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1970/02/16 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第4号
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1970/02/16 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第4号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第4号
昭和四十六年二月十六日(火曜日)
   午前十時三十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月十二日
    選任          嶋崎  均君
    辞任         補欠選任
     上田  稔君     小林 武治君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                熊谷太三郎君
                増田  盛君
                山本伊三郎君
                藤原 房雄君
    委 員
                嶋崎  均君
                初村滝一郎君
                安田 隆明君
                竹田 四郎君
                和田 静夫君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       警察庁長官    後藤田正晴君
       警察庁長官官房
       長        高田 朝彦君
       警察庁刑事局長  高松 敬治君
       警察庁刑事局保
       安部長      長谷川俊之君
       警察庁交通局長  片岡  誠君
       警察庁警備局長  山口 廣司君
       自治大臣官房長  岸   昌君
       消防庁長官    降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○消防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十六年度自治省の施策及び予算に関す
 る件)
 (昭和四十六年度警察庁の施策及び予算に関す
 る件)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 まず、委員の異動について御報告いたします。
 去る二月十二日上田稔君が委員を辞任され、その補欠として小林武治君が選任されました。
 また、同日の本会議におきまして、嶋崎均君が地方行政委員に選任されました。
#3
○嶋崎均君 嶋崎でございます。よろしくお願いいたします。
#4
○委員長(若林正武君) 消防法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨の説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
#5
○国務大臣(秋田大助君) ただいま議題となりました消防法の一部を改正する法律案について、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。
 最近における産業経済の発展及び科学技術の進歩に伴い、火災の原因及び態様は、ますます複雑多様化してまいっております。特に、近年の石油産業の目ざましい発達は、新たな危険物の出現等危険物の種類の多様化、危険物の貯蔵取り扱い量及び危険物施設数の増加、危険物移送の大量化等をもたらしております。また、最近において、旅館、病院、中高層建築物等の火災による人命事故が頻発していることも御承知のとおりであります。
 こうした事態に対処するため、今回消防法を改正し、危険物の保安の確保をはかるため、危険物の品名の整理及び指定数量の合理化、危険物取扱者制度の整備、タンク・ローリによる危険物の移送の監視等の措置を講ずるとともに、旅館、病院、中高層建築物等における防火管理の徹底をはかるため、防火管理者の選任命令等所要の措置を講じようとするものであります。
 次に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。
 第一は、危険物の保安を確保するため、次の三点について所要の措置を講じようとするものであります。
 第一点は、危険物の品名の整理及び指定数量の合理化についてであります。現在、危険物の範囲は、その大半が個別の物品名をあげることにより定められているため、新たに危険物として規制すべき物品が出現しても、そのつど法改正を行なわない限り危険物として取り扱うことができないという不都合な結果が生ずることとなっていますので、今回これを改め、危険物として規制すべき危険性のある物品を、その性状に応じて一定の基準により分類し、その基準に該当する物品は、個別に品名をあげることなく危険物の範囲に含まれることとなるよう措置することとしました。これにより、現在危険物とされていない固体のアルキルアルミニウム等も危険物として取り扱われることになります。また、危険物として規制されることとなる最低数量、いわゆる指定数量についても、それぞれ危険物の危険性に応じ、その合理化をはかることとしております。
 第二点は、危険物取扱者制度の整備についてであります。現在、危険物取扱主任者免状の交付を受けた者であっても、事業主によって危険物取扱主任者に選任されない限り、危険物の取り扱い作業ができないこととされていますが、このことは必ずしも合理的でないものと考えられますので、今回、免状の交付を受けた者はすべて危険物の取り扱い作業ができることとし、あわせて危険物取扱主任者の名称を危険物取扱者に改めることとしました。また、危険物取扱者制度には、現行の甲種及び乙種のほかに、たとえば灯油を販売する薪炭業者のように、特に限定された危険物のみを取り扱う者に対する簡易な資格として、新たに丙種の危険物取扱者制度を設けることとしております。
 第三点は、タンク・ローリによる危険物の移送の監視についてであります。最近におけるタンク・ローリの増加、交通事情のふくそう等にかんがみ、危険物の移送の保安を確保するため、タンク・ローリにより危険物を移送する場合には、危険物取扱者をこれに乗車させることとする等、タンク・ローリによる危険物の移送の保安体制を確立することとしております。
 第二は旅館、病院、中高層建築物等における防火管理の徹底についてであります。旅館、病院、中高層建築物等多数の者を収容する建築物においては、防火管理者を選任して防火管理上必要な業務を行なわせなければならないことになっています。しかしながら、現実には、防火管理者を選任していなかったため、火災予防上重大な支障が生じた事例の多いことにかんがみ、消防機関が防火管理者の選任を命ずることができることとする等、防火管理の一そうの徹底を期することとしております。
 第三は、救急業務を行なう市町村の指定方式の改善についてであります。現在、救急業務は、政令で定める基準に該当する市町村に実施義務が課されておりますが、この義務づけを個々の市町村を政令で指定することにより行なうこととし、市町村の救急需要の実態に即した義務づけが行なわれるよう、その合理化をはかろうとするものであります。
 以上が消防法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#6
○委員長(若林正武君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(若林正武君) 次に、銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。荒木国家公安委員長。
#8
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま議題となりました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明いたします。
 この法律案は、銃砲、模造拳銃及び模造刀剣類の有する社会的危険性にかんがみ、これらを使用する犯罪や事故を防止するため、その所持に関する規制を強化するとともに、産業用銃砲等の使用の実態にかんがみ、その所持に関する規制を合理化すること等をその内容としております。
 以下、その概要を御説明いたします。
 その一は、ライフル銃の有する社会的危険性にかんがみ、ライフル銃の所持の許可基準を厳格化し、公安委員会は、ライフル銃による獣類の捕獲を職業とする者、事業に対する被害を防止するためライフル銃による獣類の捕獲を必要とする者、継続して十年以上猟銃の所持の許可を受けている者またはライフル射撃競技の選手もしくは候補者として適当であるとして政令で定める者から推薦された者でなければ、ライフル銃の所持の許可をしてはならないものとすることであります。なお、現に所持の許可を受けてライフル銃を所持している者については、この基準に関する改正規定は適用しないこととしております。
 その二は、銃砲の盗難等を未然に防止するため、銃砲の所持の許可を受けた者または武器等製造法の猟銃等製造事業者もしくは猟銃等販売事業者は、その所持する銃砲を堅固な保管設備に施錠して保管しなければならず、当該保管設備には、保管にかかる銃砲に適合する実包、空包または金属性弾丸を当該銃砲とともに保管してはならないものとすることであります。なお、公安委員会は、銃砲の所持の許可を受けている者に対し、その所持する銃砲の保管状況について必要な報告を求めることができるものとしております。
 その三は、模造拳銃及び模造刀剣類の社会的危険性にかんがみ、何人も、輸出のための模造拳銃の製造もしくは輸出を業とする者またはその使用人が業務上所持する場合を除いては、模造拳銃を所持してはならないものとし、業務その他正当な理由による場合を除いては、模造刀剣類を携帯してはならないものとすることであります。
 その四は、亡失または盗難にかかる銃砲刀剣類が犯罪に使用されることを防止するため、許可または登録にかかる銃砲刀剣類を亡失し、または盗み取られた者は、直ちに警察官に届け出なければならないものとすることであります。
 その五は、許可にかかる猟銃または空気銃を特定させるため、公安委員会は、許可を受けた者に対し、当該猟銃または空気銃に番号または記号の打刻を命ずることができるものとすることであります。
 その六は、産業用銃砲等の使用の実態にかんがみ、当該銃砲については、その所持の許可を受けた者の監督の下に、当該業務に従事する者もこれを所持することができるものとすることであります。
 その七は、空気拳銃射撃競技が国際的規模で開催されている実情にかんがみ、空気拳銃を厳格な要件の下に所持の許可の対象とすることであります。
 その他所要の罰則を設けることとするほか、関係規定の整備をいたしております。
 なお、模造拳銃の所持の禁止及び銃砲の保管設備への保管に関する改正規定は、公布の日から起算して六月を、その他の改正規定は、公布の日から起算して一月を経過した日から施行することといたしております。
 以上がこの法律案の提案理由及びその内容の概要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御賛同を賜わらんことをお願いいたします。
#9
○委員長(若林正武君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
    ―――――――――――――
#10
○委員長(若林正武君) 昭和四十六年度自治省及び警察庁の施策及び予算に関する件を議題といたします。
 去る五日、自治大臣及び国家公安委員長から所信を聴取しておりますので、これより予算の概要説明を聴取いたします。自治省岸官房長。
#11
