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1970/03/10 第65回国会 参議院 参議院会議録情報 第065回国会 本会議 第7号
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1970/03/10 第65回国会 参議院

参議院会議録情報 第065回国会 本会議 第7号

#1
第065回国会 本会議 第7号
昭和四十六年三月十日(水曜日)
   午前十時四分開議
    ━━━━━━━━━━━━━
#2
○議事日程 第七号
  昭和四十六年三月十日
   午前十時開議
 第一 永年在職議員表彰の件
 第二 国家公務員等の任命に関する件
 第三 所得税法の一部を改正する法律案、法人
  税法の一部を改正する法律案及び租税特別措
  置法の一部を改正する法律案(趣旨説明)
 第四 国務大臣の報告に関する件(昭和四十六
  年度地方財政計画について)
 第五 地方税法の一部を改正する法律案(閣法
  第四一号)及び地方交付税法の一部を改正す
  る法律案(趣旨説明)
 第六 貸付信託法の一部を改正する法律案(内
  閣提出、衆議院送付)
 第七 預金保険法案(内閣提出、衆議院送付)
    ━━━━━━━━━━━━━
○本日の会議に付した案件
 一、請暇の件
 以下 議事日程のとおり
    ―――――――――――――
#3
○議長(重宗雄三君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。
     ―――――・―――――
#4
○議長(重宗雄三君) これより本日の会議を開きます。
 この際、おはかりいたします。
 藤原道子君から、病気のため十三日間、請暇の申し出がございました。
 これを許可することに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#5
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。よって、許可することに決しました。
     ―――――・―――――
#6
○議長(重宗雄三君) 日程第一、永年在職議員表彰の件。
 国会議員として在職期間二十五年に達せられました議員寺尾豊君に対し、院議をもって、その功労を表彰することとし、その表彰文は議長に一任されたいと存じますが、御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#7
○議長(重宗雄三君) 御異議ないと認めます。
 議長において起草いたしました表彰文を朗読いたします。
   〔寺尾豊君起立〕
 議員寺尾豊君 君は国会議員としてその職にあること二十五年に及び常に憲政のために力を尽くされました
 参議院は君の永年の功労に対しここに院議をもつて表彰します
   〔拍手〕
 表彰状の贈呈方は、議長において取り計らいます。
     ―――――・―――――
#8
○議長(重宗雄三君) 寺尾君から発言を求められております。この際、発言を許します。寺尾裕君。
   〔寺尾豊君登壇、拍手〕
#9
○寺尾豊君 一言御礼申し上げます。
 ただいまは、私のために永年在職のゆえをもちまして、特に院議により御丁重なる表彰を賜わりましたことは、まことに身に余る光栄でありまして、ここにつつしんで御礼を申し上げます。
 顧みますと、私は、昭和二十一年、戦後初の衆議院議員総選挙におきまして衆議院議員に当選、翌二十二年、新憲法下初の参議院議員通常選挙におきまして、本院議員に当選、自来、引き続き国会議員として、文字どおり、戦後、民主的議会政治の歴史並びに参議院の歴史とともに歩むことができましたことは、私の無上の喜びでございます。
 その間、私は、いささか憲政のために尽力してまいったつもりでございますが、何ぶんにも微力でありまして、何ら誇るべき功績もなく、いたずらに長き歳月を重ねるに至りましたことは、まことにざんきにたえない次第であります。
 それにもかかわらず、ただいま、この栄誉ある表彰にあずからせていただきましたことは、ひとえに皆さま方の御懇切なる御指導と、選挙民各位の終始変わらざる御支援のたまものと、深く感謝する次第でございます。
 私は、本日のこの感激を肝に銘じ、微力ではございますが、今後とも本院議員としての職責を果たすべく、一そうの努力をいたす所存でございます。何とぞこの上とも皆さま方の御指導と御鞭撻を賜わりますようお願い申し上げます。
 簡単ではございますが、皆さま方の御厚意に対し、深甚なる謝意を表して、ごあいさつにかえさせていただきます。(拍手)
     ―――――・―――――
#10
○議長(重宗雄三君) 日程第二、国家公務員等の任命に関する件。
 内閣から、原子力委員会委員に松井明君、武藤俊之助君を任命することについて、本院の同意を求めてまいりました。
 内閣申し出のとおり、これに同意することに賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#11
○議長(重宗雄三君) 総員起立と認めます。よって、全会一致をもって、これに同意することに決しました。
     ―――――・―――――
#12
○議長(重宗雄三君) 日程第三、所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案(趣旨説明)。
 三案について、国会法第五十六条の二の規定により、提出者からその趣旨説明を求めます。福田大蔵大臣。
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#13
○国務大臣(福田赳夫君) 所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 政府は、昨年十二月、税制調査会から提出された昭和四十六年度の税制改正に関する答申に基づきまして検討を重ねた結果、昭和四十六年度の税制改正におきましては、最近における国民負担の状況にかんがみ、所得税の負担の軽減をはかるため、給与所得控除をはじめとする各種の所得控除の引き上げ、青色事業主特別経費準備金制度の創設、相続税の軽減合理化等を行なうことにより、平年度約二千億円の減税を行なうほか、当面の経済社会情勢の推移に即応するよう、公害対策、海外投資、資源開発対策、貯蓄奨励及び住宅対策、企業体質の強化等に資するため所要の措置を講じ、輸出振興税制を改正し、交際費課税を強化する等、税制の整備合理化をはかるとともに、道路その他の社会資本の充実の要請を考慮して、自動車重量税を創設することといたしたのであります。
 まず初めに、所得税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 最近における所得水準の上昇等を考慮して、中小所得者を中心とした所得税負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうことといたしております。
 すなわち、基礎控除、配偶者控除及び扶養控除をそれぞれ一万円引き上げるとともに、給与所得者について、その負担を軽減するため、昭和四十三年以来据え置かれておりました給与所得控除の定額控除を三万円引き上げることといたしました。この結果給与所得者の課税最低限は、夫婦と子供二人の場合では、現行の約八十八万円から約九十六万円に、夫婦と子供三人の場合では、現行の約百三万円から約百十三万円に、それぞれ引き上げられることに相なります。
 また、障害者控除等の特殊な人的控除につきましても、それぞれ一万円ずつの引き上げを行なうとともに、配偶者控除及び扶養控除の適用要件である所得限度について、現行の十万円から十五万円に引き上げるなどの措置を講じ、貯蓄奨励をはかる見地から、少額貯蓄非課税制度について、非課税限度を元本百万円から百五十万円に引き上げることとする等、所要の改正を行なうことといたしております。
    ―――――――――――――
 次に、法人税法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 法人税につきましては、課税所得の計算の合理化をはかるため、完成工事補償引き当て金制度を拡充して、製品保証等引き当て金制度に改めるほか、寄付金につきまして、別ワク損金算入を認める特定の公益法人の範囲を拡充する等、所要の規定の整備合理化をはかることといたしております。
    ―――――――――――――
 最後に、租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その趣旨を御説明申し上げます。
 まず、公害対策に資するため、公害防止施設について、特別償却の率を現行の三分の一から二分の一に引き上げるほか、公害防止事業者負担金について、その納付したときに一時に損金算入を認める等の措置を講ずることといたしております。
 第二に、海外投資、資源開発を促進するため、海外投資損失準備金の対象地域の拡大及び出資要求の緩和をはかり、また、石油開発投資損失準備金制度を資源開発投資損失準備金制度に改め、その適用対象を拡大し、積み立て率を引き上げることといたしております。
 第三に、貯蓄奨励対策として、少額貯蓄非課税制度とは別ワクで、元本百万円を限度とする勤労者財産形成貯蓄非課税制度を創設する等の措置を講ずるほか、住宅対策として、住宅貯蓄控除の拡充等を行なうことといたしております。
 第四に、中小企業対策として、青色事業者について、青色事業主特別経費準備金制度を創設することといたしております。すなわち、毎年の事業所得の五%相当額、最高十万円を限度として、年齢六十五歳までの間、必要経費に算入することを認めることといたしております。
 そのほか、特恵関税の供与に伴い事業を転換する中小企業者についての償却の特例制度を創設する等の措置を講ずることといたしております。
 第五に、輸出振興税制について、輸出割り増し償却率の縮減等の整備合理化を行なった上、適用期限を延長することといたしました。
 以上のほか、交際費課税の強化をはかるため、損金不算入割合を引き上げて適用期限を延長するとともに、証券取引責任準備金制度その他の特別措置についても、実情に応じ所要の措置を講ずることといたしております。
 以上、三法案の趣旨について御説明申し上げた次第であります。(拍手)
#14
○議長(重宗雄三君) ただいまの趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。戸田菊雄君。
   〔戸田菊雄君登壇、拍手〕
#15
○戸田菊雄君 私は、日本社会党を代表して、ただいま趣旨説明のありました所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の三法に対し、質問を行なうものであります。
 まず、最初に、税制の基本問題について佐藤総理にお伺いをいたします。
 昭和四十六年度予算提案での政府のいう高福祉、高負担の標語は、昭和四十三年七月の税制調査会の長期税制答申でまずうたわれ、四十四年の経済白書に引き継がれ、特に今年度の予算案編成にあたって論議にのぼっているのであります。確かに高負担の面では税制、予算案ともに大きく門戸を開放いたしました。自動車新税の創設をはじめ、健康保険料の引き上げと再診料の新設によります患者負担の増加、郵便、電話、電報料金の大幅引き上げによる不公平な増税対策、二百三十万トンの米の強制的な減反と買い入れ制限、消費者米価に対する物価統制令の適用廃止等によります高負担が、国の財政に強く根を張り始めていることは疑いありません。言われるところの財政の高率化や体質改善が、各種の高負担を国民の肩に負わせる役割りをになっていることもますます明らかになっているのであります。一方、高福祉については、さきの公害国会でも、今回の予算編成の過程でも、現実、盛んに高福祉が論ぜられておりますが、この標語ほど国民を愚弄するものはないのであります。鳴りもの入りで宣伝されました公害対策を見ましても、一般会計、特別会計で九百二十三億円、うち六百六十五億円は下水道事業で、それを除きますと、汚染や汚濁の監視、測定に始まり、緊急に必要な対策費は二百五十八億円にすぎないのであります。公害被害の救済費に至ってはゼロなのであります。
 今年度の税制改正では所得税の減税が中心になっておりますが、初年度の一千六百六十六億円の減税は、約一兆五千億円もの自然増収と七・八%に近い物価上昇からすれば、まさにミニ減税であり、実質的には増税となっております。一つの例でありますが、最近十年間の租税自然増収額に対する池田内閣と佐藤内閣の減税額の割合を見ますると、池田内閣の昭和三十七年以降三十九年までは二〇・五%、一五・九%、一二・二%となっており、佐藤内閣の昭和四十年以降今日までの減税割合は、四十年が一七・五%、四十一年一七・五%、四十二年一〇・九%、四十三年五・八%、四十四年に一二・六%、四十五年が一二・八%、今年度は九・三%で、二〇%に達したことは一度もなく、かつ、減税額は年々減少しているのであります。この減少傾向を佐藤総理はどう思いますか。
