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1970/05/21 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第21号
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1970/05/21 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 地方行政委員会 第21号

#1
第065回国会 地方行政委員会 第21号
昭和四十六年五月二十一日(金曜日)
   午前十一時十三分開会
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         若林 正武君
    理 事
                熊谷太三郎君
                増田  盛君
                藤原 房雄君
    委 員
                鍋島 直紹君
                初村滝一郎君
                安田 隆明君
                山崎 竜男君
                竹田 四郎君
                千葉千代世君
                和田 静夫君
                市川 房枝君
   国務大臣
       自 治 大 臣  秋田 大助君
   政府委員
       内閣法制次長   吉國 一郎君
       内閣法制局第三
       部長       荒井  勇君
       自治政務次官   大石 八治君
       自治大臣官房長  岸   昌君
       自治省行政局長  宮澤  弘君
       自治省行政局公
       務員部長     山本  明君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        鈴木  武君
   説明員
       自治省行政局行
       政課長      遠藤 文夫君
       自治省行政局振
       興課長      本江 滋二君
       自治省行政局選
       挙部選挙課長   土屋 佳照君
       自治省財政局財
       政課長      森岡  敞君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○地方自治法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(若林正武君) ただいまから地方行政委員会を開会いたします。
 地方自治法の一部を改正する法律案を議題とし、前回に引き続き質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#3
○千葉千代世君 この法案を審議するにあたりまして、広域市町村圏に対し、どのような財政措置が講じられておるか、そういう点についてお尋ねいたします。
#4
○政府委員(宮澤弘君) この法案は、千葉委員御承知のように、単に広域市町村圏に活用を期待されるばかりでなく、そのほかにもいろいろ活用さいることを私ども期待をいたしておるわけでござれますけれども、広域市町村圏につきましても、この制度がもしできますならば活用されることを望んでいるわけでございます。そこで、広域市町村圏についてどのような財政措置が行なわれているか、こういう御質問でございます。あるいは詳細なことは、財政の担当の者がただいま参りますので、さらに詳細に御説明をすることができると思うのでございますが、一応私から御説明を申し上げたいと思います。
 広域市町村圏の施策は、御承知のように、地方制度上と申しますか、事務配分の特例をきめているわけではございません。現在の市町村がやります仕事、これを総合的、計画的にやっていこう、場合によりましては、おのおのの市町村がやらないで、それを共同的に処理をしていこう、こういう考え方のものでございますので、特に広域市町村圏の施策を行なうことによりまして、新しい事務が府県から市町村に与えられるとか、あるいは国から市町村に与えられる、こういうことでないことは十分御承知であろうと思うのでございます。で、しかしながら、やはり新しい施策として、生活圏を同じくする地域がなるべく一体的、計画的にできるものは仕事を共同してやっていこう、こういう施策でございますので、国といたしましても応分の協力、援助ということを考えているわけでございます。
 そこで、広域市町村圏に対する財政施策といたしましては、第一番目に、国の補助金と申しますか、助成金に属するものがございます。で、これも分けますと二種類になるわけでございます。広域市町村圏におきましては広域的な計画をつくるということが前提になっております。計画を策定するにあたりましては、関係市町村の方たちが計画をつくるわけでございますけれども、やはりいろいろな方面の意見を聞きましたり、いろいろ事務や事業を分析をいたしまして合理的な計画をつくる必要がございます。そういう点から申しまして、広域市町村圏が計画を策定するにあたりまして、計画策定費の事務の補助金というのを大体一圏域当たり平均百五十万円、国から助成をしております。これが国が助成をしております第一番目のグループに属するものでございます。それから国の助成措置の第二番目でございますが、これは広域市町村圏が計画にのっとりましていろいろ共同的に仕事をするにあたりまして、施設を共同して設置をいたしましたり、事務、事業を共同して行なうわけでございますが、それにあたりまして、国として二年間に二千万円の助成をいたすことにいたしております。二年間に二千万円でございますから、一年間に千万円ずつ二回、こういう考え方でございます。
 以上が、国が直接広域市町村圏に助成をいたします措置でございます。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
 それからその次に、そういう国の直接の補助金ではございませんけれども、地方交付税の運用におきまして、広域市町村樹に財政的な協力をする施策がございます。これは広域市町村圏といたしましては、やはり圏域内の一体性というものを確保することが基本になると思われます。一体性を確保いたしますには、いろいろな施策がございますけれども、やはり道路というようなものが一つの中心になるわけでございますので、広域市町村圏内の市町村の道路費につきまして補正をすることによりまして、これも各地域によりまして出てまいります数字は多少違っておりますけれども、平均的に申しますと大体一圏域当たり約三億円ぐらいの交付税措置がなされているというふうに御理解をいただいてよかろうかと思います。それから地方債につきましては、元来、私どものほうといたしましては、地方公共団体が共同処理をするのにふさわしい仕事はなるべく共同処理をするほうがよかろうということで、これにつきまして地方債について優先的な配慮を加えるという考え方をいたしておるわけでございます。広域市町村圏の共同処理施設なり事業なりにつきましてもそういう措置をいたしてまいりたいと思います。
#5
○千葉千代世君 先ほど一圏域の平均が百五十万とおっしゃいましたですね、それはいわゆる九十五圏域全部に平均するわけですね。それでトータルがかなりの額になりますね。
#6
○政府委員(宮澤弘君) おっしゃいますように、一圏域、事務費の補助は百五十万円でございますから、当初五十五圏域設定をされたわけでございますが、そのときには数千万円の補助金でございましたし、それから二年目は七十三圏域でございましたかでございましたので、一億余の事務費の補助金、こういうことになっているわけでございます。
#7
○千葉千代世君 そうすると、これも昭和四十四年度に設定された五十五圏域の第二年次分と、それから昭和四十五年度に設定された七十三圏域の第一年次分というふうに解釈してよろしいでしょうか。
#8
○政府委員(宮澤弘君) 多少補足をいたしまして詳細に御説明をいたしますと、四十四年から始まったわけでございます。そこで、四十四年度に広域市町村圏として設定をされました圏域につきましては、設定をされますと、先ほど申しましたように、計画をつくらなければなりません。四十四年度に各圏域について平均百五十万円の事務費の補助をいたしているわけでございます。これは計画策定費の補助でございますから、単年度でございます。計画は単年度でできることを予想いたしております。それから四十五年度の七十三圏域につきましては、四十五年度に平均百五十万円ずつ事務費の補助をいたしている、こういうことでございます。それから、先ほど申しました一千万円を二年間と申しますのは、事業費の補助でございます。これは四十四年度の設定圏域について申しますと、四十四年度に圏域が設定をされまして計画ができます。その計画を策定するにあたりまして、百五十万円の補助を出すわけでございます。その計画に基づきまして四十五年度からいろいろ仕事に入っていくわけでございます。そこで、四十五、四十六と両年度にわたりまして平均千万円ずつ国が助成いたしている、こういうことになっております。
#9
○千葉千代世君 先ほど御答弁の中に、地方交付税の問題に触れられて、道路とか橋梁とかに触れられたのですが、そのほかに圏域内の市町村について何か特別措置として、甲地とか乙地とか種地の引き上げなどを考えられておりますか。
#10
○説明員(森岡敞君) 広域市町村圏に対します地方交付税の措置につきましては、先ほど行政局長からお答え申し上げましたように、一圏域三億円ということで、四十六年度ではトータル三百五十八億円の見込みでございますが、道路、市町村道の整備を中心といたしまして算入をいたしておりますほかに、土地開発基金を圏域内の市町村全部について算入することに、四十六年度から措置をすることにいたしております。この点が四十六年度新たに加えた財政措置の一つであります。それから、御指摘になりました交付税算定上に用います種地の点でございますが、圏域内の市とそれから中核町村はすべて甲の一種地ということに格づけをすることにいたしました。これが交付税上の措置の主要なものでございます。
#11
○千葉千代世君 そうしますと、その甲地とか乙地というと、団体はどのくらいの数になっておりますか、いまの特別措置の中で。大体でけっこうです。
#12
○説明員(森岡敞君) 広域市町村圏の百二十八圏域、すなわち四十四年度五十五圏域、四十五年度七十二圏域、合わせて百二十八圏域でございますが、その全体の構成市町村は約千二百八市町村であると考えております。その中で市が百七十二ございます。町が七百四十七、村が二百八十九。この市は、先ほど申しましたように、全部甲の一種地に格づけをいたしました。それから町村のうちで中核町村、この数字をちょっと私いま記憶ございませんが、おそらく一つか二つであろうと思いますが、甲の一種地に格づけされている、こういう状況でございます。
#13
○千葉千代世君 というのは、この種地の引き上げを行なって諸費の算定の充実をはかっているというようなことがありましたので、種地はいまお述べになった百二十八というのでしょうけれども、これは一つの表を見たのですが、甲地が六十六団体、乙地が五十三団体というのとは違いますか。百十九ではございませんか。どういうふうになっていますか。
#14
○説明員(森岡敞君) 甲の一種地に格づけされておりますものは、先ほどちょっと数字を申し上げましたのは正確ではございませんでしたが、約百四十ぐらいの市町村が甲の一種地に格づけされている、こういうふうに考えております。
#15
○千葉千代世君 すると、いまおっしゃったのは、今度の種地の引き上げとその前を合わせての数字でございますか。私が伺っているのは、交付税、それから補助金その他のほかに、圏域市町村については特例措置として種地の引き上げを行なう。そうして諸費の算定の充実をはかっていく。そうすると、種地の引き上げをはかった団体は甲と乙でどのくらいでしょうかということです。
#16
○説明員(森岡敞君) 種地の決定をいたします場合には、一般的には甲の一種地に格づけされますものは、人口集中地区人口が幾らであるか、それから就業者の経済構造と申しますか、一次産業、二次産業、三次産業の比率が幾らであるか、そういうふうな要素をとらえてまいりまして、点数をつけまして、三百五十点以上になるものを、これは広域市町村圏に該当するしないにかかわらず、すべて甲の一種地と、こういうふうに考えているわけでございます。ところで、広域市町村圏の中核市町村、あるいは広域市町村圏内の市で三百五十点に満たないものがございます。それを、三百五十点に満たない場合でも、広域市町村圏に対する財政措置の一環といたしまして甲の一種地に引き上げる格づけをしたということがこの財政措置の内容になっているわけでございます。そういう形で引き上げたものが約百四十というふうに申し上げたわけでございます。
#17
○千葉千代世君 そういういまおっしゃった形で引き上げた数が、私の調べましたのでは六十六しかないのですけれども。
#18
○説明員(森岡敞君) 広域市町村圏内の市とそれから中核町村、これはすべて、最初に申しましたように甲の一種地にしているわけでございまして、甲地で何市、乙地で何市という形には四十六年度はならないで、すべて甲の一種地になるということでございます。ですから、あるいは、恐縮でございますが、お手元の資料が少し前の資料ではないかというふうに考えます。
#19
○千葉千代世君 わかりました。
 それで、この資料をもとにして、四十六年度では検討中だという内容になっておりますから、四十六年度があなたのおっしゃったいまの数ですか。そうすると、甲の六十六、乙が五十三、その上に加えられた数がいまの数字と、そういうふうに解釈してよろしいでしょうか。
#20
○説明員(森岡敞君) そうでございます。御指摘のとおりでございます。
#21
○千葉千代世君 そうですか。わかりました。
 それから地方債ですけれども、地方債については一体どのように処置していらっしゃいますか。
#22
○説明員(森岡敞君) 地方債につきましては、これも先ほど行政局長から御答弁がございましたように、優先的な配分をするという基本的な姿勢でおるわけでございますが、道路あるいは厚生福祉、清掃、病院その他各種の事業につきまして、一般単独事業債の中で約七十億円程度広域市町村圏分として予定いたしました。それを中心にして充当いたしております。なおそのほかに、一般単独事業債以外で、下水道あるいは清掃その他各種の地方債のワクがございますので、そのワクの配分にあたりましても、広域財政の整備という方向にかなうような配分を優先的に考えていくという、こういうことにしているわけでございます。
#23
○千葉千代世君 いまお答えになったように、四十六年度で甲地に全市が引き上げられていく。そしてその反面、圏域外では交付税が減額されるような心配はありませんか。
#24
○説明員(森岡敞君) 交付税の計算の場合には、これは御承知のように地方交付税ないしは地方税、いわゆる一般財源の増加額を基準財政需要額の増加に充てていくわけでございます。したがいまして、広域市町村に重点を置いて基準財政需要額を増加していくということでございますので、まあ既定の財源といいますか、食い込むと、そういうことは毛頭あり得ないわけでございます。
#25
○千葉千代世君 そうすると、特別に減額されるような心配はないということですね。既定財源に食い込んでいくということは、やはり相対的に考えれば減っていくということに解釈してよろしいでしょうか。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
#26
○説明員(森岡敞君) いま申し上げましたように、増加一般財源を、どういう方向に重点を置いて交付税の基準財政需要額を増額していくかということでございます。その重点の一つに、広域市町村圏財政の振興整備というものを含めておると、こういうことでございます。まあ算術の計算では、それがなかりせばほかでふえたであろうということももちろんあろうかと思いますけれども、全体的な財源配分といたしましては、私どもは他の市町村にしわが行っているというふうに考えておるわけではございません。
#27
○千葉千代世君 まあいろいろこの法律を見ていった場合に心配になりますのは、いわゆる行財政の再配分を行なっていかない限りは、なかなかこの連合では根本的に地方自治体の行政改革がされていかないのではないかと思いますが、その点いかがでしょうか。
#28
○政府委員(宮澤弘君) これにつきましてはいろいろお考えがあるだろうと思うのでございます。広域市町村圏というものを設定をいたしまして、一体それがどういう仕事をやるかということが行政事務の配分なり財源配分というものにかかわり合いが出てくるわけでございます。そこで、一部におきましては、広域市町村圏を設定をいたしました場合に、その広域市町村圏に現在市町村が処理をしております仕事よりももっと新しい仕事を行なう権能を付与したらどうか、こういう議論があることは事実でございます。つまりそれは、たとえば現在府県が処理をしております仕事を、市町村の広域行政体制もできるならば広域市町村圏にやらしていいではないか、こういう議論でございます。しかし、これは国・地方あるいは府県・市町村という意味合いにおきましては、地方公共団体相互間におきます事務配分全体をどう考えていくかという問題でございまして、今回の法案におきましては、そこまで問題を発展さしてはいないわけでございます。現在のおのおのの市町村が行なうこととされております仕事、それを、場合によりましては市町村が共同してやっていくほうが適切なものがある、そういうものを広域市町村圏という段階で処理をしていこうという考え方が広域市町村圏の考え方でございますし、今回御提案申し上げておりますのは、こういう仕事をする場合の事務処理の仕組みを制度化しようということでございますので、今回の法案あるいはこれまでの広域市町村圏の考え方は、従来の国なり、国と地方との間、あるいは地方公共団体相互間というものの事務配分は変更をしていないわけでございます。ただ、先ほど来財政措置についても御質問があったわけでございますけれども、現在の市町村の仕事を共同して処理する、必要なものは共同して処理するということは時代の要請でもございますので、そういう現在の市町村の仕事を共同して処理するために、処理しやすいように財政措置を講ずる必要があるという考え方でございます。
#29
○千葉千代世君 いま局長さんの答弁を伺っていると、たいへんいい法律のように、スムースに事が運ばれるように伺ったのですが、自治省の方の中でこういうふうなことを伺っていらっしゃる方があるようなんですが、この点どうでしょうか。ちょっと読ましていただきますが、これはある雑誌に載ってたのですけれども、「最近の行政は計画行政ともいわれているように、ひとつの地方団体でも」国と府県の関係で「十重二十重に計画の中に位置づけられているのが通例である。」云々と、こういっている。さらにまた、「昭和四十四年三月二十五日公布にかかる地方自治法の一部を改正する法律により、市町村は、その事務を処理するに当たっては、議会の議決を経て、その地域における総合的かつ計画的な行政の運営を図るため基本構想を定め、これに即して行なうようにしなければならないものとされた」こと、本年五月一日現在で、三千二百七十九市町村中二百九十三市町村において基本構想の策定をみたに過ぎない。さっきちょっとこちらの財政課長さんから述べられておったように思うのですけれども、たいへん少ないですね。現在策定されている市町村計画にも問題点が多く、「策定後日ならずして計画と現実との乖離が余りにも甚だしいため修正の意欲も失ってそのまま放擲されてしまう実例を見聞きしている。」こういうことをおっしゃっている方がいるわけなんです。そうすると、局長さんの言われているのとかなり開きがあるように思いますけれども、これ、局長さんお認めになりますか。
#30
○政府委員(宮澤弘君) ただいまお読み上げになりましたのは、私初めて拝聴をいたしたわけでございますが、ただいま御指摘になりましたのは、この前の地方自治法の改正で、市町村は基本構想を定める、こういうことになっているわけでございます。その地域における総合的計画的な行政の運営をはかるために基本構想を定めるようにしなければならないということでございますが、これは、一市町村の区域内におきまして、各市町村でございますが、一市町村の区域内におきましても総合的、計画的に仕事をする必要性というものは非常に強くなっています。おのおのの仕事を各個ばらばらに処理をするというのでは、これはやはり地方公共団体の一体的な行政運営という点からいって不適当でございます。そこで、おのおのの市町村が、できるならばその市町村の区域内における総合的な計画的な行政運営をはかるために基本構想を定めるほうがよろしいというのが前回の地方自治法の改正でございます。これにつきまして、なかなか、各市町村の基本構想をきめると申しましても、いろいろ議論もあるところでございます。各市町村が逐次この基本構想を定めているわけでございます。しかし今回御提案を申し上げておりますのは、先ほど御質問もございましたけれども、広域的な、数カ市町村の区域にわたる広域的な行政を計画的にやっていこう、そのための仕組みについて御審議をわずらわしているわけでございます。先ほど御指摘になりましたのは、各市町村の基本構想の問題、今回はそういう、各市町村おのおのみな自分の考え方というものがあるわけでございますけれども、同時にやはり数カ市町村にわたりまして、計画的、広域的に仕事をしている、その仕組みを整理するというのが今回御審議を願っております連合の制度でございます。ただいま御指摘になりましたことと、今回の御提案を申し上げておりますことというのは、矛盾するということはございませんし、むしろ各市町村のおのおのの特色なり独自性の上に、しかし同時に、数カ市町村が広域にわたって総合的計画的に仕事をしていくということが必要になってくるだろうと私は思っております。
#31
○千葉千代世君 いま局長の言われるような、広域的にちゃんと計画していくということはわかりましたけれども、その前提条件として、各市町村でやはり基本構想の策定をしていかなければならない。そういう場合に、三千二百七十九市町村のうち二百九十三市町村のみにすぎない、これは昨年の十月現在の様子です。そうすると、その後もっとふえたのかどうかということも伺いたいのですけれども、そういう点。で、局長さんは先ほど述べた私のあれと変わらないとおっしゃったのですけれども、ここに書いてありますのは、非常に問題点が多いということと、意欲を失ってしまうということと、その策定後日ならずして計画と現実との距離があまりにもはなはだしいということが書いてあるわけなんです。ですから、そうするとそれを全部ほっかぶりして、広域的に、計画的にやれるんだという判断をどこでお立てになったかということなんです。
#32
○説明員(本江滋二君) お管えいたします。
 市町村が地方自治法の二条の第五項によりまして、基本構想をつくることを一昨年以来急いでおるわけでございます。ただ、私どものほうの指導方針といたしましても、この基本構想というものが、将来の市町村の行財政運営の基本になるものでございます。したがいまして、急いでつくってもあまりいいものができないということでも困るわけでございますので、基礎的データの収集なりなんなり、将来の大局を定める基本的なものをきめるのだから、慎重に、しかもりっぱなものをつくっていただきたいという基本的な考え方で指導いたしておりまして、したがいまして、先生先ほど御引用になりました、まだそんなに数では多くは、昨年の十月ではできていなかったわけでございますが、当時は各市町村とも計画策定を急いでおる段階でございましたので、その後相当ふえているものと思っております。ただ、その後の調査を私どものほうでいたしておりませんので、数が幾らになりましたということは、現段階ではまだ申し上げるだけの資料が収集できておりません。
 それから、私がちょっと書きましたものにつきまして御指摘があったわけでございますけれども、実はこれは「都市化にゆらぐ市町村行政」ということで、要するに大都市近郊で人口集中が激しいところ、そういうところの市町村行政についてという編集者の依頼でございましたので、そういう非常に激動しつつあるところの一つのテーマとして、計画化の問題を市町村構想との関係で取り上げたわけでございます。ここで、したがいまして大都市近郊で人口集中が非常に激しいところでございますので、非常に社会的な条件が大きく変動しているところでは、かつて、つまり地方自治法で二条の五項に位置づけられる以前におきましても、市町村が自主的に計画というものをつくっておったこともあるわけでございます。そういう時代のことをいろいろ反省してみますと、大都市近郊あたりでは非常に社会的条件というものの変わり方が著しい。そのために、前回つくったけれども、一年なり二年たつうちに、与えられました条件が非常に変わってくるということになりますと、計画をつくったけれどもさっぱり計画のようにものごとは運ぶことはできないということで、その計画の価値自身が疑われる。それに関連しまして、人情の機微で、どうも計画なんていうものはつくってもしようがないなという機運が出てきたところもあるということで、これをお読みいただければ御理解いただけると思いますが、もっとじみちな計画というものをつくるようにしていったらいいだろう。とかく計画と申しますと、この地域は将来経済構造がこうなって、人口のふえがこうなってという、いわゆるりっぱなものを目ざす余り、絵にかいたもちになりやすい。そういうことじゃなしに、もっとじみちな、住民の生活に直結した生活環境施設の整備等を主たるものにして、じみちなものをつくっていただくようにしてほしいという趣旨でこれを書いたつもりでございますので、御了承いただきたいと思います。
#33
○千葉千代世君 趣旨はわかりましたが、現実にやはり計画との間の隔たりがはなはだしいということが書いてございますね。そのはなはだしいというのは、いまあなたのおっしゃったような内容を含んでいるということはわかります。局長さんは、そういうことを全部踏まえた上で、この連合に対して広域的にやるからいい、こういう見解なんですか。もう少し慎重に調査をしてみてからというふうにお思いになりませんか。というのは、いま課長さんがお述べになったように、昨年の段階で、その後またいろいろ計画の変動もあった、その点も調査していないとおっしゃいましたね。把握されていないわけですね。そうすると、もう一ぺん調査なさってみたらいかがでしょうか。
#34
○説明員(本江滋二君) お答えいたします。
 計画が現状とだんだん食い違ってくるということは、大都市近郊では特に著しいことがあり得ると思います。そこで私どものほうでも、この個々の市町村の市町村構想の計画の立て方の指導といたしまして、いわゆる絵にかいたもちにならないように、社会的条件が変わってくればすぐそれを直す、手直しするというようなことも同時に指導をいたしているわけであります。そのやり方で、これからの計画、基本構想のやり方というものは行なわれていくというふうに考えているわけでございます。
#35
○千葉千代世君 これは局長さん、くどいようでありますが、いま課長さんがお述べになった点、それでよろしいですか。
#36
○政府委員(宮澤弘君) 先ほど御引用になりました論文、ただいま課長からも申し上げたようでございますけれども、主として大都市近郊の市町村に焦点を当てているわけでございます。大都市近郊におきましては、先ほども課長から申しましたように非常に社会経済的な情勢の変化というものが急激でございまして、日本全土少しずつ変わりつつあるわけでございますけれども、特に大都市近郊におきましては非常に変化が急激でございますので、そこで、千葉委員も御存じだと思うのでございますが、一昨年から、四十四年から地方公共団体と政府が協力をいたしまして推進をいたしております広域市町村圏の構想は、大都市近郊を除いてそういう構想で進んでいくということになっているわけでございます。つまり百二十八の圏域が指定されておりますけれども、これは大都市の近郊を除いているわけでございます。大都市なり都市の周辺につきましては、これまでのような広域市町村圏構想ではなかなか律しされないものがございますので、そういう私どもの気持ちでございます。しかし大都市近郊以外におきましても、先ほども申しましたように日本の地域社会の変動というのはまだかなり流動的でございます。したがいまして、一度きめました計画が相当長期にわたって固定をするということを考える必要はないと思うのでありまして、やはりそのときどきの事態に応ずるような弾力的な態度で臨む必要があるというふうに思うわけでございます。
#37
○千葉千代世君 それでは時間もありませんので、問題を次に進めますけれども、この広域行政を進めていく場合に、建設省等でよく生活圏の立法化をしたように聞いているのですけれども、そういう点とダブりませんでしょうか。重複していないかどうか。
#38
○政府委員(宮澤弘君) 建設省の地方生活圏でございますが、これにつきましては、ただいま千葉委員御指摘のように、かねてそれとの調整をどうするかという議論がございましたことは事実でございます。で、建設省の地方生活圏も、私どものほうが中心になって推進をしております広域市町村圏も、ともに地方において広域的に仕事をしていこうという考え方のもとにできておるわけでございますけれども、その趣旨と申しますか、考え方の中に違う点があるのでございます。私どものほうは、市町村を中心にいたしまして、関係区域内の住民の方々の生活水準をどうやって引き上げていったらいいか、どういうふうにサービスというものを向上していったらいいかというような考え方が中心になっているわけでございますが、建設省の地方生活圏と申しますのは、県が主になりまして、いわば公共施設、特に道路とか河川でございますけれども、そういうものを合理的、広域的に整備するための計画でございます。こういう点におきまして、趣旨がいささか異っております。また趣旨が異なるばかりでなく、そういう観点からでございますので、建設省の地方生活圏のほうが圏域がかなり広いわけでございます。広域市町村圏は、住民のいわば日常生活圏域というものを中心に考えておりますけれども、建設省の地方生活圏は、先ほど申しましたように、建設省所管の公共施設のいわば整備計画でございますから、圏域が広いわけでございます。たとえば、私の記憶が正確でございますれば、徳島県なら徳島県という例をあげてみますと、徳島県におきまして建設省の地方生活圏は全県が一圏域でございます。全県を一圏域としてとらえて、建設省所管のたとえば道路なら道路というものをどう整備をしていくかということが考え方の中心になるわけでございますが、私どものほうの広域市町村圏は、先ほど来るる申し上げておりますように、住民のまあ日常生活圏というものを中心に置いておりますので、徳島県を例にとりますならば、徳島県内に数個の広域市町村圏ができていくわけでございます。そういうことで、圏域の大きさにもその性格上違いが出てくるわけでございます。
 しかし、考えてみますと、ともに広域的にものを考えていこうという計画でございますし、それから、建設省所管の公共施設の整備計画というものは、やはり地域住民の日常生活圏とかなり深い関係があるわけでございます。圏域がそのまま同じ大きさになるということは先ほど申しました事柄の性質上あり得ないことが普通でございますけれども、両方の圏域に矛盾、抵触、そごが生ずることがないようにという調整を加えておるわけでございます。簡単に申しますならば、たとえば建設省の地方生活圏の中に二あるいは三あるいは四というような地方広域市町村圏がそのままぴたっとはまり込む、こういう調整を加えまして、広域市町村圏と地方生活圏の圏域に出入りを生ずることがないという調整を私どものほうと建設省当局のほうでいたしております。そういう点で、当初出発のときは、千葉委員御指摘になりましたように、両圏域の趣旨なり何なりの違いというものがさして明確でございませんでしたので、議論がありましたことは事実でございますけれども、現状におきましては、その辺の調整は遂げられているものというふうに私考えております。
#39
○千葉千代世君 今度の法案の中身を拝見していきますと、いわゆるいままで一部組合が幾つもあったのを、総合して連合をつくっていく、そうすると、市町村の上に今度県があって、その間に位するような感じを受けるわけですね、連合というものの性格が。そうして先ほど言った中に、一つの地方団体でも、国や府県との関係で十重二十重に計画の中に位置づけられているということが述べられたわけです。そうすると、そういう中で、この連合そのものがいろいろな意味で住民の直接意思が反映できないような機構になっているわけです。たとえば、市町村なら自分が選挙できるわけですね。市会議員なら自分らが選挙できる。連合になりますと、いわゆる間接的になっていきますね、この法案の中では。そうすると、そういう中で、いい面を見ていけばもちろんこれはけっこうですけれども、ひとつやはり問題点がかなりあるのじゃないか。というのは、いま私も局長さんのお話を伺っておった中でひょっと思ったことですが、建設省が実はこれこれはこういう分野であって、連合のほうのこれこれは生活的なものがおもになっておると、チェックする場所はこれこれのところでチェックする、こうおっしゃったわけです。そうすると、受益者負担の面から考えた場合にはどうなんですか。住民はここに一人しかいないわけなんですね。そうすると、受益者負担との関係が、いままでの関係と、それからいわゆる建設省の計画ですから、まだ実施されていないわけですが。想定していった場合には、私なら私が一人の市民としてどういうふうになるかということでありますね。いまどこか、徳島ですか、一県のことをおっしゃいましたね。そうした場合には、自分一人の納めるたとえば道路なら道路の負担をするというと、その前のほうの負担について幾ら納めるとか、何かやはり受益者負担、かなりかかる面があるのですね。全部国がこれを持つわけじゃないでしょうから。その点なんかどうなっているのでしょうか。簡単でけっこうでございますから。
#40
○政府委員(宮澤弘君) いろいろな点を御指摘になったわけでございますが、簡単にと申されますので、いまの受益者負担の問題でございますが、受益者負担と申しますのは、御承知のように地方公共団体が行ないます特定の事務、事業につきまして、特に利益を受けるものから受益者負担金が取れる、こういう規定になっているわけでございます。そこで、それは一つの仕事を単独の市町村が行ないます場合、あるいは市町村が共同して行ないます場合もその点においては変わることはないわけでございます。たとえば、市町村がある公共施設を設置をいたしまして、あるいは特定の事業を行なう。それについて受益者負担を取ろうという場合、その仕事を共同してやる場合に、受益者負担を取ろうということとはいささかも違いがないわけでございまして、しかも同じ事務、事業について二重三重に受益者負担を取られるということは、これはあり得ないわけでございます。したがいまして受益者負担という観点から申しますならば、単独で処理をする場合も、共同して処理をする場合も、その辺に相違はないのであります。
#41
○千葉千代世君 それでは、こまかい点ですけれども、こんなことはどうなんでしょうか。たくさんの問題が一本になってくるわけです。集中して運営されるわけですね、総合して連合ができるわけですから。そうした場合には、これはたいへん仕事が多くなって繁雑だ、ひとつ一部民間に下請させようじゃないか、こういうふうな例もちょっとあったように聞いているのですが、これはこの関係ではありませんけれども、往々にしてそういう点がありがちなんですけれども、これを、みだりに下請などして繁雑をよけていったりするようなことのないような手だてが講じられているでしょうか。
#42
○政府委員(宮澤弘君) この問題も、私は共同処理をするからそういう傾向が強くなるというふうには考えないわけでございまして、事務の民間などへの委託というような問題は、単独で処理をいたします場合にも、共同で処理をする場合にも共通的な問題としてあると思うのでございます。で、これにつきましては、国会等でかねていろいろ御議論等があったところだと思うのでありまして、民間委託というものを一体どの程度まで行なうのがいいのかという、それ自身の可否なり評価という問題、またこれにつきましての賛否、両方からもいろいろな議論というのはあろうと思いますけれども、それが単独で処理をする場合と、共同して処理をする場合とで違ってくるというふうには私は考えないのでございます。
#43
○千葉千代世君 そうしますと、往々にしていままで起こりがちであった、下請にまかせるというようなことはあり得ないと、できないと、ないと、こういうふうに確認してよろしゅうございますか。
#44
○政府委員(宮澤弘君) 単独でおのおの市町村なり県なりが事務を処理する場合におきましても、事務委託の可否ということについて先ほど申しましたようにいろいろ議論があったわけでございますが、今回の共同処理というのはそれと同じ議論だと私は思うのでございまして、共同処理をするからといって民間に対する事務委託というものがことさらふえてくるということにはならないと思います。
#45
○千葉千代世君 それから、たいへん小さいことですが、ごみの手数料などを、たとえば連合でやっていくと、いままでAならAの市はごみの手数料百円なら百円でやっておった。それからBでは全然やってなかった。無料であった。そうした場合に、これが一緒になった場合はどうしたら一番望ましい姿だと思っていますか。これはもちろん、そこで計画していく場合に、その連合そのものの中で討議されて自主的に運用されて実施されるでしょうけれども、たいへん小さいようですが、これは毎日の問題ですから非常に大きいと思うんですけれども、どうようにお考えになっていますか。
#46
○政府委員(宮澤弘君) 千葉委員がおっしゃいましたように、結論的にはその関係市町村の間の話し合いの結果によると思うのでございますが、事実、御指摘になりましたようなことが広域市町村圏内の議論になっているということを私聞いたことはございます。で、それは、一つの公共団体においては無料か非常に安い料金であって、しかしほかはそれに比べて高い。これを一体共同処理する場合にどうしたらいいかという議論があったということを私も聞いております。その場合におきましては、結局それは結論といたしましては、おのおの市町村の相談になるわけでございますけれども、私の聞きました限りでは、当分その手数料、使用料というのは現状にしておこう。いずれ施設等が充実をして行政が合理化されるならば、安いほうというほうになるわけでございますけれども、一挙にそこまではなかなかいけないから、当分はその料金の問題はそのままにしておこうということで解決をしたという事例を私聞いたことはございます。
