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1970/05/21 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 大蔵委員会 第22号
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1970/05/21 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 大蔵委員会 第22号

#1
第065回国会 大蔵委員会 第22号
昭和四十六年五月二十一日(金曜日)
   午前十一時三分開会.
    ―――――――――――――
   委員の異動
 五月二十一日
    辞任         補欠選任
     亀井 善彰君     高田 浩運君
    久次米健太郎君     長田 裕二君
     井川 伊平君     伊藤 五郎君
     向井 長年君     田渕 哲也君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         柴田  栄君
    理 事
                大竹平八郎君
                玉置 猛夫君
                中山 太郎君
                成瀬 幡治君
                多田 省吾君
    委 員
                青柳 秀夫君
                伊藤 五郎君
                長田 裕二君
                栗原 祐幸君
                佐田 一郎君
                高田 浩運君
                二木 謙吾君
                戸田 菊雄君
                松井  誠君
                吉田忠三郎君
                鈴木 一弘君
                田渕 哲也君
                向井 長年君
                渡辺  武君
   国務大臣
       大 蔵 大 臣  福田 赳夫君
   政府委員
       大蔵政務次官   藤田 正明君
       大蔵大臣官房長  高木 文雄君
       大蔵省主計局次
       長        橋口  收君
       大蔵省主計局次
       長        竹内 道雄君
       大蔵省主税局長  細見  卓君
       大蔵省理財局長  相澤 英之君
       運輸大臣官房審
       議官       見坊 力男君
       運輸省鉄道監督
       局国有鉄道部長  秋富 公正君
       建設省道路局長  高橋国一郎君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        坂入長太郎君
   説明員
       大蔵省主税局税
       制第二課長    高橋  元君
       厚生大臣官房参
       事官       石野 清治君
       運輸省自動車局
       整備部長     隅田  豊君
       建設省道路局道
       路総務課長    福地  稔君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○自動車重量税法案(内閣提出、衆議院送付)
○日本万国博覧会記念協会法案(内閣提出、衆議
院送付)
○厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案
 (内閣提出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、亀井善彰君及び久次米健太郎君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運君及び長田裕二君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(柴田栄君) 自動車重量税法案、日本万国博覧会記念協会法案及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案、以上三案を便宜一括して議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。藤田政務次官。
#4
○政府委員(藤田正明君) ただいま議題となりました自動車重量税法案外二法律案につきまして、提案の理由及びその概要を御説明申し上げます。
 まず、自動車重量税法案につきまして申し上げます。
 政府は、今次の税制改正の一環として、道路その他の社会資本の充実の要請を考慮し、新たに自動車に対して、その重量に応じ、自動車重量税を課税することとし、ここにこの法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を申し上げます。
 まず、課税の範囲等につきましては、道路運送車両法の規定により、新規検査、継続検査等の検査を受けて自動車検査証の交付等を受ける自動車及び使用の届け出をして車両番号の指定を受ける軽自動車を課税物件とし、その自動車検査証の交付等を受ける者及び車両番号の指定を受ける者、すなわち、当該自動車及び軽自動車の使用者を納税義務者としております。
 第二に、税率につきましては、自動車検査証の有効期間が二年とされる自動車について、乗用車は車両重量〇・五トンまたはその端数ごとに五千円、その他の自動車で三輪以上のものは車両総重量一トンまたはその端数ごとに五千円、二輪の小型自動車は三千円とし、自動車検査証の有効期間が一年とされる自動車について、乗用車は車両重量〇・五トンまたはその端数ごとに二千五百円、その他の自動車で三輪以上のものは車両総重量一トンまたはその端数ごとに二千五百円、二輪の小型自動車は千五百円とし、車両番号の指定を受ける軽自動車について、三輪以上の軽自動車は七千五百円、二輪の軽自動車は四千円とすることとしております。
 第三に、納付の方法につきましては、自動車検査証の交付等または車両番号の指定を受けるときまでに、原則として、その税額に相当する金額の自動車重量税印紙を所定の書類に張りつけて行なうこととし、特別の事情がある場合には、国税の収納機関に金銭を納付し、その領収証書を所定の書類に添付することにより行なうことができることとしております。
 また、運輸大臣等は、自動車検査証の交付等または車両番号の指定を行なうときは、税額の納付の事実を確認することとしております。
 さらに、大型特殊自動車等については、非課税とするほか、納税地についての規定等所要の規定を設けることとしております。
 この法律の施行期日は、自動車に対し新たに課税を行なうための準備期間を考慮して、昭和四十六年十二月一日といたしております。
 なお、自動車重量税の収入額の四分の一は、市町村の道路整備財源として、自動車重量譲与税法案の成立をまって、市町村に譲与することとしております。
    ―――――――――――――
 次に、日本万国博覧会記念協会法案につきまして申し上げます。「人類の進歩と調和」という統一テーマのもとに開催された日本万国博覧会は、アジアで初めての開催であることに加えて、世界の七十七カ国が参加し、入場者総数六千四百二十二万人という史上空前の記録を残して、無事終了いたしました。この間、平和と文明の進歩に努力する各国の姿が広く理解され、文化と産業の成果が相互に伝えられたことは、わが国の国際交流の発展に新しい息吹きを与えたものとして、高く評価されるところであります。
 このように、日本万国博覧会は大成功のうちに閉幕いたしましたが、これが真の意味において有終の美を飾るためには、その跡地や施設を今後りっぱに活用していくこともまた重大な課題であります。万国博覧会会場の跡地は、諸外国の例を見ても貴重な国民的財産というべき性格のものとなっており、かつ、その位置、規模などに照らしても、跡地の利用いかんは、地元近畿地方はもとより日本の将来にとっても重要な意味を持つものと考えられます。また、日本万国博覧会の開催運営に当たった財団法人日本万国博覧会協会は、その目的を達成し近く解散することになりますが、同博覧会の運営の結果生じた剰余金につきましても、これを国民全体のものとして、その運用については特に慎重な配意が必要とされるところであります。
 このような状況にかんがみ、政府といたしましては、大蔵大臣を担当大臣として広く各界の意見を聞くとともに、関係者とも十分話し合い、慎重に検討した結果、日本万国博覧会の残したこれらの財産は、大成功をおさめた同博覧会を記念し、その成果を長く後世に伝えるような事業に活用することが適当であると判断するに至りました。
 このため、政府は、跡地を記念公園として整備運営するとともに記念基金を設けて管理する等の事業を有効かつ適切に行なう管理主体として、日本万国博覧会記念協会を設立する必要を認めまして、ここに、この法律案を提出した次第であります。この記念協会には国の財産が一部出資されるほか、その業務の内容も多分に公共的性格を有しておりますので、これを法律に基づいて設立することとし、国の監督下において、その適正な運営の確保をはかることとしたものであります。
 以下、この法律案につきまして、その大要を御説明申し上げます。
 まず第一に、記念協会の設立につきましては、学識経験を有する者及び同協会の行なう事業に関し密接な関係を有する地方公共団体の長五人以上が発起人となって、大蔵大臣に設立の認可申請を行なうこととし、大蔵大臣は、その申請の内容を審査いたしまして、日本万国博覧会を記念するにふさわしい事業を適切に行なうことが確実であると認めるときは、その設立を認可することとなっております。
 第二に、記念協会の資本金は、政府及び地方公共団体から出資される財産に相当する金額となっており、政府は、協会設立の際国の有する跡地内の不動産及びその他財産を出資することとなっております。
 第三に、記念協会の行なう主たる業務として、第一は、跡地を緑地として整備し、これに各種の文化的施設を設置するとともに、これらの施設を運営することであります。第二は、財団法人日本万国博覧会協会から承継した財産の一部をもって設ける日本万国博覧会記念基金を管理し運用することであります。
 第四に、記念協会の役員として、会長、副会長、理事長、理事及び監事を置くこととし、これらの役員は、定款の定めるところに従って選任され、その選任には大蔵大臣の認可を要することとしております。またい運営に関する重要事項を審議する機関として、同協会に評議員会を置くことといたしております。
 なお、記念協会に対する監督は、大蔵大臣が行なうこととしております。
    ―――――――――――――
 最後に、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして申し上げます。
 政府におきましては、児童手当法に基づく児童手当に関する政府の経理を、新たに厚生保険特別会計において行なうため、同会計に児童手当勘定を設けるとともに、所要の規定の整備をはかる必要がありますので、ここに、この法律案を提出することといたした次第であります。
 次に、この法律案の概要について御説明申し上げます。
 第一に、この会計に新設される児童手当勘定におきましては、児童手当交付金に充てるための業務勘定及び船員保険特別会計からの受け入れ金、特定の事業主からの拠出金、一般会計からの受け入れ金、借り入れ金等をその歳入とし、市町村へ交付する児童手当交付金、児童手当の業務取り扱い費等をその歳出とすることとしております。
 第二に、この会計の業務勘定におきましては、新たに児童手当にかかるものとして、厚生年金保険関係事業主からの拠出金等を歳入とし、児童手当交付金に充てるための児童手当勘定への繰り入れ金等をその歳出とすることとしております。
 第三に、船員保険特別会計では、新たに児童手当にかかわるものとして、船舶所有者からの拠出金等を歳入とし、児童手当交付金に充てるための厚生保険特別会計児童手当勘定への繰り入れ金をその歳出とすることとし、このため船員保険特別会計法の規定の整備を行なうこととしております。
 このほか、児童手当勘定における借り入れ金、決算上の剰余金の処分等について、必要な事項を定めることとしております。
 以上が、自動車重量税法案外二法律案の提案の理由及びその概要であります。
 何とぞ、御審議の上、すみやかに御賛同くださいますよう、お願い申し上げます。
#5
○委員長(柴田栄君) 引き続き、補足説明を聴取いたします。細見主税局長。
#6
○政府委員(細見卓君) 自動車重量税法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 自動車の走行は、道路の建設、改良、維持をはじめとして、道路混雑、交通安全、交通事故等に関連して社会に多くの負担をもたらしております。また、道路その他の社会資本の充実に対する要請が強く、特に道路につきましては、第六次道路整備五カ年計画の財源の問題があり、緊急にこれらの要請にこたえる必要があります。このような観点から、広く自動車の使用者に対して必要最小限度の負担を求めることとして、自動車重量税が創設されるところとなったものであります。以下、法案の内容につきまして申し述べます。
 第一は、課税物件及び納税義務者でございます。
 自動車重量税の課税物件は、道路運送車両法の規定により、検査を受けて自動車検査証の交付等を受ける自動車及び使用の届け出をして車両番号の指定を受ける軽自動車とされているのでありますが、この場合の検査としては、新規検査、継続検査、分解整備検査、構造等変更検査、臨時検査の五つの検査があります。また、自動車予備検査証を提出して自動車検査証の交付を受ける自動車も検査証の交付の際に課税されることとなります。なお、原動機付き自転車は、検査も車両番号の指定もございませんので、課税物件とはなっていないわけでございます。
 次に、納税義務者につきましては、自動車検査証の交付等を受ける者及び車両番号の指定を受ける者としているのでございますが、これらの者は、道路運送車両法の規定では、いずれも自動車の使用者とされておりますので、自動車の使用者が本税の納税義務者となるわけであります。
 自動車の使用者と所有者が異なる場合には、所有者を連帯納税義務者とすることとしておりますが、この場合において、所有権留保付き売買のときは買い主、譲渡担保のときは譲渡者をそれぞれ所有者とすることとしております。
 第二は、税率でございます。
 自動車重量税の税率につきましては、課税の対象となる自動車を三つのグループに分けて規定しております。
 その一は、自動車検査証の有効期間が二年とされる自動車であります。
 この中ではまず、乗用車につきましては、車両重量〇・五トン、またはその端数ごとに五千円としているのでありますが、自家用乗用車にはこの税率が適用されることとなります。乗用車以外の自動車で三輪以上のものにつきましては、車両総重量一トンまたはその端数ごとに五千円としているわけでございますが、これには放送宣伝用自動車のような特別の用途に供される自動車が該当いたします。二輪の小型自動車は、一率三千円としております。
 その二は、自動車検査証の有効期間が一年とされる自動車であります。
 このうち、乗用車につきましては、車両重量〇・五トンまたはその端数ごとに二千五百円としているわけですが、ハイヤー、タクシーといった営業用乗用車がこれに該当いたします。乗用車以外の自動車で三輪以上のものにつきましては車両総重量一トンまたはその端数ごとに二千五百円としておりますが、トラック及びバスがこの税率の適用を受けることとなります。二輪の小型自動車は千五百円としております。
 その三は、車両番号の指定を受ける軽自動車であります。
 三輪以上の軽自動車は七千五百円、二輪の軽自動車は四千円としているのでございますが、これは軽自動車につきましては、新車の届け出を行なって車両番号の指定を受ける際に一回限りの負担として課税されるものでございます。
 第三は、納付の方法でございます。
 自動車重量税の納付は、自動車検査証の交付等または車両番号の指定を受けるときまでに、原則として、その税額に相当する自動車重量税印紙を所定の書類にはりつけて行なうこととし、特別の事情のある場合に現金納付を認めているのでありますが、印紙による納付を原則といたしましたのは、納税者である自動車の使用者の便宜を考慮し、また、車検場における現金の授受を避けるとともに、大量の事務を迅速に処理することを可能にするためでございます。
 この場合、適正な納付を確保するため、運輸大臣等は、自動車検査証の交付等または車両番号の指定を行なうときは、税額の納付の事実を確認することとしているわけでございますが、これに不足額があるときは、その旨を納税義務者に通知することとしております。なお、別途、道路運送車両法の改正により自動車重量税が納付されていないときは、検査証の交付等を行なわないこととされております。
 以上のほか、この法律におきましては、ブルドーザ等の大型特殊自動車を非課税とするほか、納税地、不足税額の徴収、過誤納金の還付その他所要の規定を設けることとしております。
 以上、自動車重量税法案の提案理由を補足して説明いたした次第でございます。
#7
○委員長(柴田栄君) 相澤理財局長。
#8
○政府委員(相澤英之君) ただいま議題となりました日本万国博覧会記念協会法案につきまして、提案理由を補足して御説明申し上げます。
 日本万国博覧会跡地の利用につきましては、昭和四十五年十月以来、広く各界の意見を聞くため、万国博覧会跡地利用懇談会を開催してまいりましたが、同懇談会は、昭和四十五年十二月、万国博覧会跡地利用の基本的方向について意見を取りまとめ、福田大蔵大臣に報告いたしました。この報告におきましては、跡地は、大成功をおさめた日本万国博覧会の開催を記念するにふさわしい緑に包まれた文化公園として、統一した計画のもとに一括して利用すべきである、という基本的な方向が示されております。政府といたしましては、この報告を尊重し、とりあえず跡地の一括利用の確保をはかる見地から、大阪大学の用地等を除き、国と大阪府が跡地を折半保有することとし、昭和四十六年三月、大阪府が所有する跡地内の土地約百三十ヘクタールを取得いたしました。
 また、同報告におきましては、財団法人日本万国博覧会協会の残余財産を承継する何らかの組織が必要であり、かつ、その果実は、日本万国博覧会を記念するにふさわしい事業に用いることが望ましいという意見が述べられております。政府といたしましては、関係方面と十分協議した結果、同協会の残余財産は、跡地を管理することとなる主体が承継することとし、そのうち剰余金は、日本万国博覧会記念基金として保全し、その運用をはかることで意見が一致いたしました。
 このため、政府は、跡地を記念公園として整備運営するとともに、記念基金を設けて管理する等の事業を有効かつ適切に行なう管理主体として日本万国博覧会記念協会を設立する必要を認めまして、ここに、この法律案を提出した次第であります。
 以下、この法律案の内容につきまして、その大要を補足して御説明申し上げます。
 第一に、記念協会は、法律により直接設立するのではなく、学識経験者等が発起人となって大蔵大臣に設立の認可申請を行ない、大蔵大臣がこれを認可することによって設立することとしております。これは、万国博覧会記念事業は、第一次的には民間の自主性を尊重し、その創意工夫を生かしつつ、これに国及び関係地方公共団体が協力するという形で推進することが適当と認めたからであります。ただ、記念協会の事業が高度の公共性を有し、国及び地方公共団体が多額の出資を行なうこととしておりますので、これを所期の目的のため活用させる見地から、管理、財務及び会計等重要な事項については、大蔵大臣が所要の監督を行なうこととしております。
 第二に、記念協会の資本金は、政府及び地方公共団体から出資される財産に相当する金額となっております。政府は、さきに取得いたしました跡地並びに博覧会政府出展物である日本館及び日本庭園を記念協会に出資する予定であります。また、地方公共団体としては、大阪府が現に跡地内に有する土地約百三十六ヘクタールを出資することを予定しております。
 第三に、記念協会の行なう主たる業務でございますが、跡地の文化公園としての整備運営にましては、マスタープランを作成した後、必要な施設を逐次設置し、運営していくことになる予定であります。また基金の管理、運用につきましては、安全、確実かつ有利な方法により運用するとともに、その運用益は、跡地の整備、運営をはじめとし、同博覧会を記念するにふさわしい事業に充てることになる予定であります。
 なお、日本万国博覧会の準備及び開催運営に当たりました財団法人日本万国博覧会協会は、その目的を達成いたしましたので、記念協会成立のときにおいて解散することとなっております。
 以上をもちまして、この法律案の提案理由の補足説明といたします。
#9
○委員長(柴田栄君) 竹内主計局次長。
#10
○政府委員(竹内道雄君) ただいま議題となりました厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を補足して御説明申し上げます。
 御承知のとおり、児童手当制度は、今国会に別途提案され、本日可決成立を見ました児童手当法に基づき、わが国における新たな社会保障施策として、昭和四十七年一月一日から発足する予定といたしておりますが、本法案は、これに伴い児童手当に関する政府の経理を新たに厚生保険特別会計において行なうこととしようとするものであります。
 児童手当に関する政府の経理につきましては、児童手当は、厚生年金保険等とともに社会保障制度の一環をなすものであること、事業主からの拠出金の徴収について事業主の便宜に資するため、極力既存の徴収機構を活用して厚生年金保険及び政府管掌健康保険の保険料の徴収とあわせて行なうこと、また、行政簡素化の要請にこたえるべきこと等の理由により、これらの保険事業の経理を行なう厚生保険特別会計に児童手当勘定を設けて経理を行なうこととしたものであります。
 次に、児童手当に関する経理の主要な点について申し上げます。
 まず、歳入面について申し上げますと、事業主拠出金につきましては、厚生年金保険関係事業主からのものにあっては、厚生保険特別会計の業務勘定において、船舶所有者からのものにあっては、船員保険特別会計において、それぞれ受け入れた後、厚生保険特別会計児童手当勘定へ繰り入れ、その他農林漁業団体職員共済組合等特定の共済組合の関係事業主からのものにあっては、直接児童手当勘定において受け入れることとし、また、児童手当交付金にかかる国庫負担金につきましては、一般会計から児童手当勘定へ繰り入れることといたしております。
 他方、歳出面につきましては、児童手当勘定から市町村に対する児童手当交付金を交付するとともに、事業主拠出金の徴収取り扱い費の財源を業務勘定及び船員保険特別会計に繰り入れることにしております。
 このような仕組みのもとに、児童手当勘定を本年七月一日から施行する予定にいたしておりますが、同勘定の昭和四十六年度歳入歳出予算額につきましては、およそ四十四億円余といたしております。
 以上、簡単でありますが、この法律案の提案の理由を補足して御説明申し上げました。
#11
○委員長(柴田栄君) これより三案の質疑に入ります。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#12
○成瀬幡治君 最初に、資料が、まあ初めてのことで全然ないわけですが、そこで、便宜上、参議院の大蔵委員会調査室から資料が出ております。それが間違いないかどうか。これで間に合うということならば、これをもとにしていろいろ進めていけばいいと思いますから。
 そこで、お尋ねするわけでございますが、まず、九ページの「道路運送車両法による自動車の種類」でございます。これは、道路運送車両法でございますから、運輸に関連するのか、あるいは大蔵に関連するのか、よくわかりませんが、こういうことでよろしゅうございますね。自動車の種類ですから、これはこれでいいですね。
#13
○政府委員(細見卓君) いま専門家が来ておりますから、いま初めて拝見しましたので、ちょっとチェックさしていただいて、後ほどお答え申し上げます。
#14
○成瀬幡治君 次にもう一つは、「自動車関係諸税の税収の推移」というので、一五ページに、国税。地方税あわせて三十五年度から四十四年度までの税収が出ておりますが、これでよろしゅうございましょうか。
#15
○政府委員(細見卓君) 税収のものは、これもやはり卒然と拝見したのでありますが、大体いま見たところ違っておらないようでございますが、もし、こまかいところで違っておりましたら、後ほど訂正さしていただきたいと思います。
#16
○成瀬幡治君 お聞きしますと、大蔵省から出た資料だそうでございますから……。
 それから一七ページの「道路整備五カ年計画の推移」というのがございます。これも大蔵省から出た資料のようですね。
#17
○政府委員(細見卓君) いずれも大蔵省は大蔵省でございますが、若干古いころの大蔵省でございまして、新しい資料を出さしていただきたいと思います。少しずつ違っております、新しいところが。
#18
○成瀬幡治君 そうしますと、衆議院のほうでも資料要求その他あって、もし衆議院のほうに提出された資料があればそれを参議院で重ねて要求するとか、あるいは、要求した資料が衆議院のほうではあったけれども参議院じゃ要求がなかったということもあるかもしれませんが、一括して出されるようなことはできましょうか。
#19
○政府委員(細見卓君) 実は、私どもは、委員部へお届けして、きょうそれが配付願っているものだと思っておったぐらいで、全部必要部数を整備いたしております、衆参両院分とも。
#20
○説明員(隅田豊君) 先ほどの自動車の種類の表でございますが、ただいま当たりましたところでは、大体間違いないようでございます。もしこまかいところで間違いがございましたら、あとで訂正いたします。
#21
○成瀬幡治君 ちょっと、あなたのほうはこっちに出したと言われる、こっちは受け取っておらぬということで、少し違っておるようですが。
#22
○政府委員(細見卓君) さっそく政府委員室のほうを督励いたしまして、どこかで滞留しているようでありますので、私どもも、御審議願うのに、衆議院に出したものはもうあらかじめ御要求があろうがなかろうがお出しするつもりで、実はきのう手配いたしたつもりでございますが、手違いがあるようで、たいへん申しわけございません。
#23
○成瀬幡治君 まあそういうふうであれば非常に幸いだと思いますから、それじゃそういうふうに資料のほうはしていただきたいと思います。
 そこで、まず第一にお尋ねしておかなくちゃならないと思いますことは、こういう自動車の重量税を新しく設けようじゃないかという発想が出てきて、しかも、自動車自体にたとえば蔵出しするときにかけたほうがなおよかったじゃないかという議論があり、いやいやそうじゃない、ガソリンのほうへもう一ぺん持っていこうというような意見もあり、何かこう重量税というようなそういうところへ二転三転して落ちついたというようないきさつを聞いておるわけなんですね。で、そういうことはないんだと、もともと初めからわしらのほうは重量税でしたよと、こういうようなお話もあるかもしれませんし、また、これが道路財源であってみたり、それもしかも国と地方の問題、それからもう一つは国鉄の財源にも行くというような、まあ非常にいわくつきであってみたり、それから使われるところがまたどうもすっきりしない。一般会計から出ていくことだからやむを得ませんといえばそうかもしれませんけれども、とにかくそういうようないろんな疑惑と申しますか、あるいは関心を持たれておったから、いろいろと意見があって分かれてきて、最後にしぼってきたらこういう結果になってきたんだということかもしれませんけれども、こういうものが生まれてくるまでの発生の経過と申しますか、そういうものをまず最初に承りたいと思います。
  〔委員長退席、理事大竹平八郎君着席〕
#24
○政府委員(細見卓君) 大蔵省が最終的に考えました案はここにお出ししてある案でございますが、この案に至ります過程におきまして、実は、各省それぞれいろいろな案があったわけであります。
 第一は建設省でございまして、これは四十五年の九月ごろに道路利用者新税というのを考えておられます。それからさらにそれがトラック税にしたらどうかというような考えもあったようでございます。それから自治省におきまして、自動車税と軽自動車税を引き上げる、あるいは軽油引取税を引き上げるというような案があり、これはいずれも道路財源が不足しておるという観点に立って、特に第六次道路整備五カ年計画の不足財源の調達という観点がかなり強かったように考えております。それに対しまして、運輸省とか、あるいは自民党のほうにおきまする都市政策調査会、これは、どちらかといえば、総合交通というような観点に立って、総合交通税というような税の構想が唱えられておりまして、運輸省の場合には新規の保有税、その場合に営業車は若干軽課するというような考えがございました。また、一方、警察庁におきましては、交通安全というような観点から、やはり自動車に広く負担を求めようと、新規の製造移出課税、蔵出し税といったような税が考えられておりました。
 そういうわけでとにかく道路関係あるいは交通関係で財源が足りない、それをあげて皆さん自動車に自動車にというような案がたくさんこのほかにもあって、これはおもなところを申し上げたわけでありますが、これにいろいろいわばバリエーションがつきまして、トラックだけでやったらどうかとか、あるいはガソリンだけで引き上げたらどうかというような話、あるいは物品税を拡充してその中にトラックを入れたらどうかというように、いろいろございましたが、最終的に道路に対する問題というのはやはりもっと基本的に考えまして、先ほど提案理由の補足で申し上げましたように、自動車がいろいろな形で社会的な費用をかけておると、その点に着目して、交通社会資本の整備ということについては自動車にその負担を求めてしかるべきではなかろうかということ、その場合におきまして、現に第六次道路整備五カ年計画の財源が不足ということになっておるわけでありますから、その主たる財源はその道路整備計画の不足財源の充てんに充てるというようなことになったわけでありますし、政府の税制調査会のほうにおきましても、自動車の問題がそういうふうにいろいろな方面で世間で取り上げられておることを踏まえまして、九月ごろから引き続き検討を願っておりまして、最終答申の段階におきましては、何といいますか、必要最小限度の負担を広く自動車の利用者に求めるような税制上の措置を政府において検討すべきだというような答申をいただいて、それを受けまして、いま申し上げました各方面のいろいろな案、あるいはまた、自動車に負担を求めるあり方というようなものを総合勘案いたしまして、ただいま御提案しておるような案に取りまとめたわけでございます。
#25
○成瀬幡治君 大臣にお尋ねいたしますが、いろいろな考え方があって、そうしてここにまとまった案として今回の提案を見たという点については、いま経過を若干お聞きしたわけですが、この法律をやられるときに、自民党の政調道路部会で時限立法的な考え方もあったようなんでね。大臣は、いろいろな議論の中では、自動車がこれだけいろいろな形で関係の税が八つぐらいあるのじゃないかと言われておりますが、そういうようなところがありますから、何とか整理をして、もう少しすっきりした形で、あそこでちょっぴり税金を取る、またこっちで税金を取る、使っているところは同じだというような形になっていったら、いつかは、集大成と申しますか、総合的に整理をされる段階が来なくちゃならぬということは当然お考えになっておると思います。ですから、こうしたような法律案を出すときにも、何年かの時限立法にしたらどうだろうかというようなことはお考えになったことはございませんでしょうか。あるいは、それに関連をして、いまのままでと申しますか、現行法があり、その上にまたこれを一つ出してきたわけですから、これで非常にいいんだというお考えか。何年か先には、いま申しましたように、それを何か手直しをし、一本化していかなくちゃならぬのじゃないかというようなことをお考えになっておるのかどうか。
#26
○国務大臣(福田赳夫君) 自民党政務調査会で自動車新税を策定をする、こういう立案の過程で、時限立法という考え方は、これは一つもありませんでした。しかし、私は、いま自動車に、ガソリン等を含めますと、とにかく自動車関連で八種の税がかかっておる、地方税を含めての話でございますが。これはどうも納税者から見ますと、いかにも複雑多岐にわたっておるという感じを持たれるかと思うのです。もっとも、この税の課し方というものが、各国でもずいぶんまちまちでございまして、アメリカのごときは実に十種もかけておる、こういうような状態でございます。ですから、わが国が八種類の上に今度一つの新しい新税を加えるということは、いま申し上げましたように、どうも複雑多岐に過ぎるという感はあるのでありますが、
  〔理事大竹平八郎君退席、委員長着席〕
緊急の措置として御承認願わなければならぬかと、こういうふうに思うのでありますが、今後におきましては、何とか私はこれを整理統合して、国民から見て、一人の国民がこれくらいの自動車に対する負担を負っておるんだということがすっきりするような形が望ましいのじゃないか。そういうふうに考えまして、この諸税の統合という問題につきましては、なお検討してみたいと、こういうふうに考えております。
#27
○成瀬幡治君 検討してみたいということは、近い将来と申しますか、税制調査会に諮問をされるという、そういう用意があるというふうに受け取っていいわけですか。
#28
○国務大臣(福田赳夫君) いずれ税制調査会の御意見を伺いたいと、こういうふうに思います。
#29
○成瀬幡治君 それは、いずれですね。いずれということになると、二年先にもなるし、三年先にもなるのですが、その辺はどのくらいでしょうか。
#30
