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1970/05/20 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第14号
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1970/05/20 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 運輸委員会 第14号

#1
第065回国会 運輸委員会 第14号
昭和四十六年五月二十日(木曜日)
   午前十時四十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     平島 敏夫君     玉置 和郎君
     山崎 竜男君     楠  正俊君
 五月十七日
    辞任         補欠選任
     金丸 冨夫君     徳永 正利君
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     徳永 正利君     金丸 冨夫君
     楠  正俊君     山崎 竜男君
     玉置 和郎君     平島 敏夫君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         鬼丸 勝之君
    理 事
                金丸 冨夫君
                山崎 竜男君
                大和 与一君
    委 員
                河野 謙三君
                重政 庸徳君
                平島 敏夫君
                前田佳都男君
                三木 忠雄君
                山田  勇君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
   政府委員
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省鉄道監督
       局長       山口 真弘君
       運輸省航空局長  内村 信行君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        吉田善次郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国鉄青梅線の改善計画推進等に関する請願(第
 一号)
○総野線国鉄新線建設予定線編入に関する請願
 (第一四号)
○鹿児島本線南荒尾駅等の停留所化反対等に関す
 る請願(第三五号)
○東北新幹線のうち東京・盛岡間の早期着工に関
 する請願(第一三五号)
○病院、学校等の環境を破壊する新幹線の路線変
 更に関する請願(第一五〇号)(第二八六号)
 (第二八七号)(第四〇五号)(第四六八号)
 (第五七二号)(第七八九号)(第八〇八号)
 (第一二〇四号)(第一三七二号)
○東北・上越新幹線の起点を上野駅とすることに
 関する請願(第二三四号)(第一〇二四号)
 (第一 〇三九号)
○岩手県陸運事務所水沢支所設置に関する請願
 (第四七八号)
○国立賀茂療養所付近の山陽新幹線の路線変更等
 に関する請願(第五七一号)
○千歳新空港整備に関する請願(第六八六号)
○名古屋駅前国鉄所有地にビジネスホテル建設計
 画反対に関する請願(第八九〇号)(第一〇四
 〇号)
○過疎地域における不採算路線のバス運行確保に
 関する請願(第一五四三号)
○タクシー料金値上げ反対に関する請願(第二三
 四三号)
○大阪新国際空港建設反対に関する請願(第二三
 四四号)
○国鉄の赤字路線廃止反対等に関する請願(第二
 三九七号)
○東北新幹線の早期建設及び小山市に停車駅設置
 に関する請願(第二四四四号)(第二四四五
 号)(第二四四六号)(第二四九六号)(第二
 五五〇号)(第二六〇五号)(第二六一三号)
 (第二七一二号)(第二七九五号)(第二八六
 三号)(第三〇六五号)
○岐阜市を通過する東海道線、高山線の高架化早
 期実現に関する請願(第二五五二号)(第二五
 五三号)(第二五五四号)(第二五五五号)
 (第二五五六号)(第二五五七号)
○松本・東京間航空路線開設に関する請願(第二
 七〇五号)(第二七〇六号)
○東京都中央区佃・月島・勝どき・晴海地域に地
 下鉄誘致に関する請願(第二七三一号)
○船舶職員法の一部改正案反対に関する請願(第
 三一四五号)(第一二五〇号)(第三一六九
 号)(第三一七〇号)(第一二八三号)(第三
 一八四号)(第三二一八号)(第三二一九号)
 (第三二二〇号)(第三二九九号)(第三三三
 五号)
○交通安全、輸送確保に関する請願(第三二三〇
 号)(第三二六二号)(第三二六三号)(第三
 二六四号)(第三二六五号)(第三二七九号)
 (第三四三二号)(第三六八九号)(第三六九
 〇号)(第三九九七号)
○常磐線取手駅西口に構内便所設置に関する請願
 (第四〇二五号)
○常磐線牛久駅に東口開設に関する請願(第四〇
 二六号)
○常磐線荒川沖駅に東口開設に関する請願(第四
 〇二七号)
○常磐線土浦駅に東口開設に関する請願(第四〇
 二八号)
○新東京国際空港建設計画の再検討に関する請願
 (第四〇三五号)
○運輸事情等に関する調査
 (国鉄問題に関する件)
 (航空業界の再編成問題に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(鬼丸勝之君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。
 理事の補欠選任についておはかりいたします。
 委員の異動に伴い、理事二名欠員となっておりますので、その補欠選任を行ないます。
 選任の方法は、先例により、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(鬼丸勝之君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に金丸冨夫君及び山崎竜男君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(鬼丸勝之君) 請願第一号国鉄青梅線の改善計画推進等に関する請願外七十一件を議題といたします。
 本委員会に付託されております七十二件の請願は、理事会において協議の結果、請願第一四号総野線国鉄新線建設予定線編入に関する請願外三十三件の請願は、いずれも願意おおむね妥当と認め、議院の会議に付するを要するものにして内閣に送付するものと決定することに意見が一致いたしました。
 理事会の申し合わせどおり決定することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○委員長(鬼丸勝之君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 なお、報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(鬼丸勝之君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(鬼丸勝之君) 運輸事情等に関する調査を議題とし、質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#8
