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1970/03/16 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 商工委員会 第7号
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1970/03/16 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 商工委員会 第7号

#1
第065回国会 商工委員会 第7号
昭和四十六年三月十六日(火曜日)
   午前十時十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         川上 為治君
    理 事
                矢野  登君
                山本敬三郎君
    委 員
                稲嶺 一郎君
                八木 一郎君
                山下 春江君
                阿具根 登君
                大矢  正君
                近藤 信一君
                上林繁次郎君
                田渕 哲也君
   政府委員
       通商産業大臣官
       房長       高橋 淑郎君
       通商産業省重工
       業局長      赤澤 璋一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        菊地  拓君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法
 案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(川上為治君) ただいまから商工委員会を開会いたします。
 特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法案を議題といたします。
 前回に引き続き質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○田渕哲也君 初めに、機械産業の輸出関係の問題についてお伺いしたいと思いますけれども、昨年七月に出ました産業構造審議会の「今後の機械産業政策に関する答申」によりますと、新経済社会発展計画の目標どおり五十年度三百七十四億ドルの輸出を達成するには機械産業はそのうち過半数の二百億ドル程度の輸出をしなければならないということがうたわれておるわけですけれども、従来の機械産業の輸出関係は、造船、自動車、さらには家電、軽機械、こういうもので大部分が占められておると思います。ただ、前述の二百億ドルの目標を達成するためには、今後の機械産業の輸出の主力というものがどういうものに置かれるか。この点の見通しについてお伺いをしたいと思います。
#4
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘がございましたように、機械類の輸出は、今後のわが国輸出の大宗をなしていくと申しますか、中核となるべきものと私ども考えております。
 過去の足取りを簡単に申し上げてみますると、機械の輸出は、通関統計で見ますると、四十一年が三十七億五千七百万ドルということでございましたが、これが四十五年には八十九億六千百万ドル。非常に大きく、倍以上の伸び方をこの五カ年間でいたしております。こういったような実績も踏まえまして、先般の産業構造審議会におきましては、今後の機械産業の輸出というものを、五十年度で約二百億ドルというふうに目標として掲げたわけでございます。この内容につきましては、ただいまも御指摘がございましたように、従来はテレビあるいはラジオ、テープレコーダーといったような、いわば軽機械類、特に民生機器を中心にいたしました軽機械類が主でございまして、いわばこの面に日本の機械輸出が特伸をしておったというふうに考えられるわけでございます。こういったような軽機械類の輸出につきましては、やはり今後も需要の伸びに応じまして漸次出ていくものと思いますが、漸次その伸び率は鈍化をしていくだろうと考えております。と申しますのは、いわゆる発展途上国におきまして、こういったような、どちらかといえば労働集約的な軽機械類が生産をされてくるということもございまするし、また特恵関税制度というようなことから、こういった諸国からのいわゆる先進国への輸出が特別に優遇をされるというようなこともございまして、日本の輸出環境といたしましては、漸次この伸び率は鈍化をしていくだろうと、こういうふうに考えております。そういうような事情からいたしまして、今後、私ども政策を担当しております面から申しますと、やはり工作機械でございますとか、あるいは化学機械といったようないわゆるプラント類、こういったものを今後の中心に持っていかなければならないと考えておりまするし、また、現在でも非常に伸び続けております自動車あるいはさらには航空機、こういったような、いわば技術集約的なもの、あるいは先端技術を使用いたしました機械類、こういったものに輸出の比重を漸次移していくということにしてまいらなければ、二百億ドルというものの達成はなかなか困難ではなかろうか、こういうふうに考えております。したがいまして、今後の輸出政策といたしましては、従来のような軽機械はもちろんでございますが、特に重点としましては、プラント類等先ほど申し上げましたようなものに輸出政策の重点を移してまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#5
