船調査団の報告と、報告の結果、現在私どもの考えておる現状でございます。
#99
○三木忠雄君 もう実際に、具体的に運輸省としてもこの造船業の問題については手を下さなければならぬと思うんですね。この調査団の報告等によっても、政府にやってもらわなければならぬ点が何点か指摘されているわけです。たとえば、発展期間中の本土企業との競争制限の問題であるとか、あるいは長期低利の資金の融資の問題であるとか、あるいは税制上の特別な措置であるとか、あるいは既存造船所に対する経営技術の指導の問題とか、こういう問題が指摘をされておるわけでありますけれども、運輸省として、この問題については具体的にどういうふうに取り組んでいらっしゃいますか。もう対策庁のほうでも相当具体的な発表を進めておりますけれども、運輸省として、この造船の問題等については、ちょっと私はおくれているんじゃないかと思いますけれども。
#100
○政府委員(田坂鋭一君) 先ほど申し上げましたように、造船企業といいますのは、非常に進出の実行におきまして手間がかかります点が、どうも非常になかなかうまくいかないといいますか、時間のかかる点でございますが、現在、技術的に非常に基盤のしっかりしたところと、それから地元の企業と十分協力のできるところ並びに指導性を十分に持っている、こういう内地といいますか、日本国内の現在の企業に、二、三すすめまして、企業の進出の話を進めておる次第でございます。まだ、その先が実際的に進んでおらないということでございますが、だいぶ固まってきております。
#101
○三木忠雄君 これは公害企業と違って、非常に現地から私は歓迎される業種じゃないかと思うんです、造船業というのはですね。御承知のように、公害があれは少ない。そういう点で、あるいは労働力を非常に要求するという、こういう問題から考えましても、あるいは四面海に囲まれておる沖繩にとっては、造船業の発展というのは非常に大事な問題じゃないか。しかしながら、本土からの大手企業が乗り込んでいっては、これはもう現在の微弱な企業体質は飛んでしまうと思うんですね。こういう点をもう少し調整するなり、あるいは企業体質、沖繩の地場産業育成の意味からも、技術陣を派遣するとか、あるいは現地にいろいろな発展できるこういう税制上の問題であるとか、あるいは融資の問題であるとか、この点については具体的な計画はできておるんでしょうか。
#102
○政府委員(田坂鋭一君) どうも失礼いたしました。その点につきましては、総理府のほうと十分に話し合いをいたしまして、具体的にきまりましたら、その方策を進めていくということで基本的には合意をされておりますので、十分に対処ができるものと私どもは考えておる次第でございます。
#103
○三木忠雄君 こちらから行く分だけじゃなしに、現地の企業に対して強化育成をはかっていくという意味のいろいろな税制措置とか、あるいは融資の制度であるとか、そういうことは考えていらっしゃいますか。
#104
○政府委員(田坂鋭一君) 現在の私どもの考え方は、こちらから行く企業が現地の企業と十分に協力いたしまして、新しい近代的な造船業を進めていくということを考えておりますので、その企業につきまして十分な施策をといいますか、助成策をなしていくというような考えでおります。
#105
○三木忠雄君 いつも私たち現地に行きましても、あるいはそういう中小の造船業の人たちから聞く声も、どうしてもいまのような船舶局長の考え方みたいになっちゃうんですよね。結局こちら側から進出する企業があって、それに対する対策という問題だけなんです。現地の沖繩のいままで造船業で苦しんできたそういう人たちに対する、今後返還になったときにおきましてもその企業が成り立つような、やはり融資とか税制とかそういう体制を考えていかなければ私はならないんじゃないかと思うんです。こちらから進出する企業の側ばっかり考えているわけですね。向こうからいえば、本土に搾取されるみたいな感じです、現地の沖繩の造船業界にとってみれば、非常に企業も微弱であるし。そういう点の考え方をもう一歩、融資の問題でもあるいは税制の問題でも、現地の企業が成り立つような方法をやっぱり考えていかなければならないんじゃないかと、こう考えるんですけれども、どうですか。
#106
○政府委員(田坂鋭一君) ただいまの先生のお話はごもっともでありますが、造船業におきましては、現地の造船業が内地からの進出企業と一緒に企業を行なっていくという形態を希望いたしておりますし、そういう形で進んでいくのではないかと考えておる次第でございます。現地の造船業もそれを希望しておるわけでございます。
#107
○三木忠雄君 これは私も現実にそういう問題を聞いているわけです。全部が希望していると言われると、私も具体的な例をあげて話をしたい問題があるんですけれども、現実に一、二の代表した企業をとって、そういうふうな希望だと言われると、私は非常に意見を異にするわけなんですよ。それは一部の業界の代表とか、そういう造船業の何人かの代表はそうは言われるかもしれませんけれども、そういう声だけを聞いて、沖繩の造船業全部を推しはかるという行き方はちょっとまずいんじゃないかと思うんです。そういう両面があるだろうと思うんです。そういう希望しているものもあるだろうし、あるいは、どこまでも自分たちだけで、経営技術なりいろんな面をはかってくれればわれわれ独立していけるんだという企業もあるわけですね。そういう点もやはり両面から考えていかなければならないんじゃないかと、こう考えるんですがね。
