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1970/05/20 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第17号
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1970/05/20 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 文教委員会 第17号

#1
第065回国会 文教委員会 第17号
昭和四十六年五月二十日(木曜日)
   午前十一時三十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月十九日
    辞任         補欠選任
     二木 謙吾君     青木 一男君
     中山 太郎君     山本敬三郎君
     山崎 竜男君     楠  正俊君
     千葉千代世君     加瀬  完君
 五月二十日
    辞任         補欠選任
     楠  正俊君     山崎 竜男君
     青木 一男君     林田悠紀夫君
     柏原 ヤス君     上林繁次郎君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         高橋文五郎君
    理 事
                大松 博文君
                船田  譲君
                小林  武君
                安永 英雄君
    委 員
                田村 賢作君
                永野 鎮雄君
                星野 重次君
                林田悠紀夫君
                三木與吉郎君
                矢野  登君
                山崎 竜男君
                山本敬三郎君
                加瀬  完君
                鈴木  力君
                松永 忠二君
                内田 善利君
                萩原幽香子君
                小笠原貞子君
   国務大臣
       文部大臣臨時代
       理        秋田 大助君
   政府委員
       内閣法制局第三
       部長       荒井  勇君
       人事院総裁    佐藤 達夫君
       人事院事務総局
       給与局長     尾崎 朝夷君
       文部政務次官   西岡 武夫君
       文部省初等中等
       教育局長     宮地  茂君
       労働省労働基準
       局長       岡部 實夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        渡辺  猛君
   説明員
       文部大臣官房統
       計課長      岡本  昭君
       文部省初等中等
       教育局財務課課
       長補佐      宮園 三善君
       文部省初等中等
       教育局中学校教
       育課長      奥田 真丈君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○理事補欠選任の件
○国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の
 給与等に関する特別措置法案(内閣提出、衆議
 院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 昨十九日、千葉千代世君、二木謙吾君、中山太郎君、山崎竜男君が委員を辞任され、その補欠として加瀬完君、青木一男君、山本敬三郎君、楠正俊君が選任されました。また本日、青木一男君、楠正俊君が委員を辞任され、その補欠として林田悠紀夫君、山崎竜男君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(高橋文五郎君) 理事の補欠選任についておはかりいたします。
 二木謙吾君の委員異動に伴い、理事が一人欠員となっておりますので、この際補欠選任を行ないたいと存じます。
 理事の選任につきましては、先例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(高橋文五郎君) 御異議ないものと認めます。
 それでは理事に船田譲君を指名いたします。
    ―――――――――――――
#5
○委員長(高橋文五郎君) 国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法案に対し質疑のある方は、順次御発言を順います。
#6
○松永忠二君 私はまず人事院の総裁にお尋ねをしたいのであります。
 今回の法律を制定するについての意見の申し出に関する説明、これにも、教員の職務と勤務の態様の特殊性に応じたものとする必要がある。教員の職務の特殊性というのは、一体人事院総裁はどういうふうにお考えになっておるか、この点ひとつお話しを願いたい。
#7
○政府委員(佐藤達夫君) 重要性という面から申し上げれば、次代の国民を育て上げられるというような言い方がいろいろとありますけれども、それはさておきまして、私どもが本件に関連して着目しておる特殊性ということについて申し上げます。
  一口に言いますというと、まあ一般の行政に従事している職員と比べた場合に、いかなる点において顕著なる違いを持っておるかということでございます。結局、私どもの説明書にあげました一つになっておりますように、要するにその仕事の実態は自発性、それから創造性ということに期待される面が多い、教育というものはそもそも教員の自発性、創造性に期待されておるところが少なくないということが一つの大きな特徴だと思います。この間も触れましたけれども、たとえば税務署の役人の場合に、税務署の役人が自発性、創造性を発揮してもらったらたいへんなことになる。ところが、先生の場合にはこれとはっきり違うというような面において、行政職との間に一つの違いがあるだろう、そういう点から関連いたしますというと、勤務時間の見方というものについても、そういう面からこれを見るべき筋合いが出てくるのじゃないか。したがいまして、たとえば授業時間、これははっきり拘束されておる時間でありますけれども、それ以外の、これもこの間触れましたように、たとえば夏休みの間いかようにこれを有効に利用するかというような点については相当自発性、創造性に待つところがあるのではないか、もちろんこれは校長その他の管理者の承認というような条件は、これは一つの組織体の中におられる以上は当然でありますけれども、それにしても普通の行政職に比べればたいへんに違うじゃないかということを勘案していきますというと、結局勤務時間の、あるいは勤務のあり方について、すべてストップウォッチを握ったような形での時間的計測あるいは時間的管理というようなものがなじむかというような問題がそこにつながって出てくるということで、この私どもの意見の申し出の根本の考え方はそこにあるというわけでございます。したがいまして従来勤務時間というものは一応はきまっておりますけれども、これは普通の行政職の場合の勤務時間とは違うのだということがありまして、勤務時間をこえたからどうのこうのというような問題はこれはきわめて希薄な問題だ、勤務時間の内外を通じてその勤務を再評価し、これを再評価した場合に今日のままではこれはいけない、したがって四%――実質四%というような今回の優遇措置をやはり講じてしかるべきではないかというようなことにずっとつながっておるわけでございます。
#8
○松永忠二君 少し人事院総裁、お聞きをしたことを御答弁願いたいと思います。私は勤務の態様の特殊性という問題はあらためてお聞きをするわけでありますが、教員の職務の特殊性、こういうことに職務の特殊性、こういうことについて人事院総裁はどういうふうにお考えになっているか、これを私はお聞きをしたいのです。これひとつお考えになっていることを、勤務の態様の問題はあとでお聞きしますが、教員の職務の特殊性というのはあなたはどういうふうにお考えになっておられるか、これをお聞きをしたいわけです。
#9
○政府委員(佐藤達夫君) 最初それを実はよけて、ちょっと触れて置いただけに過ごした点でございます。要するに、きわめて重要な職責をお持ちになっておるという角度からのここに評価があるだろう、その評価としては、これも私どもたびたびいろんな機会に申しておりますけれども、要するにそのお仕事というものは次の国、社会をしょうべき国民、有能な優秀なる国民を育て上げる。憲法的に言えば、これは次代の主権者です、次代の主権者を育て上げるお仕事に携わっておられる。その意味で、これほど重要なお仕事はないというような評価のしかたもあるわけでございます。そういう面からのお尋ねであれば、まずそういうふうにお答えしたいと思います。
#10
○松永忠二君 そうすると、いまお話をお聞きいたしますと、教職員というのは次代の社会をになう人物をつくり上げる非常な重要な職責を持っているというお話ですね。そういう面が非常に特殊性があると、そういうことですな。それはそういう程度にお考えになっておるならば、それでけっこう。何かつけ足すものはございませんか。
#11
○政府委員(佐藤達夫君) 先生のほうがちょっとヒントを与えていただきますと、それはそのとおりでございますというふうに申し上げられますけれども、何かそういうヒントはいただけませんでしょうか。
#12
○松永忠二君 私はそういうことを言っているのじゃなくて、教員の職務の特殊性ということを強調されているわけですから、人事院総裁としてはここに言う国家公務員の、つまり教職員の勧告する権利を持っておられるわけです。そういう面で、一体教員の職務の特殊性とは何ぞやということは十分にお考えになって深い思索を持っておられるのではないか。そういう意味からお聞きをしたのであって、次代をになう人物を養成する重要な責任を持ったものだというだけの御認識なのか、もう少しやはりこういうふうな点も特殊性があるというふうにお考えになっているのか、これをお聞きしたいのであります。いまのような程度のことであれば、常識的にただ、だれもがその程度のことは私は認識を持っていると思うんです。しかし、教員の職務の特殊性ということを人事院が言い、人事院総裁が説明するとするならば、もう少しやはり別な――別というのもあれですが、まあいろんな理論もお持ちだと思いましたから、まず人事院総裁にその点をお聞きをしたのであります。別にそれが再出のお仕事じゃないわけでありますけれども、しかしそれを理解をしておらなければ、これまたそれに応じたことができないと思いましたのでその点をお聞きをしたのであります。なおまとめて、要約して、その程度ではまことに不十分だというなら、つけ加えていただくものがあればお聞かせをいただきたい、こういうことを申し上げたのであります。なお整理して、そういうものがあるならお聞かせをいただきたい。これは非常に重要なことで、人事院総裁がどういう教員の職務の特殊性についての認識を持っておられるかということは、われわれも聞きたいことであり、国民もそういう点を聞かしていただきたい、こういう気持ちを持っておると思いますので、ひとつなお御説明があればまとめてお聞かせをいただきたい。
#13
○政府委員(佐藤達夫君) 結局煮詰めた、せんじ詰めたしかも次元の高い角度からの特殊性は、私は先ほど述べたところが一番眼目になるであろうと思いますし、ただいまその点は必ずしも一般の常識であるということは間違いではないという太鼓判をいただいたわけでございますから、これは私は間違っておらないと思いますけれども、しかし、今回の意見の申し出に関連した角度からこれを見ました場合に、やはり私どもとしてここで説明書などであげておりますのは、勤務の態様の特殊性というものにつながったお仕事の特殊性という意味でこれを見ておりますから、そこで先ほど申しましたような教育ということは、教員の方々の自発性、創造性に待つところが非常に多いというようなこと、そういうような面を先ほど触れたのであります。本件のこの案に密着する限りにおいては、そういう説明のしかたであり、またそれは私どもの基本の考え方になっているということを申し上げられると思うわけです。
#14
○松永忠二君 そこで文部大臣にお聞かせをいただきたいのですが、文部大臣がこの教員の職務の特殊性というものは、どういうふうにお考えになっておりますか。勤務の態様というのではなしに、一体教員の職務の特殊性というのは、どういうふうに大臣としてお考えになっているのか、この点をお聞かせいただきたい。
#15
○国務大臣(秋田大助君) 諸先生のような、その道の大家で、幅広い御経験があり、また深刻ないろいろな思索を経られたであろう方々を前にして、せっかくのお尋ねでございますので、お答えをいたします。自信はございません。どうぞ御指導をお願いしたいと思います。
  私はこんなふうに考えたらどうかと思っております。それはお子さん方の人格をつくりあげていくことをお助けする任務を持った方である。したがって、人格を形成することをお助けするためには、その先生方自身が一体人間とは何だろう、個人とは何だろう、基本的人権の尊厳とは一体何であろうかということに関する深い思索、これを補うまた専門専門で要求されます知識のほかに、深い、万物あるいは人生に対する経験、思索をやはり要するものである。その思索を経て、そうして、これを人に教え移していくには、やはりそこに専門的なやはり技術的なものがある。そういうものを身につけた方々が教師のあるべき姿である。したがって、一般の仕事とは非常に違った種類のお仕事で、そこに自発性が出てくる、そこに創造性が要求されてくる、こういうお仕事である、それが一般のその他のお仕事とは違うものがある。牧師さんとか、神職、そういう方とも、やはり人にそれを教えるということはよく似ておりますけれども、そこにお子さんにそれを移し助成をしていくところにある。専門的な知識、教育に対する専門的な知識も要求されてくる。したがって、そういう面から申しまして、いわゆる神職と言われるような、神聖な職と言われる牧師さんとか、思想家、そういう方とも違うものがある。したがって、特殊な職種である。こんなふうに私は考えてみたわけでございます。
#16
○松永忠二君 それでは文部省になおお聞きをいたしますが、教員の職務の特殊性というものを法律なり、あるいは文書で表現されたものはどういうものがあるでしょうか。ある程度公的な性質のもので、教員の特殊性というものについて表現をしたものは、どういうものがありましょうか、それをひとつ御説明をいただきたい。
#17
○政府委員(宮地茂君) 教育公務員特例法がその一つであろうかと思いますが……。
#18
○松永忠二君 それはどういうふうに表現しておりますか。
#19
○政府委員(宮地茂君) 直接教員の職務とはというような表現ではございませんが、特例法の第一条に、「この法律は、教育を通じて国民全体に奉仕する教育公務員の職務とその責任の特殊性に基づき、」云々といったようなことがございますし、さらにそういったようなことから身分というものが一般の公務員と違って特別な扱いをしなければいけないとか、さらに「職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。」とか、そういう条文が特例法の随所に見られます。
#20
○松永忠二君 いや、それは一般のものであるのでわれわれも承知をしているわけです。もう少しそうした問題について明確にされているようなものはありませんか。
#21
○政府委員(宮地茂君) 法律の規定として、特に教員の職務とはかくかくであるというようなものはございません。ないと思います。
#22
○松永忠二君 私がお聞きしたのは、法律だけでなくて公に発表されているもので、比較的責任のあるもので教員の職務の特殊性に言及したような書類、書面というのはあるのかないのかということ、どんなものがあるのかという……。
#23
○政府委員(宮地茂君) これは直接文部省というよりも……。
#24
○松永忠二君 文部省でなくてけっこうです。
#25
○政府委員(宮地茂君) 中央教育審議会等で御答申をいただきましたりしたようなものをもとに、文部省が引用してものを言ったりしたことはございますが、ごく最近では中教審の中間報告に相当詳細な職務の特殊性が報告されております。
#26
○松永忠二君 内容をもう少し明確にしてください。ただこうなっているというのじゃなしに、いま文部大臣と人事院の総裁が、一応教員の職務の特殊性ということを言ったわけです。たとえば文部省が指導するに当たって、教員の職務の特殊性とはこうだということを、やはり常に認識をしながらおそらく指導もされているであろうし、そういう点については完全なものをお持ちではないかと思うんですが、またそういう点についての施策も十分持っておられるんじゃないか、そういう意味で単に法律にこうある程度とかどうとかでなしに、もう少し多方面のものがありませんか。ないならないでやむを得ないけれども、それはもう少しやはり口で言うのではなくて、明確にしたものがないんでしょうか。またあなたが言われたものであるとすれば、それはどういうことなのか、内容について。
#27
○政府委員(宮地茂君) 文部省といたしまして、教員の職務はかくかくであるということをいわゆる文部省の公的解釈といったようなことでまとめて公表したものはございません。ただ、おりに触れ、教員のその仕事が重要であるといったようなことで通達を流したりしたようなものはございますが、まとまったものはございません。中教審はもちろん文部省とは違いますが、中教審の答申等をもとに、私どもいろいろこういったようなことを、ものを申しておりますので、中教審が中間報告をなさいました個所を申し上げますと、こういった個所がございます。「本来、教育の仕事は、人間の心身の発達に関するきわめて複雑高度な問題を取り扱うものであり、哲学的な理念と科学的な方法の総合という本質的なむずかしさをもつものであって、その困難さに対応できるほどに教育に関する研究を進め、その専門的水準の向上をはからなければならない。
 さらに、若くして教職についた者が、その在職中つねにみずから研修に努め、より高度の専門性を身につけて、その地位に自信と誇りをもって活動するためには、その研修、待遇などについて根本的な改善をはかる必要がある。」といったような個所が比較的教員の職務の特殊性というものをまとめて報告しておられるところと思います。
#28
○松永忠二君 そういうものがまだありませんか。私はもしこういう話が出たときに、すぐ頭の中に浮かばないものがあるとするならば、やはりそういうものについての認識が少し浅いのじゃないかという感じがいたしますが、どうでしょうか、ちょっとお考えになって。
#29
○政府委員(宮地茂君) たびたび申し上げておりますように、教員の職務とはかくかくであるといったようなものを文部省の名においてまとめて公表したものは私おそらくないと思います。しかし、先ほど来申しておりますように、断片的に教育の仕事の重要性といったようなことで、通達等で言っておるのがしいて言えば公式的なものと思います。
 その他中教審の中間報告なり、あるいはILOでの勧告で、教員は専門職であるというふうにお書きになっておられるところがありますが、そういったようなことを引用して、教員はこういう職務を持つものであるといったようなことを言ったりしておることはございます。
#30
○松永忠二君 私は別に法律なり文部省だけに限っているわけではないので、まあそういうお話が出れば当然ILO、ユネスコの教員の地位の勧告などに明確になっている教員の職務の特殊性というものについてまあお話があると思ったわけなんですがね。そういうもの、それはまだ聞きませんけれども、あなた御自身はどういうふうにお考えになっておるのかという点もあるわけですけれども。いわゆるILOとユネスコの勧告のものにはどういうふうなことを表現されておるのか。
#31
○政府委員(宮地茂君) これは先生も御存じのことでございますが、お尋ねでございますのでその個所をお読みいたします。
 「教員の地位に関する勧告」のIII、「指導原則」の6ですが、「教職は、専門職と認められるものとする。教職は、きびしい不断の研究により得られ、かつ、維持される専門的な知識及び技能を教員に要求する公共の役務の一形態であり、また、教員が受け持つ生徒の教育及び福祉について各個人の及び共同の責任感を要求するものである。」さらにVIIIの「教員の権利及び責務」の70の「教員の責務」で、「すべての教員は、その専門職としての地位が相当程度教員自身に依存していることを認識して、そのすべての職務においてできる限り高度の水準に達するよう努めるものとする。」といったような個所が該当するんではないかと思います。
#32
○松永忠二君 そういうところよりも、むしろ前文に相当明確になっているんじゃないですか。「不断の道徳的及び文化的進歩並びに経済的及び社会的発展に貢献する上に欠くことのできないものとして、あらゆる才能及び知性を完全に利用するために一層広範な一般教育、技術教育及び職業教育が必要であることを認め、教育の発展における教員の本質的役割並びに人類及び近代社会の発展に対する教員の貢献の重要性を認識し、」まあそれからあなたがおっしゃったような6の、「教職は、専門職と認められるものとする。」云々というのがありますね。まあこういう点についてやはり教育職員の職務の特殊性というものはどうだということを文部省的な考え方を明確にしておく、また表現をされたものがあるという必要性については、あなたはどういうふうにお考えになっておりますか。きょう私が質問するに当たって、この程度のことしか教育職員の職務の特殊性というものは言えないということになりますと、少しやはり不完全ではなかろうかという気持ちも率直にするのでありますが、あなた御自身そういう点についてはどうもお思いになりませんか。特に今度の法律などでも、その特殊性に応じたというようなことを言っているのですから、勤務の態様のことばかり力を入れないで、もう少しそういう点について、やはり教員の職務とは何だ、そういうことになればだんだんまたいろいろ職務命令という問題も発展してくると思うのですけれども、まず教員の職務とはこうだということを、私たちはこういうものによってあらわしております、こういうふうな見解を持っております、こういう表現をしております、こういうようなことをお聞かせいただきたいという気持ちを持っておったわけですが、やはりこういうものについては相当はっきり文書的に明確にしていく必要があるということはお考えになりませんか。そんなことはもう別にそれほどのことはないのだとお考えなのでしょうか。その点は見解をお聞かせいただきたいと思います。
#33
○政府委員(宮地茂君) 法律的には、教育公務員特例法をつくります場合に、一般の国家公務員と比べて特に教員の職務なり、責任なりといったようなものが違うということで、国家公務員法の特例、か教育公務員法としてできたわけでございましょうから、その際に、先ほどお読みしましたものを、もう少し職務とはこういうものだというふうに書いておくのも一つであったであろう。松永先生の御質問にもすぐお答えできるわけですから、あってまずいとも思いませんが、今日までそういった意味におきまして公権的な定義といったようなものをあまりはっきりいたしておりません。しかしまあそういうものがなくても、従来から進んできておるわけですが、しかしはっきりしたほうがよりベターであるという考え方も一つであろうと思います。ただ私ども抽象的な定義づけもさることながら、やはり具体的な問題に処していろいろ考えていくほうがよいのじゃないかというような考えもございますが、いずれにしましても、こういう場所で、はっきり公的なものはこうでございますとお答えもいたしかねますので、十分検討をさしていただきたいと思っております。
#34
○加瀬完君 関連。ただいまのお話しの限りでは、文部省には教員の職務はかくかくであるというものは全然ないということですね。それがなくて、勤務態様が正しいか、正しくないか、そういう判断をどこでつけますか。これはゆゆしい問題ですから、委員長において、文部省としての一体教員の職務というものはかくかくであるという正式な見解を求められて、それから質疑をするというふうにお運びをいただきます。一つのものさしがなくて、伸び縮みする自由自在なものさしでものをはかるということは不可能なことですよ。それでこんな法案を出すなんということははなはだけしからぬ話だ。委員長にひとつ取り扱いを一任いたします。
#35
○政府委員(宮地茂君) 松永先生の御質問から、法律にはっきり書いたものがあるかとおっしゃいますので、教育公務員特例法等の条文もお読みいたしました。しかしながら先ほど来大臣が答えられ、人事院総裁もおっしゃいましたような意味が、法律でなくっても職務の特殊性とは何かとお尋ねになって、答えられませんと申し上げておるのではなくて、職務の特殊性とはこういうことと心得ておりますということは先ほど来申し上げておりますので、ただそれが法律に書いてあるか、文部省の公解釈として文書に書かれているかと、その点はございませんということを申し上げておるわけでございます。
#36
○加瀬完君 松永委員の質問は、職務とは何かということを聞いている。職務とはかくかくであるという文部省の見解は一向に述べられない。中教審はこう言っているとか、ユネスコにはこう書いてあるということだけでしょう。それは文部省の意見ということにはならぬでしょう。法律に書いてあるか書いてないかということを聞いておるのではない。あなたの説明で、特例法にはこう書いてある、何にはこう書いてある。あなたのほうの説明に法律の条文が利用されただけだ。職務とは何かと、こう聞いておるのに対して、文部省としては職務とはこう考えていますという明確なお答えはないじゃないですか。あればそこではっきりおっしゃってください。
#37
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 文部省として教職の職務とは何かという問題については、ただいま秋田大臣からそのお考えをお述べいただいたわけでございますが、文部省としての正式のお考え方は、大臣がお話になったとおりでございます。また、先生御承知のとおり、教育基本法の第一条教育の目的、この目的を果すために教職員の方々が勤務をされるというところに他の一般の公務員の方々とは違うおのずから異なるところの使命があるというふうに文部省としては考えているわけでございまして、教育基本法の教育の目的というところにその根源を持っていると考えているわけでございます。
#38
○鈴木力君 関連。
 いまの答弁で私がひとつ聞いておきたいのは、この前の委員会で私が聞いたときに、職務命令というのは法的根拠も条例の根拠もなくても出せるというかってのあった解釈は間違いだということをはっきりしたわけですね。局長そう答えられたわけだ。そうして職務とは何かというものを文書で出せと私が言ったはず、ここにある文書に出ている。その限りにおいては、これは別の問題であとで聞こうと思っておったけれども、それはまあそれで手続的にですね。ところが、いま松永委員が聞いてみますと、職務というものは法的にも何もきめたものがないと答えておる。前に私に対しては、法的根拠も条例の根拠もなければ職務命令は職員に対して出せない。そこで職務は何かというときに、私には文書に職務とはと出てくる。教諭の行なう職務はというのが出ている。しかし松永委員の質問にはそれがないと答えておる。その日暮しの答弁をされるとこの審議はできませんから、一貫した答弁をしていただきたいと、こう思うのですが、どっちがほんとうか聞きたい。
#39
○政府委員(宮地茂君) だんだんと話がずれておるように感ずるのですが、職務とは何ぞやということでなく、職務の特殊性とは何かと、次に法律に書いてあるかというお話ですから、先ほど、その前に、総裁なり文部大臣に、職務の特殊性とは何か、お二人ともお答えをいただきました。次に、それでは法律か何かに公的なものとしてあるかとお尋ねでございましたから、たとえば教育公務員特例法の一条もお読みいたしました。でございますので、先ほど大臣なり総裁がお答えになられたような、多少まとまったそういう形では法律には書かれておりませんということを申し上げましたので、職務命令はその法律に書いてなければ職務がわからないからということではないと思います。でございますので、もう一回複習しますが、教育公務員特例法なり、その前の国家公務員法もそうですが、要するに教育を通じて国民全体に奉任するのが教育公務員でございます。ですから、教育を通じて国民全体に奉任するということが教育公務員の職務であろうと思います。では、それをもう少し具体的にどういうことか、特殊性は何かということであれば、先ほど大臣なり総裁がお答えになられたような、ふえんしてそういうものだ。しからばふえんしたそういうものがまとめて文章にあるかとおっしゃいますから、それはございませんということを申し上げておる次第でございます。その点は御了解いただきたいと思います。
#40
