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1970/03/18 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 法務委員会 第4号
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1970/03/18 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 法務委員会 第4号

#1
第065回国会 法務委員会 第4号
昭和四十六年三月十八日(木曜日)
   午前十時二十八分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十七日
    辞任         補欠選任
     江藤  智君     岡本  悟君
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     岡本  悟君     江藤  智君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         阿部 憲一君
    理 事
                後藤 義隆君
                鈴木 省吾君
    委 員
                上田  稔君
                江藤  智君
                木島 義夫君
               久次米健太郎君
                田中 茂穂君
                田中寿美子君
                松澤 兼人君
                山高しげり君
   国務大臣
       法 務 大 臣  植木庚子郎君
   政府委員
       法務大臣官房司
       法法制調査部長  貞家 克己君
       法務省矯正局長  羽山 忠弘君
   最高裁判所長官代理者
       最高裁判所事務
       総局総務局長   長井  澄君
       最高裁判所事務
       総局経理局長   大内 恒夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        二見 次夫君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○裁判所職員定員法の一部を改正する法律案(内
 閣提出、衆議院送付)
○検察及び裁判の運営等に関する調査(大阪刑務
 所における大学入試問題盗難事件に関する件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(阿部憲一君) ただいまから法務委員会を開会いたします。
 委員の異動について報告いたします。本日岡本悟君が委員を辞任され、その補欠として江藤智君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(阿部憲一君) 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を議題といたします。御質疑のある方は順次御発言を願います。
#4
○松澤兼人君 裁判所に最初にお伺いしますけれども、前回亀田委員の質疑に対しまして行(二)の職員の定員というものが全然認められなかったということであります。それぞれ必要があって計算をし、概算要求したと思うんでありますが、九十七人の要求が全然大蔵省によって認められなかったということは、どういう理由に基づくものであるか、さらに認められないあとの行(二)的な仕事がどのようにして処理される見通しでありますか、これからお伺いしたい。
#5
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 前回亀田委員から予算要求の態度が誠実を欠くのではないか、これら業務の遂行に裁判所は責任を持てるのかという御指摘がございました。私どもも要求の方法については十分反省いたさなければならないものがあると考えるわけでございますが、このたびの要求につきまして御説明申し上げたいと思います。
 行(二)職員と申しますのは、申し上げるまでもございませんが、機械器具の操作、庁舎の監視その他の庁務及びこれに準ずる業務を遂行する職員をさすわけでございます。このたびの要求につきましては新設、増築なされました庁舎及びその設備の管理要員の要求がその内容をなしておるものでございまして、具体的には東京にございます司法研修所等三研修所、地方裁判所が三庁、甲号支部、乙号支部、簡易裁判所一庁、これだけの新設庁舎の要求をいたしました。昭和四十六年度の予算におきましては、地方裁判所の二庁につきまして竣工期が来年度に延長されましたのと、一庁については工事をいたさないことになりましたので、この関係で要求いたしました十四名は当初要求の九十七名の中から自動的に消滅したわけでございます。なおこのたびの行(二)職員の要求九十七名、人件費にいたしまして約六千万円弱の金額にのぼるわけでございますが、そのうち約半数の四十名、これは自動車の運転手の要求でございました。で、自動車は裁判所には非常に多くを必要とするわけでございます。現に地方裁判所の乙号支部以下にはまだ配車していない状況でございまして、今日の機械化の時代に能率機具と申しますか、そういう交通手段において非常におくれをとっておりますので、何とか自動車をふやしたいという気持ちが強いのでございますけれども、この操作職員であるところの運転手の増員要求ということになりますと、国の方針として公務員としてこういう職種をふやすことは非常に問題である。借り上げのタクシーというような方向、あるいは自動車の運転でございますれば小さな企業でも自家用でやっておる時代に、運転者を国家公務員で迎えなければ操作できないということは不合理ではないかというような批判がございまして、なかなか運転手を前提とした自動車の増加ということが困難な状況になっております。そのような経過をもちまして自動車四十台の要求をいたしましたのですけれども、運転手ということになりますと、自動車の増加が全く見通しが立たないということで折衝の結果、運転手のほうは別途考えるということで、自動車のみの増加二十二台ということで話をまとめざるを得ない経過をたどったわけでございます。そのようなわけで自動車運転者四十名はこの九十七名のうちからはずさざるを得ないということになったわけでございます。で、妥結しました自動車の台数は二十二台でございます。運転手なしでこれをどう操作するかということにつきましては後ほど御説明申し上げますが、だんだん設備が自動化されましてその操作職員が浮いてまいりますので、これを内部的に運転手の職種に振り向けて自動車の運転に当たらせるという措置と、それから事件数の少ない庁舎におきましては、それほど運転する必要もございませんので自動車の専用運転手を廃止しまして、今日自家用車で通勤している職員もたくさんございますので、そういう人たちで異論のない人には運転してもらう方法もこれから法的な措置を検討いたしまして、一つの職務内容として、たとえば検証に参ります際には検証を執行する職員が二次的な職務内容として運転するということも自動車の管理、運行の管理という面の手当をすれば可能ではないかというような点も考えまして、二十二台の運行にはほぼ支障がないだろうという結論に到達いたしましたので、この増車について話をまとめたわけでございます。
 そのほかに要求いたしましたのは、暖房設備のためのボイラーマン、機関士と申しております。それから電気の供給を受けます際に変電設備がございますので、その電工、それから守衛、それから庁舎の清掃に当たります庁務員、こういう職員の増員でございまして、合計四十三名、これが今回の実質的な増員の要求となったのでございます。
