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1970/05/18 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 外務委員会 第14号
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1970/05/18 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 外務委員会 第14号

#1
第065回国会 外務委員会 第14号
昭和四十六年五月十八日(木曜日)
   午前十時二十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         松平 勇雄君
    理 事
                石原慎太郎君
                長谷川 仁君
                西村 関一君
    委 員
                梶原 茂嘉君
                杉原 荒太君
                廣瀬 久忠君
                羽生 三七君
                森 元治郎君
                岩間 正男君
   国務大臣
       外 務 大 臣  愛知 揆一君
   政府委員
       外務政務次官   竹内 黎一君
       外務省アジア局
       長        須之部量三君
       外務省アメリカ
       局長       吉野 文六君
       外務省条約局長  井川 克一君
       外務省条約局外
       務参事官     山崎 敏夫君
       外務省国際連合
       局長       西堀 正弘君
       郵政省電波監理
       局長       藤木  栄君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        小倉  満君
   説明員
       外務省経済局外
       務参事官     小山田 隆君
       通商産業省通商
       局国際経済部国  久米田秀夫君
       際経済課長
       運輸省港湾局参
       事官       田中 光次君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三
 十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正
 し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉
 の結果に関する文書の締結について承認を求め
 るの件(内閣提出、衆議院送付)
○第四国際すず協定の締結について承認を求める
 の件(内閣提出、衆議院送付)
○国際情勢等に関する調査
 (中国代表権問題に関する件)
 (沖繩の施政権返還交渉に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(松平勇雄君) ただいまから外務委員会を開会いたします。
 関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件
 を議題といたします。
 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。
 愛知外務大臣。
#3
○国務大臣(愛知揆一君) ただいま議題となりました「関税及び貿易に関する一般協定に附属する第三十八表(日本国の譲許表)に掲げる譲許を修正し又は撤回するためのアメリカ合衆国との交渉の結果に関する文書の締結について承認を求めるの件」につきまして提案理由を御説明いたします。
 わが国は、貿易自由化の一環といたしまして、チューインガムの自由化を近く実施する予定でありますが、これに対応してその関税を引き上げる必要が生じましたため、昨年十月より、関税及び貿易に関する一般協定に基づき米国と交渉を行なってまいりました。その結果、ガットに附属する日本国の譲許表に掲げるチューインガムについて、わが国の譲許税率三五%を四〇%に引き上げるとともに、その代償として他の譲許税率の引き下げ及び新たな譲許を行なうことにつき、本年二月に合意に達した次第であります。
 チューインガムは、昭和三十年にわが国がガットに加入いたしました際に行ないました関税譲許の品目の一つであり、また、その譲許を決定いたしましたときの交渉相手国は米国でありましたので、今回の交渉は、関税譲許の修正に関する手続を定めておりますガット第二十八条の規定に基づいて行なわれました。
 チューインガムの譲許税率の引き上げに対する代償といたしましては、スイート・アーモンドについての従来のわが国の譲許税率が引き下げられ、また、七面鳥の断片肉及びペット・フードにつきまして新たな譲許が行なわれることとなります。
 本件文書は、このような交渉結果を収録したものでありまして、国会の御承認を得た後、政府がガット事務局長に対して行なう通告によって効力を生じ、実施されることとなっております。
 よって、この条約の締結について御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、すみやかに御承認あらんことを希望いたします。
#4
○委員長(松平勇雄君) 引き続き補足説明を聴取いたします。
 山崎条約局参事官。
#5
○政府委員(山崎敏夫君) ただいま提案理由の説明がございました文書につきまして補足説明を申し上げます。
 わが国は、貿易資本の自由化の一そうの促進という基本方針のもとに関係閣僚協議会の決定に基づきまして、いわゆる残存輸入制限の撤廃を推し進めておりまして、本件文書の対象品目の一つでありますチューインガムも、この輸入自由化プログラムに掲げられておる品目でございます。
 この自由化の促進にあたりまして、特に国際競争力の弱い産業に関しましては、事情やむを得ない場合に限りまして、最小限度の関税上の手当てを行なわざるを得ない場合が生ずる次第でございますが、この場合にもわが国としましては、貿易自由化の実質的な効果をそこなわないよう十分配慮しながら行なってきております。最近の例といたしましては、本年の三月に国会の議決を得ました関税暫定措置法の改正におきまして、馬、牛、ソーダ灰、パテントレザー等につきまして、自由化に対処するための最小限度所要の関税引き上げを行なっております。チューインガムもこのような品目の一つなのでございますが、これはガットにおきまして国際的に関税譲許を行なっている品目でありますために、ガットの定める手続に従いまして条約の形式でこの関税率を変更するわけでございます。
 ガットの手続につきましてちょっと御説明申し上げますと、ガットにおきましては、その第二十八条におきまして、国際的に一たん約束した関税譲許でありましても、各国の事情によって修正または撤回する道が開かれておりまして、三年ごとに定期的に行なうことができますほか、特別の事情があることをガット締約国団に認めてもらえばいつでも譲許の修正・撤回を行なうことができるようになっております。本件文書に規定されておりますわが国の譲許表の修正は、この後者の手続によったものでありまして、ガット締約国団の承認は、昨年の九月の二十九日に得たものでございます。
 このような譲許表の修正または撤回に際しましては、一たん対外的に約束したものの変更でございますので、問題の品目に関連を有する他の国と交渉または協議を行なう必要がありまして、本件に関しましては、ガットの手続に従いましてアメリカ合衆国と交渉を行なった次第でございます。この場合交渉または協議と申しますのは、通常代償を与えること、すなわち、何か他の品目で新しい関税譲許を与えることについての話し合いのことでございまして、本件の場合も、昨年の十月より東京及びジュネーブにおきましてアメリカ側と交渉を行ないました結果、お手元のテキストにございますとおり、スイート・アーモンド、七面鳥の断片肉及びペット・フードに関して新たな譲許が行なわれることになるわけでございます。この代償品目の決定に際しましては、一般的には、修正される譲許の価値と新しい譲許の価値とを比較して交渉するのでございますが、その際、それぞれの品目の輸入実績、関税の引き上げ幅及び引き下げ幅、現行税率の水準、それぞれの品目に対する関係国の関心度、将来の輸出の伸びの見通し等を考慮することになっております。今回の代償品目でありますスイート・アーモンドにつきましては、国内生産もなく、また引き下げ幅も、ケネディ・ラウンド関税一括引き下げ交渉の結果最終的には一〇%となるところを九%とするだけの名目的なものであります。七面鳥の断片肉は、将来の輸入の伸びが比較的小さいと思われ、また、まるのままの七面鳥につきましてはすでに一五%で譲許しており、いわばこの機会に七面鳥全体について税率を合わせたものにすぎません。またペット・フードにつきましては、最近のいわゆる愛玩動物ブームによりまして国内生産が急激にふえておりますので、この程度税率を引き下げても国内的には問題がないと予想されておる次第でございます。
#6
○委員長(松平勇雄君) 以上をもって説明は終了いたしました。
 本件に対する質疑は後日に譲ることにいたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(松平勇雄君) 次に、第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件を議題といたします。
 本件につきましては、去る十三日趣旨説明及び補足説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。
 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#8
○西村関一君 本協定は、国際市場におけるすずの需給を調整する、それによって価格の安定をはかるということが目的になっておりますが、すずの価格が変動するというのはどういう理由によるんでしょうか、御説明をいただきたいと思います。
#9
○説明員(小山田隆君) すずの価格の変動の原因と申しますと、これは通常の産品と同様に、まず生産の増減、それから需要の増減、及び、これは現実にございますのは投機的な動き、そういう場合に価格が変動いたします。
#10
○西村関一君 本協定は、国連を中心とする南北問題との関連があると思います。特に開発途上国の経済発展に寄与する、そういうことにも大きな関連があると思いますが、これに対するわが国の役割りと申しますか、本条約を審議するにあたりまして、それらの点についてお伺いをしておきたいと思います。
