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1970/05/13 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第14号
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1970/05/13 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第14号

#1
第065回国会 文教委員会 第14号
昭和四十六年五月十三日(木曜日)
   午前十一時十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十二日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     村上 春藏君
     内藤誉三郎君     三木與吉郎君
     田村 賢作君     藤田 正明君
 五月十三日
    辞任         補欠選任
     藤田 正明君     中山 太郎君
     楠  正俊君     山崎 竜男君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                大松 博文君
                二木 謙吾君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                永野 鎮雄君
                星野 重次君
                三木與吉郎君
                山崎 竜男君
                鈴木  力君
                千葉千代世君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文部大臣臨時代
       理        秋田 大助君
   政府委員
       文部政務次官   西岡 武夫君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       郵政省郵務局長  竹下 一記君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       大蔵省主計局主
       計官       原   徹君
       文部省初等中等
       教育局高等学校  西崎 清久君
       教育課長
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の
 給与等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
○高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一
 部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨十二日、矢野登君、内藤誉三郎君、田村賢作君が委員を辞任され、その補欠として村上春藏君、三木與吉郎君、藤田正明君が選任されました。
 また、本日、藤田正明君が委員を辞任され、その補欠として中山太郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋文五郎君) 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。
 政府から本法案の趣旨説明を聴取いたします。秋田国務大臣。
#4
○国務大臣(秋田大助君) ただいまの特別措置法の提案理由を御説明申し上げるに先立ちまして、一言ごあいさつを申し上げることをお許し願いたいと存じます。
 御承知のとおり、このたび坂田文部大臣が突然の御不快のためにしばらくの間臨時にその職責を私に代行しろということになりましてお引き受けをいたしたわけであります。もとより浅学非才の身でございます上に、非常にむずかしい文部行政の職責を直ちに果たし得るかどうかにつきまして内心まことにじくじたるものがございますが、せっかく勉強努力をいたしてまいりたいと存じております。何とぞ委員各位の格別の御支援、御指導、御鞭撻のほどをまずもってお願いを申し上げる次第でございます。どうぞよろしくお願いを申し上げます。
 それでは、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案につきましてその提案理由を御説明申し上げます。
 このたび、政府から提出いたしました国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案につきまして、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。
 政府におきましては、教育の重要性にかんがみ、これに携わる教育職員の給与につきましてかねてから特に留意してきたところでありますが、本年二月八日、人事院から小学校、中学校、高等学校等の教育職員について、その職務と勤務態様の特殊性に基づき、新たに教職調整額を支給することを中心とする内容の意見の申し出がありました。政府といたしましては、その内容を慎重に検討いたしました結果、この意見に沿って必要な措置を講ずることが適当であると認め、この法律案を提出したものであります。
 次に法律案の概要について申し上げます。
 第一は、国立の小学校、中学校、高等学校並びに盲学校、聾学校及び養護学校の小学部、中学部及び高等部の教諭等二等級または三等級の者には、その職務と勤務態様の特殊性に基づき、教職調整額を支給することとし、超過勤務手当及び休日給は教育職員にはなじまないものとしてこれを支給しないことといたしました。教職調整額の支給額は、俸給月額の百分の四に相当する額とし、また、教職調整額は、一般職の職員の給与に関する法律その他の法令の規定の適用については、俸給と見なすことといたしました。
 第二は、国立の小学校、中学校、高等学校等の校長等一等級の者については、教職調整額を支給しないので、教職調整額を支給される他の教育職員の給与と逆転することとならないよう、俸給月額に人事院規則で定める額を加えた額をもって俸給月額とすることといたしました。
 第三は、国立の小学校、中学校、高等学校等の教育職員に対し正規の勤務時間をこえて勤務を命ずる場合または休日等において勤務を命ずる場合の規制については、文部大臣が人事院と協議して定めることといたしました。なお、この場合においては、教育職員の健康と福祉を害することとならないよう勤務の実情について十分な配慮がされなければならないことといたしております。
 第四は、公立の小学校、中学校、高等学校等の教育職員については、国立のこれらの学校の教育職員の給与に関する事項を基準として教職調整額の支給その他の措置を講じなければならないこととするとともに、この教職調整額は市町村立学校職員給与負担法その他の法令の規定の適用については、給料と見なすことといたしました。なお、この措置と関連して、これらの教育職員については、時間外の勤務等に対する割り増し賃金の支払いはしないことといたしました。
 第五は、公立の小学校、中学校、高等学校等の教育職員については、公務のために臨時の必要がある場合においては、健康及び福祉を害しないように考慮しつつ時間外の勤務を命ずることができるようにいたしましたが、この場合においても、正規の勤務時間をこえて勤務を命ずる場合または休日等において勤務を命ずる場合の規制については、国立のこれらの学校の教育職員について定められた例を基準として条例で定めることといたしております。
 第六は、この法律は、昭和四十七年一月一日から施行することといたしました。
 以上が、この法律案の提案の理由及び内容の概要であります。何とぞ十分御審議の上、すみやかに御賛成くださるようお願い申し上げます。
#5
○委員長(高橋文五郎君) 本法律案に対する質疑は、後日に行ないたいと存じます。
    ―――――――――――――
#6
○委員長(高橋文五郎君) 高等学校の定時制教育及び通信教育振興法の一部を改正する法律案(閣法第二七号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#7
○小林武君 この法律案のねらいとするところは、定通の振興ということが一つの目標になっているわけでございます。そういう立場から考えまして、私はこれは単に手当をどうするとかという、そういう問題だけを議論すべきものではないと思っているわけです。私の考えでは、ほんとうに定時制に関係している教職員の方々、その他の学校の中で働いている方々が、一つの生きがいと申しますか、励みになるような、定時制あるいは通信制というものの教育がこれに伴わないというとならないと思うわけでありますが、そこで、きょう私はおもに、この通信制の問題については、前に質問をなさった方もございますから、定時制の問題を大体重点にしてお尋ねをしたいと思います。
 私はこんなことを考えているわけです。これからの定時制の問題については、だれもが指摘するように、かなりたくさんの問題点を抱えている。そこで一番大事な問題と考えられるのは、定時制の後期中等教育における位置というもの、その果たすべき役割りというものを明確にすることなしに、ただときの流れるまま、ときの移るままに成り行きにまかせるというようなことでは、これはほんとうの定時制の振興というものはあり得ないという考え方に立っているわけです。そういうことで、一つお尋ねしたいんでありますが、これは衆議院における質疑の中に、初中局長の答弁の中にあげられた数字でございますが、定時制の生徒、それから通信制の生徒を昭和二十八年、三十五年、四十五年、定時制のほうは非常に減っていった、こういうあれがあるわけでありますが、私はこの点について、かなり大きくこのことを新聞等で取り上げているわけです。この数字の大体伸びの変化というものを取り上げて、定時制が転換期にきた、十年間のうちに役割りは半減した、これは新聞の一つの表現ですね。それから、わりあいに定時制が減っているのに、通信制のほうはだんだん増加の傾向をたどっているということで、勤労青少年教育の主役というものが後退したという、こういう見方をしている。通信制が年々盛況を来たしているのに、定時制はだんだん減っていって半減してしまった。これは主役の後退である。ことばをかえれば、例をかえて言えば、定時制というのは全く不信の状態におちいったと、こう見ているわけでございますけれども、これについて数字をあげられて説明された。文部省側の見解というのは一体どうなのか。いわゆる新聞等で論評されたような見方にとどまっているのか、あるいはそれについてまた別な考え方があるのか、それをお尋ねしたい。
#8
○政府委員(宮地茂君) お尋ねの件でございますが、衆議院で、定時制高等学校の生徒数が過去から現在までどのような経緯をたどっておるかということでお答えいたしました際、数字といたしましては漸次減少いたしておりますということを申し上げましたが、しかしそれに対しまして、ただいま小林先生が、そういう数字が減少したことに対して、たとえば、そのために定時制高等学校の役割りがそれだけ減じてきたとか、あるいは勤労青少年教育の主役としての定時制の高校の持つ位置が下がるとか、あるいは変わるとかいうようなこと、まあそれもそういう論評をする方は一つのお考えかとも思いますが、私どもはそのようには考えておりません。数字が減りましたのはいろいろ理由がございましょうが、しかし依然といたしまして後期中等教育の中で、特に勤労青少年のための後期中等教育としては、一つの大きな柱である定時制高校は、そういう意味において生徒数は減じておりますけれども、その持ちます意味なり位置なりというものが低下したというふうには考えておりません。
 減少しました理由としましては、科学的にはっきり因果関係がつかめませんが、定時制高校に行くよりも全日制高校に行けるような経済的な環境になってきたといったようなことも理由でございましょうが、さらに、私ども自身として努力が足りなかったという点も十分に反省もいたしております。したがいまして、今後後期中等教育におきまして、とりわけ勤労青少年を対象といたします定時制教育というものは、生徒数の減少に逆比例してもっともっと充実し、この意義を高めていきたい、こういうふうに考えております。
#9
○小林武君 いまの答弁は、定時制の関係者に失望を与えたり落胆させたりしてはいけないから、文部省の心意気を示すというようなことではこれは聞いてもいいんですけれども、私はわりあいにその点については現場育ちですからね、そう簡単には受け取っておらないんです。何がやはり深刻な問題だといっても、生徒数がぐんぐんぐんぐん減っていくということは、少なければ教育効果をあげられるから一対一でやったらいいじゃないかというようなことを言いますけれども、これはなかなかそういうものじゃない。そこで、その減る原因の問題なんですよ。これは努力が足りなかったというようなことで減るならば努力すればいいんですよ。しかし、この場合においてはやはり全日制の入学者いうものはどんどんふえている。そうして、ふえるようなことになったのは、一つは私どもが先頭切ってやった高校全入運動というような運動であります。文部省は当時非常に反対の御意見のようでしたな。ネコもしゃくしも高等学校に入れるなんという考え方が間違っているというような話をされておった。しかし、一つの運動といってもただ単に運動するための運動ではないわけですから、いわば世界、国際的に起こった教育に対する熱意、国の一つの、ある意味では国の間の競争というようなものさえ出てくる中で新しい時代にどう教育が対処するかということでやられたわけですから、そういう意味では一つの大きな時流に乗ったこれは運動だったと思う。そうして、その目的はだんだん達成されていったわけですけれども、これはどうですか、いま数字を発表された局長さんにお願いいたしますが、昼間の学校というようなもの、いわゆる全日制の学校というようなものは、この状況でいったら現在よりかはもっと数がふえる。その当時ちょうど該当する年齢の青少年がそれにたくさん入っていくということになりましょうね。そこで、一体定時制というものの中に入る条件、それは数的にはどういう変化を来たすのかというようなことについてもう少し、科学的ということばをおっしゃったけれども、少しやはり科学的を入れてお話しいただかないというと、ただ努力が足りないとかあるいは決してそれはなくなりませんということだけではいかぬ。それから、かりにもし数がどんどん減っていってもだいじょうぶなんですと、そういうことになると、また私は一つの方法あると思うんです。定時制というものは個々においてはっきりやるというようなやり方が編み出されるからです。だからそこらについての文部省のはっきりした見通しというものがあるのかどうか。少なくともここ数年の間でどうなっていくと、そうなった場合にどういくのかということ。もちろんそれがあるから指定校か何かつくるとかなんとかというようなお話になっていると思うんでありますが、そこらをちょっとまじえてひとつ大臣から、あるいは政務次官から、局長からございましたら話してもらいたい。
#10
