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1970/03/02 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 大蔵委員会 第9号
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1970/03/02 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 大蔵委員会 第9号

#1
第065回国会 大蔵委員会 第9号
昭和四十六年三月二日(火曜日)
   午前十時六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
二月二十六日
    辞任         補欠選任
     矢野  登君     伊藤 五郎君
     鈴木 省吾君     津島 文治君
三月二日
    辞任         補欠選任
     小林  章君     鈴木 省吾君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柴田  栄君
    理 事
                玉置 猛夫君
                成瀬 幡治君
    委 員
                青木 一男君
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                岩動 道行君
                栗原 祐幸君
                今  春聴君
                鈴木 省吾君
                鶴園 哲夫君
                松井  誠君
                鈴木 一弘君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵省銀行局長  近藤 道生君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   参考人
       信託協会会長   有光 茂夫君
       全国地方銀行協
       会会長      伊原  隆君
       一橋大学教授   小泉  明君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○預金保険法案(内閣提出、衆議院送付)
○貸付信託法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 二月二十六日、矢野登君及び鈴木省吾君が委員を辞任され、その補欠として伊藤五郎君及び津島文治君が選任されました。
 また、ただいま、小林章君が委員を辞任され、その補欠として鈴木省吾君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柴田栄君) 預金保険法案及び貸付信託法の一部を改正する法律案を便宜一括して議題といたします。
 この際、一言ごあいさつを申し上げます。
 参考人の方々には、御多忙の中を両案の審査のため本委員会に出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
 これからの会議の進め方につきましては、まず、有光、伊原、小泉各参考人の順でお一人約十五分程度御意見をお述べいただきまして、その後委員の方々からの質問にお答えをいただくという方法で進めてまいりたいと存じます。各位の御協力をお願いいたします。
 それでは、有光参考人、お願いいたします。
#4
○参考人(有光茂夫君) 私、ただいま御指名いただきました信託協会の有光でございます。
 本日は、現在御審議を賜わっております預金保険法案と貸付信託法の一部を改正する法律案につきまして意見を述べるようにとのお話がございましたので、若干見解を御披露させていただきたいと存じますが、その前に、これら両法案に関連いたしまして日ごろ私なりに考えておりますことの一端を申し述べさせていただきたいと、かように存ずる次第でございます。
 私どもは、これまで、国民経済の発展と国民生活の向上に資するため、わが国信託業の健全な成長を目ざして努力を続けてまいりましたが、皆さま方の御指導もあり、おかげさまでようやく一応の基礎固めをすることができたように思われます。しかし、このことは、同時に、私ども信託業界に対する社会的要請がより強く、公共的責務がなお重くなることを意味しているものと考えております。さらに、昨年七月の金融制度調査会の答申にもございましたように、経済の国際化が一段と進展いたしまする中で、金融機関の適正な競争による金融の効率化を目ざしまして、金融行政も漸次自由化の方向に進むものと考えられております。したがいまして、私どもは、いまや独自の経営理念をもちまして経営の効率化をなお一そう進めますとともに、経済社会の変化に即応した新たな分野を積極的に開発していかねばならないわけでございまして、信託本来の機能を生かしまして国民生活の向上と国民経済の健全な発展に貢献することこそ私どもの責務であろうと、かように考える次第なのでございます。幸いにして、先般の金融制度調査会の答申におきましても、貸付信託を中心といたしまする私どもの長期金融機能につきましては、今後ともその役割りに期待するところが大きいと、こういう評価をいただいておりますので、長期金融機関としましての特色を一段と発揮してまいりたいと決意を新たにしておる次第でございます。このような将来の展望に立ちまして、私どもは、財務管理機能の拡充とあわせまして、良質な資金の吸収に一そう意を用いまして、個人住宅ローンなどのほか、中小企業金融や公害防止金融など、現在早急な整備拡充が要請されております分野への長期安定資金の供給に積極的に取り組みたいと、このように考えております。
 以上のような私なりの考え方に基づきまして、二法案に対しまする見解を申し上げてみますると、まず、預金保険法案についてでございまするが、わが国の信用秩序全体を維持いたしますための預金保険制度の新設については賛成でございます。と申しますのは、近年、個人の金融資産の蓄積の増加に伴いまして、金融機関の大衆化が非常に急速に進んでおります。たとえば、私どもの取り扱っております貸付信託について見ましても、契約口数は実に千四百万口にのぼりまして、うち九八%が個人で占められておりまして、貸付信託がいかに家計に密着していろかを如実に示しているものと申し上げて差しつかえないと思います。そこで、預金者、これを信託の場合で申しますと受益者ということばになりまするけれども、この預金者や受益者の保護は、まず第一義的には、金融機関自身が経営の健全化なり体質の強化をいたすことによってこそ実現されるべきものでございまして、私どもといたしましても、もちろん一段の努力を傾注する所存でございます。しかし、国際化の一そうの進展などのきびしい環境下におきましては、万が一の場合を想定した、いわばアリの一穴をも防ぐという意味で、直接預金者を保護する制度もまた必要であろうかと考える次第でございます。
 なお、預金保険制度につきましては、私どもは、かねてから、必要な最小限度の簡素な機構にとどめますとともに、できるだけ低廉な保険料でありますよう、当局にお願いしたところでございますが、この法案を拝見し、あるいはまた、御当局の御説明を伺っておりますると、こういう方向でおまとめ願っておるようでございまして、この意味でも本法案に賛意を表する次第でございます。
 次に、貸付信託法の一部改正案についての見解を申し述べさしていただきます。
 貸付信託は、私ども信託銀行の主力商品でございまして、今回の改正は、私どもが、より一そう国民経済的な要請にこたえることのできるようにとかねてから望んでおりましたところでございますから、この改正案、すなわち、資金供給分野の改正と有価証券の保有の二点につきましては、もちろん賛成でございます。
 御承知のとおり、貸付信託は、昭和二十七年に創設されまして以来、国民大衆の健全な資産形成に必要欠くべからざる貯蓄として深く定着してきておりますが、その資金は、鉄鋼、電力などの緊要な産業、あるいは住宅公団に対する長期安定資金として供給してきておりまして、わが国の経済の発展に少なからず貢献さしていただいたものといささか自負しておる次第でございます。しかし、最近におきまする産業構造の変遷と資金需要の多様化に伴いまして、現在の貸付信託法では必ずしもその資金供給の対象とはなっておりません分野、たとえば、生活環境の改善や社会開発、あるいは流通機構の整備といったような面、さらには個人住宅ローンなどに対しまして、貸付信託の資金を活用してほしいという御期待が昨今とみに高まってきておるわけでございます。私どもといたしましても、資金の供給分野を、従来の緊要な産業から一歩を進めまして、国民経済の健全な発展に必要な分野へと拡大しまして、ぜひこれらの国民経済的ニーズにおこたえ申し上げたいと、かように存じておる次第でございます。
 貸付信託法のもう一つの改正点でございます有価証券の保有につきましては、これまで、貸し付けと手形の割引に制限されておりました資金の運用方法に、新たに、一定の限度内で社債などの有価証券保有を加えることによりまして、支払い準備などの充実をはかろうとするものでございます。それとともに、この運用制限の緩和によりまして、私ども受託者の裁量による貸付信託資金の弾力的運用を通じての景気調整の効果も期待されますし、さらに、長期的には、機関投資家といたしまして公社債市場の振興にも資することができると考えるわけでございます。国民生活に深く定着し、その残高も四兆四千億円をこえる規模に達しました貸付信託にとりまして、今般の法改正はまことに時宜を得た適切な措置であると存ずる次第でございます。
 最後に、今回の改正をより実効あらしめるためには、皆さまをはじめといたしまして、政府御当局のお力をお借りしなければならないことも多々あろうかと存じます。この機会に、今後の御指導と御鞭撻をよろしくお願い申し上げる次第でございます。
 以上、預金保険法案と貸付信託法の一部を改正する法律案につきまして賛意を表した次第でございます。
 御清聴まことにありがとうございました。
#5
○委員長(柴田栄君) ありがとうございました。
 次に、伊原参考人、お願いいたします。
#6
○参考人(伊原隆君) ただいま御紹介をいただきました地方銀行協会の伊原でございます。
 平素、会員の各地方銀行が各地におきまして先生方にたいへんお世話になり、御指導にあずかっておりますことを、この機会に厚くお礼を申し上げたいと存じます。
 本日は、預金保険法案並びに貸付信託法の一部改正法案につきましての意見を述べるようにということでございます。
 まず、預金保険法案につきまして申し上げますと、結論から申し上げまして、本法案の趣旨に賛成でございます。
 まず、第一に、この制度の必要性に関する点でございまするけれども、この問題は、私どもも参加をいたしました金融制度調査会におきましていろいろな角度から検討せられまして、その間いろいろな議論も出た次第でございますけれども、金融機関をめぐる経営環境、あるいは大衆化社会の進展、経済の国際化というふうな点を考えますときには、将来のためにこうした預金保険制度というものを制度としてこの際に導入いたしておくということは、まことに時宜に適したものと考える次第でございます。もとより、健全経営ということは、実は、地方銀行といたしましては、各金融機関もそうでございますが、地方銀行といたしましては健全経営ということを経営の基本理念としてこれを進めてまいりました次第でございますので、このようなことが発動されるような事態が起こるというふうなことを考えておるわけではございませんけれども、万一に備えまして国民大衆の預金の保証という点にその意義を見出しておる次第でございます。金融機関の健全性、信頼性ということは、ただいま有光参考人もおっしゃいましたように、本来経営者の責務でございまして、預金者保護の第一はこういう制度にたよるということではないことは当然でございます。この意味から、預金保険制度の実施によりましても、万一にも経営が安易に流れるような金融機関が出てはならないということは、私どもの信念でございます。また、金融機関に対しまする信用を保持いたしまするためにも、私どもは、今後もますます経営の各般にわたりまして一そう自粛自戒をいたしまして、社会の信頼、期待におこたえを申し上げてまいりたいと考えておる次第でございます。
 法案の内容につきましては、今後運営委員会あるいは政令で決定されることが非常に多いようでございますが、預金保険制度がごく簡素な機構として出発をするというふうな点、あるいは、保険料も、今後決定せらるべきものではございますが、経営の大きな負担にはならなくて、したがって、銀行といたしましては、効率化によりましてこれを吸収して、決して貸し出し金利にはね返るというふうなことがないということを予想し得るというふうな点につきましては、私どもの考えと一致をいたしておるものでございまして、たいへんけっこうなことと考えております。特に、この法律案が、一般大衆の預金を預かっております金融機関を広く組み入れてございます点につきましては、金融機関の社会性、あるいは公共性、あるいは連帯性というふうな観点からも、歓迎をいたしておる次第でございます。これによりまして国民大衆が安心して預金をすることができまして、特に地方銀行といたしましては、それが、各地域地域で地域金融機関共通の目的でございます豊かな地域社会づくりに役立っていくということになりますと、その意義はたいへん大きいと考える次第でございます。
