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1970/02/25 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第6号
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1970/02/25 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第6号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第6号
昭和四十六年二月二十五日(木曜日)
   午前十時四十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 二月二十五日
    辞任         補欠選任
     吉武 恵市君     高田 浩運君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                熊谷太三郎君
                増田  盛君
                藤原 房雄君
    委 員
                高田 浩運君
                鍋島 直紹君
                初村瀧一郎君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                千葉千代世君
                和田 静夫君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       自治政務次官   大石 八治君
       自治大臣官房長  岸   昌君
       消防庁長官    降矢 敬義君
       消防庁次長    皆川 迪夫君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       消防庁予防課長  永瀬  章君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○消防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉武恵市君が委員を辞任され、その補欠として高田浩運君が選任されました。
#3
○委員長(若林正武君) 消防法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○千葉千代世君 消防庁長官にお尋ねします。
 けさ未明、大田区でガス爆発がございましたですね。私、ニュースで知ったんですけれども、もうちょっとで大惨事になりかねないという状況であったように思います。で、何かそれによりますと、道路の舗装工事をしておって、その現場でブルドーザーがガス管の太いのをひっかけたという、これがもとらしい。それで、十メートルとか炎が上がった。幸い密集地帯でなかったからよかったようなものの、そうでなかったらたいへんなことになったんじゃないか。みんなが寝巻き姿であの近所の人がふるえておったというようなことを報じておったんです。で、ちょうど去年の四月でしたか、大阪でやはり同様の工事現場でガス爆発があって、たくさんの死傷者を出したわけです。当委員会でもそのとき質問して、この教訓を生かして、二度とそういうことがないようにすると、そう言って、まあ全国で、特に都市地域ではガス管の配置状況の整備とか、点検とか、それから責任体制を明らかにするとかいう、そういうことが述べられたわけです。
 で、私が質問したいのは、何しろけさ未明のことですから、詳しい内容はいま御調査中と思いますから、わかります範囲でけっこうですから、それを述べていただいて、その昨年の教訓がどのように生かされておったかということですね。
 それから、ちょうどいま年度末ですね、至るところ工事が盛んに行なわれているわけです。私の住んでいる麹町宿舎でも、夏休み中やればいいものを、いまになって毎日かかってやり、こっち掘ったりあっち掘ったりして、いまいられたものじゃないですよ。そういうふうにやっていてどんなことになるかということを考えてみると、至るところで工事をやっていますから、そこら辺の計画性とか、いろいろな問題が出てくるわけですけれども、ガス管というものは地下にあるものですから、非常に大きな問題です。
 けさ起きて新聞を見ましたら、今度は火事を消す水のほうはどうかというと、何か東村山の浄水場ですか、あそこの水がカシンベック病の発生源だというようなことになっていて、それでその原水で動物実験したらほんとに病気を起こしたというようなことがあった。そうすると、火災は起きるし、その火を消す水のほうはこういうことだし、飲み水はもちろんですし、食べるものは公害だということで、生きている命というものはもう風前のともしびのような気がする。そういう観点からひとつお答えをいただきたいと思っております。
#5
○説明員(永瀬章君) 御質問のけさの火災の概要を、わかっております範囲内でお答え申し上げたいと思います。
 けさ一時四十五分ごろに消防がキャッチいたしました道路上のガス火災でございますが、大田区東雪谷一丁目八番五号の地元で、先生お話しのとおり、道路工事中に七百五十ミリ管から分かれました五十ミリのガスの枝管、これをショベルカーで破損いたしまして、ガスが噴出いたしましたのですが、これに着火いたしまして、その後、付近の民家の軒先に一部火がつきまして、これを約一平米程度焼いたくらいで消防隊で消しとめております。
 消防は、道路上火災の知らせがございましたので、第一出動で約五台ないし七台と思いますが、この程度の車が出まして、付近への注水を行なったわけでございます。幸いにいたしまして、漏洩いたしましたガスが着火して燃えてくれましたので、付近の住民の方へ、大阪のガス爆発のような大災害にはなるおそれがございませんので、ガス爆発が、非常に大きなものが起こるということの避難は勧告いたしませんでしたが、火事が起きているということの状況は広報車で知らせたようでございます。以上が現在までつかんでおりますところの火災の概況でございます。
#6
○政府委員(降矢敬義君) 昨年の四月、大阪の爆発事件を契機にいたしまして、いま御指摘のような道路の掘さく工事と関連いたしまして、地下埋設物、特にガス管の破損問題ということが再び起こらないようにということで、地方連絡会議というものを地元に設けさせまして、そして消防機関もこれに参加するということで、事前の予防策、あるいは消防庁といたしまして当時の教訓を生かしまして、査察というようなことにつきましてもつとめておるようでありますが、御指摘のように、人命問題として、われわれのまわりにいろいろな災害というものがあまりにも多いわけでございまして、消防機関といたしましても、たとえばあの教訓を生かしまして、ガス探知器とか、あるいはその他のものを準備するとか、あるいは他の関係機関と御協力をして、要するに、事前にそういう事故の起こらぬようにということで、いろいろ措置するようにしておるわけでございます。にもかかわらず、ただいまのように、やはり事故が起こるということでありますので、私たちはもう一回その点を、東京の場合でありますれば東京消防庁というものを通しまして、さらにこういうことが起こらぬような事前の連絡、あるいは工事をするものとの事前の協議連絡、こういうものをさらに徹底させてまいる考えでございます。
#7
○千葉千代世君 都内のガスの延べキロ数と申しますか、配管地図、大体どんなふうになっているんでしょうか、おわかりでしたら。たいへん古いのと新しいのがあるそうですね。だから、古いのをAとします。そしてその次に古いのをBとして、最近の新しい地域のをCとします。そうすると、古いのに属するというのはどのくらいございましょうか。全体の数と古いのに属する数。
#8
○政府委員(降矢敬義君) 実はその点は十分な資料を持ち合わせておりませんので、いずれわかりました程度でまた御報告させていただきたいと思っております。
#9
○千葉千代世君 そうしますと、大阪のガス爆発のときに、やはり責任の所在がどこにあるかということでかなり問題点があったように思うのですけれども、今回の場合に、これは責任は、直接事故を起こした者はもちろんそうなんですけれども、やはり管理体制とか、そういう問題に波及していくと思うのですが、どのようにお考えになりますか。いまの段階で詳しいことはわかりませんでしょうけれども、いま把握された段階で、あなたはどうお思いになりますか。
#10
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、責任という問題になりますと、道路の工事をやっておる。その際におそらくガス管の破損を生じたものと思います。したがって、破損した者はもとよりでありますけれども、道路の管理というものと道路工事というものについて責任を持っておる者が管理という面で私は責任を持つものだろう、こう思っております。しかし、詳細はどうなって、どういうかっこうでどうしたのか。このガス管が五十ミリということでございますので、その辺もう少し調べてみたいと思っております。
#11
○千葉千代世君 これは今回の法律とは直接関係ありませんけれども、建物なんかについての共同管理とか、そういう問題が出ていますね、今回の改正の中に。これとは直接関係はありませんけれども、やはりこういう場合には、ブルドーザーでもってガス管なんかの配置されているところを自由に掘り起こすのですから、やはりそれがわかっている方がそばについていたかどうか、こういうような問題についてどのように考えますか。常時おそらくついていないで、そうしてほおりっぱなしで現場監督のような方がいらして、よけて通れというくらいでやっているんじゃないかと思います。通報されて応急手当てをされたというようなことはございましたけれども、それまでは結局野放しになっているわけですね。幾つかの元せんを締めたということを言われておりますけれども、その点いかがでしょう。
#12
○政府委員(降矢敬義君) 最初の御質問で、至るところで道路の掘さく工事をやっておりますが、いま御指摘のような狭い細いガス管でありましても、やはり相当の事故を起こすわけでありまして、工事をする際、請負をする者と、それを管理する者との間で、特に地下埋設物というものについて、具体の工事の現場において、やはりどうなっておるかということを事前に十分相手方に周知させるというような措置がおそらくとられなければならぬと私は思いますが、その点も、先ほど申し上げましたように、地方連絡会議等でおそらく話は事前にされておったのかどうかというような点もあわせて私は調べてみたいと、こう思っております。
#13
○千葉千代世君 ガスの埋没されている地図ですね、そういうその地域々々に詳しい地図があると思うのです、二戸一戸の配管までの。ほんとうから言えば、それまで持って、そうして工事に当たる人がそこにいなければならないというように、私はそう思うのです。ガスですから、どんな小さい家を建てるのでも、やはり電線一本でもおろそかにしないようにしながら、古い家でも点検をしなければならない状態の中に置かれますから、部分的に自分だけで住むというのではないのですから、そういう点についてはどうなんでしょうか。大阪のガス爆発のときにも、今後はやはりそういうふうに地域地域の詳細な地図を用意しながらやったらどうかという御意見もあったように、私は薄い記憶ですが、ございます。衆議院のほうの記録か何かちょっと見た覚えがありますけれども、これはどうでしょうか。そうでなければ、幾ら以後気をつけるとか、教訓を生かすと言っても、それはやはりこの場の論議になってしまって、現場に行きますと、人が足りませんから、ブルドーザーをやっている方は、運転してやる方ですから技術者であると思いますけれども、やはりなれというものはおそろしいものじゃないかと思いますが、やはり今後そういう対策についても、建設関係とのきちっとした連携のもとで、責任体制をきちっとしながらやっていくということが全国的に必要じゃないかと思うのですけれども、いかがでしょうか。
#14
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のとおりだろうと私も思います。それで、大阪のガス爆発事故を契機にいたしまして、建設省におきましても地下埋設物の図面をつくる作業をすでに始めておりまして、もちろんそれはまず太いものから始まるわけでございますが、考え方として、そういうこまかいところまで地下埋設物の図面を作成するというような方向で、すでに作業を始めておるように私は聞いておりますので、お考えのようなことでさらに建設省にもまた御連絡を申し上げたい、こう思います。
#15
○千葉千代世君 それから、火災が起きました場合に死傷者がだいぶふえておるようなんです。去年よりことしというようにだいぶ多いようなんです。それで、私この前の災害のところかどこかの速記録を拝見したのですけれども、その中に、やはり新建材によるとか、いろいろなことが述べられておったのですね。それで消防庁の長官は、この死傷がだんだん多くなっているという原因はどこにあるとお考えになっていますか。
#16
○政府委員(降矢敬義君) まず、火災発生件数において毎年ふえてきております。四十四年は五万六千七百九十七件でありますが、四十五年は六万三千七百八十七件ということでありまして、火災の発生件数がだんだんふえてまいっております。その中で建物の火災というものが大体六割を占めております。この建物火災において死者を発生するわけでございまして、四十四年には千三百三十四人、四十五年には千五百九十四人、こうなっております。その中で、いわゆる煙に巻き込まれ、あるいはそれと同時に有毒ガスというものによって死亡したと推定される、いわゆる煙死といわれる方が四十四年の場合には七百九十三人で、約六割であります。そこで問題は、建物の火災と死者との関係でありますが、建物火災が多くなりましたのは、建築の構造そのものが一つあるわけでございます。それは、御案内のとおり、従来ならばしっくいの壁を使っておりましたのが、新しい工法によって材料が大量生産化され、反面、人手不足というものをそれで補う、こういうことが、しっくい壁がなくなって新しい壁をつくるようになる、そういう建物自体の構造変化もございます。また、御案内のように、LPガス、都市ガス、それから石油ストーブ、石油コンロというような火器が非常にたくさん使用されるようになりまして、それが一つでございます。
 それからもう一つは、われわれのまわりに新建材とともに、いわゆる合成樹脂、あるいはビニールのもの、それは何も机とか何とかに限らず、われわれの衣類も相当ございます。こういうものなんかはかなり大量にわれわれの身のまわりにあるわけでございまして、その量は戦前にも比較にならないほどであります。こういうものが一緒になって燃えますと、やはり煙と同時にガスを発生するというようなことでございまして、どうも建物の火災が多くなってきているというのは、そういうような可燃物がかなり大量にあるというようなことと非常に密接に関係していると私は思っております。同時に、御案内のとおり、火災の原因を調べてみますと、言うまでもありませんけれども、失火というのは八四%くらいあるわけでありまして、その中でも特にたばこによる火災というものが例年非常に高い比率を占めているわけでございます。したがって、こういう失火という現象と身のまわりにおけるわれわれの建築構造、あるいは可燃物の集積、火器使用という機会が非常に多くなっているということがそれぞれ相乗されまして、かなりの火災、そうして同時にかなりの死者を出すようになったのだというふうに私たちは見ているわけであります。
#17
○千葉千代世君 よく火災が起きたあとで点検して、避難口がたいへん狭かったとか、それから旅館なんかの建物で、避難に対する訓練が徹底していなかったとか、そういう点もあげられているわけなんです。それで、今度の法律の中で管理体制の中にそういうふうな指導も入っているわけですね。
#18
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、不特定多数のものが出入りするようなホテル、旅館、映画館等につきましては、それ自体が予防措置を講ずる、それ自体が早期発見、早期通報をするというような意味で、自動火災報知機、あるいは避難設備等を義務づけておりますが、それは今回の改正とは関係ありませんので、従前から、四十四年に改正したものを今回も続行するつもりでありますが、先生御指摘のように、管理者自身が自分の建物に火災を起こさないようにするための体制ということで、今回、防火管理者が定めておられない場合には消防機関において選任をして、消防機関みずからがやはりその防火管理者を通じて、その建物ごとに、避難訓練を中心にした消火訓練というものをやらせるような仕組みを今回の法律で考えたわけでございます。
#19
○千葉千代世君 この新建材なんですが、煙が出て、発火して五分以内くらいで、何か〇・四%くらいですか、一酸化炭素で急性の一酸化素炭中毒になって、参ってしまうというようなことを伺いました。そういうふうに早いうちに人命が失われるのですから、これは大ぜいだとたいへんなことになってしまうのじゃないかと思いますが、新建材の規制とか、そういうものはないのでしょうか。やはり建てる人の好みの新建材を使うとか、あるいは新建材についての製造と、普通の材木との何か値段の関係とか、使う人の好みとかあるでしょうけれども、これは大都市の場合なんか、特に密集地なんかで新建材に対する何らかの規制ということはむずかしいものでしょうか。家の中にもこれに呼応して、家の中に置かれているものが御指摘のように燃えやすいものが多いわけですね。身のまわりを見ても、マッチ一本ちょっと落としてもぱっとやられるという状況の中にありますけれども。
#20
