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1970/01/26 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第2号
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1970/01/26 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第2号

#1
第065回国会 社会労働委員会 第2号
昭和四十六年一月二十六日(火曜日)
   午後一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 一月五日
    辞任         補欠選任
     吉田忠三郎君     小柳  勇君
 一月二十六日
    辞任         補欠選任
     藤原 道子君     林  虎雄君
    ―――――――――――――
   委員長の異動
 一月二十六日佐野芳雄君委員長辞任につき、そ
 の補欠として林虎雄君を議院において委員長に
 選任した。
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  虎雄君
    理 事
                上原 正吉君
                小柳  勇君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                黒木 利克君
                高田 浩運君
                山崎 五郎君
                占部 秀男君
                大橋 和孝君
                佐野 芳雄君
                中村 英男君
                村尾 重雄君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
       労 働 大 臣  野原 正勝君
   政府委員
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生大臣官房会
       計課長      上村  一君
       厚生省公衆衛生
       局長       滝沢  正君
       厚生省環境衛生
       局長       浦田 純一君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省薬務局長  武藤g一郎君
       厚生省社会局長  加藤 威二君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
       厚生省保険局長  戸澤 政方君
       厚生省年金局長  北川 力夫君
       厚生省援護局長  中村 一成君
       社会保険庁医療
       保険部長     穴山 徳夫君
       社会保険庁年金
       保険部長     八木 哲夫君
       労働大臣官房長  道正 邦彦君
       労働大臣官房会
       計課長      増田 一郎君
       労働省労政局長  石黒 拓爾君
       労働省労働基準
       局長       岡部 實夫君
       労働省婦人少年
       局長       高橋 展子君
       労働省職業安定
       局長       住  榮作君
       労働省職業訓練
       局長       渡邊 健二君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事の補欠選任の件
○社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関
 する調査
 (厚生行政の施策に関する件)
 (労働行政の施策に関する件)
 (昭和四十六年度厚生省関係予算に関する件)
 (昭和四十六年度労働省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林虎雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 議事に入るに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げます。
 私、このたび皆さまの御推挙によりまして本委員会の委員長に選任されましたが、何ぶんにもふなれな者でございますので、委員の皆さまの御鞭撻、御協力によりましてこの重責を果たしたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。
 簡単でございますが、ごあいさつにかえたいと思います。(拍手)
 佐野前委員長からごあいさつをしたいとの申し出があります。佐野君。
#3
○佐野芳雄君 新しい委員長がきょうの本会議で選任されまして、これからの社会労働委員会は林委員長の手によって運営されると思います。
 私は、約一年の間、委員長の席を汚してまいりましたが、その間、理事各位並びに委員諸君のたいへん手厚い御協力、御支援をいただきまして、つつがなくその任を果たすことができました。この機会に皆さん方の御友情に心から御礼を申し上げます。
 新しい委員長は、すでに御承知のように、非常にすぐれた経験をお持ちの方でございますし、温厚篤実の方でもございますので、私同様あるいはそれ以上に御協力、御援助いただきまして、この委員会が円滑にひとつ議事運営ができますようにお願いしたいと思います。
 一言ごあいさつを申し上げます。(拍手)
    ―――――――――――――
#4
○委員長(林虎雄君) 委員の異動について御報告いたします。
 去る五日、吉田忠三郎君が辞任され、その補欠として小柳勇君が、また本日、藤原道子君が辞任され、その補欠として林虎雄がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(林虎雄君) ただいま報告いたしました委員の異動に伴い、理事に欠員が生じましたので、この際、補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長にその指名を御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(林虎雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、理事に小柳勇君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(林虎雄君) 社会保障制度等に関する調査及び労働問題に関する調査を一括して議題といたします。
