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1970/03/11 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第10号
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1970/03/11 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第10号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第10号
昭和四十六年三月十一日(木曜日)
   午前十時三十四分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                熊谷太三郎君
                増田  盛君
                山本伊三郎君
                藤原 房雄君
    委 員
                嶋崎  均君
                初村瀧一郎君
                船田  譲君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                吉武 恵市君
                和田 静夫君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
       国 務 大 臣  荒木萬壽夫君
   政府委員
       警察庁長官    後藤田正晴君
       警察庁長官官房
       長        富田 朝彦君
       警察庁刑事局保
       安部長      長谷川俊之君
       自治省税務局長  鎌田 要人君
       消防庁長官    降矢 敬義君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○消防法の一部を改正する法律案(内閣提出)
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣送付、
 予備審査)
○銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律
 案(内閣提出)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 消防法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 本案はすでに質疑を行なっておりますので、別に御発言もなければ、質疑を終局し、討論に入ることに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#4
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 消防法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#5
○委員長(若林正武君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。
 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なしと」呼ぶ者あり〕
#6
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#7
○委員長(若林正武君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、政府から趣旨説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
#8
○国務大臣(秋田大助君) ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案について、その提案の理由と内容の大要を御説明申し上げます。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、地方税負担と地方財政の現状にかんがみまして、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減合理化をはかること、市街化区域内の農地に対して課する固定資産税及び都市計画税について、税負担の激変緩和の措置を講じつつ、課税の適正化をはかるため所要の措置を講ずること、狩猟免許税、入猟税及び入湯税の税率の引き上げを行なうことの三点を中心といたしております。
 以下、順を追って地方税制の改正の概要について御説明申し上げます。
 その一は、道府県民税及び市町村民税についてであります。道府県民税及び市町村民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、昨年の所得税法の改正に伴う給与所得控除の引き上げのほか、基礎控除額を一万円、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ二万円引き上げることといたしました。また、障害者控除、老年者控除、寡婦控除及び勤労学生控除の額についても、一万円ずつ引き上げるとともに、医療費控除の控除限度額を百万円に引き上げるほか、生命保険料控除の控除限度額を二万七千五百円に引き上げることといたしたのであります。なお、障害者、未成年者、老年者及び寡婦についての非課税の範囲を、年所得三十五万円まで拡大することとしております。
 その二は、事業税についてであります。事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減合理化をはかるため、事業主控除を四万円引き上げて三十六万円にすることといたしました。