 また、給与所得者と配当所得者の免税点は、四人家族の場合は、昭和四十年に給与所得者は四十七万円、四十五年は八十八万円、四十六年は九十六万円で、配当所得者は四十年百六十七万円、四十五年に三百二十三万円、四十六年は二百八十六万円と、配当所得者の免税点は実に二倍に引き上げられておるのであります。この不公平と不平等を佐藤総理はどう考えますか。今次改正でも、減税の幅は、前述したとおりきわめて少なく、課税最低限は非常に低く、物価調整減税も行なわれず、租税特別措置では依然として大企業優遇の税制であり、税制の基本において多くの不平等と不公平を存在せしめ、その姿勢を放置したままで、取りやすいところから多くを取る大衆重課の高負担税制となっておりますが、この不合理と矛盾を早急に根本的に改善する必要があると考えますが、総理の明快な御見解をお伺いいたしたいのであります。
 以下、具体的な問題について質問いたします。
 第一は、課税最低限についてであります。今回の課税最低限百十三万円は月額九万四千円、これは諸手当一切を含めてでありますが、政府提案による一千六百六十六億円減税は、政府の物価上昇の見積もり五・五%にいたしましても約七百四十億円となり、減税額は九百二十六億円、実質物価上昇率は七・七%ないし七・八%と想定されますので、実質減税は五百五十六億円見当であり、まさにミニ減税であろうと思うのであります。物価上昇を課税最低限引き上げでカバーするという政府の大前提が大幅にくずれていると思いますが、福田大蔵大臣の御答弁をお願いいたします。
 また、昭和四十四年、四十五年の消費者物価上昇に伴う所得税の物価調整減税所要額の大蔵省提出資料によって試算をいたしますると、四十四年当初、物価上昇見積りは五%、約四百二十億円、四十五年は四・八%で、約五百三十億円となっておりますが、実質物価上昇率は四十四年、四十五年ともに六%であり、減税額はさらに減少しておると思うのでありますが、決算額は幾らでありますか、あわせてお答えを願いたいのであります。
 さらに自然増収から見た場合、四十四年は一兆千九百五億円で、一二・六%、四十五年は一兆三千七百七十一億円で、一二・八%、四十六年度の見積りは一兆九千四百六十五億円で、九・三%と大幅な減少となっているのでありますが、これはまさに大衆重課を目ざした高負担を如実に示したものであり、改善の必要ありと思いますが、どうですか、お答え願いたいのであります。
 第二は、税率についてであります。税制調査会の中間答申では、四十六年度の税制改正では本格的検討ができなかったとして、四十七年度まで見送りの態度をとっておりますが、税率緩和は四十四年に行なったのみで、そのままになっております。三年ないし四年に一回の調整では、現下の経済情勢から見て増税は必至であり、税率緩和の検討を行なうべきと考えますが、大蔵大臣のお答えを願います。
 第三は、直間比率についてであります。政府提出の昭和四十六年度税制改正要綱二六ページに直間比率が示されておりますが、昭和三十年以降四十六年まで年々間接税の比率は減少いたしておりますが、これに対し大蔵大臣は、間接税増徴の意向を明らかにしておりますが、直間比率のみで税制検討を示唆することは問題があるのではないかと思うのでありますが、どうでありますか。なかんずく注目されました付加価値税については、今度の税制調査会答申には姿をあらわさなかったが、おそらく七一年八月に予定をされる長期答申で登場するのではないかと思いますが、大蔵大臣の付加価値税に対する見通しについてお答えを願いたいと思うのであります。
 第四は、租税特別措置法についてであります。
 その一つは、政府提案の昭和四十六年度税制改正の要綱一一ページによりますると、租税特別措置の整備合理化等の内訳を見ますると、従来、政府がしばしば整備合理化をはかるとの公約は何ら行なわれず、大蔵省はたいへん苦労して差し引き、ゼロになっておりますが、これでは今日までの租税特別措置の整備合理化は全然行なわれていないのではないかと思いますが、どうでありますか。
 その一つは、少額貯蓄非課税制度についてであります。今年度の改正で、従来の百万円を百五十万円に引き上げることになっておりますが、大蔵省の見通しによりますと、今後、平均世帯貯蓄は百四十一万円になると言っております。しかし、貯蓄増強中央委員会の調査によりますと、平均世帯貯蓄平均は七十五万円であり、グループ別調査でも、五十万円以下が二九・六%、五十万円から百万円まで二四・五%、百万円から百五十万円まで一四%、百五十万円から二百万円まで六・九%、二百万円以上が一五%となっており、百万円以下が総体の五四・一%を占めておるのであります。加えて、この種免税制度には、少額国債非課税制度と勤労者財産形成の少額貯蓄非課税制度、郵便貯金は別に同様の制度があり、総体を含めますと、一人で五百万円まで、夫婦合わせますと一千万円まで免税となる仕組みであります。このことは、前述の貯蓄増強中央委員会の平均世帯貯蓄状況から見ても、少額貯蓄者の非課税制度ではなくて、高額貯蓄者の優遇措置を考慮したものと思うが、どうでありますか。また、税の不公平をさらに拡大することになり、これらの制度は直ちに整理統合を行ない、一本化すべきと考えますが、福田大蔵大臣のお考えをお答え願いたいのであります。
 その一つは、探鉱に対する――いわゆる鉱山を探るほうであります。探鉱に対する特別措置についてであります。本制度の概要は、一つは、探鉱準備金では鉱物の販売金額の一五%、またその販売によって得た所得の五〇%のうち、少ないほうの金額を限度として準備金の積み立てを認める、また新鉱床探鉱費の特別控除で探鉱準備金を取りくずして新鉱床探鉱費の支出を行なったときには、その支出額を損金に算入するほか、それと同額を別ワクで損金に算入することを認めているわけでありますが、その減収額は四十年度以降――四十四年までは実績でありますが、四十六年まで三井金属、三菱金属、東邦亜鉛、日本鉱業、住友金属、同和鉱業、古河鉱業、日鉄鉱業等々、大手八社に対して総額百八十億円を免税し、優遇措置をとっておりますが、これらの各企業はイタイイタイ病で人を殺し、その責任を回避し、それらの損害に対し何らの補償もしていないのであります。これら租税特別措置法による優遇措置は直ちに廃止し、これらの財源は金策に困っている中小企業に回すべきと思いますが、福田大蔵大臣の御見解をお聞かせ願いたいのであります。
 以上、税制改正に対する質問をいたしましたが、政府の高福祉、高負担政策は明らかに税負担の上昇を招来し、自動車新税に見られますように、第四次防衛力整備計画に象徴される軍国主義、帝国主義復活のための有力な財源のための増税計画ではないかと思うのでありますが、総理と大蔵大臣の明快な御答弁をお願いいたしたいのであります。
 最後に自治大臣にお伺いをいたしますが、大蔵省は地方住民税の課税最低限を国税同様に引き上げたい意向だと聞いておりますが、自治大臣がこれに反対していると承っているのでありますが、いかなる理由によるのでありますか、お答えを願いたいのであります。
 以上、当面する税制改正に対する諸問題について質問を申し上げ、私の質問を終ります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#16
○国務大臣(佐藤榮作君) 戸田君にお答えいたします。
 まず、佐藤内閣は高負担政策中心ではないかとの御意見でありましたが、決してさようなことはありません。国民所得に対する租税負担率におきましても、四十六年度は四十五年度のほぼ横ばいで推移するものと見込まれておりますし、先進諸国の負担率と比べても決して高負担というべき状況ではないのであります。戸田君は、また自然増収に対する減税額の割合が池田内閣時代に比し激減しているとして、これをその証左とされました。その数値自体多少問題があるようですが、いまはあえてこれには反論いたしません。国民所得に対する租税負担率の水準は池田内閣当時のほうが高かったとも見られるのであります。むしろ、だからこそ、自然増収に対して大きな減税を必要としたものとも言えるものと考えます。四十六年度の減税は消費者物価の上昇を見込んでも、なお相当の実質的負担の軽減になっており、一方において、社会保障費や教育費の充実、社会資本の拡充、さらには国民生活向上のために積極的な施策を進めているものであって、高負担政策のみ推進しているものでないことをよく御理解いただきたいと思います。
 最後に、現行税制を抜本的に改正せよとの御提案でありました。税制につきましては、いろいろ問題があるように思います。まず、公平でなければならない。また、できるだけ負担は軽くというお気持ちももちろん働いてまいるわけであります。これらの点については税制調査会におきましても十分検討を続けておる次第であります。十分、今後検討を待って、しかる上で政府の施策をきめてまいるつもりでございます。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#17
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 課税最低限を引き合いに出されながら、ミニ減税ではないかと、こういう御所見でございますが、課税最低限はとにかく国際水準まできておるんです。それをさらに今度改善しようという点を評価していただきたい、かように存じます。
 また、物価が上がる、この程度の減税では追いつかぬじゃないかと、こういうお話でございますが、私どもは五・五の物価上昇ということを経済計画上見ておるわけでありますが、引き上げ率は一〇%でありますから、実質的減税に相なると、かように考えております。
 また、物価上昇をカバーするために必要な減税額は一体どうなんだと、こういう御質問であります。四十四年度におきましては物価は当初五%と見ておった。それが実績におきましては五・二%になったわけです。で、五%のときの物価調整減税所要額は四百二十億円、それが五・二%に物価が上がったという関係で、これを消すためには四百四十億円の減税を必要とする、こういう計算になりますが、実際は千六百億円の減税をいたしております。それから、四十五年度は同じく物価は四・八上がるという見通しでありましたものが七・七上がるというふうに想像されるのです。そこで、所要額は五百三十億円からかなり上がりまして九百億円になります。これに対しまして二千五百五十億円の減税をいたしておる、こういうことをよく御承知おき願います。
 それから、税率の見直しを機動的にやったらどうだというお話でございますが、これはそう機動的にやるわけにはなかなかまいらない。これはもうずいぶん久しぶりに四十四年度、四十五年度と税率調整をやったわけでありますが、まあ私は財源がありますれば、税率の見直しよりは、むしろ課税最低限、弱い者、小さい者、そういうほうに重点を置く減税の考え方、これが妥当ではあるまいか、そういう考え方をいたしておるわけであります。まあしかし、余力がありますれば、もちろん税率の調整、中堅所得者等の減税、これもいたすべきものである、かように考えます。
 それから、直間比率に触れられまして、直接税に片寄っておるこれを是正をする、それで、まあ何か増税を考えておるようであるが、それは一方的に間接税の増税ということによって直間比率を改正する、是正する、こういう考え方ではないかという御質問のようでありましたが、私はそういう考え方は持っておりません。つまり、直接税中心主義は、これはあくまで貫きます。しかし、いまのように直接税にウエートが非常にかかっている状態はこれは是正する必要がある、つまり、所得税の減税を大いに行なうというために間接税の増徴が必要である、こういうつもりでございます。
 それから付加価値税は慎重にやるべきではないかというお話でございますが、私もさように思います。ことに、これはEEC諸国では広範に採用され、また英米におきましてもこれを採用せんとする傾向がある。わが国でもこれを検討すべき時期にきておるとは思いますが、しかし、これは物価に非常に影響がある。今日のように物価が流動しておるというこの状態下において付加価値税を採用するということになりますると、これはたいへんな影響がある。こういうふうに見まするし、また、国民各界各層に大きな影響がある問題でありますから、そういうコンセンサスというか、国民の理解ということも必要であります。そういうので理論的には正しいといたしましても、これが採用にあたりましてはきわめて慎重な態度をとらなければならない、かように考えております。