○国務大臣(福田赳夫君) 衆議院の委員会でもそういう御意見がたびたび述べられました。また、いま成瀬委員からもお話があった。そういうような事情を勘案いたしまして、ことしの税制調査会に御意見を求めたいと、かように考えます。
#31
○成瀬幡治君 そのときには、提案の理由によりますと、考え方が二つあると思うのですね。一つは、自動車というものは社会に多くの負担をもたらしておる、こう書いてある。もう一つは、第六次道路整備計画の財源不足からきておる、こうなっておる。もう一つ、お考えになるのは、どのくらい自動車関連に担税能力があるか、どのくらいを負わさしたらいいかという、そういう三つぐらいの基準からだと思うのですね。必要のほうは二つだと、片方は負担の問題である。そういうような点から見ますと、自動車というものは、交通事情にいろんなことが多くなったことによっていろんなことが出てきた。だから、当然自動車の税金をもう少し払ってもいいのじゃないか。しかし、そうなったら、もう少し道路をふやさなくちゃならぬから、道路財源もこうなってまいりますと、第六次の道路総合計画と申しますか、道路整備五カ年計画というのが大きな問題になってくると思うのですね、ウエートが。やはり、能力と財源がどのくらいほしい、だからこのくらいの税率でなければならぬし、こうなるのだよということになれば、大体第六次道路整備五カ年計画というのは、全貌はどんなことでございましょう。
#32
○国務大臣(福田赳夫君) 第六次五カ年計画は、これは昭和四十五年から発足をいたしたわけであります。すでに一年有余を経過しておる、こういうことでございますが、その道路計画の事業総額は十兆三千五百億円、それで国道の整備は大かた終了すると、こういうふうなことを目途としております。また、地方主要幹線道路、これにつきましては、七割方整備を終えたい。また、高速道路網、これをかなり伸ばしていきたい。同時に、都市高速道路、これも大いに進めたい。さらに、地方道の整備を進める。これが内容になっておるわけです。
 建設省から来ておりますので、詳細の御説明が必要ならば、そちらから御説明申し上げますが、その財源といたしましては、大体、従来のガソリン関係特別会計からの財源、これを充当する、これが主になります。と同時に、一般会計からも毎年一〇%ぐらい繰り入れ額をふやしていこう、こういうふうに考えておるわけですが、そこで、全体といたしまして、五カ年間におきまして三千億円の財源が足りない、こういう状況になるわけであります。その足りないままで昨年道路五カ年計画を策定した。そこで、国会では、その足りない財源を一体どうするのだという追及がありまして、それは昭和四十六年度の予算編成の際にこれを明らかにしますと、こういうお答えを申し上げておったわけであります。そのお答えを忠実に守らなければならぬという政府の立場、それをまたどういうふうに充足するかということをあれやこれやと考えたのですが、去年の秋ごろから、これはもう自動車にこれを求めるほかはない、こういうことになりまして、いろいろな自動車に関する課税のしかたの案が出てきましたが、結局自動車重量税という形に落ちついたというのが率直なところでございます。
#33
○成瀬幡治君 財源が不足をしておるということはしばしば私たちもお聞きしておりましたし、なんですか、結局、お聞きしますと、これで国道は大体全部いってしまう。地方の主要道路と申しますか、重要道路と指定したものの七〇%は完全にこなす。それから高速道路はもう少し網を広げる。それから都市高速のものにもこれを出しますぞと、こうなっております。実は国鉄にも金が行くわけですね。これは落ちておりますが、それはどういうことなんですか。
#34
○国務大臣(福田赳夫君) ただいま道路五カ年計画十兆三千五百億円の問題を申し上げたのです。ところが、問題は、道路ばかりじゃない。道路関連といたしまして交通安全の問題を考えなければならぬというのがすぐそのあとに出てきた問題でございます。これをこの中に加えなければならぬ。また、そのワクの外におきまして問題がありますのは、道路と交通体系といたしまして相補完し合う交通機関という問題があるんです。これが国鉄であり、また、特に新幹線であり、それからさらには都市問題につきましては地下鉄であり、あるいは海上交通、あるいは航空輸送、こういう問題があります。そういうことを考えますと、道路計画を進める一方において、そういう道路外の交通手段との関連というものを考えなきゃならぬ。ことに、国鉄は、非常な財政の難局に遭遇しておる。これを十分道路との関連を究明しなきゃならぬ、こういう必要に迫られてきたわけであります。これはよほど掘り下げた検討をしなきゃならぬというので、総合交通体系というものを今年中に策定したいと、こういうふうに考えておるわけでございますが、その策定を待つひまもない。そこで、この新税による収入は三千七百億円にのぼりまするが、この三千七百億円の一部、つまり道路に三千億充当する、その残りの部分はあるいは地下鉄に、あるいは新幹線に、あるいは国鉄の改良にというふうにこれを配分する必要があるというふうに認めまして、特定財源という考え方はとりませんけれども、予算編成の過程の気持ちといたしましては、そういう処置をいたしておるわけでございます。
#35
○成瀬幡治君 大臣は総合交通体系ということをおっしゃいましたが、ちょっとこれの中身を御説明願えませんか。
#36
○国務大臣(福田赳夫君) いま交通事情が非常な変化をしつつある。交通体系の中で、従来、鉄道の持つ任務というものは非常に大きかったわけでありますが、その鉄道の受け持つ分野というものを、道路と関連しながら、一体、地域の輸送は道路輸送がいいのか、あるいは軌道輸送がいいのかというような問題ですね、そういう問題が他のいろいろな交通機関との間にあるわけでございます。そういうことをよく掘り下げる必要がある。それで、これからのふえていくところの交通輸送需要、これに対して道路がどういうどこまでの役割りを演ずるか、あるいは国鉄にどういう役割りを演ぜしめるか、あるいは貨物輸送、旅客輸送というもので航空機にどういう任務を与えるか、その辺を、そう精細なことはできませんけれども、かなり掘り下げた検討をした上、交通政策全体のあり方をも含めていかなきゃならぬ段階に来ている。そういうふうに判断いたしまして、実は、企画庁を中心といたしまして四月からその作業に取りかかっておる、こういう現状でございます。
#37
○成瀬幡治君 そうしますと、総合交通政策と申しますか、総合交通体系と申しますか、そういうようなものを企画庁を中心として四月から始めている。だから、それの一つの結論が出てくる。それからもう一つは、それをにらみながら、八本の国税と地方税がある、そういうものを踏まえて、次の税制調査会に、いかにあるべきか、その中には、道路だけではございませんよと、鉄道もあります、空もあります、海もありますよと、こういうことを総合的にいろいろと考えられて税調におはかりになる、こういうふうに理解してよろしゅうございましょうか。
#38
○国務大臣(福田赳夫君) その総合交通体系ができますと、一番問題になるのは国鉄の問題だと思います。とにかく各種の交通機関、この交通機関に対する財源対策をどうするかということも、一応これは大綱を詰めなければならぬというふうに考えます。そういう際に、税に関連する措置が必要である、こういうことになりますと、これは税制調査会におはかりをしなければならぬ、こういうことになるのでありますが、それはそれといたしまして、先ほどから申し上げておりますのは、この自動車関連諸税がいかにも複雑多岐である、国民にわかりにくい、こういうふうに考えまして、この問題はそれに先行いたしましておはかりをしなければならぬというふうに考えております。
#39
○成瀬幡治君 そうすると、今後複雑多岐にわたっている自動車関係の税があるから、それを整備するために税調にはかりますよというのが主点であって、道路財源と申しますか、交通情勢全体をながめたときに、財源が相当なことになると思いますよ。国鉄も、考えてみれば、独立採算制をとっているというけれども、鉄道建設審議会等で新しいところを敷設せよということで、それじゃ撤去せよというと、これはなかなか容易なことじゃない。それから海の問題を考えてまいりましても、空の問題を考えてまいりましても、なかなか容易なことではないと思います。
 そこで、何か、お聞きしていると、一般会計からそういうものに対して何か少し財源を与えられるかのごとく受け取ったのだが、またあとで答弁を聞いておりますと、いやいやそういうものは出さんぞと。どうも、道路財源だけのためにウェートを置いて、税調に複雑多岐だからそれを整理統合するのだというようなはかり方にも聞こえるわけですが、そこら辺のところがちょっとわかりかねているのですが、どういうことになりましょうか。
#40
○国務大臣(福田赳夫君) 今回自動車新税が創設される――御承認をいただきますればそうなります。それを含めて九つの自動車関連税があるのですが、その九つの総体としての税収入、これは私は国際社会における水準から見ましてもそう高いものとも思わない。まあ低いというほどにも考えませんけれども、高いとは私は考えない。ですから、これをいくら諸税を統合いたしましても、総体の税収入を減らすというようなことは考えることはできない。こういうふうに思いますが、幸いに皆さんの御承認をいただきまして自動車新税が創設されるということになれば、交通体系はつくりますが、交通体系の財源といたしましては、まずもって当分の間はこの自動車新税を含めての財源、これと一般会計からの補充ということでまかなっていきたいというのが私の考えです。しかし、私は、万々一のことを申し上げるのです。体系ができて、とてもとてもそれくらいのものでは間に合わぬ、なお新税を設定すべしとか、あるいは既存の増税を行なうべしというような、そういう議論が起きないとも限らない。そういう際、一体、税制調査会にはかるのかというお尋ねですから、そうなれば、もちろん税制調査会におはかりいたしますと、こう答えざるを得ないのです。しかし、現時点で、私は、もうこれ以上自動車に対して重課をする、こういう考え方は持っていないし、また、この税制を御承認になっていただきますれば、それで大体やっていける、こういうふうに見通しております。
#41
○成瀬幡治君 戸田君が参りましたから譲りますが、衆議院のほうの速記録も全部見たわけじゃございませんが、間々見て、いろいろと議論されて、八つあると、そして今度一つできるからちょうど九つになると、国税が五つになって地方税が四つになるんだということで、いろいろなことがございますが、これに関連して、主税局のほうで、こういう徴税費というものが――収入はよくわかっていますが、徴税費というものを、これだけ特別に取り出してやると、自動車の税金を取る人だけが特定な場合もありましょうし、そうじゃない仕事もやっているから、これは抽出はむずかしいと思いますが、しかし、税を集めるときには非常に考えておかなければならぬ問題だと思います。したがいまして、八本の中で、徴税費というものが、大づかみにいえば、国と地方とに分けてもけっこうでございますが、どのくらいの徴税費というものがいままでかかっているのか、それは税収の何%ぐらいに相当するのか。それから今度予定される自動車重量税では、徴税費というのは税収の何%ぐらいを予定されておるのか、承りたいと思います。
#42
○政府委員(細見卓君) 四十四年の統計が手元にあるのでありますが、四十四年で申し上げますと、国税徴税コストが百円当たり一円四十七銭、パーセントで申すと一・四七%、地方税がそれに対しまして三・九二%ということになっております。自動車だけに限って申し上げますと、従来の国税は御承知のように蔵出し税の物品税でございますので、これは納税義務者である製造業者には多大の犠牲はあるいはかけているとは思いますが、徴税費としては比較的安いものになります。蔵出しでございますから。地方税のほうになっておりまする自動車税、これは保有課税で、たとえば車庫規制のようなことを行ないましても、一体自動車がどこにあるのかわからないというようなことで、かなりこの自動車の所有者をつかまえるということに手間がかかっておるというふうに聞いておりますが、御承知のようにこれは府県税でございますので、府県税全体の徴税費としますと、国税の一円四十七銭に対して三円二十銭というような姿になっております。で、聞くところによれば、この徴税費のかなりの部分は自動車に寄っておるんじゃないか。と申しますのは、御承知の府県税は、事業税のようなものは国の課税標準をそのまま使うようなことになっておるわけでございますから、そう独自の調査は要らない。自動車がやっぱり府県税の事務としては一番手間のかかる事務になっておるというふうに聞いております。
#43
○戸田菊雄君 まず、最初に、大臣にお伺いしたいんですが、自動車重量税設定前に、いまもちよっと成瀬委員から質問がなされていたのでありますが、交通面における総合対策、これを樹立して、それで一体この重量税をどういりふうに使うのか、この計画があってはじめて課税することができるということになるのじゃないかと思うのですけれども、順序が逆になっておるのじゃないかと思うのですけれども、その辺の見解はどうでしょう。
#44
○国務大臣(福田赳夫君) 交通総合体制というものがこれはないわけじゃないわけなんですが、非常に抽象的、ばく然的なものなんです。もう少し時勢の変化に即応した具体的な考え方が出ていいんじゃないか。ことに、国鉄です、問題は。国鉄を一体どういうふうに考えていくのかというようなことを固めた上で自動車新税というものが出てくる、これが私は理想的だと思うのです。しかし、道路計画がすでに四十五年に発足しておる。しかも、その道路計画の財源が三千億も不足しておる。これは国会でもたいへんおしかりを受けまして、四十六年度の予算のときはこれを整備しますと、こういうふうに申し上げたのですが、しかし、交通問題は、特にその中でも国鉄問題は、ことしの予算編成に見られたがごとく非常にむずかしい。かなり進んだ案というものができない、きわめて中途はんぱな対策に終わっておるわけですが、交通体系の中の中心をなす国鉄がそうだ、こういうことになると、四十六年度予算編成までに交通総合体系というまでいきかねたのです。率直に言いまして残念なことなんでありますが、そういう状態だ。しかし、道路のほうは、つまり四十五年に計画が発足しておる。一日も整備をゆるがせにすることはできない、こういうようなことで、理想的ではないけれども、次善のことではありますが、しかし必要なことだ、こういうような考え方から新税に踏み切ったわけであります。
#45
○戸田菊雄君 それでは、若干具体的な内容についてお尋ねをいたしますが、本税の収入額の四分の一は自動車重量譲与税法の規定に従って市町村に譲与する、こういうことになるわけですが、十二月に施行いたしまして四月まで三百二億ですね、今年度分は。そうしますと、あとの財源はどういうふうに便っていくのか、その辺の内容について示していただきたい。
#46
○国務大臣(福田赳夫君) 総合交通体系ができないものでありますから、この新税による収入をどういうふうな割り当てにするかということが実はきめかねたわけであります。また、そういう使途がはっきりしておるというためにこそ総合交通体系が必要であったわけでありますが、それができない。そこで、どうしたかというと、今度の新税収入はこれをあげて一般財源としてこれを受け入れる。つまり、九兆四千億円の財源、その一部をなす。そうして、九兆四千億円の支出に一般的に充当せられる、こういう形をとったわけでありまして、編成の過程でもちろん道路に重点を置いた気持ちで道路費を拡大しております。しかし、また、この財源ができればという前提に立ちまして、あるいは交通安全施設のほうの費用もこれを充実する。あるいは新幹線だ、あるいは国鉄の改良、そういうような方面の費用も心持ちこれは増額をいたしておる。こういうことで、まあ一般財源なものですから、的確にどこに幾らどこに幾らと、こういうお答えはできません。
#47
○戸田菊雄君 財源の使途については今後検討されると思うのですが、いつごろまでに大体使途の内容について明確化されるのか、その辺の見通しについてお尋ねいたします。
#48
○国務大臣(福田赳夫君) 四十七年度の予算編成のときには、新税の運用についての使途はどこどこに使うということを明らかにいたします。
#49
○戸田菊雄君 これは、運輸省になりましょうか、自動車の保有台数は現在どのくらいありますか。それから今後十年以内の見通しについて明確にしていただきたい。車種別にひとつお願いします。
#50
○説明員(隅田豊君) 自動車の保有台数を申し上げますと、現在、軽自動車を含めまして、四十五年末で千九百万台くらいでございます。それが昭和五十年になりますと、運輸省の資料によりますと、三千百二十七万台ぐらいになるということでございます。おもな車種別を申し上げますと、たとえば普通貨物自動車で申し上げますと……
#51
○戸田菊雄君 割合でけっこうです。
#52
○説明員(隅田豊君) 軽自動車を除きました乗用車は、五十年末で千三百九十五万台、それからトラックが七百九十二万台、バスが二十九万台、小型二輪が十七万台、軽自動車が八百九十四万台、合わせて三千百二十七万台ということでございます。
#53
○戸田菊雄君 それで、建設省の方はおられますか。現在、保有台数で道路はどのくらい不足を来たしておるんですか、台数で示していただきたい。
#54
○説明員(福地稔君) 的確なお答えになるかどうか、あれですが、四十三年度におきまして、もと一級国道につきましては一・七四、もとの二級国道につきましては一・九四……失礼しました。混雑区間から御説明いたします。四十三年度におきまして、混雑区間は……
#55
○戸田菊雄君 もっと新しい統計はないですか。
#56
○説明員(福地稔君) ございません四十三年度が一番まだ新しいものでございます。混雑区間は、全部で計一万三千五百二十二キロメートルでございます。これは、国道、主要地方道の計でございます。
#57
○戸田菊雄君 台数にしてどのくらいだかわかりますか。
#58
○説明員(福地稔君) 私ども混雑区間の計算をやっておりまして、台数の計算はやっておりません。
#59
○戸田菊雄君 運輸省のいまの発表ですね、四十五年末で千九百万台、それから五十年――五年後ですね、これは三千百二十九万台。そうしますると、これはいままで私も見たんですが、衆議院の大蔵委員会要求の資料「自動車重量税収見込み(四十六年度)」それから「五十年度末自動車保有台数の推計」、この資料とちょっと合わないのですけれども、どうでしょう。衆議院の大蔵委員会の資料によりますと、三千六十四万台、そういうことになっておるんですが、ちょっと数字が合いませんが、どうでしょう。
#60
○政府委員(細見卓君) そこが非常にむずかしいところでございまして、五十年の自動車をぴったり合わせないで、それぞれの役所が自分なりに計算して出して、まあ大体合った。ほかの省のものを申し上げてみますと、大蔵省が三千六十四万台、通産省が三千万台、それから運輸省が先ほどの三千百二十七万台、それから建設省では二千八百七十六万台、企画庁が約二千九百万台と、それぞれの省におきまして学者その他の知識も借りまして統計手法を用いて推計いたしたもので、大体百万台前後のところまで合っている。今日におきましては、通産省と私どもとは大体意見が合っておる。案じますのに、もうこれでおわかり願えますように、建設省は道路の混雑というものが自動車の増加を押えるだろうという要素をかなり見ておられますし、それから運輸省のほうは従来の自動車の登録の趨勢というものをそのまま伸ばしておられるというところが違って、企画庁のほうは国民の所得がある程度大きくなっていく過程で自動車をどういうふうに保有するだろうというようなところから計算しておられる。それぞれの若干の推計の違いはございますが、おおむね三千万台というようなことになっておるのじゃないかと思います。
#61
○戸田菊雄君 そうしますと、これは大蔵でつくった資料ですね。運輸省の発表によりますと、別途資料があるわけですね。その内容は、確かに乗用車の場合はやや同じなんですが、違うのはトラックと小型二輪ですね。これはあとの税率の質問の関係で私はいろいろ問題が出てくると思うのです。ですから、いまわれわれが審議するのにあたって、保有台数なり今後の増、そういう自動車の保有台数の推移等について、どれを土台にして審議をするのが一番いいのか、どうですか。
#62
○政府委員(細見卓君) 私どもと自動車産業を主管いたしております通産省とが大体数字が、一致いたしておりますので、私どもとしてはぜひ大蔵省のものを土台にして御審議願いたいと思います。
#63
○戸田菊雄君 そういう希望なら、大蔵省の資料で進めます。しかし、大臣、国家政策全般から見て、道路をつくるにしても、あるいは国鉄の財源をはかるにしても、総体的なそういう計画というものを持ち合わせないと、いろいろな支障が将来起きてくるんじゃないか、こういうように心配します。この調整等については、大臣はどう考えますか。
#64
○国務大臣(福田赳夫君) 自動車台数がどういうふうになるか、これはまあ非常に先々のことでむずかしい問題かと思いますが、一応現段階でつかみ得る中心資料、これはまあ三千万台、大体いまお話しがありましたようなことなんです。これが現実の問題として変わってくるかこないかわかりませんけれども、とにかく、現にある通産省の調査、それからさらに建設省等においても自動車混雑ということを見込みましても、そう大きな違いを出しておらないわけですね。運輸省でもそうです。そういうような状態でありまするので、まあその中間とまではいきませんけれども、大体三千万台見当ということを前提として御議論を願うほかないのじゃないかと、かように考えます。
#65
○戸田菊雄君 建設省にもう一点お伺いしますが、四十三年末で一万三千五百二十二キロメートル不足を来たしておると。それを、今後この四十五年度から道路五カ年計画をやって十兆三千五百億投入をして、大量に道路の舗装整備、そういうことをやっていくわけですね。それをやれば、いまの不足というものは解消できると見ているのですか。どうですか。その辺の見通しは。
#66
○説明員(福地稔君) 第六次道路整備五カ年計画が終了いたしますと、交通容量もふえるわけでございまして、大体混雑度は解消できるとわれわれは考えております。
#67
○戸田菊雄君 この前、予算委員会で建設大臣に質問したんですが、その五カ年計画の財源調達は本来なら昨年の九月ごろに全部見通しをつけようというのが回答でした。建設省としては、いま、その財源の見通しについてどういうふうに考えていますか。
#68
○政府委員(竹内道雄君) 五カ年計画は、先ほど申し上げましたように、計画全体としては十兆三千五百億円でございますが、そのうち国費として必要なものを大体四兆八百億程度と見ております。それに対して特定財源が、揮発油税それから石油ガス税が投入されるわけでございますが、大体それが三兆三千七百億円程度――五カ年計画の期間中でございますが――見ておりますので、おおむね七千億程度の一般財源の投入が必要である。その一般財源の必要額につきまして、従来一般会計から投入しておりまする一般財源を総額といたしまして毎年一〇%程度の伸びということに考えますと、四千二百億程度になりますので、差し引き財源不足がおおむね三千億円ぐらい、その三千億円ぐらいのものが今回の自動車重量税によって補てんされるというように考えます。
#69
○戸田菊雄君 そういった不足財源について、大蔵大臣、四十七年の予算編成の際に十分考慮していただけるのですか、道路財源のいま言った三千億程度の不足、これはどうですか。
#70
○国務大臣(福田赳夫君) 道路五カ年計画の遂行に必要なる財源は、これはちゃんと整備をする、そういう考えでございます。
#71
○戸田菊雄君 もう一つは、いま言ったように道路五カ年計画はたいへんに国の財政を投資して道路関係は整備をされるとして、国鉄の財政再建については昨年は八十億のいわば利子補給程度、あとは独立採算性でやっている、こういうことなんですね。ですから、今後やはりこの自動車重量税等を通じてその面の考慮がないのかどうか、その辺、大蔵大臣、どうですか。
#72
○国務大臣(福田赳夫君) これは総合交通体系を立てまして、その中の一番重要な問題は国鉄再建をどうするか、こういう問題でありまするが、その再建計画の財源の一部としてこの自動車新税財源を充当するということがいま頭の中にあるわけなんですが、具体的にどうするかということは、総合交通体系特別会計をつくるとかいろいろな議論が出ております。そういうような議論がどういうふうに熟してまいりますか、また、そこまでいかなくても特定財源方式をとるか、こういうような問題もあるわけなんです。いずれにいたしましても、何がしかはこの新税のうちから充当するということになろうかと見通しております。
    ―――――――――――――
#73
○委員長(柴田栄君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、向井長年君が委員を辞任され、その補欠として田渕哲也君が選任されました。
    ―――――――――――――
#74
○戸田菊雄君 それで、税率の前に、一つ、いまの自動車関連諸税のほうの体系は一体どうなっているのか、説明を願いたいのですが。
#75
○政府委員(細見卓君) 自動車につきましては、国税といたしまして物品税のかかる品目、つまり物品税が大型、中型、小型とそれぞれ税率を異にしてはおりますが、物品税がまずかかります。
 それから国税としましては燃料税がございまして、燃料税は揮発油税と地方道路税とそれから石油ガス税――軽油引取税、これは地方税でありますが、この辺から国税と地方税とが入りまじってまいりますので、便宜両方一緒にして申し上げたいと思いますが、そういうわけで、燃料税といたしまして、ガソリンを使うものについては揮発油税と地方道路税、したがいまして、納税者としては、同じ揮発油税として払っていただくものを国と地方の財源の振り分けとしてそれがかわっておる。それからタクシーなんかのように石油ガスを使う車については石油ガス税がかかっておる。それからトラックのように軽油を使うものについては燃料税としては軽油引取税、つまり燃料税の一系統があるわけであります。
 それから自動車税といいますか、地方税には御承知のように固定資産税があるわけでありますが、その固定資産税の類型として自動車税というのがあるわけです。この自動車税が二つに分かれまして、いわゆる自動車にかかる自動車税と、軽自動車にかかる軽自動車税とがあるわけでありますが、その自動車税のほうは道府県税になり、軽自動車税のほうは市町村税になっております。
 それから戸田委員御承知のように、不動産を取得いたしますと不動産取得税というものがかかるわけでありますが、同様の趣旨におきまして自動車取得税というものがかかっておるわけであります。そうして、それに対しまして、ただいま提案いたしておりまする自動車重量税は、ちょうど、不動産取得税がかかって、さらにそれを登記所において登録いたしますときに登録税がかかる、それと同様の趣旨におきまして、若干趣旨は違いますが、車検の交付を受け、あるいは自動車の届け出をして走行するときに、その走行ができるという段階におきまして、登録税あるいは権利創設税というようなものとして今度の自動車重量税ができたというわけでございますので、名称のわりには複雑にはなっていないのでありますが、課税段階が違うというようなこと、あるいは燃料の種類が違うというようなことで幾らか実際以上に複雑に見せておる面はあるわけでございます。
#76
○戸田菊雄君 いま主税局長がお話しされましたように、そうすると八つの税金がからまっておりますね。国税関係では揮発油税、それから地方道路税、石油ガス税、物品税、こういうことで四つあるわけですが、地方税が軽油引取税、自動車税、自動車取得税、軽自動車税と四つある、こういうことになっておるのですが、いままで、自動車を一台、小型でも何でもけっこうですが持っておるとすれば、一人どのくらい税額において徴収されるのですか、その辺をひとつ説明願いたい。
#77
○政府委員(細見卓君) 衆議院提出資料というものの二枚目、二ページをお開き願いたいと思います。これに大蔵省としての試算を載せております。これは二ページのほうは乗用車で、その下に注を打っておりますように、一五〇〇ccないし一六〇〇ccクラスのごく普通の乗用車であるわけであります。これを日本、アメリカ、イギリス、西ドイツ、フランスというふうに、それぞれ、消費課税、つまり日本で申します物品税のような課税の形態、それからいま申しました自動車取得税、これは日本だけの税金になっておりますが、それから保有税、それから今度の自動車重量税を加えました日本の負担は、そこにございますように七万三千円、右をごらん願いますと、アメリカはずっと安くなっておりますが、ヨーロッパのイギリスとか西ドイツとかフランスというようなのは大体日本より高いぐらいのところで並んでおるというわけであります。
 その次に、トラックででごらん願いますと、十トン積みジーゼル、ごく普通の営業用のトラックでありますが、これについて同様の試算をいたしてみますと、そこにございますように、日本のトラックに対しまする税はアメリカよりも安いし、ヨーロッパの西ドイツなどに比べますと三分の一ないし四分の一というような、少なくとも半分以下というような負担になっております。これはもちろんそこの前提条件というような前提を置いての仮定の計算でございますが、たとえば衆議院で御議論がありましたように、自動車の耐用年数の見方を短くするとか長くするとかいうようなことをいたしましても、大勢には変わりない、相対的な負担関係は大体こういうことになっておろうと思います。
#78
○戸田菊雄君 次は、昭和四十五年五月の通産省の資料によるわけでありますが.その調査によりますと、「自動車ユーザーの一台当り納税額」というのがございまして、物品税が第一年目は五万円かかるわけですね。自動車取得税は一万五千円。それから自動車税が二万一千円、これがこの五カ年間でいきますと十万五千円かかりますね。揮発油税が五万五千百円、第一年目。五カ年間の計でいきますと二十七万五千五百円。計でまいりますると、第一年目が十四万一千百円、五カ年計でいきますと四十四万五千五百円。さらに自賠責を含めますと、自賠責そのものが第一年目は一万八千六百五十円、五年間で九万三千二百五十円。それを含めた計でまいりますと、第一年目が十五万九千七百五十円、五カ年間計で五十三万八千七百五十円。このように膨大な税金が車を一台持っていることによっていまの八種類の税金がおおいかぶさってくる。そうして、容赦なくこういう高額な税金が課税される、こういうのが実態なんですね。それに加えて、今度は目方で税金を取ろうということで、いま提案されている自動車新税が出されているわけです。これを含めますと、どの程度一台当たり税金が増加をされていくのか、その辺の数字的なものがわかれば教えていただきたい。
#79
○政府委員(細見卓君) ただいまのお話しの通産省の試算といいますのは、私どももその試算をいわば取り入れて、ただいまお読み申しました大蔵省の試算はできておるわけで、計算の方式は同じでございまして、走行キロのキロ数がちょっと違っておるとか、あるいは一リットル当たりの走る距離が幾らか違うというようなことはございますが、基本的には同じ考え方に立っております。
 それから今回の自動車税によりまして負担がふえますものは、おしなべて申しますと、乗用車が年五千円、トラックが年一万円というぐらいの感触の税になろうと思います。その現実の税負担は、提案いたしておりますように、〇・五トンを単位にいたしまして、二年間であれば、五千円から始まって順次重量に応じておるわけでございます。
#80
○戸田菊雄君 この税率の設定の基準は、いま言った〇・五トンを単位にして課税していくという、いわば重量なんですが、これは、結局、自動車の車検の検査によっていろいろ違ってくると思うのですね。たとえば、提案なされていますように、自動車検査証の有効期間が二カ年のものは二年に一回ということになるわけですね。それからトラックのようなものは一年に一回。それから軽自動車のようなものは順次届け出の際にやられる。三段階ということに大体なっておるわけです。だから、個々の基準を検査をする登録そのものに税金をかけるという趣旨からいけば、当然そうなっていくでしょうけれども、目方でかけていく以外はないでしょうね、かけるとすれば。どうなんです。
#81
○政府委員(細見卓君) 税率をごらん願いますと、車検が二年のものは一年の倍になっております。したがいまして、一年当たりの負担は同重量であれば同じでございます。それから乗用車とトラックとの間は、乗用車のほうは自重をとり、トラックのほうは総重量をとっておりますが、総重量は大体自重の倍くらいになっておるということで、トラックのほうは総重量のほうが車検検査の際に中心になる、車検検査場における便宜を考えまして、トラックは総重量でお願いしておりますが、税率は、したがって、同じ〇・五トン以下のものであれば年二千五百円という税率が全部に貫かれてございます。
 軽自動車を届け出のときに七千五百円にいたしておりますのは、〇・五トン以下のもので、この軽自動車というのは通常三年走行する。ですから、三年分という意味で七千五百円。要するに、〇・五トン以下のものは、二千五百円という税率は全部に当てはまっておるわけでございます。
#82
○戸田菊雄君 もう一つ疑問な点は、税法上のたてまえですね。さっきも自動車関連の租税体系についてお伺いしたのですが、国税の場合、たとえば揮発油税とか地方道路税とか石油ガス税、こういったものは目的税としてこれは明らかに明確になっている。それから今度の自動車をめぐる税制については、メーカー、ディーラー、その間は物品税がかかるのですね。それからディーラーからユーザーに、この間に自動車取得税が入ってくるのですね。それからさらに所有をして検査を受ける、そういうものに対して自動車税というものがかかってくるのですね。こういうことからいくと、税法のたてまえとしてどうもすっきりしないのじゃないかという気がするのですが、これはどういう解釈ですかね。
#83
