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1970/03/18 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第12号
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1970/03/18 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第12号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第12号
昭和四十六年三月十八日(木曜日)
   午前十時五十六分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     吉武 恵市君     重政 庸徳君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                増田  盛君
                藤原 房雄君
    委 員
                重政 庸徳君
                嶋崎  均君
                初村滝一郎君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                竹田 四郎君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       自治政務次官   大石 八治君
       自治大臣官房長  岸   昌君
       自治省財政局長  長野 士郎君
       自治省税務局長  鎌田 要人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
○地方行政の改革に関する調査
 (昭和四十六年度地方財政計画に関する件)
○地方交付税法の一部を改正する法律案(内閣送
 付、予備審査)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 本日、吉武恵市君が委員を辞任され、その補欠として重政庸徳君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(若林正武君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、これより質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○藤原房雄君 地方税法の一部を改正する法律案につきまして、二、三の問題につきましてお伺いしたいと思います。
 最初にお伺いしたいことは、この地方税法は毎年改正がございます。昨年のやはり審議のときに附帯決議がついておりまして、この附帯決議には、すでに御存じのとおり、「最近における社会経済情勢の著しい変化に対応するため、国、県、市町村間、なかんずく市町村に重点を置いた税財源のあり方について根本的な検討を加える」という、こういうことが附帯決議の中にあったわけでありますが、それから一年を経過しているわけでございますので、この一年間、自治省としてどのように検討してこられたか、そしてまたその検討したことにつきまして、具体的に結果の出たこと、また懸案になっていること、大事な附帯決議のことでもございますので、この点についてお伺いしたいと思っております。
#5
○政府委員(鎌田要人君) 昨年の当委員会におきまする附帯決議でございますが、この枕のほうについておりますところの「国、県、市町村間、なかんずく市町村に重点を置いた税財源のあり方について根本的な検討」ということにつきましては、政府におきまする税制調査会を中心といたしまして検討をお願いをいたしておるところでございます。
 そこで問題にいたしておりまする大きな問題を一、二申し上げますと、まず、事業税におきまして付加価値要素というものを導入するという問題がございます。これは他方国税におきましていわゆるEEC方式の付加価値税を導入しよう、この動きとの関連において検討せられることと存じます。
 それから地方道路財源、これにつきましては、特にここでも御指摘ございますような市町村の財源が不足でございますので、私どもといたしましては自動車税、軽自動車税につきまして、新道路整備五ヵ年計画、第六次整備計画の実施の期間中臨時増徴を行ないまして、その増徴分というものを市町村の道路目的財源として付与をいたしたい。他方県におきましては、燃料課税、軽油引取税でございますが、これにつきまして同じくこの計画期間中臨時増徴を行ないまして、それを県に付与をいたしたいということで、この審議をお願いしておったわけでございますが、この点につきましては、御案内のような経過をたどりまして、自動車重量税というものを国において創設をいたしまして、その四分の一を市町村に譲与する自動車重量譲与税法案ということで、別途今国会に提出をいたしまして御審議をお願いする運びになろうかと思います。
 なお、私どもといたしましては、やはり当委員会においても再三御論議がございますように、府県と市町村の税目の構成といいますか、税制の組み立てにおきまして、やはり市町村のほうにどうしても景気に応じますところの伸長力に富んだ税目というものが少ない、勢い市町村税全体としまして伸長性というものが弱いという感じがいたしますので、所得課税、特に法人課税というものの導入、これは当然国、府県、市町村全体を通じての税源の見直しということと関連をするわけでございますが、この方向を将来の方向として考えてまいりたいというふうに考えております。
 なお、個別的な附帯決議として触れられました点につきましては、ただいまの自動車重量譲与税のほかに、住民税の課税限度の引き上げ、これにつきましては、夫婦及び子三人の世帯におきまして約十二万円の引き上げを行なっております。それから中小企業に対しまする事業税の点におきましては、事業主控除を四万円引き上げておるところでございます。それから市町村税の超過課税につきましては、計画的な交付税措置ともあわせまして、慢性化しておりまするものにつきましては計画的に解消をはかってまいるということで、四十五年度におきまして八百三十市町村が税率引き下げを行ないまして、現段階におきましては全市町村の八割が標準税率による課税というところまでまいっておりまして、二割の市町村が超過課税を行なっておるという状況でございます。また、土地に対しまする固定資産税について、負担の不均衡是正ということにつきましては、これまた別途御審議をお願いいたしておりまするところの市街化区域農地の固定資産税及び都市計画税の保有課税の適正化をはかろうとしておるところでございます。また、電気ガス税の非課税品目等の整備につきましては、今回二品目を削りまして三品目を付加する、こういうことで、いわゆる洗いがえを行なっておるところでございます。それから公害対策の見地からする自動車の有害排気ガスの防止に関しまする問題につきましては、先般和田委員との質疑で御説明申し上げましたような経過でございます。それから、市町村の道路目的財源の確保に必要な措置を講ずる八番目の附帯決議につきましては、先ほど申し上げたとおりでございます。
 概要以上のような経過をたどっております。
#6
○藤原房雄君 いまいろいろ御説明いただきました。まあ一つ一つのことにつきましてはまた検討しなきゃならないこともございますが、私は次に移りたいと思います。
 いつもこの地方税法で問題になるといいますか、基本的な考え方としまして、この地方税法の住民税の課税対象といいますか、こういうことを考えるときには、最低生活費というものを一体どのように考えるかという、こういうことが問題になるわけであります。まあ大蔵省でもかつてはいろいろ試算したものがあったようでありますが、最近あまりこういうことは発表しないようであります。これはもう税金を納めるほうからすれば、最低生活費というものはなるべく高く見てもらいたいというのが当然でございますが、こういう点について、自治省がこのたびのこの住民税控除額の引き上げ、まあ引き上げということだけ見ればけっこうな話なんですけれども、どのように最低生活というものを見ていらっしゃるか、この点についてお伺いしたいと思います。
#7
○政府委員(鎌田要人君) たいへん基本的な、かつむずかしい問題であると存ずるのでございます。所得税におきましては、かつて累次の税制調査会におきまして、基準生計費というものを、いわゆるマーケットバスケット方式と申しているものでございますが、この基準生計費というものを目安において、それに住民税との関連がございますので、若干上目のところといったようなところで、この税制調査会の答申でうたわれたことがございます。それから住民税につきましては、昭和三十九年に政府、税調におきまして、住民税の課税最低限をきめるにあたっては、就業人口、または世帯数に対する所得割り納税者の数の割合、あるいは所得税の納税義務者の数に対する所得割りの納税義務者の数の割合、それから国の生活保護の基準となるべき生計費などをめどとして総合的に決定されるべきものである、こういった答申の時代もございました。最低生活費というものをどこにめどを置いてきめるかということに相なりますというと、やはりそのときどきの国民全体の所得のレベル、あるいは消費水準、生活水準、こういったものが判断の要素に入ってくるわけでございますから、きわめて流動的でございますし、ある程度主観的な要素も混在するということになろうかと思いますが、私どもが現在考えておりますところでは、一つは、やはり生活保護基準というものが一つの目安になろうかと存じます。それからもう一つは、基準生計費というものが一つの目安になろうか、ただ、御案内のとおりこの基準生計費は、昭和四十一年以降は作成をいたしておりませんので、これは消費者物価を、四十年の実績に消費者物価を連乗いたしまして推計をいたしている、こういうことで、その数字をもとにして、一つの目安にいたしているということでございます。
#8
