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1970/03/09 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 大蔵委員会 第11号
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1970/03/09 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 大蔵委員会 第11号

#1
第065回国会 大蔵委員会 第11号
昭和四十六年三月九日(火曜日)
   午前十時二十四分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月九日
    辞任         補欠選任
     伊藤 五郎君     永野 鎮雄君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柴田  栄君
    理 事
                玉置 猛夫君
                成瀬 幡治君
                多田 省吾君
    委 員
                青木 一男君
                青柳 秀夫君
                岩動 道行君
                栗原 祐幸君
                小林  章君
                津島 文治君
                永野 鎮雄君
                丸茂 重貞君
                松井  誠君
                鈴木 一弘君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵省国際金融
       局長       稲村 光一君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       経済企画庁調整
       局参事官     川口 嘉一君
       外務省経済協力
       局外務参事官   鹿取 泰衛君
       大蔵大臣官房審
       議官       大倉 真隆君
       通商産業省貿易
       振興局経済協力
       部長       山口 衛一君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律
 の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送
 付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。
 本日、伊藤五郎君が委員を辞任され、その補欠として永野鎮雄君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柴田栄君) 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題といたします。
 前回に引き続き、質疑を行ないます。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#4
○成瀬幡治君 概算というわけじゃなくて、「昭和四十六年度予算の説明」という大蔵省主計局から出したもの、これで数字を見ますと、「貿易振興及び経済協力費」として、四十六年度、四十五年度、比較増と、こういうふうに出ておるわけでございますが、そこでお尋ねしたいのは、一体、経済協力費と称して、有償、無償の内訳と、その総額ですね、どのぐらいになるのか、お答えが願いたいと思います。
#5
○政府委員(稲村光一君) 経済協力費といたしまして新年度の予算案に計上いたしておりますのは、一般会計の経済協力費、総額で八百九十億ばかりでございます。これは四十五年度の八百十八億五千百万円に対しまして約八%――八・七%ぐらいの増になっております。
#6
○成瀬幡治君 その八百九十億のうち、有償、無償としますと、どのぐらいになります。
#7
○政府委員(稲村光一君) ただいまの御質問でございますが、費目その他で有償、無償と分類したあれがございませんので、さっそくいま調べまして御答弁申し上げたいと思います。
#8
○成瀬幡治君 私たちも、いろいろと政府のお出しになっておる資料を見ましても、おっしゃるように、有償、無償というのがどのぐらいになるのか、ただ単に外務省が無償で他は有償だというふうな結論を出していいものかどうか、ちょっと疑問がありますので、よくわかりません。それで、数字というようなものをお尋ねしたいと思ったわけです。
 それからもう一つは、別な予算の説明の資料等から拾い出しましても、目ぐらいのものになってまいりますと、片方はあげてあり、片方ははずしてあり、あるいはその他の中に入っちまっておるのかどうかという点でどうもわかりにくいわけですが、こういうようなことについて、少なくとも主計局が出される「予算の説明」というのと、それからもう一つ、厚い予算の説明がありますね、それが、こちらの薄いほうが集約しておるほうだ、別途の厚いほうがこまかいのだということの大づかみな整理のしかたかもしれませんけれども、そうかと思ったら、そうでもないわけですね。こっちには目があがっておって、こっちの厚いほうの資料を見るとあがっていない。だから、何か大蔵省として、これはなるほど局なりそういうふうなところの整理が違うかもしれませんけれども、大蔵省として何か一つの一定の基準があって整理をされたほうが私たちは非常に好都合だと実は思うのです。まあ今後のこういう資料と申しましょうか、そういうものに何か少し配慮をされることが必要じゃなかろうかということを御注文を申し上げておきますから、別途来年度ぐらいに何かそういうふうな措置がとられるなら非常に幸いじゃないかと思っております。
 「予算の説明」の内容で申し上げますと、三八ページの資料なりあるいは三七ページに関連して大蔵省にまずお尋ねをしておきたいと思いますが、「貿易振興及び経済協力費」の中で(1)、(2)、(3)、(4)、(5)、(6)、(7)、(8)、(9)まであげてありますが、このうち、いわゆる経済協力費に関係するものはどれなんですか。
#9
○政府委員(稲村光一君) ただいまの「貿易振興及び経済協力費」の説明にございます項目の中で、経済協力費に関係いたしますのは(4)、(5)、(6)、(8)、(9)であろうと思います。(1)、(2)、(3)と(7)は経済協力とは直接関係がないと思います。
#10
○成瀬幡治君 そうすると、経済協力のほうは私らも各省に分かれておることはわかりますが、貿易振興の(1)、(2)、(3)、(7)の項目の省はどこになりますか。
#11
○政府委員(稲村光一君) ただいまの問題でございますが、(1)と(2)は通産省、(3)の輸入制限運動の問題が通産省と外務省、それから(7)は国際観光事業でございまして運輸省であると存じます。――ただいまのは、このところで検討いたしました点でございますが、主計局のほうから徳田主計官をいま呼んでおりますので、間違っておりましたら訂正を申し上げます。
#12
○成瀬幡治君 総額でいえば一千億になんなんとする予算である。あるいは有償、無償等であれば八百九十億だ。相当なお金なんですが、これがどういうふうになっていくものやら系統を追うて――私たちが簡単に言えば、外務省関係でいうなら、あるいは内閣が外務省を通して折衝して、そこでいろんな約束をしてそして金が出るという話になるでしょう。あるいは通産関係なり、いろんなところとの関係でお金が出ていくんですが、こういうようなことについて、どこかがフォローアップと申しますか、それがどういうふうにいいぐあいに行っているか、そしてそういうことがその国の発展にどのくらい寄与しておるとか効果がああったかとか、何かフォローアップしてそれをまとめておるようなところは、大蔵省であるのかないのか、全くそういうことは大蔵省はしてはいないものか、その辺はどういうふうになっておるのですか。
#13
○説明員(鹿取泰衛君) 先生御存じのように、パリにOECDというところがございまして、そこの開発援助委員会、略語で言いますDAC事務局、そこに先進国が毎年やっております援助を集計して報告することになっております。その仕事を外務省が引き受けておりまして、各省関係が行ないました援助の実績を毎年DACに報告しているわけでございます。最近の報告は、最も――実は、この報告は一年おくれでございます。と申しますのは、わが方の予算は四−三月でございますけれども、DACのほうの統計は一−十二月でございますので、最も新しいDACに対する報告は、一九六九年の一月から十二月までのあらゆる援助、これは、二国間の贈与から、あるいは政府の貸し付け、借款とか、その他の貸し付け、あるいは国際機関へ対する贈与とか出資とか、その他すべての援助を公的、私的をあわせまして報告しております。その報告の事務は外務省がやっております。
#14
○成瀬幡治君 いや、私は、世銀関係の問題や、おっしゃるようなDACなりあるいはアジアの低開発国に対する経済援助なりあるいは協力、そういうことはわかるわけですが、そうではなくて、これを国の予算としてとらえて、国の予算として、たとえばGNPの一%をやるとかというようないろんなことがございますですね。かつて外務大臣の答弁されたことやいろんなことがあったことを記憶しておりますが、そういうようなものを総トータルをまとめて、各省別の中でいろんなことをやるのではなくて、これを国として一括してやられるというものは、これは予算技術として金をどこへ出すとかどうだとかいうふうなそういうやり方もあると思いますが、もう一つ、それを見直していくというようなところはどこがやっているのか。ただ大蔵省の一担当でやってみえるのかどうか、あるいは、各省と寄り集まって関係の大蔵なりあるいは外務なり通産なり農林とかそういう関係省の方たちが寄り集まっていろいろと討議をされていることがあるのかないのか、そういうようなことがお聞きしたいのです。
#15