○政府委員(岸昌君) お手元に御配付してあります昭和四十六年度予算の概要によりまして、自治省所管の予算案の概要を御説明申し上げます。
 最初に一般会計でございますが、昭和四十六年度の自治省所管一般会計歳出予算計上予定額は、二兆九百六十一億七千七百六十二万八千円でございまして、前年度予算額一兆六千八百七十二億八千七百十九万五千円に比べまして、四千八十八億九千四十三万三千円の増加と相なっております。自治省所管の予算額の全体、自治本省及び消防庁の予算額は、以下の表に示すとおりでございまして、増加額及びその比率はそこに示すとおりでございます。主要予算の予算計上予定額は、二ページ及び三ページの表に掲げるとおりでございまして、このほかに、産業投資特別会計に、公営企業金融公庫に対しまして出資金といたしまして二億円が計上されることに相なっております。四ページにまいりまして、以下、主要事項の概要を御説明申し上げたいと存じます。
 第一に、公害防止対策の推進に必要な経費三千二百五十三万円でございます。これは、公害防止総合施設の監視測定機器等の設備の整備に要する経費につきまして、都道府県に対し補助する等公害防止対策を推進いたすために必要な経費でございまして、まず三千万円は公害防止総合施設設備整備費補助金でございます。一カ所一千万円、そういたしまして三カ所分を計上いたしております。
 次に、過疎地域振興対策に必要な経費二億四百三万七千円でございますが、これは過疎地域における集落整備事業に要する経費につきまして、市町村に対し補助する等過疎地域の振興対策を推進するために必要な経費でございますが、このほかに、昭和四十六年度地方債計画において、辺地及び過疎対策事業債のうち、過疎対策事業分といたしまして二百四十億円を予定いたしております。過疎地域の集落整備事業費の補助金は一カ所六千万円の事業費を予定いたしておりまして、それを二カ年で行ないますものの三分の一を補助することといたしました。その初年度分といたしまして二十カ所を計上いたしております、それが二億円でございます。これは新規でございます。
 三番目は、広域市町村圏の振興整備の促進に必要な経費といたしまして十四億二千五百八十八万円を計上いたしております。これは継続して行なわれておるものでございますが、まず広域市町村圏の振興整備費補助金のうち、広域市町村圏の振興整備計画策定費補助金は一億四千二百五十万円で、これは一カ所百五十万円の九十五カ所分でございます。すなわち四十六年度におきましては、新たに九十五広域市町村圏を指定いたしまして、その計画を策定させようとするものでございます。次の広域市町村圏振興整備事業費補助金は、整備計画の策定の終わりました百二十八の広域市町村圏に対して一千万円ずつを補助するものでございまして、十二億八千万円でございます。
 四番目は、選挙に関する常時啓発に必要な経費でございまして、選挙常時啓発補助金といたしまして三億七千八百九十一万九千円、選挙常時啓発委託費といたしまして一億九千九百二十九万五千円を計上いたしております。
 五番目は、公立僻地病院等医師養成施設の設置に必要な経費二億円でございます。これは公立僻地病院等に勤務いたします医師の養成施設といたしまして、学校法人による医科大学を設置いたしまして、都道府県が共同で設置するわけでございますが、その設置に要します経費の一部を補助するために必要な経費でございます。十億円を三カ年で補助する予定でございます。
 次に、六番目の奄美群島振興事業に必要な経費は、これも継続でございますが、まず、奄美群島振興事業費補助金といたしまして二十三億五千四百六十六万二千円、奄美群島振興指導費等補助金といたしまして一億五千五百十四万九千円、奄美群島振興信用基金への出資金といたしまして二千万円を計上いたしております。
 次は、小笠原諸島復興事業に必要な経費でございますが、小笠原諸島復興事業費補助金といたしまして十一億八千九百七十六万七千円、小笠原諸島振興費補助金といたしまして一億一千二百六十四万九千円を計上いたしております。
 八番目は、参議院議員通常選挙に必要な経費でございまして、本年度に執行を予定されております参議院議員通常選挙の執行及び通常選挙の開票速報の実施に必要な経費並びに通常選挙が明るく正しく行なわれまするよう選挙人に対する臨時啓発を推進するために必要な経費でございます。参議院議員通常選挙費が七十一億六千百十九万八千円、この内訳は以下に掲げるとおりでございます。次に、参議院議員通常選挙啓発推進費、これが四億八千万円、その内訳も以下に掲げるとおりでございます。
 九番目は、地方交付税交付金財源の繰り入れに必要な経費でございまして、二兆五百四十四億二千三百三十八万一千円と相なっております。その内訳は、昭和四十六年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込み額のそれぞれ百分の三十二に相当いたします金額の合算額といたしまして二兆三百六十億五千二十四万円、昭和四十四年度の地方交付税に相当する金額のうち未繰り入れ額、いわゆる精算分でございますが、といたしまして百七十三億七千三百十四万一千円、特例措置による昭和四十六年度の加算額といたしまして十億円という内訳に相なっております。
 十番目は、交通安全対策特別交付金に必要な経費、いわゆる反則金でございますが、百三十七億九百二十二万九千円を予定いたしております。
 十一番目の小災害地方債の元利補給に必要な経費七億六千三百二十三万円、十二番目の新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費二十億七千五百六十七万二千円、十三番目の地方公営企業再建債の利子補給に必要な経費九億一千八百九十二万六千円は、それぞれ法律に基づきまして補給することになっております補給金の金額でございます。
 十四番目の公営企業金融公庫の補給金に必要な経費は、従来水道事業、下水道事業、工業用水道事業に貸し付け利率の引き上げのため補給金を交付いたしておりましたが、四十六年度におきましては、新たに、地下高速鉄道事業を除く交通事業に対しましても同様の補給金を交付することといたしておりまして、合計いたしまして三億五千百万円でございます。
 十五番目の公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費は、昭和四十三年度末における政府資金引き受け公営地下鉄事業債の支払い利子に相当するものといたしまして発行を認めます企業債の利子相当額につきまして、当該地方公共団体に対し助成金を交付するために必要な経費でございまして、七億九千五万二千円でございます。
 十六番目は、児童生徒急増市町村公立文教施設整備事業助成に必要な経費でございまして、児童生徒急増市町村におきまして、昭和四十年度から昭和四十五年度までにおける公立の小学校及び中学校の校地の取得費に充当いたしました地方債の利子の一部――六分五厘をこえるものでございますが、六分五厘をこえ八分に達するまでの金額につきまして、当該市町村に対し助成金を交付するために必要な経費でございます。十億円を予定いたしております。これは新規でございます。
 十七番目の国有提供施設等所在市町村助成交付金、いわゆる基地交付金と呼ばれているものでございますが、三十五億五千万円。
 十八番目は、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費、いわゆる調整交付金と呼ばれているものでございますが、四億円を引き続き計上いたしております。
 その他の経費といたしまして、自治本省、自治大学校及び小笠原総合事務所における特別職及び一般職の職員の給与関係経費その他の一般行政経費等といたしまして十二億一千八百十七万円を計上いたしております。
 一二ページにまいりまして、消防庁関係でございますが、まず、消防施設整備費補助に必要な経費十八億二千九百五十三万七千円でございます。これは市町村の消防力の充実強化をはかりますため、消防ポンプ自動車、小型動力ポンプ、消防無線、防火水槽、林野火災用消防無線等の普通消防施設の整備に必要な経費につきまして、市町村に対し補助するために必要な経費でございます。
 次の科学消防施設整備費補助に必要な経費五億四千七百三十二万三千円、これは危険物施設の激増、中高層建築物の増加等に伴います特殊災害等に対処いたしますため、化学車、はしご車、消防艇、救助工作車、ヘリコプター、林野火災用工作車等の科学消防施設の整備に必要な経費につきまして、市町村に対し補助するために必要な経費でございます。
 三番目の救急業務施設整備費補助に必要な経費二千百三十四万円は、交通事故等の増加によります救急需要に対処いたしますため、救急指令装置の整備に要する経費につきまして、市町村に対し補助するために必要な経費でございます。
 四番目の防災資機材施設整備費補助に必要な経費一千万円でございますが、これは石油コンビナート地帯における災害に対処いたしますため、防災資機材施設の整備に要する経費につきまして、都道府県に対し、補助するために必要な経費でございます。新規でございます。一カ所五百万円の二カ所分を予定いたしております。
 五番目の消防吏員待機宿舎施設整備費補助に必要な経費五千万円。消防吏員の緊急出動体制を整えますため、消防吏員待機宿舎施設の整備に要する経費につきまして、市に対し補助するために必要な経費でございます。
 六番目は、前年限りの経費でございます。ゼロでございます。
 その他の経費といたしまして、消防本庁、消防研究所及び消防大学校における一般職の職員の給与関係経費その他の一般行政経費といたしまして六億三百八十九万六千円を計上いたしております。
 一五ページにまいりまして、特別会計でございますが、先ほど御説明申し上げました交付税及び譲与税配付金特別会計の歳入歳出の内訳でございます。一六ページ及び一七ページをごらんいただきますと、まず、歳入といたしましては、一般会計よりの受け入れ、地方道路税、石油ガス税、自動車重量税、特別とん税、前年度剰余金受け入れ、雑収入、並びに借り入れ金の科目につきまして、合計二兆一千八百九十八億九千五百二十九万三千円を計上いたしております。
 歳出といたしましては、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金、諸支出金、国債整理基金特別会計へ繰り入れ並びに予備費といたしまして、同額を計上いたしております。
 以上でございます。どうぞよろしくお願いいたします。
#12
○委員長(若林正武君) 警察庁富田官房長。
#13
○政府委員(高田朝彦君) 本国会に提案をいたしまして御審議をお願いいたします昭和四十六年度の警察庁関係予算について御説明を申し上げます。
 昭和四十六年度の警察庁予算として計上いたしました額は、お手元の資料にございますように、総額で五百億一千二百十四万三千円がありまして、昭和四十五年度の予算額四百四十四億四千九百四十二万七千円に比較いたしまして五十五億六千二百七十一万六千円の増額になっております。
 その主要な事項別の比較増減につきましては、二ページから三ページ目に記載してございますとおりでございます。この伸び率は一二・五%と相なっております。
 次に、その内容のおもなものにつきまして資料の概要説明の順に御説明をいたしたいと存じます。
 四ページでございますが、第一は、警察庁一般行政に必要な経費百五十億五千四十七万一千円でございますが、これは、警察庁、警察大学校及び地方機関の職員並びに都道府県警察の警視正以上の警察官の職員俸給等人件費百三十六億十九万二千円、運転者管理センターその他のために設置してございます電子計算組織の運用に必要な電子計算機の借料とそれに付随をいたしまする消耗品の購入費等で、五億七千十八万六千円のほか、警察庁、警察大学校及び地方機関の一般事務費等でございます。
 第二は、同じく四ページでございますが、警察機動力の整備に必要な経費六十九億二十九万九千円でございます。この経費は、警察用車両の購入、警察装備品の整備、警察用舟艇の建造及び警察通信施設の整備並びにその維持管理に必要な経費でありまして、捜査用車、パトカー、交通パトカー、白バイ、移動検問車、移動交番車等合計二千七百二十三台を購入整備するために必要な経費十七億七千百二十三万四千円と、ヘリコプターの購入費二億五千四百九十六万四千円のほか、警察用舟艇の建造費等があります。