○三木忠雄君 ストの問題について何点かお聞きしたいと思ったんですが、運輸大臣まだ見えませんので、見えてからその問題を何点か伺いたいと思います。
 きょうは航空の問題について若干質問をしたいと思います。特に四十一年の、航空の再編成における閣議了解が変更されて、今日、東亜航空それから国内航空の合併が成立を見たわけでありますけれども、これに至るまでの経緯について概略説明願いたいと思います。
#9
○政府委員(内村信行君) 御説明申し上げます。
 去る、昨年の十月に、運輸政策審議会におきまして、「今後の航空輸送の進展に即応した航空政策の基本方針について」という答申が出ました。それに基づきまして、十一月に、政府といたしまして、航空企業の運営体制につきまして閣議了解をしたということは、ただいま先生のおっしゃったとおりでございます。
 そこで、その前の政策は何をやったかと申しますと、ただいま先生がおっしゃいましたとおり、昭和四十一年五月二十日の閣議におきまして航空政策というものがきめられております。それではなぜその当時の政策を今般変えなければならなかったかということが問題でございますが、その点いささか御説明申し上げますと、一言で申しますと、背後をめぐる客観情勢の変化ということが大きなことでございます。と申しますのは、昭和四十一年当時の、政策がきめられました当時の航空界の背景と申しますのは、一言にして申しますと非常に暗い時代であったということが言えるかと思います。すなわち、幹線につきましてもあるいはローカル線におきましても、四十年におきましては新幹線インパクトによって幹線の絶対需要が減ってまいった。さらに四十一年は全日空の事故等ございました関係で航空需要がますます減ってまいって、絶対的な需要が滅ってきたということが、これはローカルも含めまして減ってまいったということが実情でございました。そこで、当時、国内航空というものがございまして、これはローカル会社、ローカルだけをやっておりました。しかし、ローカルの赤字は非常に大きゅうございまして、ローカルだけやっておったんではとうていこの路線を維持することもできないというのが当時の客観情勢であったわけでございます。
 そこで、まず第一段階といたしまして、国内航空、ローカルだけやっておった国内航空を幹線にも参加を認めるというふうな政策をまず第一段階として打ち出した。ところが、残念ながら、当時、幹線というのは一つの収益源として、大きなソースであると考えられておったんでございますけれども、そこで幹線に入れてみましたけれども、見込み違いと申しますか、やはりのれんの差というものが、企業の格差があるということは現実でございまして、せっかく国内航空がジェット機をもって幹線に乗り入れをしたけれども、前よりもひどい赤字を出すに至った、客が乗らなかったのであります。需要が少ないわけですから客が乗らない、そこで非常に大きな赤字を出したということが現実でございました。そこで幹線に乗り入れを認めてもなおかつこれはだめであるということになりますと、やはり――一方、ローカル線というのは、やはり公共性から見て持続し、維持しなければならない路線でございます。そうしまして、そういうようなローカル線を維持するためには、どうしても既設の大きな会社と合併する以外に道はないというふうな結論になったわけでございます。
 そこで、当時の会社は何がございましたかと申しますと、御承知のとおり、日本航空、これが国際線と国内幹線をやっておりました。それから一方、全日空、これは国内幹線と国内ローカルをやっておりました。そこで既設の大きな会社と合併して企業の安定をはかるためには二つの方法があり得たわけでございます。一つは日航と合併する方法、一つは全日空と合併する方法。そこで全日空と合併する方法につきましては、全日空はローカルもやっております。国内航空が全日空と合併するとかりにいたしますと、日本国内のローカル線は全部全日空の独占形態になってしまうということがございまして、これは一つの問題であるということでございます。そこで日航との合併というふうなことを考えたのが当時の実情でございました。そこで、日航と国内航空とは将来合併することを前提として企業の一体化をはかるということが四十一年の閣議了解では打ち出されたわけでございます。さらに東亜航空、これは全日空と合併をすることが望ましいという方向で行政指導が行なわれてまいりました。それが当時の背景であったわけでございます。
 その後、事態が経過いたしまして、四十二年、四十三年、四十四年と進んでまいりますと、航空需要が非常な伸びを示してまいったという著しい客観情勢の相違があったわけでございます。と申しますのは、昭和四十二年あるいは四十三年、四十四年にかけまして航空需要の伸びが非常に大きい、大体年率三〇%前後の伸びを示しているというふうな状況でございました。ちなみに、四十四年度をとりまして前年度対比いたしてみますと、幹線につきましては一三三・七%の増、前年対比でローカルにつきましては一四六・三%、全部平均いたしますと一三九・七%という数字でもおわかりになりますように、特にローカルの伸びというものが非常に大きくなってまいったわけでございます。そこで従来の考え方からいたしますと、とうてい航空企業はローカルだけでは維持できないというのが当時の考え方でございましたが、こういう段階になってまいりますと、ローカルのみをもっても航空企業は維持できるのだというふうなことが客観的な数字でもって例証されてくるというふうなことになったわけでございます。こういうような客観情勢の変化ということが一つ。
 それから一方におきまして、それでは日航との合併、これは何もやめなくてもいいではないかという御疑問が必ず出ようかと思います。ただ、本来、日航というものは国際線と国内幹線というものをやっている会社でございまして、これがローカルをやることは、やはりある意味においては変則にならざるを得ない。これは当時の、四十一年の情勢においてはやむを得ざる手段としてこういう政策がとられたのでございますけれども、そういう日航の、会社の性格から申しますと、国際からローカルまで一本でやるというふうなことについては疑問もございました。したがいまして、このような客観情勢の変化がございました場合には、いままでの考え方を変えて、やはり国内航空というものは必ずしも日航と合併しなくてもやっていけるという段階になりますと――また同時に、東亜と全日空の合併ということも、これはやはり企業同士の問題でございまして、なかなか息が合わないと申しますか、そりが合わないと申しますか、なかなか結婚までいかないというふうなことが実情でございましたので、国内と東亜、この二つが合併することが一つの考え方であるというふうになったわけでございます。
