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1970/02/12 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 本会議 第5号
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1970/02/12 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 本会議 第5号

#1
第065回国会 本会議 第5号
昭和四十六年二月十二日(金曜日)
   午後四時四十九分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第五号
  昭和四十六年二月十二日
   午後三時開議
 第一 国家公務員等の任命に関する件
 第二 国務大臣の報告に関する件(昭和四十四
  年度決算の概要について)
 第三 地方交付税法等の一部を改正する法律案
  (内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、新議員の紹介
 一、請暇の件
 一、常任委員長辞任の件
 一、常任委員長の選挙
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判
  官訴追委員及び同予備員辞任の件
 一、裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、裁判
  官訴追委員、同予備員、検察官適格審査会委
  員予備委員、国土総合開発審議会委員、東北
  開発審議会委員、離島振興対策審議会委員、
  北海道開発審議会委員及び鉄道建設審議会委
  員の選挙
 一、日程第一
 一、昭和四十五年度一般会計補正予算(第1
  号)
 一、昭和四十五年度特別会計補正予算(特第1
  号)
 一、昭和四十五年度政府関係機関補正予算(機
  第1号)
 一、日程第二及び第三
 一、昭和四十五年度の米生産調整奨励補助金に
  ついての所得税及び法人税の臨時特例に関す
  る法律案(衆議院提出)
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。
 議席第五十六番、地方選出議員、石川県選出、嶋崎均君。
   〔嶋崎均君起立、拍手〕
    ―――――――――――――
#5
○議長(重宗雄三君) 議長は、本院規則第三十条により、嶋崎均君を地方行政委員に指名いたします。
     ―――――・―――――
#6
○議長(重宗雄三君) この際、おはかりいたします。
 足鹿覺君、武内五郎君から、いずれも海外旅行のため来たる十七日から十六日間、請暇の印し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#8
○議長(重宗雄三君) この際、おはかりいたします。
 懲罰委員長中尾辰義君から、常任委員長を辞任いたしたいとの申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#9
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) つきましては、この際、日程に追加して、
 常任委員長の選挙を行ないたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#11
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
#12
○上林繁次郎君 常任委員長の選挙は、その手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#13
○佐藤隆君 私は、ただいまの上林君の動議に賛成をいたします。
#14
○議長(重宗雄三君) 上林君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#15
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、懲罰委員長に浅井亨君を指名いたします。
   〔拍手〕
     ―――――・―――――
#16
○議長(重宗雄三君) この際、おはかりいたします。
 松下正寿君から裁判官弾劾裁判所裁判員を、永野鎮雄君から同予備員を、片山武夫君から裁判官訴追委員を、高山恒雄君から同予備員を、それぞれ辞任いたしたいとの申し出がございました。
 いずれも許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#17
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、いずれも許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#18
○議長(重宗雄三君) つきましては、この際、
 裁判官弾劾裁判所裁判員、同予備員、
 裁判官訴追委員、同予備員各一名、及び、
 欠員中の検察官適格審査会委員予備委員一名、
 国土総合開発審議会委員二名、
 東北開発審議会委員一名、
 離島振興対策審議会委員、
 北海道開発審議会委員各二名、
 鉄道建設審議会委員一名の選挙を行ないたいと存じます。
#19
○佐藤隆君 各種委員の選挙は、いずれもその手続を省略し、議長において指名することの動議を提出いたします。
#20
○瀬谷英行君 私は、ただいまの佐藤君の動議に賛成いたします。
#21
○議長(重宗雄三君) 佐藤君の動議に御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#22
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 よって、議長は、裁判官弾劾裁判所裁判員に斎藤昇君を、
 同予備員に長田裕二君を、
 裁判官訴追委員に和田静夫君を、
 同予備員に山本伊三郎君を、
 検察官適格審査会委員予備委員に亀井善彰君を、
 国土総合開発審議会委員に山内一郎君、岡本悟君を、
 東北開発審議会委員に岩動道行君を、
 離島振興対策審議会委員に木村睦男君、初村瀧一郎君を、
 北海道開発審議会委員に井川伊平君、高橋雄之助君を、
 鉄道建設審議会委員に阿具根登君をそれぞれ指名いたします。
     ―――――・―――――
#23
○議長(重宗雄三君) 日程第一、国家公務員等の任命に関する件。
 内閣から、中央社会保険医療協議会委員に圓城寺次郎君、土屋清君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#24
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、これに同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#25
○議長(重宗雄三君) この際、日程に追加して、
 昭和四十五年度一般会計補正予算(第1号)、
 昭和四十五年度特別会計補正予算(特第1号)、
 昭和四十五年度政府関係機関補正予算(機第1号)、
 以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#26
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。予算委員長古池信三君。
   〔古池信三君登壇、拍手〕
#27
○古池信三君 ただいま議題となりました昭和四十五年度補正予算三案につきまして、委員会における審議の経過並びに結果を御報告申し上げます。
 今回の補正予算は、公務員の給与改善をはじめ、当初予算作成後に生じた事由に基づき特に緊要となった事項について補正の措置を講ずることとするものであります。
 まず、一般会計補正予算について、おもなる内容を申し上げますと、国家公務員の給与改善費千六十五億円、国民健康保険助成費等義務的経費の追加百六十五億円、米の政府買い入れ増加等に伴う食管特別会計繰り入れの追加七百三十億円、万国博跡地購入経費八十三億円、地方交付税交付金千八十七億円等を追加計上するとともに、既定経費の節減四百四億円及び予備費百億円の減額を行ない、総額において二千六百三十三億円の追加となっております。歳入につきましては、租税及び印紙収入について三千十一億円、税外収入において百二十二億円を追加計上しておりますが、公債金収入で五百億円の減額を行なうこととしております。
 この結果、昭和四十五年度の一般会計予算は、歳入歳出とも八兆二千百三十億円となるのであります。
 また、特別会計におきましては、国立学校特別会計等七特別会計につきまして、公務員給与改善等のため必要な補正を行ない、また、政府関係機関におきましては、日本国有鉄道について、仲裁裁定実施に伴う財源の不足を補てんする等の措置を講ずることといたしております。
 これら補正三案は、一月二十二日国会に提出せられ、委員会におきましては、一月二十八日、福田大蔵大臣から提案理由の説明を聴取し、二月九日、衆議院からの送付を待って、二月十日及び十二日の二日間にわたり、佐藤内閣総理大臣並びに関係各大臣に対しまして質疑を行なってまいりました。
 以下、これら質疑のうち補正予算案に直接関係のあるものについて、若干御報告申し上げます。
