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1970/02/18 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第4号
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1970/02/18 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第4号

#1
第065回国会 文教委員会 第4号
昭和四十六年二月十八日(木曜日)
   午後一時八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十八日
    辞任        補欠選任
     柏原 ヤス君     浅井  亨君
     永野 鎮雄君     長屋  茂君
     中村喜四郎君     矢野  登君
    ―――――――――――――
 出席者は左のとおり。
   委員長          高橋文五郎君
   理 事
                二木 謙吾君
                小林  武君
                安永 英雄君
   委 員
                土屋 義彦君
                長屋  茂君
                星野 重次君
                宮崎 正雄君
                矢野  登君
                浅井  亨君
                萩原幽香子君
   国務大臣
       文 部 大 臣  坂田 道太君
   政府委員
       宮内庁次長    瓜生 順良君
       文部大臣官房長  安嶋  彌君
       文部大臣官房審
       議官       西田亀久夫君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       文部省大学学術
       局長       村山 松雄君
       文部省体育局長  木田  宏君
       文部省管理局長  岩間英太郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文化庁文化財保
       護部長      内山  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○教育、文化及び学術に関する調査
 (昭和四十六年度における文教行政の重点施策
 に関する件)
 (昭和四十六年度文部省関係予算に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、柏原ヤス君、永野鎮雄君、中村喜四郎君が委員を辞任され、その補欠として、浅井亨君、長屋茂君、矢野登君がそれぞれ選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋文五郎君) 教育、文化及び学術に関する調査中、昭和四十六年度における文教行政の重点施策に関する件及び昭和四十六年度文部省関係予算に関する件を議題といたします。
 本件について御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○小林武君 時間の都合で、宮内庁と文化庁に先に質問いたします。
 宮内庁のほうにお尋ねをいたしますが、墓山古墳という古墳は、御陵墓参考地として、これは御存じでございますか。
#5
○政府委員(瓜生順良君) 存じております。
#6
○小林武君 この墓山古墳の、これは陪塚三基のうち、その二基の分は民有地になっておりますね。
#7
○政府委員(瓜生順良君) 陪塚のうち、二基が民有地という点はちょっとはっきりいたしませんですが、この近くに皇室用財産である陪塚はありますが、二基の民有地の点はちょっとはっきりいたしません。
#8
○小林武君 御稜墓参考地というのは宮内庁の場合どういう、何といいますか、御稜墓に準ずるといいますか、あるいはそういう参考地として、どういう扱いをなさっているか、そのことをちょっと御説明いただきたい。
#9
○政府委員(瓜生順良君) 稜墓参考地と申しますのは、それぞれ陵につきましては、何々天皇のみささぎ、あるいは墓につきましては、何々親王の墓とかというふうに、歴史上の考証をもとにしまして、それぞれきまっているのが大部分でありまするが、しかしながらそのいろいろ形その他から考えまして、あるいは陵墓であるかもしれない、まあ学説ではそういうような学説もあるというようなもので、そのものについてはどうも確定はしかねるというような場合にまあ参考地ということに指定をされまして、宮内庁の書陵部のほうでその保存に、またいろいろの整備に当たっているというものであります。
#10
○小林武君 この墓山古墳を応神天皇の御陵の陪塚だというのはどういう根拠ですか。
#11
○政府委員(瓜生順良君) これの点につきましては、これは明治二十年に応神天皇の陪塚というふうに決定になっておりまして、ずっと今日までに及んでおります。ところが学説にはそうでないというような学説もありますが、しかし、明治二十年に決定になったそれをくつがえすというほどのはっきりしたことが出てまいりませんので、そのまま今日に至っておる次第であります。
#12
○小林武君 御陵墓参考地であるということについては、これはまあいろいろな学説があるとおっしゃいますけれども、調査してみなければわからぬわけですね。調査してみれば、あるいはそれが御陵であるかもわからぬというただいまの御答弁の中にもございましたけれども、そういうことからいうと、墓山古墳というのはたいへん宮内庁にとっても大事なものであるし、あるいはこれは埋蔵物文化財としても貴重なものだという見方は一致している。このことについて、主基ある陪塚のうち二基だけが民有地にあるということはまだあんまりはっきりしてないようでありますが、それと同時に、この堀ですね、ここの部分が民有地なのか宮内庁のものなのか、宮内庁のほうははっきりしませんから、文化庁にちょっとその点でお尋ねをいたします。
#13
○説明員(内山正君) 墓山古墳の墳丘は宮内庁の所管だと聞いております。周濠――堀の部分につきましては民有地であると聞いております。
#14
○小林武君 私の聞いたところでは、陪塚のうち二基はとにかくもうこれは民有地である、それから周濠のほうはこれは民有地と。したがってこれは宮内庁のほうの陵墓のほうを担当する係の者はいるわけでしょう、何と言うのかわかりませんけれども、いるわけですね。それらの人はかなり現状についてよく承知していると思うのです。というのは、その堀と、民有地でございますから、陪塚等についても破壊されるおそれは十分出てきた、すでにもうこれについては着手されているというのですが、文化庁のほうではその実態について御存じですか。
#15
○説明員(内山正君) 一週間ほど前に大阪府との連絡によりまして、承知しております。
#16
○小林武君 そこで、まあ手っとり早く言いますというと、大阪府としてはこの墓山古墳が被壊されることを非常におそれているわけです。それから、文化庁についても、これについては大阪府の教育委員会の破壊をおそれることについては、文化庁も同様の見解を持っているのでありますが、これは宮内庁といたしましては、いまだまっておけば堀の部分、さらに民有地である陪塚というのは破壊される、こういうことになると思いますが宮内庁としてはこれについてどうですか、破壊されてはたまらないからその民有地の部分を宮内庁で購入して破壊からこれを守るという御意思ございますか。
#17
○政府委員(瓜生順良君) この墓山古墳につきまして、問題になっておりますのは、周辺の堀のところを埋め立てているようなことのようでございまするが、そのことにつきましては、いま別途これに対する対策を講じていただくようにわれわれ宮内庁としましても文化庁のほうにお願いをしたりしておるようなことで、これを買い上げるということにつきましては、いまのところはそれを考えてはおりません。
#18
○小林武君 次長さんにお尋ねいたしますが、買い上げるということは考えておらないということは、買い上げたいにも予算がないということなのか、あるいは考えようによっては、文化庁で何とかやってくれ、私のほうでは最悪の場合にはこわされても墳丘さえ残ればよろしい、こうお考えになっての御発言か、どっちなのですか。
#19
○政府委員(瓜生順良君) この参考地あるいは陪塚の場合について、その周辺の堀が民有地であるのがあるわけですが、それを特に買い上げようというような方針を従来とってはいなくてもそれを維持できる別途の、あるいは史跡の指定とかそういうようなことでお願いしているというようなことで、これがほんとうの陵墓でありますともっと積極的に買い上げの関係も考えなければいかぬのでありましょうが、陵墓につきましては幸いこの周辺のお堀が埋めちゃったりするようなものはないものですからそういうことをやっておるわけなので、したがって、特に予算を組んで買い上げていこうというような方針は参考地についてはとっていないということであります。
#20
○小林武君 何かいまの御答弁を聞いておりますと、案外御陵墓参考地に対しては冷淡なような気がするわけですが、まあそれは宮内庁としては御陵墓参考地だとするということが、事実、学説があるというような程度なので、これが実際確かに御陵墓だという、確定するということも予想されるものですね、そうであるかもないかもわからないが、ある場合もある、学者間ではかなり確実だとこう見ている、そういうことを考えますと、それがはっきりしなくてもやっぱり宮内庁としても大事なものである、あるいは文化財としてもこれは重要なものだということになった場合、やはり保存するということに重点を置いてもらいたいような気が私もするわけです。しかし、いまのお話の中に、これを史跡として指定する、文化庁のほうで破壊を食いとめてもらいたいというような希望がはっきりしておれば文化庁としてはできないこともないように思うのですが、そういう御意思がはっきりしておるのか、またそれがあったならば文化庁としてはこの破壊を守ることができるのかどうかということを宮内庁並びに文化庁から御答弁願いたい。
#21
○政府委員(瓜生順良君) この参考地、陪塚につきましての、そういう点で史跡として指定されることによってこの周辺の景観も維持されるということは宮内庁も積極的に望んでおるところでありまして、これは文化庁のほうでやっていただくことをわれわれとしても願っておる次第であります
#22
○説明員(内山正君) 従来宮内庁が所管しておられます御陵墓、それから陪塚、それから陵墓参考地、これらの文化財の扱いにつきましては、従来からのいろいろの経緯もございまして、御陵墓等につきましてはこれが宮内庁においても十分に保存、保護ができるということであるし、また、文化財以上の特別の意味も持つというようなことで文化財の指定のワクの外に考えて処置してまいったのでございます。参考地につきましては、最近の開発等の状況から考えまして、これを文化財として指定をして保存をするという措置をとった例が二、三ございます。今回の墓山古墳は陪塚でございまして、これにつきましては、今後陵墓、陪塚を含めまして官内庁所管のこれらのものにつきまして文化財としての扱いをどうするかという一般論としての方針というものを十分に官内庁と相談をいたしたいと思うわけでございます。
#23
○小林武君 破壊から守るということは、破壊が始まっているわけですから、仮指定をするなり何なりをして、これはやはり破壊を食いとめなければならない。この点は文化庁はなかなか最近は活発にやっておいでになるし、可能だと思いますが、急速にやっていただきたいということと、それから応神天皇の陪塚であるということは文化庁が断定的におっしゃるということについて私も多少、これは官内庁のおっしゃることはかまわぬ、これは一つの伝統的みたいなものがあるわけですからかまわぬと思うのですけれども、文化庁の場合には、応神天皇の陪塚であるということを断言するということはちょっと早計な気がする。官内庁にたてつくようなことではないけれども、それについてはもう少し御検討いただいたほうがいいと思います。保存ができればあとけっこうですから、どうぞひとつ官内庁、文化庁ともにその点で御努力を願いたい、こう思います。
 以上で終わりです。
 文部大臣の所信につきまして御質問をいたしますが、私の質問は、学制改革ということについての政府の御意見をお聞きしたいわけですが、その前に、今度の総理の所信表明にも学制の改革についての演説もございましたし、それからその以前に佐藤総理が党総裁として四選の直後に、内政の重点施策として教育制度の全般的な改革をやる、こういう方針を明らかにされました。これについて一体どういう動機があり、その動機によってどういう方針のもとにやるかというようなことについては、文部大臣は若干それに触れておられるし、わからないわけでもありませんが、総理の場合は新聞等で見せてもらったのと、もう一つは、総理大臣の施政方針演説ではわりあいに簡単にやっていらっしゃる。しかし、そのことばの中に中教審の答申待ちということもございますから、中教審がこの問題についてどう考えているかということは、われわれも多少見ているわけです。だから、そういう点をひとつ三者をあわせて文部大臣から御答弁をいただきたい。
#24
○国務大臣(坂田道太君) 総理大臣も、そしてまた私の所信表明におきましても、大学制度改革を含めまして、幼稚園からの教育制度の根本的改革ということについて、その必要性というものを申し述べておるわけでございますが、もうずいぶん古い前のことでございますが、ディズレーリが、つまりディズレーリでございますからイギリスでございますがわが国の運命を決定するものは、いい教育制度を持つことであるという意味のことを申しております。このことは今日の社会におきましても同様だと思います。わが国もまた、この場合は日本でございますが、いい教育制度を持つということが将来の日本民族発展のためにきわめて重要であるというふうに私は考えておるわけでございます。しかも義務教育等につきましては明治五年の学制発布以来わが国は急速に普及をいたしまして、今日では義務教育はもう九九・九%、世界にも類例のないような就学率を示しておりますし、あるいはまた高等学校段階でも八〇%、あるいは都市においては九〇%をこえる就学率、しかも高等教育機関に学ぶ学生、あるいは当該年齢人口に占める、何といいますか、就学率と申しますか、それも二〇%をこえている、このようなことは先進国の間におきましても驚くべきこととして注目をしておるところかと思うのでございますが、しかし一面においてそういう就学の機会がきわめて広いということは喜ぶべきことでございますが、そういう量的な拡大を急いだために、質的充実を怠ったということも考えなければならないわけであろうかと思うのでございます。私は戦後六・三・三・四が採用されて、これに対しましていろいろの批判もございます。しかし、やはり六・三・三・四の今日まで果たしてきました役割というものはかなり大きい評価をすべきものであるというふうに考えるのでございます。しかし、二十五年もたってまいりますと、いろいろ是正すべき問題も出てまいったかと思われるわけでございます。先般OECDの人たちがやってまいりまして、日本の教育制度改革に対するサゼスチョン等も行なわれたわけでございますが、その中におきまして一応小・中学校の教育については、むしろわれわれが学ばなければならぬような点さえもあるというようなことを指摘をしております。ただ高等教育機関については、たとえば国立と私立との格差、こういうものはもう少し考えなければならないんじゃないか、あるいは国立にしましても何か東大と京都大学を頂点として地方大学が無視されておるんじゃなかろうかというようないろいろの批判もあります。まあ三年ばかり前から始まりました大学紛争、これにはいろいろの複雑な原因があろうかと思いますけれども、しかし大学制度、あるいは高等教育機関制度そのものの中に内在する原因というものもないわけではない、こういう意味から、この大学問題がクローズアップされてまいりまして、私どももさらに意欲的に四十二年度教育制度の諮問をいたしたわけでございますが、特に高等教育機関の制度改革については特に力をいれてもらうようにお願いをし、中間報告も出され、そして最終答申がこの五月ごろには期待できる、こういうことで進んでおるわけでございまして、私は六・三・三・四制度というものをこの二十五年たちました今日の段階で一ぺん総点検をするという意味と、それからまた、教育制度は日本民族の運命を左右する重要な問題であるから、二十一世紀に向こう日本として、二十一世紀からのあらゆる問いかけに対してこたえ得るような制度を幼稚園から大学まで考えなきゃならぬ、こういうようなことでこの大学改革あるいは幼稚園から高等学校までの制度改革というものと取り組んでおる次第でございます。