#11
○説明員(小山田隆君) 西村委員御指摘のとおり、このすずはまさに南北問題解決の一助ともなるということで、それも、大きな理由といたしまして、わが国はこのすず協定に第二回以来参加したのでございます。御承知のように、すずはその主たる生産国が東南アジアに集中しておりまして、マレーシア、タイ、インドネシア、この三つの国のすずの生産が全世界のすずの生産の六二%を占めております。したがいまして、このすず協定に参加することによりこれら東南アジアの国の経済の安定にわが国としても寄与するということがこのすず協定にわが国が参加を決意した大きな動機でございます。
#12
○西村関一君 その問題に関連をいたしましてUNCTAD――国連貿易開発会議における論議等もあずかって影響があったと考えられますが、今度も本件の条文の中に、二十一条の(a)の(v)ですか、を見ますると、緩衝在庫上拠出するためのIMFの融資を受けることができるという趣旨のことがございますが、この点もう少し御説明をいただきたいと思います。
#13
○政府委員(山崎敏夫君) IMF――国際通貨基金は一九六九年の六月に先生御指摘の問題に関しまして一つの決定を行なったわけでございます。それは商品協定の運用機関等の国際機関が有しております緩衝在庫に供与を行なっている国、つまり、このすず協定で申しますと、マレーシアその他のそういう生産国が緩衝在庫に供与を行なっているわけでございますが、そういう供与を行なっている国に対しては、その国のIMFクォータ――割り当て額の五〇%までの引き出しを通常のIMF引き出しとは別ワクとして認めるということを決議したわけでございます。その際、その国際機関は一次産品の市場の安定に寄与するということを目的としたものであること等が条件とされております。こういうIMFの特別の考慮がなされましたので、これを受けまして、この第四次すず協定におきましては協定参加国ができる限りこのようなIMFの特別融資制度を利用することができるようにIMFとも協議して第三次協定に対しまして若干の条文の修正を行なった次第でございます。
#14
○西村関一君 いまの御答弁、御説明によりましてもわかりますように、開発途上国の経済発展のために寄与するという面が非常に大きいと思うのでございますが、今回の御提案、この前の補足説明の中にも述べられたわけでございますが、すずの国際市場における価格の安定をはかる上でアメリカの戦略備蓄の放出、これは価格に大きな影響を与えるというふうに考えられますが、この問題につきまして、すずの理事会はアメリカ合衆国に対してどのような話し合いをなさったのでございましょうか、その点をお伺いしたい。
#15
○説明員(小山田隆君) 確かにアメリカは国内生産も多少ございますけれども、非常にすずの消費が多い国でございます。同時に、いわゆる非商業的在庫、これが先生のおっしゃる戦略備蓄に当たるものでございますけれども、その非商業在庫といたしまして約二十五万トンのすずを現在保有しております。そのうちの約二万二千トン程度が余剰在庫とみなされております。この余剰在庫のすずをむやみやたらに世界のすず市場に放出されますと、これは価格に非常に大きな影響を及ぼしますので、すずの理事会といたしましてはアメリカがすず協定に参加することを希望いたしまして、また、アメリカもすず協定の作成会議には毎回参加はいたしておりますけれども、やはりこの政府備蓄のすずの放出のときに理事会と協議を要するという条項がございます関係上、すず協定にはアメリカは加入はいたしておりません。ただし、昭和四十一年アメリカ合衆国政府は、このすず協定の理事会の代表者との間に次のような約束はいたしております。それは、すず理事会が価格低落防止のため買い操作――買いオペレーションをしている場合には、すずのアメリカからの放出量をかげんする、放出量を決定するにあたっては、世界のすず産業の健全な育成及びそれに対する投資誘引に与える影響を考慮する、ということをすず理事会のほうに約束をいたしておりまして、積極的にすずの価格安定に協力をするという態度を示しております。
#16
○西村関一君 アメリカがこれに加盟、加入していないというのは、何か議会の賛成を取りつけるのが非常にむずかしい事情があるというようなこともいまちょっと触れられたようでございます。その点、アメリカが加盟していないという理由はどういうことなんでしょうか。もう少し詳しく。
#17
○説明員(小山田隆君) いまちょっと触れましたけれども、このすず協定によりますと、参加国は自国の保有しているすずを放出する場合にはかってにはできない。理事会と協議を要するという規定がございます。やはりアメリカといたしましては、そういうふうに自分の国で持っているものの放出を縛られるのは望ましくない、好ましくないということを考えて、このすず協定への参加をちゅうちょしたものだろうと思っております。
#18
○西村関一君 今回アメリカ合衆国が多量のすずを放出するということに踏み切ったという、これはどういう必要からでございましょうか。たとえば、アメリカのドルの危機といわれている問題に関係があるのか。あるいはベトナム戦費の調達のためにこれが使われるというようなことなのか。それらの点、おわかりになる程度で御説明いただきたいと思います。
#19
○説明員(小山田隆君) これはアメリカのことでございますし、われわれ十分な情報は持ち合わせておりませんし、また、このすず協定の理事会でも、いまのところ問題にはなっておりませんが、情報によりますと、アメリカは、いま申し上げましたように、かなり多くのすずの在庫がございますから、この放出ということは十分あり得ることではございます。しかし、その場合には、ただいま私がお答えいたしました昭和四十一年のすず理事会の代表者とアメリカとの間の話し合い、約束に基づきまして、世界のすず価格の安定をそこなわないような行動をとってくれるものと考えております。
#20
○西村関一君 通産省のほうにお伺いをいたしますが、すず協定をわが国が批准をいたしますことによりまして、わが国のすずの需給の問題に対して、通産省としてはどういう見解を持っておられますか。
#21
○説明員(久米田秀夫君) わが国のすずは、大体年間で二万六千トンばかりの消費でございますが、そのうちで約千四、五百トンが国産でございまして、残りは大部分、九割までが輸入でございます。かつ、すずは完全に自由化している物資でございまして、国内の取引はほぼこの輸入価格を基準といたしまして推移しておりまして、現実にこれによりまして国内の生産が特に影響を受けるということはございませんので、私どもは、すず協定参加によってむしろ日本のすず需給が安定するというふうに考えておる次第でございます。
#22
○西村関一君 次に、第二次まで入っていなかったソ連と西ドイツ連邦共和国が今回初めて署名しておりますが、これはどういう事情によるのでございましょうか。
#23
○説明員(小山田隆君) ソ連の場合には、従来東欧圏から相当量のものを買っておりましたので、あまり国際すず市場に関心がなかったものと思われますが、ここ数年かなり、西欧というか自由圏諸国からの買いつけがふえましたので、国際すず価格に非常に関心を持ってきた、これがソ連が今回第四次協定案に署名をするに至った動機だろうと思います。現実に今度の第四次すず協定会議では、ソ連は積極的に発言をし、また、この条約案文もロシア語を正文とすることを初めて要求いたしまして、その結果署名したのでございますから、今回の協定には署名することになるものと思っております。
 それからもう一つドイツでございますけれども、ドイツはほかの欧州の多くの国が参加しているにもかかわらず、また、国内の消費がわりにあるのにもかかわらずいままで協定に参加しなかったのは、冒頭に先生御指摘になりました南北問題解決ということにつきまして日本ほど深い関心を示さなかったのかどうか、これは全くの想像でございますけれども、一応特にメリットもないじゃないかという意見がございまして、参加いたしませんでした。ただ、いわゆる欧州経済協同体の六カ国のドイツ以外が、これは従来も入っております。今回はいよいよ共同体もまとまりまして、共通政策を施行するという方向に向かっておりますので、ドイツもその関係で、六カ国の中で自分だけが脱落するのもまずいということもあって、今回署名したものでございまして、おそらくは参加に至るだろうと思っております。
#24
○西村関一君 次に、本協定の第三十七条の条文によりますと、すずの不足の危険があると認められる場合には理事会は次のようなことをするということが、(i)(ii)(iii)と書いてございます。その中で、(i)は、「参加国が供給することのできるすずの数量をできる限り急速に増加する措置をとることをその参加国に勧告する」、(ii)は、「供給可能なすずの公平な配分を消費国に確保するための取決めを理事会と行なうよう参加国に要請することができる」、(iii)は、「すずのいかなる不足をも防止するため、常に市場の動向を監視する」、こういうふうに書いてございます。「勧告する」、「要請することができる」、あるいは「監視する」ということになっております。先ほど御説明がありましたように、わが国のすずの消費量の九〇%――九二%とおっしゃいましたかね、九二%を輸入に仰いでいる。輸入によってまかなわれておる。すずの不足の場合の措置として、このような、「勧告する」とか、「要請することができる」とか、「監視する」というようなことでは、はたして効果があるかどうかということに対する若干の疑問を持つのであります。言うまでもなく、わが国の国民生活において、あるいは工業生産において、すずは必要欠くべからざるものでございますから、そういう点に対して当局はどういう見解を示しておられますか、この際、伺っておきたいと思います。
#25
○説明員(小山田隆君) この協定の三十七条の条文を読みまして、まず、先生が御疑問をお持ちになるのは当然だと思われます。通常、商品協定は、生産国、消費国、あるいは輸出国、輸入国の権利義務が大体バランスをとるような規定になっております。その点、このすず協定のほうは、すずが不足の場合における参加国の輸出国、生産国の義務がわりに弱い。確かに文言といたしまして「勧告」「要請」という程度である。何か片手落ちではないかという御疑問はもうまことに当然だと思っております。ただ、すずにつきましては、ほかの、商品協定のあります商品と違いまして、過去において重大な不足を来たしたことはございません。また、近い将来におきましては、先ほど御質問がございましたアメリカの余剰のすずの備蓄がございますので、まず急激な不足という事態は予想しておりません。それから、すずのおもな用途は、御承知のように、いわゆるブリキ板でございますが、最近は代用品も、いわゆるすずを使わない板、ティンレス・プレートの生産などもできてきましたので、もしすずの価格が非常に上がった場合には、そういう代用品の方向に向かうということは十分考えられます。そういう理由から、このすず協定では、不足の場合にあえて強い規定を設けなかったものだと思われます。また、すずが不足した場合に供給保証ということをはっきり書きますと、同時に、すずが余った場合に、われわれのような輸入国が無理をして買い入れる当然買い入れ義務ということも主張されますので、むしろこの三十七条程度のおだやかな規定のほうが日本のような輸入国としても利益になると判断いたして加入した次第でございます。