 その三は、不動産取得税についてであります。不動産取得税につきましては、公共の用に供する道路の付属物の取得等について非課税とするほか、都市計画において定められた立体式の路外駐車場の用に供する家屋を取得した場合等における不動産取得税について、課税標準の特例を設ける等、負担の軽減合理化をはかることといたしました。
 その四は、娯楽施設利用税であります。娯楽施設利用税につきましては、ゴルフ場所在市町村の財政需要等を考慮して、ゴルフ場所在市町村に対して交付する娯楽施設利用税交付金の交付率を六分の一から三分の一に引き上げることといたしました。
 その五は、料理飲食等消費税についてであります。料理飲食等消費税につきましては、大衆負担の軽減をはかるため、旅館における宿泊及びこれに伴う飲食の免税点を千八百円に、基礎控除額を千円に引き上げ、また、飲食店等における飲食の免税点を九百円に引き上げることといたしました。
 また、オリンピック冬季大会の開催に伴う特例措置として、昭和四十七年一月一日から同年三月三十一日までの間における外客の室泊及びこれに伴う飲食に対しては、料理飲食等消費税を課さないことといたしました。
 その六は、狩猟免許税及び入猟税についてであります。狩猟免許税及び入猟税につきましては、負担の合理化をはかるとともに、鳥獣保護及び狩猟行政の充実を期するため、その税率をそれぞれ三倍程度引き上げることといたしました。
 その七は、固定資産税についてであります。固定資産税につきましては、都市計画法に規定する市街化区域内の農地に対して課する固定資産税について、農地と近傍宅地との課税の均衡を考慮し、税負担の激変を緩和するための調整措置を講じつつ課税の適正化をはかることといたしました。
 すなわち、市街化区域農地については、状況が類似する宅地の価格に比準ずる価格によって評価を行なうこととし、各年度分の固定資産税の額は、市街化区域農地を、当該農地にかかる評価額が、(1) 当該市町村の市街化区域内の宅地の平均価格以上または五万円以上である農地(A農地)(2) 当該宅地の平均価格の二分の一以上平均価格未満である農地(B農地)(3) 当該宅地の平均価格の二分の一未満または一万円未満である農地(C農地)の三グループに区分し、A農地にあっては昭和四十六年度、B農地にあっては昭和四十七年度まで、C農地にあっては昭和五十年度までそれぞれ従来の税額を据え置くこととし、それ以後の年度の税額は、当該市街化区域農地について状況が類似する宅地と同様の負担調整措置を適用して算定した額に、市街化区域農地の区分に応じて、一定の軽減率を乗じて算定した額とすることといたしました。なお、賦課期日の翌日以後その廣の末日までの間に市街化区域農地が市街化区域農地以外の農地となった場合には、当該年度分の税額を減額することとし、また、小作地であるB農地およびC農地については、固定資産税と都市計画税の合算額が小作料を越える場合にはその越える額を限度として、一定期間、徴収を猶予することができることといたしております。
 次に、特定の汚水または廃液の処理施設その他の公害防止施設等を非課税とするほか、都市計画において定められた立体式の路外駐車場等について課税標準の算定上の特例を設け、また、ばい煙の処理施設等公害防止施設にかかる課税標準の特例の率を改める等負担の軽減合理化をはかるとともに、石炭鉱業合理化事業団の貸し付け用近代化機械設備等に対する固定資産税の課税標準の特例措置の期限を延長することといたしました。
 その八は、都市計画税についてであります。都市計画税につきましては、市街化区域内の農地に対して課する都市計画税について固定資産税と同様の措置を講ずることといたしました。また、都市計画税の課税区域について、都市計画税は原則として市街化区域内において課税することができることとし、特別の事情がある場合においては、市街化調整区域においても条例で定める区域内において課税することができることといたしました。
 その九は、電気ガス税についてであります。電気ガス税につきましては、電気にかかる免税点を七百円に、ガスにかかる免税点を千四百円にそれぞれ引き上げて負担の軽減をはかることといたしました。また、生石灰等の製造に直接使用する電気に対しては、電気ガス税を課さないこととする等の措置を講ずることといたしました。
 その十は、入湯税についてであります。入湯税につきましては、その使途に消防施設等の整備に要する費用を加えるとともに、標準税率を二十円引き上げて四十円にすることといたしました。
 その十一は、国民健康保険税についてであります。国民健康保険税につきましては、負担の適正化をはかるため、課税限度額を三万円引き上げて八万円にすることといたしました。
 このほか、地方税制の合理化をはかるための規定の整備等所要の規定の整備を行なっております。
 以上の改正により、昭和四十六年度においては、個人の住民税におきまして七百四十三億円、個人の事業税におきまして三十七億円、料理飲食等消費税におきまして四十七億円、電気ガス税その他におきまして二十五億円、合計八百五十二億円(平年度九百六十八億円)の減税を行なうことになりますが、一方、狩猟免許税および入猟税について二十億円、入湯税について二十億円、その他国の租税特別措置の改正に伴い八億円、合計四十八億円の増収が見込まれますので、差し引き八百四億円(平年度八百六十九億円)の減収となります。
 以上が、地方税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその大要であります。何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#9
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#10
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
 次に、補足説明を聴取いたします。鎌田税務局長。
#11
○政府委員(鎌田要人君) お手元に地方税法の一部を改正する法律案関係資料というものをお配りしてございます。ページが通し番号でございませんので、まん中程度の青い紙のところに新旧対照表というのがございます。大体まん中からちょっとあとぐらいになると思いますが、この新旧対照表によりまして、簡単に御説明申し上げたいと思います。