 まず、政府の財政政策について、政府は二千百四十一億円にのぼる財政投融資を三回にわたり追加しているが、これは、春闘を前にして不況ムードを強調し、財投資金を引き出そうとする財界の要請にこたえたものである。しかし、他方において、公債金五百億円の減額を行ない、さらに今後三百億円程度の減額を予定していることは、景気対策の立場から見て、政府の財政政策は明らかに矛盾しているのではないかとの質疑がございました。これに対し、福田大蔵大臣より、財投の追加は、景気刺激対策ではなく、年末における財投資金の不足に対処したもので、その結果が景気浮揚に影響するということであり、国債の減額は、租税の自然増収が多く出たことに伴う措置であって、財政と金融の立場は別個のものである旨の答弁がございました。
 次に、公務員給与の改定にあたり、法律案審議と同時に予算措置が行なわれるのが当然であるにもかかわらず、給与法の改定だけをさきの臨時国会で行ない、いまごろになって補正を提出することは納得できない。しかも、総合予算主義を提唱しながら、毎年補正を組む場合、経費の節減が多額にのぼっているのは、当初予算の組み方が安易になっているのではないか。給与改善の財源は、当初五%相当額が給与費に組み込まれているのみであり、その不足対策は、経費の節減と予備費の使用でまかなうということは、妥当な措置とは言いがたいのではないか等の質疑がございました。これに対し、福田大蔵大臣並びに山中総務長官より、給与改定にあたって、法律案と補正予算を同時に提出することが望ましいことは御指摘のとおりである。ただ、今回の給与改定に際しては、景気の見通しがむずかしく、法人税等の増収見積もりが不確定であったので、後になって補正で補うこともやむを得ないと考え、異例の措置をとった。経費の削減四百億円については、そのうち約二百億円が事務費であるが、これによって行政に支障が生ずるとは思わない。しかも、不用額等を節約することは財政当局の義務であると考えている。また、予備費を使っての給与改善についても、でき得る限り給与改善の財源は当初予算に組み込むべきであるが、そのめどが判断できないので勧告の基準率五%分を予算に組んで、それをこえる分については予備費使用もやむを得ない旨の答弁がございました。
 質疑はこのほか、四次防を中心とする防衛問題、日中、ラオス、沖繩等の外交問題、老人対策、安中のカドミウム公害問題、防災対策等々について熱心に行なわれましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。
 かくて、質疑を終了し、討論に入りましたところ、日本社会党を代表して竹田委員が反対、公明党を代表して塩出委員が反対、民社党を代表して萩原委員が反対、日本共産党を代表して岩間委員が反対の旨、それぞれ意見を述べられました。
 討論を終局し、採決の結果、昭和四十五年度補正予算三案は、多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 以上、御報告申し上げます。(拍手)
#28
○議長(重宗雄三君) 三案に対し、討論の通告がございます。順次発言を許します。竹田四郎君。
   〔竹田四郎君登壇、拍手〕
#29
○竹田四郎君 私は日本社会党を代表し、昭和四十五年度補正予算三案について反対の討論を行なうものであります。
 佐藤内閣は、継続して政権の座にあること六年数カ月に及び、歴代内閣で最長を記録しました。この間、GNPは世界第三位の経済大国にはなりました。金さえ出せば何でも手に入れることができるほど物は豊かになりました。しかし、その反面、国民の多くは将来に希望を持つことができなくなっております。ある日突然に大気汚染で倒れ、車にはねられて死ぬ不幸な機会がふえてきました。交通遺児は一瞬にしてきびしい社会にほうり出されています。多くの公害に苦しむ疾病患者は、医療保障も生活保障もなく、気息えんえんの生活をしているのに、企業は責任を負おうともせず、政府もあたたかい手を差し伸べようとしません。汗水たらしてつくった米が突然売れなくなるかもしれない。米をつくれ、つくれと言ったかと思うと、もうつくるな、政府はこれ以上買い入れはしませんぞと言う。総合農政といい、構造改善といい、稲作転換といい、いずれも失敗であり、農民はお先まっ暗の気持ちでおります。老人は福祉対策のお粗末さから生き長らえていくことに苦しみすら感じております。主婦は家計の赤字補てんのために内職やパートで健康を害し始めております。家族の健康雑持により多くの栄養をと願っても、高い物価や食品公害に神経をすり減らされております。市民は安住の土地を求めることができず、せっかく住みついた所も環境破壊で脅かされております。労働者はかせいでもかせいでも物価に追いつけません。平和憲法はあっても戦争への不安、核の脅威から解放されないのであります。どこへ苦しみを訴え、どこで不安を解消してもらったらよいのか、そのすべを知らないのであります。
 国民の政治に対する不信が今日ほど大きいことはありません。佐藤内閣のときにおいて最大かと思われます。はなはだ残念ですが、政治家は尊敬される存在にはなっておりません。国民に法の順守を説くべき法務大臣の連続したこの二つの事件は、佐藤内閣の体質だと指摘する世論が多くなっております。一本の小骨も抜かないと言った政治資金規正法も、公害に対する無過失責任制などの公約も実現の見通しがなく、他方、石原産業のように行政と企業との癒着を許し、それに対するきびしい反省もなく、善意の行為であったと開き直るに至っては言語道断であります。人間尊重と言い、社会開発と言う。有言不実行であってはならないのであります。責任ある有言実行によって佐藤内閣の政治姿勢を改め、政治に対する国民の不信を払拭すべきことを強く要望するものであります。補正予算にもかかる政治姿勢が散見されるのであります。この際、特に政府自民党に猛省を促しておきたいと思います。
 以下、補正予算案の内容について反対理由を述べるものであります。
 第一の理由は、本予算案は国民の苦しみと要望にこたえていないということであります。激しい国民の告発によって十四本の公害関係法が成立したものの、公害防止についての政府の真剣にして迅速な対応が見られないことであります。いまでも公害に悩む患者たちは、ぜんそくなどの発作に苦しみ抜き、生活もどん底におとしいれられております。これらの人々に対する緊急的な措置は遅々として進まず、企業への対応が先行しております。人間尊重を言うならば、人間の肉体的、精神的苦しみを優先的に解放すべきであります。生活必需品である野菜価格の暴騰についてもしかりであります。緊急輸入したタマネギが商社の投機に利用され、倉庫に眠っている現状を徹底的に解消をしていくのが政治であり、そのために費用をかけることをおそれてはならないはずであります。公害と物価が最優先の課題と言っているが、それに対する政府の熱意を伺うことができない点で、この予算案に反対するものであります。
 第二は、当初予算編成がきわめて安易であったことによって生じた大幅な補正だということであります。佐藤内閣が財政政策の一枚看板として掲げ、あれほど強く国民に約束した総合予算主義は全くくずれ去りました。これも根本をただせば、政府が当初予算に計上した給与改善費が六百四十四億円と、わずかに五%程度の増しか見込んでいなかったことに原因があることは明らかであります。過去の人事院勧告の例、物価上昇の見通しからしても、給与のベア分が五%におさまることはあり得ないと、われわれは声を大にして指摘したところであります。福田大蔵大臣すら一〇%ぐらいを予想していたと予算委員会で答弁しているのであります。当然予想される経費の充当を予備費や既定経費の節約でやることは不当であります。このことは、公務員給与だけでなく、故意に低い水準を公務員に押しつけようとする意図を秘めているものであって、真摯な政治姿勢とは言えないのであります。公務員の意欲を減殺する不誠意な編成態度と言うべきでありましょう。
 次に、食管会計への七百三十億円の繰り入れ等にいたしましても、明らかに政府の農政の失敗であります。米の過剰傾向は決して突如として起こったものではありません。農民の生活が成り立っていく施策を怠ってきたからであり、農民と消費者の犠牲によって一時的に食管会計の赤字のつじつまを合わせようとする展望のない農政の結果であります。そして、それを物統令の廃止、食管制度のなしくずし解体をねらっているものであります。かかる立場から本予算案に反対するものであります。
 第三に、既定経費の節約の内容についてであります。わが党も経費の適切な節約を当然しなければならないと思っております。しかし、四百億の節約は必ずしも善意の節約だけではありません。しさいに検討しますと、当初において必要以上過大な額を見積もり計上していることであります。不用額にしても、初めから不用になることを十分承知の上で計上したり、稲作転換や中高年齢者の就職対策のように、国民から強く要望されている事業に力を入れなかったことによって生じているものなどであり、予算だけ計上しておけばよいというような安易な態度が見られ、経費の節減として善意に受け取られがたいものを相当含んでおります。政府の反省を促したいと思います。
 第四に、地方交付税の取り扱いについてであります。わが党は、国税三税の三二%分は本来地方財源であり、国の一般会計を通すことなく、直ちに特別会計に入れることを要求し、また、国が地方から借金して予算を組むことは地方自治の本旨に反することを強調してまいりました。しかるに、政府は今日に至って、税の自然増収が三千百億円にものぼったことを理由に、にわかに今回の補正で三百億円の借金を返すというのでは、国の都合によって地方は完全に振り回されるということになり、地方財政の計画的、効率的な運営を阻害するだけでなく、地方自治に対する中央統制を強化するものであります。しかも、この借金は四十六年度予算で返すことになっていたものを四十五年度の補正で支出しようというのですから、まさに財政法第二十九条違反の疑い十分と言わざるを得ないのであります。あえて財政法を犯すほどあり余る自然増収が出たというならば、それは明らかに税の取り過ぎでありますから減税に回すべきであります。かかる意味において本補正に反対をいたします。