 要求の態度は、裁判所といたしましては既存の設備はそのままで、増設されたものについて新たな人員の要求をいたしておりますが、最近機械の自動化に伴いまして、ボイラーは必ずしも使用しないでも熱風炉と申しますか、扇風機に電熱器をつけたような原理の機械を用いますと、高圧のボイラーを必要といたしませんで、甲号支部以下には熱風炉の設置によりましてボイラーマンを必要としない。また常時冬季間ボイラーを必要とするような庁におきましては、これは冬季間だけ必要な職員ということになりますので、まあたとえが卑俗で恐縮でございますけれども、汁粉屋は夏氷屋を開業しますが、なかなかボイラーマンが氷屋的な職務もできませんので、夏には趣味の草むしりというようなことで、人員の効率的な使用からも批判があった点でございますので、有資格者は必要期間だけ賃金でパートタイムの形で採用するというような措置で、必ずしも公務員の増員という措置を要しないことになりましたので、このような解決をいたしております。
 電工につきましては、五十キロワット以下の変電設備につきましては電工を必要としないということに法規上相なっております。それをこえますものについては必要な主任技術者を中央の庁に一人配置をしまして、あと電力会社と保守契約をいたしまして、電力の供給契約とは別個の保守契約に要する費用を予算上設けまして、これによってまかなうということにいたしました。
 次に、守衛は、具体的には新たにできました司法研修所、これは東京の文京区の湯島の切り通しにございまして、この守衛は、旧岩崎邸が文化財になっておりまして、この保守のための人員でございますので、これは従前からガードマンを雇い入れまして、これで警備に当たらせておりますので、この方向で五人分のガードマンを雇う費用を予算上盛りまして、これで解決するということにいたしました。
 清掃関係の庁務員につきましては、国の方針といたしまして外部の企業に清掃の委託をするという方向が一般に採用されておりまして、裁判所も、大都会はもちろん、県庁所在地程度までは外部の清掃会社と委託契約を結びましてこれを処理するということができますので、その関係で余剰の生じた職員を他に振り向けるというようなことが可能でございます。
 その他の電話交換機等につきましては、簡易自動交換機、分散中継式というようなものによりまして、必ずしも公衆電気通信法に定められた交換機取り扱い者の資格を要しない職員で、その部屋にいる人がボタンを押す程度で小さい庁は交換が処理できますので、こういう関係で結局それに必要な庁費の獲得ということでこの人員の要求にかえて法律的な業務の遂行ができることになりました。支障が生じないという見通しがつきましたので、外形的にははなはだ御指摘のとおりの状況でございますけれども、責任の持てる予算ができたものと考えまして九十三名が人員の関係ではゼロということに相なったわけでございます。
#6
○松澤兼人君 局長が御説明されたのはむしろ大蔵省で認められない状態の中でこうやるということの説明で、本来は必要があるから行(二)職員の概算要求をしたのでしょう。認められなければこうやって間に合わせるということの説明にはなりますけれども、初めから必要であるといって裁判所側が大蔵省に折衝したときの理由はまた別だったと思うのです。認められなければこうやりますということなんで、むしろ説明は逆なんじゃないですか。
#7
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) そのような御指摘も確かに成り立つと思いますけれども、実は予算の折衝のきっかけといたしましては、既存のものに継ぎ足した要求という線でまいりましたけれども、折衝の過程で、たとえば暖房機械、従来のボイラーを必ずしも使わなくてもそれより簡易で効率的な熱風炉というようなものが、当初は多少高価でございましてもその機械を入れるというようなこと、あるいは電話交換機も従前の交換手を必要とするような交換機で安いものを要求しておりましたところ、機械はもっと高能率のものを入れるというようなことで、その面での有利性が実現できれば必ずしも人で要求する必要はないというような柔軟なと申しますか、事務処理と機械設備の近代化に伴う予算折衝の態度という観点で私どもやっておりまして、必ずしも人員増のみが合理的な予算の折衝と考えませんところに先生の御見解と違う結論が出てまいったわけでございます。もちろん先ほども申し上げましたように、基本的な要求の態度というものが反省の余地があるということを私どもも存じておりますので、この点については従来の惰性での要求の態度について反省を加えまして、来年度はまたもう一つ進めた形での予算要求に持っていきたいと検討しておるわけでございます。
#8
○松澤兼人君 交換手の要らない電話交換機、あるいは本来のボイラーじゃない熱風装置みたいなもの、これは当初の予算要求のときにもうあったわけなんでしょう。そういうものの開発あるいは販売というようなものが普通に市中にあったわけですね。ですから最後にボイラーをたくのはやめて電気の熱風装置かなんかを採用することになったから人員は要らない。電話の交換手は正規の電話の交換手でなくても最近の新しい電話を使えばボタン一つ押すだけでどこでもつながる、そういう装置というものはこの予算要求、予算編成の段階にもあったんだから、そのほうがよければそのほうを採用するということで、部品費とか物品費とかいうことで請求して、そうして人間の要求はしなくても済んだんでしょう。それが認められなかったから人間を――人間が認められなかったから今度は機械的装置の優秀ということをあなたが力説して、人間はふやしてもらえなかったけれども支障なくやれるということの説明をいまされているわけです。ですから私たちから考えると必要のないものを要求して、そして要求が認められなければ他の電話機とかあるいは電気の熱風炉とかいうようなものに切りかえたというような感じがどうしてもぬぐい切れないのですけれども、その点はいかがですか。
#9
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 御指摘のとおりでございまして、まことに答弁に苦慮するわけでございますけれども、正直のところを申し上げますと、これはすべての装置を一斉に進歩した新しい機械に切りかえてしまえば問題は解決するわけでございますが、現在千七百名に余るこういう職種の人が現在その場所でそれぞれの使命を感じて職務に精励しておられるわけでございまして、これを一朝にしてあしたからもう清掃会社に頼むから、きみは必要がないと言うことは現在の雇用の体制からも非常に言いにくいことでございますし、また人道的にも批判のあるところでございます。法規的にももちろん問題がございます。したがいまして漸次これを切りかえていく、そして現在その職場にある人が無理のない形で自分の仕事を続けていくという観点から考えますと、やはり一気に合理化ということが困難でございますので、徐々にやりますためには切りかえも漸次的にやる。それで既存の設備もある程度は新しいものにかえながら、そこで生じた余剰の人員をどうしても必要であるところの資格を要する職種でありますところの自動車運転あるいはボイラーマン、そういうところに振り向けて使っていくという操作をいたしまして、職員の配置あるいは職場の保持につきまして漸進的な改善を加えていくということをいたさざるを得ませんので、このような微温的な措置と申しますか、予算要求の面では多少牽強付会という形が出るわけでございますけれども、職員の現在の配置における職務の遂行という観点もあわせてお考えいただきまして御了承いただきたいと思うわけでございます。
#10
