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1970/03/04 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第8号
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1970/03/04 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第8号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第8号
昭和四十六年三月四日(木曜日)
   午前十時四十五分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                熊谷太三郎君
                増田  盛君
                藤原 房雄君
    委 員
                嶋崎  均君
                初村瀧一郎君
                船田  譲君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                吉武 恵市君
                市川 房枝君
   政府委員
       警察序長官    後藤田正晴君
       警察庁長官官房
       長        富田 朝彦君
       警察庁刑事局長  高松 敬治君
       警察庁刑事局保
       安部長      長谷川俊之君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       通商産業省公害
       保安局工業保安
       課長       真野  温君
       通商産業省重工
       業局次長     山形 栄治君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#3
○藤原房雄君 ただいま議題になっております銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案につきまして若干の問題、質問をいたしたいと思います。過日もいろいろな観点から質疑が進んでおりまして、なるべく重複を避けたいと思っておりますが、このたびの改正になる何点かにつきまして、順次考え方等についてお伺いしたいと思います。
 最初に、銃砲刀剣類等の取り締まりにつきましては、四十年、それから四十一年改正されまして、今回は三回目である、このように思うのでありますが、わが国は他国に比べまして、こういう銃砲刀剣につきましての取り締まりというものは非常に厳格である、こういうことを今日まで私どもも認識しておったわけでありますが、最近猟銃強奪事件という事件が起きまして、さらにきびしく取り締まらなければならない問題が特に提起されたんではないか、このように思うわけであります。四十年、四十一年の法改正、そしてまたこのたびの改正、それぞれ時に応じて、眼目とするその時にあわせて改正しなければならない何点かがあって、改正してきたわけでありますけれども、このたびの改正につきましては、塚田銃砲店の問題の起きる前に、いろいろの問題点が検討されておりまして、この案ができてから、こういう事件が起きたということでありますので、いまになってみると、いろいろな問題点がもっと厳格であるべきだ、きびしくあるべきだ、こういう点も何点か浮かび出てきているわけであります。そういう点で、いまになって、このたびの取締法の一部を改正することによって、確かに一歩前進ではあろうとは思いますが、法そのものとともに、さらにまたその法を厳格に実施するといいますか、そういう点ではいろいろな観点から検討しなければならないことがあると思います。
 まず最初に総括的な観点からいたしまして、このたびの改正案がいろいろ検討されまして、その後に塚田銃砲店の問題が起きた、こういうことからいたしまして、通産省及び警察庁といたしまして、この一部改正の法律は法律として、今後この法律を中心としてこのように取り締まりを強化するといいますか、対処するといいますか、この点の決意といいますか、その点をお聞きいたしたいと思います。
#4
○政府委員(後藤田正晴君) 御承知のように、四十年、四十一年、今回と、三回にわたって改正をお願いをいたしておるのでございますが、私どもの治安上の観点から申し上げますというと、現在の銃刀法、火薬類取締法、武器等製造法、いずれも率直に申しまして隔靴掻痒の感がございます。しかし、他面こういった銃砲であるとか、火薬であるとかいうのは、産業用であるとか、あるいは狩猟用であるとかいった別の観点からやはり重要なものでもあると、こういったことで、そのかね合いをどの点に置くかということが私どもにとっては一番の課題となっておるわけでございます。そこで、ここ数年来の治安上の観点から見ますと、私どもが一番やっかいなのは、実は一つはライフル銃、いま一つはダイナマイトでございます。と申しますのは、やはり現在の警察の装備、またそれをたとえ強化をいたしましても、一たん事件が発生しますというと防ぎ得ない状況に相なるわけでございます。威力の点からどうしてもそうなる。そういうようなことで、今回の改正では、最近の犯罪に使われるものにライフルが出てきておる、ことに一部過激派の武装闘争の中身を見ますと、漸次武器がエスカレートして、ライフルが出てくる可能性がある、これがもしああいった過激派によって使われる場合には、容易ならざる事態になる。こういうようなことで、ともかく今回はひとつライフル銃というものが――最近空気銃が減るのに対してライフル銃の所持が国内で非常にふえてきておる。そこで、少なくともこのライフル銃を私どもの、まあ先ほど言ったかね合いの面から見て、増加する趨勢だけはひとつ押えていきたいということで、今回の改正をお願いしておるような次第でございます。したがって、当初に申しましたように、私どもの立場だけで言えば、今回の改正でも隔靴掻痒の感はいたしますけれども、しかし他面の必要な用途等とのからみ合わせで、少なくともライフルだけはふえることを押えることによって、私どももこれに対応する施策を講じていきたい。そこで、この法律の御審議で可決願えるならば、これによって私は全力をあげてライフル銃の適正な保管であるとか、使用であるとかいったような点について十分の力を注いでまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#5