○田渕哲也君 そういう機械産業の今後の展望の上に立って考えた場合、今回提案されております特定電子工業及び特定機械工業振興臨時措置法の指定業種ですね、そういうものと、いまのこのビジョンというものとは、やはり関連がなければならないと思うのですけれども、この辺についてどう考えておられるかお伺いをしたいと思います。
#6
○政府委員(赤澤璋一君) 今回のいわゆる機電法と申しておりますが、こういったような法律によりまして特定業種を指定をするわけでございます。この指定にあたりましては、電子の面と機械の面、及び電子と機械が一体になりましたいわゆるシステム的な機械と申しますか、そういった面それぞれにわたりまして、先ほどもお話がございましたように、輸出の面も考えながらその指定をしてまいる所存でございます。電子の面につきましては、何と申しましてもやはり非常に技術進歩の著しい分野でもございまするので、いわば試験研究あるいはその試験研究の成果を踏まえた生産の開始あるいは量産といったような段階までフォローしてまいりまして、特にこの生産技術に関する面につきましては重点を置きまして指定をしてまいりたいと、こう考えております。機械の面でございますが、この面につきましては従来からも機振法を中心に運用してまいったわけでございますが、特にいまお話のございましたように、今後特に高度のいわゆるシステム的な機械というものが必要になってまいりまするし、また、新しい技術の企業化という面も出てまいるわけであります。特にまあ機械の面につきましては、この第三条にうたってございますように、「危害の防止若しくは生活環境の保全」といったようないわゆる安全、公害関係、こういったものを中心にして指定をしてまいりたいと考えておりまして、たとえば自動車の面等につきましても、その輸出が非常に大きく伸びております対米関係におきましては、いわゆるマスキー法案といったような公害関係の法案も出ております。こういったことにやはりマッチをした、うまくこれに適合していくような自動車の部品でありますとか、あるいは自動車そのものの安全でありますとか、こういった面を中心に、必要な業種の振興育成をはかってまいりたいと考えておるわけでございます。
#7
○田渕哲也君 そうすると、いまの御答弁は、今回の指定業種には、しぼりがかけられて、特に公害関係並びに省力関係を重点的に考えるという趣旨だと思いますけれども、もちろん公害関係、安全関係、省力関係、そういうものに重点を置くのは当然だと思いますが、ただ先ほど申し上げましたようなこの機械産業の輸出のビジョンからするならば、プラント類それから航空機、自動車、こういうものにやっぱりウエートをかけていかなければならない。そういう面も当然配慮するというふうに理解していいんでしょうか。
#8
○政府委員(赤澤璋一君) 先ほど申し上げましたように、いま御指摘のような機種と申しますか、そういった面に、これは輸出だけではございません、国内においてもやはり産業構造の高度化の観点からも必要であると思いますので、いまのお考えは御指摘のとおりだと考えます。
#9
○田渕哲也君 さらにこの輸出に関連した問題ですけれども、まあ最初に繊維の規制の問題、日米間で非常に大きな問題になったわけですけれども、単にこの繊維だけではなくしてダンピング規制という名目でカラーテレビとかコンデンサーとか板ガラス、こういうものがやり玉にあがっているわけですけれども、今後わが国の機械工業の輸出が伸びれば伸びるほどこういう問題が起こってこようかと思うのですね。これに対して諸外国の今後の輸入制限の動きを回避するための手段というものを当然考えなければならないと思いますが、これについてどうお考えかお伺いしたいと思います。
#10
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘のように、一方アメリカにおきましては、いろいろな関係から保護貿易的な色彩が漸次濃くなっておりまするし、また発展途上国におきましても、輸出入のアンバランスといったような面から、やはり輸入制限的な動きがあることも事実でございます。特に対米輸出の関係につきましては、いま御指摘のようにダンピング法の運用の強化等々の面からいたしまして、わが国の輸出にいろいろな影響があることも事実でございます。これは機械だけの問題ではございませんが、やはり問題は当該市場における需要というものにいかにうまく適正に対応していくかということでございまして、その面につきましては、オーダリーマーケティングということが一応いわれております。機械の面につきましても、やはり対米輸出と申しますのは、数字で申し上げてみますると、昭和四十五年の八十九億六千百万ドルのうちで、アメリカ向けは二十八億四千七百万ドル、全体の三二%を占めております。こういったようなことからいたしましても、やはり今後の輸出政策という面からいたしますると、当該輸出先の国内の産業事情、需要の動向、こういった両面からいたしまして、いわゆるオーダリーマーケティングの確立をはかる、と同時に、価格あるいは品質等につきましても、向こう側から非難を受けないように適正なる態勢でこれを輸出するということがどうしても必要であろうかと思います。こういった面からも、従来、機械関係につきましても輸出入取引法等を活用いたしまして、いろいろな輸出の規制を行なっております。また同時に、対米関係だけではございませんが、やはり全体といたしまして、輸出先の多角化と申しますか、こういった面についても十分配慮していく必要がございまして、ある商品が特定の国にのみ集中的に輸出をされるということは、今後の、長期に見た輸出政策の面からいたしましても、また輸出先の国の事情からいたしましても、適当でないと考えられますので、いま申し上げたように、輸出の多角化、また同時に輸出されます商品の内容の多角化、こういった面、両面あわせて今後施策をしてまいる必要があると考えております。
#11