#25
○小林武君 大臣の所信表明のところには若干問題の提起をしていると思うんですね、その一ページに「いまや社会は急速な発展と変貌を遂げつつあります。」というくだりが……。「経済的繁栄に件う自然的文化的環境の破壊を抑止する必要が痛感され、現代文明の本質的なあり方への反省も生まれております。このような新しい時代への一大転換期とも申すべきときに当たり、」という、ここはまあ非常に抽象的に書かれておりますけれども、もっと具体的な意味をとらえてこういう文章にされたと思いますから、この点がやはり動機として重視されなければ、また一般の国民にも周知させなければならぬところだと思うのです。これが大学改革になりますというと、中教審はやっぱりその点でははっきりした態度をある程度具体的に出していますね。全く具体的だとは申されませんけれども、既成の政治的、社会的体制の不信、豊かな社会における精神的空白、技術化された社会における人間の疎外など社会的な要因と大学の持てる欠陥との相重なった云々というところがある。これはおそらく大学改革に当を得ているかいないかは別として、皆さん指摘されて、そこから出発したものだと私は思うのですが、その点についてはどうなんですか。これは少なくとも日本ばかりでなく、大学改革というようなものが政治とのつながり、直接的なつながりというようなものに非常に密接にからまっているということを、これは日本ばかりでなくどこもそうであると、そう見ておるわけですけれども、そういう点についてあまりお書きにならなかったのは一体何か理由がございますか。
#26
○国務大臣(坂田道太君) いま御指摘になりましたこの一面のところは、行間は三行でございますけれども、きわめて私としましては集約をして述べたつもりでございます。そしてまたそれを評価していただいたことをわが意を得たというような実は気持ちなんでございます。率直に申しまして、大学紛争と私取り組んでまいりまして、いろいろの諸現象を分析しました結果は、単に大学は大学だけの問題じゃないんです。あれは大学に至るまでの高等学校、中学校、小学校、幼児教育はどうなんだという問題が一つあります。それから大学を包んでおるこの社会あるいは二十五年のデモクラシーのこの発展というものはどうなんだろうか。あるいはその中におけるおとなたちのものの考え方、あるいは二十五年子供たちを教育してきたその意識はどうだったのだ、そうしてその結果がいまの大学紛争を起こしておる子供たちの意識にまでも変化を及ぼしておるのじゃなかろうか。ああいう暴力的な、衝動的なことをやるその背後にあるものは文明史的な一つの意味があるのじゃないか。いい悪いは、これは問題は別としましても、単にこれをイデオロギーだけで分析し解明しても問題の真の解決はできないというのが私の考え方でございまして、むしろ私はルネッサンス以来のヨーロッパ文明といわれるものは自然科学の発達によってもたらされてきて、そうしてそれは目標としましては人間性の回復であり、あるいは豊かな生活あるいは平等な人間の諸権利というものを獲得していくという道程であったであろうと思うのです。しかしその結果として、あまりにも物質文明が豊かになり過ぎて、逆にその挑戦を受けておる。そうしてわれわれが人類のためである、福祉のためである、個人個人の個性の発展のためであると考えておったいろいろの便利なもの、文明社会の生み出したものによって今日脅威を受けておる。そうしてわれわれの英知のかたまりであるように思われておるような原子エネルギーあるいは人工衛星、コンピューター、そういうようなものから人間の生存及び生命それが脅かされておる。この一つの危機感というものと、大学紛争を引き起こしておるこの子供たちの意識とは無関係ではないのだというような考え方から、やはりこの教育制度全般について考えていかなければならないというのが私の大学改革及び幼稚園から高等学校に至るまでの制度改革に対する基本的な態度でございまして、この点は先生から御指摘になったこととおそらく同じじゃなかろうかというふうに推測を申し上げるわけでございます。
#27
○小林武君 私はただいま率直に言って、大臣の文明史論的な御意見は前にも拝聴いたしました。やはり私はここに一つの、何といいますか、責任回避があるような気がするのですよね。教育の現場におけるさまざまな事象についてはずいぶん鋭い文部省側は見解を持っておる。大学側の欠陥というものについても、ずいぶん鋭い批判をしておる。しかし戦後の教育の教育行政というものについて自己批判がないのですね。特に文部行政というようなものに対する批判は一かけらもないと私は見てよろしいと思うのです。まあ比較的政治の問題とからみ合わせて若干述べた中教審ではございますけれども、それも大学にはきつくて、そうして政治的な、あるいは社会的要因というような表現をもってしておるところを見ると、この点もやはりさすがは中教審らしいやり方だと思うほど問題に触れておらない、こう思うのです。私はいまそんなことをやっておると時間が来てしまうからやりませんけれども、たとえば学生の反抗というようなものが、アメリカの場合にも、フランスの場合にも、西独の場合にも、あるいにラテンアメリカの場合であろうと、北欧であろうと、東欧であろうと、どこであろうと、そのあれにはみんな政治的な一つの要因があるわけです。だから日本の学制改革ということを考えた場合に、政治的な要因というものを的確にとらえない場合には、非常にこれは片手落ちなことになるということを考えます。この点について特別御答弁はいただかなくてもけっこうでございますが、反論的な意味でありましたらまたあとでやってもらうことにいたしまして、そこでお尋ねいたしますのは、先に大学の問題にひとつ入るわけでありますが、モデル大学というのと新構想大学というものとは同じなものですか。もっとも所信表明の中にはモデル大学なんというのはございませんけれども、総理もモデル大学ということを言われたし、新構想大学というあれにはなっておりませんけれども、所信表明の中には新しい構造のもとにおける大学、こう言っていますが、これは同じものということですか。
#28
○国務大臣(坂田道太君) 一応、新構想大学というふうに御理解をいただきたいと思っております。新構想大学という意味は、新しい時代の要請にこたえて、そして大学改革を行なっていくのだけれども、既設の大学は既設の大学なりに改善を、改革を行なっていく。しかし、既設の大学にとらわれない新しい大学を考えてもいい時期ではなかろうか。この点については世界的に見ましても、イギリスあるいはフランス、ドイツ、アメリカ等におきましてもそのような試みかなされておることは先生も御承知のとおりでございますし、わが国におきましてもそのようなことを考えてもいいのではなかろうかということで、新構想大学という、形は既設の大学にとらわれない新しい大学と、こういうふうに一応お考えいただけたらいいのではないか。あるいは広く考えを進めてまいりますと、マスメデディアを媒体といたします放送大学も新構想大学のやはり一環であるというふうに御理解をいただきましてけっこうだと思います。
#29
○小林武君 まあ最後はそういうような新構想大学というところに統一されたかと思いますけれども、当初は総理大臣をはじめみんながモデル大学モデル大学ということを言った。モデル大学ということについては政党でも一つ、与党としても案を持っていますね。試案の形かどうか知りませんけれども、モデル大学というものを持っている。いまお話になったところを聞いていますと、これはもう既成の大学というものとは別に新しい構想の大学をつくる。それは数は幾つになるか知らぬけれども、つくっていく。そうすると、やはりその中にモデルという意味があるのではないですかそのモデルというのはどういう意味ですか。どういう意味で、政府でも、あなたもおっしゃったことがあると思うのですが、モデルという意味は、新構想大学イコールモデル大学と言ってもいいと私は思うのですが、そこでそのモデルというのはどういう意味でその当時使ったのか。いまは使わないにしても、どういう意味であったのか、当初は。
#30
○国務大臣(坂田道太君) 御質問の意味がよくわかりませんけれども、私の申し上げましたのは、新しい大学、新しい大学とはどういうことか、既設の大学にとらわれない新しい大学、それをまた別のことばでは新構想大学と、こういうふうに私は言ってきたと思います。
#31
○小林武君 まあ変わったならば変わったでけっこうですよ。けっこうですけれども、首相の表明では、来年度予算に調査費を出すと言った昭和四十四年七月十七日のこの新関に出された首相の表明というものは、モデル大学ということばを使っている。それは橋本私案というものもモデル大学ということばをつかっている。この懇談会は自民党の皆さんが集まってつくったものだ。モデルということを私が聞くのは、やはりモデルというのは英語だろうと思うのだけれども、モデルという意味を使ったことはどういうことなんだと、これによってやはりぼくはあなたのおっしゃる新構想大学というのはモデル大学であるということをいまでもやはり考えているわけですよ。既設の大学というものの改革はやったらよろしいのだ。モデル大学というものはもう別につくっていくのだ。そうしてその中で大学改革をやっていく。しからば、その相互の間にモデル大学というものはいかなる使命を果たすことになるのかということになりますね。質問の意味、わかりませんか。
#32
○国務大臣(坂田道太君) ちょっと質問の意味がよく私もわからないわけなんですが、たとえば去年イギリスを見てまいりましたけれども、オックスフォードやケンブリッジ大学は、やはり改革しなきゃならない点は非常に多い。そうしてまたその改革ということも各大学において試みられている。しかし、その欠陥というよりも、オックスフォード、ケンブリッジという大学になると、むしろその歴史的に果たしてきました役割り及びその意味というものは、今日もなお非常にあるのだということで、むしろこれはこれとして存続し、内部改革をやることによって意味を持たせようとしております。しかし、何か改革をやる場合において、既設の大学というものは、単にわれわれが頭の中で考えるものだけではなくて、あるいは規則だけで考えられるものではなくて、そこには生きた人間がいるわけです。学長がおります。学部長がおります。教授がいます。あるいはまた学生がおりますそうして同じ国立大学といっても、京都大学には京都大学の学風があります。東京は東京のやはり学風があると思うわけでございます。だから、そういうようなやはり学風というものを大事にしていくということがなければいけないわけでございまして、同時に、それであるがゆえに逆に社会の変化に対応できない部面もかなり出てきている。その場合において、その対応できない部面があるけれども、内部改革というのはなかなかできにくいという現実論から考えると、全くそれにはとらわれない新しい形の大学を構想し、そうしてそれに対する学長やあるいは教授やあるいはその管理組織やあるいは教育、研究のやり方等を工夫することによって大学を生み出し、そうして新たなる学風をつくり出すということが、今度は、既設の大学でなかなか改革が進まなかったものに対しましてもかなりの影響を持って内部改革を進める役割りを果たすのじゃなかろうか。そういう意味において新しい構想の大学、あるいはそれをモデル大学と言った人もありましょうし、また言ったこともあろうかと思いますけれども、まあそこのところがどういう意味でお聞きになっているかわかりませんが、私はそのように考えておるわけでございます。
#33
○小林武君 明敏な文部大臣がわからぬというのはどうもふしぎだけれども、それではひとつあれしますが、ぼくはいまのような発想だというと、大学改革というのは不可能じゃないかと思うのです。不可能でないとすれば、可能だとするならば、他の大学も全部改革が可能だとするならば、新構想大学なるものは何の意味があるのかということになる。そういうふうに考えますね。なぜかというと、私は新構想大学を幾つつくるのか知らぬけれども、いまのところは一つらしい。ここに過去にとらわれないで一つの新しい大学をつくってみたところで、残余の大学、既成大学というものの数は非常に多いわけです。これには、あなたもおおっしゃるとおり、すでに長い伝統を持ち、あるいは、ある意味では大学の古さというようなものを持ち込んでいる。困難ではあるが――困難な事情があるということをいま御指摘になった。そうするならば一つの大学がどうなっても、他のものが困難でやれないということになったら、これは重大なことでしょう。日本の大学改革というものは不可能ということになります。だからもし、一つの大学をつくることによって日本の大学改革というものをうまくやるということになれば、右へならえしなさい、いわゆるモデル、これのようにやりなさいというようなことを意味しなければ、新構想大学というようなものをつくった意味というものはなくなるのではありませんか。私は、新構想大学をつくって、それに右へならえさせなさいといっておるのでありませんよ。私の趣旨は、たくさんある大学をひとつ全部新しい立場に返って改革させなさい、こう言うのです。それは大学自体にひとつまかせたらどうですか。事実、大学改革は行なわれつつあるわけです。文部省はそれに対して、あの改革の仕方が悪いとか何とかいうようなことを、たいへん干渉しているようでありますけれども、大学自体の解決策を認めるということ、しかもそれに伴うところのさまざまな財政的援助をやるというようなこと、これなしには全体の大学改革というものは不可能だと私は思うのです。一つの大学をつくることによって、その大学がどんなに新しい型でいったところが、それは日本の大学すべてをそう改革するということはできないのです。そう私は思うんです。イギリスの例なんかをおっしゃったり何なりしますけれども、イギリスという国の伝統は知りませんし、イギリスの現状というものも、私、まあ読むぐらいのところで、ほんとうにからだをもって感じているというわけにはまいりませんから、見落としもあるかもしれませんけれども、まあ旅行者のような形で行った方々の目に映じたイギリスの改革が、日本の大学の改革の万能薬だとは私は決して思っておらないから、そういう見解をとるわけですが、そういう私の考え方というのは理解できませんか。モデル大学というのは、先ほどからいっているのは、モデルにするのではないか。これは小・中学校にもいままであったのです。実験学校とか、モデル学校とかいうのがありまして、そして、それはとにかくどこかのあれにやらせる。それをまねする。あるいは地方で師範学校があった時代には師範の付属小学校というのは非常にそういう大きな役目を持った。付属の一つの教育のやり方というのは、教科においても、あるいは学校の運営においても非常に大きな影響を与えたことは事実です。まねごとをする。そのまねごとの脱皮をなし得ないうちは、日本の初等教育はほんとうにものにならなかった。おのずからの、小学校がこういう教育を自分の土地の風土の中で、その環境の中でつくりあげるというところまで伸びない。その段階では、まねするだけでは、ほんとうの教育というものはなかったのです。そういう経過を経て日本の初等教育というものは伸展していったという、私は一つの経験を、体験を通してそう信じているわけなんです。だからそこのところがちょっと、私は大臣のおっしゃること、総理大臣のおっしゃることがなかなか理解できない、こう思っております。