 まず厚生行政の施策について、内田厚生大臣から所信を聴取いたします。内田厚生大臣。
#8
○国務大臣(内田常雄君) 厚生大臣の内田でございます。
 第六十五回国会における社会労働委員会の御審議の開始に先立ちまして、厚生行政について所信の一端を申し述べさしていただきたいと存じます。
 この数年間、特に一九七〇年代に入りまして、国民と政府とを含め、国民生活に関する意識と考え方が大きな変わり方を示し、国民の間にも、単に物質的な豊かさを追求するだけではなく、人間としての生きがいを求める声が強くなってきており、「人間尊重」、「福祉なくして成長なし」ということが政治の基本姿勢とされるに至っております。このような時代におきましては、国民生活のほとんど全面に接触いたしております厚生行政が大きな役割りをになうこととなるのは当然のことと思います。七〇年代社会は、また激動の社会ともいわれております。厚生行政は、絶えず社会の変動に即応して国民各層の期待にこたえるとともに、未来を志向いたしつつ、常に前進する行政でなければならないと考えております。
 私は、就任以来、このような観点に立って厚生行政を担当いたしておりますが、特に、明年度予算案の編成に当たりましては、国民の健康の確保と福祉の向上のため微力を尽くしてまいりました。今後とも各位の御協力のもとに厚生行政の推進に努力いたす所存でありますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。
 以下、当面の主要課題について申し述べることといたします。
 医療保険制度につきましては、かねて懸案の抜本改正への方向を考慮して改正に着手することといたし、当面明年度から被用者保険における七十歳以上の被扶養者に対する給付率を現行の五割から七割に引き上げ、また新たに長期勤続の退職者が引き続き一定期間従前の保険制度に加入できる制度を創設するなど、主として老齢者医療の充実を目ざすとともに、政府管掌健康保険の長期的な財政安定を行なうことを目途として、関係法律案の御審議をお願いいたしたいと存じております。
 次に、年金制度につきまして、厚生年金保険については、最近の物価上昇を考慮して、この際、定期的な財政再計算期を待たず、おおむね一〇%程度の年金額の緊急の引き上げを行ない、また、国民年金による福祉年金については老齢、障害、母子の各年金を通じまして、昨年度を上回る金額の引き上げを行なうとともに、所得制限の大幅緩和をはかり、さらにからだの不自由な一部の老人に対しましては、老齢福祉年金の支給開始年齢を六十五歳まで引き下げ、また、遺族に対しましては、公務扶助料との併給を大幅に広げる等いろいろの角度からの改善を行なうことといたしました。
 社会福祉の分野では、右に述べました年金制度の改善のほか、老人対策の一環として、新たにひとり暮らし老人に対する施策と、脳卒中など病後の老人に対するリハビリテーションについても所要の配慮を加えることといたしております。
 また、社会福祉施設につきましては、その立ちおくれを回復することを目途として、明年度から緊急整備五カ年計画を発足させるため、予算の大幅な増額をはかるとともに、施設の職員に対しましても相当の待遇改善を行なうことといたしております。
 生活保護基準につきましては、これを一四%引き上げますとともに、昨年制定されました心身障害者対策基本法の精神にのっとり、新たに心身障害の発生に関する研究を大きく取り上げる等、施策の充実につとめる所存でおります。
 次に、多年各方面から要望され、長年の懸案でありました児童手当制度につきましては、これを明年度から発足させることとし、義務教育終了前の第三子以降の児童を対象に月三千円を支給することを目標としつつ、明年度はさしあたり満五歳未満の児童を対象として段階的に実施することといたしております。
 公害対策につきましては、過般の臨時国会における諸法律の整備により一段とその強化がはかられたところでありますが、今後これが実効を期するためにも、公害監視測定体制の強化等、施策の拡充をはかる所存であります。なお、今国会ではこれに加えて、新たに悪臭防止法案を提出して、御審議をお願いすることといたしております。
 激増する都市・産業廃棄物の処理体制を整えるためさきの臨時国会におきまして清掃法の全面改正についてご配慮をわずらわしたところでありますが、この法律の施行を実効あらしめるため、明年度を初年度として新たに廃棄物処理施設整備五カ年計画を策定して施策の前進をはかることといたしております。
 また、先般の自然公園法の改正の趣旨にかんがみまして、明年度予算案には新たに自然保護調査費等を計上したところでございます。
 医療、公衆衛生の分野では、特に、強力な措置が望まれている僻地医療につきまして従来の諸対策に加えて、明年度は新たに医療機関と保健所の密接な連携のもとに総合対策を実施することといたしております。
 その他国民の健康を守るため、引き続き成人病対策、精神衛生対策を推進いたしますとともに、小児ガン、スモン病、ベーチェット病、小児自閉症などの疾病について公費による治療及び研究を促進することといたしております。
 食品や薬品の安全を確保するため、食品添加物の点検、残留農薬の規制の強化を推進するほか、医薬品の効能効果の再検討を行ないますとともに、監視検査体制の一そうの整備を行なうことといたしております。
 以上のほか、戦傷病者戦没者遺族等の援護、原爆被爆者に対する援護、公害認定患者に対する医療手当の改善等をも行なうことにいたしておりますが、厚生省の仕事の守備範囲はきわめて多岐にわたっておりまして、しかもその一つ一つが国民生活に直結した重要な問題でありますので、私は、厚生行政の重大な使命に深く思いをいたしまして、当面する諸問題の解決のため誠意をもって当たる所存でございます。
 重ねて委員各位のご指導とご協力をお願い申し上げ、ごあいさつといたします。
    ―――――――――――――
#9
○委員長(林虎雄君) 次に、労働行政の施策について、野原労働大臣から所信を聴取いたします。野原労働大臣。
#10
○国務大臣(野原正勝君) 第六十五通常国会にあたり、当面の労働行政について、一言所信を申し述べ各位の御理解と御協力を得たいと存じます。
 御承知のように、近年わが国は目ざましい経済発展をなし遂げましたが、これに伴って若年労働者や技能労働者を中心として労働力不足が次第に激しくなってきています。
 また、労働条件も、賃金の上昇を中心に大きく改善をみましたが、他方、技術革新の進展や人口の都市集中などから、労働者の職場環境や生活環境をめぐって解決を要する新たな問題が生じております。
 このような事態に対処して、私は、昭和四十六年度には次のような諸施策を重点的に進めてまいります。