○政府委員(細見卓君) 物品税と申しますのは、御承知のように、そういう物品の購入あるいは消費ということによりまして示されるいわば担税力を課税の対象にする。したがいまして、沿革的には、奢侈品課税であり、便益品課税であり、少なくとも通常の日用的なものよりも若干高度の消費が行なわれておるということになっておるわけであります。したがいまして、税率も、その便益度あるいは奢侈度に応じて、段階税率に、いわば累進税率になっておるというわけでございます。
 今度は、自動車を固定資産といいますか、一つの財産としてとらまえましての課税でありますが、これが先ほども類似して申し上げましたように、固定資産を持っておりますと年々固定資産税がかかるわけです。それに当たるものが自動車税、府県の場合は自動車税であり、市町村の場合は軽自動車税であるわけです。これは年々自動車を所有しておるということにかかっておるわけであります。で、不動産を取得いたしましたときに不動産取得税というのがかかるわけでありますが、それに見合うものが自動車取得税になっておる。これは府県税になっております。同様に、不動産取得税も府県税であることは、御承知のとおりでございます。
 それからその不動産を取得いたしまして、自分のものとしての私有権を確保する段階で登記所に登記いたします。その場合に登録税がかかることも御案内のとおりでございます。そういう意味で、自動車は、軽自動車でありますと届け出をすることによって走行可能としてその自動車を乗り回してよろしいと、あるいは車検を受けることによってその自動車は自由に道路を走行してよろしいと、そういういわば権利が創設されるわけです。その段階におきまして、登録税として今回の自動車重量税は設けられるわけです。その登録の段階にあたりまして、値段によって登録するやり方もありましょうし、重量によって登録する今回のような税もあるわけでありますが、今回の税の立法の趣旨が、自動車が社会に与えているいろいろな社会的費用という点に着目しておるという点からすれば、重量をもって一つの指標とするのも私どもは適当な考えではないかと、かように考えておる次第であります。
#84
○戸田菊雄君 先ほど、主税局長が、アメリカ等よりは日本の今回の重量税は安い、こういうことを言われたんですが、「主要各国の自動車関連諸税一覧」という、これは通産省の資料ですが、それを見ますと、日本の場合、物品税は、大型車が四〇%税金がかかっておりますね。普通車で三〇%、小型車で一五%。取得税の場合は取得価格の三%、こうなっておりますが、アメリカの場合は、製造業者消費税、これは連邦税ですが、製造価格の七%ないし一〇%ですね。そういうことになりますと、おおむね四倍ないし三倍ということになっていくんじゃないでしょうか。その辺はどうですか。
#85
○政府委員(細見卓君) 日本の物品税が、先ほど申し上げましたように、便益品あるいは奢侈品というような感覚があるので、御案内のようにトラックには物品税がかかっておらないわけであります。ここで申しております大型車と申しますのは、キャデラックであるとかパッカードとかいうようないわば大型という形で代表されております超高級車というわけでございまして、それは、日本の物品税が、先ほど申しましたように、奢侈度に応じてある程度重課するという考えが出ておるわけで、アメリカは、トラック、乗用車を問わず、すべて製造業者消費税という形で取っております。その違いでございます。
#86
○戸田菊雄君 これは、アメリカの保有台数はどのくらいあるかわかりませんけれども、いまの自動車重量税設定に基づいて今後徴収していくということになれば、私の計算では、日本のほうがはるかに税が全体としては上回っていく、そういうふうに考えるんですけれども、それはそういうことになりませんか。
#87
○政府委員(細見卓君) そこでごらん願っておりまするように、一台当たりの負担は、乗用車におきまして、アメリカよりは確かに重いわけですから、乗用車につきまして同じ台数であれば、日本のほうが税額が大きくなるわけですが、台数は圧倒的に違います。ただ、トラックにつきましては、アメリカのほうが日本よりも高くなっております。したがいまして、それらのことを総合的に勘案すれば、日本とアメリカとの税負担の違いは、アメリカと日本との自動車の保有台数の違いということから、いわば相殺し合い、全体としては同じような負担になると観念的には出てまいりましょうが、日本の自動車が三千万台をこしまして、道路面積とかあるいは日本の世帯数とかいうようなことから考えて、そう無際限にふえるものとも考えられないわけでありますから、国土全体として見ると、日本のほうが自動車の税負担は少ないとも見られるわけであります。現在でも、これは参考に申し上げますが、可住地当たりの自動車の台数は、アメリカは二十六台でありますが、日本は実に百四十二・五台ということになっておりまして、住み得る地――山地などを除きました可住地に走っておる自動車は、百四十二台の日本に対してアメリカは二十六台、かなり広々としたところをまだ走っておるというわけで、今後の自動車の伸びにつきましては、この辺を考えなければならぬのじゃないかと思います。
#88
○戸田菊雄君 いままでも私はそうだと思うんですが、メーカーなんかが小売りやあるいは実際の自動車を買う人に売りつけていますが、すべて大衆負担という形に結果的にはなっているんじゃないかと思う。石油でも、あるいはガソリン税でも、そういうものはすべて利用者が石油を購入する、ガソリンを購入する、そういうときにすべて料金として含めてしまっておる。だから、七重八重の重課体制が自動車を持っておる人にすべて行ってしまう。ことに、この税率の設定についてながめてみますと、二年に一回の普通乗用車ですね、これが今後一番多くなってくるんじゃないかと私は思う、いまの情勢からいけば。かつて自転車を乗り回したものが自動車に転換をされる、こういう状況ですから、どうしてもそこに全体のしわ寄せが行くんじゃないか、こういうふうに考えるのですが、その辺はどう判断したらよろしいですか。
#89
○政府委員(細見卓君) また、同時に、道路が整備されることによりまして直接に便益を受けるのは自動車の所有者であり、現在そういう意味で自動車が増加することによっていわば負担をこうむっておるのは一般歩行者であり、あるいは交通公害を受けておる一般住民であるわけでありますから、その辺をどう秤量するかというのは、これはまさに価値判断にわたるところでございますので、いろいろ御議論はあろうと思いますが、私は、現在の自動車の増加が道路の混雑をはじめとする現在のいろいろな交通上の障害をもたらしておることも事実でございますから、この際道路整備のためにどこに財源を求めるかということになれば、所得税に求めるよりは自動車に求めるのが筋じゃないかと思います。
#90
○戸田菊雄君 自動車に求めても、結果的に大衆重課の体制というものはやはり払拭できないんじゃないか。労働省の発表で、これは四十五年末ですが、現在稼働人口四千八百万見当といわれるその中で、四万円以下の給料を取る方が約五二%いるということで、七万以下では五人家族平均でこれは赤字だ、そういう人が八二%総体で占めておる。一面ではそのほかにも一ぱい税金を取られて、四苦八苦の状況で生活にあえいでいるという状況がある。政府は高度成長で繁栄を見たと言うけれども、実際の国民大衆の生活というものはそういうところにはない。一人当たりの四十六年度の税収見積もりでいった場合にも、一億人口の平均は八万七千円見当でしょう、国税の見通しで。そうすると、そのほかのいま読み上げた各種の自動車税八種類と自動車重量税を含めますと、少なくとも十五万円見当重課される、自動車を持っていると。しかし、自動車は生活必需品ですね、もういまは。だから、こういうものにあらためてまた税金を賦課していくということは一体どうなのかということなんですね。この辺、担税力の問題にも関係してくると思うんですが、もう満ぱい状態じゃないかと思うんですね。税務当局としてどういう見解を持っておりますか。
#91
○政府委員(細見卓君) 二ページのただいまの表をごらん願いますと、つまり自動車をお買いになる方は六十四万円ないし六十五万円の自動車をお買いになるわけでありますので、それらの方に年五千円程度の負担の増加になる点につきましては、道路混雑が自動車の増加に主としてよっておるという現状にかんがみまして、何とかごしんぼう願いたい、かように考えます。
#92
○戸田菊雄君 ごしんぼうって、ちょっと税務当局から離れた回答じゃないかと思うんですけれども、私の聞いておるのは、いわば一人当たり国税負担を見ても、約八万七千円見当年間納めなければいけない。政府は減税したしたと言うけれども、そういう状態でなおかつ自動車一台持つことによって十五万円見当の税金を納めなければならない。そのほかに、消費全体を見れば、たいへんなことですね。マッチのはてから、電気ガス税も、全部日常生活にかかってくる。それを出すふところは一つなんですよ。それに十重二十重に税に囲まれておる。そういう面での国民担税力から見て、満ぱいの状況じゃないか、こう思う。だから、その辺の見解について、一体主税局長はどういうふうにお考えか、担当責任者としてですね。
#93
○政府委員(細見卓君) この委員会でたびたび申し上げておりますように、所得税負担について見ますと、年収三百万円以下の階層におきましては、確かにアメリカには及びませんが、フランスと比肩するところになっておりまして、ドイツとかあるいはイギリスなどに比べますと、はるかに負担が軽いという状況でございますし、免税点におきましてもそれらの国を上回っておる。しかも、日本の一人当たりの国民所得がやっとその辺の階層の国に追いつきつつある現状から見ますと、総体的に日本の所得税というのはそこそこ安くなっておるのではなかろうか。もちろん、税というものを国際的に比較するということは、なかなかむずかしゅうございます。生活感情も違いますし、それから富の蓄積も違うでしょう。ですから、これをもってすべてを律するわけにはまいらぬと思いますが、私は、所得税はそこそこ安くなっておる、だからこそこれだけ多数の方に自動車を持っていただけるようになっておるのじゃないか、こう思っております。
#94
○戸田菊雄君 よく主税局長はいまのようなことをおっしゃるわけです。生活様式や生活環境が違うと思うんですね、イギリヤやフランスや諸外国と。これは非常に完備されている。ところが、日本の場合は、教育費も自己負担、すべてが自己負担によっている。そういう面での社会保障制度というものは非常に劣悪です。だから、そういうものが、単に課税の金額分だけで対比はできないんじゃないかと考える。担税能力から考えて、所得税一つとってみても、これはもう生活の平均世帯というものは大体三・八人だ。だから、四人家族平均に当然直さなくちゃいかぬのですね。しかし、課税対象で見る限りは、五人家族平均で言っているわけでしょう。そういうことで、百十三万という税調答申を実行したと、こう言うんですが、それは四人家族に引き直したら、まだ九十六万何がしですから、百十三万までほど遠い話ですよ。だから、こういうことから考えれば、それは税そのものにだって相当なごまかしがあるんじゃないか、こういうふうに考えるんですが、その辺はどうですか。
#95
○政府委員(細見卓君) これは、私どもというよりも、公約された事柄は、私どもは五人で百万円というふうに聞いておったわけでありますから、その当時四人に直せば当然九十幾万であったわけでありまして、もし戸田委員の御指摘のように四人でものごとを考えるべきだと言われる意味におきまして、当時百万円であれば四人で九十二、三万になっておったと思いますがということであるわけでありまして、その水準は現在四人であれば九十六万三千円ということでこしておるわけで、百万円という意味は五人で言われておった。四人に直せば、当然約束されたことも小さな金額でしょうし、実現したものはそれを上回っておって、百十三万が百万をこえるという同じ意味におきましてその当時の約束が実現されているんだと、かように考えております。
#96
○戸田菊雄君 主税局長が指摘されますように、税調の答申は五人家族平均で百十三万、こういうことだから、その限りにおいては政府としては公約は果たしましたと、こういうことになると思いますね。しかし、いまの世帯構成ですね、これはもう三・八人、四人が実態なんですね。だから、こういう実態に合わせていくべきじゃないかというのがわれわれの希望なんです。その辺の見解について、今後七月また税調答申をいろいろやっていくんでしょうけれども、考え方として税務当局はどういうふうに考えているかですね。
#97
○政府委員(細見卓君) そういう御指摘を承りまして、われわれはことしの歳入予算の説明にもそういうふうにいたしておると思いますが、四人の場合は幾ら、五人の場合は幾ら、三人の場合は幾らというふうにして、それぞれの階層に応じて課税最低限がどうなるというふうに表にお示ししておりまして、従来五人の標準家族というようなことを申し上げたのはこれはもう七、八年前のことで、それ以後は五人家族でという言い方にいたしておったわけですが、むしろ四人家族に重点を置いていろいろ世間に発表するものを考えろという御趣旨であれば、そういうことで考えていきたいと思います。
#98
○戸田菊雄君 運輸省にお伺いしますけれども、所得階層別の乗用車保有状況ですね、これはわかりましようか。
#99
○説明員(隅田豊君) 所得階層別の乗用車の分布状況でございますが、ちょっとそういう数字の調査をいたしておりませんのでわかりかねます。
#100
○政府委員(細見卓君) これは大蔵省のを私が申し上げるのですが、調査は企画庁のものでございますので、そういうものとしてお含み願いたいと思います。調査したものがございまして、四十六年二月末現在の調査でございます。それで、全世帯で乗用車保有状況が二六・八%になっております。これを年間所得三十万未満で見ますと一・八%、三十万から六十万が七・二%、六十万から九十万までが一七・七%、九十万から百二十万までが二七一六%、百二十万か百五十万までが三〇.一%、百五十万から百八十万までが三六.五%、百八十万円以上が五〇・九%、こういうふうな内訳になっております。
#101
○戸田菊雄君 いま発表された内容を見ますると、やはり所得の低いほうは保有が少ないですね。しかし、今後の自動車保有の状況というのはどうしても独身のほうがふえていくような気がするのでありますけれども、どのくらい五年以内でおおむねそういう面の低所得者でこれを考えておりますか。全部税金がかかってくるんですから、そういう面で、たとえば一定の所得を見て、何万円以下の購入者は免税方式は考えられないかどうかということなんですが、その辺はどうですか。これは、税法のたてまえからいけば、生活費には税金をかけないというきちっとした方針があるわけですね。だから、三十万円や五十万円以下の年間所得の者で自動車を無理して月賦で購入したというような場合まで全体一律に課税をしていくということでは、あまりにも酷じゃないかと思うのですが、そういう点は全然考えたことはございませんか。
#102
○政府委員(細見卓君) この税は、先ほども御説明申し上げましたように、どなたが持っておられる、あるいはどなたが乗っておられる自動車ということに関係なく、自動車が走ることによって、社会的に道路もつくらなきやならなくなる、あるいは交通安全のいろいろな施設をつくらなくてはならない、ときには交通災害が起こって救急車も走らなきゃいかんというようなことで、いろいろ社会に負担をかけておる。それは自動車である。どなたが乗っておられる、男が乗っておろうと女が乗っておろうと、自動車は同じであり、金持ちが乗っておろうと貧乏な方が乗っておろうが、自動車としては同じであるという点に着目して年五千円ということをお願いするわけでございますので、いま戸田委員の御指摘のように、確かに収入の少ない階層では、自動車の保有が少ないという形で負担も結果的には軽くなるというわけでございますから、所得がふえて自動車が買えるようになれば、ひとつぜひ分担していただきたいと思います。
#103
○戸田菊雄君 私の言っているのは、税法のたてまえは生活費に課税をしないということです。少なくともだれが考えても、かりに独身にしても、三十万、四十万の年間所得者が自動車を買う余裕はないと思う。これは何らかの無理をして買うということになるのですね。だから、そういう立法趣旨からいけば、どういう税金を設定するにおいても、この最低線は守っていかなければいけないのじゃないか。だから、そういうものが全然考慮されずに、今回の自動車重量税は設定趣旨がそうだということで押し切ることはあまりにも冷酷じゃないかと、こういうふうに考えるのですが、どうなんですか。もう一回。
#104
○政府委員(細見卓君) やはり自動車をお買いになるならないはいろいろ事情はあろうと思いますが、自動車を買われたからには、この程度の負担はお願いしたい、こう考えます。
#105
○戸田菊雄君 あまり論争しようと思いませんが、しかし、税法のたてまえから言ってそういうことになっているんだし、一般税法については、生活できないというようなたとえば生活保護世帯だとかそういうものに対しては免税措置もとっているわけでしょう。だから、それがいろいろあるわけなんだから、自動車重量税設定についても最低線を守っていくことが今後の近代的な課税のあり方でなければいけないのじゃないか、こう思うんですが、まあそれはそれでいいです。
 それで、第五条で「(非課税自動車)」がございますね。これは「別表第一」の道路運送車両法に基づいた内容ということになっているわけですけれども、これはどういうわけで非課税の対象にしたのですか。
#106
○政府委員(細見卓君) これらの自動車は、自動車というよりも、自走装置は不完全なものは持っておりますが、主として作業を行なうというのが主になっておるというものでございまして、たとえばキャタピラ付のブルドーザーのようなものでありますが、それらのものが輸送されるときは、一種の運送車――キャリアみたいなものに乗せて道路を動くというのが多いのだそうであります。そういうことで、現在、自動車税――つまり府県税の自動車税でありますが、自動車税におきましても、これは自動車税の対象から除いておるというような事情もございます。固定資産のほうといいますか、償却資産のほうに組み入れておるというような実情もございます。そういう点を総合的に勘案いたしまして、自動車の走行に重点を置くこの自動車重量税においては除いたわけでありますが、ただ、先ほど申し上げましたように、こういう自動車は移動するときにはそういう運搬車に乗せなければならない。その運搬車は、こういう重いものを乗せる総重量として課税になりますので、道路を動く限りは大体は課税になるのではなかろうかと考えております。
#107
○戸田菊雄君 そうしますと、いまの説明でわかるんですが、車によって限定しているわけですか。たとえば、路面清掃車であるとか、農耕用トラックであるとか、車種によって道路をあんまり通常使用しない、こういう車の車種が全部限定されているわけですか。その辺の見解はどうですか。
#108
○政府委員(細見卓君) 詳しくは整備部長にお答え願うわけでありますが、税法におきましては、その保安基準によりまして、大型特殊――「種」と「殊」と二つあるのでありますが、「殊」のほうの「大型特殊自動車」というものとして車検上取り扱われておるものを非課税にしたわけでございます。
#109
○説明員(隅田豊君) 道路運送車両法の施行規則によりますと、「大型特殊自動車」というものが定義されておりますが、これは自動車の種類を一応構造別に分けておる中に入っておるのでございますが、例示をあげております。「カタピラを有する自動車」とか、「ロード・ローラ」とか、主として建設用の特殊な車種でございますが、これの名前を列挙いたしまして、あと「農耕作業用自動車」「土木作業用牽引自動車」等でございます。で、最終的には、運輸大臣が、この名前の中に入らないものも新しいものが出てくる可能性もあるので、特に指定をするという行為もあります。
#110
○戸田菊雄君 そうしますと、税法上の取り扱いはどういうことになるのですか。政令でもって車種を確定していくということになるわけでしょうか、具体的には。いまの道路運送車両法に基づいた特殊車両というものを、政令かもしくは通達でもってそういうものの措置をしていく、こういうことになるんですか。
#111
○政府委員(細見卓君) 税法のほうは、道路運送車両法に基づきまして車検を受ける自動車ということになっておりまして、それが全部カバーいたしまして、その車検のうちで、「大型特殊自動車」として道路運送車両法第三条に定めるところによって、法律的には税法はそれを受けておるという形になるわけでございます。
#112
○戸田菊雄君 いま隅田整備部長の回答でだいぶ御説明を受けたんですが、「等」でありますから、明確に何々車種という確定はございませんね。いま読み上げたような、「路面清掃車、農耕用トラック等」となっていますね。運輸省で具体的に車種確定の通達か何かそういうものが別途あるわけですか第五条について。
#113
○説明員(隅田豊君) 御説明申し上げましたとおり、車両法三条の規定によりまして、施行規則の「別表第一」で、自動車の種別の欄に「大型特殊自動車」というのがありますが、この例示に入らないものにつきましては、運輸大臣が指定を行ないます。
#114
○戸田菊雄君 そういうものは、別に、大蔵省として、政令とか何かによって流すわけじゃないんですね、それを受けても。本文でずばりやっていくと。
#115
○政府委員(細見卓君) 道路運送車両法に基づく区分をそのまま税法で受けておりますので、その場合、道路運送車両法とは、政令、省令まで含めて一体の法律と、かように考えておるわけでございます。
#116
○委員長(柴田栄君) 午後一時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後一時七分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時五十二分開会
#117
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、自動車重量税法案、日本万国博覧会記念協会法案及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#118
○多田省吾君 私は、三法案について若干ずつ質問いたします。
 最初に、自動車重量税法案について質問いたします。
 初めに、大蔵大臣にお伺いいたしますが、昨年の本委員会におきましても、大蔵大臣は、自動車新税の必要性につきまして、第六次道路整備五カ年計画の総投資額が十兆三千五百億円である。一兆円足りないので、その財源不足の分を新税で充当したい。五千億円ほどが財政投融資でみたい。あとの半分のうち千五百億円ほど計上してあるので、三千五百億円ほど昭和四十六年度から四十九年度までこの自動車新税でまかなっていきたいというような意味の答弁をなさったことを覚えております。いまもその考えでこの自動車重量税というものをつくられたのかどうか、お伺いします。
#119
○国務大臣(福田赳夫君) 大体、さようなとおりでございます。
#120
○多田省吾君 しかしながら、去年のお話でありますと、どうしても目的税のように思われますけれども、今度大蔵大臣が一般財源として自動車重量税をつくることになった理由についてお伺いします。
#121
○国務大臣(福田赳夫君) 道路計画を実行するためには、金があればいいんです。それが一般会計から出ましょうが、あるいは特別会計から出ましょうが、これはもう金さえそろいますればそれでいいわけなんであります。あとは、会計経理上の便宜等のためにどういう会計の仕組みをするか、こういう問題なんであります。ところが、その後精査してみますると、時間の経過等もありました関係もありまして、道路五カ年計画を実行するためには、一般財源の不足が三千億円、こういうふうに見られるわけであります。ところが、道路と相補完し、あるいは相相殺し合う交通手段のことも考えなければならぬ。特に交通安全の問題であります。それから高速道路なんかと非常に緊密な関係のある国鉄の新幹線の問題、そういう問題もあわせ考えなきゃならぬ、こういうことになりましたが、午前中も申し上げておりますとおり、それらの総合的な交通手段の位置づけというものがどうもまだはっきりと見通しをつけ得ない、こういう状況でございますので、とりあえず一般財源にこれを繰り入れると、こういうふうにしたわけなんです。しかし、いずれにしても、一般財源であろうが、あるいは目的税でありましょうが、金がちゃんとその道路のために充当されれば、それで道路計画のために支障はないわけであります。さような諸般の状況を考えまして、昭和四十六年度は一般財源としてこれを受け入れる。こういうふうにしたわけでございます。
#122
○多田省吾君 この大臣の提案理由説明の中に、最初に「政府は、今次の税制改正の一環として、」云々と、このように言っております。ですから、現行の税体系では、自動車重量税創設の以前にやるべき大事な現行の税体系の整備、改正、手直しすべき問題がたくさん山積しているのにもかかわらず、それぞれの重要問題をたな上げにして、そうしてしかも総合交通体系のビジョンがまだできていないのに、この自動車重量税をあわてて新設するのは、どうしても国民感情として納得できない。なぜこのように早急に本法案を創設するようになったのか、はっきり御答弁いただきたい。
#123
○国務大臣(福田赳夫君) これは多田さんもよく御承知のとおり、いま道路事情が非常に悪いわけです。これを一刻も放置することはできない。さようなことから、道路につきましては、すでに四十五年度におきまして第六次の道路五カ年計画を策定したわけであります。その五カ年計画を国会において説明するにあたりまして、財源が三千億円余り不足しておるという御指摘がありました。その御指摘に対しましては、政府におきましては、四十六年度の予算の編成の際にこれを明らかにしますと、こういうふうにお約束をいたしておる次第でございまして、私どもは忠実にそのお約束を実行しなければならぬ立場に置かれておったわけであります。そういうようなことで、この道路体系の充実、これは取り急いでしなければならない。そこで、いろいろ考えましたが、所得税の増税というわけにもならぬ。法人税につきましても、いまこの不況下において増税ということもできない。そこで、道路の使用者にその負担を求めるという自動車重量税という形を整える、これが妥当であると、こういう結論に到達した次第であります。
#124
○多田省吾君 それでは、政務次官または局長にお尋ねしたいのですが、同じく提案理由の説明の中に、「道路その他の社会資本の充実の要請を考慮し、」とありますが、「その他の社会資本の充実」というのは具体的にどういうものを指すのか、そうしてなぜそれらの「社会資本の充実」をはかるために自動車のみに、そうして自動車所有者のみに負担をさせなければならないのか。
#125
○政府委員(細見卓君) 「道路その他の社会資本」と申します場合に、やはり自動車に負担を求める動きもございますから、交通社会資本、さらに申せば陸上の交通資本ということに当然になってこようかと思うわけでありますが、そういう意味で、道路整備を通じて交通体系の整備をはかるわけでありますが、しかし、今日の交通事情は、ただ単に道路ができればそれですべて足るというものでもなく、陸上交通だけをとりましても、相互補完的な要素というのは多分にあるわけでございますので、そういう意味で道路整備と並んで非常に緊急なたとえば交通安全施設というようなものがまず一番近い形で「道路その他の社会資本」の一つに入ろうと思いますが、そういう交通安全対策、あるいはひいてはそうした国鉄その他を含みまする代替交通機関についての必要な措置というようなこと、あるいはバス等につきましては、大きなインターチェンジなり、あるいは都市におきまする大型駐車場の設置なり、いろいろな問題を含んでおる。そういう意味で、交通関係の社会資本、主として陸上交通社会資本、そういうふうに考えておるわけであります。
#126
○多田省吾君 先ほども成瀬委員から言われたように資料が非常に少ないわけですが、衆議院の資料もちょうだいいたしましたけれども、国民がほんとうに知りたいこと、たとえば、税率におきましても、本法案の第七条におきまして税率が定められておりますけれども、具体的に一五〇〇CCの乗用車は一年間にどのくらいの新しい税金がかかるのか。たとえば十トン車のダンプカーであるならば年間にどのくらいの自動車重量税が課せられるのか。断片的には衆議院の要求資料の中に十トン車で四万七千五百円というようなことが出ておりますけれども、この参議院の調査室でつくったものの中に、一部、八トン積みは三万七千五百円とか、いろいろ調査しているようでございますが、具体的に、乗用車につきましても、軽い自動車から重い自動車に向かって、大体年間どの程度負担になるのか、あるいは貨物自動車なら何トン積みトラックについてどの程度、また、十二トン積みトラックはどの程度になるのか、その辺は十分大蔵省当局でも調査済みだと思うのですが、それをお聞かせいただきたい。
#127
○政府委員(細見卓君) 自家用乗用車の場合、これは御承知のように二年ごとに車検が来るわけでありますので、年税額にいたす場合は半額にいたすわけでありますが、パブリカ一〇〇〇のスタンダード、排気量が九九三CC、これは車両重量が六六五キロになるのでありますが、これが一万円。コロナ一五〇〇のスタンダード、これは排気量が一四九〇CCで、車両重量は九〇五キロでありますので、一万円。それからセドリックパーソナル、これが排気量が一九九八CCで、車両重量は一トンをこしまして一二八〇キログラムというわけでありますので、一万五千円。先ほど申し上げておりますように、これはいずれも二年分でございます。それからセンチュリーになりますと、Dタイプというのだそうでありますが、排気量が二九八一CCのもので、車両重量が一八七〇キログラム、これは二万円になります。それからベンツのたとえば排気量が三四九九CC、車両重量でありますと一六七〇キログラム、これが同じく二万円。これがさらに大きくなりまして、超高級車と申しますか、高級車のリンカーンコンチネンタルというようなものになりますと、排気量は七五三八CCでありますが、重量は二二九三キロということでありますので、二万五千円ということになります。
 一方、小さいほうになりますと、ホンダドリームといったような――オートバイでありますが、小さなものでありますと、これは排気量が七三六CCのもの、これは三千円というようなことになるわけであります。
 トラックについて申し上げますと、いまお話がございました営業用トラックの八トン積みのものが三万七千五百円、軽いものになりまして、いすずライトエルフ一・五トン積みというようなものになりますと七千五百円、それから十二トン積みのものになりますと、日野のKF七一一というタイプのものだそうでありますが、これでありますと五万円になります。
 こういうようなことで、それぞれの車につきまして一応の試算を持っておりますので、御質問に応じてなおこれ以外の型についての御質問があればお答え申し上げたいと思います。
#128
○多田省吾君 政府においては、最近、社会保障の必要性を強く論ぜられるようになりまして、高福祉高負担ということを言っておりますけれども、本法案は、いわゆる政府のいうところの高福祉高負担と関係があるのかどうか。
#129
○政府委員(細見卓君) この税が若干の国民に負担増をもたらし、しかも、そのようにして集められました資金が社会資本の充実に向けられるという意味では、あるいはそういう言い方もできようかと思いますが、しかし、この税を創設いたしました直接の動機は、大臣もお答え申しましたように、自動車の増加によって社会資本が不足してきておる、その現状を何とか解決しなければならない、端的には第六次道路整備五カ年計画のようなものを遂行するにいたしましても財源が不足しておる、これを調達しようというのが直接の動機でございますが、この財源が社会的に有用なものに使われておるという意味で、若干の負担を求めてもそれが国民に還元されておるという意味では、多田委員の御指摘のような言い方もあるいはできようかと思います。
#130
○多田省吾君 先ほどからのお話しのように、今度の重量税は総合交通体系のビジョンを欠いたままでこの財源政策を先行さしたわけでございますが、今日、軽自動車あるいは小型自動車というものは、申すまでもなくもう大衆車として国民生活の必需品となっております。昔のようにぜいたく品では決してありません。また、現在は、こういう自動車がなければ、仕事の上においても、活動する上においても、大いに不便を来たすような実情となっております。先ほど局長のお答えの中にも、昭和四十六年二月末現在で、たとえば年間百五十万円の所得の方でも全世帯について三〇・一%はもう自動車を持っている、こういう現状でございます。九十万円から百二十万円の所得の方でも二七・六%、こういう先ほどのお話しでございました。大衆車を保有している勤労者のほとんど七四%というものは、年間所得百五十万円以下の方々でございます。そして、こういった自動車についてもう八項目の税金がすでについている。こういう過重な税負担が今後加わるということになりますと、まことにこれは過酷な大衆課税になる、このように言わざるを得ないわけでございます。前から、建設省、あるいは自治省、運輸省等で、自動車を財源として新しい税金を取ろうというようないろいろな考えがあったわけでございますけれども、もしこの法律案が通りますと、本年度におきまして国税三百億円が取れるわけでございますが、その用途につきましては各省が全部ぶんどり合戦のようなものを展開して、大体もうその用途につきましてはきまっているようでございますけれども、しかし、この税金を取られる側の国民の側は、決してこの新税について納得もしていないし、また、非常に過酷な大衆課税だと強い不満を持っているわけでございます。租税負担の公平ということから考えまして、これが全くの大衆課税である、このように私たちは考えるものでございますけれども、大蔵省当局はこの問題に対してどのように考えておられるか。
#131