#47
○千葉千代世君 これはまあ当分の間別々に、たとえばいままでどおりと言えば、取っていたところは取る、無料のところは無料と、こういうふうに進めていく。その段階の中で相談して運営していくという、安いほうなら安いほうにやっていくと、こういうことが望ましいと、こういうふうにとってよろしいですか。
#48
○政府委員(宮澤弘君) 原則的にいたしますと、やはりそういうサービスというものはなるべく安くていいサービスができるのが理想でございます。ただ、財政上その他の事情でなかなかそこまではいけないということでございましょうから、いまの事例で申しますれば、当分そのままにしておいて、なるべく近い将来に、いいサービスを安く提供するように統一をしていこう、こういう気持ちであろうと私は思います。
#49
○千葉千代世君 それから、これは衆議院の審議のときの局長さんの御答弁だったように私ちょっと伺っておりますけれども、この政令を改正して、条例の改廃とか事務監査とか、こういうことはできると言われたんですか。それはおっしゃった御記憶ございますか。
#50
○政府委員(宮澤弘君) まあそれに関連いたしましたような答弁は申し上げました。それからそういうことに関する御答弁は、実は昨日も、それから一昨日ですか、その前でございますか、和田委員からも詳細なる御質問がございまして、御答弁を申し上げたわけでございますが、今回連合の制定、制度の創設に伴いまして、いままでいろいろこの点につきまして疑義と申しますか議論がございました。私どもは、やはり事務監査の請求なり条例の制定改廃請求というものは、一部事務組合についてもそれは可能であるというように考え、かつその手続規定を整備することが必要であるということを申し上げたわけでございます。
#51
○千葉千代世君 そうしますと、規約はどうなんでしょうか。このいわゆる連合の憲法とも言うべき規約の改廃はどうなんでしょうか。
#52
○政府委員(宮澤弘君) 規約は、ただいま千葉委員おっしゃいましたように、いわば一部事務組合の憲法のごときものでございます。したがいまして、そういう憲法のもとに仕事をするのがいいのか悪いのかということが、規約の改廃というのは一番基本の問題でございますので、もしそれを、住民がそういうことをするのは不適当だという判断になるといたしますれば、まさにそういう規約をつくりましたのは関係市町村長であり関係市町村の議会でございます。私どもは構成市町村自身の直接請求の問題としてそれは考えるべきだと、こういうふうに思っておるわけでございます。
#53
○千葉千代世君 それから、この法案の中でやはり一番心配になりますのは、住民の意思が直接反映できないのじゃないかという心配があるわけでございます。そうした場合に、公害審議会をつくって、よく住民の方それから学者の方、いろいろな方が加わって公平に相互の意見を出し合って、意見を出すという場があるわけなんですが、この法案なんかもし通った場合にですね、この住民参加の審議会などをつくるような考えはございますか。あるいはつくったほうがよいとお思いになりますか。必要ないとお思いになりますか。
#54
○政府護員(宮澤弘君) 住民の意向というものは、地方公共団体が行政を処理する場合には常にそれは組み入れてやるのが当然だと思うのでございますが、御承知のように一部事務組合におきましては、議決機関、執行機関の構成は規約にまかされているわけでございます。通常でございますと、関係市町村の議会の議員の方々が組合議会の議員になるというのが通常でございます。このやはり組合の議会というのは組合の意思機関でございますから、意思機関がこの意思決定をするにあたりましては、関係地方団体の住民の考え方というものを十分に組み入れて私は審議をするのが当然だと思います。それならば、ただいまちょっと御指摘になりましたように、格別に何か審議会みたいなものを設けるのか、こういうお話でございますけれども、これは組合のやはり規約の中で執行機関の構成というような規定があるわけでございますので、もしそういう必要がありますれば、そういう付属機関的、審議会的なものを設け得るわけでございます。これはやはり各個の事例に応じて判断をしなければならない。制度的に一義的にそういうものが必要だというふうに私はまだ考えておりません。
#55
○千葉千代世君 最後にもう一つ伺いますが、職員の身分の件ですけれども、一部事務組合の職員は、これは特別地方公共団体でありますから、どうなっていますか。
#56
○政府委員(宮澤弘君) 職員の身分でございますが、職員の身分につきましては地方公務員法が全面的に適用になるわけでございます。地方公務員法の規定によりまして、府県・市町村あるいは一部事務組合、同様に適用になるわけでございます。これも昨日までいろいろ御議論があったわけでございますが、一部事務組合の固有の職員もございますし、それから構成団体から派遣をされて組合の仕事をするという職員もあるわけでございます。ともに地方公務員法が適用されるわけでございます。
#57
○千葉千代世君 そうすると、地方公務員法が同じように適用されていれば、交渉権その他が全く同じであるわけですね、この連合の職員の方も。
#58
○政府委員(宮澤弘君) 連合の職員が連合の当局に対する交渉というようなものは、市町村の職員が市町村の当局に対する交渉と同様でございます。
#59
○千葉千代世君 そうすると、いまちょっとお触れになりましたが、連合のお仕事をなさる職員がずっと残ってその連合の職員としてずっといる場合と、それから一般の市役所なら市役所から出向、教員の場合ですと出向みたいな形で行きますね。出向の形で行っている職員と二通りあるようになりますわ。そういうことになりますか。
#60
○政府委員(宮澤弘君) 形としてはそういう二通りのものが予想されると思います。
#61
○千葉千代世君 そうした場合に、その方がつとめておって、身分は全く同じで、交渉権その他も同じだと。そうしていくと退職金なんかも、その連合の中のやはり規定なんかできるのでしょうね。そうした場合に退職金にも差が出てきますね、格差が。
#62
○政府委員(宮澤弘君) 退職金等につきましては、地方公共団体相互間で通算の措置が講じられているのが普通でございます。年限自身は通算をされるわけでございます。ただ、これも昨日までいろいろ御議論もございましたけれども、たとえば給与のレベル、おそらく御質問はそれとの関連があると思うのでございますが、給与のレベルがどうなのかということは、これはおのおのの職員、行きました職員のこれまでの給与を受けております水準等の条件もございましょう。そういうものも考えながら、連合自身、一部事務組合がやはり地方公務員法の規定によって給与を定めていぐ。これは地方公務員法の規定がそのまま適用になりますので、国なり他の地方公共団体というようなものの給与水準というものを勘案をしながら給与をきめていくと、こういうことになるわけでございます。
#63
○千葉千代世君 そうしますと、素朴に解釈してこういうふうに考えてよろしいですか。たとえば船橋市なら船橋市の職員の方が連合のほうの職員になった。そういう場合には、船橋市なら船橋市の職員の給与の何か規定といいますか、そういうものが適用されて、そしてずっとつとめておった。その人は最終的には連合でやめます。ある人は今度この船橋市に戻ってきますと、そうした場合には大体アンバランスにならないと思うのですが、そこに最後までいてやめた人になりますと、これは準ずるといっても全く同じではないわけですね。たとえばレベル・アップなんか同じなんですか、ずっと。その点は何か衆議院の話を聞いてみますと、だいぶ違うように聞いておったのですが、どうなんでしょう。
#64
○政府委員(宮澤弘君) 連合自身は、地方公務員法の規定によりまして給与条例で給与水準なり何なりの規定を設けていくわけでございます。それで、その場合の水準と申しますのは、先ほども申しましたように、国なり他の地方公共団体の条件を考えてきめてまいりますから、したがって、一般の府県なり市町村なりの給与水準というものと原則としてそんなに変わったものができるわけではございません。ただ、おっしゃいましたように、関係市町村からその連合に行く場合に、それは関係市町村間で多少給与に上下がある、こういうことが考えられるわけでございます。衆議院でございましたか、そういうように高低があるという場合には、低いところに統一をしないで、高いところに統一をすべきであると、そういう返事ができるかという御質問でございましたけれども、私は、それは高いところに統一をする場合もあれば、低いところに統一する場合もあるかもしれませんし、その辺はやはり構成市町村の事情なり、来た人というようなものの実態を勘案をしながら、一部事務組合である連合自身がきめていく問題だ、こういう御答弁を申し上げたわけでございます。
#65
○千葉千代世君 では、基礎が違った場合にはあくまで違ったままで行くわけですね。局長さんのおっしゃるのは、たとえば船橋市なら船橋市の給与条例と、隣の鎌ケ谷町なら鎌ケ谷町が一緒になって連合をつくった場合には、これは給与うんと安いわけです。ところが今度連合の仕事を一緒にするようになってきますと、片っ方は高いままずっといって、片っ方は低いままずっといきますね、同じ仕事をしながら。そういうわけでしょう。入ったから上がるわけじゃないわけですね。だから、連合の職員に全部なり切って、ここで統一して給与条例の給与表を当てはめるということではないのですね。
#66
○政府委員(宮澤弘君) 連合自身で給与条例をつくって給与をきめるわけでございますから、連合でおのおの属する職員の給与をきめるわけでございます。ただ、おっしゃいますように、もし構成の町村から来ている人が何人かいるといたしまして、その間に凹凸があるというようなことでございますと、その調整措置というのは私は行なわれるであろうということを申し上げておるわけでございます。
#67
○千葉千代世君 つまり行なわれるだろうというのは、調整をしてほしいという願望であって、必ずそうだということは断定できないわけですね。なぜ私がこれを申し上げるかというと、同じ職場で同じ仕事を実際はする。ところが片っ方は小さい町から連合へ入った、片っ方は大きい市から入ってくれば、そこに差が出てくるでしょう。いきなりぽかっと、条例ができたからそれに当てはめるというのじゃなくて、大体の見当で、職歴はこのくらいだ、こっちはこのくらいだからこれくらいでよかろうという条例ができるのじゃないでしょうか。そうした場合には、同じ職場で同じ仕事をしておって同じ経験年数を持った者が、かりにここに千円の違いがあるというと、仕事に意欲は燃えてはおりますが、この金銭の差額というのは非常に意欲をそぐわけです。特に賃金の少ない場合には、これは心しなければ、能率をあげるためには非常にこれは悪いし、生活を守っていくためにも問題があるのじゃないか。そういう点で、たいへんしつこいのですけれども、その点が指導面ではどういうふうにできるのか。その連合の給与規定があるのだから、それにまかせてほっておくのか、その辺ちょっと。
#68
○政府委員(宮澤弘君) 原則は、連合の給与条例に基づきまして、経歴でございますとかその他を勘案して給与が定められるわけでございます。わけでございますけれども、御指摘のように、関係市町村から来ております人はその間に凹凸があるわけでございます。その間の調整ということは私は事実問題として行なわれるであろう、つまりもう初めから、頭から連合の給与条例一本で、そこでもう初めから全部計算をして、前がどんなに高くてもそれになるということもあるかもしれませんけれども、実際問題としては、前に勤務をしていた勤務態様と申しますか、この場合には給与水準というものを勘案をした調整措置といいますか経過措置というものが私は行なわれるのではないかと、こういうことを申し上げておるわけでございます。
#69
○千葉千代世君 時間がないからやめますけれども、これは私非常に経験を持っているので、言うわけです。私ら教師の場合でしても、東京の先生も、北海道の先生も、島根県の先生も、免状には変わりがないですし、責任の重さも変わりがないわけなんです。相手も変わっていないわけなんです。ところがたまたま地方財源が逼迫しておる県――ずっと前には国庫負担の分として二分の一国庫、いろいろ変遷がありましたけれども、いまは二分の一国庫負担の県と、そうでなくて東京みたいに政令県が違いますが、こうなった場合には――地方から東京へ出てきますと、出向してきたり転職してきたりしますと、いずれはたいへんな違いなんですよ。経験年数からいっても年からいっても全然変わっていないし、優秀な先生もこんな差があったわけです。そこで、その望ましいというような方向で文部省でも指導なさったようですけれども、どっこいそうはいかない、財源がないとかなんとかで。そこで結局教員の皆さんが結束して、これでは困るというのでいまこの率の低い凹凸調整というのをやった。凹凸調整の中でこれを是正していったわけです。ですから簡単にはそういう凹凸調整といってもできにくいと思うんですね。まあ級別推定表ができるとか、それから給与法の改正が行なわれるとか、そういうときにうまくチャンスがあってやればいいけれども、なかなかできにくいんじゃないかということを私考えたんですが、当時と違っていまなら簡単にできるんだということであれば、そういう点はどこで、自治省が指導なさるのか、連合にまかせっぱなしなのか、あるいはいいところを、モデルケースをつくってこれにならえと言ってやるのか、そういう点が私たいへんむずかしいんじゃないかということをちょっと考えているわけなんですよ。これ気になりますのでくどいようですが。これはなかなか長い年月で二度も三度も凹凸調整して、そうして今度は同じになって、それぞれ非常にだれでも仕事に熱心ですが、意欲が違うということなんです。そういう意味で、この連合に入る職員も、市におった人も町村からこちらに入った人も、やはり同じような観点から安心して仕事ができるというような方法が講じられていかないというと、やはり人的な面でもかなりのそごがあるのじゃないかと心配しますけれども、その点どうなんでしょうか。
#70
○政府委員(宮澤弘君) おっしゃいますように、一つの職場で仕事をしているわけでございますから、その間に給与の水準に非常に相違がある、同じような経歴なり同じような職務内容をやっております者の間に凹凸があるというようなことでは、職員全部心を合わせて仕事をするという態勢はなかなかできないと思うのでございます。そこで、先ほど申し上げておりますように、理屈を申しますならば連合自身の給与条例なりそれに基づく細則に従いまして、おのおのの人たちの経歴その他というものを勘案をして新しく給与をきめていく、これが原則でございます。原則ではございますけれども、といって、関係町村から来た人にとりましては、従前の一つの実績と申しますか、そういうものがあるわけでございますので、そういうものを全く実際問題として無視して、給与を形式的、一律的にきめていくということはむずかしいと思います。また現実に多少私どもが見聞をしておりますのも、その辺、そのおのおのの職員間のバランスを見ながら適正な調整をして運営をしていくというのが実態だと思います。
#71
○千葉千代世君 また問題がたくさん、給与の面についても退職金についてもいろいろ伺いたいと思いますが、時間の関係で、きょうはこれだけにしておきます。
#72
○竹田四郎君 今度のこの連合に関する法律というものと、自治省のほうで資料として出されてまいりました四十四年十月十五日の地方制度調査会との関連ですね。これはどういうふうになっておりますか。
#73
○政府委員(宮澤弘君) 今回御提案を申し上げております法律案と第十三次の地方制度調査会の答申との関連でございます。
 十三次の地方制度調査会の答申は「広域市町村圏および地方公共団体の連合に関する答申」でございます。今回御提案を申し上げております法律案は、大体この十三次の地方制度調査会の答申に基づきまして、答申を具体化をするという方向で御提案を申し上げているわけでございます。ただ、この答申に盛られておりますような事項につきましても、その後私どものいろいろ検討、判断の結果、今回御審議を願っております法律案の中に入れていない条項もございますけれども、大体の考え方というものを具体化いたしましたものが今回御提案を申し上げているものであるというふうに御理解をいただきたいと思います。
#74
○竹田四郎君 答申を今度のこの法案の中に入れてない部分というのは、答申のどの部分ですか。
#75
○政府委員(宮澤弘君) おもな部分といたしまして、連合の組織の面があるわけでございます。地方制度調査会の答申自身、地方公共団体の共同事務処理組織としての連合というものを立法化すべきであるという答申でございます。
 その考え方の基本は、なるべく総合的かつ弾力的な運営ができるようにという考え方のもとに答申がなされているわけでございます。なるべく私どももそういう弾力的な運営ができるようにという考え方自身というものは基本にいたしているわけりでございますけれども、なお個々の項目を見てまいりますと、答申されたものを今回取り上げていないというものが幾つかあるわけでございます。いま申しましたように、連合の組織というものが一つの中心になるわけでございますけれども、連合の組織といたしまして、地方制度調査会の答申は、たとえば議決機関と執行機関というものを別個に置く現在の制度の基本でございますが、その考え方以外に、議決権と執行権をあわせ有する委員会型と申しますか、そういうものを考えていいのではないかというような答申をいたしているのでありますけれども、その点は、私ども今回御提案を申し上げております法律案の中では具体化をいたしていないわけでございます。
 それから、連合につきまして連絡調整の条例というものを考えたらどうであろうかという提案もいたしているわけでございますけれども、その点も割愛をいたしているわけでございます。
 それから、都道府県なり各機関は市町村の連合に対しまして一定の事務を移譲できるように考えたらどうか、つまり事務配分の特例というようなものを考えたらどうかという指摘をいたしておりますけれども、その点も今回は採用をいたしていないわけでございます。
 それからさらに、地方制度調査会の答申は市町村レベルにおきます連合というものを中心に答申をいたしておりますけれども、そういう制度を都道府県間にも利用できるように考えたらよかろうという見解を述べておりますけれども、その点も今回は見送ることにいたしているわけでございます。
 大体おもな点は以上の点ではなかろうかと思います。
#76
○竹田四郎君 いまのその取り上げなかった理由ですね、それをひとつお述べいただきたい。
#77
○政府委員(宮澤弘君) まず最初に、いわゆる委員会型――議決権、執行権をあわせ有する委員会型、この点でございます。これにつきましては、なるほどそういう考え方、この考え方の基本は、地方団体が事務処理をするにあたりまして、なるべく弾力的に、地方団体が自主的にいろいろな方法がとれるようにという考え方から出ております一つの具体案だと思うのでありまして、そういう考え方自身はわかるのでございますけれども、やはり現在の自治制度と申しますのが、議決機関と執行機関が機関として分立をするということを前提にして構成をされているわけでございまして、そういう構成のもとに戦後二十数年運営が行なわれてきていることも事実でございます。さらに、単に地方自治法をはじめ地方自治制度ばかりでなく、ほかの各種の立法というものも、地方行政に関係のあるものにつきましては議決機関と執行機関が別個に存在をするということを前提にいたしまして法律の構成をしているものが数多くあるわけでございます。そういたしますと、単に地方自治法だけの問題でもございません。これはやはり地方行政に関係がございますほかの制度全般もやはりかなり詳しく検討をいたしませんと、法律制度的にもそこまで踏み切るわけにはまいりませんので、この際は委員会というものを置くことにつきましては御提案を申し上げていないわけでございます。
 それから第二番目の連絡調整条例でございますが、これにつきましても具体的な検討をいたしたわけでありますけれども、あえてそのような連絡調整条例というようなものを設ける実益というものも現在のところはあり得ないのではないかというような考え方から、規定をいたさなかったわけでございます。
 それから都道府県の事務の市町村に対する移譲の問題でございますが、この点につきましては、事務の移譲ということを考えますと、やはり連合というものが、府県と市町村、それからそれとまた違った一つの事務処理権能を持つ団体になってまいりますわけでございますので、今回の構成といたしましては、やはり現在の市町村の機能というものを共同処理するということを前提にして考えていきたいということからでございます。さらに、私ども全般的にかねて事務配分ということを考えておりまして、国の事務処理権限というものを、なるべく地方的に処理するのが適当なものは地方に移譲していく、あるいは現在府県が処理をしておりますものでも、市町村が処理する能力があり、ふさわしいものはなるべく市町村にも移譲をしていくという方向では考えているわけでありますけれども、いかなる事務を都道府県から市町村に移譲すべきかということになりますと、これは関係各省との間の調整にもかなり時間をかけなければならないわけでございます。そういう事情もございまして、この際は見送ることにいたしたわけでございます。
 それから最後に、今回御提案を申し上げておりますのは市町村間の連合でございます。都道府県間というものは考えていないということになっているわけでございます。この点につきまして、過日も申し上げたかと思うのでありますけれども、一つは、都道府県間のこの総合的な計画に基づいて事務を処理する必要性、これも次第次第に出てきておりますけれども、市町村レベルにおきますような、区域全般にわたった総合的な計画を立てて、そのもとに共同的に、あるいは単独に事務を処理していこうという市町村の必要性ほどまだそう熟度がないというような観点が一つでございまして、それから同時に、過日るる申し上げたところでございますけれども、府県間の連合というものにつきまして、府県が共同して定めます総合的な計画と、国の各種の圏域計画なり数府県にわたる計画というものとの間のあり方というものをどう考えたらいいかということにつきまして、関係各省との間の意見が一致をしなかったということもその一つの理由でございます。
#78
○竹田四郎君 市町村制というものは、地方自治の中でやはり一番大きい役割を私は占めているのじゃないかと思います。一番住民に直結をしているところの行政というのは、これよりも密着をしているものはおそらくないと思います。そういう点で、地方制度調査会というのは、組織の問題としても、いろいろ住民との密着、その関係において、そうした一つの型にしばらせる必要がない、こういう考え方から、おそらく弾力性のある運営ということを強く主張を私はしているのじゃないか。またこの答申のあちらこちらを見ますと、非常に市町村の自主性の尊重ということが強調をされているわけです。ところが、そうした形で地方自治を大切にしていくというようなことを、そういう組織の面からしばりつけていくということは一体いいのか悪いのか、私はむしろ地方制度調査会が、私どもこの答申がいいとは思いませんけれども、それでもそういうところに非常に配意をして、いわゆる今度の法案では、そういう面では非常に配意が足りないのじゃないかと、こう思うのですが、そうしたその組織の問題についても、各種立法との関係だとか、こういうようにどちらかというと上からしばりつけていくという思想ではないか。そうではなしに、地方自治の組織というものは私はいろいろあっていいと思う。中には試行錯誤するものもあると思う。そういう中で初めて住民と市町村の行政機関とが密着をしていく可能性というのはあるわけなんです。どうも行政局長、その辺の配意というものが私は十分でないような気がするのですが、どうなんですか。
#79
○政府委員(宮澤弘君) 地方公共団体の事務処理の組織はいろいろあっていい、地方団体がいろいろな形を、どれをとるか、選択の余地が多いほうがいいのではないか、またその間に多少うまくないことがありましても、試行錯誤でいっていいんじゃないかというお話でございます。私もその御趣旨はまことに賛成でございます。ただ、先ほども申し上げておりますように、今回御提案をしませんでした一つの委員会型、議決機関と執行機関との機能をあわせ有する委員会型と申しますのは、何ぶんにもあり方といたしましては、いままでの習熟をしております制度から比べますと、かなり違ったものでございます。しかし、そういうものもあえてとれるならばとるということを提案してみたらいいではないかという御見解かもしれませんけれども、私ども御趣旨には賛成だと申しながら、そういうことを取り入れておりませんのは、依然としてやはり多少保守的な気持ちが基本にあるのかもしれませんけれども、そこまではなかなか踏み切れなかったわけでございます。ただ、たとえば執行機関というものは、いままで独任制の執行機関、通常の事務を処理するにあたりましては独任制の執行機関というものしか考えていなかったわけですけれども、今回の理事会制、いわゆる複数の人からなります執行機関というようなものを御提案を申し上げておりますのも、いろいろな形のうちの、私どもがいまの段階ではこの辺までは提案をして活用されることが期待できるだろうというようなふうに考えますものは御提案をいたしているわけです。御趣旨、あるいは今後の考え方といたしましては、外国でいろいろ制度がございますように、いわばいろいろな型を定めておる。あるいはもっと徹底をいたしますと、外国でいわれますようなホーム・ルールと申しますか、地方公共団体の事務処理の組織というようなものは地方団体自身が定めていく。一番徹底をいたしますとそういうホーム・ルールというような型になるわけでありますけれども、そこまでいくかどうかわかりませんけれども、今後のやはり検討課題というのは、おっしゃいましたように、いろいろな事務処理の型というものを提示をして、地方の実情に応じて、そのうちの適当なものが得られるということにするのが私もいいと思うのでございます。今回は不十分であるかもわかりませんけれども、いわばその一歩を踏み出したということも言えるのではないかと思うわけでございます。
#80
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#81
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
 暫時休憩いたします。
   午後零時四十二分休憩
     ―――――・―――――
   午後一時三十六分開会
#82
○委員長(若林正武君) 地方行政委員会を再開いたします。
 休憩前に引き続き、質疑を行ないます。
 御質疑のある方は順次御発言を願います。
#83
○竹田四郎君 せっかく大臣お見えになったので、この際お聞きしておきたいと思いますが、先ほどの経過はお聞きになっているかとも思いますが、私のほうの質問は、地方制度調査会の答申と今度の法案との関係についてお伺いをしたわけでありますが、その中で、局長のほうから具体的には三点ほど今度の法案に取り入れておられない点と、その理由の御説明を受けたわけでありまして、その中で、私は答申には市町村の自主性ということを非常に強調をしている、そういう面が今度の法案の中で十分に市町村の自主性というものが保障されてない面があるのではないか、こういうことを申し上げている途中に、上のほうの理事会が始まりましたので休憩になってしまったわけであります。いまの政治に対する住民の考え方というものが、私はいろんな選挙を通じても、少なくともまだ末端の地方行政の組織の長、こういうものについてはこれはかなり関心が高まっているというふうに思います。それはやはり非常に日常生活に密着した政治であるというふうに考えられるとともに、非常に民意が反映をされていきやすい状況になっているということが、今度の地方選挙でも私は非常に特徴的にあらわれているんではなかろうかという感じがしますけれども、しかし他方においては、かなり全国でもたくさんのいわゆる住民運動というようなものが起きておりますし、これはいままでの間接的な民主主義というものが十分にその機能を発揮していない。そういうところから、われわれ住民運動自体としてそうした直接、長にひとついろいろな要求を持ち込もうじゃないか、こういうような形で、おそらく私ども知っているだけでも千人をこえるところの住民運動というものがあちらからこちらから起きてきているわけでありますが、こういう観点から見ますと、やはり市町村の自主性というものが重要視されていかないと、私は住民運動自体については批判を持ってはおりますけれども、いまの議会とか、あるいは行政の機関というものに対する不信というものは私はますますふえていくんじゃないか。そういう傾向に現在の傾向がある点から、この調査会の意見も市町村の自主性の尊重ということを特に私は強調されているんではなかろうか、こう思うわけでありますが、局長は、その趣旨はよくわかるけれども、まあ幾らか保守的な考え方かもしれないがということでお述べになりましたけれども、そうした面を私はもっと住民が手の届くような形で、住民が日常生活において、そうした市町村という日常の生活環境について一番サービスする機関、こういうものが住民の意思によって動いていくということを私はもっと保障をしていくということにならないと、政治に対する不信というのはもっと強まっていくんじゃないだろうかという点を地域にいて特に感ずるわけですが、そういういまの直接民主主義という運動、あるいは住民運動というあり方、それに対する間接的な民主主義のあり方、そうした地方自治体の機関というもののあり方、この辺に私はかなり問題があるんじゃないかというふうに思いますけれども、その点ひとつ、せっかくわずかの時間をさいて御出席をいただきましたので、ひとつその辺の基本的なあり方がどうあるべきかということを自治大臣のほうからお示しいただければ幸いだと思います。
#84
○国務大臣(秋田大助君) たいへんむずかしい、かつ、とりょうによりましては広範な内容を含んだ問題を提起され、お尋ねにあずかったように思います。今回の連合も一部事務組合ということを本質としておるわけでありますが、これに関連して私ども考えますことは、やはり民主主義の本質である住民の意思が十分発揮され、具現されていかないうらみがあるのではないかという御非難が一部にあるようでございます。で、いろいろこまかな点がこれに関連して指摘をされますが、要は、やはりその本質を害さない程度におきまして、連合の連合体としての維持とその使命の達成に便宜のような措置との調和点が問題点であろうと思うのでございます。一部の方々は、連合の機関のあり方、あるいはその組織、住民の直接選挙というような点に関連されまして、間接的な民主主義のあり方ではいけない、どこまでも直接民主制のあり方を貫くべきであるという観点から議論を展開されております。この点に関しまして、われわれといたしましては、間接的な方法を相当とっておりますが、しかし、わりと物によりましては、直接監査なり、直接住民の請求の余地を、道を残してございまして、十分今回の措置で、民主主義なり民主政治の本質を害していない、こういう措置をとったと考えております。なお、いろいろ連合の機関のあり方等につきまして、いろいろの形がございます。一方に厳格なやはり審議機関と執行機関の明らかな分け方を主張されると同時に、むしろ便宜性に着目をされまして、これを包摂をいたしまして、委員会的なものにしていくという点もございますが、われわれといたしましては、その間に調和をとって、提案いたした法案のようにいたしたわけでございまして、その点を御了解を願いたいと思うわけであります。
#85
○竹田四郎君 大臣、どうなんですかね。これは比較的都市化されたところにおけるところの市町村――村というところにはないでしょうけれども、市に対する関心、それから県に対する関心、これは非常に違っているわけですね。たとえば、これはほかのことはあまり詳しく知りませんけれども、神奈川県における県政の関心度というものは実に九%ぐらいしかない、アンケートを求めますと。いま若干、知事選が終わったばかりですから、もう少し違うと思いますが、普通のときには九%ぐらいしかない。こういうことは、ただ行政機関がうまくやっているというだけの私は問題ではないだろうと思うわけです。何でもかんでもうまくいってくれればいいということじゃなくて、私はやはり住民の納得が得られる、このことが必要だと思います。たとえばひとついわゆるお食事を差し上げましょうと言って、その人がほしくもないものを差し上げても、これはうまいとは感じない。ところが、粗末な食事でも、その人が腹が減ったときにその食事を差し上げるということになれば、これは非常にごちそうになる。私はそういう意味で、地方自治というものはある程度の試行錯誤を重ねていくことが、むしろ地方自治というものを育てていくものではないか。理屈がこうであるからということで進めていっても、その人にとってはおいしいごちそうにならない。理屈が若干おかしくても、その人たちが望んでいるものであるならば、それはなるほどよくなってきたという期待は持たれますし、地方自治に関する関心というものも私は深まってくると思う。そうしたことが、やはり間接民主主義というようなものをもやはり維持していく私は大きな要因になるであろう、こういうふうに思うのですけれども、その点どうでしょう。私は、しかし県というものはちょっと離れ過ぎている、このことはもちろんある。そのことと同時に、やはり市町村の行政のほうが、非常に住民の民意が反映されていく可能性が強い、だからこそ、片方は九%だけれども片方は七割というような関心度を私は示しているのではないだろうか。今度の連合の場合も、そういう点を私は考えていかないと、九%の関心度にはならないといたしましても、住民の関心度というものが減ってくるのではないか、落ちてくる、こういうふうに思うのですが、そういう観点はどうでしょうか。
#86
○国務大臣(秋田大助君) 私、先生の御質問の真意をとらえているかどうか、多少疑問に思っておりますが、一応お答えしてみたいと思います。
 やはり市町村が地方行政の基本の行政である、行政組織としてもこれが基本の形であるということは考えております。したがって、この点に重点が指向されなければならないことも先生と私は同感でございます。しこうして、市町村の中におきましていろいろの機関ができまして、連合という新しい形の一部事務組合のまた新しい形をここに提案いたしたわけでございまして、先生のおっしゃるように、試行錯誤的ないろいろなものを試みる、またしたがってその内部組織についてもひとつ、あるいは大ぜいの人の意見に必ずしも合致しなくても、しかし住民にとっては非常に便宜な、住民の好むような形のものを考えてやってみたらどうだろうというようなお考えには、私は同感でございます。しかしながら、試行錯誤と申しましても、この行政上の措置につきましては、その幅もあろうかと存じます。そういう点を考慮しながら、今回の連合制度というものは、まず現実に即しまして、社会経済の進歩に即しまして、広域的に、包括的に、計画的に広域行政を処理するにふさわしい方法として御提案を申し上げているわけでございます。先生のお考えどおり実施するには、あるいは提案の内容はもの足りないというところをお感じになっての御質問かと存じます。その点につきましてもよくわかる気がいたしますが、これらが実施によりまして非常に悪い、不便なところがありますれば、将来検討して、これを御協議の上改善をしていくにやぶさかでないという心境において御提案を申し上げておる次第でございます。
#87
○竹田四郎君 大臣は何か衆議院のほうに行くようでございますから、あと政務次官、局長のほうからお答えいただきたいと思います。それから、いまの大臣のお答えの基本的なお考え方については御賛同もいただけているようでありますから、それについては私は何ら反発するあれはございませんけれども、ただ自治省として、やはり地方制度調査会がこうしたものを出してきたゆえんの根源というものは、私は私の考え方に近い考え方がそういう点に集約されてきておるがゆえに、弾力的とか市町村の自主性というものを私は尊重している、その辺の基本が狂ってくると、私はほかのことも狂ってくるようになるんではないか、そうした点で、地方制度調査会というものに対する自治省のそれは、地方制度調査会の結論というのをどこか重要な点で尊重してないと思うのです。先ほどのお話では、それを基本にしてというおことばのように私覚えておりますけれども、そういう点で、地方制度調査会の答申というのはわざわざ各界の方々によって十分検討されてきているものであります。そうした重要点というのは私は尊重してほしい、こう思います。どうですか。
#88
○政府委員(宮澤弘君) 地方制度調査会の答申、ことにただいま御議論の中心になっております地方公共団体の共同処理組織の機関をどう構成をするかということに関連をいたしまして、確かに地方制度調査会の考え方というのは、弾力的にものを考えていくべきである、地方公共団体の自主性、あるいは地方公共団体の実情に応じていろいろな型がとられるように考えるべきであるというのが基本の思想だろうと思います。先ほど竹田委員がおっしゃいました御自分のお考えもそうであろうと思うのでございます。そこで私どもは、そういう基本の考え方は十分取り入れながらということを申し上げたつもりでありますけれども、私は基本の考え方は、ことばだけでなく取り入れていると思うのでございますけれども、先ほどもちょっと申し上げましたように、やはり日本のいままでの法律制度の構成、それからそれに基づきます運営というのが、まあいわば非常に画一的、ことばをかえて申しますならば、やや硬直的な面があったと思うのでございます。そこで、地方制度調査会の答申は、その画一性ということを前提にしながら、同時にその中に多様性というものをなるべく求めていくようにというお考え方だろうと思います。先ほどもちょっと申しましたけれども、それをもっと徹底をいたしますと、むしろいままでの日本の地方制度のみならず国の制度も同様であるかもしれないのでありますが、特に地方制度につきましては、そういう画一性という考え方を捨て去ってしまって、むしろ多様性ということを基本にして考えるべきかもしれません。それが私、先ほどちょっと申しましたけれども、たとえばアメリカの地方制度におきましてはホーム・ルールというような考え方が導入をされている面がございまして、地方公共団体の組織というのは地方公共団体自身が考えるということになりますと、これは国の立法でいろいろワクをつくってその中で練達をするというよりはもっと進んだ、地方自身が事務の処理の組織を考えていくというのがホーム・ルールという考え方だろうと思うのであります。なかなかそこまでは一朝一夕にはいけないし、あるいは地方団体の成立をいたしました歴史なり伝統なり沿革というものから申しまして、日本としてはそこまではいけないというふうに考えるべきかと思うのでありますけれども、しかし先ほども申しますように、非常にいままでの制度が画一的、硬直的な考え方であった、それは時宜に応じて適宜弾力的なものに変えていかなければならないということは、私ども考えているわけであります。それが御指摘のように、地方制度調査会の答申のこの部分に関しましては、それを完全に具体化をしていないわけでございますけれども、しかしその中でも、私どもから、現状から考えましてこの程度のものはひとつ新しい試み、そういう言い方がいいかどうかわかりませんけれども、としてはぜひ導入をして、地方団体としてそういう方法をとることが適当だと判断ずればとってもらいたいという制度、先ほど申しましたように複数の執行機関である理事会制度というようなものが一応一つの試みであります。これも先ほど竹田委員おっしゃいますように、おそらく私はこういう制度導入をして実施をいたしますとしましても、試行錯誤だろうと思います。複数の合議制の機関というものができまして、すぐに非常に円滑適切に運営されるかどうか、やはりやってみて、それに基づいた経験に即して、また直すものは直していくということでなければならないと思うのでございまして、特に全般をごらんになりまして地方制度調査会の考え方というものを具現をしていない、こういうふうにおとりになるかもしれませんけれども、私どもは私どもなりに判断をいたしまして、なるべく現状というものを前提にしながら、弾力的に運営ができるようにというくふうは加えたつもりでございます。