 そこで、なぜ合併しなくちゃいかぬかというふうなことでございますけれども、先ほど申し上げましたように、幹線及び特にローカルの需要が非常に大きくなってまいりました。したがいまして、こういった大きな需要に対応するためには、機種を大型化いたしまして、ジェット機にいたしましてこれを運ばないとなかなか需要が消化し切れぬということでございます。そのために、やはり小さな規模でやっておったのでは安全性から見てもあぶないわけでございます。やはり企業基盤を強化いたしましてジェット機を入れるということになりますと、相当な資金というものも要ってまいります。そういった意味から、そういう客観情勢の受け入れ体制を整備するために、やはり小さな企業ではなく、しっかりした企業基盤に基づいた大きな企業が必要であるということから、やはり小さな会社が合併して大きなしっかりした企業基盤を持たせることが必要であるということから、東亜と国内航空との合併がいいのではないかというふうに踏み切ったわけでございます。
 それから将来の見通しを見ましても、航空需要というものはますますふえてまいります。おそらく、非常にマクロな見通しでございますけれども、昭和五十年には国内線だけでも約四千万人、それから昭和六十年には約一億二千万人程度の航空需要があるであろうというふうな、これは非常にマクロの見通しでございますけれども、そういった需要がある。そうすると、ますます今後航空需要はふえていくであろうというような見通しもあったわけでございます。そこで、そういうふうなことを前提として考えますと、現在のいわゆる供給過小状態、したがいまして、ただいま平均ロードファクターも七七%前後というふうになってまいりまして、これは平均でございますから、ある場合には積み残しも多い、場合によっては乗れない方も出てまいりますというふうなことが実情でございます。
 そこで、こういったものを解決するためには、やはり企業基盤を充実して供給体制を大きく広めてまいる必要がございますということでございます。こういったような客観情勢に照らしまして、このたびの、昨年十月の政策審議会の答申、それから同年十一月の閣議了解というものが行なわれたのであります。その結果閣議了解によってきまったところは、「航空企業内容の充実強化を図り、航空の安全性の基礎のうえに、航空機のジェット化・大型化を推進する。」これが一つ。それから、「日本国内航空(株)及び東亜航空(株)が円滑かつ可及的すみやかに合併し、新会社を設立することを促進する。この場合、新会社は、日本航空(株)の技術支援及び資本参加を受けるとともに、広く民間資本の参加を得ることを期待する。」それから、「日本航空(株)と日本国内航空(株)が合併しなくなることに伴う問題の処理は、両社が協議し、政府の承認を受けて決定する。」それから、「航空輸送需要の多いローカル路線については、原則として、同一路線を二社で運営し、輸送サービスの向上を図る。」大体以上のような、国内線につきましては政策がきめられたわけでございます。
 そこで、この政策にのっとりまして、日本国内航空と東亜航空とは、この閣議了解の方針に基づきまして、本年早々から合併準備を進めまして、去る五月十五日に合併契約の期日が参りまして、合併が成立しました。これは商法上の合併が成立した。それから航空法上の認可も五月十五日に与えられまして、これによりまして、航空法上の航空運送事業者としての新合併会社が発足したということが、いままでの経緯でございます。
#10
○三木忠雄君 それでは、運輸大臣が見えましたので、私は何点かお聞きしたいと思うんですが、特に一昨日の私鉄スト、また本日の国鉄ストの問題で国民は非常に迷惑をこうむっていると思うんです。前日泊まり込んで実は出勤も会社の執務に差しさわりのないようにやらなきゃならないような態勢とか、あるいはホテルへ泊まったり、いろんな自衛手段を講じてやっているわけでありますけれども、こういう問題に関して運輸大臣としてどう考えていらっしゃるか、この点についてまずお聞きをしたい。
#11
○国務大臣(橋本登美三郎君) 法律を無視して本日ストライキが行なわれたことはまことに遺憾千万であると同時に、これを利用なさる国民の各位の方々に不便を与えましたことに対しては、まことに申しわけないと思っております。
 御承知のように、いわゆる公務員に関して、あるいは国鉄等に関しては、ストをしてはいけない、そのストをしてはいけないというかわりに、調停機関あるいは裁定機関というような法律上定めました方法によってお互いの労使問題は解決すべきである、それに対してまた政府も責任を持つと、こういう法のたてまえがあるわけであります。したがって、労使問題を、特に賃金問題をストライキによって行なうということは、実際上においても、また形式上においてもまた不可能な問題でありまして、ストライキが行なわれたからといって、国鉄当局がそれに対する回答はできないのであります、法律上からいいましても。したがって、これは当然明らかなことであるにもかかわらず、組合と使用者側との間に話し合いができなかったということは、まことに遺憾千万であります。将来このようなことのないよう、関係者に対しては十分に警告をしておるのでありますけれども、もし両者が特定の目的を持っていわゆるストに訴えるような手段をとるとすれば、これはますますもって、もってのほかのことでありまして、良識ある行動とは言えないのでありまして、いやしくも公共機関であり、それが国民生活に影響するところが大であるのみならず、生産等に大いなる影響を与えるのでありますから、関係者は慎重なる行動を持してもらいたい、かように考えております。
#12
○三木忠雄君 それで、遺憾千万で、労使の問題についてはいろいろ交渉されているし、これからも一いくわけでありますけれども、実際国民は一そういう公共企業にスト権がないとかいろいろな問題があっても、実際国民は影響を受けてしまっているわけですね。スト権がないとかいろいろなことは今後とやかく論争する問題でありますけれども、実際に、現実にストを起こしたその影響というものは国民が受けているわけです。この問題についで、これは労働組合はスト権がないとか、ストをやることがけしからぬとかというような話だけでは、国民はそれだけでは納得できない。現実に、電車に乗れなくて実際に困っているような人を目の前に見まして、ただけしからぬ、こうだという態度だけでは、これはどうにもならないと思うのですね。したがって、たとえば国民にそのような負担をかけたその補償をどうするか、こういう具体的な問題までやはり明確にしていかなければならないのじゃないかと思うのですけれども、この点はいかがですか。
#13
○国務大臣(橋本登美三郎君) これは経済的な影響、精神的な損害を与えたことは事実であります。しかし、それに対する救済規定といいますか、そういうものが法律においても規定されておりませんだけではなく、実際上の問題として、国鉄あるいは国の財政事情から見まして、精神的な損害をどうすべきか、経済的な損害をどうすべきかという問題については、どうも不敏の身でありますが、これはなかなか結論としてはお答え申し上げる力もない、まことに申しわけない次第である、かように言わざるを得ないのであります。
#14
○三木忠雄君 具体的に、鉄監局長にも関連してお伺いしたいのですけれども、たとえば私鉄は、ストの場合、定期乗客者に対して払い戻しをするわけですね。国鉄の今回のスト等によって定期通勤者等が乗らなかった問題については、そういう補償はどういうような形になるわけですか。
#15