○政府委員(稲村光一君) ただいまの御質問の点でございますが、GNPの一%の援助に達する目標で努力するという点に関しまして、その中身は、約三分の一が政府開発援助、三分の一が民間援助、それからもう一つの三分の一が政府の資金を使ったいわば民間援助と申しますか、大ざっぱに申しましてそんなようになっているかと思います、最近までの実績で申し上げますと。一九六九年の日本の援助、これをDACベースで申しますと、十二億六千三百万ドルくらいでございまして、GNPの〇・七六%に達しているわけでございますけれども、この内容を大ざっぱに申し上げますと、いまのように政府開発援助という部分と、それから民間資金による部分と、それからもう一つは民間資金に政府資金が若干出ましてやっているという仕組みに大体分けられるかと思いますが、そのうちで純粋の民間資金の部分は、これは政府の予算なり財投とはあまり関係が実はございませんから、GNPの一%と申しますときには、予算とは関係のない部分もあるわけでございますが、いまの政府と民間と両方の資金による部分というのを分けますと、政府資金の関係する部分が三分の二ぐらいというふうに最近のところはお考えになってよろしいかと思われます。政府資金と申しますのは、直接予算で出る部分と、それから輸銀、基金を通じて出ます分と、いろいろございまして、そういうものを総体として執行をどこでチェックしているかと申しますと、これはそれぞれの機関がございますので、直接の予算支出でございますれば、それぞれの各省各庁がやっておりますし、それから輸銀、基金につきましては、それぞれの輸銀、基金、それからそれに対する監督官庁――輸銀であれば大蔵省、基金であれば企画庁というふうになるかと思いますが、そういうふうに執行機関によりまして予算のチェックと申しますか、これも非常に多岐にわたっておるということが言えます。
 ただ、これを全体といたしましてDACに対する報告で民間資金も入れましたGNPの一%という目標に合う計数につきましては、これは大蔵省が各省その他と連絡をとりつつ作成をいたしておるわけでございます。それで、毎年、これがいまのところまだ六九年しか固まっておりませんが、これをDACに提出する、こういうことになっております。
#16
○成瀬幡治君 どうも、私はせっかくの善意に基づいてお互い国民の税金が使われることでございますから、日本に余裕があるなら、たくさん後進国家にあげることはいいことだと思います。しかし、あまりむちゃくちゃに使われてしまって、それが、効果と申しましょうか、そういうものがないのもいかがなものかと思っております。あるいは、名前は海外に対して援助するということになっておるのだが、実は国内でこれをうまく利用と言っちゃたいへん語弊があるかもしれませんですけれども、食い物にされておっては、ことばは悪うございますけれども、たいへんなことじゃないかと実は思っております。そういうことについて疑いを持つというわけではございませんけれども、こういうところに積算内容であげてある積算内訳と申しますか、そういうものでやっていったときに、何か説明が少しあればいいがと思うようなものがございますので、これは全く全部調べたわけではございませんけれども、額が大きくて、どんなふうになってやられているかということで外務省のほうに伺っておきたいと思います、個別の問題で。
 日本青年海外協力隊派遣業務委託費というのが計上してございますが、どんなお方が中心になってやっておられるのか、どんなふうに使われているのか、概略御説明願えないでしょうか。
#17
○説明員(鹿取泰衛君) 日本青年海外協力隊の派遣費、来年度の政府原案で申しますと、十五億三千八百万円でございます。
 その内訳は、その青年協力隊を派遣いたします費用が十億一千万円、それでいろいろの地域に派遣するわけでございますけれども、派遣地域は、アジア、中近東、アフリカ、中南米に分かれておりまして、すでに行っているもの、それからこれから出すもの、あるいは帰国に要する費用、こういうものが全部派遣費になるわけでございまして、それが十億一千万円でございます。
 それから機材供与と申しますが、青年隊が持っていきます携行機材、これは日本青年協力隊の特徴はアメリカなどのピースコアなどと多少違いまして、それぞれ技術を持って、その技術を相手に教えるということをやっておりますが、その技術を教えるための必要な機材を持っていくわけでございます。その費用が一千三百万円でございます。
 それから協力隊の事務局の費用、東京にございます事務局の費用が二億三百万円でございます。
 それから協力隊は、海外に駐在員を派遣しております。これは従来、前年度で申しますと、九カ国、フィリピン、ラオス、マレーシア、モロッコ、タンザニア、インド、ケニヤ、ザンビア、カンボジア、――カンボジアは引き揚げ中かと思います。その九名でございますけれども、これに今年度国会に御審議をいただいておる予算でもって二名追加いたします。いまのところの予定はパキスタンとネパールでございますが、合計十一カ国、十一名になるわけでございますが、それに要する費用が九千六百万円でございます。
 その他いろいろ合わせまして、先ほど申しました費用になっておるわけでございます。
#18
○成瀬幡治君 これは、外務省でやっておりますか、それとも、どこか別途外郭団体でやっているわけですか。
#19
○説明員(鹿取泰衛君) 政府の特殊法人と申しますか、公共事業体と申しますか、海外技術協力事業団、これを英語でOTCAと呼んでおりますが、海外技術協力事業団の中の一部局といたしまして青年協力隊事務局がございまして、そこでやっております。
#20
○成瀬幡治君 これは、場所はどこにありますか。
#21
○説明員(鹿取泰衛君) 場所は、麻布広尾と申しますか、いま正確な所番地は覚えておりませんけれども、麻布広尾のそばでございます。
#22
○成瀬幡治君 そこの理事長というのですか、責任者のお方の、あるいは役員の方の、簡単な略歴等を、後刻資料として御提出をお願いしたい。
 次に、そういう点でもうちょっとお尋ねしておきたい点は、海外技術協力事業団への交付金が約十二億計上してございますが、これは交付金でございますから、どういうような先が受けられるのか、これも私はいまここでどうこうという御答弁をいただかなくてもいいから、資料としてどういう先へどんなふうにお出しになっておるかというふうなものを後刻お出し願えればけっこうだと思います。
 それから次に、これは御答弁がいただきたいと思いますが、経済開発特別援助費として韓国の工業高等学校設立等に予算がついておるわけでございますが、これは無償ということだろうと思うのですが、どういうかっこうでこんな問題が出てきて入ってきたのですか、そのいきさつがちょっとわれわれとしてはなじまないような問題で、どういうことなんでしょう。
#23
○説明員(鹿取泰衛君) 韓国の工業高等学校の予算につきましては、今年度予算一億三千万円という予算を政府原案として要求しているわけでございますが、この種のものといたしましては、たとえば韓国で申しますと、アメリカとか西ドイツとかイギリス、それにたしかフランスもそうだったと思いますけれども、こういうような後進国の工業技術を養成する、そしてそのための施設なりあるいは機材なりあるいは教師陣を派遣しておるところがほかにございますわけでございまして、そういう関係もあって、韓国といたしましては、一番身近な日本、それに技術的にも水準の進んでいる日本に対しても強い要求がありまして、これにこたえるために予算をお願いしているわけでございます。
#24
○成瀬幡治君 これは、そうすると、設立されたものは、日本が校舎建築を、敷地その他全部やるということになりますか、一部を負担していることになりましょうか。
#25
○説明員(鹿取泰衛君) 一部でございまして、敷地は当然先方でございますし、おそらく建物も先方が負担する。ただ、工業技術を教えるに際しまして、やはり最新の技術機械というようなものは、これは日本から提供してもらいたいということでございまして、細目は、まだ予算もきまっておりませんので、先方と話をしておりませんけれども、構想といたしましては、そういう土地に固定した施設というものは先方が提供する。これに対して、日本から持って行ったほうが非常に効果もあり、また、日本の技術を先方に教えるのに役立つような機材は、日本から提供する。場合によっては、したがって、それに伴って日本の教師陣と申しますか、それも派遣することも考えたいと思っております。
#26
○成瀬幡治君 そうすると、これは韓国高等学校という仮称ではなくて、高等学校が各所に三つとか四つとか五つあると、そういう多数の学校の中の機械等を中心とした設備に大体使われるものと、こういうふうに了解していいわけですか。
#27
○説明員(鹿取泰衛君) われわれといたしましても、分散いたしますと効果がありませんので、一カ所に集中して援助を行なう予定でございます。この種のものは、予算項目といたしましては高等工業学校ということで非常に新規なもののような御印象を受けられると思いますけれども、従来、こういう種の援助は、技術協力のワク内で、技術協力センターあるいは商工業センターというようなことでやっておりまして、特にシンガポールにおきます外業技術センター、それから台湾にあります工業技術センターというようなものも――台湾の場合は二カ所でございますけれども、一カ所に集中してセンターをつくって、そこに日本の技術にふさわしい機械とそれからその機械を使って教える専門家とを派遣するというそういう構想でございますけれども、われわれも大体そういうことでこの案を実施したいと思っております。
#28
○成瀬幡治君 アジア工科大学院校舎建設拠出金というのがございますが、これも大体いま言われている趣旨であると想像されるわけですが、これは一体どこに学校が設置されるのですか。
#29
○説明員(鹿取泰衛君) タイのバンコクでございまして、これは既設の学校がございます。その学校は、いろいろな各国の財団及び各国政府からの寄付でできておるわけでございます。学校はタイ国にあるわけでございますけれども、その周辺の東南アジア諸国の工業技術を習いたい研修生なり学生を受け入れておるわけでありまして、わが国に対しても要請がございましたので、これも大きな計画の一部になるかと思うわけでございますけれども、われわれの考えでは、向こうの要請もそうでありますけれども、その大学のメインポールの建設を援助したいということで、さしあたり実施設計を受け持とうという計画でございます。
#30
○成瀬幡治君 これは通産省関係にちょっとお伺いします。海外経済協力事業委託費というところで、なにか商工会議所に委託費なんか出しておみえになっておるのですが、全国の商工会議所になさるものなのか、特定なことになさっておるのか、あるいは一律にパー式に平均的にお分けになっておるのか、概略ちょっと御説明が願いたい。
#31
○説明員(山口衛一君) ただいまの御質問にお答えいたします。
 商工会議所に出しております委託費は、投資斡旋事業に関します委託費でございまして、これは海外五カ国に商工会議所から会議所職員を常駐さしておりまして、主としまして中小企業関係、まあむろん大企業についても範囲に入りますが、おもには中小企業関係の日本の中小企業者が、海外に投資――、すなわち、合弁会社をつくりましたり、あるいは貸し付けを行ないましたりして企業と提携して現地で仕事をするという場合に、そういう希望を持っている企業が日本の各関係の商工会議所に入りますと、各商工会議所はそれをまとめまして、五カ国の関係であればその駐在員のほうに連絡をいたしまして情報を早くキャッチしましてその傘下の中小業者に流すという仕事をしておりますが、その仕事をしますための常駐員の常駐費用、それに要しますいろいろな調査費というものを商工会議所に委託費として交付をしておるわけでございます。全商工会議所には渡っておりませんが、おもにそういう傘下の中小業者で投資意欲の高いような地域、すなわち、現在の段階では、東京、名古屋、大阪、広島、福岡、この商工会議所内に斡旋所が設けられておりまして、正確に申し上げますと、海外企業技術協力斡旋所というのがそれぞれの商工会議所の内部に設けられておりまして、それが親元になっておりまして、そのための費用でございます。