○藤原房雄君 次の問題に移りますが、所得税と住民税の関係でございますが、所得税は現年度課税という、こういう体系になっております。住民税のほうは前年度課税、そういう姿で今日までずっときているわけでございますが、こういうことからいたしまして、その基準に一年のズレがあるということでございますけれども、まあ私どもが絶えず主張しておりますけれども、住民税の最低の課税金額というものを所得税並みに引き上げることはできないのかということ、こういうことがいつも議論になるわけでありますが、所得税は現年度課税であり、住民税のほうは前年度の課税であるという、一年のギャップがあることからいたしまして、筋としましてはやはり所得税の課税最低限度額に相当する百三万ですか、標準課税で。そこに、一年たったら住民税が所得税の最低基準額になるというような、そういう考え方というものが筋としては考えられるのじゃないかという、こういう気がするわけでありますが、確かに今年も課税最低限度額が引き上げられましたけれども、所得税と住民税の差がやはりあるということ。願いとしては一日も早く所得税と同じでありたい、こういうことからしまして、こういう考え方も当然出てくるのじゃないかと思うのですが、これは税体系の全体の上からいきましていろいろ問題のあることだろうと思いますが、自治省としましてこの点についてはどうお考えになっていらっしゃるか、この点についてお伺いしたいと思うわけであります。本年はまあ確かに引き上げ幅も大きいと思いますけれども、なおかつ二十七万からの差があるという。これも少しでも縮めていく方向に持っていく努力として、現年度課税、それからまた前年度課税という、こういう点からも一つの努力目標といいますか、そういった方向が考えられないものかどうかという、こういう気がするわけでありますが、この点についてはいかがですか。
#9
○政府委員(鎌田要人君) これもやはり住民税の基本的なあり方に触れる問題であると存じます。住民税所得割りを現年課税にするか前年課税にするかということにつきましては、住民税がいわゆるシャウプ勧告に基づきまして昭和二十五年にいまのような形に始まったわけでございますが、そのときにおきまするやはり非常に論議のあったところでございます。当時の論議の経過の詳細をここに繰り返すことはいかがかと存じますが、やはり当時最も議論になりましたのは、住民税の所得割り――一方で所得税というものがあり、他方で住民税の所得割りというものがある。これを両方とも現年課税にするということになりますというと、源泉徴収義務者の事務的な負担というものは非常に大きいんじゃないだろうか、したがいまして、それと、御案内のとおり三つの課税方式をとっておったものでありますから、結局そういう課税標準の計算をするということになりますというと、やはり前年の所得をとらざるを得ない、こういうようなこともございまして、今日のような経緯をたどっておるわけでございます。前年課税、現年課税の長短是非の議論でございますが、私はやはり両論あろうかと思います。現年課税にいたしますというと、所得の発生時点と税金を払う時点が近接するわけでございますから、たとえば前年は所得はあったけれども当年においては所得がないという場合におきましては、現年課税のほうが払いやすい、前年課税でありますというと払いにくいという問題がございます。ただ継続して所得が入ってくる場合でございますというと、遺憾ながらインフレのもとでございますから、結局前年課税でございますというとかなり減価したところで税金を払う、こういう意味でのプラスというものもある。それともう一つは、やはり先ほど申しましたように前年課税でございますと、市町村で特別徴収義務者に対しまして税の支払い額というものを確定できる、それを通知すると、この特別徴収義務者はみずから何ら計算することなくして、市町村から通知があった税額だけを納めればいい、こういう非常に徴収手続上の簡素化というメリットがあると考えるわけでございます。その辺のところを彼此勘案して、私どもといたしましては、前年課税をとりながらその欠点というものを除去するという形で現段階においては考えておるわけでございます。なお、所得税の課税最低限と住民税の課税最低限を一致させたらどうかという点につきましても、これは非常に強いそういった趣旨での論議があることは事実でございます。ただ私どもは、昭和四十三年七月でございますが、税制調査会の長期税制のあり方についての答申で、住民税の課税最低限をめぐりましてこういう答申の趣旨があるわけでございます。住民税は「所得税と異なり地域社会の費用をその住民がその能力に応じて広く負担する性格をもつている税である。したがって、住民税は、所得税に比較してより広い範囲の納税義務者がその負担を分かちあうべき性格のものであるので、その課税最低限は、所得税の課税最低限と一致させる必要はないと認められる。」、この考え方は基本的には持っております。ただ、仰せのように国民の生活水準も上がってまいるわけでございますし、高い行政サービスというものが一方で必要でございますと同時に、やはりこの生活の面からいたしますというと、税負担はできるだけ軽減をするということが望ましいことは、これはもう申すまでもないことでございますので、課税最低限を所得税と近づけてまいる、こういう努力は私どもも毎年続けてまいっておるところでございますし、まあちょっぴりではないかというおしかりは受けるかもしれませんけれども、従来三十万程度の開きがございましたのが、二十七、八万のところまで、夫婦子三人でございますが、縮まってまいっておる。そういう努力というものはこれまでも行なってまいっておるところでございますし、引き続いて行なってまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#10
○藤原房雄君 まことに基礎的なことで申しわけないのですが、確かに先ほどお話がありましたように、昨年の附帯決議でいろいろ言われたことが検討されまして、今回の法律案になって提出されたと思うのでありますが、そこで住民税の基礎控除額、それから扶養控除、これは今度は一万円ずつ引き上げられる。配偶者控除は二万ですね。基礎控除または扶養者控除については、基礎控除については一万円、配偶者控除、扶養者控除については二万円おのおの引き上げられたわけでありますが、これはけっこうなことなんですが、一万という、二万というこういう引き上げの幅というものは、何らかこれは計算の基礎といいますか、根拠と申しますか、そういうものがおありになっておきめになったのか、その点どうなんですか。
#11
○政府委員(鎌田要人君) まあこの一万円の根拠あるいは二万円の根拠ということになるわけでございますが、これはやはり先ほどから申し上げておりますように、住民税の所得割りの納税義務者の範囲をどの範囲から求めるかという一つの目安があろうかと思います。いわゆる就業人口の中に占める所得割りの納税義務者の数、こういった問題、それから前回和田委員に対するお答えにおきましてややくどくどしく申し上げたわけでございますが、それぞれ市町村と申しましても一様でございませんので、いわゆる農山漁村におきます納税義務者の激減ということもある程度考えなきゃならない、こういった面がございます。それからもう一つは、先ほどから申し上げておりまする最低生活費に対する配慮、こういうこともございます。それから地方財政全体としてどれだけの減税の余力があるか、この面からの何といいますか、条件と申しますか、制約があると思うわけでございます。大体所得税のほうにおきましても同様な配慮で、基礎控除一万、それから配偶者控除、扶養控除それぞれ二万ずつ引き上げられたわけでございまして、私どものほうでは所得税の各種控除の引き上げというものも見ながら、その中で、明年度の地方財政の中で何%ぐらいの減税の余力というものが考えられるかということを相互勘案しながら、一万、二万、二万というものをのせてまいったということでございます。
#12
○藤原房雄君 確かにそれは国全体としてのことでもございますから、減税に伴いどれだけの余力があるかということは、目安はなければならないかと思いますが、納税者としましては、十二万のときに一万アップになったということと、また十四万、十三万になったとき一万アップになった比率といいますか、こういうことから考えますと、決して減税減税という所得控除というものが、個人的に見たときには率のよくなったということは考えられないわけですね。十万円のときに一万円引き上げられたということと、十三万円の現在十四万円になったということとは、受け取り方が違うわけです。国全体の税体系の上から考えなければならないことではございますけれども、そういう納税者の立場の上からも、また年々引き上げられていく状況等からいたしまして、もっと大幅な、またその時代に即応した上げ幅というものは考えられないかどうかという、こういう考えも出てくると思うのですね。金額的には確かにそうかもしれないけれども、前年対比というようなことを考えますと、そういう点についてもいままでいろいろな議論があったと思いますが、先ほどいろいろお話がございましたので、いまの意見等についてもひとつ参酌していただきたいと、こう思うわけでございます。
 次は、総理府統計局の四十五年度の全国平均家計調査報告というものがございまして。それによりますと、実収入の年間百三十六万円、前年度比の増加率では一五・六%と大幅に増加しておるという、こういうデータが示されておるわけです。こういうことからいたしまして、住民税の課税最低限度の八十六万という、こういうふうにしましても、なお自然増収ということが相当見込まれるのじゃないかという、こういう点が考えられるわけでございますが、こういうことからいたしましても、もっと課税最低限度額の引き上げというものが考えられるのじゃないかという、こういう議論があるわけでありますが、この点については自治省はどのようにお考えになっていらっしゃるか、御説明願いたいと思います。
#13
○政府委員(鎌田要人君) 先ほども申し上げたところでございますが、毎年地方税の自然増収、あるいはまたその中で住民税の自然増収というものの中からどれだけのものを減税に振り向け、どれだけのものを行政需要に振り向けていくかということはなかなかむずかしい問題だと思います。一つの下限になりますのは、毎年の自然増収の中で、いわゆる調整減税と申しておるわけでございますけれども、消費者物価が上がり、たとえば去年からことしでございますというと七・七%、七・七%の分はこれは少なくともノー文句で減税をしなければおかしかろう、それが一つの目安になるわけでございますが、それともう一つは、ただいま先生お述べになられましたように、できるだけ国民の所得の手取りというものをふやす、こういう意味で、上の限度としては、地方財政の状況というものとにらみ合いながらどういうところに目安を置くか、こういうことになろうかと思います。ことし、いま御審議をいただいておりますところの住民税の減税規模は、初年度におきまして七百四十三億の規模でございます。先ほど申しました調整減税でございますというと、たしか四百億余りになろうかと思います。この七百四十三億の数字は、住民税の自然増収額の三一・六%、約三二%に相当しておるわけでございまして、あまり比較にはならないかと思いますが、所得税の場合でございますと、自然増収の中の二四%ということでございまして、いまの地方財政の状況等を勘案いたしますというと、そう低い減税割合ではないのではないだろうかというふうに私ども考えておるところでございます。