○政府委員(宮地茂君) 今後の見通しでございますが、実は私どもこれはいろんな推測がございますが、今日高等学校の生徒、これは定時制も合わせまして八二%の全国平均の進学率を見ております。東京都などは九〇数%、東京、広島が九〇%越したと思いますが、そういう状況でございますが、今後どのような上昇線をたどっていくであろうか、これ実は中央教育審議会でもいまこの問題――この問題それだけでございませんが、いろいろの面を含めて御検討いただいておりますが、その一つの御参考にもと思いまして、今後後期中等教育、高等学校――全日制、定時制を含めてとういう上昇カーブをたどるであろうか。これはいろいろなはじき方がございますが、今後十年後には一つの見方として九五%くらいまでになるんではなかろうかという数字もございます。しかし、もちろんこれはこういう席でしゃべるほどのこと――ぐあいが悪い問題かもしれませんが、そういったようなことで、いろいろな傾向はいま検討いたしております。そういう過程におきまして、やはりまだしばらくは、現在定時制が四十万弱でございますが、この数字はそう多くはないと思いますが、若干絶対数は下がってくるであろう、しかし今後九〇%、九五%、それだけふえるのは全部全日だというふうには私も思っておりませんが、しかしそこへたどり着くまでに若干まだこの四十万近くの定時制の数は絶対数として下がるであろう。しかし九五%になるその数字に比例してそれだけいまの四十万人が下がってくるというふうには見ておりません。これもまあこういう席ではあれですから、急ぎ資料をそろえまして、また小林先生の御納得のいくような御説明をいたしてもよろしいですが、そういうことでございますが、要は、今日私ども後期中等教育としての中枢的なものは全日制、定時制の高等学校であろう。しかしながらそのほかに各種学校もございますし、それから労働省所管の職業訓練所もございますし、さらにその他経営伝習農場とか、あるいは運輸省所管の海員学校とか、いろいろな各種学校類似の教育機関がございます。したがいまして、そういう中におきまして後期中等教育の勤労青年のための一つの大きな柱としての定時制の地位はゆるぎませんけれども、少なくともそういった教育機関にいっていない子供が現在六十六万人おります。この六十六万人の数というものは相当減少してくるというふうに考えております。しかし六十六万人の数が相当減少しても、それが定時制にいき、あるいはその他の各種学校類似の教育機関に入るとしても全日制への就学の絶対数のほうが相当大きいであろう、大体そういったような見通しから、いろいろ今後の十年くらいの先を見越しての展望という形で種々計画をひそかに練っておる段階でございまして、ただ、まあ減少するからあれよあれよと見ておるというだけではございませんが、しかし今後十年の見通しをかりにこれが誤りますとたいへんな問題にもなりますので、もっと慎重に練りまして、熟しました際にはいま先生のおっしゃいます点に十分科学的な根拠も添えてお答えのできるようにいませっかく検討し努力をいたしておるところでございます。
#11
○小林武君 まあその十年間くらいのめどで一つの見通しを立てていくということはいいと思います。そうなきゃならぬと思います。そこで九五%全日制のほうにいったという――そうじゃないの。
#12
○政府委員(宮地茂君) 定時制含めて。
#13
○小林武君 定時制含めて。その場合には一体何%くらいは全日制にいくということになりますか。現在幾らになっている。現在は一体何%で――それ言ってちょうだい。
#14
○政府委員(宮地茂君) 現在は、昭和四十五年度で定時制、通信制も入れまして高等学校生徒総数が四百三十八万余りでございます。そのうち定時制が三十七万余りで、総数に対しまして八・四%に当たります。で、九五と申しましたのは、これは先ほどちょっとお断わりいたしましたように、ちょっと口がすべったのですが、九五とはっきりいうよりは、九三・幾らぐらいといったような見通しでやっておりますが、ちょっとその場合の傾向、これはいろんな変動値を入れましたり、いろんな仮定の数字を入れなければなりませんので、この際何%になるということを、私、責任をもってお答えいたします自信がございませんので、先ほど、抽象的でございますが、お答えいたした程度で御了承いただきたいと思います。
#15
○小林武君 病気を隠すようなことを言わぬほうがいいね……。これは、そんなことで責任をとれなんていうことはないんですよ。そうでしょう、数字の異同なんというものは。
 それからまた、ぼくが言いたいのは、定時制の振興ということをやるということには金もかかることですし、金をかけなければならぬのです。そういうことになりますと、やっぱり、これは企業ならば金をもうけるという考え方をすると、投資はどうしてというようなことはなかなかきびしい。われわれのほうは教育投資なんということばを使いませんけれども、しかしながら、これをほんとうにそこに入った生従の皆さんをよく教育をする、また、それを教育に当たるところのすべての方々は非常な熱意とそれから希望をもってやるということになりますと、この段階にきて、やっぱり、何というか、こわいものをよけて通るような話ではだめなんです。これはやっぱりあなた承知してやらなきゃならない。それで、これはないしょごとでやるようなことはだめなんです。この席ではちょっと言えませんなんという話をすると、ほかの委員もおこるし、そういうことではないからね。
 ひとつ、話を聞きたいんだが、九五%――それは一体いいか、よろしいか。質問されて、わけがわからぬというんでは、あなた、だめですよ。九五%でも、それが三%でもけっこうですわ。いまの状況から見れば、もっとふえるわけですね。いまは八一・六%ですか。そうですね、全体の八一・六%。それが九三%とか何とかになった場合には、定時制の生徒の数というものは、まあ定時制ではないけれども、そこに今度は余った生徒が定時制に行くかどこに行くか、それからまたそのあとのことはまた質問しますけれども、それはたいへん少数なんですよ。ここのところのやり方を、十年間なら十年間の見通しを立てて、定時制のあり方というものを根本的に建て直さぬと、これは、はなはだ悪いことばだけれども、性格も違いますけれども、いわゆる夜間中学のような存在にしてしまったらたいへんだと思うんですよ。もう数字上から起こる一つの結果がこれは恐しい。そういう心配がちょっとあるわけです。だから、ここのところは、あなた、隠さないで、大体十年間の見通しぐらいでどのくらいになるという話をここでしたほうがいいのです。それをしないと、隠しておけることではないわけです。しかし、それはあなたは違ったって、あとで初中局長が責任をとるとかなんという話しでも何でもないのだから……。
#16
○政府委員(宮地茂君) 大体、この十年後の展望というものは、いろいろこれは仮定の数字が入りますから。先ほど先生がおっしゃいましたように、これは労働省所管の学校の伸びをどれだけと見るか、あるいはこれは商船高専とは違いますが、海員学校という下級免状を取る海員の学校もございますし、あるいは経営伝習農場があったり、また文部省所管ではございますが、一般の各種学校、その辺の伸びをどう見るかで、非常に置きます数字で動きますから、したがって、そういうことはおきましても、定時制を含んで九五%近くに十年後には伸びていくであろうということは、一方におきまして、これはあまりいいことではないですけれども、経済の伸びをどの程度に見ていくかといったようなことで私は九五%になると申しましたのは、経済の今後の発展をどのように見ていくかですが、現在の比率が十年後現在の比率であるといったような仮定からはじくとか、いろいろございますので、しいて申しますと、全体というよりも、毎年入っていきます一年生の総定数、それが現在定時制が七万三千ですが、今後それが多少ずつ下がってきまして、十年後には一万人ぐらい下がってくるであろうという仮定をとっておるわけなんです。それは全日制への入りぐあいが非常にふえていく、その他の教育機関へはあまり動かさないでいっているんですけれども、すべてその辺は、これは科学的にどうなるということは過去の傾向というものを加味しながらいきますので、それで私は隠すとか何とかということじゃなくて、先ほど申しましたように、正直に申しましてこの十年の展望というものがいまの作業段階で自信を持って先生にお答えする数字でないという、内輪の検討中のものである、いろんな変動値、そういうものをどう仮定していくかによって動くということで申し上げておるので、隠すという意味ではございませんが、結論といたしましては定時制の数は絶対数として多少下がってくるであろう、パーセンテージではちょっと言いにくうございますが、入学時の定数が、七万余りが一万ぐらいは下がってくるであろうというふうに、いまの段階では推定をしておるわけで、そういう前提で申し上げておるわけでございます。
#17
○小林武君 あまりいろんなことを心配しながら言わぬでもいいんです。私もその点は認めているわけですからね。そんなに的確に言えるわけではないし、見込みのことですから……。ただここで、皆さんはこれは見られていると思うけれども、今度社会教育の答申があったときに、朝日が社説を書いておりますね。その中に各種学校というのは非常に大きな伸びを示している、私はまあこれを正規の学校として認めていくかということについては、やっぱり何といっても正規の学校のあれからいえば、定時制というのは、これはやはりあなたもさっきおっしゃったけれども、後期中等教育の中にはっきり位置づけられている、われわれもいわば主流として考えていくという考え方に立っておる、ところがどんどんどんどん各種学校がふえるし、それからその中に書かれているのでは、企業教育というものが非常に盛んになっていっておる、企業内教育が、ある教授の推計によるというと、四十四年度に約一兆円の投資をやっておるということが書かれている、企業内教育というものがそういう形でだんだん発展していく、各種学校が興る。この間文部大臣の話を伺ったが、各種学校の大部分は大賛成だ、これは各種学校をぼくはくさせという話ではない、各種学校というのはこれはそれぞれ使命があるわけです。しかしながら各種学校こそがというような発言、これはひとつ速記録を読んでもらえばはっきりしていることだから……。そういうことになるといわゆる全日制のほうがふえている、それから各種学校あるいは企業内教育というようなものが今度拡大していく、これはもう企業としては一兆円投資するということは企業のやっぱり利潤の関係でやるわけですから、これはやっぱり十分計算して考えなければ――ぼくらの近所にも電気関係の学園がございますけれども、これはやっぱり金かけてなかなかりっぱな校舎でやっておる、その企業のその面からの、何といいますか、数を相当食っていくというようなことになりますから、一万人減ぐらいでとどまるのかどうなのか、あなたの推定で一体あれですか、そうすると、六万人になるというと、定時制というのは二十四万人ぐらいに十年後にはなるのではないかと、大ざっぱにはそういうことですか。ぼくはもっと減るのではないか、それから文部省の態度もそれはいま各種学校その他を非常に重要視していっているようです。そこらの関係はどうですか。あなたのおっしゃることにちょっと矛盾があるようにも思うし、文部省の態度として大臣の発言、それから、いま話したように文部省ばかりじゃない、各省庁にいろいろなそういう行政機関がある、職業訓練のあれもある、しかし職業訓練でも、それらのものでも、必ずしも後期中等教育に該当する年齢のものばかりじゃないですから、あるいは各種学校でもそうだが、百五十万人の各種学校の生徒がいたと言ったところで、それはちょうどその年齢のものであるかどうかということは、これはにわかに言えるわけじゃないが、そういうおそれがないかということをもう一ぺん、ひとつ質問したいと思います。
#18
○政府委員(宮地茂君) 実はただいま中央教育審議会でもこの定時制教育につきましての抜本的な改善の御審議もいただいておりますし、さらに昨年十一月出ました中間答申を見ましても、修業年限とか、あるいは教育内容、方法等の改善も示唆しておられますし、私ども今後魅力ある定時制高校、生徒にも魅力があり、また教育効果もあがるといった改善を考えて、定時制高校が斜陽的なもんだということじゃなくて、もっともっとこれは再認識されるような学校に改善をしていきたいというような気持ちを一方に持っております。それから各種学校にしましても、これはいろいろそれぞれの目的に従いまして、いろいろな各種学校がございます。これも今後魅力ある各種学校ということをねらって改善されていくと思いますし、文部省としても改善をしていきたいという意欲を持っております。したがいまして、まあ生徒をお客にたとえてはあれですけれども、要は定時制高等学校がいまのままでなく、もっともっと私どもも努力し、生徒に魅力のあるようなものにしていくということによって、全日もさることながら、魅力ある定時制高等学校ということであれば、少なくとも、ほっておけば、その他のものがそのままであれば、今日よりも生徒はふえてきこそすれ、減らないようにといったような気持ちで改善したいというふうに思っておりますので、それによって補正をしておるわけなんです。ですからいまのままの、過去の傾向だけから推定していきますと、十年後には非常に減少してくると思います。しかし過去の数字傾向に補正を加えていく、そういうことで、少なくとも現状維持に近い生徒は、この学校に来るという予定を立てたわけでございます。ですから過去昭和二十八年から四十五年までの漸減してくる、この数字だけで推していきますと、非常に減少する。しかしそれは補正計数、補正計数はこれは全く将来のことでございまして、人によってその補正計数の立て方は非常に違ってくると思いますが、私どもはいま申しましたようなことで補正していけば、少なくともこれが、先ほど小林先生のおっしゃいました夜間中学のようなものになっていく、夜間中学と根本的に違いますけれども、いわゆるその形なりに、世の中の認識が夜間中学に似たようなものになっていくというふうには少なくとも思っておりません。だからこそこの御審議をいただいておりますように、大いに先生方にも、いい先生を得るためにもといった気持ちで手当の法案も御審議をいただいておりますので、そういうつもりでおります。
#19
○小林武君 補正計数、補正計数と言いますけれども、補正計数よりかももっと実地についた数をそのままあげればいいんですよ。二十四万というのは定時制の、これは大体十年後のめどだから、多少それに変動があったとしても二十四万です。ところが各種学校というのは現在百五十万です。その百五十万の中には、先ほども言っておったように、必ずしも定時制高校に入るような年齢のものばかりとは言われない。これはそう言える。しかし文部大臣も言っているのです。ここで答弁で言っているのです。まあ文部大臣の話は、定時制高校をどうするということよりも、そのあとについて、通信制もあれば各種学校もどんどん整備していく、電子学院とかいった、電子学院という学校は、たいへんりっぱな学校だ、そういうところで勉強すると、なかなかいい、これはなかなかやっているし、きょうの新聞見たら、何か通信教育のあれで、坂田文部大臣の写真入りの、広告のほうですがね、広告が出ておったが、こういうようにどんどんなっていくと、これはやはりもっと減っていく、これはもっと減っていくと、それはある意味においては、地すべり的な結果も生まれるのじゃないかということを考えるわけです。しかし、それの歯どめをかうものは何かと言ったら、後期中等教育の本流は何かということを、教育に関係をする、特に教育行政を担当するものとしては、はっきりした一つの方針を持たないと、これはいかぬということです。どうもいまの文部省はと言うと皆さんおこるかもしれませんけれども、どうもやはり直ちに職業的な何かをどうかするとか、企業の要請にこたえなければならないとかいう考え方があって、中教審の答申を見ても、日本の教育をどうしなければならないと大上段に振りかぶったかと思うと、今度は、あとにはいわゆる現状に流されていくというような形が見えてどうもしょうがないと思うのですが、あなたたちは、それについて、いわゆるそろばんを入れてみて、矛盾を感じたり、このままでいったら一体定時制高校というのはどうなるのか、いわゆる新聞が早くも敏感にとらえたように私学後退、もうすでにその性格の上においては半減したという記事を大きく書いた、これは一つや二つではないわけだ。新聞それぞれみな取り上げている。それだけにやはりある意味において重視されている、注目を浴びているということになる。私はこの中において、まあその中教審待ちというのは、あなたのほうのいつもの手だけれども、この中教審待ちの問題も、それはいろいろな意見を聞くこともけっこうだけれども、しかしその前に中教審に、結局いろいろなことを言って、どうですかと聞くまでにはいろいろ資料を出さなければならないし、いろいろなものを見せなければならないわけですよ。その人たちが資料を集めてきて、自分の足で歩いて、そうしてこうやるべきだということを言う人はわりあい少ない。また文部省の意に反してやるなんて、そういうさむらいもいるはずもないし、だから私は、あなたのほうでそれでやるとすれば、この見方について、ちょっと甘いという考え方だ。このままでいったらあぶないと思う。私はある先生に聞いたら、東京周辺の、わりあいに東北とか、それからどこどこのところから中学卒業生が工場に来るようなところではそう問題はないらしいけれども、過疎傾向のところにいくというと、それは惨たんたるものだ、もう先生はまるで生徒を集めるために奔命に疲れてしまうと、こういうふうなところもある。そこにわれわれがはっきりした方針をぶち込まないというと、私は三%増だけではこれはなかなか意気が上がらないということなんだ。その点についてひとつ聞きたいことと、あなたたちの態度で一つ間違っているんじゃないかと思うのは、産業教育のあれは去年やったわけだね、そうでしょう、産振法による。何で定時制は一体一年おくらせたか。そこらあたりにぼくは差別感があるのじゃないか。片方は何か産業界の要請が非常に強い。ぼくは何も産業教育をやっているものをどうこうというわけじゃないのだけれども、なぜ一緒にやらないかという問題なんです。一年おくらせるなんていうことにすでに産業教育よりかも下に見ているんじゃないか。私は逆に定時制高校第一だということなら、定時制高校に活を入れるということで、そういう点を先に講ずる手だてを考える、そういうことについてはどういうことでそうなったのか、大蔵省にやられたのか、文部省はそういう点一緒に出したのかどうか、そういう点もあわせてお聞きしたい。