 まず、第一は、職場の内外を通じ、健康で快適な生活を営み得るような条件をつくり出すことであります。
 現在労働者の生活は、経済の目ざましい発展によって、消費面では著しく向上してきましたが、住宅、貯蓄等の資産の面での立ちおくれが目立っています。このため、今後は、経済の成長に見合いつつ、資産の充実をはかり、安定した勤労者生活を送れるように、持ち家の取得、長期預貯金等の勤労者の自主的な努力による財産づくりを、国及び事業主が奨励援助するための勤労者財産形成促進制度を新に発足させることとし、関係法案を今通常国会に提出することとしていますので、よろしく御審議をお願いいたします。
 また、勤労青少年の福祉対策につきましては、第六十三特別国会において制定されました勤労青少年福祉法に基づき、勤労青少年福祉対策基本方針を策定し、諸施策を総合的、計画的に進めてまいる所存であります。
 次に、現在、労働災害による被害者は年間百七十万人にも及び、このうち六千人にも及ぶとうとい人命が失われています。これらの災害の防止のため、科学的な労働災害防止対策の一そうの徹底をはかるとともに、職業病の予防、治療にとどまらず広く労働者の健康づくりをすすめるため産業医学総合研究所を設置することといたしました。また、産業公害による社会環境の悪化が国民生活を脅かしていることにかんがみ、昨年秋には関係事業場の一斉点検を行なったところでありますが、今後とも事業場における有害物質の排出規制等労働行政の立場からも公害防止のための対策を強化していく考えであります。
 第二は、深刻化しつつある労働力不足に対処して、積極的な雇用政策を展開していくことであります。
 今後の雇用政策の方向については、四十五年十二月の総理大臣に対する雇用審議会の答申「労働力需給の長期的展望及びこれに対応する雇用政策について」の意図するところを十分くみいれて四十六年度に雇用対策基本計画を改定し、それに基づいて今後の労働力需給の動向に即応した雇用政策の刷新をはかっていく方針であります。とくに、その際には、国民経済及び国民生活の指向するところに対応し、労働生産性が高く、その成果が勤労者生活に還元されるような雇用構造の実現をはかることとし、このため、職業紹介機能や雇用情報サービス活動等を強化して労働力流動性の向上、中高年齢者、家庭婦人等の就業の円滑化を進めていくとともに、あわせて、総合農政の進展に対応する農村の雇用機会の増大や駐留軍関係離職者に対する援護措置を充実してまいります。
 さらに、労働者一人一人の能力を高めるため、職業訓練の充実につとめてまいります。四十六年度は、新規学校卒業者に対する養成訓練の拡大をはかるほか、特に、在職労働者に対して向上訓練、再訓練を行なう成人職業訓練の制度を新たに設け、いわゆる生涯訓練の制度の確立につとめてまいります。
 現行の失業対策事業については、最近における雇用失業情勢の著しい改善にもかかわらず、なお十九万人余の者がこの事業に固定化している等制度本来の趣旨と著しく相違する状況が見られ、このような状況に対して種々の批判も聞かれるようになってまいりました。そのため、現行の失業対策制度のあり方について抜本的な再検討を行なうこととし、昨年学識経験者七名を失業対策問題調査研究委員に委嘱して、客観的、専門的な立場からの調査研究を依頼したところ、昨年十二月その調査結果の報告を受けましたので、その趣旨を十分に尊重して検討した結果、今後の失業対策制度に関する基本構想をまとめました。すなわち、今後の失業対策は、現行の失業対策事業に依存することなく、中高年齢失業者に対して通常の雇用に就職することを促進するため、求職手帳制度の創設等特別の対策を講ずることによって対処するとともに、一方現在の失業対策事業就労者については、特に手厚い援護策を講じて、その自立を強力に促進し、これによってもなお自立し得ない人々については、引き続き失業対策事業に就労させることとする考えであります。この基本構想を目下雇用審議会に諮問しているところであり、その結果を待って早急に関係法律案を作成し、今国会に提出する所存でありますので、よろしく御審議くださるようお願いいたします。
 第三は、労働外交の積極的展開であります。
 私はアジアを中心とする対外協力の強化という政府の基本方針にのっとり、就任以来、アジア諸国に対する技術協力につとめてまいりましたが、とくに、四十六年度には、アジア諸国からの技能研修生の受け入れを中心としてこのための諸般の措置を講ずることとしたところであります。
 第四は、発展のおくれた分野に働く人々の労働条件の改善であります。
 近年、労働条件は全般的には向上してまいりましたが、いまなお、中小下請企業等には、恵まれない労働条件で多くの人々が働いております。このため、最低労働条件の確保という視点にたって監督指導を進めていくとともに、昨年成立した家内労働法の周知と順守の指導につとめてまいります。
 最低賃金制度につきましては、昨年九月中央最低賃金審議会から「今後における最低賃金制度のあり方について」答申をいただきましたので、今後はこの答申の趣旨を十分に尊重して効果的な最低賃金行政を進めてまいります。この際長年の懸案であったILO二十六号条約の批准に踏み切るべきであると考え、今通常国会において最低賃金制度に関する条約等三つの条約の批准の承認を求めることといたしました。
 最後に、合理的労使関係の確立であります。
 現在、労使関係の動向は、ひとり労使間の問題にとどまらず、政治、経済、社会の各般にわたり大きな影響を及ぼすようになっております。もとより労使関係の基本は、労使がその諸問題を話し合いにより自主的、合理的に解決していくことにあります。賃金についても物価問題がきわめて重要となっているときにあたり、労使双方が国民経済の実態を考慮しつつ、自主的に良識をもってその決定を行なうことを望むものであります。
 以上、当面する労働行政の重要事項について、私の所信の一端を申し上げました。
 各位の一そうの御理解と御協力をお願いする次第であります。
    ―――――――――――――
#11
○委員長(林虎雄君) 次に、昭和四十六年度厚生省関係予算について政府に説明を求めます。上村会計課長。
#12
○政府委員(上村一君) お手元にお配りしてございます「昭和四十六年度厚生省所管予算案の概要」に従いまして御説明申し上げます。
 表のページにございますように、四十六年度の厚生省所管の予算の総額は一兆三千二十億円でございます。四十五年度予算に比べまして約二千億、対前年度の伸び率は一一八%でございます。
 これを主要経費別に見ましたのが一ページの表でございます。当然のことでございますが、厚生省の関係では社会保障関係費が一番多うございまして、全体の九五%を占めております。その社会保障関係費の中で一番金額が多いのは三の社会保険費の六千九百五億円、一番伸び率が高いのは二の社会福祉費の一二七・八%でございます。それから科学技術振興費の関係では三十六億。恩給関係費では、遺族関係の費用でございますが、二百六十四億。それから公共事業関係費で、生活環境施設整備費が百三十七億、対前年一四一・七%の伸びであります。
