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1970/03/23 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第3号
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1970/03/23 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第3号

#1
第065回国会 商工委員会石炭対策に関する小委員会 第3号
昭和四十六年三月二十三日(火曜日)
   午前十時十分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月二十二日
    辞任          矢野  登君
    辞任          田渕 哲也君
 三月二十三日
    補欠選任        矢野  登君
    補欠選任        中村 正雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         大矢  正君
    委 員
                川上 為治君
                矢野  登君
                山本敬三郎君
                阿具根 登君
                上林繁次郎君
   国務大臣
       通商産業大臣   宮澤 喜一君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省鉱山
       石炭局長     本田 早苗君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部長  阿部  茂君
       通商産業省公益
       事業局長     長橋  尚君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
   説明員
       通商産業省公害
       保安局石炭課長  高木 俊介君
       通商産業省鉱山
       石炭局石炭部産
       炭地域振興課長  中井 富男君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○産炭地域振興臨時措置法等の一部を改正する法
 律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(大矢正君) ただいまから石炭に関する小委員会を開会いたします。
 小委員の異動について報告いたします。
 本日、欠員中の小委員の補欠として矢野登君及び中村正雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(大矢正君) 産炭地域振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として質疑を続けます。
 質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○阿具根登君 直接法案に関係がないかもしれませんけれども、大臣にお尋ねいたしたいのですが、最近重油戦争といわれるくらいに原油なり重油の問題が大きくクローズアップされてきた。非常に値上げをしてやってきた。それに対して、いままでこの対策に対しては、石油資源開発と申しますか、これに対してはほとんど民間が主導権をにぎって施策を行なってきた。ところが今度の値上げによって政府が特別会計まで制度をつくって、そしてこれを援助する、指導するというようなことが二転、三転して新聞では出ておるわけなんです。政府の考えが一体那辺にあるのか、一体エネルギー特別会計として、あるいは開発事業として特別な考えをお持ちなのか、石油開発のみを主眼に考えられるのか。一体この総合エネルギー対策から考えて、今日の油に対する対策は一体どれが政府のほんとうの腹なのか、大臣からはっきり承っておきたいと思います。
#5
○国務大臣(宮澤喜一君) 御指摘のような石油を中心といたしました世界の市場状況の変化とも思われるような事態、これはしばらく前から予測せられたわけでありましたが、それに対処いたしまして、われわれとしてどのような資源政策をとるべきか、どのような体制を新たに組むべきかということにつきまして、しばらく前から通産省事務当局に検討をするように指示をいたしておいたわけでございます。事務当局の一応たたき台とも思われる問題点を指摘しました案ということではございませんが、問題の所在、それに対する考え方などが出てまいりましたので、事の大きさから考えまして、大蔵省あるいは場合によりまして外務省等々とも共同作業をすることが適当であると考えまして、共同作業の完成の目標を一応今年の夏、所要の予算あるいは立法等々が四十七年度の予算編成に間に合いますような時点までに完成するようにということで、ただいま鋭意共同作業を急いでおるところでございます。したがいまして、報道せられておりますところのものは、いわばそのたたき台になる原案と申しますか、あるいは問題点の指摘と申しますかでございますけれども、そこで考えられております方向といたしましては、基本的には、従来わが国の民間企業の企業意欲というものを今後とも伸ばしていくべきではないか。これは資源対策一般についてでございますけれども、しかしそれに伴ういろいろな危険というものがございますので、それについては政府が危険負担をしていく、基本的にはそういう考え方に変更を加える必要はないであろう。ただ具体的な問題に入りますと、そればかりで全部貫けない部分がありそうに思われます。と申しますのは、たとえば備蓄といったようなことについて考えましても、経済的な企業的な採算を上回る部分の備蓄というようなものは当然考えられますが、こういうものをどうする。あるいはまた、政府間その他の交渉で、ある国の利権というようなものをわれわれが取得することができるといった事態になりましたときに、突然民間の会社にそれを入手せよと申しましても無理な場合も考えられます。そういう場合には政府または政府機関が何かすることはないであろうかといったようなこと。それからまた現在までのような一プロジェクト一会社というような民間会社の形態でありますと、そのプロジェクトの整備にその会社の運命が全部かかってしまうといったようなことで、危険の分散ということが非常に困難になるといったようなこともございます。その他いろいろの問題がございますので、民間の企業意欲を活用するという基本方針には変わりありませんけれども、それをバックアップし、及びその届かないところを補うという意味で、政府があるいは政府機関が、もう少し積極的に乗り出すべきではないか、こういう構想に全体としては立っております試案を、ただいま各省で検討いたしておるというようなわけでございます。
 なお、これは当然のことながら一応石油を中心に考えておりますけれども、その他の非鉄金属等々の資源につきましても、多少私どもなりに長期の見通しを考えて、そうしてそれに対する手当てもあわせ行ないたいと思っております。
 なお、エネルギーの総合的な需給の見通しにつきましては、昭和四十二年にエネルギー調査会の答申いたしましたものが公式にはただいま私どもの持っております政府の見通しでございますけれども、相当の日子もたち、また客観情勢もはなはだしく変わってまいりましたので、新しく長期のエネルギー需給見通しというものをつくる必要があると考えておりますが、この作業は昭和四十六年度中には完了いたしたいと考えておりまして、ただいま関係各省で仕事をいたしておるところでございます。
#6
○阿具根登君 非常な抽象的なお答えで、私があまり端的に質問を申し上げなかったかもわかりません。確かに新聞等で拝見すれば、そういう大臣の気持ちはあらわれておると思うのです。しかし、エネルギー政策の中に石炭の占める地位というものを考えてみました場合に、現在三千六百万トン程度、五十年で三千七、八百万トン、六十年で三千六、七百万トン、こういうのが出されておるわけなんですね。これはそのまま考えは変わらないのか、あるいはこの場合何かエネルギーの中心が石油になるというところから、石油開発資金というのが総括したようなものになるような新聞も一部出ている。一部には原重油関税の十二分の十はこれは石炭の特別会計にいくのであって、これに手を染めることはできないであろう、こういうことも書いてあるわけなんです。新聞によってそれぞれニュアンスが違うようでありますけれども、実際今日の置かれておる石炭情勢から見てみると、何か政府に、すでに石炭に対してはまあ熱意を失ったというような考え方が出ておるのではないか。もしもそういうことが炭鉱に働いている従業員その他にそのまま伝わるとするならば、私はほとんどの炭鉱はもうつぶれてしまう。いまでさえ精一ぱいのところで、ぎりぎりのところで、まあ御承知のように日炭がつぶれ、常磐がつぶれ、しかも住友も非常にあぶないと、こういうことをいわれているときに、これに将来性がないということになれば、おそらく勤労意欲等はなくなってしまうだろう。そうすると、もう立ちどころに日本の石炭というものはつぶれていくのではないか。そうした場合、そうでなくても、もう去年あたりからのアメリカの動きを見てみましても、原料炭に対して相当な値上げの気運が動いてきている。こういう時期に、油は確かに外国依存だから今日のような状態になってきて、それであわてて日本の技術で日本が開発できるだけは開発しなければならない、こう言っているのですが、きょうの新聞を見てみれば、もう百億からの損害をあきらめてそして引き揚げなければならないという日本の技術の浅さを露骨に示しておる。それを今度は石炭でまた二の舞を踏むごとく、石炭がつぶれてしまったあと外国に依存しておったら、えらい原料炭は高くなってしまった。そして二億トンから三億トン近くの石炭が必要なのだ、こういう状態になってくる可能性がある、そういう心配があると私は思うのです。だから、大臣にお答えしてもらいたいのは、石炭政策の位置はどこなのだということですね。もう一つ進めて言えば、四十八年度以降の石炭政策は一体どう考えておられるのか。第五次石炭政策はどうなのかですね。油の関係税に対する石炭の今日までの占めておる比重はそのまま続いていくのか。それとも油重点にこれが動いていくのか。まあそういう点を短時間の時間ですから、大臣からはっきりひとつ御答弁を願っておきたい、こう思うわけなのです。
#7