#89
○竹田四郎君 そういう点についてはもう少し私、議論をしたいのですが、時間もありませんのでやめたいと思いますが、ただ、一言私は申し上げておきたいことは、戦後の日本の民主主義というものに対してはいろいろな反省が加えられているわけですね。各方面からも、日本の民主主義というのはほんとうに民主主義として将来育っていくだろうか。きのうあたりの国鉄ストにいたしましても、この民主主義がやはり問い直されている面があるわけであります。そうした面は、与えられた民主主義というものであってはなかなか育っていかないという反省があろう。やはり自分たちがっくり上げていく民主主義でなければ私はいけないし、たとえば公害の問題にいたしましても、私は、これはいままで与えられた民主主義の中であったからこそ公害というものがこんなに全国的な、世界でも有数な公害列島ということになってしまった。自分たちがつくっていった民主主義であるならば、公害という問題も、あるいは都市集中という問題も、今日ほどのことにはなっていかないし、なかったろう。こういうことが特に強く最近自分自身でも反省をしておるつもりであります。そういう立場が私は自治省の立場ではないだろうか、そういう点で、自治省のあり方というものもひとつ今後十分考えていただかなければいけないというふうに思うわけであります。
 それから先ほどの第三点ですね。その答申のラストにあるところの都道府県の市町村連合に対する事務の移譲をすることができると答申にあります。先ほどいろいろな調整関係があるというようなこともおっしゃっていましたけれども、いま事務を、下というと語弊があると思いますが、国や県の権限を市町村のところにおろしていけという世論というものは非常に強いと思う。で、ここで連合というものを考えていきまして、そこへそうした県の権限をおろしていかないということになりますと、結局これは、広域圏の仕事の大きなものというのは広域行政の問題ということになるわけですから、この連合の問題もやはり広域行政の問題になる。そうしますと、ここにもう一つ段階ができてしまう。連合できめて、それをまた県へ持っていく、こういうことになってしまうということになれば、いたずらに事務の渋滞を巻き起こしてしまう。県の行なっているところの権限の中で、数カ町村に及ぶところの広域的なものの権限というものは当然おろしていっていいのじゃないか。この点も非常に異なるのですね。どうでしょうか。
#90
○政府委員(宮澤弘君) 確かにお考えのようなものは私は当然あると思うのでございます。ただ、いまの段階で県がやっております権限を広域市町村圏におろしていくということになりますと、広域市町村圏自身のまだ固まりかたというようなものも不十分という点もございますが、いまの県というものをやはり一応前提にいたしまして、そのうちの仕事を広域市町村圏にいまおろしていくということになりますと、むしろ行政主体、事務配分の面から見た行政主体というものが、県と広域市町村圏と市町村というように、むしろそこで三段階になってしまうということもひとつ問題ではなかろうかと私は思うわけでございます。将来一体、県というものがどういうふうになっていくかということにつきましては、御承知のようにいろいろ議論があると思うのでございます。しかし、私は現在県がやっております仕事のうちでいずれ市町村におろしてよろしいもの、またおろすべきものというものは私はあると思うのでございます。その点におきましては、竹田委員のお考えとそう違わないものと私は思っているわけでございますけれども、それはやはり基本的に申しますならば、県の制度をどうしていくかということとの関連において考えていい問題というふうにも私には思えるわけでございまして、先ほども申しましたように、広域市町村圏自身の熟度の問題もございますし、いま申しましたような考え方もございますし、さらに具体的な問題といたしましては、先ほども触れましたように、いろいろな行政の主管をしております各省の考え方というものもございます。そういう意味合いで、今回におきましては、地方制度調査会の答申がございましたけれども、そういう措置をとるまでに至らなかったわけでございます。しかしいずれか将来の機会におきましては、県のあり方との関連におきましても、竹田委員御指摘のような傾向になっていくであろうということは私は言えるだろうと思います。
#91
○竹田四郎君 いまの広域市町村圏の熟度が足りないというようなお話がありましたし、それから関係各省庁がまだそこまで踏み切っていないというような問題をお聞きしますと、そういうことができない、熟度がそこまでいっていないという段階で、連合というものをどうして出してきたのか。もう少し熱度を強めていけば、私はそこに必然的に新しい組織というものをつくらざるを得ないというところへいくでありましょうし、そういうものをつくっていけば、その中の仕事の上で、こうしたことはこうしなければならない、それを受け入れるところの体制というものもできていくでありましょうし、確かにいますぐ連合に都道府県の権限の一部を与えるということになれば、事務になれていない、あるいはそこの職員の能力がそこまで達していないという問題はあろうと思いますけれども、熟度がある程度高くなっていけば必然的に私はそういう体制が出てくるのではないか。そういう点では、むしろ都道府県の事務の移譲を進めていくような考え方を、せっかくここで法律をつくるとしたら、私は出しておいたほうがいいだろう。それをいつ権限を移譲するかということについては、それぞれの広域市町村圏の熟度の関係、あるいは能力の関係、そうしたものと結びついてくるだろうと思うのです。それを初めからそういうものを予定していないという考え方は、やはり何か地方自治体を県のあくまでも傘下に置いてしまおう、県がコントロールできやすい状態に置いておく、そうした考え方が何か基本にあるのではないかと、こう思いますが、どうでしょうか。
#92
○政府委員(宮澤弘君) お説を伺っておりまして、根本はその熟度の問題だと私は思うのでございます。言ってみれば、あるいは鶏と卵の議論に多少近くなるかと思うのでございますけれども、私どもの考え方といたしましては、現在、市町村が個別的に与えられた権限、あるいは個別的に処理することを必要とされております仕事を広域的に共同して処理をしていくということに中心と申しますか、重点を置いているわけでございます。しかも広域市町村圏ということから考えますならば、四十四年度に指定をいたしましたのが第一号でございます。そういう意味合いで、市町村の現在の仕事を広域的、共同的にやってまいりますうちに、ただいまお話の熟度というものも高まってくるであろう。そういう段階におきまして、いまおっしゃいましたような、現在府県がやっておりましても、それを市町村レベルで広域的に処理をしたほうがより住民の身近な事務処理ができるというようなことに私はだんだんなっていくであろうということは、竹田委員のお考えとそう違わないと思うのでございます。現在の段階におきましてそういう措置を講ずる、あるいはそういう規定を設けるということにつきましては、まだ早いような気もいたしているわけでございます。
#93
○竹田四郎君 県の段階で地方事務所というのがございますね。郡の範囲において何々地方事務所というのがございます。この地方事務所があるということはむしろ行政の対応を非常におくらせている。あるいは二度手間だ、三度手間だということがいままで非常に強い町村からの意見があったわけです。神奈川県の場合には、そうした意味で地方事務所という形を変えて、町村と県とが直結をしていくという方向にいま進みつつあるという、そういうところから一つの行政に対する対応を迅速に直接的にやっていくという要求がすでに出ているわけです。あるいはまた東京湾を一体とするところの港の問題でも、もう少し関係各市町村の連携をうまくやりたい、ですから、いまの港湾管理者の制度がいいのか悪いのかという議論もここにはされてくる。公害でも、また公害防止の都市連合というものの提唱も一方にはある、こういうように考えてみてまいりますと、一つの展望というものを与えていく必要があるのではないか。そしてそこではこういう形で、連合の中で公害防止について処置がとれるという要請は具体的に出ているわけです。ですから、やはりそうした権限移譲についても展望を与えていく。法律の中でも展望を与えていくということが必要でないでしょうか。
#94
○政府委員(宮澤弘君) 私は竹田委員のお考え自身は決して反対ではないのでございます。また、こういう公の席で個人の気持ちなり見解を申し上げることはあるいは慎しむべきであるかもしれないのでございますけれども、個人的には、私は将来の展望といたしましては、いま竹田委員が御指摘になるようなふうに動いていくだろうという感じを非常に強く持っております。ただ、先ほど来申し上げておりますように、やはり現実の法律制度といたしまして立案をし、国会に御審議願うということになりますと、やはり先ほど申し上げましたようないろいろな事情がございまして、いま一挙にそういう展望も含めたことを制度化をしていくということはまだ時期が早いのではないか、広域市町村圏なり市町村の共同処理体制の固まり方を見ながら、いずれ次のステップとしてそういうことを考えていっていいのではないか、こういう気持ちでございます。
#95
○竹田四郎君 もしそういうことであるならば、先ほどもお話がありましたように、今度の連合の問題というのは、広域市町村圏をおおむね一つの圏域としての連合というふうな考え方が強いように私は思っております。そうであるならば、もう少しこの連合問題というものは、現実の実情に合った、熟度が高くなり、ある程度のそうした展望も生まれてくる、そうした時期に法案を提案すべきじゃないでしょうか。早過ぎるのじゃないでしょうか。
#96
○政府委員(宮澤弘君) 今回御提案を申し上げております連合は、単に広域市町村圏におきます市町村間の事務の共同処理の一つの仕組みとして御審議を願っているばかりではございません。たとえば新しいニュータウンをつくる。東京都下で多摩ニュータウンというようなものがいまでき上りつつあるわけでございますけれども、このニュータウンの区域が数カ市町村の区域にわたっているわけでございます。これについて合併その他の議論もございますけれども、合併まではなかなか到達をいたさないということになりますと、ニュータウンの区域におきます行政を一体的に処理をいたしますためには、何かやはり市町村間の総合的な事務の共同処理方式が必要であるというようなことで、私どもは、この連合の制度は、たとえばニュータウンの区域におきます市町村の共同処理の場合でございますとか、あるいは都市圏域におきます都市間の連合というようなものにも使われることを期待をいたしているわけでございます。しかしおもな活用方面といたしましては、やはり何と申しましても広域市町村圏ということであろうと思います。そこで、熟度云々のことからいって、こういう法案を提案するのはまだ早いのではないか、こういう御質問でございますけれども、先ほど来申し上げておりますように、現在の市町村に与えられました仕事というものにつきましても、数カ市町村の区域で関係市町村が共同して処理する必要性が多いものが出てきているわけでございまして、これにつきましては、現実に日本全国各地で各種の共同処理方式、特に従前の一部事務組合方式が活用をされております。一部事務組合現在大体二千七百くらいあったかと思うのでございますけれども、活用をされているわけでございます。広域市町村圏の圏内におきましても、事務を共同処理するために一部事務組合の方式がとられているわけでございますけれども、一つの広域市町村圏の中に一部事務組合が、場合によりましては十も二十もできているという現実もございまして、その間の事務の円滑な運営ということをはかります意味から申しましても、従前の一部事務組合の制度に加えまして今回御提案を申し上げておりますような異なった種類の仕事も共同して処理できますような仕組み、しかもその前提といたしまして、全般的な計画というものを立て、それに基づいた事務の処理ということは、現実に各地域におきましてその必要性が強調されているわけでございます。私は、現段階におきましてこういう制度というものはぜひ必要であろうと思うのでございます。それと、先ほど来お話がございます現在県がやっておりますような仕事、これも次域市町村圏的なもので処理させるほうが適当ではないか。私はそういう方向自身は、先ほどからるる申し上げておりますように、将来の方向として決して否定をするわけではございませんけれども、この問題とは一応別個の問題といたしまして、現在市町村の共同処理方式としてこういうものが必要であるというふうに私どもは考えているわけであります。
#97
○竹田四郎君 いまも二千七百、三千近いところの一部事務組合、あるいはそのほかに協議会とかというものがあるわけですが、連合という広域行政機構をつくらなければ、いまのままでどうしてやっていけないのか。それは若干経費の面から言えばかかるかもしれません。そういう面のマイナスはあるにしても、先ほど申しましたように、地方自治を育てていく、地域の生活環境を整備をしていくということであれば、そのくらいの経費というものは私はそう大きいものじゃない、こう思うわけです。金の問題では私はないような気がいたします。金が少しかかるということであれば、いままでの事務組合、協議会、こういうことでも十分達成できる面があるのではないかと思いますけれども、それが達成できないから連合というものを持ってきたのだと思いますけれども、一部事務組合ではどういう理由でやっていけないのか、どういうことでそれには不備があるのか、その辺をひとつ明確にしていただかないと、いたずらにただ連合連合ということで、新しもの好きでそっちにいってしまうということになると思います。その辺をひとつもう少し十分御説明をいただきたいと思います。
#98
○政府委員(宮澤弘君) 広域市町村圏等の施策を中心にいたしまして、全国各地方におきまして住民の生活圏というものを中心にして総合的計画的に行政をやっていく必要性と申しますか、要請が強いことは申し上げるまでもないと思うのでございますが、そこで、そういう要請に対してこれまで地方公共団体はどういう形でこたえてきているか、どういう事務処理組織でそれに対応をしているかということをまず申し上げたいと思うのでございますが、それは、広域市町村圏の実態を見ますと、区域全般にわたり総合的な計画というものを関係市町村が相談をしてつくるわけでございますけれども、それのつくる仕組みといたしましては、地方自治法に基づきます協議会、あるいは事実上の協議会というものもございますけれども、そういうものが大体活用されておる。もちろん、中には地方自治法の一部事務組合で計画をつくっているものもございますけれども、そういう形になっていたわけでございます。それから、計画は計画といたしまして、地方公共団体が共同して事務を処理する、その計画に基づくものといたしまして事務を処理するといたしました場合には、御承知のように、現在の地方自治法上の一部事務組合というものを地方公共団体は活用をいたしていたわけでございます。
 そこで、先ほども申しましたように、一つの広域市町村圏をとってみますと、その圏域の中に事務処理の一部事務組合というのが十も、場合によりましては二十もできて、平均いたしますと、おそらく六つ、七つというものだろうと思うのでありますけれども、十も二十もできているわけでございます。それは、現在の一部事務組合という制度が、構成の地方公共団体が同種の事務を持ち寄ってそれを共同処理する仕組みである、こういうことで制度化されているからでございます。たとえば、A、B、Cという三つの市町村が水道の事務を共同処理をする、それから、同じ圏域の中でA、B、C、Dと、今度はDも加わりまして、A、B、C、Dという市町村が下水道に関する事務を共同処理するということを想定をいたしますと、上水道と下水道でございますから、その間関連もございますし、それを一緒に処理できればという要望がある場合におきましても、上水道の組合はA、B、Cでございますが、下水道の組合はA、B、C、Dでございますので、それを両者を統合いたしまして、A、B、C、Dが上水道と下水道を一つの組合で一緒に処理するということは、現在の一部事務組合の制度では不可能であるわけでございます。しかし、先ほど来申し上げておりますように、広域市町村圏の区域内には非常にたくさんの組合があるわけでございます。で、その組合の中には、たとえば、例が適当であるかないか存じませんけれども、競馬とか競輪というようなギャンブル組合のように、地域の総合整備というものとは直接関係のない組合もございましょうし、あるいは組合の実態なり沿革から申しまして、その組合をそのままにしておくのが適当なものもあるかと思いますけれども、しかし、中には全般的、総合的な計画に基づきまして、一つの機構として共同処理をしたほうがおのおのの事務の相互間の関連というものも全般から見ることができるわけでありますし、加えて、機構なり運営も簡素化、合理化できるというものも少なくないと思うのであります。そういう事務処理の必要性から申しまして、これまでの一部事務組合に違う機能というものを与えましたものが今回の連合であるわけでございます。
 それから、先ほど広域市町村圏の計画は協議会を設けてつくっているのが少なくないと申し上げたわけでございますけれども、協議会と申しますのは、それ自身人格を持っている組織、機関ではございません。いわば、関係地方公共団体の執行機関の一つの共同組織でございます。したがって人格もございません。財産権の主体になるわけにもまいりませんし、それ自身予算を持ちましたり、あるいは契約を結ぶというようなこともできないわけでございます。そういう意味合いから申しまして、総合的に計画をつくりまして、その計画に基づいて共同して処理する事務につきましては、なるべく機構的にも合理的に処理できるような仕組みをつくりたいというのが、今回提案を申し上げております連合の、従来の一部事務組合というものとの対比におきます御提案を申し上げております理由でございます。
#99
○竹田四郎君 一部事務組合が非常に十も二十もあるということですが、しかしそういうものはそんなにたくさんあるわけじゃないんでしょう、一つの圏域で。いま圏域幾つ指定されておるか存じ上げませんけれども、そういう圏域で十も二十もあるという圏域は何割ぐらいありますか。各国域がみな十も二十も持っているというなら、それはわかりますけれども。
#100
○政府委員(宮澤弘君) 二十もあるというのは非常に多い例でございます。おそらくいままでの広域市町村圏平均をいたしますと、既定の組合でございます、既定の組合が、さっきちょっと申しましたけれども七つくらいあろうと思います。しかしこれは既定の組合でございます。今後さらに何か事務を共同処理する必要性――その必要性というのは次第次第に出ているわけでございますが、そういうものが出てくるといたしますればふえる可能性はございますけれども、現在広域市町村圏平均をいたしますと、おそらく組合が七つくらいあるというのが数字ではないかと思います。
#101
○竹田四郎君 私はこの二千七百ある事務組合というのが本来的な事務組合の機能を持っておるかどうか、この辺も考えてみなくちゃいかぬと思う。必ずしもそうでないような例というのが幾つかあるわけなんです。たとえば屎尿処理場なんかの問題についても、なるほどそこへ持っていってやるということはある。しかしながらその場所の決定などに関連しては、きのうだったですか、ちょっとお話し申し上げましたが、そういう点ではなるべく人のところにやりたいがためにつくっておるようなものも私はあると思う。ですから、事務組合自体を、やはり本来の事務組合であるのかどうなのか、その辺というものはもう少し、ただ数字だけで言ってしまうということは私はあまりいいとは思わない。あるいは文化会館などにいたしましても私は同じだと思います。これは逆に自分のほうへ引っぱりたい、こういう形で行なっておる。ですから、もう少しその事務組合そのものの内容というものもさらに検討をしてみる必要がある。ただ、ほんとうに住民が事務組合でなければ自分たちの生活環境が守れていけないのか、あるいは、ただ単にお役所の立場から見て、そういうふうにしたほうが効率的で便宜である、私はその辺は先ほどのやはり地方制度調査会の答申との関連で十分見ていかないと、ただつくらしてくれ、それじゃつくってあげましょう、認めてあげましょうというようなことであってはならないと思うのですが、しかしその二千七百というのは、ほんとうにそういう住民の福祉という立場から住民がそれを望み、そうして事務組合をつくっておると、そういうことでありますか。そういう調査をしたことがありますか。
#102
○政府委員(宮澤弘君) 一部事務組合につきましては、ある程度私ども調査をいたしているわけでございます。この組合の中には、おっしゃいますようにいろいろ多種多様でございまして、先ほど私ちょっと触れたわけでございますが、競輪や競馬というように、それ自身は直接住民のサービスの向上と申しますか、そういうものには関係がない。まさに競馬や競輪の組合のように、いわば役所の立場と申しますか、効率的、便宜的に設けているというようなものもございます。しかし、組合二千数百ございますが、そのうちで数として比較的多いほうから申しますと、社会福祉関係と申しますか、そういうものが一番多いのでございまして、先ほどお話がございましたように、たとえば屎尿処理というような環境衛生関係というものが大体八百ぐらいございます。これが数としては一番多いわけでございます。これは、なるほどたとえば屎尿処理場なりじんかい焼却場をつくる際にはいろいろ議論がございます。これはおのおのの市町村が建設をいたしますときにも議論がございますし、共同して処理をいたします場合にも議論されるわけでございますけれども、それをつくっておりますのは、私は、別につくってそれを自分の区域外に持っていこうという意図よりは、やはりそれをつくりますことによって、じんかい焼却場なり屎尿処理場、最近は相当高度の大規模なものが必要であるわけでございます。しかし、そういうような見地から申しまして、共同して処理をするほうが住民に対するサービスが向上をする。もちろんそういう見地から一部事務組合というものが設けられていると、これが多いと申しますか、普通であろうと思うのでございます。おっしゃいますように、その場合に、場所の決定その他ということに議論がございますことは否定はいたしませんけれども、やはりそれは、そうすることによって住民に対するサービスが向上をするということが基本になって設けられているのが私は普通だと思います。
#103
○竹田四郎君 私は事務組合そのものを否定しているわけじゃないんですよ。あなたのほうが十も二十もあるという数字をお示しになっているから、それじゃあ本来的にその十も二十もあるというのは、いずれもどれもどうしても住民の福祉のために必要なものかということには私はならぬだろうということですよ。事務組合全体を私は否定しているわけじゃないんです。ところが十も二十もあるような状態になっているから連合が必要だと、それはあなたの説というのはあんまり根拠がないだろうと、数だけの問題ではない、質の問題も重視していかなければ私はいけないだろうと、こういうことを主張してるんですよ。数だけでいえば、それは幾らでもそういうものは数えられるでしょう。問題は質だと思う。どうですか。
#104
○政府委員(宮澤弘君) 私も、個別の地域についてその必要性なり運営の実態を知悉をしているわけでございませんけれども、十も二十もあるということを申し上げたわけでございますけれども、その二十の中身というものを見ましても、上水道でございますとか、老人福祉施設でございますとか、火葬場でございますとか、屎尿処理場でございますとか、そのやっております仕事自身というものは、やはりそうすることによって関係住民に対するサービスが向上をするということを目的にしたものが私は多いというふうに考えていいのではないかと思います。
#105
○竹田四郎君 その点、私は局長とは意見を異にしております。私は、ある一定の、先ほどの熟度という問題もありましたように、やはり熟度というものとの関連で問題を考えていかなければいけないだろう。ことに、そういうふうにたくさん、住民がほんとうにこれでは手間がかかり過ぎてしょうがない。これはもう少し簡便にしようというような意識というものが生まれてきて初めてそこに連合というものができ上がっていくということであれば、連合そのものに対しても私どもは反対するつもりはありません。しかし、ただおっしゃるように数字だけの問題でそういうことを言われるということについては、どうも納得をいたしかねるということを申し上げておきたいと思うんです。それから、連合ということになりますと、ほんとうに住民の福祉、地方の自治の発展になり得るのか、なり得ないのか。私はむしろ連合というのは、この間の公聴会の参考人の御意見の中にもありましたけれども、あまりにも各地域のエゴイズムというか、そういうものが強過ぎる、それで仕事がなかなか進んでいかない。ですから連合というようなものにしたほうがいいんだ、こういう御意見の方もあったように思います。私はそれは間違いではないと実は思うわけでありますが、連合と関係市町村との関係というのは、必然的に関係としては私は薄くなる。きのうあたりの和田委員のいろいろな質問の中でも、住民とますます遠くなっておる。各構成の市町村の中でも薄くなっておる。こういうふうに思いますが、そういうことにはならないですか、どうですか。
#106
○政府委員(宮澤弘君) 連合は、たびたび申し上げておりますように一部事務組合でございまして、本来一部事務組合は、市町村自身が処理いたしますものを、関係市町村が仕事を出し合って、ほかの団体をつくって処理をする仕組みでございますから、したがって、当該市町村自身が処理をすることではないという意味合いにおきましては、関係市町村の手から仕事が一応離れていくわけでありますから、薄くなっていくという表現自身は私は誤りではないと思います。
#107
○竹田四郎君 いままでの事務組合の場合には、仕事を通じてそういう形で結びついていますから、今度の連合の場合よりは結びつきは強いと思いますね。今度の連合になった場合には、必ずしもその仕事が同一でなくてもいいわけですね。さっきの例で言えば、A、B、Cが上水道をやる、A、B、C、Dが下水道をやる、これは一つになれるわけですね。そうすると、Dというものは、これはやはりそれだけ拘束力は私は少なくなっていくんじゃないかと思いますが、どうですか。
#108
○政府委員(宮澤弘君) あるいはおっしゃいます趣旨を十分了解をいたしていない答弁かと思うのでございますが、連合と一部事務組合――従前の一部事務組合と、今回御提案を申し上げております連合としての一部事務組合、これは関係市町村との関係の厚い、薄いという点は私は違わないというふうに考えるわけでございます。私が先ほど例にあげましたことをただいまお話しになったわけでございますけれども、Dの団体といたしましては、下水道は共同処理機構で処理をすることになるわけでございますけれども、上水道はこれに加入をいたしておりませんので、もちろんそれは構成市町村であるものが処理をするわけでございますので、連合になりましたからと申しまして、従前の一部事務組合と比較をして、一部事務組合と構成市町村との関係が薄くなるということには私はならないと思います。
#109
○竹田四郎君 たとえば、いままでも一部事務組合には事務局長というような者があったかと思いますけれども、今度の場合には、事務局長の権限というものはかなり大きくなってくるんじゃないですか、いままでの事務組合と比べて。同じですか、全く。
#110
○政府委員(宮澤弘君) 従前の一部事務組合には、今度御提案申し上げておりますような事務局長という制度はございません。事務局長という制度は、連合である一部事務組合について新たに設けようとする制度でございます。
#111
○竹田四郎君 そうしますと、もうその連合というものは、規約によっておそらくこれは事務局長というようなことになる場合が多かろうと思います。そうすれば、事務局長の権限というものは、この間も、重要な事項というのはこの規約によって定めるということではありますけれども、事務局長の権限というのは非常に大きなものになってくるというふうにはなりませんか。
#112
○政府委員(宮澤弘君) 事務局長の制度も、実は先ほど御議論がございました地方制度調査会の答申の考え方を入れました一つの制度であるわけでございますが、事務局長自身は、この法案にもございますように、ただいま竹田委員も御指摘がございましたように、規定で定める重要な事項といたしましては、おそらく総合計画の策定に関する事項でございますとか、あるいは条例案なり予算案なりの作成に関する事項でございますとか、あるいは重要な財産の取得、処分なり契約の締結というようなものが含まれると思うのでございますが、そういう事項を除きまして、通常の事務処理を事務局長でさせるのを常例とするというたてまえにいたしているわけでございます。しかも、そういう仕組みというものを活用したければ活用できるという形に位置づけているわけでございます。この点は、先ほど来お話がございましたように、従前の一部事務組合の事務処理機構と違った点ではございますけれども、それであるがゆえに一部事務組合と関係市町村、構成市町村との間が特に薄くなるというふうに考える必要はなかろうかと私は思います。
#113
○竹田四郎君 いままでは一つの事業、具体的な事業を通じて事務組合ができていたわけですね。今度は必ずしも一つ一つのことによって縛られているわけじゃないのですね。そうすれば、私は当然また同時に連合の扱う事務の内容というのもだんだんだんだん広がっていくだろうと思うのです。初めは少しであったけれども、だんだん大きくなって、ほんとうに十や二十というような形に連合のやる仕事というのは大きくなっていくのが当然だろうと思うのです。そうなってまいりますと、先ほど申し上げましたように、住民の市町村に対する関心と、都道府県に対する関心度という問題とは同じようになってくるのではないだろうか。また、自治省はそれをねらっているのではないかと思うのですが、どうですか。
#114
○政府委員(宮澤弘君) 連合と市町村との関係と申しますか、連合で処理する事務と、市町村で処理する事務というもののあり方との関係における御質問だと思うのでございます。現実に各地域で総合的計画的に共同処理する仕事が出てきておりますことは事実でございますけれども、しかし、現在の個々の市町村で処理するほうがより適切に、また円滑に処理をされる仕事というものはまた非常に多いわけでございまして、現在その両者の仕事がある。しかし、非常に遠い将来ということを考えます場合は別にいたしまして、現在の状況を前提にいたします限りは、市町村と連合との立場が逆になるというようなことは私どもは考えられないと思うのでございます。
#115
○竹田四郎君 いまの一部事務組合の形でいくと、どうしても市町村の拘束力が強い。だから総合的な仕事はできない。また道路等においてもそういうことができない、こういうふうにお考えにはならないわけですね。
#116
○政府委員(宮澤弘君) いまの一部事務組合の仕組みでいけば、各構成市町村の拘束力が強くて、それから今回の連合である一部事務組合になれば、その関係がなくなるというふうには考えておりません。
#117
○竹田四郎君 薄くなっていくことは事実でしょう。
#118
○政府委員(宮澤弘君) 薄くなるという意味でございますけれども、いままでの一部事務組合は各個別の事務を処理をしている。先ほどお示しのとおりでございます。それが連合になりますと、場合によりましては数種の事務を共同で処理する場合がある。その場合に、それをもし薄くという表現をお使いになれば、薄いわけでございますけれども、私はそれを薄くなるという言い方をするのが適当であるかどうかという感じがいたします。
#119
○竹田四郎君 遠藤振興課長さんというのはどういう方か私は知りませんけれども、遠藤振興課長さんが四十四年度に「市町村の経営」というのに載せられている文章を見ますと、こう書いてありますね。「一部事務組合は地方自治法上の特別地方公共団体とされ、市町村に準じた議会、執行機関を置かねばならず、事務処理運営についても普通地方公共団体なみの法的規制を受けることになっている。また一方、議会および執行機関の構成、規約の変更手続等をみてもわかるとおり構成団体たる各地方公共団体との結びつきが強くそれだけ独立性に乏しい。このような事情であるから、特定の行政の処理、定型的な施設の管理等には適していても、一般的に弾力性、機動性に欠けるうらみがあり、最近ますます需要が高まっている開発行政等総合的な事務の執行には必ずしも適していないようである。」こういうふうにお述べになっているわけですが、これはいま局長の言ったこととはどうも私は違うように思うのです。振興課長さんがそういう御意見で指導されているんじゃなかろうかと私は思うわけですが、どうでしょうか。
#120
○政府委員(宮澤弘君) 書きました本人がここにおりますので、後ほど答弁させますが、私がただいまお読みになりましたものを伺った限りにおきましては、個別の一部事務組合ではなかなか行政上の相互間の総合性というようなものを確保しがたい、最後の結論的なところはそこにいっているのではないかという感じがいたしますけれども、本人もおりますので、本人のほうから書きました趣旨を御説明させます。
#121
○説明員(遠藤文夫君) 私の本を引用いただいて恐縮でございますが、私の書きましたものは現在ここに手元に持っておりますものでございますけれども、表現そのものが適当であったかどうかということはあろうかと思いますが、いまお伺いした限りにおきましては、現在あります一部事務制度というものについて一般にいわれております、何と申しますか、問題点といいますかというような点につきまして、要約して問題点を指摘したということでございまして、先ほど私ここで局長の答弁を聞いておりましたのでございますけれども、局長の申し上げている趣旨と特に私は違っているようなことを申し上げている感じはいたさない、恐縮でございますけれども、いたさないわけでございます。
#122
○竹田四郎君 あなたとじっくり話をすればそうかもしれませんね。あるいは意見の一致をすることがあるでしょうし、あるいは意見が相違している点もさらにはっきりするだろうと思うのです。あなたはこういう形で出されているわけですね。あなたと直接話をしないで読む人がたくさんいるわけです。特に市町村には多かろうと思う。特にここに書いてある「最近ますます需要が高まっている開発行政等」、総合的なものは私はわかります。開発行政のために総合的な連合というものをつくっていかなくちゃならない、こういうふうに私ども受け取れるわけであります。そうした構成市町村の拘束力を弱めていくためには、その機関というものも、きのうあたりから論議をされている、なるべく遠いところに置いておく、こういうふうにしか私は解釈できないわけです。そのために、もう一部事務組合ではだめだ、だからそれにかわる力を持った連合というものを置かなければ開発行政の需要に応じられない、こういうふうに私どもはとれるわけです。
#123
○説明員(遠藤文夫君) その当該部分と前後との関係がございますと思いますけれども、現在の一部事務組合というのは、私の考えておりますのに、現在の一部事務組合と申しますのは、おそらく御指摘にありますように、実際の運営の状況を見た場合に、関係団体に対する独立性に乏しいということは、その程度の問題もあって、そこまではっきり表現したらどうかということはございましょうが、一般的にいわれていることではないかと思います。で、新しい地方団体の制度というのは、連合におきましても、いわゆる総合性という見地から言いますれば、個々の仕事、要するにいままでの従来の一部事務組合とは違うということは御指摘のとおりでございますけれども、関係団体と一部事務組合との結びつき方自体というものにつきましては、今日手を加えているわけではないわけでございまして、これは私局長の答弁を聞いておってのことでございますけれども、今度の連合制度というものが総合的に仕事をするという点において前と違ってくるという御指摘ならわかると思いますが、だからといって結びつきが薄くなるというような形には、制度的にもなっておらないし、運営上もそのような形になることはないのでございます。むしろ言うように、今度の私お話をお伺いしている限りにおいては、そういうふうな感じははっきりしないわけでございます。
#124
○竹田四郎君 遠藤さん、総合性、総合的というのはどういうことなんですか。総合的ということをあなたはいまおっしゃられた。何で総合的というものがそんなに必要なんですか。
#125
○説明員(遠藤文夫君) 総合的ということば自体を一般に、何といいますか、一般に使われていることばとそう違ったつもりで、その厳格な意味で使っているわけじゃございませんけれども、一般にいわれておりますように、ばらばらに各種の機関で仕事をするよりも、なるべくまとまって仕事をしたほうがお互いに連絡もとりやすいし、全体としても効果が上がるのではないかというような意味で申し上げておったわけでございます。
#126