 それから少額貯蓄の平均が七十五万円なのに、今度の改正は優遇し過ぎるんじゃないかというお話でございますが、これは七十五万円ということはないと思います。現在、もっと高い水準にあると思いますが、それにしてもある程度のことをしなければ刺激にならない。貯蓄を刺激することをねらっておるのです。そういうような意味で、平均貯蓄額をオーバーする免税点、これも御理解を願いたいと思うのですが、いま非常に貯蓄が、ことに零細貯蓄、これは大事な時期にきておる。こういうことから御理解を願いたい問題でありますが、決して高額所得者を優遇しようと、こういうような考え方は毛頭ありません。
 それから、さらに少額貯蓄制度につきましては、あるいは少額貯蓄非課税制度、少額国債非課税制度、郵便貯金あるいは勤労者財産形成貯蓄、いろいろあるが、これを統合する考えはないかと、こういうお話でありますが、ごもっともなお話だと思います。これにつきましては、しかし、その一つ一つがそれぞれ理由がある。それぞれ特殊なメリットを持っております。ですから一がいに統合とは言えませんが、少し繁雑になり過ぎておるという感じがいたしておりますので、今後、ひとつ検討課題にいたしたい、かように考えております。
 それから最後に、特別措置の整理が進行しないじゃないかというおしかりでございます。これは私もそういうふうにも存じまして、常々努力をいたしておるわけでございますが、何ぶんにも時代の要求、たとえば公害でありますとか、あるいは海外資源の問題でありますとか、あるいは貯蓄の問題でありますとか、時代の要求に応じてそれぞれの政策目標というものが税制にも与えられる、そういうようなことでふえる要因というものがずいぶん、特別措置のふえる要因がずいぶんあるのです。しかし、そのふえるふえ方というものを既存の特別措置のワク内において処置すると、こういう考え方のもとに、せめてそこまでということで努力をいたしておりますが、今後とも御教示にあずかりまして、この問題の解決には努力をいたしていきたいと、かように考えております。
 それから探鉱に対する特に減耗控除制、これについて御意見がありました。これは御所見ごもっともなんです。これはもう税制といたしますると異例の措置であります。しかし、今日、この資源の問題というものが非常に重大な問題になっており、それはひとり海外における資源の開発ばかりじゃない、国内においてもそういう関連がある、また、国内において強固な地盤を持たない企業は海外において活発な資源開発ができない、そういうことに着目いたしまして、異例ではありますが、この制度を延長することにいたしたのでありまするが、資源の開発につきましては、私はもう政府といたしましては、ほんとうに思いを新たにしたこれは対策に取り組むべきである、そういうふうに考え、政府全体としてその施策を進めておりますが、そういう施策とも相まちまして、この制度の適否というものはさらに検討してまいりたい、かように考えます。
 最後に、自動車新税、これは防衛費の財源を充実するゆえんではあるまいか、こういうようなお話でありますが、そういう発想じゃないのです。これはこれから社会資本の充実、社会保障、こういうことがたいへん重要になってまいるわけでありますが、特に交通政策、これを格段な進歩をさせなければいかぬ、そういう際にどういう点に負担を求めるかという点から発想されたものでありまして、これは防衛費とつながりがあるものとはみじんも考えておりませんから、御安心のほどをお願いしたい、かように存ずる次第でございます。(拍手)
   〔国務大臣秋田大助君登壇、拍手〕
#18
○国務大臣(秋田大助君) 地方住民税の課税最低限につきましては、自治省といたしましては、ここ毎年相当大幅に引き上げてまいっております。現に、明年度は標準世帯につきまして十二万円、その額を八十六万円に引き上げております。しかし、これでは所得税の課税最低限とまだ差があるではないかという御意見かと存じます。この点につきましては、税制調査会の長期答申にも、所得税と地方住民税とは、本来、その税の性格を異にするものであるから、課税最低限が必ずしも同一額でなければならないということはないという御意見を示されておるのであります。しかしながら、なるべく地方住民の税負担軽減にこしたことはございませんから、われわれといたしましては、今後、国民の生活水準の推移、また、所得税の課税最低限の推移等を考え、地方財政の許す限りにおきまして住民税の課税最低限を引き上げまして、地方の住民の方々の税負担の軽減につとめてまいりたいと考えておりますので、この点、大蔵省と基本的に考えの相違はないものと考えておる次第でありまして、この点を御了承願いたいと存じます。(拍手)
     ―――――・―――――
#19
○議長(重宗雄三君) 多田省吾君。
   〔多田省吾君登壇、拍手〕
#20
○多田省吾君 私は、公明党を代表して、ただいま趣旨説明のありました所得税法、法人税法並びに租税特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、総理並びに大蔵大臣にお伺いいたします。
   〔議長退席、副議長着席〕
 大蔵大臣は、わが国の租税負担率が各国より低い一九・三%であることを誇張しておりますが、わが国の社会保障費が国民所得に対する割合で諸外国の三分の一以下である点や、生活水準の低さ等を考えあわせますと、日本の税負担が実質的に低いとは言えないのであります。たとえば、わが国の租税負担率は、社会保障費や軍事費を除いて考えますと、欧米諸国と比較して決して低いとは言えない。すなわち、租税総額と社会保障費や特殊な支出項目の軍事支出、公債利子等を差し引いた残りの国民所得に対する比率を計算しますと、昭和四十二年度で日本が一五・五%、米国が一三・三%、イタリアが一五・四%であり、実質的な租税負担は米国やイタリアよりわが国のほうが高いという結果が出ております。
 第二は、所得減税でありますが、昨年より大幅な後退であり、四十六年度の減税率は自然増収の一一%にすぎず、しかも、物価上昇率を本年度並みの七%と見ますと、この物価調整分だけで、千六百億円減税のうち、その大半の九百億円が吹っ飛んでしまうことになり、さらに新設される自動車重量税三百億円を加えますと、実質減税額はわずか四百億円というみじめな超ミニ減税となるわけであります。
 第三は、所得税の課税最低限がわずかながら引き上げられ、数字の上では西独や英国を上回るといわれますが、総理府の統計調査から推計いたしますと、この標準家庭の今年度の生活費は百三十万以上の支出と見られ、今回の改正で百十三万円まで引き上げられましても、なお生活費の実態と比べて大きな隔たりがあり、生活費の中まで食い込んで課税されているという結果になりますが、生活費非課税の原則の立場からこの問題をどう理解しているか、さらに、今後の課税最低限の引き上げについて所信を伺いたい。
 第四に、今回、法人税率の手直しを見送っておりますが、これは昭和三十年の税率まで引き戻すべきではないでしょうか。また、負担公平の原則から、中小企業、法人企業の負担能力に応じた課税を行ない、また、従来の法人擬制説の考え方を法人実在説の精神に改めて、法人税制における累進税率をこまかく採用し、配当控除制度を廃止する方向に進むべきであると思いますが、御見解を承りたいと思います。
 第五に、租税特別措置の整理改廃について。現行税制の不公平の代表が各種の課税優遇措置であり、これが租税特別措置法によって裏づけされていることは、いまさら申すまでもないことであります。わが国の租税特別措置は、規模といい、量といい、これほど幅広いものは世界のどこにも類例がありません。多くの学者も、「シャウプ勧告以来、大企業優先のため特別措置を積み重ね、極端にゆがめられたのが今日の日本の税制の最大の特徴だ」と述べております。特に、不公平、不平等の例として悪名高いのが、大蔵省も反対した配当所得の特例、輸出振興に名をかりた四種の特別措置、医師優遇措置、金融業者やその他の貸し倒れ引き当て金、特に問題の多い交際費非課税の特例など、その数は国税だけでも百四十三種類もあり、その大部分が大企業を対象にしたものであります。この特別措置の減税額を四十六年度で見ますと、国税だけで四千三百九十四億円の巨額に達し、所得実質減税額四百億円と比べると実に十倍以上の大減税となっております。しかも、税調の答申とは反対に、整理改廃は少しも行なわれておらず、ずるずると特例を引き延ばし、すでに目的を達したものも廃止されずに既得権化しようとしております。これは政府自身が国民の税に対する不平、不満を助長させ、納税意欲を減退させているという以外ありません。さらに交際費につきましては、昨年は九千百五十五億円、本年は一兆一千億円を突破する見込みでありますが、英国のように、対外輸出のみに認めるというように大幅な整理あるいは廃止を計画し、中小企業対策については、その分を法人税に累進税率を採用して、その負担を軽くする等のお考えがないかどうか、あわせて総理、大蔵大臣にお伺いしたい。
 第六は、四十七年度以降の税制並びに財源対策についてであります。四十六年度の一般会計予算九兆四千億、財政投融資四兆二千億は単に量的規模の問題にとどまらず、十四を数える政府関係機関、四十三に及ぶ特別会計、そして地方財政を含めたわが国の財政は、全体の構造のすみずみまで予算膨張の強大な圧力がかかっており、その膨張要因の最第一は当然増経費であります。その額は一兆三百億円にも達し、一般会計予算の一三%を占め、新規政策財源はきわめて乏しく、大蔵省当局が盛んに財政硬直化打開の大キャンペーンを張った四十二年の八・四%に比べると、硬直化は著しく悪化進行しております。加えて四十六年度予算の最大の懸案事項であったいわゆる三K問題は、ついに抜本的解決に手がつけられないままに翌年度以降に持ち越され、四十七年度以降の財政硬直化に一段と大きな拍車をかける結果となり、さらに膨大な財政支出を余儀なくされようとしております。加えるに五兆八千億円の四次防が発足し、新規スタートの下水道整備五カ年計画など、当然増経費膨張の要因が山積みされております。これら四十七年度以降の経費膨張に対処するため、政府は財源対策として国債発行の増額とか、間接税整理合理化の名のもとに、物品税の増徴、あるいは新しい付加価値税創設等が予想されておりますけれども、総理、大蔵大臣はいかに対処されるか、お聞きしたい。それともこの財政硬直化を防ぐために、ここで大勇猛心をふるい起こして、従来の各省別のなわ張り予算や増し分主義を改めて、PPBSの導入、あるいは事業別予算に組み改めるというようなお考えはないか、総理にお尋ねしたいと思います。
 さらに、税制一般について佐藤総理に若干お伺いいたします。政府が毎年のように所得減税を行ないながら、なぜ国民の間に重税感が強いのか、それは申すまでもなく、はなはだしい税負担の不公平、不均衡に大きな不満を感ずるからであります。配当所得等の不労所得者は、相変わらず勤労所得者の約三倍の所得があっても一銭も課税されておりません。大企業からの政治献金のごときは申告所得に入らずに、全く不明朗なものであります。さらに、各地では国を相手どり、サラリーマンの税金訴訟も起こっております。わが党をはじめ、新聞社、総理府、国税庁等の国民の税金に対する意識調査は数多くございましたが、いずれも税負担の不公平に激しい憤りを示しております。総理は、この税制に対する著しい不公平、不均衡をどのように感じ、どう解決されようとなさるのか。税制調査会云々を言う前に、総理のき然たる決意を示していただきたいと思います。
 次は、寡婦並びに老人所得控除の引き上げについてお尋ねいたします。今回の改正案では、現行の十万円から、わずか一万円ばかり引き上げておりますが、子供さんをかかえて生活と戦うけなげな寡婦の方々は、たとえば米国では二十一万円から三十二万円まで控除されております。また、六十五歳以上の老人所得控除は欧米諸国はけた違いに高く、イギリスは八十六万四千円、西独は七十万八千円まで控除されております。寡婦及び老人福祉はわが国最大の課題であります。寡婦並びに老人所得控除を少なくとも二十万円程度まで、近い将来引き上げるべく検討すべきであると思いますが、いかがでありますか。
 次に、公害税の創設についてお尋ねいたします。米国はニクソン教書の示すごとく、公害発生企業の生産段階において、大気汚染の亜硫酸ガス対策として、石炭、石油生産者に対し硫黄税、ガソリンに含まれる鉛に対する課税等を明年度から実施し、これを公害防止設備の充実や研究費に充てようとするものでありますが、わが国も大企業に対する過保護の特例措置ばかりでなく、場合によっては、この種の公害税を新設するよう検討する用意があるかどうか、お尋ねしたい。