○説明員(山形栄治君) 通産省といたしましての決意といいますか、簡単に申し上げたいと思います。御存じのとおり、銃砲店に関しましては、現在、武器等製造法に基づきまして各都道府県知事がこの取り締まり、指導を行なっておるわけでございます。われわれといたしましては、従来とも数次にわたりまして都道府県知事に対しまして通牒類を出す等によりまして、その指導及び連絡の関係をとっておるわけでございますが、今回またあらためて厳格な通牒を出しまして、また全国の保安担当官会議を早急に開催しまして、陳列方法なり、保管の設備の態様なり、非常ベルの設置等につきまして具体的な打ち合わせを現在行なっておる段階でございます。また、公安委員会、警察との関係におきまして、各都道府県におきましても非常に密接な連絡のもとに、立ち入り検査、講習会の開催等を現在行ない、銃砲店に対します保管管理の徹底を期しておる次第でございます。今回銃刀法の改正に際しましても、従来とかく保持等につきまして不備であります点を改めますとともに、罰則の整備等を行なって今後の万全の態勢を期したい、こういうことで今回の法案の改正がなされた次第でございます。
 具体的な今後の法の運用なり行政のあり方につきましては、われわれの現在考えておりますのは、銃砲店の許可基準の強化を現在検討中でございまして、必要がございますれば省令の改正等も行なっていきたい、こう考えております。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
 なお、いま申し上げましたように、警察等との連絡につきましては、現在におきましても許可にあたりましての事前の調査段階、許可後の立ち入り検査の実施等におきまして、各都道府県と警察とは緊密な連絡でこれを運営しておる次第でございますけれども、今後ともその辺は従来にも増しまして体制を整備し、未然に犯罪の防止等をしたい、こう思っておる次第でございます。
#6
○藤原房雄君 いままでもいろいろ対策は、法もあり、またこういう点につきましてはきびしく取り締まりもしてきたと思うんでありますが、しかし問題が現実に起きたわけですね。そういうことから考えますと、これは法の上でも確かに不備があったろう、また取り締まりの面につきましても問題があった、そういう盲点を突かれたというような感じがするわけでありますが、このたびの改正案はどちらかというと、いま長官からお話がございましたように、ライフルの増加の趨勢を防ぐという、そういった意味でいまお話がございまして、個人の所有という問題についての規制ということが中心ではないかと思うんでありますが、ところがこのたびの事件は、個人的な問題もさることながら、銃砲店が襲われるという、これはどちらかというと通産省側が中心になるのではないかと思うのでありますが、いろいろな規制がありながら、省令がありながら、現実にこの塚田銃砲店では、銃の陳列ケースがガラス張りであったとか、盗難防止の処置がなかったとか、散弾が段ボール箱にあったとか、いろいろ報じられておりますけれども、こういうずさんな管理が現実あったわけですね。こういう問題が現実に起きているわけでありますから、こういうことからいたしまして、取り締まりということも当然でありますが、業者の許可基準または管理という面が非常にずさんであったというふうに私どもは受け取るわけですけれども、必要があったら省令の許可基準をきびしくするというお話でございましたけれども、これはもう個人の面についてのいろいろな規制は今日までもなされてきたことだと思うんでありますが、現実こういう業者といいますか、販売業者に対する面は非常に立ちおくれているといいますか、全体から見ますとおくれているのではないかと、こう思うわけです。この点について、通産省として必要があったら変えるということではなくて、もっと積極的なお考えがあるんではないかと思うんですが、その点ちょっとお伺いしたいのです。
#7
○説明員(山形栄治君) お答え申し上げます。
 私、ちょっとことばの使い方が不正確で恐縮でございました。現在販売店につきましては、その許可にあたりまして、申請者が一定の欠格条項に該当しないことは当然でございますが、設備面におきまして、保管のための設備が省令で定める要件を備えているということと相なっております。これは非常に抽象的でございますので、現実には、これが運用の具体的な基準といたしまして、なおこれを詳細にきめておるわけでございます。具体的に申し上げますと時間がかかりますけれども、陳列は必ず施錠の確実にできるケース内で行なうべきである。それからその保管設備等につきましては、持ち運びが簡単にできないような非常に厳重な鋼鉄製のものであるべきである。それからその設備自身も十分なる広さを持って、その猟銃等が十分に収容できるような広さであること。それから非常ベルを必ず設置しておくべきである。それから休日のような場合には外から入れないようにすべきであるということになっておるわけでございますが、この辺が現在省令になっておりません。したがいまして、今回の罰則の適用にあたりましても若干不備があると思いますので、先ほど必要があればと申し上げましたけれども、早急にこの辺を省令に制定いたすように現在検討中でございます。訂正いたします。
#8
○藤原房雄君 業者の問題につきましては、あとからまたいろいろとお伺いしたいと思うのですが、このたびの法律改正を順次順を追って二、三の点をお聞きしたいと思います。