○政府委員(降矢敬義君) 新建材といわれるものの規制でございますが、これは建設省におきまして、建築基準法に基づいて規制をすることにしたのであります。それには、もちろんガス及び煙の量というものも試験の基準に入れておりまして、そうしてその種類は不燃材料――全然燃えない材料ということで、たとえば石綿のスレートというようなものは不燃材料ということになっておりますし、それから次は、不燃材料ほどではないがやや燃えにくい、たとえば石こうボードというものは準不燃材料、それからもう一つは、普通のものよりか燃えにくいということで難燃材料という、三種類がございます。これを通産省との関係におきましてJISということで規格を定めて、そういう三種類の材料について、建築物自体について、こういう建築物ならば、たとえばホテルとか旅館におきましては、廊下とか、居室とか、階段とかいうところは不燃材料で仕上げなければならぬというようなことを建築基準法のほうで規定しているわけでございます。したがって、この一般の建物、われわれの普通住んでおります住居にまでそれを義務づけてはおりません。つまり大きな建物なり、不特定な人が常時出入りするようなところにおいて火災が起きたときに、巻き込まれ、死にやすいというところについて、そういう法律的な義務づけをしておるわけでございます。ただ御指摘のように、先般来のいろいろな火災を見ますと、なおなおこの不燃材料、あるいは難燃材料と称するものにつきましても、現行の基準でなお足らぬじゃないかという反省がございまして、先般も参議院の建設委員会の席で私はお聞きしましたが、建設大臣は通産大臣とお話をして、さらにわれわれの消防庁の消防研究所における研究の成果も踏まえまして、新しい意味の新建材の規制を考えていきたいということをおっしゃっておりますし、また、通産省当局のほうにおいても、JISの規格については、なおさらに検討するということでございますので、そういうことでさらに新建材の規制をやっていく必要があろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ、先生のただいま御指摘のように、われわれの身の回りにあるものについてまでは実際はだめで、じゅうたん、こういうものも一種のインテリア材料といわれるものでございますが、こういうものとか、木箱とか、机とか、いろんなものが、新しい、見たところのいい材料でつくられております。こういうものまではわれわれちょっと禁止をするというわけにはまいらぬだろうという気がいたしておりますが、しかし、建築材料としては、御指摘のように、いまの材料をさらに不燃化、あるいはガスの発生量を少なくする、煙の発生量も少なくする、あるいは出ないものにする、こういう研究と相まって、規制を強化していくことが必要であろうと、かように考えておるわけでございます。
#21
○千葉千代世君 それからもう一つ、火災を起こしやすいのに古い建物がございますね。古い建物の場合、特に学校などの火災を見ますと、原因不明というのがかなり多いですけれども、その点をどのようにお考えになっておりますか。
#22
○政府委員(降矢敬義君) 私もこの職につきまして、火災の原因をお聞きいたしますと、やはり不明というものがかなりあるのでございまして、その点私も疑問に思ってお聞きいたしましたが、結局、従来からのいろんな検査の方法、あるいは火災原因の探求というものはかなり進んでおりますけれども、先生御案内のとおり、完全に全部灰になってしまった場合に、はたしてどういう原因であるのかということはきわめてつかみがたいようであります。これは余談になりますが、一部の意見では、火災原因調査を標準化したらどうだという御意見もありましたけれども、長い長い経験におきましても、今日なおそれを標準化するということは全く不可能のようでありまして、したがって、不明というものがずいぶんあり得る、完全なものはないということでございますので、その点は御了承いただきたいと思います。
#23
○千葉千代世君 この発火の原因は多種多様ですからつかみにくいと思いますけれども、やはり調査が徹底しない面もあるんではないかと思うのです。それには、警察官なり消防官なり、そういう方の人員の足りない面もございましょうけれども、そういう点も指摘されなければならないと思います。ついこの間、近県で中学校が焼けました。昼間です。これはまる焼けです。その校舎はもともと古い材料で建てた校舎で、耐用年数がとっくにきてしまっているのですけれども、まだ新しい校舎に移転しきらぬ。鉄筋で建てておるわけなんですが。先生が気がついて行ってみたら、それこそ飛んで行ったら、五分以内にメラメラと焼けてしまったというのです。天井から出たのか、床から出たのか、それさえもわからない。それでかけつけた市会議員の方が――近所の方々の話を聞いてみますというと、これは取りこわし料が要らなくていいあんばいだ、火災保険が六千万円、たしか六千万円と言いました。六千万円かけてあるから、それもまるまる浮いてしまうから、これで何を建てようかという話にもう発展してしまっているというのです。そうすると、そういうもので、そういう気風の中でこの火災の処理が行なわれるとしたならば、非常に私は問題があると思います。決してこれは故意的な、ものでもないし、ほんの冗談だと思いますけれども、よく風水害の場合に、故意に橋をくずしてお金を中央から流したということで、私が国会に出た当時ずいぶん問題になったことがあったんです。そういう点で、やはり保険ですけれども、調べてみますというと、一般の損害保険とか、あるいは学校、あるいは公民館などという場合、私有物件の共済であるとか、町村物件共済などと、こういうふうに大体なっておるようですが、これはその管理者、あるいは設置者が全部負担して保険料なんか持っておるわけなんですね。それについて、何か消防法のほうで、それを幾らか肩がわりするとか何かの方法はあるでしょうか。保険の問題についてはどうでしょうか。
#24
○政府委員(降矢敬義君) 公有物件の火災保険につきましては、ただいま御指摘のありましたように、地方自治法の二百六十三条の二だったと思いますけれども、特別に規定がございまして、地方団体が連合して火災保険を行なえるという規定がございまして、それで、私有のものであれば私有物件共済会というふうなところに保険をかけておるわけでございます。これは資料をお調べになればおわかりになると思いますが、私の記憶によれば、火災保険料というものは、一般の損害保険会社よりも共済事業であるだけに非常に安うございまして、なおかなりのいわゆる積み立て金を持っておりまして、それをそれぞれの団体に起債というかっこうで還元をして運用をしておるという実情でございます。したがって、火災保険そのものがかなり安い状態で長いこと続きまして、二十四年から始まっておりますから、現在、積み立て金も相当にありまして、保険料も相当安くしております。この問題につきまして、消防庁として保険料を肩がわりするという措置は全然考えておりません。
#25
○千葉千代世君 そこで、よく法律をつくって、立ち入り検査権その他の問題があるわけなんですが、法律をやはり完全に生かし切れていないような問題があるんじゃないかと思います。たとえば立ち入り検査権があって検査する、そういう場合に、検査されるほうの機械とか、器具とか、そういうものが十分満たされているかどうかということなんですが、どうなんですか。
#26
○政府委員(降矢敬義君) 立ち入り検査につきましては、私のほうにおきましても、特に消防大学校、あるいは各府県にございます消防学校において統一的なポイントというものを指導をして、有効な立ち入り検査ができるようにやっておるわけでございますが、御指摘のように、特別の機械ということになりますと、たとえばガス探知器とかいうようなものは別にいたしまして、設置されておる機械そのものが、たとえば消火器、あるいは避難器具その他にいたしましても、すべて国家検定を得たものについてそれを設置するということになっておりますので、特殊なもの以外は、特別な機械をもってこれを査察しなければならぬということは実際はないようでございます。
#27
○千葉千代世君 いまおっしゃった都市ガスその他のガスについて、家庭の場合ですと探知器を持って調べに来てくれますね、あれはガス会社の責任でやっておるわけでしょう。
#28
○政府委員(降矢敬義君) 家庭まで立ち入りをするだけの余裕がございませんので、おそらくそうだろうと思います。
#29
○千葉千代世君 わかりました。私、この立ち入り検査権というようなことばはあまり好きじゃありませんけれども、これは消防に関する限りは、法的のものについてはやっぱりこれはよく懇切丁寧にしていただくということは必要だと思うんです。そういう意味で、家庭のは立ち入り検査権ではありませんけれども、やっぱりガス探知器を持って、これはガス会社の責任でやっている、こういう意味ですけれども、消防庁は指導しているわけでしょう。
#30
○政府委員(降矢敬義君) 特に消防法がガス会社までそういうことを指導しているということは、私は聞いておりません。
#31
○千葉千代世君 そんなことはないでしょう。だって家庭にガスを配置しますね。そうした場合に、新しい団地ができますね。そうするとやっぱりLPガスなんかずっと配置されたと、こういうふうになってきますと、これはガスを取りつけたその者が直接責任であって、取扱者に指定されている人がガス工事をやるわけなんですね。ですから、そこまではわかるわけなんです。ところが消防署としては総体的に、命令とか指示とかではありませんけれども、やっぱり火災に対してそういう知識の普及徹底という項目があるでしょう。一般には指導しているわけでしょう。
#32
○政府委員(降矢敬義君) 私の答弁がまずかったわけでありまして、保安サービスということで、そういうことを指導しております。
#33
○千葉千代世君 それから、私がなお申し上げたかったのは、これは一つの器具の例ですけれども、その他やっぱり消防署その他についても、地方の常設消防署でないところですね、そこらで検査する、そういう場合にでも、山の中の小さい消防団なんかですと、定期的に、穴がゴム管にあいていないかどうか、そういうふうなこともありますけれども、それを検査する前に、それが充足されているかどうかということですね。それから高いところのはしごの例なんかでも、どこかで火事がございましたね。はしごが足りなくて、あまり高いものだから、もう何メートルかあればよかったなんていうことをちょっと新聞で拝見したんですけれども、ああいうように、やっぱりその建物、地域に即した機械、器具が充足されているということが前提ではないかということを思っているわけなんです。法律をつくって規制するのももちろんですが、それと同時に、そのことのほうにまず重点を置いていかなければならないんじゃないかと思いますけれども、重ねて伺います。
#34
○政府委員(降矢敬義君) 火災の問題につきましては、言うまでもございませんが、その建物を使っておる者あるいは所有者自身が、特に公衆の出入りする建物の所有者、管理者という者がそこから火事を出さないということが一番の社会的な責任だと思っております。そのために、消防法におきましても特定な施設を義務づけておるわけでございますが、それとあわせて、反面、御指摘のように、公設消防自身におきましても、そういう万一の火災の場合に対処し得る機材、器具というものを当然整備しなければならぬわけでございます。ただ、この問題につきましては、私たちはやはり最近の建築基準法の改正におきましても、あの中に、消防の意見といたしまして、高い建物あるいは地下街等につきましては、消防の側から見た消火活動上必要である、あるいは避難活動上こうしてほしいというものについては、相当意見を申し上げて取り入れられております。そういうことでありますので、かなり大きな建物がどんどんできていく場合に、機材、器具というものをどういう程度にどういう順序で充足していくかということにつきましては、私は、やはり大きい建物であるだけに、多くの人が出入りすれば、それだけに建物自身が防火構造というもの、あるいは消火設備、避難設備、そういうものをもっともっと充実するということで、まずそれを第一義に考え、あわせて公設消防がそれに対応し得るような、はしご車とか化学車とかいうものを充実していく方向で考えるべきものではなかろうかと、こう思っておりますが、結論的にはまだまだ中小都市を中心にいたしまして、機材、器具の充足は不十分でございますので、われわれ、今回もはしご車、化学車等をさらに充実する意味で予算補助をその切を重点に配分いたしたい、こういうふうに考えているわけでございます。
#35
○千葉千代世君 次に消防の予算ですけれども、ことしの予算書も拝見いたしましたけれども、これは決算のほうから見ていきますというと、何か使い方が前よりも少し少なくなっているように思うのですが、どうなんでしょうか。五、六年前にはかなり使ったように思いますけれども。というのは、これは消防白書でちょっと拝見しますというと、一六〇ページのところを拝見したのですけれども、ここに市町村の消防費が千二十億、決算額、そのうち一般財源が八百九十三億、特定財源として百二十六億となっていますね。ところが四十三年のこの基準財政、それに比較しまして見ますというと、一般として少し減っているのではないかというふうに思いますが、私の見方が、ちょっと急いで見たものですからわかりませんが、もちろん基準財政需要額に織り込んだものがそのまま決算として出てこなければならないという理由はないわけです、これはひもつきでありませんから、いずれの場合でも同じでありますから言えませんけれども、その関連を詳しく説明していただけませんでしょうか。
#36
○政府委員(降矢敬義君) 四十三年の決算におきまして、現在ただいま御指摘のように千二十億の決算でありまして、一般財源が八百九十三億という、特定財源が百二十六億であると、こういうことになっておるわけでございます。で、確かに基準財政需要額にはかなり織り込んでおるのでございますが、全体として使い方にもう少しくふうを要するものではないかという私は率直に感じを持っております。で、もちろんひもつきじゃございませんから、御指摘のように強制するわけにはいきませんけれども、やはり基準財政需要額という標準的な経費をめどにして、もう少し使い方というものを考えてもらいたいということで、実は私もここに就任いたしましてから、この点についてもう少し実態を洗って、どういう点にどういうふうな使い方をされておるのか、あるいはそれで一体いいのか、あるいはまた同時に、反面基準財政需要額そのものの見方が一体妥当なものなのか、もう少し自省すべき点がないのかといろ点について、さらに検討を命じているところでございまして、御指摘の点は十分私たちも意識しておりますので、今後なお検討さした上でさらに御報告をさせていただきたい、こう思っております。
#37
○千葉千代世君 消防団員と申しますが、山村で常設消防でないところですね、その団員の日当というのでしょうか、火事があって、畑の中からかけ出していって従事したとか、あるいは訓練に出たとかといって、こういうふうに出ていった方々に日当が値上げになった。四十年からずっと次々値上げになっていて、現在は一日出て行きますとどんなふうになっていましょうか。
#38
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘の出勤手当と一般にいわれているものだろうと思いますが、これは大体火災の警戒に当たる場合と消火に当たる場合、それからその他訓練に参加する場合がございますが、いずれの場合におきましても、一回、本年の地方交付税の単位費用の中には、四十五年七百円、本年、四十六年は五百円アップしまして千二百円ということで積算をしております。
#39
○千葉千代世君 たいへんこまかいことでおそれ入りますけれども、四十五年七百円で、四十六年千二百円になった。その積算基礎は。
#40
○政府委員(降矢敬義君) これは経過を申し上げたほうがよろしいかと思いますが、三十五年からのことでございます。三十五年百円でございます。三十七年百五十円、三十八年二百円、四十年三百五十円、四十一年四百二十円、それで一年おきまして四十三年五百円、さらに一年おいて四十五年七百円、こういうような経過をたどりましてきたわけでございます。四十五年の交付税に七百円を算入いたしましたが、実際の状況をいろいろ調べてみますと、必ずしもこの額に至っていないところが多うございます。この点はわれわれ指導をしているわけでございますが、しかしやはり私は上げるなら五百円程度は上げることによって――いままで大体平均四百円くらいを検討しているわけです。実際全部の悉皆調査はありませんが、かなりの調査をしたところでは、平均四百円から五百円前後であろう、こういう結果でございますので、この際上げるなら五百円程度上げまして、ここにできるだけ近づける、千円台をこすということを一つのめどにいたしまして、財政局とも相談して、この際従来にないような上げ方を一挙にやったわけでございます。
#41
○千葉千代世君 これは七百円になり、今度は千二百円になりますね。千二百円になりますというと、これは一山村の消防団員に農家の男の人が行く場合に、山の中ですから、学校なら学校の校庭で消防訓練をする。それにストレートで千二百円いくということではございませんね。いま申し上げたような基準財政需要額と違うわけですから。ですからあなたの想像では、千二百円にしたらば、大体全国平均どのくらい本人に渡りますか。いま平均四百円とおっしゃいましたが、そうなんでしょうか。それが知りたいことの一つ。
 このお金をほかに流用していはしないかということが一つ。
 それから、消防団員で一番多く払っているところはどういうところかが一つ。
 特に、婦人消防もできてきましたし、いろいろ山村、農村でふえてきましたが、これはどんなになっておりますか。ただ飲んだり食べたりしてはつまらない、何だかお酒ばっかり飲んだりしていて、飲めない人はお菓子を少し食べて帰ってきたという。消防の仕事はおもしろいけれども、飲んだ人は楽しいだろうが、おれは飲めないからつまらないと言っています。本人は人がいいから、名誉職と心得て、消防の部落の幹部をやっているという気持ちから、いまどき珍しい犠牲的精神といえましょう。しかしそのお金が一体どうなっているとお思いになりますか。慰労金に名をかりて飲んだり食ったりは消防団の風習らしいのですが、これは全国的にどうなんでしょうか。悪口でなく、若い人は消防団に行きたがらないんです、率直に言って。そういう点、どうでしょうか。
#42
○政府委員(降矢敬義君) 第一の点で、千二百円にしたらどのくらいになるかということでありますが、これは市町村の条例でやるものですから、私たちは、少なくともこういう基準ができましたので、ぜひ私は千円台に上げてもらいたい、千円の声を聞かしてもらいたいという気持ちを持っておりますし、また、千二百円になったということは、すでに県を通じて市町村にもそういうことを連絡してありますので、極力そういうことで指導をいたしたいと思っております。
 それから、どこが一体高いか低いかということでございますが、私はこの点は資料を見てお話し申し上げなければならぬと思います。どの地域が一体どうなんだということは、いま手元に資料がございませんので、いずれこの次に御報告をさしていただきたいと思います。
 それから、手当を一体どう使っているんだ、この点は私も実際調べたわけではございませんが、ただ、私のところにしばしば消防長の方々が出入りいたしますので、その際私もそういう話を聞きました。一人当たり幾らということで消防団に一括交付をしておる。要するに、本人の受領書を取って一括交付をしておるところもありますし、あるいは本人にじかに渡しているところもある。先生御指摘のように、あるいは一括いただいたところで、年末にそれを財源にして懇親会を開くということがないかといえば、それは私はそういうことが全くないんだということは言えないと思います。どういうふうにこれが使われておるかということは、私も調べたこともございませんし、詳細承知しておりませんので、御了承いただきたいと思います。
