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1970/03/16 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第7号
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1970/03/16 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 社会労働委員会 第7号

#1
第065回国会 社会労働委員会 第7号
昭和四十六年三月十六日(火曜日)
   午前十時十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十一日
    辞任         補欠選任
     山崎 五郎君     廣瀬 久忠君
 三月十二日
    辞任         補欠選任
     廣瀬 久忠君     山崎 五郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         林  虎雄君
    理 事
                上原 正吉君
                高田 浩運君
                小柳  勇君
                渋谷 邦彦君
    委 員
                鹿島 俊雄君
                黒木 利克君
                塩見 俊二君
                徳永 正利君
                山崎 五郎君
                山下 春江君
                横山 フク君
                佐野 芳雄君
                村尾 重雄君
                喜屋武眞榮君
   国務大臣
       厚 生 大 臣  内田 常雄君
   政府委員
       厚生政務次官   橋本龍太郎君
       厚生大臣官房長  高木  玄君
       厚生省公衆衛生
       局長       滝沢  正君
       厚生省医務局長  松尾 正雄君
       厚生省児童家庭
       局長       坂元貞一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        中原 武夫君
   説明員
       文部省初等中等
       教育局審議官   諸澤 正道君
       文部省体育局学
       校保健課長    橋本  眞君
       厚生省保険局医
       療課長      松浦十四郎君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○視能訓練士法案(内閣提出)
○社会保障制度等に関する調査(精神病院に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(林虎雄君) ただいまから社会労働委員会を開会します。
 視能訓練士法案を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○小柳勇君 それでは、視能訓練士法案について質問いたしますが、この前の委員会で大橋委員が十分審議しておられるようでありますし、問題点も鮮明になったようでありますが、補足いたしまして質問いたします。
 まず第一は、近年、医療面におけるリハビリテーションの意義が非常に高まりまして、パラメディカルの分野なり、身分制度なりを確立する必要に迫られてきております。厚生省は、近く実現を期するということで、言語療法士とか難聴訓練士などの制度を考えているということでありますが、これらパラメディカルの問題は、その個々の制度の集合でなくて、専門技術者の養成、訓練、施設の整備、診療報酬など、広く総合的な視野から割り出された個々の制度が考えられなければならないと思いますが、現在、これらの制度については、どのような考えを持って、どのような機関であるいは組織を持って検討しておられるかを質問いたします。
#4
○政府委員(橋本龍太郎君) いま小柳先生御指摘になりましたように、リハビリテーションに従事しておりますパラメディカルの業務、またその養成というものは、本来は、総合的な視野に立って構想を立てて、その後に個別の制度に及ぶことが理想でありますけれども、現状は、先生御承知のとおりに、それぞれの専門分野における医療の発展の度合いの違い、またその他の事情によりまして個別の制度が先行する時代になったわけであります。そうした点が御指摘の対象ともなり、昨年、衆参両院において各党共同による身障者の基本法というようなものも制定されたように私どもも承知しておりますけれども、そうした傾向の中でORT、ST、ATといったような制度につきまして、四十年以来、単一の研究会を設置して、厚生省としては、三職士について総合的な研究を行なってまいりました。今後ともこの種のパラメディカルに関しましては、医務局を中心にして、関係各局と連携をとりながら、十分連絡をとり合った上で推進をしてまいりたいと基本的に考えております。
  〔委員長退席、理事上原正吉君着席〕
#5
○小柳勇君 近くこの延長を考えなければなりません理学療法士、作業療法士の試験制度の問題がありますが、いま病院がOT、PTの皆さんがおられる、今後またこういう視能訓練士ができます。その後また言語療法士とか、難聴訓練士などが制度化されてまいりますが、そのような方たちのこれは免状でありますが、連携をとるのか、ばらばらで終生の仕事とするのか。たとえば作業療法士の方が視能訓練士にもなれるような養成などを考えるのどうか。それはいま病院にまいりますと、作業療法士、理学療法士は非常に少ないわけです。足りません。厚生省がリハビリテーションの予算を組んでありますけれども、技術者が足らない。したがって視能訓練士など病院で仕事をしておられる方がまたそういう免状をとることも、いまの人材が足りませんときには必要ではないかと思うが、こういう養成などについてお考えになったことがあるかどうか、お聞きいたします。
#6
○政府委員(橋本龍太郎君) 御指摘の点でありますけれども、先生よく御承知のとおり、視能訓練と申しますものの中身が、理学療法士あるいは作業療法士というものと比較をいたしますと、眼科医療という一つの全く特殊な分野の専門技術者でありますために、現在のところOT、PTと養成課程は全然別建てのものを私どもは考えております。ただ、これは御指摘になりました点、そのとおりでありまして、基礎医学等の分野においては共通する部分がございます。今後こうしたもの、これ以外のパラメディカルも含めて養成の問題というものは考えてまいりたいと考えております。
 なお、いまOT、PT充足状況について、たいへんに耳の痛いお話でございましたけれども、教員となる者の絶対数が実は少ないという難点がございます。そのために大量に養成することができずにおりますけれども、このままでは不足の現状に対処し得ないという点から、医療関係者審議会にはかるなどして、まず計画養成というものに真剣に取り組んでまいりたいと今日考えておる次第でありまして、この点はお許しいただきたいと思います。
#7
○小柳勇君 両方の方々が同じ仕事をやることについてはいろいろ問題もありましょうし、また連携といいましても、仕事が違いますから直接の連携はないものと考えます。ただ、養成の制度は――あとでまた質問いたしますけれども、リハビリテーションが非常に重視されておるにかかわりませず、理学療法士も作業療法士も、視能訓練士も人数が足らないのでありますから、この際に社会保障施設の増設に含んでこの養成機関の増設も考えてもらいたいと思いますけれども、いかがですか。
#8
○政府委員(橋本龍太郎君) これは当然やはりそうしたことを考えてまいらなければならないと思います。
#9
○小柳勇君 次は、子供の問題でありますが、現在、十五歳未満の斜視、弱視が全国で約四十万、しかも毎年誕生する赤ちゃんのうちに二、三万人はこれにかかっており、患者は年々ふえる一方だと言われております。これら大ぜいの子供たちは、視力が正常でないため学校生活や日常生活に支障を来たしておるにもかかわりませず、今日まで放置されておった。今後交通戦争とか、近代産業のミクロ化が要求されれば社会活動はできなくなります。今回、視能訓練吉法案が提出されたが、むしろおそきに失した感があるのでありますが、大ぜいの子供を対象とし、その訓練期間が半年、一年ということであれば、育成医療もある意味で母子保健の分野として考えられるが、むしろ身体障害児援護対策として強く推進されるべき問題であると思うが、どうでございましょうか。お聞きいたします。
#10