○国務大臣(宮澤喜一君) そこで次に、ただいま申し上げたことと石炭政策との関連になるわけでございますけれども、現在の第四次案では、四十八年度の石炭の生産目標は三千六百万程度とする。ただし増減云々と書いてございますが、ただいま四十六年度の石炭鉱業合理化実施計画策定のための作業をいたしておりますが、その作業との関連で、あわせてそれ以降の近い将来の見通しについても一応の答えを出したいと考えております。で、基本的に考えまして、少なくとも原料炭については、わが国でこれはますます必要でございますから、出炭し得る限りのものを確保したい。場合によっては新鉱の開発も必要であるという私どもの従来からの態度には変わりはございません。ただ昨年、御指摘のようにアメリカからの原料炭の輸入のしかたについて、私は少なくともあまり賢明でない輸入のしかたが一部にあったと考えておりまして、そのはね返りがいまの時点で石炭鉱業の負担になってきておるというふうに考えてよろしいのではないか。これは相当な負担にはなっておりますけれども、昨年ああいう輸入のしかたをしたことは、一応一時的な問題であって、基本的に国内で原料炭を確保していきたいという方針に変わりがあるべきものではなかろうと思っております。
 それから四十八年度以降をどう考えるかということでございますが、これはただいま申し上げましたような事情もございまして、いまの時点で長期に、たとえば第五次計画につながるような見通しを石炭鉱業審議会にお願いをいたしましても、おそらくどなたもなかなか確たるお見通しをお立てになれないであろうと考えますので、昨年ああいうことのございました余波もやがてはおさまるでございましょうから、そういう視点に立って将来はどう考えるかということを、もう少し見通し得る視点に立って考えるべきものではないかと思っているわけでございます。なお、エネルギー資源確保のための財政上の――石炭以外のエネルギー、海外エネルギー資源確保のための財政上の需要というものは、おそらくかなりの巨額にのぼると思われますけれども、しかし、それであるがゆえに石炭特別会計が従来確保しております財源がもう要らなくなるということはない筋合いでありまして、どのような財源によるとにかかわらず、石炭鉱業のビルドのために、それからやむを得ず必要があれば一部の閉山等々のために、またその後の残されました公害の手当てのために、必要な財源はこれはどうしても必要でございますから、どういう形によるにせよ、これは海外エネルギーの取得ということに関係なく、それに影響を受けずに、確保をしてまいらなければならないと考えております。
#8
○阿具根登君 まあ四十八年度以降は審議会でも結論は出ないだろう、いまの時点では、というようなお話なんですけれども、ものの基本的な考え方を通産省が示さずに、ただどうしましょうかというような問い合わせであったならば、私は審議会も非常に混乱すると思うのですね。しかし、五十年、六十年度までの経済政策を見てみる場合に、相当膨大な原料炭を輸入しなければならぬ。予算委員会の答弁でも、大体二億トンぐらいと答弁されたと思うのです。その中で、日本の石炭がたかだか三千七百万トンと見ても、そのうちの五割から六割が原料炭なんですね。このぐらいの石炭でも確保することがはっきり示されないということになれば、これはつぶれるということしかないのです。それからもう一つは、原料炭をまあ三千トン出すためには一般炭が三千トン近く出るわけなんですね。そうすると、一般炭の山はサルファその他もありますけれども、続々となだれを打ってつぶれていっている。そうしてかろうじて――かろうじてというと語弊がありますけれども、ことしの四月から原料炭が五百円上がる。一月からは現在二百五十円上がっていると思いますが、そうしますと一般炭はいまのぐらいであったとするならば、まあ計算しやすいように半々と見れば二百五十円しか上がっておりません。そうすると今日の賃金状態から見てみても、すでにきょうの新聞でも、一万円をこす回答が相当の多数の会社に出ている。そうすると、ここで経済面を度外視するわけにはいきませんけれども、一応観念的に労働というものを考える場合に、私はやはり炭鉱の労働者ぐらい恵まれない労働者はいないと思うのです。賃金の上がり方も、あるいは受け取っておる賃金も、あるいは福利施設も、このくらい恵まれておらない労働者はおらないと思うのです。そうするとこれに対して一〇%、一三%、一三%平均にしたところで、そのくらいのことは当然これはだれが考えても上げなければならないし、また上げなかったならば逆に労務倒産してしまう。こんな危険なところで、ばからしい、何ぼ働いてもわずかの給料だ、坑外で働いて、そうして青空のもとで働いたほうがうんと気持ちがいいという気持ちになるのはだれでもあたりまえのことなんです。そうしますと、いままでの平均上がったとしても、トン当たりまあ部長の話では二百五、六十円と言っておりますが、私は甘いと見ておりますが、大体三百円ぐらいになるのではないか。そうしますと、赤字はこのまま続く。そうすると、いやがおうでもこれはつぶれていくわけなんです。それに対して、今度は本題にも入っておりますけれども、石炭販売株式会社を三年延ばすとか、こういう問題も出ているわけなんですが、この石炭販売株式会社が石炭の値上げを云々するという権限は与えられておらないわけです。電力会社に石炭を約束しただけ搬入し、その代金を受け取るようになっているけれども、しかし、その交渉ということは全くできないわけなんですね。これは大臣の権限であって、できないんです。そうすると、そういう見地から将来の石炭政策、現在のつぶれゆく炭鉱のありさまからながめて、一体、一般炭をどう考えておられるのか。原料炭を今後どう考えておられるのか。どうあっても三千七百万トンぐらいの石炭は日本のこれは資源であるから、あくまでもこれくらいは確保しなければならぬという確固たるお考えがあるならば、そういうお考えに立って審議会に諮問なら諮問されなければ、一体この経済状態で石炭どうしたらいいでしょうか、油どうしたらいいでしょうかと、そういう質問では、答えるほうも私は困ると思う。やはり国の経済の基本から考えて、油の問題も、わざわざいまから日本が乏しい技術で――あるいは日本の技術は進んでいるとおっしゃるかもしれないけれども――きょうの新聞でも日本の技術ではだめだと、みすみす百億の金を捨てなきゃならぬと書いてある。そうしてアメリカの資本にこれをゆだねて、アメリカはわずか十億しか金を出しておらない。そこに、よく頼みますと言って引き下がらざるを得ないと、こういうこともいわれておるくらいなんです。そうすると、国内でできてくる石炭が、よりたくさん出るように開発あるいはそうの他の技術向上もありましょうけれども、それが逆にしぼんでいくような政策がとられているように感ずる。だから三十八年以降もこれ以上の強力な考え方があるんだということをお聞きしたいのと、それから一般炭と原料炭の価格については一体どういうふうにお考えになっておるかお聞きいたします。
#9
○国務大臣(宮澤喜一君) 問題点はまさに御指摘のとおりであると思います。私どもも実は同じ問題を悩んでおるわけでございますけれども、つまりわが国として国内産の原料炭をできるだけ確保しておきたい、それが大切なことであるという、そういう考え方には私ども変わりがございません。そういたしますと、事の必然として、それに伴う一般炭というものも産出されるということは当然考えておかなければなりません。そこで問題は、そういうことがマクロに考えて原料炭確保ということが望ましいと考えましたときに、企業の側及びこれには労働側の事情もございますけれども、それならば自分たちがそれに対応して経営を継続できるかということになりますと、ただいま言われましたような諸要因がありまして、必ずしも企業側が自信を持ち得ない。これは私どもが将来の価格を明確に示し得ないからであることは御指摘のとおりでございますけれども、ともかく現状としては原料炭は確保されることが望ましいが、企業がいわば政府のまるがかえといったような姿ならともかく、そうでない姿で継続してその仕事をやっていけるかどうかということに不安を持っておる企業がございます。また、そういうところに働いておられる人々、これは確かに御指摘のように給与から考えましても、こういう春闘の世の中でも非常に控え目で、経営の内容を知っておられるだけに、まあ気の毒な立場に立っておられる。かたがた、かりに給与が相当魅力的なものでありましても、そもそも危険の多い仕事でございますから、同じ給与であればもう少し危険の少ないところへ動きたい。非常に優秀な労働力であるだけに、そういう機会も多々あるといったような、そういういろんな要因がございまして、国としては原料炭が国内で確保されることは望ましいと考えながら、現在の体制である限り、はたしてそれをになっていってくれる人があるであろうかというようなことが、ただいま実は私は問題の中心になるのではないかと思います。
 原料炭の値上げについては従来何度か行なわれ、私どもも実際はそういうお話を終局的には支援をする立場をとってまいりました。で、一般炭につきましては、もう一つ問題がむずかしいわけでございますけれども、しかし石炭業界としては需要家の協力を得て、その実現に常につとめてこられておりますし、また私どもも適当な時期がまいりますと、実際上それを支援しなければならない、支援すべきものだというふうに考えておるわけでございます。そうは申し上げましても、それなら原料炭が何年にどれくらいになる、一般炭はどれくらいになるということを、長期的に私どもが示し得て、それが経営にとってあるいは労働側にとって満足すべきものであれば、ただいまのような不安は解消するのでありましょうけれども、実際は御指摘のようなメリットとの関係もありまして、なかなか私どもとしてそれを長期にわたって先々のことを明示することができない。これがただいまの偽らざる現状ではないかと思います。私どもとしては、しかし先ほどのような問題の意識がございますから、原料炭についてもまた一般炭についても、そのときそのときで事実上政府が需要家に対して慫慂をする。政府としての所見をお話しして引き取り価格を上げてもらう。こういう努力は継続して行なうべきものだと考えております。
#10
○阿具根登君 まあこういう場所で質疑応答をやる場合は、そういうお答えにならざるを得ぬかとは思うのですが、大体約束の時間もあまりないようですから、もう一つ御質問申し上げておきますが、そうしますと、重油がまあ一般炭のかわりになる燃料として大部分を占めてきて、そうして一般炭よりも重油ということに電力会社その他も動いておるようでありますが、この重油なるものはほとんどがC重油を使っておると思うのです。そうするとこれはサルファが相当あるはずなんです。最近脱硫装置ができてきてきておるようですけれども、まあそれが完成すればけっこうだ、けっこうですけれども、膨大な原油を輸入され、しかもその原油は相当な値上がりで入ってくる。これを精製すると、精製したあとの重油は原油の何%になりますか。これは局長にちょっとお尋ねしておきます。
