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1970/04/27 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第15号
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1970/04/27 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 内閣委員会 第15号

#1
第065回国会 内閣委員会 第15号
昭和四十六年四月二十七日(火曜日)
   午前十時五十二分開会
    ―――――――――――――
   委員の異動
 四月二十三日
    辞任         補欠選任
     永野 鎮雄君     八田 一朗君
    ―――――――――――――
  出席者は左のとおり。
    委員長         田口長治郎君
    理 事
                塚田十一郎君
                安田 隆明君
                足鹿  覺君
                上田  哲君
    委 員
                源田  実君
                佐藤  隆君
                長屋  茂君
                山本茂一郎君
                渡辺一太郎君
                矢山 有作君
                峯山 昭範君
                岩間 正男君
   国務大臣
       運 輸 大 臣 橋本登美三郎君
       国 務 大 臣  中曽根康弘君
   政府委員
       防衛庁人事教育
       局長       江藤 淳雄君
       運輸大臣官房長  高林 康一君
       運輸省港湾局長  栗栖 義明君
       運輸省鉄道監督
       局長       山口 真弘君
       運輸省自動車局
       長        野村 一彦君
       運輸省航空局長  内村 信行君
       海上保安庁長官  手塚 良成君
   事務局側
       常任委員会専門
       員        相原 桂次君
   説明員
       防衛庁防衛局運
       用課長      福田 勝一君
       法務大臣官房訟
       務部長      香川 保一君
       運輸省自動車局
       整備部長     隅田  豊君
       運輸省航空局技
       術部長      金井  洋君
       運輸省航空局技
       術部乗員課長   小池 正一君
       日本国有鉄道理
       事        原岡 幸吉君
   参考人
       航空公害防止協
       会専務理事    丸山 孝友君
    ―――――――――――――
  本日の会議に付した案件
○参考人の出席要求に関する件
○運輸省設置法の一部を改正する法律案(内閣提
 出、衆議院送付)
    ―――――――――――――
#2
○委員長(田口長治郎君) ただいまから内閣委員会を開会いたします。
 参考人の出席要求についておはかりいたします。
 運輸省設置法の一部を改正する法律案審査のため、本日参考人の出席を求めることとし、人選については委員長に御一任願いたいと存じますが、さよう決することに御異議ございませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#3
○委員長(田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
    ―――――――――――――
#4
○委員長(田口長治郎君) 運輸省設置法の一部を改正する法律案を議題といたします。
 御質疑の方は順次御発言を願います。
#5
○足鹿覺君 恐縮でありますが、足腰を痛めておりますのですわったままですから、大臣もどうぞおすわりになって、政府委員の方もどうぞ……。
 航空行政全般並びにタクシー、私鉄の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。
 航空行政の問題につきましては、防衛庁長官がお越しになりましてから、関連する事項がありますのでお伺いいたします。
 端的に申し上げますが、ゆうべのテレビ放送によりますと、大阪タクシー業界は、大幅のタクシー運賃の値上げを決定し、政府にこれを認可を求めると伝えております。申請の理由、値上げの根拠、それが連鎖反応を起こし、各大都市に影響することは疑う余地がありません。東京その他もすでにその動きもあるわけでありますが、すでに昨日の衆議院においても、市外通話の時間制限あるいは電報料金の改定等、相次ぐ値上げが政府みずからの責任において行なわれております。こういう状態になりましては、物価抑制を大義名分にしておる現内閣としては、自己矛盾もはなはだしいと思います。したがいまして、大阪の動きは全国的な動きに関連する重大な問題と考えまするので、この状況について現在はどうか。そしてこれに対応する運輸省の態度、方針について伺いたいと思います。
#6
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生から御質問がございました大阪のタクシー料金改定の問題でございますが、先ほど先生からそういうお話が私どもの官房長にございましたので、私どもさっそく本省を経由いたしまして大阪に照会中でございますが、ただいままで私どもが確かめましたところでは、正式な申請として昨日報道されたといいますような改定が大阪地区であったかどうか、まだ確認いたしておりません。正式な申請は、したがいましてまだ出ていないものと確信いたしております。
 それから一般的な情勢で申し上げますと、タクシーの運賃改定につきましては、政府全体の方針、それから大臣の御指示に基づきまして、私どもも極力これを抑制するということでやっておりまして、ただいまのところ、大都市におきましては東京、それから横浜におきまして改定の申請が出ておりますが、これは地方局におきまして、ただいま申請が出ましたから、これは検討はもちろんいたさねばなりませんので、検討いたしておりますけれども、私ども政府の方針に従いまして、これを軽々に上げるというようなことは事務的にも考えられませんので、現在はそういう進行状況でございます。大阪におきましても、したがいましてまだ正式の申請を受理しておりませんが、従来の方針に基いて処理をする、こういう考え方でいきたいと思っております。
#7
○足鹿覺君 まことに抽象的で満足できません。検討中ということでありますが、ことしの米価に見られるごとく、農民に対しては三カ年間の米価を据え置くと、こういう血も涙もない残酷な政策を政府は一方おとりになっている。しかるに業界その他の方面については、そのときには検討と言われますが、ある冷却期間を置いていつもお上げになっている。このようなことでは物価抑制の名分に反すると思います。
 大臣に、この点については政治家としてやるのかやらないのか。大阪の状況は、ニュースで報道しておるものがどういう内容のものであるかということは、陸運局を通じられてもすぐわかるはずであります。この値上げの内容、根拠等を後刻正式に御発表願いたい。どういうことを言っておるのか、ニュース社がこれを受けとめておるのに当局がうかつでおられるというはずはない。もっと、うかつであるならば、直ちにそれを情報を収集されて、大臣にあなたは御報告になる責任があると思う。いまのような御答弁でありますと、運輸省設置法の審議に支障を生じますよ。
#8
○政府委員(野村一彦君) 私ども、推定でございますが、おそらく関係事業者におきまして関係事業者の会議をやりまして、そうして関係事業者団体としてそういう改定の申請をするということをきめて、そうしてそれを報道機関に発表されたものと思います。したがいまして、そういう業界の決定がなされましたならば、それから所要の手続を経て、それで関係陸運局に申請が提出されるということになるわけでございまして、通常の形態におきましては、業界団体がそういう意思決定をしたら、すぐその場において記者会見等により発表されるということでございまして、申請はまだおそらく事務的な向こうの準備の都合もありまして、多少日にちを要すると、こういうふうに私どもは考えておりまして、通常の形態はそういうことでございます。もちろん申請がございますれば、私ども直ちに当該局から報告があるだろうと思いますので、これは私どもとして情報としてこれをすみやかに確認をして、そして検討を開始するということになると思います。
#9
○国務大臣(橋本登美三郎君) いま御質問の趣旨につきましては、ただいま自動車局長からお答え申し上げたように、業界としては、大会でいわゆる大幅な運賃改定の申請をすると、こういう決定でありましょうし、もちろんその内容についてもおそらく大会の決議においては、たとえば推定でありますが、労働賃金の高騰及びガソリンの値上げ等、まあいろいろの問題を理由として多分決議がされたと思いますが、ただ運輸省当局に対して正式に申請案が出ておりませんので、したがって的確にこのような理由で値上げを申請した、こういう説明ができない、こういうことをまあ自動車局長からお話を申し上げておるわけであります。
 そこで、この物価問題は、足鹿さんも御承知のとおり、非常にむずかしい問題であります。ことにタクシーというものにつきまして考えますというと、とにかく生産性の向上、合理化というものの非常にこれは少ない部面であります。ほとんど大部分が労働賃金及び管理費の増高並びに原料であるところのガソリン、こういう問題が直接にやはり経営実態に影響してくる。これを大型化にして、そうしてたくさんの人を乗せれば収入がふえるという性質のものでもありませんし、また、一人の運転手をそれ以下にすることもできない。こういう意味においてタクシーの近代化あるいは合理化というものは非常にこれはむずかしい。その点他の業種と違いまして、いろいろの問題が包蔵しておるわけであります。しかし、お話のように物価問題に占める地位は必ずしも少ないものではない。したがって、これは交通機関全般について申し上げることができるわけですが、その中でタクシーの占める地位も相当、大衆的な交通機関としては大都市においては最近重要な役割りを占めておる。ところが、ただいま申しましたような値上げの申請が出てまいりますゆえんのものは、サービス業――一種のサービス業でありますが、サービス業というものはなかなか生産性の向上の面では非常にむずかしいことがある。農産物資においても同様であります。いろいろ農民各位の非常な努力によって生産性がここ数年来向上はしてまいりましたが、これには私は限度があるだろうと思う。そういう意味において物価問題を考える場合において、再生産のかなりひんぱんな、再生産のいわゆる価格の問題とサービスを中心にしたものの価格の問題、あるいはサービス料金、こういうものはやっぱりものの考え方からしてある程度これは別個な異質なものとして検討していかなければならぬ、こういうふうに考えております。しかし全体の物価政策の上から考えて、これをどう抑制していくか、それ自体で抑制することが困難な場合に、これを今度は国家機関なりあるいは国家関係機関なりで、そのコストを上昇せしめないような措置をどう考えるか、これは非常な根本問題であります。そういう意味において、タクシー問題も現状は、いわゆる業者が言うように非常に困難な状態である。これがストップすることは、もちろんこれは大衆の足を奪うことでありますからして、どうにでもなれといってほっておける問題でもありません。しかしながら、申請内容がどういう状態でありますか、申請がありますれば、これは放置するわけにはまいりません。当然これは許可するしないは別問題として、審議の対象になるのは、これは法律上の目的でありますから、申請のあったものをこれを審議をしないというわけにはまいりませんので、申請があればもちろんこれは審議の手続をとらざるを得ない。ただ、その場合にこれを認めるか認めないかは、いろいろの関係から判断してこれはきめる。こういう意味においてはもちろん現下の情勢から考えて慎重に対処してまいりたい、かように考えておる次第でございます。
#10
○足鹿覺君 まだ出てないということでありますから、これ以上大臣に具体的な御見解を伺うということは一応留保いたしておきます。
 このような動きというものが出てくるその原因の二、三について申し上げてみましょう。一つは個人タクシーの許認可についてですが、一般的に言って個人タクシーに対してはこれを抑制しておられる、運輸省は。そういう方針をおとりになっておるようにわれわれは推定する。私のごく二、三日来の体験でありますが、私どもの党に配属されておる自動車も、忙しいために通告をしておらないと乗れませんので、タクシーを私ども利用する場合が非常に多い。そういたしますと、空車のタクシーが走ってまいりますから、手をあげてとまります。そして乗ろうとすると、どちらへと言うから、こうこうだと言うと、いま食事に行きます、あるいは交代時間です、あるいは油の補給に行かなければなりません、こういうような理屈を言ってすうっと出ていっちゃう。あなた方は官庁の大臣なり部局長ともなれば、専用自動車をお持ちでありましょうが、われわれ国会議員は、党へ配属しておるものをあらかじめ申し込んで、そして了解を取りつけて、そして一定の負担金を党へ納め、五時を過ぎれば夜間の超過料金、あるいは定時前の早朝の場合は超過負担をやっておるんです。したがって手続もめんどうだし、タクシーを利用する場合が非常に多い。ところがいま言ったような状態でですね、いわゆるラッシュで込むような方向のところへ行けと言うと、どちらへと言うから、こうだと言うと、すっと行っちゃう。そのあと二、三台個人タクシーがまいりますから、手をあげるととまる。行ってくれと言うと快く行ってくれる。これは私ども体験ですから、あなた方は御経験がないでしょうが、一般庶民の場合はそういう場合が多い。それから料金も正確である、メーターも正確である。同じ場所へ行っても個人タクシーのほうが親切であり、料金も正確である、適正である。こういう交通ラッシュがもたらした結果は、会社へつとめておる者は歩合制でありますから、半分が固定給、半分が歩合制だと聞いておりますが、個人タクシーの場合は自分で自動車をまかない、自分で経営しておるわけでありますから、歩合もへったくれもありません。したがってきわめて良心的な個人タクシーが大部分であります。たまにはまた間違ったのもあるかもしれませんが、私のいままでの経験ではありません。
 こういう個人タクシーについて、一体現在までに年度別に個人タクシーを許可された現時点における台数、目下申請中のものの、本年中でもけっこうですが、月別申請台数、これに対する許可台数、それから個人タクシー制度ができてきてからの年度別申請許可、許可までの日数、これらの資料を本日中に当委員会に御提出願えますか。大体それと同時に、いま私が申しましたような個人タクシーをなぜ抑制するような政策をおとりになっておるのか、それを伺いたい。
#11
○政府委員(野村一彦君) ただいまお話の資料につきましては、さっそくつくりましてお届けいたしたいと思います。
 ただいま御質問のございました個人タクシーの免許の抑制ということでございますが、私ども先生のおっしゃるように、個人タクシーはサービスの面におきましても、また安全性の面におきましても非常にすぐれておるということから、これの育成を助長するということでいきたいと思っておりまして、従来特に東京等の大都市におきましては、たまっておりましたものの案件を早急に処理するように昨年の十一月末でございますか、通牒を発しまして、その事務の処理の促進につとめておるところでございます。これが完全に何といいますか、いままでのたまっておりましたものが片づきますのは、残念ながら、東京におきましては今年じゅうくらいかかりますが、それが正常の状態になりますれば、申請から免許までの期間三、四カ月で結論を出すというようにしたいと思ってやっております。
 資料につきましては、さっそくつくりましてお届けいたしたいと思います。
#12
○足鹿覺君 大臣、ひとつ御所見を承りたいですが、あまり大臣も足には御不自由なかろうと思うのです。相当の御年齢でありますから、自家用車で始終やっておられると思うのでありますが、一般庶民は急ぐときにはタクシーにたよらざるを得ない。ところが、最近は特に朝晩のラッシュは非常に激しい。したがって、いま述べたような込むようなところではみんな素通りをされてしまう。われわれ庶民の一人として、議員は公用車を使う場合でもそういう制限がありますから、めんどうくさいからタクシーに乗るのです。われわれがそういうことを痛感しておるわけでありますから。ただ、深夜に銀座で飲み過ぎて、そして乗車拒否を警視庁を動員して取り締まるとかなんとかということは、私は銀座のバーでお飲みになる人が遠方へ帰るのに乗車拒否しようがしまいが、私はそれはたいした問題じゃないと思う。ごかってに会社の交際費でお飲みになって帰る自動車がない、こういうことは通常のことではありません。問題じゃないです。私どもは朝晩の急ぐときにこのような状態が起きることを遺憾に思います。これはあげて運輸省と道路との関係、いろいろトラックの乗り入れとの関係、いろいろな調整をおやりになっておりますけれども、許可台数を、会社を押えて、むしろ個人タクシーに切りかえていくべきである、そういう方針をとられるならば、いわゆる一般乗客が個人タクシーを選ぶようになれば、会社のほうも、これはそういうことをしちゃたいへんだというので自粛自戒してくるでしょう。何か個人タクシーにいろいろ乗って聞いてみますと、とにかく、やりたいものは一ぱいあるのだ。だけれども運輸省がなかなか許可してくれないと、不満をいつも表明しております。お乗りにならない方は体験がないでしょうが、私どもはすべて体験を基礎にして申し上げておるのです。国会はそういうすべて庶民の声を行政にいかに反映するか。きわめて小さいようなことでありますけれども、いかに官庁の機構をりっぱになさいましても、これが行政の上に実効をあげないようなことでは意味がないと思います。
 大臣、個人タクシーについて、何か私がいま述べたことについてお感じになり、将来もっとスピードアップして、申請の出たものに対してはすみやかに許可するような御処置は講じていただけないものでしょうか。
#13
○国務大臣(橋本登美三郎君) 私もタクシーに乗る機会が非常に多く、一日一回の割りで乗っております。自家用車を持っておりませんので、ことに個人的な私用の場合にはタクシーを利用しておりますから、一日一、二回はタクシーに乗っております。私は、タクシー問題は非常に重要な問題でありますから、就任以来、タクシー研究班を運輸省内につくらせまして、そこでこの問題の検討を進めてまいったわけでありますが、先ほど自動車局長がお話し申し上げましたように、半年以上かかりましたけれども、十二月の初めにいわゆる改善案を決定いたしまして、そうしてこれが審査の非常な簡素化をはかる。従来、私がいろいろ省議等で指摘しておるのですが、従来と申しますか、従来は非常にめんどうな審査方法がありまして、私はその材料を持って省議でもって一々職員に――省議のメンバーにも質問をした。こういうことではとうていこういう簡単な事業に対して自分で申請書が出せない。三万とか四万という金を出さなければ申請書が出せない、そういうようなことは間違いだ。そこで、自分でもって紙に書き込んで出せるような徹底的な簡素化を行なえ、こういうことできまったのが昨年の十二月ですか、十二月の上旬にきめました。一覧表によってこれに書き込ばめよろしい、こういう制度に改善をしたわけであります。これがだんだんと効果があがってまいりましたからして、おそらく本年中には相当の効果があがると思っております。
 そこで、個人タクシー及び法人タクシーを含めまして、おそらく四十五年度、昨年度におきましては、東京とか大阪というような大都会ですが、東京におきましてはほとんど法人タクシーの増車はありません。個人タクシーはおそらく去年だけで二千台をこえて許可をいたしております。法人タクシーはほとんど一台も認可をいたしておりません。また申請もないのであります。したがって、いま個人タクシーの総数は一万をこえております。
 問題は、先ほどもお話が出ましたように、せんだってのいわゆる東京における個人タクシー及び法人タクシーの料金改定の申請は同時に出ております。決議したのは個人タクシーのほうが先に決議をされております。こういうところから見ますというと、どうも個人タクシーと法人タクシーとを問わず、現在の料金制度では非常に困難である。個人タクシーをふやせば、それで個人タクシーの人は収入がふえるかというと、必ずしもそうはいかない。いま大体の様子を調べますというと、いま個人タクシーに対して御理解あるお話でありまして、私も足鹿さんのお話に全く同感でありまして、酔っぱらってどうこう文句言うのはどうかと思いますが、それに対しては寛大な考え方を持つべきだと思います。ただラッシュ時間で、お話のようになかなかタクシーが拾えない。私もそういう場合にたびたびぶつかっておりますが、現在大体、個人タクシーと法人タクシーとを問わず、タクシーの乗車効率はおそらく六〇%をこえておると思います。六二、三%ないし六五%になっておると思います。これは従来の経験から考えまして、平均が六〇%をこえる、少なくとも六二、三%になるということは、ラッシュ時においては相当空車が足らないということなんです。大体、従来の調査からいうならば、五〇%ないし五二%程度のいわゆる乗車効率でありませんというと、ラッシュアワーにおいてはほとんどいわゆる空車を見つけることはできない。そういうような五〇%前後にまでいわゆる車をふやすという方針は、運輸省としてもできるだけその方針をとって、したがって、個人タクシーの申請に対しては急速な処理をはかっております。しかし、御承知のように一応自賠法の問題等があります関係上、また個人タクシーの場合は非常に優良運転手という前提がありますからして、したがって個人タクシーのサービスは非常によろしいのであります。私も個人タクシーを利用する場合がありますが、概して個人タクシーのほうがいいようであります。もちろん法人タクシーも最近、なかなかサービスがよくなってはまいりましたが、個人タクシーはなかなかよろしい。したがって、個人タクシーの増車の申請が多いのでありますからして、これの処理については極力一刻も早く処理をするように指示をいたしておりますが、個々面接によっていわゆる認可をする必要がありますので、したがってなかなか、書類だけの審査であれば簡単にまいりますが、それではいろいろの点において間違いがあっても使用者に御迷惑をかけますから、そこで慎重な審査をする関係もあって、いわゆるスピード・アップはいたしておりまするが、申請してからすぐ直ちに一週間ぐらいで認可をするということもなかなかむずかしい状態でありますが、できるだけ早目にこれは処理するようにという指示をしておりますので、最近では非常にスピード・アップができておると私は見ております。
 こういう意味において、決して運輸省としては個人タクシーを頭から抑制するという方針は全くありません。全部これを処理しておる。不適格者はもちろんこれは不許可にいたします。適格者は片っぱしからどしどし許可いたしてまいります。しかし、それだけではいわゆるタクシーの充足率というのはどうしてもこれは間に合わない。結局は個人タクシーも法人タクシーと同じように運賃改定を、値上げをするゆえんのものは、現在の料金制度では個人タクシーでもやっていけないのだ。こういうことからして個人タクシーについても値上げを要求をして申請がなされております。こういう事情から考えて、やっぱり充足率を果たしていくためには適正な料金、これは適正な料金というものはやはり考えていかなければならぬのではないだろうか。物価政策の問題もありますけれども、物価問題との関連においても考えなければなりませんが、私はタクシーというものは一つの選択交通機関なんだ。したがって、快適ないわゆる個人的な輸送を行なう場合に、タクシーの料金が適正な料金を与えるということは私は当然だと思う。そのかわりどうしても、簡単な荷物を持たない、あるいは健康な人、まあそう急がない人はバスを利用するなり地下鉄を利用する。どうしても急ぐ人とか、あるいは荷物を持っているというふうな人に対しての補助機関としてタクシーは考えていくべきじゃなかろうか。こういう意味においてやはりタクシー等については将来、私はこれをいきなりすぐ改正を行なうという考えではありませんけれども、根本的には、すなわち地下鉄及びバス、それとタクシーの地位というものはどうあるべきか、こういうことを使用者側も十分に考えてやらないと、タクシーの業者あるいは個人タクシーの人々に対して私は親切ではないのではなかろうか。ただ、安くしておけばよろしいのだ、これだけではタクシーはふえてまいりません。そういう意味において、どういうふうな方法でやるなれば合理的にいわゆる料金制度が改正されるか、こういうことで、いま直ちに申請した書類については検討は加えておりませんけれども、運輸政策審議会に私は諮問いたしまして、いわゆる大都市におけるところの地下鉄、バス及びタクシーのあり方、タクシーはどう考えるべきか、こういう点をいま諮問をいたして、結論を急がしておるような次第であります。
 この結論いかんによっては、物価問題等も考えなければなりませんが、私はやはりある意味においては英断をもって処理して大衆の足を確保する、これくらいの必要がある時期がくるのではなかろうか。ただ、これを近いうちに実施するというわけにはまいりませんけれども、大きな長期計画に立ってやはり考えてやるということが、個人タクシーあるいはタクシー業者――業者といったところで結局は運転手の収入の問題でありますから、それらを考えていくべきであろう、かように考えております。
#14
○足鹿覺君 私は記憶はありませんが、だいぶ前の本委員会で、過疎過密地帯における私鉄、バスを含む私鉄のあり方についてお尋ねを申し上げたことがございます。で、きょうは二つの事例をあげてひとつその後運輸省はどのような対策を進めておられるか伺いたい。一つはこの大都市周辺の過密状態についてでありますが、いわゆる平面的に東京都、その他の主要都市を含む市街地が平面的に広がっていく、そこに私鉄あるいはバスが普及していく。ところが国鉄も間に合わない、私鉄も超満員である。また私鉄、国鉄をつなぐ団地との連絡バスがきわめてうまくいっていない。これはまぎれもない事実だろうと思います。特に私は名前をあげて申し上げますと、西武鉄道であります。池袋並びに新宿から発しております西武鉄道の例をとって申し上げますと、先日石神井に――あれは上石神井ですかな、大臣のおっしゃるとおりにタクシーにしょっちゅう乗っておったんじゃ経済がもちませんので、私鉄を利用しました。ところがですね、そこから相当また奥地に入らなきゃならぬ。そこで雨の降る日でありましたが、タクシーの来るのを待っておる。風も強い。ところがですね、一向に来ない。タクシーが来ない。たまに来るのは、延々長蛇の列をつくっておりますから、ふるえながらみんながぶつぶつ言いながら待っておる。来た順に乗っていくのに、少なくとも短くて十五分、長ければ二、三十分も待たなければならぬ。このごろのように陽気のいいときならばある程度しんぼうはできますが、子供を連れた御婦人やあるいは御老人たちは全く困っておる。われわれももう六十歳をはるかにこえて七十に近いわけでありますから老人の部類でありますが、たまったものではありません。ところが、ふしぎなことに、この西武鉄道というものはさくを置いて、この駅の広場の構内にタクシーの駐車場を禁止しておる。流しのものが来るのを待つ以外にはない。まことにふしぎな経営をしております。
 一体運輸省は私鉄のあり方に対して、過密地帯におけるところのいわゆるバスあるいはタクシーの駐車場の指導、どういう御指導をなさっておるのでありますか。少なくとも国鉄の場合は東京、新宿、品川、渋谷というふうに大きい駅には、駅名を入れたタクシーをちゃんと御配置になっておる。公衆の利便に対して御配慮なさっておる。私鉄の場合はですね、急激に人口が増加して、相当の距離を行かなければ――荷物もあり、年寄りであり、子供連れの婦人たちはまことに困っちまう。しかも、おそくなってもタクシーは来ない。一体こういうことをお認めになってよろしいでしょうか。なぜ駅前の広場をですね、いわゆる駐車をさせて、そうして次々と旅客、交通者の便宜をはかるような行政指導をなさらないのであるか、まことにふしぎでありますね。一体、私鉄とは企業利潤だけを追求するものでありますか。そこへおりてから相当の長時間歩いて行かなければならない。若い者ならともかくも、いま述べたような実情のときには困るではありませんか。いかなる行政措置をおとりになりますか。もっと英断をもって対処してもらいたい。全く野放しであります。企業追求一路であります。私はもっと、このような状態を起こしたのは過密が来たしたひずみの最も大なるものだと思いますので、これは実例でありますから、早急に御措置がいただけるかどうか、解決をしていただきたい、かように思いますが、大臣いかがですか。全くなっていません。
#15
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御質問の中で、私鉄そのものに対する監督は、私担当でございませんので実情わかりませんが、タクシーについてお答えいたしますと、一般的にはお話のように、国鉄の主要な駅あるいは私鉄の主要な駅等で交通の結接点になっておりますところではタクシーの構内営業というものが行なわれておりますし、私どももそれを勧奨いたしておるわけでございます。国鉄につきましては、国鉄の主要な駅に数社のタクシーが入りまして、そうして国鉄を利用されるお客さんと、それ以外のお客さんのサービスに当たっているわけでございまして、私鉄の駅におきましても、一般的には国鉄と同じように、主要駅において構内営業をやっておるということだと思いますが、ただいま先生の御説明になりました上石神井の駅につきまして、私ただいま実情を存じませんので、よく実情を調べたいと思いますが……。
#16
○足鹿覺君 西武線はみんなですよ。
#17
○政府委員(野村一彦君) ところが、西武におきましては、これは西武とは限りませんけれども、通常私鉄は鉄道をやっておりますと同時にバスをやっておりますし、それからまた子会社等にタクシー等をやらせておりまして、構内営業等はもちろんほかの会社もあると思いますが、その系列下にあるタクシー会社等が主要の駅の構内営業をやっておるわけでありまして、ただいま先生のお話を聞いて、私も実は意外な感がしたわけでございますので、そのお示しの具体的な例につきましては、さっそく実情を調べて御報告をいたしたいと思います。
#18
○足鹿覺君 大臣、あまりにもこの私鉄の運営については目に余るものがあります。乗客に対するサービスなんというものはなっていない。いつも国鉄が非難の対象になっていますけれども、それは私は御努力になっていることを認めます、先日も申しましたように。もっと利潤追求にきゅうきゅうたるこの私鉄の、いま例をあげたこの問題を解決なさるかどうか。現に広場はある。で、その立て看板がおもしろい。バスとの連絡の都合があって乗り入れを禁止するといっております。バスはバスでちゃんととめるところもつくってあります。まだほかへ、来たタクシーを並べておけばよろしい。余地はあります。なくてもまたつくれる。なっていませんよ。それから団地間の連絡バスについても、住民がおそくなると五人一組になって帰る。こういうことをやっておることも御承知でしょう。一体運輸省は国鉄のみやっておるところではないと私は思っております。運輸行政全般の問題だと思う。過密地帯における住民の足をどのように今後確保されるか。これに付帯する設備の充実等に対して、私鉄に対する行政指導をなさい。行政指導を実行しない場合には何らかの法的措置を講ずる必要があると思いますが、大臣、いかがでありますか。
#19
○国務大臣(橋本登美三郎君) お話しの具体的な事実については、私も現場を承知いたしませんので、ちょっと具体的な回答はむずかしいのですが、ただ、おそらく私の知識でもってすれば、当然駅前タクシーの必要があれば、その申請がなされなければならぬと思います。その駅前タクシーの申請があったにもかかわらず、運輸省がこれを許可しないということであれば、これは運輸省の責任であります。あるいはまた駅前タクシーを許可する場合に、その駅管理者の了解を求める必要がもちろんこれはあると思いますけれども、それに対しては、これは運輸省から当然これは必要であるという見解を出せばよろしいのでありますからして、したがってもう一つの条件としては、そこにそういうものを入れる余地があるのかないのかという問題もあろうと思いますが、まあ足鹿さんのお話では、いわゆるタクシー乗り場をつくる余地はあるようでありますから、実情を調べた上で、そこでもって営業をする希望者がいなければこれはけんかになりません。
#20
○足鹿覺君 流しがあるんですよ。
#21
○国務大臣(橋本登美三郎君) だから営業する人がなければしようがありませんけれども、流しタクシーということは、これはそこへ商売になれば来ましょうけれども、めったに来ないお客さまを拾うために――これはタクシー業者は社会事業でありませんから、個人タクシーといえども、収入があるかないかという問題がありましょうけれども、とにかく実情を調べてみないとわかりません。実情を調べた上で、もし私鉄側がそういうことに対して無関心であり、あるいはそれを制限措置を講じておるならば、もちろん運輸省は監督行政の地位にありますから、それに対して適切な措置をとりますから、さっそくこれは調べてまいります。
 なお、過密、過疎の地帯における交通問題ですが、これは非常に最近大問題になってまいっております。ことに過疎地帯における交通、過疎といいましても、従来考えておったような山村僻地が過疎だけではなくなりまして、いまではある大きな地域、大都会は別にしまして、それを除いた地域が、いわゆるこの大きな過疎現象、交通上からいえば大きな過疎現象が出ております。たとえば高知県におけるところのいわゆるバス事業が非常に危殆に瀕しておって、いろいろこれは指導いたしておりますが、むずかしい問題がある。あるいは岡山においても同様、その他数県においてもそのような問題が起きております。これは単なるいなかのほうの自然の過疎地帯ではなくて、全体の過疎地帯としてこれは考えざるを得ない。ということは、一つは御承知のようにマイカー族がふえてきたということ、もう一つにおいては通勤ラッシュにおけるところの交通量が増大して、それ以外の時間は非常に過疎交通の状態になっておる。それがために一般企業としてはこれは成り立たない。一般企業だけではない。国鉄ですらもいまは成り立たなくなって問題を提供しておるわけであります。したがってこの問題は、単なる運賃問題や、そういう問題で解決ができません。あるいは団地に対する深夜バスの問題も、これも単純にいわゆる料金だけの問題では片づかない。料金だけならば、二倍も三倍も料金もらわなければできない、こういう問題があります。
 交通問題をとらえる場合に、私は私企業であろうと公企業であろうと、これは私は分けて考えるべきではないと思う。私企業でありましても、やはり政府の監督のもとにおいて料金が一応決定され、あるいは抑制をされております。したがって交通企業に関しては、公企業で行なおうと私企業で行なおうと、彼らは同じような立場に立たされておるわけであります。したがって、交通関係から考えますというと、こういうようないわゆる過疎地帯あるいは特別な地域あるいは特別時間、こういう問題に対して政府なりあるいは地方公共団体が、これに対するどういうような考え方を持つべきか、こういうような時代に私は入ってきたのではないだろうか。ただ漫然としておまえら交通事業だから、たった一人か二人であっても運べと、こういうわけには実際上まいらない。そういうようなわずかの人でも運ぶためには、運べるような状態をつくってやらなければ、これは無理だというものでありますから、こういう場合においては、全体的ないわゆる立場から総合的にこの問題は解決していかなければならない。かように考えて、積極的に目下総合交通体系を進めておる状態であります。
#22
○足鹿覺君 いろいろと対策を御検討になっておるそうでありますが、一つだけ私は納得のいかない点があるんです。いま西武の例を申し上げましたのですが、申請がなければいたし方がない、こういうお話でありますが、その経営しておる西武なら西武自体が、そこへ四、五台を常駐して、そうしてそれがフルに運転をすれば、深夜立ち尽くしたりなどする必要はないんで、そのくらいのサービスはあってしかるべきで、大手私鉄は高額の利潤をあげております。ですから申請を待つのではなくして、私鉄自身が駐車場を確保し、そして流しをとめる余地のあるところはとめさせる。流しのなかなか来ないようなところにはそこへ自分の責任において、いわゆる短区間ですから五分か十分で、何回も往復するような料金制の自動車を配置せしめる、こういう措置があってしかるべきではないか。問題はあまり大きな、体系体系とおっしゃいますが、具体的な問題が解決してないんです。かつてはあったものもなくなってくる。いわゆる団地が近ければとにかく歩け歩けだ。歩くことは私も賛成ですが、年をとれば、あるいは女の人たちが子供連れの場合なんか困っちゃう。旅行から戻ったときの荷物を持った場合も困っちゃう。といって東京あるいは羽田からタクシーを飛ばすというわけにまいりません、なかなか経済上の問題もあっていきません。そこら辺の私は対策というものが欠けているのじゃないか、それを私は申し上げておる。いわゆる申請を待つのではなくして、西武なら西武、東武なら東武で、いわゆる足のないところのものはそこに専属のものを置いて、そして地域の団地その他の居住者に対するサービスの一環として、正当の料金をとって、連絡用タクシーを置く、こういう制度は私はとってしかるべきだと思うのです。
#23
○国務大臣(橋本登美三郎君) いまお話のうちの第一点の、いわゆるタクシー駐車の標識といいますか、それを設けろと、これはもう直ちにそういうような必要があって、できておりませんければ、それは調査の上、直ちにそれは実行に移すようにいたします。
 第二の問題は、もしタクシーがその付近にないなら会社をして行なわしめたらよろしかろう、こういうことでありますが、これについては実際上引き合う問題等もありましょうが、いま検討しておるのは、これは法律上の関係が出ますけれども、たとえばタクシーに相乗りを認める、こういうのはいまの法律上の制度ではできないのであります。しかし私は、できないと言っておったんじゃしかたがない。大型バスを運行する場合は、これが運行責任者その他の非常な事情がありまして、五十人乗りバスを動かして十人か十五人では、これはとうてい引き合わないために、たいへんな料金の、いわゆる高額料金をとらざるを得ない、こういうことで、なかなか問題がむずかしい。現在、団地の問題として、深夜バス運行のことをやっておりますが、方々でトラブルがあります。その間の救済策としては、いま足鹿さんのおっしゃるように、タクシーの相乗りを認めて、そこで百五十円か二百円で行くところであれば、五人で行けば四十円ばになりますからして、そういうことはひとつ考えていきたいというので、実は私は前からこの相乗り制度の問題を検討をさしております。なかなかむずかしいことを実際上事務当局者は言っております、それにはいろいろな問題があると。たとえばバスの場合においてはそういう運行責任者とか、いろいろの問題があるにかかわらず、あるいはそういうような場合はどうであろうかという議論がありますけれども、いいことをやる場合に、多少のめんどうなことがありましても私はやっぱりやるほうがいいと思います。したがって、いま足鹿さんのおっしゃるようなタクシーの相乗り制度、これもまあ一日も早く具体化するような方向で検討はさしております。
 ただ、いわゆるサービスとして適正な料金、適正な収入のもとにおいてのサービスは、これはけっこうでありますが、国鉄といえども、あるいは私鉄といえども、あるいは私営のバス会社といえども、とにかく犠牲を払ってまではなかなかこれはやってくれません。これはやむを得ないと思います。ことに最近においては、御承知のように、私鉄の場合とか、国鉄の場合、鉄道の建設費、軌道の建設費というのは非常に高くなってまいっておりますので、多摩ニュータウンの場合において、いわゆる私鉄の延長がなかなかむずかしいということは、従来の方式ではむずかしいのではないだろうか、こういうことからして、地方公共団体にも話し合いをつけて、いやしくも三十万、五十万のニュータウンができる場合は、最初から交通をまず考えてもらいたい。それを考えないで、自分だけは住宅を建ててしまった。あとから私鉄が持ってくるだろう、こういうような甘ったるい考え方でやられては迷惑千万だ、運輸省としては。したがっくいやしくもこれを建設する場合においては、交通問題をまず前提として、道路と、それから、道路でもって運べない場合もありましょう。また、しょっちゅう円タクに乗っておったのではやりきれないですから、私は、軌道を引っ張るならば軌道を引っ張れる状態をつくってやってもらいたい。建設資金が非常な高騰をして、それから計算した料金を出せばとんでもない料金になってしまう。ですから、建設資金に対して、ニュータウンをつくる場合には、当然やっぱりこれは考えるべきではないか。
 私は万博の関係でおりましたときに、いわゆる北大阪急行鉄道、すなわち地下鉄の延長、これをなかなか大阪市営では、どうしても自分のほうはやりきれない。将来ともに赤字をかかえるのであるからできないということで拒否されたわけです。しかし、万博にあれだけの人間を運ぶためには、どうしても北大阪急行という地下鉄がなければ、とても万博の足は確保できない。こういうことから、私が中に入りまして、そこで府及び市、それに阪急ですか、これらを加えまして、三者が建設資金を出して、三者が、赤字が出るならば、三者が平等に持ってもらいたい。こういうことで、その急行ができましたために、地下鉄の急行ができましたために、万博は支障なくこれの交通ができたわけであります。こういうぐあいに、将来ともにある年月がたてば引き合うかもしれませんけれども、十年、十五年というものは引き合わない。こういう場合に、私鉄に、おまえ無理にやれと、こう言ってもできない相談でありますから、それらについては、当然多摩ニュータウンの場合においても、あるいは将来大きな団地ができる場合に、その交通機関に前もってやはりこれは相談をしてもらわなければ困る。こういう点については建設省及び住宅公団、その他関係に、私から強く要請をしておる。あとになってからどうしたんだと言われたって、これはどうにもならぬ問題でありますから、今後はそういう総合的な施策の上において交通問題も考えてもらわなければ、あとになってからでは非常な困難な、しかも、一般利用者にたいへんな迷惑をかける。こういう結果になりますので、そのような方策をとってまいりたい。かように考えております。
#24
○足鹿覺君 ただいまの運輸大臣の誠意ある御答弁で、これ以上は申し上げませんが、過疎地帯は、私は鳥取県におりますが、高知県も御承知の状態でありまして、鳥取県の場合は、一番大きいバス路線である日ノ丸が今秋、ことしの秋、四五%の停止をもうすでに切り捨てを考えている。こういうようなことに対して、運輸政策審議会と技術審議会に分けて、この前の運輸省設置法でわれわれも賛意を表してやったわけでありますから、早急にこの対策を講じてもらわないと、過密状態のところも困る、過疎状態のところも困る。つまり橋本さんは官房長官をなさった、長いことの御経験もあるし、もっと政府自体の総合力と申しますか、あるいは東京都、あるいは今度も大阪でありますが、革新知事ができました。感情的に対立することではなくして、これらにもやはりお互いが手を差し伸べ合って、そうして地域住民の過密地帯における問題を解決する。今度各地方においても革新市長その他がずいぶん出ておりますが、もっと総合的なものをすみやかにやっていただきたいことを特に要望しておきますが、特に私は全部とは申しませんが、西武鉄道が経営する池袋線、新宿から発車しておる線、全域にわたって、先ほど私が指摘したような実情について御調査になり、これに対しては実情を文書でもって御提示を願いたい、なるべくすみやかに。それによってとるべき措置を御勧告なさる必要があろうと思う。どうしても勧告に応じない、あなた方が妥当であるとお認めになってもやらないというような場合には、別の機会において、別途の方法でもって私鉄経営そのものに対する義務づけを、対策を講じてもらう必要があろうと思います。これは当然のことでありますから、それをやっていただくということと、すでに高知県は、高知交通は、すでに破滅寸前の状態であり、私どものところも過疎の原因のために、四五%といえば、これはもう事実上なっていません。もうかるところだけやる、こういうことであるならば、地方公共団体の責任においてやるとか、何らかの措置を具体的にひとつ進めていただきたい。このことを、大臣のただいまの御答弁の趣旨を体し、自動車局長から御言明を願いたい。
#25
○政府委員(野村一彦君) 第一点の西武鉄道の経営にかかります池袋線、新宿線の沿線の構内タクシーの営業の状況につきましては、できるだけ早く資料をまとめて御報告いたしたいと思います。
 それから、第二の過疎地域におきまする路線の休廃止の問題及びその措置につきましては、私ども前々から過疎バス対策協議会というものを県ごとに設けまして、いろいろやっておったわけでございますが、必ずしもその成果は十分でございませんので、今度、四十六年度からは各県ごとに過疎バス対策協議会を置きまして、そして陸運局、それから陸運事務所、県、市町村というものが入りまして、住民の足としてぜひ残すべき路線と、それからやむを得ず廃止する路線、あるいは代替輸送に振りかえる路線というものを、十分地元の意向をくみながら区別いたしまして、そして残すべき路線については、国としてあるいは地方公共団体として、所要の助成を講ずるというようなことで抜本的な対策を講じたいと考え、すでにその部分的な検討を促進しておりますので、ただいま先生のお説のように、十分これは前向きに事務的にも検討して、善処できるように考えていきたいと思っております。
#26
○足鹿覺君 そこで、庶民のこまかいお話を申し上げましたが、法案との関連において少しくお尋ねを申し上げたいと思います。
 空港と航空管制の体制についてでありますが、最近、空港の新規施設の運用開始、あるいは運用時間の延長等の実情は、どういうふうになっておりますか。また、これに伴って管制官の人員増が当然必要になってくると思いますが、これに伴って管制官はどの程度の必要増になっているか。また、一方、毎年退職していく管制官はどのくらいあるか。第三点は、年齢的に管制官として現場的勤務を行なうことが無理ではずされていく者も相当あると思うが、その実情はどういうふうでありますか、伺いたい。局長でけっこうです。
#27
○政府委員(内村信行君) まず初めの御質問、運用時間の問題でございますけれども、これにつきましては、あの東京国際空港あるいは大阪国際空港の問題、あるいは地方空港の問題、こういったような問題に分かれております。東京国際空港の場合につきましては、運用時間は従来どおりで、増はございません。それから、大阪の国際空港につきましても、これも従来と同様。それから地方空港につきましては、これから人も採れるに従いまして、逐次運用時間は延長したいと思います。
 先生の御質問の趣旨とは合わないかもしれませんが、一応御答弁申し上げます。
#28
○足鹿覺君 私が申し上げているのは、航空の安全のためには優秀な管制官を十分に確保し、各空港ごとに配置することがきわめて必要だと思います。そのためには、研修における養成定員を増加し、十分な教育を行ない、高い水準の管制官を養成する必要があると考えるのであります。今後、研修所の養成定員の増、教育内容の充実等について、どのような方針をとられる予定でありますか。現状どおりでは納得まいりません。
#29
○政府委員(内村信行君) 管制官の定員につきましては、大体年々、今回の五ヵ年計画につきましては、大体年間百名程度必要と思っております。なお、今後航空保安施設その他につきましても、相当、航空の需要増に相待ちまして増加していかなければならないと考えておりますので、現在この点につきましては、航空審議会におきまして航空保安委員会というものをつくりまして、そこにおいて検討しておりますが、これができますと、もう少しはっきりしたものができると思いますが、さしあたりのところは、年々官名程度を養成してまいりたいというふうに考えております。
 その養成の方法といたしましては、航空保安職員研修所――現在、設置法改正でお願いしておりまして、これが設置法改正ができますと、航空保安大学校ということになりますが、そこにおきます本科及び専修科、この二つを利用いたしまして、大体御名程度のものを年間養成してまいりたい。さらに、今後、板付の返還あるいは沖繩の問題等によりまして、さらに臨時と申しますか、一時的に管制官をすみやかに養成しなければならぬというようなことも出てまいります。そういった際には、この航空保安職員研修所の中の専修科、ここにおきまして訓練を、養成の増員をいたしましてやってまいりたいというふうに考えております。
#30
○足鹿覺君 運輸事情報告というものをあなた方は御発行になっておりますね。それを読んでみますと、「航空交通の急激な質的量的変化に伴って管制業務の複雑性、困難性および責任の重大性はますます増大しており、業務を円滑に運用するためには多数の水準の高い要員を確保する必要があろう。」と述べておられますね。しかし、実情はこれに伴っていないじゃないですか。打つ手打つ手が後手後手ではありませんか。したがって、現在の航空交通の進展に応ずるだけの管制官等の確保ができていないことを端的にあらわしておる。百名はいつから就業するんですか。どういうふうに将来を展望して対処なさろうとしておるのですか。
#31