#32
○成瀬幡治君 それから約一億二千万ほど出ておりますが、生産性本部のアジア生産性向上事業委託費ですか、これはどういう仕事をやるのですか。
#33
○説明員(山口衛一君) アジア生産性本部に交付いたします費用につきましては、主としましてその大きな仕事は海外に使節団を派遣することでございます。これは生産性向上に関しましての相互の研究、お互いの開発のための資料の収集のために海外使節団を派遣し、また、この生産性本部におきまして各種のセミナーを開催いたします。すなわち、おもにアジア関係の発展途上諸国からの技術者あるいは経営関係者等を集めましてセミナーを生産性本部主催で開催いたします。これが第二の仕事でございます。それからまた、開発関係のいろいろの新聞とか資料とか、こういうものを収集いたしまして関係者に閲覧をする。それから調査その他一般的な研究等をいたしておりまして、こういうことを通じましてアジア諸国との交流を深めていく生産性グループというようなルートを通じまして、お互いに研究、調査を進め合うというような仕事をしております。これが大体の概要でございます。
 それぞれのセミナーにつきましては、何種類かのセミナーがございまして、これは各国の生産性本部が日本にあります生産性本部に集めまして、毎年その年の計画を立てまして、各国が了解し合うセミナーなり調査団なりをその予算の範囲内で行なうようなまず話し合いをいたしまして、これが生産性本部の統一的な予算事業として一括年度として計画されまして、それに対しまして、主として日本がアジア生産性本部に資金を交付するという形をとっております。
#34
○成瀬幡治君 私は、これが、全部国がお出しになった一億二千三百三十九万ぐらいでやっておみえになるものか、他にまた寄付金等を得られておやりになっているのか、よくわかりませんが、日本生産性本部の役員の構成なりそれから大づかみな決算書みたいなものがあったら資料として御提出願えれば非常に幸いでございますが、そういうようなことはできましょうか。
#35
○説明員(山口衛一君) 生産性本部は明確に毎年会計をつくりまして、十四カ国がこのAPO――アジア生産性機構に入っておりますので、資料ができておりますので御提出いたします。
#36
○成瀬幡治君 大蔵省のほうへ大づかみにお聞きしますが、賠償でずっとやってきましたですが、残額はどのくらい残っておりますか、各国別に申しますと。
#37
○政府委員(稲村光一君) 賠償としていま残っておりますのは、フィリピンだけでございます。この特殊対外債務等処理費というところにございます二百四十七億ばかりの債務処理費の中で、純粋の賠償はフィリピンの百八億円だけでございまして、あとはいわゆる無償経済協力というかっこうで、たとえばビルマの経済技術協力費関係、それから韓国の経済協力費関係、それから太平洋諸島信託統治地域の経済協力費というようなことになっております。
#38
○成瀬幡治君 支出項目のことはわかりますが、たとえばフィリピンの賠償で言いますと、残がどのくらいあるか、それから韓国への経済協力の問題もここに出ておりますが、ビルマも出ておりますが、なるほど、それは今年度やることになりますが、これからオンされてくることもあるだろうと思いますが、大づかみに、いままで約束をして何年計画かでやるという残はどのくらいあるのか。
#39
○政府委員(稲村光一君) 手元にございます資料で申し上げますと、これは去年の十一月末現在でございますが、フィリピンにつきましては賠償の総額が千九百八十億円――五億五千万ドルでございまして、これを二十年間にわたって払うということになっております。三十一年から五十一年までの二十年間でございまして、まだ残っておりますのが六百七十一億円でございます。
#40
○成瀬幡治君 それじゃ、経済協力のほうは、単年度で毎年毎年きめていくものなのか、それとも、前から約束があって何カ年計画でこういうことをやりますよという取りきめになっておると思いますが、ビルマとか韓国とかというようなところはどういうふうになっているのですか。
#41
○政府委員(稲村光一君) ビルマ、韓国につきましては、国会で御承認をいただいております協定に基づきましてそれの年次分を予算化いたしておるわけでございます。
#42
○成瀬幡治君 ちょっとよくわかりませんが、もう一度御説明願えませんか。
#43
○政府委員(稲村光一君) ビルマにつきましては、昭和四十年の四月から十二年間にわたりまして、総額五百四億円に相当するわが国の生産物及び役務を無償供与するということになっておりまして、それに基づく分でございます。韓国につきましては、総額三億ドル相当、千八十億円のあれを十年間に供与するということで、四十年十二月十八日に発効いたしておりますが、この実施状況につきましては、第五年度末現在、つまり最近のところで、五百二十八億円でございます。大体半分ぐらいが履行済みであるということでございます。
#44
○成瀬幡治君 これは外務省にお尋ねしたいのですけれども、よく言われることは、外交で結論の出ない前にいろいろな問題についてははっきりいろんなことを事前に漏らすわけにいかないのだ、まあいろんなうわさが出ておるようなことについては一切ノーコメントだというようなことかもしれませんけれども、最近韓国からいろいろな問題で協力を要請されておる、そういうようなことはありますですか、全然ございませんか。
#45
○説明員(鹿取泰衛君) 韓国との経済協力関係につきましては、さしあたっていま問題になりますのは、昨年の閣僚会議で両閣僚間で話し合ったいろいろなプロジェクトがございまして、その中であるものは韓国の希望どおりに進んでいるものもございますし、あるものは、そこまでなかなかプロジェクトの調査が進んでいないということの関係などがありまして、韓国側からこれを進めるようにという話の来ているものもございます。
#46
○説明員(大倉真隆君) 先ほど成瀬委員からの御質問に国際金融局長からお答えいたしました際に留保させていただきました分をただいま主計局と詰めましたので、あらためて御答弁させていただきたいと思います。
 成瀬委員お手持ちの「予算の説明」の三六ページのところを恐縮でございますがごらんいただきたいと思いますけれども、先ほど、国際金融局長から、(1)から(9)までのうち、経済協力費に入らないのは(1)、(2)、(3)及び(7)と思うというふうに御答弁いたしたかと思いますが、(1)の中のなお書きの部分、その部分は経済協力費でございまして、訂正させていただきます。なお書きの九億五千万円、これは、一つめくっていただきまして三八ページの一番下にございます九億五千万円に対応いたします。これは経済協力費のほうに入っております。文章といたしましても、三六ページの(1)のなお書きの部分は経済協力費で、それ以外は先ほどの答弁のとおりでよろしゅうございます。それから所管も、先ほどの答弁のとおりでよろしいわけでございます。
 なお、有償、無償の区分がどうかというお尋ねがございましたが、同じ資料の三八ページに二欄にわたりまして経済協力費がやや細分されて説明に載っておりますが、その中で有償ということをはっきり申し上げてよかろうと思いますのは、大蔵省の所管が中ほどから下にございまして、それの三番目の「日本輸出入銀行貸付金」、これは今回御審議をお願いいたしております特別法によります無利子貸し付け金でございます四十二億円、及びその次の「海外経済協力基金出資金」の三百三十億円、この二つと、それから一番最後にございます通産所管の「日本貿易振興会出資」、この三項目はいわば有償と考えたほうがいいのではないか。その三項目を合計いたしますと三百八十一億五千万円になるわけでございまして、八百九十億円から三百八十一億五千万円を差し引きますと五百八億五千万円になろうかと思いますが、その数字が無償経済協力及び技術協力のための費用と御理解いただいてよろしいと思います。通常、私どものほうでは、実は技術協力は無償とは申しておりませんですけれども、しかし、技術協力という意味で留学生を呼びましたり、こっちから指導員を出しましたり、相手からは別に反対給付はございません。その意味では無償と申してもよろしかろうと思います。この五百八億円というのは、そういう意味で、相手方から反対給付をもらわない、あとで返してもらわないという意味の金というふうに御理解いただきたいと思います。
 なお、経済協力費総額八百九十億円のうち、五百八億円が無償で、有償は三百八十億しかないという御印象もあろうかと思いますが、いまの援助のやり方は、実は、有償の援助が経済協力基金と輸出入銀行を通じて主として行なっておりまして、輸出入銀行、経済協力基金ともにこの基金は一般会計からの出資がおもでございますが、ほかに財投から借り入れております。それから輸銀は産投会計から出資をもらいまして、ほかに財投から借り入れをして、両者合わせて大きな規模の有償援助をいたしておる、この点を付言さしていただきたいと思います。
#47
○成瀬幡治君 そこで、GNPの一%に相当するとか、あるいはピアソンの報告と申しますか勧告と申しますか、そういうものとにらみ合わせてみて、大づかみにいってどこら辺までいま来ておるわけですか。
#48
○政府委員(稲村光一君) GNP一%の目標に対していまどのくらいまで来ておるかという御質問でございますが、先ほどもちょっと申し上げましたとおり、ただいまわかっております実績は一九六九年まででございまして、これによりますと、一九六九年は十二億六千三百万ドルであったわけでございまして、これはその当時のGNPにいたしますと〇・七六%になっております。したがいまして、このあとGNPのほうも毎年これからだんだん大きくなっていくわけでございまして、それに対しましてどのくらいに七五年に日本のGNPがなるかちょっとわかりませんが、経済社会発展計画によります約四千億ドルということを前提といたしまして試算をいたしますと、援助費のほうで毎年対前年比約二〇%強、まあ二一%くらいふえますと、大体七五年にはいまのGNPの一%に達する、こういうことが一応非常な概算をいたしますと言えるかと思われます。私たちのほうといたしましては、大体そういうところをめどに毎年の援助を実際のことをそういう面で進めてまいりますと、大体七五年にはGNPの一%に達し得るのではないか、こういうふうに考えております。これは最近の実績を見ますと、毎年の援助額の増加率というのは二割程度でございますので、いままでのような努力を今後さらに続けていけば、大体達成できるのではなかろうか。むろん、GNPの増加というのは、今後実額としてはさらに大きくなってまいりますから、いろいろと困難があろうかとは思われますが、そういうことでいけばまあ大体達成できるのではないかと、こういうふうに考えております。
#49