 御承知のように、地方銀行は、全国に六十一行ございまして、四千三百余の支店網を各地に張っておりまして、各地域の住民の方々に対しまして非常に広範な金融サービスを提供いたしております。そこでは、地域の方々の御預金をお預かりするということと同時に、あるいは給与の振り込みでございますとか、電気料、ガス料、税金のいわゆる公共料金の自動振替というふうなことをもいたしておりまして、いわば個人の方の家計をお預かりいたします家計管理機能を営んでおる次第でございます。このように、地方銀行は、家計に密着し、住民生活に密着をいたしておる、ほんとうの意味の大衆金融機関の役割りを果たしておるという次第でございます。こういう観点から考えましても、預金保険制度が、預金者の貯蓄と支払い手段の安全性を制度としてこの際確保しておくということは、画期的なことと存ずる次第でございまして、この制度の意義を地方銀行としては十分に生かして、公共的の責務を果たしてまいりたいと考えておる次第でございます。
 次に、貸付信託法の一部改正につきましては、ただいま詳しく有光会長からお話がございましたので、私は簡単に申し上げたいと思いますが、第一に、貸付信託の資金を供給する分野を拡大いたしまして、従来の主要業種に加えまして、生活環境の改善とか、社会開発とか、個人の住宅関係などにも長期資金を向けることができるように改められましたことは、いわば産業優先という考え方から生活優先の考え方に国民の要請が変わってまいりました今日、けっこうなことと考える次第でございます。
 また、第二に、貸付信託の信託財産の運用方法を拡大をいたしまして、融資のみならず、有価証券投資をも行ない得るということにいたしましたことは、金融機関として必要な支払い準備の充実の道を開くものであり、国民経済的には景気調整効果という点からも望ましいことと存じております。また、長期金融機関として公社債市場育成という使命にも沿っておるものと考える次第でございまして、以上の観点から法案の趣旨に賛成をいたすものでございます。
 この際、貸付信託の融資対象の拡大と運用対象を改正なさいました機会に、地方銀行といたしまして一つお願いをいたしたいのは、私ども、今後日本の経済の発展のためには、中央と地方がバランスのとれた日本経済の健全な発展ということが必要であるというふうにいつも痛感をいたしておる次第でございまして、貸付信託の資金につきましても、その地域でお集めになったものは、地域の中小企業あるいは地域開発のための長期資金としても効率的に御使用いただければ幸いだという点でございます。私どもよく言いますが、地域のいわばふるさとを持つ金融機関といたしまして、地域の発展につきましてはいろいろ苦心をいたしておる点でございますが、ことに中小企業の育成とそれから地域開発というふうな点につきましてこれをどういうふうに調整をいたしてまいりますか、ことに地方公共団体の地域開発に要する資金というものが非常に増加をいたしてまいっております今日、いろいろと苦心をいたしまして資金の配分についてくふうをいたしておる次第でございます。こういうふうな観点から、貸付信託の良質な資金を地方に還元をしていただくというふうなことにつきましては、この際期待をいたしておる次第でございます。
 以上、預金保険法案と貸付信託法の一部改正につきまして、両案とも賛成でございます。この機会に、今後とも各地域におきまして、会員の者に御指導御鞭撻をお願いをいたしまして、私の陳述を終わりたいと思います。
 ありがとうございました。
#7
○委員長(柴田栄君) ありがとうございました。
 次に、小泉参考人、お願いいたします。
#8
○参考人(小泉明君) ただいま御紹介にあずかりました小泉でございます。
 先ほどからお話に出ております金融制度調査会の臨時委員をやっておりました関係でここで意見を述べろというお話になったのだと思います。結論から申しますと、この二つの法案はいずれも調査会の答申の線に沿っておると思いますので、賛成でございます。
 その金融制度調査会の考え方を多少述べさせていただきますと、金融の効率化ということが非常に大きく打ち出されまして、その関係で預金法案が出てきたというふうに理解されますし、確かにそういう面があるわけでありますが、何か、世の中には、金融の効率化ということで競争を激しくさせるのじゃないか、それでばたばたとつぶれる金融機関が出るかもしれないというので預金保険制度を考えたのかというような、非常に片寄った解釈の方もあるようでございますが、決してそういうことはないと私は思います。金融の効率化というようなことが強くスローガン的に打ち出されましたけれども、もともと金融制度調査会で考えるべき課題は、当面の問題というよりも、十年、二十年ぐらい先まで考えてその制度を変えるべき点があったらば考えてほしいと、こういう諮問の趣旨である、こういうふうに伺って議論が始まったわけであります。そういうわけでありますから、いまこの預金保険法案を通さないとたいへんなことがあるとか、差し迫ってそういうことが必要になるとかいうことではなくて、十年、二十年を考える、そういうことで考えますと、こういう預金者保護をいままでよりもさらに一そう合理的にやる方法をとっておくのが必要じゃなかろうかと、こういうことで意見がまとまったのだと思います。ほかの論点につきましては、いろいろ異論もありまして、なかなか意見が一致しなかったわけですが、この預金保険法案につきましては、積極的と消極的の差はありますが、ほとんどの方が御賛成であってこういうふうにまとまったと思います。
 ですから、委員会の席上ではあまり反対論はなかったわけでありますが、そんなものはなくてもいいじゃないかというお考えも世の中に耳にするわけでありますが、なくてもいいというばかりでなく、あるとかえってその法案にたよって銀行経営あるいは金融機関の経営が不健全になるのじゃないかと、こういうようなお話もあります。それにつきましては、いま伊原参考人もおっしゃったように、決して金融機関のほうで健全経営の原則をこのためにゆるがせにするというようなことはないと思います。会社が火災保険に入っているから火の用心をしなくてもいいかと、そういうようなことではないというふうに私は思うのでありまして、これはやっぱり火の用心は火の用心でやる、火災保険は火災保険でやると。それからまた、金融機関だけではありません。大蔵あるいは日本銀行当局におかれましても、金融恐慌というようなことが起こらないようにと、こういう配慮は十分これからもおとりになるというふうに私は期待しているわけであります。
 そんなことはまあ当然のことでありまして、そうしますと、それじゃなぜ必要かということになりますが、この法案ができたということについて非常に影響があるといいますか、参考にされたのはアメリカの制度だと思いますが、アメリカの預金保険法案は、やはり銀行恐慌の苦しい経験から出てきたわけであります。確かに、そういうことで出てきたわけでありますが、それだからといって、すべて保険制度にまかせるというわけではないことも明らかでありまして、ただ、不況とか銀行恐慌ということに関連して申し上げますと、大体、産業界の不況、生産過剰というほうは、商品が生産されておりまして、これが滞貸になる、在庫は幾らあるということがはっきりしておりまして、そして売れ行き不振でその売り値を下げなくちゃならぬとか、滞貨になるとかということがありますが、金融恐慌というほうは、歴史を見ますと、結局、確かにその根本原因がありますが、それがどのくらいの規模まで広がるかということは全く社会心理的な信用の問題でありまして、どこかの銀行があぶない、だれか取りつけがあるということになると、不安心理が広がる。日本の昭和二年の恐慌にしましても、御承知のように、議会の中の大蔵大臣の発言がきっかけになったというようなことでございますが、このときに預金保険制度というようなことがありますと、おれの預金は百万円以下だと、だからそんなばたばたあわてて行かないでも、とにかくその元本は保証されているんだということになりますと、あわてることはない。そういうわけてありますから、預金保険制度があるということが、万一金融機関に破綻が起こった場合にも、それが全面的な恐慌というようなことにはならない一つのブレーキになるのじゃないかと、この点がいままで速記録を拝見いたしますとあまり触れておられないようなので、この点を申し上げたいと思います。つまり、できるだけ大蔵、日銀当局は恐慌の起こらぬようになさると思いますけれども、万一どこかで不安が起こる、山陽特殊鋼のような例が起こるとしましても、全部の預金者が不安を感ずるというようなことはない。そうすれば、非常に対策もやりやすいというような面があるように思います。
 ただ、そのためにコストが非常に高くかかるということであると困るというまた不安もございまして、でき上がった案を見ますと、非常に簡素なシステムになるということでございますから、このくらいであれば、金融界全体としては貸し出し金利にはね返るというようなことはなくて済むのじゃないかというところにおさまっているように思います。この点は、機構としましてはアメリカと非常に遣いまして、アメリカはもう少し大きなスタッフを使っているようでありますが、それはある加盟機関に対しては保険機構のほうが監督をするというようなことを引き受けているからだと思います。日本の場合には、監督というようなことは、いままでどおりの大蔵なり日本銀行にまかせるということで、全くお金だけを集め、また、万一の場合には支払う、そういう仕事を制限したために一つは非常に安くできることになっているのじゃないかと思います。
 それからまた、金融機関と申しましても、いろいろ、大きいところから小さいところとありまして、自分の業界では全然そんな心配はないんだというようなところは保険料なんというものはもともと払う必要はないんじゃないかというお考えのところもあるかと思いますけれども、今日は内部経済、外部経済というようなこともありまして、公害問題なんかになりますと、必ずしも自分の機関の中だけの採算ではやっていけないというようなときでございますから、やはり金融界全体の連帯、そういったようなことをお考えになって御協力を願うということになったんだと思います。
 そういうような意味で、この制度ができましても、効率化というために、急にいままでの過保護というか、その反対には過保護ということがいわれておりますが、まあ過保護というのがいい表現かどうかわかりませんが、いままでの行き方を一朝一夕で変えろというようなものではないし、そういうはことできないのじゃないかと思っております。さっき申しましたように、十年、二十年先を考えますと、だんだんに競争原理というのはもっと入れざるを得ないだろうというふうに私も思いますけれども、そうかと申しまして、戦後この二十年間にやってきました実績というものがありまして、それからまた、まだまだそれぞれの業界、その専門分野というようなものの意味が必ずしもなくなっていないわけでありますから、ただ、長い目としては徐々にかきねを低くしていく。これは、国際化というようなこともありますし、あるいは戦後の日本の非常な窮乏状態から脱却してきたということでゆとりが出てきたということもありまして、だんだんにそういうふうになるということではないかと思います。
 あまりいい例じゃないかもしれませんけれども、お米にしましても、戦争直後のように一千万人ぐらい飢え死にするのじゃないかというときには、非常に厳格な配給制度が必要でありますけれども、だんだん米がたくさん余ってくると、逆に、消費者を保護しているのじゃない、これは生産者保護だというふうに意味が変わってまいりますとまた問題が出てくるというようなわけで、過保護というのもいろいろありますが、日本の資本蓄積が少なくて、それをできるだけ適正な資金配分をやろうというようなところからいろいろな手が打たれてきたのだと思いますが、だんだんにゆとりが出てくれば、かえってそのほうが能率が悪いという反省が効率化ということだというふうに私は思っております。
 そういうようなわけで、預金保険法案は、こういうような形でありますと、私は賛成であります。
 それから貸付信託法のほうも、運用先をだんだんに広げていく。これも、いま申しましたように、最初は、二十年代、三十年代の初めは、基幹産業を育成するということが非常に重点でございましたが、だんだんそれも一段落ついたという段階でございますから、住宅であるとか、あるいは都市開発であるとか、先ほど伊原参考人がおっしゃった地域開発とか、そういうようなまだまだ残された分野に行く。特に、長期金融機関でありますから、長期資金の面でいろいろ新しい分野に進出されるということは非常にけっこうなことじゃないかと思います。産業ということばを広く使ったり狭く使ったりするわけですが、このごろは住宅産業とかレジャー産業ということばがございますから、これは産業ということばをとるかとらないかというのは表現の問題で、要するに趣旨が広がっていくということであろうと思いまして、賛成でございます。
