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1970/03/23 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第13号
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1970/03/23 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第13号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第13号
昭和四十六年三月二十三日(火曜日)
   午前十時四十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 三月十八日
    辞任         補欠選任
     初村瀧一郎君     森 八三一君
     吉武 恵市君     重政 庸徳君
     内藤誉三郎君     田村 賢作君
 三月十九日
    辞任         補欠選任
    安田 隆明君      重宗 雄三君
    森 八三一君      初村瀧一郎君
    重政 庸徳君      吉武 恵市君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                熊谷太三郎君
                増田  盛君
                山本伊三郎君
                藤原 房雄君
    委 員
                田村 賢作君
                初村瀧一郎君
                船田  譲君
                山崎 竜男君
                吉武 恵市君
                和田 静夫君
                原田  立君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       自治政務次官   大石 八治君
       自治大臣官房長  岸   昌君
       自治省税務局長  鎌田 要人君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省財政局交
       付税課長     横手  正君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方税法の一部を改正する法律案(内閣提出、
 衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 委員の異動について御報告いたします。
 去る十八日、内藤誉三郎君が委員を辞任され、その補欠として田村賢作君が、十九日、安田隆明君が委員を辞任され、その補欠として重宗雄三君が選任されました。
    ―――――――――――――
#3
○委員長(若林正武君) 地方税法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言願います。
#4
○原田立君 前の委員の質問を聞いておりますのでダブる点があるだろうと思いますけれども、その点はひとつ御容赦を願って御答弁を願いたいと思います。
 今度の地方税法改正で大きな柱になっているのは、住民税の課税最低限度額を七十四万円から八十六万円に引き上げたというのが中心になっているわけでありますけれども、今回十一万九千百四十二円の引き上げ、すなわち約十二万円くらいの引き上げになっているわけでありますが、毎回の改正を見てみますと、年間毎回十万円くらいずつの引き上げをやっているわけです。何かもう自治省は、十一万円とか十二万円とか、それ以上上げるのが――たいへん遠慮して上げないのか。ぼくの考えでは、もっと二十万とか二十五万とか、そういうふうに上げてしかるべきだろうと思うのが、毎回十万円くらいのところでお茶を濁して、引き上げ率が非常に少ない。十一、二万というところに限定しているのは何か根拠はおありなんですか。その点をひとつお伺いしたい。
#5
○政府委員(鎌田要人君) 前回もこの席でお答え申し上げたわけでございますけれども、住民税所得割りの課税最低限というものを考えるにあたって、やはりその目安になりますのは、一つは、納税者の主観的な事情と申しますか、どの範囲まで住民税を負担させることが適当であるかという、住民税の性格とのからみ合いにおいて一つあろうかと思います。それからもう一つは、やはり納税義務者というものが市町村の住民の中で占める割合、こういうものも一つあろうかと思います。それから、減税額というものが個々の市町村に及ぼしますところの影響、こういったものも一つの判断の要素になろうかと思います。
 そこで、私ども毎年所得割りの課税最低限というものを考えます場合には、所得税の課税最低限の引き上げぐあい、こういったもの、それから市町村に及ぼしますところの納税義務者の割合の変動、それから減税額、こういったものから考えてまいりますと、おのずから基礎控除を一万円、あるいは年によって違いますが、これにさらにあと一万円加える、あるいは配偶者控除を一万円ないし二万円、あるいは扶養控除は一万円ないし二万円、大体この辺のところで減税の範囲というものが定まってまいる。その結果の数字というものが、年度によって若干の変動はございますが、去年あたりでございますというと、夫婦子三人で十万円、ことしの場合でございますと、ちょっとそれが伸びまして十二万円弱、こういったような形に相なっておるわけでございます。
#6
○原田立君 そういう過去の経緯を聞いているわけではないです。十万とかあるいは十一万とか十二万とか、ほとんど毎年そのくらいの金額しか引き上がっていない。それには何か遠慮して上げないのか、それとも何か基本的に考え方があって上げないのか、そこのところはどうなんですかと聞いているのです。
#7
○政府委員(鎌田要人君) 失礼いたしました。遠慮して上げないということではございませんで、やはり先ほど申し上げましたように、市町村の中で納税義務者の激変というものを避けてまいる、あるいは税収というものに及ぼす影響というものを、ある程度負担の軽減を考えながら税の減収もある意味におきまして適当なところに押えてまいる、こういうことになりますというと、どうしてもその辺の線になる。こういうことでございまして、私どもといたしましては、全体的に市町村の財源というものが普遍的にふえてまいりまする状況のもとにおきましては、ある程度住民税の負担の軽減ということも考えてまいらなければならないかと思うわけでございますが、現在のような地方財政の状況でございますというと、まあこの辺のところが背伸びをした限度ではなかろうかというように考えておる次第でございます。
#8
○原田立君 所得税の課税最低限としても、あるいはまた住民税の課税最低限としても、それが非常に低過ぎるために多くの人たちが重税感を持っていて、その面での怨嗟の声が非常に強いということは、もう新聞やいろんな報道機関等聞いて御承知のとおりだろうと思うのです。重税感をなくすためにも、特に住民税の場合の課税最低限度額をもっと引き上げるべきであると大かたの強い意見があります。それに対して自治省は、いつも所得税の課税最低限度額には三十万くらいの差をつけながら、これは毎年毎回それくらいの差はいつもついている。それをもっと差を縮める、そういう考え方はないのかどうか、一般国民の重税感をぬぐうためにも、住民税の課税最低限度額はもっと引き上げるべきだ、こういうふうに思うのですが、その点はいかがですか。
#9
○政府委員(大石八治君) お考えの点、私ども決して反発するつもりはございません。ただ、所得税のほうはある程度所得の再配分という思想が私、あると思うわけであります。しかし、住民税のほうの性格の中には、そういう部分はそんなにないと思うわけであります。しかし、最低限の問題は全体的の原則として、現状必ずしもそのままでいいというふうには私ども考えませんので、この引き上げというものに毎年努力しているわけであります。しかし、これが所得税の最低限と同じようにならなければならぬということは、どうしても税の性格上、そこまでは言い切れないものだと私どもは実は思っているわけです。しかし、なるべく近づけていきたいという努力を続けてまいっておりまして、それが結果的に毎年縮まってはおりますけれども、所得税との間に開きがまだ残っているというふうに結果的になっているわけでございます。さらに、最低限の問題は、全体の、先ほど局長が言いましたとおり、市町村の財政の財源構成の、何といいますか、位置という問題もありますし、その他社会情勢というものを見て調整を毎年しているというのが事実であります。決して、十万円程度でひとつ区切ろう、それにはどれをどのくらいにすればいいかという、そっちのほうが先にあってやっているわけではありません。
#10
○原田立君 次官、そうおっしゃいますけれども、そういうふうにひがんで取るのですよ。とにかく住民税の納税者は約三千万人から三千五百万人、こんなふうにいわれております。結局、低所得者いじめの税金である、こういう声が非常に強い。これは次官も局長も率直に受けとめてもらいたいと思うのです。
 わが党は年来、住民税の課税最低限度額は、百三十万までは無税にしろ、こういう主張をかねがねしております。そのことについて、一体課税最低限度額がいつごろになったらどういうふうな姿になっていくのか。その点どうですか。
#11
○政府委員(鎌田要人君) 全体的な住民税所得割りの軽減ということにつきましては、ただいま政務次官が申し上げましたとおりでございますが、たとえば一つの御判断いただきます材料といたしまして、かりに現在の住民税というものを思い切って、一年おくれでございますけれども、前年の所得税の課税最低限まで持ってまいるということになりますというと、大体千六百億近い減税ということに相なります。あるいはまたことしの所得税の課税最低限並みに合わせるということになりますと千九百億近い減税ということに相なります。納税義務者数にいたしまして大体六百万近くのものが落ちてまいる、こういう形に相なるわけでございます。これが所得税の課税最低限に合わした場合、すなわち大体百十三万円まで課税最低限を持ってまいったという場合の姿でございます。そうなりますと、大体私どもの現在の目安でございますと、人口十万以下の市町村でございますとおそらく所得割りを納められる方というのは微々たるものになる。
 そこで、住民税というものの、いつも申し上げておりますところの性格論議になるわけでございますけれども、この所得税というものは、ただいまも政務次官からも御説明申し上げましたように、国全体というものを対象にいたしまして、東京なり大阪なり、こういったところに勢い所得の高い階層の方々がおられるわけでございますけれども、そこを対象にして、日本全国を対象にして所得の再分配というものをやっておられる。あわせて景気調整機能というものも営んでおる。こういうものに対しまして、個々の、大は人口三十万の大都市もございます。小は二千人、三千人という僻村まであるわけでございますが、それぞれの市町村で住民に負担を分任してもらう、こういう形の税でございますと、所得税並みの課税最低限に持ってまいるということになりますというと、おそらく農村でございますと一握りの方しか納税義務というものを負わない。こういう形のものが住民税として許されるであろうか。そういうことになりますと、むしろ所得税の付加税にし、あるいは譲与税にする、こういうことにしたほうが簡単ではないかということにもまた道を開きかねないことに相なるのでございまして、私ども、地方自治というものをささえるものは住民が広く薄く負担を分任する税だ、こういう考え方に立ちますと、やはりこの課税最低限を上げる努力というものは、これはわれわれといたしましても最善の努力を尽くしてまいらなければならないと思うわけでありますが、年次的に、たとえば百三十万というところまで何カ年計画で持ってまいるということは、ちょっと現在の状況におきましてはいかがなものであろうか、毎年の住民の負担の状況なりあるいは財政状況なりというものを見ながら所得割りの課税最低限を上げてまいる、最大限に上げてまいるということに全力を尽くしたいというのがいまの私どもの心境でございます。