○松澤兼人君 その予算編成の態度とか、あるいは要求の態度というものがどうもはっきりわからないんで、あなたがおっしゃったように、いままでそういうふうな人員の要求をしていたからことしもやったということであればそれも一つの考え方だと思いますが、いまの人員削られてしまったからおっしゃるような理屈が成り立ちますけれども、どうもその予算要求の態度とか、あるいはその方針というものがはっきりしないところに疑問が残るわけです。もう少しすっきりして初めから機械的な装置によって人は要らないということであれば、そういう方針でお進みになったらいい。削られてしまってからそういう理屈をお考えになるということは、どうも私はふに落ちないし、それはそれといたしまして、先ほども言われました自動車が二十二台認められたと、しかし運転手がついていないので実際に運転する場合には運転の心得のある人に運転させる。普通の事務官あるいは書記官の人が自動車の運転をするというような場合には、自動車運転の側から見れば支障がないでしょうけれども、しかし本来の事務以外に自動車の運転をしなければならない、あるいはもし万一事故でもあった場合には、本来の仕事、事務官あるいは書記官がやっておる以外のそういう余分の仕事をやっていて事故が起こったということですから、あるいは当然運転する場合には運転手当とか、あるいは運転の報酬とかというものを考えなければならぬと思う。ですから、運転している間は、その人は実地検証のような仕事を持っている人ならば、運転していって実地の検証をするということを当然やらなければなりませんが、そういう実地検証の仕事を持っていない人がやれば、その人の仕事というものはつまりブランクになる。そうすると、だれかがそれにかわってやらなければならない、あるいはそれだけ仕事が渋滞するということも考えてみなければなりませんから、そういう運転ということが本来のその人の職務から別の仕事を仰せつけられるということと、その人が運転している間その人の本来の仕事ができないという、そういう矛盾は、危険度あるいはまたは職務内容と違った仕事をするということ、そういうことの、何といいますか、権限あるいは外に出る仕事、そういうことに対してどういう配慮をなさいますか。
#11
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) ただいま御指摘のような配車の方法につきましては、まだ検討の段階でございまして、御指摘のような点を十分考慮しまして法規的あるいは予算的な規制を十分にいたしまして配車の方針を決定していきたいという検討の段階でございまして、これはごく限られた庁になりますので、大部分は今回はほかの機械の新しい機種の採用によって出ましたところの余剰の定員の運用で運転手の配置が可能であるということも含まれておりますので、この配車が全く不可能ということではございません。今後の方針としてそういうことも検討していきたいということをあわせて申し上げたわけでございます。
#12
○松澤兼人君 普通裁判官あるいは裁判所にいる人々が本来の仕事といえば、危険度というものはほとんどありませんね。事務に伴う危険ということはない。生命あるいは生活の危険というものは全然ない。ところが、もし万一、運転免許はありますけれども、裁判所の用事で本来の仕事から離れて自動車の運転をするということには危険度というものがあるわけですね。これは当然何かの面で見てあげなければ、本来庁内で仕事をしていたらけがしないでもよかったのに、本来の仕事でない自動車の運転をやったためにけがをしたといったらだれがその責任を持ちますか、あるいはまた本人、家族の人たちに恨まれる場合があると思います。そういうことに対するはっきりしたものを立てていかないと、運転する人も気の毒ですし、あるいは家族にとってもたいへん恨まれるということになると思いますので、その点をはっきりして方針を立てていただきたいと思うのです。
#13
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) その点は、御指摘のような点につきましては、十分に法規的に手当てをいたしましてやるようにただいま検討中でございます。御指摘の点も非常に貴重な御示唆として参考にさせていただきたいと考えております。
#14
○松澤兼人君 その点につきましてはひとつ御希望を申し上げておきますけれども、やはり裁判所の運営ということについては、所長はじめあるいは判事、判事補、書記官あるいは事務官、それから行(二)の一般の労務職員、そういう一定の人的構成というものが必要なんじゃないかと思うのですが、下のほうはみな本来の仕事をやっている人の兼務にまかせてしまい、上のほうだけきちっとするということよりも、一定の人的構成というものを保っていくことが必要だと思うのです。そこで希望としましては、行(二)が認められなかったために労働強化ということが非常にひどくなるんじゃないかという心配、これに対する対策、それから一般の庁内で働くことを本来の仕事としている者が自動車の運転等をさせられた場合の危険度に対する思いやり、そういうものが必要だと思いますので、今後十分に気をつけてこれらの点、職員にとって労働強化にならない、あるいは危険が起こらない、発生しないというその保証を裁判所側としては当然職員に対して考慮すべきじゃないかと思うのです。これは将来の見通しですが、将来の運営についての希望です。決意はどういうことでございますか。
#15
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) このたびこのような形で予算を決定いたしましたのも、もちろん御指摘のような点を前提といたしまして、念頭に置きましていたしましたことでございますけれども、今後も今日以上に労働強化になるようなことにならないように、むしろ合理的な労働量の負担というようなことを念頭に置きまして人員の問題を考えてまいりたいと思います。また、危険の点につきましては、新しい試みでございますので、十分に検討いたしまして、理由のない損害を職員に負担させることのないように、法規的に、あるいは金銭的な補償の点につきまして検討をして実施する覚悟でございます。
#16
○松澤兼人君 それでは次に移りますけれども、行(二)でない一般の裁判所の職員、判事、それから判事補、書記官、事務官といったような人たちの予算要求にいたしましても、要求に比しまして大蔵省の承認されたつまり今回の増員というものがきわめて少ない。これは歴年どういう趨勢になっているのか。最初の予算要求というものが削られても事務に支障がないというふうにお考えでございますか。
#17
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 最初の概算要求の際におきまして相当数の人員を要求いたしまして、その結果、妥結いたしました数字が必ずしも当初の要求の線に沿った結論を得ていないということ、これは御指摘のとおりでございますが、やはり予算の要求は大蔵省との間の交渉という性質を持ちますので、話し合いをきっかけといたしまして実際の必要よりあとから検討いたしますと上回った数字になるという事態も出てまいるわけでございます。それで歴年の概算要求の資料はただいま手元にございません。昭和四十六年度の予算につきましては、ここにお手元に差し上げました――これはお手元に出ておりませんが、五百九十七名となっておりますが、毎年この程度の人員の要求になっておるわけでございます。これに対しまして増員数は昭和三十六年からのを申し上げますと、合計で三十六年が九十八名、三十七年百三十九名、三十八年二百四十二名、三十九年百五十名、四十年十六名、四十一年八十五名、四十二年五十四名、四十三年二十五名、四十四年百六十二名、四十五年百三十名、四十六年度が百十八名という数字になっております。
 で、移動がございますのは、やはりその年度年度におきまして裁判所の処理すべき事務量にいろいろな関係で変動がございまするので、それに即応した人員の増加という結論を得ておるわけでございます。
#18
○松澤兼人君 今回の増員はまあここ十年以来の最低だと、こう言われるのですが、実際にそういうことですか。いまお話になりました十六人だとか二十五人という数字がありますから、それに比較すれば多いかもしれませんけれども、非常に増員というものが、数年来の非常に低い線であるということは事実ですか。
#19