#20
○政府委員(宮地茂君) 私どもとしましては、産業教育手当、定時制教育手当、いずれも現在一年前七%でございました。これを上げたいということで一〇%は定時制も合わせて要求いたしましたが、こういうことは言いたくないことでございますけれども、文部省の努力不足でございますが、予算がつきませんでした。そういうことで産業教育のほうが昨年いきました。まことに不本意でございましたが、経過はそういうことでございますので、一年おくれてもぜひことしはということで予算も実現したわけでございます。文部省といたしますれば、同時にやりたいという気持ちはやまやまでございました。
#21
○小林武君 前の質問についての答えはないようだけれども、これはひとつこれからやることにして……。そこなんだね。ぼくは文部省は無力だなんていうことは言わない。いまのはやはり政治の中にあらわれてくるこれは一つの問題点なんですよ。予算はひとつ出すにしても、後期中等教育の中のこの部面というのは投資してもはね返りがないというような、こういう考え方が、あるいは非常に強力なものに対して予算が振り向けられるということになると私は判断している。そのことは、あなたどうですか、認めざるを得ないでしょう。それは局長に聞いても何だから、大臣どうですか。
#22
○国務大臣(秋田大助君) 先生の御所論は、結局後期中等教育課程における定時制教育の位置を正しくして、そしてその内容を充実すべきである、その点について現実の措置等について産業事業所等の教育諸学校等のいろいろ予算措置についてもそこに厚薄が見えて、十分後期中等教育内における定時制高校の意義を感じていないんではないか、それがあらわれているんじゃないかという御批判であります。われわれといたしましては、先生と同じように後期中等教育内における定時制の意義を十分認めておるつもりでございますが、いま局長からも申し上げたとおり、努力が足らずして十分われわれも希望するようになっていない点は遺憾でありますが、この点はさらに努力いたしたいと思います。私、個人といたしましても、ただいま先生の諸説を伺っておりまして、定時制高校の数というものはいろいろ時代の推移によりまして多少の変化がございます。しかしながら、私は数の多寡ではない、人間を教育をしていく、ことに定時制教育、勤労青少年の教育はこの数の多少によらず、定時制との比較において厚薄をつけること、軽重を論ずることではなく、人の教育の重要性は単なる教育をされる人の数の多寡によるのではないと私は考えるのです。こういう考え方の上に立ちまして、私は定時制高校の将来というものを考えるべきものだ、こう考えております。
#23
○小林武君 どうも時間がきてしまいました。あと一つだけお伺いしますが、なおいまの大臣の御答弁はたいへん誠意をもってお話になってけっこうでございます。あなたついなったばかりの一時的なあれでありますから、たいへん御迷惑だと思いますけれども、閣僚の一人としてひとつ今後とも協力態勢をしいていただきたい、こう思います。
 そこで私はこのことが最後の一つになってしまったものだから聞きたいのだけれども、モデル校というのがあるでしょう。これが定時制高校の振興ということについて、どういう役割りをいままで果たしてきたかということですね。
 時間がないそうですからまとめて言いますが、それからもう一つは、今度何か指定校を三十校つくる、その指定校のあれは、いわゆる振興策としていま問題点が多くて解決を迫られておる。いま数の問題その他ありますが、そういう定時制の主役交代などといわれるような状況の中で、三十の指定校というのはどういう角度でやられているのか。ぼくが考えるならば、この現状の中において、少なくとも定時制高校というものを、後期中等教育の中の本流に据えるためには、どういうあれが必要かということでやられるんだと思っているんだが、そうでないならばそうでない、そうであるならばどんなことになっておるのか、そのことだけひとつ説明してください。
#24
○政府委員(宮地茂君) 一般にモデル校の効果でございますが、これは文部省としましては小学校、中学校、幼稚園もございますが、こういったようなものを……。
#25
○小林武君 定時制のことですよ。
#26
○政府委員(宮地茂君) 定時制はいままでございませんでした。
 それで二番目の御質問にございました三十校というのが今回初めての指定校でございます。今回研究指定校を指定したしましたのは、先ほど来申し上げておりますように、後期中等教育の中で、特に勤労青少年についての非常に重要な柱としての定時制の学校ということに着目いたしまして、それの充実振興をはかっていく必要がある。それに対しましては生徒の意識調査等もいろいろできておりますが、さらに学校にいろいろお願いしなければならない点もありますし、さらに教育内容、方法、あるいは単位の修得、さらに技能連携、定時制通信制の併修、こういったようなことを、三十校にいま申しましたようなことを、それぞれ全部同じようなテーマでなくて、その地域性あるいは通っている子供の一般的な傾向としての特色、そういうものを見つつ、幾つかのテーマを与えまして、検討をしていただく、それを中心にいたしまして、すみやかに今後の定時制高校のあり方を改善していきたい、その改善のための資料を得たい、文部省だけの考えでなくて、現場の先生に直接やってみていただいて、それを重要な資料として改善をしていきたい、そういうために研究指定校を持とう、そういうことでございます。
#27
○小林武君 これでやめますが、政務次官、ちょっともう一つ。ぼくはここのところがやりたかったんです、時間があれば。そこでいま指定校で出てくる問題は、私は定時制高校の将来の教育にプラスにはならぬと思うんですよ。たとえば、少なくともその中に年限をちょっと減らして三年にするとか、あるいは企業との密着を深くしていって、そして企業側の非常に意見の入るようなそういう定時制高校になる、あるいは二部制、三部制というような、そういうようなやり方が定時制高校の将来の発展のためのこれは手段だということであるならば、これはぼくはたいへんな間違いだと思う。しかしいまここで議論できないからしかたがありません、後ほどやってもけっこうですが。それについて政務次官ちょっと、それは違いますということだったら違いますと言ってもらいたい。ぼくはこれはあぶないと見ているのだ。こういうやり方をやっていったら定時制高校というものは結局だめになる。それは教師の意欲もなくなるし、あるいは生徒自身の教育に対する学習意欲というものもなくなる。さらには労働条件のために学習が不可能になるというようなことになる。そういうような危機をはらんでいるということから、この点については十分きょうは時間をかけてやりたかったけれども、できないから、その点についてちょっと政務次官の御発言をいただいて、まあ答弁が悪くてもよくてもしかたがないからやめますから……。
#28
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 ただいま初中局長からお答え申し上げましたように、今回文部省で三十校の研究指定校を設けましたのは、現在定時制高校が置かれているいろんな諸条件の中でこれからこれを拡充していくためには、定時制高校における教育の内容、いろいろな形態というものをどのような形にしたらよいかということを、この指定校においてあらゆる角度から検討をするということでございまして、先生御心配の面はこの問題については私はないのではないか、文部省としては自信を持って今後の定時制教育の拡充のために資するという目的のためにこの指定校を設けたわけでございますので、そのように御理解いただきたいと思うわけでございます。
#29
○安永英雄君 関連。きれいごとを言われますが、そういった指定校、モデル校というものの研究テーマが、四年制を三年制にするという方向で検討するということを全く言ってないですね。検討の中で四年制を三年制にするというそれがこのモデル校の主たる研究テーマと私どもは一応見ているわけです。このことは全くありませんね。とにかく一般的な、諸条件を整備するための一般調査と一般実験なんだと、こういうふうにとってよろしいですか。
#30
○政府委員(宮地茂君) 研究テーマは、先ほど来申し上げておりますように、いろいろございます。その中で履修単位、生徒がこういう生活条件、勤労条件であれば年間これだけの単位数はとれるであろう。しかし、こういう勤労条件であればこれだけの単位数しかとれないであろうといったような、いろんな調査をしたいと思っておるのです。その場合に、これは勤労青少年でもいろんな職務についております。したがいまして、年間相当、単位が履修できるというものがあった場合に、結果的に、それではその人はごく少数であっても三年間で単位がとれるではないかという問題が出たときに、はじめてそれでは三年ということも――全部三年ということじゃございません、現在は一律に四年以上ですから、年間いろいろのとり方があるが相当単位もとれる者があった場合に、そのときの問題としてそれでは三年を認めるか認めないかというような問題がそのときに出てくる問題だと思います。したがいまして、初めから三年にしたいからということでそういう目的で取っ組むわけではございません。誤解のないようにお願いします。
#31
○鈴木力君 時間があまりないそうですから簡単なことを伺いますが、まずいまのこの指定校について、これは私は前からの続きがあるのだからちょっと本論に入る前に聞いておきたいのですが、この研究指定校の予算は一校当たりどれだけですか。
#32
○政府委員(宮地茂君) 総額六百三十三万円でございます。したがいまして一校平均二十万円ということになります。
#33
○鈴木力君 いま聞きますとだいぶこの研究指定校のテーマが非常に重いテーマを持っているわけでしょう。それで一校当たり二十万円でどの程度のことができると思うのですか。一校当たりの二十万円の、大体何にどの程度費用がかかるという計算の基礎がありますか。
#34
○政府委員(宮地茂君) これは謝金とか委員等旅費、庁費、予算的にはそういった柱でございます。
#35
○鈴木力君 そういうのを部類別に言ってください。一つのある学校を例にとって、旅費が幾ら、謝金が幾らというように。
#36
○政府委員(宮地茂君) 先ほど六百三十三万と申しましたのは、大きい内訳といたしまして指定校へ渡すのが五百七十三万九千円、さらに指定校等にお集まりいただきまして協議会のようなものを持ちますのが五十九万三千円そういうことになりますので、学校に渡します五百七十三万九千円の内訳を申しますと、一校当たり十九万一千円になります。その内訳は諸謝金三万四千五百円、委員等旅費四万九千円、庁費十万七千八百円、合わせまして十九万一千三百円、大体三十校で割り振りまして一校当たりの積算は予算的には以上のようなことでございます。
#37
○鈴木力君 これはきょう私が質問する主たる問題でありませんが、局長も政務次官も御存じだと思いますよ、私は二月二十五日の文教委員会でこの種の研究指定校に対する文部省の扱いというのは無責任だということを指摘しておいたはずです。二十万円足らず、それで謝金が三万四千円、旅費が四万九千円、あと建物費だけ、これだけの金で何が研究できると思っておるのですか。こういうようなかっこうで、学校というものには仕事さえ持ち込めば何とかなるという基本的な考え方が底にあるからこういう形になっていると思う。研究の資材とかあるいは教師その他の人々のほんとうのこれが研究に当たる場合のこれらの諸経費はどこから出ると思いますか。
#38
○政府委員(宮地茂君) これは金額の多いほどいいということを否定いたしませんが、私どもといたしましてはこの範囲内で、もちろん先生と同じように必ずしもこれで非常に理想的にできるとは思っておりません、正直に申しまして。しかしながらこの範囲内でできるだけのことをしていただきたい、こういうふうに思っております。
#39
○鈴木力君 私が心配しているのは、この前にもこういう質問をしたはずです。たとえばある中学校の道徳教育が指定校として五万円でやっておった。ところがその道徳教育の指定校は結局は七十万、八十万の金を使っておる。そうするとよそからやりくりをするわけです。つまりそちらにはPTAの寄付であるとか、あるいは教育委員会の予算のやりくりをして他のほうにしわ寄せをしておるということになる。私は二十万円の金で、おそらく、これからまた聞きますけれども、先ほどの局長がこの研究のテーマにしておる、四年間を三年間にしようとしておる大きなねらいは、単位を修得する学習の場があるということをねらいにしておるわけでしょう。そうするとこれは連携教育と関係があるわけです。必ずこの金の足りないところは連携教育の場の企業との間に相当の援助を求めなければこれは研究ができないはずです。そういう点の配慮をしたかどうかということなんです、どうです。
#40
○政府委員(宮地茂君) 私どもは予算できめられたもの以上を期待はいたしておりません。ですから、最小限予算できめられたものを期待いたしておるわけです。しかし、それ以上いろいろ県としても県立学校には金が出ますから、それらを勘案しておやりいただくというのが、これはその県なり学校のお考えで、少なくともお願いしました国としては二十万円内でできることを期待いたしております。
#41
○鈴木力君 ちょっとこれに時間をとるのはもったいないけれども、いまのあれでしょう、三万四千円は謝金ですね。だれかに頼んでだれかがその話を聞いて、あるいはだれか研究を委嘱する者に三万四千円を払う。一年間の研究を委嘱して三万四千円の謝金ということが大体あるかどうか。そうすると、だれかの専門家を頼んできて話を聞いての謝金ということもあるかもしれませんよ。これだけ膨大な研究テーマを与えておいて謝金の三万四千円というのは、何人にどれだけのものに払えるのか。それからあと、その旅費四万九千円、これは何人かが出張したり研究に出かけたり、この前も言ったように、どうせ学校の先生には旅費を与える気が文部省はないんだから、打ち切り旅費だけでしょう。あとは庁費でしょう。そうすると普通の学校運営費から、紙代から何から書籍代から、あるいは資料費から、そういうものは学校運営費から埋め合わせをしようというわけなんです。研究というのはから手でできるものじゃないですよ。どこで何を研究をするのか。そんなことでは寝ておってもわかるような結論が出てくる。これは答弁なくてもよろしいです。私はやはりこういう面は、仕事を与えるなら与えるなりの手当てをしなければいけないと思う。しかも坂田文部大臣はこの点について再検討するという答弁をしておったわけです。これは定時制の指定校を例にはしなかったけれども同じですよ。だから三十校を十校にしてそして予算を三倍にする。いろんな考え方があるわけです。あまりにも現場に思いやりのない、仕事を持ち込んだら、そちらで何とかするんだろうというずさんな考え方が従来からの文部省の習慣みたいになって続いておる。もうこんな態度はやめたほうがいい。そういうことで二月二十五日に申し上げておるわけです。これは局長よりもむしろ政務次官ですね、真剣にこういう面は検討してみてもらいたい。二十万の金がいったら、その指定校がどんな割り振りでどんな研究をするだろうか、それは思いやりのある行政だと思う。しかし、私は心配なのはこれから言いますけれども、連携教育との関係が研究テーマになってきそうな気がしてならないから、特にこの面は十分にこれは指導していただきたいということをまず先に申し上げておきます。そこで、むしろ定時制より私は通信教育について主としてお伺いしたいのですが、通信教育は発足をいたしましたが、一体通信教育そのものはどういう生徒を対象にして後期中等教育をやろうとして発足をしたのか、まずそれを伺いたいと思うのです。
#42
○政府委員(宮地茂君) 高等学校の全日制に対して、勤労青少年が後期中等教育を全日制教育では受けがたいというような者のために、主として定時制高校は勤労青少年でなければいけないという資格要件は特別にはございませんが、気持ちは定時制は勤労青少年を中心として後期中等教育ということをねらいといたしました。しかしながら、それでもなおかつ定時制高校に通って後期中等教育を受けられないという人のために後期中等教育の機会均等というような見地から、主として勤労青少年を対象として高等学校の通信課程というものが趣旨としては、ねらいとしてはそういうことに基づいて発足した、こういうふうに考えております。