#34
○国務大臣(坂田道太君) 小林さんは少し誤解しているのじゃないかと思うのです。というのは、私は何もイギリスのまねばかりしろという意味を申し上げているわけじゃないのです。もうこの段階においては、中教審においても、われわれのほうでも、言っているので、先進国といえども、われわれ日本の教育的風土において、決心して改革をやらなきゃならないということをもう言っておるわけです。これはひとつよく耳にとめておいていただきたいと思うのです。
 しかし、それだからといって、先進国やあるいは先進国でない国でも、いい点があったならば、これはやはり取り入れる、何といいますか、余裕というのですか、雅量というものがなければ私は伸展しないと思う。今日、日本がこれほど教育制度、特に高等教育機関は別といたしましても、先ほど申しますような小・中の義務教育において、東南アジアの国々からも、あるいはまた先進諸国からも、この間ソビエトの人たちがまいりましたけれども、そういうような人たちからも非常に関心と期待とを寄せられているということは、やはりわれわれが先進国に追いつけというようなことあるいは先進国のいいところをがむしゃらにやはり取り入れてきたからではないだろうかと思うのです。それからいまお話ございましたけれども、ドイツとかフランスとかはむしろ中央集権的に、あるいは一つの法律をもって、そうして大学改革をやろうとしている。しかしイギリスはそうじゃなくて、非常にコモンセンスというものを働かせて、そうしてやってきておる。この点はむしろ、われわれ日本人としては学ぶべきじゃないかということを申し上げておるのです。こういうようなことはあまり学ばんでもよろしいということであるならば、私は問題だと思っています。むしろ中央集権的な、画一的な、一片の法律でもって大学制度改革をやるなんていうことは、非常に危険である。私はそういうふうに思うのです。やはり各大学の自主的な判断、あるいは自主改革への意欲というものを求めつつ、それだからといってまた、小林さんさっきいったようにそのまま大学にまかしてしまったらいいじゃないか――従来この二十年間、学問の自由、大学の自治ということであまりまかせ過ぎたところにやはり問題を起こしておる、私はそう思うのです。
 で、一片の文部省に対して反省がないとおっしゃいますけれども、われわれはわれわれなりに反省しておる。たとえば国立大学と私立大学との、この教育条件が悪いということに対して反省したがゆえに、去年から経常費助成に踏み込んだわけです。また、大学改革やあるいは初・中の改革というものは、われわれが反省したがゆえに、こういうような改革をやろうとしておる。この点はお認めいただきたいと思うのです。その反省のしかたが足りないのだ、こういうところはだめなんだとおっしゃれば、それはそのとおりいろいろまだあろうかと思います。しかし、一片の反省もなかったとおっしゃられるに至っては、ちょっと私としては残念なんでございまして、そういうわけでございますから、よくひとつ私たちの意のあるところも十分御理解の上、論を進めていただきたいと思います。
#35
○小林武君 まあこれをやっていたら、おそらくえんえんとしてなかなかおさまりがつかぬでしょうけれども、やはり大臣も――ぼくはイギリスのやり方を何らまねる必要がないとか、考える必要がないということをいっているのじゃありません、これはやはり参考にしなければならない。その点は文部省なんかも反省するところがあると思うのは、現場の教師とか何とかがいろいろくふうをする。そのくふうに対して、必ずしも賛成しておらない。ある場合には、そういう研究会に参加した者は処罰するなんていうつまらないことをやったりする。私はそういうことこそ、現場の発想を大事にするということを、まず国内でやってもらいたいと思うのです。国外でも、ぼくらはやはりそういうものを参考にやるということは賛成です。ただそれは内外ともにやっていただくことだと、考えなければならぬことだと思うのです。
 そこで、同じことを議論してもしかたがありませんから、新構想大学ということについてお尋ねするわけですけれども、これはいまのところ、新構想大学というのは筑波学園にできる大学のことですか。
#36
○政府委員(村山松雄君) この新構想大学につきましては、ただいま大臣の御説明にありましたような、従来の大学にとらわれない新しい構想の大学ということで、どれだけのものをどういう分野について構想するか、それ自体、これからの研究に待つわけでありますが、その中でもやや具体的な課題といたしましては、筑波につくります新大学と放送大学の問題があるわけでございます。これが新構想大学のすべてであるというわけではもちろんございませんし、また筑波につくります新大学は東京教育大学の移転という問題を契機して発想したものでありますだけに、全く白紙に構想する新構想大学ではない。やや、何と申しますかきっかけを得て新しい構想を加えたという性格のものであります。と申しますのは、東京教育大学は現在の校地が狭いものですから、将来の発展を期して新校地をさがしておったわけでありまして、それがたまたま筑波の研究学園都市と結びついたわけでありますが、その段階で新構想大学ということが検討の課題となりましたので 単なる移転ではなくてこの際新しい構想によって計画してみようということになったわけでありまして、そういう意味では新構想大学として構想する大学の第一といってもよろしかろうと思います。
 それから第二は、若干角度が違いますが、放送大学の問題それからその他の問題につきましては、たとえば日本の大学は、国土計画などを考えましてどういう土地にまだ大学をつくる余地があるか、あるいはつくるべきであるか、あるいはどういう分野の教育についてなお大学をつくるべきであるかというようなことをよく検討した上で具体的な問題が出てくると。まだ具体的にどういうものを考えているという段階ではございません。
#37
○小林武君 これをどういうふうに見たらいいのですかね、所信表明の六ページ、「既存の大学の改革と並んで従来の制度にとらわれない新しい構想に基づく大学の創設を検討することは、大学改革を推進するうえからきわめて有意義と考えます。この観点にたって、東京教育大学の移転を契機として筑波研究学園都市に新設される新大学の創設準備を引き続き推進するとともに、」というこのくだりですね。この場合は、新しい構想に基づく大学、新構想大学と、東教大学の移転を契機として筑波学園都市に新設される新大学というのはこれは違うものだということですか。「契機」ということばの意味もよくわからないですね。「教育大学の移転を契機として筑波研究学園都市に新設される新大学」、新設とはこれは新しく建てることですわね。東京教育大学というのは、移転してこれはどういうことになるのですか。私はもう簡単に考えて、これをすらっと読んだときに、新しい構想に基づく大学というのは東京教育大学を移転さしてそしてそれを新構想大学にするのだ、こういうふうに読むべきだと。それは、いままでの経過から考えて、非常にごたごたした問題ですからそう思ってきたのですが、ここのくだりはどういうことになりますか。文章うま過ぎてよくわからぬのですがね。
#38
○政府委員(村山松雄君) これは二つの発想が結びついた結果、多少読み取りにくい表現になっております。先ほども御説明申し上げましたけれども、筑派の新大学というのは、一つは東京教育大学の移転という問題が契機になっておりますし、他はこれとは別に新構想大学をどこかへつくったらいいじゃないかという発想がありまして、これが結びついたのであります。したがいまして、単なる東京教育大学の移転であれば、筑波にできますものも、これは場所が変わりますから名前は変わるかもしれませんけれども、学部構成、教員組織、学生定員などは、現在東京にあるものが大体原則としてそのまま移るということに相なります。それから、逆に全くの新構想大学であれば、もう東京教育大学というようなことは考慮に置かないで、全く新発想で教育計画、カリキュラム、教員組織などを構想し、場合によっては教員組織などは全国に公募をするというような形をとろうかと思います。しかし現在考えておりますのは、大体その両者の折衷的な方法で進めたいということを考えておるわけであります。
#39
○小林武君 わからないです。折衷って何ですか。先ほど来大臣の答弁がね、既設の大学とは別個に建てると、こう言っているのでしょう。「移転を契機として」といったって、その移転を契機とした教育大学というのか新構想大学になるということでしょう、これは結局。そうでないの。新構想大学になるのでしょう。ならないの。ならないとすれば、全く新しいものができるとすれば、東京教育大学というのは廃学されるのかどうか。そこらはっきりしないとだめです。あなた、この文章はやっぱりだめですよ。それは、この意味ではちょっとわからなくなりますね。どういうことですか。そこのところをはっきり言ってくださいよ。
#40
○政府委員(村山松雄君) 筑波にできます大学は新しい大学でありますから、これはできた場合には東京教育大学ではなくなるわけであります。したがいまして、設置法上の措置を講じますその時点で東京教育大学というのはなくなるわけであります。
#41
○小林武君 もう一ぺん確認いたしますが、教育大学というのを廃校にして、そうして文部大臣並びに文部大臣の所信表明において、全くそこに新しい大学をつくるということになる、学生の引き継ぎとかその他について具体的なことございますか。
#42
○政府委員(村山松雄君) 先ほど来申し上げておりますように、筑波につくりますものは新大学で、新大学ができました時点では東京教育大学はなくするということを考えております。そこで教職員、学生等につきましては、これはまあ教育大学というものを、何と申しますかかなりの新大学の要素といいますか。構成要素として考えますので、これは必要な経過措置を講ずることはあろうかと思いますけれども、新大学の趣旨に入ってくるものにつきましては新大学のほうに入ってまいるということになろうかと思います。
#43
○小林武君 何かちょっとわからぬところがありますが、新大学の趣旨に入ってくるものというのはどういうことですか。
#44
○政府委員(村山松雄君) 具体的に申しますと筑波の新大学の具体的な構想は、東京教育大学の人々にその他の学識経験者を加えていろいろ構想を立てておるわけであります。構想がまとまりました段階で、この新大学構想に何と申しますか賛同して参画する教育大学の人々、教官にしましても事務職員にしましても学生にしましても、これは新大学の構成員として必要な経過措置は講ぜられることと思いますけれども、引き継いでいくということになろうかと思います。
#45
○小林武君 そうすると、新構想大学というものの第一号というものは、私は大学の紛争問題等についてはこれは聞いてはおりますけれども、中のあれはよくわかりません。わかりませんが、教育大学というのは非常にその問題を中心にして紛争が教官の間にも学生の間にも起こっていることは、これはもう事実として皆さん認めることだと思う。その賛成派は新大学に吸収するというようなことでね、文部大臣が言われる全く新しい構想の大学というものが事実できますかどうかです。いわば大学紛争というようなものの一方をそこへ持っていって移し植えたというだけではありませんか。こんなやり方を新構想大学と考えるのかどうか。これはひとつ文部大臣にお尋ねをしておきます。
#46
○国務大臣(坂田道太君) これは、中教審が五月に最終答申をなさいます。その際、それからわれわれといたしまして新しい構想の大学の内容を検討する。また、それまで中教審におきましても一応の教育計画というものが出されると思います。そしてまた、それに対する計量計算もやりまして、一体どれくらいの大学をつくったらよろしいか、あるいは学生数というものをどれくらい見込んだらいいかというような算定もいたさなければならないというふうに考えているわけでございまして、そうしますと、既設の大学以外にどれくらいの全く新しい大学が必要かということがおのずと出てくるというふうに思います。もちろんその中の一つとして、これは純然たるものではございませんけれども、しかし既設の大学とも違う、しかし新しい構想の組織、運営、教育研究のやり方で筑波山ろくに移し植えられる新たな大学というものもできていくということかと思うわけでございまして、その点ははっきりおわかりいただけると思います。
#47
○小林武君 わかりません。
 新構想大学というもののたてまえということは、あなたのほうでは声を大きくして言われているわけですから、特に問題の多い賛成派をもってこれを、新しい大学をつくるという、そういう大学学術局長の話では、いわゆる新構想大学というものが全く新しい形で、新しい大学のあり方として誕生するということにはこれはならない。いわば羊頭を掲げて狗肉を売るというそのことばのとおりだと私は思う。このことは、それはどんな理屈をもってしてもこれは成り立たぬのじゃないですか筋としては成り立たないでしょう。そういうこともまあ中教審が結論を出してからというところに持っていかれるのだと思うのですが、これはどうですか。大臣、新構想大学、モデル大学と言われたときに、社会に開かれた大学であるというようなことを言われた。社会に開かれた大学。その社会に開かれたという、その新しい構想の大学。この意味は、これはどういうふうにとったらいいんですかね。社会に開かれた大学というね。
 それから、新構想大学というのは、もうさっきから何べんも言うが、手直しをするような大学でないというようなことをだれかが言った。社会の急激な発展と変化に応じた、手直しでない大学ということになると、手直しどころか手あかのついたような大学では、これは新構想大学にはならぬ理念、制度というようなものの基本的な変革を行なうということでしょう、この意味は。そうすると、社会に開かれた大学であって、全く理念、制度の基本的な変革を行なってつくる大学とまとめればまとめられる。
 その場合に、橋本さんが、この中の設立の形態というものに触れて、党できめられておりますわね。これは、設立の形態というのは、党できめられたときにはこれは法人にするというような考え方であったことは間違いないでしょう。その設立の形態等についてはどういう考え方なんですか。それもまだ中教審は、三案出してなんだかはっきりしていないようなことも言っているようなところも見えますけれども、一体どういうことになりますか、これは。
#48
○政府委員(西田亀久夫君) 中央教育審議会に関連したほうだけ申し上げますと、いわゆる新しい大学としていま先生御指摘の理念という立場から申しますと、具体的には、既存の大学との比較において申しますならば、一つは大学における研究活動と教育活動の関係をどのように新たに組み立て直すかということ、それから大学の管理体制ということについてこれまでのものをどう改めるかそれから大学の学生に対する教育課程についてどういう構想を取り入れるか、それから御指摘のように、大学の設置形態を、特に国・公立大学では現在の政府機関的な組織制度の体制から新しい別の方法をとるか、これらのことであろうと思います。
