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1970/02/23 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第5号
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1970/02/23 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第5号

#1
第065回国会 社会労働委員会 第5号
昭和四十六年二月二十三日(火曜日)
   午後一時十九分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十九日
    辞任         補欠選任
     初村瀧一郎君     玉置 和郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  虎雄君
    理 事
                上原 正吉君
                高田 浩運君
                小柳  勇君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                黒木 利克君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                山本  杉君
                占部 秀男君
                佐野 芳雄君
                中村 英男君
                小平 芳平君
                喜屋武眞榮君
    発議者         小平 芳平君
    発議者         渋谷 邦彦君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
   政府委員
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生省公衆衛生
       局長       滝沢  正君
       厚生省環境衛生
       局長       浦田 純一君
       厚生省環境衛生
       局公害部長    曽根田郁夫君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
       厚生省保険局長  戸澤 政方君
       建設省河川局長  川崎 精一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
      文部省初等中等
      教育局財務課長   説田 三郎君
      文部省初等中等
      教育局特殊教育
      課長        寒川 英希君
      厚生省環境衛生
      局公害部公害課
      長         山本 宜正君
      労働省労働基準
      局補償課長     松尾 弘一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○社会保障基本法案(小平芳平君外一名発議)
○社会保障制度等に関する調査
 (食品添加物の規制に関する件)
 (難病奇病対策に関する件)
 (児童福祉対策に関する件)
 (小児ガンの医療対策に関する件)
 (イタイイタイ病に関する件)
 (埼玉県入間郡三芳町におけるごみ処理に関す
 る件)
 (沖繩の風しん児対策に関する件)
 (沖繩の返還後における医療対策に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林虎雄君) ただいまから社会労働委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十九日、初村瀧一郎君が辞任され、その補欠として玉置和郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(林虎雄君) 社会保障基本法案を議題といたします。
 発議者から趣旨説明を聴取いたします。渋谷邦彦君。
#4
○渋谷邦彦君 ただいま議題となりました社会保障基本法案について提案理由並びに内容の概要を申し上げます。
 わが国の経済成長は年々増加の傾向をたどり、国民総生産では世界第三位に成長し、本年も一二%を大きく上回っていることは御承知のとおりであります。
 日本経済は表面的には大型になり繁栄する経済社会を現出してきておりますが、しかし他面一人当たりの年間国民所得は第十六位という状態にあり、この大きな格差は歴代自民党内閣の責任であり、政治の貧困を如実に物語っているといえるのであります。
 さらに社会保障の問題については、昭和三十七年八月、総理大臣の諮問機関である社会保障制度審議会は「社会保障制度の総合調整に関する基本方策についての答申および推進に関する勧告」を提出して、昭和四十五年におけるわが国の社会保障が昭和三十六年当時の西欧諸国の水準に追いつくよう要望したのであります。
 今日の段階において、その後の実績を見ると、社会保障制度審議会が昭和四十三年十二月二十三日の申し入れ書の中で「昭和四十年までは若干の進展があったがその後は停滞気味であり現在では人口一人当り水準でいえば目標のほぼ三分の一、国民所得に対する比率でいえば目標の二分の一にしか到達していない。すなわち、わが国の社会保障は表面的には大いに進んだ形になったがその実質はむしろ後退ぎみといわねばならない」と述べております。政府の経済社会発展計画によれば、昭和四十六年には振替所得を二%引き上げ七・五%程度に到達せしめるということであります。昭和三十六年当時の西欧諸国に到達するためには昭和四十五年度までに一〇%以上の振替所得の上昇が必要であるといわれていたのであります。
 一九六五年における国民所得に対する振替所得の国際比較を見ると、西独では一七・二%、フランスでは二二・五%、イタリアでは一七・二%と主要国ではすでに一五%以上を上回っているのであります。したがって、これでは先進国との格差はますます拡大の方向にあるといわねばなりません。わが党の主張する目標の一五%はこれを下回ってはならない最低の基準であります。
 新経済社会発展計画によれば、昭和四十四年の振替所得五・二%を昭和五十年までに二%引き上げ七・二%程度に上昇されることとしているが、これは当初の計画である七・五%よりも低率になり、後退しているのであります。この程度のことでは、社会保障の拡充強化ははかられないのであります。
 このようにわが国の社会保障の渋滞あるいは後進性というのには種々要因がありますが、第一に指摘できることは、いまだ社会保障の定義が明確でないということであります。政府部内においてもまた学者間においても異説のあるところであります。定義があいまいであることは有効な施策は期待できません。
 わが党は、この機会に社会保障に関する施策を次のように主張するものであります。
 すなわち社会保障制度とは、日本国憲法第二十五条に規定する理念に基づき、国民にひとしく疾病、負傷、廃疾、死亡、老齢、分娩、失業、多子等によって国民生活の安定がそこなわれることを国民の共同連帯によって防止し所得の再分配的な効果をあげ、もってすべての国民が健全な生活の維持及び向上に寄与することをいうと明解に定義づけているところであります。
 次に、わが国において欠けているものは社会保障計画の樹立であります。わが国にはそのビジョンがいまだかつて明らかにされたことがありません。これは全く政府の怠慢というほかありません。
 経済審議会も昭和四十二年二月の経済社会発展計画の中で「わが国の経済社会の実態とその将来の進路に即した適切な社会保障長期計画を策定しこれにもとづく体系的整備を行なうことが不可欠である」と述べているのであります。人間性尊重の上に立って福祉国家の繁栄と発展を遂げるためにも当然長期展望を示すことが重要課題であります。目標がなく対症療法的施策に終始するならば、わが国の社会保障水準はいつまでも低迷を続けるでありましょう。
 さらにわが国の社会保障制度は戦後において著しい進展を遂げたのでありますが、その発展の推移は百花瞭乱のごとく乱立と分裂の歴史であり、制度に一貫性、総合性を欠いていることであります。そのためいまだに不均衡で実効ある施策が確立されておらない状況にあります。
 また社会保障費は年々増大しているとはいうものの、昭和四十五年度の予算では対前年度その伸びはわずかに一七・八%となっており、これは当然増が大半で先進国並みの水準にする努力は全く見られません。社会保障費は最優先的に確保し、早急に拡充強化する必要があります。
 またわれわれが特に指摘すべきことは、わが国の社会保障制度の中で欠けている唯一のものは児童手当制度であります。すでに世界六十二カ国が実施しており、ILO加盟国中先進国で実現していないのはひとりわが国のみであります。しかしながら、今国会提出をされている児童手当制度は、昭和四十七年一月から手当を支給するといわれておりますが、その対象児童が第三子に限定し、完全実施する昭和四十九年においては、十八歳未満の児童約三千万人に対し、わずかの対象しか支給されないのであります。しかも所得制限を課しており、内容的には多くの問題点を内蔵しております。
 また社会保障制度審議会の答申、勧告が尊重されておりません。社会保障制度審議会が発足してから二十数年を迎えますが、その間、昭和二十五年度に社会保障制度に関する勧告をはじめとし多数の答申、勧告が提出されておりますが、一部においては実施をみているものの、大部分は軽視されてかえりみられていない状況にあります。したがって、社会保障制度審議会の権限を名実ともに高めるため改組する必要があります。
 さらに社会保障の国際的見地に立って見るときILO第一〇二号条約、すなわち社会保障制度の最低基準の条約はすでに一九五二年に決定され、わが国はすでに批准のできる最低条件を十分満たしておりながら、いまだに批准をいたしておりません。さらに一昨年第五十一回ILO総会で決議された第一二八号条約、すなわち障害、老齢及び遺族給付に関する条約についてもこれを早急に批准すべきであります。前述のとおりわが国の社会保障水準は先進国に比較して十数年もおくれており国際水準に近づくためにも批准すべきが当然であります。いまにして以上の障害を克服しなければ悔いを千載に残すことになるでありましょう。
 平和国家、福祉国家の建設はわが国の国民的な終局の願望であります。そしてその進歩の指標は具体的には社会保障の整備統合、発達をおいてないのであります。
 以上が本法案の提出の理由であります。
 次に本法案の大要について申し上げます。
 第一には社会保障に関する施策であります。さきの提案理由の中で述べた社会保障の定義を具体化したものであります。すなわち一に国民の疾病、負傷、出産、老齢等の事故に対し充実した経済的保障をすること、二に生活困窮者に対する生活の確保、三に児童、老人、心身障害者等の援護、四に医療及び公衆衛生の向上増進であります。
 第二には国及び地方公共団体の責務を明らかにいたしました。
 第三には年次報告及び社会保障整備五カ年計画の作成公表についてであります。
 政府が社会保障に関して講じた施策について国会に対し報告することとし、また社会保障整備五カ年計画の作成と公表を義務づけることとしました。
 第四には社会保障番号についてであります。
 すべての国民について社会保障の記録を行なうため個人ごとに社会保障番号及び社会保障手帳の交付を行なうこととしました。
 第五には社会保障制度審議会の設置についてであります。設置される社会保障制度審議会の権限を強化し、勧告についてはこれを尊重することとしました。
 第六には社会保障費の優先確保についてであります。国の予算編成にあたっては社会保障の予算を優先確保するため条文の上に明記しました。
 第七には特別会計の設置であります。社会保険の収入及び支出は特別会計とすることとしました。
 第八は専門職員の養成確保であります。国及び地方公共団体が社会福祉、医療及び公衆衛生等に関する専門の知識及び技能を有する職員の養成確保を行なうことを明記いたしました。
 第九は社会保障省の設置であります。社会保障の施策を総合的かつ計画的に遂行するための行政機関として、社会保障省を設置することにしました。
 第十は関連施策として最低賃金制、雇用の安定、住宅、建設及び税制の改善等国民生活安定諸施策を推進することを明記しました。
 以上が本案の骨子であります。何とぞ慎重審議の上すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
#5
○委員長(林虎雄君) 以上で趣旨説明は終わりました。
 本案につきましては、本日はこの程度にいたします。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(林虎雄君) 次に、社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#7
○小柳勇君 きょうは、厚生関係の問題四つ質問いたしたいと思います。第一に食品添加物の総点検に関する件、第二に難病奇病対策に関する件、第三に児童福祉対策、第四に小児ガンの医療対策、こういうことで質問いたします。時間の制約がありますからくどくど申しません。大要中心点を申し上げますので、簡潔に御答弁願いたいと思います。
 まず第一に、食品添加物の総点検の問題を質問いたします。
 公害問題が大きく取り上げられまして、同時に国民生活の中の食生活に対する不安も一そう増大してまいりました。昨日及びきょうの報道によりますと、バターピーナッツあるいはチョコレートピーナッツなどがカビの問題を起こしているというような情勢でありますが、この食品添加物の総点検の問題は、食品衛生法でも、あるいは昭和四十三年に成立いたしました消費者保護基本法におきましても、厚生省として、政府としては点検、試験を義務づけられておると理解をいたします。昭和四十三年に消費者保護基本法が成立いたしまして、やっとことしから食品添加物の精密試験検査を行なうようになりました。今年度の予算にその予算が計上されておりますが、政府の考えは、昭和四十六年度から発足して三年間に二十五品目ばかり検査したいという構想のようであります。現在政府が許可しておりますこの食品添加物は大体三百六十品目ぐらいあると聞いておりますが、まず担当局長から、政府許可の食品添加物はいま何品目であるか、このことから御答弁を願います。
#8
○政府委員(浦田純一君) 現在食品添加物として厚生大臣が指定しております品目数は総計で三百五十一品目のございます。
#9
○小柳勇君 その三百五十一品目の中で、昭和四十六年度に検査しようと予定いたしておりますのはサッカリン、サリチル酸など九品目と理解いたしますが、いかがですか。
#10
○政府委員(浦田純一君) そのとおりでございます。
#11
○小柳勇君 この予算書を見ますと、食品添加物規制強化対策費として新たに代謝等精密試験検査費、これが七百四十四万円計上されております。その他慢性毒性試験検査費百三十九万九千円、食品添加物催奇形性試験検査費、これは食べますというと奇形になる可能性のある食品の検査でありますが、これに三百九十七万円計上されておりますが、これに間違いございませんか。
#12
○政府委員(浦田純一君) 間違いございません。
#13
○小柳勇君 大臣に質問いたします。ここ数年、この食品に対する不安、まあチクロもその一つでありますが、これを食べたらいろいろ病気になる、かたわになるというような不安がありますが、この食品添加物の総点検を昭和四十三年に法律が出まして三年間やっておられない。しかもこれから三カ年計画の中で、ことしはわずかに九品目、四十九年度までに十五品目を予定されており、三百五十一品目の中でわずか七%の試験だけで国民の不安を一掃するとお考えであるかどうか、御答弁を願います。
#14
○国務大臣(内田常雄君) 添加物の再点検は、急性毒性を対象とするものよりも、申すまでもなく慢性毒性を検討するということになるものでございますので、毒物実験、その他長期にわたる検討が、発ガン性にいたしましても催奇形性の問題にいたしましても、時間を要するわけでございます。そこで、本日一斉に数十品目を並べて、毎月ごとの検討の結果を出すというわけにはまいりませんので、専門家から聞きますと、どうしても慢性試験のためには平均一品目について二カ年は要する、しかしそれは何品目かを並べてやればそれだけ早くやれるわけでございますが、そういう慢性長期試験のために四十八年くらいまでかかる、こういうことで、私は、できたならば一日も早く全部の総点検と思ったり、また激励もいたしておりますが、このことはそういうたてまえのもとにさらに鞭撻してまいりたいと思います。ところで全般の問題といたしましては、いままでも私が申しておるわけでございますが、そういう毒性のあるものを遠慮なく削ることばかりでなしに、毒性がなくとも無意味のものは削り落とせということを――私、少し野蛮でございますが、言明いたしております。今日、やはり着色料のようなものは幾つか残っておりますが、担当専門者の説明によりますと、これらは毒性のない着色料だということを述べておりますけれども、そうであってもお茶を染めたり、ノリを染めたり、たとえば場合によっては赤飯であるとか、紅白のもちであるとか、ライスカレーを黄色に染めるというようなことも、無害の添加物であっても、これは食習慣の問題もあるだろうけれども、厚生省の姿勢を示したり、また一般の世論もございますので、それにこたえる意味で削り落とせ、あるいは品目の使用制限をしろ、こういうことまでも申しておりますので、先ほどお尋ねのございました二十五品目のほかにも使用制限品目としては無害だから残しますけれども、使用制限するものを別に幾つかどんどんつくらせてまいります。これは時間がかかりません。無害のものを除くのでございますから、決心一つ、判断一つでございますので、できるだけ世論に耳を傾けながら、もう二カ月以内でも三カ月以内でも削らせようという私は姿勢をとっております。