 まず一ページから二ページにかけましては、これは条文の整備でございます。
 三ページ、第二十三条、道府県民税に関する規定でございますが、扶養親族のところを改正をいたしておりまするのは、養護受託者に委託された老人を新たに扶養親族の範囲に加えようとするものでございます。
 次に、二十四条の五の改正規定は、障害者等の非課税限度額、現行三十二万円を三十五万円に引き上げる等の改正でございます。
 次に、四ページに移りまして、第三十四条の規定は、所得控除の引き上げに関する規定でございます。まず二号の医療費控除、これは足切りを百分の五、または十万円のいずれか低い額にいたしました。その最高限度額を現行の三十万円を百万円に引き上げようとするものでございます。次は五号でございます。これは生命保険料の控除限度額の引き上げに関する規定でございます。五ページに移りまして、六号から九号までの改正規定は、障害者等の控除額を一万円ずつ引き上げようとするものでございます。十号が配偶者控除の引き上げ二万円、それから十一号が扶養控除の引き上げが同じく二万円、それから二項の規定は、基礎控除一万円引き上げに関する規定でございます。三項が、配偶者がいないところの第一人目の扶養控除の引き上げ二万円を行なおうとするものでございます。
 次に、第三十七条の簡易税額表の規定でございますが、これは所得税の改正と軌を一にいたしまして、簡易税額表の課税限度額を二百万円に引き上げようとするものでございます。
 次は三十七条の三、七十二条の十四、いずれも所要の規定の整備でございます。
 八ページに移りまして、第七十二条の十八は、事業税の事業主控除現行三十二万円を三十六万円に引き上げようとするものでございます。
 九ページに参りまして、第七十三条の四、不動産取得税の非課税の規定を改正いたしておりますのは二項でございまして、現行の道路用地に加えまして、料金の徴収所等付属建物等を非課税にしようとするものでございます。
 次に一〇ページに移りまして、第七十三条の五と申しますのは、土地改良地区等が国から開拓財産である道路等の用地を譲与されて取得した場合の不動産取得税を非課税としようとするものでございます。
 次の七十三条の十四、不動産取得税の課税標準の特例でございまして、その十一項と申しますのは、いわゆる立体駐車場の地下部分につきましては不動産取得税を半分まけているわけでございます。地上部分の家屋におきましても三分の一をまけようというわけでございます。
 その次の七十三条の二十七の六、一一ページでございますが、これは農地保有合理化促進事業を行ないますところの非営利法人が、事業実施によりまして農業振興地域整備計画の農用地区域内の農地等を取得いたしました場合には、一定の条件のもとに不動産取得税の納税義務を免除しようとするものでございます。
 次は百十二条の二、娯楽施設利用税でございまして、道府県が市町村に対して交付いたしますところの交付金、現行六分の一を三分の一に引き上げようとするものでございます。これは七月一日から施行いたしまして、これによりまして府県から市町村に十四億の金が動くことになります。
 次は料理飲食等消費税に関する規定でございまして、まず百十四条の三の規定は、旅館の基礎控除を引き上げ、八百円を千円にという規定でございます。
 次の百十四条の四、一二ページでございますが、これは飲食店等におきまする免税点現行八百円を九百円、チケット制の食堂でございますと、四百円を四百五十円に引き上げようとするものでございます。
 次の百十四条の五は、旅館の免税点同じく現行千六百円を千八百円に引き上げようとするものでございます。
 次の百二十九条の改正規定、一三ページ、三項でございますが、これはほとんど利用行為が免税点以下であるような旅館につきましては、公給領収証の交付義務を免除しようとするものでございます。
 次の百五十一条、自動車税でございますが、これは自動車税の証紙徴収による納付の方法として、新たに証紙代金納付計器による納付の方法を認めようとするものでございます。
 一四ページ、二百三十七条の改正規定は、狩猟免許税の税率をそれぞれおおむね三倍程度引き上げようとするものでございます。
 次の二百九十二条から一七ページの三百十四条の八までは、府県民税について説明を申し上げたところと全く同様でございますので、省略をいたします。
 一八ページ、三百二十一条の五の改正規定でございます。これはサラリーマンが一月一日から四月末日までに給与の支払いを受けなくなった、転勤あるいは退職等によりまして、特別徴収義務者から給与の支払いを受けなくなった場合におきまして、本人が希望するときは、最後の月の給与または退職手当から未徴収残額を一括して徴収する道を開こうとするものでございます。それに伴います規定の整備が次の三条でございまして、この二〇ページの三百二十七条までがこれに伴いまする所要の規定の整備でございます。
 次に二一ページでございます。固定資産税に入ります。まず最初が非課税の範囲の拡大でございます。二号の七、これは現在課税標準の特例を行なっておりますところの立体交差化施設、これを交通災害の防止という見地から、非課税の規定に移しかえをしようとするものでございます。次の六号の二は水質汚濁の防止のための施設、それから次のページに参りまして六号の四はばい煙処理施設、それから六の六は廃棄物処理あるいは廃プラスチック類処理施設、こういったものを非課税にしようとするものでございます。
 次の三百四十九条の三は、固定資産税の課税標準の特例規定でございます。二四ページまでは規定の整備でございまして、二五ページに移りまして、二十一項、これがやはり立体駐車場の地上部分につきましてこの固定資産税の課税標準の特例を設けようとするものでございます。それから二十二項は、砂利の採取に伴う災害の防止、ばい煙の処理または騒音の防止等の施設について、現行の二分の一を三分の一に、課税標準の特例を引き上げようとするものでございます。