#11
○政府委員(阿部茂君) 原油から生産される重油は大体半分でございます。
#12
○阿具根登君 そうすると、いやでもこの重油というものを使わざるを得ないようになる、原油はますますうんと入ってくる。そうして値上げになってくる。値上げになってきたやつを、精製した石油だけにかけるわけにいかないですよ。そうすると実際はそんなに必要でもないC重油が半分残る。いやでもこれを使うような政策になってくると私は思うのです。そうすると石炭はいやでも追い出すような形になってきはしないか、一般炭の場合ですよ。そうしなかったら石油業者がやっていけないようになってくると思う。これは重油はどちらかといえば、もう取ったからなんです。そしてこれから利潤はそう取れないと私は思うのです。しかし値上げしただけのやつを精製した油だけにかけるということはできないと思う。しかも半分が重油で残りがかす。何とかしてこれはたかねばならない。厳密な意味で言うならば、こういう重油はこれはサルファがあるから、これはたいてはならぬと、こうならなければならないと思うのです。そうしてA重油ならA重油を特別に入れるとか、精製するとか、そうしなければ私はほんとうの公害対策にはなり得ないと思う。しかしそうすると膨大な五割もの重油を一体どうするか、こういう問題が私は残ってくると思う。そういう対策を考えずに、ただ石炭をどうするかというようなことでは、私はやっていけないのじゃないかと思うのですね。重油が余るから原油をうんと少くします、そういう政策はとれないと思うのです。一体これはどういうふうにお考えになっておるかお聞きします。
#13
○国務大臣(宮澤喜一君) それは御指摘のとおりで、従来も実は同じ種類の題問があっておるわけでございます。そこで、たとえばA重油を輸入するということになりましたら、それは公害の観点からはよろしいわけでございましょうけれども、国内にはたいへんな重油が残るということになるわけでございますから、なかなかそれも簡単には行なえない。したがって、原油価格が上がりますということは、そうやって国内でさばかれます重油と国内炭、一般炭とのメリットを換算いたしまして、その幅というものは幾らか狭まってくるということにはなりますけれども、しかし、おそらくただいま程度でありましたら、やはりまだメリットの差は相当あるというふうに考えなければならないのではないか。そういたしますと、そのような重油、これを公害との関係で考えますと、やはり脱硫あるいは排煙脱硫といったようなことで技術革新を待って、そのような重油が公害の大きな原因にならないようなことを考えていく、こういうことにならざるを得ないのではないか。なお、一般炭につきましても、実は種類によりましては相当サルファの高いものがあるわけでございますから、これは山元でいろいろくふうをしていただいて、それも使えるというふうな努力を政府も支援をしていかなければならないと思います。
#14
○阿具根登君 そこで、たとえば常磐にしろ、あるいは日炭高松にしろ、つぶれざるを得ないようになった。これはもう日本の名門中の山なんです。そして、五十年から六十年の歴史を持っておる日本の山なんです。これがつぶれた第一の原因はサルファにあると思うのです。そうすると、石炭はサルファのためにつぶれていく、油はサルファでもしゃにむにこれは生かしていく、こういうような政策にならないように、やはりそれは業者も脱硫はうんと考えなきゃならぬし、また政府も重油の脱硫には相当力を入れておられる、業界に対して七億の金が出ているはずです。今後相当の金を出していかれるならば、そういう脱硫装置は、やはり双方にも使えるような一つの研究機関でもお持ちになるかしなければ、片一方は膨大な資本があり膨大な需用もあるからやむを得ぬとはいいながら、それにはサルファがあってもそれはつぶれない政策を政府は立てている。一方ではそう言いながら、サルファのために山はどんどんつぶれていって、労働者がどんどん去っていく。どうぞひとつ、斜陽といわれておりますけれども、石炭は今日まで日本の原動力としてやってきて、今後、必ず石炭を、つぶれた山を掘ってくれということになってくると私は思うのです。だから、ひとつ総合エネルギー対策におきましても、石炭の地位というものはやっぱりはっきりと打ち立てておいていただきたい、かように存じます。終わります。
#15
○国務大臣(宮澤喜一君) 原料炭を求める限り一般炭が伴ってくるということは、これは事実でございますから、そいうことも考えますと、そういう一般炭の改良あるいは利用の方法について、重油の脱硫にわれわれが努力しておりますと同様な種類の努力を政府もやはり支援していくべきであるというふうに考えます。
#16
○上林繁次郎君 大臣に二、三お尋ねしたいと思いますが、この産炭地域振興計画というのは、これは三十八年にできたわけです。そこで、これができてからもう何年もたっているわけです。そこで、その間に情勢が変わってきておるということはこれはいなみ得ない事実です。そこで、いわゆる今度のこの法律にしても、その法律を実現していく、内容を実現していくというのは、この振興計画によって内容の実現をはかっていくと思うのですね。そうなりますと、いまの時代にこれがそぐわなくなってきているのじゃないか、この計画が。こういうふうに思うんです。そうなると、どうしてもこの内容を変えていかなくちゃならない、振興計画を変えていかなくちゃならない時期がきているのじゃないか、こういうふうに思うんです。その点の見通しといいますか、その点どういうふうにお考えになっておるか、相変らずこのままでやろうということなんですか。
#17
○国務大臣(宮澤喜一君) ただいまの御指摘の計画は、四十七年度を最終目標として考えておったわけでございますけれども、御審議願っております現在の十年延長の臨時措置法が成立いたしました際には、当然この計画の改定をいたさなければならないと思っております。
#18
○上林繁次郎君 そうしますと、これではいまの時代にそぐわない、したがって今後これを改定していかなくちゃならない、こういうお考えですね。わかりました。「石炭鉱業合理化基本計画」というのがありますが、その中で「重要事項」として「石炭の流体化および一般炭のコークス化その他石炭の利用を拡大させることとなる技術の開発を促進する。」、こういうふうに石炭鉱業合理化基本計画の中にはあるわけですね。そこで、いまも阿具根先生のほうからいろいろとお話がありましたけれども、これからの石炭鉱業というのは非常に大きな一つの問題である、まあいままでもそうですけれども。そこで、やはりこの石炭をもとにして何らかの技術を開発していかなければならないということも言えるんじゃないか、そういう意味でこういった計画が立てられたと思います。そこで、これらについての技術開発、それはどういうふうに現在まで進んできているのか。なお、その開発の見通しですね、こういった点はどういうふうに考えているのか、この点ひとつお答え願いたい。
#19
○国務大臣(宮澤喜一君) その点は先ほど阿具根委員の御指摘の末尾の点につきまして私が申し上げましたのが、私どもの基本的な態度でございますが、なお石炭局長からただいまの点を御説明いたします。
#20
○政府委員(本田早苗君) 需要確保のために指摘されておりますが、御指摘の石炭の流体化につきましては戦時中以来研究を進めておるわけでございますが、非常に複雑な工程を要するということのために企業化になかなか至らないというのが現状でございまして、現在企業化されておりますのは製鉄用のコークス等の製造過程で副産物として出てくる粗軽油、タール等のものが活用されるという程度でとどまっております。最近アメリカ石炭研究局では石炭液化油の製造に見通しを得たとの情報もございますが、これも小規模研究の段階のようでございまして、今後の企業化につきましては、なお相当な過程を要するのではないかというふうにいわれております。
 それから一般炭のコークス化の問題でございますが、このコークス化の問題についてはいろいろ方法がございます。石炭を予熱してやる予熱法というのがかなり進んでおりまして、最近は五%程度の一般炭を混入することができるという状態になっております。それから焼成する前に石炭を成型する成型炭挿入法というのがございまして、これは鉄鋼業界、新日鉄で研究しておりますが、一般炭を一〇ないし一五%程度混入できるという見通しができつつありまして、最近京阪煉炭がこれを鋳物用コークスに活用しておるということでございます。
 それから連続的にコークスを製造する成型コークス法というのは、小規模研究を北海道の工業開発試験所でやっておりますが、まだ企業化をはかる前の段階の研究状況でございます。一般炭のコークス化の段階はいま申し上げたような現状でございます。
#21
○上林繁次郎君 いまのお答えで、この基本計画にはいろいろと掲げられておるわけです、あたかも可能のごとく考えられているが、まだどれだけ可能か知れない。したがって、いまのお話でありますと、全然見通しはつかぬということなんですか。計画には掲げられているけれども、実際にいろんな問題が横たわっておって、それで計画のようにはなかなかいかないんだ、技術的にそういう開発はむずかしいんだと、ちょっと現在のところ見通しがつかぬのだ、こういうことになりますか。
#22
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のような石炭の流体化のほうはまだ企業化の見通しがつく段階に至っておりませんが、一般炭の原料炭をコークス用として使用するという点については逐次研究が進んでまいりまして、実用化の段階にもなってまいる、こういう状況でございます。
#23
○上林繁次郎君 もう一つ、流体化の問題ですね、この点についてはどうなんですか。
#24
○政府委員(本田早苗君) 流体化につきましては、現在のところ企業化のまだ目途がついておりません。
#25
○上林繁次郎君 企業化の目途がついていないという、現在の時点ではそうだと。将来この開発についてはどうだということも聞いているわけです。将来、採算が合うのか合わないのか、とても採算が合わなくて、これは実用化はできないのだと、こういうことなのか、将来の見通しを先ほどからお尋ねしているわけですが、その点どうですか。
#26
○政府委員(本田早苗君) 最近のアメリカの情報で明るい情報が入ったということでございますが、なお、さらに研究をしなければ企業化の段階には至りかねるというのが現状の見通しでございます。
#27