○竹田四郎君 そういうふうに簡単にことばを使われては実に困るわけです。今度の提案理由の説明にも、「市町村が共同して総合的」ということばが前にちゃんと出ておりますね。それからその法の文にもおそらくそういう「総合的」ということばが出ていたと私思うのです。そういう意味で、この「総合的」ということばを市町村の経営の中に、市町村の組織の中に、そういう形でそのくらい単純にお使いになっているのですか。しかし下の市町村の職員というのは、総合的とは何だということでずいぶん議論するのですよ。あなたはそんなに単純にお使いになっているだろうと思うのですが、たいへんなことだと思います。一つのことばの解釈というものは非常にむずかしいものだと思います。だから、いま単純におっしゃられたように、ばらばらであってはいけない。私はそうではないと思う。
 局長、この提案理由の説明にある「総合的」というのはどういうことです。いま課長の言ったことと対比しながら説明してください。
#127
○政府委員(宮澤弘君) 行政の分野で総合的な行政ということを申し上げるといたしますならば、この反対のことばは、ただいま竹田委員おっしゃいましたけれども、ばらばら行政であろうと思うのでございまして、そこで、それはそれといたしまして、提案理由にも、計画的、総合的な運営という表現を使っておるわけでございますけれども、それは、関係市町村の区域、特に広域市町村圏というようなものを一つの例にあげました場合におきましては、住民の生活圏域というものを中心にして広域市町村圏というものができておるわけでございますけれども、圏域の一つのまとまりというものを考えながら、同時に各地域における独自性と申しますか、特殊性と申しますか、そういうものを生かしていくということが私は総合的という意味であろうと思うのでございます。特に地域の開発整備という点から申しまして総合的ということを考えますならば、いま申しましたように、全般の一体的な計画というものを前提にして、各地域がおのおの地域にふさわしい機能分担をしていくということであろうと思います。
 それじゃ、そのためには一体どういう施策というものが裏づけになるのかということになるわけでございますけれども、これは各個別の行政分野相互間の関係というものを十分考えていくということが基本でございますけれども、具体的には、たとえば地域全般を通じます土地利用なら土地利用の計画というものを頭に置きながら、各地域の特殊性に応じた土地利用を考えていくというようなことは、総合的な地域の開発整備というものを考えますにあたりましての一つの基本だろうと私は思います。
#128
○竹田四郎君 したがいましてこの総合的、しかもここに「最近ますます需要が高まっている開発行政等」と書いてある。「総合的な」、こういうことばになってくると、もう当然国民一般の常識では、地域開発を進めていくためにはなるべく権限を上へ持ってくる、なるべく中央集権的にしていく、そういう理解をするのがあたりまえでありますし、現実にそういうことになっておる。そうした意味で、どうも連合というのはなるべく地域住民から引き離して、県の地方課が自由に操作できるようなものにしていく、地域住民が参加する民主主義、参加する地域住民を拒否していく、そういう制度をつくり上げていこうとするねらいであると思いますが、私の考え方は全然間違っていますか。
#129
○政府委員(宮澤弘君) 私はこう考えるわけでございますが、先ほど竹田委員と大臣との質疑応答の中で、今後の行政、特に自治行政を考えました場合に、市町村が中心になるべきではないか、こういうお考えのもとに質疑応答があったと私は思うのでございますが、私もまさにそうだと思のでございます。市町村レベルでやはりなるべく多くの仕事が片づけられるようにすることが、今後のわが国の地方自治を考えます場合に非常に重要なことだと思うのでございます。
 そこで、それでは現在の各市町村が個別に仕事をするという体制ではなかなか片づかない仕事というものが現に出てきているわけでございます。そこで、市町村が共同して事務を処理する仕組みというものについて整備をいたそうというのが今回御提案を申し上げている趣旨でございまして、地域開発というのはなるべく権限を中央に中央に吸い上げていくことになるのではないかという御質問でございますけれども、現に、たとえば都市計画法の施行に関する事項というようなものにつきましては、従前ほとんど国のレベルで処理をされておりましたようなものが、府県なり市町村の段階に権限が最近おりております。私どもはあれでもまだ不十分だと思うのでございますけれども、やはり地域の整備というものは、私は市町村というものを主体にして考えていくのが至当だと思うのでございますし、方向としてはそういう方向に私は向かいつつあるのではないか、また向かわなければならないのではないかというふうに考えております。
#130
○竹田四郎君 建設省で言っている地方生活圏と、今度連合の一応の構成団体として目される、この連合の基礎であるところの広域市町村圏と、こういうものとの考え方というのは一体どうなってるんですか。これはかなり各地域において、地方生活圏の設定と広域生活圏の設定ということではかなりいろいろ問題を起こしておりますね。全然問題がなかったわけでもない。しかしまあいろいろ話し合いもそこにはありましたけれども、地方生活圏の中で広域市町村圏が十分生かされていくというような形でおさまってるものが多かろうと思うんです。その関係はどうなりますかね。
#131
○政府委員(宮澤弘君) 先ほども千葉委員の御質問に対しまして多少御答弁を申し上げたわけでございますが、建設省の地方生活圏、それから私どものほうで進めております広域市町村圏、ともに地方におきます広域的、計画的な行政の処理の仕組みという点におきましては、類似性と申しますか、共通性を持っているわけでございます。しかし、その中身なり、あるいは圏域の策定の手続等におきましては、おのおの趣旨を多少異にしておりますので、異なっている点があるわけでございます。まず中身でございますが、広域市町村圏は、住民の日常生活圏というものを中心にいたしまして、関係市町村が共同して施設なり事務なりあるいは住民の生活水準のレベルアップをはかっていこうということが中心の考え方になっているわけでございます。ところが建設省の地方生活圏は、建設省所管の公共施設――主として道路というものが頭の中にあると思われるのでありますけれども、建設省所管の公共施設を広域的な見地から整備をしていこう、そのための計画であるわけでございます。内容的にそういう点が異なっているわけでございますし、それから手続的に見ましても、広域市町村圏は関係市町村が中心になって計画を策定をいたすわけでございます。ただし、計画を策定するにあたりましては都道府県知事とよく相談をする、こういうことになっているわけでございますが、建設省の地方生活圏は、逆に都道府県知事が地方生活圏の計画をつくる、つくる際に関係市町村の意見を聞くというような手続はあったと思いますけれども、逆になっているわけでございます。したがいまして、広域市町村圏計画は市町村の計画でございますけれども、地方生活圏計画はいわば県の計画でございます。そのように、内容、手続的に異なっているわけでございます。実際、圏域の大きさも異なってくるわけでございます。広域市町村圏は住民の日常生活圏を中心にして考え、構成をされておりますので、普通でございますと一つの県、各都道府県内に数個の広域市町村圏ができることが通常でございます。しかし建設省の地方生活圏は、その県のいろいろ地域の事情等によって異なるわけでございますけれども、比較的地形その他の関係、あるいは規模の小さい県でございますと、一つの県がそのまま地方生活圏になっていっているという例があるわけでございます。そういうふうに圏域の大きさが、建設省の地方生活圏のほうが一般的に申しますとかなり大きいわけでございます。以上のように、圏域の大きさなり、設定の趣旨なりあるいは手続なりというものに相違はございますけれども、しかし基本的には、ともに地方におきます広域的な行政処理の仕組みでございます。広域市町村圏計画を立てます際にも、建設省所管の広域的な道路の整備なり何なりの計画がどうなっていくかということとは密接不可分の関係が出てくるわけでございますので、確かに御指摘のように、当初は広域市町村圏計画と地方生活圏計画というものが一体どう調整をされるのかというふうに議論がございました。しかし私どものほうと建設省とも十分相談をいたしまして、また、先ほど申しましたように、地方生活圏の計画は県の知事段階できまるわけでございますし、広域市町村圏計画は市町村がきめますけれども、知事と相談をする、こういうことになっておりますので、県のレベルにおきましても調整をしてもらうということにいたしておりまして、現在のところは、広域市町村臓計画と地方生活圏計画とが計画上そごし、矛盾し、抵触するというようなことはないようにいたしているわけでございます。事実問題といたしましても、地方生活圏計画の区域が比較的狭くて、広域市町村圏計画の区域が比較的広い場合には、両者の圏域が完全に一致している場合もございます。しかし多くは、先ほど申しましたような計画の性格から申しまして、地方生活圏のほうの区域が大きいわけでございますので、一つの地方生活圏の樹域内に二つとか三つとか、場合によりましては四つとかいうような広域市町村圏計画がすっぽり入っていっているというような形で、両者矛盾のないように調整をいたしているわけでございます。
#132
○竹田四郎君 そうしますと、重なり方はいろいろあるにいたしましても、建設省の地方生活圏と広域市町村圏というのは矛盾なくつながっている、こういうふうに理解してよろしゅうございますね。
#133
○政府委員(宮澤弘君) さようでございます。
#134
○竹田四郎君 それでは、新全国総合開発計画と地方生活圏と広域市町村圏とはどういう形でつながっているのですか。
#135
○政府委員(宮澤弘君) 新全国総合開発計画は、御承知のように計画の策定に関しまして、開発整備の方式として三つの方式を採用いたしておるわけでございまして、第一番目が、全国的なネットワークを整備する。それから第二番目に、大規模開発プロジェクトを計画的に実施をしていく。それから第三番目に、新しい地域の開発整備の考え方といたしまして、広域生活圏を設定をして、圏域内の生活環境施設なり交通通信施設を整備をすることによって、国民がひとしく安全で快適な生活環境を享受し得るようにする、こういうことでございます。そこで、第三番目の開発方式の柱といたしまして、広域生活圏を設定をする、こういうことになっておるわけであります。それでは、全国総合圏発計画は、ここで申します広域生活圏というものについて何か具体的な考え方、具体的な構想というものを示しているかと申しますと、それは示していないわけでございます。住民の生活も向上をしているんだ、そういうことを頭に賢いて広域的な生活樹というものを設定をすることにより、各種の生活施設の整備充実なり、福祉水準のレベルアップをはかっていくことが必要である、こういうふうな考え方の基本を示しておるわけでございます。私は、自治省の広域市町村圏も建設省の地方生活圏も、ともにそういう地域を広域的にとらえることによって国民生活の水準の向上をはかっていくという考え方を具体的にしたものである、こういうふうに理解をして差しつかえないのだろうと思っておるわけでございます。
#136
○竹田四郎君 新全総の大きな役割りというのは、これは都市への集中というものは押えることはできない。だから全国を通信と交通のネットワークで結んでいこう、こういう考え方だと思うのです。こういう考え方の中で、私は当然、一番じゃまになっているものは市町村である、現在の市町村ですけれども、こういうふうに考えざるを得ませんし、新全総の大きなねらいというのは、日本の産業構造の大きな資本を中心とした配置がえである、こういうふうにも見ることができると思うのです。そこに過疎過密の問題が起きているわけです。だから、広域市町村圏をつくったがゆえに過疎過密は解消されるということに私はならないと思う。そうした経済の糸のようなものがはりめぐらされているところに公共施設をつくっても、地域の住民の福祉がかなえられるか。ますますそれはかなえられない。ますます過疎の地域は貧困を重ねていくし、金は都市に集まっても、そこには過密という問題が起きてくる、こういうふうになると思うんです。そういうような心配というのも、これは単なる杞憂にすぎない。新全総をやり、地方生活圏をやり、広域市町村樹をやっていけば――主としてこういうところは過疎地域が多いと思うんです。そういうところの福祉は守られていくという確信がおありなんですね。
#137
○政府委員(宮澤弘君) 私自身、全国総合開発計画の主管官庁ではありませんが、確信があるかという御質問でありますが、必ずしも御答弁を申し上げるのが適当ではないかと思いますが、それにつきましての私の考え方を申し述べさせていただきたいと思います。
 昭和四十四年にできました新全国総合開発計画でございますが、先ほど竹田委員は産業中心主義という考え方が抜き切れてはいないのじゃないかという御趣旨の御発言であったように記憶いたしておるわけでございます。私これを見まして、前回の全国総合開発計画、これは確かに経済の効率というものを重点に置いて、それを中心に展開をした計画であったと私は思うのでございます。それに対するいささかの反省が加えられておりますのが新全国総合開発計画であろうと思います。ただ、私の個人的な考え方でございますけれども、それに対する反省と申しますか、というものがまだ不十分であると私はそう思います。ことに、ここ二両年、国全般を通じまして、GNPに対する信仰というものについての反省というものが広く行なわれるようになったわけでございます。そういう意味合いにおきましては、全国総合開発計画というものは私はもう一度見直さなければならない。個人的にはそう考えておるわけでございますし、政府の関係の一部にもおそらくそういう考え方が私はあるのではないかと思うのでございます。
 それはそれといたしまして、現在の総合開発計画を見ますと、その中には、ただいま竹田委員は都市集中は不可避である、こういう考え方で全体が構成をされているのじゃないかというお話がございましたけれども、先ほど来私申しておりますように、前回の全国総合開発計画に対する反省的な検討も加えられた結果であると思いますが、大都市のたとえば機能を再編成いたしまして、いろいろ生産施設というようなものを徹底的に分散させる必要があるというような考え方というものも出ているわけでございまして、必ずしも都市集中不可避という考え方で構成されているのではないと思うのであります。そこに、私自身の考え方から申しますならば、もっと徹底的な地方分散と申しますか、それに対して地方の整備ということを重点に置いて全国総合開発計画というものはもう一度考えなければならないというふうに私は感じておるわけでございます。
#138
○竹田四郎君 理屈はいろいろあると思いますが、いままでのたとえば新産都市を設立していく、こういう場合に、具体的に何が一番最初に起きたかといいますと、市町村の合併問題が付随して起きているわけです。それなしには新産都市というものの計画も実はできなかった。いまのお話の中にもありますけれども、いまの資本主義の世の中で、たとえば工場が来る。そうした経済活動をやる大きな単位というものがなしに、そこで市町村の生活環境が、生活水準が上がっていく。そういうことは、政府が財政的な大きな投資をする以外に、あるいは社会保障が徹底していく以外に私はそういうことは起こらないだろうと思いますが、いまの広域市町村圏の構想でいきますと、そういうことができるわけですか。
#139
○政府委員(宮澤弘君) まず、新産都市の例をおあげになったわけでありますが、先ほど申し上げましたことと関連をいたしますけれども、私はやはり新産都市という政策は、当時の経済政策なり経済効率一点ばりの国民的な背景と申しますか、それがもとにあったわけでございまして、とにかく産業開発というものを重点に考えていく。新産都市という名前がついておりますけれども、いかにして産業の振興充実をはかるかということが中らであったわけでございまして、都市施設なり、あるいは都市の市民生活というものをどう向上していくかということの配慮というものがむしろないがしろにされていた傾向があると思うのでございます。広域市町村圏といいますのは、もちろん圏域内におきまして、樹域内の人たちが快適で安全な生活を営むようにすることでございます。圏域内に適正な職場が求められることも一つ重要なことではございますけれども、広域市町村圏の施策自身は、そこに産業を誘致をする、あるいは産業基盤を充実をするということを第一義的に考えているわけではないわけでございまして、圏域内の人たちの生活水準のレベルをどうやって上げることができるか、どうやって高いサービスをすることができるかということが広域市町村圏計画の中心の私は課題でなければならないし、現にそうだろうと思うのでございます。新産業都市の政策というものとは、考え方の基本において私は違っているのであると思うのであります。
#140
○竹田四郎君 私は新産都市がいいという意味じゃないのですよ。新産都市が設置されるというその際に町村合併が大規模に行なわれたという事実ですね、このことがあるのは局長もお認めだろうと思う。それと、資本主義の今日の中で、そうしたいま言われるような職場内に快適な生活がほんとうにできるのかどうか、農業もだめだ、林業もだめだ、地域における中心都市には一体どれだけ養うだけの能力を持っているのか、こうなると、これもそう持っているとはいえないでしょう。そうなってくると、やはり広域市町村閥の中で適当なところにはひとつ工場を持っていこう、先ほどの文章の中にもある、いわゆる開発の用に役立てよう、そういう考え方が含まれているような気がいたします。局長は、先ほど新全総は前の全国総合開発計画の修正として出てきている、その時期と、先ほどの遠藤さんがお書きになっているころというのは大体一致するわけですね。局長は、新全総自体にも反省しなければならない面がある、こう言っているわけですね。
 それから広域市町村圏の設定の構想もそのとおりだと、私はこうしたものが政府の中で、先ほどの話ではありませんけれどもばらばらに行なわれているわけではないと思う。総合的にやっているはずだと思うのですね、そうなってきますと、広域市町村圏というものといまの新全総というものとは、広域市町村圏を推し進めていけばよくなっていくというものではなしに、逆に新全総のからといいますか、その体系の中に組み込まれてしまっている、こういうふうには考えられませんか。
#141
○政府委員(宮澤弘君) 先ほど全国総合開発計画に対する私の所感を申し上げたわけでございますが、以前の全国総合開発計画に比べまして、私は新しい全国総合開発計画は進歩をいたしていると思うのでございます。それは、やはり前の全国総合開発計画についてかなり反省が加えられた結果だと思うのでありますが、しかし私なりに申し上げれば、まだこれでも不十分だということを先ほど申し上げたわけでございます。
 そこで、現在の全国総合開発計画の目標は竹田委員も十分御承知であろうと思うのでありますけれども、この計画の目標として四つの課題を掲げまして、四つの課題を調和させながら高福祉の社会を求めていく、こういうことになっているわけでございまして、四つの課題は、たとえば一番智頭に、長期にわたって人間と自然との調和をはかっていくというような課題、それからその次に、従前のわが国の国土の利用というのは、国土の利用が一部の地域に過度に偏している。おそらく太平洋ベルト地帯というような構想でございますとか、巨大都市に対する過度の人口集中というようなものを考えての表現だろうと思うのでありますけれども、国土の利用が一部の地域に過度に偏していたということに対して、これを反智をいたしまして、全国土を有効に活用するために、開発整備の可能性を全国的に拡大をしていくというようなことが第二点でございます。第三点に、それぞれの地域の特性に応じて独自の開発整備が進むというようなことを考えていかなければならないということが第三点でございます。第四点は、都市、農村を通じて安全で快適で文化的な環境条件を整備する、こういうことが新しい全国総合開発計画の目標でございます。
 私はこの目標自身というものにはいささかも異論がないのでありまして、この目標を達成するための具体的な手段というものにつきまして、なおいろいろ検討をし、過去のことを反省をしながらやっていかなければならないことがあるというふうに考えるのでございまして、全国総合開発計画の基本的な思想というものは、ここに掲げられております限りにおきましては、私は間違った目標ではないと思うわけでございます。
#142
○竹田四郎君 確かに文章で書かれた上では、間違った目標ではありません。しかし現実というものを見ていくと、必ずしもそうなっておりませんね。そうなっておりますか。
#143
○政府委員(宮澤弘君) 新しい全国総合開発計画の具体的な政策、手段、これがどう実施に移されているかということにつきましては、私はまださして見るべきものがないと思うのでございます。将来、たとえば大規模プロジェクトを行なっていくというようなことで、青森県の一部についてそういう動きなどが出てきておりますけれども、そういう点を除きますと、まだそう具体的に、幾つかの強い政策手段というものが確立をされまして、それが実施に移されていくということではなかろうと思うのでありますけれども、少くともただいま御議論の広域市町村圏的な考え方というものは、こういう全国総合開発計画の目標を達成いたしますための一つの有効な施策であるというふうに私は考えておるわけでございます。
#144
○竹田四郎君 この議論、長くやっていてもしようがありませんから次へ移っていきたいと思うのですけれども、一体広域市町村圏というのは、いままで幾つ設定をし、将来幾つぐらいまで設定をしようとしていますか。
#145
○説明員(本江滋二君) お答えいたします。
 広域市町村圏は昭和四十四年度に五十五、昭和四十五年度に七十三、したがいまして現在まで百二十八設定いたしております。昭和四十六年度、今年度は九十五を設定いたす予定にいたしまして、予算の措置ができておるのでございます。最終的にどれくらいの数になるかということでございますけれども、各都道府県からのいろいろな事情をお聞きいたしますと、大体三百四十から五十の問ぐらいに将来なるのじゃなかろうかと思っております。
#146
○竹田四郎君 そうすると、大体将来は三百四十ないし三百五十程度の広域市町村圏というものができて、大体それに乗って連合というものができていく、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
#147
○政府委員(宮澤弘君) 広域市町村圏の設定につきましては、現在まだ見通しの段階を出ていないものもございますけれども、ただいま振興課長が申し上げましたとおりでございます。そこで、連合は市町村が事務を共同処理する仕組みでございまして、先ほど来申し上げておりますように、広域市町村圏などで活用してもらうことを私どもは期待をいたしているわけでございます。広域市町村圏の事務処理の仕組みとして、この連合の制度はかなり活用されるというふうに思っております。
#148
○竹田四郎君 活用されるということはわかりますが、自治省としては、広域市町村圏にそういうものをつくってもらうという、そういう期待はお持ちになっているわけですね。
#149
○政府委員(宮澤弘君) 期待を持っているわけでございます。
#150
○竹田四郎君 そういたしますと、この際お聞きをしておきたいと思いますが、広域市町村圏が住民の福祉のために共同処理の事業をやるというわけでありますが、必然的に広域市町村圏の大きさというものも、一次生活圏とか、二次生活圏とか、いろいろな設定があるわけでありますが、広さというものも一定の限界が出てくるわけですね。その広さの限界というものはどのようにお考えですか。
#151
○政府委員(宮澤弘君) 広域市町村圏は、住民の日常生活圏というものを基本にいたしましてつくりますことを原則にいたしているわけでございます。したがいまして、日常生活圏というものの大きさというものによっても違うわけでございます。それから、やはり市町村というものを単位にいたしまして形成をするわけでございますし、それからまた、全国各地、比較的平坦で交通の利便などがいいところがございますし、それからそうでない場所もあるわけでございますから、地域地域によりまして、その大きさには大小いろいろのものができてくるであろうと思うのでございます。それがまた地方の事情に適しておりますならば、決して大きさというものは平均的にどうなければならないということではないと思います。
 御参考までに、いままでできました広域市町村圏の規模というものを申し上げますと、大体人口で十五、六万人でございます。それから構成市町村の数は大体九ないし十カ市町村、それから面積で申しますと千平方キロということでございます。これはあくまでも平均的な数値でございます。
#152
○竹田四郎君 振興課でおつくりになったこの資料を見ますと、たとえば北海道の、圏威名では十勝圏域、圏域市町村数は二十、人口は三十五万、職域面積は一万平方キロになっておりますね。こんな広い所が一日生活圏ですか。一万平方キロの面積を持っているというのは大体どのくらいですか、私どもちょっと想像できませんけれども、どのくらいの大きさですか、ほかのものに当てはめれば。
#153
○説明輿(本江滋二君) 大体岐阜県程度と考えていただけばけっこうじゃないかと思います。
#154
○竹田四郎君 岐阜県程度の大きさで、これが一日生活圏と言えますか。こういう広いものをつくって、これで住民の福祉ができるなどということは私はちょっと考えられないわけですね。たとえば、ほかにもそういうものがあると思いますね。たとえば岩手県の盛岡地域、一市七町四村、人口が三十六万人、面積が三千六百三十四平方キロ、これを他の広さに直すと埼玉県に匹敵するわけですね。こういうものを現実に広域市町村圏としてつくって、そして一応補助の対象になっているいろいろな施設をつくって、これはほんとうに住民の福祉と言えますか。どうなんです。
#155
○政府委員(宮澤弘君) ただいま御指摘の例は非常に大きい圏域の例でございまして、たとえば北海道の十勝でございます。これは北海道の特殊性もございますけれども、御承知のように十勝の広域市町村圏は帯広市を中心とする圏域でございます。御承知かと思いますけれども、面積はかなり広いのでございますが、人間が住んでおりますところは比較的平坦地が多いわけでございまして、それから道路その他も、すべてといいますか。大部分が帯広市というものに集中をしてきているわけでございます。で、付近の住民の日常生活、たとえば教育にいたしましても、医療にいたしましても、あるいは買い物というようなものにいたしましても、帯広市に依存する度合いが非常に強いということで、帯広を一圏域ということで設定をされているわけでございまして、なるほどそれはほかに比べましてかなり広い、規模が大きい圏域でございますけれども、それではそれ以外の圏域設定というものがあそこで考えられるかと申しますと、おそらく考えられないという関係市町村あるいは道の判断であったろうと思うのでございます。
#156
○竹田四郎君 こういう圏域がたくさんありますね。もう一つ北海道で言えば遠紋というのですか、ここにいたしますれば、千葉県の広さに匹敵する。これは極端なのをあげておりますが、狭いのにしてもかなり広いわけですね。なるほど帯広市に買いものはたよっているでしょうけれども、岐阜県の大きさのこの広域市町村圏が、それは当然、それだけ大きいのですから、人口が一部にはほとんどいないというところもありましょう。これがほんとうに広域市町村圏として住民の福祉に役立っていると言うことができますか。
#157
○説明員(本江滋二君) 北海道は、先ほど局長も申しましたように、非常に地理的に特殊なところでございまして、勢い圏域が大きくなったわけでございまして、関係市町村の間では協力いたしまして住民の福祉の向上にこういう圏域を設定することが役立つというふうな御判断をいただきましたので、このような圏域を設定いたしたわけでございます。十勝は昭和四十五年度の圏域設定でございまして、昭和四十六年度から事業の実施にかかるわけでございますが、十勝圏域の関係市町村の一致協力、あるいは道なり国の応援体制と申しますか、そういうものも合わせまして、ぜひ所期の目的が達成されるように指導していきたいと、かように考えております。
#158
○竹田四郎君 広域市町村の設定の基準というのは、半径が二十キロから三十キロというわけですね。そうすると、せいぜい私は一千平方キロ、それ以上のものはもう広域市町村圏としてあっても意味がない。そういうものこそ他の方法で、一律的じゃなしに他の方法でそういうところは救済していかなければならない地域だと思うわけです。どうですか、政務次官、一万平方キロなんかのようなところに広域市町村岡を設定してそこへ投資しようというのですが、それでいいのですか。どうなんですか。
#159
○政府委員(大石八治君) その十勝の例、私はまだどういう共通の計画の仕事を計画しているかわかりませんが、たとえば除雪車というものを一カ町村ごとに持っていたのでは非常に機動力その他大型のものを持てないというようなことも着想されるんじゃないだろうか。そういうものをある程度の地域で共同で持っていくというような形のことを、たとえばその市町村圏の中で試みることも一つの方法ではないだろうか。つまり、その地域で特に便利を感ずるような施設というものを共有するような形で考えられるんではないかと思うので、おそらくその十勝の市町村圏では、それにふさわしい、その地帯にふさわしい何かの事業計画を持ってきているんではないだろうかというふうに思いますので、必ずしも、こんな広くては広域市町村圏の仕事は全くできないというふうなことではなかろうというふうに思います。
#160
○竹田四郎君 具体的にんどういう利益があるか、課長さん説明してください。こんな広いところで一体住民にどういう利益があるか。広域市町村圏にまとめてどういう利益があるか。いまの除雪車の話もありますが、岐阜県の片端から片端まではいかないにしても、それこそ非能率きわまるんじゃないですか。どういう計画になっているんですか。
#161
○説明員(本江滋二君) 十勝圏域の計画につきましては、ここに資料を持ち合わせておりませんので、十勝圏域で現在とのようなことを計画――事業実施、今年度からでございまして、研修をいまやっておりますから、まだ承知いたしておりませんけれども、たとえて申しますならば、医療の問題等にいたしますと、いわゆる各町村あたりで診療所等を持っておりますが、そういう場合に、なかなか医師というものが辺地の診療所には来てくれないというような場合におきましては、中心市に持っております市民病院なり中央病院というものと提携いたしまして、そういう辺地に、医者がなかなか来なくなった診療所等に、医師と看護婦を、そういう中央的な中心市から医師と看護婦をペアで一カ月なり二カ月なりの駐在をさせる。その間におきまして、その中心市の中央病院と辺地の診療所の間を診療車等で結びますいわゆる医療行政のシステム化と申しましょうか、そういうもの等を考えるということも非常に効果があるんじゃなかろうか。まあ医療だけの問題じゃなしに、その他社会教育の問題にいたしましても、辺地のほうの公民館あるいは隣保館というようなものと、中央市にございます図書館あるいはフィルム・ライブラリーというようなものと有効に結びまして、かつ、辺地のほうにございます公民館なり隣保館にすべての資料のリストというものをお互いに配り合いっこする。そうしておきまして、その間に巡回配本車というようなものを共同でつくりまして、そうしてどんな辺地のほうの公民館でも、中央の図書館にありますこういうものを読みたい、ほしい、見たいというようなことがございましたならば、それを辺地で申し込めば、二、三日たてばそういうものが巡回配本してくれるというようなことを計画するのも非常に有効な手段じゃなかろうかと考えておるわけでございます。
#162
○竹田四郎君 二、三日たてば本が来るようなのは、私は一日生活圏じゃないと思うのですね。病院にしたって、そんな広いところへ建てるにしても意味がないと思うのですね。それは広域生活圏でなくたって、現在そういうものはあるわけですよ。つくられているわけですよ。各府県の病院の配置を見ましても、大体その地域の中央病院はどこにあるんだ、何々をどう指定するんだという病院、診療所の配置計画なんかも、広域市町村圏をつくらなくたってあるんですよ。私はそんなものは広域市町村周をつくる理由にならぬと思う。広域市町村圏をつくらなければ帯広の中央病院に入れてくれないんですか。そんなことないでしょう。だからもう少し、広域市町村圏をつくってこれだけ住民の福祉になるんだということを、だれでもわかるような説明をしてくれなくちゃ困るわけですよ。
#163
○説明員(本江滋二君) 申し上げましたのは、十勝周辺に十勝の圏域内の市町村が数多くございますけれども、帯広の病院に周辺の町村の人が入院したいといったときに入院できるという意味ではございませんでして、そういう重病で入院するという問題は別にいたしまして、周辺の町村部で診療所を町村立で持っておる。そういうところに医師が来なくなってきておる。そういうところをどうするかというような問題があるわけでございます。そういう場合に、十勝帯広の病院とそういう関係市町村が提携をいたしまして、そうしてそういうところに帯広の病院から医師、看護婦をペアで派遣する。しかもその間を、共同でやる仕事として巡回医療車というようなものを設けまして、そうして末端の町村におりましても医療が確保できるというシステムをつくり上げていくということは、これは広域市町村圏に適した仕事じゃないかという意味で申し上げたわけでございます。
#164
○竹田四郎君 とにかくこういう形で、ここの十勝の広域市町村圏の人たちのほんとうの希望で、こういう広域市町村圏がつくられたというふうには私は理解できないんですけれども、局長はそこの住民の、そうした人たちの願いによってそのようなものができたと、こういうふうにお考えになりますか。
#165
○政府委員(宮澤弘君) ただいまの例でございますが、なるほど圏域的にはかなり広いわけでございます。しかし、先ほど来私申し上げておりますように、北海道の事情を前提にいたしまして、かつ十勝平野の実態から申しますと、圏域としてはそういう圏域しかあり得ないということだろうと思うのでございますが、たまたま私は、実は一昨年でございましたか、帯広に参りまして、帯広の市長ともお話をする機会があったのでありますけれども、帯広の市長のお話も、十勝平野というものは昔からお互いに非常に行き来というものが緊密で関係が密接なんだ、広域市町村周を十勝平野というものを中心にして設定してほしいという帯広の市長のお話も私は承ってまいりました。それから、たまたま私参りましたので、いろいろ施設を見せてもらいましたところが、帯広市に小学校の子供のための科学館と申しますか、理科教官センターでございますか、そういうものがございまして、ちょうど圏域内――当時はまだ圏域としては設定をされておりませんでしたけれども、圏域内の子供が参りまして、スライドを見ましたり、いろいろ実験の機械器具などを使っていた実情を、たまたま私は帯広の市長の御案内で見たこともございます。そういうことでございますので、なるほど圏域的には広い感じはいたしますけれども、圏域を設定することによってやはりそれだけの利益というものを期待することが私はできるだろうと思います。
#166
○竹田四郎君 それは行政局長がそう思うんでしょう。あるいは帯広の市長がそう思うんでしょう。住民から、そういうことでぜひこういうものをつくってほしいんだと、そういう意見が出ているわけじゃないんでしょう。そこの市長なりあるいは町村長なりだけから出ている問題であって、住民から別に出ているわけじゃないんでしょう。そこの科学館へ行くと一日かかるんですよ、おそらく一日がかりでできるかどうか、それはわからぬ状態でしょう。
#167
○政府委員(宮澤弘君) もちろん、私は帯広市の市民の方々から面接そういう意見を聞いたわけではございません。しかし、市長が市の議会とも相談をされて、関係市町村の当局なり議会とも相談をされて、そうすることが適切であるということで希望を述べられ、圏域が設定されたわけでございます。
#168
○竹田四郎君 局長、そういうことをほんとうに考えて――議会がきめて、市長がそう言ったから、こういうふうにつくったんだ、これがほんとうに地方自治を発展させるものであり、住民の福祉にほんとうになる、そういうふうに実は真剣に考えておられますか。
#169
○政府委員(宮澤弘君) 私は先ほど申しましたように帯広で多少施設なども拝見をした経験があるわけでございますけれども、あの圏城に関する限りは、そういうことをすることによってプラスの面がかなりあるというふうに私は考えます。
#170
○竹田四郎君 そういう考え方のもとに、一番最初に論議した問題点というものがやっぱりあると思うのですよ。あなたは私の考え方とあまり違いないというふうに言っておるのですけれども、私はそういうところにいまの政治不信、あるいは直接的な住民運動というものが生まれてくる考え方というのがあると思うのです。ただ単に市長がいい、議会がいい、それだけで問題を終わらせている。確かに帯広の町へ行ってみれば、そういう科学館ができればそこの町の人は喜ぶでしょう。圏域のはずれのほうにいる人はそういうことを喜んでいますか。私は喜んでいないと思う。
  〔委員長退席、理事熊谷太三郎君着席〕
それはだからことばの上では広域市町村圏、なるほどけっこうです。しかし、実際にはプラスになっていないじゃないですか。一番福祉を求めているのはそういうはずれにいる人たちでしょう。しかるに、帯広市にいる人たちはかなり生活水準のレベルも上がっているでしょうし、そういう文化的な施設、そういう科学館がなくても、いろいろな形で接する機会があるわけです。私はむしろそういう意味では、広域市町村圏は中心都市と、それからそこから離れた地域住民との間にむしろ格差をつけていく。行くといったってたまにしか行けませんよ。たとえば神奈川県一つとったってそうでしょう。神奈川県の中心都市とすれば――この十勝は神奈川より大きいわけですから、神奈川県の四倍から五倍あるわけですから、それがそう簡単に中心都市の横浜へ来れますか。津久井の山の奥からおばあさんや小さな子供がそんなに出てこれますか。結局、いろいろな文化施設をつくるというのは、横浜周辺の人たちが使うということになるんじゃないですか。そういうふうには考えられませんか。これは政務次官どうですか。あなたのところだってきっとそういうようなのがあるでしょう。
#171