 それから景気調整ということにつきましても、貸付信託の金利を払うのには公社債ではコストから見てどうかという点もあるようでございますが、先ほど申しましたように、短期のことでなくて、相当十年、二十年先まで考えるということになりますと、やはりこういう弾力性が非常に必要ではないか。そうでないと、さっき申しました景気調整政策というものもやりにくい。公社債市場の育成にもこれが役に立つというような意味で私は賛成でございます。
#9
○委員長(柴田栄君) ありがとうございました。
 では、参考人に対し質疑のある方は、順次御発言を願います。
#10
○成瀬幡治君 小泉さん、伊原さんは委員をやっておみえになる。それから有光さんの前の会長さんが委員をやっておみえになる。ですから、有光さんは委員をやっておったというような、直接はないかもしれぬけれども、前任者のことをお聞きになったんですから、いろいろ御連絡等あって全部引き続いておみえになると、そういう意味で、委員をやっておみえになったというような意味で、あるいは委員じゃないからわしは知らぬとおっしゃるのならそれまでですが、そういう立場でひとつ意見をお聞かせ願いたいと思うんです。
 その第一は、小泉さんがおっしゃいましたように、過保護じゃないかというような意見もあると。あるいは、恐慌が来るかもしれぬよと。これは二十年先――まあ来るというわけじゃないが、来たらたいへんだけれども、そのくらい先だというようなこともございましょうが、それはそれとして、大体、預金者保護では、貸し出すほうが、担保なり、あるいは歩積み・両建て、いわゆる拘束預金というものをとって預金者保護の立場に立っておるじゃないかというふうにわれわれ考えております。そういう上に今度の預金者保護というものが出てまいりました。私も、実は、この預金者保護については賛成でございます。ところが、担保なりあるいは拘束預金というものについて、非常に過酷だというところも一説にはございます。いやそうじゃないよという意見もあると思いますが、こういうような問題についてはどんなふうにお考えになっておるのか、この際ひとつお聞かせが願いたいというのが第一でございます。
 それから二つ目の問題は、業種別によって私はいろいろ問題があると思います、預金者保護と申しましてもですね。たとえば、都市銀行と地方銀行との問題はどうであろう、あるいは相銀はどうだろう、あるいは信用金庫、あるいは信用組合までありますが、事故の発生件数から申しますと、まあいろんなことはどういうふうになるのかよくわかりませんけれども、そういうような問題はどこら辺までぐらいがいいだろうやというような議論もあったんだろうと思います。最もほしい預金者保護というのはどこの部面が一番多いのか。あるいは、長短資金では私は意味も違ってくるだろうと思います。そういうような、まあこれは保険料とも関係してまいりますし、保険の対象になるいま申しましたような業種と長短との問題についてはどんな議論があったのかというのが第二番目でございます。そうした議論がなかったとおっしゃるなら、それでよろしゅうございますし、議論されたら、ひとつその点についてお聞かせを願いたい。
 第三番目は、労働金庫とそれから農協関係が除かれております。労金のほうは、連合会のほうからそんなことをしてもらわぬでもいいからというので抜いたというようなお話も聞いております。それから農協、漁連関係につきましては、販売、購買等の事業をやっておるんだと、だから、単に預金なり貸し付け、そういうことじゃなくて、そういうような他のこともやっておるからはずすべきであるというようなことで一応まとまったやに承っております。しかし、そういう中で、本委員会におきましても、過般、銀行局長に対しまして、やはり預金者保護という立場に立てばそこに差はなくてもいいじゃないだろうか。あるいは、金融制度調査会の委員に片柳委員が出ておられるようでございますが、もちろん片柳委員もこのままで現状は賛成だという御意見なように承っておりますが、しかし、何かそこではまま子扱いにされたような感じがするというようなことからどうであろうかというような、本大蔵委員会の委員なり、あるいは農協なり漁連関係の預金者の立場にある人たちから、何かこう差別をされたような気もせないわけでございません。そこで、過半では、近藤銀行局長のほうからは、前向きに何らかの形で検討がしてみたい、何かそこに差というものをなくしたいというような御答弁がございましたですが、そういうことに対する御見解というものが三つ目にお聞きしたいと思います。
 それから四つ目にお聞きしたい点は、貸付信託で今度貸し付けの対象が変わってくるわけでございますがというお話で住宅ローンというようなことを指摘されておりますが、これは私は非常にいいことだと思っております。特に総需要の中で個人消費が非常に多い、五〇%ぐらい占めておるということになれば、これがインフレとの関係でいろいろな問題があると思いますから、個人消費をこういう住宅ローンなんかで吸収していくということは、私は大きな使命があると思っております。それで、非常にけっこうなこと、だと思います。ところが、これはそういうもののないときの昭和四十五年の三月の貸し付け先の構成比率というものが大蔵省の資料によって出ておりますが、それを見ますと、大きいほうで申しますと、製造業に約六六%、運輸通信業に一二%、こんなようなふうにあるんですが、さて、そういう中で一つ特異に思われることは、不動産産業に八・一%というような貸し付けがございます。今後貸し付けをされるそういう中で、そういう不動産業者を目の敵にするわけじゃございませんが、そういう方向にたくさん流れてしまうのか、それとも、あくまでも個人の住宅ローンというようなものに非常に貸し出しのウエートが行くものと理解をしていいものかどうかが一つでございます。
 もう一つは、小泉さんからの御意見として出たと申しますか、示唆に富んだと申しましょうか、あるいは伊原さんですか、ちょっとここは記憶がございませんですが、地方が地方開発のために非常に資金というものをほしがっておる。したがって、今後地方開発資金としてもこのほうに期待をしておるから、そちらの期待にこたえていくというような御意見やに承ったわけでありますが、そうなりますと、地方公共団体にも、貸し付け対象として、たとえば、あるどこどこの町が借りる、あるいは町が別途のそういう何か開発公社のようなものをつくる、あるいは公団のようなものをつくって、それに対して資金を貸し出していくんだと、こういうようなお考えなのか、その辺のところを御説明願えれば非常に幸いだと思います。
 以上でございます。――私、どなたというわけじゃございませんので、私のほうからこの方といって、どうも三人とも同じ委員をやっておみえになったことですので、なるほど片方は信託であり、片方は地銀であり、片方は学者ということになるかもしれませんが、どうしたものか、小泉先生一人でもよければ一人でやって、あと補充をしていただければ非常にけっこうだと思います。
#11
○参考人(小泉明君) ほかの参考人の方とあるいは意見が違うかもしれませんが、最初のお話の両建て・歩積み、担保の問題でございますが、これは預金保険とは直接の関係はしませんでしたが、金融制度調査会でいろいろ検討はいたしまして、それを決して望ましいことだと思っているわけではございませんので、これは、すみやかにと申しますか、両建て・歩積みというようなことはやめてもらいたいという趣旨のことは要望されているわけでありますが、それを法案の形でするということはなかったわけでございます。それからまあ担保はむろんとっているわけでございますが、すでに銀行局長から御説明があったと思いますけれども、過去の例でも、五年に一度とか、たとえば信用金庫であるとか信用組合でありますと、そういうふうにしておっても倒産ということはございますので、それじゃどのくらいの率で――表面になるのがそのくらいの率でございますけれども、私はそんなに内情を知っているわけじゃございませんけれども、やはり表面にそうやって倒産が出るという以前にはそのすれすれの段階というものもあるんじゃないかと思いますが、そういうようなときにどう処理するかということは、きっと、その銀行の責任者の方にしても、当局者にしても、頭が痛いと思いますけれども、そこに預金保険制度というものがあれば、また、預金者保護はこの制度でまかせようじゃないかというような形の解決のしかたというものもあるんじゃないかと思います。ですから、確かに、両建て・歩積み、担保をとっているじゃないかと。それは一面では銀行の経営がうまくいっていれば預金者はこんな制度は要らないじゃないかという御議論かと思いますけれども、まあ責任者としては最善の努力をなさっていると思いますけれども、やはりいろいろ思いがけない事故も事実起こるわけでございますから、制度は制度として必要だと思います。そうやってみましたあげくに、もうほとんど事故が起きないということであれば、保険料をどんどん下げていけばよろしいわけでございまして、それで保険機構はあるけれども極端にいえば保険料はゼロだというようなことになって自然になくなればけっこうなことでございますから、これはそういうことがあってもやったほうがけっこうじゃないかと思います。
 その次に、都市銀行、地方銀行、それぞれ違うじゃないかと。確かに、そういう御意見は、委員会の席上でもはっきり発言されたと思います。私は、それでなきゃまとまらないというのであれば、それでもけっこうだと思いましたけれども、しかし、前回これと似た案が国会に提出されまして、それが結局流産したという理由は、やはり特定の業界だけについて考えたというために、その信用度というものを客観的に評価されるというようなことがぐあい悪いということで反対も強かったようでございますが、確かに業界によって事故の発生率か違うじゃないかというようなことで保険料率を変えるとかどうこうするというようなことになりますと、かえってまた思いがけない弊害があるんじゃないかと、そういうわけで、保険事故の起こらないところには非常に御迷惑かもしれませんが、全体の連帯性というようなことで考えていただいたらどうかというふうに思っているわけであります。
 それからその次は、労働金庫や農業・漁業協同組合の預金がどうなるかと。私も、小口預金者の保護の立場を考えますと、入れたほうがいいんじゃないかと思いますけれども、もう一面考えますと、さっき申しましたように、預金保険の案につきましてあまり反対はなかったわけでございますけれども、一部は非常にそのために負担がふえるのじゃ困ると、自分のところは全然そういう心配もないのに負担ばかりふえるというようなところもあるわけでございますので、そういたしますと、この漁業組合とか労働金庫というのは、先ほどおっしゃいましたようなことのほかに、私つけ加えますと、やはり大蔵当局の監督が直接に及んでいないということがございます。アメリカの制度でございますと、あれは財務省が監督し、それからフェデラル・レザーブが監督し、それの監督していない機関が加入いたします場合には保険機構が監督しているようでございます。もし日本でもそういうような仕組みをここへ取り入れますと、私は取り入れなければそう簡単に入れることはできないと思うのでございますが、取り入れると、今度は、人件費であるとか、いろんなまた経費がかかってくると思いまして、いまできるだけコストを小さくして発足しようというのにまた障害になるんじゃないかと、こういうようなプラス・マイナス両方を考えまして、積極的にこの際労働金庫とか農業・漁業組合も対象に加えるべきだというふうには主張しなかったわけでございますが、まあそういうような点が追い追い改善される見込みがあるとか、何かまたそこに新しい余地が考えられるということであれば、大体、たてまえは、金融機関の保護ではなくて、大衆預金と申しますか、小口零細の預金者を保護するということでございますから、できる、だけ入れたいとは思っておりますが、そこに私としては難点があるように思っております。そのほか、法律的には、先ほど御説明がありましたように、いろいろ農協はほかの業務をやっているじゃないかとか、労働金庫は労働組合が単位で個人ではないとかいう議論もございました。
 それからもう一つは、信託の問題でございますが、それは、私、いまおっしゃったことは、そこまで深くどういうふうに運用されるのか存じておりませんですが、要するに、いままで基幹産業中心であったのが、住宅であるとか生活に密着したほうに向かうということだと思っておりますが、不動産投資に向けないで個人住宅ローンというのもわかりますけれども、個人住宅ローンが盛んになれば、そのパイプを通して不動産を開発しているところへ金が行くわけでございますね。ですから、いままでは、きっと個人ローンが許されていないというためにそっちへ行ったのじゃないかというふうにも考えられます。不動産業者が、住宅であるとか、都市開発、あるいは地域開発をやっているわけでございますから、それほどこれかあれかというふうにきめつけないでもいいように思いますけれども、まあこれは行政府当局の御指導によることじゃないかと思いますので、そういうふうに思います。
#12