#43
○鈴木力君 いまの発足した趣旨は今日も変わっておりませんか。
#44
○政府委員(宮地茂君) 趣旨は別段変わっておりません。
#45
○鈴木力君 それで伺いたいのですが、いま通信教育で集団入学ということばがはやっている、この集団入学の実態はどういう状況ですか。
#46
○政府委員(宮地茂君) 昭和四十五年度の通信制課程の在籍者は約十五万人ございますが、そのうち集団入学の生徒数は約三万七千人、二五%にあたりますが、そこに集団入学をした母体の企業数は約二百程度でございます。
#47
○鈴木力君 この集団入学二五%ということになると相当な数ですね、比率からいいますと。まあ企業の数が二百ということですが、これは企業の数は、数字の端数なんかどうでもいいが、そこでもう一つ私は伺いたいのは、これは数字にわたって恐縮なんですが、集団入学それから企業ということになると連携教育ということが出てくると思うが、この集団入学が急に入学者数のふえた年はいつですか。
#48
○政府委員(宮地茂君) この集団入学、特に通信課程では、例のNHK学園をはじめといたしまして広域の通信制ができまして、以来、集団入学者数が通信に非常にふえております。一番最初に広域ができましたのがNHKが三十七年の十月からでございます。その後科学技術学園、これは十二チャンネルのテレビ局等の放送を利用してやっているのが三十八年十二月にできております。それから玉川学園富士高校が三十九年、大阪の向陽台高校三十九年、九州商業高校四十三年ということで、三十七年以後集団がいま申しましたその学校ができた年度年度で相当ふえております。
#49
○鈴木力君 いまのこの集団入学ともう一つは連携教育の関係があるのですが、まあついでに、集団入学の話もいま出ましたので、広域という話も出ましたけれども、こういう集団入学というのはまあ主として企業の生徒が入ってくるわけです。で、先ほど局長が言われましたように、通信教育というのの趣旨は、定時制高校に通うことに困難な条件がある者を後期中等教育を受けさせるということが趣旨でスタートしている。しかし、そういう集団的にある企業に働いておる子供であると、生徒であると、これは定時制教育を受けられないという条件はそうあまりないと思う。それがこの集団入学制というか――いま広域通信教育制度というものもできてきている。そういう形で定時制に行くべき者が通信制に切りかわってきているというそういう傾向が認められませんか。
#50
○政府委員(宮地茂君) いまのお尋ねの点、まあ常識的にはそういうこともあり得ると思いますが、ちょっとそういった角度からの調査をいたしておりませんので、数字的にはちょっと先生のおっしゃった点を立証する数字を持っておりません。
#51
○鈴木力君 これは私も全国的なものはありませんがね。たとえば兵庫県の例を見ますとこういう状況になっておりますよ。三十七年度、さっき言いましたように、連携教育が規模を拡大した年からふえておる、兵庫県の通信教育の場合ですと。昭和四十一年度に一一%だった、企業から来ている者が。全体の一一%がある一つの大きな企業に来て集団的に入っておった。昭和四十二年になったら四一・六%になっておるわけです。それからずっと四〇%台が続いておる、多少の上下はありますけれどもね。だから、なぜこう急激にこの年からというと、この連携教育がうんと幅が広がった、そして条件が非常にやすくなった、そういう年とどうも一致しているのですね、この数字は。したがって私は、全国的な調査、そういう角度からの調査がないと局長おっしゃいましたから、ないものをいま言えと言ってもしようがないですけれども、こういう面は通信教育と定時制との関係には相当微妙なものを持っておると思いますよ。こういう角度からの調査をしてみて、そしてさっき小林委員から質問がありました本流としての後期中等教育、その中には文部省は通信教育を入れたいところですが、しかしやはりほんとうの教育効果からいえば、定時制に通える者は定時制にすくい出すということが、それは効果的にはいいと思うのです。そういうことの点検はこれはしてほしいと思います。これは要望にとどめておきますから、調査をしてみてもらいたい。
 そこで、いまの集団入学と連携教育の関係で伺いたいのは、これは、学校教育法の施行令、昭和四十二年に改正をしたのですね、昭和四十二年に連携教育についての改正をして、前は三年で八百時間という履修を条件にしておったのですね。それが一年で六百八十時に軽減をしておるわけです。その一年ということと、六百八十時間と履修時間を特に減少したその意図はどういうことですか。
#52
○政府委員(宮地茂君) これは先生も御承知と思いますが、技能連携施設、これにはいろいろございまして、私ども過去何年かの経験によりますと、必ずしも形式的に修業年限が三年ということでなく、一年のものであっても、たとえば各種学校等一年でありましても、非常に施設や設備、指導者が充実しておるものもある。ところがコースとして三年制を持っていなければ技能連携ができないというようなことから、しかもこれは職業科目でございますし、その一年間で、単位も、高等学校の単位に直しますれば二年も三年もかからなければ一単位を取れないということじゃなくて、一年間に数単位取れるようなことでもございます。そういうようなことで、形式的に三年間のコースということよりも、実質的に一年であっても、施設設備や指導者が充実しておればよいではないかという結論に達したわけでございます。
 それから時間数八百時間を六百八十時間に直しましたのは、これは主としましては各種学校を対象としてそれに合わしたわけなんでございまして、各種学校の授業時数を調査いたしました結果、一年間にわたり六百八十時間を基準としておるというようなことから六百八十時間にしたわけでございます。
#53
○鈴木力君 いまの説明がぼくにはわからないのですよ。さっき小林委員も質問されてここではっきりしたことは、後期中等教育の本流は高等学校にあると、いま通信教育は少なくとも後期中等教育としての高等学校の教育として位置づけているはずでしょう。それの高等学校の履修時間を、職業課程、職業科ではありますよ、それを各種学校が六百八十時間だから高等学校の履修時間を六百八十時間に減少しましたという説明がわからないのです。各種学校に合わしていっているのですか。それをもう一ぺん説明してください。
#54
○政府委員(宮地茂君) これはそういう意味では毛頭ないわけなんです。施設を技能連携施設として少なくとも三年間のコースを持ち八百時間以上授業をしておるというそれを最初指定したということであって、高等学校の授業時数とは何ら関係はないわけなんです。もっと平たく言えば、その程度の施設であるということがよかろうということなんですが、この施設で連携します場合は、認めるものは、その施設でやっております教育のうち職業関係のものは高等学校でやるのとほぼ同じであるというものを単位として認定をしてやる、その高等学校の校長が単位として認定をしてやるということで、一単位時間は三十五時間、三十五週にわたって一週一時間という計算ですから、三十五時間が一単位時間なんです。したがいましてそれと六百八十と八百という時間はひとつもパラレルになっていないわけなんです、その点は。ですから、八百とか六百八十というのと、認められる高等学校の時間数というものは直接の因果関係はございません。
#55
○鈴木力君 さっき各種学校で聞いたのは、各種学校では六百八十だから六百八十にしたというのは……。
#56
○政府委員(宮地茂君) それは各種学校のほうで、この各種学校と各種学校でない、いわゆる学校のようなものがあるわけです。その場合に、これ何かその辺の主軸などは、これは一週間毎日その主軸そのものはやっておりましても、ある生徒に対しては月曜日に二時間来なさい、また来週火曜日に二時間といったようなことになっておるわけでして、それではそういうものまでも各種学校として認めるわけにはいかぬだろうということで、各種学校としてその学校が学校に類似した教育施設が所定の時間をやっておる、そういうものを各種学校として認めていこうと、そういう考え方が一つあって、それが六百八十時間以上ということでございます。
#57
○鈴木力君 だからそれはいい。私が聞いているのは、各種学校が六百八十時間以上だと、そこでこの通信制の連携教育の場の時数を各種学校の六百八十時間に合わしたと、さっきそう言ったでしょう。その理由を聞いておるのですよ。
#58
○政府委員(宮地茂君) どうも私の説明まずいのですが、ある高等学校でない教育的な機関が八百時間以上やっておるものを最初に認めたと、ところが、各種学校は八百時間やってない、六百八十時間ぐらいしかやってない。そしてその六百八十時間やっておる各種学校でも、一単位としては、三十五時間なら一単位になるのだからということで、八百時間では一般の各種学校がそこまでやってないので連携施設としては落ちる。しかし各種学校でやっておる教育も科目によっては相当高等学校でやるものとほとんど似たようなものをやっておるものがあるということで、八百時間以上やっておる各種学校は連携施設になれるけれども、八百時間以下の各種学校は連携施設になれない。それでは一応各種学校の基準としての六百八十時間のものまでに下げれば相当各種学校が連携施設になれるということで、それと高等学校の単位の時間とは関係はないわけなんです。
#59
○鈴木力君 それは単位の三十五時間かけて、それには関係がないですよ。しかしいまの局長の説明を、局長説明が悪いとか言って遠慮するけれども、ぼくはじょうずだと思うのですよ。きょうは非常にうまい。ところが、各種学校に、いままで八百時間以上やっておる各種学校に、連携教育に持ち込んでおるけれども、八百時間かけている各種学校もあるから、これに連携教育を持っていくために六百八十時間にしたと、そういうことなんでしょう。いまのそれは関係ないという説明がわからないじゃないですか。要するに各種学校の中の履習時間数の足りないところを連携教育として使おうとするためにこれは六百八十時間にしたのですと、そう正直に答えてもらえば、そうですかとよくわかるのです。まあいいです、大体わかりました。そういうことだと思う。
 そこで伺いたいのは、各種学校との関係はわかりました。全体で、これは文部省が認可するのでしょう。連携教育は校長が認定するわけではない。文部省は直接把握されているはずですから伺いますが、各種学校の連携教育の場としてやっているところの学校数、それから一般の企業の中の、企業内教育の中に連携教育の場として持っているものと、その数字はどういう状況になっていますか。
#60
○政府委員(宮地茂君) 実は企業内訓練は、これは一面各種学校としての、各種学校の基準に合うものは各種学校としての認可をとっておるわけです。したがって企業内の学校、あるいはそうでない一般の市中の各種学校というように実体はなりますけれども、全部各種学校なんです。そういう意味で申し上げますと、各種学校で家庭関係のが八十七、工業関係が十一、商業関係が三十三、農業関係が一、それに准看養成所が九十七、それから職訓のほうで専修職業訓練校が十五、高等職業訓練校が総合が三、事業内が六十八、経営伝習農場が五、こういった実態になっております。
#61
○鈴木力君 そのうち、そうするとあれだな。企業内にある施設は全部各種学校としての認可をとっている。認可をとっていないところはありませんですね。
#62
○政府委員(宮地茂君) 先ほど例示いたしました職訓の中に高等職訓で総合が三、事業内が六十八と申しましたが、それ以外の各種学校でいろいろ申し上げた中には施設のが入っております。それは各種学校です。ですから高等職訓の事業内六十八以外は各種学校です。
#63
○鈴木力君 時間がもうそろそろなくなるので……、その大体の傾向はわかったのですがね。そうすると企業内の単位数にしてもそうでしょう、改正をしてですね、前は全体の二分の一以内でしたか、全体の履修単位のうちの連携教育の場でやる単位数は三分の一だったでしょう。それを二分の一に改正されたのでしょう。そうすると時間は減らすわ、そうして単位は三分の一でよくて、ほんとうにスクーリングやその他の教育の場を、三分の二をとっておったものが今度は二分の一にということに、またそこも改正になっている。それはどういう理由ですか。
#64
○政府委員(宮地茂君) 高等学校の単位数は八十五単位でございますが、学校がやっておりますのはそれよりも多いのでございまして、九十とか百単位前後をやっておる学校もございます。したがいまして八十五の半分という意味ではございませんが、最低八十五単位の三分の一から二分の一にしたということでございますが、それは現実に連携施設を見てみますと、これは職業関係、家庭を入れましての職業関係だけで、普通科目ではございません。そういうものは、そういう各種学校等でやっておりますもので、高等学校の職業の半分くらいはとれる。こういう実態がありますので、それに合わせたわけであります。
#65
○鈴木力君 私はほんとうの教育ということを考えた場合、いろいろへ理屈はあるにしても、へ理屈はこれは言い過ぎだ。理屈があるにしても、連携教育の場というのは、学校側から言ったら、里子に出したようなものでしょう、実際の教育から言うと。そちらのほうは、いままで里子教育を頼んでおいた部分が全体の履修単位の三分の一であった。それを今度は二分の一にしたという、半分にしているわけでしょう。要するにそちらに頼んでやった先のほうをどんどんふやしておって、学校それ自体の教育の単位なり時間数というものをどんどん減していっているわけですよ。その傾向がだんだんに、いろいろな理由をつけてこられると私はやはり企業とこの連携教育、あるいは通信教育なり定時制教育なりの一つのあり方というものが、ほんとうの教育にない方向にいく心配がある、こういう心配からいまのようなことを聞いておるんです。その点はどうです。だから、学校自体がやる時間というものはできるだけ多くすべきなんです。それがだんだんに制限を緩和していって、里子に出した、そちらの里親のほうのやる分をどんどんふやしていっている。私はやはり通信教育にしても定時制教育にしても、もっとやはり学校というものの、教育そのものの責任の主体というものを、これをもっと強化していくようなことにないと、こちらの教育は定時制なり通信教育というものは、先ほど小林委員から言われたように、予算の場合でも一年おくれと、こういう習慣は直らぬと思うのです。その辺はどうなんです。
#66
○政府委員(宮地茂君) これは私どもは趣旨といたしましては全日制なり定時制の学校で、連携施設等を設けないで、子供たちがその学校に来れるものであれば、それが本体だという考え方はもちろん持っておるわけなんです。しかしそうでない、そういうことを固執すれば似たような各種学校等へ行っておる者が、子供は高等学校の単位数をとったと、社会にも認められない、また同じような施設に行っておって、一方におきましてはそれを高等学校と認めろと、現実に認めてもいいような、それほど充実した施設もあるわけなんです。そういうときに、かたくなに文部省が形式的に定時制でも高等学校以外は全然認めないんだという考え方を固執しますと、迷惑を受けるのは子供であろうと思います。私たちは子供のことを考えますと、高等学校でやるのが本体ですけれども、高等学校教育の単位とほとんど同じことを、それ以上のものをやっておる、そういう施設で学んでおる子供にそれを認めていくということはいいことじゃないか、それに似たようなもの、あるいはそれ以上の教育を行なっておっても、名前が高等学校でなければ絶対にだめだという姿勢をかたくなにとり続けることが、はたして子供たちのためになるであろうか、またそれがはたして教育であろうか、学校だけが、学校以外は絶対に教育でないという考え方を固執するということは、私どもは時勢にも即さないという考え方なんです。しかし、さらばといって、野放図に、何でもかんでも認めていくというのじゃなくて、相当な施設であるということを十分見まして、その学校がかってに認めるんじゃなくて、文部省へ出さして、文部省としても十分調べてみるということで、責任を持ってやっておるわけなんです。ですから、先生のおっしゃることは一つの御見識で、私もそれを絶対にだめだと言うつもりはございませんけれども、一面そういう点も考えてやる必要があるんではないか。ですからあくまで例外です、連携施設は。それがとってかわるようなことはしてはいけない。ですから二分の一が限度であろうと思います。
#67
