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1970/03/26 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第8号
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1970/03/26 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 農林水産委員会 第8号

#1
第065回国会 農林水産委員会 第8号
昭和四十六年三月二十六日(金曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         河口 陽一君
    理 事
                亀井 善彰君
                園田 清充君
                杉原 一雄君
                村田 秀三君
                沢田  実君
    委 員
               久次米健太郎君
                小枝 一雄君
                小林 国司君
                鈴木 省吾君
                高橋  衛君
                高橋雄之助君
                堀本 宜実君
                和田 鶴一君
                北村  暢君
                達田 龍彦君
                前川  旦君
                片山 武夫君
                河田 賢治君
   衆議院議員
       農林水産委員長
       代理理事     丹羽 兵助君
   国務大臣
       農 林 大 臣  倉石 忠雄君
   政府委員
       農林政務次官   宮崎 正雄君
       農林省農林経済
       局長       小暮 光美君
       農林省農地局長  岩本 道夫君
       水産庁長官    大和田啓気君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        宮出 秀雄君
   説明員
       農林省農地局管
       理部長      堀川 春彦君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○卸売市場法案(第六十三回国会内閣提出、第六
 十五回国会衆議院送付)
○国有農地等の売払いに関する特別措置法案(衆
 議院提出)
○農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案
 (衆議院提出)
○漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律
 案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(河口陽一君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。
 卸売市場法案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○政府委員(小暮光美君) 昨日、沢田委員の御質問に関連して一言補足して申し上げておきたいことがございます。これは、出荷奨励金の問題につきまして、沢田委員から種々御指摘がございました。これに対して私がお答えしましたことが、時間の関係もございまして、必ずしも趣旨を明らかにしていない点があるというふうに存じますので、補足させていただく次第であります。
 卸売市場制度改正の方向、中央卸売市場審議会の答申にもございますように、出荷奨励金につきましては、私どもの集荷能力の向上に資するものとして一応これを評価はいたしております。したがいまして、卸売り人の収益動向に応じて大型荷主に対して制度的に還元をはかることが適当であるという趣旨を申し上げたのでございますが、それだけでございますと、いかにも今後もこれをどんどんふやしていくという趣旨であったように聞き取れると思いますが、関連して申し上げたと思いますが、これらは、卸売り手数料水準との関係において全体として抑制の方向で対処すべきであり、また、本来の趣旨に即し適正に支出使用が行なわれるよう指導する必要がある、というふうに答申にも明記してございます。私どもも、この答申の趣旨に即して指導してまいる考えでございますのでよろしく御了承願いたいと思います。
#4
○達田龍彦君 ではこの卸売市場法案について若干質問をいたしたいのでございますが、まず第一点は、昨日の委員会でも論議がなされておりましたけれども、まず私はこの卸売市場法と、特に野菜を中心にする物価政策との関連についてもう少し明らかにしていかなければならぬのではないかと思うんであります。特に衆参両院の予算委員会を通じて物価問題が、特に生鮮食料品の関係から、その中でもとりわけ野菜の問題が中心になって物価問題が取り上げられておるのでありますけれども、常に農林大臣が予算委員会等で説明をされているのは、今回卸売市場法案が国会に提出をされ、それの成立をみるならば物価政策に大きく寄与するところがあるのだということを説明をされておるのであります。私どもは、この市場法案が物価政策の一環としてそのかなりの役割りを果たすことを否定するものではありませんけれども、これが物価政策のすべてであり、またそれが中核であるという認識は、今日の経済情勢から見てそういう判断と認識を持たないのであります。したがって、この法案というものが、今日の経済政策上一体物価政策の上に具体的にどういう形で物価政策の、いわゆる物価の安定あるいは物価上昇を押える役割りを果たしているのか、まず大臣から基本的な考え方をお示しいただきたいと思うのであります。
#5
○国務大臣(倉石忠雄君) 生鮮食料品の価格の安定を実現してまいりますためには、もちろん卸売市場段階の改善、合理化だけでは十分ではございませんで、生産から消費にわたる総合的な対策の実現が必要であると存じます。そこで、このためにはまず生産面におきまして、野菜指定産地制度に基づく集団産地の育成や、それからいままであまり野菜づくりが御熱心でありませんでしたが、かんがい施設などの整備等は特に大事な生産に力を与えるものであると思いまして、こういうものを推進してまいるとともに、流通面におきましても、今回の卸売市場制度の改善のほか、小売り業の近代化を進めるために総合食料品小売センターなどの設置、それから融資措置の拡充等に一段の努力をいたしてまいるつもりであります。それから、このほか消費者に対する啓発及び情報の提供なども含む生産から消費に関する情報網の整備、需給の動向に即した輸入政策の適切な運用など、生鮮食料品の価格の安定をはかるための各般の対策を総合的に推進してまいらなければならないのであると存じておりますが、このたびの卸売市場法の成立をしていただきますならば、そういう機会にやはりいま申し上げました小売り段階までの間の中間の合理的な運営によりましてできるだけロスを省いていくということがやはり物価の安定にたいへん寄与することではないであろうかと、こういうことを考えながらお答えいたしておったわけであります。
#6
○達田龍彦君 大臣は予算委員会でも大体そういう話をされておるのであります。そこで私は、確かに物価問題、とりわけ野菜を中心にする物価問題というのは、一つは生産の段階の問題が大きなウエートだろうと思うんです。生産を拡大しなければ何といっても物価の上昇をとめることはできないだろう。それからもう一つは、いま大臣が御指摘をされたように流通問題だろうと思うんです。この流通問題は、私はいろいろな形での方策をとらなければ流通問題の物価問題に与える影響が大きいだけに問題があるだろうと思っております。その中で、私は一つは小売り段階の合理化もその一つだろうと思うんです。それから品物の規格の統一化をはかるということも一つだろうと思うんです。もう一つは、流通機構の合理化が当然なされなければならぬ。その合理化をこの法案でもって求めようとしておる面もわかるのでありますけれども、それだけでは現実の市場の合理化というものは進まないというのが現状だろうと私は思うんです。その一環として、昨日も論議がありましたけれども、たとえばスーパーと産地の直結だとか、あるいは集配センターの育成とかという形で市場の流通経路を刺激するようなことをとりながらいわゆる市場の合理化をはかるという方途が、私は一面考えられているのではないかと思うんであります。でありますが、そういう点が昨日の経済局長の論議では必ずしもすきっとしません。一体、例の集配センターの育成というものはどういう役割りがあり、それにどういう期待をかけ、将来どういう方針で進むのか、それが市場の合理化との関係においてどういう役割りを果たしていくのか、そういう点が一向に明確でないのです。したがって、そういう点について一体どうお考えになっているのかつまびらかにしていただきたいと思うんであります。
#7
○政府委員(小暮光美君) 集配センターのようなものが逐次試みられておるということにつきましては昨日もいろいろ御議論があったわけでございます。その際申し上げました趣旨は、これらのものがときに流通経路の短縮というような形で理解されることがございますけれども、やはり野菜の生産、流通、消費の実態から見まして、豊富な品ぞろえ、あるいは生産者、消費者の双方の納得のいく価格の決定あるいは代金決済の充足、確立、この三つの要請にこたえるためには何らかの形での卸売り機能というものが必要になる、そういう事実に着目いたしまして、やはり中央卸売市場を中心とする市場機構というものが生鮮食料品の流通の基本になるであろうというふうに考えておる次第でございます。ただ、取り扱います生鮮食料品の性質が次第に変わってまいりまして、規格化されあるいは大量にまとまって供給される、あるいは需要面でもきわめて大型の需要者が発生してまいるといったような事実がございます。これらの新しい姿に対応するためにさまざまの新しい仕組みがくふうされること、そのことにつきましてはそれぞれ一つの意義を認めてこれの成り行きに着目する必要があるだろうということを申し上げたわけでございます。
#8
○達田龍彦君 そうしますと、私は簡単なことばで言えばたとえば野菜の場合の流通の中心は何といってもこの卸売市場だろうと思うんですよ。しかしそれを互いに合理化するためには別のやっぱり流通経路というものを形成をして、それでもって互いに競争をさせながら市場機能の合理化ということを促進する、刺激を与えていくことが私は一つの方向だろうと思うんですね。そういう立場から立つと、スーパーと産地の直結だとかあるいは集配センターの育成ということは一つの私は意義があるだろうと思うんです。ですからそういう観点に立って、このスーパーと産地の直結、あるいは集配センターの育成ということをそういう位置づけに立って考えておるのか、それともこれは単なる試験的な方向で将来これをどういうふうにじゃ求めようとするのか、その辺がはっきりしないんですよ。ですから、そういう点も一体どうなんだということを私は尋ねているわけでありますから、その点に明確にお答えをいただきたいと思うんであります。
#9
○政府委員(小暮光美君) 新しい流通の試みは、やはりこれが継続反復して存立いたします条件を見きわめる必要があるだろうというふうに私ども考えておるのでございまして、従来と全く同じような生産あるいは消費の姿のもとでございますと何と申しましても中央卸売市場を中心とした流通の形態が基本になることは何人も否定できない、しかしながら、生産のあり方あるいは産地と消費地とのいわば約定、契約のつくり方、そういったようなものの中にどういう条件が実現すれば新しい流通の形態が成り立つだろうか、こういうことを関係者が相寄ってきわめる、こういうことが必要であろうというふうに考えておりますので、これらのものを十分見きわめますまでの間やはり非常に慎重な態度でこの成り行きを見守る必要があるというふうに見ておるわけであります。
#10
○達田龍彦君 いや、その辺がわからないのです。私はね、この市場の、物価安定上のその問題点というのは、一つはその市場を中心にする流通経路の合理化に一つあると思うんですよ。もう一つは、小売り段階の合理化が一つなければならぬと思うんです。もう一つは、商品の規格化ということがされていかないと、私は合理化というものは出てこないであろうと思うんです。
 そこで第一の流通機構の合理化ということは、いままでは中央卸売市場中心の市場行政であったと、それが今度は全然手がけておらなかった地方市場も含めて流通機構の整備をはかろう、これは一つの私は前進だと思う。ところが、それだけでは市場全体の合理化がなかなか進まないのではないか。そこで私はその位置づけとして、集配センターだとか、あるいは産地とスーパーの直結だとかいう問題が、いわゆるその市場を中心にする経路の刺激剤として位置づけて、これが進められているのではないかという気がするんです。そうだとするならば、これを将来育成するのかどうかという問題が当然出てこなければならぬ。ただ単に、私は実験をしておりますだけでは話にならないのでありまして、そういう点をいわゆる流通経路の合理化の中の位置づけとしてこれをどうとらえておるのか。私が言っていることがそういう的はずれであるなら的はずれだということをおっしゃっていただけばけっこうですが、私はこういう観点で位置づけが進められているのじゃないかと思うんですけれども、そういう点がちっともはっきりしませんので、私はその点をもう少し明確にお答えをいただきたいと思っているわけです。
#11
○政府委員(小暮光美君) 昨日もお答え申しましたように、新しい流通経路の探究ということが既存の流通機構に携わる者にとりましてもきわめて新鮮な刺激を与える問題でございます。その意味での実験事業としての効果、これは明らかに認めておるわけでございますが、その問題と、本日申し上げました新しい流通経路につきましては、これが継続反復して一つの機構として定着いたしますためにどのような条件を整える必要があるだろうか。取り扱います品目が変わり、需要の姿が変わる、あるいは交通、通信の手段が進歩したといったさまざまの条件が与えられております。しかしながら、これらを組み合わせて三百六十五日、毎日消費者が買う生鮮食料品でございます、これに対して継続反復した一つの流通の仕組みとしてどのような条件を整えて成り立つのだろうか、これはやはり現在の段階では、関係者が相寄って全力をあげてこれを探究するという段階ではないかというふうに考えておる次第でございます。
#12
○達田龍彦君 いまちょっと回答を聞きそびれたのですが、いずれにしても局長の御答弁によりますと、新しい流通経路をこの中から求めていまたいということはいま言われている趣旨からそうであろうと思うんです。私はある意味では、これはたいへん流通機構の合理化には刺激的役割りを果たすことは間違いないと思います。しかし、それが本流であり、中核であるということについて、私はそういう形で位置づけることは大きな問題を残すんではないだろうかと思うんです。特に私は流通機構の合理化は地方市場の整備がやはり一番問題だろうと思うんです。そのためにこの法律も出されたと思うんですが、そのわりには、法律の内容は地方市場の整備はあまり期待できるものが私はないような感じを受けるのであります。
 その中でもとりわけ物価対策上、あるいは流通機構上の問題としてとらえていかなければならないのは、私は小売り段階の合理化だろうと思うんです。この小売り段階の合理化は、特に後継者問題等もあり、非常に重要な役割りを持ちながらなかなか合理化が進まない大きな要因を持っておると思います。そこでこの法律の中で、そういう物価対策上、あるいは流通機構上の末端機構としてのたいへん重要なる役割りを持っておる小売り段階の位置づけ、あるいは体質改善、合理化というものが、ほとんど私は法律の中には取り扱われてないという印象を受けるのでありますけれども、そういう重要なる役割りを持つ小売り段階に対して、一体どういう対処のしかたをされようとしているのか。また、物価対策上、小売り段階の果たす役割りというものをどうお考えになっているのか、お尋ねをしておきたいと思います。
#13
○政府委員(小暮光美君) ただいま御審議をいただいております法案は卸売市場にかかわる法制でございますので、この法体系の中で直接小売り商についての規定をいたしておるわけではございませんけれども、
  〔委員長退席、理事園田清充君着席〕
ただ、この法案の中におきます小売り商の取り扱いといたしましては、従来、市場における価格形成に売買参加者ということで小売りが参加することが現実にございましたけれども、この問題を特に、できるだけ売買参加を認めていく、市場を売買参加者にできるだけ開放していくという考え方を明らかにいたしております。また、地方卸売市場における買い受け人という形で、小売り商がこの法体系の中に位置づけされております。しかし、冒頭申しましたように、法律そのものは卸売市場にかかわる法制でございますので、小売り業についての直接の法制には相なっておりません。しかし、流通行政を担当する者といたしましては、生鮮食料品の価格の上昇を食いとめますためには、何と申しましても小売り段階の近代化、合理化が不可欠であるというふうに考えておりますので、国民金融公庫による融資その他の各種の施策う通じまして小売り業の近代化を誘導、助長いたしたいというふうに考えております。
#14
○達田龍彦君 私はこの小売り段階のことが非常に気になるわけでありますが、いま物価の問題から考えても、業態の零細性それから非近代性というものが流通コストを上昇させる大きな要因だろうと私は見ておるのです。典型的にそれを体質上持っておるのが地方卸売市場の私は仲買い業者や、あるいは小売り業者だろうと思うのです。そういうものをかなり国が強力に行政指導上、あるいは財政上の援助、あるいは助成というものをしていかないと、流通機構上の役割りの中でも大きな問題を残し、それから物価対策上も、また完全な物価対策のいわゆる施策にならないだろうと私は思うのであります。そういう点について、いま国民金融公庫からの融資は、これは一般的にいままでやられておるわけでありますけれども、そういう重要な流通機構の一環としての役割りを持ち、しかも一番零細性と非近代性を持っておるところの部面に対して、この法律はそれを対象としての内容というのがほとんど盛られてないというのは、私は非常に片手落ちではないかと思うし、また、そういうことでは、流通機構に当初の期待どおりの結果が出てこないのではないかという気がいたすのであります。そういう面で補助、あるいは財政援助というものについて、私は大幅に、やっぱり仲買い卸業者やあるいは小売り人に対しても施設等の非近代性あるいは零細性という点を考慮するときに、十分考慮していくべきではないか、こう思うのでありますが、その点どうですか。
#15
○政府委員(小暮光美君) 小売り業の近代化のためには、これまでも種々の施策を積み上げてまいっておりますが、今回特に小売り業の近代化のために新たに施策として予算でお願いいたしておりますものは、たとえば大型食料品小売センターの設置にかかわるモデルプランの作成といったような調査予算を計上いたしましたほか、これまでやってまいっております総合小売センターの設置助成の事業を大幅に拡充する等の予算を計上いたしております。ただ全体として、小売り業の業態、これは御存じのようにすべて民営のいわば個人営業でございます。小売り業全体に対して施設費を補助するという考え方は従来とっておりませんで、小売り業のたとえば冷凍ショーケースの整備、あるいは店舗の改造といったような個人資産にかかわる近代化、合理化の問題につきましては、先ほども申しましたように、融資をもって対処する。この融資のワクも四十五年度二百七十億でございましたものを新年度には三百三十億に拡大していただくというようなことで、融資を今後必要に応じ、さらに大幅に拡充してまいりたいというふうに考えております。
#16
○達田龍彦君 その補助の対象にはしないんですか。これは私は根本にかかわる問題だと思うんです。この市場法の中における、流通過程の中における小売りの位置づけというものをどうまずお考えになっておるのか。その市場の中における流通というのは産地、それから荷受け、仲買いというものだけを対象にお考えになっておるのか、それとも流通経路の中における、特に市場の中における、役割りとして、小売りもその流通の中における一つの機構の一端として考え、それを対処しようとしておるのか、その点は一体この法律のたてまえはどうなんですか。
#17
○政府委員(小暮光美君) たとえば地方卸売市場の整備を行ないます場合に、地方卸売市場の場合には、中央卸売市場と異なりまして、小売りが直接市場へ立ち入って、そこでものを処理する場合が非常に多いわけでございます。これらの地方市場における小売りの荷さばきのための施設、こういったようなものは地方卸売市場を整備いたしますために、一つの重要なポイントでございます。こうした施設の整備につきましては、地方卸売市場の施設整備のための助成というものの中で対応して考えていくつもりでございます。
#18
○達田龍彦君 そうしますと、卸売市場法の中では当然小売りというものはその対象として位置づけておると、こう理解していいわけですか。
#19
○政府委員(小暮光美君) 市場の価格形成に参加するきわめて大切なメンバーとして位置づけておりますので、その行為を行なうに必要な施設というものを施設整備の中で対処してまいりたいということでございます。
#20