○上林繁次郎君 ちょっといま申し上げたように、基本計画の中にはそういったものがあるわけですから、あるということは、やはりそれに取り組むという姿勢をここで示したということになると思うのですね。いまお答えを聞いていると、非常にあいまいだということ、非常にアメリカのほうから明るい情報が入っておるとかそんな程度で、もっとそういった点について私は本腰を入れて取り組む必要があるのじゃないか。そういういわゆる姿勢では、何をやっても、どんなりっぱなことを言ったって、この石炭の関係の、何といいますか、たとえば産炭地域の振興についても、そういう問題を解決するためのこれは一つの方策なんですから、やはりそれに対する取り組み方が非常に甘いということでは、いっこういった問題が大きく解決できるかということは非常に疑わしくなってくると思うのですね。これは質問じゃございませんけれども、いまの御答弁を聞いていて、計画にありながら政府のほうとしては非常に取り組み方が真剣でない、こういう感じがするわけですが、その点はひとつ大いに改めていかなければならぬだろうと、こう思います。
#28
○政府委員(阿部茂君) お答えいたします。
 上林先生のいま御質問の流体化のほうの問題でございますが、実は石炭鉱業合理化基本計画の第六項の中に、小さな項目として、「石炭の流体化および一般炭のコークス化」云々という事項が確かにございますが、しかし実はここで申します流体化と申しますのは、先ほど局長が御答弁申し上げました石炭の液化という問題とは実は別のことを意味しておるのでございまして、実はこの問題はすでに十年ほど前から、たとえば石狩炭田の出た炭を非常に微粉の状態にいたしまして、それを室蘭の港まであるいは苫小牧の港までパイプを通しまして、それの中に液状、液体で、まあ水で高圧で港まで貨車に乗せずに輸送する、そういったことを当時非常に石炭流通の合理化、こういう目標を掲げて研究したわけでございます。これにつきましては、かなり研究は当時進んだようでございますけれども、その後、山の閉山の相次いだ問題その他が実は出て、送られてからの発電所におきます燃焼の技術の問題等につきまして、まだ十分な実は信頼性のある技術ということまでに到達できてないと、こういう現状でございます。今後の問題としましては、そういった燃焼技術の開発も片面必要であると同時に、一般炭の需給動向が長期的にどういうことになろうかというような、ある程度の相当大きな需要というものを前提といたしませんと、設備的に相当な資本投下を必要としますので、そういったこと等の関係においてさらに研究は続くものと、こう考えておる次第でございます。
#29
○上林繁次郎君 これは、国に関連する企業ということでちょっとお尋ねをしてみたいと思いますが、この振興計画ですね、これにもあるわけですけれども、国の関連企業といいますか、いわゆる産炭地振興のために国の関連企業をそちらのほうに持ってくるという計画が掲げられてあります。こういった問題がどこまで進んでいるのかということですね、実際には現状を見ますと、この地域振興に対して企業を誘致する問題にしても、あまり活発には進んでおらないという現状ではないかと思います。そうなると、これからのこの地域振興問題というのは非常に大きな問題になってくると思いますが、まああとからまたお尋ねをしてみたいと思いますけれども、国の関連企業をこちらのほうに持ってくるのだという、正面切ってこういう計画を掲げられるこういったものについては、今後どういうふうに地域発展のために、地域振興のためにどの程度強力にこの地域に建設しよう、また誘致しようというふうな考え方を持っているのか、その点ひとつ明らかにしていただきたいと思います。
#30
○政府委員(本田早苗君) 産炭地域振興のこの臨時措置法が制定されまして産炭地の振興をはかるにあたって、企業の進出を誘致するためには政府は積極的に進めることが必要だと、こういうことで政府関係機関あるいは官公需に依存する企業の誘致を積極的に進める必要があるというふうに考えまして、いろいろ努力をしてまいったわけでございます。ただしかし、政府関係事業というのが、また、現在ある地元との結びつきというものが非常に強くて、移転ということになりますと非常にそちらの点で問題があるというのが、誘致をやった経緯の中で出てまいった一つの点でございまして、また政府関係企業というのは、できるだけ規模を大きくして高能率化するという必要が出てまいっておりますために、新たに工場を新設するというケースさえなかなか限定されておるというような事情もございまして、なかなか進出がむつかしいという状況でございましたが、ともかくも関係の官庁にいろいろ協力を求めまして、その結果九州の田川市には専売公社のフィルターの下請工場であります九州フィルター工場というのが出ております。その他技術院の工業試験所であるとかあるいは九州の日通工、これは電電公社に対する電話機を納入する電話機の生産工場であります。これらの進出が数例出てまいった次第でございますが、御指摘のように、政府として、やはり今後の産炭地振興のための先導的な意義を持つ意味で、今後も引き続きその進出ということにつとめたいというふうに考える次第でございます。
#31
○上林繁次郎君 これで最後にしたいと思うのですけれども、いままでお話を伺っている中で感じるのは、非常に一つ一つが一応掲げるものは、こういう計画もつくり、そうしてこういうふうに実施をしていくのだと、そして産炭地域の振興をはかっていくのだということなんですけれども、お話を伺っていると、さっぱりで、これでほんとうに振興ができるのかと、こういう疑いを生ぜざるを得ない、こういう感じを持ったわけですけれども、そこで、今回のこの臨時措置法を十年間延長しようと、こういうことになっているのですが、そうしますと、いままでのお答えから私は特に申し上げたいわけなんですけれども、十年間延長して、その中で、いわゆる地域のその振興のために、どういうところまで企業なら企業を誘致して、そしてまた一面技術面ではどういうふうにしていくんだというような、そういう総合的な計画は、十年間でここまで持っていくんだという計画はおありなんですか。
#32
○政府委員(本田早苗君) 御指摘のように、三十六年に産炭地域振興臨時措置法ができまして、いろいろ努力をしてまいったのでございますが、当初はなかなか効果があがりにくかったという点は御指摘のとおりでございます。ただ、昭和四十二年の下期ごろになりますと、産炭地域振興の各種の施策がだんだん整いまして、道路、港湾等の産業基盤の整備も進んでまいりましたし、また労働力の需給の状況も変わってまいった。あるいは大都市周辺における地価が非常に高騰した、こういう諸条件とからまり合いまして、新しい企業進出がかなりのテンポで出てまいったわけでございます。これは、こういう周囲の状況の変化ということもございますが、やはり産炭地振興のための各種施策による受け入れの態勢が整ってまいったということも大いに力があったと思うわけでございまして、こういう点から考えますと、今後さらに十年間の延長によりまして産炭地域の振興の効果はあがるものというふうに期待しておるわけでありまして、ただ、その点について、どういう方向でどの程度までやるかにつきましては、先ほど先生から御指摘がありましたが、新しい情勢に応じて振興の基本計画を策定しなければならないというふうに考えておりまして、法案が成立いたしました暁には、審議会も十年延長に相なりますので、さっそく諮問いたしまして、基本計画の策定を行ないたい。こういうふうに考えておる次第でございます。
#33
○委員長(大矢正君) ちょっと速記をとめてください。
  〔速記中止〕
#34
○委員長(大矢正君) 速記をつけてください。
#35
○阿具根登君 公益事業局見えているようですから、常磐炭礦のことについて二、三お尋ねしたいと思うのです。
 いままでたくさんの炭鉱がつぶれていって、その地域経済に対して、あるいは地域の住民の生活に対して、非常な脅威を与えてきたわけです。しかし、常磐の場合はちょっといままでの炭鉱と違っておる。こういうことが言えると思うのです。それで、まあ時間を節約するために結論から申し上げていきますけれども、実際に常磐に炭鉱がなかったと仮定した場合、常磐は一体どういう町になっておっただろうか、どういう市になっておっただろうか。東京から僅々二時間そこそこで行けるところ、そしてあそこにはりっぱな温泉がわいてくる。そうするならば、私は、相当りっぱな温泉の観光地として今日栄えておったんじゃなかろうか、こう思うのです。しかし、五十数年前のことでもありますし、そういうゆうちょうな時期でもなかったし、レジャーブームでもなかったので、そういうことも当時考えられなかったでしょうけれども、さらに、石炭というのが日本の基幹産業である、原動力であるということで、これは当時から相当な力もあった。さらには、戦争を越えて、そうして石炭が国家の経済をささえてきたというぐらいに騒がれて、そして石炭市になってきたので、温泉等というものはもう問題にされなかった。こういう歴史をたどってきておると思うのですよ。
 ところが、今日になって、先ほどから質問をいたしておりましたようなさまざまな問題、あるいは赤字の問題等で、閉山しなければならないようになってきた。できないようになったらあとは何が残るかということになってまいりますと、抗内はハチの巣のように掘られてしまっておる。そこで、湯をいままで常磐炭礦は抗内から抗外に掲げて、そうして常磐炭礦直営の観光施設をつくられて、それに湯を引いておられた。そして、他の、市ももちろんその湯の恩恵にはあずかっておったけれども、これは湯の恩恵にあずかっておったとはいいながら、炭鉱を掘る以上出てくる湯は、水であろうと何であろうと、これは抗外に出さなければならないやつなんです。だから、炭鉱としては、当然抗外に、これは水であろうと――どこだって水に参っておるくらいに地下水というのはあるわけです。たまたまそれが湯であったということなんです。ところが、それを何か恩恵的に、これは捨て湯だからかってに使いなさいというようなことで、二十軒かそこらの温泉旅館が細々とやっておったのが今日までの現状だと、私はこう思うのです。そうすると、炭礦を、まあ今日こういう、茨城の一部は残すようになって、それから湯も揚げるようですけれども、しかし実際は、会社としても、最初答申になっておったように、これは全部閉山したかったのです。これには私は希望はないと思う。二十年もたったらこれは当然つぶさなければならない、つぶれるものだと私は思っておるのです。そうすると、一ぺんにあれだけの従業員をかかえておってこれがつぶれるよりも、まあまあ段階でも追っていったほうが、これは収拾にも便利もいいだろうと思って、私らもそれは目をつぶっております。しかし、そのあと一体温泉なるものはどうなるのか。そして基本的に言って、この温泉なるものの湯は一体だれのものなのか。会社のものなのか。いままでは会社のものみたいになってしまった。しかし、会社のものなのか。こういうことを考えてみる場合、そういうことが許されるのかどうか。会社のものでないとするならば、何十年間この湯を独占しておった責任は一体どうなるのか。また、今後石炭を掘らなくなった場合の湯の処理は一体どうするのか。抗内掘ったところ全部埋めてしまえば別ですけれども、埋めなくてそのままだったら、そのあいたところの抗内へ全部湯は充満していくでしょう。そうしたら、それは湯じゃなくて水になるでしょう。これを今度は揚げたにしたところで、わかさにゃならぬでしょう。そういうのを一つの公害と見るならば、その公害の賠償責任者はだれなのか。一体どうするのか。