 次に、最近ブームの公営ギャンブルについてであります。四十四年度のギャンブル総売り上げ高は一兆四百億円と見込まれ、地方団体のギャンブル収入益金は千三百億円になり、これに国営競馬等を加えますと、さらにふえますし、入場者もウナギ登りであります。このたびの入場税改正には問に合いそうもありませんが、大蔵大臣は衆議院でも検討を約束しておるようでもあり、ギャンブル廃止まではこの入場税に重税を課すべきだと思いますが、総理のお考えをお伺いしたい。
 次に、所得税の脱税について。国税庁の発表では、この一年間の脱税行為は三割近くふえ、確定申告納税者の不正所得は千三十三億円、脱税額も三百三十七億円の史上最高を数え、しかも、これも氷山の一角にすぎないと言われております。さらに、数百億円の年収をあげながら一銭の税金も払わない暴力団の脱税行為など、悪質なものも増大する一方であり、国民の不信をいよいよつのらせております。ときあたかも納税申告の時期にあたり、政府はき然たる態度できびしく対処するとともに、政治献金の規制、あるいはガラス張り化、さらに適正な課税など、政府みずからの姿勢を正して事に当たるべきだと思いますが、総理の決意をお尋ねしたい。
 最後に、このたび専売審議会がたばこに対する有害表示を見送るという国辱的な答申をいたしましたが、最近たばこに水銀が含まれているという問題も生じております。税収や専売制度にとらわれて、国民の最も大切な人命や健康まで無視しようとするのは、まことにけしからぬ話であります。総理は、勇断をもって人間尊重の立場から、たばこに有害表示をすべきことを専売公社に指示すべきであると思うが、総理の決然たる所信をお伺いいたしまして、質問を終わるものでございます。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#21
○国務大臣(佐藤榮作君) 多田君にお答えいたします。
 お尋ねがたいへん広範にわたっておりますので、私からお答えしないで、あるいは落ちた部分がありましたら大蔵大臣からお答えいたします。さように御了承いただきたい。
 初めに、租税特別措置につきましてでありますが、まず、この制度が単純に大企業優先のものであるという認識は改めていただきたいと思います。その約半分は貯蓄優遇のためのものであり、その他にしても、公害防止や資源開発等の特定の政策目的を追求しようとするものであります。ただ、この制度は、税の公平の観点から、かねて議論が提起されている問題でありますので、随時弾力的な改廃を加えていくべきものだと考えます。本日提案した改正案は、その方向に沿ったものであります。また、多田君の御発言では、巨額の減税を新たに行なったかの感じを受けますが、特別措置による減収額は、税制調査会の答申どおり前年度の減収額の範囲内にとどめているものであります。誤解のないようお願いいたします。
 税の公平の問題につきましては、制度の面でも、また実際の運用の面にあたりましても、公平が何よりも基本でありますので、今後とも十分この点に留意してまいるつもりでございます。
 次に、いわゆる公営ギャンブルの入場税についてでありますが、公営ギャンブルのあり方ともあわせて今後の検討課題といたします。ただ一言申し上げたいことは、多田君は、これを地方財政の関係上、政府も必要悪として認めたとの御趣旨でありましたが、この点は多少違うように私は思います。私は財政の立場からのみその存廃を考えるつもりはありません。むしろ多田君も御指摘になりましたように、ブーム、その根源はやっぱりギャンブルを好む人間性自体にあると考えます。そのような意味で、ギャンブルは強制的に、あるいは多少の入場税負担によって押えられるものではありません。節度あるギャンブルへの参加、これがまず何よりも必要であろうかと思います。
 また、脱税取り締まりの強化、これは御指摘を待つまでもなく、租税負担公平の確保の上からも全力をあげて取り組んでまいります。暴力団といえども看過するようなことはいたしません。ただ、駄言ではありますが、一般国民の、脱税は罪悪である、あるいはまた納税は国民一般の義務と、こういう観念の浸透が、脱税を抑制する何よりの武器であることも国民各位によく御理解いただきたいと考えます。
 最後に、たばこの有害表示については、去る三月二日の専売事業審議会の答申に基づき目下検討中でありますが、喫煙と健康の問題については、国民の関心が高まっているおりから、適切な措置を講じたいと考えております。
 以上お答えをいたします。その他の点は大蔵大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田夫君登壇、拍手〕
#22
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 わが国の租税負担が、軍事費や社会保障費が少ない関係で低いのではないか、こういうお話、私はそれは軍事費の面で特にそうだと思います。いまわが国の軍事費は予算の中で七%、まあ先進諸国の中でそんな国はございません。その防衛費、軍事費が少ないものですから、したがって、われわれの負担も少なくなる。これは私が大いにまあ皆さんにも御理解を求めて、また胸を張っていると、こういうところでございますですが、それはそのとおりでございます。もし軍事費をふやすということになりますれば、負担はふえてくる。そういう逆の関係になってくると思います。
 それから社会保障費につきましては、まあいまどんどんこれをふやしておるという過程でありますが、今後とも、これはふえていくという傾向を持つと思います。
 それから私、特に申し上げたいのは、社会保障もさることながら、社会資本のおくれの取り戻しの問題でありまして、これはずいぶん金のかかることだ、こういうふうに思いますが、その社会資本の取り戻し、社会保障ということを考えると、今後、私はもう国民の負担はそうふやす方向に持っていきたくないのです。ないが、この数年の間に二%、三%くらいのあるいはこの負担のはね上がりというものが、やむを得ないことになるのじゃないかなあとも思っておるわけでございます。できる限り国民の負担につきましては、これを低減するという方向で善処してまいりたいと、かように思います。
 それから次に、物価が七%も上がればもう所得税減税も何もあったものじゃないじゃないかというお話でございますが、物価はそういうふうに上がることは、これは好ましくありません。何とかして、これを経済見通しで言うがごとく、五・五%ぐらいに落ちつけたい、それに向かって最善を尽くすということにいたしたい、かように考えます。
 それから課税最低限の考え方について、総理府の家計調査を基準にしたらどうかというような御意見のように伺いましたが、これは百三十万円となっておるわけでございますが、この課税最低限が対象とする国民の生活、これはどういうものかというと、これはもう相対的のものでありまして、経済力がどんどんついていく、あるいは社会需要がどんどんと進化してくる、それに伴いまして、私は生活最低限というものはどんどんと上がっていく性格のものだと思うのです。私はそういう際において、わが国の税法上課税最低限の基準をどこに求めるかと、こういうことになると、これはどうしても国際社会における水準である、こういうふうに考えるのです。百三十万円という総理府家計調査のお話でございまするが、これは平均の話でございます。最低限じゃない。やはり私は最低限論議、これの課題となるのは国際社会における生活水準、こういうことを目標にすべきである、かように考えるわけであります。
 次に、法人税率を今回動かさないのはどういうわけか、これは法人税率を引き上げて法人に重課すべきではないかという御意見でございますが、これは、いまわが国の法人は非常に資本の不足で悩んでおる、自己資本がこんな日本みたいに少ない国はないくらいな状態であります。そういうような状態下におきまして、わが国の法人税法をどうするかというと、これ以上ふやすというのはどうかと思う。今日すでにこれも国際水準になってきておるわけであります法人税に、さらに重課するということはいかがであろうか。
 さらに、多田さんは、法人税に累進税率を使ったらどうだろうというお話でありましたが、これは、法人税に累進税率を使うということは、観念上は考えられないことはないわけであります。しかし、累進的な税率を設けますと、会社は幾らでも脱税の手段を講じます。そうして、大きな会社、利益のたくさん出る会社を分散するという傾向を持ち、実際問題として、これはできない、さように御承知を願います。
 なお、特別措置につきまして、いろいろ御意見があったわけでございますが、先ほどもお答え申し上げましたが、何とかして、それを整理する方向に持っていきたいというふうに考えられまするが、時代の要求とともに、もろもろの特別措置要因というものが出てくるわけでございまして、御期待に沿い得ないことを遺憾に存じておりまするが、今後とも努力をいたしたい。
 なお、交際費について特に御指摘がありましたが、交際費はお話のような考えのもとに、今回、対象経費の率を六〇%から七〇%に引き上げるという考え方をとったわけであります。
 なお、多田さんは、今後、社会資本の問題あるいは社会保障の問題で歳出が拡大するじゃないか、そういう際に、国債あるいは間接税を増徴する、あるいは付加価値税を設ける、何らかの方法をとらなければならぬと思うが、何か考え方はあるかと、こういうお話でございまするが、私は、歳出は、これは膨張の傾向にあると思うんです。やっぱり社会資本の立ちおくれということは、これは金がずいぶんかかります。そういうようなことを考えますと拡大の傾向にありまするが、しかし、さて、先ほども申し上げましたように、それに対して増税というようなこと、これはなるべく私は低目に見ていきたい、かりに間接税を増徴するというような場合がありましても、これは所得税の減税をやるというふうにいたしまして、何とかして租税負担の増高は、現在の一九%から二一、二%の程度までを目標にいたしてまいりたいと、かように考えております。
 なお、未亡人、寡婦に対する控除、これの引き上げのお話がありましたが、これは子供の乳幼児に対する控除をどうするかとか、いろいろ権衡上の問題がありまして、そう簡単にいかない点があるんであります。しかし、今後ともこの老人、寡婦等に対しまする控除につきましては努力をいたしていきたいと、かように考えておる次第でございます。(拍手)
    ―――――――――――――
#23
○副議長(安井謙君) 中沢伊登子君。
   〔中沢伊登子君登壇、拍手〕
#24
○中沢伊登子君 私は、民社党を代表いたしまして、ただいま趣旨説明のありました所得税法の一部を改正する法律案、法人税法の一部を改正する法律案及び租税特別措置法の一部を改正する法律案の租税三法について二、三の質問をいたしたいと思います。
 今回の租税三法の改正案を見ますと、その骨子は、第一に、所得税の免税点を標準五人世帯で百十三万円に引き上げ、初年度千六百六十五億円の減税を行なっていることであります。第二に、配偶者控除の適用要件である妻の所得限度額を二十二万五千円から三十一万七千円に引き上げていることであります。第三に、交際費課税の若干の強化など、租税特別措置の改廃を行なっている点であります。昭和四十六年度の一般会計予算規模は、実に九兆四千億円にのぼる膨大なものであり、国民生活に占める財政の役割りは著しく増大してきています。したがって、国民一人一人のとうとい税金によって成り立っているこの巨大化した財政の動向こそ、われわれが最も関心を持たなければならないものであります。私は現在の税制の当面する課題は大きく分けて三点あると思います。
 その第一は、常に勤労者の生計費に課税しないこと、すなわち、依然として重い現在の所得税を大幅に減税することであります。第二に、租税の大原則である税負担の公平、平等を徹底すること、すなわち、利子配当の優遇課税、交際費課税など、租税特別措置は抜本的に改革することであります。第三は、歳出の増加に見合う財源確保対策として、現在諸外国と比較しても非常に低い法人税を引き上げることであります。
 このような現在当面する諸課題から見まして、政府の来年度税制改正案はまことに中途はんぱなものであり、むしろ、自動車新税の創設などに見られるように改悪とさえ断言せざるを得ません。そこで、まず最初に、佐藤総理大臣にお伺いしたいのでありますが、私がいま述べました三点の税制改革案につき、どのような御見解を持っておられるのか、また、総理としては今後どのような方向で税制改革をなさろうとしているのか、その御所見のほどを承りたいのであります。