#26
○委員長(松平勇雄君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#27
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。
 別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#28
○委員長(松平勇雄君) それじゃ、速記をとってください。
 第四次国際すず協定の締結について承認を求めるの件を問題に供します。本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#29
○委員長(松平勇雄君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○委員長(松平勇雄君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#31
○委員長(松平勇雄君) 次に、国際情勢等に関する調査を議題といたします。
 これより質疑に入ります。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
#32
○西村関一君 外務大臣にお伺いいたしますが、従来からも本委員会においてしばしば取り上げられている問題であり、政府としてもいろいろ検討をしておられる最中だと承っておりますが、国連における中国代表権問題でございます。昨年の第二十五回国連総会におけるアルバニア案の結果はああいう形になりましたが、最近の情勢からいいますというと、昨年の結果が逆転するような情勢に傾いているんじゃないかということが思われるのでございますが、この際、政府としては中国の代表権問題についてはどういうお考えを持っていらっしゃいますか、まず伺っておきたいと思います。
#33
○国務大臣(愛知揆一君) ほとんど連日にわたりましてこの問題についての御質疑がありますので、政府といたしましては、昨日も一昨日も言っておりますように、そう一日刻みで考えが変わるようなことはございませんので、特に申し上げることはございません。慎重に検討中でございます。
#34
○西村関一君 五月の七日の衆議院外務委員会の戸叶委員の質問に対して外務大臣がお答えになりましたいわゆる二重代表権の考え方、こういう考え方もあると、これを支持するというような意味の御答弁があったようでございますが、その点は現在もそういう考え方に変わりはございませんか。
#35
○国務大臣(愛知揆一君) 私は、いまだかつてこの問題についての政府の方針を明らかにしておりません。いろいろ方式がございましょう。それぞれについていろいろの御意見を交えての御質疑に対して、こういう考え方でもございましょうというお話は申し上げたことはありますが、政府としては何ら意見を明らかにしておりませんし、また、現在そういう段階ではないと、かように存じております。
#36
○西村関一君 大臣は非常に慎重なかまえをしておられる。これは当然だと思います。こういう公式の場で軽々に政府の考えはこうだというようなことを述べられる時期でないと言われることもわかりますけれども、しかし、世界の情勢は刻々動いておるんでございますから、本委員会といたしましても重大な関心を持っていることはもちろんでありますし、国民もまたこのことに対して政府の考え方の片りんでも聞きたいという希望を抱いていることは当然だと思うんでございますが、アメリカの代表権問題を取り扱うところの大統領諮問委員会の委員長のロッジ氏の考え方が発表されております、それがいわゆる二重代表権、俗にいうデュアル方式ということだと思うのでございますが、これは政府としてまだこれがいいとか悪いとかいうことが言えないにいたしましても、衆議院の外務委員会において述べられた外務大臣の御見解をどう受け取ったらいいでしょう。この問題に関してどういうふうなお考えでございますか。
#37
○国務大臣(愛知揆一君) これは議事録をお読みいただければおわかりと思いますけれども、私は日本政府としての態度は何も言っておりませんです。
#38
○西村関一君 きょう手元に、にわかでございましたので議事録を持ってまいりませんでしたが、外務大臣としては衆議院の外務委員会においてどうお述べになったのでございますか。
#39
○国務大臣(愛知揆一君) 衆議院だろうが参議院だろうが私が申しておるのは同じことで、政府の方針などは明らかにしておりません。
#40
○西村関一君 衆議院であろうが参議院であろうが同じことだ、それは当然のことですが、ただ私の伺っておりますのは、五月の七日の衆議院の外務委員会において戸叶里子委員の質問に対して、この二重代表権問題、アメリカではこういう考え方も出しておると、こういうことに対して外務大臣はどうかという質問に対して、大臣は何もお答えにならなかったんですか。
#41
○国務大臣(愛知揆一君) ですから、さっき申しましたように、そういう考え方はこうでもあろうかと、たいへんこまかくお尋ねでしたから、こういう考え方でもあろうかという想像を述べたのであって、日本政府の態度がそれを支持するとか支持しないとか、そんなことは毛頭申しておりません。
#42
○西村関一君 私もあえて大臣が日本政府がこれを支持するという見解をお述べになったとは聞いておりません。しかし、そのときの御答弁のニュアンスからいって、こういう考え方もあるというような御答弁があったようでございますが、「こういう考え方もある」というのは、これは否定するでもなし肯定するでもなし、日本政府としてはどちらでもないと、こういうふうなお考えだと受け取ってよろしいですか。
#43
○国務大臣(愛知揆一君) そういう案も、あるところから外国から出ておると伝えられておりますから、それはこういう考え方なのでございましょうということを申しただけでありまして、そして、そういうことが、たとえばこの国会で御答弁申し上げておりますことも、新聞でごらんになりましても、とりようによっては、そう言ったといわれる場合と、そうではないと言ったという場合と、二つにとられているようなこともあるくらいでございまして、本件は日本の外交としては最も大事なことであるだけに、私としては、こういうふうな取り上げられ方をする御質疑に対するお答えというものは、ますます慎重にならざるを得ない。私は何と仰せられても、代表権問題について本日新しく何らか申し上げる意図は全然ございません。これはあらかじめ御了承いただきたいと思います。
#44
○西村関一君 外務大臣のお立場はわかりますし、政府として、この時点でいろんな案がある、いろんな考え方がある、そういうことに対してこうだ、ああだと言うことができないと言われる点はわかります。それは当然大臣としてはそうおっしゃるべきだと思いますが、ただ、この流動しておりまする国際情勢、中国代表権をめぐるところの国際情勢の中におきましていろいろ政府としては次の国連総会に臨む態度をどう決定すべきかということについて検討しておられるということは当然だと思いますが、その点につきましてどの程度の検討をしておられるか、そういうことはまだここで言える段階じゃございませんですか。
#45
○国務大臣(愛知揆一君) あらゆる場合を想定し、そしてどれが国益に沿うゆえんであるかということは、真剣の上にも真剣に検討いたしております。
#46
○西村関一君 「あらゆる場合」といいますと、どういう場合が想定されますか。
#47
○国務大臣(愛知揆一君) これはどうでございましょうか。あらゆる想像できるような場合を想定しておるのでありまして、これはここで申し上げるということは私としてはできませんですね。
#48
○西村関一君 まことに、にべもそっけもない御答弁で、取りつく島もないのでございますが、聞くところによりますと、政府は鶴岡前国連大使をアフリカ各国に派遣をせられ、これは森委員もこの委員会で質問をせられたことでありますが、当然、鶴岡前大使はアフリカ諸国の動静を調べてこられたと思います。また、その後、法眼審議官がアメリカのインド洋に関するセミナーに御出席になりまして、この問題についてアメリカの担当官――ジョンソン国務次官、グリーン国務次官補と接触もせられたということも伝えられております。天羽国連局政治課長も同様な使命を持って海外に行かれたということを聞いておりますが、これは外務省としてはあらゆる情勢を検討するためにあらゆる手を打っておられることは私は当然のことだと思いますが、それらの動き等も合わせまして、外務大臣としては国連の普遍性ということをいつもお話しになる。国連の普遍性という立場から国連における中国代表権の問題に対してどういう見解をお持ちでございますか。
#49
○国務大臣(愛知揆一君) この間森委員にお答えしましたように、鶴岡大使が出張いたしましたのは、これはガット三十五条の撤廃問題、これがアフリカで非常におくれておりますので、こちらは特恵の関係や自由化の関係を非常に急がなければなりません。そのために日本として在外公館を待っていない国を中心にして歴訪させたわけでございまして、三十五条関係のことでは私も詳細に報告を聞いておりますし、今後措置すべきことについても検討いたしておりますが、この中国代表権問題を任務として出張させたわけではございません。外交官のことですから、いろいろの問題について機会あるごとに意見交換や情報の収集ということをやるのは当然でございますけれども、そのために派遣したわけでもないし、そのためにどうやったらいいかという意見具申も私は聞いておりません。それから法眼君にいたしましても、あるいはその他の全在外公館の諸君が大いに活動してくれておりますことは私も高く評価しておりますが、だれからどういうことを言ってきた、どうこうだということを、たいへんおことばを返すようですけれども、この青空の下の日本の国会でここを追及なさって、いまの時期に何か私からお言わせになるということは、日本の外交のためになるのでございましょうか。これはいま研究中でございます。そうして国連の総会の時期は十一月でございます。この前、森委員にもお答えいたしましたように、今回の場合においては、その場面でも、いろいろの決議案の撃ち合いということばを森委員がお使いになりましたけれども、そういうことも想像されるわけでございますね。いまありとあらゆる考えられる場面を、私も学者か評論家の立場ならばお話し申し上げますけれども、まことに微力でございますけれども、かりにもこういう地位におります者がべらべらべらべらお気に入るようにおしゃべりをすることは、私は決して私の責務を全うするゆえんではないと思いますので、たいへん失礼な言い分でございますけれども、それ以上は私はお答えできません。