#12
○原田立君 どうしても取るものは取るのだという考え方のように聞きとれるのですが、収入の少ない人から何も取らなくてもいいじゃないか。もっとほかから取れるところは幾らもあろうと思います。それで鎌田局長は、百三十万円まで持っていく、その考えはいかがなものでしょうかと、こういうふうに否定的な考えのようにお聞きしました。物価は年々上がっておるし、逐次また所得も上昇していくことはもう実際問題としてはっきりしております。そういう面から考えて百三十万円まではいかがなものでしょうかと、全面的に却下したようなものの言い方をしておるけれども、全然考えがないのかどうなのか。次官どうですか、その点。
#13
○政府委員(大石八治君) いま、百三十万まではいかがなものだろうかという答弁のところをちょっと私聞いておりませんでしたので、不正確かもしれませんが、あるいはそれは、一度にそこへというような意味でどうだろうかという意味だろうと思います。私は百三十万円まで上がる時期がそんなに遠い将来でなしにあり得るというふうに、物価問題なりその他いろいろなことから考えていけば、そういうときが来るだろうということは想像いたします。また、来てもいいのだ。ただ、それをすぐ来年か再来年にそうなってしまうというふうに考えるのはどうだろうかという意味でお答え申し上げたのだろうと思います。私どもその点は、なるべくこれを上げていく努力というものは今後も考えていきたい気持ちを持っております。
#14
○原田立君 その初めの問題に戻るのですけれども、毎回十万ないし十一万――今回の場合は十一万九千、約十二万ですよね。その引き上げがその十万くらいのところでいつも低迷しているわけなんですけれども、大体そのくらいを上げようというのは自治省の方針なのか。先ほどの御答弁でははっきりしない。むしろ私が考えているのは、最低十万くらいは引き上げたいのだけれども、今回は十五万にしておく、あるいは二十万に引き上げをしようとか、そういうような考え方は全然ないのか。もう毎年毎年ちびちび十万、十一万くらいのものを上げるという考えなのか、そこはどうなんですか。
#15
○政府委員(大石八治君) なるほどちびちびかもしれませんけれども、所得税の場合でも、これは先ほど申し上げましたとおり、再配分の気持ちを持ちながら、所得税で上げている程度もそのような形だと私は思います。所得税にならうという精神があるからいけないのだということであれば、それは御批判だと思うのですけれども、住民税は所得税がいま減税をしているのに、引き上げるような形で追いついている。しかも毎年少しずつ近まろうとしている、こういう点は何か私どもとすれば、所得税との比較においては、決してほめられるつもりはございませんが、ある程度やっているわいというふうに御解釈をいただいてもいいのではないかというくらいに思うわけですが、これは必ずしも十万とか十一万とかということに私どもは限定されて、来年もそれだけしか上げないという前提をつけてやっているわけではございません。
#16
○原田立君 非常に答弁は不満です。納得しがたいと思いますが、時間があまりありませんからそのくらいにして、今回基礎控除を一万円上げて十四万、配偶者控除を二万円上げて十三万、それから扶養控除を八万から二万円上げて十万、こういうふうになっているのですが、こういう控除額の算定の基礎というのは一体どういうものなのか。全体の十万から十一万くらいを引き上げるという意味合いでこういうふうになったのか。それとも何かほかに算定の基礎があってこうなったのか。その体系が十一万九千になったのか。そこら辺は一体どんなものでしょうかね。それと、ぼくら個人で思うのは、当初から十万ないし十一万くらいのものにしようというものが大前提に立って、そして中身の手直しをしたのじゃないか。こういうふうに、意地悪な見方でありますけれども、そんなふうな感じ方もしますけれども、その点のお考えはいかがですか。
#17
○政府委員(鎌田要人君) 住民税の課税最低限というものを毎年きめてまいるわけでございますが、これにつきましては、ただいま御指摘のように、かっちり一定の公式がございまして、その公式に基づいてどれだけ、こういうものではございませんで、やはりある程度毎年度の減税の内容と申しますか、その経緯あるいは所得税の減税の内容との対比、それから先ほど申しました減収額、それから納税義務者の変動、こういったものが判断要素に相なろうかと思います。
 それで、ことしの場合でございますけれども、所得税のほうで基礎控除、配偶者控除、それから扶養控除、それぞれ一万円ずつ引き上げられたわけでございます。住民税の場合でございますというと、前年の給与所得者でございますと、給与所得控除というものが基礎になりまして、それに基礎控除一万、それから配偶者、扶養控除というところが住民税のほうでやや負担が相対的に重くなっているような形になっておるものでございますから、配偶者控除と扶養控除を二万円にそれぞれいたしたわけでございます。したがいまして、これは毎年度の減税にあたりましての、先ほど申しましたいろいろな要素を勘案しながらきめてまいるということで、一定の公式に基づいてはじき出す、こういう性格のものではございません。
 ちなみに、御参考までに申し上げますというと、ことしの所得税の減税は自然増収に対しまして二四・一%でございます。住民税所得割りの場合でございますというと、所得割りの自然増収に対しまして二七・九%でございます。ただ住民税の場合には、ことしは制度の改正によりまして、いわゆるいままで十一カ月徴収でございましたのがことしから十二カ月完全に四十六年度の収入に入るものでございますから、そこを調整をいたしまして従来どおりのべースに置きかえますというと、三二%の減収、減税ということになるわけでございまして、その点におきましても、先ほど政務次官から申し上げましたように、住民税は住民税なりにかなり背伸びした減税をやっておるというところはお認めいただけるかと思う次第でございます。
#18
○原田立君 一つのこういう徴税方法をきめて、それにのっとって全体を徴税をすると、これは大ぜいが対象ですから、それはやむを得ないと思うんですけれども、実際問題の私たちの生活では、たとえばその年に非常に重い病気になって多額の金が出てたいへんだったとか、あるいは若い人であれば結婚するとか、そういうようなことで普通の年よりもよけいお金が出る、こういうようなことが現実的にあるわけなんです。そういうのに弾力的な徴税、課税の方法とでもいいましょうか、そういうことが考えられていいんじゃないだろうか。こういうふうに法律できまったと、きめたその内容から見れば一つの方程式ができ上がって、それ以外のものは全部だめというふうになるのは、これはやむを得ない話だと思います。そういうふうに方程式どおりやるというんじゃなくて、その年度年度によっていろいろと費用がかさむ。それに対して弾力的な課税方法というものがあっていいんじゃないか、こんなふうな考えで、わが党はかねてから結婚時控除の創設ということを常に言っております。衆議院のほうでも質問があっただろうと思いますが、次官、その点はどうですか、基本的な考え方は。
#19
○政府委員(鎌田要人君) 結婚時控除の話は実はいま初めて私ども伺うわけでございますが、御案内のとおり、特に人税でございます所得税あるいは所得割りという課税に相なりますというと、非常にいわゆる大量集団的な課税対象でございますし、それに対しましてはある程度画一性をもって課税をすることがかえって公平な面もある、こういうことで、一応法定控除というものを定めまして、それ以外に、それで救い切れないものにつきましてはいわゆる個別減免、こういうシステムをとっておるところでございます。
 いま御指摘になりました病気の場合でございますというと、これは医療費控除も今度大幅に引き上げておるところでございますし、あるいは不時の災厄にあわれた、こういう場合でございますと雑損控除の制度があるわけでございます。結婚の場合に金がかかるからその分を控除ということにつきましては、ちょっと医療費控除なりあるいは雑損控除なりと、考え方のスタンスと申しますか、考え方が少し違うように思うわけでございまして、ちょっとこの席で私いま思案がまとまりませんが、おそらく検討をさしていただかなければならないと思いますが、むずかしいのではないかという感じがいたします。
#20
○原田立君 局長、あなたはやはり取るほうだからそういうふうに一律にぱっとやるけれども、次官は政治家なんですから、その点どうですか。
#21
○政府委員(大石八治君) いま初めてそのことは伺ったわけで、ほんとうによくわかりませんが、答弁を局長がしている間自分も考えたわけですけれども、一体だれが結婚の費用を持つだろうかということで、親持ちの場合もあります。結婚当事者が自分でやる場合もある。非常にはでにやる場合もありますし、友だちだけに来てもらって紅茶とお菓子でやる場合もある。そういういろいろのことを考えまして、何といいますか、極端に言えば、逆に世帯を持つのだからみんな金なりみんな持ってきてくれやということで、自分自身はあまり経費を出さないで済ませるということをやっているのもある、そんなことで、確かに結婚というのは人生の一つの行事だと思いますから、それも一つの話題になるなと思いましたけれども、しかしこれ、どういうふうにすれば合理的にいけるのだろうかというふうに思いまして、非常に捕捉のしかたがむずかしいなという感じがいましておりまして、これはひとつ対象にいたしましょうというところまで私もいま返事ができかねているところであります。
#22
○原田立君 その捕捉のしかたがどうのこうのなんて、そんな冷たいことを言わないで、いまも次官がお話しになったように、結婚は一生のうちの一つの行事だと――行事どころじゃなくて、やはり人生の出発で、一番大事な問題だと思うんですね。だから若い者に年寄り――年寄りといってはおかしいけれども、先輩が心からなる。プレゼントをする意味でもこういう制度があったほうが、若い人たちに対するむしろあたたかい激励になっていくんじゃないですか、そうぼくは思うのですよ。そういう意味で二十万ないし三十万くらいの基礎控除、結婚時に限ってですよ、そういうふうに社会からの当人に対するプレゼント、こういうふうなことで、十分あたたかい政治をやるからには、あってしかるべきだと思うのです。まあ初めて聞いたということですから、初めてなのをいまここで即答せいというのはたいへん無理な話ですから、じゃ検討はしてくれますか。それだけをひとつ。
#23
○政府委員(大石八治君) 対象の事項だろうと考えます。
#24
○原田立君 対象の事項で検討を約すると、こういうふうに理解をして、この問題は終わりにします。
 それから、かねがね当委員会でもぼくは指摘しでおったのですが、住民税の地域格差の是正ということを言っておきました。何回かの御答弁によっては、だんだんとそれが是正されつつあるとか、あるいはまた交付税をもってその分を見ているから減少の一途をたどっている、こういうことでございましたけれども、現状は標準税率以上の地域、これは一体どのくらいになっているのですか。
#25
○政府委員(鎌田要人君) 昭和四十五年の十一月現在の調査でございますが、昭和四十五年度におきまして、所得割りの標準税率を越えて課税をいたしておりまする市町村は五百七十七でございます。で、四十六年度におきましては、その当時の予測におきまして、おそらくこの五百七十七が百四十三団体に減るのではないかというふうに考えております。御案内のとおり、この所得割りの超過課税の解消につきましては、四十四年度から四十六年度まで三カ年計画で行なうことにいたしました。それに伴います税の減収につきましては、特別交付税で激減緩和措置を講じてまいったところでございます。