○達田龍彦君 そうしますと、今回の法律のたてまえでは、小売りが店舗をよくするとか、あるいは増築するというような場合は、融資の対象は国民金融公庫からしますわね。しかし、この法律に基づきまして、特別に融資をするとか、あるいは補助をするということはしないわけでしょう。そうすると、市場法の中における流通経路の一環としての役割りはたいへん重要だということを認識し、そういう位置づけをしながら現実には融資を含めた財政補助というものは全くないということはどういうことですか。どう思います……。
#21
○政府委員(小暮光美君) 生産から消費に至る流通の各段階について、それぞれ施策を充実する必要があることは、御指摘のとおりでございます。たとえば生産担当の部局におきましても産地からの出荷の施設、これは直接市場に荷を出すための出荷の基地でございます。こういったものについて、それぞれ助成あるいは融資の道を開いております。そうした施策と先ほど申しました小売り業そのもの、小売り業そのものの近代化のための融資といったようなものがあるわけでございますが、市場法の体系といたしましては、市場において価格形成に参加するもの、それの内容の整備という角度からこれをとらえておるわけでございます。
#22
○達田龍彦君 そうしますと、これはいろいろ形態がありますけれども、特に一つ問題を提起しておきたいのは、たとえば魚市場等の卸売り人の場合の問題がよく産地市場では問題になるわけですが、私はこの法律のたてまえ上まず明確にしてもらいたいのは、この卸売り業者に対する補助、援助、これは一体どういうふうにこの法律のたてまえ上なっておりますか。
#23
○政府委員(小暮光美君) 地方卸売市場が公設の場合にはこれに直接補助をするという考え方をとっております。株式会社その他の形で民営で行なわれます場合、これに融資をする、この二つを軸に助成を考えておるわけでございます。
#24
○達田龍彦君 そうしますと、具体的に言いますと、たとえば産地市場ですね、魚市の場合の産地市場の卸売り人に対する補助ですね。これは融資はやるけれども補助をしないというたてまえでの説明のようでありますけれども、たとえばわが長崎県の場合の魚市場なんというものは産地市場ですね。これは一社でやって株式会社になっているのですね。そういう場合に私はこの消費市場と違って、産地市場の場合は需給調整機能というものはかなり持っているわけですよ。したがってその場合は卸売り業者に対するかなりのやはり補助、援助というものを考えないと、倉庫をつくったり、あるいは施設を持ったり、あるいは店舗を構えたりするということによって産地市場の需給調整機能を果たすことによって、そういうことについてなかなか役割りとして果たせないという結果を生み出すわけですね。そこで産地市場は、そういう特殊な需給調整機能もあり、特殊な事情もあるので、そういう点についてぜひひとつ卸売り業者に対する財政融資はもちろんだけれども、補助もほしいという強い要請があるのです。
  〔理事園田清充君退席、理事亀井善彰君着席〕
しかも、産地市場の場合については、この商品にならないような魚があがってくるわけですよ。練りものにするとか、いろいろあるわけでして、そういうものについてもやはり倉庫を持って保管をしておって、そうしてそれを有効に使うというような場合も特殊な事情として出てくるわけですね。そういう面を私は考えると、一律に融資だけで補助をしないというのは私は適切じゃないのじゃないかという気がいたすのであります。そういう産地市場からの要請というものはきわめて強いわけでありますから、その点についてぜひそういう特殊な事情を考慮した特段の措置をすべきではないかと私はこう思うのでありますが、その点ひとつ農林省も十分実情もおわかりだろうと思うのでありますが、考え方をただしておきたいと思うのであります。
#25
○政府委員(小暮光美君) 水産の場合には、御指摘のように産地の水揚げ場に市場が形成されまして、これにさまざまな施設を必要とするわけでございます。これらの問題につきましては、これまでも水産庁のほうで産地冷蔵庫の充実といったような角度からいろいろな施策をやっておりまして、これはまあ当然先ほども申しましたけれども、生産団体の施策の一環として市場流通機構にものを送り出します拠点としていろいろ発送のセンターと申しますか、あるいは冷蔵庫と申しますか、こういうものを整備する仕事は蚕糸園芸局でも水産庁でもそれぞれその施策の充実をはかっております。これらの角度から産地の出荷機能あるいは調整機能というものを高めてまいることは非常に大切であるというように考えておりまして、ただ先ほど市場一般の制度のたてまえということでのお尋ねでございましたので、いわばきわめてこれから公共性を持つ仕事として新しく法律の指導の対象にするわけでございますけれども、地方のたくさんの市場というのは、御承知のようにそれぞれ民営でこれまで個人の資産を基礎としてやってまいっております。これに直接補助をいたしますよりは、できるだけ中央市場並びに公設の拠点的なものに直接補助をいたしまして、民営のものに対しましてはできるだけ融資面で対処したいという一応全体の考え方の荒筋を申し上げた次第でございますので、御了解いただきたいと思います。
#26
○北村暢君 関連して。いま助成並びに援助の問題が問題になっておりますから、ちょっと関連してお伺いしますがね。いままでは水産関係の産地市場、これは水産庁所管になって、経済局の所管ではないわけですね。それから青果物の産地市場、これは園芸局ですか、園芸局の所管という形で消費地市場が経済局の所管、こういうふうに分かれているわけです。それで実際に産地市場の水産関係は圧倒的に漁業協同組合が多いのですから、漁業協同組合の行なうものについては施設資金というものはそれなりに制度資金なりあるいは共同利用施設というたてまえからの助成というようなものも行なわれているのじゃないかと思う。そこでそういうものに系統だって区分されておりますから、したがって漁業協同組合がやっていればいいのですけれども、ところが漁業協同組合が出資をして、いま達田さんが言われるように株式会社経営になっている。しかし漁業協同組合が相当部分出資をしているというようなものもないとは限らないのですね。
 そういう面があるということと、それからもう一つはこれから地方市場の整備をやっていく場合に、二、三の市というものが共同でもって中心的に民営市場をつくる。その場合に完全に株式会社という形はとっておりますけれども、地方自治体の議長であるとか何とかという人が全部名前を連ねて経営の責任者になっている。しかしこれは開設者が複合の自治体ではないのですね。株式会社の形をとっている。しかし自治体の議長だとか何とかが名前を連ねている。そういうものもできてきている。開設者が地方自治体であれば、公共であればこれは補助の対象になりますけれども、株式会社ということになるというと補助の対象にならない。そういういろいろな場合が出てきているわけです。そこでいま直ちに私は公共団体が開設しているものについては助成、それ以外の民営はこれは融資制度でやっていく。これは直ちに変えられないのだろうと思うのですけれども、その場合に最近の整備をやっているのを見ますというと、土地の取得に対してはこれは自治体の公営の場合でも補助の対象にならないということで土地の整備は対象になりますけれども、土地取得はならない。それで整備をやる場合にたいへんな政府の金融制度を利用するという面以外に相当な資金をやはり農協から借りるとか関係のところから借りるとか、あるいは民間の金融機関から借りるということをやらないというと、とても資金面が制度金融だけでは足りない。そして相当な十五億だの二十億だのという高い借金をして建設をやっているのですね。これはもうとても八・五%ぐらいの……、民営ですからまあ若干高いところはあります、手数料は。その手数料をとっただけではとても市場を運営していくことはできない。もう利子の下敷きになってしまうというような市場が整備したところに出てきているのですよ。りっぱな市場にはなったのだけれども、金利に押しつぶされるという状態で、何とかこの金利だけはしてくれないかというのがあります。
 まあ埼玉県ではわりあいに計画に基づいてやっているのですが、浦和にしても大宮にしても行ってみますというと、経営者の中に経済連から金を借りたというので経済連から役員が入ってきてやっているわけですよ。利子が相当高いわけです、これ。それでもういままで物置きみたいなところで上げていた売り上げ高と、駐車場から何からりっぱに建設した市場の売り上げ高と、まだ当初の間あまり変らないのですね。ですから借金しただけその市場は重荷ということになっちゃってたいへんなことなんですよ。ですからいま地方卸売り商の整備計画なり何なりということでやっても、その公営の場合の助成、民営の場合の融資、これだけではたいへんなんです。助成する場合であっても補助残はこれはもう相当な借金をしなければやっていけない。とても野菜の市場あたりで何十億も借金を背負っちゃって、それで運営していくということは開設者であり、卸売り人であるという場合、非常にたいへんなわけです。だから、私どもはそれに対して、この整備計画と関連をして利子の補給制度というものを臨時措置で、臨時立法でちょいちょいありますから、十年間なら十年間に限っての整備計画に基づいてこの利子の補給制度というものを制度としてやはり認めてやる。そういうことによって整備計画が進むんじゃないかと思うのです。これは私ども修正意見として出しましたけれども、取り入れられておりません。なかなかこれは簡単にいかない問題だと思うのですけれども、そういう問題も含めて、一つは、先ほど申したように、株式会社という名前はとっているけれども、内容的には非常に公共団体に近い形、あるいは漁業協同組合が主体になっているような株式会社、こういう株式会社と純然たる民間というのと区別をして何らかの措置を考えてもらえないか、それから補助残並びに純然たる民営市場に対しては利子補給の制度を考えてもらえないか、こういうことなんです。ひとつこれを含めて御答弁をいただきたい。
#27
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のように、公設のものには補助、民営のものには融資という一つの補助の体系のもとで、融資でやります場合に、新たにできるだけよい施設を整備しようということになりますと、資金面にさまざまな苦心があるということは私どもも痛感いたしております。本年特にこの面の融資につきまして融資率の引き上げというふうなことをお願いいたしましたのも、実はそういった点に対する配慮の一つであったわけでございまして、今後もこういった面から融資制度の拡充にはできるだけの努力をしてまいりたいというふうに考えております。
 なお、利子補給等の問題につきましては、衆議院におきましても、これについて検討するようにという御指摘がございました。今後の研究課題というふうに考えておる次第でございます。
#28
○達田龍彦君 一番重要な点が研究課題に残ってしまっておるので、私は多くを期待できないような気がするのでありますが、先ほど私も触れましたように、この流通機構の近代化、合理化と、こうおっしゃっておりますけれども、一つ一つ見てみると、一体こういう程度で近代化、合理化ができるんだろうかという気がしてならないのであります。たとえば開設者に対する施設補助の問題、これはかなり手厚く出てまいっておりますけれども、卸売り業者の近代化、合理化、あるいは仲卸業者の近代化、合理化、あるいは小売りのこれまた近代化、合理化、こういうことを段階別に考えてみますとなかなか、近代化、合理化ができて流通経費が安くなり、しかも産地も、それから業者も、消費者も、この市場法の結果恩恵を受けるということが期待どおりにいけるのかということになると、私は非常に期待が持てない結果になっておるのではないかと、こういう感じを強く受けるものであります。特に私は、そういう意味でこの卸売り業者と仲卸業者の合理化、近代化、あるいは特に卸売り業者は物価安定上考えても需給調整機能というものを当然持っていなければならないし、現実に持っているわけでありますから、それに対する市場法の取り扱いというものはその機能が発揮できるような援助あるいは融資というものが当然考えられていかなければならぬと思うのです。
 先ほど私がちょっと触れましたように、その中でも基幹産地の卸売り業者については、ただ、せりにかけて仲買いに販売をするということだけではなくて、重要な需給調整機能ということを持っているわけですから、それを発揮するためにはどうしてもやはり開設者だけではなくして、卸売り業者に対する助成――融資はもちろんだけれども、助成を含めてその裏づけをしてやるべきではないかと、私はこう思うのでありまして、一般的には先ほど経済局長からそういう立場からのお話がございましたけれども、限定して、たとえば先ほど私が申し上げた基幹産地の魚市場等における卸売り業者に対する助成あるいは融資、そういうものについてはぜひひとつこの法律の運用の中でそういう道が講じられるようにすべきではないかと、私はこう思うのでありまして、もう少しこの点についての経済局の考え方を明らかに出してもらいたいと思うのであります。
#29
○政府委員(小暮光美君) 水産物流通の近代化のために産地の施設を拡充、強化する問題につきましては、水産物流通の特殊性にかんがみまして、特に実情に即した力を入れるべきであるというふうに考えております。水産庁長官も見えておりますので、具体的な施策につきましては、できますれば水産庁長官のほうからお答えしていただきたいと思います。
#30
○政府委員(大和田啓気君) 水産物の産地市場の卸売り人は御承知のように大部分漁協でございます。で、漁協に対しましては漁業近代化資金の制度が二年前に発足いたしまして、融資のワクも相当ふえておりまして、四十六年度では五十億をこえるくらいのワクを用意いたしておるのであります。それからたまたま漁協でない卸売り人もあるわけでございますけれども、これは卸売市場近代化資金による融資の道が開かれているわけでございます。それで産地市場の機能の充実をはかるために、いままでも産地冷蔵庫その他の補助をやっておりましたけれども、二年ほど前からおもな水揚げ地、これは私ども大体水揚げ量年間三万トンくらいというふうに考えておりますけれども、その数は現在の推算によりますと二十五ないし三十くらいの水産物の水揚げ地になるわけでございますが、そこでいままでのように卸売市場、仲買い人市場、あるいは冷蔵庫、加工施設等々、継ぎはぎだらけでいままで施設をだんだん拡充してきたのが現実でございますから、それをもう一度振り返って全体のいわば物的流通の経費を少なくするということをねらいとして、いま申し上げたような流通、加工、輸送施設を一つのいわばマスタープランに基づいて建設する。それに対して国として相当な補助をするということで四十六年度から予算化をやりまして、長崎を含めて五つの水産物の市場に対してことしから事業にかかるわけでございます。これは今後も年々五つくらいのものの調査をし、この調査は二年かかるわけでございますが、調査のあとに事業に移していく。これは水産物市場の合理化といいますか、近代化にとっては相当大きなてこになるというふうに考えております。
#31
○達田龍彦君 これ以上の回答が出ないようでありますが、いずれにしてもこの流通機構全体の近代化、合理化ということはかなりの助成、あるいは財政援助、融資ということを裏づけにしないとなかなか進まないわけでありますから、そういう点についてはひとつ今後さらに経済局を中心にして努力をいただきたいと思うのであります。
 それから次に、今回の法律で中央卸売市場以外の地方市場の問題が整備の対象になってまいるわけでありますけれども、私はこれは非常に意義のあることであると思いますけれども、またむずかしいことだと思っておるのであります。地方の状況を見てまいりますと、卸売り業者の合併促進がなかなかできないとか、あるいは場所が少ないためにその機能を発揮することができないとか、いろいろ問題があるようでありまして、いままではそういう問題については単なるお役所の行政指導ということで進められておったわけでありますけれども、今回はかなり農林大臣、あるいは地方の自治体の長が助言、あるいは勧告ができるような仕組みになっておるようでありますけれども、一体それだけでうまくいくかどうかということになりますと、私どもそれだけでうまくいくとは実は思わないのでありまして、やるならば、かなり国が財政的にも助成、あるいは融資をしながら、これだけ見てやるからこういうふうに進めていくべきだということをやはり踏まえてやらないと、私はなかなか進まない問題だと思うのであります。
 そこで私がお尋ねをしておきたいのは、私設の市場と、いわゆる地方公共団体が開設しているたとえば長崎市の場合は長崎市の開設市場と、個人が開設している市場というものが一つの市の中にたくさんあるわけです。しかもこの基準からいきますと、中央卸売市場法上の市場をつくっても差しつかえない都市でありながら開設をしないという状況があるわけでありますけれども、そういう場合に、一体今度の法律でもってどういうふうに地方市場と中央卸売市場を法律のたてまえ上進めていくのか、その点が私もまだはっきりのみ込めないのでありますけれども、そういう点についてどういうふうに進めていくのか、お尋ねをしておきたいと思うのです。
#32
○政府委員(小暮光美君) 市場の建設は、御承知のように用地の取得もたいへんな仕事でございます。しかしそういう用地の取得、建物の建設という経済的な事業の困難さのほかに、既存の商業機能と申しますか、こういうものを無視してやるわけにまいりませんから、これは話し合いによってどのように結集していくか、これが物理的、経済的な問題以上に非常にたいへんな問題でございまして、したがいましてこれらの点について新しい法律では国が整備の基本方針を定め、さらに全国的視野に立った整備計画を立てますのに照応して、都道府県知事が都道府県にかかわる整備計画を立てる、これが一つの指導の基本的なレールを敷くわけでございます。この点が従来のそれぞれ各地で有志の方が思い思いに集まって御議論なさった形よりは一つの大きな前進ではないか。
 それから第二点といたしましては、こうした整備計画に掲げられました事業がなかなか軌道に乗らないという場合には、これは勧告という形も法律上考えております。しかしそれ以上にこれを何か処分命令的なことをやることは……。いま申しましたように既存の流通機能をできるだけ尊重しながら、これを近代的、合理的なものに固めていくということが流通行政の基本であろうと考えます。その辺はやはり根気よく指導し、勧告するということではないかと思います。ただすでに民営のものがございますところに、どうしても別に二重に施設をつくらなければならないかどうかということもまた問題でございます。考え方として、場合によれば既存の施設を買い取って、そこに新しい形での流通機能を整備する、物的施設は既存のものを活用する、流通機能を近代的なものにするといった道も考えられるのではないかということで、そういう施設の買い取り費もたとえば助成の対象になるといったようなことも考慮いたしておるわけでございます。
#33
○達田龍彦君 その買い取りの場合も助成の対象になるというのは今度やるわけですか、どうですか、そこは。
#34
○政府委員(小暮光美君) 今回の法律で特に取得ということばを入れたわけでございます。
#35
○達田龍彦君 それで私のほうの長崎では人口四十五万ですけれども、いまだに中央市場が開設をされないで、私設の市場にたよっておるという状況ですね。もう数年前からこの機能強化のために移転の問題が出ておりますけれども、市と業者の間の話し合いがつかないものですから今日まで延び延びになっておりまして、また市のほうでは市場の適地を業者のほうに提示をいたしておりますけれども、業者は五者ございますけれども、五者の意見がまとまらないために、いまだに移転開設ができないという状況にあるのであります。農林省にも市や県や、あるいは私のほうからも再々お願い申し上げていますし、過般のまた私ども委員が向こうに参りましたときにも陳情がございました。その実情を私どもも見てまいりましたけれども、そういう実情にあるのであります。
 したがって私は、この昨日の論議の中でも、この卸売り業者の単数制か複数制かという問題があるわけでありますけれども、長崎の場合は現実に五者の業者がいて、それでお互いに併存をしておるという状況にございまして、そのほうの将来新しい市場をつくる場合の会社の合併統合という問題がなかなか話し合いが進まないという実情にあるわけでありまして、そういう場合私は思うのでありますけれども、もう少し農林省がかなり法律の背景、法律的に中に入ってそういう問題の調整、あるいはそういう問題の話し合いの促進ということが一体できないだろうかという気がしてならないのであります。将来はややもすると開設者と業者の話し合いにゆだねておりまして、市場行政を取り扱う担当官庁でありますところの農林省がそれにほとんどタッチできないという状況にあったわけでありますけれども、今回この地方市場が法律の対象として整備計画が進められ、それに基づいてかなり農林省がその指導的役割りを果たすことができるのではないかという気がいたすのでありますけれども、従来の場合と今回の場合、たとえば長崎の例にたとえた場合に、どういう形で行政上の取り扱いが変わってくるのか、説明をいただきたいと思うのです。
#36