#50
○羽生三七君 ちょっといまのことで。
 秋の国連総会までというお話がありましたが、いつでしたか、私ここの席で、秋を待たずに安保理事会で中国問題が討議されることはないのかと聞いたときに、たしか国連局長でしたか、どなたでしたかが、そのとおりだと言われておりましたが、その辺はどうでしょうか、お伺いいたします。
#51
○国務大臣(愛知揆一君) これは安保理事会でも討議されることはあり得ることは予想いたしております。しかし、ただいまのところその予想はあまりはっきりした形にあらわれてはきておりません。
#52
○西村関一君 どうもこの時点でべらべらべらべらしゃべるのは国益に合わないと、こういうふうに大上段から言われますと、私は外務委員会の委員として、やはり高度な政治的な見地に立って大臣の所信を伺っておるのでありまして、何もべらべらべらべら外務大臣にしゃべってもらおうとは思っていない。アメリカの外務当局にいたしましても、やはりこの問題は逐次見解を発表しているのですよ。ですから、私は何も政府の正式見解として発表されるというような段階でないということは承知しております。承知しておりますが、あなたは外務大臣として、ただ単なる事務官僚じゃないのですから、大臣という責任ある地位におられるがゆえに、やはり大局的な立場から、日本はこの問題に対してどうすべきであるか、結論が出なければ、こういう点に対して苦慮しております、野党の諸君も協力してもらいたいと、そういう発言を期待するのですよ。いまのような御答弁に対して私はこの問題に対して大臣の御答弁としては満足できませんです。もう一度大臣、お答えを願えませんか。
#53
○国務大臣(愛知揆一君) どうぞ御質疑をよろしくお願いしたいと思いますが、ただ私は、ある程度以上のことは申し上げかねると、それが、私もいろいろこの問題をことに最近扱ってみまして、これは非常に慎重にしなければならないということをますます日とともに痛切に感じております。ということは、まあ、率直に申しまして、本件についての日本政府がどういうことかということは、一々、先ほど申しましたように、尾ひれがついて報道をされます。そうしたようなことは私は現在の段階で決して好ましいことでない。これは私がいかなる御非難を受けましても、私としてのこれは行動にかかわることでございますから、私としては、いかに御非難を受けましても、私の責任を遂行する上から申しまして、ある程度以上はお答えができないこともあり得ることを御了承願いたいと思います。
#54
○西村関一君 初めに申し上げておりますように、私は大臣のお立場はよく了解しているつもりです。理解を申し上げているつもりだという前提に立って質問しておるのでございます。何も大臣の御答弁からあげ足をとって日本の国益に害するような動きをするというようなことは考えておりません。毛頭考えておりません。政府と議会とは同じレベルにあって、これはどうしたならばこのむずかしい問題に協力できるかと、そういう考え方に立って私は質問申し上げているのです。しゃべることが国益に反するというようなことでは、これは議会というものは私はほんとうの用をなさないと思う。野党の立場の議員といたしましても、私は政府の立場を理解しながら野党は野党なりにどのような立場で協力できるかということを考えていきたい、こういう見地に立って御質問申し上げておるつもりなんでございます。そういうことから中国代表権の問題に対してもう少し、何と申しますか、大臣の腹を割ったお話を願えないでしょうか。
#55
○国務大臣(愛知揆一君) これは昨年のことになりましょうか、むしろ私のほうからも積極的に、たとえば当委員会を秘密委員会を一度お開きいただきたいということを申し上げたことがございます。諸外国の例などは、参考になるかどうかわかりませんけれども、ただいま腹を打ち割って野党との間にも――ということは私はもうたいへんけっこうなことだと思います。
#56
○西村関一君 そのことは本委員会において話がございまして、そういうことができることを期待しておったんですが、そういう機会はついにいままでございませんでした。しかし、ある場合、秘密委員会にしないでも、ある程度大臣が所信を述べられるということが外部に報道されて、むしろ国益を害するんじゃなくて、国益に利するような場合もあり得ると思うのです。もう少し大臣も、失礼ながら、やはりこれは日本の外交の責任者であられるし、有力な日本の政治家の一人であられます政治家の立場から、外部に話が出てもそのことはむしろ国益を害するんじゃない、国益に利するんだというくらいの心がまえを持って委員会で発言してもらいたい、そういうふうに私はお願いしたいんでございますが、たいへん失礼なことを申し上げましたけれども、ただ事務官僚の言われるような答弁では満足できませんです。もう少し、何といいますか、深みのある御発言を期待したいのでございます。
 いま鶴岡さんのことやら法眼さんのことやら天羽課長の海外出張について聞きましたら、これは単なるそれぞれの目的を持って行ったんであって、外交官だから自分の考え方によって接触をするということは当然だけれども、そのことについては何ら報告も聞いていないと。表向きはそうなんでしょうけれども、いろいろな情報を収集しておられるということはだれの目から見てもこれは当然のことだと思うのです。またそうあるべきだと思う。それらの点に立って外務当局としてはおそらく連日といってもいいくらいにこの重要な問題に対して会議をしておられると思う。そういうことをいまここでどうこうということは言いませんが、外務大臣のお立場からこの問題に対処する心がまえと申しますか、まあ十一月までは何も言わぬということで突っぱねていかれるならば、もうこれ以上何も聞くわけにいきませんが、どうでしょうか。この二重代表権の問題に対してアメリカがこういう案を出している、一つの考え方を出しているのです。そうしてこの新聞報道によりますと、米国務相が声明を出している。台湾の主権の問題は未解決である。当事国の交渉を期待する。平和的に紛争の解決を請う。――というような見出しで、国務相の声明が新聞に載っております。すでにこれは周知の事実でございます。こういう声明に対して外務省としては、外務大臣としてはこれをどういうふうに受け取っておられますか、この点お伺いをしたいと思います。
#57
○国務大臣(愛知揆一君) これもアメリカ政府は代表権問題に対して意見をきめておりません、私どもの承知しているところでは。それから、そういう点はいまたまたま来日しておりますアメリカの民主、共和両党の上下両院議員との御懇談などもおやりになったと思いますけれども、それを通じてお聞きになりましても、やはりいろいろな意見がある。これはなかなか最終的にアメリカ政府としても決定をすることについてはずいぶんこれはこれからも苦労する段階があるだろうと私は想像いたしております。それから、たとえば大統領にしても国務長官にいたしましても、いま西村委員から私にお求めになっているような問題についてはっきりした態度や言動を示しておりません。これは御承知のとおりでございます。それから、他の各国からもいろいろの報道や、あるいは日本でも御同様でございますが、たとえば政府筋はだとか、外務省筋はとか、いろいろの情報が流れておりますが、そういう程度の情報は各国それぞれ報道機関を通していろいろ報道されておりますが、責任当局が責任のある形で中国代表権問題に対してクリアカットな意見を表明しているものはまだほとんどございません。これは御承知のとおりだと存じます。したがいまして、いろいろの報道に対してお互いにそういうふうにこれはビヘーブしているつもりですけれども、二、三の国あるいは数カ国の政府筋は別といたしまして、普通の場合、そういう程度のある国の報道に対して他の国の責任当局がコメントするというのもこれはちょっと常道に反するのではないか。いわんや、ほんとうに世紀的な大問題でございますし、そして一番むずかしい対立する考え方あるいは対立する事実の上に立っているような問題でありますだけに、これは当局の責任者としては言動を慎重にする必要があるということは、先ほど来西村委員もお認めいただき、それを前提にしていただいているわけですから、そのお気持ちをもう少し伸ばしていただいて、そしてやはりかっこうが非常に私は大事だと思います。参議院外務委員会で正式のところにおきまして野党代表の御質疑に対して外務大臣がお答えをしたということになりますと、それはもう私は政府としての最高の意思表示じゃないかと思います。そういう点で先ほど来私は率直に申し上げているので、たいへんどうもお気にさわることと思って申しわけなく思っておりますけれども、特に本件の扱い方については、私としても何と御非難を受けようとも、ここは大事なところだ、ここはほんとうに私自身覚悟をきめてふんばっていかなければならない、かように存じておる次第でございます。
#58
○西村関一君 それでは、国務省声明というのは、まだ公式の文書は公文で来ておりませんですか。その点、お伺いします。
#59
○政府委員(須之部量三君) いまの国務省の発表とおっしゃいますのは、この前の、台港の領土権の帰属は未定であるという点についての国務省のあれでございますか。
#60
○西村関一君 はい。
#61
○政府委員(須之部量三君) この点は、私ども当時、プレーという国務省のスポークスマンが発言したことでございますが、そのときの記者会見、午前と午後二度やっておりますが、そのときの記録は入手しております。
#62
○西村関一君 公文が来ておる以上は、外務省としても、このような記者会見の声明に対しての見解をお持ちになっているはずだと思うのです。いかがですか。
#63
○政府委員(須之部量三君) このスポークスマンが申しましたことは、別にいわゆる二重代表等の問題ではございません。ニューヨーク・タイムズの記者の、台湾の領土権の帰属はどうなっているかという質問に答えまして、まだ法的には未決定であるということを答え、それからさらに中国本土・北京と台湾との間の紛争は平和的に解決せらるべきであるというのが米国の態度であるという基本原則を述べたわけでございますが、その後記者の方のいろんな質問に答えている間に、その台湾の領土的帰属の問題も直ちに台湾と北京との間で話し合って解決せらるべき問題であるというような印象を与えまして、その印象のほうが非常に大きく新聞に報道されたということで予想外の反響を呼んだというのが事実であろうと思います。この領土権の法的な帰属の問題に関連しましては、米国も従来から、まだ未決定であるという態度をとっておりますので、その点につきましては、私どもは何ら新しい米国の態度の表明ではなかったというふうに了解しておりますし、国務省当局もわれわれの照会に対してその趣旨で答えております。