○鈴木力君 大演説を承りましておそれ入りましたけれども、必ずしも学校の看板をかけないけれども、それ相応のところをやっておるところに頼むことはよろしい、私はそれを否定したことは言っていないんです。言っていないが、いままでより以上に履修時間数を下げてきて、八百時間というのは、そちらに頼むのは六百八十時間でよろしい、そうしておいて今度は単位数は二分の一もとれるようにしておいて、そうしておいてりっぱなところ、りっぱなところといって、あと最後は文部省が調べて、責任を持っているからいいんだと、こう言われたんじゃ話にならんのですよ、これは。そこで私は伺いますが、そういうことなら、学校でなくても何でもいいんだ、そういう趣旨でこれをやっておるということなら、通信教育の後期中等教育としての機関として、最初から確認をしてきたことと話が違ってくるでしょう。通信教育は社会教育なり、そうして実力を経たらどこへ行っても単位も修習もしてきて、あと高校の卒業の認定試験でも受ければいいという考え方に通じてくるんでしょう。少なくとも制度として、学校というものがある場合には、学校という一つの責任は持たなきゃいけないということだけは言えるでしょう。私は何も形式的に学校の看板がなければどうこうと、こういうことを言っているつもりはありませんよ。だからそちらに頼んだんなら、そちらに頼むにしても条件を緩和しないような頼み方というものもあるわけでしょう。
 そこで私はもう一つ、実態をお伺いしたいのは、この連携教育をやっておるところで、全部でなくてもいいんですけれども、免許状のある教員が、あるいは免許状のあるというよりも、教員の免許状を持たない者が教育をしておる、その数は全体の何%ぐらいありますか。
#68
○政府委員(宮地茂君) 全部の施設三百二十八連携施設がございます。それで若干ずつ形態が変わっておりますので、それを算術平均しました数で申し上げます。そうしますと、一施設で各種学校ですと、平均十六人の指導者がおりまして、そのうち政令で定めております教員免許状所有者、大卒等、そういう有資格者が十三人、そうでない無資格者が三人、これが一施設平均しての数でございます。
 いま、先生がおっしゃいましたのは、その中で免許状を持っておるものということでございますので、有資格者十三人のうち免許状所有者は三人平均でございます。しかし、政令では免許状所有者だけが有資格者でなくて、大学卒、短大卒以上ということになっておりますので、免許状所有者が三、その他は大卒、短大卒です。
#69
○鈴木力君 それで、私がさっきから言っておるのは、政令というのは、まあ政令ですから、政府がそれを出せばいいでしょう。そこで、この分に対しては、教員の資格要件をだんだんだんだんに下げておるわけですよ、ほんとうに言うと。教員のほうは資格要件を下げて免許状を持っておるものは、十六人のうち三人しかいない。そうして、そこに頼め。履修単位は半分まではそこに頼めるのだ。こう上げて、これはしかし、局長さん、私はもう時間がないからきょうはあまり言いませんけれども、正直に言うと、企業側のほうの注文が多いということですよ。そうして、企業側の注文に合わせてきているのだ、これは。これは、私はそういう学校に行ってみた。企業側の話も聞いた。学校側の話も聞いた。だんだんだんだんに企業側のほうにその要求に合わせてきて、制度が変わってきておる。これでは、教育というものは、どうも私はだれのための教育をやっておるのかわからないと、こう思うからくどくこんなことを聞いておるわけですが、これは大演説をされると時間がなくなりますから、御答弁は要らないのですが、最後にもう一つお伺いしたい、こういうことで。
 さっきも伺いましたが、向陽台高校という学校が大阪にあります。これは広域通信制の高等学校です。そこで、向陽台高校という広域通信制度の高等学校の設立者はだれですか。そうして、――一ぺんに聞きますから。設立者がだれで、そうして、これはたぶん家庭科の高等学校だと思いますが、そこで、技能科で何を学習しておるか、どこへ行って何を学習しておるか、それを聞かしてください。
#70
○政府委員(宮地茂君) 設立者の氏名はすぐちょっとここで台帳を持っておりませんからわかりませんので役所のほうに聞かせます。それから科目は、普通科、家政科、被服科、工業化学科でございます。
#71
○鈴木力君 これは紡績協会立高等学校ですよ。調べるまでもありません。紡績協会がこの高等学校をつくって、そうして家庭科は主として被服とかそれをやっているわけですよ。要するにその教育をやっていることはいい。そうして紡績会社が労働者の募集をするときに高校の設備がありますという写真入りの、それで募集をしておるわけです。いまの連携教育という教育も文部省側の見解からいうと一つの道が立つわけです、そのとおりいけば。ところが、いまこれを企業側がいろいろな注文をして単位を下げてみたりいろいろなことをやりながらもこれをやっておる。そうしていま通信教育のうちの四分の一はもう企業内にいる集団にいるわけでしょう。そうしてそのことは定時制でやればやれるのにかかわらず、そういう形でやって二交代制、三交代制をやっておって、そうしていまの労働力募集に教育が利用されているとすれば、この点は相当メスを入れる必要があると私は思う。先ほど来私が質問申し上げたことについても、その角度から調査していないという御答弁がありましたけれども、やっぱりこれは同じ。たとえばある紡績会社に行っている子供でも、全部がそろって被服の家庭科にだけ行きたいという希望を持っておるわけじゃないでしょう。しかし、そこは全部同じなんです。そういうような実態が非常に多いから、この点については趣旨はそうでないということでよくわかりますよ。しかし、そうでないという趣旨なら、その趣旨に合わせるようなものをつくらないといけない。だから、単位を変えるにしても、あるいは政令を出すにしても、あまりにも企業の要求というものに目を向け過ぎては、教育は私は邪道だと、こういう感じがするのです。どうもいま伺っていましても、学校という看板がなければなくてもいいんだというような大演説は伺ったのですけれども、私はいま学校の制度の問題で質問しているのですから学校のことを言っているのです。社会教育と一緒にしてこういうことをある場合にはそういう議論をする、ある場合には通達と法律が先になっていくというようなそういう行政が続いておりますと、通信教育そのものも、やはり定時制も、後期中等教育そのものがだんだん混乱をしてくる危険性がある。そういう面でいま申し上げたわけです。だから、御答弁は要りませんけれども、いまのようなそういう実態はこれは十分に調査をしてみてもらいたい。
 それからもう一つは、教育ということなんですから、規則にもありますように、学校長は生徒が学習している状況を把握しなければならないと、わざわざ規則に書いてあるでしょう。ところが、広域の生徒がそちらにずっと散らばっておって、どういう形で学校長が学習の状況を把握しておるのか、こういう点でもほんとうにこれは整理されないと、何となしにふっと広げてはみたもののほんとうの教育の場としてはふさわしいのかふさわしくないのか、そういう問題が出てくるおそれが十分にあると思う。そういう点で御検討いただきたい、こう思います。
#72
○松永忠二君 私は時間がないので少し短く質問いたします。
 高等学校の定時制課程を卒業した者が全日制の課程の者と差別をされて就職している状態、これを少しお聞きしたい。
 私はいま話が出てきているように、非常に定時制の生徒も少なくなってきている。そういう中で非常な困難に耐えて定時制を卒業してきたにもかかわらず、全日制の子供と企業内で差別をされている、そういう事実があるのです。これはどういう状況になっているのか。また、古い調査は私は持っておりますけれども、その後改善をされているのかどうか、この点をひとつ聞かせてください。
#73
○政府委員(宮地茂君) 全日制を卒業しました子供と定時制を卒業しました子供が卒業後、就職をいたします場合に、就職の機会均等、同じように高等学校卒業としての資格で同等に扱われているかということでございますが、遺憾ながら率直に申しまして差別されているのが実態であると言わざるを得ません。そこで、これはもう長い間経過があるわけですが、そういう実態がございまして、もちろん、それにはそれなりの理由もないわけではございません。たとえば勤労青年が定時制に行っておりまして、その定時制に行っている子供がある職業についておるといったようなことから、高等学校卒業という資格で企業が子供を募集します場合には完全にフレッシュマンである、学校に行っておってどこにも就職をしなかったと、そういう者を自分の企業に入れて自分の会社の仕事をやらせたいといったようなもの、あるいは年齢をある程度高卒の通常の年齢といったようなところから初任者を採りたいとかといったような、いろいろあるようでございますが、しかしそれにしても、一口に申しますれば全日制と比べて差別しているということで、昭和三十年代からこういう点につきまして文部省といたしましては、日本の全国的な経済関係の団体に対しましてはそういうことを訴えまして、さらに各県、さらに主要な事業所ごとに直接お願いもしてまいりました。そういうことで、たとえば昭和三十八年には、定時制卒業の子供に就職のための就職試験の機会を与えなかったといったような数が昭和三十八年では三四%が与えたと、したがって六割前後の企業は機会均等の扱いをしていないというようなことでございましたが、逐年よくなりまして、昨年の調査では三十八年と逆転しまして六割くらいが平等に扱っているというようにだんだんよくなっておりますが、しかしそれにしましても一〇〇%差別しない努力目標に対してはまだほど遠いものがございます。そういうことで従来以上に文部省としてもいたしますし、また県のほうにもそのことをお願いし、県では県内の小さな事業所までそういうことをお願いする、そういうお願いやらPRを充実していっておるわけでございます。
#74
○松永忠二君 二つあるわけですね。企業内で資格をとった場合に、その資格を認めない、やはり定時制を卒業してもそれによって給与の差を何らつけない、そういうものと、それから初めから定時制の高等学校の生徒に対して就職の機会を与えないといった、二つのものがあるわけです。私は、いまお話があったのはあとのことを言われたようですけれども、現実に企業内で苦労して定時制に通って、そうしてこの資格をとったのに資格を全然認めない。そのところでこういうものが一体具体的に、たとえば昭和四十年には従前から差別をしないものが六万四千九百三十六企業あるのに、ことしそういうことを差別しないようにしたものは一万一千三百九十一社ある、差別しているものは二万一千四百六十社あるというふうな具体的な数字があるわけです。数字的にいって改善をされておるのか、具体的に。それからまた、そういうものは一体大企業に多いのか、中小企業に多いのか、こういう点はどうなっているのですか。そしてまたそれを具体的に、あなたはただ観念的に言われているけれども、いつ一体文部省はそういう通達を出したのですか、企業に対していつ、何月何日に一体そういう通達を出しておるのか。いま定時制の問題を問題にしているのですが、通信教育だってそれは同じだと思うのですね。で、そんなただ観念的にこうですというのじゃなくて、現実にこういう通達を出して、こういうふうに一体改善をされておるということを具体的に言ってください。そしてまた、私は政務次官、大臣もおられるのでちょっとお聞きしたい。その点はあとから答弁をしていただきたい。私はこういうものこそ政府が努力をすべきである、こういうものこそ日経連が努力をして、少なくも日経連自身がこういうことについての努力をしていくべきものだ。これはたとえば総理が責任者として、たとえば夜間大学、第二部の大学を卒業した者あるいは定時制なり通信教育を終えてようやく資格を持った者を差別をすることについて、こういうことをあり得ないようにしてほしいということを政府みずからが取り組まなければ、文部省という一つの単なるものが取り組んでもなかなか解決ができないのですよ。こういうことをやったことがあるのですか、またやる意思というものが一体あるのかどうか。これひとつ、私、関連で少しく質問したので、もう予定されている人もあるようですから遠慮はいたしますけれども、具体的に言ってください。具体的に、いま企業内で資格を取ってもそれを差別をしているものと差別をしない企業とどのくらいあるのか、それは大企業に多いのか、中小企業に多いのかという点、それからまた卒業した生徒に対して就職の条件を与えない企業というものはどのくらいあるのか、与えているものはどのくらいあるのか、その比較、これをひとつ言っていただくと同時に、大臣からこの点について、こういうことを日経連に対していつ要請したことがあるのか、また日経連自身はそういうことについてどういう努力を一体払っているのか。こういうことについては私は政府の責任でもあるし、企業もまたそういうことの責任を果たすべきだと思う。勤労しながら後期中等教育を終えた者、こういう者に対してそれが正しく措置されていないというところに一つは後退する原因も出てくると思うのです。この二つの点をひとつお聞かせいただきたい。
#75
○政府委員(宮地茂君) 私のほうは、通達といたしましては、一番最初、昭和三十八年の四月十日に事務次官名で、これは高等学校だけでなく、大学の夜間学部の卒業者も含めまして、平等に扱ってほしい。その内容としましては、先生が二つに分けられましたその二つを入れまして、採用試験のときに平等に扱ってほしい、それから、その後も本人の資質、能力に関係のない形式的な事由によって不利益をしないようにということで、先生が二つに分けられましたその二つともについて、差別をしないようにということを昭和三十八年四月十日、次官名でお願いをしておりますが、その年以後毎年初中局長名で高等学校の定時制につきましては全日制と区別しないようにということを、これは主要な全国の事業所に対しまして毎年出しております。
 それからさらに、三十八年次官通達を出します年に、事務次官会議で申し合わせをいたしまして、この問題については各省庁においては地方公共団体、関係事業所等が政府のこの趣旨に沿ってその職員の採用に留意するよう協力を求めるという次官会議の申し合わせもいたしております。
 それから、前段の、二つに分けられました不平等扱いについてのその数字的な点でございますが、実は、先ほど申しましたことは日経連のほうから毎年調査をお願いして出してもらっておるのですが、いま二つに分けられましたその数字でなく、就職のときに受験の機会を平等に与えたか与えないかという数字だけの日経連の調査しかいま持ち合わしておりません。
#76
○国務大臣(秋田大助君) ただいま局長から、お尋ねの点につき御答弁申し上げましたが、今後さらにこれが趣旨の徹底につきまして文部省といたしましても関係方面への協力、また世間一般の定時制なり通信制に対する価値評価の向上につきまして配慮をしてまいらなければならぬと思っております。なお、企業内におきまして、いろいろ差別措置ということも十分この点については調査はできてないようでございますから、その点についても今後留意をし、関係方面の一そうのひとつこの点に関する御配慮、御協力方につきましてお願いをしてまいりたいと思います。しかし、ひるがえって考えますと、こういう問題に対する社会の正当な認識を高めていただくためにはわれわれ文部省側におきましても後期中等教育における全日制に並んで定時制並びに通信教育のその位置を正当に認識をいたしまして、これが内容を充実をするということが基本的に大切なことであろうと感じております。この点十分考えてまいりたいと思います。
#77
○松永忠二君 じゃ、私は、三十八年に出した次官通達の書面、それから毎年出しているという高等学校の定時制について差別をしてほしくないという、そういう全国の事業所へ出す通達、それと、いま申しました企業内における差別をしているものと企業の中において差別をしていないものの数字を、これは資料を出してほしい。それから、いまの大臣の答弁から見て、政府としてこういうことをやったことはないのだということははっきりしたわけですね、つまり、文部省という場でそれが行なわれている、これはやはり単に定時制高等学校の問題だけじゃありません、大学についても同じだと思うのです。こういうことについて、政府がそういうことについて日経連、経団連、経済同友会に働きかけた事実はいままでなかった、そういうふうに考えていいわけですね。その資料をひとつさっそく出してください、よろしゅうございますね。
#78
○政府委員(宮地茂君) 先ほど申されました次官並びに初中局長からの依頼は、さっそく提出いたします。ただ、あとのその差別の数字につきましては、できる限り御趣旨に沿うような資料を、手元にあります限りにおきまして出さしていただきます。これから調査をしたのでは間に合いませんから、いままであります限りで御趣旨に沿いますようなものを出させていただきたいと思います。