○政府委員(坂元貞一郎君) いま御指摘のように、弱視等の児童に対する援護対策でございますが、従来から、私どものほうでは、ただいまお述べになりましたように、育成医療なり補装具の給付というような施策によりまして、これらの児童の援護を考えてきているわけでございます。育成医療の問題にいたしましても、それは、私どもとしましては、母子保健対策ということと同時に、また一般の身体障害児の援護対策と、両方の面を実は持っているわけでございます。したがいまして、母子保健なり身体障害児援護対策という問題が今後ますます重要になってまいりますので、そういう面から、いま御指摘のように、この弱視等の児童の援護対策というものを今後強力に推進していくべきだ、かように考えているわけでございます。
#11
○小柳勇君 身体障害児援護対策とは別個建てで考えていくということですか、この身体障害児援護対策の中に含んで対策を考えていこうということですか、どちらでしょう。
#12
○政府委員(坂元貞一郎君) この種の対策というものは、これは完全に母子保健対策なら母子保健対策というふうに割り切れない問題があるわけでございます。したがいまして、たとえばそういう障害児が生まれるということについては、これはやっぱり発生予防対策からスタートしなければならぬわけでございます。やはり発生予防となりますと、これは母子保健の従来の分野になるわけでございますが、生まれてきました身体障害児なり何なりを援護する医療なり、一般の福祉対策の面で援護していくということになりますと、やはり身体障害児の一般福祉対策と、こういうふうになるわけでありますけれども、このような弱視問題を含めた一般の身体障害には、やはり発生予防から今後ますます研究なり何なりを進めながら、そっちのほうから強力に施策を考えていかないと、生まれてからではむしろおそ過ぎるわけでございますので、いま小柳先生申されましたように、やはり一般身体障害児対策というふうにも割り切れない母子保健と両方総合的にやっていくという問題ではなかろうか、かように思うわけであります。
#13
○小柳勇君 前の大橋委員の質問であるいはその問題で論及されたかと思いますが、いまの発生予防の問題で研究施設なりあるいは研究している病院なり、あるいは篤志な医者なり、そういう方がございますか。
  〔理事上原正吉君退席、委員長着席〕
#14
○政府委員(坂元貞一郎君) 母子保健対策の一環なりあるいは身体障害児対策の一環なりとして、そういう身体障害児の発生を予防するための施策といたしましては、従来から、厚生省としましては、研究費等を若干計上しましてやってきたわけでありますが、これは私どもいま実は反省しておるわけでございます。と申しますのは、個々の障害ごと、個々の問題ごとにばらばらの研究をやってきたという面が多分にあるわけでございます。そこで、四十六年度からは、個々の障害ごとでなくして、個々の問題ごとの研究じゃなくして、すべての身体障害全般のいわゆる大型プロジェクトチームと申しますか、総合的な研究体制というものを四十六年度から私ども考えてまいりたい。そのための予算も一億円を計上いたしているわけでございますので、いま御指摘のように、個々の研究機関なりあるいは個々の専門家等というものにお願いをするのではなくして、おおよそ身体障害全般の総合的な問題点について総合的な研究体制、研究チームというものを今後つくり上げてまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#15
○小柳勇君 身体障害児の総合的な対策は、また別個に聞きますけれども、いまの斜視、弱視の発生予防の研究をしておる医者なり学校なりが特にございましょうか。実は近所にも、私の身辺にもたくさん斜視、弱視の子供がいまして、いままであまり聞いていない、発生予防の研究などというものは。したがって、そういうものは厚生省でキャッチされてきておりますならお聞きしたい。
#16
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のように、たいへん先天性の原因はむずかしいものでございまして、十分な研究が特に眼科領域できわめて有効に進んでおるとは言いがたい状態でございます。しかしながら、ある面で遺伝的なものといわれているものについては、かなり遺伝学的な研究が一般的に行なわれておるわけであります。それ以外のものについてはなかなかむずかしい。しかしながら完全に先天的とは申しにくいかもしれませんが、たとえば未熟児を保育器の中に入れていろいろ酸素なんか与えておりますけれども、あの酸素の濃度自体が未熟児の視力に障害を起こすというようなことは、これは日本でもかなり研究された誇るべき問題ではないか。たとえば国立の小児病院というようなところでもそういう研究は行なわれております。また、大阪の小児センター等にもそういう専門家がおりまして、そういう関係の勉強をやっておるという段階でございまして、決して皆無ではございませんが、そういう研究をやっておるわけでございます。
#17
○小柳勇君 ここの東京の小児科病院には斜視、弱視の視能訓練士の教育機関はあるそうでございますけれども、斜視、弱視の発生原因の研究をしている医者はおられましょうか。
#18
○政府委員(松尾正雄君) 国立の小児病院に植村さんという、ただいま申しました未熟児関係の研究をやっておる人がおるわけです。この方は、おそらく子供のこういう問題については非常にすぐれた方だと思いますが、こまかいところまで私はまだ聞いておりませんけれども、そういう人たちが中心になって勉強をしているというふうに聞いております。
#19
○小柳勇君 施設なり視能訓練士をつくることも必要ですけれども、やはり肝心の医者――予防態勢なり治療態勢が十分でありませんと、視能訓練士ができましても、あまり数もできないもんですから、今度国立の小児科病院を見学する際に、もう少し現地で直接の医者から話をいろいろ聞きたいと思いますが、先に進みます。
 今度は視能訓練士の養成の問題でありますが、視能訓練士制度を国際水準並みにすることは必要でありましょうが、わが国の諸制度は、国際水準並みにそろえることに鋭意努力して、いずれもその内容のお粗末なのには心さびしい感じがありますが、パラメディカルの問題でも例外でございません。理学療法士の身分制度が四十年の六月に確立されてから五年経過した四十五年四月現在で、その学校、養成施設の数はわずかに八校、入学定員は十人程度、卒業生で免許を得た者が百四十人、この五年間で国家試験に合格した者は千二百名足らず、しかも理学療法に現に従事しておる無免許者が四千ないし五千名おると言われている現状であります。すなわち、今日の理学療法はこれら絶対多数の無免許者に依存しておることになっております。今回の視能訓練士にしても、必要数は約二千名と言われるが、養成施設は一カ所、定員三十人に対して現在員は二十三人であります。この程度の規模で、いつになったらこれらパラメディカルは国際水準並みに充実されるのであろうか。厚生省の将来の見通しについてお聞きいたしたい。
#20
○政府委員(橋本龍太郎君) いま、海外諸国の例をとりますと、視能訓練士の場合、イギリスが約三千名、アメリカが約二千五百名、フランスが約二千名と言われております。現在、私ども、医学的に視能訓練の対象になる者の数というものは全国で約四十万人程度と推定をいたしておりますけれども、このうちどの程度が実際の医療機関に入院をする、または通院をして診療を受けることになるかというような点を考えますと、非常に不確定な要素が多いわけであります。そのために、これに対応する視能訓練士の必要数というものもはっきりした数を推定することは非常に困難でありますが、私どもは、とりあえず約二千名の視能訓練士を確保することを目標として、四十七年から五十年まで養成施設の整備四カ年計画というものを策定をし、これによって必要数の確保をはかろうと今日考えております。
 今後、国会等におきましても御協力を願いたい分野の一つであります。
#21
○小柳勇君 視能訓練士の国際的な組織というものがございますか。
#22
○政府委員(松尾正雄君) 視能訓練士につきましては、現在のところOT、PTのような国際的な団体はないように私は聞いております。
#23
○小柳勇君 国際的水準並みといいますと大げさですけれども、教育機関をつくる以上は一つの水準がありませんと問題になりませんものですから聞いているわけですけれども……。
 それから、次は視能訓練士の制度でありますが、名称独占で業務独占でないからだれでもやれる、しかもその業務は、誤った方法、視能訓練を行なうと視機能障害が増悪する危険がある。今日、多くのめがね店で医師の名義嘱託で検眼している、そのうちには医師の名義すらとっていない店もあると聞くが、その取り締まりはどうなっているか。そして、今回の視能訓練が業務独占でないから、その取り締まり対策はどのように考えておられるか、お聞きしたいと思います。
#24