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) たびたび御指摘を受けますのは、昨年度は百三十名の増員であるのに、今年度は百十八名と、たいへん少ない数であって、三十三名で少ないではないかという――百十八名は失礼いたしました。三十三名の増員にとどまったのはたいへん少ない数字ではないかという御指摘になろうかと存じます。昨年の増員の関係を申し上げますと、東京大学その他における学生の集団事件がございまして、この関係で法廷警備員の増員が百名という数字が入っております。で、法廷警備も裁判所の事務処理の重要な内容でございますけれども、事件処理そのものの関係から申しますと、三十名の増員をもって充てているということでございます。で、今年度の三十三名の増員は裁判官、書記官、事務官のような数字でございますけれども、これは特殊損害賠償事件及び交通事件の増に対しますものでございまして、そのほかに内閣の方針によりまして、行政庁におきましては減員の、定員管理に関する内閣の基本方針がございまして、裁判所におきましても、行政事務処理に当たっております職員を三年計画で百五十名減員するという基本方針がございまして、その関係で事務官の四十九名の減、及び反則金の採用に伴いまして、少年の交通事件の処理要員の減がございますので、これの家庭裁判所調査官の三十六名の減というものがございます。これらの減が一応基本の方針として予算上は減員の要求となっておりますが、この関係におきましては、家庭裁判所におきまして少年の資質検査の関係及び交通事件その他の処理要員として事務官の増員といたしまして、減員要求分だけが増員が認められまして百十八名の増員という数字を実質的には得ておりますので、例年に比べまして今年が特に少ないという評価にはならないものと考えております。
#20
○松澤兼人君 それでは欠員それから休職、そういう関係で実定員よりも減っているということはどの程度になっておりますか。
#21
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 欠員の関係につきましては、裁判官と裁判官以外の職員とに分けて御説明申し上げたいと存じます。裁判官の欠員につきましては、昭和四十五年、昨年の十二月一日現在におきまして合計九十四名ございます。裁判官以外の職員につきましては、昭和四十五年十二月一日、同日現在におきまして三百四十四名の欠員になっております。
 なお、休職の関係を申し上げますと、病気休職者数でございますが、昨年の十二月一日現在で二百二名でございまして、このうち三カ月以上の長期病休者四十八名、これは一年未満でございますが、一年以上の病休者二十六名でございます。で、病気による休職者は四十六年の一月一日現在、休職者数が五十九名でございまして、全職員の〇・二五%ということになっております。他の省庁よりは多少率は低くなっております。なお、休職の理由は、高血圧、結核、すい臓、肝臓等の病気でございます。
#22
○松澤兼人君 この欠員ということなんですけれども、これは近い将来に補てんできるような見通しなんですか。
#23
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 結論を申し上げますと、補てんできる見通しを持っております。欠員の補充は、裁判官につきましては、御承知のように、ただいまのところその給源が修習生からと限られております。もっとも一部特別任用の簡易裁判所の裁判官がございますが、大部分が修習生からまいりますために、司法研修所の研修終了の時期でございます四月になってほぼこの九十四名の欠員が充足されるという見通しを得ております。一般職の職員につきましても、書記官調査官というような職種の人は、司法研修所あるいは調査官研修所の研修を終了した人から任用いたしますために、大体研修終了期の四月において充員されるということになるわけでございますが、一般職の職員につきましては、約千近い庁がございまして、この各庁におきまして欠員が退職者によって生じますと、この充員はすぐにはまいらないというような事情もございまして、三百名前後の欠員が常時生じ、あるいはこれがまた充員されるというような形を繰り返しております。
 なお、これに一点つけ加えて御説明申し上げますと、事件数の移動が、今日過疎化地帯ができましたためにかなり急激にございまして、そういう場合に、事件が集中したほうへの増員を考えます場合には、ある程度の欠員が手元に留保されておくことも必要な対策ということになりますので、それをしんしゃくいたしますと三百四十名前後の欠員はやむを得ない数字であると、このように考えておるわけでございます。
#24
○松澤兼人君 四月になりますと九十四名は充足されるということらしいんですけれども、しかし年間通じて見ますと、また一年の終わりごろにはその程度の欠員が生ずるということが予想されるんじゃないですか。
 それと、累積している欠員ですね、そういうものは全然ないんですか。一年ごとにその欠員が新たに生じ、それが次の年度では充足される、またその一年たちますと九十名くらいの欠員が生ずるということなんですか。常時欠員でずっと続くというようなことはないんですか。
#25
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 累積という欠員の現象は全くございません。毎年、予算年度の末に欠員が一番多くなりまして、翌年度の初めにこれが充員されるという形を繰り返しておりますが、数字的に見ますと最近は年度末の欠員数もだんだん少なくなっております。
 ただ、御指摘のように、年度初めに充員されましたものが、その後の充員が困難であるために欠員が年度末に向かいましてだんだんふえていくと、その間の手当ができないということは事務の遂行上は非常に困った次第でございますけれども、任用制度の関係がございまして他に給源がございませんので、このような現象はただいまのところ避けがたいわけでございます。
#26
○松澤兼人君 先ほどちょっと局長のお話しの中に出ておりました過疎地帯あるいは事件が少ないところから東京へ出向いて来て事務を補助する、いわゆる応援をするという、そういう傾向もあると考えているんですが、年間を通じて延べどのくらいになるんですか。
#27
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 過疎地帯から事件の多い地方へのてん補、それから学生の集団事件処理のための緊急の応援というようないろいろな原因がございますけれども、そのような事態に対する手当てといたしまして、応援の人員は、昭和四十四年度には裁判官が十六名、書記官が四十八名、昭和四十五年度には裁判官二十名、書記官六十名。昭和四十六年度には、昭和四十五年度と大体似た、裁判官が十六名、書記官が約五十名、このような人員の応援を得ております。
 なお応援と申しますのは、これは一時的な現象に対処するものでございまして、事件数が人口の異動等に伴いましてある程度安定してまいりますと、これに伴いますところの定員の改定あるいは必要な予算要求による増員の措置をもってまかなうことになるわけでございます。
#28
○松澤兼人君 そういうてん補という勤務の状況、それから手当、そういう実情はどういうことになりますか。
#29
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 費用の問題でございますか。実情……。
#30
○松澤兼人君 事務はどういうことをやるのかということ。
 それからまあ都会勤務手当とかなんとかいうものを考慮するんだろうと思うのですけれども、本来の東北にいる場合の給与手当、そういうものとどういう取り扱いの違いがあるかということ。
#31
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) てん補いたしました場合には、てん補の旅費はもちろんでございますが、そのほかに滞在の土地に応じまして滞在地の日当、宿泊費がそれぞれ旅費、滞在費という名目で法律に定められた金額が支給されております。
 なお執務いたします事務の内容といたしましては、現実に起こりました裁判事件の処理に当たるわけでございます。
 なお、そういうてん補者と申しますか、応援者を派遣いたしました庁は、それだけ負担を同僚が処理しなければならないわけでございますので、これが一つの庁に片寄らないようにいたしますために、事件量を事務総局のほうで見ておりまして、比較的事件数の少ない、手のすいているような庁、しかも大体一カ月という短期間に限りまして、各庁に順次応援を求める。で、応援しました際には、長期継続して審理をするというような事件は避けまして、短期間に処理のできるような事件の応援をしてもらい、本来的な大きな事件はその本庁の裁判官、書記官が処理するというたてまえをとっております。
#32
○松澤兼人君 それはいつごろから始まっておるのですか。
#33