#79
○小笠原貞子君 初めに、定時制、通信制の高校の問題を考えるときに、私の質問はすべて一貫してその振興法の第一条の目的が明らかにしているように、教育基本法の精神にのっとって、働きながら学ぶ青年に対し教育の機会均等を保障するためという、その機会均等を保障するために設置されたものであるという立場を一貫して持ちながら、文部省の御答弁もその立場からどうなのかという御答弁をいただきたいと思うわけです。実はきょうゆっくりやっていいとおっしゃったから四時間分準備してきたのだけれども、時間がありませんので、いままで出ていた重複しているのを少しはずしまして、そうして先ほど鈴木委員のほうで連携教育がだいぶそちらのほうでも熱が入っていたようですから、連携教育から入っていきたいと思います。
 技能連携教育という問題については先ほども言われましたように、昭和三十六年に学校教育法を改正してその制度が確立し、さらに四十三年の省令の改正で技能連携科目は大幅に広げられるという措置が行なわれました。それ以来連携実施校の増加というのがずっと進んできております。そうして数が進んでいるというそういう一面から見ると、勤労青少年に高校教育の機会を与えるという一つの前進面があるとおっしゃるだろうとも思いますけれども、その反面では先ほどから問題になっていた高校教育の一環としてのその内容の水準というものが低下されている。それで学校教育を企業の人集め、これはみんなが言っていることですし、事実そうだと思いますけれども、全く企業の人集めの宣伝や社内教育のかわりにさせられているといっても言い過ぎではないと思うのです。こういうことは非常に教育の本質から考えても、また子供が教育を受ける立場から考えても許されないことだと思うのです。これは非常に大きな問題だと思うのですけれども、それについて文部省としても現在定時制、通信制高校でどれくらいそれぞれ連携している学校数とその施設があるのか、その内容はどうなのかという具体的な資料というものをおつくりになったことがあるのか、いますぐお答えいただかなくてもけっこうです。そういうものがあるのかどうかということを簡単にお答えいただきたいと思います。
#80
○政府委員(宮地茂君) 技能連携施設として文部大臣が指定いたしておりますのは三百二十八でございます。その施設に連携をしております高等学校が定時制が四十八、通信制が二十五、定通併修学校が二、計七十五校でございます。
#81
○小笠原貞子君 数だけじゃだめなんです、私がいま聞いたのは。だからその数のそれぞれの中身ですね。それがほんとうに教育の立場に立って内容というものはどうなのかというそれの調査がなければ数が幾つだと言うだけじゃだめです。だからそういう中身についての調査というのもあるのですか。
#82
○政府委員(宮地茂君) いま申しました次の家庭関係とか、工業関係といった程度のはあるようですが、いま先生がおっしゃいます詳細はございません。
 そこで来年やります研究指定校等でこれは全国推計というよりも、三十校ぐらいについて徹底的にやってみますれば問題点は詳細に把握できると思いますので、三十校の研究指定校につきましては十分調査をしたいと思います。
#83
○小笠原貞子君 非常におそいのです、やり方が。これからやるなんと言うのじゃちょっと問題にならぬですよ。その辺のところこれからでもしっかりやっていただきたいと思いますが、実施されているものは企業の要請によってそういうことが行なわれているのか、そういう技能連携教育というのが、それとも学校自体が自発的にやっているものか、そういう点についてどういうふうになっておりますか。
#84
○政府委員(宮地茂君) こういうことはもちろん企業としても要望がございますし、また子供に教育の機会を与えたいと思います文部省としての独自の考えもありますし、さらにそういう企業がございます周辺の高等学校については企業からの要望もありましょうし、学校自身としても教育的立場からという要望もございまして、どれが中心ということではございませんが、事実問題としてはそうでありますが、しかし私どもの基本的な姿勢といたしましては企業が要望、陳情するからしようという基本的な態度ではございません。子供に教育の機会を与えるための手段、方法としてはこれがよいということは、文部省独自の判断によってやっておるわけでございます。
#85
○小笠原貞子君 非常にお答えがあいまいなんですね。やはり実体をつかんでいらっしゃらないからそういうことになると思うのですけれども、全国高等学校通信制教育研究会というのがあるんですよ、御存じですか、ありますね。これから長いから全通研と言いますけれども、その全通研が去年の五月にアンケートを出したわけですわ。その実施したアンケートで回答があったのが十八校なんです。その十八校の内訳を見ますと、施設側のみの要請によって連携を実施したものというのが十校あります。それから施設の要請に基づき学校が推進したものというのが三校なんです。それから施設と県教委の指導によるものが三校なんです。ですからつまり施設側の要請によるものというのは、協力をしたという形はとっても、施設側の要請する中から生まれたというのが十八校中実に十五校であるという――大臣もよく聞いておいてください、十五校あるわけなんですね。これを見ますと、いまおっしゃったように文部省としてはそういうことは望まないと、教育の立場からこうだとおっしゃっても、事実を調査してくればやはり企業の要請によってこれが行なわれているというのがはっきりしてきておるわけなんです。学校の側がほんとうにこれで、教育本来の見地から学校教育の主体に学校がなっているということがこれでは考えられないわけなんですね、学校教育というものがね。学校教育が、学校側が主体になっていないでしょう。十八校のうち十五校が企業の要請でやった、企業の要請によって県教委が協力してやった、こういう形が十五校も出ているわけですよ。だから学校側が本来教育上の見地から主体になって連携を行なうというのならば話はわかるけれども、明らかに学校が受け身になっておるわけですわね、わかりませんか、黙ってわかるような顔していらっしゃるから私よくわかっていただけると思うんだけれども、しかもその中身のほとんどが集団入学なんですよ。この集団入学というのは何だといったら、やはり企業側が集団で入っているという事実になってくるわけですよね、こういう事実ですよね、こういう事実がいまあるわけですわ。それについて文部省として大臣でも一度発言していただいて、一体こういう事態をどういうふうに見ていられるかということを一言でもいいです、簡単にお答え願いたい。
#86
○政府委員(宮地茂君) いま先生がおっしゃいましたのは、私のほうも数字は、その調査は持っております。ただこれは動機といたしまして確かに学校側の推進によりますとか、施設の要望によりますとか、あるいは県教委の指導によりましたとか、いろいろ動機としてございます。その場合にいかがでございましょうか、私どもが行政をします場合も文部省として細心の注意をしても及ばないときに、りっぱな御意見等が教育関係者からあれば、それが動機でやるということもこれはあろうかと思います。しかしながら責任としては、それは文部省でそれはいいことだと思って責任をもってやるわけで、この調査も大阪の向陽台高校につきましても、この向陽台高校自身が校外に目をむけて、何か勉強をほしがる子供はいないであろうかというふうにそこまでやるのが順序かもしれませんが、そこまで目が及ばないときに企業として、自分のほうでこういう子供がいるけれども、連携施設としておたくの学校で勉強さしてもらいたいということを企業が言うことによって、そこまで気がついてなかったがそんなにいるのか、それではという気持になる場合もあるでございましょう。そういう意味におきまして、先生がおっしゃいましたことは、これは調査でもございますし、私どもそれを否定いたしません。しかしながら、あくまで学校がやりたい、あるいは文部省がやりたいという場合、動機はそうでございますけれども、やる責任は文部省なり学校なりが責任をとっておるので、企業がそう言うたたからやったのだという責任回避ということにはならない。そういう意味で主体性はそれぞれ文部省なり学校なりにあるので、企業の思うままにはなっていないと、まあこういうことでございます。
#87
○国務大臣(秋田大助君) せっかく私をお名ざしで、せめて一問だけでも答えろということでございます。これは大事なことだと思います。過去の事実は事実でございまして、企業側からの要請の数が多い。これはアンケートの数、そのとおりでございましょう。これは遺憾であったという先生の御批評でありますが、そういうことも言えるかと思います。しかし要は、企業側も教育に熱心に、教育のほんとうの本旨に立ってやっていただきますならば企業からそういう要請が出るということもあながち悪いことではないと私は思います。要は、この要請に基づき文部省の与えるところが企業側の要望にいたずらに流されてはいけない。後期中等教育の制度の中における定通制度のあるべき姿をしっかり認識いたしまして、その内容を充実して連携教育の健全化をはかるべきである、こういう点を主眼に今後われわれはやはり施策を進めていかなければならないと思っております。
#88
○小笠原貞子君 宮地局長、たいへん企業側に好意的なお答えなんですね。企業がそうしてやろうじゃないかというくらいのそんなすてきな企業だったら、定時制のほうにどんどん入れなさいというふうに文部省がしなければならないわけでしょう。そういう努力をまずして――そうして集団入学でもって、そして技能連携で教育の内容というのを低めていっている。そして企業に見えない鎖で縛られているわけでしょう。転校もそういうこともできないわけでしょう。そういういろいろな問題があるのに、非常に企業側にすなおな見解を見せていらっしゃるということはたいへん残念に思います。それでいまちゃんとおっしゃったことをそのままお聞きしました上で、それでは文部省としても技能連携教育施設に指定するという場合には、その施設が学校教育法施行令の第三十三条の指定基準というのがありますが、それにちゃんと従ってできているのかどうかという、そういう責任を持って調査して、内容というのは把握していらっしゃいますか。
#89
○政府委員(宮地茂君) 文部省が指定いたします場合は、法律、政令に基づきます規定の命ずるところに従って指定をいたしております。ただ、その指定した後に、逐一指定したときと全く同じ条件であるのか、それ以上の上回っておるか下がっておるかといった調査を毎年するということは、遺憾ながら正直に申し上げましていたしておりませんが、まだこの指定をしまして日もそう何十年もたっておりませんが、毎年はできなくても数年おきには、確かに指定したときより下がらないように、それ以上の水準であることを保証していくべきであろうと、いまどこが下がっておるということをつかんでおりませんが、そういう気持ちでおります。
#90
○小笠原貞子君 お気持ちはわかるが、いますぐここというのはつかめてないということで、先に進みたいと思います。
 そういう企業の中で今度やられる場合に、企業の中の先生ですが、この先生の俸給というのは一体どこから出ているのですか。
#91
○政府委員(宮地茂君) どうもわかり切った御質問で、ちょっとお答えするのがこわいのですが、企業の職員ですから、企業から出ていると思います。
#92
○小笠原貞子君 企業から給料をもらって、そうして企業の立場に立っている人がほんとうに学校教育の立場に立って、憲法、教育基本法の立場に立って、そういう教育ができるというふうにお考えでしょうか。当然のことながらとおっしゃったところ、私はちょっとびっくりしたのですよ。当然のことながら企業からその先生が月給もらうというのはあたりまえだ、その先生が教えてもいいというのは、ほんとうにちょっとびっくりしたのですが、これで教育というものに企業側からのいろいろな問題点が出てくるというふうに御心配にはなりませんでしたか。
#93
○政府委員(宮地茂君) これは企業内の訓練施設でございますが、学校として、各種学校としていろいろの教育をしておる。企業に全然ためにならぬことはもちろんやらないと思いますけれども、企業に奉仕するためにといった、そうあまり教育をする場合に企業企業ということではなく、そもそもそうあるべきでございますし、そうあることを期待しておりますが、まあ先生のお気持ちは十分わかります。もちろん、企業じゃなくて、全く離れた学校としてなぜやらないかということだろうと思います。そういう意味におきましてはもちろん学校がよいわけですが、しかし、そういたしますと、その子供は企業に就職しますと学校へ行く時間がないということで、学校に行けない子供に着目して企業内で行なわれている。その場合に、比較的職業教育の科目というものに限定いたしております。社会とか理科とか数学とか国語とかいった普通科目は連携施設では指定をしていないわけです。そういった意味におきまして、先生がおっしゃいます、完全に一般の学校と同じかと言われますと、必ずしもそれはそうとは言えないでしょうけれども、最小限の期待を踏みにじって企業一辺倒の教育ということではないと存じます。
#94
○小笠原貞子君 結局いまみたいな実態を見ていると、これは社内教育と同じになってしまいますよね。私はそこのところを心配しているわけなんですよね。本来学校教育の一環として設けられた技能連携教育でしょう。それの内容が、さっき聞いたら、具体的な内容というものも、調査というのは十分にはできていない。しかも、施設内の教員がその企業から報酬さえもらっている。こういうことになってくると、もうほんとうに非常に問題が多いと思うのですね。そこのところをもう一度重ねて言っておきます。
 それからこれは山原議員が衆議院で言ったのですが、宮地さんもお答えになったのですけれども、もう一度申しますけれども、これも技能連携科目の試験のときの、二十八の通信高校中十九校がアンケートを出して、問題作成を学校がやったのが幾つかと、十九のうち学校が問題作成したのが三つで、施設が問題をつくったのが九校で、共同でやっているのが七校というのがございましたでしょう。それからその試験の監督をするのが、学校で監督するのが三つで、施設のほうので監督するところが十二と、共同でやるところが四。それから採点する場合も、学校側で採点するのが三つで、施設で採点するところが十で、共同で採点するところが四と、こういう数字がこの間山原議員の質問の中にもあったと思う。これは八九%が施設または共同でやっているということは、いろいろ言われても、施設側の意思が何らかの形で反映するということはいなめないですね。私は観念的に言っているのではなくて、そういう事実というものができてきている、それが出てくる根拠はこういうところにあるのだというのが私は言えるから言っているわけですよね。学校側として問題をつくって、そうして監督もして、試験の採点もするというのが、せめてこれがあたりまえの形なのに、わずかに一一%しかやってない。八九%は問題もやる監督もやる採点もやるでしょう。これに対して宮地さんこの前お答えになりましたね。「私のほうは、そういう報告を受けておりませんし、事実でないことを信じたいと思いますが、先生がおっしゃいますので、さっそく調べてみたいと思います。それが事実とすれば違法な点もございます。」云々と衆議院でお答えになっているのです、議事録で。お答えになりましたね。あれが三月の十九日なんです。その後もう二カ月近くたっているわけです。これは非常に違法な点もあるとみずからおっしゃるくらいの問題なんですよね。この二カ月の間にそれ御調査なさいましたでしょうか。
#95
○政府委員(宮地茂君) その御質問は富山の雄峰高校について具体的に山原先生がおっしゃいました件だと思います。そこで、この詳細を県から直接聞きました高等学校課長がおりますので、課長からちょっとお答えをお許しいただきたいと思いますが、よろしゅうございますか。
#96
○小笠原貞子君 山原議員は富山の雄峰高校と、それからいまの問題ですね、これを聞いているわけです。これは先ほど言いました全通研の資料の中に出てきているわけなんです。その全通研の資料によって、問題の作成、監督、採点という点について宮地さんがお答えになっていらっしゃるのです。だからそれについて、具体的にどういうような状態か、お答えになっているんだから御調査ということが何らかの形でやられたかどうかということです。
#97
○政府委員(宮地茂君) 全体につきましてはまだいたしておりませんが、とりあえず、そのときの中心問題は雄峰高校をあげて申されましたので、とりあえず、私ほとんど国会で忙しゅうございまして、課長が直接詳細に聞いておりますから、課長から雄峰高校についてならお答えできます。その他につきましてはまだ調査いたしておりません。