○政府委員(松尾正雄君) 後段のほうの業務独占についての問題でございますが、研究会を開きましたときもかなりこの問題について議論がなされたわけでありますが、ただ、PTやOTというものは、御承知のとおり、名称独占である。諸外国でも、パラメディカルのものはほとんど名称独占で業務独占でない。その上に、先ほど来御指摘のような、わが国におけるそういう分野における需給関係といったものを考慮する必要があるといったようなことから、名称独占だということに研究会でも結論が出たわけでございまして、また、その分野からの特殊性からいいましても、業務独占をするということがなかなか法律的にもむずかしいというような点がございまして、かようなことに落ちついたわけでございます。なお、そういう場合に、ただいま前段のめがね屋の問題でございますけれども、単に視力表等で視力をはかっている状態であれば、これはいわゆる医事行為というものにはならぬと思いますけれども、一定の器具等を装着をいたしまして視力を測定するというようなことがあれば、これは一つの医事行為であるというふうに考えざるを得ないわけであります。したがいまして、たとえば病院や診療所でない、医者のいないところでやっておるということになれば、これはその業務は医師法違反だというふうに理論的には言わざるを得ないわけでございます。ただ、その取り締まりの実態といたしましては、私どもの手でそういう点を摘発したという例はまだないわけでございまして、今後こういうような職種の確立ということとあわせまして、こういう行き過ぎがないような指導をこれから私どもはやらなきゃならぬというふうに考えておる次第でございます。
#25
○小柳勇君 このめがね屋の目の度を測定する人たちの無免許を厚生省で摘発した事実はあるか、あるいは何かその店を検査でもしたことはございますか。
#26
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申し上げましたように、そういうことをやっていないわけでございます。
#27
○小柳勇君 めがね屋には視能訓練士を置かなければならぬ――あるいは視能訓練士は必要ないでしょうが、めがね屋ですから。この視力測定の技術者を置かなければならぬという法律はございましたかね。
#28
○政府委員(松尾正雄君) それはございません。
#29
○小柳勇君 そうしますと、めがね屋にそのような技術者がいなくともこれは業務違反でないように思いますが、いかがでしょうか。
#30
○政府委員(松尾正雄君) 先ほど申しましたように、ある一定の行為を逸脱してやっておるような場合であれば、本来これは医者がやるべき行為なんだということになりますので、したがって、そういう検眼士というような身分制度も現在はないわけでございますし、そういうものを置かなきゃならぬという規定もないわけでございますから、あくまで業務の実態、内容自体が医事行為であるかどうかということによって判定をする以外に現在のところはないという状態でございます。
#31
○小柳勇君 私どももたくさんめがねをつくりまして、いろいろ合ったり合わなかったりしますが、これが斜視を深めたり乱視を大きくしたりしているんじゃないと思いますけれども、その視能訓練士ができるということもたいへん大切なことですが、かってにめがね屋で視力なりを検査してよろしいかどうかの問題を医学的に少し御検討願いたいと思いますが、いかがですか。
#32
○政府委員(松尾正雄君) 眼科の専門家の方々には、従来から、自分たちの手で測定をする、そして正確ないわゆるめがねの処方ということを与えることまで健康保険のほうで認められておるような実態でございます。したがいまして、それの反対から考えれば、当然誤った測定等によるめがねというものが苦痛を与えたり、悪くしたりということがあると思います。これはひとつ専門学会に私どものほうから早急に相談いたしまして、実態上そういう弊害があるかどうかということも詰めてみたいと思います。
#33
○小柳勇君 わかりました。その問題ひとつ宿題にして、次の機会にまたお聞きしたいと思います。
 次は、診療いたしましたあとの報酬の問題でありますが、近代医療はリハビリを要求しております。しかもその需要は年々増大しつつあります。厚生省は、これに従事する。パラメディカルを制度化しても、その実態は無免許者に依存しております。社会保険診療においても、今後眼科医は少くなる傾向にあります。リハビリの診療報酬も、わずかに整形外科系に取り入れられていても、百円や三百円でやれるはずはございません。制度化されても、パラメディカルの報酬はあてがいぶちである。このような現状では、将来はわが国のリハビリは国立、公立以外の施設では進展する可能性が少ないのではないか。このような子供に対するリハビリが社会保険診療で十分まかなわれないとするならば、せめて国費、公費によって患者負担の軽減を措置すべきではないかと考えるが、いかがでございますか。
#34
○政府委員(橋本龍太郎君) 私は、基本的に先生の御指摘になりました点は確かに問題の一つだと思います。いま申し上げるまでもなく、昭和四十二年及び昭和四十五年の二回の診療報酬の改正の際に、リハビリテーションの点数というものは、整形外科機能訓練の点数改正というものが行なわれたわけですし、逐次その引き上げをはかってまいっておるわけでありますが、今回視能訓練等、これについての検査等もそれぞれ一応の評価はされておるものであります。ただこれが適正な評価であるかどうか、また適正なものでないとした場合の改定をどう行なっていくか。これは本来的に、先生よく御承知のとおりに、中医協において御議論を願わなければならない性格のものでありますだけに、先ほどは、今後における中医協の診療報酬体系の適正化の御議論の中で、その審議の中で御検討をお願いをするべき大切な項目の一つだというふうに基本的に考えております。ただ斜視とか、先天性白内障など、手術とかあるいは視能訓練によって機能の回復をはかることのできるものにつきましては、育成医療の給付対象として今日まで対処してきておるわけでありまして、基本的な問題点、その適正化等につきましては、私どもは、中医協の場において、今後の御審議の中において御検討を願いたいというように考えております。
#35
○小柳勇君 次に、医務局長に質問いたしますが、いまの、たとえば病院に参りまして作業療法士、理学療法士などから治療してもらいますね、たとえば頸腕症候群でこの辺が突っ張るといたします。そうすると治療費は幾らぐらい、何点ぐらいでしょう。
#36
○説明員(松浦十四郎君) ただいま整形外科機能訓練の点数といたしましては、これが三つに分かれておりまして、機械器具を使った場合あるいは水治療法を行なった場合等三つに分かれておりまして、それぞれ十点ずつになっております。この三つをあわせ行なえば三十点になります。そのどれか一つであれば十点、二つであれば二十点、こういうふうなことになっております。
#37
○小柳勇君 やはり百円から三百円ですね。私どもがいま宿舎でマッサージなり指圧をお願いすると千二百円ですね。そうすると、たとえば視能訓練士の免許をとりまして、医師の命令でやりますけれども、治療しましたら、これはいま十点か、多くて三十点でしょう。そういうものでは独立して視能訓練士になりましても、生計やっていけない、生活できないのじゃないかと思うのですが、医務局長、いかがですか。
#38
○政府委員(松尾正雄君) ただいま御指摘の整形外科的な訓練というものは、先ほど医療課長からお話のように、非常に低い実態でございます。ただ視能訓練の場合には、いろいろな医師の指示に基づきました検査まである程度やれることになっておりますが、そういう検査関係というものは比較的高い点数が認められておりますので、一般の温泉治療等をやる場合に比較すれば、私は、少なくとも眼科領域における視能訓練は、総体として見た場合に、いわゆる温泉療法や水治療法を単純に考える場合よりもまだましにできていると、かように考えます。しかしながら、先ほど政務次官も言われましたように、一番根底になりますような、たとえば機械器具も使わない、この場合に、たとえばピンポン療法でございますとか、そういうようなビーズ玉を通しまして子供に興味を持たせながら訓練をしていく過程がありますけれども、そういうものも現在のところゼロでございます。そういう意味で、やはり基本的にもう少し全体として、そういう器具機械を使わないでもりっぱな行為については評価するというふうに持っていくべきだと私どもは考えます。
#39
○小柳勇君 機械器具もいまいいのがありまして、その機械器具を使いますとなかなか調子がいいわけですね。ところが、それをやりましても治療費が安いのですね。そうすると投資できないですね、民間の病院では。今度厚生省のほうで特別養護老人ホームに一台ずつ百五十万円ぐらいかけて配付されるようだけれども、器械はありがたいけれども、それを使いまして効果もいいのですが、ただ治療費が安いものですから、民間の施設ではほとんど使えませんですね。もう一つは、私どもが、今度は、いま医務局長言われたように、器械を使わぬで指圧やマッサージでやる方法を考えますと、これは保険法で払いませんね。現金で全額払わなければなりませんが、そこのところ何とか考えられませんかね、保険が使えるように。
#40
○説明員(松浦十四郎君) 先ほどちょっと落としましたけれども、一つは、整形外科機能訓練なりあるいは視能訓練といった場合でも、これだけの点数だけではなくて、それに伴いまして、入院することになれば入院料、あるいは外来でありますれば初診料もしくは再診料というものも算定できますし、また投薬注射が行なわれますと、それのやはりそれぞれの算定も同時に行なわれるわけでございますので、それらが全部加算されるということでございます。