#64
○西村関一君 その台湾及び澎湖島の帰属の問題は未決定であるということは日本政府もしばしば言明しておられるところであって、その点では何ら新味がないと。ただ、それぞれの当事国同士、大陸中国と台湾――中華人民共和国と国府とが平和的に紛争の解決に当たるべきだというようなことも言ってるようですが、その点は政府としてはどう考えておられますか。
#65
○政府委員(須之部量三君) その点につきまして実はプレーの新聞記者会見の中でも言っておりますが、すでにロジャース国務長官等々が、要するに、一般的な意味での両国間の問題は平和的に解決せらるべきである、ことに「平和的に」という点に重点を置いた、これはロジャース国務長官等も従来から言っているところでございます。で、その点をプレーも新聞記者会見の冒頭に言っているわけでございますけれども、それが、やりとりの途中におきまして、台湾の領土帰属問題も、何かすぐにでも台湾と北京とで話し合ってきめるべき問題だという印象を与えたということで、元来のプレーないし国務省としての言いたかったところと多少話がずれたのではないかというふうに私は感じておりますし、国務省の担当官も、われわれのほうの照会に対しましては、要するに、領土の帰属というきわめて純粋に法律的な問題とそれから一般的に政治的な意味での両国の――両国と申しますか、北京と台湾との懸案は平和的に解決してほしいのだというような一般的な、言うならば、政治的な立場とがいささか混同されたというところが問題であったというふうに私どもには説明しております。
#66
○西村関一君 その問題はともかくといたしまして、大臣、どうでしょうか。台湾と北京政府との関係についてどういうふうに今後問題を解決していくべきであるか。領土問題についてはまだ未定という前提がありますけれども、将来どうしても中国問題を解決するためには、台湾と北京政府との問題をどう調整するかということにかかっていると思います。その点、大臣は現在の状態においてどういうふうにお考えになっておりますか。
#67
○国務大臣(愛知揆一君) 確かに御指摘のように、問題は、そこにいまだかつてなかったぐらいの大きなむずかしい問題が横たわっておるというふうに私も認識いたしております。
#68
○西村関一君 ただむずかしい問題だと言われるのですが、どうすればデッドロックを取り除くことができるとお考えになりますか。
#69
○国務大臣(愛知揆一君) それは、ですから、また堂々めぐりになるかと思いますけれども、国際緊張の緩和という重大な命題もあるし、また、国際信義を維持したいという問題もあるし、いろいろの点からいろいろ考えなきゃならぬ要素がきわめて複雑に錯綜し合っているということではないかと思います。ですから、たとえば先ほど、国連の普遍性についてはどう考えるかというお尋ねもございました。これは一つのやはりアングルでございましょう。しかし、それとまた異なった要素から考えなければならぬ面もあると、これは先般森委員にもお答えしたとおりだと思います。
#70
○西村関一君 その国連の普遍性の立場から、つまり、すべての国が国連に加盟すべきであるという立場からいきますと、どういうふうな結論になってくるのですか。
#71
○国務大臣(愛知揆一君) それがクリアカットにここでぴしゃりぴしゃりとお答えできるようならば、私もこうやって御批判も受けないわけで、そこがあまりにもふくそうした問題でございますからまだ回答を申し上げるだけの態度がきまっておりませんので、この点は御了解をいただきたいと思います。
#72
○西村関一君 その問題の質問はまた他日に譲ります。
 中華人民共和国に対しては政府はどのような見解を持っておりますか。
#73
○国務大臣(愛知揆一君) これも前々から申し上げておりますように、私は二つのやっぱり立場があると思います。一つは、何といっても日中関係をどうやってより正常化するかといういわばバイラテラルな問題、しかし、そのバイラテラルの場合であっても、台湾という関係を意識せざるを得ないということではないかと思います。そうしてもう一つは、よく申し上げておりますように、私は決してのんびりしているわけでも何でもございません。おそくも十一月には国連の総会でこれは国連代表権の問題で大問題になる。あるいはさっき羽生委員からも御指摘がありましたように、その前にも問題になり得る。これは時間が刻々迫っているわけでございますから、代表権問題に対してどういう対処策をとればいいか。大きくいえば二つの面からだろうと思います。したがって、バイラテラルの関係といたしましては、まず、より正常化するのにはどうやっていったらいいか、この点については私は政府の態度はきわめて明白だと思います。要するに、北京において、日本との間に相互の立場を尊重する、相互に内政干渉しない、いわば二大原則のもとに政府間のダイアローグが持てるならばたいへん幸いであるということは内外に明らかにしております。そして、非常にむずかしい問題が横たわっておるでしょうけれども、政府間のダイアローグを持つ場合に、あらかじめこちらが向こうさんの言い分や主張をのみ込み過ぎて、いわゆるプレコンディションで会談を開くというようなことは、私はかえって将来に不幸を残すゆえんである、かように考えております。つまり、双方が内政不干渉、そして同時に相互の立場を尊重するという二大原則のもとに政府間の話し合いというものができれば、そこでほんとうにざっくばらんな双方の話し合いがまずスタートできる。こういう方向でいきたい。また、佐藤総理が総理であり総裁である立場からいわゆる野田訪中団ということを考えられ、進められておるのもそれに関連をしていることである。こういうふうになっておることはこれはもう現実に明らかにしておるところでございます。
#74
○西村関一君 二大原則が貫かれて双方の話し合いの場がつくられることを期待する――この努力を政府としては具体的にどのようになさるお考えでございますか、大使級の会談など従来から言われておりますが、何らかの具体的な努力を積み重ねていかれる必要があると思うのですが、その点はいかがでございますか。
#75
○国務大臣(愛知揆一君) これはもう内外にこれほど日本の態度を明らかにしている。これは私は「提唱」と言っております。直接に北京の代表者に日本政府が提案をして文書を渡したとかなんとかということはございませんが、これほど大きく内外に日本政府の態度を明らかにしていることは、いわば政府間接触の提唱であると思います。
#76
○羽生三七君 ちょっと関連して。
 その場合に野田訪中団に対する訪中したいという意思表示は総理からあったわけですが、それに対して北京から何か反応はあったでしょうか。間接的な問題でしょうけれども、その後の様子を聞かしていただきたいと思います。
#77
○国務大臣(愛知揆一君) まだしかとした情報連絡は来ていないように存じております。
#78
○西村関一君 中華人民共和国に対して相互の話し合いをしようということを提唱をしている、これはもう明らかな政府の態度であるということでございますが、ただ提唱し続けておるだけでは、向こう側から反応を期待するということだけでは私進まないと思う。ですから、機会が来るならば、総理なり外務大臣なりが北京に乗り込んでいく。そうして、どちらが先だとかあとだとか言わないで、そういう熱意を込めた話し合いをするということはできませんですか。そういうお考えはお持ちでございませんですか。
#79
○国務大臣(愛知揆一君) いま直ちにこの席でこれまたクリアカットなお答えをすることはできません。しかし、先ほど来言っておりますように、いわゆるプレコンディションなしに双方が話し合いに入るところの、いわば二原則のもとに、ということならば、いついかなる場所、あるいはいかなる階級でも政府間の話し合いの用意があるということを申しておることは御承知のとおりでございます。
#80
○西村関一君 北京政府がまだ何らの反応を示していないというところには、一つのわが国に対する問題点を感じておる、そういうことがあるんじゃないかというふうに思うのでございます。それは何かといいますというと、中華人民共和国政府と友好関係にあります朝鮮民主主義人民共和国、また北越、いわゆるベトナム民主共和国に対するわが国の態度が、これが必ずしも自由な公正な状態にないということ、つまり、両国に対してわが国から、あるいはまた両国から出入国するという場合に対してかなりきびしい制約がある。それを向こうのほうでは「敵視政策」ということばを使っております。そういうことに対して今度はまた朝鮮民主主義人民共和国に対する帰還が再開されたということは、一つの進歩のあらわれだと思いますけれども、いまだに朝鮮民主主義人民共和国とわが国との往来の自由というものはほかの国々とは同じようにはいってない。北越――ベトナム民主共和国においても同じでございます。そういうことをもっと緩和するということをしないと、私は北京政府というのは日本政府に対してフランクな態度で臨むことはできないんじゃないかというふうに思う。もちろん、そうではなくて、中華人民共和国それ自体に対する、台湾問題等を含めまして、問題はございますけれども、一つは、やはり二つの国――朝鮮民主主義人民共和国とベトナム民主共和国に対するわが国の態度が従来とあまり変わっていないというところに、どんなに日本政府が中華人民共和国に対して意思表示をなすっても向こうから応じてこないのはそこにも一つの原因があるのじゃないかと思いますが、その点、いかがでございましょう。
#81
○国務大臣(愛知揆一君) 西村委員がそう御観察になっておるとすればそういう事情もあるのかもしれませんが、私はしかし、同時に北京のほうだって日本とより正常化したいということは考えてしかるべきではないかと思います。それに、これは佐藤総理のよく引用されることですけれども、たとえば北京放送を先生お聞きになったことございましょうか。向こうの言っていることだけを一方的に正しいと日本として受け取っていいかどうかということも私はあると思いますですね。そして、よく野党の方々からも攻撃を受けておりますが、日本は日本として国益の上に立った自主外交を展開しなければならない。まさに私はほんとうにそう思いますが、そこで、北京のほうが何を考えているかということをそんたくして、こうもあろうかああもあろうかといって、全部それに迎合して――これを私はプレコンディションと言っておりますけれども――全部そこをおりてそうして国交調整をはかるということが自主外交でございましょうか。私はそこにも非常なむずかしさがあると思うのです。で、北京としても日本に対する見方、あるいは私どもからいえば誤解に思うことも相当ある。これは御同様に双方にそういうことがあり得ると思います。これを、ですから、双方が内政干渉でなくて、相互の立場を尊重して政府同士が話し合いに入る。そこでどんな問題をどちらがお出しになろうと、向こうからお出しになろうとこちらが出そうと、そうしてそこで徹底的な話し合いをするということが、将来長きにわたっての日中のほんとうの私は友好を期するゆえんではないか、私はかように存じます。