○松永忠二君 私はいま職務の特殊性というから、明確にした職務があるかないか、明確にしたものがあるかないかという問題に移ってきて話が出たと思うのですよ。だから職務そのものも明確にしておく必要性もあるが、特に教員の職務の特殊性ということを言っておる以上、この法案の前提になる一体まとまったものがあるのかということを言っているわけですよ。ただ大臣がそういうことをおっしゃいましたと、教育基本法というのはただ教育の目的と書いてあるだけなんです。その教育の目的を、実際実践していく教職員の特殊性というもの、この法律に言う特殊性というのはこういうものなんだということを明確にしなければ、ただこういうことです、というような程度のことではできないんです。そういうものを明確にして、それから話を進めていこうじゃないかと言っておるので、特殊性というものは、いま話が出てきたような中教審の中間報告の話をしてみたり、ただ教育基本法だとかを持ち出したり、あるいは大臣がそう言われたとか、あるいは教育を通じて国民全体に奉仕する、これが職務だと言っていたりするけれども、この法律を提案する一体教員の職務の特殊性とは何だかということを明確にしたものがないのか。文部省にこういうものがあって、これはこういうものを前提にして法律を提案しているんです、こうですということが明確になっていなければできないと思うんです。ただ大臣がそういうことをおっしゃったということではない、ほかにこう書いてある、だからこの法案の提案の前提になっている教員の職務の特殊性とはこれこれでございますと、そういうことを言えるような明確なものを出してほしいということを言っているんですよ。ただ大臣が言われたというお話でありますけれども、大臣だって坂田さんがこられたらまた別の言い方をされないわけではない。同じような精神があると思いますけれども、しかし明確にしておく必要があるんじゃないですか。いま政務次官は教育基本法という話ですが、それは教育の目的でしょう。その教育の目的を実践をしていく教員の特殊性、その上に立って、また同時に実態にある教員の勤務の態様の特殊性というものがまたそこにある。態様の特殊性というものについては比較的明確に出してあるわけなんですよ、これは。人事院もそういう点については比較的、態様についてはよく言っておるわけです。法律の提案者であるあなた方が、教員の職務の特殊性といったらこれですと、この法律根拠に基づいてこういうふうなものでありますと、こういうことを明確にしてなければまずいじゃないですか。そういうことをもしできないなら統一して出してみてくださいよ。
#41
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 私が先ほど教育基本法の第一条の教育の目的ということで申し上げましたのは、御承知のとおり、「第一条(教育の目的)」の中に「教育は、人格の完成をめざし、平和的な国家及び社会の形成者として、真理と正義を愛し、個人の価値をたっとび、勤労と責任を重んじ、自主的精神に充ちた心身ともに健康な国民の育成を期して行われなければならない。」とございます。この目的を達成するために、教育公勝負の方たが果たされる役割りというものは、これは他の公務員と異なるということは、その目的を達成するという仕事の内容からしておのずから明らかである。そういう意味で申し上げたわけでございまして、文部省として、教育公務員の他の公務員との特殊性ということはこの点からも明らかであるということを考えているわけでございます。また先ほど秋田大臣からお答えをいただきましたのは、坂田大臣が来られたらまた別だというようなことがございましたけれども、そういうことは全くございません。
#42
○松永忠二君 御主張はけっこうですから、文書的な表現をしてみていただきたいというんですよ。その義務はあるでしょう、そういう義務は。要求しているんですから。教員の勤務の特殊性というものを明確にして、この法律の提案の前提となるそういうものについて文書表現をしたものを出してほしい。あなたのおっしゃったことが正しいならそれを文書表現してみてください。責任あるやはり書面にして出してもらわなければ、ただお口でそういうことを強調されても理解できません。だからそれはあなた方がおっしゃることが正しいならけっこうですから、大臣のおっしゃることが正しいならけっこうですから、もう少しまとめて、いわゆる教員の特殊性、私たちも教えていただきたいんです。文部省の考えている教員の特殊性というものを、これをひとつ委員長、要求を――加瀬さんからも出ている。私からも、それを出すか出さぬか、そのことについてひとつおはかりください。
#43
○委員長(高橋文五郎君) 速記をとめて。
  〔午後零時十六分速記中止〕
  〔午後零時四十八分速記開始〕
#44
○委員長(高橋文五郎君) 速記起こして。
#45
○政府委員(宮地茂君) 先ほどお尋ねの教員の職務の特殊性につきましては、人事院総裁、大臣がお答えされたとおりのように私ども心得ておりますが、法律上はっきり書いたものもないので、やはりそうであればはっきり書いて出すようにという御要求がございましたので、直ちに書きまして、いかほどか時間をいただきたいと思いますが、お手元に職務の特殊性につきまして書いたものを提出いたしたいと思います。
#46
○松永忠二君 少し先へ進みますが、そこで、そういう職務の特殊性に応ずる条件というものは一体どういう条件がなければならぬか。その職務の特殊性になるとするならば、それに応じた条件というものは一体どういうものがなければいかぬか。そういうことについて、文部省側のほうから、そうあまり深く考えなくてもいいのですからこういう条件というものが必要だ。職務の特殊性からこういうことがなければいけないというそういう条件。そのためにはどんな条件が必要なのか、こういうことをお答えをいただきたい。
#47
○政府委員(宮地茂君) 条件というのは、一応、そういう特殊性を持つ職務に従事する方に要求されるもの、またそういう仕事につく人に対して、国なり地方公共団体なり社会としてしなければならないもの、そういう面で申し上げますと、やはり、先ほど大臣も一申しましたように、非常に深い、単なる知識ではなくて哲学的な高度なそういう学識というものが当然なければ特殊性にふさわしい教育を行なうことができませんから、やはり教員になりますまでのいろんな学問、知識、技術の修得、さらに教師になった後も絶えざる研修、こういったようなことで特殊性に応じた教育が行なえるにふさわしい資質を教師みずからが備えていくということが、教職員に課せられる一つの条件であろうと思いますが、同時にまた、それほどの職務に教師をつかせるためには、そういうりっぱな方がつき得るような諸条件を整備して差し上げる必要があろうかと思います。そのためには、ILOもいっておられますが、物質的な処遇並びに精神的なこれに対する尊敬、その他、高い地位にふさわしい、国なり、地方公共団体、さらに社会としての心がけなければならない問題があろうかと思います。そのようなことではなかろうかと存じます。
#48
○松永忠二君 別に決して御謙遜なさる必要はないと思う。私もそうだと思いますね。深い専門的な教養と、それを常に絶えず研修をしていくという必要がある。これはもう教育公務員特例法にもあれば、勧告などにもそういうことをいっている。同時に、職業につくその人たちに自由がやはりいれられなければならぬ。特に学問上の自由を与えなければいかぬ。それからまた、同時に、これは、外部の者からいえば、それにふさわしい給与やあるいは勤務の条件というものを整備しなければいかぬ。それとまた、教職員自身のそれに対する責任というものが明確になければいかぬと、こういうことなんだろうと思いますね。これはもう、そういう意味からそういうものが出てくることは当然だと思います。
 そこで、もう少し一歩進めて、前からこのほうは非常によく説明をされるのですが、勤務の態様の特殊性というのは一体どういうふうなものがあるのか。これについて、まず人事院の総裁のほうからお聞かせをいただきたい。
#49
○政府委員(佐藤達夫君) それに触れたことを先ほどから多少御説明を申しておったわけでありますけれども、要するに、今回の案に即して申し上げれば、まず、勤務時間という点に着目して申し上げるのが一番現実的で適切であろうと思うわけです。先ほど触れましたように、教育が、特に教員の自発性、創造性に基づく勤務に期待する面が大きいということ。それから、他面、現実の面を見ますというと、夏休みのように長期の学校休業期間があるということ。あるいはまた、授業時間においてはこれは非常な高い勤務密度でありますが、同じ勤務時間の中でも授業時間以外の時間ということになると授業時間ほど密度は高いとは見られないというような、非常な特殊性が、一般の行政専務の場合と比べますというとあるわけです。そうだからといって、先生方がなまけているという面には全然これはつながらない。そのお仕事の重大性がまた別にありますから。ただし、時間の面から申しますというと、行政職員の場合と、そのような点において著しく異なっておる。したがって、一般行政事務に従事する職員と同じような時間的管理を行なうということは必ずしも適当とは考えられない。とりわけ、一定の勤務時間というものを線を引いて、その線を越えた超過勤務に対する超過勤務手当制度、その線を越えて何時間、何時間というような時間計測による超過勤務手当制度というのはこれはなじまないと認めざるを得ない。したがいまして、われわれの結論は、今回御提案しましたような結論になります。これは、調整額という給与上の優遇措置ということにもつながりますし、片や、勤務時間の管理の面においても、昨日問題になりましたように、たとえば、職務の種類によっては、必ずしも学校の校内でおやりにならなくてもいいお仕事があるだろう、それを必ずしも校内にくぎづけになさる必要もないだろう、夏休みのような場合に毎日出勤せよというふうな拘束を与えるということも、いまの本質からいったらどうであろうか。そういうような面が片面にあります。それはこの説明書にあげたとおりでありますが、今回の法案に出ております九点は、それらを考慮して、勤務時間の内外を問わずに、先生方の勤務というものを再評価をして、そうして、これはいままでどおりではいけない、本俸そのままを引き上げる、四%引き上げるという形で、これはほかにはね返りますから、ほかのはね返りを含めると実質は六%の増額になる。そのほかに、退職手当にも響いてくる。退職手当で、平均二十五万円ふえる。あるいは年金もふえる。だから、本俸の増額そのものと同じような優遇措置をこの際とる。これは、勤務時間の内外を通じての再評価によって、その程度の優遇はなされなければいかぬだろう。それが、この推移のあらましでございます。
#50
○松永忠二君 総裁ね、御質問をしたことについて御答弁いただきたい。盛んにあとのほうを強調されるようですけれども、勤務の態様の特殊性ということになれば、そういうところまでいくということにはならぬと思うのですね。それはひとつ……。
 そこで、文部省のほうは、これにつけ加えるものがないだろうかどうか。これと全く同じようなこと……、その点。
#51
○国務大臣(秋田大助君) 大体同じかと存じますが、一応私の考えを申し述べてみたいと思います。
 先ほども申し上げましたとおり、お子さんに教える――まあ教える意味はいろいろごさいますけれども、したがって、そのことから勤務の態様に特別な状態があり、一般公務員、その他一般の職業に従事されておる方とは違う面が出てくる。すなわち、子供に教えるという非常に高度な精神生活の中心でございます。そこで、子供に教えるためには、研修をしなければならぬ。その他、補助的ないろいろの、しかもそれは精神活動を非常に伴ったいろいろの時間が必要であります。そこでいわゆる学校という職場の時間と、それ以外の時間というもの、やはりそれは職場と同じ意義を持った時間が相当許されなければならない。それは、外見は、相当多量な自由な時間という形を持っている。そういう時間が許される。これは一般の職員とは違った特質であろう。しかし、完全にしからば精神的な活動だけで事務的な活動はこれに付随しないか、要らないか。やはりそれにはある程度の事務的なものが付随をする。しかしながら、教えることに関する精神活動、これが中心で、いろいろだだいま申し上げたような特質が出てくる、こういうものかと心得ております。
#52
○松永忠二君 そこで、前回出していただくことをお約束したと同時に、やはりいま大臣が申されたように、やはりさっき申したあれですね、総裁の言ってることは外から命令されて自分が納得しないでやるという行動、そういうようなものではなくて、自発的、創造的なものだと、そういうような面が強調されて、発展して時間計測になじまないとか、超過勤務になじまないとかとお話があった。それと同時に、夏休みのような長期の学校休業期間がある、それと同時に勤務が職場の内外にあるんだ、こういうことを言われたと思うんですね。そこへ加えて大臣のほうからは、特にそのための研修、それから自由、そういうようなものが勤務の態様の中には相当強調されなければいけないんだといって言われておるわけですが、そこで人事院のほうのものは一応ここにあるわけなんですよ。勤務の態様というものについての考え方というものはよくわかるんですよ、これを見れば、大体こんなことを考えているかということは。そこで、これはやはり勤務の態様の特殊性について、あわせてこの法案の提案になった根拠として明確なものをやっぱり出していただきたい。これひとつ御答弁願いたい。
#53
○政府委員(宮地茂君) 私どもは今回の法案は、人事院の意見を尊重いたしまして、それに基づきまして提案いたしておりますので、先ほど来人事院総裁、さらにふえんして文部大臣からお答えになられました趣旨でございますが、いまの御要求でございますので、先ほどの職務の特殊性とあわせまして、私どもが考えます勤務態様の特殊性につきまして、ちょっと時間をいただきたいと思いますが、後刻書いたもので提出さしていただきます。
#54
○松永忠二君 そこで、これから少し質問をしたいのは、教職員の勤務の態様をどうやって把握しているだろうか。特殊性というものはわかったけれども、勤務の態様の特殊性と言う以上、教職員の勤務の態様というものが明確に把握をしてないとできない筋合いだと思うんです。また、私は人事院といえども国家公務員である教職員のこの職務の実態、勤務の実態というものが明確でなければ提案されてくる理由はないわけですから、この点について順次問題点をひとつ聞いていきたいと思うんです。まず、いま教員の勤務というものは一週四十八時間という労働基準法による時間制度を持っているわけです。その中で一体休憩というようなものが明確にされているし、これについて、たとえば私の県あたりでも、相当こまかいものをつくっているわけなんです。一体教員の休憩というものは事実上はどういうふうにとられているであろうか。実際に実情はどんなになっているのか、そういう点をひとつ文部省のほうから教員の休憩というものはこういうふうに行なわれているし、実情はこうなんだと、こういう問題について、文部省のほうからまず実態をひとつお聞かせをいただきたい。
#55
○政府委員(宮地茂君) 学校では生徒を中心といたしましたいわゆる時間割りが定められておりますが、各学校とも始業時は若干の相違がありましても、朝から十二時前後に一応の授業が終わり、一時間ばかり子供を中心でございますが、子供に対してまた午後は一時からとか、そういう時間割りが組まれておりますので、一日の中の長い休憩は昼の間に四十五分ないし一時間ぐらいの休憩がなされていると思います。ただ、午前中、午後に十五分程度の休憩といったようなもの、それは詳細な資料としては取っておりません。
#56
○松永忠二君 資料として取っていないと。教職員の勤務の実態の上に立って、一体この法案はこの処理が適切であるかどうかということを問題にしなければいけないわけですね。休憩というものは、法律的にも根拠を持っておるものでありましょう。私の県には休憩についてこういうふうなことがきめられております。「学校職員に休憩時間を一せいに与えることが困難である事情はあっても、現行法規の下では、これを分割し、交替制を採用することによって、学校職員の健康管理上から、休憩時間を与えるように配慮しなければならないものである。」「休憩時間を分割して与える場合にあっては、すくなくとも、昼食時間等に二十分ないし二十五分程度一せいに又は交替して与え、他は放課後において与える等のことが考えられるものである。」「一せい休憩除外許可申請書は別記様式による。」と書いてある。これは休憩というものは、いまのとにかく勤務時間制度の中では、教員にどうしても与えなければいけないものであり、それが一体どう与えられていて、現実にそれがどう実行されているかという調査がないなどということは、私は許しませんよ。その実態を明確にしてください。
#57
○政府委員(宮地茂君) 私が詳細にと申しましたのは、何時にといった非常にこまかい、午前に何分、午後に何分、昼に何分といったような詳細ではとられていない。ただ四十一年度に私どもが調査いたしました場合を基礎に申し上げますと、一週間で休憩は、小学校で、一週間のトータルでございますが二時間五十三分、中学校で三時間四十一分、全日制高校で四時間三十七分、定時制で四時間十三分が一週間のトータルでございます。したがいまして、これを六で割りますと、ほぼ小学校で一日五十分、中学校、全日制はそれよりも多い数字になります。
#58
○松永忠二君 四十一年に調べたそういうただ一括的な数字を述べれば、それで、各学校の実態は明確になっていると把握をされているのでしょうか。いわゆる四十一年の教員の勤務種類の時間表というもので、一人当たりの週平均四十一時間というこれで休憩はもう与えられているんだと、それで法律的にも何ら間違いなく実行されているという把握をいまでも持っておられるんでしょうか。その点をひとつお聞かせをいただきたい。
#59
○政府委員(宮地茂君) それは、私ども国といたしましては、A小学校ではどうか、B小学校ではどうかということまで何千何方の学校について、個々の実態までは把握し切れません。したがいまして、全体的な傾向としてはいま申しましたようなことで、小学校では一週間に、服務時間内に約三時間ということで、全体的な傾向としては、法律に、労基法等に定められる休憩時間は確保されておるということを、全体的に把握しておるわけでございます。したがいまして、いま先生がお尋ねの、個々のA小学校はどうか、B小学校はどうかという点につきましては、若干の相違はあろうと思いますが、そこまでは把握いたしておりません。
#60
○松永忠二君 私は何もA校、B校を問題にしてるんじゃないんですよ。いま学校の中で、一体休憩というものはこの統計のように与えられているであろうかどうかという実態をどう把握をされているかということを聞いているんですよ。
#61
○政府委員(宮地茂君) 私どもが調査いたしましたのは、これは教員の方々に自主的にお書きいただきました。したがいまして、自主的にお書きいただいて提出されたものを集計いたしておりますので、これは教育委員会がかってに書いたんじゃなくって、個々の先生方に自分のことをお書きいただきましたので、この休憩時間は保たれておると、この表のとおりであると信じて間違いないというふうに考えております。
#62
○松永忠二君 それならば、四十一年からいわゆる教科課程も変更になり、そういうようないろいろな問題が次々起こっている事実があるでしょう。いま教員の現場の中で休憩を十分にとれないということがあるという、そういう声があるなどは全然知らぬですか。やはりこの四十一年の統計があるから、もうこれでだいじょうぶなんで、与えられている。これは教員が書いたんだ、だからもうそれはいいんだというような、休憩に対する、いわゆる教職員の勤務実態だというふうに把握をされているのか。何も一校、一校調べなさいと言っているのじゃない。そういう全体的な教員の声なり、そういうものを聞いて、あるいはある学校について実はこういうことを調べたことがある。あるが、大体これはあたっているとか、前からいろいろお話があったでしょう。そういうあたたかみ、そういう努力というものに欠けるのではないかというような点が指摘されたけれども、いまのあなたの御答弁の中からは、そういう気持ちは私は感じとることができないんですよ。われわれ何も文部省をいじめるために質問しているんじゃないんです。文部省の皆さんもそのくらいな実態には触れておられるのではないか。だいぶ、いわゆる学習指導要領も変わり、教育課程も変わり、いわゆる授業時数も多くなってきているので、その実態も少し変わってきているのではなかろうか。あるいはそういう声もあちこちから聞こえるので、実はある声に基づいてやってみてもらった、ところが大体これで間違いないように考えられる、だからそれを根拠にして、たとえば今度の法律なども提案をしてきたと、こういう話なら、まだ私にもわかりますよ。しかし、これはみんな個人に書かせたんですよ、何も私たちがかってにつくったんじゃありませんよ、こういうふうになっているんですよという、一体言い方で、それでいいんでしょうかね。
#63
○政府委員(宮地茂君) どうも説明不十分でございましたが、先生が休憩はどうなっておるかとおっしゃいますので、こうなっておりますと申し上げたんで、これでもう十分でございますというようなことは御説明いたしてもおりません。
#64
○松永忠二君 理想のことを言っているのではありません。実態のことを言っている。これだけとられているかどうか、もっと休憩多くなればいいということを言っているのではない。法律できめられている、基準法できめられている休憩時間というのは正しくとられているでしょうか、ということを聞いているんです。何も休憩をたくさんにしなさいとか休みなさい、そういうことを言っているのではない間違いないようにして下さい。
#65
○政府委員(宮地茂君) でございますので、私どもが調査いたしました全国的な平均はこういう数字でございますということを申し上げましたが、私どもとしては、もちろんいろんな学校の先生方から事情等もお聞きします。したがいまして学校の先生方はたいへん忙しいのだ、昼めしを食う時間もないんだといったような声は聞きます。したがいまして一応調べました数字はこういうことでございますということを申し上げましたが、ただ個々の学校では休憩がとれないほどお忙しい先生方もおられましょうし、さらにお尋ねにはないわけでございますが、これで労基法のいう休憩時間は合っているから、もうこれでいいんだという気持ちを持っておるわけでも毛頭ございません。教師の方々が非常にお忙しいということを念頭に置きまして、従来から教員の定数もふやしていかなきゃいけないとか、あるいは事務職員、養護教員もふやさなければ、先生方がたいへんだとかいうような行政措置をしてまいりますのも、こういう調査をしたらもうそれで法律どおりだからいいという気持ちは決して持っておりません。
#66
○松永忠二君 そういう気持ちがあるならばそういう御答弁を最初のときにやっていただきたいし、もしあなたの言うことが真実であるなら、それじゃどこかの教育委員会で調べたものを、こういうふうに調べてもらいましたということはないんですか。あなたのいうごはん食べる時間もないと、こういうことも聞いている。それじゃ四十一年に調べたものだから、今度この法律を提案する際にはたしてこれが正しくとられているか調べてみようという気持ちは、そういう実行が伴っていれば、そのことばも私信用いたしますよ。まあそのことについては別にここでなおあれはいたしません。たとえば休憩といったって、こういうふうな休憩のとり方が妥当でしょうかね、一体。昼食時間等に二十分ないし三十五分程度、一斉にまたは交替して与えるというふうなやり方、つまり昼の休みに職員室にすわっていて、子供が先生と言って入ってくれば、いま休憩時間だから外へ出なさいと言えぬでしょう。交替に休憩をとるといったってどういうふうに一体とるのでしょうか。私はこういうふうな休憩のとり方自体もいまの教育を向上させるという点においては少し欠けているものがある、実態に即さないんじゃないかという感じも持っているわけでございますが、現実にこういうことが出ているわけですよ、調査をしたいろいろなものを持っている。たとえば休憩時間について四百五十人の人の回答を求めたところが、外出も自由で完全に子供や仕事から解放されて非拘束、自由の利用の形になっておるものが二%、それから休憩室で子供や仕事から解放されて自由な時間をとっておるものが二%、解放されないが教室や職員室でくつろぐものが三四%、それで教室や職員室で採点などの仕事をしているものが三四%、教室、運動場で子供と遊ぶが七%、自分に特別に与えられている休憩時間だという実感はとても持てないというのが五三%、全体があれでしょう、形式上休憩時間は書かれても、日常学校運営の中で授業、職員会議、教科、学年部会、関係なく運営をされているが四〇あるわけです。事実私たちが教員をやった当時、昼の休みというのは子供と一緒に外へ出て遊んで、その中で子供と一緒に親しみもし、それが教育に役立つということがいいという指導をされてきて遊んでもきた。それが教育を高める一つのことになっている面もあると思うのですよ。それを何か二十分や二部で交代にやるということをやっているけれども、またそういうことを言っているけれども、なかなか教育の現場ではそういう実態のとおりに行なわれていないであろうということについてはやはり配意がなきゃできぬと思うのですよ。あなたのほうで休憩調べたのはこれだけですね。もうこれ以外には全然休憩がどういうふうに一体とられているかという実態を調べたものは一つもないという答弁ができるわけですね。それをひとつお答えいただきたい。
#67
○政府委員(宮地茂君) 全国的な調査をいたしました四十一年のこの調査以外にはございません。
#68
○松永忠二君 大臣、ひとつお聞かせください。そういうことは非常にいいことでしょうか。望ましいことでしょうか。私はささいなことでないと思うのですよ。こういうことが至るところにあるから、結局いわゆる現場の不満も出てくるわけなんですよ。私はいまからいろいろなことを聞いてみますよ、実態を調べているかどうか。少なくも教員の勤務の態様の特殊性に応じてどうこうしようというなら、最も近い時期に正しい教員の勤務の実態が明らかにされていて、そういう中で法律が提案をされてこなければできない。まあそういう点についてこういうふうな努力をしてみたということが、四十一年以来文部省は何も持っていないと言うのですよ。文部省はいろんなことを地方の教育委員会に通達を出したり書類を出させているじゃありませんか。事務職員が足らないという実態を真剣に考えるなら、そういうこと自体もう少し調べないでしょうかね。私はやはりこういう点についてはなお努力をすべきであったというふうに考えるのですが、これはやはり私たちの偏見でしょうか。それとも現実の職場というものは教育の一番重要な場所である、そう考えている場合には、私はこういうことについての努力をもう少しやってもらわなければできない。こういう点についての大臣の率直なお話聞いててのひとつ御見解を聞かしていただきたいと思います。
#69
○国務大臣(秋田大助君) 勤務状態に関する実態というものはできるだけ現実に即し、できるだけ、許されるだけ頻度多く調査したほうが望ましいことは申すまでもございません。この点につきまして努力をせなければならない点を感じますが、文部省といたしましては、四十一年に相当努力をして調査をいたしました経験に即しましていろいろ考慮をいたしてまいっておるところでございます。しかし御承知のとおりその点につきましては今後十分さらに実態についての検討を常に怠らないように心がけるべきものと存じます。
#70
○松永忠二君 ではもう少し話を進めて、休暇というものが法律で明確に与えられることになっておるわけですが、この休暇というのがどのようにとられているのか、こういうふうな人がどのくらいの休暇をとっておるかという、こういうものの調査の数をひとりお聞かせをいただきたい。
#71
○政府委員(宮地茂君) これも一人当たり週平均に延ばした集計、いま手元に私持っておりますのはそれでございますが、小学校では一週間当たり一人が三時間十六分、中学校で三時間二十九分、全日制高校で三時間十二分、定時制三時間半ということになっております。もちろんこれは週当たり一人ということでございますので、平均でございますから、各人が平均して一週間にいまの三時間ずつ休暇をとっておるというのは実態には即しませんが、集計しますとそういう形になっております。
#72
○松永忠二君 いわゆる年次有給休暇は幾人くらいの人が一体何%、何日とり、どのくらいの者が何日とったという、そういうものを資料をひとつ出してください。出すじゃありませんよ。そういうものを知っているのでしょうね。そういうものを、後にいるのですから、あるなら出してください。何日を何人ぐらいの人が何%くらいの人がとっているか。
#73
○政府委員(宮地茂君) 国家公務員につきましては人事院のほうで御調査があるそうでございますので、その点は人事院からお答えいただくようにさせていただきたいと思いますが、よろしゅうございましょうか。(「教職員の大多数は地方公務員じゃないか」と呼ぶ者あり)
#74
○松永忠二君 国家公務員のを先に聞いてみます。
#75
○政府委員(尾崎朝夷君) 国家公務員の一般的な全体の休暇のとった日数の調査につきましては別にございますけれども、いまちょっと手元にはございませんが、教員関係につきまして昨年度の休業期間中に有給休暇をとった方につきまして調査したのでございますけれども、たとえば小学校におきましては、全然とらないという人から最高は十日間とったという人がございまして、平均一・一日でございます。中学校の場合には、最低ゼロから最高六日までで平均〇・五日間ということでございます。高等学校の場合には同様に最低ゼロから最高六口、平均〇二一百ということになっております。