○政府委員(内村信行君) 管制官につきましては、おっしゃるとおり、航空需要が非常に急速に増加してまいりますので、おっしゃるとおりに、必ずしも十分にその手当てが整わぬという点もあるいはあるかもしれませんが、しかし、私どもといたしましてはこれに追いつく――管制官というものは航空の安全について絶対に必要なものでございますから、そのために極力この質的、量的な増加をはかってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。そういう意味で、先ほど申し上げましたような方法等によりまして養成をしてまいる。ただ、養成をしたものが一年あるいは二年あるいは半年、こういったものですぐに現場に持ち出しまして、ただちに役に立つというものではございません。したがって、そういったことにつきましては、方々の現場に平均的に分散いたしまして、全部オンザジョブ・トレーニングと申しますか、そういうものをやりまして、その間に十分身につけさせるということにいたしまして、一方、管制全体の能力も落ちないというようなことを確保しながら、この質と量の増加を進めてまいり、需要増に対処してまいりたいというように考えております。
#32
○足鹿覺君 政府は、本年の二月に、第二次空港整備五ヵ年計画を決定されましたね。この五ヵ年計画によりますと、航空保安要員の確保については具体的に触れておりませんね。五ヵ年計画に基づいて管制官等の保安要員はどのように充実していくお考えか。いまその一端を述べられたようでありますが、施設だけを整備なさっても、要員が確保なされなければ、安全な運航は期せられないではありませんか。人員整備計画を明確になさい。
#33
○政府委員(内村信行君) まことに先生おっしゃるとおりでございます。航空保安施設というものができましても、それを運営する要員がなければ、これは何にもならないのはおっしゃるとおりです。その趣旨を、先般の運輸政策審議会の答申におきましてもあらわしていただいたわけでございますけれども、したがいまして、それにつきましては現在航空審議会におきまして、物的な体制並びに人的な確保に対する体制というものをあわせて現在検討していただいております。で、ただいま申し上げましたのは、大体それまでの間の暫定的な考え方として、一応そういうふうな考え方を持っているわけでございますが、さらにその答申を待ちまして、しっかりしたものをもって進めてまいりたいというふうに考えております。
#34
○足鹿覺君 五ヵ年計画に航空保安要員の確保の具体策が触れられていないということは片手落ちといいますかね、中身を充実せずして、形式だけを整えると言われても弁明の余地はないではありませんか。その間の暫定措置だという御答弁でありますが、いやしくも新しく第二次五ヵ年計画を立てる以上、その中身の一番眼目の保安要員の充実対策が欠けるようなことでは、今後における航空の安全を確保することに欠けるではありませんか。もっと、審議会、審議会とおっしゃるが、あなた方自体が少し手ぬるいではありませんか。言い過ぎかもしれませんが、怠慢と言われても弁明の余地はないではありませんか。
#35
○政府委員(内村信行君) 先般の運輸政策審議会で御答申いただきました空港整備五ヵ年計画、これにつきましては、空港を古体にした整備五ヵ年計画というものが出されたわけであります。それに従いまして、先般政府といたしましては、第二次空港整備の五ヵ年計画をつくりまして、その閣議の了解を得たというふうなことでございます。さらにその答申の中には、空港整備のみならず、航空路も含めた空港施設の整備が必要である。さらに航空保安体制が必要である。これを航空保安大学校のようなものにしたらいいだろうというような答申がございました。
 しかし、その答申の中ではと申しますか、運輸政策審議会自体では、こまかい技術的なことに触れることはできませんでしたので、審議会といたしましては、さらにそれを別途の方法に譲りまして、別途の場でこれは審議してもらいたいということになったわけでございまして、それによりまして、私どもも確かに事務的に怠慢であると言われれば、その辺も必ずしもないとは言い切れませんが、そういった面からまた別の場におきまして、航空審議会の場におきまして、そういったことを十分検討したいし、それによって将来とも耐え得るりっぱな案をつくって進めたいというふうに考えているわけであります。先生御指摘のような点は確かにございますが、私どもそういう覚悟で進めておりますので、御了承いただきたいと思います。
#36
○足鹿覺君 そんな御答弁では了承できませんよ。私どもは手落ちである、不十分であるということをはっきり申されて、それに対する対策を講ずる、人員整備計画は何ぼかということを私は聞いておる。第二次空港整備計画は空港の整備計画だなどというような御答弁では、大臣ね、仏つくって魂入れずではありませんか。私は情けないと思う。新五ヵ年計画達成のためには保安要員の確保は不可欠の問題ではありませんか。一方、政府は四十七年より第二次の定員削減計画を実施することを決定しております。航空保安要員のこの削減計画を適用することは職務の性格上困難である、適用すべきでないと私は考えますが、運輸大臣は、いまちょっと座をはずしておられましたようですが、いわゆる空港だけを整備して、保安要員は計画の中に除いてある、これは審議会でこれからやるんだ。私は一体相互不可分の問題だと思います。しかも削減計画を立てておられますが、そういうことで一体航空安全、五ヵ年計画の達成できるでしょうか。何でも審議会にはかるはかるとおっしゃいますが、私は少し運輸省の対策というものは万全を期しておられると考えませんが、大臣の英断的な御措置を要望いたしたいと思いますが、いかがでありますか。
#37
○国務大臣(橋本登美三郎君) 実はただいま御審議を願っておる設置法の改正も、その点を含めてやっておるわけであります。たとえば航空保安大学校というものをつくる、いままでの設備を拡大強化する、内容も質的にも向上する、また、養成の生徒の範囲も拡大するということで、この設置法の改正の中でそう触れておるわけでありまして、説明があったと思いますけれども、今度の四十六年度においては、本科生が百二十五名、専修科六十二名、特修科百五十七名、計三百四十四名ですね。もちろんこの航空局としては、五カ年計画の空港整備に伴なって当然に人の必要がありますから、その試算は持っております。ただ、毎年、年度年度に予算の計上をはかることになりますからして、したがって、いま全体の状況を試算としては航空局から説明を申し上げることができると思いますが、ただ私たちは、何といっても航空は安全が第一でありますから、その安全の度合いと空港整備というものとはあわせて行なわなければなりませんし、だいぶ最近は航空に対する希望が非常に増大してまいっておりますけれども、ただ、使用者側のそういった欲望だけを満足させるということは、整備のそれに伴なわざる場合もありますからして、その点は十分に調整をとりながら進めてまいりたい、かように考えております。
#38
○足鹿覺君 いわゆる四十七年より第二次の定員削減計画はやるべきでない、かように私は思うんでありますが、削減をなさいますか、既定方針どおり、その点はどうですか。
#39
○政府委員(内村信行君) 私どもといたしましては、先生おっしゃいましたように航空管制官などというものは、安全上ぜひ要る要員でございますし、空港というものはどんどんふえてまいりますので、この要員というものは、削減どころかふやしていかなければならぬというのが実情でございます。したがいまして、管制官につきましては年年定員増を要求いたしまして、ある程度ついております。これにつきましては削減はしてほしくないというのが私どもの希望でございます。
#40
○足鹿覺君 それではひとつ具体的に資料をお示し願いたいと思いますが、現在、公共用飛行場は各種合わせて何港ありますか。そのうち航空交通管制業務が行なわれている空港はどことどことどこでありますか、その空港名は。管制業務が行なわれていない空港には管制官は配置されていないのか、いるのか。管制業務が行なわれていない理由は何か。管制業務が行なわれなくとも航空の安全は確保できるか。管制官の不足からやむなく管制業務が行なわれないではないか、かように私は考えます。したがってこの資料を、御答弁では正確を期することができませんので、空港別に御提示をいただけますか。
#41
○政府委員(内村信行君) ただいまここに具体的な資料を持ち合わしておりませんので、それでは先生おっしゃいましたように、後ほど文書をもって御提示いたしたいと思います。
#42
○足鹿覺君 新五ヵ年計画は、地方空港整備あるいは管制施設の整備をはかるということでありますから、おくれておっても、表裏一体、形式と内容の問題でありますから、至急に充実をしていただきたい。特に地方航空路線の需要の増大に対処していくために各空港における管制業務を急速に整備していただく、これを大臣に御要望を申し上げ、御所信を承って、参考人もおいでになっておるようでありますから、そのほうを先にやりたいと思います。大臣、御所見をひとつ。
#43
○国務大臣(橋本登美三郎君) 地方空港の整備は非常に急務でありますから、最善を尽くしたいと思います。当然これに伴う管制上の問題もありますから、管制業務につきましても十分な指導を行なっていきたい、かように考えております。
#44
○委員長(田口長治郎君) ただいま参考人として航空公害防止協会専務理事丸山孝友君が出席されております。
 丸山参考人には御繁忙のところ本委員会に御出席いただき、ありがとうございました。
 それでは質疑に入りますので、よろしくお願いいたします。
#45
○足鹿覺君 御多忙なところを急に御出席をいただきまして恐縮でありますが、二、三お尋ねをいたします。
 航空機の騒音、排気ガス対策の一環として、航空公害防止協会というものができておりますが、これはいつできて、現在どのような事業をおやりになっており、どのようなメンバーでおやりになっておりますか、明らかにしていただきたい。政府から受けておられる予算は幾らでありますか。それらをお聞かせいただきたい。
#46
○参考人(丸山孝友君) 航空公害防止協会は四十三年の八月に設立いたしました。この財団法人の基金といたしましては、船舶振興会から三億円の補助を受けております。
#47
○足鹿覺君 船舶――政府ではないんですか。
#48
○参考人(丸山孝友君) はい。それでこの基金をもとにいたしまして、事業の資金として航空会社からジェット機が東京と大阪の空港に一回着陸するごとに千円、現在最も新しい資料によりますと七万五千回でございますので約七千五百万円の拠出をいただいております。それとNHKから約三千五百万円、その他船舶振興会からの補助金がこの事業のつど約二千万円ほど受けております。そうしまして、協会の事業としましては四十三年の十月からテレビの減免、受信料の約半額程度、東京、大阪周辺の住民に還元するという事業をいたしております。そのほかに、現在までに、航空公害防止のためにどうしてもやらなければならないいろいろな航空公害の実態の調査――騒音、振動、大気汚染、黄色落下物あるいはテレビの受信障害の実態、そういうようなものの事業を行なってまいりました。このような実態調査は、われわれが今後いろいろな施策を行ないます前にこの実態を把握しておくという意味でどうしてもやらなければならないところでございます。
 騒音につきましては、東京と大阪について行ないました。また振動、大気汚染――大気汚染は現在調査を完了しまして資料を取りまとめ中でございます。振動の調査あるいは黄色落下物あるいはテレビの受信障害、そういうようなものの実態調査を行なっております。そうしてそれに基づいた対策といたしまして、大阪の桑津地区におきまして約二カ所、三万平方メートルに植林をいたしまして、現在でき上がっております。また、豊中の勝部地区に高さ三メートル、幅二百九十メートルにわたりまして防音壁を完成いたしております。そういうように、空港の中で起こります騒音を外部に拡散させないための防音壁、防音林というような具体的な防止措置を行なっております。そのほか、航空公害に関する世界の各種の文献調査、資料というものを収集いたしまして、これを翻訳の上各方面に参考資料として配布いたしております。また、航空公害の防止のための指導を普及いたしますために、航空公害防止啓豪の映画をつくっております。そのほか、参考のためのいろいろな法令集、資料、そういうものをつくりました。また、防音建築の普及指導のためにパンフレットをつくりまして、適宜、講演会などを開いて、そういう指導を行ないたいというふうに考えております。
 協会の構成は、会長一名、理事長一名、専務理事一名、業務理事一名、それから理事が六名、監事二名という構成になっております。そうして会長の諮問機関といたしましては、評議員会というものが設けられております。また東京と大阪、兵庫の副知事にお願いいたしまして顧問になっていただいております。評議員の顔ぶれは、東京、大阪の空港長、東京都と兵庫県、大阪府の各公害担当の最高責任者、NHKの営業部長あるいは計画部長、それから東京空港では、関係の大田区、品川区の各区長、それから大阪のほうは周辺の八市をもって構成いたしております八市の騒音対策協議会というのがございまして、そこの構成員の伊丹市長、豊中市長、兵庫県、大阪府のそれぞれ川西、池田市の議長、こういうような方々に評議員になっていただいております。
 以上、大体御質問の内容でございます。
#49
○足鹿覺君 役員構成の員数等はわかりましたが、四十三年発足当時から現在まで役員構成には変更ありませんか。
#50
○参考人(丸山孝友君) 当初、新東京国際空港の関係も出てまいりませんでしたけれども、その後の情勢によりまして、新東京国際空港公団の理事であります岩田理事に新たに理事に加わっていただきました。
#51
○足鹿覺君 会長以下、氏名を明らかにしていただきたい。
#52
○参考人(丸山孝友君) 会長は、船舶振興会の会長であります笹川良一でございます。理事長が、航空振興財団の理事長でございます飯野毅夫でございます。それから専務理事が私、丸山孝友でございます。業務理事が、航空振興財団の業務理事をいたしております山根実造でございます。それから理事といたしましては、日本航空株式会社副社長朝田静夫、全日空株式会社社長若狭得治、日本放送協会専務理事の佐野弘吉、日本船舶振興会理事長芥川輝孝、大阪府モーターボート競走会監事笹川了平、新東京国際空港公団理事岩田勝雄、監事といたしまして日本海事広報協会理事長粟沢一男、同じく弁護士の高屋市二郎の十二名でございます。
#53
○足鹿覺君 大臣、お聞きのような状態なんですが、船舶振興会から三億円もらっておる。お聞きのような事業をなさっておる。これは、いやしくも航空騒音をはじめ公害防止協会というものに対して監督、行政指導等は万全だとお考えになっておりますか。
#54
○政府委員(内村信行君) この航空公害防止協会、これにつきましては、ただいま説明のあったとおりでございますけれども、そもそもこれを設置いたしました理由と申しますのは、航空機による騒音被害というものが非常に世間に大きく出てまいった昨今でございますので、私どもといたしましては、さきに公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律というものを昭和四十二年の八月に制定いたしました。それによって……。
#55
○足鹿覺君 あなたの言うのは早口でわかりません。もう少しゆっくり、自分だけ承知しても答弁にならないですよ。
#56
○政府委員(内村信行君) 航空公害防止協会、これの内容は、先ほど説明のあったとおりでございますが、航空機の騒音の問題につきましては、われわれといたしましても、かねてからこれを非常に重要視いたしまして、これに対する防止というものを考えておったわけでございます。そこで、昭和四十二年の八月に、公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律というものを制定いたしまして、航空機の騒音の防止をはかっておったわけでございます。しかし、何ぶんにも、政府のやることにつきましては、ややもすれば小回りがきかないという点もございますし予算の制約も受けるというようなこともございまして、必ずしも万全を期するわけにいかないということが実情でございました。そこで、これを補完するものとして、先ほどの航空公害防止協会という公益法人をつくっていただきました。それによって、合わせて一体として航空機による公害というものの防止対策をはかっていこうというのが趣旨でございます。したがいまして、私どもといたしましては、これに対しては、政府と一体として公害防止をはかるものでございますから、その趣旨から十分に監督をいたしておるつもりでございます。
#57
○足鹿覺君 この船舶振興会の根拠法は、モーターボート競走法のようですね。モーターボート競走法と航空公害防止協会との関係は、一体どういう結びつきなんですか。政府が当然やるべきことではありませんか。一体、大阪では二十二時三十分から六時三十分の間、東京では二十三時から六時の間、飛行禁止になっておりますが、これはジェットの飛行規制で政府がおやりになる。航空公害防止協会というのは、政府が予算がないから、モーターボート競走法に基づく日本船舶振興会から金を出させる。何だかちぐはぐな感じを受けますね。これだけいわゆる公害がやかましいときにこのような方法をおとりになって万全だとお考えになっておりますか。
 ただいま理事等の氏名を発表なさいましたが、この中に一般庶民を代表するとおぼしき者は一人もありませんね。一体、そういう構成で万全を期せるでありましょうか。私は、事のいいとか悪いとかという判断はいましようもありませんし、わかりませんが、少なくとも、このようなモーターボート競走会のあげた金の中から船舶振興会に出して、船舶振興会がまた航空公害防止協会に出す。一体、こういう回りくどい公害、騒音等の対策が講じられてよろしいでしょうか。大臣、いかがお考えですか。こんなことで万全を期するということができるでありましょうか。
#58
○政府委員(高林康一君) モーターボート競走会との関係について御説明申し上げます。
 モーターボート競走法の二十二条の二によりまして、日本船舶振興会が各種の事業を行なうことになっております。それで、同法の二十二条の五におきまして、海事思想の普及宣伝その他のことと同時に、「一般の体育事業その他の公益の増進を目的とする事業の振興を図るため必要な業務」を日本船舶振興会が行なうというふうに規定されております。それに基づきまして、この公益を増進するという見地から航空公害の防止ということが大きい公共目的でございますので、それに基づきまして必要な出資を行なっておるという状況でございます。それらの点について、また関係事業団体が、公害防止の観点からいろいろ協力をしておるという実態でございます。
#59
○政府委員(内村信行君) 先ほど先生のほうから、この団体の中にはいわゆる公益を代表するというふうな者が入っておらぬじゃないかというふうな御趣旨の御質問がございました。これに対しまして、一応この中の顧問といたしまして、東京都の副知事さん、大阪府の副知事さん、兵庫県の副知事さんにお入りいただきまして、それによって、いわゆる被害者の住民の方の代表をしていただくというふうに考えております。
#60
○足鹿覺君 被害者を代表する者であるならば、その騒音の下にあって毎日苦しんでいる住民の代表を入れるべきではありませんか。そんな間接のまた間接で、一体どこに民意の反映がありますか。第一、モーターボート競走法であげた純益の中から船舶振興会に金を出して、船舶振興会がまた公害防止協会に出すなどという、一体、そういうやり方というものが、今日のこれだけやかましい騒音対策として万全だとお考えになっておりますかどうかということを聞いているのです。おかしいではありませんか。
#61
○政府委員(内村信行君) 先ほど評議員にというふうなお話がありましたけれども、その評議員の中には、地元である伊丹市の市長、豊中市長、川西市議会議長、池田市議会議長といった方の御参加を願っております。
#62
○足鹿覺君 モーターボート競走法によりますと、この協会は業務を行なおうとするときは運輸大臣の認可を受けなければならぬ。業務の方法等についても同様になっております。モーターボート競走法の二十二条の五ないし二十二条の六に基づいてどのようないままで報告を受け、認可をお与えになっておりますか、資料としていただけますか。
#63
○政府委員(高林康一君) 従来、ただいま先生御指摘になりましたような規定に基づきまして必要な監督を行なっております。それに関する必要な資料等については、至急調製いたしまして提出したいと思います。
#64
○足鹿覺君 二十二条の七(交付金及び区分経理)「振興会は、第十九条〔日本船舶振興会への交付金〕の規定による交付金については、左の各号の区分に従い」云々とありますが、専務さんに伺いますが、毎年どのような経理をなされ、いわゆる予算と決算、業務報告、そういうものを本日お持ちでありますかお持ちでありませんか。
#65
○参考人(丸山孝友君) あいにくと本日資料を持ち合わせておりませんのでございますが。
#66
○足鹿覺君 急なことでありますから御無理なことと存じますが、あとで創立以来の詳細な予算、決算、それから事業報告等をお届けいただけますね。
#67
○参考人(丸山孝友君) 帰りましてさっそく取りまとめて御提出いたしたいと思います。
#68
○足鹿覺君 運輸省にも、モーターボート競走法に基づく二十二条の五、二十二条の六等についての規定に基づくものをすべて当委員会に御提出願えますね。
#69
○政府委員(高林康一君) 必要な書類を至急取りまとめて提出したいと考えております。
#70
○足鹿覺君 大臣にちょっとお伺いいたしますが、私は船舶振興会なるものも存じませんし、航空公害防止協会の内容もわかりません。また、モーターボート競走法に基づくその協会の内容も経理もわかりません。したがって、その当否について判断をする材料がございません。それを、資料をいただいた上で別の機会に私はまたお尋をし、対案について申し上げたいと思います。いずれにせよ、このようなやり方でもって空港の公害防止が完ぺきを期せられるやいなや御検討になる余地があるやに私は思いますが、大臣、いかがでございましょうか。
#71
○国務大臣(橋本登美三郎君) お話しのように、騒音対策は原則として国がこれを処理しまたやってまいることが当然であり、また、その方針でやってまいっております。この航空公害防止協会の主たる仕事は、NHKと協力しましてテレビ、ラジオの受信障害防止対策が原則でありまして、したがって、NHKから約四千万円近くの費用が出されておるわけであります。ただ、NHKだけでやれない点がありますので、したがって、いわゆる公害防止協会が、それらを中心にしてたとえば防音壁をつくるというものも、やはり電波障害をある程度防ぐ、こういうたてまえからやっておるわけであります。ただ、船舶振興会がこういう方面に金を出すことはどうであろうかというお話でありますれば、まあ、その船舶振興会の業務規定によりますれば、公益事業について適切であると考える場合においてはこれを出し得ると、たとえばガンの防止、あるいはガンの治療施設等に対して船舶振興会のほうから金を出してやるような例もあります。かなり各方面に、広い意味で公益事業については船舶振興会の利益の中から、いわゆる振興に対しての費用は、これは船舶振興会のほうで船舶振興に必要なる金はもちろんこれは優先的に取りますけれども、それ以上の余裕があれば、それを一般の公益事業のほうに回していくと、こういうことでやっております。騒音対策費は、御承知のように、これはもう予算で皆さんが御審議を願っておりますからおわかりでありまするが、四十六年度におきましても、国の予算として約三十億円を計上しておりまして、四十二年度から四十六年度の予算の総額では、騒音対策費としては六十七億円を計上して進めておる。もちろんこれで十分とは考えておりません。より積極的な措置を講じていかなくちゃならないと思いますけれども、このいわゆる騒音公害防止協会の仕事は、電波障害を中心にした問題のいわゆる仕事をやっていただいておると、かように御理解願いたいと思います。
  〔委員長退席、理事安田隆明君着席〕
#72
○足鹿覺君 モーターボートが船舶なりやいなやということは、私もまあ判断がつきませんね。私どもの通念からいきますと、競走用のモーターボートが船舶と、かような通念には該当しないように思いますが、一応法律があるわけでありますから、これを否定しようとも何とも考えません。ただ私が申し上げたいのは、まだ材料もありませんから、材料をいただいた上で申し上げますが、少なくとも民間航空がこれだけ進歩をいたし急激な増大を見ておる今日でありますから、直接関係のない船舶振興会から出すことも何かふに落ちない。政府自身の公害防止団というものは他にあるわけですね、原文兵衛さんがおやりになったものもありましょうし。航空公害防止協会なるものの性格、位置づけというようなものについてお考えを再検討なさる私は段階が来ておるのではないかと思う。いわんや航空会社は一文も出してない。言うならば、モーターボート競走協会で一番の悲喜劇が起きておる。あり金を全部する。私どもは、そのものに対する好ききらいはありますからあえてこの際申し上げません。とにかくギャンブルというものに対する考え方が人々によって違いますから、ここではその当否については私は申し上げません。せめてもの罪滅ぼし――と言うと語弊がありますが、
  〔理事安田隆明君退席、委員長着席〕
まあいろいろと違う考え方がある。モーターボート競走協会がせめてもの御奉仕、お役に立てばという御意思であるやに思われます。笹川良一君からは、戦没者の法事、法要を営むから出席せよとか、いろいろわれわれも案内をいただいておりまして、信心深い人であります。別にそういう人の当否について私は申し上げておるわけではありませんが、い、ずれにせよ、政府みずからが、政府の直接指揮監督に従う航空騒音公害防止対策に万全を期せられるべき筋のものであると思う。また負担についても、政府が予算がないならば航空会社から負担をさすべきでありましょう。いずれにせよ、モーターボートの競走協会が資金源になるというような形は、大臣、適切とは私は考えにくい。この点について、いわゆる現在の航空公害防止協会というものをやめろと言っているのではありません。改組し、あるいはもっと拡大をし、あるいは政府の責任における外郭団体をつくる等々の一連の再検討を私は求めたい。三億円やそこらのモーターボートの水揚げの利益の中からお茶を濁すという段階ではないじゃありませんか。民情によくお通じになっており、心しておられる運輸大臣としては、とくと、この点、御改善になる必要があろうと思いますが、御所見を承りたい。
#73
○国務大臣(橋本登美三郎君) 騒音対策の問題と電波障害と事情がちょっと違いますが、先ほど答弁しましたように、騒音対策費といたしましては、十分とは言いませんが、四十六年度で三十億円の金を出しております。これで私は十分だとは思いません。かつまた、先ほどの航空公害、これはいずれにしましてもテレビ、ラジオの公害を中心にした考え方でありまして、NHKとして直接やりにくい、こういう問題もあり、運輸省と相談をいたしまして、NHKからももちろん金を出しておる。かつまた、航空会社も着地料としてジェット一台でもって一千円、年間約六千万円の金を出しておるわけであります。これはもちろん、これらをひっくるめて国がやればいいかもしれませんが、なかなかやっぱり目の届かない問題が、こまかい問題になりますというと、限りある人員と限りある予算でありますので、まあ、このような第二次的な措置かもしれませんが、こういう航空公害防止協会の手でやってもらうほうがこまかい点が届くであろう、そういう意味においてこれをも進めておるわけであります。やり方等につきましては十分に検討して、より多くいわゆる一般の人々にためになるような措置を考えていきたいと考えておりますが、まあ、モーターボートの益金がこういう面に使われることがどうかという御意見もありましょうけれども、公害を受ける人は一般の人でありまするし、まあモーターボート、先ほどお話があったように、罪滅ぼしという気持ちもないことではありますまい。その他自転車のギャンブルとか、そういう問題につきましても、私は、現在でも一部社会事業に出されておりますけれども、もっと思い切ってああいうギャンブルからの収入は社会福祉事業等に出すようなことがあっていいんではなかろうか、こう考えておりますが、まあこれは社会福祉事業とも少し事情が違いますけれども、しかし、一般の地域住民の受ける被害というものからいえば、それに類するものとして公益事業の中へいわゆる船舶振興会が金を出しておる、こういう意味であります。運用等については最善の措置を講じて、より一そう地域住民に密着したやり方を進めてまいりたい、かように考えております。
#74
○足鹿覺君 四十六年度の防音関係は二十三億二千四百万円、移転補償が七億五千六百万円だと承知いたしております。これを合わせて三十億と大臣はおっしゃったんだろうと思うんであります。こまかいところへ手が届かない、こういうことであるならば、各空港があって、騒音に、航空公害に悩んでおるところの県知事あるいは自治体の首長そのものに対策を講じさせたらけっこう。連絡研究機関的な性格であるならば私はわかりますが、このような三億円というような、はした金と言うと失礼でありますが、はした金で一体何ほどの今日の航空公害防止が講ぜられましょう。テレビの受信障害を除去するなどということはきわめて軽微なことである。これはNHKその他民放を含めたその人々の責任においてやればよろしい。何か筋道が違ってやしませんか。私にはそう受けとめられます。で、この問題に対しては他にまた審議の機会があろうと思いますが、再検討の余地がおありになると思いますか。それともこのまま進めていかれるのでありますか。とにかく私には、いままでの協会の性格、大臣の御答弁では満足ができません。もう一歩踏み込んで再検討し、そして航空騒音等の問題については筋の通った、地域住民の被害に政府が責任を負うと、こういう形のものが好ましいと思います。それまでの期間として、より以上この協会の御活躍をなさることには何ら異存はありません。しかし、全体を通じて見て、何か非常に私どもとしては納得のいかないあり方だと思います。
 これ以上は申し上げませんが、その点について御検討になる必要があるかどうか。くどいようでありますが、もう一度お尋ねを申し上げておきたいと思います。
#75
○国務大臣(橋本登美三郎君) どうも名前が少しりっぱ過ぎるんですね、航空公害防止なんという。それから全体の連想をなさる結果にもなると思います。また、内容等につきましても、こういう団体をつくると言いますというと、いろいろな内容を含みますからして、広く公害の状況を調査するとか問題が入っておるようでありますが、いわゆる政府で手の届きにくい点、あるいはまたNHK自身としても自分が直接やる場合においてはやっぱりやりにくい点があろうと思います。たとえば、これはあとから入ってくる人もありますし、あるいは障害程度の問題がどの程度のものか、いわゆるホーンの、騒音の音の問題もありましょう。単にアダプターをつければよろしいのか。それとも、あるいは受信機それ自体を改造するのか。そういういろいろこまかい問題があろうかと思います。したがって、NHKにいたしましても、直接自分がやるよりは民間の人の入ったいわゆる評議員会等に入っておりまするからして、そういうところでお話し合いの上でもって、できるだけの措置をしていきたい。こういうところの趣旨があると思います。少なくとも私ども趣旨、これに沿うような運営にこれは前向きでもって考えていく、かようにいたしたいと考えております。
#76
○足鹿覺君 参考人に最後にお尋ねを申し上げますが、常務役員の執務体制、いわゆるこの会の職員は何人あって、役員は先ほど述べられましたが、執務体制はどういうふうになっておりますか。また、どのような過去において刊行物等をお出しになっておりますか。それらもあわせて御提示いただけますか。
#77
○参考人(丸山孝友君) 現在常勤の役員といたしましては私一名でございますけれども、職員が本部に三名おります。それから大阪に四名おります。
 刊行いたしましたものといたしましては、外国の調査研究の文献、それを翻訳いたしまして、二カ月に一回ほど資料といたしまして航空公害研究シリーズというようなものを現在まで十三号出しております。また各地の実態調査を行ないまして、それぞれの報告書を出しております。
 以上でございます。
#78
○足鹿覺君 御提出いただけますか。
#79
○参考人(丸山孝友君) それは後ほど御提出いたします。
#80
○足鹿覺君 大臣、お聞きのような体制ですよ。そういう体制で一体この事業が円滑に進むとお考えになっておるようでありますが、再検討をするというおことばがどうしても承われません。私は、橋本さんともあろう人は、少なくとも問題点をよく御検討になって御勘考あってしかるべきだと思います。これだけ申し上げておきます。もう参考人は、ほかの委員に御質問がなければよろしいです。
#81
○委員長(田口長治郎君) 丸山参考人におかれましては、わざわざ御出席をいただき、ありがとうございました。
 それでは引き続き御質疑の方は発言を願います。
#82
○足鹿覺君 次に運輸当局にお尋ねをいたしますが、操縦士の養成の問題についてであります。操縦士の養成も現在一つの大きな問題となっておると私は思います。現在航空大学校における操縦士の養成規模はどういう規模のものでありますか。
#83
○政府委員(内村信行君) 先生おっしゃいましたように、航空要員の養成ということは非常に大きな問題でございます。そこで、年々ふえてまいります航空需要の増加に対応いたしまして、航空大学校の養成規模でございますが、四十三年から四十五年度までは大体航空大学校におきましては九十名、これが養成規模でございます。しかし、四十六年度から百三十五名にいたしまして、以後百三十五名の規模で養成を続けるように予算が組まれております。
#84
○足鹿覺君 運輸事情の報告を読みましても、操縦士の数は民間航空の発展に追いつけず、外人パイロットの雇用により乗員不足の解消の一助としているのが現状で、すでに操縦士の数が隘路となって輸送需要から見た適正な航空機の運航を確保できない状況を呈していると述べておられますね。外人。パイロットの雇用条件、現在雇用しておる員数、どういう状況でありますか。
#85
○政府委員(内村信行君) 外人乗員は現在総計で三百五十三名でございます。その内訳を申し上げますと、日航で二百九十二名、全日空が四十七名、日本国内航空が十四名、そういう内訳になっております。
#86
○足鹿覺君 適正な航空機の運航を確保できないと、航空事情白書とも言うべき印刷物に述べており、外人パイロットを百数十名も入れなければ運航ができないような状態で、百三十五名は、多いにこしたことはありませんが、能力の問題です。技能の問題です。その対策はいかがでありますか。
#87
○政府委員(内村信行君) 外人パイロットを採用しておりますが、これは当然航空法上の資格を取得しておる者でございまして、その点につきまして、安全上の問題としては別に取り立てる問題はございません。ただ、人件費が比較的高くつくとか、あるいは労働条件等につきまして、必ずしも外国の場合と日本の場合とひとしくないような点もあるというようなことから、必ずしも好ましい現象とは思いませんけれども、安全の面からは別段の問題はないというふうに考えます。
#88
○足鹿覺君 あなたの答弁は、何かしまいがよくわからないのです。あなた自身が知っておられても、われわれに通じなければ困るのですよ。何べん注意してもわかりませんか。
#89
○政府委員(内村信行君) そこで、外人パイロットの面につきましては、資格につきましては、それぞれ適格な資格を持っておりますので、安全の問題からいえば差しつかえはないというふうに考えております。
#90
○足鹿覺君 私が聞いておるのは、百三十五名を養成するというのだが、意味は、将来外人パイロットを雇用しなくても、現在の航空大学校における養成規模の範囲内において雇用皆無にするのはいつですか。
#91
○政府委員(内村信行君) 養成方法につきましては、もう少し若干御説明を加えなければいけませんけれども、現在の養成体系は、航空大学校で養成するもの、それから防衛庁に委託をして教育をしてもらうことが一つ、それから防衛庁から割愛してもらうというものが一つ、それから、そのほかに航空会社自身で養成をしておるというふうな四つの養成体系があるわけでございます。そこで、百三十五名と申し上げましたのは、航空大学校で養成する分が百三十五名。そこで四十六年度につきまして全体の養成計画を申し上げますと、防衛庁委託が六十名、それから防衛庁割愛が六十名、自社養成が約三百名、この程度が現在四十六年度の養成人員として考えておるわけでございます。合計で大体五百五十五名になります。こういうことでやってまいりますけれども、なお、外人パイロット全部なくすというのは、残念ながらいささかむずかしいのではないかというふうな感じでございます。
#92
○足鹿覺君 外人パイロットと防衛庁から来たもの、自社養成の雇用条件について御説明願いたい。
#93
○政府委員(内村信行君) 雇用条件につきましては、乗員課長から御説明申し上げます。
#94
○説明員(小池正一君) 外人の雇用条件につきましては、日本航空におきましては、IASCOという航空会社のパイロットを供給する機関がございます。この航空会社のパイロットを供給する機関が外人を雇用いたしまして、この機関が日本航空及び全日空と契約を結びまして乗員の供給をしておる。その外人のパイロットは日本人。パイロットと異なりまして、収入において約百万円程度の平均収入を得ております。
#95
○足鹿覺君 月収ですか。
#96
○説明員(小池正一君) 月収でございます。
 労働条件につきましては、日本人のパイロットと同じように運航規程で規定された勤務条件、飛行時間によって勤務を行なっております。それから、一部全日空のパイロットにつきましてはCSE、これは英国系の会社でございますが、パイロットを供給している会社が乗員を集めまして、全日空と契約を行なって乗員を供給いたしております。で、その勤務条件につきましては、先ほど申しました一ASCOと同じような状態で、平均収入におきましては、全日空の場合はプロペラ機のパイロットでございますと、収入は約五十万円程度でございます。勤務条件につきましては、やはり同じように運航規程に定められました基準に従いまして、日本人と同じように勤務いたしております。
#97
○足鹿覺君 自前の分は、防衛庁から来たものと自前のものはどうですか。
#98
○説明員(小池正一君) 自社養成と防衛庁につきましては、ジェットパイロット――ジェット旅客機のパイロットにつきましては平均五十万円程度でございます。これは自社養成と防衛庁の出身者も全然差異はありません。プロペラ機のパイロットにつきましては月収約三十万円程度でございます。それも防衛庁出身者と自社養成の間において差異はございません。
#99
○足鹿覺君 だいぶ明確になってまいりましたが、現在定期運送の操縦士の出身別構成を見ておりますと、いまもお話がありましたように、半数近いものが自衛隊であり、また三分の一に当たらないかもしれませんが、そのくらいは外人であり、残余が自社養成、こういうかっこうになっておりますね。問題は五〇%近い防衛庁の養成と外人によってようやくまかなっておる。一体、こういう操縦士の養成状況でいいのでありましょうか。養成能力の不足を自衛隊に依存なさること自体に私は問題があると思う。あとで自衛隊の責任者がおいでになってからお尋ねいたしますが、全体として大臣、このような操縦士養成対策をもって基本として将来お進みになりますか。
#100
○国務大臣(橋本登美三郎君) これはもう暫定的でありまして、おっしゃるとおり、こういう基本計画で将来ともにやっていくわけにはまいりません。ただ最近における航空需要の増大というものが非常に急激に増大してきている。それに伴って飛行機、これは買ってくればいいのですからわりあいに早く間に合いますけれども、操縦士としてジェット機の機長になるまでには約十年ぐらいかかるでしょう。そういうことのためにジェット操縦士の養成にはやはり時間がかかる。したがって、航空局としては、前から、やっぱりできるだけ自家養成、あるいは自衛隊等に中心を置いて、外人部隊をだんだんと減らしていくというのが、経済原則から見ても、たとえば先ほどお話がありましたように、プロペラ機で外人は五十万円、日本人の操縦士であれば三十万円、こういう差がありますから、決してこれは好むところじゃないのです。企業者にしても、ただ実際上間に合わない。ことに教官が間に合わない。しかしながら、できるだけ積極的に措置をするために、まあ今度沖繩の、目下交渉中でありまするが、そこにジェットパイロットの訓練場も設ける。こういう措置を考えております。ただ、将来ともにこれを絶無にすることがいいか、一人も外国人を頼まないほうがいいかということになりますと、やはり国際空港で国際的な航空の場合におきましては、営業政策から見ても、多少のやはり外人パイロットはあってもいいのではないだろうか。それをどの程度にとどめるかということに一つの問題があろうと思います。それらを考えながら、できるだけ早くいわゆる日本人によるところの操縦士の充実ということを考えていきたいと思っておりますが、ただ、従来われわれが多少期待しておったといいましょうか、当てにしておりました航空自衛隊からのいわゆる雇い入れというものが、転換というものがだんだんむずかしくなってきた。というのは、最近航空自衛隊のほうが航空増強、ことに輸送機等も考えているようでありますから、そうなりますというと、従来よりも民間航空に受け入れる操縦士の数は、絶対的にも相対的にも多くを望み得ないのではなかろうか。それだけに自家養成に重きを置かなければならぬ。運輸省としてはしっかり養成については計画的に、しかも飛躍的な計画を進めてまいらぬと間に合わない。かように考えておりますので、足鹿さんのおっしゃるような方針できめてまいりたいと、かように考えております。
#101
○足鹿覺君 大臣もお認めになったように、本来航空自衛隊に依存をするということは困難を生ずるでしょうね。自衛官の民間への転出は将来むずかしい、こういうことであるとするならば、つまり、自衛隊の任務、目的等から見て、私はよろしくないと思いますし、不可能だと思います。また、このような措置が妥当な措置ではない、かようにお考えになっておる以上は、現在の操縦士養成程度をもってしては、将来の航空需要に即応することはできない、かように断定してもよろしいと思います。
 大臣は昭和四十五年五月二十二日、安全公害局を新設するという機構改革構想を出されましたが、これは実現をしておるのでありますか。これを読んで見ましても、私はあまり構想にけちをつける意思はございませんけれども、「海運、船員、船舶の三局を統合し海事局とする」、「運輸政策局、安全公害局を新設、新総合運輸行政を推進させる」、「次官補を設け、次官を補佐させる」等々あるのです。航空問題に対するいわゆる総合一貫したいわゆる管制体制から、空港の整備から、操縦士の養成から、そういった規模の大きい将来を見越したものであるべきだと思います。今回出された問題につきましても暫定的と見ざるを得ない。せっかく大臣が出された構想でありますから、これらを中心にして新しい新橋本構想というようなものはないのでありますか。いままで指摘した条件によっても、いろいろな問題がもう出てきておりますね。どうです。
#102
○国務大臣(橋本登美三郎君) なかなか機構改革というのは、御承知のように、関係方面の調整がめんどうでありまして、運輸省だけでできませんために、非常に意余って何とかが足らずということでありまして、まことに私の非力なることをみずから恥じるわけであります。ただ、いまおっしゃったようなことをわれわれがもっと進めていくためには、やっぱり時代の進運に伴って行政機構というものは変わっていかなくちゃならぬ。ことに航空事業というのが非常に大きな力を得てまいった今日では、ある意味においては、内局でも外局でもけっこうですが、航空庁というぐらいまで発展しませんと、本式なものにはなっていかないのではなかろうか。まあ一人で力んでもしかたがありませんから、なかなか実現の途にまいりませんけれども、私の個人的なものの考え方からいえば、時代に沿うた内部の改革をしていかなくちゃいけない。ただ御承知のように、運輸省はほとんどどの局も情報化社会時代に最も必要な局でありますからして、この局はひまになってこの局は忙しいというところはない。どっちもみんな忙しいんですね。ですから、たとえば全体的に定員五%の削減なんというものをやられますと、なかなか運輸省というところはそれに十分に対応しかねる。こういう点がありますので、いろいろくふうをいたしておりまするが、十分なる措置ができませんが、まあ足鹿さんのおっしゃるように、新しい時代には新しいところの組織、こういう考え方でまあ進んでまいりたいと存じておりまするが、今度のお願いしておりまする設置法の一部改正は、まあ暫定的と言えば暫定的かもしれない。後退じゃありません、一歩前進でありますから、ひとつ御了承を願いたい、こう思っております。
#103
○足鹿覺君 航空庁設置の構想を個人的には持っておるということでありますが、そのことは内容によりけりであります。聞くところによりますと、運輸省の高級官僚が民間航空会社へ天下りをしつつあるという実態がずいぶんあるようでありますが、現在までに運輸省の航空官僚――まあ局、部長以上でしょうね、どの程度日本の民間航空へ天下って――天下ると言うと語弊がありますが、転職をなさっておりますか、その実情はいかがでございますか。
#104
○政府委員(内村信行君) 後ほど詳細な資料を差し上げたいと思います。
#105
○足鹿覺君 資料はいただきますが、大体の見当。
#106
○国務大臣(橋本登美三郎君) まあ、皆さんも大体お知りのように、たとえば日航においては、首悩部といえば、これはいまの松尾君も朝田副社長も運輸省から出た人であります。それから全日空の社長の若狭君も運輸省の次官、航空局長等をやった人、あるいは今度の新会社の社長も運輸省の経験がある。こういうことで、まあ天下りという意味じゃありませんけれども、まあ深い関係を持っておりますが、これは御承知のように、やむを得ないと私は思います。やはりこれも国際空港、国際航空の事情も知り、あるいは国内の法規等、その他やっぱり全般の事情を知っておる必要がありますので、ぽっと他の企業会社なりそういうところからとるわけにはいかない。もちろん、これは内部から成長して、そうしてだんだんと専務、副社長、社長ということになることがたいへん好ましいのでありますが、まだ日本の航空界というものは、日本航空ですらもわずか二十年の歳月にしか過ぎません。他の会社に至っては十年前後であります。こういう状態でありますから、子飼いの人が副社長、社長にいくまでにまだ成長しておらぬ。今後しかし、十年、十五年たてば、当然子飼いの人が最高首脳部にもなるでありましょうし、しかし、その場合におきましても、やはり内外の法規等、その他の関係から考えましても、やはり一部分が役所の航空事務、技術、こういうことを修練した者が入っていくことが必要であろうと思います。そういう意味じゃ、まあいわゆる一部でいわれるような天下りとは性質が違う。かようにひとつ御理解を願っておきたいと思います。
#107
○足鹿覺君 天下りということばが適当でないとおっしゃるならば、別に私はこれにこだわるわけじゃありませんが、民間ではそう言っているんです。一般は言っているんです。それにはそれだけの、いま大臣がおっしゃったような理由もあるでしょう。ただ問題は、大臣、民間航空会社に対する監督がきびしかった者あるいはきびしいときのあった者については、民間側があまりその官僚を受け入れない。いわゆる良心に従ってきびしい航空行政を遂行した者に対してはあまり歓迎をしない。ある程度目をつぶって、そして大まかな監督、指導をやった者については、民航側も、どうぞいらっしゃいと、こういう傾向があると世間では批判しておるんです。だから、私が先日申し上げたような東亜航空といい日航といい――日航は海外航空で他の外国の会社にひけをとらないとおっしゃっておりますが、私の見たところでは、大ひけをとっておると思う。サービスの点でも悪い。また、われわれ日本人でも日航に乗りたい。無理をして日航になるべく乗るようにしておりましても、われわれの気持ちをなかなかくまない。若干の搭乗制限キログラムの問題についてもですね、一時は外国のほうがきびしかった。最近は日航のほうが官僚的である。外国の出先をお調べになるとよろしかろうと思う。きわめて官僚的です。私はついせんだってスイス航空で中国から香港経由で帰りました。昨年オーストラリアに行ったときよりもスイス航空のほうが、わずか香港からこちらへ帰る場合、行く場合はルフトハンザ、帰る場合はスイス航空でありましたが、私は肉類は食べませんし、一切手をつけませんし、酒も飲みません。何もごちそうなどを食う気持ちもないし、要求もいたしませんが、まことに懇切丁寧である。日航の場合に、わざわざオーストラリアから帰るときにも私単身で帰ってきましたが、その取り扱いなどははるかにこれらと比べてみて比較になりません。私はこの間、松尾さんに申し上げたかったんでありますが、私どもは日本人でありますから、なるべく日航を使いたいと思うけれども、やむを得ぬ場合もある。そういう場合に、必ずしも人に対する応対あるいは応対の施設、搭乗後における接客の態度、あるいは提供する食事等においては、同じ料金では日航がまさっておるとは私どもは考えられません。それらはどこに基因するか。運輸当局の航空行政に対する甘さがそのようなことを来たしておるのではないか。あってはならぬことでありますが、在官当時に目をつぶって甘い姿勢を示した者が転出していけばツーツーでありますから、あのような事態が、先日私が指摘をし、大臣も遺憾の意を表明され、両参考人も心からあやまられたかどうかは、今後を私は見てみたいと思いますが、そのようなことが問題なんです。決してその道に練達たんのうな人がおいでになること自体を私は非難しておるのではありません。世間がそのような批判を下すようなあり方自体が改善されなければ、私は問題だろうと思う。当然その点について峻厳な態度をもって大臣に今後対処していただきたいと思いますが、いかがでありましょう。
#108