#82
○西村関一君 いま外務大臣がお述べになりました自主性わが国の自主性ということを言われた。向こうがどう考えようと、どういうふうな見解をとろうと、そういうことは二の次の問題だという態度は、私は基本的には賛成であります。そうあるべきだと考えます。しかし同時に、いかなるイデオロギーに立つ国といえども、近隣諸国に対しては友好の立場を持ち続けていこう、こういうことにはやっぱり変わりがないと思うのでございます。私は、例として北越や北鮮の問題をあげましたけれども、それは北京がどう考えておろうとおるまいと別といたしまして、これらの両国に対してわが国としては互恵平等の立場に立って、出入国の問題等も国益に反しない限りにおいて平等に取り扱っていくべきではないかと思うのでございます。そういうことが、ひいては私は、北京がこう言っているから、北京がこう考えているからというのじゃなくて、そういうことがひいてはやはり大きな中国との話し合いの場をつくるきっかけになれるんじゃないか。これは、北京がこう言っているからとか、こう考えているからとかということじゃなくて、私自身がそういうふうに感じますから、そういうこともこれはやはり、全部、何らの制約なしに、一ぺんにほかの国と同じようにやるということは、それはできないでしょう、むずかしいでしょう、現在の時点においては。しかし、そういう政府としてのかまえが、やっぱり必要じゃないか。同じイデオロギーに立っている国ですから、同じ立場に置かれている国でございますから、そういうことも考えていっていいじゃないか。もちろん、日本としての自主性を失わないという前提のもとにではございますけれども、そういうことから私は申し上げておるのです。いかがでしょう。
#83
○国務大臣(愛知揆一君) 私、率直に申しますと、少しこれは次元や範疇が違う問題ではないかと思います。
 そこで、私は、西村委員のおっしゃることもわからないではないと思いますが、イデオロギーが違うところとも友好親善関係でありたいというのが日本外交の基本方針であることは御承知のとおりです。ただ、不幸にして日本の周囲にいわゆる分裂国家があるために、たとえば日本としては南ベトナム政府を正統政府として承認し、国交を持っております。しかし、程度は、問題にまたされるかもしれませんが、北ベトナムに対しても、人道的な救援ということは赤十字を通してやりつつある。予算の上にも、御承知のように計上させていただいておる。あるいは、北越の貿易関係の人が日本へ来ても、あるいはこちらから行っている場合もございますが、できるだけこれは、何と申しましょうか、快く仕事がお互いにできるように配慮している。韓国の場合におきましては、これは韓国政府との間に非常な親善友好の関係がある。そうして、北との間は国連においてすらもいまのような状況である場合において、北との間になかなか日本としてはむずかしい問題がたくさんあるわけです。しかし、それも、いまお話しがございました国益に反せざる限り、率直にいって、韓国政府にも理解を求めながら、日本としてできるだけのことはやっていることは御承知のとおりだと思います。まさにお話しのように、日本として国益に沿うてやるべきことは私は相当やっているつもりに政府としては考えております。こういうところを、もし北京がそういうことを、もっと交通を楽にしろということを期待するならば、それはできることかどうか、こちらもわかりませんけれども、それこそ国と国との、政府と政府との接触ができれば幾らでも主張することを堂々とできるはずじゃないでしょうか。こちらも、堂々とこちらとしての主張すべきことは主張したいと思います。それがなければ、国交の調節というようなことはできない。いわんや、長きにわたって今後、私はこの間もそう言っているんですが、もう七〇年代どころの問題ではなくて、二十一世紀を目の前にして、このアジアにおいて日中の関係がほんとうにりっぱな、ゆるぎのないものになるということが、これはもうほんとうに望ましいことであると思いますが、これまで二十数年あるいは三十数年にわたって不幸な間にあっただけに、このとば口のいまのところでは、いろいろと乗り越えなければならない障害はございましょうが、その障害を乗り越えながら、しかも末長く両方が対等で親善関係でいくようなその根回しといいますか、基礎づくりをするのには忍耐と知恵と時間がかかることはある程度やむを得ない、私はかように存じます。
#84
○森元治郎君 ちょっと関連して。
 西村委員の前の質問に対する答弁に関連いたしまして一つ伺いたいのは、大臣が何げなく答弁されたことで非常に強い印象を受けたことばがあります。それは、日中間であらゆる問題を、とおっしゃったのですね。これは非常な大進歩で大きな影響のあるものだと思います。かりに中国にこれが電波に乗って行った場合非常にいいことだと思うのは、おそらく、あらゆる問題、とおっしゃったのは、西村委員の話の経過からいくと、中国も三原則だの五原則だの、佐藤内閣だのいろいろ言わないで――言ってもかまわない――こちらも台湾一本だと、中国との関係はむずかしいようないろんな前提条件みたいなことも言わないで、そんな問題にも触れて何でも話ししようというこの態度は、日中間の話し合いの大きな基礎になると思うのです。おそらくいままで大使級会談にしろ、あるいは貿易にしろ、政経分離とか変な項目があったのですが、あらゆる問題について、ということは、政治家であれば、それは何だと言わなくても、自由に話せるのだ、話すつもりなんだという態度を政府がとったならば、ほんとうに大きな進展を示す糸口だと思うのですが、私の受け取りがよ過ぎたのですか、どうでしょうか。
#85
○国務大臣(愛知揆一君) 森委員のいつもながらのお話の受け取り方なんで、何と申し上げていいか私はわかりませんが、どういうふうにお聞き取りになっても、それはお聞き取りになるほうの御自由ですが、私はそれを全部コミットするわけにはまいりません。しかし、どうでございましょうか、私のいわゆるその二原則というようなことを先方が結局受けてくれるのではないかと私は期待しますけれども、そこで政府間の接触、話し合いが始まれば、何と何は話しをすまいなんということを条件にすることがまた私は逆のプレコンディションだと思います。それは間違いだと思います。ですから、向こうも言いたいことは何でもおっしゃっていただきたい、こちらの言うことも、たいへんしゃくにさわることはたくさんあるかもしれないけれども、まず聞いてくださいというところから始まるので、どういうところで合意ができるかは別ですけれども、そういう意味では、あらゆる問題、しゃべりたいことを何でもしゃべり合うということを私は言ったのであって、そこに政治的な重大な意味をおくみ取りになるならば、おくみ取りになってもならなくても、私はそこに対しては何もあらためて申し上げることはございませんが、政府間の接触、話し合いというのはそういうことでないでしょうか、もともと。そうして、プレコンディションなしにやるという以上は、むしろそこに話題の制約をつけるということはおかしいと思います。
#86
○森元治郎君 そのつもりでやってください。
 大臣もだいぶお疲れのようで――わかります、アメリカとせっぱ詰まった交渉、それから連合審査では同じことを何べんも聞かれ、先ほど申し上げたとおり、苦労はわかる。どうか心を平らかにして質問にお答えを願います。
 どうも私は、あなたと長い間つき合っているから、御気分の上下はよくわかる、きょうはいいな、きょうは悪いなということが。きょうはあまりいいほうじゃない。
 そこで、私すらっと読んで、外相報告の地域の返還のところなんですね。返還される領域は、平和条約第三条での地域から奄美や小笠原で返還した地域の残りの全地域であることを明らかにすることとなると思いますという、非常にややこしい表現なんですね。これはどう見ても、返される者としてはどこが返ってくるのだろうと知りたいわけです。それが、あと残りと言われると、枝葉をつければ、人の領土まで取ってしまうかもしれない、間違って。そんなことまで事実上起こり得る、小さい島なんというのがありますから。島というのは、ちょっと調べてみましたら、水面上一メートルくらい高くなっていて、潮の満ち干で沈まないところで、周囲がちゃんと水に取り囲まれていて、面積にすれば〇・一九平方キロというようなことが書いてある。だから、いろいろな島があるでしょう。どこが返ってくるのか、これははっきりしてもらいたい。残ったのはみんなだと言われても、入れていいのかどうかわからないから。これはやはり大臣御専門の奄美大島の協定でも、島、小島、岩礁などの返還されるべき島は附属書に譲ってますね。附属文書に書いてある。経緯度で示してある。小笠原協定もまた同工異曲、同じようなものですね。今度だけ残りみんなやるよというような腰だめみたいなことは、私はこの際お断わりしたい。私は質問を長くするつもりはありません。大臣の頭に入れてもらいたいから、もっとしゃべりますと、尖閣列島を入れたいからとか、そういうけちなことじゃない。尖閣列島もちろん入るでしょう、領土ですから。ですから、これは「残りの全地域であることを明らかにすることとなるものと考えられます」ではなくて、あらためてこれは向こうにはっきりと強く申し入れて、どっからどこまで、経度、緯度でやるべきである。また、一九五三年の沖繩民政府、琉球政府が奄美大島返還のあとで布令二十七号で経緯度で自分の管轄区域を指定しておるのですね。それがそのまま立っているでしょう。これは残り全域なんという、しろうとの取りきめじゃあるまいし、余ったものを上げますよということでは私は困るから、この際はっきりしておいてもらいたい。
#87
○国務大臣(愛知揆一君) そういうふうにおとりになられるとたいへん困るのですけれどもね。というのは、サンフランシスコ平和条約第三条で、これこれのところがアメリカの施政権下である。そして奄美、小笠原のときにはうんと苦労した書き方をしているのですね。つまり、その中の一部であり、二部であるだけに。今度はもう全部なんですから、すでにきまったところ以外は施政権の対象になっていたところ全部と、これで私はもうこれくらい明瞭なことはないと思います。しかし、この国会でのいろいろのそういう御論議も十分拝聴いたしましたから、なお念を入れて条文づくりをいたしましょう。
#88