 次の四百八十九条は、電気ガス税の非課税品目の追加及び削除でございます。まず削除をいたしましたのが、重過燐酸石灰、それから酢酸、これを削除をいたしました。新しく加えましたのが、十四号に生石灰と書いてございます、これが新しく追加したものでございます。それから、三年間この期限を限りまして非課税としておりまする品目には、人造ゴムの原料でございますエチレン・プロピレン・ターポリマーゴム、それから合成グリセリン、この二つを加えております。
 それから四百九十条の二が免税点の引き上げに関する規定でございます。
 六百九十九条の十三、これは自動車取得税につきまして、自動車税と同様、証紙代金収納計器による納付を認めようとするものでございます。
 次の七百条の五十二の規定は、狩猟免許税と同様の趣旨によりまして、入猟税の税率、これは府県の目的税でございますが、三倍程度引き上げようとするものでございます。
 次に二八ページの七百一条及び七百一条の二の規定でございます。これは入湯税に関する改正規定でございまして、先ほど大臣の提案理由の説明のとおりの改正をいたすものでございます。
 次の七百二条の改正規定は、都市計画税の課税客体といたしまして、原則として市街化区域内の土地、家屋に課税をする。市街化調整区域内におきましては、大規模の宅地開発事業等、まさに特定の場合に条例で定めるところによって例外的に課税をすることができるということにするわけでございます。
 次が七百三条の四でございまして、国民健康保険税の課税限度額の引き上げに関する規定でございます。
 附則に移りまして、第四条及び第五条は、昨年の配当所得に関しまする所得税の改正に対応する所要の規定の整備でございます。
 三二ページに参りまして、不動産取得税の課税標準の特例の第十一条の六項というのがございます。これは期限の延長でございます。次の七項、八項は新しく入れたわけでございますが、七項は、いわゆる日本自動車ターミナル株式会社の家屋に対しまして、四十九年三月三十一日までに二分の一の特例を設けようとするものでございます。入項は、農地開発機械公団が造成をいたしましたいわゆる共同利用模範牧場の用に供しまするところの畜舎なりあるいは飼料貯蔵施設等につきまして、同じく昭和五十年三月三十一日までの取得分について課税標準の特例を設けようとするものでございます。
 次の十四条は、固定資産税の非課税規定でございまして、二項は、辺地等において農林漁業団体等が設置した発電施設等に対しまして、現在固定資産税を課しておらないわけでございますが、その期限をさらに二年あまり延長しようとするものでございます。
 第十五条の一項の規定は、日本自動車ターミナル、先ほど不動産取得税で説明をいたしましたのと同様の趣旨でございます。それから三項、四項の規定でございますが、これは同じく公害防止の見地から、重油脱硫装置につきましての課税標準の特例を引き上げる、あるいは四項でございますと、廃油処理施設につきまして同じく課税標準の特例を引き上げるというものでございます。それから六項は、石炭鉱業合理化事業団が近代化機械設備等につきまして課税標準の特例措置の適用を受けているわけでございますが、この期限を延長しようとするものでございます。
 三七ページに参りまして、十一項の規定は、昭和四十五年五月一日から四十七年三月末日までに新たに取得された電子計算機につきまして、取得後三カ年間、課税標準を三分の一まけまして三分の二にしようとする改正でございます。
 以下、十九条の二から三十条まで、五一ページの三十条までの規定は、市街化区域内の農地に対しまする固定資産税、都市計画税の適正化に関する規定でございます。
 まず十九条の二の規定は、市街化区域農地に対しまして、これまで農地としての評価を行ない課税標準といたしておったわけでございますが、これを状況類似する宅地の課税標準価格に比準して課税をするという大原則を立てたわけでございます。
 次の三八ページの二項の規定は、非常に読みづらい規定になっておりますが、要するに、現在土地に対する固定資産税でございますと、四十五年度、その次は四十八年度、次は五十一年度、こういうふうに基準年度を定めまして、その基準年度の価格がその他の年度におきましては据え置きになっているわけでございまするけれども、この市街化区域農地につきましては、各年度の賦課期日におきまして新らたに市街化区域農地になった、あるいは逆に市街化区域農地からそれ以外の農地になった、あるいはそれ以外の、市街化区域農地から田が畑になった、あるいは畑が田になった、こういった場合につきましては、据え置き年度でありましても例外的に状況類似宅地の価格に比例して農地の評価がえができるという規定でございます。
 それから十九年条の三、三九ページの規定は、これは先ほどの大臣の提案理由でやや詳しく述べられておりましたように、ABC三グループに分けまして、市街化の進みぐあいによりまして固定資産税の負担を漸進的に求めて参る、このための規定でございます。すなわち、一と申しますのはA農地でございますが、A農地につきましては、四十七年度から四十九年度までにそこに書いてありまするような率で、それから二と書いてございますのがB農地でございますが、これが四十八年度から五十一年度まで四年度間、三に書いてありますのがC農地でございますが、これが五年度間、五十一年度からそこに書いてありますような率で、漸進的に負担を求めていこうとするものでございます。
 次の四一ページの二項でございますが、これは市街化区域の線引きがすでに行なわれまして、そこに新たに農地として入ってまいった場合の取り扱いに関する規定でございまして、四十七年度に所在した農地とみなして課税をするということでございます。
 次の三項の規定は、A、B、Cのグループ分けの変更は原則として行なわないというたてまえをとっておるわけでございますが、街路事業の施行等特殊例外的な場合には、A、B、Cのグループ分けの変更ができるという趣旨の規定でございます。
 次の四項の規定は、新しく線引きが行なわれたという場合におきまして市街化区域農地になった土地につきましては、その設定第一年度というものを四十七年度とみなして、この一項の表を準用するという考え方でございます。