 また、通信関係では、基幹通信系の質的な改善をはかりますために、東京――大阪間の無線多重回線の改修に必要な経費といたしまして四億五千四百十四万五千円、マイクロ回線によります警察電話の自動即時化の一環といたしまして、福岡県警察本部から小倉間にマイクロ回線を新設するために必要な経費七千五百五十七万一千円、都市圏における有機的、総合的な警察通信網の確保をはかるための超短波無線電話、携帯無線機、受令機及び緊急配備用通信施設の増強整備をするために必要な経費としまして十二億七千四百四万六千円を計上いたしましたほか、通信量の増大に伴います交換装置の整備その他に必要な経費といたしまして四億三千九百六十万五千円と、通信施設の維持管理に必要な経費二十億四百十七万四千円を計上いたしております。
 六ページにまいりまして、第三は、警察教養に必要な経費といたしまして七億二千四百二十七万四千円でございます。この経費は、警察学校入校生の旅費五億五千五十八万二千円と、警察学校におきまする教養のための講師謝金、教材の整備費等でございます。
 第四は、刑事警察に必要な経費四億三千四百九十九万二千円でございます。この経費は、暴力団犯罪及び一般の刑法犯の捜査、取り締まり並びに犯罪鑑識に必要な指紋原紙、写真機、法医理化学器材等の整備費、消耗品費、死体の検案解剖の経費のほか、犯罪統計の事務等に必要な経費であります。
 第五は、保安警察に必要な経費といたしまして千四百二十三万五千円でございます。この経費は、青少年の非行化防止、売春取り締まり、風俗の取り締まり、麻薬、密貿易、拳銃等に関する犯罪の捜査、取り締まり等に必要な資料の印刷費、翻訳料等と公害事犯取り締まりに必要な鑑定謝金及び広域緊急配備指令の指導旅費などでございます。
 第六は、交通警察に必要な経費五千四十一万九千円であります。この経費は、交通安全に関する広報、交通事故白書、交通巡視員関係教材等の印刷費でありますとか、交通取り締まり等の指導のために必要な旅費、物件費などでございます。
 七ページにまいりまして、第七は、警備警察に必要な経費二億五千百三万円であります。この経費は、警備警察運営に関する会議、指導連絡等の旅費及び備品類の整備と消耗品等物件費並びに密航監視哨員の手当等でございます。
 第八は、警察活動に必要な経費六十九億九千八百四十八万七千円でございます。この経費の内容は、警察活動に必要な旅費及び捜査費であります。
 第九は、警察電話専用回線の維持に必要な経費といたしまして十七億四千五百二十万三千円でございまして、警察電話専用回線を維持いたしますために、日本電信電話公社に支払ういわゆる警察電話専用料金でございます。
 八ページにまいりまして、第十は、参議院議員通常選挙及び統一地方選挙取り締まりに必要な経費といたしまして七千七百二十九万六千円でございます。この経費は参議院議員通常選挙及び統一地方選挙の違反取り締まりに必要な活動経費その他でございます。
 第十一は、科学警察研究所に必要な経費三億三千三百九十一万六千円でございます。この経費は、警察庁の付属機関として設置されております科学警察研究所の職員の俸給等人件費といたしまして一億八千八百四万四千円と、鑑定、検査、研究に必要な機械器具類の購入費、維持費その他一般事務経費であります。
 第十二は、皇宮警察本部に必要な経費といたしまして十四億三千七百五十八万八千円でありまして、この経費は、皇宮護衛官その他皇宮警察職員の俸給等人件費といたしまして十三億二千七百三十四万五千円のほか、行幸啓等の警衛等に要する旅費その他一般事務経費でございます。
 九ページにまいりまして、第十三は、警察施設の整備に必要な経費といたしまして二十三億四千七百七十四万一千円でございます。これは直接国庫で支弁する対象になっております施設の整備に必要な経費でございまして、具体的には、警察学校及びその射撃場その他の施設の設備費でありますが、電子計算機収容施設の整備につきまして十一億三千七十一万円を限度額といたします国庫債務負担行為を計上いたしております。
 一〇ページにまいりまして、最後の第十四でございますが、都道府県警察費補助に必要な経費といたしまして百三十六億四千六百十九万二千円であります。この経費は、一般の犯罪捜査、交通指導取り締まり、外勤警察活動、雑踏警備、防犯活動等、都道府県警察の一般行政に必要な経費と、警察署、派出所、駐在所及び待機宿舎等の施設の整備に必要な経費に対する補助金でございまして、そのおもなものは、次のとおりであります。
 まず、都道府県警察一般行政費補助金百十二億四千六百七十一万五千円でありますが、これは、警察用の車両、舟艇の燃料費、修繕費等の維持費十八億六千九百十一万円、捜査及び鑑識用の器材等の購入費、維持費、留置場関係の経費、派出所、駐在所の事務経費、公害事犯取り締まり等防犯関係の経費、捜査関係書類の印刷費等といたしまして四億七百十五万二千円、交通取り締まり用諸器材、事故処理用の諸器材の整備費等といたしまして一億六千五百四十九万九千円、信号機等交通安全施設の整備費といたしまして三十億円、超過勤務手当といたしまして二十三億三千百六十八万四千円、警察署、派出所、駐在所の電話専用料金といたしまして十億九千二百十一万五千円、活動経費といたしまして二十億六千六百十一万二千円、統一地方選挙違反取り締まり費といたしまして五千九万九千円、諸謝金、職員旅費、参考人旅費等二億六千四百九十四万四千円を計上しておる次第でございます。以上が、都道府県警察の一般行政に要する経費に対する補助金であります。
 次に、都道府県警察の施設整備に要する経費に対する補助金二十三億九千九百四十七万七千円でありますが、その内訳は、県本部、警察署、派出所及び駐在所の施設整備に必要な経費に対する補助金十五億一千七十五万七千円、待機宿舎の建設費に対する補助金八億八千八百七十二万円でございます。
 以上、昭和四十六年度の警察庁予算に計上いたしました内容につきまして、その概要を御説明申し上げました。よろしく御審議をお願いいたしたいと思います。
#14
○委員長(若林正武君) 以上で説明聴取を終わりました。
 これより質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#15
○和田静夫君 国家公安委員長の所信表明について、二、三伺いたいと思います。
 国家公安委員長の所信表明によりますと、「今日、警察が直面しております最大の課題は、都市化の進展に伴う社会情勢の急激な変化にいかに対処して行くかということであります。」、こうなっているわけです。交通問題をはじめ、この都市化ということに対する警察としての対処のしかたということが軸になっているように思われます。このことに異論を差しはさむ余地はもちろんないのでありますが、一体、国家公安委員長はこの都市化という現象をどういうふうに理解をしておられるのか。私があなたの所信表明をお聞きをした限りでは、それはせいぜい一ページの一番最後の行にある「都市部を中心に慢性化した交通渋滞や、交通公害の増加」、こういう程度の意識以上には理解されていないように思われるのであります。しかし、それは単に交通渋滞といった形で、最も目に入りやすい都市化の一つのあらわれ方を述べられた、それにすぎないと思うんです。悪く言ってしまえば、それはせいぜい小学生の教科書で農村というものに比較をして説明する、そういう都市化の内容でしかない。しかるに都市化というのは、私は人間生活そのものの体系といいますか、あるいは生活そのものの様式といいますか、そういうものが大きく変化してきているところ、そういうことなのだと思うのです。そこから生ずる問題は、ここで述べられているように単に交通問題を解決したところでなくなるというような筋合いのものでは私はないと思います。公安委員長が、警察が直面している最大の課題が都市化の進展に伴う社会情勢の急激な変化にいかに対処するかということである、こう言われるのならば、あなたは交通問題と同時に、都市化の急激な進展に伴う犯罪の質の変化とでもいいますか、そういう問題をどのように一体とらえていらっしゃるのかを明確にすべきではないでしょうか。都市化ということと結びつけて、犯罪の質がどのように変化してきているかということについて、公安委員長はどのように御認識になっているのか、まずそのことをお聞かせいただきたいと思います。
#16
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ちょっと具体的に申し上げなければいけないかと思いますが、警察庁長官から答えてもらいます。
#17
○政府委員(後藤田正晴君) 御承知のように、都市化に伴う社会情勢の変化ということは単に交通だけの問題ではございません。私どもは、この都市化の急激な変化に伴って国民の生活態様、同時にまた国民の意識の変化、こういうことからくる私どもの課題である治安の問題がどのように変わりつつあるか、これをとらえて、それに対する対策を講じていかなければならぬというふうに考えております。つまり、生活の変化と意識の変革に伴って、交通の問題は目に見えてはっきりいたしておりますが、同時に犯罪について見ますというと、一つは非常に広域化しつつある、同時に犯罪そのものがスピードアップをする、で、さらに私どもが体験をしてないような特異な犯罪が突発してくるという情勢、さらにはまた都市特有の匿名性ということからくる、いわば無責任なものの考え方、同時に社会連帯意識、隣にだれが住んでいるかわからない、こういった連帯感の欠除からくる私どもの犯罪捜査の困難性、こういったいろいろな困難、複雑な問題が私どもに降りかかってまいっているわけでございます。
 そこで、一つは交通対策をどんどんやるということ、いま一つは、犯罪捜査の面について今日の壁を何とかして打破したい。十年前には犯罪の解決率は六七%程度あったわけでございます。ところが、われわれの努力にかかわらず逐年解決率が低下をいたしております。今日五三%になっている。これを諸外国と比べてみますというと、欧米各国では大体二〇ないし三〇%の解決率、つまり、それらと比べれば今日まだ日本の警察の犯罪解決率はいいと言えますけれども、しかし逐年これが低下をしつつある。そこで、こういった犯罪解決率低下の現状をそのまま放置いたしておきますというと、今度は国民の中で自力救済の考え方が出てこざるを得ない。この自力救済は、やり方によってはこれがまた同時に治安問題になってくる、こういうようなことに相なっておりまするので、私どもとしては、何としてもこの際やりたいことは、刑事警察、保安警察、こういった面についての総合対策を推進をいたしたい、こういうような考え方で、刑事警察の刷新強化に今日取りかかっておるような次第でございます。
 さらにまた、最近の市民意識といいますか、そういったものの変化、こういった過程で、御承知のように若い学生青年諸君のものの考え方が変わってまいっております。そのことは若者の一つの特権といいますか、特徴といいますか、自分の一身をささげて悔いない対象を求めて行動する、これは若者の特徴であろうと思います。ところが今日の社会情勢の変化の結果、価値感が非常に分裂をいたしております。そのことは、いわば自分の一身をささげて悔いない対象が明確になっていない、こういうことになろうかと思います。その結果、社会との断絶、孤立感を感じてくる。その場合に、いい方向に向かえばいいですけれども、とかくそういった場合にネガティブな対象を求める。ネガティブな行動をすることによって自分自身の存在価値を認め、社会との断絶というか、社会から認められるんだといったような傾向が生まれてきているように思います。そのことが、一つはヒッピー的な現象になり、他の一つは街頭等において無責任な破壊行動に出る、こういうことにも相なっておろうかと思います。こういった若者たちのとかく犯しやすい犯罪に対して、私どもが彼ら学生・青年の心情を理解しながらも、これに対して法秩序を守るためにどのように私どもが手を打っていけばいいのか、こういうような問題にもぶつかっておるわけでございます。こういったいろいろな観点から、私どもは今日の都市化現象に伴う社会情勢の変化に警察としての責務をどのように果たしていくかということを幅広く取り上げて対策を講じてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