○成瀬幡治君 これはこの前の委員会で松井委員も指摘されておったわけですが、二国間というよりも多数国間のそういうものがふえるんだと。二国間というものは、まあ非常に儀礼的な措置として了解していいものなのか。今後の方向と申しますか、傾向と申しますか、大蔵省というか、国の方針というものは、どこら辺にあるのですか。
#50
○政府委員(稲村光一君) 二国間の援助と、それから国際機関を通ずる多国間援助と申しますか、これの関係につきましては、政府開発援助、先ほど申しました、全体の約三分の一と申しましたが、その政府開発援助の中で六九年度でたしか二二%ぐらいが多国間援助であったかと記憶いたしておりますが、多国間の国際機関を通じます援助というのは、受け取り側としましても、いろいろな政治的なひもがつかないとか、調達その他で援助が効率的であるというふうな点で、確かにいろいろとメリットを持っておりますので、今後は多国間援助の比率をだんだん上げていくと申しますか、これに力を入れていきたいというふうにはむろん思っております。他方、それじゃ、二国間援助はどうでもいいのかといいますと、二国間援助というのは、相手側としましても、いろいろと日本に対してこうやってほしいと、バイラテラルにやってほしいという要望も強いわけでございます。両方勘案しながら進まなければならないというふうに考えておりますが、ウエートとしましては、いま、多国間援助というものは、先ほど申し上げましたとおり、政府開発援助の中の二割程度でございますので、これはだんだんとふやしてまいりたい、こういうふうに考えております。
#51
○成瀬幡治君 アジアにおける日本の地位なり、今後のアジア情勢の推移等を考えたときに、日本の平和外交と申しますか、そういうものを進める上に、二国間と多国間のそういう主義、思想の立場の影響というものは非常に大事な要素だと思いますから、佐藤首相が言われるように、平和に徹する外交で援助等の問題をやっていただかないと、これは文字どおり平和に徹するということでございまして、十分ひとつそのような点で御留意が願いたいものだと思います。
 それからたとえば南ベトナムとのダニムダムですか、そういうようなものに関してわが国から出かけられていって工事で戦争に巻き込まれて人命等を落とされた人がないものなのか。あるいは、外務省のほうでもいいですが、新聞記者等で行って亡くなられた、あるいはLSTの船に乗っていってベトナム戦争に巻き込まれたというか被害で亡くなられたとか、そういう死亡者の数と、それから行方不明になっておるような人があるなら――そういうようなことはわかりませんでしょうか。
#52
○説明員(鹿取泰衛君) 先生いま御指摘の問題につきまして、当然外務省のほうで調べればある程度わかると思いますのは、明瞭なケースはもちろんわかっております。ただ、たとえば日本の経済協力案件なりあるいは民間で進出されている企業の人が戦禍にあうといったケースは、これはないと思いますけれども、新聞記者なんかの方で、これも日本の新聞記者として働くのじゃなくて、外国のカメラマンというようなことで戦線に行かれて亡くなられた方もあるわけでございますので、そういうもの、それから先ほどさらに御指摘の船の問題になりますと、これはなかなか船員の問題で外務省でつかみきれない分もあるかと思いますけれども、できるだけそういうものを拾い上げまして、もし御必要とあれば資料として提出いたしたいと思います。
#53
○鈴木一弘君 いろいろ成瀬委員からの御質問もありましたが、私は、最初に、開発協会の問題にからんで、外貨の保有の問題から入っていきたいと思うのであります。
 外貨が現在日本の場合は集中制というものをとっているということで、その点、外国の場合と比べると、諸外国の場合は、民間と政府というのが、上手にというか、どういうのか、分けて持っているということが言えるわけですね。ですから、日本の場合の外貨準備高というものをほかの国と比較する場合、単純に比較はできない。たとえてみれば、いま、西ドイツは、百二十五億ドルという準備がある、個人を含めた民間の市中に約二十億ドルあるということであります。そういうように、外貨がわが国の場合のように集中していないということです。アメリカの場合も、同じように、百二十億ドルの準備に対して、個人や機関投資家、そういうものが持っているというような株式が七十億ドル、債券が百二十億ドル、結局、百九十億ドルぐらい、政府の持っている保有部分を上回るような外貨というものが民間にあるわけです。そのほか海外への投資というようなものもあると思います。そういう海外への直接投資が七、八百万ドルに達するものがあるということでございます。そういうように見ますというと、日本の場合を考えて、ただ外貨準備を日本のように公的な準備だけでいろいろと比較するのは、諸外国が日本に対する態度としてもひど過ぎるのではないか。海外への直接投資とかそういうものを加えたということになってアメリカの場合を計算すれば、日本の保有高はたかだかということになってくるわけです。ほんのわずかであるということの比較になるし、そうでなければ、逆に政府に持っている公的所有だけの比較ということになれば、どうしても日本の場合は外貨が政府の場所一カ所だけに集中しているということから、世間の注目というか、世界の非難というか、そういうものを引きやすくなるということになってくるわけですが、そういう点を見て、わが国として一体どういうふうにこれから態度をとっていくかというそれがはっきりしないようでは、今回の一DAの問題にしても、あるいは分担の問題にしても、もうこれは悪いとは申し上げないですけれども、いけないことであるとは言わないけれども、各国の分担分についても平等・不平等が出てきてしまう。ただ外貨保有だけで見ているのではないと思いますが、外国の例がそういうふうであれば、わが国としても一つの考えを持たなければならないのじゃないかと痛感せざるを得ないわけであります。その点はどういうふうに考えておられますか。
#54
○政府委員(稲村光一君) ただいま先生御指摘のように、外国におきましては、国が外貨資産を持っているだけでなくて、民間と申しますか、あるいは個人も外貨資産がたくさんあるのに、日本はその点では非常にアンバランスがあるのではないかという点は、まさに御指摘のとおりであろうかと存じます。これは、一つには、いままでの沿革と申しますか、日本が戦後国際経済にだんだん参加をしてまいりまして、ほとんど戦後のゼロから出発をいたしましてただいままでに至りますにつきましては、やはり、外貨の面で、相当少ない外貨でこれを効率的に運用していかなければいけないという非常な至上命令がございました。ひるがえりますと、ほんのわずか三年前には、ちょうど三年前のいまごろは、日本が国際収支の非常な危機でございまして、外貨準備が底をつくかもしらぬというような事態もわずか三年前にあったわけでございます。その後、幸いにして国際収支は非常に好転をいたしてまいりまして、先月末では外貨準備も四十八億六千八百万ドルというような、二年前に比べますと約二倍から三倍、三倍に近いというくらいのところまでになってきたわけでございますが、これは、確かに、先生御指摘のとおり、今後の方向といたしましては、単に政府だけでなくて、民間の外貨資産というものもこれからだんだんと持つように行くべき方向にあるということは、御指摘のとおりであろうかと存じます。また、現実の問題といたしましても、国際収支が黒字が固まってきつつあるというのに応じまして、海外投資の面につきましても、たとえば昨年の、ちょうど一年ぐらい前でございましたか、投資信託を通ずる外貨債券の取得を一億ドルまで認めるというような措置をとりましたし、それから昨年の十二月には、これは機関投資家でございますけれども、保険会社の外貨証券への投資をやはり一億ドル認めるということをやったわけでございますが、いずれも外国証券市場等の状況で保険会社のほうはまだ実際の取得は行なわれておらないようでございます。投資信託のほうもほんのわずかしかどうも買われていないようでございますが、われわれのほうといたしましては、いままでいたしましたこの二つに限らず、今後さらに対外証券投資の面でなるべく民間の外貨資産をこれからふやしていけるように考えてまいりたいということで検討をいたしております。これは、証券投資に限らず、対外直接投資につきましては、海外で事業をいたしますものは直接投資につきましては一件累積額百万ドルまでは若干の例外を認めまして認可するということを昨年の九月にやったわけでございます。こういう直接投資になりますと、これは実際に出るまでにいろいろ調査とかその他の準備期間が要ると思われますので、まだそれほど大きく伸びてはいませんが、しかし、いよいよこれからは具体的に大きくなっていくと思われます。
 ただ、外貨集中制の問題につきましては、先生御指摘のとおり、ドイツ、アメリカ等におきましては集中制がないということでございますけれども、ヨーロッパの先進国のうちでも集中制を残しているという国は多いわけでございまして、わが国におきましては、民住者の交換性の回復というところまでいきますには、これはいろいろな投機的な問題、短資の移動の日本経済に対するインパクトを考えますと、投機的な資金の動きについてはやはりそれを押えていくような方途を講じていきませんと、日本経済の安定的な成長というものをなかなか今後にわたって確保していくことができないのではないかということもございますので、これはドイツ、アメリカのような特に進んだ国は別といたしますれば、まだ先進国においてもある程度集中制というのは残されておるわけでございますので、この点につきましては、そういう全体の関係を考えて慎重に対処する必要があるのではないかというふうに考えております。
#55
○鈴木一弘君 いま慎重に全体のことを考えてという話だったのですが、わが国の成長率から見て、また、生産高から見ても、国民総生産がすでに世界第二位というところへ来ているわけですから、そうすると、いつまでもいつまでも外貨集中制を強力にとるというよりも、だんだんいわゆる個人、民間の保有というものをふやしていく、そういう方向をたどらざるを得ないだろう。確かに、証券とか株券とかいうお話がありましたけれども、さらに証券取得の場合であるとか、商社保有であるとか、そういうものも積極的にふやすという必要があるのじゃないか。場合によったらば、国外での投資も日本人も来てよろしいというような、そういう国際通貨であるけれども、われわれも使えるというような、そういう事態も極端なことを言えば考えていいんじゃないか、そういうような感じもするわけです。そうでないと、なんでもかんでも一本にまとめていくということは、外国の圧力ばかり強めるようなことになるんじゃないか。特に円の問題がありますから、その点は十分考えていただきたいと思うのです。