 まず、ライフル銃の所持の制限という問題でございますが、これからは、改正案によりまして、非常に正当な理由のないものは所持できないということがきびしくなるわけでありますが、この法律が成立しますと。しかし、現在五十八万丁ですか、これだけの銃がある、ライフル銃が三万四千という、こういうたいへんな銃があることになっております。これだけのものが日本じゅうの至るところにあるわけでありますが、これからの規制は、この法が成立するときびしくなるわけですけれども、現在持っている方々に対してどうするかということも一つの問題ではないかと思われます。いままでのいろいろな統計からいたしましても、銃を手にして、やはり初歩的な問題を守らないことのために事件が起きるということがしばしばあったわけでありますから、こういうことからいたしまして、十年以上お持ちの方、そういう方は事故はほとんどないだろうと思いますけれども、五年未満とか、この前後ですね、こういう方々に対して、やはり何らかの対策といいますか、処置を講ずる姿勢といいますか、対策を講ずる必要があるのじゃないか、こういうふうに思うわけですけれども、この点については何かお考えがございますでしょうか。
#9
○政府委員(長谷川俊之君) お答え申し上げます。
 今回のライフル銃の規制の強化につきまして、基本的な考え方は先ほど長官から御答弁申し上げましたようなことで立案をいたしたわけでございます。と申しますのは、ライフル銃を今後必要最小限度に押えていくということを主眼としたわけでございます。しかしながら、現在持っておる者につきましてはいかにするかという点につきましては、やはり既得の権利はできるだけ尊重すべきである、こういう一つの原則がございますので、事務的にいろいろ検討いたしました際は、そこまで制限することは困難ではないかというふうに考えまして、現在持っておる者につきましては今後所持を認める、こういうことで御審議をお願いいたしておるわけでございます。しかしながらライフル銃そのものが、他の銃と異なりまして、一たん悪用され、あるいは事故がありました場合、大きな被害を生ずるわけでございますから、現在持っておるものにつきましてもある程度制限をきつくするということはまた理由のあるところであろうかと思っております。当面、私どもは行政指導といたしまして、毎年、狩猟免許を受ける者につきましては狩猟の講習会がございますが、そういう機会に、警察といたしましても、狩猟団体あるいは県の御当局と協力をいたしまして、銃の安全な使用、保管、管理、こういったことを徹底してまいりたい、また警察といたしましても、銃の一斉検査なりあるいはその他保安指導を尽くしまして事故防止の徹底を期してまいりたい、こういう考えでおるわけでございます。
#10
○藤原房雄君 それから、今度ライフル銃を許可いただこうという方につきましては、「政令で定める者から推薦された者」でなければならないということになっておりますわけですね。この政令で定める者から推薦されるというのは、どういう立場の方かというこの点についてちょっとお伺いしたいと思います。
#11
○政府委員(長谷川俊之君) 「政令で定める者から推薦された者」と申しますのは、これは標的射撃、つまり射撃競技の目的のためにのみライフル銃を持つ人に関する規定でございます。現在あるピストルにつきましても、現行法におきまして、ピストルの国際的な競技であるとかあるいは全国的な競技等の選手あるいはその候補者につきましては、大日本体育協会から推薦をされました者につきまして所持を認めておるわけでございます。これと大体同じでございまして、もっぱら標的射撃競技の標的射撃のためにライフルを持とうとする者は、大日本体育協会の推薦のありました者についてのみ認めることにいたしたい、こういう趣旨でございます。
#12
○藤原房雄君 それから十条の三ですが、許可を受けた者の銃砲保管について、「空包又は金属性弾丸を当該銃砲とともに保管してはならない。」というこういう規定、これは当然過ぎるほど当然なことだと思います。しかし現在、盗難事件なんか年々増加しておるという、こういうデータなんかを伺っておるわけですが、こういうことからいたしまして、五十八万丁もある猟銃の所持者、許可を受けておる人たちですね、こういう人たちに対して、当然、管理の面ではこのようにたて分けするわけでありますけれども、最近ふえつつある盗難事件に対して、やはり何らかの対処するきびしい指導といいますか、こういうものがなければならないと思いますが、先ほどもちょっとお話がございました講習会等もいろいろ開いておるということでございますが、こういう今度この法律が成立いたしますと、保管の面についても規定がきびしくなる、そうしてまた最近は年々盗難がふえておる、こういうことを相考えますと、これを、銃を所持する人に対する指導といいますか、自覚をはっきり持たせるということが非常に大事なことになると思います。こういう点について、いままでやっておったこと、それから、これからまた何かお考えがございましたらその点について、お伺いしたいと思います。
#13
○政府委員(長谷川俊之君) 仰せのとおり、銃砲の盗難にかかる件数あるいは丁数というものは、それぞれ個人が保管をいたしておる銃が非常に多いわけでございます。そういうことで、警察といたしましても、これまで各県最低年一回は一斉に、銃を持っている者につきましては、銃を指定の場所に持ってきてもらいまして、その際にいろいろと指導、注意、そういったことをいたしてまいりました。それから何か事件が、たとえば今回のように、こういうときにおきましては、さらに臨時に各警察署単位に、それぞれ銃の所持者等にあるいは集まってもらい、あるいは受け持ちの駐在所なり派出所の警察官なり、あるいは専門の防犯の者等がそれぞれの所持者のところに参りまして、いろいろ防犯指導等を実施してまいった状況でございます。しかしながら、何ぶんにも数が多うございまして、十分徹底しないうらみがあることはまことに遺憾に思うわけでございます。仰せのように、今後ともますますそういう点につきましては力を入れてやらなければならないわけでございますが、今後におきましても、そういう方法といたしましては、毎年定期的なそういう検査、さらにまた更新期限が五年に一ぺんずつ来ます。その際における指導、それから大部分の方は狩猟免許は受けられるわけでございますから、そういう講習会の場合に府県の当局と緊密な連絡をとりまして、府県当局からも、それから私ども警察のほうからも出まして、銃の保管、管理の徹底と、こういったことについて指導を強化してまいりたいと考えております。さらにまた、鉄砲だけがとられることもたいへん危険でございまするが、鉄砲とたまが一緒にとられることはなお危険でございます。そういうことで、狩猟期間が終わりましたならば個人の保管する場所には残弾がないと、こういうことに指導をいたしたい。それは、狩猟のために使用するたまの購入数量を制限をする、少なくしてもらう。それから、あるいは標的射撃等のために購入する場合、許可する数をほんとうにそのときに必要な数に限定をする、こういったような措置を講じまして、たまと鉄砲が不幸にして盗まれるということがないように指導を徹底してまいりたいと、こういうふうに考えておる次第であります。