#76
○松永忠二君 地方公務員の実態をひとつお聞かせいただきたい。
#77
○政府委員(宮地茂君) この集計、先ほど私が申しましたそれをもとにした分析はあるようでございますが、いまのお尋ねの有給休暇がどうといった調査はできておりません。
#78
○松永忠二君 休憩、そのほかに休息というのもあるわけですがね、休息というのもあるけれども、休息の話はしませんが、休憩、休息、休暇、これはもう教員のいわゆる勤務の実態の中では非常に重要なものでしょう。一体いまお話に聞けば、国家公務員の教員の場合には、休業中に休暇をとった者の割合の話があったのですが、一応調べられたものがあるようですが、いまたいへん忙しくて年次有給休暇もとれない、そういうような点について教員からそういう訴えというか、そういう気持ちを持っておられるという人が相当あるということについては初中局長はそういうものは聞いたことはありませんか。
#79
○政府委員(宮地茂君) 私のところへも、かねてからの友だちである教員をしておる人とか、あるいは校長さん方、お出でになられまして、いま松永先生がおっしゃるようなことを、全部がそうであるということではなくて、おっしゃられる先生はもちろんございます。
#80
○松永忠二君 そういう人は非常にやはり数も多くて、その理由はこういうところにあるんだということについてはどういう御理解をなさっていますか。
#81
○政府委員(宮地茂君) これはまあ学校の教師だけでなく一般に公務員といたしまして、有給休暇というのは、まあ最近の若い方々は二十日と言えば二十日だんだんきちんととっていくような傾向のようでございますが、一般の公務員にしましても、私どもの職場の文部省にしましても大体系長、課長補佐以上は二十日の有給休暇を使っておるというのはほとんどいないと思います。私それはいいとは申すわけじゃございません。やはり聞きますとアメリカとかそういう諸国では堂々と休暇は当然とるべきときにはとるようですが、日本ではどういうものでございましょうか、いいこととは思いませんが何となく有給休暇でもとりにくいというのが、これは公務員全体の古い層の大体傾向じゃなかろうかと思います。したがいまして学校の先生方もやはりそういった何となく有給休暇は、まあ考え方によりますとこれは権利でもございましょうけれども、どうも周囲を見渡しながら遠慮しがちというようなこと、これは個々の人間によって違うと思いますので、校長先生とか、まあ一般の先生もそうでしょうが、一日も有給休暇をおとりにならないという先生も相当おありであろうと思います。まあ私、教師だけが、特にそういったようなものを、調査もしておりませんので申し上げられませんが、さればといって役人は追い回されているが、教師は有給休暇を堂々ととっておるといったような気持ちでももちろんございません。全般的に何となく有給休暇というのは公務員全体としていま申しましたような傾向にある。さらに非常に職務に熱心な方、それに教員の定数も十分でございませんので、学校の先生方もお忙しい方は有給休暇を一日もおとりにならない方がある。まことに公務員全体を含めまして私は気の毒なことだというふうに感じております。
#82
○松永忠二君 私はあなたからそういう常識的なお話を聞くということはお願いしておるわけじゃないんですよ。現実にこういうふうな勤務の態様というようなものの上に立っていろいろ法律をつくっていったほうが教育上いいのではないかという、そういう問題でやっているわけでありまして、したがって、そういうことをおっしゃるならこういう資料がありますのでこういう判断ができますというならいいけれども、ただ常識的にこうですということでは、これはほんとうの意味の私はあれになっていないんじゃないですか。皆さんはもしそういう資料がなければ、極端なことを言うなら日教組あたりの資料を取り寄せてもいいじゃないですか。そういうことに一番関心を持ってやられているところもあるわけだから。たとえばよくいろいろ校長から意見を聞きましたとか、いろんなことをおっしゃる。それなら小・中学校長からその実態を出してもらうとか、よく調べておるところがあるならそこで資料をもらうとか、なぜもう少しそういう数字的なものを明確にしていくことができないのでしょうかね。各学校なんかでもみんなこういうものをつくっているんですよ。もっと、研修できる余裕のある職場をつくりたい、どこに問題があるのかといって、一体年次有給休暇のとられる状況はどんなふうだろうか、ここに私持っていますがこれは非常に数は少ないですけれども、三十六名の調査をやって年休をとった日数が五日の者十八人、五〇%だ、六日から十日とった者が二七・八%、十一日から十五日とったのが一四%、十六日から二十日の人が八・二%という事実がある。これは若い者は非常にどうこうというお話もありますけれども、これだってわれわれは慎しまなければできないことは、やはり実態に即して言わなきゃできぬと思うのです。何か若い人たちはどんどんとっちまうという、こういう認識も私たちは改めなければならない。年休をとった回数は一人平均一〇・七五というようなことが出ておりますけれども、そういうような資料を持って言うなら別ですよ。それからまたここに私はなぜ年休がとりにくいかというと、授業の計画がおくれるというのが三三・二%、同僚に迷惑がかかるからというのが一六%、それからあとの処理がたいへんだからというのが一二・四%、管理職への気がねその他、必要がなかったというのも二六・二%あるわけなんです。これは千二百五十六人の集計であります。これで大体九日から十日とったものが三百人、三日から五日とったものが百人という数字が出ているわけです。少し教員の声に耳を傾ければ、この前からお話もありましたが、あと私も聞きますけれども、事務職員も少なくて小・中学校というのは非常に事務が多くて仕事も多くて、このごろ休憩も休息も休暇もなかなかとれない実態だということをお聞きになると思うのですよ。だからこういう資料がきちっとなくて、ただ四十一年に調べたものがあるというだけでは不十分だと私は思うのですよ。これも結局ないというお話である。実際には実態というものは、幾日くらいとったのが何人、幾日くらいとったのが何人。それじゃ人事院のほうに聞かしてください。年次休暇をととった者のそういう資料についてちょっとお答えしていただきたい、国家公務員の教職員について。
#83
○政府委員(尾崎朝夷君) 年次有給休暇につきまして、先ほどお答え申し上げましたのは年次有給休暇の話でございますけれども、別の調査としましてかつて私のほうの局でない別の局で調べたのがございますが、それによりますと全公務員としまして大体十日くらいとっているようでございますけれども、教員の場合には小学校が約四日間、中学校で約二日間といったようなことで少なくなっておるというようなデータがございます。
#84
○松永忠二君 一応資料を持っておられるので、非常に教員としては平均の休暇はなかなかとれないという実態が、公務員のほうにそういうふうに資料はあるのですね。たとえば文部省のほうでそれじゃ休暇が三・一六だというけれども、これは国家公務員、地方公務員と比較して、どう比較しているんでしょうかと聞かれたらちょっと困るじゃないですか。やはり教員の実態という場合には、いま言ったように一般の国家公務員は十日だけれども、先生の場合には小・中学校は四日くらいだ、これならよくわかるじゃないですか。三・一六が休暇、二五三が休憩、それで資料はあります。それじゃ実態はこれはあまりはっきりわからない。――それじゃお聞きいたしますよ。補欠授業というのはどうなっているか。あきの時間、自分の授業時間以外のあきの時間に当たっている補欠授業に一体どのくらい先生は出ているか。つまり学校には出張やいろいろなものがあるので、どうしても自分の授業時間でないときにも補欠に出なければならない。その補欠の一体授業時間というのはどんなふうな状態で教職員はやっているであろうかというこの実数をひとつお聞かせください。
#85
○政府委員(宮地茂君) 数字でございますので、説明員から答弁することをお許しいただきたいと思います。中学校課長がお答えいたします。
#86
○説明員(奥田真丈君) 昭和四十年五月二十三日から四十年六月十二日の間にわたっての全日本中学校長会の調査結果によりますと、補欠授業の全平均といたしましては、一週平均は四十二分ということになっております。
 文部省の調査におきましては、授業指導時間の中に含まれております。
#87
○松永忠二君 それも、中学校長会、それは四十二分って、私のほうにありますのは、教員が毎週一時間以上超勤に出る。これはもうこのくらい……したがって、実質的には担当授業時間が一時間ふえていることになる。大体こういう調査のほうはできているんじゃないですか。出張、年休、特休などで教員が一日にどのくらい欠けるか、こういう調査はありますか。やかましく言うんじゃないですか、これは。欠ける人が多いから、そっちのほうの調査はありますか。お聞かせください。
#88
○説明員(奥田真丈君) 欠けるという意味でございますが、調査によりますと、出張、外出、公務のためにどれだけの時間を費しておるかという調査はございます。週当たり八十三分になっております。
#89
○松永忠二君 週当たり何分というんじゃちっともわかりませんが、こういう調査なども各地ではやっているわけですね。出張、年休、特体などで教員の欠ける実態はどうなっているのか。出張の延べ日数、年休の延べ日数、特休の延べ日数、そして同時間の欠勤に伴う補欠授業はどのくらい、したがって、毎日三・五の教員がまる一日でなくても不在になっているという資料もあるわけです。とにかくそっちのほうは別として、教員が授業時間を担当して、授業時間の話はまだあとで出ますけれども、一体勤務の、事実上授業を担任している時間は平均このくらいだけれども、大体、学校に出張とか、そういうものがあるので、教員が大体この程度は事実上授業の負担が重くなっている。こういう実態は、結局はっきりしてないということですね。さっきの中学校長会の資料持ち出して  私は何でもいいから資料持っていたほうがいいと話したんですから、これは中学校長会の資料持ってきてもけっこうでしょうけれども、責任あるものは実際はないということだと思うんですね。それじゃ一番元になる、この提案の根拠になるその超過勤務の実態について、前に調査された調査と、現在の実態とどういうふうな差ができてきているかというようなことについては検討されたでしょうか。どういう認識を持っておられるのでしょうか。四十一年に文部省が調査をした小・中・高の超過勤務の時間というものがまあ一応出ているわけですね。しかし、現実にたとえばこのごろの小・中・高等学校の一体超過勤務というのは、その数字よりも実情はどうなっているであろうかという、こういう認識について何か持っておられるか。資料があるでしょうか。そのままのものなんでしょうか、それをひとつ。
#90
○政府委員(宮地茂君) 先ほどから申し上げておりますように、四十一年の調査以後いたしておりません。したがいまして、科学的に四十一年と四十五年の比較ということでは申し上げられませんが、全国的な傾向として四十一年と大差ないものと考えております。
#91
○松永忠二君 まあそれはいま言うとおり、大体そうだろうと考えておられるようだけれども、何か念を入れて調べたことはないでしょうか。超過勤務といりものの実態。そうすると、今度のいろいろな問題についても四十一年そのものずばりで、いわゆる根拠にしてやっているのでしょうか。それとも、よくこういう声も聞かないでしょうか。実際には文部省で調べた小・中・高の超過勤務が、月に直せば小学校十時間、中学校十五時間、高等学校十四時間だけれども、現場はそうじゃないよ、もっと超過勤務やっているのですというような声も実際はありますね。こういう面についてはそれは少し間違いなんで、やはりこれが正しいのだと、大体いまもそうなんだというような認識をお持ちでしょうか。これについては四十一年にやってあるんだからこれが正しい、もうまた調査をする必要もない。実態はそこを元にして考えりゃいいんだと、こういう考え方でしょうか。この点をひとつお聞かせください。
#92
○政府委員(宮地茂君) 四十一年にいたしましてその後いたしておりませんが、四十一年から四、五年経過いたしております。できますればこういう調査は、これは調査をしましても、延べ十万人でございます。これを書いていただく先生も普通のお仕事で忙しいところをまた書いていただくというような仕事を付加することもたいへんでございますが、それにしましても五年に一度ぐらいはこういうものはすべきであろうと思います。しかし、先ほど来おことわりいたしておりますように、四十一年以後調査いたしておりません。ただ、そういうことで、先ほども申し上げましたが、いろいろの声も聞きますし、またこの四十一年に調査をいたしましたことにつきましては、中学校長会でもおやりになられた資料もあるようでございます。若干の食い違いはあるようですが、私どもとしては四十一年の調査でほぼまああまり間違いはないであろうというふうに考えておるわけでございます。
#93
○松永忠二君 それじゃ人事院のほうにお聞きいたしますが、国家公務員のほうの教員の一人当たりのいわゆる平均の超過勤務の時間、それからこの資料を私ちょっといただいたんですがね。これはどういうことなんでしょうかね。全教世一人当たりは月間平均三・五時間超過勤務をやっている、うち教(一)職員というのは、これは大学の職員を除いた教員が〇・八時間だと、こういうのですが、これはいつ調査をされた結果でしょうか。それからまたこれはどういうことでしょうかね。大学の先生のほうがはるかに超勤をしているという資料になっておるのですがね。小・中学校のほうがいわゆる超勤をしていない。全職員一人当たりのあれも払いただいておるんですが、まず小・中学校、高等学校、大学の先生のこれはいつ調査をされて、そうして実態に即しているであろうかどうかという点についてはどういうふうにお考えになっているんでしょうか。
#94
○政府委員(尾崎朝夷君) 先生方の勤務時間、特に超過勤務時間というものの算定はきわめて困難だと思います。やはり仕事の内容が自発性、創造性ということがウエートが大きゅうございますから、その時間をどういうふうにつかむか。これは先日の御審議の中にも、教育は統計にはなかなかのらないということのお話がございましたけれども、まさにそのとおりだというふうに思います。私どもとしましては、まず文部省の御調査がございますが、これは教員の各人に対して記入をしていただくというタイプで調査されたものであると承知しております。たとえば小学校の場合には、公立が週一時間二十分に対しまして、国立の場合には二時間五十八分という形で表に出ております。つまり国立のほうが非常に多く出ておるという形になっております。で、私どものほうとしましては、そういう関係を国立の先生方につきましてインタビューをいたしまして、調査をいろいろしておるわけでございますけれども、したがって、たとえば公立学校に比べて勤務の忙しさはどうですかというふうに聞きますと、七六%が忙しい、一七%は特に変わらないというような形の答えがございます。なぜ忙しいかと申しますと、強制実習がある、いろんな研究会活動があるという形のことを答えておりまして、したがいまして、たとえば時間統計というのが私どもとしては非常に困難だ、たとえば家庭訪問をいたしました場合に、どこからどこまでが超過勤務時間であり、どこからどこまでが私用になるかという関係の把握というものはきわめて困難だと思います。で、私どもとしましては、したがっていまのような実態をいわば踏まえまして、学校内における通常の時間外業務としてはどういうものがあるかというようなことで、たとえばそういうことを調査した結果としては研究会等の準備及び出席、あるいは入試業務、採点、それから授業の準備、教職員会議及びクラブ活動という形の、そういう面におきまして、通常時間外――五時から先に時間が延びることがあるということを調査をしてございます。したがってそれぞれの調査、それぞれの結果、内容、時間としましては、先ほど先生方がそれぞれこの程度ということを自分で申告された例は文部省の調査のようなことでございますけれども、いわばそれが命令といいますか、いわばどういう形で行なわれておるかという形のパターンというものはなかなかっかみにくい。したがって私どもとしましては、いま申しました通常の時間外勤務の内容、特に長時間の勤務時間外勤務としてはどういうことがあるか。非常災害、事故等で時間外勤務がどういう例があるかといったようなことで、そういう事例から超過勤務時間というのはこの程度であるという、そういう推測をするような形で、教員の時間外勤務というものをとらえているわけでございます。
#95
○松永忠二君 まあ私は、それについてはもう少し意見もありますが、われわれの常識で考える実態と違っている点が相当あるように思うんですが、その点は後にいたしまして、大臣にひとつ、私はいま最初にこのことを聞いてみたいと思ったんですが、四十一年に調査してから現在まで、超過勤務というのはこの実態は正しいであろうかどうかということを、提案にあたって再度調査をしてみる、小部分でも調査をしてみる、あるいはそういう資料を集めてみるということは、まあ文部省としてはやられておらなかったということははっきりした。それからまた、いま休憩についても実態ははっきりした資料を持っていない。それから休暇がどのように取られておるかということについても、四十一年にただそれを時間的にやっただけで、具体的にどのくらいの日数を取ったかということも資料はない。補欠授業がどうなっておるか、実際にそれでは持ち時間以外にどのくらいあきのときに授業をやっているかといり、こういう実態についてもやはり明確な資料ははいということなんで、その点を大臣ひとつよく聞いていただきたいと思って、私は質問をしているわけですが。そこでもう少し話を進めますが、研修の時間の実態の調査がどうできているだろうかという問題。まず最初に、一体一週間に担当する時間の調査ができているのかどうか、小。中・高等学校の先生方の実際担当している一週間の授業時間が、小・中・高等学校どのくらいあるのか、国立の学校ではどのくらいあるのか。実際にそういう授業時間が教員一人について小学校はどのくらいの授業を持っておるのか、その調査も持っておられるかどうか、この点をお聞かせください。
#96
○政府委員(宮地茂君) 四十一年の調査で申し上げますと、教科、道徳、特活等の指導、さらに学校行事の指導、クラブ指導その他の課外指導、こういうふうなことで、直接にいわゆる教科課目の授業ということだけでなくて、生徒に直接指導しておるその時間数をとっておりますが、道徳、教科、特活等の指導が一週間で十二時間五十九分、行事等が四時間五十二分、補習、クラブ指導等が四十一分、その他の課外指導が二十四分、こういうことになっております。それから研修では命令研修、承認研修、自主研修、こういうふうになりますが――いま申しております数字は職務時間内でございます。小学校で命令研修が二時間五十二分、承認研修が四時間十六分、命令でも承認でもない自主研修が一時間一分、こういう結果になっております。これは小学校でございます。
#97
○松永忠二君 これで文部大臣わかりましょうかね。一体小・中学校の先生は一週間に何時間授業を持っているんですか、こういうふうなことについて、平均して十五時間幾らとかいう話ですが、そうじゃなくて、一体よく言うでしょう、小学校、中学校の先生は一週間に何時間授業持っているのか、その授業時間が非常に多い、もっと授業時間を少なくしてほしい、そのために定員をふやしてほしい、こんな資料持って行って大臣が大蔵省に交渉したってこれは予算はつかないでしょう。だからそういうようなものがありますかと、これは一番教員の関心を持っていることなんですよ。授業時数をもっと減らしてもらいたいと、いま一体小学校、中学校、高等学校と持っている授業時間というのはどういうふうになっておりますか。
#98
○委員長(高橋文五郎君) 後刻答えていただきます。
    ―――――――――――――
#99
○委員長(高橋文五郎君) 委員の異動について報告いたします。
 本日、柏原ヤス君が委員を辞任され、その補欠として上林繁次郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#100
○委員長(高橋文五郎君) 質疑はこの程度にとどめ、午後三時まで休憩いたします。
   午後二時一分休憩
     ―――――・―――――
   午後三時十五分開会
#101
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#102
○政府委員(宮地茂君) 午前中の松永先生の御質問にお答え申し上げます。
 先ほど来申し上げておりました四十一年度の調査によりますと、小学校で教科、道徳、特活、学校行事等の一週担当当たりの授業時数は二十時間四十五分でございます。しかしながら学校では四十五分とか五十分が一時間の授業時間でございますので、それを五十分で割って、学校の実態に合う一授業時間というふうに換算しますと、二十時間四十五分は二十五時限という計算になります。したがいまして、一人の教師が一週間二十五時限授業を担当しておるということになります。これを一週六日で割りますと、四時間と五時間の日という計算になります。
 それから中学校では、同じように実態調査の結果は十七時間四十七分でございますが、これを一時限五十分に換算しますと、二十一・三時間ということになります。
 高等学校では同じように十二時間五分でございますが、授業時数に直しますと、約十五時間というふうに、中学、高等学校と上級学校になるに従って教師一人当たりのいわゆる授業担当時数は減っております。ところで、私どもがこういうものを基礎にいたしまして教員定数を算定いたします場合の基礎としては、四十一年度のこの実態でこれだけの授業を教師は担当しておるという実態で定数を計算するわけでございます。したがいまして、教員定数法の関係では、小学校で十八学級の場合に例をとりますと、授業総時数は、これは教育課程の学習指導要望の関係から言いまして五百十九時間でございます。教員定数は二十一人でございます。そこで一人平均算定上の授業担当時数は二十四時間余ということになります。これは全国のならした数字でございますが、教員定数法で推算いたしておりますものと実態調査とはその関係でほぼ合っております。なお文部省におきましては三年ないし四年に一度指定統計で教員調査というのを統計課のほうでいたしております。したがって、いま四十年度にやりました教員調査とそれから四十四年度の指定統計、この詳細な報告書が近々できるはずでございますので、四十四年度のが一番新しゅうございますが、先ほど申しました四十一年度に実態調査しましたものと四十年の指定統計の教員調査はほぼ同じような時間数が出ております。
#103
○松永忠二君 いま言ったようなすべての数字を、中学、高校についても聞きたい。小学校については十八時間二十一という話がありましたが、中学、高等学校は。
#104
○政府委員(宮地茂君) 標準学級で申しますと、先ほど小学校十八学級の例を申しましたが、同じく中学校で十八学級の例を申し上げますと、授業総時数六百十二時間、定数法上の教員定数は二十八人、したがいまして、一人平均二十一・何時間になりますか、約二十二時間高等学校全日制同じく十八学級で例をとりますと六百十二時間の授業総時数、教員定数は三十九人、したがいまして、一人当り、平均担当授業時数は十五・七時間、約十六時間ということになっております。
#105
○松永忠二君 高等学校は。
#106
○政府委員(宮地茂君) いま申しましたが……。
#107
○松永忠二君 もう一回言ってください。それと、中学校十八学級二十八人で、六百十二で、幾らですか、数字は。
#108
○政府委員(宮地茂君) 中学校二十八人で、六百十二時間の総授業時数でございますので、一人平均二十一・九という数字になりますが、切り上げて二十二時間と先ほど申し上げました。それから高等学校を申しますと、十八学級で授業総時数六百十二時間、中学校と同じです。教員総数は三十九人。したがいまして、一人平均授業担当時数は十五・七時間、切り上げまして約十六時間ということでございます。で、先ほど四十一年の実態調査でやりました計算で、一時間を五十分ということで計算し直しますと、小学校が二十五時間、定数法上は二十四・七時間となっておりますから、切り上げて同じように合います。それから、中学校は実態調査で二十一・三時間、定数法上は二十一・九時間、これもほぼ合います。それから、実態調査の高等学校は、一人当たり十五時間、定数法上は十五・七時間、一時間弱違いますが、ほぼ見合っておることにはなっております。
 それから、なお四十年度に教員調査を指定統計でいたしましたときの実態も、ほぼ四十一年度にやりました先ほど来御説明しております教員の勤務態様についての調査とその前年度の四十年度にやりました指定統計の教員調査、ほぼ時間数は同じような数字になっております。
#109
○松永忠二君 その二十一、二十八、三十九というのは校長入っているのですか。
#110
○政府委員(宮地茂君) 十八学級ですと、別に校長一人というふうに積算できますので、校長ははずしております。
#111
○松永忠二君 そういうふうなことになっていないのじゃないですか。校長入れて十八学級二十一、そうでしょう。中学校もそうじゃないですか。校長、教頭入っているのじゃないですか。教頭はもちろん入っているでしょうが。
#112
○政府委員(宮地茂君) 定数法上で十八学級のところでございますと、小学校で十八学級で二十二人でございます。先ほど校長を引いて二十一人というふうに申し上げました。
#113
○松永忠二君 それは、教頭と、養護教諭はどうなっていますか、数は。
#114
○政府委員(宮地茂君) 養護教諭はもちろん別でございまして、定数法上は養護教諭は違った積算で計算しておりますので、いま申します二十二人というのは一人の校長を含みまして、ですから校長をはずしますとあとは教科課目担当教師でございます。養護教諭は別計算でございます。
#115
○松永忠二君 そうすると、再度確めますが、二十一、二十八、三十九というのは校長は入っていないで、教頭は入っている。教頭はもちろんですが、校長は抜かした数ですね。そうすると、教頭の担当時間は何時間くらい大体平均担当しているのですか。――その調査している間に人事院のほうにお聞きします。人事院の国立の小・中・高等学校の平均持ち時間、授業の担当時間は、小・中・高どういうふうになっておりますか。
#116
○政府委員(尾崎朝夷君) 昨年度におきまして国立学校の先生方が受け持っておられます授業時間数としましては、小学校の場合には最低十八時間、最高二十六時間、平均二十四・二時間ということになっております。中学校の場合には最低十七時間、最高二十二時間、平均十九・九時間、高等学校の場合には最低九時間から最高十八時間まででございまして、平均十五・二時間ということになっております。
#117
○政府委員(宮地茂君) 定数法上の数字でございますので、恐縮でございますが宮園説明員の説明でお許しをいただきたいと思います。
#118
○説明員(宮園三善君) 四十一年の調査……。
#119
○松永忠二君 聞いていることだけ答えてくださいよ。教頭の持ち時間は何時間ですか。
#120
○説明員(宮園三善君) 四十一年の調査によりますと、小学校では教頭の授業が六十分単位で計算したものが六時間五十五分、これを授業時間単位に直しますと八・三時間でございます。中学校は同様な一時間六十分調査が八時間五十四分、これを授業時限に直しますと十・七時間。高等学校全日制が同様の六十分授業で六時間二十二分、これが授業時限では七・六時間でございます。
#121