 その次として、現在の外貨準備が、先ほども御答弁のように、膨大な金額になって、本年末から下手をすると五十五億ドル以上になるのではないか。場合によれば、六十億ドルというようなことを言われている声を聞いております。いろいろな観測があるわけですが、そういうことになりますと、いままでの大臣そのほかの答弁を伺っていても、円の切り上げは絶対にないということでずっと通してこられたわけですが、しかし、一面で、外貨減らしの方法として先ほども申し上げたようなことが強力に行なわれたりなんかしないと、なお一そうこれは強まっていくだろう、こういうことが言えますし、外貨が無制限にいくということはないけれども強力にふえていくということになれば、円の切り上げというものについての疑惑というものが高まるということはあっても、減るということはないわけです。それは、国民の間の感覚は、そういう感覚にどうしても動くわけです。外貨がこうなったら円は上がるであろうというその緊迫感は、持つなと言っても持ってしまうというのが現実ですから、どうしようもない。そうなれば、日本の国が勝手に円切り上げをやるもやらないもできるのですけれども、そういうような事態が起きてくると、これはむずかしくなるということは言を待たないわけですね。外からの圧力が強まるわけです。わが国の力で、わが国のとる措置ですから、人がどう言おうとこう言おうとということは言えますけれども、外貨準備というものが膨大になればなるほどどうしても圧力は強まる。そうすると、円の切り上げに対しても非常に困った立場に追い込まれざるを得ない。そういう点から考えても、外貨そのものの準備高、その減らし方というものをいろいろくふうをして、実際持っていても見かけは減らすとか、そういうくふうをしなければならなくなってくるわけですよ。そういう点はどうお考えになっていらっしゃるか。
#56
○政府委員(稲村光一君) 外貨準備高につきましては、先ほど申し上げましたとおり、先月末四十八億六千八百万ドルということになりまして、今後このような国際収支のいい状況が続きますれば、さらにふえていくということは当然考えられるわけでございますが、しかし、外貨準備高そのものから申しますと、いま、西欧各国の外貨準備高の増加、あるいはその増加額、それから現在高等に比べまして、決して日本は特に多いというような状況ではないと思われます。これは、一つには、御承知のようにアメリカの経済政策、ことに金融政策に基づきますアメリカの低金利ということに基づくいわば短期資金の移動ということが一つの原因になっているかと思われます。これによりまして、たとえば去年一年でドイツでは六十億ドルもふえた、あるいはその他イギリスにしましても、フランスにしましても、相当外貨準備高が増加をいたしております。日本の場合は昨年暦年で九億の増加でございますので、これはほかの国に比べまして決して大きな増加ではない。むしろ、外貨準備の増加に関しましては、後塵を拝しているというような感じでございますが、したがいまして、外貨準備高そのものから直ちにレートの問題というのを考えることは必ずしも当たらないのではないかというふうに考えておりますが、ことにそういう面からいきますと、当面、日本の外準の増の中にも、いわゆるドルシフトと申しますか、金利の内外金利差に基づきます貿易金融に関するドルへのシフト、つまりドルの短期の借り入れがふえるというかっこうで外貨準備がふえているという面もございます。こういう点は、確かに先生御指摘のとおり、外貨準備高そのものが高過ぎるわけではございませんけれども、それが急激にふえるということになりますと、これはやはり内外ともにいろいろな意味でプレッシャーと申しますか、あれが起こってくるというか――適度にふえるということはよろしいわけですが、それが急激にふえる、ことに短資の関係の貿易金融のドルシフト等によりましてふえるということは、やはり私は適当ではないというふうに考えまして、いろいろと策を練っておるわけでございますけれども、これに関しましては、明日から輸出金融につきまして若干の新しい措置をいたしまして、やはり外貨準備が短資の貿易金融の関係で急激にふえるのを防ぐような措置をとることといたしております。
 その他、全体としまして、先ほども申しましたとおり、日本の対外支払いの面でのたとえば資本取引にいたしましても、貿易にいたしましても、まだ自由化をしてない、自由化がおくれているという面がございますので、これは、先ほども申し上げましたとおり、われわれのほうといたしまして、できる限りそういうものも、そういういわば対外取引を押えているためにその支払いの面で十分に進まないという点もあるかと思われます。こういう政策は、またどうしても国際収支の面からしましても、やはり自由化をどんどん進めていくということが必要であるというふうに考えておりまして、これは先ほど先生の御指摘もございましたとおり、一つの重要な方向としていま具体的にいろいろと検討をいたしておる段階でございます。
#57
○鈴木一弘君 いわゆるドルシフトへの防衛策というか、そういうことがあした出るというふうにこれは受け取ってよろしいですか、いまの答弁は。
#58
○政府委員(稲村光一君) おわび申し上げます。いま輸出金融と申しましたのは、輸入金融のほうでございますので、ちょっとその点を訂正いたします。
#59
○鈴木一弘君 たとえば、そのほか、外貨準備を減らすということは、外債の募集というものをとめていくとか、あるいはいままでずっと進めてきた円シフトがドルシフトに変わっているというそういうのがございますけれども、はっきり申し上げれば金利差の問題です。そういう点で、それが公定歩合の引き下げそのほかのことがあって、第一回のときはアメリカに追随しながら、あとは追随していかない、そういう点でいろんな面で悪影響を及ぼしているというふうにしか考えられないわけです。そういう点で相対的に見て海外金利のほうは今度は安くなってしまったのですが、特にアメリカの場合等もこれから先もいわゆる市中銀行の金利が下がるだろうというふうに予想されますし、そうなると、いろいろな面で準備高というものが必要以上にふえて、私は、好むと好まないにかかわらず、商社にとってはどうしてもしかたがないということで、背に腹はかえられずということになってくるわけです、その分だけドルがふえてくるわけですから。そういうことをどういうふうに押えるということをしていくか、このところをもう一度……。
#60
○政府委員(稲村光一君) ただいまの御質問は、内外金利差によりまして短資の流入がふえるのではないか、それをどうやって押えるかという御質問であろうかと存じます。その点に関しましては、先ほども申し上げましたとおり、確かに内外金利差によりまして短資の流入と申しますかが日本に対しまして起こり得ますのは、先ほども申し上げましたとおり、日本はまだそういうスペキュレーション――投機的な資金の流入なり流出については非常に強いコントロールを残しており、それを今後も残していくという方針をとっておりますので、したがいまして、いわゆる普通の意味の投機的な短資の流入というのは起こらないわけでございます。ただ、起こり得ますのは、貿易金融、輸出入金融の関連で起こり得るというのが一つございます。あとは、リーズ・アンド・ラッグズと申しますか、輸出代金の前受けというようなかっこうで、リーズ・アンド・ラッグスがリーズのほうだと思いますが起こるということはあり得ると思いますが、この点に関しましては、実は、これは日本だけではなくて、ヨーロッパ諸国につきましてもやはりアメリカとの間で金利差と申しますか、アメリカの市中金利が下がり過ぎて非常に大きい差があって、しばらくはこういう条件が続くかもしれないということで、日本と同じような悩みを悩んでおるわけでございますが、したがいまして、そういう意味で、われわれといたしましては、当面貿易金融面でのいわゆるドルシフトを防ぐという措置をとり得れば、これで一応いくのではないか。そのために、先ほど申し上げましたとおり、輸入金融につきまして、現在やっております日銀の輸入ユーザンスの一五%について日銀がめんどうをみるという制度をさらに拡充いたしまして、明日から若干外為会計から低利の外貨を供給いたしまして、そして内外の輸入に関する金利差がなくなるように、つまりドルにシフトしないで済むように措置をとったわけでございますが、その他、それではたとえば国内の金利水準を下げるかという問題につきましては、これは私だけの所管ではございません、もっと大きな問題であろうかと思われますけれども、国内の金利なり公定歩合なりは、これは国内の経済情勢の判断によってきめるべきものでございまして、単に内外の金利差、外が下げたから国内も経済情勢のいかんは別として下げるべきだということにはならないと存じます。現に、イギリス、ドイツ等におきましても、金利差の点ではやはり公定歩合は下げたほうがいいというような状況になっているかと思われますが、しかし、国内の経済政策の観点から公定歩合を下げない金融政策を続けているという状況でございます。
#61
○鈴木一弘君 日銀の総裁は、二月十一日の「日経」に出ていたのですが、「輸出金融でドルシフトが起きるにしても、商社と邦銀との取引関係や信用状の開設といった貿易取引にからむ制度的な条件が多いので、一度にドルシフトが起きる心配はない。むしろ問題は輸入金融だが、金額的にはたいした問題はない」と言っているわけですし、「そのときには公定歩合の再々引き下げをしない限りは、外貨準備が多少ふえてもしかたがない」という考え方をしていたわけです。そういうようにおっしゃって、はっきり申し上げて、輸出金融面のことを非常に取り上げておられたわけですけれども、いまの答弁でもそういうことが多かったわけです。
 同じく、今度は、ドルシフトの促進について、「東洋経済」の中にこういうことが出ていたので、この点をちょっと伺っておきたいのですが、「輸出業者が四カ月のドル・ユーザンス手形を米銀で割引くときには、BAレート四・三七五%と引受手数料一・五%との合計五・八七五%を負担して、ドルの現金を為替市場で円に替えれば、それだけですむ。ところが邦銀を通じて日銀信用を利用すれば、公定歩合五%、為替手数料〇・四%、引受手数料一・五%のほかに為銀のスワップコスト一%が加わり七・九%かかる。輸出業者にとっては円資金はドル資金よりも二%ほど高くつく。」と、そういう判断をしているわけですね。だから、そういう面で、どうしても、これははっきり申し上げれば、いまのままでいったらば、私がおそれているのは、一つは、これからなべ底みたいな景気になってくるわけです。どうしても設備投資があれだけ減っていれば、機械の受注も減るのは激しく異常なほどになる。そうすれば、輸出ドライブは変わってくる。それによって円の切り上げ圧力は強まるに違いないということも思わざるを得ないわけですから、そういうときには、なるべく少しでもそういうことを延ばすとか、景気上昇期に切り上げられるならいいが、景気下降期に円の切り上げがあったのでは、不況に不況を重ねることになってしまう。そういう点で、あなたからの御答弁はなかなかたいへんと思うけれども、実際問題として、わが国の円の切り上げの圧力を押えるとしたら、どうしても公定歩合の再々引き下げということをわが国にもさせる必要があるのではないか。そういう点は、これは強力にあなたのほうは要求すべき問題だろうと私は思うのです。そうしなければ、これは思わぬことになって、それから公共投資を増大したって間に合わないような不況に突入してしまうということも考えられないことはないわけですから、そういうことがないようにしなければならぬ。そういう点はどうかということです。