 さらにその場合に、社会に開かれた大学ということばを使っておりますのは、二つの意味があると思います。一つは、大学の管理運営に対して、その大学を取り巻く社会の要請なり考え方というものが、直接大学に反映されるような方式を管理運営上考える、これが一つであります。もう一つは、当該大学が、いわゆる入学試験を受けて正規の在学期間勉学する通常の学生のほかに、常に能力に応じて適当な時期に勉学をしたいという一般社会人に対して広く勉学の機会を開放する、こういう二つの趣旨があろうかと思います。
#49
○小林武君 開かれた大学というのは、これは、まあ政党とそれから文部省とは違うのかもしれぬけれども、橋本登美三郎氏が座長となっている新構想大学懇談会では、開かれた大学の大学案が昭和四十四年の八月にできた――開かれたというのは、学部、講座制の壁を破って弾力的な教育研究をやる、設立の形態は特殊法人である、そうしてその実例として、どんなものがあるかといったら、構想大学を筑波新大学、こう言っている。そういう新構想の案が述べられたんだが、これについてはあれですか、結論は出ていないわけですか。
 まず一つ非常に違ってきたのは、教育大学を廃学して、そうして筑波大学に賛成者をもってここに移転させる、そういうことが一つ。そのほかに、どうなんです。設立の形態というのは何をとるのですか。私は新構想大学といった場合には――イギリスに行ったりどこへ行ったりするのですが、これは大臣も英、仏、西独に視察に行かれた。その際四十八年度から発足するというような御意見もあったようでありますが、一体そういうあれは中教審待ちなんですか。それとも政府としてはこの方法でいくという考え方なんですか。どっちなんですか。
#50
○政府委員(村山松雄君) 筑波の大学に関して申し上げますと、設置形態はなお検討中でありますが、まあ議論の傾向といたしましては、形としては国立大学でいくと、ただ学部、学科等の構成に関しましては、従来の基準にとらわれない、境界領域なども十分考慮した新しい形を考える、それから外部の声を聞くというような点についても配慮をするというような意見がかなり強うございますが、最終的にはなお検討中でございます。
#51
○小林武君 それではこれ長くやるわけにいきませんから、ひとつ私の意見を申し上げますけれども、先ほど来、はなはだ口が悪いけれども、羊頭を掲げて狗肉を売ると言ったんだが、全くそれとひとしいような状況なんです。結局政治から拘束されない大学ということで、特殊法人ということを、あの当時与党である自民党も外部に発表しておるし、そういうことに賛成の声はみなが知恵を借りた学者の間からも出たと思うが、結局は何であるかというと、紛争の起こった意見の一致しない学生、教授間のそういう問題の多い教育、大学を賛成派だけ集めて、そうして新構想大学の看板を掲げて、これが日本の大学の学制上非常に大きな役割を果たす大学だというようなことを言われるということは、全く私は納得がいきません。しかし、まあこのことについては、また機会もありましようから、ひとつそのときに譲りまして、先ほど来大臣からも声を大にしておっしゃったことの中に、私学に対して非常に大幅の助成をしていたということを言われましたが、どうでしょう。私が考えてみて、いまや私学というものは全くもう容易ならぬときに財政的にきていると、こう考えるのですが、各日本の大学、早稲田、慶応とか明治とか、あるいは京都にある大学でも大阪にある大学でも、有数の大学からいってどのくらいの赤字を年間出していますか、これをお調べになったことがありますか。その総計はどのくらいの赤字を年間において出しているか。私の聞いたところでは、早稲田大学ではすでに四十六年において六億の赤字が出ているとありました。同志社は三億八千万、慶応は三億から四億ぐらいの赤字をみていると、こう言う。しかし、これらの大学はいわゆる相当基本財産を持っていて、あるいは寄付などもかなり集める大学だと思っていたのだが、その他たくさん数ある大学が一体このような状況になっていってどうなるのですか、これはどこらあたりで一体日本の私立大学というようなものがまともな健全な大学財政というものを確立することができるのかということについて、文部省としては一つの案を持っているだろうと思うから、国立大学と比較してどのくらいのところまでが助成のめどだということをここで示してもらいたい。
#52
○政府委員(岩間英太郎君) ただいまの先生のお話でございますけれども、まあ赤字という問題をどういうふうにとらえるかということがございますが、私どものほうでは一応まあ借り入れ金と申しますか、そういうものがどの程度生じているかということで財政状態を判断するということが一つの見通しじゃないかと思います。そういう意味で申しますと、現在のところ借り入れ金が大体三分の一近くになっております。これがまあ過去の大学急増のためにいろいろ施設を整備いたしました結果でもございますけれども、必ずしもこれが全体赤字というわけでもございませんが、そういうふうな実情がございます。それで私学に対する助成というものをどういうふうに考えるかというふうなお話でございますが、私どもはもちろん私学の経営の内容、これは容易じやないということが一つの原因になりまして助成を始めたわけでございますけれども、しかし助成につきましては、これは別の観点から別の考え方で助成を始めたということでございます。もちろん、先生御指摘のような私学の財政状態というものを基礎におきました上で始めたものでございますから、何でも関係ないというわけではもちろんございません。私どもが助成を始めましたのは、私学で特に人件費の上昇というものが非常に私学の財政を圧迫しておりまして、大体人件費の上昇というものは、これは授業料の引き上げで従来カバーしてきたというのが実情でございますけれども、全体として見ますと、授業料をこれ以上引き上げる余地がないほどかなり重荷になっております。そういう点から考えまして、結局人件費の引き上げというものを、ほかの教育研究費をそちらに回すというふうな形でカバーをするというふうな事態が現実に起きてまいりまして、そういうことでは大学教育全般、特に大半を占めております私学の教育研究の内容の低下ということが非常に心配されたわけでございます。そこでこれを何とか防ぐ、あるいはさらに教育研究の内容を充実していこうという意味から新しい経常費の助成というものを始めた次第でございます。そういうことで私立大学の財政状況、それを基礎としてはおりますけれども、直接私立大学の財政状況の悪化を防ごうという意味で助成を始めたわけではないのでございます。その点はひとつ御理解いただきたいと思います。
 なお、どの辺まで助成をしていくかということでございますけれども、私ども一応この前の国会でも御説明申し上げたつもりでございますけれども、大体教育費につきましては半分まで、これは私学に入ります子弟が社会的な貢献度といいますか、そういうことを考えまして、それからあるいは学生の自己のための便益と申しますか、そういうものを半分半分に考えまして、二分の一ぐらい国のほうで助成をしていってよろしいのじゃないか。それから研究費につきましては、これは実際に社会に還元される率を考えまして、いまでも三分の二の補助というものが現実に行なわれておりますので、三分の二までは補助をしていきたいというような一つの考え方で、現在助成を進めている次第でございます。
#53
○小林武君 局長さんのお話聞いていると、やはりちょっと話が私学の側とあなたの方の話は行き違っているのじゃないかと思うのですがね。私学というのは一体どういうものなのか。全く企業としてもうけるために存在するかというなら、私立の大学でも私立の中学でも私立の小学校でも、そういうためじゃないでしょう、いわば日本の青年少年の教育を担当していくということには間違いない。ことに大学の場合は百三十万の学生をもっている。国立のほうは三十万、一方は役に立たずで、三十万がりっぱだということは言い切れないでしょう。これが私学を出たから自分かってのことだけやって国のことはやらぬということも言い切れないでしょう。そう考えたら、私学が成り立つか成り立たぬかという問題は、それを考えないわけにいかないでしよう。私学が赤字出たから助成するなんということを考えないという議論が、もしあなたの中に、基本的な考え方としてあるなら、これ重大な問題だと思うのです。いまや日本の教育全般を考えた場合、大学であろうがどこであろうが、私学に対して、国が一つの教育を担当していくという立場に立たなければならぬと思うこれは文部大臣はイギリスのエセックスの大学か何か見て来られたからわかったと思う。そういう大学の新しいところをよく見ておいていただきたいと思うのです。
 そういう観点に立ってものを考えた場合に、人件費というようなものはどんなにふえていくかということはよくわかっているでしょう。ある大学では人件費は年間一二%ずつふえていく、ある大学では六%ずつふえていく、いまや経常費のうちの七八%は人件費である、こう言っている、ある大学では。そういう状況を考えたときに、大学はどうやって一体これをやるかといったら、あなたのおっしゃるように授業料上げればいいということになったら、これは学生もちませんよ。これは国民の立場から考えましても、私立へ入ったからよけいに一体負担をしなければならないということは、税金を納めている国民としては納得いくものじゃないと思うのです。そうでしょう。私立にしか入れないからなんということは文部省も言えないだろうし、政治をやる者も言えないだろうと思う。だから国民の側からいえば、私立に入ろうが、国立に入ろうが、公立に入ろうが、どこへ入ろうが、教育というものについては平等なあれを受けるということが一つあるでしょう。大学の側からいったら、企業として金もうけしようというそういうところもあるかしらぬけれども、そうじゃないと思うのです、ほとんどは。ほとんどは教育という一つの使命感の上に立ってやっている。そうすると私は金の出し方についてあらためて政府は考えなければならぬところに来ていると思うのです。まあいろいろなことを、何か営利を目的とした何かをやらなければだめだというようなことが大学のあれに話が出ておる。私はやっぱり、それはよその国にもそういう大学があって、ホテルをやってうまくいっているというような話を聞いたこともあるし、いろいろなことをやるそうだけれども、私はやはり大学がそういうところに行くというのは、それはやはり邪道だと思いますよ。もし許されるとしてもそれはきわめて限られた場合のことしかやっていけないと私は思います。そういうことになると、いまの私立大学、特にいわゆる私立大学の中でかなりの長い歴史を持ち有名な大学であってもそういう苦労があるわけですから、これどうするかということが私学対策だと思うのです。総理大臣もこの私学のことについて触れたところもあるし、文部大臣もそのことについてはっきり書いてある、所信表明で述べている。そうすると何とはなしにことし何億ふやしたとか何%ふえたというような、この予算書を見ただけでは問題の解決にはなかなかならぬと思うのです、これだけ見た限りにおいては。私は、だからほんとうに私学に奮起させたり、あるいは私学に一つの計画性を持たせるためには、もっと私学について腹を割った話を大臣するべきだと思うのです。私学の財政問題についてあまり立ち入ったこと言うというようなことを言わないで、干渉するのではなしに、一体私学はどうあるべきかということを、相当やっておるのだろうと思うのですけれどもね、あなたたちはよくわかっているのだろうと思うけれども、こんな状況にあるということは私はちょっと納得がいかないのですが、岩間さんはやはりそれを立ち入ってまでやるつもりはない、私学をそこまで一体われわれがめんどう見る必要ないというような考え方をお持ちですか。
#54
○国務大臣(坂田道太君) 小林さん、今度の、去年から始まっております人件費を含む経常費助成というものは、これは画期的なものであるという認識はぜひひとつ持っていただかなければならぬと私は思うのです。去年つけますまでの段階では先生のおっしっるようなことを私はまともに受けます。そう言われてもしかたがなかった。しかし去年から始まっておる、計画的に進んでおることは私学の方々は大かた了承していただいておる問題でございます。そう御異論のあるところではございませんこともはっきり申し上げておきます。十分話し合いをしております。ただ、ことし違いましたことは、私学側としましては事務職員もその対象の中に入れてくれと言われたのでございますが、この点については確かにその私学側の要望を満たすことはできなかったということははなはだ残念に思っております。しかし、これはこれから努力していきたいと思う。いま、局長が申しました簡単なことばでございますけれども、少なくともその経費のうちの半分は学生たち自身が負担すべきであり、あとはやはり公に還元されるのであるから国が負担すべきじゃないかと、あるいは研究費等については三分の二を持ちたいと、こういうことを申しておりますが、これはかなりな踏み込み方でございまして、よくお考えをいただきたいと思います。それから今後いろいろまだまだそれでも不十分な点があろうかと思いますが、そのことについては、また皆さま方の御協力を得まして積極的に取り組んでいきたいというふうに思っております。
 それからこれも小林さん、御存じだと思うのですけれども、サセックス、エセックスを見てきて云々のことがあったのですが、イギリスはみんな私立大学なんです。オックスフォード、ケンブリッジは私立大学、今度の新しいエセックス、サセックスも私立大学、これはもう御承知だと思いますけれども、その私立大学に八割程度の国の予算が実は行っておるわけですから、向こうでは私立大学ということばはプライバシー・ユニバーシティーじゃわからない。むしろ国立大学という気持ちだと思います。そういうわけなんで、アメリカみたいに昔は基本財産が三分の一、授業料が三分の一、それから政府からのお金と、これはかなりございましょうけれども、そういうような私立大学の非常に多い、フォードだとか、あるいはカーネギーとかいうような財界が相当応援をしてきたので、今日の私立大学に学ぶ学生数の一人当たりの経費が高くなってまいりますと、アメリカのような豊かな国であってすらも、なかなか私学の財政は、いま御指摘になったようにうまくいかない。したがって、今日は連邦政府のお金が三割以上も四割以上も注ぎ込まれている。いわんや日本みたいなこのようなところで、片方、御承知のような三十万の国立大学の一学生当たりに八十六万円も出しておいて、そうして百三十万人もかかえておる私立大学の一学生当たりに対して国はわずかに一万円以下、四、五千円しかいままで払っておらなかったということは、これはいかにも私学の社会に果たしておる役割りというものを無視したものではないだろうかということを考えまして、われわれいろいろ検討した結果、総合的な考え方としまして去年から人件費を含む経常費補助に踏み切っておるわけでございます。これも五、六年たちますと、かなり私立大学の財政状態も改善をされていくというふうに思いますし、また、そのゆえにこそ私学の方々も非常に御協力がありますし、希望を持っておられるわけでございます。しかし、一面におきまして私学、私学と申しましてもピンからキリまであるわけでございます。やはりその質を充実していくということが非常に大事でございますから、やはり日本私学振興財団という、国民からも、私学からも、政府からも、また皆さん方からもほんとうに信頼できるような、あの財団を通じて適正な配分がなされるように、イギリスにおけるUGCみたいなものにひとつさせたいというのが、われわれ当局の気持ちであるわけであります。これも皆さん方の御協力によってきまったことでございますから、われわれといたしましては、何とかしてその趣旨を生かして、ほんとうに私学に学ぶ学生たちも、公立、国立に学ぶ学生に劣らない、それ以上の能力を持って社会のために、また、自分自身のためにもいけるような教育をやっていきたいというのが私どもの気持ちでございます。非常に長々と申し上げましたけれども、われわれの私学に対する相当の意気込みということだけはひとつ小林さんにわかっていただかなきゃならぬというふうに思うわけでございます。