#14
○藤原房雄君 所得税とそれから住民税の問題は、先ほどからいろいろ伺っているわけでありますが、そこで、四十六年度の標準世帯、夫婦と子供三人ですか、所得税の最低課税限度額は百十三万円、住民税は八十六万円、二十七万円開きがある、概算そういうふうにいわれておりますが、四十六年度の所得税の課税人員といいますか、大体どのくらいになるか。それからまた金額的には課税額はどのくらいになるか。所得税、住民税、おわかりになりましたらお伺いしたいのですが、さらに所得税と住民税の二十七万円の開きがあるわけでありますけれども、この差が課税人員と金額にどういう差を生じておるか。この点について資料がございましたらちょっとお伺いしたいと思います。
#15
○政府委員(鎌田要人君) 所得税のほうをちょっとあと回しにいたしまして、住民税におきましては、課税最低限の引き上げ前におきまして三千百二十四万人の納税者数でございますが、これは四十五年二千七百九十万人の納税者に対しまして三百三十万人の増加に相なります。これが課税最低限の引き上げによりまして二千九百二万人に相なります。三千百二十四万人が二千九百二万人になるわけでございまして、四十五年度の二千七百九十万人に対しましては百十三万人の増加ということに相なりまして、現行制度のままでいった場合に比較いたしますと二百十七万人の納税者というものが減少に相なっておる。これが今度の課税最低限の引き上げに対応する姿でございます。それからこの二千九百二万人の納付いたします所得割り額は七千九百七十一億に相なります。それから、先ほど申し上げました二千九百二万人の納税者の中には、所得税は納めないけれども所得割りを納める者といたしまして、五百八十万人ほどの者が含まれておるわけでございまして、それで、いまかりに所得割りの課税最低限をそこに合わせるということになりますというと、納税義務者におきまして五百八十万人程度の納税人員、それから税額にいたしまして千四百億円ほどの減税に相なります。
#16
○藤原房雄君 それから、いつも議論になることでありますが、国税と地方税の徴税コストといいますか、これはまたたいへんな差があるということでいつも問題になるわけでありますが、自治省としましてもいろいろなデータをお持ちだと思います。この現況ですね、国税のほうはわからなければ地方税だけでもけっこうでありますが、どういう状況になっていらっしゃるか。それからその経費を節減する――国税とだいぶ開きがあるようなので、節減、合理化といいますか、どういうことをお考えになっていらっしゃるか。そういうことをお考えになっていらっしゃれば、その点についてもお伺いしたいと思います。
#17
○政府委員(鎌田要人君) 徴税コストでございますが、四十四年度の実績で申し上げますというと、税収百円につきまして国税が一円四十七銭でございますから一・四七%ということでございます。地方税は三円九十一銭、三・九一%ということでございます。それを県と市町村に分けますというと、県が二・六五%、市町村が五・三五%でございます。これは申し上げるまでもないことでありますが、国税の場合でございますというと、たとえば四十六年度の税収八兆八千億円余りあるわけでございますが、その中で所得税、法人税、酒税、それから揮発油税、この四税で大体八〇%を占めるものでございまして、いわば非常に能率的な徴収のできる税目というものが圧倒的に多い。地方税の場合でございますというと、これはまあ表現が適切でないかもしれませんが、そういう有力な能率的な徴収のできる税は国がほぼ独占をして、地方には比較的零細な、人手を要する税が多い、こういう税目の構成の点もございまして、こういうふうに徴税コストに差異がある。さらに、市町村の場合でございますというと固定資産税がございますので、こういう徴税費が割高になっておるというふうに存じておる次第でございます。ただ、その中におきまして、私ども徴税コストというものをできるだけ下げるための努力といたしまして、まず、たとえば住民税所得割りあるいは個人事業税の場合でございますと、国の税務署に確定申告をお出しになりますというと、それは府県や市町村にはあらためて出さなくとも、国の税務署に出したもので府県や市町村はそれをそのまま使う、こういったような形で、徴税当局、納税者、両方とも負担を軽くする方法を考える、あるいは自動車税でございますというと、電電公社の回線を利用いたしまして、全国一本で自動車税の課税客体が入ってまいるわけでございますが、それを地方自治情報センター、こういった組織を通じまして地方にバックしてやる、こういったことを考えましたり、あるいは府県でございますというと、かなりの府県が、大部分の府県といっていいかと思いますが、電算組織を入れてまいっております。それから市町村等においてもかなりなものが入ってまいってきておる。あるいは市町村でございますと、組合組織で電算の一部組合をつくる、こういったような形で、手計算というものをできるだけ機械に置きかえて徴税コストの引き下げというものをはかっておる次第でございまして、さらに私どもといたしましても、税制の簡素化ということとにらみ合わせながら徴税コストの引き下げというものに努力してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#18
○藤原房雄君 いまもお話がございましたように、国税とは非常に違った条件の中にあることは確かだと思います。これは低所得者の税負担の軽減ということも考え合わせまして、いまの徴税コストというふうなこととにらみ合わせまして、所得税を納めてない人たちですね、こういう方々の住民税所得割り、それから均等割りの徴税、こういうものはかなり経費がかかるのじゃないか、こういうことからいたしまして、住民税の個人均等割りについては検討する余地があるのじゃないか、こういう考え方を持っているわけですが、この点についてはいかがお考えですか。
#19
○政府委員(鎌田要人君) 個人均等割りというものをどう考えるかということは、一つは税収の問題でございますし、もう一つは、やはり住民税の基本的なあり方という問題にもつながることであるというふうに考えておるわけでございます。御案内のとおり、住民税の明治の初期からの姿でございますが、常に均等割りとそれからいわゆる能力割りと申しますか、資産割り、所得割りあるいは見立て割り、こういったことで、均等割りと能力割りの二つの柱というものを常に備えておったわけでございます。これは先ほど申しました市町村なら市町村のいわば一種の会費というものをみんなが分担するのだ、こういうことで、所得がある者は均等割りというものを納めることによって自治体の活動というものに参加していくのだ、こういういわば税の哲学的な考え方があるのだろうと思います。そこで、この均等割りというものを、そうはいっても、この文明の進んだ時代に、いわば昔の爬虫類のしっぽみたいなものじゃないか、だから思い切ってこれはやめることが税制の近代化、合理化ということに忠実なゆえんだと、こういう議論もございます。私どもといたしましては、やはり少なくとも地方税あるいは住民税というものが現状のような形で進むという前提に立ちますというと、均等割りというものをここで思い切ってやめてしまうということについてはいかがなものであろうか。むしろある程度所得割りの減税といいますか、軽減というものと並行しながら、均等割りについて、これはほとんど据え置きになっておるわけでございますので、ある程度負担の増加を求めるという形で均等割りというものを充実していくということがむしろ一つの方向として考えられるのではないだろうかというふうに考えておるわけでございます。ただ、これはまだ大いに議論検討をしていただかなければならないところでございまして、いまこれをもって均等割りをふやすということを断言申し上げる、そういった段階ではないと思いますけれども、基本に触れる問題でございますので、引き続いてやはり幅の広い議論というものが必要ではなかろうかというふうに考える次第でございます。
#20
○藤原房雄君 次は、障害者や未成年者や老年者、寡婦、これに対する非課税の範囲というものが今度三万円引き上げられまして三十五万円ということになったわけでありますが、これも三万円も引き上げたということであればそれでおしまいでありますけれども、非常に福祉政策、こういう面では日本はおくれているのでありますし、やはり障害者とか老年者、寡婦に対する非課税というものは、もっと思い切った非課税範囲というものを考えられないものかと、こう思うわけであります。特に最近の物価高の中にありまして、当然もっと重点的に考えてあげるべき立場の方々ではないかと、このように考えておるわけでありますが、これからいたしましても、三万という引き上げ率でありますけれども、さらに今後、物価高の推移等とにらみ合わせまして、非常に力を入れていただきたいことだと、こう思うわけでありますが、この点についてお考えがございましたら……。
#21
○政府委員(鎌田要人君) ただいま御指摘のありました障害者等につきまして今度引き上げまして、三十五万以下の所得のものについては住民税を課税しない、これは御案内のとおり住民税独特の制度でございまして、私どもといたしましては、この非課税範囲の拡大ということにつきましては引き続き努力いたしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。ただ、今度三十五万ということになりますと、この方が給与所得者でございますというと、五十三万くらいのところがちょうど課税所得にいたしまして三十五万の線になろうかと思います。まあ、大体この給与所得者のレベルというものから見まして、そう低い額ではないのではないだろうか。もちろん引き続きまして、おっしゃいますように、社会的ないわば一種の弱い立場の方々でございますので、引き続いて努力はいたしたいというふうに考える次第でございます。
#22
○藤原房雄君 まあ、給与所得者と比較すればそういう見方も出てくると思うのですけれども、給与所得者自体が非常に問題があるわけでありますから、どうかこの点につきましても大いに検討していただきたいと思います。