○政府委員(細見卓君) 午前中にもお答え申し上げましたように、国民生活が豊かになりまして非常にたくさんの人が自動車を持っておられる。その意味におきまして、自動車が社会生活に有用な役割りをしておることは、私どももよく承知いたしておるわけでありますが、そのことが逆に自動車が非常に多くて道路が足りなくなる、あるいは交通渋滞が起こる、あるいはまた交通災害が起こる、あるいはいろいろな安全施設を増強しなければならないというようなことになっておることもこれは事実なわけでありまして、そこでやはりそういう道路その他の交通資本を充実しなければならない。その場合の財源を、先ほども大臣からお答え申しましたように、所得税に求めるか法人税に求めるかということになりますれば、自動車の増加というものがいろいろな意味で社会的に負担をかけておる、その点に着目すれば、この際は自動車に最小限の負担を求めるのもやむを得なかろうかと私ども考えたわけでございます。現に、政府の税制調査会におきましても、「必要最小限度の負担を広く自動車の使用者に求める」ということを答申としていただいておるわけでございます。
#132
○多田省吾君 大蔵大臣にお尋ねいたしますけれども、昨年のいまごろは、特に九月ごろまでは、昭和四十六年度の予算編成にあたりまして、このような新税実施につきましては大蔵大臣並びに大蔵省は非常に反対であった。ところが、自民党あるいは特に道路関係の議員の強い圧力にあって、どうしてもやむを得ない場合は、ガソリン税の引き上げとか、物品税の拡充なんかを考えていたけれども、こういう自動車新税というものをつくらざるを得なくなったわけだといろいろ巷間言われているわけでございますけれども、そうしますと、大蔵省がこの前の配当分離課税のときのように意に反してこの新税をつくるようになったのではないかと、このように考えられるわけでございますが、いまはそういうことはないとおっしゃるでしょうけれども、去年のいまごろの大蔵省の考え方からいたしますと、どうも腑に落ちないのですが、その点はいかがでございますか。
#133
○国務大臣(福田赳夫君) 昨年のいまごろはまだ国会中でありましたが、国会中におきましても、先ほど申し上げましたように、どうも五カ年計画というけれども財源の欠陥があるじやないかと、こういう御指摘を受けまして、その欠陥につきましては昭和四十六年度の予算の編成の際にこれを明らかにいたしますと言い続けてきておる、そういう段階でございました。しかし、国会が終わる。そうすると、どうしても四十六年度の予算の編成に入ってくる。そういう段階になりますると、私どもの言明を実現をしなければならぬということになってきたわけでありまするが、そうすると、先ほどから申し上げておりまするとおり、直接税にこれを求めるというのははなはだ困難である。むしろ私は所得税につきましては今後とも減税を大いに進めていきたいと、こういう考え方を持っておりまするので、勢い間接税にならざるを得ない。そういう際に、一体どういうふうな財源欠陥を補う税制をとるかということを事務当局に検討してもらっておったわけでございますが、事務当局は何の抵抗があったわけじゃございません。これはいろいろ税の考え方があるけれども、自動車トン税という形が一番いいと、こういうことを言ってきたのです。自動車トン税というのは、つまり今日の自動車重量税の内容を持ったものでありますが、名前がトン税というのは、いかにも何かこう響きが悪いもんですから、最終段階で重量税というふうに直しましていま御審議をいただいておると、こういうことでございますが、その間、自由民主党なんかともいろいろ相談をいたしましたが、自由民主党のほうでは、率直に申しまして、非常に膨大なことを考えたんです。いまこの税収は年間平年にいたしまして千二百億円でございますが、自由民主党のほうでは六千億円ということを言っておったわけでございますが、私どもは、それは妥当ではない。国の総需要というような見地から見まして、それだけの財源を整えて道路事業をふくらますわけにはいかぬ。これは千二百億円がぎりぎりであると、こういうようなことで、最終的には意見の一致を見たと、こういういきさつでございます。
#134
○多田省吾君 衆議院においても、また、先ほど各委員からも質問があったわけでございますが、総合交通体系のビジョンを今度閣僚会議できめる。ほんとうにいつごろまでの期間を区切ってそれをきめるのでしょうか。それからことし税制調査会にも自動車重量税の今後のあり方について審議をしてもらいたいというように頼むつもりだと、このように先ほどお話しがございました。それから一部には、昭和四十七年度からこの総合交通体系による特別会計をつくるのじゃないか、こういうような話もございます。その辺を具体的にどう考えておられるのか、お答えをいただきたい。
#135
○国務大臣(福田赳夫君) 自動車重量税その他、自動車、燃料、関連の税制が複雑である。そこで、この複雑な税制を国民から見て理解のしやすいようなものにするためにはどうすべきかということにつきましては、税制調査会に諮問をいたしたい、こういうふうに考えておるわけであります。
 諮問に対して答申がいつあるか、これはまだ調査会のほうの成り行きでございまするから私から申し上げるわけではございませんけれども、ともかく諮問だけは早急にいたしてみたいと、こういうふうに考えておるわけです。
 それから総合交通体系は昭和四十七年度予算編成に間に合うようにこれをきめてみたい、かように考えております。その総合交通体系ができた上、これを実行するために特別会計を必要とするかしないか、この問題はその成り行きを見まして検討をするということで、まだ予定した考え方を持っておりません。
#136
○多田省吾君 そうしますと、昭和四十七年の予算の作成に間に合うようにといいますと、ことしの十月とかそのころまでにビジョンをきめたいと、このようにお考えになりますか。
 それと、もう一つは、特別会計のほうはまだ考えていないというお話でございますが、場合によっては昭和四十七年度においても特別会計を考えないで、ことしのように一般財源として組み込んでいくと、こういうことにも可能性があるんだと、そういうことなのか、その二点をお伺いします。
#137
○国務大臣(福田赳夫君) 第一問、第二問とも、お話しのとおりでございます。
#138
○多田省吾君 ことし、また来年も、自動車重量税を一般財源の対象にするということになりますと、この重量税というものは、道路利用者税という性質にはならないで、当然間接税のような形になると思うのです。そうしますと、物品税、自動車取得税との関係がますます複雑になると、このように考えますけれども、その点はいかがですか。
#139
○政府委員(細見卓君) 自動車につきましては物品税がまずかかるわけでございますが、これは物品の便益性とあるいは奢侈性というようなものをとらまえて課税するわけで、自動車だけに限りませず、そのほか、テレビでありますとか、あるいは冷蔵庫でありますとか、そういういろいろなものにかかっておるわけであります。それから府県税として自動車税というのがあるわけでありますが、これは、御承知のように、固定資産あるいは財産を持っておりますと、不動産の場合がおもなものでありますが、固定資産税というものがかかるわけで、その固定資産税に見合うものが府県の自動車税でございますし、それが軽自動車であります場合には市町村税としての軽自動車税であるわけです。それから不動産を取得いたします場合には不動産取得税というものがかかりますが、これに見合うものが自動車取得税になるわけであります。これもやはり府県税でございます。それからそのように取得いたしました不動産を普通登記所において登記するわけでありますが、その場合に、不動産登記の場合でありますと、価格に応じて登録税がかかるわけであります。それと同様に、自動車を取得いたしましても、自動車は、車検を受けるか、あるいは軽自動車でありますとその届け出をすることによりましてはじめて走行が可能になる、つまり自動車としての効用を国から保証されるわけであります。その場合におきます登録税に相当するものが今回の自動車税であり、家屋等の場合は価格でございますが、この自動車重量税におきましては重量に比例して登録税がかかる、いわば登録税的な自動車重量税がかかる、こういうようなことでございます。
#140
○多田省吾君 総合交通体系の問題につきましては、昭和三十六年度におきましても、いわゆる所得倍増計画及び全国総合開発計画の交通網の問題として設定されたわけでございます。この昭和三十六年の総合交通体系の中でも、まだ現在改善せられていない点が多々あるわけでございます。それはどのように改善をはかろうとしているのか、そして今度の総合交通体系のビジョンをその点とどう組み合わしていくのか、それから総合交通体系のビジョンと自動車重量税の関係をどう組み合わせていくつもりなのか、この三点をそれぞれお伺いいたします。
#141
○政府委員(見坊力男君) 三十六年当時の総合開発計画の中における問題その要点を申し上げますと、交通投資の拡充をはかること、各種交通機関が長短相補って交通投資全体の投資効率を高めるということでございますが、これは現在もわれわれの考え方は変わりはございません。将来交通体系ができる場合に、やはり現在の交通投資のメカニズムを合理的ならしめる、そういう基本的な考え方は今後も同じでございます。
 それから総合交通体系ができたときとこの重量税法案との関係でございますが、総合交通体系実現のための財源措置については大蔵当局から御答弁があると存じます。
#142
○政府委員(細見卓君) 総合交通体系とこの自動車税との関係につきましては、先ほど来大臣がお答えいたしておりますように、この税は一般財源として現在は用いられておるわけでありますが、総合交通体系が設けられた暁におきまして、それがさらに特別会計を設けたほうがいいのか、従来どおり一般会計でいったほうがいいのかということは、今後の検討課題になろうかと思います。
#143
○多田省吾君 この自動車重量税をもし創設いたしますと、いま、たとえば貨物輸送におきましても、鉄道輸送を大きく上回って、陸上輸送の第一位を占めておりますけれども、輸送コストが上昇いたしまして物価の高騰を招くのじゃないかという国民の強い懸念があるわけでありますが、これはほんとうに国民生活に悪影響を及ぼさないという確信が、その歯どめがどのようにあるのか、当然これは考えられるのですが、大蔵大臣はどのように考えておられますか。
#144
○国務大臣(福田赳夫君) これは、理論的に言いますと、それだけ企業のコストに響くわけでございますが、物価計算から言いますと、〇・幾つというような、ごくわずかな影響です。しかし、私は、それよりも、道路がそれによって整備される、それによって物価に直接的に及ぼす影響が相殺される、その効果のほうがきわめて大きいのじゃないか、こういうように考えますと、むしろ道路整備による国民経済の全体に及ぼす利便、このメリットを高く評価すべきである、かように考えております。
#145
○多田省吾君 大蔵大臣に具体的に御質問いたしますけれども、いま交通災害が非常に多いわけです。特にダンプカーによる交通災害が激増しているのです。大蔵大臣の出身地であります群馬県におきましても、この前、館林におきまして東武電車とダンプカーが衝突いたしまして、百何十名の尊い生命を失っております。その後も、去年ですか、埼玉県加須におきましても、同じように東武線とダンプカーの衝突が起こりました。こういった事故は、三年ほど前は、いわゆるダンプカーに背番号をつけたようなときには、まだ栃木県の葛生というところには六千台のダンプカーが集まっておりました。東京まで荷物を運ぶには、大体一立米九百円。ところが、最近では、一立米七百円の輸送賃にしかなっていない。そのために、一往復では生活ができない、二往復しなければならない。あるいは、十トン積みの車にそのまま法律どおり積んでいたんでは生活に差しつかえるということで、十五トンあるいは二十トンというようなものを積むということが起こります。そういった過重労働のために事故が起こる、また、急ぐために事故が起こる、こういうことが十分考えられる。今度の自動車重量税の新設によって、特にダンプカーはいままでに物品税はないといっても、今度は四万円あるいは四万七千五百円というような自動車新税が一年間にかかることになります。そうすると、ますますその負担にたえかねて暴走するような結果になるんじゃないか、交通事故はますますふえるんじゃないか、こういうことも十分考えられる。しかも、具体的に申しますと、たとえばダンプカーを十台持っているような小さな運送業者、あるいはダンプカーを一台しか持っていない方も、北海道から内地にかせぎに来ているとか、そういう人もたくさんいるわけです。そういう人たちは、こういう十トン積みトラックは、税抜きでも三百五十万円、三年間ということにいたしまして一年間に百二十万円。そうしますと、一カ月十万円の見当である。月賦のために毎日三千円はかせがなければならない。燃料代も三千円かかる、タイヤ代も千円。七千、八千円というものは毎日かせぎ出さなければならないのに、一往復では六千、五千円にしかならない。こういう面が非常にありまして、最近は、ダンプカーを一台、二台持っている運送業者の方は、月賦も払えないで書きかえが迫っているようなそういう現状でございます。そういう具体的な問題があります。そうしますと、小さな運送業者等は、もういま十トン積みのトラックでは能率が悪いので、十二トン積みのトラックに切りかえるような考えもあるわけです。ますます交通事故が多くなるし、また、小さな運送業者が大いに困って、生活のために事故を多く起こすような懸念というものもたいへん多いわけでございます。こういったことも大臣は御存じなのか、また、考えておられるのか、それをやむを得ないとするのか、その対策をあわせて考えていくのか、その辺の事情はどうですか。
#146
○国務大臣(福田赳夫君) そういうような不祥な事件が起こらないようにしたい、こういうことなんです。つまり、その根本は何であるかというと、わが国の道路が整備されていない。車道と歩道の区分が、最近はかなり進んできましたが、これが完全ではないというような状態です。また、ダンプカーと私鉄とのあるいは国鉄との交差、その交差点における事故、これがなぜ起こるかというと、それが立体交差になっていないからです。そういうものを一つ一つつぶしていこう、それには金がかかる、こういう問題にいまわれわれは当面しているのじゃないかと思うのです。いま私どもは道路整備五カ年で新たに進める、これが完成した暁におきましては、そういう人命損壊を半減しよう、こういうことをねらいとしておるような次第であります。いま御質問ではありまするけれども、まさに御質問の中に含まれた御意見を実行しようというのがこの税制のねらいである、かように御了承願いたいと思います。
#147
○多田省吾君 ですから、私が申し上げるのは、三年前、四年前、そういう運送業者がまだ余裕があったときなら、まだしも大臣のお考えも一理あると思うのです。しかしながら、去年の暮れからことしにかけて、御存じのように非常に不景気でもございますし、また、そういう運送業者は大きな赤字をかかえていま苦しんでいるわけです。だから、最近、去年ころから、そういうダンプ事故もますます激増している傾向にあると思うのです。だから、三年先、五年先に立体交差になるから、そういう私鉄と道路との間に踏切がぴたっとできるから事故は少なくなるんだと、これは長い年数を考えたらそれも一理あると思いますけれども、ことし来年の不景気のときを考えますと、それよりも先にもう小さな運送業者は倒産のはめになる。また、交通事故におきましても、いまダンプカーなんか強制保険はかかっているけれども、腕のいい運転手が運転しているようなダンプカーには極力任意保険はかけないようにしている、こういう業者の話でございます。融資をしていただくような関係で帳簿のほうで黒字は少しあるかもしれませんけれども、実情は全部赤字だ、こういうことを漏らしている業者もたくさんおります。ですから、そういった自動車重量税というものによってもういますぐから交通事故はなくするんだということにはなりませんので、いますぐ運送業者の人たちが考えるのは、もう何といったって、ことし来年、そういう十台も持っていれば、とにかく五十万円とか自動車重量税を直接徴収される、それによって過重な労働もしいられる、そういうことし来年の交通事故をどうするかということも自動車重量税をもし新設なさるならばお考えにならなければならないと思う。三年先、五年先なら、大臣のお話は一理あると思いますけれども、じゃ、ことし来年はどうするかということになりますと、人命尊重という立場から、ことし来年の交通事故は少しぐらいふえてもやむを得ないんだということにはならないと思います。その点をどうお考えになられますか。
#148
○国務大臣(福田赳夫君) ことしや来年はやむを得ないという考えは持っておりませんです。いま、バス会社、タクシー会社、あるいは小さい運送会社、これが非常に困っておることは私はよく承知しておるのです。しかし、それの困っておるのはどこから来ているのかというと、経済全体が沈滞しておる、こういう問題、それからもう一つは、やはり賃金ですね、それから運賃、この問題があると思うのです。それで、賃金はかなり急速に上がっている。しかし、いろいろな国家政策の見地から、運賃というか、料金ですね、料金のほうは、これは差しとめを受けておる。そこに一番大きな問題があるわけです。これは今度自動車重量税が設定されまして、トラックにいたしましても一台平均すれば一万円だと。これは、その大きな問題――不況の問題、税金の問題、賃金の問題、これに比べれば、つめのあかほどの問題なんであります。これがあなたが非常に力説されるような人命損壊問題にさほどの影響がある、こういうふうには思いません。人命尊重の問題は、これはもう刻々考えていかなければならぬ問題ですが、さりとて、道路の整備をほうっておいて人命の尊重が一体できるか、こういうと、そんなことはできやしません。やはり、ここで、道路を整備し、人命を尊重する諸施策をとらなければ、この問題は根本的に解決されない、こういうふうに考えましていま利用者に対する負担というものをお願いしておる、こういう状況なんであります。
#149
○多田省吾君 しかし、私たちは、現地に行って実情を見ておるわけですよ。たとえば、いま申し上げましたように、栃木県の葛生なんかに行けば、もう六千台というダンプカーが町を道路を走っております。積載物も相当こぼれるでしょうし、非常にあぶない。また、千葉県の君津町なんかに行けば、山の砂利を木更津港までひっきりなしに運んでおります。そういうダンプ業者の人たちのお話なんか聞きますと、いま大臣がおっしゃったように、日本はいま現在一般的に不景気でありまして、特に小さな運送業者等は非常な赤字で困っております。ことしとか来年とか、そういう過重な税金を――一台平均一万円と申されましたけれども、十トン積みのダンプカーでございますと、四万円、五万円と一年間に取られるわけでございます。そういう意味で、私は直接事情を聞いて申し上げておるわけです。それで、実際そういう自動車重量税なんかをまた取られるのじゃ、乱暴運転も激しくならざるを得ない、また、事故が多くなるということを業者自身が心配しておるわけですから、私はこれはもう決して要らぬ心配というよりも、大いにあり得る必要な心配だ、このように思いましていま大臣にお伺いしている。交通事故を防ぐためには、こういう自動車重量税の問題だけではなしに、そういう小さな運送業者に対していろいろな施策が必要だと思いますけれども、その全般について、そういう実際懸念される交通事故に対して、また、乱暴運転に対して、どういう措置を考えられているかということを申し上げておるわけでございまして、決して何も一つのことだけを大きく拡大して故意に取り上げておるわけじゃない。実際にそういう心配があるわけですよ。いま現在だって、ダンプカーの事故で、付近住民の方たちは、もう何とかしてほしいという声が非常に強いのですから、その上にまた自動車重量税がかかってまいりますと、その心配がまた大きくなるわけです。その金額は賃金から比べれば低いのだと申しますけれども、一人で一台のダンプカーを持っておる業者だってたくさんいる。二台持っている業者だってたくさんいる。そういう人たちが今度はどういう仕事ぶりになるかということが問題だ。確かに、三年前にダンプカーのいわゆる背番号をつけたときには、非常に運転も注意をされたでしょうし、そのときには運賃も高かったからよかった。最近は、一立米九百円から一立米七百円まで運賃もかえって逆に下がっている。自動車の代金は高くなっている。そういう傾向がいまあるわけです。そういう具体的な問題に対して、私は何も自動車重量税が新設されたからそれによって事故が確実に二倍になるとか、そういうことを申し上げているのじゃなくて、今後懸念されるそういう傾向に対して、特にことし来年のそういう問題に対しては、小さな運送業者、一台か二台しかダンプカーを持っていないような方は、確かに負担だと思う。その問題に対してどういうお考えなのかということを、全然施策がないわけでもないでしょうから、それをお伺いしておるわけです。
#150
○政府委員(藤田正明君) ただいまの多田委員の御質問に対しまして、大きな意味ではやはり砂利単価なり運送賃の単価の問題もそれにからんでいると思うのです。長期的には、ただいま大臣が言われましたように、道路交通網が整備されれば、一日二回しか往復できないのが三回も四回も往復できるというふうな営業上の利点が生まれてくると思うのです。現在、運送業者の大小にかかわらず、やはり単価の問題が大きな問題ではなかろうか。建設省におきまして、本年は労務費の改定もいたしましたし、また、今回運送賃なり砂利の単価も改定するような所存があるようであります。それらが改定されてくるならば、道路交通法規にきめられております積載量が非常に厳重にいま監督されておりますので、従前のような営業上の利点もなくなっておるかと思いますが、しかし、単価の改定によってはまたそういう意味の営業上の利益も生まれてくる、こういうように思います。
#151
○多田省吾君 最後に自動車重量税についてお尋ねいたしますけれども、一番大事な総合交通体系のビジョンについて、いま、大臣は、十月、十一月、昭和四十七年度の予算編成の際にはもう絶対できるのだと、こういう見通しを述べられましたけれども、ほんとうにそれができるのかどうか、また、いま考えられるビジョンはどういうビジョンになるのか、お答えをいただきたいと思います。
#152
○国務大臣(福田赳夫君) これは、ビジョンというと、ばかに先見性の豊かなハイカラなもののような響きになりますが、ビジョンというほどのものを考えておるわけではないのです。私どもは、交通体系の中で、特に鉄道と道路の関係、これをどういうふうに考えるか。重複してそういうものをつくることが一体国家的にどうかというような問題もありましょう。あるいは、相補完しまして、こっちのほうは道路であるが、あちらのほうは鉄道でやるのだ、こういうふうな考え方は立ちましょう。そういう各交通手段の交通政策上の中の位置づけをある程度具体的にきめ、そうしてそれに一体どのくらいの金がかかるであろうか、かかるとすればどういうふうに自動車新税を含めての収入というようなものを配分するかというような、デッサンというか、そういうようなものをいま頭に描いておるわけでありますが、具体的なことはこれからの作業ということです。
#153
○多田省吾君 新聞紙上によりますと、税制調査会におきましても、この前、総合交通体系のビジョンがないままにこの新税を創設することはできないんだ、自動車の税金を道路ばかりじゃなくて新幹線とか地下鉄の建設資金に充当しようとするなら、納税者を納得させる必要があると、このようなことを税制調査会でも言ったようでございます。いままでのお話でも、やはり国民がみな納得できるというところまではいっていない。そして、交通体系の問題よりも先に財源問題が先行いたしまして、納得のできないままにこの自動車新税がつくられようとしている。こういう観点から、私たちはもっともっとこまかくこの問題を追及していかなければならない、このように考えます。
 時間の関係で、次の児童手当に関する問題で質問いたしたいと思います。
 はっきり申しまして、昭和四十八年度におきましては、所得制限もありますが、第三子は中学三年生まで月三千円の児童手当をいただける、このようになりますけれども、昭和四十九年度以降において、大蔵省当局は、前進した考え方が少しもないのか、また、どのように考えておられるのか、お答えいただきたい。
#154
○政府委員(橋口収君) 児童手当に関する制度は、昭和四十六年度予算で初めてその発足が認められたわけでございますが、先生の御質問の中にもございましたように、今後三カ年間で現在の制度を完全に実施する、こういうことになっておるわけでございます。したがいまして、当面の課題といたしましては、現在の制度の完成のために最善の努力をいたしたい。御承知のように、児童手当の支給額の半分程度が国費による負担になっておるわけでございます。したがいまして、完成年度における支給総額が約九百億円でございまして、四百二十億程度の負担を国がいたすわけでございます。そのときにおける財源事情、財政事情等も勘案いたしまして、将来の問題としてはいろいろ検討の余地もあろうかと思いますが、当面は三年間における完成を目ざして最善を尽くしたいというふうに考えております。
#155
○多田省吾君 この問題で大蔵大臣にお尋ねいたしますけれども、来年の一月から、本日参議院本会議において児童手当法案が通過したことによって、いよいよ国の児童手当が実施されることは非常にけっこうなことでございますけれども、いま御説明がありましたように、非常に一部の人に限られる。昭和四十八年度の第三子の完全実施におきましても、十分の一の子供さんしかいただけない、こういう現状です。この前、統一地方選挙において自民党が東京、大阪で敗れた原因は、たとえば老人医療費の無料化というような問題についても、前からお考えがあったにもかかわらず、国の老人医療費の無償化を早くやらなかった。逆に、地方の市とか町等で、乏しい予算をさいて、少額ながらそれに充当しまして老人医療費の無償化を少しずつやってきた。そういった反省も自民党はやっているわけです。その自民党政府において、社会保障を充実しなければならないというお考えは強くなっていると思いますけれども、この児童手当とか、あるいはこういった老齢年金とか老人医療費の無料化とか、こういった問題について、まだまだ現在世界的におくれておりますし、ここで申し上げるまでもなく、ILOの一九五七年のジュネーブ総会において採択されました勧告、社会保障の最低基準に関する条約においてさえも、これを批准できないような現況でございますし、また、一九六一年に社会保障憲章というものが世界的に採択されておりますけれども、その際、児童手当においては、国や雇用主の出資によって児童手当を完全化すべきである、あるいは物価値上がり等においてはスライドも考える必要がある、こういうような世界的な社会保障の充実の傾向があるわけでございますが、その中でわが国は国民所得に対する社会保障費の割合でもわずか六%弱、こういう現状でございますので、これは非常に問題であると思います。そういう意味で、昭和四十九年度以降においても、第二子あるいは第一子においても順々に児童手当をいただけるようなそういう制度にすべきであるし、諸外国においても第二子あるいは第一子からいただいておるような国も数多いわけでございます。私は、そういう観点から、もちろん厚生省におきましてはそれを推進することは当然でありましょうけれども、将来のことではございますが、大蔵省におきましても、今後において特に大蔵大臣においてはそれをどのように考えておられるのか、ひとつお心を明かしていただきたいと思います。
#156
○国務大臣(福田赳夫君) この制度は、与党でもそうでありますが、野党各派の皆さん、特に多田さんのほうなんか熱心にその創設を主張されたわけです。そこで、形骸にとどまるというような形ではございますが、とにかく来年一月一日からスタートする、こういうことにいたしたわけです。この児童手当につきましては、先進各国が幅広くこれを取り上げておるのであります。ところが、最近、これを取り上げておる国の中でも、かなりこの制度に対する反省というものが起こってきておる。つまり、これが後半になりますと、財政の硬直化というようなことで財政圧迫の大きな要因になってくる、こういうようなことが反省の主たる要因でございます。そういうようなこともいろいろ考えながら、私どもは、この問題の取り組み方は慎重であり、スタートでは、御批判もいろいろ受けるような、形骸にとどまる、こういうような形でありますが、とにかく四十九年度までの計画をきめておく、これを周密に進めてみる。その過程において、国民がその制度をどういうふうに受け取ってくれるかというようなことをよく見たいと思うんです。これは、国民のコンセンサスに合致するような制度である、また、財政上の見地からも容認し得る限度のものであるというようなことでありますれば、その後におきましてもこの制度を大いに拡充する、こういうふうにいたしたいと、さように考えております。
#157
○多田省吾君 それでは、財政の事情が許すならば、昭和四十九年度以降においても、所得制限を少しずつなくしていくとか、あるいは第二子の分もいただけるようにするとか、そういう拡充をはかりたいと、こういうお考えでございますか。
#158
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりに考えております。
#159
○多田省吾君 次に、児童手当法にはスライド制を導入しておりますけれども、この児童手当額は、具体的にどのような場合にいつスライドされるのか。そして、このスライドによって増高した財源というものは、国庫負担になるのか、あるいは一部地方負担に、あるいは雇用主負担になるのか、その点をお聞きしたいと思います。
#160
○政府委員(橋口収君) 児童手当法第六条第二項には、ただいま御指摘がございましたようないわゆるスライド条項がございます。ただ、この規定は、「国民の生活水準その他の諸事情に著しい変動が生じた場合には、変動後の諸事情に応ずるため、すみやかに改定の措置が講ぜられなければならない。」といういわゆる宣言的な規定でございます。児童手当の理念なり性格の問題に関連をいたしてまいりますが、児童手当法の第一条にございますように、児童の養育費の負担を緩和することによって家庭生活の安定に寄与する、こういう考え方が出ておるわけでございますので、児童手当といたしましては、一つの所得保障的な性格もあわせ持っておるわけでございます。現在、児童手当に類する幾つかの諸手当もございますし、あるいはまた、各種年金につきましても、いわゆる調整規定の運用の問題もございます。現在、各種手当につきましては、毎年度の予算におきまして、そのときにおける財源事情等を考慮して措置いたしておりますので、児童手当につきましてこのスライド規定の問題につきましては、将来の検討課題であろうかと思いますが、当面の問題といたしましては、三年後における制度の完成に対して財政の考慮を行なうということが当面の課題になろうかというふうに考えております。
#161
○多田省吾君 最後に、私は、万国博の問題について二、三御質問いたします。
 この法案の目的で述べられております「跡地を一体として保有し。」云々ということがありますけれども、これは決して「切り文」的に事業を行なっていくのではない、行なわないと、このように解釈してよろしいかどうか。
 それから各種の文化的な施設を設置するにあたって、当然に各種団体等の圧力が考えられますけれども、それに対してどう調整していくか。
 また、さらに、万国博の跡地争奪合戦ということがいまいろいろ言われておりますけれども、日本中央競馬会が、阪神競馬場は狭過ぎて動きがとれないから、万国博会場の跡地に移転すべきだという京都馬主協会の相談役の発言を受けて、万国博競馬場というような推進が一部に進められている、このようなことも報ぜられておりますけれども、そんなことが少しでもあるのかどうか。
 それからギリシャのピレウス市というところからですか、あの万国博のシンボルゾーンの大屋根の引き取りについていろいろ話があったと承っておりますが、その後の経過がどうなっておるか。
 こういったことをまとめてお答え願いたい。
#162
○政府委員(相澤英之君) 一第一点の、跡地利用を一体的に保有するという点でございますが、これは、大蔵大臣の諮問機関として設けられました跡地利用懇談会におきましてもその点は強く要望されておるわけでございまして、その跡地の一体的保有活用ということを確保するためにも、大阪府が持っておりました跡地の半分を四十五年度の補正予算におきまして取得をする、そして国と大阪府とがそれぞれ持っておりますところの土地を万博記念協会に出資をいたしまして、これを一括して活用するという方法を考えておるわけでございまして、一括保有ということは、これは十分制度としても確保されることになると思います。切り売りは考えてはおりません。
 それから各種の文化的な施設の設置についての調整問題についての御質問でございますが、この点は万博記念協会に評議員会が設けられることになっておりまして、この評議員会においてその業務運営に関する重要事項が審議されるわけでございます。この協会の設けますところの文化的施設についてのマスタープランの作成も、この評議員会において十分に審議をされて、その線に従って今後設置がとり行なわれることになると思いますので、その審議の過程等におきまして各省間の要求の調整というようなものも十分円滑に行なわれるというふうに存じております。
 それから御質問の第三点の、この跡地に中央競馬会が競馬場をつくりたいというような話があるかということでありますが、これは競馬会の内部にそのような議論もあったように存じますが、しかし、中央競馬会の所管省でございます農林省にもそのような話は具体的には参っておりません。この跡地は、跡地利用懇談会の報告にもございますとおり、緑に包まれた文化的公園として一括利用するという基本的な方針が固まっておりますし、また、今回の万博記念協会は、この基本的な方針に従って業務の運営を行なうことは第一条の目的にも掲げられておるとおりでございますから、その一部を競馬場にするというような考え方は全然ございません。