 次に、所得税減税について質問をいたしたいと思います。政府は、最近しばしばわが国の直接税と間接税の比率を問題にされ、現状は直接税の比率が非常に高く、したがって、国民の重税負担感がなくならないと説明されているのであります。確かにわが国の直接税と間接税の比率は、昭和四十五年度で六六%対三四%と、アメリカに次いで高い比率になっております。これが国民の重税感を高めていることはいまさら申すまでもありません。この観点を貫き、今後、直接税の比率を引き下げるべきであるとしますならば、しかも先ほどの社会党の戸田議員への御答弁にもありましたとおり、当然、来年度の所得税減税は大幅に行なわれてしかるべきであります。にもかかわらず、政府の来年度所得税減税は、所得税の自然増収六千九百億円に対しまして、わずかに千六百六十五億円にしかすぎないのであります。その減税割合は二四・一%で、昭和四十一年以降最低の割合であります。政府の言われる直接税の比率を下げていきたいという意向と、現に行なわれている政策は明らかに矛盾していると言わざるを得ないのであります。
 そこで、大蔵大臣にお聞きしたいのでありますが、直間比率は来年度税制改正によってどのようになるのか、また、その比率は現在より上がるのか下がるのか、お聞きをしたいのであります。あわせて、今後この直間比率を引き下げる場合、妥当な比率をどのように見ておられるのか、その引き下げ方法として、所得税の大幅減税を行なうのか、それとも付加価値税の創設によるのか、政府の御見解を承りたいのでございます。
 次に、老人対策と税制問題について質問をいたします。いまさら申し上げるまでもなく、これからの老人問題は、もはや社会の片すみの問題ではなく、国民すべての問題であり、政府も国民も、いまこそ全国民的な規模で老人問題を真正面から取り上げ、それへの対応策を考えなければならないときに至っているといわれているのであります。私も老人を愛し、老後の生活に全く憂いをなくしてこそ、初めて真の福祉国家が創設されると考えるのであります。このような世論が高まる中で、政府もおくればせながら老人対策に本腰を入れようとされていられるのでありますが、その中で、税制面からの老人対策が忘れられているのではないかとおそれるのであります。具体的に申しますと、老人を扶養する家族に対する配慮が現在あまりにもなさ過ぎることであります。私はたびたび見聞するのでありますが、老人とむすこ夫婦が同居している家族において、わずか月二千円の老齢福祉年金をめぐり、老人の小づかいにするのか、家計の一助にするのかでトラブルが起こっているのであります。政府の目から見れば、それはまれなる事例と言われるかもしれませんが、現在老人の約六五%は家族の扶養にたよっている現状をみますとき、このような悲しむべきことが全国でひんぱんに起こっていると見なければなりません。
 そこで、私は一つの提案を申し上げたいと思います。それはむすこ夫婦が老人を喜んで扶養するような税制上の恩典を与えてあげることです。いまの所得税制では、老人の扶養については、扶養控除として、子供の場合と同じく一律に年十三万円の控除が世帯主に認められているにすぎません。私はかつて昭和三十六年に、妻の取り扱いが扶養控除から独立し、配偶者控除として認められ、高い控除額になっている経過にかんがみ、この際、老人扶養につきましても、現在の扶養控除から独立させ、老齢者扶養控除とし、二十万円程度の控除を認めるべきであると思うのでありますが、いかがですか。この措置は、老人の地位を税制面において高めるとともに、老人を扶養する家族の負担を緩和させることにもなり、円満な老人同居家族をつくる一つの施策だと確信するのであります。
 大蔵大臣並びに厚生大臣の御理解ある御答弁を期待いたしまして、私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#25
○国務大臣(佐藤榮作君) 中沢君にお答えいたします。
 まず、所得税の負担につきましては、所得税の課税最低限がこれまでの累次の減税の結果、現在では先進欧米諸国と比べて大体その水準に達しておりますし、さらに昭和四十六年度には、最近の所得、物価等の動向を考慮して、給与所得者の課税最低限を約一〇%引き上げることといたしましたので、おおむね妥当な水準にあると考えます。
 中沢君は、勤労者の生計費には課税しないように主張されましたが、私も気持ちにおきましては異論ありません。統計の取り方によっていろいろな見方もあろうかと思いますが、私は大局的に見て、勤労者の諸君が税引き手取り額で恒常的に赤字家計となるような実態であるとは考えておりません。しかしながら、所得税の今後の減税の重点は、中小所得者、特に勤労所得者の税負担の適正化にあることは、私自身十分理解しておりますので、今後とも十分配慮してまいりたいと考えます。
 次に、租税特別措置は、一面におきまして税負担の公平をそこなうという批判のあることは否定いたしませんが、一方において、税制を通じて経済諸施策の遂行に寄与しようとするものでもあります。問題は両者のかね合いであろうかと、かように考えます。今回の改正案も、公害防止、資源開発、海外投資等に資することを目途としたものであり、その機能は正しく評価さるべきであると考えます。今後とも政策目的の合理性や政策手段としての有効性の判定は厳格に行ない、常に適切な制度であるように留意してまいりたいと思います。どこまでも平等の原則、公平、平等、これを守っていきたいと思います。
 最後に、法人税率の引き上げをはかれとの御提案がありましたが、率直に申しまして、わが国の法人税率は諸外国に比べて低過ぎるとは考えておりません。ただこの問題は、法人税制の仕組みとの関連もあり、国際比較だけから結論を得られるものでもないので、税制調査会におきまして御検討願っているところであります。なお、昭和四十六年度については、四十五年度の税制改正において十八年ぶりに引き上げをはかったところでありますので、さらに法人税率の引き上げを行なうことはただいま考えておりません。
 以上三点についてお答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#26
○国務大臣(福田赳夫君) お答え申し上げます。
 生計費には課税しないという課税最低限の原則を確立したらどうかと、こういうお話でございますが、まあ気持ちはまことにさようなとおりでございまして、ただ生計費というものは、これはもう相対的なものでありまして、固定した数字なり理論というものじゃないと思います。もう世の中が進歩してくる、それにつれまして生計費もだんだんと上がってくると、そういうふうな考え方をとるべきじゃないか、さように考えておるのでありまして、課税最低限は、これを今後ともねばり強く引き上げに努力を続けてまいりたいと、かように考えます。
 それから次に、配当や交際費などの特別措置の整理についての御苦言でございますが、これは、先ほども申し上げましたが、新たに時代の要請として、いろいろなものが租税政策として取り上げられるということが要請されるわけであります。そういうようなことで、新しい措置が採用される。せめて、その新しい措置も、既存の特別措置の整理、合理化のワク内においてこれをしたいというので努力をいたしておりますが、お考えのほどはよく私どもわかりますので、今後もこの整理、合理化には努力をいたしてまいりたいと存じます。
 また、法人税率の国際比較、国際比較は、いまアメリカが五一・六四%、ドイツが四九・〇五%、フランスが五〇%、日本が四五・〇四%、イギリスが四二・五%、こういうことになり、そう低いということでもありませんが、高いというほどでもない。大体国際水準だと、こういうふうに申し上げることができると思いますが、わが国におきましては、総体の税負担が低い。所得税、法人税を通じまして、その他酒税も入れますと、国際水準は三〇%、そういうときに、わが日本では一九・三%である。こういう全体の租税負担率が低いその中における法人税が、そういう国際比較になっておるということを考えまするときに、必ずしも、これは日本が低いと、こういうわけにはいかぬじゃないか、かように考えます。
 また、中沢さんは、直間比率六六%対三四%、これを是正するために所得税の大幅の減税をはかるべきだというようなお話でございますが、私は、これはもうまことにそのとおりだと思います。直間比率は、間接税の増徴、これでやっていくんじゃない。直接税を、特に所得税を大幅に減税する、そのために、よって生まれる欠陥を消費税、間接税によって補う、こういう考え方によるべきである、こういうふうに考える。まさに同意見でございますが、なお、私は直接税から間接税へというふうに言っておりますが、それは直接税中心主義を放棄する、こういうことじゃない。どこまでも直接税中心主義だ。しかしながら、ウエートを幾らか間接税のほうに、直接税を減税し、間接税を増徴するという方向にいくべきじゃないかということを申し上げておるわけでありまして、大幅な直間比率の改正ということを考えているわけじゃないのであります。
 それから、最後に老人福祉の問題であります。これは御承知のように、歳出面におきましても九百六十億、四十六年度予算におきましても老人対策、福祉対策に金がかかっておるわけでありますが、この老人の税制面におきましても何かできないかという御提言でございます。それで、老人といいますと、それでは乳幼児は一体どうするんだというような相対的な問題ともからまりまして、老人というカテゴリーで控除を大幅に拡大することは、これはむずかしいんです。そこで、二、三年来、老人ということじゃございませんけれども、身体障害者という範疇を、これを広義に解しまして、老人の御病気の方々、これが対象になり得るようにということにいたしているわけであります。そうしますと、扶養控除が十三万円、それから障害者控除で十一万円、合わせて二十四万円の控除になるわけでございます。しかし、老人も大事にしなければならぬということは、私も全く同感でありますので、今後ともこれが改善につきましては努力をいたしていきたい、かように思います。(拍手)
   〔国務大臣内田常雄君登壇、拍手〕
#27
○国務大臣(内田常雄君) 老人問題が今後の大きな国民的課題になってまいりますゆえんは、私は二つの原因があると思います。その一つは、現在のところは、日本はまだ老人の人口構造に占める比率は、先進諸国よりも少のうございますけれども、ここ十五年、二十年の間に急速に人口構造が老齢化するということと、もう一つは、核家族の発生によってわかりますように、国民の、両親をはじめ老齢者に対する扶養意識、家族扶養というような考え方が崩壊しつつあるというところから、老人問題は大きくなってまいると思います。これらの対策は、御承知のように、いろいろあるわけでございますが、さような見地から考えますときに、中沢さんがおっしゃられますこの老人に対しましては、所得税法の取り扱い上、扶養控除から独立させた老齢者扶養控除というようなものを設けてはどうかということにつきましては、老人政策を重視いたしております厚生大臣の私としては、もとより異存はございません。そういう趣旨で、実は先年来、大蔵省並びに税制調査会のほうにも私どもの考えを述べてまいりましたところが、いま大蔵大臣から御答弁がございましたような次第もございまして、昨年から、老齢者控除という独立した名前ではございませんけれども、障害者控除の中に、年寄りというものは、ひどい場合には寝たきり老人にもなりましょうし、その他からだの故障のある場合など多いので、障害者控除の中に包摂するように、政令の改正等を昨年来やってまいりまして、第一歩を踏み出しました。今度の改正におきましては、この老齢者扶養控除ではございませんけれども、老人ホームなどの福祉施設に関連する寄付金等を、これを非課税にするというような、そういう措置をとっていただくことにさらに一歩を踏み出しておりますので、先ほど大蔵大臣から多田議員に対する御答弁にもございましたし、いまもまたお話がございましたが、この件は大いに努力すると、こういうことでございますので、大いに大蔵大臣とも打ち合わせをいたしまして、私どもの考え方、理想の達成に努力をいたしてまいりたいと考えます。(拍手)
#28
○副議長(安井謙君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
     ―――――・―――――
#29
○副議長(安井謙君) 日程第四、国務大臣の報告に関する件(昭和四十六年度地方財政計画について)、並びに、
 日程第五、地方税法の一部を改正する法律案(閣法第四一号)及び地方交付税法の一部を改正する法律案(趣旨説明)を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#30
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 自治大臣の報告及び国会法第五十六条の二の規定による趣旨説明を求めます。秋田自治大臣。
   〔国務大臣秋田大助君登壇、拍手〕
#31
○国務大臣(秋田大助君) 昭和四十六年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度の地方財政につきましては、最近の経済情勢の推移及び地方財政の現状にかんがみ、国と同一の基調により行政経費の効率化と重点化に徹し、適切な行財政運営を行なう必要があります。