○田渕哲也君 オーダリーマーケティングということが必要だということは、最近強く叫ばれておるわけですけれども、ただ、具体的にこれが効果的に進められるのかどうか、たとえばこの自動車の例をとりましても、アメリカは非常にいい市場である、それから運賃、関税等の関係からしても対米輸出が一番うまみがあるということで各社が殺到するということになり、しかもその対米輸出の伸び率が非常に高いということが指摘されておるわけですけれども、ただ、具体的に政府としてそういう個々の企業の活動をどの程度規制できるのか、ほんとうにいままで効果的にそういうものが進められてきたのか、これからあるいは進められるのか、この点どうなんですか。
#12
○政府委員(赤澤璋一君) オーダリーマーケティングという問題は、第一義的には、やはり業界自体の態勢の問題であろうと思います。したがって、当該業界が相手方の事情を十分考え、需要者の動向にいたしましても、また相手方の当該商品と同じような商品をつくっておりますメーカーの動向にいたしましても、そういった面を十分キャッチをしたしまして、それに適応したような輸出態勢をとるということが何よりも必要でございます。こういった面につきましては、私どもジェトロあるいは在外公館等を通じまして、各種の情報がございまするので、こういった面からも業界を指導してまいっておりまするし、今後もこういった面でのいわゆる行政指導の強化をいたしてまいりたいと思います。政府側でこれができるというような面から申しますと、これは一番きつい感じのものはやはり貿管令による輸出規制というものがございますが、これはそう簡単にまた発動もしにくい面もあろうかと思います。したがってこれもある種の行政指導の範囲になりますが、業界のほうに対する行政指導も行ないながら、必要があれは輸出入取引法によるいわゆる各種の取引制限と申しますか、あるいは輸出の規制と申しますか、そういったことをしてまいるわけであります。たとえば、一、二の商品例をあげますと、自転車でございますとか、あるいは乾電池、こういったものにつきましては、対米向けの輸出につきまして数量規制を現に輸出入取引法で行なっておりまするし、また、カメラといったようなものにつきましてもそのアフターサービスにつきまして同じような輸出入取引法を使いまして規制をいたしております。こういったようなことで、いわば官民一体となりまして実情に応じたオーダリーマーケティングの各種の方法を使って実施をしていくということになってまいろうかと考えております。
#13
○田渕哲也君 それからもう一つ。相手方の輸入制限を回避するための手段としては、わが国自体の自由化を促進するといいますか、残存輸入制限なり資本の自由化の促進ということも片一方で進めなければならないと思います。そういう観点から特にこの自動車の資本の自由化も本年の四月に実施される予定と聞いておりますけれども、ただ、まあこれは自由化されても、これは第一類指定ということになるわけですね。ところで、現在具体的に問題が提起されております東洋工業とフォードの提携の問題、あるいはいすゞとGMとの提携の問題、現在交渉中だと思いますけれども、まあこれについてもやっぱり前向きに取り組まざるを得ないような情勢になりつつあるのではないか、この場合、通産省としてこれを認可する条件というものをどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。
#14
○政府委員(赤澤璋一君) 資本の自由化につきましては、全般的に一昨年以来累次にわたりましてこれが促進をされてきております。ただいまお話もございましたように、自動車関係につきましては、この四月からいわゆる第一類自由化業種といたしまして自由化になるわけでございます。ただいま具体的に案件として出ておりますのは三菱とクライスラーの資本の提携、これにつきましてはすでに契約書がほぼ両社の間ででき上がりつつございまして、基本的な合意に達しておりまするので、いずれ近い機会に政府あてに認可の申請が出てまいると考えております。東洋工業とフォードの関係につきましては、先般もフォード二世が来日いたしまして、東洋工業との間に提携の基本的な面につきまして交渉が行なわれたわけでありますが、なお一、二基本的な問題で合意に達しておりません。両社の話を聴取いたしますと、いずれ月末あたり向こうの副社長が参りまして、できるだけ早い機会に基本的な問題についての合意にまず到達をしたいということであります。これが到達をいたしますれば、引き続き詳細な案文の作成を行ない、これまた認可の申請ということになってまいると思います。いすゞ自動車とGMとの交渉は、昨年の秋以来、事務的な段階でいろいろ行なわれておりますが、これまた幹部同士と申しますか、両社の首脳部同士の接触は行なわれておりませんで、いろんな形、チャンネルを通じての事務的な打ち合わせを行なっているという段階でございます。いずれこれも事務的な段階を経ました上で、両社首脳部の接触が行なわれ、基本的な面で合意を得れば申請段階にまで入ってくるということになろうかと考えております。いずれにいたしましても、いわゆるビッグスリーと申しますアメリカの三大自動車会社が、そろって日本の自動車会社と資本提携に進んでくるという状況になるわけでございますが、私どもといたしまして、この自動車の資本提携につきましては、基本的に次のような考え方を持っております。その第一は、自動車というものが今後わが国におきまして非常に重要なと申しますか、ことばはやや適当でないかもしれませんが、いわゆる戦略産業というふうに私ども考えておりまするので、この面からいたしましても、今後の自動車産業にどういう形で外資が入ってくるかということは、産業政策の上からも非常に重要なことでございます。しかし、私どもは外資が入ってくるということ自身を拒否する考えは初めからないわけでございまして、いわゆる入り方として、日本産業の将来の発展に資するような形で入ってきてもらいたいということを考えておるわけでございます。