#55
○小林武君 先ほどの話の中に、去年まではなんという話があったけれども、ことしの「大學時報」で、これ一番近いやつでしょうな。四十六年の今日の時点に立って、私立の有名大学の座談会「重大な危機を迎えた私大財政」という表題であるからお読みになっているのだと思うけれども、読んでいただければ中身ははっきりするでしょう。私はそれを読んで非常に感じているのですが、しかし、このことは私はかつて質問をやったことあるんですが、経常費に対して補助をすべきだと言ったところが、その当時の答弁は、そんなばかなものに金を出せるかと言わんばかりの答弁。われわれは以前から、経常費に手を伸ばさなかったら私大の財政はとても救えませんということを言ったのだけれども、それをこのごろになってからようやく気がついてやり出した。いつでも後手後手になっていると思う。しかし、大学というようなもののいま高い評価を政府もしているわけですから私立大学と国立大学の財政的な格差というものをやっぱり是正しないことには、日本の大学教育の根本的な改革はだめだということになる。しかしまた大臣も一生懸命苦労しているということはぼくも認めますよ。そしてだんだんよくなってきたことも認める。しかしちょっと足並みがおそいと思う。これではその先に相手がつぶれてしまいやせぬか。私はあるいなかの――大学じゃありませんけれども、短大ぐらいのところで、まあ始末に負えないような財政状態になって、そうしてまあ地方の議会が音を上げた。もうどうもこうも手がつかぬというようなところを知っているわけですもちろんそこには問題もあるでしょうけれども、私学経営そのものがなかなか容易でないということをやっぱり認めてやらにゃならぬと思うのですだから私はこれ岩間局長にお願いしたいんですがこれまできたら私学はあまりメンツだとか何とか考えないで、こんなところでうっぷん晴らしみたいなことを言わないで、やっぱり私学財政というものはどうあるべきかということの、ひとつ分析をやってデーターを出してもらいたい。それを国民に知らせる、政治の場でとにかく検討させるということをやらぬというと、私は適当な解決策は出てこないと思うのですよ。私はもう軒並みに私学の財政というものが不健全になったら、これは重大なことになると思っているんですよ。私学へとにかく子弟を出している方は同様だろう。私学経営をやられている方もこの中にはいらっしゃると思うけれども、それはとにかくそれぞれやっぱり心配なことだと思う。だからひとつお願いしてもらいたいんです。私立大学協会とか、何かそういう団体があるでしょう。そういうところがやっぱりはっきりしたあれを出して、そうして私学財政というものは少なくとも超党派的な感覚でもって一体どのくらいの年数をかけてどれくらいまで到達するか、そこまでいった場合には、それまでに健全な財政のできるあれを大学側もとにかく一生懸命やる。あるいは日本の社会においても大学の財政について支持されるような方式を考え出すとか、いろいろなことをひとつ知恵を集めてやらなければ私は問題解決にならないと思います。
 以上で終わりますが、新構想大学がなかなか納得いかぬ。いずれまたひとつ……。
#56
○安永英雄君 前の委員会で大臣の所信を承りましたが、その中で特に公害教育の問題と、沖繩復帰に伴う教育関係の問題について質問をいたします。
 まず公害の問題でありますが、この所信の中では主として小学校、中学校の指導要領、こういったものを一部改正しましたという点に触れておるわけであります。もちろん財政の説明では多少出ておりますけれども、まあ言わば大きく公害教育と、こういった問題について文部省としてのものの考え方というものはこの指導要領の中に入っているんだという意思じゃなかろうかと思いますから、この点について掘り下げて所信を承りたいと思います。
 そこで昨年末の国会は公害国会と、こういうふうに言われるくらいに公害問題に終始をして、十四本の公害に関する法律案が可決を見たわけであります。この審議の過程を見てみますというと、まあ一口に言うならば、この公害の一番大きなもとになっておる企業、こういったもの、いわゆる経済、こういったものと公害との調和というふうな、文言では調和という問題をめぐって論議が行なわれたわけでありますが、まあ何といっても企業というよりも人命の尊重あるいは健康を守る、こういうことが第一主義だという、この方向で十四本の法律案が通ったというふうに私どもとしても確認をするわけでございます。そこではやはり非常に大きな問題になります教育面でこれをどう取り扱っていくかという問題で、社会党の議員から衆参でそれぞれ教科書等を具体的にあげて説明をしたわけでありますが、その際、大臣も、これは読んでいないけれども、読んでとにかく研究する。そして法改正の趣旨に照らして学習指導要領あるいは指導書の不十分な部分の修正を行なうということでこれが具体的に一月に決定されたわけでありますが、したがって、大きく変わってきておるということは、私も一応読んでもわかるわけでありますが、ただ、私はここであげ足をとろうとは思いませんけれども、やはり端々に問題が出てきております。私はここでいろいろ究明をするということじゃありませんが、そういったこの教科書問題をめぐって国会で論議があった。そのあと局長の談話として、この論争は私自身聞いたけれども、たいへんに意地の悪い質問だ、確かに読み上げたようなことが書いてあるが、そのあとに、日本では都市計画、産業立地計画等がおくれていたために公害問題もたいへんむずかしいのでみんなが努力して防止しなければならない、と結んでおる。工場がつぶれたら経済が成り立たない。この部分を取り出せばいかにも企業擁護にとれるけれども、現実に工場をつぶさないように少々の公害は忍べと言っている人がおる、その意見を載せてもおかしくない――私は、このことばがあのときの臨時国会の、公害国会においては、真剣に取り組んでおる、そして結論を出していったあの過程においては、私は非常に不謹慎だ、また私はその感覚というものを疑うわけでありますが、そこでだれが少々忍んでもいいと言ったかどうか、そんなことを聞くつもりはありませんけれども、あの法律に基づいて一月にそういった指導要領が出されておるとすれば、私はそういった残滓というものがやはり出てきているのじゃないかというふうにまあ心配をするわけですから、私は少々掘り下げて質問をしたいと思います。
 時間がありませんから、言ったとか言わないとか、あのときのことばがどういう意味だというふうなあれは要りません。
 そこで、大臣にまず総まとめでお聞きしたいのですけれども、あの十四本の公害に関する法律というものを受けて実際にこの指導をする場合に、その指導要領のどこが変ったのか、一番大きく変わって大臣としてこういう方針でいきたいというふうな意向というものが那辺にあるのか、小さな問題は、個々の問題についてはこれは局長でけっこうですけれども、大臣の所見をひとつ伺いたいと思います。
#57
○国務大臣(坂田道太君) 一番目の重要な問題は、中学校の学習指導要領の改訂につきまして、従来「公害の防除」云々「を図り、経済の発展と国民の福祉の増大とが結びつくことが必要である」云々というような表現を「公害を防止して、国民の健康の保護や生活環境の保全を図ることが必要である」というふうにもう明確にした。経済優先というものを改めたというところが一番大きい基本的な考え方の変わりでございます。
#58
○安永英雄君 私は、この基本にありますのは、指導要領そのものが法的な拘束力があると、こう主張されるけれども、私はこの時点で、もう時間がありませんからこれは別に回すとしまして、大臣がこの前の予算委員会で、この公害教育については、これは全国いろいろな形態があるのでそういった公害の実態というものに即応して各教師がそれぞれ創意くふうをしてやってもらうのだと、こういう答弁があったから、私はそれでけっこうだと思います。しかし指導要領の中にそういった大臣の考え方、これが具体的にある程度出てきているとすれば、やはり深める必要があると思いますから、この点についてもう少し詳しく説明をしていただきたいと思います。
#59
○政府委員(宮地茂君) 小学校の学習指導要領には、いま大臣が申されましたものが基本でございますが、一応現行のものと改正のものと、変えましたおも立った点を比較しながら御説明いたします。
 現行のものではまず公害の記述につきまして、「産業による公害などから生活環境を守る努力を続けている都市の事例、」云々というようなことになっておりますが、ただ、「産業による公害などから生活環境を守る」というだけではございません。そこで国民の健康や生活環境を守ることがきわめて大切だということで、国民の健康並びに生活環境を守るんだということが一点でございます。
 それから公害は、産業による公害が大きいものでございましょうけれども、ただ、企業だけでなくいろいろな自動車、最近では国民が相当自家用車も持っておりますが、そういったものもございましょうし、また前国会で人々が屎尿をそのあたりにたれ流すといったようなことでいろいろ問題がございましたが、そういったいろいろな公害があるという意味で、従来のは「産業による公害」といったようなことを「産業などによる各種の公害から国民の健康や生活を守る」ということ。
 それから従来は、そういった都市の事例を取り上げて子供に理解させるというふうになっておりましたのを、ただ都市だけでもない、たとえばこれは教科書にございますが、田子の浦等いなかの静かな漁港が非常に大きな港になってヘドロ等を起こしておりますが、そういう過程におきますいろいろな公害もございますので、ただ都市だけでなく具体的な事例によって理解させるようにといったようなことをいたしました。
 大体、小学校ではそういうことですが、中学校のほうでは、これは先ほど大臣も御説明ございましたが、特に中学校のところでは、いわゆる産業と福祉の調和といったような面が相当はっきり出ておりまして、たとえば「経済の発展と国民の福祉の増大とが結びつくことが必要であることを理解させる。」云々と、こういうふうにございましたが、これは公害基本法第一条の二項が削除になっておりますので、そういう関係を十分とらえまして、ことばで申しますと、「産業などによる各種の公害を防止して、国民の健康の保護や生活環境の保全を図ることが必要であることを理解させる。その際、人間尊重や国民福祉の立場に立って、国や地方公共団体の役割を理解させるとともに、個人や企業などの社会的責任について考えさせる。」。産業と福祉の調和というようなことばでございましたのを、いま申しましたように、人命尊重人間優先、こういう意味で相当わかりやすく表現した。
 大体こういったところが今回の改正の中心でございます。
#60
○安永英雄君 私はお願いしておったのですけれども、指導書のほうが相当具体的に出てきておるわけです。これについて説明があればお願いしたい。
#61
○政府委員(宮地茂君) いまの指導要領を受けまして指導書でございますが、小学校のほうの指導書では、たとえばこれも国会で問題になりましたが、「産業公害の問題を扱うといっても、たとえば企業を悪者として糾弾させることが目的ではないし、」云々と、こういうふうにございまして、これが企業擁護に受けとめられるといったような御意見も出まして、そこでその点につきましてはそのように企業を擁護しておるのだという真意ではございませんでしたが、そのように受けとめられる点も考えられますので次のように直しました。それは公害の――その点多少長くなりますが、「この際、公害に関連した学習では、大気の汚染、水質の汚濁、土壌の汚染、騒音、振動、地盤の沈下、悪臭等による各種の公害の事例のなかから適切なものを取り上げ、公害の防止が国民の健康を保護し、生活環境を保全するためにきわめてたいせつであることを理解させ、これら公害の防止には、事業者、国、地方公共団体がそれぞれ積極的な対策を進める必要があるとともに、住民もこれに協力して、国土や環境を住みよいものとして守っていかなければならないことに気づかせる。」、若干いま読みましたうちの一部は現行にもございますが、改正、修正では以上のように直しまして、企業を擁護しておる、するということではなくて、はっきりその点がわかるように表現をいたしました。
 なお中学校の指導書につきましては、特に読んでみまして小学校の指導書ほどの点はございませんでしたが、若干この公害の種類として先ほど小学校のところで読みました大気汚染、水質汚濁、土壌の汚染といったような具体的なことをつけ加えました。
 以上でございます。
#62
○安永英雄君 確かに大臣もおっしゃったように、企業を優先させない、人命尊重、こういう趣旨でこの指導要領は貫いておると言われるわけですが、私はどうしてもやはり原文のほうが目に入るものすから、それがやはり随所に出てきているのじゃないか、確かめたい意味でお聞きしているわけですけれども、いまもおっしゃったのですが、一番大きな変わり方は、産業公害の問題を取り扱う場合に企業を悪者として取り扱っちゃいかぬと言う自然や文化財の保護が優先するか、開発が優先するか、こういう結論は出すべきでない。そうして総じて国民全部が責任を、国民全体が強くこの責任を感じよう、いわゆる国民総ざんげの方針が出ておったのが変わったわけです。そこでお聞きしたいのだけれども、ここでわざわざ「住民もこれに協力して、」ということばが使ってあって、どうしてもやはり少々の公害は住民もこれについては耐え忍べというふうな前の原文と照らし合わせましても、国民じゃなくて「住民」という、あるいは「事業者」ということばが使ってありますから、そこに起こった問題、これと非常につながってまいりますからお聞きしたいのですけれども、たとえば、もちろんこの公害撲滅のためには企業も国も地方自治体も、あるいは住民もこれは協力しなければならぬと思いますけれども、これがもしも――端的に聞きますけれども、ヘドロならヘドロという問題をめぐって自分たちの生命は自分たちで守ろうということで住民運動が起こっておる。そうして会社や企業やあるいは地方自治体のほうに激しい抵抗といいますか対抗する雰囲気が出てきたとする。こういった場合に、その現地の具体的な子供の教育という問題について、この反対運動で住民が立ち上がっておるというその姿というものを、こういう事象というものに対してこの指導要領ではどう指導せいということになっておるか。あるいはいけない、あんな行動をしちゃいかぬのだ、やっぱりそんな行動じゃなくて、ともに耐え忍んでいかなければならぬし、ともに協力する。ああいう行動はいけないんだという現地の模様を具体的に取り扱う場合があるとするのか、そこらを具体的にお聞きすればあなた方の姿勢もわかると思います。まずこの点について、この指導書はどういうふうに指導するのが正しいというふうに言っておられるのか、お聞きしたいと思います。
#63