#14
○藤原房雄君 いろいろ対策が講じられ、講習会等も開かれているようでありますが、こういうところに、指導または講習会等を開かれてそこへ参加する人はいいわけですけれども、参加しない人はどのくらいの比率になっているのかちょっとよくわかりませんけれども、今後ともひとつ十分な対策または指導強化をお願いしたいと思うのであります。
 次は、先ほどの話にちょっと戻るわけですが、販売店ですね、販売事業を営んでいる方々に対して、このたびのこの事件からいたしまして、いろいろな問題が考えられるわけでありますが、一つは銃砲等の販売事業者という方々は兼業の方が非常に多いという、こういうデータもお聞きしているわけでありますが、どうしても片手間ではいろいろな問題が起きるのではないか、こう思うわけです。それからそういう兼業が多いということもございまして、全国的に銃砲や火薬を取り扱う店が非常に多いように感ずるわけですね、こういう点で兼業の問題、それから取り扱い店が非常に多いように感ずる。これは私一人では決してないと思うのでありますけれども、この点について、通産省または警察庁としてどのようにお考えになっていらっしゃるか、この点ちょっとお伺いしたいと思います。
#15
○説明員(山形栄治君) ただいま御質問のとおりでございまして、現在猟銃等の販売事業所が全国で千六百店くらいあるわけでございます。このうち猟銃と火薬両方を一緒に売っている、それだけしか売っていないいわゆる専門店が五六%くらいに相なっております。したがいまして、兼業者といいますのは、その反対でございまして、四三、四%ということに現在相なっているわけでございます。先生御指摘のとおり非常に兼業が多く、かつ、販売店は、これがいわゆる中小企業でございますが、何ぶんにも猟銃の販売それ自体が、先ほど来お話が出ておりましたように狩猟期間ということに限られております。狩猟期間中に使用するというかっこうでございます。年間を通じて非常に需要が不規則である、常時需要があるという性格の商売でございません。またその需要する方々も非常に全国に散らばっておりまして、それぞれ地元における需要というかっこうになっておるわけでございます。したがいまして、これを専業でなければいかぬということにいたしますと、現実問題といたしまして、なかなか商売ができないという状態になっておるわけでございます。
 しかしながら、確かに千六百有余という数それ自体は、こういう事態になりますと、多いのではないかという感じもいたしまして、われわれのほうといたしましては、何かこれをもう少し統合または提携等を促進して、大型店をつくっていくというのも一つの方向ではないか、こう思います。
 もう一つは、こういう零細なる企業は、それだけではなかなか資金的な問題もございますので、目下協同組合等を結成いたすことによりまして、中小企業関係の商工中金等からの金融をこれにつけて、設備を整備していくということで進んでおります。すでに一、二そういう動きも出ておるような次第でございます。
 なお、この店舗それ自体につきましても、兼業との関係で人の出入りが非常に多い店も多いわけでございますので、銃砲火薬を売っておりますスベースを、同じ店の中でできる限り何といいますか整備いたしまして、その部分だけを構造上明確にするというようなことの指導も、今後非常に大事なことであろうかと思っておる次第でございます。
#16
○説明員(真野温君) ただいま重工業局次長のほうから全般についてお話し申し上げましたが、私どものほうで火薬類取締法に基づいて火薬の関係を所管しておりますので、若干補足して御説明申し上げます。
 猟用火薬類の販売業者は全国で千百六十数店でございますが、これは猟用火薬の販売ができるという意味で、実際に販売しておるのはこれより少ないわけであります。火薬の場合には、先ほど重工業局次長が申し上げましたように兼業の問題、やはり銃砲と一緒に売っておりますので、そういうものがございます。私どものほうの火薬類の販売に関して申し上げますと、どちらかといいますと、産業火薬類と一緒に売っているケースが相当ございます。これは火薬類というそれ自体の取り扱いが危険な物質でございますから、それについての適切な保管能力を持っておるという意味から、そういう火薬類一般の販売業者というものが七割くらい占めておる、銃砲火薬店の七割くらいは産業火薬類、こういうふうになっているわけであります。ただ、火薬類の販売所についての許可、あるいは事業所についての経緯を申し上げますと、実は現在の法律のできる前は、やはり旧憲法時代の法律でございまして、全国で販売店の数を法律によって県別にきめておりまして、全国で九百五十くらいというのを法律できめておったわけでありますが、これが新憲法のもとで、やはり営業の自由の侵害ということもあるということから、現在の許可制に改められたわけでございます。ただ、その許可制については、やはり十分治安の問題というものも考慮に入れるという立て方になっておりまして、私どものほうも、これは許可権限は都道府県の知事におろしてあるわけでありますが、できるだけ、先ほど申し上げたような零細企業がふえて保安能力がない、あるいは盗難予防が十分いかぬというような事態を避けるために、行政指導でかなりきつく制限しておりまして、実際には、九百五十幾つの旧憲法時代の定数が、現在で千百六十八のうちの何割か――まあ九割か八割ということで、年々の許可件数としては非常に少ない、そういうふうになっておりまして、これが他方では、先ほど申し上げましたように、営業の自由という問題とのかね合いもございまして、必要な要件を備えたものについては法律上許可しなきゃいかぬという問題もございますので、その辺もからみ合わせて、適切な行政指導とかみ合わせて、むやみな店舗の増設というものは避けたいという気持ちは私どもも共通しておるわけでありまして、そういう面で、私どもの許可基準の範囲内において、できる限り、治安上の問題も含めて適切な販売店の指導を行なっていく、あるいは許可を考えていくということをいたしたいと思っております。