#43
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#44
○委員長(若林正武君) 速記をつけて。
#45
○千葉千代世君 そこで、たとえば、費用があまり少ないから町村で少し援助しようではないか、こういうふうにいって町村でかなり援助しているところが多いと思うんですが、いかがでしょうか。
#46
○政府委員(降矢敬義君) 手当に関連して援助というお話でございますが、どういうことでお話がありましたかはちょっとわかりにくいのでございますが、手当につきましては、低いところもあるし、あるいは基準以上に出しておるところもございますので、この基準以上に出しているところをどうのこうのということは、私たちは全然やっておりませんので、そういう意味であるならば、あるいは援助ということばでよろしいのかどうかわかりませんが、そういう実態はございます。
#47
○千葉千代世君 そこで、そういう問題について、ひっくるめて消防庁としてはそういう行政指導は、これは自治省の権限でしょうか。自治省の市町村に対する指導、これはあまり干渉しては地方自治を侵すということになりますから、その関連を、指導してもらいたいようなもらいたくないような感じでいますけれども、どうなんでしょうか。やはりきちっとした予算の使い方、足りなければやはり要求していくという前向きの姿勢の中で日本の消防行政、地方行政をやっていくということが非常に大事じゃないかと考えているわけでございます。
#48
○政府委員(降矢敬義君) 消防庁におきましては、助言と勧告、指導ということを法律の権限に基づいてやっておりますし、府県につきましてもそういうことでございますし、また反面、御案内のとおり、消防法におきましては、市町村の消防は市町村が責任を持って管理をするという規定がございますので、いわゆる国が監督するということは消防法上できないわけでございます。したがって、いま申し上げたような指導、勧告、助言ということでこういうような措置を国としてもやっておるので、ぜひこういうことを参考にして条例化するようにしていただきたいということを指導しているわけでございます。
#49
○千葉千代世君 くどいようですけど、やはり消防についての関心と、それから、自分が使命感を持って一生懸命やっていくことと、それから予算の裏づけということと、そういう点をきちっとしていくために、この際もう一ぺん抜本的に考え直す必要があるんじゃないか、このように考えています。というのは、昨年時限立法で成立いたしました三万市の問題ですが、そこでもかなり消防の問題が比重を占めるんじゃないかと思いますので、この点ちょっと自治省のほうに伺いますが、時限立法ができて、いままで三万市がその後幾つできたかということと、それから、これは来年の三月までのたしか時限立法だと思いますが、いま申請しているところとか、あるいは調査しているところ、そういう段階であと幾つくらい出る、総体的に見て、この法律によって三万市が幾つくらい誕生するというように予想してらっしゃるのですか。大ざっぱでけっこうです、これは。
#50
○政府委員(大石八治君) いますぐ調べますが、二十くらい……。いますぐ調べますから。
#51
○千葉千代世君 概略でけっこうです。そこで、三万の新しい市ができた、その条件の中には、御案内のように高等学校があることとか、警察があることとか、消防とか、いろいろありますね。そうしてかりに三つの町なら町が合併して三万すれすれの市ができた。そうすると消防署は一番大きな町に置かれて、常設消防なら常設消防が置かれて、そうして今度はずっと山の中、市といったってたいへん山の中です。ものすごい山の中のところであります。そうすると、いままでどおりの消防団が活躍しなきゃならないということになる。火事がこのごろはわりと多いんですね。使いつけないLPガスなんか使うからわりと多いんです。そうすると、火事が起きて、そうしてすぐかけつけるのに、町から常設消防がやってくるのはとんでもない、間に合ったものじゃないわけなんです。そうした場合に、これらの体制は、どのようにするのが一番いいとお考えになりますか。現状の消防では、現状のままでやっていくのか、それじゃもっと、たとえば支所なら支所なりの形式をとって、一、二人くらいふやすとかなんとかやって、財源はそれに見合うよう起債なら起債で、そういうふうな方法でもあるんでありますけれども、どうもやはり困るんじゃないかと思うのです。そうするとやっぱり住民の負担が多くなると思うのですが、どうなんでしょう。
#52
○政府委員(降矢敬義君) 合併をいたしまして、常設消防を置いた場合において、いままでいろいろ町村の、本年から常備消防を置きたいという話を聞きますと、やはり出張所あるいは支所というふうなものをそういう旧町村に置くということで常備化を進めていく考え方が多いわけでございます。もちろん、その際には所要の人員、たとえば三万であれば、最低消防ポンプ車二台、救急車一台、それに全体の人として約二十八人くらい要るわけでございますが、そういう点は交付税のほうですべて措置をいたしますし、庁舎の関係、つまり消防庁舎を設置する必要が生じますので、そういうものにつきましては、起債の財源を用意いたしましてこれに充当するということに考えております。
 なお、いま消防団の御指摘がありましたが、仰せのとおり常設消防を置くというときに、もう一ついまの小さい市町村で特に考えておりますのは、例の広域市町村圏と関係いたします道路の整備であります。つまり機動力を発揮することによって常備化したところの効果を発揮しなければなりません。したがって、過渡的にはかなり従来と同じウエートで消防団の力を借りて消火体制を整備する必要がございます。したがって、常備ができましても、直ちに消防団の数が減る、あるいは消防団の整備施設が常備のほうに転換されるということにはならないわけでございますが、長期計画におきましては、やはり道路の整備と相まって常備化の強化をはかっていくという方向が私は妥当だと思っております。同時に御案内のとおり、消防団の数もだんだん減ってまいる傾向がございますし、また、御案内のとおり出かせぎ地帯等におきましては、冬季かなり消防団の数が一時欠になる場合もございます。そういうこともございますので、やはり町村としては機動力を発揮し得る諸施設と相まって常備化を強化していくという方向が、現在考えられている方向でございます。
#53
○千葉千代世君 伺っているとごもっとものように思いますけれども、具体的には、たいへん山の中で、道をつくるのにも道路整備をするのにも、たいへんなお金になってしまうわけです。これは消防のためよりも、町自体の必要性でつくらなければならないわけですね。そのことよりも、自分の家に行くのに畑のまん中を通らなければならない、そうして三万市になった、そういうことになりますから、一ぺんにはいきませんけれども、とりあえず市になったときにどうしたらいいかということになれば、やっぱりいままでの消防団がいままでどおりやるということがここ当分の間は出てくる、当分ということは、三年間か五年間か、私はおそらくはあそこに出張所ができて、そして常置されて、そして火事だ、そら車を引っぱってやっていくということは、これは市というのは名ばかりであって、消防面が一番おくれてしまっているんじゃないかと私は考えておりますし、見てきました。ですから、そういう点ではやっぱりすぐ常置に置けとかなんとかいうことも、すぐにはできかねるでしょうけれども、何かいい方法がないか――何かいい方法とは何かということなんです。道路の問題もありましょうけれども、道路は、とても細い道路一本つくるのにたいへんです。県庁にお百度踏まなければできないわけです。そういうことです。そうしたら長いホースも山の中まで容易なことではないし、なかなかこれは、私は三万市の中でいま一番欠けている問題は何かといえば、たとえば赤字をかかえた町が合併して市になれば、統合中学校ができるとか、そういうことがあって、いい面を見ればたいへんいいわけです。そういうことはなるほどできるでしょうけれども、消防面に至っては、これは私は一番犠牲をこうむるのではないかということで、いま伺うところの幾つか時限立法の中で予想される三万市ですね、これは一体どのようにしているのか。私はそれは具体的に早く視察に行きなさいと話しているんですが、視察に行くにも、どことどこを見てきなさいと言わなければ視察しようがないという、こういうところなんです。そこでこのところでは何かいいめどを見つけて、消防団の人たちが千二百円では少ないと言ったら、いまは予算に組んだ千二百円まるまる、まず出て行ったらお弁当代くらいになるということが最低守られているが、どんなにいいことを言っても若い人はいやだと言う。出ぞめ式に一ぺんこの間行ってみた。これは私みたいに背中をまるめてよちよちやってきた。「気をつけ」も満足にできないのがかり出されて出て行かなければならない。こういう中で、いわば、やっぱり早急に――三万市が一番の盲点ではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。自治省と消防庁長官の御見解を伺います。
#54
○政府委員(大石八治君) 先ほどの新市の問題ですが、現在までにしましたものが三十一であります。あと人口要件で三万をこしているものというのは三十五ありますけれども、私どもいままでの経過を見ますと、やりたくってきたところは、ほとんどもうやってきましたから、単にただ人口が三万以上だから直ちにやろうという、自動的に数字の関係ではもう少ない。出ても十ぐらいで、これは非常に責任のないようなことばですけれども、十町村ぐらいではないかと思います。大体要件のそろっておるところはみんなもうやりましたから、あとのは、ただ人口がそろっているだけで新市に直ちにしようというものはないのではないかというように思います。
 それから新市の問題でありますが、かなりの部分は、単独で人口三方をこしたからというところがかなりこの部分にあります。したがって、もちろん市になれば常設消防の問題が出るわけでありますが、これは従来の市の場合でも、もちろん常設消防は持っておるわけですけれども、同時に消防団というものは持っているわけです。これは当然、消防団というものがなしで私どもは済むとは実は思っておりません。常設消防ができたから消防団は解消してしまうというわけにはまいらない。現にほとんどの市で、特別のところでなければやはり消防団を持っておりますから、消防団というものはやっぱり重要な防火体制の一部になると私どもは思っております。
 それから気持ちの上で、これは交付税の使い方について、あまり、何といいますか、こちらのほうからとやかくは言うつもりはありませんが、消防団の出動手当の額なんかの単価計算はぜひ、先ほど長官から申しましたように千円ぐらいの単位と、使い方についてはいろいろあろうかと思いますけれども、われわれの標準で計算した額をあまり極端に下回るようなことはしてもらいたくない。上げていくというのは、そういう気持ちであったわけです。実際は交付税計算でやっているのをはるかに、そこまでいってないという事実がありまして、だから交付税の計算の数字を上げることはないじゃないかというような一面議論もあったわけですけれども、しかし、そういうことではまたいかぬということで、私どもは単価を上げていくということをやってまいったわけであります。ぜひその気持ちをひとつ、まあ全部がそうだとは言いませんけれども、そういうところもありますから、そこらはやっぱりわれわれの気持ちをくんでいただくようにしてもらいたいと、こういうふうに思っております。
#55
○政府委員(降矢敬義君) 消防団のあり方について政務次官からお話がありましたが、さらに補足さしていただきますと、消防団の問題につきましては、身分の問題と、それから消防団の機材の問題がございます。
 機材のほうから申し上げますと、われわれも最近の新しい機材を消防団にしなければいけませんので、たとえば昭和三十年四月現在で、手引き動力ポンプというようなもの、これが二万台であったのでございますが、こういうものは漸次、たとえば小型動力ポンプに振りかえる。現在、当時二万台であったものが、手引きポンプというのは五千五百台でございまして、こういうように、小型動力ポンプというものが非常に性能がよくなりまして、昭和三十八年には一万八千台でありましたが、現在五万六千台ということでありまして、同時に、これを運搬する小型の車、あるいは先生御案内かと思いますけれども、大体八十キロから百キロ程度でありまして、二人で持ち運びできるものでございます。これを小型の積載車に積む、つまりライトバン的なものまで私たち補助をやりまして、消防団のほうである程度地域的な消火体制を確立するということで、消防団の機械化のほうに十分力を入れているつもりでございます。
 それからもう一つは身分の点でございますが、報酬のほか手当の引き上げ、あるいは被服費の引き上げ、あるいは公務災害補償関係の充実ということを今回ある程度措置いたしまして、そして身分的な安定というものを金銭面からも考えるということを今度の交付税措置でもとったところでございます。
#56
○千葉千代世君 そこで、大石次官のお話の中にあったのですけれども、やっぱり人口要件だけ満たしても、御承知のようにあの法律には連檐戸数七〇%以上というのもございますので、いろいろ条件にむずかしいものがあると思いますけれども、消防の問題にしぼって考えた場合に、いま消防庁長官がおっしゃった点はたいへんけっこうだと思いますけれども、やはり何といってもそれを動かすのは人でございますから、やっぱり手当はもっと多くなければならないという私の考えです。先ほど伺いましたのは、年次的に幾ら上がったかということを聞いたら、今度のような上がり方はないですね。選挙があるからか、それはわかりませんよ。何で、そんなことは全然知りません。私は鈍いですからわかりませんけれども、七百円のを千二百円にしたでしょう。あんなに騒いでいる老人年金については、二千円のを三百円上げるのに大騒ぎでしょう。これは去年は二百円ですね。そうすると、この率でいって、やっぱりこういう大事なときになったらば来年度の予算ではもっと上げていこうという考えがおありになるんでしょうね、どうでしょうか。上げっぱなしということはないでしょう、これだけで済むということはないでしょう。
#57
○政府委員(降矢敬義君) 来年のことをいまから申し上げるわけにはまいりませんが、この出動手当というのは、先ほどちょっと申し上げましたように、火災の警戒あるいは火災の場合の消火、あるいは水防活動、あるいは訓練活動、そういうものに一回ごとに支払うものでございまして、大体平均して四・五回ぐらい出動しておるようでございます。で、この出動手当のほかに、御案内のとおり報酬というのがございまして、四十四年に二千円であったものを昨年――四十五年に五千円に引き上げました。で、報酬を引き上げるのがいいのか、出動手当を引き上げるのがいいのかという議論が前から相当ございまして、私はやっぱり出動手当で、報酬は五千円になりましたので、出動手当のほうを引き上げるほうが実際的じゃなかろうかという私は気持ちを持っております。ただ、来年のことでございますので、いまどうするということは言うわけにまいりませんけれども、そんな気持ちを持っておることを申し上げておきます。
#58
○千葉千代世君 出動手当とは別ですが、消防団員を長くやってやめた場合の退職金制度ができましたね。何年だったか前ですが、できたのです。それはやっぱり引き上げになっているでしょうか。
#59
○政府委員(降矢敬義君) 退職金の額の引き上げは今回は行なっておりません。
#60
○千葉千代世君 これ、火災訓練その他といいますけれども、実際山の中で一日まるつぶれなんです。もう全然仕事が手にできないというような情勢のところがあるわけなんです。そうした場合には、まあ一日つぶして行って、そうして一生懸命やっておりますことを考えますと、ところが、若い人たちは近くに、まあせいぜい二十キロぐらいで通えるところへ通っていって、そうして工場で働いて得る賃金というものはこの何倍かのわけなんですね。そうしていくと、お金で換算するわけではありませんけれども、やっぱり近代的な消防体制と近代的な生活と、若い人たちがやっぱりこれに参加するということを総合的に考えてみますと、少なくとも千二百円ときまったものを、これが全額手に入るような御指導を今度のしかるべき会議で長官がなさっていただきたいと思うのですが、していただけましょうか。やっぱりこれは長官が言ったというと、町役場はやるのです。ほんとうにやるのです。ですから、そういう指導なら私は十二分にしていただいたらいいと思うのですけれども、いかがでしょう。あまり余分に使わないで、やはり現金だけ入るように、お弁当代が入るようにという、ここらに指導性が発揮されなければならないと思うのですけれども。
#61
○政府委員(降矢敬義君) 御趣旨の点は、一月の末に予算が地方交付税の関係もきまりましたときに、主管課長会議を開きまして、そういう御趣旨のことをお話ししてございます。またさらに、こういうふうになったということで条例措置等についても、これを、これこそ基準にしてやるようにという、いま別途通達も出してございますので、御趣旨のようなことで措置しているつもりでございますが、なおブロック会議等その他がございますので、そういう際にもあらためて指導するということにさしていただきたいと思います。
#62
○千葉千代世君 通達なんかだめですよ、読んでないですよ。都合の悪いところは捨ててしまいます。大体私らも通達を見ておりますけれども、やはりきちっと重点的に一番先に、まだ頭の新しいうちに、どうしてもやらなければならないときまったものは、こういうふうに国会でも取り上げられている、皆さん御苦労さまです、それでは千二百円入るようにやはり努力してもらいたいということを一発言っていただきたいですね。そうしたら、額は少ないけれども、そういう気持ちを長官が持っているということがわかればやはり違うと思うのですけれども、重ねてお願いして、次の問題に移ります。
 時間も長くなりましたので、あとはちょっと一つだけ聞かしていただきます。四十五年度の消防白書の九三ページに林野火災の件がございますけれども、このごろ林野火災が比較的多くなってきたと。それで消防庁では消防審議会に諮問なさっておりますね。「多発する林野火災に対処すべき方法について」ということについて四十四年十一月にこの対策の答申が出ております。そうしてそれに基づいて、昭和四十五年度から消防庁、林野庁が共同して林野火災特別地域対策事業を推進するということになっております。詳しいことはここに書いてございますから省略いたしますが、その中に、地域に即応する集中的計画的な問題が出ております。で、昭和四十五年に七地域が指定されて、北海道、岩手、静岡、和歌山、島根、広島、福岡の各県七地域で実施する、こういうことになっております。で、この林野火災についてはこの七地域だけで終わったんでしょうか、もっとふやすのでしょうか、あるいは年次計画なんかおありなんでしょうか、その点を聞かしていただきたいのです。それから財政上の措置はどうなっているかということも。