 第五の理由は、当初において税の自然増収を過小に見積もり、補正で多額を追加するというやり方であります。当初予算編成の際に、租税収入を必要以上に過小に見積もるのは毎度のことであり、われわれはこうした政府の作為的な姿勢が財政の民主的運営を著しく阻害している事実を指摘してきました。言うまでもなく、自然増収は勤労者に対する過酷な重税となるからであります。給与ベースが上がっても、それに対して累進税率がかけられる結果、勤労者の実質的な手取りは減少するわけであります。自然増収分は当初において一ぱいに見積もり、その分を勤労者、特に中以下の所得者に対する減税に回すべきであります。これでは、政府みずからの無能無策がつくった補正要因を勤労国民へのしわ寄せで切り抜けようとするものであり、はなはだ遺憾とするものであります。
 最後に、公債減額と景気対策について、政府の矛盾を明らかにしておきたいと思います。政府は本補正で四十五年度発行予定の国債を五百億円減らすことにしておりますが、補正と並行して現在国会で審議中の四十六年度予算では、中立機動型予算と称して、政保債の増額発行を予定し、また予備費の増額など、もっぱら景気対策に備えているようであります。四十六年度といっても、あと二カ月足らず先のことであります。なぜ四十五年度補正で国債を減額するのか。四十年不況の当時、国債を不況脱出の道具に使った政府の立場から見て理解に苦しむところであります。政府の統計によるまでもなく、景気の動向は昨年九月ごろから明らかに下降線をたどっております。これに対して、財政面から景気対策をとるというのであれば、四十六年度予算といわず、四十五年度の補正でも行なうべきだと思うが、政府は逆に本補正で五百億円の国債減額措置を講ずるなど、全く矛盾した政策をとっていることは賛成しかねるのであります。
 以上をもちまして私の反対討論を終わります。(拍手)
    ―――――――――――――
#30
○議長(重宗雄三君) 塩出啓典君。
   〔塩出啓典君登壇、拍手〕
#31
○塩出啓典君 私は公明党を代表し、昭和四十五年度補正予算三案に対し、反対の討論をいたします。
 まず最初に指摘したいのは、今年度もまた総合予算がくずれたことであります。政府は、昭和四十三年度以後、財政硬直化打開と称し、補正予算を伴わない総合予算を強調してきたことはすでに御承知のとおりであります。しかるに、その後、政府の説明は、組みかえ補正は否定せずとか、増額補正もまた総合予算の精神に抵触せずなどと、その年度に応じ場当たり的説明に終始し、毎年度補正予算を提出してきたのが実情であります。しかも、その直接の補正原因たるや、毎年度、公務員給与の改定と食管会計への繰り入れが中心であったことも、まぎれもない事実であります。
 今年度補正はどうでありましょうか。二千六百億円をこえる史上最大規模を持つ昭和四十五年度補正予算も、その大部分はやはり依然として、これら二つの支出に向けられているのが現状であります。これらの要因、なかんずく公務員給与改宗に要する経費については、今年度約千八百八十億円の支出が必要であったにもかかわらず、政府は、当初予算で給与総額の五%分の六百四十億円と、所要経費の三四%しか組まなかったのであります。給与改善費の計上については、政府が総合予算を打ち出したときから、繰り返し繰り返し、歳出見込みの妥当性について質疑がなされたことは、大蔵大臣もよく御承知のはずであります。スト権を奪われた公務員諸君の賃金については、人事院勧告の完全実施は当然であり、当初予算で十分の財源措置を講じておくべきであります。四十五年度予算についても、当初予算審議の際、政府は、われわれの主張した財源不足をいさぎよく認めて予算修正を行ない、当初予算に組み込むことこそが義務であったのであります。しかるに、われわれの主張を無視した政府の態度は、惰性的予算編成と断ぜざるを得ません。さらに政府と一体となってこのような予算編成を推進し、賛成してきた与党自民党の責任も、これまた重大と言わなければなりません。
 次に、補正予算提出の時期と国会の予算審議権について、本補正は重大な誤りをおかしているのであります。予算と法律は元来表裏一体のものであるばかりか、むしろ経費の支出を認める予算が法律の前提となるべき性質のものであることは、財政民主主義の重要な柱の一つであります。したがって、年度途中での歳出の追加を伴う法律案の審議には、当然その財源措置を明らかにした補正予算も同時に国会に提出をすべきが政府の義務であり、これが財政法の精神であると思います。しかるに、公務員の給与改定法は十二月の臨時国会に提出しながら、補正予算の同時提出を求められても、政府は言を左右にして給与財源の先食い方式で当面を糊塗してきたのであります。当初予算の給与財源が残り少なくなった今日に至って補正予算を提出したのでありますが、補正総額二千六百億円のうち、一千億円をこえる公務員給与費については、国会は事実上これを承認するほかなく、国会の予算審議権に対し重大な侵害を政府は行なったと断ぜざるを得ないのであります。
 次に、補正予算の費目について若干の問題点を指摘いたします。
 第一に、歳入の中に節約という名の予算操作が見られることであります。たとえば防衛費の中の武器車両購入費や装備品等のごときは、毎年度補正予算で常に節約されており、これは政府が当初から補正財源としての意図をもって作為的に必要以上の経費を水増ししていることにほかなりません。
 第二に、歳出の中には、地方交付税の三百億円をはじめ、万国博覧会跡地購入費八十三億円等を本補正に計上することによって、四十六年度予算の財源対策を行なっていると見られるものがあります。すなわち、これらは、本来四十六年度予算に計上支出さるべきものにもかかわらず、四十六年度予算の歳出を軽くするため、四十五年度補正に回しているのが実態であります。このことは、財政法二十九条に定められた補正予算の提出要件たる緊急性に該当しないばかりでなく、財政法の原則たる単年度主義を破るものと言わなければなりません。
 次に、私は、今回の補正予算が、政府が現在とらんとする財政政策から見ても矛盾していることを指摘したいのであります。政府は、本補正で、税の自然増収三千百億円を見込んで例年のごとく五百億円の公債を減額し、経済の抑制をはかろうとしているのであります。しかるに、四十五年度の財政投融資計画は逆に三回にわたって改定拡大し、二千億円をこえる投融資の追加が行なわれております。この措置は、景気の上昇を促進させるよう働かせていることは、さきの国債削減と全く矛盾するものと言わざるを得ません。むしろ、この際、政府与党の財政経済政策としては、自然増収を引き当てとした国債減額を中止し、政府自身が経済見通しの改定で認めたごとく、七・三%上昇する消費者物価によって生活の低下を余儀なくされる国民各層に対し、減税などの生活への安定対策を行なうとともに、生活保護対策の充実等の施策が行なわれるべきであって、これこそ人間尊重、生活優先を唱える佐藤内閣のとるべき道ではないのでしょうか。これら生活福祉の対策をとらずして、ただ単なる収入支出の均衡のみに拘泥した本補正予算に反対するのは、けだし当然であります。
 最後に、私は、先日の小林発言においてその本性をあらわしたというべき政府の予算審議に対するふまじめな態度に対し、強く反省を促すものであります。一九七〇年代のわが国の進路を思うとき、難問は山積し、われわれ政治家に課せられた使命はまことに重大と言わなければなりません。にもかかわらず、現在わが国の議会政治に対する国民の不信は増大の一途をたどりつつあることは、与野党ともに深く反省すべきであると思います。かかる重大なときに、相次ぐ歴代の法務大臣の言動により国民の不信をさらに増大させたことは、まさに一大痛恨事と言わなければなりません。今後の予算審議において、政府は三百議席にあぐらをかくことなく、真剣に審議することを心から望み、私の反対討論を終わります。(拍手)
#32
○議長(重宗雄三君) これにて討論の通告者の発言は全部終了いたしました。討論は終局したものと認めます。
 これより採決をいたします。
 三案全部を問題に供します。三案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#33
○議長(重宗雄三君) 過半数と認めます。よって、三案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#34
○議長(重宗雄三君) 日程第二、国務大臣の報告に関する件(昭和四十四年度決算の概要について)。
 大蔵大臣から発言を求められております。発言を許します。福田大蔵大臣。
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(福田赳夫君) 昭和四十四年度の一般会計歳入歳出決算、特別会計歳入歳出決算、国税収納金整理資金受払計算書及び政府関係機関決算書につきまして、その大要を御説明申し上げます。
   〔議長退席、副議長着席〕
 昭和四十四年度予算は、昭和四十四年四月一日に成立いたしました本予算と、昭和四十五年三月四日に成立いたしました補正予算とからなるものであります。
 昭和四十四年度本予算は、わが国経済の持続的成長の確保と物価の安定を眼目として、財政面から景気を刺激することのないよう、財政規模は適度のものにとどめ、国民の負担の軽減をはかるため、所得税及び住民税等の減税を行ない、財政体質の改善をはかるため、公債発行額を縮減して、一般会計の公債依存度を引き下げるとともに、歳出内容について、限りある財源の適正かつ効率的な配分につとめ、もって国民福祉向上のための諸施策を推進することとして編成されたものであります。なお、補正予算は、公務員の給与改善をはじめ、本予算成立後に生じた事由に基づき、特に緊要となった経費その他公債金の減額等につきまして、所要の補正を行なったものであります。