#108
○政府委員(田坂鋭一君) 基本的には沖繩の造船業の振興でございますので、先生の仰せのように、これに加わらないものにつきましても同一な条件がなされるように今後配慮いたしたいと考えておるわけでございます。
#109
○三木忠雄君 じゃ、最後に、運輸大臣に二、三まとめてお聞きしておきたいと思うんですけれども、この法案を審議するにあたって一番問題は、私たちはやっぱり利子補給という問題が前々からも非常に議論されてきたと思うんですが、やはりこれだけの八分配当から一割に何とかしたいと、こういう造船界の非常な盛り上がりが出てきていると。ところが、一割配当にすると、利子補給の返還規定の問題といろいろからんでくると、こういう問題で、いろいろ運輸省にも陳情が参ったり、いろいろ調整されているんじゃないかと思うんですけれども、いつまでこの利子補給を続けていかれるお考えがあるのかどうか、この問題が一つ。それから、いま検査官の問題でいろいろ論議もしたんですけれども、これは船舶だけではなしに、自動車の車検にしても、いろいろ運輸省というのは許認可事務というのが非常に多いわけです。あるいは検査、特に手を抜いてはならないような問題が、人命に影響のあるような問題が数多くある。こういう問題、どんどん企業が発展してくると同時に、そういう検査体制が非常に微弱であると、こういう問題をどういうふうに運輸大臣として考えていかれるのか、この点について伺いたいと思うんです。
#110
○国務大臣(橋本登美三郎君) 利子補給制度をいつまで続けるかというお話ですが、これは新海運政策の中でも明らかにしておりますように、最近造船界もたいへん状態がよくなってきておるわけであります。もう十何年という間世界の第一位を占めてまいっておるわけでありますが、しかし、現在の世界情勢で見ますというと、ことにイギリスあたりは非常に国家助成策というものを強くやっておりまして、これは日本以上の金を出しておるわけですね。ただ、ヨーロツパ諸国は労働賃金等その他物価等の関係があって、やっぱり割り高になっておるということから、外国の日本に対する船をつくる依頼が非常に多いというわけでありますが、しかし、これは国の金、一般の税金を使うのでありますから、自立経営ができる状態が実現しますれば、もちろんこれはやめるべき性質のものだと思います。そこで、今回の新政策におきましても、順次減らしていく、あるいは開銀の融資率も多少下げていくとか、全体の水増しの状態をだんだんに薄めていくということで、一ぺんにショッキングな打撃を与えないというやり方でやってまいりまして、四十九年度にはほとんど利子のなくなる状態にまでもっていきたい。その後において今後どうするかということは、国際造船界の情勢等もにらみ合わしていかなければならぬと思いますので、四十九年度以降は一切やらないのだと、こういまからも断定はできませんが、原則としては、これはひとつ自立経営ができるように指導してまいりたいと、こう考えております。
 ただ、配当と利子補給の関係ですが、大体現在の指導方針は八%に押えておるわけでありますが、おそらく船会社のほうとしては、もう少し見てもらいたいという意向が強いだろうと思う。ということは、一つは、御承知のように、いわゆる社債を買っても八分以上に回る、あるいは転換社債であれば一割以上に回る、こういう状態のときに八分で押えられるということになれば、なかなか増資というみずからの力を集中していくという方面に非常に力が足らぬ。こういう意味で、いわゆる造船界にそのような希望があると思いますが、いま直ちに運輸省としては配当の引き上げを認めるという考えを持っておりませんが、しかし造船会社がさような考え方を持つのも、いまの金利高といいますか、そういう点から見るというと、ある程度は同情せざるを得ない点もありますけれども、しかし、国の金を使っておるのですからして、できるだけこれはがまんしてもらいたいと思っております。
 それから第二の、検査官の問題ですが、先ほど船舶局長から御答弁申し上げましたように、急激に船が増産されてまいります大勢に対して、はたして検査官が十分かと、こう言われますというと、完全無欠であるという答えは出てまいりませんけれども、ただ、型式認定の問題その他いわゆる制度上の合理化を一方においてはかっていく、できるだけ安全性とかあるいは適正な検査というものからほど遠い問題、形式的な問題、こういうものはなるべく近代化、合理化をしてまいらせまして、そうして必要な人員を、実際上の必要な船の安全性その他に、十分に構造上の方面に強く振り向ける、こういう制度を合わせまして、そうしていま海事協会が考えておりますような六〇%アップを目ざしてやっていけば、まあまあ現在の難関を通り抜けるのではなかろうかと、こうは考えておりまするが、一方においては、問題は技術者の問題でありますから、技術者の養成という面もこれはおろそかにしてはいけないのであって、いわゆる学校等にも十分ひとつこれら増員方をお願いして、そして補充人員というものを十分に備えていきたいと、こう考えております。