 なお、四十五年度、先ほど五百七十七団体と申し上げましたが、四十四年度は八百九十八団体ございましたので、それが五百七十七に下がっておりますということは、一年度で三百二十一市町村がこの超過課税を解消した、こういうことでございます。
#26
○原田立君 四十六年度が百四十三になるということでしたね。
#27
○政府委員(鎌田要人君) 昨年の十一月調査の時点におきまする見込みでございます。百四十三団体にそれが減少するであろうと見込んでおるわけでございます。
#28
○原田立君 五百七十七あったのが百四十三、すなわち四百三十ばかり減るということですね。それはたいへんけっこうなことだと思うのです。で、これは交付税のところでお聞きしなければいけないのだろうと思いますけれども、約四百団体を減らすにはどのくらいの振り当てというのですかね、があったのですか。
#29
○政府委員(鎌田要人君) 四十六年度五百七十七が百四十三に減ることによりましてどの程度の減収になるかということでございますが、一つの御参考になろうかと思いますが、四十四年度八百九十八市町村が超過課税をいたしておりました。その当時の超過課税額、税額にいたしまして百十億四千八百万でございます。四十五年度が五百七十七で、その団体にかかわりまするこの超過課税が六十二億八千万でございますので、三百二十一団体が減少したことによりまするこの超過課税の解消額は約四十七億ということになります。これが四百三十四億でございますから、大体六十億余りというところに相なろうか、これはあくまでも推計でございますが、いまの四十四年から四十五年の推移をもとにいたしましての概算の見積もりでは、その程度の額になろうかと思います。
#30
○原田立君 先ほど三年計画云々といったけれども、四十六年度で百四十三になる。すると四十七年度でゼロになるのだ、こういうふうに伺っておいてよろしいですか。
#31
○政府委員(鎌田要人君) この超過課税に対する考え方でございますけれども、超過課税は、やはりその団体で特別な事業を行なう、あるいはその他特別の財政事情がありますときに臨時増徴ということが本来の姿でございまして、私どもが三年度間で特別交付税の措置も考えながら解消しようと思っておりますのは、表現が適切でないかもしれませんが、いわば慢性化し固定化しておるというものを解消したい。したがいまして、特別の財政事情があるために臨時増徴の必要があって超過課税をやるということは、これは当然あってしかるべきでありますので、そういう事情のあるところにつきましては、どうしても超過課税は残ると思います。したがいまして、これが四十七年度は完全にゼロになるかどうかという点につきましては、いまの個々の団体の実情というものもひとつあわせて考えてみなければならないだろう。したがいまして、全くゼロになるということはちょっといまお答えできない段階でごございます。
#32
○原田立君 いままでのいろいろ各大臣の答弁や各局長、いろいろこの問題をぼくは聞いてきたけれども、いま鎌田局長の言われるように、臨時増徴が、そういうことはあっていいのだという答弁は一人も聞きませんでしたよ。いままでの答弁は、超過課税は好ましくない、だからそれはもう完全に解消していくように努力すると、こういう答弁はしばしばお聞きしておりましたけれども、いま鎌田局長のお話では、臨時増徴はやむを得ないのだ、こういうことは前言とたいへん食い違っている。これはたいへん重大なんですが、次官、臨時増徴ということを自治省は認める方針なんですか。私はそれは非常に不合理だと思うんです。こんなことは私が言わなくても御承知だろうと思うけれども、同じ日本の国内に住まっていて、法律できめられたように同じように住民税を払う、これはみんな多少高くてもある程度がまんをするかもしれませんけれども、場所によっては幅があるから多少高いとか、ほかのところは普通だ、こういうこと自体が許さるべきことじゃないんじゃないか、こう思うんですけれども。
#33
○政府委員(大石八治君) これは局長からお答えしましたのは標準税率でありますから、市町村によって特殊の事情が起きたときには臨時的にそういうことができるという税制になっているわけであります。ですから、そういう場合が起きたときにいわゆる住民の了解といいますか、議会の議決でそういうことができるというわけであります。ただ現状をいろいろ見ますと、何かのことでそういうことをしたのが、その問題が解決しても依然として従来の税率をそのまま続けておるというところが非常に多い、そういうことは一種の意味では非常に怠惰なやり方でありますので、そういうことはもう解消しなければいかぬということで、いわゆる三カ年解消計画をしているわけであります。したがいまして、先ほどの御質問について簡単には、ゼロになるように努力いたしたいというのが普通の考え方であります。ただ全くゼロになるのかという御質問に対して、いまの税法のたてまえからいって、臨時の何かというような場合で、二年なりそういうことをやるということはこの税のたてまえ上でき得る、またやってよろしいということになっているわけですから、法律のたてまえ上からは全部ゼロに必ずなってしまうという予想はつけにくいということであります。しかしいままでのやつは、もう目的を完了していながら依然として超過税率をやっているというようなところが非常に多いということで、指導をしまして解消につとめてまいりまして、四十六年では百何ヵ市町村に残るだけだろう、四十八年くらいに至ればほとんど解消できるんではないかという過程にあるという考え方でございます。
#34
○原田立君 何だかよくはっきりわからないんですがね。要するに住民税の地域格差は根本的に解消する、この線ははっきりしているんだ、こう受け取ってよろしいですね。
#35
○政府委員(大石八治君) それはそのとおりでございます。
#36
○原田立君 それでは、せっかくそういうふうに御努力願いたいと思います。
 それから、小規模個人事業税を撤廃すべきだ、こういう基本的な考えがあります。個人事業者にとって、事業税は住民税と同様に所得に対して課税されるものであり、事業税と住民税の二重課税をしいられている。このような不合理な税制を解消し、小規模個人事業者の事業税は撤廃する、そういう方向に向くべきである、こう私たちは主張しているわけなんですけれども、次官、見解どうですか。
#37
○政府委員(大石八治君) 結論的にいえば、お気持ちの線に沿って実はやっていると思うわけですが、したがってその小規模というのはどこなんだという問題で事実上のことが分かれると思います。しかし、お気持ちの点は私どもも理解し得る点もあります。ただしかし、ある程度の意味で事業規模だけで直ちに事業税をやめてしまうというところまではいまいきかねているというところでございます。
#38
○原田立君 ここに一つ外部から質問が来ているのでお聞きするんですけれども、個人事業税をめぐる問題点として、事業主控除三十六万円の理論的根拠は何か。事業主控除は民間給与の上昇を勘案して四万円引き上げ、三十六万円というが、民間給与に準じた公務員の独身初任給年収と比較しても不合理ではないか。中卒十五歳で年収四十七万円、高卒十八歳で年収五十六万円、大学卒で二十二歳年収六十二万円、ほかのデータではそうなっているのに、どうして事業主控除だけは三十六万円になっているのか。理論的根拠は何ですか。
#39
○政府委員(鎌田要人君) 三十六万の理論的な根拠ということでございますが、少なくともことし三十二万を三十六万に引き上げました根拠は、いろいろの要素のからみ合わせでございますが、まず基本になりますのは、青色専従者の給与として認定されましたもののアップ率、こういうものを基本に置いておるわけでございます。そこで、個人事業税におきまする事業主控除の性格いかんという問題になるわけでございます。ただいま先生お述べになられましたことは、むしろ実は所得税と事業税両方に共通する問題でございますが、所得税におきましては、事業主控除的なものは一切認めておらない。個人事業税におきまして事業主控除的なものを認めているという考え方は、いろんな私は解釈があるかと思います。何よりも個人事業税は、事業税の一環といたしまして、事業を行なうことによりましていわゆる地方団体との間の事業継続に関する公共サービスというものに対するいわば応益負担という形で、事業税の課税の根拠というものが認められておるわけでございます。ある程度規模の大小ということによりまして事業税の負担というものがあったりなかったりというのは理論的にはおかしいだろうと思います。ただその中におきまして、家業的な要素のあるものについてはできるだけ負担を軽減しよう、これがやはり事業税におきまして事業主控除という制度を創設されたゆえんであり、したがいまして、この控除の考え方の基本にありますのは、やはりいわゆる企業におきまする資本的な部分だけに課税をするという考え方から、勤労税の部分というものを排除しようという努力だろうと思います。
 ただそこで、三十六万というものが高いか低いかという議論になりますというと、いろいろの議論があるかと思います。現行の青色専従者控除でございますというと、御案内のとおり所得税で大体控除いたしておりまする実績が三十万円程度と聞いております。あるいは白色の場合でございますというと、いままでは十五万円、今度は十七万円に引き上げられるようでございますが、まあその辺のところとあわせて考えてみますというと、現在の三十六万円というところも、いまのレベルの中では決して低いものではないだろう。そこへさらに、たとえば奥さんが専従者でございますというと、青色の場合でございますと六十六万円までは税金がかからない。あるいは白色でございますというと、五十一万円まではかからない、こういう形に相なるわけでございまして、この点につきましても住民税の課税最低限と同様に引き上げの努力というものは毎年継続してまいらなければならないと思いますが、当面の個人事業税の負担の形といたしましては、いま申し上げましたような形に相なっておるということでございます。
#40
○原田立君 納得いかないけれども、時間があまりありませんから次に進みたいと思います。
 「入湯税の使途に消防施設等の整備に要する費用を加え、標準税率を四十円に引き上げる。」、こういう項目がありますけれども、このところ、簡単でけっこうですがちょっと説明してください。
#41
○政府委員(鎌田要人君) 御案内のとおり入湯税、昭和三十一年の改正でございましたか、それまではいわゆる市町村の普通税でございましたが、それを目的税にいたしました。市町村におきまする環境衛生施設その他観光施設の整備に税収を充てるための目的税といたしたわけでございます。ところがその後におきまして、この温泉地におきまする消防施設というものの整備がおくれておりますために、最近におきまする建築様式あるいは特に新建材等の関係もございましょうけれども、温泉地における火災の多発傾向の中で、人身事故と申しますか、というものが非常にふえてまいっておるわけでございます。自治省といたしましては、かねてから市町村全体を対象とする消防施設税、あるいは消防税、こういうものの創設を検討してまいったわけでございますけれども、私どもの努力が足りないせいか、あるいは反対が多いせいもありまして、なかなか実現の見通しを得ておらない状況でございまして、そういう中で、さしあたり温泉地の消防施設だけでも充実をはかりたい、こういうことから、入湯税の税率を、現在標準税率二十円でございますが、これを倍に引き上げまして、大体その引き上げましたものが消防施設の充実に充てられるということを期待をしながら、この入湯税の課税目的に、観光施設に加えまして消防施設の充実というものを加える、こういう改正にいたしたわけでございます。なおこれによりまする、私どもの見込みによりまする増収額は約二十億余りと見ております。現在、温泉所在の市町村におきまする消防施設の充実、当面緊急に要しまするたとえば消防自動車でございますとかあるいは救急施設でございますとか、こういったものに要しまする最小限度の必要な財源といたしましては、百二、三十億程度のものが現在の段階では見込まれておるわけでございまして、したがいまして、いまのこの増収分というものが消防施設の充実に充てられることによりまして、そのほかの一般財源の強化と相まって、温泉地所在の市町村におきましては、ある程度消防あるいは救急施設の整備というものがはかられてまいるのではないかというふうに考えております。