#98
○小笠原貞子君 時間をお許しいただけるんだったら、ぱっときられないんだったら課長さんからお答えいただきたいと思います。
#99
○説明員(西崎清久君) ただいま小笠原先生からお話のございました雄峰高校の通信制に関する件でございますが、山原先生が衆議院で御指摘の点は五つほど論点がございましたが、これ全部につきましてお話をしますと長くなりますので、五つについて少しづつお話ししますが、雄峰高校通信制における技能連携で、技能連携当時の問題としては、工業の教員がいなかったのではないかという点が第一点でございましたが、この点につきましては、兼任教員が当時一名おりまして、四十一年から四十二年まで兼任教員が九名おったというふうな報告を受けております。
 それから次の問題は、分教場あるいは分校における試験問題の作成について、これをすべて企業側にまかせておるのではないかという点御指摘があったわけでございますが、これは私ども教育委員会も呼びまして話を聴取し、四月十三日付で初中局長あて回答をもらっておりますが、この中では、問題作成につきましては、本校からの各教科担任教員というものが出かけて、分教場における非常勤講師も参加して合同でつくっております。こういうふうに従来からしておるし、今後もしてまいりたいというふうな報告を受けております。御質問の要点はほかにもございますが、先生の御質問の中心点二つだけちょっとお答え申し上げました。
#100
○小笠原貞子君 時間がありませんから飛ばしていきますけれども、この全通研のこの資料だけお持ちになっていらっしゃるとおっしゃるのだったら、これをごらんになっても、一年生の私でもこれはたいへんだなと思う問題が一ぱい含まれているわけなんですよ。だからそれについて文部省としても、口で努力いたしますとか検討いたしますとか、そういう姿勢はまことに正しくないとかおっしゃってもだめなんで、やはり具体的に実践の中で示していただきたいということを切にお願いします。やっていただく意思はありますね。
#101
○政府委員(宮地茂君) 間違っていることは、できる限り努力して直させたいと思います。御趣旨に沿うように努力いたします。
#102
○小笠原貞子君 次に、勤労青少年の教育の機会均等という問題は、先ほども言ったようにその立場からすればどうしても就学奨励措置というものも相当考えていかなければならないと思うのですよ。その一つの問題として、いろいろ先ほどからも原因を言われました。だけれども、経済的な問題だとか、それから企業の中でのいろんな困難な問題というものがたくさん出ているわけなんですね。そういう意味からいきまして、愛知県の調査というのは私も拝見いたしまして、これはたいへんだと思ったわけなんです。それは企業のほうのいろいろな立場から、通学しているために起こる問題というのが出てくるわけなんです。それは賃金で差別されるというのが一四・三%あるわけなんですね。それから日曜出勤して補わなければならないというのが一三・二%、深夜に仕事を補っていかなければならないというのが七・四、早朝にやらなければならないのが一二・一、職種上で差別されるものが一二・六とか、日曜の学校行事に必ず参加できますかと言ったらできないというのが五一・五%、そういうように非常に企業からの問題点で、出ていけないという困難な問題を訴えているわけなんですね。こういう点を改善しなければ、ほんとうに子供たちは行きたいといっても行けないわけですね。だからそういうような子供たちに対して、出席を雇用主が保障するというような問題を、具体的にどういうふうに考えていらっしゃるかということですね。具体的にお聞かせいただきたいと思います。
#103
○政府委員(宮地茂君) 子供が企業の職場で働きながら定時制なり通信教育を受けるということは、なかなかむずかしいことでございます。企業の理解が十分でないと、まあ早びきをし、その穴埋めを日曜とか深夜、早朝とかそういうことになろうかと思います。そこでこれは御承知と思いますが、昨年五月に勤労青少年福祉法ができまして、その十二条で、事業主に対しまして、法定職訓あるいは学校教育法の定時制通信課程、こういうところで教育を受ける場合には当該勤労青少年が当該職訓または教育を受けるために必要な時間を確保することができるような配慮をするようにつとめなければならない、こういうことで、企業側に対しての訓示のような規定でございますが、強制力は保障の限りでございませんが、それにしましてもそういう法律ではっきり明示されております。そういうことで、この子供たちが働きながら学校に通う場合に、何としても企業の理解ということが必要ですし、ただこれは訓示的な規定で、それでは企業に対して具体的にどのように保障していくかといったようなことを、実はこの点につきましては、今日まで私どももいろいろ検討もいたしておりますし、さらに、その企業が賃金を引かないで子供に便宜を与えた場合、せめて税法上法人税で税額を控除するとかいったような措置を、ということで大蔵省等にも極力お願いもいたしておりますが、まだ実現を見ておりません。しかし、何としましても、こういう点については、子供自身に修学援助の金をやるというよりも企業側のそういう保障がございませんので、何か具体的な詰めをすべきであろうという気持ちは十分持っております。まだ実現いたしておりませんが、こういう昨年できました法律もバックにいたしまして、今後努力をいたしたいと思っております。
#104
○小笠原貞子君 ほんとうに訓示なすっても無意味なんですね。雇用主も中小企業の場合には通学させたいという気持ちがあっても、やはり経済的な問題で働いてもらわなければならないというわけでしょう。だから訓示じゃだめなんです、具体的ないまおっしゃったような減免措置なり何なりという、減税措置なりということがなければ、ほんとうの修学奨励措置にならないわけなんです。きょう、私のほうで大蔵省をお願いしてあったと思うのですが、通じてありませんでしょうか……。いらっしゃってますか、じゃすわっていてください。宮地さんばかりいじめるわけではないのですよ、大もとの大蔵省の方、すわっててください。
 それで一つはその問題、文部省としても、私が言うようなことを大蔵省に行ったら言っていらっしゃると思いますが、さっぱり大蔵省のほうはだめなんですね。だめなんだと言ったら悪いけれども出していただけない。だからそこら辺のところを具体的に、少なくともそういう具体的な修学奨励の措置をやるということと、それからこれも発言されておりましたけれども、PTAの入会金が何千円取られるとか、それから会費が二百八十円ですか、施設協力費が取られるとかいうようなことは非常に好ましくないとおっしゃられたでしょう。こういうことはすべきではない、してはならないという、禁止条項の羅列的なものが、たとえば学校寄付は地財法なりであれは違反だというようなことも出ておりますでしょう。そういうようなPTA会費とか施設費とか、そういうものを子供の働いておる貧しいふところから支払うようなことはするなという、具体的な措置を考えていただけますかどうか。
#105
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 それは早急に実行いたしたいと考えております。
#106
○小笠原貞子君 早急というのはどれくらいなんです。
#107
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 直ちにでございます。
#108
○小笠原貞子君 早急にとか直ちにとか、当分の間と書かれて、実に四半世紀に近い二十三年ほったらかされて……、あとで質問するのですが、直ちにと言われても、ことしじゅうなのか、来年なのか、十年、二十年延ばされるのか、その辺のところがそういう答えでは困るんです。それに加えてもう一つは、たとえば東京、京都では定時制の高校生が教科書無償配付しております。無償で定時制の子供たちに対して、そういうようなことも修学措置としてしていただきたいわけです。教科書とか学習書とか、ずっと調べてみたのです一年、二年、三年、四年、どれくらいの値段、全部ちょっと計算してみたんですよ。そうすると一年間定時制全部合わせて十六、七億ですよ、ちょっと大きいなと思ったけれども、何ですか、ファントムF4何だかいうのは二十億九千万ですか、それを八十機買うと言うんでしょう。大蔵省聞いていてほしいんです。防衛庁の予算というのは全然削らないです、ほとんどいままで。概算要求だって削られるのは厚生省とか文部省は削られて、防衛庁の予算はほとんど削られておりません。こういうような、膨大なんですよ、飛行機一機分あったらどれだけできるか、どれだけいい教育ができるかという問題もあるわけですから、そういう意味で教科書無償配付の問題も含めて、具体的な修学措置ということを、もうちょっと具体的にいつごろまでには大蔵省さんと折衝ができそうだというところまで聞かせていただきたいと思います。
#109
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 先ほど私が直ちにと申し上げましたのは、先生御指摘の定時制高校における施設費とか、そういった寄付に類するものを徴収していることについて、いまその事実があると、私どもは考えていないわけでございますが、あったとすれば、これは本来施設費という形でそういうものが徴収されるべきではないと、文部省は指導いたしてきておりますので、これは日にちを何日に通達を出すということは申し上げられませんが、少なくとも今月中にこの問題については、処理をいたしたいと考えております。
 次の御質問につきましては、きょう大蔵省当局も出席をされておるわけでございますけれども、十分検討をいたしまして、先生の御質問の趣旨の実現のために努力いたしたいと考えておりますが、いつまでにこれが実現するということは、残念ながら現時点ではお答えできかねますことを御了承いただきたいと思います。
#110
○小笠原貞子君 それから修学奨励措置の問題として、もう二つあるのですよ。一つは、この前も問題になりました学割りの問題ですね、協力校だけはずされておるわけです。この前の質問の答弁では国鉄が赤字だからそこまでは手が回らないというような御答弁があったわけなんです。で、国鉄がそれでだめだったら、それじゃそれでしょうがないと、そのままお置きになるような文部省では困ると思うのです。国鉄が赤字だから指定校の場合には五割引きの回数券がもらえるけれども、協力校に行ったら五割引きの回数券が出ておらないわけでしょう。ほんとうにわずかのお金のように皆さんから見れば思われるかもしれませんけれども、低賃金の中から払うお金というのは、二十円、三十円だって大切なお金なんですから、そうしたらそれを国鉄の赤字でできませんとこう突っぱねられたら、文部省としてそういう区別、なぜなさるんです。私が初めから言ったのは、機会均等という立場から、そして定時制、通信制でも同じ高校の一環として考えているとおっしゃっておるわけでしょう。そうしたらその行っておる学校、スクーリングに行っている学校が協力校だ指定校だという違いで、片方に五割の回数券を出し片方には出さない。そういう差別を文部省は黙っている手はないと思いますが、そうお思いになりませんか。思わないような顔をしているから、おっしゃってください。
#111
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 先生御指摘の点は確かにそのとおりだろうと思います。ただこの問題は、先生も御承知のように国鉄の財政ということに伴う問題でありまして、これを文部省がそれではかわって負担をするということになりますと、全体的な問題として国鉄の財政と文部省の予算との関係が出てまいりまして非常に大きな問題を含みますので、いまこの時点で、たいへん恐縮でございますが、文部省としてこれを財政的に負担をするという結論を出すことはちょっと不可能でございますので、この点も御了承いただきたいと思います。
#112
○小笠原貞子君 了承できないんです。国鉄と文部省の立場といっても政府の立場からいったら一つでしょう。国の立場に立ってこの子供の教育をどうしようということをほんとうに真剣に考えてくだされば、国鉄のほうが赤字でだめだと言ったら、文部省のほうとしても子供にこれだけのことをやりたいと言って大蔵省のほうにほんとうに折衝してくださるべきじゃないか。これは通学の関係で国鉄の管理だ、そういう紋切り型のことで私は差別しているところにみずから差別していらっしゃるのじゃないか、文部省自身がみずから差別しているので、そこで差別しないなんと言ってもそんなこと聞きませんよ。私がもう一つ言いたいのは、スクーリングに行くという、月二回です。二回のわずかな問題です。それでもできないというのは、ほんとうに子供の立場から考えたら涙が出るほどくやしいですよ。そこのところをひとつ真剣に考えていただきたい。
 次に、郵便料金です。これもこの前郵便料金の問題が出ましたが、そのときのお答え不十分なのでもう一つ詰めたいと思いますが、この間郵便法が改正になって四種の料金が値上げになって四円のが六円と五〇%の値上げになったわけです。これがたいへん通信制の場合はレポートを提出するというのに、まあ、わずかだと思われるかもしれないけれども、負担になるわけですよ。そうしますと、これは省令で、法律の施行とあわせて五月末、あるいは六月上旬にきめられるわけでしょう、この問題は。そうしたらまだちょっとかちっときまったわけじゃなくて、省令できめられるということになれば、その郵便料金というものを身体障害者の場合にお認めになったように、定時制のレポートぐらい出していただけないものだろうかと、これ、私ちょっと計算してみますと、十五万人で八十回レポートを出して、二円の値上げ分だから、二千四百万ですよ。子供の負担から見たら重いけれども、国の財政から見たら二千四百万てほんとうに安いものですよ。それについて具体的に措置をしてもらいたい、そういう意思がおありになるかというのを文部省側にお聞きしたいわけですね。
 それから今度大蔵省のほうにお聞きしたいのですけれども、先ほどからるる申していますように、教育という、国の大事な問題について、来年度の自然増、どれくらい見ていらっしゃるのか、その大きな国の予算の中からこれくらいのお金がどうにもならないというふうにお考えになるのか、もう少し文教のほうに目を向けて、ほんとうに教育というものを口じゃなくて、具体的に守っていくという立場に立っていただけるのかどうか、その辺のところをお聞きしたいと思います。
#113
○説明員(原徹君) 大蔵省の立場で申しますが、私ども教育が非常に大事であるという認識は非常に強く持っておりまして、国際比較などで見ていただけば日本の国がいかに教育に金を出しているかということは明白でございます。国、地方を通じまして財政支出の中で二一%というのが教育に使われておるわけでございますが、それは非常に高い数字でございます。もちろん、全体でそれでいいというわけじゃございません、確かにそれは。しかし大学の先生の本などを読みますと、それはやはり一人当たりの国民所得が低いということに帰するのであろうというのが、二冊ばかり本を読みましたが、二冊ともそういうふうに書いてあります。決して大蔵省独自のあれではないと思いますが、したがって教育の問題、非常に大事に考えておりまして、ことしの予算の伸びも見ていただきますれば、過去四十年以来、一番の伸びになっております。先ほどちょっとファントムとかなんとかというお話がございましたが、私、実は防衛の主計官もやりました。何か防衛庁の予算も一つも切れないというお話でございますが、絶対そういうことはございません。ファントムは九十何機、実はもとは百三十機を削ったわけでございます。決して防衛のほうばかりやっているというわけじゃないのでございまして、その点はひとつそういうふうに御理解願いたいと思います。私、来年度予算、当然増等、相当ございますが、できるだけ教育のほうに予算をつけるように努力したいと思います。
#114
○小笠原貞子君 文部省、郵便料金のほうはやる気がありますか。
#115
○政府委員(宮地茂君) 郵便料金はさっきの国鉄の割引と同じように、これ、先生のおっしゃいますのは一々聞いておりまして反発するつもりは毛頭ないんでございますけれども、やはり国家財政全般の問題、いまおっしゃること自身だけ取り上げればそれはわずかなことでしょうが、郵政省全体としてのやはり郵便料金の関係もございましょうし、文部省としては先生のおっしゃっておられることに異論はございません。しかし、さればといって国全体としての問題もございましょうし、さらに私ども子供の就学援助という場合に、いまおあげになっておられるものがプリオリティとして一番優先するかどうか、いろいろ就学援助にはございます。したがいましてそういうことを十分検討して、少なくとも具体例は別として、御趣旨は一つも異論はないわけです。だからそういう方向で今後努力していきたいというふうに考えます。