○政府委員(大石八治君) 広域市町村圏でいろいろやるべき問題の中に、実は市町村道、ことに町道等の整備ということを重点に考えておりまして、それに三億円という金を大体出すことに予定をしているわけであります。一圏平均三億円ということであり、これは大体それぞれの市道、町道というものを中心に使っていただこうという考え方でこの広域市町村圏の仕事を進めておりますから、何も帯広にだけ何かができるというふうなものではないと思います。それからまた老人施設等をつくるということも、たとえば一町村ではなかなかできない。しかしそれを三、四カ町でやれば、ここへ一つ配置する、こっちのほうに配置するというような老人福祉施設も考えられるわけでありまして、私は広域市町村圏というのは帯広に何でもつくってしまうという形のものではないというふうに考えております。
#172
○竹田四郎君 広域市町村圏をつくるということは福祉を引き上げるということでしょう。だから、私も広域市町村圏全部を否定しているわけじゃない。こういう極端なものをあげたのは、こういう広いような圏域を設定して、そうして住民の福祉は保たれるかどうか。設定の基準を見ますと、一番小さなところは基礎集落圏というんですか、そしてその下が集落ということになっているようでありますね。基礎集落圏というのは、部落、集落が集まって二百五十戸から三百戸、幼児または老人の徒歩限界を基礎にするものだ、こういうふうにいっておりますが、その基礎集落圏がこれに達していないようなところは幾らでもありますね。これは自治省からいただいた安房郡市広域市町村圏計画書です。この生活圏の設定表というのを見ますと、基礎集落の現況というのが書いてある。たとえばこれは富浦と読むのですか、そこの金山というところは、世帯数にして九戸ですか。その他十一戸、十四戸こういうのはざらにあるわけですね。こういう小さな点在集落といいますか、こういうものは将来どうしていくんですか。幼児あるいは老人の歩く範囲だとか、こういうふうにいわれておるんですが、おそらくそこに幼稚園ができるとか、あるいは老人の家ができる、こういうことになろうと思いますね。当然福祉施設をつくるということになりますと、そういうふうに小さくぼつぼつ点在しているというような集落は、結局幼稚園をつくればうんと遠くへ行かなければならない、こういうことになりますね。そういうものはどうしますか、いま言ったように九戸だとか十四戸だとかというようなものは。
#173
○政府委員(大石八治君) 広域市町村圏で全部何でもやれるとも私ども思っておりませんし、またやり切れるものでもないわけであります。また広域市町村圏ですべての福祉施設なりその他の事業をやってしまうわけではないわけであります。たとえばいまのような問題につきましては、私はそれはどういうところに該当するかわかりませんけれども、過疎地帯の今度の特別立法の形の中で、集落の再編成という問題もありまして、ことしあたりは、全国的にたくさんではありませんけれども、集落の再編成ということをやはり新しい立法のもとでやってもらう。それに対して補助の制度なり起債の制度なり盛り込んでおるわけであります。そういう点在した小さいやつを、広域市町村圏がただ事業で全部やるというふうに考えるべきが必ずしも適当ではないというふうに思うわけであります。
#174
○竹田四郎君 それは、総合的計画的に地域の住民に対して福祉を向上させていく、こういうことが広域市町村圏の設定の大きな目的である、大きな意味では地方自治法の目的でもあるわけでしょう。何でもかでもやるという意味じゃございませんけれども、少なくとも基礎集落というものには、幼児なり老人が集まるようなそういうようなものくらいはつくるという考え方でしょう。だから、大体そういう人たちが利用できるように集落も考えていかなければならぬというわけじゃないですか。そういうところはめんどうだからもうつくらなくてもいいんだ、かってに遊んでいればいいんだということになるわけですか。どうですか。
#175
○説明員(本江滋二君) 広域市町村圏の計画をつくります際に、一番もとの、最初の一番小さい集落圏、基礎集落圏、一次生活圏、二次生活圏、三次生活圏というふうな分析をして、計画の基礎づくりから始めて、そうしていろいろな生活圏に対応して、その生活圏にふさわしいような施設を計画的に考えていくようにしたらいいだろうという意味の考え方を示しておるわけでございます。
 そこで、しからば一体、広域市町村圏と申しますと、いわゆる普通では一番最後に申しました三つの生活圏というものが大体日常社会生活圏であり、これが広域市町村圏の圏域だというふうな理解のもとに計画をされているわけでございまして、いわゆる基礎集落圏、あるいは一次生活圏、こういう段階におきます施設の配置というものは、おもに市町村が担当をして住民の福祉の向上をはかっていくというようなことになろうかと思います。もっともその場合におきましても、いわゆるシステムをやりました場合におきまして、そういうものとの連絡関係というものをつけていくことは、これは広域市町村圏の機能ではございますけれども、そういう何と申しますか、日常社会生活圏の圏域全体として考えるという施設的な面で考えますと、そういうものは広域市町村圏で共同でおやりになったらいいでしょう。あとの副次的な生活圏と申しますか、そういうものにつきましては、市町村がそれぞれの段階に従って適切な施設の配置を計画されたほうがいいだろうという大体の考え方で、進めておるわけでございます。
#176
○竹田四郎君 そういう答えは、私はもうまさに無責任答弁と言ってもいいと思うんですがね。市町村がそういうところでできますか、具体的に。たとえばさっき言った、これには基礎集落の現況の中にそれは入っているんですよ。基礎集落という限定をしているわけでしょう。さっき言った九戸とか十四戸とか、こういうのはざらにありますね。三十戸とか二十八戸とかそういうところで、そういう市町村がそういうものを、あなた、市町村がつくればいいんだと、市町村の担当なんだと、実際できますか。あなたは簡単にそういうふうに言うけれども、私はおそらくできないと思うんですよ。
#177
○説明員(本江滋二君) お示しの富浦町の基礎集落の現況というものを見てまいりますると、世帯数九というのは金山村ということのようでございますけれども、この金山村というところは人口四十二、世帯数九ということに相なっておりまして、おそらく過疎の現象を来たしておるところじゃないかと思います。このようないわゆる集落につきましてこれからどうしていくかということは、これは地方行政全般の問題ではございますけれども、いわゆる過疎の関係の施策、集落の再編成をどうするかというようなことにもつながりますし、そういう問題になってくるのではなかろうかと思います。広域市町村圏で、この基礎集落に広域市町村圏の共同事業として何かをやるということは、通常の場合ではちょっと考えられないかと思うわけでございます。
#178
○竹田四郎君 市町村でできますかということなんです。
#179
○説明員(本江滋二君) この部落の距離が、一体他の集落との関係の距離でどれくらい隔絶しておるかというような個別の地形状況――世帯数で九一戸、人口で四十二という非常に小さな集落であるように思われるわけでございます。で、市町村がどのようなことができるかというお話でございますけれども、おそらくこの部落の位置、地理的な位置と、あるいは他のより大きな集落との関係というものを現実に見なければものの言いようがほんとうはないと思うわけでございますが、常識的に見まして、スクールバスを配置するとか、あるいは他のより大きな部落との関係における道路をよくいたしまして、そうしてタイム・ディスタンスを縮めるというようなことによって、この集落というものをなるたけ行政の恩恵に浴しやすいような形に持っていく、あるいは過疎法の関係によりまして、集落のさらにより文化的な面での享受があるような、いろんな過疎法の施策の対象として考えていくというようなことになるのが通常のあれになるのじゃなかろうかと思うわけでございます。
#180
○竹田四郎君 おそらく私は遠いところが一番最後には残されると思う。そうして、その部落まで道路ができるなんて、どのくらいあとになっていくかわかりませんけれども、すぐにできるはずはありません。ですから、広域市町村圏をつくるのが住民の生活環境を向上させるためなんだと言っても、私はそういう意味で受け取れないと思うんですよ。先ほどからのお話でちらちら出ているわけですが、結局、広域市町村圏というのは、道路をつくることを主体にするんじゃないですか。事業量から見ても、そのほかのものはつけ足りだ、こういうふうに言っていいんじゃないですか。
#181
○説明員(本江滋二君) お答えいたします。
 道路が一番の基幹になりますことはもちろんでございます。したがいまして、道路に各圏域とも最重点的に目標を指向いたしておるということは、四十四年度に設定いたしました圏域を見ても明らかでございます。しかしながら、道路だけということではなしに、いわゆる社会福祉施設であって市町村では単独では持てないというものを共同でやる。それから、いわゆる衛生関係の仕事とかいうものも相当な数にのぼっております。
#182
○竹田四郎君 先ほど次官は、三億ぐらいの補助が出ると言うんですが、三億ぐらいのそんなものが私は大きな刺激になるとは少しも思いません。ほんのえさをつけているという程度のものだと思います。しかしその三億、少しでも、市町村としてはたいへんな金だということで、そのえさにひっかかるわけです。
 財政課長にお聞きしたいと思うんですが、どこの広域市町村圏でもけっこうですが、できたら私の持っている資料でお示しいただければいいと思うんです。せいぜい三カ年の計画が出ておるわけですが、そういう中で、市町村の負担というのは一体どれくらいになるか。この資料でけっこうですから、市町村の負担というものは一体どのくらいになるのか。市町村財政に及ぼす影響を少し御説明ください。
#183
○説明員(森岡敞君) 安房郡市広域市町村圏の四十六年度の事業実施計画で見ますと、全体の事業費が二十四億円、国庫支出金、県支出金等を差し引きました一般財源で七億四千八百四十九万八千円、計画にはそういうふうな形の、かなり大きな金額の一般財源負担が見込まれている、こういうことでございます。
#184
○竹田四郎君 そのうちで、道路の負担金に対して負担しなくちゃならないところの一般財源というのは四億ばかりございますね、約四億。地方債にしてもこれは返さなくちゃならないお金でございますが、これが二億六千万円ある。こういうお金を支出して、一体先ほどのところにスクールバスを買ってやったり、あるいは福祉施設をつくってやる余裕というのは将来出てきますか。
#185
○説明員(森岡敞君) 広域市町村圏の中で地域振興のためにやっていきます仕事は、先ほど来いろいろお話ございましたが、私なりに、道路等のネットワークを通じまして、中心の市街地といいますか、そういうところと周辺との連絡を密にし、中心部の、いろいろ御意見もありますけれども、施設の利用をはかっていくということ、それから各種の施設の共同処理といいますか、そういうこともあろうと思います。その最初のほうの道路の整備、特に市町村道、生活道路の整備ということは、これは一番重要なことになるわけでございます。そういう意味合いで、御指摘のように市町村道の整備事業費が、この事業計画でいきましても二十四億のうち九億ということでございますから、約四割強がそれになっているわけでございます。先ほど来政務次官が申し上げましたように、地方交付税の算定におきまして一圏域当たり三億円程度のことを従来も措置しておりますし、将来も考えていきたいと申しましたのは、こういう点に着目いたしまして、道路延長に応じて算定しております市町村道の投資的経費、これを割り増しをする、その割り増し額は平均一圏域三億円程度で算入をしていく、こういう措置を講じておるわけであります。そういうことでございますので、とりあえず一般財源負担分の、この圏域の場合には三億二千九百万強でございますが、これに見合うものは交付税の算定上見込み得るものと考えていいのじゃないかと思います。
 なおこのほかに、地方債といたしまして、一般単独事業債の中で広域市町村圏分として約七十億円程度のものを予定いたしております。こういうものを重点的に、道路を含めまして全般的な施設整備の財源に充てることにしていきたい。さらに各種の地方債につきましても、できるだけ重点的な配分を通じて、との計画によれば一般財源負担七億円と出ておりますが、可及的に事業実施が確保できますような財政措置を講じてまいりたい、こういうことであります。
#186
○竹田四郎君 そのくらいの財政投資をしていけば、さっきのようなたとえば――九戸なんて私言いませんよ、二、三十戸のところまでちゃんと道は通ずるわけですか。三年間でこの計画をやっていけば、ちゃんとそこに行けばバスも通って来てくれるし、そういうこともできるのですか。
#187
○説明員(森岡敞君) この計画自身が市町村道の整備の目標をどの程度に置いておるかということは、実は私よく承知いたしておりませんが、一応実施計画は三年ということできめますけれども、自後ローリング・システムと申しますか、また見直しまして練り直していくというふうなことも広域市町村圏計画の進行としては考えておるわけでございますから、一朝一夕に全部の圏域内の道路が整備されてしまうということはこれは望むべくもございませんけれども、漸次整備が進んでいく、こういうことではないかと思います。
#188
○竹田四郎君 課長さんね、あなたこれきっと詳しいと思うんですがね。いま御説明いただいたその計画でですね、一体三年間で、先ほどの基礎集落ですね、それはどのぐらいの程度の便益がはかられていくわけですか。先ほども述べました――私のほうから具体的に指摘をしていきたいと思うんですがね、こっちの地図のついてるほうので、どのくらいの世帯数の基礎集落までこの三年間の計画でそうしたものが連絡がついていきますか。先ほどあなたが言ったように、スクールバスをやるとか、何かそういうふうな形でやるんだと、こうおっしゃっておりましたけれども、どの辺のところまでいくんですか。
#189
○説明員(本江滋二君) お答えいたします。
 この安房郡市広域市町村圏計画で市町村道の整備目標といたしておりますのは、三六ページに書いておりますけれども、「地域住民の生活および生産に密着する市町村道は生活水準の向上と地域活動の広域化に伴い自動車交通量が著しく増加し、又大型化されているが国道、県道に比較すると大幅に整備がおくれているので幹線道路網を形成する主要な市町村道を一般県道に格上整備すると共に一般市町村道の整備を実施する。」ということを申しております。で、おそらくこの趣旨は、広域市町村圏内の市町村道の幹線道路の整備というものを広域市町村圏で考えていくということになるだろうと思います。したがいまして、その九戸というところがどういう地形上、どういう道路網に関係しておるかということはちょっとここではわかりかねますけれども、一般的に申しまして、おそらく九世帯、二十人というようなところは、おそらくまあ山間部に位するんじゃないかと考えられるわけでございます。したがいまして、広域市町村圏の先ほど御質問ございました三億円の道路の基準財政需要額の上積みで、一応実施計画三年間立てておりますけれども、現実にどこに位置するかということを判じなければ正確なお答えはできないと思いますけれども、一般的に言いまして、おそらく山間部に位いたしておりますとすれば、今回の三年間の実施計画で整備をするという幹線道路網にはおそらくは入らないと考えられます。
#190
○竹田四郎君 どのくらいたったらそれができそうですか。
#191
○説明員(本江滋二君) 国道、府県道に比べまして市町村道の整備というものは非常におくれております。にもかかわらず、国道、府県道、市町村道の延長で申しますと、逆に市町村道が一番延長が長いわけでございます。そのようなことを考えてまいりますと、現在程度の財政措置では市町村道が飛躍的に整備されるということはなかなか望むことは困難ではないかと思います。したがいまして、そのためには、市町村道に対しまする財政措置、これはまあ交付税でも補助金でもいろんな方法があると思いますけれども、飛躍的にそういうものに対する財源措置というものを充実しなければなかなか困難ではないかと思います。
#192
○竹田四郎君 そうすれば、結局まあいつになるかわけわからぬということですな、簡単に言えば。予想はできないというんですね。そうなれば、幹線道路ができたところはなるほどいいでしょう。幹線道路ができないようなところは結局置いていかれてしまう。意見としても少数意見、ごく小さな意見ということになれば、そういうところは結局いつまでも置いていかれる。中心部はいろんな施設ができてよくなる。そういう結果に局長なりませんか。そういう点はどういうふうに救済していくつもりですか。
#193
○政府委員(宮澤弘君) 広域市町村圏の考え方というのは、先ほどから申し上げておりますように、圏域内全般に対しましてサービスのネットワークを組んで、圏域内の人たちの生活水準の向上なりサービスの充実というものを全般的に引き上げていこうというのが最終の目標でございます。ところで、ただいまいろいろ御議論がございました辺地的な問題でございますけれども、その場合に、私は先ほど広域市町村圏の圏域内の人たちのレベルアップを全般的に考えていくということを申し上げたわけでございますが、その際にひとつ考えなければならないことは、これも先ほどからお話が出ております過疎地域、辺地の集落の再編成との関連がございます。市町村の区域内の、非常に山奥にも人々が住んでおりますし、ぱらぱらと部落があるところもあるわけでございます。本来でございますれば、それは市町村のどこに住んでおりましょうとも、相当高度のサービスが享受できるようにするというのがあるいはひとつの理想かもしれないのでありますけれども、しかし現実の問題といたしまして、集落の再編成を必要とするようなところは、集落の再編成という方向で問題を考えるべきではなかろうかと思いますし、過疎法の考え方などもそうなっているわけでございます。したがいまして、過疎法を適用いたしまして、集落の再編成を必要とするような地域につきまして、まずその措置というものが必要だと思うのでございます。それを前提にいたしますならば、広域市町村圏の施策というものは、やはり圏域内の人たちに対しまして、サービスのネットワークを通じてサービスの向上をはかるというのが趣旨でございますので、単に中央に近いところだけが受益をするということのないように考えるのがむしろ広域市町村圏の考え方のひとつのポイントではないかと思います。
#194
○竹田四郎君 どうもわからぬのですが、その集落はどうするんですか。集落の再編成というんですが、具体的にこういう計画の中でどういうふうにそれは処理されていくのですか。集落の再編成。
#195
○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申しましたように、過疎法の適用のあるような地域におきまして、その地域のうちの末端の集落、末端の部落というものにつきましては、やはり集落の再編成ということを考えていかなければならないと思うのでございまして、ただいま御指摘の安房郡の集落でございますか、これがもしそういうような条件に合致するところであるといたしますれば、むしろそこにサービスの手を伸ばしていくということより前に、集落の再編成ということを考えていくべきではないか。ただし、それが過疎法の該当地域に当たりますかどうか。私はここに御指摘の安房郡富浦町の部落が当たるかどうか存じませんが、私が申し上げておりますのは一般論でございまして、再編成をする必要があるようなところは集落の再編成をする。そういうことを含めまして、全般的なサービスの網の目を伸ばしていくということであろうと思います。
#196
○竹田四郎君 そういうものは市町村の計画の中に入っている、具体的にそういう財政的な措置がされているということでありますならば、私はこれはみんな満足すると思う。なるほどいい施策をやってくれるということだと思うのですが、ほとんどそういう集落の再編成というところに触れている部分というのはおそらくないと思うのです。ことばの上では触れておりますよ。幾らことばの上でうまいことを言っても、実行できなければ意味がないわけです。具体的にこうなってくるのだ・ということを示さなければ、住民としてもただ税金を払っているだけだ、私のところはいつまでたってもよくならないじゃないかというところにつながってくると思う。どうもその辺がわからないわけであります。そういう点から、どうも広域市町村圏というのは道路をつくることだけだというふうに、これは少し極端な言い方かもしれませんが、言って間違いないと思います。少しも住民に対して大きく福祉が均てんされていくという具体的な計画が出ていないと思います。どうですか。
#197
○政府委員(宮澤弘君) 先ほど振興課長が申し上げましたように、道路と申しますのは、やはり地域の一体性を確立いたしますために、またいろいろな施設をつくります場合にも、サービスの手を伸ばしてまいります場合にも基本になる施設でございます。交付税におきまして道路ということを中心にものを考えておりますのも、そういう考え方だろうと思います。ただしかし、道路自身が完備したからそれで終わるというものではもちろんありません。道路自身、これは交通機関としてそれ自身サービス機関でございますけれども、道路が整備をされることによりまして、また各種のサービスを及ぼすことが容易になっていくわけでございます。道路に重点が置かれていることはこれは申し上げたとおりでございますけれども、道路だけをつくることが広域市町村圏の整備計画の中心であるというふうには考えてないわけでございます。
#198
○竹田四郎君 それに対する財政措置というものが具体的に出ていないでしょう、計画の中に。計画の中にそういうものが具体的に出てくれば――道路以外のことも若干載っております。若干載っておりますけれども、ほんとうにそういういま一番問題になるのは、非常に極端な過疎地域の人たちをどうするか、そういう人たちにどういう福祉を均てんしていくのかということがやはり重要なポイントでなければならないと思うわけであります。ただ文句で書いて、計画がこうなるというだけでは住民が納得しませんよ、いまの住民は。もう少しそういう問題を具体的に計画の中に財政惜置として示していくことが必要なんじゃないですか。
#199
○政府委員(大石八治君) 広域市町村圏事業の中に、御意見は、その辺地の集落の再編成のようなことを広域市町村圏の固有の仕事のように立たせるべきだというふうに、私御意見を拝聴しておりまして、そういうふうに感ぜられたわけでございますが、実はそうじゃなくて、過疎地域の問題ということが大きくクローズアップされましたので、いわゆる先般過疎の特別立法を実はしたわけであります。そのときにいわゆる集落の再編成の問題がありまして、特に私の記憶では、山本弥之助議員から、将来において集落の再編成ということが重要な仕事になるのじゃないかという御意見がございました。その翌年、つまり今年になると思うのでございますけれども、その集落の再編成という問題をそういう過疎地帯でどのくらい具体的に計画を立てて、いわゆるある程度動かすわけですが、それには、新しい居住地をつくるとか、いろいろな従来の耕地の問題をどう片づけるか、いろいろなそういう手段が整いませんと、単純にことばで言いましてもできないわけであります。そういう点の予算措置を、たしか今年から過疎対策の仕事の中に始めたわけであります。
  〔理事熊谷太三郎君退席、委員長着席〕
ですから、私ども、これは集落の再編成という問題はことばでは簡単ですけれども、自分の居住の地を動くという問題もありまして、住民感情、そういうところからほどけてこなければ、頭の中で考えても、簡単のように見えますけれども、実際は感情が伴う問題であります。そういう計画をそれぞれの市町村で具体的に立てて実施に移すまでには相当やはり月日というものが要るのじゃないかと思います。そういう過疎に関連しての集落再編成という問題は、いわゆる過疎立法の問題として今度取り上げております。また今後も重点の仕事に順次なっていくだろう、そういうことの中で問題を処理したい。いま自動的に過疎市町村に告示されていくものがありまして、現在では過疎市町村が全国の市町村の三分の一くらいにもうなって、これが過疎市町村として指定を受けてその仕事に入っているわけであります。
#200
○竹田四郎君 次官ね、ぼくは集落の再編成が反対だと言っているわけじゃないのですよ。広域市町村圏で道路をつくることが反対だといっているわけじゃないのです。そういうものが、そういう住民の福祉施設の問題ですね、集落の再編成、あるいは老人の家なり、あるいは病院なり診療所なり、こういうものは具体的に進まないで、道路だけを大きくこうぐっとクローズアップされているわけですよ、計画の中には。大体そうしてみると、広域市町村圏というのは道路をつくるための一つの圏域設定なんだというふうにきめて見ちゃうわけです、数字にもそうあらわされているわけです。しかもこれに対してはたいへんな金がかかる。市町村の負担としてもこれはたいへんなものなんです。交付税で幾らかくれるかもしれませんけれども、これだけ道路のほうに財源をとられてしまえば、ほかのことが一体できるのかというふうに私ども思うのですよ。これは財政課長どうなんですか。こういうことで十分ですか。これだけの仕事を進めていくのに、ほかのほうの仕事に支障はありませんか。それから、さっき言ったようにスクールバスもどんどん配置できるようになりますか。スクールバス一つだけじゃない。スクールバス買ったって二、三百万でしょう。そういうどんどん進めていかなきゃならぬほかの福祉施設というものはどんどんできていきますか。私ども非常に心配です。
#201
○説明員(森岡敞君) 先ほども申し上げましたように、広域市町村圏の施設整備というものを考えてまいりました場合に、施設の点で共同処理ということを考えますと、これはかなり地域的にバラエティーに富んでおると思うのでございます。先ほど来お話のございました病院、医療というふうなものに重点をさしあたり置きたいという地域もございますれば、あるいはまた、清掃関係の共同処理ということに重点を置くというところもございましょうし、そういう意味合いでは、まさに地域地域の特性に応じたものがあろうかと思うのでございます。ただしかし、道路を整備して集落間の交通を便利にし、中心部の施設を積極的に利用できるような態勢を整えていく、その点は、まさに各広域市町村圏を通じて共通的な部分だと思うのでありますが、そういうふうなことから、地方交付税の広域市町村圏に対する財政措置も道路を中心として作業していく、こういうふうに御理解いただけるのではないかと思います。
 なお、他の各種の共同処理施設の設置にしわ寄せがされていくのではないか、こういう御指摘でございますが、それにつきましては、まさにそういう必要な共同処理施設を充実いたします財源といたしまして、地方債等を適宜適切に私どもといたしましては確保して、施設の建設に支障のないような処理を考えていきたいというふうに思っているわけであります。それからいま一つの問題は、さしあたり現時点においては、こういう形で共通の道路費というものに重点を置いておりますけれども、だんだんに広域市町村圏の広域施設整備事業が進んでまいりますと、それに応じました財源措置というものもさらに将来の問題としては考えていく、こういうことではないかというふうに思います。
#202
○竹田四郎君 どうもたよりないですね、非常に。おそらくそういうものよりもどうも道路のほうへ私は重点が考えられて、そうして結局取り残されていくのではなかろうか。だから広域市町村圏をつくっても、全体的な福祉なんか考えていることじゃない、中心部だけをよくして他のほうは置いてきぼりにするようなことになるのではないだろうか、こういうふうに思いますけれども、次の質問に入りたいのですが、連合審査のほうの関係がありますので、ひとつあとは質問を保留して、約四十五分でございますので、保留しておきたいと思いますから、委員長よろしく。
#203
○委員長(若林正武君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#204
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#205
○和田静夫君 まず官房長、きのうちょっと天下り問題に入りまして、それで官房長お見えにならなかったのできょうに残したのですが、それは、この前の決算委員会の少し続きみたいになりますけれども、六団体などの事務局長クラスが全部自治省から行っていらっしゃる。そこで、この法律案ができ上がっていって、そしてまあそこの事務局長クラス、自治省から直接行くか行かないかは別として、まあそれと関係を持つ人たちがずっと就任をしていく、そういう形というものが出てくるのでははないだろうか。そういうことをいま考えていらっしゃるかどうか、まずひとつ。
#206
○政府委員(岸昌君) 六団体のお話が出たわけでございますが、ただいま御審議をいただいております連合は、いわば市町村の一部事務組合にかわる性質のものでございますので、市町村の一部事務組合に対する天下りと、こういう問題になるのではないかと思うのでございますが、現在市町村の一部事務組合に職員を出しておる例はございませんし、新しくできます連合の事務局長につきましても、積極的に自治省の職員を派遣するというような考えはございません。
#207
○和田静夫君 いま自治省の言うことを聞かなかったならば、まあいじわるをされるかされないかは別として、いじわるさる場合はないだろうか、あるいは自治省の関係者を入れておいたほうが何か都合がいいのではないだろうかというような――自治省はそんなことはないと言うにきまってますがね、そういう気分が六団体や県などに行きわたっていることは、これは間違いない。行きわたるように巧みにやってこられたことは客観的には間違いない。そういう状況がつくり出されていることに対して、自治省として反省はございますか。
#208
○政府委員(岸昌君) 私どもの心がまえと申しますか、平素の行政のしぶりから申しまして、そのような空気が醸成されているといたしますならば、はなはだ意外な感じを受けるわけでございまして、私どもは決してそのようなつもりで行政はいたしておりませんし、いわんやそういう空気を醸成するようにいたした覚えはないわけでございます。そういう次第でございますので、どういう根拠でそういう空気ができておるか存じませんけれども、もしそういうような空気が現実に存在するということでございますならば、なお一そう私どもも反省の資料にいたしてまいりたいと、かように考えております。
#209
○和田静夫君 私は去る三月十九日の決算委員会で、国家公務員法五十六条と自治省の自治体への天下りとの関係をただしました。そのときに岸官房長は「国家公務員法上の採用すべき数、あるいは国家公務員法に言う名簿の提示とは別のものと理解をいたしております。」こうお答えになったのです。
 そこでお尋ねをいたしますが、人事院が採用候補者名簿から、自治省の請求の提示人数、これは四十三年が二十で、四十四年二十、四十五年が十五だったわけですが、それに五人をかけた人数の人の名簿のピックアップとして提示した。これは国公法五十六条に基づく行為ですね。
#210
○政府委員(岸昌君) 人事院のほうがどういう解釈をいたしておりますか、これは国家公務員法の解釈の問題でございますので、私のほうで解釈をいたしますことは差し控えたいと存じますが、私どものほうが人事院に依頼をしておりますのは、先般来申し上げておりますとおり、地方公務員として採用いたしたいということを明らかにいたしまして、上級試験の合格者の提示を求めているわけでございます。
#211
○和田静夫君 人事院とも幾つかやりとりしまして、はっきりしていることは、人事院の側で、名簿提出は国公法五十六条に基づく行為である、こういうふうに言っているわけですね。そこで、自治省がそうでないと言っても通らないですよ、これは。この辺はやはりいまおやりになっている姿勢のままでは私はいけないと思うのです。この辺、何か手だてをされるということはお考えになっていませんか。
#212
○政府委員(岸昌君) 私どもは先般来お答え申し上げておりますとおり、幹部職員を採用しておる地方公共団体の依頼に基づきまして、地方公共団体にかわって採用をしておる、こういうふうに観念をいたしておるわけでございまして、その場合に、やはりできるだけ優秀な人を採用したい、これは地方団体ももちろんそういう願いを持っておりますし、私どももそういう願いを持っておりますので、そういう希望を充足いたしますためには、やはり人事院という権威ある機関によって公表されております上級試験の合格者の中から、そういう人がございますならば採用してまいりたい、こういう仕組みをとりますことは、これは決して非難されるべきことではないのではなかろうかと、かように考えておる次第でございます。したがいましてどういうふうに改善いたしてまいりますか、これ以上の方法がございましたならば私どもも改善をするのにやぶさかではございませんが、ただいま申しましたような希望、願いを達成いたしますためには、現在のところでは最良の方法ではなかろうか、かように考えておる次第でございます。
#213
○和田静夫君 人事院の解釈からいきまして、ともあれ国公法に基づいて地方公務員が採用される、こういうのはこれは違法でしょう。国公法に基づいて地方公務員を採用する、いかがですか。
#214
○政府委員(岸昌君) 地方公務員の採用を含めての身分の規律をいたします法的根拠は、申し上げるまでもなく地方公務員でございますのでそれを採用いたします場合に国家公務員法の規定が働くということはこれは適当でない、これはよく御指摘がわかるわけでございますが、ただ、先ほど来申し上げておりますとおり、私どもといたしましては、人事院の採用試験に合格した、こういう権威ある機関によって公表されました優秀な人材の中から地方公務員を採用してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#215
○和田静夫君 繰り返しになりますが、どういうふうにお考えになっているにしても、国公法に基づいて地方公務員を採用するということですね、この違法性だけは、どんなに答弁をされたって阻却をされるということにならぬですね。それはお認めになるでしょう。
#216
○政府委員(岸昌君) 国公法に基づいて採用をしておるというほどまでには考えていないわけでございまして、国家公務員の上級試験に合格されました人が、いろいろな国家機関に国家公務員として採用され就職されることは本人の自由な意思によっておるわけでございますが、そういう国家機関に国家公務員として採用されなかった方も上級試験の合格者の中にはやはり多数あるわけでございまして、そういう方の御希望に基づいて、地方公務員として地方公共団体に就職をしていただくということは、これは何ら否定する法規はございませんと思うわけでございます。そういう人のリストを人事院に御提示いただいておる、かように私どもは理解をいたしておる次第でございます。
#217
○和田静夫君 そこが分かれるところで、岸官房長は理解されていても、現実の問題として国家公務員法の五十六条に基づくところの行為が厳然としてある。人事院は明確にそう答えている。そこで、地方公務員はそういうものに基づいて採用される筋合いのものではないわけです。そうすれば、この点は整備をしなければならぬわけでしょう。附則の部分を整備すると言いますが、このままの形でごり押しに進めていかれる筋合いのものではないのではないか、私はそう思うのです。
#218
○政府委員(岸昌君) どうも繰り返しになりまして恐縮でございますが、私ども決してこれをごり押しに進めるというような気持ちは持っておりませんが、先ほど来申し上げておりますとおり、国家公務員の上級試験というのは、一つの権威ある機関によって設けられ公表されております制度でございますので、その試験に合格されて、しかも国家公務員として国家機関に就職を希望されない方の中から地方公務員を採用さしていただく、このこと自体は何ら悪いことではなかろう、かように考えておる次第でございます。
#219
○和田静夫君 私は、ここはやはりどうしても、同じような質問になりますが、少し法律的に整備をしないと、いまやっておられることはたいへん無理があると思うのですよ。いつまでたってもこれは天下り問題という形で指摘をし続けなければならないことになりますよ。どっちみちいかにうまいことを言われたところで、一年、二年たてばみな本省に帰ってしまうわけですからね。その事実が一方では存在するのですね。研修所に入っているときに、併任制度そのものにも問題があるでしょうし、実態的にそう動いているから、法律の関係はかまわないということには私はならぬと思う。検討されるということもお考えにならないのですか。
#220
○政府委員(岸昌君) ただいま御指摘がございました地方公共団体の公務員として採用いたしました職員が一、二年でかわっておる、これは先般来御指摘がございましたように、私どもとしてもこれは反省をしていかなければならない事柄であろうと思います。この点は御指摘の御趣旨に沿ってまいりたいと努力をいたしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。ただ、それが是正をされなければならないということと、そういう地方公共団体の公務員を初めて採用いたします場合に、上級職の公務員試験に合格した者の中から採用するということとは別のことではなかろうか、上級職試験に合格した者の中から地方公務員を採用するがゆえに、そのことが直ちに天下りになるというふうに私どもは考えておらないわけでございます。ただ、ただいま御指摘がございましたことの中で、人事院が国家公務員法の五十六条に基づいて提示をしておる上級職試験合格者の名簿である、こういうふうに解釈をいたしております点につきましては、なお私どもの実際に行なっておりますところと実情に合わない点もございますので、この点につきましては人事院と十分調整をいたしまして、日本政府の意思としてそごのないようにいたしたいと、かように考えておる次第でございます。
#221
○和田静夫君 選挙部関係は見えましたか。
#222
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#223
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#224
○和田静夫君 一つ重要なことを忘れていたものですから、まだお見えになっておりませんから、その間に済むことですから……。
 いただきましたこの「一部事務組合に関する地方自治法の適用準用関係」、これを個人的な私物、私物と言うのはちょっとおかしいですけれども、個人的な資料にしておくのは何にもならないので、長野士郎説が今後権威がなくなっていくとこれが権威があるようになるものですから、速記録に残してもらいたいと思うのです。行政局からこれを、見えるまでの間答弁願いたいと思います。読み上げてもらいたい。