#42
○原田立君 今回の改正で二十億増収になるということですね。二十億増収することによって消防施設を少しでもよくしようという、こういうことのようですけれども、少しでもよくしようというその考えはわかります。わかりますけれども、ついこの間もたいへん大きな温泉地で火災がありました。毎年と言っていいほどあるわけです。そのたんびにその地域の消防力充実ということが非常に大きな課題になっているわけですけれども、今回のこの処置で、全然ゼロよりは金が行くのですから、少しはよくなるだろうと思いますけれども、少しはよくなるだろうぐらいのことで、災害がぐっと少なくなる見通しがあるのかどうかというと、これはちょっと非常に疑問だと思うのですよ。私はこの問題とからんで、消防力の充実というところにもつと大きな焦点が向かなければいけないのではないか、こう思うのですけれども、今回これが出ていますからこの問題だけ聞くんですけれども、はたして消防力充実は、一歩前進するだろうと思うのですけれども、ほんとにできるのですか。
#43
○政府委員(大石八治君) それで完ぺきになるとは実は思っておりません。しかし、実は温泉地の問題につきましては、これは消防力を強化するという一面と、もう一つは火災等の発生しないという予防的な措置というものが同時に並行しなければ、起きることはそのままにしておいて、消防力を充実整備してもどうにもならぬ。現在の問題は、結局旅館が当然施設すべきいろいろの諸施設に抜かりがあるという問題が一つありますので、それを予防査察をして、緊急に業者自体のほうでいわゆる施設をするということがまず先行しなければならぬわけです。それについてまだいろいろ一斉検査等をしますと、規定の施設をしてない旅館等が相当あるという問題の中に一つ問題があります。もう一つは、旅館がいわゆる火災の起きたときの避難誘導等についての訓練がまだ行き届いていない。従業員がそういうことについての、何と言いますか、平素の準備が足りないという問題が実はあるわけであります。この二つが同時に先行しなければ、火災が起きた場合の消防力強化ということだけで問題を解決しようとしても非常にむずかしいことであろうと思います。ただ、私ども聞いている中で一つ問題があるのは、救急ばしごの問題があるそうでございます。これは非常に高いという問題があるのと同時に、いま温泉地にぼつぼつもう、熱海とかそういうところは別でありますけれども、それほどでない小さいところに高層の旅館が一軒できておる。しかし、そこがもし火災が起きれば消防ばしごを持っていって救出しなければならぬ。その一、二のビルのために救急はしご車まで用意しなければならぬかということがその町の中では問題になっておるというふうに聞きますし、したがって、そういう場合は補助率をうんと高くしなければとても充足しないだろうという事実上の問題もあるだろうというふうに聞いております。したがって、先ほどから申し上げておりますように、予防的な措置、つまり旅館の内部のいわゆる防火と言いますか、そういう避難設備の整備及び避難等の訓練というものと並行して消防力の充実ということをやるべきものであり、今度の措置はその消防署自体のほうの整備の点に力をいたしたいということでできたわけでございます。
#44
○原田立君 消防力を充実したいということのために今回の措置ができたと、その点は理解いたします。もう少し、もっとはっきりとした対策はお考えではございませんか。もっと消防力を――消防値と言うんですか、普通法律できめられておるその力まで全然行っていないのですから、何とかそれを引き上げるために、入湯税で二十億ここであがってくる、それは言ってみればかすりで消防力を充実するということではなくて、もっと消防値を引き上げるための何らかの力強い方針はないのですか。
#45
○政府委員(大石八治君) 私の記憶に間違いがなければ、実は交付税で、消防力に対する交付税措置というものが実はあるわけであります。交付税というのは必ずしもひもつきではありませんから、その金を消防に使わなければならぬということではもちろんないと思います。しかし、私ちょっと聞いておるのでは、去年の数字ということではないと思いますが、どうもまだ全体の市町村の中で、交付税基準でやっているところまで消防施設について財政措置をまだしていないというところがかなりあるというふうにたしか聞いております。したがいまして、何も交付税の計算基礎がそのとおりに何かに充てられなければならぬというふうな、その意味で言うわけではありませんが、もう少し市町村自体も、私ども消防力強化を自主的な立場でも強化をしてもらうような指導をしなければならぬのではないか。これは直接御質問にお答えしたわけではございませんけれども、政府自体は今度も消防の強化についてかなり画期的な補助制度を続けているわけであります。これは自治体としての市町村の努力もさらに待ちたいというふうに考えております。
#46
○原田立君 自治体のほうの努力をさらに待ちたいというのだけれども、それがだめなんですよ。そういうふうなことを言ってきて、いままで消防力は少しも充実しないで今日に来ているわけです。だからここで窮余の一策として、特に温泉地のことを今回はやったんだろうと思うのですよ。だから交付税で見ていると、それもわかってますよ。それだけれども、実際は不十分だ。実際やってないんですから。ついこの間の予算委員会でも問題になりました大震災の七十年周期というのがあって、もう非常に危険な状態にあるということが予算委員会の席上、大学教授からあったんだけれども、なお一そう消防力の充実ということはもっともっと声を大にして叫ばなければならない。その点どうですか。
#47
○政府委員(大石八治君) 決してお話の点私ども否定するなんというつもりは全くありません。さらに強化をしなければならぬということはもうそのとおりでございます。決していまの施設でいいなんというふうに思っているわけではございませんので、今後も消防力の強化ということで続けていきたいと思っております。まあ消防の目的財源というものを先ほどちょっと局長も触れたわけですけれども、別の見方で、消防施設税というようなものをしてやったらどうかと。たとえば、その着想は火災保険会社というようなものに関連して消防施設税、いわゆる消防が強化することで逆に火災の延焼その他が減っていくわけですから、決してそのことは成り立たないわけではないんではないかという意味で、一つの考え方として消防施設税というものをいわゆる火災保険会社にまあかけていくというような形のものを考えてみたことあるわけですが、なかなかそれが全体的にまだ共鳴とか同意を得るというところまで至っていないわけで、今度は温泉地ということで入湯税をしたわけです。さらにこのことは検討を続けてまいりたいと思います。
#48
○原田立君 これはわかったら答えてもらいたいんですけれども、今回の場合、入湯税でこういうふうにするというとなんだけれども、その観光地帯の消防力を充実するための一つの方法というふうに先ほど説明がありましたけれども、観光地帯、その地帯でいわゆるいろんな税目があるだろうけれども、国税関係であがる税金は一体どのくらいになるのか、それに比して地方自治体にカムバックしてくる、それが一体どのくらいなのか、そんなところの比率わかりますか。
#49
○政府委員(鎌田要人君) 温泉所在市町村だけを取り出しましてそういうものをつくりました資料はちょっとここにいま手持ちございません。
#50
○原田立君 それ、調べてもらって資料として出してもらいたいと思います。それに関連してひとつ申し上げるんですけれども、宮城県塩釜市のことが新聞に出ているんですけれども、ここに石油基地が、非常に大きい基地がある。ここのところは非常に、東北随一の規模を誇る一本松石油基地、ここでこの三年間で約三百億にのぼる国税が徴収されている。県のほうでは地方道路譲与税として約四十四億円が徴収されている。それに対して市町村に入っていくのは、固定資産税など一切含めて年間三千万程度である。これが全体の収入と、入ってくる割合ですね。そうして今度はそこの消防力は一体どうなっているかというと、消防機械力はポンプ車五台、タンク車一台、化学消防車三台、老朽消防艇が一艇だけ、国の定める基準定員である百八十六人にはほど遠い現在百二十人である。こういう実態なんですね。そして町の人たちが、とにかく東北随一の石油基地、あるいはLPG等の大きな基地でありますから、火災関係については非常に不安を感じている。ある過激な人たちの意見なんかを言うと、もう国の、いわゆる市町村ですね、そこから独立して塩釜王国というのをつくりたい、税金はどんどんどんどん吸い上げられるけれども、結局自分たち地元のものはいつもいつも不安にかられている、こういう状態は非常に不合理ではないか、こういう多くの人の意見があります。結局税配分の矛盾というか、そういうのが実態だろうと思うのですけれども、そこら辺のところを、いま私は消防力の充実というところから問題を提起しているわけですけれども、実態を研究なさるお考えがあるのかどうか、あるいはまた研究してあったならば御報告願いたい。
#51
○政府委員(大石八治君) いま消防力の、たとえば温泉地のことで御質問があったわけですけれども、この点は実はものの考え方になるわけでありまして、税制の全体が、結局事業の盛んなところというものから国税というものが入りまして、それをまた再分配して地方に回るというたてまえがありまするわけでありますから、これがなかなか国税を取られた比率でまた地方に還元しろという御主張もないわけではない。われわれは、たとえば大阪の場合には七〇%、大阪市から出す税額の七割は国税である。それでこうだという説明も聞きますけれども、それだから大阪王国をつくりたいというお話もあるわけですけれども、それはいまの税制というものはそういう形になっているという点で、そこだけを指摘されてやっていただくというふうになると非常にむずかしくなってしまうのではないかと思います。ただ、消防等の問題につきましては、コンビナート等の問題は、これは別でありまして、必ずしも、いわゆる公共機関の消防力でこれだけができるというふうにはでき切れないわけでありますので、そういう地帯では、いわゆる企業体自体も消防力を持ってもらうという形で、実は共同作戦のようなことを協定を結んでやっていただいていると思います。ただ、いわゆる海上の消防艇等につきましては、これはどうしても持たなければならぬということで、補助率二分の一だったか、この補助率は特別なたしか補助率で補助いたしまして、いわゆる海上からの消火作業に当たらせるというようなことをやっておるわけで、これは計画的に消防艇の配備というものをそういう石油基地等にはしようというふうにしているわけであります。
#52
○原田立君 次官、いま二分の一と言ったけれども、三分の一です。
#53
○政府委員(大石八治君) そうですか、三分の一ですか。
#54