#18
○和田静夫君 都市化の進展に伴ういわゆる急激な変化に対処するという軸が、この二つの軸になっておるわけであります。これと切り離して、冒頭に極左暴力集団を所信表明で述べられているわけです。いまの答弁でもそのことを感ずるのですが、この極左暴力集団とは、まず具体的にどのようなものをさしていますか。
#19
○政府委員(山口廣司君) 極左暴力集団と申しますのは、これはいろいろ明確に定義することはむずかしいかと思いますが、私どもが通常申しておりますのは、日本共産党に対しましてもっと過激な手段方法でもって共産主義革命、社会主義革命をやろうというそういう集団でございまして、一応具体的に申しますと、たとえば中核派とか、あるいは反帝学評派とか、第四インターとか、いろいろございますが、そういうものがいま全共闘というものをつくっておりますけれども、それと別に核マル派というようなものもございまして、現在、まあ勘定のしかたではどのくらいになるか、明確にはちょっとわかりませんけれども、大体五流十三派とか十四派とかいろいろ申しておりますけれども、要するに非常に過激な手段でもって自分たちの主張を貫いていこうという集団というふうに私どもは考えております。
#20
○和田静夫君 警察公論二月号の警察業務の回顧と展望の七七ページ、「日本共産党関係」の前ですね、「なお、べ平連などの市民集団は、直接民主主義の指導理念に基づいて、「反戦平和」を中心に物価、公害などの社会問題をとらえ、柔軟な戦術で「反政府的な市民運動」を繰り広げるものとみられる。」、こうなっている。これも七一ページの「第二 治安情勢」「一 極左暴力集団関係」ですか。
#21
○政府委員(山口廣司君) このべ平連を極左暴力集団に入れていいかどうかということもたいへん微妙な問題ですけれども、現実に七〇年安保を目ざしていろいろな集団が街頭行動をやっていたわけでございますが、べ平連もある場合には交番などに投石したり、火炎びんを投げたりしたことがございますので、場合によっては過激派集団の中に入るということもあり得ると思います。
#22
○和田静夫君 所信表明の中で、「最近におけるその動向等からみまして、状況によっては再び過激な暴力行動に出るおそれも多分にあり、」とありますが、この最近における動向というのは、どういう動きですか。
#23
○政府委員(山口廣司君) この過激派集団というものが、この七〇年安保の直後におきまして私ども非常に著しい特徴だと思いますのは、六〇年安保の際には、挫折感といいますか、ちょっと体制が弱まったわけでございますけれども、今日、この過激暴力集団は一向にその挫折感というものを感じていない。七二年沖繩闘争を目ざして、今日体制を立て直しながら、たいへん努力をしている。現実には、彼らの当面の闘争目標というのはおおむね四つございまして、一つは入管体制粉砕闘争、彼らとしては、出入国管理法案というものが上程されれば、たいへん出入国というものにきびしい条件が付せられる。それからまた、外国から来る人たちが国内においていろいろ行動、活動するのに不便であるということから、この出入国管理体制というものを粉砕しなければならないというようなことが一つでございます。さらに公害闘争、これは彼らとしましては、七〇年代をリードするためには、公害問題について明確な闘争方針を打ち出してやらなければいけないというので、それぞれこの派閥によって活動の態様、それから重点の置き方は違いますけれども、たとえば中核でいいますと、全国十カ所に彼らの重点を指向いたしまして、公害闘争をこれからやっていこうということでございます。それから学園闘争といいますか、その重点は、学費の値上げ反対闘争でございまして、幸いにして、幸いにしてといいますか、今日、国立大学の学費値上げは一応延期されております。それからまた、いままで紛争のございました大きな私立大学でも値上げを延期しているようなことでございますので、ちょっと目下のところはその運動は低調でございますけれども、これも一つでございます。それからいま一つは、米軍基地、あるいは自衛隊の基地を撤去する闘争ということで、いろいろ彼らはこれに対して相当暴力的な手段をもってこの撤去闘争を現在続けておるということでございます。おおむねこの四つが現在の彼らの重点的な闘争目標でございます。
#24
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#25
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#26
○和田静夫君 そうしたら、いわゆる極左暴力集団の行動と都市化ということですね、これは全く関係がないというふうに判断をされているから、こういう字句になった、こういう立て方の字句ですね、所信表明の。大臣、そういうことですか。
#27
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 警察庁長官からお答え申し上げます。
#28
○政府委員(後藤田正晴君) いま警備局長がお答えしました四つの闘争目標、これは闘争目標そのものは私ども一向異論がございません。これが建設的な運動であり、建設的な戦いであるならば、当然の私は国民としてやっていい問題だと考えております。問題は、彼ら過激派集団は、それらを闘争目標として、破壊的、暴力的な活動を随所に展開していこうという、ここが私どもの問題でございます。そこで、なぜ一体そういった過激派の集団の連中がそういう行動に出るのであろうかということを考えました場合に、私は先ほど言った社会構造の急激な変化に基づく若者たちの意識の変化、ここらに根があるのではないかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#29
○和田静夫君 ちょっと答弁から。僕は何も極左暴力集団を擁護しようなんというつもりは一つもありませんがですね、その都市化という問題を、冒頭に申しましたように、どうも交通渋滞や交通公害などに限定をされて考えていらっしゃるところがあるのではないかということがたいへん心配になるので聞いているのです。次の一問で、大臣、内閣委員会に行ってもらってけっこうですけれども、たとえば一九六八年の四月にパリのソルボンヌ大学で、御存じの学生騒動が現代のパリ・コンミューンにまで発展しかかったという事実があります。あのことをいま振り返って考えながら、所信表明を実は読んでみたんです。パリ大学の学生の不満というのは、必ずしも初め日本の大学におけるようなものでなかったことは御存じのとおりです。大学の寮内における男女の交際の自由化、そういうまあ課題だったわけです。それが一たび街頭に運動が伝わったときに、たちまちパリ市民の支持を受けた。市民自体も紛争に参加をするようになった。したがってあの状態になった。で、パリでは大学紛争が市民の不平不満の起爆剤的な役割りを果たしたと言えると思うんです。東京で同じようなことが絶対に起こらないという保証がありましょうか。戦後数回にわたって、旧山谷のドヤ街といわれるところで暴動が起こった。都市社会における、特にその底辺における市民の不満と、いわゆる極左暴力とが結合しないという保証は私は今日どこにもないと思います。その辺を実はただしたかったわけです。これは国家公安委員長が、都市化現象とともに惹起されつつある犯罪の質の変化をいま長官が言われたような意味でもし把握できずに、あるいはいま私が指摘をしたような意味のところまで突っ込んで把握できずに終始し、対処をしている限り、何一つ私は解決ができずに終わるであろう、そういうことを実は申し上げたいんですが、委員長、いかがでございますか。
#30
○政府委員(後藤田正晴君) 私は先ほど来お答えいたしておりますように、都市化現象、その根っこは、さらに技術の高度の革新、またそれに伴う高度成長、これが非常に急激である。そういったことから市民意識そのものが変わってきつつある。同時に、いまおっしゃられたように、こういった高度成長社会における、ことに都市生活者等の欲求不満、不満層の増大、こういうようなことをよく考えて諸般の施策が当然行なわれなければならない。それと裏表になって、私どもとしても、場合によればお話しのように過激派の連中の行動が、これは起爆剤の役割りを果たしてくるおそれも絶無とは言えないと、これは。そういう点を私どもは絶えず考えながら私どもなりの有効適切な手を講じていかなければならない。単に私は強い取り締まりだけでものごとが解決するというふうには私は考えておりません。こういった点では、十分この社会の動き、その背景、こういうものを十分頭に入れながら警察は警察なりの柔軟なものの考え方で対処してまいりたい、こういうふうに考えております。
#31
○和田静夫君 今後の問題に入りますが、交通問題については別の法律が用意されているようでありますから、そこでの議論に譲るとして、刑事警察の問題で若干お尋ねをいたします。
 まず三億円事件、その後の経過、見通し。
#32
○政府委員(高松敬治君) 事件発生以来すでに二年を経過したわけでございます。現在も、捜査員を縮小いたしましたが、約三十名の人員をもって捜査を続行いたしております。まあこの事件については、何とか検挙したいということで、捜査員も必死になっていまやっているところでございます。
#33
○和田静夫君 いまの問題を含んで、たとえばかつてのにせ札事件とか、あるいは日銀における一千万円紛失事件とか、国民の耳目を集めた事件で、迷宮入りのものやあるいは捜査規模を縮小したものが非常にふえてきていると思うんですが、そういうお感じですか。
#34
○政府委員(高松敬治君) 刑法犯全般としては、先ほど長官からもお話がございましたが、たとえば凶悪犯というようなものだけをとってみますと、大体八九%ぐらいの検挙率、約九〇%。で、殺人につきましても昨年は九七%という検挙率でございます。かなり検挙率としてはいい検挙率でございますけれども、ただ御指摘のように、わりあいに著名な事件といいますか、あるいは重要な事件で残っているものが意外に多いというのが、私どもとしても非常に頭を痛めているところでございます。
#35
○和田静夫君 その著名な事件、重要な事件ですね、言ってみれば犯罪者のほうの知恵が上回っているということではたいへん困るわけですがね。さっきもお話がありましたように、検挙件数も、あるいは検挙人員が数年間減少傾向にある。それについてはどういうお考えになっておりますか。
#36
○政府委員(高松敬治君) 先ほどお話がありましたように、都市化現象というものが犯罪の質的な面なりあるいは犯罪捜査自身に与えている影響というものは非常に深刻なものがある。私どもはこの点を一番憂慮しているわけでございます。たとえば非常にスピード化している。したがって警察としても、どうしても警察の動き自身もスピード化しなければいけない。それで、あるいは通信器材の増加、車両の増加、あるいははコンピューターを今度は指紋、手口にも刑事警察に導入しようということで、予算を本年それぞれお願いしているわけでございます。そういうふうな通信なり装備なりというものをうんと充実していくということが一つ。
 もう一つは、やはり刑事警察の従来の聞き込みと取り調べというものを中心にした捜査方式というものを何とかこれを変えていかなければならない。都市生活というふうなものは御存じのような状態で、ほんとうに隣に聞き込みにいってもわからないということが非常にしばしばございます。そこで、そういうふうな状態の中で、いままでのようなやり方でいけるか。鑑識センターというのも今度の予算の中にお願いしてございますけれども、そういうふうな施策をいろいろ入れて刑事の教養をうんと強めていく、専門的な刑事をつくっていくというふうなことをいろいろやってまいりまして、それで何とかこういう現在の直面している問題を打開していこうというのが、先ほど来申し上げております刑事警察刷新強化対策の骨子でございます。またそれに必要な予算というものを今度の国会にもお願いしているわけでございます。たいへんむずかしい問題がございますけれども、世の中の激しい変化とそれに対する犯罪捜査の対応のしかたということが、私はこれからの刑事警察の直面している一番大きな問題だというふうに考えておる次第でございます。