 まず、その温泉の問題についてお尋ねいたします。
#36
○政府委員(本田早苗君) 現在の温水は、鉱業権に基づいて、御指摘のように排水として出しております。したがって、これは、鉱業権に基づく排水ということに相なるわけでございますが、一方、この水を温泉等に利用しておる。そこで、その温泉の利用権ということになりますと、これは慣習法上のものとして認められておる権利であるというふうに考えられるわけでございます。したがいまして、この両方の鉱業権の権利と慣習法上できておる権利、これとの関連につきましては、現在は法律上の明文はございません。御指摘のように、長い歴史的な経過を経ていろいろの契約に基づいて成立してまいったということでございますので、これらを明らかにしながら、これを解きほぐすということに相なろうというふうに、権利関係としてはそう考えるわけでございます。ただ、二十八年の鉱業法の改正では、鉱物の掘採が温泉資源の保護に支障を来たすというような場合には、鉱区の減少あるいは鉱業権の取り消し等の処分を行なうことができるというふうに相なっておりまして、二十八年以降の問題としては、新たにやる場合には温泉につきまして考慮を払うような規定がございますが、常磐のように古いものにつきましては、これは事実上の契約関係でございますので、これを事実をさかのぼって解きほぐすということに相なろうというふうに思うわけでございます。そこで、いままで鉱業権に基づいて排水として温泉水を出しておって、これを利用する人がいた、その間に供給契約が取り結ばれておると、こういう状況でございますので、今後一体どうするかということについては、やはりこれも当事者間で話し合いが必要だと思いますが、したがって、基本的には民事上の問題ということになりますが、時間をかけて十分話し合いによって解決をしてもらいたいというふうに考えておりますが、われわれとしてはできるだけ両者の間で円満な解決ができるように指導してまいりたいというふうに考える次第でございます。
#37
○阿具根登君 まあわからぬでもないですが、そういう姿でいくから私は今日の状態が生まれてくるんだと思うんです。
 で、そういう天然の資源であり、観光地であるところのものが、鉱業優先であったからやむを得なかったと。まあ私は五十何年前のことですから、その問題には触れないけれども、しかし、これは排水である。それはそのとおりなんです。先ほどから言いますように、水であろうと何であろうと、出さにゃならぬのですから。しかし、それがもしも掘ってなかったならば、その湯はそのまま私はボーリングをやったらふき出す湯だったろうと思うのです。だから、鉱山は栄えたけれども、しかし温泉業としては、これは非常な大きな犠牲を受けたわけなんです。長い間非常な大きな犠牲を受けたわけです。ところが、それは鉱業優先だからやむを得なかったということにしましても、じゃその山がなくなった場合、一体それはだれが補償していくかという問題なんですよ。それなら、抗内を掘り尽くして、売って、そうして湯がそこを流れておるから抗内から長いパイプで抗外に揚げていく、こういうことが炭礦がなくなってから許されますか。炭礦が抗口まで買い上げてしまった、湯を出すために抗口を認めますか。一体どうしてこの湯はそれなら取っていきますか。
#38
○政府委員(本田早苗君) 温泉を掘さくして利用するということにつきましては、厚生省の所管しております温泉法の適用を受けることになっておりまして、具体的には都道府県知事の許可が必要だということに相なっております。したがいまして、掘さくを行なうためには必要な土地の利用権を取得しまして、そうして掘さく利用の許可をさらに得る、こういうことが必要になろうというふうに思います。
#39
○阿具根登君 そうなると、それなら現在まで掘っておる炭礦の抗道はどうなりますか。埋めてしまいますか。どうします。そういうところまで入ってポンプをつけて引き出しますか。私はここに問題が出てくる、おそらく抗外から扱い上げるようになると思うのです。もう抗内に入ることはできないと思うのですよ。吸い上げるようになってくると、こう思うのですよ。そうすると、その権利はだれが持ってくるのかですね。いまのところではハワイアンセンターですか、これが大部分の湯を使っておるはずです。そうすると、これは鉱業権者の会社だったのです。常磐炭礦の会社なんです。常磐炭礦の会社が、その湯の権利を持たぬが、排水として出しておるので、自分は大きなハワイアンセンターをつくって、どんどん年間二億から三億の黒字を出しておるわけなんです。それでいいのかどうかということになるわけです。町の人はどうして黙っておるかと私は思うのです。
#40
○政府委員(阿部茂君) 今後の温泉の掘さく利用等の問題につきましては、ただいま局長が温泉法に基づく現在の法律制度につきまして概略御説明いたしましたとおりでございますが、事実問題といたしまして、確かに阿具根先生御指摘のとおり、閉山して採炭を停止したあとにおきましては、当然水位が上昇してまいります。したがいまして、当面は、おおむね二年間程度は現在のままでも温泉水のくみ上げ、かつ利用ということは可能のように聞いておりますが、その先になりますと、現在の温泉の掘さく技術は、聞くところによると、おおむね二百五十メーター程度を限度としておるようでございますので、その技術に格段の進歩が二年先に生じない限りは、かなりいろいろ技術的にむずかしい問題が出てくるかと思うのでございます。しかし温泉水の利用という面から申しますと、ただいま先生おことばの中にございましたが、いままでの長い間の常磐炭礦と周辺の温泉旅館ないしはその他の一般温泉水利用者等の関係を、実はこの数日来つまびらかに調べたわけでございますが、明治以降非常に複雑な経緯をたどっておりまして、炭礦側といたしましては石炭の掘採上いろいろと温泉水の供給に支障の出る場合等もあろうかというようなことを前提として、その際にはそういう温泉水供給の不可能のような状態もあるかもしれませんというような条項もそれぞれにかわしているように炭礦側からは実は聞いておる次第でございます。しかし何ぶんにもこういった地域経済の繁栄にかかわる重大な問題でございますので、炭礦側としては、みずからが建てておるハワンアンセンターと、その他の第三者に供給して利用されている間との中において不公平な扱いということが一切出ないようにやりますと、こういう考えを基本的に現在も持っておるようでございまして、将来に対しても温泉水の利用について、いままで契約でやっておる方々に対しては最大限の努力をして、みずからのハワイアンセンターと同様の供給を確保してまいりたい、かように私どもには炭礦側、経営者は意思表示しておる現状でございます。したがいまして、今後もできる限りの行政指導をいたしまして、地域の間の混乱が起きないようにやってまいりたいと考えておる次第でございます。
#41
○阿具根登君 そうするとハワイアンセンターは温泉としての申請をされておるのか、排水利用の申請をされておるのか、どっちなんですか。
#42
○政府委員(阿部茂君) 当然のことながら温泉の利用ということになっていると思います。
#43
○阿具根登君 その温泉なるものは排水でしょう。排水の利用でしょう。天然の温泉を自分の力でとるのじゃなくて、排水を利用して温泉をつくるんだと、こういうことじゃないですか。
#44
○政府委員(阿部茂君) この温泉利用関係には大まかに分けますと二通りございまして、いわゆる温泉としてくみ上げておる、くみ上げた上でそしてみずからのハワイアンセンターにも供給し、あるいは周辺の温泉旅館組合等にすでに何十年来供給契約のもとに温泉水として供給しておる、こういう一面と、片方で、それでも利用量からいいますと、従来圧倒的に放出される量が多うございましたので、それは周辺の川に実は放棄しておる。それをたまたまもったいないということで、周辺のたとえば内郷ヘルスセンターというようなものはその代表的な例でございますが、それを、言うなれば無主物を利用するというかっこうでそれをくみ上げて大衆の利用に供してきた、こういう二通りの利用状態があるように聞いております。
#45
○阿具根登君 現実としてはそうかもしれませんが、もともと温泉の水を、温泉を申請して温泉をつくったのではなくて、排水として上がってくるその水が惜しいから排水をもらってやってきた。ハワイアンセンターだって、常磐炭磐がわざわざハワイアンセンターのために温泉の申請をして、温泉を別個に引き出したのではないと私は思うのです。だから、今日のような観光ブームになってきたから、こういうことを炭礦だけではやっていけないから、これは二次産業としてやり出したわけなんです。そうじゃなかったら、昔からこの湯は出ているのですから、昔から温泉としての水を使っておるはずなんです。しかし今日、終戦後になって、それも近々ですよ、ハワイアンセンターなんかできたのは。そうすると、これは温泉というのが目的じゃなくて、排水利用というのが目的でできたものだと思うのです。そうすると、その排水を利用した、ハワイアンセンターが使った残りのやつが、今度はまた捨てられたやつが、一般のほうにもらわれておる、私はこう思うのです。そうすると、あくまでもその湯の権利というものは常磐炭礦が持っておったわけなんです。で、それを市なり県なりが一体どう見るか。前は常磐炭礦というのがあって、炭を掘らなければならない、石炭を掘れば湯が出るから捨てなければならぬと、こう認めておった。そこで、決して常磐炭礦に温泉を認めておったわけじゃないと私は思うのです。そうすると、炭礦がやんだ場合に、私は温泉をやりたいというのがたくさん出てきたらどうします。また、市としてもこれは市の観光資源であるから、市がこの権利をいただきたい、そして市民の皆さんにこれは分けるんだと、そうした場合に、常磐炭礦は、たとえば今日湯を排出しておるような施設は自分がやっておるんだ、その権限はいつまであるんだとか、いろんな問題が起こってくると思うのです。そうした場合に、その湯を持っておるのはだれなのかという問題になってくると、逆に常磐は湯をそれだけ使えるやつを使わなかった、公害の責任を負ってきはしないかと私は思うのです。炭礦がなかったら私は湯の町ができておったと思うのです。炭礦があったから湯の町というよりも炭礦が栄えたわけです。ところが今日では、その排水を利用さしてもらってありがとうございましたというような町の姿勢になっておるような気がしてならないのです。だから、そこに私は自然とこの炭礦の閉山ということについて大きな考え方の差ができてきておりはしないか。確かに、いままで常磐炭礦があったから常磐市というのがあれだけ栄えてきた。常磐炭礦が、これはもう俗なことばですけれども、閉山になる、市はさびれる。やめるというから、市はどうにもならなくなってくる。ところがここはほかの炭鉱と違って一番都会に近い、鉄道沿線のつい横、一番栄えるところなんです。だからそういう基本的な考え方が現在までの歴史の中に埋まってきてしまってはいないか。それを心配して聞いているわけなんです。