#225
○政府委員(宮澤弘君) それはここで朗読をしてほしい、こういう意味ですか。
#226
○和田静夫君 速記録に……。
#227
○政府委員(宮澤弘君) ただいまお話がございますので、和田委員から資料の御提供の要求がございました「一部事務組合に関する地方自治法の適用準用関係」、過日の質疑応答のときにも申し上げたわけでございますが、私ども自治省といたしまして現段階においてこういうふうに考えるということを内容とする資料でございます。
 地方自治法の一部事務組合についての準用関係でございますが、どういうものが準用をされ、どういうものが準用をされないのかということにつきましては、それを判断するにあたりまして二つの柱と申しますか、そういうものを立てているわけでございます。
 一つは、法律または政令に特別の定めがあるものでございます。これは一部事務組合の規約の規定事項を含めまして、そういう定めがあるものでございます。例といたしましては、たとえば地方公共団体の名称に関することでございますとか、事務所に関することでございますとか、議会の組織及び議員の選挙の方法、執行機関の組織、選任の方法、あるいは兼職禁止の特例というようなものでございます。
 それから第二番目の柱といたしまして、規定の性質なり組合の性格上準用されないというふうに考えるべきものでございまして、例といたしましては廃置分合、あるいは境界変更に関する規定、あるいは市なり町の要件に関する規定等がございます。
 以上のような原則に基づきまして地方自治法の各関係条文につきまして整理をいたしますと、以下のようになると思われるわけでございます。
 まず第一編の総則でございます。第一条から第四条まででございますが、本編は地方公共団体全般を通ずる総則として設けられておりますので、一部事務組合に適用されるものと適用されないものがございます。適用される規定といたしましては、目的、地方公共団体の種類、法人格、事務運営の基本方針、特別地方公共団体の事務処理というような規定、及び第二条第十二項なお書き等でございます。なお、第三条の地方公共団体の名称、それから第四条の事務所の位置は、地方公共団体共通の規定として定められておりますが、一部事務組合の名称、事務所の位置につきましては、第二百八十七条の規定により規約事項とされておりまして、原則として適用されないことになりますが、第四条第二項は適用されるというふうに考えられます。
 次に第二編、普通地方公共団体に関する規定でございます。
 まず、第一章通則でございます。第五条から第九条の五までの規定でございますが、本章は都道府県及び市町村の区域に関する規定並びに市及び町の要件に関する規定でございますので、事柄の性質上組合には準用されないというふうに考えます。
 次に、第二章住民に関する規定でございまして、第十条から第十三条の二までの規定でございます。第十条第一項の規定は準用されないものと考えられますが、その他の規定はのちの章の該当規定の定めるところによるというふうに考えられます。
 第三章の条例及び規則、第十四条から第十六条まででございます。これらの規定は準用されるものと考えられます。
 第四章選挙に関する規定でございまして、第十七条から第七十三条までの規定でございます。組合の議会の議員の選挙、管理者の選任、これは組合の規約事項とされておりますので、準用されないというふうに考えられます。
 それから第五章の直接請求の規定、第七十四条から第八十八条までの規定でございまして、これらの規定は準用されるものと考えられるのでございますが、組合の議員及び管理者が直接公選とされている場合を除きまして、制度の性質なり手続規定との関連で適用がないものというふうに解釈をされております。
 第六章の議会に関する規定、八十九条から百三十八条まででございます。議会につきましては、組合の議会の組織に関する事項は規約事項とされております。そこで、「第一節組織」の大部分の規定は準用されないものというふうに考えられますが、ただ、兼職禁止の規定あるいは兼業禁止の規定は、組合の議会の議員の兼職禁止の特例、二百八十七条の第三項に特例が定められておりますが、それの場合以外は準用されるものというふうに考えられます。第二節以下の議会の権限、運営の規定でございますけれども、原則として準用されるものというふうに考えられるわけでございます。
 次に、第七章執行機関でございます。第百三十八条の二から第二百二条の三までの規定でございます。組合の執行機関の組織、選任の方法は一部事務組合の規約事項とされておりますので、執行機関に関する規定の中で、長なり副知事または助役、出納長または収入役等の設置、定数、選任、任期等に関する規定は原則として準用されないものと考えられます。ただ、兼職禁止及び兼業禁止に関する規定は、組合の長等の兼職禁止の特例規定、二百八十七条の第三項に特例規定がございますが、その場合以外は準用されるものというふうに考えられます。委員会または委員につきましても、関係法律におきまして特別の定めがある場合を除き、同様でございます。以上のほか、執行機関の権限、それから職務執行の方法に関する規定は原則として準用されるものと考えられますが、規定の性質、組合の性格等との関連におきまして準用されないものがございます。たとえば、都道府県の局部に関する規定、都道府県知事の地方行政機関の長等に対する指揮監督に関する規定等でございます。それから不信任議決に関する規定が執行機関の中にございますけれども、この規定は組合の議会の議員及び管理者が直接公選とされている場合を除きまして、制度の性質上適用されないものというふうに考えられます。
 次に、第八章給与その他の給付、第二百三条から二百七条までの規定でございますが、準用されるものというふうに考えられるわけでございます。
 次に、第九章財務に関する規定、第二百八条から第二百四十三条の五までの規定でございますが、準用されるものというふうに考えられます。
 次に、第十章公の施設に関する規定でございます。第二百四十四条から第二百四十四条の四までの規定でございますが、これらの規定も準用されるものというふうに考えられます。
 次に、第十一章国と地方公共団体との関係及び地方公共団体相互間の関係に関する規定、第二百四十五条から第二百五十二条十八の二までの規定でございます。準用されるものというふうに考えられます。
 次に、第十二章大都市に関する特例でございます。第二百五十二条の十九から第二百五十二条の二十一までの規定でございます。これらの規定は準用されるものと考えられるのでございますが、しかしこれらの規定の中で区に関する規定は、その性質上準用されないものというふうに考えられます。
 最後に、第十三章補則でございます。第二百五十三条から第二百六十三条の三までの規定でございます。この章は、各種の性格の異なる規定が設けられておりまして、準用されるものとされないものとがあると考えられます。準用されるものといたしましては、不服申し立て、相互救済事業の委託等に関する規定でございます。準用されないものといたしましては、郡、町または字に関する規定、特別法の住民投票に関する規定、普通地方公共団体の長または議長の連合組織に関する規定等でございます。
#228
○和田静夫君 私、ちょうどきょう、全く偶然ですが、午前中の決算委員会で、信用金庫法への銀行法の準用の是非に論議がぶつかりました。私の質問に対しまして、大蔵省は、いま速記を明確に写してまいりましたが、「御指摘の銀行法の三十四条といいますのは罰則規定でございますので、罰則規定の準用というのは通常はいたしませんから、罰則は信用金庫法に設けられております。」こうなったのであります。そこで、昨日のいわゆる罰則規定を含む規定といえども準用される自治省の見解と大蔵省の見解が明確に異なりました。どちらが正しいのでしょうか。政府としての統一見解を大臣から求めたいと思います。
#229
○政府委員(宮澤弘君) 後刻大臣から御答弁を申し上げるものと思うのでございますが、信用金庫法のいまの該当条文なり中身なり、私はその中身のことをよく存じませんけれども、昨日も私どもは、現在の地方自治法の一部事務組合に関する規定が、市町村が加入するものにあっては市町村に関する規定を準用いたしていこう、それとの関連で、先ほど申し述べました資料を御提出を申し上げまして、条例に関する規定は準用されるということを申し上げた。そうすると、条例についての罰則の規定も準用されるのかという和田委員の御質問に対しましては、準用されるということを申し上げたわけでございます。その際に法制局の担当部長もお呼びになりまして、法制局の意見もお聞きになったわけでございます。私どもといたしましては、昨日も申し上げましたように、立法政策の問題といたしましてはいろいろ御議論もあろうかと思うのでありますが、現行法の規定の解釈といたしましては、条例に伴う罰則の規定も準用されるものというふうに考えておりますし、法制局の担当部長もそういうお答えをしたと記憶をいたしているわけでございます。
#230
○和田静夫君 いかに自治省の側がお答えになろうが、それから担当の法制局の課長さんでしたかがお答えになろうが、大蔵省の側の答弁は、いまも読み上げましたように「罰則規定でございますので、罰則規定の準用というのは通常いたしませんから、別個にここで設けています。」こうなっています。私は大蔵省の見解と同様の立場に立って昨日質問しているから、全く偶然、ほかの議論をしていて、同感の意を示したのですがね。ここはやはり政府として統一見解を明確にしてもらわないとならないところなんですが、大臣いかがでしょうか。
#231
○国務大臣(秋田大助君) たいへんむずかしい、かつ立法、法理上の問題であり、法理上のまた技術的な問題もあろうかと存じます。したがって、直ちに私としてもこの際卒然たる状況のうちに、責任あるお答えになるとは思いませんけれども、従来、準用の場合は罰則といえどもそのまま準用されていく、別段書かなくても準用されるという解釈は、私はとられるのではなかろうかと思います。しこうして、やっぱし事の次第によりまして、最近においては、罰則に関して準用の場合はそのことを明確にするのが最近の立法例とも聞いておりますが、その際、立法政策上、罰則に関しましてはいろいろ立場立場によって立法政策上の問題があろうかと存じます。その辺が微妙な見解の相違を生じてくる原因ではなかろうかと私は思うのでございますが、なお、この点につきましては検討の上、なお研究の上お答えをさしていただきたいと思います。
#232
○和田静夫君 そうしましたら、これはひとつ次回までに検討してもらって、ここの部分について御答弁を願うということにしておきます。私はどうしても答弁は納得することができませんし、たまたま納得できないままに、けさ大蔵省の側から納得のできる答弁をもらったものですからね。それで、この法律案にかかる重要な部分でありますので、統一見解を後ほど承りたいと思います。
#233
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#234
○委員長(若林正武君) それでは速記を起こして。
#235
○和田静夫君 それから、これは次に入りますが、組合の規約で直接選挙を規定した場合に、十八条なり十九条なりが準用されないことになるとたいへんなことになるということをきのう私は言いました。つまり規約の書きようによっては、二十歳以下の者が選挙権を持ったり、あるいは二十五歳以下の者が連合の議員になれるということになりかねない、こういう私が質問をしたら、私の質問に対して自治省はたいへんな答弁をされて、ここも私は留保をしたのであります。うっかりするとごまかされてしまうようなところでした。留保しておいてよかったと思うのであります。公職選挙法二百六十七条の適用があって、その適用を通じて全体が適用されるので、そのような心配はないとお答えになりました。しかるに、いま選挙部から来ていただきましたが、自治省選挙局の選挙課長、管理課長共著「公職選挙法逐条解説」、この公職選挙法二百六十七条を解説して、自治省はこう解説をしているのであります。「本条第一項の規定により、組合の議会の議員の選挙、組合の管理者の選挙については、右に述べた地方自治法の原則と同じように、原則として、都道府県の加入しているものにあっては本法中都道府県に関する規定、市及び特別区の加入するもので都道府県の加入しないものにあっては本法中市に関する規定、その他のものにあっては本法中町村に関する規定が適用される。しかし、「法律に特別の定がある場合」は除かれるのであって、地方自治法第二百八十七条によれば、一部事務組合の議会の議員の選挙の方法及び管理者の選任の方法並びに役場事務組合の議会の議員の選挙の方法については、組合規約で定めることとされているから、これらの組合の議会の議員の選挙及び管理者の選任については本法の大部分の規定は適用の余地がなく、その選挙及び選任に伴う争訟や罰則のみが適用されることとなる。」こうなっている。これは一体どっちが正しいのでしょうか。
#236
○政府委員(宮澤弘君) あるいは後ほど選挙部の担当者から御答弁を詳細に申し上げる必要があろうかと思うのでございますが、まず、私から御答弁申し上げます。
 ただいまの関係条文につきましては、昨日も和田委員が疑問をおはさみになりまして、私どものほうになお検討をしろという御指示があったところでございます。で、私ども帰りましていろいろ検討をいたしたわけでございます。その結果を御報告をいたしまして、御答弁といたしたいと思うのでございます。
 昨日差し上げました、先ほど読み上げました資料、すなわち「一部事務組合に関する地方自治法の適用準用関係」という資料の中で、地方自治法の第四章選挙に関する規定、十七条から七十三条につきましては、「組合の議会の議員の選挙および管理者の選任は規約事項とされているので準用されない。」こういうふうに書きました資料を差し上げてございます。先ほども読み上げたところでございますが、この点につきましてはそのとおりというふうに私どもは考えているわけでございます。そこで、昨日の御議論もそこから議論がさらに発展をいたしまして、それではその場合に公職選挙法との関係というようなところで御議論があり、御答弁を申し上げたわけでございますが、その点につきまして行政課長が御答弁を申し上げ、私もそういうことでいいのではないかというふうに申し上げたのでございますけれども、その点は帰りまして、御指示により検討をいたしました結果、申し上げましたことがきわめて不十分、あるいは誤りの点があったかと思うのでございまして、御審議に混乱を与えましたことについてはおわびを申し上げたいと思うのでございます。
 それではどの点が、どう申し上げたことが不十分なり不適切であったか、こういうことでございますが、先ほど来申し上げておりますように、自治法の選挙に関する規定は準用されない、と申しますのは、地方公共団体の一部事務組合の規約事項といたしまして、組合の執行機関の組織、選任の方法というものは規約で定められる、こういうことになっているわけでございます。そこで、その規約で定められるにあたりまして、公職選挙法の規定で格別の規定がございますので、そちらにいってしまうという御答弁を申し上げたような記憶をいたしているのでございますけれども、その点は規約の専管事項というふうにやはり考えるべきだと思うのでございます。過日来御質問の中に出てまいりました長野さんの本の中にも、いろいろその辺について両論あるというような議論の経緯も書いてございますけれども、結論といたしましては、組合の執行機関なり議決機関の組織、選任の方法は、規約の専管事項、こういうふうに考えるべきだろうと思います。先ほどお読み上げになりました選挙局の関係者の著書も、そういう考え方のもとに書かれていると思うのでございます。したがいまして、管理者なり執行機関の組織、選任の方法は、規約の専管事項でございます。選挙権なり被選挙権に関する事項も規約の中で規定をすべきものだ、こういうふうに考えられるわけでございます。
#237
○和田静夫君 きのう、大臣お見えにならなかったのですが、前行政局長と現行政局長との間の解釈というのがかなり違いが出てきているのであります。で、またいま訂正をされましたけれども、選挙局と昨日の答弁との間というのは、まさにばらばらである。これは一時のがれのための、そういう意図的な答弁であったと私はとりたくはありませんが、かなり明快にお答えになっておりましたから、私があのとき、参議院の法制局と相談をしてじっくり考えるという留保条件をつけてなかったならば、実は気がつかないままにこのまま過ぎていた、そういう性質のものであったので、もし一時のがれのための、いわゆる意図的なものでなく、うっかり法解釈が間違っておったということであれば、実はもっと問題だろうと思います。そこら辺のいわゆる十分な検討、十分な考慮がなされずに、軽率にこの法律案は出てきていると言わざるを得ません。そういう意味では、この法律案を一ぺん取り下げられて、もう一ぺん検討をしてみる必要がある。昨日来、こまかくいろいろの論議をいたしましたが、そうして私は幾つかの納得できない留保の条件をつけましたが、それらの部分について、総当たりを一ぺんしてもらう必要があると思うんですが、大臣、いかがですか。
#238
○国務大臣(秋田大助君) 準用に関連しての問題と思いますが、組織に関する構成のしかた、選挙によること、それの法の適用の解釈等に関連をいたしておるわけでございます。この点につきまして思い違いがあって訂正をした、その点、恐縮に存じておりますが、やはり法理の解釈につきまして、もちろん悪意のない個人の思い違いということも、人間でございますのでやむを得ない点もひとつ恕していただきたい。ただ、それがためにこの法案そのものが未熟であるということにはならないのでありまして、法解釈の全きを、このような審議の過程において御指摘を願いまして、そういう意思を明確にすることによって、この法の意思というものも明確にされてくるわけでありますから、全然構成が間違っておるという問題とは性格が違うように存じまするので、何とぞ、この法の意図するところをひとつすなおに受け取りを願いたいと存ずる次第でございます。
#239
○和田静夫君 たいへん子供っぽい言い方ですが、非常にすなおに受け取ってるんですよ、私は。ただ、すなおに受け取っていなかったのが自治省の側なんですよ。大臣、きのうはお見えにならなくて非常に残念なんですが、非常に私は素朴な疑念を一つ一つ質問していった。その素朴な質問は、しかもその長野士郎さんの著述に基づいて質問をしていった。それも変えられていったわけですからね、これはたいへん問題だと思うんです。
 そこで私は、いまちょっと思いついたんですが、自治省がいま間違いだと訂正されたけれども、これで済まないわけですね。なぜならば、きのうは内閣法制局がここにお見えになりました。そして内閣法制局は、実は自治省がいま訂正された前の部分について、法解釈としては正しいと、こう裏づけをされました。速記を調べてまいりましたが、はっきりと、この規約で直接選挙を規定したならば、公選法二百六十七条が適用され、それを通じて公選法全体が適用になるという、はっきりした答え方を内閣法制局も実はやっているんです。内閣法制局というのは、実はそうすると、行政庁が答弁をすれば、それに付随をして答弁をするなどという権威のないものなのかということに思い当たるのであります。そこで委員長、さっき委員長に預けましたが、先の問題もありますし、法制局長官も呼んでいただいて、この二つの部分は煮詰めないといけないと思います。取りはからい願います。
#240
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔午後五時三十分速記中止〕
  〔午後六時十三分速記開始〕
#241
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#242
○和田静夫君 先ほどの政府の統一見解をお述べ願います。
#243
○政府委員(吉國一郎君) 私おくれて参りまして、また昨日の質疑応答、きょうの御議論も承っておりませんので、いまここで大急ぎでその内容を聞いたような次第でございますので、あるいは御質疑がございました点を的をはずしたお答えを申し上げるかもしれませんが、その際は重ねてお尋ねをいただきまして、また補充してお答えをいたしたいと思います。
 地方自治法の第二百八十七条は、一部事務組合の規約に規定すべき事項を第一号から第七号まで規定してございますが、その第五号に「組合の議会の組織及び議員の選挙の方法」の規定がございます。こういう規定がございます。この「組合の議会の組織及び議員の選挙の方法」という文言と、これによって組合の規約として規定し得る事項と、地方自治法第二百九十二条の「地方公共団体の組合については、法律又はこれに基く政令に特別の定があるものを除く外、」中間を省略いたしまして、市または町村に関する規定を準用するという規定がございますが、これらについでのお尋ねが質疑の御要点であったと存じております。
 第二百八十七条の「組合の議会の組織及び議員の選挙の方法」としていかなる程度までの規定を設け得るやいなや。またいかなる程度の規定を設けなければならないかということにつきましては、いろいろ議論のあるところであろうと思います。特に「議員の選挙の方法」ということにつきまして、地方自治法の第四章に選挙に関する規定がございますが、これらの規定とのかね合い上どこまでの事項が規約の規定事項であるか、この点につきましては、議員の選挙の方法と申しまするならば、議員をいかにして議員たる地位につけるかということでございますので、議員たる地位につける基本でございまするところの、議員を何ぴとがその選挙をいたすか、また何ぴとがその議員たる地位につき得るかという選挙権、被選挙権の問題は、当然ここに規約をもって規定すべき事項であろうと思います。また、選挙を運営するに際しまして、たとえば選挙区を設けるとか、あるいは投票区を設けるとかいうようなことも、そんなことは考えられないかもしれませんが、理論上の問題として考えまするならば、そういうこともあり得ると思います。それから公職選挙法の第二百六十七条におきましては、「(地方公共団体の組合の特例)」といたしまして、「地方公共団体の組合の選挙については、法律に特別の定があるものを除く外、都道府県の加入するものにあっては、この法律中都道府県に関する規定、市及び特別区の加入するもので都道府県の加入しないものにあってはこの法律中市に関する規定、その他のものにあつてはこの法律中町村に関する規定を適用する。」とございます。したがいまして、先ほど申し上げました地方自治法第二百八十七条第一項第五号の「組合の議会の組織及び議員の選挙の方法」として規約をもって規定をするということがございまするので、これが「法律に特別の定がある」場合になりまして、したがいまして、その事項を除いた他の事項については、この公職選挙法第二百六十七条の規定が働くように相なると思います。
#244
○和田静夫君 肝心のほうの答弁がないのですがね。けさ、私、決算委員会で大蔵省に尋ねました。ところが、罰則規定というのは準用というのは通常はいたしません。ところが昨日は、ここでもって自治省の側が準用をすると言ったら、法制局の側もできると言った。したがって政府の統一見解を求めたのです。
#245
○政府委員(吉國一郎君) その点はいまよく説明を聞いておりませんでしたので落としましたが、本来準用をいたします場合には、準用と申します規定は、特定の法律の特定の、まあたとえば第X条をある場合について準用するというような非常に個別の場合から、またAから始まってZで終わるような非常に長い一連の規定、いわば制度と申すべきものを一括して準用する場合とございます。そのような場合には、できるだけ準用した結果と申しますか、準用によって法制度がどういうふうに動くかということを、この法律を適用せられる一般の国民の立場から見てわかりやすくすることは当然でございます。最近の立法例におきましては、準用する場合において、特に罰則を準用するような場合には、その罰則を含むというような文言を用いますとか、また、罰則につきましてはわざわざ別に規定をいたしまして、実体法の部分は実体法に書きまして、その実体法を準用される。たとえば第十五条において準用される第三条の規定に違反した場合には五万円以下の罰金に処する、たとえばそのような規定を設けるような処理をいたしております。ただ、先ほど申し上げましたように準用として制度全体をまとめて準用する、一連のでき上がったシステムといたしまして、数カ条あるいは数十条の法律をもって、法条をもって構成されますような法律上の一つの組織、そのようなものを全部一括してある場合に適用する、ある場合に変更適用するような準用のしかたもございますので、そういう場合も、特に罰条のことを指示しない場合も従来ございました。地方自治法は制定もやや古いものでございますので、罰条をできるだけはっきりさせるというような立法技術上の考慮もまだ十分に進んでおらない時代でございましたので、この第二百九十二条のような規定のしかたに相なったかとも思いますが、当然この二百九十二条は、ただいま申し上げましたように全体の制度をまとめて一連のものとして変更適用するという準用でございますので、実体規定のみならず罰条も準用される。そのために、法律の趣旨から申しまして、法の所期するところに反する結果に相なると思います。重ねて申し上げますが、第二百九十二条の場合におきましては罰条も包括的に適用変更せられるものと私どもは理解いたしております。
#246
○和田静夫君 したがって、けさほど論議をいたしました大蔵省の見解と明確に違っているわけです。これはやっぱり政府としての統一見解を出してもらうことが一つ、そしてこの自治法の改正提案というのは、いまお認めになっているようにたいへん不備がある。法制局としては、やはり自治省といろいろ話し合われて、この法律案はやはり提案を取りやめさせる。それくらいのことをやりませんと、これはもう法律上幾つも疑義が出てきていますから、一ぺんどうですか、内閣法制局としても自治省とゆっくり各条にわたって検討を加えていく。それから、いまの次長の答弁だけではやはり政府の統一見解ということになりませんので、これは委員長、内閣総理大臣に来ていただくか、統一見解をまとめて大臣の側から出していただくかやってもらわないと、これは了解できません。非常に残念なことですけれども、昨日からの経過でしかたがないと思うのです。
#247
○政府委員(吉國一郎君) ちょっと補足して申し上げたいと思いますが、地方自治法には、ただいま申し上げました第二百九十二条のほかに、地方自治法で設けております都道府県の制度でございますとか、あるいは市なり町村なりの制度を一括して包括的に適用するような場合、適用したりあるいは準用したりするような場合が少なからずございます。そのような場合に、これは先ほども申したわけでございますが、たとえば特別区に市に関する規定を適用するということにいたしておりますが、この場合には、市に関する実体法のみならず若干の罰則も当然に適用に相ならなければ特別区の制度を十分に維持することはできないことは当然でございまして、ほとんど疑義がないではないかと思います。
 先ほど大蔵省関係のお話がございましたが、いまここで尋ねましたところが、具体的には信用金庫法の第八十九条の関係のようでございますが、これはごらんいただけばわかりますように、非常に個々の条文について適用いたしております。銀行法の業務報告書に関する第十条でございますとか監査書の第十二条等々の規定をいちいちこまかく法条をあげて準用いたしまして、その準用いたしますことを受けまして、第九十条において罰則の規定として、その第二号で、「第八十九条において準用する銀行法第十条の規定による」云々ということで一定の罰則を科しておるわけでございますが、これも、先ほど申し上げましたような個々の個別の条文を準用していきます場合には、当然その実体法だけを準用するごとになりますので、それに対して罰則をもって律する場合には、当然第何条において準用する第何条の規定に違反したときは一年以下の懲役または十万円以下の罰金に処するという罰条を置きませんと、罰則をもって律することはできないわけでございます。その場合に、信用金庫法の場合も包括的に銀行法の規定を準用するような方法と申しますか、そのような制度になっております場合には、地方自治法のような規定のしかたもあり得ると思いますが、信用金庫におきましては信用金庫特有の規律を設けまして、銀行法とどうあってしかるべしというようなものだけを、規定を一々あげまして、第何条第何条及び第何条の規定を準用しているわけでございます。その準用することによって、信用金庫なりあるいは信用金庫の役員あるいは職員に一定の義務を課すわけでございます。その義務の懈怠があった場合に、これに対しては一定の罰則をもって律することにいたしまして、その義務が完全に履行されることを所期することは法律の当然の態度でございますので、その第何条において準用をする、第何条にはこういう罰則をつけますよということを規定するという形になるわけでございます。
 これに対しまして地方自治法の第二百九十二条のような規定のしかたは、包括的にその制度を全体として準用する、あるいは適用するということでございますので、この市に関する規定あるいは町村に関する規定の中には、あるいはその組織であるとか管理であるとか財務であるとかというようなもろもろの規定のほかに、あるいは行為を規律する規定もございまして、その行為を規律するについては、これを担保するために罰則があるわけであります。そのようなことも一括して、たとえば特別区には市に関する規定を適用することにして、特別区の制度を市と全く同じように整斉と運営していくというのが法の精神でございますので、その意味で罰条も当然含まれていると解すべきであるということでございます。その点は先ほども申し上げましたように、できるだけ法律はその適用を受ける国民にとってわかりやすいということを当然のモットーとしておりますので、先ほど申し上げましたようないろいろな立法の技術を使っておりますが、地方自治法のような書き方が非常におかしいというようなことが全くございませんで、地方自治法の二百九十二条の規定のほか、先ほど申し上げましたように特別区の規定であるとか、いろいろな規定がそのままされるような体制をとっております。これはひとえに数カ条あるいは数十条からなるような制度全体を一括して適用する、これはこういう手法をとりますことは、市に関する制度でございますとか、町村に関する制度というものが、地方自治法の上で一つのでき上がった制度として、何ぴとも地方自治の関係者には完熟をしており、あのとおりずっとやればいいんですよということを指示するためには、個々の法条で一々あげるよりも、市に関する規定ということで、包括的に一連の規定を準用し、あるいは適用するほうがわかりやすいという考慮も立法技術としてはあるわけでございます。その意味で、先ほど大蔵省からお答え申し上げたというお話でございますが、その考え方と地方自治法の考え方とは全く矛盾のない、いずれも法律をわかりやすく国民に示すという精神から出たものでございまして、大蔵省関係の法律といえども、私ども政府提案のございまするのは全部審査をいたしておりまして、同じような基本的な考え方から出たものでございますので、その間矛盾はないものと私ども思っております。
#248
○和田静夫君 思っておられても困るんで、答弁、これ速記録が明確にここにあるんでどうにもならぬですよ、それは。十条の都合のいいところだけ引用されましたけれども、私の言ったのは三十四条を言ったのである、別個に。問題はその罰則の準用をいたしませんという、いわゆるわれわれの通常人の考えることは、それがわかりやすいということでしょう。自治省のようなこういう形でもってやられたのじゃ、一番住民に密接な法律もわかりにくくなるんじゃないですか。あなたの答弁の趣旨からいってもそういうのは通らない。したがってこれは委員長、やっぱり政府の統一見解を求めます。法律解釈上の見解で、法制局の考え方は考え方としてわかりました。通常国会で総理大臣が一ぺんも地方行政委員会にお見えになっていないから、総理大臣から政府見解を求めるのにちょうどいいじゃありませんか。
#249
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#250
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#251
○和田静夫君 念のために申し上げておきますが、単に法律論だけでなく、実態的にも、部長はこの間の論議でおわかりのとおり、地方自治法の十四条の五号ですね、で、この「条例に違反した者」云々、この準用です。そうすると、できあがるところの議会というのは、自治省の側はかってに、選挙をされている議員だということでうまくのがれましたけれども、あのときは私知らぬ顔してだまされていたのですが、瑕疵があると思うわけです。職員だって議員になれるのですよ。それらの諸君は決して住民と直接的な関係がない、住民とのかかわり合いのない人間、そういうものによって議決をされる条件を持っているのですよね。その辺も十分考えておかなければならぬが、さっき次長が言われたような形でもって準用していくという形のものはどうしても認められない。統一見解の中にはやはりそういう法律上の瑕疵というものが当然生まれてくる。そうでないと、この法律を審議すること自身が議員としてたいへん危機を感ずるという問題が一つあります。あるいは自治省の誤った見解に対して賛意を表明される、その見解が変わればまたそれに付随をするなどというようなことで、これを統一見解として考えることができるかということが新しい疑問としていま私はありますし、変わった答弁が出ればそれとちゃんと合ったような答弁になっていくというような形のことに対してもたいへんな疑義があります。
 そういうことはつけ加えておきますが、そこで、次に進めということですから若干進んでおきますけれども、公職選挙法が連合の議員の選挙に適用されないということになりますと、この規約の書きようによってはたいへんなことになるという私の疑問は昨日来ずっと続いているのですが、相変わらずよみがえってくるわけです。そこで、自治省はこれをきちっと答える義務を持っているのですがね、その辺はいかがなんですか。
#252
○政府委員(宮澤弘君) 組合の執行機関なり議決機関、これを公選にいたします場合に、組合の規約で選任の方法というものは定めるべきであると先ほど私御答弁を申し上げたのですが、その際に、ただいまの御質問は、昨日も和田委員ちょっとおっしゃったかと思いますが、選挙権、被選挙権というようなものも規約事項になってくるということになりますと、選挙権、被選挙権の要件というものを規約で自由自在と申しますか、かってに規定をできるのか――昨日ちょっとお触れになりましたが、そういうことが中心であろうと思います。で、私はこのように考えたらいいと思うのでございます。選挙に関する事項、その中には選挙権、被選挙権のことも入ってまいります。それは規約で規定をすべき事項でございます。したがいまして、形式的にはそれは規約で選挙権、被選挙権の要件を現在の地方自治法あるいは公職選挙法というものの規定と異なるものを定めることができないかと申しますと、私はそれは形式的には不可能ではないと思うのでございますけれども、およそ公選というものにつきましては地方自治法なり公職選挙法というもので選挙権、被選挙権の要件を定めておりますので、条理上私は地方自治法なり公職選挙法で定めますような選挙権、被選挙権の要件を定めますことが、そういう内容を規約事項の中身として定めますことが法の精神に適合するゆえんであると思います。
#253
○和田静夫君 これは何も起こらないという保障が全然ないでしょう。起こらないという保障はない。そういう意味では非常にずさんな法律だと思うのですがね。そういうずさんな法律を認めるわけには私はいかないと思うのです。考えれば考えるほどそうなるのです。それとも何かうまい法律解釈でもあるのですか。
#254
○政府委員(宮澤弘君) 同趣旨の御答弁を申し上げるわけでございますが、長なり管理者なり議員の選挙に関する基本的な事項というものは規約事項でございます。したがいまして、規約の中身をどう書くかによりまして、規定につきましてはいろいろ小異が出てくることは形式的にはあり得ると思うのでございますけれども、しかしそこは、先ほど申し上げましたように条理上の限界というものが私はあるだろうと思うのでございます。地方自治法なり公職選挙法で一般の公選をいたします場合には、選挙権、被選挙権の要件を定めております。それと同じようなものを定めますことが、私はそれは条理上当然なことだと思うのであります。それじゃ全く例外的なものがあり得ないかということになりますと、私は非常に例外的な場合に、あり得ないこともなかろうと思う。それはどういうことであるかと申しますと、一部事務組合でございますから、その組合の共同処理する事務の中身がいろいろでございますけれども、たとえばAの町とそれからBの町の中の一部が学校組合なら学校組合をつくるということを考えました場合、その場合にBの町には中学校の校区が二つあるというふうに考えまして、一つをAと共同処理をするというような場合におきましては、その場合の選挙権というものを、Bの中の共同処理する校区に属する人々に選挙権を与えるということは、私はそれまでできないかと申しますと、それはむしろそう考えて合理的な場合もあろうと思う。そういう非常に例外的な場合はあると思いますけれども、それ以外に、ことにお尋ねのように選挙権、被選挙権のたとえば年齢の要件というようなものは、条理上、地方自治法なり公職選挙法の規定に定められましたものを規約事項として規定すべきものというふうに考えるわけでございます。
#255
○和田静夫君 選挙部にお尋ねをいたしますが、おたくのさっき読み上げました公選法の解釈によりますと、地方公共団体の組合の議会の議員やら管理者の選挙については、最後のくだり、「その選挙及び選任に伴う争訟や罰則のみが適用される」、こういうことですね。で、公職選挙法において選挙及び選任に伴う争訟や罰則というものは、公職選挙法に基づく選挙方法をめぐって争訟が起こったり罰則が伴ったりするわけでしょう。それを自治法に基づく選挙方法、これは公選法に基づく選挙方法と異なり得るわけです。これをめぐって起こるいわゆる争訟や罰則であるはずのものにつなげるといっても、それはたいへん無理なことじゃないですか。
#256
○説明員(土屋佳照君) ここにございますのは、ここに書いてございますとおり、議会の議員の選挙の方法については組合規約で定めるということにされておるわけでございまして、その限りにおいてこの二百六十七条の「法律に特別の定がある」ということになっておりますから、それに書かれたもの以外は、これは公選法の適用があるのであるということになるわけでございます。したがいまして、組合規約で定めるという限りにおいてはその形で動いていくわけでございますから、直接それと関連のない運動、公選法の手続等がございますならば、それに関連する争訟や罰則ということはこれは直ちには適用にならないということにならざるを得ないだろうと思っております。