 それからシンボルゾーンの大屋根をギリシャのピレウス市に移設したいというような話は、非公式にはあったようでございます。万博協会に在アテネの日本大使館を通じて非公式に打診が行なわれたようでございます。伝えられるところによりますと、これは建設費は日本側持ち、それからギリシアまでの運搬費は例の船主のオナシス氏が受け持つというようなことでございましたが、まあ運賃はいいといたしましても、この解体建設に三十五億円ぐらいかかるのではないか、それを日本側が持つというような話ではとうていこれをお受けするわけにはいかないというようなことでありまして、立ち消えになったわけであります。現在はそのような話があるというふうには聞いておりません。
    ―――――――――――――
#163
○委員長(柴田栄君) 委員の異動について御報告いたします。
 ただいま、井川伊平君が委員を辞任され、その補欠として伊藤五郎君が選任されました。
    ―――――――――――――
#164
○田渕哲也君 それでは、初めに、児童手当問題について質問いたしたいと思います。
 この児童手当制度が、生活の安定、次代の社会をになう児童の健全な育成に目的があるとするならば、むしろ全額国庫負担とすべきだと思います。現在の政府のあれでは、事業主の負担は七〇%、国庫負担はわずか二〇%、まあ言うならば人のふんどしで相撲をとると言われてもしかたがないわけでございます。国庫負担をもっと増額すべきではないかと思いますけれども、この点についての御答弁を求めたいと思います。
#165
○国務大臣(福田赳夫君) 先ほど多田さんにも申し上げたのですが、国際的にこの児童手当制度につきましては財政がこれによって非常に圧迫されるという批判がありまして、ヨーロッパの国なんかにはその存廃を議論するという国さえ出てきておるような状態であります。やはり長続きをする制度を考えなければならないということかと思いますが、その場合にどうするか。児童のことを考える第一の責任はたれにあるかと、こういえば、親たちにあるわけでありますが、その親たちがその収入源をどこから求めるかというと、まあ勤め人によりましては企業そのものからということになるわけでございます。そういうことで、企業がその企業に勤める勤労者の家庭について責任を持つ、こういう考え方になるのは、これは自然のことではないか。そういうことを考えて、まず企業に責任を持ってもらう。しかし、企業だけにまかしておったのではこの制度が一般的なものになりかねます。そういうようなことで、国庫が、また地方公共団体が、これに助成を与える、これもまた必要なことである、こういうふうに考えまして負担割合をきめた、かような状況でございます。
#166
○田渕哲也君 企業にある程度責任を持ってもらうという御答弁でありますけれども、すでに企業が家族手当というかっこうで子供に対しても手当を支給しておる例が多いわけですけれども、すでに一部において、現実にこの児童手当法案というものができれば、家族手当を廃止する、あるいは減額するという動きが出てきております。勤労者にとってみたら、もちろん家族手当の存廃については労使の交渉という自主的なものであるでしょうけれども、いままでもらっておったものが名前だけ変わったというようなことになるようなおそれもあるわけです。だから、私は、事業主に七〇%も負担させるという構想そのものにやはり妥当でない点があるのではないかと思うのですけれども、こういう家族手当の廃止の傾向について大蔵大臣はどう考えておられるのか、お伺いをしたいと思います。
#167
○説明員(石野清治君) ただいま先生の御指摘のとおり、最近の動きといたしまして民間企業のほうで児童手当問題にからみまして労使間の交渉の一つの問題としまして提起されておることは事実でございます。しかしながら、児童手当制度というのは、被用者でありますとか、あるいは自営業者でありますとか、そういう区分なしに、すべての国民を対象といたしまして一律に支給するものでございます。一方、民間の家族手当は、先生御指摘のとおり、それぞれ労使間のいわば賃金の交渉の過程できめられるべきものでございまして、全く両者の関係はないわけでございます。したがいまして、国のほうの児童手当法の面から見まして民間企業に対しまして労使間の問題として立ち入ることはもちろん許されませんし、その必要もないわけでございますが、事実上の問題としてそういう問題が起きる可能性は若干あるかと思いますが、理論的には関係ないと、さように考えております。
#168
○田渕哲也君 理論的には関係ないわけですが、現実の問題として、いままで第三子まで――第一子、第二子はもちろん出ていますけれども、第三子に出ている部分が、今度は国の法律によって事業主がその七割を保証するのだから、この分はそれでまかなえるではないかということは、交渉の中では当然論議される問題だと思います。その場合に、全然理論的には関係がないといってすましておられる問題かどうか。この場合に、たとえばそういうことを材料にして家族手当減額の交渉をすることはけしからぬ、してはいけないというような一つの行政指導か何かされるのかどうか、その点はどうなんですか。
#169
○説明員(石野清治君) ただいま申し上げましたとおり、労使間の問題としてわれわれは考えておりますので、政府のほうで民間企業に対して立ち入ってその問題につきまして調整すべきであるとかあるいはすべきでないということにつきましては指導しないという態度でございます。
#170
○田渕哲也君 それでは現実の問題の解決にならないと思うのですね。そういう問題が出てきて、それはもう労使のほうで勝手にしてくれと。その結果、労使関係の力関係によって、労働組合の弱いところは、特に中小企業などにおいては、それを黙ってのまざるを得ないような事態も起きてくるわけです。そうすると、実際この児童手当の趣旨というものがその面ではやはりくずされていくのではないか。それから労働組合のないところだってあるわけですよ。中小企業なんか、労働組合のないところは一ぱいあるわけですから、そこは従業員がそういうものに反抗して抵抗するだけの力を持っていないので、簡単にこれは切りかえられるおそれがあるわけです。そういう点、何か対策を考えないと、抜け道になるのじゃないかと思いますが、どうですか。
#171
○説明員(石野清治君) 先ほど御答弁いたしましたとおり、賃金の問題につきましてはあくまでも労使間の話し合いあるいは協定できめるべきものと考えておりますので、それに立ち入ることにつきましては差し控えてまいりたい、このように考えております。
#172
○田渕哲也君 その御答弁では十分納得いかないと思うのですけれども、あまり時間もありませんから、この点はまたあらためて質問させていただきたいと思います。
 それからもう一つ、都道府県が十分の〇・五ですか、負担するということになっておりますけれども、ほんとうに市町村にこの負担能力があるのかどうか、大蔵省としてその辺について何か考慮されているかどうか、お伺いしたいと思います。
#173
○政府委員(橋口収君) 児童手当制度という新しい社会保障の制度を創設いたしたわけでございますが、御承知のように、現在、地方団体で児童手当に類する制度をすでに実施しているところは幾つかございます。また、地方団体は、本来地域住民の福祉の向上に寄与するという任務を持っているわけでございますので、新しく国が社会保障制度の推進の主体の立場におきまして児童手当という制度を創設をいたしましたにつきましては、地方公共団体に応分の負担をしてもらう。で、国と地方団体の財政状況なり財政能力というものを総合的に勘案いたしまして、国が二に対して地方が一という割合で負担をすることにしたわけでございます。二対一ということでございますから、考え方といたしましては三分の二は負担を国がする。一般の補助の通例等から申しますと、大体国が三分の一というのが原則的な処理でございます。特に児童手当の重要性等にかんがみまして三分の二を国が負担する、こういうことにいたしたわけでございます。将来、三年後に制度が完成いたしました際に、給付額が約九百億円弱でございますから、そのうち国が四七%程度負担いたしまして、事業主の負担が二〇%ちょっとだと思いますので、残り一〇数%を都道府県と市町村とで負担をするということであるわけでございますから、今後三年間における地方財政の好転事情等を勘案いたしますと、その程度の負担は決して無理な負担ではないというふうに考えております。
#174
○田渕哲也君 次に、自動車重量税法案の問題に移りたいと思います。
 これは、新しい税金です。新しい税金をつくる場合は、私は、特に慎重を期していただきたいと思います。慎重を期すというのは、やっぱりある程度の国民のコンセンサスというものがなければならない、また、国会においてもある程度のコンセンサスというものを得る必要があるのではないか、このように考えるわけですけれども、この法案につきましてはもちろん野党はこぞって反対しております。野党だけではなくて、自民党の中にもこの法案には反対だという意思を表明しておられる方がたくさんおられるわけです。これはもうすでに何度か委員会等でも論議になっておりますから、詳しくは申し上げませんけれども、この自動車重量税法案反対陳情書の中に、御承知のように、自民党の議員の方も名前を連ねておられます。このように、自民党内部でも反対があるし、それから野党はもちろん全部反対であるし、このようなコンセンサスという面から考えたらきわめて不十分であるこのような税を軽々しくつくられるというのは問題だと思いますけれども、大臣はこれを再考される御意思はありませんか。
#175
○国務大臣(福田赳夫君) この税につきまして野党の皆さんの間でたいへんいろいろ御意見のあることは、私もこの国会の審議を通じましてよくわかりました。しかし、自民党の中にも反対者があるというようなお話でございますが、自民党も幅が広うございますからいろいろな人があります。しかし、自民党という政党はほんとうにあっさりした政党でありまして、一たび党議決定ということになりますれば、これをこぞって推進すると、こういうことでございまして、今日反対する人は一人もございませんから、その点は誤解のないようにお願いいたしたいと思うんです。
 この税は、税制調査会にもおはかりを申し上げましたし、いろいろ各方面の意見を聞き、いまとにかく道路事情がたいへん立ちおくれている、これを直さなきゃならぬ、これはだれも異見がないところだと思いますが、それに対して財源措置を講じなきゃならぬ、これも異見のないところだと思います。しかし、その財源を直接税に求めるかというと、これは非常に困難である。やはりこれは自動車を使用する方、その方が社会的負担を及ぼすと、こういう現実に着目をいたしまして、その負担を自動車の使用者に求めるという考え方をとる、これは私は妥当な考え方である。しかも、ごく軽微なものなんです。そう大きな負担というようなわけではございませんので、これは、私は、国民的なコンセンサスが、一部の反対はともかくといたしまして、大かたの国民のコンセンサスを得られるものであると確信をいたしておりますので、撤回をする考えはございません。
#176
○田渕哲也君 大蔵大臣はそう言われますけれども、自民党の議員の方の中に反対は一人もいないと。これは公式の発言でございまして、公式の場では確かに党議できまった以上は反対されないのが私はたてまえだと思います。しかし、いまでも非公式には実はおれは反対なんだと言われる方も現実に私は知っております。しかし、そのことをとやかく言うつもりはありませんけれども、自民党の支持者はたくさんいると思いますけれども、支持者の中でも非常に反対者が多いということなんです。それは、一たん党議できまったら従わざるを得ないから、公式的には賛成の意思を表しておるだけです。だから、自民党を支持している半数近い国民が全部支持しておるのだと思ったら大間違いです。また、これは、わざわざそういう例をあげなくても、新聞社のアンケートもあります。これはある新聞のアンケートですけれども、自動車新税については、反対者が四六%、賛成者が三〇数%、やっぱり反対者のほうが多いのです。このようなことを考えた場合に、私は、自民党という一つの党というものでものをきめたら、正式に自民党の中で多数できまれば、それが今度は国会の中ではさらに大きくふくれ上がってそれで国会を押し切る、ほんとうの意味の支持者は過半数いないんじゃないか、このような気がするわけです。そこにほんとうに国民の意思が国会に反映されない、そういう一つの構造になっておるんじゃないかと思います。だから、私は、大臣に申し上げたいことは、この税金の創設のいきさつを見ましても、非常にごたごたしております。だから、こういうものを国会で野党の強い反対がある中であえて無理につくろうとされるというのはどうかと思うんですけれども、もう一度大臣に考え直していただけないか、お伺いしたいと思います。
#177
○国務大臣(福田赳夫君) とにかく、わが国の道路事情が立ちおくれておる、これはもう諸外国の人を驚かしておるというような状態だと思います。そういうさなかにおいて、とにかくわれわれは社会資本――道路ばかりじゃありませんけれども、いろんなまあ施設をしなきゃならぬ。そのほかに、社会保障の立ちおくれという問題があるんです。これの取り戻しもしなきゃならぬ。そういうようなことを考えまするときに、いわゆる一般財源を道路につぎ込むということにも限界がある。どうしても新しい財源を必要とすると、こういうことに迫られるわけであります。そういうことを総合的に数字的に検討いたしましても、四十五年度から発足しました五カ年計画は三千億円の財源欠陥が生ずる、これをどうするかと、こういう問題になるわけでありますが、私は、いま、財政の責任者といたしまして、今後当分の間、毎年毎年所得税減税というものをやっていきたいというふうに考えております。そういうことを考える際に、所得税あるいは他の直接税にその財源を求めるということは非常にむずかしい問題だ。そういうことを考えると、どうしても間接税にこれを求める。間接税に求めた場合にどうするかというと、いろいろの税が自動車並びに燃料にかかっておりますが、その課税の状態を見てみますと、国際社会の中においてもそう高いほうではない、こういうような状況でありますので、まあ軽微な税でございますので、自動車の使用者に負担を求める、こういうふうにいたしましても、道路さえ十分よくなってくれればそっちのほうがよっぽどいいという、こういう国民が圧倒的に多いであろうということを確信をいたしております。したがって、撤回する考えはございません。
#178
○田渕哲也君 いまの御答弁の中のこまかな点につきましては後ほど質問の中で触れたいと思いますけれども、まずこの重量税の創設のいきさつにつきまして私は予算委員会でも質問しましたけれども、そのときは時間の関係で必ずしも十分納得のいく御答弁がいただけなかったと思います。したがって、もう一度触れてみたいと思うのでありますけれども、税制調査会というものがありますね、この税制調査会の役割りというのは何なんですか。
#179
○国務大臣(福田赳夫君) 税制調査会は、短期または長期にわたってわが国の税制はいかにあるべきかということについて政府に意見を具申をする、また、諮問に応じましてその答申をする、そういう役目であります。
#180
○田渕哲也君 いま大蔵大臣がおっしゃいましたように、税制調査会は、税というものは非常に重要なものである、それから国民に犠牲なり負担をしいるわけですから、常に公正でしかも合理的なものでなければならない、そういう観点から、言うならば客観的な判断を下して答申をすべき役割りを果たさなければならないと思うんです。ところが、税制調査会は、この自動車重量税の創設の前後のいきさつを見てみますと、私はちょっと腑に落ちない面があるのでありますけれども、十一月十日の税制調査会の第三部会の論議で、総合交通政策のビジョン確立が新税創設の大前提である、こういう意思統一をやっております。そして、さらに三日後の十三日に総会を開きまして、この総会でも、自動車新税は総合交通政策のビジョンを確立してから検討するということにきめておったわけですね。ところが、それから一月余りたった十二月の十八日、政府与党がしゃにむに新税実施に踏み切る。税制調査会も、いままでの所信といいますか主張をくつがえして、やむを得ずということを言い出したわけです。そして、最終的な、ある程度これは認めようというような答申に変わったわけですよ。私はこの税制調査会のあり方にちょっと疑問を持つんですがね。客観的な立場から税制というものを検討して政府に答申をすべきものが、一月ほどの間にその態度が変わってきた。これは大蔵省から何らかの圧力をかけたんじゃないですか。
#181
○国務大臣(福田赳夫君) 私は、税制調査会に対しまして、答申を求める諮問をするわけであります。それ以後は、税制調査会が独自にずっと行動いたしまして、私がこれに接触するチャンスというものは、その答申をお受けするそのときまで実はないわけなんでございます。したがいまして、私が税制調査会に対して圧力を加えるというようなことはあり得ざることであります。もし何か御疑念がございますれば、終始その調査会にタッチしておりました主税局長もいますから、主税局長のほうからお答えをさせたいと思います。
#182
○政府委員(細見卓君) いまの田渕委員の御指摘がどういうものを指しておられるのか、実はよくわからないのでありますが、第三部会長の報告というのがたしか新聞に一部抜き出されて出ておりますが、新聞の常で、見出しと中身は必ずしも一致しないわけでありまして、そのいまのお話のところについて、「次に、自動車に対して新規課税を行なうとしても、その財源は道路整備にあてるべきであり、鉄道投資その他道路以外の支出にあてることは説明困難であるという意見がかなり強かった。これに対して、使途を道路のみに限定して考える必要は必ずしもないが、その場合には真に国民の合意の得られる総合的な交通政策のビジョンを定めることが先決であるという意見もあった」。と、そういうわけでございまして、具体的に財源の必要というような点についてもまだ必ずしも煮詰まっておらない段階で自動車につきまして突然に結論をお願いしたというんじゃなくて、自動車についてどういうふうに持っていったらいいかなという一般的な討論の段階ではこういうふうな意見があったわけでありますが、先ほど来お話し申し上げておりますように、自動車について三千億の不足がある財源をどうするかという具体的な御質問の、つまり四十六年度の税制を考える段階におきましては、それは自動車に求めるべきだということで、「自動車の増加に伴い、道路整備や交通渋滞に対する対策等広範にわたり多くの問題が生じている現状にかえりみ、」中間省略いたしまして「必要最小限度の負担を広く自動車の利用者に求める税制上の措置を講ずるよう政府において検討すべきである。」と。これはガソリン税等の問題につきまして増税の答申をいただいたときにも、具体的に財政歳出が詰まりません段階におきましては整理はできないので、大体細目の税を詰める段階においてはこういうふうな答申をいただいておるのが常でございます。
#183
○田渕哲也君 ただ、税制調査会の趣旨としても、交通体系全般の問題に使う財源をつくる場合には、総合政策ビジョンというものをつくるのが先決だという趣旨があったわけですね。ところが、今回の税金は、全くそれが逆になっている。総合交通政策はまだできていないでしょう。その点はどうなんですか。
#184
○政府委員(細見卓君) そこのところがいまの答申で私が省略いたしたところでありますが、「第六次道路整備五カ年計画を主とする交通政策上の所要の施策のための財源事情を勘案しつつ」いまのような最少限度の措置を講じろというふうにあったわけでありまして、一般的に自動車に大幅な財源を求めて広範な交通社会資本の整備をはかるというような場合には、それは総合的なマスタープランがあったほうがしかるべきではないかという抽象論、これは常識論として出るわけでありますが、それに対して明年度以降において起こる道路整備五カ年計画の遂行上の財源をいかにするかということになれば、これは所得税とか法人税に求めるのではなくて、やはり自動車の利用者に求めたらどうかと、こういう結論になったわけであります。
#185
○田渕哲也君 今度の重量税の使途について説明いただきたい。
#186
○国務大臣(福田赳夫君) これは御提案を申し上げました趣旨説明におきましても明らかにいたしておりまするように、「道路その他の社会資本の充実」に充当する、こういうことでございます。
#187
○田渕哲也君 もう少し詳細な内訳はきまっていないのですか。
#188
○国務大臣(福田赳夫君) これは一般財源に繰り入れたんです。いわゆる目的財源にしないわけで、なぜかというと、いまお話しの総合交通体系というものがきめかねた、そういうようなことから来ておるわけです。そこで、予算編成の過程におきまする気持ちといたしましては、大部分がこれは道路に充てられることになっておりますが、新幹線だとか、あるいは国鉄の改良でありますとか、あるいは道路標識などの安全諸施設という方面にも、こういう財源があるんだから、幾らか増額しようという配慮を加えております。
#189
○田渕哲也君 これは去年の十二月ですが、「自民党は二十五日の総務会で自動車トン税の具体的な内容を正式にきめる。自動車トン税は平年度一千二百億円で、四十六年十二月一日から実施されるが、初年度財源四百億円の割振りは、地方道百億円、新幹線三十億円、青函トンネル三十億円、新たに建設する地方開発線(AB線)三十億円の鉄道関係九十億円と交通安全施設十億円、道路財源三百億円となる予定である。」と、このように記事が載っておりますけれども、これは事実ですか。
#190
○国務大臣(福田赳夫君) 私もそれが事実であるかどうか覚えはありませんけれども、大体そういうような気持ちで予算全体の――予算全体というのは九兆四千億円の予算ですね、この予算の査定に当たってもらいたいという要請を受けたかと思います。
#191
○田渕哲也君 そうすると、その要請に従って予算の割り当てをされたわけですね。
#192
○国務大臣(福田赳夫君) それは、割り当てという考え方はないのです。つまり、一般財源ですから、これは九兆四千億円の中の一部分で、その新税を加えての九兆四千億円が九兆四千億円の支出全体に配分されるのですから、主計局長が配分をきめるその際の気持ちといたしまして、この新税なかりせばこれくらいにしかいかない、それを道路にとにかく大部分のものを充てるという考え方で道路費をふやす、そういうような考え方をとったことはあるんです。ぴちっとその数字のとおり、それなかりせばという額を出して、そうしてそれに道路費幾ら、交通安全費幾らと上乗せする、そういう考え方はとっておりません。
#193
○田渕哲也君 ただ、いずれにしましても、初年度財源四百億円のうち、道路並びに交通安全施設にその四百億円がまるまる回っていないことは事実です。それから鉄道関係にある程度の予算がついたことも事実ですね。これは、私は、税制調査会の答申が出た直後の東畑会長の記者発表に言われておる趣旨とちょっと反するんじゃないかと思うのです。これは税制調査会の答申の中にはちょっとぼやけた言い方がしてありますね。「道路整備五カ年計画を主とする交通政策上の所要の施策のための財源事情を勘案しつつ」ということを書いてあります。ただ、その日の記者会見といいますか記者発表の中で東畑会長が言われたことは、「新道路整備計画で三千五百億円程度の財源が不足するということなので、そのために自動車新税をつくることはやむを得ないと考えた。しかし、その税が乱用されてはならない。総合交通体系のはっきりしたビジョンがないまま、新税が国鉄新幹線などの財源に使われることになれば、それは税調の答申の趣旨に反する」。ということを言われている。この点はどうなんですか。
#194
○国務大臣(福田赳夫君) それは、もう全くそのとおりなんです。それですから、これは一般財源に入れたわけです。それで、気持ちとして道路財源に主として使った、こういうことなんでありまして、もし総合交通体系というものがきまっておれば目的税的にあるいはできたかもしれない、こういうふうに考えますが、たとえば新幹線をどういうふうにするかという新幹線の財政計画がきまらない。その財源計画をどうするか、これもしたがってきまらない。そういう状況においてこの新税をどういうふうに割り当てるかというきめようがないわけでございます。したがって、一般財源に入れたのですから、これが全部道路に回っておるんですというふうに私ども申し上げても支障がない。ほかの所得税から出る財源が新幹線やあるいは国鉄の改良その他の面に回っておるんです、こう言っても別に支障のない問題でありまして、これは一般財源になったという以上は、どこに幾らと、こういう説明はしかねるのです。まあ総合体系ができていれば非常によかったんで、東畑会長さんも御満足だったと思いまするけれども、それがそう簡単なものじゃない。国鉄一つをつかまえてみましても、これはなかなか容易なものじゃありません。そういうことを考えますと、四十六年度としてはまことにやむを得ざる措置であったと、かように考えておる次第でございます。
#195
○田渕哲也君 理屈から言えば全くそのとおりになると思うのですけれども、しかし、大臣のおっしゃることは全く子供だましの答弁だと思うんですよ。自民党の新税創設に関するいきさつ、総務会の決定、それから今回のこの予算の配分、こういうものを見た場合に、これは非常に政治的なかけ引きとかあるいは道路財源確保の思惑というようなものに引き回されて新しい税金というものが出てきてその配分が行なわれたと見られてもしかたがないんじゃないかと思います。これはその当時の各新聞の論調の中にもあらわれておりますけれども、「新税創設そのものが、党、大蔵省の政治的な駆け引きや道路財源確保の思惑に引き回されて、肝心の自動車利用者への十分な説得もなしに進められていることは疑問が残る」。と、このような印象を与えておると思うんですよ、国民一般に。これは大臣が理屈の上でいかに答弁されても、それだけじゃ納得させられないですね。だから、私は、ほんとうに道路が足りないために使うなら、もっと道路財源をふやすべきだと思いますし、せっかく四百億円の財源をつくったのですから、特にいまは交通安全施設が足りない、交通災害はふえる一方でしょう、そういうものにもっと財源をふやすべきじゃないかと思うのですけれども、その点はどうなんですか。
#196
○国務大臣(福田赳夫君) ですから、自動車に課する新税であるという性格から見ましても、大部分を道路に充てるわけです。しかし、道路だけできてもこれは十分な社会交通資本の整備とは言えない。それはなぜかというと、安全施設というものが必要である、こういうことです。それにもかなりの額を充てたいという気持ちでございます。それから道路と競合関係並びに補完関係にある諸施設のことを全然考えないでいいか。たとえば踏切、立体交差の問題というような問題もあるわけであります。また、新幹線と高速道路というような関係もあるわけであります。そういう問題を配慮しないでいいものだろうかという問題、これがかすかにあるわけなんです。かすかな額をそっちのほうへ充当するということを考えないでいいものであろうかという問題もある。そういう考えはあるんです。あるんですが、これを量的にきめることが、金額的にきめることが、総合交通体系というもののなかった四十六年度予算の編成のときにはできなかった。そこで、一般財源というふうに申し上げざるを得ない。しかし、気持ちは、大部分が道路である、こういうように御理解を願います。
#197
○田渕哲也君 私は、大臣が非常に苦しい答弁をされていると思うのです。道路並びに交通安全施設、踏切とか立体交差のために使う分については、われわれは何も文句を言いません。ただ、これが現実の問題として鉄道とか新幹線とかいうならば、自動車利用者から取って使うべきものじゃないと思うのですね。もちろんこれが総合的な交通体系ができてその中で十分論議が戦わされたあとならまだその説得性がありますけれども、そういうものができないうちにこのような使われ方をするというのは、これはやはり国民に対する説得力がないと思うのです。なぜこういうことになったかというと、先ほどの新聞の論調にもありましたように、政治的なかけ引きとか、思惑とか、党内の政治的な調整とか、そういうものでできた税金である。だから、私は、ほんとうは大蔵大臣としても不本意な税金じゃないかと思う。それを立場上苦しい言いわけをされておりますけれども、こういう不本意な税金なら、何も無理して今度の国会に出さなくてもいいのじゃないかと思うんです。国民も納得するような期間を置いてもう一ぺん練り直して、それで総合交通体系ができたあとで道路財源その他の財源の確保の問題を考えたらどうなんですか。この点はいかがですか。
#198
○国務大臣(福田赳夫君) 国民は、わが国の道路事情を見まして、一刻も早く道路が先進国並みになることを待ちあぐねておると、こういうふうに思うんです。そういうことを考えますと、そういうむずかしい総合交通体系というものができてからだというような構えをしたら、かえって国民から批判を受けやしないかというふうに考えます。
#199
○田渕哲也君 大臣は質問の問題をちょっとそらして答弁されておると思うんですけれども、私は、四百億の税金をつくったなら、その四百億の税金を全部道路と交通安全施設に注ぎなさい、つぎ込みなさいということを言っているわけです。ところが、それが全部つぎ込まれていない。この財源というものは、やはり道路財源が不足だからつくった税金でしょう。だから、これを全部道路と交通安全施設につぎ込んでいるなら、それほど自動車利用者だって文句を言わないと思うんですよ。その辺が非常にあいまいもことしているから私も何べんも質問をしているわけですから、この点についてはっきり答えてもらいたい。
#200
○国務大臣(福田赳夫君) これはそのとおりです。この新税の収入が一般財源に投入されておる、そして目的的に使われておらぬ、したがって説得力が薄いと、私はまあその御議論はそういうふうな一面があると思います。思いますが、先ほどから申し上げておりまするとおり、交通社会資本全体の立ちおくれというものがある。それに対してどういうふうに対処するかという問題が残されておるわけなんです。それは四十七年度の段階で明らかにしなければならぬ、こういうふうに考えておる問題なんです。これからの宿題だというふうに考えております。
#201
○田渕哲也君 もう少し話を進めていきたいと思いますが、この税金をつくるにあたって、自民党三役と大蔵大臣と連名で覚え書きというものをつくられましたですね。これに大臣は署名をされたわけですか。
#202
○国務大臣(福田赳夫君) これは私は各方面から意見を聞いております。これはあなたのほうの党からも御意見を承った。また、他の各政党からも御意見を承る。それから与党からも意見はもちろん承るわけでありますが、その間いろいろな意見があります。そういうものを総合いたしまして予算をきめると、こういうのであります。
#203
○田渕哲也君 この覚え書きの内容について発表していただけますか。
#204
○国務大臣(福田赳夫君) ですから、いろんなやりとりがある。一々必見えておりませんけれども、覚え書きにどうのこうのと、署名をしたと、こういうようなことはありません。
#205
○田渕哲也君 そうすると、そういう覚え書きというものは大臣としては何らコミットされていないというわけですね。
#206
○国務大臣(福田赳夫君) 覚え書きがあろうがなかろうが、与党の意見はこれは尊重いたします。与党の意見というのは、新税をつくってもらいたい、それから新税はこれを特別会計としてもらいたい、こういう二点だったと思いますが、まあ十分に検討をいたしますと、こういうふうにお答えをしております。
#207
○田渕哲也君 その与党の意見の内容というのは、これは新聞で発表されておるところによりますと、自動車税をつくる、それからこの自動車税は総合交通特別会計に入れるということであると思いますね。ところが、総合交通特別会計に入れた場合、これは、もちろん、道路だけでなくて、新幹線その他鉄道財源も含めましての体系です。だから、そういう一般に使う財源として自動車税ができた場合に、将来これがエスカレートするおそれがあると私は思うんです。この点はどうですか。
#208
○国務大臣(福田赳夫君) まあそれはそのときの状況で、あるいは一台当たり五千円というのを一万円にしたらどうだ、こういうふうな意見が出ないとも限らない。しかし、これは意見です。これは与党の意見ばかりじゃなくて、野党のほうでもあるいはあるかもしれない。しかし、そういう意見は私どもは承ります。承りますが、これは税制調査会にもおはかりをしなきゃならないし、私自身が財政の責任者としてこれを真剣に考えなきやならぬと、こういうふうな問題だと思います。ただいまの私の考え方といたしましては、これをエスカレートさせると――未来永劫というわけじゃありませんけれども、当分予見し得る期間においてエスカレートさせるというような考え方はいたしておりません。
#209
○田渕哲也君 大臣はエスカレートさせるつもりはないとおっしゃったわけで、少しは安心したわけですけれども、ただ、いまの時点で見ても、自動車については非常にたくさんの税金がかかっております。これはすでに大臣は御承知のとおりだと思いますけれども、しかも、多種類の税金があるわけですね。私は、あんまり多種類の税金がかかるというのは、非常に問題があると思います。いままでなぜこのようなことになったかといいますと、税の設定のしかたというものが行き当たりばったりで、財源が足りなくなればなるべく取りやすいところを見つけてこれにかけてやろうということでやってきた。その結果、今日のような乱脈な自動車税の体系になったと思います。この点について、税の取り方そのものについてもっと考えてもらわなくてはならないのではないか。自動車にかかっておる税金が総合的に見て他の物品と比べて公平かどうか、そういう点、大臣はどう思われますか。
#210
○国務大臣(福田赳夫君) 田淵さん御指摘のように、自動車、ガソリン、こういうものに対する課税が八種類ある。これは、そのいきさつから見ますると、そのときそのときの財政事情と、それから予算編成の過程、そういう中からそのつど生まれてきて積み重ねられて今日の状態に至ったと、こういうふうに見ておるわけです。それは率直にそういうふうに申し上げるわけでありますが、しかし、今日になりましてこれを見直してみまするときに、納めるほうの納税者は、いろんな理屈がつく八つの税でありますけれども、これは一人なんです。この一人の人から見ると、いかにも複雑な税制であり、また、税そのものとして国民全体から見た場合に、非常に複雑でわかりにくいという感じがあると思うんです。そういうようなことを考えますると、もうそろそろ九つになろうとしておるこの自動車関連の税種目、これにつきましては、これをもっとわかりやすいものに引き直すという努力をしなければならぬ段階に来ておるかなと、こういうふうに考え、衆議院の委員会におきましても、これは検討してみる、こういうふうに申し上げております。