#63
○政府委員(降矢敬義君) この地域は引き続きさらに拡大をしてやっていくという考え方でございます。
 それから財政措置につきましては、消防庁のほうと林野庁のほうと二つの経費がございまして、消防施設等整備補助金としては三千五百六十四万八千円が消防庁でございます。それから森林保険特別会計の森林火災予防補助金というのが四十六年度二千六百九万四千円でございます。それで、消防施設整備等補助金の補助対象は、消防無線と防火水槽と林野火災用工作車というものを考えております。
#64
○千葉千代世君 たいへん少ないようですが、この補助金をもっとふやしていく考えはありますか。
#65
○政府委員(降矢敬義君) 私たち、ことしも相当考えたのでございますが、こういう結果に相なったわけでございます。私たちの考え方は、ぜひふやしてまいりたいという考え方でございます。
#66
○千葉千代世君 いまお答えになったのは、四十五年の概要と心得てよろしいでしょうか。
#67
○政府委員(降矢敬義君) 概要でございますか。
#68
○千葉千代世君 質問がまずかったかもしれませんが、たとえば七地域で実施することにしてありますね。実施したいまの段階の概況を説明してほしいということです。そうしたらはっきりするでしょう。指定しただけなのかどうなのか、それがどういう進捗状況にあるのかということがきちっとならなければ、広げていいかどうかわからないでしょう。計画が立たないわけでしょう。
#69
○政府委員(降矢敬義君) こういう地域につきましては、先ほど申し上げました消防施設補助金としての施設補助を行ないましたほか、林野庁のほうにおきましても、森林監視員その他の人を配置するということをやっておるようでございますけれども、詳細は、いま手元に資料がございませんので、もし必要であれば、いずれ資料で御提出さしていただきたい、こういうふうに思います。
#70
○千葉千代世君 これ、資料要りませんから、またの機会に質問さしていただきたいと思います。保留しておきます。
 それでその下のほうに、消防白書のその次のところに、森林火災について空からヘリコプターで消火しているような、科学技術庁とか自衛隊の助けを得てやって、実施の見通しがついたということが書いてありますね。「見通しが得られた。したがって、早急に実用化を図るため、引き続き昭和四十五年度においても、実用化試験が実施されることになっている。」ということですね。すると、これは実施に入っていくのはこれを見てから後ですか。見通しがついたのなら、想定しているわけでしょうから、いつから実施するのでしょうか。
#71
○政府委員(降矢敬義君) この点は消防研究所におきまして研究しておるものでございまして、昨年でありますか、散布する薬剤、それから散布するときの機材、つまりヘリコプターで運ぶものですから、ある特殊な機材を開発いたしたわけであります。それで小実験を昨年やりました。その結果、非常に結果がよろしゅうございました。そこで本年−四十五年度におきましては、いまのところ高尾山のところに大体やれる場所が見つかりまして、それで科学技術庁、防衛庁、林野庁とも協議をいたしまして、三月の中ごろに約一週間くらいの期間を置きまして、そしていままで開発したものを若干改良しておりますので、これによってさらに実験をしてみたいという計画が整っております。直ちに実用化するにはなお若干、研究者の報告によりますと、研究を要するところがございますので、この四十六年の三月に実験をした結果、これで林野庁の関係やその他もだいじょうぶということになれば、一定の機材を準備をしておいて、森林火災に対処するという実用化に踏み切れると私は考えております。
#72
○千葉千代世君 その実用化に踏み切る場合に、消防庁が独自にヘリコプターを用意しているのか、あるいはそれともそのたびに自衛隊に要請してこれをやってもらうのかどうなのか、どういう実情ですか。
#73
○政府委員(降矢敬義君) この森林火災に消火薬剤を散布するときに大体一回ニトン程度の水を運ぶ機材を用意してやっているわけであります。そうしますと、相当大型のヘリコプターでないと、ぶら下げていくものですから、普通のヘリコプターではとてもできません。したがいまして、やはり自衛隊の持っておる大きなヘリコプターをお借りをして、そうしてこれをやる。したがって、森林火災についてそういう態勢、機材として整備されればもちろん自衛隊にもお願いする態勢をとって対処していくということになろうかと思います。
#74
○千葉千代世君 これで私の質問を終わります。
#75
○委員長(若林正武君) 暫時休憩いたします。
   午後零時十分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時十分開会
#76
○委員長(若林正武君) 地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#77
○和田静夫君 先日の答弁に関連して、一つだけ重ねてお尋ねいたしますが、改正法の八条の三項と罰則四十三条の一項一号にかかる問題ですが、この前の答弁では、防火管理者を置かなくてはならない防火対象物について、消防法七条による建築同意の際に、どういう建物が建てられるのかしっかりと把握をすることができるから、まず行政指導をして、その命令に従わないときには罰則を科したほうが現実に即しているし、また法律上行政命令を出せる仕組みにした場合は、その命令に違反した場合に罰則を適用するというのが現在ある法律の規定の形式に合っている、こういうような答弁であったと思うんですが、しかし、私はそういう答弁の中に含まれている考え方にたいへん疑問を持つわけです。すなわち、学校や病院や、あるいは事業所などで常時居住者が五十人以上というような防火対象物、そのような建築物の所有者やあるいは権原を有するものというのは、それらの建物を所有をしたり、あるいは事業を行なうことによって直接社会的ないろいろの義務を負っているわけですね。そうすると、防火管理者を置くとかあるいはその人に防火管理上の任務を与えるとかということもその一つではありますが、その責任はその所有者などが社会に対して直接に負わなくてはならない、そういう公的な義務が一方にあると思うのです。そこで、現行法の四十三条では、この防火管理者をきめなかった場合にこれを直ちに処罰の対象にしている。私はそういうふうに考えますが、今回の改正は行政命令など、役所の措置の違反に対して罰則を適用する、そういうことに改めようとしているわけですから、これは所有者などの社会的な責任について、所有者側と社会との間に一つのクッションを置くものであろう。事業の社会的な責任やあるいはその自覚を法律規範によって直接求める、そういう視点がぼやけてしまうというふうに考えられますが、どういうふうにお考えですか。
#78
○政府委員(降矢敬義君) 防火管理者を置くべき建物というのは相当の大きな建物でありますから、しかも、不特定多数の人間が常時出入りする建物でありますから、したがって、いま御指摘のように、私はやはり社会的責任において十分建物の特別な防災措置を講ずべきものだろうと考えております。法律のたてまえといたしまして、いまでも、選任して遅滞なく届け出をするということになっておりますが、その点を今回の改正においてクッションを置いて、その法律的な意味の義務をやわらげるというようなことではございませんで、従来どおり、それもあるわけでございます。それを担保する措置として、直ちに罰則にいくのがいいのか、それとも今回のほうが実際的であろうか、こういうところが一つの焦点だろうと思います。で、御案内のとおり、現在までこの規定によって直ちに罰則というふうなものもございません。罰則を科せられた例もないわけでありまして、したがって、むしろ社会的義務は義務として、建物をつくる際にその点をはっきり自覚をさせるということによって、置かせる、それでも置かない場合に行政権として発動していくというたてまえにいたしたほうが実際の運用としてもよくはないか。
 それから、同時に、施設整備の関係におきましても同じような構成をとっておりますので、今回もそういうふうな構成に改めたわけでございまして、決して御指摘のように、社会的責任をこれによって緩和をするというような考え方から出たものではございません。
#79
○和田静夫君 ちょっとまだ了解できないのですが、私は、でき上がった建物について防火管理者の選任を指導するより、まず建築許可の同意の際に、完成後建物の使い方にあたっては防火管理者の選任、その他防火管理上必要とされる措置がいろいろあることをまず周知をさせて、そうして、完成使用後は必要な措置を怠っていると罰則の適用があると、そういう法律関係にしたほうが予防対策としては当を得ているようにどうも思えてしかたがありませんが、そうは考えられませんか。
#80
○政府委員(降矢敬義君) 従来はそういう体制になっておったわけでございますが、問題は、要するに、防火管理者というのは具体の建物ごとについて具体の人を防火管理者というふうに選任する行為が当然あるわけでございまして、いろいろ事前に防火管理者を置かなければならぬ、どうするということは、当然御指摘のように指導もしてまいるわけでございますけれども、いよいよ出たときに、たとえば総務部長級とか、その建物におきましてある程度の地位を持つ人を具体の人として選任をして届け出るという仕組みでございます。したがって、社会的責任を今回の改正によって云々するというあれではございませんで、そこはやはり従来どおり、向こうの管理する建物の権限を有する者の責任ということは残っておるわけでございまして、そこを担保するのにいつまでどうしなければならぬかということについての担保の方法として、直ちに罰則を適用するというしかたが従来のしかたでございますけれども、これはどうも私はいままでの例を見ましても実際的でないようでありますので、むしろそのときには直ちに命令を発して、置かせると、そういうことによって罰則をかけたほうが実際的ではなかろうかと、こういう判断でございまして、担保のしかたをどういうふうにするかというところで御見解の相違があるようでございますが、われわれ、実際の運用に徴しまして、今回のほうが消防機関として実際に運用する上にベターじゃなかろうかと、こういう判断をしてこの改正案を出したのでございます。
#81
○和田静夫君 大臣、いまのやりとりなんですがね、この前、大臣お見えなかった時間だったかと思うのですが、言ってみれば、査察が十分に行なわれているという前提がある場合に長官の答弁というのはある一定の説得力を持つと思うのです。しかも、この前もやりとりがあったとおり、査察はいまの人的体制やその他からいっても満足で片ない、こういうことですね。私の質問に対しては、そうすると、満足ではない査察というような形の上で行政命令を考えてみると、違反事件というものが明らかになってきた段階で行政命令が出る。そしてその行政命令のいわゆる措置に違反をした場合に罰則。明確にこれはワン・クッションを置くということになるでしょう。したがって、この辺はたいへん心配になるところなんですが、いかがお考えになりますか。
#82
○国務大臣(秋田大助君) いろいろ考え方があろうかと存じます。この改正をいたしましたのは、私の浅学未熟な知識の範囲内での理解でございますが、確かに先生のおっしゃるとおり、置きなさい、そして査察もし、できていなければ罰則にかける、これが順序でございます。しかし、実際上の措置として、やはり責任者を置いておくということが必要でございまして、査察をしましてもとかくそこが怠りがちになる。怠ったらすぐ罰則にかけるかというと、実際上なかなか罰則にかけるということは、法制上はできておる、当然のことでありますが、なかなかやりにくい。実際上の経験に徴しまして、とにかく火災予防、また消火の実をあげる意味において、責任者を実際そこに置いておく措置を現実にとるということが実際的である、こういう経験に徴されましてこういう改正になったと伺っておりますが、先生のおっしゃる趣旨を十分体しながら、実際面に即しましてこういうことが考えられておると、こういうふうに御予解を願えないものか。実際的見地に立っておると、こういうふうに私ども理解をいたしておる次策でございます。
#83
○和田静夫君 長官、運用上そういうことが起こり得ると思いますよ。それを、だからといって、法律上そこまでゆるめてしまう必要というのは、ぼくは現実には必要性はないんじゃないですか。やはり罰則が適用されるということが前提にあって、いままでは運用上は、責任者を置きなさいとかなんとかという形のことをやってこられたわけでしょう。今度の場合は、まず査察その他のことでもって違反がわかる、そうしたらもう一ぺん指導しますと、そうすれば、これは指導があれば、指導があるまでは違反があってもそのままにしておいて、そのうちに行政命令が来ます。来てから考えればいいんじゃないですか。よって、建築の許可を与える、そのときにいろいろ教育をされましても、それは実際問題としては法律上かなり距離があるものになりますよ。そういうことになりませんか。
#84
○政府委員(降矢敬義君) まさにいま御指摘のように、運用上従来そうやっておりました。ところが、その運用が必ずしも守られない。反面、また、すべて直ちに告発をして罰則にかけるか、それも一案でありますけれども、いま大臣が御答弁のように、置かせるということが一番大事なことでございます。置かせて、計画をつくらして訓練をするというのが大事でございますので、むしろ私たちは、従来勧告とか助言とかというかっこうでその設置を指導してまいったところを行政命令というかっこうに変えて、直ちに命令というかっこうで指導するということにいたしますので、実際から見ますと、むしろこのほうが従来よりもある意味では非常に強化されてきたと私は判断しておるわけでございます。
#85
○和田静夫君 ちょっとくどいようですけれども、いま私が申し述べたように、置かなきゃならないのですね。置かなきゃならぬけれども、しかし、どっちみち、置かずにおったところでそのうちに指導してくれるんだと。指導してくれるまではそんなめんどうくさいことは考えませんと。いままでは、厳格にいけば、そこですぐまさかすぐ罰則を適用するということはあり得ないにしても、罰則というものを背景にしながら、いつ幾日まであなたはやらなかった場合には罰則ですよということになりますね。今度の場合は、もう一ぺん命令を出して、そして一定の距離をおいて、言われるとおり置くことが大切なんだからそこに重点を置くと言われますが、罰則を背景にしても置かずにずるずるときたものが、時間的余裕を与えれば、そこにゆるみが出ませんか。どうもそういうことに運用のほうではなっていくような気がしますがね。
#86
○政府委員(降矢敬義君) 確かにそういう御心配がないとは言えないと思いますが、実はこの規定が置かれましてから相当の年月がたっておるわけでございまして、にもかかわらず、たとえば先般の水戸の中央ビルというふうなところにおいては、複合ビルではございますけれども、そういう管理者がいなかった。この法改正が通過する前におきましても、従来、口頭で指導をしたり、あるいは期限をつけずに、置くことが必要であるので置くように要望するというような文書でやっておるのが通例でございまして、したがって、それは結局いま言ったような相手方の出方によってはきわめて弱いものになってまいりますので、むしろ今度の命令には期限もつけ、そして置かせるというふうにいたしますと、構成要件もきわめて明確でありまして、ごうすればむしろ私たちは実際の運用とマッチしながら、実際の結果としてはこちらの改正のほうが結局置かせるようになるという判断をしておるわけでございまして、結局、何回も繰り返すようでございますけれども、先生御指摘のような危惧は全くないかといえば、あるいはちょっと時間的なズレが生じますけれども、最終の担保として見れば、今回の改正のほうがはるかに私はベターだというふうに考えておるわけでございます。
#87
○和田静夫君 なお、私が述べたような趣旨でも疑問は残り続けますから、それは運用上十分考えてやっていただきたいと思いますが、この間要求いたしました「七大都市の消防力一覧表」をいただきましたが、これを見ますと、化学車の配置について横浜が一八八%、京都が一三三%、神戸が一六〇%と消防力基準をほとんど上回っておりますが、ポンプ自動車、はしご車それから人員の整備については、いずれも三〇%から六〇%台という低い充当率であります。大都市の著しい態様の変化、すなわち社会変動というものが、これらの市当局者において消防行政に相当力を入れていてもなおその変化には対応できないということであろうと、一覧表を見て思うのです。そのことは一面では大都市財政の苦しさをも示しておる。また反面、日本の代表的な都市ですら、こういう消防力整備の状況であるということは、大都市周辺における人口急増都市などの消防力の整備というものが著しく立ちおくれた状況にあるということを意味しているのではないかと思うのです。人口急増市町村の消防の現況は一体どうなっておりますか。
#88
○政府委員(降矢敬義君) 人口急増市町村の消防力でありますが、これは大都市周辺の市町村であります。これにつきましては、例の消防力の常備化というものを逐次進めてまいっておりまして、従来人口基準が十万であったものをだんだん下げてまいりまして、最近三万以上の市町村というものを一つのめどにして常備化をはかってきておるところでございまして、そういう市町村におきましては、つまり常備体制としてひとつ消防体制を整えるということと同時に、午前中も御質疑がございましたが、消防団の力をある程度借りなければならぬものがございます。そういうものと合わせまして逐次この常備力の向上をはかってまいっておりますが、大体ここに書いてあります程度で、平均して申し上げますと、おそらく消防力というのは基準に対して六割程度、現有勢力人員としては、現有施設に対しては約八割程度というのが平均のところではなかろうかと私たちは見ております。
#89
○和田静夫君 そこで、人口急増都市については、たとえば学校用地の取得などで昭和四十六年度から既往の取得分またはこれから取得する分について補助制度などで特別な措置がとられることになるわけですが、これらの地域における公共施設の立ちおくれというのは、ひとり学校だけじゃないわけですよ。したがって、学校はもちろん一日もほうっておくわけにはまいりません。焦眉の問題ではありますが、その他の公共施設の整備についても、これは引き続いて整備されなくてはならないのでありますし、消防だってその例外ではないわけですから、消防庁としては学校用地取得などの問題にちなんでどういう対策をお持ちなのか。それについて大臣としてはどういうふうに対応されようとするのか、御見解を伺いたいと思います。
#90