○政府委員(宮地茂君) これは事業者ももちろんでございますが、国も地方公共団体も積極的な対策を進める必要がある。ということは、国民の健康を保護し、生活環境を保全するために積極的に努力する必要があるんだということで、それが中心でございますが、住民につきましては、たとえばもうこういう公害というものは忍べという意味では毛頭ございません。事業所や国や地方公共団体がそれぞれ積極的な対策を立てられる、それについて協力をするということで、いま先生がおっしゃいますこの協力ということは、多少公害があってもそれは忍べという意味の協力ではございません。で、この点は公害対策基本法にも、六条に「住民の責務」というのがございます。読んでみますと、第六条に「住民は、国又は地方公共団体が実施する公害の防止に関する施策に協力する等公害の防止に寄与するように努めなければならない。」、これは精神規定でございましょうけれども、特に具体的にどうということではないでしょうが、基本法のこの趣旨も受けて書いてあるわけでございます。一口に申しますれば、先生がおあげになられましたヘドロに対して忍べという意味ではございません。
#64
○安永英雄君 私はその点は全くそうだろうと思いますが、いま次々に聞きますからね、もう時間がありませんから。ひとつ、どういうふうに指導するのか、これは大臣に。ちょっと五年生の生徒を教えるという意味で、どんなふうに教えるのか、それが一番早かろうと思いますから、いまの場合に。公害たれ流しをやっているその工場に対してこれはもう抗議をする、こういう住民運動が起こったとする。これはどのように子供に教えていくのか。大事なことです。それからこの中に、被害の程度と防止費用の関係について教えろ、とあるわけです。これはどういうことを言っておるのかですね。被害のひどいというところは、やはり企業も地方自治団体も国も、それに対する対策費、こういったものが非常に少ないから公害がたくさん起こるんだという関係をこの学習の中で究明していくのか、あるいは逆の場合であったり。これあたりは非常にむずかしいところなんです。これを取り扱えというわけですが、今度の国の予算を見ましても、大体十四本の公害法に対して九百二十三億しか国の予算がない。そのうちの七〇%が下水道の費用になっている。実にわずかな金です。東京都の場合は千二百八十億組んでおる。あるいはどこの町村はこれだけだ、あるいは企業は対策にどれだけ使っている、こういった問題を実地にこの学校の指導の中でやって何を導き出そうとするのか、この点、たとえばデータでどれそれ町、市の公害予算、それから公害の実態、こういった各種のデータを集めてきて、そうしてとにかく公害を起こさないためにはそれに対する予算、費用というものを十分組んでもらわなきゃならぬというふうな方向を導き出していくのか、まずその二つ、教えるときは住民運動とそれから予算を解明せいと言っておるが、これは大臣ならばどういう授業をされるか。
#65
○国務大臣(坂田道太君) なかなかこれはむずかしい問題だと思います。それからまた、私が言いますと、それがすぐ何と言いますか、画一化されてやられるというと地方の実情に合わないというようなこともあろうかと思いますが、しかし気持ちは先ほど局長から御答弁申し上げました意味で、あるいは基本法にも書いてありますような意味においての協力というようなこともございましょうし、それからまあ実際問題として、あまりにもひどい公害が明らかにわかっておる、それに対して会社等が十分な措置もしないままにほったらかしておくというような、そういうような事態に対しまして、正当な住民の意思表示が行なわれるというようなことも私はその中に入るというふうに思います。
#66
○安永英雄君 あとのほうですが、もう少し砕いて。これはこの原文を削除されて新しくできたんですが、原文のほうに、このいわゆる政治の貧困政治の不在という方向へ持っていこうとする教師がいればこれは誤っておると、というのが削除された。ここはなくなりました。そこで私はいまのところと関連して言いますけれども、この中でわざわざ指導の方針として、やっぱりこの公害の程度とというものと、公害予算なり経費というものとの関連を一つ勉強させて、そこから公害問題の教育を施していけという項目がありますが、たとえば先ほど、国の予算、東京都の予算、こんなものの中から、やっぱり私はこの政治的な貧困、これだけじゃないんですけれども、言ってみれば、別に施設費も何もない、ただ公害ということで経費の裏づけもない工場に行ってみても、学校の学習に使うからおたくの会社の全経費の中で公害費に使っておるのは何々で、いまからどういう施設をどれだけのお金を使ってやるのか――なかなかむずかしい。これ実際は出てこないんですけれども、やはり政治の貧困、こういったものに当然いまの時点としてはきますよ。これを削除されたんですがこれはそこへ持っていけというようなことじゃなくて、当然そういう学習の中ではやはり生徒児童に対して、この政治の貧困、予算の貧困、こういった問題に触れていかざるを得ないんですね、いまのところ。こういった問題については、ある程度現在では、各地方においてそういった教材を取り扱う場合においてはブレーキがかかるということを私は聞いておる。しかもそれは何かというと、原文の大きな精神です、政治その他のところへ持っていくのが、公害問題を。こういうふうに言ってあったのが今度削除された。したがって、私はそういった政治の貧困とか何とかいう問題が当然学習の中に出てきた、こういった場合にはその方向の指導というものは当然すべきだというふうに考えますが、その点先ほどの質問と同時に、どんなふうに指導を持っていくかお答え願いたい。
#67
○国務大臣(坂田道太君) やはりこれは具体的な事件あるいは事情あるいはその地域における情勢判断において教育がなされなければならぬと思います。それを前提としてでございます。またそれぞれ先生方の取り扱い方にも方法はあろうと思いますけれども、やはり心身の発展段階に応じた説き方があると思います。でございますから、やはりこういうようなことはもう少し政治が考えなければならない問題ではないかと思う、そうして従来はともするとそういう問題がないがしろにされてきたんだ、しかしそれがたとえば昭和四十五年の秋、公害国会というものが開かれて、そうして十四の法律ができて、おそまきながらそういう公害対策に取り組んできた、漸次改善されるであろうけれども現実としてはあっちにもこっちにもまだ問題が残っておる、しかしこれは何とかしてやはり人間を優先する、人間尊重という立場からは漸次この公害がなくなるようにお互いに努力しなくてはならぬと思う、あなたたちがおとなになったときには、人に迷惑をかけないように、あるいは自分たちがつくり出すものによって人の生命のおかされるようなことをしないようにつとめなければならぬのじゃないだろうか、こういうふうに私なら説明したいと思います。
#68
○安永英雄君 まあ六十四国会の問題、出ましたけれども、しかしその結果は、先ほど言ったようなわずかの公害費ですから、これはまあ私は政治不信、こういった形で政治を批判していくという方向はとるだろうと思う。あなた方もそういう政治家になっちゃいかぬ、将来ひとつそういうことではいかぬというこの結びはいいですよ。まあしかしそういった点も、削除されたのですから、ある程度現実の問題としてさわらざるを得ないわけですから。いま大臣も模範授業をされたわけですから、さわられたわけですから、当然私は、こういった問題に触れていく現場の教員に対して、あらゆる方面からこれを妙なブレーキをかけないように、やはりいまの大臣の模範、あるいはこれを示してもらわぬことにはいけないと私は思います。
 それからもう一つ、これは私は大事だと思いますよ。と申しますのは、公害は全然手のつけられないものだ、だから前途まっ暗なような考え方ではやはりいけないから、これについては、技術開発が行なわれておるということを一部書いてありますけれども、これもひとつ研究学習をやれというふうには書いてありますけれども、私が質問したいのは、私はずいぶん公害地域を回ったり工場を見てきたりしますけれども、見れば見るほどお手あげですね、お手あげです。だから私は、どこに生徒を連れていって実地に見せましても、大きな工場の中にわずかに一坪、二坪くらいの、水が流れてくるところにちょっとしたろ過器みたいなものがつくってあって、どんどんたれ流していっておる。わずか色を変えるような成果しかない。こういったことであれですけれども、これは文部省のほうで、これは資料ありますか。これはちょっと内容を示してもらわぬことには、明るい面で公害を撲滅するためのこの技術開発、こういったものは私はちょっと見当たらぬのです。ヘドロをどうしますか。解決方法はほとんどない。これについてはどういうように指導されるのか。これは大臣じゃなくていいです。局長がどういう授業をするのか、ひとつお聞きをしたい。
 それから、石原産業の問題について、四日市の先生が五年生に教えるときにはどう教えていくか、この点。いわゆる通産省もおかしい。いろいろなところでおかしい。こういう問題を取り上げた場合に、これは政治の問題、痛烈に批判するでしょう。これはまた問題を隠すことはできませんよ、皆さん知っていますから。石原産業の問題を取り上げて、この指導方針に基づいて授業をする場合に、どういったところに気をつけなければならぬのか。どういう方向で授業をしなければならぬのか、この二つ、一緒にあわせて………。
#69
○国務大臣(坂田道太君) たとえばイタイイタイ病だとかあるいはカドミウム等につきましては、たしか金沢大学に対しまして研究費を助成いたしまして、そして検討をしておる。あるいは岡山大学、これは農学部関係ではございますけれども、やはり、イタイイタイ病の解明についてやっております。あるいはその他、何といいますか、生物の生態学というのでございますか、そういったような研究もこれからやるという申し出がございまして、これに対しましても、予算を考えておりますし、関連いたしまする研究というのはかなり行なわれておりますけれども、まとまって公害そのものについて直接的なものはないと思いますが、しかし、これからは環境庁もできますし、それから研究所もできることでございますから、そういうようなところで一つのプロジェクトがきめられますと、それが全国の各大学の基礎研究をやっておるところで、どこで取り上げたらよろしいか、そういうようなことで、また、そういうような研究をしたいという先生がおられた場合は、積極的にこれに対しての予算措置を講じていくというような方向で一面においてやっていきたいというふうに思います。
#70
○政府委員(宮地茂君) 補足いたしますが、この学習指導要領なり、指導書の修正をいたしましたが、同時に、これは大臣も前の国会でも申されましたが、私ども、いま安永先生が御質問のように、種々、これだけでも学校の先生方が教えられるのに、直接いま研究開発についてお話になられましたが、そういったような点で、公害の問題で小学校、中学校等の公害を扱う場合に、参考になるような指導資料とでも言うべきものをつくりまして、先生方の研究指導に資したい、こう思っております。したがいまして、いま、一、二例をおあげになられましたような点につきましては、なるべく資料を中心にした指導資料をできる限り早くつくりたいと思って、いま作業を進めております。
 なお、石原産業の問題をどう教えるかというようなことでございますが、これはやはりこういう公害の問題に限らず、いろいろ政治的な問題、具体的になまな問題につきましては、これは小学校、中学校それぞれ子供の心身の発育状況にもよろうかと思いますが、そういう配慮と同時に、AかBかはっきりしない場合には、自分だけの推定でAであると言うよりも、Aということに対してBという意見もあるといったようなことを教えるとか、したがって、石原産業につきましても、国会等で論議され明らかになるまでは、一般にはまだ真相がわからなかったときもあろうと思います。したがいまして、真相が明らかになったときは、こういうことであろう、あるということを教えられてけっこうでしょうが、そうでない前には、それはいろいろうわさはありましょうけれども、はっきりしない。そういったようなことで、私ども公害に限らず、政治問題、時事問題、こういうものの教育のしかたはまことにむずかしいことでございますし、先生方もまことに御苦労なことと思いますが、そういった意味で、お答えにならないかもしれませんが、基本的な考え方は指導要領、指導書に書いたつもりでございます。したがいまして先生方がそれこそ先生の良識に従われまして、先生として創意くふうをこらされ、子供たちに一番いいと思う教育のしかたをしてくださるということがよいのではないか。ですから、先ほど政治を悪者――あれでございましたが、結論を政治の貧困に持っていこうとする教師がいるとすれば云々というのを削りましたのは、実はこれは言わずもがなの問題ではないか。さらに、公害だけでございませんで、これが書かれましたのは、高度に発達した産業と社会生活というところで、消費生活その他いろいろなことがありまして、その結論として、非常に政治の問題が関係する問題ですが、ただ、政治だけが悪いんだということで、意図的にそういう教え方をするということは、これは小学校、中学校の心身の発達状況を考えてどうかということで、念のために書いておったと思いますが、まあ言わずもがなというふうにも受け取られますし、また、かりに、これをそのまま書いておくと、政治が貧困だから、それを隠すために、政治が貧困だというふうに持っていくな、といったようにとられても、これは真意でなかろうといったようなことで削除いたしました。
#71
○安永英雄君 時間ありませんから、指導要領の問題については以上で終わりたいと思いますが、しかし、一番最後に局長が言われたように、書いておったものを削除した、言わずもがな、いつでもあなた方の削除をするときには、そういう立場で削除されるが、載せるときには周到な計画で載せられるのですよ。だから先ほども大臣がおっししゃったから、あなたも言ったのだけれども、これは先生の良識によって個々の問題についてはやる以外にはないので、あなた方のほうからリモコンをやって指導要領に従わなかったからこれは拘束力があるのだ、こういったことじゃなくていかなければ、とうていあの公害国会の意思というものは現場の教育にこれは反映しませんよ。そういいった意味で私は多少内容的に突き詰めたわけです。
 そこで具体的にいろいろ文部省の予算の中にも公害対策についての予算が載っておりますけれども、一つは公害認定児童、これの医療費というものを地方団体か国かが全額見てやるというふうなことは、もちろんこれは厚生省あたりの関係になりましょうが、文部省としてもこの点考えていいというふうに私は考えます。特に非常に医療費が少ないものですから、それで裁判は長くなるわ、いろいろな点で、とにかくせめて文部省が音頭をとって、そして医療費というものは全部国または地方自治団体でこれを見てやる。あるいはまた一番困難なのは特定企業の責任が明らかでないもの、いわゆる光化学スモッグ、こういったものはどこの企業の煙突から出たのかなかなかこれがつかみにくい。したがって、加害者の正体が明らかでない、こういったものについては、いまの状態ではどこがこれを救済していくのかというのはなかなかむずかしいわけでありますが、特にこういった問題については自治体とかこれが見てやって、それについて国が補助をしてやると、こういうふうな考え方にまず文部省は立てないものかどうか。そのためには文部省でやらなきゃならぬ問題として、学校保健法施行令の第七条、ここにいろいろな病名が六つぐらい書いてありますが、トラホームから始まりまして寄生虫までありますけれども、この中に公害病というものを七番目に入れて、そして学校保健法の第十七条できめてあります生活困窮家庭への地方自治体の援助、その裏づけになります国庫補助、これは十八条に書いてありますがこういうふうな形でこれは救済できないかということなんですが、この点についてこれは厚生省の関係だと、こうすぐ言われるけれども、私はこの問題については文部省がこれは起案をし、持ち込まなければ、なかなか出てこない問題でありますが、これについてのお考えをお聞きしたい。
#72