○原田立君 しかも三分の一で二十トン以上。実際に塩釜にあるのは五・七トンです。対象にならぬです。それで、私、入湯税のところから入っておりますから、あまり深追いはしませんけれども、要するに消防力の充実という面でやっぱり前向きの何らかの処置を講じなきゃいけないと思うんですよ。交付税で見ているのはそれは十分承知しております。そしてそれをそのとおりにあまりやってないということが事実なのも承知しております。だけど、そんなことを言っちゃいられないでしょう。災害はいつやってくるかわかりませんし、関東大震災が七十年周期に来ればもうあぶないというようなこともいわれている世の中なんですから、消防力充実という面ではもっと強力な面での施策が必要なんじゃないかと思うんです。検討してあったら言ってもらいたいと思うんです。先ほどちょっと言いました、口が悪い言い方でたいへん恐縮ですけれども、入湯税のかすりで消防力を充実するということだけでは、この大きな問題の処理はし切れないんじゃないか、かように心配しながらお伺いするわけなんですが、いかがでしょう。
#55
○政府委員(大石八治君) 消防力の強化ということはもう非常に大事なことであるということは御指摘のとおりで、自治省としてもこの点はさらにそのための努力を続けたいと思います。
#56
○原田立君 努力だけじゃなしに、検討しているものがあるのかないのかということが前段にあるんですよ。検討しているのかどうかということ、いま具体的に自治省として消防力充実という面で。
#57
○政府委員(大石八治君) それは補助制度というものをいまやっておりまして、それをさらに強化していくということになる。なお科学消防といいますか、そういう危険材的なものがだんだんできておりますから、そのことに対してさらに前進をしなきゃいかぬ。今度の制度の中で実はそういう意味も含めまして、府県にいわゆる消火剤の備蓄をさせるというような制度等をことし新しくつくったわけでございますけれども、さらにこれらの面についても続けて努力いたすつもりであります。
#58
○国務大臣(秋田大助君) まあ突然のことでございますけれども、消防力の充実につきましては、従来どちらかと申しますとマクロ的に、全体的に日本全体の消防力ということを見ておったと思います。で、基準等の改定等も考えておりますが、今後はやはり何と申しますか、ミクロ的に重要な地点、地震等の多発するおそれのあるところ、それから石油コンビナート、それから旅館、遊覧地、それから下りまして、まあこれもより大事でありますが、常備力のないところ、広域化を進めるところ、こういう点をやはり重点的にむしろミクロ的に、部分的に考えまして、各地区につきまして年次計画を立てる。東京の地震ということがいろいろいわれておりますが、関東南部の地震、これは十年近くで危険時期に入ってくるということもいわれておりますから、これは私の個人的考えでありますが、前期五ヵ年、後期五ヵ年というような計画を立てまして、前期五ヵ年に大体の防災をやっておく、そしてさらに後期五ヵ年で補修、補完をするというような考え方で、マクロ的なものをまたミクロ的なものに割りまして、そして具体的な計画に即して考える、そして消防力の充実強化の時代的必要性を財政当局によく説きまして、消防力の充実強化をはかってみたらどうだろうかというような点を考えまして、消防庁事務当局もそういうような考え方でひとつ具体的計画を立ててみる、しかも年次的なものを立ててみたらどうだろうかというようなことを話し合い、指示をいたしたような内部事情でございます。
#59
○山本伊三郎君 局長にひとつお答え願いたいんですが、地方税の問題について。
 昨年度と本年度の地方税の収入状況を見ますと、府県税とそれから市町村税が位置を変えておる。昨年は、これはもうすでに御承知のように道府県税は二一%の伸びですね、市町村は一九・九%、本年はこれが逆になっておりますね、市町村税が相当伸びております。これはいい傾向ですが、これは各税種についてどういう特徴が出たんですか。
#60
○政府委員(鎌田要人君) 四十四年から四十五年、四十五年から四十六年の府県税と市町村税の税収の伸びは、いままさに御指摘のとおりでございます。この原因といたしましては、府県税の大宗をなしておりますところの事業税、特に法人事業税の伸びが四十五年から四十六年にかけましては一七%の伸びしか示しておりません。また県民税の法人税割りにおきましても一七・四%の伸びしか示しておらないわけでございます。さらにまた景気の下降を反映いたしまして料理飲食税、消費税あるいは自動車税、さらには軽油引取税、こういった事業税、あるいは法人事業税を補完いたしまするその他の税、こういうものの伸びがいずれも一四%ないし一六%というところでございます。これに対しまして市町村税のほうは、御案内のとおり市町村民税と固定資産税、特に所得割りと固定資産税、この二つが収入の大宗をなしておるわけでございますが、この所得割りの伸びが三二・八%、それから固定資産税でございますが、固定資産税は土地が二八・六%、それから償却資産が二〇%、これに家屋を合わせまして固定資産税全体で二一%、こういった伸びを示しております。結局、景気の上昇、下降、変動に伴いまする税収の影響というものがはっきり出ておる、こういうように私どもは理解しておるところでございます。
#61
○山本伊三郎君 構造的に、ぼくらの主張というのは、市町村税の伸びは府県税の伸びより大きくなるべきだという希望を持っております。いまの財政構造から見て、地方財政が、おっしゃるとおり景気の変動によって府県税が落ち込んだ、それがために市町村税と府県税のいわゆる伸びの率が変わってきたということではぼくら納得できない。しかし現象はそうなっておる。将来そういう点に市町村税、第一線の非常に事業の大きいところ、それに対して何か自治省で府県税と市町村税とのそういう構造上の問題で検討すべき考えがあるかどうか。
#62
○政府委員(鎌田要人君) 府県税と市町村税の構造的な問題は、まさにただいま御指摘になられましたように、府県税の伸びというものが伸長性に富んでおる。市町村税のほうが伸長性において劣る。これは先生も御案内のとおり、現在の地方税制の基本をなしておりますところのシャウプ勧告の考え方、これが市町村を一次的、基礎的な地方自治体ということで、その税目といたしましては住民税と固定資産税、これを二本の柱にする。で、府県は中間的な地方団体だということで事業税を付加価値税に変化をさせまして、この付加価値税あるいは入場税、遊興飲食税、こういったいわば間接税的な税目で構成をする。この考え方というものが基本になりまして、現在の大組み、税制の仕組みになっておるわけでございますが、その結果は、まあ、私ども端的に申しまして、固定資産税というものが特に土地、家屋、その中でも土地が、いろいろの事情がございましてまことに伸長力というものが乏しいものになっておる、これが一つやはり基本的な問題としてあろうか。それからもう一つは、やはり経済の進展ということに伴いまして税収の伸びというものが高いのは、御案内のとおり、法人課税とそれから消費課税でございます。この法人課税なり消費課税なりというものが市町村において占める割合というものがきわめて低い。これがやはり市町村税の伸長度というものをとめておる大きな原因であるというふうに考えるわけでございます。
 したがいまして、当面私どもの内部で検討いたしておりますのは、市町村に対する法人課税のウエートというものを高めるということ、それから、特に現在大きな問題でございますところの道路目的財源、道路目的税源というものを市町村に大幅に強化する、この二つを市町村の税制につきましては特に重点事項として考えてまいるべきではなかろうかというふうに考えております。
#63
○山本伊三郎君 私はもう時間もないから、先ほど来いろいろ論議されておりましたが、地方税と国税の課税最低限の問題、そのほか地方税と国税とのいわゆる基本的な考え方、いまでも自治省では、国税は応能主義、その収入に応じて課税してもらう、それから地方税は応益主義、いわゆる費用分任主義というような考え方、こういう考え方でやはり税制と申しますか、地方税制というものを依然考えていくという基本は変わらないかどうか。
#64
○政府委員(鎌田要人君) 応能、応益の問題でございます。私どもは、やや教科書風の御答弁になって恐縮でございますが、税である以上は、基本はやはり能力に応じて払うというのが基本であろうと思います。ただ、国の場合に比べまして、地方団体の場合にはいわゆる給付行政と申しますか、サービス行政のウエートというものが高い。それだけに、地域住民との応益関係というものに着目をして課税をせられる、そこに負担の根拠というものを求め、その税というものが国税の場合に比べて多く加味をされる、こういうことであろうと思うわけでございます。事業税しかり、住民税しかり、固定資産税しかりということであろうと思うわけでございます。
 ただ、応益課税ということは、やはり地方税を国税に対して特徴づけるきわめて大きな特質であろうと思うわけでございますが、この一面におきまして、いわゆる応能原則に立ちますところの特に法人所得課税というものを今後やはり地方税に多く加えてまいりませんというと、どうしても時代の要求に応ずる財政需要の伸びというものに対応できる税というものがない。こういうことで、先ほど御答弁申し上げましたような法人課税、それから道路目的税源というものを特に市町村に付与してまいりたいというふうに考えておるのは、そういう考え方でございます。
#65
○山本伊三郎君 それならいつも課税最低限は問題になるのですね。先ほど答弁を聞いていますと、課税最低限はいわゆる上げていくという答弁は聞いたけれども、国税における課税最低限は応能主義を主体にした考え方が出ておる。地方税の場合は応益主義を考えて課税最低限が、いままで歴史的にいってもそうなっているのですね。それなら上げるのじゃなしに、国税における課税最低限と地方税の課税最低限は――これは住民税ですね、一致さすという考え方を持っておるのかどうか。上げるということはいつも聞くのだけれども、かりにこれを一致さすという思想に立てば、これはすべて応能主義で考えていくという思想に立つと思う。それがいつも予算委員会でもこの地方行政委員会でも、それは論議の焦点です。上げるけれども、上げる場合は国税のほうが先に上がってしまって格差というものが縮まらない。そういうところを聞いておるのです。上げるとか上げないというのじゃなしに、応能主義で住民税を考えていくのかどうか。これが一つのキーポイントだ。その点の考え方を。
#66
○政府委員(鎌田要人君) 住民税の、特にいわゆる均等割りは一応別にいたしまして、所得割りの場合でございますというと、いわゆる能力に応じて税負担というものを求めるという考え方、そういった意味におきまする応能主義というものは、所得割りの場合にもそれは全然別だと、こういうわけにはまいらないだろうと思います。ただ国税の場合におきまする応能主義の考え方というものの基礎には、いつも申し上げておることでございますが、日本国全体というものを対象にして、所得の高い者からは多く取り、低い者からは少なく取る。それで所得の再分配というものを行なう、こういう所得税特有の機能というものがある。ところが、住民税所得割りの場合でございますというと、その地域社会の経営に必要な税負担というものを住民に求めてまいる。所得再分配の機能というものが全然ないということは言えないと思いますけれども、国税のような形での所得再分配機能というものは所得割りにおいては予想すべきものではない、こういうふうにわれわれは理解をいたしておるわけでございます。したがいまして、所得税と課税最低限を一致させるということは、少なくとも私ども現在の住民税所得割りというものの制度あるいは考え方というものを前提にする場合には、一致させるということは考えておりません。ただ一致させないということは、イコールどんなところからでも取ってもいいということではないわけでございまして、住民税は住民税としての独特の論理に基づいて課税最低限というものを考えてしかるべきではないだろうか。所得税が幾らだからそれとの対比ということではなくて、住民税自体のあり方として課税最低限というものを考えてまいるべきではないだろうかというのが私どもの考え方でございます。
#67