 合計いたしまして、冒頭申し上げましたように、一兆三千二十億というのは、国全体の一般会計予算に対しまして一三・八%の割合であります。
 それから厚生保険特別会計以下四つの特別会計につきましては、お配りしました資料の三八ページ、三九ページにその歳入歳出の規模が書いてございます。
 以下おもなものにつきまして御説明申し上げます。
 二ページは生活保護費でございますが、四十五年度と同じように、生活扶助基準の引き上げは一四%でございます。したがいまして、標準四人世帯の一級地の場合には、備考にございますように、三万四千百三十七円から三万八千九百十六円になります。その他教育扶助、それから在宅患者加算、入院患者日用品費等所要の改定を行なう予定をいたしております。
 それからその下が社会福祉施設整備費でございます。八十三億円と対前年に比べまして三十億の増でございます。四十六年度予算では最も重点を置いたものの一つでございますが、四十五年度の場合四十三億円が五十三億円になったわけでございますので、この二年間に約倍になった勘定になります。寝たきり老人でございますとか、重度の心身障害児、そういった人たちの対策として福祉施設とか保育所の整備に重点を置いてやってまいりたいと考えております。
 それからその下が社会福祉施設処遇改善費でございます。これにつきましては、二ページから四ページまでにいろいろな項目が書いてございますが、毎年相当の改善をいたしてまいってきております。四十六年度の場合には、備考にもございますが、職員の労働条件を改善するために寮母、保母等の増員をすること、それから次のページの上のほうに出ておりますが、宿日直手当を支給すること、それから夜勤の体制を整備すること、それから三ページの真中あたりに俸給調整額の改善というのがございますが、そういった点に重点を置くと同時に、四ページの終わりのほうでございますが、三として民間社会福祉施設特別措置費というのが書いてございます。そこにございますように、民間の施設に対しましては、十年以上勤務する寮母、保母等に対しまして毎月俸給月額の二〇%に相当する手当を支給しよう、そうすることによって優遇措置をはかりたいということと、それから雪のはなはだ多い地域については除雪費の助成をするというふうなことで、合計いたしますと、二ページにございますように、七十九億円あまりで施設の処遇改善等をやることにいたしております。
 次に、五ページから六ページが老人福祉対策費でございますが、六ページにございます老人福祉施設の措置費なり、老齢福祉年金等加えまして、合計九百七十一億、前年度より百三十億ばかりふえております。四十五年度におきましても、老人白内障の開眼手術とか、新規の施策を行なってまいったわけでございますが、四十六年度におきましても、備考の一にございますように、新しく一人暮らし老人対策といたしまして、テレフォンセンターというものをモデル的に設置するとか、あるいは身寄りのない老人に対して介護人を派遣すること。老人一般福祉対策費の中には、(三)にございますが、郡市の老人クラブ単位の社会奉仕団を結成いたしまして、お年寄りに生きがいのある生活を送れるようにしてまいること。また、寝たきり老人対策でございますが、六ページの備考の(三)にございますように、脳卒中後遺症の寝たきり老人のために特別養護老人ホームを利用して機能回復訓練というものを行なってまいりたいというふうに考えております。このほか、従前の施策であります老人就労あっせん所の増設とかあるいは老人家庭奉仕員、ホームヘルパーの増員等、従来の施策の充実を期しているところでございます。
 それから、その次に六ページから一〇ページの中ほどまでの間に、心身障害児なり心身障害者の対策が書いてございますが、福祉施設の措置費、障害福祉年金を含めまして四百九十三億、九十二億円の増でございます。備考では心身障害児、それから八ページに身体障害児、それから、その八ページの下のほうに身体障害者、これはおとなのほうでございます。それから、九ページの下のほうに、精神薄弱児(者)という四つの項目に分けて書いてございますが、おもなものといたしましては、たとえば、この七ページの上の(二)でございますが、高崎につくっております心身障害者のコロニーというのがこの四月から開所する、その運営費を計上いたしております。それから、この七ページの(四)とか、あるいは九ページのまん中あたりに(四)というのがございますが、重度心身障害者や障害児の家庭に対してホームヘルパーを派遣する、その増員ということをやっておりますが、新規の施策といたしましては、八ページの二の(二)、補装具等交付の中で、難聴の程度の高い人に新しく補聴器を交付する費用、それから九ページの一番上でございますが、家庭にいる身体障害者で障害の等級が二級以上の人は、医師等が出向いて診査をするということ。それから同じページの(五)に点訳奉仕員養成費というのがございます。それから九ページの一番下になるわけでございますが、精神薄弱児(者)対策の一つとしまして、精神薄弱者通勤寮というのを新しく設けまして、その運営費を補助するということにしております。それから最後に、これは先ほどの大臣の所信表明にもございましたけれども、一〇ページの上のほうにございます六番の心身障害関係の研究費、昨年五月公布されました基本法の精神に従いまして、心身障害の発生の原因なり予防に関する調査研究というものを促進するつもりでございます。以上が心身障害対策でございます。
 一〇ページが児童の健全育成対策、合計五百二十四億円、百二十九億円の増でございます。一〇ページでございますが、そのうち、備考にございます保育対策費では、保育所の措置児童数の増加に応じまして予算措置を講じております。それから、一一ページに、備考の二番目のほうでございますが、児童館の運営費につきましては、個所数なり単価というものを上げております。
 それから、同じく一一ページでございますが、母子等福祉対策費、これは児童扶養手当なり、母子福祉年金なり、内容の改善をいたすことになっておりますが、その備考の二にございます寡婦福祉貸付金につきましても、四十五年度よりも一億五千万円の増額をいたしております。
 それから、その下の母子保健対策費でございますが、これは四十五年度で一番力を入れました施策でございまして、四十五年度の場合には前年度に比べまして倍増を見たわけでございますが、四十六年度の場合には合計十四億円、一億円ばかりの増でございます。大体四十五年度にやってまいりました施策の単価アップということでございますが、新規のものといたしましては、一二ページの備考の一番下の七番にございますように、小児医療の専門施設を整備するための機械や建物の補助金というものを計上いたしております。