○政府委員(木田宏君) 大気汚染とか水質汚濁に起因いたしますいわゆる公害認定病の救済につきましては、公害に係る健康被害の救済に関する特別措置法という法律ができておりまして、同法の適用を受けます地域における児童生徒につきましても、一般の市民と同様に医療費、医療手当、介護手当の支給がそれぞれその支給条件によって行なわれておるところでございます。学校の管理下あるいは学校教育内におきます公害というものが考えられます場合につきましては、学校教育の観点からの措置もとるべき点があろうかと思いますけれども、公害がいま御指摘のように大気汚染あるいは水質汚濁等、地域を一つの前提にいたしました特殊な疾病でございますから、その地域内の住民の一人としてこの法律で現に救済を受けておる子供たちもおりますし、いまのところ学校の児童生徒だけを別の観点から取り扱う必要はないのではないかというふうに考えております。
 なお、この医療費につきましては都道府県から知事の裁定によって支給されておるわけでございます。準要保護の家庭等はこの支給基準を見てまいりますと、十二分にカバーされておるように判断をされますものでございますから、いま御指摘のありました学校保健法の準要保護の救済規定を適用するまでもなく、公害病と認定されました疾病につきましての措置はできておるものというふうに判断をしております。
#73
○安永英雄君 私は実際調べてみて、いまの救済法では非常に不十分だから、私はこれにつけ加えたらという考え方があったわけです。そういう意味でもっとやれないものかという問題と、これは法律上の問題だから研究してほしいんですけれども、認定、認定とこう言いますけれども、その認定が非常に問題なんです。だから認定されるまでの間に死んだ人もいるんですよ。そういった形でこの学校保健法あたりの範囲で、認定されないでもそこのところにやはり公害病というものの認定の基準等をやはり独自に考えて 子供だけはやれないものかというこの研究をひとつやっていただきたいと思う。私はいまおっしゃったことは十分わかる。わかるけれども、それ以上に少なくとも文部省としてはそこまでもう一歩踏み込んでもらいたい。こういうことですから、ぜひひとつだめだと言わずに、研究のほうは進めていただきたいと思います。
 それから公害地域における子供の健康診断の問題ですが、今度予算の中に多少入っておるようでありますけれども、実際にこの地域に行ってみますというと、たとえば、水俣病あたりでもわかりますように、子供の被害が非常に多い。こういう観点から特別な健康診断補助というのをされておりますけれども、実際のその費用の運用にあたっては相当専門的なお医者さん、こういったものがフルに回らないと、ただ校医さんが月に一回か三回かきてもらえばいいということでは、なかなかこの原因がわからないし、治療もできない、こういった関係も出てまいりますが、今度の予算の中でそういった配慮はされるかどうかお聞きしたい。
#74
○政府委員(木田宏君) 最初に御意見のございました学校教育の範囲であるいは子供の立場から公害病としての認定の範囲を拡げるかどうかという点につきましては、たとえば、昨年問題が起こりましたオキシダントのような学校の体育活動の際に、ああいう特殊な気象条件によって子供たちがけがをする、一種の障害を受けるというようなものにつきましては、学校安全会の救済措置というものを考えていってしかるべきだというふうに私どもも考えておるところでございまして、地域の特殊的な公害につきましての点は、御意見につきまして十分検討もいたしますが、やはり私どもの立場からいたしますと、学校教育あるいはそれに非常に密接した子供の疾病という点での取り扱いを中心にいたしまして、学校保健法の運用その他を考えてまりたいと思っております。それは先生の御指摘の点をお断わりするという意味じゃございませんで、そういう私どもの立場から検討を進めさせていただくということを、まずお断わりを申し上げておきます。
 それから特別健康診断でございますが、これは大気汚染あるいは騒音等、特に問題のあります地域におきまして、普通の健康診断のほかに特にいまのような観点に主眼を置いた健康診断を実施してもらおうという趣意でございまして、第一段階といたしましては、自覚症状等のアンケートによりまして調査をいたしまして、その中からその自覚症状等訴えてまいりました子供につきましては内科、眼科、耳鼻咽喉科の三つの診療科を中心といたしまして第二次検診を学校医を中心にまずいたします。その上で特に措置を要するもの、あるいはもっと専門的な検討をすべきものにつきましては、専門の医療機関におきます精密検診を第三次検診としてしてもらう、こういう手順を考えておるのでありまして、検査項目につきましてもできるだけ早く関係者の間で検討を進めて指導できるようにしたいと思っております。経費はこの第三次診断のところまで含めまして、専門機関への委託検診をしてもらうことまで含めて措置をしておるようなことになっております。
#75
○安永英雄君 それから予算の中で公害防止工事費というのがありますし、また調査費がありますが、これは私実際に現地に行ってその工事あたりを見てみますと、基準がないのですね。あるいは騒音については、飛行場の近くあたりに行きますと、防衛庁が設計までやっておる、あそこに行けば通産省、とにかくばらばらになりまして、そうして教育的な配慮も、どこにどれくらいの窓をあけたり、どのくらいの換気装置をしたり、そういった温度はどうやるべきだと、こういった教育的な設計というものを学校側から言えば、とにかくはねるんですね。そうして防衛庁のほうからもらっている金で設計もできておるから、このとおり私どもはつくればいいんだという、非常に学校側から言えば、同じ予算だったらここのところをこうしてもらえばと、校長さんあたりが言っても、全く聞かない、系統が違う。これは私は早く文部省のほうが教育的な観点からそういった工事費その他を一度文部省に入れて、そうして設計もきちんとした基準をつくってやっていかなければならぬというふうに毎度感じるわけですけれども、今後どういうふうにされますか、その点。
#76
○政府委員(岩間英太郎君) この問題につきましては、先般当委員会におきまして鈴木委員からも御指摘がございました。私どもも十分連絡しておるつもりでございましたけれども、過去の例を見ますと、そういう事例があったわけでございます御注意がございましたので、私どものほうも防衛庁と十分打ち合わせいたしまして、教育的配慮に欠けるところのないようにしてまいりたいというふうに考えます。
#77
○安永英雄君 時間がありませんから、以上で公害の問題につきましては終わりたいと思います。
 次に、沖繩の問題について、これはこの前の委員会で教育委員会法をめぐって質問をいたしたわけでありますが、本日はもう少し具体的に質問をしてまいります。時間の関係上、一応沖繩の復帰に関する教育的な予算について説明を受けて、それからお聞きしようと思いましたけれども、時間もありませんから、一応私は項目ごとに聞いてまいりますので、それでお答えを願いたいと思います。
 基本的には、大臣もこの前そうだとおっしゃったんですけれども、今日までの二十五年間の沖繩教育関係者の苦労というものは、われわれがやはり想像以上の苦しさの中から日本の教育というものを守ってきたという、そういった評価のもとにやはりあたたかい気持ちで復帰を迎える。そのためにはあらゆる私どものできる限りの格差、こういったものを是正をしなければならぬと私は思います。そういう意味でまず教育施設設備の充実という問題ですが、校舎は私も現地に参りましたけれども、鉄筋のブロック製の恒久校舎が比較的に多いのです。しかし、特別教室が非常に不足をしておる、あるいは管理室、これは職員室でありますが、職員室が全くないのです。これはアメリカの指導だと、こういうふうに言っておりますが、アメリカは職員室あたりに集まらずに先生はさっさと教室に行って、終われば教室から帰ってくるということで、これは超勤問題とも関係しますけれども、そういうふうになっているというので、職員室をつくらせない、設備もさせないというので、一般教室をどんどん職員室に使いますから、一般の教室は非常に圧迫される、こういうことで、非常に教室数も足らない。特に特別教室、教材教具の置き場所、こういったものがほとんどありません。それから体育館、プール、これが非常におくれております。雨が多くてそれから日照りが長い沖繩では、とにかく体育館とプールというのが非常に緊急を要する設備でありますが、これを早急にやらなければならぬと思います。それから沖繩でも、行けばすぐにわかりますが、過密過疎という問題があの狭い島の中ですでに起こっておる。そこで学校の分離、新設、統合、こういったものがあの狭い中でそれなりに起こっておる。これが対策もしなければならない。それから教材あるいは理科設備、図書、こういった設備の状況というのも、まあここのところでは本土のものの半分ぐらいの程度であります。そういったことで、設備費の援助がいままでも行なわれましたけれども、これはもうこの前も質問しましたが、復帰前とそれから復帰後というのに、どれとどれをやって、復帰したらこれとこれを、こういった設備は充実するのだという計画を次には出すという話でありましたが、この補助単価、これを上げてやらなければ、現在の沖繩の財政事情の逼迫それから建築資材の割り高、これは全部本土のほうから材料は行くわけですから、非常に高くついております。そういう特殊な現状もありますから、この補助単価、補助率、こういったものを早急に引き上げなければならぬと思う。こういった点で、まず第一番にそこまで区切って、どういう対策をなさるつもりかお聞きしたいと思う。
#78
○政府委員(岩間英太郎君) 沖繩の学校施設が非常に本土に比べて劣っているという御指摘でございまして、実際に私ども調べましたところでは、大体本土の七割というのが現在の充足の状況だと思います。特に先生が御指摘いただきましたように、特別教室それから屋内運動場、そういうものが非常におくれておるようでございます。そういう前提を前にいたしまして、私どものほうでは五ヵ年の一応計画を立てまして、来年度予算におきましても、その計画の初年度と申しますか、そういう考えで大幅な充足をはかったわけであります。
 ところでもただいま先生御指摘いただきましたように、単価の問題がございますが、これはいままで相当低かったものでございますから、本土では九・七%の引き上げを今度いたしましたけれども、沖繩の関係につきましては一九%の引き上げを行なっております。まあ本土に近づけたということでございます。それから援助率につきましても、小学校の校舎を建てたり中学校の校舎を建てたり、小・中学校の建物の改築につきましては四分の三、それから高等学校、幼稚園等につきましては十分の六あるいは三分の二というふうな高率の援助を行なっております。
#79
○安永英雄君 次に、この沖繩の特別な事情で、これだけはひとつ項目をつくって早急にやらなければならぬという点が二点あります。それは、本土ではおよそ考えられないことですけれども、学校用地がほとんど借地になっているんです。これはもう戦災を受けて、学校は非常に目標になりましてね それでほとんど学校はつぶされてしまう、残ったのは全部アメリカ軍が接収をするということで、やむなく別のところに細々学校をつくった。ところが金がないものですから全部借地なんです。その金額は非常に大きいのですけれども、借地代が、たとえばコザ市におきましては六万三千八百ドル、宜野湾市においては三万二百五十一ドル。一つの調査の結果ではここしかつかんでいないのですけれども、とにかく全島にわたってほとんどの校舎が借地になってて借地代を払ってるわけです。これについては、相当に他のほうの予算に食われまして圧迫をされておる。それで学校用地の買収、これは早くしなければならぬわけでありますけれども、新たにこの種の問題についての補助制度というものは、これは本土にはないわけですから、これは早急にやっぱり制度的にこれをしてやらないと援助はできないわけでありますか、この点をひとつぜひ制度として設けるというふうにして直ちに援助を行なうというのが一つであります。
 それからもう一つは、これは高等学校あるいは大学の私学の問題でありますが、これについては、さっきもちょっと論議がありましたけれども、日本ではほとんどこれについては援助というふうな制度は――多少今度の私学財団の問題などでありますけれども、それ以外はほとんどないわけでありますから、この点についても――やはりごく最近の高等学校の進学率が非常に高まってきておる。ところがあそこにいきますというと、政府立の高等学校は三十四校で、私立学校は四校しかないわけであります。したがって、これは大学のほうもそれとの関係で拡大が期待できません。こういう関係でぜひひとつ高校の設備費、これに対する国庫補助、いまのところは危険校舎とかあるいは産業教育施設というふうな制度でこれをやっておりますけれども、もうこの高校の設備費、施設費、これについてはこれを出せるように、ひとつ何とか制度的に考えてやってほしい。そして国庫補助の道をここに開かなければ、とても本土並みの高等学校あるいは私学、これの振興ということは、およそいまの状態ではできないということでありますが、まあこの二点について、特別こちらのほうの制度がほかにないものですからなかなか援助もできないということですが、これについての考え方をお聞きしたい。
#80
○政府委員(岩間英太郎君) まず最初の土地の借料の問題でございますが、これは実は私どもごく最近、先生がおっしゃいましたようなことを耳にしたわけでございまして、私どものほうでもいままでそういう実態を知りませんでした。ですから、どの市町村でどのくらいの負担があるのか、そういう点もまだ正確に把握してないような状況でございます。この問題を、先生御指摘のような補助制度でガバーするのか、あるいは地方財政一般の問題として対処するのか、今後検討してみたいと思いますけれども、しかし、まだその実態がわからないものでございますから、あるところでは、二千万程度の金が必要であるというお話もいま承承ったような状態でございますので、この問題も私どもも問題として認識をいたしておりますので、これに対する対策も検討をいたしてみたいと考えております。
 それから二番目の私学に対する援助でございますけれども、来年度の四十六年度分といたしまして、私学の経常費の補助千四百三十七万ばかり新しく設けました。これは従来からの振興会貸し付け金あるいは高校の理科の設備の補助金、まあそういうふうなものは行なってるわけでございまして、本土に復帰いたしました場合には、当然産業教育振興法あるいは、私学振興会法、そういうものの適用があることはこれは申すまでもないと思います。本土におきましてもやはり私学につきましては、大臣先ほど御説明いたしましたように、かなり手厚い援助を始めたところでございます。それに準じまして私学につきましては援助してまいりたいというふうに考えております。
#81
○安永英雄君 いまの点はひとつ、相当の金額でこれはもてあましている金額です。これはぜひひとつ調査されて援助の道を早急にやっていただきたいと思います。私学の問題はこちら並みということではなくて、私の言っていることは早急にやっぱりしないと、復帰したあとのいろんな学力の差とか何とかという問題は早急に出てくる問題ですから、これは復帰前から力を入れていただきたい。
 それからまた、予算等で今度出ていない、これは不十分でありますから、それはやっぱりその見通し、計画等は向こうに知らせてやるべきだと思います。力づけてやらなければならないと思うのです。