#15
○小柳勇君 いまの大臣の方針によりまして、たとえば認可してあるけれどもこれを取り消そうというような具体的な検討があるかどうかというのと、具体的にどういうものをいま検討されているか、局長から御説明を願います。
#16
○政府委員(浦田純一君) ただいま無害であるけれども、わざわざ使わなくともいいじゃないかといった見地から削除あるいは使用の制限を考えておりますものは、主として色素類でございますが、またその対象の食品といたしましては、ノリあるいは茶といったものを近く制限をしようというように考えております。また問題として考えております食品の中には、いま検討しておりますものの中には、みそとかあるいはしょうゆ、たくわん、それからライスカレーのインスタントカレーですが、そういったものの中に含まれております色素、こういったものについて検討を進めております。また、いわゆる毒性の観点から検討いたしておりますものにつきましては、近く十三品目を三百五十一品目のリストの中から削除する予定でございます。
#17
○小柳勇君 近くというその時期の見通しと、それからその十三品目についておもなるものを御報告願います。
#18
○政府委員(浦田純一君) 今月じゅうにできれば公示いたしたいと考えております。
 それから、品目でございますが、近く削除される品目のおもなるものは臭素化油、クマリン、硫酸銅、食用の赤色の一〇三号、クロラミンT、クロラミンB、ハラゾーン、ソルビン酸ナトリウム、パラオキシ安息香酸セカンダリーブチル、それから亜硫酸カリウム、鉄クロロフィリンカリウム、同じく銅クロロフィリンカリウム、過マンガン酸カリウムでございます。
#19
○小柳勇君 そのほかには――このいまのやつはわかりましたけれども、前に言われた色素ノリ、茶などの添加物について近日中に発表されるようなものはありませんか。
#20
○政府委員(浦田純一君) 現在事務的な手続を急いでおりまして、できれば一、二カ月くらい、三月末くらいまでには公にしたいと考えております。
#21
○小柳勇君 その公にされるものの中でおもなるものはどういうものですか。
#22
○政府委員(浦田純一君) 先ほどちょっと申し上げましたが、ノリ、茶あるいはハチみつ等、そこら辺のところでございます。みそ、しょうゆもそうでございます。
#23
○小柳勇君 みそ、しょうゆとか、ノリとか茶の添加物、これに対する添加物、そのものずばりじゃないでしょう。これに対する添加物でしょう。
#24
○政府委員(浦田純一君) それらの食品に使われております色素の使用の禁止あるいは制限、それから漂白剤等の使用の禁止あるいは制限といったことでございます。
#25
○小柳勇君 いまおっしゃったものは、大体三月中には公示されるものと理解してよろしゅうございますか。
#26
○政府委員(浦田純一君) 正確に申しますと、三月じゅうに事務的な結論を出したい、それで、できるだけそれに引き続く早い時期で公表したい、こう言っておるのでございます。
#27
○小柳勇君 また他の問題についてはあとで質問いたしますが、その場合に、現在製造販売しておるものの被害も相当あろうし、もちろん消費者を保護しなきゃなりません。したがって厚生省としては、いま大臣の命令によりまして添加を許可したものを取り消していこうという決意のように伺いますが、その場合の責任、それをなお実行する段階の手続もありましょう、期間の問題もありましょう、その損害の補償の問題もありましょう。その問題について、いま大綱でよろしいから御説明願いたいと思います。
#28
○政府委員(浦田純一君) 先ほど申しました色素の使用制限あるいは漂白剤の使用制限の問題は、これは現実いままでの学問の成果から申しまして、これはいずれも無害という結論が出ているものでございます。したがいまして、これを全面的にリストから削除するということは、また別な問題があるわけでございますが、少なくとも対象食品として、そういったものを使用することは禁止あるいは制限したいということでございます。また、そのように本来無害で衛生上心配のない、おそれのないものでございますので、実際にこれを行政に移す場合に、やはり一定の経過期間というものは考える必要があるのではなかろうか。またこれに伴いますいろいろな補償の問題でございますが、これらにつきましては、元来食品添加物につきましては指定していくということでございますし、食品衛生法上からは補償という問題については直接的には起こってこないのではなかろうかと思います。もちろんこれらにつきましては、いろいろとメーカーの方々にショックを与えないような行政上の配慮は他の面でもって考えるということは必要であろうかと思います。
#29
○小柳勇君 第一のところ、はっきり語尾がわかりませんでしたが、無害であろうと思うけれども、この際は疑わしいものとしてこれを使用禁止したいということをおっしゃったのかどうか、その点はっきりしませんので……。
#30
○国務大臣(内田常雄君) これは私から実は言い出しましたことでございますので、私が答弁いたしますが、いまのたとえばお茶にいたしましてもノリにいたしましても、これは私どもが消費者として見ましても、このお茶を染めてあるということは、実はすぐわかる程度の染め方をいたしております。しかしその染めておる染料そのものは食品衛生法で認められておる染料でございますから、衛生上の問題はないわけでございますが、しかし私は食品行政をやる者といたしまして、本来染めるべきものでない、お茶の中の自然色素がお湯に溶けてお茶になるはずのものを、どういうお茶か知りませんけれども、いろいろ染めてくるというのは、一種のうそつき商品でありますから、ほんとうからいうと、公取でおやりになることかもしれません。公正取引委員会でうそつき商品としておやりになればいいことかもしれません。ノリについてもしかり、またライスカレーについてもしかりでございますが、しかし添加物を使っておりますことは、食品添加物として六条で認めたりあるいは規制の対象にすることになっているものですから、単純なるうそつき商品でもなしに、厚生省が大いに関心を持ってしかるべきうそつき商品だということになりますので、ひとつ食品衛生法の運用によって新しく使用することは禁止する、しかし、いままでありますものは、有毒ではないから、実際のやり方としては、いままで店にあるものは、それがなくなるまで売らせるけれども、新しいものは禁止する、したがって、補償の問題は起きない、こういうことになるのではないかと思います。しかし、一方、私はときどき一口多いことを言うのですが、紅白のもちも禁止してしまうとか、赤飯もその着色料で染めたものはやめると、こういうことになりますと、これはうそつき商品ではなしに、本来、紅白のもちあるいは最近は紅白の角砂糖などもあります。そういうものを一体やめるのがいいか悪いのかということになりますと、やめるというと、これは主婦連からかどこかからやめちゃ困るという、こういうことで反対陳情がくるのかどうかしりませんが、やめないでおきますと、何もかも、私どもがやっていることがみんな信じられないということにもなりますので、人間生活に無意味なものは、無毒のものであっても、やめさせる、また、そういう食生活を続けていくことがまぎらわしくなく、私どもの行政指導の面からいっていいと、こういうまあ少し変わったというと語弊があるかもしれませんが、はっきりした措置もしよう、したがって、これには補償の問題は起きません。今後あとのほうというか、先のほうの、いまある三百五十一品目について有害性の危険をもって禁止するものにつきましては、これはチクロの場合と同じでございますので、補償の問題を持ち出す人もあるかもしれませんが、それは、従来それらの添加物を承認いたしましたときは、そのときの科学的水準、また、そのときの食品に対する国民の意識というものから考えまして、認めていいものだということで認めたものでありますけれども、しかし、その後分析技術の進歩とか、科学の進歩とか、食品添加物に対する国民の意識というものが向上をしてきた現在、新しい見地からきめるということになりますと、前に認可したのも誤りでもなければ、今度取り消すのも誤りでもない。したがって、補償の問題を起こさないように行政指導もいたすし、また転業などを必要とするようなものがかりにありますれば、転業の指導とかあっせんとか、あるいはまたそれらがたまっておったものについての償却につきましては、税法上の損金として認めていくとか、いろいろの手段を活用いたしまして当事者に不測の損害を与えないようにすることも、これは私の行政の一つの目標であろうと、かように考えまして、そういう見地から善処をしてまいりたいと思います。
#31
○小柳勇君 大臣の意向はわかりましたが、これは消費者としても、小売り商人などについても直接の問題ですから、もう少し突っ込んで聞いておきます。第一は、局長が第二に答弁されました「一定期間」というものは、いま大臣が答弁されたように、その品物がある間は売ってよろしいと、そういう期間であるかどうか。そういたしますと、卸商からどんどん小売り商が、あるいはデパートなどがこれを買い込みますというと、これはその品物がある間ば売ってよろしいと、これはまあ抜け道ですね、そういうものが問題になりましょう。したがって、この「一定期間」というものが非常にばく然としております。しかも二月に公示されるというのですから、もう二月中というのはわずかしかございませんね。そこで、大臣、補償の問題は、無害であるからないとおっしゃいましたけれども、逆に商売の側に立って言いますならば、厚生省が許可しておった、だからわれわれは売っておった、しかも無害であるのに、かってにわれわれの商売の道を閉ざし、生活権を奪い取るからけしからぬという声が出ないとも限りませんね。この期間の問題と補償の問題について、もう一回大臣から答弁を求めたいと思います。
#32
○国務大臣(内田常雄君) 添加物として認められておる無害の物質を使っておるお茶でありますか、ノリでありますか、それはもともと無害でありますから、たびたび申しますように、その添加物そのものを六条の承認リストから削除することはいたさないわけであります。しかし、使わないほうがいい、消費物質には使わせない、こういうことをいたそうと私は考えます。したがって、その使わせないことにするのについて、三月に事務的の検討の結論が出ましたのをやはり若干の、一カ月なり二カ月なり三カ月なりの余裕期間をおいて使わせないことにするがいいか、あるいはまた、もう新しいものは直ちに――まあ、官報等に告示する期間や、地方に通達をする期間は当然事務的に必要でございましょうが、でき得る限り、もう使わせないときめたら早く新しいものは使わせないということにするかという問題は残ると思います。と同時に、すでに使ってあるもので製造済みであって商店に並べてあるものにつきましては、これは私は、私自身のいまの考えでは――これは事務当局の諸君と協議もしたいし、食品衛生調査会とかあるいは食品問題懇談会というような識者の会合も厚生省にございますので、御相談申し上げるつもりではおりますが、すでに存在するものについては、もともと無害でございますから回収をさせる必要はない、それはそのまま売り切ってしまうまでといいますか、買い手がなくなるまではそのまま置いてもいいのではないかと、私は、そのものについては個人的にさように考えてまいりたい。しかし、これも憶病になりまして、もともと使わしておったもの、またその使っている添加物が無害のものなんだから、お茶を染めようがかってじゃないか、ライスカレーを染めようがかってじゃないか、それをとめるなら損害賠償の請求をするというようなことまで考えますと、もう厚生省は何にもできません。いろいろな世評や世間の要望がございまして、それに向かって勇敢に前向きで進んだとたんに、今度の反対のほうから攻撃がくるということでは何にもできませんので、私どもが考えましていいと思いますことには、ぜひひとつ国会の皆さま方にも御判断をいただきまして御支援をいただければ非常にありがたいとは思うものでございます。
#33
○小柳勇君 大臣の意向は多といたしますが、添加物で許可するということは、そこは法律ですね、法律で添加物を許可しているわけですよ。法律で許可したその添加物が無害であるけれども、そんな売るなとか、使わせないというようなことは、法律で許された商売人なり、その営業権を持った者が政令であるいは指導で――政令、どこも法律がありませんから省令出せぬでしょうが、行政指導でそういうことができましょうか。ただ、大臣は皆さん御賛成願いますと言われますけれども、われわれここで御賛成いたしましても、実は法律じゃありませんね、そんなことができるでしょうか。
#34
○国務大臣(内田常雄君) できるわけでございます。と申しますのは、添加物そのものを認めますのは――これは法律的になって恐縮でありますが、食品衛生法第六条というもので許可をして、そして許可されたものが三百五十何品目か並んでおるわけです。ところが今度次の条文がございまして、厚生省は、いろんな販売に供されるような食品につきまして、いろんな基準、製造とかあるいは貯蔵とかというようなものにつきまして基準をきめたり、その規定でもよろしうございますし、さらには、そういう食品の成分規格について、告示でございますか、きめることができるようになっております。したがって、お茶というものの成分の中に、たとえ六条で認められたその合成添加物であっても、本来お茶に入ってはいけないものが、また入らないほうがいいものをお茶という自然の産物の中に入れることは、その基準としては認めない。あるいはまたこの第二項には、成分規格からそれははずす、こういう法律上の根拠はあるわけでございまして、食品衛生法というものは、これは私はこじつけではないので、そういうふうに弾力性を持ってつくられているわけでございます。農薬などの残留する生鮮食料品などの規制というものも、一方農林省で認められた農薬でございましょうけれども、しかし、それがある種の生鮮食料品などにある程度以上に残留することは望ましくないという場合に、成分規格の制限あるいはその加工の基準というようなことで、七条でたぶん押えているものだと考えますので、法律の根拠はある。また、そうなんでございますが、今日の一たびたび申して恐縮ですが、食品に対する国民の意識というようなことからいいますと、それはもう極端に申しますと、たくあんを黄色く無害色素で染めることも私は行き過ぎだと思いますし、シソ以外の色素で梅干しを赤々と染めることも、またショウガをまっかに染めてライスカレーにつけてくることもいかがなものかというくらいに思うわけでございます。私がこれだけ言っておけば、それでおまえのやることは行き過ぎだということなら、もうそういう人々は私に何にもそれに近いことを注文はできない人だと言って私はいばろうかと思っております。
#35
○小柳勇君 いまのところ、六条の添加物で許可したものでも、七条の規格基準のほうでは厚生省としてはこれを制限することができるという見解のようでありますから。しかし、私は、まだ法律的に完全に理解できません。商権、いわゆる商業、商売する者の立場になって争いますと、少し厚生省は行き過ぎじゃないかと言われはせぬかと思いますが、いまその問題が中心じゃありませんから、これは一応保留して進みます。これはまだ私は納得できないんです。これはひとつ法律論争はあとにいたしまして、この問題、まだ少し問題がありますから。
 そこで、あとこの色素の問題及び三月にはその他の毒性のある問題の――これは当然そうやってもらわなければなりません。ところで、四十三年にこの消費者保護の法律ができまして、この法律が上がりますときの衆議院の附帯決議に「なかんずく、次に掲げる点について十分に考慮し、所要の措置をとること。」と書いて、「食品添加物」の「毒性の研究を促進し、許可品目の再点検、規制の強化をはかること。」書いてあります。したがって第一点は、なぜ今日まで三年間もこの検査の再点検が強力になされなかったか。ことしから三年かかって二十五品目ということでありますが、それと同時に、これは四十年度以降許可された添加物が二十五品目と聞きますが、四十年度以降、三十九年以前に指定されたものはこの奇形児になるかどうかの試験はしてないと聞くが、こういうものは一体どうするつもりであるか、この二点について説明を求めます。
#36
○政府委員(浦田純一君) 四十三年から再点検をやって削除しているということではございませんで、三十七年以来、安全性についての再点検、再検討は実施してきておるわけでございます。現在までに、この結論といたしまして二十三品目の食品添加物の指定を削除したわけでございます。さらに、先ほども申し上げましたように、近く十三品目の削除を予定しておると、こういうことでございます。
 それから、三十七年以前、指定当時の学問水準から考えまして、その段階では安全性については問題ないという結論でございましたが、その後、このような附帯決議もございますし、いろいろと検討は重ねてきているわけでございます。国立衛生試験所を中心といたしまして、種々の検査は実施してきているところでもございますし、また国際的な基準と申しますか、WHOやFAOあたりでもって専門家が集まり定められたいろいろの基準と、それに関する中身というものについては十分に検討いたしまして、現在残っております三百五十一品目につきましては、国際的な観点から、あるいはこの中にあります品目のうちビタミン類、アミノ酸などもございますので、その辺については安全性に問題はないと、また、食品中における残存の形態から考えましても問題ないといったようなものを除きまして、これが冒頭お尋ねのありました二十五品目ということになるわけでございますが、二十五品目につきましては、さらにたとえば催奇形性の観点からの検査をもう一度やり直すとかあるいは代謝試験をやるとか、あるいは慢性毒性についてももう一度検討し直すということでもって、いわば念には念を入れてやるというようなことでございます。
#37
○小柳勇君 三百五十一品目の中で二十五品目がこの三年度内になされますが、それ以外に、この際ぜひやっておきたいと、大臣の意向でもありますが、国民生活を安定するためには、この二十五に限らない、もっとたくさんやりたい、しかし予算の関係でこういうふうになっておるんでありましょうが、その三百五十一品目の中で二十五品目以外にどのくらい早急にやりたいというのがございますか。