#257
○和田静夫君 適用にならないというのは。
#258
○説明員(土屋佳照君) 組合規約で、結局公選法と違うといいますか、選挙方法について違うものを書いてあるといたしますならば、それは実際問題としては当てはめようがない形のものになりますので、直接、公選法の罰則が適用される余地がなくなるのではなかろうかと、こういう考え方でございます。
#259
○和田静夫君 さっきぼくが読み上げたやつね、一番最後の部分、どう書いてあったですかな、あなたの著述は。
#260
○説明員(土屋佳照君) ちょっと読み上げます。
 「組合の議会の議員の選挙の方法については、組合規約で定めることとされているから、これらの組合の議会の議員の選挙及び管理者の選任については本法の大部分の規定は適用の余地がなく、その選挙及び選任に伴う争訟や罰則のみが適用されることとなる。」ということでございます。
#261
○和田静夫君 ですね。そうなると、そこの部分を言ってみれば、公職選挙法に基づく選挙方法とは異なるはずのものにつながるということは無理なんですね。いま言われた適用されるというのは無理なんです。そこの解説の部分というのは変えられるわけですか。
#262
○説明員(土屋佳照君) 組合規約で定められるものは選挙の方法でございまして、それは組合規約で当然定められる。それ以外のものは公選法の適用があるということでございますが、この議員の選挙の方法以外の部分というのはほかにもあるわけでございまして、そういったものが適用関係が出てくるだろうということで、ここに書いてあるわけでございまして、ただ、ここの書き方がその意味では非常に不十分かもしれませんが、一応当時書いたものは、実態に応じました間接選挙的な、そういった実態を頭に置いておったものですから、かなりこの部分の規定が適用されるといったような書き方になっておろうかと思います。これは若干その点は不十分かもしれませんけれども、基本的な考えは、ここで書いておりますのは、組合規約で選挙の方法について書いてある。それ以外のものについては公選法の適用があるので、そういった形で争訟や罰則の規定の適用ということはあり得るだろうということでございます。ただ、組合規約で定めることが直接公選法の規定と違うと申しますか、違う形のものを書いてあるといたしますならば、当然公選法で予定をしたものについての罰則というのは、実際問題としては適用の余地がなくなると、こういう意味で申し上げたことでございます。
#263
○和田静夫君 さらに、選挙の分だけ済ましておきますが、お尋ねしますが、この一部事務組合、それから連合の議員の直接選挙をやっている場合、この選挙管理委員会はどうなりますか。
#264
○政府委員(宮澤弘君) 直接選挙を行ないます場合は、当然一部事務組合に選挙管理委員会を設けまして、その選挙管理委員会が選挙を管理するわけでございます。
#265
○和田静夫君 これは改正法二百九十三条の二で政令……。
#266
○政府委員(宮澤弘君) お尋ねの場合は直接公選をするということでございますから、それは当然に規約で選挙管理委員会を置くということになります。
#267
○和田静夫君 そこで、これはどちらにあれすることになりますか。公選法の施行令百三十九条ですね。これは全くこれも昨日から素朴なあれで、わからぬのですが、一部事務組合の議員の選挙に公選法が適用されず、かつ「全部事務組合を除く」ということになると、残るのは役場事務組合だけですね。なのにこの条項が町村の組合とならずに「市町村の組合」となっているのです。これはなぜですか。
#268
○説明員(土屋佳照君) ちょっと私御質問の趣旨を理解してなかったかもしれませんが、ここで九条二項ということで引用しておりますのは、御承知のように三カ月の住所要件といったようなことを規定しておりますので、その部分を市町村の選管というものが判定する際に、これは選管自体の問題でございますので、そこでこれを準用しているのだということになろうかと思います。趣旨を取り違えたかもしれません。
#269
○和田静夫君 政府の統一見解のときに一緒にもらいます。
#270
○竹田四郎君 広域市町村圏の設定というものは、これは法律によらないで行政指導の中でやっているのですね。それにしても、先ほど述べましたように、いろいろ大きな問題点があるわけですね。連合のほうにいたしましても、いままで議論されたようにたいへん大きな問題があるわけですね。連合の場合、市町村圏の設定の場合には、それは法律によらずして行政指導だけで進めていく、その行政機構である連合の場合にはそれは法律でやっていく、非常にアンバランスのような気がするのですが、どうですか。
#271
○政府委員(宮澤弘君) 広域市町村圏の施策につきましても法律を制定したらいいのではないかという議論が一部にはかねてからございました。しかし、それでは一体広域市町村圏の施策について、どういう中身のものを立法化すべきかということになりますと、結局結論といたしましては、国としてそれに相応の援助をしていくというような項目でございますとか、そのほか広域市町村圏の設定にあたっての基準的なことでありますとか、手続的なこと、こういうことになってくるわけでございまして、先ほど竹田委員から御議論がございましたように、もし広域市町村圏が設定されました場合に、そこに府県なり何なりの仕事を分かち与えていく、いわば現在の各種の法律で定めております国と地方公共団体との間、あるいは県と市町村との間の事務配分を変更していくという特例規定でも入れますならば、それはそこで一つの立法をする必要性というものが出てくると思うのでございますけれども、それにつきましては、私、先ほど御答弁を申し上げたとおりでございます。したがいまして、広域市町村圏の施策自身は、ああいう考えのもとに、地方公共団体と国とが協力をして進めていくということで必要かつ十分であろうという認識でございます。
 それから連合につきましては、地方公共団体、ことに市町村が広域的に共同処理をしていく仕組みといたしまして、先ほども申しましたように、現在各種の制度があるわけでございます。一部事務組合等が大いに活用されている制度でございますけれども、従来一部事務組合の制度では律し切れないものがあるということから、法律上格別の規定を設けることにいたしたわけでございまして、これはやはり従来の制度と違った制度というものを考えてまいります以上は法律の根拠を必要とするわけでございます。しかし広域市町村圏の施策自身は、先ほども申しましたように、現段階におきましては格別立法をする十分な必要性があるというふうには考えていないわけでございます。
#272
○竹田四郎君 この連合のやっていく共同処理の事務、事業、これは限界というものはあるのですか、ないのですか。これはどこまでもその連合の中で話し合ってやっていけばできるわけですか、どうですか。その限界というものがあるのですか、ないのですか。
#273
○政府委員(宮澤弘君) 法律的、制度的に申しますならば格別の限界というものはございません。ただ、いままでの実態に徴しましても一つの市町村の区域を越えて共同して処理するのにふさわしい仕事、しからざる仕事というものは次第におのおの明らかになってきているわけでございます。各市町村がこれは共同してやったほうが適切であるというようなものは広域市町村圏の共同処理の中に入っていくというふうに考えます。
#274
○竹田四郎君 そうすると、実際は市町村の仕事というものがほとんど連合に移る、連合に変わってしまうという可能性はあるのですか、ないのですか。
#275
○政府委員(宮澤弘君) これも先ほどちょっと触れたところでございますが、一体現在の市町村がなすべきこと、あるいは個別になすほうが適当な仕事、それから広域的、共同的に処理をしたほうがいい仕事と、おのおのの分界なりあるいは量の問題だと思うのでございます。そこで、非常に遠い将来、現在のわが国の地域社会というものは刻々変化を遂げているわけでございますけれども、遠い将来、交通・通信機関もきわめて発達をしていく、それに従いまして住民の生活の実態なり生活感情というようなものも変化をしていくというようなことを想定いたしますならば、その場合には、広域市町村圏と申しますか、広域的に処理をする仕事というものが現在とは姿が変わっていくであろうということは考えられるわけでございます。それは少なくとも現状を前提にいたしました議論ではございません。そういたしますと、現状では個々の市町村で処理をしたほうがより適切な仕事というものがきわめて多いわけでございます。広域市町村圏のほうが名実ともに市町村にとってかわるというようなことには私はならないと思うのでございます。
#276
○竹田四郎君 これからの行政が進んでいくという中で、実際には市町村のやる仕事というものはなくなってしまうのじゃないですか。具体的にはこれとこれとはどうしてもだめだという仕事、市町村でなければだめだ、広域市町村圏あるいは連合では仕事ができないという仕事はどういう仕事ですか。
#277
○政府委員(宮澤弘君) それは広域的なものを前提とすることが必要でない仕事、抽象的に申し上げればそういうことになろうと思うのであります。住民の身近で、規模もそう大きくないところで処理するほうがきめのこまかい行政ができるし、より適切であるというようなものであろうと思います。たとえば現在の市町村で申し上げるならば、通例の場合で申しますれば、たとえば小学校を設けてそれを運営をしていく、あるいは保育所をつくってやっていく、あるいは対人的な行政というようなものは、大体広域市町村圏的な、広域的なことでやりますよりも、現在の市町村の規模、市町村を前提にしてそこで仕事をしたほうがよりきめこまかい適切な仕事ができるだろうと私は思います。
#278
○竹田四郎君 確かに幼稚園なり保育所というものはそうであるにしても、ただ、そういう一般的な事務をやっていくということになりますれば、これは広域的にやったほうが効率的でしょう、上のほうの事務をやるときには。いろいろな企画をつくったり何かをしていく、しかもいろんな状況、生活水準にいたしましても、福祉の状況にしても一致をさせていく、非常に山奥と、それから都市の近郊とも大体同じようなことをやっていくということにしたら、その企画は各個にやるより総合的にやったほうがいいんじゃないですか。そういう形で、幼稚園にいたしましても共同的に処理をしていったほうがいいというようなことにはなりませんか。あるいは、保母さんのいろいろな配置等を考えても、そのほうがより合理的になるんじゃないでしょうか。ある地域はもう保母さん少なくてもよろしいと、それは広域的だから、この保母さんは今度はそっちのほうに回すという仕事をやっていく、必ずしもそういうものは各市町村でやらなければならないときめた仕事ではなくなってくるんじゃないでしょうか。
#279
○政府委員(宮澤弘君) 先ほど来申し上げておりますように、広域市町村圏の考え方というものは、地域全般を通ずる総合的な計画ということが一応基本になるわけでございますけれども、それに基づきまして各地域がおのおのの独自性と申しますか、それに基づいて機能を分担をしていくという考え方があるわけでございます。そこで、いまおっしゃいました例でございますけれども、やはり保育所を設置をして運営をしていくということは、広域市町村圏よりも現在の市町村あるいは市町村のうちのさらに一部かもしれないのでありますけれども、そういう地域で設置し運営をしたほうが、住民の要望にも合い、サービスも私は手厚くなると思うのであります。しかし、その場合に、たとえば保母さんの研修をするというようなことは、各個の市町村がやりますよりも、共同に研修をするというようなことが十分あり得るわけでございます。個別な仕事で、上から下まで全部単独の市町村でやっていくものもございますし、あるいは、いま申しました、たとえば職員の研修というようなものを共同してやることによりましてより適切な運営が行なわれるというものもあろうかと思います。
#280
○竹田四郎君 私、いまの説明もよくわかりません。それはいま現在を静態的にとってみれば、なるほどおっしゃるとおりかもしれません。しかし動態的に見てみれば、いまのような状況でどんどんと住居を都市に移転して、過疎がますます進んでいる地域があるわけでしょう。五年もたてば、学校にいたしましても統合せざるを得ない、保育園にしても統合せざるを得ない、そういう地域が出てくる可能性はあるわけでしょう。そうすると、そこの市町村で一つの保育園を持ってもそれは非常に不経済な話だ。だから、先ほどのスクールバスではありませんけれども、スクールバスに乗っけて、もう少し、一つのある標準的な規模のところに移していくというふうに進んでいきませんか。いま小学校でも、あるいは中学校でもそうでしょう、だんだん統合していくという形になっているんじゃないですか。だから、保育園だから幼稚園だから、それはもう市町村の固有の仕事であって、共同処理ができない仕事だというわけにいかぬでしょう。おそらくいろんな施設やあるいは経営の面でも、当然園児が少なくなっていけば非効率的になってくる、費用がよけいかかってくるというようなことになりませんか。
#281
○政府委員(宮澤弘君) それは、その施設なり事業の内容と地域の実態によって違うと思うのでございます。ただ、いまお話しのように、なるほどそれは統合をしたほうが経済的である、そういう観点からするものの見方というものももちろんあろうと思うのでございますけれども、たとえば保育所あるいは小学校というようなものにつきましては、やはり園児なり、児童なりというもののおのずからの通学距離というような観点というものが当然考えられなければならないわけでございまして、そういう点から申しまして、単に施設の効率なり施設の経済性というだけでものを律するわけにはいかない、これはもう申し上げるまでもないと思うのでございまして、その辺は地域の人たちのいろいろ考え方、気持ちもございましょうし、それに対する施設の規模なり何なり、あるいは充実に対する要望というものもございましょうから、一がいには私は言えないと思うのでございますけれども、原則的に申しますならば、保育所なり小学校というようなものは現在の市町村、あるいは市町村のさらに一部というようなものが設置し運営をいたしますことが実態に私は合うだろうと思うわけでございます。
#282
○竹田四郎君 それはしかし、歯どめはないわけでしょう。地域の人たちが、あるいはその町の、あるいは村の議会が、これはとても経費がかかってしょうがない、統合さしていこうということになりゃ、統合はできるでしょう。何か歯どめがありますか。そういう保育園とか幼稚園というものが例にあげられた。そのことは、その市町村でやらなければならないという、共同処理をしてはいけないという歯どめはどこかにあるんですか。
#283
○政府委員(宮澤弘君) 制度的には歯どめがあるわけではございません。しかし保育所なら保育所を考えました場合に、なるほどそれは保育所を統合して大きなものをつくって施設の充実をしたほうが、中身はよくなるし、あるいは経費的に見て効率的である、こういう議論が一部にはあるかもしれないと思いますけれども、しかし保育所というのは、やはり働いております人たちが子供を仕事に行く前に預けて、それから帰りにまたそれを引き取っていくというような実態というものがございますわけでありますので、何でも統合をすることによって便利になるかと申しますと、私はそうではない、やはり保育所のようなものはわりあいに狭い地域社会において設置され、運営されるのが私は適当だと思います。
#284
○竹田四郎君 それはあなたの考えでしょう。すべての市町村長の考え方じゃないでしょう。あなたがそう思っても、市町村長がそういうことをやると、こういうふうになれば、あなたはそれをとめることができますか。
#285
○政府委員(宮澤弘君) もちろん私はとめるわけにはまいりません。まいりませんけれども、やはりそういう施設なり、事務、事業の内容からする判断というものを、各市町村長なりあるいは各市町村の議会なりという関係者は当然考慮して判断の結論を出すと思うのでございまして、私自身がそれについていい悪いと一言える権能の立場にあるわけではございませんけれども、おのずからやはりその仕事自身が小さな地域社会で運営するのにふさわしいかどうかという適切な判断を住民の代表者である人たちはしてくれるものというふうに考えるわけでございます。
#286
○竹田四郎君 それは期待だけにすぎないわけですね。そういうふうにして考えてみますと、あなたは私の質問に対して言っている点は、市町村がやる最後まで残る仕事は保育所とか保育園というような仕事だとあなたのほうからテーマを出された。私のほうから出したわけじゃない。そうすると結局歯どめはないということじゃないですか。市町村の存在理由というのは失なわれてくるということになりませんか。そしてそれにかわって連合ができてくると、市町村は全く形骸化されていく、こういうことになりませんか。
#287
○政府委員(宮澤弘君) 私は先ほど多少将来の展望的なことを申し上げたのでございますが、わが国の全土を通じまして交通・通信機関が今後どう発達をしていくか、それに伴って時間距離あるいは心理的な距離感というものがどう短縮をされていくかというような国民生活の実態というものは、地方制度を考えるにあたって基本的なことになると思うのでございます。したがいまして、国民生活の実態がだんだん変わっていくということでございますれば、それにつれて地方制度も私は変わっていくと思うのでございますけれども、それは、先ほど申し上げましたように、現在に比べまして国民生活を取り巻く諸環境というものが非常な変化を遂げ、それにつれて国民の生活環境なり生活感情も変わってくるという場合でございまして、現状を前提にいたします限りは、私は市町村の中身が形骸化をして広域市町村圏のほうにより比重がかかり、より多くの仕事を広域市町村圏が営んでいくということにはなっていかないと思います。
#288
○竹田四郎君 理屈の上ではそういうことが言えますね。理屈の上からはそういうことを言うけれども、現在の貧弱な市町村財政の中では、なるべく金を効果的に使おうということは当然でしょう。まあ自治省あたりがもっとこうした市町村に財源を与えていくということになれば、それはやっていくかもしれません。こういうところに住んでいる人々というのは、おそらく現金収入のほうにおいても非常にたくさんあるという地域の人ではなかろうと思います。あるところもあるでしょう。だからあるところにおいては、おっしゃるように市町村がそういう保育園なり何なりを、あなたがあげたようなそういう施設を続けていくとこができるでしょう。そうでない村、そういうようなものもあろうと思います。そうすれば、中心都市を中心として、その中心都市はなるほど充実するかもしれませんけれども、辺境のところはまさに形骸化をされてしまう。理屈の面だけからではなく、財政の面から見てもそうなると思う。そうなりませんか。
#289
○政府委員(宮澤弘君) 中心都市だけが充実をされて周辺が形骸化をしゃしないかということは、広域市町村圏構想というものの当初からいろいろ議論のあったところでございまして、私どもはそういう危険性が全くないとは言えないと思うのでございます。そういうことでもございますので、広域市町村圏の考え方というのは全地域にサービスの網を伸ばしていこうということでございます。施設の所在地がどこにありましょうとも、その施設から住民が受けますサービスというものは圏域内の住民がひとしく受けられるように考えていくというのが広域市町村圏の構想でございます。ただ、先ほども申しましたように、また御指摘もございましたように、得てそういう危惧と申しますか、心配もないではないのでございます。その点は私ども指導についても十分留意をいたしているところでございます。
#290
○竹田四郎君 そういう形骸化の方向、一ぺんにそこまで極端な形にいくかどうか、まあいかないだろうと思うのですが、形骸化の状態ということになっていきますと、いまでさえ国、都道府県、市町村、こういう段階が少し多過ぎやしないか、こういう意見もかなり強くあるわけです。その中に実際上はもう一段階つくる、こういう結果に私は実質的にはだんだんとなっていく。歯どめがあれば別です。歯どめがないということになりますと、そういう形にどんどん進んでいってしまう。そういう心配はございませんか。
#291
○政府委員(宮澤弘君) 先ほども申し上げたところでございますけれども、現在のわが国におきます国民生活の実態なりあるいは地方行政の現状というものから申しますならば、市町村が形骸化をして広域市町村圏のほうに非常に多くの仕事が移っていくということは私はないと思うのでございます。制度的に歯どめがあるかということにつきましては、先ほども御答弁申し上げましたように制度的に歯どめはございません。関係の市町村が共同で処理をしようということになりますれば、それが広域市町村圏が共同して仕事をする内容になってくるわけでございますけれども、るる申し上げておりますように、それだからといって現在市町村のほうが空洞化して広域市町村圏のほうがはるかに重い役割りを引き受けるというようなことは私はなかろうと思います。
#292
○竹田四郎君 まあ思う思わないで議論しても始まりませんから私やめますけれども、最後に、事務局長を置くことができることになっているわけですが、この事務局長というのは、結局県の職員の天下り場所になる可能性が私は非常に強いと思う。そういうことはありませんか。そういう県の職員を天下りで事務局長に据えるということは一切しませんか。
#293
○政府委員(宮澤弘君) まあこれは県と市町村との間の問題でございまして、現在各府県の事情を見ておりますと、たとえば県の職員が市に出向と申しますか、派遣をされて、たとえば助役をつとめる、そのほかの仕事をつとめるという例も見受けられるわけでございます。これはおそらく県と市町村が相談した上で職員を派遣し、職員を受け入れていると思うのでございまして、そういうような意味合いにおきましては、事務局長に県の職員がなるということは考えられないわけではないと思うのでございます。ただこの制度自身が、これは申し上げるまでもないと思うのでございますけれども、県の職員が天下りすることを予定しあるいは予想して設けているというものでは決してございません。
#294
○竹田四郎君 あなたはそういうふうに言われるのですが、実際広域的な行政をするわけですね。広域的な行政ということになれば、県の役割りも広域的な行政をする役割りになる。その広さは若干違うかもしれません、広域的な。だから、先ほども県の権限を連合のほうに積極的に移していくという調査会の答申をちゃんと実行する必要があると私は言ったのですが、権限は移さないわ、県の役人がそこに来て事務局長になり、行政的な詳しい事務手続、あるいはその他の予算編成の問題、こうした問題に普通おそらく暗いだろうと思うのですね、議員とか管理者の人は。そうすると、そういう事務屋が来るというのは、やっぱり県の職員が来るということになるんじゃないですか。そうすれば、その事務局長によって連合が指導をされる。そういう方は当然県との関係が非常に密着しておりますから、地域住民の見解よりも県の見解をより優先的にとりやすいものである。そうすれば、この事務局長というのは県のオルグ的な役割りを連合の中でしていく、より中央集権的なところに結びつけていくという可能性というものは私非常に強いと思う。そういうものを歯どめをしていくというものも何にもない。いままでだってそうだと思います。市町村の助役さん等々は県の職員の中からとっているというのが非常に多いわけです。そういう形になれば、ますます地域住民との関係というのはこれまたみぞが開いていく。そういう歯どめを私はつくるべきだと思うんです。どうですか。
#295
○政府委員(宮澤弘君) 一般の市町村のお話も出たわけでございますけれども、現在全国的に見ておりまして、県の職員を無理に市町村に押しつけているというような傾向が一般的かと申しますと、私はそうは思わないのでございまして、やはり市町村のほうから事務に練達な人をほしいというようなことで話し合いができて、県の職員が市町村に行って仕事をしているというふうに考えているわけでございます。今回の連合の事務局長につきまして、別に県の職員が行きますことを予想をいたしているわけではございませんけれども、連合自身の考え方ということで、県との話し合いであるいは県の職員が招かれるかもしれません。しかし、それは連合自身の判断でそれが適当だと思えばすることだと思うのでございまして、こういう規定を設けましたから、それについての県の職員が行かないような歯どめを考えるというようなことは私はいま必要ではないと思っております。
#296
○竹田四郎君 それは局長ね、都道府県のほうからおまえこの人間をそっちで使ってくれというふうに押しつけることないと思うんですよ。自治省の場合だってそうだと思う。自治省の何々課長をうちの県の部長にひとつ来ていただけないかという形で自治省の役人だって出向しているわけでしょう。自治省のほうからこれをおまえの県の総務部長にしろという形で押しつけているわけじゃないでしょう。これはそこらのことはあたりまえのことだと思うんですよ。裏では必ず、おれのところは今度こういうのがもうそろそろ定年に近いからひとつおまえのところで雇ってくれないかという形で来ているのがもうほとんどすべてですね。表面的には、市町村のほうから、だれだれに来ていただきたいと、こういう形で進められているわけですが、内情はそうではないと思う。県のいろんな支出金の問題もある。私は、そういう意味ではまさにこういう形で事務局長を置くというこのことは、当然県の指導を強めていく。いままでの広域市町村圏の問題にいたしましても、県の指導が非常に強く入り、県の地方課の指導によってつくられているものが非常に多い。そういうものは押しつけられている例すらないわけではありません。こうして考えてみますと、どうも私は、この連合というのは、先ほどの新全総あるいは地方生活圏、そういう形でのワク組みの中にはめ込まれてしまってきている。人的にもそういう形で住民の手の届かないものにし、中央棄権的なものへと地方自治体を再編成していくところの大きなてこにこの連合がなっていく。でありますから、地方制度調査会の答申とは逆な方向に向いていかざるを得ないと私は思いますが、間違いですか。
#297
○政府委員(大石八治君) この前、どなたかからもちょっと御質問があったわけですが、この連合が市町村と県の間のようなものになるというふうなことを言われたわけですけれども、私どもは、この連合というのは、ちょうど一部事務組合の一種でありますけれども、その一部事務組合が関係市町村の、まあことばは悪いのですけれども支配下にある。いま市町村が、その一部事務組合は自分たちの上にあるなんということをとても考えているわけではないと思うんです。その複合組織でありますが、これを市町村のほうで自分たちの上の組織となどととても考えるものではない。いわゆる市町村の支配下といいますか、そういう、自分たちの相談をしてつくる仕事なんでありますから、私は支配下にあるというふうに考えられると思うのです。したがって、その連合が逆に市町村と府県の間の行政組織のようなところにいくというふうには、実感としても私は考えませんし、おそらく将来も指導はそういう方向でしなければなりませんし、一応市町村もそういうつもりでこの運営に当たるべきものだというふうに考えております。
#298
○竹田四郎君 そうはなっていかないと思うんですね。私は意見を申し上げて終わりにしたいと思うんですが、結局、いかに地方自治を安くやっていくのか、いかに中央集権化を編成していくのか、この問題に、私はここに大きな疑問を感ずるわけです。ですから極端なことを言いますと、佐藤総理が、民主主義を守る、日本は軍国主義の方向へ行かないと一方では言っていながら、末端においては、中央集権化、官僚統制の強化、住民への犠牲の強制という逆方向に私は行っていると思わざるを得ないわけです。そういう疑念を私は非常に多くこの法案について持っております。と同時に、先ほどから和田委員が明らかにしたように、法律自体としても多くの疑義をかかえております。十分に答弁できないようなこともたくさんあるわけです。また御答弁の中に、十分国民の納得することのできるような議論、こうしたものも非常に少ないし、抽象的な一方的な意見の開陳、一方的な解釈、こういうものしかこの中には含まれていないと思う。政務次官、どうですか、これはもう少し長い時間をかけて検討をして、国民の納得のいく、地方自治の発展ができる、そういうようなものにもう一回考え直してみる。どうしたらそういうことが担保することができるか、そういう法律にしていくというために、何も無理やりにこの国会で通す必要は私はないと思う。もう一回ひとつ十分考え直して、その辺の疑点というものを明らかにしていく気持ちはございませんか。
#299
○政府委員(大石八治君) まあ広域市町村圏の仕事自体が、いろいろ御議論はございましたけれども、私どもの考える点は、いまのいろいろの現象に対応して、全体のその市町村というものがいわゆる全体の福利関係が上がっていくということにしたいという一つの構想でやってきたわけであります。しかも、それが同時にそういう要求の中で、いままでの法律の中である一部事務組合というものでは、いわゆる広域の仕事をする場合の制度として不便が非常に出てくる。一つずつ組合をつくらなきゃならぬという点もありまして、非常にそういう相互でできる一つの事務処理の機構というものを現実に要望をされてまいってきて、それに対応してこの連合の組織というものは生まれようとしているわけでありまして、頭に何かを描いて、竹田先生のおっしゃるように新全総の方向に仕組みを入れて、片っ方を過疎化して片っ方をふくらませようという魂胆であるというような気持ちは全くありませんし、実務上の要求に応じてこういう事務処理の組織というものを考えているわけであります。しかもそれが実際上の必要にこたえていこうというわけで、すでにこれは広域市町村圏だけの問題では、局長等からお答えしておりますとおり、そのためにやるわけではございませんし、従来からそういうことが出てまいります。いま広域市町村圏の仕事を始める中で、ますますそういう要望が各地域から出てまいって、それにこたえようとするものでありますので、私どもいまこの提案を引っ込めてまた考え直していくという段階ではないというふうに考えております。
#300
○委員長(若林正武君) 速記をとめて。
  〔速記中止〕
#301
○委員長(若林正武君) 速記を起こして。
#302
○藤原房雄君 数日間にわたりましてこのたびの地方自治法の一部改正論議を続けてまいりました。各条文等につきましても相当やりましたので、私は総括的といいますか、何点かの問題、ダブる点もあるかもしれませんが、なるべく重複を避けて、政府の見解をただしたいと、こう思います。
 まず第一点は、このたびの連合制度でございますが、まあいろんないきさつがあって、このたび一部事務組合の連合制度に踏み切ったと思うんでありますが、確かに過日の参考人の方々も、行政事務担当者、その立場からいろいろな意見が述べられておりました。賛成を表しながらも、まあ何点かの点については問題があるという意見もございました。私は、社会の大きな変動の中にありまして、広域行政というか、広域化というものは当然考えなければならない、時代に即応した、対応した体制というものは当然考えなければならないと、こう思うのでありますが、過日の参考人の意見、まあ数日のこの論議の中から、連合制度というものは効率的に、そしてまた便宜的な方向にどうも流れやすい。そしてそのことのために、ずっと論議されております地方自治の本旨というものが何か失われるような、失われると言いますか、本旨からはずれるような方向にいくような懸念がどうもしてならないわけであります。こういうことからいたしまして、特にこのたびの連合制度につきましては、現行法の一部事務組合に関する規定を利用するということでありますので、いままでもいろいろの議論がありましたように、どうも官治的な色彩の強いものを土台にしてという、こういうことで、いろいろな問題が惹起してくる、こういう懸念を非常に持つわけであります。こういう点からいたしまして、ともすれば失いがちな地方自治の本旨ということからはずれないように、こういう点についての懸念というものを非常に強く持つわけでありますが、このたびの連合制度を運営するにあたりまして、民主的運営をどう確保していくかという、こういう点について十分なる配慮がなければならない。改令等の中でいろいろなことを定めるわけでありますので、特にこういう配慮がなければならないと、こう思うわけであります。条文や、またこまごましい問題につきましては、数日来ずっと意見もかわされてきたわけでありますけれども、この民主的な運営を確保するために、自治省としてはどのような配慮を考えているのかという、この点のことについてお伺いしたいと思います。
#303
○政府委員(宮澤弘君) 今回御提案申し上げております連合が、一部事務組合の手直し的なものではないか、そういうことから、民主的な運営をどう確保をするかという御趣旨の御質問でございます。
 そこで、現在の市町村の区域を越えまして、広域的に共同して処理する仕事が出てきておるという事実の認識につきましては、おそらく各方面、さして異論がないと思うのでございます。そこで、それではそういう仕事をどういう仕組みで処理をするのが一番適当であるかということになってまいります。それにつきましていろいろな制度なり方法というものが考えられると思うのでございます。
 たとえば、過日来御議論もございましたけれども、そういうことであるならば、関係市町村の合併を行なったらいいではないか。合併を行ないますならば、新しくできましたものも市町村でございますから、現在の市町村の体制の中で広域的なものも処理できるということになるわけでございます。しかしこれにつきましては、過日来るる申し上げておりますように、現在の地方の実態から申しまして、私どもは、十数年前に行ないましたような町村の合併措置を国をあげて再度推進をしていくということは、その時期ではないというふうに考えているわけでございます。したがいまして、市町村の区域を越えて共同的に処理しなければならない仕事をやります仕組みといたしまして町村合併を行なうということは、現段階においては適当ではないと思われるのでございます。
 それならば、合併ということは一応除外をいたしまして、市町村は市町村ということにしておきまして、府県と市町村との間に第三のいわば団体というものをつくっていくことについてはどうであろうか。その団体自身はあるいは直接公選の執行機関なり議決機関を持つというものを設けたらどうであろうかという、こういうことにすれば、事務、事業の広域的、効率的な処理というものが、普通の市町村と同じような民主的な運営を基礎として行なえるということにはなるわけでございますけれども、しかし、そういうことを考えますと、それは府県と市町村の間に、明白に一つの、関係市町村というものは糸の切れた別の団体をつくるということになるわけでございますので、現在の国、府県、市町村のいわば三段階の組織にさらに一つ、明白に段階を加えていくということになってくるわけでございます。それもまた、現段階においては適当ではないと思うのでございます。
 そういうことにいたしますと、関係市町村というもののイニシアチブと申しますか、自発的な意向を基礎にしながら、それとの関連を求めながら共同処理する仕組みということになりますれば、現在のやはり一部事務組合というものを考えざるを得ない。こういうふうに思うわけでございます。そこで、その次の問題は、そういうことであるならば、その一部事務組合の運営について民主的な運営が行なわれなければならない。そういうことについていかなる配慮を加えているか、こういうことでございます。一部事務組合自身、御承知のように関係市町村が自主的、自発的に構成をするものでございます。その場合の関係市町村の意思決定にあたりましては、関係市町村の議会の議決を経て、関係市町村が協議をして規約を定めて行なうわけでございます。その存立の基礎自身というものは関係市町村の意思に置いているわけでございます。しかし、それはそうといたしまして、日常の行政運営というものにつきまして、これが民主的に行なわれるようにさらに配慮を加えるべきことは、御指摘のように当然だろうと思うのでございます。その点につきまして、過日来御質問があり、私も御答弁を申し上げていたわけでございますけれども、従前の一部事務組合の運営につきましては、住民自身がその運営に直接関与をするという手段というものがきわめて不十分であったわけでございます。そういう点を考慮をいたしまして、この際、一部事務組合の運営につきまして、事務監査の請求、条例の制定改廃の請求権というものを住民が行ない得るような措置を講ずることによりまして、従前よりもさらに民主的な運営ができるようにというふうに私どもといたしましては配慮を加えたということを申し上げてよかろうと思います。
#304
○藤原房雄君 この問題は非常に大きな問題でございますし、今後の運用等につきましては、具体的な問題一つ一つ検討しなければならないことだと思います。いずれにしましても、住民参加という地方自治の本旨を曲げることのないように、しっかりしなければならぬと思うのであります。
 次は、地方自治法の二百五十二条の二、協議会の設置のことでございますが、「都道府県の加入するものにあっては自治大臣、その他のものにあっては都道府県知事に届け出なければならない。」という協議会の設置については届け出制になっておるわけでありますが、事務組合につきましては許可制、この点についてもいままでいろいろ議論もなされたと思うんでありますが、このような違いのある、許可制と、それから届け出制、この点の理由といいますか、いきさつといいますか、この点についてちょっとお伺いしたいと思います。
#305
○政府委員(宮澤弘君) 地方公共団体が事務を共同処理をいたします仕組みは、地方自治法で各種のものが定められているわけでございます。ただいま御指摘のように協議会の設置でございますとか、あるいは職員の共同設置でございますとか、そういうものからさらに一部事務組合というようなものにいたるまで、各種の仕組みが設けられているわけでございます。これにつきまして、御質問は、たとえば協議会の設置については届け出ということになっているではないか、それに対して一部事務組合については許可制になっている、この辺は一体なぜそういう仕組みがあるか、こういうお尋ねでございます。