○成瀬幡治君 近藤局長もお見えになっていますから、一緒にあわせてお聞きしたいと思いますが、貸付信託なり、あるいは地銀のほうで、今後相当地方公共団体に資金を回されるようなそういう行政指導をおやりになろうとするのかどうか、これが第一です。
 それから制定案の説明の中に、住宅ローンというのが目玉になっておりますね。わざわざ書いてある。書いてあることとやってきた実績というものが食い違いやしないか。ほんとうに住宅ローンというものを個人の生活優先でやって、そして数字もなかなかひけをとらないようなふうに今後なるものと行政指導をおやりになるかどうか。
 それから三番目には、大蔵省の監督が直接なかったんだと、労金なりあるいは農協なり漁連の問題でですね。小泉さんの御意見によれば、保険監督機構というようなものがアメリカにはあるから、まあ多少のものでも入れておるんだけれども、そういうものがないんだと。保険料にもはね返ってきたりいろいろなことになるから、大蔵省が直接監督、指導をしておるような形、こうなるわけですが、そうなりますと、信用組合との問題で少しロジックが合わなくなる。どうしても、やはり、預金者保護という立場に立てば、いろんな意味はあるけれども、なるほど農協は他に事業をやっております。おりますが、預金者保護という立場に立てば、いろんな問題で私は農協なり漁連というものを考えてもらわなくちゃならない。あるいは労金等も考えて入れていただくほうがいいと思います。今後、むしろあなたのほうが指導をして、積極的に勧誘すると申しましょうか、そういう姿勢のように、過般の委員会のあなたの速記録を読んでまいりますとそういうふうに受け取るわけですが、大蔵省の現時点におけるこの法律案でこういうふうにしたということについてはよろしゅうございます。ですから、今後どうするかという点についてあらためてこの際御意見を伺っておきたいと思います。
#13
○政府委員(近藤道生君) まず、第一点と第二点の、地方公共団体に対する融資もしくは資金が出るかどうかという問題と、住宅ローンに対しましてどういうことになるかということでございますが、これは、行政指導の前段階といたしまして、今回の法律改正をお認めいただければ、それによって非常にはっきりする点がございます。と申しますのは、まず、地方公共団体に対しましては、従来、地方債を貸付信託が保有いたします場合には、これは余裕金運用でしか保有できなかったわけでございますが、今度の改正によりまして、本運用によりまして取得保有ができるということになりますので、地方公共団体の地方債を取得保有することをまあいわば堂々と認められたと申しますか、そういう形によって地方公共団体に対する貸付信託の資金の運用がいままでよりも格段にオーソライズされる形になるわけでございます。
 それから次に、住宅ローンでございますが、これは従来は個人に対する貸し付けば一切できなかったわけでございます。「資源の開発その他緊要な産業」という規定のしかたでございましたために、個人に対する貸し付けができなかったわけでございますが、今回は「国民経済の健全な発展に必要な分野」という表現に改まりましたために、個人に対する貸し付けも可能になったわけでございます。そこで、個人住宅ローンというものが今度から出せるようになったということでございまして、これは、まず、行政指導の前に、法律改正によって可能になったという新しい事態でございますので、その成果を見ながら必要に応じてはあるいはさらに行政指導等の措置をも講じてまいりたいというふうに考えておるわけでございます
 それから第三番目の御質問の、信用組合と、それからほかの、たとえば労働金庫であるとか、あるいは農業協同組合であるとか、あるいは漁業協同組合であるとか、そういうものとの平仄が合わないではないかというような趣旨のお尋ねでございましたが、この点は、先ほど小泉先生からお話しいただきましたとおりの考え方の経緯で進んできております。つまり、今回の対象としていかなる金融機関を取り上げるかという点につきましては、二つの点を主として考えております。一つは、いわゆる一般金融機関性と申しますか、その地域の住民はだれでも原則として預金者になり得るというような金融機関についてだけこれの対象としようという考え方が一つ、もう一つは、もし不幸にして万一取りつけ騒ぎのようなことが起こりました場合に、それが全体の信用秩序に波及するかどうか、その点に着眼をいたしまして、もし信用金庫までの段階で打ち切りますると、ただいま申し上げました一般金融機展性というところにつきましては、信用組合もやはり地域の住民は原則としてだれでもはいれるという形になっておりますし、それからまた、もし万一信用組合に不幸にして破綻が起こりました場合には、あるいは取りつけ騒ぎが起こりました場合には、直ちにほかの金融機関にも波及するということでもございますので、その二点に着目いたしまして、信用組合まではどうしても取り入れざるを得ない。しかし、取り入れるにつきましては、現在、先ほど御指摘のとおり、大蔵省の直接の監督ではなしに、地方公共団体が主として監督指導をやっておりますので、先般来、金融二法以来、大蔵省との協議をだんだんと協議事項も多くし、かつ、厳重な審査を行なうという方針に変えてきておりますが、その方向をさらに一そう充実してまいるということを信用組合については考えております。それから同時に、農業協同組合、漁業協同組合、これらにつきましては、先ほど来お話が出ましたように、いろいろ別の仕事をもいたしております関係もございますが、これらにつきましては、先ほどもお話の出ました片柳委員が、金融制度調査会の答申案を作成いたします総会におきまして、これは別個の独立の預金保護の制度を持っておる、それをさらに充実強化いたしていきたいので、それについて政府としてもできるだけ協力してほしいという趣旨の御発言がございまして、それを受けまして、私から、できるだけそういう方向で前向きに考えてまいりたい、御協力を申し上げたい、特に農林省とも連絡を密にいたしましてその点はできるだけ御協力いたしたいということをお答え申し上げたわけでございます。先般、当委員会におきまして、岩動委員からの御質問に対しましてお答え申し上げました趣旨もそういうことでございまして、農業協同組合、漁業協同組合の預金者保護につきましては、広い意味でこの預金保険法案とのバランスがとれますように十分前向きで御協力を申し上げるよう農林省とも協議をいたして対処いたしたいという趣旨でお答え申し上げたわけでございます。
#14
○成瀬幡治君 預金者の保護の問題について、バランスをとったことでいろいろと考えると。たいへんけっこうなことだと思いますから、そういうふうに今後もお願いしたいと思います。
 それからこれは念を押すわけじゃございませんが、私はなぜ地方開発資金というものが非常にたくさん必要になってくるかということはわかります。それは公害の問題等がこれから大きな問題が出てまいります。まあ地方でも再開発をやらざるを得なくなるだろう。だから、そういうものに非常に貸してくれよと。で、地方債もやるんだよと。いろいろなことで獲得するというようになっちゃうと、資金の流れがこじれちゃって、目玉になっておる――私は、一つは、日本の将来の総需要の中からいろいろと考えたときに、個人の住宅ローンというようなものをうんとやっていくことが国策上必要じゃないか。その一環としてこれが出てきておる。私は、実は、もっと国策として個人消費をどう吸収していくかということを考える必要があると思っておるわけですが、それはそれとして、ここでもこの改正が出ておるのだから、そういうようなことについて相当なウエートを占めてくるのだというふうに期待をしてよろしいかどうか。いや、出てからでこれから指導をするんだよというのか、相当期待を私たちはしておっていいかどうか、重ねて伺いたいと思います。
#15
○政府委員(近藤道生君) 住宅ローンにつきましては、各信託銀行とも、ぜひこの方面に積極的に進出したいという自発的な希望を現在持っております。したがいまして、今回法律改正になりますれば、必ず積極的にこの分野のシェアをふやすように努力されるものというふうに期待いたしておりますが、なお、その結果を見守りながら、私どもといたしましてもさらに必要があれば行政指導をも行なっていくというつもりでおるわけでございます。
#16
○参考人(有光茂夫君) 先生から、貸付信託につきまして、個人の住宅ローンが目玉であるという御指摘を受けまして、御指摘といいますか、そうなっておるので、これに期待してよろしいかという御質問で、ただいま局長からお答えを願いましたので、私から申し上げる必要はあるいはないかもわかりませんけれども、ただいま局長が各信託銀行も個人ローンに対して熱意を持っておると、こういうお話がございました。さらに、今後を期待すると、こういうおことばもございましたので、業界といたしましても一言その実態を御説明申し上げて先生の御了解を得たいと、このように考えまして発言のお許しを得たわけでございます。
 実は、先刻御説明がございましたとおり、現在の貸付信託法におきましては、個人に対する貸し出しは許されていないわけでございます。そこで、今回の改正を私どももお願いをし、御当局もそれを入れてくださって本案になったわけでございます。したがいまして、われわれもまた現在あるいは将来にかけまして個人の住宅問題というものに対しまして正面切って取り組むつもりでおることは間違いございません。ただ、私どもといたしましては、いままで貸付信託の資金ではこれはできなかったわけでございますが、信託銀行全体といたしましてほかの資金もございます。金銭信託とかあるいは銀行預金の勘定も持っておりまするが、この資金も使いまして個人住宅ローンというようなものに現在のところは御要請に幾ぶんなりとおこたえ申しておるわけでございます。
 ちょっと計数でございまするが、これは各年度末の残高でございます。個人住宅ローンに対する年度末の残高で、手元にございます数字をちょっと御披露さしていただきますが、四十年度末では三十四億円でごくわずかでございますが、四十四年の年度末は――ことしのはまだ出ておりませんが――九百十九億円と、こういうぐあいに、信託といたしましては急速な個人ローンの資金が出ておるわけでございます。ただし、最初お断わりいたしましたとおり、貸付信託の資金では全然これはできないわけでございます。われわれの熱意は、この退去の数字で一応御理解を願えれば私としましてはたいへんありがたい、このように考えるわけでございます。
 それからもう一点、貸付信託の業種別貸し出しにつきまして、不動産の貸し出しがちょっと多いというように御指摘だったかとも私伺ったのでございまするけれども、これは確かに八・一%という数字が出ております。これは住宅公団に対しまする御融資が入っておりまして、金額としましてもかなり出ております。もちろん、民間の不動産デベロッパーに対しまして御融資をして、これがやはり個人へ行く。宅地造成などは、まず第一にそちらへ行きまして、それから個人の――これは小泉先生がお触れになりましたとおりでございます。このような形になっておりまして、今後はいろいろな形が出てくるのではあるまいかと、このように考えております。
 ちょっと付言さしていただきまして、私どものやっておりますことを御理解願えれば、私としましてはたいへんありがたいわけでございます。どうもありがとうございました。
#17
○鈴木一弘君 私も、いま、住宅ローンのことについて伺いたいと思っておりましたが、いまの御意見を伺いましてよくわかったんですが、今度の信託法が変わりますと、これは有光参考人にお願いしたいのでございますが、いわゆる運用制限が緩和をされて、新たに有価証券の取得が信託財産の運用でできるようになってきたわけです。それが、先ほども、まあこの委員会でもいままで論議があったのでございますが、公社債市場の育成になるかならないかという一つの大きな問題があるわけです。それで、特にいま大事なことは、投資信託の関係とこの辺のところが一つかなり明瞭な区分といいましょうか、そういうものがなされていかないと、分野がごちゃごちゃになってきますと、かえってまずいのではないかという、そういう点についてこれからどういうふうにお考えになっておられるのか、御意見を伺いたいと思います。
 それから小泉参考人にお伺いしたいのですか、同じこの貸付信託の審議をなさっておられて、これから先金融の緩和期にはおそらく資金がだぶついてくる。そうなれば、有価証券の買い入れということになるわけでありましょうし、吸収してくる。それが、金融の緊迫したとき、緊張してきたときという引き締められたようなときどうなるかということになりますと、そのままずっと保有するであろうということになれば、公社債市場の育成ということで公社債市場の安定が望めるわけですけれども、逆にこれを機関としての公社債市場への参加ということで一斉に売りに出るということになると、価格も下がってくる、低迷をする、実勢価格と券面価格との差がまた大きくなって、いつまでたっても公社債市場の育成はできないということになってくるわけでありますけれども、そういう景気調整の効果というものを提案理由そのほかを見ましてもうたっているんですけれども、その辺の危惧については、心配がないということで出たのだと思いますけれども、どのようにお考えになっておられたのか、どういうふうにいまお考えになっておられますのか、その辺の御意見を伺わしていただければと、こう思うわけでございます。