#116
○政府委員(竹下一記君) 郵政省といたしましては、通信教育はきわめて大事なことだと考えておりまして、そのために出される郵便料金は極力低く押えたいという方針でまいってきております。いま百グラムごとに四円という料率でございますが、これは昭和二十六年の改正のときに四円でありましたものを二十年間据え置いてきたという経緯もございます。その間、ほかの郵便料金は二回ほど上がっておるんでございますが、このたび、七月一日から通信教育のための郵便料金も二円ほど上げていただきまして六円にしていただきたい。まあこれもほかの種類の料金に比べますると、上げ幅は一番少ないのでございまして、どの種類の郵便料金よりも一番低いところに据え置いてございます。身体障害者のための三種郵便料金、これは十二円でございますから、それに比べますと、今度改正いたしましても六円ということでございますから、郵政省としましてはきわめて勉強しているというふうに考えております。
#117
○小笠原貞子君 時間がないから、次に進みます。
 施設等の教育条件の問題なんですけれども、高等学校設置基準というのによりますと、定時制の場合は第二十八条によって、第十九条にいう校舎の設備、施設は「当分の間、」、これはさっき言いました「当分の間、」なんです。三十一条で「一つの施設をもって二つ以上に兼用することができる。」と、こうなっているわけですね。そういう条文のもとに、結局、図書室が会議室になったり、面接室になったり、職員室が事務室になったりというように、非常に教育環境の条件というのが悪いわけなんですよ。ここで「当分の間、」ということが、実にさっき言ったように昭和二十三年に出されていて、ことし四十六年でございますから、二十三年が「当分の間、」になっている。四分の一世紀に近いというような、そういう時間がたっている。これをこのままでまた「当分の間、」というので半世紀まで持っていらっしゃるのか、具体的にお考えになっていらっしゃるのか、教育条件の問題についてお考えを伺いたいと思います。
#118
○政府委員(宮地茂君) これはたびたびおしかりを受けるところですが、「当分の間、」はそれだけじゃなくて、養護教諭にしましてもいろいろ「当分の間、」が長いわけでございまして、私どもの気持ちとしましたら、きょう、ただいまでも廃止しますと言いたいところでございますが、やはり恐縮ですけれども、国には国相応の財政というものがございましょうから、まあそうといってなおざりにしているわけじゃなくて、やむなくそれが直らないということでございます。そういう意味におきまして今後十分努力していきたいというふうに考えます。
#119
○小笠原貞子君 国の財政というのは主権者であるわれわれの財政になるんですから、われわれの意向を聞いて財政を組むべきなんですよ。さっきから聞いていると国の財政は別なんだと、だからそううまくいかないのだというふうに考えていらっしゃって、ちょっと主権者を忘れていらっしゃるようだから、そこのところ、ひとつ国の財政というものは私たち主権者の意向を尊重して行政なり、財政だって措置しなきゃならないわけですから、そこのところをしっかり考えていただきたいと思うのです。
 もう時間もないから最後の質問になりますけれども、全体の定時制、通信制高校の一番の問題点になっているのは、教員の非常に労働過重だとか、それから専任教師がいないとか、非常勤講師が非常に多いとかというような問題がたくさん出ているわけですね。これも実態をどの程度つかんでいらっしゃるか、先ほどからの御答弁じゃちょっと不安なんで、一つ言ってみますと、たとえば埼玉県の飯能高校では、日本史の教師が一人で、日本史、世界史、倫理、社会、政経、地理を教えている。それから今度これも埼玉の上尾では、一人で定期試験のために七種類の問題をつくっている。そういうようなのがずっと二十校調査したうちことしの三月現在できているわけなんです。こういうふうな問題や、それから総授業時間のうち非常勤講師が持っているのが一五%という例が出ているわけなんです。これは、全日制の場合は三%しかないですね。そうすると、定時制なんかの場合には五倍も非常勤講師でやられていると、こういうような問題。それから、専任教師というのが非常に少ないわけです。たくさんの仕事がかかっている。一人の人のを出してみると、全日制が十人でもって担当している公務を一人で受け持った上に、ホームルームを担当して、クラス二つをかけ持ちすると、こういう状態になっている。しかも通信制高校になったらまた一つ悪いという条件になっているわけですね。こういう条件の悪さというのは一体どこからくるかといったら、定数法からどうしても根拠というのが出てきているように思うわけなんですよ。その定数法でいいますと、たとえば全日制の場合は一人から二百七十人までが除すべき数が十八になっている。二百七十一人から六百七十五人までは除すべき数が二十二・五人になっている。ところが、通信制課程の場合には、一人から六百人までなんですね。一人から六百人という、その二百七十人までという一つの段階がなくて、いきなり一人から六百人まで。しかも割っていく数というのが、定時制でいえば大体六百というと二十二・五で割ればいいところが六十で割るということになっているわけですね。そうしたら、全日制の場合だったら一つの教室で先生が一回しゃべればそれで済むから、だから少しぐらい人数がふえてもいいということになるわけですよ。しかし、通信制の場合ですと、数がふえたからといっても一ぺんに添削するわけじゃないでしょう。一人一人に添削しなければいけないわけですね。そうしたら、生徒の数に応じてふえていかなければならないわけですよね。定時制で一ぺんに教室で教えるのと一人一人の添削と違うのだと。通信制の場合、それがいきなりこういうふうに六百人で、しかも割るべき数が六十人。そして、人数で割っていくから非常にこの定数が不合理な、過酷な立場に先生を追いやっているわけですよ。
 そこで、通信制の一人から六百人まで六十という除すべき数をお出しになったのは、ただ何となくお出しになったわけじゃないでしょうから、基礎となる根拠というのはどういうような根拠から通信制は六十でいいというふうにお考えになっていらっしゃるのですか。
#120
○政府委員(宮地茂君) その前に、いかにも定時制、通信制が悪いようにお考えですが、しかも積算をおっしゃいましたが、これは定時制は四年課程、全日制は三年なんです。そうしますと、子供の一週間の授業時数が、平均いたしまして全日制は三十四時間ですね。定時制は二十四時間です。そうすると、先生の授業担当時数というものがやはり違ってくるわけです。ですから、そういうような積算がしてありますので、両方が同じ子供の授業時数であるという前提に立ちますと、確かに不合理ですが、そのことはちょっとお断わりしておきたいと思います。
 それから、大蔵省おられますが、全般的に、前に安永先生の御質問にございましたが、私どもことしで第二次五カ年計画が終わりまして、今後、四十七年以降教員定数につきましては大蔵省にもお話し合い申し上げて定数の改善をしたいと思っておりますが、ただ、定時制と通信制と、そう先ほど先生が……。
#121
○小笠原貞子君 全日制と比べたのですよ、私は。
#122
○政府委員(宮地茂君) 全日制と定通を比べまして、上尾とか埼玉の高等学校をあげましたが、これは私は調べてみたいと思いますが、そんなに定時制が過酷であるという数字には、少なくとも数字的にはならないわけです。そういう過酷な数字が出るとすれば、それはその学校の運営がよほど何か違った事情でもあるのではないかと思います。しかし、教員定数はもちろん充実していきたいということは、先生とお気持ち同じです。
 それから、六百ですけれども、きわめて技術的になりますが、これはこの前安永先生のときに詳細に申し上げたのですが、もう一回やりますか。
#123
○小笠原貞子君 それはきちっと六十の算定基礎ということの説明をいただいたわけですか。
#124
○政府委員(宮地茂君) 相当詳細にいたしました。
#125
○小笠原貞子君 それではそれはいいです。それじゃ、それを見せていただいて、御答弁いただかなくてもけっこうですが、そういう積算の定数法を改正してほしいということと同時に、人数で割るのじゃなくて、教室で割らないと困るわけですよ。何十人もたくさんだったら、それで一人で間に合うかもしれないけれども、少ない教室になってきちゃったら、人数で割られたのでは困るわけです、先生足らなくて。だから学級数で割るというようなことを考えていただかなければ、この先生のたいへんな問題というのは片づかないと思うのです。いかがお考えですか。
#126
○政府委員(宮地茂君) これは学級の要素を持ち出しますと、必ずしもいい結果にならないのです。大蔵省おられますから、あとでゆっくり大蔵省とお話ししたいのですが、先生の御意図はわかりますが、これはあまり小、中と違うものですから、それで今後大蔵省とも十分御相談して、たとえば過疎地域もさることながら都会もそうですが、非常に定時制は入学する子供が少ないわけです。したがって、一学級四十人と平均して計算してみますけれども、五人か十人しか入ってこない。そういったような場合に、ただその数字だけじゃなくて、学級を要するにそこへ入れるのじゃなくて、入れるとしましても、一学級きたものとしてどうこうするとかといったような、きわめて技術的ではございますが、定時制の教員充実の方向に向かって今後大蔵省とも御相談いたしたい。ですから学級そのものを入れるがよいかどうかは、これは安永先生の御質問にもございましたが、検討をさしていただきたいと思います。
#127
○小笠原貞子君 私も機械的に三人か五人しかいないのに全部三人の教室に一人ずつ配置せい、そういう無理を言っているのじゃないのです。ただ、全体としてこういうふうに小規模校になってきた場合に、それらの学級をスクールバスでここに集めるというようないろいろな手だてもあるとおっしゃると思いますけれども、それも頭に入れておいて定数法というものを来年度からのときに改善していただかなければ、さっき埼玉の場合はうそみたいなことをおっしゃいましたけれども、うそじゃないのですから、あとで具体的にまた学校の名前なんかもお知らせしますけれども、そこを考えて善処していただきたい、そう思います。
 それから最後ですけれども、事務職員の問題。この間もるる御説明ありましたね。この間の答弁の中ではっきりしたことは、学校の教育というのは先生だけじゃなくて、教員も実習助手も事務職員も一緒になって学校での教育効果はあげることができるのだということはお認めになっていらっしゃったわけですね。お認めになったとすれば、同じ職場で事務職員だけには今度はつけないということになれば、これも職場の運営上、学校教育上、あまりよくないということまでもおっしゃったわけですね。そこで、なぜつけられないのだといったら、この法律は学校の教員で、事務職員は対象に入っていないからつけられないのだ、こうおっしゃったわけですね、この間の答弁まででは。そこで、そこからお伺いするのですけれども、これ、いま改正しようとしているわけですね。だからここに書いていないから入れないのだというのじゃなくて、ここに書いたらどうなんですか、対象の中に。事務職員というのを一つ入れれば、どうせ法律改正しているんだから。そこのところを一つ入れれば解決つくわけだと私は思うんですよね。それができないという理由と、できないのならばそれではどういう具体的な手だてを考えていただけるのか。そこのところ、その点をお伺いしたいと思います。
#128
○政府委員(宮地茂君) 事務職員の手当てですが、それは書けば簡単ですが、そういう、書けば簡単だからというわけにいきませんで、やはりこれは先生もいまおっしゃいましたように教師というものは私どもは非常に――事務職員が要るとか要らぬとかいう問題と離れまして、教育というものは教師というものがともかく中心だと思うんです。そういうことで直接子供の教育に当たる者に着目しましたということで、それでは事務職員も重要なんだから事務職員にもということですが、やはり大学でも夜間学部におります事務職員、これにもそういう手当はついておりません。したがいまして、あることだけを考えますとそのことは正しいようですが、しかし、やはり同種の職種が多くあります場合に同種の職種の中でなぜそれだけを取り上げなければならないかといったような、いろんなことを総合的に勘案して行政は進めていかなければならないと思います。したがいまして、絶対に事務職員に手当はやるべきでないという意味ではございませんが、事務職員については大学の夜間部の事務職員にもそういうものはついてないし、それらと総合的に考え、さらに給与問題全般に関する問題でもございますので、御趣旨の点は頭に置いて将来の問題として十分検討したいということを申し上げておるわけです。
#129
○小笠原貞子君 たとえば大学でもそういう夜間の勤務の人がいる、だからそっちもできてないからこっちだけというわけにはいかないと、そういうことでしょう、いまの御答弁は。そしたらそっちで聞いたらこっち見るからできない、こうなってくるんじゃないですか。どっかが突破口で出ていかなかったらできないわけでしょう。一ぺんに約束してぱっとひとつ予算をつけてくだされば問題ないけれども、大蔵省なかなかそこまでいかない。とすればやっぱりどっかが出していって、そこも出したから出したという道だってもしていいんではないか。だからいまの答弁では私は納得ができないんです。やはりそういう夜間勤務をしているという事務職員で、しかもいろいろと特殊な困難な状況をかかえている。それじゃそれでできなければ夜勤手当を特別に出すとか何とか方法を考えていただかなければならない、そう思うわけなんです。
 もう時間がだいぶ過ぎたという御注意をいただきましたから、これ以上聞いても同じような御答弁だと思いますからやめますけれども、私もこういう定通制なんというの、ほんとうに今度ずっと調べてみたんです。そうしたらたとえば授業時間、一時間日、二時間日というのは大体寝ているんですね、疲れてくるから。そうして帰りごろになると疲れが直って目がさめる。そしてそこでほんとうにもう友だち同士として企業や何かの束縛がないときに話し合えるホームルームがやれそうなときに門限がきて、それ以上おくれれば賃金カットだなんというので、そこで子供たちがほんとうに悲しい思いをしているんですよ。それから、今度、学校の先生にしても、まあ寝せておくというわけです、これはもうかわいそうだから。それで、数学の時間にその子をさした。そうしたら寝ていたのが起きて国語を読み出しちゃったと、こういう事例も出てくるわけです。ちょっとそれを聞けばこれは笑い話なんですよね。だけれども私はそこに笑い話では済まされない、いまのほんとうに底辺に置かれた子供たちの問題を真剣に考えていただかないと、口では差別いたしません、高校教育の一環ですと言いながら、みんな差別――文部省自身も差別していますよ、いまの問題でずっと答弁のあとを聞いてみれば。事実そうじゃないですか。言っていることは差別ないけれども、やっていることは具体的には差別が出てきているんですもの。だからほんとうにこの問題について真剣に今後の解決というものを考えていただきたい。そのためには文部省だけではできないからきょうはお忙しいと思ったけれども大蔵省も来ていただいたわけですから、どうぞ福田大蔵大臣にちゃんとおっしゃっていただいて、しっかり予算の方面へ、いまこれからつけられるときだと思いますのでしっかり予算のほうを教育の面に向けていただきたいということを要望して終わりたいと思います。
#130
○委員長(高橋文五郎君) ほかに御発言がなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#131
○委員長(高橋文五郎君) 御異議ないものと認めます。
    ―――――――――――――
#132
○委員長(高橋文五郎君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、楠正俊君が委員を辞任され、その補欠として山崎竜男君が選任されました。
 暫時休憩いたします。
   午後二時二十七分休憩
 〔休憩後開会に至らなかった〕
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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