 それから、あとは大体技術的な読みかえ規定その他の規定の整備でございまして、都市計画税についてでございますが、二十七条の二、四八ページでございますが、これは、この市街化区域農地に対する都市計画税が固定資産税のただいま読み上げましたところと同様の趣旨で課税を行なっていくという基本の規定になっておるわけでございます。
 それから五〇ページでございますが、五〇ページの二十九条の二、二十九条の三、これは、いわゆる市街化区域農地が年度中途で市街化区域農地以外の農地となった場合、本来ならばその年度はまるまる課税をするわけでございますが、この場合におきましては例外といたしまして市街化調整区域並みの税金をとる、したがいましてこの差額がとり過ぎになりますので、その分を還付をするという規定でございます。
 それから次の二十九条の四の規定は、B農地及びC農地につきまして、この制度によりまする都市計画税、固定資産税の合算額というものが小作料の額をこえる場合において、必要がありますときは、この納税者の申請に基づきまして徴収猶予を行なうことによりまして負担の緩和をはかろうとするものでございます。
 次の二十九条の五は、市街化区域に入ったけれども、なかなかこの五年間の見直しをやりましても市街化に相当長期間がかかると、さりとて市街化調整区域に編入がえもなかなかできがたいと、こういうものに対しまして、自治大臣が市町村長に対して、必要な減免の措置を講ずるよう適切な助言をすることができると、こういう趣旨の規定でございます。
 あと五二ページでございますが、五二ページは、無水フタル酸につきまして、この一年間非課税の期限を延長しようとするものでございます。基礎物質としての性格にかんがみられてとられた措置でございます。
 五三ページは、オリンピック冬季大会開催年におきまして、外客につきまして、万博あるいはオリンピックと同様の措置をとろうとするものでございます。
 非常に簡単でございますが、以上が補足の大要でございます。
#12
○委員長(若林正武君) 本案に対する質疑は後日に譲ります。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#13
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
    ―――――――――――――
#14
○委員長(若林正武君) 銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は御発言願います。
#15
○和田静夫君 この法律案、大臣から見解を承っていませんので、すでに前回までの委員会で相当各委員から質問が出尽くしていますから、二、三の問題について締めくくり的にお尋ねをいたしておきたいと思います。
 まず、模造の銃または刀剣類の所持とか携帯の禁止に関する改正規定についてでありますが、改正法案の二十二条の二は「(模造けん銃の所持の禁止)」について、さらに次の二十二条の三は、これは「(模造刀剣類の携帯の禁止)」について規定をしております。模造拳銃については、所持そのものを禁止をし、模造刀剣類については、所持については触れずに、正当な理由に基づかない携帯のみを禁止する、こういうふうにして両者を区別した理由というものはどこにあるのか、お伺いをしたいと思います。
#16
○政府委員(後藤田正晴君) 模造の拳銃につきましては、社会的な有用性がほとんどない、こういう点に着眼をいたしまして、やや広い観念である「所持」という用語でこれを禁止をしたわけでございます。ところが模造の刀剣類は、祝いであるとかあるいは舞踊であるとか芝居であるとか、いろいろ広く用いられております。つまり社会的な有用性もあるわけでございます。また外観上の危険性あるいは携行の利便等も、いずれも模造拳銃に比べて低いわけでございまするので、やや狭い観念である「携帯」という用語で禁止をする、こういうことをいたしたわけでございます。
 そこで、「携帯」と「所持」が一体どう違うのか、こういうことでございますが、「所持」という用語は、保管、把持、携帯及び運搬等の行為を総称するわけでございます。つまり、ものを自己の支配し得べき状態のもとに置く観念が「所持」である。平たいことばで言いますと、やや不正確になりますけれども、要するに持っちゃいかぬ、こういうように御理解を願えればいいのではなかろうかと思います。ところが「携帯」という用語は、この「所持」という観念の中の一つの態様に過ぎません。つまり、ものを手に持つ、あるいは体に帯びるといったようなことで、ものを携え持つことを言う、こういうふうに解されているのですが、これも平たく申しますと、要するに持って歩いちゃいかぬ、こういうことばでございます。そういう用語の使い分けは、先ほど申しましたように、両者の間にやはり社会的有用性であるとか、外観上の問題であるとか、いろいろな差異がある、こういうことで使い分けをいたしたような次第でございます。
#17
○和田静夫君 模造拳銃と構造刀剣類を比較してみますと、その物体としての、凶器という側面からながめると、私は、殺傷力という性能からいって模造刀剣類のほうがはるかに性能がすぐれていると思います。そうすると、模造拳銃は見せかけだけで殺傷力は全くない。一歩譲って、多少の改造ぐらいですぐ本物の拳銃に転用できるようになるしろものでもしあったとしたら、この前の委員会で御説明があったように、色を塗ったぐらいで所持を認めてもよいということは許されるべきではない、そう思います。そういうふうにあれこれ考えてみますと、模造拳銃と模造刀剣類とでは、どうしてもやっぱり規制の均衡を欠いているとしか思えないんです。いかがですか。
#18
○政府委員(後藤田正晴君) そういう何といいますか、実際上の殺傷力という点から見れば、片方はあくまでも模造なんですから、引き金を引こうと何をしようとたまは出ないと、こういうことでございます、片方は、使いようによれば傷つけることができると、おっしゃるとおりだと思います。ただ、なぜ一体「所持」「携帯」という違いをつけたかと言いますと、殺傷力という点から見ればお説のとおりですが、問題はやっぱり私は社会生活上の有用性という点も考えなければならぬ。で、たとえばこの銃刀法におきましても、刃物がございます、刃物は、これは文字どおり刃物でございまして、非常な殺傷力があるわけでございますが、これも非常に有用性を考えなきゃならぬという観点から、これもやはり所持という観念でなしに、携帯という観念でとらえておるわけでございます。そういったような考え方で、お説のような点はありますけれども、やはり社会的有用性という点から差をつけてあるんだと、こういうふうに御理解願いたいと思います。