 昭和四十四年度を顧みますと、わが国経済は、引き続き好況に推移いたしました。経済活動は、春以降活発な盛り上がりを示し、九月には日本銀行は景気の行き過ぎを未然に防止し、物価の安定をはかることを目的として一連の金融引き締め措置を実施いたしましたが、結局、実質経済成長率は一二・六%となり、ここ四年間高い成長率を維持してまいりました。なお、卸売り物価は前年度比三・二%、消費者物価は同比六・四%の上昇と相なりました。
 こうした経済の好況をささえた大きな要因は、設備投資や住宅建設の増勢等による国内需要の伸びと、世界貿易の活況、国際競争力の向上等を背景とした輸出の高い伸びでありました。また、国際収支も、輸出の増大と外人証券投資の大幅な流入超過を主因として十九億九千万ドルの黒字となりました。このように国際収支が黒字を続ける中で経済は拡大を続け、企業収益は九期連続の増収増益、賃金は前年度比一六・三%の大幅な上昇を記録するなど所得面でも著しい伸びが見られたのであります。
 このようなわが国経済の状況を背景といたしまして昭和四十四年度予算が執行されたのでありますが、以下、その決算の内容を数字をあげて御説明申し上げます。
 まず、一般会計におきまして、歳入の決算額は七兆千九十二億円余、歳出の決算額は六兆九千百七十八億円余でありまして、差し引き千九百十四億円余の剰余を生じました。この剰余金のうち七億円余は、空港整備特別会計法附則第四項の規定によりまして、空港整備特別会計の昭和四十五年度の歳入に繰り入れ、残額千九百六億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、一般会計の昭和四十五年度の歳入に繰り入れ済みであります。なお、昭和四十四年度における財政法第六条の純剰余金は六百九十七億円余であります。
 以上の決算額を予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額六兆九千三百八億円余に比べまして千七百八十四億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和四十三年度の剰余金の受け入れが予算額に比べて九百五十三億円余増加したものを含んでおりますので、これを差し引きいたしますと、昭和四十四年度の歳入の純増加額は八百三十億円余と相なるのであります。この内訳は、租税及印紙収入、雑収入等の増加額千二百四億円余、公債金における減少額三百七十三億円余となっております。
 一方、歳出につきましては、予算額六兆九千三百八億円余に、昭和四十三年度からの繰り越し額七百二十二億円余を加えました歳出予算現額七兆三十一億円余に対しまして、支出済歳出額は六兆九千百七十八億円余でありまして、その差額八百五十三億円余のうち、昭和四十五年度に繰り越しました額は七百二十六億円余となっており、不用となりました額は百二十六億円余となっております。
 次に、予備費でありますが、昭和四十四年度一般会計における予備費の予算額は七百十六億円でありまして、その使用額は七百十五億円余であります。
 次に、一般会計の国庫債務負担行為について申し上げます。財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は二千四百四十六億円余でありますが、実際に負担いたしました債務額は二千三百七十七億円余でありますので、これに既往年度からの繰り越し債務額二千二百十六億円余を加え、昭和四十四年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額千四百八十九億円余を差し引きいたしました額三千百四億円余が、翌年度以降に繰り越された債務額であります。
 財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為の権能額は百億円でありますが、実際に負担いたしました債務額は六十四億円余でありまして、既往年度からの繰り越し債務額五十一億円余は、昭和四十四年度中に支出その他の理由によって、その全額が消滅いたしましたので、六十四億円余が翌年度以降に繰り越された債務額に相なります。
 次に、昭和四十四年度の特別会計の決算でありますが、同年度における特別会計の数は四十二でありまして、これらの特別会計の歳入歳出の決算額を合計いたしますと、歳入決算において十六兆二百九十二億円余、歳出決算において十四兆三千九十四億円余であります。
 次に、昭和四十四年度における国税収納金整理資金の受け入れ及び支払いでありますが、同資金への収納済み額は六兆千七百八十三億円余でありまして、この資金からの歳入への組み入れ額等は六兆千六百七十六億円余でありますので、差し引き百六億円余が昭和四十四年度末の資金残額と相なります。これは、主として国税にかかる還付金として支払い決定済みのもので、年度内に支払いを終わらなかったものであります。
 次に、昭和四十四年度政府関係機関の決算の内容につきましては、それぞれの決算書を御参照願いたいと存じます。
 以上、昭和四十四年度の一般会計、特別会計、国税収納金整理資金及び政府関係機関の決算につきまして、その大要を御説明した次第であります。(拍手)
#36
○副議長(安井謙君) ただいまの報告に対し質疑の通告がございます。順次発言を許します。安永英雄君。
   〔安永英雄君登壇、拍手〕
#37
○安永英雄君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました昭和四十四年度決算等につきまして、総理はじめ各大臣に質問をいたしたいと存じます。
 まず、指摘いたしたいことは、会計検査院の昭和四十四年度決算検査報告についてであります。
 政府行政官庁等の財政執行上の不当事項が相も変わらずあとを断たず、官公庁の予算執行の姿勢が少しも是正されていないことであります。同報告は、四十四年度決算で、件数につき百五十三件、金額にして十九億九千万余の不当事項を指摘していますが、これらは数多くの行政官庁等のうち、ごく一部を抜き取り検査をしたもので、全体から見れば、まさに氷山の一角にすぎないのであります。特に今回は、従来、租税収入の不当事項が各件別に計算されていたものが、全体として、まとめて一件と計算されておりまして、実質上の不当事項の件数並びに金額は、昨年よりはるかに増加しているのであります。具体的事例を一、二指摘してみますと、各種補助金について、文部、厚生、農林、建設等各省における不当事項が目立ち、全体として増加傾向を見ているのであります。補助金については、昭和四十二年まで減少傾向にあったのでありますが、昭和四十三年度から増加の傾向が見え始め、昭和四十四年度は災害査定検査を不当事項からはずしたにもかかわらず、実質的に不当事項件数及び金額がふえておりますことは、補助金行政に再び猛省を加うべき段階にきていると言わざるを得ないのであります。
 今回の不当事項中、日本航空機製造株式会社による会計検査史上空前の金額である十億円の不当事項について、われわれはこれを見のがすわけにはいかないのであります。この日航製の十億円のむだ使いは、同会社が国産航空機YS11を南北アメリカ地域に売り込むために、米国の代理店シャーロット社と非常にずさんな契約を結び、売れた飛行機一台についてそれぞれ手数料を支払うこととしているのであります。その実、シャーロット社はほとんど販売実績をあげず、日航製はやむなく日本商社を動員して実績をあげたのでありますが、その分についても契約に基づき巨額な手数料をシャーロット社に支払わざるを得なかった事案であります。いわば、ぬれ手にアワで十億円に余る巨額の金額を取得せしめるに至ったのであります。このようなむだ使いを聞いて国民が納税思想に影響を及ぼさないと考えるのは、とうてい無理な話でありまして、まことに遺憾この上ないことと申さねばなりません。
 以上のような、実質上増加傾向にある官公庁等の不当行為について、総理はどのように考え、どのように戒慎の道を講ぜられようとするのか、お伺いいたしたいのであります。特に日航製の事案については通産大臣の所見をお伺いいたしたいと思うのであります。
 そこで、この際、特に伺っておきたいことは、会計検査院の機能充実についてであります。会計検査院は政府の財政執行をチェックし、ややもすれば乱に流れようとする行政官庁等に対し批判と反省の機会を与える重要な機関であります。政府の財政規模が逐年巨大化し、公社、公団等の数もまた著しくその数を増してきた今日、これらの監査に当たる会計検査院の責任はいよいよ重大であります。昭和四十四年度決算について検査の場合を見てみますと、検査対象個所三万九千六百カ所のうち、実地検査が行なわれたのは二千六百カ所にとどまり、全体の七%しか検査がなされなかったのであります。政府は、憲法上認められた検査院の独立性について十分認識を深めるとともに、同院の予算、人員等については十分配慮を加え、その憲法上規定された機能が遺憾なく発揮できるよう取り計らう用意があるかどうか、総理の所見をお伺いしたいと思うのであります。
 次に、予算執行の適正化について質問をいたします。
 国の予算運営につきましては、財政法、会計法に認められた一定の原則にのっとって行なわるべきであります。例外的運用については、たとえ法に認められた場合においても、なるべく乱に流れないように留意すべきは申すまでもないのであります。私はこの点について二つの事例を指摘してみたいのであります。