 昭和四十六年度の地方財政計画は、このような考え方を基本とし、次の方針に基づいて策定することといたしました。
 第一は、地方税負担の現状にかんがみ、個人の住民税、個人の事業税などについてその軽減合理化をはかることでございます。
 第二は、地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい環境づくりを進めるため、人口急増地域における義務教育施設その他の公共施設、過疎地域における生活関連施設等を整備するとともに、公害対策、交通安全対策、防災救急対策を積極的に推進するほか、広域市町村圏の振興などをはかることでございます。
 第三は、各種の長期計画の改定にも即応しつつ、地方財政の長期的見地から社会資本の計画的な整備を推進するため、住民の日常生活に直結する地方道、下水道、清掃施設、住宅等の各種の公共施設を整備するとともに、公共用地先行取得対策を推進することであります。
 なお、市町村の道路財源を拡充するための自動車重量譲与税を創設することといたしております。
 第四は、地方公営企業の経営の基盤を強化してその健全化をはかることであります。
 第五は、財政運営の効率化を推進するとともに財政秩序を確立することであります。
 以上の方針のもとに昭和四十六年度の地方財政計画を策定いたしました結果、歳入歳出の規模は、九兆七千百七十二億円となり、前年度に対し一兆五千九百三十九億円、一九・六%の増加となっております。
 次に、地方税法の一部を改正する法律案について、その趣旨と内容の概略を御説明いたします。
 明年度の地方税制の改正にあたりましては、住民負担及び地方財政の現状にかんがみまして、個人の住民税、個人の事業税等について負担の軽減合理化をはかり、市街化区域内の農地に対して課する固定資産税及び都市計画税について税負担の激変緩和の措置を講じつつ課税の適正化をはかるため所要の措置を講ずることとし、あわせて狩猟免許税、入猟税及び入湯税の税率の引き上げを行なうことを中心といたしております。
 以下、その概要について御説明申し上げます。
 まず、個人の住民税につきましては、住民負担の軽減をはかるため、課税最低限の引き上げを行なうこととし、基礎控除額を一万円、配偶者控除及び扶養控除の額をそれぞれ二万円引き上げることといたしました。
 次に、個人の事業税につきましては、個人事業者の負担の軽減をはかるため、事業主控除を三十六万円に引き上げることといたしました。
 また、料理飲食等消費税につきましては、旅館における免税点を千八百円に、基礎控除額を千円に引き上げるとともに、飲食店等における免税点を九百円に引き上げることといたしました。
 また、狩猟免許税及び入猟税につきましては、税負担の合理化等の見地から、その税率を三倍程度引き上げることといたしました。
 さらに、固定資産税及び都市計画税につきましては、市街化区域内の農地について、税負担の激変を緩和するための調整措置を講じつつ課税の適正化をはかるため、状況が類似する宅地の価格に比準ずる価格によって評価を行なうこととし、各年度分の税額は、市街化区域農地を、その評価額によって三つのグループに区分し、それぞれの区分に応じて一定期間従来の税額を据え置くこととし、それ以後の年度においては、市街化区域農地の区分に応じて一定の軽減率を乗じて税額を算定することといたしました。
 また、入湯税につきましては、その使途に消防施設の整備を加え、標準税率を二十円から四十円に引き上げることといたしました。
 このほか、電気ガス税の免税点の引き上げ、不動産取得税、固定資産税等の非課税範囲の拡大の措置を講ずる等所要の改正を行なうことといたしております。
 以上の改正によりまして、昭和四十六年度においては、合計八百五十二億円、平年度九百六十八億円の減税を行なうことになりますが、他方、四十八億円の増収が見込まれますので、差し引き八百四億円、平年度八百六十九億円の減収となります。
 次に、地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨について御説明申し上げます。
 昭和四十六年度の地方交付税の総額は二兆四百六十四億円、前年度当初に比して二〇・九%の伸びとなるのでありますが、その算定にあたっては、地方財政計画の策定方針とその内容に即応して、長期的見地から社会資本の計画的な整備を促進するとともに、最近の地域社会の著しい変貌に対処し、それぞれの地域の特性に応じて住みよい生活環境の整備をはかるため、地方団体の財政需要の増加に対応して、地方交付税の単位費用の改定を行なうほか、算定方法の簡素合理化その他所要の規定の整備を行なうことといたしております。
 以上が昭和四十六年度の地方財政計画の概要並びに地方税法の一部を改正する法律案及び地方交付税法の一部を改正する法律案の趣旨であります。(拍手)
#32
○副議長(安井謙君) ただいまの報告及び趣旨説明に対し、質疑の通告がございます。順次発言を許します。和田静夫君。
   〔和田静夫君登壇、拍手〕
#33
○和田静夫君 私は、日本社会党を代表し、地方税法の一部改正案、地方交付税法の一部改正案並びに昭和四十六年度地方財政計画に関連をして質問をいたします。
 国鉄山陽本線は、山口県に入ると急行が鈍行に変わると陰口がきかれています。山口県には急行停車駅がおそらく多いからでありましょう。現在工事中の山陽新幹線までが、山口県では、新岩国、徳山、小郡、下関の四カ所もとまることになっております。新岩国駅など、一日の見込み乗降客二千人にすぎず、駅ができても、駅前に建つのはハイヤー営業所ぐらいだろうと言われております。また、山口県の道路舗装率は四五・六%、これは全国平均を九・八%、中国地方各県平均を実に一五・二%も上回っている数字であります。たとえて言えば、山口県椋野−島根県益田間の県道は、島根県側に入ったとたんに平たんな舗装道路から、でこぼこ道に変わるといったぐあいであります。こうしたことは、総理をはじめとする与党のいわゆる大もの議員による国政の私物化でなくて何でありましょう。総理は、さきに、この国政私物化の思想を露骨に示した前法務大臣を更迭をしました。しかし、ことばでこそあのような露骨な言いあらわし方をしなくても、新聞報道などでもいわれているように、中曽根駅、福田駅等々があり、そして、総理の出身県の道路舗装率が異常に高いといった露骨な現状について、まず、どのような見解をお持ちでございますか。
 いま、まさに地方選挙の季節であります。この中で、多くの方々が中央直結の利益を説いておられる姿にぶつかります。この中央直結の利益とは一体何なのか、それと地方自治とはどういう関連があるのか、総理の口から御説明をいただきたいと思います。
 中央直結のチャンピオン秦野都知事選予定候補は、いわゆる四兆円ビジョンを掲げて選挙戦に臨もうとしております。いまさら申すまでもなく、この四兆円ビジョンには、与党によるその財源的担保が伴っていたはずであります。総理は、国政の私物化を具現するように、ほんとうに秦野氏を特別扱いし、その四兆円ビジョンを財源的に保証するつもりなのか。とすれば、具体的にどういう方法でそれをなされるのか。それとも、あれは選挙対策用の単なるから約束だったのか、お聞かせをいただきたいと思います。
 去る二月十九日、衆議院本会議では、地方税法及び四十六年度地方財政計画についての質疑が行なわれています。私はその全容について一読をいたしました。その中で、日本社会党の代表が地方団体のいわゆる自主財源の乏しさを指摘したのに対し、総理は、国庫補助制度そのものの合理性を説いて、みごとに問題をすりかえてしまったのであります。質問者は、あそこで国庫補助制度そのものの当否を論じたわけではありません。われわれが地方団体における自主財源の乏しさを指摘するとき、そこには自主財源の乏しさに象徴される日本の地方自治の現状への憂いの情が包み込まれているのであります。われわれが指摘しているのは、総理が合理的であると言われる国庫補助制度が、わが国においてあまりに肥大化したまま定着し、三割自治ということばに象徴されるように、近代的な意味での地方自治が不可能になっているということなのであります。この指摘が私ども一人のものではないことは、総理の諮問機関である地方制度調査会等が、行政事務の再配分、税財源の地方への大幅移譲を何度も答申していることからもおわかりになっているはずであります。総理は、わが国地方団体の近代的地方自治機能のこの欠除の現状にあぐらをかき、いたずらに国政を私物化しているような印象を与える態度を直ちに改め、謙虚にこうした意見に耳を傾けるおつもりはありませんか。
 さらに総理にお尋ねいたします。御存じのように、自治省には広域市町村圏構想というのがあります。そして建設省には地方生活圏というのがあります。この両者の圏域にズレがあるところから、各地方段階では同時指定を受けることをねらって混乱が生じたことについては、いろいろなところですでに指摘をされました。自治省は、各地で問題が起こることから、建設省と協議して、広域市町村圏の地域を数個合わせた地域が即地方生活圏となるよう調整する、そのようなことにしたようでありますが、それならば、広域市町村圏と地方生活圏とは別のものであってよいのかという疑問は依然として残るのであります。ともあれ、私がここで指摘をしたいのは、中央省庁の役人が何々計画とか何々構想とかいうのをいろいろと描く、それは疑似西欧的タームとビジョンに満ちた、絵としてはそれなりにすぐれたものであるかもしれません。しかし、それが一度地方におろされていくと、そのものとしては機能しない、まさに地方段階では補助金ほしさだけでそうした計画や構想に乗っているわけであります。したがって、一つの国の計画が変わると、県段階の計画はそのつど変わっているというのが現状であります。たとえば、これは島根県の例でありますが、自治省から広域市町村圏の構想が示された昭和四十三年度には、県計画との適合をはかるために直ちに自治省の意向を打診したところ、島根県の九ブロックによる広域行政は大体においてそのままでよいという結論に達したと、当時地元新聞の一面トップで大きく報道されたものでした。ところが、それからわずか十カ月後の四十四年六月には九ブロックが四ブロックに急変しているのであります。この急変ぶりに県民ひとしくあ然としたのでありますが、これなどは国の段階でつくられる計画の客観的存在意義の何たるかを示す象徴的な事例であると言って私は過言ではないと思います。わずかな補助金をてこに、地方段階での計画が中央官僚の小手先で動かされていっていると言っても過言ではないと思います。これでは住民の手による各地域の計画的建設といった地方自治にとって基本的なモメントが育つはずはありません。官僚の主観的意図とは別に、中央段階でつくられる計画や構想の客観的な役割りを十分考慮されて、これら計画構想づくりを少し控えさせたらどうかと思うのですが、いかがですか。
 自治大臣にお尋ねいたします。大臣は、沖繩の祖国復帰に伴う措置として、昭和四十五年で三十億の特別交付税を交付されたわけですが、昭和四十六年度はどうするつもりかお聞かせをいただきたい。
 次に、沖繩の市町村の財政の問題であります。復帰に伴って本土における現行制度を機械的につないだ場合、沖繩の市町村の財政はどのようなことになるのか、私はたいへん心配であります。私はほとんどがおそらく再建団体化するという判断を持っておりますが、自治大臣はこの点どのような判断の上に立って、どのような具体的対策を考えていらっしゃいますか、お聞きをいたします。
 二月十九日の衆議院本会議で、福田大蔵大臣はいわゆる付加税方式に触れ、「付加税方式にすると自治の本旨にもとるんだというような考え方、これはどうも少し、あまりにも保守的にすぎるのではないか」と述べておられます。一方、同じ席で自治大臣は、「付加税という形式では、地方自治を今後盛り立てていくという点におきましても、いささかどうかと考えられますので、」と、全く正反対の議論をなさっているのであります。評論家ならいざ知らず、あなた方は一つの内閣の意思の体現者であるはずであります。官僚間のなわ張りに基づく意見の違いが、そのまま大臣間の意見の違いの差異になってあらわれる傾向が最近とみに強いんでありますが、私はそういうことは許されないと、昨年四月三日のこの場所からも指摘をしたのであります。本会議という場所で、平気で二人の大臣が意見の違いを公にしている、これはもう総理大臣の責任であります。総理は、この付加税方式についての内閣の統一された意思をここに明確にすべきだと思いますが、いかがですか。