 それから一三ページが民間社会福祉事業の育成費でございます。備考にございますように、市町村社協の職員の増、給与のベア、それから二にございますように、心配ごと相談所の増設等でございます。
 それから一五ページが同和関係の対策費で、これも四十四年に制定されました同和対策事業の特別措置法、その趣旨に従いまして生活環境を改善するための施設あるいは隣保事業、そういったものの推進をやってまいることにいたしておりますが、合計で四十三億、そのかなめとなります備考の(一)の生活環境改善施設の整備費につきましては三十九億円で、四十五年度予算より十三億円ふやしているわけであります。
 それから、一六ページの一番が医療保険の改善でございます。大臣から当面の重要課題の第一として申し上げたものでございますが、備考に書いてございますような健康保険の改善のほかに、政府管掌健康保険につきましては、一に書いてございますように、給付費に対する定率五%の国庫補助を導入するということにいたしております。政府管掌健康保険の収支そのものは、一二八ページの厚生保険特別会計の健康勘定の欄に書いてございますが、一般会計からの繰り入れ金は、その右の数字のように、定率の五%の補助を十月から実施するということにいたしまして、合計で二百七十五億、四十五年度よりも五十億の増ということなるわけでございます。
 それから、その下の国民健康保険助成費が合計四千二百十八億円、前年に比べまして六百三十九億ばかり、一一七・九%の増でございますが、その大部分は療養給付費補助金でございます。療養給付費補助金は財政調整交付金合わせまして四割五分、従前どおりでございます。それから備考の二にございます事務費につきましては、単価のアップ、それから四の保健婦及び診療施設整備費補助金のうちでは、国保の保健婦の活動費の大幅な増額をはかっております。それから五の助産費補助金、四十四年度から三カ年で助産費の基準単価を一万円に上げるようにしてまいりました最終年次でございます。それから七番の国保組合に対する臨時調整補助金というのは、四十五年度に対しまして八億の増額になっております。
 それから一七ページが福祉年金でございますが、福祉年金は、次のページの厚生年金と並びまして来年度最も重点を置いたものの一つでございますが、改善内容は、大臣の所信表明にもございましたように、いろいろな角度から改善を行なうことにいたしまして、大きく分けまして四つの項目になるわけでございます。備考にあるとおりでございます。全体として九百十六億円で百六億の増額ということになっております。
 それから一八ページの厚生年金の改善でございますが、これも大臣の所信表明にございましたように、最近の物価上昇を考慮しまして、おおむね一〇%程度の年金額を緊急に引き上げるというのでありますが、その内容が備考の(一)と(二)でございます。女子に対する脱退手当金の支給特例というのがことし切れますので、五年間延長するというのが備考の二でございます。厚生年金の収支、三八ページの厚生保険特別会計の年金勘定に書いてございます。この表にございます三百八億というのは、厚生年金の給付に対する国庫負担額でございます。
 それからその下が児童手当。児童手当につきましても、大臣から申し上げましたように、支給対象は、その備考の一に書いてあるとおりでございます。初年度の場合には五歳未満のものを対象にすることにしております。所得制度は二百万、支給月額が一九ページの三にございますように三千円、財源の負担割合はこの表にあるとおりでございます。そうして四十六年度の場合には、一月から支給しますので、二カ月分含んでおります。支給対象人員の、一九ページの一番下にございます九十三万五千人と申しますのは、支給対象児童数の大体三八・五%に相当します。二カ月分の給付費の総額は五十六億円でございまして、それに見合う国庫負担額は、二〇ページにございますが、給付費については二十四億、事務費につきましては六億六千二百万円でございます。
 それから二〇ページの保健所費。保健所費につきましては、施設整備費につきまして四十五年度より増額をしておりますのと、新たにこの三の(一)にございますように、保健婦が訪問指導に用いる小型自動車の整備に充てることと、それから四にございますように、過疎地域五十カ所に保健婦を置くことにしております。これは去年の四月施行されました過疎地域対策緊急措置法で無医地区に保健婦を設置するということになったことに応ずるものでございます。
 それから二一ページの原爆障害対策費でございますが、ここでは一の(二)にございますが、原爆関連疾病医療費につきまして、長崎市の特別被爆者の範囲を拡大したということ、それから二の原爆被爆者の諸手当の中で健康管理手当、これは現在六十五歳以上の場合に支給することになっておりますのを六十歳以上というふうに年齢を引き下げることにいたしております。
 それから二二ページの結核対策は、おおむね従来施策の踏襲でございます。
 それから、その下の精神衛生対策につきましては、一の(一)の措置人員の対象をふやしましたこと、それから三にございますが、これは四十五年度予算で試験的に設置することにいたしました軽快患者のための社会復帰施設でございますが、その運営費三カ月分を組んで、合わせますと三百九十六億円になるわけでございます。
 それから二三ページが伝染病対策費でございます。その中で備考に新規として予防接種事故処理費というのが書いてございますが、これは予防接種事故のあった場合に、医療費とか、後遺症の一時金あるいは弔慰金を支給するものでございまして、四十五年度では実行上処理することにしましたのを、四十六年度は新規に予算措置を講ずることにしたものでございます。
 それからその下のがん対策でございますが、備考の一にございますように、がん研究助成金を三億五千八百万円に増額しましたほかは、おおむね四十一年以来やっている施策の継続でございます。新規の施策といたしましては、二四ページの五番目にございますように、小児がんの児童をかかえている親御さんの負担を軽減するという目的もございまして、小児がん治療研究費二億円というのを計上いたしております。
 それから二四ページの救急医療対策費でございますが、これも国立や公立の施設の機械や建物の整備、それから専門医師の養成といったこれまでの計画に従いました予算でございまして、特に新規の施策ではございません。
 それから二五ページのへき地医療対策でございますが、これにつきましても、従来の施策を充実してまいりますほか、四十六年度では、これまでの施策に合わせまして、二六ページのまん中ぐらいにございますが、へき地医療地域連けい対策費というのを計上いたしまして、約五百の無医地区をかかえました八十二の郡市単位ごとに総合的なへき地医療を進めるための協議会を設けまして、その地域のかかえている親元病院と一体になりましてその地区住民の健康管理をするとか、応急の場合の措置をするとか、重症患者の往診をするといった施策を講じることにしておるわけでございます。二七ページの八番、九番は、先ほど保健所費のところで申し上げたものと変わりございません。