 その一つとして、政府は、昭和四十四年十一月、警察の装備を整備せねばならぬとして、これら経費を予備費でまかなうよう閣議決定し、警察庁をして多数の防災出動服や化学消防車、輸送車等を購入せしめております。これらの装備品は、それまでに滅失、減耗したものの、補給に充てるため購入されたものだけではなく、今後予測される事案に対処するには、あらかじめこれを購入し、装備を強化しておくことが緊要であるとして、つまり今後に備えてあらかじめ増強するため購入されたものが大部分を占めているのであります。しかしながら、当時は大学紛争もすでに峠を越し、首相訪米後は世情も一応平穏に向かっていたのでありまして、その段階において貴重な予備費まで使って、あらかじめ増強しなければならぬ緊要性がはたしてあったかどうか、疑問とするところであります。かりにあったとしても、予備費であらかじめ調達したものである限り、少なくとも年度内に活用されるものでなければ、予備費使用の目的にかなったものとはみなしがたいのであります。それゆえ、この種増強があらかじめどうしても必要なれば、四十四年度の国庫債務負担行為によるか、あるいは翌四十五年度予算に計上すべきであって、そのいとまは十分あったはずであります。したがって、このような一、二のデモ事件に便乗して予備費を使用し、治安警察力の強化をはかったというような印象を与える経理のしかたは反省してしかるべきと存じますが、国家公安委員長の所見をお伺いいたしたいと思います。
 次に、防衛庁が日米相互防衛援助協定に基づいて、アメリカ陸海空軍各省を相手方として行ないます装備品の調達、いわゆるFMS調達についてでありますが、このFMS調達の過去の事例を見ますと、前金払いをしたまま納入期限を相当経過し、装備品等が未納のままになっておるものがかなりあるようであります。四十三年度FMS調達の調達前渡資金は四十二億六千三百万円、四十四年度のそれは百十四億二千八百万円であります。これらのうち、今日の時点において見ますと、昭和四十一年度契約分のものがやっと納入完了したにとどまり、四十二年度以降については未納のものも相当かかえておるのであります。これらの措置について、防衛庁はいかなる対策を講ぜられるおつもりであるのか、お答えを願いたい。なお、これに関連し、前金払いをした場合、前金払い額に対する利子を先方が取得すると考えられますが、この利子について防衛庁はどのように措置されるつもりか、防衛庁長官の御意見を伺いたいと思うのであります。
 次に、福祉施設並びに公害被害者救済問題についてお伺いをいたします。
 まず、最近、社会福祉施設や精薄児施設が火災で焼け、一挙に多数の犠牲者を出した事件が目立ってきております。これらの自由のきかない人たちが焼死する新聞記事は、何ともお気の毒で読むにたえない思いがいたします。同時に、非常な憤りを感じます。去る二月三日には千葉県で精薄児施設が全焼し、逃げおくれた五人の子供が焼死しました。その前夜にも宮城県で精神病院が焼け、六人の患者が焼け死んでおるのであります。これらは、いずれも施設が木造であったばかりに悲劇を一そう大きくしたものであります。福祉施設の中でも、ことに心身に障害のある人々の収容施設は、一日も早く不燃性の耐火建築に改築することが緊要であり、施設の管理面においても人的、物的に行き届いたものにすることがぜひ必要であります。事故が起こるたびに、指導監督を強化する、総点検すると言われるが、指導指導と言っているうちに、またこうした惨事が起こらないとはだれが言えましょうか。総理は、「福祉なくして成長なし」と言われるが、これら痛ましい施設の災害に関連して、社会福祉施設の整備充実を早急におやりになるお考えがあるかどうか、総理並びに厚生大臣の御所見を承りたいと思います。
 次に、公害問題に関連し、特にその被害者救済について伺います。
 今日多数の人々が公害の被害を受け病床に苦しんでおられます。政府のこれら公害被害者への救助対策はすべて後手後手と立ちおくれ、その対策費もきわめて不十分であります。私は、今日やかましく言われる公害対策の中で最も緊急性のあるものは、この被害者救済対策ではないかと思います。なるほど、四十五年二月から健康被害救済措置がとられ、おそまきながら医療費のほうは認定を受けた患者のみについてはその負担はなくなりました。しかし、これによって被害者の救済が万全になったとは申されません。被害者の中には仕事を休まねばならず、休めば休職になるとか、職を離れるとかいう問題が起こり、病気の苦しみに加えて生活上の問題があり、政府の幅広い救済対策が必要となっております。昭和四十六年度の公害健康被害救済対策費はわずか四千五百八十八万円しか認められておりませんが、政府は、これで続発を予想される公害被害者の健康被害の救済が十分できるおつもりでありましょうか。厚生大臣にお伺いをいたします。
 最後に、去る一月十日の本院議員会館内暴力事件が明るみに出て以来、元法務大臣西郷吉之助議員の手形乱発をめぐる疑惑がにわかにクローズ・アップされたわけでありますが、これに関連して若干総理の御所信をただしたいのであります。
 まず、乱発した四億数千万円の手形につき、同氏は、大臣就任前に出費がかさんだためと弁解しておられるようでありますが、これは大臣就任をめぐって金が流れた疑惑を国民に与えております。また巷間、学生運動の情報収集に金を使ったとの同議員の言明について、これは法務大臣が学生運動に対して、何らかの工作を施した疑念を抱かせております。これらにつき総理に対し、国民の納得のいく説明をお伺いいたします。
 次に、日本建設協会グループの不正な預り金事件で逮捕された武藤真吾が、西郷議員が法相在任中に日本国籍が取れたことに対する疑いであります。この帰化申請は二回出され、最初は四十三年四月十九日で、四十四年八月四日不許可になっており、その間、調査に十六カ月もかかっておりますが、第二回目は四十四年十二月五日に出され、わずか一カ月の調査で、同法相が大臣をやめる前日の四十五年一月十三日に許可がおり、日本国籍を取得しております。これは前回不許可になったとき、欠格条件があったものが、その後是正されて適格となった上での帰化許可であるのかどうか、国民は疑惑を持っております。同人は不正預かり金事件で逮捕された上に、前科を持っていると言われる人物であることを考えますときに、このような前科ははたして欠格条件とならないものかどうか。前科のある者がどんどん帰化されていっていいものかどうか。帰化業務が利権によって左右された疑いを深めておるおりから、この点、総理の説明を伺いたいし、総じて、このような国民のひんしゅくを買うような不始末をしでかした人物を法務大臣の重責に任命した総理の責任はきわめて重大であると思うのであります。
 また先般、突如、法務大臣の更迭がありましたが、議会政治の根本を否認し、そうしてまた、議員、国民に対し侮辱的言辞を弄する人物を法務大臣に任命し、世論の圧倒的糾弾に会うや、急遽更迭せざるを得なかった事態は、まことに遺憾この上ない失態でありまして、閣僚任命権を持つ総理大臣は、深く責任を痛感すべきであります。総理は、たび重なる大臣任命の不明に対し、いかにみずからを措置されようとされるのか、この点を伺って私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#38
○国務大臣(佐藤榮作君) 安永君にお答えいたします。
 まず、不当事項が年々増加しているのではないか、おしかりでありましたが、確かに四十四年度決算では、前年に比べて増加しております。これは御指摘のありました日本航空機製造株式会社の特殊な案件が含まれているからであります。しかし、いずれにいたしましても、不当事項の指摘があること、あとを断たないことは、まことに遺憾であります。担当する国及び地方公共団体の職員の自覚を待つと同時に、会議、研修による資質の同上をはかり、内部監査を励行して、正確な行政に心がけてまいります。また、不当事項の解消のためには、一般納税者や工事の事業主体の自覚もぜひ必要なものと考えます。そのような意味で国民一般の御協力を心からお願いするものであります。次に、会計検査院の独立性についてお尋ねがありましたが、検査院が内閣に対し独立の地位を有すべきことについては私も十分認識しております。このため検査官の身分について特別な配慮が払われておりますし、予算編成においても十分その立場が尊重されております。制度上、二重予算制度が設けられていることも、また、実際にはこの二重予算制度が発動されることなく、円滑に予算編成が行なわれていることも、以上の証左であると御理解いただきたいと思います。また、検査の充実のために人員、予算を充実せよとの御意見でありましたが、四十六年度予算においても十分配慮したところであります。今後とも検査の実効をあげるため、その運営に支障のないようにつとめてまいりたいと思います。
 次に、福祉施設の充実、また、公害被害者の救済等についてのお尋ねがございましたが、これは厚生大臣からお聞き取りをいただきたいと思います。
 最後に、私から西郷君の事件についてお答えをいたしますが、現在、その実態をただいま追及中でありますので、その過程にあります事柄について私が所感を申し述べることはいかがかと思います。新聞に報道されているような内容であるとすれば、率直に私の不明をわびるほかありません。このことはさきに予算委員会でも申し上げたとおりであります。また、今回の小林君のことでありますが、その発言が議会制民主主義の基本に触れる問題であるだけに、私は小林君の辞職の申し出を直ちに受理したのであります。西郷事件に引き続き、このような事態を発生したことは私もはなはだ遺憾に思います。率直におわびを申し上げると同時に、私は、政府と国会とが一体となって、真に充実した審議が行なわれ、その結果を十分に国政に反映させていくことが今後の責務であると考えるものであります。
 以上お答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣宮澤喜一君登壇、拍手〕