○国務大臣(秋田大助君) 人口急増都市におきまして各種の社会資本の充実が必要であることは申すまでもございませんが、その代表的なものとして最もゆるがせにできないものとして、義務教育施設等について特別の配慮をいたしたわけでありますが、それもまだ十分ではないということでございます。そこで、いま問題になっておりますこの消防の点でございますが、もちろん人口急増都市――大都市におきましてもただいま御請求による一覧表が出て、これを見ましても考えさせられるところがございます。そこで、従来、どちらかと申しますと、消防力の充実につきましてはマクロ的に全体的に大ざっぱに見ておった傾向が強かったと思うんです。私なども心配しながらやはりその域を脱しなかった。今後は、ここにあらわれましたとおり、大都市のみならず、衛星都市と申しますか、人口急増都市、あるいは石油コンビナート、あるいは旅館等の施設の集中的に集まっております遊覧地、温泉地、こういうふうにむしろミクロ的に見まして、各種の消防力の充実の程度をひとつ具体的に数学的にこまかく検討する必要が私はあろうと思います。そして、それを全国的に五カ年計画とかあるいは十カ年計画というふうに考えまして、数字に即してこれから充実をはかり、財政当局にもこれが充実、実現を迫る。またこれに対しましては財源につきまして従来いろいろのことがいわれておりました。これもひとつ住民の福祉を考えなければならないという新しい時代の政治及び行政に課せられた要請にかんがみまして、考え直すべき時期が来たと思います。入湯税等非常に好評をもって増徴が迎えられておる際でありまして、消防施設充実に関する目的税の創設あるいはこれが強化等を真剣に考慮すべき時代に来た。したがって、マクロ的に見ていたものをもう少しミクロ的に見直さなければいかぬということを私は感じておる次第でございます。
#91
○和田静夫君 この消防力の基準に対する消防の充足率というのは、全国的に見てあまり向上していないように思われるんですよ。いま答弁にありました。いろいろ苦慮されているようでありますが、長官、過去十年間ぐらいの充足率の推移、これはいまおわかりになりますか。
#92
○政府委員(降矢敬義君) 消防力の過去十年間の推移でありますが、御案内のとおり、町村の合併その他いろいろ状況が推移しておりまして、個々の市町村について、いまお手元に御配付したような資料をつくるということはちょっと困難でございます。ただ、全国的に見ますと、先ほど申し上げたとおり、おそらく六割程度というのが現状だろうと考えております。
#93
○和田静夫君 消防力基準の内容を改めるように検討されているという答弁が前の長官のときありましたのですが、その後どういうふうになっておりますか。
#94
○政府委員(降矢敬義君) 消防力基準は、現在のものは三十六年にきめられましたが、二つ問題が私はあろうと思いまして、検討さしておるところでございます。一つは、消防の機材、ポンプ車、化学車その他にいたしましても、従来の性能に比較いたしまして数段進歩しております。低い水準の機材というものを前提にした一つの基準を考えましたのは実は実情に即さないという問題がございます。それからもう一つは、市町村間の応援協定というものが全国的にかなり進んでまいりまして、一つの町村で守るほかに、応援によりて相互に補完をするという考えが進んでまいりました。したがって、そういうことを加味しなければいけませんし、また、たとえば東京都の中で考えましても、特別区の間に現在消防署がございますけれども、これが火事の場合に隣の区に起きたら行かないという体制になっておりません。当然応援に行くわけでありまして、こういう点を加味いたしますと、いまの消防力基準というのが、そういう要素からは、当然いまの基準に比べればもう少し緩和をする必要がある。つまり、過大な要求をしいておるような結果になっておるところがございますので、その点は緩和をしなければならない。それから反面、都市におきましては、高層の建物とか地下街とか、あるいはまた反面、化学コンビナート地帯の造成その他がございまして、そういう地帯におきましては、むしろ時代に対応するために、従来の基準で考えられた以上の要素を機材に要求しなければなりません。そういう意味におきまして、化学消防車あるいはそれに伴う薬剤、こういうものについては、従来とは別な考え方で強化をしていかなければならない要素がございます。で、そういうことをあわせ考えまして、実は消防力の基準というものを検討しておるところでございます。もう一つは、私たちはこの消防はきわめて現場的な活動でございますから、したがって、それを改正し直すにいたしましても、市町村の第一線で活動されておる方々、特に消防長の方方の御意見というものをこれに十分反映させなければいかぬという気持ちを強く持っておりまして、いまの申し上げたような観点から、ある程度全国消防長会議という事実上の団体がございまして、そういう現地の消防長の方々の御意見を聞くということをいまやっておるところでございます。そういうことで、いずれもこれをもう少し今日の事態に即したものに改正をいたしたいということで、せっかく検討中でございます。
#95
○和田静夫君 検討中はこの前も検討中ですが、消防力基準も時勢の推移に従ってずっと変えていかなければならぬわけです。ところがいまも検討中と言われて、作業はスローテンポです。何かそこに理由がありますか。
#96
○政府委員(降矢敬義君) これは実はなかなかむずかしい問題があるわけでございまして、つまり、この前から先生の御議論もございましたが、一つコンビナート地帯というものをかかえる町村について一体企業側の社会的責任というものをどこまで求めるのか。全部それを公設消防でまかなうとすればものすごい負担と人と施設を擁しなければならないわけでございますが、そういうことは現実に言うべくしてあまり実際的ではない、そういうことになりますと、ある程度先般申し上げたように、自衛消防力の強化をはかるという問題を前提においてこういう地帯の消防力を考えていきたい。
 もう一つは、都市におきまして高層ビルができる、高層ビルができるにつれて、化学消防車、あるいははしご車というものをどんどんつくっていく、備えるのだといっても、これはまたきわめて現実的な意味で、むしろ、先般の建築基準法の改正におきましても、わが消防庁の意見を取り入れまして、建物自体がそれぞれ防災的なしかけ、施設を十分備えるということによってそれ自体が防災に対処するという仕組みを考えたわけでございます。したがってそういう要素をどういう程度に取り入れたらよいかということも検討の材料でございます。従来はそういう点は御案内のとおり実はあまり考えられておらないわけでございまして、したがってその辺が、現場の方々の御意見も十分に聞き、われわれもそれに即した検討をしなければならぬ、こういうことで、大体六カ月ぐらいすでにかかっておるのでございますが、そういうことをやらないと、せっかくつくりましても、これは毎年改正していくわけにもまいりませんので、ある程度のめどとしてこれを考えていくことでございますので、もう少し時間をかけたいということでございます。
#97
○和田静夫君 十年くらい前の白書を見ますと、消防力基準の比較であるとか、あるいは数値とか、いろいろな形のものが――数値の比較表とかというものが出ております。ところが最近の白書ではそういう問題には触れられていませんね。何か理由がありますか。
#98
○政府委員(降矢敬義君) 私は特別の理由があるとは思いません。ただちょっと申し上げますと、消防ポンプ車というのはもう消防ポンプオンリーという考え方でありますし、化学消防車といえば要するに消火剤を出して油火災その他に対処する機能だけを考えました化学消防車という頭のようであります。私はそれはおかしいではないか。化学消防車でも、それは油火災でないときには水を出していく消火能力があるわけでございまして、そうすれば当然化学消防車というものと普通ポンプ車というものの機能を考えると、施設基準というものを当然考えなければならぬのではないか。たとえば消防ポンプ車は平均五七%になっておりますけれども、化学消防車は九五%、かりに半分の水を出す力を考えましても、相当の充足率になるのじゃないか。したがいまして、そういう点が多少、従来三十六年程度に考えられた機材の性能というものがかなり変わってきておりますので、そういう点を加味いたしますと、はたしていまの基準を前提にして消防力そのものをかなり低いものとして評価するのが適当かどうかということについては、私自身はしろうとながらかなり疑問を持っております。そういう点も実は専門家のほうにもう少し詳しく検討をしてくれ、機能それ自体が非常に変わっているんじゃないか、その部分をもう少し検討させたい。特に、いままで、昔あったというお話でございますが、特にその点を消防白書から意識的に表を省いたというのではございませんで、白書にも大体、先ほど御答弁申し上げたとおり、六割程度が基準に対しては充足しているんじゃなかろうかということも書いてはございますので、別に基準を全部並べて比較をするというやり方をあえてしなかったについては、特別に他意はないものと考えております。
#99
○和田静夫君 民間老朽社会福祉施設の改築整備計画の資料をいただきましたが、四十六年度までに補助金、それから融資の交付または貸し付けがこういう形で行なわれたわけですが、これらの資金を受けて改築を行なった施設の種類、その現存の施設に対する改築の割合、これはどのくらいになりますか。
#100
○政府委員(降矢敬義君) いま御質問ありました二点につきましては、私たちいま手元に資料がございませんので、いずれ厚生省とお打ち合わせをいたしまして、厚生省のほうで作成をしてここに出させていただきたいと思います。
#101
○和田静夫君 そうしたら同時に、これによって、いわゆるこの第三次計画によって一応一〇〇%の目標を達成するのかどうか、それも明らかにしてもらいたいと思います。
#102
○政府委員(降矢敬義君) 承知いたしました。
#103
○和田静夫君 最後にしますが、自分の意思で自由に行動することができない人々の収容施設ですね。火災の危険からこれらの人たちを守るためには、何といっても建物の不燃化が私は必要だと思うのです。また、それだけでは不十分で、火災の早期発見のための警報機の整備、あるいは避難またはその誘導体制の確立、被収容者の身辺の技術機械の不燃化、消防機関との連絡の強化、あるいは、この前長官が述べられたように、ここで火がついた場合にどうなるか、同じような状態が収容施設でも起こり得るわけで、火がつけば黒い煙が出て前も見えなくなるというような建物などに対する措置、あるいは消火機器の配置などの特段の配慮をなされる必要があると思うんです、本人たちは何といっても自己で判断をする能力に欠けますから。そういう意味で、消防庁は自治体消防に対して多くの指導を必要とすると思いますが、その指導、助言をどういうふうにやっていらっしゃいますか。
#104
○政府委員(降矢敬義君) これは、四十五年の両毛病院の火災、あるいは有馬観光ホテルの火災等を契機にいたしまして、実は会議を招集をいたして、いま御質問がありましたようなことについて具体的にいろいろ指示をいたしました。と同時に、厚生省と一緒になりまして、消防庁それから県の建築関係、衛生関係の方々とともに、こういう施設についての点検をやらせまして、そうして不備な点を改善をする、こういうことでありますし、さらに、厚生省関係におきましてはこのための必要な資金の融資ということについて特別の配慮をしてもらっておるわけでございます。そういうことにおいて、また消防学校及び消防大学校におきましても、病院、旅館、そういう特殊な施設あるいは社会福祉施設、こういうものに対するいま申し上げたような特別の教育といいますか、訓練の重点事項というようなものも特に加えまして、具体的な施設ごとにその状況に応じた防火体制、特に私たちは先般申し上げたとおり、こういう人たちの身の大切を考えますと、早期発見、早期避難が一番大事なことでありまして、これを中心に具体的に会議その他において指示をしてまいったわけでございます。もとより作文による具体的な項目をあげた通知、通達等も出しておるところでございますけれども、むしろ現場的な教育、あるいは会議等を通しまして具体的に指示をしているというのがいままでの状況でございます。
#105
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#106
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#107
○藤原房雄君 消防法の一部改正の法案の審議に入ります。まあ、前回の災害対策特別委員会、それからまた前の当委員会においても、火災問題についてはいろいろお聞きしましたので、二、三の問題について考え方をお聞きしたいと思います。
 まず最初に、非常に最近は火災が年々ふえておる。これだけの多くの火災を未然に防がんという、こういう趣旨のもとに消防法の一部改正という法の一部の修正をし、それに対処しようということであると思うのでありますが、高度経済成長におきまして、危険物の施設とか構造とか地下街とか、ほんとうに社会の急激な発展によりまして様相が変わっております。大局的に見ますと、いろいろな統計がございますが、去年の消防白書によりますと、火災は九分に一件といいますか、毎日百五十六件火災が起きておる。それから一日二十九人の死傷者、一日の財産二億というのですから、ほんとうにこれはたいへんなことだと思います。これに対して真剣に取り組む姿勢というのはどうしても必要だと思うのでありますが、貴重な財産、人命を失う火災に対しまして、最初にお伺いしたいことは、今回の消防法の改正はまあ抜本的なものではなくして事態に即応した改正であると、こう思うのでありますが、年々火災がふえ、損害額がふえておる現況からいたしまして、こういう状態ではなくしてもっと根本的にあらためなきゃならない時期にきているんではないかと思いますが、こういう問題につきまして、いろいろ年次計画とかいろいろな根本的な改正というものにつきましてお考えがあるかどうか、またそういう問題についてはどのようにお考えになっているか、まずその点をお聞きしたいと思います。
#108
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘のように、年々火災がふえ、死傷者もふえていくことは残念なことであります。消防法の抜本的な改正ということになりますと、体制の問題からおそらく議論があると思いますが、私たちは現在の消防の体制、市町村を中心にした消防の体制というものは少しも変える必要がない。これは私は、消防というものは最も現場における具体活動でありまして、近くにおってそれに対処する以外にこういう防災というものはやりようがないわけでありまして、そうすれば、一番身近な市町村において、常備体制として、ある機材と人員というものを備えておくことが最も望ましいのでありまして、これをどうするという考えは少しもありません。そこで、そういう前提に立って現在の火災の状況に対して消防法を基本的に変えるところがあるかどうかという問題になると思いますが、これはむしろ御案内のとおり、通常の建築火災につきましては、従来消防法を改正いたしまして今日の姿で対処し得ると思っております。要は、大体八割までが建物火災で、これも失火でございますから、基本はやはり火の元を各人が注意をするということが大前提でありまして、この点は制度をいかに改正してもどうにも対処しようのないところでございます。したがって私は、通常の火災の問題については別に抜本的に改正する必要は考えておりません。問題は、御指摘がありましたように、新しい建築、新しい地下街、こういうものに対しまして、どういうふうに対処していくか、こういう問題が実は新しい問題だろうと思います。この点につきましても、先般の建築基準法の改正におきましても、相当大幅な防火体制を施設の中に取り入れたわけでございます。で、したがって、その面からいたしますと、現在の段階でさらにこの基本的な見直しをしなければならぬだろうかということになりますと、私はその点はまだその必要はないだろうという気がいたしております。もとより、反面公設消防自体の問題につきましては、実は先ほどからいろいろ御議論ありますように、新しい機材、新しい活動体制というものを確保するためには、これは実は法律そのものの改正よりも、消防力の基準の改正とか、あるいは団員の処遇改善とか、あるいは機材のための財政措置を強化することによってむしろ対処し得るのではないかという気がいたしております。残された問題は、実は危険物にあるだろうと思います。で、危険物の取り締まりにつきましては、今般の改正で、第四類、つまり石油類を中心としたものにある程度整理を加えまして、これは私は消防審議会の答申並びに業界の意見も十分に参酌して、新しいものを一々法律にあげていくのでは石油類の危険物に対処できないということから、今回一括的な名称でそれをくくって、いつでも新しいものに対処し得る状態にしたわけでございます。この点は、従来の危険物行政から見ますと、きわめて、私から言わせていただきますれば抜本的な改正に近いものでありまして、考え方としては、要するに個別名称をあげるというものを性状でくくってどんどん新しいものに対処し得る、それから非常に危険なものにつきましては特殊引火物という名称のもとに従来以上に規制をする、これは危険物行政としては非常に前進だろうと思います。なおそのほかに、危険物については、御案内のとおり六類までありますが、この点は若干今後検討して、あるいは改正をし、規制を強化する部面ができてくるだろうと思いますが、これは私は先ほど抜本的な改正かどうかということにつきましては、それほど大きな抜本的なものにはならないのではなかろうか、こういう感じで消防制度について考えているところでございます。
#109
○藤原房雄君 法はすべてではございませんので、法律によって火災を防げるとは、こうは私も簡単には思っておりませんが、いずれにしましても、このように非常に年々急増するといいますか、ふえつつある火災、人命それから財産の焼失という、こういう問題につきまして静かに考えてみるところ、どこに、どうすればこれを下降線をたどらせるようなことができるかと、こういう点を考えるわけでありますが、一体法に不備な点があるのか、現在のこの法はありながらも消防力なりまたいろいろな、いま長官も仰せになった物事一つ一つを検討して、そういう点に不備な点があるのか、まず大きな観点からいろいろそういう点を考えてみたわけでありますが、抜本的な改正ということに当たるか、洗い直すというのか、時代の非常な急激な変化の中にあるわけでありますから、時代に即応したものに考え直す必要があるのではないかと、こういう考えで先ほども申し上げたわけでありますが、確かに今回のこの法案はある点では一歩前進という、こういう感じもするわけでありますが、この火災の問題にしましても、消火に重点を置くか、予防に重点を置くか、こういう点からいろいろなことが言えると思うのでありますが、いずれにしましても、火災原因というものが非常に人為的なものが多いという、こういうことからしまして、器具の装備等について万全を期することとともに、やはりある程度教育といいますか、こういうものも必要じゃないかと思います。