 それから二七ページの看護婦確保対策費でございますが、これも目下の急務と考えまして、四十五年度に引き続き総計で五十四億円計上してございます。備考の一番から六番にありますように、養成所の増設、それから私立の養成所に対する運営費の助成、奨学金の貸与、こういった措置を講ずるほかに、二八ページの五番にございますように、たとえば潜在力、看護婦の潜在しておるものを活用するというための講習会の受講人員を倍増するといった施策を講ずることにいたしております。
 それから二九ページが研究費及び試験研究所費でございますが、これは厚生省関係の研究費をまとめたもので、四十二億でございます。このうち(五)の小児がん、(六)の心身障害につきましては、先ほど申し上げました一の(一)の特別研究費でございますが、これはスモンやベーチェット病等の、原因がわからない、治療方法がはっきりしないといった奇病をなくすことなどを目的にしました大型の研究費でございますが、四十六年度は五千万増額いたしまして一億六千万にして、その中の一億円をスモン対策に充てる予定でございます。
 それからその下の戦傷病者戦没者遺族等の援護でございますが、二九ページから三一ページまで、各種の改善項目が書いてございますが、たとえば(一)番の障害年金、遺族年金等の増額というのは恩給等の改正に応ずるものでございます。それから、新しい施策としましては、三一ページの備考の二にございますが、入営とか帰郷の途中亡くなった軍人さんの遺族に対して特別支出金を出すといったことでございます。それから、遺骨処理につきましては、三一ページの五にございますように、西部ニューギニア外二カ所について行なう予定にしております。
 それから、三二ページが生活環境施設整備費でございますが、四十六年度は百三十七億円で、四十五年度の九十七億円に対しまして一四一%に当たる額を計上いたしております。特に水道につきましては、その一にありますように、農山漁村の水道が普及しておらない地区に対する簡易水道、これに四十四億。それから、二にございますが、都市部の上水道の増加した需要に対する水道水源の開発等に対して五十億計上することにいたしております。また、三にございますように、廃棄物処理施設の中で、ごみ処理につきましては、前年よりも五億増の十六億円を計上いたしまして、新たに最近問題になっております大きなごみを処理する設備についても助成をするということにいたしております。それから、(四)の産業廃棄物処理施設でございますが、これは先般の臨時国会で制定されました廃棄物の処理及び清掃に関する法律で定められました産業廃棄物処理施設のために一億円助成をする、このほかに特別地方債等で二十億の財源措置を講ずることにいたしております。
 それから、三三ページが公害防止対策でございますが、厚生省所管分合計十四億八千五百万でございます。前年に対しまして一五八%の伸びになるわけでございますが、これも六十四臨時国会で成立いたしました大気汚染防止法の一部改正とか騒音規制法の一部改正とか、大臣からもいま申し上げましたように、今国会に提案を予定しております悪臭防止法案、そういった内容に従いまして計上いたしたものでございます。新規のものといたしましてあげておりますのは、この中の六番の緊急公害特別調査費でございますが、これは緊急に発生した公害について機動班というものを出動させまして、現地調査、住民の健康診断を行なおうとするものでございます。それから、従前からの経費でございますが、四番目にございます監視測定体制整備のための補助金というのを約倍にふやしております。それから五にございますように、公害行政の第一線機関である保健所の専任職員を増員する措置を講ずることにしております。それから、三四ページの九番にございますが、公害被害者の救済対策費につきましては、備考のとおり、支給要件を改善し、支給額の引き上げを行なうことにしております。それから、公害防止事業団につきましては、事業計画を明年度から四百億に上げる、そういった対策を公害につきましては講ずることにしておるわけでございます。
 それから、三五ページの自然保護対策でございますが、これも先般の自然公園法の一部改正あるいはそのとき付されました当委員会の附帯決議の趣旨に従いまして、一番では自然保護調査費というものを計上いたしまして、湖沼の汚染を防止するため、特に大都市周辺の国立公園の湖沼の水質調査をするとか、あるいは二にございますように、国立公園の主要な利用地域について清掃設備を整備する。三は東海自然歩道や国立公園等の施設整備でございます。
 食品、医薬品の安全衛生対策につきましては、食品につきまして、三五ページにございますように、食品添加物や残留農薬の規制を強化することにしてございます。医薬品につきましては、三六ページにございますように、品質の自主的な検査体制の整備に助成するとか、医薬品の薬効を整理するために調査をする、あるいは医薬品の流通の近代化を促進するために必要な予算を計上しておるところでございます。
 それから公庫・事業団の関係でございますが、これは三七ページにその事業計画と補給金とを表にして載せてございます。
 それから冒頭申し上げましたように、厚生省所管の特別会計五つございますが、その収支は三八ページ、三九ページに書いてあるところでございます。
 以上、簡単でございますが四十六年度の厚生省所管の予算の概要でございます。
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#13
○委員長(林虎雄君) 次に、昭和四十六年度労働省関係予算について政府に説明を求めます。増田会計課長。
#14
○政府委員(増田一郎君) 「昭和四十六年度労働省関係予算の概要」につきまして御説明を申し上げます。
 まず予算規模でございますが、昭和四十六年度における労働省の一般会計の額は千二百八十七億でございまして、前年度に比べまして九%の増でございます。労災保険特別会計は二千九百二十一億円でございまして、二四・七%の増。失業保険特別会計は三千二百五十五億でございまして、一九%の増。石炭対策特別会計は九十五億でございまして、一一%の増。所管総計では七千五百五十九億でございまして、約一九%の増ということに相なっております。
 次に、主要事項について内容を御説明申し上げます。