 それからもう一つ、マッサージ関係でございますが、現在診療点数表の中にはマッサージの点数はございます。ですから、マッサージが医療機関で行なわれますと、マッサージの点数が算定できるということになっております。また医療機関外でマッサージ等を行ないました場合に、医師がそれが必要であるということを認めて、そちらのほうへ書類で診断書、同意書等を書いて町のマッサージ師等でマッサージを受けますれば、それはいわゆる療養費払いの形で、一度払ったものをあとから、診療報酬という形ではございませんが、いわゆる療養費ということで患者さんにその額を償還するということになっています。
#41
○小柳勇君 それでは、国民保険に入っておる議員がおるといたしますと、ここの医者からこれは指圧が必要であるという証明をもらえば、町のマッサージ師なりあるいは指圧師を呼びまして、治療をしまして千二百円払います。これは国民健康保険のほうで、お医者さんのほうで払ってくれますか、差額を。
#42
○説明員(松浦十四郎君) その場合、先ほど申し上げましたように、療養費払いでございますので、そのマッサージ師が幾らとるか御自由なんで、保険のほうから支払う額といたしましては、これは点数表に合わせてございますので、千二百円なら千二百円という額がまるまる全部患者に返るということには必ずしもなっておりません。
#43
○小柳勇君 それで、マッサージやあるいは指圧については点数表に入っておるわけですね、治療費何点ということが。それだけはめんどうみれるということですか。
#44
○説明員(松浦十四郎君) 一応療養費は保険者が認定して払うわけでありますが、現在の基準といたしましては、点数表の額が基準になって療養費を払うわけでございます。
#45
○小柳勇君 いまOT、PTの諸君なり、あるいはもうこれはマッサージの営業している皆さんもそうですけれども、大きな会社などの組合、健康保険組合ですね、いまおっしゃったように、そこの中に入っておる方は保険がきくわけです。ところが一般のそのような業種の方は保険がきかないわけですよ。だから保険をきかせるようにしてくれという運動が盛んにあるものですから、いま質問いたしましたが、やっぱりいま医師会の医療費の値上げなどもありますけれども、医師の技術とか、あるいはそういうせっかく免状をとりました方の技術をもっと高く評価しませんと、日本の診療体系というものは前進しないではないかと私は考えるわけであります。結局注射とか薬とか、それに依存するような――それが大部分ですね、いまの医療というものは。いままで私ずっと論議しましたのは、やっぱりマッサージなりあるいは理学療法なり、作業療法というものが近代医学の一つの治療の重要な面であるとするならば、やっぱりその技術を高く評価する体制、それがやっぱりいまの日本の医療体系の一つの大きな前進の第一歩ではないかと思うわけですね。これをひとつ政務次官からその見解を伺いたい。
#46
○政府委員(橋本龍太郎君) 一般的に申しましても、日本という国の中では、実は実験にしても、技術者というものを優遇しない習癖があります。民間企業においてもそういうことが言えるわけであります。ただいま御指摘になりましたような、医療の上においても技術というものが私も十分に評価されているとは申し切れません。そうした意味においては、また先生の御指摘は私はそのとおりだと考えております。
#47
○小柳勇君 もう一回重ねて、くどいようですけれども、申し上げたいのは、この問の補正予算の予算委員会の質問のとき言いましたように、特別養護老人ホームなどで寝たきりの老人を治療する。治療しておるけれどもこれだけでは治療にならぬと、とにかく病人が少しでも動けるならば、起きて作業療法なり理学療法なりさせる。その意思が生きる意思である、それが治療をする。これは身体障害者などの施設でもそうだと思いますけれども、やっぱりそういう意味で作業療法なり、リハビリテーションというものが非常にいま重要に考えられておるのじゃないかと思いますがね。そうしましたならば、少なくともその分野が半分じゃないかと思うのですね。注射や薬の半分以上のウエートを、おそらく三分の二くらいのウエートをとらなければならぬのではないかと思う、医療体系というものは。そういう意味でございますので、せっかく視能訓練士もできますから、その技術を高く評価するような方向でその人たちを大事にしてもらいたいと思うわけですね。病院へ行きますけれども、ただ看護婦さん――看護婦さんももちろん一つの独立した仕事でありますけれども、医師の指導監督で医者の補助である、医者が命ずるだけやるんだということじゃなくて、積極的にみずからの知識で患者をなおすという、そういう視能訓練士をつくらなきゃならぬと思うわけです。そういう意味で、それについては報酬が少な過ぎますものですから、報酬をもっと考えると、こういう体制を一ぺん考えていただきたいと思いますが、これはひとつ専門の医務局長から聞いておきたい。
#48
○政府委員(松尾正雄君) 全く御指摘のとおりだと存じます。特にいまの老人の問題で、みずから動く意思をつくるということが非常に大事だとおっしゃったことは、まことに名言と申し上げてもいいような核心をついた御表現であると私も感じております。たとえば視能訓練の場合でも、単に器械を使ったりする以外に、子供にそういうやる気を起こさせるということ、また特に飽きっぽい子供たちを飽きさせないように、そういう治療にたえさせていくということ、ときには母親も家庭も一緒になって協力をさせるということ、こういったようなことが、実は何々という検査とか何々訓練ということのほかに、実は根っこに存在する重要なファクターと存じます。したがって、そういうような意味での、いわば行為というものを高く評価するということが、先ほど来政務次官もお答えのように、わが国ではやはり低いということを私も感じます。そういうようなことを十分にひとつ認めて、そういうことをやればそれだけの報いがあるような体制に持っていくことが今後の診療報酬をいい意味で改正する方向である。私も全く同感でございます。
#49
○小柳勇君 次は子供の話でありますが、斜視、弱視などの視能訓練は理学療法と異なって、必ずしも入院治療を必要としないものも多いと思うのでありますが、これは幼稚園、小学校教育の過程において、学校保健の立場から措置するという考え方はないか。ことに弱視児に対しては、盲教育以外の特殊方法を必要とするので、弱視学級の整備など、その対策が確立されなければならないと思うが、いかがでございますか。また都市における学童は水準に達する訓練施設に恵まれておるのでいいと思いますが、農山村における学童についてはどのような対策が講ぜられるか、お聞きします。
#50
○説明員(橋本眞君) お答えいたします。先生いま御質問の件につきましては、現在、学校保健法におきまして、就学時の健康診断、それから定期の健康診断、そういうものを行なっております。その中におきまして、目の弱視、そういったもの、視力、それから屈折異常、それから疾病、そういったものを検査するようになっております。特に視力につきましては、裸眼視力が〇・一以下のものにつきましてはさらに専門の医者に精密検診をお願いいたしまして、その自後措置と申しますか、あとでどういうふうな処置をするかという指示、それを健康相談等において行なうようになっております。なお、そういった目の悪い、視力の弱い子供というものが最近ふえておりますので、そういった観点から今後ともその指導並びに自後措置というものの強化をはかってまいりたいと思います。
#51
○小柳勇君 いまおっしゃいました、目の悪い子供が多くなっておるというのは、原因は何でしょう。
#52
○説明員(橋本眞君) 特に私どものほうで原因というのをそれだけにつきまして調査したことはございませんですが、一応言われておりますのは、いわゆる社会環境的なものの変化、要するにテレビとか、そういうふうなものがあるということ、それから栄養的な面の観点からの原因といったようなことが考えられるかと思います。
#53
○小柳勇君 失礼ですけれども、保健課長さんはお医者さんですか。
#54
○説明員(橋本眞君) 事務官でございます。医者ではございません。
#55
○小柳勇君 文部省の保健課には医官、お医者はおられますか。
#56
○説明員(橋本眞君) 現在、教科調査官というので医者が一人おります。
#57
○小柳勇君 私どももそう思うわけですけれども、都会になればなるほど弱視、斜視の子供が多いように思います。いなかのほうではあまり――中学から高校へまいりますときに過度の勉強をしまして目が悪くなりますけれども、幼稚園や小学校時代には、特にめがねをかけなければならぬ子供がいないように思いますが、そういう点で、たとえば都市と農村の関係とか、あるいは勉強し過ぎる学校には目の悪い子供が多いとかいう、何かそういう調査の統計などは文部省にございませんか。
#58
○説明員(橋本眞君) 現在、おっしゃいましたような意味の都市と農村とかあるいは地域別とか、それからまた原因別というふうな意味の調査はございません。ただ学校保健統計というのがございまして、年齢別に近視の者がどのくらいとか、あるいは目の疾病がどのくらいというふうなことはございます。
#59
○小柳勇君 私どもの子供のときに、いつも目を見てもらっておりましたけれども、小中学校には必ず学校医の中に眼科とか歯科の医者は指定してあるわけでございますね。
#60