#211
○田渕哲也君 それからこの税が非常に多岐にわたっているというだけでなくて、この絶対額ですね、自動車にかかっている絶対額について大蔵大臣はどう思われますか。
#212
○国務大臣(福田赳夫君) 絶対額のほうは、私は、さほど重い負担であるというふうな考え方はいたしておりません。でありまするから、かりに九つの税を簡素化をするといいましても、納税者の側から見ると、税の出す種目は簡素化されたが、税額のほうは減るんだということにはなり得ないと、こういうふうに考えるわけであります。
#213
○田渕哲也君 絶対額はあまりそう多いと考えないと言われる根拠は何なんですか。
#214
○国務大臣(福田赳夫君) こういう税が重いか軽いか、これはまあ社会通念と、こういうことで判断するほかないと思いますが、先進国際社会におきましては、わが日本よりは大かたにおいてより重い税を課しておると、こういうことから考えましても、私は、わが国の現状におきまして自動車新税を創設するも、これは過重の負担を課すものだということには相ならない、こういうように考えます。
#215
○田渕哲也君 先進諸国に比べて多くないと言われまするけれども、私はこれは単純比較だけで比較すべきものじゃないと思います。一つは、一人当たり国民所得、国民の生活水準との関係でどう考えるかということを考えなければならない。それからもう一つは、ほかの税収ですね、全体の税収の中に占める自動車の税金の割合ということを考えてみる必要がある。単純に三百六十円一ドルで換算して高い安いという比較だけでは正確な比較にならないんじゃないかと思います。
 私は、そういう観点から、これは政府の税制調査会の資料、それからその他の資料によって出ているわけですけれども、ほかの一般の税金の中に占める自動車関係税の比率は、日本の場合は一〇・七%、アメリカが八・六%、イギリスが一〇%、西ドイツが九・五%、フランスが一一%、日本はフランスに次いで高いわけです。これに自動車重量税が加算されますと、もちろん自動車から取る税金が世界一高いということになります……
#216
○国務大臣(福田赳夫君) 何に対して高いのですか。
#217
○田渕哲也君 総税収額に対して自動車の税が占める比率です。
 次には、一人当たりの国民所得に対する比率で見ますと、これは若干修正して計算します。といいますのは、外国では付加価値税をつけているところがありますので、そういうところは、自動車だけではなく、全部にかかっています。そういうものをのけて比較いたしますと、一人当たり国民所得に対する年間自動車税負担が、日本は一六・九%、イギリスが一五・四%、それからフランスが一〇・四%、西ドイツが八.二%、アメリカが一・九%、これも世界最高であります。自動車重量税が加わったらさらに高くなる。
 こういう比較をしますと、国際的に比べると日本が一番高いということになりますが、この点はどうですか。
#218
○国務大臣(福田赳夫君) それは、わが国税制が、税制全体から見ますると、国際社会水準の中で税負担が非常に軽いんです。つまり、国際社会平均すると、三〇%ぐらいの負担率になります。わが国は一九%。ですから、そういう中における比率としては自動車関連の課税は高いものになる、こういうことは言えると思います。そのとおりです。
 しかし、いまわれわれが自動車新税がどうかこうかということを議論をする、それはどういう角度から議論すべきかというと、一人当たりの税負担が一体どうなるんだと、こういうことかと思います。そういう見地から申し上げますと、わが国の一人当たりの自動車、一台当たりの自動車に対する課税というものは決して高いものではない、こういうことを申し上げておるわけです。
#219
○田渕哲也君 一人当たりのというのはどういう意味ですか。
#220
○国務大臣(福田赳夫君) 一台当たりです。
#221
○田渕哲也君 一台当たりのそれは単純平均の場合ですね。
#222
○国務大臣(福田赳夫君) そうです。加重平均してもそうです。
#223
○田渕哲也君 私は、単純平均で比べて高い安いというのは、これはあまり論議にならないと思うんです。日本の税金が諸外国に比べて安いのは、確かに、軍事費のパーセンテージが低いとか、いろいろあるわけですね。それだけ国民の負担が軽いならば、自動車の負担もほかの国に比べて軽いのがあたりまえじゃないですか。ところが、比率から言えば日本が一番重くなっているというのは、絶対額の問題じゃなくて、公平の見地から見てそれだけ自動車の利用者に過重の税金がかかっておるのじやないか、私はそういうことを申し上げておるわけですけれども。
#224
○国務大臣(福田赳夫君) 比較的自動車にそういう税全体の中の比率という議論から見ますると、片寄った傾向がなしとしないと思います。しかし、同時に、御承知おき願いたいのは、わが国ほど道がおくれている国はないのです。それに対して、わが国ほど、いま、道路社会資本、交通社会資本の取り戻しに努力を注いでいる国はありませんです。金がそっちのほうへかかるんだ、こういうこともまたひとつ頭に置いてこの御議論を願いたい、かように思います。
#225
○田渕哲也君 確かに、道路財源、道路投資はおくれております。それから道路財源が必要なことは当然だと思います。ただ、私は、この道路財源あるいは道路投資についての基本的な方針をまず政府は立てるべきじゃないかと思うんですね。これがないと思うんですよ。自動車がふえれば、道路をつくらなければいけないのは、あたりまえです。ところが、わが国は、自動車のモータリゼーションの振興という一つの移り変わりに従って、それに対応した道路投資の計画というものはなかったと思うんです。それから道路財源の調達につきましても、そういう長期的な観点からの基本的な論議がなされていないと思うんです。道路財源はどうしてやるかというと、まず第一に、受益者である自動車から出す、これが大もとになるのは当然だと思いますね。それからそれだけでなくて、必要な場合には一般財源からそれを支出する場合も必要でしょう。それから公債発行というものにたよらざるを得ない場合もあります。私は、どの時点にどういうものに重点を置くべきかということをもっと検討すべきだと思うんですね。大体、先進諸外国の例を見ましても、自動車が急激に成長する時点においては、多額の一般財源というものを投入しております。なぜならば、道路は自動車の伸びより先行投資しなければ交通がスムーズにいかないのはあたりまえなんです。先行投資が必要なときに自動車の台数に比例する特定財源だけにたよっておったのでは、道路投資がおくれるのはあたりまえです。だから、この時期には大体において先進諸外国は多額の一般財源をつぎ込んでおります。そのかわりに、自動車の伸びが安定してきた時代には、それを回収する。自動車から取る税金が道路財源を上回っておる。イギリスなんかはもうすでにその例でありますけれども、そういう時代になっておりますね。ところが、日本の場合、道路投資と自動車の伸びとの関係を見てみますと、一番道路投資に一般財源をつぎ込まなければならないときに、政府は財政硬直化の理由でこれを削減しておるわけです。だから、長期的に見たら、道路投資に対する政策は誤っておるんじゃないか、こういう気がするわけですけれども、その辺についての大蔵大臣の考え方をお聞きしたいと思います。
#226
○国務大臣(福田赳夫君) わが国は道路だけやっておればいいというわけでもないんですね。住宅もやらなければならぬ。上水道、下水道も、治山治水も、いろいろな社会資本の充実という要請があるわけです。それらを総合して考えるんです。そういう場合に、その中でも非常に重要な道路政策をどういうふうに進めるか、こういうことからガソリン税という特定財源を設定いたしましてこれを進めたわけでございますが、いま一般財源を一般財源をというお話でございますが、そのガソリン税を一般財源としてよかったんです。また、することが財政論からいえば妥当であると、こういう一面もあったわけです。しかし、道路を急ぐんだ、これは財源を特定してまでやらなければならぬのだというので特に特定財源にしたと、こういういきさつになってきておるわけでございますから、要するに、一般財源であろうが、あるいは特定財源であろうが、道路をよくするための金が調達できれば、また、その調達がこれが計画に沿って実現をされるというような状態に置かれるならば、それで私は事足りるんだと、こういうふうに思うわけであります。あんまり一般財源だ特定財源だという御議論にとらわれたくない気持ちでありますが、いずれにいたしましても、道路財源につきましては特定であるかあるいは一般であるか、これは別といたしまして、道路計画が必ず遂行されるように調達をいたしていきたい、こういうふうに考えるのでございます。
#227
○田渕哲也君 私の主張は、もう少し長い目で見て、道路投資のあり方、道路財源の調達のしかたというものに対する基本的な方針を確立すべきではないかということなんです。そのときどきで、足りないから、自動車の利用者からこれだけ取ろうか、あるいはまたどこかほかに取るところないかいなというかっこうで税金がつくられるというやり方は、改めるべきではないか。
 それからこの自動車重量税に対してわれわれが反対する一番大きな根拠は、結果においては、この税金というものは大衆から持っていかれて、そうしてその税金をどこへ持っていくのかというと、大部分は地主のふところにころがり込みます。道路費用に占める土地収用費の比率というものはますます高まりつつあるわけですね。特に都会地においては九〇%をこえるところもあるわけであります。これは政府の土地政策の無策が招いたことだと思いますけれども、その結果――いまの自動車の利用者は、予算委員会でも私が申し上げましたように、八六%はお金持ちでない大衆であります。年収百五十万以下の勤労者が自動車の一四%を使っております。三十名未満の零細企業が五三%を使っておる。農家が一九%使っております。八六%の自動車というものはこういう農家、中小企業、勤労者が使っておるわけです。こういうものに多額の税金をかけて、その税金の行くえはというと、道路財源に使うにしましても、そのうちの二〇数%、全国平均で二〇数%から三〇%というものは一部の土地所有者のふところにころがり込むわけであります。こういう大衆に負担をかけて一部の者のふところを肥やすという結果を見た場合に、私は、この税金だけじゃなく、政府のいまのやり方というものが基本的に間違っておるんだということを指摘せざるを得ないわけです。この点について大臣はどう考えられますか。
#228
○国務大臣(福田赳夫君) 私も、その問題につきましては、たいへん重大な関心を持っております。これはお考えの基本においては田渕委員と全く同じです。何とかして土地問題、ことに住宅でありますとか道路でありますとか、そういう国民生活に非常に緊要な関係にある土地の取得についてもう少し容易簡便に、しかも、ただいま田渕委員の御指摘のような感触を国民に残さないような形においてこれが進められる方法はないか、こういうふうに思いますが、これは各党各派の御賛成が得られるかどうか、そこにも問題が一つあると思いますが、どうかひとつ相協力いたしましてこの問題は検討してみたいものだと、こういうふうに考える次第でございます。
#229
○田渕哲也君 時間がありませんので、あと問題が残っておりますけれども一応これで打ち切りますが、いまの大臣のお答えに対して一言だけ申し上げたいことは、各党各派の協力を得られなければできないとおっしゃるなら、この税金はやめていただきたいと思うんです。土地政策については各党各派の協力がないからできないと言われて、税金だけは各党各派が反対しても無理やり通すというのは、ちょっと筋が通らないと思うのですが、その辺、ひとつよろしくお願いします。
#230
○渡辺武君 最初に、運輸省から伺いたいんですけれども、現在の乗用車の保有状況は所得階層別にどうなっておりますか、伺いたいと思います。
#231
○説明員(隅田豊君) 所得階層別の自動車の保有台数は、運輸省のほうでは調査して資料を持っておりませんので、残念ながらお答えできません。
#232
○渡辺武君 私が経済企画庁の調査局からいただいた資料によりますと、これは全世帯の場合、年間の所得が三十万円未満の世帯、このうちの一・八%が乗用車を持っている、それから三十万円から六十万円の層が七・二%、六十万円から九十万円の層が一七・七%、九十万円から百二十万円の層が二七・六%、百二十万円から百五十万円の層が三〇・一%、百五十万円から百八十万円の層が三六・五%、百八十万円以上が五〇・九%、こういうことになっております。この所得階層別の所得という意味が税法上の所得かどうかという点がはっきりわかりませんので、正確には言えないと思いますけれども、しかし、いま申し上げた数字をお聞きいただいただけでも、年間所得三十万円未満、あるいは六十万円未満、あるいは九十万円未満という層でも乗用車を持っていると、かなり低所得層にも乗用車が行き渡っているということがはっきりあらわれておると思うんですね。所得の概念がここは不明確ですけれども、かりにここにあらわれている九十万円という層が所得税の免税点以下の層だというふうにしますと、今度の自動車新税はおしなべてかかるわけですから、所得税も納めることのできない低所得者層に税金がかかるようになるのじゃないかというふうに思うのです。そういう点で、担税能力という点からして今度の新税が一体適切なものなのかどらなのか、この点をまず伺いたい。つまり、低所得者層にも、あるいはかなり高額な所得者でも、一台の自動車という点においては変わりはないわけです。同じように税金がかかるというのは、これは全く不公平じゃなかろうか。特に所得税も納められないような低所得者層に税金をかけるというのは、これはやるべきことじゃないというふうに思いますけれども、その点、どうでしょうか。
#233
○政府委員(細見卓君) 御指摘の数字は、私どもも、経済企画庁から聞いて、四十六年二月末の数字であることも承知いたしております。そこで、この年間所得で区切りました場合、これはおそらく収入金額じゃないかと思いますが、むしろ渡辺先生にお聞きしたいぐらいの感じなんですが、三十万とか六十万の所得の方が、たとえば自動車で申しますと、コロナ一五〇〇でありますと五十二万円と、こういうものが買えるのかどうかという感じもいたしますので、この所得階層というものが必ずしも所得税でとらえられておる所得階層になるのかどうかわからないわけです。いまの御質問も、別の意味でお伺いすれば、三十万の人も五十万の人も百万の人も二百万の人も、 コロナの一五〇〇を買う限り五十二万円をお払いになっているのだから、その人たちが五十二万円払えるのであれば、年五千円ぐらいの負担になるわけでありますから、その点は、現在の道路事情あるいは今後の道路整備計画によってよくなってくる道路の主たる受益者はやはり何といっても自動車の使用者でありますから、そういう点を考えて忍んでいただきたいなと、こう考えております。
#234
○渡辺武君 忍んでいただきたいといいましても、それは国民が十分金の余裕があってコロナを買うならこれまた別ですよ。担税力があるところに税金はかけなければならぬ。特に高額所得者にはその分に応じてたくさん税金を払ってもらわなければならぬ。しかし、所得税も納めることのできないような低所得者層、これが生活の必要上自動車を買っている、それにも税金をかけるというのは、これは全く不当な課税のやり方だと私は思う。つまり、いまの国民の実情を見てみますと、自動車は一種の生活にとって欠くことのできないようなものにさせられているんですね。御承知のように、都市での通勤者、この人たちは、職場と住宅とが非常に離れたところへ住まなければならぬ。地価がどんどん上がるから、安いところ安いところを選んでいって、そして職場と非常に離れたところに住まなければならぬし、いまのひどい交通混雑の状況では、どうしても乗用車にたよるということがやむを得ざる条件として生まれてきている。特に夫婦共働きの人が子供でも持ってごらんなさい。子供を保育所に預ける、そして出勤しなければならぬというようなときには、どうしても乗用車にたよらざるを得ないというような状況にいま追い込まれている。ですから、これは、所得が多いか少ないかという状況じゃなくて、もうかつかつの生活をやっていくためにも、やむを得ざる出費として何とか工面をしてこれを買っているというのが私は実情だと思う。農民にとっても同じことです。特に中小企業にとっては、小さなトラックはもう全く営業上不可欠のものだと思うですね。そういう状況で自動車をいま使っている、これが実情だと思う。ですから、自動車を使っているからそれだけの金があるのだ、だから担税能力があるという議論は、これは国民の生活の実情に全く合致しない議論だというふうに思います。何でこういうような悪税をこと新しくまたこの段階へ来てかけなさるのか、この点を伺いたい。
  〔委員長退席、理事玉置猛夫君着席〕
#235
○政府委員(細見卓君) 私は決して悪税だとは思っておりませんが、かけました理由について申し上げますれば、これは自動車の走行によりまして道路が面積が足りなくなるとか、あるいは道路を損傷させるとか、あるいは交通が渋滞いたしましていろいろな意味で国民生活に不便をかけるとか、あるいはさらにいまわしいこととしては交通事故が起こるとか、その事故のためにいろいろな社会問題が起こるというようなことでありまして、自動車走行が非常にふえてきて、それが今日の社会的費用の増大をもたらしておる。したがって、道路の整備というものが緊急欠くべからざるものになっておる。その道路を整備するために第六次五カ年計画が行なわれるわけでありますが、それを遂行していく上におきまして、どうしても国におきまして三千億余の不足財源が生ずる。それを何らかの形で調達しなければならないということになりますと、その道路整備の緊急性の出てまいりました主たる原因がやはり自動車がふえてきておるということにあるわけでありますから、この際、その道路整備のための財源を主として自動車に求めるということは、私は国民的にも納得の得られる事柄であろうと。しかし、その場合においても、税を担当する者といたしましては必要最小限の負担にとどめるようにつとめて努力すべきであると。その意味におきまして、歳出のむだとかあるいは事業のむだはできるだけ省いていただくようにお願いしたい、かように考えておるわけであります。
#236
○渡辺武君 あとからこの自動車重量税の税収の使い道については質問したいと思いますけれども、しかし、大体のところ、いま政府が考えているのは、この財源によって高速自動車道路を急速に整備しようということだろうと思うのですが、特に新全国総合開発計画の中でのあの交通網の徹底的な整備というのが私は中心的な目標だと思う。いま生活に追われて、そういう中で毎日の通勤その他に自動車を使っているという人たちに役立つような、そういう道路でないことは、これは私は明らかだと思うのです。ですから、いまおっしゃったような理屈はちっとも成り立たない。むしろ、高速自動車道路が整備されて、できればできるほど交通混雑がはげしくなってくるというのが、いままでの日本国民の体験の中からはっきりと実証できることだと私は思う。ですから、そういうような口実は私はつけられないと思うのです。
 ところで、今度の新税による税収は、政府の資料によりますと、平年度で地方譲与分も含めまして千二百五十一億円ということになっておりますが、この千二百五十一億円の中で、自家用の乗用車ですね、これからあがる税収はどのくらいか。それから営業用のバス、タクシー、それからトラック、これは自家用、営業用を問わず全部含めて、どのくらいになるか、これを伺いたい。
#237
○政府委員(細見卓君) ちょっと計算さしていただきたいと思います。
#238
○渡辺武君 そちらを計算していただいている間に、ちょっと運輸省の方に伺いますが、現在の輸送貨物と輸送人員のうち、トラック、バス、乗用車ですね、これのウェートはそれぞれどのくらいを占めているか、これを先に伺いたいと思います。
#239
○政府委員(見坊力男君) 旅客について申し上げますと、四十四年度末におきまして、バスが……
#240
○渡辺武君 パーセンテージだけでいいです、全体の中で占める。
#241
○政府委員(見坊力男君) 単位は百万単位で申し上げますが、輸送人員が四十四年度で二百十七億八千五百万人、これはバスと乗用車と合わせてでございます。それから貨物トラック輸送でございますが、輸送トン数は四十四年度で四十一億六千五百万トン、これは営業用、自家用合わせてでございます。
#242
○渡辺武君 いまお読みになった旅客輸送のほうですね、バス、乗用車合わせての数字は、これは年度間の総輸送人員の中の何%を占めているでししょうか。――じゃ、時間もかかりますから、念のためにと思って伺ったのですけれども私の手持ちの資料とただいまおっしゃった数字が一致しておりますので、私のいま手持ちの資料で質問を進めさせていただきます。
 ただいまの御答弁によりますと、年間の旅客輸送、バス、乗用車合わせて、自動車全体が二百十七億八千五百万人ということでありますが、これを年間の旅客輸送全体に占める比率で見ますと、五七・三%を占めております。それから今度はトラックでの貨物輸送の量が四十一億六千五百万トン、これは年間の貨物輸送全体の八七・九%を占めているという状況ですね。よろしゅうございますか。
  〔理事玉置猛夫君退席、委員長着席〕
#243
○政府委員(見坊力男君) 大体そういう数字でございます。
#244
○渡辺武君 そうしますと、自動車が、人の輸送、物の輸送の中でどれほど大きな役割りを演じているかということは、いまの統計で非常に明確にあらわれていると思いますね。
 そこで、先ほど私がお聞きした数字はもうできましたか。
#245
○説明員(高橋元君) 乗用車分の税収は、平年度で、営業用が十七億円、自家用が五百億円、それからトラックにつきましては、営業用が三十九億円、自家用が五百七十八億円、バスは、営業用が二十億円、自家用が二十五億円、これは概算でございます。
#246
○渡辺武君 日本の貨物、旅客輸送の中で大きな役割りを演じている自動車輸送ですね、その中でいまの税収のほうから判断しますと、自家用のほうがかなり比率が高くなっているということですけれども、同時にまた、営業用の比率も無視できない状況だと思うのですね。
 そこで、今度の税金が自動車にかかるということになりますと、まず第一には、自家用自動車を持っておられる方は、私が先ほど申しました低所得者層ですが、そういう人たちに大きな負担がかかる。それだけではなく、営業用の自動車にかかった場合に、これは当然消費者のほうに、つまり自動車を利用する人たちのほうにかかってこざるを得ない。運賃という形が一番典型的になりますけれども、そういうことにならざるを得ないと思いますけれども、まあ大体否定されるだろうと思いますけれども、どんなふうに否定されるのか、その点をおっしゃっていただきたい。
#247
○政府委員(細見卓君) 御命令ですから、否定さしていただきます。
 自家用乗用車というものにどれだけの税がかかるかということについては、平均いたしまして五千円程度の税になるわけでありますが、それは、先ほど来申し上げておりますように、五十万を上回る自動車が購入できてはじめてそういうことのできる人に御負担願うわけでありますから、渡辺委員御指摘のように、そういう自動車を買われた方についてはそういう御負担を願わなきゃいけないと思いますが、その買う買わないということ、あるいはバスその他の交通機関を利用するという問題、これらはやはり選択も可能なことでありますし、また、この財源によりまして道路が整備されるということになりますれば、その持っておる自動車の効用というものが非常に高められまして、そういうことによって、この税の負担というものをしても結果的にはより有効な利用ができて、一種の応益負担というような要素になってはね返ってくるだろうと思いますし、営業用の車につきましては、まさに現在の営業収益の悪化をもたらしております大きな原因の一つには、人件費その他の騰貴の問題とあわせまして、そういうものの騰貴のわりありに営業効率が思うようにはかどらない。
  〔委員長退席、理事大竹平八郎君着席〕
それは交通の渋滞に基因しておるというわけでありますので、これらのことによりまして、全国的に大局的に見ますれば、道路は漸次よくなってまいり、それがひいては営業車につきましても効率化という形になってその収益の好転にはね返るようになるのが少なくとも長期的な見通しであろうと、かように考えております。
#248
○渡辺武君 理屈もまずいけれども、答弁もまずい。というのは、私の伺った点に答えていない。運輸大臣が衆議院のほうで答弁されているのを拝見しますと、自動車重量税をかけても、ハイヤー事業から考えると、年間二百万円ないし三百万円の収入の中でわずか五千円の支出増だと、だから運賃の値上げにならぬ、こういう理屈を立てておられるわけですね。こういう理屈、それからいまおっしゃられた理屈ですね、これはもう公共料金を値上げするときに必ず言う理屈ですね。ところが、たいしたことはないんだと、いやこれを値上けすれば利用者に大いに利益になるんだという理屈でもって値上げして、値上げすれば必ずそれが一般物価の値上がりを刺激して、そうして今日の物価騰貴をもたらしているというのが、いままでの実例です。
 私は、もう時間がないので、詳しく申しませんけれども、先ほど議論がありました、もうすでに八種類の税金がかかっている、その上にもう一種類税金が上乗せされる。そうして、自動車所有者の税負担というのは非常に大きい。ここのところが私は問題だと思うんですね。わずか五千円と言うけれども、しかしながら、その五千円を含めて、乗用車一台の年間の税負担の実額は七万三千三百三十八円ですか。
#249
○政府委員(細見卓君) そのとおりです。
#250
○渡辺武君 トラックは三十八万三千二百五十円、たいへんなもんですよ、これは。ですから、全国でそれは乗用車を持っている人たちも反対しておられるけれども、特にトラック営業をやっている人たちは、もうこんなことやったら営業が成り立たぬということで反対運動をやっているんです。これを無理やり押し切って値上げすれば、何とか経営の状態を打開しょうということで値上げに動くことは明らかだというふうに見なきゃならぬ。物価が値上がりすれば、自動車を持っていない人たちにまで影響が及んでくる。私は、今度の税金はそういうものだと思うんです。まさしくこれは大衆課税の雄たるものだというふうに思います。
 まあ、しかし、そういう議論をあまりやっていても、すれ違いになるばっかりですから、質問の趣旨を移しますけれども、衆議院の大蔵委員会でわが党の小林政子議員の質問に対して、大蔵大臣は、自動車重量税は物品にかかる税金だから、付加価値税を採用する場合に妨げにならないという趣旨のことを答弁されました。これはどういう意味をおっしゃったのか、どうもよくわかりませんので、もう一度御説明いただきたいと思います。
#251
○国務大臣(福田赳夫君) 小林さんから、付加価値税を創設するかというお話がありました。そこで、私は、付加価値税は非常に慎重に考えなければならぬ税だ、税制の根本改革になる――ただ、私が魅力を持っておりますのは、私は所得税の大減税をしたいもんだという、そういうアンビションを持っております。さて、そのかわり財源ということになると、付加価値税というものは、多額の税収がありますので、かなりこの要請にこたえ得る、その点なんです。ただ、これは、物価問題に多大の影響がある。そういうような観点から、私はこれに対する対処のしかたはきわめて慎重である、こういうふうなお答えを申し上げたんです。ただ、それにいたしましても、いまEEC諸国では数年前からこの税制を共同で採用しようじゃないかというような決議をしておるわけであります。しかも、それを実行に移しておる。最近は、EEC諸国ばかりでない、イギリスにおいても、あるいはアメリカにおいても、これを採用することを検討いたしておるということを考えると、わが国におきましてもこれの検討はしておかなきゃならぬと思いまして、税制調査会に対しましてこれが検討方をお願いいたしたいと、こういうふうに申し上げたんです。そうすると、小林さんが、それじゃ今度の自動車新税はそれへの地ならしかと言うから、まあ私はそういうような考えでありますので、税制を改正いたします場合におきましては、まだ慎重には考えてはおりまするけれども、あるいはその付加価値税採用ということがあるかもしれない。そのあるかもしれない、あり得べき事態に対しまして妨げとなるような税制は考えておりませんが、この自動車新税は妨げになるものではありませんので今度は採用をすることにいたしておるわけでありますと、こういうふうに答弁した次第であります。
#252
○渡辺武君 付加価値税制の採用には妨げにはならぬという御答弁ですね。その点から考えても、それからまた、今度の自動車重量税が先ほど申しましたように日本の輸送手段の中で占める比重が非常に大きい。そうしてまた、この値上げによって国民の生活に対する影響も非常に大きいというような点からしましても、どうも私はこの自動車重量税の採用が事実上の付加価値税を自動車という点で意味している、あるいはまた、付加価値税制導入のいわば突破口みたいな性格を持っているんじゃなかろうかというふうに思いますけれども、この点はどんなふうなお考えでしょうか。
#253
○国務大臣(福田赳夫君) それは全然関連はありません。
#254
○渡辺武君 なお、付加価値税制についていま大臣が言われた点について、私は一言申し上げなきゃならぬと思うんですよ。付加価値税制を採用するその理由の一つとして所得税減税のアンビションを持っておられると言いましたけれども、この付加価値税制というのは、これはもう一般の物価に織り込まれる、大臣も言われたとおり。物価の値上げを促進するものですね。したがって、所得税を納めることのできないような低所得者層がこの税金を負担させられるということであって、所得税減税をされた人はもとより所得税と引きかえに今度は付加価値税をとられるということになるわけですね。これは、大臣が、所得税の減税をするんだというふうに当たりのいいようなふうに、そういう宣伝をされるんじゃないかと思う。絶対そういうものじゃない。そのことを私ははっきりと申し上げておきたいと思うのです。ですから、大臣のアンビションというのは、これは日本語に直せば野望と言って差しつかえない。そういうようなものをいずれは導入するだろう。検討検討と言いながら、漸次その条件をつくっていこうというのが、私は大臣の戦術だろうと思うのですね。小さく出して大きく広げるというのが私は大臣の戦術だろうと思う。その戦術の一環としてこの自動車重量税が出てきたんじゃないか、そういうように思いますけれども、どうですか、重ねてお伺いいたします。
#255
○国務大臣(福田赳夫君) 重ねて申し上げますが、自動車重量税と付加価値税とは、思想的にも体系的にも何らの関係はございません。
#256
○渡辺武君 思想的にも体系的にも関係がないと言われましたが、それでは自動車重量税の税としての性格ですね。これは一体どういうものでしょうか。衆議院での御答弁を読ましていただいても、これは主税局長が答えておられるわけですが、どうもよくわからない。一体、これは直接税ですか、間接税ですか。
#257
○政府委員(細見卓君) 日本では、所得税、法人税というような取得税と財産税を直接税といたしまして、それ以外のものを間接税と呼んでおります。さらに、その間接税と呼ばれるものを、人によりまして、間接税、流通税という分け方をしておられる方がありますが、その場合にはこの税はやはり流通税に当たるのであろう、こう思うわけであります。
#258
○渡辺武君 何か登録税と同じものだというような趣旨の答弁がありましたね。そうですが。
#259
○政府委員(細見卓君) 権利創設的な税であるという意味におきまして登録税であると思います。ただ、登録税と申しますのは、現在では登記時におきます登記だけを登録税と言っておりますので、固有名詞としての登録税ではない、広い意味での登録税と、そういう意味でございます。
#260
○渡辺武君 どうもその点がはっきりしないんですね。これはまあ少しさまつな議論になりますけれども、登録税なら、一回納めりゃあとは大体納めなくてもいいというのが性格だと思うのですね。ところが、この自動車重量税になりますと、二年に一回車検をやるたびに納めると、こういうことになっているわけでしょう。しかも、物品にかけられて、そうして何回ともなく納めるというようなものですと、これはちょうど固定資産税と同じような性格があるのじゃないか。固定資産税ならば、これは物品にかけられて、しかも何回も納めるという性格のものですからね。そうして、固定資産税に近いならば、これは流通税と言うのはおかしいです。やはり一種の直接税じゃないですか。
#261
○政府委員(細見卓君) 御承知のように、固定資産税は所有者にかかるわけでありますし、この税は使用者にかかるわけでありまして所有権につながっておらない。その意味におきまして、固定資産税――つまり財産税的な性格を持っておる固定資産税ではない。自動車の走行が可能になる検査を受ける、そのことによって検査証の交付を受ける、その検査証の交付を受けたという権利の取得に対して登録税が課せられる。その登録税のかけ方におきまして、家屋等の不動産におきましては価格等が課税標準になるわけでありますが、この場合はそれが重量であるというわけであります。
#262
○渡辺武君 どうもはっきりしませんね。同じ自動車でも、私は、自家用車と営業用の場合とでは、同じ自動車重量税がかかっても、その点で性格も若干変わってくると思うのですね。保有税じゃないと言われましたが、自家用車の場合は使用者と保有者は同じでしょう。原則として同じです。だから、そういう場合に自動車重量税がかけられれば、これは保有税で直接税ですよ。営業用の場合でいえば、これが利用者にかりにかかったというふうにしまして、しかしその場合には運賃その他に転嫁されるから、これはいわば間接税的な動きになるわけですね。そういう性格は一体どっちですか。