 二十八日から予防週間が始まるということでありますが、これも年々回を重ねてまいりますと、どうしてもマンネリ化する、こういうことから、こういう問題についても新鮮さを持たせるという、こういう配慮も必要だろうと思いますし、そういうあらゆる角度からいろいろ検討してみたい、そしてまた是が非でも火災を何らかの形で減少する方向に持っていきたいものだと、こう念願するわけであります。いまもちょっと申し上げたのですが、この年々行なわれます火災予防週間という今度の二十八日から行なわれますものは、どういう趣旨で、どの点にポイントを置き、現在のこういう多様化する火災、社会の中にあってPRをしようとしておるのか、まず、この点ひとつお聞きします。
#110
○政府委員(降矢敬義君) いまお話がありましたように、われわれも何とか火災の減少、死傷者の減少を念願しているわけでございます。そういう意味におきまして、いま御指摘のありました防火教育といいますか、防災教育というものも、実は行政局のほうでやっておられますコミュニティ活動の中にこの防災活動というものを何とか取り入れられぬかということで、行政局のほうでも検討をし、私のほうでも検討をしておるところでございまして、現在、御案内のとおり、婦人防火クラブとかあるいは少年防火クラブというのが全国的に相当多数ございますが、こういうものを核にして何とか地域的なものとしての防災を確立できないだろうかと、こういうことを一つの念願としておるところでございます。
 なお、御指摘の防火週間はこの二十八日から来月の十三日まで行なうわけでございますが、その重点事項として、地域ぐるみの防火総点検ということが一つございます。
 その次には、何といいましてもたばこによる火災が非常に多うございますので、たばこの投げ捨てと寝たばこの防止ということを一つのテーマにしております。で、寝たばこにつきましては、最近の事例で私が聞きましたのは、敷布がわずか十センチ平方ぐらい焦げているだけで死亡している例があるそうでございます。それはその製品が、先ほどから御案内のビニールというか、石油製品の繊維でございまして、そこから出る一酸化炭素がちょうど寝ているときに鼻の上を通るというふうなぐあいで、寝たばこによる火災並びに死傷というものが多いようであります。何といいましても、たばこによる火災が非常に多いのでございまして、この点を一つのテーマに取り上げていこう。
 その次は、就寝時、外出時の火の元の点検を励行する。これは当然なことでありますが、やはり習慣づけるという意味で今回も取り上げたわけでございます。
 それからもう一つ、旅館、百貨店、映画館等における防火訓練、これをこの期間にぜひやる。特にその場合には早期発見と早期避難に重点を置くということもやらせております。なお、申しおくれましたが、いまのたばこのところで申し上げましたように、最近の事例にかんがみまして、さらに予防課長の名前で、火災の早期発見と早期避難ということをいまの煙とガスの問題として取り上げて、この点を重点に現在の広報媒体、特にテレビを県が相当活用しておりますので、これを使ってこの点を十分徹底するように特別な指示を出しておるところでございます。
 それからその次に車両火災とそれから林野火災の防止というのが一つのテーマでございます。
 大きなテーマとしてはそういうことを取り上げまして今回の防火週間の重点事項といたしたいと、こういうことで現在準備をさせておるところでございます。
#111
○藤原房雄君 このたびのこの法改正の中で危険物の品名の整理やまたは指定数量の合理化というこの点はよろしいかと思うのですが、次の危険物取扱者制度の整備、これは過日もいろいろ議論のあったところでありますが、最初の話に戻るわけでございますが、法の改正は必要ないということなんですが、じゃあしからば何をどう充実させるというか、整備することによって火災を防ぐことができるかと、こういうことになるわけですが、その点で、この危険物の取り扱いということが非常に大事なことになってくると思うのですが、今度はこの危険物の取扱者の制度を変えたわけでありますが、今回の改正で丙種の危険物取扱者制度というものを設けることになりましたけれども、これは薪炭業者などが供給しているといいますか、どのくらいの数量のたとえば灯油等を販売している人についてはこれが適用されることになりますか。
#112
○政府委員(降矢敬義君) 灯油で申し上げますと、灯油は第二石油類でございますので、指定数量としてそれ以上扱うものは五百リットルでございますので、大体ドラムかん二つ程度でございます。
#113
○藤原房雄君 それから、この資格試験かなんかあるわけですけれども、この資格をとりますと、一度この資格をとると、そのあとには講習とかまたは何か新しい時代に即応したことで教育とか何かするという制度は現在ないのですか、どうですか。
#114
○政府委員(降矢敬義君) 現在は制度的にはございません。実際はやっておりますが、制度的にはございません。で、今回、その制度をつくることにいたしました。
#115
○藤原房雄君 どういう形で行なうか、それをちょっとお聞きしておきたい。
#116
○政府委員(降矢敬義君) これは、危険物につきましての講習は、一つは都道府県知事が行なう講習を考えております。しかしそれでは足りないので、消防本部を置く市町村においてもこれをするようにしております。それからもう一つは、危険物保安協会というものが法人の形で各地に設立されておりますので、そういうものを指定をして、保安協会等を通じてその講習を行なうようにさせるということを考えております。
#117
○藤原房雄君 それから、タンク・ローリによる危険物の輸送監視という、これもまことに時宜にかなったことだと思います。最近はほんとうにわれわれの身近に危険なものがしょっちゅう横行しておるという、こういうときでありますから、必要なことだと思うのでありますが、この危険物取扱者を必ず乗車させることになるということ、これも実は大事なことだと思います。これも今度は試験で、まあなるべく運転者の人に資格を取らせるようにするという、こういう配慮をいたしたわけでありますが、現在のことをよく私もわからないのですが、こういう危険物を輸送する場合に、危険物を表示をするということになっておると思います。それはよく見かけるわけですが、どういう沿線を、どういう路線を通って目的地に行くかという、そういうことについての報告義務とか、こういうのはあるのですか。
#118
○政府委員(降矢敬義君) 現在そういう路線指定あるいは報告義務というものはございません。
#119
○藤原房雄君 実際その資格を持った人が一人、運転手がその取扱責任者というようになっているわけですが、荷を積む、またはおろす、そこが一番あぶないことになるわけですが、しかししばしば社会問題になっておりますのは、輸送途上においても問題が起きておるわけであります。最近は非常に危険なものもございまして、そういうことからいたしますと、通過経路というものをあらかじめこれを報告し、関係の消防署または本部等においてはそれ相応の準備をするといいますか、そういうことを事前に察知するということは大事なことじゃないかと思いますけれども、事件が起きてからでは間に合わないことでありますし、また通過経路というものもそうあちこち変わるのじゃなくて、大体きまっておることじゃないかと思います。いまパイプライン等いろいろなことが考えられておるようでありますけれども、現時点において、タンク・ローリが危険物を輸送するという、こういうときには、あらかじめ消防署、関係のところに、どういう路線をどういうものが通るかという、こういう事前の報告をキャッチし、まあそういう体制を整えるという、こういう必要性があるのじゃないかというふうに考えるのですが、この点はどうですか。
#120
○政府委員(降矢敬義君) 路上における危険物の安全輸送という問題は、ひとりタンク・ローリの問題だけじゃございませんで、劇毒物とか、あるいは高圧ガスとか、あるいはいまの危険物とかいろいろなものが現在タンク・ローリ式のものによって運搬されております。この点については、実は御指摘のような問題がありまして、われわれは総理府にあります中央交通安全対策会議というところにおいて、厚生省あるいは運輸省、通産省、それから消防庁あるいは建設省というところがいろいろ入りまして、その路上における危険物の安全輸送についての対策を何か立てなければいかぬということで寄り寄り相談をしておるところでございます。その中に、御指摘のような、たとえば危険物の輸送というものにつきましては路線を指定するというような問題も具体的にどういうふうにどうしたらいいのかというような議論も当然あるわけでございまして、逆に言えば、通って悪い道路というものをどうするか、あるいは住宅が密集している狭い道路というようなところをどういうふうにして制限したらいいかというような問題も含めまして、当然御指摘のようなことについてはわれわれとして検討を進めているところでございまして、できるだけ早く何らかのかっこうでこの手を打つということが必要ではないかというふうに考えておるところでございます。
#121
○藤原房雄君 まあ簡単なものですが、長い柱とか鉄骨とか、こういうものを輸送するときでも、警察に、赤い旗を立ててそしてどこどこを通るという報告をするわけですね。こういう義務があることになっているわけですから、現在までは資格のない人が運転しておった、今度は一歩前進して危険物取扱者の方が乗車する、こういう資格の人が乗るということでありますけれども、やはりこれはこういう通過経路をまあ指定する、制限する、こういうことも伴ってくると思いますけれども、報告させる、報告を義務づけるという、またそれに対して消防関係当局としても事前にどこをどういうものが通るということを察知するということは、これは必要だと思うのでございます。いまもいろいろお話がございましたので前向きに検討しているようでありますので、早急に、大きな事件のないうちにこういう問題を進めてもらいたいと思います。
 次は防火管理ということで、防火管理者の選任というこのことも、過日もきょうもいろいろ議論になっております。法的にはいろいろ取り定めがございますが、この法律がなかなか生きていないということ、早い話が、国会ですね。国会もそうですし議員会館もそうですが、私どもこっちへまいりましてもう三年になるわけですけれども、だれが防火管理者になっているのか、責任者になっているのか実際わからないわけですね。わからなくてもいいのかもわかりません。しかし、いまここで火事があったらどこからどうしていいのか実際わからないわけですね。長官が案内してくれればそのうしろについていきますよ。なかなかこれは実際の問題としてそういうことはきめることになっておって、きまっておるところ、きまってないところ、またそれが周知徹底しているかどうかということになりますと、なかなかこれはむずかしい問題だと思います。そういうことで、最初にお聞きしたいのは、いままで消防庁としてもこういう法律のもとに防火管理者を選任するということになっておったわけでありますから、該当する防火管理者を置かなければならないところで防火管理者を置いてなかったところがどのくらいあったのか、これまでいろいろな統計や何かでおつかみになっておったらお知らせ願いたいと思います。
#122
○政府委員(降矢敬義君) 全国的にそういう調査を実はしたことがございませんので、どのくらい置いていないのかということは承知しておりません。
#123
○藤原房雄君 すると、局部的にでも、全部でなくてもどこかの町または村、または抽出して調べた結果がございますか。
#124
○政府委員(降矢敬義君) 防火対象物の施設の数は、四十五年四月一日で三十四万五千でございます。しかし、このうちどのくらいどうなのかということについて抽出調査もいままでしたことがないようでございまして、その点は承知しておりません。
#125
○藤原房雄君 そこあたりが大体問題だと思うのですね。まあおそらくこの法に定められたように防火管理者を選任していないところが相当あるのではないかと思います。しかし、実際火災になって、そういう選任されてなかったということがはっきりしておる。過日の火災のときにも、大きな火災があってそういうことがわかった。これではならないんで、先ほど一番最初に、長官は、法の抜本的な改正は必要ないだろうというお話でありましたが、それならそれなりに、こういう問題をきちっとしなければならないのではないかと思うんです。今度は、選任してないところについては選任を命ずるという、こういうことになったわけであります。どのぐらい選任してないかということもわからずにこれから始めるわけですけれども、また、防火管理者を選任しておっても、防火管理者が防災計画というものを立てることになっておりますが、はたしてこの選任されている人がそういうなすべきことをきちっとしているかどうかということになりますと、これまた現実はわれわれの想像も及ばない現況ではないかと思うんです。おそらくこういうことについてもあまりお調べになったことはないんではないかと思いますが、こういうことを一つ一つ考えてみますと、もっと火災予防ということに対して真剣に取り組まなければならないと思うんです。しかし、いま申し上げた防火管理者の選任すらも掌握してないということは、消防庁としてはやっぱりこういう体制についてきめのこまかい目が届かないような現況なのか。まあ、怠慢のためとは私は思いませんけれども人が足りないのか、そういうことに意が注がれていなかったのか、この辺はどうなんですか。
#126
○政府委員(降矢敬義君) 実はこの問題については、私の考え方はこういうことでございます。冒頭申し上げましたとおり、市町村消防であります。したがって、市町村消防の任務ということと、それから少なくとも現行の規定におきましては、何ものにも干渉されずに自分で全部責任を持ってやるというのが消防組織法にもわざわざ書いてある。にもかかわらず、査察をして、しかも発見をしても、置かせない、それを強制的にも置かせないで推移しているという事態が少なくとも水戸の中央ビルの火災においていみじくも発見された。それは三十九年から八回勧告しているにかかわらず置かない。そのこと自体が一体市町村消防というたてまえから見ていいのか悪いのかということは、私は、口では市町村消防と言いながら、やること自体については必ずしもよくない、こういうことで、私はこの前の火事でも、おかしいではないか、そこが実はこの問題のポイントであると思っておるんです。今度制度を改正いたしましたということは、反面、市町村消防というものがそういう体制ではいられなくしてある。逆に言えば、そういう命令を出さないことがいよいよおかしい、どうしても置かさなければならぬということを反面義務づけたことにもなっておるのでございまして、そういうことは、実は市町村消防、二十三年以来の歴史を持つ今日、はたしていいかどうかということについては、基本的にいろいろ御議論があるところだとは思いますけれども、そういうことをして、しかもおそらく市町村消防としてやれるとすれば、規定の上で義務づけるとすれば、私はここが限界じゃないかというふうに考えております。消防庁といたしまして、ああいう大きな火災がしばしば近年あるわけでございまして、そのたびに、防火管理者の選任とその管理者のもとにおける避難訓練ということについては、実は口をすっぱくして何回も会議を通じ、通達も何回も出しておるわけでございます。で、今回私も相当きつく言いました。それからもう一つは、防火管理者には、規定の上では消防計画の中にあらゆるものが要求されております。非常に詳しい消防計画をつくることになっておりますが、私はそれは、規定は規定といたしまして、何に重点を置いて防火管理者というものが仕事をやるのかといえば、やはり早期発見、早期通報、避難、この三点じゃないか。設備のほうは建築基準のたてまえ、建築するときからわれわれ注意をさせますし、また設備はある程度ずいぶん普及いたしました。したがって問題は、残るのはいまの三点でありまして、ここを中心に、私は、少なくとも防火管理者を置くような施設におきましては、年二回は避難訓練というものをぜひやるように個々の施設に関与をし、市町村当局もその際応援をして、そういうことでこの大きな施設等についての災害というものを、事故というものを防止していく必要があるということを先般も指示をいたしましたし、また最近におきまして、やはり私、数人の消防長にお会いいたしますと、やはりそういう気がまえで、そういう大きな施設については特に念入りな訓練をやるという態勢に変わってきておりますので、今後そういうしかけの方向でまいるものと考えておりますし、またわれわれもそういうことで指導してまいりたいと、こう考えております。
#127
○藤原房雄君 長官の意気込みはわかるわけですけれども、現実の問題は、いま水戸の火事等、またいろいろお話がございましたとおりのようなわけであります。これは市町村消防ということで、その自主性にその責任をまかせるという、あまりそこを国がタッチするということはやはり限界があるだろうと思うのでありますが、防火管理者というのは、現在は講習によって資格が得られることになっておりますね。そのあと、その管理者が実際に何をどうするかということは、一日、二日の講習では、実際は具体的な問題についてはいろいろわからないことがあるわけでありますが、それを実際にやる場合には相当やはりいろいろなものに自分がタッチしなければでき得ないことだと思います。これは管理者の資格を与える二日間の講習、そのあとにくるいろいろな訓練といいますか、指導といいますか、こういうことが非常に大事なことになってくると思います。市町村で、市町村消防でも目が届かない。先ほどもちょっと申し上げましたように、国会でもわれわれも実際、いまの消防庁長官のお話によりますと、年二回避難訓練すると言いますけれども、われわれ、実際避難訓練をやったことはないです。なかなか管理者の人の強い意思といいますか、また防火管理者の、ほんとうに何をどうするかということに対しての深い知識がなければできないという、こういうことから、資格をとったあとの形態というものが必要でありまして、そこに大きな欠陥があるのじゃないかと思いますが、それは現在までどういうふうにやってきたのか、またこれからどうしようというのか、その辺はいかがですか。
#128
○政府委員(降矢敬義君) 現在まで市町村において講習をいたしますが、その際も業態別に実務の面で講習をする。たとえば具体の建物について、大体業種ごとに分けまして、こういう施設であればこういうような消防計画、こういうような消火設備、こういうような避難の経路というような実務的な講習を現在までもやってきたわけでございます。私は、今後もそういう方法を継続をするということと、やはり同時に、先ほども申し上げましたとおり、年二回訓練を実施する。それに消防の現地の方がそれぞれ協力し、また指導する、こういうことでこの問題に対処したい、こう思っております。