 具体的には、第一点といたしまして、やはり外資によって日本の自動車企業というものが乗っ取られては困るということが第一であります。この乗っ取りということばにはいろんな意味があろうかと思いまするが、さらに具体的に言えば、外資によって企業が実質的にコントロールされるという状態は私ども適当でないと考えておりまして、入ってきていただくのはけっこうなんですが、やはり日本の資本、日本の技術、日本の労働者がみずからの創意とくふうによって今後とも当該企業の運営をしていくということが適当であろうということを考えております。こういった意味で、まず乗っ取られないようにする、そういう形で提携をするということが必要であるというのが第一点でございます。
 それから第二点といたしましては、自動車工業と申しますのは、これは田渕委員も十分御承知のように、多数の部品メーカー、また多数のディーラー、販売業者、こういったものから成り立っておりまするので、いわゆる組み立てメーカーに外資が入りました場合、その結果として、部品工業あるいは販売面、こういった面に重大な影響があるということでありますると、これはまた産業政策の面からいたしましても、きわめて遺憾なことに考えられます。こういった面から外資の導入、外資との提携にあたりましては、部品工業あるいは販売面に重大な影響を与えないようにしてもらいたいということを第二の基本原則に考えております。
 こういったような二点が十分保障されると申しますか、確保されますならば、私ども外資を受け入れ、外資と提携することに特段の異議はない、そういう形で入っていただくことは、今後の日本の自動車工業の発展のためにも、また技術の進歩のためにも、むしろいい面も多々あるというような考え方で、具体的な案件につきましてはケース・バイ・ケースで、いま申し上げましたような観点から十分審査をし、適当であればこれを認可をしていくというような考え方で進んでまいりたいと思っております。
#15
○田渕哲也君 ただいまの、その条件ですね、乗っ取られては困るということが第一点にあるわけですけれども、まあどういう状態を乗っ取りと見なすかというのは非常にむずかしい問題ではないかと思います。たとえば一つは株の構成で規制するのか、あるいはそれ以外の条件もつけるのか、この点はどうなんですか。
#16
○政府委員(赤澤璋一君) 乗っ取りということばはなかなかむずかしいのでございまして、一番端的な例は、少なくとも株式を五〇%以上持ちますれば、これはその会社を当然支配し得るという状態になります。しかし、株式の比率だけでもってじゃ乗っ取りかどうかということをきめるかということになりますと、必ずしもそう一がいに言い切れないと考えております。そういった面から、私、先ほど御答弁申し上げたように、いわば実質的に当該企業をコントロールする、こういったことがやはり乗っ取りということばの意味ではないだろうか、こう考えております。したがって、これは株式比率の面もございますし、また重役の数、またその重役の権限、こういったことにも関連をいたしてまいります。株式比率の問題ということになりますると、当然当該株式に対応いたします日本自身のまあ株主の比率と申しますか、いわゆる安定株主比率と申しておりますが、こういった面とのバランスを考えてみなければならないわけでございます。また重役の面におきましても、その数だけでは実際のところはわかりませんので、その重役――外資系の派遣いたします重役――の権限、その任免、こういったものは一体どうなるのかといったような面も当然重要なポイントの一つになってまいります。こういったことをまあ全体、総合的に判断をいたしまして、やはり外資と提携をいたしましても、日本側資本、日本側の経営者、日本側の労働者、こういったものが全体一体となって自主的に当該企業を今後とも運営をしてまいる、こういうことが可能であるかどうかという判断をしてまいりたい。まあかように考えておるわけでございます。
#17
○田渕哲也君 それから特に自由化の場合に重大な影響が出ると思われるのは部品工業ではないかと思います。それから自動車産業でいいますと結局は部品を寄せ集める産業ですから、部品工業の基盤がしっかりしないと自動車産業というものは基盤が強くならないということは言えると思うのですけれども、特にいままでの機振法ですね、機振法によりましては自動車の部品工業というのは非常に重点的にやってこられたのではないかと思います。ところが今回これがまあ法律が変わりまして、機電法ということになった場合、この自動車の部品工業についての考え方はどうだろうか。従来と変わりないのか、あるいは新たな観点から見るのか、この点をお伺いしたいと思います。
#18
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘にもございましたように、自動車部品関係につきましては現行の機振法におきましても非常に重点を置いてこの振興、育成をはかってまいった次第でございます。御参考までに申し上げますと、現行機振法、これで十五年になりますが、開銀融資の実績面からいたしますと、全体で七百十五億円の開銀融資が行なわれておりまするが、その中で自動車部品関係は二百六十八億円、比率にいたしまして三七・五%ということになっております。つまり従来まで現行の機振法でもって開銀融資をいたしました三分の一強が実にこの自動車部品関係に投下をされておるという実績を示しておるわけであります。で、こういったようなこともございまして、また一面、自動車産業の発展にささえられまして部品工業も漸次合理化をされ、国際競争力が強まってきたと考えております。