#38
○政府委員(浦田純一君) おことばでございますが、先ほど御説明申し上げましたように、二十五品目は、これは私どもといたしましても、非常な検討を重ねまして選び抜いたものでございますので、これ以外に緊急に問題にしなくてはならないというのは、現在の段階では私どもは考えておりません。
#39
○小柳勇君 この衆議院の附帯決議のその「なかんずく、食品添加物の毒性の研究を促進し、許可品目の再点検、規制の強化をはかること。」とい.うのは、いま局長が言われたような意向ではないと私は理解するんですがね。許可しました三百五十一品目の中に、まあだいじょうぶとは思うけれども、いま二十五品目をやろうとされている、三年がかりで。しかし、それ以外、それだけやれば三百五十一品目はだいじょうぶかというと、さっき大臣がおっしゃったように、無害ではあるけれども、添加しないほうがよろしいというものがあるから近くこれを禁止したいと、こうおっしゃるから、そんなものもあるんではないですか。それをどうするつもりですか。
#40
○政府委員(浦田純一君) 多少ことばが足りなかった点がございますが、その両面から攻めていくということで、先ほども申し上げましたように、無害のものであっても比較的無用ではないかと考えるものにつきましては、近く使用の制限その他規制を強化していくということでございます。
#41
○小柳勇君 使用の制限で、試験の強化などは十分考えてないのかどうか。それは来年度の予算で、衛生試験所の予算がこの食品添加物規制強化対策費としては入っていないと思うがどうか、衛生試験所の対策費が。どうでしょう。
#42
○政府委員(浦田純一君) 再点検関係の予算はほとんど全部試験所に行くわけでございます。それから先ほど申し上げましたノリ、茶など、色素等を使う、これの制限をするということにつきましては調査費がございまして、四十五年においては、やはりノリ、茶といったものを対象として調査を進めておる。その結論が近く出るので、これらについての使用制限ということをやっていく、来年度以降についても同様の考えでございます。
#43
○小柳勇君 最近の動きについては、大臣が言われましたように、二月にはこれこれやります、三月にはこんなことだということで、非常に急ピッチで総点検を始められたような印象を受けたわけですけれども、この予算も落ち、局長の意向によりますと、もう三百五十一の中には、二十五やれば大体当面安心でございますというような印象を受けるんですが、どちらですか。
#44
○国務大臣(内田常雄君) これは別の見方をいたしますと、現在の三百五十一品目、それに近く十三削ることを私は報告を受けておりますが、さらに二つ加えるものがあるそうでございます。これは市販の対象になっているものもあります。たとえばジフェニールというものがその一つでございますが、二つ加えますから、差し引き十一が落とされますから、ごく最近のうちに三百四十になります。その三百四十の中でさらに二十三品目を検討をして、二十五品目を三年計画で検討をして、そのうち落としたほうがいいものがあれば落とすというふうに一応なっておりますが、しかし、こういうものの化学分析、検査等は日進月歩でありますので、きょう見てだいじょうぶだと思われる添加物でも、一年先、二年先には、これはいろいろ国際的の協力も必要でございましょうし、国際的な動きもある場合もございましょうけれども、私は検討し直さなければいけないというものもおそらくは出てくるだろうと思いますので、二十五を対象として検討して終わり、あとはもうすべて永久によろしいなどというものでは決してないように思いまして、いま申しますような状況に対処いたしつつ、これに私は弾力的に加えるものが出てくることを――局長は科学者であります。私は科学者じゃなしに政治家でありますから、政治家としての見方から見て多少局長とは違いますけれども、そのくらいの腹でおるわけでございます。
#45
○小柳勇君 わかりました。そこで、いまこれから三年間で検査されます二十三品目で、もし有害と出た場合は、さっきおっしゃったように、この表から削ってまいる。その場合も、さっきのあれと同じように、商社あるいは製造業者が補償の問題など申し出てまいるでしょう。その場合の黒と出た場合の責任はどういうふうになりましょう。
#46
○国務大臣(内田常雄君) これは先ほど申しましたけれども、許可した段階においては、最善の科学的な分析、観察をした上で間違いないとして許可はいたしておったものでございますので、その後の科学の進歩等、当該許可を担当した行政官庁の当時の責任外の変化で起こりました事象で削除をいたすことになりますから、私どもは、それは国の賠償責任等の範囲に入るものではないと、こういう見解を持つものであります。しかし、それは業者が損失を受けてもいいというものではございませんので、業者が損失を受けないような、先ほども述べましたようないろいろの面からの配慮をしていくということも、これは行政官庁としても、また政治を担当する者の立場としても、やらねばならないことだと思います。
#47
○小柳勇君 政治家だものだから大臣はどっちともとれるような答弁をしておりますけれども、それが具体的になってまいりますとね――何か局長のほうからのあれがあったようですから答弁願います。
#48
○国務大臣(内田常雄君) 局長から差し入れがございました。差し込れがございましたが、全く私が申し上げたとおりで、責任の問題と書いてあります。指定時点において人の健康をそこなうおそれがないことを確認したものについて、その後の科学的水準から見て指定削除等を行なったとしても、いずれもそれぞれの時点における妥当な措置であり、国家賠償法、民法のいずれによっても国は何らの責任を負うものではない、こういう局長見解、これは私はいまもらったんで、これを暗記してきて申し上げたわけじゃないのでありますが、そのことを申し上げたわけであります。
#49
○小柳勇君 わかりました。
 そこで、この問題に対する最後の質問でありますが、食品添加物の規制強化は、公害除去と同時に、国民生活安定のために非常に緊急の問題だと思いますから、衛生試験所の予算の拡大あるいは要員の充実など、もっと根本対策を立ててもらいたいが、大臣の見解をお聞きしてこの問題に対する質問を終わりたいと思います。
#50
○国務大臣(内田常雄君) 衛生試験所に私も参りました。見学をいたしました。元、国の軍の施設か何かのあとを転用したものであったような記憶でございますが、あるいはそれは私の記憶違いで、それは予防衛生研究所のほうであったかしれませんが、予防衛生研究所にいたしましてもあるいは衛生試験所にいたしましても、私は、あれの十倍ぐらいの規模の試験的な人的物的の施設の整備が必要ではなかろうかと、ほんとうに思いました。それは、今日、厚生省というものは地方の手足を持ちません。地方機関を持ちません。大蔵省のように財務局もなければ、通産省のように通産局もございません。すべて地方公共団体を第一線の手足として協力を願っておるわけでありますが、これらの公共団体に衛生研究所というのがございます。もうほとんど例外なくございます。いわばそれらの衛生研究所の中心機関であるべき国立衛生試験所あるいは国立予防衛生研究所というようなものがあの程度でいいだろうかという私は気がいたしまして、これは広い分野でございますから、あれを十倍してみて、はたしてそう人間が集まるとも思いませんけれども、今後、私どもが担当する厚生行政の分野において、また科学日本といたして、また福祉大国といたしまして、何とかひとつ将来の目標といたしましては、あれを十倍でなくても、せめて三倍ぐらいの内容に充実をし予算もつけなければいけないというような気持ちがいたしますので、思うことがあっても一ぺんにはできませんけれども、前向きの態度で大蔵省にも御相談をいたしたいと思います。
#51
○小柳勇君 大臣に期待いたしまして、次の問題に移ります。
 次は、いわゆる難病、奇病といわれるものですが、ずっと厚生行政あるいは厚生予算を見てみましても、難病、奇病などといわれるものに対する対策というものはほとんど見当たらない。われわれとしても難病、奇病といわれると、これはもう対策はないものだと、対策のないものが難病、奇病であるというようにとりがちでありますが、こういう難病、奇病といわれるようなもの、たとえばいま出ておるものあるいは将来出てまいるようなものに対する基本的な取り組みはどうでありましょうか。厚生行政の中で具体的な対策がないあるいは担当の局のないのが難病、奇病であるというような気がしてならぬのですが、いかがですか。
#52
○国務大臣(内田常雄君) 簡単に申し上げますと、私は、難病の最大のものはやはりガンであると思います。それで、厚生省が今日このガンに対しましてはかなりの力を注いでおりますことは御承知と存じます。国立のガン・センターをつくるばかりでなしに、各地方のブロック並びに全部の府県に今日ではほとんど地方のガン・センターと申しますか、ガン、コーナーと申しますか、そういうようなものを公立病院につくらせるように指導したり、助成をいたしてきておるわけでございますが、しかし、残念なことに、日本ばかりでなく、ガンの問題はまだ究明されておりません。しかしこれらの施設費並びに研究費等につきましては、かなりの予算をつぎ込んで処理をいたしております。奇病と申すものの代表的なものは、最近ではスモン病とか、べーチェットとか、カシンベックとかというものになろうと思いますが、これらにつきましても、現在は病気の実態がわからない、診断法がきまらない、したがって、また治療法もきまらないというような段階でございますので、全く研究も手探りと言っては悪いかもしれませんが、そういう段階でございますけれども、これらに対する研究費というようなものも、厚生省はたいへん熱心でございまして、年ごとに等比級数的と申してもいいくらいの研究費の増加を得ております。研究費のうちの一部分をもって、場合によってはその患者への対応策、患者医療費へのカバー、こういうようなことまで考えておりますものもございます。幸いにして、これまで非常に大きな難病でございました結核とかあるいは「らい」とかいうようなものの非常な減少、撲滅に成果をあげてきたと私は考えますので、そういうものの余力を、いまあなたが申されましたような難病、奇病につぎ込んでいってもいいのではないかと思っております。
#53
○小柳勇君 ガン対策につきましては、ここ数年来前進してまいりました。初め三億か四億の予算が最近では数十億になりまして、なお医師会などでは、せめて三百億くらいありますといまのガンはもっと早急に退治できるといわれております、かつての結核と同じように。結核も陸軍、海軍など軍関係が相当の資本金を投下して今日までやってまいりました。ガン対策につきましては当委員会でも数年取り組んでまいりましたが、私の言っておるのはそれではなくて、ポックリ病など、いわゆる奇病といわれておるものに対して、あらかじめ予算をとっておくわけにもまいらぬわけでありましょうが、そういうものが出た場合どうするか。これを調査研究し、各都道府県に情報を流しながら対策を立てなければなりませんね、そういうもののいわゆる対策がない。担当の医者もよくわからぬので奇病といわれるのでありましょう。スモン病対策は、予算はことし相当出た。したがってこれはもう私の言う奇病よりももっと前進した段階だと思いますが、いまあらわれてないようなものがぼこっと出た場合に、一体、厚生省としては活動する余力がございますか、こういうことを言っているわけですから、これについて何か局長のほうから返事があれば御答弁願います。
#54
○政府委員(滝沢正君) ただいまのお尋ねでございますが、具体的に例をスモンの研究費の経過に借りますと、科学技術庁に特別研究促進調整費というのがございまして、これはある程度緊急な社会のこのような問題に対応するためにリザーブされている面がございまして、四十四年度スモンの問題が大きく取り上げられましたときに、この科学技術庁の特別研究促進調整費よりこのスモン研究に三千万支出され、厚生科学研究費五百万とあわせて三千五百万でスタートいたしまして、それ以後は厚生省の特別研究費補助金になりまして、五千万円となり、本年度からは、先ほど来大臣から御説明ございましたように、治療研究という名目で、患者の費用の一部もある程度軽減できるという対策によってスモン対策を促進いたしておりますが、一般的に、そのような予測しない、あるいは予算的な準備のない場合の研究費の処置につきましては、問題の大きな場合には科学投術庁に御相談いたしまして、従来の例から申しますと、促進調整費によってまかなう場合が多いのでございますが、そうでない場合にも、厚生省の特別研究費ないしは医療研究助成金というようなものもございまして、金額なり、その対応の可能なものはそれによってまかなう場合がございます。
#55
○小柳勇君 その科学技術庁から流用できる金、それといまおっしゃった厚生省の特別研究費ですか、合わせて幾らぐらいですか。
#56
○政府委員(滝沢正君) 科学技術庁の促進調整費は、四十五年度が六億八千万、四十六年度は八億でございます。それから厚生省の特別研究費が、四十五年度が一億一千万、四十六年度は一億六千万でございます。そのほか、医療研究助成金は五千二百万、これは両年度同額でございます。
#57
○小柳勇君 わかりました。病気が出るかもわからぬことでばく大な予算を持っておくわけにもまいらぬでしょうけれども、それから科学技術庁の八億だって、それだけに使うわけにはまいりませんから、これは各省のほうにいろいろ使うわけですから、まあ、一億前後厚生省で余裕があるということだけ承っておきましょう。具体的な問題が出ましたときにもう少し論議することにします。
 次の問題の児童福祉関係を若干質問いたします。時間が少ないので、はしょって質問いたしますが、大臣に質問いたしますけれども、この経済成長によりまして、いまそのひずみが弱い面におおいかぶさってまいりました。交通被害あるいはかぎっ子、出かせぎ農家の問題など、児童なり幼児なり、こういうものに大きなしわ寄せがきておる。もちろん老人やあるいは身体障害者などにも大きなしわよせがありすまけれども、この児童福祉を前進させるために、対策を拡充するために、大臣としては、どのような御見識と御見解を持っているか、お伺いいたしたいと思います。
#58
○国務大臣(内田常雄君) なかなか一言で申し上げにくい課題でありますが、何と申しましても一番お金をかけておりますのは、保育所の施設の充足と、また、これらの保育所の入所とか子供たちの措置費と申しますか、育成費と申しますか、そういうことに児童関係では一番たくさんお金をかけておるわけでございます。保育所だけでもおそらくいま全国で一万三千ぐらいあるわけでございます。したがって、そこに入っておる子供の数も百二、三十万人、こういうことになります。それらがみな国の措置費の対象になっておるわけでございますが、しかしいまお話がございましたように、かぎっ子と申しますか、このごろ夫婦共かせぎというような、そういう社会経済構造が多く出てまいりましたので、保育所に対する需要が非常に盛んでございます。したがって、これらの充足につきましては、もういまここで数字は申しません。一応ことばだけで申しますと、施設面でもまた運営面でも、まず第一に充足いたしてまいります。それから児童手当については御承知のとおり、またいずれ詳しく申し述べさせていただきます。もう一つ前の、やはり生まれるときの母子福祉、母子保健対策と申しますか、母子保健対策というものにできるだけ私は力を入れますことが児童の、心身障害児などの発生を防止するという意味からしても、きわめて大切なことであると考えます。いまでも三歳児くらいまでの健康を無料でいたすような仕組みをとっておりますが、こういうこともさらに力を入れてまいっていいことではないかと思います。心身障害児等に対する十分なる施設を講ずるべきでありますことはもちろんでございます。
#59
○小柳勇君 保育所の話、具体的に入ります。保育所計画、緊急整備計画案があるようであります。四十六年度から五十年度まで計画があるようでありますが、現状と、それから五カ年間にどのように最終目標をもって計画しようとされるか、これをひとつ局長から答弁願います。
#60
○政府委員(坂元貞一郎君) 保育所の施設整備につきましては、従来からも年次計画的に推進をはかってきておるわけでございますが、ただいまも大臣からお答え申し上げましたように、非常に要望が高いわけでございますので、今後、新たに整備計画というものを考えてまいるわけでございますが、ここで、ただいまの現状といたしましては、保育所の数は、今年度末で一万四千カ所くらいの数になろうかと思います。そこに入っております児童の数は、百二十四万人程度でございます。ところが、私どものほうで今後のいわゆる要保育児童というものの数を推定をいたしてみますると、ちょうど昭和五十年度ぐらいの今後の五カ年間を一応達観してみますると、全国的にはさらに三十八万人ぐらいまだ不足している、こういうことが見込まれるわけでございます。したがいまして、昭和五十年度末になりますと、大体百六十二、三万というような児童を保育所に収容する必要が出てまいる、こういう推定をしているわけでございます。こういうような整備計画というものを私どもも強力に押し進めるという形で、今後努力をいたしていきたい、かように思っておるわけでございます。
#61
○小柳勇君 その第一年度の予算としてことし予算が出ておりますが、これを第一年度として五カ年間に、いまおっしゃったように、百六十二万五千人の最終目標に達することができますか。この百六十二万五千人についても、私少し文句がありますけれども、きょうは言いませんが、達することができますか。
#62