#17
○政府委員(長谷川俊之君) 銃砲店等につきまして、私ども、各県最低二回、あるいは多いところになりますると、年間、昨年あたりでは八回ほど、あるいは府県当局と一緒に、あるいは独自に、防犯指導をしてまいっておるわけでございます。その結果の報告によりますると、やはり郡部にある銃砲店、あるいは先ほど先生からお話のありましたようなほかの仕事と兼業をしている店、こういう店に、やはり、たとえば防犯施設なり、あるいは警鳴施設なり、あるいは監視体制なり、そういった点に不備があるということでございます。そういう意味で、私ども警察的に見まして、やはり仰せのように、そういう店につきましてはいろいろ問題がある。特に、先般の塚田銃砲店をねらったような過激の一派等におきましてはそういうところを特別にねらっておると、こういうこともある状況でございまするので、今後、こういう銃砲店につきましてはそういうような不備な点がないように十分なひとつ指導をしていただきたいと、かように考えておるわけでございます。
#18
○藤原房雄君 大体わかりましたが、確かに営業という、そういう面から考えますときびしい規定はできないかもしれませんが、ひとつ、社会問題としてこれは大きな問題でございますし、治安維持の上からも大事な問題でございますので、そういう大きな観点からこれは考えなきゃならないことだと思います。先ほども、いろいろ販売業者に対する施設等につきまして鋭意検討するということでございましたが、実際、武器等製造法施行規則の二十条に、「盗難の防止のために適当な構造を有する」ということでありますから、まあ「適当」とは一体どういうことかということになりますと、非常に問題が出てくるかと思います。このたびのこの事件を通しまして、再び同じ轍を踏まないように、ひとつ十分な対策を講じていただきたいと思うのです。
 次は、そういう店の構造とか、また保管等につきましては、いま何点かお聞きしたわけでありますが、銃砲店を経営しようとする人ですね、この業者、販売業を営もうとする人、こういう方は、どういう資格があれば営業できるのか。この点どうなっているか、ちょっとお伺いしたいのですが。
#19
○説明員(山形栄治君) 現在武器等製造法の第五条におきまして、許可の基準がきまっておるわけでございますが、この猟銃を例にとりますと、猟銃の保管のための設備が、いま先生お話しのような通産省令で定める要件を備えていなければいかぬと、これが一つの許可に際します基準でございます。それから、申請者が次の事由に該当しないことということで、この武器等製造法の「規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その執行を終り、又は執行を受けることがなくなった日から三年を経過しない者」、それから、「最近三年以内に、他の法令の規定に違反して罰金以上の刑に処せられ、その情状が武器製造事業者として不適当な者」というような規定に現在なっておりまして、この欠格条項等につきましては、各地方の警察、公安委員会等とも御連絡いたしまして、御意見、御調査をいただきまして、判断をいたしておる次第でございます。
#20
○藤原房雄君 確かに第五条で新設の人についての規定はございますが、特別この武器の取り扱い、または営業をするために必要な条件というものは、これは社会人として当然こうあらねばならないというような条文でございまして、特別の、たくさんの銃砲を取り扱う、それからたくさんの危険な実包または火薬類を取り扱うという、こういう方々に対しての知識なり何なりを要求するという面がないように思うわけですね。こういうことが、このいまのあれに該当しない人であれば、申請すると、まあ警察等ともよく話し合うということでありますが――許可がおりるということですが、こういう、これだけではいろんな問題が起きるんではないかと思います。やはり私が懸念することは、営業をする、こういう危険なものを取り扱う立場でありますから、営業という面もさることながら、やはりそれに対する十分な知識を持ち、そうしてまた、事故の絶対起きないような、そういう管理も必要であろうと思います。兼業が四三・四%あるということからいたしまして、その兼業の方々がどういう方かということ、これは一人一人の方々を調べることもできないことだと思いますけれども、銃砲の取り扱いが非常に好きだとか、辺地にあって、郡部にあって、それが営業として成り立つということ、いろんな条件があって営業許可を申し出ているのじゃないかと思いますが、だけれども、これだけ危険なものを取り扱うわけですから、もっと資格の面でそれ相応の知識を要求する。また、許可を得たものが、その後銃を所持する人と同じように講習等を行なって、十分な営業する方々に対する対策というものが講じられてなければならない、こう思うわけでありますが、現在、いろいろお聞きしますところ、取り扱い業者に対してはあまりそれに心が配られてないんじゃないかという気がするわけですけれども、ここら辺の状況はどうでしょうか。
#21