 それからいま一つ、地方銀行の伊原参考人にお伺いしたいのでございますが、先ほどの預金者の保護の問題で経営者の責務ということを冒頭にうたわれまして、制度にたよるのが本来の姿でないという決意のほどを示されたので、私もその点非常にりっぱであるなあということを思ったわけでございますが、特に過当競争ということがだんだんいわれてきております。私の住んでおりますところも、私の家の前なんかも、普通の個人の家であったのが、ほとんどが地方銀行の出店ばっかりになってしまいまして、そういうところは店舗の自由化そのほかがあったからでありましょうが、この過当競争を一体どの程度にまで――ただただ六十一行がほかの都市銀行と争ってのみということでもないだろうと思いますが、過当競争の行くえについてはこうあるべきかほんとうではないか。そうでないと、有効競争の域を脱してしまってかえって銀行自身が苦しくなるんではないか。先ほど小泉参考人からのお話のありました、そういうことのために銀行が破綻を来たす、そのために預金保険法というのはつくったのじゃないというお話だったんですけれども、逆に、そうじゃなかった、やはりそうではなかったなんということになりかねないと思います。そういう点、過当競争について今後どうお考えになっておられますか、これらについて伺いたいと思うのでございますが。
#18
○参考人(有光茂夫君) ただいま御質問を受けましたのは、有価証券を持ち得るように資金の運用制限が緩和されたについて、これを持つことによって公社債市場の育成とどういう関係があるか、また、あまりになると、今度は公社債投信との関係はどうかと、まあこういうような御資問であったように拝聴いたしました。実は、現在のところは、先ほどもちょっと局長からお触れになりましたが、公社債を持ちますのは、貸付信託の余裕金だけで持たしていただけるわけでございますが、今度は広がると、こういうわけでございます。これは大体において支払い準備というようなものが主眼でわれわれ当面考えております。急速に有価証券を保有するということは、先生も御指摘にございましたが、利回りその他の関係でこれは私どもの受託者の弾力的な考えで自主的に持たしていただくと、こういうことにさしていただくわけでございますので、その辺もにらみ合わせながら有価証券を持たしていただくと、こういうことで、当面は支払い準備のためというのがまず第一目的でまいろうかと思っております。しかしながら、資金の状況あるいは今後の将来の姿におきましては、かなり運用を広げていく、まあこういう要請もあろうかと思います。しかし、これは、もちろん、公社債投信とのバランスと申しますか、これを阻害する、あるいはじゃまになるようなことは、貸付信託本来の趣旨からいたしましてこれは当然避けられるべきでございまして、われわれはそういうことは一切考えておりませんし、また、行政御当局におかれましても、そういうことは十分御配慮があるかと思います。どの程度持つかということは、まだ現在われわれも金額的あるいはパーセンテージというものは詰めておりません。また、御当局のほうからもどうこうというはっきりしたことは伺っておりません。まあかりに試算をいたしまして、現在の残高でパーセントを出してみますと、四兆五千億と先ほど申し上げましたが、一〇%を持つとこれは四千五百億、たいへんなあれになるわけでございます。現在公社債投信の残高が六千億ぐらいじゃないかと思いますが、まあこれは非常に先のことでございまして、現在ではまだまだそういう段階には至っておりません。そういう点は、これは信託銀行は各それぞれの金融機関と協調を保ちながら健全なる信託本来の業務をさらに推進したいというのが経営の理念でございます。先生の御注意は十分頭に置きながら、今後健全経営に一そうつとめてまいりたい、そして、国民生活に幾らかでも奉仕いたしたいと、こういうのが私どもの念願でございます。ひとつよろしく御理解を願いたいと思います。
#19
○参考人(小泉明君) 貸付信託の運用緩和に伴って公社債市場は育成されるかどうか、こういう御質問でございますが、まあ株式の投資信託が始まりましたときも、株式投資の信託が始まると非常にプラスばかり言われたわけでございますが、昭和三十九年でございますか、あのときの暴落したこともございます。そういうようなわけですから、いまおっしゃったように、金融引き締め期になって必ずそれを寝かしておくかどうかとおっしゃられると、非常に不況感が強いとか、あるいは逆に非常に有望な産業から貸し出し要求が強いというようなときは、多少元本を割っても処分するというようなことはないとは言えないと思いますけれども、一般論としまして、やはり市場が広がったほうがいいと、そういうことで見ますと、少しでもこういうふうにゆるんでいったほうがいいんじゃないか。つまり、アメリカやイギリスで有価証券市場が発達しているのは、結局、個人の消化もありますけれども、機関投資家がたくさんあってお互いに売り買いしていると、そういう地盤がございますので、その方向を考えれば、いまお話しのように、株式投信とは違ったある限度があるのでございますから、株式投信と別に、あるいは公社債投信と混淆するということでなくて、貸付信託は貸付信託で多少は有価証券を持てるというような限度の中でやるのであれば、そういう投資機関がたくさんできたほうが安定するのではないか。と申しますのは、要するに、市場全体としては売り一方ではないけれども、ある金融機関だけが売りたいと、そういうふうなときには、投資機関が多いほうがお互いに調整がつくわけであります。市場が全体として売りたいばっかしならば、これはこういう制度をしたから救われるというものじゃなくて、これはむしろ財政金融政策全体として考える問題じゃないかと、こんなふうに思います。
#20
○参考人(伊原隆君) ただいまの過当競争の問題についての考え方のお尋ねでございます。金融制度調査会の答申を見ますと、金融機関の競争は、公共性の見地から見て、国民経済的に望ましい競争であるべきだという答申でございますが、先生のお話のとおり、どうも、競争といいますと、結局、非常に過当な競争になりやすい。ことに、私ども日本人の性格から見まして、非常に競争が少なくて安座をしておるためにコストが上がるというふうな事例は、実際営業しておりましてほとんどないのじゃないか。むしろ競争が激し過ぎて過当なる競争になりましたために逆にコストが上がっていく、あるいは収益性にのみ走るというようなこと、あるいは弱肉強食になっていくというふうなことになりましては、私ども、金融制度調査会の本来の趣旨に違ってくるのではないかというふうに考えておるわけでございます。地方銀行といたしましては、御存じのように、六十一行ございますが、各地域地域で地域の金融機関といたしまして歴史も長いし発展もいたしてまいりまして、あるいは隣同士の場合にはいろいろな競争もございますけれども、大体本質的には六十一行協調してデータ通信の問題にしましても、研修その他にいたしましても、協調してやっていこうじゃないか、そうして全体として効率をあげていこうというのが地方銀行の皆さんの経営の理念でございます。
 それに関連しますが、ただいま店舗がたくさん出ておるじゃないかというお示しでございますが、私どもも、店舗等につきましても、地方銀行の立場といたしますと、必ずしも個々の銀行の効率化と申しますか、純商業主義的な感覚からは、地方銀行として、ある島にある店を締めてしまって何かにぎやかなところに出ていくというふうなことは、いたすべきものでもございませんし、また、いたしてもおらない次第でございます。こういうふうな点につきまして、競争とか効率化が純商業主義的なものであっては私ども困る。全体の国民経済的な見地から、かつ、お客様本位で、効率的であり競争的であるということにしていただくことが、店舗行政等につきましても過密・過疎を招来していくようなことが行なわれないように御当局は非常な御苦心だと思いますが、それらの点につきましては私どもも全く同じ考えで、適正なる競争のもとにむしろ協調して合理化をしていこうというふうなのが考え方の基本でございます。
 それから先ほどの成瀬委員のお尋ねの点に関連いたしますが、そういうようなわけで、競争を非常にしてしまった結果、保険が必要になるような事態が起こるというふうなことは、私ども困るとも思いますし、御当局のお考えでもないと思います。あくまでも、預金者の保護は、経営者自体が健全な経営をいたしてまいるという点にございまして、その意味で、預金者のお金をお預かりいたしておりますので、担保もいただくとか、あるいは預金をいただくというようなことがございます。しかし、地方銀行といたしましては、各地域の中小企業の育成というふうな使命を担っておりますので、今後景気の変動によりましては中小企業がいろいろ苦難の波をかぶるような場合につきましては、連鎖倒産というようなことがないように努力もいたしておりますし、また、歩積み・両建て預金につきましては、御当局の御指導もございますが、協会といたしましても非常に努力をいたしまして、目標に対しまして、総括分につきましても、中小企業分につきましても、あるいは金利措置につきましても、好成績をあげております点を御報告申し上げたいと思います。
#21
○松井誠君 最初に、小泉参考人にお尋ねをいたしたいのですが、いまも鈴木委員からのお尋ねの中にもちょっとありましたし、いま伊原参考人のお答えの中にもちょっと出たのでありますけれども、
  〔委員長退席、理事玉置猛夫君着席〕
預金保険と効率化の関係ですね。私は、預金保険そのものを切り離して考えれば、もちろん反対すべきいわれはないわけですが、何かやはりひっかかるのは、金融ないし金融機関の効率化というものとの関係の問題なんです。私がいままでの経過を読んでみた限りでは、最初金融制度調査会で預金保険の問題が議論をされたときには、やはり金融機関の効率化という問題と不可分の問題として、というよりも、むしろ効率化を進めるための欠くべからざる前提としての預金保険制度というような位置づけがあったように思うのです。答申の段階になりますと、その効率化という考え方がだいぶうしろに下がりまして、公共性という問題が大きな比重を持ってくるようになってきておるように考えられる。いまの伊原参考人のお話にもありましたように、効率化と公共性というものは、常にではないかもしれませんけれども、まあ矛盾をする場合があるわけですが、そういう意味ではこの矛盾する二つの概念が入れかわったみたいな形になっておるという印象を受けるのですけれども、そういう印象が間違いないかどうか。つまり、公共性というものを理由にして預金保険というものを合理化をする、そういうように考え方が変わってきたと真実見ていいのかどうかということが一つ。
 もう一つは、もしそういうふうに変わってきたとすると、一体その原因はどういうことなんだろうかという問題です。これは私の全くの憶測ですけれども、効率化というものを大いに宣伝をした。
 非常に激しい預金競争というものがそこから出てきた。そこで、いわば薬がきき過ぎたというようなことで公共性を持ち出すようになったのか。あるいは、効率化の露払いとしての預金保険というようなことを言いますと、効率化に批判的なあるいは抵抗を感ずる金融機関は必ずしも賛成をしない。そういうものを一つにまとめるためには、公共性というものをやっぱり前面に出したほうがいいのじゃないかという、そういうことが原因で、まあそればかりじゃないかもしれませんけれども、そういうことが原因で変わったのかということですね。
 それからそういう経過は経過として、効率化と預金保険との関係をどう考えるかという問題です。これは、私、意見を肝心なところをあるいは聞き漏らしたかもしれませんので、だとすれば、たいへん恐縮で、お許しをいただきたいのですが、先ほど、効率化というものは早急にやるべきものじゃなしに、長い目でやるべきものだというお話は、当面やはり効率化の問題と預金保険の問題とは切り離して考えるべきだという考え方なのかどうかですね。そういう三点をお伺いをしたい。
#22
○参考人(小泉明君) おしまいのほうから申し上げますけれども、結局それは三つつながっておりますが、確かに、金融制度調査会の今度の一般民間金融機関のあり方、この問題の発足した当時と、答申案ができるのにだいぶ時間がかかりましたので、ニュアンスが多少いろいろな意味で変わっているのじゃないかと思います。まあ、私、中におりますので、かえって印象が、こまかいことが入ると大きなことが見えなくなっておりますが、私自身が初めの出発点と最後のほうで非常に変わったなと思っておりますことは、出発した当時は、四十年の不況のあとを受けまして、非常に高い成長率がこれから望めないのじゃないか、十年、二十年という長い目で見ると、高い成長率がなくなって、そうしてまた、設備投資にそんなに資金がいくのじゃなくて、先ほどお話に出ておりますような生活面であるとか財政だとか公共投資のほうにもたくさん資金需要が起こってくるのではなかろうか、そういう中でいろいろな金融機関のいままでの業務分野というようなものもシェアが変わってくるのではなかろうかと、そういうような背景があったと思いますけれども、この答申ができる時分になりますと、今度は、景気が過熱するから引き締めなくちゃならぬというような状況なものでございますから、