○政府委員(山口真弘君) 労働者または労働組合の争議行為によりますところの損害補償、第三者が受けた損害につきましてこれを補償するかどうかという問題は、ある意味では国が労働法上の権利を労働者に認めたということに関する根本問題にさかのぼっていろいろ検討すべき問題が多々あるんじゃないかと思います。で、そういうたてまえで労働組合法なんかもいま実は考えておるわけでございまして、私鉄のスト等に関して申しますと、そういう意味で現在は第三者の受けた損害に対する積極的な補償の規定というものはないというわけでございます。ただ問題は、そういうふうに労使双方間の問題によって第三者が損害を受けたことでございますから、実際上、道義的な面におきまして両者がこれに対して何らかの措置を講ずることもまた妥当なわけでございまして、従来、私鉄等におきましては、払い戻すとか、あるいは定期券の通用期間の延長というような措置が実際上行なわれておるということでございます。
 それから国鉄に関しましては、これは法律上争議行為が禁止されておりますし、したがって、従来、まるまる一日争議をして列車をとめたというような事例もまずないわけでございます。そういうことで実際上争議行為を禁止しておりますから、それに対する措置としては、争議行為をしないような措置を国鉄としてはとるということになる。あるいは処罰を厳正にするとか、あるいは問題の解決を早くやるように努力するとかというようなことによりまして措置をするということでございまして、私鉄のような取り扱いというのは、いままでのところは考えておらないところでございます。
#16
○三木忠雄君 そうしますと、私鉄の場合は、現実に通用期間の延長とか、乗らなかった分に対する運賃の支払いですか、これをやることは認めているわけですね。これは道義的な責任の上において認めるという話ですか、それとも、これはもう文句なしに、私鉄がストをやった場合には運賃の支払いをする、こう明確に受け取っていいわけですか。
#17
○政府委員(山口真弘君) 私鉄の場合には、これは労働組合法によりまして争議行為自体が正当なる争議行為と認められているわけでございますから、それによって受けた損害というものに対して、労働組合あるいは使用者が直接第三者に対して負わなければならぬというようなことではないと思います。したがいまして、これに対して私鉄の事業者が払い戻しをし、あるいは通用期間の延長をする措置としては、いわばサービスと申しますか、というような観点でこれをやっているわけでございまして、法律上の義務として私鉄の事業主がそういうことをしなければならぬということではないと思います。
#18
○三木忠雄君 そうしますと、それ以上に、国鉄の場合は公共企業体としてスト権も認められていない、こういう中にあって、労使のいろいろな問題から、結局、乗客なり国民に影響を及ぼした、たとえば極端な話は、けさなんかの場合は、私も池袋のほうの混雑状況とかいろいろなことを見ましたけれども、実際に、それ以前にもう前の晩からホテルに泊まり込んだり、あるいは自衛措置をとらなければならぬという問題があるわけですね。こういう場合の、まあこまかな話になりますけれども、運賃の、定期券の支払いとか、そういうことについては国鉄は全然認めないと、こういう考え方ですか。
#19
○政府委員(山口真弘君) 定期券の性質は、一定の期間の間に乗車をすることを継続的な供給契約として認めておるというようなことでございまして、たとえば、争議が相当長期間において行なわれるというような場合におきまして、それをどうするかという問題になりますと将来考えなければならぬ問題があろうかと思います。いままでのところは、二十四時間ストライキが行なわれたということも実はないわけでございまして、できるだけまた経営者としても輸送力を確保して運ぶという態勢でございます。したがいまして、いまのところは、払い戻し、あるいは延長という措置は考えておりません。
#20
○三木忠雄君 確かにきょうの場合二十四時間のストはやっておりません。しかしながら、二十分に一本とか、あるいは一時間に一本とか、いわば形だけ動いている。と言っては失礼な話かもしれませんけれども、そういう感じで、実際に国民はそれだけの被害を受けているわけですので、精神的な問題だけでなしに、やはり自衛の措置をとったり、あるいはいろいろな方法を講じているわけですね。だから、ただ二十四時間まるきりストをやっていないんだからと言うけれども、その理由だけではなしに、もっとやはり国民の公共機関であるというサービス精神に徹するというたてまえから考えたならば、やはり国鉄労使の問題からこういう国民に及ぼしたというその責任はもっと明確にしていかなければならないんじゃないかと、このように考えるのですけれども、それはいかがですか。
#21
○政府委員(山口真弘君) 国鉄が当該事業を円滑に遂行する責任を持っているということは先生御指摘のとおりでございます。したがって、国鉄当局者としては、そういう事態の起こらないように万全の措置をとる。そうして、起こった場合のことに対しましては万全の措置をもってできるだけお客の被害を僅少にするというようにつとめ、さらに、起こった行為自体に対しましては厳正な処置をとるということによりまして国民の負託にこたえていかなければならぬ、このように考えております。
#22
○三木忠雄君 その国民の負託にこたえるというその問題はどうもあれなんですが、非常にむずかしい問題が数多くあると私は思うのです。それは一がいに言えない問題がいろいろ具体的な場面に展開されてくると思うのですけれども、やはり根本的に、こういう問題をただ国民にそのしわ寄せをしておけばいいんだという、やはり極端に言えば労使の考え方ですね。これだけストを起こしたことによって国民にもこれだけの負担をしなければならないのだという、私は労使の責任感というものをもっとしっかり植えつけなければいけないんじゃないかと思うのです。ただもう間引き運転でもやって国民が不便をこうむればいいのだと、汗だくだくで二〇〇%も三〇〇%も押し込んでいけばいいのだ、あるいは二十四時間まるきりのストじゃないんだから、とにかく走っているんだからと言わんばかりの、そういうふうな考え方でいつまでもこの問題を国民にしわ寄せしていくという形で、毎年のような形でやられていけば、それは国民の考え方というものは、国民の怒りというものは、これは消すことはできないと思うのですね。こういう問題について、やはりもっと積極的に、国民のサービス機関であるということをもっとしっかり念頭においての考え方で進めていかなければならないと思うのですけれども、この点に対しては運輸大臣どうですか。
#23
○国務大臣(橋本登美三郎君) 考え方としてはおっしゃるとおりでありますけれども、ただ、これは政府並びに国鉄当局にももちろん責任がありますけれども、何といっても組合といいますか、従業員――これは車を動かすのでありますから、したがって、一生懸命に政府あるいは国鉄が説得をし、かつまた努力をし、あるいは運転確保を努力いたしましても、きょうあたりの状況では三〇%に満たないという状況でありまして、一部の組合の諸君が協力してくれますから、それでも三〇%の車は動いておる。それに対して法律を無視しておる組合がありますために大部分が麻痺をしておると、こういう状態でありまして、これはわれわれも十分に責任を感じますが、全体、このような交通事業というものは公共事業であって、私鉄の場合は、ただいま鉄監局長から説明があったように、スト権が認められておりますからやむを得ないにしましても、しかし、何といっても交通事業というものは、その企業体のいかんにかかわらず、これはもう公共事業的な性格が非常に純度が高いのでありますから、したがって、私鉄の場合においても、これは関係者が十分に、やはり国民に迷惑をかけないようにということがまず前提でなければなりませんし、ことに国鉄の場合は法律によって禁止せられておる、しかも、その賃金改定等に関しては、いわゆる皆さんがおきめになった法律によってきめるべきであると、かようになっておりますから、そのいわゆる法律の精神――法律につきましては、これは順法してもらわなければ困る。しかし、私は、それだからといって、政府は法律にたよってほうっておけばよいという問題ではありませんので、いろいろの方法を尽くしまして全力を尽くしましたが、残念ながら今日のような状態になったことは遺憾であると、かように申し上げているのであります。