○森元治郎君 そうすると、調印というのは間近のようですね、来月早々くらいでしょう。これからの短かい間に、外相報告としては「残りの全地域であることを明らかにする」とあったものが、今度経緯度で示すということになりますと、報告書とは全く違う。違たっていいほうがいいのですから、私はそれを喜んで受けたいと思う。これはどちらがこういう態度で臨んだのでしょうか、「残りの全地域」と。こっちはこの返還される地域の範囲、区域についてはどういう態度で交渉に臨んだのでしょうか。こっちは経緯度、向こうは「残りの全地域」じゃなかったのですか。
#89
○国務大臣(愛知揆一君) 「残りの全地域」ということは、経緯度でも非常にはっきりしているのです、客観的に。だから、どっちがどうということでなくして、あとくされのないように、もうきれいさっぱり必要にして十分な規定、きわめて簡潔な、というのが双方の希望でございます。
#90
○森元治郎君 やはり条約問題というのは、おそらく衆参両院の連合審査を見ても、しろうとはわからないと思うのですね、施政権だの請求権だの言って。もっとずばり、庶民にわかるようにかみ砕いて、学校の先生が小学校の生徒に話すように。選挙区のいなかに行っておばさん連中に話すときには大臣だってやさしいことばでやるだろうと思うのだな。そのとき、こまかいあまり法律論みたいなことはやはりやめて――ここですよ、この地図をごらんなさい。赤線引っぱります。おそらく引っぱるでしょう。今度返るのはこことここと書くのだ。おそらくここだと言ったって、現実に見なければわからないのだけれども、わかったような気がするですね、線引っぱってくれると。これがあったかい庶民的外交だと思う。どうも論議を、高いところで法律論、法理論、条約論ばかりでやっているのでなくて、これははっきりと経緯度で示す。アメリカ側が何かたじろいで、経緯度で示すと、問題の尖閣列島を日本の中に、赤線の中に引っぱるようなことをしてしまうとお隣りのほうがうるさいからこれを避けているんだというようなことが報道されていますが、線を引っぱると引っぱるまいと、問題になるときは問題になるのですよ。ぜひこれは経緯度になるように。どうでしょう。
#91
○国務大臣(愛知揆一君) 御趣旨はよくわかりました。それはもう尖閣列島が入るのはあたりまえのことですよ。ただ何島何島と書くよりは科学的にぴしゃっといったほうがいいと、こういうお考えだろうと思うのです。
#92
○森元治郎君 私は、島名を列記してもよろしい。経緯度、島名、どっちでも方法はいいが、明快であること、これが第一。私は、この報告を訂正される結果になって経緯度で示されるものと確信をしておるのですが、よろしゅうございましょうね。
#93
○国務大臣(愛知揆一君) とにかくまだ合意ができておりませんから、条文をどう書くということのお約束は、相手のあることですから、申し上げられませんが、私としては、森委員のおっしゃることをよく理解いたしまして、国民的に御納得のいくようにすべく努力いたします。
#94
○森元治郎君 いまはやりのテークノートしてくださってありがとうございました。必ず私はそうなる、ならなかったらかみつこうと思っておりますが、これはなりますよ。これはなるのがあたりまえ。おそらくこれは、秘密外務委員会にしてくれと言えば、大臣は、そうだと言うのだろうと思うが、これはいろいろ御苦労があるでしょう。
 ところで、尖閣列島、いままでアメリカ軍が演習をやっていたということがあるのですよ。演習やっていたでしょう、竹島でもやっていたのですから。これは返還後提供すべき施設・区域として合同委員会になりますか。返ってから、あるいは返る前にでも、演習場としてやるようなほうに入るのか。これはアメリカ軍にそういうことをさせますか。
#95
○国務大臣(愛知揆一君) これはまだどういう姿になりますかお答えできません。
#96
○森元治郎君 これは協定後の話ですか。
#97
○国務大臣(愛知揆一君) そうしたくはございません。協定調印のときに、この提供すべき施設・区域、返還あるいは返還前に解放すべき地域、それから若干は返還後提供するが、若干、後には解放されるもの、これは中間報告に、抽象的ではございますが、三つに区分けをして、できるだけ調印のときにこれを明確にしたいと思っております。
#98
○森元治郎君 ちょっと話が戻って失礼ですが、言いそびれたから。何かこの尖閣列島など問題のところをはっきりすると問題がややこしいから、ふわっとしたような、「残り全域」にした、それはアメリカのやり方で、いざとなると、問題になると何だかアメリカがたじろぐようになるところが見えるのは竹島でも御承知のとおり。竹島のとき、私は国会で何べんも論議したが、これぐらい重大なことはないので、あれはサンフランシスコ平和会議のあとに安保条約で施設・区域として日本が明らかに提供し、アメリカ軍は爆撃基地に使った。ところが、韓国のほうから横やりが入ってくると、すうっと爆撃をやめちゃって、日本のもんだということを言ってくれない。今度の尖閣列島の場合でも、これは日本のもんだと、しかし問題があるならば関係国と話したらいいだろうなんてつれない態度があるのですね。ですから、ものごとははっきりぴしゃっとやってもらわなければならぬということを思い直して重ねて申し上げているわけです。私はそれ以上この問題は触れません。ありがとうございました。
#99
○岩間正男君 それでは、この前答弁を保留された問題があったわけですが、大臣からこの点について御答弁いただきたい。
#100
○国務大臣(愛知揆一君) 私からお答えいたしまして、また足らざるところは政府委員から説明いたします。
 沖繩における外国系無線局は、現在のところ米国民政府が免許しております。沖繩における周波数の使用状況については、さらに現状を的確に把握いたしたいとつとめております。五月十三日、岩間議員に御提供いただいた資料は、米国民政府が外資系企業の開設する無線局に対して割り当てた周波数であると思われます。
 その次に、このリストに示されている無線局は復帰後はどうなるかという点でございますが、まずVOAの取り扱いにつきましては、報告で申し上げましたように、現在いの困難な問題について日米両国政府間において深刻な協議を続けておるところでございますが、その他の米国民政府の権限に基づいて免許されました無線局につきましては、復帰後は本土の電波法を適用することになりますので、民政府の免許に基づく権利は消滅いたします。もっとも、復帰後公衆通信に振りかえる等のため、あるいは一定の期間暫定的に免許を認めなければならない場合もあり得ると思います。
#101
○政府委員(藤木栄君) いまの外務大臣のお答えにつけ加えるべきものは、私どもとしても持っておらない状態でございます。
#102
○岩間正男君 そうしますと、ただいまの御答弁で暫定的な処置をとるのがある。それ以外のものは全部、現在の民政府が免許しておる。そういうものは消滅する、そうして日本に復帰するのだと、こういうことは確認されたわけですね。そうするというと、これを存続を要求される分、たとえば暫定的なものでも、そういうものは大体いまのところ見当つくのですか、これはどうなっているのですか。
#103
○政府委員(藤木栄君) 先ほども外務大臣のほうからお答えがございましたように、現在その状態の把握につとめている状態でございまして、まだ最終的結論は出ていないという状態でございます。
#104
○岩間正男君 この内容はいつごろ明らかになりましょうか。
#105
○政府委員(藤木栄君) 私どもも外務省を通じていま要求している最中でございまして、私どもとしては、できるだけ早くやりたいというように思っているわけでございます。
#106
○岩間正男君 それじゃお伺いしますが、エア・リンクの場合、どうなりますか。
#107
○政府委員(藤木栄君) エア・リンクにつきましては、この前も運輸省のほうからお答えがあったと思いますが、運輸省のほうで引き受けるということでございますから、いまの形は消滅するということになると思います。
#108
○岩間正男君 それから米国私企業ですね、この実態については、これはこの前説明はなかったのですが、米国私企業、エア・リンクを除く、そういうものについては実数を把握されておりますか。
#109
○政府委員(藤木栄君) 先ほどもお答え申し上げましたように、まだ全体の把握ができておらないという状態でございます。できるだけ早くやりたいというように思っております。
#110
○岩間正男君 私のほうから一つの資料を示したのですが、これについて調査されなかったのですかどうですか。あの資料は全部網羅しているかとなると、その点はまだ足りない点もあると思うのですがね。相当な現状把握は確信がある、こういうように考えて、私はそう信じて出しているものですが、そういう資料を出しているのですから、それについては検討されたのでしょうね。その検討の結果はどうなったですか。あれは間違いはありますか、どうですか。
#111
○政府委員(藤木栄君) 私どもとしまして、全体を把握していないわけでございますので、あれ自体がはたして間違いないものかどうかという点は、まだつまびらかにしていないということでございます。
#112
○岩間正男君 しかし、やはりその点私たちも責任を持って調べた範囲内のものを出しているわけですから、ここで論議されるわけですよ。そのとき出したものが正しかったか、正しくはなかったかくらいのことは検討されてここに臨まれないとぐあいが悪いと思うのですね。あれから五日になります、十三日ですから。その点は、そうすると、全体を把握できないから、こちらで出したそういう資料については何とも言えないと、こういう段階なんですか。だからこの仕事が進まないわけですね。少なくとも私たちは一つの責任を持って資料を提出したわけです。これがどうなんですかと言っているのです。あの中には民間――エア・リンクとかガルフとかエッソとか、みな出しているわけでしょう。これについては、少なくとも出した分については、こういうことがあるのかないのかという検討だけはされたと思うのですが、これはされていないのですか。
#113
○政府委員(藤木栄君) 先ほど来申し上げておりますように、この周波数の使用状況についてまだ全体を把握していないという状態でございますので、あれの一部は確かにそのとおりだと思うわけでございますが、まだ確信を持ってお答えできる段階に至っていないという状態でございます。
#114
○岩間正男君 少なくともこの次の委員会までにできますか、出したものについては。これはちゃんと言ってもらわないと進まないですよ、論議が。それで、とにかくどんどん先に延ばしていく、全体は把握できません、それはいつの日かわかりません、そのうち調印がされてしまう。それからこれを出してきたんでは、論議にならないですね、国会の論議は。これは外務大臣も言っておられるように、とにかく交渉を有利に展開する、そういうことに各党の意見を一致したいのだと。それで私たちも努力をして調査団も出した。私も調査団の一人となって調べてきたわけです。そうして出したものです。そういうものについてすでに五日たっているわけです。それが全体が把握できないからどうもそれについては正否が言えないのだ、こういう形で問題をはぐらかされたのでは、論議は一向進まないわけですよ。役にも立たないでしょう。われわれの政党としての努力をいわば非常にちょろまかされたというかっこうになるのですよ。大臣、どうでしょうか。