○山本伊三郎君 それが地方税における今後の一つの大きな課題として、問題があると思うのです。いままでのずっと地方自治のあり方から言えば、地方自治体がその地域住民の要求においていろいろの施設をする。それに対しての費用分任の主義でおのおの課税をする。それはあなたのいまおっしゃったとおり、そのとおり。しかし、ちょっといまの社会から見て、甲村と乙村の間にそういう公共施設の差があっていいというような考え方に立ってこないようになったのですね。国民全体自体が。したがって、地方自治の立場から言ったら、あなたの言ったことは一本の線が通っていると思います。私どももそうだと思う。しかし今日、そういう社会情勢になっておらない限り、道路行政にいたしましても、また文化施設にいたしましても、わしのほうは税金を納められないので文化施設は要らないんだという住民の考え方はないわけです。特に交通が非常に便利になったと言いますか、モータリゼーションの時代になって、道路が開発された。したがってそういう場合に、いままでどおりの、そういういま言われたような、私は課税最低限の問題だけ取り上げたが、地方税と国税との間の考え方の相違についていままでどおりの考え方でいいのかどうかということを、私自身も疑問を持ってきているわけです。そういう点において、たとえば個人割りにいたしましても、これは実際のところそういうものは必要でないんではないかという説もあるんですよ。学者の説もある。そういう点について自治省は、いまあなたが言われたけれども、大臣は基本的にここではっきり言えないでしょうが、今後の傾向というものをどう見られておるか。現在の法制から言い、いまの実情から言えば、ある程度税務局長鎌田さんの言われたとおりだと思うが、今後の傾向としては、どういう考え方で進んでいけば地方税法の一つのあり方というものがあるかということをひとつ考えていただきたい。
#68
○政府委員(鎌田要人君) 先生のおっしゃろうとすることを先取りするようなあるいはお答えになるかもしれませんが、私は逆に、今度はいまよく一部に言われておりますところの所得割りをそれでは所得税の付加税にする、こういう一つの極端な場合というものを前提に置いて、逆に地方税の将来のあり方というものを考えてみるとどういうことになるんだろうかという発想をとってみたわけであります。おそらくこの住民税を所得税の付加税にするということになりますというと、先ほども原田先生の御質問に若干関連して申し上げたわけでございますけれども、おそらく大多数の町村におきましては、住民税というものを納める人というものは数えるほどしかない。そういう中で地方自治体というものが一体地方自治というものを守っていけるものであろうか。やはり地方自治体というもの、あるいは地方自治というものは、この前も申し上げたことでございますが、使う自由さえあれば、金さえどこからか出てくればいい、それがひもつきでなくて自由に使えればいい、こういうものであれば財政面における地方自治というものが保てるんだ、こういう考え方がとられていいものであろうか。やはり他方において、もちろん地域社会というものがこれは今日の経済制度のもとにおきましては不均等な発展を遂げておることは事実でございますけれども、その中でやはりみずからの税として、取るものは極力取る。足らざるところは、先ほど御指摘になられましたようなナショナル・ミニマムというものを維持するという機能といたしましては交付税というものがあるわけでございますが、やはりみずからの努力で取る税というものが基本になって、それを補完するものが交付税であり、あるいはその他の国の支出金であり、あるいは起債である、こういう考え方というものは、いつの時代においても、やはり地方自治というものに価値を求めて一国の政治というものを行なっていく以上は必要なものではないだろうか。特に住民税というものは、そういう中で基本的なやはり住民が地方自治に参加をしていく、こういうことと裏腹において、独立税として置かれておくべきものではないだろうかというふうに考えるわけであります。よくそういうことを言いますというと、きわめて保守的である、きわめて頑迷固陋であるという意見があるわけでございますが、私どもはやはり地方自治というものに一つの価値というものを認めて国政が運営される以上は、そのことが基本ではないだろうかという感じを持っておるわけでございます。
#69
○山本伊三郎君 ぼくは住民税を戦前のような国税の付加税制度にするというようなことは考えておらない。それは逆行ですから。やはり地方自治体は独立した団体ですから、国税の上がり下がりによって、それによっていただいていくというような考え方は、これは時代的に逆行だと思います。そういうことは考えておらない。しかし、いまの地方税制を見ましても、地方自治体は独立しておるけれども、ある範囲内において取られてしまっておるでしょう。私が言うのは、住民税の中にも法人割りがありますね、これはちゃんと法律で押えられてしまっていますね。もちろん最高がありますけれども、制限税率はありますけれども、ほとんど押えられてしまっておる。しかし、それは地域性がないのですね。もしそう言われるならば、私は逆にそういうものを質問しておったのですけれども、大都会よりは法人割りというものをもう少し有利に直していいじゃないかということを私は主張しておる。これは地方制度調査会で言いましたけれども、そういうことで、課税最低限は、あなたの言われるように、応益主義と応能主義の考え方は一つの限界を持つということはこれは私は悪いとは言わないのです。言わないけれども、地方財政全般から見ると非常に私は矛盾があると思います。費用分任主義でいくならそれで徹してもいいと思うのですよ。それならそれで徹してくださいよ。しかしそうでもない。そこに一つの大きな問題があって、いつも国会では政府の答弁を聞いておっても、結局そういう一時のがれのことを言っておるわけです。課税最低限の問題はいつも私聞いております。そういうことで、もしほんとうに地方自治体に対する財源を自由にやろうとするならば――法人割りを地域によって変えるように――これは大きな問題です。
 それからもう一つここで言うておきますが、府県税とそれから市町村税、地方自治体の財政需要の対象となる事業の実態ですね、これから見ると、町村は一応基礎的地方公共団体として住民に直結した仕事をやっておりますね。府県の場合は中間団体として国の機関委任の事務も多いのでございますから、そういう場合も私は税制上から再検討する必要があると思うのです。いまの府県税と市町村民税との間、それがうまくいかないために地方では非常に財政的に地方公共団体の間で問題がある。私は深く言わないけれども、今度実はつけようと思っております附帯決議も、特に大都市の間で問題になっておりますね。そういう問題について自治省はもう少し積極的にやるべきじゃないかと思っておりますけれども、私はおのおのの地方公共団体は地方公共団体の使命を持ち、そこにどれだけの金が要るかということを十分見比べた上での税制というものがあるべきだと思う。また地方自治と言って、課税権は地方自治体にあると言いますけれども、それは地方税法の範囲内の問題でしょう。課税権自体はそんなに自由にないのです。範囲の問題であって、ほんのわずかの間で課税の権限がありますよ。ほとんど国で、国会できめた地方税法によってきめるのですから、ほんとうの地方自治から言っても問題がある。しかし私はいまの統治権の実態からいって、そこまで主張しないのですけれども、そこはもう少し考えるべきだと思うのですが、非常に、ちょっと抽象的ですが、こういう点について大臣はどう思われるのか、ちょっと大臣にお伺いしておきたいと思います。
#70
○国務大臣(秋田大助君) 地方税法の基本にわたる、またいろいろ地方税の根幹に関する問題でございまして、ありていに申しまして私のようなしろうとの手に負えない問題でございますが、一応私の感じを申し上げたいと思います。
 もちろん、大都市並びにその他の町村、市町村の関係、また府県と市町村との関係、これらにつきましては、先ほど来御論議がありましたように、また税務局長からお答えがありましたとおり、大都市もいろいろ考えていかなければならぬ。また府県と対比いたしまして、市町村の点につきましていろいろ考えていかなければならない。しこうしてそれらについて一体どういう配分をしたらいいかというようなことにつきましては、これもやはり科学的に総合的に検討をする必要があろうと思います。これらにつきましてはばくとしているようでございますが、長期ビジョン等の作業をさらに精密にいたすことによりまして、これらの点に対する一つの回答を得てくるのではないかというような考えをいたしております。
 それから国税と地方住民税との課税最低限、私はこれはまた鎌田君からもお答えがあり、またそれにつき、山本先生もお認め願いましたとおり、地方住民税としては応益主義的理論に立っておる。したがって所得税の課税最低限と住民税の課税最低限は、これは理論的に一致させる必要はないと考えております。しかしながら現実に、さりとてそれじゃ全然両者の関係を考えず、住民税の課税最低限は地方の必要性によって取れればいいのだからといって両者の関係を考えないかと申しますれば、やはり地方住民の方々の負担の軽減、ことに低額所得者の負担の軽減は、これは常識上からも考慮すべきことでありまして、そこにやはり応能主義というものが全然ない、考慮の底にない、こういうことは言い切れないのではないかと思います。そこで理論的には応益主義ではいくけれども、できるならば住民負担の軽きに越したことはございませんから、これはことばのあやから申しましても、また現にできるならば、住民税の負担は所得税よりも少ない、課税最低限はさらにさらに上がっておるということが私は自治省として望ましいことである。要するにしかしそれは地方行財政の状況によるのでございましていろいろの努力によりまして地方の行政水準、地方の責任分野の社会資本の充実と相まちまして、これらの推移によって実際上決定されてくるものである。したがって、われわれとしては当面社会資本の充実強化をはかりつつ、できるだけ住民税の課税最低限の引き上げに努力をしていく。それじゃこれを一致させるのかどうするかということは、ここでまだ過渡的には申し上げられませんし、理論的にはそれは別だということになりますが、できるだけ負担軽減をはかりまして、できるならば所得税と一致する課税最低限をする場合のときが来るかもわかりません。それはしかしながら理論的に一致させるという観点からくるわけでなくて、われわれの努力によりましてそういう状態ができることが理想である、またすべきである、そういうものに向かって努力すべきである、こういうふうな感想を持っておる次第でございます。
#71
○山本伊三郎君 それじゃ一つだけ。いまの問題は論議すれば長くなります。応能主義または応益主義、いわゆる課税最低限、免税という、生活上必要でこれがぎりぎりの線というものは絶対に課税してはいけないという課税原理がありますね。それらの考えを除いた後の応能主義あるいは応益主義ということですね。それが基準をどこに引くかということが一番問題です。いま大臣言われましたが、これは論議はまた別の機会にいたしましょう。
 私は、具体的な問題で税制の問題になりますが、実は率直に言いますが、四十六年度の地方公務員のベースアップがあると思います、物価がだいぶ上がっていますから。それの財源措置は幾らにしておりますか。地方公務員全体について幾らにしておりますか。パーセンテージをおっしゃってください。
#72