#46
○政府委員(阿部茂君) 御指摘のとおりでございまして、今後ともこの温泉の確保利用ということにつきましては、常磐炭礦をはじめ関係者がいろいろと知恵をしぼりまして、前向きの姿勢で地域経済の繁栄するように検討してまいるべきかと思いますし、私どももさようにひとつできるだけの骨折りをしてお手伝いしたいと、こう思うわけでございます。過去にさかのぼりますと、いろいろな考え方はあろうかと思いますけれども、現実の問題として常磐地区が今日の繁栄を来たしたということは、要するに、片や地下に埋蔵された石炭資源というものを六、七十年にわたってこれを掘採してかせいできたということと、反面、先生御指摘のように排水というかっこうで出てきた源泉を利用して片や温泉町として繁栄してきた、こういう両方、言うなれば片や地下資源、片や観光資源をうまく活用して今日の繁栄をもたらしたと、こういうのが現実の姿だと思いますので、たとえ石炭が閉山のやむなきに至りました今日でも、今後とも観光資源のほうはできるだけ活用して、先生の御指摘のように当事者間で民事上の問題として、従来の延長としてこれを円満にひとつ持っていっていただくように私ども期待しておりますし、骨折ってまいりたい、かように考える次第であります。
#47
○阿具根登君 それからもう一つ、よそと違うのはガスの問題がありますね。これは基本的には私がいま言った湯の問題とは違うと思うんです。炭礦を掘ったからガスが出てきて、そのガスを地上に引っ張って、これを利用してきた、基本的には違うわけなんです。しかし、これも今日だからガスが引かれるのは当然でございますけれども、いままではやはり炭礦というのは特殊な関係にあって、おそらく従業員の住宅等にはこれは無料か無料に近い、やはり福利施設として配給になっておったものだと思っております。その一部は市民にも開放されておったと聞いておりますが、そうなってくれば、このガスというものは、いまさら抗内のガスがなくなったから、あなたのところはたき木をたけというわけにもいかぬでしょうから、これは当然ガス会社がナフサなりその他のガスで供給すると思うのですが、そうなった場合に、現在のガスの供給状況と、その後は一体どうなってくるのか、あるいはその使用量ですね、こういう問題は一体どうなってくるのか、あるいはナフサに切りかえる場合の資金等は一体だれが持つのかどうなのか、その点ひとつ教えていただきたいと思います。
#48
○政府委員(長橋尚君) お答え申し上げます。
 磐城地区におきます都市ガスの供給現状につきましては、まず炭礦の社宅街等を中心といたしましたガス会社といたしまして常磐共同ガスという会社がございます。これは需要家件数にいたしまして約六千件でございまして、従来から常磐炭礦磐城礦の西部礦の抗内ガスに依存しております。それから一般市街区を中心にいたしましてガスを供給しておりますのが、東部ガス株式会社の平事業所でございまして、需要家件数にいたしますと約七千五百件に相なっております。そうしてこの東部ガスの平事業所のほうは、従来から磐城礦の東部礦の抗内のガスにガス源を求めていたわけで、ございまして、これが現状でございますが、今回の磐城礦の一部閉山という事態に際会いたしまして、従来東部礦の抗内ガスに依存しておりました東部ガスの平事業所が、当面の問題になるわけでございまして、常磐炭礦側といろいろ話し合いをいたしまして、来年の一月までは西部礦の抗内ガスを供給してもらえると、かようなことに相なっておりますが、その間におきまして、ことしの秋、十月ぐらいを目途に、ナフサガスにガス源を転換する工事を行なうことにいたしております。常磐共同ガスのほうは、西部礦に従来から依存しております関係で、当分従来どおり抗内ガスの供給を期待し得る状態でございます。で、東部ガスが当面問題になるわけでございますが、そのナフサガス転換の資金等につきましては、会社自体で金融機関の協力も得て調達し得るめどが立っているわけでございます。料金面につきましては、ナフサガスに転換いたします場合、コストが若干従来の契約に基づきます抗内ガスに比べますと高くなってまいるわけでございます。それからまた同時に、需要家に対する関係におきましては、需要家のガス器具を、今度はカロリーが違ってまいりますので調整をするためにまた数百万円お金が要るとか、かような事情がございますので、コストとしては若干上がらざるを得ないわけでございます。幸い東部ガスの場合には、関東東北地区随所に需要家も持っておりまして、この平地区におきます需要家は全需要家の一割弱と、かような状況でございまして、たまたま片方の、同じ地区におきます常磐共同ガスは、当分西部礦からの抗内ガスを期待し得るというふうな状況でもございますので、それからまた、今回のナフサガスへの転換が、炭礦の一部閉山と、こういうふうな非常に特別な事情に基づきますことでもございますので、会社自体といたしましても、この秋のナフサガスへの転換によって、料金にこのコスト増加分を転嫁するというようなことのないようにいたしたいと、かように意思表示をいたしております。また私どもといたしましても、こういう地元への急激な影響を回避いたします意味合いにおきまして、料金の値上げに対しましては、当分これを行なわない方向で会社自体考えるように指導してまいりたいと存じている次第でございます。
#49
○阿具根登君 いや、その考えはけっこうだと思うのですけれども、一部ではこういうこともいわれておるんです。いままでは会社があったからガスを安く供給されたのだから、だから、本来ならば市中ガスと一緒に高いガスを買わねばならなかったのだから、いままで会社のおかげでもうかったんじゃないか、これからは一般市民と同じような供給を受けて同じような料金を払うんだから、それはしんぼうするのがあたりまえだと、こういうような理論も成り立っておるものだと思うのです。それを、いままでの歴史も何も考えずに、たとえば従業員にしたところで、そういう福利施設があったからこそ、他の炭礦よりも私は条件はよくなかったと思うのです。だから今度も、一ぺんもストライキやったことのないところが無期限ストまでかけねばならなかった。二十三年もつとめておって、一般炭礦の半分ちょっと上ぐらいの退職金で騒いだわけなんです。ほんとうならば、運賃もほとんどかからない常磐炭礦で赤字になるというのは、私はわからないくらいなんです。それだったら、よその炭礦はとうにつぶれているのです。ストライキは一ぺんもやらない。労働者の賃金はよその山よりも安い。ふたあけて見たら退職金もうんと安い。しかし、そういう裏には、やっぱり従業員に対しての、そういう湯が供給されたり、あるいはガスが供給されたりして生活を援助しておったと、こういうふうに思うわけなんですね。だから今日廃鉱になり、あるいは閉山になっても、この人たちの生活が急に変わらないように、一般市民だから一般市民とあたりまえだというようなことでないように、ひとつ指導をしていただきたい、かように思うわけです。
 それから共同火力の石炭は、現在、年間どのぐらいになっておるのか、貯炭がどのぐらいあるか、茨城が残ってどのぐらい石炭が出て、どのぐらい共同火力でそれを利用してやっていくか、その点御説明願います。
#50
○政府委員(長橋尚君) お答え申し上げます。
 常磐共同火力の勿来発電所におきます石炭の消費量といたしましては、昭和四十五年度が二百三十七万九千トン、かような現状でございます。貯炭といたしましては、私どもの得ております報告では、四十五年度末で大体二十五万トンというようなのが発電所側の貯炭、かような数字に相なっております。
#51
○阿具根登君 そうすると、茨城の一部が残って百万トン近くの予算だと聞いておりますけれども、それにしても相当不足するようになりますね。それはどういうように処理されますか。
#52
○政府委員(長橋尚君) 今回の東部礦の閉鎖によりまして、四十六年度におきます磐城礦からの炭の入手見込みは、約三十六万トン程度になろうかと考えられます。四十五年度におきましては、これが約百七万トンでございまして、約七十万トン、東部礦の閉鎖に伴いまして四十六年度の石炭の入手減ということに相なるわけでございます。他方、茨城礦のほうには、四十五年度よりも若干上回る送炭を期待する、あるいはまた、地元の高萩鉱等々にできるだけの出炭、送炭を期待いたしまして、全体の炭繰りといたしましては、四十五年度の約二百四十万トンに対しまして四十六年度は百八十万トンから二百万トン程度のものを確保できるかと、かように考えている次第でございます。かような石炭の入手量の減少に伴いまして、常磐共同火力側といたしましては、重油の混焼度を高めますためのボイラーの改造に現に着手いたしているわけでございます。しかし、他面、電力需給が非常に逼迫した時代でございまして、特に夏場におきます電力需給の逼迫というふうな現状にもかんがみまして、ボイラーの改造が発電量の減少というふうなことになりませんように、毎年一回ボイラーについて電気事業法に基づいて行なわれます定期検査、これが約一カ月ぐらいの期間を要するわけでございます。そういう定期検査の時期にボイラーの改造工事を行なうというふうなことによりまして、出炭減への対応、それから電力の安定供給というふうなことを両立させるべく、会社でいま具体的な計画に基づいて実施を進めることに相なっております。
 なお、重油の消費量を上げざるを得ないという事態のもとで、公害対策、従来は石炭火力というふうなことで、地元の御理解を得ていた点もあるわけでございます。重油の混焼度を高めますことによりまして、硫黄分としては減ってまいるわけでございますけれども、さらにこの機会に煙突を高くする、あるいはまたできるだけ低硫黄の重油の入手につとめるというふうな努力によりまして、公害面で従来以上に地元の期待に沿い得るような工事計画をあわせて実施することにいたしております。なお、重油の入手につきましては、当面、京浜、京葉地区から貨車輸送あるいはまた小名浜港からタンクローリーによる輸送に期待をせざるを得ないわけでございます。今後、小名浜港から勿来まで原重油を輸送し得るようなパイプライン工事につきましても、ここ数年の間にこれを実現したい。かような計画に相なっております。