○説明員(山形栄治君) 銃砲店につきまして、特別の猟銃、火薬等につきましての専門知識が必要ではないかという御趣旨でございましたけれども、これはもう当然私もそう思うわけでございまして、現在いろんな兼業をやっております者を見ましても、非常に多いのが運動具店、それから百貨店、それから玩具、楽器、書籍、文房具販売というようなところとの兼業がわりあいに比率としては高くなっておりますが、われわれといたしましては、当然知識はあるんではないかと思っておるんでございますが、問題なのは、やはり非常に危険なものを取り扱うわけでございますので、まあ人格として、国民としての良識をまず持っておることが必要だと思います。刑罰等欠格条件に該当する者はまず欠格であるべきだと思うわけでありますが、一番大事なのは、やはり物的な保管施設が完備しておるということが最大の要件ではないかと思います。この辺につきましては、いま申し上げましたように、いろんなこまかい省令なり通達等でその基準をきめてやっておるわけでございますが、この銃砲店につきましても、その講習会等あまりやってないんではないかというお話でございましたが、先ほどもちょっと申し上げましたように、今回の事件を契機にいたしましても、直ちに担当官会議を開催して、これを各都道府県知事を通じまして、講習会を開催し、銃砲店にその趣旨徹底方を流しておりますが、過去におきましても数回にわたりまして、各都道府県におきまして、講習会等の開催はこれを実施しております。で、その保管施設、特に保管設備等に関しますその運用のあり方につきまして、講習会等は実施しておる次第でございますので、御了承願いたいと思います。
#22
○藤原房雄君 物的管理が大事であるといういまのお話ですけどもね、火災等におきましても、防火責任者という責任者講習会を受けさせてそういう知識を与えるという、絶えず何らかの形で注意を与える、または意識を与えるということが大事になってくるわけですけれども、管理が完ぺきであれば、また社会的にみんなから十分な人格の人と認められる人であればという、そういう人的な問題についても大事なことだと思います。しかし、どんな人でもやはり手落ちということもありますし、やっぱりそういう点についてもこれは考えなきゃならない。物的管理だけじゃなくて、やはりその取り扱いをする人の真剣な態度というものが大事なんじゃないかと思うわけでありますが、このたびの塚田銃砲店につきましても、一応倉庫に保管するという形にはなっておったけれども、実際には所定のところにはなかったということが一つの大きな事件の発端にもなっておるわけでございますので、まあ物的な管理に対する厳重な取り締まりということもさることながら、取り扱い業者その個人に対する面についても、何といっても考えを強めなければならないのではないかという意識を与えるという、いろいろな観点から考えまして必要だと思います。その点、ぜひ検討願いたいと思うわけであります。
 次は、いろいろ銃を持つ人、または販売する方、またその管理のあり方、何点かずっとお聞きしてきたわけでありますが、何といいましても、このたびの事件を通しまして思うわけですが、製造販売業の許可という、これは通産省が管轄して知事がこれを委任してやらせておるという、そういう形をとっておるわけですね。警察としては治安上の取り締まり、指導という、こういうことになっているわけで、密接な連携を取り合っていくという、先ほどから何度かお話がございましたけれども、営業ということと、また治安の維持というか事故防止という、こういう観点から、なかなかむずかしいこととは思うのでありますが、しかし、警察にもっと権限を与えて、そうしてこういう問題については警察というか、公安委員会ですね、権限を与えて、販売業者に対してももっときびしく取り締まっていく必要があるんじゃないかというふうに考えるわけですね。どうしても通産省のサイドから見ますと、これは業者という営業面に中心を置いた考えになりますし、警察とのいろんな連携の上からいろいろ進めるわけでありますけれども、どうしても見る目は営業という立場からの見方になると思います。事件が起きてから、こんなはずじゃなかった、もっと、きびしい規制があってこうなっておる、ああなっておるということでありますけれども、現実は通産省の方々の仰せのような現状ではないわけですね。こういうことから、四十一年の改正では、弾薬の譲り受けの許可の権限は公安委員会に移したわけでありますけれども、販売業者に対しても何らかの形でもっと公安委員会に権限を与えなければならないんじゃないかという、こういう気がするわけです。
 最近、非常に盗難等、またこういう問題についての事件が増加しつつあるという観点からいたしまして、またこのたびの塚田銃砲店の問題が、どこで同じような形で起きないとも限らないという、こういうことを考えますると、銃を所持する人に対する規制ということもさることながら、販売業者に対してもっと警察に権限を委譲するような形できびしく取り締まる方法というのはぜひ必要ではないか。現時点においてはこういう点を検討しなきゃならないときが来たんじゃないかと、こう思うわけでありますが、通産省といたしましてこういう点どうお考えになっていらっしゃるか、今後に対する考え方、現在までの考え、これから何かまた検討する余地があるということであれば、その点お伺いしたいと思います。
#23
○説明員(山形栄治君) 銃砲店の設置の許可等につきまして、これを公安委員会の権限といいますか、よりそれを強めるべきではないかという御質問でございます。私は、方向といたしまして非常に配慮すべき問題だと思うわけであります。で、現在御存じのとおり銃砲店の許可につきましては、各都道府県が産業面の配慮も入れまして許可取り締まりをやっておるわけでございまして、先ほど申し上げましたように非常に零細な企業が多いわけでございまして、現在、千六百有余の企業になっておるわけでございます。この辺をどう持っていくか、またこういう店が営業といいますか、活動することを通じまして、今後の狩猟の影響なりまた狩猟という一つのスポーツといいますか、そういう社会的需要にどう応じていくか、いろいろと問題があろうかと思いますが、いずれにしてもこういう零細企業が多いのは、先ほど申し上げましたように望ましいことではないと私、考えておるわけでございます。今後、できる限り整理統合なり協同組合化等をはかっていく必要があろう、こう思っております。都道府県との関係におきましても、規制の強化、これは当然でございますけれども、それとあわせまして、体系的にほかの要請も踏まえながら、これと前向きに取っ組んでいくべきだ、こう思っております。