○政府委員(小暮光美君) 先ほども申し上げましたように、新法のもとで、またあらためて整備計画が確立いたしますと、これは都道府県知事が定めた、都道府県知事がこの法律に基づいて、しかも国の示した基準に従ってみずからつくった整備計画となるわけであります。したがいまして、地元の具体的な希望をできるだけ事前に十分整理いたしまして、その間違いのない地元の意向を反映した形で県の整備計画の中にまず盛り込むということが第一段階ではないか。このためには、私どもといたしましてはできる限りの助言をいたしたいというふうに考えておりますし、これまでもそのようにやってまいったつもりでございます。ただ先ほど来申しておりますように、既存の商業機能をどのように結集するかという問題は、やはり指導をいたしますにしても、どこまでも地元の意欲と申しますか、地元の考え方が基本にならざるを得ないのじゃないか。その意味で、かなり根気よく、時間をかけて指導してまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
#37
○達田龍彦君 ですから、その法律のたてまえ上、いままでの長崎の状況を見てまいりましても、今度法律ができた場合と、それ以前の場合に、ただ整備計画に入れるだけだという説明で、それ以上何か市場開設を進めるための法律に基づく違ったたてまえというのが出てこないのかどうかということを、ひとつお尋ねしておきます。たとえば、聞くところによると、市場開設者が開設をしたけれども業者が入らない市場も、全国に何カ所かあるということを聞いておる。それもやっぱり法律がなかったからだということで考えられておるとすれば、今回法律ができたとするならば、そういう場合に、農林省が指導して業者をそこに入れるというような方法がとられるのかどうか。そういう点どうなるのですかね。
#38
○政府委員(小暮光美君) 市場を整備するにあたって、あらかじめ都道府県知事が農林省と相談の上、整備計画をつくるわけでございます。しかも中央卸売市場の場合には、国が定める整備計画の中に入っておる関係の都道府県の知事の意見を徴して、国の責任でつくる、こういうことでございますから、地方市場の場合でも、中央市場の場合でも、国と都道府県知事がお互いに中心になって、片一方と相談しながら整備の基本的方向を示すわけでございます。これに基づいて指導し、必要に応じ勧告し、さらに助成をする、こういうことでございますから、市場の整備にあたっての行政指導のあり方としてはきわめて姿勢が明らかになるというふうに考えておるわけでございます。
#39
○達田龍彦君 地方の場合どうですか。
#40
○政府委員(小暮光美君) 地方卸売市場の場合には、国が定めました整備の方針に即して都道府県知事が整備計画を立てるわけでございます。したがいまして、都道府県知事と私どもが緊密な連絡をとりながら、具体的な業者収容等について指導してまいるという形になるわけでございます。
#41
○達田龍彦君 そうすると、従来と違ったのは、ただ計画の中に入れるか入れないかということだけですか。それともいま、先ほど私が長崎の例だとか、それから全国の中で、市場はできたけれども、施設はできたけれども業者が入らないというようなケースの場合は、今回の法律ではどういう取り扱いをするのですか。
#42
○政府委員(小暮光美君) そういうことを起こさないために、あらかじめ十分の協議をいたしまして、整備計画に基づいて整備を行なうということにいたしたいと考えておるわけでございます。
#43
○達田龍彦君 その場合、勧告はどうなるのですか。勧告はできるのかできないのか。できるとすれば、その勧告はどういう内容まで、勧告ができて、それは法的にどういう勧告の裏づけがあるのか、御説明いただきたいと思います。
#44
○政府委員(小暮光美君) 法律が予定いたしております勧告は、開設を促進するための勧告でございます。業者が中に入らないという事態を農林大臣の勧告でいえるという法体系までは考えておりません。
#45
○達田龍彦君 たとえば長崎の場合でも、業者が五業者おりまして、それで市のほうでは、ある一定の場所を提供するということで業者に提示したところが、業者の中では、二つの会社が市の提示した場所に移ってもよろしい、ところが三つの会社は、それでは困る、別のところを候補地に選んで、それなら行く、こういう状況で、もう一年半、二年近くそのままの状態で進まないといろ状況にあるわけですね。農林省に話してみても、それはひとつ開設者の首長と業者と、あなたでも入って話をしてくれという状況で、なかなか話が進まぬという状況にあるわけですね。私は、そういうものが今回の市場法の改正によって、かなり農林省が勧告をしたり、あるいはいろいろな融資補助の制度を裏付けに持ちながら、進めていくことができる法律になったものだと期待をしておりましたけれども、いまの説明では、整備計画に入れるだけだという話でありますが、整備計画は当然開設者の首長がそういうことを考えて県に出して、手続としてはそういう方向で進むわけでありますから、それでもなおかつ話し合いがつかない、こういう状況になっておるわけですね。また、先ほど私が指摘したように、開設者は開設をしてみたけれども――これも業者と相談なしに市場の施設をつくることは、私はないと思うのですが――それで、つくってみたところが業者が入らないということになったときに、一体これはどうなるのだということになれば、従来は、市場整備の問題として法律の裏付けがなかったからだということが一応説明としてなされておると思うのでありますけれども、今度法律ができても、なおかつそれができないということになると、これは私はちっとも整備にはならないし、合理化にもならないし、近代化にもならないわけですよ。
 そういう面が一体どういうふうに取り扱われていくのか、非常に重要だと思うのです。長崎の例でも、強引に開設者の市がそこに施設をつくってやるならば、業者が別に敷地を求めてそこに金を出し合って、そうして市場施設をつくると、こう言っておるわけです。そうなりますと、集中拡大という方向とは逆行して、小さなものが分散して各地域にできていくという結果になるのです。そういう傾向もまたあるわけでありまして、そういう点をどう、整備対策も必要でありますけれども、農林省として進めていくかということが非常に私は重要な問題だと思うのです。機能の充実も必要でありますけれども、小さなものの統廃合ということも一つ私は重要な問題だと思いますし、それから完全な機能を果たすためには、やはりこのくらいの面積がいって、これだけの施設があって、業者はどうなければならぬということが、完全に農林省の市場行政の一環として把握し、進められるような体系でない限り、これは法律があってみてもその用をなさないという結果になるわけでありますから、非常に私は重要なことだと思うのですが、その点、もう少しきちんとした御回答がいただきたいわけでありますが、どうですか。
#46
○北村暢君 関連して。いま経済局長の答弁で、勧告は開設の促進等の勧告で、中に入る者までのことはやらないという、考えてないということですけれども、この第十二条の「開設の促進等の勧告」というところで、その後のほうですが、「中央卸売市場の開設を促進し、一体として中央卸売市場を開設し、又は開設される中央卸売市場の位置、規模等について調整を図るべき旨の勧告をすることができる。」と、こうなっていますね。そうすると、いま達田さんの言われる長崎の場合に、業者間でもってその位置がどうも折り合いがつかないということで、話し合いがつかないという一つの要素がある。そういう場合に、開設される中央市場の位置及び規模等について調整をはかるべき旨の勧告をすることができるわけですから、これは農林大臣が卸売市場審議会の意見を聞いて、開設者と予定されるものに勧告することができる、こういうたてまえになっているようですね。そうすると、わりあいこの内容的な面にわたってまで勧告――だれが入るかというのはまあ気に入らないで入らないものが出てくるかもしれないけれども、一応整備計画に基づいた内容的な面についてある程度立ち入って勧告することができる、こういうふうにこの法律の条文からいくというと受け取れるんですがね。地方自治体のほうにまかしておいて、まかしておいたらいつまでたってもできない。しかし整備計画には載っている、そういう面で十二条というもので農林大臣に勧告権限というものを与えているわけですね、これ。ですから、そういう面からいくというと、私はいまの局長の言われる答弁は非常にちょっと不十分じゃないか。もう少し立ち入って勧告する権限というものがあるのじゃないか、こう思うのですがね。いまの達田さんの質問に関連してお伺いしますが、その点を明らかにしてください。
#47
○政府委員(小暮光美君) 開設の促進等の勧告という規定の考え方は、先ほど申し上げましたように、中央卸売市場の場合には、国が中央卸売市場審議会の意見ももちろん聞きますけれども、関係の都道府県の意見も十分徴しての上でつくるわけですから、これについては国もその計画のようにこれを促進することについて指導の責任があることは明らかなわけでございます。したがいまして、地方自治体に対して、第十二条に基づいて開設の促進のための勧告をいたすというようなたてまえになっておるわけでございまして、ただいま御指摘の中央卸売市場の位置、規模等について調整をはかるべきむねの勧告というのもそういった趣旨から、たとえば隣接いたします市町村がそれぞれ中央卸売市場を持ちたいという、あるいは一つの市の中にまた二つつくりたいというような問題もございましょうし、あるいはまた用地の問題もございましょうけれども、どの場所がいいかといったような具体的な問題についてまで第十二条に基づいて勧告ということでなくて、当初の整備計画をすみやかに実現するために、そういった問題についての調整をはかるべきであるということの勧告をいたそうということでございます。
 なお、中央卸売市場につきましては、何度も申し上げておりますように、計画自身、農林大臣がこれを定めて推進するものでございまして、地方卸売市場と変わりまして当然この事業の推進については農林省が積極的に指導するというたてまえでございます。御指摘のような問題につきましても、私どもといたしましては適宜に必要な指導をいたしたいというふうに考えております。
#48
○達田龍彦君 だからね、いま、これはくどいようですけれどもね、十分理誠してもらうために私は言っているし、またこういうケースは今後も私は出てくると思うのですよ。いま長崎市の場合は四十五万都市ですからね、中央卸売市場の資格を持つ都市なんですね。にもかかわらず今日まで長崎市が開設しているのは中央卸売市場以外の市場ということになっているわけですよ。今回中央卸売市場を開設する前提としてその市場の場所を市が買って、そうしてそれを業者に提供しているわけです。そうなってまいりますと、これはね、一応整備計画の中には、農林省のおきめになる整備計画の中にその場合は入ってくると思うのですよ。入ってまいりますということになると、これは従来までそうですが、いまのところ、いま言ったように、場所の問題で、長崎市の問題だから、市と開設者と業者と話し合ってくださいという程度で、具体的にはなかなか指導ができないという状況にあるのですよ。
 今回この法律ができた場合に、同じケースの場合にそれがどういうふうに違ってくるのか、これが一つ私は問題だろうと思うのです。従来のままですと、進みませんよ。ですから、今回この法律でもってそういうケースの場合はどういうふうに具体的に進められるのか。従来だって、私は勧告権はあったと思うのです。勧告権はあったけれども、それは地方卸売市場だからということで勧告をしなかったと思うのですけれども、しかしそれは前提として中央卸売市場にしたいという前提でもって、いまその業者との話し合いをしておるわけです。しかもやっぱり市が開設者ということになりますと、市長の選挙ということ等もあって、政治的な背景も出てまいるのであります。そういうことから非常に複雑になっておりまして、市長選挙が終わらなければあの問題が解決しないというような話すら出ておるわけであって、そこの市場の業者だとか関係者が政治的な背景との結びつきでなかなか進まないということになりますと、これは私は市民にとっても県民にとってもたいへん迷惑な話だと思うのです。でありますから、そういう点がそういう政治性に、政治問題に左右されることなく、純経済性の立場、純公共的な立場でものが進められるような必要が法律的にはたてまえとして必要ではないかと私は思うのでありまして、そういう点を一体農林省は、当然必要なことですから、法律に基づいて具体的にどうしていくということがなされないと、いままでのとおりだと、いずれにしたって業者間の話し合いができませんという形で推移するだけで、迷惑をこうむるのは市民であり県民でありますから、そういう点が私は一番必要なことではないかと思うのでありまして、その点についての、今回の法律ができてどういうふうに変わります、どういうふうに具体的に進めますということがどうしても私は必要だと思うのです。どうですかね。
#49
○政府委員(小暮光美君) きわめて具体的な場所にかかわる問題でありますから、具体的に申し上げますが、長崎の場合は、いま整備計画に盛り込むための準備段階で苦心をなさっておるわけなんです。ですから先ほど来御指摘ございました新法のもとで第十二条を使って、農林大臣がどこまで法律の根拠に基づいて勧告できるかということになりますと、それは先ほど申しましたように、農林大臣がみずから中央卸売市場整備計画を立てるわけですから、その中に盛り込んで、この計画の実行を関係の地方公共団体に強く勧告しながら、片や助成の手段を持ちながらこれも実現していく。しかしこれに盛り込む段階で当然農林大臣が積極的に指導すべきであるということを先ほども申し上げたわけでございます。その意味での指導は私どももやるつもりでございます。
 また過去においてもほかの、具体的な名前を申し上げませんが、最後までもめておった市につきまして、最終的に農林省が責任をもって御指導申し上げて決着をつけた例がございます。ただこれを具体的に用地の選択等の問題として処理いたしますのに、できるだけ地元の関係の方々の意向を十分承知いたしたいということに時間をかけておるわけでございます。指導につきましては先ほど申しましたように適切な時期に責任をもって私どもの役目を果たしたいというふうに考えております。
#50
○達田龍彦君 時間がございませんから、ひとつ、経済局長のおことばでございますから、それを期待しながら問題の解決が早くできるようにひとつ要望いたしておきたいと思います。
 それからもう一点最後にお尋ねをしておきたいのは、この市場の開設並びに増設をする場合に、都市計画法とそれから食品衛生法ですか、それの規定によってなかなか許可が得られない、あるいは地方の場合に、地方の何か審議会にかけまして、そこで認められなければ増設、開設ができないという、坪数の問題その他があるようです。しかもこれは食品衛生法のたてまえだろうと思うのですが、し尿処理場だとかあるいはじんかい処理場あるいは火葬場と同じような取り扱いに、許可その他が審議会にかけられてなるような仕組みになっております。これは大正の年間の法律制定以来、ずっとそういうふうになっておるということでありまして、市場を今日の状況で火葬場並みの取り扱いにするというのはけしからぬという要望が私の耳に入っておるわけでありますが、こういう点について改善するお気持ちはないのですか、どうですか。
#51
○政府委員(小暮光美君) 卸売市場の開設のための整備計画の策定の段階で都市計画法あるいは流通業務市街地の整備法等関連の法制との調整を十分にいたしまして、基本的な方針を明示して、無用な摩擦が起こらないように措置いたしたいというように考えております。
#52
○達田龍彦君 それから最後に一つ要望しておきますが、各県で条例をつくるわけですね。この条例について農林省で一つ基準になるというのですか、模範になる条例をおつくりになると思うのですが、この模範条例はもうおつくりになるとするならばこの際私は提示をしてもらいたいと思いますが、その模範条例をつくる場合の手順はどういう手順でおきめになるのか、それからきまったものはどういう形でお示しになるのか、そしてそれはどういうふうに都道府県に効力を持つのか、内容がきまっておれば資料としてお出しをいただきたいと思うのですが、どうですか。
#53
○政府委員(小暮光美君) 地方市場につきましては、取り扱います物品、蔬菜の場合、鮮魚の場合あるいはまた地域によりましてはかなり実情の差もございます。したがいまして根拠の法律といたしましてはかなり幅の広い規定にいたしておりますので、当然この法律に基づいて各県が条例の制定を検討する場合、国が基準となるべき案を示すべきだというように考えておりまして、目下その検討を急いでおりますが、しかしこの法律が御承認いただきますれば、まず関係の都道府県と十分協議いたしまして、地方自治体の意見を十分徴してからこれを決定いたしたいというように考えます。
#54
○達田龍彦君 それでその場合に、その条例をおきめになる場合、今度は地方でもっておきめになる場合に、地方の関係団体ですね、業者だとか開設者だとかいろいろその市場に関係する方がいらっしゃいますが、その人たちの意見を反映する場はあるのですか、その条例をきめるにあたって。どうお考えになっておるのですか。
#55
○政府委員(小暮光美君) 当然その事前のいろいろな御相談もございましょうが、法律の考え方といたしましては、都道府県知事が条例を制定いたします際、今度この法律で都道府県にそれぞれ審議会を設けることができるという規定にいたしております。この市場法に根拠を持った審議会というものを都道府県知事がお持ちになって、そこで十分各方面の意見を反映させるという正式の手続きがあるというように考えております。
#56
○達田龍彦君 では、これで終わりますが、いわゆる模範条例というのは資料として提出できますか。できるとすれば、いつごろになりますか。
#57
○政府委員(小暮光美君) 現在まだ資料として提出する段階になっておりませんが、御承認いただきましたらできるだけ早い機会にこれを準備いたしたいと考えております。
#58
○北村暢君 きのう若干質問残しましたので、達田さんに関連すると言うと失礼ですが、関連ではなしに、別の質問になるのですけれども、二、三質問したいと思うので許していただきたいと思います。あまり時間かけてやりません。
 一つは、転送の問題なんですけれども、この卸売りの相手の制限について、原則として卸売り人は、卸売り業者は仲卸業者並びに売買参加者以外には販売してはいけない、こういう規定になって、例外として転送を認めている。その例外の転送の省令等を見ますというと、「当該市場における入荷量が著しく多く残品を生ずるおそれがある場合その他の農林省令で定める特別の事情がある場合」、こういうことで、例外でありますから特別の事情なんでありましょうけれども、その省令案を予定案を見ますというと、これまた法文で書いてあるものの繰り返しのようになっております。ただ若干違うのは、「同一の開設区域内の他の中央卸売市場の入荷量を調整するため当該他の中央卸売市場の卸売業者に販売すること等を規定する」ことと、こういうことになっておるのですね。
 最近の転送の実情を見ますと、これは入荷量が多くて残品が起こるときに、予想されるときに転送を認める、こういう考え方のようでありますけれども、特に大都市における市場では集散地市場的な性格が出てきて、卸売り業者の信用度、あるいは取引条件――取引条件といいますか、いわゆる信用のある市場で、しかも価格の面においても、まあ例を引いて言えば東京の神田の市場、これが全国の価格形成の代表的な性格の、代表的な価格になる。神田へ行けば、まあ平たく言えば高く売れるというようなことで荷が集まってくるわけです。そういう場合、これは経済の原則ですから、出荷者も信用のあるところへ、しかも少しでも値の高く売れるような市場に持っていきたいというのは、これは人情だ。そういう形で荷が集まってきて一般の市場にだぶついて残品を生ずるというようなことでなくて、恒常的にこの転送というものが行なわれているわけですね。多いとき、少ないときにかかわらず行なわれている。したがってこれは非常に特殊な場合にだけ認めようとするようでありますけれども、これではやはりこの規定をつくっても、規定に違反をして恒常的に転送をやるものが出てくるのじゃないか、このように思われるのです。そういう点からしてこの転送の問題について一体どのような考え方を持っておられるか。
 特にこの転送というのは、物が足りなくて値が非常に高騰しているというときに、往々にして転送というのが起こるのです。ということは、物の余ったときによそへ持っていっても転送するだけ損になる。だんだん値段が高くなるというと、どこへいってもこれは採算が合うということになるのですね。したがって逆に余ったときにだけ転送を認めるような規定になっておりますけれども、逆に値が上がったときに転送が起こるというこれは危険性がある。そういう場合のこの転送の運用というものは非常に監督がむずかしい。そういう面で恒常的に転送が行なわれている。価格が暴騰したときにおける転送、ますますこれは価格暴騰に拍車をかける結果になる。そういう面についての転送の運用の方針を、ひとつこれを明らかにしてほしい。まずこれをお伺いします。
#59
○政府委員(小暮光美君) 御指摘のような場合に、実際経済的な意味での転送の必要性が起こってくるということは、私どももこれまでの御審議を通じても申し上げたわけでございます。基本的には地方の市場の整備を実現することによって、そういう形での転送というものが逐次必要を減ずるように市場の施設を整備したいと思いますけれども、これらの整備の過程におきましては、ある程度そのような事態が起こることを防ぎとめることはできないと思っております。ただ、三十七条の規定にもございますように、その当該市場に参っております仲卸業者あるいは売買参加者というものの買い受けを不当に制限することがあってはならないというたてまえでございます。これを具体的に指導するに当たりましては、市場の実情に即して定めることになると思いますけれども、最終的にはやはり品目ごとに転送を認める数量の限度といったようなものをある程度業務方法書で定めて、非常に微細な点で議論をすれば転送したいとか、あるいはさせたくないといったような議論もあると思いますけれども、そこは開設者が十分判断いたしまして、転送要領といったようなものの中で、数量のたがをはめるというのが現実的な指導の形になろうかと思います。