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) これは東京、大阪のようなところで特殊の非常に大きな訴訟事件が起こりました際にそのつどやっておりまして、最近では東京における学生の集団事件というようなものがこの応援の対象になっておるわけでございます。従前にも、昭和三十四年ごろに旧訴訟手続と新訴訟手続の経過的な事件につきまして、事件の渋滞したことがございまして、その際に東京及び大阪にこのてん補の制度で、渋滞した事件の処理に当たってもらうためにてん補を行なった先例がございます。
#34
○松澤兼人君 これは各裁判所の人員の割り当てとかあるいは配置とかいうことにも関連するものだと思いますが、たとえば過疎地帯における取り扱い件数というものが歴年減っていくというところ、そこにはそれほどの人員を必要としないということになるかと思います。一方では事件が急増してくるということ、それを古い定員で縛っておくということ、そういうことのアンバランスが出てきて、応急の措置としててん補という方法をとっている。これはどこまでも変則的なものであって、本来ならば配置がえをするというようなことによって長期の見通しを立てるべきじゃないかと思います。少なくとも本人はこちらへ来ているし、それから家族は子供の関係なんかで、本来の裁判所のある勤務地にいる。家族が別々にある。それからくる精神的あるいは物質的な損失、そういうことを裁判所全体として放置しておくということは、いかにも非人道的なことだと思うのですけれども、今後のいわゆる、てん補に対する方針というものはどういうことなんですか。
#35
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) てん補の措置につきましては、御指摘のような弊害と申しますか、不合理がございますので、なるべくこれによらない恒久的な解決方法をとるべきであることは申すまでもございません。したがいまして、事件数の落ちつきをみまして、過去二年間の統計を見ながら、各年ごとに全体的な事件の状況を見まして定員の改定を行ない、それに伴う必要な転勤の措置をとっておるわけでございますけれども、何ぶんにも学生の集団事件というようなものが突発的に起こりまして、これが進行を開始いたしますと、非常に迅速に処理されまして、あとまた旧態に服するという事態が予想されます。また、地方裁判所から高等裁判所に事件が移りまして、高等裁判所の間でそういう事態も起こりますので、あくまでてん補は暫定的な措置として運用いたしておるわけでございます。その点は十分に配慮をいたしまして、恒久的な定員措置と暫定的なてん補という措置を使い分けて事件の処理に渋滞がないように努力してまいりたいと考えておるわけでございます。
#36
○松澤兼人君 それは、今後の方針として十分検討して、人道的な意味においての、そういう心ならずも東京に行かなければならぬ、家族と別れなければならぬということのないように――そうしなければならない事情があるならば、それに対して物心両面の考慮を十分に払うべきであるということを希望しておきます。
 それから、人件費が来年度においてあるいはこの予算において七十九億ふえておりますが、これはベースアップを除いたものとして考えるとどのくらいになるのですか、つまり、人間がふえたために人件費がふえるといったような。それがよくわからなければ、ベースアップの分がどのくらいあるか。
#37
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) ベースアップ分は七十九億円のうちの〇・五%を見込んでございます。それから増員分の人件費は八千七百五十八万六千円でございます。
#38
○松澤兼人君 そうすると、前年度予算からベースアップ分が〇・五、これはまたきちっと計算してありますね。そういう計算でこの数字が出てきたものだと思いますが、それは幾らになるのですか。
#39
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) いま〇・五%というのは私の間違いでございまして、五%でございます。ベースアップ分五%、それでちょっと金額は、この金額に〇・〇五をかけた金額になるわけでございますが、いま計算しておりません。
#40
○松澤兼人君 それではもう一つ、職業病といわれるものが裁判所におきましてはどういうような事情になっていますか。特に裁判所であるから多いとか少ないとかというようなことが実際にあるのですか。
#41
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 職業病の関係について申し上げますと、昭和四十三年から四十五年までの三年間におきまして、公務災害の認定申請が百五十二件出ておりまして、そのうち百四十五件が処理済みになっております。そのうち百三十二件が公務上の災害と認定されております。ただ、そのうちの九八%に当たりますところの百二十九件は交通事故あるいは転倒――ころんだというような突発事故に基づく負傷でございまして、職業病そのものは残りの〇・二%、三件ということに認定されております。その内訳は書痙病が一件と頸肩腕症候群二件、こういうことでございます。人事院規則では、職業病としては書痙だけを指定してございます。いずれにいたしましても、職員が職業病にかからないようにすることは、裁判所としては当然配慮しなければならないことでございまして、いろいろなこれに対する措置をいたしておるわけでございます。件数としては、人事院指定のものが書痙一件、指定外の職業病と考えられる、普通いわれておるものは頸肩腕症候群の二件ということになっております。
#42
○松澤兼人君 特に裁判所として、職員が職業病にかかっているその割合が多いということではないのですね。
#43
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 他庁との比較におきまして特に多いとは言えない数字でございます。
#44
○松澤兼人君 そこで、勤務状況についてなんですけれども、私の父親も裁判官をやっておりまして、うちへ調書を持ち帰って、判決文を徹夜で書いていたということをよく子供のころに見聞していたんですけれども、裁判所の判事あるいはまた職員というものは勤務時間のほかに居残りをしたり、またはうちへ持って帰って、いわゆる宅調ということをやったりするケースが非常に多いんじゃないかと思いますが、勤務時間それから超勤、宅調の関係などについて説明していただきたい。
#45
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 裁判官は特別職の公務員でございまして、一般の公務員のように法律上の勤務時間の制約というものはないわけでございます。事件数に比して裁判官の数が不十分であるために、政府におきましても臨時司法制度調査会というような機構を設けまして、この点の打開には非常に努力をなされたわけでございますけれども、まだその結論の実施につきまして、なかなか制約がございまして、その完全な実現を見ませんために、負担がかなり過重であるということが一般の御指摘されているところでございます。したがいまして、勤務時間外にも仕事を自宅に持ち帰ってこれを処理しているということはいずれの裁判官もやっておるところでございますが、一般に宅調といわれておりますのは、これはドイツのやり方を、司法制度を取り入れた際にまねたものと考えられるのでございますけれども、法廷のある日は役所で執務をいたしますが、法廷のない日は終日登庁しないで自宅で執務する体制をさすものと考えております。日本におきましても、これが全部の裁判所で行なわれていたというわけではございません。もちろん、宅調してはいけないということも戦前、戦後においてなかったわけでございまして、特に宅調が必要やむを得ざる措置として行なわれましたのは、東京、大阪、名古屋というような大都会の裁判所であったわけでございます。東京の例を――大阪も同じでございますが、一つの机を二人の裁判官が隔日に使い合うというような形で、これは登庁しても執務の場所がなかったというような状況がこの宅調を余儀なくしていたわけでございます。ただ、このような庁におきましては、庁舎も老朽化しておりますし、それから、執務環境が悪いためにどうしても落ちついて仕事ができないというようなことであったわけでございますけれども、そのような執務体制はきわめて前近代的なもので、これを解消しなければならないということが臨時司法制度調査会でも強く指摘されまして、その答申におきましても、裁判官室を十分に整備する、図書資料を充実したものにして研究施設の整備を早急に行なうようにという指摘がなされたわけでございます。で、この答申を受けまして、裁判所といたしましては、昭和四十年度の予算におきまして下級裁判所の裁判官研究庁費を要求いたしまして、十カ年計画でこの関係の整備にあたってきたわけでございます。主として図書と、それから庁舎の整備と、この二つの面になるわけでございますが、図書、書架、戸だな、机等を購入して裁判官室を完備する面の努力をいたしまして、第一次の五ヵ年計画におきまして高等裁判所、地方裁判所、家庭裁判所の本庁と高等裁判所の支部と地・家裁支部の甲号までをこのように整備計画を実行いたしまして完了いたしまして、昭和四十五年度から第二次の五ヵ年計画で乙号支部及び簡易裁判所に対する手当てをしているわけでございます。