  〔理事玉置猛夫君退席、委員長着席〕
さっき申しましたように、十年、二十年先のことを見るんだというのに対しては、あまり足元が年じゅうぐらぐらしているようで見通しが悪いとおしかりを受けるかもしれませんが、出発点と終わり時分では、皆さんの考えている発想の根拠がよほどそのときそのときの状況に左右されて変わっているように思います。そういう背景を私は非常に強く感じるわけでございますが、効率化という点につきまして変わったじゃないかというお話ですが、私は、どっちかと申しますと、初めから効率化一本やりというほうではあまりなくて、効率化をやれば一〇〇%効率化が望ましいという立場でございませんので、さっき十年、二十年の長い目でやるのだというのは、これは変わったのじゃなくて、初めからそんなつもりですわっておりましたので、私としては初めからあまり変わっていないわけでございますが、確かに、途中出ている印刷物をごらんになると、あるいはそういう印象を受けられるかもしれませんけれども、いま申しましたような状況の変化、あるいは皆さんの委員の議論の問でだんだんに変わるのじゃないかと思います。初めからこういう答申をつくろうということでみんな集まるわけではむろんございませんので、そういう効率化を進めようという一つの指導的意見もございましたが、それを皆さんがいろいろ検討して、プラス・マイナスを論じているうちに最後の答申ができ上がったと、こういうことのように思うのですがね。私は、変わったのは、むしろ皆さんを支配している前提がよほど変わってきていることもあるように思います。まあそういうようなことで、私自身としては、ことに預金保険と貿易金融のほうがおもでであったことでございますので、あまり効率化の議論の深いところも存じませんけれども、たとえば貿易金融なんかにつきましても、効率化というほうからいいますと、外国為替専門銀行なんというのはなくしてしまって、都市銀行で何でも全く平等の立場で競争させようと、こういう御意見の方もあったように思いますけれども、私は初めから外国為替専門銀行というものは残したほうがよかろうと、こういう意見の者でございまして、私自身としてはあまり変わっていないものでございますので、あまり適切な御返事ができないのじゃないかと思います。
#23
○松井誠君 有光参考人に一点お尋ねをしたいのですが、これは改正案に直接関係はないわけですけれども、金融制度調査会の貸付信託に関する答申で問題点を三つあげておるわけですが、その二つは今度の改正案で具体化したわけです。もう一つは、答申によりますと、実際理屈からいえば、信託ですから、運用の実績によって配当をするというのがほんとうなんだけれども、実際は定率の配当をやっておる、これを検討すべきじゃないかという意見があるわけですね。私も実際の運用は全然知りませんのですけれども、この調査会の答申にくっついておる資料なんかを見ますと、運用の利回りと支払いの配当率というのとの開きが、年によって違いますけれども、開くときはずいぶん開いておるわけですね。どういう実情でこれが一率配当という形になっているのかよく存じませんけれども、その辺の事情なり、あるいは、ほんとうに実績に基づいた配当をするというように答申の方向みたいなものが出ておるわけですが、それについてどのようにお考えになるか、そのことをお伺いをいたしたいと思います。
 なお、小泉参考人に、そのことにつきまして何かもし御意見でもありましたら、お伺いをいたしたいと思います。
#24
○参考人(有光茂夫君) ただいまの御質問は、金融制度調査会の答申で、貸付信託は信託の姿から見て実績配当をたてまえとするのが一緒になっておる、これを検討すべきだということになっているが、この点は今回の法律改正にはなっておらないという御質問、そしてまた、事実は配当率が同じではないか、ずっと一緒ではないか、これはどういう事情であるか、このようにお尋ねを受けたと、こう考えております。その配当率そのものは、この法のたてまえからまいりますと、これは実績配当になっておりまして、特に法律の改正その他には関係がなくて、実績配当できるたてまえになって、法のたてまえはそうなっておりますことをまず第一にお答えをさせていただきたいわけでございます。これは実際問題になるわけでございますが、配当率が各社同じ配当率をしておる、こういうことなんでございますが、その実績配当ということをどういうぐあいにとりますか、考え方がございますので、各社間がみな違って、運用がそれぞれ利回りなんかが違うから、配当も違っていいじゃないかというのと、それから貸付信託というものの運用によりまして長期資金を運用することによって御配当をするわけですが、この金利がいつもずっと同じでいいのかと。これは、実際は、金融の情勢によりまして配当率はひんぱんに変わっております。最初出発しましたのが九分五厘ぐらいから出発したわけでございますが、経済の進展に伴いまして金利はだんだん低下するということになります。先般あたりはまた金融の状況によりまして多少の上がり下がりがある。現在のところは七分四厘七毛になっております。そういう意味におきましては、貸付信託というものは、大体その運用の実績によって配当をしておると、こう申しても言えないことはないと、私ども第一としてはそういうぐあいに考えられます。
 第二の御質問、あるいは制度調査会で言われておりまするものは、各社の配当率が同じなのはどういうわけか、それを調整をしておる、あるいは信託報酬のとり方によって調整をして同じ配当をしておる、これはほんとうの姿ではないではないかというような、これは一つの分析した結果の御意見のように思います。非常に古い戦前でございますと、戦前も信託会社が業務を開始いたしました非常に古い昭和二、三年ころでは、事実各社間で違った配当をしたこともございます。しかし、これは、結果において、金融秩序という点から見まして、大きな日本の金利体系という一つの秩序から見まして、国民経済的見地から見て、あるいは政府の行政の点から見て、必ずしもこれがいいということにはならないというようなことから、大体同じ配当をするというようなことに相なっておるのが実態かと思います。
 それともう一つは、貸付信託法そのものによりまして、先ほどからございましたように、いままでの貸付信託は、資源の開発等による緊要なる産業と、こうなっておりまして、各社ともお貸し出し先が大体ほとんど同じでございます。したがいまして、お貸し出しする金利も同じでございます。たとえば、電力でも、鉄鋼でも、あるいは化学、最近は化学工業その他不動産業にもお出ししておる。あるいは、住宅公団にお出ししても、みな金利としましては同じでございます。これは企業のほうの要請から当然同じになるわけでございます。そういたしますと、ほとんどいわゆる運用の利回りというものが同じになると、こういうことでございまして、若干経費率において――信託報酬の場合はほとんど変わらないで配当ができる、こういうことになっております。
 実態を御説明申し上げておるわけでございます。これで大体お答えをいたしたように思いますが、御了承願いたいと思います。
#25
○参考人(小泉明君) 確かに、いま御説明のとおりでございまして、各社間では配当が一率になっております。これが先ほどから議論になっておりまする効率化のいっとうむずかしい問題じゃないかと思います。いわゆる大蔵のいままでの指導行政をやめると言われますけれども、そのポイントは、店舗配置の自由化の問題、それから配当の自由化、それからもう一つは預金金利の自由化ということも言われております。この預金金利の自由化というのを、さっきから申しますように、競争原理を一〇〇%発揮しろということでありますと、貸付信託の配当だけでなくて、銀行預金の金利にしても、各行みんな違った金利を出せばいいじゃないかというような極論の方もあるわけでございます。しかし、それをもし実行しますと、たちまちそれは預金者のほうは少しでも金利の高いところに行くわけでありますから、いきなり預金が集まらないというよりも、無理しても、たとえ赤字になっても初めは無理して高い金利を出すということになると、預金保険機関はたちまちに発動することになるわけでございますから、そういうようなわけで、私は、効率化と言っても徐々にやらざるを得ないだろうと思っているわけでございます。そうしますと、銀行預金の金利の自由化と申しますか、各行別々の金利を出さないという段階でございますので、その御趣旨はわかりますけれども、これも徐々にというのはいつごろかということになりますけれども、そう早急に各行別々の実績でやれと、こういうことができるかどうか。その場合には、貸付信託の勘定については、あるところは赤字になってもやむを得ないというような覚悟をせざるを得なくなるのじゃないかというふうに思います。
#26
○成瀬幡治君 伊原参考人、これは全くこの法律案とは関係なしで伊原参考人にちょっとお尋ねしておきたいと思います。
 なぜあなたにお尋ねするかというと、地銀で一番よくわかるだろうと思うのですが、全く季節的なというよりも、アメリカの不況なり、あるいは国内の二重価格、管理価格、いろいろな問題等が出てまいりまして、それで、中小企業の倒産というのが相当なことになってきた。そこで、政府のほうも、御案内のとおり、三つの制度金融で中小企業救済の措置として九千億ぐらいですか出したと、こう言っておりますが、そこで、その流れぐあいでございますが、ある程度出れば、相当な歯どめの役割りを果たしてこなくちゃならぬだろうと思っておりますが、中小企業金融公庫なりあるいは商工中金等の代理貸しをやっておみえになる立場からお尋ねしておるわけでございますが、どんなふうでございましょうか。政府が、中小企業金融公庫、国民金融公庫、あるいは商工中金に相当なお金を出してきたわけですわね、この年度末中ですか、中小企業救済向けに対して。どんなふうな効果が出てきておるかどうか、その辺のところを実情をお聞かせ願えれば非常に幸いだと思います。
#27
○参考人(伊原隆君) 地方銀行協会は、毎月一回ずつ集まりまして、各六十一行の頭取さんが、全国各地の景況にりきまして、窓口から見ました景気の動向をいつも議論いたしておりますのですが、最近、金融が、日本銀行も緩和をなさいましたし、政府のほうも、予算の発動、それからまた中小企業の対策等でいろいろ御苦心になっておるのでありますけれども、まだ最近の状況まででは、まあ各地いろいろな事情で違いますけれども、おしなべて、金融は、中小企業につきましては、企業間信用等もまだまだなかなか伸びがとまりませんし、なかなかむずかしい状況にあることは事実でございます。ただ、私ども、いままでの経験から申しますと、日本銀行さんが金融の緩和に踏み出されますと、しばらくたつとそれが感じられてまいるということだと思いますので、窓口から見ました中小企業の方の企業間信用がほどけていくのには若干の時間がかかるかとも思います。
 それからまた、いまおっしゃいました中小企業の政府の金融機関の代理貸し等を地方銀行はみんないたしております。何ぶんにもまだ時間がたっておりませんものですから、はっきりした効果というふうなことは出ておりませんけれども、政府がこういう態度でおられるということについては、やはり安心感が出てきておるというふうに感じます。経済の変化によるいろんな、たとえば、最近は、家電、鉄鋼、自動車、繊維というふうなもの、ことに家電、自動車、機械等の下請関連企業等は発注が非常に少なくなりましたり、それから在庫がふえましたり、そういうふうな関係、あるいは公害の問題でメッキ工場が非常に困っておるとか、金融以外の面で実はいろんな難関に逢着しておるところもございますけれども、金融面からはだんだんに浸透してまいるものというふうに考えておる次第でございます。
#28
○委員長(柴田栄君) 参考人の方々に申し上げます。
 本日は、長時間にわたり貴重な参考御意見を拝聴いたしまして、まことにありがとうございました。ただいまお述べをいただきました御意見は、両案の審査を通して十分に役立たせていきたいと存じます。
 ありがとうございました。お引き取りをいただいてけっこうでございます。
 引き続き、政府に対し質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#29
○成瀬幡治君 近藤局長にお尋ねしたいと思います。
 拘束預金の問題でございますが、いろいろと御指導がありまして、そして効果が着々出ておるというふうに資料等で御報告願っておるわけでございますが、何か、お聞きしますと、貸し出したお金と預金したのと困果関係があると、それは拘束預金だと、そういう解釈のようでございますが、預金と貸し出しと無関係なそういうことが実際問題としてあるかないかという点でございますが、そこらあたりの指導ということになりますと、私は無関係なものはないと思うのです。だから、指導をされる人と指導を受けるほうの側とでは、非常に解釈が違って混乱が起きやしないかという点を危惧して、実際の問題として無関係だというふうなお金というものはないのじゃないか、もう少し別途何かものさしを引かれるほうが適切じゃないだろうかというふうに感じております。これは私は全くよくわかりません。ですから、その辺のことについてまずお答え願いたいと思います。
#30