#37
○和田静夫君 葉山の御用邸の火災も、犯人が自首しなければ、何か漏電か何かにいきそうな感じで、報道なんかを読んでいる限りでは、そういう処理になるのではないだろうかと一般的に思えるような方向で進んでいた。しかも、犯人のめがねが現場に落ちていたというふうな事実があるにもかかわらず、あるいは新潟中条の近田の例にしても、どうもあとあと追っていって中条まで行ってしまう。捜査の科学化が進む一方、高松刑事局長もこの中で、「最近における捜査の長期化、困難化の傾向は捜査の初期的段階における犯人検挙の重要性を痛感させるものであるが、これに対応する捜査体制は未だ十分とはいえない状況にある。」、こう述べられているように、言ってみればこれは末端における刑事活動が形式化しているということ、私必ずしも、あなた自身がお認めになる状態になっているのではないだろうか。
#38
○政府委員(高松敬治君) 形式化しているというふうには私ども考えませんが、やっぱり能力的にまだ十分ではない。それからそれに対応する能力を高めていくための手段、方法というものが、これがやっぱり十分ではない。一方には、そういう意味ではいろいろ物的なものというものの整備も必要であるし、能力を高めるための教育の面の強化ということも必要である、そういうふうに思います。先ほど葉山のお話が出ましたが、漏電、落雷というようないろいろな説が新聞には出ておりましたけれども、これは大体、私どもはまずそうではないというふうな印象を非常に強く持っておった。めがねはあの火災で消防団員もたくさん入っておりまして、だれのめがねかわからなかったということが実情でございます。非常にうかつな捜査であったというふうには私は考えておりません。かなり綿密にいろいろやったわけでございます。
#39
○和田静夫君 どうも捜査の関係で次のことが一つ気になるから、前段いまお聞きしてきたのですが、四十六年度の警察庁所管予算の概要をお聞きしたのですが、このうち、全国七管区に割り当てられておる予算というのはどうなっておりますか。
#40
○政府委員(高田朝彦君) 全国七管区に割り当てられておるという御質問の御趣旨がわかりかねるのですが。
#41
○和田静夫君 管区を設けられておるでしょう。その管区に予算の計上というような形になっておるのですか。
#42
○政府委員(高田朝彦君) これは私ども、御承知のように警察法三十七条によりまして、都道府県の警察に要します経費の負担区分が法定されております。それで、そのうち特別な犯罪、広域にわたる犯罪でありますとか、そういうようなものにつきましては、三十七条並びに警察法の施行令二条によりまして、国庫で支弁金を出す。で、その他一般的な経費につきましては、これは刑事警察の、たとえば窃盗の捜査に要する経費というようなものにつきましては、いわゆる県費をもって支弁すべきものでございますが、三十七条の第三項によりまして補助金を支出しておる、こういう現状でございますが、いま御指摘のような、管区ごとに割っておるという実は集計をいたしておりません。そういうことで、七管区にそれぞれ幾らかという御質問でございましたが、ちょっとそれにはお答えできないわけでございます。
#43
○和田静夫君 端的に言って、管区の役割りは何ですか。
#44
○政府委員(高田朝彦君) 管区の役割りは、この警察法に規定してございますように、警察庁長官のいわば分身と申しますか、出先機関といたしまして、警察法の五条に規定をいたしておりまする国家公安委員会並びに警察庁の所掌事務のうち、特に皇宮警察でありますとか警察装備品でありますとか、そういう事項を除きましてこれを分掌しておるわけでございます。したがいまして管区警察局は、いわば府県警察が行なっておりまする、捜査でございまするならば捜査の調整、あるいはそうしたものに要する経費等について不足するような場合は、直ちに本庁と連絡をとり、そうした処理を行なうというふうな、いわゆる調整業務を中心にいたしておりますが、その他いわゆる教養施設を所管をいたしておりまして、直接これを教養する。あるいは通信施設を所管をいたしておりまして、府県警察の活動の神経である通信施設というものを十分に整備するような業務に従事をしておる。さらに七十一条以下で、国家非常事態というものが宣言をされました場合には、これはいわゆる直接、警察庁長官の指揮によりまして、管区局長がそれぞれの管轄区域内の府県警察本部のいわゆる警察力というものを指揮をする。そうして警察責務を果たしていく、かような任務を負っておるわけであります。
#45
○和田静夫君 通信施設などの整備が非常に充実をされてきておるわけですね。それに伴って、中央と都道府県警察を直結すればよくなってきておるのじゃありませんか。管区の必要というやつはもう、まあしろうとですからおこられるかもしれませんが、なくなるのではないですか。荒木国家公安委員長、公害問題などではたいへん思い切った発言を郷里にお帰りになってもされるわけですから、ひとつ行動の上でも、管区の廃止といったそういう思い切った行政改革を行なう、それをやるおつもりはありませんか。
#46
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申し上げます。
 ただいまのところ、行政機構の改革課題としては取り上げるつもりはありません。
#47
○和田静夫君 最近、組織暴力団の復活が話題になっていますが、その状況について。
#48
○政府委員(高松敬治君) 現在、私どもが把握しております暴力団の数は、大体三千五百団体、十四万人、こういうふうな概数でございます。一番多かった時期が、昭和三十八年に五千二百団体、十八万四千人というのが一番人数としては多かった年でございます。この三十八年以降だんだん数は減ってまいりました。ちょうど八年、九年、四十年、四十一年というふうにいわゆる第一次頂上作戦というふうなものをやった時期になりまして、だんだんこれは減ってまいりました。ところが、昨年からわずかですけれどもメンバーの数がふえてきておる。それから、暴力団の数は減ってきても、たとえば百人以上の暴力団の数というものは若干ふえてきている。今度は小さな暴力団がわりあい数が減ってきておるというふうな状況が見られます。最近、そういうふうな活動面からいろいろ見ておりますと、いろいろな暴力組織の再編成というようなことが行なわれておる。それから頂上作戦のときにつかまった幹部クラスが最近わりあいに出所する者の数がふえてきた。それらが元の暴力組織に戻るに従いまして、彼らの中の対立抗争もはげしくなってくるというふうな状態が見られてくる。全般的に見ますと、その活動はやや活発になりつつあるような印象を受けているところでございます。
#49
○和田静夫君 そのおもな資金源は何ですか。
#50
○政府委員(高松敬治君) 資金源はいろいろあると思います。いわゆる正業と申しますか、たとえば土建会社をやる、あるいは金融業をやる、あるいは風俗営業関係のたとえば料飲店とかバーをやるというふうなものからくる資金源というのも一つはございます。それから、最近わりあい目立ちますのは賭博の検挙が非常に多くなってきております。それから、一時影をひそめておりましたが、覚せい剤が彼らの間でかなり売買されているというふうなところがございます。その他いろいろな資金源はあると思いますが、大体そういうような非合法なもの、あるいは表面的には合法を装った資金源というふうな形になるかと思います。
#51
○和田静夫君 これは明日決算委員会で取り上げるつもりなんですが、関西方面の一部の信用金庫が暴力団に融資をしている事実――私はかなり具体的に持っているのですが、を御存じですか。
#52
○政府委員(高松敬治君) ちょっと具体的にはいま思い当たりません。
#53
○和田静夫君 これは、関西の方面の信用金庫で暴力団に融資をしている関係について、大蔵省などを通じて調査をして、検討をいただけますか。
#54
○政府委員(高松敬治君) ちょっと、その暴力団に融資をするということが何らかの犯罪行為になることであれば格別ですけれども、いろんな業態をやっていて、それが銀行と取引があり、あるいは信用組合と取引があり、それで資金の融資を受けているということでは、銀行を通じましても調査は困難かと思います。
#55
○和田静夫君 この点は、どうせ明日決算委員会がありますから、それに譲りますが、昨年一年の金融犯罪がたいへん目立ちました。これはいわゆる金融再編成に伴う銀行全体の動きから出てきたもので、私は決して今後の個人の事故という形で処理できない面があると、富士銀行問題その他でも考え続けてきたのですが、これはどうですか。
#56
○政府委員(高松敬治君) 確かに御指摘のように、昨年は金融機関を舞台にした犯罪あるいは金融機関の役職員による背任横領というような事件がわりあいに多かった年でございます。ただその原因がどういうところにあるのかということになりますと、ちょっと私どもではいま判断できないところがございます。
#57
○和田静夫君 たいへん抽象的な言い方ですが、私は今後も個人としてではなくて、銀行としてのそういう犯罪を具体的に公にしていくつもりですが、警察としてのき然とした態度で十分事態に対処をしていっていただきたい、そういうふうに思います。
 そこで一つだけ具体的なことをちょっとお聞きしますが、尼崎信用金庫で内部職員による不正使い込み事件をもみ消すために、尼崎の職員を金庫の寮に無料で住まわせたという話があるのです。御存じですか。
#58
○政府委員(高松敬治君) 存じておりません。
#59
○和田静夫君 御存じない。これは調査をしていただけますか。
#60
○政府委員(高松敬治君) 調査してみます。
#61
○和田静夫君 最後に、警察教養に関連をして二、三の質問をいたしたいと思いますが、去年からことしにかけて、警察官による酔いどれ運転や犯罪が非常に目立っていますね。もう切り抜いただけでも、「担当警部を逮捕暴力団に情報流し収賄」「現職警官なお数人大阪暴力団との汚職事件」「酒酔い運転の友人の車に警察署長が同乗、事故大阪」「大トラ交通機動隊千葉料理屋でケンカ、けがさす」まあ読んだらきりがないから――「マイカー事故の警官保険金詐取図る」「交番巡査、主婦に乱暴職務質問と車に乗込み」「公用車ではねて逃げる酒飲んだ警察庁職員」「またも泥酔警官車を盗んで追突」「パトカー乗逃げ」「警察ジーブがはねた事故「無過失」は間違い」50年で貯めた600万円だまし取られる内縁の警官が保証人」あるいはまあ警官の事故やらあるいは警察官の「ハレンチ大トラ警官タクシー乱暴し〃車奪う〃」「県警本部長が幼児をはねる」「警察の事故処理車衝突観光バスの26人けが」などと、国家公安委員長、たいへんな状態がことしになってから新聞記事切り抜いただけでもあるのですよ。いま読み上げただけでも十五件ぐらいあるわけです。それで、この辺を一体どういうふうにお考えになっていますか、お聞きをします。
#62
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 一部でありましても、御指摘のような事案にかかわることが起こったことはまことに残念でございます。一面士気の退廃と申しますか、使命感の喪失と言いますか、そういうものが一部起こったことによって警察全般の国民的信頼感を低下せしめるおそれは多分にあるのでありまして、厳重に今後は自粛自戒するような風潮を徹底させたいと思います。
#63
○和田静夫君 昨年一年間あるいは昭和四十五年度における懲戒免職、減俸、戒告、説諭などの件数はそれぞれどのくらいですか。
#64
○政府委員(高田朝彦君) 昭和四十五年中におきます懲戒処分件数は六百三十六件ございまして、うち懲戒免職数は三十八人でございます。ただ手元に減給その他の詳しい資料を持っておりませんので、以上お答え申し上げます。
#65
○和田静夫君 警官は大体どのくらいの年齢でおやめになっているわけですか。
#66