 次に、いわゆる付加税方式や徴税機構の一元化論に関連し、大蔵大臣にお尋ねいたします。大蔵省周辺には、付加税方式や徴税機構の一元化といった議論がありますが、それらの議論は主として課税技術のあり方といった面からのアプローチであるように見受けられます。しかし、私は、そこには課税技術の問題を越えた地方団体の課税権にかかわる問題が存在をすると思うのであります。つまり憲法九十四条は、「地方公共団体は、その財産を管理し、事務を処理し、」、「事務を処理し、」です、「及び行政を執行する権能を有し、法律の範囲内で条例を制定することができる。」とあり、これにリンクした形で現行地方税法上の課税権が地方団体に与えられているわけであります。したがいまして課税事務のあり方の変更は、単に課税技術の変更にとどまらず、地方自治の本旨にかかわることだという主張は、大蔵大臣がいかに保守的だと言われようと、憲法と地方税法との関連においてあらわれる法律構造がそうなっているのであります。けさの戸田議員の質問に対して、採用にあたっては慎重にいくと大蔵大臣はここでは答弁をされたのでありますが、大蔵大臣は、そういう形で慎重にいくにしても、憲法でも改正してそれをやり抜くつもりなのか、この機会にお聞かせをいただきたいと思います。法律論はともあれ、私は、税の現実的な流れの変化のうちに行政過程の変化が惹起されることを予見するがゆえに、いま考えられている付加税方式、あるいは徴税事務一元化が中央集権化を促すものとして反対せざるを得ません。何が角で何が牛であろうとも、結果的に牛を殺すことのないよう強く希求して質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#34
○国務大臣(佐藤榮作君) 政治の私物化の断固排撃されるべきことは和田君の御指摘をまつまでもありません。今日の行政は一億国民の監視のもとに、ガラス張りで行なわれているものであります。世論は政治の私物化を見のがすはずがありません。具体的にあげられた幾つかの例は、それ相当の理由が認められたからであって、全く理不尽のものであるわけではない、また私物化というわけでないと私は考えます。行政は行政としての筋を通す、また政治家は政治家としての節度と襟度を保つ、かようにして初めて国民の信を得られるのであり、今後とも十分心してまいるつもりであります。
 次に、中央直結と言われた点でありますが、中央直結ということばは必ずしも正確ではないように考えます。私は、国も地方公共団体も最終的には国民の福祉を目ざすもので、互いに敵対視し合うようなことはあるべからざることだと思います。また、地方公共団体が国に隷属する、こういった関係でないこともあらためて申すまでもありません。両者が互いにその立場を理解し合い、相協力して住民福祉の向上を目ざして施策を進めていく、これがあるべき姿だと考えます。肝心なことは、中央と地方との気持ちが通い合うことであると思います。人によって、あるいはその人の所属政党によって中央政府の態度が変わることは決してありません。真に住民福祉の向上を願うものであれば、その共通の基盤の上に立って、相携えてりっぱな行政を推進していくことが十分可能であります。社会党や共産党に属する知事諸君も、どうぞ遠慮なく政府の招集する知事会議にも御出席いただき、その抱負をお聞かせいただきたいと思います。そこに初めて十分の理解と協力の上に立った強力な行政が期待できるのであります。
 次に、いわゆる秦野君の問題でありますが、ただいま選挙に臨もうとしておる際でございますので、これについての私の意見を述べることはいかがかと思いますが、せっかくお尋ねがありましたので答えます。秦野君は、東京の改造について、住みよい東京の建設についてすぐれたビジョンを持ち、かつ、強い熱意を持ってその実現に当たろうとしているのであります。(「そのとおり」と呼ぶ者あり、拍手)私は、その熱意に対しては心から共感を覚えますので、これにはできるだけの協力もし、応援もしたい、かような気持ちでございます。東京都民も秦野君を信頼して、東京都をまかそうという気持ちになってくださることが、その前提であることは申すまでもありません。(「選挙違反だぞ」と呼ぶ者あり、その他発言する者多し)
 以上、誤解のないよう、お尋ねがありましたのでお答えをいたします。
 次に、いわゆる三割自治について所見を求められましたが、三割自治はすでに遠い過去のものであります。地方税収入をとっても、すでに四割を上回っており、一般財源ベースでは約三分の二が地方の固有財源であります。かつ、これらはこのところ着実な増加を示しているものであります。いずれにしても、固有財源のウエートをもって何割自治と言うことは、私は基本的に賛成いたしかねます。国からの補助金にしても、地方公共団体の御意見を十分に伺った上で、適切な配分を行なっているものであり、私は現在の地方行政は十割自治であると考えております。
 問題は、地方の財政需要が十分にまかなわれているかでありますが、わが国の社会資本の整備がなお不十分であり、特に住民の日常の生活に直結する地方道、下水道など、地方の行政施設の水準はかなり低位にあり、地方団体がその整備に多くの財政需要をかかえていることは十分理解しております。他方、地方財源の問題は、国・地方を通ずる公経済全体の原資の配分との関連において検討することが必要と考えますので、このような点にも配慮しつつ、地方団体が長期的、計画的にその行政を推進していくことができるよう配慮してまいります。
 次に、広域市町村圏の施策が市町村の担当する消防救急、医療、清掃、教育文化、社会福祉などの施設整備に重点を置いているのに対し、地方生活圏構想は、地方の道路、都市施設等の生活環境基盤施設の整備に重点を置くものであるため、圏域の設定や、計画の策定主体などに若干の差異があるのは、御指摘のとおりであります。しかしながら、これらが相互に合理的な関係を持つよう調整をはかっており、両施策相互に協調して地域振興の上で総合的な効果をもたらすようつとめていくものであります。国の無秩序な施策が地方行政を混乱させているという非難は当たらないものと考えます。
 最後に、地方税を付加税とする構想については、税理論上、あるいは地方自治のたてまえ上反対論のあることは私もよく承知しております。税制調査会の国税と地方税に関する中間報告においても、賛否両論あるようであります。私自身は、率直に言って、すべての地方税を国税の付加税とすることは問題でありますが、所得税と個人住民税のように税源を同じくするものについては、できるだけ統合をはかることが、納税者の事務負担軽減の上からも、国・地方の徴税費の節減の上からも、大局的に見て望ましいことと考えております。しかしながら、制度的にも大きな問題であり、今後なお各方面の十分な御検討を願った上で、政府としての最終的な方針を固めたいと考えます。
 以上、お答えをいたします。(拍手)
   〔国務大臣秋田大助君登壇、拍手〕
#35
○国務大臣(秋田大助君) 昭和四十五年度の特別交付税の措置におきまして、沖繩に三十億円の交付の措置をとりましたが、現在のところ、明年度どうするかということにつきましては、本年度と同様の措置をとることは考えておりません。
 なお、本土復帰後、沖繩の市町村の財政状態は憂慮すべき状態になることはないだろうか、再建団体にもなるのではないかというような御心配のようでございます。この点につきましては、事務当局にも命じ検討をいたしましたが、そのような心配は幸いないようでございます。
 なお、地方税の付加税制度について大蔵大臣と意見が異なるような点についての御質問がございましたが、中央・地方を通ずる税制の制度の改革等について、政治家としておのおのの立場から率直な意見をまず最初の段階で言うことは、当然のことであろうと思うのであります。しかしながら、政府として最終的に意思を決定する場合には、両者の意見を統一調整をいたしますし、また、十分その可能性のあることを確信を持っておりますので、その点はどうぞ御安心を願いたいと存じます。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#36
○国務大臣(福田赳夫君) お答えいたします。
 地方税を国税の付加税とすること、また、徴税を一本化すること、これにつきましては、いま総理からも秋田自治大臣からも申し上げたところでありますが、私、まあ十八年、政界、国会議員をやっておりますが、その十八年前をずっと振り返ってみますると、地方自治というものに対する考え方が非常に変わってきておることを感ずるのです。いま、地方税を国税の付加税とするという問題、あるいは徴税の一本化という問題ですが、そのころは、もうこれは議員の皆さんにおいても非常に神経質になっておられた。これは地方自治を侵すんじゃないだろうかというふうなことであります。今日、私はそういうことをあまり感じません。納税者にも利便であり、国と地方にも経費が簡単に済むならばそのほうがいいじゃないか、こういう議論がかなり強くなってきております。そういうようなことから、この間、衆議院でしつこく地方自治尊重論が提唱されましたので、ちょっとそれは時代におくれておるんじゃないでしょうかという発言をいたしましたが、そういう意味でございます。私は、いま法律論を展開されましたが、現にこの法律論は解決をされているという見解です。つまり、法人税につきましては法人税付加税が採用されておるわけであります。これを、なぜ所得税付加税ということを考えられないか、こういうふうに考えるわけでありまして、先ほど秋田自治大臣からお話がありましたが、私といたしましては、これは何とか推進をいたしたいという立場をとります。しかし、決して、これは過程の問題でありまして、経過中の問題でありまして、内閣の意向が分裂しておる、こういうことじゃない。議論に議論を尽くしまして、そうして最終的な結論を得たい、かように考えておる次第であります。(拍手)
    ―――――――――――――
#37
○副議長(安井謙君) 須藤五郎君。
   〔須藤五郎君「あそこの問題を早く解決して
   ください。解決しなければできないじゃな
   いか」と述ぶ〕
#38
○副議長(安井謙君) 須藤五郎君、御登壇願います。
   〔須藤五郎君登壇、拍手〕
#39
○須藤五郎君 私は、日本共産党を代表して、昭和四十六年度地方財政計画、地方交付税法の一部を改正する法律案及び地方税法の一部を改正する法律案について若干の質疑を行ないます。
 今日、地方自治体の財政問題はきわめて重大であります。政府の高度成長政策は、公害、交通事故の激増、大企業本位の開発、総合農政の押しつけなどを通じ、深刻な矛盾を地方財政に及ぼしております。すなわち、人口の大都市集中、農村の過疎化など両極端の悪化が進行し、部市では公害対策、住宅、道路、下水道、学校、保育所などの建設に膨大な財政支出を必要とし、また過疎地帯では地方財政そのものが破綻しつつあります。このような地方自治体の財政の現状に対し、佐藤内閣は十分な改善措置を講じないばかりか、地方交付税の借り上げ、超過負担の押しつけなどを平然として行ない、地方自治体の財政を圧迫しておるのであります。本来、地方自治はわが国の民主主義の最も重要な柱の一つであり、自主的な地方財政の確立は地方自治にとって不可欠の要件であります。地方財政法第二条第二項は、「国は、地方財政の自主的な且つ健全な運営を助長することに努め、いやしくもその自律性をそこない、又は地方公共団体に負担を転嫁するような施策を行ってはならない。」と規定し、また第十八条では、「国の負担金、補助金等の地方公共団体に対する支出金の額は、地方公共団体が当該国の支出金に係る事務を行うために必要で且つ充分な金額を基礎として、これを算定しなければならない。」としております。政府が今日地方財政に対してとっている態度は、この規定の精神に全く反するものと言わなければなりません。これは、政府による国の仕事の押しつけ、助言、勧告による締めつけ、天下り人事、さらには広域行政の名で進める地方制度の全面的改悪などと相まって、地方自治をますます破壊するものであります。
 そこで、総理に伺いますが、あなたは、このような地方財政の深刻な現状をどう見ておられるか。あなた方の言う中央直結の地方政治とはこのような自治の制限を当然とするのかどうか、明確にお答えを願いたいと思います。
 第二に、地方財政計画の問題であります。四十六年度地方財政計画の大きな特徴は、景気刺激のために国の予算で軍事費、海外援助費、産業基盤整備中心の公共事業費等を増加させて大型化したばかりか、地方財政をもそのために使おうとしていることであります。そのために、国の直轄事業の地方負担金や公共事業費を大幅にふやし、反面、災害復旧事業費や失業対策事業費を削り、生活保護費の伸びを小さくするなど、地方住民の生活を守るための経費を押えているのであります。これは、地方財政を大企業の利潤追求と地域開発のために奉仕させるものであります。このような財政計画は直ちに修正さるべきであると考えますが、総理並びに自治大臣の見解を伺います。
 第三に、超過負担の問題であります。