○国務大臣(橋本登美三郎君) 全く賛成であります。これから航空会社が運輸省から人をよこしてもらいたいというときには、厳正、そうしてきびしいといいますか、これは愛情のあるきびしいですが、そういうような人をひとつ推薦することにしたいと思います。いやしくも企業となれ合いのツーツーのような人間をやったところで、これは意味がありませんから、おっしゃるようにきびしい、しかも厳正、愛情のこもった人を推薦してまいりたい。なお、まあJALでありますが、日本航空の国際航空における仕事はこれからだんだんと重要になってまいると思います。何といっても日本は外国人から金をもらわなくちゃいけませんからして、日本人ですらも日本の飛行機に乗ることは好ましくないという状態であっては、これは外貨獲得はできませんからして、この点につきましては、航空局長も十分ここで聞いておりますからして、私も直接に関係者に対しては、いやしくも君たちは外貨獲得の先兵であるから、日本人はもちろんのこと、外人をよけいに乗せるように、いいサービスをしろということについては強く指示をいたしてまいりたいと思います。
#109
○足鹿覺君 御善処を強く御要請申し上げておきます。
 そこで、先ほどのパイロット問題でありますが、運輸省は、自衛官の民間への転出数の増大には限界がきた、そこで養成委託数をふやすような御方針と聞いておりますが、そのようなものにどの程度御期待なさる御所存でありますか。
#110
○政府委員(内村信行君) 養成委託数につきましては、現在のままでいいと思っておりますので、これ以上ふやすという考え方はございません。
#111
○足鹿覺君 養成委託数は本年で打ち切りというのですか。
#112
○政府委員(内村信行君) 現在の規模でお願いしたいと思っております。
#113
○足鹿覺君 現在の規模とは。
#114
○政府委員(内村信行君) 六十名でございます。
#115
○足鹿覺君 この際伺っておきますが、民間へ転出すれば待遇もよくなる、労働条件もよくなる、こういうことでありますが、出身別に見た、自衛隊から今日まで民間へ転出をしたパイロットの自衛隊出身、ないしは委託したものの旧自衛隊当時における給与、労働条件、民間へ転出した後における給与、あるいは労働条件等を具体的に相互比較して御説明願いたい。
#116
○政府委員(内村信行君) いまの労働条件についてちょっと私存じませんけれども、先ほど申し上げました点につきましてちょっと訂正さしていただきます。先ほど養成規模を六十名と申し上げましたけれども、これは固定翼についての数でありまして……。
#117
○足鹿覺君 それはわかるけれども、その次のことがわからないのです。もう少し丁寧に。私は声が大きいからよくわかるでしょう、私の言うことは。あなたの言うことはわからない、私は耳が悪いから。
#118
○政府委員(内村信行君) 先ほど養成規模六十名と申し上げましたけれども、これは固定翼についての数でございまして、そのほかにヘリコプターについて十二名というものの養成をお願いしたいと思っております。したがいまして、合わせると七十二名になりますので、その点訂正さしていただきます。
#119
○足鹿覺君 いまの条件は。
#120
○政府委員(内村信行君) その条件については私どもちょっとわかりかねますので、御容赦いただきたいと思います。
#121
○足鹿覺君 じゃ、代理でよろしい。
#122
○説明員(小池正一君) 防衛庁から民間に転出しました数の質問がございましたが、その割愛数につきましては、昭和三十七年度以降、防衛庁と運輸省との間におきます覚え書き、申し合わせによりまして、現在までに三百三十名が転出しております。なお、防衛庁に委託しております民間操縦士の委託の卒業生数は、三十七年以降、覚え書きによりまして実施した教育の結果、現在まで四百十一名ございます。これは飛行機の固定翼三百三十七名、ヘリコプター七十四名を含んでおります。
 なお、防衛庁におきます待遇並びに勤務条件については存じておりませんが、民間に転出した場合の条件につきまして説明いたしますと、副操縦士になる段階、防衛庁から転出いたしまして約一年の訓練を経た上で副操縦士になりますが、その時点で平均二十万程度の収入が得られます。なお、勤務条件につきましては、月間平均八十時間の飛行勤務を行なっております。
#123
○足鹿覺君 防衛庁に照会をなさって、この三百三十名と四百十一名のもとの給与、勤務条件と、民間へ転出してきたときの給与と勤務条件の比較一覧表を御提示願えますか。
#124
○政府委員(内村信行君) 後ほど御提出いたします。
#125
○足鹿覺君 これは急を要しますので、きょうはいろんな資料を要求いたしておりますが、御提示はいつごろいただけますか。
#126
○政府委員(内村信行君) きょうじゅうに差し上げられると思います。
#127
○足鹿覺君 じゃ、そういうふうにお願いいたします。
 防衛庁に委託する場合は、どのような者を委託するのか。航空大学校と同様の選抜試験によって委託するのか。防衛庁の委託養成を受けても操縦士としての資格は取れないのではないか。どのようにして操縦士の資格を与えておられるのか。その基準は何でありますか。
#128
○説明員(小池正一君) 防衛庁に委託をいたす場合の基準といたしましては、航空会社が自社養成する条件で採用いたしまして、一応基準といたしましては大学二年終了以上の者、身体条件につきましては航空大学校の採用基準と全く同じでございますが、この基準によって採用いたしました者を防衛庁に委託いたします。なお、教育の間におきましては、五カ月の地上教育と七カ月の飛行訓練を行ないまして、一年間の飛行訓練をして民間に戻りますが、その教育課程におきましては、技能証明の国家試験を行ないません。養成された者は所属の会社に帰りまして、さらに会社の自社養成の訓練を経ました段階におきまして、事業用操縦士並びに計器飛行の技能証明を、会社に戻って約一年後ぐらいの段階において資格を取得いたします。
#129
○足鹿覺君 その資格を認定するのは、だれが認定するのですか。
#130
○説明員(小池正一君) 技能証明の資格につきましては、一般の航空従事者と同じように、運輸省の航空従事者試験官が試験を実施いたしまして、その合格者に対して資格を付与いたします。
#131
○足鹿覺君 防衛庁もおいでになっているようでありますが、念のために伺いますが、先ほどもお話がありましたように、パイロットが三百三十名、委託養成者が四百十一名、ヘリコプターを含むわけでありますが、約七百四十名余の民間への転出がありますが、これらは外人と自前養成、防衛庁から転出した者と、みな差がついております。防衛庁のパイロットが民間へ転出するまでの勤務及び給与条件はどの程度のものでありますか、伺います。
#132
○政府委員(江藤淳雄君) 防衛片におきましては、当初、一般に航空学生として採用しまして、その航空学生を逐次パイロットに養成するわけでありますが、大体民間に割愛する段階におきましては、おおむね平均年齢は三十一歳ぐらいでございますが、三尉になり二尉になり一尉になる、そのあたりで民間に転出いたしております。したがいましてその待遇は、大体尉官クラスというところが中心でございます。
#133
○足鹿覺君 その待遇は。給与の待遇は……。
#134
○政府委員(江藤淳雄君) ちょっと現在給与法を持っておりませんので、金額ははっきり申し上げられませんが、大体五万円くらいだろうと思います。
#135
○足鹿覺君 月の給与ですよ。
#136
○政府委員(江藤淳雄君) はい。大体、主として転出するところは一等陸尉、一等海尉、一等空尉でございますが、これらの者の本俸は、一番低い人で五万六千円、高い人で十万二千九百円というふうなところでございます。それに、このパイロットの場合におきましては、この本俸以外に航空手当というのがございまして、大体ジェットパイロットの場合には六〇%余り、それからレシプロの場合におきましては四〇%余り出ておりますが、これらのものを含めまして、大体平均しまして十三万円ないし十四万円程度の金額になろうと思います。
#137
○足鹿覺君 同じ日本人が自衛隊から民間に移って悪いと私は申し上げておるのではありません。ただ、最近、自衛隊の墜落その他の事故がきわめて多い。人命を失うと同時に、一般国民に大きな迷惑と不安を与えておる。特に事故原因を見ると、操縦上の過誤が一番多い。防衛庁長官にお尋ねをいたしますが、防衛庁提出資料による自衛隊航空機の年度別事故数によると、毎年十二件から十五件の間を上下し、それ以下の件数になったことはない。しかも事故原因を見ると、三十八年度から四十五年度までの航空事故件数百八件、このうち操縦上の過誤によるものが四十三件、約四〇%を上回っておる。しかるにもかかわらず、現在まで七百数十名のものを民間へ御移譲になっておる。操縦条件は、戦闘を想定しての訓練と民間航空とでは条件が違いますから、同一に論ずる気はありませんが、それでなくとも、操縦上の過誤がこのような事故件数の増大を惹起しておる。この中に民間転出が著しい。先ほど運輸大臣は、民間転出は今後むずかしいであろう、委託も困難と思う、こういうことでありました。操縦上の過誤といっても、パイロットの技術の未熟、パイロットの過労、訓練方法の無理等、内容はいろいろありましょうが、その次に多いのは機材の欠陥があります。三十八年度から四十五年度まで二十三件、これはいずれも機械の欠陥を発見できなかった熟練整備員の不足による整備上のミスではないかと思われます。さらに、四十一年度から四十五年度までの事故原因のうち、その他が九件となっておるが、これは何ですか。今日まで航空事故が国会で取り上げられ、そのたびごとに防衛庁は、防止対策については事故のないよう事故防止について検討する旨の答弁が繰り返されておりますが、依然として自衛隊の航空事故は減少どころか増加することはまことに遺憾である。この中にあって民間割愛が行なわれておる。民間へ出れば本俸三十万円、航空手当を含めて自衛隊ではわずか十三万円程度にしかならないとすれば、だれしも転出したいでしょう。ますます優秀なものは民間へ出ていく。残ったものがくずだとは申し上げませんが、まああまり好ましき姿ではないでしょう。このようなことを繰り返しておることはきわめて遺憾だと私は思いますが、事故防止対策なり、この私の手元にある昭和四十五年九月三日……。
  〔委員長退席、理事塚田十一郎君着席〕
千葉上空のヘリの空中接触、これは四十五年の五月十五日の新聞であります。四十五年二月四日の新聞には、「離陸の直前に炎上」、「自衛隊のF104、四人けが」、四十四年五月十二日の新聞によれば、「自衛隊機三機が墜落」をした。このときの状況は、山陰でありますが、米子の航空自衛隊にページェントに来る途中に密雲の中で判断を誤まったと伝えられておりますが、F86Fが編隊のまま山腹にぶち当てて即死をしておる。そのときのショックはきわめて大きい。また四十四年二月十五日でありますが、ポンコツといわれるC46、これが離陸直後に墜落をしておる。また四十四年二月八日の新聞によれば、「雪の中に真っ赤な炎」と、こういう見出しによって自衛隊の墜落事故が出ておる。自衛隊の航空事故件数は増大の一途をたどっておりますが、あなたが国会で御答弁になっておる事実とは全く相反しておるのではありませんか。私も同じ国民であります。考え方やその他についてはあなたと意見を異にする点もあろうかと思いますが、やはり日本人の子である、国民である。人命を軽視しておるではありませんか。無理な操縦か、無理な訓練か、あるいは操縦の未熟か、機材の整備の不十分か、きわめて遺憾千万な事態だと思う。この中にあって、民間へ転送される、このような状態を今後いつまでお続けになる御所存でありますか、長官の明快な確信のある御答弁を承りたい。
#138
○国務大臣(中曽根康弘君) 自衛隊機の事故につきましては、まことに遺憾な事態でございまして、そのたびごとに事故調査委員会を設けて、事故原因を糾明して、その絶滅を期しておりますが、今後とも事故のないようにわれわれは戒心してまいりたいと思っております。
 運輸省への割愛につきましては、でき得べくんば運輸省系統で航空大学校を拡充するなり充実するなりして、運輸省系統の民間航空士養成のルートを確立することが私は筋として正しいと思うのです。しかし、それが予算その他の理由でなかなか拡充が思わしくないという情勢から、防衛庁が現在の民間航空のひんぱん度にやむを得ず協力しなければならぬというのは、私は筋からいったらあまり適当でないと思っております。しかし、いまとりあえず、民間航空がこれだけ発達してまいりまして、パイロットが不足で、お客さんの便利、不便ということも考えまして、たえ得る範囲内においては御協力申し上げておりますけれども、そういう数字は減らしていくようにして、運輸省系統の学校を、教育施設を拡充して、自給自足でいってもらうようにしてもらいたい、それが正しい道であると考えます。
#139
○足鹿覺君 いまの御答弁はいつも繰り返しておいでになる御答弁なんです。事実はますます事故が増大しつつある、その原因を突きとめて、どのように具体的な措置をお講じになるおつもりであるかということを聞いておるのであります。
#140
○国務大臣(中曽根康弘君) 具体的な対策等につきましては政府委員より答弁させます。
#141
○説明員(福田勝一君) 事故の件でございますけれども、第一点は、年々増大しているというお話でございますけれども、すでに先生のお手元に提出してございます航空事故原因別件数という表がございますけれども、その表によりましても、四十一年が十三件、四十二年が十四件、四十三年が十三件、四十四年が十三件、四十五年は十二件ということで、大体ほぼ横ばいの数字だというふうに私どもは判断いたしておる次第でございます。
 それから、最初にお話がございました、操縦上の過誤その他の一連の原因があるわけでございますが、その他の中には何が入るのかというような御質問だったかと思うのでございますが、その中には異常電流が発生するというようなこと等がおもな例としてあげられます。その他こまかいものもございますけれども、ちょっと手持ちの資料を持っておりませんので、必要ならば、帰りまして一件一件当たりまして、原因を、その他の内訳を出したい、かように思う次第でございます。
 それから事故に対する対策でございますが、先ほど長官のほうから、事故が起きた場合には監査委員会をつくって原因を究明し、その後の事故防止の資にしておるという説明がございましたけれども、そのとおりでございまして、指導監督の強化、それから基本動作の厳守、装備機材の点検検査の強化、そういったところに重点を置きまして、鋭意防止につとめているわけでございます。
 なお、参考でございますけれども、民間との比較というのは、ちょっと自衛隊の実際の行動の態様が異なりますので比較にはならないというお話が先生のほうからもあったわけでございますが、私ども、諸外国と比較した数字を少々御披露申し上げますと、事故率というのは飛行時間十万時間当たりの事故件数ということで出しておるわけでございますが、最近四十二年以降につきましては比較すべき数字がないのでございますけれども、三十八年につきましては、全自衛隊機が三・五という数字になっております。米空軍は四・四でございます。西独の国防軍は二四・四という数字になってございます。それから三十九年につきましては、全自衛隊が四・一、米空軍が五・八、西独の国防軍が三〇・二、こういう数字になってございます。それから四十年は……。
#142
○足鹿覺君 そんな外国の例なんかいいですよ。
#143
○説明員(福田勝一君) そういうことで、必ずしも自衛隊の事故率が高いということは一がいに言えないのではないか、かように考えておる次第であります。
#144
○足鹿覺君 自衛隊のパイロットの民間航空転出については、四十三年から自衛隊と民間航空会社との間に、三十人ですか、割愛するという話し合いがついておる。これは四十五年四月十四日の参議院の予算第二分科会の記録に基づくわけであります。各社が個別に自衛隊パイロット採用を行なうことを防止しておるということでありますが、協定の内容はどういうものでありますか、明らかにしていただきたい。
#145
○政府委員(江藤淳雄君) 協定は、当初に結びました協定は三十七年五月でございます。それからその後受託教育をいたすようになりまして、含めまして覚え書きを改定いたしましたのが四十一年の四月でございますが、この協定の内容は、主として訓練時間とそれから授業料をまずきめております。その次に、割愛する人員数、受託教育をする人員の数等をきめております。第三に、これを行なった場合に、運輸省は、民間航空事業者が自衛隊操縦士の引き抜きを防止することについて適切な施策を実施するという三点がこの覚え書きの内容でございます。
#146
○足鹿覺君 運輸白書では、四十四年度は割愛数が五十二人となっている。これは協定の数より多いではないか。四十五年度の割愛数は幾らでありますか。
#147
○説明員(小池正一君) 四十五年度は六十五名でございます。これは念のため申し添えますと、昨年八月防衛庁と運輸省との間で申し合わせの改定がございまして、今後当分の間六十名、及び特別に必要のある場合は若干名を加えたものを転出するということになっておりまして、四十五年度は六十五名転出いたしました。
#148
○足鹿覺君 いかに改定になろうと、過去の実績は協定を上回っておる。そのような話し合いや覚え書きによって、志願制である自衛隊から転出をするパイロットを防止することが可能なのか。効力について防衛庁の見解を伺いたい。
#149
○政府委員(江藤淳雄君) 先ほど大臣から説明がありましたように、私のほうは進んで割愛するという趣旨ではございませんけれども、最近の民間航空の発展が非常に著しいのでございまして、したがいましてそれに伴ってパイロットの割愛要請もたいへん大きいものがございます。そこで自衛隊としましては、隊務の運営なり人事管理上の問題を検討しながら計画的に乗員の割愛をいたしておるのでございまして、具体的に申し上げますと、自衛隊のパイロットに希望してまいりますものはほとんどすべてがジェットパイロットになりたいという気持ちで入ってまいります。しかしながらなかなかこのジェットパイロットというものは、特に戦闘機でございますが、いろいろ適性がございまして、自然エリミネートされる。固定翼のパイロットあるいはレシプロのパイロットであれば非常に優秀であるけれども、遺憾ながらジェットパイロットになれないというので、具体的に隊員が将来への希望を失って民間へ行きたいという希望者もまた出てまいるわけでございます。さらにまた人事管理上から申しましても、三佐、二佐、一佐というような段階になりますと、逐次定員も非常に減ってまいりますので、すべてのものを上級ポストにつけるわけにもまいらない点もございますので、それらの点も考えながら、計画的な割愛をするということが、本人の希望にもかない、また民間航空の要請にもこたえ得ることでございますので、あらかじめ防衛庁としましては、当初から、パイロットの定員に基づく養成計画を、その点も若干加味しながら進めておるのでございまして、したがいまして、現在のところこの割愛が特に隊務に著しく支障を来たしておるということではございません。
#150
○足鹿覺君 いずれにしろ、自衛隊パイロットを自衛隊が養成する場合には、聞くところによると、F86F戦闘機で四千九百四十四万七千円の経費を必要とするそうですね。三年七ヵ月という期間がかかるそうですね。F104J戦闘機については、その上に千三百四十九万五千円と約二年半が必要とされておるということでありますね。これは四十四年五月十五日、当内閣委員会において御説明になっておる。このような高額の経費と長期間を必要とするパイロットを簡単に民間へ割愛しているという実態について、一体、運輸省との覚え書きもさることながら、当然相当の収益をあげ利用者が激増しておる民間航空会社が防衛庁におんぶをしておる。その結果は、とは言いませんけれども、自衛隊の航空事故にもつながるではないか。要するに自衛隊は、民間航空のパイロット養成機関のプールになっておる。これはあとで運輸大臣に、しかと申し上げたいと思いますが、このような防衛庁と運輸省との間で安易なことをなさいますから、人事の面では運輸省と民間航空がつながる。人材の必要なパイロットは、国のばく大な経費によって養成された者がいただける。空港は国がある程度援助をして整備をする。ただ飛行機さえ買えばいい。長官はこの間おいでになっておりませんが、民間航空のこのごろのあり方というものはまことになっていません。参考人からもひらに陳謝をされましたから私は一応了承いたし、今後の成り行きを見ていきたいと思いますが、一体日本の民間航空というものは、自衛隊に一応おんぶし、国におんぶをし、自分たちは器具機材を買いととのえるだけであって、サービスは悪い。特に国内線において悪い。海外線に至っても、国際競争場裏においてはっぴを着させるのが目新しい程度であって、たいした目新しいものは日航の場合でもない。こういう安易なことであってよろしいのでありましょうか。自衛隊は自衛隊として本来の考え方に立たれたならば、この際ぴしゃりと民間転出を禁止して、民航の責任において。パイロットの養成その他をやり、足らざるは航空安全の立場からも国がこれを運輸省の責任においてやる、こういう体制が私は必要ではないかと思いますが、長官の御所見を承っておきたい。
#151
○国務大臣(中曽根康弘君) それが筋だろうと思います。われわれとしては、運輸省側ができるだけ自力で養成する体系をすみやかにつくっていただいて、われわれは必要最小限の協力をするという形にかえていっていただきたいと思います。
#152
○足鹿覺君 防衛庁で民航パイロット養成を行なう法的根拠は一体何でありますか。
#153
○政府委員(江藤淳雄君) 自衛隊法百条の二にございます。「長官は、」この自衛隊の学校において「政令で定める技術者の教育訓練を実施することの委託を受けた場合において他に教育訓練の施設がないと認めるときは、自衛隊の任務遂行に支障を生じない限度において、当該委託を受け、及びこれを実施することができる。」ということになっております。
#154
○足鹿覺君 委託養成の費用については、一人当たり固定翼で約百五十一万円、ヘリで約百二十六万円が委託費として防衛庁に支払われておるようでありますが、運輸省、そうですか。
#155
○説明員(小池正一君) 防衛庁に対しまして、民間事業者は、飛行機の固定翼につきましては一名当たり五十万円、ヘリコプターにつきましては百万円を委託料として納めております。
#156
○足鹿覺君 自社で養成した場合には幾らかかりますか。
#157
○説明員(小池正一君) 現在日本航空、全日空とも大体七百万円程度の養成費をもって事業用操縦士及び計器飛行証明の程度の教育、これは飛行時間で申しますと約二百三十時間でございますが、防衛庁へ委託しております教育の内容は飛行機で百十時間でございますので、比較にはちょっとならないかとは存じますが、以上のような状況でございます。
#158
○足鹿覺君 昭和四十五年五月六日、参議院内閣委員会においては、自社で養成した場合は一千万円はかかるという御発言がありますね。三百万円も差があるのですか。これは一体どうしたわけですか。いいかげんな御答弁なさったら困りますよ。記録を調べてごらんなさい。三百万円も、三〇%の差があるんですよ。
#159
○説明員(小池正一君) 内容につきまして七百万ないし一千万という幅の広い契約の内容、これはアメリカで教育しておる自社養成、また英国で教育しております自社養成、また日本の航空事業者に委託しております自家養成、それぞれ資料が異なっておりますので、そういった異なった資料が提出されたと思いますが、あとでよく調べてまた提出させていただきたいと思います。
#160
○足鹿覺君 あなたは去年の五月六日にはどこにおったですか。
#161
○説明員(小池正一君) 現在と同じ地位におりました。
#162
○足鹿覺君 たった一年前のことがもう記憶にないのですか。よく調べるとは何ですか。そういう甘い態度が私はおかしいと思うのです。私どもがちゃんと資料を調べておるんですよ。あなたは当該――実際上の実務の責任者ではありませんか。三百万円も数字が異なることを外国の事例等でカバーなさろうとしてもそれは通りません。そういうルーズな運営というものがありますか。一千万円もかかるものを五十万やそこらの金で、あとは全部自衛隊におんぶをする。日本の国内航空は急速な発展を遂げ、将来はまたさらに拡大をするでしょう。海外にしてもそうでありましょう。一体こんなぼろい仕事がどこにありますか。人事の面ではツーツーであり、人のふんどしで仕事をしておる。一体、
  〔理事塚田十一郎君退席、委員長着席〕
四十五年度のパイロット委託養成数とその各民航会社別内訳はどういうことになっておりますか、お示し願いたい。
#163
○政府委員(江藤淳雄君) 四十五年度の受託は、日本航空が四十人、全日空が二十人、農林水産航空協会――これは農薬散布のヘリコプター関係でございますが、十名、それから新日本ヘリコプターが一名、エアーリフト一名、計七十二名でございます。
#164
○足鹿覺君 本年の三月二十二日、宮崎県新田原飛行場東端において委託学生の航空訓練中墜落し、訓練生は死亡、教官は重傷という事故が発生しておる。このような委託学生の事故が今後も続発するようでは、このような制度自体問題があると私は思います。さらに委託養成中のパイロットの身分上の処遇は自衛隊ではどう御始末になっておるのでありますか。死亡した委託学生の補償はどのような結末をつけておいでになりますか、伺いたい。
#165
○政府委員(江藤淳雄君) 受託学生の身分は、あくまでも会社より委託を受けて自衛隊の中で勉強をしておる学生という扱いでございまして、別に自衛隊員ではございませんが、ただ自衛隊のいろいろな規律には従うことに、あらかじめ入るときに契約いたしております。
 事故の場合の補償でございますが、一応身分としましては、日本航空――たしか日本航空だったと思いますが、日本航空のほうが、まあその会社の社員でございますので、日本航空から一応補償いたしております。しかし、もしこの事故の内容が自衛隊側の責任によって起きた事故でありますれば、これは自衛隊が日本航空に対して別途補償をする必要があると思いますが、現在のところは、事故の内容につきまして、原因につきまして調査いたしておる。とりあえず補償は親元である日本航空が補償いたすということになっております。
#166
○足鹿覺君 運輸省当局に伺いますが、ただいまの御答弁でありますが、委託学生の始末は、委託者である各民間航空ではどのように始末をしておるか、報告を受けておられますか。
#167
○説明員(金井洋君) 委託学生の補償につきましては、会社から社内規則による補償をしたという報告は聞いております。
#168
○足鹿覺君 そんなことではだめです。どのように始末をしたか。金額においてどういう死亡に対する補償をしたか。遺族に対して今後の対策はどうしたか。そういう詰めが足りないではありませんか。そのような当該責任者が甘い態度でよろしいのでありますか。
#169
○政府委員(内村信行君) 本件につきまして、ただいま手元に資料がございませんので、後刻会社のほうへよく確かめまして、御報告申し上げたいと思います。
#170
○足鹿覺君 間違いなく御提出願いたい。
 運輸大臣がお越しになったようでありますので、私は昼めし抜きですのでもうここらで打ち切りたいと思うのですけれども、いまあなたの御不在中に、自衛隊の民間転出の前の給与は、訓練手当を込めて約十三万円、それが最低三十万円から五十万円で転出しておる、こういうことが具体的に明らかになりました。そこで、いま委託学生の場合もその実績をつかんでおらない、こういう甘さですね。民航各社における航空機のパイロットの自社養成は、私の調査によればきわめて少ない。あなた方の運輸白書においても、四十四年度で二百九十四人中九十五人、四十三年度で百九十七人中五十九人、四十二年度では百十七人中わずか十二人にすぎない。ここ数年における民航各社別の自社養成数はどうなっておるか。運輸省資料によれば、日本国内航空ではこのところ自社養成はないということになっておりますが、明らかにしていただきたい。
#171
○説明員(小池正一君) 日本国内航空の自社養成につきましては、ございません。日本国内航空につきましては、パイロットのソースを、現在、日本産業航空、日本フライングサービスという民間の不定期航空事業の事業者で教育されている者の中から採用しております。
#172
○足鹿覺君 昭和四十四年度における民間各社の経常利益を見ると、全日本空輸では約三十億円、日本国内航空では約二十九億円、東亜航空では約十億円と、かなりの営業成績を示しておる。日航の場合は四十四年度においてどの程度の経常利益をあげておりますか、JALの場合。
#173
○政府委員(内村信行君) 昭和四十四年度におきましての日本航空の経常利益は二百三十一億余でございます。
#174
○足鹿覺君 JALの場合は国が援助をしておりますが、幾らでありますか。
#175
○政府委員(内村信行君) 日本航空に対しては、国の援助は、補助金というものはございませんが、政府出資をしておりまして、三百八十七億のうち半額、五〇%が政府出資でございます。
#176
○足鹿覺君 当局の御都合もあるようでありますが、このような良好な収益状態ならば、パイロットの自社養成強化ができるはずではありませんか。先ほど、運輸大臣は航空庁の構想を私的に持っておるというお話でありました。また、中曾根長官は、今後筋としては自社養成が筋である、このような方針を述べられました。白書による今後の養成対策においても、自社養成の増は現在九十人から百三十五名にとどまっておる。必要とされる。パイロット数は三百六十人である、その半数も確保しない。自衛隊からの割愛を当てにしておる。この際、両大臣に明確にしていただきたいのでありますが、自衛隊は民航パイロットの養成機関ではないはずであります。このような他力依存のパイロット養成を今後も続けなければ会社を維持できないようならば、いっそのこと民間航空をやめて、日本航空公団とか、先ほどの橋本大臣のおっしゃる航空庁の構想を裏づける画期的な態度、方針を打ち出す段階ではありませんか。パイロットの自社養成はもちろん、安全にして低廉、しかも国際競争力に耐える、そのような対策を講ずる段階ではありませんか。
 防衛庁長官に伺いますが、今後はこのような安易な委託といい、パイロットの民間転出に対しては、断固たる態度をもって対処していただきたい、かように思います。御言明を願いたいと思います。
#177
○国務大臣(中曽根康弘君) 私の考えは先ほど申し上げたとおりであります。本件につきましては、御趣旨に沿う方向に運輸大臣といろいろ協議してまいりたいと思います。
#178
○足鹿覺君 それはいつごろからでありますか。
#179
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は昔運輸大臣をやっていましたが、そのころから、これは不合理であると感じておりまして、航空大学の拡充とか、そのほかいろいろ感じておったものであります。ところが、大蔵省がなかなか金を出さなくて、運輸省も苦労をしてきたところでありますが、筋から言ったら、足鹿委員のおっしゃるとおりが筋だろうと私は思うんです。しかし、過渡的ないろんな措置もありましょうから、御趣旨の方向に沿って事態を改善していきたいと私は念願しております。
#180
○国務大臣(橋本登美三郎君) 航空会社が最近非常に利益をあげてまいっております。これは一つには乗客が非常にふえてきたことでありますが、ただ、今後のいわゆる大型化、ジェット化ということから考えると、相当資金が必要でありますからして、必ずしもそれが実際上に金が余るということにはならないとわれわれは計算をいたしております。もう一つ、自衛隊から乗員を譲ってもらう、これは限度があると思います。将来の航空自衛隊のほうの計画から考え、あるいは委託生につきましても、これも教官の都合があって限度があると思いますが、ただ、御承知のように国立大学校を出た人は、やっぱり一般企業会社に雇われて、そうして国全体の経済のアップに協力するわけであります。したがって、自衛隊に迷惑をかけない範囲内において私は自家使用するというものの委託生をやっていくことが必ずしも悪いことではないと、何もかもその関係だけが独立採算でやっていけというわけにも実際まいりませんし、ことに航空関係は、国際的な日本の権益を増大していく問題であります。単なる一企業の金もうけの手段だけではないと、こう考えますので、まあ大学の学生が一般私企業その他公務員として使われると同じような意味において――ただし、これは自衛隊の本務を妨害してはいけませんから、限度があると思いますが、そういう点を考えながら、防衛庁長官とも相談をしていきたいと思います。
 第二に、今度航空保安大学校になるのでありますけれども、とにかく航空大学校は運輸省が持っておるわけであります。ところが私は、いま足鹿さんのお話のように、規模をどんどん拡張していく、これはどうしてもしなくちゃなりませんから、それには運輸省自体のわずかな財政でやっていくということはこれは実際上無理です。その意味においては、もちろん国も助成費を出すがよろしい、そうして関係企業会社が一緒になって、学校法人として直営の――いわゆる養成所じゃなくて、全体の企業会社、日本航空もその他の会社も一緒になって、そうして大規模のいわゆる乗員養成大学校というものが――保安大学校はこれは管制宮の養成でありますから、国が直接やるのはけっこうですが、航空大学校というほうはひとつ財団法人の学校法人として規模を拡大していく。ただ基礎的なもの、いわゆる中学校、航空技術の上で義務教育にひとしいような低学年ですね、これはあるいは運輸省がやってもいいんですけれども、あるいは学校でやってもけっこうですが、それ以上の実際上の乗員をつくる、パイロットを養成する、ジェットパイロットを養成するような高級技術にいくとなると、これはすぐ企業につながることでありますから、このほうはひとつ各会社が協力してそういう養成機関、大学校、こういうものを私はつくりたいということで、かねがね関係方面とも協議を進めておるわけであります。方針は、防衛庁長官が申しましたような基本方針で進めたいと思いますけれども、一方において民間のいわゆる自社養成を拡大していく、こういうためには企業が一緒になって学校法人をつくっていく、こういうことでまいりたい、こう考えております心
#181
○足鹿覺君 私は、問題点はみなそれぞれ正確に指摘いたしました。ただ、時間が参りましたので、米軍施設の日本返還に伴う、特に飛行場の問題でありますが、管制体制等について伺いたかったのでありますが、これはまた別に機会があろうかと思いますので、本日はこれを留保いたします。長時間にわたって申し上げましたが、問題点は十分に私は出せなかったかもしれませんが、一応まじめな、建設的な、かつ具体的な御提案を申し上げたと思う。国鉄の新幹線構想が、いろいろな批判はあることは別として、非常な技術の発展を見ておるということは私どもはけっこうなことだと思います。しかるに民間航空の実態は、先日来述べたごとく欠陥だらけ、全く他力依存、しかもこれだけの収益をあげながら、すぐに航空料金の値上げをほのめかす。断じて許しません。さようなことは厳重に、運輸大臣としてはいままで指摘した点について対処されることを期待いたします。
#182
○上田哲君 この機会ですから、防衛庁長官に伺います。
 伝えられるところでは、きわめて近々に四次防の防衛庁原案が発表されるようであります。詳しく内容を見てから論議をしたいと思いますが、大綱としては、これまで論議されてきた中で明らかになっている防衛庁長官の構想が貫かれているというふうに理解してよろしいですか。
#183
○国務大臣(中曽根康弘君) そのとおりであると思います。
#184
○上田哲君 かねてから私どもは第四次防衛力整備計画――長官は新防衛力整備計画とあえて呼称されておるようであります。今後の十年にも及ぶ長期構想の出発点として非常に大きな区切りだと思いますので、この原案を十分に国会の場で議論をしたいと思います。また防衛庁側もその内容についておそらく大きく世論に問われることだと思うのですが、長官の心がまえとして、どういう形で世論に問い、どのような討議を国会に対して求めるのか、心がまえを伺っておきたいと思います。
#185
○国務大臣(中曽根康弘君) 私は着任以来、防衛問題を国民の広場に持ち出して、国民の皆さんに議論していただき、国民の防衛として成長させたいと念願をしてまいりました。新しい防衛計画をつくる際にあたりましては、特にこの問題の必要性を痛感いたしましたので、できるだけ国民の各層から御批判をいただき、また国会からも十分審議していただきまして、率直な御批判をいただきまして、大いにわれわれの参考にいたしたいと思っております。
#186
○上田哲君 私どもは基本的にわが国の防衛構想のあり方の転換点とも考えますし、あるいは長期にわたる防衛費の構築にあたって幾つかの障害要素もあったように聞いておりますし、そうした問題についてじっくりひとつ討議をしたいと思いますが、これらについては、この委員会の運営の問題ともあわせて同僚議員の確認に譲りまして、四次防問題をとりあえず終わります。
 一点伺っておきたいのでありますが、 ニューヨークタイムズの四月二十五日の紙面で、日米間で日本への核兵器の一時的持ち込みを認める秘密協定、こういう報道があります。伝えられるところでは、この秘密協定は通過協定と言われているようでありまして、この秘密協定と言われる、いわゆる通過協定ということの考え方、それとわれわれが憂慮するのは、いわゆる非核三原則、その中の持ち込み、この項とどういうような関連が起きるであろうか。おそらくそうした問題については基本的に否定をされるでありましょうけれども、私どもが強い憂慮をこれに向けておりますので、この非核三原則と伝えられる通過協定との関連について、御見解を述べていただきます。
#187
○国務大臣(中曽根康弘君) そのような秘密協定はございません。われわれは非核三原則を堅持しておるのでございまして、非核三原則を適用しつつ、事前協議、そういうもので話し合いをして、先方が事前協議をかけてきた場合には、われわれの独自の判断によってわれわれの態度をきめる、そういう立場を堅持しておる次第であります。
#188
○上田哲君 いまも事前協議という御答弁がありましたけれども、現実に、今日まで原潜や原子力艦の立ち寄りについては、政府側は、事前協議事項でいう装備の重要な変更ではない、こういうふうに言われておるわけでありますけれども、たとえ日本に寄港する原潜、原子力艦等が核を有しないことが前提となっておるにしても、わが国の側からこれをチェックする方法はない。沖繩の核抜きの実証的な方法論についても私はまだ確信を得ておりません。そういうことからすると、具体的にどういう協定が取りきめられたかというような問題は、政府側の正式なただいまの否定において明らかだとしても、現実的な問題として、われわれがそうした持ち込みを拒否できない、あるいはそれを確認できないという事実関係があることになれば、はたしてこういう状況を事実問題として否定することになるのかどうか。特に沖繩返還後に、アメリカ側がアジアの同盟諸国の上に核のかさを維持する、こういう戦略上の必要性から、わが国に対して核の持ち込み権とでもいうべきあり方を確保したい、こういう願望は明らかになっていると思います。そういう意味で、防衛庁長官が、ただいま通過協定なる名称で呼ばれているこうした憶測を正式に否定されたことは議事録にとどめて、今後の討議の出発点にしたいと思います。同時にそうした事実関係ないしは事実環境がもたらす今後の趨勢について、さらに突っ込んでの御見解を承っておきたいと思います。
#189
○国務大臣(中曽根康弘君) 核の持ち込みにつきましては先ほど申し上げたとおりであり、かつ、そういう秘密協定は存在いたしません。われわれとしては、全く自由な独自な立場に立って、随時協議あるいは事前協議、こういう場に応じて日本の固有の考え方で挙措進退をする、われわれのほうは非核三原則を堅持していく、こういう立場に立って今後も対処してまいるつもりであります。
#190
○上田哲君 これで終わるつもりだったのですが、第二点についてもう一歩突っ込んでいただきたい。
 沖繩がいよいよ返還協定作業に入っておるわけですし、そこで一番大きな問題になるのは、核抜きということの実証になるわけですが、具体的な協定確認があったかどうかはしばらくおくとして、こうした事態が事実上起きてくることがないということをもう一度明確に御断言いただきたいと思います。
#191
○国務大臣(中曽根康弘君) 沖繩につきましても、本土復帰が行なわれれば本土と同じステータスになるのでございまして、われわれがただいま申し上げたような考え方で対処するものでございます。
#192
○上田哲君 長官の時間の都合があるそうでありますから、ただいまの問題を含めて、あとの議論に譲ります。四次防についてはきわめて近々に発表されるようでありますから、その内容を受けて、十分な時間を持って議論をすることを留保して、私の関連質問を終わります。
#193
○峯山昭範君 私は初めに委員長にお伺いしたいのですが、先般、防衛の問題につきまして私は質問をさしてもらいたいということで、ソ連艦の誤爆の問題のときから申し入れをやっております。そうしてまたきょうも実際質問をしたいと思って用意もしてきましたけれども、もう時間だから全然できないということですけれども、六日の日にこれは委員会をはっきり開いて、防衛問題を国の防衛に関する調査としてやらしてもらえるかどうか、これはさっき申し上げたのです。
#194
○委員長(田口長治郎君) 六日の日に防衛問題やることにつきましては、六日の十時二十分からの理事会でひとつよく御相談くださって、理事会の決定に従って委員長は運営したいと思いますから、さよう御承知願います。
#195
○峯山昭範君 私はそういうふうなのは得心できないですよ。いまここで絶対に六日の日にやらしてもらうという確約がとれない以上は、きょうはこれから防衛問題ずっとやらしてもらいたい。やらしてもらうという確約がとれない以上はそれは困りますよ。このことはちゃんとさっきから野党の理事を通じても言っているわけですからね。それがちゃんととれない以上は、私きょうこれから質問をやります。
#196
○委員長(田口長治郎君) 先ほどから理事会で相談しておられるわけですか、その問題はどうきまったんですか。
#197
○上田哲君 議事進行について。
 理事会の討議の過程もありますし、峯山委員の御希望を主にして、事情の許す限り、つまり日程、時間の調整のつく限り、六日の日に防衛二法の審議とは切り離した形ででもこの問題について十分な時間をとって議論をするということで委員長お取り計らいを願います。
#198
○塚田十一郎君 原則として上田理事の提案は了承しますけれども、私のほうとしてはそういうあれをしたものを総合して、本会議におけるいろいろな法案の審議が十分できるということをお含み置きいただきたい。したがって、具体的に言いますならば、そういうあれがあって時間を十分とらなければならぬということであれば、また特別に委員会を開く日を御協議申し上げるというようなこともお含み置きをいただきたい、こう思います。
#199
○峯山昭範君 それは、そんなんじゃ困るんですよ。とにかく六日という約束はちゃんと私は約束して、六日の日にやらしていただくということが確約とれない以上はだめなんですよ。六日の日に、この次の日に。ですから、いろいろおっしゃっておりますけれども、これはいま急に出てきた問題じゃなくて、前々から出ていた問題なんですよ。前のときかって、建設省設置法の一時間の質問の中で、建設省設置法をやめて防衛庁をやれなんという言い方、皆さんの考え方というのは私はおかしいと思うんですよ。私、ソ連の誤爆の問題もやらしてもらいたい、当然私は申し入れしました。それに対して与党の理事の皆さんの私に対する答弁は、与えられた一時間の質問の中の建設省設置法を削って防衛問題をやれなんという考え方は非常におかしい。憤慨しているんです、私は。そんなやり方ではもうこれから協力できないですよ。
#200
○委員長(田口長治郎君) ちょっと速記とめて。
  〔速記中止〕
#201
○委員長(田口長治郎君) それじゃ速記を始めて。
#202
○上田哲君 参考人の御出席をいただいて、冒頭に常磐線の乗り入れ問題について伺っておきたいと思います。
 常磐線と営団地下鉄の相互乗り入れというのはたいへん鳴りもの入りで宣伝がありまして、非常に便利になると思っていたら、実際には裏目に出てきたということです。私は、これは基本的に運輸省、国鉄、地下鉄営団の相互間で、ことばを突き詰めて言えば、第一義的には営利主義が先行していたのじゃないか。間を詰めてたくさん運べば、これは乗客もふえる、料金収入もふえるだろう。こういうところから住民の利益の優先という問題が欠落していたという、基本計画を策定するについての考え方の間違いがあったのではないか、こういうふうに思います。その点、大臣いかがでしょうか。
#203
○国務大臣(橋本登美三郎君) 御承知のように、常磐線は複々線が松戸まででき上がりました。そうしてダイヤの改正等が行なわれたわけでありますが、相当な金をかけて複々線をつくるということは、地域住民の利益に合致するということなんですが、したがって大部分の人がたいへんな利益を受けるだろうと、ただ、いろいろダイヤの変更、経路の変更等のために一部の人に迷惑をかけておると、たとえ一部分の人であっても迷惑をかけるのは好ましくありませんから、これは検討しなくちゃなりませんが、しかし、おっしゃるように、少ない部分ではなくて、やっぱり大部分の人が九〇%か九十何%か知りませんが、たいへんな多くの人に大きな利益を与えて、そうしていま喜ばれておる、こう私は考えております。ただ一部の人に御迷惑をかけておる。これをどうすべきかがいまの問題だろうと思います。
#204
○上田哲君 一部の人に迷惑をかけるということが基本計画の中でどのくらい取り入れられようとしていたのか、私はそこを聞きたいわけです。具体的にお伺いしたいのですが、つまり、この部分が何だからここまでぼっと結びつけようということで結びつけられた。その向こう側はたいへん都合がよくなったという御説明ですが、このまん中の犠牲において、先ほどの説明では住民福祉の先行ということからすれば、私はまあ哲学の錯誤だと思うんです。この部分をやはり十分に拾い上げながら全体をプラスしていくということでなければいけない。その辺のところが過密化している都市構造への試みとしての一番のあり方じゃないかと思うんです。その部分が抜けていたということになると、そういう現象が出てきたということになると、やはり基本構想の中での大事な部分が欠落をしていたということにならないか、私はそこのところを大事に拾っていきたい。
#205
○国務大臣(橋本登美三郎君) それは人口の分布状態ですね、たとえば、お話がありましたように、人口の分布状態がずっと平均して分布しておれば、どれもこれも各駅停車にしてもいいわけですね。ただ現在の状況からいいますと、たとえば取手に大きな団地ができてきた。我孫子、柏にもできておるわけです。そういうところで乗ってしまうというと、ラッシュ時においてはその辺においてほとんど満員近い状態が出てくる。それを各駅停車にしたところで収容量が少ないわけですな。したがってある程度快速電車によって輸送力の増強をする。そこで問題は、上田さんの言った鈍行で来た途中の人たちをどこで拾っていくかという問題があると思います。そういう意味においては一部を初めから犠牲にして、それで大部分を生かそうじゃないかという計画じゃないだろうか。ただ、まあ乗りかえをいままでしなかったようなところが乗りかえしなければならぬという事情が起きたと思いますが、少なくともいまの二本の列車で運んでおったやつを両方にしたのですから、したがって、これはまあいわゆる過密度は多少でも薄くなってきておる、これは言えると思います。問題はどういうぐあいに乗りかえさせるとか、あるいはそういうような編成のしかたにおいて、はたしていままでやっておるやつがもう動かせないものかどうか、もっと検討する余地があるかどうか、こういう問題だろうと思います。
#206
○上田哲君 全体として、全部のラインをトータルで見てみればこういうことになったという議論は、これは成り立つと思います。したがって、この部分は今日は省きます。そのことによって起きておる、たとえそれが短い区間であれ局地的であれ、そこで起きておる混乱という問題が、全体のプラスのために顧みられなくていいという道理はないと思う。そこのところを私は議論したいのです。
 そこで、この問題をコンデンスしてお伺いしたいわけですけれども、一体、たとえば北千住駅で起きている住民の訴えによれば、押しつぶされそうな生命の危険を感じたというような通勤者の訴えも出ているわけですけれども、そういうたとえば北千住駅で起きている混乱、混雑、これはきわめて今日必然的なものだと思います。一体これが過渡的なものであるのか、それからいずれまた緩和されていくだろう、指導の問題というお話がありましたけれども、きわめて過渡的なものであって、将来はこれが緩和していく方途が十分にあるということなのか、この二つの点について、前提には私はこの北千住駅の混乱というものは必然的に出てくることだと思うんですけれども、その上に立って過渡的であるのか、したがって将来は緩和されるとお考えなのか、その部分を伺います。
#207
○政府委員(山口真弘君) 若干先生の前提の問題にも関連いたしますが、今般の常磐線の複々線化、地下鉄千代田線乗り入れの問題というのは、結局は、常磐線の地帯というのが東京の放射線上の各線の中でいままで最もおくれていた地帯でございます。人口の増加もいままで最も少ないところでございますし、また、基幹的な輸送力も足りなかった地点でございます。そこで、この地点でもう一つ困ったことは、上野へ入ってきておりまして、そうして上野から都心部へ直通することができないという非常な不便がございました。そのために上野を改良することも限度がございますし、また、都心部へ直通する路線を設けるということも実際上ほとんど不可能に近い困難な点があるということがございました。そういう前提のもとに、この常磐線、これは先のほうだけでなく、手前のほうの常磐線をも解決するためにはどういうようにしたらいいかということを考える必要がある。そうして、そのときには、私がただいま申しましたような都心部への直通の道をこの地域につけるということが必要であるという前提に立ちまして、この問題の解決をはかろうとしたわけでございます。そうしてその場合に、常磐線については、国鉄線をとにかく先のほうは全部複々線にする、それを都心部まで複々線のままで入れることができれば非常にけっこうでございますが、現在の都市の事情あるいは国鉄の地理的な事情、その他上野駅の改良の困難、いろいろな点から、これを現在のはりつけ線上の姿で複々線にすることは困難であるということで、これを都心部へ地下鉄に結んだということが今度の計画の大綱でございます。