○松永忠二君 私は、秋田さんが、坂田さんでなしに変わられて出たことについて、非常に残念に思うことがあるのですよ。西岡政務次官もおられる。同じそれでは先生の担当時間はどうですかと聞いたときに、人事院のほうからは、国立の小学校の持ち時間は十八時間から二十六時間で、平均二十四・二時間です、中学校は十七から最高が二十二で十九・九です、高校が九時間から最高十八時間で平均十五・二時間ですと、こういうふうに答えているわけです。これでなければわからぬわけですよね。そうでしょう。ところがいま説明したように、文部省のほうはそういう言い方をしているわけですよ。そうでしょう。そういう何かいわゆる教育課程がどうでどうこうという話です。いま教員の現場で問題になっているのは、こういう平均どうこうということじゃないのでしょう。平均というか、割ったところが小学校二十四時間。二十四時間担当している先生というのはまことにまれです。それは平均して割って出してきていくからそうなる。教頭が八時間、そういう人の時間も一緒に割り込んで入れてあるんですよね。私たち、いま先生方が、皆さんに言っているし、われわれも言っているのは授業時間の持ち時間が多過ぎるんじゃないか、もっと授業時間を減らしたいということを言っているわけですよ。いま国立の小学校では十八時間から二十六時間最高持っている人があると、こういうふうなものがはっきりつかまれて出されていればわれわれも非常によくわかるし、一般の人もまたそれならば理解もでき、これじゃ持ち時間が多いじゃないかということが言えるわけでしょう。ところが、文部省の数字というのは、いま言うような点で指定統計の中を平均で割って、そして時間を出してきているでしょう。実態に即した持ち時間の授業時数を平均するとこうなるというのが要するに人事院の答弁、これが常識的というか、普通の先生の持ち時間、週の担当の時間を調査する場合に最も関心のあることはそれなんですよ。大臣、ひとつ聞いておいてください。こういう文部省のやり方では、やはり一般の先生方というものは文部省の調査に信頼ができないわけなんですよ。いま私の持っているのは、実態の調査を自分からでやった調査なんです。その時間で一番やはり小学校で持ち時間の多いのは二十八時間から二十九時間というのが一番多い授業自身の担当、もちろん教頭さんがこのごろ授業時間たくさん持っておられないわけですよ、このごろ仕事が多いから。その時間はみんな一般の先生のところにかぶさってくるわけですね。だから一体小学校の先生方が平均どのくらい持っているのか、この場合だっても決して教頭の人を抜かしていろいろしているわけじゃないでしょうけれども、こういう実態が出ているわけです。いま中学校で調べてみると二十四時間から二十五時間が一番多い、みんなの持っている時間。そのほか二十二時間というのもあります。だから、こういうようなことでは私たちは先生の授業時間を減らそうじゃないか、もっと授業の時間を減らしていい授業をやってもらわなきゃいけない、そういうときに文部省は小学校の先生は二十六、七時間持っています。二十八時間ぐらい、四十五分授業とか五十分授業とか、いろいろあるけれども、一時間を単位にして授業やるわけですよ。教材だって調べて一時間授業をするわけです。だから四十五分と五十分の差はあるとしても、大体一週間に小学校の先生は二十七、八時間持っているでしょう。中学校の先生は二十四時間でしょう。高等学校の先生は大体二十時間か十八、九時間でしょうという、こういう国立のいわゆる付属小・中の先生の持っている持ち時間のような、人事院のような表現をしてもらえば、なるほどそれじゃ多いとか少ないとか、そういうことがわかるわけですよ。わからない、つまり失礼な話だけれども調査、もっと実態のはっきりわかる調査をなぜ一体やらぬだろうか、なぜこうして人事院の調査と一体文部省の調査のやり方が違うのだろうか、もう少しやはりこの点について、私はこれは譲りませんよ。大体意思統一をしなければ、小学校の先生は大体授業時間何時間持っている人が多いでしょうか、中学校は大体何時間を持っている人が、大部分の人がそうですという、そのくらいの意思統一が文部省とできない、そんなことで一体、それで勤務の態様とか何とかいう、そんなこと言えますか。私はいまのような文部省のそういう資料の出し方でなしに、実態を見て、人事院がそういう表現ができるのに文部省がそういう表現できないわけはないんですから、そういう表現をしてください。国立の言っているように小学校は十八時間から二十六時間、大体平均して二十四時間ちょっとですという、そういう表現のしかたをこの際ひとつ文部省側からしてください。いま、どこの学校でも持ち時間をできるだけ少なくしたい、校長さんだって先生だってみなそうです。そのときに文部省は大体そういうことについて明確なこと、そのものずばりで表現できないところに問題がある。実態の勤務というものをしっかりつかんでいないということを私たちは言いたくなる。まず政務次官から答弁してください。
#122
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 先ほどから先生のいろいろ御指摘を受けておりまして、文部省が実態を正確に数字として把握していない点について私自身も反省するところがあると実は考えております。ただいま先生の御指摘の具体的な数字につきましては、文部省として先生の御指摘のとおり、そのような実態がわからないはずはないわけでございます。数字を早急にいま調べておりますので、御質問いただいている間に御答弁申し上げることができると思いますので、もうしばらく時間をかしていただきたいと思います。
#123
○松永忠二君 私は何もこだわっているのじゃないですよ。このことについてはみな知っているわけなんでしょう。持ち時間は多い、何とか減らしたい、定員をふやしたい、そういうことについて文部省が計算をし直したりいろいろしなければこういう時間が出れないということならそんなものを基礎にしてこんな法律をこしらえてくるなら法律をやめさせなさい。現場の教員の最大の関心事でしょう。持ち時間を少なくしたい、定員をふやしたい。それを人事院がこういう数字を出せるというのに、なぜ文部省がそういう数字を出せないのか、すぐ出してください。そのくらいのことがやれぬようなことで、これからあと質問したって何も答弁できるような何ものもないんですよ。ただこれを一枚言っているのですよ、これでいいんだ、この数字で実態があるんだというこの考え方、私自身は先生らのそういう気持ちを代表して私は言っておるつもりだ。こんなことをやってられたんじゃかなわぬ。同じ先生を取り扱うじゃないけれども、先生の実態というものをできるだけつかんでいこうではないかということを考えて、人事院がそういう数字を出しているじゃありませんか。こんなばかなことを認めて次の質問へは入れませんよ、私は、そんな何も事を荒だてて、そうして問題を議論をしようと思っているのじゃない。こういうことでは、さっきから出てきたのじゃありませんか。休暇についても、休息についても、ただこれを割り出してこれを言っているだけです。これすら参考資料として出してこないじゃないですか。なぜ一体こういうものの中にそのことを入れてこないのです。私はしばらく文教委員会を抜けていたけれども、ほかの委員会ではみんなそういうことを入れて具備して出してよこしているんですよ。こんな不親切な資料なんというのはありませんよ。こんなことをやっているから善意にやっていることまで誤解を受けるという点がある。私は許さない。とにかく大体小・中学校、高等学校の先生は一週間の持ち時間がこのくらいだという意思統一がここでできなければその次にいきませんよ。そんなばかなことをして、そんなことをやって次に進むわけにはまいりません。
#124
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 ただいま具体的な数字を取り寄せておりますので、もうしばらくお待ちをいただきたいと思います。その調査がございます。
#125
○鈴木力君 数字を取り寄せるというから、具体的に聞きますよ。いま、初中局長の答弁で、小学校の場合、その調査によって五十分で除するとという説明があったと思うんです。ところが、学校教育法施行規則には、「この表の授業時数の一単位時間は、四十五分とする。」と、こう書いてあるんです。文部省は、小学校は四十五分でやりなさいと施行規則できめておって、それで何時限の授業をしているのかというときには、五十分で除してこの時限でございますと言っておるその真意を知りたい。まさか施行規則を知らなかったとは言わないだろうから。それだけつけ加えておきます。
#126
○政府委員(宮地茂君) 別に、四十五分をしいて五十分と言う他意はございません。ただ、いまのような御指摘のような点もございますので、もう一回言い直さしていただきます。二十五時限と申しましたのは、四十五分で割りますと二十六時限になります。訂正さしていただきます。
#127
○加瀬完君 関連。あなた方、この委員会では当然松永委員が指摘したような質問が出るということは予想されるでしょう。それすらの用意もないということは一体どうなんですか。先ほど職務の範囲なんかについてのいろいろ質問がありましたが、これも不明だ、今度は勤務の実態についてのいろいろ質問があっても、これも不明だ。じゃ、何をあなた方は根拠にして今度の教特法の勤務の状態あるいは時間外勤務をさせるかさせないかという判断をつけたんですか。これは国会軽視ですよ。当然あなたのほうで資料として出さなければならない問題でしょう。それを、聞かれても答えられない、しばらく待ってください、これから調査をしますからと、そんなばかげた話がありますか。これは政務次官とか大臣の問題じゃない。事務当局が当然やらなければならないことだ。局長、どうですか。こういう委員会をいままであなた方繰り返しておったんですか。ことさらに出さないんだ、資料を。われわれはことさらに出さないとしか判断できない、こういうていたらくでは。お答えをひとついただきましょう。
#128
○政府委員(宮地茂君) 資料として万全のものがお出ししてなかったことはおわび申し上げます。しかし、故意に出したくなくて出さないというものではございませんので、御了承いただきたいと思います。また、数字等、実は先生方の御質問はこうでもあろうか、ああでもあろうかと思って万全の準備をすればできたであろうと思いますが、その点、私の不行き届きでございますので、まことに失礼ですが、おわびいたします。ただ、数字のことでございますので、実は国会班のほうから、昨日先生方に御連絡したときに、もう少し数字のことをよくお聞きしておればこうした時間のロスなく進めたと思いますが、隠しておるわけではございません。いまさっそく取り寄せておりますので、その点しばらくお待ちいただきたいと思います。
#129
○加瀬完君 関連で恐縮ですがね。質問に答えられるとか答えられないということを私は指摘しているんじゃない。当然の質問として提起される問題でありますし、あなた方がこの教特法の立案については前提条件として吟味しなければならない問題なんで、そういう資料がなくて教特法が審議されるはずのものでないんだから、審議する前提条件ですから、そういうものが用意されておらないということはあまりにも審議に対してまじめさを欠いているということにならないかということを私は指摘しているんですよ。質問の問い合わせがあったかなかったかと、質問の問い合わせがなければ用意しなくていいというふうな問題ではないでしょう、これは。どうですか。大臣、ひとつ答えていただきましょう。あなた方の下僚のこのだらしのないやり方をどう思いますか。
#130
○松永忠二君 資料が出るまでは大臣にちょっと聞きますが、いま大臣聞いておられて、まあ加瀬さんにまずお答えください。私も大臣に聞きたいんですけれども、いま大臣はそれこそ、特にそういうことを自分はおやりになっておられるわけじゃないけれども、しかし、いま前々から御答弁いただけばなかなか教育の問題について関心も深いわけですから、また一般の人も大体教育のことについてはいろいろ話も聞いているわけだから、また教員の問題については、こういう問題を通じて閣議などでもいろいろ話が出るので、私は全然御理解がないとは思わない。いま、二つの資料の提示のしかたを見て、どっちのほうが実態に即してわかりやすいかという、そういう問題についてもひとつあわせて大臣の見解をお聞かせください。
#131
○国務大臣(秋田大助君) この問題を論ずるにあたりまして、教員の方の勤務時間の現状、これについて正確な数字上の把握、認識の必要なことは申すまでもございません。それについてのお答えのしかた、答弁の巧拙、これを別にいたしましても、拝聴いたしておりまして、私どもも反省をしなければならないというところもわかっております。しこうして、人事院との、結論において、私はまことに浅学でございまして申しわけございませんが、大差はないのではないかと思いますが、問題として、説明のしかた――その説明のしかたの中に、この問題の処理の心ばえというもの等が十分うかがえなければならないという点につきましても、十分これは法案の審議、立案の過程というようなものと関連して考えさせられるところがございます。はなはだ意に満たないところが先生から指摘されておるわけでありますが、ひとつ数字の用意が不十分であったことは認めますが、ただいま取り寄せるでありましょう数字に即しまして説明を補足いたしまして、人事院と文部省との間のほぼ整合性ということにつきましてひとつあらためて御了承を願いたいと存ずる次第でございます。先生方の御発言につきましては、十分これを了承、反省いたす次第でございます。
#132
○松永忠二君 大臣、少しそれは違うんですよ、同じようなものだという言い方が。そうじゃない。人事院のほうは現実に先生方の授業時間を何時間持っているかという実態の上に立って最高と最低を言い、平均を言っているわけです。片方はそうではなくて、先生や教頭や何かも全部含めて、ただそれを機械的にですね、それも持ち授業でやっているのじゃなくて、一時間、二時間、三時間というような、そういう表現のしかたで答えているわけです。それをただ機械的に、今度は四十五分とか五十分で割っているだけなんです。ただ数字を割っているだけなんです。片方は現実に持っている授業を何時間といって、全然調査のやり方が違っちゃっているわけなんですよ。だから、実態をどうつかまえるかということになれば、いま大臣もお聞きでしょう、先生方がもっと授業時間を少なくしてもらいたいとか、勉強のできるように時間をしてもらいたいというのは、先生方が大体小学校で二十八時間、ひどい人は三十時間なんて持っているわけですよ。私もかつて小学校の先生をしていたことがありますけれども、私たちがやったころは昭和四年、五年。そういう年代のときでも一週間に大体二十時間か二十一時間くらいやったものなんです。その二十時間、二十一時間というのは現実に持っている授業のことを言っているのであって、人事院が調査したような把握のしかたをしているわけなんですよ。それでなければ授業時間が多くなったとかなんとかということはわからないのです。だから同じものを言っているということじゃないので、つまり同じようなとり方で調査がされているわけじゃないので、全然違ったいわゆるやり方で調査をされている。ところが、いま職場で最も重大な関心を持ち、何とかひとつ文部省にしても教育委員会にしても努力をしてもらいたいというのは、この持っている授業時間を少なくしたいと。三十三時間と率直に言うと、おやりになったことのない方に申し上げてはあれですけれども、ぶっ続けに五時間授業やったらば、これは相当なもので、結果的には途中で一息入れなきゃできないんですよ。ところが一、二、三時間あって途中であいていればそこで教材の勉強もするわけですよ。かつてはそういうふうであったんですよ。ところが現実はそういうことと違ってきて、それでどなたにお話を聞いても、校長先生からお話を聞かれても、皆さん全部が言うことは、もっと授業の持ち時間を減らしてもらいたい、そのために先生の数もふやしてくれと言うわけです。そうであるのにかかわらず、文部省自体が、先生は現実に一時間ずつ持っている授業が何時間一体小学校の先生は平均持っているだろうか、この答弁ができなくて、とてもじゃないがそんなことを議論する相手にはならないんですよ。だからそういうことを言ってるんだ。政務次官ひとつ、私がいろいろ言いましたけれども、その点答えてください。
#133
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 先生御指摘の点は全く私どもも反省をしなければいけないと思っております。ただ、文部省がそのような基礎的な数字を全く持ち合わせていないということではございませんで、先生にお答えを申し上げるその数字のとり方、そういったものに誠意がなかった点は十分反省をするものでございます。ただいま数字を取り寄せましたので、説明員から御説明申し上げたいと思います。
#134
○説明員(岡本昭君) それでは昭和四十五年度の資料によりまして公立の小学校、中学校、高等学校の教科担任の時数についてお答えいたします。小学校は、一番多いのが二十六時間でございます。平均は二十二・三時間となっております。一時間担当しているものからずうっと時数がございますが、読み上げますとたいへん時間かかりますが、パーセンテージでよろしゅうございますか。
#135
○委員長(高橋文五郎君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#136
○委員長(高橋文五郎君) 速記をつけて。
 約五分間休憩いたします。
   午後二時五十七分休憩
     ―――――・―――――
   午後四時六分開会
#137
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法律案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#138
○松永忠二君 何です、政府委員から答弁しないで。初中局長答弁しなさい。
#139
○政府委員(宮地茂君) 私から御答弁申し上げます。先ほど松永先生の中学校の教員についてまず答えよということでございます。全般的な傾向として実数はございますが、非常な数字になりますのでパーセンテージで答えさしていただきます。四時間の教科科目、道徳、特活等の担当ということで、四時間以下の授業を持っておられる先生が全体の五・七%、実数で申しますと一万二千八百九十三名でございます。
 それから上、小刻みに申しますと五時間から九時間までが一・九、それから十時間から十四時間が二十四%、十五時間から十九時間が三・三%、二十時間から二十四時間が九・九%、二十五時間から二十九時間までが二六・三%、三十時間から三十四時間までが二八・八%、三十五から三十九時間が一四・四%、四十時間以上が七・三%‐七・三%の実数は一万六千九百十四人、以上のような傾向でございます。
#140
○松永忠二君 ちょっとわかりませんのでもう少し。そうするとこういうことですか、五時間から九時間持っている者は一・九%、それから十時間から十四時間までは二・四%、十五時間から十九時間は三・三……。その時間というのはあれですか、授業時間ですか、何ですか。
#141
○政府委員(宮地茂君) 先ほど申しました教科科目、道徳、特別教育活動といったようなものを、中学でございますので一時限五十分ということで、いま四時間以下と申しましたのは四時限以下という意味でございます。
#142
○松永忠二君 そうすると、四時限というのは一日に四時間ですか。
#143
○政府委員(宮地茂君) 先ほど来ずっと一週当たりの時間を申し上げております。
#144
○松永忠二君 人事院のような表現のしかたはできませんか、人事院のは非常によくわかるので。――じゃ十八から二十六、平均二四・二と。――四十時間、四十時間というと、それはそれを六で割ればいいんですか。どうすればいいんですか。六で割るというと一週間に四十時間、特別教育活動も入れて、ホームルームなんかも入れているのですか。それじゃいわゆる担任時間のあれにならないじゃないですか。ホームルームの時間まで入れないで授業をやる時間は何時間ですか、人事院が言ったような方式で答えられないですか。何だか特別教育活動だとか――特別教育活動ならこれはホームルームとかそういうことなんでしょう。だからそのときには、そんなのはみんな自分がいくのですよ、担任の先生が。いかぬ人もあればいく人もある。クラスを持ってればホームルームにいくのですよ。そんなもの特別教育活動に入れたって、そういうものも多くなって非常に負担も多くなっておるけれども、とにかく道徳科目、それもけっこうですよ、授業をやるのですから。現実に授業をやるのは、十八時間一週間に、やるといえばちゃんとわかるじゃないですか。だから大体一日にすれば何時間だし、土曜日があるからというようなことですぐわかるじゃないですか。三時間以上、授業を毎日やるのですよ。あなたのじゃわからぬじゃないですか、これじゃ。授業を何時間やってるのか、そういうものがないならないと、そういうことをみんな問題にしているでしょう。何を言っておるのだね。ホームルームにいく時間まで入れてみたり、特別教育活動というのはそうですよ。ホームルームということいえば、みんな担任の先生がいくし、担任でないときは自分のところにいるわけです。それまで勘定に入れてもまあそれは持つ時間ということにはいかない。しかし道徳教育の科目だのあるいは各教科を持つ、それは人事院のような表現ができないのかできるのか。なぜ頭傾けているのですか。こんなことは現場にいけば常識ですよ、そんなことは。私はぜひ自民党の皆さんにもお聞きをいただきたいと思うのですよ。常識ですよ、こんなこと。われわれは何もことさらあれをしようと言っているのではないのですよ。みんな学校へいけばそれはもうそうだと思うのですよ。あんなややこしいこと言うものだからついこっちも言わんでもいいことを言うようになって申しわけありせんよ、もっと的確にお答えください。できないなら、それでないならないということであるならばこれもしょうがない。とにかくありますと言うから、出してください。
#145
○政府委員(宮地茂君) お尋ねの趣旨と異なるかもしれませんが、先生がおっしゃるのは教科科目だけの時間を言えとおっしゃっておられるのでしょうか。私どもは教科、科目、道徳、特別活動、これは一時限ということでやっておりますので、教科、科目だけ見てもしようがないので、人事院よりもその点私のほうが学習指導要領に即して教師として担当しなければならない時間ということ、それは教科、科目だけでは少な過ぎますので、むしろ道徳とか特活とかそういうものを入れて教師が実際に担当しておる実数を出さないと実態の説明にならないと思いましてそういう集計をいたしておりますが、そうじやなくてそのうちの教科科目だけ言えとおっしゃるのでございますれば、またそのような資料はございます。
#146
○加瀬完君 議事進行。松永さんの質問は、人事院がお答えになったように、小学校は最低十八時間から上二十五時間、平均すれば二十四・二時間だというように、人事院が説明をされたと、同じように、担当時間が何時間を担当しているかということを出してもらいたいという質問なんですよ。それにお答えになって、加えてそれ以上にこういう資料もありますと言うならいいけれども、質問したことさっぱり答えないでほかのことを言っていたら堂々めぐりで先に進みませんよ。
#147
○政府委員(宮地茂君) 尾崎局長がお答えになられたのは、私のほうで言っている教科科目、道徳、特活というもので調べたと言っておられますので、同じではないかと思いますが。いま聞きますとそのように答えておられるようでございます。
#148
○松永忠二君 それじゃそういうふうに、人事院と同じように表現してください。別に幾時間から何%ということはいいですから、同じように比較したいと思うので、最低何時間、いわゆるあなたのおっしゃるのでけっこうですよ、特別教育活動も入れてね。それを除いたほうが私は適切だと思うのですが、特別教育活動というのはある程度担任の先生もやらなければいかんことだし、だから小学校最低二時間から――教頭先生なんか少ないのですから、最低二時間から、あるいは五時間から最高何時間、平均幾ら。平均が出ないでしょう、人数が……。ちょっと聞いてください。別に困らせるためにやっているのではないのですから。たとえばあなたのほうで出したので、特別教育活動も入れてというなら四時間から四十時間になるのでしょう。それで平均的な時間出せるのじゃないですか。だからいまの表現で言えば、四時間から四十時間、これも何だか四時間から四十時間で、それで平均――平均というとそのものをかけていって全体を割らなければ出てこないのに、四十時間持っている先生というのはどういう先生ですかね。
#149
○政府委員(宮地茂君) どうも説明がまずくて恐縮でございますが、平均の時間数を申し上げますと、二十八時間でございます。平均が二十八時間。ただ、先ほど人事院の給与局長が言われましたものよりも公立の中学校は非常に数も多うございまして、バラエティーに富んでおりますから、最低四時間以下の人が五・七%、実数一万二千八百九十三人と申しましたが、それより若干多いのが四十時間以上で、それが七・三%で一万六千九百十四人。私どももなぜ四十時間以上、勤務時間は四十四時間ですのに、勤務時間べったり授業をやっておるというのはちょっとまことに異様に感ずるのですが、事実調査した結果が出ておりますので申し上げておるわけですが、そこで一番多いところは二十五時間から二十九時間までが二六・三%、三十時間から三十四時間が二八・八%でございます。したがいまして、先ほど平均は二十八と申しましたが、傾向として五五%に当たる、半数を若干上回る方が、二十五時間から三十四時間までの担当をしていらっしゃるという傾向でございます。
#150
○松永忠二君 高等学校は。
#151
○政府委員(宮地茂君) 高等学校を申し上げます。高等学校は四時限以下が三・九%……。
#152
○松永忠二君 それはいいから、さっきのような表現をしてくれと言っているでしょう。四時間から最高何時間ですか。最低、最高、平均幾らと。
#153
○政府委員(宮地茂君) 四時間以下が最低で三・九%、四十時間以上が一・九%。一番多いところは二十時間から二十四時間までが三七・九%。二十五時間から二十九時間が一八・九%。したがいまして、二十時間から二十九時間までが五六・八%、過半数のものが高等学校では二十時間から二十九時間の間でございます。平均は二二・一時間です。
#154
○松永忠二君 小学校は。
#155
○政府委員(宮地茂君) 小学校を申し上げます。四時限以下が一一・五%でございます。四十時限以上が二五・二%でございます。
#156
○松永忠二君 平均は。
#157
○政府委員(宮地茂君) 平均の時間数が三一・五時間でございます。
#158
○松永忠二君 それだから、ちょっと私大臣に、さっきのではわからぬですよ。要するに、二十四だとか、中学校が二十二だ、それから高等学校が十五だ、そう言ったけれども、こうやってこうこまかく言ってみたら、片方、小学校のほうが大体平均が三一・五、それから中学校が二十八、高等学校がまあ二十二だと、こういうわけですね。これは現実にいま先生から言えば授業をやっていると似たようなものですわね。そうすると、私はちょっと四十というのはわからぬので、四十というと六日にして六時間以上やっているというのですから、そんなにたくさん授業やっているところも現実にはないのではないかと思うのですね。大体普通常識的に――常識的というか、一番皆さん普通いっているのは、小学校は大体二十七、八、九ぐらいのところが大体多い。あるいはひどいところになると三十というところがあるけれども、私の持っている資料にも三十というのはありません。最低が十八、それから二十一というのがありますけれども、ほとんど二一十六、二十七、二十八、二十九で、二十八が大部分であって、その次は二十、その次は二十七。だから、こっちのまた数字もちょっと三十一というのもこれまたとんでもない離れた数字だと思うのです。中学校は大体二十四、五時間、二十二時間程度持っているところもあります。こっちのほうが二十八ですが、これも少しあれですが、高等学校が二十二時間、まあ高等学校は二十時間からおそらく十七、八時間というのじゃないのですか。こういうのがほんとうは的確にすぱっと出てこなければいけないし、特別教育活動をとればこうです。純然たる教科はこうですと。それがまた現場では一番問題になっているわけなんでしょう。だから、そういうことをこれだけ念を押してやってこなければ言えないというのもあまりに――現場の皆さんが最大の関心を持っているもの、そのものずばりの現実に調査ができていないということでは、さっきから言うとおり、いわゆる教職員の勤務の実態というものが明確になっていないのじゃないかという感じがいたします。
 まあひとつせっかく御努力をして数字を出していただきましたので、資料をひとついただきたい。
#159
○委員長(高橋文五郎君) 資料は全員にお配り願いたい。
#160
○松永忠二君 それではもう一歩進めますが、一体、一週間の中で、これは少し前に出ましたけれども、教材の研究ができるのは一体どのくらいの時間ができるのだろうか。そういう点を、さっきの持ち授業の関連にしても、実態的に大体どのくらいをこの教材研究の時間でもって設けているのだろうか。これは自主研究とかあるいは命令研究というのもありますけれども、とにかく自分で研修できる時間、こういうものはどのくらいこの中にあるのか。また別の一つの表現をすれば、もう一つ聞きたいのは、一時間授業をするのに大体どのくらいな勉強の時間というものが持たれているのか。そういう実態、これもひとつ勉強する時間がほしいというようなことをよく言われるのだけれども、教材研究の時間というのは一体どのくらい一週間で持てると文部省自身は判断しているのか。それでそれが一教科をやるについては大体平均このぐらいな時間は勉強できるのだろうと、こういうふうに勘定されているのか、それをひとつお聞かせください。
#161
○政府委員(宮地茂君) 四十一年の実態調査によりますと、服務時間内に、いま先生がおっしゃいましたような時間は、平均して八時間四十一分になっております。なお、勤務時間外にそういうことをするという時間が一時間二十五分ということになっております。したがいまして、服務時間内だけで申しますと八時間四十一分でございますので、一日に直しますと、大体教材研究等で一時間半程度ということになろうかと思います。
#162
○松永忠二君 そうすると、一日に一時間半はいわゆる教材研究ができる。そうすると、一つの自分の教える授業時間に対してどのくらいなことになるのでしょうか。一教科を教えるにどのくらいな準備ができるのですか。
#163
○政府委員(宮地茂君) 実態調査の結果は、いま申しました、週八時間四十一分ですから、一日、概数で申しますと、一時間半。先生方のいわゆる授業担当が、一日、先ほどのあれで四時間ないし五時間ということになっておりますから、一教科につきましては二十分ないし三十分ぐらい、平均を出せば二、三十分ということになります。
#164