○政府委員(坂元貞一郎君) 現在までのところ、毎年国庫補助だけで保育所関係は大体五億から、ことしの場合でございましたら七億五、六千万くらいの国庫補助金を実際に使って運用いたしておるわけでございます。そこで、今後五カ年計画ということになりますと、三十八万人分くらいの要収容児童が見込まれるわけでございますので、これに要する私どもの大ざっぱな所要経費としましては、大体国費のほかに地方費、それから、いわゆる設置者自身の自己負担、そういうようなものとかあるいは還元融資とか、あるいは社会福祉事業振興会の融資とか、もろもろのそういう補助金なり、地方費、それから融資、そういうものを全部含めまして考えておるわけでございます。大体のところ五百三十億円くらいの五カ年計画の所要財源になろうかと思います。そのうちで国だけの、国庫負担の額が相当な額になるわけでございますが、私どもとしましては、明年度、四十六年度は施設整備費が、御案内のように、八十三億ということになって、今年度より三十億円ふえておりますので、今後毎年国庫補助金というようなものを大幅に引き上げるように私どもは努力をいたしまして、そういうことによりまして、いま申しました三十八万人くらいの要保護児童を五十年末までの間にできる限り収容できるような体制に持っていく、こういう考え方を持っておるわけでございます。
#63
○小柳勇君 三十億の金もここだけに持っていくわけにまいらぬのですね、この前、大臣が答弁されたとおり、他の施設も社会福祉施設でありますから。そこでいろいろありますけれども、結論的に注文しますならば、老人福祉対策と同様に児童福祉対策も民間の篤志家にたよる面が多すぎはしないかということです、一口に言いますと。もう少し国が、大臣の意向がそうでありますように、国が積極的に次代の国を背負う児童を国の責任で育てるという、そういう積極的な意向なり計画が必要ではないか。具体的にはいろいろありますけれども、そうしませんと、篤志家にたよって、しかも篤志家は超過負担などに四苦八苦しながら浄財を集めていかなければならぬ。そうしますと、結論は、施設に働いている方は、私立に働いている職員は公立の職員よりも待遇が悪くなる、そこに不満が出て、子供に影響してきますね。だから、どちらかというと、国が私立にまかせるのではなくて、国がもっと積極的に児童に対しまして、福祉対策に取り組んでまいる、これは老人福祉対策と同じでありますが、いまこの高度経済成長の陰に老人と子供が一番そのひずみを受けておると思います。だからそういう面で、この問題に対しましては大臣から最終的に見解をお聞きしたいと思います。
#64
○国務大臣(内田常雄君) おっしゃるとおりごもっともでございまして、国はできるだけその方面に国費を充当するようにいたしたいと思います。しかし、日本の社会福祉施策が必ずしもヨーロッパの諸国並みになっていない等の状況にかんがみますと、国ももちろんそうでありますけれども、地方公共団体も、十年前と違って、今日の地方の財政状況もまた地方に住まわれる人々の社会福祉マインドと申しますか、社会福祉意識の上昇に対応して、国とともにひとつ力を出していただきたいと思います。たとえばいまの保育所をとりましても、保育所の中の措置費というもの、また保育所に限らず、これらの社会福祉の施設関係の運営費は昔のまま国が八〇%、それから地方が二〇%というような率のものが多うございますが、それですと、国費をよけいに計上いたしましても伸びがなかなか見られませんので、地方も、国の分を削って地方に肩がわりさせるという意味ではなしに、国も持つから地方も余力のある限りこれらの社会福祉関係の支出を多くしていただくことを私は希望いたしております。
 また、幸い今度の税制改正で、私どもの多年の要望が通りまして、社会福祉法人に対する寄付金などが損金扱いにされるように租税特別措置法の改正が達成されました。相続財産の寄付の場合もしかりでございますので、さような面、あたかも税の面では、民間は社会福祉施設に対して寄付をすべからずというような税制であったとも思いませんけれども、なかなか過酷な――過酷というか、寛大でない面がございましたのが、それが教育関係と同じ程度に並んでまいりましたので、民間の篤志家のこの方面に対する御協力というものも私は多々ますます弁ずる――決していやしい気持ちで申すわけじゃございませんが、多くの御協力を得て、ともども日本の社会福祉のレベルを上げてまいりたいと思います。
#65
○小柳勇君 文部省から見えておりますから文部省から。
 私は産炭地におりまして、生活保護の家庭あるいは要保護家庭の子供たちが学用品あるいは旅行費などについて金のために差別をされ、一般の普通の児童と比較できないような非常に低い生活程度の実態を見ております。けさテレビを見ておりまして、ランドセルの安いのが五千円から八千円でありますが、高いのは一万五千円から二万円もする。しかも館山の市長はことし入学する全員の子供にランドセルを買って与えた、二千数百万円の予算でありますけれども。しかもおかあさん方、御主人方が非常に感謝して、貧富の差がなくてみな同じようなものを背負って学校に行ける。市長も、みな生き生きとして差別なく勉強できるということは金の問題ではない、二千数百万円かかるが金の問題ではない、やろうと思えばできるのだ、市長がやろうと思えばできるのだ、しかも、これは市長の仕事じゃなくて国の仕事だと言っている。私は、いろいろ産炭地でそういうかわいそうな子供たちを見ておりますが、国の仕事だと言ったときには、そうだと私も思いました。いろいろ問題がありますけれども、具体的にすぐ小学校に多数の子供が入るだろうと思うが、ことし児童がどの程度入学するかということ、それにランドセルを国が買ってやるとすればどのくらい予算が必要か、現状はどうか。要保護児童には旅行費、学用品の補助をいたしておりますが、その現状について文部省から御説明を願います。
#66
○説明員(説田三郎君) 新年度に入学をいたしますと予定される者でありますが、小学校で約百七十万人。現在、文部省といたしましては、ただいま先生が御指摘になりました学用品等を含めまして、いわゆる生活保護法による要保護家庭の子供に準じた、いわゆる準要保護児童と申しますが、その保護者に対しまして市町村が学用品費あるいは通学費、修学旅行費、学校給食費、医療費というようなものを給与いたします場合には、その二分の一を国が補助するということになっております。これはもちろん市町村が全額見るわけでございますので、子供のほうは全部ただになるということになるわけでありますが、その半額分はこれは交付税で財源措置が講ぜられますので、まるまる国が交付税なり補助金によって措置をするということになっております。
 そこで、御質問の館山市におきましてランドセルを子供全員に給与したというお話でございますが、これはいわゆる学用品費に当たるものでございまして、四十六年度の予算で申しますと、小学校では児童一人当たり三千四百五十円、中学校では七千二十円ということになっておりまして、これによって購入できるということに予算上はなっております。
 で、この学用品費につきましては、本来は父兄が負担するべき経費である、こういうたてまえでございますが、経済的な理由によりまして、いま申しましたように、負担困難な家庭の子供に対しましてはこれを市町村がめんどうを見て、国がこれに対して二分の一補助をすると、こういうかっこうになっておるわけでございまして、文部省といたしましては、今後ともこういう低所得者に対する就学援助につきましては、その内容の充実をはかっていきたい。特に単価の増額等、ただいま申しましたような単価では買えないではないかというような御指摘もあろうかと思いますが、年々この単価の増額について努力をしてまいっておりますが、今後とも努力してまいりたいと思っております。ただ、困らない、いわゆる要保護者なり準要保護者以外の者にまで貧富を問わず、館山市でやっておりますような全員に給与するというたてまえで、それについても補助をしていく、国がやっていくというようなことは現在のところ考えておりません。
#67
○小柳勇君 また別の機会に、これは児童福祉対策は一括して質問いたしましょう。
 最後に、小児ガンの問題を大臣非常に詳しいから……。小児ガンで年間約二千人もの人が亡くなっておられるようでありますが、健康保険を使いましても、負担分が一日平均四千円くらいかかる。しかも、若い両親がこれだけのばく大な医療費を使って子供のガンの治療をすることはなかなかたいへんでありますが、国として、たとえばポリオの場合のように、全額国庫負担で強力にこれを治療、医療してやるというような体制はできないものであろうかどうか、厚生大臣に質問いたします。
#68
○国務大臣(内田常雄君) ちょっとしまいが聞き取りにくうございましたので、おそれ入りますがちょっとしまいのほうを……。
#69
○小柳勇君 小児ガンになりますと、治療費がたくさんかかる、しかも若い両親ですね。したがって、その若い両親がばく大な治療費でなかなか完全な治療ができないから、ポリオみたいに全額国庫負担で、小児ガンの子供だけは国が全部治療してやるという体制をとれないものであろうかという、こういう質問です。
#70
○国務大臣(内田常雄君) ポリオの例は、私、よく存じませんので、それと比較した関係はよくわかりませんけれども、おっしゃるとおり、小児ガンはまたいろいろな意味で気の毒な病気でございまして、毎年二千人内外のお子さまがそれで亡くなられるわけでございます。両親はしたがって年がまだ若い、十分な所得もない方々が多いというようなことで、社会的にも取り上げられまして、結局、結論といたしましては、四十六年度から国と地方公共団体でできる限りその手術費と申しますか、治療費、入院費等の本人負担分を――これはどうせ国民皆保険でございますから、七割なりあるいは五割なりというものは国民健康保険あるいはまた一般の企業の健康保険でカバーされますが、その自己負担分等を国と公共団体で見てまいるというようなたてまえにいたしまして、一応の積算の予算を今度組み入れる、こういうことに相なりました。完全な姿ではございませんが、そういうことでありますために、大蔵省も非常に理解をしてくれましたけれども、厚生省といたしましては非常な苦労をいたしましたわけでございます。
#71
○小柳勇君 ちょっとはっきりわかりませんでしたが、国と地方公共団体で手術料とかなんとかを全部支払いましてというようなことでありましたが、何かもう少し詳しく御説明願いたい。
#72
○政府委員(坂元貞一郎君) いま大臣から申し上げたのでございますが、具体的に申し上げますと、大体三千五百人くらい全国に小児ガン患者の数がいるというふうに言われているわけでございますので、明年度予算に計上いたしております考え方としましては、三千五百人を対象にいたしまして、大体私どものほうのいろいろなデータからの推定によりますと、一人月に大体十一万円弱のいわゆる入院の場合の医療費というものがかかると、こういうことになっておりますので、その十一万円弱の医療費を一応基本にしまして、そのうち、大臣から申し上げましたように、健保なり国保の自己負担分がございますから、健保の場合でございましたら半額自己負担、その半額自己負担の分を国と都道府県とでそれぞれ二分の一ずつ負担する、こういうことになりまして、明年度予算におきましては、国費だけで二億円、こういうことの計算をいたしているわけでございます。
#73
○小柳勇君 そうしますと、大体一人平均月に十一万くらいかかると。半分は保険で払うから、あと半分を国と地方公共団体で持つ、したがって本人負担の十一万の範囲で終わるものは、本人負担はないと理解してよろしいのですか。
#74
○政府委員(坂元貞一郎君) 健康保険の場合はそういうことでございます。国保の場合は、御存じのように三割の自己負担がございますので、七割を国民健康保険のほうで持ってくれますから、三割相当分の自己負担分を国と都道府県とでそれぞれ半分ずつと、こういうことになりますので、結論的には健康保険なり国民健康保険で見る分と、残りの自己負担分を、いま申しましたように、国なり都道府県が見ますので、結局、まあ本人負担はないと、こういうことに相なるわけでございます。
#75
○小柳勇君 わかりました。
#76
○小平芳平君 初めに労働省からお答え願いたいのですが、二月十二日の参議院予算委員会で、労働大臣がお答えになっていることは「カドミウムの災害の起こるような危険のあるものについては、全部これを労働災害で救う道を考えたいと、ただいま事務当局と打ち合わせをしたわけでございます。」と、こうなっておりますが、労働省のほうとしては、カドミウムによる健康被害者を労災適用するという方針は大臣からはっきり打ち出されておりますが、具体的な作業はどのように進んでおられるか、お尋ねしたい。
#77
○説明員(松尾弘一君) いま先生御指摘のようなことを大臣が申しておりますし、事務的にも現在検討いたしておりますが、従来からの取り扱いも、当該薬品によってあるいはその原材料によってその業務を行なっている過程で、それがもとで疾病を生じたという場合には労災補償の対象にいたしまして、補償の万全を期しているわけでございます。ただ事柄は、カドミウムの業務に起因して起こったかどうかという点では非常に問題があるので、それを慎重に検討する、なお精密検査等についても慎重に検討する、こういうことを申し上げたと思いますが、そういうふうにわがほうとしては考えております。
 また、現実にこの問題の扱いにつきましては、事柄が事柄でございますので、権威ある医師、専門家の御意見を承って、措置についてより万全を期していきたい、こういうふうに考えております。
#78
○小平芳平君 そんな抽象的なことじゃなくて、実際にカドミウムの職場に何年か働いていて、からだが痛いという人が現実に出ているわけです。ですから、そういうような人たちは、労災適用の申請を出せばいいわけでしょう。そうした場合に、その病気の原因がカドミウムであるということがはっきりしなければならないわけでしょう。それはどこではっきりさせるかということが問題でしょう。
#79
○説明員(松尾弘一君) 補償請求が出ました場合には、これを具体的に専門医に鑑定依頼をする、そしてその意見が出る。また反対の意見も出る、賛成の意見も出るというような場合にはさらにまた複数の意見を徴する。そして行政的には、段階的には監督署長が第一次的に行政処分をする、こういうたてまえになっております。この問題は、しかしながら、これにかかわらず具体的に非常にむずかしい問題が出てまいりますから、そういう場合には本省でまた専門家会議など開きまして鑑別して診断をする、そして決定をする、こういう段取りになっております。
#80
○小平芳平君 要するに、カドミウムが原因でからだが痛いといっても、それははっきり神経痛で痛いのか、リューマチで痛いのか、カドミウムで痛いのか、それはどうやって鑑別しますか。これは厚生省ですか、むしろ。
#81
○国務大臣(内田常雄君) これは、まあ私は医学者でありませんから、御納得が十分得られるかどうか心配でございますけれども、御承知のように、厚生省は学者の方々にお集まりをいただきまして、カドミウム中毒等鑑別診断研究班というものを設けておりますので、群馬県なら群馬県あるいは群馬大学等の先生方の研究、検討の結果を鑑別診断班の先生方とも協議をしていただきまして、それによって最終的の判定を下す。さらにまた、最近伺いますと、労働省のほうでも、労働衛生の見地からの専門家を集められた委員会をおつくりになるということも聞いておりますので、厚生省のカドミウム中毒等鑑別診断研究班の諸先生方だけの結論に待たず、労働省関係の諸先生方を中心とする委員会の方々とも連合の審査というようなこともいたして、最終的な所論を出す方法を考えておると私は説明を受けております。
#82
○小平芳平君 これは手続としまして、労災請求する場合には医師の診断書が必要ですね。その医師の診断書がそもそももうリューマチとか、神経痛という診断では、労災のルートへ乗らないんじゃないですか。そういう点、どのように処理されますか。
#83
○説明員(松尾弘一君) 補償請求される労働者の方が、第一次的には使用者の証明をもらうあるいは医師の診断書をもらうということで補償請求をされるわけでありますが、医師の診断自体が、たとえば持病的な医師の診断であろうと、補償を請求されるときは、それは業務上として、労働者はそういう意思でもって請求をされると思います。したがいまして、私どもは、当該診断あるいは事業所の診断のいかんにかかわらず、できるだけ客観的な立場で検討するわけでございますから、その医師の診断ももとよりそれ以外の医師の診断も、専門的の鑑定診断をお願いするという形で万全を期していくという方法をとっております。
#84
○小平芳平君 それでは、客観的に何年間かカドミウムの職場にいたということがつけば、それで本省のほうへ書類は回りますね。要するに、町でお医者さんに見てもらっても、あなたはリューマチだ、神経痛だという診断しかしてくれない。してくれなくても、企業のほうで六年なら六年、五年なら五年カドミウムの職場にいたということになれば、これは本省へ回るというふうに理解してよろしいですね。
#85
○説明員(松尾弘一君) そこで業務上と判定できるような客観的資料が出ればよろしいのですが、争いになるような事案について、また現場の所長が判断しにくいという場合が出てまいりますので、そのときは基準局を通じて本省に出す、こういうことになります。
#86
○小平芳平君 そうして今度は本省に書類が来た場合、労働省は労働省で別の委員を委嘱するわけですか、いま厚生大臣のお話だと。
#87
○説明員(松尾弘一君) いま大臣からもおっしゃったように、私どもとしては、厚生省とよく連携をとりまして、鑑別診断の委員その他につきまして、できるならば連携をしつつ専門家会議を開催したい、こういうふうに思っております。
#88
○小平芳平君 実際に、厚生大臣はお医者でないけれども――お医者の人はいないですか、おりますか。私が予算委員会でも申し上げたように、安中に、カドミウムのこの工場に働いていた人で、現実にからだを痛がっている人がいるわけです。それからまた、つい二、三日前に、長野県の松代というところでもカドミウムの工場があって、その松代のカドミウム工場で六年間その人はカドミウムを溶かす作業をやっていたわけですが、六年間溶かす作業をやっていた人が実際に指が曲がって、昭和四十二年ごろから痛い痛いといって毎日注射を打っているわけです。そういうような場合ですね、鑑別診断班のその尿検査その他おやりになるのですが、実際上は尿たん白も出ない段階で、カドミウムが体内に蓄積されただけで痛みが始まっているわけでしょう。その痛みが始まっている人たちに対して、それが業務上のカドミウムによるものだという証明をどこでしてもらえるかということです。その点、いかがですか。