#129
○藤原房雄君 そうすると、年二回の避難訓練をする。そのときに消防署から避難訓練にタッチして、具体的なことは防火管理者にいろいろ指導するなりまた再教育をするということになるわけですか。
#130
○政府委員(降矢敬義君) そのようでございます。
#131
○藤原房雄君 それから、それは年二回の防火管理者のきめた計画で避難訓練をするということで、実際は、いろんな建築材にしましてもまた危険物にしましても日進月歩でありますし、またきのうまでなかった建物が自分の家の前に建つと、こういうことで、いろいろ様子は変わってくるわけですね。ですから、私は、一度防火管理者の資格を得ると、そのあとは、消防署の方に来ていただいて実地にいろいろなことをやるのを見よう見まねで習っていればいいということではなくて、そのあとでやはりいろいろ講習とか再訓練とか、現場に即したいろんな再教育ということが必要ではないかというふうに考えるわけですけれども、こういう点は現在はやっておるわけですか。
#132
○政府委員(降矢敬義君) いわゆる再教育というかっこうで、現在も実施しております。
#133
○藤原房雄君 そうすると、これから防火管理者の資格を得た人は、そういう面では今度はきめこまかないろんな指導を受け、訓練を受け、自分の責任を全うすることのできる、そういう立場になれるということだと思いますが、現実は、仕事が忙しいとか、防火管理者としてそのことだけやっているわけじゃないので、一年に一ぺんか二へんの講習では実際にそこにいけないということですね。そういうこともあって、実際は徹底していないということが現状なんですね。こういう点も踏んまえて、選任、今度は消防機関が管理者を選任することを命ずることができるようになったのですが、それらの方々に対して、今度はどう教育をし、どうそれらの方々の資質を向上させるかという、こういうことになってくると思うのです。現在はどのくらい管理者がいらっしゃるかわかりませんが、今度は、各きめられたものには必ずこれを選任しなければならないということになりますと、相当な数になりますので、そういう再教育といいますか、再訓練といいますか、資格を持った防火管理者の資質向上ということに相当計画的に事前に対処しておかなければ、ただ任命したけれども、その人たちは実際には何をどうするかという知識がない、または対処できないという、こんなことも起きてくるようになるのではないかと懸念するわけですが、このことについて、今後さらに真剣な、そしてまた進んだ考え方で実施しなければならないと、こう思うのです。その点についてはいかがですか。
#134
○政府委員(降矢敬義君) お説のとおりだと思います。
#135
○藤原房雄君 それから、立ち入り検査のことですが、先ほどから長官もお話ししていますように、何といっても火を出さないということが大事だろうと思います。そのためには立ち入り検査ということが非常に大事なことになってくると思います。また査察ということですね。しかし、実際聞くところによりますと、立ち入り検査は消防法の第四条でできるわけですが、やっても、そしてまた改善命令といいますか改善勧告、こういうことをしても、実際に消防署に言われたとおり改善していればいいのですけれども、往々に、大きな火事になったときに、消防署は注意したけれども直してなかった、そのことのためにこういう大きな惨事を招いたということがよく報じられるわけですけれども、今日までいろいろなことを、立ち入り検査をして改善命令または勧告した、それがどのぐらい守られているか。この点はどうですか。
#136
○政府委員(降矢敬義君) この点につきまして、手元にある資料によりますと、四十三年の有馬温泉の火災を契機にして温泉地、観光地の旅館、ホテルについて一斉点検をやりまして、そのときに改善命令を相当出しております。その結果、約半年後の結果を見ますと、当時四割ちょっとぐらいが改善されております。で、このときは、多少、電気火災報知設備とかその他のいろいろなものが新しく取り入れられたことをはさんだときでございまして、いま申し上げたような結果がありますが、さらにこれが今度、おそらく新しい資料では、相当、三月三十一日までに自動火災報知機その他のものをつけなければならぬことになっておりますので、その時点でもう一回調査をすれば、この改善は相当進んでおるものと、こういうふうに私は考えております。
#137
○藤原房雄君 いまのお話ですと、大体四割ぐらいということなんですが、それは、改善の指示の内容によって、ものごとによりまして、緊急を要すること、またすぐ急がなくてもよろしいものといろいろあるので、ただパーセントだけでは云々できないと思うのですが、しかし人命にかかわり、しかも貴重な財産を焼失させる非常に大事な問題で消防署が勧告した、または改善命令をしたということについて、四割程度しか改善しない。これは一体なぜそう実効があがらないのかということを非常にふしぎに思うわけですけれども、ただ法で縛るということではなくして、いろいろなこれは条件があるだろうと思うのですけれども、こういう大事なことが実行されない、それはどこに問題があるのか。また消防庁としてはどうお考えになっているのか。その点についてお聞きしたいと思います。
#138
○政府委員(降矢敬義君) 御指摘の疑問は私どもも同様に持ちました。で、一番端的な問題はやはり資金の問題ではなかろうかと、こういうふうに考えております。もちろん管理者、所有者の考え方もございますが、考え方が非常によくとも、直ちに、資金的な問題でこれを実施できないという事情もあるようでございます。この点につきましては、特に自動火災報知機その他につきましては、期限が三月三十一日に参りますので、昨年の十一月に、県の融資措置あるいは補助その他とにかく財政的な援助措置というものをぜひやってくれということでお願い申し上げまして、約二十数県は特別な財政援助措置を考えておりまして、おそらく今度の追加予算ではもっといっているものと私は思いますが、と同時に、国のほうにおきましても、環境衛生公庫を中心に、特に火災予防施設に対する融資措置というものを強化していただきまして、これによってさらに促進できるものと、こういうふうに考えているわけでございます。
#139
○藤原房雄君 もちろんこれは、資金の面は大きな問題だろうと思います。しかし、まあ焼けたときのことを考えると、これは何とかしょうという――しなきゃならないことなんですから、それ相応の説得力といいますか、またそれを説得させるその担当者、こういう方の問題もあって、ただ事務的に指摘したということでは事は済まないだろうと思います。まあこういうことにつきましても、せっかくそういう危険な問題が指摘されながら、それがうやむやになって、そこからまた火事が出るなんという、こういうことがないように、こういう面のことにつきましてほんとうにきめこまかな対策といいますか、これが大事なことになってくると思います。そういう点については一そうひとつ御検討いただきたいと思います。
 それから、温泉、観光地等においては非常に死者が多いわけですね。最近は中高層ビル、こういうのも多くなっておりますし、建材等いろんなこともございまして、死者がふえておるということでございますが、温泉、観光地、ことしは新年早々大きな火事がございました。こういうことで、市町村消防でもやはりこの査察ということについては意を注いでおることだと思うのですけれども、実際はこういう多くの負傷者を出す火災が絶えないという、こういう現況です。こういうことからいたしまして、査察にいたしましても継続的にやはり続けてやらなければならないと、こう思うのですね。しかし、現地のいろんなお話を聞きますと、非常に人手が足りないとか、まあそういう、理屈ではわかるけれども現実にはなかなか行なえないような現況の中にあるわけですけれども、これは灰になってからあわてたんじゃしようがないことでありますから、こういう面の十分な効果のあがるような査察を続けなければなりません、こう思うわけです。そしてまた、現在までいろんな火災の原因がございました。温泉、観光地における火災は何度かありました。いろんなケースがありまして、そういうことからおよそ考えられる問題点というのはおそらく幾つかあがっているわけですね。こういうことからいたしまして、二度と同じ轍を踏まないという、こういうことで、査察に対して継続的に、しかも厳重に行なう態勢というものをどうしてもがっちりとやらなければいけないと、こう思うのです。こういう点について、現況、またこれからどういうふうになさるお考えか、この点をお聞きしたいと思うのです。
#140
○政府委員(降矢敬義君) 査察につきましては、従来からも計画的に定期的にやる。で、査察のポイントにつきましてもそれぞれ指示をいたしまして、いま御指摘のような方向でやらせるように指導をしておるわけでございます。その点は今後とも当然そういう態度で査察をやるということにさせております。問題は、査察後の一体始末を的確にやるかやらぬかというところに問題がありそうでございます。で、何回も引例して恐縮でございますが、水戸の中央ビルの査察の結果につきまして、数回やりましたけれども、そのうちの一部が改善されているにすぎないというところがございまして、したがって、われわれは先般来も、査察と同時にあとの追跡調査をさらに励行する。したがって計画的な査察の中には、査察と同時に査察結果の追跡というものを新たに重点の中に入れまして、そしていま御指摘のような継続的な査察を今後も続けていくということがねらいでございます。
 と同時に、新しいもの、新しい施設、新しい設備というものが建物の中に相当だんだん取り入れられてまいりますので、そういう点の予防、査察予防員の教育という面につきましても、いわゆる再教育という意味で、消防大学校におきましてもこの点を重視しておりますし、また各府県の消防学校におきましても、教育面からの予防員の強化ということについても今後とも力を注いでいくつもりでございます。
#141
○藤原房雄君 ぜひひとつ強力に進めていただきたいと思います。
 まあ立ち入り検査にいたしましても査察にいたしましても、いろいろな設備の状況、またはいろいろな検査をするわけですね。その検査をするにあたりまして、十分の検査器具、これは午前中千葉委員もお話ししておったのですけれども、検査器具がそろっていて、それで十分にあらゆる点から検査しているかどうか。また、その消防署員の方々がそういうものに人員的に不足があったりなんかして十分な測定等ができないことがないかどうかというこの点、非常に危惧するわけですけれども、漏電計とか水圧測定器、また絶縁抵抗測定器とか自動火災報知設備検査器とか、そういうので検査するわけですけれども、そういうものがきちっと、まあこれは大都市、中都市、こういうところではもちろん完全だろうとは思うのですけれども、各消防署、それで特に温泉、観光地といわれるようなところでは、十分な消防署の態勢もないような山間僻地が多いのですけれども、こういうところで十分なこういう測定器具があって測定されているかどうかという、こういう点、非常に危惧するわけですけれども、こういうことについて消防庁としてお調べになったことがございましょうか。
#142
○説明員(永瀬章君) 御指摘の査察の用具の関係ございますが、まあ大都市及び中都市程度では、御指摘のように大体電気関係の絶縁抵抗器その他の器具はほとんど全部持っておると思います。また危険物関係、特にゾソリンなどの可燃性のガスの漏洩を発見いたしますガス検知器と申しておりますが、この器具も、中都市以上の消防器では全部持っているようでございます。
 ただ、御指摘の温泉、観光地、しかもそれが消防団のみの地域につきましては、役場の職員で非常に考え方の整備されているところでは、いまのような器具を持っているところもございますが、多くのところではまだ十分に持っていないようでございます。で、これの整備につきましては、極力そういう器具を持ちまして査察をやるようには県を通して指導はいたしておりますものの、なかなかその器具を使いこなすだけの人が得られないケースが多うございますので、これにつきましては、県に単校等がございますので、県の指導で、あるいる現実的には、実質的の立ち入り指導といいましょうか、県の人が行ってやり方を調べてやるという形で現在のところ補足している状態でございますから、消防団単独の地域につきましては必ずしも十分でないようでございます。
#143
○藤原房雄君 いま御答弁いただきましたけれども、現実にこれを調べますと、まあいろんな問題が出てくるのではないかと思います。こういうことですと、もう査察とか立ち入り検査とかいっていますが、それ以前の問題でして、こういうことにつきましては、ひとつ鋭意整えられて、そして十分の検査のできるようにしなければならないと思います。この点につきましてひとつ全国の状況というものを総点検していただいて、大体いままで観光地または温泉地等における火災というのは、あまり気もつかなかったようなところから起きておりますし、また思いがけないところから出ているわけでありますし、また多くの人命を失うというたいへんな悲惨な問題を起こしているのでありますので、こういう点をひとつ厳重に調べていただきまして、万全を期していただきたいと、こう思うんでありますが、長官いかがですか。
#144
○政府委員(降矢敬義君) この点につきましては、全く同じような考えを持って心配しているところでございますが、これに対して実は消防の常備化というものをやはり急速に進めなきゃいかぬのでありまして、四十六年度も、関係の市町村では三百九十ぐらいの市町村が常備の体制に入るという計画を持っていま進んでおりまして、こういうかっこうで、常備職員を置くときに当然予防査察の人をその中に要員として抱えるわけでありますが、その点を通じてかなり私は前進すると思います。現在の常備化されているところでは、人口としては七六%近くまでおおっているわけでありまして、さらにそれが前進することでございますので、いまの温泉、観光地の問題につきましても、この常備化をすることによってかなりの解決ができるものと、それでもどうしても残る残地域の問題がございます。そういうところに、非常に山村の温泉地帯というものにつきましては、やはりいま予防課長が答えたような方向でどうしても対処しなければならぬと思います。
 なお、一番最後に申されました器具の問題につきましては、一回私たちも全観光地を中心に調べてみたいと、こう考えております。
#145
○藤原房雄君 それから、いままでの大きな火災、特に温泉、観光地等における死傷者の多く出たところにつきましては、当然なすべき防火管理者が選任されてなかったとか、また改善命令が出ていながら改善してなかったとか、こういうことが重なって、大きな事故になってからわかるわけでありますが、それに伴いまして、こういう大きな建造物ですと、新しい法ができて、それが施行されるということになりますが、おいそれと古い建物は新しいものには沿っていけないと、こういう問題が出てきて、これは非常に防火上はどうかと思うのであります。それで、消防法の中にも十七条の二ですか、既存防火対象物の特例、それから十七条の三という特例が設けられているわけでありますが、この特例を設けられている趣旨というのは、趣旨と言いますか法の精神というのはどこにあるんですか。
#146
○政府委員(降矢敬義君) 防火対象物に消防用器具の設置を義務づけたわけでございますが、その際、たとえば排煙設備とかあるいはスプリンクラーのように、建物の構造自体を相当直さなければどうしてもつけられないものがございます。そういうものにつきましては、この十七条の二ということで、一応除外例を特例として設けてあります。しかし簡単につけられるようなものについては、誘導灯その他の非常警報設備とか自動火災報知設備とか、こういうものについては、御案内のように既存の建物につきましても遡及をいたすわけでございます。したがいまして、当該建物について増改築等の工事が行なわれる際には、既存の建物と同様に消防用設備、自動火災報知機、スプリンクラー等の設置を義務づける、こういうかっこうで十七条の二が規定されたわけでございます。
#147
○藤原房雄君 それはまことに親切丁寧なことだと思うのですが、防火上それでいいかどうかということになるわけですけれども、やはりそれは建造物を破壊しなければならないようなことではこれはたいへんだと思うのですけれども、しかし相当な効果のある消火施設というものを、それにかわる何らかのものをまず義務づけるといいますか、そういうことは当然だろうと思いますが、そういうことについては、これらのものを中には明示されてないわけですけれども、そういう点についてはどうなんですか。まあスピリンクラーのようなものをつければよろしいわけですけれども、そうするためには建造物をいためてしまうという、不可能だということであれば、それに匹敵するあるものを、やはり強力な消火施設、現在はいろいろなものがあるわけですけれども、その法のとおり新しい建造物に備えなければならないものをそのままはつけられないとしても、それに相応する、それに匹敵するものとして、消火力の強力なものを義務づけるという必要性があると思うのですが、その点はどうですか。
#148
○政府委員(降矢敬義君) たとえば電気火災警報機あるいは避難器具、それから早期に知らせるための非常警報設備、あるいは消火器具、こういうものについてはさかのぼったわけですけれども、先ほど申し上げましたようにスプリンクラー等については、相当の配管工事までも要するものでございますので、さかのぼることをやめまして、増改築のときにやるというふうにしたわけでございまして、問題は、結局早期発見と早期避難ということの二点に中心を置きますと、いま申し上げましたような器具は遡及適用をしてこれの設置を義務づけたわけでございます。
#149
○藤原房雄君 午前中の千葉委員の話にもいろいろと出たんですけれども、火災の場合に、原因不明というのが案外多いわけですね。それは、長官は焼けてしまったあとに原因をさがすというのはなかなかたいへんなんだという、それはわれわれもわかるわけなんですけれども、まあこの前、葉山の御用邸の火事のときにも、ニクロム線が落ちていたのがきめ手だという――ところが犯人が見つかったというようなことで、なかなか現実というものは、私どもはっきり原因を追及するということはむずかしいと思うのですけれども、大都市においては、原因追及ということについては相当科学的にできるようになっておるという話も聞いておるわけですが、いろいろな研究の結果、たとえ焼けたあとといえども、その究明というものは非常に詳細に追及できる体制が現在整っておるということを聞いておるわけですけれども、中小都市または山間僻地のほうに行きますと、そういう点はなかなかそういう技術的な面でおくれておる、こういうことで、原因不明ということが大きなパーセンテージを占めているのではないかと思うんです。特に最近は学校火災も非常に多くて、学校火災等においては、大体はこの原因不明ということで、捜査中で終わってしまうわけですけれども、こういうことから、原因の徹底的な調査があってこそ今後の万全の対策が講じられると、こう思うわけです。それがみんな焼けてしまってあとかたもなくなるので原因がわからないのだというようなことでは、次に対する対策も生まれてこない、こういう点から、中央における非常に科学的に発達した原因調査というものがやはり各市町村においてもそういう体制が完備されてなければならない。ところが現実は、やはり地方に行きますと、そういう体制が非常に弱いという、こういうことをよく聞くわけですが、こういう点は非常にこれに力を入れて、原因の究明、徹底した調査という、こういう体制をとらなければ、同じようなことをやっぱり年々繰り返していくのではないか、こういうふうに考えるわけですが、今日までの現況と、これからに対する長官の考えを聞きたいと思います。