○松永忠二君 そうすると、一日に六時間授業を持っていて、そして、そのものについて三十分ずつ勉強する時間があるということになれば、休息も何も時間はないですよ。どういう勘定になるんですかな。一時間、一教科についてたとえば三十分ずつあるとしますと、それじゃ、授業、教育活動まで入れて、一日にたとえば六時間、六時間で三十分ずつそれに持っているということになれば、六時間、七時間、八時間……、朝授業が始まってからしまいまで、そんなにたくさん時間ないんですよ。
#165
○政府委員(宮地茂君) 先ほどから申し上げておりますように、小学校ですと、一週二十六時限でございますので、平均いたしますと、一週六日ございますから、五時間の日が二日、四時間の日が四日ということで二十六時限になろうと思います。したがいまして、四時間の日あるいは五時間の日、それに一時間半ぐらいな教材研究ということですから、授業と教材研究合わせますと、五時間半の日と六時間半の日があるということになります。
#166
○松永忠二君 私が言ったのは、それだから、たとえば三十一・五時間のいわゆる時間を持っていて、そして、それに、一つのものについて、いわゆる三十分ずつ研究する時間があるというならば、一日のうちにはめられないじゃないですかね。どういう勘定になりますか。
#167
○政府委員(宮地茂君) いま、平均値で私お答えしておきましたが、松永先生は、四十時間以上の教師はどうやっておるんだと。これも先ほど私申しましたが、私どもも、四十時間以上も授業を担当するという先生はどういうことになっておるんであろうかと、非常に異様に感ずるのですが、先ほども申しましたように、先生方個人個人から個票でとっておるわけです。個票の中には、確かに自分は四十時間以上受け持っておるとおっしゃる先生もおられますので、まことに、いまの先生のような計算をされますと、四十時間以上の人はどうしておるんだろうと、私どもも思うのでございますが、その辺いろいろ事情もあるのかと思いますが、平均値で申しますと、先ほど申し上げたようなことでございます。四十時間以上につきましては、私も先生と同様に、まことにふしぎで、ちょっとお答えできません。
#168
○松永忠二君 さっき二十六時限という話をしたけれども、二十六時間いわゆる持っている人というのは少ないわけなんですからね。そこを勘定して、三十分ずつ入るじゃないかといったって、そうはならないのですよ、勘定は。そこはひとつ、実態をつかんでじゃなくて、ただ入れていくだけの話をしているのですが、現実に調べたものは、そんなふうななまやさしいものじゃないのですよね。こっちのほうが正確になっているでしょう。
 授業時間が一週間で二十八時間、朝夕の会、集会、全校運動、給食、清掃、職員打ち合わせに八時間、それから校務事務、学校事務、調査、会議に二時間、宿題、日記、プリント印刷が一時間半、それから休息、まあいろいろな実は仕事をしているのだけれども休息に一応なっているのが二時間四十五分、教材研究、企画、準備、処理、おくれた子供の指導が一時間四十五分、これでフルなんです。別にそんなに変なものをやっているようでもないです。学校事務、調査、会議なんというのは一週間に二時間くらいやっているだろうと私たち思うのですね。朝晩の集会、全校運動の打ち合わせ、清掃、職員打ち合わせなんかだって、一週間に八時間くらいはあるだろう。授業は二十八時間。これだって、そんなに変なものを出していないのだが、結局、一時間に対して四十五分の教材研究の時間、一週間にですよ。だから、授業一時間に対しては四分だと書いてある。これのほうがはっきりしているわけですよね。何か、平均にしてこっちに当てはめたりなんか……。それは私は、よく、やっぱり実態に即して調査がなされていなければできないじゃないかということを言っているわけです。
 だから、一体、先生というのは、小・中学校の先生は授業時間何時間持って、そうして休む時間はどのくらい休んで、そうして勉強する時間、自分の研修、自主研修はどのくらいで、そうして学校のいわゆる集団的な命令研修は大体どのくらいだろう。こういう実態をやっぱり把握をして、これで研究の時間は少ない、あるいはもっとふやさなければいかぬという、こういうものを提示をされれば、非常によくわかるわけなんです。ところが、何かわからない、私自身もあまりよくわからないのですよ、説明聞いてみても、さっぱり。どこへどうはめるだかわからぬという感じもするわけです。
 内容については、人事院の調査がたとえば特別教育活動を含んでいないというのは、これは文部省としてのお考え方もあるでしょうけれども、一番わかりいい、実態をよく把握をして、そのものずばりでよく調査がされているのじゃないかという感じもするわけですが、そうすると、教材研究は一日に一時間半あるという認識ですな、結論的に。いいですね、それは。一日に一時間半教材研究の時間がある。そう文部省はいっていると。それで意思統一をしておいていいわけですな。したがって、一教科、一時間について三十分は勉強する時間を持っているのだ。そういう把握は間違いでしょうか。いまあなたの御説明によるとそうだったんですが、それでいいでしょうか。
#169
○政府委員(宮地茂君) 先ほど来申し上げておりますように、平均を出せばこういうことだと。ただ、お尋ねでございましたように、私どもも驚き先生も驚かれる。実際に個々の教師に当たってみますと、四十時間以上も持っておるとおっしゃる方もおられるし、傾向としては、一〇〇%でとれば非常にパーセンテージは少のうございますが、また非常に担当時数の少ない先生もおられる。したがいまして、個々の先生方にはいろいろございましょうが、やはり全般的な傾向は、平均値を取るか、先ほど申しました五〇%ないし六〇%のものがかたまっておるところを取るかということで全般的な傾向を把握といいますか、表現する以上にはちょっとやりようがないんではないかと思います。
 しかし、平均値あるいは大かたの傾向といっても、個々の先生についてはいろいろ違っておるというふうにもちろん考えてはおります。
#170
○松永忠二君 大かたの人、その人は一日一時間半やはり研修する時間がある、一教科については三十分、それがまあ平均のデータであり、そうだと。そうでしょう、それでいいですな。それをひとつ。
#171
○政府委員(宮地茂君) 全体の平均値をとればそういうことになるということでございます。しかし、個々の教師はいろいろ違った傾向の人があるけれども、大体の傾向としたらそのくらいな傾向としてやること以外に、国の施策としては、特に定数法をはじいたりいたしますときには、各県各学校によっていろいろ違う。しかしながら、大体の傾向としてはこうだというときには、いま申したような平均値なり大かたの先生がかたまっておられる過半数のパーセンテージを占める、その辺をもとにせざるを得ないということでございます。
#172
○松永忠二君 そうすると、さっきから強調されているように、平均値というのをとれば、また文部省がいろいろなものをやるときの土台として大体一日一時間半、先生は教材研究の時間がある。一教科については三十分、まあこれは人によっていろいろ違うけれども大体そうだというお話ですね。そういうことに間違いはない。そうすると、このほうは一体どういう解釈をしたらいいんでしょうかね。これは間違いでしょうかね、全然その差があり過ぎるわけですけれども、こっちのほうは特殊なものだというふうな御理解でしょうか。
 そうすると、私たちは一般の皆さんにそう言っていいわけですね、先生というのは一日に一時間半は教材研究する時間がある、平均そうだと。大体一つの教科については三十分くらい自分で研究する時間を持っていると。それで、それは勤務時間の中に行なわれている。そういう説明をするし、そういう基盤に立ってこの法律は出ているわけですな。そういう勤務実態だということで出ているのですね。別にそれを否定する何ものもないじゃないですか。それを答弁してください。
#173
○政府委員(宮地茂君) 先生の御調査、まあどういう御調査かわかりませんが、私どもやはり指定統計は法律に基づいて間違いなく記入してもらうという前提で調べておりますし、また実態調査も個々の先生方に自分で書いていただいたということで平均値なり傾向値を出すわけでございます。
 で、もちろん、ここに私も一部持っておりますが、これは武生市小松町の武生第一中学校ですが、この時間表は確かに先生がおっしゃいましたように、この学校の時間表はよくわかるように書いてあります。たとえば八時から八時十分まで打ち合わせて、学級活動が八時十分から二十分まであって、清掃がそれから十分間あって、第一時限が八時三十五分に終る。それで、昼食等済まして、第六時限が三時に終わる。それから清掃が三時二十分まで清掃をやる。学級活動が三時二十五分から三時四十分。子供が下校するのが四時二十分。こういうふうに書いてあります。したがいましてこれを追いますと、はたしてこの一時間半という平均のそれはどこに入っていくんであろうかと。学級活動が三時四十分に終わって五時まで、一時間二十分しかございません。したがいましてこういうふうに、個々の学校の、これも学校全体で一人一人の先生は、また学校の日課表ですが、学級担任の先生の個人の日課表はまたこれに基づいてあると思います。したがいまして、一つの学校を見ましても、その一時間三十分をどこへはめるのであろうか。三時四十分から数えても五時までは一時間二十分しかない、これを見てもうそのように見えるというような懸念はいたしますけれども、まあ国といたしましては、全体の傾向なり平均値をとらざるを得ない。それで県に定数を配当し、県としてはまた県内の事情を勘案し、各学校ごとの実情を勘案して定数を配当すると、こういうふうにしていく以外に現行制度ではやりようがないのではないか。もちろん御指摘のありましたように、私どもももっとくふうをしなければならない点があるというのはもちろん前提でございますが、そういうふうに御了解いただければ幸いと思います。
#174
○松永忠二君 指定統計で教材研究の時間をとっているのですか。これはいま新しくお話聞いたんですが、どういうふうにとっているのですか、お聞かせいただきたい。
#175
○政府委員(宮地茂君) 先ほど先生のお尋ねでいろいろ数字的に申しましたのは指定統計でございます。
 それから四十一年度にとりました約十万人の教師の勤務実態調査をいたしました場合に、教材研究の時間というふりにとりました。したがいまして、先ほど指定統計なりと申しましたその指定統計には教材研究の時間はとっておりません。そのようにおとりいただいたとすれば、私の説明が惑うございましたのでお許しいただきたいと思います。
#176
○松永忠二君 特別な調査においてそういうものはやっているけれども、毎年の指定統計にはそんなものやっちゃおりませんね。だから何かそういう印象を与えたので、私ちょっと賛同したわけですが、そうなると、これもまた実態からだいぶん遊離しているのじゃないですかね。皆さん、校長さんや先生方に一日一時間半のいわゆる教材研究の時間がある人というものがはたしてどのくらいあるでしょうかね、率直に言って。
 それじゃお聞きいたしますが、授業が終わってからあと、学校じゃどういうやり方をしているのですか。授業が終わってから、要するに最後に、帰りに掃除をするところもあります。それからまた、勤務時間ですからね、これは。掃除までついていなければいかぬのですよ。事実そういうようなことをやっているのです。あるいは帰りにホームルームをやって帰すのでしょう。そういう時間というのは、私はここにも日課表を持っておりますけれども、これは生徒を帰すのは午後の三時五十分。四十分から五十分の間に時間の整理整とんしておいて、あしたのことをいろいろ打ち合わせたりなんかして帰すのですよ。そうすると、三時五十分から五時の下校――五時に下校しているところはありませんからね。午後四時四十五分くらいですかね。その間何をやっているのでしょうね。どういうようなことをやっていると、実態を把握されているのですか。いわゆる授業が終わって、特別教育活動も終わって、それが三時四十分ないし三時五十分で、それからあと一時間十分くらい、この間は一体どういうことをやっているというふうに大体把握をされているのですか。どんなことをやっているのが普通なんでしょう。
#177
○政府委員(宮地茂君) まあ学校の先生によりましていろいろそれこそ自発性、創造性でいろんなことをおやりになっておられると存じますが、やはり生徒の授業担当というのが一番ですから、授業が済みますれば、これは研修をなさる人もありましょうし、教材研究をなさる人もありましょうし、いろいろな勤務をしておられると思います。
#178
○松永忠二君 そうすると、子供を帰して、あとは自由に自分でそれぞれ勉強したり、あるいはそれぞれの仕事をやっていると、こういうふうな把握をされているんですか、いまのお話だと。どうでしょう。
#179
○政府委員(宮地茂君) まあ、授業担当ということがやはり学校の先生にしましては主たる業務と存じます。したがいまして、授業があるのに教材研究をして授業に出ないという先生はおそらくないと思います。そうしますと、授業が済みましたその他の時間は、教材研究をなさる先生もありましょうし、中には職員の給料等の事務を割り当てられて、給料日近くになさっておる先生もありましょう。あるいはPTAの会合に出られる先生もございましょうし、クラブ活動の指導をなさる先生もおられましょうし、いろいろな状況で、画一的にどうしておられるというふうには私ども考えておりませんですが。
#180
○松永忠二君 それは現実に学校を調べた結果で言うことばですか。大体そうだろうと想像されるんですか。何かあなた以外に、たとえば課長なり主任が調べた結果そうであったんですか。そういうことなんでしょうか、どうなんです。大体そうでしょうと、そうだろうと思いますということですか。そうですということですか。どっちなんでしょう。
#181
○政府委員(宮地茂君) いろいろな勤務実態であるというふうに私ども考えております。ただ、一校、一校に科学的に、先ほど申しました時間数がどうといったような調査はやっておりません。
#182
○加瀬完君 ちょっと関連。いろいろな実態という中には、こういう実態もあることはお認めになりますね。小学校の平均の、あなたのおっしゃる勤務の時数が三十一・五時間、そうするとこのほかに二十六時間授業をするとすると、御説明によると一時間の授業に対して〇・五時間、三十分授業の準備をすると十三時間になりますね。それで、休憩の六時間を取れば五十・五時間、こういう人がいるということは認めますね。全部こうだということじゃありませんよ。御説明に従いますと、こういう勤務の者がいるんだということはお認めになりますね。
 さらに言うなら、文部省の指導のとおり一時間の授業に一時間の準備をすると、これは六十三・五時間になる。まじめな先生はそういうことにもなりかねない、そういう人もいると、こういうことは当然お認めになりますね。
#183
○政府委員(宮地茂君) これは先ほども申し上げておりますが、四十時間以上授業担当される。一週間の勤務時間は四十四時間でございます。したがいまして四十時間以上も担当したら、教材研究、これは勤務時間内のことですが、勤務時間内に教材研究とか、あるいはその他自主研修とか、そういうことをする時間はなく、ただ朝から晩まで授業だけをやっておるというふうに想像されます。したがいまして、先ほど先生が、それでさらに教材研究に一時間半とか、まあいろいろ足していけば六十時間になるとか、そういう方もまれにはあるんではなかろうかという感じもいたしますが、しかし中には、授業でもう精一ぱいで、疲れてしまって、教材研究や自主研究にまで気力が出ない、疲れてしまったという先生も例外的におられるであろうというふうには想像いたします。
#184
○加瀬完君 この三十一・五時間というのは、御説明によると、これは小学校の特活や授業すべてを含めた平均ですね、よろしいですね、三十一・五時間、そして、その授業の準備の時間はどう取るんだと質問をしましたら、松永さんの御質問にあなたは大体一時間の授業について三十分程度の準備の時間は取るのだ、そうすると多くは二十六時間授業をするということで御説明ですから、十三時間の授業準備をするということになる。そうなれば休憩時間の六時間だけ入れて、いろいろのあと校務分掌とかその他のものを全部捨てても五十時間をこすと、しかも三十一・五時間というのは平均だというならば、こういう者がたくさん小学校におるということは認めざるを得ないでしょう。この実態に時間外勤務をさせることに対してどういうことになりますか。あなたの御説明のように、いまでもくたびれている人が多いのだ。こういう人たちが、現状の小学校、中学校にはたくさんおるということをこれは認めざるを得ないでしょう。これは確認してくださいよ。おたくのほうで出した数字ですから。するかしないかだけ答えてくれればいい。
#185
○政府委員(宮地茂君) 先ほど来いろいろ御説明いたしておりますが、全体的な傾向ないし平均値ということで御説明いたしました。しかしこの全体的な傾向あるいは平均値というものが先ほど来たびたび申し上げておりますように、四十時間以上も授業を担当するという人にはこの平均値なり全体的傾向でははかれない。しかしながら全体的な傾向、平均値ということを、やはり定数を積算したりするときは原則としては出さざるを得ない。そういう限りにおいてはこうだ。しかしこれが五十万六十万人の教師の方々にすべて当てはまるということはございません。それは四十時間以上も担当しておられる先生にはそんなことを言っても数字が合わないということを前提にして、全体的な傾向なり平均値を申し上げております。
 それから一科目三十分というのは、先ほど教材研究に一時間半ぐらいの平均に、四十一年の実態調査ではなっておる。そうすると一日に四時限ないし五時限持たれるとするならば、一時間半を割っていけば一科目について二十分ないし三十分ぐらいの教材研究になるであろうということを申し上げたわけです。
#186
○松永忠二君 さっきの話だと、さっき話した三時五十分で終われば自由にいろいろ研究や仕事をやっているんだろうと、さっき思われたのか、調べたのか。そこら辺を確認してさらに質問します。調べたのか、調べてそうなのか。そういうふうに大体類推できるというのか、どっちですか。そこだけ聞かしてもらいたい。
#187
○政府委員(宮地茂君) 三時半に授業が終わるとするならば、五時まで何をしておるかということにつきましては、はっきりこういうことでございますという調査をした結果は持っておりません。ただしたがいまして先ほど先生がおっしゃいましたように、まあ私の部下なり、あるいは視学官、調査官、こういう人々から私が聞いて、私なりに考えておるということでございます。
#188
○松永忠二君 まあ意地悪くすれば、その調べた人を、聞いた人を呼んで聞いてもらいたいと思うくらいですが、実態はそうじゃないのですよね。たとえば、ここに教員の一日の日課の中で、私は現に各学校回って伺っているからよく知っている。月曜日は生徒会指導、火曜日は学活の指導、それから水曜日は職員の全体研修木曜日はクラブ指導、金曜日はクラブ活動。全職員それぞれ担当の部署で指導することになっている。勤務時間四十四時間だから、あたりまえだと。その時間は何も自由にやれといっているのじゃない。勤務時間いっぱいこういうことを、月曜日、火曜日、ちゃんときめて、それぞれそういうことをやっているわけです。これはほとんどどこの学校でもそういうことをやっておられるのじゃないですか。勤務時間を四十四時間だとか四十時間といっているのに、それまで何かそのままにしておくと少しぐあいが悪い。やはりしっかりした学校管理をするのには、ちゃんと計画的にきちっとこうしなければまずいというお気持ちがあるのか。実際はそうなんですよ。きょうは皆さんが子供を帰す時間、そこまではきちっと手は放されないわけですよ、担当している者は。それからあと、結局は各いわゆる曜日によって、きょうは一斉に職員会議をやる日だ、きょうは全校で研修をやる日だ、きょうは生徒会の指導をやる日だ、クラブ活動をやる日だ、そういうことを統一をしておかないと、何か行事があるときに困るというような、そういう配慮もあるのでしょう。あなたのお考えになったり聞いているような実態ではないのですよ、学校の一日の日課というものは。それは私のほうが間違っているのですかね。あなたの言っていることが正しいのでしょうか。私の言うことのほうが一方的な、部分的なことを言っているのでしょうか。やはりそういう認識をしてもらう。私は人事院の総裁にも、国立の一体教員というのはどういうふうな日課を持っているかということについてはあるいはきょうは聞きませんけれども、お調べになっておられるのじゃないかと思うのですが、まずひとつその点を、一体四十四時間の勤務の実態、中はどんなふうに実態はなっているのか。持ち時間の話をしている、また教材の研究時間の話をしている。それから、そのほか子供を帰してからあとどうなるか。これは私はむだなことじゃないと思うのですよ。これがわからなければ、実際には勤務の実態というのははっきりしないのですよ。どういうことでしょうか。
#189
○政府委員(宮地茂君) 先生のおっしゃることに私否定的に言っておるつもりは全然ないのでございますが、先生がおっしゃるような実態もございましょうし、これは先ほど武生市の例を申しましたが、この学校では学級活動が月曜から金曜日は三時四十分に終わる。土曜日は一時に終わるということで、子供が帰る。そうすると、五時まで一時間二十分しかありません。その間何をしていると思われるかというお尋ねでございますので、先生がおっしゃいますようなことをしておられる方もありましょうし、三時四十分から職員会議を一時間も二時間もなさるところもございましょうし、そうすればある曜日に三時四十分に子供らが帰って直ちに職員会議を開けば、五時なりあるいは五時を過ぎる。そうすると、教材研究をしようと思っても、それからまた外の会合があるとかということになれば、教材研究もできない方もありましょう。いろいろの実態がございましょうということを申し上げておるので、特に何をしなければいけないとか、どうせよとかということは、私のほうも指導しておりませんし、また人事院でおっしゃいます自発的、創造的な勤務ということで生かさるべきであるというふうに考えております。
#190
○松永忠二君 そうすると、こういうような日程を、学校が子供が帰ったあとに毎週予定をしては勤務時間まで仕事をやっていくということでは、自主的、自発的創造性のいわゆる勤務の状態としてはあまり適当ではない、避くべきものだ、こういうことについてはどうなんですか。
#191
○政府委員(宮地茂君) 私どもが四十一年に実態調査したところでは、これはあくまで平均値でございますが、先ほど来たびたび申し上げておりますように、服務時間内でも自主研修、承認研修、そういったようなものもあるし、また教材研究は一週間に八時間四十一分あるし、さらに事務的なものが、学級経理事務とか教務事務とかといったようなものが三時間半ばかりございます。さらに社会教育活動とかそういったようなことに四十分ばかりの時間がございます。これはあくまで平均値でございます。したがいまして一人一人によって違いましょうが、少なくとも子供の授業を終わって子供を帰したら、あとは教材研究もできない、さらに研修もできない、何となく職員会議か事務かで勤務時間は一ばいになっておるというような傾向があるとするならば、それは決して望ましい傾向とは考えません。
#192
○松永忠二君 私が申し上げているのは、部分的なというか、あるいは一部の学校、一部の先生というふうなことではないということを私は申し上げておるのですよ、私の言っているのは。少なくも私の県などにおいてのいわゆる、そういう学校の管理の状態というのはやはり、曜日によってやることをきめて、そうして大体四十時間、とにかく勤務時間の終わるまでははそれぞれ学校として総括的な仕事をやっていくというふうに配慮をされているという状態があるわけですね。したがって、さっき私が言ったようにやはり、研修時間が非常に少ない。八時間でやっていく以外にないとか、そういうような結果になってくるわけで、私もある特定の一つの学校、特定の個人をとらえまして言っているのじゃなくて、そういう傾向が全般的にむしろ、今度は平均値として出ているという認識のほうが正しいのじゃないかと私は思うのですよ、あなたがよく言う平均値というならば。むしろ小さな部分にはあなたの言っているようなことをやっている者もあるだろうけれども、大体勤務時間というものは、勤務時間の中でやはり勤務をさしていかにゃいかぬものだと、そういうような考え方がつまり、むしろ常識化されて行なわれておるのではないか、そういう傾向のほうがむしろ強いのではないか、ということを申し上げているわけです。もし、私の言ったことがむしろ平均的なものであるとするならば、これはいまお話しのように非常に好ましい状態といえないので、こういう点については実態を明確にした上で御指導をなさるというような、こういう気持ちはありませんか。
#193
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 ただいま先生の御指摘のような実態、授業時間を終えたあとの時間をすべて一週間学校のほうで統一して、先生方の自主的ないろいろな研修等も含んだ時間というものを拘束するというようなやり方で学校運営がなされているということは、教職員の先生方の創造性、自主性というものをそこなって、必ずしもいい結果をもたらすものと思っていないわけでございますので、実態を十分調査の上、そのような画一的なことがそれぞれの学校で行なわれないように文部省としては考えたいと思っております。
#194
○松永忠二君 それじゃ一歩進めて、この前鈴木さんのほうから夏休みの話が出ています。これは人事院が教員の勤務の特殊性として非常に強く明確になっているところであります。そこで夏休みというものはどういうふうな実態になっているのであろうか、こういう点についてどういう調査をお持ちでしょうか。たとえば夏休みの中でどのくらいが自主研究が行なわれ、どのくらいが学校に出てき、どのくらいがいわゆる純然たる厚生の休暇として実施をされているのであろうか、これこそ、本法案を提出する重要なあれであると思うのです。まず最初に人事院のほうでひとつその実態をどういうふうに把握されているのか、国立の小・中・高等学校の先生というのは夏休みをどういうふうな実態で過されているのか、これをひとつお答えをいただきたい。
#195
○政府委員(尾崎朝夷君) 昨年度におきましての国立学校の学校の休業は、夏休み、冬休み、春休みございますけれども、そのうち日曜、祝日、年末年始を除きました日数は、小学校におきましては……
#196
○松永忠二君 夏休みにしぼって言ってください。
#197
○政府委員(尾崎朝夷君) 特には分けておりません、集計上は。夏休み、冬休み、春休みの三つを全部合わせまして、日曜、祝日、年末年始等の学校に出てくる必要のない日数を除きました学校休業日の日数というのが、小学校におきまして、平均しまして六十・三日でございます。つまり六十日が学校休業期間のいわば出勤を要する日数ということになるわけでございます。その間登校した日数は、少い方は十四日、多い方は五十七日ございますけれども、平均しまして三十二・〇日、つまり半分登校していらっしゃいます。で、登校した日における一日の平均在校時間は五・三時間でございます。そのおもな業務は、教職員会議、授業準備、研究会、プール指導等でございます。登校しなかった日は残りの日にちでございますが、登校しませんでしたけれども、校外で生徒指導をなさったというのが三・六日ございます。それから講習会等で別にそういう会合に出席されたという日が七・六日ございます。それから有給休暇をとったという日が一・一日ございまして、その他の日は一九・〇日という形になっております。
#198
○松永忠二君 失礼ですが、中・高も言ってください。
#199
○政府委員(尾崎朝夷君) 中学校の場合には、全体で五十五・五日ございますが、そのうち登校した日数は二十六・三日でございます。やはりほぼ半分ぐらいでございまして、一日の平均在校時間は五・〇時間でございます。おもなる業務は、クラブ指導、授業準備、プール指導、それに児童の登校日というのがございます。登校しなかった日の内訳といたしましては、生徒指導が四・四日、講習会等への出席が九・四日、有給休暇をとった日数が〇・二日、その他が十七・六日でございます。
 それから、高等学校につきましては、同様にしまして全体で六十・三日ございますが、そのうち登校されました日が二十六・七日、一日の平均在校時間が六・一時間でございます。
#200
○松永忠二君 これはひとつ資料を提出してください。
#201
○委員長(高橋文五郎君) よろしゅうございますか。
#202
○政府委員(尾崎朝夷君) 提出いたします。
#203
○松永忠二君 失礼ですが、これと同じようなものをひとつ文部省のほうから出してみてください。
#204
○政府委員(宮地茂君) 人事院と御相談して全く同じ調査をいたしておりませんので若干違いますが、四十一年度の実態調査でございますが、それによりますと八月の一カ月間に有給休暇をとられた――これもまたおしかりを受けますが、平均で出しておりますので平均で申させていただきます。有給休暇をとられておるのが四日、それから承認を受けて学校を離れて研修にいっておられるのが五日ということで、あとは指導事務、管理事務、その他付随事務、いろいろございますので、少なくとも八月一カ月のうちに研修で五日、有給休暇で四日、十日近くは学校を離れておられる。あとの二十日間は、これは指導事務とかいろいろな事務がございますが、日曜日を除きまして二十日間は学校に行っておられるというふうに考えられる結果になっております。
#205