#60
○北村暢君 もう一点だけ、第四十五条の売買取引の制限なんですが、ここでは「不正な行為が行なわれ、又は不当な価格が形成されていると認めるときは、業務規程で定めるところにより、卸売業者、仲卸業者又は売買参加者に対し、当該中央卸売市場における売買取引の制限をすることができる。」、こういうふうになっているのですが、これはどういう場合なのか。ただ抽象的に「不当な価格が形成されていると認めるとき」というのは、野菜は往々にして暴騰するあるいは暴落するということが起こり得るわけですが、この範囲を一体どの程度に考えておられるのか。また、そういう制限をすることができることになっているが、開設者は、あまり野菜が高いといって新聞でたたかれるようなときには、不当な価格が形成されているというようなことで、何らかの売買取引の制限ということが開設者でできるのかできないのか、これらの制限というのはどんなふうに考えておるか、お伺いしておきたいと思います。
#61
○政府委員(小暮光美君) 法四十五条が想定いたしておりますのは、この案文にもございますように不正な行為あるいは不当な価格を形成されておるということでございまして、かりに入荷量が過大であるために価格が暴落する、あるいは入荷量が過小であるために価格が暴騰する、たいへん残念なことでございますけれども、これは需給の姿を反映してやむを得ず価格が動くわけでございます。これを別途出荷調整その他の総合的な施策で対処することは別といたしまして、不正な行為あるいは不当な価格という範疇には入らないというふうに考えております。
#62
○北村暢君 不当な価格――不正な価格のことはまずわかりましたが、不正な行為というのは、仕切り改ざんをやったりするのは不正な行為でしょう。ところがこの不当な価格の形成というのですが、不当な価格の形成というのは、上がったり下がったりするのは、これは不当ではなくして、上下するのは出荷の経済のせりの原則でやむを得ない。これはそうなんですが、だから不当な価格が形成されるというのはどういう場合なのか、そういう場合がどういうことを予想されるのか、その内容をちょっと聞いておきたい、こういうことなんですよ。
#63
○政府委員(小暮光美君) せりの原則を守っておりますれば不当な価格が形成されることはないはずでございますけれども、市場においていわば不正な行為の結果として不当な価格が形成されるというような場合があり得るわけでございます。
#64
○片山武夫君 まず農林大臣に二点ばかり御質問したいと思います。特にこの卸売市場の問題について私はしろうとですから、質問の内容にわかりにくい点がもしあったとしたならばさらにお聞き返しを願いたいと思います。
 そこで、まず第一にお伺いしたいことは、昨年からことしにかけて非常に物価の上昇がひどい、こういう状態の中で特に野菜の値上がりが著しい状態にあるわけです。これは政府として現在の政策の中では最大の課題であると、私はかように認識しておりますし、おそらく政府もそのような認識の上に立っておられるのだろうと思うのです。で問題は、生産者価格と消費者価格の価格差の大き過ぎるといったような問題もあろうかと思います。そういったような問題解決のために、その最大の原因としていわゆる現在の流通機構、これに問題があるのだということは、もうこれは一つの常識的な課題になっていると思うのであります。現在の流通機構、これに思い切ったメスを入れなければ、これはなかなか物価も安くならないし、安定もしないということが言われているわけであります。こういったような諸条件の一つの背景として、いまこの卸売市場の法案の審議に当たっているわけでありますけれども、この内容に盛られているこの法案のいわゆる改正内容というものが、何かこれらの期待を十分に満たし得ると、こういったような実は期待をかけておったわけですけれども、その期待にこたえていないような感じもするわけであります。したがって、この法案審議に当たってそういったようなズレを感じながら実は私はこの審議に入っているわけであります。その中でこの卸売市場の任務といいますか、これはやはり生産者から消費者に至る中間経費、こういうものを最小限度にとどめて、そうして安い安定した物資を消費者に届ける、こういったようなことが大きな任務ではないかと、こういうふうに考えるわけでありますけれども、この法案の改正の中に具体的に、こうすることによってこれだけ安定した安いものが届けられるのだということがどの条項に盛られているかということが一つであります。こういったような情勢の背景は別として、先ほど言いましたように、政府としてこの物価対策にはやはり特別な方途を講じなければならぬかと思います。この卸売法案とは別に、これらに対する物価対策あるいは特に野菜の値上がりを防止するような具体的な考えをお持ちになっているかどうか、この二点をあわせてお尋ねしたいと思います。
#65
○国務大臣(倉石忠雄君) お話のございました物価の関係で野菜のお話がありましたが、これは去年の暮れの特殊な事情によって各野菜の品物によっては非常に高騰いたしたことはありますが、ただいまのところは御存じのようにきわめて落ちついて安定しております。いろいろ考えてみますというと、特殊な事情で一時的に高値を呼んだものはあるかもしれませんが、総じてわれわれ日本人は野菜というものを非常に愛好する国民でありますので、したがって、需要と供給のバランスのとれるような生産が行なわれるようにひとつしたい、こういうことで四十六年度予算でも指定産地をかなりふやしまして、全国で六百四十カ所ほどになってきております。それから指定野菜の品目もだんだんふえてきております。私はやっぱりそういうふうなことで生産が需要にむしろ若干上回る程度の計画を持つことがいいんではないか。しかし、御存じのように、品物によりましては保存性がきわめて乏しいのでありますから、そういうことを考慮しながら、しかもことしたとえば野菜が非常に値下がりした、ある品物がうんと値下がりをしたというようなことになると、そういう野菜は来年は農村の人がつくりませんからして、暴騰してくるわけであります。したがって、そういうようなことの調整をしていくことがわれわれにとって大事なことでありますが、いまお話のございました中間、つまり流通機構がうまくないから価格が高いではないかというお話につきましては、私はにわかに賛成することができません。なるほどかなり古い、四十年前ころつくりました中央卸売市場法をこのたび思い切っていろいろに改善いたしますその考え方は、この取引というものについて合理的に、しかも中間ロスをなるべく省きながら合理的な市場取引が行なわれるようにということで、思い切って今度の提案をいたしておるわけでありますから、中間におけるいままでのできるだけの不経済は省くことをしなければならぬことは当然でありますが、やはりこれは日本ばかりじゃございませんで、世界各国どこでも人々の長い経験の結験の結果、やはり大量の物が、しかも一カ所で同一品目が大量に生産される、消費者のほうではきわめて少量でしかもたくさんの品種のものをほしがるという、そういうものにマッチするようなところはどこでやるかといえば、やっぱり市場でございます。先ほど来いろいろ直結取引のお話もありましたけれども、そういうものは品ぞろえであるとか価格の決定であるとか代金の支払いであるとかいうことについて、なかなかうまくいっておりません。したがって、市場というものがやはり人類の長い経験で、自然発生的に出てきておるものであります。そういうひとつ機能をうまく発揮させるということが行政の任務じゃないかと思うのでございます。
 そこで私は、政府といたしましては、いま申し上げましたように、生鮮食料品でいえば、需要に見合っただけの供給ができるように比較的計画的生産、しかもそれには財政援助等いたしましてやっていることは御存じのとおりでありますが、それがまた消費者にスムーズに行きわたるようなことを考えるために、市場法の改正をお願いいたしておるわけでありますが、もう一つは、私は、消費者も研究されることが必要ではないかと思うのです。一本二百五十円の大根といってたいへん騒がれましたけれども、これは最近御存じのように、たとえばテレビジョンについて不買同盟みたいなものが行なわれて結局消費者の主張が勝ちました。私はやはり非常に商いという野菜ならば、それに対して消費者がある程度の考え方をお持ちになれば、つまり御存じのように大根なんというものはその九五%が水分だそうでありますから、長く保存しておくことが不可能であります。私はそういうことを考えてみますというと、一億の日本人としての毎日召し上がるそういうものについて、やはり消費者のサイドの御研究というものがありましたならば、物価の安定にはかなり影響するのではないかと思うのであります。
 いまの生産それから流通、消費、そういう面で、われわれとしてはまた考えてみたいと思うことがたくさんありますが、いずれにしてもこのたび御審議願っております市場法が成立いたしましたならば、私は従来に比べて消費者に比較的なめらかに流通すること、それから、中間のロスができるだけ省けていくということについては、非常な効果があるのではないか。このように見ておるわけであります。
#66
○片山武夫君 第一点の、市場の任務といいますか、生産者から消費者に至る中間経費、これを合理化し、最低限度にとどめるということで安定した安い物資を消費者に供給すること、こういったような考え方あるいはそれに対する対策といいますか、これが一体この市場法案の中にあるかどうかということをまず第一にお聞きしたわけでありますけれども、それにはちょっとお答えがなかったようであります。この点いかがでしょうか。
#67
○政府委員(小暮光美君) 市場の設備を整備して充実するという市場の整備の角度が一つ。それから、整備されます市場の中での売買取引のあり方と申しますか、あるいは卸売り業者と関係業者のあり方、この二つに帰着すると思いますけれども、市場の施設の整備の面ではしばしば申し上げておりますような形で、全国的な視野に立って、中央、地方を通じての市場の施設整備をはかるということを明らかにいたしておる点でございます。
 それから、売買取引のあり方の問題といたしましては、生鮮食料品であるということから、多年にわたって一つの取引の形態が確立いたしておるわけでありますけれども、生鮮食料品の中にも次第に規格化されてきたものあるいは大量供給可能なものが出てきてまいっております。それぞれの実態に即してそれぞれ第三節で売買取引のあり方についてできるだけ市場内の各段階の業者の協調のもとに、市場の集荷機能、分荷機能を、より効率的にするための関係諸規定が整備されておるわけでございます。
#68
○片山武夫君 具体的にこの問題についてお尋ねをしていきたいと思います。この卸売市場のいわゆる成果といいますか、これをどのようにお考えになっておるかという点でございます。これは卸売市場は公共施設として施設されているべきものだと、かように考えておるわけでありますが、その卸売市場の中でいわゆる商取引が行なわれている、こういったような関係にいまなっていると思いますが、これは考え方によっては、この公共施設で卸売り業者あるいは仲買い業者それぞれ商人が入っておるわけなんですが、これは全く自由なせりとか、あるいはその他の方法で取引が行なわれているわけでありますけれども、この公共施設の中でそういったような自由な取引を行なわせるということがいいのかどうか、こういったような問題があろうかと思います。もっと申し上げますと、卸売り業者に公共性を持たせるかどうか、公共性があるのかどうか、こういったようなことであります。また仲卸業者もやはり公共的な立場でこの取引をする、こういうたてまえを立てながら推進していこうとするのか、あるいは従来のまま自由な商取引の中で、この中でせりを行なっていくという方法を奨励するのか、いずれの方法をとろうとしてお考えになっておりますか、この点ちょっと御説明を願いたいと思います。
#69
○政府委員(小暮光美君) 中央卸売市場の中で行なわれます取引につきましては、この法律の第三節「売買取引」というところでたくさんの条文でさまざまな規定がございますように、市場内での取引は法律に基づいて一つの規制が行なわれておるわけでございます。せりというのはいわゆる生鮮食料品について価格を形成するためのきわめて具体的な方法として三十四条の中でせり売りまたは入札を原則とするというふうに掲げてあるわけでございまして、市場内における取引はそれぞれこの法律に基づいた規制のもとに行なわれておるというふうに御理解いただきたいと思います。
#70
○片山武夫君 将来のこの卸売市場の指導といいますか、そういったような面についてどのような立場で指導していくかという点について、実はお伺いしたわけなんでありますが、それはそれとして、先ほどいわゆる一時的にもせよ、この生鮮食料品の値上がりを来たす原因の中に、いろいろ物資の過不足あるいはまた思惑、そういうものが入る余地が現在の市場の中に非常に多いのではないかと、こういうふうに考えておるわけでありますけれども、それに対する何か歯どめというようなものがお持ち合わせになっておるかどうか、この点ちょっとお聞きしておきたいと思います。
#71
○政府委員(小暮光美君) 第三節の「売買取引」で、たとえば「せり売又は入札の原則」を掲げまして、この原則によらない場合をまたこまかく規定いたしておりますが、そうした特定の場合につきましても、それぞれ農林省令で基準を定め、あるいはこれに即して市場の業務規程等で定めるという形で売買取引のあり方について国並びに開設者が指導するというたてまえにいたしております。そのほかに、たとえば相対売りをいたしましたような場合、三十四条の例外として相対を認めておるわけでございますが、そうした場合でも、卸売り業者は農林省令の定めるところにより毎日その卸売りの数量及び価格を公表しなければならないというような規定を設けるなど、市場内で行なわれました取引の内容について開設者に対してこれを明らかにすることを法律上義務づけるなどの措置をいたしております。
#72
○片山武夫君 先ほどからも質問があったようでございますが、卸売り業者に対するいわゆる兼業業務の項がございますね、これは二十三条でございましたか、これは卸売り業者が兼業をしてはいけないというのか、兼業は何をやってもよろしいというのか、この精神はどちらにあるんでしょうか。これは兼業した場合には農林大臣に届け出をしなければならない、これは届け出だけで何をやってもよろしいという精神のものなのか。あるいはあまり兼業してはいけないという趣旨のものであるのか。その点のいわゆる指導方針は一体どこにあるのですか。
#73
○政府委員(小暮光美君) 中央卸売市場の卸売り業者は、地方自治体が開設します市場の中で先ほど申しましたような法律の準則に基づいて取引を行なうことがその本来の業務でございますから、その本来の業務を間違いなく果たしてほしいというのがこの法律の基本的な考え方でございまして、したがって、わざわざ兼業についての届け出を求めるというのは、本来業務に支障のないような業態であることを強く要請するという考え方に基づくものでございます。
#74
○片山武夫君 そうすると、これはできるならば兼業をしないで専念をしてもらいたいと、こういう精神のように受け取れますが、そのように受け取ってよろしいですか。これが一つ。
 それから特に私は、卸売り業者がいろいろ兼業している中で多いのは、倉庫とか輸送あるいは製氷、こういったものが多いというふうに聞いております。これは実は資料をいただきたいと思うのですが、これは別として、時間もありませんので、むしろ兼業の中で一番問題になるのが倉庫業ではないかと、こういうふうに感じる、現在の市場の状態の中で。これはほかのものは何をやってもいいと思うのですけれども、倉庫業があるためにいろいろ問題や疑惑が起こるというふうに受け取れるので、この二十三条でいくと「卸売の業務及びこれに附帯する業務」、これはもういいんだということになっているのですね。そうするというと、この「附帯する業務」としては、製氷だとか倉庫だとか輸送、これは「附帯する業務」だから当然やるべきであるというふうに受け取れるわけなんですが、実態からいうと、むしろ倉庫業を別に兼業として営むというところにいろいろなことが起きてくるのではないかと、こういったようなふうに考えるわけでございますけれども、その点、いかがお考えになっておりますか。
#75
○政府委員(小暮光美君) 取り扱います物品の種類にもよると思いますけれども、御承知のように、現在、魚のほうではすでに取り扱いますものの半分以上が冷凍というような形に相なっております。しかも物によりましては収穫の時期が非常に限られておりまして、年間を通じて常時収穫をされるというわけではございません。ある時期にとれましたものを逐次消費していくというような性格がきわめて強いものもございます。したがいまして、円滑に生鮮食料品の集荷並びに分配という業務を営みます場合に、取り扱い物品の半分以上が冷凍になっているというようなことに相なりますと、そこにやはりこれに対応する施設というものが必要になってくる。こういったような面もございますので、一がいに倉庫業等を兼業として営むことを否定しざるわけにはまいらないというふうに考えております。
  〔理事亀井善彰君退席、委員長着席〕
#76
○片山武夫君 これは当然卸売り業者は倉庫を持っておるわけですね。卸売り業として持っているわけですよ。だから、ほかに倉庫業を営んでいる業者が非常に多いと、こういうふうに聞いております。なぜ私がこういう問題を持ち出したかというと、卸売り業者が倉庫に品物がたくさんありながらこれは預かり品だとして市場に出さない場合が多いという話を聞いております。そこで、一体これは預かり品なのか、あるいはほかのせりに出していい品物かという見分けがなかなかつけにくいところから、これは開設者としてなかなか勧告することができないような状態が多いという話を実は聞いておる。したがってそういう意味で、これは卸売り業に必要な倉庫、当然これは準備すべきでしょうし、なければならぬと思いますけれども、兼業として倉庫業を別に営んでいる、その理由によっていろいろな品物をその倉庫の中に入れておいて市場に出さない、そういうようなまぎらわしいことが市場運営にいろいろ不明朗な問題を起こしておるように聞いておるわけなんですけれども、その点はどのようにお考えになっていますか。
#77
○政府委員(小暮光美君) 卸売り業務に付随いたしまして、倉庫を持ちます必要性があるということについては、先ほど申したわけでございますが、これらの倉庫が、実は年間を通じていわば十分の機能を果たすほどの自分の荷物があるとは限らないわけでございまして、それらの倉庫を持ちます際に、他人の荷物を預かるということが時期的に必要な場合がございます。したがいましてその倉庫を倉庫営業として認めてもらいませんと、そういうことができないわけでございます。これを別途倉庫業の免許を取るというような形をいたしておるはずでございます。なお、これらの倉庫の中に、他人のものを預かっておるのか、自分のものを持っておるのかということは、倉庫営業のたてまえから十分監督ができるはずのものでございます。
 なお、市場においてこれを上場するかどうかという観点から申しますと、これはどこまでも生産者の委託に基づいて参りましたものとみずからがみずからのリスクにおいて買い取ったものとで場合を異にするわけでございますが、生産者の指図に基づくものは当然生産者の指図に従ってこれを出し入れする、みずから買い取ったものについては、そこに買い取った者としてのリスクのもとにこれをさばくという形が起こるわけでございます。
#78
○片山武夫君 それはまあ開設者が十分監督ができる体制に置くことが望ましいと私も思いますが、その点はこれから運営の面で十分に考えていただきたいと思うんです。
 いま一つの問題は、いま言いましたような問題を含めて卸売市場の秩序、ルール、こういうことを保つということと、いま一面、どうしたら安定した価格を形成させることができるかと、こういったような問題とがなかなか両立しないと思うんです。いま言いましたように、荷物がありながらなかなか出さない場合があるというような話を聞きますし、同時にまた、ルールをはずれた一つの方法として、生産者団体が直接市場のせりに品物を出していく、あるいはまた仲卸業者が直接生産者団体から品物を買いつけてそしてせりに出すとか、あるいはまた開設者が直接卸売業を営む、いろいろな方法が考えられるわけなんですが、そのことによってこの市場の自由な取引の中で合理的な一つの価格がきめられていくと、こういうふうに、もう少し自由な状態の中で安定した価格を形成するような方法がとれないものかというふうに考えておるわけなんですが、この三つの方法についてこの法律ではどのように規制しておりますか。
#79
○政府委員(小暮光美君) 自由な取引とおっしゃる御趣旨が、あるいは私取り違えているといけないんでございますが、先ほど申し上げましたように、卸売市場内での売買取引につきましては、それぞれ一つの基準が定めてございます。ただこの基準には、また先ほども申しましたように、省令あるいは業務規程等で一定の基準のもとにこれを例外を認める仕組みがそれぞれ規定してございます。ただ全体として、中央卸売市場における売買取引は、多種大量の商品をできるだけ迅速に短時間の間にかつ確実な形で取引をいたすということがその本旨でございます。やはり大量取引ということを中心にいたすために卸売業というものの存立をその中心としておるわけでございます。したがいましてこれらの原則のもとで、これをいかに有効適切に集荷力を高め、しかも分荷を迅速にやるか、この目的に照らしましてさまざまな取引の形を認めているわけでございます。自由と申しましても、いまの大量取引を基本にして、これを短時間の間にできるだけ能率的に分けるという市場の基本的な使命との関連で理解すべきものと考えております。