 固定資産税のことについて二、三お伺いしたいわけでありますが、今度市街化区域の中の農地についても課税することになりました。この市街化区域の問題がいまいろいろ議論になっております。これは自治省直接の問題ではないと思いますけれども、その進行状況はある程度おわかりだと思いますが、線引きが非常に当初の計画よりおくれているのじゃないかということがいわれておりますが、現在の状況、これがしっかりきまらなければ税のほうでどんな準備をいたしましてもできないわけでありますので、その進行状況はどうかという、おわかりになっている範囲内でけっこうでありますので、お伺いしたいと思います。
#23
○政府委員(鎌田要人君) これは建設省の資料でございますが、この三月十六日現在の数字で申し上げます。全体で、御案内のとおり、現在線引きの対象になります都市は八百四あるわけでございますが、この三月十六日現在におきましていわゆる線引きの完了いたしました市町村が五百八十六でございまして、市町村数の割合で七二・九%が終了をいたしております。なお、そのほかに建設大臣に認可申請中であるとか、あるいは都市計画案の公告縦覧を終わり、あるいは縦覧中であるとか、あるいは事前協議中の件でございますとか、公聴会を開催したところ、こういった件、まあほぼそういった意味合いにおきまして線引きが近く行なわれるであろうと思われるところをひっくるめますというと、大体九一・四%程度の市町村というものに相なるわけでございます。建設省の方針といたしましては、大体ことしの八月一ぱいには全市町村が線引きを完了するように指導いたしたいということを申しておるようでございます。
#24
○藤原房雄君 これは、課税の対象になりますとどのくらいの税収になるのですか。およその見当でよろしいですから。
#25
○政府委員(鎌田要人君) ただいま申し上げましたように、全市町村まだ線引きを終わっておらない段階でございますし、この評価が、法案が通りましたところで四十七年の一月一日現在で評価をする、こういうことに相なりますので、あくまでもラフな推定でございますが、昭和四十七年度、初年度におきましては、固定資産税と都市計画税を含めまして九億八千万、固定資産税だけでございますというと六億三千四百万程度になるのではないかと思います。最終の五十五年度に相なりますというと、大体一千億程度にこの数字が増加してまいるというふうに見込んでおります。
#26
○藤原房雄君 市街化区域農地をA農地、B農地、C農地と区分するということで、区分いたしまして、市街化区域農地の状況に応じて負担調整措置というものをとっておるようでございますが、これはけっこうだと思いますけれども、この率が〇・二とか〇・六とかいうふうになっておるわけですけれどもね。こういう率というのはどういうふうにきめられたのか。その根拠といいますか、算定の基準といいますか、そういう検討をされた根拠はどういうことであったのかということをお聞きをいたしたいと思います。
#27
○政府委員(鎌田要人君) 御案内のとおり、市街化区域農地に対しまして一律に比準宅地価格で課税をするということになりますというと、非常に負担が急激に増加をするという面もございますし、また、他方におきまして市街化の進展状況というものともにらみ合わせて、評価なり課税をしてまいる必要があるというふうに考えたわけでございます。そこで、市街化区域農地をA、B、C――これは法律用語ではございませんけれども、通称A農地、B農地、C農地と、この三つのグループに分けまして、いわゆるAグループのところでございますというと、その市の市街化区域の宅地の平均価格をこえる、あるいは絶対額で五万円をこえるというところでございますから、これはもう街路あるいは下水道といったようなものが整備をされて、いわば既成市街地の中に介在する、あるいはそれに隣接をしておる、こういったところではなかろうかと考えられるわけでございます。そういったところでございますというと、比較的早く比準宅地とつり合いのとれた税負担というものを負ってもらう。で、B農地でございますというと、それにややおくれた地域というふうに考えられますので、そこはある程度おくれて負担をふやしてまいる。で、ある程度期間をかけて比準宅地並みの負担というものを求める。それからC農地、これはいわば一番市街化の現段階においては進んでおらない地域、こういうふうに考えられますので、これにつきましては後ほどまた御説明申し上げる機会もあろうかと思いますが、線引きの見直しといったような関係もございまして、五年間はこの現状のまま据え置いて、六年目から負担を求めてまいる。その場合に、それぞれの場合に一ぺんに満度の負担を求めるということになりますというと、やはり負担が急激にふえるという点がございますので、この負担の求め方につきまして、漸進的にこの負担の増加を求めてまいるということでございまして、最初の年は、たとえばA農地でございますというと、二割、その次の年は六割、で三年で満度になる、こういうことでございまして、その〇・二なり、あるいは〇・六なり〇・四なりということにつきましては、いわば達観的にきざみをつけていった、こういうことでございまして、それについて、何と申しますか、計数的な根拠というものはございませんで、そこはいわば社会通念的なところで、二割、四割、六割、こういうものを設定をいたしたということでございます。
#28
○藤原房雄君 A、B、Cの区分け、それはいまいろいろお話をいただきました。固定資産税が小作料を上回った場合の延納措置ですね、B、Cについてはここでは認められておるようでありますけれども、実際、線引きが終わって、四十七年度からA農地が始まるわけでありますが、こういう小作料を上回るというような現状というものは、A農地には適用されていないようになっていますが、早晩A農地にも何らかの早急な影響というものはあるんじゃないかということで、なぜA農地を除いたかという疑問があるんですが、この点についてはいかがお考えでしょうか。
#29
○政府委員(鎌田要人君) B農地、C農地につきましては、ある程度市街化に時間がかかると申しますか、そういったことを他方において考慮いたしまして、その段階で一ぺんに市街化宅地並みの負担を求めるということはいかがであろうかということで、先ほども申しました課税を始める時期というものをずらし、また課税が始まってからも、その負担の求め方の刻みというものをこまかく刻んで満度まで持っていく、こういう考え方をとっておるわけでございます。ところが、先ほど申し上げましたように、A農地でございますと、これはもうある意味において介在宅地と申しますか、市街化が進んでおる地域のようでございますし、農地法の改正におきまして、従来は厳重な転用の制限のもとにございました農地が、届け出をもって足りる、届け出をもって宅地になれる、こういう状況になりました。この課税の面から市街化区域における宅地の供給というものを促進してまいる、こういったような副次的な効果といった面から見ましても、A農地についてはそこまでの配慮というものを加える必要はないのではないだろうかということでございまして、これは、農林行政を所管しておられますところの農林省とも合意の上でこういう措置をとった次第でございます。
#30
○藤原房雄君 最近の趨勢といたしまして、非常に高度経済成長で、それはいいことなんですが、公害というような問題が起きております。こういうことで、農業というものも、食生活だけでなくて、農業の持つ意義というものは、緑地化ということにたいへん寄与するということで再認識されているようなかっこうになります。こういうことからいたしまして、線引きをして、そして市街化区域、市街化調整区域、こういうことをきめ、最近の減反ということからいたしまして、どんどん都市化されていく傾向にあるわけですが、そうなればなるほど、緑地というものがまた都市の中といいますか、近郊の農業というものの持つ意義というものがまたあらためて認識されるときが必ずやってくる、こういう気がするわけです。現実、東京とか神奈川におきましても、そういう点を配慮していろいろ都市計画というものが考えられているようでありますけれども、そういうことからいたしまして、農地の緑地機能、こういう点について私どもはやはり長い目で見ていかなきゃならない、こう思うわけです。そういう点について、これから公園緑地、こういうものに対する考え方、市街化区域の農地とそれから緑地機能というものとの考え方、それは税の上にどういうふうにこれを反映さしていくか。この点についてどのようにお考えになっているか、基本的な点、お伺いしたいと思います。
#31
○政府委員(鎌田要人君) この点につきましては、私どももそれなりに非常に苦心をいたしたところでございまして、ただいま御指摘になられましたいわゆる緑地機能という点につきましては、やはりお説のような考え方もございますので、都市計画法によりまして公園緑地として、都市施設、いわゆる緑地施設と、こう申しておりますけれども、都市施設として指定をされる、そういうものにつきましては、これは市街化区域農地から除外をするというふうに考えております。ただ、この場合におきましては、都市計画法五十五条でございますか、に伴いまする建築制限というものは当然かかるわけでございまして、公園なり緑地なりとして将来保全せられるために農地としていまのまま置いておくと、これに対しましては市街化区域農地からはずすということになりますので、当然従来並みの租税負担ということに相なるわけでございます。
 なお、営農の意思を持ち、また営農以外に生計の手段がないという方々のためには、一つは、先ほど申しました線引きの見直しの際に、市街化調整区域にある程度のまとまりがあれば落としていく、それからもう一つは、十ヘクタール以上のいわゆる集団農地というものになりますれば、そこはいわゆる水玉模様と申しておりますけれども、市街化調整区域に編入がえをしていくと、こういうこともあわせて考えながら、あくまでも営農に従事したい、こういう方々の配慮、それといまおっしゃいました緑地機能の保全、この両方の調和を講じてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
#32