○政府委員(近藤道生君) ただいま御指摘の点は、まさに拘束預金につきまして私どもが当面いたします最も微妙な点でございます。特に他人資本依存率が高い状態におきましての金融機関と借り入れ先との力関係、これからいろいろな問題が起こってまいるわけでございますが、たとえば一番微妙な点は、取引先のほうでは事実上引き出せないのではないかと、引き出すとこれがすぐに貸し出しにはね返るのではないかというふうに感じております場合、それがほんとうにそうである場合とそれからそうでない場合、その両方に実態が分かれるわけでございます。この辺につきましての判定が非常に微妙でございまして、たとえば、前回の調査におきまして、大蔵省の集計調査によりますと、拘束預金比率は一六・九から一六・二へと比率としては改善され、よくなってきておるわけでございますが、同時期におきましての公正取引委員会における広義の拘束預金の調べによりますと、二〇・二が二二・〇と逆にやや悪化を見ております。この両者の差が、ただいま申し上げました。事実上引き出せない預金の存在、それがはたして金融機関側からの強制によるものか、借り入れ先の心理的に拘束されているというふうに感じているところから起きておるのか、その辺の見きわめがたいへんむずかしく、また、大切な点であろうかと思っております。
 そこで、私どもといたしましては、検査の際に特に拘束預金についていろいろ情報を得ました支店等につきましては特別の検査をいたしまして、ケース・バイ・ケースで綿密なあとづけ調査をすることにいたしております。やはり、この種の問題でござますいと、ただいまお示しのような一律の基準というもので網をかぶせますやり方でまいりますと、どうしても心理的な問題まで入ってまいりますと、なかなか網をかぶせにくい、また、判定をしにくいという面がございますので、それぞれの店、それぞれの店の役員のやり方によりましていろいろ特色もあるわけでございますが、必然的に拘束預金比率の高いところは大体そういういわば癖のようなものがある、その辺を個別にあとづけをいたしまして、そのつど注意をしてまいるという方法が一番現在においてはいい方法ではなかろうかというふうに感じておるわけでございます。
#31
○成瀬幡治君 一七%前後なりあるいは一六%前後という一つの数字が出てきたと。そして、今後もそれを努力すればあるいは一五%ぐらいになるかもしれない。預貸率の比率からいって大体一五%ぐらい。一〇〇%あれば八五ぐらい貸していくと。ですから、私も、その辺のところだと思いますが、預金と借り出しを受ける場合の中小企業のかけ込みでいきますと、全く因果関係というものがあるわけですね。あるからこそかけ込みをすると思うんですよ。ところが、それが拘束なんだと。だから、それは全然いかぬよということになると、今度は――実は、拘束預金は原則としては私どもは認めたくないわけですね。ところが、それはいかぬよと、こういうことになってくると、非常にむずかしい。あなたがおっしゃるように非常に心理的なものじゃないかと。しかし、片方では、預貸率というものに対する比率というようなものがあるんだから、それが十何%ぐらいが適切だということになれば、そこら辺のところは、ひとつ、運用と申しますか、検査に行ったときにいろいろと十分留意してやるんだというふうにいま受け取ったわけでございますが、それなら私はそれで非常にいいじゃないかと思っております。原則論では私たちも拘束預金というものは認めていない。しかし、そういうような全部が拘束預金はけしからぬよということになると、またそのことがかえって中小企業というものをいじめる結果にもなる。痛しかゆしいうところがございますから、非常に運用の面に御留意が願えないものであろうか、また、今後もそういうふうにやっていただきたいものと思います。
 それから次に、店舗の問題でございますが、金融が不健全になるということは、私は、一つは、あぶないところに貸したということもあるかもしれませんけれども、それよりも、過当競争というものが非常にこわいと思っております。しかも、鈴木委員が指摘したように、新興都市というところへは集中してくると思うんですね、店舗が。そういうようなことに対する何かの基準と申しましょうか、まあそれはあることはあるわけですね。いま大蔵省にありますが、それがもう少し第三者的なものを入れて、文字どおり公正と言っちゃおかしいかもしれませんけれども、全く第三者の機関を入れて、そこで審議されて新しく店舗というものが認められていくというような、そういう方途というものは考えられないものでしょうか。
#32
○政府委員(近藤道生君) ただいま御指摘のように、店舗行政について何らか客観的な基準をつくりたいということは、実は、銀行局といたしましても戦後ほとんど一貫しての念願であっような感じがいたします。そこで、当事者がかわりますたびにいろいろとより客観的な基準というものを考え、また、時世にマッチした方式というものを考えてやってみたわけでございますが、どうも、振り返ってみますと、むしろそういうことで当局者がかわりますたびにいろいろと方針が変わるということに最近一審大きな弊害があったのではなかろうかということがここ数年来の反省でございまして、そこで、一昨年の十二月に、店舗行政につきまして多年度通達と申しますか、今後数年間はこの方針で変えないという基準を打ち出したわけでございます。
 その骨子といたしますところは、一つは、全体として金融機関の店舗はすでに多過ぎるという前提に立ちまして、その前提の上に立って、新設、純増、これは原則として特殊の場合でなければ認めないと。それから認めるとしても、各行一店舗しか認めない。それからもう一つは、配置転換、つまり、現在ございます店を廃止いたしまして、その身がわりを設けるという場合には、これはある程度従来に比べて自由化するという方針を打ち立てたわけでございます。
 そこで、とにかくこれを当分は変えずにやるんだというところにいままでと違う点がございまして、それによって、いわばかけ込み増設的なものを排除する、始終店舗行政の基本方針が変わることにつきましての弊害を除去するというようなことを考えて、四十四年の十二月の十五日に「当面の金融機関の店舗行政について」といういわゆる多年度通達が出されました。現在それに基づいてやっておるわけでございますが、ただ、先ほども御指摘のように、何ぶんにも店舗行政における客観的に普遍妥当性を持った基準というものは非常にむずかしい点がございます。とりあえずは変えないというところで、ただいまやっておるわけでございますが、なおいろいろお教えがあれば承りまして考えてはまいりたいというふうに考えております。
#33
○成瀬幡治君 意見があったらというお話でございますが、私も、これは非常にむずかしいもので、これだけ都市が発展をする、過密になるところと過疎になるところと極端なところがあって、さてどうだということになると、なかなかこのくらいが適正であろう、しかも、この銀行がいいんだという断定というものは非常にむずかしいものだと思っております。しかし、そこには地方の特色というようなものが生かされますから、都銀というよりもむしろ地銀のいろいろな特色が発揮されるようなふうになれば非常に好ましいと思いますから、そこで、たとえば、ある地域に、県単位がいいものなのか、あるいはもう少しブロックぐらいの単位がいいものかどうかよくわかりませんが、そこらあたりに何らかの委員会式なものができて、もちろん、これは、都銀の人も入れば、地銀の人も入る、あるいは相銀の人たちも入って、あるいは地域の代表者等も入れて、何かそこでおやりになれば非常にいいじゃないかと思っているんですが、これは全くのしろうとの意見でございまして、今後ひとつそういうような面について御検討が願えれば非常に幸いじゃないかと思っております。
 それから次にお聞きしたい点は、公定歩合というものが引き下がってきたわけですが、元来ならば、これが貸し出し金利にいつはね返るかは非常に問題だと思いますが、これほど資金繰りがえらい、金融がタイトであるといえば、なかなか効果が出てこなくて、下がっただけはだれがもうけたんだ、一体どうなっておるんやということも実は言いたくなるわけですが、しかし、タイトであれば、一つは採算の問題もございましょう。あるいは、これは、貸し出し件数によっては、調査とかいろいろなこともありますから、そう下がったくらいですぐ下がっただけが算術計算で銀行の益になるとも私は申し上げかねますけれども、また、実際そうだろうと思いますが、そこで、もう一度公定歩合の引き下げなどということがもう私は議題にのぼっておると思います。ある時期が早急に来るんじゃないかと思っておりますが、これは全く予測ですよ。それは背景やいろいろなものがありますから、いやそんなことはないとおっしゃればそうかもしれませんが、せめて近々のうちにもし公定歩合の引き下げがあるとするなら、やはり貸し出し金利にそれが影響するような、そういうような行政指導をおやりになるおつもりはございませんか。
#34
○政府委員(近藤道生君) 確かに、ただいま仰せのとおり、今回の公定歩合の引き下げ後におきまする市中金利の下げ方というものは、きわめて遅々としたものであったわけでございます。ただいままでに判明いたしております数字では、全国銀行の場合におきまして、一月現在で〇・〇〇六対十二月で下がったということでございます。また、都銀の場合におきましては、これは速報値でございますが、一月現在で〇・〇一四。大体、比較をいたしてみまして、全国銀行の場合には、引き下げの月の十月に〇・〇〇七上がっておりますので、どうやらその上がった部分がもとへ戻ったというだけにすぎません。都銀の場合にはある程度下がっておりまして、引き下げの月に〇・〇〇六上がりましたものを、その後三カ月間で、〇・〇〇三、〇・〇〇八、〇・〇一四と、引き続き下げてまいってはおります。ただ、現在、いろいろこの点は実は非常に私どもも気にしております点でございまして、聞き取り調査をいろいろやっております感じでは、ただいますぐということではございませんが、ある程度うしろ向き資金需要が引きゆるむ気配が見えてまいっております。したがいまして、今後非常に早い時期に、金利のほうもかなり急速な下げ方を始めるのではなかろうか。したがいまして、毎回、公定歩合の引き下げ後におきましての市中金利の下げ方の下げ足というものはいろいろなカーブを描いておりますが、今回は、現在までのところは、まだあまり下がっておりませんが、今後はかなり急速に下がるのではあるまいか。これはまあ予想を申し上げましてたいへん恐縮でございますが、そういう感じを抱いております。
#35
○成瀬幡治君 私も、世上言われておることは、四月ごろから金融は若干ゆるんでくるのじゃないだろうかと。それはまあいろんな理由があると思いますが、そういう中でなお公定歩合の問題も議論をせざるを得なくなってくる。これは、ドルの問題とか、いろんな問題からあって、やらざるを得なくなるのじゃないだろうか。そうなってくれば、文字どおり、公定歩合の引き下がったものが貸し出し金利に目に見えてせざるを得なくなる、銀行自体がそういうふうにせざるを得なくなるだろうという、そういうことと、それからそれに対して日銀なり大蔵省がどうするかという問題と、二つあると思いますが、自動的にもそうなるような客観的事情にあるということも了承をある程度しておるわけでございますが、そういうふうな点については、抜かりなく行政指導がお願いしたいものだと思っております。
#36
○鈴木一弘君 関連して。先ほどの御答弁を聞いていまして、新規の店舗は認めないと。しかし、一つを廃止して一つをつくるということについてはこれはフリーであると。これはわかるんですけれども、先ほどの地銀の伊原さんのお話ですと、そういうことをあまり進めて過疎をさらに推進するようなことはいたしたくないと、こういう基本方針でいっておりますという話なんです。しかし、現実は、地方のいわゆる経済の中心圏というものがだんだん広がってきております。スーパーマーケットからデパートの進出ということから、資金がそこへ集まるということで、どうしても銀行の支店がそこへ集中をしてきていることは、これは御存じのとおりだと思うんです。これは、大蔵省自身にあるのではないか。信用保証協会のいわゆる危険負担の問題についても、通産側等に聞くと、どうしても、危険負担をしてもやってほしいという強い意向があってできたというようなことでありますが、現実は大蔵省の指導がきびしいということから、いわゆる経営内容といいましょうか、業務内容といいましょうか、そういう実績というものがよくなければならないということで、危険負担はやっていないというのが多いわけです。非常に率が少ないわけです。都心街の信用保証協会というものの性格が失われてきている。同じようなことが店舗行政にも出ているのじゃないか。本来ならば、店舗行政を進める場合も、やはり一つ一つの銀行の内容というものを改善しろということになれば、過疎地域にある支店というものをやめて、新興都市であるとか過密のところへ持ってくるというのは当然のことだろうと思う。
 そういう二つの問題がからみ合っていると思うんです。ですから、そうすると、これは大蔵省の指導で一生懸命国のほうで一方では過疎対策やっておりながら、一方では過疎を進めているということになるわけです。そういう矛盾が私はものすごく感じられるわけなんです。そういうことのないように、これは持っていかなければならないと思うのですけれども、その点はどういうふうに思っていらっしゃいますか。