#80
○片山武夫君 この第四十四条に関連しての私はいま質問をしたわけなんですけれども、「卸売業者から買い入れることが困難な場合であって、」――以下ありますけれども、ほんとうに限られたものしか当たらない、こういうことになるわけですね。たとえば生産者団体が品物を持っていて、そしてその生産者が卸売業者を通さないでその品物をせりに出せるような方法を講じておけば、手数料の問題だとかあるいはまたせりの状態によって非常に安いものが入る場合があるかと思います。これは卸売業者が手持ちのない場合ですね、そういうような方法がどうして考えられないか、これはしろうと考えでそう思うんですが、これはいま言われたように、この卸売市場の一つの秩序を保つ上において非常に問題があるというふうにいわれておりますけれども、かえってそのほうがよろしいのではないかという気がするんですが、いかがでしょうか。
#81
○政府委員(小暮光美君) 卸売業者を通さないでせりにかけるという点がちょっと理解し切れなかったわけでございますが、卸売業者を通さずにせりではなくていわば相対で物を流すというようなことが必要な場合が起こってまいります。そういう場合を四十四条のただし書きでいろいろ規定いたしておるわけでございます。これはやはり大量集荷、迅速にこれを処理するという市場の大原則でございますけれども、ものによりましては卸売業者が集荷することがきわめて困難であるというようなものが現実にございます。これは市場を通す必要がなくて、すでに市場外でむしろ大量のものがある相場で流れておるといった場合に、これをわざわざ市場に荷引きいたしまして、そこでこれにいろいろの手数をかけこれに経費をかけて売ろうといたしましても、場外の価格を合わないということが当然予想されるわけでございます。しからばそういうものは市場に持ってこなければいいじゃないか、市場外である程度条件が整い値段がきまっておれば、わざわざ市場へ持ってこないで市場外で流通してもらったらいいじゃないかということが出てくるわけでございますが、市場には小売り業者が一日の仕事をするための材料を全部そろえようということで参ります。したがいまして市場で整うものはできるだけ多種多様のものが整うことが望ましいという要請が別途ございます。そういった場合に、仲卸業者が直接その荷物を持ってきて、この仲卸業者と結びついております小売り人にこれを供給するというようなことを認めようという趣旨でございます。
#82
○片山武夫君 私はそういう場合に、仲卸業者が生産者から引き取ってそして市場のルールに従ってせりに出していく方法が一つあるのではないか、これは卸売業者が品物を持っていない、生産者がかかえている、そしてあるルートによって仲卸業者がその品物を入手できる、こういったような場合があるかと思います。そういう場合には、そういう卸売市場のルールに従ってせりに出して、そして取引をするという方法が考えられないかということでございます。
#83
○政府委員(小暮光美君) 仲卸業者は卸売り人が集めてまいりました物がせりにかかりましたときに、これに参加して価格形成をするものとして市場内に認められておるものでございまして、この仲卸業者がみずからせりを行なうということは、市場内に卸と仲卸の二つのいわば卸売り業者を認めるということになって、そのことはどうも市場の秩序としては考えがたいというふうに考えております。
#84
○片山武夫君 だから私は、先ほどもルールがあってルールに従って運ばなければ、これは混乱が起きるという趣旨だと思うのですが、いま言いましたように、これは卸売り業者にしても仲卸業者にしてもそれぞれの生産者団体とのルートがあって、いろいろ品物のやりとりができる状態があると思うのです。たまたま卸売り業者がどうしても手に入らない品物でも、仲卸業者が、あるルートによってここにこれだけの品物がある、こういったような場合に仲卸業者がその品物を引き取って、そしてせりに出す、これは卸売り業者の手を経ないでせりに出すわけです。仲卸業者がせりをするというのではなくして、市場のせり場に出す、こういうことができないかどうか、こういうことをお聞きしているのですが、仲卸業者が卸売り業を営むということではなくて、品物をせりに出して、そして卸売り業者立ち会いのもとに正常なせりをやらしたらどうか、こういう考え方なんですが、そういうこともできないのかと、こういうことを聞いている一わけです。
#85
○政府委員(小暮光美君) 法律の三十三条に仲卸の業務というものを「開設者が中央卸売市場内に設置する店舗において当該中央卸売市場の卸売業者から卸売を受けた生鮮食料品等を仕分けし又は調製して販売する業務」というふうに規定いたしております。仲卸業者がみずから荷を引いてまいります場合には、これをわざわざせりにかけるということでなしに、仲卸業者は結びつきの小売りの便利を考えて物を持ってまいるわけでございますので、これを結びつきの小売りに売却するという姿が自然ではなかろうかと思います。
#86
○片山武夫君 そういう方法で直接小売りに売ってもよろしい、こういうことになると、この卸売市場のルールというものがはずれてしまうわけですね。これは仲卸業者も大量の場合にはなかなか小売り業者に直接売るということも困難な場合もあろうかと思いますよ。そういう意味で、一応仲卸業者が生産者から入手できる、こういうような状態のときには、これは市場へ持ち出していってせりにかけて売る、こういうような方法がどうかと、これは一応卸売市場のルールを見た上に立っての取り扱いのことを実はお聞きしているわけなんだけれども、それもそういうむだなことはしないで直接小売りに売ってしまえばいいじゃないかと、こういったようなお考えのようなんですが、そうですか、やっぱり。
#87
○政府委員(小暮光美君) 間違いがあるといけませんのでちょっと繰り返しますが、市場に荷を集めてまいりますのは卸売り業者で、これを分けるのは仲卸業者というのをたてまえといたしておりますが、何らかの事由で卸売り業者が荷物を集めてくることができない物、そういう物について結びつきの小売業者の利便を考えますと、仲卸業者が場外から荷物を持ち込んでこれを結びつきの小売りに売る。そういう場合は市場の一つの機能としてそういうことを認めるべきである。卸売り業者と仲卸業者協調のもとに市場全体としての集荷率と分荷機能を高める、そういうことが必要であろうということで、市場の原則の例外として四十四条のただし書きでこれを認める道を開いておるわけでございます。したがいまして、仲卸業者が入手したものをただ小売りに売ればいいと申し上げたのではございませんで、いま申し上げました場合において仲卸業者が直接荷を集めて小売りに分けるということを認めるという趣旨でございます。
#88
○片山武夫君 これは考え方によっては場外取引ですか、そういうものを奨励をするというようなかっこうになりはしないかと思うのです、逆に。これは特定の品物だというふうに限定されるかもしれませんが、それはなかなかむずかしいことではないかと思いますし、そういう意味で、この卸売市場がある以上は仲卸業者といえどもやはりこのルールに従ったそういう取引をすることによってむしろ困難が避けられるし、品物も豊富になっていくのではないかという考え方の上に立って実はお伺いしておるのであって、むしろ私は場外取引をさせないルールを尊重しようという立場に立って、そういう方法はないのかということを実はお聞きしておるわけなんです。やはり答えは同じですか。
#89
○政府委員(小暮光美君) 仲卸業者が荷引きしてこれを市場でせりにかけるということがどうも私理解することができなかったものですから、集荷してせりにかけるのはやはり市場の中では卸売り業者の仕事というふうに考えるのが筋ではなかろうかということを申し上げておるのであります。
#90
○片山武夫君 そうすると、それは卸売り業者に手数料が入ってしまう、そうじゃないですか。
#91
○政府委員(小暮光美君) 先ほど来申し上げておりますのは、先ほど申しましたような場合であって、市場全体としての機能を果たすためには仲卸業者が直接荷引きして結びつきの小売りに渡す場合のほうが妥当であるということを例外として認めようというわけでございますから、この場合につきましては卸売り業者が介在することはないわけでございます。むしろこれまでこのような形を明らかにいたしておりませんために、物により非常に専門的な知識を必要とするような特殊な商品について、仲卸業者が自分で目ききして荷物を選別してとってまいりまして、卸を通したといろ形にして市場の規制との調和をはかるということで何がしかの経費を卸に払ってやるというようなことがあったわけでございますが、それが市場の秩序を乱さず、市場の機能を総合的に高めるために必要であるというふうに認定されます場合には、そういうことはわざわざさせる必要がないという形にはっきりさせるというのが四十四条のただし書きの趣旨でございます。
#92
○片山武夫君 これは一つの例をとってお聞きしておるわけなんですけれども、卸売り業者の独占を排除するという意味で開設者がやはり品物を探してきて生産者団体からこのせり場に出すとか、あるいはまた仲卸業者が直接生産者団体から持ってきてそのせり場に出すとか、いろいろな方法を考えることによって合理的な物価の形成ができはしないか。これは一応市場としてのルールを守りながらそういう方法も考えていいのではないかという考え方の上に立って実は質問をしたわけなんです。現在の法律ではこれはできないことになっている。これは将来の問題として考えてみていただきたいと思っておるのです。
 いま一つの問題は、この卸売市場というものが公共的な施設であって、そうしてそれに参加しておる卸売り業者もあるいは仲卸業者も公共団体として将来消費者なり、あるいは生産者なり、いろいろな思惑が入らない公正な値段が構成されるような状態に私は発展さしていかねばならないのではないかと思いますけれども、そういう点について今後十分な御配慮をお願いいたしまして、私の質問を終わります。
#93
○河田賢治君 時間が制約されておりますので、また各委員から、各それぞれの条項について質問があったわけですが、なるたけダブらないように、三つばかりの問題でひとつ質問したいと思うのです。
 その一つは、この中央卸売市場の新しい法律ができまして、漸次、中央並びに地方等々整備していくのですけれども、この間に、たとえば農協が、昨日も問題になりました、戸田で全販連がやっております集配センターというのがありまして、これのできた理由については昨日も伺いましたが、将来、地方卸売市場、中央卸売市場、これを整備していく過程で、現在、農協自身が、やはり生産から販売ということで、自分のいわば存立の条件としていろんなことを一応やり始めておるわけですね。これまで戸田では、農林省が補助金を八千万円出されたということですが、今後農協なんかが、ああいう集配センターというような形で、産地とそれから消費者を直結する。その内容については昨日もだいぶ議論がありましたけれども、そういうものをこれから助成していく御方針なのか。そうして卸売市場法の中央、地方の整備との関係、こういう問題についてひとつお聞かせを願いたいと思います。
#94
○政府委員(小暮光美君) 昨日も申し上げましたように、どのような資本構成あるいはどのような名称で施設が維持されましても、その資本構成とか名称にあまりこだわることなしに、市場としての機能をどのような形で果たすものであるかというところに着目いたしまして、新法のもとで、公共団体の開設する中央卸売市場以外のものにつきましても、地方卸売市場ということで規制の対象にしようということを考えておるわけでございます。したがいまして、それらのものの中に、今後農業協同組合の経営によるものが地方市場という形で指導の対象になるものもあり得るだろうと私は考えております。ただ、産地側の体制の強化という角度で、むしろ生産行政の出口と申しますか、野菜をつくってこれを正しい姿で出荷をする、効率的な姿で出荷するという、出荷の組織を強化するという意味で、生産者団体が各種の試みをいたすものがございます。これは、生産行政の一環として、それぞれ必要に応じてこれを助成することはあるというように考えております。
#95
○河田賢治君 次に、卸売市場の今日の概況の中に、これは私の地元の京都の例を出して恐縮なんですけれども、たとえばこの市場法でいきましても、現在京都は中央卸売市場としてやっておりますね。ところが御承知のとおり、この付近の近県たとえば滋賀県とかあるいは奈良県等にはないわけです。また、滋賀県でも大津は人口十三万です。それから奈良は十九万になっているそうですが、これが二十万以上ということになれば奈良に開設ができるわけですが、あまり京都からは行っておりませんけれども、たとえば京都のいま中央卸売市場でその販売先を見ますと、大体、市内と京都府下が生鮮魚介類で六八%ぐらいですね。滋賀、大阪その他へ出ておりますし、また加工海産物も約三〇%が府外に出ておる。あるいは野菜にしても二五%、果実についても二〇%、このうちの半分が大体滋賀に送られているわけですね。そうすると、中央卸売市場に今日、ここで取引されたりしてどんどん滋賀からくるわけなんですね。地理的には朝三十分足らずで自動車でさっと来れる、近いですから。そうしますと、ここの市場開設とか、御承知のとおり、大体都道府県について、これからいろいろと新しい市場についても整備するということになっていますが、こういう市場を今日改造するということは非常な大きな資金が要るわけですね。いま京都でも御承知のとおり、改造をやってそうして相当用地取得をやっております。最近では大阪が、その敷地の三万平方メートルですか、これを先行取得して、四十六年、四十七年で約十億ずつ二十億の起債をしたい、そしてこれを拡大していろいろと近代的な施設にしていくという方向を持っておるようです。しかしここでも、非常にこれは土地が高いですから、しかもいわば県外にも相当出るわけですね。開設者である京都市が主としてこれは負担するわけですね。農林省からの補助もありますけれども、こういう場合の補助は一体、市場に応じて大体個々のケースを見て補助をされておるのですか。その辺をちょっと伺いたいのですね。
#96
○政府委員(小暮光美君) 都市がだんだん近接してきましたから、御指摘のような事例がいろいろあると思いますが、もともと中央卸売市場には国が直接かなりの助成をいたしておる。この助成によって、中央卸売市場の公共性に対して十分こたえるたてまえでございます。
#97
○河田賢治君 それから、国からは出しますけれども、やはり市も相当のこれは職員を置くわけですね、市場には。いろいろ統計とったりなんかする。しかし、大津のほうはこれは負担しないわけですよ、買いに来るほうは。大体二割前後の品物があっちへ流れていくという場合ですね、こういう場合に、やはり一つの方法、市場を開設しておる市なりあるいは府県が、自分の県外あるいは市外というところに相当お客を持っている場合、やはりそういう場合は、かなり負担が一ところにかかるのですね、開設者に。こういう問題の調整はどういうふうにお考えになっていますか。
#98
○政府委員(小暮光美君) 中央卸売市場が集散市場的性格を持っておることは御指摘のとおりでございます。したがいまして、地域住民の負担だけでなしに国庫負担も十分考えるということで対処するわけでございます。また、それぞれの市場といたしましても、そこに十分の荷物を集めるということとの関連で、一部そういう問題が市場の機能として当然随伴して起こることだということが見られるわけでございます。
#99
○河田賢治君 それはわかっているのですけれどもね、だから、そういう点で、たとえば京都あたりで、こういう場合に、きのうも――きょうでしたか、北村委員からも話がありましたけれども、いろいろ起債の補助をするとかいうような問題がございましたが、こういう場合には、それぞれやはり市場のケースに応じておやりになっておると思いますが、たとえば、一つの市場だからこれはこれだけだとか、県に対してはどうだとかいうような――県別にはいかぬでしょう、いろいろ三つも四つも、ある一つの県にある場合。
#100
○政府委員(小暮光美君) 中央卸売市場に対する助成は、それぞれの施設の性質に即して助成の率をきめております。
#101
○河田賢治君 施設に応じて助成するということを承っておきますが、次に問題は、この中央卸売市場の認可のあれが一応出ておりますが、きのうも北村委員から話がありましたこの「卸売市場整備基本方針」の中には、主として、「卸売の業務を行なう者の経営規模の拡大、経営管理の合理化等経営の近代化の目標」ということがあげられておるわけですが、現在これらの市場におります仲買い人、今度は名称が変わりますが、これらは相当人を使っているわけですね。それからまた、卸売り業者自身がやはり相当の人を使っておる。ところが、この中にだいぶ大阪あたりと東京とはちょっと違うところがあるんですね。ですから、その問題で一つずつ問題をちょっと当局から伺いたいと思うんですが、仲買い人が千三百九軒築地にはあるそうですが、ここで配達員というのが約二千二百名、その他のいろんな店員や帳場づけ等々で六千名の人がこの仲買い人のもとで働いている。十人以下の規模が約一千軒程度、非常に零細なんです。この二千二百人の雇用の状態というものはですね、これはいま労働組合が仲買人協同組合に対して労働協約の締結を要求し続けておるけれども、いまだ労働協約は結ばれてない。仲買人協同組合は個々の仲買い人に対して協約を結ぶように指導していると、個々の仲買い人ですね。このような無協約の状態なんですね。だから、臨時雇用者だけでも、毎日の臨時というのが約三百名現在いる。これが一年くらい続いている人がいるわけですね、臨時として。これらの無協約のもとで、健康保険、失業保険、退職年金、こういうのが一切ないというわけですね。多いのですね、そういうのが。十年つとめた配達員労働者の中でも健保を受けていないという人がある。有給休暇があるのは千三百のうちほんの五十程度しかない。だから、賃金水準も、現在いろいろありますけれども、他のあそこで働いている人から比べれば非常に低いわけなんです。
 一体こういうあり方が経営の近代化の目標の中に入るんですか、どうですか。こういう人の使い方、今日憲法で認められた、労働基準法やあるいはいろんな労働三法と言われるものですね、こういうものを認めないようなあり方は、決して近代的な感覚を持った事業主とは言えぬわけでしょう、企業家として。この経営の近代化の目標をあなた方が立てて、そうして基本方針にされてるんですけれども、単にものの設備とか、機械とか、荷揚げのやり方とかいうものが近代化であっても、こういう人を使う場合の憲法もあるいは労働法も労働基準法も認めないような業者であれば、これは近代的とは言えぬですね。一体こういう問題に対して農林省は、これは労働省の問題だとお考えになるのか。それとも、健全な卸売り業者あるいは仲買い業者等々はこういう労働者との対等の、いわば法律が今日認めておるこういうものを認めて、そして団体交渉したり、あるいはいろいろな協約を結ぶというのが私は正しい企業家のあり方だと思うのです。そういうものをあんた方は、これを計画立てる場合に単に資本がどうであるとか、売り上げ高がどうである、こういうのだけを見ておやりになるのは決して私は正しいとは思わぬのです。こういう点はどういうふうに整備計画の中にお考えですか。
#102
○政府委員(小暮光美君) 市場整備いたします場合に、これが最も効率的なものとして機能いたしますためには労働条件等も十分考慮し、さらに省力化の必要性というようなことも考えて施設の整備をはかるべきだろうと思います。その限りにおいて、御指摘のような問題の関連も当然念頭には置くことにはなると思いますが、ただ基本的には中央卸売市場内におけるあらゆる現象について中央卸売市場法で規定するということではございません。食品衛生その他それぞれの法令に基づいて当然守るべきことは守らなければならないという形に考えております。
#103
○河田賢治君 もちろん労働条件の問題なんかを一々こまかくはできませんけれども。しかし健全な卸売り業者、あるいは仲買い業者等々が開設を承認を受けるというような場合には、やはりある程度そういうものに対する規制が私は必要だと思うのです。そういう頭の古い前近代的な今日労働者の使い方をしているようでは、決して労働者も現に集まりませんし、それからまた御存じのとおり、待遇が悪いわけでしょう。朝大体午前の二時半から十時半までが勤務時間ですわね。だからせりに間に合わせるため、前日の午後十時から翌日の十時半まで勤務する人もたくさんあるわけです。しかもこれにも、市場の事務所はいろいろの会社のりっぱな事務所が置かれているけれども、しかし従業員があそこで仮睡をとるとかというような設備はほとんどないし、宿舎もほとんどたいした設備はない。宿泊施設、厚生施設がない。ですから、前の日の終電車で出勤して、そうして翌日の十時半まで働く人が多いわけです。こういう状況の中で、結局職業病、神経痛とか、腰痛とか、痔等々が非常に多発している。だから、こういう問題を農林省がやはり健全な企業、あるいは健全な業者を認可するという場合には、こういう内容をある程度私は含めるべきだと思うのですね。