 で、今後の新法によります部品工業の考え方でございますが、これは先ほども申し上げましたように、今度の新法の考え方自体が安全、公害、省力化あるいは基礎共通部品の供給に関連する業種、こういったものをまあ重点的に特定業種として指定をしてまいる、こういう考え方でございまするので、その基本的な線に沿って自動車部品関係も業種の見直しをしてまいりたいと思っております。特に自動車部品につきましては、今後予想されます安全問題、及び公害問題、こういったことに中心を置きまして内容の整理をしてまいりたいと考えておりまして、たとえば自動車部品の中でも一次衝激の緩衝装置の関係でございますとか、あるいは車高――車の高さでございますが、車高制御装置、こういったような、どちらかというとややシステム的な面もございますが、そういったようなものも新しく追加をして、今後技術面におきましてもその生産面におきましても合理化をはかり、開発を進めてまいるということにしたいと考えておるわけであります。非常に自動車部品数がたくさんございまするので、いまだどれを従来のものから落とし、どれを追加するという成案を得ておりませんが、いま申し上げましたような角度から見直し作業を現在やっておりまして、この辺は業界の意見も十分聴取しながら今後きめてまいりたいと考えておるわけでございます。
#19
○近藤信一君 関連して。いま田渕委員の質問にちょっと関連して一点お尋ねをするのですが、田渕委員が心配しておられるように、自動車産業に対する影響が、自由化になれば相当大きく影響してくると思います。
 このことにつきまして私も三年ほど前に当委員会で質問したんですが、当時、私がやはり自動車の自由化ということになれば相当下請企業に対する反響というものはあるだろう。で、当時私が質問したときに、自由化の時期という問題について私質問したんですが、その当時、自由化の見通しというものは一九七二年の年度末になればやっとその見通しが立て得るだろうというふうな御答弁だったと思うのです。ところが自由化がいま田渕委員からも言われましたように急速に早められたわけです。これは何と政府が否定しようとも、いわゆるニクソン・佐藤会談における沖繩返還の問題とからんでだんだんとこうなってきたということは、世間周知の問題だと思うのです。で、私が心配することは、当時私がなぜそれじゃ自由化が早くできないかとお尋ねした場合に、政府のほうでは、いま問題になっておりまする部品工場の体制が整わない、部品工場の体制が整わないうちは自動車の自由化ということについては政府としては考えていない、こういう御答弁であったのです。ところが当初計画より一年半もこの自由化を早めたということは、あなたのほうとして、じゃ現在自動車の部品工場下請に対する体制というものはもう完備しておるのかどうか。当時御答弁がありましたように、下請企業の体制というものが完備しないうちは無理だと、こう言ってお答えになったんです。ところが一年半も早まったということは、じゃ現段階において自動車の部品工場の下請の体制というものをあなた方整えるべく御指導なさったかどうか。そういう段階に現在もうきておるのかどうか、この点を私はお尋ねしたいと思います。
 なぜかと申しまするならばやはり一番心配しておることは、いま田渕委員も言っておられましたように、やはり何といっても自由化ということになれば、自動車というものは部品を集めていわゆる組み立てをするわけでありまするから、主体というものはやはり部品の下請企業に重点が置かれなければならぬと私は思います。そういう関係で、一つ間違えば私はたいへんな問題になると思うのです。いわゆるあなた方は倒産をどうして未然に防ぐかということに重点を置いて行政指導をなされるべきが本来私は通産省としても十分考えていかなければならぬ。ところがいままでの例を見ますると、ほとんどがそうでなくして、倒産してからその倒産の対策をあなたのほうは講じておられる。これでは一歩後退なんですね。先日も佐藤造機が倒産した。これに対するところの下請が相当倒産するであろう、こういうことが新聞にも報じられておるのです。自動車の自由化ということになれば、やはり私は相当国内の自動車産業に影響があることは当然であるし、自動車はどちらかといえば戦後におけるわが国のこれは一つの保護産業なんですね。そうでしょう。それをアメリカ側からの要請によって自由化を一年半も早めたということは、私は納得のできない点があると思うのです。それで、やはり下請の部品工場の体制というものが完備してそういう時期が早まったのかどうか、この点をお尋ねいたします。
#20
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま近藤委員から御指摘のように、数年前までは確かに自動車関係につきましては七二年の三月ぐらい、というぐらいな感じでいろいろ議論が進められておったことは事実でございます。そういった面からいたしますと、その後、いろいろ日米間の交渉等、経緯を経ましたが、ことしの四月からということになりますと、当初のもくろみからいたしまして約一年ばかり自由化が早まってきたというふうに私ども考えておるわけでございます。こういうふうに自由化を進めてまいりましたのは、両面の理由があろうと思います。一つは、やはり自動車の輸出というものがここ数年来非常に大きく伸びてまいっておるということでございまして、たとえば四十年から四十五年までをとってみますると、全部の自動車にいたしまして輸出の台数は五・六倍になっております。それから乗用車だけで見ましても、四十年と四十五年の比較では七・二倍というふうに、この五年間で全体のトラック、バスまで含めました自動車が五・六倍、乗用車に至っては七倍以上というような非常な勢いで輸出が伸びてまいりました。特に対米関係を見てみますると、この四十年から四十五年までで自動車の輸出は実に十二・四倍というふうな非常な伸び方をしております。部品の面におきましても、やはり近年、ここ二、三年でございますが、輸出が非常に伸びてまいりまして、昨今では大体年間一億ドルをこえまして、一億二、三千万ドル、こういったような輸出の実績も部品工業自身が持つに至ってまいりました。