○説明員(横手正君) 四十六年度における給与改定が行なわれる場合の所要財源措置でございますが、御承知のように、国のほうでは予算上五月から五%引き上げに要する経費が七百六十八億円、これを給与改善費として計上されております。そのほかに予備費におきまして、昨年より三百億円ふやしまして千四百億円計上されておるわけでございます。こうした国の措置に準じまして、地方財政計画上におきまして、給与費におきまして国と同様五%相当の一般財源を一千十九億円、それから一般行政経費におきましては、災害その他の年度内の追加財政需要額に備えまして八百億円を計上しておる次第でございます。なおこれを受けまして、地方交付税の配分にあたりましては昨年と同様の措置を講じてまいらなければならないのでございます。昨年と同様と申しますのは、五月から八%程度実施した場合に必要な額、これが千六百七十億円になりますが、この千六百七十億円を交付税の積算にあたりましてそれぞれの費目の給与費に応じて算入する、こういう措置を講じておるわけでございます。
#73
○山本伊三郎君 そうすると、地方公務員の場合は、五月からにせよ八%という推定で千六百七十億円を地方財政計画上、これは地方交付税で見ておるというわけじゃないんでしょうね。
#74
○説明員(横手正君) 地方財政計画におきましては五%分一千十九億円、それから一般行政経費で八百億円ございますので、実は千八百十九億円でございます。これは給与改善関係のほか災害等こうした年度内の追加財政需要も含めております。普通交付税のほうにおきましては、千八百十九億円のうち千六百七十億円を一応配分する、こういうような算定方法を講じておるわけでございます。
#75
○山本伊三郎君 それじゃ、五月から八%にする予定だが、これ以上上がれば本年度もまた追加補正ということにならざるを得ないということは認めておられますね。
#76
○説明員(横手正君) 四十六年度の給与改定率、これはいまの段階では予測しがたいわけでございますが、給与改定率がきまりました段階で、所要額につきましては適切な措置を講じてまいりたい、かように考えております。
#77
○山本伊三郎君 大臣、その点ひとつあなたから。いま課長言われましたけれども、そのとおりのことを言ってもらったら一応いいです。ほかのことは要らない。
#78
○国務大臣(秋田大助君) 不足がございました場合、まあ過はないでしょうが、不足がございました場合、前例により適切な措置をとります。
#79
○和田静夫君 だいぶ時間がないようで、ちょっと聞きますが、税務局長午後あいておりますか。前段の部分は予算委員会に譲ります。一、二だけここで聞いておきたいと思います。
 国民健康保険税について一つ伺いますが、いままでの説明によりますと、国民健康保険税ないし料率ですね、納付義務者数、これは約一千百九十八万世帯、うち保険税の対象が七百八十万世帯、昭和四十五年度の見込みで五万円の頭打ちの者が約三十三万七千世帯、今回五万円を八万円に引き上げることによって頭打ち世帯の三分の二くらいが減るだろう、こういうことだったと思いますね。四十四年度の国民健康保険税に関する資料の二四ページ、これによりますと、現在保険料では賦課限度を五万円以上ときめていますが、頭打ちになっているものも相当ある反面、税、料を通じて賦課限度を五万円以下としながら頭打ちのものが少ないという状況が第六表に示されていますね。そうすると、この賦課限度を三万円、四万円未満としなくてはならなかった事情、そういう町村の医療水準、一般会計の負担というものについて御説明を願いたいと思います。
#80
○政府委員(鎌田要人君) 先ほど御説明申し上げましたように、現在課税限度額で課税されております納税義務者の数、これは三十三万人ございます。その課税限度額をこえております額が百四十四億でございまして、納税義務者全体の中で四・三%、また税額の中で一〇・七%のものが頭打ちのために限度額未満の納税義務者に負担が転嫁されておるわけでございます。かなりの高い部分になっておるというふうに考えられるわけでございます。そこで、この所得階級別に療養諸費の保険者負担額というものを算定をしてみました。横軸に所得階級をとりまして、縦軸に療養諸費の保険者負担額をとったわけでごございますが、そうしますというと、大体の療養諸費におきまして八万円、正確には七万六千円のところで大体療養諸費というものがフラットになるといいますか、頭打ちに至るわけでございまして、それがまた、たまたま健康保険の被保険者負担なりあるいは事業主負担の最高額の額とも、大体ほぼ八万円というところで一致する、こういうことで、まあ八万円というものに課税限度額を引き上げたわけでございます。これによりまして、大体納税義務者数におきまして、四・三%が一・五%程度に下がるということで八万円にしたということでございます。それから一般会計からの繰り入れでございますが、昭和四十四年度の決算でございますが、一般会計からの繰り入れが全町村で百十七億という額に相なっております。
#81
○和田静夫君 同じ資料の二六ページを見ますと、繰り入れ金状況調べ、そうすると課税総額を百分の六十五までとらないための繰り入れ金三十六億円ありますね。これは百分の六十五までとると住民の税負担が重くなるからですか。
#82
○政府委員(鎌田要人君) そういうことであろうと思います。
#83
○和田静夫君 そうすると、同じ欄の(ヘ)に保険税の収入状況が著しく悪いためという十八町村があって、そして金額が八千八十万、こうありますね。これは二、三事情を調べたことがおありになるのですか。
#84
○政府委員(鎌田要人君) 調べたことがないようでございます。
#85
○和田静夫君 同じ資料の4、このその他のものの中の(イ)、納税表彰費等として八十六市町村、九千二百五十万というのがありますが、少し額が多いように思うのです。これは内容を少し詳細に説明願いたいのでありますが、いまできますか。
#86
○政府委員(鎌田要人君) ちょっと調査をいたしました者がここに参っておりませんので、後刻報告させていただきたいと思います。
#87
○和田静夫君 これは少し克明にあれして数えてください。それで、国民健康保険の事務費の補助不足分二十四億円、自治省は改善についてどのような措置をとってこられましたか。この程度で超過負担の解消がはかられたと思っているわけですか。
#88
○政府委員(鎌田要人君) 後ほど財政局から担当者を呼んでお聞きいただきたいと思いますが。
#89
○和田静夫君 それではそうしましょう。これは予算委員会でやるかもしれません。
 入湯税について伺いますが、今回の改正内容、入湯税ですね、今回の改正内容は、入湯税を改正をして標準税率二十円を四十円に引き上げる。入湯税の使途に消防施設の整備に要する費用をつけ加える。そういうものですね。この税率の引き上げによるこれは約二十億円ということですが、自治省はかねてから消防施設税の創設を提唱されていたでしょう、こういうような法律改正に伴って消防施設税のほうはあきらめたと理解していいんですか。私は温泉地のみならず広く消防の常備化を促進するには、その可能性を財政的に担保する普遍的な税源が必要でありましょうし、主として温泉地にかかる入湯税の引き上げをはかって、これと消防施設の整備と対応させるようなことは消防施設税の創設に水をさすものであると思うのですが、これはいかがですか。
#90
○政府委員(鎌田要人君) 消防施設税の創設に今度の措置が水をさすというふうには私どもは理解をいたしておらないわけでありまして、むしろ消防施設税の実現のためにこれが逆に呼び水にならないだろうかという期待も持っておるわけでございます。実は消防施設税を提唱いたしましたのは、私、市町村税課長のときでございまして、御案内のとおり損害保険会社というものの損害率というものが年々低下してまいりまして、年々低下してまいりましたことは、やはり国民各位の防火思想の徹底、あるいはそういう生活態度というものとあわせまして、やはり市町村の消防施設というものが充実してきておる、これの効果というものもあるわけでございますので、損害保険料を引き下げる場合に、その中の何がしかのものを消防施設税として創設をしたいということで、再度にわたりまして案をまとめたわけでございますが、まず、政府部内において強い反対がございました。反対の理由といたしましては、その当時損保に加入しておりますものは全国民のたしか三割弱だったと思います。消防施設の充実によって利益を受けるのは全住民ではないか、全住民が利益を受けるものを国民の二割ないし三割のものに負担をさせるということはおかしいじゃないかというのが第一の理由。それから第二の理由といたしましては、損害保険料率が下がる、損害率というものが下がるならば、むしろ損害保険料率を下げるほうに回すべきであって、消防施設税に回すということについては前の理由からして承知できないというのがその一つの意見でございました。おそらく今日消防施設税というものを創設をするということになりますというと、同じ意見が出てまいると思います。私どもといたしましては、消防施設税というものの実現というものにつきましてはあきらめておりませんで、引き続いてこれが実現というものに取り組んでまいりたい。その場合にこの入湯税というものがじゃまになるというふうには考えておりませんで、むしろ、温泉地について入湯税の増徴という形で応急の措置をとっておるけれども、そうしますというと、この温泉地所在市町村以外の市町村の消防財源というものがない、明らかに片手落ちになるわけでございますから、そういう意味合いにおきまして普偏的な消防財源というものを創設をするということの必要性がそれだけ強まってまいるというふうに考えておる次第でございます。
#91
○和田静夫君 最後に大臣にお聞きをしますが、前委員会で論議をしたこととの関連ですが、都市計画法は、まず、都市計画区域を設定をして、その区域を市街化区域と市街化調整区域に分けて、すなわち線引きを行なって、そして調整区域では無計画な市街化を押える。その反面、市街化区域では市街化を促進していこうというのが法律の意図するところであると思うのです。こういうような目的に沿って、計画の内容に応じて建築や開発行為等について規制が行なわれていくということを承知していますが、いままで都市計画法による市街化区域の規制は、いわば計画全体と個々の住民との個別関係であったと思うのです。たとえば都市施設の設定を予定されている地域に恒久的な建築物の建設を禁止するという規定の関係を見ますと、それは個々の土地の所有者あるいは利用権者と計画実施主体の個別的な権力関係、規制関係であったと思いますね。ところが、いま私たちが審議しているこの法案のこの市街化農地課税関係法の部分は、市街化農地を耕作している農民に高い税金をかけて農地の手放しを強要する一般的に強制法規ではないかと思われますね。農業以外に生活する方法を知らない農民から、この法律はそういうような農民のお世話をするという保証もなくて、高い税金をとることによって農業をやめさせていく。一般にこの法案の合理性を説明をする際に、銀座のどまん中で農業をやっていたら農業をやる人が悪いのだ、固定資産税が高くなったことを責めるのは当たらないという人がいます。しかし、これは極端な誤った実はたとえ話であって、B農地やらこのC農地というものは、もともとこの銀座と比較することができるものではありません。現に相当多数の人が農業を営んでいるわけです。農業をやめてモーテルでも経営したほうがよいなどとはいえないはずです、これは。そう考えてみますと、市街化を進めるといっても政府としても法の実施にあたっては十分配慮があってしかるべきだと思うのであります。都市計画法は、第七十四条、計画の実施によって職業を失ったりあるいは移転を余儀なくされる人々に対する援助措置について規定しています。「都市計画事業の施行に必要な土地等を提供したため生活の基礎を失うごととなる者は、その受ける補償と相まって実施されることを必要とする場合においては、生活再建のための措置で次の各号に掲げるものの実施のあっせんを施行者に申し出ることができる。一 宅地、開発して農地とすることが適当な土地その他の土地の取得に関すること。二 住宅、店舗その他の建物取得に関すること。」この税法は人の職業の変更や財産のまあ売却など、一般的な強制力をもって強要をしながら、何ら救済規定がありません。税法の性質からそういうものは書けないというのなら、それにかわるものとしてこの際政府の態度というものを明確にしておかなければならないと思うのです、救済問題等について。大臣いかがですか。