#53
○阿具根登君 まだ疑問はありますけれども、持ち時間が少なくなりましたので、ひとつ法案の本体について少し御質問申し上げたいと思います。
 産炭地域振興事業団の土地造成についてお伺いいたしますが、ボタ山は一体だれのもので、どう考えておられるか。
#54
○政府委員(阿部茂君) ボた山はだれのものかという点につきましては、炭鉱の所有に属しておる、こう考える次第でございます。
#55
○阿具根登君 それは当然そのとおりですが、事業団の業務方法書によると、ボタ山及びその敷地は無償で取得するというのが原則である、そうされておるのです。これは間違いなかったら、ボタ山及びその敷地を無償でどこどこのものを、いま産炭地域事業団が取得されているか、お知らせ願います。
#56
○説明員(中井富男君) ボタ山につきましては、御指摘のように業務方法書の段階におきまして、ボタ山の価値が非常に低いということで、無償で取得するようにつとめることということになっておりますが、現実の問題といたしましては無償で取得した例はございません。
#57
○阿具根登君 そうすると、まだ相当ボタ山が残っておると思うのですが、いままで有償で取得されたボタ山で、これを整地されて、もちろん有償で取得されたのだから、これ、有償で譲渡されたと思うのですが、その関係を知らせてください。
#58
○説明員(中井富男君) お答え申し上げます。ただいま手元に正確な数字を持ち合わせておりませんが、ボタ山の数といたしまして大体五十ぐらい、面積につきましてはちょっとつまびらかにしておりません。
#59
○阿具根登君 数字が手元にないのならばいいですけれども、事業団の考え方として、ボタ山及びその敷地は無償で引き取れ、こういうような考えがあって、しかしただいまの答弁では、無償で引き取ったのは一つもない、全部有償だ、こういうふうに言われておるのです。しかし、ボタ山によっては危険でしょうがないところがあるのです。雨でボタ山がくずれる。相当な金をかけたわけなんです。そういうようなものでも、業者に金を払ってボタ山を引き取らなければならないのか。だから、ボタ山はその山のものである。山のものであるならば、これは雨で地すべりするような場合は、これが責任を負わなければいかぬのだけれども、これは無資力炭鉱である。それを金で買い上げる。買い上げたやつがなかなか売れない。どうもすっきりしないようですが、こういう点は一つも疑問がなくて延長されているのか。こういう疑問があるならば、なぜこういうやつを、そのまま法の延長じゃなくて、改正を出されなかったか、こういうふうに思うわけです。
#60
○説明員(中井富男君) ただいま御指摘の危険ボタ山の問題につきまして、従来から公害保安局で所管されております危険ボタ山の処理の問題、それと、私どもが所管いたしております産炭地域振興のボタ山にかかわります土地造成の問題、この問題が関係を、できるだけ国民経済的な見地から合理的に進めていこうではないかというふうに、両者の間でいろいろと相談をいたしておりまして、危険ボタ山の中でも、将来工業用地として造成して譲渡が可能なような土地、そういったボタ山につきましては、私どもといたしましてもできるだけ産炭地域振興の土地造成の形で、危険ボタ山の処理もかねていきたい、かように考えて、いまいろいろ両者の間で御相談申し上げておるところでございます。
#61
○阿具根登君 危険ボタ山というのは、相当閉山になってから古いボタ山が多いのじゃないですか。そういう点がまだ解消されておらない。そういうのが何カ所ぐらいあるかという問題ですね。
#62
○説明員(高木俊介君) 危険ボタ山につきましては、三十七年度から、当公害保安局で、当時の鉱山保安局で調査をいたしまして、三十九年度から危険ボタ山についての防除工事を実施いたしております。それは現在まで二十九のボタ山の工事を完成いたしておりまして、なお本年度も来年度も引き続き予算を確保いたしまして、危険なボタ山から、しかも無資力になっておりますボラ山が主体でございますので、これはボタ山の所有権というものが問題になりますので、ボタ山の所有者の同意を得た上で、県の工事を主体といたしまして三分の二の補助を出しまして、県が三分の一の金を出し、国が三分の二の補助を出しまして、危険ボタ山の排除ということで防除工事を実施いたしております。現在、金さえ十分あれば、あるいは県のほうの協力を得られますれば、すぐにでもやらなくちゃならぬというボタ山が残っておりますのが約二十あります。しかし、現在その中の十幾つは手をつけておる段階でございます。
#63
○阿具根登君 もうボタ山一つでもなかなか簡単に無償だということはできないし、最近はボタ山だって相当な金になるということで、相当高額な話も出ておるようです。それにしても、やはり危険ボタ山というのは早く解消してもらいたいと思うのですが、いままで造成された土地で残った土地は大体何%ぐらいですか、ボタ山に限らず、一般造成した土地で。
#64
○説明員(高木俊介君) お答え申し上げます。
 四十五年度末におきまして、大体譲渡いたしましたのが七〇%くらいでございます。これは完成団地に対しての比率でございます。したがいまして、完成しておりながら売れておらない土地は約三〇%、そういう数字になっております。
#65
○阿具根登君 これは土地の問題だから、企業の進出ということは、もうきわめて土地の条件に左右されるわけなんですよ。で、私が一、二知っておるところでも、一部の造成地には企業が殺到しておる。これはもう最優先順だ、くじ引きだと、えらい騒ぎをやっておる。ところが一方はだれも来てくれない。だってそうでしょう、山がそんないいところばっかりあるわけないんですから。そうして、数字も持っておりますが、その企業誘致の大部分はもう中小企業であります。中小企業も小企業が多い、こういうことなんです。だから何か産炭地が造成したのは家内工業的な、その土地の女子従業員が大体対象になっておる事業が非常に多いんじゃないか。まあ特に福岡は産炭地に相当力を入れておられまして、これはまあ聞くところによれば、炭鉱で石炭を掘り出したその価格よりもずいぶん多額の製品が出ておるということも聞いております。その面において、私は成功しておらないとは申し上げません、成功しておると私は思っております。しかし企業は非常に中小企業が多すぎて、大きな企業が少ないんじゃないか、こう思うんですが、いかがですか。
#66
○説明員(中井富男君) 御質問二点ございますが、第一の土地の販売状況、特にまあ殺到しておる団地と、それから売れ残っておる団地、この辺の関係につきましては、私どもといたしましても、従来から土地の価格につきましては、周辺の地価に与える影響いろいろと微妙なものがございますので、そういった点の慎重な配慮は払わなければならぬわけでございますが、できるだけ売れるところの値段につきましては、ある程度そういった周辺の地価に合わせる。そのかわり、その分につきまして売れない土地の値段を、できるだけその立地条件に合わせて値引いていく。これは基準価格に対しましてある程度の線は設けておりますけれども、一応そういった意味で、全体としては原価で譲渡いたしながら、その中でやはり売れない土地についての譲渡、こういったものの促進をはかっていきたい、こういったぐあいに考えておるわけでございます。
 第二の点、進出企業、非常に小さいものが多いではないかという御指摘でございますが、御質問にございましたように、現在までのところ、特に産炭地域振興事業団ができまして初期の段階におきましては、かなり御指摘のように中小企業が多かったわけでございます。ただ、最近におきましては、都市の過密問題、公害問題、こういったいろいろの問題がございまして、そういった関係から、比較的地域経済の振興の中核になりますような、そういった中堅的な企業、こういったものがかなり進出を見ておるわけでございます。今後ともこういう点につきましては、われわれといたしまして、できるだけ産炭地域振興事業団の事業を通じまして、中核企業の誘致、これに努力をいたしてまいりたいと考えております。
#67
○阿具根登君 産炭地域事業団の問題では、おそらく法の不備が相当指摘されると思っておったんですが、そうでもないようで、まあまあそれで十年間いかれればけっこうですけれども、実際問題私たちもまだ現地もあまり見ておりませんから、このくらいにしておきたいと思います。
 そこで、もう一つ。これは簡単なやつからひとつお聞きしたいと思うんですが、臨時石炭対策本部の存続期間を延長されておりますが、これは一体どういう仕事をしておるんですか。
#68
○政府委員(阿部茂君) 臨時石炭対策本部は、御承知のとおり九州の通商産業局の中に置かれまして、その長は福岡の通商産業局長がその長をやっております。関係政府機関の出先の長をいろいろ委嘱して仕事をしてまいっておるわけであります。当時九州におきましては先生御承知のように閉山相次ぎまして、そこに当然のことながら産炭地振興の問題とか、あるいは離職者の再就職の問題、あるいは鉱害が非常に御承知のとおり格別多い土地でございますので、こういったものの復旧の促進、こういったことを現地の実情に合わせて尽速かつ適確に処理するためにはどうしてもさような機関が必要である、こういうようなことで置いた次第であります。
#69
○阿具根登君 私はその本部に対して否定はいたしません、そういう特殊な事情がございますので……。しかし今日の炭鉱の実態は、九州から北海道に変わったわけですね。今後心配されるのは北海道の山なんです。しかも北海道は一番若くてこれからやっていかなければならぬところですね。鉱害はないといいながら半分は雪に埋もれておるところ、相当な私は手数がかかると思うのに、どうして札幌にはそういう本部は要らないんですか。九州に要るのはわかります。九州は一応第二段階になってきておると思う、そうすると、いまからの段階というのは北海道だ。九州にこれだけの本部が三年間どうしても要るとおっしゃるなら、いまからのところの北海道にはなぜ要らぬのか、こういう疑問が出てくるわけですね。
#70