○藤原房雄君 まあ緑地帯というそのことば自体がどういう――厳密に言いますと、これはいろいろ現実の問題としまして問題があろうと思います。実際に農地として現在使用されておる水田なり、また蔬菜等をつくってるところ、また盆栽のようなものであるけれどもやっておるところ、現実にこの緑地帯という、緑地ということば、広場ということ、これをいろいろ考えますと、現実にはむずかしいことだと思いますけれども、この点についてはこれは建設省の関係もございますので、いろいろ検討されていることと思いますが、いずれにいたしましても現在のこういう趨勢の中にありまして、そしてまた過密化される都市の中にありまして、少しでも広場を設けるということが、ロスアンゼルスの災害からいたしまして、最近は非常にそういうことも叫ばれております。少しでも余裕のある広場が必要である、こういうことからいたしまして、都市計画の上からまあこういう点につきましては十分な緩和措置といいますか、検討をされなきゃならない面があるのではないか、このように思うわけでありますが、時間もたいへん迫りましたので、一つだけ最後にお聞きしたいのは、電気ガス税のことでございますが、電気ガス税は再三国会でも議論になりまして、佐藤総理自身も何とかしなきゃならぬという、まあ悪税というようなことを言われたこともございました。電気、ガスは、国民の生活必需品といいますか、必要なものでございますが、検討するとか悪税であるとかいろいろいわれながら、なかなかまあこれはわれわれの願う方向へ進まないということでありますが、特に大企業等には非課税措置が講ぜられておる、こういうことからいたしましても、一般市民の願いというものは、早く撤廃してもらいたいという願いは同じだと思います。このたびも免税点を引き上げるということでございますが、年々小刻みな免税点の引き上げでずっときているわけですね。三十九年から七年間税率というものは変わっていない。こういう国会のいろんな議論があって、何とかしなきゃならない、検討するということのために、小刻みではあるが、免税点の引き上げがあった。しかし現実は、税率が据え置かれておるし、大企業に対する非課税の措置は講じられておりながら、われわれの生活必需品という大事なものでありながら、ほんとうに進展しないと、こういう感を非常に深くするわけですね。こういうことで、電気ガス税の撤廃の方向というのをもう少し真剣になって検討しているのかどうか、こういう点私どもは非常に常日ごろから考えているわけでありますが、この電気ガス税の撤廃という叫びに対して、自治省といたしましてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、その点をお伺いしたいと思います。
#33
○政府委員(鎌田要人君) 電気ガス税につきまして、いわゆる悪税論あるいは撤廃論というものがあるわけでございます。ただ、私ども電気ガス税の悪税論、撤廃論というものの中には一、二誤解があるのではなかろうかという気が実はするわけでございます。一つは、戦争中に電気瓦斯税というものが国税として起こされました。これはいわゆる戦力増強ということで禁止的な高率課税であったわけでございます。その電気瓦斯税がいまの地方税の電気ガス税と同じだと、こういう錯覚に基づいて悪税論をおっしゃる方がございます。これは私は、やはり昔の国税時代の電気瓦斯税といまの地方税時代の電気ガス税とは、同じ電気ガス税――昔は漢字でございまして、いまはかたかなが入っておりますけれども、それ以上に税の性格なり内容なりというものが違っておるということに対する誤解がおありなのではなかろうかという気が実はいたします。それからもう一つは、現在ございます電気ガス税につきまして、一方におきまして大企業擁護だと、他方におきましては家庭の必需品に対する課税だというおしかりを受けるわけでございますが、私どもはこの電気ガス税というものはいわゆる一種の支出税として、その個人の担税力というものを電気、ガスの消費行為というものから、あるいは電気、ガスに対する支出というものからとらえまえて課税をするということで、担税力に応じた課税という形になっておるのではないだろうか。これはおそらくいままでも当委員会で資料等によって御説明申し上げたかと思うわけでございますが、電気、ガスの支出とそれから消費水準というものはきれいなパラレルな線を描くということでございまして、そういった意味で、いわゆる消費税として純化をすることによって電気ガス税というものを将来とも存続していけないものだろうかというふうに私ども考えておるわけでございます。何か電気ガス税をやめますというとすぐ消費物価が下がるような話があるわけでございますが、これはまことに酷な話でございまして、電気ガス税というものが家計の中に占める割合というものは、これはまさにコンマ以下でございまして、とうていこの電気ガス税をやめることによって消費者物価がこれだけ下がりますということにはおそらくならないのではないだろうか、こういうふうに考えております。ただ、その中でいわゆる零細負担というものを排除するということから、免税点の引き上げにつきましては、毎年これを行なっておるわけでございます。上げ幅が少ないというおしかりもあろうかと思いますが、他方におきまして電気ガス税はどんな山間僻地、僻村にも普遍的に所在する税源でございますので、やはり弱小市町村の財政という面も考えながら、減税をその中でできるだけふんばってやってまいりたいというのが、私どもの現在の考え方でございます。
#34
○藤原房雄君 これにはいろいろ議論もありまして、もう時間もございませんので終わりますけれども、いまのお話、ずっと経過もございますし、いまのようなお話がございましたけれども、取りやすいところから取るというにおいが強いわけですね。現在免税点を引き上げられたと申しましても七百円、千四百円ということですから、じゃあ七百円の電気料で日常どれだけの生活ができるかという、こういう点考えますと、最近、生活の困窮している方々も非常に電気製品の使用というものが多くなっている段階にきまして、いまおっしゃったようなことは当たらない面が数多くあるわけであります。やはりどうしても取りやすいところから取るという傾向、においというものが私どもには感ぜられるわけでありまして、免税点を引き上げているということでありますけれども、もしそうお考えならば、もっと大幅に免税点を引き上げてはどうかということも言いたくなるわけでありますが、まあ今後とも非常に大衆課税として大きな影響を持つ電気ガス税でありますので、十分検討をお願いしたい、こう思うわけです。
 最後に一つだけお聞きしたいのでありますが、国民健康保険税ですね、これもいろいろお聞きしたいことはございましたが、時間になりましたのであれですが、この国民健康保険税につきまして、全体の税収からいたしまして、四十五年度で、これは一世帯に全国平均でどのくらいの金額のものになるか、また一人当たりですとどれくらいになるか、今度最高限度額が引き上げられるということになりますが、それが低所得者の方々にどれだけの負担の軽減になるのかということ、こういった点いろいろお聞きしたかったのでありますが、時間がございませんので、もしおわかりになりましたら概略御説明願いたいと思います。もしなければ資料でけっこうです。
#35
○政府委員(鎌田要人君) 国民健康保険税の負担の現状でございますが、四十五年度の見込みでございますけれども、一世帯当たりにいたしまして一万六千三百九十六円、それから被保険者一人当たりにいたしまして四千八百五十六円という額になっております。それから、この課税限度額の引き上げの効果でございますが、これは納税義務者数におきまして、課税限度額をこえたためにいわば頭打ちになっておりまする納税義務者の数が三十三万七千人であったわけでございますが、今度五万円を八万円に引き上げることによりまして、その中の二十二万八千人が解消をされるということでございます。それから税額にいたしまして、いまの頭打ちになっておりました税額というものが約百四十五億ございましたが、それが五十三億解消されるという形に相なっております。で、納税人員、それから税額、そういったものが解消される。それが個々のいわゆる低所得者にどういう形で軽減となってはね返っていくかということにつきましては、全体的な計算ではございませんで、個々の市町村につきましても調査をしてみないと姿がわからないかと思います。しばらく時間の猶予をお願いいたしたいと思う次第でございます。
#36
○市川房枝君 時間がありませんので簡単に、常識的な問題を二、三伺いたいと思います。毎年国税も地方税も軽減をされるということになってきておりますが、今度は地方税で特に一般個人の住民税、事業税、料飲税、あるいは電気ガス税等で八百五十二億円、平年度九百六十八億円減税になることになっているようですが、一般の国民からいいますと、国税のほうは少し安くなっても地方税は逆に高くなっている。で、結局は国民の税負担としては、やっぱり高くなってくる、こういう感じを持っている人が多くて、私どもそういうことをしょっちゅう言われるのですが、そうではないんだというんでしたら、一般の国民にわかりやすくそういう点を説明することができるようなひとつ答弁をお願いしたいのですが……。
#37
○政府委員(鎌田要人君) 住民税と所得税の関係、ただいま御指摘になりました点、私、考えまして二、三点あろうかと思います。一つは、毎回議論になるわけでございますが、結局所得税と住民税の性格が違うものですから、課税最低限が勢い所得税よりも住民税のほうが低くなっておる。その結果、年収で申し上げますというと大体夫婦、子三人で申しまして年収入百三十四万円から下のところでございますと、これはもう絶対額で住民税のほうが所得税よりも高いわけでございます。で、そういう階層の方々は所得税に対する住民税の負担の重圧感というものがはっきり出てまいる。それからもう一つは徴税の問題でございますけれども、所得税の場合でございますと、月々の給与のほかに賞与がございますと賞与の中からも取られるということで、いわば所得の発生するつどに取られるという形になるものですから、いわば重圧感というものが分散されておる。住民税の場合でございますというと、賞与からは取りません。結局、十二回に分けまして月々きちんきちんと取っていくものですから、そこの徴税の技術というものに伴いまして、十二分の一と十六・何分の一という形の取り方、大ざっぱに申しまして。その感じがあるのではないだろうかと、大体そういうところがおもなところじゃないだろうかと思います。
#38
○市川房枝君 地方税の控除額は、今度は一万円、二万円というふうに引き上げられているんですが、控除額は全体に国税とか所得税のほうよりも低いのですね。これはどういうわけでございますか。
#39