#89
○説明員(松尾弘一君) 医学的なことは後ほどにしまして、手続的には、当該事業場でカドミに従事した労働者のカドミに起因して起こった疾病であるかどうか、これを鑑別診断する専門医に鑑別診断をお願いして、そういう意見を聞いてわれわれとしては行政処分をする、こういう段取りは先ほど申し上げたとおりでありますが、いま申されましたように、カドミによって痛くなってきているという事実が医学的に証明されるかどうか、ここがひとつ問題だと思いますが、その点を十分検討することについては、中央においても、その専門家会議等を開いて検討する必要がある、こういうふうに考えております。
#90
○説明員(山本宜正君) カドミウムの中毒症をどのように判定していくかということについて、たいへんむずかしいとされておりまして、イタイイタイ病のように骨変化までくるような著しいものではたいへんなことになりますので、現在私どものカドミウムの鑑別診断班で研究しております一つのねらいは、じん臓の変化がまいりまして、尿中にたん白が出るというような一つの現象もございまして、それを一つの手立てに判断しているわけでございますが、もっとそのほかの早期に発見される症状が何であるか、どういったような診断方法でそれが検出されるかという、ごく早期の診断方法をその研究の中から引き出したい、こういうことをねらってしているわけでございまして、現在までのところ、カドミウムのいわゆる蒸気等を吸うような職場で働いていて、それが直ちに痛いという症状だけでそれをカドミウム中毒症と判断することには若干専門家の間でも無理があるというようなお話のように伺っております。しかし早期発見ということの必要性がございますので、その辺を研究の中心として鑑別診断班が動いている、こういう次第でございます。
#91
○小平芳平君 したがいまして、カドミウムの場合は早期発見が困難であると、鑑別診断のはっきりしたきめ手がないと、それで痛がる、痛みが起きるという、それはまだ尿たん白の出ないうちにすでにもう痛いと、それはそうでしょう、尿たん白が出るということはじん臓障害が起きてるんですから。ですからそういう場合、カドミウムの職場に何年か働いていて、そしてじゃあ指の曲がるのは何が原因ですか、これ。カドミウムの被災地には指曲がりの婦人が多いわけです。それもカドミウムが原因だと断定はできがたいわけでしょう、いま現実問題としては。そうした場合に、そうした健康被害者に対してからだが痛むということ、それが胃かいようとか、そういう特別の病名がつくならともかくも、カドミウムの職場に長年働いていて、そして病名がはっきりしないままからだが痛むという者は、一応カドミウムによる健康被害として取り扱うというよりほかに、いまやりようがないじゃないかと思いますが、いかがですか。
#92
○説明員(山本宜正君) 職場でカドミウムによる問題でございますので、私のほうからお答えするのに若干問題があろうかと思いますが、たとえば一つ痛いという症状だけをとりまして、それが長年カドミウムの汚染を受ける職場環境で働いておったということとを直ちに結びつけるところには、若干医学的な判断として問題があろうかと私は存じております。したがいまして、そういったところを究明するのが現在非常にカドミウムの中毒症として急務だと考えられておりまして、したがいまして、先ほど申しましたように、診断班の中ではそういうことを早くきわめたいということで進めておるわけでございます。
#93
○小平芳平君 私も医者ではないから、そういう医学上のことをいま尋ねているんではなくて、政治上のことを尋ねているわけです。それはカドミウムの職場にいたとか、あるいはカドミウムに汚染された水や米を常に飲んだり食べたりしていたという方が、とにかくからだが痛い、指が曲がると、そうなった場合、これは政府の行政措置として、厚生大臣は、最近は前向きになっていると、公害病救済に対しても前向きになっているというふうに答弁しておられるわけですから、それをただことばだけの前向きじゃなくて、実際にからだが痛んでいると、しかもカドミウムとの関連が十分考えられるという場合は、そういうふうな医学的証明に若干の問題があるという課長さんの答弁ですけれども、医学的に若干の問題があっても、政治の上ではカドミウムによる被害と、そのほかに胃かいようとか何か考えられればともかく、そのほかに考えられなければ、それは救済の対象に入れていくという方針が必要ではありませんか。
#94
○国務大臣(内田常雄君) おことばを返しちゃいかぬのですが、二つ問題があると思います。
 一つは公害に係る健康被害の救済に関する法律の適用でございますが、あれは二つの要件がまずございまして、その一つは大気汚染とかあるいは水質汚濁が著しい地域に発生した、いわゆる公害病であるわけです。でございますから、私は、いま安中でありますとかいうような地域は、その要件は――これは専門家の諸君が何と言うかもしれませんが、政治家としては、そういう要件に当てはまる地域と見ることは必ずしも不可能ではないと思います。
 第二の法律発動の要件、公害を原因とする指定の病気が多発しているということが第二の要件になるわけでございます。でありますから指曲がり病というようなものが多発をする、神通川流域におけるようなイタイイタイ病が多発しているという、そういう状況が生じますと、第一の要件と第二の要件が一致いたしますので、これはまあ因果関係の問題は一応別といたしまして、私は、あの法律が発動し得る状況になると思いますが、ただいま安中の場合の指曲がり病、あるいは先生がこの間いらっしゃったこと、私新聞で見ましたが、よくいらっしゃったと思うのですが、松代にいらっしゃった。そしてあるイタイイタイ病、苦病を訴えられる御婦人と一緒に市役所や労働基準局を尋ねられたというような記事も読んで、非常に敬意を表した次第でありますが、ああいうごく少数の方が該当者かもしれないという状況にあらわれておるということでは、あの健康被害救済法は発動し得ない仕組みであると思います。
 それはそれといたしまして、次にですね、このカドミウム汚染が行なわれている地域において指曲がり病と言われるものが発生をしておって、そしていろいろ尿の検診をしたりしましても、いまお話によりますと、じん臓まではおかされてない、尿たん白とかあるいは特殊の糖の尿が排出するに至ってないけれども、それは肝臓とかその他のところにカドミウムが蓄積されておって、それの影響で指曲がりが発生しているかもしれないということ、全然ないではない。ないではないので、医師が診断をして、そしてこれは指が曲がっておるけれども、この病気はカドミウム汚染によるものではない、カドミウム中毒によるものではなしに、たとえば福島における、先般の福島医科大学の判定のように、それは慢性リューマチ症が原因であるとか、いやいや慢性リューマチ症そのものであるとか、あるいはリューマチ性何々であるとかいうような、そういう診断があれば別でありますが、なければ――やはり一応その患者の苦情というものはこういう病気だと、ほかのこういう原因からきているのだということがなければ、私は、一応それはカドミウム中毒による、カドミウム汚染による中毒として、私は労働省じゃありませんけれども、労働省もそれはやはりその労働病というんですか、労働衛生……。
#95
○小平芳平君 職業病。
#96
○国務大臣(内田常雄君) 職業病、労働衛生関係の病気と推定をして、あの患者に親切にそこでいく限りは取り扱っていくということは、理論として起こされる、言い回しがむずかしゅうございますが、起こされる場合もあると、こういうことであろうと思います。そういう関係企業につとめてない一般の汚染地域における市民が、広く同じような状況になりました場合には、これは労働省の問題ではございませんで、厚生省固有の問題といたしまして、その病気の原因がどこからきているかということを私どもが突きとめまして、それは状況によっては、指曲がり病を公害病として認定、指定するというようなことも、たてまえの上からはないということではないと、こういうことになろうと思います。
#97
○小平芳平君 だいぶまわりくどい表現ですが、大体私の言わんとすることと同じようですが、要するにカドミウムの職場に長年働いていた、そういう場合に、このほかに確実な病気の原因があればともかく、ほかの確実な病気の原因が見当たらない場合に、その人がカドミウムによる痛みだということを断定するには医学的に少々問題はあっても、国の行政上の取り扱いとしては、ほかに見当たる原因がなければカドミウムによるものと一応きめて取り扱っていただきたいということで、厚生大臣もそのとおりだとおっしゃっておりますので、労働省、帰りましたら十分そのことをお伝えいただきたいと思います。
 それで、いま大臣が述べられた長野県の松代の工場の場合も、社長さんがこれ自殺されているのですよね。それで、そういう関係もあったかもしれませんが、県の公害課が調査に行って、公害は一切ないという報告をしているわけです。それから労働基準監督署も調査に行って、この職場は基準の十分の一以下でたいへんに安全衛生管理は行き届いた職場だと、こういうふうに発表をしているわけです。ところが実際に私が行ってみると、周辺には公害が出ている。その第一にはすぐ隣のたんぼからは米がとれない、そして米がとれない上に、わずかに実ったものも食べるわけにいかないから捨てちゃった、こう言っているわけです、農家の方はね。そしてまた別のほうの畑は何年来作物は全滅、何をつくってもとれない、そういうことを地元住民の人に聞けば言っているのに、県の公害課の職員の方は、公害で混乱のときにあったとはいいながら、そういうふうな公害なしという報告をしている。そういうことでは困るのです、住民としては。きわめてそういう県や国のやり方に対する不信というものが強く出る。それから健康被害者はないということを会社も言うし、あるいは基準監督署も検査に行った結果、模範――模範的でもないけれども、安全衛生が十分守られているという報告をしているにもかかわらず、たずねたずねていけば現実に指が曲がったり、そして毎日医者に行って注射を打っている人がいる。この人の場合なども六年間カドミウムを溶かす工場にいた。カドミウムを六年間溶かしていたわけです。そうしてもう四十二年ごろから手が痛い手が痛いというふうに訴えて医者へ通うようになった。ところが会社ではもう健康保険証を取り上げてしまっている。したがって、もはやこの婦人は医者にもかかれなくなった。そういうことで去年の十月までつとめていたこの婦人が、健康保険証をもう会社が解散したから返しなさいと言われて返してしまったら、もう医者にもかかれなくなっちゃう。こういうような実情ですね。それからまた私たちが行って最初話しかけると、公害はない公害はない、被害者はいないと言う。けれども、いろいろ話しているうちにある農家の婦人は実は私も指が曲がっているのですと言って、こう見せる。しかしそれは会社に知られては困る、会社に知られたら退職金もくれないとか、減らされるとか、あるいは会社が解散した場合に失業保険の手続もやってもらえないじゃないかということを言って、その周辺の方は、ただもう会社に気がねをする一方で、しかも肝心の監督する県や監督署がそういうようなことを報告していたのでは非常に困るのですが、いかがですか。
#98
○政府委員(曽根田郁夫君) 長野県の松代の点につきましては、実は私ども新聞で初めて知ったのでございますけれども、この事業所自体は、実は昨年私どもが全国的に行ないました総点検の対象事業所に入っておりますので、いずれにしましても、今月末にはその結果が県から報告があるとは思いますけれども、それとは別個に、この問題につきまして先生のお話も新聞で伺いましたので、さっそく県に昨日照会いたしましたところ、昨二十二日、とりあえず県では近辺のたんぼからその農作物等のサンプルをとりまして、それの分析を始めるということでございます。それから、きょう労働関係の出先機関といろいろ打ち合わせをいたすというふうに聞いております。それから明後二十五日でございますか、この会社関係と、その従業員の検診その他について打ち合わせをするというスケジュールでございますので、私ども、その結果を待ちまして、必要な場合には必要な指導をしていきたいと考えております。
#99
○渋谷邦彦君 関連。先ほど大臣の答弁を伺っておりますと、因果関係を明らかにするための一つの考え方の前提として、多数の発生患者が出なければなかなかそれは認めがたい、それはごもっともだと私は思うのです。しかし、富山県あたりに見られたイタイイタイ病の経過を考えてみますと、それは人によっては体質の相違もございましょう。しかもそのカドミウムを吸収いたしましてから、御存じのとおり、直ちにはその病状があらわれない、五年、十年、二十年とかかる。したがって、あるいはいま特定の人がそういう病気になったのではないか、そのためにはいろいろな専門医の鑑定も受けなければならない、それはごもっともだと私は思うのですけれども、そこで問題の一つは、先ほども小平委員から要望がありましたように、そうした特殊な病気の要素を考えまして、あくまでも政治的な配慮をぜひともこれは実現してもらいたい。これが第一点です。
 それから第二点は、せっかく専門的な立場に立って鑑定をされる場合に、もういままで五年、十年とかかる場合があるのですね。慎重を期されることはけっこうだと思うのですけれども、患者はそれまで待てないと思うのです。どこにそういう隘路があるのか、そうしてまたそうした点についての早急な結論というものは下せないものなのかどうなのか。これは多少時間がかかるということは、われわれしろうとでも大体推測はできます。けれども、いままでの例を見ておりますと、全部が全部ではございませんでしょうけれども、大体その結論が出るまで長くかかる、こういう点については何とかならないのか。この二点をあらためて確認の意味でお尋ねしておきたいと思います。
#100
○国務大臣(内田常雄君) たとえばカドミウム中毒ということでイタイイタイ病の患者が多発をしておる、これはもう神通川の区域につきましては、厚生省自身が昭和四十三年にそういう指定をいたしておるわけでありますから、今日いろいろの異説、異論はありますけれども、あえてそう申していいわけでありますが、これはカドミウムによるイタイイタイ病患者が多発をしておりますので、言うまでもなく指定地域になりまして、その患者さんにつきましては医療救済が法律によって行なわれておると、こういう状況でございますが、いまのその安中あるいは新しく問題に取り上げられました松代というようなところのイタイイタイ病につきましては、一つには多発しておるというような状況にないことと、それからもう一つは、これは時間がかかってしょうがないというおしかりでございますが、もうすぐそれは結論が出るわけでありますが、その指曲がり病と呼ばれているものがはたしてカドミウム中毒によるものかどうかということが、この三月中には判明をいたすわけであります。これは、先ほども触れましたように、群馬大学の医学部関係の諸先生を中心とした御検討の結果をさらに厚生省が設けておりますカドミウム中毒等鑑別診断研究班の先生方の判定を受けますのがこの三月と、こういうことになるわけでありますから、それによって因果関係が出ませんと、あの法律の適用ということにはすぐには持っていけないと、こういうことを申し上げたわけでございます。
 福島県にも同じような事例がございまして、指曲がり病を訴えられる――私の記憶に間違いなければ、十一人ぐらいの患者さんがございまして、これらは福島大学の医学部の先生方の御検診の結果を先ほど申しました鑑別診断研究班で再検討いたしました結果が、これはカドミウム汚染に基づく指曲がり病ではなしに、リューマチ系統の病気であると、こういうような判定もございましたので、それと安中等を私は結びつけて直ちに考えているわけではございませんけれども、まあ安中につきましては、来月、結果が出るのを待ちまして、そして法律にのり得るものであるかどうかということもきめてまいりたい、こう思うものです。
#101
○渋谷邦彦君 私が申し上げた第一点については、富山の場合は四十三年に指定されたことは知っております。それは相当長期間かかって指定されたわけです、世論もやかましくなった。安中や長野の場合には、いまそういう患者が発見された、それは非常に数が少ない、多発の状態じゃありません。ところが、これから五年たって、十年たってあの群馬の安中を中心とし、松代を中心として多発するような可能性を含んでいるのじゃないか。いま出ているのは一人かもしれないけれども、そういう前提に立って、しかもわれわれから、しろうと目からかもしれませんけれども、見た場合には、明らかにカドミウムではなかろうかと思わしめる原因が十分あるような要素があるわけです。したがって、先ほど申し上げましたように、それを想定しながら、何とか政治的な配慮でもってその補償の方途を講ずることができないのか、こういうわけであります。
#102
○国務大臣(内田常雄君) もう同じことばを返しませんが、ほかの見地から見ますと、いまの松代の場合あるいは安中の場合には、かりにそれがカドミウム中毒に基づくものだと鑑別診断されました場合におきましても、それらの該当者はたまたまカドミウムを扱っておった工場の従業員でありましたので、労災のほうが待遇のいいといいますか、処遇の厚い労災のほうが優先をいたしまして、そしてその中に公害による健康被害救済法が吸収されてしまうという結果に、いままでのお話の状況では、両地域ともなるのではないかと私は思います。
#103
○小平芳平君 労災のことば、間違いなくいまのことをお伝えいただきたいと思います。
 そこで、次の問題としまして、現在体内にどれだけカドミウムとか亜鉛が蓄積されているか、これはアメリカで分析したものを先ほど厚生省がお持ちのようでしたのでひとつ発表していただきたい。
#104