#62
○政府委員(藤田正明君) 鈴木委員の御質問は、公定歩合をこのまま維持するならば、内外の金利差によって短資がどんどんと流入してくるであろう。そういうこともつけ加わってきて、円の切り上げに対する外圧が強化されてくる。景気も、客観的に見た場合、まだまだ当分なべ底であるし、なかなか回復がむずかしいというふうな客観情勢もあって、円の外圧の点はどう考えるか、こういうふうな御質問ではないかと思います。公定歩合の問題に関しましては、確かに再々引き下げをするとかしないとかいううわさはございますけれども、これは非常に慎重にやらざるを得ないと思います。おっしゃるとおり、現在日本の国内金融というものが日銀の規制をはずしながらも設備投資意欲が失われ、そして金融の引き締めは解除されたとはいいながらもその需要がない。また、非常に金融も詰まっているという状態が続いていると思います。そこに外国からの流入が多くなるという傾向がある。日本の企業家にとりましては、そういうふうな短資の流入ということを大いに歓迎すべきであるというふうな状況もあるわけでありますが、しかし、そのようなことも考え合わせてみましても、公定歩合の引き下げ、そういうことに対してはまだ側面大きな影響が別にあるわけであります。これはもう少し慎重に考えざるを得ない。おっしゃいましたような円が積み重なっていくことに対するどういう手があるかということは、先ほども御質問がございましたが、経済援助ということもございますし、また、海外の資源を確保するために海外投資の促進ということもあるかと思います。また、長期的に考えますれば、円の流通性がますますふえるとともに、国内の民間のドル保有、これらに関しましても緩和していくということも長期的には一つのドルの積み重ねの防止策ではないかと思います。いろいろとそういうドルがますます日本国内に滞留することを防ぐということは、総合的に考えていくべきことであって、いまおっしゃいましたような、ただ公定歩合をこの際切り下げることは即効薬にならないというふうな御意向であったかと思いますが、その反面のマイナスの現象もございますし、より総合的に考えて円切り上げに対する外圧からどうやって逃げていくかということを考えざるを得ないというふうに思います。
#63
○鈴木一弘君 私は、金融面だけの操作ではもう困難であろうということが前提だったわけですけれどもね。ですから、当然一方では再々引き下げも必要であろうと思います。金融面だけを伺ったからそういうふうにとられたかもしれませんが、それだけが即効薬と思えない。もちろん、いま言われたのは、対外投資の問題もありますし、また、輸入自由化ということ、あるいは援助の拡充の問題も出てくるだろうし、あるいは関税の引き下げという問題も起こってくる。そういう点をいろいろ考えなければならぬ。資本輸出を大幅に自由化するとか、そういうことがなければならないだろうというように思うわけです。さしあたり明日は若干の措置があるというけれども、しかし、それはどこまでいっても小手先だけのことになってしまいますので、大もとをどういうふうに動かしていくか、いまの次官のお話もわかるのですけれども、そういったことについて全面的な検討ということは政府部内でなされているかどうか、大きな問題だと思いますが、その点はいかがですか。
#64
○政府委員(藤田正明君) 先ほど来、円が切り上げられる、外圧がますます強くなるというふうな御質問が一貫してあったわけでありますが、先ごろ、大蔵省におきまして、先進諸国に駐在している大蔵省から派遣された人を呼び返しまして、そのような問題について懇談をしたことがございます。そのときのことを大蔵大臣から当委員会におきましても答弁の際に申し上げたと思いますけれども、日本国内で言われているほど外国では円に対する関心と申しますか、円の切り上げに対する関心はないようであります。国内でどうしてこのように円の切り上げの問題が騒がれるのであろうかというふうに逆に不思議がっておるというふうな状況でございまして、たかが五十億ドル足らずの現在のドルの保有であります。まあまあこれがふえましても、年末に一割ふえるかというふうなことではなかろうかと思います。先ほど西独その他のお話が出ましたが、その半分すら持ってない現在であります。大蔵大臣がたびたび答弁申し上げますように、現在の大蔵省なり大蔵大臣の頭の中には円の切り上げということは一片だすらないということを申し上げております。そのようなことでございまして、大蔵省内部では、ドルの保有がこれ以上になれば困るから何とかしようじゃないかということを緊急対策としてはまだ考えていない。寄り寄りそういうふうな話はございますけれども、しかし、緊急対策としてはないというのが現状であります。
#65
○鈴木一弘君 それは緊急対策なんという意味を持つような問題じゃないと思いますね。しかし、円の切り上げ云々の問題は、はっきり申し上げて政府筋から流れてきたのが一番最初ですね。諸外国から来たことではないことは確かです。ですから、それだけにわれわれも関心が強くならざるを得ない。いろいろ、投資をなさっている方もいらっしゃるし、いろんな方もいらっしゃるわけですから、そういう点で慎重に扱うのはけっこうでありますし、緊急の問題じゃないことはわかっておりますけれども、緊急でない問題だけに、きちんと手を打っておかなきゃならぬということがあるわけです。緊急ならばほころびをつくろう程度でいいかもしれませんけれども、そうでないだけに、ほんとうに腰を入れて考えないといけないのではないかと思います。その程度でそのほうの問題はとどめておきます。
 国際開発協会に対して、第一回、第二回とわが国も融資をしてきたわけですが、そういういろんなことから考えてみても、開発途上国と申しますか、そういうところに対する援助という点から考えると、出資額そのほかを見ましても、私はあまり評価というものは日本に対してよく出ていないのではないかというふうに思うし、もう一つは、いわゆるわが国が一生懸命低開発国に対して援助をいままで先ほども成瀬委員から質問があったようにいろいろしております。いろいろしておりますけれども、しかし、そういう諸国の評価というものは必ずしも日本の投資に対していいというわけでもないようです。そういう点の、どうせ援助をするならば、相手国にも喜ばれ、日本も得をするということでなければならないと思いますが、そういう海外援助に対する姿勢ということ、この点について伺っておきたいと思います。
#66
○政府委員(稲村光一君) 海外援助に対します姿勢に関しましては、先生御指摘のとおりでございまして、その受け取る側についても、日本が非常にアプリシエートされると申しますか、日本の努力を買ってくれる、これがほんとうにその国の経済の開発、経済の成長に役立つというふうに先方も評価してくれるようなふうに行なうべきでございまして、また、同時に、それが日本の利益にも合致するというのが最も望ましい姿であることは当然でございまて、われわれのほうといたしましても、できる限りそういうふうな点について粗漏のないように今後とも努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
#67
○鈴木一弘君 たとえば、先ほどの質疑の中にも、タイに対しての、いわゆるこれは工科大学ですか、アジア大学ですか、そういうものに対しての費用というものが論議されたわけでありますが、わが国とタイとの六〇年代の貿易の状態を見ても、この十年間にわが国からタイ国への輸出というものは四倍に伸びておる。それに対して、タイ国からわが国への輸出は二倍にも達していない。バンコクの町その他に行けば、日本製の自動車があふれている。そのほか、ホテルとかいろんなところへの日本の資本の進出ということもある。タイの外国投資の三分の一を占めているのではないかというような話さえ出ているわけです。そういう状況がだんだん各国――台湾にしてもこうなってまいりますと、もはや日本製品そのものに対しての排斥の運動までも今後は起きてくる。そういう声が現実問題としてある。非常に極端なところでは、日本の軍国主義の復活であるとか、経済支配であるとか、いわゆる第二の植民地主義というのですか、第二植民地主義ということばがインドネシアあたりで聞かれますけれども、そういうような声がだんだん強くなってくる。この辺で考えなければならないのは、この発展途上国への援助について、われわれの問題意識といいますか、意識の持ち方というものを変えていかなければならないというところに来ているのじゃないか。もちろん、これは、貿易の面でもありますが、
  〔委員長退席、理事玉置猛夫君着席〕
たとえばエジプトへ行った商社の合弁会社が、向こうの商社と半分ずつ出してつくって売っている鉄板が〇・一ミリという鉄板――〇・一ミリといったら、何といいますか、アルミ箔みたいなものですね。それが町じゅう民家の屋根になっておる。雨が少ないところなら、さびないし、いいんでしょうけれども、わずか一年足らずのうちに投下した資本の五倍ぐらいが現実にもうかってしまう。そういうことが現実に聞こえたりしたら、ちょっと問題があるわけです。言いたくないことでありますけれども、そういうことも耳にしている。そういう点で、これは秩序ある輸出態度も必要でありますけれども、すべて海外援助につながっているということであると、秩序あるものがこれから必要になるのではないか、すべてが。そのことで、まず今後の発展途上国への援助問題について、どういうようなルールといいますか、姿勢というか、とっていくかということが一番大事なことだと思いますので、その点を聞きたいと思います。
#68
○政府委員(藤田正明君) 発展途上国に対する援助の姿勢ということでありますが、発展途上国というものもいろいろあると思います。たとえば、タイとか台湾のように、経済がある程度テークオフしておるというような国と、まだまだほんとうに未開発の国と、二通りあると思います。その未開と申しますか、そのような程度の低い国に対しましては、基礎的なもの、第一次産業であると思いますが、そういう第一次産業に当然重点を置き、食糧の自給自足、あるいは教育の向上というふうな点をやはり重点を置くべきではないか。そうしてまた、ある程度経済がテークオフをしてきておる、そういうふうな国に対しましては、これは当然国際分業というふうな考え方が今後生じてくると思います。日本におきましては、高度なる工業を今後とも繁栄さすべきである。初歩的な工業、産業、こういうふうなものは、そういうふうに当然力をつけさしていくというふうな形の海外援助――今後、特恵関税その他の問題も現在起きておりますが、競合するような、お互いに競争し合うような形になってはならないと思う。それぞれその国の特有の事情もございますし、また、その土地に生まれる資源もございます。そのようなものを生かしながら、その国の将来の展望を考え、そうして援助していくべきだというふうに考えております。
#69