○政府委員(阿部茂君) 北海道に石炭の比重が急速に数年来九州から移ってまいっているということにつきましては、阿具根先生の御指摘のとおりでございます。しかし先ほども申し上げましたように、この臨時石炭対策本部の本来の使命は、むしろ閉山後のいろいろな現象を適確かつ尽速に処理してまいることにあることは先ほど申し上げたとおりでございまして、さような観点から九州と北海道を比較いたしますと、なるほど現在の時点におきましては北海道のほうが出炭量等におきましてもはるかに大きゅうございますけれども、その鉱害の問題、それから離職者対策の問題等を計数的に比較いたしますと、これは一見異に見えますけれども、九州のほうは問題としては非常に多うございます。しかし、さればといって北海道のいまいろいろな問題が出ておりますことは先生の御指摘のとおりでございますが、何ぶんにも行政機構の簡素化という大きな基本線が最近特にきびしく実施されておりまして、いま新たに北海道に同様の機構を設けようということは、一つの考えとして検討はいたしましたけれども、きわめて実現が困難な状況にあるということが率直な実態でございます。したがいまして私どもといたしましては、実質上それに当たるような機能を発揮するようにと思いまして、札幌の通商産業局の局長を長といたしまして、関係機関の出先の皆さま方と常時閉山問題等の起きるたびに、いろいろな面から御協力いただく、こういう会合を現地できわめてひんぱんに実施しているのが実情でございます。先生のおっしゃるように理論的にはこの機会に札幌にもう一つ置きたいような気もいたすわけでございますけれども、なかなか困難な実情もございますので、さような組織を、法的ではございませんけれども、任意に設けてうんと活用してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#71
○阿具根登君 わかりました。おわかりいただいての答弁だと思うのですけれども、北海道は先ほど申し上げましたように、半分は雪に埋まっているわけです。だから閉山即山を離れなければならない、こういう特殊事情があるのです。九州と違うその特殊事情を十分お考えになってやっておられるものと思います。そうしませんと、九州のほうはいつ閉山になっても寒さで凍えるというようなことはまあありません。だから、それだけに失業者が滞留するという点も私は見逃がせない、これもわかります。しかし北海道の場合は、山が減ったならばもう石炭すらたけないというふうになったらば、即冬は越せないのです。だからもういやでも山をおりてこなければならぬ。こういう特殊事情の中に相当皆さん御苦労されておると思いますので、こういう点十分留意を願いたいと思います。
 それから最後に石炭販売株式会社の問題で、この前、部長に一部質問はいたしましたが、トン当り六円の手数料が取られておる、しかしだんだん引き取り業者が少なくなってくるし機構も縮小していくのだという話でありましたが、そのほかにも石炭運搬船を三十隻か持っておりますね。これだってだんだん石炭が少なくなると、同時にこの船だって相当減らしていくのだ、こう思うんですよ。そうすると、確かに機構も縮小しなければならないけれども、その六円だけの手数料でこれが三年間維持できるだろうか、こういうような考え方を持ってくるわけです。機構は縮小になっていくにしたところで、石炭の減り方とその石炭運搬船の今後の運用等を考えていく場合に、一体どう赤字を埋めていくお考えなのか、お伺いしておきます。
#72
○政府委員(阿部茂君) 近代化専用船の問題につきましては、御指摘のとおり当初は電力用炭をピストン輸送することによって主として北海道と京浜間の海上運賃のトン当たりのコストを大幅に切り詰めよう、こういう考えで第一次合理化以来実施してまいっておるわけで、それなりに非常な効果も具体的にあがってまいっておる次第でございます。確かに今日先生の御意見のとおり電力用炭すなわち一般炭が急減してまいっておりますので、一見その点からは積み荷が非常に減ってまいっていると、かように考えられるわけでございますが、実は実態はそれを補うに余りあるほど当面は原料炭の輸送のほうに実は変わってまいっておるわけでございます。したがいまして量的にいま直ちに石炭の積み荷が三十ぱいの船に満たないではないかという問題は、心配はございません。しかしトン当たり六円という経費というものにつきましては、諸物価高騰のおりでもございまして、何かとこの電力用炭販売会社の経理を大きく圧迫していることは事実でございます。しかし石炭界も御承知のとおりな非常な経理のいま窮状にございますので、このトン当たりの六円のものを何がしかでも上げるということはなかなか大きな問題になりますので、どうしても当面の対策としては、その電力用炭販売会社の機構を可能な限り合理化、簡素化してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#73
○上林繁次郎君 時間もありませんので一点だけお尋ねをしてみたいと思います。
 石炭問題はまあはっきり言えば先細りだ、こういうことで、それだけに産炭地域の振興計画というものは、これは重要な問題になってくると思うんです。で、いままでいろいろとお話を伺ってまいりましたけれども、そのお話の中で、あまり当初の計画のとおりに進んでないという感が強いわけですけれども、そこでこの基本計画の中にもあるように火力発電所の建設、これを進めていこうという、そしてそれに関連した工場群をここに持ってきてそして石炭コンビナートを形成しよう、こういうようなことがうたわれているわけですね。実際に現在までそういったものはどの程度までこの構想のように、いわゆる計画のとおりに運ばれているのか、その点ひとつ実情をお聞かせ願いたいと思うのです。
#74
○政府委員(阿部茂君) 石炭の、特に一般炭の需要確保のために石炭専焼火力発電所を建設するということは、上林先生御指摘のとおり石炭政策の第一次政策以来の最も基本政策の一つでございました。その実績といたしましては、御承知かと思いますけれども、まず電源開発株式会社が横浜周辺の磯子に一基、兵庫県に二基、それから九州若松に一基、それから広島県の竹原に一基、計五基でございますか設けて、今日に及んでおるわけでございます。さらにそのほかに、先ほど来話に出ておりまする常磐地区のために常磐共同火力発電所を設けたこと、及び福岡県の苅田というところに苅田共同火力発電所というものを設けて、計七基のものを設けて今日に至っております。しかしその後の情勢は、先ほど来の常磐炭礦の御質問にも出ておりますように、非常に休閉山の問題が片やあり、片方では公害規制が非常に強化されまして、片面でサルファの高い炭が比較的残ったというようなことから、今日ではこれらへの十分な低硫黄の石炭を供給することもなかなか困難な事態に立ち至っている次第でございまして、最近の例が、さような常磐共同火力ないし電発の若松発電所への供給がすでに現実の問題としていろいろ困難を来たしている、かような実態になっておる次第でございます。
#75
○上林繁次郎君 三十八年から四十四年まで、この間に火力発電所の着工状況といいますか、これをとらえてみますと、大体総数で百三十七、それでそのうち石炭火力による発電所、これが十四である、いまお話しのあったように産炭地域には五基というようなことになっている、これは間違いございませんね。
#76
○政府委員(阿部茂君) 産炭地域ばかりじゃございません。電発の磯子とか広島の竹原の発電所は、これは産炭地域ではございませんで、揚げ地発電所と称しております。
#77
○上林繁次郎君 そこで、いま申し上げたように総数で百三十七、うち石炭関係が十四、そうしていまお話しがあったように、そういうものを含めて五つと、こういうことなんですけれども、この計画を見れば、いわゆる産炭地域振興のためにこういう計画を立てるのだということで、こういう計画に基づいて実現をはかっていくのだというふうにしかわれわれには感じられないわけです。だから産炭地域にこの発電所ができて、それを核にしていわゆる関連工業群がそこへ集まってきてそしてこの石炭コンビナートの形成がはかられていくのだ、こういうふうに受け取っているわけです。それがどこまで進んできているのかということが、これが問題だと思う。これができてないとするならば、それがほんとうに思うように進まないのなら、当初考えているように諸般の事情からこれは進んでいかないということになるならば、今後それじゃこれらに対する、この計画に対する実現というものは今後どういうふうになっていくのか、こういう問題が残ってくると思う。これは私は非常に問題じゃないか、非常に重要な大きな計画である、その大きな計画である産炭地を救っていくための大きな計画の一端である、それがいわゆる現状どうなっているのか、見通しはどうなのかということが明らかでないと、私はこの時点でうまくないんじゃないかと、こう思うわけですね。その辺のところをひとつ。
#78
○政府委員(阿部茂君) 先ほども申し上げましたように、その後の大きな客観情勢の変化によりまして、特にそれが一般炭の相次ぐ閉山ということによりまして、遺憾ながら、当初考えましたように、かつそれを実行しました七基の石炭専焼火力に対する必要な品質の石炭の供給確保も逐次困難になりつつあると、こういうような実態が現状でございます。したがいまして、今後の問題をどうするかというただいまの御指摘につきましては、現実の問題として、先ほど公益事業局長が御答弁になりましたように、たとえば常磐共同火力については重油専焼に、七基の発電機を持っておりますが、それを半年ぐらいの間になるべく早く切りかえて対応していくというようなわけでございまして、片や揚げ地にあります専焼火力につきましては、まだ残っております比較的低硫黄の石炭を極力従来の経緯にかんがみまして供給責任を全うするように私どもは当該炭鉱を指導してまいりたいと、かように考えておる次第でございます。
#79
○上林繁次郎君 そうしますと、いまのお話わかるんですけれども、まあ今後の問題、これはいわゆるこの計画についての発展性の問題、たとえば石炭コンビナートの形成という大きな一つの事業ですね、こういったものも見通しが非常に薄い感じがするわけです、お話の中では。そこで、そうなりますと、これはダブるような形になるかもしれませんけれども、先ほど大臣にお尋ねしたときに、この振興計画は変えていかなければならぬ、こういうお話があったわけですから、当然この中でそういったものは明らかになってくると、こう考えてよろしいですね。
#80
○政府委員(本田早苗君) 御指摘の問題につきましても、審議会に諮問して答申を得たいというふうに考えております。
#81
○委員長(大矢正君) 他に御発言がなければ、小委員会における審査はこの程度といたしたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#82
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認めます。
 なお、商工委員会における小委員長の報告につきましては、これを小委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#83
○委員長(大矢正君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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