#39
○国務大臣(宮澤喜一君) 日本航空機製造株式会社の問題につきましては、御指摘のようなことがございまして、監督の任にあります者といたしまして、まことに申しわけないと思っております。わが国初の国産機でありましたYS11を輸出したいという努力に急なあまり、アメリカの会社と結びました代理店契約が不備でございました。そこからいろいろな問題が起こり、また、契約を解除するに際しましてとられた措置も、したがって十分ではないということが、御指摘のように、会計検査院からも指摘をされたわけでございまして、今後厳に戒めなければならない事態だと考えております。なお、この会社のこれからの問題につきましては、先般、航空機工業審議会に経営改善委員会をこのために実は設けまして、ただいま意見を聞いておりますので、それに従いましてきめてまいりたいと考えておりますが、まことに申しわけないことで、今後、厳に戒心をいたさなければならないと思っております。(拍手)
   〔国務大臣荒木萬壽夫君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(荒木萬壽夫君) 安永さんにお答えを申し上げます。
 御存じのとおり、いわゆる七〇年闘争に向けての過激派集団等による不法行為は、学園紛争や街頭における集団暴力行為を中心に、きわめて急速に激化し、昭和四十四年がそのピークになりましたことは、いまだ記憶に新しいところであります。一例を申し上げれば、これらの不法行為による検挙者数は、昭和四十二年、一千四百六十九名、昭和四十三年、六千六百名であったのが、昭和四十四年には一万四千七百四十八名に達しております。また、この間におきます警察官の負傷者数も、昭和四十二年には一千四百四名であったのが、昭和四十四年には五千三百九十六名となっており、昭和四十四年における過激派集団等による不法行為の激しさを如実に物語っているのであります。
 警察といたしましては、昭和四十三年までの情勢をもとに、昭和四十四年度におきますこれら不法行為の激化を見込んで、昭和四十四年度当初予算において、警備用車両及び装備品の経費として十六億二千三百万円を計上いたしたのでありますが、昭和四十四年度に入ってからの集団不法行為は、当初の予測以上に急激に悪質化し、大量の火炎ビンが使用されるという事態が相次ぎましたので、防炎出動服、小型消火器、車両では化学消防車といった火炎ビン対策に必要なものについて予備費をお願いするとともに、同時多発のゲリラ的な不法行為の傾向が当時強まってまいりましたので、これに対応して警備部隊員を迅速に現場に出動させるために必要な輸送車を予備費でお願いした次第であります。
 したがいまして、いずれも昭和四十四年度の予算の概算要求時において予見することのできなかった事態の変化に対し、緊急に対処する必要があったために予備費をお願いしたのでありますので、御理解いただきたいと存じます。
 また、予備費で整備した車両等を昭和四十四年度内に実際に使用したかどうかという御質問でありますが、緊急を要する装備でありましたので、取り急ぎ調達をして、昭和四十四年度内において使用いたしております。
 以上、お答え申し上げます。(拍手)
   〔国務大臣中曾根康弘君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(中曽根康弘君) 有償援助調達につきまして御質問をいただき、まことに恐縮にたえません。本件は、米軍と共通している兵器、部品等につき、米軍に一括調達して経費を節約しようとするものでございます。おくれている原因は、米軍側に在庫品がないという場合、あるいは日米両国の会計年度の相違から来る場合、調達時期が米一軍の需要で変更される場合等がおもでございます。本件を改善するために、発注体制の改善、特に電算機の活用によります発注統制を励行し、さらに連絡官を派遣する等、督励しております。
 四十二年度以前のものはほとんど納入済みでございますが、四十三年分が十億円、四十四年分がまだ八十五億円ばかりございます。
 利子の問題につきましては、国家間の調達協定によるもので、納期は予定納期という性格のものでございまして、利子発生の問題は生じないということになっております。(拍手)
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(内田常雄君) 最近、社会福祉施設とか、あるいは精神病院につきまして、火災時の事故があとを断たず、ことに宮城県並びに千葉県下の施設の火災によりまして、とうとい人命が失われましたことは、遺憾かつ痛恨にたえないところでございます。これらの防災対策につきましては、もちろん私どもといたしましても、一定の管理基準を設けましたり、あるいはまた消防庁、地方公共団体等とも協力いたしまして、総点検あるいは避難訓練等をいたしておりますが、しかし、残念なことに、なお老朽の施設が幾つか残っておりますので、これらの老朽施設をできるだけ不燃施設に建てかえたいと、こういう考え方のもとに、幸い昭和四十六年度におきましては、従来よりもかなり大幅なこれらの施設の整備予算が獲得できましたので、三年計画あるいは五年計画をもちまして、木造老朽施設の改築をぜひ進める覚悟でございます。
 それから公害の被害救済の問題でございますが、これは申すまでもなく、公害発生責任者からの補償措置のつなぎの措置ではございますけれども、そのための医療手当、介護手当等につきましては、私自身も必ずしも十分であるものとは思いません。そこで、四十六年度におきましては、当面、医療手当支給の条件を緩和いたしますとともに、医療手当の金額が従来、二千円、四千円でありましたのを、五千円、四千円、三千円というように若干の引き上げなども考慮いたしておりますが、今後なおこれらの問題につきましては十分意を用いてまいりたいと考えます。(拍手)
    ―――――――――――――
#43
○副議長(安井謙君) 沢田実君。
   〔沢田実君登壇、拍手〕
#44
○沢田実君 ただいま議題となりました昭和四十四年度決算について、公明党を代表し、総理並びに関係大臣に質問いたします。
 まず、最初に総理に要望したいことは、もっと決算を重視せよということであります。大切な国民の税金が最も有効に国民のために使われているかどうか、実績の上からさらに改善すべき点はないか等、決算こそ、予算にまさるとも劣らぬ重要なものであります。したがって、審議は十分に尽くすべきであり、これを軽視してはならないと思います。総理の決算委員会に対する出席が年間わずか一、二時間というようなことでは、決算軽視もはなはだしいといわざるを得ません。予算委員会と同様に出席すべきであると思いますが、総理の所信を承りたい。
 次に、租税についてお尋ねいたします。課税及びその徴収は、公平であることが何よりも大切であると思います。決算検査報告によりますと、税務当局の調査が不十分であったために徴収額が不足していたというものが、要検査個所七百一カ所中、二百二十三カ所、約三分の一弱の調査で、六億四千万円をこえております。しかも、その金額については、昭和四十四年度分は、不当と認めた金額が一件三十万円以上のもののみの集計でありますので、総額は相当大きな金額になるわけであります。
 最近、国税庁が発表したものによりますと、四十三年度確定申告の納税者四百万人中、七万三千人について調査した結果、件数にして九三%、金額では三百三十七億円の追徴をしたとのことであります。決算報告書の国税収納未済額は二千四百億円をこえ、特別会計の分も加えますと、二千六百二十八億余万円になっております。そのうち前年度も未納であり、四十四年度になお収納されていないものが八百八十億円をこえております。このような現状は、単に事務的な手違いや、不備等のみでなく、税制そのものに欠陥がありはしないか。一そう税の公平を期するためにも、税制そのものに対し抜本的な検討をなすべきときではないかと思いますが、大蔵大臣はどのようにお考えであるか、お尋ねいたします。
 さらに、大蔵省は、四十五年度に全国的に続発した富士銀行事件をはじめとする金融関係の不祥事件にかんがみ、各銀行、相互銀行、信用金庫及び労働金庫等に対して、不祥事件の防止について通達を発しているのでありますが、大臣は、このような不祥事態の原因についてどう考えているのか、この際、お伺いしておきたいのであります。
 第三点は、赤字がいよいよ大きくなっております健康保険についてであります。保険料の徴収にあたって調査が十分でなかったため、多額の徴収不足が不当事項として指摘されているのであります。十都府県について、調査対象のうち、わずか三・一%の事業所を調査しただけで、三千万円近い金額が徴収不足になっているのであります。全国にわたる全事業所を調査するならば、おそらくその金額は数十億円に達するであろうと推定されます。毎年同様の不当事項が指摘されながら、少しも減少していないということは、会計検査院の指摘など全く無視している証拠であると言わざるを得ません。大臣の所見を承りたい。
 また、国民健康保険調整交付金の計算を誤ったものが多いと指摘されておりますが、市町村等地方自治体の事務能力を考えますとき、その金額の計算方法等について改善策を講ずべきであると思いますが、いかがでしょうか。
 次に、支出に関し不当事項として指摘された件数を一覧表で見ますと、合計百五十件中農林省が八十五件、建設省が五十二件、合計百三十七件、農林、建設の二省で大部分を占めております。その中でおもなものは、公共事業関係補助事業でありますが、毎年全国的に不当事項として同様な指摘をされておるのであります。国民の税金を大切に使い最大の効果をあげようとする基本姿勢と、国民に対する責任感があるならば、毎年繰り返し同じような指摘をされることはないと思います。農林、建設両省とも、省独自で検査体制の確立、行政指導の強化等の措置を講ぜられるお考えはないかどうか、承りたい。