○鈴木一弘君 私は他山の石になると思いますが、アメリカがあれだけ東南アジアや海外諸国へ援助した。しかし、現実問題として、アメリカが引き揚げたりすれば経済的に困るということはわかっておりながら、米国は絶対によく思われていないわけです。その原因はどこにあると思いますか。それがわからないとこの問題は解決つかないのではないか。
#70
○政府委員(藤田正明君) アメリカが、東南アジア、及び南米、中米においても同じようなことになっておるかと思いますけれども、私は、一つには、その生じた利益を本国に持ち帰っておる。その国の社会福祉なり、その国のために使う度合いが少ない。全然使っていないとは申し上げません。その使う度合いが少ないということが一つであろうかと思います。もう一つは、アメリカの、何と申しますか、アメリカ人の特有の態度と申しますか、他国における生活態度と申しますか、そういうものがその国の国民の反感を買うような態度があるということも一つあろうかと思います。しかし、基本的には、その国の利益のために、その国における投下資本から生じた利益をどのように使っていくかということが基本的な問題としてあろうかと思います。今後われわれの海外援助はますます増大していくわけでありますけれども、日本といたしましては、その国のために利益を使うというふうな態度が望ましい、かように考えております。
  〔理事玉置猛夫君退席、委員長着席〕
#71
○鈴木一弘君 これはいま言われた一つの面もあると思いますが、じゃわが国がそれと同じような轍を踏んでいないかというと、私はその危険性があると思う。これはちょっと問題が少し大きくなりますけれども、低開発国にいたしましても、はっきり申し上げれば、いままだ第一次産品というものを日本が開発をして持ってくるとか、また、向こうがつくっている第一次産品というものを持ってくるということであるわけです。その間に、付加価値が一つも出てこないわけです、つかないわけです。原石なら原石のまま持ってくる、原油なら原油のまま運ぶという、これは、はっきり申し上げて、原油のまま日本へ来て加工されて付加価値がついて、再び石油になったりあるいは石油製品になって出ていくとか、鉄鉱石が銑鉄になったりはがねになったりあるいは製品に変わって出ていくとか機械に変わるという、低開発国にとって耐えられないのはその点じゃないかと思うんですね。第一次産品を原料のまま持ってくるんじゃなくて、少なくとも原材料という材料の形、いわゆる付加価値額をつけたものでなければ困ると。自分のところで掘ったもので一番安いものを持っていく、それは日本にとってはそのほうがいいかもしれませんが、しかし、ルールとしたら、もはやそういうことは許されない時代に入ってきている。毎回ここでの国会の答弁を聞いておりますと、資源確保資源確保ということに最重点が置かれている。確かに、わが国にとっても資源の問題が最大の問題になってきているから、それは当然のことだと思いますけれども、しかし、第一次産品のままわが国に持ってくるというよりも、製鉄所なら製鉄所を向こうへつくるとか、海外経済協力基金でウジミナスの製鉄所なんかやっておりますけれども、それは一つの遠い所の例でありますが、そういう考え方が今後なされなければならないんじゃないか。そういう指導とか姿勢というものが貫かれなければ、海外援助で一方ではお金を捨てているようなことをしても、片方では無秩序なものであるということになって、わが国に対しての好感というものはアメリカと同じように悪くなるとか、そうでなくてもアメリカの軍事援助の肩がわりのために日本が東南アジアの援助をふやしているのではないかというふうに錯覚をされている場合もあるし、また、事実そうかもしれませんけれども、そういう面もあるわけですから、そういうことを考えたら、これはほんとうにここで考え直さなければならないところへ来ていると思いますけれども、その点についての考え方は……。
#72
○政府委員(藤田正明君) 現地において付加価値をつけろというお話でございますが、おっしゃるとおりであります。しかし、いままでのそのような低開発国の政治状況なり何なりを見ましたときに、大型の設備投資をそこにして、そして現地でそういう製錬所をつくるとか、そういうふうなものをやる安定性がなかった。このようなことも多分にあるわけでありまして、今後はそのような政治的に安定した国、そのような国に対しましては、いまおっしゃいましたような現地に工場を設ける、そのほうが、また、運搬その他にいたしましても、民間の企業といたしましても、より利益のあがることじゃないかと思いますし、現地の復興、新しく産業をその国に興すという意味合いにおきましても有益であろうと思います。政治情勢の問題がやはりいままではつきまとっておったと思うわけであります。
#73
○鈴木一弘君 政治情勢等もつきまとっているのはわかっておりますけれども、たとえば海外経済協力基金が、いままで、一九六九年末までに、インドネシアに対しては五百二十八億二千三百万円、韓国には四百三十億七千万円というものが出ているわけですね。わずか千九十億円のいわゆる直接借款の中でも、いま申し上げたようにこの二国でもってほとんど占めるようなはっきり申し上げて大量なものが投資されている。しかし、いままでのところ、インドネシア等では残念ながらそういう声はあまり聞かされてこないわけです。その点はどういうふうに使われていますか、これは経企庁のほうだと思いますが。
#74
○説明員(川口嘉一君) 御承知のとおり、インドネシアに対しましては、直接借款は、現在のところ、十二月末現在でございますが、承諾額で八百十五億円、残高六百二十三億円という数字になっておりまして、そのうち、大きい金額は、御承知の商品援助でございます。これは徐々に下がってまいっております。が、現在まで、これはドル単位で、貸し付け承諾額一億七千五百万ドルでございますが、実行額一億五千万ドル、金額としてはその他のプロジェクト援助よりも多くなっております。プロジェクト援助は、現在までのところ、承諾額五千百万ドル、実行額二千三百万ドルということでございます。商品援助のほうは、これはインドネシアがああいう状況でございましたので、とにかくプロジェクトよりも経済の安定が第一である、国際収支の立て直しが第一であるというふうなことから、商品でもって――これはいろいろな消耗品もございますが、機械、機器、その他原材料的なものもございます。こういうようなものを援助いたしまして、まず当面のインドネシア経済の安定、物価の安定、国際収支の回復というようなものに資するということで供与をしてまいったわけでございます。プロジェクト援助のほうは、御承知の三Kダムとか、沿岸無線通信関係とか、マイクロウェーブの設置とか、相当インフラストラクチュア的なものに供与いたしてきております。今後は、国際収支が安定してまいり、インドネシアの経済が回復してまいりますに従いまして、商品援助はできるだけ押え、プロジェクト援助のほうに重点を移していくということになろうかと存じます。
#75
○鈴木一弘君 政務次官、いま聞いていてわかると思いますが、インドネシアだけがいわゆるノンプロジェクトの援助があるわけですよ。先ほど申し上げたように、インドネシアだけは経済的な安定ということ、そういうことをしたわけです。そういうことが、結局、その国の産業も伸びないし、将来のわが国にとっての貿易のはけ口にもなっていかないわけです、ただ商品だけ渡すということになればですね。そういうことで、姿勢としてはそのときは確かにやむを得ないことがあったかもしれませんけれども、これから先はそういうことはほんとうに慎まなければならないのじゃないか、そういう点を強くきょうは指摘しておきたいと思います。
 それからちょっと、これは外務省ですか、聞いておきたいと思うのですけれども、太平洋信託統治地域に対しての贈与ということがなされていると思いましたね。これはどこのことなんですか。
#76
○政府委員(稲村光一君) ただいま御指摘の太平洋諸島信託統治地域に関する問題でございますが、これは太平洋諸島信託統治地域に関する日本国とアメリカ合衆国との間の協定に基づきまして支出される経費でございまして、この協定は四十四年の六月に国会の御承認を得ておるわけでございますが、これは総額五百万ドル、つまり十八億円でございますか、これを三年間にわたりまして、贈与する、こういうとりきめになっておりまして、それの本年度分六億円が予算に計上されておるわけでございます。
#77
○鈴木一弘君 これは、そうすると、わが国が委任されていた旧委任統治のサイパンとかマリアナとか、そこを含めての地域ですか。――これは、その贈与の場合は、渡すのはアメリカ政府へこちらからじかにということですか。その贈与の処理のしかた、協力費の出し方ですね。
#78
○説明員(鹿取泰衛君) 先ほど国際金融局長から御説明いたしました国会の御承認を得た協定によりますと、その第一条に、この土地は国際連合の信託統治でございますので、信託統治協定に基づく施政権者であるアメリカ合衆国の使用に供するという形でわが国のこの援助が出るわけでございます。
#79
○鈴木一弘君 あとまだありますが、これは後日に回して、本日はこの程度にとどめたいと思います。
#80
○松井誠君 私は、経済協力についての資料を要求しようと思っておるんですが、その前に、一言だけ、次官にいままでの御答弁を聞いておりましてちょっとお伺いをしたくなったわけでございます。大臣代理としての次官に敬意を表してお尋ねをいたしますが、それは経済協力のあり方について国際分業ということを言われたんですけれども、国際分業というのを簡単に言っていいかどうかという疑問があるわけです。国際分業というのを、もし、戦前よく言われたように、先進国が工業国、だから後進国はそれとぶつからないように農業国でおれという、そういう形の国際分業を考えておるとするというと、これは、後進国、低開発国と呼ばれる国にとっては、大きい反発を受けると思いますね。それはやはりすべての国が工業化していくというのが一つの必然でもあるわけですから、まああまり急いで工業化してインドネシアみたいになると困りますけれども、しかし、工業国で行くか農業国で行くかはやはりその国の国民が自主的にきめるべきではないか。だから、おれのところの産業とぶつかるからおまえのそっちの産業はやめろよという意味でもし国際分業ということを簡単に言われるとすると、これは相当大きな問題だと思いますね。ですから、とにかく何か当然の原則のようにそういうように考えておられると問題だと思ってお伺いをするのですけれども、やはり基本は援助を受ける国民の基本的な立場を尊重するということでなきゃならぬと思いますけれども、それはそう考えていいわけですね。
#81
○政府委員(藤田正明君) 私の言い方が悪かったのかもしれませんけれども、そういう誤解を受けるのは残念であります。日本がそのような日本中心主義の中華思想を持った国際分業ということを申し上げたわけじゃないのでありまして、あくまでもその国の将来はその国の国民がきめるべきであります。われわれとしましては、今後、お互いに競争することがお互いのためにならない、そこで相談し合ってその国際分業というものが生まれてきてしかるべきではなかろうかというふうに思います。そして、また、その国のいろいろ気候なりあるいは国のあり方の特有なものがあると思いますので、それらの特徴を生かした工業なり産業というものがその国には望ましい。ですから、あくまでも日本のための国際分業ということは考えておらないわけでございます。その点は誤解のないようにお願いいたしておきます。