○松永忠二君 これもまた、あまり実態がわからぬね。前よりは少しわかりやすくなったが、人事院の統計はちゃんとしているじゃないですか。夏と冬と休みのある中で、六十・三日の中で十四日から五十七日、平均三十二日ですか、結局その中の内訳がこれこれと。中学の場合は、五十五・五、それから二十六、三、つまり二分の一よりやや少ない。六十。三の中で二十六・七、それで内訳はこうだと。どういうわけでこういう調査を文部省はできないのでしょうね。それよりはあなた方のやっている調査のほうがよいというふうなお考えなんでしょうか、教育的に。すぐれた統計である、実態を把握した統計である、こういう把握をされておるのですか。
#206
○政府委員(宮地茂君) 私のほうがすぐれておるとは決して思っておりません。
#207
○松永忠二君 それならば、これをあらためてこういう方法でやるという用意はありますか。
#208
○政府委員(宮地茂君) これは四十一年度にとりました調査でございますので、これから個票を洗ってある程度人事院のおっしゃいますような、人事院が説明されれば、すぐタイアップしてお答えしてできるようなものになりますか、できる限り個票を探して早急にできるものはいたしたいと思いますが、何ぶんすでにやりました調査でございますので、今後の調査におきましては人事院のを参考にいたしまして、わかりよい調査をできる限りするようにつとめたいと思います。
#209
○松永忠二君 今年の法律の提案にあたって、人事院と文部省はこういう問題について資料を打ち合わせをした事実はないんですか。どうでしょう。
#210
○政府委員(宮地茂君) 人事院の御意見は、いろいろ人事院独自で御調査なさった結果、独自の立場で御意見をお出しになられまして、それを受けまして、私ども法律案をつくりましたので、特にお打ち合わせをしてこういう調査をやろうといったような調査はいたしておりません。
#211
○松永忠二君 それじゃ法律の提案にあたって人事院と相談をしたのは何でしょう、この法律を提案するにあたって。事前に何を一体打ち合わせをしたのか。
#212
○政府委員(宮地茂君) これは人事院が御意見をお出しになられましたので、打ち合わせるというよりも、私どもは従来から人事院の給与に関します勧告、意見は尊重するということですから、打ち合わせばいたしておりません。御意見を尊重して、それに公立学校の先生のことなどを加えまして、法案を提出さしていただきました。ただ、勧告が出ます前に、いろいろ文部省として御陳情申し上げたことはございます。
#213
○松永忠二君 そうすると、いわゆる人事院の意見書をもってそれを尊重するという形で法案を出したということになるわけでありますが、その場合、人事院の出した教員の実態とわれわれのところとは違うというような認識を持っておられたんでしょうか。全く同じである。尊重するということはそういうことの調査とか、そういうものは何にも考えないで、ただ言っていることを、それでそのまま引き写しにしていけばいいんだという認識なんでしょうか。それともそういっているけれどもいわゆる自分たちの関係している義務教育諸学校の実態は少し違いますというような面もいま出てきているわけでしょう。そういうようなことは全然違っていても、人事院のこれを尊重してやったんだから何も私たちには落度はない、完全なことをやってまいりましたと、こういうことでしょうか。どうでしょう。
#214
○政府委員(宮地茂君) 人事院が先ほどおっしゃいましたのは、公立に比べますと非常に少ない国立学校についてのことをおっしゃったと思います。公立学校につきましては、四十一年度に私たちのほうで調査をいたしましたものを、参考と言っては人事院に対して申しわけないかもしれませんが、むしろ人事院のほうでは公立学校については私のほうの調査を資料とされたように私どもは承知いたしております。
#215
○松永忠二君 これは人事院は人事院のいわゆる実態に基づいてこういうことをやる、人事院なりにやってほしいと言っているんですよ。そして、それについては他のものについてもこれを基準的なものとして考えていくということで、いわゆる公立の義務教育の学校の、たとえばいま夏休みの状態とったんですが、夏休み等の学校休業期間についてはと、こうあるけれども、義務教育と国立の学校とはそういう点は違う点があるという認識を持ってこの勧告をとられたんですか。いまの数字が違っているんですよ。そういう数字というものは、この勧告受ける段階において明確にしていたんですか。どういうことでしょう。比較なんてそんなことはしたことはないですか。
#216
○政府委員(宮地茂君) これは人事院のほうからお答えいただきたいと思いますが、私どもが四十一年度に調査いたしました。人事院としてはこの調査は相当参考にされたものと思います。しかし、公立についてだけ文部省が調査したのでは、それだけによるべきでない、独自の立場で国立は人事院のこういう問題についての所管学校でもあるからという面で国立をおやりになられたというふうに承知しております。したがいまして、夏休みについて教員の勤務態様がどうとか、職務の特質がどうだということで、夏休み、冬休み、総裁からも冬休みまでもお話がございましたが、そういう点につきましては、先ほど人事院が夏休みについてのなさった御調査の結果と、私が申し上げましたのと数字がぴたりとは合いませんけれども、夏休み、冬休みというような休みの使い方、勤務態様の特殊性という点につきましては、若干の数字の違いで本質的にどう違うというものではございませんので、私どもも人事院の御意見が出ております説明等お読みいたしまして、私どももそのように考えたわけでございます。尊重もいたしますし、納得をしてわれわれと同じ気持ちだというふうに感じた点でございます。
#217
○松永忠二君 とうするとあれですか、人事院の言っている、ここにいういわゆる夏休みというものと、それから公立学校の義務教育の諸学校における夏休みについては相当格差があるという事態はお認めになりますか。差がある。夏休みといっても、いわゆる付属の小・中・高等学校における夏休みというものと、それから市町村立の学校の夏休みというのは相当実態においては差があるということをお認めになりますか、認めないのですか、それはどうなんですか。
#218
○政府委員(宮地茂君) 国立の付属の小。中学校はこれは見方もございますが、総じて大体同じような傾向にあると思います。ところが、全国に相当の数でございます公立の小。中学校は、僻地もありますれば都会地もありまするし、規模におきましても複式もありますし、大学級の学校もありますし、そういったようなことでいろいろな面におきまして国立の付属学校のようにほぼ同じようなレベルであるというものではございません。したがいまして、先ほど尾崎局長が申された有給休暇なり研修なりの数字と若干違っておりますが、まあ、平らたく申しますれば、国立学校のほうが平常の場合でも事務職員の数も多うございますし、教員数も確かに多うございます。もちろん、国立のほうでは一般の公立と違いまして実験学校、研究学校としての使命を持ちますから一がいに比較はできませんが、ただ、そういった教職員の数も多うございますし、平均して学級数もほぼ同じような学級数でございますので、そういった意味におきましては、先生のおっしゃいます格差ということでございますが、相当違いがある。その違いというのは、多少いい違いか悪い違いかといえば、できれば公立学校については国立にもっと近づかなければならないといったような意味での違いがあろうと思います。
#219
○松永忠二君 そうすると、いまの答弁で夏休みについてもお話があったように、大体半分から半分以下は実際出てくるのはその程度であるという実態は人事院にあるわけですね。それからまあ小・中の場合にはあなたが盛んに言っておる平均で結局二十日は学校に出て、十日は五日研修、四日休みという得度のことだ。これは望ましい姿は、むしろ少なくも国立の小・中学校のようなものにしていかなきゃいけないんだということを言われたと思うんですね。それはいまのお話で、さらにそういう話があったので、私もそれなら一つは納得をするわけですけれども、そういう方向でいかなきゃできない問題だと思うのです。ところが、この一体平均値というのははたしてどうだろうという話になってくると、またそこにも問題がありますね。この平均値がはたしてどうだろうか、それからまた人事院の夏休みという、ここに言っているそういうのは、こういうふうな実態だけれども、これがやはりよく総裁の言う夏休みという概念にぴったり一致するものでしょうか。まず、人事院のほうからお聞きいたしますがね。決して夏休みはどうこうと言っているわけじゃないけれども、夏休みというものについては、まあ付属の小・中・高でもこれは六十日の中で二十六日ということになっているわけですが、実際は夏、冬、春ですから、ほんとうは夏休みだけをとってみれば、もう少しむしろいわゆる研修があるのじゃないかと私は思うのですが、これはいまの実情というものを大体頭においての夏休みということでしょうか。それとももう少し前進をしたものを総裁は頭に考えておられるのでしょうか。この点は総裁からひとつ聞かせてもらいたい。
#220
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほど来伺っておりますと、文部省は非常にお気の毒のような気もするのです。私どももいい子になりっぱなしでもおれませんから、ひとわたりいまの調査の関係のことをちょっとお聞きとり願いたいと思うのです。
#221
○松永忠二君 いやいや余分なことはいいですよ。私の聞いたことを答えてください。
#222
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほどの夏休み、冬休み、春休みの問題は、先ほど尾崎局長の言ったようなものをとらえてのものでございます。したがいまして、あの結果を私は見ながら、頭においてこの間来のお答えをいたしました。じゃ、簡単にそれだけ申し上げます。
#223
○松永忠二君 まことに失礼ですが、また機会を見てひとついろんなことを発言していただきたいと思うのですが、それでまた、その実態になってくると、必ずしもまたそういうような状態ばかりでもないところもあるわけですね。たとえばここに一つあります夏休みの休業中の点検の結果を八十の学校について調べた結果がある。さっき言いました、私のほうは厚生義務免というか、夏に休んでからだを休めて健康にしようじゃないかというようなことで、七日ぐらいどうだろうというような話をしているようでありますが、つまり七日、六日、五日、四日、三日、二日、一日、ゼロと、こうなっているのですが、この実態を人数をパーセントでそれを出しておるわけです。大体七日が、ここでいうと七〇%ですか、中にはまあ一日の厚生義務免もとってない者も三人ほどあるわけであります。で、自主研修が十日以上とれたかどうかという、こういう調査がありますけれども、この自主研修が全然とれないということを言っているのは六百三十二人ある、千二百八十九人を調べたものなんですけれども。それから一日とれたのが百十二、二日とれたのが百八十三、三日とれたのが百六十二、四日とれたのが八十五、五日とれたのが五十七、六日とれたのが二十人、七日が十九、八日が二人、九日が四人、十日以上とれたのが九人。四九%が自主研修はとれないと言っているわけですね。この問題について、静岡県あたりでは御承知のとおり超勤の訴訟なども行なわれておるわけでありますから、これについてこういう表現をしております。「夏季、冬季、春季の休業についても、服務監督の強化につれて、休業中遂行すべき多くの職務が命ぜられるようになり、例えば静岡県にあっては、今日では休業期間中も週四四時間完全に校長によって掌握されており、教職員が事実上自由に利用できる夏期、冬期、春期の休暇はない。」という言い方です。まあこれは表現に極端なものもあるようでありますけれども。で、私たちが通俗的に考えている休暇というものは、夏休みの休暇というのはすでにもう学校にはなくなってきているのが実態ですよ、これは。だから、まあ人事院総裁は何かさっきのお話では、この付属の小・中・高の実態を頭に置いてそういうことを言われたというようでありますが、私は夏の休みなどについては、こういう数字よりも実態はもう少しやはり休んで十分勉強もされていると思うのです。またそういう必要ありますよ。しかし、小・中学校については残念ながら私はそうではない。厚生休暇というものをきめてもそれも相当なものはとれない。自主研究も実はとれてない。まあこれはこのごろはなくなったようでありますが、率直に言って、ある時期には学校に行って判こをついてそうして帰ってくる。一定の時間ちょっといる。つまり勤務時間なんですよ。休みじゃないんですよ。夏季の休みなんという、そういう認識は、やっぱり休みはない。先生には休みはないのだ。子供には休みはあるけれども先生には休みというものはないのだ。だからやはり普通の勤務時間があるのだ。ただ校長が許して自宅の研修をするのである。出てくる責任はちゃんとあるのだ。一定の、ほんのわずかだけ休むなら校長に許可を求めて休むと、こういう夏休みというものが実は現実に小。中。学校に行なわれているでしょう。私たちは一番この矛盾を感ずるのは、自発性、創造性などといって、その一つの勤務の実態として夏休みということはあるけれども、現実の小。中学校における夏休みというのは、人事院総裁が考えるような夏休みが実は学校には実施をされているのではないという、そういう実態を私たちは知っているわけなんです。もっと私は先生というのはこの夏の休みには十分に休み、勉強もして、そうして精気はつらつとしてやっぱり勉強をしてもらわなければできないものだと思うのです。少しおしゃべりが長くなりましたが、きのうの鈴木さんのお話を聞いておりますと、先生というのは地域の尊敬を非常に集めて、教養の水準も非常に高いものだという認識はいまやだんだん通用されてないできているのではないか。情報化社会の中でむしろ非常に先生以上に高度ないわゆる教養の水準を持っている者はたくさんある。先生というものは昔のように地域社会の尊敬を集める、いわゆるその教養の水準を維持できているという認識よりは、そういう点では非常に低下をしている。むしろ昔のように、先生は地域社会において高いやはり教養の水準を持っているようにしていかなければならない。これからも先生の、私は教育の改革の一つの重点というものは、昔のように先生が地域社会で尊敬されるような教養を持つものになっていかなきゃできない。せめて夏の休みには自分でひとつ自由に勉強して、そうして十分な教養を持って、そうして元気よくまた出てもらう、ほんとに夏休みを昔の夏休みにしてほしいと思うのですよ。私自身はそういう夏休みを経験してきて、先生の中にこういう休みがあることをもって一つの先生のよさというものをわれわれは感じてきたわけですよ。ところが実態は、このごろそういう状況じゃないのです。初中局長はあれでしょうか、たいへん好ましい状態に夏の休暇が行なわれているという認識でしょうか。私は実はそういう認識を持っているんですよ。そこで、こういう私の申しましたことについて、人事院の総裁はどういうふうにお考えでしょうか、ひとつ御意見を聞かしてください。
#224
○政府委員(佐藤達夫君) 夏休みということばをかりに使いましたのは、真の意味は、先ほど局長の言ったような趣旨で使いましたということでありますからして、休むのは大部分の生徒児童はほとんど休むでしょう、先生にとってはこれは普通の休日ではない。やはり一種の勤務日になっておるということは、いまの制度から言うとこれは当然のことだろうと思う。しかしながらいまちょうど御指摘のありましたように、私どもは自発性、創造性という旗じるしを掲げて、旗じるしばかりではないので、そういうものだろうと思っておりますからここにもうたったのでありますけれども、夏休み、春休み、冬休み、そのような時期はまさにこれに最も適した時期であろうということが一つ言えるわけです。したがいまして、この間本御指摘がありましたように、この意見の申し出の本文には出ておりませんけれども、勤務時間の管理という項目において学校教育法、教育公務員特例法云々のことを引いてこれは望ましいということを力説しているわけで、それが望ましいのはどういうわけかという終着的な考え方は、いまお述べになりましたような考え方を実は私は持っている。
#225
○松永忠二君 そういう気持ちを持っているのに、たとえばそれでは条例でこういう先生の勤務をきめなければできないというふうになる。たとえば職員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例というものには一言半句もこの夏休みのこういう問題に触れていないわけですよ、全く。この条例に基づいてすべて勤務が、規則ができていくわけです。だから少なくとも夏休みというものは、教員の勤務のいわゆる特殊性から言うならば、非常に重要なものだといまおっしゃるように言っているわけでしょう。少なくとも教員というものについては、これは行政職の人たちの条例ならそういうことは入れなくてもいいけれども、少なくも条例の中にこういう根拠的なものを出していくという、そういうことがなければ特殊性を一体どこに求めるだろうか、何も一言半句この夏季の休暇についてそんな条例なんて何もないわけです。だからこの条例をもってすれば、全く勤務時間であるということを何ら強制してもはばからないということになるわけですね。しかし皆さんが提案をされてきたこの法律なりこれは、こういうようなものがあるという勤務時間の特殊性を強調してそうしてこの法案ができてきている。そうであるとするならば、これはやはりそういう方向に持っていってもらわなければ、そうしてもらわなければこれは法律と事実と違っている。法律の基礎がないというふうに私たちは、法律的にもそうじゃありませんか、そういうことに、法律の理屈から言ってそうだと思うのですが、どうでしょうか。そういうものについては人事院総裁、条例なんかでは一言半句も触れるべきものじゃない。そんなものは触れるべきものじゃないのか、それともやはりそういうところに教職員の勤務の特殊性があるんだから、当然そういうものに触れて、それを根拠として夏休みというものがこの規則でいろいろといわれて、事実上それが明確にとられていくような形にしていくのが法律的な理屈から正しいんだというふうに私は思うのですが、その点の総裁の御意見を聞かしていただきたい。
#226
○政府委員(佐藤達夫君) 条例云々になりますというと、これは地方自治権の問題になりますからして私どもとしては気軽には申し上げられないのです。これは国権の最高機関のほうで意思表示をされる分にはこれほど有力なものはないわけでありますが、私どもはその点は考慮しながらものを言わにゃならぬ。したがって、それが条例をあえてということのような露骨な表現はいたしませんけれども、このわれわれの説明書の、しかもこれは公式の説明書なんです。国会にもお配りしている説明書なんです。それの一番トップにいまのことを書いているわけですから、われわれの気持ちは十分それによっておくみ取りいただけるものと思います。
#227
○松永忠二君 ぜひ、何もあなたは国立の、小。中・高についてもよりよいものにしていきたい、またよりよいものにしていくということにおいて特殊性があってこういうものが出ている以上、国家公務員の教育公務員についてもそういうふうなことをひとつぜひ実現さしてもらわなければでけない。その影響が地方に及ぼしてくるようにしてもらわなければでけない。だから実態は、あなたの言ったことははるかに差があるということについてはお認めでしょうね、地方の教育公務員について。
#228
○政府委員(佐藤達夫君) いつも申し上げますが、国立学校の場合は必ずしも実態がそうわれわれの思うとおりになっておらぬとも言い切れないと思うのです。そういう感じは持っておりますけれども、しかしお話しのように地方にはたくさんの学校があります。どういう学校があるか。これはたくさんの中でありますからいろいろあるでありましょう。したがいまして私どもは、あるいは必要のないことなら何もここに書く必要はないわけですけれども、書いたのは今後運用上配慮を加え、あるいは活用をはかることが適当であると考えて、あるべき姿をここに強く打ち出しているのですから、もしもこの理想に合わないところがおありならば、こういうふうに活用をはかることが適当、つとめることが必要だというふうに前向きの書き方をしているわけで、そういう気持ちもこの中にこもっているというふうにおくみ取りをいただきたいと思います。
#229
○松永忠二君 文部省のほうへちょっとお聞きします。
 先ほどから私の言っているように、同じ夏休みというふうなことでも、このいわゆる説明書に出てきている夏休みの実態と、現に行なわれている教職員の義務教育の学校における夏休みの実態とはやはり相当差がある。現実に数字に出てきているように差がある。それどころか、あなたの言っているのは平均値ですから、それこそこの前も鈴木さんから指摘があったとおり、ずいぶんひどいところも出てくるわけですよね。いま人事院総裁にお聞きしたようなことで、私は教員の勤務時間、休日、休暇等に関する条例というものには、やっぱり夏休みのようなものについても条例の中に明示しておくというようなこと、夏季の休暇とか冬季の休暇とか、そういうようなものについてやはり明らかにしておくことが必要ではないか。だから何にもこの条例にそれがないからそういうことについての規則も何にもないのですよ。四十四時間勤務についていろいろなことが幾つも出ているけれども、夏休みについては何にもそんなことない。今度法律をこうして考える以上それでは許されないでしょう。そんなことをかってにやっていてもいいというわけにいかぬ。法律の提案の根拠からいっても、私はそういう指導はあるべきであり、条例もそういうふうな方向で検討してもらわにゃでけぬという、こういう気持ちがあるかどうか。まず政務次官のほうからその問題についてお聞かせ願いたい。
#230
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 文部省といたしましても、夏休みの問題については、ただいま人事院総裁からお答えがございました方向に全く賛成でございます。したがいまして実際問題として法律的には教育公務員特例法二十条の規定を運用していくという形の中で夏休みの問題は方向づけができると思うわけでございますが、実態の問題としてただいま先生が御指摘のように非常に夏休みの中身が各学校によっていろいろ差があってばらつきがある、それが必ずしも教職員の本来のあるべき姿からいって好ましい方向ではないという、それぞれの実態については今後文部省としてもこれを改めるという方向で指導をしてまいりたいと思っております。ただ、条例の中でこれをどうするというところまでは、文部省として指導していくと申しますか、そのような方向で検討をお願いをするという方向で、今後地方の教育委員会等と相談をしていくかどうかというところまではまだ考えていないところでございます。
#231
○松永忠二君 しかし、人事院がこういうものに説明を出されて、それに基づいて今度の法律案ができてきたわけですよね。そうすると、人事院が考えているいわゆる夏休み等の学校休業の期間についてという、こういう文面も明確になっている以上、これがいわゆるこの指摘をしている夏休みの休業の時間の実態とはなはだしく相違をしているということになってくれば、これはやはりその法律の一つの基盤であるこの説明に基づいてそれを実現をしていこうとして考えたという意味からいえば、当然私はそういう点についての指導をし、そういういわゆる根拠というものもどこかにつくってもらう、結局は根拠はあなたのおっしゃったのは二十条ですから、別に、「長期にわたる研修を受け」とあって、これはむしろ、休んでほかのところへ行って、研究所に行ってやったりなんかすることなんですよ。このところに、二十条にあるといえば、それはこれと別じゃないけれども、これは、もしかりにあるなら、二十条は、こういうものがなくても、すでに効力を持ったもので、これがあるだけでももうやらなければできない。そうであるのに、今度はこういうものに基づいて法律を出してくるのですから、それを保障するようなものがなきゃできぬと思うのですね。何も保障するものがない、これじゃ夏休みというのはつくらぬでもいいことになっているでしょう。どこに一体、条例に一言も書いてない以上、どこで一体夏休みだということを、ただ通俗に言っているだけだということになっているわけです。どこに一体その法的なよりどころがあるのでしょうね、地方に。それをひとつお聞かせをしてください。
#232
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 文部省といたしましては、今回この法律を御提案、御審議をいただいておりますが、この法律が、もし成立をいたしました暁には、その上に立って、いままで、ただいま申し上げました教育公務員特例法二十条を十分運用していくという意味で必ずしも十分な行政指導が行なわれていたとは思いませんので、これはあらためて、夏休みのあり方について教育公務員特例法二十条を十分に運用をしていくという行政指導としてこれを行なっていきたい。これが当面の文部省としての夏休みに対する考え方でございます。
#233
○松永忠二君 それは、要するに人事院の出した説明書に基づいてということがついているでしょうね。もう一度。
#234
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 先ほど人事院総裁からお答えがございました夏休みについての基本的な、総裁のお示しになりました方向に基づいてということでございます。
#235
○松永忠二君 それはあなたがきょう率直にそういうことを言われたので、別に何か文部省と違ったことを言われているのではないですね。私は別にあなたが特別に積極的な御発言をなさっている、ただ端的なことばは使っておられるけれども、それがいままでの文部省の方針でもあったのですよ。現にそうでしょう。文部次官の通達として昭和二十四年二月五日にこういうことが書いてある。教員の勤務の態様というところに、教員の教育能率を向上せしめるため、休暇を研究、講習及び校外活動等に利用せられるよう学校長は特に配慮すべきであることと書いてある。しかし、これはまだ、こういうものができないときの話であった。それでもなおかつ、そういうものにしていかなければできぬということは考えていたわけですね。ところが現実にはずいぶんずれてきてしまって、そうしていま言うとおり、非常に差ができてしまってきた。それでしかもいま言うような状態になってきている中で、今度こういう法律が人事院の説明に基づいて提案をされてきているという事実、新しい事実があるわけです。そうなってくると、この法律の一体的なものとして、当然これはもっと積極的な、どこかに根拠を求めなければできない、そういうものをきちっとしておかなければできない、そういうような意味で、お話があったように、この説明書の趣旨に基づいて、そうしてまた、あなたが言った第二十条の精神に基づき、かって通達をした趣旨に基づいて、そうして人事院総裁が言われている休暇の方向が実現できるように必ず指導していくと、こういうことに間違いはございませんか。
#236
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 文部省といたしまして、責任を持ってその方向で、それぞれの学校において夏休みが十分活用されるように指導していく所存でございます。
#237
○鈴木力君 いまの夏休みのことで関連。
 いまの次官の、松永委員の質問に対する答弁の趣旨はよくわかりましたが、そこで、なぜこうなったかということは、たとえば昭和四十四年の文部省主宰の校長研修会の教科書を読んでみれば、いまのような問題を起こしたのは文部省だということがはっきりと書いてあると思うのですよ。そういう文言は使っていないけれども、要するに長期休暇をどう使えということは、一つは研修に使えということが書いてあります。ただ研修に使わせ方も、変なことをするとあぶないから、校長はこれこれの、はしの上げおろしまでよく計画をとって、ぎっしりしてやらせろと、それからいま一つは、夏休みは休みでないのだから、出勤手続は厳重にやれという趣旨の説明をしているところがある。それからもう一つは、この際年次有給休暇をとらして、半分くらいはもう年次有給休暇をとらせるように指導しろ、大体この三つの趣旨で長期休暇を使えと、こういう指導をしてある。新学校管理読本という名前の昭和四十四年の校長研修会の教科書に使ってある。まあ裏にはいろいろ弁解めいたことがありますけれども、骨は三つだ。そういう形できているから、いまの問題が起こっているのですからね。政務次官、私は次官のさっきの答弁の方向でやっていただきますと、こういう面までやはりさらって見て、反省してみて、そうして新しくし直すような、そういう指導を願いたいということをつけ加えて、これは要望にとどめておきます。
#238
○委員長(高橋文五郎君) 午後七時まで休憩いたします。
   午後五時五十八分休憩
     ―――――・―――――
   午後七時九分開会
#239
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、国立及び公立の義務教育諸学校等の教育職員の給与等に関する特別措置法案(閣法第六三号)(衆議院送付)を議題といたします。
 本法案に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#240