 それから続けて、公選制の問題はあえてきょうは申しませんけれども、教育二法の問題ですね。この教育二法の問題で、これは御存じのように、この二法を提案をしてだれか刺されて先生が死んだと、こういったような事件もあった、非常にいわく因縁の中で、これが廃案になって、そのまま教育二法は成立しないままに今日にきている。これが本土復帰という形になってくると、こちらのほうの教育二法の問題との関係が出てくるわけです。やはりあれだけの騒ぎをやり、そしてお互いに熱心にとにかく交渉し、政府も熱心にこの問題についてやるし、議会も大騒動をやったと、こういう経過のある教育二法でありますが、まあ一方、本土のほうの教育二法かできてからのその後のこの二法についての適用者というのはほとんどない、皆無と言っていい、この教育二法で云々ということは。そういった関係でこの教育二法の問題についてこれがどうされるのか。やはり依然として教育委員会法の関係で、本土復帰をすれば直ちにこちらの法律に切りかえていくというふうな立場にこの教育二法の問題も持っていかれるのかどうかお考えをひとつお聞きしたい。
#82
○政府委君(宮地茂君) ちょっと先生がいまおっしゃいます教育二法というものは、いわゆる内地で言われました政治的中立に関するあの二法でございましょうか、それとも私どもが聞いておりますいわゆる教育二法と申しておりましたのは、地方公務員法と教育公務員特例法、これを沖繩でつくるときに騒いだというふうに聞いておるのですけれども、先生のお尋ねはどちらでございましょうか。
#83
○安永英雄君 後者のほうです。
#84
○政府委員(宮地茂君) 政治的中立ではなくて、まあ内地でいいますれば、地方公務員法それに国家公務員法、地方公務員の関係についての教育公務員特例法、その関係が沖繩にはございません。ただ非常に騒ぎがあったといったような経緯につきましては私ども承知しておりますが、ただ現在沖繩では、いわゆる高等学校の先生、琉球政府立の学校の先生には公務員法があり、市町村立の小・中の先生には公務員法がないという形でございます。しかしながら、やはり公務員でございますので、沖繩が本土に復帰しました後は公務員の身分保障ということをして差しあげるほうが私どもはいいんじゃないかというふうに考えます。したがいまして、国家公務員、あるいは地方公務員それぞれの身分に応じまして向こうの公務員の方々は内地の公務員法の適用があると思いますし、同時に学校の先生方につきましては、国家公務員法、地方公務員法だけでは不十分な点につきまして、教員の職務の専門性なり勤務態様の特殊性に基づいての特例法は適用したほうが先生方にもベターであろう、こういう考えのもとに内地と同じように扱いたい、こういう考えでございます。ただ、切りかえが円滑に行なわれるということが必要でございましょうから、復帰したその日からとたんにということになりますかどうか、そういう点は他の公務員の切りかえ等とも関連がございますから、それらとの関連も十分勘案しつつ円滑に移行ができるように措置したい、こういうふうに考えます。
#85
○安永英雄君 この二法の問題については時間がありませんから、また教育委員会法等と一緒にもう少し深めていきたいと思います。きょうはこれでとめておきます。
 それから現地で、現在の給与表がありますが、これは種々、いま私がどの個所この個所というのは具体的に申し上げても、たくさんありますからあれですが、非常に給与上不合理な点があるし、琉球政府もそれを認めているところがあるのです。それを琉球政府で切りかえたときのあれで、一つの線を引くものですから、どうしても切れ目のところでは不合理が出てくる。こういうことでありますが、これは復帰をした場合にはこの同一学歴、同一経験年数、こちらの本土の先生と、こういった場合に、給与法の切りかえは、そういった不合理是正も含めて、その際にできますか、やりますか。
#86
○政府委員(宮地茂君) この沖繩の先生方の給与でございますが、実は私どもの調査したところを申し上げますと、一九五四年、昭和二十九年に当たりますが、そのときに現在の給与法ができたので、その前に別の給与基準に基づいて支給されておった。それが昭和二十九年の沖繩の新しい給与法ができましたときに切りかえが行なわれているようです。そのときに、二十九年以前の関係では、学校の先生方の給与というのが非常に大きざみな五、六段階であった。それが給与法ができますと、四十ぐらいな号俸になったということのようです。したがいまして、五つか六つの段階であったために、沖繩の先生は昭和二十九年までは、長い先生は五年くらいも昇給をしてない先生もあったそうです。そういうことで、戦後のいろいろないきさつがあったと思うのですが、日本でもいろいろ戦後給与法か次々に新たになって切りかえ、切りかえと行っているのですが、沖繩では二十九年のときに切りかえた。そういうことで根本的に違った制度になったために無理があった。そこで、その後昇給を五年もしてない人もそれから去年昇給した人も同じような号俸に切りかえられたといったようなことから、一律にその後二号上げた。しかし、それにしてもまあ日本の国内でこういう給与法の切りかえのときにやるときほどきめこまかい措置が講じられてないということで、その後琉球政府といたしましては昇給期間のそういうアンバランスを是正する措置を講じておるようでございますが、なお残っておるので、来年の一月から復帰までの間にすっかりその点を整理して完全に適正に切りかえられるような措置を講じたい。そのために来年一月からそういう措置ができるように予算措置もいま検討しておるということで、私どもが沖繩のほうからの情報等によりますと、一応この昭和二十九年切りかえからもう十五、六年もたっておるのですが、大体そのあと始末は復帰前にやりますということのようでございます。したがいまして、その後は実は非常に新しい給与法も内地と全く同じになっておりませんで、初任給は内地より若干高いわけです。そういうようないろいろな点がございますので、先ほど先生がおっしゃいました同一学歴同一賃金といったようなこともございますが、そういう点はこの復帰前に大体是正をするということのようですが、何にしましても復帰後これらの人々が現在受けている号俸からなお不利益になるといったようなことはこれは当然防がなければいけませんが、少なくとも先生方に不利になるようなことはなく、また積極的にアンバランスでないような措置はできる限り検討していきたいと思っております。ただ、一人一人に同一学歴同一賃金で一人一人の先生を採用のときから洗い直してというところまでの作業ができますかどうか、この辺はもっと検討したいと思いますが、ともかく不利益になるようなことはしないという方針で進んでおります。
#87
○安永英雄君 私あえて言ったのは、現在琉球政府と、いまおっしゃったような期限で来年まで、とにかく復帰前にそういった不合理を是正をすると、こう言っておりますけれども、なかなか進まないのですよ、やはり金の問題がつくものですから。だから、そういった問題が解決しないままにもしもこちらに来たと、こういったときには、いまおっしゃったように、不合理にならないような点で、特にこちらのほうとの関係、本土との関係がありますから、少なくともやはり同一学歴、同一経験年数、これが大体の基準ですから、こっちとのあれが非常に不利にならぬように、そこらあたりを十分考えてやっていただきたいということで、多少先走った質問なりお願いですけれども、その点だけは、非常に向こうでいまそういったことで忙しくて、問題を起こす必要はないわけですから、こちらに返ってきましたら、そこのところをひとつ、いまの問題、責任を持ってやってもらいたいと思います。
 次にもう一点、定数でありますが、この教職員の定数については標準法が適用されているわけであります。ところが、この算定のしかたが違うわけです。本土のほうは定数法にのっとって、切り上げの分ですね、学級数に関係しての切り上げの分ですが、これが各県一緒になって、各県の教員が何ぼで端数が出たときに切り上げるとか切り上げないとか言いますけれども、沖繩の場合はそれが市町村になっているわけです。市町村になっていますから、その端数の切り上げの問題について実際二百名ぐらい、何と言いますか、別に本土の場合よりも有利になるといいますか、きざみが小さいですから、各市町村ごとと、こっちの場合は文部省から定数が来ると、それは県で分けて、その県のときの端数で計算していきますから、その差が約二百ぐらい出ている。そのほかに、これはまあこちらのほうが学ばなければならぬ点でありますけれども、司書教員、訪問教師、家庭派遣教師、中学校の技術教員、こういった本土のほうに一部ありますけれども――ないような、これが定数化を現在されている。そういったもので約百六十八名、だから前の端数切り上げの問題で出てきた二百名と、それからそういった担当教師がきめのこまかい教育をやっておりますから、訪問教師、家庭派遣教師あるいは中学校の技術教員、こういう数を合わせますと、これが三百六十八になる。現在児童数が減っておりますからこのままには行きませんけれども、しかし、少なくとも二百十八名ぐらいの定数が予測されるわけです。これが復帰をしたからといって、いままでのそういったあれを直ちに本土の定数法になりますというとこれだけのものがはみ出てくるという、こういった状態がきますけれども、これは長い間の実績だし、それからまた、いいことなんで、こういう方法でこちらもやらなければならぬことだったわけですが、これについてもう復帰してきた。定数の問題は本土と同じだ。残酷無残にこれを取り上げていくといったような、そういった形になりますか、あるいはこの実績残しますか。この点お答え願いたいと思います。
#88
○政府委員(宮地茂君) いまの先生がおあげになりました訪問教師とか、こういった本土にないようなこともございますし、いまおっしゃいました定数法自身も本土とほぼ同じでございますが、端数の切り上げ切り捨て、まあこういったところで若干人数がふえたりして、いまおっしゃいます程度の先生が、本土流にいけば多いということになりますが、本土復帰の際にそれをすぐ切って落とすというようなことは絶対にいたしません。ただ、そのためには、風疹児の担当とか訪問教師、こういったようなものは、たとえば特殊学級をつくって、これは難聴児ですから特殊学級等をつくっていくとか、いろいろくふうをする必要もございますが、ともかくそういうことで、多少減るとしましても、経過措置を講じますから、復帰と同時にその定数を落とすということはいたさないつもりでございます。
#89
○安永英雄君 私も現地へ行ったんですが、この風疹による難聴児というのが急に出てきておるわけですね。これ四百名くらい現在一緒に発生しているというふうな状態が生まれてきておるわけですが、聞くところによりますというと、妊娠中に風疹にかかっておると、産まれた子供もほとんど難聴という状態が出てくるというデータも出ておるようですが、沖繩については、特別教育でこの問題を早急に解決しなければならぬということで力を入れておりますけれども、やはり施設、設備、教員の不足、そういったことで役場の片すみに特別教室みたいなものをちょっとつくってやってみたり、教員はおらないで、何とかとにかく集めておく。こういったお粗末な状態で、なかなか苦しんでおるようでありますが、この特殊教育に対する特別の援助措置を、これは険しいわけでありますが、この点何とか早急に対策を打つ必要があるというふうに考えましたが、この点についての対策はないものかどうかお答え願いたいと思います。
#90
○政府委員(宮地茂君) 風疹によります聴覚障害を持っております子供、いま先生が御指摘のように約四百人程度の子供がおります。それが現在五歳ないし六歳の子供になっております。そういうことでこれは一昨年あたりから非常に大きな問題ともなりまして、こういう子供のために早期訓練をしたいといったようなことで、琉球政府の要請に基づきまして、日本政府としましては、総理府と文部省が連携しまして種々この子供たちのための教育対策を講じました。
 その一つは、これらの子供の指導教員の要請に関する問題でございますが、現在までやりましたものは、沖繩現地におきまして指導者講習会を開きました。それからさらに、内地から教育指導員を四回ほど派遣いたしまして、さらに沖繩の先生を内地に、いわゆる内地留学として受け入れたりいたしました。まあこういう先生方がいま巡回教師といったような形で、風疹によります難聴児の教育の指導に当たり、さらに保護者に対する指導を行なっております。
 それから設備関係につきましては、四十五年度に集団補聴器、卓上補聴訓練器、これを四十八学級分、九百万――千万近くを援助いたしました。なお四十六年度におきましても琉球政府の計画に基づきまして、以上のような措置援助なり指導を引き続いてやる予定になっております。したがいまして本上復帰後もこういう子供につきましては、たとえば特殊学級をつくるとか、いろいろ内地では相当特殊教育につきましてはおくればせでございましたが、相当特殊教育の振興のために設備費等も計上いたしておりますので、御趣旨のような線でこれらの子供の教育の遺憾のないようにつとめたいと思っております。
#91
○安永英雄君 最後に二点だけお伺いいたします。
 その一つは幼稚園の問題でありますが、これはもう幼稚園の拡充強化ということも必要でありますが、特に現在公立の幼稚園の教員給与が琉球政府から二分の一出ているわけです。これは復帰しますとこちらのほうの制度としては市町村の負担になるわけでありますが、琉球政府はこれをもらわないと各市町村でこの経営はうまくいかなくなるのです。二分の一もらっているのですから。この点は当分の間これは存置してやらなければならぬのじゃないかというふうに思う点が一点。
 それともう一つ、いままで国費の留学生制度をとっておって、こちらに来ておったわけですが、これがやはり復帰という形でこの制度がなくなりますと やはり学力差その他が出てきて、やはり留学生という形で向こうで責任持って選別した人をこっちの国立でも入れるという形でないと、その点が、大学との関係が生まれてくるし、琉球大学の拡充強化も必要だし、沖繩自身の私大の拡充も必要になってきます。それでもやはりこちらのほうに来なければならぬということかありますが、この制度つぶされては当分いかぬと思う。当分――いつまでたってもこれはそうだというわけにはいかないと思うのですけれども、この二点。制度が、復帰したときに消えちゃうとこれは非常にたいへんになりますから、どうでしょう。
#92
○政府委員(宮地茂君) 前段の幼稚園についてお答えいたします。いま御指摘のような点でございますが、これは本土へ復帰いたしますと、いま琉球政府が出している――本土へ復帰すれば沖繩県ということになりますが、そこでいま私どもが考えておりますのは、その金額を減らすつもりはございませんが、制度的には交付税措置としてこの金額を下回らないようにやっていくのが、内地の制度としてはいいのではなかろうかということで、いま検討いたしておりますが、御趣旨の点のようなこともあわせ考えまして、ともかく現在受けているのが少なくなるということのないようにいたしたいと考えております。
#93
○政府委員(村山松雄君) 第二点の、国費沖繩学生の制度でありますが、この制度は御承知のような内容でございますので、たてまえとして存置することはきわめてむずかしい問題でありますし、また受け入れ側の大学の問題もございますが、現地から暫時その趣旨を存置してほしいという強い要望もありますので、文部省としてはその趣旨が暫時生かされるような形で存続できるように努力いたすつもりでございます。
#94
○委員長(高橋文五郎君) 他に御発言がなければ本件についての本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後四時九分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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