 同時にもう一つお聞きしたいのは、東京は小揚げ労働者というのが約四百人おります。東都水産とか、中央魚類とか、大都魚類とか、築地魚市場、これらの別会社の小揚げ会社というものをつくられている。これに約四百人の人が全体として使われているわけです。大阪にはこういうことがないそうです。これは全く小揚げというのは、いわゆる労務を供給するような、本来ならばさっき申しました四つの会社が、こういう労働者も雇用するのが当然なんです、同じなんですから。ところが、こういう下請的な会社をつくって、そしてピンハネもあるだろうし、また労働者の待遇もそれだけ労務管理が、自分のところの直接の対象でないからと言って、小さな小揚げ会社に全部まかしてしまうということならば、労働条件は悪くなるのは当然なんです。大阪ではないと聞いているのですが、一体東京の、これは東京都も責任があると思いますが、農林省はこういう問題についてお調べになったことがあるのですか。
#104
○政府委員(小暮光美君) 市場内の業務のあり方については、常時監査いたしておりますから承知いたしております。ただいま御指摘の、東京には小揚げの組織がある、大阪にはないということでございますが、大阪は、これを別途日本通運等に委託して、その部分を請負わしておるというふうに聞いております。
#105
○河田賢治君 これは常時雇うわけですからね、本来ならばその会社が魚をあっち運んだり、こっち運んだりするのは、当然本雇いとして会社みずからがそういう労務をやっていくと、それで初めて責任が持てるわけです。ところが、そういう人の問題はいわば下請会社に全部まかしちゃって、そうして親会社はこれに対する責任を持たぬ、現にそうなんですから。あなた、何でしょう、卸売市場のちょっと会計報告を、私は簡単なものを見たので詳しくはわかりませんけれども、東京の築地魚市場にしろ、東都水産にしろ、大都魚類ですか、中央魚類、こういうところの配当を見ましても、比較的、たとえば銀行の配当なんか八分から最近は一割になったとかということがありますけれども、ここではもう四十一年から東都でも一割二分、築地魚市場は一割五分の配当をしている、あるいは大阪は一割五分が途中一割になって最近は八分と、大都では一割五分の配当をしておりますね。それから中央は一割六分の配当をしておるんですよ。これはもう大きな今日漁業資本、ときおりこのごろは商売に失敗して無配があったり、あるいは配当も減らしておるところがありますが、これはもう安全な、荷が集まって、その手数料を取ってそれでやっているのですから、したがって高率配当しながら、労働者に対してはそういう別会社をつくってまで、そしてできるだけ労働条件を悪くしていくと、こういうことが行なわれているんですね。こういう問題に対してちっとも指導とは言えぬと思うんですよ。大臣はこれを許可する。公共的な性質を持つんです。これは。決して一般の民間とは違うわけでしょう。そうすれば、そういう業務内容についても農林省はやはり指導しなくちゃならぬと思う。そうでないから、まあ神田でも京都でも私が言いましたように、仲買い、卸売市場がいろんな負債をつくって、兼業会社のほうにどんどん金をつぎ込んで倒れたというようなこともありますから、とにかく監督官庁である農林省が、こういう卸売り業者なんかのこういう実態を十分つかんで、そして本来の意味での近代的な経営にやはり移らす必要があると私は思うんです。こういう点はいかがですか。
#106
○政府委員(小暮光美君) 卸売り業者の近代化に当たりましては、市場内における労働の条件、特に省力化の緊急性にかんがみまして、市場施設の整理を通じてこれらの問題を基本的に改善してまいりたいというように考えております。
#107
○河田賢治君 今度新法ができますと仲買いというのは相当な、何ですか、売り上げ高によって相当規制されますね。そうすると、まああそこでも大体、東京の卸売市場でもだいぶあそこでは仲買いをやめなきゃならぬような人々が出るだろうと、こういう場合に、現につとめておる人が御承知のとおり何ですか、いろいろ退職金だとか、ああいういろんな、今日の一般に社会保障として認められるようなものもされてないわけですね。そうすると、こういうところでこれは不安を持つわけですよ。すぐに首切りとかなんとかいうことになる。こういう事態に対してあなた方はちゃんとそれにいくまでに十分、かりに人が多過ぎて退職しなくちゃならぬ、あるいは多少でも機械化をやれば人が減るという場合には、それらの業者がそういう事態に備えるようなちゃんと指導はなさっておるんですか。
#108
○政府委員(小暮光美君) 市場におきましては、現在むしろ人手不足でいかにして適切なる労働力を集めるかということに苦慮しておるというふうに理解いたしております。なお仲買い人をできるだけ法人化し、これを近代的なものにするという指導をいたしております。
#109
○河田賢治君 大体まあ質問の時間がきましたので終わりますが、とにかく農林省は従来でも京都の青果のつぶれたときでもびっくりしちゃって、あとで通達を全国へ出したというようなこともありましたので、やっぱりふだんのそういう指導が私は足らぬと思うんですよ。特にこれは労働者のことだから、労働条件だといって労働省が持つものでもない。全人格として法人をあなた方は許可するんですから、その法人に関係する労働者の問題等々まで精密にあなた方がつかんで、そしてできるだけいい条件をつくり出していくと、そういうやはり開設者に対する指導や、また勧告等々、私はなさる必要があると思うんです。その点一応最後にお聞きして、ひとつ終わります。
#110
○政府委員(小暮光美君) 中央卸売市場が全体としてその果たすべき機能を十分果たし得るよう、適切な指導に努力いたしたいと思います。
#111
○堀本宜実君 どうぞ、事務的なことですから、局長さんでも課長さんでもよろしゅうございますが、お答えをいただきたいと思います。
 先ほど――昨日ですか、私伺いましたのに出荷奨励金のことで関連質問でございましたので、重ねてお伺いをいたさなかったのでありますが、けさ冒頭に局長からお話がございましたので、大体了承はいたしておりますが、かつての神田市場における不当事件のように、内々卸売り業者が品物を集めようとする努力、それが出荷手数料という形で支払われるということになると思います。それをどのようにして監督をされるのか、そこが私は大切だと思うのですが、簡単でよろしゅうございます。これもうたいしたことはないが、しかし問題があるようでございますので、お伺いをいたします。
#112
○政府委員(小暮光美君) これが本来の趣旨に即して適正に支出されませんで、過当競争の道具に供せられることは厳に慎しむべきことだと考えておりますので、これは一つ一つの卸売り業者ごとに前年の支払い実績あるいは総取り扱い高等、財務諸表を十分に参考にいたしまして一つ一つ支払いの限度額を設ける、これを毎年チェックするという形で監督いたしております。
#113
○堀本宜実君 いまのように現在でもされている、従来でもそうであったと思うのですが、しかしああいう不祥事ができて四億円からの負債が起こり、生産者農民はたいへん迷惑をしたところもございます。どうぞひとつこれがよほどうまくいかれまするように、そうしてその手数料が現実に生産者に返っていくのならよろしゅうございますが、中どまりをして途中でだれかのふところに入るようなことにはならぬはずだとは思います。そこまでの追及は役所としてはできぬと思うのですが、そういうことはどうなりますか。
#114
○政府委員(小暮光美君) 御審議の経過を通じていろいろお教えいただきましたことを十分念頭に置きまして、ただいまのような問題も含めて十分目が届くようにいたしたいと思います。
#115
○堀本宜実君 これは私はこういうことはおそらくこの関係者にはないと思っております。あってはならないことでございますので、ないとは思うのでありますが、リベートというようなものはえてして末端までいかないで、まあ組合のいろいろな経費に使うというような段階で雲隠れをしたり行くえ不明になったりするようなことになりがちでございますので、地方市場開設等のときには特にこの点を注意をするということが必要である。そういう意味からいきますと、この法律に書いてありますることは、もういよいよもっともなことが書いてあるので、これに質問をすることは時間のむだでございまして、これはこれに隠されております――いや、隠されておる、これは訂正をいたしますが、(笑声)ここに提出をしてない業務規程というものが私はこの法律よりももっと高い重みという必要性を持つのではないかというふうに思うんです。これは何も見ようたって、これはもう論文みたいなものでございますから、一つもこれに欠陥があろうとは思いません。かなづかいに至るまで適正にできておると思いますんですが、(笑声)できれば模範業務規程というようなものをいただくわけにはいきますまいか。
#116
○政府委員(小暮光美君) 前に県の条例につきましても、何かそういうものを考えるという議論もございます。業務規程はさらに県の条例に基づいてこんど市場ごとにつくるわけでございますから、開設者がこれをつくる問題でもございます。どこまで国が画一的にやってよろしいかという問題、別途あると思います。しかし新しい法律が御承認いただけまして、これが実施に入る際には、当然従来にもましてひんぱんに開設者会議等を招集いたしまして法律全体の趣旨の徹底をはかる手はずになっております。これらを通じましてできるだけその辺の指導に完ぺきを期したい、そういうふうに考えております。
#117
○堀本宜実君 これの徹底をはかることはこれはもう必要で、農家あるいは開設者あるいは八百屋の総大将等、これを説明してもらわにゃわからぬという人はなかなかなかろうかと私は思う。で、要は業務規程の中にいかなるものが存在するかということ、そして安心ができるかということが――安心ができるかというのは、役所が安心するのではなくして、生産者が安心して市場を通じて販売ができるかどうかということであろうかと思うのであります。したがっていまできておらない、これは法律が通って後につくるというお話でございますれば、いま要求してもどうにもならぬと思いますが、私はよくこういうことの法律を知りませんので、業務規程がどこぞにないかと思いまして初めからしまいまで読んでみましたが、しまいに至っても業務規程というものはございません。これはやがてつくるということを課長さんから伺いましたので、ああそうか、それならば業務規程ということを言うてもつまらぬが、何にもならぬが、業務規程が大事なものであるということを皆さんが、あなたたちが認めていられるのかどうかということをもう一度聞きたいと思います。いかがでしょう。
#118
○政府委員(小暮光美君) きわめて大事な指導のポイントであるというふうに考えております。
#119
○堀本宜実君 それで一応わかりました。
 その次にこの卸売「市場法案参考資料」といういただいたものをちょっとここあけてみた。そうすると、私も目が十分に見えないのですが、中央卸売市場におけるいろいろなものの「買付品の割合の推移」というのが七ページにございます。これは五年間というものがこういう推移でいろいろやられておるようでありますが、四十年に委託品――委託品というのはまかされて、荷物を送ってきて売ってくださいといって頼まれたものを委託品というのであろうと思いますが、それが九一%少し余りある。九一%は荷主から委託をされてきておったと思います。ことに農業協同組合等が多いのではないかと思いますが、その多数を占めておるのではないかと思いますが、今日、四十四年度はもう半分がなくなって、四七%程度にこれは落ちておるようでございます。それと逆に買い付け品というのが当初は八・八しかなかった。片一方が九一からあるのですから、その反対ですから八か九かにきまった数字ですが、それだけウエートが違ったものが、今度は逆に四、五年間に逆になってきておる、いま。これはどういうことなんでしょうか。農業協同組合のほうの側あるいは生産者のほうの側からいくと、どうも出荷をしておいても、幾らに売れましたという御通知をして金は送ってはくださるが、十分自分が立ち会ったものでもないからしするから、自分の庭先で、自分の生産地で直接卸売り業者に売ったほうがいい、こういうふうに考えて、この買い付け品というものが多くなったのでありましょうか。買い付け品のほうを多くするほうがマージン、メリットが自由にある。だから弾力があるからこういうふうにするほうがいいと思ったのか、あるいはこういうふうになったということが現在の物価というものにどういう影響を及ぼしてきておるのか、そこをわかるようにひとつ教えていただきたいと思う。
#120
○政府委員(小暮光美君) お配りしました印刷物がちょっとワクの書き方が不親切だったものですから御迷惑をかけましたが、実は青果物と水産物がまん中に二行の線が書いてございますが、一表のようになっておりまして……。
#121
○堀本宜実君 二行になっておるのか。おかしいとも、五年であろうか十年であろうかと思いましたが、しかしもとが四十年ですから、しまいが四十四年なら五年間がほんとうであろう、こういうふうに思いますが……。
#122
○政府委員(小暮光美君) ただそれは表のつくり方はそういうことでございまして、青果物八・八が九・八になっておる。水産物が三五・九が五二・六になっておるということでございますただ御指摘の点につきましてはやはり一つ問題がございますので、せっかくの御指摘でございますのでちょっと申し上げますと、青果はごらんいただきましたように依然として大部分のものが委託でございます。それから水産物でわずか五年の間にもきわめて急激に買い付け品がふえてまいっております。水産物の四十年が買い付け三五・九、四十五年が五二・六でございますから、非常なテンポでふえております。これはいろいろな要素の複合でございまして、一つには先ほどのほかの問題のときに申し上げましたが、市場が扱います水産物の五割以上が船で冷凍品になってきておるといったような水産関係の扱いのそのものの性質が変わったということが一つ、それから青果もしばしば不足を来たしますが、青果の場合は残念ながら余ったり足りなかったりですが、水産物はどちらかと申しますとやや恒常的に足りない、大観して申しますと。そしてやや売り手市場になっておるという状態があるようでございます。そうしますと、結びつきの小売り店等にできるだけ間違いなく品物を分けるためには、やはり卸、仲卸を通じてできるだけ物を持ちたいということがあるようでございます。そういった点が、たとえば青果物のように持つことがむしろあぶない、できるだけ委託でやったほうが卸としても安全であるというものと、物の性質がやはり違ってまいっております。したがいまして水産におきましてはこの買い付けがだんだんふえたということが実は明暗双方の意味を持っておるように思います。それのよい点を伸ばし、悪い点をためるということに市場の運営上特段の努力をする必要があるというふうに考えております。
#123
○堀本宜実君 わかったようなわからぬようなことでございます。しろうとでございますので、十分にわかったようなところもあるし、これ表が間違うておるといえば、この数字によってとやこう言いましてもこれどうにもならぬことでございますのでこれはこの点でやめますが、たいへん違ってきておるということが将来、現在も、物価に及ぼしておる。
 私は当初、第三分科会でも申し上げたのでありますが、中小企業、農業というものは弱いのですね。その弱い生産者がつくった、生産者の品物が物価上昇の対象になってきている。大きい会社がつくったような、管理価格だとか再販だとかいうようなものの範疇に入るような品物が物価の対象にあまりなりにくい。ならぬことはない。この間も大手カラーテレビ等がなったように、ならぬことはございませんが、国会でも先般、大根を持ってきて、この大根幾らいたしますかという御質問をした議員さんがおいでになります。リンゴを持ってきて、これ幾らとお思いになりますかと発言された議員さんもおられますが、どうしても百姓がつくったものがいかにも高いというような印象を世間で持っておる。また、百姓というものはけしからん、物価を高うにつり上げてと、こういうのであろうと思うのです。そうかと思うと、どこか、この近所だと思いますが、トラクターでホウレンソウを土地の中にすき込んでおる。どなたか取りにきてくれればまことにありがたいがという広告を道のはたに出しておる。私はどういうことだろうかと思う。しかしこのことは資料と関係がないからとやこう申し上げる意思はないのでありますが、いかにも世の中がこのごろどうなっているんだろうなというふうに思うのですよ。これはまさに私だけが思うのじゃなくて、多くの人がそういうふうに思われるのではないか。
 これは何も農林省責めるわけじゃない。米を食わなくなったといって農林省責めた人がありますが、これはそれぞれの考えでパンを食べたり、いろいろするのですから、これはこうして食わなくなったのだといってもしょうのないことで、「米食いましょう」という広告をし  私、昔「麦食いましょう」ということで、予算をとりまして、その運動をしたことがございます。山本富士子の絵を真中に浮きぼりにして、「麦食べましょう」――よけい食わぬようになった気がするのであります。(笑声)何をばかなことを言うのか、きのうきょう麦の味を覚えたのじゃない、昔から、三千年来麦を食って、その味を十分知っているのに、広告を出してこれを食べなさいなんてひとをばかりにするなという、おそらく抵抗があったのじゃないかと思うのであります。そういうようなことから考えると、私は一方では高いと言うて、国会に農産物を持ち込んで、いかにも農民がもうけているようなふうに見えるし、一方ではホーレンソウを田の中にすき込んでおるという風景がテレビに写ってくる。またどうしたのかというふしぎはほかにもたくさんありますが、それはいずれまた七ふしぎということで御披露することにいたします。
 そこでもう一つだけ伺いたいことは、市場にサンプルを出す場合に、大量出荷するものが、たとえばABCの階級が同じ製品でも、キュウリでもなんでもそれぞれランクがあると思う。大出荷、大生産地の組合はAならAの品物を一つ出せばいいわけです。小さいものは、AもBもCも出さなければいかぬ。その小さいものがたくさん寄れば市場の面積をサンプルだけでつぶしてしまわなければならぬような事態も起こってぐるのであります。これはもうお聞きせぬでもお認めになると思うのですよ。そうでないなんという理由はありません、これは。それがためにこそ共同販売というものがしかも大きく作用し、またそういうことを指導の政策の中心にしている。ですから、大きい大量の出荷をする団体といいますか、それには手数料をうんと引き下げてやるということが必要である。これはどうでしょう。そういうふうになっておるとは聞いておりますが、ただ小さい段階では私はどうかと思う。大量の段階をつけてやるべきである、こういうふうに思いますが、どうでしょうか。
#124
○政府委員(小暮光美君) マル東じるしが一般的であったくだものが、戦後二十何年の間に非常な速度で共同選果物に変わってまいりましたことは御指摘のとおりでありまして、農林省としては、これはさらに推進する考えでございます。したがいまして、たとえば本日も議論になりました卸し売り手数料の中から一部生産団体に出荷の奨励ということで歩戻しをいたすような場合、先ほど申しましたようなワクの中でこれを適正に運用すると申しましたその適正ということの中には、これをできるだけ規格化された、大型化された出荷者に対して還元する率を高めるというようなことを指示いたしておりまして、そういった面で一つの奨励に相なっておると思います。
#125
○堀本宜実君 これは手数料を下げてやるというふうにはいきませんのか。それはそうしなければおかしいと思うのですよ。私もっと例を引いて申し上げましょうか。おわかりになったでしょうか。
#126
○政府委員(小暮光美君) 手数料につきましては御承知のように、過当競争を防ぐ意味で定率にいたしておるわけでございます。
#127
○堀本宜実君 時間がきたようでございますから、私は講義はいたしませんが、局長さん、私の県のミカンを二十四の組合を一つにした。二十四ありました組合が出荷をする場合には、L、M、Sというのがございまして、こういう穴から落ちるわけですからね。ですから、ミカンの大きさによってその穴をくぐったものが規格に合格するようになっておる。そうすると、二十四の組合は、MならM、たとえば甲の組合のMというものを出さなければならぬ、サンプルを。ところが一組合ならば、同じ共同選果場の中で規格がきまりますから、それでたった一つ出せばいいわけです。こういう場合には、私は大量出荷者に対してはそれを奨励する意味で、たとえばきょうの市場相場が幾らしておりますという電報を打っても二十四に電報を打たなければならぬのが一カ所に電報打ったらそれで間に合うわけです。これは手数がうんとはぶけてくる。手数がはぶけてくるということは、手数料を安く大量出荷者にはしてやってよろしいという議論にはなりませんか。
#128
○政府委員(小暮光美君) それは手数料を画一に指導しておりますのは、先ほど申しましたように、別の指導の経験からです。個々の産地ごとに様々な手数料をきめるごともできませんので、手数料は総体としてこれを判断して定率で指導いたしますが、いま御指摘のような産地、たとえばミカンで最も出荷の姿が整っておる、こういうものは現在のくだものの通常の手数料よりも実質一%低いことに相なっております。
#129
○堀本宜実君 パーセントのことは高い安いは申し上げませんが、いまのでよくわかりました。どうぞそういうことをなおよく御研究の上、なるべく共同出荷をするものには安い手数料にしてやるようお願いを申し上げておきます。
#130
○委員長(河口陽一君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩いたします。
  午後一時三十七分休憩
     ―――――・―――――
  午後三時十分開会
#131
○委員長(河口陽一君) それではただいまから農林水産委員会を再開いたします。
 国有農地等の売払いに関する特別措置法案を議題といたします
 まず提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長代理理事丹羽兵助君。