こういったような輸出の伸長ということを考えてまいりますと、やはり貿易と申しますのはお互いお互いのことでもございまするので、お互いにこういった環境を認識し合いながら今後の輸出も進めてまいるということになりますると、一方で国内の体制の整備もはかりながら、またその状態も見ながら、しかし一方では、やはりいま申し上げました輸出の実態に裏づけられたわが国の輸出競争力の強化という面も十分これは認識をしてまいらなきゃならぬ、こういった面があろうかと思います。こういった意味合いから、やはりこの資本の自由化といった面も、直接輸出とは関係ございませんけれども、アメリカ側は特に非常に強いこれは要望を持っておりまするので、こういった面も配慮しながら進めていく、こういうことで促進をされてまいったのだろうと思います。それからもう一面は、やはりいま御指摘の体制整備の問題でございますが、これも先ほど申し上げましたように、過去十年にわたりまして、開銀の融資はもとよりでございますが、業界内の体制の整備につきまして相当な進展が見られてまいったことは事実でございます。特に、一次下請の段階に至りましては、これはただいま申し上げましたように、部品自身が輸出ができるという状態になってまいりました。こういった点はやはりそれ自身の国際競争力の強化を物語る一番いい例だと思います。そのほかにも、いわゆる専門的な企業の育成ということと、それからもう一つは、これも三年ぐらい前から私も努力いたしておりますが、一つのユニット化と申しますか、部品を単なる部品として考えないで、一つのユニットとしてつかまえる、こういったようなことから、数個の企業の間でむしろユニットという観点からする共同開発、あるいは生産の面における提携、こういったことが出てまいりました。現在、部品のユニット化という政策に沿って、これまた私ども所期しておりましたような一つの体制ができ上がりつつあります。こういったような国内の事情も踏まえながら、先ほど申し上げましたわが国の自動車並びに自動車部品の輸出の実績も見ながら、私どもとしては自由化の促進ということを進めてまいったわけでございます。もとより、先ほどの田渕委員の御質問にもお答え申し上げましたように、資本の自由化を行なうと申しましても、全部丸裸になるわけではございません。新設、合弁という形のものであって、五〇%以下のものが自由化をされるということでございまして、現在ございます具体的な事例は、いずれも既存の企業の資本提携でございまするので、これはもちろん政府の個別の認可の対象になります。この個別の認可の運用にあたりましては、先ほども私がその基本的な考え方として申し上げましたように、下請部品工業あるいは販売面、こういった面について重大な影響を与えないということを私ども審査の一つの大きな基準として考えておりまするので、必ずしも現在の体制が完全に十分だとは申しませんが、具体的なケースにあたりましては、いま申しましたようなことを十分考慮しながら今後の自由化を進めてまいりたい、こう考えておるわけでございます。
#21
○田渕哲也君 先ほど局長はマスキー法案のことにも少し触れられましたけれども、アメリカでマスキー法案が大体実施に向かって進んでいるわけですが、このエンジンの無公害化について、アメリカの技術と日本の技術との差というものがどの程度あるのか。それから日本の公害に対する技術が、マスキー法案にたえられるようなものが一九七五年までにできるのかどうか、この見通しについてお伺いをしたいと思います。
#22
○政府委員(赤澤璋一君) アメリカにおきます規制のやり方と日本の規制のしかたは若干ズレがあるといいますか、違った面がございます。こういった面もありまするので、直ちに公害関係について両者の技術を比較するということは、すぐはできないかと思います。また非常に技術のこまかい、むずかしい問題でございまするので、的確にお答えできるかどうかわかりませんが、私の感じているところを申し上げますと、この安全とか公害といった面につきましては、やはりまだアメリカのほうに一日の長があるということは、これは否定できない事実であろうと思います。しかしながら、マスキー法案で示されたような目標値に、しからば行ける自信があるか、あるいはそれが可能であるかという点につきましては、なかなかこれは一口に言いにくい面があると思います。先般参りましたフォードの首脳部等ともこの問題を話をしてみましたが、フォード自身も、まだ自分としてはいつマスキー法案に対応できるようなものが完全にできるかどうか、自分としてもまだ自信がないというようなことを言っておりました。こういった面から、いまアメリカももちろんでございますが、日本においても、マスキー法案に示されたような公害基準といいますか、これに完全にマッチし得る技術を現状においてはたしてどこが持っているかということは、これはちょっと言いにくいのじゃなかろうか。むしろいまのところはどの会社もまだ自信がないと申しますか、十分そこに到達する技術的な根拠をまだ持っていない、こういうのが実情であろうかと思います。今後、やはりこういった基準がはっきり示されておりまするので、こういった面についてはなお一そう技術の開発に努力を続けてまいらなければならないと考えているわけでございます。
#23
○田渕哲也君 いままでの自動車は、ややもすればスタイルとか性能とか、そういうもので競争をしてきたきらいがあるわけですけれども、これからはやはりこの安全、公害面での技術の争いというものが非常に大きなウエートを占めるのではないかと思います。その意味におきまして、今回の措置法が公害、安全関係に重点を置かれたというのは、まことにタイミングがいいといいますか、時宜を得たものだと思いますけれども、ただ問題は、ここでひとつお伺いしたいのですけれども、この法案による予算措置ですね、この融資のワクといいますか、これはどうなっていますか。特に前年度に比べてどうなっているか、その点をお伺いをしたいと思いますが。