#24
○三木忠雄君 それで、いまの鉄監局長にいろいろ伺ったように、結局三〇%のきょうも実際運行、あるいは切符の発売は差しとめられてしまっていると、こういう形になってきますと、影響は国民が受けているわけですね、現実に。ただ労働組合がスト権はないのだといういろいろな理由だけで、国民は結局三〇%のその間引き運転のために被害をこうむっておると、こういう問題についてもっとやはり政府あるいは国鉄、あるいは私鉄に対しても、国民へのサービスという面から考えた場合に、ストが起こって三〇%しか確保できなかったこういう問題については何か対策を講ずる、あるいは補償といいますか、そういう問題をやはり考えるのだという前向きの考え方でなければ、ただもうストでこうなってしまったからといって国民にしわ寄せをやっているだけでは、国民は、私は納得できないのじゃないかと思うのですね。やはり双方においてもっと自覚をしてもらわなければならないし、それだけのものを国民に果たさなければならないというそういう責任感があれば、やはり問題も一歩解決してくるのじゃないかと思いますが、その点は運輸大臣、一歩前に進んで、こういう二十四時間ストではないけれども、三〇%に間引きして国民に負担をかけているという、そういう問題に対しては今後どうしていくかという、そういう一歩進んだ考え方を運輸大臣は持たれるかどうか。
#25
○国務大臣(橋本登美三郎君) なかなかむずかしい問題でありまして、いまの乗車券を使えなかったということの補償の問題は、できるだけさようなことの起きないようにというので、乗務員の確保をして三〇%を動かした。しかし、平常と違うために、三十分で来られるところが一時間かかるというような御迷惑をかけたと思いますけれども、しかし、これが数時間に及ぶ、あるいは長時間に及ぶことになれば、法律的にはストができないといっても事実上ストをやっておりますから、その結果としては国民、利用者が迷惑を受けることになるのでありますから、長期間にさようなことが起こり得れば、私は実際上の問題として検討をしなければならぬとは思います。しかし、そういうような問題だけでは解決できない。こういうような交通ストというものがもし長期にわたれば、国民生活を破壊し、日本の経済活動を麻痺せしめる、こういう重大問題であるということでありますからして、したがって、従来の法制上の問題をどうすべきかという問題もあろうと思います。しかし、私は、原則として、いまの民主主義社会といいますが、世の中において、いわゆる法律を強化することによって解決するという道は必ずしも最善の道とも考えておりません。それよりは、何といっても関係者が事態をよく認識して、労働法が示し、あるいは公企労法が示すその方針に従って行なうということがまず第一の問題でありますから、したがって、いわゆる公共関係労働組合の中におきましても、とにかくわれわれは絶対ストはやらないのだ、それは交通機関としての使命に反する、こういうはっきりした態度をとっておる組合もあるわけであります。しかるにかかわらず一方においては、法律はどうあれ、自分たちはいわゆる賃金獲得のためにはこういう実力行使は当然認められるのだ、こういう立場の組合もあるわけでありますが、私は今回行なわれました状況からかんがみて、国民の皆さんがいずれを判断し――そして公共事業というものの重大さをやはり国民とともに考えていかなければならぬ問題であろう、かように考えております。
#26
○三木忠雄君 そういうふうに大臣に押し切られると、労働組合が何か特に悪いみたいな感じで――確かに法律的な問題はいろいろあるでしょう。しかしながら、やはり労使の話し合う余地もいろいろ問題点があると思います。したがって、それは今後の問題で、いまはスト中でありますので、その問題には立ち入りたくありませんけれども、先ほども大臣が申されたように、長期的なストの場合にはいろいろ補償の問題が考えられるけれども、こういうお話ですが、実際にたとえ短期間であっても、やはりこういう間引き運転をしたとか、いろいろの問題で、私鉄はサービスとして払い戻しをするとか、いろいろの方法を講ずるわけです。国鉄の場合は一方的に公共企業体だからというこういう感じで、私鉄よりもむしろ国鉄のほうが国民生活に大きな影響を及ぼしているわけですから、この点はもっと――政府が長期的だという考え方がどの程度のものかということはいろいろ論議の余地があろうと思いますが、もっと積極的にこの問題を、ただ国民に押しつけるだけで、そして国民の判断を待つという、こういう問題だけで解決するのでなしに、やはり国民にもう一歩、これだけサービスの悪かった点についてはいろいろの手を講ずるという政府の見解を持ってもいいのじゃないか、国鉄の側の御意見を持ってもいいのじゃないか、こういうふうに考えますが、もう一歩どうでしょう。
#27
○政府委員(山口真弘君) お答え申し上げます。
 国鉄の場合、たとえば災害がございまして、その災害によりまして運送が途絶して、国鉄がその債務の履行ができないというような場合におきましては、これに対して払い戻しの措置をし、あるいはその他の救済の措置をするということは従来からいたしておるわけでございます。それで、問題は、その災害と同じような状態といいますか、それに近いような状態が、法律で禁じているところの争議行為が起こった場合に、それと同じようなことを考えるかどうかということは、むしろ法律が争議行為をどのように把握をしておるかという問題にもやはり関係をしてくるんじゃないかと思うわけでございます。それで、公共企業体等労働関係法が争議行為を禁止し、そうしてそれに対しては解雇をするというたてまえをとっておるゆえんというものは、国鉄によるところの争議行為によりまして国民生活が破壊されるということを阻止するという考え方に立っておるわけでございます。したがいまして、やはりこの問題の解決というのは、違法な争議行為というものをやらせないということに問題のポイントを置くべきじゃないか。違法な争議行為をやらせない、そしてやった場合におきましては、国鉄の当局者としては、これによるところの被害というものをできるだけ僅少になるような万全の措置をとる。たとえば非組合員を動員して運転の確保につとめるとか、あるいは争議に賛成しない職員を動員してこれにつとめるとかいうようなこと、その他の措置を講じまして国民の受ける被害というものをそういう面で最小になるような努力をして、さらに、それにもかかわらず違法な争議行為をした職員に対しては、厳重な手段をもって厳正な措置をとるということで、公共企業体たる国鉄の運営を円滑に行なっていくというのがやはりたてまえではないかと私ども思うわけでございまして、災害のような場合と若干性質を異にして、輸送自体の確保というものにつとめていかなければならぬものだ、そういうふうに考えております。
#28