 超過負担は、地方自治体を苦しめている大きな原因であります。たとえば保育所の建設費は一カ所当たり都市近郊で二、三千万円、農村で一千万円から千五百万円を要します。ところが、政府の補助金は百五十万円から二百万円でしかありません。小学校の建設費は、用地の値上がりが最大の問題であるのに、自治体の所有地となるからという理屈でほとんどめんどうを見ていません。その上に、前年の五月の生徒数を基準にとるのですから、人口急増の地帯はプレハブ教室とならざるを得ません。この事実を総理は御承知でございましょうか。
 これに関連して、政府はさきに超過負担に関する調査を行ないましたが、四十三年度分の調査では六三%余の超過負担があることを認めながら、政府が措置を要するとした分はわずか二三%にすぎず、残りは地方自治体が一方的にやった事業だとして、その責任を転嫁したのであります。超過負担総額は、昭和四十一年度末現在で推計千四百四十三億円と発表して以来、何ら発表されておりません。超過負担は地方財政にとって重大な問題でありますから、ここで、その後の分はどうなっているのか、また、これをどのように解決しようとされるのか、自治大臣にお尋ねいたします。
 また、現在の地方財政の実情からするならば、この超過負担を解消するとともに、地方交付税率を引き上げることが緊急であると考えます。国は有力な税源を集中的につかんでおり、雑税を集めて地方財源としているのでありますから、この交付税率の引き上げは当然であります。大蔵大臣にそのお考えはないか、伺います。
 最後に、地方税法改正の問題であります。政府は、所得税の大幅減税は望めないから、住民税を中心に地方税を大幅に減税すると宣伝してきました。しかるに、本改正案による地方税の減税額は八百四億円であり、過去二年度に比べても絶対額が低く、また、自然増収七千六百六億円に対してもわずか一割強にすぎません。また、個人住民税の課税最低限は依然として低く押えられたままであり、そのために、かえって所得割り納税人口は百十万人余も増加し、大衆課税的性格は少しも改善されておりません。これでどうして住民税の大幅減税などと言えるでしょうか。地方税の大幅減税のためには、少なくとも個人住民税の免税点を所得税の免税点と同額にし、給与所得者で百四十万円に引き上げるとともに、税率を高度累進制に改めること、住民税の均等割りを撤廃すること、また、個人事業税も同様の改善をはかることが必要であります。住民税を中心とする大幅減税は、政府が毎年言ってきたところでありますが、一体、いつになったら実行しますか。明確な答弁を要求して私の質問を終わります。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#40
○国務大臣(佐藤榮作君) 須藤君にお答えいたします。
 最近の社会情勢の変化に対応して、過密、過疎の現象は激しくなるし、公害や交通事故も地方の負担を増す。同時にまた、住宅建設等いろいろの新しい仕事が出てくる。そういう際に、地方の財源を充実するということを考えているのかという基本的な問題についてのお尋ねがございました。
 私、地方団体の当面する問題は、以上のような諸点ばかりでなく、ずいぶんだくさんあると思います。そうして、その役割り等を考慮いたしまして、かねてから財源の充実については努力を重ねてきておるところであります。今回、自動車重量譲与税の創設による道路の目的財源の充実、人口急増地域、過疎地域等における施設整備に対する財政措置の強化、公害対策推進のための措置の拡充などの税財政上の措置や、国庫補助及び地方債の拡充をはかった観点は、これらに対応するものであります。
 また、四十六年度の地方財政計画は、十四年ぶりに国の一般会計の規模を上回ることとなったのであります。国民生活に密着した行政は、地方自治体の任務であり、国民福祉の向上のためにも、地方自治体の財源充実につきまして今後とも十分留意してまいらなければならないと思います。
 以上お答えをいたしました。その他の点については各大臣からお答えいたします。(拍手)
   〔国務大臣秋田大助君登壇、拍手〕
#41
○国務大臣(秋田大助君) 年来いろいろ地方行財政に課せられた問題は多くなってまいりまして、経費も増高いたしております。したがいまして、地方交付税の国との貸借というようなものをことしからやめたわけであります。なお、この交付税の税率の引き上げにつきましては、国、地方との間の事務の配分の問題、税負担の区分の問題、あるいは負担の区分の問題等いろいろの関係がございます。これらの関係を勘案しつつ今後関係方面とひとつ連絡検討をしてみたいと考えております。
 一般に今度の地方財政計画では地方の単独事業分の伸びが少ないじゃないか、地方住民の真のしあわせのために、いろいろその仕事に事欠かないかというような御心配でございます。確かに景気の動向を反映いたしまして、明年度の財政計画におきましては、従来のような財源の伸びが期待できないために、地方単独事業の伸び率も昨年度とでは減っておりますけれども、なお地方財政計画一般の伸び、一九・六%をこえまして二二・三%の伸びもございます。重点的に効率的な運用をいたしまして、この計画の中で十分効果をあげてまいりたい。今後もまた、この点につきましては十分配慮を、充実強化を考えてまいりたいと考えております。
 なお、国の負担に関連いたしまして、補助負担に関係いたしまして、超過負担が地方財政へ重くのしかかっていくではないかという点でございます。この点につきましては、昭和四十二年度、三年度、その大きいものについて調査をいたしまして、四十三年は三百二十億円の超過負担を解決するための措置をとりました。四十四年には三百十二億円、四十五年には四百五十三億円、明年度につきましては百九十億円を措置いたしているわけであります。今後、これでだいぶ解決いたしましたが、まだ相当残っているのが実情でございまして、関係省とも十分連絡をいたしまして、さらに実情を調査いたしてまいりたい。そして、これが負担の解消に前向きに真剣に検討をしてまいりたい。従来の例によりまして解決してまいりたいと考えております。
 なお、住民税の課税最低限、あるいは個人事業税の事業主控除の引き上げの問題について御指摘がございましたが、先ほど戸田さんにお答え申し上げましたとおり、自治省といたしましては、国民生活関係の推移あるいは所得税の課税最低限の推移、地方財政の状況等を勘案いたしまして、極力、地方住民の負担軽減のために、従来もやってまいりましたが、今後もひとつ事情の許す限り課税最低限の引き上げ、また、事業主控除の引き上げを行ないまして、住民負担の軽減に努力してまいる所存でございます。(拍手)
   〔国務大臣福田赳夫君登壇、拍手〕
#42
○国務大臣(福田赳夫君) 私に対するお尋ねは、交付税率を引き上げる考えはあるか、こういうお話でございますが、さようなことは毛頭考えておりません。(拍手)
    ―――――――――――――
#43
○副議長(安井謙君) 和田静夫君から、先ほどの内閣総理大臣の答弁に関し発言を求められました。これを許します。和田静夫君。
   〔和田静夫君登壇、拍手〕
#44
○和田静夫君 総理に再びお尋ねをいたしますが、先ほど私が指摘をいたしましたのは、秦野東京都知事選予定候補が、いわゆる四兆円ビジョンを掲げて選挙戦に臨もうとしている、これに対しては、政府与党によるその財源的担保が伴っていたはずであろう、総理は、国政の私物化を具現するように、ほんとうに秦野氏を特別扱いして、その四兆円ビジョンを財源的に保証するつもりなのかと尋ねたのであります。これに対しては具体的にお答えがなかったのですが、ビジョンについては、りっぱであり、これに協力をする、そういう意味の答えをされたのですから、それならば、私が引き続き質問をした、保証をするつもりとすれば具体的にどういう方法でそれをなすのか答えてもらいたいと私は述べたのであります。それに対しては答弁がないのであります。
 さらに、都民はこれを望んでおると、総理はここで答えられたのであります。これはたいへん重要なのであります。選挙の結果が出ない状態において、総理はどうしてこのような判断をされたのか。さらに、具体的な方法について明示がない限り、国会軽視もはなはだしい。こういうことになろうと私は思うのでありまして、この部分については、再び明快な答弁を求めたいと思います。(拍手)
   〔国務大臣佐藤榮作君登壇、拍手〕
#45
○国務大臣(佐藤榮作君) 重ねてのお尋ねですからお答えをいたします。
 まあ本来、ただいま立候補するという、そういう人についての問題でありますから、最初にお断わりいたしましたように、特にお尋ねがなければ私はお答えするはずもない、そういうものでございます。だが、せっかくお尋ねがあったから私の気持ちを率直に申したというのが先ほどの答弁であります。その中には、確かに、四兆円ビジョンというものに対してどうするかという、そういうことについては、ただ、協力するという表現はいたしましたが、それより以上に突っ込んだものはございません。これは、申すまでもなく、いずれは、そのビジョンが、当選した暁においてはおそらく具体的な問題として、それぞれの手続をとって政府に要求されることだと思います。事前に、私どもが前もって約束すべき筋の金額でないことは、これはもうおわかりだと思います。国会を無視して私どもがそれについて約束するはずはございませんから、その点はおわかりだろうと思います。私は、そういう意味で、ただ秦野君のなかなか熱意のあるところ、これを買って表現をしただけなのであります。
 それから、都民の賛成を得られるだろうということも申しました。これは、確かに一部においては、表現は――受け取り方でございますけれども、そういう方も現実にあるのですから、そのことは御了承おき願いたい、かように思います。(拍手)
#46
○副議長(安井謙君) これにて質疑の通告者の発言は全部終了いたしました。質疑は終了したものと認めます。
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#47
○副議長(安井謙君) 日程第六、貸付信託法の一部を改正する法律案。
 日程第七、預金保険法案。
  (いずれも内閣提出、衆議院送付)
 以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
#48
○副議長(安井謙君) 御異議ないと認めます。
 まず、委員長の報告を求めます。大蔵委員長柴田栄君。
   〔柴田栄君登壇、拍手〕
#49
○柴田栄君 ただいま議題となりました二法律案について申し上げます。
 まず、貸付信託法の一部を改正する法律案は、資金需要の多様化等に伴う国民経済的要請に即応するため、貸付信託の資金供給の分野を改めるとともに、支払い準備の充実等に資するため、信託財産の運用方法として、新たに有価証券取得の道を開こうとするものであります。
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 次に、預金保険法案は、一般預金者の保護に万全を期し、信用秩序の維持に資するため、金融機関の預金等の払い戻しを保障する預金保険制度を創設し、その業務を行なわせるため、預金保険機構を設立しようとするものであります。
 委員会においては、参考人から意見を聴取するとともに、政府に対して質疑を行ないましたが、その詳細は会議録に譲りたいと思います。
 質疑を終了し、討論なく、採決の結果、貸付信託法の一部を改正する法律案は多数、預金保険法案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。
 なお、両法案に対し、それぞれ、玉置猛夫委員より、自民、社会、公明、民社四党共同の附帯決議案が提出され、いずれも全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。
 右御報告申し上げます。(拍手)
#50
○副議長(安井謙君) 別に御発言もなければ、これより採決をいたします。
 まず、貸付信託法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#51
○副議長(安井謙君) 過半数と認めます。よって、本案は可決せられました。
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#52
○副議長(安井謙君) 次に、預金保険法案全部を問題に供します。本案に賛成の諸君の起立を求めます。
   〔賛成者起立〕
#53
○副議長(安井謙君) 総員起立と認めます。よって、本案は全会一致をもって可決せられました。
 本日はこれにて散会いたします。
   午後零時四十分散会
ソース: 国立国会図書館
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