#19
○和田静夫君 この模造拳銃というのは、そのもの自身には危険性がない。しかし、強盗などやる場合には疑似的にたいへん脅威を与える、そういうことにも用いられますから、そういう犯罪予防という観点でも所持を禁止するということになっておるんだろうと思います。しかし、この前お聞きをしまして答弁がありましたように、模造拳銃は着色をしたりあるいは銃口をふさいで、しかも見分けがつくようにすると、今度は模造拳銃ではなくなって、そして所持できるということでしょう。そうすると、たとえば犯罪、強盗などというようなものを考えてみますと、そういうことをやる者であったならば、いろいろ考えて、色をはがしたり銃口を多少細工するぐらいのことは、これはできるのではないかと思うんですよ。そう考えると、こういうような法改正によって所期の成果というものがどうも期待できないようなそういう感じがするんですが、私の誤解ですか。
#20
○政府委員(長谷川俊之君) 仰せのとおりいろいろ工作をいたしますると、いわゆる模造拳銃になるものが今後も存在するわけでございまするから、完全にこの改正によりましてそういったものを防ぐ、いわゆる広い意味の模造拳銃の弊害を防ぐということはできないということは仰せのとおりだと思います。しかしながら、少なくとも、たとえば先般の航空機不法奪取のように、デパートから買ってきてすぐ使うとか、そういったことも防げまするし、またわれわれいままで実務上の、何某が拳銃を持っている、こういうことで、多大の捜査力を使いまして捜索等しますと、それが模造拳銃であって何にもならなかったということ等がなくなりますし、相当程度の効果はあるかと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#21
○和田静夫君 大体模造拳銃というのは、この法が改正されるまで、まだ今日現在までいわゆる所持を正当に認められているわけでしょう。そしてその器具の性能上、先ほども何回か言うように、人のからだに危険を与えない。したがって所持を禁止するのは犯罪防止というような形での行政上の目的である。そういう意味では所持禁止に違反した行為というのは自然犯ではなくて行政犯である、そういうふうに理解しておいてよろしいですか。
#22
○政府委員(長谷川俊之君) 仰せのとおりだと思います。
#23
○和田静夫君 そうしますと、現在民間で保有している模造拳銃というのは、大体どれぐらいだと踏んでいらっしゃるんですか。
#24
○政府委員(長谷川俊之君) 正確にはちょっとわからないのでございまするが、七、八十万丁ぐらいはあるのではないかというふうに思われます。
#25
○和田静夫君 そうしますとね、その八十万なら八十万丁いわゆる模造拳銃が家庭にある、それを総理府令に従って所持できるようにするには、この所持者が自分で改造する、そういうことでこと足りるわけですか。
#26
○政府委員(長谷川俊之君) 所持者が自分で改造することもできる方もあるかと思いますが、色を塗る程度ならばそれも可能ですけれども、銃口を完全にふさぐというようなことは、やはり業者の方のところへ持っていきましてやってもらわないとちょっと困難ではないかというふうに思います。それで、六カ月の実施の猶予期間を置きましたのは、その間にそういうふうにしていただくか、あるいはもう廃棄していただくかの猶予期間として六カ月をお願いしている次第でございます。
#27
○和田静夫君 そうすると、六カ月の期間のうちにそのことを所持者に可能ならしめるためには、何か具体的に指導する、あるいはあれをするとかいうことは考えていらっしゃるんですか。
#28
○政府委員(長谷川俊之君) この案が国会で可決されましたならば、直ちにその趣旨を警察自体としまして警察の組織を使いましてやりますと同時に、各業界等もございますから、そういったものも使いまして、所持者に広く呼びかけまして、そしてそういう改造なり廃棄なり、そういったものを進めて、六カ月後には違反状態がないように万全の努力をいたしたいと考えております。
#29
○和田静夫君 そこでその点がたいへん心配になるんですが、この法律が公布の日から一カ月を経過して施行されて、そして模造拳銃の所持の禁止の規定は、いま言われたように六カ月、で、八十万とこう言われるわけですがね。実際は民間で保有する数というのはもっともっと多いんだろうと思うんですよ。その数の問題はさておいても、この膨大ないわゆる模造拳銃なるものを、法施行後は、家の中のどこかに置き忘れただけで一応は一万円以下の罰金ということになりますね。で、そういう意味では犯罪の加罰対象になるわけです。これは非常に何か重要なことであるように実は考えるんです。私はもちろんこんな模造拳銃なんか何の興味も持っていませんけれども、しかもこういったものはないほうがいいにきまっているんですが、たとえば一時ガンブームなどといって、ローティーンのいわゆる子供たちがもう競って買った。親たちは何とか買わせないようにしようと思ってもそうはいかぬ時代があった。まだ続いていると聞いているのです。そうすると、そんなものが押し入れのどっかに置かれているということが、私は現実の姿として多々あると思うし、この前刀剣の問題で、戦後年寄りたちが愛執をそれに覚えながら隠しておいて、そしていま世代交代とともに年々刀剣の届け出が多くなっているというのに見られるように、そういうことは家庭には一般にあることだと思うのです。そうすると、置き忘れて気がつかなかったということなんですがね、しかし加罰対象になる。犯意は別にないわけですけれどもね、ということ。客観的には、とにかくこの法律が施行されれば犯罪を構成をしていく。知らないと言ってみたところで法を知らぬということにならないのはあたりまえですが、そういうことになる。そうすると警察へ行って立証するということはなかなかこれは困難でしょう。また、改造のしかたが悪いといって難くせつけようと思えば、これまた幾らでも難くせつけて、こいつは模造拳銃だというふうに認定することもできる。そういうことでありますと、改正法の施行までの半年の間に、いま言われたとおりできるだけ法の周知徹底をはかっていくんですけれども、そのときに違反者をつくらないということがもう前提的にたいへん配慮をされなきゃならぬと思うのですが、そういう点についてはどのようにお考えになっていますか。