#82
○松井誠君 よくわかりました。
 それで、資料をお願いしたいんですけれども、経済協力について二種類お願いをしたいと思います。一つは、これはもっぱら南ベトナム、韓国、台湾、それにインドネシアに対する経済協力の関係なんですが、この四つというのは、特に日本の経済協力というのは非常に悪い意味で政治的だということで注目をされておりますし、それと関連をするんでしょうけれども、韓国ロビーとか台湾ロビーとか何とかロビーという形でいつでも利権のにおいがする、残念ながらそういう経済協力もある。そこで、せめてこの四つの国の日本の経済協力の実態ということをできるだけ明らかにするような資料を実はほしいと思うんですが、一つは、去年の秋、韓国とそれから南ベトナム、あるいはインドシナ三国かもしれませんけれども、そこに調査団が行かれたそうでありますので、それが帰ってきての報告書というものがまとまっておったら、それをいただきたい。インドネシアのやつは、北島ミッションというのが一番新しいんでしょうかね。とすれば、それをいただきたい。そういう調査団の報告書をですね。
 それからもう一つは、これはちょっとやっかいになると思いますけれども、この四カ国に対する日本の経済協力、まあ無償援助、有償援助、直接投資、それから輸出信用ですか、それくらいに分けて、せめて六五年ぐらいから毎年のやつですね、それも先ほども質疑を聞いていて気がついたんですけれども、韓国の場合なんかは、協力なり援助なりの根拠ですね、たとえば、日韓協定による無償援助の一部であるとか、有償援助の一部であるとか、あるいはどっちにも属しないものであれば、そういうもの。せっかく日韓協定で有償、無償幾らというようなことを大騒ぎしましたけれども、全然それのワクにはみ出したような無償援助というようなものが行なわれているとすると、何の意味もないことになってくるわけですし、さっきの高等学校の援助なんというのも、どうも無償援助に入るものでもなさそうじゃないですかね。そんなこともありますから、そういう根拠、それから円借款なら円借款に基づくものだとすれば、何年いつの円借款に基づくものだというような、そういうもの。それから経済協力の中で、たとえば協力基金と輸銀とがなかなか交通整理ができなくてだいぶ混乱をしておるようですけれども、これは協力基金の金だとか、これは輸銀の金だとかいう、そういう内訳ですね、そういうものでせめて六五年から去年、去年が無理なら六九年でもいいですが、その辺のやつを……。それで、直接投資にしますというと、たとえばそれくらいの間では大した額ではなくても、累積をした現在の額では幾らというのがあるわけですね。そういうことで、毎年度のやつはそれくらいでいいですけれども、累積幾らというのが別にわかればいいんですけれども、それはちょっとやっかいだと思いますけれども、一ぺんそういうのをつくっていただければ何かと便利だと思うんですが、できましたら輸銀の改正案の審議が終わるまでにいただければいいと思うんですが。
#83
○政府委員(稲村光一君) ただいまの御要求の資料のうちで、調査団関係のほうは外務省からお答えいただくことにいたしまして、計数のほうの資料につきましては、できる限り調整いたしまして緊急に御提出いたしたいと思います。
#84
○説明員(鹿取泰衛君) 調査団の報告書についての資料の御要求がありましたわけですけれども、実は、何調査団と申しましても、非常に大きく分けまして二種類ございます。一つは、すでに経済協力をやりましたプロジェクトについてその効果があがっているかどうか、そのどんな点が悪いか、改善すべきかどうかという報告書がございます。これも相手の国の政府によってわが国から出したわけでございますけれども、それにつきましては、もう原則としてこれは見ていただくほうがいい、むしろ経済協力にも参加している民間業者の方にも参考にしていいということでございますので、原則としてこれは全文資料として提出ができるわけでございます。
 もう一つの種類は、まだ政府として政策を決定してない、相手の国とも話が固まっていない、その準備の段階で相手の国から調査団の派遣を求められたケースがございます。その場合には、まだいろいろ相手国との話し合いをそれに基づいて詰めるわけでございますし、また、内容的にも相当相手の経済なりそのほかの問題点を指摘してございますので、それをそのまま出すこと自体相手の国との外交考慮からいかがかとも思われますし、それ自体いきなり民間の方なり何なりにもお見せして役に立つというものでもございませんので、これは不公表といいますか、非公開を原則としております。ただし、国会のほうから正式の御要求があるならば、その場合にはその内容について相手の国との関係などで問題のある点がないかどうか、また、政府としての見方として固まっているかどうかというようなことを検討いたしまして、その要旨については御報告できるのではないかというふうに考えております。
#85
○松井誠君 いまのあとのほうの公表をはばかるというのは、先ほどお願いしました三つの報告書全部についてですか、あるいは、そのうちの特定の国だけですか。
#86
○説明員(鹿取泰衛君) さしあたって先生が御提起になりました報告書のうちでは、南ベトナムに出しました安部ミッションという去年の九月から十月だったと思いますが行きました報告書と、それから韓国の要請で参りましたいわゆる赤澤ミッションと申しますミッションの報告書が私があとの範疇に属すると申し上げた、全部そのまま出すと外交関係に差しさわりがあるのではないかという種類でございます。
#87
○松井誠君 その二つの種類の調査報告というのは、一部、二部というふうに別々になっているのですか、あるいは、不可分の一つになっているのですか。
#88
○説明員(鹿取泰衛君) 全然別の報告書でございます。私が申し上げましたのは、同じ国について一部、二部というふうにあるというのではなくて、先ほど申しました安部ミッションのつくった報告書は全体として外交関係を考慮して公表できかねる。また、赤澤ミッションについても同じでございます。しかし、そのほかに、外務省が相手の国との援助をレビューするといいますか、追跡調査をするといいますか、援助効果を測定するという目的で、いろいろな国にインドとかパキスタンとかにもミッションを出しています。その報告書は、これは公表して差しつかえないものと考えております。
#89
○松井誠君 私のお願いしたのは、日本の経済協力全般ではなくて、その報告書をお願いしたのは、韓国とベトナム――ベトナムというか、インドシナ三国かもしれません、それとインドネシア、三つだけなんです。その三つの中でいままでの経済協力がどういう形になっていっておるのかというそういうレビューの分というのは、三つともありますね。
#90
○説明員(鹿取泰衛君) レビューの分についてはは、韓国と、それからこれは確かでありませんから確かめますけれども、インドネシアについてはあると思います。南ベトナムについてはございません。
#91
○松井誠君 南ベトナムについては、そうしますと、いままであまり実績がなかったからそれもない。これからどうするかという経済協力のような調査報告書というものはあるけれども、それは公表をはばかる。つまり、南ベトナムについては全部発表できないということですね。
#92
○説明員(鹿取泰衛君) 南ベトナムについては、そのとおりでございます。ただ、先ほど私が付言申しましたとおり、報告書の内容の趣旨については御説明できるものがあると思います。
#93
○松井誠君 これは外交交渉上と言われるとしかたがありませんから、無理押しをここではいたしませんけれども、ひとつできる範囲で差しつかえないという点は、要約して出していただきたい。
 それからベトナムと言いましたけれども、ラオス、カンボジアもあるとすれば、その分もお願いしたいと思います。
#94
○説明員(鹿取泰衛君) ラオス、カンボジアはまだ入っておりません。
#95
○鈴木一弘君 私も、ちょっと、いまのに似ているのですけれども、こまかくほしい。
 南ベトナムのチョウライの病院の改築ですね、これについての入札の経緯、それから設計の経緯、施工の経緯、そういうものについてどういう状態で出されているか。これはきちっとして出してほしい。
 それからリリエンソール計画にのっとって日本がやっているかやっていないか問題なんですけれども、もしそれに対応するものでわが国がやっているものがあれば、それを出してほしい。
 それからもう一つは、例のラオスのビエンチャン空港、これについて、本年度の予算にはついていたと思います――昨年度もついていたと思いますが、どういうふうに完成を見たのかということ、それをできれば見取り図まで入れてほしいと思います。
#96
○説明員(鹿取泰衛君) 三つ御要求があったと思いますけれども、チョウライ病院の入札の経緯その他、これはまだ正式の入札はこれからなんでございますけれども、たしか設計の取りきめはしたかと思います。今後の入札予定等の経緯は御提出できると思います。
 それから第二のリリエンソール案のようなものがあるかと、これは書きものは日本の場合には何もそういうものはございませんし、第一、リリエンソール案というのも、これはアメリカでももう実際問題としてこのまま実施できないということで、はっきり言えば廃案のようなものになっているわけでございますが、日本の場合にそれに相当するものがあるかということでございますけれども、これはございませんので、これは資料提出はいたしかねるわけであります。
 それから三番のビエンチャン空港の分につきましては、資料を提出いたします。
#97
○鈴木一弘君 最初の設計の状態について、設計のところまでしかいっておりませんから、これから入札のような形で競争するんだろうと思いますので、それについてのものをチョウライの病院についてはほしいわけです。
 あと、これははなはだあれですが、海外技術協力事業団でやっている医療協力の事業の委託費がございます。それのこまかい内容と、どこに事業を委託したか、その責任者の住所、氏名、扱った品目、送った先、受け取りの相手、そういうものをいただきたいと思います。
#98
○説明員(鹿取泰衛君) チョウライ病院の点はよくわかりました。提出いたします。
 それから医療協力費の点につきましても、できるだけ資料を提出いたします。
#99
○委員長(柴田栄君) 本案に対する本日の質疑は、この程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
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ソース: 国立国会図書館
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