○政府委員(鎌田要人君) これはやはり住民税の一つの基本的な考え方になろうかと思いますけれども、所得税の場合でございますというと、いわば東京、大阪からあるいはいなかの寒村まで、日本国全体を相手にしまして、それで所得税を課税をすると、こういうことでございますし、御案内のとおり、いわゆる所得再分配の機能というものを行なっておるわけでございます。住民税の場合でございますというと、東京、大阪もそれぞれ一個の課税主体でございますし、あるいはまた、いなかの寒村もそれぞれ一個の課税主体として住民税を取っておる。その住民税というものは、地域住民に市町村の行政運営に要する経費というものをできるだけ広く薄く負担を求める、こういうことにいたしておるものでございますから、東京なり、大阪なりというものもひっくるめて対象にいたしまして、所得のしかも再分配をやる、こういう場合の課税最低限と、いまの市町村の場合の課税最低限というものはおのずから差があってしかるべきだし、また、差がないと、東京、大阪並みの住民税負担ということになりますというと、おそらく大多数の市町村では住民税を負担する者がなくなる。こういったようなことが背景になりまして、現在のような姿に相なっておるわけでございます。
#40
○市川房枝君 市町村民がその自治体の経費を負担するということは、私はこれは当然といいますか、低所得者でもごくわずかでも払うことが、私はやっぱりその市町村の自治性に対する責任を感じさせる意味においてけっこうだと思うのですけれども、一般の納税者の側からいうというと、こういうふうに違っていてなかなかめんどうだといいますか、わかりにくいといいますか、これは一般国民ばかりでなく、徴税の自治体側でも私はそうかと思うのですが、むしろ同じようなことにすれば簡単ではないか、わかりいいのではないのか、そうしながら、しかしいまおっしゃいましたような、地域に従ってある程度の差額をつけて差しつかえない、まあこういうふうに思うのですが、そうすると、税制のまた全体のたてまえを変えていかなきゃならないから、まあ少しめんどうかもしれませんが、考え方としては、私はそういうふうになったほうが一般の国民の側からいえばいいんじゃないかと思うのですが、いかがでしょう。
#41
○政府委員(鎌田要人君) 実は先生の御指摘になりましたような姿に最初の住民税というのはなっておったわけでございます。五つの課税方式がございまして、所得税に一定率をかけるもの、あるいは所得税の課税総所得金額に課税をするもの、あるいは総所得金額から基礎控除をしたものだけを課税標準にするもの、そのほか二つほどございまして、五つの課税方式というものをいわば地方税法に示しまして、市町村は自分の実情にそれぞれ合った課税方式というものを選択をする、まあいわゆる五つの課税方式の自由選択制ということをいっておったわけでございますが、ところがそれをやってまいりますというと、市町村間で、同じ程度の所得者でありながら、負担が五倍、六倍、ひどい場合になりますと十倍以上も違う、こういうことがございまして、昭和三十六年以降、いろいろな経緯をたどりまして、結局、いまのような形になったわけでございます。したがいまして、基本は国税に合わせておいて、それにいわばプラスアルファーみたいな形で地域間の特殊事情を加味して課税をするということになりますというと、かつてと同じ姿を再現することになるのではないだろうか、むしろやはり形といたしましては現在の住民税の姿で、課税最低限というものを国民の所得なり、消費水準なり、あるいはそれぞれの地方財政の状況なりというものとにらみ合わせながら引き上げていくというやり方を踏襲することが最も現実的ではないだろうかというふうに私ども考えておるところでございます。
#42
○市川房枝君 そういう税制の問題になりますとこっちは弱いんですが、なお、将来検討していただいてあれしていただきたい。
 さっき藤原さんから御質問がありましたが、住民税は前年度の所得から課税されることになっているんですが、そうしますると前年度の収入、その支払うつまり年度には、急に収入がなくなったという場合があり得ると思うのです。まあ一例を申しますと、国会議員の場合、私ども仲間の方からそのお話をよく聞かされることもあるのですが、翌年になってたくさんな住民税がきて困るのだというお話も聞くのですが、そういう非常に次の年に収入がまあ激減した場合、どういうふうに処置をしておいでになりますか、それを伺いたいのですが。
#43
○政府委員(鎌田要人君) 確かに前年課税に伴いまする一つの問題点だろうと思います。で、現実に前年までは所得があった。で当年におきましてまさに所得皆無になった。こういう場合で支払い能力がないと認められる場合でございますと、市町村長に減免申請をしていただきまして、減免の取り扱いをする、こういうことに相なろうかと思います。
#44
○市川房枝君 まあ次の年には支払わなきゃならぬということはわかっています。だから所得が皆無になったから私は減免するといいますか、ということは、ほかの国民に対しては不公平になってこれは望ましくない。で、やはり払うんだけれども、しかしその次の年一ぺんに払えといわれても困るので、あるいは何年か分割で払うとかということなら私、公平の原則にも反しないし、一般の国民もそれだったら納得すると思うのですけれども、そういうようなことはなさったことはないのですか。いろいろお考えになっておりませんか。
#45
○政府委員(鎌田要人君) まあいま私、所得皆無と申し上げましたのは、まさにそういうことを実は頭に置いておったわけでございますが、たとえばいまの国会議員さんの場合でありますというと、いわゆる年金制度もあるわけでございますし、所得皆無とは言えない、そういう気もするわけでございまして、全く所得が皆無であるという場合には減免の道があるということを申し上げたわけでございます。
 で、ただ、いま御指摘になりました分割納付ということにつきましては、現在の税制上はその制度がなかったわけでございます。徴収猶予でございますというと、今度の農地の固定資産税の場合を別にいたしますというと、当該年度内で徴収猶予でありますから、年度をまたがっての徴収猶予、まあそれは結局分割納付になるわけでございますが、その制度がないわけでございまして、年度内でございますというと当然徴収猶予の制度が働くわけでございますが、年度を越していまの分割納付ということにつきましては、現在の制度上はいかんともその道がない。あとどういうふうにこれを考えてまいるか、引き続き検討さしていただきたいと存じます。
#46
○市川房枝君 まあ今年度、さっき申し上げましたように八百四億円ですか、まあ八百十億円かの地方税のそれだけ減収になりますね。そうすると地方財政としてはその減税をちゃんと埋めてなお余りあるといいますか、それはどういう計算になっておりますか。地方としてはなおいままでよりもまた比率が多くなっておりますね。その関係を数字的にちょっと教えていただきたいと思うのですが。
#47
○政府委員(鎌田要人君) まあ非常に大ざっぱに申し上げますというと、地方財政計画というものも私ども立て、またそれに対応いたしまして地方税の減税あるいは地方交付税の配分ということを考えてまいるわけでございます。で、今度のこの住民税の減税によりまして初年度七百三十四億という減税に相なるわけでございますが、まあこれが自然増収の中の、住民税の自然増収の中の三二%に相当するということを申し上げました。したがいまして個々の市町村――これはあくまでも全市町村をひっくるめての話でございますから、個々の市町村になりますというと、減税の幅が大きくて自然増収に対する割合というものが三〇%をこすところもあるわけでございます。そういう団体に対しましては交付税の配分を通じまして団体の財政運営に支障のないようにいたしたいというふうに考えておるところでございます。
#48
○市川房枝君 もう一つ、地方税の徴税の事務がたいへんでしょうが、その徴税の事務の費用ですね、それ、どれくらいになっておりますか。
#49
○政府委員(鎌田要人君) 先ほど申し上げましたが、県・市町村を通じまして大体百円取りますのに三円九十一銭かかります。三・九%ということでございます。府県と市町村に分けて申し上げますと、都道府県の場合が二・六五%でございます。市町村の場合で五・三五%ということになります。徴税費の実額は、四十四年度でございますけれども、千二百億でございます。
#50
○市川房枝君 国税のほうのはおわかりになりますか。
#51
○政府委員(鎌田要人君) 国税は一・四七%でございます。徴税費といたしましては八百九億でございます。
#52
○市川房枝君 地方税も国税も、払うほうは同じ国民が両方払うわけなんですが、それを国税のほうと地方税の払うところが違うといいますか、これ、もし同じところへ払いにいけば国民としては非常に便利といいましょうか、なんですが、それをお取りになるほうも私は便利ではないか。いま伺えば税金を取り立てるための費用はこれずいぶん――両方で二千億ですね。それだけの費用がかなり少なくて済むのじゃないかしらというふうにきわめて常識的に考えられるのですが、この点は前に大蔵省がそれを一ぺん提唱したことを覚えておるのですが、その後その声が聞こえなくなったんですが、当時、自治省のほうの反対が強いのでということもちょっと聞いたんですが、そのことは一体どうなりましたか。あるいは自治省はそれに対してどういうふうにお考えになりますか。
#53
○政府委員(鎌田要人君) これは重大な問題でございますが、要するに地方団体に地方税というものを課税をする権利、それから徴収する権限というものを付与するということの結局可否の問題になるだろうと思います。
 私ども、やはりこの地方自治というものを憲法において保障し、地方自治の育成強化ということを考える立場から申しますというと、地方団体が地方税を賦課徴収する権能というものを持つということは地方自治の基本であろうと思うわけでございます。それをいわゆる国税の付加税化でございますとか、あるいは国税と賦課徴収を一本化するということになりますというと、要するにいわば取る自治というものは与えないで、使う自治だけを与えるということで、少しおかしいのではないだろうかということで、基本的に反対でございます。