#30
○政府委員(後藤田正晴君) その点は法の運用の根本に触れる問題でございまするので、私からお答えいたしたいと思います。
 おっしゃるように、形式的には犯罪を構成いたします。しかしながら、そこが自然犯と行政犯の運用の場合の根本を違えなければならぬ点だと思います。で、やはりこの法の目的が、こういった危険なものをなくしていきたい、漸次減らしていきたい、こういう基本の立法趣旨があると思います。したがって、この線に沿ってこの罰則運用というものは運用をしていくべきだ。だからこの法案が可決をした暁には、先ほど保安部長から申しましたように、あらゆる手段を尽くして、改造なり廃棄なり、こういった措置をとっていただくことは当然ですけれども、六カ月以後におきましてもさらにその努力を続ける。そうして、ただいま御質問がありましたように、たまたまたんすの奥に置いてあったといったようなものがあるから、それを直ちに罰則の対象として私どもが検挙していくといったような法の運用は、私はさせない、そういうつもりで運営してまいる決意でございます。
#31
○和田静夫君 去る二月十九日の衆議院の地方行政委員会で、長官は同様なことを、社会党の華山議員の、いわゆる食管法が厳然としてあるのにやみ米が横行している。流通をしている。それがテレビなんかで報道されてもあなた方取り締まらぬのはどういうわけだということについて、自然犯と行政犯の違いを述べられながら答弁をされていますが、いまの述べられたような趣旨からいけば、こういうふうに理解をしておいてよろしいですか。模造拳銃については、当然取り締まりについて緩急のいわゆる度合いということが非常にしんしゃくされる、そういうふうに考えてもよろしいわけですか。
#32
○政府委員(後藤田正晴君) 法の目的に沿って私は運用をしてまいりたい。したがって、御説のような考え方も私どもとしては十分腹に置いてやってまいりたいと、かように思います。
#33
○和田静夫君 その点はそれでいいですが、模造拳銃の所持の禁止は、法律的にはまかり間違うと非常に大ぜいのごく普通の人に犯罪を犯させる危険を含んでいるということが心配になるから先ほど来述べたのですが、ところが警察行政の手心で、あるときはきつく、あるときはゆるやかにいま述べられたような形で取り締まられるということでありますと、個人生活の安定が、まあ強く言うと警察によって左右をされる、そういうことにならないかということをたいへんこの法律案をあれしながらおそれるわけですがね。よく重大容疑者について証拠がつかめないと、軽微の微罪でしかないような別件逮捕というようなことが行なわれるということとの関連で、そのようなことがない、模造拳銃についてそのようなことは起こり得ないと、そう理解していてよろしいですか。
#34
○政府委員(後藤田正晴君) 警察の良識をひとつぜひ御信頼願いたいと思います。
#35
○和田静夫君 それじゃ最後に大臣にお尋ねいたしますが、いままでいろいろと論議をしてきました。お聞きのとおりでありますが、この法律案は、運用によって個人の人権を侵したり、また指導よろしきを得ないと善良な人々に迷惑を及ぼす危険があります。長官が言われましたように、警察の良識を疑うわけじゃありませんが、その点については大臣からひとつ確固たる所見を承りたいと思います。
#36
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 長官からお答え申し上げましたとおりでございまして、あくまでも法の趣旨に徹して、いやしくも逸脱、過誤がないように厳に慎むべき運用をはかるべきだと思います。
#37
○和田静夫君 大臣、この前の委員会において、実はこの銃砲の製造所から販売店などに銃砲を運ぶ際、その運搬中の盗難、あるいは実包、火薬などを一緒に荷積みすることについての危険について質問しました。事務当局からすでにお聞き及びだと思うのですが、事務当局としてはよく検討して改善の措置を講ずるというような形での答弁を承っておったのですが、この点について、大臣の所見をもう一回承っておきたいと思います。
#38
○政府委員(長谷川俊之君) 先般もお答え申しましたとおり、法がいろいろ分かれておりまして、たまに関するものは火薬類取締法とか、いろいろそういう点で技術的な面におきましては若干不備な点があるわけでございますが、行政指導といたしまして、そういう点について遺憾のないように徹底してまいりたい、かように考えております。
#39
○和田静夫君 これは大臣、非常に気にかかるところですから、いま答弁がありましたけれども、一ぺん慎重に検討をしていただきたいと思います。よろしゅうございますか。
#40
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいまお答え申し上げましたとおり、十分指導体制を戒めまして運用したいと思います。
#41