#132
○衆議院議員(丹羽兵助君) ただいま議題となりました衆議院農林水産委員長提出国有農地等の売払いに関する特別措置法案について提案の趣旨を申し上げます。
 本案は、最近における社会経済の発展に伴い、国民生活の安定向上をはかるための社会施設用地の確保に資するため、農林大臣が管理する農地等について公共用または公用の用途へ積極的な活用促進をはかるとともに、農地法第八十条第二項の規定を改正して当該売り払い価額が健全な社会常識に合致するよう適正化する等、農地法第八十条第二項の規定による買収前の所有者またはその一般承継人に対し、売り払う場合における対価等に関し特例等を定めたものであります。
 農地法第八十条の運用に関しましては、本年一月二十日の最高裁判所の判決により、同条第一項に基づく不要地認定に関する同法施行令第十六条が、新たに生じた公共用等の目的に供される場合に限る等限定的に規定しているのは、法の委任を越えた無効のものとされ、政府は、二月十三日施行令第十六条の認定の範囲を自作農の創設または土地の農業上の利用の増進の目的に供しないことが相当である土地等にまで拡大した改正を施行したのであります。
 政府のこの政令の改正を契機として、政府が売払いの義務を負う農地法第八十条第二項の買収前の所有者への売り戻しについての価額については、これを適正な価額によるべきであるとする批判と、その売り払いの対象となる農地等についてこれを公共用または公用への転用の促進をはかるべきであるとする要望が、国民各層より起こってきたことはすでに御承知のとおりであります。
 この問題につきましては、自由民主党、日本社会党、公明党及び民社党の各党は、これらの国民的要望にこたえるべく鋭意協議検討した結果、本案を作成し、もって国民の期待に沿うような措置を講じようとするものであります。
 以下本案のおもな内容を申し上げます。
 第一に、農地等の売り払いの対価等につきましては、農地法第八十条第二項の「買収の対価に相当する額」を「適正な価額」に改め、政令で定めるところにより算出した額とするとともに、売り払い代金の納付については五年以内の長期の分割払いを認めることといたしました。
 第二に、不要地認定した農地等の公共用または公用への転用の促進についてでありますが、旧所有者等に売り払うべき農地等につき、特定の場合には、直接これを公共用または公用へ転用し得る旨を法定したことであります。
 また、右以外の場合でも、旧所有者等に農地等を売り払うべきであるというたてまえのもとにおいて、当該農地等につき、政府は、公共用または公用に転用を促進するような措置を講ずべき旨を定めたことであります。すなわち、政府は、地方公共団体等が農地等を公共用または公用に供するため、買い受けの申し出をした場合においては、極力これらの用に供されるよう行政指導を行なう等適切な措置を講ずるようにしなければならないこととするとともに、特に、公共用または公用に供する緊急の必要があり、かつ、そのことが確実である場合においては、政府は、旧所有者等に対して、優先的にこれを譲渡すべき旨の申し入れをすることができるようにしたことであります。
 第三に、譲渡所得の課税の特例につきましては、不要地認定した農地等の公共用または公用への活用に資するため、旧所有者等が売り払いを受けた農地等を転売した場合の譲渡所得の課税に関する租税特別措置法の適用につき、その売り払いを受けた年またはその翌年中にこれを公共用または公用として政令で定めるものに供するため転売した場合には長期譲渡所得として軽減税率を適用することとし、それ以外の場合には、短期譲渡所得として課税することといたしました。
 第四に、この法律は、公布の日から起算して三十日をこえない範囲内で政令で定める日から施行すること。
 その他の事項として、すでに農地等の売り払いの措置が進行中の特定のものに限っては、従前の例によるものとすること及び農地法第八十条第二項中の売り払い対価は、買収の対価によるとする規定を削除するものとすること等必要な規定を設けることといたしました。
 以上がこの法律案の提案の趣旨及びそのおもな内容であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#133
○委員長(河口陽一君) これより質疑に入ります。質疑のある方は御発言を願います。
#134
○河田賢治君 提案者自体については質問はありませんが、これとちょうど問題が関連する問題について、私はかつて文書質問をしておりましたが、まだこの問題について非常に不徹底なんで、あらためて農林省当局の意見を聞きたいと思うんです。
 事実の問題は、御承知のとおり福井県の今庄町、この駅裏に六千坪の土地があって、これが前の町長が公共用地にすると、つまり町のグラウンド、車庫を建てると、こういう名儀で払い下げを要求したわけでありますが、実際上はこれは手続上非常にいろいろ問題が――私自身が調べたところでは予算を議会に出して、農政局に書類を出したということになっておりますが、実際には百万幾らかの予算を組んだらしいです。しかしながら同時に車庫を建てるということは、実は車庫は前からできているんですね。現実には車庫は存在している。そういうことにもかかわらず、旧地主に土地を所有させるためにこれの売り払いを受けて農林大臣がこれを許可した。ところがその後ちっともこの事実が進まぬ、実際に町のグラウンドにもならず、その土地が他のいろいろな町の有力な業者によって物の置き場にされておる。こういう事件があったんです。その町の人は早い売却を要求したけれども、この農地の所有者がいろいろと値段をつり上げて、町のいわゆる鑑定士なんかを雇ってきめた町の価格にも応じないということで、全然これを放任しておる。こういう事件があったわけです。しかも農地の転用の用途期限というものは昨年の三月で切れておる。大体こういう問題なんであります。
 そこで私は第一に農林省に伺いますが、その前にここでの農用地の売り渡しが行なわれている。ところが実際には農地あるいは牧草地ではなくして一般の住宅ないし工場とかそういうものが建っちゃった。ところがこの問題その他でいろいろと土地の所有者やその他から不満があって、とうとうこの問題が行政監察のほうに送られて、大臣特命でそこが調べられて、結局前に売り払った土地は一応取り消し、再度売り渡すということが起きたわけですが、しかしそのときの代金がいまだに農林省に払われていない、登記は済んでいるといわれていますが、そういうことを承っております。農林省当局は土地は売ったし、登記も済んだけれども、その代金は受け取らぬという、これはどういう問題になりますか、一応聞きたいと思います。ずいぶん古いのですから。これは。
#135
○政府委員(岩本道夫君) 御質問の土地問題は、福井県の今庄町の駅の裏に当たる土地でございまして、市町村の農地委員会の定める未墾地買収計画に基づいて、主として地元増反の目的で行なわれました小規模の未墾地の買収に端を発するものでございまして、当時今庄村が日野川のはんらんで地籍や権利関係も不分明な本件土地をこの制度を利用して解決をはかろうとしたものと推測をされるわけでございます。したがいまして非常に古いことに属しまして、その後の経過を見ますといろいろと手続上問題があることも事実のようでございます。買収して代金を払わないということはなかったようでございますが、この買収にいろいろな瑕疵がありまして、行政監察局の特別の監察がありまして、そういう勧告に基づいて買収売り渡し処分の是正措置をとったことがございまして、それに関連して再売り渡しをしておりますが、こわもちゃんと代金はとっておるわけでございます。ただ一部に買収当時現況が宅地であったものが介在をいたしておりまして、この登記関係が整理されず、売り渡しの取り消しなりその再売り渡しという過程におきまして御指摘のような点が一部あったと承知いたしております。
#136
○河田賢治君 私が聞いたのは、この間本省のほうから、農政局の人や県の人と一緒に行って調査したそのときにまだ、この一番最初は昭和三十二年ころですけれども、こういう時期の問題をいろいろ整理した結果、藤井、井口、赤星、寺田、福島、この五氏に八千四百七十五坪の土地を売って、あるいは代金は未納になっているということを聞いている。これは確実に入っているのですか、受け取っているのですか、そういうことをお調べになったのじゃないのですか。
#137
○政府委員(岩本道夫君) 先ほどお答え申し上げましたように、当初買収いたしました土地の中に、現況宅地であるものが約六千坪ばかり介在をしておりまして、いろいろ国の行政監察による監察結果等に基づいて買収及び売り渡しの措置の是正をやったことがございますが、そのときにこの現況宅地であるものの登記関係が整理未済でございまして、その宅地について三十八年に売り渡しの取り消しをしたわけでございますが、その後再売り渡しが行なわれずに登記がそのまま残っておるというものが約六千坪ございまして、これが代金が入っていないと御指摘をされている問題の土地だろうと思います。
#138
○河田賢治君 ちょっと違うのですよ。私の言っているのは。いま現地で問題になっているのは六千坪ですね、これは旧地主に売って金は取っておるのです。しかしこれは登記も本庁はしていないのです。全然登記はしていない。そうしてまだ町と土地の所有者との間で値段のなかなか折り合いがつかぬということでこれはいま係争中になっている。その前に、例の行政監察があってそうして取り消したわけでしょう、県の処理方針として一たん全部取り消すと。現にもう建物が、かってに建てられたものがそのまま残っていたと、だからそれを売り払ったということになっているわけですね。その売り払った代金は、政府のほうは代金がまだ未納になっている、こういうことを私は聞いているのです。いつ、入ったなら入った日付ですね、年月日、それから金額をおっしゃってください。
#139
○政府委員(岩本道夫君) 先生の御指摘になっております問題の土地の約六千坪につきましては、前段のほうの御指摘はおっしゃるとおりですが、私が申し上げております宅地というのは、約六千坪と申しましたが、正確に申しますと五千九百五十坪でございまして、これは問題の旧地主の売り払いにかかる六千坪とは地目も違っております。宅地になっておりまして、これは先ほどから御答弁いたしておりますように、昭和三十八年に売り渡しの取り消しをやりました際に代金は回収いたしまして、これを再売り渡ししないでそのままになっておるわけでございます。したがってこれは売り渡し処分を、売り渡しをしておりませんので、代金が入っていない、こういうことでございます。
#140
○河田賢治君 代金は入っていないのですね。そうですね。昭和三十八年ですね、すでにこの問題で売り払って代金を取っていない。一体こんな調子で農地がこれまで、売り払ったりした代金というのを……、こんなの認めているのですか。
#141
○政府委員(岩本道夫君) 三十八年に売り渡し処分を取り消しまして、再売り渡しをしていないわけでございます。したがって代金が入っていないわけでございまして、ただ登記はそのときに抹消しないで、売り渡し処分を取り消しましたときに抹消しないでそのままになっておるということでございまして、売り渡しをしておりませんので、代金が入っていないということでございます。
#142
○河田賢治君 それはどうもおかしいですね。登記はしたままで、現にいま農林省としての土地をいろいろなものに、農地ではなくて他のものに使ったと。かりに売り渡したとすれば、それは当然登記もしなければならぬし、代金も取らなければならぬでしょう。そうでなければ問題は片づかぬでしょう。そんなものをいつまでも、代金はどうとかこうとかいう問題じゃないでしょう。この農地法の本旨に適するかどうかはまた別問題です。しかし現実に家が建ちなんかして、そういう人の、さっき申しました五人の者に八千四百七十五坪と、こういうものを売ってきちんとこれがしてないということは一体どういうことなんです。
#143
○説明員(堀川春彦君) これは局長からも申し上げておりますとおり、当初開拓財産としての売り渡しをしたのでございますが、その後この問題の宅地の分を含む売り渡し取り消しの措置を三十八年の七月二日にやりましたので、したがって、取り消し後におきましては民間の手に渡っておらないという状況に相なっておるわけでございますが、しかし、利用の現状と登記面の整理というのが現在までつかずに残っておるということでございます。この問題の解決は先ほどおっしゃいました駅辺土地約六千坪の問題の処理とは別の問題でございますけれども、私どもとしては精査をいたしまして始末を適切につけたいと、かように思っておる次第でございます。
#144
○河田賢治君 まあ一応あなた方がそういうふうに認められるならばこれはあとでまた処理の過程についていずれまた発言したいと思いますから保留します。
 さて、六千坪の問題について土地を当時売り払われたと、しかしこれがいろいろ土地台帳や所有者との関係がかなり不正確なところが出ていて、最近お調べになったわけですけれども、しかし、この問題が昭和四十年三月に国有財産を売り払って指定用途まで指定されているんですが、一体農林省はこういう農地を売り払った場合に、ほんとうにこれは町営グラウンドとして、あるいは車庫として使われておるかどうかということは追跡しないんですか。もうただ下から言ってくればそのまま渡してしまう、そして農林省の答弁の中にもずいぶんと関係者等の指導にあたって努力を重ねてきたと言っておられますけれども、北陸農政局の職員ですね、一度しか行っていないんですね。全然この問題なんかについても不誠意なんです。まるっきり土地の有力者、御承知のとおり町の役員、いろんな公職についているわけですね、相談員だとかあるいは何だとかかんだとかという、こういうような人の要求そのままで何らこれに対して手も打ってない。それで六千坪の土地がそのままになっている。しかも出した書類というものが実際にはもう車庫なんか建っている。それに対して町長が出したものは車庫を建てるんだという、現実にそういうばかなことが行なわれているわけですね。そういうことをうのみにして、信用しないのは悪いですけれども、しかしここは一ぺん行政監察を受けた土地でしょう。大臣のいわゆる命令によって調べたんです。取り消したりしている土地なんです。だからそういうところならなおさら農林省はこの六千坪の土地のほんとうに出したとおりに公共用に使われるのかどうかということを見ていかなければならない。売り渡したあとでもそれがなければ即刻取り消して取り上げるべきだと思うんです。何らそういうことの処置がなされていないんですね。なすがままなんですよ。どの程度のこういう問題について農林省は指導をなさってるんですか。これは一般にも農地法の施行の事務の充実、あなたのほうの答弁ですよ、「農林省及び地方公共団体の職員に対しては農地法に基づく行政を厳正に行なうよう指導してきているところである。今後ともその趣旨の徹底を期していきたい、」、こう書いておられる。しかし何らひとつこれまで行政に対する厳正なことが行なわれていないでしょう。でたらめな町長が書類を出した、それで二円六十何ぼで売ってもらったと、実際には町の公共用地だと言って、農林省に出したものを実行してないんですよ。農林省は全く詐欺にかかってるんですよ。こんな調子で旧地主がどんどんどんどん、ほかにもあるかもしれません、少なくともここではそうなっているんですね、結果的には。
 それから、お尋ねしますけれども、ここに県道をつくるということが言われておりますが、県当局のほうなんですが、農林省がまだ登記もしない、道路計画が立てられている、それで県はくいを打っているんですね、どんどんどんどん、県道のくいを。ところが、こういうことに対して農林省は事前に了解も得てない、県も何らこれに対する報告もしてない。だから土地問題について現在の地方の、農林省でも本省と農政局がありますけれども、地方の農政局というのは全くこういう問題に対して県に対する何らの連絡や処置も取っていない。こんなに勝手にくい打ちされて、ここは県道にしますということをやられる。一体これであなた方が土地を買収して、そうして政府の所有地として持っている責任をお感じになっているのですか。ちょっと聞かしてください。
#145
○政府委員(岩本道夫君) 農林省では従来から国有農地等の売り払いに当たりましては、できるだけ公用、公共用に使われるように指導してきたところでございます。本件の今庄町の土地問題につきましても、町が町民グランドおよび車庫に使うということで売り払いを認めたわけでございまして、今後ともその公用、公共での活用が十分いくように万全の努力をしてまいりたいと考えております。
#146
○河田賢治君 ここではまだこの問題が五年間過ぎましたけれども、町とこの当事者との間で話し合いがうまくまだ進んでいないようです。しかも、最近農林省からも行かれ、この現地調査もやられた。ところが今度は地主の諸君が何でも先週あたりは公開質問状を町長に出しておる。そうして私の質問したことについてのいろいろな弁解じみたことや、内容の不確かなことに対する抗議らしいことを公開質問に出しておる。ところが、この間、それらの人が上京されて国会議員、代議士に会われたということも聞いておる。農林省へも行きました。ところがここではもうすでに彼らが、その土地で非常に広言していることがあるのですね。もうわれわれがこの土地は自由になるのだというようなことを、そういう意思表示を農林省はおやりになったのですか。
#147
○政府委員(岩本道夫君) そういう事実はございせまん。
#148
○河田賢治君 農林省へ行って、そういう事実がないとすれば、こういうふうにこの土地を所有した人々のつまり腹ぐろさですね。いろいろなことを言って、うその報告をしたり、あるいはデマを飛ばす。そうして何か自分たちが有利なように取りはかろうとしているように見受けるわけです。しかし、この問題は御承知のとおり解決されておりませんし、現に農林省の土地として登記はまだあるわけですが、すでにこの土地にもいろいろな品物なんかが積まれておりますが、こういう問題の処置に対して、あなたのほうでの実情の調査の上、適切な対策を講ずることにするというふうにいま言われておるわけです。こういう問題についても何か対策をお立てになったのですか。
#149
○政府委員(岩本道夫君) この問題をお聞きしまして非常に問題の重要さを痛感いたしましたので、さっそく北陸の農政局はもちろん、福井県の副知事にも私のところへきていただきまして、なるべくこの土地が公用、公共用に使われるように万全の措置をとるように指示いたしたところでございます。県もこの解決のために努力すると申しております。私どももこれが六千坪もある土地でございますので、公用、公共用に使えるように万全の努力をしてまいりたいと考えております。
#150
○河田賢治君 このあと問題がもう少し進展してからまたこの問題はお尋ねします。
 で、第一、農地改革というものができたときには、御承知のとおり、これは日本の政治の民主化として行なわれたわけですね。そして、地主的な土地所有が農民的な土地所有に大体において変わった、これは非常な社会の発展からいうと進歩の一つの方向が打ち出されたわけです。どこでも世界は、やはりおくれた開発途上国では農地改革というものが盛んにやられ、その結果、農民的な土地所有になってから資本がどんどん――農業のいわば近代化が少しずつ前進する、市場が広く行なわれて、農薬だとか、肥料だとか、あるいは農業機械等々、農民の中に一つの資本の市場ができた。そして生産力が高まった。だからこの地主的な土地所有というものをなくして農民的な土地所有にしたということは一つの大きな発展なんです。
 ところが、従来八十条というものがありまして、若干時代が変わってきた、特に都市地域では、御承知のとおり、売り払われた自作農が、わずか一坪の土地でも今日は五万とか十万とかいう膨大な地価の値上がり、これによって大きな利益を受けるわけなんで、旧所有者にしてみれば腹が立ってしょうがないのでしょう。おれが持っていたら――こういう気持ちがあるわけでしょう。当時農地買収に対する補償も行なわれた、だからもう完全にいわば旧地主の土地ではないわけです。売ったときには代金ももらっている。それからまた、補償法で補償もされている。ですから、こういうものを私たちの見解から言えば、旧地主はもとの所有者であってもほんとうの所有権というものはないと認めるべきだし、また常識からいっても私たちはこれをできるだけ公共用にすべきだと、それがはっきりしたときに初めて地主に手続上やって、もうこれはトンネルでいいわけです。二円六十銭になったら二円六十五銭ぐらいでさっとやって、公共用に転じて、そこで金もうけしようなんという根性があったら、それは間違いなんです。ところが、こういうことが現に行なわれて、だんだんと農地の転用が行なわれている。しかも公共用にやると言いながら、うそ八百を並べて、今日このように私腹を肥やして、しかもまだ何千円でなきゃ売らぬと盛んに町当局に言っているわけです。
 一体農地改革の本案の姿というものをほんとうにつかむならば、今日旧地主に対してこういう所有を認めるべきじゃないというのが私たちの見解なんですが、いま農地もまだ相当残っております、都市にもあれば農村にもあります。これらの農地が、今度新しく法律ができまして、若干売払の価額、また公共用地にしていくことにある程度条件を付しております。けれども、あなた方がこれまで、この一つの事例をもってみても、あなた方が農地の管理に、またこれの売り払いについてもきわめてずさんなんですね。まるっきり自分たちが一つの国の財産を扱っているという姿勢はどこにも見られない。言いなりになっているわけです。こういうのが農林省として、基本的な問題ですから、一応農地改革とそれに基づく農民的土地所有、これをまた地主の所有になる、こういうことについての基本的な問題をひとつお聞かせ願いたいと思います。
#151