 それから、国と地方と一本で税金を取ったならば安くなるではないかという点につきましては、一本にできるものもあれば、全然一本にできないものもあるわけでございまして、一本にできないものを、ただ窓口を一つにしましても、金のかかることは同じという気がいたします。で、最近いろいろといわれておりますのは、したがいまして、国税と地方税全部を一本化するというのじゃなくて、たとえば住民税と所得税というものを一本化すればいいではないかという御議論もございます。それにつきましても、前の委員会でも私、再々申し上げたところでございますけれども、現在すでに所得税と住民税、それから事業税、これにつきましては、国税でこの三月十五日確定申告がございましたが、確定申告を出していただきますというと、それがもう事業税や住民税では申告をする必要がないわけでございます。したがいまして納税者の負担というものは非常に省けておるわけでございます。また特別徴収義務者――所得税では源泉徴収義務者と申しておりますが――その方々の手間といたしましても、現在の源泉徴収票というものをワン・ライティングだけで市町村にお送りいただけば、それに基づいて市町村が税額を計算して、これだけのものを取ってくださいということを特別徴収義務者のほうに通知をすれば、その額だけを取って納めていただくということで、非常に簡素合理化されておるわけでございまして、いま徴税費がかかっておりますのは、むしろこの地方税の中には固定資産税でございますとかあるいは料理飲食等消費税でございますとか、こういうわりとこまかい税金で非常に手間を食う税が多い。ところが国税のほうは所得税、法人税、酒税、揮発油税、この四つ、これはいずれもいわばわりと徴税コストが安くてできる税でございますが、これが八割も占めている。こういう税制の組み立て方の差にも原因があるのではないかというふうに考えておる次第でございます。
#54
○市川房枝君 ありがとうございました。
#55
○委員長(若林正武君) 本案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。
 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#56
○委員長(若林正武君) それでは速記を起こして。
    ―――――――――――――
#57
○委員長(若林正武君) 昭和四十六年度地方財政計画に関する件及び地方交付税法の一部を改正する法律案を一括議題とし、まず、昭和四十六年度地方財政計画に関する件について説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
#58
○国務大臣(秋田大助君) 昭和四十六年度の地方財政計画の概要について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度におきましては、最近の経済情勢の推移及び地方財政の現状にかんがみ、国と同一の基調により、行政経費の効率化と重点化に徹し、適切な行財政運営を行なう必要があります。地方財政については、かねてからその健全化と行政水準の向上をはかるため、各般の措置を講じてきたのでありますが、昭和四十六年度におきましては、以上のような基本的な考え方のもとに、地方財源の確保に配慮しつつ住民負担の軽減、合理化を推進するとともに、長期的、計画的に地方の行政水準の一そうの向上をはかり、あわせて地方公営企業の健全化をさらに促進することを目途として所要の措置を講ずることといたしたのであります。
 次に、昭和四十六年度の地方財政計画の策定方針及びその特徴について申し上げます。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税などについてその軽減、合理化をはかることでありまして、減税額は初年度八百四億円となる見込みであります。
 第二は、地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい環境づくりを推進することであります。このため、国庫補助負担金の拡充をはかるとともに、地方交付税の算定の合理化、地方債の拡充等を通じて財政措置を充実することといたしております。
 まず、人口急増地域については、校地取得を要する義務教育施設の整備について国庫補助制度を創設するほか、その実施が急務とされている各種の公共施設の整備について財政措置を強化することといたしました。
 一方、過疎地域については、過疎及び辺地対策事業債の増額等により、これらの地域における生活関連施設等の整備を進めるとともに、僻地医療の確保、集落整備の推進等総合的な過疎対策の推進をはかることといたしました。
 また、公害防止対策の積極的な推進をはかるため、公害防止対策事業に対する財政措置を強化するとともに、監視測定体制の整備をはかることといたしました。
 このほか、社会福祉、教育振興対策の推進、消費者行政の充実、広域市町村圏の振興などについて必要な措置を講ずることといたしております。
 第三は、各種の長期計画の改定に即応しつつ、地方財政の長期的見地から、社会資本の計画的な整備を推進することであります。
 このため、自動車重量譲与税の創設により市町村の道路目的財源を拡充するとともに、住民の日常生活に直結する道路、下水道、清掃施設、住宅等の各種の公共施設を整備するために必要な財政措置を講ずることといたしました。
 また、交通安全対策、防災救急体制の整備、公共用地先行取得対策などについても積極的に推進することといたしております。
 第四は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。このため、公営企業金融公庫にかかる政府保証債のワクの拡大等により貸し付け資金を増額するとともに、貸し付け条件を改善するほか、公営企業会計に対する一般会計の負担の合理化をさらに進めることといたしております。
 第五は、財政運営の効率化を推進するとともに、財政秩序を確立することであります。このため、定員管理の合理化を推進し、既定経費の節減をはかるとともに、国庫補助負担事業にかかる地方団体の超過負担及び住民の税外負担を解消するための措置を講ずることといたしました。なお、そのほか、年度途中における事情の変化に対処するため、あらかじめ財源を留保することといたしております。
 以上の方針のもとに、昭和四十六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、九兆七千百七十二億円となり、前年度に対し一兆五千九百三十九億円、一九・六%の増加となっております。
 以上が昭和四十六年度の地方財政計画の概要であります。
#59
○委員長(若林正武君) 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案について趣旨説明を聴取いたします。秋田自治大臣。
#60
○国務大臣(秋田大助君) ただいま議題となりました地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨を御説明申し上げます。
 昭和四十六年度の地方交付税については、長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進するとともに、最近の地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい生活環境の整備をはかるため、地方交付税の算定方法を改正する必要があるのであります。これが、この法律案を提出いたしました理由であります。
 次に、この法律案の内容につきまして御説明申し上げます。
 まず、市町村道、下水道、清掃施設等住民の生活に直結する各種の公共施設の計画的な整備を促進するとともに、公害対策、交通安全対策及び消防救急対策に要する経費を充実するため、関係費目の単位費用の改定を行なうことといたしております。
 次に、人口急増地域における財政需要の増加に対応して、義務教育施設、都市計画事業等の整備に要する経費を充実するほか、引き続き市町村分について土地開発基金費の算入措置を講ずることといたしております。
 また、過疎地域における行政水準の維持向上のため、人口急減補正等により、後進市町村の財政基盤の強化をはかるとともに、広域市町村圏内における生活関連道路の整備を引き続き促進するための措置を講じてまいりたい所存であります。
 その他、地方交付税の算定方法の簡素合理化につとめるとともに、所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が地方交付税法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。
 何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
#61
○委員長(若林正武君) 次に、補足説明を聴取いたします。長野財政局長。
#62
○政府委員(長野士郎君) お手元にお配りいたしております昭和四十六年度地方財政計画の説明というのがございますが、これに基づきまして補足説明を簡単に申し上げたいと思います。
 まず計画の策定方針でございますが、これは大臣が申し上げたとおりでございまして、この策定方針に述べております順序に従いましてこれから御説明を申し上げたいと思います。
 三ページをお開き願いますと、財政計画全体の規模が出ておりますが、来年度は総額九兆七千百七十二億円でございまして、前年度に比しまして一兆五千九百三十九億円の増加、増加率は一九・六%ということに相なっております。四十六年度におきましては、この財政計画の規模と決算の規模との乖離を是正するという意味もありまして、新たに貸付金とか国の委託事務等にかかる経費等を算入しまして、規模の是正もはかっておるのでございます。
 次に歳入関係について簡単に御説明申し上げますと、六ページから七ページのところに歳入関係についてのことが出ておるわけでございますが、四十六年度の地方税収入見込み額は、税制改正の後におきまして、前年度に比しまして六千八百二億円の増加でございます。道府県税におきましては三千三百九十一億円、市町村税におきましては三千四百十一億円、合わせて六千八百二億円の増加でありまして、増加率はそこに書いておりますように二〇・二%となっております。減税及びこれに伴う減収額は、この七ページの一番おしまいの合計欄の、(D)+(E)という欄がございますが、そこに書いておりますように八百四億円でございます。
 八ページに移りまして、次は地方譲与税でございますが、その収入見込み額は千三百四十八億円でございます。なおこの中には、本年度において創設されます市町村の道路目的財源の拡充をはかるための自動車重量譲与税百一億円を含めて計上いたしております。その結果地方譲与税は、前年度に比しまして二百五十一億円、増加率で二二・九%の増加でございます。