 協議会の設置、あるいは職員の共同設置というものも同様でございますけれども、これはいわば執行機関に属します仕事を共同して処理するひとつの機構と申しますか、そういうものをつくるわけでございまして、たとえば協議会の設置ということで申しますならば、それ自身、それによって独立の地方公共団体というものが設けられるわけではないのでございます。協議会自身が、協議会に議会があるわけでもございませんし、執行機関の権限に属する仕事をお互いに相談してやっていこうという趣旨でございます。したがいまして、そういうものにつきましては、特別の法人をつくるわけでもございません。ただ、いかなる事務を共同処理していくかということにつきましては、やはり地域全般の仕事を見ております都道府県知事といたしましては、これは関心を持たざるを得ないことでございます。市町村段階におきます協議会の設置につきましては、規約を設け、設置いたしましたときにはその届け出をいたす、こういう仕組みにいたしているわけでございます。ところが、一部事務組合でございますが、一部事務組合は、御承知のように特別の地方公共団体――それによって特別の地方公共団体が設立をされるわけでございます。法人格を持ちまして、構成市町村とは違う人格のものに、構成市町村が本来ならば自分で処理をいたします仕事をまかせるというのが一部事務組合の制度でございます。そこで、一部事務組合というのは特別地方公共団体でございます。一つの別の人格を持ちました法人をつくるか、つくらないかという問題でございます。そういうことにつきましては、やはり国、あるいは国の機関としての都道府県知事というものが全般の立場から関与をする。その設立について許可するかしないかということを関与をしていくという必要性が従来から認められておりまして、一部事務組合につきましては従来から許可制というものがとられているわけでございます。
#306
○藤原房雄君 この法人格があるかないかということ、それももちろんそうでございますが、これは見方、考え方によりますと、一部事務組合のこの規定というのは、地方自治法とともに非常に古い規定であります。協議会につきましては、そのあと二十七年ですか、追加されてできたという、まあこういう歴史的な経過があるわけでございますが、二十七年ごろになりますと、民主主義的な思想というものがだんだん定着するというそういう段階で、まあ協議会につきましてはいろいろ、規定を設けるときには議論があったろうと思うのでありますけれども、一つには、やはり戦後の民主主義思想というものが非常に定着した、そういう時点においてこの特別制度というものが設けられたんではないか。ただ、法人格があるかないかということも非常に大きな問題であろうと思いますが、そういう一つの時の流れ。どうしても一部事務組合というのは、そういう点では古い規定というか、以前のものでありますので、それが今日まできているのではないか。立法論とかいろいろ議論はあるところだろうと思うのでありますけれども、地方自治の本旨から考えるならば、やはりそれぞれの自治体が責任をもってこういうことを進めていくわけでありますから、まあ許可制というような色彩の濃い姿ではなくて、届け出のような姿であるべきじゃないか、さように思うわけでありますが、この点についての見解はどうでしょう。
#307
○政府委員(宮澤弘君) お話しのように、協議会その他の地方公共団体が事務を共同処理するための機構というものは、昭和二十七年に設けられたわけでございまして、一部事務組合の制度は戦前からあった制度でございます。あるいはおっしゃいますように、戦後の民主主義的な傾向というようなものを背景にいたしました制度についての考え方、それから戦前の考え方を基礎にいたしました制度というものの間には、知らず知らずの間にその考え方の具体化された形というものが変わってくるというようなこともあるいはあったかというふうにも思うわけでございます。しかし基本的には、私先ほど申しましたように、一部事務組合というのは、本来個々の市町村が処理をしております仕事を別の団体をつくりまして処理をするわけでございます。いわば市町村の共同処理する事務に関します限りは一種の分身というものができ上るわけでございます。そういう意味合いで、国といたしましてもそれに関与をするというのが至当ではないかということから、都道府県の加入いたします一部事務組合にありましては自治大臣、その他市町村の加入するものにありましては都道府県知事の許可を得る、こういうことになっていると思うのでございまして、いまの一部事務組合の制度というものが、協議会なり何なりと同じ時期に設けられましたとたとえ仮定をいたしましても、協議会なり職員の共同設置と一部事務組合というものとは、やはりその性格の基本において違ったものがあるのではないかという感じがいたすわけでございます。
#308
○藤原房雄君 その次は、知事の公益的必要から市町村に組合を強制設立できるというような規定があるのです。これは過日もいろいろ議論もございました。戦前戦後を通じまして、まあほとんどそういう例はなかったということでありますが、ただ、一件あったかどうかというような局長のお話でございましたが、またそのときの答弁のお話の中で、いまちょっと言い方は違うかもしれませんが、まあこれ、こういう制度はあまりよい制度ではないので、削ったほうがいい、削る必要があるんじゃないかという意味のお話だったと記憶しておるのでありますが、まあ私ども、やはりあくまでも地方自治という立場に立って考えるときに、やはりこの上からのこういう色彩というものが残るということには、非常に疑義を持つわけでありますが、こういう規定があまり使われたことのない規定ではあるかもしれませんけれども、しかし、その規定があるということは何らかの制約を受けますし、連合というものができるときには、当然これも使われる。いつどういうふうに使われるかわかりませんけれども、そういう疑義が残るわけです。こういうことからしまして、地方自治の民主化をはばむといいますか、そういう疑念がどうしてもこういうところから出てくるわけですけれども、こういう問題については、前にいろいろお話があったのかもしれませんけれども、もう一度確認しておきたいと思うのでありますが、
#309
○政府委員(宮澤弘君) この点につきましては、御指摘のように過日御質問があり、私も、あるいは大臣からも御答弁を申し上げたところでございます。ただいま御指摘のように、この規定自身、戦後はもちろん発動をされたことはないわけでございます。戦前わずかの例があったように私は記憶をいたしているということを申し上げたわけでございます。それに対しまして、そういうことであるならば、この規定というものは削除をすべきではないか、あるいは、この規定が残っていれば広域市町村圏というものをこの規定によっていわゆる強制設立をする、広域市町村圏に関する連合を強制設立をする、そういう危険性もあるのではないかという御意見がございました。で、後者の、この規定によって広域市町村にかかわる連合を強制設立をするというようなことは私ども全く考えていないわけでございまして、そのときも申し上げたわけでございますが、この連合である一部事務組合を許可をいたします仕事は都道府県知事がいたしますけれども、これは国の機関として、国から委任された仕事であるというふうに私どもは考えております。万一そういう傾向というものが少しでもありました場合、当然、国の事務の委任でございますから、自治大臣が指揮監督できるわけでございますので、そういうことは起こらないように十分配慮をいたしたいということを御答弁をいたしたわけでございます。で、そういうことになりますとなおさらそういう規定は必要ないではないかという重ねての御質問があったかと思うのでございますが、私は、普通の場合には発動することはまず考えられないけれども、しかし非常に例外的な場合、多くの市町村の利益のためには強制設立的な組合をつくっていかなければならない場合も全く予想されないことではない。そういう意味合いで残しておりますという御答弁を申し上げたわけであります。しかし、それにつきましてもなお御異論がございました。大臣のそれに対する見解を求められたわけでございますが、大臣は、個人的にはと言うような前提をつけたかと記憶いたしておりますけれども、この規定の賛否と申しますか、必要であるかないかということについては、お説もあるのでひとつ研究をしたいということを申し上げ、しかもまた、それにつきまして同趣旨の御答弁を申し上げたわけでございます。規定がございましても、この規定が動くことのないように私どもはもちろん気をつけるわけでございますが、さらに、先ほどの大臣の答弁ということで申し上げましたように、この規定の存在自身につきまして、私ども研究をしていきたいと思っております。
#310
○藤原房雄君 まあ非常に前向きといいますか、そういう点ですね。それは必要欠くべからざることがあって、やむを得ずする場合もあるかもしれないというそういう特殊な例、そういうことはあってはならないことでありますけれども、そういうことをいやしくも口にすること自体、私ども非常に問題じゃないかと思うわけです。あくまでも住民の立場に立った観点の上でものを処すべきである。それは国として必要であるから云々という、どうしてもそうしなければならない、そういう強圧的な考えというものがみじんでもあるということであってはならないと、こう考えるわけでございますが、いまの問題に続きまして、知事の権限の先ほどの問題の続きでございますが、二百八十四条の第四項が発動できる知事の権限の根拠というのは何かということでございますが、これは国の機関としての知事というものを考えておるというようなお答えがあったわけでございますが、この場合、知事がつくる組合の事務は、市町村長と機関委任事務に限らない、ほかの固有の事務とかまた行政事務、こういうものも含むものかどうか。この強制的に知事がつくる組合の事務は市町村長と機関委任事務に限らない、限らず、ほかの固有事務とか行政事務を含むものであるという法律的な考え方があるわけでございますけれども、これは、この点についてはそう考えていいかどうか、この点についてはいかがですか。
#311
○政府委員(宮澤弘君) 第二百八十四条の第四項の規定は「公益上必要がある場合においては、都道府県知事は、政令の定めるところにより、第一項の規定による市町村及び特別区の組合を設けることができる。」こういうふうに規定をされております。この「政令の定めるところにより」の政令は手続的事項を定めている政令でございます。でございますので、この四項を読みますと、「第一項の規定による市町村及び特別区の組合を設けることができる。」という規定でございますから、法律の文理解釈といたしましては、一部事務組合が行ないます仕事は機関委任事務あるいは団体の事務、その中には行政事務も入り得ると思うのでありますけれども、そういうものは含む趣旨でございます。法律の解釈といたしましてはそういうことになろうかと思うのでありますけれども、この規定の運用自身、先ほど私が申し上げたとおりの感じを持っておるわけでございます。
#312
○藤原房雄君 ではこの地方制度調査会ですね、この問題についてちょっとお伺いしたいのですが、ここ十年くらいの間、地方制度調査会の答申はいろいろ出ているわけでありますが、それを見ますと、地方開発事業団のことや、地方行政連絡会議、地方公共団体の連合とか、府県合併とか、広域市町村圏の問題や、また大都市制度、こういうふうに非常にいろいろな問題が答申されておるわけです。こういう非常に急激な変革の時代を迎えておるとは言いながら、こういうわずかといいますか、ここ十年くらいの間に、非常にあらゆる角度からの答申が出されている。この点を考えますと、非常に真剣にいろいろなことを研究しているとも言えますけれども、一面考えますと、手軽にいろいろなことを答申しておる、こういう感もまた深くするわけであります。これは地方制度調査会のメンバーの方々も決して時間のある方ばかりではない。たいへん忙しい方々であり、それぞれの社会的な立場のある方々であろうと思うのでありますが、こういう方々がそれは一生懸命努力し、こういうふうないろいろな答申をつくられたのだとは思うのでありますけれども、ほかのいろいろな調査機関から申しますと、非常にいろいろな問題が出されておる、こういうことをいろいろ考えますと、これはほかの調査会なんかでも言えることだと思うのでありますが、この調査会自身の問題も一つは考えなければならないと思います。メンバーとともに、こういう答申が出されるにあたってどういう仕組みになっているか。やはり自治省のいろいろの意見というものが――構成メンバーのいろいろな討議意見というものはもちろんであろうと思いますけれども、自治省の意見というものが大きく反映しておるのではないか、こういうことを考えますと、私がここで心配することは、地方自治の改革という非常に大事な機構の変革、こういう問題を気軽にいろいろなことを言ってくるという、一つには調査とか研究とかという、こういう方法、システムにもいろいろ問題があるのじゃないか、こういう感じがするわけです。こういうことを考えますと、日本の国におけるこの地方制度調査会のあり方というものを根本的に考えなければならないし、それは時代に即応した変革というものもなければならないわけでありますけれども、ほんとうに地について権威のあるものでなければならないと思います。
 いろいろ書物等を読みますと、イギリスにおける非常に権威のあるモード委員会ですか、こういうことも聞いておりますが、非常に権威のある方を集め、時間をかけ、費用をかけて幅広くいろんな角度から検討したという、こういう話も聞いたわけでありますが、それから見ますと、非常に日本の地方制度調査会の答申は、時代時代に即応した問題であったのかもしれませんけれども、考えるべきではないかと思うのでありますが、この点については、外国の例等も考え合わせまして、現在までの状況、そしてまた現在のお考え、こういう点をお聞きしたいと思います。
#313
○政府委員(宮澤弘君) ただいまモード委員会についてのお話であったわけでございます。私もイギリスの事情をそう知悉をいたしているわけではございませんけれども、御指摘のように、モード委員会はかなりの時間をかけまして、イギリスの地方制度の改革の基本になりますようなものについて検討を加え、結論を出したわけでございます。その結論を出すにあたりましてはかなり時間をかけておりますし、同時に、先ほどもお話がございましたように、相当な専門的なスタッフというものを置きまして、各方面の分析、研究をかなり徹底をしてやっているようでございます。
 そういうことに比較をして、ただいまの御所見でございますが、わが国の地方制度調査会はなるほどいろいろ苦心はしているようであるけれども、各ときどきごとにいろいろな問題を取り上げ、ちょっと気軽にいろいろなことに触れている、こういう感じがするんだがどうであろうか、もう少し基本的な事項をじっくり研究をすべきではないか、こういう御意見であろうと思うのでございます。
 私は、ただいまの御意見は決して間違った御意見ではないと思うのでございます。ただ、一つ付言して申し上げたいことは、イギリスと日本というものを比べました場合に、これはあるいは私の個人的な、あるいは場合によりましては独断的な見方になるかもしれないと思うのでございますけれども、地域社会の変貌のあり方と申しますか、そのスピードというものに非常な違いがあると思うのでございます。イギリスにおきましても、大都市問題でございますとか、あるいは日本とはやや性格は違うようでございますけれども過疎の問題でございますとか、そういうやはり時代が進むに応じまして地域社会が徐々に変わりつつあるという傾向はもちろんあるように承知をいたしておりますけれども、しかし、たとえばわが国のように爆発的に大都市の人口あるいは大都市周辺の人口がふえていく、あるいは非常に急激なスピードで日本の特定の地域が都市化、工業化をされていく、その半面、また一種のなだれ現象的な過疎現象が生じているというような事態というのは、イギリスにはそれほど深刻でないといいますか、それほど激しい勢いで地域社会が変わっていないということが言えるのだろうと思うのでございます。そういたしますと、ある程度将来を見通しまして地方制度の基本を考えていくということは相当程度可能なように思うのでございますけれども、わが国におきましては、御承知のように、人口のふえ方、あるいはその移動の姿、それに伴います過密過疎の現象というものがたいへん顕著でございまして、しかもそういう地域社会の変動の姿なり、スピードなりというものは相かわらずそう衰えていないということから申しますと、なかなか将来を現在見通して相当基本的な地方制度の構造を打ち立てていくというものはなかなかむずかしいということは言えるのではないかと思います。しかし、まあそうであるからこそ、この際、進むべき方向というものを考えていく必要があるという議論もありましょうけれども、私は基本的には、そういう地域社会の構造の変化のスピード、というものがイギリスその他の大陸諸国と日本とは違っているということから、なかなか将来の基本的な構想が立てづらい面があるということは言えると思うのでございます。しかし、イギリスのモード委員会等が地方制度の改革につきましていろいろ検討をいたしましたその方法なり何なり、先ほど藤原委員も御指摘になったところでございますけれども、これはやはりわが国の地方制度の今後の改革を考えるにあたりましても、他山の石と申しますか、私どもとしてもこれを導入をしていく必要があるのではないかという感じがいたします。
 地方制度調査会は、学識経験者あるいは国会議員の方々、その他わが国の有識層をもって構成をされているわけでございます。しかし、そういう方々がそう多くの時間をしばしば調査会の審議にさくということはなかなか不可能でございます。そういう点から申しますと、もう少し事務レベルにおきまして専門的なスタッフを集めまして、じっくり腰を落ちつけて長期的に調査研究をする体制を整えていくということは必要だろうと思うのでございます。現在は、地方制度調査会の事務部局は、私ども自治省の事務名局がつとめているわけでございますけれども、私ども自身も通常のルーティーンの仕事がございますほかに、モード委員会の例を待つまでもなく、地方制度と申しますものは、各般の行政の総合をいたしたものでございます。各個別の行政分野、専門分野につきましての相当精緻な分析、調査、検討が必要だろうと思います。そういうことから、ただいま私どものほうの内部でも、おりおり相談をいたしているのでございますが、専門委員的な方々というものを今後少し活用することによって、先ほど来御指摘がございましたように、なるほど日本の地域社会も変動をいたしておりますけれども、もう少し長期的な基本的な展望というものを精緻な調査、分析に基づいてやっていきたいというふうに考えているのでございまして、御指摘の点は、私は一々ごもっともであるという感じがいたすわけでございます。
#314
○藤原房雄君 まあ非常に前向きのお話がございましたが、非常に大事なことでもございますし、いま大臣もいらっしゃいませんけれども、どうかひとつこの点については検討していただきたいと思います。政務次官、何かこの点につきまして、今後のあり方として非常に基本的な大事なことでございますので、ひとつ。
#315
○政府委員(大石八治君) 御意見は、私も拝聴いたしておりまして、確かに御指摘のとおりであろうかというふうに考えます。ただ日本の場合、イギリスのような制度を、それ自体と同じやり方でできるかどうかという点につきましては、私ども多少違うように思いますけれども、もう少し資料的な準備とかそういうものをしっかりした上で、非常にお忙しい人たちにしてもやっていただくという方向をとりあえず考えなければならぬのではないかというふうに思います。
#316
○藤原房雄君 私は何もイギリスのまねをするというわけではありませんが、真剣な取り組み方、そしてまた歴史的にも相違はあるわけでありますから、地についた基本的なものを積み上げていくという、そういうすぐ時代の変革で変えなければならぬものもございますけれども、その奥底に一つの大きな柱というものががっちりすわってなければならぬと思うわけでございます。そういうことからいって、相当の立場の方々が、相当の時間をかけていろいろ検討しなければならぬことだと思いますので、イギリスのようにすぐしろということでは決してございませんので、その真剣な姿というものは学ばなければならぬと思うわけでございます。
 次は、広域市町村圏のことについて、これもいろいろ議論のあったことでございますが、広域市町村圏に関する調査というのは、資料をいただいておりますのでおおよそのことは拝聴いたしましたが、四十四年度に指定された圏域につきましては、四十五年度から計画の実施に入る五十五の圏域に対して、四十五年度と四十六年度それぞれ一圏域一千万ずつ補助金を出すということになるわけでありますが、五十五圏域全体の四十五年度の計画実施事業費の総額、この内訳、一般財源――自治省分、各省分合わせて、起債とか財源の内訳、これちょっとお知らせ願いたいと思いますが。
#317
○説明員(本江滋二君) お答えいたします。
 昭和四十四年度に設定をされました五十五の広域市町村圏で実施いたしております四十五年度の事業でございますが、まだ決算が出ておりませんので最終的には確定いたしておりませんけれども、昨年の十月末に最終の実施計画をつくりました段階で各広域市町村圏が予定いたしました最終の予定の事業費で申し上げたいと思います。事業費総額で五百三十八億でございます。下の端数は省略さしていただきます。その財源内訳でございますが、国庫支出金が五十二億でございます。それから県立出金が十九億でございます。地方債が二百億。市町村負担金が二十一億。その他が十二億。それから一般財源が二百三十四億でございます。端数の関係がございますので、一億の上がり下がりがあるいはあるかもしれませんけれども、そのような財源内訳に相なっております。
#318
○藤原房雄君 この資料で気のついたことでございますが、事務の内容を見ますと、私どもが想像していたものに比べまして、広域市町村圏で扱っている事務が案外少ないという、こういう点に非常に気がついたわけであります。上水道、下水道という、こういうものにはあまり見られませんし、また重要道路の新設とか改良、こういう問題につきましても思ったより少ない。これはどういう理由なのか、おわかりになりましたらお示し願いたいと思います。
#319
○説明員(本江滋二君) お答えいたします。
 多少御質問の順番が逆になるかもしれませんが、道路につきましては、広域市町村圏内の幹線道路の整備に重点が指向されておりまして、総事業費、先ほど五百二十八億と申しましたけれども、そのうちで約三百二十億が道路に充当されております。したがいまして、約六割に近いものが道路に重点的に指向されておるというふうに申してもいいんじゃなかろうかと思っております。
 それから上下水道がわりあいに少ないという御指摘がございました。私たちもそういう感じを抱きまして、検討いたしてみましたところ、実は上水道は、簡易水道も含めまして、すでに非常に普及率が高くなっておる。したがって、新しく広域市町村圏の事業として計画をするというものがわりあいに少ないということの原因のように承知いたしております。それから下水道でございますが、下水道は、わが国の下水道の普及率は非常に低いわけでございまして、今後大いに下水道事業を充実しなければならない状態にあるわけでございますけれども、御承知のとおり、下水道は非常に巨額な事業費を要するものでございます。したがいまして、この事業費の財源の捻出というものはたいへんな巨額になってまいりますので、目下そういう財源ともにらみ合わせまして、各広域市町村圏とも検討しておるという段階のように承知いたしております。その証左といたしましては、御承知のとおり、広域市町村圏の計画では基本構想、それから基本計画、実施計画を定めることに相なっておりますけれども、基本構想の中で施策の大綱をまとめておるのが通常でございますけれども、その施策の大綱の中では、つまり将来の計画の方向といたしましては、ほとんどの広域市町村圏におきまして下水道事業というものを考えておるのであります。考えておりますけれども、何ぶん巨額な事業費を要しまするので、これに対する財政援助の制度なりなんなりというものを、あるいは調達できる資金のめどというものを考えながら検討中であるという状態のように承知いたしておるわけでございます。
#320
○藤原房雄君 現在広域市町村圏で扱っておる事務というのは、構成している市町村の扱っている事務の総量から比べますと現在は非常に少ない、こういう現況であろうかと思うわけでありますが、先ほど来いろいろ議論のあったところでございますが、局長も、連合ができたからといって直ちに連合が町村に取ってかわるということはないだろうというお話でございました。しかし、現状としてはそうでありましょうけれども、非常に変革の激しい社会情勢の中にありまして、どういうふうに世の中が変わり、また市町村の様相も変わってまいるか、はかり知れないと思うわけであります。また広域化の方向に進みつつあることは異議のないところでございまして、当然、連合の事務が質、量ともふえるだろうと、こういうことは考えられるわけでございます。ところが、先ほど来お話ししておりますように、連合制度そのものが非常に事務組合の規定に乗って行なわれるという、こういう官治的な色彩の強いものの上に乗っかるということで、私どもはこういう形で市町村の広域行政を進めていくということは、やはり地方自治の本旨にもとる方向に進むのではないかという、そういう疑念も持つわけです。現状としては、事務量の面から見ましていいといたしましても、この社会の変動の中でやはりいろいろな疑念が出てくるという、こういう気持ちが非常に強いわけなんですけれども、こういう点につきましては、これは実際これからどのように社会が動くか。また、その市町村の仕事の質、量、どう変わっていくかという点につきましては、いろいろ問題があるところだと思うんでありますが、少なくとも地方自治を守るという立場からいたしますと、いろんな問題が想定されるわけでありますけれども、こういう問題につきましてはどのようにお考えになっていらっしゃるか。事務組合の規定の上にこれらのものが乗っかるというところにやはりどうしても疑義が残る、こういう気持ちがするわけでありますが。
#321
○政府委員(宮澤弘君) 冒頭に御質問がございました、それについて私がお答えを申し上げましたことと関連をいたしてくるわけでございます。市町村の区域を越えて、総合的に共同して処理する必要のある仕事がございます。それを一体いかなる仕組みで処理をするかということが問題の中心であろうと思うのでございます。先ほども私は、町村合併というような方向は現在とるべきではないと、育って、それでは市町村と同じような機関がすべて公選によって第三の団体をつくるということになりますと、これはいまの一部事務組合でございますれば、構成の市町村というものに基礎を置きながら仕事を共同処理できるわけでございますけれども、全く別の構成の、市町村とつながりがなくなる団体を考えるということにつきましては、やはり現在の国、府県、市町村という地方制度の構造に、さらに一つ構造を加えることになります。この点もいまにわかにとりがたいというようなことから、事務組合の制度というものを付して活用していくことがこの際一番適切ではないかということで、このような改正案を御提案をいたしているわけでございます。一部事務組合の制度につきましては、先ほども御指摘がございましたけれども、それについての民主的な関与と申しますか、住民の意思というものを具体的にどう反映さしていくのかということが一つの問題点でありますことは事実でございまして、これにつきましては、直接請求の制度が適用になりますように私どもとして考えているということをしばしば御答弁をいたしてきたわけでございます。そういう制度に加えまして、やはり全般の運営が民主的に行なわれますように、私どもといたしましても十分考慮をしていかなければならないと思うのでございます。しかし、先ほどから申し上げておりますように、現段階におきまして事務処理の機構を考えるといたしますならば、いま御提案を申し上げておりますような形が一番考えられる適切な形ではないかというふうに考えているわけでございます。
#322
○藤原房雄君 どうも現状の体制の上に乗っけていくという考えからすれば、局長さんのいまおっしゃったような考えから出たと思うのでありますが、ごく本質的な問題をいろいろ検討しますと、どうしても、まあ現状の上に乗っけた姿でいいかどうかという、こういう議論が出てくるわけでありますが、それはさておきまして、これもいままでの議論にあったのかもしれませんが、確認の意味でお聞きをするわけでありますが、事務組合、連合を構成している各市町村、これは四年ごとに選挙があるわけで、市町村長も変わりますでしょうし、また議員も変わる、改選されることになっている、こういうことで、これから七〇年代の非常に変革の年代を迎えますと、どういうように市町村の勢力が変わるか、これははかり知れないと思うわけでありますが、こういうことを考えますと、新しい勢力が一変したことによって、いままでの事務組合、連合そのものに対していろいろな批判も出、いろいろな考えなければならない問題も出てくるだろうと予想されるわけであります。そういう特殊な場合といいますか、そういうことが起きたときに、これは公共団体の数を減じたり、また共同処理の事務の変更、こういうことが起きた場合には知事の許可を必要とするわけでありますので、市町村の新しいメンバーだけではどうしようもないという――一たび規約できめて発足すると、四年ごとの選挙があってメンバーがたとえ一新したといたしましても、考えがそこで大きく変わるようなことが起きたといたしましても、おいそれとそれは連合には反映しないという、こういうことも考えられます。やはりそこの地域住民の意思を尊重するということを考えますと、こういう住民の意思によって選ばれた市長、それからまた議員、それらの人たちの構成によって、いろいろないままでやってきたものに対して考え方が変わってきた、そのとき、加入とか脱退も含めまして、こういうことに対して意思を尊重する議会主義の意義――議会主議といいますか、尊重する姿というものがなければならないと、こう思うわけでありますが、こういうことを考えますと、この事務組合の現状ではそういう点はあまり考慮はないのではないかという気がするわけですが、その点はいかがですか。
#323
○政府委員(宮澤弘君) 一部事務組合の制度から申しますと、ただいまお話しのように、途中で規約を改正する必要が出てくる、ただいまお話しの例でございます、地方選挙が行なわれて市町村長なり市町村の議会の議員の構成が変わってくる、こういった場合に組合の規約の変更の必要が生ずる。こういう場合に、さてどういうことになるか。関係構成市町村の新しい意思というものがどういうふうに反映をされるのか、こういう御質問であろうと思うのでございます。
 組合の制度自身は、申し上げるまでもなく、関係の市町村がどういう仕事を共同処理するかということを相談をし合いまして、それを規約にまとめて、関係市町村の合意の上に出発をいたすものでございます。したがいまして、ある仕事を共同処理をするということで特定の幾つかの市町村が仕事を始めましたものを、途中で個別の市町村の意思によって、もう自分のほうはこれをやめたい、あるいは抜けたいというようなことが簡単に起こりましても、実はその面においては困るわけでございます。法律的に申しましても、この初めに規約を定めまして共同処理をするという場合の各市町村の共同して一つの意思にまとめております行為は、一種の合同行為であろうと思われるのでございまして、構成の市町村の全部の意思の合致によりまして仕事を始めるわけでございます。法律的に申しますと、そのうちたとえば一つが抜けたいというような場合におきましても、他の市町村がそれに合意をする必要があると、こういうことになってくるわけでございます。事実上、法律上そういうことになるわけでございます。しかし、たとえばその抜けたいと言っております市町村の抜けたいと意向が、客観的に見ましても、情勢の変化その他だれが見てもそういう主張をいたすのがもっともであるというような場合におきましては、おそらく他の構成市町村といたしましても、そういう認識に立ちます限りは、それを法律上合同行為であるからといって無理に引きとめるというようなことも実際問題としてはあり得ないと私は思うのでございます。しかし、法律的な制度的なものといたしましては、組合の設立というのは関係市町村の合意によって行なわれるわけでございますので、規約の変更というものも関係市町村の合意が前提になるわけでございます。
#324
○藤原房雄君 まあこれもいろいろ考えなければならないことだと思います。
 次に進みますが、現在の地方公共団体の府県または市町村、この事務配分といいますか、この問題をちょっと考えてみたいと思うのでありますが、包括的総合的に地域行政を担当する地方団体は都道府県とそれから市町村と、こうなっているわけでありますが、府県の行なう事務の一つといたしまして、一般の市町村が処理することが不適当であると認められる程度の規模を処理するものとされている。こういうことからいたしますと、府県の事務というものは、市町村を越えて広域的な行政を総合的に処理するという、こういう一面が与えられていると、こう思うわけであります。で、いま連合のことがいろいろ議論になっているわけでありますが、この時代の趨勢と一声えるかもしれませんが、広域化のこの社会情勢の中にありまして、市町村の事務を越えていろいろな仕事をしなければならないというところに連合という問題が出てくる。本案ならば、それを府県が行なうということであれば、連合ということは必要がないのかもしれません。これはまあ仕事の内容とかいろいろな問題がございますから、一般的には論じられないことかもしれませんけれども、この事務の配分ということから考えれば、当然、市町村のになうべき仕事を越える場合は府県がそれを行なう、まあこういうことになるわけであります。こういうことから、広域行政、これはどうあるべきかというこの問題は、非常に大きな問題であり、今日までもいろいろ審議されてきた問題でございますが、こういうことからいたしまして、ここでこの府県のなすべき仕事、それからまた市町村でなすべき仕事というものをよく検討しまして、そうして市町村のできる仕事と、府県でなければならないことと、これは再配分といいますか、よく考えなければならないことと、こう思うわけであります。で、そうした上に立って、どうしても連合でなければできない仕事、まあ当然そういう問題が出てくるだろうと思いますが、その問題についてはこの制度を生かしていく。こういうような順序を経て進めなければならないことと思うわけであります。答申でいっている考え方というのも、そういう考え方が基本にあってあることだろうと私は思うのであります。今日まで自治省といたしましても、こういう問題についてはいろいろな検討をして、今日のこの法案となったものであろう、こう思うわけであります。しかし、この数日間、いろんな議論がかわされてまいりました。そうしてまた私どもは、納得し得ない、将来にどうも禍根を残すであろうという何点かを指摘し、また議論もしてきたのでございますが、こういう点を考えますと、ただこういう問題について市町村の、そうしてまたどうしても連合でなければならないことという、こういう問題についての事務の再配分の問題について、検討というものが自治省当局としてまだ努力が足りないのではないか。検討の余地がまだまだ残っているのではないか。どうもそういう気がするわけでありますが、これは非常に重大な問題でございまして、いままでもいろいろ議論もあったところでございますが、いままでの経過といいますか、そうしてまた現状、今後の考え方等につきまして、総括的にお話しいただきたいと思います。
#325
○政府委員(宮澤弘君) 初めに地方自治法の第二条の規定を御援用になりまして、地方自治法の第二条を見ると、都道府県は市町村を包括する広域の地方団体として、広域にわたるものを処理するということが府県の一つの機能ではないかということになれば、広域市町村圏的な機能というのは、むしろ府県の機能というものでカバーされるのではないか、こういう御趣旨の御質問のように承ったわけでございますが、申し上げるまでもなく、ここで府県の機能といたしまして、広域の地方公共団体として広域にわたるものを処理をするというふうに規定いたしておりますのは、いわば全県的な地域というものを頭に置いての広域的な処理であろうと思うのでございます。それに対しまして、今回御提案申し上げ、御審議を願っております連合制度、またそれが活用されることを期待をいたしております広域市町村圏の圏域というものは、全県的な圏域ではございません。圏域といたしましては、一つの県の中に広域市町村圏の圏域が幾つかできるわけでございます。圏域という点から申し上げてもそういうことでございますし、それから、先ほど他の委員の御質問に対して私お答えを申し上げたわけでございますが、現在の市町村が各個で処理をするような仕事、しかし、それは広域的に総合的にやったほうがより適切なものがある、それを共同して処理をしていこうというのがこの連合の考え方でございます。同じ広域という表現ではございますけれども、県が担当をいたします広域行政と、それから広域市町村圏的なものが行ないます広域行政というものの間には、おのずから性格上違いがあるというふうに申し上げてよかろうかと思うのでございます。
 それから第二番目に、事務配分について御質問がございました。これも、他の委員から御質問がございましたときに、私御答弁を申し上げたわけでございますけれども、私どもの基本的な立場といたしましても、現存中火政府、国が処理をしております仕事、これにつきまして、地方の実態に応じて処理するほうが適切なものは、なるべく地方団体のほうに国から事務配分をしていく。さらに地方団体相互間におきましても、府県が現在処理をしておりますものでも、それが市町村レベルで処理をすることが望ましいような仕事はなるべくそちらのほうに事務移譲をしていくように考えていくというのが基本的な態度であるわけでございますが、しかし、これにつきましては地方制度調査会等におきまして答申もございますけれども、なかなか、全般的に、一朝一夕に、事務の移譲、事務の配分手直しということが現実の問題としてできないわけでございます。私どもといたしましては、個々個別の仕事につきまして、一歩一歩、国よりは地方団体、地方団体の中でも府県よりは市町村という毛のに力をつけていくと申しますか、事務配分をしていくことを、個々個別の問題として一歩一歩やっていくということが一番現実的な解決策であり、考え方である、全般的な方針なり何なりは先ほど申し上げたとおりでございますが、これを一挙に行ないますことはなかなかむずかしゅうございますので、一歩一歩行なっていくという考え方をとっていくわけでございます。
#326
○委員長(若林正武君) 本日はこれにて散会いたします。
   午後九時四分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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