○説明員(橋本眞君) 現在も内科、眼科、耳鼻咽喉科、それから歯科、そういったものは学校医として指定してございます。
#61
○小柳勇君 この視能訓練士法が成立いたしますいい機会でありますから、特に斜視あるいは乱視、弱視などの子供の実態を、いま私が申し上げましたように、都市あるいは僻地別とか、あるいは栄養状態だとか、あるいは勉強の度合いだとか、進学の度合いとか、そういうもので一回御研究願いたいと思うんですが、いかがでございましょうか。
#62
○説明員(橋本眞君) 現在、学校保健法に基づきますところの健康診断の項目とか方法とか、そういったことにつきまして保健体育審議会に諮問中でございまして、近くその答申が出ました暁には、それに沿って改めるべきは改め、あるいは指導すべきところは指導してまいりたい、そういうふうに考えております。
#63
○小柳勇君 これは最後でありますが、弱視学級の整備などというのは、まだお考えになっていない、こういうことでございますね。
#64
○説明員(諸澤正道君) 現在、私どもの調査いたしましたところでは、小中学校の子供を通じまして、矯正視力の〇・一から〇・三という児童生徒は、全国で約七千人と計算されておりますが、これらの子供につきましては、ある程度数がまとまります地域に特殊学級を設けまして、そこで教育をする。そうでないところは、一般の学級におきましてつとめて教育的な配慮をしながら教育をする、こういうことでやっておるわけでございます。私どもといたしましては、人口の十万から二十万程度の都市を対象といたしまして特殊学級の設置を促進してまいりたい、こういうようなことで、数は少のうございますが、昭和四十四年から毎年十学級程度の特殊学級を増設することとして、その学級には照明設備の充実等、いわゆる環境整備という観点からの施設補助をしてまいっておるわけでございます。そういったことで、今後もできる限り特殊学級の設置、それからそういった弱視児童生徒の教育的配慮の充実という観点から努力してまいりたい、かように思っておるわけでございます。
#65
○小柳勇君 それでは大臣に対する質問を残しまして、これで私の質問を終わります。ありがとうございました。
#66
○渋谷邦彦君 提案理由の説明の中にも明記されておりますように、矯正可能な児童が全国で約四十万人というふうに推定されている。ところが、先ほどの説明を伺っておりましても、当面養成される視能訓練士は約二千名、こうなりますと、約二百人について一人というぐあいで、はたしてせっかくのこの法律の精神というものが生かされるであろうかどうかという疑問が出てくるのでありますが、この点いかがでございましょうか。
#67
○政府委員(橋本龍太郎君) いま御指摘になりました点は、基本的な問題点の一つでありますけれども、先ほど小柳先生にお答え申し上げましたように、諸外国の例を見ましても、イギリスが約三千、アメリカが約二千五百、それからフランスが約二千名というのが実は各国の視能訓練士の確保状況であります。四十万人の対象者に対して確保目標二千名というのは、ちょっと聞くと確かに少ないような感じはいたします。しかし、現実にその四十万人の中でどれだけの方が入院をされあるいは通院されて治療を受けられるか、視能訓練を受けられるか、これはまあ確たる推計というものは現実に不可能なことでありまして、その意味では、その中において現実に視能訓練を受けられる方の数というものは非常に不確定な推計しかできません。ただ、私どもは諸外国の視能訓練士の充足状況から見ましても、わが国においてもこれだけは少なくとも必要であろう、少なくとも二千名というものは必要ということから、四十七年度から五十年度にかけて養成計画を組みまして、これだけは確保したいという態勢で今日臨んでおるわけであります。
#68
○渋谷邦彦君 まあ、アメリカぐらいですと比較の対象になると思うんですが、フランスや何かその他の地域の国々については、これはもう人口が全然わが国と違うわけでありますから、これは比較するほうが間違いではないかと思います。私は、幼少時にやはり機能回復ができるということが一番問題点じゃないかと思うので、できるならばむしろこれを義務づけて、もうそういう弱視あるいは斜視等を含めた一切のそういう子供さんを持った家庭を調査して、あるいは調査しなくても何らかの方法を用いて全部をこの法律の恩恵に浴させるというわけにいきませんでしょうかね。
#69
○政府委員(橋本龍太郎君) これは理想論からいえば確かにそういうことも言えるかと思います。ただ斜視の場合には、たとえば三歳児検診等においても、これはある程度はっきりわかります。弱視においても、これは一部は検診の際に把握することができますけれども、弱視になりますと、大半は実は三歳児検診等の場合にもこれは実際に把握できません。先ほど文部省の学校保健課長からも答えておられましたけれども、現実に学校保健の立場から行なわれている検査の際においても、実は弱視あるいは乱視等は見のがされておるケースも意外に多いわけであります。それと同時に、これは程度の問題でございまして、乱視あるいは弱視が必ずしも日常生活に支障を来たさないというものもございます。そういう場合に、義務づけという形で視能訓練を取り入れていくことがはたして実態に合うかどうか、その辺を考えてみますと、私は、必ずしも強制という形があるいは義務づけという形が実態に合うかどうかには、ちょっと疑問がございます。むしろそういう意味では、早期発見の努力を積み重ねていくことによって一日も早く矯正をしていかなければならないという点では、私は、先生と考え方を一にいたしますけれども、義務づけという考え方は今日持っておりません。
#70
○渋谷邦彦君 まあ、義務づけということになると、いろいろなやっかいな問題もあるだろうと私も思うんですけれども、人間のからだはどの機能を取り上げても、これはもういい、これは大事だというところはなくて、全部大事だ。とりわけ目というものは、私からあえて申し上げるまでもないわけですが、平素は案外目のありがたさというものを感じないんですよね。実際に自分がめくらになったり、あるいは自分の子供の中に弱視だとか乱視とか、やぶにらみの子供を持ったときに深刻な思いをしなければならない。それで初めて目のありがたさというものをお互い日常生活を通して感じるのです。そういうことから、幼少時あるいは児童の時代に矯正可能であるならば、将来その子供たちの一生を左右するかもしれないこの目のことについて、もしできることならば、国の力を通してなおしてあげていただければという願望を添えていま私は申し上げたわけであります。一般家庭においてはなかなかやはりいまの生活が忙しい、病院に行っても二時間も三時間も四時間も五時間も待たせられると、これじゃあ行く気はしないのです、実際問題として。じゃ具体的に、こういうせっかくのいい制度ができましても、どういうふうに一体そこらの要するに子供たちのめんどうをみていけるのだろうか。この辺はどうなるのでありましょうかね。将来のあり方というものを踏まえた上で、その辺の見通しをお聞かせいただければと、こう思います。
#71
○政府委員(松尾正雄君) 先生御指摘のように、なるべくこういう子供たちがせっかくのこういう新しい技術の恩典に浴するというように持っていくべきだと、私も同感でございます。ただ、義務づけが望ましいといたしましても、いろいろな意味でまだこういう問題について、たとえば母親の教育面でももっと徹底させる余地があろうかと思います。たとえば最近私どもが知っている例でも、子供が小学校に入るころまでにどうしても自分で本を読みたがらない、おかあさんの読むのを聞きたがる、こういうことがあって、そしていろいろ調べてみたら、それがやはり弱視であったというようなことがございます。そういったようなことをかりによく母親に徹底しておきますと、いろいろな早期発見と申しますか、そういうことにもつながるのではないか。そういう意味でのやはりこまかい配慮というものを母親教育にもしなければならぬと思います。同時に、こういう訓練士をつくりますことも、こういう方々の働く場所というものをやはり整備して大いにやっていかなければならぬということにも通じておるわけでございます。少なくとも、新しい分野ではございますけれども、わが国の眼科学会というものは非常に熱心に従来からこういうことを検討してまいっておるわけであります。そういう点で国立関係、公的機関はもちろんのことでございますけれども、あるいは医療金融公庫等の融資等の面でも民間の整備ということに役立ちますようにやってまいりたいと思います。
 なお、三時間あるいは四時間待ちというような問題については、一面では、御承知のとおり、医者が非常に足りないという問題がございまして、そういう点からの現象も出ておるわけでございますけれども、これはまた一方、医者の養成をやるということで当面対処しなければならないと思います。ただ、こういう視能訓練を行ないますような子供の場合には、大体が学童期という時期でございます。したがって、一方には学校教育の問題もございますので、ぜひ、急患というような形で飛び込んでくる子供でもございませんから、各病院でちゃんとスケジュールを組んで、そして子供さんに何週の何時からというような、いわば予約制度というようなものをきちっと組んであげるようにして、これは非常に学校の生活と幼稚園生活というものと合わせながら――これはあまり無理なくて、しかも待たせないでやれるわけでございます。先ほどもちょっと申し上げましたように、特にこういう子供たちの訓練には長い期間をかけるということについては、子供自体がもう飽きてしまったらおしまいでございますので、そういった点は特にこまかい配慮をしなければ効果はあがらないのではないか、私どもはそういうふうに指導してまいりたいと思います。