○三木忠雄君 この問題は、最後に運輸大臣、いろいろいま交渉されていると思いますけれども、今後の問題としまして、実際に、国民にこれ以上労使の紛争で迷惑をかけることのないように、私は万全の措置を講じていただきたいということを願うわけでありますけれども、その御見解を伺います。
#29
○国務大臣(橋本登美三郎君) もちろん、おっしゃるように、国民生活に大きな影響を与える問題でありますからして、政府もまた国鉄当局も最善を尽くして、一応この不法ストが一時間でも早くおさまるように善処してまいりたいと思っております。
#30
○三木忠雄君 それでは、航空の問題でもう少し質問申し上げたいと思います。
 特に、閣議了解された四十一年の再編成の問題が変更されて今回の合併になったわけでありますけれども、閣議了解が簡単に変更されてしまった、確かにいろんな事情があると私は思うんです。利用者の伸びというようないろんな点があったと思いますけれども、あまりにも閣議了解が簡単に変更された、ある意味では、これは条件違反じゃないか、こういうようなことも考えられるわけでありますけれども、この大きな原因というか、これはやはりどういうふうに認識されておりますか。
#31
○政府委員(内村信行君) 先ほど申し上げましたように、まず客観情勢の変化ということが大きな問題であろうと思います。
 ちなみに申し上げますと、当時の四十一年の閣議了解を全部読んでみます。「先般の航空事故の続発にかんがみ、航空の安全性の確保その他航空事業の適正な運営を期するため、早急に次の措置を講ずるものとする。(幹線)一、各企業における保有機数の増加を抑制することにより、需給の調整を行なう。二、日本航空(株)と日本国内航空(株)とは、適正な条件により将来合併することを前提として適正な条件により運営の一体化をはかる。三、日本航空(株)と全日本空輸(株)とは、営業および技術の両面において運営の協調化をはかる。(ローカル線)各企業の経営合理化の徹底をはかるとともに、ローカル線運営企業の幹線企業への統合を促進する。なお、政府においても、飛行場の改善整備、乗員養成施設の充実強化等の施策の強力な推進をはかるものとする。」というふうに書いてございます。
 そこで、なぜこれを読みましたかと申し上げますと、客観情勢の相違というものをよくあらわす意味におきまして、いま申し上げました第一、「各企業における保有機数の増加を抑制することにより、需給の調整を行なう。」、こういうふうな一文にあらわれておりますように、非常に需要が少なくて沈滞しておる、先行きは非常に暗いというふうなことが客観情勢でございまして、そういう客観情勢にあってローカル路線というものを維持するためにはどういうふうにしたらいいか、これ以外に方法はないということが当時の情勢であったわけでございます。
 ところが、先ほども申し上げましたけれども、その後の航空事情というものは飛躍的な伸びを見せまして、また今後の伸びも非常に大きくなるだろうということが予想されております。したがいまして、現実を見ますと、もうすでに供給が過小でございまして需要のほうが多いのでございます。それで、お客さまも積み残しをされるとか、いろいろな不便をこうむっておられる。そこで、ローカル路線はある意味において、いままでは原則として一路線一社ということで進めてまいったわけでございますけれども、先ほどの政策の一項にもございましたように、今後は需要の多いところはダブルトラッキングしてまいるというようなことも考えております。そこで、いままでややともすれば独占の上に甘えておった、そのために需要が多くなってもそれに対応し切れない、サービスも悪くなる、こういうふうな現実に悪い状況を示しておりますので、そういったことを一挙に解決して供給を需要にマッチさせる、しかもなお安全に運航し乗客のためをはかるためには、やはりこういうふうな客観情勢が変わってまいれば政策手段もおのずから変わってくるということをやらねばならない、こういうふうに考えたのが経緯でございます。
#32
○三木忠雄君 そこで、合併をしました東亜航空あるいは国内航空が、安全第一としなければならない航空会社が、スタートから実際にスト問題等で騒ぎを起こして乗客に迷惑をかけておる、こういう問題に対して、合併の認可といいますかね、それに対する運輸省の甘さがあったのじゃないかと私は考えるのですけれども、この問題についてはいかがですか。
#33
○政府委員(内村信行君) 確かに、御指摘をいただけば甘さが全然なかったというわけにはまいらぬと思います。ただ、先ほどちょっと御説明申し上げましたけれども、会社の合併ということ、それから合併の認可ということが、いささか航空法の場合には事情を異にしておりますので、会社の合併というのは、商法に基づきまして両社間の合意が成立し合併契約ができれば、合併条項に定めた日付に合併契約が成立をする、したがって、商法上は運輸省当局の意思いかんにかかわらず一応成立する、そして旧会社は消滅し、新しい会社が発生するということでございます。それで、航空法上の認可は何かといいますと、航空法上の認可をいたしますと、当該会社は――認可を受けた会社は、航空法上の地位を承継すると、こういうことでございまして、航空法上の認可がありますと、初めて航空法上、航空運送事業としての適法な地位を取得し、これに基づく行為ができる、こういうことでございます。したがいまして、これはちょっと弁解になるようで恐縮でございますが、両社の合意でやって合併が成立した場合に、かりに認可をいたしませんと、合併会社は成立するけれども航空運送事業は行なえなくなるという、おかしな合併になるというのが法律のたてまえでございます。ただ、先生御指摘のように、そういう認可とかなんとかいう技術的な問題じゃなくて、合併をするそのもの、そのものについての認可が甘かったじゃないかとおっしゃられますと、まことにそのとおりでございまして、その辺は私どもも反省をいたしておる次第でございます。
#34
○三木忠雄君 現実に、東亜航空のほうですね、いまスト、退職騒ぎで欠航、欠便していると、こういうことになってきますと、国内航空との関係から見まして、新会社の運航能力といいますか、あるいは安全性と、こういう問題から非常に不安な問題が出てくるのじゃないかと、こう考えるのですけれども、このストの問題とからんで安全性の問題についてはどのような見解を持っていらっしゃいますか。
#35
○政府委員(内村信行君) 合併も間近に迫りまして、あるいはスト、あるいは集団離職というような事情が出てまいりましたことは私ども非常に遺憾に存じておるわけでございます。そこで、この合併につきましては、運輸審議会にかけましてその答申も得るわけでございますけれども、実は、その運輸審議会におきましても非常にそういう面から、ただいま先生の御指摘のあったとおり、安全の問題はどうなるんだということは非常に御心配がございました。それで、これは運輸審議会の要望もございましたし、私どもとしても必要と認めましたので、合併を認可する前に、組合並びに会社の責任者皆さんにおいでいただきまして、合併というものの、われわれの考えている航空政策上の必要性というようなこともお話し申し上げ、まあ労働問題でございますから、私どもといたしまして、これに介入するわけにはまいりません。これは私どもは中立の立場をとっておりますので、会社に対しても、あるいは組合に対しても、こうこうこういうふうにしなさいというふうなことはできませんけれども、私どもはやはり安全運航の責任を持っておりますので、そういう意味から、こういうふうな労働問題としてそれぞれ適法な権利を行使しておやりになることは、これはそのとおりであろうけれども、万一それによって人心の不安を招き、それによって安全がそこなわれてはたいへんである。したがいまして、経営者あるいは組合、双方において安全の確保には万全の措置をとってもらいたいということを強く要望したわけでございます。そのときには組合のほうも、合併そのものに反対するのでは毛頭ないのです、それから安全性というものは十分考えております、また、安全性を考えるからこそこういうことをやるのです、こういうふうな答弁がございました。そこで、私どもといたしましては、まあいろいろな言い分はあろうけれども、とにかく両者が良識と誠意をもって前向きに事を処理されることを期待する、こういうふうな要望を申しておったわけでございます。