 したがって、その場合の常磐線の複々線をいたしますのに、その輸送力を増強して地域住民の御利益をはかるというためには、やはり同じような緩行線を二本つくったのでは意味がないわけでございまして、一方は快速急行線にし、一方は緩速線にする、この両者をうまくかみ合わせることによって、全体としての輸送力も増大するし、また、その地域における利用者の便益をもはかり得る、こういうような考え方で各駅停車の列車をつくり、そうしてそれを都心部に向け、一方の線を快速線として運行するということにしたわけでございます。したがって、それによりまして常磐線の輸送力は飛躍的に増大をいたしまして、今回の改定でもすでに五割の輸送力はふえております。今後さらにその輸送力をふやす余地が線路上にございます。したがいまして、私どもは、これによりまして将来この常磐線の開発なり発展というものに好影響を与えるというふうに考えております。
 そこで、その場合の輸送力の使い方といたしまして、たとえば快速電車がとまる駅、これはもちろんそれでもって非常に便益を受けるわけでございますが、緩行線におきましても、これが快速線に乗り移るということの問題を解決することができれば、そうすれば、これは非常に輸送力の増強なり利用者の便益というものははかり得るわけでございます。で、とまらない駅につきましても、松戸なり、あるいは北千住なりというところで乗りかえをしなければならぬ、その乗りかえの便益というものを十分に考えて、その設備上の隘路を打開し、あるいは取り扱い上の隘路を打開して問題を解決するということなら、その不便というものは出てこないということになります。また、その緩行線の方は、一方、都心への直通のルートが、従来なかった新しいルートが開けたわけでございまして、その点は、その地域の住民も非常に便益をこうむっておることは否定できないことであろうかと思います。したがって問題は、その緩行線から快速線に乗り移る場合の乗り移り方というものをできるだけ便利にする、そしてそれが長い間待たされるとか、そのようなことがないようにするというのが基本的な今回の輸送上の対処のしかただと思うわけでございます。
 それで実はその点につきまして、四月二十日の開業の日にたまたまおりあしく事故があったりして非常に大混乱を生じ、その後も混乱をかなり重ねてきております。これはただいま先生御指摘のような輸送力の問題との関係という問題にも一つあるわけでございまして、先ほど大臣からも申し上げましたように、そういう具体的な問題の処理をもっと私どもとしては突き詰めていって、今後の改善をはかっていかなければならないと考えております。
 北千住乗りかえの問題につきましては、これは具体的なホームの状況その他につきましては、国鉄から申し上げることになると思いますが、具体的なホームの乗りかえの便につきましては、確かに開業以来若干の混乱を生じたことは間違いないところでございますが、少しずつ改善はされてきております。しかしながら、現地の事情を見ながら、もっと積極的にこの改善をはかっていかなければならぬと、このように考えております。
#208
○上田哲君 そんな説明をしていちゃ話にならないですよ。何を聞いているのか私わからないんですよ。つまりあなたのことばは、お役所が仕事をするときにいつだってそういうことを言うということを、私は文字にあるものをことばで言い直してもらっただけで、これでは住民がおこるんですよ。区別をしておきましょう、はっきり。時間がむだだからはっきり申し上げておくんだが、これをつなぐことによって全体がトータルとしてどうなったかということは問わぬというのですよ、いま。それを全然認めないとは私は言っていないです。ただ、そういうトータルではプラスになるんだという大ざっぱな結論のために、すぐ目の前の不便が生じてくることをどう見ていたかということを言っているんです。そこだけに話をしぼってください。いつ結論が出るか、結論が出るかと思って聞いていたら、三百代言みたいにぐるぐる回っているじゃありませんか。そんなことを言っていると、これじゃ実際に不便を受けている人たちは、結果的にはおれたちを踏みつけにしたのだとしか思えないということを言っているんですよ。だから具体的に聞きましょう。
 いま、たとえば北千住にしぼって話を聞いているんです。北千住の混乱というのは現にあります、事故があったとかなかったとかというアクシデントの問題じゃなくて。私はあなたの話を聞いていると、まぎれもなく北千住における混雑というのは必然的なものであったとお認めになっていると思うんですよ。これは本来起きないところが全く思いもかけず起こった事故であった、事故がなければ混乱が起きなかったと言えないでしょう。たまたまそういうものも起こっているが、間違いなくこれは必然的な混雑であるということ。そして実際には複々線ができないし、上野の問題があるというので、隘路の打開ということをおっしゃるけれども、結論的には当分は解消できないということじゃないですか、私はそのことを聞いているんです。必然的なものだったのか、そして将来は、きわめてこれは過渡的なことだから解消できると、具体的にどういう見通しを持っておられるのかということに対しては、必然的なものであった、そしてちょっとこの混雑を救うための十分な手だてというのはいま目の前には特効薬はないということだと私は承っている。イエスかノーでいいですよ。
#209
○説明員(原岡幸吉君) 御質問の北千住の混雑は過渡的なものか、あるいは恒久的なものか……。
#210
○上田哲君 恒久的とは言っていない。必然的なものと言っている。
#211
○説明員(原岡幸吉君) 必然的な――こういう点でございますが、私ども過渡的なものと一応理解しております。と申しますのは、四月二十日の移り変わりの時点におきまして非常に予期しないような状況であったので、その混雑が著しかった。それからもう一つ物理的な条件につきましては、制約された物理的な条件で一つの輸送計画をもってお客さまの流れを想定した上での輸送施設の使い方でございます。しかしてそのこちらが想定いたしましたお客さまの流れが、現実にまだそのとおりになっていない、それは予定しておる流れのように逐次そういう方向に変わりつつある、そういう観点から、必然的なものではなくて、一つの過渡的な趨勢である、このようにお答え申し上げます。
#212
○上田哲君 どうしてそう頭の悪い答弁ばかりしているんですか。いいですか。運輸省設置法をいまやっているんです。時間が非常に制約されているんですよ。あなた方この法案を通さないつもりかどうか知らぬが、もうちょっと的確に答えなければいけませんよ。具体的に答えてください。そのくらいの話は質問するならちゃんと調べてありますよ。そんなことを言っているから住民がおこってきて、この混乱はさらに加速されるかもしれないということを私たちは心配して聞いているんです。日本語ぐらいしっかり聞き取りなさい。
 第一点に聞いているのは、あなた方この計画にあたって、三十七年、三十九年でしょう。この計画時からこういう混乱は必然的なものだと考えていたのか、予想しないものが突発的に起こったのか、どっちなんだ、そのことを聞いておきたい。読み込んでいたか読み込んでいなかったか、イエスかノーかで答えられるでしょう。
 それから時間がもったいないから続けて聞いておきます。いま予想した流れというのは、どこからどう乗ってどう予想しているのか、具体的に言ってください。
#213
○説明員(原岡幸吉君) 移行時のあのような混雑は予想しておりませんでした。それから予想した流れはどうかということでございますが、快速と緩行、これの振り分けについてある想定をいたしておったわけでございます。混雑程度で申し上げるほうがいいんじゃないかと思いますが、快速電車は二〇七%、緩行電車は二二五%という計画を前提として考えておりました。ところが最初はそれより著しく離れておりましたけれども、逐次その数字に近づきつつあるということでございます。
#214
○上田哲君 予想していなかったということでいいですよ、たいへんなことなんですよ。しかしこんな混乱を予想していなかったということは、机上プランというものはどういうふうに違った結果をもたらしてくるかということが非常な問題になってくるわけです。そうしたらこれをどうするかということを直ちに処置をとらなければいけないという問題が目の前にあるということをいまお認めになるわけですね。
 そこで予想した流れというのは何かということを、私は長い話をしているんじゃない、ここにある三つの駅ですよ。極言すれば、三つの駅が、予想した流れとおっしゃるが、それはどこでどう乗ってどう行けばいいのか、どうしたってこれは横の線を通らなければならないようになっていく、時間の関係で。そういうことである以上、あんた過渡的とおっしゃったけれども、過渡的なものを、住民が減るだろうということを前提にすれば別だけれども、ふえることはあっても減ることはない地域だ。そうすればこの混乱は加重されることはあっても減ることはないわけです。そうすると過渡的だと私は思えない。乗客はみなそう思って不安を感じている。そうすると、過渡的だとおっしゃるのは、どういう要素が加わって解消されていくのかということがあとづけられなければならない。そうすると、あんたのほうが予想してないことが起こっちゃったんだから、考えてみると必然的なことであったけれども、予想しなかったとおっしゃるなら、それはそれでいい。そうすればどうするかということを具体的に示してもらわなければならないわけです。そうするとあなたのほうで出てきたことばは、予想した流れになればとおっしゃる。具体的に聞いている。パーセンテージの問題じゃない。パーセンテージの問題を含めてもかまわないが、この三つの駅の通勤者は、どこをどう通って乗るようにすればいいのか、それがはっきりしていれば、あしたからそのように指導すればいいわけです。指導というのは具体的にそういうことです。なるべく込まないようにしてもらいたいというのは指導じゃない。
 もう一ぺん整理します。あなた方は予想しなかった混雑であったとおっしゃった。よく考えてみると、これはこういう計画をとれば当然出てくる必然的な混雑であった。しからば、これは過渡的だ、このことばにはこだわりますまい。これを解消するには、具体的に予想すべき流れ、解消すべき流れというのは、駅の名前をあげて数字を付して説明していただきたい。
#215
○説明員(原岡幸吉君) 予想した流れのようにならぬという一番大きな理由は、定期の書きかえにつきまして事前に十分な連絡ができなかった、それから非常に案内が不十分であったということで、一時こちらが五万枚の定期の書きかえがあろうと、これは発駅、着駅、それから流動の条件、それらを見まして現地において推定しておったわけでございます、それが非常に予定どおりスムーズにいかずにおくれておりましたけれども、現時点では大体九割ちょっとオーバーするほど定期の書きかえが進みました。それから綾瀬、亀有、金町のお客さんは大半が、六割ぐらい緩行のほうへ移るであろう、こういう想定をいたしておりましたけれども、大体そういう方向にだんだんなりつつあるというのが現在の状況でございます。
 そこで、どうすればいいかということでございますが、基本的にはいろいろ制約された物理的条件の中で、すぐできることとできないこと、いろいろあるわけでございまして、毎日の輸送をトレースしながら応急にできることは応急措置としてしていく、それから基本的なことは、流れを十分見きわめて基本的に考えていく、検討していく、こういう基本的な気持ちでございます。
#216
○上田哲君 私いま聞いていまして、やはり正直におっしゃっていただければまだわかるんですよ。前半はよかった。実は予想していなかったんだ、と。予想してなかったことの、これは直ちに原因究明に入らなければいかぬだろうけれども、通勤している人は毎日ですから、しばらく検討期間を置いてとかということでなくて、直ちにやらなければならぬ。ただ、定期の書きかえとか乗りかえでホームは混乱するだろうから――これは私には生活実感としてよくわからない。それから向こうの線よりこっちの線に乗れということは、これは指導じゃないんです、これはそうじゃなくて輸送経路なんだから。あるいは通勤時間というのは、十分みんな早く起きてくれればいいということならばいいんです。そうじゃないんです。交通機関の必然的な問題として、そうするといまの説明では、私はしろうとでよくわからぬけれども、いまの説明ではかゆいところにまるっきり手が届いてない感じがする。もっと基本的に、そこのところに一ぺんに急行電車ができて集ることになるんだから、かなり単純計算からいって、混雑というのは計数が出てくると思うんですよ。そういう計算はしているんですか。――しているんですね。そういうことからもう少し具体的な方策を立ててください。私がいま質問しているのは急ごしらえのデータだから、しょせんあなた方のデータには及ばない。専門的に質問することはできない。しかし、いまの御説明では、前半それだけはっきり言ってくれればいいなあと思ったんだが、予想していなかった、知らなかった、それで半分は済むんです、半分は。そこから先の具体的な方策を、過渡的だということにもう一ぺんこだわりますけれども、一体どれくらいの期間、どれくらいの処置をとることができるかというようなことを、ひとつ見通しをしっかり聞かしてください。
#217
○説明員(原岡幸吉君) 応急の措置といたしましては、松戸発七時五十四分という列車を特発いたしまして、しばらくこれでもって輸送に対応できるんじゃないかということで、客の流れがまた変わるんじゃないかという気持ちでございましたけれども、現時点ではこれを継続してやっていく、こういう計画を持っております。それから水戸発の、国鉄では中距離電車といっているわけでございますけれども、これを六本、北千住にとめておるわけでございますけれども、これをさらに一本とめるという措置で対応したわけでございますけれども、これも連日やる必要があるということで、そのつもりでおります。なお、二、三のことは、二十二日、二十三日という特殊な日に対応した措置がございますけれども、これは現時点ではその必要がないということでもう少し様子を見たい、このように思っております。長期的には車を含めた輸送力をつけなければ、検討する場合には輸送力をつけなければいけません。しかし車につきましては、すでにこの計画を前提といたしまして、ここに直接すぐ回す車はいまのところ計画としてございません。しかし、どのくらいこの輸送力をつけるためにそれが要るであろうか、それからその他の物理的な輸送施設からいってどれだけ可能であるかというような点につきましては、いろいろ輸送力を増備するのにいろんな条件がございますので、この場で具体的に何月何日からこれぐらいの輸送力をつけるというお答えはまだできませんでございますけれども、そういう輸送力の問題につきましては検討をしておるわけでございます。で、とりあえずいつ具体的になるかという問題はございませんですけれども、毎日の応急手配、できるだけの応急手配によってしばらく対応していくほかないというのが現状でございます。
#218
○上田哲君 もう一つは、実際には早くいかなければならないというので、住民は、通勤客はいろいろ知恵を働かす。で、横回りしても早い道を選ぶ。そうすると、具体的にいろいろと数字が出ておる。隣の運輸委員会で、けさいろいろな数字が出ておりましたから、数字のことは言いません。早く行こうと思うと理屈はいろいろつくらしいのだけれども、乗るほうからいうと、よけい金がかかる。この問題はどう考えたって不公平ですね。この混雑はいつまでに解消できるかわからぬということはあるでしょうけれども、金の問題はあなた方がおきめになればすぐできる。これはいつやるのですか。
#219
○政府委員(山口真弘君) これは営団の地下鉄千代田線と国鉄の線路、両方ございますわけでございまして、したがって、国鉄線内で行けば従来どおりの運賃。それから営団線を使って国鉄と両方を使うということになりますと、それが計算の関係になりまして、若干高い運賃のところが生ずる、こういうことになるわけでございます。したがって、この点はそういう制度といたしまして運賃設定をいたしておるわけでございます。
#220
○上田哲君 ということは変えないということですね。
#221
○政府委員(山口真弘君) 現在のままでまいりたいと考えております。
#222
○上田哲君 大臣、ひとつ最後に伺いますけれども、まあお聞き取りのような話ですね。私は、かなり正直な御答弁もありましたけれども、これは必然的に起こる、局地的であるがこそ重複されるわけでしょうけれども、必然的に起こる混雑であった、あるいは不幸であった。ところがこれを予想しなかったというところが問題ですね。予想しないでこういうことが起きちゃった、このこと自体、計画の問題、基本的には過密都市対策の一環としての交通対策の基本にかかわることだと思うのです。
 もう一ぺん申し上げますけれども、なるほどトータルとしての便利さが高まったということはどんなに認めるとしても、やはりその不満まで踏みつけにしてはいけないということが大きな市民心理だと思うのです。そういうことからすると、予想していなかった、ここまでは正直だからけっこうです。しかし予想をしていなかったという必然性をこの際もう少し抜本的に解決をしていかなければならないということが、直ちに講じられていかなければならないと思います。私はその点は、いまの御答弁を聞いていても、第一に混雑緩和ということのために十分な措置が効果的にとられておるとはどうも信じがたい気持ちがいたします。
 それから、通勤着のきわめて常識的な感覚として、同じ目的地に達するのに、お上によってつくられた方向のどれを選んでも大体同じ値段で行かなければならないのに、どう考えても混雑する上に金をよけいとられる。これで乗り入れが行なわれるということになれば、この乗り入れば一体どういう理由であるのか。不満が高ずるのは当然だと思うのです。ところが、これは今日までの料金システムの考え方からすれば変える必要はないというふうに断定される。そういう幾つかを考えてみますと、予期せざるを得なくして起きた必然的な欠陥に対して十分な措置がとられていないということは非常に重大だと思うのです。第三点の問題として、そういう気持ちを具体的な行政措置として解決することができなくても、もう少し吸い上げていこうという姿勢が、どうも鳴りもの入りの便利さということに比べては、はなはだ足りなかったように思う。具体的に出ておることは、駅長がさっぱり説明能力を持っていないとか、あるいは説明者がいないとか、せめて出てきていることは、亀有駅に昼間も駅員を置いてくれ程度のことが進まなかったという実情がある。あるいは陳情団がやってきてみると、説明者が本部のほうにもいないというようなことがあります。たとえば私は、毎日いらいらしながら、交通機関が便利になったといわれながら不便になったという実感で通っている人たちには、あの説明よりもう少し詰めた形での説明とか、あるいは大きい立て看板でも、過渡的だと言われるならば、その過渡的をもっと具体的な説明図として説明するということの幾つかがなければならぬ、こういうように思います。で、これは単に二つの乗り入れの問題だけではなくて、さらにこれから過密化していくであろう過密都市の交通対策としてはやはり基本的に、何といいましょうか、大きなところだけ大まかにとらえて、小さいところが欠落をしていくという問題として、やはり一矢を打っておかなきゃならぬのじゃないかと思うわけです。その四点ほどについて大臣からの御見解を承っておきたいと思います。
#223
○国務大臣(橋本登美三郎君) まあ私もあまり技術的な問題、ダイヤの問題についてはしろうとでありますので見当つきませんが、ただまあ私も常磐線をだいぶ利用する機会が多いわけですが、途中、現在快速列車がとまらない駅で相当の乗客が予想せられるところがあると思います。そういうところを従来とめておらないようですが、これはまあ国鉄等で研究するでありましょうけれども、そういうところにやっぱりもう一カ所ぐらいは、まあ快速のしかし目的を阻害するようじゃこれは困りますけれども、あまり影響のないところで、しかも途中のお客さんを相当に救えるというところがあれば、これはまあひとつ積極的に検討してもらいたいと思います。
 なお、料金問題にからんで、いまの制度からいうと、先ほど鉄監局長がまあ答弁したようなことになると思います。ただ、そういう制度が将来ともにいいか悪いか、これは使用者側から見ればいまの定期券制度はたいへん便利なんですね、どこでおりてもいいし、どこから乗ってもいい。はたして通勤定期と言えるかどうかわからない、実際から言えば。通勤定期とは、文字どおりから言うならば、A地点からB地点へ行くというのが通勤定期である。ところが、実際に日本の国鉄でやっているのは、まあほかのところもそうでしょうが、どこから乗っても、どこでおりてもいいというような、使用者にとって便利な制度になっております。これが一つ混雑を来たすわけですが、しかし、既得権として利用者にそれだけの便宜をはかっておるものをいまさら取りやめるわけにもいきますまい。もしこれがA地点からB地点に行くものであると、こういう見解であれば、たとえそれが遠くから行こうとも直接行こうとも、これはまあ料金に関係なく行けるわけですが。そこでまあ国鉄としてはそれを期待して、いわゆる最短距離を通っていくものとして、そこで乗りかえて、そして上野なら上野、あるいは乗りかえない人はまあ別でしょうが、こういう制度のもとにこれは考えたものだろうと思うんです。そうなりますというと、いま言ったようなある乗りかえ駅については非常なお客さんが殺到する、こういう点が従来の計算上、いわゆる予想上の、予測上のあやまちがあったと、こういうことが言えるんじゃないかと思います。そういう意味においては、それらをどういうぐあいにしていわゆる乗りかえの緩和をはかるかと。まあ松戸から折り返しの電車をたくさんつくるということも一つの方法だろうと思いますが、そういう点についてはひとつこれから積極的に検討して、やはりまあできれば一〇〇%みんなが喜ぶような線にならなければ意味がないわけでありますから、九九%はよかったかもしれぬけれども、一%の人が非常な不満を持つと、こういうことでありますれば、これは好ましいことじゃありませんから、できるだけその不満を解消し得るような措置を講じなければならぬ。
 それからもう一つは、いまお話があったように、事前のいわゆる乗客に対するPRといいますか、使用方法、こういうものに対するいままで十分じゃなかったんじゃなかろうかと、こういうふうなぐあいに今度は経路が変わるし、こうなるからしてこういうところで乗りかえてほしいとかいうものを、もっと積極的に親切に、そういうPRと申しますか、事前的なことをやっておけば、もっとああいうような混雑がなかったんだろうと思うのです。それから第二の問題は、こういう問題が起きてしまったんですから、起きた苦情あるいは不平等についてはもっと積極的にこれを引き受けるという状態の体制が十分でないように承っておりますからして、その点は国鉄当局も旅客部長ですか、担当の理事でありますから、その点もひとつ十分に苦情を聞いてやる、そうして可能な範囲、できるだけその利便については直ちに対応できるような措置をとる、こういうふうにしてもらいたいと考えております。
#224
○上田哲君 大体納得いたします。それで、私ちょっといま提案めいたことを申し上げてみたいのですが、さしたることじゃありませんが、私はだから、基本的にトータルとしてこうした方向を否定するものではありません。ただ、これからの都市生活者に対する行政のあり方と申しましょうか、利便の提供のしかたというものを、九〇数%はよかったけれども、何%はまあしかたがないのだということでない原則がつくられなければならないのじゃないか。その面を、九〇何%のほうをながめて、トータルしてよかったというようなことで押し切らない策、これはそこから政治が始まるのだと思うのです。いまの事務当局の御答弁では、これはまだ予想しなかったと言っているんですから、すぐ十分な適応策が出てこないことは許容せざるを得ないでしょう。そこで、いつまでということは言えないがと言われた。やっぱりこれは毎日の問題ですから、一つにはパイプが通じないという不満もあるわけですから、どうでしょう、大臣、たとえば半月とか一ヵ月とか、これは運輸行政上のいろいろな立案もあると思います。こういう時期を画して精力的にこの辺を集中的に何か解決策を考えてみる。たとえば、大臣の息のかかる特別委員会なら委員会をつくるとか、そういう形で努力をしてみるということをやっぱりひとつ明らかにされたらどうか。その約束をされる半月なり一カ月なりという時点で、実際に大臣も現場に行ってごらんになると、あるいは若干の代表とは話をしてみようというようなことは、やっぱりこういう過密都市化の中で起きてくるこれからの問題として、私は政治の姿勢じゃないかと思うのです。非常にプリミティブな提案ではありますけれども、そういう点について大胆の意欲を承っておきたいと思うのですが。
#225
○国務大臣(橋本登美三郎君) 積極的な御提案を承って感謝にたえません。ただ、私がそういう問題に直接関与することがいいのか悪いのか、やはりこれは国鉄の問題でありますからして、特に技術的な問題が多分にございます。したがって、国鉄当局の幹部を中心にして、使用者ももちろんこれは参画してもらって、そうしてその間において、おっしゃるような半月もしくは一カ月の期間があれば結論が出ると思いますから、その方向で指導したいと思います。
#226
○上田哲君 それじゃひとつ、担当は国鉄ですから、国鉄に対して大臣が一利用者というような立場で現場をごらんになるとか、乗ってごらんになるとか、そういうようなことを積極的にお考えになったと了解をして、御努力を見守りたいと思います。これでけっこうです。
 同じような問題なんですが、過密と過疎の問題についていろいろ伺ってみたいと思うのです。私は第一に取り上げたいのは、過疎化現象の進行の中でのいわゆる過疎地帯のバスについて伺ってみたいと思います。最初にデータとして御説明いただいておきますが、バスの輸送量の推移、それからバス事業の収支状況、それから運行系統の休廃止の状況、御通告をしてあるはずでありますので、その辺のところをざっと数字の御説明を承ります。
#227
○政府委員(野村一彦君) お答えいたします。
 バス輸送の分野におきまする過疎化の現象というのは、ここ数年来非常に進行いたしておりまして、まず輸送量の面で申し上げますと、昭和三十八年のバス事業によります輸送量を一〇〇といたしますと、四十三年度におきましては全国平均で輸送量の指数は一二六ということになっております。その内訳を見てみますと、全国のバス事業の中で、いわゆる過半数以上は過疎地帯を事業区域に持っておりますバス事業者を過疎バスとして考えますと、非常に伸び悩んでおりまして、定期の客は三十八年を一〇〇として一〇八という輸送量でございますが、定期外のお客、つまり通勤通学以外のお客は八九というふうに下がっておりまして、定期客と定期外客を平均いたしますと九五ということで、これも一〇〇に対して五%下がっておるわけでございます。そういう状況で、バス事業全体が都市及び地方におきまして輸送量として伸び悩んでおりますが、わけても過疎地帯というものでは非常に輸送の量が伸び悩んでおる。むしろ過疎地帯においてはダウンをしておるという状況でございます。
 したがいまして、そういう状況のもとに過疎地帯のバスの営業状態を見てみますと、昭和四十四年度では、二百五十路線で千百二十七キロ、これは全路線の〇・六%になりますが、これが廃止されました。四十五年度では、二百九十二路線、千九百キロ、これは全路線数の一%となっております。こういうものが廃止をされております。そのほかに休止といたしまして、路線そのものを廃止いたしておりませんが、事業を休んでおりますのが、四十六年度の二月末現在におきまして、全体の免許キロ十八万七千キロの約二・八%、五千百九十二キロという路線が休止をいたしております。そういう状況でございます。
 この過疎化の現象に対しまして、運輸省といたしましては、昭和四十一年からこれに対する国家の助成と申しますか、そういう制度をもって過疎化の路線の維持ということにつとめてまいりまして、現在は、路線を維持するための補助金と、それから過疎地帯におけるバスの車両購入をするための購入費の一部補助、それから民間事業者が事業をやめました場合に、市町村等が代行輸送をするわけですが、その代行輸送の場合の代替車両の購入の補助という三本の柱でもって国家の助成を考えまして、四十六年度では、いま申し上げました三つを合わせまして一億五千万ほどの補助金を用意いたしておりますが、これはきわめて微々たるものでございまして、とうてい住民の足の確保という点から見ますと不十分でございますので、来年度以降におきましては抜本的に対策を講じたいということで、まず過疎バス対策協議会を県ごとに設けて実態を把握して、地元との調整をするということと、それから、これに対する国家及び地方公共団体を含めました抜本的な助成の対策を考えていきたいと、かように考えております。
#228
○上田哲君 数字はよくわかりました。三十八年を一〇〇とすると、一たん上がりぎみだった、全国平均一二六で、特に過疎地帯は四十三年度九五になっている。この開きは非常に大きいわけですね。バスは最後の住民の足というふうにいわれているわけでしょうけれども、バス自体がもうやっていけないと、特に過疎地帯でこういう激しい休廃止状況というのは、バス経営というものが成り立たないという状況にきているわけですね。そういう状況というのを、四十六年度予算との関係で言っても、どういうふうにお考えになりますか。
#229
○政府委員(野村一彦君) 過疎バスの維持というものが非常に困難な基本的な原因は、私どもは、一つは、いわゆる過疎地帯、これは一般の過疎地帯よりも広い意味で考えまして、いわゆる中都会以下の人口の比較的少ない地域を考えますと、近年非常に人口の流出が多くて、そういう地域の人口がだんだん減っておるということと、それからもう一つは、そういう地域におきましてマイカーが相当普及をしておる。そういう二つの原因が重なりまして、それが背景となってその地帯のバスの利用者、通勤通学客及びそれ以外の利用者を含めまして、非常に減っておるということで、全般的には非常にバスの路線維持が困難になるという条件にあると思います。
 そこで、私どもとして考えますのは、先ほど申し上げました各そういう地域を私ども全国を見渡しますと、現在、相当な地域で、いま申し上げましたような過疎現象、バスの路線維持困難がございますので、地元の市町村と私どもの陸運局と、それから陸運事務所というものが集まりまして、住民の最後の足としてぜひとも採算には関係なく維持しなければならない路線というものと、それから、ほかの交通手段その他のことを考えて、もうやむを得ざれば廃止するもやむを得ない路線というものを十分仕分けをいたしまして、そうして採算とは関係なく維持しなければならないというものにつきましては、国として助成をする。これは、先ほど申し上げましたような立場の補助金、そういうものをもっと抜本的に考えるということ、あるいは事業そのものに対しましては、税制というもので特別の税制上の配慮をお願いをする。あるいは、バス会社の車両の購入についての長期低利の融資を考えるというようなことを含めまして、抜本的な対策を考えたいということで、四十六年度ではさしあたり一億五千万の補助金を重点的に活用するということと、それから、過疎バス対策協議会を各県に設けまして、そこで、いま申し上げましたようなメンバーで、十分地元の実情を勘案しながら、今後の運営のあり方について、路線網の再編成、場合によりましては会社の統廃合を含むような問題についても基本的に考えていきたい。かように考えております。
#230
○上田哲君 四十六年一月十一日の行管の勧告ですね。それから、いま過疎バス対策協議会というお話がありましたけれども、これが具体的にどういうふうな役割りを果たしていますか。原理的に言えば、それらを含めてのあるべき姿というよりはね、たいへんびぼう策の、しかも、好ましくないけれども、こうしたらどうかというか、そういう方向へ動いているように思えるのですが、その辺実態的にどう把握しておられますか。
#231
○政府委員(野村一彦君) 基本的に申しますと、本省におきましては、大臣の諮問機関であります運輸政策審議会の中で、過疎及び過密の問題についていろいろ基本的な審議をしております。したがいまして、今後の過疎地域における交通の確保という問題につきましては、これはバスだけではございませんが、国鉄、私鉄、バスを含めましたところの総合交通の一還としての基本的なあり方というものを検討をいたしておるわけでございます。これは相当の検討が進んでおりますが、もちろんまだこれから煮詰めなければならない問題が多々ございます。
 それから、その次におきましては、地方に九カ所ございます陸運局の、陸運局長の諮問機関の地方陸上交通審議会という諮問機関がございます。ここで学識経験者、関係者、労組の代表、学校の先生、こういう方々を含めまして、その地域としての基本的な交通政策を審議いたしております。ここにおきましても、過疎地域といわれる地域におきましては、過疎バスの維持に関する基本的な考え方が中心になっておりますが、そういうところで審議をいたすわけであります。
 それから、さらにそれから細部の段階になりますと、いま申し上げました過疎バス対策協議会ということを各県ごとに設けまして、そこで具体的な路線について、いま申し上げましたような、最後の足として残すべき路線と、どうしてもやむを得ず廃止するもやむを得ざる路線というものを、地元の方とじっくり仕分けをして、そして対策を講ずる。したがいまして、そういうような、いま私が申し上げましたような三段がまえの対策をにらみまして、そうして今後は住民の最後の足としてのバスを確保するために、国としてどういう助成をしなければならないかということから議論をしていきたい。かように考えておりますので、それぞれ中央及び地方の陸運局、それから現場の県、こういう三つの段階におきまして総合的に検討しておる。こういう状況でございます。
#232
○上田哲君 実際には、一億五千万ということが二回ばかり出ましたけれどもね、これは、そちらからいただいた資料を見ますと、何もできないのですね。仕分けをしてとおっしゃるけれども、仕分けをしてどんどん整理していくとなくなっていくということでしょう、つまり。そうなると最後の足がなくなるということに向かって、それこそ焼け石に水を少しずつつぎ足しながら進んでいるということですね。そういうことですね、これは。これは、けしからぬじゃないかという話をしているのじゃないのですよ。実際困ったことだなということを私は言っているのですがね。この傾向はますます強まりませんか。
#233
○政府委員(野村一彦君) この一億五千万の予算でございますが、これは実は大蔵省と予算折衝のときに、四十四年、四十五年、四十六年、過去三カ年にわたってこういう条件で助成をしましょうという一つの条件を行政当局間できめた基準がございます。その基準によりまして一億五千万をはじいているわけでございますが、実は過疎化の進行状況から見ますと、ただいまの御指摘のように、この基準でアプライをしておりますと、非常にどんどんやめるのがふえてきて、最後の足として必要なものの維持も困難であるということは想像にかたくございません。したがいまして、私どもとしましては、この条件の緩和といいますか、もう少し、たとえば乗車密度のもう少し低い地域におきましても、あるいはそのバスの延長キロ数がもっと短い距離といたしましても、この対象に加えていくというようなことを今後やりたいということで、ただいまの基準で申しますと、だんだん過疎化が進みますと、確かに御指摘のように休止、廃止の路線がふえてくるのじゃないかという御懸念のとおりだと思いますが、私どもは最後の足として維持しなければならないものは、もう少し条件の緩和と申しますか、対象を拡大するような方向で努力をして、そしてそれは企業としての採算が成り立たないものでも、何とか国及び地方公共団体の力で維持をしていこうと、こういうふうに考えておるわけでございます。
#234
○上田哲君 そうするために、幾らあったらいいですか。
#235
○政府委員(野村一彦君) ただいま私、手元に的確な資料を持っておりませんが、実は私どもとして運輸省部内で総合交通体系というものをいろいろ考えまして、そしてそこでその一環といたしまして、過疎バス対策の補助金ということを要求をいたしました。これは昨年の予算編成の前の時期に事務的に検討したわけでございますが、もちろんこれはいろいろ省内で議論をしました結果、結果的にはまだ私どもの煮詰め方が足らなくて実りませんでしたが、そのとき試算しました一つの額ですと、相当補助対象を拡大をして、そしていくということでございますと、ただいま言いました一億五千万、これをもっと広げていって、少なくとも三十億から五十億くらいの金が私は要るのではなかろうかと。まあこれは試算でございまして、いろいろの前提がございますので、そういう見当を一応去年のときにつけたわけでございます。ことしも今後そういうことを一つのたたき台として、さらに細部にわたって検討したいと思います。
#236
○上田哲君 局長のお話ですけれどもね、算術計算をすると、本来なければならないあり方から、二十分の一から三十分の一の速度で最後の足が奪われていく傾向にあるということだと思うのですね。いただいた資料をいろいろ見てみると、こまかい数字をあげて議論をするにもとても届かないような非常に過密過疎の、過密の裏側の過疎の実態が一番如実に数字としてあらわれているのがこの過疎バスの問題じゃないかという私は気がしますがね。
 試みにそれとのつながりで聞いておきたいのですが、私鉄、これは大手はもちろん別にして、中小九十六ですか、九十七ですか、合計百になんなんとする中小私鉄というものは同じような傾向にある、国鉄のローカル線も同じような傾向にある。その辺については、状況はどうか、対策はどうかということを、過疎バスとの関連で概略を説明してください。
#237
○政府委員(野村一彦君) ただいま先生の御質問でございますが、私、自動車を所管いたしておりまして、ちょっといま鉄道監督局長がこの場におらないようでございますから、直ちに連絡いたします。
#238
○上田哲君 データがこっちにありますから、それじゃデータの説明を受けなくてもこれはもう、私が言いたいのは、結局その私鉄の、中小私鉄も、それから国鉄のローカル線も同じ状況であって、その状況はもう一つバスのほうへみんな流れ込まざるを得なくなると。つまり最後の引き受けどころがバスになると、こういう認識ですなということを言いたいわけです。それでいいですね。
#239
○政府委員(野村一彦君) これは先ほど申しあげました運輸省の中の総合交通体系の過疎交通問題としてやっておりますが、確かに先生のおっしゃるように、国鉄あるいは私鉄という鉄道がございますが、この鉄道の採算が成り立たない場合には、最後の足として期待するものはバスであるという、何といいますか、そういう地元の御期待もそうでありましょうし、また私どもも、バスとしてはどうしてもこれは廃止できない必要最小限のものは、これはナショナルミニマムとして確保しなければならないという気持ちでございます。
#240
○上田哲君 見解の相違は全くないようだね。もうぼう然として数字をながめるわけですが、自動車の担当者に申し上げていくとすれば、全くこの十年間で千キロくらい減っているわけですね、中小私鉄が。つまり一カ年間に百キロくらいどんどん減っている、私鉄が。大企業はこれは沿線の事業をどんどん拡大していくから、拡げちゃ延ばしていくということで、またほかの道もあるわけでしょうが、そういう総合的な事業力がない中小私鉄というのは全く、これはもう外向きのものではあろうとは思うけれども、事業収支なんかながめても、きわめて絶望的なにおいがするし、それがどんどんバスのほうへいくんだという認識を私は共通にして、ぜひ話を進めたいと思うのですが、たとえば高知バスの高知交通の例がありますね。これはどうしてここまでほうっておいたかという問題も一つあるのですけれども、これ現状どうですか。
#241
○政府委員(野村一彦君) 高知県交通は、高知県の大部分の路線バスの営業をやっておりまして、ほかに土佐電鉄という別のバス会社もございますが、大部分は高知県交通がやっておるわけでございます。これは先ほど申し上げましたような過疎化の現象が起こりまして、昭和三十九年から無配に転落をしたということでございます。そしてその後いろいろとこの再建のための自主再建方策を行なったわけでございます。これは、たとえば昭和四十三年の十二月には七〇%の減資をやって、そうして一たん減資をやった上に資本をきれいにして、また増資をするということをやりましたし、それからたとえば四十四年には本社のビルを、三億四千万円でございますか、これを資産処分し、それから四十四年十一月には再建計画をしまして、相当の路線を廃止する。あるいはその退職者に自主的な会社をつくらせて、そこに譲渡する。あるいは市町村に路線譲渡して枝路線を運営をやってもらうというようなことをやりましたのですが、これが非常に業績が悪化いたしまして、負債の総額が、私どもの調べたところでは、四十五年の十二月に十一億という借り入れ金がありまして、非常に経営が困難を来たしたわけでございます。したがいまして、地元におきましては一時これは会社あるいは大口の再建者等では解散もやむを得ないというような空気が相当出てまいりました。
 そこで、私どもは現地の高松陸運局と、それから私どもの本省の担当課長を現地に派遣いたしまして、知事、それから大口の債権者であります四国銀行、それからそこの会社の幹部、重役、それから労働組合の代表、こういう方々と話をしまして、結局自主再建ではこれはどうにもならない。しかし最後の県民の足を奪うことはできないので、これはぜひとも会社更生法の適用を含む再建策を考えたらどうかというのでやりました結果、大かたの御賛成を得まして、一応去る三月三日、解散の決議が行なわれるといううわさでございましたが、これが取りやめになりまして、その後いわゆる裁判所に会社更生法の適用による再建計画ということを申請をいたして、ただいまその方向で関係者の方が集まって、裁判所を中心にいろいろと再建計画を練っておられる。こういう状況でございます。
#242
○上田哲君 これはかなり典型的な例だと考えていいですね。これは一つにはどうしてここまで放置したのかという問題があります。それからもう一つは、これからどうする気だよという問題がありますね。これはたぶんあとの問題というのはお手上げですか。まずこれは会社更正法によってやっと更正したけれども、赤い足で走っている、やっと人が乗っている、そこに住民生活の基本的なルートがやっと確保されている。これはもうたいへんな形だと思うんですがね。そういう典型的な例としての把握としてもう少し突っ込んでその辺を聞かしていただけますか。
#243
○政府委員(野村一彦君) 確かに私どもバス事業でいろいろ経営困難な事業もございますが、おっしゃいますようにこれは一つの過疎地帯におけるバスの典型的な例であると思いますが、そこで会社更生法の適用ということは非常に実態的に私はむずかしい面もあると思いますが、私どもが考えましたのは、つまり経営者もこれは相当の負担をしていただかねばならない。それから株主あるいは債権者、そういう方々もこれは相当の負担をしていただかねばならない。また一般従業員の方々もベースアップの問題、その他に関連して、まあ普通であればいわゆる相当のベースアップというものが各企業において行なわれておりますが、会社の非常事態にかんがみて、これも相当の犠牲を忍んでいただかなければならない。つまり関係者が三方一両損と申しますか、そういう関係でそれぞれその損害を分け合って、そして再建をはかるということが現段階においては唯一の方法ではなかろうか、そういう意味で私どもこのバスに会社更生法の適用をお願いをしましたからといって、今後過疎バス、すべての場合に会社更生法を一律に適用するようにということを勧奨しておるわけではございませんが、自主再建ができればできるだけ自主再建をする。ところがなかなか自主再建というものは、債権者、株主、会社の経営者と労組等々の話し合いが一致いたしませんでできませんが、まあ会社更生法の適用をしてでも路線を維持するということができれば、これは相当の努力が必要だと思いますが、この会社は立ち直ることができるんではないかと思いますので、私どもそういう意味でこれを一つのテストケースとして、この会社更生法の適用による再建計画をぜひ成功させたいと、かように考えております。
#244
○上田哲君 御答弁としてもまあ自主更生ができればということですがね。いまの実情からしますと、全体としての低落化現象といいますか、この高知バスの例なんかをひとつこまかくほじっていくと、いろんな問題が出てくると思うのですけれども、そこまで行かずとも、これは全体的な、全国的な傾向の問題として、もうどこかで言い古されたことばですが、抜本的なといいますか、何かやらなければたいへんなことになっていくであろう。そこにまたさっきのような乗り入れ問題が二重、三重の要素として加算されてくるのではないかと思います。やはりここに出てくるのは、金という裏づけがなければ話にならないのですけれども、バス再建整備法というような、そういう大なたといいますか、大太刀を振り上げた姿勢が将来出てこなければ、一つ一つ更生法でというようなことで三方一両損というようなことではもう済まないところまできているということの私は認識を強調したいのです。そうであれば、やはり一つそれがあればいいというわけではないけれども、どれくらいの熱意や展望を持ってバス再建整備法と称すべきものとこれから取り組まれるか、どんな展望をお持ちになっておるか、そこらをしっかり御答弁をいただきたいと思います。
#245
○政府委員(野村一彦君) 先ほど申し上げましたように過疎地帯におけるバスの路線を維持し、その企業の何といいますか、基盤を強化していくためには抜本的な対策を講じなければならないと思います。したがいまして、そのためには単に補助金を出すということだけではこれはとうてい困難でございますので、これはまだ自動車局の内部におきまして現在論議をしておりまして、もちろんまだ省議にもかかっておりませんし、私自身も最終的な案というわけではございませんが、現在論議しておる段階において申し上げますと、ある地域を過疎地域として指定をいたしまして、その地域内における路線網のあり方というようなものをまあ大臣なり、あるいは陸運局長というものが示す、そしてそれを受けて地元の知事あるいは市町村長と相談をして、バス事業会社が自分の会社の路線網の統廃合を含む新しい路線計画と申しますか、そういうものを出してもらう。そしてそこで先ほど申し上げました過疎バス対策協議会をもっとオーソライズし、法的権威あるものとして、そこでいろいろ判断をするということにしまして、そうしてどうしても維持すべきナショナルミニマムとしての路線網というものを新たに考えよう。そうしてそれについては長期低利の融資をする。それから税制等についても特別の措置をお願いをする。それからさらに、何といいますか、長期低利の融資を確保するというようなことを考えまして、そういう抜本的な対策をいま検討しておるところでございます。したがいまして、その対策の骨格がきまりましたならば、その内容によりまして、法律によらなければならない部分は法律にお願いをする。それから予算措置を必要とするものは予算措置をお願いをするというようなことで、あるいはもし税法の改正等をお願いする必要があれば、その税法の改正をお願いするというようなことで、その対策の内容によりまして立法措置、財政措置、その他を考えまして、そうして進めたいということで、目下自動車局の内部で論議をしておるところでございます。
 そういうような意味で、名前は別といたしまして、法的措置が必要であれば、何らかの意味で再建整備法とでも申すべき法律をお願いしたいということで、私ども自動車局としては、いまいろいろ検討をしておる、こういう段階でございます。
#246
○上田哲君 そこまででいいです。
 そこで大臣にひとつ伺いますけれども、やはり事務当局としてはそれが限度だと思うのですけれども、何としてもこれは最後の足のバスの確保です。これはもう非常に重要だと思うのです。名前はともかくとして、仮称バス再建整備法的なものをしっかり立てなきゃならない時期に来ていると思うのです。私はこれはもう政治判断だと思うのですが、幾つかの柱はあるでしょうけれども、一つには、全部を生かすということはできない状態に来ているわけですけれども、またどこかでひとつ歯どめをつける。あるいは地元民の利益との融合をはかるということで言うと、必要路線の基準の明確化ですね、これは非常に重要な判断になってくる。この基準の明確化ということをしっかり打ち出すということと、それからかなり思い切って、いま税法上というお話もありましたけれども、運賃についての考え方――企業努力を料金に反映させるというようなことまでも考えまして、あまりこれは走るわけにはいきませんけれども、ある種のそういう三方一両損的な考え方よりは、そういうものを取り入れていくという考え方、そういうもの、それから補助政策というような観点を出て、足を確保するということは政治の一つの問題でもありますから、そういう点では補助政策ではなくて、たとえば公社化とか、そういうようなものを加味しての、先ほどの税法上のいろいろの問題の解決をはかる。大ざっぱに言えば、たとえばそういう三つの点などが大きな政治判断の一つの前提として、そこでバス再建整備法的なものが踏み出されていかなければならないのじゃないか。その辺がどの辺まで大臣の御見解の中に含まれているか、あるいはいつごろそういうふん切りをなさる御決意がおありになるかどうか、その点をひとつ。
#247