#72
○渋谷邦彦君 いま御答弁の中で、予約制度というようなものが実現できればというようなことのお話がございました。非常に私はいい方法ではないかと思いますね、これは。できることならば、それこそ何らかの方法を用いて、やはり学童、子供というのは、いまおっしゃられたとおり飽きやすいですし、これが二年、三年という長期間にわたって視能訓練を受けなければならない、こうなりますと、これはとても耐えがたいことではないだろうか。しかも、先ほど私申し上げましたように、せっかく参りましても何時間も待たせられるということになれば、この法律ができたその精神にも全然もとるということになりますので、可能な限りその点については施行の段階においてこれをぜひとも取り上げていただきたい。私はその点強く御要望申し上げておきたいと思うわけであります。
 そこで、それに関連しまして、おそらくこの法律が成立されたといたしましても、当面は国立病院等々のいわゆる総合病院を主体にいたしました視能訓練の場所というものが考えられるわけでありますけれども、そのほかに、やはりいま申し上げた隘路というものを解消する一環といたしまして、特定の施設をつくって並行的にそこに専門の医師、そして視能訓練士を何名か配置をいたしまして専門的に扱うというような施設も、今後全国的に、特に主要な都市部を中心として、全部といってもたいへん無理だと思いますので、何とか都市部をまづ中心としてそういう施設ができないものだろうか、こう思いますが、この点いかがでございましょうか。
#73
○政府委員(松尾正雄君) 御指摘のように、こういう特定の技術者を持ちながらやっていかなければならない問題でございますので、一斉にというわけにはまいらないと思います。したがいまして、やはりそういう機能を持てるような中心機関からまず率先してこういうものをやっていくという方向が私も妥当だと存じます。特に、私どもの持っております国立病院等では率先をしてこういうものをやるべきだ、特にこれが先ほど来御指摘のように、採算面においていろいろな問題があるといたしましても、なおさらそれなるがゆえに私ども国立のほうが率先してこういうものを引き受けていくべきだというふうに考えております。したがいまして、主としてそういうような大きな病院というものを中心に整備を進めてまいるつもりでございます。大体大都市から中心にまず整備が始まるというようなにとになろうかと存じます。
#74
○渋谷邦彦君 こういった場合に篤志家というものが必ずいるだろうと私は思うのでありますが、総合病院に限らず個人経営のいわゆる医療機関ですが、そういう場合には何か恩典が認められているのか。恩典といったほうがいいのか、まあ恩典といえば、結局はその施設を拡充して融資の面を受けられるとか、あるいは資格をやはり与えるとか、いろいろそういう要素が考えられると思うのですが、個人の場合、いかがでしょうか。
#75
○政府委員(松尾正雄君) 民間の病院等の場合でございましたら、先ほど来申し上げました医療金融公庫の融資というものがございます。特にこのリハビリ関係というものについては限度額をさらにプラスいたしまして整備するような方針になっておりますので、今後こういう関係の御申請があれば、そういうわけでさらにプラスアルファを考えながら優遇してまいりたい、こう思っております。
#76
○渋谷邦彦君 次に、免許を取得された訓練士の待遇については、先ほども若干質疑がかわされたとおりで、えてして心身障害児等をはじめとして、これに携わる人たちの待遇というものはきわめてよくないのですね。せっかくこういう制度が設けられましても来手がない、その来手がない一体有力な原因は何か。その求人難ということもさることながら、要するに待遇がきわめてよくない、こういうところに帰着するようでありますけれども、やはり視能訓練士等を含めて、この種の業務に携わる職員の方々の待遇というものを、たとえば一般公務員ならば係長以上の待遇にするとか、そういう思い切った措置がとられなければ、やはり仕事に対する意欲あるいはプライド、あるいは将来に対する希望というものがわいてこないのじゃないだろうかというふうにしみじみ感ずるわけです。いままで当局は、何かと言えば人が足りませんと、その人が足りないところには、顕著な例として医者が足りないということがいつも問題になるわけです。それに関連して看護婦も足りない、それは今日のような情勢でございますから、その点は十分わかるのですけれども、しかし一方に置き忘れられた大ぜいのそうした身体障害者あるいはこうした視力の不自由児たちというものを考えてみた場合に、どうしても抜本的に厚生省自体が国として取り組まなければならない最も大きなポイントではないだろうか。それだけにやはりそういう人たちを優遇するという方法がとられない限り、もういつまでたってもこの問題の解決はできない。法律が幾らできても、その運用の面で一向に前進がなければこれは結局むだではないかというような極端な考え方も出てくると私は思うのです。これについても、現在考えられている、あるいは将来においてでもけっこうでございますけれども、何かそういうような希望を持たせるというか、そしてまた同時に与えられた資格に対してやはりその人たちが権威づけられたという誇りを持てるのかどうか、そういうものを含めて考えていらっしゃるかどうか。これはもういままでの質疑を整理をして、もう一ぺんここらあたりではっきりおっしゃっていただきたいと、こう思うわけです。
#77
○政府委員(橋本龍太郎君) たぶんこれは申し上げますと、いきなり渋谷先生におしかりを受けることになりそうだと思いますが、一つの例として、理学療法士あるいはは作業療法士の場合、国家公務員であります場合、高卒三年の学歴で医療職は三万二千百円の初任給であります。それが特に得がたい職種ということで、ようやく一号俸上位の三万三千五百円の初任給の格づけをようやく今日とっておる状況であります。いま先生が御指摘になりましたように、この視能訓練士一つとってみましても、現実に人を確保していく上において、その処遇というもの、また位置づけというものが非常に大事な要素になると私どもも思います。しかし、現実にそれでは私ども厚生省の立場でやり得ることがどれだけあるかと申しますと、実はほとんどありません。今日までにも非常に関係事務当局が苦労して人事院等と折衝しながら、わずかに一号俸とはいえ、上位のランクづけをといって、わずかながらその努力というものに報いておる次第でありますけれども、私ども、これが決して十分なものだとは考えておりません。基本的に、先ほど小柳先生に申し上げました部分とも重複する点がございますが、私どもの世代の者ということばを使いましてたいへん恐縮でありますけれども、私どもの世代の者から、過去また今日までの日本という国を振り返りました場合に、国の行政の中において、また民間の企業その他の組織の上においても、技術というものがわが国ほど評価されにくい、また評価されないで来た国というものは非常に少ないという感じがいたします。これは他省の所管のことに例をとって恐縮でありますが、たとえば大学教授の研究費等を考えましても、欧米の場合なら人文系、文化系の教授の研究費と理科系、医学系の教授の研究費というものは数十倍開きがございます。ところが、日本の場合に、これが補助その他を含めましても、実はようやく十数倍程度の比率にしかすぎません。いわゆる悪平等という形がこういうところにもあるわけであります。私どもは、今日、そういう意味で技術者というものの処遇を、これは国もそうでありますし、民間を含めて国民全体もでありますが、技術者というものの評価をこの国ではもう一度根底から考え直さなければならないのではないか。事務の代理というものは比較的簡単につくることができますけれども、技術者というものをつくり上げるのには非常な時間と費用がかかります。それだけの力を注いで育て上げてきた技術者というものにそれだけの処遇がなされないということは、非常にもったいないことでもあります。そういう意味で、今日までも厚生省は厚生省なりに人事院等との折衝を行なってまいりました。しかし、根本的に国の行政の中において特殊な分野の技術者、決して私どもは医療職ばかりを申すつもりはございませんが、評価を十分し得る体系にしていく努力というものは今後とも怠るつもりはございませんが、人事院当局そのものにも再検討を願う点として今日考えておる課題であります。
#78