 ただ、その後、合併が済みましたけれども、国内航空のストはおかげさまで解決いたしましたが、その東亜のいわゆる集団離職というものは撤回されておるというわけではございません。そこで、この点、大臣も特にこの辺を心配されまして、実はきのう次官のところに新会社の役員、社長以下おいでいただきまして、特にこういうふうな問題があると平常のパターンとは非常に違った形になってくる、したがって、ある意味で平常とは違ったような異常事態における安全な運航の確保ということは特に注意をしなくちゃいかぬでしょうというふうなことを申し上げまして、たとえば管理職でやることもいいけれども、管理職の疲労もあるだろうし、その疲労も無視してこの運航体制をつくるとこれまた問題であるから、健康管理その他にも十分注意をして安全を確保してくれということと、それから航空機の整備その他につきましては、特にダブルチェックシステムをとって安全の上にも安全を期してもらいたい、それから会社が一本になったわけでありますから、その従業員相互の間、あるいは上下についての関係で意思疎通を欠く場合もあるかもしれない、そういうことが士気につながってもいけないから、そういった意思疎通を欠くことのないように十分連絡を密にするようにというようなことを申しまして、私も大臣の意思を受けまして、次官名でもって、文書でもってこのような注意をし、また口答でもそういうような安全確保について強く要請をしたわけでございます。
#36
○三木忠雄君 私の時間があまりありませんので、あと何点かお伺いしますが、特にこの合併した新会社がやはり解決しなければならない問題が何点かあると思うのですね。これは特にこの航空政策の基本方針について審議会がしている答申を見ましても、特にこの「日本航空と日本国内航空が合併しなくなることに伴う問題の処理は、両社が協議し、政府の承認を受けて決定する。」と、こういう問題で、チャーター三機の問題が尾を引いているのではないかと思うのですけれども、この問題についてはどのように解決をされると、こうお考えになっておるのですか。
#37
○政府委員(内村信行君) いま先生御指摘になりました、いわゆる清算問題でありますけれども、この事柄はもう先生よく御承知と思いますけれども、先ほど申し上げましたように、将来、日本航空と国内航空は合併することを前提として運営の一体化をはかると、こういうことでございますので、そういう前提におきまして、日本航空は国内航空からジェット機三機を賃借いたしますとともに、その賃借料については、比較的、市価よりも高目の賃借料を払っているということがございます。それからその他いろいろな援助、これは相互にございますから、相互にいろいろな援助をしておりますので、この日本航空と国内航空が合併をしなくなったとするならば、また特に初めから合併という問題がなければ、日本航空と国内航空の相互の商務上のいろいろな契約あるいは相互の処置はあとで了承を受ける、そういった場合には一体コマーシャルベースでものごとは運ぶであろうか、コマーシャルベースでやったら一体どうなっているだろうかということ、そういうことと比較いたしまして必要な清算をすべきであろうということが事柄の趣旨でございます。そのことは両社もまくわきまえておりまして、日本航空とそれから旧国内航空との間でいろいろ折衝が重ねられたわけでございますが、本来これはやはり合併するまでに解決をしておくということがよろしいことは当然でございます。しかし遺憾ながら、ものごとの考え方、それが先ほど申し上げましたように定木に当ててぴたり割り出せばぴたり出てくるという性格のものではございません。いわば条理上からどう解決するかという問題でございます。したがいまして、両者の間にいろいろ考え方の相違もございます。したがいまして、まだ現在まで解決を見るに至らなかったことはたいへん私どもも遺憾に存じております。ただ、現在までできなかったからと申しまして、一方において、合併ということはやはり別の意味から見て大きな政策として推進すべきことであろうと思いますので、合併はさせる。ただ、この問題はじんぜん放置をする問題でないことは当然でございまして、そういった事柄を両社もよく考えまして、日本国内航空及び日本航空から、今後も引き続き日本航空と東亜国内航空――これは新会社でございますが――との間でこの問題については協議をいたしましてその解決をはかる、それからいろいろ清算金額の算定方法あるいはその支払い方法については、第三者による委員会を設立して、その結論に従いますというふうなことを申し出てまいりましたので、私どもといたしましてもそれを了といたしまして、今後さらに新しい会社と日本航空の間で鋭意清算問題を詰めていく、それで筋の通った解決をしてもらいたいというふうに考えておるわけでございます。
#38
○三木忠雄君 この問題は会計検査院からもいろいろ指摘を受けている問題ですし、現実に国民の税金といいますか、こういう民間会社の、公共事業といえばそれまででありますけれども、やはりあまり運輸省として、あるいはまた日航としても寛大な処置といいますか、しゃくし定木にはかれないのは当然でありますけれども、やはり問題は合併前にきちっとそれを詰めてやるべきではないかと思うんですね。これはずるずるとまだ十月までというお話でありますけれども、どうもいいかげんなところが多過ぎるんじゃないか。たとえば、私もいきさつをいろいろ勉強してみましたけれども、実際にこの日本国内航空なんかつぶれかかっていたわけですね。これは株主が何社か合併を条件に泣きついて今日の立ち直りを見せたわけですね。それで立ち直りになったからといって合併しないというふうな、そういうあいまいな態度で日本航空が援助していた問題をなおざりにする。いろいろずるずる引っぱり込んでいくということは国民の感情としても納得できないんじゃないかと思うんですね。こういう問題は、明確に日本航空から払い過ぎたものについてはやはりコマーシャルベースですっかり合併前に清算をして、金額の支払い等についてはいろんな条件があるでしょうけれども、実際にすっかり算定して合併を認めるべきではなかったか、こういうふうに私は感ずるんですけれども、いかがですか。
#39
○政府委員(内村信行君) 私も先生の御趣旨全くそのとおりだろうと思います。したがいまして、今後本件につきましては鋭意新会社と日航の間で協議させまして、厳正な筋の通った措置をとってまいりたいというふうに考えております。
#40