 さらに、このような現況にかんがみ、補助事業に対する抜本的対策が必要であると思いますが、総理の決意のほどを承りたいと思います。
 農林省予算は、ついに一兆円を突破し、国内米管理勘定、輸入食糧管理勘定等、取り扱い数量、金額ともに膨大になっております。主食の飼料化もばく大な金額に達します。行政の責任者に少しでもゆるみがあれば、国費を大きくむだ使いすることになります。一例として申し上げる輸入小麦の海上運賃積算の問題は、最近、港湾設備が改善され、荷役能力が倍に近い向上を示し、荷役のための停泊日数も短縮されているにもかかわらず、二十年前の基準をそのまま使用して運賃が積算されておったというものであります。その過払い金額はわずかかもしれませんが、私はその姿勢を重要視したいのであります。大臣はどうお考えになるか、承りたい。
 次に、膨大な赤字を続けている国鉄について申し上げますと、工事契約が割り高であると指摘されております。また、日本通運との間に契約されているコンテナ貨物積みおろし料の算定については、国鉄所有の積みおろし機械を無償で貸与しておきながら、機械の使用料及び不必要な人件費まで積算した等、きわめてずさんなものがあります。また、国鉄では、電化、ディーゼル化を進めておりますので、D51蒸気機関車は昭和四十九年末までに全廃する計画で、毎年三百数十両ずつ廃車されております。この機関車は四年ごとに全般検査と称して一台数百万円の経費をかけておりますが、検査後一年あるいは二年足らずで廃車されているものが多いわけであります。全国的な総合計画の上で廃車を進めますと、四年の期間一ぱい有効に使用できますので、多額の検査経費を節減することができたと指摘されておるわけであります。この一例を見ましても、国鉄については親方日の丸の態度を改めよと言いたいのであります。大臣の決意のほどを承りたい。
 さらに、電話料金値上げを云々しております電電公社の工事請負契約のずさんさも問題になっております。また、住宅金融公庫は、全国で六百四十三の銀行に資金を預託しておりますが、必要以上に多い金額を預託しております。このように公社公団のむだづかいが軒並み指摘されているわけであります。総理の指導力が強く要請されているものと思いますが、総理の所信を承りたい。
 次に、公営住宅建設事業の決算を見ますと、期末繰り越し額が支出額を上回っております。例を東京都に見ますと、昭和四十四年度予算現額は百八十三億三千二百万円、支出八十六億五千四百万円、繰り越し額九十六億七千七百万円となっております。住宅建築に日数を要すること、土地の入手が困難なこと等の事情は十分承知しておりますが、この数字を見ますと、住宅政策に本気で取り組んでいるかどうか、疑わざるを得ないのであります。
 最後に、公務員の綱紀について申し上げたい。
 昭和四十三年度は、道路交通法関係の事犯を除いて、犯罪件数が二千百六十六件でありましたが、昭和四十四年は五倍以上の一万一千七百二十八件に急増しております。公務員のいろいろな犯罪が報道され、昨日は酔っぱらい、居眠り運転による列車事故が問題になっておりますおりから、公務員の綱紀粛正を強く要望し、総理の所信をお尋ねいたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(佐藤榮作君) 沢田君にお答えをいたします。
 私も決算の重要性については十分認識しているつもりでございます。単に決算委員会への出席回数、あるいはその時間で云々されることは、たいへん心外であります。国会の委員会は、衆参、合わせて四十七の多きにのぼっておりますので、中には全く出席できない委員会も少なくありません。かといって、その委員会を軽視しているものでは毛頭ありません。
 なお、沢田君は、予算、決算、こういう意味合いにおいて、予算委員会に比較しての御指摘かと思いますが、現在の予算委員会はむしろ総括委員会とでも呼んだほうがいいのではないかと、かようにも思われる節がありますので、この点は沢田君も御承知のことだと思いますので、多くは申しません。しかし、決算審議の結果は、十分これを重視し、予算編成に、あるいは執行面の改善に十分反映させてまいる決意でありますので、よろしく御審議のほど、お願い申し上げておきます。
 次に、公共事業の補助金系統に不当事項が多いとの御指摘がありましたが、これは、最近事業量の増大に伴う地方庁の監督、検査の体制に不備があったことに一番の原因があると考えられます。今後この点に重点を置いて、その充実につき十分指導してまいりたいと考えます。
 次に、電電公社について、全体的に工事契約がずさんであるかの印象を与えるおそれのある御発言がありましたが、これも一件だけ工事費の積算が適切でなかった事例があったという指摘であります。もちろん、不当事項は一件でもあってはならないことは言うまでもありませんが、全部がずさんであるような誤解を与えることは避けたいものと考えますので、あえて申し上げておきます。
 また、電話料金については、ただいまのところ全く値上げを考えておりません。
 電報料金の改定は、むしろ有識者こぞって賛成されたところであります。私は、電電公社は電信電話業務の近代化をよくやっているものと、むしろ高く評価しております。沢田君も、たぶんさように評価しておられることだと思いますが、どうか大局的立場に立たれて、ほめるべきものは率直にほめていただきたいものと、かようにお願いをしておきます。
 次に、公営住宅についてでありますが、繰り越し額が多いことは、残念ながら御指摘のとおりであります。公営住宅は、大都市地域を重点としているため、用地事情の困難さから事業がとかくおくれがちでありますので、用地の先行取得、国有地、公有地の活用、住宅の高層化による土地の高度利用等の施策を総合的に推進して、問題の解決に努力してまいりたいと考えます。
 なお、第二期住宅建設五カ年計画では、公的資金による住宅の建設戸数は総体の四〇%を見込んでおりますが、これは今後における所得の向上や、地価――土地の値段です。地価あるいは建設費の安定化等の要因を考えると、十分な計画戸数であると考えます。
 最後に公務員の犯罪に触れられました。最近の犯罪件数が、いわゆる重要な事件がない。そういう点ではやや安心でございますが、しかし、昨日も起こったように、飲酒して列車を運転する、こういうような事柄を考えますと、これはたいへん油断のならない状態、御指摘にもありましたように、それこそ綱紀粛正の要があるのではないか、かように私も考えます。そういう点で、十分御意見のありました点を心して、今後の綱紀の粛正にもつとめてまいる決意であります。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#46
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 まず、会計検査院の抜き取り調査によりますと、租税が六億円ばかり徴収不足になっておるというおとがめでございますが、そのとおりでございます。これにつきましては、申告の処理などに一そう改善を加えまして、かようなことが減るように努力していきたい、かように考えます。
 次に、収納未済額が四十四年度では二千四百億になる、過大ではないか、こういうお話でございまするが、これはその延納を承認したものがこの中に千八百億円あります。実際の収納見込額は六百億円なんです。この六百億円に対しましては、あるいは担保というような考え方ですか、差し押えを行ないますとか、あるいは最後には公売を行ないますとか、それでも決着がつかないというような場合には訴訟を提起いたしますとかなんとかいたしまして、国の債権の確保に当たりたいと、かように考えております。
 次に、国税庁の追跡調査によりますと、九三%が不正申告だと、こういうお話についての御注意でございますが、これはかつて国税庁が問題のありそうな会社につきまして調べたのです。その問題のありそうな会社がはたして問題がありまして、九三%修正を要すると、こういうふうな結果になりましたので、ですから、全体の九三%について不正があるという推理になるわけではないのであります。しかし、いずれにいたしましても、さようなことがありますのはまことに遺憾なことでありますので、さらに申告納税制度を普及いたしますとかいたしまして、かようなことを根絶するという方向に努力をいたしていきたいし、また、御指摘のような税制改正、これにおきましても、さような方向に沿うように努力をいたしていきたいと、かように考えております。
 次に、富士銀行などの不祥事件、あれは一体どういうふうな背景からああいうことが起こってきたのかという私の見方についてのお尋ねでございますが、私は、これは非常に根源が深いと思うんです。つまり、戦後、特に最近の超高度成長とも言うべきこの経済体制下におきまして、まあ企業家が進め、進め、ただ進め、そして足元を固めない、また物質本位の世相、その反面においてどうも道義がすたれると、こういうような――私はよく昭和元祿と、こういうふうに言うんでありますが、そういう風潮がこういう問題の背景に基本的にはあるんじゃあるまいか、そういうふうな見方をいたしておるわけであります。金融機関におきましても、何と申しましても業務量の拡大をする、預金さえたくさん集まれば大銀行だというような考え方で、内容の充実というところがあるいはおろそかであったかもしれぬと思います。私は業務量の拡大よりは、これからは銀行の内容を整備、堅実化する、これこそが大事だということ、それからまた、金融機関は天下の公器であるという精神に行員全体が徹する、こういう方向で銀行の指導に当たり、ああいう事態が起こらないように努力をいたしていきたいと、かように考えております。(拍手)