○松永忠二君 もう一つ実態の問題でお尋ねをして次にいきたいと思うのですが、事務職員、小中の義務制における事務職員と。それから高等学校、大学の事務職員――大学は別にいたしまして、小・中・高等学校の事務職員が一体国立と公立とどういう実態的な差があるのか。まず人事院側に聞くんですが、小・中・高の事務職員の平均の学校における数というのはどうなっておりますか。それから義務教育側のほうの小・中・高等学校の事務職員の数は実態としてどういうふうになっておるのか、それをひとつ説明願います。
#241
○政府委員(佐藤達夫君) いま数字を持っておる者がここへかけつけて参りますから、その前に総論的なことを申し上げますが、学校の先生方の負担をできるだけ軽くしなければいかぬという立場から、前回も触れたかと思いますけれども、私どもはやはり、つまらぬというと語弊がありますが、教育、授業その他関係のあること以外の雑務からできるだけ解放するような条件をつくり上げていただきたいということがかねての念願でございまして、私ども文部大臣からいろいろ毎年勧告の時期になりますというと賃上げの要請を受けるのでありますが、そのときにも必ず事務職員の充実、雑務からの開放ということを強く申し上げてきているわけです。そのせいかどうか存じませんけれども、いまおそらく局長から説明いたしますけれども、国立のほうはだいぶよくなってきているのではないかという感じを持っております。ただし心配なのは、地方の公立の学校のほうがどうなっておりますか、この辺もあわせて私どもとしては管轄外ではありますけれども文部大臣には歴代お願いしてまいっておるということでございます。
#242
○政府委員(宮地茂君) 公立の学校で申し上げます。
 全体の平均といたしまして小、中学校では一校平均〇・七人ということになっておりますが、国立は一校で平均いたしますと二・五人の平均になります。ところで、いま四十四年度から四十八年度までの第三次五年計画で定数法の充実中でございますが、四十八年度中には一校平均〇・八人ということになります。ところで本校・分校合わせまして一つの学校というふうに見てまいりますと、現在では五三・三%の配置率になっておりますが、四十八年度には六三二%ということになります。先ほど一校平均で〇・七人、四十八年度には〇・八人である、ところが一校について分校合わして六三%になると申しましたのは、一校に二人おったり一人もいなかったりということで、その数字がぴたっと合わないわけでございます。学級ごとに申し上げますと……。
#243
○松永忠二君 それはそれでいいですよ。
 大体私たちも把握しているのは、つまり将来六三二%にしていきたい、現在は五三・三%だと、だからまだ事務職員がいない学校というのは、大体私のこっちの調査によると三七%の学校には事務職員がいない。これは人事院総裁にひとつ聞いておいていただきたいのですよ。それに対して国立のほうは一校平均二・五というのですか、人事院はどういうふうに……事務職員。
#244
○政府委員(尾崎朝夷君) 私ども昨年度につきまして調査しましたものは、小学校の場合には一校平均の事務職員の数が三・六人、中学校の場合には三・一人という形になっております。
#245
○松永忠二君 高校は。
#246
○政府委員(尾崎朝夷君) 高校は八・一人でございます。
#247
○松永忠二君 まあ人事院総裁も、大臣にもひとつその点を、この法案の前提になっている条件に非常な差があるということです。こういう事務職員なんか最も著しい例がある。したがっていわゆる勤務の態様の特殊性といってみても、勤務の実態そのものが非常に小・中といわゆる国立のと違う。いまちょっと小・中だけで、高等学校言いませんけれども、高等学校の事務職員の配置率というのは非常に高いわけですね。これは特に人事院総裁ひとつ聞いていてください。それから文部省側も。たとえば一つの学校の例をあげますと、十二学級で五百五十人、そこに特殊学級が三学級三十三人ある。これは中学校ですが事務職員が三人、技能員というのが一人、それから用務員が一人、それから事務補助員が一人、PTAのまあ負担で一人というのが事務職員の構成です。小学一校のほうでは二十一の学級で生徒が七百九十人、これは特殊学級三つ入れてそうです。それには事務職員が四人、これはただし幼稚園事務を含むというのですが、四人、作業員が二人、それからPTAで一人、ところが小・中のほうは、この定員の配置というのはいま言うように一人−一人もいない配当定員というのが出ているわけですね。だから全然その実態が違っているという、極端にいえば違っている状況です。頭をかしげておられるが、そうでしょう。片方が幾人――まあ、そういうお話ならもう少し私こまかくやりますが、これはさっきあれが言ったのはこの配当定員ですが、たとえばいわゆる十二学級、特殊学級を三学級入れたとして十五ですが、これは事務職員一人ですよ。中学校も事務職員一人ですね。小学校あたりは二十一学級やはり一人、片方は事務職員が四人、作業員が二人、用務員はまた別、全然違うのでしょう。つまりそんなに事務職員がいないわけだ。その他の条件でいえばまだほかにあるのですよ。たとえば中学校でありますが、校長があって教頭がいて普通の教員が二十名、特殊学級の教員が四人ある。それから時間講師という講師が四人あるわけなんですね。だから国立の小・中・高等学校の定員というのは非常にたくさんの教員が配置をされていて、事務職員もそういうふうにあるわけです義務教育の小・中学校のそういう条件というのはいま申し上げたようなところで、さっきの話じゃないのですが、これに勤務の態様というけれども、全然国立の小・中・高等学校と義務制の小・中・高等学校の勤務態様というものは違っておる。それじゃ附属の小・中・高が遊んでいるということじゃないのですよ。これはお話しのように、いわゆる生徒も受け入れて授業も指揮してやらにゃいかぬ。だから、勤務時間といえども、さっきのお示しになったよりもむしろよ過ぎる。あなたの言う自発性、創造性に基づいてやっているわけです。だから決してこれは私は多いと言っているのじゃありませんよ。だが実態はそういう実態じゃないですよ。いわゆる教育大学の生徒を受け入れて、実習生を受け入れてやっているわけですから、多くはないが、それにしても全然勤務態様というものが非常な違いをしておるという、こういう点を指摘をしたわけです。非常に長くいろいろ質問いたしましたけれども、私が結論的に言うことは、人事院の考えている国家公務員のいわゆる教育職員に対するこういう状況のことについてはこれでいいけれども、これをそのまま義務制の小・中・高等学校にもってくると、これは実態的に非常に差があるということを、やはりしっかり認識をしておかなければいけない。そういう意味で、つまり勤務の実態の話をえんえんやってきたわけなんです。最後に事務職員のほうへいったわけなんです。この前鈴木さんの話のときに、事務職員についても決してそれをよしとするわけではなしに、大いにひとつ充実をしたいというようなお話はあった。あったけれども、とにかくいわゆる説明にある条件と義務教育の小・中・高等学校の条件には相当開きを持っているという、その実態についてやはり明らかにしなければならぬという点から私はいろいろと申し上げたのですが、それは後ほどまた関連をしてお聞きをすることにいたします。
 そこで、労働省のほうにお聞きをしたいのは、超過勤務に対する労働基準法の考え方というのは基本的にどういうふうな考え方であるのか。つまりできるだけ行なわせないように、やむを得ない場合に行なうときにはこういうふうなことがあるというようなそういう基本の方針であるように私たちも思うのでありますが、これについて労働省の見解をお聞きをしたい。
#248
○政府委員(岡部實夫君) 労働基準法におきましては、労働時間につきまして原則を三十二条で規定をしておりまして、これは一日八時間、週四十八時間という時間をこえて労働させてはならないという基本的な労働時間の規制を行なっております。それに対しまして、例外の規定として三十三条並びに三十六条を設けておるわけです。三十三条は、ここにございますように、災害その他の特別な事情による場合、あるいは公務のため臨時に必要がある場合等、ここに幾つか列挙しておりますが、そういう特別な事態に対して、一定の手続をふる場合には、いま三十二条に掲げました労働時間の規制をこえて時間外の労働をさせることができる。さらに、三十六条は、使用者が事業場における労働組合あるいは組合がない場合には労働者の代表と協定を結んだ場合に、三六協定を結んだ場合には、やはり三十二条の一般の原則をこえて超過労働をさせることができると、こういうふうに、いわゆる一定の時間をこえて勤務することができないというのを一般原則として、特別の場合に超過勤務をさせることができると、その場合の規定を置いておりますというたて方でございます。そこで、私どもは通常の勤務は三十二条の原則でいくべきであって、それをこえて行なう場合にはあくまで例外的な場合であるというふうに引用すべきものと考えております。
#249
○松永忠二君 その意見は全く私たちも同感で、そういう意味で歯どめ的な要素というわけじゃありませんけれども、三十二条あたりにも「四十八時間を超えて、労働させてはならない。」、というようなことも規定をしているし、それから三十六条には時間外及び休日の労働の場合にはこの労働者の過半で組織するものとの間に書面による協定をし、これを行政官庁に届け出た場合、特殊な場合だと、したがって、できるだけ超過勤務というのはやらないようにしていくのが原則であり、そういう方向が望ましいと考えておられる点については御異議ありませんね。
#250
○政府委員(岡部實夫君) 御趣旨のとおりでございます。
#251
○松永忠二君 そこで文部省にお尋ねいたしますが、文部省もやはり超過勤務については労働省の考えることと同じように考えて従来も指導してきた、そういうふうなことでしょうか。その点をお伺いしたい。
#252
○政府委員(宮地茂君) 労働省と全く同じ気持ちでございます。むしろやむを得ない場合には命じてもよいという指導すらいたしておりません。絶対に命じないようにしなさいという指導をいたしておりました。
#253
○松永忠二君 その点についてはお話しのように、二十四年の教員の超過勤務についても最初にお話があったように超過勤務は原則として命じない旨を含めて通知しておったけれども、このことだけにという限定をしている。したがって、この点については超過勤務というものはできるだけやらせない、そうして原則が維持できるような方向にいくことが望ましい、努力をしていかなければならないという点については全く同様だと思う。そうして今度は労働省にお尋ねいたしますが、こういう労働時間の短縮というものは国際的にも国内的にも一つの要するに潮流というか方向だと思う。超過勤務どころか、いわゆる三十二条の労働時間も、この時間も短縮していきたい、また短縮していくという方向に国際的にも動いていると私たちは思うのでありますが、この点についてはどういうふうにお考えでしょうか。
#254
○政府委員(岡部實夫君) 労働時間の問題につきましては、基準法の建前は最低の労働条件を規定するという建前から、現行法におきましては四十八時間制というものを最低基準として規定しているわけでございます。それ以上のものにつきましてはいまのたてまえは労働条件として一般の場合には労使が団体交渉等によって自主的にきめていくというたてまえになっておりますが、御指摘のように先進諸国、労働関係の進んでいる諸国におきましては統計的にもだんだん労働時間は短縮される方向にございます。わが国におきましても、まあ、いろいろな統計資料はございますけれども、全体の流れとしては労働時間が時間制の上でも、また実際の労働時間の、所定労働時間の上でも短縮されつつあるというのが一般の趨勢でございます。
#255
○松永忠二君 何かそういう具体的な、たとえばそういうものがあるという点についてはどうですか。
#256
○政府委員(岡部實夫君) 実労働時間等の統計資料……。
#257
○松永忠二君 資料じゃなしに、何かそういう、ILOあたりにあるんじゃないですか。
#258
○政府委員(岡部實夫君) ILOでは四十八時間制から、さらに条約その他で四十時間制あるいは勧告等におきましてそういう時間制をとることにつきましても、国際文章等の採択がされておりますけれども、ただ、それを現実に批准し、あるいは実施しているというのは必ずしもただいま多くはない。ただ、そういう方向が国際的なILOの機関においても勧告あるいは条約等の形で採択されているという事実はございます。
#259
○松永忠二君 ちょっと数字を簡単にひとつ……。
#260
○政府委員(岡部實夫君) 主要国の週当たり時間数、これは週で出ておりますので、ちょっとはっきりいたしませんが、アメリカあたりでは大体現在一九六八年四十一七時間、フランスが四十五・三時間、西ドイツ四十三時間。で、日本の場合には三十人以上で四十四・三時間、全規模では四十八・六時間というような数字がただいま出ております。
#261
○松永忠二君 まあお話のように、労働時間の短縮については、ILOの条約もあり、あるいは勧告もあり、現実にいろいろな統計を見てもそうだと思うわけですね。そこで、文部省のほうでは、この一体時代的な潮流にどう教職員の勤務を具体的に対応させていくのか。どういう展望を持っておられるのか。この点ひとつ、すでに現実的に私たちの知っているところで一週五日制というのがすでに大きなところではとられておる。夏休みの話をいたしましたが、私は大きな事業場へ行ったらば、むしろ先生よりも夏にその会社の休みが多いのに驚いたのです。それくらいいわゆるその時間の短縮というものについては前進をしている。こういう中で一体文部省はこの潮流に教職員の勤務をどういうふうに対応させていこうと考えておるのか。その具体的な考え方があったらひとつお聞かせをいただきたいのです。
#262
○政府委員(宮地茂君) 学校の先生方のお仕事は、一般の企業場、事業場の勤務と違いまして、やはり子供の教育ということでございます。したがって、労働者の五日制というようなことで、直ちに学校も授業日を五日にしてよいものか。子供の教育が五日で、二日休んだほうがよいか、あるいは六日いまのようにやったほうがよいか、この辺はまだ十分な調査並びにその教育効果の比較も出ておりません。ただ一般的に事業所が五日制ということもさることながら、勤務時間数を少なくというそういう傾向に教員だけがそうではないということは申しませんが、五日制ということについては、子供の教育というたてまえから考えなきゃならぬ問題であろう。それにしましても、結局は学校の先生方の定数を充実していくということで、まあ勤務時間が減るということもさることながら、少しでも授業担当時数が減るとかあるいは事務に従事する時間が減るとかということによって研修等の時間がふえる、勤務時間を直接四十四時間を四十時間にするということも、これはまあ一般の労働者にはそうでございましょうが、学校の先生もそれと歩調を合わせる必要もございましょうけれども、当面の問題としては先生方の質的な時間というものが教師にふさわしいような時間が持てるようにしてあげる、そういうことがまず先決ではなかろうか。そのためにはまず教員数の充実ということが当面焦眉の急ではなかろうかというふうに考えております。
#263
○松永忠二君 週五日制なども理屈を言えば労働基準法の第四章は教職員にも適用されている。そして第三十二条のいわゆる時間というものが一週四十八時間である。その四十八時間をつまり減らしていこう、そういうことなんですから、もうそれは一般の趨勢がそうならば、教員についてもすぐそういうことを考えておかなければいけないのは当然の義務だと思うのですね。しかし教員の実態、教育そのものの実態を考えてみて、どういうふうにそれをあてはめていこうかということをもう検討してもいいと思うのですよ、これは。そしてまた、たとえば何も一週間の時間を、一週間を五日に変えるようにしないでも、あるいは五日、六日やっている中で事実上教員に五日ということができ得るような措置も考える方法もあると思いますね、これは。だから、そういうふうな点について、やはりもう少しおくれないように、この時代に応じてむしろ超勤は望ましくないし、それどころか勤務時間を、ひとつ労働時間の短縮をはかっていく、こういう方向でまず具体的に展開をしていかなければでけないものだと思うのです。
 そこで、私はいまこういうふうな教員というものの職務の、勤務の実態の上に立って、しかもなおかつ労働時間の短縮というような国際的な潮流なり方向というものを踏まえて、教職員が何を一体望んでいるか。教員の職務やあるいは勤務の特殊性の上に立って、しかも教員自身のいわゆる勤務の実態というものもるる明らかに私はしてきたつもりです。そういう中で、しかも全体的には労働時間を短縮をしていこうという中で、教職員はそういう中で何を一体望んでいるだろうか。この点については質問が抽象的のようでありますが、まあ明確だと思うのですが、一体さっきから出てきている教職員の職務、それから勤務の特殊性というものを持っている教職員が、しかも現実にその勤務の実態そういうものの上に立ち、しかもなおかつ大勢的には労働時間を短縮していこうというこの中で、一体教員は何を望んでいると文部省は把握をしているのでしょうか。この点をひとつどなたでもけっこうですから文部省のほうからお聞かせいただきたい。
#264
○政府委員(宮地茂君) おっしゃっておられることがわからないでもないのでございますが、まことに失礼ですが、ちょっと次元が高いのですか、抽象的過ぎまして、何をお答えしてよろしいのか、ちょっととまどうのでございますが、多少わかりやすくかみ砕いて御質問いただければ幸いでございます。
#265
○松永忠二君 先生が、こういうふうな勤務実態の上に立って、先生というのはこういう特殊性を持っているのだ、そういう中で、しかも先生というのはこういう勤務実態をもっておる、しかも勤務の時間、労働時間を短縮していこうという、そういうような三つの問題を明らかにしてきた、そういう先生方というのは一体何を望んでいるとお考えでしょうか。これはもうはっきりしているように思うのですがね、私は。それわかりませんか。先生という仕事をしている、この職務や勤務の態様の特殊性というものは重要な特殊性があるということを強調されて、しかもその先生方の勤務の実態というのは、いま言ったようにいろいろ文部省に聞いて、把握が不十分だということを私は言ってきたのだが、こういうふうな実態がある、そういう中で、しかも国際的にも労働時間を短縮していこうじゃないか、あるいは法律自身も超過勤務をできるだけ排除をしていこうではないか、文部省自身も超過勤務をなくしていこうじゃないか、こういう方向にあるときに、一体教員というのは何を切実に望んでいるだろうか、その特殊性と実態の上に立って何を教員は一番願っているのか。そんなにむずかしいことを聞いているのではないと思うのですがね、何か言うと、また引っかかってくるのではないかと心配をされているので、言われないのでしょうが、別に引っかけてどうこうしようというわけではない。ただ理論的にだんだんしてきているので、そんなにここで答弁ができないような問題を言っているのではないですよ。あなたの口からそれを聞きたいわけですよ、政務次官なり大臣から。いや、それは先生はこういうことを望んでいるんだと、それだけいままで議論してくれば、ぴんと先生方の要望というのはわかるというものではないかと思うのですが、そんなにめんどうなことを抽象的に言っているでしょうか。どうでしょう。お答え願います。
#266
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 ただいま先生の御指摘のような社会の一般的な傾向の中で、教職員の先生方は、やはりその勤務の特殊性等を踏まえて教職員の先生方の最も特徴的、特色であります自主的、かつ創造性のあるそういう働く場、そういったものを実現させるということを教職員の方々は望んでおられる、かように考えます。
#267
○松永忠二君 そうして、それは具体的には何であるかと言えば、これはもう待遇改善をしてほしい、定員を確保して雑務を排除してほしい、そうして研修の時間を十分にほしい、超過勤務は行なわれないようにしてほしい、こういうことではないですか。これは私の言ったことで間違いはないと思いますが、どうでしょう。
#268
○政府委員(西岡武夫君) お答えいたします。
 そのとおりであろうと思います。
#269
○松永忠二君 それでは一体、その要望にこの法律はこたえているであろうかという問題です。待遇を改善してもらいたい、定員を確保して、雑務を排除して、研修の時間をほしい、超過勤務は行なわれないようにしてほしい、こういうつまり願望があるということは文部省自身も認めたわけです。そこで、一体この法律は、この要望にはたしてこたえているであろうか、まずその一つとして一体、待遇を改善してほしいという点について十分であるだろうか――十分であるだろうかというよりは、はなはだ不十分ではないかという、そういう私はあれを考えているんですが、この点についてはどうでしょうか。これは人事院側と、それから文部省側に聞きたいわけです。
#270
○政府委員(佐藤達夫君) いまお尋ねになりまし諸点に対しての私どもの考え方も、先生方が要望されている点については大体かねがねこれは伺っているところでありまして、そのとおりに思っておりますし、また、それももっともだというふうな気持ちを持っておりますから、先ほどの雑務の排除、これは小さい例かもしれませんけれども、そういうことをわれわれ大きく考えていることをここで御披露申し上げたわけです。それでは、将来を見通して一つの改革をすると、私はこれは改革だと思うんです。するためには、やはりこれだけの基礎をつくっておいて、この改革をチャンスとして将来に対する前進の足場をここにつくり上げるということで、たとえば自発性と創造性といいましても、こういうチャンスがなければ声を大きくして叫ぶ機会はなかっただろうと私は思います。それを基本にしてこの法案が出発をしているんだということを大きく打ち上げて、それからさっきの勤務時間管理の問題も出てまいりましょう。雑務の問題も、小さいことかもしれませんが、これも出てまいる。それで、先ほど来の質問の、勤務時間はいかにあるべきか、勤務時間はもっと短くてもいいんじゃないかという考え方にもこれはつながる基盤になるわけですね。外国における教員の方々の勤務時間はどうなっているかというと、大体これは授業時間が勤務時間とされているように思います。私どもは、自分の両親が教員をやっておった昔の話を聞いておると、相当いまの外国の制度にむしろ近かったように私は聞いておったというようなこともあるわけです。われわれはむしろ中立機関として、文部省にも何にもとらわれずに言いたいことが言えます。したがって、率直に申し上げるのですけれども、いまそういう形に持っていけるかどうか、これは別でありますけれども、将来の方向としては私どもはやっぱりそういうふうに持っていくべきであろうと思うんです。したがいましてこういう基盤をつくっておけば、そういう進展の道がここに開けるという大きな気持ちをもってわれわれはこの意見の提出を申し上げた、そういう点ではこれは相当の意義を持っておる、深い将来性を持っておるというふうに御了承いただきたいと思うわけです。
#271
○松永忠二君 文部省のお考えはあとで聞きますが、私は実は勤続十六年で七万三千円、月額四千四百円の調整額をつけたという、この金額的な意味の待遇もこれは不十分である、あなたが評価をされておるような評価を私はしないのですよ。その点は全く見解が違うのです。たとえば、かつて盛んに強調した、教員というものとは非常に似通っていると、昭和二十三年に検事とか、裁判官の超過勤務をとって盛んに、あなた方もそのころから教員もそうだというように考えたいという。その当時の今井政府委員のほうでも、私どもは教員などについても同様のことが考えられると、勤務の状態が普通の労働基準法に考えている、官庁の門をくぐって出るまでが勤務時間で、一歩外に出れば勤務時間でないというように考えるのにはふさわしくない職務である、裁判官や検事は。そういった職務はほかにも考えられる、それは固まってはおりませんが、私どもは教員などについても同一のことが考えられるのでありますと言って説明をしておるわけであります。そのときに、判事や検事のいわゆる勤務時間超過勤務をやめて、それを給与に入れたのは、一般官吏の例を基準にいたしまして、それよりは倍ないし三倍程度のものにしているわけですね。これに比べて見て、一体、昭和二十三年七月に、宅調もあるし、超過勤務に相当する額として計上した。そのときに約一五%、ここに倍ないし三倍というものを考えた。これに対してあまりに低いのではないかと、私は同じことを考えていた教職員が今度現にそういうことをやられようとしている。それでつまり月額四千四百円を調整額に加えたからたいへんな道が開かれたというような言い方は、私はそういうような見解にはならない。これは低きに失している。待遇改善などとはとんでもない話だ。あなたとは全然見解が違うんですよ。これは何かあれでしょうか、そういうようなことをやった、この前これと同じようなことをやった、やっていたけれども、今度は少し違いますよ、先生の場合とはまた違っているんですよ。同じことを考えている教員、それをかつてやった裁判官、検事はそれだけのものが見合われておるのに、これでは低いじゃないか、少ないじゃないか。超過勤務に見合うものとしても低いじゃないか。これで待遇改善を含んだ、内外を総括的に再評価したなどというのはとんでもない話だというのが私の見解です。全然あなたと見解を異にするんだが、その点についてのあなたの御意見を聞かせてください。
#272
○政府委員(佐藤達夫君) 何もこれっきりで、待遇改善、給与改善はいたしませんというわけじゃないんでありまして、普通の給与改善はもちろん毎年の勧告でも行なわれましょうし、またその際には将来の向上、優遇という点を考えて、それはやるんでありますけれども、この話は先ほど申しましたように、将来に対する一つの布石になるわけです。たとえば裁判官、検察官とおっしゃいますけれども、裁判官、検察官どおりの金額をいますぐ来年それでは勧告するかというと、それはもちろん率直に申し上げてできませんけれども、それに出発するための礎石としては一番これは適切な礎石ではないかという見方もできるわけです。しかしこれはお約束はあまり軽々しくはいたしません。ただしかし、これは非常に少ないんじゃないかとおっしゃいますけれども、私どもは克明にフォローして調べたところ、たとえば各地に裁判で超過勤務訴訟というものを提起されて、そうして超勤訴訟をお勝ちになってかちとっていられる。どのくらい手当として獲得されておるか、これを克明に調べてみました。大ぜいの方々ですから全体の額としては相当の額になりますけれども、これを頭割りで一人にしてみれば、一月百円あるいは八十円というのがありますね。ほんとうにこれは涙ぐましいです。超勤手当としての八十円ですね。もちろん人によっては高い者もありますけれども、しかも私はかねがね、法律はしろうとでございますけれども、裁判では、三六協定もなしに出された違法な超過勤務命令、これを前提にして手当を支払えということになるわけです。裏返せば三六協定なしに超勤命令が出せるという裏づけの面も私は出てくるんじゃないか。これはしろうとですから間違っているかもしれません。しかしこれはたいへんなことです。そういうことを考えあわせますと、この際、この措置によって四%が少ないとおっしゃるかもしれませんけれども、われわれは今回の手当としてはこれはまずりっぱな手当だろうと思います。これで打ちどめというわけじゃないんですから。ことしの八月にどれだけ勧告が出ますか、これはわかりませんが、みんなそれにこれがかかっていくわけです。そういう将来を見通しての出発点、布石としては私はどこにも恥ずるところはない。これを通していただかなければ、われわれの将来の発展向上を見越しての措置というものを見殺しにされるような気持ちがする。それでさっきから私は非常に張り切っておるわけでございます。どうぞよろしくお願いします。
#273
○松永忠二君 裁判の例などをあげましたが、それはほんの部分的なものをただ言っておるだけです。今度はそうじゃないんですよ。だからそのときに百円だか八十円だかまことにあれだというそんな言い方は成り立たない。たとえば現に一般の行政職の人たちはどのくらいの超過勤務をもらっておるかという問題私の県で四十五年の平均のこれは決算でありますが、平均月額六万三百五円の人が四千六百九十九円です、実績。それで予算計上の場合にはどういう予算の計上のしかたをしているかというと、平均給与六%、月平均九時間超過勤務をするとして、一時間四百五十円から四百六十円でやって計上しているわけです。実績としては、もう四十五年の平均が出ているのでありますが、六万三百五円で四千六百九十九円。だから私は何も人事院総裁の努力とかそういうものを全然どうこう言っているわけではないけれども、あまりこれが十分だの待遇改善ができたなどと何か内外の教員の勤務を再評価してなんていう大げさなことを言える金額ではないということを言っているのですよ、私は。だからさっきから話を聞いていると、これが待遇改善の一部であるようなことを言われるととんでもないじゃないかと、超勤に見合うものすらある意味では計上されてないじゃないか、ただそれが本俸にはね返る、いろいろなものにはね返るというこのたてまえは確かにそれは一つの見識として出されたけれども、もっと謙虚な説明のしかたというものがあっていいのじゃないか、この金額についてはですよ。何かえらく大幅な待遇改善をしたとか、あまりそう大げさなことを言われると……、金額的に検討してみてもそう出ているのですよ、現実に。何もそれは平均でやるのじゃないとか、いろいろ性格は違いますよ。違いますけれども、さっきから平均平均の話じゃないけれども、すべて平均でこの金なんかは出ているのでしょう。だからこの法律は教員の待遇改善という点でも要望に答えていないという判断を私はするわけなんですよ、これは。そういう点についてはなお前進をしていく努力を十分に約束できるでしょうか、総裁。