#115
○国務大臣(愛知揆一君) 先ほど申し上げましたように、十三日にちょうだいいたしましたリストは、私どもも誠意を持って感謝をしながらこれに基づいての実態調査をなお一そう進めているわけですが、ただいまも郵政省のほうから御答弁がありますように、やはり政府として国会で正式に見解を明らかにするのには自信を持って申し上げたいということで、これがはたして全部を網羅をしているか、あるいはこの中に盛られていることが不適当であるものがあるかどうか、そういう点を念査いたしました上で御報告をしたいと思います。きょう間に合わなかったことは、まことに申しわけございません。もっとも、先ほど申しましたように、これは私は郵政省的な、専門的な知識はございませんが、先ほど申しましたように、VOAはたいへんやっかいな問題で、これはちょっと別にお考えいただきたい場合もあると思いますが、そのほかの場合は、もう民政府による免許というものは返還と同時に失効するわけですから、そうしてあともし暫定的に何か考えてあげなければならないのは公衆通信に切りかえるようなテクニカルな問題なんであって、本国において本土並み、日本の法令の対象下になるということは、これは当然のことであると考えます。
#116
○岩間正男君 とにかく全体の調査の問題とちょっと違うので、私たちが提出した資料ですから、これがとにかく正しかったかどうか、そういうことがある。事実そうだ、こういう点については、この次までに結論を出しておいて示していただきたい、こういうことを申したい。
 次に、ガルフの場合ですが、これは金武湾の軍用埠頭を除く部分に、琉球政府は港湾指定を行なう方向で作業が進んでいるので、以前問題にした金武湾のガルフによる排他的管理権の問題は当面よいとして、ガルフがすでに自分の手でつくり自分の手で管理している港湾は、港湾法によれば、ガルフが管理を地方自治体に要請しない限り管理権はガルフにある、こういうふうにこれはなっていると思うのですが、この点、港湾局の参事官見えておりますね、いかがですか。簡単に言いますと、ガルフのいますでに持っている港湾ですね、それについては申請しない限り、これは港湾の管理ですね、将来のことですが、そういうものに管理されないと、港湾法の四条二項にそういう規定があるでしょう。その規定によれば、ガルフが申請しない限りはこれはいままで既設のものについてはこれを管理できない、こういうことになっていると思うのですが、どうなんですか。
#117
○説明員(田中光次君) いま先生のおっしゃられたことは、現在本土に適用されておる日本の港湾法についての御質問だと思いますが、確かにおっしゃるとおり、日本の港湾は、原則としては、地方公共団体が港湾区域を定めまして港湾管理者の設立の認可を要請してまいるのが通例でございます。中に、施設の大部分を民間が持っている場合には、二つございまして、一番目には、当該民間企業からここに港湾をつくってほしいという要請がございますと、そこの所在の公共団体が申請してくる、こういう方法も一つございます。その場合には、港湾管理者は当該地方公共団体になる。それから、そういう公共団体による港湾管理者の設立を希望しない場合には、日本の場合、従来三池等にそういう例がございましたけれども、その場合には港湾法の五十六条で、当該地先水面の「地域を区域とする都道府県を管轄する都道府県知事が、水域を定めて公告した場合において、その水域において、水域施設、外かく施設若しくはけい留施設を建設し、その他水域の一部を占用し、又は土砂を採取しようとする者は、当該都道府県知事の許可を受けなければならない」、こういうような仕組みになっております。
#118
○岩間正男君 答弁ちょっと要点をはずれておるのですね。そうでしょう。とにかく一つは日本の港湾法が適用できるかできないか。これは本土並みになるというから、これは返還後どうなるかということを言っている。これはいまから継続しておるわけでしょう。それで、今度は市町村でそのような港湾管理をやるというふうに進めていく。このことはずっと継続しておる。ところが、既設の場合には、これは、これに対する申請をしなければ管理できないと書いておるじゃないですか。四条二項、そうじゃないですか。それがそのまま適用されるかどうかということを聞いておるのですよ。これはガルフの場合にどうなんです。そうでしょう。だからそれだけ言ってください。
#119
○説明員(田中光次君) 先生のおっしゃるとおりでございます。
#120
○岩間正男君 そこのところが何か思い違いされたようですが、現にガルフの現地の対外折衝の担当者の榎本氏という方がありますが、この人の話を聞くと、安全上この管理権を現地の自治体に渡すことは不可能だ、こういうふうに言っておるのです。そうすると、これは申請しない。しかも、ガルフは二十万トン・クラスのタンカーを横づけできるバースを持っておる。これをガルフが自分で管理する、こういうことになると思うのです。そうなれば、一体どこのバースに何時にタンカーをどう接岸させるか、こうした無線連絡はだれがするかということになるのです。ガルフが無線設備を持たずにできるということはないので、こういう場合は、これはどうするのですか。先ほどの公衆通信という問題もありましたが、これと私企業の場合の認可の問題、周波数の問題、そうして日本の電波法との関連、こういう問題も新たに発生するのじゃないか、こういうように私はお尋ねするわけですが、大臣、いかがでしょうか。これは運輸省のほうからどう処理されるかお聞きしたらいいが、そこのところどうも問題があるが、事前通告なかったのですか。把握されていないようですが、何なら、時間の関係もありますから、外務大臣からお答え願いたい。
#121
○国務大臣(愛知揆一君) 本件については前々から非常に御熱心な御質疑がございましたので、私のほうの所管ではありませんけれども、私としても一応考えておるところでございますから申し上げます。港湾の管理運営につきましては、地方公共団体または関係地方公共団体が設立する港務局に与えられる権限が港湾法に定められております。港湾における船舶交通の安全については、港則法に詳細な規定があるはずでございます。さらに航路標識法、港湾運送事業法、水先法等、各種の法令が整備されております。したがって、金武港は復帰後これらの法令に基づく本土の港湾体系に組み入れられることになります。
 その次に、港湾の管理権については、本土の法令に関係規定があるように思われるが、許可によって与えられたガルフ社の水面及び海底の占用権についてはいかなる規定をもって規制するのかというのが次のお尋ねでございます。それにつきましては、港湾法には港湾における水面の占用、建築等の行為を規制する規定、三十七条ないし四十条があり、同法はさらに港湾区域の定めのない港湾における水面の占用等の行為に関しても五十六条で定めておりますので、水面及び海底の占用も規制の対象になっております。
 港湾法の諸規定は新たに水面の占用等を行なおうとする場合の規定であって、ガルフ社の占用権のごとく、すでに与えられたものを規制することはできないのではないかというのが重ねての御質問でございます。これに対しましては、民政府の許可によりガルフ社に与えられた占用権は復帰とともに同許可に基づくものとしては消滅するのでありますから、同社が復帰後も引き続き使用しようとするときには本土港湾法のもとでは新たに取得させることも可能であると考えられますが、必要に応じて経過措置を講ずることをも含めまして、復帰後本土の港湾関係法令が支障なく適用し得るよう適切な処置をしてまいりたいと考えております。
#122
○政府委員(藤木栄君) 電波関係、無線通信と申しますかにつきまして申し上げますと、これは当然この電波法が適用される状態になるわけでございますから、ガルフ社が自分で無線局を持って運営するということにはまいらないというわけでございまして、もし必要があれば、いわゆる公衆通信と申しますか、そういったものを用いて通信をやるということになろうかと思います。
#123
○説明員(田中光次君) 金武港を港湾として復帰後指定する場合には、大規模な港湾として整備するためでございまして、ガルフ社の施設はその一部を占めているにすぎません。したがいまして、港湾法の四条の二項による問題ではないということでございます。
#124
○羽生三七君 わからぬことがあるので一つお聞きしたいことがあるんですが、いまの岩間委員の質問、きのうの公明党の委員の質問、いろいろ問題を持ち出すと、それは政府は十分御存じないと言われる。それできのうもお話がありましたように、野党のほうが十分知っているのに政府がなぜ知らないのかというお話があった。そこで、十分御承知をなさっておるが黙っておられるのか、知らぬと言っておられるのか、ほんとうにお知りにならないのか。それならあと、六月初め調印かどうか知りませんけれども、かりに、もしそうだとするならば、その間にわからないことが全部わかって、急に片づいてしまうのか、その辺私、非常にふしぎに思うんですが、その辺のところはどういうことになっておりますか。
#125
○国務大臣(愛知揆一君) その点は昨日私も黒柳委員の質疑にお答えしたとおりでございまして、政府としても十分その実情の掌握にはつとめております。同時に、公明党や共産党の方々が公党の名においてお出しになっておる資料でございますから、政府としてもこれに敬意を表して、これとわれわれの調べと照合しております。しかし、政府として公式に申し上げますのにはまだ調査がちょっと足りないところがございますので、その点は早急に詰めてお答えをするということを申したわけでございますが、同時に、協定調印のときには、全体の区域・施設について三つに分類をしてできるだけ詳細に公表したいと思っておりますが、そういう政府の姿勢は、当然実態の掌握の上に立ったものでなければできないはずでございます。作業は着々と現在進めております。
#126
○岩間正男君 速記録に残っているはずですが、調印までに特殊部隊の調査を出すということになっておると思いますが、これは速記録調べてみればわかります。これ、出していただきたいですね、いいですか。
#127
○国務大臣(愛知揆一君) 特殊部隊につきましても、誠意を尽くして、これは絶対に正しいと思われるものについては、逐次御回答申し上げたいと思っております。
#128
○委員長(松平勇雄君) 本件に対する質疑は、本日はこの程度といたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時三十六分散会
ソース: 国立国会図書館
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