○国務大臣(橋本登美三郎君) 地方交通問題はこれは大問題でありまして、われわれ運輸省当局も真剣に取り組まなくちゃなりませんが、これは与野党、政府を含めていままでの考え方を全然変えなけりゃ問題にならぬ。さっき高知交通バスの問題のお話がありましたが、再建整備法にかけましても、私は悲観論であります。たとえば一時借金をたな上げするというだけで、現状のままでは結局はこれはもうなかなかむずかしい問題ではないのかと思うんです。ですからして、たとえば東京のような大都市交通で考えますと、バスのいわゆる一〇〇%充足率を示しておる時間はおそらく朝の七時から九時までと、夕方の五時から七時まで、これは一〇〇%のお客さんが乗っておる。それ以外はおそらく二〇%を切っているだろう。そうなりますというと、平均乗車効率というものは五〇%以下である。これは、どうしてもしかし通勤、通学というものは確保せざるを得ませんから、まあ会社としては、ふやせばふやすほど昼間の効率が悪くなるのですから、非常に苦しい状態である。ですからして、実際は朝の七時−九時というものは鈴なりの状態でがまんをさせて、使用者にがまんをさせておるわけですね。自分ががまんをするよりは。こういう状態というものは非常に間違った状態です、交通状態としては。しかしながら、いまの企業を、たとえこれは公企業であろうと私企業であろうと、国鉄が御承知のようにあれだけの赤字を背負っておるということは御承知のとおりですが、これは公企業体とか私企業体とかいう問題ではなく、いわゆる交通機関一本やりでやっていく場合には、いまの制度ではもう追いつかない。私企業だろうと公企業だろうと。ただ、私企業が今日まである程度まあまあやってきたゆえんのものは、多角経営、すなわち土地の分譲だとか開発だとか、あるいは他の収入によっていわゆる軌道会計というものの赤字を補ってきた。しかし、もうこれも限度があります。ほとんどの大部分はいわゆる多角経営によって収入を得るということはもう不可能であります。こういうことから考えますというと、ただ、いままでのような企業体でいいかどうか。ある意味においては企業の合同を軌道の関係でいえば考えるという点もありましょう。いずれにせよ、従来の考え方で補助金をやったり、あるいは低利資金を融通したり、ことに昭和四十六年度の過疎対策の一億五千万などというスズメの涙にも追いつかないような金をやって、そうして地方交通あるいは地方バスを確保できるというようなことを考えておったのでは、そんなことを言っては、まことにこれは運輸大臣としてはなはだ申しわけありませんけれども、これはできない相談なんです。ですから、予算折衝のときに私は相当きついことを言ったんですが、なかなか現在のところは財政当局の厚い壁を破れない。しかしながら、もうそんなことを言っておられませんからして、ひとつ皆さんにもお願いしたいのですが、もうこれは与野党とか、イデオロギーを越えた問題であって、いかにして国民に住みよい社会を与えるかということから考えるというと、もう交通問題はかなり変わった角度で進んでいかなければならぬ。
 まあいまおっしゃったような再建整備法という問題も必要でありましょう。しかし、その再建整備法の場合においても、中身が従来のものの考え方であっては、これは何にもならない。国鉄の再建整備法が全くあまり効果がなかったと同じように、中身が従来のような低利資金を貸してやるからやっていけとかという程度の甘っちょろい考え方ではとうていこれはできない。そういう意味においては、ひとつ抜本的な考え方をやらなければなりませんが、なかなか運輸省当局、私などは非力でありますからして、十分な目的を達成し得ませんので、ひとつその場合においては御協力を願いたい。おっしゃるように、内容としてはいわゆる建設あるいは固定投資に対してどこまで国が、あるいは地方団体が出してやるかという問題があります。たとえば多摩ニュータウンにいたしましても、せっかくあれだけのものができても、私鉄ができない。それはできないのは当然と言っちゃ失礼かもしれぬけれども、ばく大な投資をして、運賃を押え、これでもってやれといっても、それはできっこないです。ですから、当然ああいうニュータウンをつくる場合においては、どこかでいわゆる建設資金というものを考えてやるということを、もし東京都が多摩ニュータウンの建設責任者であるならば東京都、及び国もこれに参画して、初めからそういうものを敷いてやることを考えておかなかったということが、私は私鉄を責める前にお互いが考えなければならぬ問題であると思います。
 そういう意味において、いわゆる地方交通の整備に関しましても本格的なものの考え方、借金しているところの会社から事業税を取り上げたり、あるいは助成金は収入とみなして税金を取り上げる、こういうことをやっておったのでは、いつまでたっても交通問題は解決しません。これらの根本問題等をひとつ検討しまして、まあ来年度の予算には、ぜひ反映したいと思いますけれども、さあ私がここで申し上げるようなことまでいくかどうか、いずれにいたしましても、しかしながら青写真として積極的に財政当局にも働きかけをしていきたい、そういう意味においては抜本的なものの考え方――実現するかどうかは私残念ながら自信がありませんけれども、しかしながらその方向は少なくとも八月までにきめてまいりたい、こう考えております。
#248
○上田哲君 おっしゃるとおり、いままでの考え方に上積みするのじゃなくて、どうも抜本的ということばは国会ではあまり使い古されていて、言いのがれのときの最大の形容詞みたいになっているので、はなはだこっちでも使いにくいわけですが、まさに抜本、いま申し上げましたバス路線の運賃の考え方とか、つまり補助政策でない形態、こういうものをぜひ考えて、これはまれに見る大物大臣がおられるわけですから、ぜひひとつそこを、都会では箱の中にぎゅう詰めにして、ただまあ一ぱい幾らで送り込む、地方では間引いてあとは歩けということになってしまうということでなく、さか立ちしない交通政策、運輸対策を立てていただきたい。
 もう一つは、いまバスについての話をしてきたわけですけれども、バスだけでなくて、国鉄、私鉄、ローカル線、あるいは離島航路等も縦割りでない行政といいますか、運輸対策、こういうものとからんでいかないと、このバスの運営は乗ってこないのじゃないか。この点は当然のことだと思いますから、御要望にとめておきたいと思います。
 いろいろあるのですがもう一つ、海の話を伺っておきたいと思うのです。交通渋滞、過密化のしわ寄せというのは海のほうにもやってきているようで、いろいろ調べてみますと、東京湾ですね。これがたいへんな形にやはりなっている。浦賀水道の船舶のふくそう状況というのが、これはもうほんとうに事故が起きないのが不思議なぐらいの感じになっています。概要でけっこうですけれども、浦賀水道、東京湾口の通航隻数、あるいは将来の見通し、特にその中でのタンカーの占める割合や船舶の大型化の傾向の見通し、それからそこで問題になるのは漁業の横切り、横切りだけではありませんが、操業漁船の数が、かなりやはり生業を立てている者として軽視できない部分があります。そういうものとの関連、横切り船の問題等等についてちょっと概要の説明をまず承りたいと思います。
#249
○政府委員(手塚良成君) 浦賀水道におきます交通ふくそう度合いの状況でございますが、一日の平均船舶通航隻数で御説明申し上げたいと思います。
 四十五年に調査をいたしました浦賀水道の一日の平均通航船舶隻数、概略七百六十七隻という数字がございます。この中で、お話の出ました大型の船舶というのが一万トン以上ということで三十六隻ございます。それからこの中で、いま漁船のお話が出ましたが、漁船は十三隻というので、これは大半横切りその他の対象になるかと考えます。で、こういった船の隻数の状態は年を追いまして過密になっておるわけで、比較的に近いんですが、四十二年で見ますと、七百六十七隻に該当のものは六百十五隻という数字でございます。一万トン以上の船は三年前では二十隻ということで約五割強の増加を示しております。こういったように隻数が増加する。もう一つ御指摘がありましたのはタンカー、油船でございますが、油船は七百六十七隻のうちで百二十三隻という数字でございます。このように大型化、それからタンカーの数が三年前は九十七隻でございましたが、そういったタンカーが非常にふえてきておる。それから大型の船が非常に急激にふえてきておる、こういったのが概略の運航隻数状態でございます。
#250
○上田哲君 あそこは海堡があって、これがまあ非常に交通の難所になっているわけですね。いろんな資料を調べてもらったのだけれども、問題をしぼって伺いますが、やはり問題はタンカーですね。確かに小船が密集していて、第一海堡から第三海堡までのところで操業している千葉なり神奈川なりからの漁船――水産庁の調べを見ても、船の数もそうでしょうし、事実漁獲高からいってもたとえば二十億近いというようなこともあって、これまた引くに引けない部分があるわけですね。そこへ持ってきてもうたいへんに大きいタンカーがどんどん――これは近年きわめて急激な傾向ですね――出てきた。事故も確かにそれに比例しているということになると、まあ運輸省が去年の六月に東京湾安全対策とか、いろいろ出しておられるし、あるいは十一月の緊急安全対策などなど、まあいろいろ出ているわけですけれども、これらを一つ一つ見ても、まあ努力はわからないではないけれども、一朝事があったらたいへんなことだというのが実態だと思いますね。で、そういう対策としては十分だとお考えになるか、十分でなければ、今後どういうことをお考えになっているか。
#251
○政府委員(手塚良成君) ただいま申し上げましたようなふくそう度合に比べまして、まあそれに比例するような事故の隻数状況ということになっておりまして、こういった傾向の中にさらに最近においてはカーフェリーというようなものが多数の人を乗せて走っておるというようなことで、私どもはこれらの交通安全確保につきまして非常に注意を払っておるわけです。
 いま私どもがこれらの問題に対策として考えておりますのは、いまお話に出ましたように、昨年十月ないし十一月に非常に注目すべき二つの事故がございまして、そのあとでとりました緊急安全対策というのが、まあこれが一つ当面とり得る最大の方策であろうと考えております。内容は必要ならば御説明申し上げますが、まあ要するに船のサイドで注意すべきこと、海上保安庁としての航法の上で指導すべきこと……。
#252
○上田哲君 十一月のやつですか。
#253
○政府委員(手塚良成君) 十一月の六日付で出しました内容でございます。それから施設の上、たとえば灯標とか灯台というものについてさらに改善を加えるべきもの、まあそういった内容がございますが、なお将来そういった緊急対策では決して十分でございませんので、将来長期にわたっての対策が必要であろう、かように考えております。その一つといたしましては、湾口航路の整備、それから海上交通情報システムの確立、並びにこれを前提としての法律の背景、海上安全交通法の制定、その他原油のパイプライン輸送、原油タンカーの入湾禁止等、こういったようなものを総合的に考えた一つの東京湾安全対策、かようなものが必要であろうかと考えて、今後これらの施策を強力に進めるよう、私どものほかに関係部局と検討を進めておる最中でございます。
#254
○上田哲君 レーダー装備の義務づけとか、標識の掲出ですか、そういういろいろありますけれども、強制水先区、これはまだなっていないわけですね。そういうところがまだまだ穴があいている。タンカーにしぼって言うなら、タンカーへの指導というのは十分にいま効果をあげていますか。
#255
○政府委員(手塚良成君) いまお話のありました安全対策にいたしましても、確かに強制水先等、いろいろなこまかい現実的な問題、たとえば船に乗りかえる場所、それからそういった船を着けるところ、あるいは水先人の数等々、いろいろございますので、まだ完全に実施はされておりませんし、また、船につけるレーダーその他にいたしましても、なおいろいろ実験、調査を必要とする内容がございますので、鋭意まあ努力をしているところでございます。
 タンカーの事故につきましては、やはり私のほうでやっております航法の指導、あるいは万一の場合の対策、あるいは業者においてとるべき措置、こういったものをできる限り行政上指導の可能な範囲におきまして実はとっております。幸いまだその後におきまして事故が起こっておりませんので問題が起こっておりませんけれども、これらのことを総合した上で、できるだけの措置をとっていきたい、こういうことでおります。
 水先人の問題につきましていまなお数がやはり足りません。横須賀の水先人も六月からは五名を十名ということにしてもらうけれども、最終的にこれはさらに数をふやすと同時に強制水先区にする必要があろうというふうに考えております。
#256
○上田哲君 十分に行き届いているかというのは、緊急対策の中にもありますけれども、現在、二十万トンをこえるタンカーに対して指導しているやり方を、十万トン以上のタンカー及び三方トン以上の液化ガスタンカーのすべてが実質的にやっていると、これはそういうふうになっているかというのです。
#257
○政府委員(手塚良成君) これはそのとおりやっております。
#258
○上田哲君 問題はタンカーにしぼらざるを得ないというのは、いろいろありますけれども、東京湾沿岸での製油場が密集している、そこでたいへんなバーレルにのぼっているということが、年々タンカーが大きくなり、またたくさん入ってくるということに原因をしているわけですね。そこで事故が起こるとなれば、どうしてもそこら辺の場合が重点になるわけですけれども、つまり事故が起きて油が流れ出す。このときが一番問題になるわけですね。そういうときの対策がどうも十分でないように思える。たとえば一番ポイントになるのはオイルフェンスですか、オイルフェンスはいま海上保安庁なんかで集めている数字でいえば、大体必要延長メートルには達しているということになっていると思うが、実際にはあちらにある、こちらにある、民間まで集めて、民間のほうがはるかに大きいわけですね、ウエートからいうと。それは他人のふんどしを当てにして足し算してみれば十分だということになっている。それでも役に立てばいいけれども、実際には規格が違うわけです。その辺の規格が合わなければ実際にはこぼれてしまうということになる。そこはどうですか。
#259
○政府委員(手塚良成君) 大型タンカーの油流出の際の防除態勢につきまして、その中心をなしますのはオイルフェンス及び油の処理剤でありますことは、先生御指摘のとおりでございます。私どもはこれらのものにつきましては、われわれ自体でそういうものを整備するということのほかに、やはり民間にも指導をいたしまして、ある程度そういう防除態勢を自衛的に持ってもらう。たとえばシーバースに大型のタンターが着きまして荷揚げをするという場合には、やはり荷主あるいは船主の責任において、その周辺に一定のオイルフェンスをまく、あるいは化学消火能力を持ったタンカー等を配置する等々のことをやってもらうようにいたしております。しかし、そこで大災害等が起こりました場合を想定いたしますと、単に当該民間だけでは不十分でございますので、それをカバーする意味で、海上保安庁自体がやはりそういうものを持つ、こういうことにいたしました。その官民で持つ内容、割合というようなものも、われわれなりに一定の前提できめております。必ずしもこれ現状十分とは言えません。タンカーがだんだん多くなる、大きくなるというようなことで、衝突等が起こりました想定、前提が変わってまいりますので、なかなか現状それに十分追いついているとは考えておりませんが、いずれにいたしましても、そういった官民の協力体制というのはやはり一つの大きな柱であろうかと思いまして、民の指導も私どもはやっております。
 ただ、いま御指摘のオイルフェンスにいたしましても、私どもは四十五年末で六千四百五十メーターを持っておりますが、民間サイドで九万六千メーターを持っておるというような状態が日本全体の姿でございますけれども、あるわけでございまして、この姿自体が民に偏重しているという見方もございますが……。
#260
○上田哲君 規格はいいんですか。
#261
○政府委員(手塚良成君) 規格ももちろんこの中に、詳細に点検をいたしますと、必ずしも隣とこちらとがぴったり合っているというばかりではないわけでございます。先ほど申し上げました安全対策の中で、やはりこういったものについての整備が必要かと考え、鋭意現在そういうものについての検討と指導の強化をつとめておる次第でございます。
#262
○上田哲君 重箱のすみをつついたり、いじめたりする気持ちはないけれども、これは大臣たいへんなんですね。全く民間依存なんですね。民間依存で、しかもその民間とは規格が合わないから、いざというときには役に立たないかもしれない。これは自力でやるんだという意気込みは申されたけれども、実際には一朝事あれば、これは役に立たないという危険が非常に大きいということになるわけです。何でも金があればという話になるかもしれないけれども、今日の浦賀水道周辺の、飛ばしましたけれども、たくさんのふくそう状況からしますと、これは私は容易ならざることだと思うのです。
 もう一つの問題は、油の防除剤の備蓄量ですね。これはこれでいいんですか。一カ所が少ないけれども、いざとなったらうんと空を借りて運んでくるということになれば、大体予想されるタンカーの大きさでの事故が起きた場合にも何とかなるとかという、そういう計算が立っているのかどうか、その辺私よくわからないのですがね。これもどうもいろいろ聞いてみると、あまり確かな安心感には到達しないような気がするし、現にノリなんというのは、この辺どういうことになるのか、たいへんなことだと思うのですけれども、オイルフェンスにしても、油の防除剤の用意にしても、どうも努力していることはわかるけれども、いざとなったら、これはどうも十分な確信が持てないという状況じゃないかという気がするのですが、どうですか。
#263
○政府委員(手塚良成君) まず、油除去剤の問題でございますが、私どもは一定の前提を立てまして、それに対応する官民の持ち分というようなものを想定して使用しております。一応東京湾で想定いたしておりますのは、一万トンの油を流出した、流れたということを想定いたしまして、その中の八〇%というのは吸い上げていく、吸引をする。あとの残りの二〇%に油除去剤を使用する。また油除去剤は実際の除去能率からいいますと、残りましたその油の量、八〇%吸い上げて残りの二〇%に四百トン、二〇%分の除去剤四百トンがあれば一応消えると、除去できる。さらにそれで必要なる内容の除去剤を官と民で一対三という比率で分けて、持ち合って、一体として使用しよう。かような一応の想定を立ててやっておりまして、この想定の姿には、四十五年度末において一応その姿に達しております。しかしながら、まあこういった姿では前提の一万トンがそもそもまあ少ないのではないかというような話から、流れ出る前提の想定がいろいろございますので、そういった面でただいままだ再検討して、再度の整備をしなければならぬと考えております。
 ただこういった、その災害の起こりました対策も、もちろんいろいろ充実する必要はございますが、こういう災害の起こる前の予防対策、先ほどお話に出ましたようないわゆるその安全交通確保という見地のものをまあひとつ大いに強化する、こういうことを大前提にした上でもし万一という対策になるかというふうに順序を考えて進めております。
 なおまた、この油の対策につきましては、すでに御承知かと思いますが、先般来アメリカなり、ドーバー海峡なり、外国でも二、三最近時におけるこの衝突なり乗り上げの事故が起こり、それの油の障害の問題が起こっております。こういった際の海外の模様等もいろいろ聞きますけれども、やはりまあ相当に混乱した現状になっておる状態でございまして、われわれは今後ともそういう他山の石を勉強しながらさらに整備を進めたい、かように考えております。
#264
○上田哲君 まあこれから先は武士の情けみたいなものでしてね、担当官庁を責めたってしょうがないみたいなお手上げ状態であると思います。つまり大臣、これも何か起きたらどうしようもないところにある。しかもおひざ元の、のど仏の東京湾の浦賀水道ですから、この中が大きな、ますます巨大化するタンカーがどかんといったらたいへんだということは、気づく気づかざるは別として、たいへんな私は不安要素でなければならぬと思うのです。そこに出てくるのは、オイルフェンスなり薬をたくさん用意するとか、たくさんいろいろあるでしょうが、いま御答弁あったような予防措置といいますか、これもまた抜本的ですが、抜本的なものを少しずつ拾い上げてきたのですが、抜本的に何か考えなきゃ、どの道これは起こらぬ前だけの安全ということになる。そうなると幾つかありますけれども、やっぱりここで二つくらい考えなきゃならない。一つはシーバース、CTS、パイプラインの問題、浦賀水道の入り口をもうそこで押えてしまって、ここからやろうじゃないか、これは私はやっぱり七〇年代の一つの構想として本気になっていいことじゃないかと思いますよ。ただまあこれが現実の問題としては、おそらくそういう施設をつくることの巨大な投資からする経済性の問題、あるいは地元の利害との関係ももちろんこれはあるでしょうけれども、関係官庁、その他の問題等一ぱい出てくると思います。これは大臣にぜひお伺いしなければならぬと思うのです。これはどのくらいの意欲をお持ちだろうか、あるいは見通しをお持ちだろうか、どうでしょうか。
#265
○国務大臣(橋本登美三郎君) まあこの東京湾内及び河口の整備、航路整備でありますが、これについて四十六年度から仕事を進めてまいります。まあこの点まだ詳しくは港湾局長から御説明があると思いますが、第二の、いま最後にお話しになったいわゆるシーバース並びにパイプラインの問題ですが、私はこれを非常に急いでおるのです。そうしてシーバース計画及びパイプライン計画をいたしました際に、できれば三年間で完成したいからということを港湾局長、関係官庁に強く要請をしたのですが、どうも三年間ではむずかしい。ということは、昭和四十六年度一ぱいかかっていわゆる潮流の調査、風向きの調査等をやりまして、そこで、このいまのところは一応候補地としては富津沖にまあいわゆる中継所、シーバースをつくる。そうしてまた三十万トンのタンカーを着けられるような相当大規模のいわゆる中継所をつくるということになりますというと、やはりこの潮流から深さ及び風向き等の点を調査をしますので、それだけでもまあ一年はかかる。あるいは一年で上がらぬかもしれぬということであります。まあしかし急いでひとつ調査を進めてもらって、そうして少なくともこの昭和四十六年度から調査を始めて、完成を五年後には、昭和五十年にはシーバースとかパイプラインができるようにしたい。これができた暁はこれは一切の船を中に入れない、油は。たとえば五百トン百トンの船でも入れない。そうしてやりませんというと、これからまあ大体昭和六十年度の長い目でありますが、昭和六十年度においてのいわゆる東京湾内の一般貨物の増量というものは現在の大体五倍になるだろうと、この全体――東京湾じゃありません、いわゆる首都圏内で使うところの貨物の総量ですね。東京湾内、いわゆるこれは油も入っておりますが、これらを含めて現在のところ六万トン、そのうち一般物資が約四万トンぐらいでありますけれども、これが昭和六十年度においては大体十万トンを、少なくとも最終目標を十万トンぐらいの一般物資が入ってくる、いわゆる流通港湾のキャパシティーをそれくらい考えなければいかぬ。そうなりますというと、多少大型化してまいりましょうけれども、それにしましても、現在の船の倍以上のものが入っていく、こう計算しなければならない、そういう状態になりますというと、その中に何万トンあるいは十万トン、二十万トンという油のタンカー船が入ってくるということは非常にこれは危険です。そういう意味から考えましても、できるだけ早くいわゆるタンカー、油の船が東京湾内に入らないようにしたい、おそくとも私は今後五ヵ年の間にこの施設を完了して、そうして昭和五十年度以降においては油の船は入れない、こういうひとつ考え方でもって準備を進める。こういうことでことしも御承知のように、今年度の閣議で決定しましたが、いわゆる五ヵ年計画の港湾予算を二兆一千億円、従来の倍以上のワクをきめたわけであります。
 もう一つは、海上交通安全法という法律、なかなか、私も関係方面を非常に督促をしておるんですが、まず第一の難関は漁業組合がなかなか承知をしない。補償問題もからんでおります。しかし、これは、要するに小さな漁船がだんだんとスピードが――貨物船にいたしましてもだんだんとスピードがアップしてまいりますから、ことにカーフェリーなどはいま二十四、五ノットでありますけれども、おそらくもっと速い船が出てくると思うんです。そうなりますというと、小型漁船の三ノットとか五ノットとかいう船が非常に群がっておりますというと非常に危険がある。これは漁船の保護のためにもやはり海上交通安全法という法律によって、そしてそういう危険を防止したい、こう考えて、昨年来から折衝を続けておるわけですが、なかなか漁業組合の了承を得られないので、いまなおこの法律案を提案するには至っておりませんが、これは関係方面、ことに農林省でありますが、農林省とも十分に打ち合わせをして、なるべくひとつ早い機会にこの海上交通安全法も出したい。この二つの大きな施策を行なうと同時に、東京湾内のコンピューターによるいわゆる航行の指定あるいは連絡業務、これは海上保安庁のほうですでに本年度から工事を始めてまいります。それによって全体の船のいわゆる指導、連絡、こういうものを進める。この三つの大きな柱ができ上がりますれば、将来東京湾内に相当の、いわゆる港が増設されましても、交通安全の上においては支障がないのではないか。それがためには、この五ヵ年の間にできるだけいま申しました三つの問題を解決して、完成して、そうして東京湾の安全を期したい、こう考えております。
#266
○上田哲君 東京湾に五十年以降はもうタンカーは入れないというのはいいですね。それをぜひやはり力を入れてやっていかなきゃならぬと思うんです。二つの問題という――まあ大臣のほうが先に言われましたから、私は二つ目の問題は、やはり海上交通法、海のほうの交通法ですね。これはあまり過剰になってはいけないということはもちろんでありますし、漁業関係者との関係も当然出てくるとは思うんですけれども、御説明があったんで、そこは大体御見解はわかりましたけれども、非常に原則的にいえば、陸に道路交通法があって海に海上交通法がないというのはおかしいんだということは、もう信号が出てないみたいなものですから、そういう原理の問題としては、そこはやはりこれも抜本的にしっかり考えなければならぬ哲学の問題ではないかという気がいたします。もちろん、具体的にはこれが単なる法規独走になってしまってはいけないということはたくさんありますから、議論は大いに起こさなければいかぬのだろうと思いますけれども、東京湾の問題に限らず、こうした海上安全交通の効率化ということを考えていくと、この問題は非常に大きな問題になってきます。で、ちょっといまの御答弁の中では、海上交通法の位置づけですね、それからそれに対する意気込みというと少しきびしいかもしれませんけれども、そういう部分が見通しとしてもう一言ほしかった気がするのです。海上交通法をどれくらいの意欲で、どれくらいの見通しでいま貫こうとされているんでしょうか、最後にそれを一つ。
#267
○国務大臣(橋本登美三郎君) これは東京湾だけに適用するのじゃなく、ある程度地域を指定しまして適用することになると思います。瀬戸内海などでもたいへん海上交通事故が多いのです。ことにいま政府で調査をしておりまする三つの橋ができれば、なおさら交通が困難になることは明らかでありますから、当然海上交通安全法ができれば東京湾あるいは大阪湾、伊勢湾及び瀬戸内海、こういう地域が指定されて適用されると思います。
 昨年からいろいろ交渉をしておるんですが、一つにはやっぱり問題は補償の問題であります。で、この補償については国がこれはある程度責任を負わざるを得ませんが、国だけの問題ではなく、また船関係のほうからいいますというと、国が非公式に折衝したところでは、いわゆる船会社のほうでもある程度負担してもいいと言っておるんで、まあ、しかしながら、全部を船会社で負担はできますまい、当然国がこれを一部負担するということになるわけですが、これについていろいろ立法上の議論もありまして、なかなか、国がはたしてやる必要があるのかどうか。やっぱりその関係者の利益ですから、そういう意味においていろいろ議論がありますので、なかなか財政当局と最終の詰めにいっておらない。やはりこの海上交通安全法、これを相当強く進めていくためには、まずこの補償問題に対する補償をする側の考え方がやっぱりまとまらないと話し合いに乗ってこないのではないか。そういう意味で、せっかく昨年から関係方面といろいろ折衝を進めておりますが、まだ確たるいわゆる対策がとれない。しかしながら、もうやっぱり少なくともこの三、四年といいましょうか、五年以内には、先ほどのいろいろの施設もできますけれども、海上交通安全法というものはこの四、五年のうちにはぴちっときめる。そうしてこの交通事故を防ぐと、こういうことをやりませんと、万が一のことができましたらたいへんなことになる。その被害はまことにばく大でありますから、多少の補償金にはかえられないと、こう考えて、せっかく努力中でありますが、いつごろこれができるか、こう言われますと、まだ実は目算が立っておりません。ことしもできればこの国会に提案いたしたいと思って鋭意努力をいたしたのでありますが、関係方面の了解を得るに至らず、できれば来年にでも出すために、本年も一そうの努力をいたしたいと、こう考えております。
#268
○上田哲君 それでは過密のテーマできわめて簡単にお伺いしますけれども、過密のもう一つの象徴として羽田があります。で、羽田だけではなくて、まず全体としてわが国の航空輸送需要が年々三〇%ぐらいずつ上がっていると、五十年度には国内線だけで四千万ぐらい、六十年度になれば一億二千万ぐらいになると。そうなると一年に一回以上みな乗るという形になっていって、これも大衆的な足になると思うのですけれども、そういう全体の状況を踏まえて、ひとつ羽田にしぼって、これがいまどんな状況でどういう見通しになるかということを概略説明を願いたい。
#269
○政府委員(内村信行君) ただいま御質問の羽田における過密状態、これにつきましての需要並びに将来の見通し、これがどういうふうになるかというふうなことでございます。それにつきましてただいま先生御指摘になりましたように、現在の羽田の状況はもうすでにパンク状態になりまして、これ以上の増便は不可能であるというのが現実の状態でございます。
 そこで、羽田の処理能力の問題でございますけれども、一番むずかしい点は羽田の処理能力というもの、これは日によって違う、天候によって違う、また風向きによって違うというところに一つの問題点がございます。しかし、定期便を入れます場合には、毎日毎日その便数を変えるわけにいきませんので、やはり一定の便数というものを入れていかなければならない、その場合に一番いい状態のときを標準にいたしまして定期便をきめますと、天気が悪いときには過密状態になってオーバーフローしてしまうということがございます。また一番状況の悪いときを標準としてきめますと、状況のいいときにはがらがらになってしまうということになります。その点が定期の便数をきめます場合に非常にむずかしい問題でございます。その場合に、いま例を申しますと、羽田の場合、北風の場合と南風の場合とございますが、北風の場合には比較的うまく航空能率が上がります。しかし、南風の場合羽田というところは非常に能率が悪くなるというふうなことでございます。そこで、同じ北風あるいは南風の場合でも有視界飛行状態あるいは計器飛行状態、それによってまた違ってまいります。またそこで、計器飛行状態の場合におきまして北風の場合、これは大体一時間に三十機くらい、これが限度であろうと考えます。それから有視界飛行状態で北風の場合には大体一時間に三十四機、このくらいが限度であろうというふうな考え方、それからさらに、今度羽田のBランというものが延長されましたので、Bランの能率が若干あがりまして、南風の場合にも計器飛行状態の場合に一時間二十八機、それから有視界飛行状態の場合に一時間三十三機というふうな能力がございますというふうなことではございますけれども、さて、こういうふうな能力がございますけれども、それにつきましてどういうふうに便数をきめていくかということでございますけれども、大体私どもといたしましては、一時間に三十四回というものを便数設定の場合の最大の離着陸回数ということにいたしました。そこで、大体一時間三十四回と申しましても、先ほど申しましたように、有視界飛行状態におけるいわば最良の状態のときでございますから、全部これで通すわけにまいりませんので、三時間を通じて九十機というのをもう一つ標準にいたしまして、そういうふうな標準をつくってやるわけでございますけれども、さらにまた、三時間九十機ということをおきましても、これはなお天候が非常に悪くて南風が多いという場合には、なおこれでは困難になってまいります、実際問題といたしまして。そこで、そのために一日に幾らというようなもう一つの基準をつくったわけでございます。そこで、これが大体一日に四百八十機というのが大体一日のマキシマムとしてとらえているわけでございます。なお、さらにもう少し技術的に申し上げますと、午前に一回、午後に一回くらい少し飛行機の飛ばない谷間をつくりまして、実際に天候状況が悪くなって能率が下がった場合にも、押せ押せになってきた場合にも、そこでもって吸収できるというふうなのをつくります。そういうふうにいたしまして、大体一日当たり四百八十機ということをやってまいりますと、ほぼいかなる場合でもそれほどおくれるというものがなくて済むのじゃないかというふうな考え方で進んでおります。
 そこで、そういうふうなことでやりましても、なおかつ需要のほうはそれよりさらに上回っているというのが現状でございます。そこで羽田の需要を申し上げますと、遠い将来のことは別としまして、これはますます多くなってまいりますけれども、さしあたり、現状を見ましても、すでにこの四月、五月くらいからは航空飛行便数というものは、需要といたしましてはもうすでに羽田に入り切れないということでございます。そこで本来ならば厚木というものを、また一方におきまして成田空港の建設を急いでおるわけでありますけれども、成田空港の建設ができるまでの間は、さしあたり厚木というものを使用いたしまして、羽田でもってオーバークラウドになる、羽田でもってはみ出る便数を厚木に入れるということをいたしてまいりたいと思っていたわけでございますけれども、現状まだ厚木につきましては地元の御同意が得られませんので、これを使う段取りになっておりません。そこでこれにつきましては今後ますます私ども努力いたしまして、地元の御協力を得まして、厚木にも着けてまいりたいと思っております。
 そこでこの羽田の東京地方における定期便の需要と申しますものはもうすでに能力をオーバーしておりますが、五月、六月、さらに七月、八月になりますと最も多くなります。もう五十便くらいは能力を上回ってしまうというふうなことになるだろうというふうに想定されます。そこをさらに厚木を使いましてこなせればこれがこなせる。しかしこれがこなせない場合には、当分そのままで需要を押えていかなければならないのが実情でございます。
 そこでその後どういうことになりますかと申しますと、この成田ができますまでの間、厚木を使いますと、それで一応東京中心の需要というものはこなせるわけでございますけれども、そこで今後成田ができますと、国際線がほとんど成田に移るということになります。そうなりますと、そこで大体年間五万回というものが浮いてまいります。大体羽田の年間能力は十七万五千回くらいといわれますが、そこで五万回あきますと、そうすると五万回が一体どのくらいもっかということでございますけれども、五万回というものは、おそらく昭和四十九年ないし五十年くらいまでそれでもって、国内線の需要はこなせるのではないかというふうに考えております。しかし四十九年ないし五十年になりますと、再び羽田というものは一ぱいになりまして、さらに今度は厚木をもう少し本格的に使うとか、あるいは羽田というものをさらに拡張いたしまして、能力をつけてまいりませんと、どうにもしようがないというふうなことになるのではないかというのが大体の見通しでございます。
#270
○上田哲君 マキシマムが四百八十というお話でございますけれども、B滑走路がオープンしたけれども、実際の効率はあまりあがってないわけですね。たとえば六月からの夏ダイヤ、これで従来あがってなければならないところまで今度いかないのじゃないですか。
#271
○政府委員(内村信行君) 実は、これは昨年の夏と比較して申し上げてよろしいと思いますけれども、実は昨年の夏も一日四百八十便くらいで押えております。ところが、御存じのとおり、その結果、慢性的な遅延状態になりまして、これではとてもいかぬということで、九月以降一日四百六十便に押えたというのが現状でございます。したがいまして、今回のこの夏につきましても渋滞をなくそうとすれば、前のままでございますれば、やはり四百六十便に押えるということをしなければなりませんが、今度はBランができましたので、四百八十便くらいまでふやしても差しつかえなかろうということで、大体一日に約二十便くらいが従前よりはふえたというふうに考えております。
#272
○上田哲君 夏ダイヤは去年どおりいくということですね。
#273
○政府委員(内村信行君) 大体そうです。ただちょっとあれでございますが、去年の夏ダイヤは、実は一応編成いたしましたけれども、非常に混乱が起きましたために減便をいたしました。したがいまして、混乱状態におけるダイヤの数までに、あれくらいはいかないかもしれません。
#274
○上田哲君 だめなんですかね。とにかくあの混雑を考えれば、とてもそんなことにはならないだろうと思いますよ。成田の話をくっつけたところは、これはこの際ちょっと別にしてもらいたいと思うけれども、厚木ですよ、いまのお話の中にあった厚木をもっと早くさっさとやらなければしようがないじゃないか。ここのところを考えなければ、国内線を全部羽田でとおっしゃっても、事実これだって全くびぼう策ですね。だからこれが行き詰まりがくることは算術計算ですぐわかっているわけですから、厚木についての努力はもっと強力にやっていかなければならぬ。これは二千五百メートルですか、厚木は。そうですね。そこでぜひひとつ適応機種を持っていくという努力はやってもらいたい。だから、羽田自身に、たとえばCに並行する埋め立て滑走路ですか、そういうようなものをいまからやっていかなければ、これは何でもかんでも成田成田という話になっても困るわけですよ。だから、そこのところをどういう計画を持っておられるのか。
#275
○政府委員(内村信行君) 先ほど申し上げましたけれども、羽田の能力が限界に達するということは前からもすでに予想されておったわけでございまして、私どもといたしましては、ぜひとも成田を早くつくり、成田に国際線を移す、それによって羽田の国内線を増していこうというのが本来の計画であったわけでございます。しかし、残念ながら成田のほうが諸般の事情からおくれてまいりまして、これに間に合わないということはたいへん遺憾に存じておるわけでございます。したがいまして、たまたまそのときに厚木のほうが米軍から返還になるというふうなこともございまして、先生御指摘のとおり、現段階といたしましては厚木というものを使ってまいるのが一番いい方法だと私ども考えております。そこで、先般来から厚木のほうの関係で、もちろんこれは防衛庁当局と、あるいは現在まだ米軍の管理下にございますから、米軍の当局と関係方面といろいろとお話をして要請をしてまいったわけでございます。大体のところは御承諾を得られるに至ったわけでございますが、ただ肝心の地元のほうで、これは非常に困るというお話がございました。大和市というところがございますけれども、そこでもって民間航空については困るんですというふうな強い反対があったわけでございます。そこで私どもといたしましても、これは民間航空と申しましてもジェットの入ることによる騒音が非常に困るのであるということから、その辺は成田ができるまでの間は少なくともプロペラ機に限定するということで地元のほうともお話をいたしまして、御了解を得てまいりたいと思っておりますが、今後さらに鋭意その努力を進めてまいりたいというふうに考えております。
#276
○上田哲君 羽田のCランのほう。
#277
○政府委員(内村信行君) それから、次に羽田の問題でございますけれども、羽田につきましては、現在使われているのがCランとBランでございます。したがいまして、今後羽田の能力をあげようと思いますと、さらにCランの沖合いに埋め立てをいたしまして、さしあたりはC′と申しますか、大体三百メーターぐらい離れたところに補助滑走路を一本つくりますと、相当これはまた能力があがってまいります。そこで、さらにその先にもっと埋め立てを行ないまして、三千メーター内外離れたところに独立のもう一本滑走路をつくるということにいたしますと、これもまた相当な能力があがってまいります。将来はそういう方向でもってものを考えてまいりたいというふうに考えております。
 そこで、ただいまCランの問題でございますけれども、C′ランと申しますか、いま申し上げましたC′ランと申しますか、それの問題でございますが、これにつきましては、私ども遠からずこういった問題は手がけていかなければならぬ、これは厚木との関連もございますけれども、その問題を考慮しながら手がけていかなければならぬというふうに考えておるわけでございます。したがいまして、空港整備計画といたしまして第二次計画五千六百億というものを計上しておりますけれども、その中の一般空港として千八百五十億、この中で羽田の将来の拡張もまかなってまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#278
○上田哲君 いろんな数字の御説明を聞いていけば、これからますます需要がふえてくる、それこそ一億二千万なんという数字が展望されれば、まるっきり追いつけないということは、これは過密地帯――過密地帯とはこれは言えるかどうかはわかりませんが、過密対策としての航空行政、航空輸送対策としては全くこれはお先まっ暗みたいな感じがしますね。そういうことからすると、何かほかへつくればいいというふうなことが簡単に言われるけれども、羽田自身の開発、拡張ということは非常に重要な問題としてやはり残っていると思うんですよ。ぜひひとつその辺の努力をしていただいて、これは、ただそれが関連して出てくることは、Bができたおかげで新たに江東、千葉のほうに騒音問題が出ているわけですね。さっきの厚木の問題についても、これはプロペラでなければ困るので、その辺、また住民の頭の上を、鶏に卵を生まさないような形で進めていくということは、これから一番重要なベースの問題の一つですから、そういうことからすると、そちらのほうにも歯どめを十分つけていただくことで、このBが起こしている騒音問題ですね、これを今後どうしていくか、そうしてC′ですか、それがまた起こすであろういろいろな問題、この辺もひとつあわせて承っておきます。
#279
○政府委員(内村信行君) 確かに飛行機の騒音問題というのは非常に大きな問題でございまして、やはりこれからは環境問題と申しますか、あるいは公害問題と申しますか、そういったものを解決いたしてまいりませんと、飛行場もできないし、飛行機の発展もなくなると申しても過言でないと私は考えております。したがいまして、どうしても飛行場をつくるに際しては騒音問題を解決しなくてはいけないと考えるわけでございます。
 そこでBランの問題でございますけれども、元来Bランの目的は二つございまして、一つは、先ほど申しましたように、羽田というところが非常に南風に弱い空港であるということから、南風、すなわち横風用滑走路としてBランを使う。そういたしますと、横風のあったときも安全かつ円滑に羽田の空港が運営できるということでございまして、この横風用の滑走路ということが一つの問題。それからもう一つは、現在のCランでございますと、大森とか大井とか、そういった方面へ離着陸飛行機の騒音がまき散らされていあということで、非常に騒音の苦情が多かったわけでございます。大森、あの辺は南風の場合にはあちら側、反対のほうから進入してまいりますので、特にそういった騒音がある。したがいまして、今度Bランを使いますと、南風の場合にも大森とか大井とか、そういう方面の騒音が少なくなる。そういった方面の騒音対策、この二つの目的があったわけでございます。そこで、今度Bランができますと、その目的は二つながら達成できたと思いますけれども、さて問題になるのはBランの延長方向の江戸川とか船橋とか、そういった方面の騒音問題でございます。やはり飛行機が飛びますので、騒音を絶対なくすということは考えられませんけれども、しかしそれを極力少なくするということは、やり方によっては考えられるわけでございます。今回Bランができましたとたんに非常に船橋方面からの苦情が多くなってまいった。と申しますのは、若干手続がおくれたと申しますか、これはBランに着陸いたします場合も、天気のいい日、有視界飛行状態でございますと、必ずしも江戸川、船橋から参りませんで、東京湾上をずっと参りまして、東京湾のほうから左のほうに回ってBランに進入するという方法がございます。しかし、その方法を実行いたしますためには、フライトチェックもいたしますし、またそれからNOTAMというふうなこともやりまして、ある程度の手続をやりませんと実行に入れないということがございます。そのために最初の間は直接天気のいい日も船橋、江戸川の上空を通ってBランに入ってくるというふうな事態があったわけでございます。そこで、私どもさっそくそれにつきましては、天気のいい日には船橋上空を通らないで湾内に進入してくるという方法を講じまして、これはすでにそういうふうな方法で実施されております。それからさらに船橋あるいは船橋上空、これを初め三千フィートぐらいでもって入ってくるというふうなことになっておりましたけれども、さらに安全のほうも十分に考えました結果、四千フィートぐらいまで上げてもだいじょうぶだということで四千フィートまで上げたというふうなこともいたしました。
 さらに今後の問題といたしまして、先般、実は昨日あたりも私のところに直接電話がかかってまいりまして、江戸川の方であるけれども、非常にうるさいのであるというお話がございました。いろいろお話を伺ってみますと、出発機も上を通る、相当低空で上を通るというふうなお話もございますので、この点につきましては、さらに出発機につきましてもBランを離れると同時に南のほうに旋回いたしまして、海面上で相当な高度をとる、それから内域に入るというふうな経路をとることによりまして、こういった騒音問題がある程度解決できるのじゃないかというふうに考えておりますが、その方面もいま検討しております。そういった方向で、飛行機のことでございますから、全然騒音をなくすというわけにはまいりませんけれども、極力これを少なくいたしまして、皆さまの御迷惑を極力少なくしたいというふうに考えておるわけでございます。
#280
○上田哲君 もう一つの問題は、滑走路もありましょうけれども、管制体制の問題があるだろう。機器の整備ということですね、これが相当発達していかないとならない。いまはレーダーの更新期にあたっているそうですね。そういう点に万遺漏なきを期していただかなければならぬだろう。それから、管制官がたいへん不足ぎみである。聞くところによると、退職率は高いのだそうですね。一般の職種に比べるとやめていく人が多いということになるというと、そこらあたりは人手不足になっても困るし、その辺を十分に手当てをしていかなければならない。給与の問題とか、四直交代の勤務体制、その他いろいろなことが要素としてはありますけれども、まとめて言えば、管制官の確保にどういう対策を考えているのか、機器の整備等については十分であるか、その点も伺いたい。
#281
○政府委員(内村信行君) 管制官の減耗率は、大体三・五%程度でございます。それから御質問の機器の問題でございますけれども、機器については、おっしゃるとおりに、だんだん整備しなくちゃいけないことは当然でございまして、特に、いまおっしゃいましたように、管制官の減耗率もある程度ある、それから応募者についても限界があるというようなことになりますと、やはりどうしてもこれは機械化いたしますか、あるいは自動化するというような方向によって、こういった問題をある程度解決しなければいけないというふうに思います。もちろん自動化したら、直ちに人が少なくていいというわけにもなかなかまいりません、仕事がふえてまいりますから。しかし、自動化という方向によって能率を上げることも一つの問題でございます。その点、管制部につきましても、あるいは羽田あたりのコントロールタワーにつきましても、そういった方向で現在進めつつある状況でございます。
 それから、管制官につきましては、やはり相当神経を使う仕事でございます。また、その時間が詰まっておりますので、相当神経的な疲労というものは激しいだろうというふうに想像されるわけでございます。したがいまして、そういう点につきましては、一般の八時間勤務ということとは変えまして、ただいま先生おっしゃいましたように、四直交代にいたしまして、これは東京、福岡、札幌の管制本部であるとか、あるいは東京、大阪、名古屋等は二十四時間勤務でございますが、そういうところにおいては四直交代にいたしまして、一日の平均実働時間を六時間ということにいたしまして、二時間は研修とか、実際に席に着かないで仕事をするというふうなことをいたしまして、オーバーワークにならないようにしていきますと同時に、いろいろな管制の業務量が増してまいるに従いまして、管制の席をふやしまして、これに対処いたしておるというようなことでございます。たとえば、東京、大阪につきましては、管制承認伝達席とか、あるいは東京、大阪、名古屋につきましては捜索席、あるいは東京、大阪、名古屋全体につきまして地上管制席、そういうような特殊の業務に関する管制部門を切り離しまして、別個に席を設けて、そこでやるというふうにいたしまして、全体としての管制官の労働を下げておるというふうなことをいたしております。
 それから、管制官の給与の問題でございますけれども、給与につきましても、調整額あたりも八%というものがとれておりますし、それから、さらに特殊勤務手当もことしの二月に上がったわけでございます。従来の二百円が二百五十円というふうに上がってまいりましたので、これはなかなか限りなき前進であるといわれるかもしれませんが、われわれといたしましては、極力、努力をいたしておるつもりでございます。それから、さらに従来特殊勤務手当の中に夜間の特殊勤務手当というものはございませんでしたけれども、これも併給するということによって、そういった意味から管制官の待遇というものも極力改善いたしておるつもりでございます。
#282
○上田哲君 過密、過疎の問題がそれぞれ極限状況に達しておると思います。バスの問題、海の問題、空の問題を取り上げて、いろいろ伺ってまいりましたけれども、きわめて政治判断といいましょうか、高い見識に基づく基本的な抜本的な対策が勇断をもって講じられなければならないときだと思います。そのことを当局に強く要望して、質問を終わります。
#283