#24
○政府委員(赤澤璋一君) 従来から行なわれておりました開発銀行の融資は、本年度四十五年度が百億というワクでございましたが、四十六年度は百十億というふうにふえております。また中小企業金融公庫の特別融資ワクにつきましても、四十五億から五十億というふうに、これもふえております。さらに新しくシステム化促進のための金融措置ということで、これはいわゆる長期信用関係の三行の金融債を財政投融資で引き受けました金を融資するわけでございますが、これは三十億ということで、共同事業あるいはシステム化という面に新しくこの制度も設けられております。
 以上が四十六年度のいわば金融措置の概要でございます。
#25
○田渕哲也君 この額は電子のほうと機械のほうと合わせた額ですか、そうですね。そうすると、前年度に比べて十五億の伸びということになるわけですが、ところが今度の法律によって、やはり公害、省力機器が重点を置かれるということになったわけですね。私は特に公害問題というのは社会的な要請があるわけですけれども、しかし非常に新しく起こってきた問題である。したがって公害問題に力を入れるのは当然ですけれども、ただこの予算を見ますと、公害問題に重点を置かれると、従来産業基盤の強化のために使ってきた分がそっちのほうに回されるということになるわけで、従来から続けてきた産業基盤の強化の問題のほうがおろそかになるのではないか、だから私は公害問題というようなものは、新しく社会的な問題として提起されておるわけですから、別に上乗せして予算措置をするぐらいのものが必要ではないかと考えますけれども、この点どうですか。
#26
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御提案申し上げておるこの新法におきまして、公害あるいは安全といったような面を重視していることは御承知のとおりでございます。ただこういったような点は、いわゆる公害関連機器あるいは安全の関係の機器、こういったものも相当な重点を置きたいと考えておりますが、従来指定しておりますような各業種につきましても、公害あるいは安全といったような観点からの取り上げ方をしたい。こういうことを私ども考えておるわけでございます。したがって従来指定機種であったものが公害、安全、いわゆる公害関連機器でないからということで、今回特定業種の指定から落ちるというふうには考えておりません。自動車部品につきましても、一例でございますが、先ほど申し上げましたように、たとえば衝突の緩衝装置でありますとかか、そういったようないわゆる安全の関係のものに重点を置きまして、これを運用をしていくということになるわけでございます。もちろんそれだけで全部というふうには考えておりませんで、全体で百六十億ある資金でございまするので、もちろんこの法案にもございますように、いわゆる基礎になりますような、基礎的な部品と申しますか、機械と申しますか、こういったものあるいは材料関係、こういった面もまた公害なり安全なりの機械をつくります上からも必要でございます。こういったような点もございますので、ただ公害、安全に重点を置くと申しましても、全体一つの体系と申しますか、そういったような体系を組み立てながら、その体系のもとに今後の融資等を運用していくというふうに考えておるわけでございます。
#27
○田渕哲也君 まあ今度のこの法案の趣旨の説明を聞いておりましても、だらだらといままでと同じような機械工業に対する助成策をいつまでも続けるわけにいかないから、たまたま社会的にクローズアップされてきた公害問題、省力問題を看板にかけて従来と同じような助成を続けようというようなねらいじゃないかという気がするわけですけれども、私は、この公害問題とか省力問題というのは、言うならば新たに提起された問題である、だからこの分はもっと強力に進めるべき問題で、従来やってきた機振法の考え方の中を塗りかえるといいますか、看板を塗りかえてやるような考え方ではどうかというような気がするわけです。だから従来の機振法をこういうふうに改めるというのはいいと思いますけれども、それならば公害、省力関係にもっと大幅に予算を別に取るとか、そういうことがやはり必要じゃないかと思いますが、これはどうなんでしょうか。
#28
○政府委員(赤澤璋一君) 公害関係あるいは安全関係、こう申しますものがやはり今後の機械工業というものの非常に大きな分野を占めてくるということは、これはもう御承知のとおりでございます。したがいまして、今後の新法の運用にあたりまして、そういったものを中心に考えていくということは、これは当然なことでもあり、また、私どもとしてもそこに重点を置いてはかってまいりたいと思いますが、公害、安全関係ということになりますと、この機振法のいわゆる政策金融と申しますか、特別ワクによる金融だけではございませんで、そのほかにも多数運用し得る面があるわけでございます。これは、たとえば開銀におきましても、その他一般ワクにもございまするし、あるいは新技術の開発のためにも必要なワクも用意をされております。こういったことから全般的に公害の面は取り扱ってまいれるわけでございます。いま申し上げましたような、この新法に基づく特別ワクだけで公害関係を処理すると、こういうふうに御理解をいただかないで、公害関係につきましては、これ以外にもいろんな角度からそれぞれ必要に応じて金融措置が講じられていくというふうに御理解いただきたいと思います。
#29
○田渕哲也君 それでは最後に、この法案の十三条に勧告の規定があるわけですけれども、これは勧告程度でどれくらいの効果があるものか、その点をお伺いしたいと思いますが。
#30