 第一は、豊かな勤労者生活の形成の促進でございますが、労働省といたしましては、勤労者の財産づくり、健康づくり、公害防止、各種の福祉対策等、勤労者生活をあらゆる角度から総合的にとらえまして、豊かな勤労者生活を築き上げてまいりますことが七〇年代における大きな政策目標であるというふうに考えておる次第でございます。このため、昭和四十六年度におきましては、まず第一に勤労者財産形成促進制度を創設することといたしまして、六億五百万円を計上してございます。その内容といたしましては、まず第一に減税措置でございますが、勤労者が賃金の一部を事業主を通じまして三年以上定期の預貯金等に充てました場合、これを勤労者財産形成貯蓄と称しておりますが、この貯蓄が行なわれました場合には、元本百万円までを限度といたしまして、その利子を非課税にするという制度を設けることといたしております。これによりまして勤労者財産形成貯蓄を促進いたすわけでございますが、また、これによりまして金融機関に集まりました原資の一定割合を雇用促進事業団が借り入れまして、勤労者分譲住宅融資等になるべく低利で貸したいということでございます。このため雇用促進事業団に対する出資といたしまして六億円を国から出資することといたしております。
 以上が概要でございますが、これにつきましては勤労者財産形成促進法を今国会に提出する予定でございます。
 二ページにまいりまして、健康問題についてでございますが、これにつきましては産業医学総合研究所を新たに創設をするということといたしまして、四十六年度におきましては、初年度分の土地購入といたしまして約八億四千五百万円計上されております。四十七年度から建設に着手したいというふうに存じております。この産業医学総合研究所は、職業病予防、治療、リハビリテーション等の一貫した研究を行ないますほか、さらに積極的な勤労者の健康づくりを行なうという目的で設立するものでございます。
 次に、安全衛生行政の一環としての公害対策の推進についてでございますが、労働省といたしましては、事業場内で働く労働者の安全衛生の問題につきましてはもちろんのことでございますが、この問題が同時に公害防止にもつながる問題事項を重点的に取り上げまして、たとえば有害物質の問題でございますとか、建設現場の問題でございますとか、そういった問題を重点的に取り上げまして、現行の監督制度を十分に活用いたしまして、公害対策にも積極的に寄与してまいりたいというふうに存じておる次第でございます。
 次に、動労青少年と婦人福祉対策についてでございますが、まず勤労青少年につきましては、昨年成立いたしました勤労青少年福祉法の精神に基づきまして、勤労青少年ホームあるいは勤労青少年体育施設、勤労青少年センター等の福祉施設を拡充いたしますとともに、勤労青少年育成指導事業、たとえば勤労青少年の自主的なグループ活動を援助をする、あるいは事業所に置かれます勤労青少年の福祉推進者に対する講習を行なう等の事業を推進してまいりたい。また三ページにまいりまして、婦人につきましてはパートタイム対策等をさらに強化をしてまいりたいということでございます。
 以上のようなことで、昭和四十六年度におきまして各種の勤労者生活に関する諸施策を講ずるわけでございますが、このほか、たとえば勤労者生活の問題といたしましては、定年制の問題、老後生活の問題、老後の保障の問題、税金の問題、非常に多くの問題がございますので、これらの問題を総合的に検討いたしまして、豊かな勤労者生活のビジョンを策定いたしまして今後の諸施策に資してまいりたいという目的をもちまして、昭和四十六年度におきましては、新たに豊かな勤労者のための懇談会を開催する、あるいは勤労者の生活の意識調査を行なうということ等を実施してまいりたいというふうに存じております。
 第二は、労働力不足下における雇用対策の展開でございますが、まず労働力流動化の促進につきましては、内容といたしましては職業転換給付金制度、これは失業者の就職を促進するために、たとえば就職指導手当でございますとか、職業訓練手当等いろいろな制度があるわけでございますが、これらにつきましてその内容を改善していく。また、特に中高年齢者につきましては、昭和四十六年度におきまして新たに雇用率を設定いたしまして、中高年齢者の雇用の促進をはかってまいりたいと存ずる次第でございます。また移転して就職する方々のための雇用促進住宅は、引き続き一万戸を建設してまいりたいと思うのでございますが、その内容につきましては二Kを二DKに広げる等の改善を行なっております。雇用促進融資につきましても金額を増加をしております。また新産、工特地域等におきましては勤労者総合福祉センターを設置をいたしまして、これらの地域に対する労働力の流動化あるいは労働者の定着等を促進をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 四ページにまいりまして、近代的労働市場の形成でございますが、このため職業紹介の機能の刷新強化をはかりたいということでございまして、内容といたしましては職業紹介即時処理化、いわゆるリアルタイムを計画的に拡大をしてまいりたいということでございます。リアルタイムと申しますのは、求職者がある安定所に行きまして求職の申し込みをいたしますと、東京の労働市場センターからその求職者が通勤できる通勤圏内の地域の求人者のうちで一番条件に適したものを即時にその求職者に紹介してもらうというシステムでございます。これを三大労働市場とその周辺地域、北九州地域に拡大してまいりたい。さらにターミナル職業相談室等も増設いたしまして、安定所の街頭進出、サービスの強化をはかりたい。また雇用情報サービス活動等も積極的に行なってまいりたいということでございます。
 次に、勤労青少年雇用対策の拡充についてでございますが、これについては青田刈りの防止、あるいは中卒、高卒全員に対しまして就職前に適性検査を行ないまして適正な職業選択に資する、あるいは年少就職者相談員を配置いたしまして就職者の定着をはかってまいりたい。さらに福祉施設等も、先ほど申し上げましたように、拡充をしてまいりたいということでございます。
 五ページにまいりまして、失業保険金受給者につきましては、最近の雇用情勢に即応いたしまして、各種の方法によりまして再就職を促進してまいりたいということでございます。
 次に、心身障害者総合対策の充実でございますが、まず第一は、業務上災害を受けた方に対しまする労災医療としての立場、あるいは職場復帰の促進という立場から各種の施設を増設いたしまして機能回復訓練の拡充をする。また、社会復帰指導員を増員いたしまして、これらの方々につきましての医療から社会復帰までのケースワークの御相談に応ずる、そういったことを考えておる次第でございます。また、職業訓練につきましては、職業訓練校の拡充として、訓練職種の増設あるいは訓練校の設置ということを考えておる次第でございます。また、職業相談等につきましては、四十五年度におきまして東京に一カ所つくりました心身障害者職業センターを四十六年度におきましては名古屋にさらに一カ所増設いたしたい。その他職場適応訓練及び雇用奨励制度の充実、通勤用自動車の購入資金等の貸し付けを拡充してまいりたいということでございます。