○三木忠雄君 時間がありませんのでそれは詰めませんけれども、あと、この答申の中にも、広く民間資本の参加を得て、そうして円滑かつ可及的すみやかに新会社を設立することを期待する――これは合併前に広く民間資本を導入するという形になっておりますが、これも実際に守られていないわけですね。株主構成を見ましても七五%がほとんど限られた株主に限定されておる。そうして答申あるいは閣議了解事項と相反するとは言いませんけれども、やはりそういう意見が生かされていないということですね。私は何も新会社を憎むとか、他意があるわけではございませんけれども、あまりにも国民の感情としてこういう点は許されないのではないか。閣議で了解したこと、あるいはまたこういう答申を無視したような行き方で、経済性といいますか、これの追求だけで終わってしまうような感じはわからないでもないんですが、こういう点はやはりどういうふうにして歯どめをするか、この答申を尊重させるかという点については、私は運輸省の新会社に対する態度は非常にあいまいではないか、非常に甘いんではないか、こういうふうに感ずるんですけれども、その点いかがですか。
#41
○政府委員(内村信行君) 広く民間から資本を導入するということは答申の趣旨にもあり、閣議了解にもあり、私どももぜひそうしなければいかぬと思っております。ただ、この問題は短期的に解決しようとしてもなかなかむずかしい問題でございます。やはり増資のとき、特にこの会社の株式は上場されておりませんから、そういった意味から、テクニカルに、一般から広く導入する方法についていろいろ問題がある。かといって、このまま放置していい問題ではないのは当然でございます。したがいまして、この合併認可にあたりましては、これも特に次官からの文書で要望したわけでございますけれども、将来における適切な資本構成に関する計画を当局に提出するということを指示いたしまして、それによって判断をし、指導していきたいというように考えております。
#42
○三木忠雄君 最後に運輸大臣に。この問題の、日航からの賃貸借の問題につきましても、あるいは広く民間の資本参加の問題にしましても、やはりもう少し国民が納得できるような、すっきりしたような線でやはり合併を認めるべきではなかったかと思うんですが、今後の問題として、この問題は国民が見守っておる中でありますし、日本航空というのは国策会社でありますし、そういう点をやはり大臣としても、新会社に対する注文といいますか、厳格に実施事項を守らせるように、強力に指導すべきではないかというふうに私は考えるんです。この問題について御答弁いただいて、私の質問を終わりたいと思います。
#43
○国務大臣(橋本登美三郎君) お話しのとおり、前の閣議決定によってこれが変わりましたために、日本航空と国内航空との間にチャーターに関する清算金の問題が残っております。実は合併を促進する間につきましても、いわゆる新会社ができるまでに決定できるように措置せよということを強く指示してまいったのでありましたが、いろいろな事情が一つにはありまして、計算上の基礎もありましょうし、そういうようなことからして合併までには最終的な決定を見るに至らなかった。しかし、合併を認可するにあたりましては、清算金の問題は、これはもう国民の税金の一部も使われておることでありますからして、したがって厳正に、かつ、国家にといいますか、政府に迷惑をかけることのないように、正確な資料に基づいてこれを決定するように、そのためには両社の関係者だけではなく、政府あるいは第三者を含めた委員会によってこの金額をきめるように、それに対しては両社ともこれに従う、こういうような約束のもとに文書を取りかわしまして、それによって新会社を認めるに至ったのであります。したがって、なるべく早くこれはきめる方針でありますが、その結果については、国に迷惑をかけないという前提のもとに金額を決定してまいりたい、かように考えておるのみならず、第三者というのも、関係会社が推薦するだけではなく、政府が推薦する人も委員に入れて中立な委員会をつくり、そういうような点において非常に厳正な態度をもってこれを処理してまいりたい、こう考えております。
 なお、資本参加の問題ですが、これも私は、今回の再編成にあたっては何といっても会社がしっかりしたものにならないとこれからの需要に追いつけない。先ほど航空局長からも説明がありましたが、四十一年度の閣議決定当時は、当時の国内旅客のお客さんというのは四百八十八万人でありました。それが昨年、合併、新再編成の問題を考慮いたしました四十五年度においては、この数は千五百五十万という、わずか四年間において三倍強という大きな激増であります。そういう需要が急増した一つの原因は、もちろんこれは航空機利用に関する国民の理解が深まったことも大きな原因ではありますが、同時に、需要を爆発をさせたのは、いわゆるYSあるいはジェット、727、こういう安定した大型機が開発せられ、それがためにお客さんが安心して飛行機に乗る傾向が増加した、こういうような事情を背景にしてわずか四年間に三倍強という大きな激増を見たわけであります。かつまた、運輸政策懇談会におきましては、昭和五十年度の需要を四千万人と見ております。これは五年間に二・六倍でありますが、四十五年度の乗客数に対して昭和五十年度四千万人と仮定すると二・六倍でありますが、私は、それ以上上回るのではないだろうか。こういうお客さんの激増に対して対処する道は、何といっても使用する飛行機の大型化を考えざるを得ない。したがって運輸省としては、ローカル空港についても、できるだけ主要ローカル空港は、ジェット機が離着陸できるような飛行場を整備しなければいかぬということで、本年度から、いわゆる五ヵ年計画を樹立して、従来の倍以上の計画の量にいたしたわけであります。こういうことになりますと、ジェット機を買い入れる、あるいはYSにいたしましてもまた――ジェット機をこれから入れてまいりますためには従来のような小型の航空企業ではとうてい追いつけない、また安全も保持し得ない、こういうことからして積極的に今回の再編成の道をたどったのでありますからして、その根本は、いわゆる航空企業の大型化ということが目的でありますから、単なる東亜航空と国内航空が合併しただけではいけないということで、再編成の方針におきましても広く民間の資本を吸収せよということは、企業内容を充実しなければ、一機ジェット機を入れるにしても相当の、数億という金が要るのでありますからして、したがって企業内容を拡充し、かつまた充実しなければならぬというためには、従来のいわゆる資本系統だけでは無理だということからして一般の資本参加を強く要請いたしております。これは合併新会社ができる当時から行なえばよろしいのでありましょうが、ただ技術的には、ただいまも説明ありましたように上場会社でもありませんために、直ちに一般の、広く民間の資本を入れるということが技術的に困難である。こういうことからして、まず最初に新会社といたしましても、両社を中心にしたいわゆる資本構成を行ないまして、そうしてなるべく早い機会に一般の、広く関係のない方面の新しい資本を導入する、こういう措置を進めてまいりたい。この点は新会社の首脳にも強く要請をいたしておりますので、できるだけ早くその機会が到来すると私は確信をいたしておる次第であります。
#44
○委員長(鬼丸勝之君) 他に御発言もなければ、本日の調査はこの程度にとどめておきます。
 本日はこれにて散会をいたします。
   午前十一時四十四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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