 それから庁舎の関係につきましては、東京、大阪が物理的にも宅調を余儀なくされていたわけでございますけれども、ただいま大阪の高等裁判所、地方裁判所、簡易裁判所の庁舎が完成いたしまして、昭和四十八年度に完成の見込みでございます東京高等裁判所関係の庁舎はまだ未整備の状況でございますが、他の関連の建築が完成いたしますれば、このほうも早急に解決されることになると思います。ただ、東京におきましては逐次増築によりまして、ほんの一少部分を除きましては宅調をしなくともよろしいような態勢になっておるわけでございます。
#46
○松澤兼人君 関連しまして裁判所職員による宿日直の状態はどういうことになっていますか。三日に一ぺんあるいは四日に一ぺん宿日直をしなきゃならぬというような状態があるようですけれども、そういうことについて伺いたい。
#47
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 宿日直は大きな庁におきましてはこれは必要な措置と考えられますけれども、事件数の少ないところにおきましては、外形的には単なる庁舎の監視というような程度にとどまるのではないかというような見方もできる庁もございまして、宿日直は職員の少ないところでは批判の対象になっていることは御指摘のとおりでございます。冗談でございましょうけれども、いなかの庁におきまして、おとうさん、きょうはうちに泊るのかといって、宿直の連続を子供が皮肉に申しましたのか、あるいはほんとうに自宅に泊るのを不思議に思ったのかわかりませんが、そういう冗談もあるほどでございまして、この宿日直は近代的な執務体制に切りかえなければならないということは裁判所といたしましても検討を開始いたしたところでございます。で、裁判所におきましてはただ一般的な庁舎設備、備品、書類等の保全、外部との連絡、庁舎の監視、こういう通常の宿直によりますところの処理のほかに、法律に定められましたところのいろいろな申し立て、上訴こういうものに申し立ての期限が定められておりまして、これはきわめて厳格に扱われておりますので、夜中の十二時までに持っていけば受け付けなければならない。それを徒過いたしますと上訴の権利が失なわれてしまうというような法律的な制裁がございましたために、こういう法律的な要求から宿直の制度を廃止できないでいる面がございます。上訴状、支払い命令、略式命令等の異議申し立て書の受理、それから逮捕状、勾留状、こういう人権に関係しますところの令状請求事件の受理、同行少年の受理、勾留質問の実施、勾留状の発付に伴う事務こういうものが宿直者によって処理されている事件でございます。
 しかし非常に事件の少ないところでも同様な形で宿直をしているということは近代的な生活に必ずしもふさわしい執務体制ではないと考えられております。ことに私ども独立簡裁と申しておりますが、地方裁判所、家庭裁判所で地方裁判所の支部もない、簡易裁判所のみが設置されている庁が二百六十一庁ございます。このようなところは概して事件数が少ないわけでございまして、そこに三名か四名の職員が交互に宿直をいたしましても、たいへんな回転回数でまいりますので、これは職員にとっても非常に日常生活に不便を感ずるところでございます。これに対する措置といたしまして、簡易裁判所の庶務課長の宿舎をその裁判所の構内もしくは近くにつくりまして、その住宅におきまして宿直事務を事実上処理するというような体制を打ち出しまして、すでに二百六十一庁のうち昭和四十五会計年度までに百八十二戸、約七割の庁におきましては宿舎の設置によってこのような宿日直制度の解消に充てているわけでございますが、なお今年昭和四十六年度におきましても二十二戸の建設が予定されているわけでございます。なお、この点につきましては、日直のほうも廃止できますように、ただいま内部的には検討を開始しておる状況でございます。
#48
○松澤兼人君 局長もいま御指摘になりましたように、三日に一ぺん、あるいは四日に一ぺんということで宿直が非常にひんぱんに回ってくるという不平、これはどうしても裁判所の固有の仕事のために夜までいなければならぬという事情はよくわかりますけれども、宿日直の制度というものはだんだん近代的な役所においてはなくなっていく傾向にあると思います。それらの点十分に御考慮を願い、今後特に職員に負担がかからないように考慮していただきたいと思います。
 そこで、たいへん時間もおそくなりましたので、これを最後に申し上げますけれども、いろいろ裁判所の職員の間から要求も出てきておりますし、われわれの耳にも入っておる点もあります。すべてがすべてそういう職員の要求をそのまま実現してくれということは申しません。また根本的に裁判所職員の勤務状況については日を改めてお聞きしなければならないと思いますけれども、そういう要求があるということを率直にお聞きになりまして、今後も職員の勤務状態あるいは労働状態、健康、それから先ほど話のありましたてん補の問題というようなことにひとつ根本的なメスを入れて、裁判所の近代的な事務管理、運営ということに努力をしていただきたいと思います。
 きょうお聞きいたしておりましたことは、ごく定員の問題、あるいは職員の問題の限定された部分だけでありまして、裁判所本来のいわゆる司法の独立とか、司法の公正とかという問題はきょうは触れなかったのですが、根本的にいえば、その問題を議論してから職員の勤務状況、あるいは定員、増員の問題を論議しなければならないわけですけれども、末梢的といったら語弊がありますけれども、当面の問題だけについてお尋ねし、かつ答弁を願ったわけでありまして、今後も裁判所側としては十分に私の意のあるところもおくみ取りいただきたいと思います。
#49
○最高裁判所長官代理者(長井澄君) 裁判所が特殊の使命を帯びておりますけれども、執務の体制においてなお前近代的であるという面も多分に存しておりまして、ただいま御指摘の点は非常に貴重な御示唆でございますので、帰りまして事務総長にも十分お伝えして、この検討と改善には万全の努力をいたしたいと存じております。
#50
○委員長(阿部憲一君) ほかに御発言もなければ本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#51
○委員長(阿部憲一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより討論に入ります。御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御発言もなければ討論はないものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#52
○委員長(阿部憲一君) 御異議ないと認めます。
 それではこれより採決に入ります。
 裁判所職員定員法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#53
○委員長(阿部憲一君) 全会一致と認めます。よって本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#54
○委員長(阿部憲一君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#55