#92
○国務大臣(秋田大助君) 市街化区域内で農業をやらせないようにとか、非常に強権的であるとかいう点だと思いますが、これは固定資産税内の課税の公平という点がむしろ主眼にございます。そうして農業をすべき適当なものにつきましては、御承知のように五年ごとの見返しもございますし、相当広い面積がまとまって農地に適するものについては調整区域に入れるという処置もとれますし、また市街地緑地の構想もありますし、そのほかどうしてもこれは農業に適して、急に税を上げないほうがいいというようなものは、自治大臣の計らいで減免の措置を講じていくと、すなわち農地と同じ取り扱いをしていくということができるわけでございます。そこらは配慮がいろいろされております。また宅地に変わるものにつきましては、資金とかあるいは職業を転換される場合のいろいろの措置とか、十分な資金の供給とか、そういう点を配慮いたしてございますので、この際まずとるべき措置は大かた講じた、こう考えておるものでございます。
#93
○原田立君 先ほど消防力のことでお聞きさしておったのですが、その問題は別にして、僻地医療ですね。僻地の医療対策。かねて大臣、いろいろと肝いりして僻地の医療についてはある程度めどができたというような新聞報道等もありますけれども、その実態、ちょっと法案にはあまり関係ないようなことですけれども、御説明願いたい。
#94
○国務大臣(秋田大助君) 僻地対策といたしましては、従来もありますし、今後といえども研究費の助成であるとか、あるいは診療所等の設備について配慮をするとか、それぞれ講じておりますが、いずれもどうも的確な効果をあげておるというふうに至っておりませんので、少し時間がかかりますが、恒久対策といたしまして辺地専門の医師を教育する医科大学の構想を立てました。初めは御承知のとおり専門学校という構想でありまして、いろいろ各方面から御反対もあったわけでありますが、大学に改めました。そこで、都道府県が寄りまして学校法人をつくり、この学校法人によって医科大学をつくる。医科大学でありますから、従来の正規の医科大学と変わりなく、六年の修学年限である。ただし府県の推篤する人からまた選抜試験を行ないまして入学をせしめ、入学金、授業料、学習費その他生活費まで、全寮制度のもとにこの学校法人すなわち都道府県が負担をして御卒業願い、正規の医者の免許を取っていただく。試験に合格してお医者になれば、辺地並びにその都道府県の医療機関において御勤務を願う。その御勤務の義務年限は、修学年限に一・五倍をかけ、六年が普通でございますから九カ年、そしてその九カ年の半分の年限はひとつ辺地及び過疎地域、無医村地帯等で御勤務を願う、こういう構想のもとに、医者の少ない、あるいはいない地域に勤務される医者の教育及び補充に充てたい、こう考えておるのでございまして、来年度昭和四十七年度から開校、建設は四十六年度から三カ年、四十六、四十七、四十八の三カ年で建設をする。建設資金は七十五億円、そのうち十億円は国の負担、六十五億円は都道府県の負担でやる。それに対しましては交付税上の措置をする、こういう構想でございます。
#95
○原田立君 当委員会で私、二回か三回ぐらい申し上げたと思うのでありますけれども、過疎市町村に行きますと、医者がいないために正規の報酬を払っただけでは来ない。そのために、正規の報酬以外に町費あるいは市費等がそこに計上されて非常に多額な給料になっている。それだけのものを出さなければ来ないというのも、それはわからないこともありませんけれども、それが国できめた標準報酬料、それだけでやるわけには現実にいかないわけですよね。だから継ぎ足しをしているわけなんですけれども、そういうような状態はあまりよくないんじゃないか。要するにやみみたいなものでございますから、公式にやみを認めたような形になるということは非常によくない。今回の国民健康保険税の課税限度額の引き上げに非常に関係がある問題だったからちょっと持ち出したのですけれども、いまのお話によりますと、お医者さんができ上がって辺地に行くというのはまだだいぶ先の話のようですが、現実の問題の処理のしかたについて、もっと何らかの手が加えられなければいけないのではないか、こう思うのですけれども、お考えがありましたら、それをお聞きしたい。
#96
○国務大臣(秋田大助君) ただいまも最初申し上げましたが、公立病院における医師の研究費の助成、それから都道府県の中心となる親元病院からの僻地病院への医師の交代派遣、それからその地域の中核病院における巡回診療所、患者輸送車等の整備、それから巡回診療を行なうための経費、こういう点について所要の財政措置を講ずることにいたしまして、僻地の医療の確保をはかってまいりたいと考えておるのでございまして、四十六年度の地方財政計画におきましては、修学資金、医学研究費の貸与として四億円、親元病院からの医師の交代派遣につきまして四億円、僻地中核病院における巡回診療関係において十四億円、病院における医師の研究費の助成につきまして九億円の額を計上しておるのでありまして、これによりまして応急の対策を立ててまいりたい、またそれの実施成績によりましてさらに改善をはかりたいと考えております。
#97
○委員長(若林正武君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#98
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
#99
○藤原房雄君 私は、公明党を代表して、ただいま議題となりました地方税法の一部を改正する法律案に対して反対の討論を行なうものであります。
 まず、反対の第一の理由は、住民税の課税最低限についてであります。今回の改正案によりますと、給与所得者の夫婦子三人世帯における課税最低限は八十六万円となっておりますが、住民は戦後最高といわれる消費者物価の騰貴、生活水準の向上によって、住民税に対する重税感は依然として解消しておりません。総理府の家計調査によると、四十五年度の四人家族においてすら、その生活費は百方をこえると推計されております。このような状況下において、住民税の課税最低限の引き上げ幅があまりにも少なく、すみやかに大幅な引き上げをすべきであります。
 反対の第二の理由は、固定資産税及び都市計画税についてであります。大都市近郊農地や市街化区域内農地の固定資産税の課税を強化しようとするものですが、営農を希望する者に対する配慮が十分にできているとは言えません。また、農業をやめて他に転業しようとする者に対する財政上の援助を十分講じていないし、また、都市近郊農業のあり方、都市整備のビジョンが定まっていない現在、税制上の施策のみ先行するのは一方的な課税強化にすぎません。
 反対理由の第三は、個人事業税についてであります。今回、事業主控除額を三十六万円にしておりますが、事業主控除は、事業主の純粋の勤労部分を課税対象から除くことを目的として設けられているものとしてはあまりにも少額であります。また個人事業税は、所得税などと同様に所得に課税され、二重課税的要素が強いものであります。したがって、個人事業税は、当面諸控除を引き上げ、廃止の方向に持っていくべきであります。
 反対理由の第四は、電気ガス税についてであります。電気ガス税はいまさら申すまでもなく悪税であります。大企業に対する特約料金による低料金また非課税などによる措置が講じられております一方、家庭においては生活必需品であることを考えれば、不公平な大衆課税であることがわかります。それにもかかわらず、わずかの免税点引き上げしかしておりません。電気ガス税の廃止は、国民の強い声にこたえ、即時実施すべきであります。
 反対理由の第五は、大都市財政の充実についてであります。大都市は、いまや道路交通の混雑、公害の多発など、環境の悪化は加速度的に進んでいます。しかるにこれに対処する国の施策は乏しく、大都市の自主財源は必要最小限度の公共施設整備すら見送る状態であります。その意味から、現行の国、地方の税源配分を根本的に再検討し、大都市財政需要にこたえるべきであります。今回の地方税の改正案はこれらにこたえる改正が含まれていないのであります。
 以上、おもな反対理由を述べて地方税法の一部を改正する法律案に対する反対討論といたします。
#100
○委員長(若林正武君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#101
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認めます。
 それでは、これより採決に入ります。
 地方税法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案に賛成の方の挙手を願います。
   〔賛成者挙手〕
#102
○委員長(若林正武君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって可決すべきものと決定いたしました。
#103
○山本伊三郎君 私は、ただいま可決されました地方税法の一部を改正する法律案に対して、自由民主党、日本社会党及び公明党の各派共同による附帯決議案を提出いたします。
 案文を朗読いたします。
   地方税法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)
  政府は、住民負担及び市町村財政の現状等にかんがみ、次の措置を講ずべきである。
 一、住民税負担の軽減を図るため、引き続き課税最低限の引き上げに努めること。
 二、市街化区域内の農地において引き続き営農を希望する者に対する固定資産税及び都市計画税の課税にあたっては、市街化調整区域への編入、施設緑地としての指定等によって農地の確保を図り、農地並みの課税とするよう十分配慮すること。
 三、都市とくに大都市並びにその周辺都市において、都市環境整備のための財政需要が著しく増大している実情にかんがみ、すみやかに国、地方を通ずる税源の配分について再検討を加えるとともに、大都市については特有の事務配分に伴う必要な税制上の措置を講ずること。
 四、狩猟用関係税の税率の引き上げに伴い、鳥獣保護及び狩猟行政の適確な実施を確保するための措置を強化すること。
  右決議する。
 以上でございます。
何とぞ委員各位の御賛成をお願いいたします。
#104
○委員長(若林正武君) ただいま山本君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行ないます。
 本附帯決議案に賛成の諸君の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#105
○委員長(若林正武君) 全会一致と認めます。よって、山本君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 ただいまの決議に対し、秋田自治大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。秋田自治大臣。
#106
○国務大臣(秋田大助君) ただいまいただきました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重いたしまして、その実現に努力いたしてまいりたいと存じております。
#107
○委員長(若林正武君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#108
○委員長(若林正武君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後一時三分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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