○峯山昭範君 私は運輸省設置法の一部を改正する法律案の審議にあたりまして、関連をいたしましていろいろ質問をしたいと思います。
 法案そのものについても種々質問をしたいと思いますが、そのほか欠陥車の問題、それから保安基準の問題、陸運事務所の車検登録の問題、それからバス、タクシーの認可の問題、それから関西国際空港の問題等について質問をしたいと思います。
 私たちは、きょうも朝から休憩もしないでずっと質問を続けているわけでありますが、きょうも果てしなくいつまで続くかわからないというのでは非常に困るのであります。初めに、委員長に、きょうは一体何時までやるつもりなのか、先にお伺いをしておきたいと思います。
#284
○委員長(田口長治郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#285
○委員長(田口長治郎君) 速記をひとつ始めてください。
#286
○峯山昭範君 それじゃこれから質問をやりますけれども、やっぱり最後のほうははっきりしておいたほうがこれからもいいと思うんですよ、めしも食わないで何時までというのじゃなくて、やはり昼は休んで夕方もまた休んで、そしてどうしても続けなきゃいけないようなものであるならば続けると、それでやればいいんですけれども、何でもかんでもなしくずしにやっていくというのはよくないと思うんですよね、やっぱり。あんまり、全部得心したわけではありませんけれども、質問を始めたいと思います。
 それでは初めに関西国際空港の問題についてお伺いしたいのでありますが、第二次空港整備五カ年計画の中にも、関西国際空港の問題が出ておりますが、現段階における進捗状況とか、そういうふうな問題について、現在どういうぐあいになっているのかお伺いしたいと思うんです。
#287
○政府委員(内村信行君) 関西新空港につきましては、目下適地について調査の段階でございます。大体の方向といたしましては、大阪の湾内、このあたりに適地を求めてまいりたいというところで、調査項目といたしましては、管制上の問題、あるいは気象上の問題、あるいは土質の問題、潮流の問題等多々ございますけれども、そういった各項目ごとについて現在調査を進めている段階でございます。
#288
○峯山昭範君 ということは、現在調査の段階で、候補地は、私も大阪におりましていろいろ聞いておりますですが、一応、大体大阪湾ということに焦点はしぼられてきたわけでしょうか。
#289
○政府委員(内村信行君) 大体淡路島方面を含めまして大阪湾内ということでございます。
#290
○峯山昭範君 そうすると、いま調査にかかっているということでございますが、その調査は、もっと具体的に言いますと、いつごろから始まって、調査が終わるのはいつごろになるのかというのがまず第一点。それから国際空港の規模ですね、これはどういうぐあいになっていらっしゃるのか。それで現実に完成はいつごろを目ざしていらっしゃるのか、ここらについてお伺いしたいと思います。
#291
○政府委員(内村信行君) 調査を始めた段階でございますけれども、これは四十五年度からすでに調査に取りかかっております。それから規模でございますが、第一期につきましては、大体三百万坪前後を第一期というふうに考えております。それからいつごろまでにということでございますけれども、これも伊丹空港の能力が限界に達しますので、なるべく早くということで考えております。伊丹空港が昭和五十一年にはもういかなる処置を講じましても一杯になると思われますので、できればそのころにでき上がればいいというふうに考えております。
#292
○峯山昭範君 そうしますと、大阪湾ということになりますと、これは埋め立てをやるのであろうと私は思うのですが、これは埋め立てをやるについては相当のやっぱり期間が実際問題かかると思うのです。それで昭和五十一年といいますと、いま昭和四十六年ですから、あまり時間的にもないわけですが、ここら辺のめどといいますか、そういう点についてはどういうぐあいにお考えなのか。調査は四十五年から始めていらっしゃるということでありますが、実際四十五年から調査を始めてもう相当進んではいらっしゃると思うのでありますが、調査が終わって実際に着工されるということになりますと、相当いろんなところに波紋も起きますし、いろんな問題も出てくると思うのですが、そこら辺のところをもうちょっと具体的に説明してもらいたいと思っておるのですが。
#293
○政府委員(内村信行君) 調査につきましては、先ほど申し上げましたように、四十五年度からやっております。で、確かに先生おっしゃいますように、五十一年というとあまり年数がございません。そこでわれわれといたしましては、はたしてほんとうのところ五十一年までにできるかどうか。相当の難工事でございますので、自信は率直に申しましてございませんけれども、極力早くこれをなし遂げていきたいというふうに考えております。
 そこで、調査の内容でございますが、先ほど来いろいろ皆さまから御意見がございますように、一番問題は騒音ということでございます。そこで空港というものがどうしても関西になくてはならないということは大体おわかりいただけるかと思うのでございますけれども、ただその場合に、騒音を残されては困る。特に地元に騒音だけ残される、これは地元としては絶対に反対であるということが、どこにいきましても空港をつくる場合に出てくる問題でございます。したがいまして、私どもといたしましては、これは内陸につくるということはとうていその騒音からみても困難であるということで、大体海のほうを考えておるわけでございます。その意味で、先ほど大阪湾内というふうに申し上げたわけでございます。大阪湾内にいたしましても、この騒音が極力民家にかからないようにというようなことを考えるのがまず第一の問題点であろうというふうに考えます。そこで、風向き、それから空港の場所、あるいは滑走路の方向等によりまして、いかにすれば騒音が人家に影響を及ぼさないかというふうな観点から現在調査を進めておるということでございます。
#294
○峯山昭範君 大臣、いまの局長の答弁ですと、伊丹の限界が五十一年にやってくる。そして実際問題として五十一年というのを一つの大きなめどとして準備をしていらっしゃるということですが、自信があるかというと、自信はないということなんですね。こんなことでは実際問題、まずいつまでにできるのかという考え方に立って考えてみると、担当の局長が五十一年までにできる自信がないというのじゃ、これは実際、問題外だと思うのですが、これは大阪の国際空港については大臣としてはどういうぐあいにお考えでしょうか。
#295
○国務大臣(橋本登美三郎君) まあ騒音等を考慮いたしまして、大阪湾内の適当なところに人工島をつくって、そこにいわゆる第一期工事として三百万坪程度の国際空港をつくりたいということで鋭意調査を進めておりますので、まあこの秋には決定をしたいと思っております。そうしまして、地元とのいわゆる交渉等がありますので、私のほうとしては四十七年度から工事に入りたい。四十七年度から工事に入りますれば、大体五十一年には完成することができる。まあ予算の問題がございますけれども、これは思い切って予算をつけざるを得ませんので、できれば五十一年、おそくとも五十二年度には完成させたい、こういう方針で進めたいと思っております。
#296
○峯山昭範君 先ほど局長もおっしゃいましたが、大臣もいまおっしゃいましたが、一番の問題はやはり騒音の問題である。私はその騒音の問題について、まず運輸省航空局で出した「騒音公害のない関西国際空港」というパンフレットがありますね。ぼくはこのパンフレット自体が、もうすでに騒音に対する考え方について姿勢そのものがおかしいのじゃないかと、そういうぐあいに思うのです。これはもうすでに御存じだと思うのですが、一番最後のページのこのSSTの問題ですね。これは、「空港周辺でのSSTの衝撃音はあり得ない」という大きな見出しでありまして、その下にいろいろずっと説明が書いてありますが、特にこの「空港への離着陸時の速度が在来のジェット機と大差のないことを考えればそのような問題はまったくないことが明らか」である。「明らかです。」と、こうなっている。ところが実際現実の問題として、SSTは公害の騒音の問題では相当もめまして、私はここに技術専門家の書いた本を持ってき工いるのですが、アメリカではこれが相当問題になって、そうして特にこのSSTの出すいわゆる衝撃音ですね、これについてはアメリカのSSTが与えるソニックブームの影響についてオクラホマシティで長く実験が行なわれた。その実験の結果は、市民がそのソニックブームになれる以外に対策はないということであった。要するに、こういうような騒音の問題はなかなか解決できないということを、これはここだけじゃ丸いのです。ずいぶんいろいろなところから、それだけじゃなくてそのほかの問題も指摘いたしております。議会でもこの問題が取り上げられて皆あん御存じのとおりです、結果としては。それにもかかわらず、――そういうふうな問題の前にこれはつくったのだと私思うのですが――要するに、未確認情報というか、運輸省自体としてこういう問題についてはっきりした研究も進んでいない段階で、みんな航空公害に悩んでいる、騒音公害に悩んでいる人たちに対しても、また私たちにもこういうふうなプリントをこういうふうにして配るということは、運輸省自体が騒音に対して非常に熱心にやっているという、一面から見ればそうかもしれませんけれど、しかしながら、その逆の面も考えられる。非常にたいへんな音がするにもかかわらず、それを何とかもみ消そうという感じもしないでもない。こういうふうな姿勢では私はこれはいかぬと思うのです。これはどうですか。
#297
○政府委員(内村信行君) 確かに先先のおっしゃいますように、騒音の問題でSSTの開発がおくれているということは事実でございます。ただ、ここに書いてあるのはうそではございません。と申しますのは、このソニックブームと申しますのは、飛行機の速力が音速を越えるときに出る衝撃音でございます。したがいまして、アメリカなどの場合には、当然SSTを使いますと、これは大陸横断をしてまいります。したがいまして、陸上のどこかで音速を越え、したがって、衝撃波を発するというふうな問題がどうしても大陸の上で出てまいります。しかし、わが国の場合には海がすぐ近くにございますので、空港のところはもう海の間近でございますから、したがいまして、空港に着きますときにそういうふうな音速はふえませんで、音速以下の速度で飛ぶ。航空機の構造からいってもこれは当然な話でございます。したがいまして、わが国の場合には空港のそばでもって、陸上で衝撃波を起こすというようなことはあり得ないということを申し上げているわけでございまして、これは洋上はるかかなたでその衝撃波というものは起こるので、しかし、空港の近くでは起きないということはたしかでございます。その意味ではうそを申しているわけではございません。
#298
○峯山昭範君 そんなことを言い出すといけませんよ、それは。いかなる場合も住民に影響を与えないという保証がどこにありますか、あなた。どういう研究をやったのですか、現実の問題として。現実にここにスエーデンの航空研究所のルンドベルク博士というのが、一九六一年九月と六二年の八月に二つの論文を発表しております。その論文によってもこのソニックブームというのは起きる可能性があるということをやっぱり言っております。要するに、確かに海の上を飛ぶから全然影響がないとは考えられない。また、日本みたいな狭い国にこういうようなものを、関西国際空港をつくるというこのパンフレットの一番うしろに、しかも騒音は――騒音公害に悩まされてたいへんな思いをしてる人たちばっかりですよ、そういう人たちへ、このパンフッレトにこういうことをつけるのはおかしいんじゃないですか。私は要するに、音速を突破したときにこういう衝撃波が出るんだから、そのことは私も何回も読んで、見ました。けれども、それだけじゃなくて、なぜここにこういうことを載せなきゃならないかという考え方に立ってくると、飛行機というものは音はしないんだ、騒音なんてたいしたことないんだという考え方があるからこれに載せたんじゃないですか。これから開発されるSSTというすごい飛行機も、いま衝撃音の問題が問題になっているけれども、そういうものはあり得ないと、こういう大きな見出しでこういうことを載せるということは、騒音公害そのものをもみ消そうというあなた方の姿勢にあるんじゃないですか。その姿勢がおかしいから私は言っているんです。そんないいかげんなことじゃだめですよ。とにかくどういう意図ですか、こういうことを載せたのは。
#299
○政府委員(内村信行君) 私の御説明がまずくて申しわけなかったと思いますけれども、私の申し上げたいことは、このSSTの衝撃音はあり得ないと書きますと、いかにも全然SSTというものには衝撃音はないんであるという印象を与えるかもしれませんが、そうではなくて、日本の場合に、特定の日本の場合の空港を考えますと、これは洋上において起こるものであるから、空港周辺は、従来のDC8と同じような騒音はあるでござましょうけれども、衝撃音は空港の周辺では起こらないということを申し上げておるわけでございまして、その点、私の御説明が足りなかったことをおわび申し上げたいと思います。
#300
○峯山昭範君 空港周辺で起きなかったらそのほかのところで起きるんじゃないか、やっぱりこれは考えれば。要するに、こういうふうなパンフレットから見てもどこから見ても、飛行場をつくる場合のあなた方の姿勢がおかしいんです。あなた方は大阪の航空騒音で悩んでる人たちの声を聞いたことがあるんですか、現実に。大阪でいま川西市の航空騒音の訴訟が行なわれています。あなた方、昭和四十二年度の大阪国際空港周辺航空機騒音測定調査報告書というのがあるでしょう。その問題について裁判のほうで提出を求められたでしょう。なぜ出さなかったんですか。
#301
○政府委員(内村信行君) いままでは提出しておらなかったようでございますが、いま聞くところによりますと、先週の金曜日、裁判長に申し入れまして提出することにいたしておるそうでございます。
 それからなお、先生おっしゃいましたように、確かに騒音の問題ということで現地住民の方々が非常にお困りのことは私どもよく存じております。したがいまして、それから空港をつくります際にも、何とかして騒音のない空港というものをつくりたいというふうな気持ちが多分にございまして、その辺があるいは一人よがりになったような印象を与えたかもしらぬと思いますけれども、その点は私どもの意のあるところをどうかおくみ取りいただきたいと思います。
#302
○峯山昭範君 その調査報告書一つにしたって、いまここで問題になって、相当マスコミの皆さんに一ぱい騒ぎ立てられて、いろいろ問題にならないとあなた方は出さないんでしょう。初めから要求されてなぜすっと出さなかったんですか。こんなこと、こんな問題は公表された問題でしょう。何も秘密の文書でも何でもないでしょう。初めからぽんと出すのがあたりまえじゃないですか、こんなことは。住民の立場に立って考えれば出すのがあたりまえでしょう、初めから。航空機の騒音にしたって何にしたって、もっと住民――悩んでる人たちの問題を解決しようという立場に立ってこういうふうな騒音の問題一つについても取り組んでいかなきゃいけないんじゃないですか。そういうふうな姿勢がないから、しばらくたってから出すなんていうことになるんでしょう。どういういきさつだったんですか、これは。
#303
○政府委員(内村信行君) 訴訟の問題につきましては、国の訴訟は法務省が扱っておりますので、法務省の見解によってそういうようにいたしておるように聞いております。
#304
○峯山昭範君 法務省が出さなかったんですか。
#305
○政府委員(内村信行君) 法務省の見解によって出さなかったと聞いております。
#306
○峯山昭範君 どうしてそれじゃ法務省はあとで出すようになったんですか。
#307
○政府委員(内村信行君) その辺はつまびらかに聞いておりません。
#308
○峯山昭範君 法務省を呼んでくれ、法務省来ないとだめだ。――それから、大阪湾につくるということはほぼ決定的な話もございましたけれども、今度は、もし大阪湾につくるとすれば、これはいろいろ心配される問題がたくさんあるわけですが、どういうふうな問題が心配されますか。
#309
○政府委員(内村信行君) やはり一番の問題は騒音の問題だろうと思います。それからさらに、湾内に設けますと港との関係がございます。港の機能が妨げられないかどうかという問題、それから水路の問題、つまり航行船舶との関連がどうであるかというふうな問題、さらに空域の問題としまして、現在の伊丹の飛行場と新しい飛行場との間の管制空域の関係がどのようになるかというような問題、そういった点がおもな問題だろうと考えます。
#310
○峯山昭範君 そういうようないろいろな問題が出てくると私は思うのですが、それ以外にも実質問題として、港の中に陸地をつくるわけですから、そこを埋め立てるどろの問題、土の問題も相当出てくると思うのです。そういうような問題についてはこれはどういうぐあいにお考えですか。
#311
○政府委員(内村信行君) たとえば土の問題にいたしましても、これは場所によって異なりますけれども、大体数億立米というふうな土が必要になってまいります。たとえば、初めの三百万坪というふうな一期工事につきましても、三億立米前後というふうな土が必要であるということから考えまして、相当な工事でありまして、そういった点から見ましても従来にない工事でございますから、工法その他について慎重にこれは検討して計画を進めなければならぬと思います。
#312
○峯山昭範君 いずれにしましても、新関西国際空港建設にあたっては、種々の騒音の問題をはじめ、いろいろな問題が私は出てくると思うのです。そういうふうな一つ一つの問題について、すべて地元住民の方々のいろいろな問題を慎重に聞きながら、また考えながら、工事そのものを進めてもらいたいと思うのです。何でもいいからやっちゃえなんということになってしまうと、またたいへんな問題になってくると私は思うのです。やはりこういうような問題はこまかいところへ気を配りながら――ぼくはパンフレット一つに何でこんなことを言うかというと、こういうように、初めのほうは、これは騒音は非常にたいへんだという、こういうふうにしてあるのだ、こういうぐあいにして起きるのだと、なかなかいいプリントをつくっておきながら、最後のほうに、SSTという飛行機は騒音はないなんていうことになると、このプリントの性格そのものがおかしくなってきます。このプリントは、最後のこれがなければぼくは非常にいいプリントだと思うんですよ。お互いに騒音をなくするために苦労している様子もわかりますよ。ちょっとしたところで住民の考え方、また運輸省自体の姿勢というものが疑われてしまう。それが見落とされているから現在いろいろな問題がこじれているわけです。私はそう思うのです。ですから、そういうところにも慎重に気を配りながら、この国際空港の建設に当たってもらいたいと思うのですが、いかがですか。
#313
○国務大臣(橋本登美三郎君) お話の件ごもっともでありますので、そのパンフレットの最後のページについては修正をさせるようにいたしましょう。
 なお、実は私は、私の個人的な見解でありますけれども、国際的にもそういう傾向があるようですが、超音速機を飛ばす必要があるのかという議論がいま国際的にあります。アメリカではだいぶその世論が大勢を占めつつあるようであります。事実、超音速機を飛ばすためには非常な油を必要としますからして、結局は乗客を乗せるキャパシティーというものが減るわけなんであります。これは、したがって、相当料金も高くなることでもありますし、かつまた現在の、いままで開発された程度のものでありますというと、騒音におきましても、衝撃波においても、人類に対して非常な影響を与えます。そういう意味で、将来技術開発の点で、超音速機においても現在のジャンボ程度まで下がり得るかもしれませんが、まだ下がり得ない。どうしてもいまのような状態があるというのであるなれば、必ずしも私は、日本にSSTを入れなくちゃならぬとも考えておりません。たとえ外国においてそれが使用が可能になりましても、外国のSSTも入ってもらいたくない。したがって、日本からもSSTは飛ばさない、現状のような状態であれば。したがって、現在のジャンボ程度にまで騒音が解決される、こういうことを私は期待をいたしておりますし、それまでは少し慎重に扱ってはどうであろうか。日本航空が契約いたしましたものも、これは向こうさんからの都合でありますが、解除いたしております。
 もう一つ、騒音問題がやっぱりやかましいのでありますからして、したがって、もし場所が決定いたしましたなれば、その予定されたいわゆる飛行場に飛行機が飛ぶという状態で、そこでジャンボなり、あるいはジェット機なりを実際上飛ばしてみまして、そうして、いわゆる付近に対する騒音がこの程度であるという、こういう実際上の、実験上の措置もとっていきたい。かように考えております。
 かつまた、もう一つは、これは場所にもよりますけれども、できれば、飛行場だけではなくて、飛行場はいわゆる埋め立てによってできるわけでありますから、それと関連して、これからはカーフェリー等がだんだんと盛んになってまいりますから、そのカーフェリーのいわゆる港、こういうふうな港を併設するということを考えてもいいのじゃないか。そうなれば、その地域の人たちが、他の意味での利益を受けることができる。こういうような、目的を多目的にするという意味じゃありませんけれども、多少でも悪い影響があるなれば、他に今度はプラスアルファとしていい影響を与える施設を、多少金がよけいかかりますけれども、金の問題は別にいたしまして、やはりそういうような考え方で進めていきたい。かつまた、人工島をつくるにいたしましても、一キロとか、二キロとか沖へ出せば相当金がかかるわけですけれども、しかしながら、騒音等から考え、あるいは船の航行等から考えて、多少、二割もしくは三割の建設費がよけいかかりましても、思い切った、将来ともに安心して、しかも皆さんから喜ばれる飛行場、こういうものにひとつ目標を置いてやってまいりたい。こう思っております。
#314
○峯山昭範君 それでは、次に欠陥車の問題をちょっとやりたいと思うのでありますが、この問題につきましては、昭和四十四年の五月下旬から相当世論を騒がせた問題でありまして、運輸省当局も種々手を打ってきていらっしゃると思いますが、初めに、欠陥車問題に対する対策の内容というので、メーカーに関する事項とか、あるいは整備業者及び販売業者に関する事項、あるいはユーザーに関する事項、または運輸省に関する事項と、そういうぐあいにそれぞれ数項目にまとめて発表しておられるわけですが、まずその内容について、どういうふうな内容であったか、初めにお伺いしておきたいと思います。
#315
○政府委員(野村一彦君) 昭和四十四年の六月でございましたか、いわゆる欠陥車問題というものがクローズアップされてまいりました。その概要と申しますのは、自動車の事故が起こりました場合に、その事故というものが、自動車の構造とか装置というようなものに原因いたしまして、それを運転している人、あるいは場合によってはその付近におった人、そういう者の人命をそこなった、あるいは非常に重大な危害を及ぼす可能性ができてきたと、そういう事故がございまして、それはつまりその運転がまずい、正常な運転をしていなかったというようなことではなくて、自動車の構造、装置、物理的な製造過程における欠陥ということで、そういう問題が提起をされたわけでございます。したがいまして、運輸省といたしましては、当時実情をさっそく調査をいたしまして、そうして、自動車の何といいますか関係法令、省令の改正をいたしまして、そういう構造、装置に基因する自動車については、すぐそれをユーザーに呼びかけまして全部回収をして、そうしてそういう欠陥車が市中において運行されないような措置をとるということで、回収の措置を講じたわけでございます。そういうことで、現在ではそれが一つの制度化をされまして、メーカー自身が発見するもの、そういうものがかなりあるわけでございますが、あるいはユーザーからの申告に基づくものがあるわけでございますが、そういう構造、装置に基因するいわゆる欠陥車というものができたならば、すぐそれを公表をして、そうしてそれを回収をしていくという制度、これをいま軌道に乗せてやっておるところでございます。
#316
○峯山昭範君 大体おっしゃる意味はよくわかるのですけれども、ほんとうは――時間もありませんからけっこうですが、いまおっしゃった内容について、六月十七日付の、大臣が談話を発表されたときに発表した内容のものが私の手元へ来ておりますのですが、自動車製作者に関する事項、全部で一項目から四項目まであります。それから整備業者のほうが同じく四項目あります。それから運輸省に関する事項も同じく五項目あります。ユーザーに関する事項は二項目、この件を、これを言っておったわけですが、その前に、四十四年の六月六日付の自動車局長通達というのもまた現に出されて、自動車型式指定規則の改正ですか、これも行なわれたとは思うのですが、その後においてもやはり、欠陥車の問題は昭和四十四年であったのですけれども、最近でもまだいろいろと騒がれております。そこで、こういうふうな通達並びにこういうような行政指導によって、欠陥車の問題は解決の方向に向かっているとは私は思うのですが、最近の欠陥車によるものと思われるいわゆる交通事故の件数ですね、これは現在どういうふうになっているのかというのがまず第一点です。
 それからもう一点、ついでにお伺いしておきたいのですが、通達の中でもおっしゃっておりますが、また、この十七日の通達の中でも、自動車の構造または装置について欠陥があることを知った場合には、六月六日付の通達による運輸大臣に属する届け出ですね、これはやっぱりメーカーから届け出を受けてまた回収をやっていらっしゃるのだと私は思うのですが、いわゆる欠陥車の届け出並びにその回収状況は、現実にどういうぐあいになっていらっしゃるか。この二点についてお伺いしたいと思います。
#317
○説明員(隅田豊君) 前段の、欠陥車に基因する事故の統計でございますが、残念ながら欠陥車に基因するという事故の統計はございませんですが、自動車の整備上の原因も含めまして、原因がとにかく車の状態が悪かった。これは整備が悪い場合と設計製作上の場合と両方入ってくると思いますが、それを両方入れて一応警察庁統計の中で車両故障に基因する事故というふうに表現しております。これの統計が手元にあるんですが、昭和四十三年度におきまして二千七百六十一件でございます。全自動車事故に占める割合が〇・五%でございます。
 それから、後段の御質問の欠陥車の届け出件数とそれの回収状況でございますが、これは先生ただいま御指摘のとおり、四十四年の六月から始めまして、現在までに総件数で申し上げますと、三月現在で約二百件ございます。これの回収状況は、全部引っくるめますと、大体、何と言いますか、ごく最近に回収を始めたものもありますれば、ずいぶんふるくなってほどんど回収の済んでいるものもございますけれども、全部平均いたしますと、現在状況で八五%が回収を終わっている、こういう状況でございます。
#318
○峯山昭範君 もう少し明確にお伺いしたいんですけれどもね。私も初めから欠陥車による事故ということは一言も言っていませんでしてね、欠陥車によるものと思われる事故でありましてね、それは当然いろいろと原因の調査もありましょうから、確かにこれは欠陥車によるものか、またはそのほかの整備のいろいろな問題を含めての事故だと私は思うんですがね。まず四十三年のデータをいまおっしゃっていただきましたが、これは四十三年。四十四年、四十五年というのはわかっていないんですか。
#319
○説明員(隅田豊君) いま手元に持っておりますのは四十三年の警察庁統計だけでございます。
#320
○峯山昭範君 同じ持っているならもう少し新しいやつを持って歩いていただきたいんですがね。これはぜひ後ほど資料として出してもらいたいと思います。
 それから、二千七百六十一件、四十三年と言いますと、四十四年に事故車の問題が相当問題になったんでありますから、その一年前ですね。ですから、ほんとうは四十四年、四十五年のデータが一番ほしいわけです。しかし、事故全体から言えば〇・五%であるとはいえ、そういうふうな欠陥車が事故の原因ではないかと疑われるような事故件数が二千七百件もあるということは非常に大きな問題であると私は思うんです。それから、もう一点の欠陥車の届け出及び回収の状況の問題についてももうちょっと詳しいデータはありませんかね。届け出が二百件とそれから回収が八五%では、これはもうまるっきり何のことかわからないわけですね、これ。ですから、現実の問題として届け出二百件ということはどういうことなのか、もうちょっと詳しく。それから車の台数にすれば何台ぐらいが市場へ出回っていて、そのうち何台ぐらいが回収されているのか。また、欠陥車と覚しき、いわゆる届け出のあったということはよっぽど問題のあるところがある車であろうと私は思うんですがね。そこら辺のことも含めてもう少し具体的にお願いしたいと思います。
#321
○説明員(隅田豊君) 二百件と申しますのは、いわゆる届け出の件数でございます。そのうち、これの内訳を申し上げますと、四十四年六月にいわゆる欠陥車問題が起きましたときに、一せいに回収したときがございます。この一せい回収をいたしましたときの件数が百四十件でございます。それ以後はまあ月に二、三件から、多いときで五件とかいうような形で、ばらばらばらばらいわゆる欠陥車の届け出が出てきているわけであります。それを回収していって、いままででトータルで二百件ぐらいになった、こういう意味でございます。
 それから、八五%をもう少し詳しく申し上げますと、その一せい回収時のものは事実上ほとんど全部済んでおります。これは当然のことだと思いますが、済んでおります。それで、それ以後のものが若干、八五%よりは低くなっておりますが、これも四十四年七月、あるいは八月という、四十四年のころのものにつきましては、ほとんど九九%近い回収が行なわれておりますが、まだ最近、ごくつい最近にも回収をやった例がございますが、これなどはいま手をかけたばかりでございます。これについては回収がこれから事実上始まるというものもございます。それから、トータルの台数でございますが、これはいまの二百件を、総計を申し上げますと、この三月現在で対象台数が四百六万七千四百七台、これに対しまして四十六年一月末現在で、回収いたしました車両が三百四十五万八千四百九台、率にしまして八五%の回収ということになります。
#322
○峯山昭範君 私はそこでお伺いしたいと思うのですが、四十四年六月六日付の局長通達で、こういうような問題については報告が提出されるようになって、実際問題としてこれはほんとうに励行されているのかどうかということは、これは非常に問題なんですがね。この四百六万台のうち、三百四十五万台が回収されているということは、届け出のあった欠陥車だけでも百万台近くの車がまだ回収が不徹底である、回収していないということになるわけですが、これはどういうことですかね。どういうような手続をしているのですかね。また、どうも回収がおくれているのではないかという心配をしているわけですがね。ここら辺のところはきちっと行政指導なり、そういうものが行なわれているのか、これはどうですか。
#323
○説明員(隅田豊君) この回収をやりますやり方は、責任はまずメーカーに負わせまして、メーカーが直接自分の傘下のディーラーを直接に掌握しながら、自分のところでわかっておりますユーザーさんについては、できるだけ全部ダイレクトメールを出すように指導しております。ただ、非常に古い車があります場合には、すでに一次需要者でない二次、三次というほうに需要者が変わってきておりまして、必ずしもメーカー系列のディーラーで完全にお客として把握していないものもございます。こういうようなものを対象といたします場合にはダイレクトメールという方式がとれませんので、これにつきましては、まず第一義的には、メーカーの場においては新聞広告という形、同時に運輸省としては新聞発表をするという形をとりまして、車のユーザーの目に触れるということをまずやっております。それから、その次は、一般の整備業者、ディーラーの系列に必ずしも入りませんが、一般の整備業者に対しまして、こういう車がこういうリコールの対象になっているということを知らせるために、整備業者の全国団体の整備振興会というところを使いまして、そこに技術資料をつくって、全国の整備業者がたいてい会員になっておりますので、末端まで資料が行きわたるような方法をとり、その業者のところに整備に入ってきたときに把握できるというような方法もとっております。まだ、私たちといたしましても末端までは十分でないような面もないわけではございませんので、それぞれいろいろ方法を通じて督励をいたしておりますし、メーカーに対しましては毎月報告を出させまして、特に回収状況の進行がおそいというような事態がありますれば、そのつど直接的な指導をするというような方法を講じております。
#324
○峯山昭範君 いまの説明で大体わかるのですが、これはメーカーがユーザーに対して、これはダイレクトメールですか、はがきみたいなものですね。これは現実にこういうふうなやつを出していますと、たとえばダイレクトメールというのですか、あの見本ですか、こういうようなものを出していますというようなものを部長さんのほうで持ってきておりますか、どうですか。それはいろいろあると思うのですがね。たとえば新聞ではこういうぐあいに出したいと思いますと、私も何回か見たことはあるのですが、新聞ではこういうぐあいに出したいと思います、それからダイレクトメールの場合にはこういうようにしたいと思います、こういうぐあいな相談はあるのですか。
#325
○説明員(隅田豊君) すでに一年半くらい経過してまいりましたので、初期におきましては直接にどういう形の、たとえば新聞広告をするか、あるいはどういう形のダイレクトメールを出すかということは直接の指導はいたしました。現在は私たちのほうは新聞などは、これは目に触れますのですぐわかります。ダイレクトメールは各出先のほうへはそれぞれまたユーザーその他からの感触を聞くようにいたしておりますが、個々のケースにつきましてはメーカーの事後の報告を聞いておる段階でございます。
#326
○峯山昭範君 メーカーから毎月報告を出させているということでありますが、毎月報告の中にこういうふうなダイレクトメールを出したという見本なり何なりはついてあるのですか。
#327
○説明員(隅田豊君) 毎月報告と申しますのは、欠陥車の回収に入りましたら何%回収が進んでいるというのの台数報告をとっているということでございます。ですから、そのたびにダイレクトメールを出すという方法を必ずしもとっているということではございませんが、実際上は持ってきております。
#328
○峯山昭範君 いずれにしても、この問題は欠陥車が出回っているということでありますからね。このことについては、やはりただ新聞で広告を出しているとか、ダイレクトメールを出しているとかいうだけでなくて、メーカーに対してももっと積極的にこれはきびしく指導をして、当然こういうような問題について、すみやかにそういうふうな欠陥車がどんどん回収されて、そしてそういうふうな事故をほんとうに一件でも少なくしていく、そういうふうな基本的な姿勢に立って行政指導を進めてもらいたいと思います。
 それから次に、自動車の型式指定というのですか、この問題について二、三お伺いしたいのですが、現在の型式指定の審査の体制はどういうぐあいになっているのかということについて、概略は私も四十四年の六月の欠陥車問題以後いろいろ聞いてはおりますのですが、どうなっているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
#329
○説明員(隅田豊君) 欠陥車問題が起きましてから、型式指定の審査対象の強化をはかりまして、まず交通安全公害研究所というものの独立をしたわけでございます。その中に自動車審査部というものを発足させまして、型式指定の審査業務をそこへ集中するようにいたしました。所定の要員も増員いたしまして、現在、四十六年度、審査部の審査官は十七名おりますが、これで現車についての安全基準に適応しておるかどうかという技術審査をそこでやっております。事務的な問題といたしましては、本省の自動車局の車両課で受けつけをいたしまして、審査部の審査結果をもらいまして、これを大臣の型式指定とするという事務的な措置を講じております。
#330
○峯山昭範君 私はこの型式指定の審査というのは非常に大事な問題だと思うのですがね。この交通公害研究所というのは、これはいつできたのですか。
#331
○説明員(隅田豊君) 昨年の七月でございます。
#332
○峯山昭範君 そうすると、これは非常に新しい機関ですね。そうしますと、これは、それまではこの自動車のいわゆる型式の指定の審査というのは、これはやっていなかったのですか。これはどういうふうになっていたのですか。
#333
○説明員(隅田豊君) 交通安全公害研究所が独立いたしますまでは、審査業務は本省の車両課の中で一緒にやっていたわけでございます。これを強化をはかります際に、同時に研究体制の強化と一緒になりまして、研究部門は交通安全公害研究所として独立する以前は船舶技術研究所の一部門としてやっていた。この船舶技術研究所の一部門であります研究部門と、車両課でやっておりました審査部門を一緒にいたしまして、技術の専門家の集まりとして交通安全公害研究所と、その中に自動車審査部を新しくつくったということでございます。
#334
○峯山昭範君 そうしますと、車両課で審査をやっておられたわけですね。そのときの車両課の陣容といいますか、定員といいますか、審査官ですね。そういう人たちは何人いらっしゃったのですか。
#335
○説明員(隅田豊君) もちろん車両課の場合には、行政事務と一緒にいろいろとやっておりましたものですから、正確に審査だけをやっていたものが何人か、ちょっと言いにくいのですが、ごく大ざっぱに申しますと、十人近い人数がそれにかかっていたと思います。それに対しまして今度は審査部という形で独立いたしまして、独立後、四十五年度において十六人、四十六年度におきましては十七人の予定でございます。
#336
○峯山昭範君 交通安全公害研究所の自動車審査部というのは、前から車両課でやっておった審査業務と大体同じようなことですかね。それで、十七人と人数も非常にふえているようでありますが、現実の問題として、この審査業務というのは非常に私は重要であると思うのですが、審査の内容とか、そういうものについては、これは非常にむずかしい問題もたくさんあるらしいのですが、最近はどういうぐあいになっているのか。毎年どの程度の申請があって、現在の審査体制というのが十分であるのかどうか。これは当然、この制度そのものも欠陥車の発生というものを事前に防止する、そういうような観点からいきますと、これは質、量ともにさらに強化していかないといけないと思うのですが、そういうことも含めてお伺いしたいと思います。
#337
○説明員(隅田豊君) この審査の内容でございますが、自動車の審査をいたしますのには、何と申しますか、基本的には全然新しいタイプの車ができたものの審査と、それから一部を改造してきた車の審査とで、審査の業務量と申しますか、内容、これはかなりの差がございます。そういう意味で件数だけを申しますと三百件とか、相当な数になりますが、それを初めから終わりまで全部審査するような件数となりますと、大体、各年度でそう数は狂わないと思いますが、おそらく百件まではいかないと思います。四十四年度の実績で申し上げますと、型式指定の数が百二十五件でございます。あと、先ほど申し上げましたように、構造変更等で型式指定が新しくならないものも、重要なところの構造変更の場合には審査をいたしますので、それが、私が先ほど申し上げました三百件以上になるという件数であります。これに対しまして十六ないし十七人の人数でやっておるわけでありますが、率直に申しまして、まだその人員の強化をしなければやれない面がございます。
#338
○峯山昭範君 この問題については欠陥車にもつながる大事な問題でございますので、さらに強化して取り組んでもらいたいと思います。
 次に、時間もありませんので、急いでいきますが、保安基準の問題についてお伺いしたいと思うのです。
 保安基準につきましては、道路運送車両安全基準というのですかね、これが昭和二十六年だったですか、制定されて、自動車の寸法といいますか、それから重量とか制動とか、点火装置ですか、それから計器類とか、排気ガス、まあ騒音もそうだと思いますが、そういうようないろいろなものについて規制をしていらっしゃるわけでありますが、これは私、調べてみますと、ほとんど毎年のように改正が続けられておるようでありますが、これは私はもうちょっと、毎年少しずつ改正するというんじゃなくて、何といいますか、長期的な計画といいますか、そういうものを樹立して、そしてその計画に基づいて計画的に規制を強化するというんですかね、そういうぐあいに計画的な改正ということはできないものかどうか。私は、公害という問題でもそのときどきに応じて社会状況も変わってくるわけでありますから、非常に困難ではあると思うんですが、しかしもっと、何というか、夜店のたたき売りみたいに毎年小さなところをちょこちょこやっていくんじゃなくて、もっと長期的な見通しに立った計画を立案して、そうしてそれに基づいたいわゆる保安基準の改正というものが必要であると、こういうぐあいに私は思うんですが、ここら辺のことについてはどういうぐあいにお考えなのか、お伺いしておきたいと思います。
 それが一つと、それからもう一つは、あれ見ると毎年改正になっておりますのですが、ことしは差しあたって改正するものはないのかどうか。最近問題になっている点についてはどういうような点が問題になっているのか、それも合わせてお伺いしたいと思います。
#339
○説明員(隅田豊君) 保安基準の改正を長期的な展望の上に立って、何といいますか、長期目標を天下に示しながら改正をすべきだという御意見に対しては、全くそのとおりだと思います。私たちといたしまして、現在その長期目標を設定するために運輸技術審議会という審議会がございますが、その自動車部会におきまして、現在、この日本の自動車安全基準を長期的にどういうふうにつくるべきかということの諮問をやっております。いろいろ学識経験者に集まっていただきまして目下検討中でございまして、われわれとしてもできるだけ早くそういう一つの長期的な目標を立てたいと考えております。
 それから、ことし何かやることがあるかというお話でございますが、長期目標ができるまで何もやってないというつもりでもございませんで、たとえば昨年の十一月には、これは公害関係でございますが、騒音関係の基準の整備をいたしました。あと、ことしまだやり残っていると申すと変な言い方でございますが、ことしすぐやるべきものとして考えておりますのは、まず第一の問題といたしましては、自動車のいろいろつけております灯火関係の規定の強化ないし整備がございます。これは高速走行に入ってきましたこと等によりまして、現在のヘッドライトの問題だとか、あるいは後方の灯火とかにいろいろな諸問題がございます。それからもう一つは、国際的な条約の関係もございまして、国際的な統一をとるという立場からも日本の保安基準を少しいじる必要がございます。そういうことから灯火類にウエートを置いた改正をもっと広範にまずやりたいということで、目下いろいろ担当の者が技術的な検討を進めている最中でございます。技術的には、まだそれ以後、たとえば高速走行というものが最近非常に問題になってきておりますが、それについての高速安定性の問題をどうするのかとか、あるいは高速時におけるブレーキ性能をどういうふうに考えるかとか、大型トラックが積載の問題で、いろいろな問題が非常に問題になっておりますけれども、こういう大型トラックの積載状態についての安全性の問題をどういうふうに考えるか、われわれとしても技術的な解決さえつけば直ちに手をつけたいと考えております問題が幾多残っております。こういうものも含めまして長期計画を樹立したいというふうに考えております。
#340
○峯山昭範君 保安基準の問題につきましていろいろお伺いしたいのでありますが、アメリカの場合、特に乗用車の場合、これは日本と比較して私もこの点についてはいろいろお伺いしたいのでありますが、アメリカと比較した場合どうかと、こういうようにお伺いしたら、日本のほうが非常に進んでいると、乗用車は進んでいるとはおっしゃらなかったのですが、そのほかトラックとかバスについては日本のほうがずっと進んでいる、こういうふうにお伺いしたのですが、乗用車についてはいろいろな問題があるのじゃないかということをしみじみと――私は新聞等の報道によりましても、相当アメリカは進んでいるようであります。この報道によりましても、アメリカは実験安全車のデータですか、そういうようなデータをもとにして一九七六、七年ころには非常にきびしい自動車の安全基準を法制化すると。そういうようなことで、ずいぶん、ここにも載っておりますですがね、相当これはきびしい装甲車並みの規制をすると、そういうふうに出ておりますのですが、端的にいいまして、現在の日本の保安基準というのは、諸外国と比較した場合、一体どういうふうな点ですぐれ、またどういうふうな点で劣っているのか。そういう点はさらに明確になっているのかどうか。この点についてお伺いしたいと思います。
#341
○説明員(隅田豊君) いま、安全基準、保安基準、各国いろいろな規定がございまして、それぞれその国の事情によるのだと思いますが、必ずしも世界的にまだ一致している段階にございません。特に、何と申しましょうか、アメリカの安全基準が非常に世界の中でも特徴がございまして、自動車というものが安全に走行するということよりも、――それをしないという意味じゃ別にございませんが、それについての規定を完備するということよりも、ぶつかっても人のけがができるだけ少ないようにというほうへの改正を、制定を非常に急いでおります。これは、世界でも、非常にアメリカだけの特異な方向だと思いますけれども、おそらく、やはり高速走行のお国柄によるものだと考えます。そのあらわれが、たとえばハンドルが、非常に衝撃を受けたときには、何と申しますか、衝突した瞬間にハンドルがぴしゃっとつぶれて胸を打たないで済むようにとか、あるいは、さっき問題になりました、いま先生のお話しの、実験安全車による衝突安全性をどうするかというような問題を検討しているわけでございます。それで、わが国におきましても、高速道路の発達に伴いまして、高速走行による安全の問題というのが今後ますますクローズアップされてくるということはそのとおりでございまして、高速走行そのものの安全性と申しますか、そういうようなものを完備した自動車をつくるという方向での安全基準と同時に、アメリカがやっておりますような、衝突した場合でも乗員が保護されるような乗員保護装置の開発といったものまで進めなければならないと考えております。ちょうど、アメリカと日本と、それからヨーロッパではいまのところドイツ、イギリスあたりでございますが、これらとが一緒になりまして、先ほど先生から申されました実験安全車をつくろうという動きがございまして、昨年、日本のほうでは通産省と運輸省が共同いたし、向こうの運輸大臣が参りまして、三者で協定書に調印をしたわけでございまして、共同開発に現在入っております。この実験安全車が開発が進められますと、その結果をおそらく日本でも安全基準に相当取り入れることが可能になってくるであろうと考えておりまして、アメリカはアメリカなりに、いわゆるアメリカらしい大きな車の検討をしております。わが国が担当いたしますのが、ちょうど日本で現在非常に使われております千五百ccから二千ccクラスの、アメリカから見ますと非常に小さい車のそういう問題を担当する。こういうことに現在なっております。この実験安全車につきまして、わが国も積極的に開発を進めているわけでございます。
#342
○峯山昭範君 いまの乗用車ですね、日本の乗用車が、巷間にいろいろなうわさがあるわけですが、輸出用の車とそれから国内向けの車とでは、いわゆる前者が材質とか排気ガス対策とかいろいろなあらゆる面ですぐれていると、こういうことを私たちときどき聞くことがあるのですが、ここら辺の関係はどうなっているのですか。
#343
○説明員(隅田豊君) 輸出用の車と国内の車では安全基準が違うものですから、何と申しますか、義務的につけている装置につきましては、若干の相違がございます。しかし、たとえば、先ほど申し上げましたように、アメリカにおきましては車内安全性についての開発が進んでおりますので、安全基準がその点では日本よりシビアでございます。当然、わが国から輸出しております乗用車も、アメリカに輸出するものは、そういうものが義務的に装備されております。国内で売られている状態におきましては、これは義務的に装備は、安全基準がそこまでいっておりませんので、されてはおりませんが、部品は、われわれ運輸省及び通産省が指導いたしまして、全部、国内向けのも部品の用意はさしてございまして、ユーザーが希望すれば直ちにつけられるという状態になっております。ただ、まだつけていないのは、もう一つは、アメリカの安全基準は、アメリカのような大型車あるいはアメリカのような走行状態、こういうものをベースにしてきめられておりますので、わが国のような交通状態あるいはわが国のような車に適当な安全基準をつくろうといたしますと、アメリカの数字をそのまま持ってくるわけにいきません。現在の日本の輸出車につけております仕様は一応アメリカの安全車の仕様に合っているわけでございます。そういう状態でございますので、義務的にはまだなっておりませんが、販売の状態ではすべて用意さしてございまして、ユーザーの希望があればいつでもつけられるという状態になっております。
#344
○峯山昭範君 ということは、巷間に流れているうわさは、要するに当たっておるわけですね、結局これは。結局、ユーザーの希望があればつける。アメリカの安全基準と日本の安全基準とは違うから、向こうの安全基準に合うように部品をつくって義務的につけているとはいいながら、やはり走行上それは安全ということを中心にしてつけているんであって、それを日本国内を走る場合に、私、何と何が余分につけてあるかということはわかりませんが、そういうようなものをつけておりまして日本国内を走れないということはないでしょう。安全という面からいえば、将来は日本でもそういうようなものをつけたほうがいいんじゃないですか。そういうような点についてはやはり輸出用の車は非常によくできていて、国内で走る車がやはり落ちるという感覚が少しでも出てきては私はよくないと思うのですよ。そこら辺のところはどうですか。