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
#47
○国務大臣(内田常雄君) 健康保険の保険料の徴収についてのことでございますが、弁解がましくなって恐縮でございますけれども、この保険料の徴収率は、私どもの調定額に対しては非常に高い好成績、九九・三%ぐらいまでいっております。ところが、毎年被保険者の月給が上がりましても、それに対しまして保険料率をかけて保険料を取る仕組みでは御承知のとおりございませんので、標準報酬にはめ込むわけでございますが、そのはめ込む際に、事業主のほうから、あるいは被保険者のほうから届け出を怠る人々があるというようなことで、本来取るべき保険料がそれだけ甘くなっているというような点が指摘されておるわけでございまして、私どもまことに遺憾に存じます。ことに、御承知のように、政府管掌健康保険の標準報酬が最高が十万四千円で、十五万、十八万というような月の俸給を取る方々でも十万四千円で押えられておるというようなところに不合理がございますので、今度も健康保険法の改正案を今国会に提案をいたしまして、その辺の合理的改正もしていただきたい、こういうふうな趣旨でございますので、私どもも事業が円満に成り立つように、今後一そうの努力をしなければならぬと思います。
 それから国民健康保険の調整交付金についての問題でございますが、これは市町村の事務能力もございまして、市町村において調整対象収入額の算定の基礎となる所得の算定の際に不十分な計算が届けられる。したがって、そこに調整交付金の交付に誤りがあるわけでございますので、市町村の事務処理の適正を期しますために、私どもも十分にその指導監督の強化をはかりますとともに、指導監督ばかりでなしに、市町村がやりやすくその仕事ができるよう、ただいま御示唆もございましたので、十分その辺も改めてまいらなければならないと思います。(拍手)
   〔国務大臣倉石忠雄君登壇、拍手〕
#48
○国務大臣(倉石忠雄君) お答えいたします。
 二つございましたが、一つは、補助事業の不当でございますが、農林省関係の公共事業及び補助事業の実施にあたりましては、その会計経理の厳正な執行について常に努力しておるわけでありますが、会計検査院の昭和四十四年度決算報告におきまして、なお相当数の指摘を受けましたことは、まことに遺憾千万でございます。
 農林省といたしましては、指摘を受けました事項につきましては、それぞれ手直し工事の実施、国庫補助金相当額の返還などの措置をとりましたことはもちろんでありまするが、今後も事業実施の改善をはかりますとともに、農林省の地方出先機関及び都道府県を通ずる指導監督体制の一そうの整備、充実、担当職員に対する指導、研修の強化、それから工事実施業者の選定の適正化などに十分な注意をいたしてまいるように改善を期していく所存でございます。
 それからもう一つの御指摘は、輸入小麦の海上運賃の積算の問題でございますが、これにつきまして会計検査院の改善事項としての指摘のありましたのは、輸入小麦の海上運賃積算における本船揚げ荷役の目標数量の適正化についてでありますので、最近における港湾施設の改善等、荷役実績の実態を考慮いたしまして、極力これを合理的なものといたしますよう努力しております。そこで、昨年五月以来、大輸入港――東京、大阪、伊勢湾等でありますが、こういう大輸入港において、それからさらに、本年一月以降、全国の輸入港におきまして、それぞれ本船揚げ荷役目標数量の引き上げを実施いたしまして、これは検査院の御指摘に応ずるように運賃積算の改善をはかってまいった次第であります。(拍手)
   〔国務大臣橋本登美三郎君登壇、拍手〕
#49
○国務大臣(橋本登美三郎君) 沢田さんより、国鉄の決算について、会計検査院から御指摘のような事例のあったことはまことに遺憾に存じます。御指摘のありました点は、従来、日通その他三社の支払っているコンテナ化の積算料金の算定でありますが、従来、全国一律でやっておりましたので、あるいはその実態に即しておらない点があります。人件費等において地方によって違っておりますので、このたびこういう指摘もありましたので、従来から検討を続けてまいったのですが、これを管理局の権限に移管して、そうして実情に合ったような措置をはかると、かようにいたしたいと考えております。
 それから車両の廃車及び検査等の運用計画でありますが、これにつきましても御指摘のような点がありましたのはまことに遺憾でありまして、これらを今後は、従来は支社でやっておりましたが、これを本社に移しまして、全国的に厳重な措置を行なって経費の節減をはかってまいりたいと存じます。
 なお、お話のように国鉄は赤字に悩んでおりまして、からだが大きいせいか、なかなか締めつけが十分でないようでありまして、まことに遺憾に存じます。国鉄の幹部及び組合の幹部諸君も非常に努力をいたしてまいっておるわけでありまして、独立採算制でありますから、必ずしも、まあ日の丸勘定というわけではないようでありますけれども、いま申したようなことで十分なる措置ができておりませんことは、まことに申しわけない次第でありまして、今後これらの問題につきましても、先ほど来、綱紀の問題も出ましたが、昨日御承知のような事件を起こしまして、まことに申しわけないと思っております。とにかく酒を飲んで運転するがごときは言語道断でありまして、総理から私もおしかりを受けましたが、私は国鉄総裁を呼びまして、厳重に譴責をすると同時に、書類をもってこれを警告をいたしましたが、なお、国鉄総裁からは、先ほど来報告がありまして、副総裁以下、関係者十数名に対して減給を含む厳重なる措置をいたしました。かような報告がありましたが、今後とも、このようなことがないように最善を尽くしてまいりたいと、かように存じますので、御了承を願いたいと存じます。(拍手)
#50
○副議長(安井謙君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
#51
○副議長(安井謙君) 日程第三、地方交付税法等の一部を改正する法律案(内閣提出、衆議院送付)を議題といたします。
 まず、委員長の報告を求めます。地方行政委員長若林正武君。
   〔若林正武君登壇、拍手〕
#52
○若林正武君 ただいま議題となりました地方交付税法等の一部を改正する法律案について、地方行政委員会における審査の経過及び結果を御報告いたします。
 本法律案は、昭和四十五年度分の地方交付税について講じられております三百億円の減額繰り延べの措置を行なわないこととして、地方交付税の総額の特例を改定するほか、昭和四十五年度の補正予算に伴って増加する地方交付税について、公共用地の先行取得を推進するため、道府県分に土地開発基金費を算入し、あわせて大都市分の土地開発基金費を増額することといたしております。なお、昭和四十五年度限りの措置として、特別交付税から、沖繩に対し三十億円を交付することにいたしております。
 委員会における質疑の詳細は会議録によって御承知願います。
 質疑を終了し、討論に入りましたが、発言もなく、採決の結果、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、本案に対しまして、「政府は、地方交付税が地方の固有財源であることにかんがみ、国の責任において、負担すべき経費については、地方交付税により措置することをさけるべきである。」との、自由民主党、日本社会党、公明党の各派共同提案にかかる附帯決議を付することに決定いたしました。
 以上御報告いたします。(拍手)
#53
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#54
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
     ―――――・―――――
#55
○副議長(安井謙君) この際、日程に追加して、
 昭和四十五年度の米生産調整奨励補助金についての所得税及び法人税の臨時特例に関する法律案(衆議院提出)を議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#56
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長柴田栄君。
   〔柴田栄君登壇、拍手〕
#57
○柴田栄君 ただいま議題となりました法律案は、衆議院大蔵委員長提出によるものでありまして、昭和四十五年度に交付される米の生産調整奨励補助金について、所得税法及び法人税法上の優遇措置を講じようとするものであります。
 すなわち、個人が交付を受ける補助金については、一時所得の収入金額とみなすことにより、特別控除が適用され、農業生産法人が交付を受ける補助金については、交付を受けた後二年以内に固定資産の取得または改良に充てた場合は、圧縮記帳の特例を認めるものであります。
 本法施行に伴う昭和四十五年度の減税額は、国税約五億円と見込まれております。
 委員会における質疑の詳細は会議録に譲りたいと存じます。
 質疑を終了し、討論なく、採決の結果、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 右、報告申し上げます。(拍手)
#58
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 本案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#59
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後六時三十五分散会
ソース: 国立国会図書館
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