#263
○政府委員(細見卓君) 当初来申し上げておるほうに属するわけであります。
#264
○渡辺武君 私は、やはり、登録税そのものだというふうに御答弁なさらないで、広い意味での登録税なんだというような御答弁をなされているところにこの税制のあいまいさがはっきりあらわれていると思う。何ともあなた方自身がきめかねている。いろいろな性格が論じられて、何ともきめかねる。何ともきめかねていながら、しかもなおかつ、これが流通税の一種だと、言ってみれば間接税的なものだということを盛んに強弁される。そこに私は重要な問題点があると思うのですね。それは何かといえば、先ほどもちょっと申しましたけれども、いまの自動車は国民の消費生活の中でも欠くことのできないようなものになっているし、旅客輸送、貨物輸送という輸送手段としては非常に大きな役割りを演じている。これにかかる税金は一般消費税的な性格を持っていると思う、そういう面から言えばですね。しかし、厳密にそれを税制という点から検討すれば、まことにあいまいもこたるもの、そういうことで、間接税なら間接税というふうに強弁している、そこに先ほど大臣も答弁されましたけれども、付加価値税制の導入に妨げにならないという性格がはっきり出てくる。一般消費税的なものである付加価値税ですね、これの突破口であるということが私は明らかじゃないかと思うですね。どうでしょう、そういう意図を持たれてこれは流通税だ流通税だというふうに言っているのじゃないですか。
#265
○政府委員(細見卓君) 不敏にしてそんな深い意図は持っておりません。
#266
○渡辺武君 不敏にしてとばかに謙遜されましたが、それじゃそういう議論はやめておきますけれども、いずれにしましても、先ほど大臣にも申し上げました付加価値税制そのものが持っている国民の利益に全く反するような性格、それと同じ性格をこの自動車重量税が持っているということははっきりここで私は確認できる、その点を申し上げて、この次の質問に移りたいと思います。
 先ほども向井委員が問題にしておられたようでありますけれども、この自動車重量税は一般財源として一般会計の中に入れられる、そういうものだというふうに聞いておりますけれども、したがって、財政法上は、その使途は特定されていないのは当然のことだと思うのですね。ところが、この法案の提案理由の説明では、「道路その他の社会資本」のために使うというふうに特定しているのですね。一体これはどういうことなんですか。
#267
○理事(大竹平八郎君) 渡辺さんに申し上げます。ただいま、向井委員と発言がありましたが、田渕君です。
#268
○政府委員(細見卓君) この税を起こすに至りました背景は、道路その他の社会資本の不足、さらに端的には第六次道路整備五カ年計画の財源が不足しておる、その財源を調達する意味でこの税を設けた。その場合に、先ほど来申し上げておりますように、一般所得税に求めるよりも、受益関係のより密接な自動車使用者にその負担を求める、こういうわけでございます。
#269
○渡辺武君 それなら、なぜ一般財源にしたんですか。
#270
○政府委員(細見卓君) この税を設けましたのは、先ほど来申し上げておりますように、自動車がいろいろな意味で社会的な負担をもたらしておる。その社会的コストに着目して税を設けるわけでありますので、一般財源としてしかるべきであろうと考えます。
#271
○渡辺武君 それはおかしいですね。明確に用途の特定かあるわけでしょう。その用途の特定をして新税を創設するわけですからね、どうですか。
#272
○政府委員(細見卓君) 衆議院でもなかなかそこがおわかり願えなかったのでありますが、税を設けました財源不足、調達しなければならなくなつた背景は、道路その他の社会資本の充実のために財源を調達する必要があった。それでは、それを所得税に求めるか自動車に求めるかということになりましたときに、私どもは、所得税のような一般的な税でなくて、直接は道路に対し、あるいは広くは社会的コストをもたらしておる自動車の使用者、端的には自動車にその負担を求めるべきだとしたわけでありまして、財源調達の背景とそれから自動車に負担を求めることにしたそのこととは考え方の過程におきましてはつながっておりますが、こういう過程で発生したから、やれ目的税でなければならない、あるいは特別会計に属さすべきだというのは、これは別個の観点の議論であると思います。
#273
○渡辺武君 その背景ということを伺っているのじゃないんですよ。道路その他の社会資本の整備のために使う目的を特定しているわけでしょう。目的を特定している税制といえば、これは目的税でしょう。どうですか。どうしてこれを一般財源として扱うのですか。
#274
○政府委員(細見卓君) 道路その他の社会資本の充実でございますから――一般税は、広く社会資本の充実、あるいは社会保障の拡充、あるいはいろいろな政府サービスの実施ということに用いられるわけでございまして、社会資本の充実というのは財政の持っておる大きな役割りである、その一翼をになっておるというわけでありますから、これはまさに一般会計の仕事でもあろうと思います。
#275
○渡辺武君 どうもその辺が私は了解できませんね。道路その他に使うと。あるいは、先ほども御質問の中で出ておりましたが、総合交通特別会計ですね、これの財源として使うのじゃないかというような疑問もずいぶん出されているんですね。これは明らかに用途を特定して、そして自動車を使っている人が道路を痛めるから、だからというので自動車にかけているということだと思うのですね。しかも、それは一般財源だ一般財源だといって逃げようとしておる。私は、そこにも、今後付加価値税制を大規模に導入して、そしてこれを一般財源のいわば大黒柱の一つにしようというような意図とつながってそういうような無理をやっているのじゃないかというようなことを考えざるを得ないのですが、その点、どうですか。
#276
○政府委員(細見卓君) そういうことでなくて、道路その他の社会資本の不足を充実するために新規に財源を求めておるというわけで、いまおっしゃるような論議は少なくとも考えたことはございません。
#277
○渡辺武君 時間が来たので、最後に一言だけ質問してやめます。
 先ほど、道路整備五カ年計画のために使うというような趣旨の答弁がありましたですが、その前には、道路を整備することが自動車を使っている人たちのためにもなるという議論がありました。高速自動車道路ですから、したがって、これは自動車のためになると一般的に言ってそれは差しつかえないと私は思うのです。思うのだけれども、先ほども申しましたように、自分の日常の生活のためにやむを得ず自動車を使っている一般の勤労者大衆、先ほどは低所得者層という形で呼びましたけれども、こういう人たちですね、これも多少は高速道路を使う場合もあります。ありますけれども、むしろ高速道路が一番役に立っているのは、これは新全国総合開発計画の一環として道路整備五カ年計画などが進められるわけですからして、あの新全国総合開発計画で全国に十二の大きな工業拠点をつくり、主要都市間をネットワーク網で結ぶ、そうしてこれらの体制のもとで、二十カ年でしたか、工業生産を平均五倍にふやすというような高度成長を目ざしている大企業こそ、最もこの高速自動車道路の利用効果をあげる層だと私は思うわけです。ですから、そういう使途という点からしましても、この自動車新税というのはもう絶対に大衆にとっては利益にならぬものだというふうに断ぜるを得ません。その点、あなた方はどういうふうに考えておりますか。
#278
○政府委員(竹内道雄君) ただいまのお話でございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、十兆三千五百億の道路整備五カ年計画を達成いたしますのに、大ざっぱに国費として約四兆の金が要るわけでございますが、そのうちいわゆる高速の有料道路に使われますものは大体四千億程度でございます。残りの三兆六千億というものは、一般道路に使われるわけでございます。その四兆全体の中の三千億ばかり足らない分がこの新税でまかなわれるというような考え方でございますので、もちろんその三千億の分が一般道路に使われるか有料道路に使われるかということはやや明らかではございませんけれども、国費全体の中で有料道路に使われる分は大体一割くらいでございますので、これは数字の問題としてでございますが、一応そういう事情になっておりますので、お答え申し上げます。
#279
○吉田忠三郎君 自動車重量税についてはたくさん質問があるんですが、きょうはもうそろそろ間もなく五時ですから、これは追っての委員会でやりたいと思いますが、児童手当の関係ですね、厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案、このことについて若干聞きたいと思います。
 大臣この児童手当の問題は、社会労働委員会で厚生省が主たる法律案として提案してありますから、私どもそこでかなり議論したし、質問を展開してきたんです。ですから、きょうは、ここの大蔵委員会では、その法律の裏づけをいたす財政の問題が非常に問題ですから、その点をおもに大蔵大臣にただしたいと思うわけであります。
 御承知のように、児童手当法というのは、児童憲章の精神にのっとってそうして児童福祉対策の一つとして提案したのじゃないかと私も考えますが、大蔵大臣はどう思っておりますか。
#280
○国務大臣(福田赳夫君) そのとおりでございます。
#281
○吉田忠三郎君 そうしますと、児童手当制度の目的というものと趣旨に相応して将来に向けて発展さしていかなければならないと思うのであります。大臣もきっとそう思っているのじゃないかと思っておりますが、これは厚生大臣もそう答えたのですが、この法律だけで万全だと考えておりますか。
#282
○国務大臣(福田赳夫君) ただいまのところ、まずその程度かと、こういうふうに考えておるのです。つまり、この制度策定にあたりまして、諸外国の状況もよく調べてみたのであります。そうすると、児童手当制度をやっている国はかなりあるんです。ありますが、かなりまた議論も起こってさている。つまり、財政の硬直化なんです。それから同時に、さて硬直化の大きな原因になるくらいな財政支出をして、それだけの社会的な役割りを尽くしておるかと、こういう問題につきまして、反省というか、再検討しようじゃないかという国までもあるんです。そういうふうな状態を見るときに、わが国が新しく児童手当制度を発足すると、こういうことになってきたので、そこで、一面においてわが国における財政負担も急激に増高させることもどうかという財政論もありまするけれども、制度論として一挙に充実した児童手当というところまで行くかどうかということについてやや疑問もあるわけなんです。そういうようなことで、私はさっき形骸と言いましたが、決して充実した形のものじゃございません。とにかくしかし児童手当制度を発足する。ことにこの児童手当制度が地方自治団体なんかでかなりとられるような傾向になってきたそういう傾向もあるので、この際政府において主導権をとった形の児童手当制度、これを発足さしてみる、これが妥当じゃあるまいかと、こういう考え方であります。そこで、これからこの制度が発足したその成り行きというものをよく見まして、そしてこれは国民が非常にけっこうだということで高く評価をするというような状態でありますれば、財政上の状況ともにらみ合わせなければなりませんけれども、これを発展さしていく、こういう考え方であります。
#283
○吉田忠三郎君 いま、大蔵大臣は、財政面の諸問題をとらえて、たとえば財政硬直化との関連なんかに問題がある、こういうことの言い方なんですが、これはどうなんですか、日本の場合は都道府県段階でも行なっていますね。現に、社会党の市長村長のところですでにもう実行しているところがありますよ。この問題はいま始まってきたわけじゃないわけです。何年も前からそういう強い要請があったけれども、これは佐藤内閣になってからの公約の一つでした、児童手当を支給するということは。その公約を今日までほごにしてきたから、市町村自治体、特に社会党の市町村長はやったんですよ。やって、今度初めてこれが出てきたんですがね。これはここの大蔵委員会としては財政上の問題ですから、ここでは議論する場じゃないと思いますから、社会労働委員会でやってきたんですがね。やってきましたが、いずれにいたしましても、いまも若干触れていますが、たとえばいまの財政の問題を含めてみたって、万全ではないと思うのですよ。今後やっぱりこの問題については多くの検討も必要であるし、あるいは改善してまいらなければならないものがたくさんあるんじゃないかと、こう思っているんですが、こういう点はどうですか。
#284
○国務大臣(福田赳夫君) まあ、この問題は、ただいま申し上げましたような状況でございまして、いろいろ議論のある制度なんです。ですから、児童手当懇談会でもこれはたいへんな議論があって、なかなか結論を得ないような状態で推移したわけだったのですが、まあ結論が結局出た、出た結論が今回のこの政府提案という形で具体化されたと、こういうことでありまして、そういう経過を見ましても、まずスタートとしてはこの程度だろうかというふうに私としても考えておるわけであります。
#285
○吉田忠三郎君 ですから、このスタートにあたって私はどうこういま言おうとしているわけじゃないんです。将来幾つかの課題が残っているわけですよ。だから、検討もしなきゃならぬだろうし、改善を要する必要があるのじゃないか、こう聞いているのですから、この点を答えてもらいたいんです。
 それからもう一つは、大蔵大臣ね、これはどうなんですか、一つにはわが国の人口政策的な面が全くないかどうか。つまり、今日では若年労働者が不足していますから、そういうこと等を考えながら、二十年後の労働政策がこの中に含まれておるのじゃないかと思う。私は、こういうものが含まれていないとすれば、何か妙だなという気がするんですがね。この点もあわせて答えていただきたいと思います。
#286
○国務大臣(福田赳夫君) この問題は、衆議院の社会労働委員会でかなり突っ込んだ議論をしたんです。その結果、問題点を掲げまして附帯決議としております。その附帯決議に当面の問題点というのはほとんど網羅されておると思います。この附帯決議に示された問題点なんかは、とにかく私どもは十分検討してまいりたいと、こういうふうに考えます。
 それから第二点の人口政策的配慮を認めておるかという話でありますが、これは私は社会保障制度というふうなとらえ方をしておりますが、同時に副次的に人口政策的な効果はある制度である、こういうふうに見ております。
#287
○吉田忠三郎君 まあ、大臣は、そういう政策的な一面を見ないとは言えないという意味の答えだと思うんですが、私はあると思うんですね。ということは、いまの日本の出生率を見ますと、アメリカから見ると下回って一・九くらいになっておる。これは厚生省のほうはわかっていますな。そうしますと、いまの大蔵大臣方が進めているこの高長政策をずっと進めてまいりますと、どうしても若年労働者というのは不足してまいります。これはわが国だけじゃないですよね。アメリカにおいてしかり、ソビエトにおいてしかりですよね。ですから、いまの出生率等をにらみ合わしてみますと、二十年後におけるわが国のそうした若年労働者に該当する人々がどういう傾向になるか、統計上出ていますよ。ですから、この際、スズメの涙程度の三千円くらいとりあえずあげて、そうして、かつて戦争中は生めよふやせよなんということをやりましたが、いまごろはそんなあほうみたいなこと言って号令をかけたって、自分のおなかを痛めて、さなきだに生活が物価が高くてたいへんだというときに、あまり子供さんを生みませんよ。ですから、そういう一面のねらいはちゃんとこの中に含まれておると、そういうふうに思っているのですがね。これは全くないということはないでしょうな。
#288
○国務大臣(福田赳夫君) 私もそう思います。主たる目的は社会保障というところでございますが、副次的にそういう効果もある制度である、こういう認識のもとにスタートしたわけであります。
#289
○吉田忠三郎君 さて、大臣ね、この法律、財政的に裏づける財源の関係は、おそらく、先ほど大臣の申された国の財政全般をにらめていろいろなことを考えたのじゃないかと思いますが、第三子以下ということになりますね、適用者は。
#290
○国務大臣(福田赳夫君) そうです。
#291
○吉田忠三郎君 これでは、児童手当法をおつくりになって、財政的にもそれに関連する諸法律を整備をしてみても、第三子以下の人々ということになりますと、ごく少数になるんですよね。――なると私は思いますよ。これはどのくらいになりますか、対象人員は。
#292
○説明員(石野清治君) 第三子で、義務教育終了前の児童の第三子と申しますと、支給対象児童は二百四十七万人でございます。
#293
○吉田忠三郎君 これは、この法律が施行された場合、全部対象になるわけですね。第三子以下ということですな。
#294
○説明員(石野清治君) 段階実施でございまして、四十九年度から二百四十七万人が全部対象になります。
#295
○吉田忠三郎君 じゃ、今年度は何名になるのですか、対象人員は。
#296
○説明員(石野清治君) 今年度は九十三万人でございます。
#297
○吉田忠三郎君 これにかかわる所要経費といいますか、所要の財源、これはどの程度見ているのですか。
#298
○政府委員(橋口収君) 児童手当は、御承知のように、被用者に対する児童手当と、非被用者――自営業者等に対する児童手当と、二つございます。両者の費用負担区分に相違があることも御承知のとおりでございます。したがいまして、四十六年度で申しますと、事業主拠出金による収入が約十三億円でございます。それから一般会計の負担が三十億円でございます。両者を合わせまして児童手当交付金として支出されます額は三十七億円でございます。
  〔理事大竹平八郎君退席、委員長着席〕
#299
○吉田忠三郎君 そうすると、六億は、諸般の事務経費、あるいは管理経費といいますか、そういうものですか。
#300
○政府委員(橋口収君) 業務取扱費ということでございますので、御指摘のとおりでございます。
#301
○吉田忠三郎君 そうしますと、大臣ね、先ほど冒頭に聞きますと、改善をしなければならぬとか、検討しなければならぬと、こういうふうにあるんですね。特に、蛇足のようであったけれども、わが国の人口問題、特に産業経済の高度化による若年労働者を二十牛後を見通してある程度そういう考えが含まれているということになれば、私は第三子というのは改めなければならぬと思うのです。これは改めていかなきゃならぬ。これは本年一挙というわけにはまいりませんよ。まいりませんから、法律はきのうでしたか本院を通過していますから、私は無理難題をいま大臣に言うことはしませんが、とりあえず四十七年度からでも、予算を編成する場合には、少なくとも第二子に、将来第一子からというようなことで検討しながら改善していくということにならなければ意味がないような気がするのですが、この点はどうなんですか。
#302
○国務大臣(福田赳夫君) この問題は、昭和四十九年度を一つの区切りといたしまして、この制度をひとつ完全実施をしたい、こういうふうに考えております。しかし、その完全実施をすべき制度自体が内容が貧弱じゃないかという議論と、四十九年度完全実施になったそのあとにおいて一体どうするのだという二つの問題がありますから、まあいまこの場のお答えといたしましては、とにかく四十九年度までに今度の法にきめられた制度の内容を遺憾なく実施したい、こういうふうに考えております。それから五十年度以降につきましては、この制度に対する国民の評価、そういうものを踏まえまして、それがたいへん高い評価を受けるというような状態でありますれば、これを充実する、そういう考えであります。
#303
○吉田忠三郎君 わかりました。
 そこで、さらに今後の問題になるんですが、この法律は施行にあたってかなり制限条項があるんですよ。たとえば年齢の制限をしておりますね、一つには。それから一つには、支給する場合に所得制限をしています。これは老齢年金支給制度をまねたのじゃないかと思いますが、所得制限をしている。こういう制限があるのですが、私は年齢制限とか所得制限等についても先ほど冒頭に聞いた事柄が含まれているということになるならば、そう長期間にわたって支給するものではありませんから、所得制限などというものははずしていくべきものではないか。
 それから特に身体障害児に対して、何らこの法律は触れられていないのです。触れられていませんね。ですから、こういう問題だって、将来――将来といったってこれは可及的すみやかにやるべきだと思うんですね。身体障害児等については特別な配慮というものをなされなければ、私は、この法律のほんとうの精神が生かされないと思う。ですから、私は、冒頭に、児童憲章の精神にのっとってと、こういうふうに切り出して聞いたのですが、こういう点をどう考えますかね。
#304
○国務大臣(福田赳夫君) いろいろ御議論のあるところだと思いますが、所得制限の問題これはこれからの経済情勢の動きだとか、国民生活水準の向上がどういうふうなぐあいになっていくか、そういうようなことをよく見きわめながらよく見直しをしたい、こういうふうに思います。
 また、年齢制限の問題ですが、これは、一般的な問題とすると、とにかく四十九年度までの計画、この原則を変えるということは非常に困難だと思いますが、いま御指摘の心身障害者、そういうものにつきましては、同じ子供でありましても、心身障害であるがゆえに子供の状態が長く続くというようなこともありますので、この問題は考えてみたい、かように思います。
#305
○吉田忠三郎君 これは、大臣、ぜひひとつ将来考えていただくようにお願いしたいのですがね、こういう点は。
 それと、いまのきめられたのは、今年はやむを得ぬとしても、養育費の実態に沿う金額かというと、必ずしもそうとは言えませんね、ないよりはましであるけれども。だから、こういう点は、国民の生活水準、それから養育費の実態等を完全に把握をして、それに相マッチするような方向でやっぱり額も引き上げていかなければならぬだろうし、それからいま申し上げたような心身障害児の問題ですね、こういうことというのは、当然やはり血の通ったといいますか、行政をする場合に大臣のほうとしてもそういう意味の指導なり、あるいは将来に向かっての施策というものを施してもらわなければならぬと、こう思うので、特にお願いしておきたいと思います。
 それからこれが法律施行になった場合の取扱事務ですね、これは市町村自体に委任事務として落とすわけでしょう、具体的には。市町村長を通して支給をいたすということになっていますね。その場合の認定の問題は、やっぱりいろいろな問題が伴ってくると思いますね、運用する場合に。ですから、二千二百九十ぐらいですか、いまの市町村の数というのは。この運用いかんによっては、ある意味では、ばらばらですね、この取り扱い方に違った面が出てこないとは必ずしもここでは保証できないと思うんですね。ですから、そういう関係は、認定等も含めて、かようなことのないように十分指導しなければならぬと思うのです。これが一つ。
 それからその認定する場合に、運用にあたっては、養育というものの実態を完全に把握しなければ、具体的にやろうとしてもできませんから、そういうことがまず先決であって、特に受給者の支給の段階等についても、わずか三千円ぐらいですから、できるだけそういう事務を扱う場合に受給者の便宜をはかるようにしなければ、場合によってはそれは受け取りに行かない、こういうふうな現象だって起こらないとは言えないと思うんですね。ですから、こういう点は、厚生省が考えるのか、大蔵省のほうは金を出してしまったらいいというのかもしれないが、どう考えているのでしょうね。
#306
○国務大臣(福田赳夫君) そういう問題があろうと思います。これはよく厚生省にもお願いいたしまして善処いたしてまいる所存であります。
#307
○吉田忠三郎君 それから沖繩の問題が最近いろいろ話題になっていますね。こういうことから沖繩がもうごく最近施政権が返還になる。このあいだも本院において外務大臣もいろいろな細部にわたって報告をしましたね。ですから、あの報告どおりスケジュールどおり行くとすれば、この法律を制定施行する段階は沖繩にも当然該当するということになると思うのですが、この辺は具体的にどうお考えになっているのか。
#308
○説明員(石野清治君) これは、参議院の社労のほうの附帯決議にもございますように、沖繩の返還に際しまして本法を適用する場合には、いろいろな特別な配慮をしませんと円滑に施行できないという面がございます。そこで、他の法律と同じように、沖繩に適用する場合のいろいろな措置をいたしまして、そして返還と同時にそれが円滑に適用できるように指導してまいりたい、こう考えております。
#309
○吉田忠三郎君 最後に、大蔵大臣、先ほど大臣は財政硬直化等を考えて、いい面と悪い面とあるように言っておりますが、いずれにいたしましても、法律が制定されて児童憲章の精神にのっとって児童のつまり福祉対策の一つとしてやるということであるならば、これは拡充しなければいかぬと思うんですよ。私は先ほど来の金額等を聞いてみたって、とにかく四十億足らずですね、実際使われる金は。ですから、少ないばかりに、二百四十七万人見たって、この三倍、百億ちょっとぐらいなものでしょう、いまの金額でまいりますれば。これを今後逆に倍にしたって二百億ぐらいのものでしょう。ですから、来年以降これは計画的にやっていくわけですから、その計画期間中に飛躍的な財政上の裏づけというものをして完ぺきを期してもらいたいというふうに思うのです。これはもうそこだけ聞けば私は質問を終わりたいと思います。
#310
○国務大臣(福田赳夫君) この児童手当の施行は、四十九年度に向かって逐次充実させていくわけです。その裏づけ財源も逐次ふえていくわけであります。それは必ず充足するようにいたします。
#311
○政府委員(橋口収君) 先ほど四十六年度の予算額を御説明申し上げたわけでございますが、これは御承知のように本年度は二月分計上いたしておりますが、四十七年度になりましてそれが平年度化をしてまいります。四十七年度は五歳未満の児童から適用いたしますので、給付の総額が三百三十七億円、国庫負担が百五十三億円、四十八年度になりますと、十歳未満から適用になりますが、給付総額が六百九十六億円で、国庫の負担が三百二十五億円、最終の完成年度の四十九年度になりますと、給付の総額が八百九十三億円で、国庫負担が四百二十三億円ということになるわけであります。
#312
○成瀬幡治君 日本万国博覧会記念協会法案は、名前はりっぱなものでございますが、これのあらまし承りますと、万博の跡地を大学に一部さいて、あとは国と大阪府ですか市ですかで、二つでもって緑地にして、それを文化的に活用するというようなふうに提案理由その他からは了承できるわけですが、もう少し具体的に申しますと、大体どんなような構想でございましようか。――活用の方法、構想でございます。
#313
○政府委員(相澤英之君) 概要は、ただいま先生が申されましたようなことでございますが、万博の跡地約百万坪でございますが、そのうち、阪大に二十万坪をさきまして、残り八十万坪を国と大阪府で半分ずつ所有をし、これを記念協会に出資をする。そうして、記念協会は、この跡地を一体として保有し、これを緑に包まれた文化公園として整備し、その適切な運用を行なう。同時に、万国博覧会協会の剰余金が、これはまだ完全な決算をいたしておりませんが、建物等の施設の撤去費等を除きましても、大体百五十億を下らない金額になろうかと存じますが、これを一括して活用するという目的で日本万国博覧会記念基金というものを設けることにいたしておりますが、協会はこの基金の管理も行なうわけでございます。したがいまして、協会としては、文化公園の整備運営とそれから記念基金の管理という二つの大きな目的を持っておるわけでございます。
 その文化公園としての整備の具体的態様につきましては、これは協会に設けられますところの評議員会においてその基本的な構想を検討されることになっております。マスタープランの作成を待って、逐次施設の整備が行なわれることになっております。
 ただ、昨年の十二月二十三日に大蔵大臣の諮問機関でございます万国博の跡地利用懇談会が答申を出しておりますが、この答申におきましては、この跡地に整備さるべきところの文化的の施設といたしまして、たとえば博物館、美術館をはじめ、レクリエーション施設、総合スポーツセンターなどの広い意味での文化的施設を考えているのでございます。
 いずれにいたしましても、これは、評議員会におけるマスタープランの検討を待って確定され、逐次整備をされるということになっております。
#314
○成瀬幡治君 そうすると、その総合的なマスタープランづくりは、大蔵大臣の諮問機関で具体的なものをつくるのか、それとも、こういう記念協会というものが設立をされて、それの仕事としておやりになるのか、どちらなんでしょうか。
#315
○政府委員(相澤英之君) ただいま申し上げましたとおり、文化的な施設としての整備の態様につきまして、大蔵大臣の諮問機関でございます万国博跡地利用懇談会においての答申におきまして、まあこういうようなものが考えられるという程度の構想が示されておりますが、具体的なマスタープランの作成は、いずれにいたしましても、協会に設置されますところの評議員会において自主的な検討が行なわれて、そこで構想が固まりました場合にそれに従って行なわれるということになるわけでございます。
#316
○成瀬幡治君 役員は、会長、副会長、理事長、理事五人以内及び監事二人以内置くというようなことになっておりますが、すべて民間の人を任命されると思いますが、何か具体的な構想が少しぐらいは人選が進んでおりましょうか。あるいはこの法律案が通らない前にそんなことはやっておらぬと、こうおっしゃるかもしれないけれども、すでに具体的な人選に入っておりますか。
#317
○国務大臣(福田赳夫君) これは、法律が施行される前にいかがかと思いますが、いろいろ人事構想というものは進めておるんです。それで、会長には、やはり万博の会長をされた石坂泰三さん毛この方が一番いいんじゃないかと、こういうふうに存じております。それから副会長といたしましては、これも万博の副会長といたしまして関西財界に最も深い関係のある芦原さんですね、この方あたりがと、こう考えておりますが、法案が成立いたしましたならば具体的な交渉をしてみたいと、これはまあ率直なところを申し上げるわけでございます。理事長以下につきましては、まだ考えておりません。
#318
○成瀬幡治君 たいへんな財産といえば財産ですし、それからせっかくの緑地といえば緑地です。ですから、ほんとうにここに示されている文字どおり広い意味での文化公園としてりっぱな活用をされるという点なら、非常にいいことだと思うんです。いままでのこうしたようなものになりますと、とかく利権その他がいろいろついて回りまして、形はきれいなようなことを言われておるけれども、内輪に入ってみると、醜かったりいろんなことがありますけれども、そういうようなことは万々ないと思いますけれども、そういうような点について十分お考えいただくとともに、まあ一つは要望的なことを申し上げることになるわけでございますが、文字どおり利用懇談会が答申をしたと申しますか、こうやられたらいいじゃないか、こういうふうに適切なアドバイスがあったこと、それを受けて協会が設立される、そして協会の役員その他評議員等がきまり、そして、評議員会等で、なお、抽象的なことばはあるけれども、これを具体化してやっていくんだと。それにはなおかつ費用も要ることでございましょう。そうしますと、そういうような今後の財源は、一応跡地としての百四十億ですか百五十億のお金はあるかもしれませんが、なお財源が要るんだ、そういうようなことになれば、その財源集め等も、やはり国からも幾らかお出しになるというような用意があるものなのか、あるいは地方自治体がそれを負担するものなのか、あるいは一般に寄附を募るというような、そういうようなことまでは何もお考えじゃなくて、そういうことは一切事業計画その他ができたそういうところでそういう評議員会なら評議員会の結論を待ってやるのだから、それに一切まかせてしまうのだという態度なのか、その辺はどんなふうになっているんでしょう。
#319
○国務大臣(福田赳夫君) まず第一に、この跡地がもうほんとうに緑に包まれた文化公園という形で国民のいこいの場になる、こういう大方針はどこまでも完全にきれいに貫徹したい、こういうふうに考えております。
 それで、この法律ができますと、この協会が百五十億円前後の万博の残余財産をそのまま引き継ぐわけです。その運用益というものがあるわけなんですが、その運用益で大体の運営をやっていくと、こういうことになります。しかし、手入れをするのでそれでも足らぬというような場合があるかもしらぬ、そういう際には、これは国立公園をつくるとかいろいろの場合の中央・地方の負担区分というようなものもありますが、そういう負担区分でやっていきますか、あるいは別の方法で国と大阪府が相談してやりますか、まだその辺までは詰めておりませんけれども、いずれにいたしましても、非常に臨時に金が要るというような事態がありますれば、国でも何らかの手配をしなければならぬかと、かように考えております。
#320
○鈴木一弘君 万博のことで、これは認可団体ということになるわけですが、そこのところが、このあいだ参議院を通過しました海洋開発センター法と同じように、そういう認可団体になったということは、民間の意向というものをすごく尊重していこうという一つの大きな流れだと思いますし、私どももそういった方向にだんだんいくことは歓迎しているのでありますけれども、これからさらに、やはり同様に、いろいろな開発業務であるとか、そういうような何か記念的なことが行なわれた跡とか、そういうものはできるだけ認可法人のようなかっこうで今後とも運用していこうと、そういう基本的な考え方というものが政府にはあるのかどうかということを伺っておきたいと思います。
#321