○渋谷邦彦君 まあ、いままで人事院を通して一生懸命努力されたことは評価したいと思うのですけれども、確かにいま言われたとおり、いわゆる技術者といいますかあるいは科学者といいますか、一般的なことばで言えばですね。その方々に対するその評価というものが確かにばらばらであったと思うのです。ばらばらであるように今日の政治がさしてしまったのですね。したがって、政治的な配慮をもって少なくとも政務次官自身がたいへんその辺を熱心に取り組まれているお人だと私思いますので、いま私が申し上げたことは、これから必ず問題になる点ではないだろうか、こう思いますだけに、一ぺん思い切って、特に厚生省に関係のある医師をはじめとしてその他これに関連するもろもろの技術者の方々を――特にいま限定しますよ、厚生省の所管であるので。洗い直して、その辺の評価というものを再検討すべきだと私は思うのですね。特に先ほど来から申し上げておりますようにおそらく次官自身もいろいろな施設をごらんになって、これじゃひど過ぎる、これじゃかわいそうだ、これでは来いというほうが無理だろうということを実感をもって御存知だろうと思うのですよ。思うならば、一歩でも二歩でもやはり、まあカメの歩みかもしれないにしても、それでも私はけっこうだと思うのです、いままでできなかったことをやるのですから。そのくらいの配慮をしてこれからそれを具体化してもらう。私は、この法律を通して、法律の成立を通しまして、特にその点を要望申し上げておきたいと思うわけであります。ただ人事院と折衝したからそれで事足れりとはもちろん思っていらっしゃらないと思います。これはもう国全体としての大きな問題でありますだけに、やはり早急な解決を望みたいと思いますね。
 それから次に、今回のこうした訓練士が誕生する、正式に国家試験を受けて誕生するわけでありますが、従来もこれに準じた訓練の方法が行なわれてきているわけでありますけれども、これはむしろ医務局長さんにお尋ねをしたほうがよろしいかと思うのですが、実際のこの効果と申しましょうか、これもおそらく前回の委員会であるいは御答弁あったかと思いますけれども、私、自分自身の判断を整理するためにもう一ぺんお尋ねしておきますけれども、いままでどのぐらいの人を対象としてこれは大ざっぱでけっこうですが、何%ぐらいの人がその訓練を受けたことによって回復されたかということでございます。
#79
○政府委員(松尾正雄君) 絶対数といたしましてどの程度の、何人だということはちょっと正確に申し上げにくいと思うのですが、眼科学会等で従来からいろいろと検討されてまいりました実例で申し上げれば、たとえば弱視の場合には、大体矯正可能な率は三分の二だと言われております。そうしてその中で二〇%から三〇%はその訓練並びに簡単な治療によりまして正常な視力に戻った、正常に戻らなくても改善をされた者が約八〇%、こう言われております。斜視についても大体三〇%から四〇%が正常視に戻りました。それを含めて八〇%がやはり改善の見込みありと、こういうデータが出ているわけでございますので、相当の効果があると私は存じますが、せっかくのお尋ねでございますので、具体的な例を一つだけはさませていただきますと、これは八歳の女の子でございますけれども、先ほどちょっと申し上げましたように子供のときからあまり自分が本を読みたがらない、母親の言うことだけを聞いている、こういうことでございましたが、やはり就学時の健康診断で視力不良ということになりました。入りましても勉強が長続きしない、成績も悪い、こういう状態であったわけであります。当時の視力が左〇・四右が〇・三、こういうことで、めがねをかけても乱視があって矯正できない、こういう子供でございまして、この子供さんに訓練を始めまして、三カ月後に〇・六に視力が上がりました。六カ月後に〇・八に上がりました。そして一年後に一・〇という正常視に戻っておりまして、その結果、子供さんも非常に勉強、本を読むことが好きになり、学校の成績もよくなった、こういう顕著な例が出ております。総体的には、先ほど申しましたように、そういう正常視に戻ります者を含めて八〇%回復できる、こういうふうに言われているわけでございます。
#80
○渋谷邦彦君 最後に締めくくりとして、いま御説明ございましたように、非常に高い効果をおさめているということ、喜ばしい現象だと思います。それだけに重ねて私は――大臣まだお見えにならないのでありますけれども、この法律の精神というものが十分あらゆる面で機能的な働きができるように特に私は要望申し上げておきたいと、こう思います。
#81
○委員長(林虎雄君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#82
○委員長(林虎雄君) 速記を始めて。
#83
○小柳勇君 大臣に質問いたしますが、いままで視能訓練士法案を審議してまいりました。視能訓練士がこれから誕生するわけでありますが、いま、このような仕事が非常に重要視されておることは言うまでもありません。たとえば理学療法士、作業療法士、視能訓練士、それから言語の、こういう人ですね。これが制度化されましても、その仕事が魅力ある仕事、やる人にとっては将来かけがえのない仕事でなきゃならぬ。しかも働けば収入もあって、生計を営むに足る報酬があるということでなければならない。すなわち、この制度ができまして、その制度が非常に重要視される、社会から重要視される、しかもそれに働く人が権威を持って、責任を持ってそうして弱視やあるいは斜視その他視能障害の幼児、少年あるいは青年に対して訓練をするんでありますから、そのためにはもちろん教育施設も必要でありますし、訓練の施設も必要でありますが、魅力ある仕事にしなきゃならぬと思うわけであります。この点につきまして、この視能訓練士法ができようとするときに、これからどういうふうにこの視能訓練士というものを見ていかれるのか、大臣の見解を聞いておきたいと思います。
#84
○国務大臣(内田常雄君) いまお話しの中にもございましたように、OTとかPTとかあるいはその前にはレントゲン技師とか放射線技師とかいうような、そういうパラメディカルの分野の職能がわが国におきましても非常に重要視されることになってまいりましたのは、もう今日の趨勢でございまして、その一環として視能訓練士というものが今回この法律によって生まれることになりますので、私どもは単にこれらの方々に名称を与えるだけでなしに、パラメディカルとしての重要な地位を占めているということにつきまして、十分の資格を持っていただけるように、またそれなりの処遇を得られるように、いろいろな面において考えてまいるということを前提にしてこの制度をつくってまいりたいと、かように考えるものでございます。
#85
○小柳勇君 第二点は、民間にめがね屋がたくさんありますが、そのめがね屋にまいりますというと、視力検査していただけます。現在の日本の法律では、資格を必ずしも要求しておらぬようです。ただ、眼科医がカテルをやりまして、これをつくりにめがね屋に行く分には差しつかえありませんが、めがね屋に入りまして視力を検査してもらって、そこでめがねをつくります。このめがねをかけておったら、一体目がよくなるのか悪くなるのかわかりません。したがって、将来めがねを扱うような店には視能訓練士も必要でありましょうが、めがねで目を矯正するよりもっと目を、視力をよくすればいいわけですからね。したがって、視能訓練士とめがね屋との関係、あるいはそういうものを近い将来制度化していくべきであろうと思う。あるいは立法化の必要があるかと思いまするが、こういう点については、先に担当局長からいろいろ意見を聞いておりまするが、大臣の見解をお聞きしておきたいと思うのです。
#86
○国務大臣(内田常雄君) これは、私は政府委員とは打ち合わせをいたしておりませんが、視能訓練士ばかりでなしに、同様の職能、技能を持たせることがいいと考えるような分野が他にもある。たとえば言語療法士でありますとか、難聴訓練士――耳のほうの訓練士でありますとか、そういうものも今後おいおい考えてまいりたいと、こういうことで厚生省は臨んでおるということを聞いております。したがいまして、視能訓練士につきましても、おっしゃるとおり、めがね屋さんにおいて目の視力検査などをやられるそういう方々の技能なり地位なりというものを、今回の視能訓練士との関連においてどのように位置づければいいかという問題、確かにあろうと思いますので、私は、一つの課題として学会においても研究していただきますし、また厚生省としても取り上げて研究すべきものであろうと、そのことだけをいまのおことばについては感じたのでございます。
#87
○小柳勇君 最後でありますが、養成施設の拡充及びこういう人材の確保ですね。こういう問題について大臣の決意を聞いて私の質問を終わります。
#88
○国務大臣(内田常雄君) こういう名称の資格制度をつくりましても、今日やっておられる何千かの人々に簡単な試験をして、特例試験といいますか、そして視能訓練士をつくるということでは、むろん済むものではございませんので、新しく十分その技能を教授し得るような視能訓練士を養成してかかるということが、私は当然大切なことだと思うものでございます。しかし、このことは必ずしも容易なこととも思われません。それはOT、PT等の養成施設につきましても、私ども感ずるところがございますので、そういうような経験をも十分頭に置きながら視能訓練士の養成、新しい養成の問題につきましては考えてまいりたいと思います。
#89
○委員長(林虎雄君) 他に御発言もなければ質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 視能訓練士法案を問題に供します。
 本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#90