○政府委員(高田朝彦君) これは平均いたしますと相当の高い年齢まで在勤をいたしております。勧奨退職年齢が府県によりまして異なりますけれども、五十五から五十七歳、これは府県庁一般のいわゆる勧奨退職に従っておるわけでございますが、したがいまして、そこまであれしておる者が多いのでございますが、いろいろ個人的な事情その他で中途でやめていく者もございますから、その辺はちょっと詳しい資料をただいま持ち合わせておりません。
#67
○和田静夫君 勧奨退職は行なっていらっしゃるわけですか。
#68
○政府委員(高田朝彦君) これは都道府県警察本部におきまして、都道府県庁の基準にならいまして勧奨退職ということを行なっております。
#69
○和田静夫君 大体うまくいっているということですね。
#70
○政府委員(高田朝彦君) そのように存じております。
#71
○和田静夫君 ありがとうございました。定年制法案なんていうものは要らないということですね。自治省、よく聞いておいてください、いまのところを。
 退職後の再就職はおもにどんなところへ……。
#72
○政府委員(高田朝彦君) これは警察官の場合は、非常に長期にわたりまして肉体的にあるいは心身的に相当酷使をいたしております関係上、また仕事が非常にいわゆる一般経理事務その他の仕事から遠い仕事をずっといたしております関係上、必ずしも広いいわゆる求人の場に引き取られていくということはなかなかむずかしいように考えております。しかしながら、やはり長い間つとめてまじめである、こういうようなことを買われまして、いままでの職場とは打って変わったような職場にも相当数入り込んでおりますが、これはやはり県警察の幹部なり私どもが相当配意を加え、第二の人生を決して不十分なものでなく送れるように今後とも努力をいたしたい、かように考えております。
#73
○和田静夫君 いわゆるガードマン会社に行く例もかなり多いと聞くのですが、それはそうですか。
#74
○政府委員(長谷川俊之君) 全国的にどの程度行っているかということにつきましては、いまのところ手元に資料がないわけでございますが、私どもが勤務したところの経験等からしましても、ガードマン会社の幹部にある程度行っている者もございますし、それからまた、ガードマンとしまして行っている者も幾らかおるように存じております。
#75
○和田静夫君 最近新聞をにぎわしました那珂湊市長が雇ったガードマンが暴力団員であったことからたいへん話題をまいたのですが、ガードマン会社の実態をどのように把握をされているわけですか。
#76
○政府委員(長谷川俊之君) ガードマン会社は、最近の私どもの調べによりますると、数にいたしまして全国で約三百社くらい、大小いろいろございますが、約三百社くらいでございまして、ガードマンの人数にいたしまして約二万六千人程度に達しておるものというふうに考えております。
#77
○和田静夫君 あなたの論文、「保安警察の回顧と展望」によりますと、四一ページの「警備保障会社の健全育成」、小見出しは健全育成ですが、これと那珂湊市におけるところのガードマン会社との関係ですね、強化をされ充実をされていくという論文の趣旨になっているわけですから、そのときにすでに暴力団的なものであるということがおわかりになっているガードマン会社の取り扱いということを、どういうふうにされたわけですか。
#78
○政府委員(長谷川俊之君) 那珂湊の関係の会社につきまして、具体的にはちょっと私詳しくは存じておらないわけでございますが、一般的に申しましてガードマン会社というのは、会社の警備とかそういうようなことで、警察とたいへん似たような仕事をやるわけでございまするし、したがいまして、ガードマン会社に暴力団の関係の者が入るとかあるいは経営するとか、そういうようなことはたいへん好ましくないことでございます。したがいまして、現在法律はございません、警察のほうのこれまでの行政指導といたしましては、そういうことがないようにということを指導してまいったつもりでございます。
#79
○和田静夫君 いま言われたのは、現在存在をしておるガードマン会社には、いわゆる暴力団的な組織と関係があるものは存在をしていない、そういうふうに理解をされておる、こういう意味ですか。
#80
○政府委員(長谷川俊之君) ガードマン会社の実態につきましては、警察のほうとしましてもできるだけ把握することをつとめておりまするけれども、なかなかその詳しいところまで把握をすることが困難な点もございまして、現在ありますガードマン会社につきまして、暴力団関係がどの程度どうなっているかというような点につきましては、詳しくはまだわからない状況でございます。
#81
○和田静夫君 そうすると、具体的な何か事象が起こらなければ、その会社について調査をされる要件がないということですか、逆の意味で言えば。したがっていまはおわかりになっていない。
#82
○政府委員(長谷川俊之君) 具体的な事件がなければ調査をしないということでは必ずしもございませんで、一応ガードマン会社はどこが所管するかという外資法の関係等で、警察ということに二、三年前なりました関係上、私ども警察の所管の営業というふうに考えまして、一般的にどういう状態になっているのか、どういう者が経営をしておるのか、どういうところに警備をしておるのかというようなことにつきましては極力調べておるのでございまするけれども、微妙な点になりまするとなかなか教えてもらえないこともあるし、わからない点もあるということでございまして、特に暴力団関係がどうなっているかというような点につきまして、正確なところは先ほど御答弁いたしましたとおり十分わからない点もあるのでございます。
#83
○和田静夫君 ちょっと前に戻りますが、ガードマン会社の一部が、先ほど私が指摘をした暴力団のおもな資金源の一部という関係の調査はあがっているものがありませんか。
#84
○政府委員(高松敬治君) 私のほうでは、暴力団関係として把握しているものの中に、正業としてガードマン会社をやっておるというふうなものはございません。
#85
○和田静夫君 これは警察関係の決算のときに具体的にお話をしようと思いますが、あと最後ですが、元警視総監の秦野さんが都知事選挙に立たれ、あるいは同じく原文兵衛さんが参議院の地方区に出られる予定だそうですが、そしてはなやかに話題がまかれています。まあこれはきわめて象徴的な一例だと思うんですが、これがすべてだというわけではありませんが、警察の上層部の方が、こういう一例に見られるように、選挙に立候補されるということは自由ですが、やれ公社だ、公団だと、高給の職が用意され、一方末端警察官は五十五、六歳でさみしく職を去っていく。こうした対照がある限り、幾ら警察教養を上から唱道しても、末端警察官の心を打つものにはならないのではないだろうか。古くは、警視総監の中には、そのことを憂慮されて、みずから再就職を断わって静かに隠退をされていった幾人かの人々のいることを知らないわけではありませんが、警察教養とは、そうした上層幹部のメンタリティがあってはじめて真実味を帯びると思うのです。国家公安委員長は、警察教養を推進していく立場に立って、まあ二人の元警視総監の立候補に象徴されるような警察上層官僚の動き、それが末端警察官に与える影響についてどのようにお考えになっているのか、この機会に聞いておきたいと思います。
#86
○国務大臣(荒木萬壽夫君) たいして影響ないのじゃなかろうかと思います。
#87
○和田静夫君 警察庁長官、これは、ああいうのは答弁にならない。やっぱりぼくは、たいへん心理的には影響ありますよ、そんなことを言われたところで。どうお考えになっていますか。
#88
○政府委員(後藤田正晴君) 私は、やはり警察の仕事をうまくやるためには、幹部と一般の警察官との一体化、これが何よりも私は必要だと思います。そういうような意味合いにおいて、在職中はもちろんのこと、退職後といえども、二十数年、三十数年警察で生活をしたという心がまえを持って、少なくとも上層幹部であった者は行動するのがいいと、こう私は考えております。ただ、しかし現実にそれじゃどうかといえば、今日の物価高の現状、しかも上層幹部の場合には大体五十一、二歳でやめていく、そういったことを考えた場合に、まさかかすみを食って生きろというわけにも、率直な話ですが、まいりません、これは。これは、やはり第二の人生をどういった形で送るか、また在職している私ども幹部としては、これらの先輩をどのように第二の人生を送らせるかということについては、最大の関心を持って、やはり就職等については配慮しなければならない。そのことが、また、現に勤務しておる現役の諸君の士気にも大きく影響することである、こういうふうに考えております。もちろん、選挙に出ようと何しようと、これは私は自由の行為である。問題は、選挙等の場合には、現役の私どもが、あくまでも厳正に、いかに先輩といえども、違反があるならば遠慮なしに摘発するだけの決意をもって私どもとしては対処すればいいことだ、こういうふうに考えております。
 同時に、今度は、一般の警察官の場合ですが、一般の警察官の場合も大体五十六、七で退職をしていくことになるわけでございますが、そういった場合にも、年齢的にやはりこれは第二の人生について十分考えなければ、在職中の処遇はやはり幹部と違って低いわけです。いわんや生活にゆとりはなかったはずなんです。それだけにこれらの諸君の就職先ということについては、これまた現役の今度は幹部がやはり私は十分な配意をして、そうしてとにもかくにもつつましいながらも生活ができるということをやってやらなければ、これは私は警察界に新しい人も入らぬだろうし、同時にまた現役の諸君も、老後の不安ということを考えた場合に、在職中に一体いかなることになるかということを考えますと、これはやはり私どもとしてはそれ相当の地位に、仕事につけてやるというだけの配慮は加えなければなるまい、こういうふうに考えて、これは私どもの人事管理の大きな責任だと、こういうふうに努力をいたしておるような次第でございます。
#89
○和田静夫君 国家公安委員長、いま警察庁長官から切々として佐藤内閣の施策の至らざるところを訴えられたわけです。社会保障制度がないから、賃金は安い、その辺、いまちょうど春闘ですし、どうせ閣議で公務員の賃金問題等、いわゆる警察官の待遇問題を含めて、論議をされる段階、いま後藤田長官が訴えられたことをよく記憶をしていただいて、閣議の中で強く主張をしていただくように期待をしておきたいと思います。
#90
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 警察官の待遇改善については、及ばずながら努力をしておるつもりでございます。今後も一そう努力を加えたいと思います。
#91
○藤原房雄君 時間もたいへん進みましたので、簡単に二、三の問題について、過日の国家公安委員長の所信表明に対してお伺い申してみたいと思います。前段につきましては、和田委員からいろいろお話がございましたので、交通問題に限って何点かをお伺いしたいと思います。
 交通問題につきましては、道路交通法をあらためてまた審議することになっておりますので、詳細の部分につきましては、そのおりにいたしたいと思っております。大綱的と申しますか、基本的な考え方等について、この所信表明をより具体的に御説明願いたいと思うんでありますが、最初に関係省庁と密接な連絡をとり、歩行者保護を重点とした積極的な交通安全対策を強力に推進するというその具体策として、四十六年度を初年度とする交通安全施設等整備事業五カ年計画の策定推進をはかる、こういう所信表明でございましたが、今日までも三カ年計画を第一次、第二次と進めてきたわけでありますが、第一次の三カ年計画、第二次の三カ年計画は何を柱にして、どれだけの規模の予算で、実績はどのように進められてきたかというこの点の経過を御説明願いたいと思います。
#92
○政府委員(片岡誠君) いま私は第一次三カ年計画につきましては、事業量を少し記憶いたしておりませんが、第二次三カ年計画では、補助事業四十六億円、それから地方単独事業二百三十一億円、合計二百七十七億円でございました。その事業の内容は、信号機と道路標識と道路標示でございます。
#93
○藤原房雄君 第二次三カ年計画は四十四年、四十五年、四十六年とこう三カ年でやることになっておったわけですね。総額のこの当初の予算は幾らですか。
#94