○和田静夫君 最後に、真岡の猟銃のあの強奪事件を契機として、何か事件が起こるとすぐいわゆる過激派グループのしわざではないかということが報道に載るわけですね。たとえば相武台団地内の横浜銀行の強奪事件についても、報道機関は、千葉県下で起こった連続三件の郵便局の強盗事件と手口が似ておって、犯人は学生風だから過激派グループの犯行の疑いが強いと報じた。私はこれらの事件が過激派学生などのやった事件かどうか全く事実を知りませんから、報道が正しいのか正しくないのかということを論評する資格をいま持っておりませんが、もちろん違反者はだれかれの区別なしに取り締まることもまた当然です。しかし私は私なりに、この戦中の経験、体験から、こうした世相に何か非常に危険なものを感ずるのであります。すなわち社会から疎外されたグループがものすごく凶悪なものに仕立て上げられて、そしてその取り締まりの強化にみなが賛成している間に、結果的にいつの間にか、まさに何の関係もない一般の国民の基本的人権が強く規制されるというような状態がかつて歴史的に形成されたことがありますから、その辺について実はたいへんな危惧を持つのです。私は今日の日本の警察力というのはたいへん強大だと思うのです。しかも、現在審議中のこの法案を含めて、警察の権限というのは次第にやっぱり強化をされていっていると思います。そういうふうに考えますと、今日の時点で一番考えなくてはならないことは、時勢に適合するような法の改正を行なう反面、警察権の行使にあたって警察当局というのはやっぱりあくまでも謙虚でなければならない、人権の尊重というものにはあくまでも細心の注意が払われなければならないというふうに考えます。したがってこの部分、大臣と長官の御所見を承って、終わりにしたいと思います。
#42
○政府委員(後藤田正晴君) 御説のように、警察権というものは私はもろ刃のやいばである、かように考えております。したがって常日ごろから警察内部における教育、あるいは指導の面においても、権力行使は、権力そのものがもろ刃のやいばであるだけに、破邪顕正の勇気は持たなければならぬけれども、他面、人権の尊重、こういう面で十分戒心をしなければならない、あくまでも権力行使というものは謙虚でなければならない。そのことが国民の信頼をつなぐゆえんである、警察権というものは国民と警察との間に手がつながったというときに初めて治安維持ができるんだ、こういう趣旨で徹底をいたしておるつもりでございますが、そういう点については今後とも一そうの戒心をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#43
○国務大臣(荒木萬壽夫君) お答え申します。
 文字どおり警察法第二条の趣旨に徹して、一人といえども例外を許さないという心がまえで監督、指導、運営をしていきたいと思います。
#44
○委員長(若林正武君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#45
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。
 熊谷太三郎君から、委員長の手元に修正案が提出されております。修正案の内容はお手元に配付のとおりでございます。
 本修正案を議題といたします。熊谷君から修正案の趣旨説明を願います。熊谷太三郎君。
#46
○熊谷太三郎君 私は、自由民主党、日本社会党、公明党及び第二院クラブを代表して、各派共同による修正案について御説明申し上げます。修正案文を朗読いたします。
 以上でございます。何とぞ委員各員の御賛成をお願いいたします。
#47
○委員長(若林正武君) 別に御発言もなければ、これより原案並びに修正案について討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 まず、熊谷君提出の修正案を問題に供します。熊谷君提出の修正案に賛成の諸君の挙手を求めます。
  〔賛成者挙手〕
#49
○委員長(若林正武君) 全会一致と認めます。よって、熊谷君の提出の修正案は可決せられました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#50
○委員長(若林正武君) 全会一致と認めます。よって、修正部分を除いた原案は全会一致をもって可決されました。
 以上の結果、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
#51
○和田静夫君 私は、ただいま修正議決されました銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党、公明党、第二院クラブ各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読します。
   銃砲刀剣類所持等取締法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
 政府は、すみやかに猟銃等の製造、販売及び所持等の取締りについて、抜本的対策を検討するとともに、本法の施行に当つては、特に左の諸点に留意して、公共の安全確保に万全を期すべきである。
一、小口径ライフル銃を使用して行なう獣類の捕獲を禁止する措置を講ずること。
一、猟銃等の製造又は販売事業の事業場、店舗、保管設備等に関する許可基準を厳格化するとともに、猟銃等の保管について指導、監督をさらに強化する措置を講ずること。
一、狩猟用火薬類の譲受け、残火薬類の所持及び狩猟用火薬類の保管等の規制をさらに強化する措置を講ずること。
 右決議する。
 以上でございます。何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
#52
○委員長(若林正武君) ただいま和田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本決議案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#53
○委員長(若林正武君) 全会一致と認めます。よって、和田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、荒木国家公安委員長から発言を求められておりますので、この際、これを許します。荒木国家公安委員長。
#54
○国務大臣(荒木萬壽夫君) ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分に尊重いたしまして努力してまいりたいと考えます。
#55
○委員長(若林正武君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
  午前十一時三十八分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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