 先ほど沖繩のいわゆる造船界あるいは造船事業、港湾の修築といいましょうか、そういうものの建設に関連して造船の話が出ましたが、私はやっぱり沖繩というところが、将来考えますというと、中国にも近い、あるいは韓国にも近い、台湾にも近いのでありますから、ある程度の船――あまり大型船はどうかと思いまするが、中級船の需要はものによっては出てくるのではないか。ただ問題は、なるほど労働力が安いといいましても、単なる労働力じゃ造船には向かないのでありまして、ことに近代化されましたから。したがって、造船技術は総合技術でありますから、一方において造船関係の技術者の養成というものをやはりあわせて考えてやる、こういうことがありませんと、ただいわゆる人夫が幾らおったって船ができ上がるものじゃない。そういう意味では、労働力が豊富だということは、内容的にもっと質的向上をはかっていかなくちゃならぬ。そういう意味で、その種のいわゆる高等学校といいましょうか、まあ技術養成所もしくは工業高等学校といいますか、造船に関する、そういうものをやっぱりこれは併用して、沖繩対策庁のほうで考えていくべきものであろうし、また、私どものほうからも注文したいと思います。
 もう一つは、私は、ある意味においては修繕造船所といいましょうか、修理造船所、こういうものも必要ではあると思いますが、これもまた大型船になりますというと、たとえば東京、大阪等に参りました大きなタンカーをあそこまで持っていくということになりますれば、非常なロスになる。したがって、やはりこの修繕造船所というものは国内でも非常に少ないのでありまして、先ほど来から、いわゆる大型船の損傷の問題が起きておりましたが、これはもっと修理造船所が充実しておればこういう問題はもっと時間的ロスを省いてできるわけですね。ところが、その修理造船所というものが非常に数が少ない。それがために、ドックに入れるためには一週間もしくは十日も待たされる、こういう点も一つの隘路になってると思います。その意味において、いま横須賀のドックが、沖繩返還と同時に基地が返されるという話もありますから、私としては、これは国有であれ何であれ、やっぱり中型、大型の造船所のドックというものを考えていく必要があるのじゃないか。こういうぐあいに、破損の問題につきましても、これは検査体制、総点検の問題もありますけれども、ただ点検したところであと始末をしなければどうにもならぬと。そういう意味において、まあ船舶局長にも、海運局長にも話をしておるのでありますが、ただ、現在のところは船をつくるということのほうが有利であるということと、修理造船というものは経営的に困難である。どこに困難なところがあるか検討しなければいけませんが、そういうこともあわせて、船の、大型船の安全性というものを高めていかなければならない。ただ点検しっぱなしで、あと修理が十分でないということではいたしかたがありませんので、それらを含めて総合的に対策を急速に樹立するように、かような指示をいたしております。その一環として検査官の増員等も検討してまいりたいと、かように考えておるわけであります。
#111
○金丸冨夫君 先ほどの技術協力に関連してちょっとお伺いしたいと思いますのは、本案によって新たに海外造船業者に対して日本が特に計画造船による利子補給を認める、こういうことになりますから、これはあまり外国に頼むというようなことはないかもしれませんが、海外に進出しておるわが国の造船業ですね、これがあれはこれに対してわが国の船主が造船を発注するということは可能だと思うのですね。ところで、発展途上国における関係は、先ほどお話しのように、技術協力だけではだめだ、まあ資金も要るというようなことで、実際それは困難だろうと思うのですが、そこで、発展途上国にわが国の産業の系列といいますか、そういうものが出ていっているところはどこどこであり、その能力はどのくらいのものか、その点をおわかりになっておればちょっと参考のために伺わせていただきたいと思います。
#112
○政府委員(田坂鋭一君) 現在顕著なものはブラジルに出ておりますイシブラス、それからシンガポールに出ておりますジュロン造船所、それから顕著なものは台湾の造船所に対しまする技術指導、こういうものでございます。あとインドに、技術者等に技術協力をやっております。
#113
○金丸冨夫君 技術協力は、その他オランダにもいっているのでしょう。ですが、事業として、たとえばブラジルの石川島造船とか、それからシンガポールは……。
#114
○政府委員(田坂鋭一君) やはり石川島でございます。
#115
○金丸冨夫君 そういうものでありますというと、それに日本が計画造船を頼むというようなこと、あるいは労働力その他の関係で向こうでやっていけば日本よりもあるいは安いかもしれぬというようなことがちょっと想像されるわけなんです。これはそうすると、いまのところでは技術協力でないものはシンガポールそれからブラジル、そういう程度でございますか。
#116
○政府委員(田坂鋭一君) その程度でございます。
#117
○金丸冨夫君 今度のは、この利子補給は、いまの計画造船以外にはやらないわけですね。
#118
○政府委員(鈴木珊吉君) 利子補給というのは計画造船だけなんでございまして、自己資金はやりませんのです。
#119
○委員長(鬼丸勝之君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#120
○委員長(鬼丸勝之君) 御異議ないと認めます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後三時十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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