○説明員(山本宜正君) 一九六五年に印刷されたものでございまして、アメリカのヘルス・フィジクスという本でございます。その中にテネシー大学の内科のティプトンという先生方が発表しております。非常にボリュームが多いものでございますが、内容といたしましては、近東の人、それからアメリカの人、それから極東の人、それらのいろいろなサンプルを集めまして、からだのなかの脳であるとか、肝臓であるとか、じん臓であるとか、いろいろの臓器の中のカルシウム、鉄、マンガン等、カドミウムも含めましていわゆる微量物質といわれる金属についての分析をしているわけでございます。ちょうどその中でじん臓のなかにおきますカドミウムの部分だけを特に極東の場合につきまして御報告、読み上げてまいります。書いてございますのは、二十歳以上の極東の人六十六検体のなかのカドミウム量であります。最低が八百二十PPM、最高が二万PPM、中央値が四千PPM、中央値の九五%、信頼限界が三千三百ないし五千二百PPM、それから平均値が五千百PPMというような数字になっております。なお、これは灰にいたしました場合のいわゆるPPMという濃度で表示したものでございます。
#105
○小平芳平君 そこで、平均して四千PPM最高は二万PPM、こういうものがじん臓のなかに蓄積をしていて、どんな健康障害が起きると思われますか。あるいは現代医学においては、それをどうやって検査することができますか。
#106
○政府委員(曽根田郁夫君) 実は、ただいま申し上げましたティプトン博士の資料につきまして、この六十六名の死因を私ども承知しておりません、どういう病気で亡くなられたのか。したがって、そういう点を確めませんと、その数字の持つ意味が必ずしも十分でございませんので、目下アメリカのほうに照会中でございます。いずれ返事がまいりましたら御連絡いたしたいと存じます。
#107
○小平芳平君 いや、質問に答えてください。私が質問していることは、この六十六検体の死因を尋ねているのではなくて、四千PPMあるいは二万PPMというような、灰にしたものにいたしましても、こうした二万PPMというようなものがじん臓に蓄積されているときに、どういう病気の症状を起こすのか。また現在生きている人が実際は二万PPMもじん臓にカドミウムがたまっているということをどういう検査の方法で発見することができるか、その二点を尋ねているのです。
#108
○説明員(山本宜正君) この資料では、この辺の病気との関係が明らかにされておりません分析値でございまして、諸外国のほかのデータとも比べますと、いろいろの数値が出ているわけでありますが、じん臓にカドミウムが多量にあったということと、それによってじん臓障害を起こし尿中に変化が起こっていなかったかということについての関連につきましては、いまここでさだかに関連があり得るかどうかということは申し上げることがむずかしいのではないか、かように存じます。
#109
○小平芳平君 ですから、そこで最初から言うように、厚生大臣が私の意見どおりだとおっしゃったからいいようなものの、実際問題二万PPMというようなカドミウムが人体に蓄積されている人がいたわけですね。安中の中村登子さんの場合は二万二千四百PPMだった。アメリカで分析し、学会で発表されたものでも、最高二万PPMというものが蓄積されていたという、その報告があるわけですから、厚生省としては、そうした蓄積によってどういう健康障害が起きるか、あるいは健康障害が起きた場合それをどう鑑別するか、それは鑑別診断班にまかしてあるからいいんだじゃなくて、現実にもう痛がっている人がいるんです。その人たちの蓄積なり、痛みの原因というものを早く発見して治療するという――労災なら労災に早く認定して治療にかかるということが当然じゃありませんか。方法はありませんか、方法は。
#110
○説明員(山本宜正君) お尋ね、たいへんむずかしいことでございます。死体から発見されまして、非常に多量に蓄積されたということがわかりますが、それを生きている間に早期に発見するということが、この疾病を早期発見、早期予防する意味での重要なポイントと考えるわけでございますが、それにつきまして、一応生理学的に申しまして、体内に取り込まれたこういった微量な物質がどのような経路から出るかというようなことを考えまして、一つはじん臓を経て出てくるわけでございますので、そのじん臓を経て出てくるものをはかるということと、それによって、多くの人を見ることによって何らかの健康障害がないかということを結びつけるという方法で早期診断方法を確立していくというのが現在の鑑別診断班の研究の趣旨だと、かように存じます。したがって、そういった研究を積み重ねることによってこそいまお尋ねの点が解明されるか、ように存じます。
#111
○小平芳平君 厚生大臣、要するに体内にどれだけカドミウムが蓄積されているかということを発見する方法がまだないわけですね。そしてまた、その蓄積されたカドミウムによってどの人がどのような痛みを訴えるか、それもはっきりこの程度蓄積したらこういう痛みが起きるんだ、あるいはこういう症状が出るんだということもわかってないわけですね。ですから厚生大臣、そういう場合は労災適用なら労災適用にはっきり踏み切るべきだと、最初から申し上げているように。方法はないですもの。現実に病人はいるんです。そういう点で、さっきのように歯切れの悪い答弁でなくて、現在――方法のない現在としては拡大して適用すると、このようにおっしゃっていただきたいと思いますが、いかがですか。
#112
○国務大臣(内田常雄君) なかなか私が用心深い発言をさっきいたしました。これは労働省の問題で、ここに労働省の局長もおられますので、私が言うべきことよりも労働省当局が言われるべきことでありまして、要するにここに、ある企業での勤労者が病気になったと、その病気の原因がわからないと、はっきり。しかし原因と推定される事態がその企業の中で起こっているとするならば、やはりその原因によってその病気が発生したと推定することに私はなりはしないかと、推定されるのが適当でない場合にはそれはその原因によって起こったのではない、カドミウム中毒ならカドミウム中毒によって起こっておる病気ではなしに、他のリューマチならリューマチという原因から生じておる病気であるという反証といいますか、正確な診断があれば別でありますが、ない限りはなるべく本人の利益に見て、親切に見てあげる、こういう考え方も――そういう考え方と申しますか、そういう議論もあり得る議論でありましょうと、こういうふうにしまいのほうを申し上げているわけでありますが、いまでも私はそのとおりでございます。
#113
○小平芳平君 そういう議論もあり得るじゃなくて、ほかに何も方法がないじゃないですか。現在、医学が、大臣なら大臣のじん臓にどれだけカドミウムが、あるいはそういう重金属が蓄積されているかということを発見する方法がないわけです。それは尿たん白とか、そこまでいけばある程度わかってくるわけですが、尿たん白も固定して出るわけじゃないでしょう。一定の量がずっと固定して出るんじゃないそうです、私も医者じゃないですが。まして、そういうからだのどこが痛いと、しかも、カドミウムの職場に長年いたということになれば、痛さはリューマチや神経痛と見分けがつかないにしましても、そういうほかの病気でないということがはっきりしているなら、医学的に異論があるにしましても、拡大してこのカドミウムによるものと認定すると、そういうように大臣からも大いに働きかけてもらいたいと思います。
#114
○国務大臣(内田常雄君) その企業の従業員が現実に病気になり、患者として苦痛を訴えているという事実はもうすでに生じていると、しかしそれが何の原因からきておるかその診断がつかないと、こういう場合、その職業に直接関連のある原因だと推定される事態が生じているならばそう見てやったらどうかという議論が許されると、こう私は思うわけでありますので、同じような表現で同じような議論をひとつ労働省のほうにも私からいたしましょう。ただし、ここにもその方面の専門家がおられることでありますから、私がいま申しておることが言い過ぎだ、間違っておるということならば、ここにいられる諸君にも、ちょっと待てと、こういうことを言っていただくことを前提として私はこう申し上げておきます。どうでしょう。(笑声)
#115
○政府委員(曽根田郁夫君) 基本的には大臣のお考えで私どもはよろしいと思いますが、いままでカドミウムの中毒につきましては、先生も十分御承知と思いますけれども、むしろ職場におけるカドミウムの――主としてカドミウム粉じんを吸入いたしますですね、それの急性中毒というのが実はおもな代表例でございまして、データなり論文もそういう形でいろいろ発表されております。今度また労働省のほうであらためて検討なさると伺っておるわけですけれども、私どものほうは、いままでは職場外の一般住民のしかも慢性中毒というものを主体としてやってまいりましたけれども、最近そういう職場内外をめぐってのいろいろケースも出てまいりましたので、先ほど大臣からお話がありましたように、近々労働省のほうで発足される研究班と私どもの鑑別診断班と必要があれば合同の会議を開いて、相互にデータを持ち寄って検討するということも考えておりますので、その中で十分いまのような趣旨に沿った検討を進めていきたいと思います。
#116
○小平芳平君 これで終わりますが、大臣の御答弁で私はもうけっこうですが、大臣ね、公害部長さん、公害課長さんは、大臣と特別な変わった考えを持った専門家というふうにお考えにならなくていいのじゃないかと思います。といいますのは、実際上、いま部長さんでも課長さんでも、二万PPMだれが現在たまっておるかということを見分ける方法がありますか。あるいはその二万PPMたまった、蓄積したためにどういう痛みが起こるかということが言えますか。それは現在わからないわけでしょう、ですから拡大し、適用してほしいということになるわけです。ですから、大臣から積極的に働きかけていただきたい、鑑別診断班の方に対しても労働省に対しても働きかけていただきたい。
#117
○渋谷邦彦君 ただいまカドミウムによる公害についての質疑があったわけですが、引き続いて公害の問題につきましてお尋ねをしたいと思うのであります。
 昨年の公害国会と言われた第六十四国会におきましても一連の法改正が行なわれまして、積極的に今後の公害に対する防止を推進していくという試みがなされたわけです。しかし、それに反しまして依然として全国的にしかも家庭に直接影響があると思われるような問題が依然として処理されていない。ごみの収集にいたしましてもあるいはその処理等にいたしましても同じであります。最近私どもが調べたところによりますと、これもおそらくその地域一カ所にとどまるものではないだろう、そうしたような事例が全国至るところに放置されたままになっているのではないだろうかということで、これから一つの具体例を通しましてお尋ねをしたい、こういうふうに思うわけであります。
 実は埼玉県に新座という市がありまして、そこのところに団地がございます。おそらくこの団地ができましたときには、この都市に住んでいる人たちがせめても公害のないところということで青空を求めて、そういう空気のさわやかなところへ移転をした人も相当数に上るであろうと判断されるわけであります。ところが、実際に入居をいたしてみますと、その周辺でもって処理されるじんかいのばい煙がたいへんおびただしい量になりまして、それが北風が吹くとまともに住宅に吹きつけるという事態が現在起こっているわけです。団地の住民の方々もこれではたいへんだ、こんなはずではなかった、こういうことでその実際にごみ処理に当たっている隣の町の三芳町というところがありますが、その町長に厳重な抗議を申し入れまして、最近ではその場所でごみを焼くことをやめた、こういう経過になっているのだそうであります。そこで、現状についてまず御説明をいただきたいと思うのです。――建設省も来ておられますか。最初に厚生省、それから建設省、現状について御答弁願います。
#118
○政府委員(浦田純一君) 御指摘のごみの野焼きの場所、現在これは川原でもってごみを積み上げて、一カ月ほど前でございます。そういったような事実がございまして、その場所は埼玉県の入間郡三芳町の竹間沢にあります柳瀬川の川原というふうに承知をしております。広さは約三千平方メートルほどの広さがあるようでございます。三芳町ば人口約一万、現在まだ清掃法が生きておりまして、清掃法の特別清掃地域という定めはまだ続けられているわけでございますが、その特別清掃地域というものの設定は行なっておりません。この町から出ますごみの量は、ただいま一日量約八トンというふうに聞いております。それで、町はこれを集めまして前記の場所において野焼きを行なっておった。また、その野焼きを行ないました焼却後の残渣につきましては埋め立て処分をしておったということであります。
 それから、その後どのような手を打ったかということでございますが、二月十九日以降、野焼き方式は中止させておりまして、いまのところは衛生的な、ごみを埋め立てまして、すぐその上に覆土するという、場合によりましては消毒薬を用いましてその上に覆土するという処分方法をとらせておりまして、今後一カ月以内くらいをおおむねのめどといたしまして、他に適当な処分地を取得するようにということでもって、現在町当局はその場所、適所をさがしておりまして、地主などとの交渉も始まっておるように聞いております。
 施設面の問題でございますが、私どもといたしましては、現在、昭和四十二年度を初年度としておりますごみ処理施設の整備五カ年計画を進行中でございますが、その中の一環といたしましても、問題のある地域は優先的にその整備が進むように格段の考慮もしてまいりたいし、そのように指導もしてまいりたい。また、とりあえずは現在の廃棄物処理及び清掃に関する法律が施行されるまでの期間、特別清掃地域を設定いたしまして、いろいろな面からの規制が行なわれるように指導してまいりたいと考えております。
#119
○政府委員(川崎精一君) 現地の概況につきましては、ただいま厚生省からお話のございましたとおりでございます。河川といたしましては、これは荒川水系でございますから、一級水系の中の指定区間で埼玉県が管理しておる区間でございます。私どもといたしましても、やはり河川法あるいは河川法に基づきます施行令の趣旨からいきますと、好ましくない行為でございまして、これにつきましては、埼玉県の河川担当の部局からも、できるだけ早く処理場をつくって、正常な形に回復をしてもらいたいというような指示をいたしております。先ほど話もございましたように、非常に悪臭等を伴うような行為については一応とりあえずやめるというようなことで現在進んでおりますが、いずれにいたしましても、これは市の問題でございまして、個人が非常に悪意を持ってやったようなものでもございませんので、できるだけ早急にそういった処理施設を完成をいたしまして、正常な姿に戻すことを私ども期待をいたしておるわけでございます。
#120
○渋谷邦彦君 河川局長は四時にお帰りになるそうでありますから、最初にそちらに伺っておきたいと思いますが、いまの御答弁のとおりに、河川法の第二十七条ですか、それと施行令の第十六条の四、これに違反していることは間違いありませんか。
#121
○政府委員(川崎精一君) 河川法の二十七条は、無断で掘さくをしておるという関係だと思います。それから十六条の政令、これは河川法の二十九条に清潔に関する条文がございます。それを受けた政令でございますが、そういったものの精神には反しておると思います。
#122
○渋谷邦彦君 これは、建設省としてはそういう事態をいつキャッチされて、そして行政指導なされたのか。
#123
○政府委員(川崎精一君) これは先週の初めごろでございますから、私どものほうにそういった情報が入りましたのは、約一週間くらい前でなかったかと存じます。
#124
○渋谷邦彦君 この事態は、もう相当以前からも発生しておることは、地元住民のいろんな騒ぎを通じましても、県当局は当然それを知っていたわけでありますけれども、建設省としては何らかの報告がない限りは関知しないというのでは、やはり次善の策がとれないのではなかろうかということを非常に心配するわけですね。しかも、公害というものに結びついた状況であるということを考えてみた場合なおのことだと思います。一週間前に受けられまして、いま公害ということが非常に騒がれておる昨今、どういう適切な行政指導、県なりあるいは地元なりに対して行なわれたのか。
#125
○政府委員(川崎精一君) 私どものほうにおきましても、いろいろ全般的な公害の河川におけるそういった問題につきましての指導をいたしておりますが、直接にはやはりこれは県の管理にゆだねられておる区間でございますし、県にもやはり総合的な公害を担当する部局もございますので、いわゆる個人が単純に悪意を持ってやった行為でございますれば、それぞれ管理者独自で処置をいたすわけでございますが、やはりいろいろな自治体の事情があって、やむを得ずそういうふうになったんじゃなかろうかというふうに推察するわけでございます。したがって、むやみにここで強硬的な処置をとるというのもいかがかということで、できるだけひとつそういった公害部局と十分話をして、早く事を解決するようにというような指示はいたしました。
#126
○渋谷邦彦君 確かにおっしゃるとおり、県当局の責任範囲内において処理されていかなければならない内容かと私は思います。さりとて、国が全然それはほおかむりしていいという理由はないわけですね。そうであるならば、何も行政指導なんということを行なう必要は毛頭ないわけであります。やはり行政指導というたてまえがある以上は、厚生省等々と連携を保ちながら、あるいは財政的な措置を必要とするならば、側面的にバックアップをするというような措置はとれないものでしょうか。
#127
○政府委員(浦田純一君) 一般家庭から出ます廃棄物、ごみの処理につきましては、これは先生も御案内のとおり、清掃法あるいは今回改正になりました廃棄物及び清掃に関する法律で市町村の固有事務ということで処理されているところでございます。したがいまして、一義的には市町村がこれらの問題について施設も整えて、それから必要な人員もそろえて、清掃法の趣旨にのっとりまして衛生的に処分するということでございますが、これに関しまして、国といたしましては、先ほども触れましたが、清掃施設の整備緊急措置法という法律に基づきまして、ごみの処理施設につきましても全国的な整備五カ年計画を立てまして、起債あるいは補助金の制度によりまして、これらの整備の促進についてはかっているところでもございますし、また技術的な面についてのいろいろな指導も行なっているところでございます。