○政府委員(赤澤璋一君) この十三条の規定は、今回新たにこの新法の中に取り入れた規定でございます。それで、これは従来、この体制の整備ということをはかってまいったわけでございますけれども、なかなか体制の整備をしようとしても、実際問題として、新たな参加者と申しますか、新たな事業活動を起こす企業が出てまいりまして、そのために専門化といったような事業の共同化をやっておるものが実際上行なえなくなるというような事態が予想されるわけでございます。特に今後、資本の自由化が進んでまいりますと、外資系企業あるいは外資そのものの企業、こういったものが出てまいりますので、こういったことも念頭に置きまして、やはり合理化関係、特定電子工業等を営む者につきまして、その点についての配慮をすべきであろうということから設置をした規定でございます。この勧告がどの程度の効果をあげ得るかということでございますが、この勧告の規定は、この文字どおり勧告でございまして、これ自体が何ら強制権を持ったものではございません。この点は、たとえば命令ということになりますと、命令違反をすれば罰則があるというようなことで、いわゆる強制力があるわけでありまするが、今回の十三条の規定は、そこまでの強制力は持っておりません。ただ、勧告ということが法律上制定をされ、法律の根拠に基づいて主務大臣がこれを行なうということになってまいりますと、いわゆる一般の行政指導に比べまして、よほど力を持つと申しますか、社会的な評価を受けるというふうに私ども考えております。こういった面から、私どもとしましては、いわゆる従前行なっておりました行政指導から一歩出まして、勧告を行ない得るということでございますから、いわばそういった勧告を受けるものの社会的な評価、あるいは経済界における今後の活動の目安と申しますか基準と申しますか、こういったことを十分考えますと、私ども、強制規定はなくても、これはこれなりに相当、かなりの実効をあげ得るのではないか、こういうような考え方でこの規定を設けておるわけでございます。
#31
○田渕哲也君 それからもう一つついでに。最後ですが、これから機械工業自体が、やはりプラントのようなものになるとか、あるいは工作機械もNC化するとか、非常に高度化してくるわけですね。あるいは電算機の問題にしても非常に価格の高価なものに重点がだんだん移っていくだろう。そうすると、これはまあ流通機構の問題ですから特にこの法律とは直接関係はないかもわかりませんけれども、今後、この機械工業の振興のためには流通機構面での整備ということが必要になるのではないかと思います。特に販売資金ですね、輸出の場合でも、プラントに重点が置かれ、プラントのシェアがふえてくれば、当然それに対する金融措置というものが伴わなければ効果をあげないだろう。それからまた国内におきましても、そういう大型化した機械、高度化した機械は、やっぱりレンタルシステムというようなものもとられてこようかと思います。そういう場合の資金対策について考えなければならないと思いますけれども、この点についての構想があれば、お聞かせいただきたいと思います。
#32
○政府委員(赤澤璋一君) ただいま御指摘のこの流通問題というのは、確かに今後の機械工業を考えてまいります場合、非常に重要なポイントの一つであろうと考えております。この法案におきましても、第三条の第二項、いわゆる「高度化計画」の中で、その第三号におきまして「その他合理化の促進に関する重要事項」ということをあげておりまして、この「合理化の促進に関する重要事項」というものの中には、私ども、流通と申しますか、そういった面での必要な措置も記載し得るといいますか、高度化計画の中で定め得るというふうに考えております。従来のこの機振法あるいは電振法におきましても、共同販売会社、こういったものが現行法に基づいて設置をされておりますことは田渕委員御承知のとおりでございます。たとえば共同事業金融等もいたしておるわけでございまして、たとえば四十四、五年におきましては、日本ベアリングサービスというようなところに一億六千万円、あるいは日本シリンダー共同販売、こういったところに二億円、こういったような流通面におきましても十分配慮をしてやっております。電算機につきましては、これはもう御承知のとおり日本電子計算機株式会社、これに相当大量の開銀資金をつぎ込みまして、いわゆる業界一本のレンタル資金の供給ということにいたしておりますことは御承知のとおりでございます。また、いわゆるシステム関係のものの販売、こういったものは、先ほども申し上げましたように、システム化促進融資ということで、本年度から三十億円というような特別の金融措置も講じるということにいたしておりまして、販売関係につきましても、流通関係と申しますか、その面につきましても、私ども十分な配慮をいたしておるつもりでございます。
 また、これは本法ではございませんが、私どもの局で、やはり機械保険の制度を持っておりまして、これ等におきましても、逐年その実績が伸びてきておりまして、そのうちで特に工作機械等につきましては、昨年度と申しますか、四十五年度、この二月までの実績で見ましても、この機械保険の付保金額のうちで約四割が工作機械と、こういうことでありまして、こういったような制度こういったものも十分本法と関連づけながら運用してまいりたいと考えております。
 こういったようなことから、私どもこの新法の運用にあたりましては、いま御指摘がございました流通面、販売面、こういった面の合理化と申しますか、こういった面にも十分配慮しながら運用してまいる所存でございます。
#33
○田渕哲也君 以上です。
#34
○委員長(川上為治君) 他に御発言がなければ、本日はこの程度にとどめます。
 次回は三月十八日午前十時から開会することとし、本日はこれにて散会いたします。
   午前十一時十五分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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