 次のページを開いていただきますと、地方交付税でございますが、ここの表におきますような算定基礎によりまして、地交方付税の総額は、四十六年度(a)欄の一番下を見ていただきますとわかりますように二兆四百六十四億円となっておりまして、前年度比較、(a)−(b)、当初比較におきまして約三千五百三十九億円、二〇・九%の増加に相なっております。四十六年度の国税三税の額がそこの(A)欄に書いておりますように六兆三千六百二十六億五千七百万円でございますから、その三二%相当額が二兆三百六十億五千万円、これに対しまして、そこに特別措置分と書いておりますのは、四十五年度になお十億円返還という三百億円の残りがございますので、十億円を加えたのであります。それから四十四年度の精算分百七十三億七千三百万円を加算をいたしたその額が一般会計から繰り入れられますが、特別会計の段階におきまして四十三年度借り入れの返還金八十億円を控除いたします。そういたしました結果、交付税総額といたしまして、二兆四百六十四億二千三百万円、こういうことに相なるわけでございます。
 次のページにまいりまして、国庫支出金でありますが、国庫支出金の総額は二兆三千九百三十五億円であります。前年度に比しまして三千六百四十一億円、一七・九%増加いたしております。この中で増加の著しいものは、そこの表でおわかりいただけますとおりに、給与改定の平年度化によるところの義務教育職員給与費の負担金の増加、それから児童保護費あるいは生活保護費、老人保護費等にかかわりますところの保護基準の単価の引き上げによる増加、それから治山治水あるいは道路等の公共事業関係の補助負金の増加などでございます。
 次のページを開いていただきまして、地方債でございますが、地方債の一般会計分は四千四百七十一億円であります。前年度に対しまして八百三十九億円、二三・一%の増加でございます。その中で、次の表にありますように、増加の著しいものは公営住宅、義務教育施設、それから辺地及び過疎対策事業、それから同和対策などにかかわるものでございます。なおこの中には、五番目といたしまして新たに産業廃棄物処理事業債としまして二十億円を計上いたしております。また義務教育施設整備事業債の中には、いわゆる用地取得分といたしましてこの中に二百一億円を計上いたしておりまして、前年度その関係の経費は八十億円でございましたので、今回大幅に増額をいたしておるのでございます。
 それから、そのほかずっと飛ばしまして、一三ページの下のほうに説明しております使用料、手数料、雑収入でございます。これらは最近の実績の増加あるいは経済成長率等を勘案いたしまして、それぞれ相当額を計上いたしたのでございます。
 次に歳出の関係でございますが、歳出全体といたしましては、その増減内容は、一四ページに出ておりますように、右の欄の下のところを見ていただきますと、総額で一兆五千九百三十九億円、地方費、地方負担で一兆二千三百五十二億円の増加ということになっております。おもな経費の、関係経費でございますが、この点につきましては、給与関係経費につきましては、総額は二兆九千九百億円、前年度に比しまして、そこの増減事由の給与費のところに書いておりますように、四千六百七十五億円の増加、一八・五%の増加となっておりまして、この増加は近年では一番高い増加率を示しております。その内容といたしましては、昨年度の給与改定の平年度化分三千二百四十五億円、その下にあります昇給等に基づく増五百五十九億円、給与改善に必要な経費の対前年度増百九十一億円等のほかは、制度改正に伴う事務、事業の増加等を考慮いたしております。そのほかに人員増といたしましては、交通巡視員とか、公害対策関係職員あるいは工業高校の教員の増員等に伴いまする百九十四億円を計上いたしております。またこのほかには、定員の合理化による減、その他共済組合負担金の引き上げ等に伴う増等々をそれぞれ増減計上をいたしております。なお、給与改善費につきましては、前年度同様に国の措置に準じて所要額を計上することといたしておるのであります。
 それから一六ページにまいりまして、下のほうの一般行政経費でございますが、二兆一千百四十三億円でありまして、前年度に比しまして三千四百六十三億円、一九・六%の増加となっております。このうちで国庫補助負担金等を伴うものは、そこに書いておりますように九千七百五十億円、前年度に比し千五百六十七億円、一九・二%の増加。国庫補助負担金を伴わないものは、一九ページでございますが、伴わないものは一兆一千三百九十三億円でありまして、前年度に比しまして千八百九十六億円、二〇%それぞれ増加をいたしております。国庫補助負担金を伴わないものにつきましては、本年度におきましてもこの中には公共用地の先行取得のための土地開発基金費の設置に要する経費、それから監視測定体制の整備等公害対策関係経費、私学の経常費助成に要する経費など、それぞれ計上いたしておりますが、そのほかには年度途中における追加財政需要の発生に備えまして、前年度に対して百億円を増加いたしまして八百億円を計上いたしております。
 次に公債費につきましては、一般会計の地方債にかかわる昭和四十六年度の償還額としまして三千六百四十八億円を計上いたしております。前年度に対しまして五百五十七億円、一八%の増加となっております。
 二〇ページにまいりまして維持補修費につきましては、各種施設の増加及び補修単価の上昇などを考慮いたしまして、前年度に比しまして二百二十七億円の増加を見込んでおります。その結果千七百三十七億円を計上いたしております。次に投資的経費につきましては、総額は三兆六千六百十三億円でありまして、前年度に比しまして六千二百十億円、二〇・四%の増加となっております。このうち直轄事業負担金につきましては、国の直轄事業費に見合いまして、公共事業費及び失対事業費につきまして歳入に見合って歳出を計上いたしております。それから直轄事業費の内訳につきましては、二一ページにB表がございます。それから公共事業費の内訳は、二二ページにございます。失対事業費の内訳につきましては、二三ページに掲げております。
 次に、その二三ページの一般事業費、投資的経費の一般事業費及び特別事業費でございますが、これらはいわゆる地方の単独事業費でございまして、一般事業費につきましては総額が七千二百七十二億円でございまして、前年度に比しまして千三百七億円、二一・九%増加いたしております。特別事業費は、地方の公共施設の整備充実を長期的計画的に推進する、そういうための事業費でございまして、千六百七十三億円、二二・六%増額計上いたしまして、総額は九千六十二億円と相なっております。その内容といたしましては、道路整備等の各種長期計画にかかわります単独事業費の増五百九十億円のほか、二四ページに説明しておりますように、過密過疎等の対策事業といたしまして、人口急増対策、過疎対策、交通安全対策などについて二千五百六億円、前年度に比しまして六百七十五億円の増額計上をいたしております。
 広域市町村圏振興整備事業費につきましては、四十四年度設定の五十五圏域及び四十五年度設定の七十三圏域、合わせまして百二十八圏域の振興整備のための事業費といたしまして六百十六億円を計上いたしました。
 以上申し上げました一般事業費及び特別事業費を合わせました単独事業費総額は、四十六年度一兆六千三百三十四億円、対前年度伸び率は二二・三%ということに相なっております。
 次に公営企業繰り出し金でございますが、四十六年度の繰り出し金総額は千六百二億円でございますが、前年度に対しまして二百五十四億円を増額計上いたしております。内訳といたしましては、収益勘定に対する繰り出し金が百五十四億円、資本勘定に対する繰り出し金が百億円の増加となっております。なお、繰り出し金の計上いたしました考え方は、おおむね前年度と同様であります。
 なお、超過負担の解消につきましては、四十六年度におきましても、これまでの基本方針にのっとりまして総額百九十億円の解消措置を講ずることといたしております。以上でございます。
    ―――――――――――――
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案関係の補足説明を引き続いて申し上げます。
 お手元にお配りいたしておりますように、改正法の大綱、それから基準財政需要額の算定方法の改正点、基準財政収入額の算定方法の改正点というような資料をお配りいたしておるのでございますが、大綱にも、また先ほど申し上げました財政計画の説明にもございますように、四十六年度の交付税の総額は二兆四百六十四億円、前年度当初に比較いたしまして二〇・九%の伸びに相なっておるわけでございます。
 交付税算定にあたりまして、四十六年度の地方財政計画の策定方針、その内容と即応いたしまして、長期的な見地から社会資本の計画的な整備を促進するとともに、最近の地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて、住みよい生活環境の整備をはかるために、地方団体の財政需要の増加に対応いたしまして、交付税の単位費用の改定をするとともに、算定方法の簡素合理化、その他所要の規定の整備を行なうことといたしております。この結果、交付団体に対する地方交付税の基準財政需要額の増加額は六千六百五十億円、前年度に対しまして二〇%の伸びでございます。基準財政収入額等の増加額は三千三百二十四億円、一九・八%の伸びの見込みでありまして、その結果普通交付税といたしましては三千三百二十六億円の増加と相なるのでございます。
 改正案の要点は、お手元の資料について御説明申し上げますと、まず基準財政需要額の算定方法の改正点は、資料にございますように費目の統合、それから測定単位の変更などの改正を行なっておりますが、特にこの中に書いてございますように、五番目にございますように過疎債の交付税への算入率を現在五七%でありますものを七〇%に引き上げることにいたしました。また、土地開発基金費につきましては、引き続き市町村への算入措置を講じまして、来年度は二千七百七十五市町村に対しまして七百五十億円を算入する予定にいたしております。また、次の基準財政収入額の算定方法の改正点でございますが、娯楽施設利用税その他の税目につきまして算定方法のいずれも簡素合理化をはかりまして、またそれによりまして手続の簡素化を目的といたしておるわけでございます。以上が改正案の内容の要旨でございます。
 以上をもちまして補足説明を終わらしていただきます。
#63
○委員長(若林正武君) 両案件に対する質疑は後日に譲ります。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時二分散会
ソース: 国立国会図書館
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