#274
○政府委員(佐藤達夫君) 私は決してこの調整額は低いとは思いません。なかなか民間の労働者の方々がいながらにして三千円、四千円べースアップをかちとられるというようなことは私は想像できません。しかもこれは官民比較による毎年の勧告のその賃上げのほかにこれを置いて、そしてさらにこれが今度はかぶさっていこうというのですから決して私は低いとは思っておりません。いわんや将来の遠い見通しで先生方の待遇改善のあらゆる条件の向上についてのこれが基礎になるという私は信念を持っておりますから、これが少ないとは思いませんけれども、多いと言ってじまんする気持ちはございません。これは謙虚に申し上げます。しかし、いままで申しましたようなところから申しましても、たとえばいままで超勤訴訟でかちとられた額などに比べても決してこれは恥ずかしくない額だろうという気持ちを率直に申し上げただけであります。
#275
○松永忠二君 あなたの具体的に例を出したのは訴訟の判決だけでしょう。そんなものは一部のもので、何もこれと比較する筋合いのものじゃないと思うのです。私は比較する数字を出しているのですよ。こういうことをかつてやった検事や裁判官のときには三倍のあれをやっているでしょう。現にこれはやったんですから、そういうふうにちゃんと説明している。それからまた現に行政職の人にこういう予算の計上がされて、こうもらっているのですということを言っているのですから、それは違いますと、こういう数字がありますなら別ですけれども、訴訟で一部分のものを、ちょっと超勤のことをやって、訴訟の結果出てきたものをそれを何か超勤、それよりはるかに高いなんということは、それは人事院の総裁らしくない。もっと数字的な根拠の上に立って反論するならすべきである。だから私としてはこれは不十分であるということを言っているわけなんです。これは見解の相違ということじゃなくて、もっと詰めなければできませんけれども、努力をしていただくということを言っている。これはそうしなければできないと私は思います。ただしかし、教員の願望にはこたえていないということをまず文部省のほうはひとつ承知をしておいてもらいたい。
 それからその次に、さっきの願望に、超過勤務を少なくしてもらいたい、なくしてほしいということについて一体はたしてこれがこたえてあるものだろうかどうかというような問題なんであります。これについて実は私のほうで言いますけれども、総裁は衆議院でこういう答弁をしておるのですね。「いままでは超過勤務をさせれば手当を支給するということになっておったからそれが歯どめの役目をしたのじゃないかというおことばがありましたが、これは私はまことに適切な指摘だと思う。」、こういうことを言われている。これはやはり超勤をさせた場合に手当を支給するということが、つまり、超過勤務をやはり少なくさせていく一つの歯どめであるということについて認めておられることばだと私は思うのです。速記録をよく読んでごらんなさい。塩崎君が言ったら、あんたがそういう答弁で答えている、そういうことを言っておられる、これは私もそうだと思うのですよ。私の理屈は、超勤を命じたとすれば、超勤を命ずるというふうなことになってくれば、これは手続というものもそこにあるわけです。それで予算も明確に計上しておかなければできない問題もある。だから超過勤務を払わなければできないということが、実は予算の面にも一つの歯どめになり、あるいはまた超過勤務を出すということなら三十六条のあれによって、書面によって協定を結ばなければできないといういわゆる繁雑なこともあるわけです。だから超過勤務を出すということは、逆に言えば、つまり超過勤務を少なくするという歯どめになっておる。そういうことは、これはもう明確だと私は思うのです。私はそういう議論をしておるわけです。そこでその点をお答えをされるのと一緒にもう一つ答えていただきたいのは、正規の勤務時間を越えて勤務させた場合には、勤務を命ずることになるのかどうか。このこと二つの点をひとつはっきりしていただきたい。
#276
○政府委員(佐藤達夫君) 第一点はたいへんなことでございまして、これひとつはっきり申し上げておきたいと思いますが、いまのようなことばが出ております。これは速記録で読んでみましょう。「昔相当恨みを買ったやに」――これはよけいなことです。「いわゆる歯どめの問題としてこれを把握しました場合に、……いままでは超過勤務をさせれば手当を支給するということになっておったからそれが歯どめの役目をしたのじゃないかというおことばがありましたが、」――これは塩崎さんがそう言ったわけですね。「これは私はまことに適切な指摘だと思う。」――これはいまおっしゃったとおり。「ただその点について、」というところが大事なところでございまして、「私どもは、この間もちょっと触れましたように、ではお金を出したら幾ら働かせてもいいのか、そういうものじゃないだろう。お金は決して、歯どめになるという意味では、その筋論として話がどうもぴったり合わないんじゃないか。現に看護婦さんの夜勤関係では、手当のほうでは相当手厚いことをやっておりますけれども、なお労働が過重であるというような不満をわれわれのほうに訴えてきておられるという面がありますから、お金は、私は大きな歯どめにはなり得ないというふうに考えます。」と、こう言っているんですよ。金で人間の自由というものは買えるものじゃないということを強調したわけです。金さえ出せば幾ら働かしてもいいという性格のものではございませんと、逆にそういうことを訴えておるわけです。この点は御了承いただきたいと思います。
#277
○松永忠二君 いや、それはそのお金のほうの話へ持っていってそういうふうな言い方をするんですがね、そうじゃないと私は思うんですよ。金の金高を出せば幾らでも超勤をさしてもいいと、そういうことを私は言ってるんじゃないのです。つまり超過勤務をさせれば、それを命ずれば超過勤務を出さなきゃできない。文部省がいままで超過勤務をしちゃいかんと、超過勤務を出さないのを原則とするというのは、予算というものもないんでしょう。それから超過勤務を出すというならば、これは三十六条に基づいて過半数の組織労働組合と協定を結ばないとできないでしょう。それからまた行政官庁に届け出をした場合でしょう。だからこういう手続を踏まなきゃできない。現に予算もとれない。予算も幾らでも金を出すというのじゃない。予算もとれない。こういうことであるから、そこで超過勤務というのは命じない。そしてまた超過勤務もあるという、させれば手当も出さなきゃできないという、そういうことが超過勤務を出さない、命ずれば出さなきゃできぬということが実は教員に超過勤務をいわゆる少なくさせるという方向に行っていたことは事実でしょう。また私は、将来においても超過勤務をさせるということになれば、それこそ超過勤務に伴ういわゆる予算というものもはっきり計上もしておかにゃできない。それとまた、いま言うとおりややっこしい手続もちゃんとしなきゃできない。そういうようなことがむしろ超過勤務というものをなかなか容易にできないということにしていく一つの働きがあるということを私はあなたが指摘をされたものだと思った。まことにわが意を得たり、私は全くそのとおりだと思っているんですよ。私は、前から実は超過勤務を出さなければいかぬという、命じたら出さなければいかぬということ自体が超過勤務を容易に出せないということに通じていくというふうに考えているわけなんです。そこで、まあ総裁と大体この点で意見は一致をしたと思ったので私は申し上げたので、そうでないというお話であれば別でありますが、そういう面が一つあるということを私は考えているわけなんですよ。
 それから、もう一つ話を少し進めて、正規の勤務時間を越えて勤務させた場合には勤務命令という勤務の命令になると思うのですが、それは間違いはないでしょうかということを人事院のほうからお聞きをしたい。
#278
○政府委員(佐藤達夫君) 先ほどの点は、もう一つ、裏といいますか私の含みを申し上げれば完全に御同感いただけると思うんです。お金を出したからといって働かせていいものじゃないということ、いまの歯どめの問題に関係があるわけです。たとえば四%そこそこ出したからといって幾らでも働かしていい問題かということをそこに投げているわけです。そこまで申し上げれば、もうそのとおりだといっておそらく大賛成をされるでしょう。そういう大きな含みを持っているわけです。そう露骨には言いません。露骨には言いませんけれども、裏を引っくり返せばそういう含みを持っているということをこれは御了察願いたいと思うんです。
 それからもう一つは、いまの命令の話です。これはそういう形になります。もちろんなりますけれども、さて、これはその命令を出すことを全然封ずる必要があるんじゃないかという問題、歯どめの問題などがつながってまいりますけれども、私は、理論的にはやはり一つの学校程度の組織体でございますから、組織体の管理の責任を持っている人が、組織体の統一をはかるためにある意味では命令という形――まあ命令というとことばは悪いので、これは指示とか、お願いの形による命令という形もありますから、そういう形によって、きょうは職員会議を皆さん残ってやりましょうやという形のものもあると思う。できれば、自発性、創造性に基づいて、先生方がみんな一致して、きょうこれから残って職員会議をやりましょうやとおっしゃってくれればこれは問題ありませんけれども、ところが、音頭をとって、きょうこの案件について審議をお願いしましょうやという形はこれは理論上はあり得る。あり得るけれども、先ほど来基準局長も言ってきておりますように、そういう居残り命令の形で仕事をやってもらうという形は好ましくないということが一つ大前提になっております。しかし場合によっては、そういうこともあり得るでしょう。これは否定できないと思う。したがいまして、あり得る場合についての歯どめの問題ということがここに大きな意味を持ってクローズアップされてくる。もう万全を期する意味では、やはり歯どめという意味に重点を置いて考えなきゃならない。また先のことを申し上げますとおしかりを受けますから、そこでとめておきますから、どうぞあとお尋ねになっていただきたいと思います。
#279
○松永忠二君 これは衆議院の速記録を読んでもそれは認めているわけです。そういう形は望ましいけれども、これは命令であって、もしそれがいやだと言えば、命令ということになり、それはもう当然命令です。それでよろしゅうございますね。それはいいか悪いか言ってください。
#280
○政府委員(佐藤達夫君) それはそのとおりでございます。
#281
○松永忠二君 そこで、それじゃ一体裁判官と検事はそういうふうになっているんですか。
#282
○政府委員(佐藤達夫君) なっております。
#283
○松永忠二君 それじゃこれは違うんじゃないですか。ここにそういうことを言ってない。一定量の勤務時間を持っておるものと解しておりますから、時間外は働かぬでもいいというふうには解しておらない。しかし、この時間の適用がないのであるから、必ずしも超過勤務というものをみないでもよろしいというような意味の意見があったけれども、法律的には時間外の勤務を強制する手段はないわけだ。つまり命じない、命じるということがないので、いわゆる裁判官や検事には命ずるということがないのに、それじゃ全然取って、給与を上げてしまって、時間外に勤務をやらなくてもいいのかといったものだから、そこで鈴木国務大臣が、御承知のようにこの検事、判事も同様であると思いますが、労働基準法、この時間勤務の一点について除外しておるのでありまして、一定量の勤務義務を持っておるものと解しておりますから時間外は働かぬでもいいというわけじゃない。しかし、それは法律的には時間外に勤務を強制する手段はないのだ。だから、裁判官やあれの場合には超過勤務というものは取ってしまったけれども、しかし、それは一定のいわゆる勤務時間というのがあるけれども、それは強制するものじゃないと言っている。つまり法律的には、時間外に勤務を強制する手段はないんだ、実際は。ただ、善意でやってもらうだけだ、命ずることはできない。そういうふうにしてあるのですよ。これが問題になって盛んにこれを議論をしたのですよ、それで。金を上げちまうから、それじゃ、それで超過勤務をとっちまうということになれば、そういうのがなくなれば、それじゃ仕事が終わったらどんどん帰ってしまうじゃないか。勤務時間にもどんどん帰ってもいいのだと言ったら、それは一定量のいわゆる勤務義務は持っているのだから、勤務義務を持っていると解しているのだから、時間外は働かんでもいいというふうには解してはおらない。けれども法律的には時間外に勤務を強制する手段はないということを言っているわけだ。裁判官やそういう場合には、あなたのおっしゃった善意、つまり自発性、創造性というものは完全に法律的にも確保されているわけなんです。ところが、このものは勤務時間を延ばすことについて命ずるということになるわけだから、これはいやだと言うわけにはいかない。ところが、こっちのほうはそうじゃなくて、ただ自発性、創造性に基づいて勤務時間の外においても、内でも、それはやるけれども、それは法律的には強制できません。そういうふうにしっかり言っている。そこなんです。法律的に強制はできないのですよ。四十四時間ならば四十四時間以外に、それじゃ超過勤務に見合うものを給与に入れたからと言って、それじゃ勤務時間以外にこれだけ居残りなさいという命令は出せませんと、ただそれは善意によって、勤務の仕事量というものがあるんだから、これは自発的にやる、法律的にはこれは強制できませんという、これならわかりますよ、まだ。何で一体先生だけこうしたんですか。どうしてそういう必要があるんでしょうか。
#284
○政府委員(佐藤達夫君) 裁判官の場合は、これは特別職でございますから、ちょっと世界が違うんでこれは差しおいて、一般職の中に入っているのは検察官でございますね。検察官の報酬に関する法律というのが別にございます。検察官というのはそれは偉い検察官もおりますけれども、副検事というような方々もやはり検察官の報酬の法律の中に入っておるわけでございます。これらの人々は一般職でございますから、もちろん超過勤務命令の対象には――労働基準法の適用はない、三六協定も締結はしない、しかし超過勤務の命令は受ける。ところがいまの報酬に関する法律では超過勤務手当は支給しないと書いてあるわけです。そういう点ではこれと同じスタイルになっているということを申し上げたのです。
#285
○松永忠二君 それは違うでしょう。それは検察官のことや何かの類似としていままで考えていたんじゃないんですよ。ここでもはっきりしているように、この検事、裁判官の問題で私どもは教員などについても同一のことが考えられると、つまり教授する時間以外に下調べをするとか、採点をするとか、教案を書くとかいう時間を、たとえそのつとめ先にすわっておるとすわっておらないとによってその取り扱いを一本にすることは適当じゃなかろう。判事、検事についてもその点同一のことが考えられやしないか。したがいまして、こういったものはむしろある程度想定を加えまして、あらかじめ給与の中にぶち込んで定額をきめておくことが適当であろうというふうに説明をされているわけです。検察官や何かのそんなことを言っているんじゃないんですよ。そうしてさっきから話したように、二、三倍のものをつまり給与の中にぶち込んでやっておいても、しかもその勤務時間外のことについては命令はしない。勤務時間外に残ってやれということは、法律的には何ら時間外に勤務を強制する手段はないわけであります。これが要するに実際上官吏の良心に訴えなければならないものである。あなたが一番得意なところなんですよ。だから、たとえばその適用除外をしたとしても、それは教員の自発性、創造性に基づくものであって、そういう形における勤務時間の実態というものは行なわれるであろうと、そこでそういうものを含めてそこに乗せておくんだということならわかるのに、なんでこんなえさがくっついているんですか。こっちにも宅調なんていう、いわゆるうちで調べているんでしょうかね、全く教員と同じだ。しかも教員には一定の勤務量という、いわゆるここにも言うような一定の勤務義務というものを持っている。これはもう同じことなんです。全然同じものであるにかかわらず、片方はそういうふうに時間的なあなたの言う創造性、自発性に基づくそういうものがやれるのに、片方はいわゆる職務命令も出し、そういう命令も出して、そうして命令に違反すればそれは職務命令違反で処罰されなければならない、そういう縛り方をされる。あなたの言うそのこと自体をずばりにやっていくとすれば、この法律は直さなければいけない。こういった点、何でそんなに教員と同じだ同じだと強調しておきながら、今度また教員に対しては命ずるという措置をつけて、片方には何にも命ずる必要がない、これは良心的にやってもらう、決して法律的に時間外に勤務を強制する手段はない、明確に言っております。ただ一定の定量の勤務義務を持っているから、それは良心としてやってもらう、そうして延びていく場合もそういう場合でやる、しかし命じはしない、それは法律的にも同じだと、こう言っているわけです。これがあなたが言ういわゆる自発性、創造性というような特殊性にふさわしい勤務の態様でなければならないと思うんですよ。だから、これについてこれはおかしいじゃないかというのが私の意見です。
#286
○政府委員(佐藤達夫君) 私が裁判官、検察官の例を引き出して説明を申し上げましたのは、そもそもこういう形の法制というものは新機軸ではないのかという疑問が提起される向きがあるわけです。超過勤務命令は出るわ超過勤務手当は支給しないわという形が一体いままであるかという点からいえば、裁判官の場合しかり、検察官の場合しかり。検察官の場合のごときは一般職でございますから超過勤務命令はもちろん出し得る。しかも、先ほど申しましたように労働基準法の関係もない。三六協定にもかかわらず超過勤務命令は出せる。しかも、一方においては超過勤務手当は支給せずと法律に書いてあるわけです。そういうモデルがありますという説明を申し上げておる。これはまた月給の非常に低い人の例だとぐあいが悪いのですが、たまたま御指摘のように月給が非常に高い人の例ですから、先ほども申し上げましたように、将来の向上前進の目標としてはこれはいい例だと思って申し上げている。ところが、給与局の連中は、総裁、ああいうふうなことをたびたび言うと、裁判官なり検察官並みの俸給にせねばならぬということになりますぞと盛んに袖を引っぱりますけれども、それは将来の目標としては決して恥ずかしいことじゃない。いますぐお約束するわけではありませんけれども、目標とするならばいい例じゃないか。月給の低い人の例ではこれはいけません。そういう意味で、私はかたがた危険をおかしつつ、そういう例がいまでもありますよということを申し上げている。超過勤務命令を出すことは好ましいなんぞという点からいえば絶対好ましくない。それは先ほどから基準局長の言うとおりだと大きな声で私は申し上げておりますし、また厳重な歯どめを考えているのもそれからきておるわけであります。これはそういう気持ちのもとに出ておるということをお聞き取りいただけば、まさに佐藤の言うとおりだというふうに御同感いただけると思うのです。そういう趣旨であります。
#287
○松永忠二君 そうすると、あなたはさっきから説明され、いま申されたことは、やはり自発性、創造性に基づいて自発的にやることであって、それはいわゆる勤務的職務命令的に拘束するというようなことをするのはむしろ避けていかなきゃならぬし、将来はそんなことはとらなきゃできない筋合いのものだ、こういうことだと思うのですね。だからせめてこれをとるということをなぜやらなかったのか。教員だってずいぶんあれですよ、小・中学校なんかには、まあ高等学校あたりずいぶん給与の高い人がいるんですよ。何も裁判官や検事に負ける必要がないですよ。優秀なところを出てきて、特別な研修や大学院なんかも出てきてやっておるんです。何で裁判官、検事のほうが高いか。裁判官もそうでしょうけれども、教員もそれと並べるくらいないわゆる自主性と自発性と創造性がなければならない。そういうことが強調されるのに、そういうふうな点について法的に命ずるんですよ。それが形の上にも法律の上にも一致をされておるのが裁判官ではそうだということを言っておるわけです。しかし、その点については意見が一致し、将来そういうものが望ましいことであるということに意思統一をされたわけです。その点これはひとつ文部省しばらく聞いていていただきたい。
 それじゃその次に、勤務を命じたということになれば、命令した者と命令しないものに差があるというのは当然でしょう。これは盛んに山中さんとも議論されておる。命じた者に超勤を払うのは使用者から見て当然である。超勤制度から、公平の、原則から当然のことだといって主張されておるけれども、まさにそうでもあるし、またこれは裁判所の判決などでもこういう点は相当はっきりしているわけですね。時間外勤務手当を支払うかどうかは公の秩序に関する事項である。当事者の任意処分を許されない領域に属するものと言うべく、したがって、かかる慣習はその効力を生せずと判決で述べられています。つまり、時間外勤務を支払うかどうかは公の秩序に関する事項である、命じた者は出さなければできない筋合いのものだというようなことが強調された。とにかく命じた者と命じない者、つまり修学旅行に行きなさいといって命じた者と全然命じない者とがおる。これに差をつけていくということは公平の原則であるし、金のこと金のことじゃなくて、そういうことはこういうことをかってに破るようなら、公の秩序は破壊されてしまうと、そんなにかってに慣習だからと、そんなことを言っている筋合いじゃないと言っている、これはまさにそうだと思うのですね。これは矛盾を感じておられるのでしょう。この点についてはあたりまえでしょうかね。これもひとつ総裁の答弁伺わしていただきたい。
#288
○政府委員(佐藤達夫君) 私どもは自発性、創造性ということに非常に重きを置いておりますから、いま御指摘のような問題は、実はあまり深刻な問題とは考えないわけです。非常に自発性を発揮された先生と発揮されない先生との間にアンバランスがあるじゃないか、これは自発的なんだから違うとおっしゃるでしょうけれども、客観的には共通する問題があると思うのです。しかし、たまたまいま修学旅行の例を出されましたけれども、私どもはこの説明書の中には天変地変等の場合における児童の保護という勤務に対しては、特別にまた手当を、いわゆる時間計測によらない特殊勤務手当というようなものを支給するのが適当であろうということを説明書の一番うしろにつけておりますね。それに関連する特殊のサービスに対する報償というものは、これはあるだろうと思うのです。たとえば修学旅行なんかもここには書いておりません。われわれとしてはまだこれも研究問題でございますけれども、修学旅行というのは普通の学校の先生のお仕事からいいますと、たくさんの児童を引率されて、その世話をやかれるだけでも、一人でも事故が起こらないように、これは私は普通の尋常の場合のご苦労ではないと思う。そういう特別の勤務に対してはやはり何かいま現行法であります特殊勤務手当的なもので大体カバーしていかなければならぬじゃないか。したがいまして、われわれはこの調整額を一つ、それからいま言った特殊勤務手当などの形による一つの手当ですね、これは二本建てで考えていくべきじゃないか。それで、これは特殊勤務手当ですから時間計測ではありません。そのかわり勤務時間内でもその特殊勤務であれば手当を差し上げるという形が一番賢明な形じゃないかということを考えております。ただし、修学旅行の件はまだ腹案ですからただ軽率に申し上げただけで、これは関係の皆さん方からいろいろ御批判があって、これはうっかりしたことを言うとまた何かおかしなことを考えているんじゃないかというふうにやられても困りますから、私どもは善意でそういうことは考えておりますということをまずここで御披露申し上げておきたいと思います。
#289
○安永英雄君 関連。いま人事院総裁が先ほどの勤務を命ずる、命じないの問題は、明らかに意見書あるいは今度提案された法案の中の表現とあなたのお気持ちとはぴったりいってないんです。そこでいまみたいな質問に入りますので私は端的にお伺いします。超勤手当は原則としてこれは命じないという立場をとりつつも、命ずる場合は教育上の業務で臨時やむを得ない場合に限るというふうにおっしゃっているのかどうか、端的にお答え願いたい。
#290
○政府委員(佐藤達夫君) 命ずることを原則としているならば、これこれの場合は命じてはならないという形でいかなければならぬわけですね。命じないことを原則とすれば、これこれの場合に限って命ずることができるという形になるわけですから、私どもはそういう点に重点の置き方をかけている。しかもその場合はできるだけしぼりたい、こういう気持ちでいるわけであります。
#291
○安永英雄君 内容は同じだということですね、私がいま申し上げたのと。
#292
○政府委員(佐藤達夫君) その内容は違うはずですよ、原則をどっちに置くかによりましてね。われわれのほうはみだりに超過勤務を命ぜられないようにというところに原則を置いて言っておる。だから、そういう自発性、創造性というのは、いまの超勤を命ずる関係からいえば、自発性、創造性ということを打ち出した以上は、本来は例外中の例外であるべきであろう、その点では説明書の中ですでにその趣旨は出ているんじゃないか、こういう意味です。
#293
○安永英雄君 だから、そうあなたはお認めになったというふうに、私は確認したいんですが、どうですか。
#294
○政府委員(佐藤達夫君) 超過勤務命令を出す場合は例外であるというふうに考えております。
#295
○安永英雄君 もう一つ、いま修学旅行をおっしゃったけれども、関連ですから、簡単にお聞きしますけれども、一番最後におっしゃった特の問題、特別手当を考える、人事院規則で、こういう発言もされておりますが、この特の内容、種類、こういったものについてお答え願いたい。
#296
○政府委員(佐藤達夫君) これは、あらかじめ御承了を得ておきたいと思いますが、この調整額というものと二元論ですから、調整額の関係が実現した場合において出てくる問題であるということを、ひとつあらかじめ申し上げておきたいと思います。そして、いかなる場合に特殊勤務手当を支給すべきか、その典型的な例として、私どもがお約束できるのは、天災異変の場合と書きました。説明書の中に堂々と書きました。それ以外の点についてもまだ検討すれば、差し上げてもいいものがあるのではないかという意味で申し上げたわけです。
#297
○安永英雄君 天変地異の問題を力説しなくても、いまの制度でも出さなければならぬ。
 次官にお尋ねをいたしますけれども、第七条の「協議」について、超勤を命ずる業務の種類と限度について、これは文部省と人事院と話し合いをする、協議をするということになっておりますが、この話し合いの内容、命ずる場合の種類と限度についてお答えを願いたい。
#298
○政府委員(西岡武夫君) お答えをいたします。
 本来、ただいま御審議をいただいております法案が成立をいたしました後の段階において、文部省といたしましては、人事院と協議をして、これを定めるということになっているわけでございます。したがいまして、いまこの段階で具体的にこうであるということは、人事院と協議した後でないと定まらないわけでございますが、先生からの御質問でございますので、現在、文部省が人事院と御相談申し上げようと思っている案――試案としてお受け取りいただきたいわけでございますが、を申し上げさしていただきたいと思います。
 これは列挙して申し上げたいと思いますが、次のような業務について、時間外勤務を命じ得るようにしたいと考えております。
 一、児童または生徒の実習に関する業務。
 次に、修学旅行、遠足、運動会、学芸会、文化祭等の学校行事で、学校が計画実施する教育活動に関する業務。これはいわゆる学校行事というふうに一般的にいわれているものでございます。
 三番目といたしまして、学生の教育実習の指導に関する業務。これは必ずしも一般的ではないかもしれませんが、これをあげております。
 四番目といたしまして、教職員会議に関する業務。
 五番目といたしまして、身体検査に関する業務。
 六番目といたしまして、入学試験に関する業務。これはいろいろくくり方があると思いますので、その点は非常に整理されたものでございませんので、あらかじめ御了承をいただきたいと思います。
 七番目といたしまして、学校が計画実施するクラブ活動。
 八番目といたしまして、図書館事務。
 九番目といたしまして、非常災害の場合に必要な業務。
 大体、現在のところ、内々検討いたしておりますのは、以上でございます。
#299
○委員長(高橋文五郎君) 休憩いたします。
   午後八時三十五分休憩
     ―――――・―――――
   午後八時五十六分開会
#300
○委員長(高橋文五郎君) ただいまから文教委員会を再開いたします。
 本日は、これにて散会いたします。
   午後八時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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