○委員長(阿部憲一君) 次に、検察及び裁判の運営等に関する調査を議題といたします。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#56
○松澤兼人君 法務省に対して二、三質問いたしたいと思います。
 前回、亀田委員から大阪刑務所における大学入学試験の問題を盗まれたということについて質問があったわけでありますけれども、その後、刑務所の内部から被疑者が出ているという話も聞きますが、その後の状況についてまず御説明を願いたいと思います。
#57
○政府委員(羽山忠弘君) その後の状況につきまして御説明申し上げます。
 ただいま御指摘のとおり職員が二人逮捕になったわけでございます。逮捕されましたのは坂口登という看守部長と三反崎益三という看守でございまして、いずれも去る三月十一日に通常逮捕ということに相なっております。
 で、その逮捕状記載の被疑事実でございますが、坂口の分は、昭和四十三年の九月初めごろ、大阪市内におきまして、ただいま逮捕されております家弓光司から、受刑中の横光和孝と連絡をとって物の授受を仲介してほしいという請託を受けまして、その謝礼として現金三万円を受け取って収賄をしたという事実でございます。
 それから三反崎益三のほうは、被疑事実が二つありまして、いずれも昭和四十三年十月中旬、大阪市内などにおきまして、これはこのたびの事件の発覚の端緒となりました殺害されました姜旭生でございますが、姜旭生から大阪刑務所に受刑中の家弓光司と手紙の不正授受の仲介を請託されまして、その謝礼として一回は現金十万円、二回は三万円相当の飲食の供応、それから合計七千円相当のおもちゃ、ウイスキー、菓子等の物品を受け取りまして収賄をした、こういう事実でございます。
#58
○松澤兼人君 その話はもうだいぶ前の話ですが、その後一人逮捕されたというような話も新聞に載っておりますが、阪口、三反崎のほかに容疑者なり、あるいは逮捕者なりはないんですか。
#59
○政府委員(羽山忠弘君) 職員関係では、本日までのところ捜査の対象になっておるという報告を受けておるものはございません。
#60
○松澤兼人君 新聞によりますと、抱き込み費用として数百万円ばら巻いている、それから看守がまた一人逮捕されたということがありますけれども、これは名前は伏せてあるんですが、百万円渡したということ、これはまだ警察当局の取り調べ、あるいは逮捕というものはないんですか。
#61
○政府委員(羽山忠弘君) 新聞には載っておるようでございますが、まだ逮捕は、事実といたしましては逮捕されていないようでございます。
 それから取り調べを受けたかどうかも私のほうは、そういうことが起きましたら直ちに報告するようにと申しておりますが、報告がございませんし、これは逆にこちらのほうから電話で照会をいたしておりますが、まだそのような事実はないという回答に相なっております。
#62
○松澤兼人君 法務省が直接に調査されたということはあるんですか。
#63
○政府委員(羽山忠弘君) 事件が発覚いたしました直後に、私どものほうから課長以下数名を現地に派遣いたしまして独自の調査を行ないますとともに、現地の大阪矯正管区及び大阪刑務所当局を督励いたしまして調査を行ないました。しかしながら、その後御承知のように、事件が大阪地方検察庁による捜査の段階に移りましたので、単に独自の行政調査を行なうというにとどまりませんで、実質的に大阪地検の捜査に協力し、捜査の円滑かつ迅速な進行に資すると同時に当方の行政調査の完ぺきをも期するという目的をもちまして、去る三月の十日、前に派遣いたしましたのと交代する意味で私どものほうの局付の検事一人、ほかに二人、合計三人を大阪に出張させまして、大阪地検その他の調査当局と緊密な連絡をとりながら、目下調査を行なわせておる段階でございます。出張いたしました検事は随時中間的に調査結果を電話または電信で報告をいたしておりまして、私自身みずからそれを聞きまして、必要と認める指示をし、調査に遺漏のないことを期しておる次第でございます。ただ、まだ遺憾ながらやや捜査も難航しておるようでございまして、事案の全体が必ずしも明確になっていないように思うのでございます。
#64
○松澤兼人君 この事件が明るみに出てから刑務所もやむを得ず腰を上げて外部の捜査に協力するという形になったことはけっこうだと思います。昨年盗難事件がありましたのが一月十五日ということであります。姜旭生という人が死体で発見されたのはことしの一月。その間、外部から何者かが侵入してきたという事実がありながら、これを正規の検察あるいは警察等に連絡しないで伏せていたということをどうしてもこれは納得いかない。これはどういう事情によってそういうことになるか。刑務所の中の犯罪あるいは容疑というものはどこまでも刑務所の中で押えておくという何か伝統か習慣があるのですか。
#65
○政府委員(羽山忠弘君) 昨年の一月十五日に侵入がございまして、十六日にそれが発覚したわけでございます。発覚は、この前の亀田先生にも御説明申し上げたのでございますが、堺北警察署のほうから、刑務所の西側にはしごが立てかけてあるということで、だれか逃げたのではないかという意味をにおわせる通知をいただきまして、それから十六日の午前四時前から十時ごろまでにかけまして、いろいろ点検をいたしたわけでございます。そのときに内部に明らかに外へいの、すなわちへいの内側に何者かがずり落ちた、あるいはずり上がったというような足あとがございました。それから印刷工場の西側に茶色の手袋とそれからロープを発見いたしまして、明らかにこれは侵入をしたということでございまして、その状況はその当時、堺北警察署に参りまして保安課長が詳細に説明をしておるのでございます。ただ、先般もお答えを申し上げましたが、印刷工場の中に屋根から入って印刷物を盗まれたという点について、いささか調査が行き届きませんでその点を見逃がしたということはまことに申しわけないというふうに考えるのでございます。
#66
○松澤兼人君 まあ、そのときに問題用紙が盗まれたということ、これはなかなかわからないと思うのですけれども、しかし私たちしろうとから考えても、ガラスがこわれているとか、あるいは天井窓がどうかしているというようなことならば、そこが一番貴重なものを保管しておる倉庫なんですから、それは問題用紙が盗まれたのではないかということを気づくはずなんです。それは十万枚もあるという問題用紙ですから、一々数えることはできないことは当然ですけれども、その疑わしいという事実は確かにあったわけですが、それをそのときにはっきりしておけば、これは外部の警察の権限かもしれませんけれども、もう少し徹底的に刑務所側としても警察と連絡をとっていれば、ひょっとすると問題用紙が盗まれたのではないかということで捜査が始まり、そうすれば姜という人が殺されないでも済んだということになっていたかもしれない。どうもそれが私たちの普通人の常識からいってそういうふうにならなかったということはおかしい。そうして亀田君の質問でも明らかになりましたように、その後刑務所側から供応を受けたり、あるいは受刑者が出ていったらそのお礼に金品をもらったりするような、そういうくされ縁的な関係が出てきておる。やはり刑務所がけが人を出してはいけないということで極力伏せたという、そういうことを疑わせるのですけれども、これに対してどういうお考えですか。
#67