 で、公安委員会との関係でございますが、従来、非常に密接に都道府県は行なっておりまして、立ち入り検査等につきましても、先ほど長谷川部長からのお話のように、緊急の事態の立ち入りだけでなく、一般的な立ち入りにつきましても、都道府県と公安委員会、警察との関係は非常に密接に行なわれておると了知しておる次第でございますが、この緊密な関係というのはますます強めまして、あわせてその産業的な配慮も加えつつ、抜本的な体制の、両者の体制の強化のあり方につきまして今後早急に検討していきたい。方向といたしましては、公安委員会活動の強化の方向でこれを考えていきたい、こう思っている次第でございます。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
#24
○説明員(真野温君) ただいま先生の御質問、一つは銃砲店の問題と、もう一つは火薬の販売店の問題がありました。火薬の販売店の問題についてちょっと補足して申し上げます。
 火薬の販売許可制というものの根拠は、御承知のように、一つは、ただいま議論になっております公安上の問題でございますが、もう一つは、火薬類というのはその取り扱いが普通正常な状態での取り扱い自身でも非常に危険がある物質でございまして、そのために必要な保安知識というものを同時に要請せざるを得ない。したがって、私どもの販売業者に対する許可の基準としましても、この両方を見るたてまえになっております。一つは火薬類を正常に取り扱えるだけの保安能力、技術能力があるかどうか。もう一つは、販売許可を与えるにあたって、公安上あるいは災害の防止上どうであるか、こういう判断基準の二つが基本になっております。したがって、やはり保安という問題も相当重要視せざるを得ない、本来そういう物質でございますので、その両面をあわせて私どものほうの許可基準としておるわけでございます。そういう意味で従来からこの両者をどういうふうに調整するか。まあいろいろ具体的な社会情勢の変化もいろいろございますので、私どもとしても現在のようないろいろな問題について十分いろいろ警察、公安委員会と連絡をとっていく考え方でございます。
 なお補足して申し上げますと、先ほど先生の言われた四十一年の改正、これは火薬類取締法の改正でございまして、その中では、先ほど御指摘のいわゆる立ち入り検査権限、これを警察官に与えておりますし、同時に緊急措置要請というようなことで、問題があった場合にはいつにても公安委員会が都道府県知事なり通産大臣に対していろいろな措置要請ができるたてまえになっておりまして、そういうような現在の規定を十分活用するかたわら、私どものほうもそれを受けて十分措置いたしております。今後許可の問題については、そういう意味で、先ほど申し上げました許可の基準の公安上の問題について、これをどういうふうに具体的に適用していくかということを十分公安委員会に対して、また警察庁と連絡をとりまして実施いたしていくつもりでございます。
#25
○藤原房雄君 実際この知事の権限と言いましても、各県の経済部の商工課ですか、ここらあたりが中心になってやるのだろうと思います。そういうことからいたしまして、この営業権ということ、それとまあ治安といいますか、こういうこととどうかね合わせるか。いまいろいろお話がございましたように、営業権の限界というものをどの辺に設けるかということは、私なかなかむずかしいことだと思います。しかし、いまもいろいろお話がございましたが、公安委員会と横の連絡を密にしてということですが、密にして今後同じような轍を踏まないように公安委員会として十分な措置がとれるかどうかという、この点もいろいろ問題だと思う。この辺の議論につきましては後日にしたいと思いますが、いずれにしましても、前向きで、事故の起きないためのきびしい対策といいますか、同じあやまちを二度と起こさないような対策を強力にひとつ進めていただきたい、こう思うわけです。
 次は、模造拳銃のことにつきましても、このたびいろいろ規制がなされることになりました。現在模造拳銃が百万丁からあるのだということでありますが、今度はこの模造拳銃につきましてもいろいろ規制がなされまして、模造拳銃を所持してはならないというふうになっているわけでありますが、模造拳銃というのは一体どういう拳銃をいうのかということ、それから模造拳銃でないというからにはどういうふうにすれば、どういう点が改良されれば模造拳銃でないのか、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。
#26
○政府委員(長谷川俊之君) お答え申し上げます。
 模造拳銃、この法律案で模造拳銃といいますものは、金属でつくられておりまして、そうしてその形態が拳銃に著しく類似しておること、それから今後総理府でさらに定める予定にいたしておりますることは、外観上本物の拳銃でないということが明白に識別できるような、そういう措置が施されていないもの、たとえば銃身部に白とか黄とかいうような明るい着色が施されているもの、あるいは銃口、たまの出る銃口部分が閉塞されておりまして、ふさがっておりまして、それが外部からふさがっているということが明確に確認できるような措置の施されておらないものを模造拳銃と、こういうふうに考えておる次第でございます。
#27
○藤原房雄君 心配する一つは、最近は非常に精巧なものができておりまして、着色で模造だということがわかるということですが、しかし、疑う目から見れば着色というやつはすぐ取れるわけでありますし、銃口がふさがっているといいましても、またそれが模造ではなくしてほんとうの拳銃のように改造できないこともないという、疑えば切りがないことでありますけれども、いろいろ最近は技術的にも進歩しておりますので、模造というふうにわれわれが見ておったものがすぐ凶器に変わるようなこともあり得るのではないかという、こういう点を非常に心配するわけですね。でありますから、そういう点について、着色というようなことではなくて、もっと模造というものと本物との違いというものがきびしくなければならないなというような感じがするわけです。