○委員長(林虎雄君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#91
○委員長(林虎雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#92
○委員長(林虎雄君) 次に、社会保障制度等に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#93
○喜屋武眞榮君 私、これから二、三のことについてお尋ねをいたしたいと思いますが、それは精神衛生法に関連してお尋ねいたしたいと思います。
 外国の精神衛生法あるいは沖繩の精神衛生法、わが国の精神衛生法を比較しまして、どうしても、わが国の精神衛生法を将来改善していかなければ、改正していかなければいけないのではないか、こう思われるふしもあるわけでございます。
 きょうは、そのことについては触れませんで、次のこと、わが国の精神病院は精神衛生法に基づいて運営がなされておるわけであります。その実態について、厚生省として、特に患者の人権がどのように守られているかどうかということについて、そういった実際の調査をされたことがあるでしょうかどうでしょうか、第一点です。
#94
○政府委員(滝沢正君) ただいまのお尋ねの問題は、たいへんどこの国にとりましても精神衛生法上の一番ポイントになる問題でございます。精神衛生の障害者は自分の病気であることに対する病感がございませんで、したがいまして、結果的には人権拘束のような形になりますところの入院というような措置がなされる場合に対して、精神衛生法は、本人の判断が困難の場合が多うございますので、保護者、いわゆる広い意味の扶養義務者あるいは保護者等の同意を得ることによって入院という措置のできるように定められております。この点がたいへんいろいろ人権問題にからんで問題を起こす可能性があるわけでございますので、精神衛生法の三十四条では、保護者の同意があれば、精神障害である者の内容等を十分検査してその判断を下すために、三週間に限って仮入院をさせることができる、こういうような定めもございまして、この点については、従来、各県におきまして――と申しますのは、精神衛生法では、都道府県知事に患者の入院措置について権限が委譲してございますので、各県とも、その問題につきましては慎重を期しておる次第でございまして、われわれ厚生省といたしましても、この問題につきましては、毎年、精神衛生の病院協会等を通じまして、関係者の研修会等を催し、特段人権問題については十分配慮するように指導いたしておりますけれども、間々このような問題について、病院側の判断が決して悪くない場合であっても、結果的に人権を拘束したような結果を生ずる場合もなきにしもあらずでございまして、この点については精神病院の運営上きわめて重大な問題でございますが、当面、われわれといたしましては、精神病の、先ほど申しましたように、障害者の、自分で判断がしがたいという実態から申しまして、同意があれば入院をさせることができる、この仕組みというものを変えますことは基本的にはなかなかむずかしい問題でございますので、運営の上で慎重を期していくというような配慮が必要と思っておる次第でございます。
#95
○喜屋武眞榮君 お願いですが、その法の内容について、きょうお尋ねする気持ちはありませんので、私の問いに対して簡単に、イエスかノーかと、こういう程度でお答え願えればけっこうだと思いますので、ひとつそのように受けとめていただきたいと思います。
 次に、公立病院と私立病院の比率はどうなっておりますんですかね。
#96
○政府委員(滝沢正君) わが国は、諸外国とちょうど正反対でございまして、私立的な法人を含めまして私立ベッドが八五%、公立ベッドが一五%。ちょうど諸外国と正反対な実態であります。
#97
○喜屋武眞榮君 わかりました。
 次に、実は、私がこのようなことをお聞きしますのは、日本テレビの「ワイドショー」なんかで――零時半から一時三十分までの「ワイドショー」がございますね、三月四日の「ワイドショー」をごらんになりましたでしょうか、お聞きになりましたでしょうか。
#98
○政府委員(滝沢正君) 見ておりませんけれども、その後関係者から精神衛生の問題が取り上げられたということで、これらの実態について、ただいま調査をいたしておりますけれども、私自身はそのテレビを拝見いたしておりません。
#99
○喜屋武眞榮君 その日のテーマは、四十一歳の一婦人が頭が痛いといって病院にかけ込んだら、そのまま患者室に入れられてかぎをかけられた、こういうテーマであったようでありますが、ところがその「ワイドショー」が非常に大きな反響を呼びまして、実はこのような投書がこんなに来ておるようであります。これの反響が、投書が来ておるわけなんです。それで、これは社会労働委員会でぜひひとつ取り上げてもらいたいと、こういう連絡が実はございまして、私も、このお話しをあるいは内容を聞けば聞くほど、大きなショックを受けたわけであります。そういうことに関連をしてお聞きしておるわけであります。
 そこで、次に入院患者の中で生活保護の適用を受けておる患者がおりますね、その患者に日用品費の支給がございますね。普通病院の患者、いわゆる精神病以外の患者、普通の病院に入院している患者の場合と、それから精神病院に入院しておる患者との支給額はどうなっておりますか。
#100
○政府委員(滝沢正君) ただいまのお尋ねにつきましては、私、必ずしも詳細に承知いたしておりません点は申しわけございませんが、慢性疾患の結核、精神病等の生活保護の入院患者につきまして日用品費が支給されておりますので、これは取り扱いは同額であると私は考えておりますが、もし間違いがありましたら後ほど訂正さしていただきます。
#101
○喜屋武眞榮君 何か差があるやに聞いておりますが、普通の病院に入院した患者と――普通というと、精神病以外の患者で生活保護を適用された患者の支給額ですね、これと精神病患者との差があると聞いております。そのこともひとつお調べくださって、もしこれに差があるとするならば、問題だと、こう思いますが、差をつけた根拠はどこにあるのであろうか、そういうことについても知りたいと思います。
 それで、お尋ねしたいことは、大体以上の問題ですが、次の項目につきまして、公立、私立の精神病院――公立は当然の調査の義務もあられると思いますが、これは私立も含めて、別々でけっこうだと思いますから、いま調査項目を申し上げたいと思いますので、その項目によってひとつ御調査を願って御報告をお願いいたしたい、こう思っております。
 まず第一は、患者の文通しておる手紙ですね、手紙を検閲しておるかしていないか、これが第一項ですね。
 第二の項目は、作業療法による収益があると思います。その収益の会計はどのようになされておるか、これが第二項。
 それから第三項、面会時間について。家族、親戚、親、兄弟、友人が面会に来ますね、その面会についてどうなっておるか。どうなっておるかといいますか、どのように規制があるのか、ないのか、あるいはあるとすればどういうふうになっているか。その面会時間はどうなっておるかということですね、これが第三項。
 次に四点ですが、患者の入院日数ですね、入院日数のこれは平均で、入院してから何日後に大体退院しているか、患者の入院日数の平均はどうなっておるか。
 次に、患者数に対する医師と看護婦の数、比率ですね。患者数に対する医師と看護婦の数、これがどうなっておるか。
 それから経営上の収支状況ですね、いわゆるこれは赤字か黒字か、こういった概況でようございます。
 次に、公立病院と私立病院の収容比率、患者の収容状況ですね、収容比率はどうなっておるか。
 大体以上の項目についてひとつ公立、私立調査くださって報告をお願いいたしたいと思います。
#102
○政府委員(滝沢正君) 結論を申しますと、ただいまの御要望について全部調査できると思いますので、いずれ調査の上御報告申し上げますが、ただ確認事項として申し上げておきたいと思いますことは、五番の問題です。患者数に対する医師と看護婦、これは、精神病院は男の看護人がおりますので、それも含みますということと、補助者、いわゆる作業療法あるいはレクリエーション療法でスポーツなどをやる関係上、必ずしも看護婦という資格のない職員もかなり精神病院では実態としては患者の指導に役立っておりますので、その辺を一応加えさしていただきたいというふうに確認しておきたいと思います。その他の点につきましては、実態を調査の上、御報告申し上げます。
#103
○喜屋武眞榮君 大体いつごろまでに……。
#104
○政府委員(滝沢正君) 一週間で御報告できます。
#105
○喜屋武眞榮君 以上で終わります。
#106
○委員長(林虎雄君) 他に御発言もなければ、本件に対する本日の調査はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時一分散会
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ソース: 国立国会図書館
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