○政府委員(片岡誠君) いま申しましたように、地方単独事業を含めまして、二百七十七億円でございました。
#95
○藤原房雄君 四十四年はこれは実施いたしましたが、四十五年についてはまだ最終的にはまとまりはないと思いますが、この三年計画を立てて、最終年を迎えずにしてまた新しい計画を立てることになったわけですが、そのように新しい計画を立てることになったおもな理由といいますか、三カ年を待たずして新しい計画を施行するに至ったおもな理由といいますか、その点についてお話を願いたいと思います。
#96
○政府委員(片岡誠君) 御指摘のとおり、現在三ヵ年計画の事業の最中でございますけれども、交通事故による死傷者の増加、特に歩行者あるいは自転車といった弱い道路利用者の交通事故の急増の情勢に対処しまして、従来の三カ年計画ではとうていこの抑止がはかれないのではないかということで、三カ年計画の事業の進行中ではございますけれども、昭和四十六年度を初年度として、事業規模を増大し、しかも長期的に五カ年という期間をとりまして、計画的に交通事故の抑制のために事業を改変してやるということでございます。
#97
○藤原房雄君 この著しい時代の移り変わりといいますか、社会の変動に対応して事業計画を拡大するというただいまのお話でございましたが、この三カ年計画でもこれは社会の変動に対応できないということで、まあ大きく今度は規模を拡大するんだという、こういうお話なんですが、五カ年計画というような、または長期展望ということは大事なことでありますけれども、三カ年でさえもこれを変えなければならないという、こういう目まぐるしい時代に至っておりまして、はたしてこの五カ年計画を立てられて、それがほんとうに実施できるかどうかという、こういう点にどうも疑念を抱くわけですが、この点についてはいかがお考えですか。
#98
○政府委員(片岡誠君) もちろん三カ年計画の中途で変更するような事態ではございますけれども、ある程度三カ年よりは五カ年という長期の展望に立って根本的に洗い直してみるということで作業を進めたわけでございます。たまたま交通安全基本法もできまして、政府の施策の中で交通事故防止のためにいろいろな角度から長期的な計画を立ててやるということにも相なりましたし、道路管理者である建設省とも相談をしまして、相ともに、建設所管行政におきましても、公安委員会所管行政におきましても、共同して事故防止計画を立てていくということで五カ年計画を作成した次第でございます。
#99
○藤原房雄君 いまもいろいろ御説明いただきましたが、確かにそれも一理あるわけですが、三カ年計画でさえもこの時代の大きな波に乗れないという、それにさらにいろいろな角度から検討して、五カ年計画も四十六年度を初年度として実施するということでありますけれども、やはりこれからの先にいたしましても、大きな狂いができてくるのではないかという、こういう点、まあ非常に懸念するわけであります。警察当局といたしましても、去年の夏ですか、過去のデータの分析等、いままでの問題を洗い直して、このままで推移していくならば十年後には二万をこすような死者、百万を優に突破するたいへんな死傷者を出すということでいろいろ検討を加えられた、こういうことが報じられております。そういうことで、五年後には死者を一万人に押えたいという、こういう一つの方針のもとにいろいろな諸施策が検討を加えられまして、五年間で三千七百億ですか、このような規模のもとで交通安全対策に万全を期すという、こういう当初の計画もあったわけですね。実際それは予算上のいろいろな問題で、これは規模は縮小されたわけでありますけれども、この現在の削られたといいますか、きょういろいろお話がございましたが、予算の範囲内で当初計画いたしました五年後に一万人以下に減らすというこの計画に大きな差異が出てくるのではないか、こういうことを非常に懸念するわけでありますが、この点についてはどうお考えですか。
#100
○政府委員(片岡誠君) いま御指摘がございましたように、当初計画いたしましたときが三千七百億ばかりのビジョンを描いたわけでございます。しかし、財源の関係もございまして、御指摘のように約半分くらいの事業量になったわけでございます。したがいまして、当初われわれの行政目的として立てました、いま御指摘の五年後に事故を一万人以下に抑制するということについては非常に困難になってまいったと私ども思います。しかしながら、先ほど申しましたように、歩行者事故、いわゆる走る凶器型の事故でございますが、この事故につきましては何とかして半減いたしたいということを現在も私どもの努力目標にいたしておりますし、これはあらゆる手段を、たとえば取り締まりであるとか、あるいは運転者の安全教育であるとか、あるいは建設省の、道路管理者の設置いたします安全施設とか、そういうもの、各般の力を結集してその努力目標はなし遂げたいという気持ちで行政を担当してまいりたいと思っております。
#101
○藤原房雄君 これは警察庁だけではないのですけれども、公共的なものに対して、あるいは三カ年計画、五カ年計画、こういうことでビジョンを描いてそれをそれぞれ進めるわけでありますが、私はそのたびに思うのでありますが、当初の計画というものは、現状に即してこうあらねばならないというビジョンというものを非常に大きく描かれるわけでありますが、現実その予算措置ということになりますと、現実の段階になりますと、それが非常に縮小されるという、まあ警察当局も、昨年の春に、五年後には死者を一万人以下にしようというこういうことでお考えになったとき、このビジョンを描いたときには、当然この予算措置というものもその裏にあるわけでありますから、そういう点もお考えになって描かれたと思うのですね。ただお金も考えずに、一万人以下にするのだ、五年後には一万人以下にするぞということで、こことここをこうするのだということではきっとないので、当然そうするためにはお金もかかるわけでありますし、毎年の予算措置、それに伴って、いま四十五年度の予算措置、それを基準として四十六年度はおおよそどのくらいという、そんな、三倍も四倍も予算措置が講じられるわけはありませんし、こういう点をお考えになりますと、当然そこにはある程度現実的なビジョンというものがなければならないと思うのです。当初の計画が大きく予算措置されないために狂ってしまう、行政目的としてお立てになった一万人以下の死傷者に押えようという、人命尊重として非常に叫ばれておる大事なこういう問題、佐藤総理も常日ごろ言っております人間尊重という最も大事なこの問題が、非常に行政目的を達成することが困難であるという、こんなことで終わるということは、これはもう非常に遺憾であると、こう思うのでありますが、当初去年の夏に描かれたビジョンというのは、実際実現可能なものであったのかどうか。しかし、それが予算の折衝の段階でいろんなことがあったと思いますけれども、当初可能と思っておったことが実現できなくなったのか、最初から少し大きなビジョンを描き過ぎたのか、この点はどうですか。
#102
○政府委員(片岡誠君) 当初三千七百億円の計画を立てますときには、その財源に自動車新税を期待しておったわけでございます。ところが、御承知のとおりのことで、四十六年度以降五カ年間で自動車新税の収入見込み額が七千億という程度に終わったわけでございます。したがいまして、私どもとしましては新税に期待した計画でございましたわけでございますが、いろいろ大蔵省あるいは自治省の財政当局と折衝いたしまして、一般財源で目一ぱい見てもらうように努力をしたわけでございます。現に補助事業につきましては、既存の、現在やっております三カ年計画の四十六億に比べまして、五カ年間で六百八十億でございますから、約九倍の事業になっております。それから、全体、地方単独入れまして、現在の三カ年計画の約三・五倍ぐらいに急増はいたしております。人命の尊重と申しますか、交通事故を減らすための努力につきまして、そういう政策につきましては、財政当局もできるだけのことは私よく見てくれたと、担当者としては考えております。ただ、財源の問題と、それから私どもの、何と申しますか、説得の足りなかった面は反省いたしておりますけれども、政府としてはできるだけのことをやるということになったんではないかというふうに私ども考えております。ただ、先ほど御指摘がありましたように、当初の目標が必ずしも達成できないという点もございますので、私ども、今後とも事情の変化を十分見ながら、さらに必要な事業につきましては今後ともよくデータもそろえ、将来財源がまためどがついたような場合には事業量をふやしていくというようなこともあわせ検討してまいりたいと思っております。
#103
○藤原房雄君 確かに全体としましては、前年度から三・五倍というか、その倍率につきましてもたいへん伸びておることは事実だと思います。しかし、もともとこの交通安全関係の予算というのは低かったわけですからね。ただ倍率だけでは見れない。その証拠として、年々死傷者がふえていると、こういう現実の姿を見て、やはり万全の策ではなかったという、ただ予算の伸びだけではなくて、現実面にそれがどう生きているかという、こういう点を見ますと、まことに憂慮せざるを得ないことだと思います。今後もこの五カ年計画を強力に推し進めるために、ひとつ人命尊重という佐藤内閣としても大きな柱でもありますし、強力にこの面の推進をお願いしたいと思うんであります。
 ここで特に、先ほどもちょっとお話があったかと思うんですが、歩行者保護を重点にすると、こういう面では大きな効果が期待されるというお話だったんですが、具体的にはどういう歩行者保護に対する施策をお考えか、この辺ちょっとお聞きしたいと思うんです。
#104
○政府委員(片岡誠君) 一つには、信号機を増設することによりまして横断歩道を渡る歩行者の保護をさらに徹底してまいりたいと思っております。それからもう一つは、裏通り対策と申しますか、生活道路――細街路と申しますか、そういう道路から通過交通をシャットアウトしてまいりたい。その道路の沿道に車庫があって車を持っている人、そういう方に対しては、警察署長の許可制をとって、ステッカーを渡して入っていける。しかしそういう車も歩行者に特に注意をして、徐行してそういう道路は進むというような、いわば歩行者用の道路を裏通りに徹底してまいりたいというのが一つの来年の問題でございます。さらに、建設省の道路管理者としては、歩道を市街地に相当大幅に増設すると申しております。また、その財源的な措置もとっておるようでございますが、しかしながらなお歩道の設置されない場合につきましては、ガードレールあるいはコンクリートブロックといったような形で道路交通法上の歩道もつくってまいりますし、さらにそれもできないところは、ペイントだけでも引きまして、まず歩行者と車の分離をはかっていくというようなことも徹底して考えてまいりたい、さように考えております。
#105
○藤原房雄君 昨年のデータによりましても、歩行中の者で死者が三五%でトップになっておりますね。車に乗って事故にあったという方が三四%であったというわけですから、わずかの差ではありますけれども、歩行者の事故が非常に大きいという、これは建設省とも両方に関係することでありますから、ひとつそれぞれの分野でこの対策は講じなければならないと思いますが、この点についてはまたいろいろ機会あるごとにお聞きしたいと思います。それから春秋に交通安全の運動をするわけですけれども、ちょっとその問題についてお聞きしたいと思うんですが、これは交通安全対策本部で行なう。この本部長は山中長官がなっておるわけですけれども、それぞれ、春または秋の全国の交通安全運動には、そのときそのときに最も柱とするものを立ててやるわけですね。ことしの春の交通安全運動については、新入学児童と老人を守ると、こういうことだそうでありますが、昨年のデータによりましても、六十歳以上の方で交通事故にあってなくなるという方が二二%という非常に高率になっています。こういう一つの目標にはなっていますけれども、具体的にこれをどう運動期間中に徹底するのか、または、これを運動の目標としてどういう形で推し進めるのか、これについてのお考えはございますか。
#106