○政府委員(相澤英之君) 万博の跡地は、今回法案として御審議願っておりますように、記念協会を認可法人の形で設立するという、その法人によって管理運営をするということを考えております。今後このような国民的な施設が特に予定されているわけではございませんが、もしそういうものが出てまいりますれば、また同じような形も考えられるかと思っております。
#322
○鈴木一弘君 いま大臣は、先ほどの答弁の中に、運用益をもってということがございましたが、百四十億の剰余金を継承してやっていく。しかし、何年も何年もたっていけば、たとえばそれから出た利子で運用してまいりましても、それがマイナスになったり、あるいは少しずつでも残していかないことには、貨幣価値の下落とともに、いままでも学校法人がせっかく基金を持っていながら最後には政府から膨大な援助というものを私学協会を通じてもらわなければやれないようになってしまう、そういうようになってはいけないんじゃないか。何かそういうところで基金というものの運用といいますか、どんどん伸ばしていくということの考え方がいまちょっとあったのでありますけれども、その点で、運用益というものの使い方、これがオリンピックのときのように、あとで各団体が持っていったらパーになってしまったというようなことがないようにやるということでやったんだと思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えですか。
#323
○政府委員(相澤英之君) 万博の基金は大体百五十億円を下らない金額になるかと思いますが、それにいたしましても、年額運用益は十億程度でございます。したがいまして、これを全部食いつぶしていくということになりますと、いまお話しのようなことも起こるわけでありますが、この協会の施設につきましては、現在日本庭園は入場料を取っておりますが、今後も、その範囲、あるいは入場料の程度等、これは今後の検討問題でございますが、施設を良好な状態に維持するということのためにも若干取ったほうがいいのじゃないかというふうに考えております。そういった入場料等も若干運用の財源にはなろうかと存じております。もちろん、新しく施設をつくるような場合は、これは金額的にも相当国・地方の補助がなければできないと思いますし、それから元本はこれは取りくずさないという考え方にいたしておりますから、運用上の経費が足らない場合も、これは建設費の場合と同様、国・地方の補助も考え得る制度とするということにいたしております。
#324
○鈴木一弘君 これで最後にしておきたいと思うのですが、現在、日本庭園が月三万人程度の入場者があるということですが、この跡地利用がきちんとできたようなときには、どういうような大体入場者があるのだろうというような予測は立っておりますか。
#325
○政府委員(相澤英之君) 日本庭園は、四月二十九日、ちょうど連休の始まると同時に開園をいたしたわけでございますが、これは予想よりも相当多い入場者がございまして、四月の二十九日からこの五月の九日までに約十七万人入っております。多い日は三万六、七千人、ウイークデーでも三、四千人入るという状況でございます。したがいまして、これを全体を施設整備いたしまして開放することになりますと、相当な数の入場者が入るのじゃないか、ちょっとその予測はつきませんが、こういうような施設ですと、六、七十万人から百万人ぐらいは普通入るのじゃないかと思っております。
#326
○委員長(柴田栄君) 午後六時三十分から再開することとし、暫時休憩いたします。
   午後五時三十四分休憩
     ―――――・―――――
   午後六時四十九分開会
#327
○委員長(柴田栄君) ただいまから大蔵委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、自動車重量税法案、日本万国博覧会記念協会法案及び厚生保険特別会計法の一部を改正する法律案の三案を便宜一括して議題といたします。
 質疑のある方は、順次御発言を願います。
#328
○戸田菊雄君 午前に引き続きまして、自動車重量税法案について質問してまいりたいと思います。
 最初に、運輸省に、乗用車保有月間維持費等についてお尋ねをしたいと思います。
 一つは、勤労世帯と産業世帯の区別で月間維持費を教えていただきたい。
 それから二番目は、車種別月間維持費を、軽四輪車、大衆カー、小型カー、中型以上、こういうことで……。
 三番目は、年収別の購入価格について、勤労世帯の場合にどういう状況になっておるか。
 この三つについて大綱を最初に質問したいと思います。
#329
○説明員(隅田豊君) 非常にこまかい御要求でございまして、すべてのデータを運輸省として正式なデータとしては把握していないのでございますが、一応車両の整備その他監督する立場といたしましてある程度の見当を申し上げてみたいと思います。
 まず、最初に、営業用、自家用の乗用車の月間維持費についてのお尋ねだったと思いますが、正確な数字は何とも申し上げられませんけれども、使用状態、ユーザーの状態によりましてかなり違ってまいります。勤労世帯とかなんとかいうことよりも、レジャーによく使われておるとか、長距離運転をされるとか、通勤に毎日使われるとか、使い方が乗用車については千差万別でございます。そういう意味では、車を持っておられても、何キロぐらい走るかということがかえって標準になると思うのでありますが、そういう点で正確には申し上げかねるのでございますが、私、いろいろ私の周囲におる者に、車を持っておるとどのくらいかかるかというようなことを聞いておる範囲内で申し上げますと、非常に大ざっぱなけたを申し上げて申しわけないのでございますが、普通の自家用で使われております乗用車一五〇〇CC前後の車で、税金とかなんとかを全部月平均にして考えまして、まあ二、三万の金はかかっているのじゃないかと思います。これは非常にばく然とした表現で申しわけないのでございますが、一応手元に正確な数字を持っておりませんので、それだけを申し上げます。
 それからそれを車種別にというお話でございますが、ちょっとこれになりますと、もっとこまかくわかりませんのでわからないのでございますが、卒直に申し上げまして、普通の人たちが持っておる一五〇〇CCクラスから一〇〇〇CCクラスにおいては、車の種類ではあまり大差はない。軽自動車になりますと、現在、軽自動車の税金はわりあい安うございまして、それから車検がないとか、いろいろな条件がございまして、軽乗用車については普通の車に比べるとかなり有利になっていると思います。うまく使っている方は、あるいは一万円を切る方もあるかもしれません。それからこれが普通自動車、要するに、極端な場合でプレジデントとか、ああいうような小型でないもの、二〇〇〇CCよりもっと大きな乗用車になりますと、これは幾らかかるか正確にはわかりにくいと思いますので、ちょっと見当がつきません。
 それから最後の年収別の購入価格ということでございますが、ちょっと御質問の趣旨がわからないのでございますが、年収どのくらいの人間がどのくらいの車を買っておるかという意味でございますか。
#330
○戸田菊雄君 そうです。たとえば九十九万以下の場合どのくらい……。
#331
○説明員(隅田豊君) 車の購入の状態を見ておりますと、どうも年収と車とは必ずしも結びついていないようでございます。たとえば私たちの勤め先で見ておりますと、若いひとり者が案外いい車を買っております。年配の相当収入がある人でもなかなかそこまでは買い切れないということもございますので、年収と車の購入価格を結びつけるのはちょっとむずかしいのではないかと思います。
#332
○戸田菊雄君 本件については、もしあとで資料等が整理できるなら、御提示願いたいと思います。
 それで、大蔵省のほうは、いまの問題について、どういう捕捉のしかたをやっておりますか。
#333
○政府委員(細見卓君) 隅田整備部長は専門家でございますし、私どもはしろうとでございますけれども、やはりほぼ同じことを考えて、私どもとそんなに感じが違わぬのかなと思っております。特に自動車の所得階層での購入金額というのは、先ほどもお話が出ましたように、むしろ独身者というような人たちは、生活が親がかりになるとか、同居しているとかいうことで、わりあいりっぱな車が買える。車の維持費が二万ないし三万かかるという話があるわけでございますので、私どもは、その意味で、総理府の統計で年収三十万とかあるいは四十万とかいう人が正当にどういうふうに維持ができておるのかな、自分の生活費はどこから出るのかなという感じが率直にいたしますが、企画庁の統計でありますので尊重して申し上げておりますが、二、三万の維持費がかかるものを、どうして二、三十万の年収の人が買うのか、買えたにしても持てるのだろうかという感じはいたしております。
#334
○戸田菊雄君 結果的につかんでいないということですか、そういう面は。
#335
○政府委員(細見卓君) つまり、私どもの感じでは、そういう人は、もう月給全部が自動車代になって、生活費は別にあるのではないかという感じ、端的に申せば親がかり、そういうことではなかろうかという感じがいたしております。
#336
○戸田菊雄君 税法上のたてまえで、各般の課税で必要経費というものが必ずかかるんですね。自動車重量税の場合に、こういう各般の月間維持費というものが、自動車を持つことでそのくらい経費がかかるというのを勘案していかなくちゃいけないのじゃないかという考え方があるんです。ですから、そういうものを無視されて、単に重量だけで目方で税金をかけていくということは、税法の設立の趣旨からいってどうもおかしいのじゃないか、こういうふうに考えるのです。
 そこで、問題は、さっき読み上げた通産省の資料では、明確にそれらの資料が出ているのです。たとえば、「月間維持費」で、これは自動車税と自賠責を除いているわけですが、勤労世帯の場合は、二千九百九十九円というのが八・七%かかっている。あるいは四千九百九十九円というのが二五・九%を占めている。あるいは六千九百九十九円に対して二六・五%、それから八千九百九十九円については一六・七%、一万一千九百九十九円は一一・四%、一万二千円以上のものが一〇・八%、こういうことで、平均維持費が六千九百円です。それから産業世帯の場合には、平均一万五百円かかっている。こういうぐあいに、通産省の統計によると、明確に月間維持費というものが出ているんです。だから、こういうものを明確に捕捉をして、一体重量税設定についてはどの程度の課税額が妥当かどうかということを編み出さなければいかぬ。これくらい月間維持費がかかっている。さらにまたこの重量税で税金がかかって、二重、三重、さっきも指摘しましたように、八つも各般の重税でからめてやられている。そして、なおかつ重量税でやる。月間維持費はこのくらいかかる。だから、この政策でいったら、税金面では今後自動車を持つなということになってくるのじゃないかと思いますが、これはどうですか、見解は。
#337
○政府委員(細見卓君) 私も、そういう統計が客観的にできるかどうか、統計そのものに若干そういう感じは持っております。たとえばディーラーとかセールスマンにお聞きいたしまして、それは御存じのとおり自動車税反対のためにばらまかれた資料でございますから、いろいろ統計的には御議論もあると思いますが、維持費などにいたしましても、自動車を買って、五年で買った価格より高くなるとかいろいろ話がございますが、その場合に、一番最初に基本的に申し上げておきたいと思いますのは、人税と物税と違うわけですから、人税というのは、すべての人の所得をその生活の根源にまでつながるものとして総合的に課税するわけですが、物税は、特にこういう自動車のようなものになりますと、必需品だというような御議論もございましょうが、買う買わぬの自由はあるわけでございます。そういう意味で、自賠責は強制保険だから必要経費にしろという話があるわけですが、それは、しかし、電車に乗っておる人との間のバランス、自動車に乗る乗らぬは、少なくとも現在の日本のように大量交通機関がある程度発達している国におきましては購入の自由があるわけですから、そういう意味では必要経費にならない。いまのお話にいたしましても、かなりの計数が出ておるようでありますが、あるいはもっと自動車の減価償却とかなんとか、ほんとうは考えなければならないのだろうと思います。いまのお話は、ガソリン税とかなんとかいうことのつまり税に対する反対としての議論でございますけれども、今日のように自動車が非常に陳腐化するときでありますと、五十万円で買った自動車も、三年なり四年たちますと、それがせいぜい七万円とか五万円ぐらいになるわけですから、個人の生活を圧迫するという意味におきましては減価償却を考えなければいけないので、それではむしろ私としては維持費が少ないと思います、その負担という意味では。ですから、そういうものを考えますと、負担というものを総合的にどう考えるかという問題があるにいたしましても、それは別としまして、この自動車税でありますと、年大体五千円でございますから、月に四百円、したがって、それらの金額に比べればかなり小さなものになると思います。
#338
○戸田菊雄君 主税局長、誤解されちゃ困るんですよ。これは決して業界の皆さんが反対のための反対で資料をつくってきたわけじゃない。業界でもって通産省のある課長を呼んで、現在の状況はどうなっているかということでその説明に使用した資料なんですからね。だから、決して業界が一方的に反対するからということで持ってきた資料ということじゃないんです。そういう意味では私はこれに信憑性を置いて主税局長に質問しているわけですから、通産省の資料がどうのこうのと言うよりも、そういう面で大蔵省の担当官としては本問題に対して十分配慮していくべきじゃないかというふうに考えるんです、むしろ。
 そういうものを無視して現在の重量税というものがやられているということは明確なんですね。たとえば、「車種別月間維持費」について見ると、軽四輪の場合は平均して年間四千百円、大衆車については六千六百円、それから小型車については七千四百円、中型以上は九千八百円、その計が六千九百円、こういうことで明確に出ているわけです。いま、課税に対して、必要経費というものは非常にやかましくいわれております。もし重量税というものを設定すると考える場合には、こういう問題を考慮せずに単に大衆重課の形で税金を取ることだけ考えているのじゃ困ると思いますが、これはどうですか。
#339
○政府委員(細見卓君) 私の感じでは、やはりその程度の維持費でとても車は済まないのじゃないか、先ほどの整備部長の話のほうがほんとうなんじゃないか。それに、先ほど来申し上げておりますように、車の陳腐化というようなことを考えれば、その程度の負担ではとても済まない。ということは、逆から言いますれば、月二万円とか三万円ということが負担できる方が自動車を持っておられるのではなかろうかと私たちは考えるわけです。そういう意味でも、いまの五千円の税が払われますことは、月に四百円ぐらいという感じで、私どもはそれほどの負担ではないと思うのですが、そのほかに、いまのやつはおそらく燃料費とかなんとかだけでしょうけれども、車はかなり故障が多うございますし、そういうものを入れれば、私はそういう平均がどうやって出るのか実際よくわからないのでございます。
#340
○戸田菊雄君 それから道路投資について若干伺いたいのですけれども、最近の資料を何年度をお持ちかわかりませんが、おそらく四十四年度じゃないかと思いますが、単年度でけっこうです。国税、それから自動車のユーザーの負担税、金額と割合がもしわかれば、説明していただきたいと思います。
#341
○政府委員(細見卓君) 四十四年度の自動車関係の諸税の収入は、国税が六千五百四十八億円、地方税が三千五百九十九億円で、合わせまして一兆百四十八億円になっております。これに対しまして、四十四年度の道路投資額は、国におきまして五千二十四億円、地方におきまして五千八百九十七億円、合わせて一兆九百二十一億円ということになろうかと思います。
#342
○戸田菊雄君 その不足分がさっき審議官でしたかが説明された三千億の内容と理解していいわけですね、いまの一兆何がしの主税局長の説明は。
#343
○政府委員(竹内道雄君) いま主税局長からお話しになりましたのは、少し内容が違うかと思います。
#344
○戸田菊雄君 いま、道路投資に占める用地補償費はどのくらいいっておりましょうか。これは道路関係の直轄、国庫補助、地方単独と、三つぐらいに分けて説明できるなら教えていただきたいと思います。
#345
○政府委員(高橋国一郎君) 直轄・補助、それから街路事業と一般道路事業と、ちょっと違うようでございますが、資料を持っておりませんのでただいま調べておりますが、全体で申しますというと、おおむね二五%が用地費になっております。直轄・補助別は、後ほど調べまして御報告いたします。――手持ちのものは四十三年度でちょっと古いわけでございますが、直轄で一七%、補助で二六%になっております。それから都市計画の街路事業で五六%、大体そういう比率でございます。直轄の安い理由は、主として最近の直轄事業は、大都市付近がおおむね終了いたしまして、山間地に相当の金が投入されておりますので、そのための比率のダウンじゃなかろうかと思います。
#346
○戸田菊雄君 外国の、具体的にフランスでけっこうですが、フランス等と比較した場合にどういうふうになりますか。
#347
○政府委員(高橋国一郎君) ただいま手持ちもございませんのでお答えいたしかねますが、前に調べました記憶によりますと、高速道路について調べたことございますが、その当時数年前に調べた例では、高速道路につきまして、日本が約二〇%のときに、フランスは約一〇%だったと記憶いたしておりますが、そのときの時点においては日本の半分ぐらいになっておったかと思われます。
#348
○戸田菊雄君 現行の日本の補償態様というものは、やっぱりそれがいいと思いますか、どうですか。諸外国と比較して、フランスと比較して。
#349
○政府委員(高橋国一郎君) ちょっといまの御質問がよく聞き取れなかったのですが……。
#350
○戸田菊雄君 現行の日本のそういう補償態様というものが、形としてはいいと思っておりますか。
#351
○政府委員(高橋国一郎君) 諸外国に比しまして、確かに日本の道路事業に占める用地費の率が高くなっておることは事実でございますが、これは、御承知のように、日本は山地が非常に多く、少ない平地部に多数の人口が集中しておりますので、特に平地部における土地の価格は異常に高くなっておるのが実情でございます。道路も、したがって、平地部におきましては非常に高い値段を示しておるのが実情でございまして、ただいまの用地補償の態様がよろしいかどうかということのお答えになるかどうか知りませんが、諸外国に比べまして割り高になるのはやむを得ない実情じゃなかろうかというふうに存じます。
#352
○戸田菊雄君 それでは、主税局長にお伺いするんですが、ことしの資料をいま持ち合わしておりませんが、所得番付を見ますというと、土地成金といわれる人たちが非常に高順位を占めている。ですから、そういう人たちは、一面、国の金でもって補償をし、そして所得が膨大になってくる。それが所得番付として一位、二位を占める。こういうものに対する税制上の措置としてはどうですか。
#353
○政府委員(細見卓君) 昨年度来の土地税制を御審議願いました過程でいろいろな議論が出てまいりまして、一方では、いま御指摘のような土地の増価による譲渡利得といいますか譲渡益というようなものを徹底的に没収するぐらいの税をかけたほうが公平の概念にかなうじゃないかというのが一方の議論でございます。その中には、開発利益を回収しろという意味も含めまして。それから一方の議論では、そういうふうに税負担を重くすれば、それでなくても少ない土地をいよいよ売り惜みをするようになって、つまり所得税が累進税でございますから、売るにしてもごく小規模に売るし、それも自分の所得の豊かなときは売らない。売った場合も、税金が幾ら幾らかかるから、その分は買い手のあなたが負担してください、私は税抜き幾らで売りたいんですというような話になるので、むしろ譲渡に対しては税金を軽減して、しかもその税額があらかじめ予測できるような状態にするのが、今日の大都市近郊における庶民のいわば宅地を取得する方策としては望ましいのではないか。つまり、こういう相反する要請がございまして、現在の税制は、その場合に、投機的に買った人、今後投機的に買う人については、それを売ったときには思いきり重課いたしますと。ただ、しかし、自分の用地のために買う人の便益を考えて、農民が――主として都市近郊の宅地供給者というのは農民であったわけでありましょうから、そういう長い間先祖伝来の土地をいわば住宅地として供給するという形で住宅政策に協力してくれる人には税を安くしたらどうかというのが、むしろサラリーマンあるいは一般の住宅政策推進に有効であろう。税を重くして、いくら重くしても、持っておる地主から――保有課税の思い切りの重課をすれば別でございますが、そうでない限り、売らせることはできない。売らせる土地が少なくなれば、結局、はね返って土地問題をさらにむずかしくするだろう。その結果出てまいりましたのが今日の税制で、土地を早い段階に――御承知のように、段階的に税を高くしていくわけでありますが、早い段階に土地を譲渡された方には税を安くします、だから売ってひとつ住宅地を供給してくださいということにしておるわけで、そういうふうで、百万長者がたくさん出たということは、税制のある意味におきまして効果があったということではないか。いわば堤防のようなところで水がせきとめられておったのが、堤防を切って水がどんどん下流に流れていった。その水がそれぞれのたんぼに引かれるかどうかというのは、今後の建設省におきます土地・住宅政策というようなものにかかってくるわけで、ぜひそれが庶民の住宅にまでつながるように推進していただきたいというのが、土地税制を御審議願った税制調査会の皆さんの御希望であったわけであります。
#354
○戸田菊雄君 大臣に政策上お伺いするんですけれども、いまのように道路をつくるとか各般の理由で土地を国自体が購入をしていく。それに対して一定の補償を与える。そのことによって、土地を持っておる方は土地成金になって高額所得を得る。こういうものに対して税制上ないし政策上やはり検討する必要があるのではないかと思うのですが、その辺の構想はいかがですか。
#355
○国務大臣(福田赳夫君) 確かに、国民感情から見まして、公共投資が行なわれた、そうすると、その公共投資の行なわれたたとえば道路なりその近辺の土地の所有者がその地価の値上がりによって高額所得を得る、それを放置することはどうであるか、こういう問題があるだろうと思うのです。その問題につきましては、かねがねどういうふうにしたらいいかということを考えておるのでありますが、さて、道路が建設されました、その開発利益というものがどの辺まで及んでいるのか、その判定というものが非常に困難なんであります。技術的に開発増価税というようなものを設定することが非常にむずかしいんですね。それで実は弱っておるんです。もし有効な手があれば、私はそういうことを考えていいと思うのですが、技術的に行き当たってしまう。そこで、昨年税制改正をしまして、長期保有の土地を手離すという際には一律にこれを重課する、こういう考え方を採用して今日に至っておるわけでありますが、まあ土地に対する国民の考え方、これもだんだん私は変わっていくと思うんです。あるいは住宅の問題がある。あるいは道路の建設の問題がある。そういう際に、土地を国家、公共団体がいかに入手するか。今日では、なかなかもう入手できない。飛行場の建設とか、こういっても、ああいうような状態です。そういう際に、今日のような私権優先、これは憲法の保障するところではありまするけれども、何にしたって、憲法も認めておるように、公共の利益がすべてに優先する、そういう考え方でいいのじゃないか。だんだんと国民のそういうものに対する関心、また理解、そういうことを求めながらこれを現実化していく必要のある段階にもう来つつあるのじゃないか、そういうふうに考えますので、広く皆さんの御意見も伺ってみたいと、こういうふうに考えておる、そういう段階でございます。
#356
○戸田菊雄君 それから私はサラリーマンということばを使いたくないのですけれども、これは京都大学の経済統計研究会で調べた内容でありますが、これが全労働者の三〇%、数にして大体八百二十三万人おるわけです。もちろんこのサラリーマン層の定義というものが非常に抽象的でありますけれども、一応、研究会としては、専門的技術的職業従事者と事務従事者ですね、こういうものを総称してサラリーマンと、こういうことに規定しているようであります。雇用者総数が三千五十二万人と指摘されております。これは四十四年であります。この平均所得が、全雇用者の四七%は五十五万二千円だ、こういうわけですね。ですから、月で割ってみますと、月間四万八千七百円見当です。これはもちろん手当が含まれておりますね。こういう人が自動車を大量にこれから求めるようになるだろうと思うのです。ですから、さっき主税局長にお伺いしたように、そういう面での捕捉を的確につかんでいただいて、課税をどの程度にするのか、それがどういうことであれば適切なのかということも、今後総体サラリーマン層の生活そのものに影響してくるわけでありますから、この問題を設定にあたって考慮されたかどうかですね、主税局長にお伺いしたいと思います。
#357
○政府委員(細見卓君) 〇・五トン以下の自動車につきまして年間二千五百円というわけでありますので、道路財源の必要性から考えました所要額のいわば最低の負担を求めておると私どもは考えておりますので、そういう意味で、この税は、自動車が買え、あるいは維持できる人にとりまして、従来の負担に加える額としては、それほど大きなものではないのじゃないかというふうに考えております。
#358
○戸田菊雄君 国鉄にお伺いしますけれども、四十四年度に設定をしました国鉄財政再建十カ年計画、これは最近新聞や何かで計画を変更しなければいけないというような話があるのですが、そういう理解でいいのですか。
#359
○政府委員(秋富公正君) 国鉄の財政の点につきまして、四十四年度からいわゆる十カ年計画を立ててきたわけでございますが、いわゆる自動車の急激な増加と、輸送構造の変化に伴いまして、国鉄の輸送量というものが伸び悩んでおるということであります。他方、経費、特に人件費の高騰、あるいは支払い利子の増加ということがございまして、国鉄の財政状況はきわめて悪化していることは、先生御指摘のとおりでございます。
 これに対しまして、私たちといたしましては、国鉄みずからの企業努力、いわゆる収入の増加、あるいは経費の節減ということに徹底的な合理化あるいは努力ということをいたしますことが第一の問題でございますが、同時に、本年度におきましても、政府といたしましても、政府出資、あるいは補助金、財政投融資等につきまして格段の努力をいたしたわけでございます。しかしながら、財政悪化の原因というものはいろいろと根深いものがございまして、四十六年度の年のみによって再建の実現を期するということはなかなか問題もあろうかと思います。私たちといたしましては、ただいま検討いたしております総合交通政策、この検討と相まちまして、国鉄の経営につきましてさらに国鉄自身の徹底的な合理化ということがまず第一でございますが、さらにそれ以外のいろいろな問題につきましても検討をしてまいりたいと思いますが、こういったいろいろな問題を詰めました上で、さらに国鉄財政再建計画ということの再検討、こういったものをいたしたいと考えております。
#360
○戸田菊雄君 私の聞いたのは、財政十カ年計画が変更の必要があるのかどうか。それは、たとえば、国鉄輸送の役割りということで、一つは、中長距離の大量貨物輸送、あるいは都市間の旅客輸送、あるいは大都市の通勤通学輸送、こういうものを重点にして、さらに、関係のないいわゆる赤字線ですね、こういうものは八十三線二千六百キロ廃止をしていく、あるいはことに財政の健全化のためには独立採算制をさらに強化していく、ことにEL・DLのそういうものを施行しよう、あるいは政府の財政援助は年間七、八十億円にしてくれとか、あるいは国民の運賃の値上げは十年に三回やっていく、それから七万五千人の労働者の首切りとか、輸送量六〇%を増加した場合には十六万五千名になるといったような、各般の財政再建計画というものをやったんですけれども、その後どうもうまくない。たとえば、四十四年度――初年度において九百十億円の運賃値上げをやったけれども、これもどうもつまずいたというようなことがいろいろいわれている。そういう各般の計画というものを変更の必要がないのかということなんです。そのことが聞きたい。どうですか、もし変更するとすればどういう部面を変更しようとしているのか、その辺の見通しについてですね。
#361
○政府委員(秋富公正君) まず、第一に、輸送の問題でございますが、私たちといたしましては、やはり輸送構造の変化ということが一番大きな問題であります。これは特に自動車の急激な発達に伴いまして、旅客輸送の面におきましても、貨物輸送の面におきましても、国鉄のいわゆるシェアと申しますものは、三十五年当時に比べましてやや半減しているという事態でございます。あるいは、旅客につきましても、地方におきます一般旅客あるいは定期旅客の減、国鉄貨物につきましても、第一次産品のいわゆる積滞、その他の輸送の変化、こういった問題がございまして、こういった輸送の変化に伴います適切な処置をとるということが大事かと思っております。
 それに対しまして、われわれ、企業努力ということが第一でございますが、同時に、いわゆる国鉄の輸送はどうあるべきかということにつきまして、いわゆる新幹線鉄道というものをどう考えるか、あるいは地方交通線というものを自動車の発達等々ともにらみ合わせましてどう見ていくかといったような、総合交通体系という問題における国鉄の位置づけということにつきましてさらにこれを突き詰めていくということが大事だと思っております。
 それから同時に、それ以外の地方公共団体との関係、こういった問題もどうあるべきかといったような問題、その他いろいろな問題がございますけれども、全般的にわたりましてさらに検討を重ねていきたい、こう思っております。
#362
○戸田菊雄君 当時、財政計画をやられるときに、よく三方一両損ということを言われた。だけれども、この骨格でいく限りは、政府は一両も損していないということですね。問題は、利用する大衆と国内にいる労働者ということになると思うのです。それがために、はなはだしきは、たとえば年間の賃上げを定昇込みで八%に押える、定昇を除くと四・五%実質賃上げですね。そうして十六万五千人の実質的な首切りをやっている。こういう経過になっている。たいへんきびしいことなんです。だから、こういうものは、今後五十五年まで続けられるとすれば前途十年ですから、経済のいまの変動状況からいって当然無理じゃなかったかということを考えるわけです。だから、いまいろいろ流言ざたを起こされているように、変更もそういう意味合いでの検討も当然必要ではないか、こういうふうに考えるのですが、これはどうですか。
#363
○政府委員(秋富公正君) 私たちといたしましても、さらに検討いたしまして諸般の対策を煮詰めた上で、再建計画自体につきましても再検討いたしたいと、こう思います。
#364
○戸田菊雄君 大臣、健康が悪いそうですから、二点ほどお伺いしまして……。
 一つは、いまの国鉄財政再建計画というものが進むことになっているわけです。これは、出た根源は、いわゆる政府の「新経済社会発展計画」であったと見ているのです。そこで、効率的な産業構造への革新ということが言われた。これを志向するということを言っているわけですが、これを一貫して見ますると、言ってみれば、大資本の持続的高度蓄積、こういうものにねらいがあるように考えるわけなんでありますが、そういうところから急速に国鉄に対する無理じいをやっているのじゃないかと考えるのでありますが、こういう点はどうでしょうか。
#365
○国務大臣(福田赳夫君) どうも、国鉄が、なかなかいま財政上困難だと。それは、私は、交通事情の変化、そういうところに問題があるだろうと思うのです。つまり、いま競合関係にある自動車輸送、こういうものがかなり重用されるようになってきた。したがって、国鉄のほうに対する需要というものが減ってくる、そういうところに根本的な原因があるだろうと思いますが、私は、これは私個人の見通しなんですけれども、だんだん道路輸送も自動車の増加とともにふくそうし逼迫をしてくる。どうしても大量輸送に輸送手段を求めなければならぬという時期が必ずやってくるように思うのです。それは何だというと、やはり主力は軌道輸送である。やはり国鉄時代というものは必ずまたやってくる、こういうふうに思うのです。そのつなぎを一体どうするか、こういう問題として私は理解をいたしておるわけなんでございますが、そのつなぎに対しまして十カ年計画というものが立てられたわけです。これが急速な社会環境の変化とかいうような事情によってちょっといま軌道が狂ってきた、こういうようなところにある。そこで、四十六年度でも補足の手段を講じましたけれども、もう少し強力な手配をする必要があるのじゃないかと、こういうふうに考えておりまして、これは四十七年度の予算編成の際にまた考えてみたいと、こういうふうに思っておるところであります。
#366
○戸田菊雄君 いま大臣がおっしゃられましたように、十分考慮しておるということですから、それでけっこうですが、いま、国鉄は、生産と流通のかなめだといってたいへんに大規模な要求をいろいろ言われているわけですね。しかし、さっきもいろいろと指摘をしましたように、道路の面については国としても大量の各般の資金を出している。道路のほうをやめろとは言いませんけれども、国鉄関係についても十分勘案していく必要があるのじゃないかと、こう考えるのですが、その点はぜひひとつ大臣のほうで御検討を願います。このことを要望して、きょうはこれで終わります。
#367
○委員長(柴田栄君) 三案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後七時三十三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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