#345
○説明員(隅田豊君) 先ほど申し上げましたとおり、何といいますか、義務的につけてないということでございます。用意は全部してございますので、買おうという立場からいたしますと、それだけの用意は全部してございます。しかし、もちろん車内安全性の問題は、これからわれわれも安全基準について検討していくつもりでございますので、その暁にはわが国でもそのようなものがつけられると思います。それからちょっとつけ加えさせていただきますが、そのかわり日本の国内ではつけておるが、アメリカ向けのものにはつけてないというものも中には出てまいります。その辺の国際的な安全基準は確立しておりませんので、輸出国の実情に合わせたものをつくるということが世界的に出ております。
#346
○峯山昭範君 ということは、私はそこら辺のところが矛盾していると思います。要するに、ユーザーがほしいと思えばいつでも買えるように用意してある。それで、何と申しますか、アメリカに輸出しているものには、日本の国内のものにはっけであるけれども向こうにはつけていないものもある。それはそうかもしれませんが、ということは、私が何でこんなことを言うかというと、結局、これは交通事故は、車にはねられる歩行者の交通安全というものが相当大きく取り上げられておりますが、歩行者もこれは当然大事でありますが、車を運転する人も大事だと思います。そういう面からいけば、私は当然運転する人の安全ということも相当これは慎重に考えて処理すべきと思うんです。そういうふうな、何というか、人間の命を預かる、行政機関としてそういう点については相当シビアに考えていかなければならないと思います。その点からいくと、例の、この間のネーダーという人ですか、あの人が来まして質問をいろいろされましたね。あの質問の一番初めに、日本の自動車メーカーは国内用の車と輸出用の車と、日本のメーカーは、何ですか、輸出用の車と同様の安全な車を国内用にも生産してはどうか、こういうような提案だったと私は思うんですよ。これは、そういう点からいくと、ごもっともなことをおっしゃっているのですが、これは非常に大事なことだと思うが、これに対する運輸省の見解というものをこの間ちらっと聞きましたら、どうもネーダーの言っていることを片っ端から、おまえの言うことは全部おかしいのだ、事情がわからなくて何を言っているのかという感じの答弁じゃなかったかと思います。そういうことであってはいけないと思いますが、そこら辺のところはどうですか。
#347
○説明員(隅田豊君) 運輸省の立場といたしましては、アメリカの安全規制あるいはヨーロッパの安全規制、日本の安全規制、いろいろ違ってはおりますが、できる限り日本の安全規制が、車内の安全性につきましてもそれを取り入れるようにできるだけ早く持っていくのが運輸省のいわゆる行政の立場であると思います。これをできるだけ早く持っていきまして、たとえば輸出してない車につきましても、そういうようなものが全部つくような方向に持っていきたい、これが運輸省の考え方でございます。
#348
○峯山昭範君 それじゃ、ネーダーの質問というのは、どういう質問だったのですか。
#349
○説明員(隅田豊君) ネーダー氏が総理大臣あてでよこしました公開質問状というものは、大ざっぱに言いますと、六つの点に分かれております。
 まず第一点は、先ほど先生申されました、日本の自動車メーカーは、輸出用と同様の安全な車を国内用に生産することという点でございます。
 それから第二点は、安全基準の改正に際して、消費者の意見を採用しなさい。
 第三点は、米国で回収して、日本で回収しない欠陥車があるのではないかという質問。
 第四点は、欠陥車の回収の完全を期するために、法律を制定してそれに罰則をつける必要があるのじゃないかということでございます。
 第五点は、消費者のために、欠陥車の内容、型式審査の結果を款項目によって公表しなさい。
 第六点は、型式審査結果を、ディーラー、ショールーム等へ提出しなさいという、この六点でございます。
#350
○峯山昭範君 私はこのネーダーさんというのは会ったことがないのですが、どういう方かかも新聞報道等でお伺いしただけなんですがね。これはいま聞いた限りでは、非常に交通安全という点からいいますと、また交通公害という問題を解決する意味におきましては、私は非常に私たちがかねがね思っていることをずばりおっしゃっていただいていると思うのですよね。これに対して運輸省は、その一つ一つについての見解をお持ちであると私は聞いておるのですがね。
 まず、その第一点についてはどういうふうな見解をお持ちなんですか。
#351
○説明員(隅田豊君) 輸出用と国内との問題につきましては、先ほど先生に申し上げたとおりでございまして、日本とアメリカの安全基準が違いますので、国内向けの生産車両は日本の安全基準に最低限合えばいいということで、違法生産にはなりません。輸出用の車につきましては、その輸出先の安全基準に合わなければならないということになるわけでございます。それを一応説明をいたしまして、アメリカと日本で、必ずしも優劣の問題じゃなくて、実質的には差がございますので、その点を、わが国におきましてはたとえば交通安全対策、あるいはトラックとかバスとかになりますと非常にこまかい基準がございます。そういう意味では日本のほうが進んでいると考えられますが、乗用車の乗員保護の問題につきましては、これはアメリカのほうが圧倒的に進んでおります。こういうことを述べて、最後に、しかし、当然の話でございますが、アメリカの乗員保護というような問題は、わが国においても将来当然取り入れていこう、こういうことでございます。
#352
○峯山昭範君 それじゃ第二番目の安全基準の改正に際して消費者の意見を聞くと、何か言っておりましたね。これについてはどういうふうに……。
#353
○説明員(隅田豊君) 従来から安全基準の改正につきましては、消費者――消費者と申しましてももちろん専門家になるわけでございますが――の意見を聞いているということを申し上げたのであります。
#354
○峯山昭範君 ずっと聞きますけれども、三番目はアメリカで回収して日本では回収していない欠陥車があるのじゃないかということですね。これはどうですか。
#355
○説明員(隅田豊君) 三番目は、これはネーダーさんの誤解のようでございまして、われわれが実情を調査しました結果によりますと、アメリカで回収して日本で回収しておりませんものというものは、特別に理由のあるもの以外はございません。この特別な理由と申しますのは、とにかく日本でそういう事態、何と申しますか、たとえばハンドルが左と右で違うために別の部品が使ってある。あるいは、まだ日本で発売前にアメリカで発売しておる、その状態で回収している。全部済んでから日本で発売された。その他いろいろ理由がございますが、とにかく同じものがアメリカでは回収が行なわれ日本では回収が行なわれなかったということは、これはございません。
#356
○峯山昭範君 四つ目のやつは罰則でしたね、これはどうですか。
#357
○説明員(隅田豊君) ちょっとアメリカと日本とで法律のあり方が違いまして、日本の場合には道路運送車両法という法律をベースにしてこの行政を行なっているわけでございますが、先生御承知のとおり、この法律の省令によりまして、日本の場合には欠陥車が発生した場合にはすみやかに運輸省に届け出まして、回収措置、それからユーザー、整備工場等への周知するための措置を講ずるということを義務づけております。これが適当でないという場合には変更指示をすることもできますし、回収状況につきましては報告さしておりますし、保安基準に適合しない車がもしございますれば、これは取り消しすることもできるわけでございますので、罰則云々ということばの意味がちょっとどういうことをネーダーさん考えているかよくわからないのでございますが、われわれ現行法で十分いけるものであると考えております。
#358
○峯山昭範君 五番目と六番目ありましたね、これはどうですか。
#359
○説明員(隅田豊君) 消費者に対していろいろ内容を十分PRしてくださいという意味でございますが、それにつきましては、先ほど申し上げましたとおり、届け出がされますと、まず直ちに運輸省で新聞発表すると同時に、各メーカーにおきましてはダイレクトメールというような形での直接的な指示をやらしておりますし、整備工場のほうにも資料を提出するというような方法をとっておりますが、これはどちらかといいますと、日本だからできるということでございまして、アメリカのようなところではたとえば全国紙というようなものがございませんので、新聞発表というような形はとられていないようであります。そのためにアメリカでは、何と申しますか、三カ月に一ぺんずつまとめた印刷物をつくってそれを一般に見せるというようなやり方でもって周知徹底をはかっているようでございますが、この点ではかえって日本のほうが進んでいるのではないかとわれわれは考えております。
#360
○峯山昭範君 ということは、いま私は初めネーダーの質問を聞いて、交通公害といいますか、そういうことを防止する上からは非常に大事な問題をいろいろと勧告というか何というか、こうしたらどうだというような意見をおっしゃってくださったのですね。それに対して運輸省が思っているいまの見解を聞いていますとね、どれ一つごもっともですと、あなたのおっしゃることもほんとうにこれは大事な問題だと、謙虚に聞くなんという気持ちはとにかく全然ありませんね。要するに、いんぎん無礼というやつです。初めのあなたの言っているのは、日本とアメリカとは事情が全然違うじゃないか、事情が違うのに何言っとるのかということですね。二番目は消費者の意見を採用してほしいという意見に対して、ちゃんと採用している、こういう見解ですよ。これはもうすでにやっているという見解ですよ。もう全部そういうふうな見解をもし運輸省自体が持っているとすれば、交通安全という点からいうと非常に私は遺憾だと思うのですよ。もっと謙虚に交通行政、交通安全の行政という面については、私も交通安全の問題についていろいろと調べておりますけれども、まだまだもっと謙虚な立場に立ってそうして考えていかないと、これはそういうふうな一つ一つの何というか、あなたより私たちのほうがずっと偉いのだ、よくわかっているのだ、あなたは弁護士のくせに何もわからないのか、かえって教えてやるぞという感覚ですよね。そういうようなあれじゃこれは一つも前進はないと私は思うのですよね。こういうような人たちの意見というのは、やはりそれぞれ専門でやっているわけですし、やはりこちらにも欠点はあるわけだし、国民の生活を守るというか、公害を防止するという、そういうような国民の立場に立って考えた場合、こういうふうないろいろな人たちの意見は謙虚に聞く、謙虚に耳を傾けるという姿勢がなければ私はいかんと思うのですよ。大臣、これはどうですか。
#361
○国務大臣(橋本登美三郎君) おっしゃるように、十分謙虚な気持ちで聞いていくべきだと思っております。
#362
○峯山昭範君 あまり時間が長くなってまいりましたので、少し飛ばすことにします。
 まず、法案そのものについて初めにちょっとだけお伺いしたいと思います。
 今回、統計調査部というのが情報管理部に改組されることになっているわけでありますが、この改組の必要性については提案理由である程度説明はされておりますが、さらに突っ込んでお伺いしたいと思います。
 また、その改組後の情報管理部の業務内容というのは、これは現在の統計調査部の業務内容と比較してどういうぐあいに変わっていくのか、そこら辺のところについて初めにお伺いしたいと思います。
#363
○政府委員(高林康一君) 第一点の統計調査部を情報管理部に改組いたしますのは、情報化が非常に進展いたしました今日また今後というものに対処いたしまして、国民に対してよりよい運輸サービスを提供いたしますために、大量情報を迅速、的確に処理いたしまして運輸行政に反映する必要があるかと思います。このために統計調査を中心にいたしました従来の統計調査部、これは非常に静態的な統計調査ということになりますけれども、最近驚異的な増大を示しております電子計算機による処理に関する需要を含めまして、情報の管理に関する事務を一元的に処理する組織として持ってまいりたい、そして運輸行政及びその運輸事業のサービス向上ということをはかるための必要な基礎的な手段としてこれを進めていきたいというふうに考えておるものでございます。
 第二には、改組後の情報管理部の組織は、これは情報管理部といたしましては五課、正確には四課一官でございますけれども、これを考えておるわけでございまして、現在の統計調査部は四課でございます。定員は改組後は八十六名ということを考えておる次第でございます。
#364
○峯山昭範君 ただいま説明がありまして大体わかりましたですが、電子計算機の利用によりまして、情報処理技術を運輸行政及び運輸事業に積極的に導入をすると、こういうぐあいにおっしゃっているわけでありますが、運輸省における現在の電子計算機の導入の状況ですか、これは一体現存どういうぐあいになっているのか、また、これによって業務の合理化ですか、効率化というのはどういうぐあいに進められているのですかということについてお伺いしたいのですが、先日私もちょっと車検とか登録とかいうような問題については現場を見てまいりましたのですが、実際問題、こういうふうな電子計算機の導入によってどういうぐあいに業務の合理化、効率化というのですか、そういうものが進められているのか、具体的にお伺いしたいと思います。
#365
○政府委員(高林康一君) 現在運輸省に導入されております電子計算機は二十三台でございます。主としてこれは研究所――船舶技術研究所あるいは先ほどのお話に出ました各種の、港湾技術研究所やその他の研究所、これが主体でございます。それと同時に気象庁の予報等の業務あるいは海上保安庁の航行に関しますところの交通情報システム、こういうようなものを進めるということ。それから航空の管制業務、こういうようなことに進めると同時に、いろいろの登録業務についてこの導入をはかりまして業務の簡素化を進めておるという実態でございます。
#366
○峯山昭範君 現在はそういうことで大体わかりますのですが、将来は、今度は電子計算機を中心にしたそういうふうな情報処理というのは相当いろいろな方面に浸透されていくと私は思うのですが、これから運輸行政上でこういうところにも情報処理技術といいますか、こういうふうなものが浸透されるであろうというようなところはどういうところを考えていらっしゃるかというのがまず第一点ですね。
 それからコンピューターの導入を中心とした情報処理システムといいますか、こういうふうなものはこれはいろいろな目的を私はあわせて持っていると思うんですが、実際問題、運輸行政の中でこの情報処理という、これはどういうふうな部門に――先ほども言いましたが、これからどんどん進んでいくと私は思うんですが、何といいますか、これからの未来像といいますか、これについては現時点でもうすでに将来も相当、十年先、二十年先、そこまで見ているかどうかわかりませんが、相当将来のことも見込んでコンピューターを導入し、こういうふうな機構の改革もやっていらっしゃるんだと私は思うんですが、そこら辺のところはどういうぐあいにお考えか、お伺いしたいと思います。
#367
○政府委員(高林康一君) まず二つの面があると考えます。第一の面といたしましては部内の行政処理というもの、それから行政事務のサービスというものをさらに向上するということでございます。具体的には車検登録あるいはまた気象予報、こういうようないろいろの部内の行政事務はございますけれども、こういうようなものについては電子計算機の利用によりましてさらに能率あるいは正確度の向上、こういうような点を積極的に進めていきたいというのが部内の問題として考えておる点でございます。
 第二には、運輸関係事業に情報処理システムを導入することを積極的に進めていきたい。運輸関係事業といたしまして国鉄あるいはまた航空、各種のところでいろいろ電子計算機を導入しております現在ではおそらく百八十程度のものが入っておるかと思いますけれども、こういうような点についてはやはりすでに行なっておりますところの国鉄の「みどりの窓口」、あるいはまた航空の座席、その他の点をさらに拡充すると同時に、各種の輸送サービスの向上のために船会社のコンテナ・コントロール・システム、あるいはトラック貨物の配送システムというような点についても、さらに旅客のみならず貨物の処理というような面についても進めていきたい、こういうふうに考えておるわけでございます。
 さらに、第三番目には、安全ということを確保いたしますために、先ほどお話が出ました大量交通情報システム、あるいはその他のいろいろ運輸に関するところの公共的な情報の提供、こういうようなものについて積極化してまいりたいと考えておる次第でございます。
#368
○峯山昭範君 陸運事務所におきます自動車の車検といいますか、登録、こういうふうなデータ通信システムというのは先日ちょっと見せていただいたのですけれども、陸運事務所等はその業務量といいますか、そういうようなものは私は非常に定員が不足しているのじゃないかということを、前々から思っていたわけでありますが、こういうふうないわゆるコンピューターを導入することによりましてどの程度いわゆる省力化されたといいますか、合理化されたといいますか、ここら辺のところはどうですか。
#369
○説明員(隅田豊君) 登録業務にコンピューターを導入いたしますのは、まだ完全に完成はいたしておりません。現在原簿が、昔手書きでつくりました原簿がまだ残っておりまして、あとは新しく入れるほうは全国で入れることになっております。そういうことで、現在までどのくらいかということはちょっと計算がしにくいのでございますが、大ざっぱに申しまして、完全に移行しない現在大体二六%ぐらい節約になるだろうと考えております。これが全部原簿をコンピューターに移すという完全な移行が終わって、これは年月でいいまして四十八年三月を予定いたしておりますが、このときで約三二%節約になるというふうに考えております。
#370
○峯山昭範君 いまその合理化されるいわゆる業務量のパーセントが出ましたのですが、しかしながら、その車の増加というものが相当なものです。これは将来、これからあと五年ですか、後には、三千万台近くなるという話もありますし、そうした場合に相当これはそのぐらいの合理化では足りないんじゃないかという気もするわけですが、そこで、最近の陸運事務所の業務量の推移とそれに伴う定員の増加の状況ですね、これはどういうぐあいになっているのかということがまず第一点。
 それから定員の削減計画というのがこれはあるはずです。これは事務所の業務をやる上においていろいろと影響を与えていると私は思うのですが、この削減計画等はどういうぐあいに影響しているのか、この二点をお伺いしたい。
#371
○政府委員(高林康一君) 自動車の業務量の一つの指数といたしまして自動車の台数の伸びを考えてみますと、四十年度を一〇〇といたしますと四十五年度が大体二六〇というような自動車の台数の伸びを示しております。
 一方陸運事務所の定員につきましては、四十一年度を一〇〇といたしますと四十六年度は二千三百九十八人でございますので、一二三という指数になるわけでございます。この点、非常に台数の伸びというものに対応いたしまして比較的に定員というものが伸びておりませんのは、やはり相当程度、先ほどのコンピューター導入、あるいは登録等の事務、こういうようなものについてかなり大幅にコンピューターを導入した効果ということによるものかというふうに考えておるわけでございます。
 削減計画につきましては、すでに閣議の決定がございまして、全般的に五%という削減計画が実施されておりまして、現在実施中でございます。これらの点、台数の伸び、それからまた定員がやはり総体的には陸運事務所は増加しておりますけれども、伸びに追いつきませんので、今後ともさらにコンピューター等の導入をはかってそうして能率の増進を進めてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#372
○峯山昭範君 そうしますと、さらに最近のこの自動車による事故といいますか公害、こういうような問題が大きな社会問題となっておりますおりから、この自動車の点検整備並びに車検、こういうようなものは非常にこれからますます充実をしていかなければならない部門であると、私はこう思うのです。そこで、実際問題として、現在の状況で私も現場を見せていただいてある程度はわかりました。しかしながら、あれで十分であるとは思わない。特に私は陸運事務所で検査をやっている部門、きょうはそれを問題にしたいと思うのですが、もう一つはやはり民間の車検の場合ですね。非常にいろいろな問題が出てくると思うのです。現実にその車検の料金等も全然もらえないような状況にあるわけですね、結局。幾らかきまっておりましても、メーカーのいろんな事情によってもらえないような事情ということも聞きましかし、また、それぞれこれから民間の車検というのは相当問題があると思うんです。この問題については相当時間がかかりますから後ほどまたあらかめて何かの機会にやりたいと思います。しかし、陸運事務所でやる車検そのものも、これはこれから車はふえるし、ますますいまの陸運事務所だけではこれは足りないと思うんですね。そうなってきますと、職員の確保等も種々問題になってくると思うんですが、そこで一点だけお伺いしたいのは、昭和四十五年度の「運輸経済年次報告」ですか、これによりますと、検査要員というのを四十四年度に四十九人ですか、四十五年度に九十七人増員しておりますね。この四十五年度の九十七人の増員のうちには、いわゆる庁費でまかなわれる賃金職員、すなわち定員外職員ですね、こういうようなのが検査要員の増加の中に含まれているように私は思うんですが、これは一体どういうふうな理由であるのか、これをお伺いしたいと思います。
 それからさらに、自動車の事故防止のため、このごろ特に検査部門というのは非常に重要な部門であると思うのです。そういうようなところにどうしてそういういわゆる臨時職員というようなものを充てなければならないのかという点は、非常にこれは心配な点であります。こういうような点については、定員管理の面からも非常に不合理だと思うんですが、これはどういうぐあいに考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。
#373
○政府委員(野村一彦君) 検査関係の要員につきましては、毎年要求をいたしまして、必ずしも満足する数字ではございませんが、増員を要求いたしておるわけでございます。
 ただいま先生がおっしゃいました件でございますが、検査官、つまり国の自動車検査場におきまして自動車の検査をする検査官は、これは当然正規の国の管理でなければなりませんので、ただいま御指摘の数字でございますが、いわゆる検査を責任を持ってやっておりますものは当然正規の国の管理でございます。
 まず、ただいまのお話しの中に、庁費でもって採用しておる補助職員がおるじゃないかというお話は、私ども検査官を正規の職員で充足いたしておりますが、その検査そのものに対する事務がございます、普通事務が。その普通事務を処理する補助要員というものは、これは、これも本来はもちろん国の正規の定員でやることが好ましいわけでございますが、不幸にして正規の定員が確保できない場合は、検査事務の補助をする事務要員の中で比較的軽徴な事務に当たらせるもの、それにつきましては、やむを得ず正規の定員がとれない場合は、次善の策といたしまして、いわゆる庁費の中のそういう賃金要員の経費というものを取ってそれでもってまかなっておるという状況がございますが、もちろん、これは私どもの立場からいたしましても非常に不十分でございますので、できるだけ正規の職員でやりたいということでやっておりますが、現状は、残念ながら、そういう、ごく初歩的な事務の補助要員については一部、賃金職員と申しますか、そういう臨時的な職員でやっておるということは事実でございます。
#374
○峯山昭範君 私は、もちろん検査官というのも非常に専門的な技術を要すると思うのです。しかし、登録事務等を全部見ておりますと、いわゆる補助的要員という人は非常に少ないですね。少ないというよりも、事務的な仕事をやっておる人もコンピューターをやっておりますし、権利書類をやっておりますし、簡単な職員なんて一人もいない感じなんです。みんな一人一人が重要な立場の人々だと私は思うのです。そういう点からいうと、補助要員に、そういうふうに一部定員外職員に採用しておるということ自体はどうも私たち不十分じゃないかと思うのですが、これは非常に現在日本全国でこれは相当おるのじゃないか。これは私どのくらいおるかわからないわけですが、相当おるのじゃないかと思うのですが、これは何人ぐらいいるのか。そして、その人たちの身分の保障についてはどういうぐあいに考えていらっしゃるかという点ですね。当然こういう人たちは定員内職員に切りかえていくべきでありますし、そういう点においては非常にこれは大事な問題だと私は思うんです。これはどういうぐあいにお考えですか。
#375
○政府委員(野村一彦君) 昭和四十六年の予算を要求いたしますときに、私ども当然定員の増員を要求いたしたわけでございまして、その要求の中には、従来そういう賃金職員であった者を正視の職員にするということも含めて要求をしたわけでございます。で、今年度の要求につきましては、従来賃金職員として採用しておりましたいわば臨時的な職員を正規の職員にするということが認められましたので、ただいま先生のその白書によって御指摘の時点において賃金職員であった者は、全部正規の職員に組み入れられております。ただ、今年度の要求のときに、正規の職員も四十六年度の要求で相当の職員がついたわけでございますが、このほかに、これはまあ一般論でございますが、庁費の中にそういう臨時の必要に応じて賃金要員と申しますか、そういうものを採用して使うということもまあ認められておりますので、今後もそういう賃金職員を使うことはあろうかと思いますが、ただいま御指摘の、いままでいわば正規の職員の代用として使っておりました賃金の職員は、現在の時点におきましては全部正規の職員に組み入れられたという予算の措置が幸いにして講じられております。
#376
○峯山昭範君 相当時間もたってきましたので、もうはしょってやりますが、いずれにしても陸運事務所のいろんな仕事の様子やら、その業務内容を見ておりますと、これは非常に重大でもありますし、また、住民のサービスという点から見ても、非常に最近の、何といいますか、人件費の問題から見ましても、車検を受けに行くにしてもやっぱり半日かかります。車検の費用が非常に安いのに、人件費のほうが非常に高いという現実の姿もあるようであります。窓口で見ておりましても、最低一人三十分以上待たされておる。一ぱい窓口にずらっと並んでいる。そしてそういう人たちがあまり文句を言わない。何で文句を言わないかというと、中の職員の人たちが人数が少ないので、少ない職員の人たちが一生懸命やっているからです。あれで片っ方の職員の人たちが遊んででもいたらおこるだろうと思うのです。しかし、ああいうふうな状態は私はいいとは思わない。やっぱりもっともっと職員も充実して、もっとてきぱきやれるようにしなければならないと思うのです。そこで実際問題として、四十六年度陸運事務所の定員は新規増が二百七人ですか、そういうふうに聞いておるのですが、二百七人のうち百三十八人は今度新設される自動車のトン税――通らぬほうがいいと私は思っているのです。思っているのですが、トン税関係の業務に伴う増員である、こういうぐあいに聞いておるわけでありますが、自動車のこういうトン税を徴収するために実際問題全国百三十八人で足りるのかどうか。これはもう相当たいへんなことだと思うのですよ、こういう陸運事務所であんなことをやりだすと。この辺のところはどういうぐあいになっていらっしゃるのか、どういうぐあいに処理をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
#377
○政府委員(野村一彦君) お説のように、四十六年度陸運事務所は全部の定員合わせまして二百七人の増員が認められておるわけでありまして、その内訳の百三十八人は、おっしゃいましたように、自動車重量税法案の増員ということを一応めどにして予算上認められているものでございます。で、私どもといたしましては、自動車重量税の徴収は、これは実は陸運事務所が直接やるものではございませんで、これはいわゆる印紙収入をもって納めるということでございまして、自動車の検査あるいは検査のない軽自動車につきましては、使用の届け出をする際にその印紙を所定の印紙売りさばき所で買いまして、で、それが納税になるわけでございます。したがいまして、その税の徴収事務そのものは陸運事務所で行なうわけではございません。陸運事務所で検査をし、あるいは軽自動車について使用の届け出をするときにその所定のいわゆる重量税というものが納められたかどうかということをチェックする。そして次の検査に応ずるという態勢でございまして、事務といたしましては、その徴収行為そのものをやっておるわけではございませんで、まあ百三十八人で十分かどうかということにつきましては、いろいろと私どもも想定を立てて予算要求をしておるわけでございますが、まあ、この点につきましては、そういう法案が成立しまして、重量税の事務の一部――チェックの事務を陸運事務所がやるということになりますれば、その百三十八名でできるだけ合理的に事務を処理をする、こういう態勢をとらなければならないと思っております。
#378
○峯山昭範君 私は、そうかもわかりませんけれども、印紙は、これは陸運事務所でも売っておるのでしょう。これはどこか大蔵省から事務所へ出張しておるのですか。
#379
○政府委員(野村一彦君) これは民間の印紙売りさばき人というものがありまして、その売りさばき人に売りさばきを国が依頼をしておるわけでございます。陸運事務所で直接売っているわけではございません。
#380
○峯山昭範君 陸運事務所の中でやっておるのでしょう。
#381
○政府委員(野村一彦君) 従来検査及び登録の手数料の収納もその売りさばき人、今度のと必ずしも全面的に一致いたしませんが、売りさばき人がやっておるわけでございまして、一部陸運事務所の構内あるいは陸運事務所に隣接するような場所等にそういう売りさばき人が指定されてそこで売っておるというケースは相当あると思います。
#382
○峯山昭範君 まあ、いずれにしても、この百三十八人で初年度四百億とかいうようなたいへんな税金が取られることになるわけですけれどもね。この取られることに、このことについては私たちはあまり賛成じゃないのですがね。この法案通るかどうかもまだわかってないわけですからね。しかし、このことを陸運事務所でやるということについては、これは要するに負担にならないとおっしゃっているのですかね、あなたは。私は言いたいのは、百三十何人ではとてもじゃないけれども現在の業務の上に負担がかかって、そしてかえってまた陸運事務所の事務自体がいま以上に繁雑になって、それでいま現在でも非常に少ないのに負担がかかっちゃって、ほかの登録事務やそのほかのほうにかえって迷惑をかけるのではないか。いま待つ時間が三十分で済むものが四十分、五十分になっちゃうのじゃないかという、そういうことを心配して言っているわけです。どうですか。
#383
○政府委員(野村一彦君) 自動車重量税法案が今年の四十六年度の予算審議に関連して問題になりましたときに、私ども、もちろん端的に申し上げまして、喜んで陸運事務所でこのチェックの事務を引き受けたわけではございません。種々政府部内において論議をされました結果、陸運事務所において先ほど申し上げました様式で印紙で収納をする、そのチェックは、収納の時期は要するに車検の時期であるということが政府の方針として定められました。したがいまして、私どもその政府の方針に従って、それでは陸運事務所でやろうということになって所要の定員の要求をしたわけでございます。その百三十八名の定員につきましても、私ども、もっと多数の定員を要求したわけでございますが、これも予算折衝の段階でいろいろと事務の処理のしかたというようなこともくふうをして、そして相当のくふうをこらせば百三十八名でも何とかやっていけるというめどがつきまして、私どもはこの業務を陸運事務所でやろうという決心をしたわけでございます。先ほど御指摘のように、確かに陸運事務所といいますのは第一線でございまして、相当業務量が山積していることは御指摘のとおりでございますが、私どもとしては、いま申し上げましたように、できるだけ事務処理の方法をくふうし合理化をして、その事務がもし実施されるということになれば、百三十八名をできるだけくふうをして、それがほかのほうの業務に食い込まないで、むしろほかのほうの業務も一部その人員でも助けることができるように活用するくふうをしながらやっていきたい、かように考えております。
#384
○峯山昭範君 もう相当時間たちましたのでこの問題についてはもう一点お伺いして終わりますが、四十六年度の計画削減は三十六人ですね。そうしますと、この三十六人をどういうところから減員するか私は聞いていないんですが、四十六年度のこの新規増が二百七人ですね。そうしますと、二百七人からいまの減員を引きますと、これは差し引き百六十八人の増となりますね。そうしますと、そのうち自動車トン税関係を百三十八人ですか、これを除きますと、陸運事務所の本来の増加の人数は三十人ですね。合うてますか、これ。そういうような算術的な計算になるわけですか。わずか全国の陸運事務所で三十人の増加ということになりますと、最近の自動車の増加並びに事故、公害防止、そういうふうないろんな問題から考えてみますと、これはもう非常にたいへんな問題だと私は思うんです。ですから、そういうふうなことを考えますと、今後の、将来の陸運行政に関する具体的な考え方といいますか、方針というものもきめなきゃいけないし、それからもう一つは、地方事務官の問題もあります。これは、こういうような、地方事務官にするというような問題も前々から問題になっておりますが、こういう点も含めて、まあ行政改革という問題とからみ合うわけでありますが、前、陸運行政について四十三年の十一月ですか、行管と自治省とそれから運輸省三大臣の覚え書きというのがありましたですね。そういうふうな趣旨に基づいてまたいろいろと問題が、ずいぶんいろんな問題あると思うんですが、こういうような種々の問題について今後どういうふうにされていくのか、また覚え書きの問題についてはその後どういうふうに検討を進めてきているのかですね、これらの点についてお伺いしたいと思います。
#385
○政府委員(高林康一君) 先生御指摘のように、三十六名陸運事務所では削減になっておりまして、実質的な増加は百六十八名になるかと思います。それで、今後の陸運事務所の行政につきましては、これは非常に大きな自動車の増加、それからまたその他、たとえば自動車重量税その他本来のまた車検、登録、こういうような問題が非常に多うございます。やはり今後どのように充実していくかということ、そのことは非常に大きな問題であるかと思います。私どもといたしましては、まずいろんな面で陸運事務所が担当いたします車検、登録のほかに、輸送の業務その他の面につきましても極力事務を簡素化できるものは簡素化していく、さらにまた民間に委譲いたしましてそれが円滑に行なわれるというような分野につきましては、できるだけこれを民間に委譲すると、それからまた機械力等を導入するというようなことによっていろいろ事務を合理化してまいる、そうしてまた必要な定員というものは、本年度はもちろん不十分ではございますけれどもある程度の増員を見ておりますけれども、さらにそういうような業務を簡素化した上でさらにまた定員の増加というものに一段と努力を払ってまいりたいというふうに考えておるものでございます。
 なお後段の陸運事務所、ことに地方事務官の問題につきましては、先生御指摘のような三大臣の覚え書きがございます。それにつきまして、いま主として自治省方面と折衝を重ね、ごく細目に至るまでいろいろと検討を進めておるわけで、できるだけこれを進めて、なるべく早い機会に問題を解決してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
#386
○峯山昭範君 それでは、あまり時間ももうないようでありますので、もう一点お伺いしたいんですが、運輸省における許認可の行政が非常におくれておるということで、行政管理庁からことしの一月ですか、運輸省が指摘されてますね。この問題についてお伺いしたいんですが、特にバスの路線免許の未処理案件が非常に多い。特に一年以上たまっている分があると、こういうぐあいに聞いておるんですが、一年以上、いろいろと理由があると思うんですが、そのほか相当長期にわたるものもあるようでありますが、こういうふうなものは、先ほどから過密過疎におけるバスの運行の問題についても相当質問がございましたが、早急にこの問題はやっぱり解決してもらいたいと思いますし、また勧告があった後、運輸省でもそれぞれの問題について対処していらっしゃると思うんですが、中でも大臣の権限になっているものについても相当あるようであります。また、五年以上の長期にわたっていわゆるたまっているものも十五件近くあると、こういうぐあいに思うんですが、その後解決されたかどうかわかりませんが、これはどういうぐあいになりましたですかね。
#387
○政府委員(野村一彦君) 行政管理庁から監察の結果指摘せられました処理に長期を要する事案につきまして、私どもさっそくこの処理の迅速化について努力をしておるわけでございます。で、一部は別途御審議をお願いいたします許認可整備法によりまして今後は簡素化されるということを相当期待するものもございます。ただいま御指摘になりました、たまっておりますもので五年以上になっておる大臣案件十五件という御指摘がございましたが、この模様を申し上げますと、訴訟になっております事件が五件ございます。これは私ども、残念ながら訴訟になっておりますので、訴訟の処理待ちということでございます。その他の十件の中で二件は取り下げられております。それから、三件ほどは、これも大体取り下げられる予定でございまして、都合五件ほどはこれは取り下げられると思います。それからあとの五件でございますが、これはいずれも非常に競願事案になっておりまして、あるいは申請当時からずいぶん客観情勢が変わっておりまして、もう申請自体があまり意味のないというようなものも中にございまして、これは本来ならば取り下げられるべきものと思いますが、いろいろの都合によって取り下げられていないというものがございまして、これから一部取り下げられるものも出てくると思います。そういう意味で、たいへん長期の滞留事案がたまっておりましてまことに申しわけない次第でございます。今後は、大臣の御指示もございまして、私どもいろいろと各種の免許事案の処理等を定型化し、また基準を明確化し、処理の迅速化ということをやっておりますが、現在まで滞留しておりますこういう事案については、できるだけ早く結論をつけますとともに、今後の新規事案につきましては新しい方式によって処理を迅速化していきたい、かように考えております。
#388
○峯山昭範君 まあ、いま局長からそういうぐあいに答弁いただいて、ほんとうにそれがすうっと解決するのかどうか疑問なんですがね。私、それだけでは、とてもじゃないけれども、納得ができないのですけれども、約束の時間が来ておりますからあまりもうやりません。しかし、こういうふうな問題についてはやはり住民のいわゆる足にかかった問題でありますし、特にその長期間にわたってこれは行政事務のおくれによって住民がそれだけ被害をこうむるということはやっぱりいいことではありませんので、もっと積極的にこういうふうな問題にも取り組んでいただきたいと思います。いろいろとありますが、いずれにしても、大臣、こういうふうな問題は相当いろいろあるのですよね。私もきょうは調べてきておりますのですけれども、何か相模鉄道の大和市の下鶴間というところですか、そこから有楽町間四〇・五キロ申請が出ているそうですが、これは解決した案かどうか知りませんが、この勧告の段階ではまだ出ていなかったのですが、こういうふうな距離は都心への乗り入れの非常に大事な路線だと思うのです。こういうふうなものがもしちゃんと許可になりますと、まあ通勤する住民は非常に利益を受けるわけですね。そういう点からいきますと、この申請が長い間放置されているということは非常にいけない問題だと思うのです。この問題、それぞれ詳細な答弁は要りませんけれども、こういうふうな許認可行政というのは、前々から行政改革の面でも問題になっておることだと思うのです。そういう点からも考えあわせて、どうかすみやかに勧告のあった問題についてはもちろんでありますが、早急に手を打っていただきたいと思うのですが、いかがですか。
#389
○国務大臣(橋本登美三郎君) どういう事情でおくれているかわかりませんが、私は許認可というものを早くいたしたらいいと思うのです。許可すべきものはそれは許可する。何かただおそれをなしてじんぜんと延ばしておるということは一番悪いことですね。それが多いのですよ。だから、やはりいつまでたっても、これはどうしても好ましくないから不許可にします、こういうのなら不許可にしたらいいし、許可するものは他に影響がありましても許可したらいい。どういう事情かこれ私わかりませんから、この問題についてはお答えのしようがありませんけれども、いずれにせよ、処理は早くしなければ非常に迷惑するわけですから、こういう点は、おっしゃるように積極的な処理を早く進める、かように指導してまいりたいと思っております。
#390
○峯山昭範君 法務省来ているそうでございますが、大阪の川西の航空騒音の訴訟が起きておりますが、この問題の中で航空局が調査した資料を提出しないという問題がありました。局長のあとの答弁では、最近また提出することになったそうですが、これはやはり私はこういうふうな航空騒音という問題は、その地域住民の立場からいいますと、非常に大事な問題でありますし、また、住民自体が航空騒音というものを一々調査しようと思うと、これはたいへんなことなのですよ。そういうふうな意味では航空局なりそういうところが調査した資料というのは唯一の資料になっていると思うのですね。そういうふうな意味では、裁判とか、こういうのが行なわれた場合には、当然私は国の利益を守るということは、それは大事ではありましょうけれども、地域住民が非常に悩んでいるという点からいきますと、当然私はこういうような裁判にもすみやかに協力をして、要するに、協力をして解決を早める、そういう姿勢が、いわゆる飛行場をつくる場合においても何をする場合においても解決は早いわけです。あなた、法務省のあなたのところが出さなかったというのですね、これは。それによってまた問題が大きくなり、騒がれ、それでしようがなく出さなくてはならなくなった。そうすればますます問題はこじれて、地域住民もますますおこります。ますますこの問題は解決しなくなりますね。こういうことがあっては私はいかぬと思うのですよ。ですから、この問題について、どうなっているのだということを航空局長さんにお伺いしたら、あなたのほうの担当だ、こういうのできょうは来ていただいたわけです。どうなっているのですか、これ。
#391
○説明員(香川保一君) 峯山委員も御承知のとおり、裁判所は一般論といたしましては、裁判所法に従いまして裁判所の指揮のもとに進められるものでございまして、一般的には、当事者といたしまして積極的に自己の立証のためでない書証、証拠等は出す必要がないことになっておることは御承知のとおりだと思います。
 いま御指摘の騒音関係の調査報告書でございますが、これは原告側から空港騒音の測定調査報告書、その他、これに関連します調査記録一切を出してくれというふうなお話がございまして、私どもとしては、一般論としては、みずから立証すべき問題についての証拠以外は出す必要はないのでございますけれども、ただいまお説にもございましたとおり、国の立場といたしまして、この訴訟を適正妥当な解決で終わらせる。しかも迅速に終わらせるという意味におきまして、いろいろ検討いたしまして、裁判所の判断を待つまでもなく、真相を明らかにするものは出すということで、近く提出する予定にいたしております。
#392
○峯山昭範君 私はもうこれで質問を終わりますけれども、いずれにしても、こういうふうな資料は確かに国に有利な資料じゃないと思うのですよ。しかしながら、この資料を出さなかったおかげで、ますますまた国は不利になるということも考えられるわけですね、実際のところ。いずれにしても、そういうふうないろいろな問題もずいぶんあります。ですから、そういうような観点からいろいろと検討されて出すようになったのだろうと思いますが、やはり空港騒音とか、こういうような問題は、これから飛行場をどんどんつくられる航空局の立場になってもずいぶん重大であると思います。いずれにしても、行政の一つ一つが血の通った住民の立場に立っての行政でなければならないと、私はこう思います。そういうふうな意味でお伺いしたわけであります。
 以上で私の質問を終わります。
#393
○岩間正男君 時間があまりないので、二つの問題についてお聞きしたいと思います。
 常磐線混乱の問題が先ほど出ましたが、この問題。もう一つは、私鉄の経営とサービス改善、この二つの問題についてお聞きします。
 まず、第一の問題ですけれどもね、これは先ほど上田委員からもいろいろ質問がありましたのですが、私は事実の経過をまず最初に明らかにしたいと思いますが、国鉄当局が四月十一日にポスターを出して前宣伝をしておりますが、このポスターにはどういうことを書いておるのですか。
#394
○説明員(原岡幸吉君) 四月十一日に前宣伝ポスターを配ってお客さんに周知するようにした、それでどういうことが書いてあるかと、こういう御質問でございますけれども、実は私そのポスターを見ていないので、具体的にはっきりお答え申し上げられませんけれども、経路の問題が主たる内容じゃないかと、こう思います。
#395
○岩間正男君 この問題を検討するには、そういう経過を明らかにしないとまずいと私は思うんですね。このポスターによると、快速電車の運行によるスピードアップ、それから地下鉄線直通運転による――これは乗りかえなしの場合ですが、時間短縮、それから三つの新駅が誕生する、全部の電車が新型になる、まあいいことずくめなんですね。だからこれは非常に、どうですか、地元の住民はこれに対して期待を寄せるんじゃないですか。当然そうだと思うが、どうですか。
#396
○説明員(原岡幸吉君) スピードアップあるいは直通運転の場合の時間の短縮、あるいは新しい駅が三つできるということ、あるいは性能のいい新型の電車を入れるということは、総体的にはそのとおりでございまして、地元が期待を大いに寄せる、こう思います。
#397
○岩間正男君 そうならなかったから問題が起きたんじゃないですか。そのとおりだったらこういう問題は起こらなかったんでしょう。期待を非常に持たせるんですね。看板に偽りありだ。ばかに宣伝して、これだったらだれでもいいと、そうすればもっとこれは通勤も緩和されるだろう、腰かけて行けるかもしれない、こういうような期待なんか持つのはあたりまえでしょう。ところが事実はまるで反するようになったでしょう。だから、そういう点で、これは単に宣伝だけやって、事実はこれに反するようなやり方をする、それは非常に私はまずいのだと、こういうところに一つの問題の端緒がありますよ。しかも宣伝だけはするけれども、地元の住民にこういう問題について何か公聴会でも聞くとか、相談するとか、こういうことをやりましたか、どうなんです。
#398
○説明員(原岡幸吉君) 宣伝と内容が違うといいますか、輸送の計画につきまして、地元とどういう形で連絡したかと、こういうことでございますが、この計画は十年も前からの計画でございまして、大体の計画は都市交通審議会等々の場でもって公にされておるようでありまして、具体的に、それではこの駅のお客さんが、どのようなルートでどのような時間短縮になって、どのような運賃になるかというような具体的な決定は、ずっと実行の前の時点になりました関係で、そういう点につきまして具体的に前びろに駅その他で運賃その他について十分宣伝できなかった、お知らせできなかったという点は非常に申しわけないと、こう思っているわけでございます。
#399
○岩間正男君 これはまあ何でしょう、地元の住民の利益のために、こういう改善をやったということになっているでしょう。そうじゃないのですか、経営のためだけやったのですか、そうじゃないでしょう。だから地元民とやっぱり相談するのが非常に重要ですよ。できれば地元民の意向なんか聞いてもいいし、それから徹底させる何といいますかな、会合を開かれていいと思う。ところがそういうことをやっていないのだね。これは国鉄の運営、私も運営委員を長いことやったことがありますが、どうもこれやっぱり官僚主義が残っている。もう少しこういう問題について、もっと地元の住民の利益にほんとうに基づこうとするならそういう点については十分話し合いができたと思うのですが、これはどうですか、大臣にお聞きしましょう。
#400
○国務大臣(橋本登美三郎君) 先ほど、ポスターにもいいことずくめでありまして、それが百人が百人それに異議はなかったということで結果的になったわけであります。住民が乗りかえを必要とするそういう事情についてよく宣伝が行き届かなかったということは、やはり国鉄としては落ち度であったと思います。そういう意味においては、おっしゃるように地域住民と十分に、こういうふうになるんだと、こういう点の話し合いをしておくほうがよかったと思いますが、こういう点については当局もまことに相すまなかったという意思表示をしておるので御了承願いたいと思います。
#401
○岩間正男君 当然そうあるのが正しい姿だと思うのですね。ところが、どうもこれは国鉄法の精神から言うと、乗せてつかわすということなんだそうですが、こういうものがまだ生きているのでしょう。そういう官僚的な運営のしかたが残っているのですね。地元民が以前に国鉄にこの計画を聞きに行ったそうですね。そうしたら、そのときは地下鉄乗り入れの話はなかったと、こう言っていますが、これはいつごろから変わったのですか。
#402