 六ページにまいりまして、総合農政の進展に対処いたしまして、農村労働力に対する総合的な雇用対策を展開していくということでございますが、まず転職対策といたしましては、農村人材銀行の設置あるいは転職相談員を七百名に増員するといったようなことによりまして就職の促進をはかる。また、職業訓練につきましては、訓練対象人員の増加、施設の増加等をはかってまいりたいということでございますが、昭和四十六年度におきましては、農村地域等に工場の進出されることを促進いたしますために、労働省といたしましては、労働環境の整備のために教養・文化体育施設をとりあえず五カ所、一カ所三千万円でございますが新設をするということにいたしておる次第でございます。
 七の駐留軍関係離職者対策につきましては、昨年末に発表されました駐留軍関係離職者の大量解雇に備えまして要対象人員を大幅に増加いたしますとともに、就職促進手当の引き上げ等をはかりまして、この援護対策に万全を期してまいりたいということでございます。
 炭鉱離職者対策につきましては、四十五年度に引き続き、産炭地域開発就労事業あるいは緊急就労対策事業等を継続実施いたしまして、事業費単価等を引き上げてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
 七ページにまいりまして、失業対策事業の刷新、改善でございますが、この点につきましては、先ほども大臣からも説明がございましたとおり、今後の中高年齢者の失業者につきましては、現行の失業対策事業に依存することなく、通常の雇用に就職することを促進する、また、現在の失業対策事業の就労者につきましては自立を促進していく、こういった前提のもとにこの予算が組まれております。四十六年度要求額は四百二十五億でございまして、前年度に比べまして約二十二億増加をいたしております。内容といたしましては、まず現行の失業対策事業につきましては、規模を十四万人から十二万人に減じておりますが、これは就職促進措置の普及等によりまして就職を促進するということ、また、失対事業には今後入ってくるということが予定されないということ等のために減になっておるわけでございます。また、労力費につきましては、前年に比べまして一三%アップしております。次に、特定地域開発就労事業につきましては、四十六年度から新規に設けられました事業でございますが、これは今後の中高年失業者につきまして通常の雇用につくことを促進するわけでございますが、農山村地域でございますとか、あるいは産炭地域等におきましては、それをもってしてもなかなか就労の機会がないという場合があると考えられるわけでございます。そういう場合に対処いたしまして、この就労事業を新たに設けまして、就労の機会を与えるということを目的としているものでございます。次に就職支度金につきましては、四十五年度五万円の単価を十五万円に引き上げることによりまして、自立を促進してまいりたいと考えておる次第でございます。
 第三は、生涯訓練の体系的展開と技能向上対策についてでございますが、内容といたしましては、第一は公共職業訓練施設につきまして、従来に引き続きまして新設あるいは職種の増設をはかってまいりたい。さらに八ページにまいりまして、公共職業訓練校につきましてもいろいろな点で内容を充実してまいりたいということでございます。
 次に事業内職業訓練につきましても、運営費の補助あるいは共同訓練施設の設置補助等の単価の引き上げ等を行なってまいりたいというように考えております。
 次に、成人職業訓練についてでございますが、これは学卒者の訓練でございますとか、離職者に対します訓練のみではなく、一般の在職労働者をも対象にいたしまして、技能の向上やあるいは再訓練等をはかりまして、技術革新によりまして技能が非常に速いスピードで陳腐化していくというようなことに対処するということを目的としているものでございます。内容といたしましては、とりあえず四十六年度におきましては、公共職業訓練校の施設を使いまして、訓練コースの開設十三校に、東京、大阪、名古屋等の主要地域に開設するという内容でございます。
 次に、職業訓練大学校につきましては、現在小平にございますが、手狭になりましたので、神奈川県の相模原に移転、拡充するということで、二カ年計画、三十億円で建設いたしますが、四十六年度は第一年度として十五億円を計上しております。
 また、技能検定につきましても、引き続き検定実施職種を拡大してまいりたいというように考えております。
 次に九ページにまいりまして、発展する経済社会に対応した労働条件の改善についてでございますが、まず労働災害防止対策につきましては、死亡多発災害を重点にいたしますとともに、青函連絡船の工事でございますとか、鹿島、山陽新幹線等の大規模建設拠点に対しましては監督指導を強化する。また監督機能につきましては自主点検方式、これはいわば事業所からの青色申告といったようなものを出していただきまして、監督を効率的に行なう。こういった新しい制度を四十六年度から導入してみたいというように考えております。また新工法等の安全性につきましては、事前に委員会をつくって検討する。その他職業病の予防対策、産業災害、労働災害防止団体の活動等を引き続きはかってまいりたいということでございます。
 また、近代化のおくれた分野に働く人々につきましては、最低賃金制あるいは家内労働行政をさらに推進してまいりたいということでございます。
 一〇ページにまいりまして、経済社会の動向に即応した労使関係の形成につきましては、従来に引き続き労使関係、労働経済の分析と長期展望、産業労働懇話会の開催、あるいは中小企業労働対策の充実をはかってまいりたいということでございます。
 六のアジア労働技術協力の推進につきましては、労働外交の一環といたしまして、アジア等の発展途上国の人的能力の開発に資するために民間とのタイアップをいたしまして、技能研修生を受け入れる。労働省といたしましては、このうち一カ月ないし三カ月のオリエンテーションの部分を引き受けようということで三億二千万計上してございますが、これはそのための施設及び運営費でございます。
 第七の行政体制の充実整備のうち、特に二の労働保険の徴収一元化実施準備についてでございますが、これは一昨年、労災保険、失業保険の両保険の徴収一元化法が成立いたしまして、これに基づきまして、昭和四十七年の四月からこの一元化を行なうということに予定をしておりますので、そのための準備費といたしまして四億二千万円を計上しておる次第でございます。
 以上、労働省予算の概要につきまして御説明申し上げました。
#15
○委員長(林虎雄君) 本日の調査はこの程度にいたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後二時十八分散会
ソース: 国立国会図書館
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