 御指摘の場所につきましては、いろいろと考えられるわけでございますが、まず第一点といたしましては、どうしても特別清掃地域という指定が一つ前提になろうかと思います。もちろん、九月以降新法が施行されるようになりますと、廃棄物はどこにも捨てることができなくなるという全面的な禁止がかかりますので、問題はおのずから解消するわけでございますけれども、しかし、問題は急を要しておりますので、その間特別清掃地域に指定するという手続をとらせるようにいたしたいと思います。それから、いまありますごみの処分につきましては、やはりできれば近隣の市町村にお話をするなり、それを引き受けていただく、要は一日六トン余でございますので、話し合いのつかない点はなかろうかと思います。またかりに埋め立て処分にするにいたしましても、適地をさがしまして衛生的に処分をしていただくということが緊急に考えられる対策と思います。また四十六年度におきましては、私どものほうであずかっております補助対象事業といたしまして、町当局がこの問題に取り組むように優先的にこちらとしても配慮いたしますし、町のほうも、この点は私どものほうから強く要請していきたいと考えております。
#128
○政府委員(川崎精一君) 私どものほうでも、昨年の十一月の七日に、ただいま先生からお話しの政令がスタートをしたわけでございます。それ以後全国の河川、特に私どもが直轄で管理をいたしております河川等につきましては、そういう事実がないかどうかということで点検を現在いたしております。直轄関係につきましてはすでに概略の集計をしておるわけでございます。こういった事態を踏まえまして、私どものほうでも、これはむしろどちらかといえば被害者的な立場でもあるわけでございます。環境衛生上やはり好ましくないことでもございますし、河川法上ももちろんでございますので、これにつきましては、事務当局におきまして、現在厚生省といろいろ打ち合わせをいたしまして、個々の問題について、どういう施設で、いつどのくらいの間に解決するというようなことについて地元の市町村の段階で話のつかないものは、私どものほうも力添えをして解決に努力しようじゃないか、あるいは今後の河川敷のあり方につきましても、ひとつ厚生省と近く共同通達を出しまして、そういった環境衛生上の問題を起こさないように努力したいということで現在詰めておる段階でございます。
#129
○渋谷邦彦君 いま総点検をされているというお話ですが、現在までわかった範囲で、全国的にはこういうケースがどのくらいございますか。
#130
○政府委員(川崎精一君) これは手元にちょっと直轄管理の区間の資料だけしかございませんが、全体で約十六件程度でございます。
#131
○渋谷邦彦君 先ほどの御答弁の中に、まあ悪意がなくてやったと、それは当然だろうと私は思うんです。せっぱ詰まって、もうどうしようもなくて悪いとは知りながらと、まあ平易に言えばそういうことだろうと私は思うんです。だからといって許されるという問題では私は絶対ないと思う。したがって、建設省のほうにおきましても、河川法あるいは施行令の示すところによって、やはりそれなりに法の精神というものを貫く意味からも勧告もし、適切な行政指導を行なうようにつとめるべきではないでしょうか。
#132
○政府委員(川崎精一君) 御趣旨のとおりでございまして、別にこれが厚生省の所管だからどうだというようなことじゃなくて、政府として、やはり一緒に公害対策に取り組みたいと思います。
#133
○渋谷邦彦君 河川局長、けっこうです。どうぞ。
 それでは、この問題をさらにふえんして申し上げますと、いままでは、とにかくもういたたまれないと、こういう状況で、地元の人が三芳町長あてに出した抗議文なんかを見ましても、なるほどと思わしむるものがあるわけです。特に気管支炎だとかぜんそく、頭痛、吐きけ、あるいはお年寄り、乳幼児の被害が深刻だと、中には一幼児が全身アレルギー発しんを起こしたと、こういう事態が報告されているわけです。どうしてくれるんだと、その補償はどうするんだと、こういう問題まで発展しかねない状況であるわけです。先ほど環境衛生局長の御答弁によりますと、とにかく現在は焼却をやめたと、やめて解決はできないと私は思うのですね。もう一つ、公団自体の施設だろうと私は思うのですけれども、もう一つ処理場があったわけです、河川のほかにですね。しかも、それはもう相当前に破損しちゃってるんですね、これは。火事か何かで焼けてしまいまして、いまだに修復ができてない。現在四千トンたまっているというのですよ。いまの御答弁聞いていますと、毎日六トンから八トン出ると、ごみが。それがまた累積されていくわけです。これは一体どうするんだろうと、物理的にはたして可能なのかどうなのか、そういったところで抜本的なやはり対策を立てなければ、この問題はいつまでたっても地元の住民の不満を内蔵したまま推移するのではなかろうかということを非常に心配するわけです。大臣、いかがですか。
#134
○国務大臣(内田常雄君) まことにけしからぬことだろうと思います。これは町村というものは町村の固有事務といたしましても、町民の健康のためにも、環境整備のためにも、屎尿あるいはこうしたごみ処理を適切な方法で処理しなければならない。そういう任務を持っておると私は思うものでございまして、まことに遺憾千万、厚生省からもどういう監督権があるか、これは別といたしまして、衛生主管庁といたしまして厳重にひとつ注意をうながすべきであると思います。
#135
○渋谷邦彦君 財政の乏しい町をいじめてみたところで、ない袖は振れないと、こういう状況であるわけです、実際はね。だから、どこへ一体そのしわ寄せがいくのかということを今度逆に心配するわけです。おそらく町としても、先ほどの河川局長の話じゃないけれども、悪気があってやったわけでは決してないだろうと、こういう判断ができるわけです。しかし、現実に焼くことをやめろと、こういうふうにとめられている以上は、ごみはたまる一方、そうして地元の町にいたしましても、何とか焼却処理場というものをつくってもらうことができればと、そういう要望すらあるわけです。けれども、わずか二億そこそこの財政では、それももしつくるとするならば、一億くらいかかる。町の財政はあと一億で一年間持たせなくちゃならぬ。事実上だれが考えたって不可能に近い。こういう実態であるということですね。しかも、こういう事態は、冒頭に申し上げたように、何も三芳町一町に限る問題じゃないだろうということを非常に心配するわけなんです。しかも、先ほど大臣のほうから答弁がなかったように思うんですけれども、先ほど申し上げた中で、処理能力があると思われた住宅にくっついているやつですかね、ごみ焼却炉があるわけですが、しかも、それが火事になって、もうすでに使用不能になってから五カ月たったわけです。ところが、大気汚染防止法によりますと、一刻も早くその能力を修復しなければならないことが規定されているわけです。結局とどのつまりは金がないからできないんだと、こういうことなんですね。きょうは大蔵省の方も実は呼んでおったんですけれども、衆議院の関係がありましておいでになっておりませんけれども、やはりその点については、厚生大臣の政治的配慮によって適切な処理とは一体何かと、やはり財政援助をしてあげることが現在のたまっているごみの焼却を一挙に解決し、またその地域住民のそういう不満を解消することに直ちにつながるのじゃないだろうか、こう思うのですけれども、その点いかがですか。
#136
○国務大臣(内田常雄君) 仰せのとおりであろうと思います。しかし、町村は全国で三千余りあるわけでございますので、あるいは単独にこういうごみ処理の施設をやられる町村もございましょうし、あるいはまた、幾つかの町村がごみ処理についての一部事務組合というようなものを、これは屎尿などの場合もそうのようでございますが、みなで共同して処理施設をつくるための組合をつくり、これが起債を求めてまいるというような場合もございまして、私ども、そういうものを極力援助、協力すべきであろうと思います。しかし、やはりその市町村の熱意とか、行政能力とかいうようなものも、こういうことを進めます上においては非常に関係のあることだろうと思いますので、いろいろやはり地元でも熱意と知恵を持って国のほうにも働きかけていただくことが肝心だろうとも思います。
#137
○渋谷邦彦君 おっしゃるとおり、町においても行政能力云々ということもございましょう。しかし、行政能力云々する前に、やはり国として適切な措置と相まったことがなければこれはとうていできませんし、しかしまた一々待っていたのでは、行政能力がないからといって地域住民の不満をそのままにしていいかと、こういうことにもなるわけですよ。だから、この点については、やはり何としても、いま申し上げたように国が何とか財政の面で立ち行くように、またそれなりの設備がきちんとできるように配慮をしてあげることがむしろ適切な行政指導の効果というものではないだろうか、こういうことを申し上げているわけです。
#138
○国務大臣(内田常雄君) 国と地方公共団体と両々相まってやるべきであると思います。いま私がここで、よろしい、国が引き受けましょうといっても、そういう今度は国のほうとして、私どものほうとしての補助金なりあるいはまた起債の割り当ての状態がわかりませんけれども、たびたび申しますように、やはりこれは町村が自分のところの固有の仕事であるという熱意と計画と知恵とを働かせて、そうして私どものほうにも申し出るという前提に立たないと、地方で行き詰まったものをすべてこれ私どものほうに持ち込まれましても、今度は厚生省のほうがお手上げになるという場合もあるでありましょうし、私は、事態はよく存じませんけれども、当局のほうを通じまして町に積極的な活動をさせるように申し入れたいと思います。
#139
○政府委員(浦田純一君) 大臣の御答弁に続きまして、多少中身予算の数字なり、起債の問題について御説明したいと思います。
 私どものほうでは、ごみの処分につきましては、日本のようなところでは、原則的には焼却施設による焼却が一番よかろう、それから適地のあります場合には、衛生的な埋め立て処分ということも考えられるということで、いま現在のところ、全国的な規模で見ました場合には、焼却施設によりますごみの処理の割合は約六割をちょっと切る、六〇%ちょっと切るぐらいのところでございます。これでは、いま御指摘のような事例も数多く発生する、あるいはそのまま放置されるという事態も十分に考えられますので、さらに私どもは、これを昭和五十年を目標にいたしまして、対象人口を総人口のうちの約九五%、これは事実上問題のある土地は全部包含されると思いますが、そこから出ます廃棄物、もちろん時代の進展とともに廃棄物の量そのものもふえるわけでございますが、それらの問題も計算に入れまして、ほぼ一〇〇%衛生的な処理ができるように設備も進めてまいりたいということで、現在までのところは、四十二年から四十六年までの五カ年計画、さらに、ただいま四十六年を新たに初年度とする新しい五カ年計画というものの作成を進めまして、その中で起債あるいは補助といった制度も考えていきたいと考えているわけでございます。具体的には、来年度は、ごみの関係につきましての起債額は一応百五十四億円というところでセットされる予定でございます。本年度は百十八億円でございましたが、かなりの増額を見ておるところでございます。また、補助金につきましては、これは地方公共団体に対しまして大体原則としては四分の一ということで、来年度の予算の要求の中には十五億九千百万円というものを要求、いま御審議を願っているところでございます。御指摘の三芳町そのものにつきましては、これは人口規模も確かに小そうございますし、したがって財政規模も必ずしも豊かだとは言えないということもございますし、近隣の地方公共団体、たとえば福岡町であるとか、そういったすでにある程度ごみ処理につきましても施設を備えているところ、こういったところとも、場合によっては一部事務組合の結成ということを考慮し、それによって広域的にごみの処理ができるというふうにしていまの緊急の事態というものを切り抜けよということを、県を通じて指導中でございます。それから、もしも三芳町が独自でもってごみ処理施設を整備するという計画を立てられるならば、それにつきましては、先ほど申し上げました緊急整備計画にのっとりまして、私どもとしては、補助対象として取り上げていきたいし、また起債のほうのお世話もいたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#140
○渋谷邦彦君 最後に、局長の答弁でこれからやろうとする方途については一応納得をいたしますけれども、前後しましたけれども、この写真、ちょっと遠くからでは見えないでしょうけれども、これはうちの機関紙のカメラマンがとったやつ、こっちは地元の人がとった写真で朝日新聞に掲載された写真ですが、とにかくもう話にならない、この状況じゃ。まあ、いずれにしても、ごみ処理整備五カ年計画もけっこうだと思うのですけれども、いまずっと申し上げてまいりましたように、当面直ちに解決を迫られている場所があるわけですよ、五年間待てない。そういうところも、おそらく三芳町に限らず、そう数は多くないにいたしましても――数が多くなければ直接これから手を打たれて、そうして公害のない住みよい環境づくりというものを強力に推進すべきではないだろうか。やはりケースバイケースということもあるわけでございますから、その整備五カ年計画の中ではまだまだ先の話だろう等々の、そういうようなことであってはいつまでたってもこういうことの解決にはつながらない。やはり政治は、そういう問題が起きたときに直ちにどう処理していくか、地域の町や市に働きかけて、そこにあるごみ処理場を利用さしていただくこともけっこうでありましょう。それはしかし焼け石に水ではないかというおそれも出てまいります。なにせ量が多いんですから。いままだ修復がされていないごみ処理場なんか、四千トンたまっているんですよ。この四千トンを処理するだけでもたいへんだと思う、もう五カ月間放置してあるわけですから。だから、これらを具体的にどうするのか。どうせ県のほうへ行政指導なさる場合には、そうしたやっぱりもっと行き届いた指導もなさるべきではないだろうか。そうして、現在修理されていないごみ焼却炉につきましては、こうすべきではないか、ああすべきではないかと、あるいは起債の面の必要が出てまいった場合にはこうすべきじゃないかというアドバイスも当然必要ではあろうし、また従来もやってきたんであろうとは思いますけれども、しかし、そこに結果が出なければやはり政治は動いてないということになりかねないわけであります。
 最後に、その点につきまして善処していただきたいことの要望を織りまぜて、大臣の答弁を願います。
#141
○国務大臣(内田常雄君) まことに私も同感であり、けっこうなことでございます。そういうことにつきまして、環境の整備を推進するのが私どもの任務とするところでありますので、当該町村の計画とも協力をいたしましてやってまいりたいと思います。ただ、私が一言感想を述べることを許さしていただきますならば、県も一体何をしているんだろうかという気が実はいたします。御承知のように厚生省には、私がたびたび申しますように、大蔵省の財務局なり、国税局なりというような、あるいはまた通産省の通産局、農林省の農政局のような地方の役所がございませんので、いろいろな問題が起こりましても、とどのつまりは、やはり県当局なり、市町村当局の私どもの考え方に同調する動きがないと何事もうまくいかないわけでありますので、こうした場合、私どもができます場合は当然の任務として協力をいたしたいと思いますので、町並びに県にも、さらにこのような行き詰まった事態を打開するだけの意欲を持たせるように、私どもも指導をしながらこの問題に対処してまいりたいと思います。
#142
○渋谷邦彦君 けっこうです。
#143
○喜屋武眞榮君 ただいままで一貫して公害問題の論議がなされましたが、沖繩にも基地公害が一ぱいあるわけですが、私はこれからの与えられた時間内で、沖繩のいま大きな政治問題、社会問題となっておる一つの問題として風疹児の問題、このことについて。さらに沖繩の医療行政、医療問題について。三点目は医療保険の問題について厚生大臣をはじめ関係者にお尋ねをし、さらに、この風疹児の問題は、診断と治療という立場からは厚生省の問題でありますが、教育という面ではこれは文部省にかかわりがございまするので、そういう意味で両面へのお尋ねになりますが、よろしくお答えをお願いいたしたいと思います。
 まず、沖繩の風疹児問題が問題になり表面化いたしましたのは、厚生省からの派遣医師、それから琉球政府の要請による招聘医師と、この方々が沖繩の児童生徒の健康診断をされた、そもそもそこからこの問題が表面化したわけであります。その面では、まさに閉ざされた二十有余年の間、いろんな問題が内在しながらも、それが伏せられたまま、気がつかないままに放置されておったわけでありますが、幸いに厚生省からの派遣医師のおかげによりましてそれが発覚した。この点、おそまきながら沖繩県民にとってまことに幸いであったと、この点、この場を借りてお礼も申し上げたいわけでありますが、それだけに、その問題が表面化するや、いままで知らなかった間は、知らぬが仏で何のこともなかったわけですが、これが表面化しますや、もういまたいへんな問題となりまして、先ほど申し上げました政治問題、社会問題となって大きくクローズアップいたしておるわけでございます。そのことにつきましては、沖繩現地に来られた派遣医師並びに琉球政府が招聘いたしました招聘医師のきめこまかな実態調査の結果が厚生省並びに文部省に調査報告がなされておると思いますが、その点いかがでありましょうか。調査報告がなされておると思いますが、まずその点、厚生省並びに文部省にお尋ねいたしたいと思います。
#144