 それからもう一つは、輸出業者についてはこの条文は当たらないことになるわけでありますが、まあ自分の国では規制して、外国に輸出はいいということも、ちょっとどうかなというような気持ちもするわけですね。
 それから最近、逆輸入といいますか、こういうようなこともいわれているわけでありますので、その辺どのようにお考えになっていらっしゃるか、お伺いしたいと思います。
#28
○政府委員(長谷川俊之君) 模造拳銃の生産のうち、年間、伺うところによりますと、約一〇%ないし二〇%は輸出をされている。しかも、それを製造しておりまする業者の方はわりに零細な方が多いわけでございまして、いま直ちに輸出等を、輸出もだめであると禁止すると、こういうことにいたしますると、まあ業者に甚大な打撃を与えるおそれもあるわけでございます。そういう点を勘案いたしまして、まあ国内における所持を第一義的に禁止をいたしたい、こういうことで立案をいたしているわけでございます。
 なお、外国から模造拳銃の輸入の状況は私ども詳しくはわからないのでございますが、昭和三十七年、八年ごろ外国からかなり入りまして、中には現在の銃刀法の銃砲に当たるものもありまして、取り締まりをいたしたこともありますが、最近はたいへん少ないように私どもは承知いたしております。
#29
○藤原房雄君 まあいつもそれを、先ほどからいろいろお話しになっています営業ということですね、零細な企業の方々が多いということで、それらの方々を守るために一応こういう措置を講ずるということでありますが、まあそれはやむを得ないことと思います。しかし、あぶないということでありますから、確かに年間一〇%程度ということでありますが、どこでどういう問題が起きないとも限りません。その零細な業者を守るという立場からいうと、もっと転業等あたたかい対策を講ずべきじゃないか、こう思うわけですが、こういう疑いのある危険性のあるようなものはなるべく早く措置するような方向で進んでいただきたいと思うのです。
 次は、四十二年から四十五年の猟銃の盗難事件、これの統計をいろいろ見ますと、四十二年から四十五年、総計で三百十五件ですね。三百六十七丁が盗難にあった猟銃の盗難事件です。三百六十七丁の猟銃は現在どうなっているかということがたいへん心配なわけですね。いろいろお聞きしますところ、検挙率が大体五割というようなお話も聞きました。約百八十丁がまだ見つかっていないという、こういうこともお聞きしているわけでありますが、これもたいへん問題なことだと思うわけです。こういう点につきましてどのようにお考えになっていらっしゃるか、対策なり何なりございましたらお聞きしたいと思います。
#30
○政府委員(長谷川俊之君) お話しのとおり、最近の猟銃等の盗難の丁数を見ますと、多い年で百六十八丁、少ない年で百五十八丁、大体百六十丁前後が盗まれておるわけでございます。で、これらの検挙状況でございまするが、猟銃の関係では大体五四%ぐらいが発見回復ができておるわけでございます。なおライフル銃につきましては、それが率がやや高うございまして、約八〇%程度発見回復ができておる状況でございます。仰せのとおり、この盗難にかかる銃砲というものはしばしば犯罪に悪用されることがあるのでございまして、そういう意味で、盗難銃砲の捜索、捜査ということは、私どもといたしましては窃盗の中でも特に重点を置きまして、各府県にそれぞれ態様によりましては特別の捜査班を編成いたしましてこれの追及に当たらしておるところでございます。しかしながら、なかなか十分な成果をあげておらない点は遺憾な状況でございまするが、今後におきましても、特にこの銃砲の盗難につきましてはその発見回復ということに重点を置きまして努力をしてまいりたい、かように考えております。
#31
○藤原房雄君 いまお話がございましたように、検挙率が五四%ですか、たいへんな数が流れている、こういうことから考えますと、ここにかなりの拳銃とか猟銃、それから刀剣の不法所持というものがあるように思うわけであります。これが暴力団やまたいろんな危険な人たちによって不法に所持される。いつどこでどんなことが起こるかわからないという危険にさらされております。どうかひとつ警察といたしましてもこういう面に対する重点的な捜査と言いますか、十分な配慮をいただきたいと思います。
 最後に、このたびの銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案、何点か伺ってまいりましたが、総括するところ、個人に対する所持の制限という点、これはさらにきびしくなって大きく一歩前進したと思います。しかし、まあ最近に起きた問題からいたしまして、この銃砲店のあり方、こういう点がきょうはいろいろ議論もあったわけでありますが、問題も多いわけでございます。警察と通産省両方にまたがっておりまして、横の連絡を密にするということではございますが、いろいろそこには、一つ間違いますとこれは人命にかかわる大事なことでございますので、今後とも前向きで鋭意検討いただきまして、事件の起きないように最大の対策を講じていただきたいと思うわけでございます。また製造業者、販売業者のあり方、設備につきまして、まあその取り扱う人についてもいろいろな面から考えなければならないことだと思います。日本の国は外国にない、こういう点につきましては厳重であると言われているわけでありますけれども、なおかついろいろな問題が起きております。今後ともこれらの問題につきまして十分なる対策を講じ、検討を加えていくという、こういう点につきまして長官の決意なりまた何なりの表明をいただきたいと思います。
#32
○政府委員(後藤田正晴君) 御説明のとおりでございまして、私どもとしましてはもとよりのこと、関係の機関等ともなお一そう連絡を緊密にして、銃砲火薬類等の事故による犯罪の予防、起きた場合の検挙、こういう点に最大の努力を傾けてまいる所存でございます。
#33
○委員長(若林正武君) 本日の質疑はこの程度にとどめ、これにて散会いたします。
   午前十一時五十七分散会
ソース: 国立国会図書館
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