○政府委員(羽山忠弘君) 法務省といたしましては、何か事故が起こりましたときに絶対に隠蔽してはいけないと、絶対に隠そうなどということを考えてはいけないということを常日ごろ厳重に指導いたしておるつもりでございます。したがいまして、この点も十分に徹底しておると思うのでございますが、万一そういう点につきまして現場で多少誤解をしたような運用をいたしておりますれば、これはまことに遺憾なことでございまして、このたびの事件につきましても、その真相を究明する途上におきまして、それらの点についても抜本的に反省なり再検討を加えてまいりたいと思うのでございます。で、大阪の事件は、まあ私どものあとからの知恵と申しますか、まことにぐちのようなことでございますが、一つにはへいが、外へいがあるというようなことの安心感と、それから通常の場合、御承知だと思いますが、収容者は工場に参りますときは、舎房から工場に参りますときに全部被服を脱ぎまして、素っ裸になりまして身体検査を受けて作業衣に着かえまして工場に入る、そしてまた帰りますときは、工場の被服を全部脱ぎまして素っ裸になりまして身体検査を受けて、舎房衣に着かえて舎房に帰ると、こういうようなことで、通常のことでは印刷物を持ち出せないと、こういうような安心感と、それからやはり使っております受刑者に対する監督不行き届きと申しますか、というようなことが、もし抜き取られたというようなことがございますのならば、そこにあったのではないか。それともう一つ、これも今日非常に深刻に感じておる点でございますが、実は刑務所内におきまして有価証券のようなものを印刷しておる例はかなりあるのでございます。たとえばそれは電車の乗車券というようなものは刑務所で印刷をしておるのでありますが、こういうものがまだ、従来あまり盗難にあっておりません。これは乗車券というようなものは百枚や千枚持ち出しましてもあまりたいした金にはならないということが原因ではないかということが非常にはっきりいたしたのでございまして、このたびはまことに非常に高価に売れるんだということが、その点を印刷の仕事をお引き受けしながらそれに従事いたしまする職員が、そこにほんとうに深刻な認識に立たなかったと、これがまことに根本的な誤りではなかったかということを反省をいたしておるわけでございます。
#68
○松澤兼人君 まあどのように言われようとああいう失敗を、失態をしたということは、これはもう刑務所側としてもあるいは法務省側としても、国民に対して申しわけないことだと思います。すでに入学試験の問題集というものが名古屋あるいは京都で盗まれようとしたということもあるわけですから、どれだけそれが重要なものであるかということは認識してしかるべきだと思います。問題が起これば――たとえば金嬉老の事件であるとかあるいは松山刑務所の問題であるとか、そのときには矯正局長なりあるいはまた大臣なりがまことに申しわけないと、今後そういうことが起こらないようにということを言われるわけなんですけれども、しかし、何となく新聞などであるいは捜査当局から捜査の過程において、刑務所というものとそれから外部のそういう犯罪をたくらんでいる人との間に非常に幅の広いかつ厚いつき合いがあるということ、これはもう刑務所として厳に注意しなきゃいけない問題だと思います。魚心は水心というような関係で、刑務所側も何かほしいといったような気持ち、そして外にいる人は金品をやればすぐころっとこちらの味方になってくれるんだというくされ縁的な非常に近しい関係というものがあるからこそこういった予期しないような事件になるんじゃないかと思います。そこで大臣は、まあ新任早々で、まことにあなたに対してこういうことを厳重にしろとか何をしていたんだということを質問するのはお気の毒のことなんですけれども、就任早々こういう事件が起こった、その当局者に対する責任の追及とかあるいはこの事件に対する法務大臣の御意見あるいは今後の方針というものを伺ってみたいと思います。
#69
○国務大臣(植木庚子郎君) 今回の大阪刑務所におきましての不祥事件はまことに残念に思っておりますので、私としましても申しわけないことと考えております。御承知のようにかつて法務省に在官しておったことがございましたので、幾らかこういう刑務所等における看守諸君の平素の訓練とか指導とかいうものが非常に大事であることはよく承知をしておりましたが、また反面、その定員の不足等のために過重な勤務に服しなきゃならない状態にあるということも存じておりましたので、この点についてもまたいろいろと、法務省をやめましてからも国会において機会のあるたびごとにこうしたことについての改善の問題等について、党の法務部会等におきましていろいろ配慮をしておった次第でございます。それが今回こういう問題が着任早々起こりまして、しかもそれが最近の新しい問題じゃなくして三年も前からどうもそれが行なわれておったんじゃないかということが多分に濃厚になりつつあるやに思われるのでありまして、そうしますと、現在の私としまして非常に痛感しましたのは、なぜその間にその不正が行なわれていることの片りんでも発見する機会がなかったものなんだろうか、これが私に一番いまふしぎでならないのであります。幸い、省内におきましては、矯正局の当局でもすぐ人を派遣しまして実情を早く握りたい、早く調査をして、そうしてまた一面においては警察当局の第一線の捜査にも協力する必要があるのだというのですぐに人を派遣して、そうして協力もしみずからの調査も進めておるのでありますが、残念ながらまだどうやら私がもう少し知りたいと思うようなそういう点についてまだ一向真相が私のところまで届いておらないんでありまして、そのために私としては何となく早く知りたい、早く実情を知ってそうしてこれに対しての措置を十分にして、そうしておざなりのことばのようにお聞き取りになるかもしれませんが、将来こういうことが行なわれないようによほどの気をつけねばならないということをいま痛感しておりまして、心から謹慎の意を表しますとともにこれに対する対策を何とか、絶無ということはなかなかむつかしいことでしょうけれども、絶無を期して、なんか従来のやり方の上にいろいろ欠点があるんじゃあるまいかというふうに思っておるのであります。
 ただ、いろいろ頭で考えておりますのは、そうしますと範囲がなかなかたくさんございます。私もこういうことをやってあげなきゃならぬ、こういうことをすべきだ。こういうことについてはどうも一応の備えはしてある、訓練はしておるのかもしらぬが、その備えなり訓練の内容がどういうことをやっておられるんだろうかということを実はこまかいことを知りませんので、迷っておるのですが、ぜひ何らかの会合を部内において持ちまして、そしてわかった真相の上に立って将来に対する従来のやり方の不十分なところぜひ直していくように、あらゆる努力を試みたいなと思っておるのがただいまの私の心境でございます。何しろ真相がわからぬために隔靴掻痒の感で、――早く知りたい、早く何らかの措置を部内で、たとえば、私かつて大蔵省にいまして陸海軍の担当をしておったことがございますが、陸海軍で当時は何か事件がありますと特別な事件ならば必ず査問委員会というものを特別にこしらえて、そのつどいろいろと詳細な調査をやって将来二度の誤りを繰り返さないようなことを厳重にやっております。ああしたことを、われわれのほうでも試みる必要があるんじゃあるまいか。しかしわれわれのほうではもうすでにいろいろそういう備えの機構といいますか、会同といいますかというものを、必要に応じてやっているのだから、とりたてていまにわかにそんなことしなくても、従来やっているものを、それをここでもう一ぺん検討し直すという程度でいいのかしらんというようなことで、いま実はよくわからなくて困っているというのが、ありのまま申し上げればそういう状況にございます。
 まことに事件としては残念な事件であり、また申しわけない事件である。私として一番残念に思いますのは、いわゆる刑務所当局に対する世間の信用というものを害するのみならず、それがひいては法務省全体のやはり信用に関する問題でございますので、大事な役所でありますから、何とかひとつこれを一日も早く対策を立てて、そうして新しい試みがあれば、これもその中に加えて、そうして将来大阪事件を契機に、非常にそういう面が少なくなったというふうにしたいものだと念じておるような姿でございます。
#70
○松澤兼人君 まあ大臣の御心配も了とするわけですけれども、事件もまだ中途のことであり、今後の発展状況に即して、さらに矯正当局に対する今後の見通しをお尋ねしたい。あるいは捜査当局にも来てもらって、そちらの側からも事件の真相を明らかにしたいと思っている。また重ねて大臣に質問することがありますが、事件が全貌とまでいかなくても、今後刑務所の中に発展するようなことがありましたら、大臣の重大な決意をお伺いしたいと思います。
 きょうは私これでやめておきます。
#71
○委員長(阿部憲一君) 他に御発言もなければ、本件に対する質疑は本日はこの程度にとどめます。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時十四分散会
ソース: 国立国会図書館
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