#37
○政府委員(近藤道生君) 確かに、ただいまのお話しのように、二つの矛盾する側面があろうかと存じます。一方におきましては、金融機関の公共性ということで、それぞれの地域金融機関、その地域の金融に遺憾なきを期するという面が当然強く要請されるわけでございますが、一方におきまして、金融機関の体質強化、効率化という線からまいりますれば、できるだけ非効率店舗は廃止して金融機関自身の体質の強化をはかってまいらなければならない。その矛盾する要請をどこで調和させるかということは、まさに一つ一つのケースに即しまして検討していかなければならない点でございますが、その点を、先ほど申し上げました四十四年十二月十五日の通達におきましては、こういう表現で書いております。まず、「地域的な店舗配置の適正化を一層促進し、金融機関の経営効率を向上させるため配置転換を認める。」と。そして「この場合には次のように取扱う。」といたしまして、「廃止店舗は、地元住民等が廃止により著しく不便を蒙るおそれがない地域のものであって、かつ、その廃止が支障なく行なわれることが確実な場合に限る。」ということを言っております。それから「新設店舗の位置は、金融機関の店舗配置の現状から総合的に判断して、過密にならず過当競争を惹起するおそれもないと認められる場所に限る。」と、こういう簡単な文言で決して先ほど来御指摘のような矛盾を解決できるわけではございませんが、この趣旨に沿いまして、ケース・バイ・ケースに、地元の金融に支障を生ずるような場合、地元に問題のあるような場合には、一切認めないという方針でやっておるわけでございます。
#38
○成瀬幡治君 信用組合の監督強化ということについて、これは前にもちょっとだれかのいろいろと質疑があったと思うんですが、どういうようなことを考えておみえになりますか。
#39
○政府委員(近藤道生君) ただいまの段階では、各都道府県との協議をこれから進めてまいらなければなりませんので、具体的内容にまでまだ入ってきておりませんので恐縮でございますが、とりあえずやろうと考えておりますことは、まず、金融行政の総合的な一貫性を確保いたしますために、都道府県に大蔵省と密接な連絡をとっていただくようにする。具体的には、現在のところでは、信用組合の設立の認可、それから地域拡張に伴なう定款変更の認可、支店の設置に関する定款変更の認可、職域または業域組合から地域組合に転換する場合の定款変更の認可というようなことについて、あらかじめ大蔵省に協議するということになっておりますが、協議事項を必要に応じましてはさらに増加するというようなこと、あるいは、本年の一月二十七日に信用組合の経営の健全化につきまして大蔵省銀行局長名で通達をいたしておりますが、そこに、法令等の順守、内部管理体制の強化、役員の専業体制の確立と経営責任の明確化、検査の励行と充実ということをうたっております。この検査につきまして、都道府県の検査官に対する講習指導を行なうというようなこと、あるいは、場合によりましては、直接さらに大蔵省の手による検査というようなことにつきましても検討をいたしてみたいというふうに考えておるわけでございます。
#40
○成瀬幡治君 ぼくは全く消費者物価のほうから発想を持っておりまして、今後、地域における生活協同組合等、そういうものを発展をさせていくということが日本の流通機構関係における刺激になり、あるいは消費者物価というものを引き下げる一つの大きな役割りになるんじゃないか。そういうときにこの信用組合がどういう役割りを果たしていくかというようなことも少し考えているわけです。片方じゃ預金を預かるわけですから、非常に厳重にやっていただかなければいかんぞと言う。片方じゃ、そういうようなことをあんまりきびしいことを言ってもらうと、これまた、だめになってしまう。その辺の関連で考えれば、銀行局としては当然預金者保護の立場から相当な条件等をつけておやりにならなくちゃならぬと思いますが、運用面にあたってはいま申しましたような点も十分考慮していただきたい。また、具体的にいろいろな問題が出れば、またその節御意見を申し上げていきたいと思います。
 それから次にお尋ねしておきたい点は、農協なり漁連の問題でございますが、なるほど購買、販売等の別途事業をやっておりますが、この事業を農協の中で分離させるというようなことは絶対できないものかどうか。何か農協なり漁連関係は相互扶助の保険システムに類似したようなことを現にやっておみえになるように承っております。承っておりますが、何か銀行に類似される業務というものを切り離すようなことは全く考えられないものかどうか。
#41
○政府委員(近藤道生君) ただいまのお話のうちで、農協は自主的な預金保障制度類似のものを持っておりますが、漁協のほうは現在はそれがございません。そこで、お示しのような、その他事業を切り離して信用事業一本に徹するような改組が行なえないかどうかという問題でございます。これは、非常にに大きな研究問題でございます。いずれどちらの場合にもそれぞれ一長一短、利害得失があろうかと存じますが、現在までに私どもが農林省を通じていろいろ御意見を承っております段階では、農協、漁協ともに、その他事業を切り離される御意向はないというふうに承っておりますが、将来の研究問題といたしましては、私どももともどもに考えてまいりたい。その結論がどういうことになりますか、いまのところでは、あるいは切り離すということは非常にむずかしい問題ではなかろうかというふうな感じがいたします。特に採算上の問題からまいりますと、現在信用部門の黒字をもってその他事業部門の赤字を補っておるという形になっておりますので、これを切り離すことがその他事業に与える影響はかなり強いという点がございますので、なかなかむずかしい問題ではなかろうかというふうに考えております。
#42
○成瀬幡治君 相互扶助のある農協、これはまあ実は大きなもので、何か新聞を見ますと、今度全購連と全販連の二つが一緒になるというようなことが出ておれば、おっしゃる信用部門のほうが別途出てきはしないかと思いましたのでお尋ねしたわけですが、それが非常にむずかしいということになり、あるいは、それなら、相互扶助を現にしておる農協に対して、まあ今度預金保険法では国から出資するということですが、農協なりあるいは漁連にも、そういうようなことで、同じ国から、そういう何かおつくりになるなら、出資だけして、ひとつお考えいただけますかというような形に大体なりそうなんですか。
#43
○政府委員(近藤道生君) 金融制度調査会の総会におきましても、先ほど御答弁申し上げましたように、片柳委員から特にその点につきましての御発言がございまして、現在の自発的な自主的な預金保険制度、これはやはり今回の預金保険機構とは切り離したものとして今後育成をはかっていくようにしてほしいということと、その際に、今回の預金保険機構と広い意味でバランスのとれるような形での育成方法が何かないかというような趣旨の御質問がございまして、その点につきましては、私どものほうも、できるだけ前向きで検討いたしたいということを申し上げましたわけでございます。預金保障の必要性は漁業協同組合の場合におきましても全く同様でございますので、農業協同組合、漁業協同組合を通じまして自主的な預金保障の制度の育成につきましては、今後農林省とも協議をいたしながらできるだけ前向きに検討いたしてまいりたいと考えておるわけでございます。
#44
○成瀬幡治君 貸付信託のことで一言お尋ねしておきたいと思います。
 都市銀行にしろ、あるいは地方銀行にしろ、銀行の中に不動産部というものを設けておったり、あるいは別会社でと申しますか、子会社で持っておるわけです。令度の貸付信託法の改正で、貸付信託のほうも、子会社といいますか別会社というものを相当強力なものを設けて、そこから資金をこちらへ流してしまって、そちらのほうが大きくなるというような、そういう心配は全く杞憂なものでしょうか。
#45
○政府委員(近藤道生君) 現在、不動産会社で銀行の子会社になっておりますもの、つまり、一〇〇%銀行が株式を保有いたしておりますものは、その子会社が全部当該銀行の不動産関係業務をやる場合だけということに限っております。もし一般的な顧客を相手にいたしまして事業をいたします場合には、これは独禁法上の制限でございます一〇%までしかその株式を保有できないということになっておりまして、全く別会社というたてまえで行なわせております。その点からまいりまして、今回貸付信託制度が改正になりましても、ただいま仰せのございましたような形での、特にそこにばかり貸付信託の金が回るというようなことはまずあまり予想はされないわけでございますが、ただ、現実に何かそういうような問題が出てまいりましたような際には、私どもといたしましても、検査等を通じて当然警戒をすると申しますか、注意をしなければならないというふうに考えております。
#46
○成瀬幡治君 私は、これで、また質問を申し上げることがあれば後刻に譲りたいと思っておりますが、藤田政務次官に特にお願いしておきたいと思うのですが、何か米軍の払い下げ施設が練馬地区にあって、そして私のところへも実は要望書が出ております。何か練馬区でこれを自由に――自由にということはないが、まあ自分の区へ払い下げてくれぬかというような要望書が実は過般送られてまいりました。せっかくああいういい――あれは何と言うのですか、何とか言ったな、米軍の……。
#47
○政府委員(藤田正明君) グラントハイツですか。
#48
○成瀬幡治君 そうそう、グラントハイツ。確かにグラントハイツというのは国有財産ですね。それがかりに東京都へ払い下げられてしまったとか、ましてや練馬区へ払い下げられてしまったというようなことになりますとですね、まあロスの地震がありましたね。東京もそのうちにはあるじゃないかと。まあ都市再開発というようなことが言われておるときに、何かクッション・ハウスにしたらいいとかなんとかいうような問題もある。いろいろなことがあると思いますが、私は、そういうような点について、この前も――まあこういう大蔵委員会で議論するには、そういうのは別途議案を出して何かのときにやらざるを得ないと思いますが、一体、大蔵省は、その跡地をどういうふうに活用するんだというようなことで議論されておるかどうか、あるいは、全然まだ議論されていなくておるのか、どうなっておるのか、一度ひとつ何らかの機会で御調査の上、機会をつかまえて御答弁をいただくと非常にいいのじゃないかと思うのです。
 私の個人的な意見を申し上げますと、都市再開発で、たとえばクッション・ハウスにして、ある地域の人はあそこへ入ってそうして帰って行くとかなんとかという、そういう全く都市再開発をやる上にあれをどういうふうにして活用していくのか。全部とは申しません。れるいは全部がいいかもしれませんが、あるいはその一部なら一部がそういうようなふうに使われるようなことが非常に好ましいことじゃないか。いままでの国有財産というものが、とかく、まあそう言ってはたいへん失礼でございますが、イージーに、先願権がおれにあるからおれだとかどうだというような、そういう単に各個人の企業の優先権の問題であるとか、自分がやってほしいというような、そういうことだけで国有財産というものが処分されるのではなくて、もう少し公共性という高い次元に立って国有財産というものが処分されていかないものであろうか。何も私は国が全部財産を持っていればいいということを言うのじゃなくして、もし処分するとするならそういう高い立場に立ったことからも考えて活用がしていただけないものか。そういう意味で、意見として申し上げておきます。どうぞ、ひとつお願いしておきます。
#49
○政府委員(藤田正明君) ただいまの成瀬委員の御質問につきましては、後刻調査して御報告は申し上げますが、たしか、練馬区は、グラントハイツではなかったかと思います。米軍の施設といううちに住宅だったように思いますけれども、これに関しましては、聞いております範囲では、東京都なり練馬区なりが盛んに公園にするとか住宅にするとかというようなことで払い下げの陳情が来ておるようでありますが、それらに関しましていろいろと協議なり計画は練っておるようでございますが、詳しいことはわかりません。ただいまの御要望のクッションビル、都市再開発のために長く使えるように公共性のある使い方、あるいは一時的に払い下げて固定化してしまうようなことではつまらぬぞと、もう少し公共的に長く使えるようにと、こういう意味でございますね、クッションビルという意味は。
#50
○成瀬幡治君 はい。
#51
○政府委員(藤田正明君) 都市再開発である地区を開発するのに、その地区の人が一時的にそっちへ移って、その開発された地区が完成するならばそれがまた帰ってくると、何回も使用すると、そういう意味であろうかと思います。
#52
○成瀬幡治君 はい。
#53
○政府委員(藤田正明君) 御意見をよく伝えまして、後日御報告を申し上げたいと思います。
#54
○委員長(柴田栄君) 両案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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