○政府委員(岩本道夫君) わが国の戦後の農地改革が、旧地主制を解消して、全国的かつ広範囲に自作農を創設するということによりまして、わが国の民主化の基礎を築きますとともに、耕作者の地位の安定と農業生産力の発展をはかることを目的としたものであることは言うまでもないところでございます。この農地改革は成功裏に終了いたしておりまして、戦後の経済の復興と繁栄に大きな寄与をしているものと確信をいたしております。当面問題になっております買収農地は、主として市街地及びその周辺にある農地で、自作農創設という本来の目的に供することが適当でないものでありまして、農地全体から見ますと、そのウエートはきわめて微々たるものでございまして、旧所有者への売り払いによって、その農地改革の精神と申しますか、旧地主制の解消なり自作農創設の目的に反することはないと思います。また、いわゆる地主報償金が払われましたことにつきましても、これは補償金の性格を持つものではなくて、あくまでも農地改革におきまする農地被買収者の貢献と、その受けた心理的影響を考慮した報償金という性格のものであると考えております。今回の最高裁の判決にも明らかにされておりますように、農地法八十条の買収農地売り戻し制度は、買収農地等の買収が自作農創設等の公共目的のために強制的に行なわれたものでありますので、その買収目的に供することが相当でなくなったときには、これを旧所有者に返還するのが立法政策上妥当な措置であるという考え方に立つものと理解すべきでありましょう。農地報償金の支払いをしたからといって、この買収農地を旧所有者に返さなくてよろしいという公認にはならないわけでございまして、こういう最高裁の御判決の趣旨に照らしまして、自作農創設に供しない農地は旧所有者に売り払うということが妥当であると考えております。
#152
○河田賢治君 最高裁がそういう法解釈をしようとも、実際には転用なんかの問題でも公共用に使うという方向を政府が指導するならば、これはできるわけですね。現に、公共用ということに実際は要求されても農林省自体がそれを守らずに、かってに地主なんかに振り回されているという事態があるわけです。今度のこの各党の連合でお出しになりました特別措置法案、これは若干の、二円五十三銭ということで農地を旧地主に払い戻すというような点ではある程度これはチェックされている。そうして租税その他の方法で、あるいはいろいろな公共団体に対する報告というようなことで、若干あれされておりますが、しかし、これまでのような農地に対する、今庄町の、福井県の事例に見られるような態度であるならば、今度の法律にしましても、必ずしも、全体として旧所有者が公共用に自分たちは売らぬと言って拒否すれば、これは当然だめなんですね。それを強制することはできないというような、いわゆる行政指導の面が非常に強いわけです。だから、これまでのようなやり方でおやりになるならば、今度この法案が通りましてもほんとうの意味で公共用地の目的にかなうような行政指導もできないんじゃないか、このことを一つ私たちはおそれるわけなんですね。
 それで、私たちは本来ならば第八十条第二項を削って、そうしてすべて現在の農地はこれは公共用にすべきだというふうに、特に今日では都市化の地域においては公共用地というものが非常に少ない、保育所やあるいは乳児育児所あるいは運動場とか、いろいろなものが今日都市に特に要求されているわけなんです。したがって私たちはこういう方向にすべてを回すべきで、八十条二項は削除するということが一番今日の国民の要求にも、また時代にも即したことだと私たちは考えます。したがいまして、いま農林省の方の答弁は要りませんが、いずれにしましても私たちはこの新しい法律ができましたときにでも、農林省は確固として現在の常識的な方法で――何も専門的なことは要りませんよ、常識的な方法でこういう農地を処分する場合にそういう立場でひとつ処置してもらいたい、こう思うわけです。
 以上をもって終わります。
#153
○委員長(河口陽一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#154
○委員長(河口陽一君) 異議ないと認めます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#155
○委員長(河口陽一君) 速記を始めてください。
    ―――――――――――――
#156
○委員長(河口陽一君) 卸売市場法案を議題といたします。
 これより質疑を行ないます。
#157
○達田龍彦君 先ほど質問を申し上げましたけれども、その中で水産物の産地市場の問題について私の質問に必ずしも明確でありませんので、一点だけ再度質問申し上げまして御回答をいただき、質問を終わりたいと思うわけです。
 それは午前中の質問の中にも、私から、水産物の産地市場の卸売り業者への融資制度については、従来までその制度がとられておりますけれども、助成等の措置については、従来までもとられておりませんし、今回の改正でも必ずしもこれを完全に助成するということが盛られてないようでありまして、今日の産地市場の実情を見てみても、その特殊性とさらには需給調整上の機能の重要性から考えて、私はぜひこの水産物の産地市場の卸売り業者に対しての助成の措置を講ずべきであると考えるのであります。ただし、この開設市場が公共的団体であったり、あるいは水産業協同組合等であったり、そういう特殊な事情のものがかなりあるわけでありまして、そういう点は私は特に考慮して助成すべきではないかと思うのでありますけれども、そういう点についての政府の御回答を最後にお尋ねをしておきたいと思うのであります。
#158
○政府委員(小暮光美君) 水産物産地市場における卸売り業者等の貯蔵保管施設等の整備につきましては、漁業近代化資金、卸売市場近代化資金等の制度融資を中心としてその整備を促進することといたしておりますが、過去においても漁業協同組合等が設置する産地冷蔵施設について補助を行なった例もあり、また本年度から新たに水産物産地流通加工センター形成事業を発足させていること等とも関連いたしまして、卸売り業者の業態等をも十分考慮の上、これが助成のあり方について今後十分検討いたしてまいりたいと考えております。
#159
○委員長(河口陽一君) 他に御発言もなければ、質疑は尽きたものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#160
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
#161
○河田賢治君 私は日本共産党を代表して、中央卸売市場法一部改正案に反対する意思を表明し、その理由を明らかにするものであります。
 まず最初に、わが党は、現行中央卸売市場法が大正十二年の制定以来、約半世紀を経ており、この間三度にわたる部分改正を行なったとはいえ、今日の変化した農水産物の生産と流通に十分対応し切れなくなっている事実、さらには、今回の改正案が、無秩序、需細な乱立状態に放置されてきた地方卸売市場の整備と、法的規制の適用、市場新設、拡充への補助率引上げをはじめ、幾つかの積極的改正点を含んでいることを卒直に認めるものであります。
 しかしながら、中央卸売市場審議会答申を受けた今回の抜本改正の内容は、今日多くの国民の強い批判を引き起こしている生鮮食料品の異常な高騰とその原因の一端をになっている今日の卸売市場運営の実態、とりわけ、コールドチェーン化の急速な進展とその支配を利用した大手水産資本と卸売会社による市場内外での不正不当な価格操作の根本的規制など、真に国民が期待している卸売市場の民主化、運営の公正化の要求に程遠く、むしろ、こうした現状を法的に追認し、合法化し、拡大させると共に、市場制度全体を現在以上に大手資本の支配にゆだね、その莫大な利潤確保の方向に再編、整備するという危険な内容に貫かれていることを指摘せざるを得ないのであります。
 即ち、反対理由の第一は、委託に基づくせり取引を原則とした現在の価格決定方式のもとで、例外的に認められていたにすぎない相対取引――定価売り、見本売りを大幅に拡大し、実質上これを取引形態の本流に置きかえようとしている点であります。相対取引の対衆として予定されている冷凍品、加工食品をはじめ、バナナ、レモン、冷凍エビ等の輸入食品は、今後とも市場流通量に占める比重が急激に高まっている食品であり、その大半が大手資本に握られている食品であります。これらの食品こそが、現に巨大な冷蔵、貯蔵施設を利用した大手資本、卸業者の出荷調整、価格つり上げをセリ取引の悪用と結びつけて行なってきたものであり、彼らの不当な高利潤を可能にしてきたという事実に照せば、その危険性は明白であります。
 第二の問題は、相対取引の価格つり上げの原因となっているセリ取引価格の不公正なつり上げ操作の規制が強められていないばかりか、逆に、価格操作の主要な手段に悪用されている転送の合法化と、その拡大、指し値制度の拡大、倉入れの放置等によって、一層不公正な操作が可能になっている点であります。市場法改正は、生鮮食品の騰貴抑制にとって重要という政府の宣伝の欺瞞性は、こうした事実に照せばおのずから明らかであります。
 第三は、改正案が、卸売市場の開設、運営に関する農林大臣の権限を大幅に強め、開設者である地方自治体の権限を実質上、仲卸人の許可、売買参加者の承認等の範囲に押えられ、地方自治体による自主的な管理、運営の強化を一そう困難にしている点であります。
 第四には、水産物市場を中心とした大手漁業独占を系列下の大手荷受け会社の不公正な市場支配に対する有効な規制を欠いたまま、一方で、卸売り会社、仲買い人の統廃合を強引に押し進め、大手資本の少数支配のみを一そう強固にする方向がとられている点であります。その影響は、単に中・小卸、仲買い業者にとどまらず、いまなお、労働協約もない前近代的な雇用関係のもとで、劣悪な労働条件と身分保障を全く欠いた、多くの市場労働者の生活に重大な打撃を与える点からも重大であります。
 私は、卸売市場が今後とも果たすべき社会的、経済的責務の重大さに照らして、わが党がさきの衆議院での本案審議において提起した修正案が示すとおり、市場制度の真の公正化、民主化をはかる上で、最小限次の点の重要性を主張するものです。
 第一に、せり取引の原則を強化し、これをゆがめている倉入れ、差し値、せり止め、不法な転送等の価格操作手段を厳重に規制し、そのために、消費者、生産者、市場労働者代表等を含む民主的な監視機構設置をすべての開設者に義務づけると共に、大幅な調査、勧告権を与えることであります。
 第二に、卸売会社の許可、取消し、合併認可、事業停止命令等の権限を開設者に与えると共に、兼業業務、別会社設立を許可制に改めることです。
 第三に、せり人を卸売業者から切り離し、地方公務員とし、卸売業者によるせり操作の防止に資することであります。
 第四に、市場関係労働者の雇用関係、労働条件改善、身分保障の明確化をはかり、労働協約の締結をはじめとする労働基本権の遵守をすべての卸、仲買い人の認可の条件とし、市場労働者の待遇改善に資することであります。これらの点を中心にして、市場制度の民主的改善をはかることこそ、今日、多くの国民が強く求めている改正の方向であることを最後に強調して、私の反対討論を終わります。
#162
○委員長(河口陽一君) 他に御発言もないようでございます。討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#163
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 卸売市場法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#164
○委員長(河口陽一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 村田秀三君から発言を求められておりますので、これを許します。村田秀三君。
#165
○村田秀三君 この際、私は、ただいま可決されました卸売市場法案に対する自民、社会、公明、民社四党共同の附帯決議案を提出いたします。案文を朗読いたします。
   卸売市場法案に対する附帯決議(案)
  最近の生鮮食料品の需給の動向にかんがみ、政府は、生鮮食料品等の生産の増強と価格の安定に資するため、有効な諸対策を拡充し、流通の改善合理化、とくに卸売市場の整備に関し、抜本的措置を促進するとともに、左記事項の実現に万全を期すべきである。
     記
 一、長期的展望に立つて、すみやかに卸売市場に対する整備基本方針を樹立し、整備計画の促進を図るとともに、その財政および金融的措置の充実に努め、あわせて利子補給制度の導入等につき検討すること。
 二、卸売市場の公共性にかんがみ、その適正な運営に留意し、市場の適正配置、施設の整備、取引の改善合理化と価格形成機能の助長に努め、生産者および消費者の利益が反映するよう配慮すること。
 三、卸売業者については、保証金の増額、兼業業務等の規制を強化し、手数料、出荷奨励金等を合理化し、転送等については、市場の取引に悪影響を及ぼさないよう指導、監督を強化すること。
 四、仲卸業者の大型化・近代化を図り、その健全化と業務の適正化に努めること。
 五、仲卸業者の業務の規制に関する規定の運用については、場外取引との競争関係をも十分考慮して適切に運用すること。
 六、生鮮食料品等の安定的流通に資するため、農漁協等系統共販による計画出荷の促進、生産者団体の共同販売施設および公設または民営小売市場等の整備拡大を図ること。
 七、水産物産地市場については、その特殊性と需給調整機能を配慮し、卸売業者等の保管・貯蔵施設等についての援助を拡大すること。
 八、野菜の指定産地および価格安定資金制度等について、十分検討を加え、卸売市場機能とあわせて生産と価格の安定を図ること。
  右決議する。
 以上、御提案申し上げます。
#166
○委員長(河口陽一君) おはかりいたします。
 村田君提出の附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#167
○委員長(河口陽一君) 全会一致と認めます。よって、村田秀三君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、倉石農林大臣から発言を求められておりますので、これを許します。倉石農林大臣。
#168
○国務大臣(倉石忠雄君) ただいまの御決議につきましては、その御趣旨を尊重して、実現につとめてまいりたいと存じます。
#169
○委員長(河口陽一君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#170
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#171
○委員長(河口陽一君) 再び、国有農地等の売払いに関する特別措置法案を議題といたし、審査を行ないます。
 本法案については、先刻質疑を終局いたしておりますので、直ちに討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#172
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 国有農地等の売払いに関する特別措置法案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#173
○委員長(河口陽一君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#174
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#175
○委員長(河口陽一君) 農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案及び漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を一括して議題といたします。
 まず、両案について提出者から趣旨説明を聴取いたします。衆議院農林水産委員長代理理事丹羽兵助君。
#176
○衆議院議員(丹羽兵助君) ただいま議題となりました衆議院農林水産委員長提出の両案について提案の趣旨を御説明申し上げます。
 まず、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 乳業施設資金融通制度は、酪農振興法に定めるところに従って、乳業を営む者に対し、農林漁業金融公庫からその乳業施設の改良、造成等に融資することを目的として昭和三十六年に創設されて以来、昭和四十五年十月まで十年間に約九十四億円融資され、酪農業の急速な発展をはかる上から大きな役割りを果たしてまいりました。
 最近の牛乳乳製品の消費は伸び悩んでいるものの、長期的には需要増大の傾向にあり、これに対応して消費地に対する生乳供給を確保するとともに牛乳流通の合理化に資するための新型容器の開発等生産施設を整備改善することが従前にも増して強く要請されているのであります。
 このような状況のもとで本制度の資金需要は根強く増加してまいっておりますので、本制度を以上のような実情に合わせて存続させるために、本年三月三十一日をもって終了する本制度資金の貸し付け期限をさらに五年間延長することとし、あわせて、最近における生乳の流通実態に即応して本資金の貸し付け対象となる乳業施設の地域に関する規制要件を緩和しようとして本案を提出した次第であります。
 すなわち、現行制度での融資対象となり得る施設は、第一に集約酪農地域内または酪農近代化計画樹立市町村の区域内の乳業施設と第二にその施設で処理または加工する生乳の相当部分が、当該施設所在の都道府県内にある右の区域で生産される生乳に依存する乳業施設に限られておりますが、最近の生乳流通の実態が県間移動増加の状況にあることから、都道府県の区域制限を緩和して、一定の要件を備えた消費地乳業施設に対しても、本資金を融資することができるようにしようとするものであります。
 次に漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案について申し上げます。
 適正な事業経営を行なうことができる漁業協同組合を育成して、漁業に関する協同組織の健全な発展に資するため、昭和四十二年に漁業協同組合合併助成法が制定され、以来この法律の規定に基づき漁業協同組合の合併についての援助、合併後の組合の事業経営の基礎を確立するのに必要な助成等の措置を講じてまいりましたことは、すでに御承知のとおりであります。
 しかしながら、この法律の規定によると合併及び事業経営計画の提出期限は、昭和四十五年十二月三十一日までとされており、すでに期限が到来しているところであります。
 しかも、現在までのところ漁業協同組合の合併の状況は、遺憾ながら計画どおり進捗せず、今後引き続いて組合の合併を促進する必要が強く要請されるところであります。
 このような実情にかんがみ、漁業協同組合合併助成法の規定に準じて、昭和五十一年三月三十一日まで、都道府県知事に合併及び事業経営計画を提出して、その計画が適当であるかどうかについて、認定を求めることができることとするとともに、適当である旨の認定を受けた漁業協同組合については従前の例により法人税、登録免許税及び事業税の特例あるいは漁業権行使規則の変更または廃止についての特例措置を実施して極力漁業協同組合の合併を促進するよら本案を提出いたした次第であります。
 以上が両案の提案の趣旨であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
#177
○委員長(河口陽一君) これより両案の質疑に入ります。質疑のある方は御発言を願います。――別に御発言もなければ、質疑はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#178
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより両案を一括して討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もないようですが、討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#179
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 まず、農林漁業金融公庫法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#180
○委員長(河口陽一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 次に、漁業協同組合合併助成法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#181
○委員長(河口陽一君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両案の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#182
○委員長(河口陽一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたしました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時八分散会
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ソース: 国立国会図書館
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