○政府委員(片岡誠君) ことしの春の交通安全運動につきましては、従来の若干マンネリ化しておりました運動方針を変えまして、目的をしぼって、そしてその目的に即応する手段を集中して行なうということにしたわけでございます。で、御指摘のように、四月の初めには、新入学童の交通安全教育を中核としまして、それと並行しまして、幼児、児童と、それから最近特に多くなってまいりました老人の歩行者事故の防止というところに目的をしぼったわけでございます。さらに、ゴールデンウィークの前後に、今度はマイカーを中心とする自動車運転者に対する安全教育というふうに二つに分けて、おのおの目的をしぼったわけでございます。
 初めに新入学童に対する安全教育の問題でございますが、これはまず学校の先生方、それからPTAの方、あるいは保育所、幼稚園の保母さん方、そういう方を中心に、警察署からも交通の担当の警察官なり、あるいは交通巡視員が参りまして、歩行者教育、特に飛び出し事故を防ぐために、横断歩道で必ずとまって、右を見て左を見て右を見て、そして安全を確めて渡っていくというようなところにしぼって教育をいたしたい。ただ、すでに学校に入りました子供さんに対しては、学校の先生も一生懸命教えていただいているわけでございますが、問題は未就学の幼児、と申しますのは、三歳ぐらいで歩き出した時分が一番事故率が高うございます。そういう幼児の方、それからお年寄りに対してどのようにしてやるか、いろいろ考えましたけれども、結局は、最終的には家庭の主婦に訴えていく以外にはないんではなかろうかという結論でございます。マスメディアにもいろいろお願いをいたしますけれども、地域社会の中でも、学校なり、あるいは市町村を中心にして、そういう歩行者の初歩的な安全のための知識をいろんな組織、集会を通じて徹底していきたいと、そのように考えております。
#107
○藤原房雄君 いままでの交通安全運動のマンネリ化を打ち破ろうということで、いろいろ施策をなさっているようでありますが、公明党で昨年、交通安全の実態調査をやっておりまして、まだ現在調査の最終的なまとまりは二、三日のあとになるんですが、それでいろいろ、最終的な結論じゃございませんが、その調査によりますと、春秋の交通安全の期間中、特に交通安全ということを気をつけるかという、こういう質問に対して、特に気をつけるという方が四割程度ですかね、いつもと変わりないという人は約五割以上おるんです。それから、交通安全の運動期間だということが気がつかなかったという人が四・二%ですか、こんなような比率になっておりまして、確かに年二回、警察関係とかという人は相当大きな行事としてお考えなんでしょうけれども、一般のドライバーの方々につきましては、非常にまず認識が低いと思いますね。こういう半分以上の方があまりわからないというような結論が出ておるわけです。
 それから、春秋の交通安全期間中、この交通安全期間というこの運動によって事故防止ができると思うかという、こういう問いに対して、相当効果があるという方が大体一割ぐらいですね。一時的にはあるだろうという方が大体六割近くあるようでありますが、あまりないという方が二割ぐらいでございまして、いろいろな方が、交通安全期間中に事故が多いなんという、こういうことを言われております。まあ、いつ交通安全期間にするかという、こういうこと、時期的なことやいろんなことも考えなければならないことだと思いますが、このデータからいたしまして、非常に現状では、現状の交通安全運動という期間内の運動、それが一つの大きな効果を生むようにという期待のもとに毎年繰り返されてきておるわけでありますが、現状はそれほどの大きな効果を生んでいないという、こういうデータも出ておるわけであります。
 こういうことからいたしまして、もっと抜本的に、根本的に交通安全週間といいますか、運動を考え直さなければならない時期に来たんではないか。何ごとも最初は、やるほうもまたそれを実施するほうも、真剣な気持でやっておるんでありましょうけれども、回数を重ねるに従ってマンネリ化するという、先ほど部長からお話が出ましたけれども、こういうデータからもはっきり言えるんじゃないかと思います。
 こういう点で、確かに今回は的をしぼってということでありますが、もっと積極的な運動というものを、運動期間中のこのテーマなり運動方法というものを考えなきゃならない、このように思うんですが、その点についてお考えがあるか、また今後についてどのように検討なさるのか、この辺あたりちょっとお聞きしたいと思うんです。
#108
○政府委員(片岡誠君) 仰せのとおり、マンネリ化して新鮮味のなくなってきているのは事実だと思います。したがいまして、先ほど申し上げましたように的をしぼって、そして方法としましても新鮮な感覚で、交通安全に対する一般に対する普及力の強いやり方でやってまいりたい、今後ともいろいろ検討を重ねて、よりよくしてまいりたいと思っております。
#109
○藤原房雄君 ちょっといままでの話と違うんですが、交通遺児ですね、交通事故は一瞬にして残された方々を悲惨な運命に追いやるわけですが、特に交通遺児に対しましては、ほんとに社会問題としても大きく取り上げられ、今日でもいろいろ議論されておりますが、この交通遺児がどのくらいいるのかという実態の掌握とか、家庭の事情なんていう、こういう調査はどこが責任を持ってやるんですか。
#110
○政府委員(片岡誠君) 総理府の交通安全対策室で実態の調査をいたしました。またその後も続いておると思います。そしてその実態に基づいて、御承知のように交通遺児の育英のための財団もできまして、上級の学校に進学の人に対して育英事業も現に始めております。
#111
○藤原房雄君 次は、先ほども和田委員から、いろいろ犯罪のことについてお話がございましたが、私、四十五年の犯罪白書の中から、犯罪の動向ということの中に、一つの大きな項目として自動車の運転による業務上過失致死傷害事犯という、これが非常に多くなっておるという、こういうデータが出ております。刑法犯の総数の六二・五%というのですから、相当な率を占めておるということが白書の中にございます。さらにその中で、少年犯罪のことにつきまして、四十四年度中に家庭裁判所で処分決定のあった少年数が約七十六万、このうちで一般事件が二十万、交通事件が約五十六万というたいへんな数が出ておるわけでありますが、交通事故全体から見まして、少年の犯す事犯というものが非常に多い、こういうデータがはっきり出ておるわけです。これらのことを中心といたしまして、少年に対する交通事故の絶滅の上から、少年に対する何らかの対策というものが講じられなければならないと思います。このままでいくと急増する一方だと思います。レジャーブームとか最近のこの社会の変動の中におきまして、ほっておけない大事な問題だと思いますが、この辺についてどういうように当局はお考えか、お聞きしたいと思います。
#112
○政府委員(片岡誠君) 御承知のように、十八歳で普通の免許を取ることができる仕組みになっております。運転の技術はなるべく若いときにやったほうが技術はうまくなると私は思います。年をとってからですとなかなかむずかしい。その人の年齢と大体同じ数の技能の練習時間が必要だというのが大体常識的なことになっております。しかしながら、逆に運転者の心理的な問題他の道路利用者に対する配慮だとか、そういう問題につきましては、何と申しましても若い人たちはどうしても自分中心の行動になりがちだと私ども思います。そういう問題でジレンマがございますけれども、私どもの解決の、対処する手段としては、一つはビギナー教育と申しますか、一番初めに免許証を取るまでの教育、これを強化してまいりたいというのが一つと、それからもう一つは、事故もなく、違反もなく運転している運転者、これは一応善良な正常な運転者と見るべきであろう。したがいまして、事故なり違反なりを繰り返して起こしている運転者、私どもそれがたまってまいりますと、これを行政処分をいたしておるわけでありますが、そういう危険な運転者に対する再教育をどのようにしていくか、それからさらに三年ごとに更新をするときに何らかの教育を義務化していってはどうだろうか、その三つの柱で運転者に対する教育を考えております。
 御指摘の少年問題につきましては、何と申してもまず入門教育と申しますか、免許証を与えるまでの過程における教育をさらに強化することによって若干でも防止できるのではなかろうか、かように考えております。
#113
○藤原房雄君 交通事故は季節でもたいへん違うようですね。八月とか年末とかが多い、こういうことが言われております。そういうことからいたしまして、事故の多い季節、そういうときには取り締まりも強化し、事前に事故防止ということについても非常に力を注ぐのじゃないかと思うのでありますが、何といっても非常に車が多くなっておりますので、実際具体的な問題になりますと、ものごとが進まないことも多いのじゃないかと思います。そういうことで、交通巡視員が設けられることになりまして、だいぶん人員も増強されたようでありますが、この交通巡視員が設けられて、それらの方が実際に第一線で活躍するようになりまして、実際どれだけの効果があったか、この点についてお伺いしたいと思います。
#114
○政府委員(片岡誠君) 交通巡視員としましては、四十五年度予算で二千五百名、それから四十六年度予算で二千名を現在要求をいたしまして、大体事務的には自治省の御了承を得ております。しかしながら二千五百名の中で、現在、教育期間もございます、半年ばかり教育いたしておりますので、現場で働き出しているのは、現在数百名でございます。これにつきましては、各県の地方紙などを見ましても非常に評判がよいように見受けられます。若いお嬢さんたちが交通巡視員として学童の登下校するようなところの横断歩道に立って、学童の保護をしたり、老人の保護をいたしておりますし、なかなか評判が一般的にはよいようでございます。
#115
○藤原房雄君 あと細部のことにつきましては、また道路交通法の審議のときにいろいろ聞きたいと思います。きょうは大づかみなところ、そうして現在問題になっておる何点かについてお聞きしたわけであります。
 最後に、先ほど来申し上げておりますこの当初の計画、五年後一万名の死者に押えようというこの計画に非常に大きなひびが入ったということであります。さらに、最近少年の交通事故が非常に多いということ、こういうこと、また非常にマンネリ化しつつある交通安全の運動、これらのことに対しまして、ほんとうに真剣に取り組んでいかなければならない大事な問題だと思うのでありますが、これらを通しまして大臣の今後の決意なりまた方針なりをお聞かせ願いたいと思います。
#116
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 春秋二季の交通安全運動がマンネリ化しておるきらいのあることはさっき御答弁申しましたが、今後は焦点をしぼって、できるだけ現実的な効果をあげるような方向に持っていくべきだと思います。さらに三ヵ年計画を五ヵ年計画に置きかえましたこと、そのことは非常にいいことであったと思いますが、三千七百億の計画をほぼ半分程度に圧縮されましたことはまことに残念しごくでございます。予算折衝上の努力不足を思わざるを得ません。事、人間の生命に関することである限り、絶対的な要望であるという気がまえで臨みましたけれども、残念ながら達成できませんでした。ただせめてものことは、従来に比べれば、補助事業について、さっきも話が出ましたように九倍近く増額をし得たということは、何ら二万人を一万人に減少するというビジョンを達成し得ないということは同様でございますけれども、予算のこの折衝上の現実は、一挙に十八倍も九倍もということは、望み得てもなかなか実現困難だという壁にぶつかったような気がいたします。いずれにしましても、計画が半減されたことについては遺憾でありますから、今後機会あるごとに増額要求に努力したいと思います。
#117
○委員長(若林正武君) 本日はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
 午後零時五十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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