○政府委員(坂元貞一郎君) 三十九年から四十年の初めにかけての沖繩における風疹の流行はいま申されたとおりでございます。その結果、いろいろ風疹によると思われる心身障害児が相当発生しているというような状況下にありまして、日本政府からも検診班等を派遣して調査をすると同時に、また文部省当局とも御相談しながら指導班等も現地に派遣して、いろいろ各種の指導をやってきたわけでございます。そこで、いま御指摘のように、検診班というものが四十四年に現地に参っておりますが、その検診班の調査の結果等の詳細な報告書というものは、私ども厚生省としてもいただいております。そういう報告書の中に、現状とこれからの対策というようなものをいろいろ各角度からまとめておられますので、そういう点については私どもも十分承知をいたしております。
#145
○説明員(寒川英希君) 文部省といたしましても、沖繩の風疹による障害児のための教育指導をいかにすべきかというふうなことで、御指摘がありましたように、四十四年の三月、それから七月、二回にわたりまして教育指導団を派遣いたしております。その指導団による現地の状況の詳細な報告は私ども手元に参っておる次第でございます。
#146
○喜屋武眞榮君 それでは、さらにお尋ねいたしますが、その調査の結果の報告等とともに、今度は医師団から陳情書が、この具体的な対策として早目にこうしてもらわなければいけないといった意味の積極的な要望書が、陳情書が出してあると、こういうことでありますが、それはいかがでありますか。
#147
○政府委員(坂元貞一郎君) 第一回目の検診班が四十四年の初めに現地に参ったわけでありますが、いま仰せのように、現地側からのいろいろな報告書、専門家の報告書というものがその後参りましたので、それに基づきましてさらに第二次の調査のための要員を現地に派遣しておる、こういうような経緯になっているわけでございます。
#148
○喜屋武眞榮君 それをお尋ねいたしましたのは、一刻も猶予ならぬ、まあ御承知のとおり、その内容は、目の白内障あるいは耳の難聴、心臓疾患、こういう三つに分けるわけでありますが、その治療対策につきましては――地域的には宮古の地区が率からいうと多い、こういう報告を私も受けておりますが、そのように急を要する前向きな陳情要請に対してまだ何らの答えもない、返事もない、こういうことで、実はその方が私のほうにも参りまして、ぜひそのことを強く申し入れてもらいたいという非常にありがたい、適切な御要望を、むしろこちらからお願いすべきことでありますが、その派遣医師の方が非常に御熱心にそういうふうにお百度踏んで来られるわけであります。ぜひその陳情に対して一刻も早くこたえてほしい、実行に移していただきたい。これは要望をかねて、そういう切なる要望に対して時をかすとか、具体的なそれに対する回答がないとかいうことは、まことにこれはいけないことだ、遺憾なことだ、こう思っておりますので、その点私からも強く要望申し上げておきます。
 それでは、次に調査は十分知っておるとおっしゃいましたが、その該当者、いわゆる風疹児と言われる者の数、その類別、そういうものを明らかにしていただきたいと思います。
#149
○政府委員(坂元貞一郎君) 昭和三十九年から四十年の春にかけての風疹流行の結果、私どもが当時調査団の結果あるいは検診の結果把握しております風疹によるいわゆる何らかの心身の障害のある児童数は、当時において三百六十名、こういうふうに言われているわけでございます。もちろん五百五十五名ぐらいの者を対象にして検診をいたした結果、ある程度風疹を起因とした障害児であるというのがいま申しました三百六十名でございます。その内訳は、先天性の心疾患というのが五十二名、いわゆる先天性の白内障が二十八名、それから難聴児が三百三十九名、精薄児が三十九名、脳性麻痺が五名ということで、数としては三百六十名をオーバーしておりますが、これは重複障害を持っているのがそれぞれの項目にございますので、総数として三百六十名というふうに言われているわけです。
 それらの三百六十名の者に対する、その後私どものほうでとりました対策なり措置につきまして簡単に申し上げますと、先天性の心臓疾患につきましては、現在本土のほうにおいてやっておりますような、いわゆる入院手術という対策を立てておりまして、現在まで――これは昨年の七月までの状況でございますが、五十二名のうち手術を要するというように認定された者が二十八名ありますが、そのうち六名だけを現在までのところ本土の専門医療機関で入院手術を行なっております。それから、白内障につきましては、同じく本土のほうの医療機関で二十八名のうち十名だけを手術をしているということになっておるわけでございます。難聴児につきましては、当時、いわゆる難聴の器具を三百十二名くらい本土から――これはもちろん民間のほうの好意によりまして送ったものでございますが、そういうような難聴器具を当時送っております。それから精薄児と脳性麻痺の子供さんにつきましては、現在沖繩に、先生御存じのように、精薄施設なり、肢体不自由児施設というのがそれぞれ一カ所ずつございますので、そういうところに入れていろいろ訓練をするというようなことをやっているわけでございます。もちろん、これだけの対策ではまだ不十分でございます。したがいまして沖繩の四十六年度の予算におきましても、いわゆる育成医療の費用が二十名分ぐらい予算計上しておりますので、そういうところでこの心臓疾患の手術も従来同様に本土のほうに来ていただきまして手術をする、こういうようなことを考えているわけでございます。それから施設に入れるというようなこともございますので、今後、精薄施設なり肢体不自由児施設というのが現在一カ所ずつのものがさらに十分でございません場合は、今後そういう施設整備というものも十分考えていきたいと、かように思っているわけでございます。
#150
○喜屋武眞榮君 いまの御説明で、調査の結果、またそれに対する対策、さらに将来の計画につきましては、一そうひとつこの実態に即応するように、また県民の意思をくんでいただいてこたえていただきたいと要望申し上げますが、ことに緊急に手術を要する者ですね、それからしばらくある一定の期間を置かなければいけない、こういったまた専門的な立場からの数が出ておるわけでありますが、そこで、いろいろ検討してみますと、非常に沖繩は遠隔の地でありますので、まず渡航費の問題治療費の問題ばく大な費用がかかっておることが明らかにされておるのであります。治療費として平均九百二十二ドル、約千ドル、三十六万ですか、治療費としてかかる、こういうこと。それから渡航費の問題ですね。渡航費も、まあ船にしましても七十ドル四十セントといったような、こういう渡航費の問題。それから付添人の問題。子供のことでありますから、本人だけ送り出すわけにいかない。こういった非常に多くの費用がこれにかかることが明らかにされているわけでありますので、ぜひそういった費用の裏づけ、さらにまた急を要する問題ですね、こういう子供たち、この問題につきましてもひとつ前向きに積極的に治療していただいて、早く健全な健康体にしていただきたいということを、特に心臓疾患と目の面は厚生省の関係の問題でありますので。
 次に、耳の面は特に文部省の関係になるわけでありますので、この子たちがことしから幼稚園にもう上がる年齢になっておるわけであります。五歳児ですね、四歳児、五歳児。そうすると、幼稚園も普通の幼稚園には入れられませんので、どうしても特殊施設をまた持たなければいけない、こういうことになっておるわけでありますが、文部省の立場からどのような対策を持ってこられたか、また将来に向けてどのような計画、対策を持っておられるのであるか、そのことをひとつ承りたいと思います。
#151
○説明員(寒川英希君) 聴覚障害児につきましては、早期に訓練をし教育をすることがきわめて重要でございますのは御承知のとおりでございます。そこで、この教育ないし訓練に当たります担当教師の養成、これがきわめてまた問題でございまして、この養成をどうするかというふうなことの対策が中心になっているわけでございます。そこで四十四年度に、先ほど申し上げました指導者講習会を現地におきまして二回ばかり開いております。さらにまた本土から沖繩に参りまして長期の駐留教育指導員、これも四回ばかり派遣しております。さらにまた沖繩から本土へ内地留学生ということで教員を受け入れております。これが現在までに三回実施されているわけでございます。現在、こういった研修を受けました教師が沖繩各連合教育区ごとに巡回教師として子供たちに対する指導あるいは親に対する教育相談等をいたしているわけでございます。いわゆる巡回教師として配置されまして指導が行なわれているわけでございます。いま御指摘のございましたように、大体五歳から六歳に達する子もあるわけでございまして、小学校に入る段階を迎えております。そこで四十五年度におきまして、琉球政府の計画に基づく援助をいたしたわけでございますが、これは各地に幼児のための教室を設けて、四十六教室でございますが、これに対しまして卓上補聴訓練器、さらに集団補聴設備というふうなことで設備費を約一千万でございますが援助をいたしました。さらに四十六年度におきましても、琉球政府の計画に沿いまして引き続き必要な援助措置を積極的に講じてまいるわけでございますが、この四十六年度の予算におきましては、小学校に風疹学級をつくるわけでございます。したがいましてその建物の補助、校舎の増築に要する補助金を計上いたすことにいたしております。それからその風疹学級に対します設備、これに対しましても援助をいたす、さらにまたこの風疹児が各地に散らばっておると申しますか、点在いたしておりますので、こういった子供たちが風疹学級に通学してまいる際の交通費あるいは学用品、通学用品等がございます。そういった就学奨励をする援助、そういったものを含めまして約二億五百万ばかり計上いたしたいということでお願いいたしておる次第でございます。
#152
○喜屋武眞榮君 この問題も、当時、私、教振会会長をしておったので、その要請を受けて、それから大あわてをいたしまして、現場の教師から、何の経験もない、そういう資格もない、熱心な教師をあてがって各連合教育区に配置をして、そういったままごとみたような状態で始めたのがそのいきさつでございますが、そういうことで、いまだに専門の自信を持って技術的にもこれを指導していける教師がほとんどいないと言ってもいいのは御承知のとおりであります。それで、いまお話しのとおりに、速成養成のいま段階でございますが、この面もぜひひとつもっともっと予算の裏づけをもって養成をして、こういう両面からの交流によって養成していただかないというと、さらに施設の面も重視していただかぬといけないと、こう思いますので、幸いにこの発見が早かったということが非常に成果があがっておると、効果が。専門医のデータによりますというと、非常にその成果が、効果がすばらしい、こういうことが明らかにされておるわけでありますので、その時期というのがありますので、それを逸しますといけませんので、ぜひひとつ、もうあすではおそいと、こういうあせりを感じておるわけでございますので、そのようにひとつ厚生省の立場からも、また文部省の立場からも、ひとつ一そう御努力をお願いいたしたいと、こう思います。
 次に、大臣にお聞きいたしますが、沖繩全体が僻地でありまして、その上にさらに離島が、僻地がたくさんあります。そういった地域で、最も教育面からもあるいは行政面からもいろいろと問題にされておりますのは、医者がいないという無医村、一たん病気になった場合の不安、このことがいろいろの面で障害になっておるわけであります。そういう立場から、この無医村の解消につきまして、ひとつ厚生省のお立場から、沖繩県に対してどのような御計画を持っておられるか。沖繩問題については、窓口は対策庁ということになっておりますので、対策庁関係の方もおられればよかったわけでありますが、それに関連した予算の裏づけですね、予算の裏づけが本年度どのようになっておるのでありますか、その点お伺いいたしたいと思います。
#153
○国務大臣(内田常雄君) 本土におきましても、僻地、無医地区に対する対策で非常に私どもも悩んでおりまして、必ずしもその解決がついておりません。いろいろな手段を組み合わせまして対応いたしておるような次第でございますが、沖繩におきましては、人口対医師の割合などから見ましても、私はその悩みが一そう強かろうとお察しをいたしておるものでございます。でございますので、まずその無医地区対策といたしましては、本土からできる限りお医者さんを――期限つきではありますけれども、回して差し上げると、派遣をするというようなことを、これは一般の医師につきましても、また歯科医師につきましてもやってまいっておりますこと御承知のとおりでございますが、今後におきましても、もちろんそれを強化してまいらなければならないと思います。
 また、医者が足りないばかりでなしに、沖繩立の診療所などの施設にもいろいろ足らざるところがあることと考えられますので、そういう都会地は別といたしまして、離島、または沖繩における不便な地域におきまする診療所などの整備の財政上の協力というようなことにつきましても、今後さらに意を用いてまいりますことはもちろんでございます。これ、今年の予算ということになりますか、あるいは来年の予算ということになりますか、現地の会計年度は多少食い違っておりますので、多少の違いもあると思いますが、先般、離島などに対する診療艇の購入費、あるいはまた、本土では私どもが大蔵省に要求いたしましても、なかなか予算をつけてもらえませんところの救急用のヘリコプターというようなものの購入費につきましても御協力を申し上げているというようなことを総理府あるいは大蔵省のほうから承っておるわけでございます。いずれにいたしましても、もう本土と沖繩は一体化いたすわけでございまして、私どもは、本土も沖繩も差別なしに、現地の実情に即応する僻地医療対策あるいは離島医療対策というようなものを今後さらにいろいろの面から進めてまいらなければならないと顧慮いたしておるものでございます。
#154
○喜屋武眞榮君 時間もございませんので、最後に、いま大臣が本土と一体化ということをおっしゃいましたが、そのこととも関連がございますが、この沖繩復帰対策要綱の第一次分の要綱の内容に、特に厚生関係で医療保険が含まってございますね。その医療保険は、本土と沖繩と違うところは、御承知のとおり、本土が現物給付で、沖繩は現金給付である。そうすると、本土に復帰した場合にどうなるかということについては、これによりますと、医療保険制度については、沖繩における受療機会の普及をはかり、県民保健の向上を期すため、復帰と同時に本土の法令を運用する方向である、こういうふうに一体化の線が打ち出されておるわけでございます。ところが現金給付を現物給付にするということが、いま現地側でも非常に強い要望があるわけでありますが、ところが、ただ一つここで問題になっておりますのは、いろいろの要因から黒字が五十億五千三百六十二万四千二百円あるわけであります。そうすると、一体化の名のもとにそれまでも吸い上げられて吸収されてしまったんじゃたいへんなことになるがと、こういう心配が現地であるわけでありますが、そのことについてどういう方針を持っておられるかお伺いいたしたいと思います。
#155
○国務大臣(内田常雄君) 一体化の場合の沖繩の医療保険はどうするかということは、非常に大きな問題でございます。本土のほうは、御承知のように、国民皆保険で、保険に入らない人々は一人もいないことになっておりますが、沖繩の現地では、私の承知をいたしておりますところでは、まだ地域保険と申しますか、本土の国民健康保険に相当するものはない、勤労者保険だけしかない、こういうことでございますので、やはり皆保険の制度にして、沖繩県民のすべてが保険の恩恵を受けられるようにしなければならない、こういう問題が一つ。
 それから、いま喜屋武さんから御指摘がございましたように、いまある沖繩の健康保険は、本土のような現物給付、患者が行けば黙って診療し、薬を供給するという行き方ではなしに、患者が一ぺんとにかく医者にお金を払っておいて、払ったお金はあとから保険会計に請求して埋めてもらう、こういう仕組みだと聞いておりますので、そこの違いをどう調整するか、私どもは、患者の便利からいきますと、とにかく医者に行って一ぺんお金を払うといういまの沖繩の仕組みよりも、黙って行けばそれで現物給付が受けられるというほうが、患者のためには、また国民医療の向上のためにはそのほうがよろしいと思うものでありますので、そういう本土と同じ制度に沖繩を植えかえたいと思います。しかし、これにつきましては、医師と申しますか、診療機関のほうはめんどうである、患者が来てすぐ現金を受け取るという、いまのようなほうがよろしいというような若干の抵抗と申しますか、考え方もあるようでございますので、沖繩の医療関係団体とも十分、この点につきましては話し合いをいたしました上で切りかえなければならない。しかし切りかえる、こういうつもりでおるものでございます。
 三番目は、いまもお話を承りますと、厚生省のたいへんうらやましいようなことでございまして、沖繩の政府管掌の健康保険は黒字でたいへんお金が余っているという、こういうことでございます。本土のほうは、御承知のように、二、三千億の累積赤字でございますので、一体化の際にはこれをいただかしていただいて埋め合わせをすればたいへん私どもは助かるわけでございますが、これは私はそうもいかないと思いますので、その積み立て金は、私どもは、一体化のもとに吸い上げることをしないで、現地のやはり医療施設の充足と申しますか、そういう方面に、地域的な運営をいたすように切り離して考えてまいる、こういうことに進んでまいりたいと思いますので御安心をいただきたいと思います。
#156
○喜屋武眞榮君 ありがとうございます。これで終わります。
#157
○委員長(林虎雄君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時五十一分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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