○政府委員(山口真弘君) この常磐線の複々線化並びに地下鉄の計画の乗り入れにつきましては、これはいまちょっとここにはっきりした資料を持ち合わせておりませんが、大体、昭和三十九年ごろ決定になったものでございます。それで、そのころの決定の際におきましては、都市交通審議会という機関がございますが、これは学識経験者あるいは関係行政機関、あるいは東京都だとか、あるいは首都圏整備委員会だとか、そういうような関係の行政機関も入ったところで十分に審議をいたしまして、そうして地下鉄網の建設並びにこれの国鉄の線増というようなことを討議をして決定をいたしました。さらにこの問題につきましては、都市計画中央審議会でございますか、これは東京都に置かれておりまする機関でございますが、日にちははっきり覚えておりませんが、そういったような機関におきましても十分に検討いたしまして、そうしてこの地下鉄並びに乗り入れ計画というものを決定をいたしたものでございます。
#403
○岩間正男君 三十九年というような話だったのですね。まあ十年来からの計画だというのだが、そうすると、そこが合わないのだが、途中で変更したのですね。変更したから地元住民に話をしなかった。そういうことですね。先ほど聞きにいったところが、これは地下鉄乗り入れの話はその当時なかった。その後、いま聞くというと三十九年に決定した。乗り入れはあるいはちゃんときまっておっても知らせなかったのか、途中で計画を変更したのか、どちらかでしょう。そのときの話は、長距離輸送対策で近距離についてはこれはかかわりはない、こういう話だった。だから、これについては地元民は納得しないですよ。まるでこれはやっていることと、それからいままで宣伝してきたことと食い違うのだね。この辺ですよ。この辺の運営のしかただね。この点がほんとうに周知徹底してちゃんと行なわれれば、それはこのやり方そのことについての批判は別として、これは相当納得させることができたのだろうと思う。そこが、これは認めなければならぬですね。それとも地元民をだましたのですか。知っていてだましたのですか。あるいは途中で変更になったか、どちらなのか。
#404
○政府委員(山口真弘君) 地元の方が具体的にいっこのことについてお聞きになられたかということにつきましては、私ども存じておりません。ただ、計画といたしましては、先ほど申しましたような審査を経、そして一般にも周知をされた姿でこれが都市計画審議会あるいは都市交通審議会の審議を経て、そしてその答申に基づいて進められているものでございます。ただ先ほど国鉄から申し上げましたように、具体的なこの改良に関する細部的な各種の問題ということにつきましてのPR等につきましては、確かに若干手違いがございました。その点は先ほど大臣から申し上げましたように、申しわけなく思っているところでございます。
#405
○岩間正男君 これは二つの問題が対立しているわけですね。近距離の地元の人たちはこれで非常に不利になった。一つは東北の乗り入れ通勤対策、遠距離通勤対策、これが両立しなかった、背反したわけです、そうなんですね。どちらに中心を置くんですか。これはあとの私は私鉄の問題についても関連がある問題だからお聞きしたいんですが、つまり近距離の犠牲において遠距離の乗り入れを強行した、こういうことになる。それは腹にあったんだけれども、近距離の人たちにはぐあいが悪いから、いいことだけを宣伝する、こういうことになる。そうでしょう、結果においては。
#406
○政府委員(山口真弘君) 常磐線の乗り入れにつきましては、先ほども申し上げたわけでございますが、常磐線地区というのは、先生御承知のとおり、国鉄の放射線上の各線の中で最もおくれていた地域でございます。しかもまた、この常磐線は上野駅が終着でございまして、東京の都心部まで直通することができていなかったということが非常に大きなネックでございます。それを解決するためには、上野から都心部へ直通するということが必要でもあったわけでございますが、これが都心部における線の改良の問題におきまして非常に困難なことでございまして、したがってそれはできない。さらに上野駅のあの大混乱というものを解決するために、先般非常に大きな金をかけまして改良いたしましたが、それでもまだ非常に大きな混乱をいたしておる、こういう点がございます。したがって、その点は遠距離ばかりでなく、近距離の常磐線の方々にも従来非常に迷惑をかけておったわけでございます。そこで、そういう放射常磐線の各駅の方々の便益を向上する。さらに常磐線は本線でございますから、常磐線自体の輸送力を増強し、遠距離輸送の実もあげられるということ、さらにいま一つは常磐線地区の方が直接に都心まで直通できるようなルートを考えるというような目的を持ちましてこれを実施いたしたのでございます。したがいまして、遠距離のお客のために非常に大きな貢献をしておるということはもちろんでございますが、また、近距離の方々につきましても輸送力が非常にふえたということがございますし、さらに都心までの直通の道が開けたということでございまして、近距離の方も非常にこれまた便利になったということは言えるのでございます。
 ただ問題は一部の駅の、快速停車駅以外の駅で、その駅から上野に参ります場合は松戸あるいは北千住で乗りかえしなければならないということの、乗りかえが一つふえた、そういう点の不便が生じておるということでございます。その点は別途の道で解決をしなければいかぬということで、いませっかく勉強もいたし、また思索もいたしておるところでございます。そういう意味で、遠距離と同時に近距離のお客の便益ということをはかったのでございます。
#407
○岩間正男君 そういう説明をすればそう聞こえますよ。それなら起こったのは何かといったら、今度は地下鉄に乗りかえなければならないという問題が起こる。それからもう西日暮里まで行かなければならない、乗りかえて、金はとられる。そうして実際は乗りかえをやっておれば時間もかかる。あなたたちの計算では十分くらい短縮だと言うかもしれないが、一つ乗りかえてごらんなさい。たいへんなことなんです。それで子供でも連れておったとか、そういうこと、それから通学生、小学生とか、そういう何の場合どうなるか。両方ではないんです。遠距離の乗り入れ、それに非常に中心を置いて近距離は犠牲になっておる。複々線にしながら、しかも遠距離輸送に重点を置いておる、ウエートをはるかに置いておる。だから近距離の方は無視されておる。ですから当然こういうものはいまの経営合理化主義のなせるわざなんだ、この問題はここからきているんです。この経過の中からはっきり引っ張り出すことができる。これでいいのかという問題です。複々線にまでしながら、しかも近距離の住民たちは非常に不便になり、金もとられる。時間はどうかというと、時間は乗りかえ一つやったら、それはもうかえってぐあい悪いですよ。そんなこと言ったって、それは机上プランではいまのような説明が成り立つ。それを聞いていて、実地へ行かなければもっともだと思われる。しかし、あなた実際に行ってみればいいんだ、行ってみればわかる。なぜこういう問題が起きたかということまで解剖しなければならないんです。この解剖の中には、はっきり一つの国鉄の経営合理化主義というものが出ている。だから近距離の人たちがここに対する抵抗をいたしてこういうふうな騒ぎが始まった。これは認めなければいけない、どうです大臣。
#408
○政府委員(山口真弘君) この常磐線の複々線化並びに千代田線の建設ということは、決して国鉄の経営の合理化というため、あるいは営団の合理化というために行なったものではございません。これは先生御存じのとおりでございますが、常磐線の複々線化につきましても三百三十億からの巨費を投じまして、そしてこれによって得るところの実際の採算というものは、近距離の場合はそういいものではございません。非常に多額の金がかかります。また営団の地下鉄線におきましても、キロ当たり約六十億の巨費を投じましてこの線を建設をいたしておるわけでございまして、こういう大都市通勤、あるいは大都市付近の鉄道線路というものは、そういう新しい建設の場合には、非常に大きな金がかかり、決して採算性はよくないわけでございます。しかしながら、私ども都市交通の面あるいは都市における、あるいは首都圏における通勤その他輸送の問題の解決、特に常磐線の解決にはこのような複々線にいたしまして、そして快速と緩行とを分離するという方策をとるという以外に解決の道がないという結論になりまして、また、都市交通審議会等におきましてもそういう結論でございまして、そうしてこういう方式をとったわけでございます。
 さらに、この各駅停車の列車につきましては都心まで直通になる、快速のほうは上野で停車になりますが、各駅停車は都心まで直通になるという意味におきましても非常に便利になったということは言えるわけでございます。決して合理化のためにやったという性格のものではございません。
#409
○岩間正男君 まあそう説明すればそうなりましょう。しかし私の指摘した点というのは明らかにこれは事実になりますよね。結局この問題についていろいろな混乱を避けるためにいま努力しているということですが、どうも具体策がないんですね。さっきも上田委員に対して答弁しておるけれども、どういうふうな具体策を持っているのですか。
#410
○政府委員(山口真弘君) この問題の解決でございますが、常磐線の輸送の基本的な態度なり、やり方としては、私ども現在でもこの方式が一番いいということを確信をいたしておるわけでございますが、しかし、そうかといって問題がないわけではございません。まず第一に、快速線の停車駅等につきまする設備の改良、改善という問題につきましてでございますが、この点は原則としては快速線に列車をよけい詰めていくということになりますと、快速線としての効果が発揮できないことになりまして、また輸送力の非常に大きなロスになりますから、そういうものは不適当でございます。したがって、基本的には快速線につきまして新たな駅を設置をするというようなことを私ども考えておりません。ただし、先ほどもちょっと御議論が出ましたが、柏につきましては若干問題が違う点がございまして、これにつきましては将来検討をしてまいるということにいたしたいというように考えております。
 それから緩行線の問題でございますが、緩行線につきましては、これは霞ケ関まで直通をする意味で非常に便利になりましたが、しかしながら上野へ行く方につきましては松戸あるいは北千住で乗りかえなければならぬという不便が生じました。したがって松戸なり北千住なりの乗りかえということによりまするところの乗りかえの状況を便利にするという必要がある。その便利にする必要があるというのは意味が二つあろうと思います。一つは、たとえば乗りかえの通路あるいは乗りかえの階段、あるいは乗りかえの改札等の面におきまして、これを便利にするという問題が一つございますし、いま一つは、乗りかえるべき列車の本数なり列車の輸送力の問題があろうと思います。その問題も、便利にするということによりまして、利用者の便益は非常に増大をするということになろうかと思います。それで、私どもは、どうしてもそういう意味ではこの各駅停車の方々の御便宜をはかるために、松戸以西におきまする輸送力の問題等につきまして検討をいたし、そして一般の方の御迷惑というものを少しでも軽減するということで早急の措置をさらにとってまいりたいというように考えております。
#411
○岩間正男君 快速線の効果を減殺することになるから、したがって現状ですね、松戸−上野間を従来どおり運転することはできないんだ。そういうあなたの答弁の中にやっぱり近距離はやむを得ないんだということがちゃんとはっきり含まれているんじゃないですか。あとは対症療法的にそれをやろうという、そういう方法で考えていく、こういうことになりますね。とにかく、どうなんです。地元住民の要求というのはどういう要求をしているんですか。
#412
○政府委員(山口真弘君) 地元住民の要求はいろいろございます。たとえば各緩速線の駅に快速列車を停車さしていただきたい、あるいは緩速の列車を上野まで直通にしていただきたい、あるいは緩速の列車で西日暮里回りになる場合につきましては、運賃を国鉄線だけの上野へ行く運賃と同じ額にしてもらいたい、いわば運賃の通算制をしてもらいたいということでございます。その他、駅のホームにおきまする旅客扱いの職員というものについて、これを十分に配置していただきたいというような要望がおもな要望であろうと、こういうように考えております。
#413
○岩間正男君 これはどうなんですか。松戸−上野間を従来どおり運転させるということは、これは検討の余地なしということですか、これが第一点。これは検討の余地なしですか、どうなんですか。
#414
○政府委員(山口真弘君) 松戸−上野間のうちの松戸−北千住間の緩行線をそのまま延ばして上野に入れるということは、現在の設備ではできません。したがって、この設備を根本的にやり直すということなら話は別でありますが、現在つくられております設備では、その設備上そういうことは不可能でございます。
#415
○岩間正男君 結局、近距離犠牲の設備だったということがはっきりした。
 その次は、地下鉄を利用している者の料金を従来どおりにさせる、こういう要求を出しておりますが、これはどうですか。
#416
○政府委員(山口真弘君) これは営団の地下鉄線と国鉄線の運賃というものを、今度の考え方は当然併算をしております。これは事業者が異なりますから当然併算をしておるわけでございます。で、これを併算をしないで同じ運賃をとれということになりますと、この両者の経営というものについて非常に問題が生ずるわけでございますし、さらに、先生御存じのとおり、併算にするか通算にするかということについては、非常に技術的なむずかしさがございます。たとえば東西線というのがございます。これは中央線と並行しております。これは中野で分かれまして、そうして高田馬場でこれが国鉄の山手線とクロスをしておるわけであります。そうして山手線は当然新宿にも行けるということになるわけであります。さらに、その東西線が飯田橋で中央線と交差をしておる。その線がさらに東に進みまして、大手町におきまして、大体東京駅のすぐそばを通るということになり、それからさらに西船橋というところで国鉄線にタッチをするということでございます。
 そういうような非常に複雑な運転経路でございまして、こういったような場合に、国鉄線と地下鉄線を通算するということになりますと、非常に技術的なむずかしい問題が多々ございまして、簡単にはこれはできない問題でございます。これは運輸省でも非常にもう数十年来実は研究をいたしておる問題でございまして、なかなかいまだに併算の考え方でいまのところやっていかなければならないということでやっておるわけでございますが、この点につきましては、将来はさらに検討を進めてまいりたい、このように考えております。
#417
○岩間正男君 寄り寄り協定のときにそういう問題出なかったのですか。つまり全然それは経営の上の問題だけになっていて、これを利用する乗客の立場に立ってこういう問題は検討されていないわけだね。結局合理化のためにはびしびしやられちゃって、全部しわが住民にいっちゃうということです。それで、今度のは精算をやると七十円とられるというのですね。往復だと百四十円もかかるというのです。これではたまりません、一般の庶民の生活から考えて。だからこういうところは全く天下りなんだな。全く犠牲をしいる。大臣どうですか、そういう実態についてこれはお調べになりましたか。
#418
○政府委員(山口真弘君) 線路をつくります場合に、それによるところのルートがきまりまして、そのルートに対応するその事業者の運賃というものが当然きまってくるわけでございます。たとえば従来、先ほどの例で申しますと、中野から新宿を通って高田馬場というルートがあったわけでございますが、それにたとえば中野から東西線ができまして、直接高田馬場へ行くという場合におきましても、それは東西線のルートに従って、そのキロ程に従って営団の運賃を計算をするというたてまえにいたしておるわけでございます。今回の場合も同様のたてまえにしておるわけでございます。
#419
○岩間正男君 だから全然庶民というのは考えないのだ、乗客の立場というものを考えていない。とにかくあなたのほうで都合がいいようにこれはつくって、そうして、それに乗りなさい、乗せてやるのだと。それで運賃が高くなろうが、時間がどうしようが、乗りかえが多くなろうが、そういうことは知ったこっちゃない、こういう態度だ、いまの答弁を聞いていると。そんな立場で監督しているのですか、国鉄の監督のしかたは。
#420
○政府委員(山口真弘君) 輸送の形態をどうするか、あるいは運賃の形態をどうするかということは、当然利用者がどういうふうな便益なり給付を受けるか、それに対する対価はどうあるべきかというものを十分利用者の面に立って私ども考えておるわけでございます。
#421
○岩間正男君 考えていたらそういうことが起こりますか。考えていない証拠じゃないですか。なぜ起こったんだ、日暮里であれだけの。亀有で起こったでしょう。北千住で起こった。それは起こっていることが何よりの証拠です、考えてない。口先でそんなことを言ったって話になりません。庶民の立場に立っていない。負担だってたいへんだ、物価高のときに。そういう点についていまの答弁というのは全く天下りです。利用者はそれに乗ってこい、そうでなければ乗る必要はないのだと言わんばかりのこういうやり方、そういう基本的な姿勢があるのです。ここのところをもう少しこれは打開しなければ話にならぬ。大臣、どう思いますか、その点。
#422
○国務大臣(橋本登美三郎君) 決して利用者の立場を考えないのじゃなくて、利用者の立場を大いに考えて、そこでたくさんの金がかかったわけですが、三百何十億という投資をしまして、それによってお客さんをできるだけ楽な状態で運びたい。これは非常な大サービスをするのが目的なんです。ただ、いま問題になっておりますのは、従来は乗りかえないで上野なら上野に行かれたということが、乗りかえという手数を与えたということで不便の点が起きたわけでありますけれども、しかし、大部分のお客さんがいままで上野でもって乗りかえて、今度また市内のほうにいくやつを直通でもって行かれるお客さんもだいぶんできた。こういうことでは近距離の方々の中でも行き先によっては非常な利便をこうむっておる。おそらくパーセンテージ、私計算しておりませんけれども、おそらく乗りかえないで行かれる人のほうが非常に多いだろうと思う。私はしろうとでよくわかりませんけれども、急行ができた場合に、急行と緩行との二つの線ができたわけですから、あるいは急行に乗る人がたくさんいて、緩行のほうが減るんじゃないだろうか、こういう想像をしておったのですが、結果的にはやはり緩行であっても乗りかえないで次第に中央に入っていけるということで、このほうがお客さんは多いというところを見ますというと、その人には非常に便利になった、ただ一部の人には御迷惑ではありますけれども。ただ構造上、実際上、直通で上野に行くわけにいかない、どうしても乗りかえてもらわなければならない。その乗りかえの手数を与えたという点では不便を与えたことになりますけれども、まあ全体の人は交通上よくなったのでありますから、ひとつそれだけの三百何十億という金を出しまして、そうして増強をはかった。これはもう採算を度外視してやっているわけでありますが、金がもうかるわけじゃない。逆に利子だけでも年間三十億くらいの利子を払わなければならぬのでありますから、たいへんなこれはサービスでもあるわけですが、ただそういうぐあいに一部の人でありますが、乗りかえをしてもらわなければならぬと、こういう点ではこの乗りかえについての時間あるいは不便というものは何とかして設備の改善によってこれを処理していきたい、かように国鉄では考えているようでありますから、その点はひとつ御了承願いたいと思います。
#423
○岩間正男君 さっきの運輸大臣に対する質問の中で、とにかく何%の人でも不便になるようなことは避けたいと、こういう話でしたね。したがって、これについての具体的などういう手を打つのか、これは報告してもらいたいですね、どうですか、何日あったらいいかね、期日は。これは報告してくださいよ。どういうふうにしたのか、この問題を一体解決してないでしょう。
 それからもう一つは、これはやっぱり世論調査やってみたらどうです。実際便利になったのか、これでいいと思っておるのかどうか。遠距離の人はあるいはそういうふうに便利になったと、こういうふうに考えているかもしれないけれども、近距離のあの辺の密集地帯、ことに亀有あたりは密集地帯ですよ。こういう人たちははたしてそう思っておるのか。近距離でも便利になったから喜んでいるという話があったけれども、はたしてそうなのかどうか。少し思い切って、どうですか、世論調査やってごらんなさい。抜き取りでもいい。ここらで五百人ぐらいやってみればわかる。結果は出るんです。だから、ここで論議して、ここで答弁しているようなことにはなっていない。監督局長のいまの答弁聞いておると、何も悪いことないようだ、何もいまさらこれを訂正する必要ないようだ、そういうことになっているんですが、これはそういう言い方じゃまずいんだ、これだけの騒ぎが起こってるんですから。この問題について具体的にどういう手を打ったか。これはどうですか、時間をあれしますから、連休明けぐらいに報告もらえますか。どういうことをしてどうやったか、具体的な手を。政治なんだから、いいですか、大臣、どうですか、報告してもらえますか、当委員会に。法案は上がるだろうが、これは少し懸案にしておきたい。
#424
○説明員(原岡幸吉君) 具体的に起こっているいろんな不便の点、これは十分トレースして対処していかなければならないと思います。ただ、全体的には五割の輸送力をつけて、いまここに見ますと、西日暮里経由によって非常に早くなっているという事例等も十分ございます。たとえば松戸から品川に行くのは、いままでですと五十四分かかった。これが西日暮里乗りかえで行きますと四十八分で行く。それから松戸から東京に行く場合、これは三十八分いままでかかっておったのでありますけれども、今度、西日暮里経由で行きますと三十七分で行く等々、時間は全部短くなっております。ただこの時間が短くなっておりますのは、乗りかえ時分というものを私たちが想定したわけでございますが、乗りかえ時分というものは、列車のフリーケンシーがそれだけ多くなければそのような計画どおりの数字にはなりません。そこでこの計画の数字が具体的にそのようであるかどうかということにつきましては、快速の輸送力のフリーケンシーにつきましてもう少し検討していかなければいけない、こういうように考えたわけであります。
 そこで、とりあえずやれることはやっていくということで一本の特発電車を入れる、あるいはまた長距離電車を途中で停車させる等のことをやっておりますけれども、これだけでもちろんいいとは思っておりません。しかし現実にいろいろな車両の問題あるいは地上輸送施設の問題、そうして技術的な輸送計画の問題等々ございますので、いまここで具体的にそれらのものを全部総合して、いつの時点でこのようにできるということは申し上げるほど検討が進んでおりません。
#425
○岩間正男君 いいです、中間報告で。全部改正したとき報告してもらうから。つまりこれはいま急を要する問題である、とにかく不安が残るということで事実混乱があった、これだけ騒いでおる、あれだけの混乱を起こしたあとですから、これに対して答える義務がある。それはどれだけのことをしたかということを当委員会に報告してもらいたいと思います。休会明けでいいです。五月六日に再開されるから、それまでにこれだけ、これだけのことをやったという何を大臣それは約束できますね。そのくらいのことできないということはないだろう。
#426
○政府委員(山口真弘君) ただいま申し上げましたように、応急の問題といたしまして、現実の混雑というようなものを解消し、そうしてお客さんの便益をはかるというための応急的な各般の措置というものは私ども早急にとるつもりでございます。なるべく早くそれのとりました姿におきまして御報告をいたしたいと思います。
#427
○岩間正男君 どうです。それは時間切りましょうや。無理でないでしょう、もう一週間ある、連休明けまでに。何々やったということを、急を要するので、あとはもっとこうやるというなら、そういう希望を入れてもいいし、それくらい報告しないと、実際はこういう問題が起こって乗客が泣き寝入りになってしまうのがほとんどだから、いままでの例を見ていて。
#428
○政府委員(山口真弘君) 連休明けということを一応目ざして報告をいたします。
#429
○岩間正男君 いまのを確認して次に移りましょう。
 それじゃ次に、この問題と私鉄の問題関係あるのですが、私鉄十四社の運賃値上げですね、これやりましたね。このときサービス改善の条件をあげたですね。どういうことを一体あげたんですか、単に運賃値上げをやるということじゃなくて、こういう、こういう改善をやりたいと、そういうことをあげたはずですが、どういうことをあげました。
#430
○政府委員(山口真弘君) 私鉄の運賃改定の際の条件といたしまして、私鉄の経営につきましては特に厳正なる態度をもって臨み、そして省力化等も十分に進めて経営の合理化につとめるとともに、必要な輸送力増強工事というものを大いに促進をするということを運賃改定の条件にいたしております。
#431
○岩間正男君 これはここに私鉄運賃値上げの理由、そういうものは、これはいろいろ出しておるわけですね。これは当時審議されたのですか。これは私たちは「民鉄旬報」、日本民営鉄道協会の一九六九年の一月二十一日号で「私鉄運賃値上げの理由」というのを見たわけですが、これは検討されたわけですかな、当時。
#432
○政府委員(山口真弘君) ただいま先生お持ちの資料にどう書いてあるかは私存じません。ただこの私鉄の運賃の改定につきましては、私鉄の経営の現状にかんがみまして、私企業としての私鉄をやはりこれを維持していくというためには運賃改定が必要であり、特に私鉄が現在差し迫って必要としているところの輸送力増強によりまして国民の皆さま方にサービスを提供するということが現在のような段階ではできない、したがって運賃改定をしなければいけないということが理由でございます。
#433
○岩間正男君 たとえばここに小田急の廣田社長が、七〇年の七月七、八日の運輸審議会の公聴会で発言した。「運賃改訂をしたらどのような輸送サービスを改善するか。」という質問に対して当時言ったことがありますね。ちょっと念のため読んでみます。「輸送サービスの改善につとめ、小田急の場合、四八年度には無防備の踏切をなくす。急行、準急は八両編成から一四両編成に増結し、車両の大型化をはかり混雑緩和につとめ冷房化も進め、五〇年度にはラッシュ時に二〇〇パーセント以下の混雑度にしたい。四七年度から五三年度には五三〇億円を投じ営団地下鉄千代田線との直通運輸工事を進める。四七年度春には地下鉄との相互乗入れをはじめ、代々木上原から東北沢、五〇年には百合ケ丘、五三年には新百合ケ丘まで相互乗入れを行なう。多摩ニュータウン線は四八年度に完成する予定だ。」ということですが、これはあとの四十七年度は先のことですけれども、これはどうですか、この四十六年度でも行なわれていますか、計画は。どうです。
#434
○政府委員(山口真弘君) 具体的に社長がどう言ったかということは、私は記憶をいたしておりませんが、ただ運賃改定の際におきまして、たとえば、先ほどお話がございました地下鉄九号線の乗り入れの関連工事を行なうとか、あの東北沢から先の複々線の工事を行なうとか、あるいは車両新造を行なうとか、その他駅のホームの延伸等の培養工事を行なうとか、そういうような具体的な工事例をあげまして、そしてそれによってこの程度の工事費をもって工事を促進するようにということを指示をいたしております。
#435
○岩間正男君 この申請をしますね、そのときにはちゃんとサービス改善の問題、これは出すのですか、条件をちゃんと書いて出すわけですか。
#436
○政府委員(山口真弘君) 運賃改定をいたします場合には、当然その事業が健全な能率的な経営のもとにおいて、適正な利潤のもとに適正な原価を償うということが運賃の原則でございます。したがいまして、そういう能率的経営のもとにおける費用ということの中には、どういう工事をするということは当然の前提となっておりまして、したがって私どもは、会社の考えておりますところの工事計画というものを十分に審査をした上で、そしてその工事をやるということで運賃改定の認可をいたしておるわけでございます。
#437
○岩間正男君 その申請のときのサービス改善の条件というのはちゃんとそろっていますか。
#438
○政府委員(山口真弘君) これは当時新聞にも発表をいたしております。
#439
○岩間正男君 これは資料としてもらえますか。
#440
○政府委員(山口真弘君) 提出するようにいたします。
#441
○岩間正男君 それじゃいただいてからなおやりますが、これはどうです、そのときの条件ですね、これが着々行なわれていますか。その後どうなんですか。もう運賃値上げはしたと、さてのど元過ぎれば熱さを忘れるということで、条件というのは、いままで私たち経過見てきたのだけれども、行なわれないことが多いじゃないですか、どうなんです。
#442
○政府委員(山口真弘君) これは各社とも着々とその条件に従って工事を進めております。
#443
○岩間正男君 これはどのような、あなたのほうで監督として、どのように条件が履行されているか、どんなふうにしてこれは検査しているか。
#444
○政府委員(山口真弘君) これは年度ごとに各事業者から具体的な報告をとりまして、そしてその報告によりましてこれを審査をするということでございます。
#445
○岩間正男君 これは書類審査だけじゃないですか。
#446
○政府委員(山口真弘君) これは輸送力増強工事の中で、たとえば具体的な工事が竣工した場合には、その工事につきましては、私ども竣工検査といいまして、現実に現地に出向きまして、あるいは陸運局の職員をして現地に出向かせまして、そしてこれを検査をいたします。竣工をいたしておらないものにつきましては、当然報告を受けるということでございます。
#447
○岩間正男君 そういう例はありますか、報告を受けた、竣工していないとか……。これは実際は書類審査が非常に多いんじゃないか。実際は目が届いていないんじゃないか。条件は満たされてないが、運賃は値上がりした、しかし、サービスはそのとおり行なわれていない、こういう例が非常に多いんだ。ほとんどと言ってもいいんです。こういう点について、それだけの人員を持っているんですか。監督局というのはどのくらいいるんですか、人員。その中でも私鉄の監督はどうなんですか。鉄監局というのはどうなんです。何人……。
#448
○政府委員(山口真弘君) 具体的な工事が竣工いたしました場合には、当然竣工監査等によりまして検査をいたします。それから具体的な工事が竣工しない段階におきましては、当然各年度ごとの進捗状況というものを書類で提出をさせまして、これを書類上で審査をするということでございます。
 なお、鉄道監督局の職員、四十五年度末の定員で百三十七人でございます。
#449
○岩間正男君 これは不履行の場合はどういう権限を持っておるのですか。それを監査して、実際は条件が履行されない、こういう場合にはどういう手段を講ずるのですか。
#450
○政府委員(山口真弘君) 保安監査の、竣工監査の場合等につきましては、これは当然竣工監査ができなければ、当該工事の施設というものが使用できないということでございます。その意味で、私どもその工事自体の安全性その他というものを十分に審査をした上でその施設を使用させるということでございます。
#451
○岩間正男君 結局、出した条件、それが厳重に監査されて履行されておるかどうかという、そういう事態の見きわめというものは非常に十分できていないのじゃないか。これはいままでそういう例に私たちはぶつかってきたわけです。その前に、大体運賃値上げの場合ですけれども、私鉄の経営の内容というやつですね。これは私は何回かこの委員会で、また運輸委員のときに、大綱でいいから公表してほしいと言ったのだけれども、これはなかなか行なわれなかった。私鉄の経営の内容というやつはどうなんですか、公表できますか。
#452
○政府委員(山口真弘君) これは私鉄事業者は当然株式会社でございますから当然営業報告をいたしておりますし、また私どものほうにも具体的に営業の内容の報告がございます。したがいまして、私どもその内容というものは十分に公表をしてあるわけでございまして、その内容につきまして、鉄道その他の事業等につきましても、それをわかった姿で公表しておるわけでございます。
#453
○岩間正男君 これも資料でほしいと思うのです。私鉄十四社の営業内容というやつ、概略でいいですが、むろん詳細はできないだろうが、できるだけのことは……。ただここのところで問題なのは、鉄道事業だけの検査をやっているわけですね。ところが、実際、兼業が非常に私鉄の場合は大きいんじゃないですか。鉄道は損しているように見せているけれども、実際は、不動産その他の仕事でこれは相当な利潤をあげている。実際はどうかと言ったら鉄道を食っているんです。鉄道を食って、それでもってどんどん地価の値上がりをやるとか、そういう形のやり方ですね。それから、それを実際に経理の上でこれは鉄道のほうにかぶせる、そんなことずいぶん行なわれているんじゃないですか。だから実際は不動産の部分と私は共通して考えなければ、実際は私鉄の経営そのものというのは正しくつかめないんじゃないか。だから、鉄道では損だ、赤字だ、だから値上げしろと言っているが、一方でこれは土地でうんともうける、遊園地でもうかっている、デパートでもうかっている、こういうことをやっている。それは何かと言えば、鉄道があるからだ。ここのところが問題なんです。
 いつでも私鉄の問題を問題にするときには、ほかのところ全然隠れているからわからない。鉄道だけの計算でやっているから、そうすると赤字が出るようなそれは一つの計算もできる。ところが、鉄道でどんどん地価が上がるわけですよね、不動産が。ことに最近どんどん鉄道延ばしている。そして遠距離にそういう住宅地帯を開拓していく、そうでしょう。この辺はどうなんです。この辺が私は非常に私鉄の場合は問題だと思う。
#454
○政府委員(山口真弘君) 鉄道の会社は、特に大都市周辺の大手の鉄道の会社は、鉄道事業のほか、自動車運送事業その他、ただいま御指摘のような不動産業、遊園地業その他の事業を営んで総合的な経営をいたしております。その中で、ごく大ざっぱに申し上げまして、鉄道事業というのは非常に収益性が低い事業でございまして、大体においてむしろ赤字の事業でございます。そうしてその赤字を不動産事業等の兼業でカバーをして配当を大体しているというのが、大体において各社に共通した事情でございます。それで、ただその場合に、私ども鉄道事業をそういう姿で置いておいていいかどうかということになりますと、これはまた話は別になると思うのでございまして、鉄道事業が鉄道事業としてある程度やっていけるというようにしなければ、私どもが鉄道に対して要求をするところの輸送力の増強工事あるいは運転の保安の工事ということを期待することは非常に困難なわけでございます。したがいまして、そういう意味では私ども鉄道がある程度鉄道としてやっていけるというような姿にはしてまいらなければならぬと、このように考えております。
#455
○岩間正男君 とにかく鉄道があることで土地が値上がりする。その値上がりの部分というやつは全然これは不動産の収益と、こういうかっこうになっているわけだ。それは実際は鉄道にそれは収益として相当還元されなくちゃならない性格のものだと私は思う。それでなければこれは計算が正しくないわけですね。ところが、実際は鉄道のほうはなるだけこれは赤字になるような計算でやっている一方、別なほうに流用するわけですよ。そういう形ですから、私はうっかり信じられないわけですよ。鉄道が赤字だ、そこでこれに対してどうしても値上げしろと、こういうかっこうで、そこを見て、それでその資料でもって運賃値上げをやられるわけですね。ここはどうですか。この辺が非常に一つの、いわゆる私鉄独占といわれているもののこれは一つの魔術性なんですよ。大臣どうなんですか。
#456
○国務大臣(橋本登美三郎君) どうもいまでは魔術がきかなくなったようです。御承知のように、いま岩間さんは沿線の土地の値上がりといっても、まあ沿線、私鉄に乗ってごらんになればわかりますが、その駅を使うほんの近い所にあき地を持っておるのはほとんどいまの私鉄にはありません。かつてはそういうことでもって利益があった。そこでもって全体のプール計算としてやって、まあ一割とか幾らの配当はできたわけですけれども、現在ではほとんどもう売るべき土地を持ってない。その鉄道とは縁故のない、もっと不動産純粋の仕事としてやってるものはあるようです。しかし、それによっての利益等をやはり鉄道のほうの会計の赤字に対して埋めてやってきているが、もうそれも限度に来ておると、こういう状態です。その例としては、アメリカの大きな鉄道会社がこれがつぶれた、あるいは国鉄が、全くそういうような付帯事業はほとんどありませんから、御承知のようにこれだけの国家の保護を受けておっても、赤字でもって右も左も動きがつかない。そういう意味においては私鉄は非常に意欲を持って、あまり国のお世話にならぬように、こういうことでやってきておるんであって、その点は企業努力を十分にこれは買ってやってよろしいと思います。
 私営あるいは私鉄、要するに民間資本であるというと、どうも岩間さんは目のかたきにしておられるんじゃないかと思いますが、彼らは彼らなりに非常な努力をしておられるということは、これはやっぱり考えてやってよろしい。しかしながら、われわれとしては物価問題の関係がありますからして、したがってできるだけこれは押えていく。こういうためには――せんだって値上げをしましたが、彼らはとうていそれでは配当が十分できませんので、まあみずからの意思によって減配をやったようでありますが、今後ともこれは不動産の利益、ホテル等の利益があれば、それは全体として計算をしていくと。しかしながら、いま鉄監局長が言いましたように、はたして将来までそういう考え方でやっていけるだろうか。ことにまあ地下に乗り入れるというような、大都市交通の増強に力をいたすということになれば、非常な金がかかるわけでございます。そういう意味においては、やはり私鉄といえども交通事業という大きな公共事業になっているのでありますから、やはりもう少し積極的な助成策といいますか、考え方をしなければ、いわゆる足を確保することができないときが来るのじゃなかろうかということで、私は心配をしておる一人でございます。
#457
○岩間正男君 だいぶ詳しくて、私鉄の肩を持たれるが、驚いたんですが、しかしこれは統計はごまかせませんな。有価証券報告書、これで見ますというと、東武、西武、東急、小田急、近鉄、大手十四社の経営も出ておりますね。そうすると、たとえば、六六年三月末、これは鉄道事業固定資産額、これが百八十一億から二百九十四億、百十三億増加しているときに、これは東武の例ですが、一方では販売用土地建物資産額、これが六六年三月末が八十二億、七〇年の三月末が二百八十八億で二百六億、こういうふうにずっと増加して、見ますというと、全体の大手の十四社の経営がこの六六年、これは前回の運賃値上げ後の四年間に、鉄道事業の固定資産の増加額は一千八百五十五億、ところが不動産業による販売用の土地建物の資産額は一千七百六十億、こうふえておりますね。ふえたのは別に評価がえによるものではなくて、主として土地の新規購入と、宅地造成工事費の投資によるもの、ちゃんと有価証券の報告書で出ていますよ。
 だから、いまのような御説明なすっても、ちょっとこれはそうは受け取れないわけですね。七〇年といったら去年のあれですから。そうしますと、やはりこれは全く、この不動産が一番だと思いますが、その他の兼業というやつ、こういう問題にメスを入れないわけだ。鉄道のほうだけは合理的に計算していますから、そこのところ赤字が出る、できるだけそこにぶち込む、こういうかっこうになっている。逆に土地の値上がりなんていうものは鉄道に還元さるべきものだ、ほんとうは。ところがそこのところは鉄道に還元されていない。こういう点を私は明確にしなければならぬ。
 さて、そういうことをやっていて、いまいった近距離の問題が出てくるわけです。私は小田急に住んでいますけれども、さっきも政府の話が出たのですが、とにかくこれは全く私鉄は横暴ですよ。あれは定期を売ったら、何ですか、今度は乗せてやるということなんですか。とにかく私はあそこのところ、三十分ぐらいの区間のところですね、新宿から登戸あたり、それぐらいの区間、私のところは租師谷大蔵−成城の一つ手前の租師谷大蔵。このところは二十五分くらいかかるわけです、二十五分。ところが実際はその間に急行待避というやつをさせられる。多いときは、途中で経堂というところで二本ぐらい急行待避、また今度は東北沢というところでまた二本ぐらい、多いときには四回ぐらい急行を待っていなければならぬ。あれはどういうことなんですか。結局はこれは遠距離、その遠距離の中には箱根あるいは小田原凝るいは江の島、この観光の何が多い。むろん遠距離通勤も非常に、いま言った宅地の造成をやって、どんどんあの辺に団地をつくったりしました。そのために遠距離になる。近距離通勤者はそれで全く犠牲になる。これは最近の経営のやり方じゃないですか。国鉄だけ出ているのじゃない。私鉄にはもっとこれらが濃厚に出ています。
 こういう問題について、これはメスを入れないのですか、これはこのままですか。あれは無表情になっている、あきらめているということだ、近距離の通勤者は。そのために、とにかく少なくとも五分か六分、長いときは十分くらいの待機をさせられる。すっといけば十五分くらいのところが二十五分ぐらいかかっているのが実情です。こういう通勤の状態というものは、これはいいのですか。一方では、やはり利潤があがっている。複々線化をするわけでもない。そうしてロマンスカーというやつが、とにかくオルゴールを鳴らして通っている。何回も通る。どうなんです、あの姿。これはいまの通勤者のみな味わっているあれじゃないですか。私はこれを言いたいのだ。私鉄独占のこの横暴というやつ、こういうものに対して何もメスを入れないで、それのちょうちん持ちをやっているのが鉄監局の任務じゃだめだ。こういうことです。そこのところへどれだけメスを入れたか。一ペンこの問題について、ほんとうにこの問題について明確にしたのですか、乗客の立場から。
#458
○政府委員(山口真弘君) まず先生がお話がございました有価証券報告等によりますところの固定資産の額の増、あるいは販売用土地の価額の増、これは有価証券報告、ただいまここで調べているわけじゃございませんから、はっきりしたことは申し上げられませんが、とにかくそういう額の増価があるということは、これはもうそういう書類が出ておれば、当然そのとおりでございます。ただそのことが、その資産の増ということが、これが即損益の増ということには必ずしも結びつかないことは、よく先生御存じのとおりでございます。資産の増がございましても、損益がそれだけよくなったということではございません。
 それからその次に、兼業と鉄道業との関係でございまして、鉄道業について赤字を特に故意に出すようなことをしているというようなことは絶対にございません。私ども運賃改定の際には、そういう点をこまかく審査をいたしまして、鉄道業に入れていい収入、あるいは鉄道業に入れていい支出、あるいは兼業として掲示すべき収入、支出といったようなものを、各事業につきまして明確に区分をいたしまして、そうしてそれをもちまして鉄道の収支、採算はどうかということを明確に判断をいたしております。したがいまして、そういう姿におきまして、現段階でこの鉄道事業の損益がどうかということを審査をし、そうしてその上に立って将来の工事等に要する費用等も考えて、そうしてこれをやらなければ将来の工事ができないというような場合に、これを運賃改定を認めるということにいたしたのが、先般の運賃改定でございまして、内容は全くそういう意味で十分に審査をいたしまして、利用者の便益も考え、値上げの率も非常に最小限にいたしておるということでございます。
 それから第二に、新宿−登戸間でございますが、これは小田急線、これは先生のお宅のお近くでございまして、特に私どもよりよく御存じでございますが、これは先生御指摘のように急行列車、準急列車、各駅停車の列車、さらに特急列車というのが同じ線路を使って運転をいたしております。この線は複々線でございませんから、二本の線でもってすべての列車を処理するということになりますために、各駅停車の列車があるいは急行、準急等の列車のために待避を余儀なくされるというようなこともあるわけでございます。これはしかしながら現在の通勤の事情等を考えてみますと、都心部に近いところは比較的人口の増加は少ないんでございますが、さらに都心部を離れてまいりますと非常に人口の増加が多くなるわけでございます。先ほどのお話がございました松戸以遠なんというのはそれに該当するわけでございますが、小田急線でも同様でございまして、都心部を離れてくる部分につきましては利用者が非常にふえてくるわけでございます。そういう利用者をなるべく早く都心部に入れる、あるいは大量に輸送するというために急行、準急という手段を使って入れなければならないわけでございます。なお、箱根に参りまする特急等につきましては、そういう意味がございますので、ラッシュ時間帯というものはこれは中に入れない、避けることにいたしまして、もっぱらラッシュ時間帯は通勤輸送のために奉仕するようなダイヤを組んでおるわけでございます。
 したがって、そういう意味から申しまして、現在そういうふうな各駅停車の列車が急行、準急等のために待つということはある程度やむを得ないところでございまして、これの根本的な解決というものは、やはりこの線の複々線の増強ということでございまして、将来は小田急につきましてもそういう方向で解決をしなければならないということでございます。なお、現在の予定といたしましても、地下鉄線の乗り入れと、その後にさらに喜多見あるいは向ケ丘遊園等に向かって複々線を建設をするという予定にいたしております。
#459
○岩間正男君 私これで終わりますがね、代弁的に聞こえてしようがないのですね。監督局はそれでいいのかどうか。むろんわかりますよ。通勤の距離が延びて住宅が郊外の方にずっと増しているから、それを早く入れる。けれどもそれにはちゃんとそれにふさわしい施設をやらなくちゃならないわけだ。ところが、実際は運賃値上げは認めているが、そういう問題というものはなかなか解決しないでしょう。そうして実際は近距離に犠牲をこれは非常にぶっかぶせてきているわけです。だから今度の亀有の問題というのはやはり、私鉄と国鉄の違いはあっても、非常にやはり経営主義的なそういうにおいがするのですよ。いま非常に何かそれでいけば、いまの私鉄のやっているのは全部正しいかのように聞こえるが、そういうことじゃいかぬ。そういかぬ面がたくさんありますよ。弁護の立場だけじゃこれは話にならぬわけだ。しかも、とにかくちゃんとこれは高配当やっているのですからね。そうでしょう。その点ですよ。その点は指摘しても、結局ここのところは水かけ論になるでしょうから問題は残しておきますけれども、いまの答弁だけでは了承できないです。まあしかしこれで終わっておきましょう。監督じゃない鉄監局ですからね。これじゃ監督じゃない、代弁者だ。
#460
○委員長(田口長治郎君) 他に御質疑はありませんか。――別に御発言もないようですから、本案に対する質疑は終了したものと認めます。
 これより討論に入ります。
 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べを願います。
 なお、修正意見のある方は討論中にお述べを願います。
#461
○安田隆明君 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となりました運輸省設置法の一部を改正する法律案について修正案を提出いたします。
 修正案はお手元にお配りしてございますので、それを朗読いたします。

 修正の趣旨は、原案の施行期日である「四月一日」がすでに経過しておりますので、これを「公布の日」に改めようとするものであります。
 右修正部分を除く原案に対しては賛成いたします。
#462
○委員長(田口長治郎君) ほかに御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。
 これより採決を行ないます。
 まず、討論中に述べられました安田君提出の修正案を問題に供します。安田君提出の修正案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#463
○委員長(田口長治郎君) 全会一致と認めます。よって安田君提出の修正案は可決されました。
 次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。修正部分を除いた原案に賛成の方の挙手を願います。
  〔賛成者挙手〕
#464
○委員長(田口長治郎君) 全会一致と認めます。よって修正部分を除いた原案は可決され、本案は全会一致をもって修正議決すべきものと決定いたしました。
 審査報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。
  〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#465
○委員長(田口長治郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
 橋本運輸大臣。
#466
○国務大臣(橋本登美三郎君) 本案の審議にあたりましては、昼食、夕食を抜いて、非常に慎重なる御審議を願い、かつまた、その御審議の中において、幾多、われわれ参考、また十分なる御意見として処すべき問題をたくさん含んでおりますので、それらを踏まえまして、将来、これらの法案を施行するに際しましても、なお運輸行政を進める上におきましても、最善の措置をとりたい、かように考えております。
 ありがとうございました。
#467
○委員長(田口長治郎君) ちょっと速記をとめて。
  〔速記中止〕
#468
○委員長(田口長治郎君) 速記を始めてください。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後八時三十分散会
     ―――――・―――――
ソース: 国立国会図書館
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