#150
○政府委員(降矢敬義君) 原因不明というものが非常に多いように感じられますが、実際は、先ほど申しましたように多くは失火というものによって――大体八二%でありまして、四十四年について見ますと、不明というのは約八・六%、五万六千件のうち四千八百件ぐらいでありますが、また発火源のほうから見まして不明というのが九・八%、一割程度でございます。しかしながら、いまお話のありましたように、確かに原因が不明のままに迷宮入りをする、そうすれば、あとの対策上いろいろな教訓を得るものについても必ずしもいい教訓を得がたいという問題があるわけでございまして、したがって、われわれといたしましても消防研究所等において出火原因の把握、こういう問題についても従来も研究しているようでございますし、いまのような骨子で、われわれとしても不明という件数を少なくするように当然努力しなければならぬ、こう思っております。
#151
○藤原房雄君 そういう点で、いろいろなケースをもととして市町村に対して強力な指導といいますか、そういう体制というものをひとつ十分に検討していただきたいと思います。このように先ほどからの、大都市それから地方都市におきましての検査器具の問題とか、それから原因追及の問題、また消防力の充当率という、こういうことからいたしまして、中央と地方、さらにまた基準が定められていながら現在あるもの、こういう比率を見ますと非常にアンバランスがあるわけですね。充当率等を見ますと、平均すると八割台だという長官の先ほどのお話だったのですけれども、この基準というものがきびしい状況なのか、守られなくてもいいのか、ここまではどうしてもしなければならないのか、こういう疑問も出てくるわけなんですが、これはなかなかむずかしい問題でありまして、火災はいつもあるわけではございませんが、一たん緩急あるときに十分な対応策が講じられればいいわけですからあれなんですけれども、その点むずかしい問題だと思うんですが、しかし私どもから考えますと、それは予算のことやいろんなことがからんできますので一がいにはいえないと思いますが、七大都市に限って見ても非常に充当率が低いという、こういうことでいいのか、基準が非常に高過ぎるのかどうなのかという、非常に単純かもしれませんが、こういう疑問を持つわけですけれども、そういう点についてひとつどのようにお考えになっていらっしゃるか、お聞きしたいと思います。
#152
○政府委員(降矢敬義君) いまの基準につきましては、三十六年に制定されまして、一面には非常に基準が高いという面があります。それは先ほど申し上げましたとおり、性能の高い機材が開発されたにもかかわらずある程度古い機材を前提にされておる、それから道路交通事情が非常によくなって応援体制というものがかなり綿密に組まれておるにもかかわらず、応援体制というものを必ずしも一〇〇%評価をしていない、そういう意味では、いまの基準は高過ぎると私は考えております。反面、いまの都市の新しい建築、地下街、高層、こういうもの、あるいはコンビナート地帯の火災というものを考えますと、当時つくられたものとは外形、状況が一変しておるにもかかわらず、当時の状況を前提としたものになっていますので、その点では少し甘いという感じがいたしておるわけでございます。反面、防火対象施設そのものにつきましても、防火能力、防災能力というものが相当高くなっておるにもかかわらず、その点の評価が必ずしも十分に取り入れられていない、こういう意味では、総体的に私は高いのじゃなかろうかと、こう考えております。そういう意味において、先ほど申し上げましたとおり今度消防力の基準を改正したい、そういうものはできるだけ実情に合わしていきたい、こういうことで検討しているところでございます。
#153
○藤原房雄君 消防白書にも、消防力を判定する場合の基準なるものは消防の施設と人員という、このようにいわれておりますが、非常に技術的にも日進月歩の昨今でありますから、いろいろな問題もあろうかと思いまするが、中央、地方、こういうことのバランス等を考えますといろいろな問題が出てきますけれども、そういう点についてはひとつ十分に検討していただきまして、万全の対策を講じていただきたい、こう思います。
 次は救急業務のことにつきまして、趣旨説明の中に、「市町村の救急需要の実態に即した義務づけが行なわれるよう、その合理化をはかろうとする」と、こういうことを仰せになっているわけですが、「市町村の救急需要の実態に即した義務づけが行なわれるよう、その合理化をはかろうとする」、救急業務の地方における合理化ということはどういうことを指していらっしゃるのか、この点ちょっとお聞きしたい。
#154
○政府委員(降矢敬義君) 従来救急業務につきましては、たてまえは、御案内のとおり人口を基準にして、人口三万以上の市町村というものをまず頭に置いて指定基準を考えておりました。多少、人口とそれから交通事故件数というものも基準の中に入れておったわけでございます。しかしながら、もとより人口も一つの要素でありますけれども、それと同時に交通事故件数が、道路の開通状況等からかなりふえてきている市町村もあるわけでありまして、そういうところは当然救急業務として必要でありますし、またもう一つは、従来は市町村単位にものを考えておりましたが、消防力の整備、常備化というものがいわゆる広域市町村圏という構想の中で考えられております。そうしますると、従来のような基準ではいけないので、そういう全体をひっくるめた広い数カ町村を見た場合に、そこに交通事故件数なり、あるいは人口なり、あるいは救急病院なり、こういうものを考えて救急の義務実施を指定するということが必要になってまいりました。そういうことをひっくるめまして、ただいま提案理由にもうたっておりますような表現を使ったわけでございます。
#155
○藤原房雄君 この救急業務というのは、非常にスピード化が要求されるわけですね。でありますから、広域的な問題も当然ございますし、いろいろな問題が出てくるわけですけれども、このスピード化、そのためにはいろんな施設が必要だろうと思いますし、また最近は無線によって、どこにいてもすぐ対処できるというこういう体制についてもいろいろ各市町村で検討しているようであります。緊急指令センターというものを設けて、そレて広域的に対処する体制をつくっておるところもございます。こういうことで、非常にこれを実施するにあたりましては、財政的にたいへん措置をしなければならないと思うのですが、本年はこの法改正によりましてこういう合理化をはかる、それに対する十分な財政措置が講じられているかどうか、この点を非常に危惧するわけですが、その点はどうなっておりますか。
#156
○政府委員(降矢敬義君) この点につきましては、車について従来も補助を出しておりました、それが一点であります。
 運営費自体につきましては、市町村の経常経費でございますので、これは市につきましては普通交付税で措置をする、町村につきましては、まだ全体的な普及がございませんので、特別交付税で経常費の措置をする、こういうことによって財政的な裏づけをしているわけでございます。
 なお、救急業務を始める場合には庁舎の問題がございますので、これは大体市町村としては消防庁舎とあわせて庁舎のことを考えておりますので、この点については、先ほども申し上げましたとおり、建設費についての起債ということを用意をいたしまして、財政需要に対応したい、こう考えておるところでございます。
#157
○藤原房雄君 ちょっと話が前に戻るのですが、最近、建材によりましてたいへん死傷者が多く出ておる。過日の北海道の美唄の火災では、家の中はそう焼けていない、ふとんもそのままだ、着たものもそのままで倒れておった。やっぱり一酸化炭素中毒による死亡ではないかというふうに報じられておりますが、新建材、具体的な新建材のことになりますと、建設省、また通産省が関係してくるだろうと思いますが、消防庁としては、新建材についてはいろいろ研究なさっておると思うのですけれども、消防庁として新建材のいろんな研究、検討、これは現在どのようになさっていらっしゃるか、ちょっと現況をお聞きしたいと思うのですが、これは消防庁ではないのですか。
#158
○政府委員(降矢敬義君) 私のところでは消防研究所で研究員がこのテーマについて研究もし、従来からいろんなものに発表をしております。そういう意見は新建材を認定するための基準をつくるときには建設省並びに通産省に研究の成果を反映するように申し入れをしておりますし、また三者協議をして新建材の指定についての基準を作成すると、こういうことをやっております。
#159
○藤原房雄君 ロスアンゼルスのあの大災害、大地震、それを教訓としていま大震災対策とか、そういうこともいろいろいわれております。実際、事が起きてからじゃしようがないので、いろんなことを想定して考えなければならない。そのことについてはいろいろな答申もなさって、いろいろな問題も提起されておるようでありますが、これで一番問題になるのは地下街のことだろうと思うのですね。この地下街でおそろしいのは煙ですね。それから多数の方が歩いておりますから、群衆心理といいますか、そういうものが作用してどういうことが起きるかわからない、こういうことで、消防庁としてもいろいろな検討はなさっておると思うのですけれども、しかし、この排煙の施設とか照明の状況なんということは、これはほんとうにたいへんなことでして、去年の十一月ですか、新宿の地下街でごみが燃えたというだけでもたいへんな騒ぎがございました。こういうことから積極的に施設に対して行政指導しなきゃならないいろいろな問題が出てくるのじゃないかと思いますが、法の上からこれをどうするかという規制の点につきましてはいろいろむずかしい問題もあろうかと思いますけれども、一口に言ってこの地下街の問題、現在のところどのようにお考えか、この考え方をひとつ聞きたいと思います。
#160
○政府委員(降矢敬義君) 地下街の問題、地下街の火災の問題は、いまの消防活動としては一番むずかしい問題でありまして、煙とガス、暗黒といいますか、煙と暗黒の戦いと言われておるようでございまして、消防活動としても、現地の消防機関としても一番難渋するところでございます。で、この点につきましては、建物自体の構造の中に排煙の処理とかあるいは避難道路の取りつけの状況とか、あるいは誘導装置としての掲示板、避難道路を標示する掲示板とか、あるいはもとより火災が起きた場合のスプリンクラーとか非常電源とか、あるいはおそらく八重州口の地下街をごらんになっていただきましたらこんなに設備をしているのかと思われるほどの設備万端でございます。で、消防、公設消防のほうでも、実はこの排煙車とか、あるいは照明等というようなほかに、空気呼吸器とかあるいは酸素呼吸器とか、こういうようないわゆる煙、ガスに対処して消火活動のできる装置も持っておるわけでございます。おそらくこの地下街につきましては、ありとあらゆる機材、器具というものも公設消防のほうで準備しておるのでございますが、いわゆる地震時の、しかもあれが電源が切れまして非常電源が動くその間におきましても相当の混乱が予想されるわけでございまして、特に東京消防庁をはじめとして、地下街の概況もほとんどわかっておりますので、先般の新宿のちょっとしたぼやを契機にいたしまして、さらに個々の地下街についての防火設備の点検をはじめとして、消防計画、特に避難計画、避難の問題を中心にしました点検、再検討もあの機会に始めております。いずれにいたしましても一番困難な問題でありますけれども、要はそういう事前の準備を万全にやってこれに対処いたしたいというのがわれわれの気持ちでありますし、現地の消防機関においてもそういうかまえでこの問題に対処しているところでございます。
#161
○藤原房雄君 どうかひとつ、これからまたいろいろな機会に議論になることと思いますから、これはそれまでにしておきます。
 最後に、先ほどの石油コンビナート、まあ石油基地ですね、こういうところの危険物の密集地域というような港湾が非常に多くなっているわけですけれども、こういうところの対策というものは十分であるかどうかということです。こういう大きな石油基地等におきましては、市町村の消防機関だけではこれはとうていでき得ないことだと思います。それで、まあ会社による自衛消防ですか、そういうこともいわれているわけでありますが、いわゆる地域住民としては、やっぱり石油基地に対応するだけの十分な消防施設、消防力というものを持ちたいという、まあそうでなきゃ会社にまかせるということもこれは当然なんですけれども、市としてやはりそれだけの強力な体制というものを当然備えるべきじゃないかと、それは当然なことだと思うのですが、しかしまあ石油基地があって、そこから上がる石油関税等につきましては国が吸い上げる。膨大な石油基地をかかえて、それに対処するだけの消防力を備えるだけの財源がないということから、各市町村ではたいへんに悩んでおるという、こういうことをしばしば聞くわけなんですが、釜石、塩釜なんかもそうなんですけれども、国や県には税金は入っても、実際にその石油基地の危険にさらされている市町村には何ら消防力を充実させるだけの資金がないということで非常に悩んでおるわけです。最近はもう化学消火艇とか、いろんなこういう危険物に対しての対策というものが講じられておるわけですけれども、考えられ研究されているわけでありますが、現実はそういう体制というものが各市町村に完備していないということから、地域住民はたいへん不安の中に生活しておる。これは早急に消防庁としても、また港湾管理者といいますか、それぞれの立場立場で万全の対策を講じなければならないと、こう思うわけです。それには相当な財政援助というのですか、財政措置が必要だと思うのですけれども、この石油基地等につきましての防火体制、また消防力強化という、こういう点につきましての施策、いま考えていること、これからなさんとすること、それをひとつお聞きしたいと思います。
#162
○政府委員(降矢敬義君) 石油コンビナート地帯の防災対策、特に防火対策等につきましてわれわれいま指導しておりますのは、消防審議会の答申に基づいて、石油コンビナート地帯の防災対策ということで要綱をつくりました。それは地域防災会議というものの中にコンビナート防災対策部会というものを新しくつくりまして、その部会でその現地に即した防災体制というものを練り直す。もちろんあるところもありますし、まだ十分でないところもございますのでそういうところを練り直すということで、そこにいろんな機関の参加を求めるということで、県の地域防災の一環としてこの問題を取り上げる。したがって、市町村消防というサイドからだけでなしに、県全体の地域防災というサイドからこの問題に対処することが適当である。したがって、今回予算措置におきましても、初めてではございますが、県におきましてコンビナート地区に防災資機材センターというものを設けまして、そうして防災、特にこのコンビナート地域において石油の流出とか火災とかいうものに対しまして必要なあわ消火剤とかあるいはオイル・フェンスとか、そういう特殊な機材を県において備蓄をするという制度を今回新たに発足さしたわけでございます。したがって、県におきましても県地域の防災という面からこれに対処するということを新しい施策として取り上げたわけでございます。同時に、この消防の問題として考えましても、一つは消防艇の問題であります。これは先般の横浜の「ていむず丸」の火災に対しましても、相当大きな消防艇でなければ十分な効果を発揮しないわけでございます。ところがこの点につきまして、実は港湾の管理あるいは船舶安全航行という面から見ますと、海上保安庁において相当部分を担当しておりまして、先般来からいろいろ話をしておりますけれども、向こうでは消防艇につきまして相当大きな、つまり百トンから二百トン級ぐらいの消防艇を計画的に整備をする、それを中央港湾地帯のコンビナートに配置をするということの計画で事を進めております。それから市町村側におきましてももとよりでありますが、そう大きなものを持つというよりも、運河とか、ああいう港湾から入ったところは大きいものはとても入れませんので、五十トンとかあるいはせいぜい百トン以下の艇をある程度整備をしていく、今般も補助におきまして六隻を予定として計上しておるところでございます。その他消火薬剤あるいはオイル・フェンス等につきましても、これは市町村それからコンビナートの企業及び海上保安庁と協議をして、それぞれ全体として合わせて相当の威力を発揮するということで今後の整備をはかってまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。現在いずれにいたしましても、御指摘のようにまだまだ防災全体、地域防災という面から見ましても災害に対する力としては十分ではございませんので、いま申し上げたような方向で計画的にこれを整備していくというのが私たちの考えでございます。
#163
○藤原房雄君 まあ概略今度の改正案につきましてお聞きしたい点はお聞きしたわけでありますが、最初の話に戻りますが、長官は法の抜本的改正は必要ないだろうということでございましたが、それならそのようにひとつ、いま何点か指摘申し上げましたが、前向きに検討していただきまして、年々ふえつつある火災、また死者、これをひとつ防いでいただきまして、とうとい人命また貴重な財産を損ずることのないように、この消防という大事な任務を全うしていただきたいと、このように要望するわけであります。まあ個々の問題につきましてはもっともっときめこまかな配慮がなければならない。この法の問題だけではない。実際問題として実態に即さないいろいろなことがあるようでございますが、どうか前向きに検討いただきたいということを要望しまして、私の質問を終わりたいと思います。
#164
○委員長(若林正武君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午後三時二十七分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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